JP2002535986A - 遺伝子治療用の改良ヘルパーディペンデントベクター系 - Google Patents

遺伝子治療用の改良ヘルパーディペンデントベクター系

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JP2002535986A
JP2002535986A JP2000597420A JP2000597420A JP2002535986A JP 2002535986 A JP2002535986 A JP 2002535986A JP 2000597420 A JP2000597420 A JP 2000597420A JP 2000597420 A JP2000597420 A JP 2000597420A JP 2002535986 A JP2002535986 A JP 2002535986A
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virus
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ベツト,アンドリユー
サンデイツク,フオルカー
ユイル,リマ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターエレメントおよびヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの産生および単離を向上させるヘルパーデノウイルスエレメントを特色とする。このようなエレメントは、野生型パッケージングシグナルと相同性が低く、好ましくはより活性の低い修飾パッケージングシグナル、選択的優位を付与する5’ITRに直接結合したE4非コードセグメント、およびGC含量が約50%〜約60%のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターが得られるスタッファー領域を含む。修飾パッケージングシグナルを、ヘルパーウイルス中で使用してウイルスの組換えおよび産生を減少させることが好ましい。E4非コードセグメントおよびスタッファー領域をヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター中で使用して、ヘルパーウイルスを超える増殖の利点を有するベクターが得られることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、遺伝子送達およびヌクレオチドワクチン適用などの細胞への核酸送
達に有用なアデノウイルスベクターに関する。本発明はまた、宿主細胞およびこ
れらのベクターを使用する方法に関する。
【0002】 (発明の背景) 本明細書中の引例は、特許請求の範囲に記載の発明に対する先行技術は認めら
れない。
【0003】 アデノウイルスベクターにより、in vitroおよびin vivoでの
細胞への核酸移入用のビヒクルが得られる。100種を超える血清型が報告され
ており、そのうち47種がヒト起源である。(Hierhlzer,et al
.、J.infect.Dis.、159、804〜813、1988。)アデ
ノウイルスベクターの産生に使用されるアデノウイルス2型および5型が十分に
特徴づけられている。
【0004】 ヒトアデノウイルスは、5’逆方向末端反復配列(ITR)、パッケージング
シグナル、初期領域E1AおよびE1Bからなる領域E1、領域E2、領域E3
、領域E4、後期領域L1〜L5、および3’ITRを含む。領域E1およびE
4は調節タンパク質を含み、領域E2は複製に必要なタンパク質をコードし、L
領域はウイルスの構造タンパク質をコードする。E3領域はin vitroで
のウイルス増殖に必須ではない。(Hitt,et al.、Advances
in Pharmacology、40、137〜206、1996。) アデノウイルスに基づくウイルスベクターの複製は、複製に必要なアデノウイ
ルスシスエレメントを含まなければならない。パッケージングには、ベクター上
のシスエレメントも必要とするのに対して、必要なタンパク質はトランスで供給
され得る。トランスでは、必要なタンパク質を産生する固有の細胞および/また
はさらなるウイルスによって補足され得る(Hitt,et al.、Adva
nces in Pharmacology、40、137〜206、1996
。)。
【0005】 1つまたは複数のアデノウイルスゲノム成分を欠く異なる型のアデノウイルス
ベクターが開発されている。アデノウイルスゲノム成分を欠いて産生させたアデ
ノウイルスベクターにより、アデノウイルスベクターと共に含むことができる外
来核酸の量をふやす、およびその発現が有害な影響を示し得るアデノウイルス遺
伝子を除去するなどの利点が得られる(Hitt,et al.、Advanc
es in Pharmacology、40、137〜206、1996。)
【0006】 全てのウイルスタンパク質コード配列を欠くアデノウイルスベクターが開発さ
れている。これらのベクターは、パッケージングおよびレスキュー用にトランス
で供給されるウイルス調節タンパク質および構造タンパク質の補足を必要とする
。ウイルス増殖に必要な遺伝子を保有する第2のアデノウイルスを使用して、必
要なタンパク質をトランスで補足することができる。(Mitani,et a
l.、Proc.Natl.Aad.Sci.、USA、92、3854〜38
58、1995、Fisher,et al.、Virology、217、1
1〜22、1996、Kochanek,et al.、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA、93、5731〜5736、1996、Parks
,et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、93、13
565〜13570、1996、Parks,et al.、J.Virolo
gy、71、4、3293〜3298、1997、およびSchiedner,
et al.、Nature Genetics、18、180〜183、19
98。)
【0007】 (発明の要旨) 本発明は、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの産生および単離
を向上させるヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターエレメントおよび
ヘルパーアデノウイルスエレメントを特色とする。このようなエレメントは、野
生型パッケージングシグナルと相同性が低く、好ましくはより活性の低い修飾パ
ッケージングシグナル、選択的利点を付与する5’ITRに直接結合したE4非
コードセグメント、およびヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターをG
C含量が約50%〜約60%とするスタッファー領域を含む。修飾パッケージン
グシグナルを、ヘルパーウイルス中で使用してウイルスの組換えおよび産生を減
少させることが好ましい。E4非コードセグメントおよびスタッファー領域をヘ
ルパーディペンデントアデノウイルスベクター中で使用して、ヘルパーウイルス
を超える増殖の利点を有するベクターが得られることが好ましい。
【0008】 「ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター」は、アデノウイルスの複
製およびパッケージング(本明細書中では、ウイルス産生ともいう)に必要なシ
スエレメントを含むが、アデノウイルスの複製およびパッケージングに必要なト
ランスエレメントを欠くウイルスベクターをいう。ウイルス産生に必要なシスエ
レメントは、アデノウイルス3’ITR、パッケージングシグナル、およびアデ
ノウイルス5’ITRである。ウイルス産生に必要なトランスエレメントはE1
、E2、およびE4、ならびにLアデノウイルス領域によってコードされるタン
パク質である。好ましくは、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターは
、アデノウイルスタンパク質をコードする核酸を欠く。ヘルパーディペンデント
アデノウイルスベクターは、in vivoでの細胞への遺伝子送達用のベクタ
ーとして特に有用である。
【0009】 「ヘルパーウイルス」は、ヘルパーディペンデントアデノウイルスのウイルス
産生に必要な1つまたは複数のタンパク質を発現するウイルスをいう。好ましく
は、ヘルパーウイルスはアデノウイルス3’ITR、アデノウイルスパッケージ
ングシグナル、アデノウイルス5’ITRを含み、アデノウイルスE2およびE
4ならびにL領域のタンパク質をコードする。ヘルパーウイルスよって得られな
いトランスエレメントを、細胞などの他の手段によって得ることができる。例え
ば、293細胞をこのようなタンパク質を発現しないヘルパーウイルスと共に使
用して、トランスで必要なE1タンパク質を供給することができる。
【0010】 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターを、細胞株中でヘルパーウイ
ルスと共に共培養することによって得ることができ、ヘルパーウイルスのみまた
は細胞株と組み合わせてアデノウイルス産生に必要なトランス機能が得られる。
ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターとヘルパーウイルスとの共培養
中、これら2つはパッケージングについて競合し、混合したウイルス集団が産生
される。
【0011】 しばしば共培養中に、ヘルパーウイルスは選択優位性を占め、ヘルパーウイル
スとヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターとの混合集団は、所望のヘ
ルパーディペンデントアデノウイルスベクターよりもむしろヘルパーウイルス優
勢となる。この現象が起こらない場合でも、より少ないが有意な量のヘルパーウ
イルスがヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター調製物に混入する。し
たがって、ウイルス集団を、物理的に分離しなければならないかもしれず、そし
て/または使用するヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター用にはヘル
パー粒子の産生を抑制しなければならないかもしれない。好ましくは、精製され
たヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターのストック中のヘルパーウイ
ルスの百分率は約0.5%未満である。
【0012】 したがって、本発明の第1の態様は、切り出し可能な低相同性パッケージング
シグナルカセットを含む核酸分子を記載する。パッケージングカセットは、リコ
ンビナーゼ認識配列に隣接する相同性の低いパッケージングシグナルカセットを
含む。修飾パッケージングシグナルは、野生型アデノウイルスパッケージングシ
グナルと相同性が低い。
【0013】 「リコンビナーゼ認識配列に隣接する」は、パッケージングシグナルの3’お
よび5’にリコンビナーゼ認識配列が存在し、パッケージングシグナルを含む隣
接核酸を、認識配列を認識するリコンビナーゼによって切り出せることを示す。
リコンビナーゼ認識配列は、修飾パッケージングシグナルの3’または5’に直
接接している必要はない。好ましくは、3’および5’認識配列は、約200b
p〜約2,000bp離れている。
【0014】 修飾パッケージングシグナルは、野生型アデノウイルスパッケージングシグナ
ルとの相同性が低く、さらにその個別の産生中にヘルパーウイルスをパッケージ
ングする。好ましくは、修飾パッケージングシグナルは、野生型アデノウイルス
パッケージングシグナルより効率が低い。
