JP2002536456A - 不飽和コレスタン誘導体およびそれら誘導体の減数分裂調節剤製造への使用 - Google Patents

不飽和コレスタン誘導体およびそれら誘導体の減数分裂調節剤製造への使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、医薬として活性の不飽和コレスタン誘導体、それら誘導体を活性物質として含有する医薬組成物、およびこれら新規化合物の薬剤製造への使用に関する。さらに詳しく述べると、本発明の不飽和コレスタン誘導体類は、減数分裂を調節するのに使用できることが発見されたのである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、医薬として活性の不飽和コレスタン誘導体、この誘導体を有効物質
として含有する医薬組成物、およびこれら新規な化合物の薬剤製造のための使用
に関する。さらに詳しく述べると、本発明の不飽和コレスタン誘導体が、減数分
裂を調節するのに使用できることが発見されたのである。
【0002】 〔従来の技術〕 減数分裂は、有性生殖を担う生殖細胞の独特でかつ本質的な事象である。減数
分裂は二つの減数分裂で構成されている。第一分裂中に、母性遺伝子と父性遺伝
子との間の交換が、染色体の対が分離して二つの娘細胞になる前に起こる。これ
らの娘細胞は、染色体の数の1/2だけ(1n)と2cDNAを含有している。第二減数分
裂はDNAの合成なしで進行する。したがってこの第二減数分裂によって、1cDNAだ
けを有する一倍体の生殖細胞が生成する。
【0003】 男性生殖細胞と女性生殖の減数分裂事象は類似しているが、卵子および精子に
なるタイムスケジュールと分化プロセスは大きく異なっている。女性生殖細胞は
すべて、そのライフの早期にしばしば出生前に、第一減数分裂前期に入るが、す
べて、成熟期に続いて排卵までの上記前期の後期(網糸状態)に分裂が停止して
卵母細胞になる。したがって、女性は、ライフの早期から、ストックが使用つく
されるまで利用される卵母細胞のストックをもっている。女性の減数分裂は、受
精がなされた後まで完了せず、一つの生殖細胞当り一つだけの卵子と二つの不全
極体(abortive polar body)になる。対照的に、男性生殖細胞のいくつかだけ
が、成熟期から減数分裂に入り、そのライフを通じて生殖細胞のステムポピュレ
ーション(stem population)を残す。男性細胞の減数分裂は、一旦開始される
と、有意な遅延なしで進行して4つの精子を生成する。
【0004】 男性および女性における減数分裂の開始を制御する機構はほんの少ししか知ら
れていない。最近の研究は、卵母細胞において、濾胞プリン類、ヒポキサンチン
またはアデノシンが減数分裂の停止の原因になっていることを示している(Down
s,S.M.S,Dev Biol,82巻454〜458頁1985年;Epplg.J.J.ら、Dev Biol,119巻313〜3
21頁1986年;およびDowns,S.M.,Mol Reprod Dev.35巻82〜94頁1993年参照)。マ
ウス胎児生殖腺の培養系中に、拡散可能な減数分裂調節物質が存在することをBy
skovらが最初に報告した(Byskov A.G.ら、Dev Biol,52巻193〜200頁1976年)。
【0005】 減数分裂活性化物質(MAS)が、減数分裂が進行中のマウス胎児の卵巣によっ
て分泌され、そして減数分裂抑制物質(MPS)が、休止している非減数分裂生殖
細胞を有する形態学的に分化した精巣から放出された。MASとMPSの相対濃度によ
って、男性生殖細胞と女性生殖細胞の減数分裂の開始、停止および再開が調節さ
れるということが示唆された(Knobil,E.とNeill,J.D.編「The Physiology of R
eproduction」,Raven Press,米国ニューヨーク1994年中のByskov,A.G.らの論文
)。減数分裂が調節できるならば、生殖も抑制できることは明らかである。
【0006】 最新の論文(Byskov,A.G.ら、Nature,374巻559〜562頁1995年)が、卵母細胞
の減数分裂を活性化する特定のステロール類が、ウシの精巣とヒトの濾胞液から
単離されたことを報告している。あいにく、これらステロール類はかなり不安定
なので、より安定な減数分裂活性化化合物が入手できるならば、上記の興味深い
発見の実用化が非常に容易になるであろう。 減数分裂を刺激することが知られていて本願特許に特許請求されている化合物
と異なる化合物が、国際特許願第W096127658号に記載されている。
【0007】 〔発明が解決しようとする課題と課題を解決するための手段〕 本発明の目的は、女性と男性の不妊、特にヒトの女性と男性の不妊を、減数分
裂を活性化することによって治療するために用いる新規な化合物を提供すること
である。 本発明の別の目的は、減数分裂を阻止することによって、女性と男性の、特に
ヒトの女性と男性の避妊薬として有用な新規な化合物を提供することである。
【0008】 本発明によれば、興味深い薬理特性を有する新規でかつ安定な化合物を得るこ
とができる。特に本願に記載の化合物類は、卵母細胞および男性生殖細胞の減数
分裂を調節するのに有用である。 本発明の別の目的は、蛍光マーカーを導入するのに適切な基質である新規な化
合物を提供することである。バイオイメージング(bioimaging)を行うために連
結された分子が設計され合成される。
【0009】 本発明は、下記一般式Iで表される不飽和コレスタン誘導体に関する。すなわ
ち、下記一般式I:
【化2】
【0010】 (式中、R1は水素原子、C2-C6-アルキル基、任意に置換されていてもよいフェ
ニル基、シアノ基、またはCH2-NH-COR1′基(式中R1′はC1-C8-アルキル基また
は任意に置換されていてもよいフェニル基である)を表すか、あるいはR2ととも
に追加の結合を表し; R2は水素原子、C4-C8-アルキル基、C3-C6-アルケニル基もしくはC1-C6-ヒドロ
キシルアルキル基を表すか、または、R2′とともに任意に置換されていてもよい
ベンジリデン基を表すか、R2′とともにヒドロキシメチレン基を表すか、あるい
はR1とともに追加の結合を表し; R2′は水素原子を表すか、またはR2とともに任意に置換されていてもよいベン
ジリデン基を表すか、もしくはR2とともにヒドロキシメチレン基を表し;
【0011】 R3は水素原子表すか、またはR3′とともに追加の結合を表し; R3′は水素原子を表すか、またはR3とともに追加の結合を表し; R4は水素原子またはメチル基を表し; R4′は水素原子またはメチル基を表し; R8はR9またはR14とともに追加の結合を表し; R9は水素原子を表すか、またはR8とともに追加の結合を表し; R14はα−水素原子を表すか、またはR8とともに追加の結合を表すかもしくはR15 とともに追加の結合を表し; R15は水素原子を表すか、またはR14とともに追加の結合を表し; R24は水素原子を表すか、またはR25とともに追加の結合を表し; R25は水素原子を表すか、またはR24とともに追加の結合を表す) で表される化合物またはそのエステルであって、但し、1位と2位が同時に修飾
されていない化合物(R1=R2=R2′=H)を除く化合物に関する。
【0012】 一般式Iで表される化合物は分子内に多数のキラル中心をもっているので、い
くつもの異性体の形態で存在している。これら異性体の形態全部とその混合物は
本発明の範囲内にある(特にことわらない限り)。 式Iで表される化合物で好ましいものは、R1が水素原子もしくはフェニル基を
表すか、またはR2とともに追加の結合を表す化合物である。その外の好ましい化
合物は、R2かC4-C8-アルキル基もしくはアリル基を表すか、またはR1とともに追
加の結合を表す化合物である。R2とR2′が任意に置換されたベンジリデン基であ
る化合物も好ましい。
【0013】 別の実施態様で、本発明は一般式Iで表される化合物のエステルに関する。か
ようなエステルは、例えば、コハク酸などの脂肪族ジカルボン酸、ニコチン酸、
イソニコチン酸、エチルカルボン酸、リン酸、スルホン酸、スルファミン酸、安
息香酸、酢酸、プロピオン酸などの脂肪族モノカルボン酸類からなる酸の群から
