JP2002536091A - 生体接着剤組成物 - Google Patents

生体接着剤組成物

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JP2002536091A JP2000597382A JP2000597382A JP2002536091A JP 2002536091 A JP2002536091 A JP 2002536091A JP 2000597382 A JP2000597382 A JP 2000597382A JP 2000597382 A JP2000597382 A JP 2000597382A JP 2002536091 A JP2002536091 A JP 2002536091A
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ヒュー センプル マンロー
ブライアン ジョン ティーゲ
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ファースト ウォーター リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 均質水性反応混合物の重量に対して約5〜約50%の少なくとも一種のイオン水溶性モノマー、前記反応混合物の重量に対して約10〜50%の少なくとも一種の可塑剤(水以外)、前記反応混合物の重量に対して約50%以下の少なくとも一種の非イオン水溶性モノマー、前記反応混合物の重量に対して約40%以下の水、任意に前記反応混合物の重量に対して約10%以下の少なくとも一種の界面活性剤および前記反応混合物の重量に対して約1〜30%の少なくとも一種の疎水性モノマーおよび/またはポリマーを含む前記均質水性反応混合物を重合することにより形成される生体接着剤組成物。電解質は、例えば、生体医用電極用に導電性を強化するために存在してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は生体接着剤組成物に関する。本発明の組成物は、生体医用皮膚電極の
分野において使用することができる。これらの電極は、導電性の生体接着剤組成
物を一体に含む。
【0002】 (発明の背景) 生体医用皮膚電極は、例えば、患者の身体の表面と電気信号の伝達用の外部医
療装置との間で電気的接続を確立することが必要な場合に、多様な状況において
広く用いられる。
【0003】 現代医学では、電気信号または電流を患者の身体から受信するか、あるいは患
者の身体に送信する多くの医療方法を用いる。これらの方法において用いられる
医療装置と患者の皮膚との間のインターフェースは、通常、ある種の生体医用電
極である。こうした電極は、一般に、装置に電気的に接続する必要のある導体と
、患者の皮膚に接着されるか、あるいは別のやり方で接触する導電性媒体を含み
、電極には、その所期の目的と、例えば、電極を伝達電極として用いるか、ある
いは検出電極、すなわち、モニタ電極として用いようするかに依存する多様な設
計構成をもつ種々のタイプのものがある。
【0004】 生体医用電極を用いる治療方法には、疼痛処理のために用いられる経皮的神経
電気刺激(TENS)装置、脊柱変形などの状態を治療するために用いられる神
経筋刺激(NMS)、患者の心臓拍動の細動を除くために哺乳動物患者の胸腔に
電気エネルギーを分配するための除細動電極、および電気外科療法における切開
部に分配された電気エネルギーを受け取るための分散電極がある。
【0005】 生体医用電極を用いる診断方法には、心臓の活動を監視すると共に心臓の異常
を診断するための心電図(ECG)などの身体機能からの電気出力の監視がある
【0006】 診断方法、治療方法または電気外科療法方法ごとに、電解質を含有するイオン
導電媒体を有する少なくとも一つの生体医用電極は、問題の個所で哺乳動物皮膚
に接着されるか、別なやり方で接触させられる。前記生体医用電極は、電気診断
装置、治療装置または電気外科療法装置にも電気的に接続される。生体医用電極
の重要な成分は導電性媒体である。この導電性媒体は、哺乳動物皮膚と診断装置
、治療装置または電気外科療法装置との間のインターフェースとなる。また、こ
の導電性媒体は、通常、イオン導電性媒体である。
【0007】 生体医用電極は、特に患者の心血管の活動を監視し診断するために用いられる
。診断電極は、患者を直ちに監視するために用いられ、約5〜10分間にわたっ
て患者に取り付けられる。しかし、モニタ電極は、集中治療において連続で最長
三日間にわたって患者に用いられる。それに対し、ホルター電極は、活発な日常
活動中に患者を監視するために用いられる。
【0008】 上述した生体医用電極は心血管の活動を記録するために用いられるが、各電極
は正常に機能するために特定の特徴または特性を必要とする。例えば、診断電極
は、長期間にわたって患者に接着し続ける必要はないが、5〜10分間の使用時
には毛で覆われた皮膚、脂ぎった皮膚、乾いた皮膚および湿った皮膚に効果的に
接着しなければならない。モニタ電極は、患者が監視期間中に動かないことが多
いとはいえ、より長時間にわたって接着しなければならない。ホルター電極は、
物理的運動、発汗、水などに起因して粘着力が破壊されやすいので、最善の粘着
力と同時に快適さと電気的性能を必要とする。
【0009】 先行技術において知られている生体医用電極において、哺乳動物患者の皮膚と
電気的計器との間のインターフェースとして働くイオン導電媒体は、導電性ゲル
およびクリームから導電性感圧接着剤にまで及ぶ。しかし、導電性媒体が導電性
感圧接着剤の形態を取ることができる一方で、監視生体医用電極またはホルター
生体医用電極のために、こうした導電性接着剤の使用は、哺乳動物皮膚への粘着
力を維持するために単独では一般に適切ではなく、必要な哺乳動物皮膚粘着力を
付加するために、導電性媒体の周囲に別の低刺激性で疎水性の感圧接着剤を用い
ることができる。例えば、米国特許第5,012,810号(ストランド(St
rand)ら)および米国特許第4,527,087号、第4,539,996
号、第4,554,924号および第4,848,353号(すべてエンゲル(
Engel))は、導電性媒体の周囲に疎水性感圧接着剤を有する生体医用電極
を開示している。それらの開示は本明細書中に参考として援用する。
【0010】 一般に、望ましい皮膚電極は、皮膚との間で良好な電気的接触を維持すると共
に、局在電流ホットスポットがない、すなわち、均一な導電性を示すものである
。例えば、カラヤゴムを利用する先行技術の電極が使っているうちに変形すると
共に平らに延ばされがちであり、よって電流配分部材またはリード線に皮膚が直
接接触する可能性があることが明らかになっている。望ましい皮膚電極はまた、
通常、低い電気インピーダンスをもつべきである。
【0011】 WO−A−95/20634公報(スリーエム(3M))には、疎水性感圧接
着剤ポリマーの連続相と親水性ポリマーの連続相を有する二連続感圧接着剤が記
載され、この接着剤は、生体医用電極、哺乳動物皮膚外皮および薬物送達デバイ
スにおいて有用性をもつと記述されている。その開示は本明細書中に参考として
援用する。
【0012】 WO−A−97/05171公報(スリーエム(3M))には、疎水性感圧接
着剤ポリマーの連続相と親水性ポリマーの連続相を有する二連続感圧接着剤が記
載され、この接着剤は、開示において定義されたPSTC−1試験により測定し
た結果、少なくとも3ニュートン/100mmの引き剥がし粘着力を有すると共
に、この接着剤も同様に、生体医用電極、哺乳動物皮膚外皮および薬物送達デバ
イスにおいて有用性をもつと記述されている。その開示は本明細書中に参考とし
て援用する。
【0013】 上述したスリーエム(3M)公報に開示された接着剤は、疎水性モノマーと親
水性モノマーのミクロ乳化液の重合によって製造され、このミクロ乳化液は油相
と水相を有し、疎水性モノマーおよび親水性モノマーそれぞれ、重合前に油相お
よび水相中に存在し、任意に、指定された特定の界面活性剤、水溶性添加剤、他
の極性モノマーなどの成分を伴っている。例えば、前述した2件のスリーエム(
3M)の公報の実施例38には、重合された乳化液から形成された感圧接着剤が
記載されている。この重合された乳化液は、ミクロ乳化液を作製するための水、
疎水性モノマー(イソオクチルアクリレート)、親水性モノマー(2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、親水性反応性オリゴマー(ポリエチ
レンオキシドアクリレートであるAM90Gエステル)、および界面活性剤(S
AM211)と、N−ビニルピロリドン(親水性モノマーに加えて別の反応性極
性モノマーである)とを光開始剤とともに含有する。乳化液に対して対して適当
な条件で光を照射した後に、重合された二連続接着剤が形成されると記述されて
いる。
【0014】 WO−A−97/24149公報(スリーエム(3M))には、脂ぎった皮膚
に対して改善された粘着力を有すると記述された親油性極性感圧接着剤が記載さ
れ、この接着剤は、親水性ポリマーマトリックス、極性有機可塑剤およびHLB
(親水性親油性バランス)値10〜17の少なくとも9重量%の界面活性剤を含
む。親水性ポリマーマトリックスは、例えば、(メタ)アクリル酸およびその塩
、アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、アクリルアミドプロパンスルホン酸
およびその塩のホモポリマーおよびコポリマーを含む一定範囲のポリマーから選
択できることが一般に記述されている。その開示は本明細書中に参考として援用
する。前記接着剤は、均質水性混合物中での重合によって製造される。
【0015】 WO−A−97/24149公報において開示された接着剤は、生体医用電極
、哺乳動物皮膚外皮および薬物送達デバイスにおいて有用であると記述されてい
る。しかし、アクリル酸ホモポリマー系およびN−ビニルピロリドンホモポリマ
ー系の接着剤のみが実施例(working example)において詳しく
例示されている。疎水性モノマーおよび/またはポリマーの存在については記載
されていない。
【0016】 米国特許第5,338,490号(ディエツ(Dietz)ら)には、連続親
水相内に不連続疎水性感圧接着剤ドメインを有する二相複合感圧接着剤が記載さ
れている。この接着剤は、存在する水の量に関係なくイオン導電性であると記述