【0015】 「相同性が低い」は、修飾パッケージングシグナルとアデノウイルス、好まし
くはヒトアデノウイルス血清型5型に存在する野生型パッケージングシグナルと
の間で、最大で約25pbの連続した配列の相同性(100%配列同一性)をい
う。低相同性を、修飾および野生型パッケージングシグナルの両方に存在する配
列の連続した相同性の最大の長さを得るために、修飾パッケージングシグナルと
野生型パッケージングシグナルとを整列させることによって同定する。好ましく
は、連続配列相同性は多くとも23bpである。
【0016】 野生型アデノウイルスパッケージングシグナルより「効率が低い」は、ヘルパ
ーウイルスが好ましくはヒトアデノウイルス血清型C群、より好ましくは血清型
5型由来のアデノウイルス中に存在する野生型パッケージングシグナルを含む場
合よりも、修飾パッケージングシグナルを含む場合の方がパッケージングレベル
が低いことを示す。効率が低いとはいえ、適合可能なリコンビナーゼを欠く細胞
中で少なくとも300PFU/細胞の収量でヘルパーウイルスを依然産生できる
ことが好ましい。好ましくは、以下の実施例に記載のエンドポイント希釈アッセ
イによるタイトレーションを用いて効率を同定する。
【0017】 「修飾」とは、パッケージングシグナル配列がどのように産生されるかに限定
されない。代わりに、「修飾」は、配列が野生型配列でないことを示す。
【0018】 本発明の別の態様は、 (a)E1領域が欠失しているアデノウイルスゲノムと、 (b)野生型パッケージングシグナルを置換した切り出し可能なパッケージン
グシグナルカセットであって、前記切り出し可能なパッケージングシグナルカセ
ットは5’loxP部位、修飾パッケージングシグナル、および3’loxP部
位を含み、前記修飾パッケージングシグナルは前記野生型パッケージングシグナ
ルと相同性が低く、かつ前記野生型パッケージングシグナルより効率が低く、 (c)E3領域のいかなる部位も欠失させることなくE3領域中に挿入された
少なくとも2900塩基対の非アデノウイルスDNAを含む任意選択的な挿入エ
レメント とを含む、ヘルパーディペンデントベクター産生用のアデノウイルスヘルパーウ
イルスを記載する。
【0019】 本発明の別の態様は、以下のエレメント(5’→3’方向に):(a)5’逆
方向末端反復配列、(b)パッケージングシグナル、(c)1つまたは複数の異
種遺伝子発現カセット、(d)選択優位性を付与する任意選択的に存在するE4
非コードセグメント、および(e)3’ITRを含み、(d)および(e)がア
デノウイルスゲノムから400bp離れて位置し、ベクター中に存在する唯一の
アデノウイルス配列は前記5’逆方向末端反復、前記3’逆方向末端反復、前記
パッケージングシグナル、およびE4領域の非発現セグメントである、ヘルパー
ディペンデントアデノウイルスベクターを記載する。
【0020】 「E4非コードセグメント」は、E4プロモーターと共存するE4領域の非発
現セグメントをいう。セグメントは3’ITRに隣接し、ヒトアデノウイルス血
清型5型中、約300bpである。
【0021】 本発明の別の態様は、約50%と約60%との間のGC含量のヘルパーディペ
ンデントアデノウイルスベクターを記載する。ベクターは、5’→3’方向に、
(a)5’ITR、(b)5’ITRの3’に直接結合したパッケージングシグ
ナルカセットと、(c)少なくとも約1kbの第1のスタッファーDNAと、(
d)少なくとも1つの異種発現カセットと、(e)少なくとも約1kbの第2の
スタッファーDNAと、(f)任意選択的に存在する非コードE4セグメントと
、(g)3’ITRを含む。エレメント(f)は、存在する場合には、エレメン
ト(g)に直接結合している。ウイルスは、アデノウイルス作製に必要な1つま
たは複数のアデノウイルスタンパク質をコードせず、約28kb〜約36kbで
ある。好ましくは、ウイルスはいかなるアデノウイルスタンパク質もコードしな
い。
【0022】 「直接結合する」は、「結合した」基の機能を妨害する有意な介在配列(例え
ば、約150bp未満)が存在しないことを示す。
【0023】 「スタッファー配列」は、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター中
に存在する場合にタンパク質を発現しない核酸領域をいう。好ましくは、このよ
うな領域は、哺乳動物非遺伝子領域またはイントロンである。
【0024】 本発明の別の態様は、ヘルパーウイルス、ヘルパーディペンデントウイルスベ
クター、またはウイルスおよびベクターの両方で感染された細胞株を記載する。
好ましくは、細胞株はE1タンパク質およびリコンビナーゼを発現し、(1)切
り出し可能で相同性の低いシグナルパッケージングカセットを含み、(2)ウイ
ルス作製に必要なE1タンパク質を発現しないヘルパーウイルスで感染されてい
る。
【0025】 本発明の別の態様は、E1タンパク質およびcreリコンビナーゼを発現する
細胞株におけるヘルパーディペンデントアデノウイルス遺伝子の作製法であって
、 a)5’ITRと、パッケージングシグナルと、少なくとも1つの異種発現カ
セットと、ヒトゲノムスタッファーDNAと、3’ITRとを含むヘルパーディ
ペンデントベクターで前記細胞を感染させる工程であって、前記ヘルパーディペ
ンデントベクターの全サイズは約28kbと36kbとの間であり、機能的アデ
ノウイルスコード配列も、細菌の複製起点または細菌のマーカー遺伝子も存在し
ない工程と、 b)E1領域が欠失したアデノウイルスゲノムと、野生型パッケージングシグ
ナルを置換した切り出し可能なパッケージングシグナルカセット、5’loxP
部位を含む切り出し可能なパッケージングシグナルカセット、修飾パッケージン
グシグナル、および3’loxp部位と、前記修飾パッケージングシグナルは前
記野生型パッケージングシグナルと相同性が低くかつ前記野生型パッケージング
シグナルより効率が低く、E3領域のいかなる部位も欠失していないE3領域中
に挿入された少なくとも約2900塩基対の非アデノウイルスDNAを含む任意
選択的な挿入エレメントとを含むヘルパーウイルスで前記細胞を感染させる工程
と、 c)前記作製したヘルパーディペンデントウイルスベクターを得る工程と を含む方法である。
【0026】 本発明の別の態様は、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの作製
法を記載する。この方法は、i)アデノウイルス作製に必要なトランス機能と、
ii)アデノウイルス作製に必要な必須のシス機能および少なくとも1つの異種
発現カセットを含むヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターとを含み、
前記ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターはいかなるアデノウイルス
タンパク質もコードせず、約28kb〜約36kbであり、GC含量が約50%
〜約60%である細胞の作製工程を包含する。この細胞を使用してヘルパーディ
ペンデントベクターを作製する。
【0027】 アデノウイルス作製に必要なトランス機能を含む細胞の基準により、このよう
な機能が細胞中に存在するが、細胞ゲノムの一部として必要ないことを示す。ト
ランス機能を、例えば、ヘルパーウイルス、細胞ゲノム、またはその組み合わせ
によって得ることができる。トランス機能供給源の別の例は、プラスミドである
【0028】 本発明の他の特徴および利点は異なる実施例を含む本明細書中で提供したさら
なる説明から明らかである。提供した実施例は、本発明の実施に有用な異なる成
分および方法を例示する。実施例は、特許請求の範囲に記載の発明を限定しない
。この開示に基づいて、当業者は、本発明の実施に有用な他の成分および方法を
同定および使用することができる。
【0029】 (図面の簡単な説明) 図1は、発現単位のゲノム組み込みを回避するためのスタッファーフラグメン
トのシャフリングを示す図である。
【0030】 図2は、a)stk120gfp−E4−プロモーターおよびstk120g
fp、b)stk120gfp−E4プロモーターおよびstk120gfp、
ならびにc)stk120gfp−E4−プロモーターおよびstk120gf
p−E4の競合的レスキュー後のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクタ
ーDNAの制限消化を示すゲルを示す図である。
【0031】 図3は、ヘルパーAdLC8BHGおよび本発明のヘルパーと増殖させたヘル
パーディペンデントアデノウイルスベクターの制限消化を示すゲルを示す図であ
る。
【0032】 図4は、異なるヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの構造を示す
図である。
【0033】 図5は、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター由来の標識制限フラ
グメントのオートラジオグラフィーを示す図である。図は、第6継代のトランス
フェクション由来のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター群を含む競
合試験の結果を示す。「A」はシャッフルしたコスミドHUMDXS455A(
C4)を含むバックボーンの競合である。「B」はHPRT(ヒポキサンチング
アニンホスホリボシルトランスフェラーゼ)ゲノム遺伝子の一部を含むバックボ
ーンの競合である。「C」は、HPRTゲノム遺伝子の一部を含む一方と、シャ
ッフルしたHUMDXS455A(C4)を含む他方の間の2つのバックボーン
の間の競合である。
【0034】 図6は、GC含量とヘルパーウイルス混入との間の相関関係を示すグラフであ
る。
【0035】 図7は、感染後の異なる測定点でのヘルパーとヘルパーディペンデントアデノ
ウイルスベクターとの間の均衡を示すグラフである。図は、ヘルパーウイルスと
比較したマウスエリスロポエチン遺伝子を有する異なるヘルパーディペンデント
アデノウイルスベクターの複製可能性を示す。
【0036】 (発明の詳細な説明) 本発明は、特に、ヘルパーウイルスを使用して産生させたヘルパーディペンデ
ントアデノウイルスベクターの獲得および単離に有用である。ヘルパーディペン
デントアデノウイルスベクターとヘルパーウイルスとの共培養により、パッケー
ジングを競合する2つの異なる粒子が産生され、それによりウイルス集団が混合
される。混合ウイルス集団中のヘルパーウイルスの産生により、ヘルパーディペ
ンデントアデノウイルスベクターの産生量が減少し、ヘルパーディペンデントア
デノウイルスベクターの適用を妨害するウイルス混入が起こり、ヘルパーディペ
ンデントアデノウイルスベクターで組換えることができる核酸供給源が産生され
る。
【0037】 本明細書中で記載のように、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター
の産生および単離を、異なる方法で容易にすることができる。1つの方法は、共
培養したヘルパーウイルスよりもヘルパーディペンデントアデノウイルスベクタ
ーのウイルス作製を好むエレメントを含むヘルパーディペンデントアデノウイル
スベクターを使用することである。別の方法は、ヘルパーウイルスの増殖能力を
減少させ、および/またはヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターで組
換えるために使用することができるエレメントを含むヘルパーウイルスを使用す
ることである。
【0038】 本明細書中で使用される、用語「ベクター」は、その最も広範な意味で使用さ
れ、異種遺伝子を保有することができる線状ウイルスおよび/または1つまたは
複数のウイルスゲノムを含むことができるプラスミドを含むことを意味する。こ