選択できる酸で、式Iで表される化合物の一つ以上のヒドロキル基をエステル化
することによって明確に誘導される。
【0014】 用語アルキル基が、この明細書と特許請求の範囲で使用される場合、単独でま
たは組合せで使用されるとき、直鎖または分枝のアルキル基でもよい。用語C2-C6 アルキルは、2〜6個の炭素原子を有するアルキル基を示し、好ましい例は、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル
およびシクロヘキシルであり、より好ましいのはエチルである。同様に用語C1-C8 アルキルは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を表し、好ましい例は、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘ
キシルおよびオクチルであり、より好ましいのはメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、およびtert-ブチルであり、さらにいっそう好ましいのは
メチルとエチルである。
【0015】 本発明の式Iで表される特に好ましい化合物は下記のとおりである。 2α-アリル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール、 (E)-2-ベンジリデン-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール、 5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3β-オール、 5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3-オン、 1α-シアノ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール、 1α-シアノ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン、 4,4-ジメチル-5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3β-オール、 4,4-ジメチル-5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3-オン、 (E)-4-[(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-イリデ
ン)-メチル]-ベンゾニトリル、
【0016】 (E)-N-[[4-[(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-イ
リデン)-メチル]フェニル]メチル]オクタンアミド、 (E)-N-[[4-[(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-イ
リデン)-メチル]フェニル]メチル]-5-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a
,4a-ジアザ-S-インダセン-3-イル)ペンタンアミド、 2α-ヒドロキシメチル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3α-オール
、 2α-オクチル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール、および (E)-4-[(3-オキソ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-イリデン)メチ
ル]ベンゾニトリル。
【0017】 本発明の一般式Iで表される化合物は、公知の化合物の製造法と類似の方法で
合成することができる。したがって、式Iで表わされる化合物の合成は、ステロ
ールおよびステロイドに関する総合的な文献に記載されている十分に確立された
合成経路で行うことができる。以下の書籍は上記合成の重要な資料として利用で
きる:L.F.FieserおよびM.Fieser著「Steroids」,Reinhold Publishing Corpora
tion,米国ニューヨーク1959年;S.Coffrey編「Rood's chemistry of Carbon Com
pounds」,Elsevier Publishing Company 1971年;および特に、R.A.Hill,D.N.Ki
rk,H.L.J.MakinおよびG.M.Murphy編「Dictionary of Steroids」,Chapman & Hal
lである。最後の書籍には、1990年までの期間をカバーする原論文の引用文献の
広範なリストが入っている。上記最後に述べた引用文献を含めてこれら書籍はす
べて本願に援用するものである。
【0018】 特に、本発明の化合物は下記の一般的な手順によって合成される。 出発物質として使用されるステロール類は文献記載の手順によって合成するこ
とができる。 4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール、4,4-ジメチル-5α-コ
レステ-8-エン-3β-オール、4,4-ジメチル-5α-コレステ-8(14)-エン-3β-オー
ル[Biochem.J.132巻439頁1973年];4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,24-ジエン-3β
-オール、4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14,24-トリエン-3β-オール[J.Am.Chem
.Soc.111巻278頁1989年];5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール[J.Am.Chem.Soc
.75巻4404頁1953年];5α-コレステ-8-エン-3β-オール[J.Org.Chem.,46巻3421頁
1981年];および5α-コレステ-8(14)-エン-3β-オール[Biochem.J.144巻59頁1974
年]。
【0019】 4,4-ジメチル-Δ-8,14-シリーズの合成だけを、以下に、詳細に説明する。4,4
-ジメチル基ありおよびなしのΔ-8,Δ-8(14),Δ-8,14,24およびΔ-8,24のシリー
ズの誘導体は、対応する出発物質から、同じ方式で合成できる。 上記3β-アルコール類は、異なる試薬で酸化して、対応する3-ケトン類を提供
することができる。(例えばTetrahedron Lett.1967年3699頁)。4,4-ジメチル-
5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール1を、過ルテニウム酸テトラプロピルアン
モニウムの存在下、N-メチルモルホリン-N-オキシドで処理して、4,4-ジメチル-
5α-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン2が得られる(例えばSynthesis 639頁1994年
)。
【0020】
【化3】
【0021】 次のステップで、Δ-1の二重結合を、クロロベンベン中で酸化剤としてフェニ
ルセレン酸黒水物を使って酸化反応で導入し(J.Chem.Soc.Chem.Commun.,1978年
,952頁)、4,4-ジメチル-5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3-オン3が得られる。
またこの反応は、4,4-ジメチル基のない化合物の場合にも起こる。これらの化合
物には、新しい二重結合を、Δ1二重結合として選択的に導入できる。次に3-ケ
ト基を、塩化セリウムの存在下、水素化ホウ素ナトリウムで還元して(Luche還
元、例えばJ.Am.Chem.Soc.100巻2226頁1978年参照)、4,4-ジメチル-5α-コレス
タ-1,8,14-トリエン-3β-オール4が得られる。
【0022】 アルキル基とアリール基は、不飽和ケトン類にクプラート(cuprate)を添加
