JP2002538185A - 血小板を保存するための組成物及び方法 - Google Patents

血小板を保存するための組成物及び方法

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ウラディミール エル セレブレンニコフ
デイビッド オー ルーカス
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Abstract

(57)【要約】 患者に直接輸血するのに好適な血小板組成物が提供される。血小板組成物は、保存媒体であって、血漿と、該血漿に対して、該媒体が、約37℃では十分に流れる状態で、該媒体内で血小板を移動させ、かつ約5℃では、十分にゼラチン様状態で、該媒体内で血小板が自由に移動するのを実質的に妨げるような濃度のゲル形成物質とを含有する保存媒体;及び血小板を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 同時係属出願に対する関係 この出願は、1998年10月30日提出の表題「生物学的物質を保存するための方法
及び装置」の米国特許出願第09/183,581号の一部継続出願であり、その内容は参
照によって本明細書に取り込まれる。 発明の分野 本発明は、生物学的物質を保存するための組成物、方法及び装置に関する。さ
らに詳しくは、本発明は、血小板の保存期間を延長するための組成物、方法及び
装置に関する。
【0002】 発明の背景 最近40年の間に、血液、皮膚及び他の組織、腎臓、心臓、肝臓及び他の体器官
のような生物学的物質の治療的使用の必要性が劇的に増加してきた。赤血球、血
小板、凝固因子、アルブミン、及び抗体を含む、血液及び血小板成分は、種々の
出血の問題を治療するために単離かつ使用される。特に、ヒト血液の必須成分で
ある血小板は、患者の出血のコントロール及び機能的に欠損血小板を元に戻すの
を助けるために広範に使用されている。例えば、血小板の輸血は、大量の血液を
失った外傷の患者、血小板の数を減少させ、かつ残りの血小板に機能欠損を起こ
す化学療法を行っている患者、及び特定の血小板枯渇病の患者に必要とされる。
【0003】 全血の成分は、白血球(白血細胞)、赤血球(赤血細胞)、栓球、血小板及び血漿
を包含する。血小板は、全細胞ではないが骨髄中の巨核球と呼ばれる大きい細胞
の皮質細胞質から誘導された小さい分離した細胞フラグメント又は「ミニ細胞」
である。血小板は、外膜と、顆粒、濃密体、濃密管系及びミトコンドリアを含む
巨核球由来の細胞質とを含む。血小板は、特に損傷された血管の内皮細胞ライニ
ングに付着し、その内皮細胞ライニングとの接触に応じて止血、又は凝固を引き
起こし或いは関与し、炎症媒介物を放出する。血小板によって放出される重要な
媒介物としては、セロトニン及び凝固因子が挙げられる。血管の破れは血小板が
付着して修復され、損傷に対する応答は、血小板分泌の結果血小板の凝集及びフ
ィブリン形成、すなわち血塊が固定されることによって増幅される。
【0004】 体から分離後、血小板の生物活性を維持するのみでなく臨床的使用に適するよ
うな状態で血小板を保存することは非常に重要である。体内の血小板が骨髄を出
た後の平均的な寿命は、8〜10日である。血小板を循環させるために平均的に期
待される平均的な寿命は4〜5日であり、集団全体の平均である。体から分離さ
れた後の血小板の平均的な寿命は、室温で約5日である。
【0005】 血小板保存の現在の標準的かつ認可された方法は、室温の血小板バッグ内であ
り、かつ5日に制限されている。保存期間は、嫌気性代謝活性に伴うラクテート
の増加に起因するpHの減少によって制限されると考えられる。さらに、血漿中
の血小板のバッグは、ロッカー上で常に動かして凝集を防止しなければならない
。室温下での血小板の保存に伴う欠点の1つは、血小板懸濁液内での細菌の増殖
である。冷蔵庫に保存された懸濁液中の血小板は、細菌の増殖は抑制されるが、
相互に接触すると活性化して凝集する傾向がある。
【0006】 低温保存(凍結)法のようないくつかのアプローチが、保存後の血小板の数を
増加させてきた。しかし、これら方法によるこのような保存条件から再生されて
循環される血小板の機能的能力及び持続性には制限がある。凍結温度は、これら
生物学的物質に対する損傷を防止するために、DMSO(ジメチルスルホキシド
)(Valeri,Feingold,and Martchionni,Blood,Vol.1,(1月)1974)及びTHROMBOS
OTMのような凍結保護剤の使用を必要とする。しかし、これら凍結保護剤は細胞
毒性であり、かつ通常血小板のかなりの部分の機能活性を低減し、或いは無くし
てしまう。さらに、凍結保護剤は、通常、その物質を使用する前のリンスプロセ
スのような時間のかかる調製を必要とし、それでも凍結保護剤の残渣は後に残っ
ていることが多い。凍結プロセスは、赤血球を30日より長く保存できるが、白血
球は12時間までである。
【0007】 血小板を保存するための他の試みは、血小板活性化開始剤(Bode,Holme,Heato
n and Swanson,Vox Sang,60:105-112(1991);米国特許第5,622,867号、又はゼラ
チンを保存媒体中に添加することを含む(米国特許第2,786,014号)。 生物学的物質、特に血小板の保存期間を延長し、なおそれらの生存能力及び生
物活性を維持する保存系が、継続的に要望されている。
【0008】 発明の概要 本発明は、生物学的物質、特に血小板の保存を延長するための組成物、方法及
び装置に関する。 一実施形態により、患者に直接輸血するのに好適な血小板組成物であって、以
下を含有する血小板組成物が提供される:保存媒体であって、血漿と、該血漿に
対して、該媒体が、第1の温度では十分に流れる状態で、該媒体内で血小板を移
動させ、かつ第2の低温では、十分にゼラチン様状態で、該媒体内で血小板が自
由に移動するのを実質的に妨げるような濃度のゲル形成物質とを含有する保存媒
体;及び血小板。 この実施形態では、第1の温度は、好ましくは約37℃であり、第2の温度は、
好ましくは約5℃である。
【0009】 他の実施形態により、患者に直接輸血するのに好適な血小板組成物であって、
以下を含有する血小板組成物が提供される:保存媒体であって、血漿と、該血漿
に対して、該媒体が、第1の温度では十分に流れる状態で、該媒体内で血小板を
移動させ、かつ第2の低温では、十分にゼラチン様状態で、該媒体内で血小板が
自由に移動するのを実質的に妨げるような濃度のゲル形成物質とを含有する保存
媒体;及びゼラチン様状態の前記保存媒体内に、少なくとも3日間保存され、そ
の少なくとも3日間後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能的である
血小板。 この実施形態では、第1の温度は、好ましくは約37℃であり、第2の温度は、
好ましくは約5℃である。
【0010】 また、この実施形態により、血小板は、少なくとも5日間、さらに好ましくは
少なくとも7日間保存媒体内に保存されうる。また、この実施形態により、血小
板は、3乃至20日間、さらに好ましくは5乃至20日間、保存媒体内に保存されう
る。血小板のより長期間の保存も可能である。 また、この実施形態により、血小板は、10℃未満、好ましくは−10℃乃至10℃
の温度で、保存媒体内に保存されうる。一変形では、血小板は、1ATMで0℃乃
至10℃の温度、さらに好ましくは1ATMで0℃乃至5℃の温度で保存される。別
の変形では、血小板は、10ATMより高い圧力で−10℃乃至10℃の温度で、さらに
