JP2002537532A - クリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 個人用物品（２４）を取外し可能に固定するためのクリップ（１０）が提供され、この物品は、それから離隔したヘッドを持つスタッドを有する。クリップ（１０）は、ストラップ（１２）に接続可能なベース（２２）と、ベース（２２）に対して付勢されるばね部材（１４）とを含む。ベース（２２）は、スタッドヘッド（３２）を収容可能な凹設孔（４０）を含む。ばね部材は、凹設孔にほぼ整合した端部に延びるスロット（３４）を含み、スロットの整合端部は、スタッドヘッド（３２）の径より小さな第１幅を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （発明の属する技術分野） 本発明は、個人用物品を固定する装置、とくに、個人用物品を取外し可能に固
定する回転クリップに関する。

【０００２】 （発明の背景） 回転型クリップが、携帯電話、ポケベルなどのような個人用物品を使用者のベ
ルトに固定するのに一般的となっている。使用者に、物品を手や財布などに入れ
てはこぶ必要がないという便宜を与えるだけでなく、回転型クリップは、物品が
クリップの周りを回転することを可能にするという利点を与える。物品の回転は
、物品が不快なほど使用者の横腹を突いたり、あるいは、突き刺すのを防止する
のを助ける。この利点は、固定される物品が、一般的に細長い外形を有する携帯
電話であるときに、特に判るものである。

【０００３】 個人用物品に取付けられかつ個人用物品と共にベルトから取外されるベルトク
リップとは対照的に、回転型クリップは、使用者のベルトに固定された状態を保
持することが意図されている。個人用物品は、回転クリップに取付けられ、これ
から取外される。一般的に、回転スクリップと個人用物品との間のインターフェ
ース（接続部）は、容易で迅速な取外しを可能とするのが望ましい。

【０００４】 一般的なインターフェースは、個人用物品に取付けられた機構に嵌合する回転
クリップのアンダーカット（切り込み受口）機構を含む。一般的に、フランジ付
スタッド（止め具）のような取付け機構と連動する側部のアンダーカット部を有
するスロット（溝穴）は、このインターフェースを形成する。一般的に、スタッ
ド（およびその後、個人用物品）が、（a）ポジティブロック（能動的止め）機
構、（b）パッシブロック（受動的止め）機構、あるいは、（c）スタッドおよび
スロットの幾何学的配置のいずれかによって、スロット内に保持される。本明細
書中で用いるように、パッシブロックとは、物品を所定位置で固定するために使
用する機構が、十分な力を与えることにより外れる構造を有するロックとして定
義される。この力の克服は、嵌合状態を解除する唯一の方法である。

【０００５】 ポジティブロック機構の問題は、ポストあるいはアンダーカットを解除して物
品をクリップから外すのを可能とするために、一般的に使用者が手動で係合可能
なボタン、ラッチなどを必要とするということである。１０，０００以上の範囲
でのサイクルが製品の通常寿命に対して予想され得るために、可動部材（ボタン
、ラッチなど）の摩耗は関心事項である。また、クリップタイプの製品（一般的
に出来るだけ小さいことが望まれる）の大きさの制限のために、信頼性が問題と
なることが多い。クリップが受ける負荷は驚くほど高いことがある。たとえば、
使用者が椅子に座ろうとして物品が椅子の肘掛にひっかかった場合を考えられた
い。２００ポンド（約９０ｋｇ）の使用者は、一般的に、小さなラッチ機構が取
扱うことができる力よりも遥かに大きな多大な力を及ぼすことがある。最後に、
可動部材は、一般的に、より多くの部材が組立てのために必要であることを意味
し、これは、クリップの製造コストに直接関連する。