することによって1位に導入することができる(Tetrahedron Lett.35巻8591頁1
994年)。アルキルもしくはアリルリチウムとヨウ化第一銅から製造されるクプ
ラートはステロイドエノン類と反応して、1置換誘導体を生成する。例えば、エ
ノン3をジアルキルクプラート類で処理すると、式5(式中R1=アルキル、アリ
ール)で表される化合物が得られる。これらのケトン類は次に、周知の文献の手
順にしたがって還元して、二つのジアステレオマーのアルコール6と7(R1=ア
ルキル、アリール)が得られ、これらのアルコールはカラムクロマトグラフィー
で容易に分離できる。
【0023】
【化4】
【0024】 シアノ基の導入は類似の方式で達成することができる。シアニドをエノン3に
共役付加すると、所望の1α-シアノ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3
-オン5(R1=CN)が得られる。シアン化ジエチルアルミニウム(J.Org.Chem.59巻
2766頁1994年)やいくつかのアルカリ金属とアルカリ土類金属のような異なる試
薬を、この反応に使用できる(Tetrahedron Lett.28巻4189頁1987年;Can.J.Che
m.59巻1641頁1981年)。シアノケトン5(R1=CN)も、水素化ホウ素ナトリウム
のような標準的な還元剤で還元して二つのジアステレオマーのアルコール6と7
(R1=CN)を得ることができる。これらアルコールはカラムクロマトグラフィー
で容易に分離することができる。
【0025】 シアノアルコール6(R1=CN、上記のようにして合成される)を水素化アルミ
ニウムリチウムで処理すると、1α-アミノメチル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8
,14-ジエン-3β-オール8が得られる。このアミンはさらなる修飾に使用できる。
式9で表されるアミド類(R1′=アルキル、アリールおよび蛍光マーカー)は、
各種のアルキル−もしくはアリール−カルボン酸のヒドロキシスクシンイミジル
エステルとの反応によって、上記アミンから合成することができる(蛍光マーカ
ーを含有するカルボン酸のヒドロキシスクシンイミジルエステルの使用について
は、Kessler C.編「Nonradioactive labelling and detection of biomolecules
」Springer Verlag、ドイツベルリン1992年参照)。
【0026】
【化5】
【0027】 2位の置換基は、例えばアルドール反応とアルキル化反応によって導入するこ
とができる。ケトン2を塩基の存在下、芳香族アルデヒド類で処理すると、式10
で表される2-ベンジリデン置換ステロイド類が得られる。その芳香族リングは置
換することができる。続いて、塩化セリウムの存在下、水素化ホウ素ナトリウム
で還元することによって、選択的に対応するアリル3β-アルコール類11が得られ
る。
【0028】
【化6】
【0029】 上記のようにして合成できるシアノベンジリデンで置換された化合物11(R2
=4-CN)はさらに修飾して使用できる。上記シアノ基を水素化アルミニウムリチ
ウムで還元してベンジルアミン12を得ることができ、そしてそのベンジルアミン
12は、誘導体化して、式13(R2'''=アルキル、アリールおよび蛍光マーカー)で
表される対応するアミド類を得ることができる。この目的を達成するため、アミ
ン12を、異なるカルボン酸のヒドロキシスクシンイミジルエステル誘導体で処理
する。この反応にも、蛍光マーカーを含有する市販のエステルを使用できる(実
験の項の実施例11参照)。蛍光マーカーを含有する式13で表されるアミド類は、
バイオイメージングの用途に用いる分子プローブとして使用できる。
【0030】
【化7】
【0031】 ケトン2を脱プロトン化し、続いてそのエノラート(enolate)をアルキル−
およびアルケニル−ハロゲン化物と反応させることによってアルキル−およびア
ルケニル−置換基を2位に導入することができる。式14で表される3-ケトン類は
次に水素化ホウ素ナトリウムによって還元して式15と16で表される二つのジアス
テレオマーのアルコールが得られる。なおこれらアルコールはカラムクロマトグ
ラフィで容易に分離することができる。
【0032】
【化8】
【0033】 2位のヒドロキシメチル置換基は、例えば脱プロトン化された3-ケトンとアル
キルホルミエート類(alkylformiates)の縮合反応によって導入され、エノール
17が得られる。これは、水素化ホウ素ナトリウムのごとき異なる還元剤で還元し
て、2つのジアステレオマーのアルコール18と19を得ることができる。
【0034】
【化9】
【0035】 これらのアルコールはカラムクロマトグラフィーで容易に分離することができる
。一層長い連鎖のヒドロキシアルキル置換基は、例えば上記アルキル化反応によ
って導入することができる。(図式6参照)。 本発明のさらなる目的は、一般式Iで表される化合物1種以上を活性物質とし
て含有する医薬組成物である。これらの組成物は、担体、賦形剤、吸収促進剤、
保存剤、緩衝剤、浸透圧を調節す薬剤、錠剤崩壊剤などの当該技術分野で通常使
用されている成分のような当該技術分野で周知の医薬として許容可能な医薬品添
加物をさらに含有していてもよい。固形担体の例は、炭酸マグネシウム、ステア
リン酸マグネシウム、デキストリン、ラクトース、糖、タルク、ゼラチン、ペク
チン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム
、低融点ワックスおよびカカオ脂である。
【0036】 液体組成物としては、滅菌した水剤、懸濁剤、および乳剤がある。このような
液体組成物は、注射用または半ビポおよび生体外での受精に関連して使用するの
に適切である。これらの液体組成物は、当該技術分野で通常使用される他の成分
を含有していてもよく、それら成分のいくつかは上記リストに挙げてある。さら
に、本発明の化合物の経皮投与用組成物はパッチの形態で提供することができ、
そして鼻腔投与用組成物は液体または粉末の形態の鼻腔スプレイの形態で提供す
ることができる。
【0037】 使用される本発明の化合物の投与量は、医師によって決定され、そして利用さ
れる特定の化合物、投与経路および使用目的に関するいくつもの要因によって決
まる。一般に、本発明の組成物は、活性化合物を、液体または固体の補助成分と
完全に混合し、次に必要な場合、生成物を所望の配合物に成形することによって
製造される。
【0038】 本発明は、減数分裂調節薬剤を製造するための一般式Iで表される化合物の使
用に関する。本発明の化合物は、卵母細胞および男性生殖細胞の減数分裂に作用
する。減数分裂に作用しうると予想されることがいくつもある。本発明の好まし
い実施態様によれば、一般式Iで表される化合物を使用して減数分裂を刺激する
ことができる。本発明の他の好ましい実施態様によれば、一般式Iで表される化
合物を使用してヒトの減数分裂を刺激することができる。したがって、一般式I
で表される化合物は、エストロゲン類および/またはゲスタゲン酸に基づいた従
来使用されているホルモン避妊薬から分かっている体細胞に対する通常の副作用
がない新しい生殖能力調節剤として将来有望である。
【0039】 したがって、本発明は、詳しくは哺乳動物のさらに詳しくはヒトの女性と男性
の不妊を救済する一般式Iで表される化合物の使用に関する。一般式Iで表され
る減数分裂誘発物質は、自己の減数分裂活性化物質の産生が不十分なために成熟
卵母細胞を産生できないヒトの女性を含む女性に、前記誘発物質を投与すること
によって、前記女性の不妊の特定の症例を治療するのに使用できる。
【0040】 一般式Iで表される化合物は人工授精法、例えば体外受精法または細胞質内精
子注入法に使用することができる。体外受精を行う場合、本発明の化合物を、卵
母細胞が培養される培地に添加すると、より良好な結果が得られる。ヒトの男性
を含めて男性の不妊症が、減数分裂活性化物質の自己の産生が不十分なことによ
って起こって、成熟精子細胞が不足している場合、本発明の化合物を投与すると
、この問題は救済される。