好ましくは10ATMより高い圧力で-8℃乃至−2℃の温度で保存媒体内に保存され
る。
【0011】 他の実施形態により、患者に直接輸血するのに好適な血小板組成物であって、
以下を含有する血小板組成物が提供される:保存媒体であって、血漿と、該血漿
に対して、該媒体が、第1の温度では十分に流れる状態で、該媒体内で血小板を
移動させ、かつ第2の低温では、十分にゼラチン様状態で、該媒体内で血小板が
自由に移動するのを実質的に妨げるような濃度のゲル形成物質とを含有する保存
媒体;及びゼラチン様状態の前記保存媒体内に、少なくとも10ATMの圧力及び0
℃未満の温度で、少なくとも1日間保存され、その少なくとも1日間後に、前記
血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能的である血小板。 この実施形態では、第1の温度は、好ましくは約37℃であり、第2の温度は、
好ましくは約5℃である。
【0012】 また、この実施形態により、血小板は、少なくとも30ATM、さらに好ましくは
少なくとも70ATM、最も好ましくは200ATMの圧力で、保存媒体内に保存されうる
。 この実施形態により、血小板は、少なくとも3日間、さらに好ましくは少なく
とも5日間、最も好ましくは少なくとも7日間、保存媒体内に保存されうる。ま
た、この実施形態により、血小板は、2乃至20日間、さらに好ましくは3乃至20
日間、保存媒体内に保存されうる。血小板のさらに長期の保存も可能である。
【0013】 本発明は、患者に直接輸血するための血小板を保存する種々の方法にも関する
。一実施形態では、本方法は、以下を包含する: 血小板と、保存媒体とを含有する流れるような血小板組成物であって、前記保
存媒体が、血漿と、該血漿に対して、該媒体が、第1の温度では十分に流れる状
態で、該媒体内で血小板を移動させ、かつ第2の低温では、十分にゼラチン様状
態で、該媒体内で血小板が自由に移動するのを実質的に妨げるような濃度のゲル
形成物質とを含有する流れるような血小板組成物を生成する工程; 前記流れるような保存媒体を冷却して、該保存媒体内の前記血小板の移動を実
質的に妨げるのに十分なゼラチン様状態を形成する工程;及び 前記血小板を、ゼラチン様状態の前記保存媒体内に、少なくとも3日間保存す
る工程であって、前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷
かつ機能的である工程。 この実施形態では、第1の温度は、好ましくは約37℃であり、第2の温度は、
好ましくは約5℃である。
【0014】 この実施形態により、血小板は、少なくとも3日間、さらに好ましくは少なく
とも5日間、最も好ましくは少なくとも7日間、保存媒体内に保存されうる。ま
た、この実施形態により、血小板は、3乃至20日間、さらに好ましくは5乃至20
日間、保存媒体内に保存されうる。血小板のさらに長期の保存も可能である。 また、この実施形態により、血小板は、10℃未満、好ましくは−10℃乃至10℃
の温度で、保存媒体内に保存されうる。一変形では、血小板は、1ATMで0℃乃
至10℃の温度、さらに好ましくは1ATMで0℃乃至5℃の温度で保存される。別
の変形では、血小板は、保存媒体内に、10ATMより高い圧力で−10℃乃至10℃の
温度で、さらに好ましくは10ATMより高い圧力で-8℃乃至−2℃の温度で保存さ
れる。
【0015】 他の実施形態により、患者に直接輸血するための血小板を保存する方法であっ
て、以下を包含する方法が提供される: 血小板と、保存媒体とを含有する流れるような血小板組成物であって、前記保
存媒体が、血漿と、該血漿に対して、該媒体が、第1の温度では十分に流れる状
態で、該媒体内で血小板を移動させ、かつ第2の低温では、十分にゼラチン様状
態で、該媒体内で血小板が自由に移動するのを実質的に妨げるような濃度のゲル
形成物質とを含有する流れるような血小板組成物を生成する工程; 前記流れるような保存媒体を冷却して、該保存媒体内の前記血小板の自由な移
動を実質的に妨げるのに十分なゼラチン様状態を形成する工程;及び 前記血小板を、ゼラチン様状態の前記保存媒体内に、少なくとも0℃未満の温
度かつ少なくとも10ATMの圧力で、少なくとも1日間保存する工程であって、前
記少なくとも1日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能的である工
程。 この実施形態では、第1の温度は、好ましくは約37℃であり、第2の温度は、
好ましくは約5℃である。
【0016】 また、この実施形態により、血小板は、保存媒体内に、少なくとも30ATM、さ
らに好ましくは少なくとも70ATM、最も好ましくは200ATMの圧力で保存されうる
。 この実施形態により、血小板は、少なくとも3日間、さらに好ましくは少なく
とも5日間、最も好ましくは少なくとも7日間、保存媒体内に保存されうる。ま
た、この実施形態により、血小板は、3乃至20日間、さらに好ましくは5乃至20
日間、保存媒体内に保存されうる。血小板のさらに長期の保存も可能である。
【0017】 上記すべての組成物及び方法について、保存後血小板の少なくとも65%、さら
に好ましくは血小板の少なくとも75%、最も好ましくは血小板の少なくとも85%
が、無傷かつ機能的である。 また、上記すべての組成物及び方法について、ゲル形成物質は、その濃度は使
用する特定のゲル形成物質によって可変であるが、好ましくは保存媒体の0.2%
乃至4%を構成する。使用可能なゲル形成物質の例としては、限定するものでは
ないが、ゼラチン、アガロース、寒天、ペクチン、イナゴマメカシア、及びキサ
ンタンゴム、コンニャクゴム、ガーゴム、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム
、カラゲナン、イルガカンス(irgacanth)ゴム及びヒドロキシエチルメタクリラ
イック(methacrylaic)のような天然若しくは合成水溶性ゴムが挙げられる。
【0018】 また、上記すべての組成物及び方法について、保存媒体は、さらにエネルギー
源を含んでよい。エネルギー源は、好ましくは保存媒体の0乃至5%、さらに好
ましくは保存媒体の0.25乃至5%、最も好ましくは保存媒体の0.5乃至5%を構
成する。種々多様のエネルギー源を使用できる。最も典型的には、エネルギー源
は、糖のような炭水化物である。エネルギー源の特定の例としては、グルコース
、スクロース、マンノース、フルクトース及びガラクトースが挙げられる。 また、上記すべての組成物及び方法について、保存媒体は、さらに水溶性塩を
含んでよい。塩は、好ましくは保存媒体の0乃至2%を構成する。塩の例として
は、限定するものではないが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウ
ム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム及びグルコン酸ナトリウムが挙げられる
【0019】 また、上記すべての組成物及び方法について、保存媒体は、さらに抗凝血剤を
含んでよい。使用可能な抗凝血剤の例としては、ヘパリン、シトレートデキスト
ロース、シトレートホスフェートデキストロース、アマンタジン、アジョエン(a
joene)及びチクロピジンが挙げられる。 また、上記すべての組成物及び方法について、保存媒体は、さらにアミノ酸を
含んでよい。使用可能なアミノ酸の例としては、アルギニン、リジン、アスパル
テート及びグルタメートが挙げられる。
【0020】 本発明は、生物学的物質の保存用装置にも関する。一実施形態では、装置は、
口及びリップを有するチャンバを含み、このリップは内面と上面を有し、このリ