【０００６】 幾何学的ロック機構は、一般的に、可動部材を必要とするポジティブロック機
構に関連する摩耗、信頼性および製造コストの制約による負担がない。しかし、
幾何学的ロック機構は、物品をクリップに容易におよび／または迅速に取付けま
たは取外しを行う際の困難性が増す。幾何学的ロック機構の背後にある理論は、
クリップに対する物品の１つの向きにおいて、物品は、クリップ内であるいはク
リップに対して移動するのが許容されるが、他の向きにおいて、物品およびクリ
ップは、一体にロックされるか、あるいは、物品がクリップに対して移動するの
を防止する十分な干渉があるということである。したがって、使用者は、幾何学
的ロック機構の構造に応じて、物品をクリップから滑り出す前に、あるいは、物
品をクリップに取付ける前に、一般的に物品を回転させる（９０°，１８０°な
ど）必要がある。とくに、物品が偶発的にクリップから外れるのを防止するには
、幾何学的ロック機構は通常の使用により物品がクリップから外れないようにす
ることが必要とされるために、必要な動きは、煩わしくかつ扱いずらいと考えら
れることがある。

【０００７】 パッシブロック機構と関連する問題は、パッシブロック機構が、通常の使用の
際に物品が外れるのを防止する十分に高い保持力を有する構造を有している場合
、この高い力は、一般的に、望むときに使用者が物品を解放するのを困難にする
ということである。反対に、力が、十分に使い勝手を可能とするために低い場合
は、物品は通常の状態で不意に外れやすく、したがって、固定された物品が紛失
および／または盗難にあう可能性が増加する。

【０００８】 さらに、主としてポジティブロックおよび幾何学的ロック機構に関連する問題
は、大きなサイズの固定構造体（すなわち、可動部材、幾何学的形状部材など）
はクリップを使用者のベルトに取付けるために使用される主ばねのサイズを減少
させ、その結果、ばねは、容易に変形可能で使用者のベルトから容易に外れやす
くなる。

【０００９】 本発明は、上述の問題の１つないし複数を解決することに関する。

【００１０】 （発明の概要） 個人使用の物品を取外し可能に固定するためのクリップが提供され、上記物品
は、それから離隔したヘッド（頭部）を持つスタッドを有する。クリップは、ス
トラップに接続可能なベース（基部）とベースに対して付勢されるばね部材とを
含む。ベースは、スタッドヘッドを収容可能な凹設孔を含む。ばね部材は、凹設
孔にほぼ整合した端部に延びるスロットを含み、スロットの整合端部は、スタッ
ドヘッドの径より小さな第１幅を有する。

【００１１】 スロットは、第１，第２部分を含み、スロットの第１部分は、スタッドヘッド
の径より大きな幅から第１幅に傾斜する幅を有し、第２部分は、第１幅にほぼ等
しくかつ凹設孔に整合した幅を有する。

【００１２】 凹設孔およびスタッドヘッドは、それぞれ、物品がクリップに固定された状態
で物品／スタッドの回動あるいは枢動を許容する円形形状を有してもよい。

【００１３】 第１の形態において、ベースは、凹設孔から開始し、かつ、ばね部材から離れ
る方向に傾斜して延びる傾斜部をスロットにほぼ整合した状態で含む。

【００１４】 第１の形態のうちの１つの局面では、第１部材は、ベースおよびばね部材に接
続され、第１部材とベースとばね部材は、ストラップを収容する通路を形成する
。第１部材とベースとばね部材は、単体として形成される。

【００１５】 第２の形態において、ベースは、ばね部材に当接しかつ凹設孔に延びる側部に
形成されたチャンネル（溝）を含む。このチャンネルは、ばね部材のスロットに
ほぼ整合し、凹設孔の遠位の最大深さから凹設孔での最小深さに傾斜する深さを
有する。

【００１６】 第２の形態のうちの１つの局面では、第１部材は、ばね部材に接続され、スト
ラップに取外し可能に固定することができるクリップを形成する。第１部材は、
ベースから離隔し、第１部材およびベースは、ストラップを収容する通路を形成
する。

【００１７】 第２の形態の他の局面では、第１部材は、ばね部材から離隔しかつばね部材に
ほぼ平行に延び、第１部材およびばね部材は、ベースを収容するレセプタクル（
受け）を形成する。ベースは、第１部材に対向する凹状面を含み、第１部材およ
びベースの凹状面は、ストラップを収容する通路を形成する。

