JP2002537776A - 早発性卵巣機能不全の診断及び治療 - Google Patents

早発性卵巣機能不全の診断及び治療

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、早発性卵巣機能不全(POF)の素因を決定することができる方法を提供する。とりわけ、発明はインヒビンをコードする遺伝子における変質(変異)に関して女性がPOFの素因を有するかどうかを検出する方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、インヒビンをコードする遺伝子の変質の存在又は非存在を検出する工程を含む、女性被験者にPOFの素因があるかどうかを検出するための試験方法であって、変質の存在が早発性卵巣機能不全(POF)の素因を示す試験方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、早発卵巣機能不全の素因を検出することができる方法及び早発性卵
巣機能不全の診断法に関する。さらに本発明は治療法に関する。
【0002】 (背景) 早発性卵巣機能不全(POF)は、40歳未満の女性において二次無月経、低
エストロゲンニズム、及び性腺刺激ホルモンの上昇を起こす状態である。POF
は、40歳前の女性の1%に、30歳前の女性の0.1%すなわち1000人に
1人に生じる(Coulam Adamson et al., 1986)。POFは家族性で遺伝的に受
け継がれうるか、又は疾患の家族歴がなく散発性でありうる。この数年、特に分
子遺伝学の分野においてPOFの原因に関する多くの進展があったにも拘わらず
、ほとんどの症例におけるPOFの原因は謎に包まれている。特発性POFを呈
するほとんどの女性は、症状が発症する前には、正常な月経歴、初潮年齢及び受
胎性を有している。かつて、POFはあらゆる症例で閉経におけるが如く不可逆
性であると考えられていたが、間欠性の卵巣機能不全が報告され、診断の後、患
者のおよそ10%で妊娠は起き得ている。
【0003】 POFの女性の最も切迫した関心事は、この症候群の心理学的な影響と相まっ
た循環エストラジオールの低下によって彼女達が経験する閉経症状である。閉経
症状には、のぼせ、寝汗、不眠、動悸、頭痛、失禁、及び膣の乾燥による性交疼
痛症が挙げられる。POFの心理的な影響は単に、健忘性、集中力の低下、イラ
イラ及び気分のムラのような閉経に関連したものが挙げられるだけではない。
【0004】 POFの二次的な帰結は受胎性の喪失である。中には自然に排卵し、自然に妊
娠を達成する女性もいるが、POFに罹った大半の女性はそうではない。多くの
症例では卵巣は卵胞を残していないので不妊治療は困難である。卵胞が生検で検
知できる場合でも、卵巣はすでにFSH不応答になっている。従って、POFの
女性はほとんど、養子をもらうか、又は卵子の提供によるIVFを受ける。しか
しながら、提供卵子を入手するのは困難であり、この方法は極めて高価である。
生体が卵巣のエストロゲンなしでいる時間が増加することによってPOFの予後
も長期になる。骨粗鬆症及び心臓血管系疾患のリスクは、このような疾患に対し
て防護効果を提供すると考えられるエストロゲンの低下によって閉経後、高まる
。POFの女性は、正常の女性よりも20〜30年の間長く、低下したエストロ
ゲン濃度を有する。従って、POFの女性ではこのような疾患のリスクは極めて
大きいと考えられる。このような理由で、POF患者は、ホルモン補充療法(H
RT)を処方されている。しかしながら、このような女性は更に懸念を抱いてい
る。HRTの長期にわたる使用は、乳癌、子宮内膜癌及び胆石に罹るリスクの増
加に関係している。POFの女性におけるHRTの長期にわたる効果に関する研
究が行われるまで、この問題はこのような女性の主な懸念となるであろう。
【0005】 従って、この症状の根底にある分子事象を理解するには、POFの素因となる
遺伝子の同定が必須のステップである。それは、患者の臨床的管理及びPOFの
治療にとっても重要である。
【0006】 POFの女性はほとんど卵胞を有していることが見い出されているが、それら
は正常な性腺刺激ホルモンの刺激に反応するとは考えられない。しかしながら、
性腺刺激ホルモン又はその受容体には突然変異はほとんど見つかっていない。F
SH受容体で同定された、機能の喪失となる突然変異、566C→T(Aittomak
i, et al., 1995)は、フィンランドの一群の家族において原発性無月経と共に
卵巣機能不全を起こすことが見い出された。ほかの集団では検出されたことがな
いので、FSH受容体の突然変異はほかでは稀であると思われる(Conway, 1997
; Layman, et al., 1998)。卵巣の抵抗性は、黄体形成ホルモンの受容体遺伝子
における早すぎる停止コドンと関係していることも見い出されている(Latronic
o et al, 1996)。しかしながら、このようなデータは、卵巣機能におけるFS
H軸の明らかな重要性を立証している一方で、それらは、どの分子事象がPOF
の原因であるのかは同定していない。
【0007】 本出願人らは今や、突然変異した場合、POFになるヒト側における素因に関
係すると思われる、ヒトにおける遺伝子を同定した。それがこの成果であり、P
OFのスクリーニング及び管理(特に、POFの家族歴のある人々にとって)に
対して密接な関係を持ち、本発明の根底に横たわっている。
【0008】 (発明の要約) 従って、第1の態様では、本発明は、インヒビンをコードする遺伝子における
変質(alteration)(突然変異)の存在又は非存在を検出する工程を含み、ヒト
(個人)がPOFを有する、又はPOFの素因を有するかどうかを検出するため
に試験をする方法を広く提供する。
【0009】 用語『インヒビンをコードする遺伝子』は、本明細書で使用するとき、それら
の非コーディングのフランキング配列及び調節要素とともにINHα、INHβ
A及びINHβBを意味する。
【0010】 1つの(好ましい)実施態様では、突然変異の存在又は非存在は、インヒビン
及び/又はその調節要素をコードするDNAの解析を介して検出される。
【0011】 別の方法としての実施態様では、突然変異の存在又は非存在は、インヒビンを
コードするDNAから転写されたmRNAの解析を介して検出される。
【0012】 更にもう1つの実施態様では、突然変異の存在又は非存在は、発現されたイン
ヒビンタンパク質のアミノ酸配列の解析を介して検出される。