されている。よってこの接着剤は、生体医用電極において有用性をもつと記述さ
れている。このイオン導電性は、架橋ポリ(N−ビニルラクタム)、架橋ポリア
クリルアミドおよびそのイオン形態、架橋ポリアクリル酸およびその塩、架橋ポ
リ−(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、その塩、酸の架
橋ポリマー、酸の塩の架橋コポリマー、それらの混合物または組合せからなる群
から一般に選択された可溶化ポリマーに溶解したイオン塩の親水相としての使用
によって達成される。不連続疎水性ドメインは、ポリアクリレート、ポリオレフ
ィン、シリコーン接着剤、天然または合成誘導ゴムベース接着剤、ポリビニルエ
ーテルおよびそれらのブレンドから一般に選択された疎水性材料から形成される
。この接着剤は、疎水成分と親水成分をプリフォームし、それらを溶媒に共溶解
することにより製造することが記述されている。ここで溶媒は、その後、沸騰さ
せることにより除去されて、接着剤が残る。
【0017】 先行技術の接着剤は、性能、製造、経済性、環境または安全の問題またはそれ
らのいずれの組合せを問わず多くの欠点を抱えている。
【0018】 (発明の要約) 本発明の目的は、異なる用途に適合するため、および医用電極または類似のデ
バイスの場合に異なる構成または用途に適合するために容易に変更できる、制御
可能であり、かつ予測可能な接着特性を有するヒドロゲル皮膚接着剤を提供する
ことである。
【0019】 特に、本発明の各態様はそれぞれ、濡れおよび湿った皮膚に良好な粘着力を有
するヒドロゲル皮膚接着剤を提供することについて追求している。このような接
着剤は、生体医用皮膚電極に用いられる。これらのヒドロゲルは、水または水溶
液によるフラッシングにさらされる皮膚に対する粘着力のために有用である。従
来の生体接着剤は、一般に、湿った皮膚に対して劣った粘着力をもたらす。
【0020】 本明細書の別の態様はそれぞれ、脂肪被覆された皮膚に対する良好な粘着力を
有するヒドロゲル皮膚接着剤を提供することについて追求している。このような
接着剤は、生体医用皮膚電極に用いられる。こうしたヒドロゲル接着剤は、理想
的には、多様な皮膚のタイプに対して良好な粘着力をもたらすであろう。多様な
皮膚のタイプとは、異なった人種から得られる多様な皮膚のタイプを考慮する。
人種が異なれば、例えば、異なる量および異なるタイプの脂肪が分泌されるとい
う傾向がある。こうしたヒドロゲルはまた、理想的には、例えば、モイスチャリ
ングスキンクリーム由来の脂肪の人工層を塗布した皮膚に対する良好な粘着力を
もたらすであろう。
【0021】 本発明の第1の態様によれば、均質水性反応混合物の重量に対して約5〜約5
0%の少なくとも一種のイオン水溶性モノマー、前記反応混合物の重量に対して
約10〜50%の少なくとも一種の可塑剤(水以外)、前記反応混合物の重量に
対して約50%以下(例えば、約0.05〜50%、好ましくは約10〜約50
%)の少なくとも一種の非イオン水溶性モノマーおよび前記反応混合物の重量に
対して約40%以下(例えば、約0.05〜40%、好ましくは約3〜約40%
)の水を含む前記均質水性反応混合物を重合することにより形成される生体接着
剤組成物が得られる。
【0022】 本発明の組成物は水安定性を示す。本発明の目的において、「水安定性」とは
、(ヒドロゲルの外部環境からの)水の吸収によってヒドロゲルの含水率が増加
した時、「作られたままの」ヒドロゲル接着剤の値の約50%のレベルから10
0%を超えるレベルへの皮膚またはもう一つの基板への粘着力の維持として定義
される。さらに、本組成物は、従来知られている対応する組成物と比べて、(a
)皮膚上での接着強度、(b)水の吸収によるヒドロゲルの含水率の増加に伴う
皮膚粘着力の損失に対する耐性、および(c)水の吸収速度の減少によって極め
て有効な特性を発揮する。
【0023】 本発明の第2の態様によると、本明細書において定義された水安定性を有する
生体接着剤組成物が得られる。この組成物は、少なくとも一種のイオン水溶性モ
ノマー、少なくとも一種の可塑剤(水以外)および少なくとも一種の非イオン水
溶性モノマーを含む均質水性反応混合物を重合することにより形成される。
【0024】 本発明の他の態様および実施形態は、以下の記載および添付した請求の範囲に
おいて定義し、説明する。
【0025】 (発明の詳細な説明) 本発明の組成物は、驚くべきことに、乾いた皮膚および湿った皮膚の両方に対
して良好な粘着力を示すとともに、これらの皮膚を大量の水に曝した後にも良好
な粘着力を示す。特に、本発明によるヒドロゲルは、0.5N/cm以上の乾い
た皮膚に対しても粘着力をもたらす。
【0026】 本発明の組成物は、良好な二段粘着力をもたらすことが明らかになっている。
この二段粘着力は、皮膚とヒドロゲルの最初の接触によって発現する良好な初期
「第一段」粘着力と、経時的に増加する「第二段」粘着力とからなる。
【0027】 十分な粘着力をもたらす一方で、本発明のヒドロゲル接着剤は、皮膚から苦痛
を伴うことなく除去できることも言及しておきたい。
【0028】 本明細書において用いられる「均質水性反応混合物」という用語は、重合反応
の前に実質的に一切の相分離が起きない実質的に可溶化された系を意味する。例
えば、乳化液、ミクロ乳化液、または重合反応がいずれ起きる相分離した混合物
は、本発明が意図する均質水性反応混合物ではない。したがって、反応混合物が
疎水成分を含む場合、後で詳述するように、均質性を達成するために特別な措置
が必要である。
【0029】 (イオン性モノマー) 本発明の好ましい実施形態において、イオン性モノマーは、水中で迅速に重合
する能力を有するという観点から、アクリレート系モノマーを含む。最も好まし
くは、イオン性モノマーは、少なくとも一種の2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、その類似体またはその塩の一つ、例えば、ナトリウム塩、
カリウム塩またはリチウム塩などのアルカリ金属塩を含む。この文脈において「
類似体」という用語は特に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸の置換誘導体を意味する。イオン性モノマーの特に好ましい例は、NaAMP
Sとして一般に知られている2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸ナトリウム塩である。このNaAMPSは現在、ルブリゾール(Lubriz
ol)から50%水溶液(参照コードLZ2405)または58%水溶液(参照
コードLZ2405A)のいずれかとして市販されている。反応混合物は、好ま
しくは、反応混合物の重量に対して約10〜50%、理想的には約30〜50%
のイオン性モノマーを含む。
【0030】 (可塑剤) 本発明の好ましい実施形態において、可塑剤は、少なくとも一種の多価アルコ
ール(グリセロールなど)、それから誘導された少なくとも一種のエステルおよ
び/または少なくとも一種の高分子アルコール(ポリエチレンオキシドなど)の
いずれかを単独で、あるいは組合せのいずれかで含む。グリセロールは好ましい
可塑剤である。別の好ましい可塑剤は硼酸およびグリセロールから誘導されたエ
ステルである。可塑剤は、一般に、本発明によるヒドロゲル組成物を可塑化する
とともに、導電性ヒドロゲルにおいては接着特性および電気特性を制御するため
に用いられる。水がヒドロゲルから失われる時、接着特性および電気特性の両方
は悪い方向に変化しうる。反応混合物は、好ましくは、反応混合物の重量に対し
て約15〜45%の(水以外の)可塑剤を含む。
【0031】 (非イオン性モノマー) 本発明の好ましい実施形態において、前述した非イオン水溶性モノマーは、少
なくとも一種のモノ−またはジ−N−アルキルアクリルアミドまたはその類似体
を含む。この文脈において「類似体」という用語は、アミド官能基またはアルキ
ルアミド官能基(−CO.NH−または−CO.NR−)を介して炭素−炭素二
重結合に連結されたアルキル基または置換アルキル基を含む非イオン水溶性モノ
マーを意味する。こうした類似体の例には、ダイアセトンアクリルアミド(N−
1,1−ジメチル−3−オキソブチル−アクリルアミド)、N−アルキル化アク
リルアミド、N,N−ジアルキル化アクリルアミド、N−ビニルピロリドンおよ
びアクリロイルモルホリンが挙げられる。N,N−ジメチルアクリルアミド(N
NDMA)および/またはその類似体が好ましい。反応混合物は、好ましくは、
反応混合物の重量に対して約15〜30%、理想的には約15〜25%の非イオ
ン水溶性モノマーを含む。
【0032】 (架橋および重合) 架橋剤は、望ましくは、必要な機械的安定性をもたらすと共に、ヒドロゲルの
接着特性を制御するために用いられる。適当な接着剤を用いてヒドロゲルを製造
することができるが、電気特性を必要とする場合、適当な架橋剤も所定量用いる
べきである。用いる架橋剤の量が少なすぎると、材料を完全な電極に変換するこ
とは不可能になる。必要な架橋剤の量が反応混合物の重量に対して約0.05〜
0.2%であることは、当業者にとって明らかであろう。代表的な架橋剤として
は、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、トリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEG4
00またはPEG600)、メチレンビスアクリルアミドが挙げられる。
【0033】 本発明に関わる接着剤は、一般に、架橋ポリマー網目に加えて、水性可塑化媒
体および任意に少なくとも一種の電解質を含む一方で、用いられる材料および加
工方法は、通常、必要な用途に応じた接着特性および電気特性が適切なバランス
を提供するように選択される。特に、水のタイプと、ヒドロゲルの流動学的特性
と合わせた水分活性は、一般に、感圧接着特性と、必要に応じて電気特性とのバ
ランスをもたらすように制御される。本発明を実施するに際して用いられる方法
の好ましい特徴の一つは、必要な接着特性と電気特性を達成するために、ヒドロ
ゲル中で必要な最終的な水量が、ゲル化の前に配合物中に存在することである。
すなわち、製造後に水がヒドロゲルから除去されず、且つ製造中に約10%未満
の水が除去されることである。
【0034】 本発明の組成物の製造方法は、一般に、ラジカル重合を含み、そして理想的に