の用語は、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターおよびヘルパーウイ
ルスを含む。
【0039】 ヘルパーまたはヘルパーディペンデントベクター中に存在するアデノウイルス
は、一般に、任意のアデノウイルスから得ることができる。好ましくは、ヒトア
デノウイルス血清型、より好ましくはヒトアデノウイルス血清型1〜47、より
好ましくはC群血清型(例えば、血清型1、2、5、および6)を使用する。好
ましいC群血清型は、ヒトアデノウイルス血清型2または5、より好ましくは血
清型5である。
【0040】 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターは、好ましくは、異種発現カ
セットを含む。このようなカセットは、遺伝子発現に必要なプロモーターおよび
調節エレメントに結合する異種遺伝子機能で構成され、特に、細胞中への核酸移
入に有用である。移入された核酸は、好ましくは、遺伝子をコードするか、遺伝
子発現を制御することができる。遺伝子発現を制御することができる核酸には、
リボザイムおよびアンチセンス核酸が含まれる。
【0041】 本発明を使用した細胞への核酸移入能力は、遺伝子治療、抗体産生(例えば、
ワクチン)、およびin vivoまたはin vitroでの遺伝子制御を試
験するための研究など様々に適用される。第VIII因子、第VIX因子、CF
TR、OTC、LDL、VEGF、FGF、EPO、HSV−TK、IL−2、
IL−12、p53、HLA−B7、α−インターフェロン、およびシトシンデ
アミナーゼなどの異なる遺伝子を細胞に移入することができる。
【0042】 プロモーターは、RNAポリメラーゼによるRNAの合成を指向するDNA配
列である。適切なプロモーターは、遺伝子および意図する用途に依存し、EF1
α、CMV、ニワトリα−アクチン(Arnold,et al.、Nucle
ic Acids Res.、1988年3月25日、16(6)、2411〜
29)、および筋肉クレアチンキナーゼ(Johnson,et al.、Mo
l.Cell Biol.、1989年8月、9(8)、3393〜9)などの
プロモーターを含み得る。
【0043】 一般に、存在する制御エレメントには、リボゾーム結合部位、ターミネーター
、および任意選択的に存在するオペレーターが含まれる。別の好ましいエレメン
トは、ポリアデニル化シグナルである。制御系は、GENE−SWITCHTM (Wang,et al.、Gene Ther.、1997年5月、4(5)
、432〜41、米国特許第5,874,534号、および国際公開WO 93
/23431(それぞれ本明細書中で参考として援用される))およびテトラサ
イクリンオペレーター(米国特許第5,464,758号および同第5,650
,298号(両方が本明細書中で参考として援用される))などの遺伝子発現の
調節に利用可能である。
【0044】 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターは、効率的にパッケージング
するために約28kb〜約36kbであることが好ましい。アデノウイルスは、
約105%までの野生型ゲノムに適応し、野生型ゲノムの約75%のより低いパ
ッケージング限度を有する。(Parks,et al.、J.Virolog
y、71(4)、3293〜3298、1997(本明細書中で参考として援用
される)を参照のこと。)好ましい実施形態では、ヘルパーディペンデントアデ
ノウイルスベクターに存在する細菌プラスミドベースの配列(複製起点、細菌マ
ーカー遺伝子など)は存在しない。
【0045】 ヘルパーウイルスおよびヘルパーディペンデントウイルスの構築を、当該分野
で周知の技術(Ausubel、Current Protocols in
Molecular Biology、John Wiley、1987〜19
88およびSambrook,et al.、Molecular Cloni
ng、A laboratory Manual、第2版、Cold Spri
ng Harbor Laboratory Press、1989(両方が本
明細書中で参考として援用される)に記載の技術など)を用いて本明細書中に提
供したガイダンスに基づいて行うことができる。有用な技術は、例えば、以下に
記載の実施例の項およびMitani,et al.、Proc.Natl.A
ad.Sci.、USA、92、3854〜3858、1995、Fisher
,et al.、Virology、217、11〜22、1996、Koch
anek,et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、9
3、5731〜5736、1996、Parks,et al.、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA、93、13565〜13570、1996
、Parks,et al.、J.Virology、71、4、3293〜3
298、1997、およびSchiedner,et al.、Nature
Genetics、18、180〜183、1998(それぞれ、本明細書中で
参考として援用される)などの引例にさらに記載されている。
【0046】 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターおよびヘルパーウイルスを、
アデノウイルスによって感染することができる広範な宿主細胞中で作製すること
ができる。宿主細胞の例には、293細胞、911細胞、およびPERC.6細
胞(WO 97/00326(本明細書中で参考として援用される))が含まれ
る。使用した細胞を構築して、ウイルスタンパク質またはリコンビナーゼなどの
有用なタンパク質を得ることができる。
【0047】 ヘルパーウイルス ヘルパーディペンデントウイルスの産生および単離を容易にするのに有用なヘ
ルパーウイルスエレメントには、相同性の低い切り出し可能なパッケージングシ
グナルおよび置換E3領域が含まれる。好ましいヘルパーウイルスは、相同性の
低い切り出し可能なパッケージングシグナルおよび置換E3遺伝子の両方を含む
【0048】 相同性の低い切り出し可能なパッケージングシグナルカセット 相同性の低い切り出し可能なパッケージングシグナルカセットは、アデノウイ
ルスパッケージングシグナルの役割を果たす修飾パッケージング配列を含み、ア
デノウイルスパッケージングシグナルとの相同性が低く、3’および5’リコン
ビナーゼ認識配列に隣接する。好ましくは、修飾パッケージングシグナルは、野
生型パッケージングシグナルよりも効率が低い。このような相同性の低い切り出
し可能なパッケージングシグナルの利点には、(1)ヘルパーウイルスとヘルパ
ーディペンデントアデノウイルスベクターとの間の組換えが少ないこと、および
(2)より効率の低いパッケージングシグナルを使用する場合、パッケージング
シグナルの切り出しを回避したヘルパーウイルスのパッケージングが少ないこと
が含まれる。
【0049】 リコンビナーゼ認識配列は、その配列を認識するリコンビナーゼに基づいて作
用する場合に組換えられて核酸が切り出され、核酸の介在が繰り返される。認識
配列は、組換えられる核酸セグメントが適切に位置付けられるように十分に離れ
て(少なくとも約180bp)いなければならない。好ましくは、リコンビナー
ゼ認識配列は、loxPまたはfrtである。
【0050】 loxP認識部位は、Creリコンビナーゼによる切り出しを可能にするパッ
ケージングシグナルの3’および5’に存在し得る。Creリコンビナーゼを安
定に発現する293cre細胞などの細胞は、loxP認識部位の間に存在する
核酸を効率的に除去することができる。(Parks,et al.、Proc
.Natl.Acad.Sci.USA、93、13565〜13570、19
96およびParks,et al.、J.Virology、71、4、32
93〜3298、1997(その両方が本明細書中で参考として援用される)を
参照のこと)。
【0051】 frt認識部位は、Flpリコンビナーゼの切り出しを可能にするパッケージ
ングシグナルの3’および5’に存在し得る。Flpリコンビナーゼを安定に発
現する細胞は、frt認識部位の間に存在する核酸を効率的に除去することがで
きる。Flp媒介遺伝子修飾は、米国特許第5,564,182号(本明細書中
で参考として援用される)に記載されている。
【0052】 ヘルパーとヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターとの間の相同性は
、両者の間の組換えを助長して、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクタ
ーまたはヘルパーウイルスの望ましくない構造変化を起こし、ヘルパーウイルス
による混入が増加する。例えば、パッケージングシグナルに隣接する第1のlo
xP部位がパッケージングシグナル内で相同組換えによって取り除かれる場合C
reリコンビナーゼがもはやパッケージングシグナルを切り出すことができない
ので、得られたヘルパーウイルスは293cre中での選択を回避する。
【0053】 異なる相同性の低い切り出し可能なパッケージングシグナルカセットの配列を
、リコンビナーゼ認識部位およびアデノウイルス野生型パッケージングシグナル
配列を考慮し、本明細書中に記載のガイダンスを用いて、容易に設計することが
できる。記載のガイダンスは、修飾パッケージングシグナルの産生を例示するた
めにアデノウイルス血清型5パッケージングシグナルに焦点を合わせている。こ
のようなガイダンスは、他のアデノウイルス血清型を考慮した修飾パッケージン
グシグナルの産生に利用可能である。
【0054】 アデノウイルス血清型5の野生型パッケージングシグナルは、ゲノムのnt2
30とnt380との間に存在するA反復と呼ばれる少なくとも7個の機能的単
位によって形成される。Aエレメントは、コンセンサス配列ATTTGNGC
を有する。(Schmid et al.、1997、J.Virol.、71
、3375〜3384(本明細書中で参考として援用される))。本発明の修飾
パッケージングシグナルは、野生型(7個のエレメントを有する)より少ないパ
ッケージングエレメント、好ましくは、約2〜6個のエレメント、より好ましく
は3〜5個のエレメントを含むことが好ましい。好ましい実施形態では、修飾パ
ッケージングシグナルは、元の7個のパッケージングエレメントのうち4個のみ
を含む(エレメントAI〜AIV)。4個のエレメントは、2つの強力なエレメ
ント(AIおよびAII)の形態で存在することが好ましい。互いに関連するエ
レメントの位置を相互に交換することができるが、好ましい実施形態では維持さ
れる。
【0055】 連続した配列の相補性を減少させるために、各Aエレメント内のコンセンサス
配列(ATTTGNGC、配列番号1)の8個のあいまいなヌクレオチドを異
なるAエレメントから得た配列と置換することが好ましい。例えば、AI内の8
個のヌクレオチドをAV由来のヌクレオチドと置換し、AII内の8個のヌクレ
オチドをAVI由来のヌクレオチドと置換した。さらに、現存のヌクレオチドの
コンセンサス配列への交換によってAIIとAIIIとの間にAIIから21b
p後ろから始まる新規のエレメントを作製した。以下のようにAIV内の2つの
さらなるヌクレオチドを交換した。ATTTTGTGTT(配列番号2)を、A
TTTTGTTGT(配列番号3)に交換した。合成パッケージングシグナルの
1つの実施形態を、配列番号4に示す。
【0056】 望ましい核酸配列を、核酸変異の作製を含む技術および核酸合成技術を含む異
なる技術を用いて産生することができる。このような技術の例は、Ausube
l、Current Protocols in Molecular Bio