【0041】 本発明のさらなる目的において、一般式Iで表される化合物は、女性と男性、
詳しくは哺乳類のさらに詳しくはヒトの女性と男性の避妊薬として有用である。
減数分裂誘発物質は、女性に避妊薬として使用する場合、卵母細胞が、ゴナドト
ロピンホルモンの排卵時ピークが起こる前の生長中の濾胞である間に、卵母細胞
に減数分裂の再開を早期に誘発するために投与される。ヒトの女性の場合、上記
減数分裂の再開は、例えば前の月経が終ってから1週間後に誘発される。
【0042】 その生成した成熟しすぎの卵母細胞は、排卵されると、最も受精されにくい卵
母細胞である。正常な月経周期は影響を受けないようである。このことに関連し
て、培養されているヒトの顆粒膜細胞(濾胞の体細胞)のプロゲステロンの生合
成が、従来使用されているホルモン避妊薬に使われているエストロゲン類および
ゲスタゲン類に、プロゲステロンの生合成に対する有害作用があるのに、減数分
裂誘発物質の存在によって影響を受けないことに注目することが重要である。
【0043】 上記方法の別法として、女性の避妊は、減数分裂を阻止する本発明の化合物を
投与して、成熟卵母細胞を産生しないようにすることによって達成することもで
きる。同様に、男性の避妊は、減数分裂を阻止する本発明の化合物を投与して、
成熟精子細胞が産生しないようにすることによって達成できる。
【0044】 他の側面で、本発明は、上記物質の作用様式を明らかにするためバイオイメー
ジングを行うためのツールサブスタンス(tool substance)としてまたはツール
サブスタンス合成のための出発物質として、一般式Iで表される化合物を使用す
ることに関する。例えば、蛍光マーカーを含有する減数分裂活性化スチロール類
は、その活性物質がその生物学的機能を発揮する精子細胞内のコンパートメント
を可視化するのに使用することができる。この情報は、このような物質の作用様
式を明らかにするのに役立つ。
【0045】 別の側面で、本発明は、減数分裂の調節を必要とする患者に、一般式Iで表さ
れる化合物の1種以上の有効量を投与することを含んでなる減数分裂の調節方法
に関する。 さらに別の側面で、本発明は、減数分裂の調節を必要とする生殖細胞に、一般
式Iで表される化合物1種以上の有効量を、半ビボまたは生体外で投与すること
を含んでなる哺乳類生殖細胞の減数分裂調節方法に関する。上記生殖細胞は卵母
細胞または男性生殖細胞である。
【0046】 本発明の化合物を含有する組成物の投与経路は、活性化合物をその作用部位に
効率的に輸送するいずれの経路でもよい。 したがって、本発明の化合物は、哺乳類に投与したい場合、本発明の化合物の
少なくとも1種を、医薬として許容できる担体と組み合わせて含有する医薬組成
物の形態で提供すると便利である。経口投与する場合、これら組成物は、カプセ
ル剤または錠剤の形態が好ましい。
【0047】 上記のことから、要求される投与治療方式は、治療すべき症状によって決まる
ことが分かるであろう。したがって、不妊を治療するために利用する場合、投与
は、一回だけかまたは限られた期間に例えば妊娠が達成されるまでに、行わねば
ならない。 避妊薬として使用する場合、本発明の化合物は、連続的にまたは周期的に投与
しなければならない。女性が避妊薬として使用し連続的に服用しない場合、 排卵に対して投与のタイミングを合わせることが重要である。
【0048】 〔実施例〕 本発明を以下の実施例によってさらに説明する。実施例1: 4,4-ジメチル-5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3-オン a)4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン 4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール(6.40g)とN-メチル-モ
ルホリン-N-オキシド(4.03g)のジクロロメタン(32ml)溶液に、数粒の分子ふ
るいを添加し、その混合物を5分間撹拌する。
【0049】 過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(408mg)を室温下で添加し、生
成した黒色反応混合物を1hr撹拌する。セライトで濾過した後、溶媒を蒸発させ
、次にその残留物を、ヘキサンと酢酸エチルの混合物を使用するクロマトグラフ
ィーにかけて、4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン(5.60g)を白
色固体として得る。 1H-NMR(CDCl3): δ=0.83(s,3H,H-18);0.87(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);0.94(d
,J=7 Hz,3H,H-21);1.07(s,3H);1.12(2x s,6H);2.55(m,2H);5.41(s,1H,H-15)
【0050】 b)4,4-ジメチル-5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3-オン 4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン(2.00g)のクロロベンゼン
(30ml)溶液に、フェニルセレン酸無水物(1.75g)を室温で添加する。得られ
た反応混合物を2hrかけて100℃まで加温する。冷却後、溶媒を蒸発させ、残留物
をヘキサンと酢酸エチルの混合物を使用するクロマトグラフィーにかけて、4,4-
ジメチル-5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3-オン(0.85g)を油状物として得る
1H-NMR(CDCl3): δ=0.84(s,3H,H-18);0.87(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);0.96(d
,J=7 Hz,3H,H-21);1.11(s,3H);1.18(s,3H);1.25(s,3H);5.45(s,1H,H-15);5.95(d
,J=10 Hz,1H,H-2);7.33(d,J=10 Hz,1H,H-1)
【0051】実施例2: 4,4-ジメチル-5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3β-オール 4,4-ジメチル-5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3-オン(73mg)と塩化セリウム
七水和物(67mg)のメタノール懸濁液に、室温にて水素化ホウ素ナトリウム(14
mg)を添加する。その混合物を4hr撹拌し、水中に注入し、次いでジエチルエー
テルで抽出する。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し次いで濾過する。溶媒を蒸発させた後、残留物を、ヘキサンとジエチルエー
テルの混合物を使用するクロマトグラフィーにかけて、4,4-ジメチル-5α-コレ
スタ-1,8,14-トリエン-3β-オール(43mg)を白色固体として得る。 1H-NMR(CDCl3): δ=0.82(s,3H);0.85(s,3H);0.87(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);
0.96(d,J=7 Hz,3H,H-21);1.02(s,3H);1.10(s,3H);3.89(m,1H,H-3);5.37(s,1H,H-
15);5.50(dd,J=10 Hz,1 Hz,1H,H-1);5.90(d,J=10 Hz,2 Hz,1H,H-2)
【0052】実施例3: 5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3β-オール a)5α-コレスタ-8,14,-トリエン-3-オン 5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール(2.40g)を、実施例1aに記載したのと
同様に、N-メチル-モルホリン-N-オキシド(1.11g)と過ルテニウム酸テトラプ