は、当該ラジカル重合では、光開始剤を使用するか、あるいは光開始と熱開始を
組合せて使用する。反応混合物は、好ましくは、反応混合物の重量に対して約0
.02〜2%、理想的には0.02〜0.2%の光開始剤を含む。反応混合物は
、好ましくは、約0.02重量〜2重量%、理想的には約0.02重量〜0.2
重量%の熱開始剤を含む。好ましい光開始剤としては、以下に示すものを単独で
、あるいは組合せて用いる。
【0035】 タイプI−α−ヒドロキシ−ケトンおよびベンジリジメチル−ケタール、例え
ば、Irgacure651が挙げられる。これらは、光照射によってベンゾイ
ルラジカルを生じると考えられる。このベンゾイルラジカルによって重合が開始
される。このタイプの光開始剤は、芳香族環のパラ位に置換基をもたないもので
あることが好ましい。例えば、チバケミカルズ(Ciba Chemicals
)が販売しているIrgacure184およびDarocur1173、なら
びにそれらの組合せが挙げられる。
【0036】 以下の一般式の光開始剤が好ましい。
【0037】
【化1】 式中、R1は水素、H3C−S−、
【化2】 または、
【化3】 のどれでも可能である。
【0038】 ここで、R1は、最も好ましくは水素である。 R2は、適切には、
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】 のどれでも可能である。
【0039】 R2は、最も好ましくは
【化10】 である。
【0040】 特に好ましい光開始剤は、例えば、チバスペシャリティケミカルズ(Ciba
Speciality Chemicals)が商品名Irgacure18
4で販売しているような1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである。
Darocur1173(2−ヒドロキシ−2−プロピルフェニルケトン)およ
びIrgacure184とDarocur1173の混合物も好ましく使用さ
れる。
【0041】 (用途) 本明細書において記載された接着剤は、支持されていないか、あるいはメンブ
レン、複合材または積層体の形態で、皮膚接触用途の範囲内で用いることができ
る。
【0042】 こうした用途としては、一般的な実用品として、テープ、帯具および包帯、創
傷治癒具および創傷処理具、皮膚接触造孔具および関連失禁具などが挙げられる
。他の用途分野としては、薬物輸送デバイスが挙げられる。この薬物輸送デバイ
スは、哺乳動物皮膚への、あるいは哺乳動物皮膚を通した薬物または他の活性剤
の送達のために適用されるものであって、任意に局所剤、経皮剤またはイオン泳
動剤および添加物を含有する。浸透強化剤の非限定的な例としては、メチルオレ
イン酸、イソプロピルミリステート、Azone(登録商標)、Transcu
tol(登録商標)、およびN−メチルピロリドンが挙げられる。
【0043】 (生体医用皮膚電極) 特に好ましい用途は、生体医用皮膚電極の分野への適用である。
【0044】 本発明の第3の態様によれば、生体接着剤組成物を、生体医用皮膚電極に用い
ることができる。かかる生体接着剤組成物は、均質水性反応混合物の重量に対し
て約5〜約50%の少なくとも一種のイオン水溶性モノマー、前記反応混合物の
重量に対して約10〜50%の少なくとも一種の可塑剤(水以外)、前記反応混
合物の重量に対して約50%以下(例えば、約0.05〜50%、好ましくは約
10〜約50%)の少なくとも一種の非イオン水溶性モノマー、前記反応混合物
の重量に対して約40%以下(例えば、約0.05〜40%、好ましくは約3〜
約40%)の水、および前記反応混合物の重量に対して適切には約6%以下(例
えば、約0.05〜6%、好ましくは約0.5〜約6%)の導電性強化量の少な
くとも一種の電解質を含む前記均質水性反応混合物を重合することにより形成さ
れる。
【0045】 本発明の第4の態様によれば、生体接着剤組成物を、生体医用皮膚電極に用い
ることができる。かかる生体接着剤組成物は、本明細書において定義された水安
定性を示し、かつ、少なくとも一種のイオン水溶性モノマー、少なくとも一種の
可塑剤(水以外)、少なくとも一種の非イオン水溶性モノマー、および少なくと
も一種の電解質を含む均質水性反応混合物を重合することにより形成される。
【0046】 ヒドロゲルをAg/AgCl医用電極とともに使用しようとする場合、電極が
機能するためには塩化物イオンが存在することが必要である。このため、一般に
、塩化カリウムおよび塩化ナトリウムが用いられる。しかしながら、系に塩化物
イオンを供与できる化合物、例えば、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化アン
モニウムを用いることができる。添加されるべき量は、必要とされる電気特性に
応じて決定され、一般に約1〜7重量%である。
【0047】 主たる対象電気特性はインピーダンスである。性能標準は、アメリカ医療器具
協会(AAMI)によって作製されてきた。検出電極用途において、接着剤およ
び適切な導電性支持体からなる電極は、接着剤と接着剤が接触して対になって配
置される。導電性支持体は、接着剤と接触しているAg/AgClコーティング
材を有することが多い。測定されたインピーダンスは、Ag/AgClコーティ
ング材の品質と接着剤の品質の両方に応じて決まる。この構成においては、接着
剤は塩化物イオンを含有していなければならない。塩化物イオンの濃度はインピ
ーダンスに影響を及ぼす。具体的には、塩化物イオンの濃度が増加するにつれて
インピーダンスが低下する。イオン活量(濃度と対照をなすもの)はインピーダ
ンスの決定に際して重要であると思われるが、実際には、これらの系においてイ
オン活量の決定は大した問題ではないことが予想される。AAMI標準下で測定
した場合に最低のインピーダンスとなるようにヒドロゲルを設計するに当たって
は、水の量および水分活性を考慮に入れておかなければならない。これらのファ
クターは有効なイオン活量、およびしたがって系の電気化学作用に供与する塩化
物の量を制御する。より低い塩化物濃度であるが、より高い水分活性を有するヒ
ドロゲルは、より低いインピーダンスを有する。
【0048】 (脂ぎった皮膚への性能) 本発明は、正常に脂ぎった皮膚、あるいは人工的に脂肪が被覆された皮膚に塗
布した場合に、接着剤としての良好な性能をもたらす生体接着剤組成物を提供す
ることをさらに追求している。
【0049】 本発明の第5の態様によれば、均質水性反応混合物の重量に対して約5〜約5
0%の少なくとも一種のイオン水溶性モノマー、前記反応混合物の重量に対して
約10〜50%の少なくとも一種の可塑剤(水以外)、前記反応混合物の重量に
対して約50%以下(例えば、約0.05〜50%、好ましくは約10〜約50
%)の少なくとも一種の非イオン水溶性モノマー、前記反応混合物の重量に対し
て約40%以下(例えば、約0.05〜40%、好ましくは約3〜約40%)の
水、前記反応混合物の重量に対して約10%以下(好ましくは約0.05〜9%
、最も好ましくは8%未満)の少なくとも一種の界面活性剤、および前記反応混
合物の重量に対して約1〜30%の少なくとも一種の疎水性モノマーおよび/ま
たはポリマーを含む前記均質水性反応混合物を重合することにより形成される生
体接着剤組成物が得られる。こうした組成物において、非イオン水溶性モノマー
は、一般に、反応性溶媒ブリッジとして作用する。
【0050】 解釈に疑義が生じるのを避けるために注釈すると、いかなるポリマーに関して
も、本明細書において用いられる「ポリマー」という用語は、ホモポリマーとコ
ポリマーの両方を包含する。「重合する」という用語も同様に、上記の意義に応
じて解釈される。
【0051】 本明細書において用いられる「反応性溶媒ブリッジ」という用語は、部分的親
油性非イオン水溶性モノマーに関連する。この部分的親油性非イオン水溶性モノ
マーは、疎水相と水相との間で分配する能力を有するため、疎水性モノマーは重
合が始まる前に均質反応混合物に実質的に可溶化される。この反応性溶媒ブリッ
ジは、それ自身が重合反応に加わる重合性モノマーである点で反応性であるとい
える。理論に拘束されることを望まないが、非イオン水溶性モノマーの溶媒ブリ
ッジ機能は、重合反応の前、および重合反応の比較的早い段階において主として
発揮され、重合反応が進むにつれて減少すると考えられる。
【0052】 こうした組成物は、脂ぎった皮膚に対して良好な粘着力を示す。本発明のヒド
ロゲルは、本明細書における試験において定義されたタイプの脂ぎった皮膚上で
、少なくとも0.35N/cmの粘着力をもたらすことが、本明細書における試
験によって証明された。除去すると残留物は皮膚上に残らなかった。
【0053】 本発明は、均質に分散した反応混合物を提供する。この反応混合物は、疎水成
分と親水成分の両方を含み、重合すると二相構造または多相構造に分離する。こ
こで、分離して得られた相は場合によって、約100μm±50μmの厚さを有
することが観察された。反応混合物は一種以上の表面活性剤を含有する。この表
面活性剤は、相分離を助けるか、あるいは促進することがあるが、重合の過程に
おいて生じた相の間に異方的に分配される。
【0054】 疎水性モノマーまたはポリマーの存在は、より効果的に相分離を促進するため
に、初期均質分散液中で必要となることがある。
【0055】 (重合された材料の表面特性) 本発明によれば、相分離し、かつ重合された材料が、少なくともその表面にお
いて比較的疎水性を有し、かつポリマーが感圧接着剤として機能することができ
る領域と、実質的に親水性を有し、かつポリマーと哺乳動物皮膚との間の界面で
水性環境において表面活性剤が機能することができる領域とを含むことができる
【0056】 ポリマーが皮膚と接触して配置される場合、表面活性剤の性質と量は、疎水性
ドメインと皮膚表面との間の粘着力の作用を不利に減少させないように、皮膚表
面から皮膚リピドまたは皮膚クリームなどの天然または合成疎水性材料の除去を
引き起こすように選択される。本発明において形成される高分子接着剤およびこ
の接着剤が接触する皮膚は両方とも、正常な使用条件下で変形しうるので、疎水
性領域と親水性領域の多少の空間的交換が皮膚表面上で起きるという平衡界面状
況に達する。
【0057】 相分離し、かつ重合された表面材料は、界面が極めて明確な疎水相を含むこと