logy、John Wiley、1987〜1998およびSambrook
,et al.、Molecular Cloning、A laborato
ry Manual、第2版、Cold Spring Harbor Lab
oratory Press、1989(両方が本明細書中で参考として援用さ
れる)に記載されている。
【0057】 E3挿入 ヘルパーウイルス(E1を欠く)またはヘルパーディペンデントアデノウイル
スベクターのいずれかの増殖用に使用した細胞株中に存在するウイルス配列(E
1)とヘルパーウイルス自体との間の相同組換えにより、野生型ウイルスを作製
した。相同組換えにより、E1欠失ウイルスゲノムにE1領域が挿入される。こ
の問題を回避するために、本発明の好ましい実施形態では、ヘルパーウイルスも
また挿入エレメントに含める。好ましくは、挿入エレメントはヘルパーウイルス
中に存在する場合プロモーターを含まず、タンパク質をコードしない。より好ま
しくは、挿入エレメントは、スプライスシグナルを欠く非コード反復無ヒトDN
Aである。
【0058】 Parks,et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
、93、13565〜13570、1996は、アンピシリン遺伝子、細菌の複
製起点、CMVプロモーター、およびルシフェラーゼ遺伝子をコードするインサ
ートを含むE3領域(AdLC8BHG1−luc)の使用が記載されている。
このインサートは、相同組換えによって産生された野生型E1を有する生存可能
なウイルスの作製から保護されていた。しかし、インサートは、おそらく繊維遺
伝子発現の妨害によってウイルス作製を障害する。得られたウイルス産生のレベ
ルは、ウイルスストックの産生に不利である。
【0059】 E3挿入エレメント、好ましくはヒト非遺伝子配列としての非コード配列の使
用により、Parks,et al.、Proc.Natl.Acad.Sci
.USA、93、13565〜13570、1996(以下の表1を参照のこと
)に記載の細菌タンパク質をコードするE3挿入エレメントを用いるよりも有効
にウイルスが作製される。イントロン配列の使用は、このような配列が繊維タン
パク質のメッセンジャーの正確なスプライシングを妨害し得る隠されたスプライ
スシグナルを含まないので好ましい。
【0060】 潜在的に有害な野生型ウイルスの産生を回避する一方で野生型のサイズにウイ
ルスサイズを維持するように、挿入エレメントのサイズ(好ましくは約2800
と3500bpとの間、より好ましくは約2900bpである)を選択する。相
同組換えによりE1領域が挿入される場合、E3挿入エレメントも含む組換えア
デノウイルスベクターはE1領域を有するヘルパーウイルスから数えて約383
50bpのゲノムサイズ(野生型の108.1%)である。このサイズはアデノ
ウイルス5のパッケージング限度を超えているので、生きたウイルスは産生され
ないであろう。
【0061】 挿入エレメントは、事実上任意の供給源由来であり得る。好ましい実施形態で
は、STSマーカー11S1337(Genethonから市販されている)の
13340bp上流から始まるヒト染色体11q13から2900bpのインサ
ートを取り出し、28593位(nt)(Ad5野生型という)のXbaI部位
に挿入した。
【0062】 E3中の挿入エレメントおよびその挿入点を、繊維タンパク質合成のいかなる
減少も回避するように選択すべきである。E3領域が修飾される場合、繊維タン
パク質の合成がこの領域に存在するシグナル由来のRNAの正確なスプライシン
グに依存するので、このような減少が起こるようである。本発明者らは、インサ
ートを含むウイルスは不変のE3領域を含むウイルスを用いて得られる力価に類
似の力価で増殖することを示す。
【0063】 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの産生および安定性の向上に
有用なヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターエレメントには、ウイル
スの選択的利点を付与するE4非コードセグメントおよび約50%〜約60%の
GC含量のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターが得られるスタッフ
ァー領域が含まれる。好ましくは、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベク
ターは、ウイルスの選択的利点を付与するE4非コードセグメントおよび約50
%〜約60%のGC含量のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターが得
られるスタッファー領域を含み、全サイズが28kb〜約36kbである。好ま
しい実施形態では、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター中に存在す
る細菌プラスミドベースの配列(複製起点または細菌マーカー遺伝子など)を含
まない。
【0064】 スタッファーDNA スタッファー配列を使用して、全サイズが約28kb〜約36kbのヘルパー
ディペンデントアデノウイルスベクターが得られる。異種発現カセット、アデノ
ウイルスITR、およびパッケージングシグナルのみを含むヘルパーディペンデ
ントアデノウイルスベクターは非常に小さく、一般に、約5〜10kbであり、
これは異種発現カセットのサイズに依存する。このような小さなウイルスでは効
率的にパッケージングされないので、スタッファー配列を添加して、約28kb
〜約36kbの最終サイズを得る。好ましくは、スタッファーにより、約50%
〜約60%のGC含量のベクターが得られる。
【0065】 遺伝子治療に使用されるスタッファー配列は、ヒト細胞において活性遺伝子ま
たは外来物として認識されるべきではない。好ましいスタッファー配列複製物お
よびアデノウイルス自体は宿主によって外来DNAとして認識されず、導入遺伝
子が染色体に組み込まれない。
【0066】 哺乳動物起源またはさらにより好ましくはヒト起源のゲノムDNAは、免疫応
答の惹起を回避するための遺伝子治療用の好ましいスタッファー配列である。し
かし、ヒトゲノムDNAに基づいたスタッファーは、ヒト標的細胞中の染色体配
列と同一であり、相同組換えによって宿主ゲノムに異種発現カセットを挿入する
ことができる。この現象は、潜在的に危険な効果を有し、回避されるべきである
【0067】 宿主ゲノムへの異種発現カセットの組み込みを回避するために、連続的スタッ
ファー配列を遮断し、個々のフラグメントを逆転させ、発現ユニットを特定の切
断点に挿入することができる。(例えば、図1を参照のこと。)このストラテジ
ーを用いて、導入遺伝子は、相同組換えを支持する領域に隣接しない。さらに、
レトロウイルスLTRおよびゲノム反復(例えば、MIRおよびALU)などの
潜在的に不安定なゲノムエレメントは、複製中の再配列を防止するために回避す
るか除去すべきである。
【0068】 別の検討材料は、ウイルスのGC含量である。ヘルーパーディペンデントアデ
ノウイルスベクターにスタッファー配列を提供するGC含量は、主にウイルスの
収量および純度に影響を与える。異なるウイルス間の比較実験ならびに個々の分
析により、ウイルスGC含量と増殖特性との間の相関関係が明白になった。GC
含量は、好ましくは、約50%と約60%との間、さらにより好ましくは野生型
アデノウイルスのGCに近い52%と57%との間である。いかなる特定の理論
に制限されないが、有利な増殖特性は、より高いGC含量を有するウイルスのよ
り有効な作製に基づくと考えられる。
【0069】 好ましくは、存在する異種遺伝子カセットがヘルパーディペンデントウイルス
ベクターの3’末端およびB5’末端から少なくとも約1.0kb、より好まし
くは、少なくとも約2.0kb、より好ましくは少なくとも約4.0kbである
ようなスタッファー配列が得られる。さらに、高度にAT豊富なセグメント(h
prtフラグメント中に存在するセグメント(59%AT)など)は、全体とし
てGC含量の高いウイルスベクターであっても好ましくないであろう。「高」A
Tは、約55%ATである。
【0070】 E4非コードセグメント アデノウイルス5型のE4領域は、ゲノムの右の末端の約3000bpを占め
る。E4プロモーターからの転写は、右の末端から中央に向かう方向である。7
個のポリペプチドは、ウイルスの右の末端からヌクレオチド(nt)406から
始まる第1のORFを有する領域内に存在する読み取り枠(ORF)から産生さ
れる。
【0071】 相同組換えの結果として、E4領域はヘルパーからヘルパーディペンデントア
デノウイルスベクターに導入される場合があることが認められた。この組換えら
れたヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターは、一般に、非組換えヘル
パーディペンデントアデノウイルスベクターとの共培養に有利であり、ベクター
調製を決定付ける。この長所にもかかわらず、この組換えヘルパーディペンデン
トアデノウイルスベクターは、機能的E4遺伝子を含むのでヘルパーディペンデ
ントベクターとして使用することができない。宿主中でのこのE4遺伝子の発現
により、ベクター感染宿主細胞の免疫拒絶が引き起こされる。
【0072】 本発明によれば、ウイルスを同一のエレメントを欠くウイルスと共培養した場
合にE4領域の非コードセグメントは選択的利点を付与することが同定された。
全E4領域を必要としない。
【0073】 アデノウイルス血清型5由来の3’ITR(右の末端から102ntから始ま
る)とコード配列を含まないnt405との間のE4の一部は、好ましくはヘル
パーディペンデントベクターに含まれるべきであるセグメントであり、非コード
E4セグメントである。このエレメントの左に存在するE4領域は、ウイルス にさらなる影響を与えない。全遺伝子(読み取り枠、orf)がE4領域の左
側の一部に存在するので、これは重要である。したがって、本発明の別の態様は
、3’ITR(右のウイルス末端)に隣接して存在するシス活性化配列であり、
これは、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの複製を支持するので
、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターに組み込まれることが好まし
い。
【0074】 有利なエレメントの位置を決定するために、競争実験を設計した。3’ITR
のみ(stk120)、3’ITRおよび右の末端からnt400までのE4領
域(stk120−E4プロモーター)、または3’ITRおよび右の末端から
nt3115までの完全なE4領域(stk120−E4)を含む、ベクターs
tk120に基づいたヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター(Mor
sy et al,、1998、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A、95、7866〜7871(本明細書中で参考として援用される)に記載の
ウイルスベースのヌクレオチドに基づいた5’ITR、3’ITR、およびパッ
ケージングシグナルのみを含む)を構築した。これらのベクター対を、2つのヘ
ルパーディペンデントアデノウイルスベクターをレスキューさせるために1:1
の比で同時トランスフェクトした。
【0075】 第7継代後、少なくとも3つの独立したレスキュー法由来のウイルスを精製し
、DNAを抽出して放射能標識した制限消化物によって分析した。2つの競合す
るヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターが最も一致する制限パターン
を有する。識別フラグメントと呼ばれる1つのフラグメントのサイズのみが異な