【0013】 別の実施態様として、本発明は、個人の中で野生型インヒビンタンパク質の活
性のある濃度を高め、維持し及び/又は回復する工程を含み、上記で定義された
方法によってPOFのリスクを有すると同定された、又はそのようなリスクを有
することが疑われた前記個人のPOFに対する予防法及び/又は治療的処置法を
提供する。
【0014】 都合の良いことに、本方法は遺伝子治療法であり、個人に野生型インヒビン遺
伝子の機能を供給することを含む。
【0015】 最も好ましくは、本方法は、個人に野生型インヒビン遺伝子を投与することを
含む。
【0016】 更にもう1つの態様では、本発明は、POFを治療する又は予防するための薬
剤の製造におけるインヒビンの使用を提供する。 発明は上記で定義したように広義であるが、それに限定されることなく、以下
の説明が実施例を提供する実施態様も包含することは十分理解されるであろう。
その上、以下に添付の図面を参照することにより発明の更に良好な理解が得られ
るであろう。
【0017】 (発明の説明) 上記で定義したように、本発明の方法は、POFに対する素因を検出する又は
POFの診断に用いる。本出願人によって為された重要な発見は、少なくともP
OFの中には、インヒビンをコードする遺伝子の変質(突然変異)による例があ
るということである。この発見は本発明の基礎を形成する。
【0018】 インヒビンは構造的にはTGF−βスーパーファミリーに関係する。成熟イン
ヒビンは、2つの14kDaβサブユニットの1つに2つのジスルフィド結合で
結合した18kDaのαサブユニットから成る31〜32kDaのヘテロダイマ
ー糖タンパク質である(Halvorson and Decherney, 1996)。従って2つの型の
インヒビン、すなわちインヒビンA(α−β)及びインヒビンB(α−β
がある。βサブユニットのホモダイマーは糖タンパク質アクチビンを形成し、そ
れはインヒビンと反対の機能を有する。インヒビンのサブユニットは3つの別々
の遺伝子、すなわちINHα、INHβA及びINHβBによってコードされる
【0019】 上記で示すように、INHα、INHβA及びINHβBは、その非コーディ
ングのフランキング配列及び調節要素とともに本明細書では集合的に『インヒビ
ンをコードする遺伝子』という。
【0020】 血清中のインヒビンの濃度は、月経周期にわたって及び生涯の生殖段階にわた
って変化し、それが、下垂体−性腺軸及び性腺機能の重要なモジュレータである
ことを示唆している(Halvorson and Decherney, 1996)。インヒビンは、卵巣
機能が開始する性的成熟の開始と共に増加し、性機能のある卵巣内で周期性を示
し、卵巣が非生殖的状態に入る閉経に近づいて減少する。
【0021】 雌におけるインヒビンの主要な機能は、下垂体FSH分泌の調節である。性腺
刺激ホルモン及びその他のIGF−1、TGF−β並びにアクチビンのような因
子に反応して、発達している卵胞及び黄体の双方の顆粒膜細胞がインヒビンを分
泌する。FSHの誘導された分泌は今度はEGF、TGF−α及びフォリスタチ
ンによって抑制される。フォリスタチンは、インヒビン及びアクチビン双方の結
合タンパク質としても作用するインヒビン様のFSHサプレッサであり、パラク
リン(傍分泌)機能及びオートクリン(自己分泌)機能を調節する(Halvorson
and Decherney, 1996)。
【0022】 発達中の卵胞はインヒビンBを分泌して卵胞期におけるFSH分泌を抑制する
と考えられる。黄体期ではFSHを調節するために分泌される唯一のダイマーは
インヒビンAである。インヒビンはそのFSHの調節と共に卵巣の中でオートク
リン効果とパラクリン効果の両方を呈する。これらには、ステロイド合成、細胞
増殖及び細胞分化の調節が挙げられる。インヒビンは、LHに対する卵胞膜細胞
の反応性を高めることによってアンドロゲン産生を高める。インヒビンはアクチ
ビンと共に優勢な卵胞を選択し、早過ぎる黄体化を妨げるメカニズムに関与して
いることも示唆されている(Wallace and Healy, 1996)。
【0023】 しかしながら、今日まで、インヒビンをコードする遺伝子における変質/突然
変異がPOFに対する感受性の何らかの素因である、又はPOFの診断に用いら
れるような示唆はなかった。
【0024】 インヒビンをコードするアミノ酸配列及びcDNAヌクレオチド配列はGen
bankから入手し易い。どちらの配列のいかなる変化も本明細書で使用すると
きの用語『変質』の範囲に包含される。
【0025】 インヒビンの非コーディングフランキング配列及び調節要素に関しては、それ
らの中での変質は、転写の不安定性及び/又は転写抑制を生じる可能性がある。
関連する調節要素には、転写スプライシングに関する部位が挙げられる。
【0026】 本発明に基づいた1つのアプローチでは、野生型インヒビン遺伝子の変質が検
出される。
【0027】 『野生型インヒビン遺伝子の変質』は、コーディング及び非コーディング領域
における欠失、挿入、ミスセンス及び点突然変異を含むあらゆる形態の変質を包
含する。欠失は遺伝子全体であっても、又は遺伝子の一部であってもよい。点突
然変異は、結果として停止コドン、フレームシフト突然変異又はアミノ酸置換と
なってもよい。
【0028】 非機能的遺伝子産物を導く突然変異が主としてPOFを招くと考えられている
。しかしながら、インヒビン遺伝子産物の発現を低下させる突然変異もPOFを
招く可能性がある。点突然変異事象は、遺伝子のプロモータのような調節領域で
生じ、mRNA発現の喪失又は不均化を招く可能性がある。点突然変異はまた、
適当なRNAプロセッシングを失い、インヒビン遺伝子産物の発現の喪失、又は
mRNAの安定性又は転写効率の低下を招く可能性がある。
【0029】 1又はそれより多くの制限酵素、好ましくは多数の制限酵素で切断したDNA
の一連のサザンブロットを観察することによって、DNA配列における欠失を検
出する予備的な解析を行うことができる。各ブロットは、一連の正常個人からの
及び一連の試験症例からのDNAを含有する。サザンブロットが示すハイブリッ
ド形成した断片(インヒビン遺伝子座の近傍又はそれを含む配列をプローブとし
たとき対照DNAと長さが異なる)は、起こりうる突然変異を示す。極めて長い
制限断片を作る制限酵素を使用する場合は、パルス・フィールド・ゲル電気泳動
(『PFGE』)を用いることができる。
【0030】 公知の技術を用いた、インヒビン遺伝子の分子クローニング及びその遺伝子の