【００１８】 第２の形態の更に他の局面では、第１部材およびばね部材は、単一部材として
形成される。第１部材とベースとばね部材は、少なくとも１のリベットによって
一体に接続される。

【００１９】 第２の形態の更に他の局面では、ばね部材は、スタッドヘッドが凹設孔に係合
する保持位置を形成する第１位置でベースに対して付勢され、スタッドヘッドが
凹設孔から外れる解放位置を形成する第２位置に向かう第１方向にベースに対し
て移動することができる。ばね部材のベースに対する第１方向の動きは、ばね部
材から延びる突起およびベースから延びる対応するリップ（くちびる状）部を介
して制約されるが、協働するリップ部および突起は、機能的目的には必要ではな
く、創作的クリップの耐久性を向上させるのを支援する。

【００２０】 ばね部材が第１位置でベースに対して付勢されたときに、突起およびリップ部
は、互いに第１距離だけ離隔する。ばね部材が第２位置にあるときに、ばね部材
の突起は、ベースのリップ部に係合し、ばね部材が第２位置を越えて第１方向に
ベースに対して更に移動するのを抑制する。

【００２１】 本発明の目的は、使用者に装着されたストラップ（皮帯）に確実に取付けかつ
個人用物品を確実に固定する構造体を含むことができる、個人用物品を固定する
クリップを提供することである。

【００２２】 本発明の他の目的は、ポジティブロック機構を有する、個人用物品を固定する
低コストのクリップを提供することである。

【００２３】 本発明の更に他の目的は、個人用物品のクリップへの容易かつ迅速な取付け／
取外しが可能な、個人用物品を固定するクリップを提供することである。

【００２４】 本発明の更に他の目的は、クリップに固定されたときに、個人用物品の枢動を
可能とする、個人用物品を固定するクリップを提供することである。

【００２５】 本発明の他の局面、目的および利点は、本願、図面および添付特許請求の範囲
の検討から得られる。

【００２６】 （好適実施形態の詳細説明） 図１および２を参照すると、全体を１０で示す、個人用物品を固定するための
クリップが図示されている。クリップ１０は、使用者のベルト１２に装着される
構造を有している。クリップ１０は、ベルト１２に取付けられるものとして記載
しているが、ベルト１２は、例示目的のためだけに用いられ、クリップ１０は、
衣類、ストラップ、車両のシートベルトなどを含むが、これらに限られないスト
ラップ（帯）状構造物に取付け可能であることが理解されるべきである。クリッ
プ１０は、レセプタクル２０を形成する第１、２の離隔部材１６，１８を有する
ばね部材１４と、レセプタクル２０内に収容されるベース２２とを含む。クリッ
プ１０は、個人用物品２４をクリップに取外し可能に固定する構造を有する。個
人用物品２４は、使用者がクリップ１０に取外し可能に固定するのを望むほとん
ど全ての物品であってよく、携帯電話、ポケベル、キーなどのような物品を含ん
でもよい。個人用物品２４は、離隔端部を持つシャフト２８を有するスタッド２
６を含み、シャフト２８の一方の端部３０は個人用物品２４に取付けられ、シャ
フト２８の他方の端部は、ヘッド３２を有する。

【００２７】 第１部材１６は、ばね部材１４を介して、ベース２２に付勢され、この部材に
形成されたスロット３４を含む。スロット３４は、第２幅から第１幅に先細とな
る第１部分３６と、ほぼ第１幅を有する第２部分３８とを含む。第１幅は、スタ
ッドシャフト２８の径より大きく、スタッドヘッド３２より小さいのが好ましい
。