る。識別フラグメントは、stk120gfp−E4−プロモーターではstk
120gfpよりも5〜10倍強力であり、stk120gfp−E4ではst
k120gfpよりも少なくとも4倍強力であることが見出された(図2aおよ
び2bを参照のこと)。しかし、識別フラグメントは、各レスキュー中のstk
120gfp−E4−プロモーターおよびstk120gfp−E4は同等に強
力である(図2cを参照のこと)。したがって、ヘルパーディペンデントアデノ
ウイルスベクターの増殖を支持するE4エレメントは、stk120gfp−E
4プロモーターおよびstk120gfp−E4中に存在し、E4領域の右側の
一部(右からヌクレオチド−400と3’ITRとの間)に完全に存在しなけれ
ばならない。
【0076】 理論に拘束をされることを望まないが、E4セグメントを含むアデノウイルス
ベクターの選択的利点には以下の2つの説明が可能であるようである:E4エレ
メントによりウイルスの複製がより有効になること、または改良されたパッケー
ジングおよび安定性が付与されること。我々の結果は、E4セグメントは複製に
有効ではないことを示す。等量のヘルパーおよびヘルパーディペンデントアデノ
ウイルスベクターで感染を開始した場合、最後の産生サイクル(48時間)での
細胞内のヘルパーとヘルパーディペンデントゲノムとの間の比は同一である。し
かし、混入したヘルパゲノムと比較して、E4セグメントを含むゲノムは3倍を
超えるヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターがパッケージングされた
。したがって、E4セグメントは有効なパッケージングを支持する。
【0077】 実施例 本発明の異なる特徴および利点を例示するために、以下に実施例を記載する。
実施例はまた、本発明の実施における有用な方法論を例示する。これらの実施例
は、特許請求の範囲に記載の発明を制限しない。
【0078】 実施例1 一般的な材料および方法 プラスミドの構築 J.Sambrook、E.F.Fritsch and T.Maniat
is、1989、Molecular Cloning、Cold Sprin
g Harbor Laboratory Press(本明細書中で参考とし
て援用される)に記載のクローニング技術を使用した。
【0079】 全Ad5ゲノムを含むプラスミドを作製するために、recF経路に基づいた
E.coliにおける相同組換えを使用した。E.coli BJ 5183株
のコンピテントセルを、アデノウイルスゲノムおよびシャトルベクター由来のフ
ラグメントを含むプラスミドベクターで形質転換した。このフラグメントは、ベ
クターに相同な配列の両端に隣接した挿入配列を含む。修飾していないベクター
の再形質転換に対して選択するために、挿入点付近で線状化した。BJ5183
の個々のクローンから単離されたDNAを、XL2(Stratagene)に
再形質転換し、高収量で調製物が得られた。制限分析および配列決定によって正
確なクローンを同定した。
【0080】 ウイルスレスキュー 10μgのヘルパープラスミドをPacIで消化し、サブコンフルエントな2
93細胞の6cmディッシュでのリン酸カルシウム共沈によってトランスフェク
トした。その直後にトランスフェクション細胞を、αMEM/10%FCS/0
.8%Seaplaqueアガロースで被覆した。プラークをトランスフェクシ
ョンから12日後に回収し、細胞の再感染に使用した。第2中間継代後、細胞溶
解物を使用してNUNC−細胞ファクトリー(NUNC)を感染させた。感染か
ら48時間後に細胞を回収し、ウイルスを3回の凍結融解工程(−70℃/37
℃)によって放出させた。明澄化溶解物のBENZONASEヌクレアーゼでの
処理後、ウイルスをCsCl勾配での超遠心分離法によって精製した。一段階の
勾配(q=1.5/1.35 1.25g/cm)後、ウイルスを、q=1.
35g/cmのCaCl溶液によって形成した連続勾配に供した。ウイルスを
10mM Tris(pH8.0)、10mM MgCl、および10%グリ
セロールに対して透析し、アリコートを−70℃で保存した。ヘルパーディペン
デントアデノウイルスベクターを、実質的に同一の方法を用いて精製した。分析
用に、15cmディッシュから得たウイルスを使用した。ウイルスDNAをHi
ndIIIおよび他の制限エンドヌクレアーゼで切断し、制限フラグメントをα
33dATPまたはdCTPおよびクレノウポリメラーゼを用いて標識し、0
.7%アガロースゲルで分離した。ゲルを乾燥させ、フィルムに暴露した。
【0081】 粒子力価の同定 10μlのウイルス懸濁液を、90μL PBS/0.1%SDSに添加し、
50℃で20分間インキュベートした。OD260を分光光度計で測定し、ウイ
ルス粒子の濃度を、式1:OD260=1.1×1012粒子に基づいて計算し
た。
【0082】 ウイルスDNAの抽出および制限消化 100μlのウイルス懸濁液を、ボルテックスしながら100μLの溶液(1
0mM Tris−HCl(pH7.5)、10mM EDTA、0.5%SD
S、0.05%プロナーゼ)に添加した。37℃で少なくとも2時間インキュベ
ートした後、100μlのTEを添加し、溶解物を1×Tris−HCl飽和フ
ェノールで抽出した。ウイルスDNAを、2体積のエタノールで沈殿させ、70
%エタノールで十分に洗浄し、TEに再懸濁した。ウイルスDNAをHindI
IIまたは他の制限エンドヌクレアーゼで切断し、制限フラグメントをαP33 dATPまたはdCTPおよびクレノウポリメラーゼを用いて標識し、0.7%
アガロースゲルで分離した。ゲルを乾燥させ、フィルムに暴露した。
【0083】 感染細胞からの細胞DNAの抽出 10個の細胞を、10mM Tris−HCl(pH7.5)、10mM
EDTA、0.5%SDS中に溶解し、100μg/mlのProteinas
e Kで58℃で一晩処理した。溶解物を、Tris飽和フェノール、フェノー
ル/クロロホルム/イソアミルアルコール(24:24:1)、およびクロロホ
ルムで抽出し、2体積のエタノールで沈殿させ、70%エタノールで十分に洗浄
し、TE中に再懸濁した。
【0084】 エンドポイト希釈アッセイ アッセイ前に、96ウェルプレートに、ウェルあたり100μlの1×10 個の細胞を播種した。各ウイルスストックを、10〜10倍に希釈した。希
釈物を使用して、24ウェルにそれぞれ感染させた(50μl/ウェル)。14
日後にポジティブなウェルを、細胞変性効果について記録し、ウイルス力価を、
2つの希釈物に基づき、希釈係数を考慮してポジティブウェルの中数を用いて計
算した。
【0085】 定量的PCR 実時間定量的PCR(ABI PRISM 7700)を使用して、ヘルパー
およびヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの相対量を同定した。全
てのヘルパーウイルス(11358〜11456由来のAd5配列)またはst
k120に基づいたヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター(bp12
037〜12176)中のいずれかに存在する2つの特異的標的配列を選択した
(Morsy et al.、1998、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA、95、7866〜7871)。両標的配列を含むプラスミドを構築
し、これを、両増幅の1つの標準として使用した。各標的配列内に、1セットの
正方向プライマー、逆方向プライマー、およびプローブ(プライマーの間に存在
し、蛍光発生レポーターおよび消光剤を含む)を選択した。消光剤およびレポー
ターの分離により、サイクル数に対してプロットしたPCR増幅の対数期の間に
蛍光発生シグナルが発生した。プロットを使用し、7700システム(ABI)
のソフトウェアに基づいて、テンプレート濃度を計算した。
【0086】 実施例2 ヘルパーウイルスの構築 ヘルパーディペンデント系用のヘルパーウイルスを、Ad5に基づいて作製し
た。特異的ヘルパー機能を得るために、プラスミドpAdE1−E3+(E1領
域が完全に欠失された全Ad5ゲノムを含む)の以下の2つの領域:i)左のI
TRとタンパク質IXのプロモーターとの間およびii)E3領域を修飾した。
【0087】 ゲノムの左端に変更を移入するために、シャトルベクター「ploxΔパック
」を構築した。これは、pUC(Boehringer Mannheim)に
基づき、以下のエレメントを含む: A)nt1の直前の固有のPacI部位に結合したAd5のnt1〜195、 B)Ad5のnt195の直後から始まるloxP部位、 C)以下の配列中に含まれる合成パッケージングシグナル:
【0088】
【化1】 D)第2のloxP部位、 E)クローニング部位を含むリンカー、および F)nt3534から始まるAd5配列の2247ヌクレオチド(野生型アデノ
ウイルスでの番号付けによる)。
【0089】 比較用に、合成パッケージングシグナルの変わりに野生型パッケージングシグ
ナルを含む、第2のシャトルベクター「ploxpack」を構築した。これは
、以下を含む: A)nt1の直前の固有のPacI部位に結合したAd5のnt1〜195、 B)Ad5のnt195の直後から開始するloxP部位、 C)以下の配列中に含まれる野生型パッケージングシグナルのエレメントAI〜
AIV:
【0090】
【化2】 D)第2のloxP部位、 E)クローニング部位を含むリンカー、および F)nt3534から開始されるAd5配列の2247ヌクレオチド(野生型ア
デノウイルスでの番号付けによる)。
【0091】 第2のシャトルベクターを、pUCへのAd5野生型(Ad5w)DNA(n
t24797〜29791)由来の4.9kb XhoIフラグメントのクロー
ニングによって作製した。STSマーカー11S1337(Genethon)
の13340bp上流から始まる染色体11q13上に存在するヒトDNAの2
90bpフラグメントをPCRによって得て、いずれかの方向でnt28593
(Ad5wt)のXbaI部位に挿入した。このフラグメントは、ヒトLRP5
遺伝子のイントロン2の一部を含む。
【0092】 E.coli中のプラスミド間の相同組換えに基づくストラテジー(Char
tier et al.、1996、J.Virol.、70、4805〜48
10(本明細書中で参考として援用される))を使用して、これらの配列エレメ
ントをE1を欠失した完全Ad5ゲノムを含むプラスミドpAd5E1−E3+
に移入した。この手順によりシャトルベクターについて記載の位置にこれらのエ
レメントを正確に挿入することができる。隣接するAd5由来配列を完全に保存
した。新規のヘルパーウイルス用に以下のプラスミドを構築した。
【0093】 pAdlspLI1=ヘルパー14はE3中に合成パッケージングシグナル、
LRP5のイントロンを有する、 pAdlpLI1=ヘルパー1はE3中に野生型パッケージングシグナル、L
RP5のイントロンを有する、 pAdlpE3=ヘルパー11は野生型パッケージングシグナル、野生型E3
を有する。
【0094】 記載のように修飾されたAd5ゲノムを含むプラスミドを、PacIで消化し
、プラスミド由来のウイルスゲノムを放出させ、リン酸カルシウム共沈によって
293細胞にトランスフェクトした。得られたウイルスプラークを使用して細胞
を再感染させた。増幅ウイルスストックを、制限酵素および配列分析によって特
徴づけた。
【0095】 1.293細胞および293cre細胞中でのヘルパーウイルスの増殖 異なるヘルパーウイルスならびにコントロールとしてのE1欠損アデノウイル
ス(dl70−3)(Bett et al.、Proc.Natl.Acad
.Sci.USA、91、8902〜8906(本明細書中で参考として援用さ