ップの内面と上面は、第1の半径で交わり、リップの上面はチャネルを有する。
装置は、チャンバと番わせて封鎖するために配置されるカバーをも含み、このカ
バーは底面を有し、この底面は突部と封鎖構造を有し、カバーの底面と突部は、
第2の半径で交わり、この突部は、カバーがチャンバと番われるときにチャンバ
の口内に挿入され、該突部は側面を有し、突部の側面とリップの内面は、第1の
ギャップを画定し、かつカバーがチャンバと番われるとき実質的に平行であり、
カバーの底面とリップの上面は、第2のギャップを画定し、かつカバーがチャン
バと番われるとき実質的に平行であり、この第2のギャップは、第1のギャップ
より長く、前記封鎖構造は、カバーがチャンバと番われるときにリップのチャネ
ル中に挿入される。
【0021】 発明の詳細な説明 本発明は、生物学的物質、特に血小板を長期間保存するための組成物、方法及
び装置を提供する。本発明により、高収率で機能的に無傷の血小板を回復させて
、直接臨床的な血小板輸血に使用することができる。 1.血小板組成物 本発明は、患者に直接輸血するのに好適な種々の血小板組成物を提供する。一
実施形態では、血小板組成物は以下を含有する:保存媒体であって、血漿と、該
血漿に対して、該媒体が、第1の温度では十分に流れる状態で、該媒体内で血小
板を移動させ、かつ第2の低温では、十分にゼラチン様状態で、該媒体内で血小
板が自由に移動するのを実質的に妨げるような濃度のゲル形成物質とを含有する
保存媒体;及び血小板。
【0022】 本実施態様によれば、第1温度は好適には約37℃であり、第2温度は好適には
約5℃である。 血小板は、相互に接触するときに活性化しかつ凝集する傾向がある。ゲル形成
物質が血漿中の血小板懸濁液に添加される場合、得られた血小板保存媒体は十分
な流動状態にあり、適度に撹拌した後の媒体内で血小板は移動し不連続に分布し
得る。血小板組成物を冷却する場合、ゲル形成物質は、保存媒体を十分にゼラチ
ン状にして既に分布した血小板の間に物理的障壁を形成する。この点で、血小板
がゼラチン状媒体内で自由に移動することを防止する。ゼラチン状媒体は、また
、血小板形態学を維持するとともに血小板の内容量が冷却過程で変化したときに
血小板膜の変形をできるだけ小さくする構造上の支持体を与える。ゼラチン状媒
体は、又は血小板とその周囲との間での生化学的交換を減少させることにより血
小板代謝を低下させる。保存媒体内に血漿を含むと、血小板の未変性条件を模倣
することにより血小板の生存が高められると思われる。従って、血小板の機能的
統合性の保持が本発明によって示された保存条件下で改善される。結果として、
血小板の%が高いと、本発明に従って保存した後も、血液凝固の促進のような生
物学的機能が行われ得る。
【0023】 血小板の保存寿命は、保存媒体中でゼラチン状態で保存することにより巧く伸
ばすことができる。血小板は、血小板の少なくとも50%が保存期間後に無傷かつ
機能的である場合に、保存媒体中で少なくとも3日間、好適には少なくとも5日
間、最適は少なくとも7日間保存することができる。 本実施態様によれば、また、血小板は、保存媒体中で3〜20日間、好適には5〜
20日間保存することができる。血小板の更に長い保存も可能である。 本実施態様によれば、また、血小板は、保存媒体中で10℃未満、好適には-10
℃〜10℃の温度で保存することができる。態様においては、血小板を1 atmで0〜
10℃の温度において、好適には1 atmで0〜5℃の温度において保存する。他の態
様においては、血小板を保存媒体中で10 atmより高い圧力で-10℃〜0℃の温度に
おいて、好適には10 atmより高い圧力で-8℃〜2℃の温度において保存する。
【0024】 他の実施態様によれば、血漿及びゲル形成物質を媒体が血小板を媒体中で移動
させることができる第1温度で十分な流動状態にありかつ血小板を媒体中で自由
に移動させることをほとんど防止する更に低い第2温度で十分なゼラチン状態に
あるように該血漿に相対する濃度で含む保存媒体; 及び血小板の少なくとも50%
が少なくとも1日後に無傷かつ機能的である場合に、ゼラチン状態の該保存媒体
中で少なくとも10 atmの圧力で0℃において少なくとも1日間保存される血小板を
含む、患者に直接輸血するのに適した血小板組成物が提供される。
【0025】 本実施態様によれば、第1温度は好適には約37℃であり、第2温度は好適には約
5℃である。 本実施態様によれば、血小板は、保存媒体中で少なくとも30 atm、好適には少
なくとも70 atm、最適には少なくとも200 atmの圧力で保存することができる。 本実施態様によれば、血小板は、保存媒体中で少なくとも3日間、好適には少
なくとも5日間、最適には少なくとも7日間保存することができる。 また、本実施態様によれば、血小板は、保存媒体中で3〜20日間、好適には5〜
20日間保存することができる。血小板の更に長い保存も可能である。 本発明の組成物のすべてについて、血小板の少なくとも65%、好適には血小板
の少なくとも75%、最適には血小板の少なくとも85%が保存後に無傷かつ機能的
であることが好ましい。
【0026】 ゲル形成物質は、好ましくは保存媒体の0.2〜4%を構成しているが、その濃度
は異なってもよく、使用される具体的なゲル形成物質に左右される。使用するこ
とができるゲル形成物質の例は、ゼラチン、アガローズ、寒天、ペクチン、カロ
ブカッシア又は天然又は合成水溶性ガム類が挙げられるがこれらに限定されない
。ゲル形成物質の多くは市販されている。典型的には天然供給源から抽出され、
添加剤として様々な食品にしばしば用いられている。水溶性多糖ガム類の例は、
キサンタンガム、コンニャクガム、グァーガム、アラビアガム、アルギン酸ナト
リウム、カラゲナン又はイルガカントガムが挙げられる。合成水溶性ゲル形成物
質としては、ヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられる。
【0027】 保存媒体は、更に、媒体の高張性を高めるエネルギー源を含むことができる。
そのエネルギー源は、好ましくは保存媒体の0〜5%、更に好ましくは保存媒体の
0.25〜5%、最も好ましくは保存媒体の0.5〜5%を構成している。 様々なエネルギー源を使用することができる。最も典型的なエネルギー源は、
糖のような炭水化物である。エネルギー源の具体例としては、グルコース、スク
ロース、マンノース、フルクトース又はガラクトースが挙げられる。更に、スク
ロースは細胞膜の損傷を修復することができ、グルコースは冷却過程による酸素
の不十分な状態で細胞代謝を維持する栄養素を与える。スクロースやグルコース
のような炭水化物は水と結合するので、ゲル形成を促進するとともに血小板内の
浸透圧上昇を抑える。
【0028】 保存媒体は、更に、水溶性塩を含むことができる。塩は、好ましくは保存媒体
の0〜2%を構成している。塩の例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム又はグルコン酸ナトリウム
が挙げられるがこれらに限定されない。例えば、塩化ナトリウムは、冷却中の血
小板への水の流れを阻止することにより溶血を防止する。血小板は20℃より低い
温度に冷却されるにつれて、細胞質がコロイドからゲルに変化し、遊離水が細胞
に残る。血小板が更に冷却されるにつれて、高張濃度のNaClによって水が血小板
に再入することが妨げられる。塩化ナトリウムは、また、血漿の凝固点を2.5℃
だけ下げる。
【0029】 保存媒体は、更に、抗凝固物質を含むことができる。使用することができる抗