【００２８】 ベース２２は、スタッドヘッド３２を収容可能でかつ第１部材１６のスロット
３４の第２部分３８にほぼ整合する凹設孔４０を含む。チャンネル４２が、第１
部材１６に当接するベース２２の表面４４に形成される。チャンネル４２は、凹
設孔４０の遠位の部分４６の最大深さから凹設孔４０の最小深さに傾斜する深さ
を有する。ベース２２がレセプタクル２０内に配置された場合に、チャンネル４
２および凹設孔４０は、第１部材１６のスロット３４にほぼ整合する。チャンネ
ル４２およびスロット３４は、一緒に、スタッドヘッド３２を収容するアンダー
カットスロットを形成する。ベース２２は、たとえば、通常のリベット４８によ
って、ばね部材１４内に好適な状態で保持される。

【００２９】 ベース２２は、第２部材１８に対向する凹状面５０を含む。ベース２２の凹状
面５０および第２部材１８は、ベルト１２を収容する通路を形成する。第２部材
１８は、クリップ１０を使用者のベルト１２に取外し可能に固定するクリップタ
イプの機構を形成する先端部５２を含む。

【００３０】 操作の際に、スタッド２６のヘッド３２は、ヘッド３２を通過可能とするのに
十分な大きさの幅を有する第１部分３６のスロット３４に挿入される。スタッド
２６がスロット３４および対応するチャンネル４２を滑り降りるときに、チャン
ネル４２の深さは、耐えず減少し、スタッドヘッド３２が凹設孔４０に達するま
で、第１部材１６をベース２２から離れる方向に付勢し、スタッドヘッド３２が
凹設孔４０に達したときに、第１部材１６が作用してスタッド２６のヘッド３２
を凹設孔４０内に移動させる。スロット３４の第２部分３８の幅は、スタッドシ
ャフト２８の径より大きくかつスタッドヘッド３２の径より小さいために、第１
部材１６のベース２２に向けての付勢力は、スタッドヘッド３２を凹設孔４０内
で捕捉し、したがって、個人用物品２４をクリップ１０に確実に固定する。

【００３１】 凹設孔４０およびスタッドヘッド３２の双方は、円形形状を有し、したがって
、個人用物品２４は、固定位置のときに回転可能であることが好ましい。しかし
、凹設孔４０およびスタッドヘッド３２の形状は、固定位置のときに個人用物品
２４が回転しないことが望ましい場合には、円形以外とすることができることが
留意されるべきである。

【００３２】 個人用物品２４をクリップ１０から取外すためには、使用者は、個人用物品２
４をクリップ１０から離れる方向に引っ張るだけである。スタッドヘッド３２は
、第１部材１６をベース２２から離れる方向に、スタッドヘッド３２が凹設孔４
０から外れる位置まで引っ張る。個人用物品２４およびこれに取付けられた対応
するスタッド２６は、その後、スロット３４の長さに沿って反対方向に滑り戻さ
れ、スタッドヘッド３２がその径より大きな幅を有するスロット３４の第１部分
３６に達したときに、クリップ１０から取外し可能である。

【００３３】 クリップ１０は、その全体を５４で示すオーバートラベル（過剰移動）防止機
構を含み、この機構は、第１部材１６が使用中に変形あるいは損傷するのを防止
する。このオーバートラベル防止機構５４は、ばね部材１４の第１部材１６の突
起５６と、ベース２２から延びる対応するリップ部５８とを含む。図１に示す位
置（保持位置）において、突起５６は、リップ部５８から第１の距離だけ離隔し
ている。個人用物品２４をクリップ１０から取外すときに、第１部材１６を、ベ
ース２２から離れる方向に引っ張り、突起５６をリップ部５８に係合させる。突
起５６とリップ部５８とが係合したときに、第１部材１６は、べース２２から更
に離れる方向に引っ張られるのが防止され、したがって、個人用物品２４を外す
際に、第１部材１６の損傷あるいは変形を防止すること、そして、使用者に、個
人用物品２４が十分に引き出されたことの明確な反応を提供することを支援する
。個人用物品２４の取外しを許容するために、第１部材１６がベース２２に付勢
されたときの突起５６とリップ部５８との間の距離は、少なくともスタッドヘッ
ド３２の軸方向長さとほぼ同じ長さでなければならない。