れる))を、10層のNUNC細胞ファクトリーで増殖させ、CsClで精製し
、透析した。ウイルス濃度(粒子濃度)を、分光光度計での分析(OD260
によって測定した。1.5×10個の細胞(293または293cre)を、
6cmのプレートに細胞あたり100個の粒子を感染させた。48時間後、全て
のプレートにCREが出現した。細胞および培地を回収し、3回凍結融解し、力
価を端点希釈アッセイによって同定した。細胞あたりの産生感染細胞数を計算し
た結果を表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】 新規の全ヘルパーウイルス増幅速度は、AdLC8BHG10luc(Par
ks et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、93、
13565〜13570(本明細書中で参考として援用される))の速度の少な
くとも20倍を超える。ヘルパーウイルスの増殖は、dl70−3と異なり、2
93cre4細胞中で十分に調節される。これらの細胞は、1〜2個の感染粒子
/細胞のみを放出する。したがって、抑制速度は、新規のヘルパーウイルスで劇
的に増加した。E3中にいずれかの方向でインサートを含まないか含むウイルス
ではウイルス収量があまり異ならないので、E3インサートの選択は、ウイルス
増殖に大きな影響を与えない。
【0098】 2.1回の継代を超えるヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの増
幅 ヒトOTC遺伝子を含むヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの特
徴づけられたストック(粒子力価およびヘルパー混入が既知)を使用して、29
3cre細胞を感染させた。細胞を、細胞あたり700粒子のヘルパーディペン
デントアデノウイルスベクターおよび100粒子のヘルパーウイルスの1つで感
染させた。48時間後に細胞を回収し、ウイルスを3回の凍結融解によって放出
させ、Cs結合によって精製した。粒子力価を、分光光度計分析(OD260
によって測定した。ウイルスDNAを抽出し、制限消化によって分析した(図3
)。全ウイルス収量は、ヘルパーAdLC8BHG10lucより新規のヘルパ
ーウイルスでわずかに増加した。しかし、DNA含有粒子と空の粒子との間の比
は新規のヘルパーで増加する。ヘルパーDNAはゲル中では検出不可能であり、
ヘルパーウイルスは全産生量に有意に寄与しない。
【0099】 ヘルパー混入をより正確に同定するために、TaqmanTM技術に基づいた
定量的PCRを使用した。混入は、ヘルパーAdLC8BHG10lucと下の
パッケージングシグナルを含むLOLI1との間で類似していたが、修飾パッケ
ージングシグナルを含むヘルパーLSPLI1によって支持された増幅により、
混入がより減少した(0.29%)(表2)。293細胞中で増殖したウイルス
の収量が正常なパッケージングシグナルを含む同一のウイルスの収量より低いの
で、これは予想されることである。したがって、cre選択を回避するヘルパー
ウイルスは依然として選択的不都合を有する。
【0100】
【表2】
【0101】 3.修飾バックボーンの構築 構築物は、スタッファー配列内のSwaI部位(stk120gfp)にCM
Vプロモーター駆動gfp(緑色蛍光タンパク質)を含むプラスミドstk12
0(Morsy et al.、1998、前出)に基づく。ヘルパーディペン
デントアデノウイルスベクターにさらなるエレメントを組み込むために、3’I
TR(130bp)をAd5ゲノムの右の末端から400bpに伸長させた。こ
のフラグメントは、完全なE4プロモーター領域を含む。しかし、アデノウイル
スコード配列は存在しない。得られたアデノウイルスベクターは、stk120
gfp−E4プロモーターである。
【0102】 第2の構築物では、スタッファー配列および3’ITRの一部を含むstk1
20gfpの右端から1353bpフラグメントを、MunI部位からゲノムの
末端までのAd5の3115bpフラグメントで置換した(stk120gfp
−E4)。このフラグメントは完全な機能的E4領域を含む。
【0103】 4.ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター間の競合 stk120gfpおよびstk120gfp−E4−プロモーターのゲノム
を、それぞれのプラスミドから放出させ、1:1.2の比で293cre細胞に
全ヘルパーゲノムを含む環状プラスミドと同時トランスフェクトした後、感染多
重度1でヘルパーウイルスを感染させた。
【0104】 ウイルスの混合物を、第7継代まで増幅し、ウイルスをCs精製した。5つの
独立した実験を行った。ウイルスDNAを抽出し、2つのウイルス型の存在につ
いて分析した。全実験では、5〜10倍過剰なstk120gfp−E4−プロ
モーターが認められた(図2a)。これは、ヘルパーディペンデントアデノウイ
ルスベクターの増殖を支持する3’ITR(右のウイルス末端)に隣接したシス
活性配列の存在を示す。
【0105】 完全なエレメントが右のウイルス末端から400bp以内に存在するかまたは
この配列のさらなる上流がこの特徴に寄与するかどうかを同定するために同一の
実験を行った。stk120gfp−E4−プロモーターおよびstk120g
fp−E4を293cre細胞に1:1:2の比で全ヘルパーゲノム(Help
er 14)を含む環状プラスミドで同時トランスフェクトし、トランスフェク
トから36時間後にヘルパーウイルスを感染多重度1で感染させた。第7継代後
、3つの独立したレスキュー法由来のウイルスを精製し、DNAを抽出し、Bs
rG1で消化し、標識した。識別フラグメントは各レスキューで同等の強度を有
する(図2c)。したがって、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター
の増殖を支持するシス活性配列は、右端からヌクレオチド−400と3’ITR
との間に存在する。
【0106】 実施例3 ヘルパーディペンデントアデノウイルスの構築 別のスタッファー配列を含むバックボーン 新規のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター(群A)の構築物は、
HindIII付着末端およびクローニング部位EagI、AscI、BglI
I、NotI、Xba1、Mlu1、EcoR1、およびKas1を含む多クロ
ーニング部位リンカー(配列番号6および7)でライゲートしたpSTK120
(細菌の複製起点およびアンピシリン耐性遺伝子、右および左のITRならびに
パッケージングシグナルから構成される)由来のフラグメントから3498bp
のライゲーションから始まった。このクローンを「pITRF」と呼ぶ。
【0107】 スタッファーDNAとして使用されるHUMDXS455A(Geneban
k受け入れ番号L31948)内に含まれる領域由来のDNAを、以下のプライ
マー対を用いた約4.5kbの4つのセグメント中のヒトゲノムDNAから増幅
させた: 配列番号8および9(PCR1)、 配列番号10および11(PCR2)、 配列番号12および13(PCR3)、 配列番号14および15(PCR4)。
【0108】 PCR1産物を、クレノウで満たし、AscIで消化した。これを、pITR
FのAsc1/EcoRVで直接ライゲートし、「構築物1」を産生させた。
【0109】 PCR2産物をNot1/Asc1で消化し、構築物1のNot1/Asc1
部位にクローン化して、「構築物2」を産生させた。PCR3産物および構築物
2をMlu1/Not1で消化し(二重消化)、ライゲートして「構築物3」を
産生させた。PCR4産物を最初にTAクローニングベクターにクローン化した
【0110】 非常に大きなプラスミドの非効率的な直接的クローニングを回避するために、
E.coli BJ 5183における相同組換えを使用してPCR4およびさ
らなるゲノムフラグメントを挿入した。この技術は巨大フラグメント中の挿入点
と重複する領域を含む小さなシャトルベクターを必要とする。このシャトルベク
ターを、以下のように構築した:PCR上の2kbの接点およびベクター配列を
構築物3のDNAを用いて増幅させた。PCRフラグメントにクレノウを満たし
、Sap1酵素で消化し、PABSヘルパーディペンデント3.0にライゲート
し、小さなプラスミドベクター(KanR)をEcoRIで切断し、クレノウを
反応物に充填し、SapIで消化した。構築物3とシャトルとの間の相同組換え
によって、構築物4(C4)が得られた。
【0111】 C4のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター部分は20kb長であ
り、3つの異なる導入遺伝子を組み込むための3つの固有の制限酵素部位(As
c1、NotI、SwaI)を有する。
【0112】 次の工程として、CMVプロモーター駆動gfp遺伝子を、相同組換えによっ
てC4のNotI部位に挿入した。この目的のために、NotI部位に重複する
C4の2kb(pNot)を含むシャトルベクターを構築した。gfp発現単位
を、NotIへの付着末端クローニングによって挿入し、このベクターのフラグ
メントをC4を用いた相同組換えに使用した。gfp発現単位には1つのNot
I部位が存在し、その後この制限酵素を用いてこの遺伝子を他の遺伝子と置換す
ることができる。gfp遺伝子は、遺伝子が連続した配列内に挿入された場合、
おそらく起こり得る相同組換えによる宿主ゲノムへの挿入を回避する2個の反転
したゲノムフラグメント間の接点に存在する。
【0113】 さらなるスタッファー配列を組み込み、E4プロモーターを含むように3’I
TRを伸長させるために、3’ITRおよび挿入用のKasI、SalI、Bg
III、およびHindIII部位を含むC4の2kbを含む、pABSHD−
3に基づく第2のシャトルを構築した。HindIII/SalIフラグメント
としてE4プロモーターを、このシャトルベクターに直接クローニングした。
【0114】 スタッファーDNAフラグメントAFO、HSU、ER1、およびER2(図
4)を、PCR伸長キット(Boehringer)によってヒトゲノムから増
幅し、Topo付着末端(Invitrogene)にクローン化した。AFO
およびHSUを、SalIフラグメントとしてそれぞれ挿入し、ER1およびE
R2フラグメントをKasI/BglIIおよびBglII/Sal消化後に連
続して挿入した。E.coli BJ 5183における相同組換えにより、最
終バックボーンC4HSU(配列番号16)、C4AFO(配列番号17)、お
よびC4ERが得られる(図4)。
【0115】 新規のヘルパーディペンデントバックボーン(群B)の構築を、stk120
由来の8181bpフラグメントのgfp発現ユニットへ単位への置換によって
開始した。この目的のためにstk120中の固有のSwaI部位に1kb5’
を含むpUC18および固有のEagI部位に1kb3’を含むpUC 18に
基づいてシャトルベクターを構築した。gfp発現単位を、BglIIフラグメ
ントとしてこのシャトルのBamHI部位に挿入した。E.coli BJ 5
183中のEagIで線状化したSTK 120とシャトルベクターのフラグメ
ントとの間の相同組換えによって置換を行った。この工程により、アデノウイル
スベクター増殖の間に最も頻繁に喪失するベクター由来のhprt領域の一部が
取り除かれる。このベクター「STKSEgfp」は、19.4kb長であり、
ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターとしての増殖に必要なゲノム配
列の約10kbが欠失している。
【0116】 STK120中のHUMDXS455Aフラグメントの一部およびE4プロモ
ーターおよび3’ITRを含むnt−400から始まるAd5の3’末端を含む
