JP2002534118A - 二重核移植法及びその結果物 - Google Patents

二重核移植法及びその結果物

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Abstract

(57)【要約】 本方法は、核移植方法によって動物(子孫)の産生のために記載される。動物は、動物の任意の段階(例えば、胚、胎児又は成体)又は動物の任意の段階由来の物質(例えば胚、胎児又は成体物質)から確立される細胞培養から直接得られる細胞のドナー遺伝物質を用いて産生してもよい。本方法は、遺伝子操作及び細胞の選択により結果として生じる子孫に、遺伝子組換えを導入するために使用し、胚再構築前の核ドナーとして働かせてもよい。本発明は、動物の胚を再構築する方法、核を第一卵母細胞に移植する工程と、続いて前記核を除去し、前記卵母細胞から別の卵母細胞に、又は除核された受精した接合体に移植する工程とを含む方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本方法は、核移植法による動物(子孫)の産生について記載する。動物は、動
物のいずれかの段階(例えば胚、胎児又は成体)から、又は動物のいずかれの段
階の物質(例えば胚物質、胎児物質又は成体物質)から確立された細胞培養から
直接得られる細胞にドナー遺伝物質を用いて産生してもよい。本方法は、胚再構
築前の核ドナーとして作用する細胞の遺伝子操作及び選択によって、結果として
生じる子孫に遺伝子組換えを導入するために使用してもよい。さらに、本方法は
、以下のものを含む多くの経路によって同義遺伝子組換えを含む動物を産生する
ために使用してもよいが、これらに限定されない。i)培養細胞集団への同義遺
伝子組換えの同時導入、ii)培養細胞集団のトランスフェクション及び選択の反
復経路、iii)形成された胚、胎児、若年又は成体動物由来の細胞集団のトラン
スフェクション、選択、核移植及び再単離の反復経路、又はiv)それらの任意の
組み合わせ。本方法は、好ましくは核移植再構築された胚の胎児段階又は成体段
階由来の未分化細胞、胚幹細胞、その他の幹細胞集団、生殖細胞又はそれらの派
生物又は分化体細胞集団の産生について、細胞(胚の体細胞、胎児の体細胞又は
成体の体細胞を含む)を脱分化するために使用してもよい。
【0002】 核移植の技術は、動物胚(本明細書中、動物胚のすべての概念、例えば卵母細
胞、卵子、接合体又は初期胚を含む)の再構築により子孫の産生を許容する。ド
ナー細胞由来の遺伝物質(カリオプラスト)は、核又はゲノム遺伝物質を除去し
た好適なレシピエント細胞に移植される。この技術の最初の証明において、成功
した発生は、ドナー遺伝物質が早期胚由来の未分化細胞又は割球から得られる場
合にのみ得られた。その後、発生は、培養中の維持された分化細胞由来のドナー
遺伝物質を用いて得られ、胚組織(Campbellら, Nature (1996) 380:64-66)、
胎児組織及び成体組織(Wilmutら, Nature (1997) 385:810-813)から単離され
、出願公開WO 97/07669及びWO 97/07668において得られた(その内容は、すべて
の表及びダイヤグラムを含む全体として、本明細書に組み込まれるものとする)
。その後、生きた子孫は、核ドナーとしてex vivoで直接派生した静止状態の細
胞集団を用いてマウスで得られた(Wakayamaら, Nature (1998) 394:369-373)
。現在、分化細胞の成功した使用は、ヒツジ、ウシ及びマウスで特に示されてい
る。
【0003】 核移植(TN)技術の利用は多くの利点有し、哺乳類の胚、胎児及び子孫の産生
において使用する。以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。 1. 胚再構築前の核ドナーとして使用されるべき培養細胞の正確な遺伝子組換え
を行うための能力。そのような改変としては、ランダム遺伝子付加、導入遺伝子
の複数コピーの付加、正確な位置での導入遺伝子の付加(ターゲット付加又はノ
ックイン)、遺伝子除去(ノックアウト)、ターゲット挿入による遺伝子不活性
化、遺伝子置換、任意の遺伝子又はその制御配列の改変及び遺伝子操作が挙げら