が明らかになっている。この疎水相は、水を主成分とする親水性マトリックス中
に内包されている。また、この疎水相は、一般に長い形の相であり、横断寸法は
光の波長より長い(例えば、約0.5〜約100μm)。したがって、この疎水
相は、当該疎水相に選択的に結合する染料で染色されたサンプル上において、光
学顕微鏡下で可視化されうる。
【0058】 長い疎水相の表面モルホロジーは広く異なることが可能である。理論に拘束さ
れたくないが、重合反応が進むにつれて、疎水/親水界面における表面張力の変
動が最終ポリマー中でモルホロジーを変化させうると考えられる。この表面張力
は、反応性溶媒ブリッジと界面活性剤の両方の性質および量、ならびに他のファ
クターによって影響を受けうる。
【0059】 したがって、前記重合された材料の表面に、前記長い疎水相を、クラスター配
列あるいは比較的開放された配列に集合させることができる。。顕微鏡で可視化
された前記疎水相は、例えば、親水性マトリックスに内包された不連続直線およ
び/または分岐ストランド、あるいは閉ループとして現れうる。
【0060】 前記重合されたした材料は一般に非二連続である。前記疎水相と前記親水相の
少なくとも一方は、前記重合された材料内で離散領域として存在し、前記疎水相
と前記親水相の両方の相が前記重合された材料を横切って同時に伸びる(二連続
性)ことはない。
【0061】 本発明の第6の態様によれば、生体接着剤組成物が得られる。この生体接着剤
組成物は、疎水成分と親水成分の両方を含み、かつ均質に分散した反応混合物を
提供し、重合すると前記反応混合物が生体接着剤組成物の少なくとも表面で二相
構造または多相構造に分離するように、前記均質に分散した反応混合物を重合す
ることにより形成される。
【0062】 本発明の第7の態様によれば、生体接着剤組成物を、生体医用皮膚電極に用い
ることができる。かかる生体接着剤組成物は、均質水性反応混合物の重量に対し
て約5〜約50%の少なくとも一種のイオン水溶性モノマー、前記反応混合物の
重量に対して約10〜50%の少なくとも一種の可塑剤(水以外)、前記反応混
合物の重量に対して約50%以下(例えば、約0.05〜6%、好ましくは約0
.05〜約6%)の少なくとも一種の非イオン水溶性モノマー、前記反応混合物
の重量に対して約40%以下(例えば、約0.05〜40%、好ましくは約3〜
約40%)の水、前記反応混合物の重量に対して約10%以下(例えば、約0.
05〜9%、最も好ましくは8%未満)の少なくとも一種の界面活性剤、前記反
応混合物の重量に対して約1〜30%の少なくとも一種の疎水性モノマーおよび
/またはポリマーおよび前記反応混合物の重量に対して適切には約6%以下(例
えば、約0.05〜6%、好ましくは約0.5〜約6%)の導電性強化量を有す
る少なくとも一種の電解質を含む前記均質水性反応混合物を重合することにより
形成される。
【0063】 本発明の第8の態様によれば、生体医用皮膚電極に用いられる生体接着剤組成
物が得られる。この生体接着剤組成物は、疎水成分と親水成分の両方を含み、か
つ均質に分散した反応混合物を提供し、重合すると反応混合物が生体接着剤組成
物の少なくとも表面で二相構造または多相構造に分離するように、前記均質に分
散した反応混合物を重合することにより形成される。
【0064】 前述したような本発明の第1、第2、第3および第4の態様の好ましい特徴は
、本発明の第5、第6、第7および第8の態様に等しく該当する。
【0065】 (界面活性剤) 適合性を有するいかなる界面活性剤も用いることができる。非イオン界面活性
剤、アニオン界面活性剤およびカチオン界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、
理想的には、以下に記載した界面活性剤のいずれかを単独で用いるか、あるいは
他の界面活性剤と組合せて用いる。
【0066】 1.非イオン界面活性剤 適切な非イオン界面活性剤としては、より高級な脂肪族アルコールの縮合製品
からなる群から選択されたものが挙げられるが、それらに限定されない。ここで
、前記より高級な脂肪族アルコールとしては、例えば、直鎖または分岐鎖配列に
おける炭素原子数約8〜約20の脂肪族アルコールなどがあり、これらは、約3
〜約100モル、好ましくは約5〜約40モル、最も好ましくは約5〜約20モ
ルのエチレンオキシドと縮合して得られる。なるこうした非イオンエトキシ化脂
肪族アルコール界面活性剤としては、例えば、ユニオンカーバイド(Union
Carbide)製のTergitol(登録商標)15−Sシリーズ、およ
びICI製のBrij(登録商標)界面活性剤が挙げられる。Tergitol
(登録商標)15−S界面活性剤は、C11〜C15第二アルコールポリエチレング
リコールエーテルを含む。Brij(登録商標)58界面活性剤は、ポリオキシ
エチレン(20)セチルエーテルであり、Brij(登録商標)76界面活性剤
は、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテルである。
【0067】 他の適切な非イオン界面活性剤としては、1モルのアルキルフェノールとのエ
チレンオキシド縮合物からなる群から選択されるものが挙げられるが、それらに
限定されない。このエチレンオキシド縮合物は、約3〜約100モルのエチレン
オキシドと、直鎖または分岐鎖配列からなる炭素原子数約6〜12の1モルのア
ルキルフェノールとの縮合により得られる。このような非イオン界面活性剤とし
ては、例えば、ローヌ・プーラン(Rhone−Poulenc)製のIgep
al(登録商標)COおよびCAシリーズが挙げられる。Igepal(登録商
標)CO界面活性剤は、ノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノールを
含む。Igepal(登録商標)CA界面活性剤は、オクチルフェノキシポリ(
エチレンオキシ)エタノールを含む。
【0068】 使用可能な非イオン界面活性剤のもう一つの群には、エチレンオキシドとプロ
ピレンオキシドまたはブチレンオキシドとのブロックコポリマーからなる群から
選択されたものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0069】 こうした非イオンブロックコポリマー界面活性剤としては、例えば、バスフ(
BASF)製の界面活性剤のPluronic(登録商標)シリーズ、およびT
etronic(登録商標)シリーズが挙げられる。Pluronic(登録商
標)界面活性剤は、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー
を含む。Tetronic(登録商標)界面活性剤は、エチレンオキシド−プロ
ピレンオキシドブロックコポリマーを含む。界面活性剤内の疎水成分と親水成分
とのバランスは分子量とともに重要であることが明らかになっている。適する例
はPluronic L68およびTetronic 1907である。特に適
する例はPluronic L64およびTetronic 1107である。
なお、他の好ましい非イオン界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンステ
アレートからなる群から選択されたものが挙げられるが、それらに限定されない
。こうした脂肪酸エステル非イオン界面活性剤としては、例えば、ICI製のS
pan(登録商標)、Tween(登録商標)、およびMytj(登録商標)界
面活性剤である。Span(登録商標)界面活性剤は、C12〜C18ソルビタンモ
ノエステルを含む。Tween(登録商標)界面活性剤は、ポリ(エチレンオキ
シド)C12〜C18ソルビタンモノエステルを含む。Mytj(登録商標)界面活
性剤は、ポリ(エチレンオキシド)ステアレートを含む。
【0070】 2.アニオン界面活性剤 アニオン界面活性剤は、通常、(約C6〜約C20)アルキル基、アルキルアリ
ール基およびアルケニル基からなる群から選択された疎水部分、およびスルフェ
ート、スルホネート、ホスフェート、ポリオキシエチレンスルフェート、ポリオ
キシエチレンスルホネート、ポリオキシエチレンホスフェートからなる群から選
択されたアニオン基ならびにこうしたアニオン基のアルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩および第三アミノ塩を含む。
【0071】 本発明において使用できるアニオン界面活性剤には、ナトリウムラウリルスル
フェート(スレパン(Srepan Co.)からPolystep(登録商標
)B−3として市販されている)およびナトリウムドデシルベンゼンスルホネー
ト(ローヌ・プーラン(Rhone−Poulenc)からSiponate(
登録商標)DS−10として市販されている)などの(約C6〜約C20)アルキ
ルまたはアルキルアリールスルフェートあるいはスルホネート、ステパン(St
epan Co.)から市販されているPolystep(登録商標)B−1お
よびローヌ・プーラン(Rhone−Poulenc)製のAlipal(登録
商標)EP110および115などの、界面活性剤中に、約30単位未満、好ま
しくは約20単位未満、最も好ましくは約15単位未満のエチレンオキシド反復
単位をもつポリオキシエチレン(約C6〜約C20)アルキルまたはアルキルフェ
ノールエーテルスルフェート、GAF製のGafac(登録商標)RE−510
およびGafac(登録商標)RE−610などの、界面活性剤中に、約30単
位未満、好ましくは約20単位未満、最も好ましくは約15単位未満のエチレン
オキシド反復単位をもつ、燐酸およびその塩の(約C6〜約C20)アルキルまた
はアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エチルモノエステルおよびジエス
テルからなる群から選択されるものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0072】 3.カチオン界面活性剤 本発明において有用なカチオン界面活性剤としては、第四アンモニウム塩から
なる群から選択されたものが挙げられるが、それらに限定されない。この第四ア
ンモニウム塩では、少なくとも一個のより高い分子量の基と、二個または三個の
より低い分子量の基とが共有窒素原子に連結されてカチオンを生成し、電気均衡
アニオンがハロゲン化物(臭化物、塩化物など)、酢酸塩、亜硝酸塩およびより