ロピルアンモニウム(111mg)のジクロロメタン(13ml)溶液で処理する。クロ
マトグラフィーにかけた後、5α-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン(1.81g)を白色
固体として得る。 1H-NMR(CDCl3): δ=0.82(s,3H,H-18);0.87(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);0.94(d
,J=7 Hz,3H,H-21);1.18(s,3H,H-19);5.39(s,1H,H-15)
【0053】 b)5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3-オン 5α-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン(1.81g)を、実施例1bに記載したのと同様
に、フェニルセレン酸無水物(1.67g)のクロロベンゼン(29ml)溶液で処理す
る。クロマトグラフィーにかけた後、5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3-オン(0
.53g)を油状物として得る。 1H-NMR(CDCl3): δ=0.84(s,3H,H-18);0.86(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);0.96(d
,J=7 Hz,3H,H-21);1.20(s,3H,H-19);5.43(s,1H,H-15);5.91(d,J=10 Hz,1H,H-2);
7.42(d,J=10 Hz,1H,H-1)
【0054】 c)5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3β-オール 5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3-オン(150mg)を、実施例2に記載したのと
同様に、水素化ホウ素ナトリウム(15mg)と塩化セリウム七水和物(147mg)で
処理する。クロマトグラフィーにかけた後、5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3β
-オール(47mg)を白色固体として得る。 1H-NMR(CDCl3): δ=0.82(s,3H,H-18);0.87(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);0.95(d
,J=7 Hz,3H,H-21);1.07(s,3H,H-19);4.33(m,1H,H-3);5.37(s,1H,H-15);5.56(dd,
J=10 Hz,1 Hz,1H,H-1);6.09(d,J=10 Hz,2 Hz,1H,H-2)
【0055】実施例4 : 1α-シアノ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3オン シアン化ジエチルアルミニウム溶液(トルエン中1M)1.47mlを、0℃の、4,4-
ジメチル-5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3-オンのテトラヒドロフラン(5ml)
溶液に添加する。得られた反応混合物を室温まで昇温させ次に1hr撹拌する。0
℃の水酸化ナトリウム溶液(1M)2.45mlを添加した後、得れた混合物を水で希釈
した後、ジエチルエーテルで抽出する。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し次いで濾過する。溶媒を蒸発した後、残留物を、ヘキ
サンと酢酸エチルの混合物を使うクロマトグラフィーにかけて、1α-シアノ-4,4
-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン(110mg)を白色固体として得る
【0056】 1H-NMR(CDCl3): δ=0.86(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);0.89(s,3H);0.94(d,J=7
Hz,3H,H-21);1.12(s,3H);1.15(s,3H);1.20(s,3H);2.86(m,1H,H-2);3.29(dd,J=7
Hz,5Hz,1H,H-1);5.49(ps,1H,H-15)
【0057】実施例5 : 1α-シアノ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール
および1α-シアノ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3α-オール 1α-シアノ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン(95mg)を、実
施例5に記載したのと同様に、水素化ホウ素ナトリウム(33mg)で処理して、1
α-シアノ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3α-オール(30mg)と1α-
シアノ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール(25mg)を得る。
【0058】 1α-シアノ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール: 1H-NMR(CDCl3): δ=0.83(s,3H);0.87(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);0.94(d,J=7
Hz,3H,H-21);1.09(s,3H);1.17(s,3H);3.08(m,1H,H-1);3.72(bm,1H,H-3);5.43(ps
,1 H,H-15) 1α-シアノ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3α-オール: 1H-NMR(CDCl3): δ=0.87(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);0.91(s,3H);0.93(d,J=7
Hz,3H,H-21);1.08(s,3H);1.15(s,3H);1.28(s,3H);2.92(m,1H,H-1);3.57(ps,1H,H
-3);5.44(ps,1 H,H-15)
【0059】実施例6 : (E)-4-[(3-オキソ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-イ
リデン)メチル]ベンゾニトリル 4-シアノベンズアルデヒド(64mg)と水酸化カリウム(27mg)のエタノール(
2ml)懸濁液を、室温の、4,4-ジメチル-コレスタ-8,14-ジエン-3-オンのエタノ
ール(4ml)懸濁液に滴下して添加する。得られた反応混合物を20hr撹拌し、水
で希釈し次いでジクロロメタンで抽出する。有機層を分離し、ブラインを洗浄し
、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過する。溶媒を蒸発した後、残留物を
、ヘキサンと酢酸エチルの混合物を使うクロマトグラフィーにかけて、(E)-4-[(
3-オキソ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-イリデン)メチル]ベンゾ
ニトリル(168mg)を白色固体として得る。
【0060】 1H-NMR(CDCl3): δ=0.83(s,3H);0.87(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);0.93(d,J=7
Hz,3H,H-21);0.98(s,3H);1.16(s,3H);1.23(s,3H);2,58(d,J=17 Hz,1H,H-1);3.10
(d,J=17 Hz,1H,H-1);5.47(ps,1 H,H-15);7.42(s,1 H,H-2′);7.53(d,J=8 Hz,2H,
arom.);7.68(d,J=8 Hz,2H,arom.)