れるが、これらに限定されない。 2. 培養中の細胞集団の同義遺伝子組換え、又は産生された胚、胎児又は動物由
来の細胞集団の系列遺伝子組換え、核移植及び再単離による単一の動物における
同義遺伝子組換えを行うための能力。 3. 核移植及び産生された胚、胎児、若年又は成体動物由来の細胞集団の再単離
による遺伝子組換えのために使用される培養細胞集団の寿命を増加するための能
力。 4. 遺伝子組換えの選択細胞集団及びクローン化細胞集団由来の動物の複数コピ
ーを産生するための能力。 5. ex vivoで直接得られた細胞由来の核移植による任意の胚、胎児、若年又は
成体動物の複数コピー又はin vitroで培養した又は培養しないこれらの段階のい
ずれかから得られた任意の組織から派生した細胞集団を産生するための能力。 6. 胚再構築のためにサイトプラストレシピエントとして細胞ドナーの母系由来
の卵母細胞を利用することにより真のクローンを産生するための能力。 7. 長期間無傷のゲノムを保存し(例えば液体窒素で細胞集団を凍結することに
よって)、その後、核移植により子孫の産生のために保存したこれらの細胞を使
用するための能力。 8. 体細胞の核を脱分化し、胚凝集又は注入によりキメラの胚、胎児及び成体動
物の産生のために使用してもよい未分化細胞、又は胚幹細胞集団又は胚の生殖細
胞集団を産生するための能力。 9. 核移植により任意の体細胞タイプを脱分化し、胚幹細胞、生殖細胞又はその
他の所望する特定化した又は特定化しないいずれの細胞タイプ(例えばニューロ
ン)を産生する胚から単離するための能力。
【0004】 核移植技術による動物の遺伝子組換え、及び幹細胞及び分化細胞集団の産生は
、ヒト医学、農業、遺伝子保存及び研究の分野における多くの使用を有する。こ
れらとしては、体液でのヒトの治療上の蛋白質の産生、疾病予防、必要な産生形
質の増加、細胞ベース治療、遺伝子治療のための細胞ベース送達系、組織及び臓
器移植が挙げられるが、これらに限定されない。そのような技術の使用は、多く
の原稿及び特許で以前から議論されている。これらのうちの2つが、WO 98/30683
及びWO 98/39416である。本発明は、動物、特に雌ウシ、雄ウシ、ブタ、ヤギ、
ヒツジ、ラクダ及びスイギュウ、同様にマウス、ラット又はその他のげっ歯類、
またウサギ目の動物(例えばウサギ)を含む有蹄動物種の動物のすべての段階(
細胞、組織、胚及び動物全体)に適用できる。本発明は、ヒトの生殖のクローン
化に関するものではない。本発明は、ヒト組織の細胞を包含し、ヒトの胚、特に
14日齢未満の胚を適用できる。
【0005】 一般に、第二減数分裂のメタフェーズで停止した卵母細胞はサイトプラストレ
シピエントとして使用される。ドナー遺伝物質は、1)細胞融合2)無傷の細胞、
溶解した細胞又は核の注入の方法によりレシピエント細胞質に導入される。遺伝
物質の移植は、活性化の際、活性化前(特許出願WO 97/07669及びWO 97/07668を
参照)又は活性化後(Campbellら, Biol. Reprod. 49 9330942 (1993); Campbel
lら, Biol. Reprod. 50 1385-1393 (1994))のいずれで生じてもよい。これらの
各例において、再構築された胚の倍数性は、細胞周期の適した段階でのドナー遺
伝物質の使用によって維持されなければならない(総説としてCampbellら, Revi
ews of Reproduction 1:40-46 (1996))。この方法は、トランスジェニック子孫
の産生のために遺伝子操作技術と結び付けてもよい(Schniekeら, Science 278:
2130-2133 (1997))。培養中の細胞の遺伝子組換え及び動物の産生前のそれらの
選択と結び付けた核移植の使用は、以下に挙げる多くの利点を有する。 1. 遺伝子組換えの生殖細胞系伝達を保証する非モザイク動物の産生。 2. そのような遺伝子組換え動物の産生における増加した効率。 3. 子孫の複数コピーの産生、それにより産生間隔を減少させ、産生目的で集
団(flocks or herds)を産生し、又は概して集団への遺伝子組換えの種まきの
ための動物の数を増加させる。 4. 同義遺伝子組換えを含む動物の産生。 5. 導入遺伝子の予め選択した組み込みサイトの利用によって特徴付けられる優