凝血物質の例としては、ヘパリン、クエン酸デキストロース、クエン酸リン酸デ
クトロース、アマンタジン、アジョエン又はチクロピジンが挙げられる。 保存媒体は、更に、アミノ酸を含むことができる。使用することができるアミ
ノ酸の例としては、アルギニン、リシン、アスパラギン酸塩又はグルタミン酸塩
が挙げられる。 好適実施態様においては、保存媒体は1〜3%のゼラチンを含んでいる。冷却す
るにつれて、ゼラチンによって保存媒体が凝固し、得られたゲルマトリックスが
血小板間の物理的障壁となる。従って、生成したゲルマトリックスが細胞を保存
媒体に懸濁し、血小板の沈降と凝集を減少させる。 更に好適な実施態様においては、保存液は、ゼラチン1.0〜3.0%、グルコース
1.0〜2.0%、スクロース1.0〜3.0%、及びNaCl 0.2〜0.6%を含んでいる。
【0030】 2. 血小板の保存方法 本発明は、患者に直接輸血するための血小板を保存する様々な方法を提供する
。実施態様によれば、本方法は、 1) 血小板、及び血漿及びゲル形成物質を媒体が血小板を媒体中で移動させるこ
とができる第1温度で十分な流動状態にありかつ血小板を該媒体中で自由に移動
させることをほとんど防止する更に低い第2温度で十分なゼラチン状態にあるよ
うに該血漿に相対する濃度で含む保存媒体を含む流動性血小板組成物を形成する
段階; 2) 該流動性保存媒体を冷却して該保存媒体中で該血小板の自由運動をほとんど
防止する十分なゼラチン状態を形成する段階; 及び 3) 該血小板をゼラチン状態の該保存媒体中で該血小板の少なくとも50%が少な
くとも3日後に無傷かつ機能的である場合に少なくとも3日間保存する段階 を含んでいる。 本実施態様によれば、第1温度は、好ましくは約37℃であり、第2温度は、好ま
しくは約5℃であるが、異なる第1温度と第2温度を用いることができる。
【0031】 例えば、血小板組成物は、血小板をゲル形成物質と血漿を含む保存媒体に約37
℃で懸濁することにより形成される。保存媒体が流動状態にあるので、適度な撹
拌後に血小板は媒体中で不連続に分布させ得る。ゲル形成物質が保存媒体を十分
にゼラチン状にして既に分布した血小板間に物理的障壁を形成する場合、血小板
組成物を約5℃まで徐々に冷却させ得る。その条件下で、血小板がゼラチン状媒
体中で自由に移動すること及び相互に接触するときに活性化することを防止する
。結果として、血小板は、長時間保存され得るとともになお機能的統合性を維持
し得る。 本実施態様によれば、血小板は、保存媒体中で少なくとも3日間、好適には少
なくとも5日間、最適には少なくとも7日間保存することができる。本実施態様に
よれば、また、血小板は、保存媒体中で3〜20日間、好適には5〜20日間保存する
ことができる。血小板の更に長い保存も可能である。 本実施態様によれば、また、血小板は、保存媒体中で10℃未満、好ましくは-1
0℃〜10℃の温度で保存することができる。態様においては、血小板は、1 atmで
0〜10℃の温度において、更に好ましくは1 atmで0〜5℃の温度において保存され
る。
【0032】 他の実施態様においては、血小板を大気圧より高い圧力下でゼロ未満温度で保
存する方法が提供される。本方法は、 1) 血小板、及び血漿及びゲル形成物質を媒体が血小板を媒体中で移動させるこ
とができる第1温度で十分な流動状態にありかつ血小板を媒体中で自由に移動さ
せることをほとんど防止する更に低い第2温度で十分なゼラチン状態にあるよう
に該血漿に相対する濃度で含む保存媒体を含む流動性血小板組成物を形成する段
階; 2) 該流動性保存媒体を冷却して該保存媒体中で該血小板の自由運動をほとんど
防止する十分なゼラチン状態を形成する段階; 及び 3) 該血小板をゼラチン状態の該保存媒体中で該血小板の少なくとも50%が少な
くとも1日後に無傷かつ機能的である場合に少なくとも10 atmの圧力で0℃より低
い温度において少なくとも1日間保存する段階 を含んでいる。 本実施態様によれば、血小板は、保存媒体中で好ましくは少なくとも30 atmの
圧力で、更に好ましくは少なくとも70 atmの圧力で、最も好ましくは少なくとも
200 atmの圧力で保存される。
【0033】 他の態様においては、血小板は、保存媒体中で10 atmより高い圧力で-10℃〜1
0℃の温度で、好適には10 atmより高い圧力で-8℃〜-2℃の温度において保存さ
れる。 本実施態様によれば、また、血小板は、保存媒体中で少なくとも3日間、好適
には少なくとも5日間、最適には少なくとも7日間保存することができる。本実施
態様によれば、また、血小板は、保存媒体中で3〜20日間、好適には5〜20日間保
存することができる。血小板の更に長い保存も可能である。 これらの方法を用いることにより、血小板は、その代謝と生化学反応が遅くな
ると共にその機能的統合性が保存される条件下で保存される。低温で保存される
血小板組成物は、ゲル状組成物が十分な流動状態まで溶融する約37℃まで組成物
を温めることにより患者にすぐに輸血できる状態になり得る。
【0034】 3. ゼロ未満加圧保存の物理 温度は、生きた生体物質を保存する場合に考慮すべき最も重要なパラメーター
の1つである。細胞内部の温度が低く下がり過ぎる場合、生化学的及び構造上の
不可逆変化が生じる。数百の生化学反応が生細胞内で同時に行われている。これ
らの生化学反応の速度は、圧力、温度、周囲の粘度、pH、又は反応性分子の濃
度を含むいくつかの要因に左右される。 代謝過程は、典型的には、一連の中間過程を含み、基質Sは最終産物Pに変換さ
れる前に一連の中間産物X1、X2、X3 ...に変換される。これらの中間過程のそれ
ぞれについて、反応は異なる酵素E0、E1、E2 ...で触媒されてもよい。 E0 E1 E2 S → X1 → X2 → X3 ... → P 式(1) 通常の条件下、単位時間当たり変換する基質Sの容量は、単位時間当たり得ら
れる産物Pの容量に等しい。 - d[S]/dt = + d[P]/dt 式(2) (ここで、[S]及び[P]は基質Sと産物Pの濃度である。) その条件下の中間産物[X1]、[X2]、[X3]の濃度は一定でなければならない。 d[X1]/dt = d[X2]/dt = d[X3]/dt = 0 式(3)
【0035】 従って、各中間産物については、その生成速度は変換速度に等しい。各中間産
物の濃度は、生成速度と変換速度によって表すことができる。 d[X3]/dt = - d[X2]/dt = K2 ・[X2] 式(4) (ここで、K2は産物X2の変換と産物X3の生成の速度反応定数の定数である。) 定常状態については、 -d[S]/dt = +d[X1]/dt = +d[X2]/dt = +d[X3]/dt ... = +d[P]/dt 式(5) 上記より K1 ・[X1] = K2 ・[X2] [X1] : [X2] = K1 : K2 式(6) 従って、各中間産物の濃度は、生成と変換の速度定数によって求められる。 温度依存性は、アレニウスに対する化学反応速度定数Kで定義される。 K = A ・ e-E/RT 式(7) (ここで、Aはある温度間隔での一定の係数であり; Eは物質1モル当たりの化学反応の活性化エネルギーであり; Rは一般気体定数であり; Tは絶対温度である。)
【0036】 ほとんどの生化学反応については、E ≫ RTである。式(7)の両辺の自然対数を
用いると下記式が得られる。 ln K = ln A (-E/RT) 式(8) 図1は、ln Kと温度を示すグラフである。30℃から37℃まで、Aは一定である。
異なる化学反応については、EとAは異なっている。温度が下がるにつれて、反応
速度の不均衡があり、式(5)は成立しない。これは、生化学反応のそれぞれに対