シャトルベクターpSH1−3ITRのSalI部位へのSalI消化後に、フ
ラグメントAFOおよびHSUをクローン化した。フラグメントER1およびE
R2をSalI/BamH1およびBamH1/BglIIフラグメントと同一
のベクターに少しずつ挿入した。得られた3つの異なるシャトルベクターを、P
acIで線状化したSTKSEgfpで組換えてHXAFO、HXHSU、およ
びHXERが得られた(図4)。
【0117】 実施例4 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの作製 サブコンフルエントなプレート由来の細胞を、PBSで洗浄し、トリプシン処
理して、6つのウェルプレート(Costar)にウェルあたり1.5mlの培
地中の3×10個の細胞を播種した。ヘルパーディペンデントアデノウイルス
ベクター用のゲノムを、PmeI消化によってそれぞれのプラスミドから放出さ
せ、2μgのDNAをウェルあたり全ヘルパーゲノムを含む2μgの環状プラス
ミドで同時トランスフェクトした。トランスフェクションから24時間後、ヘル
パーウイルスを感染多重度1で感染させた。48時間後、細胞を3回の凍結融解
サイクルで溶解し、溶解物を使用してヘルパーウイルスと共に感染多重度5で1
個の293cre細胞を感染させた。48時間後、細胞を溶解した。
【0118】 同一の手順を繰り返して、第6継代まで細胞数を増加させ、その時点で2つの
15cmプレートに感染させる。この段階で、ヘルパーディペンデントアデノウ
イルスベクターを、CsCl結合によって単離し、制限消化によって分析した。
第6継代を使用して大量調製物(1×10層のNunc細胞ファクトリー)も感
染させる。
【0119】 実施例5 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター間の比較 上記の手順を使用して、競合実験でのウイルスレスキューを行った。1つのベ
クタープラスミド由来のDNAの代わりに3つのベクターの等モル混合物を用い
た。以下の3つの混合レスキューを行った:HXAFO、HXHSU、およびH
XERを含むもの、C4AFO、C4HSU、およびC4ERを含むもの、なら
びにHXHSUおよびC4HSUを含むもの。個々のレスキューにも混合レスキ
ューにも再配列は認められなかった。
【0120】 図5に示すように、最初の2つの群内のバックボーンの間にC4HSU構築物
のわずかな優位性があるという小さな相違のみが存在する。しかし、HXHSU
とC4HSUとの間の比較実験において、後者は明確に優位である。したがって
、HXHSU中の残りのhprtは、アデノウイルスベクター増殖に対して逆効
果を有する。
【0121】 実施例6 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの大量増殖分析 STK120−EF1amEPO、C4AFO−EF1amEPO、およびC
4HSU−EF1amEPO in vivoでの新規のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの
挙動を調査するために、STK120、C4AFO、およびC4HSU中のgf
p遺伝子をマウスの免疫学的に不活性なmEPO遺伝子と置換した。シャトルp
Notを用いた相同組換えによって置換を行った。ウイルスを、上記のようにレ
スキューした。Nunc細胞ファクトリー中で大量増殖を行い、ウイルスを上記
のように精製した。
【0122】 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターおよびヘルパーのサイズがわ
ずかしか異ならないので、精製では調製物からヘルパーウイルスを取り除けない
。このような物理的分離では、クロマトグラフィーに基づく大量精製に基づく勾
配の置換は意図されなかった。DNAを精製ウイルスから抽出し、ヘルパーディ
ペンデントアデノウイルスベクター量と比較したヘルパーウイルスの含有量をT
aqmanTMによって同定した。
【0123】 本発明者らは、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターのヘルパー含
有量とGC含量との間に相関関係を見出した(図6を参照のこと)。Const
ruct C4HSUを用いた実験により、stk120の約1%のヘルパー含
有量と比較して最も低いヘルパー含有量(約0.18%)を有する。
【0124】 実施例7 異なるヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの複製可能性分析 細胞を、100/細胞のヘルパーおよび300部/細胞のヘルパーディペン
デントアデノウイルスベクターで感染させた。感染から3時間後、1/3の細胞
を回収してPBSで洗浄した。別の部分を42時間で回収し、第3のフラクショ
ンを48時間で回収した。細胞DNAを上記のように抽出し、ヘルパーおよびヘ
ルパーディペンデントアデノウイルスベクターのDNAの相対量をTaqman TM PCRで同定した(図7)。
【0125】 図7は、過剰なヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターでレスキュー
を開始する場合、ヘルパーディペンデント/ヘルパーの比は維持され、C4HS
Uでさえわずかに増加するが、STK120では非常に減少し、C4AFOでは
わずかに減少する。これは、バックボーンの性質が複製の速度に多大な影響を与
えることを示す。アデノウイルスゲノムはアデノウイルスポリメラーゼで共進化
したのに対して、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター配列は人工的
に選択された。したがって、あまり有効な複製ではないと予想される。しかし、
最も重要な決定要因はヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターのGC含
量であろう。
【0126】 実施例8 配列情報 本出願で引用された配列番号の種々の配列を以下に示す。
【0127】
【化3】
【0128】 他の実施形態は以下の特許請求の範囲の範囲内である。いくつかの実施形態を
示し、記載しているが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の修
正形態を行うことができる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 発現単位のゲノム組み込みを回避するためのスタッファーフラグメントのシャ
フリングを示す図である。
【図2A】 a)stk120gfp−E4−プロモーターおよびstk120gfp、b
)stk120gfp−E4プロモーターおよびstk120gfp、ならびに
c)stk120gfp−E4−プロモーターおよびstk120gfp−E4
の競合的レスキュー後のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターDNA
の制限消化を示すゲルを示す図である。
【図2B】 a)stk120gfp−E4−プロモーターおよびstk120gfp、b
)stk120gfp−E4プロモーターおよびstk120gfp、ならびに
c)stk120gfp−E4−プロモーターおよびstk120gfp−E4
の競合的レスキュー後のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターDNA
の制限消化を示すゲルを示す図である。
【図2C】 a)stk120gfp−E4−プロモーターおよびstk120gfp、b
)stk120gfp−E4プロモーターおよびstk120gfp、ならびに
c)stk120gfp−E4−プロモーターおよびstk120gfp−E4
の競合的レスキュー後のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターDNA
の制限消化を示すゲルを示す図である。
【図3】 ヘルパーAdLC8BHGおよび本発明のヘルパーと増殖させたヘルパーディ
ペンデントアデノウイルスベクターの制限消化を示すゲルを示す図である。
【図4】 異なるヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの構造を示す図である
【図5A】 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター由来の標識制限フラグメント
のオートラジオグラフィーを示す図である。シャッフルしたコスミドHUMDX
S455A(C4)を含むバックボーンの競合である。
【図5B】 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター由来の標識制限フラグメント
のオートラジオグラフィーを示す図である。HPRT(ヒポキサンチングアニン
ホスホリボシルトランスフェラーゼ)ゲノム遺伝子の一部を含むバックボーンの
競合である。
【図5C】 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター由来の標識制限フラグメント
のオートラジオグラフィーを示す図である。HPRTゲノム遺伝子の一部を含む
一方と、シャッフルしたHUMDXS455A(C4)を含む他方の間の2つの
バックボーンの間の競合である。
【図6】 GC含量とヘルパーウイルス混入との間の相関関係を示すグラフである。
【図7】 感染後の異なる測定点でのヘルパーとヘルパーディペンデントアデノウイルス
ベクターとの間の均衡を示すグラフである。図は、ヘルパーウイルスと比較した
マウスエリスロポイエチン遺伝子を有する異なるヘルパーディペンデントアデノ
ウイルスベクターの複製可能性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 105 C12N 15/00 ZNAA 111 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP,U S (72)発明者 サンデイツク,フオルカー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 (72)発明者 ユイル,リマ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA20 BA07 CA02 DA02 EA02 EA04 FA01 FA02 FA20 GA11 HA17 4B065 AA90X AA95X AA95Y AB01 AC14 BA02 CA44 4C084 AA13 NA01 NA13 ZB212 ZC022 4C087 AA01 AA02 AA03 BB63 BB64 BB65 BC83 NA13 ZB21 ZC02

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リコンビナーゼ認識配列に隣接した相同性の低いパッケージ
    ングシグナルカセットを含む核酸分子であって、前記パッケージングシグナルカ
    セットは、修飾アデノウイルスパッケージングシグナルを含み、ただし前記修飾
    パッケージングシグナルが野生型アデノウイルスパッケージングシグナルに低い
    相同性を示すことを特徴とする核酸分子。
  2. 【請求項2】 前記リコンビナーゼ認識配列がloxPである、請求項1に
    記載の核酸。
  3. 【請求項3】 前記リコンビナーゼ認識配列がfrtである、請求項1に記
    載の核酸。
  4. 【請求項4】 前記修飾パッケージングシグナルが前記野生型パッケージン
    グシグナルより効率が低い、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の核酸。