【００３４】 図３から図５は、その全体を６０で示す、本発明によるクリップの第２実施形
態を示している。クリップ６０は、第１部材６４とこの第１部材６４から離隔し
た第２部材６６とを含むばね部材６２を備え、第１，第２部材６４，６６は、ベ
ルト７０を収容する通路６８を形成する。ベース部材７２は、第２部材６６から
通路６８内に延び、第１，第２部材６４，６６と協働して通路６８を形成する。

【００３５】 第１部材６４は、ばね部材６２を介してベース部材７２に付勢され、該部材に
形成されたスロット７４を含む。スロット７４は、第２幅から第１幅に先細にな
る第１部分７６と、ほぼ第１幅を有する第２部分７８とを含む。第１幅は、スタ
ッドシャフト２８の径より大きく、スタッドヘッド３２の径より小さいことが好
ましい。

【００３６】 ベース部材７２は、スタッドヘッド３２を収容可能にその中に形成され、第１
部材６４のスロット７４の第２部分７８にほぼ整合した凹設孔７９を含む。ベー
ス部材７２は、スロット７４に整合しかつ第１部材６４から離れる方向に延びる
傾斜部分８０を含み、これにより、スタッド２６のヘッド３２は、凹設孔７９に
係合するところまで滑らかに移動することができる。

【００３７】 操作の際、スタッド２６のヘッド３２は、スタッドヘッド３２を通過可能とす
るのに十分な大きさの幅を有する第１部分７６のスロット７４内に挿入される。
個人用物品２４に取付けられたスタッド２６は、スロット７４を第２部分７８内
に滑り降り、第２部分は、スタッドヘッド３２の径より小さいがスタッドシャフ
ト２８の径より大きな幅を有している。スタッド２６が、スロット７４の第２部
分７８内に下方へ移動するときに、スタッドヘッド３２は、ベース部材７２の傾
斜部８０に係合して、第１部材６４をベース部材７２から離れる方向に付勢し、
凹設孔７９に達するまで、スタッドヘッド３２に間隙を提供する。ベース部材７
２に対する第１部材６４の付勢力により、スタッドヘッド３２は凹設孔７９内に
移動し、その中に捕捉されて個人用物品２４をクリップ６０に確実に固定する。

【００３８】 図４は、図３の線４−４に沿う断面図であり、スタッドヘッド３２が凹設孔７
９内に係合し固定されたクリップ６０を示す。この位置において、個人用物品２
４は、クリップ６０に固定される。凹設孔７９およびスタッドヘッド３２は、円
形形状とし、クリップ６０に固定されたときに、個人用物品２４の枢動を許容し
てもよい。しかし、凹設孔７９およびスタッドヘッド３２の他の幾何学形状を用
いてもよい。

【００３９】 個人用物品２４をクリップ６０から外すために、使用者は、個人用物品２４を
握持し、クリップ６０から離れる方向に引っ張る。スタッドヘッド３２は、第１
部材６４をベース部材７２から離れる方向に、スタッドヘッド３２が凹設孔７９
から完全に外れる図５に示す位置まで引っ張る。このときに、使用者は、個人用
物品２４およびこれに取付けられた対応するスタッド２６を、スタッド２６、し
たがって、個人用物品２４をクリップ６０から外すことができる第１部分７６ま
でスロット７４に沿って上方に摺動するだけでよい。

【００４０】 図６から図８は、図３から図５に示したクリップ６０の変形を６０’で示し、
同一の部材は同一の参照番号で表示され、若干の修正を必要とした部材はプライ
ム符号（’）で表示した。スタッド６０’は、第１部材６４’と第１部材６４’
から離隔した第２部材６６’とを含むばね部材６２’を備え、第１，第２部材６
４’， ６６’は、ベルト７０などを収容する通路６８を形成する。ベース部材
７２’は、第２部材６６’から通路６８内に延び、第１，第２部材６４’， ６
６’と協働して通路６８を形成する。