応する中間産物の濃度が変化し始めたことを意味する。これは、細胞膜を含む細
胞構造の破壊が始まり、細胞死で終了し得る。 化学反応は、発熱か又は吸熱である。即ち、エネルギーを放出するか又は吸収
する。加水分解で行われる反応は、多量のエネルギーを放出し得る。1モルのグ
ルコースを酸化すると、2883 kJのエネルギーが放出される。生化学反応速度が
あまり遅くなりすぎると、不可逆過程が起こり始め、ついには細胞全体の破壊が
生じる。従って、係数Aは温度Tの関数である。 温度が20℃より下がるにつれて、細胞膜の脂質二重層がコロイドからゲルに相
伝達を受ける。ゲルの粘度は、コロイドより非常に大きい。結果として、細胞膜
を通る分子の拡散速度と活性輸送速度が急に低下し、細胞内の生化学反応の速度
の減速が生じる。細胞膜の相転移の結果として、細胞から水が失われるために脂
質二重層表面の表面積と細胞サイズがかなり減少する。
【0037】 浸透圧活性物質の密度が高くなるにつれて、水分子が細胞に戻り、よって浸透
圧が高くなる。膜の張力が臨界点に達し、障壁機能が失われてしまう。膜損傷が
生じ、形態学的変化と構造上の変化、及び活性適応能の消失をきたす。 温度が8℃より下がるにつれて、細胞の細胞質がゲルへ相転移を受ける。この
温度で、分子の拡散速度や活性輸送、及び生化学反応速度が急に低下する。 温度が-3℃より下がると、細胞の内部と外部双方に水の結晶化が起こり始める
。凍害防御物質が存在しないとき、細胞外部の水の結晶化が細胞の脱水、細胞サ
イズの減少、及び細胞内部の塩又は他の物質の濃度の増加をまねく。細胞内部の
水の結晶化は、構造上の細胞膜の破壊をきたす。 図2は、血漿及び2.5%NaCl溶液の相転移ラインを示すグラフである。常圧にお
いて、血漿は-2.5℃で凍結する。血漿は、様々な化学を有し、氷の結晶格子構造
の形成を妨害することにより凝固点を低下させる。細胞構造は、細胞質への水結
晶化を含まずに-4℃〜-3℃まで冷却され得る。常圧において、2.5%NaCl溶液は-
1.7℃で凍結する。 図3は、水と2.5%NaCl溶液の相転移ラインを示すグラフである。NaClを水に添
加するにつれて、凝固点が下がるので、一定の圧力に対して低い温度を達成する
ことができる。ラインは、生物学的物質が凍結を防止する高圧低温の組合わせに
どのように供されるかを示す一例である。
【0038】 4. ゼロ未満加圧保存装置 本発明は、また、生体物質、特に血小板の長時間保存装置を提供する。例えば
、本装置は、血漿及びゲル形成物質を媒体が血小板を媒体中で移動させることが
できる約37℃で十分な流動状態にありかつ血小板を媒体中で自由に移動させるこ
とをほとんど防止する約5℃で十分なゼラチン状態にあるように該血漿に相対す
る濃度で含む保存媒体に懸濁した血小板を保存するために使用し得る。 図4は、本発明の生体物質保存装置100の実施態様を示す集合図である。保存装
置100は、チャンバ110及びカバー130を含んでいる。 図5A-5Bは、それぞれチャンバ110を示す破断側面図と平面図である。チャンバ
110は、マウス111とリップ112を含んでいる。リップ112は、内面113と上面114を
含んでいる。内面113と上面114は、第1半径r1で適合している。上面114は、チャ
ネル115を含んでいる。チャネル115は、チャネル115の下にOリング又はゴムガス
ケットのようなシーリング部材116が付いていてもよい。チャンバ110は、血小板
用バッグ、供血用バッグ、心臓用、肝臓用、腎臓用、又は他のバッグ及び生体物
質に適合する異なるサイズで製造することができる。
【0039】 図6は、カバー130を示す破断図である。カバー130は、チャンバとかみ合い密
封するように形成されている。カバー130は、下面131を含んでいる。下面131は
、突出部132とシーリング構造133を含んでいる。下面131と突出部132は、第2半
径r2で適合している。カバー130がチャンバ110とかみ合っているときには突出部
132はチャンバ110のマウス111に挿入されている。突出部132は、側面134を含ん
でいる。突出部132の側面134とリップ112の内面113は、第1ギャップ140を画成し
、カバー130がチャンバ110とかみ合っているときにはほとんど平行である。カバ
ー130の下面132とリップ114の上面118は、第2ギャップ141を画成し、カバー130
がチャンバ110とかみ合っているときにはほとんど平行である。第2ギャップ141
の長さは、第1ギャップ140の幅より長い。カバー130がチャンバ110とかみ合って
いるときにはシーリング構造133はリップ112のチャネル115に挿入されている。
【0040】 カバー130は、球状部分であるようにつくることができ、カバー130を強度を犠
牲にすることなく平らなカバー130より軽くかつ材料を少なくつくることが可能
である。保存装置100を、例えば、食塩水で満たしてから凝固点より低く冷却す
る場合、チャンバ110とカバー130の壁に沿って氷ができ始める。氷は、第1ギャ
ップ140と第2ギャップ141内にでき、チャンバ110を密封するのを援助する。従っ
て、この氷のシールによって主にチャンバ110内に高圧が生じるので、非常に丈
夫でそのような高圧に耐えることが可能なチャネル115、シーリング部材116、及
びシーリング構造133をつくる必要をできるだけ少なくする。チャネル115、シー
リング部材116、及びシーリング構造133は、氷のシールが生じる前には10atmま
での圧力に耐えることを必要とするだけである。第1ギャップ140と第2ギャップ1
41のサイズは重要ではなく、シールが10atmより高い圧力に供する前に氷が塞ぐ
ようにできるだけ小さくすることができる。実施態様においては、第1ギャップ1
40と第2ギャップ141は、幅が2.0mm未満であってもよい。
【0041】 チャンバ110は、加圧チャンバ内に置かれた生体物質又はバッグがチャンバ110
の壁と接触するようになることを防止する吊り部材117を含んでいる。吊り部材1
17は、ネット、プラットホーム、スペーサ、又は他の適切な部材であってもよい
。カバー130は、直接、又はカバー保持部材135によってチャンバ110に密封され
るように設計することができる。カバー保持部材135は、カバー130を取り付ける
ことを可能にするように設計することができ、速やかにかつ容易に取り外すこと
ができる。カバー保持部材135は、バヨネット式接続、ネジ、又は他の適切な結
合法によってチャンバ110に結合することができる。カバー保持部材135には、カ
バー保持部材135が中央に置かれカバー130にも取り付けられていることを維持す
るようにセンタリングピン136が含まれていてもよい。カバー保持部材135には、
スパナ又は他のつールがカバー保持部材135と用いることを可能にする穴137が含
まれていてもよい。カバー保持部材135は、製造を簡易化するために2つに分けた
部分で製造することができる。図7A-7Cは、ツー・ピースカバー保持部材135を示
す破断図と平面図である。
【0042】 保存装置100には、圧力計150が含まれていてもよく、弾性膜151がチャンバ110
内に置かれている。圧力計150には、保存装置100内の圧力が所定の最大を超える
ことを防止するリリーフバルブ152が含まれていてもよい。 本発明の特徴を用いることにより、生体物質、特に血小板を保存する下記の目
的が達成される。 1. 生体物質を保存媒体に機械的に懸濁する。 2. 生体物質を最低可能温度で液体状態に維持しながら保存する。これらの条件
下で、生化学反応の速度が相対的に遅くなるので、中間産物の濃度の変化速度が