配列決定によって点突然変異の検出を達成してもよい。別の方法として、既知の
ポリヌクレオチド増幅技術を用い、試料組織からのゲノムDNA調製物から直接
、遺伝子配列を増幅してもよい。使用することができる増幅技術には、ポリメラ
ーゼ鎖反応(PCR)、ライゲーション増幅(又はリガーゼ鎖反応、LCR)、
及びQベータ・レプリカーゼの使用に基づいた増幅法のような方法が挙げられる
。このような方法は周知であり、当該技術で広く実践されている。例えば、米国
特許第4,683,195号並びに第4,683,202号、及びInnis
et al.1990年(PCRに関して)並びにWu et al.1989
年a(LCRに関して)を参照のこと。増幅を行うための試薬及びハードウエア
は市販されている。インヒビン領域に由来する配列を増幅するのに有用なプライ
マーは、インヒビン領域における配列又はその中の標的領域に隣接する領域にお
ける配列に好ましくは相補的であり、それらと特異的にハイブリッド形成する。
【0031】 増幅により生成されたインヒビン配列を直接配列決定してもよい。別の方法と
して、あまり望ましくないが、配列解析の前に増幅された配列をクローニングし
てもよい。酵素を用いて増幅したゲノム断片の直接クローニング及び配列解析の
方法は、Scharf、1986年によって記載された。
【0032】 突然変異遺伝子の存在を確認する周知の、多数の方法がある。それらには、1
)1本鎖構造多型現象(『SSCP』)(Orita et al., 1989);2)変性勾配
ゲル電気泳動(『DGGE』)(Wartell et al., 1990; Sheffield et al., 19
89);3)RNA分解酵素保護アッセイ(Finkelstein et al., 1990; Kinsler
et al., 1991);4)対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)(Conner
et al., 1983);5)大腸菌mutSタンパク質のようなヌクレオチドのミス
マッチを認識するタンパク質の使用(Modrich, 1991);及び6)対立遺伝子特
異的PCR(Rano & Kidd, 1989)が挙げられる。対立遺伝子特異的なPCRに
ついては、特定のインヒビン突然変異に対して3’末端にてハイブリッド形成す
るプライマーが使用される。特定のインヒビン突然変異が存在しない場合、増幅
産物は認められない。
【0033】 使用することができる他のアプローチには、欧州特許出願公開第033243
5号及びNewton et al(1989年)で開示されているような増幅
不応性突然変異システム(ARMS)が挙げられる。クローニング、配列決定及
び増幅によって遺伝子の挿入及び欠失も検出することができる。更に、多型のあ
る断片において対立遺伝子の変化又は挿入を検出するために、遺伝子又は周辺の
マーカー遺伝子に対する制限断片長多型(RFLP)プローブを用いることがで
きる。そのような方法は特に、個人に見い出されたインヒビン突然変異の存在に
関して影響を受けている該個人の親族をスクリーニングするのに有用である。
【0034】 最初の3つの方法(即ち、SSCP、DGGE及びRNA分解酵素保護アッセ
イ)では、新しい電気泳動バンドが出現する。SSCPは、配列の変化が1本鎖
分子内塩基対に差異を生じるので、差次的に移動するバンドを検出する。DGG
Eは、変性した勾配のあるゲルを用いて、野生型配列に比べた突然変異配列の移
動度の差異を検出する。RNA分解酵素保護アッセイは、突然変異ポリヌクレオ
チドの1又はそれより多くの断片への切断を含む。対立遺伝子特異的オリゴヌク
レオチドアッセイでは、特異的な配列を検出するオリゴヌクレオチドを設計し、
ハイブリッド形成シグナルの有無を検出することによってアッセイを行う。mu
tSアッセイでは、タンパク質は、突然変異配列と野生型配列のヘテロ2本鎖に
おけるヌクレオチドのミスマッチを含有する配列のみと結合する。
【0035】 2つの鎖が100%相補的ではない2本鎖にミスマッチのヌクレオチドはハイ
ブリッド形成する。完全な相同性の欠如は、欠失、挿入、反転又は置換による可
能性がある。遺伝子又はそのmRNA産物における点突然変異の検出には、ミス
マッチ検出を用いることができる。このような技術は配列決定よりも感度は低い
けれども、それらは多数の試料で行うには更に簡単である。
【0036】 ミスマッチ切断法の例はRNA分解酵素保護アッセイである。この方法は、ヒ
トの野生型インヒビン遺伝子をコードする配列に相補的な標識したリボプローブ
の使用を含む。リボプローブと試験組織から単離されたmRNA又はDNAのど
ちらかとを共にアニーリングし(ハイブリッド形成し)、続けて、2本鎖RNA
構造における一部のミスマッチを検出することができる酵素、すなわちRNA分
解酵素Aで消化する。RNA分解酵素Aによってミスマッチが検出される場合、
それはミスマッチ部位で切断する。従って、アニーリングしたRNA調製物が電
気泳動ゲル基質上で分離されるとき、もしミスマッチが検出され、RNA分解酵
素Aによって切断されていると、リボプローブとmRNA又はDNAに対する完
全長の2本鎖RNAよりも小さいRNA産物が観察される。
【0037】 リボプローブはインヒビンmRNA又は遺伝子の完全長である必要はないが、
どちらかの断片であればよい。リボプローブがインヒビンmRNA又は遺伝子の
一断片のみを含んでいる場合、ミスマッチについて全mRNA配列をスクリーニ
ングするにはこのようなプローブを多数使用することが望ましい。
【0038】 同様に、ミスマッチを検出するのに、酵素切断又は化学的切断を介してDNA
プローブを用いることができる。Cotton et al.,1989年;S
henk et al.,1975年;Novack et al.,1986
年を参照のこと。別の方法としては、一致した2本鎖に対するミスマッチ2本鎖
の電気泳動移動度におけるズレによってミスマッチを検出することができる。C
ariello、1988年を参照のこと。リボプローブ又はDNAプローブの
どちらかによってハイブリッド形成の前にPCRを用いて、突然変異を含有する
可能性がある細胞性のmRNA又はDNAを増幅することができる。特に変化が
、欠失及び挿入のような全体の再配列である場合、サザンハイブリッド形成を用
いてインヒビン遺伝子のDNAにおける変化を検出することができる。
【0039】 対立遺伝子特異的プローブを用いて、PCRの使用によって増幅されたインヒ