【００４１】 第１部材６４’は、ばね部材６２’を介してベース部材７２’に対して付勢さ
れ、該部材に形成されたスロット７４’を含む。スロット７４’は、第２幅から
第１幅に先細になる第１部分７６’と、ほぼ第１幅を有する第２部分７８’とを
含む。第１幅は、スタッドシャフト２８の径より大きくかつスタッドヘッド３２
の径より小さいことが好ましい。その代わりに、スロット７４’は、単一テーパ
ースロットであってもよい。

【００４２】 ベース部材７２’は、スタッドヘッド３２を収容可能に該部材に形成されかつ
第１部材６４’のスロット７４’の第２部分７８’にほぼ整合した凹設孔７９を
含む。ベース部材７２’は、スロット７４’に整合しかつ第１部材６４’から離
れる方向に延びる傾斜部８０’を含み、これにより、スタッド２６のヘッド３２
は、凹設孔７９に係合する点まで滑らかに移動することができる。

【００４３】 操作の際に、スタッドヘッド３２が、第１部分７６’の開口端部のスロット７
４’内に挿入される。スタッド２６は、スロット７４’の第２部分７８’内にむ
けて上方に摺動し、第２部分は、スタッドヘッド３２の径より小さいが、スタッ
ドシャフト２８の径より大きい幅を有する。スタッド２６が上方に移動するとき
に、スタッドヘッド３２は、ベース部材７２’の傾斜部８０’に係合し、これに
より、第１部材６４’は、スタッドヘッド３２が凹設孔７９に達するまで、ベー
ス部材７２’から離れる方向に付勢され、スタッドヘッド３２が凹設孔７９に達
したときに、第１部材６４’が作用してスタッド２６のヘッド３２を凹設孔７９
内に移動させる。ベース部材７２’に対する第１部材６４’の付勢力により、ス
タッドヘッド３２は凹設孔７９内に捕捉され、したがって、個人用物品２４をク
リップ６０’に確実に固定する。

【００４４】 図７は、図６の線７−７に沿う断面図であり、スタッドヘッド３２が凹設孔７
９内に係合し固定されたときのクリップ６０’を示している。この位置において
、個人用物品２４はクリップ６０’に固定される。

【００４５】 個人用物品２４をクリップ６０’から解放するために、使用者は、個人用物品
２４を把持し、クリップ６０’から離れる方向に引っ張るだけである。スタッド
ヘッド３２は、第１部材６４’をベース部材７２’から離れる方向に、スタッド
ヘッド３２が凹設孔７９から完全に外れる図８に示す位置まで引っ張る。使用者
は、その後、個人用物品２４およびこれに取付けられた対応するスタッド２６を
、スタッド２６、したがって、個人用物品２４をクリップ６０’から取外すこと
ができる第１部分７６’までスロット７４’に沿って下方に摺動する。

【００４６】 上述の本発明は、携帯電話、ポケベルなどのような個人用物品２４をクリップ
１０，６０，６０’に取付ける確実な手段を提供する。物品２４の側部にぶつか
ったり、押したりあるいは引っ張っても外れず、スタッドヘッド３２を凹設孔４
０，７９の壁に対して動かすだけである。物品２４を使用者の身体から離れる方
向に引っ張ることによってのみ（クリップ１０，６０，６０’が使用者のベルト
に取付けられていると仮定した場合）スタッドヘッド３２を凹設孔４０，７９か
ら解放し、その後、物品２４をクリップ１０，６０，６０’から外すことができ
る。

【００４７】 ばね部材１４，６２，６２’は、ブラシステンレス、クロムなどの金属あるい
はプラスチックから形成することができる。ベース２２も、アルミニウムなどの
金属あるいはプラスチックから形成することができる。ばね部材１４，６２，６
２’の厚さが、使用される材料および個人用物品２４を装着するのに必要なばね
力に応じて変えられることを当業者は理解するであろう。さらに、リベット４８
は、超音波溶着、ヒートスタッキング、接着、ベース２２の対応する凹部に係合
する第１部材１６の窪み機構などのような他の通常の取付け手段で代えることが
できる。最後に、デュロメータ軟性オーバーモールド材料を、ベース２２の凹状
面５０に配置して、使用者のベルト、ストラップなどにクリップ１０を固定する
のを更に支援することができる。