【0061】実施例7 : (E)-4-[(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン
-2-イリデン)メチル]ベンゾニトリル (E)-4-[(3-オキソ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-イリデン)メチ
ル]ベンゾニトリル(156mg)を、実施例2に記載したのと同様に、塩化セリウム
七水和物(111mg)の存在下、水素化ホウ素ナトリウム(12mg)で処理して、 (E
)-4-[(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-イリデン)メ
チル]ベンゾニトリル(93mg)を白色固体として得る。
【0062】 1H-NMR(CDCl3): δ=0.75(s,3H);0.80(s,3H);0.85(s,3H);0,87(2x d,J=7 Hz,6
H,H-26/27);0.92(d,J=7 Hz,3H,H-21);1.18(s,3H);3.02(d,J=17 Hz,1H,H-1);3.94
(m,1H,H-3);5.40(ps,1 H,H-15);6.78(s,1 H,H-2′);7.37(d,J=8 Hz,2H,arom.);7
.64(d,J=8 Hz,2H,arom.)
【0063】実施例8 : (E)-N-[[4-(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジ
エン-2-イリデン)メチル]フェニル]メチル]オクタンアミド a)(E)-2-(4-アミノメチル-フェニル)-メチリデン-4,4-ジメチル-5α-コレスタ
-8,14-ジエン-3β-オール: 水素化アルミニウムリチウム(27mg)と(E)-4-[(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチ
ル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-イリデン)-メチル]ベンゾニトリル(74mg)の
テトラヒドロフラン(6ml)懸濁液を4hr還流する。反応混合物を、冷却後、実施
例3bに記載したのと同様に処理する。酢酸エチルから結晶化することによって、
(E)-2-(4-アミノメチル-フェニル)-メチリデン-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,1
4-ジエン-3β-オール(26mg)を白色固体として得る。
【0064】 1H-NMR(CDCl3): δ=0.77(s,3H);0.82(s,3H);0.86(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);
0.89(s,3H);0.92(d,J=7 Hz,3H,H-21);1.18(s,3H);3.15(d,J=17 Hz,1H,H-1);3.86
(s,2H,Ar-CH2-N);3.92(ps,1H,H-3);5.38(ps,1 H,H-15);6.72(s,1 H,H-2′);7.26
(m,4H,arom.)
【0065】 b)(E)-N-[[4-[(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-
イリデン)メチル]フェニル]メチル]オクタンアミド カプリル酸N-ヒドロキシスクシンイミジル(8.6mg)のジメチルホルムアミド
(1ml)溶液を、室温の、(E)-2-(4-アミノメチル-フェニル)-メチリデン-4,4-ジ
メチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール(21mg)のジメチルホルムアミド
(4ml)溶液に添加する。その反応混合物を20hr撹拌し、水で希釈し、次いで酢
酸エチルで抽出した。 有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過する
。溶媒を蒸発して、(E)-N-[[4-[(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8
,14-ジエン-2-イリデン)メチル]フェニル]メチル]オクタンアミド(21mg)を白
色固体として得る。
【0066】 1H-NMR(CDCl3): δ=0.77(s,3H);0.82(s,3H);0.86(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);
0.89(s,3H);0.92(d,J=7 Hz,3H,H-21);1.18(s,3H);3.12(d,J=17 Hz,1H,H-1);3.92
(ps,1H,H-3);4.44(d,J=5 Hz,2H, Ar-CH2-N);5.37(ps,1 H,H-15);5.76(t,J=5 Hz,
1H,NH);6.72(s,1H,H-2′);7.24(m,4H,arom.)
【0067】実施例9 : (E)-N-[[4-[(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジ
エン-2-イリデン)メチル]-フェニル]メチル]-5-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-
4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-イル)ペンタンアミド 5-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-イル
)ペンタン酸スクシンイミジルエステル(5.0mg)のジメチルホルムアミド(0.5m
l)溶液を、室温の、(E)-2-(4-アミノメチル-フェニル)-メチリデン-4,4-ジメチ
ル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール(8.9mg)のジメチルホルムアミド(2m
l)溶液に添加する。
【0068】 その反応混合物を44hr撹拌し、水で希釈し次に酢酸エチルで抽出する。有機層
を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し次に濾過する。溶媒を蒸発
させた後、残留物を、ヘキサンと酢酸エチルを使用するクロマトグラフィーにか
けて、(E)-N-[[4-[(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2
-イリデン)メチル]-フェニル]メチル]-5-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ
-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-イル)ペンタンアミド(6.5mg)を得る。
【0069】 1H-NMR(CDCl3): δ=0.77(s,3H);0.82(s,3H);0.86(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);
0.89(s,3H);0.92(d,J=7 Hz,3H,H-21);1.19(s,3H);2.25(s,3H,Ar-Me);2.55(s,3H,
Ar-Me);3.12(d,J=17 Hz,1H,H-1);3.92(ps,1H,H-3);4.44(d,J=5 Hz,2H, Ar-CH2-N
);5.37(ps,1H,H-15);5.87(m,1H,NH);6.09(s,1H,arom.);6.30(d,J=5 Hz,1H,arom.
);6.70(s,1H,H-2′);6.90(d,J=5 Hz,1H,arom.);7.24(m,4H,arom.)