ビン遺伝子のDNA配列をスクリーニングしてもよい。このようなプローブは、
それぞれ既知の突然変異を抱え込んだインヒビン遺伝子配列の一領域を含有して
いる核酸オリゴマーである。例えば、1つのオリゴマーは、インヒビン遺伝子配
列の一部に相当する長さ約20個のヌクレオチドであってもよい。インヒビン遺
伝子の中で以前同定された突然変異の存在を同定するために、PCRの増幅産物
をスクリーニングすることができる。
【0040】 対立遺伝子特異的プローブの増幅されたインヒビン配列とのハイブリッド形成
は、例えば、ハイボンドのようなナイロンフィルター上で行うことができる。厳
密なハイブリッド形成条件下における特定のプローブとのハイブリッド形成は、
試料中に対立遺伝子特異的プローブと同じ突然変異が存在することを示している
【0041】 インヒビンのコーディング領域の外側に位置する、病気に罹り易い可能性があ
る患者に由来する突然変異は、インヒビン遺伝子の近傍又はその中のイントロン
及び調節配列のような非コーディング領域を調べることによって検出することが
できる。 非コーディング領域における突然変異が重要であるという初期の指摘
は、対照個人に比べてPOF患者において異常なサイズ又は多量のメッセンジャ
ーRNA分子を示すノーザンブロット実験によってもたらされる可能性がある。
【0042】 公知のいかなる技術によってもインヒビンのmRNA発現の変質を検出するこ
とができる。これらには、ノーザンブロット解析、PCRによる増幅及びRNA
分解酵素保護が挙げられる。減少したmRNA発現は野生型インヒビン遺伝子の
変質を示す。野生型インヒビンのタンパク質の変質をスクリーニングすることに
よっても野生型インヒビン遺伝子の変質を検出することができる。例えば、イン
ヒビンの突然変異を示すことになる、結合抗原の欠如によって組織をスクリーニ
ングするのに野生型インヒビンと免疫的に反応するモノクローナル抗体を用いる
ことができる。
【0043】 例えば、Harlow & Lane(1988年)又はGoding(19
86年)に記載されているような常法によって、10−8−1、好ましくは1
−9−1〜10−10−1以上に強い親和性のモノクローナル抗体が典型
的に作製される。簡単に言えば、適当な動物を選択し、所望の免疫プロトコール
に従う。適当な期間の後、そのような動物の脾臓を摘出し、適当な選抜条件下に
て、典型的には不死化した骨髄腫細胞と個々の脾臓細胞を融合する。その後、各
細胞をクローンに分離し、抗原の所望の領域に特異的な適当な抗体の産生につい
て、各クローンの培養上清を調べる。
【0044】 抗体を調製するために、そのほかに好適な技術には、抗原ポリペプチドへのi
n vitroにおけるリンパ球の暴露があり、別の方法としては、ファージ又
は同様のベクターにおける抗体ライブラリの選択がある。1989年のHuse
et alを参照のこと。
【0045】 また、当該技術で既知の手法を用いて、組換え免疫グロブリンを製造してもよ
い(例えば、米国特許第4,816,567号参照)。
【0046】 抗体は改変して用いても、改変せずに用いてもよい。検出可能なシグナルを提
供する物質を共有結合で、又は非共有結合で結合することにより抗体を標識する
ことが多いであろう。多種多様な標識及び共役技法が広く文献で知られており、
報告されている。好適な標識には、放射性核種、酵素、基質、補因子、阻害剤、
蛍光物質、化学発光物質、磁気粒子などが挙げられる。そのような標識の使用を
教示している特許には、米国特許第3,817,837号、第3,850,75
2号、第3,939,350号、第3,996,345号、第4,277,43
7号、第4,275,149号及び第4,366,241号が挙げられる。
【0047】 突然変異のインヒビン遺伝子産物を検出するために、突然変異対立遺伝子の産
物に特異的な抗体を用いることもできる。かかる抗体は、上述したような野生型
インヒビンに対する抗体と同等の方法で製造することができる。
【0048】 抗体を用いる免疫アッセイには、公知のいかなる好都合な形式を含めることも
できる。そのような形式には、ウエスタンブロット、免疫組織化学的アッセイ及
びELISAアッセイが挙げられる。更に、タンパク質結合定量のような機能的
アッセイも使用することができる。
【0049】 要約すれば、分析がDNAそれ自体のものであれ、DNAから転写されたmR
NAのものであれ、又はDNAの最終発現産物であるタンパク質のものであれ、
野生型インヒビンの発現をコードする基本を成すDNAにおける変質を検出する
ためには、いかなるアプローチを採用することもできる。
【0050】 以下の実験の項は、詳細に行われた種々の分析の要点を述べている。これらは
例示のみの理由で包含されている。
【0051】 (実験) (材料と方法) DNAの抽出 10mlの血液試料からゲノムDNAを抽出した。リンパ球はNYCOMED
リンホプレップTMキットを用いて血液試料から単離した。3.5mlの6M
GuHCl、250μlの7.5M NHAc、50μlの10mg/ml
プロテイナーゼK及び250μlの20%Naサルコシルと共に65℃にて1時
間、細胞をインキュベートした。冷却した2mlのCHClに細胞を加え、2
000rpmにて3分間遠心した。最上層を回収し、10mlの冷無水エタノー
ルに加え、DNAを沈殿させた。200μlのTE緩衝液中で4℃にてDNAを
保管した。
【0052】 一般集団における変異の罹病率を調べるのに必要な正常DNA試料は、志願者
の唾液から得た(プロメガ・ウイザード・ゲノムDNA精製キットから適用した
方法)。食物の残りカスを除くために水で口をすすいだ10分後に被験者から唾
液試料を採集した。DNA抽出を行うまで4℃に試料を保管した。1mlの唾液
を4mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、pH7.1に加え、3000rp
mにて5分間遠心した。180μlのPBSと20μlの20mg/mlのRN
A分解酵素A溶液に沈殿物を再浮遊した。300μlの核溶解液(Nuclear Lysi
s Solution)(プロメガ・キット)で細胞を溶解し、次いで、100mlのタン
パク質溶解液(プロメガ・キット)でボルテックスすることによりタンパク質を
沈殿させ、13000rpmにて3分間遠心した。上清を回収し、300μlの
イソプロパノールにてDNAを沈殿させ、13000rpmにて1分間遠心した
。DNA沈殿物を100μlのDNA水和液(プロメガ・キット)に再浮遊し、
4℃にて保管した。