低級のアルコスルフェート(メトスルフェートなど)からなる。窒素上のより高
い分子量の置換基(複数を含む)は、多くの場合、炭素原子数約10〜約20の
より高級のアルキル基(複数を含む)であり、窒素上のより低い分子量の置換基
は、メチルまたはエチルなどの炭素原子数約1〜約4のより低級のアルキルであ
り、場合によって、ヒドロキシで置換されていてもよい。置換基の一つ以上はア
リール部分を含んでもよく、あるいはベンジルまたはフェニルなどのアリールで
置換されてもよい。
【0073】 本発明の特に好ましい実施形態において、界面活性剤は、少なくとも一種のプ
ロピレンオキシド/エチレンオキシドブロックコポリマーを含む。このような界
面活性剤としては、例えば、バスフ(BASF Plc)が供給している商品名
Pluronic L64が挙げられる。反応混合物は、反応混合物の重量に対
して理想的には約0.1〜5%の界面活性剤を含むのが好ましい。
【0074】 界面活性剤は、皮膚から脂肪を除去するとともに、コーティングの接着の作用
を低下させずに、除去された脂肪をヒドロゲル内の分離ポケットに整列させるよ
うに作用する。
【0075】 (リピド−ミセル形成性ポリマー) 本発明の好ましい実施形態において、均質に分散した反応混合物はさらに、好
ましくは、反応混合物の重量に対して約0.1〜5%のリピド−ミセル形成性ポ
リマー、すなわち、いわゆる高度ラセン化ポリマーを含む。このポリマーは、ミ
セルを形成するとともに、包まれた脂肪ポケットをゲル−皮膚界面から除去する
ように機能する。
【0076】 この高度コイル化ポリマーは、一次界面活性剤ミセルをより効果的に溶媒和す
る能力を有する。この一次界面活性剤ミセルは、皮膚リピドまたは皮膚クリーム
などの疎水性皮膚汚れに接触する。この高度化コイル化ポリマーの機能的役割に
よれば、界面活性剤または疎水性皮膚汚れの一方または両方の存在によって、接
着剤と皮膚との間の接着の作用が累進的により影響を受けないようにすることが
できる。
【0077】 高度コイル化ポリマーは、好ましくは、ポリ(マレイン酸−スチレン)、ポリ
(マレイン酸−ブチルビニルエーテル)、ポリ(マレイン酸−プロピルビニルエ
ーテル)、ポリ(マレイン酸−エチルビニルエーテル)およびポリ(アクリル酸
−エチルアクリレート)のいずれか一つ、あるいはこれらの組合せからなる。
【0078】 特に好ましい例は、スチレンとマレイン酸の交互コポリマーである。前述した
ように、本発明の組成物は、重合すると二相構造を提供することを目的とする。
これらの二つの相は親水性および疎水性である。疎水相は、以後に論じるように
、反応性溶媒ブリッジを介して均質反応混合物の一部として初期に維持される疎
水性モノマーによって形成されうる。別法としておよび/または追加的に、疎水
成分は、重合すると水相から分離するポリマーとして形成される。
【0079】 (疎水性モノマー) 反応混合物は、好ましくは、反応混合物の重量に対して約1〜15%の疎水性
非水溶性モノマーを含む。この疎水性モノマーは、理想的には、n−ブチルアク
リレート、n−ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、イソオクチルア
クリレート、イソデシルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、テトラヒ
ドロフルフリルアクリレート、ビニルプロピオネートおよびビニルブチレートの
いずれか単独、または組合せからなる。エトキシエチルアクリレートまたはブチ
ルアクリレートは特に好ましい。ヒドロゲルがブチルアクリレートなどの疎水成
分およびNaAMPSなどの親水性モノマー(すなわち、前述した水溶性イオン
モノマー)を含む場合、前述した非イオン水溶性モノマー、好ましい例において
NNDMAは、重合の前に、反応混合物の種々の見かけ上不適合成分を均質混合
するために、いわゆる「反応性溶媒ブリッジ」として作用する。したがって、N
NDMAが親水性材料と疎水性材料の両方のための溶媒として作用するので、反
応混合物は、均質に混合される親水成分と疎水成分の両方を含有する均質構造を
有し、よって透明適合性コーティング溶液または分散液をもたらす。反応性溶媒
ブリッジが重合するにつれ、反応性溶媒ブリッジは反応混合物から本質的に除去
されるので、系の安定性は悪い影響を受け、そして適合性コーティング溶液また
は分散液は相分離されて二相構造を形成する。
【0080】 特定の状況において、反応混合物は、反応混合物の重量に対して好ましくは約
3〜20%、より好ましくは約8〜18%の安定化疎水性ポリマー分散液を含む
。この安定化疎水性ポリマーは、安定な相分離系を形成するために用いられる。
この疎水性ポリマーは、好ましくは、酢酸ビニルマレイン酸ジオクチルコポリマ
ーまたはエチレン酢酸ビニルコポリマーのいずれか単独、または組合せからなる
。ハルコケミカルズ(Harco Chemicals)が商品名DM137で
販売しているもののようなエチレン酢酸ビニルコポリマーが好ましい。
【0081】 (重合条件) 本発明による生体接着剤組成物の調製において、原料は通常混合され、初期プ
レゲル水性液体配合物の形で反応混合物が形成される。その後、この反応混合物
は、ラジカル重合反応によってヒドロゲルに転化される。このラジカル重合反応
は、例えば、従来の熱開始剤および/または光開始剤を用いて、あるいは電離線
によって達成することができる。光開始は好ましい方法であり、通常、適切な光
開始剤を含有するプレゲル反応混合物を、シリコーン処理剥離紙または他の固体
支持体上に層状に広げるか、あるいは被覆した後、前記反応混合物をUV線に供
することにより、光開始が行なわれる。240〜420nmの範囲の波長におけ
る入射UV強度は、理想的には実質的に40mW/cm2である。処理は、一般
に、混合および熱処理または熱履歴の所定の厳密なシーケンスを含む制御された
方式で行われる。
【0082】 UV照射の時間尺度は、モノマー転化率が95%を超えるゲルを形成するため
に、理想的には60秒未満、好ましくは10秒未満であるべきであり、99.9
5%を超える転化率を達成するためには、60秒未満、好ましくは40秒未満U
V線を照射することが好ましい。照射の程度が反応混合物の厚さ、光開始剤の濃
度、反応混合物を上に被覆する支持体の性質、およびUV源に応じて決まること
は、当業者にとって自明であると考えられる。
【0083】 これらのタイミングは、100W/cmで動作するUV源として、中圧水銀ア
ークランプのためのものである。支持体の表面に到達する240nm〜420n
mの波長を有するUVの強度は、ソラテル(Solatell)製のSolas
copeで測定して少なくとも200mW/cm2である。所定のランプにおい
て、UV強度は、動作電力とUV源からの反応混合物の距離の関数である。
【0084】 本発明の接着剤は、通常はシート、コーティングまたは積層体として調製され
るが、調製の他の非限定的な形態として、繊維、ストランド、ペレットまたは粒
子が挙げられることを言及しておく。例えば、特定の生体接着剤は、バッカル剤
または胃腸薬物送達システムにおいて用途を見出すことが可能である。
【0085】
【実施例】
以下、配合物を用いて本発明をさらに説明する。
【0086】 以下に詳述したすべての配合物をポリウレタン発泡体(カリゲン(Calig
en)製のEV1700X)上に、0.8〜1.6kg/平方メートルの塗布量
で被覆し、100W/cmの電力で動作する中圧水銀アークランプから放出され
た紫外線を10秒にわたり照射することにより硬化させた。
【0087】 (実施例1) 6.0gのIrgacure184をUCB製の20gのIRR280(PE
G400ジアクリレート)と混合する(溶液A)。0.07gのIrgacur
e184に23.5gのNNDMAを添加し、1時間にわたり攪拌する(容器は
遮光する)。これに30gのグリセロールを添加し、5分にわたり攪拌し、その
後、40gのNaAMPS(58%溶液)を添加した後、もう5分にわたり攪拌
する。次いで、0.13gの溶液Aを添加し、使用前に全体の配合物を1時間に
わたり攪拌する。
【0088】 (実施例2) 6.0gのIrgacure184をUCB製の20gのIRR280(PE
G400ジアクリレート)と混合する(溶液A)。0.07gのIrgacur
e184に23.5gのNNDMAを添加し、1時間にわたり攪拌する(容器は
遮光する)。これに10gのMowilithDM137(ハルコ(Harco
)製の水中のエチレン酢酸ビニルコポリマーの50%分散液)を添加し、5分に
わたり攪拌する。これに30gのグリセロールを添加し、5分にわたり攪拌し、
その後、40gのNaAMPS(58%溶液)を添加した後、もう5分にわたり
攪拌する。次いで、0.13gの溶液Aを添加し、使用前に全体の配合物を1時
間にわたり攪拌する。
【0089】 (実施例3) 6.0gのIrgacure184をUCB製の20gのIRR280(PE
G400ジアクリレート)と混合する(溶液A)。0.07gのIrgacur
e184に23.5gのNNDMAを添加し、1時間にわたり攪拌する(容器は
遮光する)。これに10gのMowilithDM137(ハルコ(Harco
)製の水中のエチレン酢酸ビニルコポリマーの50%分散液)を添加し、5分に
わたり攪拌する。これに30gのグリセロールを添加し、5分にわたり攪拌し、
その後、40gのNaAMPS(58%溶液)を添加した後、もう5分にわたり
攪拌する。0.5gのPluronicL64(バスフ(BASF)製のポリ(
エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−
ポリ(エチレングリコール))を添加する。次いで、0.13gの溶液Aを添加
し、使用前に全体の配合物を1時間にわたり攪拌する。
【0090】 (実施例4) 6.0gのIrgacure184をUCB製の20gのIRR280(PE
G400ジアクリレート)と混合する(溶液A)。0.07gのIrgacur
e184に23.4gのNNDMAを添加し、1時間にわたり攪拌する(容器は
遮光する)。これに2gのMowilithDM137(ハルコ(Harco)
製の水中のエチレン酢酸ビニルコポリマーの50%分散液)を添加し、5分にわ
たり攪拌する。これに36gのグリセロールを添加し、5分にわたり攪拌し、そ
の後、40.36gのNaAMPS(58%溶液)を添加した後、もう5分にわ