【0070】実施例10: 2α-アリル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール
a)2α-アリル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン 4,4-ジメチル-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン(200mg)のTHF(3ml)溶液を、-
70℃の、新しく調製したリチウムジイソプロピルアミド溶液(5.8ml,1M)に滴下
して添加する。得られた溶液を、1hr撹拌した後、3-ヨード-プロパン(0.07ml)
を添加する。
【0071】 その反応混合物を、0℃にてさらに11hr撹拌した後、塩化アンモニウム飽和溶
液中に注入し次いで酢酸エチルで抽出する。有機層を分離し、ブラインで洗浄し
、無水硫酸ナトリウムで乾燥し次に濾過する。溶媒を蒸発させた後、残留物を、
ヘキサンと酢酸エチルの混合物を使うクロマトグラフィーにかけて、2α-アリル
-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン(160mg)を白色固体として得
る。 1H-NMR(CDCl3): δ=0.82(s,3H);0.87(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);0.93(d,J=7
Hz,3H,H-21);1.10(2x s,6H);1.30(s,3H);2.60(m,1H,allyl);2.77(m,1H,allyl);5
.05(m,2H,allyl);5.38(ps,1 H,H-15);5.80(m,1H,allyl)
【0072】 b)2α-アリル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール 2α-アリル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン(160mg)を、実
施例5に記載したようにして水素化ホウ素ナトリウム(55mg)で処理して、2α-
アリル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3α-オール(15mg)と2α-ア
リル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール(80mg)を得る。
【0073】 2α-アリル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール: 1H-NMR(CDCl3): δ=0.81(s,3H);0.85(s,3H);0.87(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);
0.94(d,J=7 Hz,3H,H-21);1.03(s,3H);1.05(s,3H);2.50(m,1H);2.95(d,J=11 Hz,1
H,H-3);5.06(m,2H,allyl);5.37(ps,1 H,H-15);5.89(m,1H,allyl) 2α-アリル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3α-オール: 1H-NMR(CDCl3): δ=0.82(s,3H);0.87(2x d,J=7 Hz,6H,H-26/27);0.90(s,3H);
0.94(d,J=7 Hz,3H,H-21);1.00(s,3H);1.05(s,3H);3.36(ps,1H,H-3);5.05(m,2H,a
llyl);5.35(ps,1 H,H-15);5.85(m,1H,allyl)
【0074】実施例11: 卵母細胞試験法による減数分裂活性化物質の試験動物 卵母細胞を、体重が13〜16gで、制御された採光と温度下で飼育した未成熟雌
マウス(C57B1/6×DBA/2JF1-ハイブリッド、ボンホルトガード、デンマーク)か
ら得た。これらのマウスには、0.2mlのゴナドトロピン(201UのFSHを含有するGo
nal F、スエーデンのソルナ所在のserono、あるいは201UのFSHを含有するPurego
n、アイランドのスオーズ所在のOrganon)を腹腔内に注射し、48hr後にこれらの
動物を頚椎脱臼法で殺した。
【0075】卵母細胞の収集と培養 卵巣を切り取り、次に濾胞を、立体顕微鏡下、一対の27ゲージの針を使って手
作業で破裂させることによって、卵母細胞をHx-培地(以下参照)中に単離した
。無傷の卵核胞(GV)を示す球形の裸卵母細胞(NO)を、3mMのヒポキサンチン
(Sigmaのカタログ番号H-9377)、8mg/mlのヒト血清アルブミン(HSA、デンマク
所在のState Serum Institute)、0.23mMのピルベート(Sigmaのカタログ番号S-
8636)、2mMのグルタミン(Flowのカタログ番号16-801)、100IU/mlのペニシリ
ンおよび10μg/mlのストレプトマイシン(Flowのカタログ番号16-700)を補充し
たα−最小必須培地(リボヌクレオシド類なしのα-MEM,Gibco BRLのカタログ
番号22561号)内に入れた。
【0076】 上記培地をHx-培地と命名した。上記卵母細胞を、Hx-培地内で3回すすぎ、4
ウェルマルチディッシュ(Nuncion、デンマーク)内で培養した。なお、各ウェ
ルには0.4mlのHx-培地と35〜45個の卵母細胞を入れた。一つの対照(すなわち、
試験化合物を添加されていないHx-培地内で培養される35〜45個の卵母細胞)を
、常に、異なる濃度の被検化合物によって調製された試験培養物と同時に試験し
た。 これらの培養は、空気中、37℃にて、湿度100% CO25%で行った。培養時間
は22〜24hrであった。
【0077】卵母細胞の検査 培養期間が終るまで、卵核胞(GV)または卵核胞崩壊(GVB)を有する卵母細
胞、および極体(PB)を有する卵母細胞の数を、微分干渉コントラスト装置を備
えた立体顕微鏡または倒立顕微鏡を使って計数した。卵母細胞の全数に対するGV
Bを有する卵母細胞の百分率および卵母細胞の全数に対するPBを有する卵母細胞
の百分率を、試験培養物について算出して対照培養物と比較した。
【0078】実施例12: 卵母細胞の試験による減数分裂障害物質の試験 卵核胞(GV)卵母細胞を、実施例11に記載したのと同じ方法を使用してFSHで
処置した未成熟雌マウスから得た(上記実施例11参照)。裸の卵母細胞(NO)を
、Hx-培地内で3回すすいだ。4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14,24-トリエン-3
β-オール(FF-MAS)が、生体外でのNOの減数分裂を誘発することはすでに報告
されている(Byskov,A.G.ら、Nature,374巻559〜562頁1995年)。
【0079】 NOを、5μMFF-MASを補充したHx-培地で、4ウェルマルチディッシュ(Nuncion
、デンマーク)中、異なる濃度の試験化合物との共存培養で培養した。なお、各
ウェルにはHx-培地0.4mlと卵母細胞35〜45個を入れた。一つの正の対照(すなわ
ち、試験化合物を添加していない、FF-MASを含有するHx-培地で培養する35〜45
個の卵母細胞)を、異なる濃度の被検化合物を補充した試験培養物と、常に同時
に試験した。その上に、一つの頁の対照(Hx-培地のみで培養される35〜45個の
卵母細胞)を、正の対照と同時に試験した。
【0080】卵母細胞の検査 培養期間が終るまで、卵核胞(GV)または卵核胞崩壊(GVB)を有する卵母細
胞および極体(PB)を有する卵母細胞の数を、微分干渉コントラスト装置を備え
た立体顕微鏡または倒立顕微鏡を使用して計数した。卵母細胞の全数に対するGV
Bを有する卵母細胞の百分率および卵母細胞の全数に対するPBを有する卵母細胞
の百分率を、試験培養物について計算して対照培養物と比較した。
【0081】実施例13 : 生体外受精検定法による減数分裂活性化物質の試験 採取する48hr前に、10IUの妊馬血清ゴナドトロピン(FSH活性)を腹腔内投与
した未成熟(C57BL/6×DBA12)F1マウス(21〜24日齢)の濾胞から、裸卵母細胞
(NKO)および積細胞(cumulus)で囲まれた卵母細胞(CEO)を単離した。
【0082】 これらの卵母細胞(NKOとCEO)をプールして、培地1ml当り3mMのヒポキサンチ
ンと1mgのフェチュインを含有する改変α-MEM培地内で約20hr培養した。二つの
卵母細胞のグループを使用した。すなわち(a)Hxなし培地(Hx-free medium)
で培養した対照の卵母細胞(正対照のグループ)および(b)被検化合物を含有
するHx培地中で培養した卵母細胞である。約20hr後、卵核胞崩壊を(GVB)を示
した卵母細胞をHxなし培地で短時間洗浄し、次に雄マウスの精巣上体尾部由来の
運動性精子製剤(motile sperm preparation)が入っている予め準備した授精デ