【0053】 ポリメラーゼ鎖反応(PCR) Lasegene1994に由来するDNAスター・コンピュータプログラム
におけるプライマーセレクト・モジュールを用い、INHα(Mayo et al., 198
6)、INHβA(Mason et al., 1986)、及びINHβB(Mason et al., 198
6)に対する各遺伝子の機能サブユニットを橋渡しして、PCRプライマーを設
計した。DNAの配列決定に使用する、各遺伝子についての大きな断片を1つ得
るために、全領域に隣接するプライマーを設計した。同様に、200〜300塩
基対のより小さな重なり合った断片を設計して、機能的領域を橋渡しして、SS
CP解析に用いた。各断片に隣接するプライマーを表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】 PCRの条件 キアゲンTaqDNAポリメラーゼとPCR緩衝液を用いてPCRを行った。
2.5μlのPCR緩衝液(1x)、25nmolの各dNTP、5nmolの
前向き及び逆向きプライマー及び0.125μlのTaqDNAポリメラーゼを
含有する25μl容量の反応においてゲノムDNA(100ng)を増幅した。
全PCR反応についてβグロビンを陽性対照として用い、DNAを含まない反応
を陰性対照として用いた。標準PCR条件は、94℃における1分間の変性、5
8℃における1分間のアニーリング及び72℃における1分間の伸展を30サイ
クル含んでいた。タッチダウンPCRの条件は、94℃で45秒間の変性、65
℃〜55℃(−0.5℃/サイクル)での45秒間のアニーリング及び72℃で
1分間の伸展を20サイクル、次いで55℃でのアニーリングを更に15サイク
ル含んでいた。タッチダウンPCR及び反応当り5μlのキアゲンQ溶液を用い
て、4つのインヒビンα断片のすべて、INHα(601bp)、INHα1、
INHα2及びINHα3を、大きなインヒビンβA断片、INHβA(529
bp)及び大きなインヒビンβB断片、INHβB(586bp)と共に増幅し
た。2つの小さなインヒビンβA(INHβA1、INHβA2)及び3つの小
さなインヒビンβB断片(INHβB1、INHβB2、INHβB3)は標準
PCR条件下で増幅した。
【0056】 増幅後、予想されたサイズの単一バンドが存在することを確認するために、5
μlの各PCR産物の電気泳動を1.5%アガロースゲル中で行い、臭化エチジ
ウム染色を用いてUV光のもとで視覚化した。
【0057】 1本鎖配列多型(SSCP) SSCPが突然変異を検出する戦略に好適であるかどうかを定めるために12
人の患者から得た最初の群の試料をSSCPによって解析した。残りの32試料
はすべてDNAの配列決定でのみ解析した。無菌の水にてPCR産物を1/10
に希釈した。等量の希釈した試料と2xのホルムアミド負荷緩衝液を95℃にて
3分間加熱して試料を変性させ、DNA鎖が再アニーリングするのを防ぐために
直ちに氷上に置いた。非変性及び変性対照と並行して3μlの各試料を電気泳動
した。SSCPゲルは、1xTBE緩衝液、8%又は10%のポリアクリルアミ
ドゲルを含有し、グリセロール(5%)を含む場合も含まない場合もあった。各
10mlの非変性ゲルに対して設定した試薬は、15μlの25%(w/v)過
硫酸アンモニウムと15μlのTEMEDであった。0.5xTBE泳動緩衝液
を用いて室温(20〜24℃)にて電気泳動を行った。ミニゲル(バイオラッド
、ミニプロテアンIIセル)は170Vにて2〜3時間泳動し、大きなゲル(バ
イオラッド、セクゲン配列決定用セル)は200〜300Vにて一晩泳動した。
銀染色にてDNAを視覚化した。等量の40%エタノールと10%酢酸中にて少
なくとも30分間ゲルを固定し、次いで、10%エタノールと5%酢酸の第2の
混合物中で15分間の洗浄を2回行った。固定の後、KCrを基にした
酸化剤中で15分間洗浄した。次いで酸化剤の黄色い着色が完全に消えるまで、
蒸留水にてゲルを洗浄した。次いで、180mlの蒸留水に溶解した20mlの
銀試薬中でゲルを20分間染色した。蒸留水で1分間、次いで200mlの顕色
剤で3回洗浄し、最後に5%の酢酸で5分間洗浄することによりゲルの顕色を行
った。ゲルを洗浄して酢酸を除き、ワットマン3mmろ紙に移して、乾燥させ、
保存した。
【0058】 DNAの配列決定 3つのインヒビン遺伝子それぞれの全体的な機能的領域を橋渡しする大きなP
CR断片、INHα(601bp)、INHβA(529bp)及びINHβB
(586bp)をDNA配列決定の鋳型として用いた。プロメガのウイザードP
CR調製物DNA精製システムを用いて試料を精製し、アプライド・バイオシス
テムズの377型自動シーケンサー及び2μlの鋳型DNAを用いて配列決定を
行った。
【0059】 変異型の性状分析 INHα遺伝子のサブユニットにおける769番目のG→Aの変異型に関して
、集団の試料のPCR産物を解析した。この変異型が自然に生じた多型なのか、
POFに関与する可能性がある変異型なのかを定めるために、RFLP解析では
Bst71Iを制限酵素として用いた。一般集団の代表として、年齢にかかわり
ない、50人の男女の唾液から正常DNAを回収した。既知の配列であるDNA
を陰性対照DNAとして用い、変異型769番目のG→Aのキャリアであること
が示された(図1bのレーン3)患者1からのDNAを陽性対照として作用させ
た。2.5UのBst71I、0.2μlのアセチル化BSA、5μlのPCR
産物、及び無菌水を用いた1xの制限緩衝液で総容量20μlとして制限酵素に
よる消化を行った。37℃にて1〜2時間、制限酵素混合物をインキュベートし
、2%アガロースゲルで電気泳動を行い、臭化エチジウムで染色した。断片を更
によく分離するために、一部の試料では、8%のポリアクリルアミドゲルでも電
気泳動を行い、続いてシブル(Sybr)ゴールドで染色した。Bst71I酵素を
除く上記試薬をすべて含有した反応混合物中での消化していないDNA対照もイ
ンキュベートし、PCRの消化産物と並行して電気泳動を行った。Bst71I
で消化した場合、野生型のINHα1PCR産物では3つの断片、85bp、2
5bp及び134bpの断片が生じた。769番目のG→Aの変異型では、CG
TCG(n)12の酵素認識部位が消失し、従って2つの断片、85bpと15
9bpの断片が生じた。ヘテロ接合体の試料は、4つの断片すべてを示した。
【0060】 結果 12人の非縁故関係のニュージーランド人POF患者である最初の群ではSS