たり攪拌する。0.25gのPluronicL64(バスフ(BASF)製の
ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロ
ック−ポリ(エチレングリコール))を添加する。アルドリッチ(Aldric
h)製のポリ(スチレン−交互−マレイン酸)ナトリウム塩の30%水溶液0.
8gをこれに添加し、10分にわたり攪拌する。次いで、0.13gの溶液Aを
添加し、使用前に全体の配合物を1時間にわたり攪拌する。
【0091】 (実施例5) 6.0gのIrgacure184をUCB製の20gのIRR280(PE
G400ジアクリレート)と混合する(溶液A)。0.07gのIrgacur
e184に23.4gのNNDMAを添加し、1時間にわたり攪拌する(容器は
遮光する)。これに10gのMowilithDM137(ハルコ(Harco
)製の水中のエチレン酢酸ビニルコポリマーの50%分散液)を添加し、5分に
わたり攪拌する。これに36gのグリセロールを添加し、5分にわたり攪拌し、
その後、40.36gのNaAMPS(58%溶液)を添加した後、もう5分に
わたり攪拌する。0.25gのPluronicL64(バスフ(BASF)製
のポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブ
ロック−ポリ(エチレングリコール))を添加する。アルドリッチ(Aldri
ch)製のポリ(スチレン−交互−マレイン酸)ナトリウム塩の30%水溶液0
.8gをこれに添加し、10分にわたり攪拌する。次いで、0.13gの溶液A
を添加し、使用前に全体の配合物を1時間にわたり攪拌する。
【0092】 (実施例6) 6.0gのIrgacure184をUCB製の20gのIRR280(PE
G400ジアクリレート)と混合する(溶液A)。0.07gのIrgacur
e184に23.4gのNNDMAを添加し、1時間にわたり攪拌する(容器は
遮光する)。これに10gのMowilithDM137(ハルコ(Harco
)製の水中のエチレン酢酸ビニルコポリマーの50%分散液)を添加し、5分に
わたり攪拌する。これに36gのグリセロールを添加し、5分にわたり攪拌し、
その後、40.36gのNaAMPS(58%溶液)を添加した後、もう5分に
わたり攪拌する。0.5gのPluronicL64(バスフ(BASF)製の
ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロ
ック−ポリ(エチレングリコール))を添加する。アルドリッチ(Aldric
h)製のポリ(スチレン−交互−マレイン酸)ナトリウム塩の30%水溶液0.
8gをこれに添加し、10分にわたり攪拌する。次いで、0.13gの溶液Aを
添加し、使用前に全体の配合物を1時間にわたり攪拌する。光学位相差顕微鏡に
よると、得られたゲルが規則的に相分離した表面をもつことが示された(図1お
よび後述する関連説明を参照すること)。
【0093】 (実施例7) 6.0gのIrgacure184をUCB製の20gのIRR280(PE
G400ジアクリレート)と混合する(溶液A)。0.07gのIrgacur
e184に23.4gのNNDMAを添加し、1時間にわたり攪拌する(容器は
遮光する)。これに20gのMowilithDM137(ハルコ(Harco
)製の水中のエチレン酢酸ビニルコポリマーの50%分散液)を添加し、5分に
わたり攪拌する。これに36gのグリセロールを添加し、5分にわたり攪拌し、
その後、40.36gのNaAMPS(58%溶液)を添加した後、もう5分に
わたり攪拌する。0.5gのPluronicL64(バスフ(BASF)製の
ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロ
ック−ポリ(エチレングリコール))を添加する。アルドリッチ(Aldric
h)製のポリ(スチレン−交互−マレイン酸)ナトリウム塩の30%水溶液0.
8gをこれに添加し、10分にわたり攪拌する。次いで、0.13gの溶液Aを
添加し、使用前に全体の配合物を1時間にわたり攪拌する。
【0094】 (実施例8) アルドリッチ(Aldrich)製のポリ(スチレン−交互−マレイン酸)ナ
トリウム塩の30%水溶液0.5部および2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸(NaAMPS)(LZ2405A)のナトリウム塩の58%溶
液40.4部をPluronicLF64(バスフ(BASF))0.5部と合
わせてグリセロール36部に添加し、溶液を攪拌して均一混合を確保した。1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名Irgacure184で販
売されているチバ(Ciba)の製品)6部が中に溶解されたポリエチレングリ
コールジアクリレート(PEG600)(商品名Ebacryl11で販売され
ているUCB Chemicalsの製品)20部を含有する溶液0.13部を
溶液に添加した。ブチルアクリレート8部とN,N−ジメチルアクリルアミド(
興人(Kohjin))15.7部のプレミックス溶液をその反応混合物に添加
し、この最終溶液に対して、実施例1の場合と同様に、UV線を照射することに
より硬化させた。光学位相差顕微鏡によると、得られたゲルが規則的に相分離し
た表面およびスキンクリーム(ニベア(Nivea))で前もって処理された皮
膚に対して強化された粘着力をもつことが示された(図2および後述する関連説
明を参照すること)。
【0095】 (実施例9) アルドリッチ(Aldrich)製のポリ(スチレン−交互−マレイン酸)ナ
トリウム塩の30%水溶液0.5部および2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸(NaAMPS)(LZ2405A)のナトリウム塩の58%溶
液40部をPluronicP65(バスフ(BASF))0.5部と合わせて
グリセロール30部に添加し、溶液を攪拌して均一混合を確保した。1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名Irgacure184で販売され
ているチバ(Ciba)の製品)6部が中に溶解されたポリエチレングリコール
ジアクリレート(PEG600)(商品名Ebacryl11で販売されている
UCB Chemicalsの製品)20部を含有する溶液0.13部を溶液に
添加した。エトキシエチルアクリレート6部とN,N−ジメチルアクリルアミド
(興人(Kohjin))18部のプレミックス溶液をその反応混合物に添加し
、この最終溶液に対して、実施例1の場合と同様に、UV線を照射することによ
り硬化させた。光学位相差顕微鏡によると、得られたゲルが規則的に相分離した
表面をもつことが示された(図3および後述する関連説明を参照すること)。
【0096】 (顕微鏡による測定方法) 「Wild MPS」フォトオートマタ」カメラ付属品付きのLeitz D
ialux20顕微鏡を用いて実施例6、8および9のゲルを検査した。顕微鏡
には12.5X接眼レンズが装備されていた。この場合、画像は多くの対物レン
ズによって拡大可能であり、この拡大にはx4、x10(phaco)およびx
25(phaco)が最も一般的に用いられていた。位相差と明視野照明の両方
を用いた。
【0097】 (染色) 実施例9のサンプルを、顕微鏡による測定の前に染色した。ヒドロゲル表面の
疎水性領域を特異的に染色するために、メタノール中のブロモピロガロールレッ
ドの飽和溶液を用いた。溶液をサンプルの表面に塗布する。次に、それをメタノ
ールでリンスして、過剰の一切の染料溶液および染料固形物を除去する。染料選
択において用いられた基準を以下で概説する。
【0098】 これらのゲルにおいて、より疎水性の領域とより親水性の領域を特異的に染色
する染料の選択は多くのファクターによって影響される。このことは、異なるポ
リマータイプにおいて異なる程度に吸収または保持されるブロモピロガロールレ
ッドとフルオレセインナトリウムの比較によって説明することができる。二つの
主要ファクターは帯電(charge)と疎水度である。ブロモピロガロールレ
ッドは、酸性−SO3H基と−COOH基が主体であり、フルオレセインナトリ
ウムは若干酸性の−COOH基が主体である。ポリマーにおいて、塩基性の領域
は、酸性染料に対して最も親和性を有し、酸性領域は酸性染料に対して最も親和
性がない。より高い含水率の材料が、より迅速な染料の吸収を可能にすることも
観察より明らかになっている。このことは、従来のヒドロゲルにおいて、より高
い含水率を有する材料が、酸性基、例えば、SO3HおよびCOOHを含む染料
を引き付ける若干塩基性のN−ビニルピロリドン基またはN,N−ジメチルアク
リルアミド基を含むことが多いという事実によって裏付けられる。
【0099】 染料とポリマーの酸度および塩基度に加えて、染料の分配係数も材料内への染
料の保持に著しい影響を及ぼす。この特性は、オクタノールと水との間の染料の
分配係数(KOW)を測定することにより従来の方法にて一般的に特性分析される
。ブロモピロガロールレッドはlogKOWの値が−0.49であり、フルオレセ
インナトリウムはlogKOWの値が−0.98である。両方の染料は、用いられ
るポリマーの水性成分と非水性成分との間で分配することが可能である。
【0100】 しかし、ブロモピロガロールレッドは、水性環境に好都合であるフルオレセイ
ンナトリウムと比べて、より親水性の水相よりも、より疎水性の水相に好都合の
ようである。この選択性は、従来のN−ビニルピロリドンまたはN,N−ジメチ
ルアクリルアミドを主成分とするヒドロゲルが高分子網目内にブロモピロガロー
ルレッド染料の約30%を保持する傾向があるという事実によって説明される。
【0101】 疎水性ドメインに対するより高いその親和性と、メタノールへのその溶解度と
あいまったブロモピロガロールレッドのより強い色調によって、ブロモピロガロ
ールレッドは、ポリマーゲルの表面における疎水性領域と親水性領域の存在を特
異的染色によって示すことに関して、ナトリウムフルオレセインよりも遥かに適
したものとなっている。
【0102】 (結果) 実施例6、8および9の重合製品の表面モルホロジーの検査から得られた顕微
鏡写真を添付図1、2および3にそれぞれ示す。