ィッシュに移した。
【0083】 次に、これらのディッシュを、規定の気体条件下(5%CO2)、37℃にて、改
変α-MEM IVF培地でインキュベートした。授精してから20〜22hr後に卵母細胞を
検査して、受精をチェックし、2細胞胚(2-cell embryos')の数を記録した。
受精百分率(=受精比率)を、授精した全数の卵母細胞に対する、2細胞胚に卵
割した卵母細胞の数として求めた。IVFの実験は各々、全数が50〜200個のGVBIPB
卵母細胞で実験した。刺激率(stimulation factor)を、試験化合物含有グルー
プと対照グループの受精比率の間の比率として計算した。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DK,DM,EE,ES,FI,GB ,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL, IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,L C,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ヘゲレ−ハルトゥンク,クリスタ ドイツ連邦共和国,デー−45470 ミュー ルハイム/ルーアー,ボエレンベック 101 (72)発明者 レスル,モニカ ドイツ連邦共和国,デー−13467 ベルリ ン,ビルヘルムシュトラーセ 9 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 AA03 DA11 MA01 MA04 ZA81 4C091 AA01 BB03 BB20 CC01 DD03 DD05 EE04 EE07 FF02 FF06 GG01 HH01 JJ03 KK01 LL01 MM03 NN01 PA02 PA05 PB05 QQ01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式I: 【化1】 (式中、R1は水素原子、C2-C6-アルキル基、任意に置換されていてもよいフェ
    ニル基、シアノ基またはCH2-NH-COR1′基(式中R1′はC1-C8-アルキル基または
    任意に置換されていてもよいフェニル基である)を表すかあるいはR2とともに追
    加の結合を表し、 R2は水素原子、C4-C8-アルキル基、C3-C6-アルケニル基またはC1-C6-ヒドロキ
    シルアルキル基を表すか、または、R2′とともに任意に置換されていてもよいベ
    ンジリデン基を表すか、R2′とともにヒドロキシメチレン基を表すか、あるいは
    R1とともに追加の結合を表し; R2′は水素原子を表すか、またはR2とともに任意に置換されていてもよいベン
    ジリデン基を表すか、あるいはR2とともにヒドロキシメチレン基を表し; R3は水素原子を表すか、またはR3′とともに追加の結合を表し; R3′は水素原子を表すか、またはR3とともに追加の結合を表し; R4は水素原子またはメチル基を表し; R4′は水素原子またはメチル基を表し; R8はR9またはR14とともに追加の結合を表し; R9は水素原子を表すか、またはR8とともに追加の結合を表し; R14はα−水素原子を表すか、またはR8とともに追加の結合を表すかもしくはR15 とともに追加の結合を表し; R15は水素原子を表すか、またはR14とともに追加の結合を表し; R24は水素原子を表すか、またはR25とともに追加の結合を表し; R25は水素原子を表すか、またはR24とともに追加の結合を表す) で表される化合物またはそのエステルであって、但し、1位と2位が同時に修飾
    されていない化合物(R1=R2=R2′=H)を除く化合物。
  2. 【請求項2】 R1が水素原子もしくはフェニル基であるか、またはR2ととも
    に追加の結合を表す、請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R2がC4-C8-アルキル基もしくはアリル基を表すか、またはR1 とともに追加の結合を表す、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R2とR2′が任意に置換されていてもよいベンジリデン基を表
    す請求項1または2に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 2α-アリル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-
    オール、 (E)-2-ベンジリデン-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール、 5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3β-オール、 5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3-オン、 1α-シアノ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール、 1α-シアノ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3-オン、 4,4-ジメチル-5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3β-オール、 4,4-ジメチル-5α-コレスタ-1,8,14-トリエン-3-オン、 (E)-4-[(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-イリデ
    ン)-メチル]-ベンゾニトリル、 (E)-N-[[4-[(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-イ
    リデン)-メチル]フェニル]メチル]オクタンアミド、 (E)-N-[[4-[(3β-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-イ
    リデン)-メチル]フェニル]メチル]-5-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a
    ,4a-ジアザ-S-インダセン-3-イル)ペンタンアミド、 2α-ヒドロキシメチル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3α-オール
    、 2α-オクチル-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-3β-オール または (E)-4-[(3-オキソ-4,4-ジメチル-5α-コレスタ-8,14-ジエン-2-イリデン)メチ
    ル]ベンゾニトリル、 である請求項1〜4のいずれか一つに記載の化合物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一つに記載の一般式Iで表される化
    合物の1種以上を、活性物質として含有する医薬組成物。
  7. 【請求項7】 減数分裂を調節する薬剤を製造するための請求項1〜5のい
    ずれか一つに記載の一般式Iで表される化合物の使用。
  8. 【請求項8】 女性または男性、好ましくはヒトの女性または男性の不妊を
    治療するのに用いる薬剤を製造するための請求項7に記載の使用。
  9. 【請求項9】 女性または男性、好ましくはヒトの女性または男性を処置す
    るのに使用する避妊薬を製造するための請求項7に記載の使用。
  10. 【請求項10】 人工授精法の受精率を調節するための請求項1〜5のいず
    れか一つに記載の一般式Iで表される化合物の使用。
  11. 【請求項11】 ツールサブスタンスの作用様式を明確にするためバイオイ
    メージングを行うのに使用するツールサブタンスを合成するためのツールサブス
    タンスまたは出発物質としての請求項1〜5のいずれか一つに記載の一般式Iで
    表される化合物の使用。
  12. 【請求項12】 減数分裂の調節を必要とする患者に、請求項1〜5のいず
    れか一つに記載の一般式Iで表される化合物の一種以上の有効量を投与すること
    を含んでなる減数分裂を調節する方法。
  13. 【請求項13】 減数分裂の調節を必要とする生殖細胞に、請求項1〜5の
    いずれか一つに記載の一般式Iで表される化合物の一種以上の有効量を半ビボま
    たは生体外で投与することを含んでなる哺乳類の生殖細胞の減数分裂を調節する
    方法。
  14. 【請求項14】 生殖細胞が卵母細胞または男性の生殖細胞である請求項13
    に記載の方法。
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