【００４８】 特に図面を参照して本発明について説明したが、種々の変更が、本発明の精神
および範囲から逸脱することなく、行うことができることが理解されなければな
らない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のクリップの斜視図。

【図２】 図１に示したクリップの分解図。

【図３】 本発明の第２実施形態による、個人用物品を固定するクリップの斜視図。

【図４】 線４−４に沿う図３に示したクリップの保持状態の断面図。

【図５】 線４−４に沿う図３に示したクリップの解放状態の断面図。

【図６】 本発明の第３実施形態による、個人用物品を固定するクリップの斜視図。

【図７】 線７−７に沿う図６に示したクリップの保持状態の断面図。

【図８】 線７−７に沿う図６に示したクリップの解放状態の断面図。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１３年１月１５日（２００１．１．１５）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００９

【補正方法】変更

【補正の内容】

【０００９】 ドイツ国特許第ＤＥ２９７１８１７１Ｕ１号明細書は、取付けスタッドに丸ま
ったヘッドを使用し、これにより、ヘッドの薄い縁部のリップ部によって、スタ
ッドを、適切に配向されたときに、単方向の力を加えるだけでヘッドが配置され
た凹部からずり上がらせることができる取付け構造体を開示する。したがって、
この構造体は、不意に外れる危険性がある。 本発明は、上述の問題の１つないし複数を解決することに関する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ 【要約の続き】