小さい。 3. 細胞から自由で安全な水の流れを可能にしてコロイドからゲルへの相伝達で
膜張力が破裂点に達することを防止するように血小板を含む溶液を徐々に冷却す
る。一方、冷却速度は、中間生化学反応が細胞構造内で不可逆変化を引き起こす
ことを防止するのに十分高くしなければならない。
【0043】実施例 1. 血小板の保存方法 下記の例は、血小板を保存する本発明の方法の一例である。この過程を始める
前に抗凝固物質としてヘパリンを使用することができる。 (1) 血小板と2.9%ゼラチン、0.44%スクロース、1.17%グルコース、及び0.49
%NaClの保存液とを混合する。 (2) 血小板と保存液を保存バッグに密封し、空気が排気されたことを確かめる。
保存バッグは、可撓性シリコーンゴムバッグのような標準血小板保存バッグであ
ってもよい。 (3) 血小板と保存液を15℃で1時間以内で冷却する。保存液がゲルになるまで連
続撹拌が必要である。 (4) 保存バッグを6℃〜8℃に1〜1.5時間以内で冷却する。 (5) 保存装置を6℃〜8℃に冷却する。 (6) 保存バッグを保存装置に吊り部材を用いて挿入する。 (7) 保存装置を2.5%NaCl溶液の圧力伝達液で充填する。
【0044】 (8) 保存装置を密封し、完全に満たされかつ空気が中に閉じ込められていないこ
とを確かめる。 (9) 保存装置を-7.5±0.2℃に1.5〜2時間以内で冷却する。圧力伝達液は、冷却
又は冷凍するときに膨張する液体であるので、ほとんど一定の容積の保存装置内
のバッグに圧力を加え得る。2.5%NaCl溶液と共に水が圧力チャンバの壁で凍結
し始める。圧力チャンバの壁で氷ができるにつれて、膨張によって保存装置内に
必要とされる高圧が生じ、保存バッグを直接取り囲んでいる凍結していない液に
よって保存バッグに伝達される。NaClは、圧力伝達液の凝固点を下げるので、圧
力伝達液の全容量が凍結する前に必要とされる低温を達成することができる。保
存液は、圧力伝達液より凝固点が低い。保存装置内の圧力は、500 atmまで上昇
する。氷ができ始めるにつれて、氷と水が実質的に圧縮性でないことから保存装
置内の圧力が高まる。温度と圧力間の関係はここでは一貫し予測できる。保存液
、高保存圧、及び低保存温度の組合わせは、血小板が15日間まで保存されること
を可能にする。この方法を用いて、赤血球は30日間まで保存することができ、白
血球は22日間まで保存することができる。 (10) 血小板が用いるのに必要とされる場合、保存装置を開ける前に保存装置を
室温、約20℃で完全に解凍させる。保存液中の成分はすべて非毒性であることか
ら、血小板は、調製せずに直ちに用いることができる。
【0045】 2. 血小板生存実験 血漿中に懸濁されて標準血小板バッグ中に含まれるヒト血小板を濃縮ゼラチン
保存液と37℃で混合した。濃縮ゼラチン保存液は、糖と塩化ナトリウムを含有し
た。典型的には、ゼラチン液の添加量は、血漿容量の1/4であった。例えば、3.5
%ゼラチンと10%グルコースを含有する25mlのゼラチン保存液を、血小板を含む
100mlの血漿に添加し、0.7%ゼラチンと2%グルコースの最終溶液が得られた。
血小板バッグ中の血小板の最終濃度は、約300,000/μlである。 血小板組成物を冷蔵庫の温度で又はゼロ未満温度の本発明の保存装置内で保存
した。ある保存期間(n日)保存した後、血小板組成物を約37℃に温め、病院の臨
床検査室で行われる標準法を用いることにより血小板凝集のような保存後(Dn)活
性を保存前(D0)の活性と比較して分析した。
【0046】 典型的には、血小板凝集は、10μMアデノシン二リン酸(ADP)や14μgリストセ
チンのような刺激剤をキュベット中又はスライド上の血小板の懸濁液に添加する
ことにより行われる。典型的に使用される方法と刺激剤の量は、当業者に周知で
ある。刺激剤は、血小板の受容体に結合し、血小板が顆粒から物質を放出させ、
相互に結合し浮遊物から離れる血小板を生じる事象のカスケードを開始する。典
型的には、血小板の凝集は、光の通過を可能にする溶液の能力増加によって示さ
れる(透過%の増加又は濁度の低下)。血小板が各刺激剤に対して応答する時間を
秒で記録した。形態が無傷の保存後血小板を顕微鏡によって計数するとともに保
存前の血小板と比較することにより血小板の生存速度を測定した。 表Iに、リストセチン又はADPに曝露したときと冷蔵庫温度4℃で表示した時間(
n日)保存媒体中で保存した後の保存媒体の成分、血小板の生存率及び血小板の凝
集応答時間を示す。
【0047】 表I
【0048】 表IIに、リストセチン又はアデノシン二リン酸(ADP)に曝露したときと血小板 をゼロ未満温度(-4〜-10℃)で表示した時間(n日)保存媒体中で保存した後の保存
媒体の成分、血小板の生存率及び血小板の凝集応答時間を示す。
【0049】 表II
【0050】 表I及び表IIに示される結果からわかるように、血小板は高生存率で5日以上保
存された。 本発明の上記説明を実例と説明のために示してきた。これは徹底的なものでな
く、本発明を開示された正確な形に限定するものでもない。多くの修正又は変更
が明らかである。本発明の範囲は、前述の特許請求の範囲とその均等物によって
定義されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 生化学反応の速度についてのlnK対温度のグラフを示す。
【図2】 血漿と2.5%NaCl溶液の相転移線を示す。
【図3】 別セットの相転移線を示す。
【図4】 本発明の生物学的物質保存装置の断面図を示す。
【図5】 保存装置のチャンバの図であり、5Aは側面破断図、5Bは上面図を示す。
【図6】 保存装置のカバーの側面図を示す。
【図7】 保存装置のカバー保持装置を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C087 AA03 DA10 MA05 NA03 ZA51 4H011 CA01 CB07 CC00 CD01 CD06 CD07

Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者に直接輸血するのに好適な血小板組成物であって、以下
    を含有する血小板組成物: 保存媒体であって、血漿と、該血漿に対して、該媒体が、第1の温度では十
    分に流れる状態で、該媒体内で血小板を移動させ、かつ第2の低温では、十分に
    ゼラチン様状態で、該媒体内で血小板が自由に移動するのを実質的に妨げるよう
    な濃度のゲル形成物質とを含有する保存媒体;及び ゼラチン様状態の前記保存媒体内に、少なくとも3日間保存された血小板で
    あって、前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能
    的である、血小板。
  2. 【請求項2】 前記第1の温度が約37℃であり、かつ前記第2の温度が約5
    ℃である、請求項1に記載の血小板組成物。
  3. 【請求項3】 前記血小板が、少なくとも5日間、前記保存媒体内に保存さ
    れ、前記少なくとも5日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能的で
    ある、請求項1に記載の血小板組成物。
  4. 【請求項4】 前記血小板が、3乃至20日間、前記保存媒体内に保存され、
    前記少なくとも3乃至20日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能的
    である、請求項1に記載の血小板組成物。