  5. 【請求項5】 前記野生型パッケージングシグナルがヒトアデノウイルス血
    清型5パッケージングシグナルである、請求項4に記載の核酸。
  6. 【請求項6】 前記修飾パッケージングシグナルが、前記野生型パッケージ
    ングシグナルと最大で23bpの連続する配列が相同性を示す、請求項5に記載
    の核酸。
  7. 【請求項7】 前記修飾パッケージングシグナルが前記野生型シグナルより
    も約2〜3倍効率が低い、請求項5に記載の核酸。
  8. 【請求項8】 前記修飾パッケージングシグナルが2〜6個のAエレメント
    を含み、各AエレメントはATTTGNGCのコンセンサス配列を有する、請
    求項6に記載の核酸。
  9. 【請求項9】 前記核酸がプラスミドである、請求項6に記載の核酸。
  10. 【請求項10】 前記核酸がヘルパーウイルスである、請求項6に記載の核
    酸。
  11. 【請求項11】 前記ヘルパーウイルスがE1遺伝子を含まない、請求項1
    0に記載の核酸。
  12. 【請求項12】 前記ヘルパーウイルスが約2.9kbのインサートを有す
    るE3領域を含む、請求項11に記載の核酸。
  13. 【請求項13】 前記インサートがプロモーター配列を含まない、請求項1
    2に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記インサートがプロモーター配列を含まない場合、少な
    くとも約2.7kbのインサートを有するアデノウイルスE3遺伝子を含む、核
    酸。
  15. 【請求項15】 前記インサートがヒトイントロン配列である、請求項14
    に記載の核酸。
  16. 【請求項16】 ヘルパーディペンデントベクター産生用のアデノウイルス
    ヘルパーウイルスであって、 (a)E1領域が欠失しているアデノウイルスゲノムと、 (b)野生型パッケージングシグナルを置換した切り出し可能なパッケージン
    グシグナルカセットであって、前記切り出し可能なパッケージングシグナルカセ
    ットが5’loxP部位、修飾パッケージングシグナル、および3’loxP部
    位を含み、前記修飾パッケージングシグナルが前記野生型パッケージングシグナ
    ルとの低い相同性および前記野生型パッケージングシグナルより低い効率を有し
    、 (c)E3領域のいかなる部位も欠失させることなくE3領域中に挿入された
    少なくとも2900塩基対の非アデノウイルスDNAを含む任意選択的な挿入エ
    レメント を含む、ヘルパーディペンデントベクター産生用のアデノウイルスヘルパーウイ
    ルス。
  17. 【請求項17】 前記アデノウイルスゲノムがヒトアデノウイルス5型であ
    る、請求項16に記載のウイルス。
  18. 【請求項18】 前記修飾パッケージングシグナルが、前記野生型パッケー
    ジングシグナルと最大で23bpの連続配列相同性を示す、請求項17に記載の
    ウイルス。
  19. 【請求項19】 前記修飾パッケージングシグナルが前記野生型シグナルよ
    りも約2〜3倍効率が低い、請求項18に記載のウイルス。
  20. 【請求項20】 前記修飾パッケージングシグナルが2〜6個のAエレメン
    トを含み、各AエレメントはATTTGNGCのコンセンサス配列を有する、
    請求項19に記載のウイルス。
  21. 【請求項21】 請求項16に記載のアデノウイルスを含むベクター。
  22. 【請求項22】 E1を発現し、請求項16に記載のヘルパーウイルスで感
    染された細胞株。
  23. 【請求項23】 前記細胞株がcreリコンビナーゼをさらに発現する、請
    求項22に記載の細胞株。
  24. 【請求項24】 前記細胞株が293cre細胞である、請求項23記載の
    細胞株。
  25. 【請求項25】 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターであって
    、 a)5’ITRと、 b)パッケージングシグナルと、 c)少なくとも1つの異種発現カセットと、 d)ヒトゲノムスタッファーDNAと、 e)選択的優位を付与する任意選択的なE4非コードセグメントであって、前
    記E4エレメントが右側の末端からヌクレオチド−400の間に位置するE4エ
    レメントと、 f)3’ITR を含み、 前記ベクターの全サイズが約28kbと36kbとの間であって、前記アデノウ
    イルス配列にはITR、任意選択的なE4非コードセグメント、およびパッケー
    ジングシグナルのみが存在し、細菌の複製起点も細菌のマーカー遺伝子も存在し
    ない、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター。
  26. 【請求項26】 前記任意選択的なE4エレメントが存在する、請求項25
    に記載のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター。
  27. 【請求項27】 プラスミドベクターであって、 a)5’ITRと、 b)パッケージングシグナルと、 c)少なくとも1つの異種発現カセットと、 d)ヒトゲノムスタッファーDNAと、 e)選択的優位を付与する任意選択的なE4非コードセグメントであって、前
    記E4エレメントが右側末端からヌクレオチド−400の間に位置するE4エレ
    メントと、 f)3’ITR を含む、プラスミドベクター。
  28. 【請求項28】 ヘルパーディペンデントアデノウイルスであって、5’か
    ら3’の方向に a)5’ITRと、 b)前記5’ITRの3’に直接結合したパッケージングシグナルカセットと
    、 c)少なくとも約1kbの第1のスタッファーDNAと、 d)少なくとも1つの異種発現カセットと、 e)少なくとも約1kbの第2のスタッファーDNAと、 f)任意選択的に存在する少なくとも400bp長の非コードE4セグメント
    と、 g)3’ITRであって、前記3’ITRが、前記非コードE4セグメントが
    存在する場合には、それと直接結合する3’ITR を含み、 ただし、ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターがウイルス作製に必要
    な1つまたは複数のタンパク質をコードせず、約28kb〜約36kbであり、
    GC含量が約50%〜約60%であるヘルパーディペンデントアデノウイルス。
  29. 【請求項29】 前記ウイルスが約30kb長と36kb長との間である、
    請求項28に記載のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター。
  30. 【請求項30】 前記第1のスタッファーおよび第2のスタッファーが逆方
    向哺乳動物非遺伝子またはイントロン配列由来である、請求項29に記載のヘル
    パーディペンデントアデノウイルスベクター。
  31. 【請求項31】 前記ウイルスがいかなるアデノウイルスタンパク質もコー
    ドしない、請求項30に記載のヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター
  32. 【請求項32】 前記任意選択的に存在する非コードE4領域が存在する、
    請求項28〜請求項31のいずれか1項に記載のヘルパーディペンデントアデノ
    ウイルスベクター。
  33. 【請求項33】 前記GC含量が約52%〜57%である、請求項32に記
    載のヘルパーディペンデントウイルス。
  34. 【請求項34】 E1およびcreリコンビナーゼを発現する細胞株におけ
    るヘルパーディペンデントアデノウイルス遺伝子ベクターの作製法であって、 a)5’ITR、パッケージングシグナル、少なくとも1つの異種発現カセッ
    ト、ヒトゲノムスタッファーDNA及び3’ITRとを含むヘルパーディペンデ
    ントベクターで前記細胞を感染させる工程であって、このとき前記ヘルパーディ
    ペンデントベクターの全サイズが約28kbと36kbとの間であり、機能的ア
    デノウイルスコード配列も、細菌の複製起点または細菌のマーカー遺伝子も存在
    しない工程と、 b)E1領域が欠失したアデノウイルスゲノムと、 野生型パッケージングシグナルを置換した切り出し可能なパッケージング
    シグナルカセットであって、前記切り出し可能なパッケージングカセットが5’
    loxP部位、修飾パッケージングシグナル、および3’loxp部位を含み、
    前記修飾パッケージングシグナルが前記野生型パッケージングシグナルと相同性
    が低くかつ前記野生型パッケージングシグナルより効率が低く、 E3領域のいかなる部位も欠失させることなくE3領域中に挿入された少
    なくとも約2900塩基対の非アデノウイルスDNAを含む任意選択的な挿入エ
    レメント とを含むヘルパーウイルスで前記細胞を感染させる工程と、 c)前記作製したヘルパーディペンデントウイルスベクターを得る工程と を含む、方法。
  35. 【請求項35】 ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターの作製法
    であって、 a)i)アデノウイルス産生に必要なトランス機能と、 ii)前記ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクター とを含み、前記ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターがア
    デノウイルス産生に必要な必須のシス機能および少なくとも1つの異種発現カセ
    ットを含み、前記ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターがいかなるア
    デノウイルスタンパク質もコードせず、約28kb〜約36kbであり、GC含
    量が約50%〜約60%である細胞である産生工程と、 b)前記ヘルパーディペンデントアデノウイルスベクターを作製する工程と を含む、方法。
  36. 【請求項36】 後期タンパク質およびE2タンパク質またはE4タンパク
    質のいずれかまたはE2タンパク質とE4タンパク質の両方が前記細胞中に存在
    するヘルパーウイルスによって供給される、請求項35に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記ヘルパーウイルスがリコンビナーゼ認識配列に隣接し
    た相同性の低いパッケージングシグナルカセットを含み、前記パッケージングカ
    セットシグナルが、野生型アデノウイルスパッケージングシグナルに低い相同性
    を示す修飾アデノウイルスパッケージングシグナルを含む、請求項36に記載の
    方法。
  38. 【請求項38】 前記リコンビナーゼ認識配列がloxPであり、前記細胞
    がCreリコンビナーゼを発現する、請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記リコンビナーゼ認識配列がfrtであり、前記細胞が
    Flpリコンビナーゼを発現する、請求項37に記載の核酸。
  40. 【請求項40】 前記修飾パッケージングシグナルが前記野生型シグナルよ
    り効率が低い、請求項37に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記野生型パッケージングシグナルがヒトアデノウイルス
    血清型5型由来である、請求項36〜請求項40のいずれか1項に記載の方法。
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