Claims (24)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 個人用物品から離隔したヘッドを備えたスタッドを有する個
   人用物品を取外し可能に固定するクリップであって、 スタッドヘッドを収容可能な凹設孔を有し、ストラップに接続可能なベースと
   、 ベースに対して付勢されるばね部材とを備え、ばね部材は、凹設孔にほぼ整合
   した端部に延びるスロットを有し、スロットの整合端部は、スタッドヘッドの径
   より小さな第１幅を有するクリップ。
2. 【請求項２】 スロットは、スタッドヘッドの径より大きな幅から第１幅に
   傾斜する幅を有する第１部分と、第１幅にほぼ等しい幅を有し、一部が凹設孔に
   整合した第２部分とを含む請求項１に記載のクリップ。
3. 【請求項３】 凹設孔およびスタッドヘッドは、それぞれ円形形状を有する
   請求項１に記載のクリップ。
4. 【請求項４】 ベースは、ばね部材に対向する側部に形成されたチャンネル
   を含み、このチャンネルは、ばね部材のスロットにほぼ整合し、凹設孔の遠位の
   最大深さから傾斜する深さを有する請求項１に記載のクリップ。
5. 【請求項５】 ベースは、スロットに整合し、凹設孔から離れる方向にばね
   部材から傾斜する傾斜部を含む請求項１に記載のクリップ。
6. 【請求項６】 さらに、ベースおよびばね部材に接続された第１部材を備え
   、第１部材とベースとばね部材はストラップを収容する通路を形成する請求項１
   に記載のクリップ。
7. 【請求項７】 第１部材とベースとばね部材は単体として形成される請求項
   ６に記載のクリップ。
8. 【請求項８】 さらに、ばね部材に接続された第１部材を備え、第１部材は
   ストラップに取外し可能に固定することができる装着部材を形成する請求項１に
   記載のクリップ。
9. 【請求項９】 第１部材は、ベースから離隔し、第１部材およびベースは、
   ストラップを収容する通路を形成する請求項８に記載のクリップ。
10. 【請求項１０】 第１部材は、ばね部材から離隔し、ばね部材に対してほぼ
    平行に延び、第１部材およびばね部材はベースを収容するレセプタクルを形成す
    る請求項８に記載のクリップ。
11. 【請求項１１】 第１部材に対向するベースの表面は、凹状で、第１部材お
    よびベースの凹状面は、ストラップを収容する通路を形成する請求項１０に記載
    のクリップ。
12. 【請求項１２】 第１部材とベースとばね部材は、少なくとも１のリベット
    によって一体に接続される請求項８に記載のクリップ。
13. 【請求項１３】 第１部材およびばね部材は、単体である請求項８に記載の
    クリップ。
14. 【請求項１４】 ばね部材は、スタッドヘッドが凹設孔に係合可能な保持位
    置を形成する第１位置でベースに対して付勢され、スタッドヘッドが凹設孔から
    外れる解放位置を形成する第２位置まで第１方向にベースに対して移動すること
    ができる請求項８に記載のクリップ。
15. 【請求項１５】 ばね部材は、それから延びる突起を含み、ベースは、それ
    から延びる対応するリップ部を含み、突起およびリップ部は、ベースに対するば
    ね部材の第１方向の移動を制約することができる請求項１４に記載のクリップ。
16. 【請求項１６】 ばね部材は、第１位置でベースに対して付勢され、突起お
    よびリップ部は、互いに第１距離だけ離隔し、 ばね部材が第２位置にあるときに、ばね部材の突起は、ベースのリップ部に係
    合し、ベースに対してばね部材が第１方向に第２位置を越えて更に移動するのを
    抑制する請求項１５に記載のクリップ。
17. 【請求項１７】 第１距離は、スタッドヘッドの軸方向長さより大きい請求
    項１６に記載のクリップ。
18. 【請求項１８】 離隔した端部を持つシャフトを有するスタッドを備える個
    人用物品を取外し可能に固定するため、シャフトの一方の端部が前記物品に取付
    けられ、シャフトの他方の端部がヘッドを有するクリップであって、 レセプタクルを形成する第１，第２の離隔した部材を含むばね部材と、 レセプタクル内のベースとを備え、ベースは、スタッドヘッドを収容すること
    ができる凹設孔を有しかつストラップに接続可能であり、ばね部材は、第１部材
    をベースに付勢し、さらに、 凹設孔にほぼ整合した端部に延びるスロットを第１部材に備え、スロットの整
    合端部は、スタッドヘッドの径より小さくかつスタッドシャフトの径より大きい
    第１幅を有し、さらに、 第１部材に対向しかつ凹設孔に延びるチャンネルを前記ベースの表面に備え、
    このチャンネルは、第１部材のスロットにほぼ整合しかつ凹設孔の遠位の最大深
    さから凹設孔での最小深さに傾斜する深さを有するクリップ。
19. 【請求項１９】 凹設孔およびスタッドヘッドは、それぞれ円形形状を有す
    る請求項１８に記載のクリップ。
20. 【請求項２０】 第２部材は、ストラップに取外し可能に固定することがで
    きるクリップを形成する請求項１８に記載のクリップ。
21. 【請求項２１】 第２部材およびベースは、ストラップを収容する通路を形
    成する請求項１８に記載のクリップ。
22. 【請求項２２】 第１部材は、スタッドヘッドが凹設孔内にある保持位置を
    形成する第１位置でベースに対して付勢され、前記第１部材は、スタッドヘッド
    が凹設孔から外れる解放位置を形成する第２位置まで第１方向にベースに対して
    選択的に移動可能である請求項１８に記載のクリップ。
23. 【請求項２３】 第１部材から延びる突起は、ベースから延びるリプ部と協
    働して、ベースに対する第１部材の第１方向の移動を制約し、第１部材の第２位
    置は、突起およびリップ部の係合によって形成される請求項２２に記載のクリッ
    プ。
24. 【請求項２４】 第１部材が第１位置にあるときに、突起およびリップ部は
    、互いに第１位置だけ離隔し、 第１部材が第２位置にあるときに、突起は、リップ部に係合して、ベースに対
    して第１部材が第２位置を超えて第１方向に更に移動するのを抑制し、第１距離
    は、スタッドヘッドの軸方向長さより大きい請求項２３に記載のクリップ。