  5. 【請求項5】 前記血小板が、10℃未満の温度で、少なくとも3日間、前記
    保存媒体内に保存される、請求項1に記載の血小板組成物。
  6. 【請求項6】 前記血小板が、−10℃乃至10℃で、少なくとも3日間、前記
    保存媒体内に保存される、請求項1に記載の血小板組成物。
  7. 【請求項7】 前記血小板が、1ATMで0℃乃至10℃の温度で、少なくとも
    3日間、前記保存媒体内に保存される、請求項1に記載の血小板組成物。
  8. 【請求項8】 前記血小板が、1ATMで0℃乃至5℃の温度で、少なくとも
    3日間、前記保存媒体内に保存される、請求項1に記載の血小板組成物。
  9. 【請求項9】 前記血小板が、5℃未満の温度で、少なくとも3日間、前記
    保存媒体内に保存される、請求項1に記載の血小板組成物。
  10. 【請求項10】 前記血小板が、10ATMより高い圧力で、−10℃乃至0℃の
    温度で、少なくとも3日間、前記保存媒体内に保存される、請求項1に記載の血
    小板組成物。
  11. 【請求項11】 前記血小板が、10ATMより高い圧力で、−8℃乃至−2℃
    の温度で、少なくとも3日間、前記保存媒体内に保存される、請求項1に記載の
    血小板組成物。
  12. 【請求項12】 前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも65%が
    無傷かつ機能的である、請求項1に記載の血小板組成物。
  13. 【請求項13】 前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも75%が
    無傷かつ機能的である、請求項1に記載の血小板組成物。
  14. 【請求項14】 前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも85%が
    無傷かつ機能的である、請求項1に記載の血小板組成物。
  15. 【請求項15】 前記ゲル形成物質が、前記保存媒体の0.2%乃至4%を構
    成する、請求項1に記載の血小板組成物。
  16. 【請求項16】 前記ゲル形成物質が、ゼラチン、アガロース、寒天、ペク
    チン、イナゴマメカシア、キサンタンゴム、コンニャクゴム、ガーゴム、アラビ
    アゴム、アルギン酸ナトリウム、カラゲナン、イルガカンス(irgacanth)ゴム及
    びヒドロキシエチルメタクリライック(methacrylaic)からなる群より選択される
    、請求項1に記載の血小板組成物。
  17. 【請求項17】 前記保存媒体が、さらにエネルギー源を含む請求項1に記
    載の血小板組成物。
  18. 【請求項18】 前記エネルギー源が、前記保存媒体の0乃至5%を構成す
    る、請求項17に記載の血小板組成物。
  19. 【請求項19】 前記エネルギー源が、炭水化物を含む請求項17に記載の
    血小板組成物。
  20. 【請求項20】 前記エネルギー源が、グルコース、スクロース、マンノー
    ス、フルクトース及びガラクトースからなる群より選択される糖を含む、請求項
    17に記載の血小板組成物。
  21. 【請求項21】 前記保存媒体が、さらに1種以上の抗凝血剤を含む、請求
    項1に記載の血小板組成物。
  22. 【請求項22】 前記抗凝血剤が、ヘパリン、シトレートデキストロース、
    シトレートホスフェートデキストロース、アマンタジン、アジョエン(ajoene)及
    びチクロピジンからなる群より選択される、請求項21に記載の血小板組成物。
  23. 【請求項23】 患者に直接輸血するのに好適な血小板組成物であって、以
    下を含有する血小板組成物: 保存媒体であって、血漿と、該血漿に対して、該媒体が、約37℃では十分に
    流れる状態で、該媒体内で血小板を移動させ、かつ約5℃では、十分にゼラチン
    様状態で、該媒体内で血小板が自由に移動するのを実質的に妨げるような濃度の
    ゲル形成物質とを含有する保存媒体;及び 血小板。
  24. 【請求項24】 患者に直接輸血するのに好適な血小板組成物であって、以
    下を含有する血小板組成物: 保存媒体であって、血漿と、該血漿に対して、該媒体が、約37℃では十分に
    流れる状態で、該媒体内で血小板を移動させ、かつ約5℃では、十分にゼラチン
    様状態で、該媒体内で血小板が自由に移動するのを実質的に妨げるような濃度の
    ゲル形成物質とを含有する保存媒体;及び 前記保存媒体内に、少なくとも10ATMの圧力及び0℃未満の温度で、少なく
    とも1日間保存された血小板であって、前記少なくとも1日後に、前記血小板の
    少なくとも50%が無傷かつ機能的である、血小板。
  25. 【請求項25】 前記血小板が、少なくとも70ATMの圧力で、前記保存媒体
    内に保存される、請求項24に記載の血小板組成物。
  26. 【請求項26】 前記血小板が、少なくとも200ATMの圧力で、前記保存媒体
    内に保存される、請求項24に記載の血小板組成物。
  27. 【請求項27】 前記血小板が、少なくとも3日間、前記保存媒体内に保存
    され、前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能的
    である、請求項24に記載の血小板組成物。
  28. 【請求項28】 前記血小板が、少なくとも5日間、前記保存媒体内に保存
    され、前記少なくとも5日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能的
    である、請求項24に記載の血小板組成物。
  29. 【請求項29】 前記血小板が、少なくとも3乃至20日間、前記保存媒体内
    に保存され、前記少なくとも3乃至20日後に、前記血小板の少なくとも50%が無
    傷かつ機能的である、請求項24に記載の血小板組成物。
  30. 【請求項30】 前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも65%が
    無傷かつ機能的である、請求項24に記載の血小板組成物。
  31. 【請求項31】 前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも75%が
    無傷かつ機能的である、請求項24に記載の血小板組成物。
  32. 【請求項32】 前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも85%が
    無傷かつ機能的である、請求項24に記載の血小板組成物。
  33. 【請求項33】 前記ゲル形成物質が、前記保存媒体の0.2%乃至4%を構
    成する、請求項24に記載の血小板組成物。
  34. 【請求項34】 前記ゲル形成物質が、ゼラチン、アガロース、寒天、ペク
    チン、イナゴマメカシア、キサンタンゴム、コンニャクゴム、ガーゴム、アラビ
    アゴム、アルギン酸ナトリウム、カラゲナン、イルガカンス(irgacanth)ゴム及
    びヒドロキシエチルメタクリライック(methacrylaic)からなる群より選択される
    、請求項24に記載の血小板組成物。
  35. 【請求項35】 前記保存媒体が、さらにエネルギー源を含む請求項24に
    記載の血小板組成物。
  36. 【請求項36】 前記エネルギー源が、前記保存媒体の0乃至5%を構成す
    る、請求項35に記載の血小板組成物。
  37. 【請求項37】 前記エネルギー源が、炭水化物を含む請求項35に記載の