CP解析を用いて2つの変異型を検出した。第1に、患者8のINHβA1断片
で変異型が見られた(図1aのレーン11)。第2に、患者1でINHα1断片
が、野生型DNAと比べて余分な(extra)バンドを示した(図1b、レーン3
)。野生型DNAと比べた場合、どの患者の試料においても、INHα2、IN
Hα3、INHβA2、INHβA1、INHβB1、INHβB2、及びIN
HβB3は、いかなる移動変異も示さなかった(データは示さず)。
【0061】 INHβA1断片で検出された移動度のズレは、1032番目のヌクレオチド
C→Tのサイレント置換により生じた(図2a)。この変異型は、GGC(グリ
シン)からGGT(グリシン)の変化を生じるコドンの3番目で起きているので
、インヒビンβAサブユニットのアミノ酸配列を変化させなかった。
【0062】 PCR産物の直接的なDNA配列決定によってSSCPを用いて、検出された
INHα1変異型を確認した。変異型は、コドン257番目をGCTからACT
に変え、結果的にINHα遺伝子のサブユニットでアラニンからスレオニンへの
アミノ酸置換を生じる、ヌクレオチド769番目(図2b)におけるG→Aのミ
スセンス置換の結果であった。INHα769のG→A変異が配列決定の間違い
でないことを確認するために、INHα1断片を元々のDNA試料、第2の血液
試料から抽出したDNAの両方から増幅し、それぞれ両方向から配列決定した。
再び、同一の配列変異が同定された。最終的に、12人の患者全員のINHα増
幅産物で配列決定を行ったが、追加の変異型は見い出されなかった。
【0063】 ニュージーランドからは更に6人、フィンランドから1人及びスロベニアから
25人のPOF女性患者からDNAを収集した。原発性無月経症の7人の女性か
らもDNAを収集した。44人の明らかに非縁故関係のPOF患者及び7人の原
発性無月経症患者から、INHα(601bp)、INHβA(529bp)及
びINHβB(586bp)の断片を増幅した。更に2人の患者がINHα76
9のG→A変異を持っていることが判った。
【0064】 INHα769のG→A変異の存在を同定するために迅速RFLPスクリーニ
ングを開発した。この変異型はBst71I制限酵素部位を消失した。48人の
健常人のDNA試料からの244bpのINHα増幅物のRFLP解析は、13
4bpと85bpの断片だけを示した;最も小さな25bpの断片は現れなかっ
た(データは示さず)。769のG→A変異を持つ患者は、159bp、134
bp及び85bpの長さの断片と共にへテロ接合体であることを示していた。
【0065】 考察 INHα769のG→Aの変換は196番目のコドンにおいてアラニンからス
レオニンへの置換を生じた。RFLP解析は、正常集団ではこの変異型が稀であ
ることを示した。アラニンからスレオニンは、官能基の側鎖において脂肪族ヒド
ロキシル基の付加を生じるので非保存的置換はありそうなことである。ヒドロキ
シル基はアラニンよりも親水性で反応性であるスレオニンを生じる。
【0066】 ヒトのインヒビンα遺伝子は、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ラット及びマウス
の配列との80%の相同性が立証されている(Yamanouchi, Yoshida et al., 19
95)。ラットの配列を除いて、これらすべての配列において変異部位でのアミノ
酸アラニンは保存されていた。ラットの配列はアラニンの代わりにセリンを含有
していた。セリンはアラニンのヒドロキシル化型である。しかしながら、スレオ
ニンは、ヒドロキシル基同様にメチル基を付加して大型アミノ酸になっている。
従って、ラットにおけるアラニンのセリンへの置換は、INHα突然変異で誘導
されたスレオニン置換よりも保存的な変質である。また、これらの種の中で、ヒ
トのINHα遺伝子と比較した場合、ラットは最も離れて分岐している。
【0067】 インヒビンαは、TGF−β2(形質転換増殖因子−β2)及びOP−1(骨
形成タンパク質−1)とそれぞれ24%及び26%のアミノ酸配列の相同性を示
す(Kinsley, 1994)。TGF−β2及びOP−1の三次元結晶構造は知られて
おり、3つともすべて特有の7−システインドメインを示し、システインノット
と名付けられた環状構造を生じる。769のG→Aの変換は、5番目のシステイ
ン残基とジスルフィド結合を形成する1番目のシステイン残基に隣接している。
その結果、突然変異は、二量体化に関与するジスルフィド結合を形成する4番目
のシステイン残基の近傍に引き付けられている。従って、この突然変異は、イン
ヒビンαサブユニットのインヒビンβサブユニットとの結合を阻害する可能性を
有する。これは、ニ量体形成に関与するジスルフィド結合を阻害することによっ
て直接的にであってもよいし、システインノットの三次構造を乱すのでニ量体化
する能力を阻害することによって間接的にであってもよい。
【0068】 (産業上の利用) インヒビン遺伝子(特にINHα)における突然変異がPOFの例に関係して
いることを立証することは数多くの意味合いを有する。上記で示したように、第
1の意味合いは、POFの素因に関するリスクを検出する方法又はPOF診断の
方法である。
【0069】 早期にリスクがあることを決定するのは早期の処置に対する機会を提供する。
突然変異のキャリアは、問題が出現する前に治療を受けるのを選択することがで
きる。調べることによってキャリアは重要な人生の決定(例えば、早期の出産)
を下すこともできる。キャリアでない人にとって、POFの家族歴がある場合は
、調べることによって心の平静がもたらされ、監視の必要性が除かれる。
【0070】 推定上のPOF感受性遺伝子としてのインヒビンの同定は、早期の決断を越え
る意味合いを有する。POFの発症を遅らせる予防的アプローチの可能性も生じ
る。
【0071】 これらには、まず、十分量の野生型インヒビンを感受性の女性に直接投与して
、インヒビンの活性濃度を推定上の『正常な』レベルに回復することが含まれる
【0072】 かかるアプローチのために、従来のキャリア、媒体、希釈剤又は賦形剤と組み
合わせて薬剤としてインヒビンを調製することができる。
【0073】 遺伝子治療を用いた治療的又は矯正的アプローチの可能性もある。これには、
突然変異インヒビン遺伝子を持っているヒトに野生型インヒビン機能を供給する
ことが含まれる。かかる機能を供給することによってPOFの進展が妨げられる
はずである。遺伝子が染色体外に留まるように、かかるヒトの細胞にベクターの