【0103】 図1は、位相差(一スケールの目幅=50μm)下で可視化された実施例6の
製品の表面モルホロジーを示している。
【0104】 図2は、位相差(一スケールの目幅=50μm)下で可視化された実施例8の
製品の表面モルホロジーを示している。
【0105】 図3は、明視野照明(一スケールの目幅=50μm)での染色下で可視化され
た実施例9の製品の表面モルホロジーを示している。
【0106】 図1において、疎水相は、親水性マトリックスの上にある閉ループの相対的に
クラスター化した配列として観察される。
【0107】 図2において、疎水相は、親水性マトリックスの上にある直線または分岐スト
ランドの相対的にクラスター化した配列として観察される。
【0108】 図3において、疎水相は、ストランド化網目内および親水性マトリックスと上
にあるストランド化網目との間の両方において相分離しているという明確な証拠
を伴って、親水性マトリックスの上にある分岐ストランドの相対的に開放された
配列として観察される。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】
【表4】
【0113】 (引き剥がし粘着力の測定方法) これは、異なる人種の二名の男性被験者の皮膚に対して、接着したヒドロゲル
に必要とされる引き剥がし強度を決定する方法である。次に記載するように、「
乾いた」(すなわち、被験者にとって正常)および脂ぎったで皮膚を試験する。
【0114】 [装置] ハサミ 適宜 標準定規 適宜 圧縮重り 5.0kg、直径130mm ポリエステルフィルム イタリア国コロモ S.p.A.43052のEFF
EGIDIから入手できるPET23μ 転写接着剤 イタリア国セグラート S.p.A.20090のス
リーエムイタリア(3M Italia)から入手できる3M1524 ストップウォッチ 適宜 引張試験機 Instronモデル6021(または同等物)
【0115】 [試験手順] A)引張試験機の引き剥がし設定 ロードセル 10N 試験速度 1000mm/分 クランプ対クランプ 距離 25mm プレ負荷 0.2N 試験経路「LM」 50mm 測定変数 「LM」においてF平均(N) B)サンプルの作製 1.状態調節室(23±2℃および50±2%RH)に約1時間にわたりサンプ
ルを放置して調節する。 2.各試験片を別個に作製し、直ちに試験するべきである。 3.長さ100mm±2×幅25.4mmの矩形接着剤サンプルを作製する。 4.前腕上で、接着剤押出品の面の約2cmより広く且つ長い矩形を引っ張る。
一つのコットン円板(すなわち、デマックアップ直径5.5cm、重量約0.6
g)を輪状に切り取り、(正常皮膚用の)「Nivea body」クリーム4
滴(約0.20g)をその上に載せ、コットンがクリームを吸収するようにコッ
トン円板を2回折り曲げ、処理されたコットン側で前腕表面を軽い圧力で3回こ
する。 5.しるし領域内の前腕に接着剤試験片を軽い圧力で取り付ける。 6.圧縮重りを、前腕上に取り付けた接着サンプルの上に軽く下ろす。 7.重りを取り去り、90度の初期角度で粘着力試験機の上方顎内に試験片の一
端を取り付けることにより1分後および10分後に試験する。
【0116】 水の吸収後に接着剤の引き剥がし強度を測定するために、上と同じ手順を行う
。試験片を37℃および湿度85%のオーブンに入れる。暴露時間は、必要な水
吸収の度合に応じて決まる。その後、サンプルをオーブンから取り出し、工程5
〜7を行う。
【図面の簡単な説明】
【図1】 位相差(一スケールの目幅=50μm)下で可視化された実施例6の製品の表
面モルホロジーを示す顕微鏡写真である。
【図2】 位相差(一スケールの目幅=50μm)下で可視化された実施例8の製品の表
面モルホロジーを示す顕微鏡写真である。
【図3】 明視野照明(一スケールの目幅=50μm)での染色下で可視化された実施例
9の製品の表面モルホロジーを示す顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 133/24 C09J 201/00 171/00 A61L 25/00 Z 201/00 A61B 5/04 300Y 300N (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ティーゲ ブライアン ジョン イギリス国 バーミンガム ビー4 7イ ーティー アストントライアングル アス トン大学内 Fターム(参考) 4C081 AC04 BB04 CC05 CC09 DA12 4J040 DF032 DF091 DF101 DH031 ED071 EE012 HB11 HB30 KA16 KA31 KA38 LA06 MA14

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 均質水性反応混合物の重量に対して約5〜50%の少なくと
    も一種のイオン水溶性モノマー、前記反応混合物の重量に対して約10〜50%
    の少なくとも一種の可塑剤(水以外)、前記反応混合物の重量に対して約50%
    以下の少なくとも一種の非イオン水溶性モノマー、および前記反応混合物の重量
    に対して約40%以下の水を含む前記均質水性反応混合物を重合することにより
    形成される、生体接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも一種のイオン水溶性モノマー、少なくとも一種の
    可塑剤(水以外)、および少なくとも一種の非イオン水溶性モノマーを含む均質
    水性反応混合物を重合することにより形成され、かつ、本明細書において定義さ
    れた水安定性を示す、生体接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記水性反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約5
    〜50%の前記イオン水溶性モノマーを含む、請求項2に記載の生体接着剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記水性反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約1
    0〜50%の前記可塑剤(水以外)を含む、請求項2または3に記載の生体接着
    剤組成物。
  5. 【請求項5】 前記水性反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約1
    0〜50%の前記非イオン水溶性モノマーを含む、請求項2〜4のいずれかに記
    載の生体接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 前記水性反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約3
    〜40%の水を含む、請求項2〜5のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  7. 【請求項7】 0.5N/cm未満の乾いた皮膚上の粘着力をもたらす、請
    求項1〜6のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  8. 【請求項8】 前記イオン性モノマーはアクリレート系モノマーを含む、請
    求項1〜7のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  9. 【請求項9】 前記イオン性モノマーは、2−アクリルアミド−2−メチル
    プロパンスルホン酸、その類似体またはその塩のいずれかを含む、請求項1〜8
    のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  10. 【請求項10】 前記反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約30
    〜50%の前記イオン性モノマーを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の生体
    接着剤組成物。
  11. 【請求項11】 前記可塑剤は、少なくとも一種の多価アルコール、多価ア
    ルコールから誘導された少なくとも一種のエステルおよび少なくとも一種の高分
    子アルコールのいずれか単独、または組合せのどちらかを含む、請求項1〜10
    のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  12. 【請求項12】 前記可塑剤は、グリセロールと、硼酸とグリセロールから
    誘導されたエステルの少なくとも一方を含む、請求項1〜11のいずれかに記載
    の生体接着剤組成物。
  13. 【請求項13】 前記反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約15
    〜45%の前記可塑剤(水以外)を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の生
    体接着剤組成物。
  14. 【請求項14】 前記非イオン水溶性モノマーは、少なくとも一種のモノ−
    またはジアルキルアクリルアミドまたはその類似体を含む、請求項1〜13のい
    ずれかに記載の生体接着剤組成物。
  15. 【請求項15】 前記非イオン水溶性モノマーは、少なくとも一種のN,N
    −ジメチルアクリルアミドまたはその類似体を含む、請求項1〜14のいずれか
    に記載の生体接着剤組成物。
  16. 【請求項16】 前記反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約15
    〜25%の前記非イオン水溶性モノマーを含む、請求項1〜15のいずれかに記
    載の生体接着剤組成物。
  17. 【請求項17】 少なくとも一種の電解質をさらに含む、請求項1〜16の
    いずれかに記載の生体接着剤組成物。
  18. 【請求項18】 生体医用皮膚電極または創傷包帯における請求項1〜17
    のいずれかに記載の生体接着剤組成物の用途。
  19. 【請求項19】 均質水性反応混合物の重量に対して約5〜約50%の少な