    血小板組成物。
  38. 【請求項38】 前記エネルギー源が、グルコース、スクロース、マンノー
    ス、フルクトース及びガラクトースからなる群より選択される糖を含む、請求項
    35に記載の血小板組成物。
  39. 【請求項39】 前記保存媒体が、さらに1種以上の抗凝血剤を含む請求項
    24に記載の血小板組成物。
  40. 【請求項40】 前記抗凝血剤が、ヘパリン、シトレートデキストロース、
    シトレートホスフェートデキストロース、アマンタジン、アジョエン(ajoene)及
    びチクロピジンからなる群より選択される、請求項39に記載の血小板組成物。
  41. 【請求項41】 患者に直接輸血するための血小板の保存方法であって、以
    下を包含する方法: 血小板と、保存媒体とを含有する流れるような血小板組成物であって、前記保
    存媒体が、血漿と、該血漿に対して、該媒体が、第1の温度では十分に流れる状
    態で、該媒体内で血小板を移動させ、かつ第2の低温では、十分にゼラチン様状
    態で、該媒体内で血小板が自由に移動するのを実質的に妨げるような濃度のゲル
    形成物質とを含有する流れるような血小板組成物を生成する工程; 前記流れるような保存媒体を冷却して、該保存媒体内における前記血小板の自
    由な移動を実質的に妨げるのに十分なゼラチン様状態を形成する工程;及び 前記血小板を、ゼラチン様状態の前記保存媒体内に、少なくとも3日間保存す
    る工程であって、前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷
    かつ機能的である工程。
  42. 【請求項42】 前記第1の温度が約37℃であり、かつ前記第2の温度が約
    5℃である、請求項41に記載の血小板の保存方法。
  43. 【請求項43】 前記血小板が、少なくとも5日間、前記保存媒体内に保存
    され、前記少なくとも5日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能的
    である、請求項41に記載の血小板の保存方法。
  44. 【請求項44】 前記血小板が、少なくとも7日間、前記保存媒体内に保存
    され、前記少なくとも7日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能的
    である、請求項41に記載の血小板の保存方法。
  45. 【請求項45】 前記血小板が、少なくとも3乃至20日間、前記保存媒体内
    に保存され、前記少なくとも3乃至20日後に、前記血小板の少なくとも50%が無
    傷かつ機能的である、請求項41に記載の血小板の保存方法。
  46. 【請求項46】 前記血小板が、少なくとも3日間、10℃未満の温度で、前
    記保存媒体内に保存される、請求項41に記載の血小板の保存方法。
  47. 【請求項47】 前記血小板が、少なくとも3日間、−10℃乃至10℃で、前
    記保存媒体内に保存される、請求項41に記載の血小板の保存方法。
  48. 【請求項48】 前記血小板が、少なくとも3日間、1ATMで0℃乃至10℃
    の温度で、前記保存媒体内に保存される、請求項41に記載の血小板の保存方法
  49. 【請求項49】 前記血小板が、少なくとも3日間、1ATMで0℃乃至5℃
    の温度で、前記保存媒体内に保存される、請求項41に記載の血小板の保存方法
  50. 【請求項50】 前記血小板が、少なくとも3日間、5℃未満の温度で、前
    記保存媒体内に保存される、請求項41に記載の血小板の保存方法。
  51. 【請求項51】 前記血小板が、少なくとも3日間、10ATMより高い圧力で
    、−10℃乃至0℃の温度で、前記保存媒体内に保存される、請求項41に記載の
    血小板の保存方法。
  52. 【請求項52】 前記血小板が、少なくとも3日間、10ATMより高い圧力で
    、−8℃乃至−2℃の温度で、前記保存媒体内に保存される、請求項41に記載
    の血小板の保存方法。
  53. 【請求項53】 患者に直接輸血するための血小板の保存方法であって、以
    下を包含する方法: 血小板と、保存媒体とを含有する流れるような血小板組成物であって、前記保
    存媒体が、血漿と、該血漿に対して、該媒体が、第1の温度では十分に流れる状
    態で、該媒体内で血小板を移動させ、かつ第2の低温では、十分にゼラチン様状
    態で、該媒体内で血小板が自由に移動するのを実質的に妨げるような濃度のゲル
    形成物質とを含有する流れるような血小板組成物を生成する工程; 前記流れるような保存媒体を冷却して、該保存媒体内における前記血小板の自
    由な移動を実質的に妨げるのに十分なゼラチン様状態を形成する工程;及び 前記血小板を、ゼラチン様状態の前記保存媒体内に、少なくとも1日間、0℃
    未満の温度かつ少なくとも10ATMの圧力で保存する工程であって、前記少なくと
    も1日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能的である工程。
  54. 【請求項54】 前記第1の温度が約37℃であり、かつ前記第2の温度が約
    5℃である、請求項53に記載の方法。
  55. 【請求項55】 前記血小板が、少なくとも70ATMの圧力で、前記保存媒体
    内に保存される、請求項53に記載の血小板の保存方法。
  56. 【請求項56】 前記血小板が、少なくとも200ATMの圧力で、前記保存媒体
    内に保存される、請求項53に記載の血小板の保存方法。
  57. 【請求項57】 前記血小板が、少なくとも3日間、前記保存媒体内に保存
    され、前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能的
    である、請求項53に記載の血小板の保存方法。
  58. 【請求項58】 前記血小板が、少なくとも5日間、前記保存媒体内に保存
    され、前記少なくとも5日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能的
    である、請求項53に記載の血小板の保存方法。
  59. 【請求項59】 前記血小板が、少なくとも7日間、前記保存媒体内に保存
    され、前記少なくとも7日後に、前記血小板の少なくとも50%が無傷かつ機能的
    である、請求項53に記載の血小板の保存方法。
  60. 【請求項60】 前記血小板が、少なくとも3乃至20日間、前記保存媒体内
    に保存され、前記少なくとも3乃至20日後に、前記血小板の少なくとも50%が無
    傷かつ機能的である、請求項53に記載の血小板の保存方法。
  61. 【請求項61】 前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも65%が
    無傷かつ機能的である、請求項53に記載の血小板の保存方法。
  62. 【請求項62】 前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも75%が
    無傷かつ機能的である、請求項53に記載の血小板の保存方法。
  63. 【請求項63】 前記少なくとも3日後に、前記血小板の少なくとも85%が
    無傷かつ機能的である、請求項53に記載の血小板の保存方法。
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