中で野生型インヒビン遺伝子又は遺伝子の一部を導入してもよい。かかる状況で
は、遺伝子は染色体外の位置から細胞によって発現される。野生型インヒビン遺
伝子又はその一部がゲノムDNAに統合されるような方法で突然変異細胞に導入
されるような状況は更に普通である。野生型インヒビン遺伝子又はその一部が細
胞に存在する内因性の突然変異型インヒビン遺伝子と組換えを生じるような方法
で突然変異細胞に導入するような状況はあまり普通ではない。かかる組換えには
、インヒビン遺伝子の突然変異を是正するような二重組換えが必要である。組換
え及び染色体外での維持の両方に関する遺伝子導入のためのベクターは公知であ
り、好適なベクターはいかなるものを使用してもよい。エレクトロポレーション
、リン酸カルシウム共沈殿及びウイルスによる形質導入のようなDNAを細胞に
導入する方法は公知である。
【0074】 上記で一般的に考察したように、標的細胞におけるかかる遺伝子の発現産物の
量を高めるために、遺伝子治療の方法において適用可能な野生型インヒビン遺伝
子又は断片を用いてもよい。かかる遺伝子治療は、正常細胞と比べてインヒビン
ポリペプチドのレベルがない又は減少している細胞において使用するのに特に適
している。突然変異遺伝子が『正常な』レベルに発現しているが、遺伝子産物が
完全には機能していないような細胞でさえ、任意のインヒビン遺伝子の発現レベ
ルを高めるためには有用である可能性がある。
【0075】 例えば、Kren et al(1998年)に記載されているような、又は
『遺伝病の治療法』(T. Friedman編、Oxford University Press、1991)の10
5〜121ページでFriedmanが記載しているような一般的に受け入れら
れている方法に従って、遺伝子治療は行われる。まず最初にインヒビンポリペプ
チドの産生を確かめるために上記の方法によって患者から得た細胞を分析する。
発現制御因子と結合し、標的細胞の内部で複製することができるインヒビン遺伝
子を1コピー含有するウイルスベクター又はプラスミドベクターを調製する。好
適なベクターは、米国特許第5,252,479号に記載され、出願WO 第9
3/07282号に公開されているように既知である。次いで、標的部位に局所
的に、 又は全身性に(遠隔部位の可能性があるいかなる標的細胞にも到達する
ために)、ベクターを患者に注射する。移入された遺伝子が各標的細胞のゲノム
に永続的に組み入れられない場合はは、定期的に処置を反復しなければならない
可能性がある。
【0076】 遺伝子治療法の実践では、公知の遺伝子移入システムが有用な可能性がある。
これらにはウイルス性及び非ウイルス性の移入方法が挙げられる。多数のウイル
スが遺伝子移入ベクターとして使用されており、パポバウイルス(例えば、SV
40、Madzak et al., 1992)、アデノウイルス(Berkner, 1992)、ワクシニア
ウイルス(Moss, 1992)、アデノ関連ウイルス(Muzyczka, 1992)、HSV及び
EBVを含むヘルペスウイルス(Margolskee, 1992; Johnson et al., 1992: Fi
nk et al., 1992; Breakfield & Geller, 1987; Freese et al., 1990)、及び
鳥類(Petropoulos et al., 1992)、マウス(Miller, 1992)、並びにヒト(Sh
imada et al., 1991; Helseth et al., 1990; Page et al., 1990; Buchschache
r & Panganiban, 1992)のレトロウイルスが挙げられる。
【0077】 当該技術で既知の非ウイルス性の遺伝子移入法には、リン酸カルシウム共沈殿
(Pellicer et al., 1980)のような化学的技法;例えばマイクロインジェクシ
ョン(Anderson et al., 1980)のような機械的技法;リポソーム(Lim et al.,
1992)を介した膜融合が介在する移入及び直接的なDNAの取り込み並びに受
容体が介在するDNAの移入(Wolff et al, 1990; Wu et al., 1991)が挙げら
れる。ウイルスが介在する遺伝子移入はリポソーム送達を用いたin vivo
の直接遺伝子移入と組合せることができ、ウイルスベクターを標的細胞に向ける
ことができる。別の方法として、レトロウイルスベクター産生細胞株を患者に注
射することができる(Culver et al., 1992)。産生細胞の注射はその結果、継
続したベクター粒子源を提供する。
【0078】 生物学的遺伝子移入法と化学的遺伝子移入法を組合せたアプローチでは、いか
なるサイズのプラスミドDNAもアデノウイルスのヘキソンタンパク質に特異的
なポリリジンを共役させた抗体と組合せられ、得られた複合体は、アデノウイル
スベクターに結合する。次いでその三分子複合体を用いて細胞に感染させる。ア
デノウイルスベクターによって、結合したDNAが損傷を受ける前に、十分な結
合、取り込み及びエンドソームの分解ができる。
【0079】 リポソーム/DNA複合体はin vivoにおける遺伝子移入に直接介在で
きることが明らかにされている。通常のリポソーム調製物では、遺伝子移入過程
は非特異的である一方で、in vivoでの局限された取り込みや発現は、例
えば、in situの直接投与の後、組織沈着性であることが報告されている
(Nabel, 1992)。
【0080】 当業者は、上記記載が単に例示を目的として提供されていること、及びそれは
添付のクレームの法的な範囲によってのみ限定されることを十分理解するであろ
う。
【参1】
【参2】
【参3】
【参4】
【参5】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1aは、5%グリセロールを含有する8%ポリアクリルアミドゲル上におけ
るINHβA1断片のSSCPの結果を示す。レーン1は、マーカーを示し、レ
ーン2は非変性PCR断片であり、レーン3は正常の対照試料であり、レーン4
〜11は患者の試料を表す(それぞれ患者1〜8)。レーン11(患者8)の余
分なバンドは配列の変異を示す。 図1bは、8%ポリアクリルアミドゲル上におけるINHα1断片のSSCP
の結果を示す。レーン1は、マーカーを示し、レーン2は正常の対照試料であり
、レーン3〜7は患者の試料を表す(それぞれ患者1〜5)。レーン3(患者1
)の余分なバンドは配列の変異を示す。