    くとも一種のイオン水溶性モノマー、前記反応混合物の重量に対して約10〜5
    0%の少なくとも一種の可塑剤(水以外)、前記反応混合物の重量に対して約5
    0%以下の少なくとも一種の非イオン水溶性モノマー、前記反応混合物の重量に
    対して約40%以下の水、前記反応混合物の重量に対して約10%以下の少なく
    とも一種の界面活性剤、および前記反応混合物の重量に対して約1〜30%の少
    なくとも一種の疎水性モノマーおよび/またはポリマーを含む前記均質水性反応
    混合物を重合することにより形成される、生体接着剤組成物。
  20. 【請求項20】 疎水成分と親水成分と両方を含む均質に分散した反応混合
    物を提供し、重合すると前記反応混合物が生体接着剤組成物の少なくとも表面で
    二相構造または多相構造に分離するように前記均質に分散した反応混合物を重合
    することにより形成された、生体接着剤組成物。
  21. 【請求項21】 前記生体接着剤組成物は、有効量の少なくとも一種のイオ
    ン水溶性モノマー、少なくとも一種の可塑剤(水以外)、少なくとも一種の非イ
    オン水溶性モノマー、水、少なくとも一種の界面活性剤、および少なくとも一種
    の疎水性モノマーおよび/またはポリマーを含む、請求項20に記載の生体接着
    剤組成物。
  22. 【請求項22】 前記反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約5〜
    約50%の少なくとも一種のイオン水溶性モノマー、前記反応混合物の重量に対
    して約10〜50%の少なくとも一種の可塑剤(水以外)、前記反応混合物の重
    量に対して約50%以下の少なくとも一種の非イオン水溶性モノマー、前記反応
    混合物の重量に対して約40%以下の水、前記反応混合物の重量に対して約10
    %以下の少なくとも一種の界面活性剤、および前記反応混合物の重量に対して約
    1〜30%の少なくとも一種の疎水性モノマーおよび/またはポリマーを含む、
    請求項20または21に記載の生体接着剤組成物。
  23. 【請求項23】 本明細書における試験において定義されたタイプの脂ぎっ
    た皮膚上で、少なくとも0.35N/cmの粘着力をもたらす、請求項19、2
    1または22のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  24. 【請求項24】 乾いた皮膚上において0.5N/cm以上の粘着力をもた
    らす、請求項19または21〜23のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  25. 【請求項25】 前記イオン性モノマーはアクリレート系モノマーを含む、
    請求項19または21〜24のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  26. 【請求項26】 前記イオン性モノマーは、2−アクリルアミド−2−メチ
    ルプロパンスルホン酸、その類似体またはその塩を含む、請求項19または21
    〜25のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  27. 【請求項27】 前記反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約30
    〜50%の前記イオン性モノマーを含む、請求項19または21〜26のいずれ
    かに記載の生体接着剤組成物。
  28. 【請求項28】 前記可塑剤は、少なくとも一種の多価アルコール、多価ア
    ルコールから誘導された少なくとも一種のエステル、および少なくとも一種の高
    分子アルコールのいずれか単独、または組合せのどちらかを含む、請求項19ま
    たは21〜27のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  29. 【請求項29】 前記可塑剤は、グリセロールと、硼酸とグリセロールから
    誘導されたエステルの少なくとも一方を含む、請求項19または21〜28のい
    ずれかに記載の生体接着剤組成物。
  30. 【請求項30】 前記反応混合物の重量に対して約15〜45%の前記可塑
    剤(水以外)を含む、請求項19または21〜29のいずれかに記載の生体接着
    剤組成物。
  31. 【請求項31】 前記非イオン水溶性モノマーは、少なくとも一種のモノ−
    またはジアルキルアクリルアミドまたはその類似体を含む、請求項19または2
    1〜30のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  32. 【請求項32】 前記非イオン水溶性モノマーは、少なくとも一種のN,N
    −ジメチルアクリルアミドまたはその類似体を含む、請求項19または21〜3
    1のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  33. 【請求項33】 前記反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約15
    〜25%の前記非イオン性モノマーを含む、請求項19または21〜32のいず
    れかに記載の生体接着剤組成物。
  34. 【請求項34】 前記反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約0.
    1〜5%の前記界面活性剤を含む、請求項19または21〜33のいずれかに記
    載の生体接着剤組成物。
  35. 【請求項35】 前記界面活性剤は一種以上の非イオン界面活性剤を含む、
    請求項19または21〜34のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  36. 【請求項36】 前記界面活性剤は一種以上のアニオン界面活性剤を含む、
    請求項19または21〜35のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  37. 【請求項37】 前記界面活性剤は一種以上のカチオン界面活性剤を含む、
    請求項19または21〜36のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  38. 【請求項38】 前記界面活性剤は少なくとも一種のプロピレンオキシド/
    エチレンオキシドブロックコポリマーを含む、請求項19または21〜37のい
    ずれかに記載の生体接着剤組成物。
  39. 【請求項39】 前記反応混合物は、少なくとも一種のリピド−ミセル形成
    性ポリマーをさらに含む、請求項19〜38のいずれかに記載の生体接着剤組成
    物。
  40. 【請求項40】 前記反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約0.
    1〜5%の前記リピド−ミセル形成性ポリマーを含む、請求項39に記載の生体
    接着剤組成物。
  41. 【請求項41】 前記リピド−ミセル形成性ポリマーは、ポリ(マレイン酸
    −スチレン)、ポリ(マレイン酸−ブチルビニルエーテル)、ポリ(マレイン酸
    −プロピルビニルエーテル)、ポリ(マレイン酸−エチルビニルエーテル)、お
    よびポリ(アクリル酸−エチルアクリレート)のいずれか単独、または組合せの
    どちらかを含む、請求項39または40に記載の生体接着剤組成物。
  42. 【請求項42】 前記リピド−ミセル形成性ポリマーは、スチレンとマレイ
    ン酸の交互コポリマーを含む、請求項39〜41のいずれかに記載の生体接着剤
    組成物。
  43. 【請求項43】 前記反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約1〜
    15%の前記疎水性モノマーを含む、請求項19または21〜42のいずれかに
    記載の生体接着剤組成物。
  44. 【請求項44】 前記疎水性モノマーは、n−ブチルアクリレート、n−ブ
    チルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソ
    デシルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルア
    クリレート、ビニルプロピオネート、およびビニルブチレートのいずれか単独、
    または組合せのどちらかを含む、請求項19または21〜43のいずれかに記載
    の生体接着剤組成物。
  45. 【請求項45】 前記疎水性モノマーは、エトキシエチルアクリレートまた
    はブチルアクリレートの少なくとも一方を含む、請求項19または21〜44の
    いずれかに記載の生体接着剤組成物。
  46. 【請求項46】 前記反応混合物は、前記反応混合物の重量に対して約3〜
    20%の前記疎水性ポリマーを含む、請求項19または21〜45のいずれかに
    記載の生体接着剤組成物。
  47. 【請求項47】 前記記疎水性ポリマーは、酢酸ビニル−マレイン酸ジオク
    チルコポリマーまたはエチレン−酢酸ビニルコポリマーのいずれか単独、または
    組合せのどちらかを含む、請求項19または21〜46のいずれかに記載の生体
    接着剤組成物。
  48. 【請求項48】 前記重合はフリーラジカル重合である、請求項1〜17ま
    たは19〜47のいずれかに記載の生体接着剤組成物。
  49. 【請求項49】 前記フリーラジカル重合は光開始剤の存在下で行われる、
    請求項48に記載の生体接着剤組成物。
  50. 【請求項50】 前記光開始剤は、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
    ケトン、2−ヒドロキシ−2−プロピルフェニルケトンまたはそれらの混合物を
    含む、請求項49に記載の生体接着剤組成物。
  51. 【請求項51】 生体医用皮膚電極または創傷包帯における請求項19〜5
    0のいずれかに記載の生体接着剤組成物の用途。
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