【図2】 図2aは、野生型(WT)配列と比較したINHβA1変異(患者8)の配列
を示す電気泳動図である。矢印は変異型におけるCからTへの配列変化、及び野
生型配列において相当する配列を示す。 図2bは、野生型(WT)配列と比較したINHα1変異(患者1)の配列を
示す電気泳動図である。矢印は変異型におけるGからAへの配列変化、及び野生
型配列において相当するヌクレオチドを示す。
【図3】 図3は、Bst71Iを用いたINHα1断片のRFLP解析の結果を示す。
未消化のDNAは244bpの単一バンドを持つ。野生型(WT)は134bp
、85bp及び25bpの3本のバンドを生じる。変異型のホモ接合体では15
0bpと85bpの2つの断片を生じる。ヘテロ接合体のキャリアは全部で4つ
の断片(150bp、134bp、85bp及び25bp)を持つ。消化したと
き、野生型と変異断片の両方を生じるので変異型はヘテロ接合体である。8%ポ
リアクリルアミドゲル上では25bpの断片は検出できない。レーン1はマーカ
ーであり、レーン2は未消化のDNA、レーン3〜5は、DNAの配列決定によ
り変異に関してへテロ接合体であると同定されたPOF患者を表し、レーン6は
正常の対照試料であり、レーン7〜9は、DNA配列決定によって変異に関して
ホモ接合体の正常であることが示されたPOF患者である。
【図4】 図4は、ヒト、ウマ、ブタ、ヒツジ、マウス、ウシ、フクロネズミ、ニワトリ
及びラット由来のINHα遺伝子サブユニットのアミノ酸配列の配置を示す。D
NA配列はGenbankから得た。矢印はGからAへの突然変異によって変化
したアミノ酸を示す。
【図5】 図5は閉経年齢を示す。閉経年齢は各患者から得て、年齢に従ってプロットし
た。769番目のG→A変異を持つ3人の女性をマルで示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 33/53 M G01N 33/53 33/566 A61K 35/76 33/566 C12N 15/00 ZNAA // A61K 35/76 A61K 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 CA03 CA12 CA20 HA09 HA11 HA17 4B063 QA01 QA13 QA17 QA19 QQ43 QQ53 QR08 QR14 QR32 QR40 QR42 QR48 QR62 QS16 QS25 QS36 QX02 4C084 AA02 AA07 AA13 BA01 BA22 CA53 DB51 DB61 NA10 NA14 ZA812 ZB262 4C087 BC83 ZA81

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インヒビンをコードする遺伝子の変質の存在又は非存在を検
    出する工程を含む、女性被験者にPOFの素因があるかどうかを検出するための
    試験方法であって、変質の存在が早発性卵巣機能不全(POF)の素因を示す試
    験方法。
  2. 【請求項2】 変質の存在又は非存在が、インヒビンをコードするDNAの
    解析によって決定される請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 変質の存在又は非存在が、前記被験者の試料からのDNAの
    配列を、野生型インヒビンをコードするDNA配列と比較することによって決定
    される請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 変質の存在又は非存在が、制限酵素Bst71Iを用いた制
    限断片長多型(RFLP)によって決定される請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 変質の存在又は非存在が、インヒビンをコードするDNAか
    ら転写されたmRNAの解析によって決定される請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 変質の存在又は非存在が、前記被験者の試料からのmRNA
    の配列を、野生型インヒビンをコードするDNAから転写されたmRNAの配列
    と比較することによって決定される請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 変質の存在又は非存在が、発現されたインヒビンタンパク質
    のアミノ酸配列の解析によって決定される請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 変質の存在又は非存在が、前記被験者の試料からの発現され
    ているインヒビンタンパク質のアミノ酸配列を、野生型インヒビンタンパク質の
    アミノ酸配列と比較することによって決定される請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 変質の存在又は非存在が、前記被験者の試料に存在するイン
    ヒビンタンパク質の発現/活性のレベルを、野生型インヒビンタンパク質の発現
    /活性のレベルと比較することによって決定される請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 INHαのヌクレオチド769番目におけるG→T置換の
    存在がPOFの素因を示す請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記クレームのいずれかに記載の方法によって癌の素因に
    対するリスクを有するとして同定された前記女性の早発性卵巣機能不全(POF
    )に対する予防的処置及び/又は治療的処置の方法であって、女性において野生
    型インヒビンタンパク質の活性濃度を高め、維持し及び/又は回復する工程を含
    む方法。
  12. 【請求項12】 前記女性に野生型インヒビン遺伝子の機能を供給すること
    を含む請求項11に記載の治療方法。
  13. 【請求項13】 前記女性に野生型インヒビンを投与することを含む請求項
    11に記載の治療方法。
  14. 【請求項14】 女性において早発性卵巣機能不全(POF)を治療する又
    は予防するための薬剤の製造における野生型インヒビンの使用。
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