れた発現をもつ遺伝子組換え動物の産生。
【0006】 ブタにおいて、生きた子孫の産生のための核移植の使用は、困難を伴っていた
。子孫は受精した接合体の前核を入れ替えることによって産生されたが、ただ1
匹の子ブタは、より遅い発生段階(4細胞)から産生された(Pratherら, Biol R
eprod 1989 Sep 41:3 414-8)。 核移植による生存可能な子孫の胚再構築及び産生の方法は、多段階手順である
。現在、全体として、これらの各段階は本発明の記載の以前により詳細に記載さ
れている。その段階は、本発明に含まれるものである。以下の記載は、その段階
の説明を示すことを意図するが、網羅的な又は限定する記載ではない。
【0007】レシピエント細胞又はサイトプラスト 卵母細胞、受精した接合体及び2つの胚は、核移植のためのサイトプラストレ
シピエントとして使用された。一般的に、第二減数分裂のメタフェーズで停止し
た卵母細胞(また未受精卵とも呼ぶ)は、上質のサイトプラストとなる。この点
で、卵母細胞の発生において、遺伝物質は減数分裂の紡錘体上に並べられ、機械
的な手法を用いて容易に除去される。幾つかの報告は、成熟の際、即ちゲノムの
ベシクル段階(第一減数分裂の前期)と第二減数分裂のメタフェーズでの停止の
間、ゲノムのDNAは除去され、結果として生じるサイトプラストが核移植のため
に使用されることを示している(Kato Y., Tsunoda Y., Mol Reprod Dev (1993)
Oct 36:2 276-8)。サイトプラストレシピエントとしての受精した接合体の使
用は、マウス(Kwon O.Y., Kone T., Proc Natl Acad Sci U.S.A (1996) Nov 12
, 93:23 13010-3)、ウシ(Prather R.S., First N.L., J Reprod Fertil Suppl
(1990) 41:)及びブタ(Pratherら, Biol Reprod (1989) Sep 41:3, 414-8)に
おいて報告されている。ウシ及びブタにおいて、サイトプラストレシピエントと
して接合体を用いて再構築された胚の発生は低く、前核の交換を全体で制限され
、成功した発生のために必須の因子が前核で除去されることを示唆している。本
発明の内容は、好ましくは除核したメタフェーズII卵母細胞への、好適な核の移
植により前核のような構造(pronucleus-like structure)(前核を含む)を産
生することである。このように形成された前核のような構造は因子を含み、その
因子は一般に接合体除核の際、除去される。次いで、この前核のような構造は、
第二核移植胚再構築のために遺伝物質のドナーとして使用される。細胞周期の任
意の段階の核又は細胞は遺伝物質のドナーとして使用してもよいが、好ましくは
、レシピエントサイトプラストの細胞周期段階は制御されなければならない。
【0008】ゲノムの遺伝物質の除去によるサイトプラストレシピエントの調製 本方法は、一般に除核と呼ばれる。利用される多くのレシピエントにおいて、
ゲノムのDNAは除去の際に核膜内に閉じ込められない。本発明の、及び用語“除
核”によって記載される遺伝物質の除去は、遺伝物質が核膜内に存在することを
要求しない(あってもよく、なくてもよく、又部分的にあってもよい)。除核は
、核、前核又はメタフェーズプレート(レシピエント細胞に依存する)の実際の
除去によって物理的に、又は機能的に(例えば、紫外線放射又は他の除核する影
響の適用によって)達成してもよい。遺伝物質の除去は物理的及び/又は化学的
手段によって可能である。核移植の早期の報告において、MII卵母細胞は、一方
が遺伝物質を含み、他方がこれを含まないことに基いて、簡単に半分にカットさ
れた。このアプローチの改良は、細胞質の体積を減少させるために行われ、その
細胞質が除去された。これは、ガラスマイクロピペットを用いて第一極体の下か
ら直接少量の細胞質の吸引によって達成してもよく、また卵母細胞の下の極体の
部分を切るためにナイフを用いることにより達成してもよい。卵母細胞の可塑生
を促進するために、微小管阻害剤サイトカラシンB又はその他の細胞骨格を分裂
させるような薬剤で前処理してもよい。物理的除核に対して、化学的処理は、マ
ウスにおける遺伝物質の完全な除去を生じることを示している。
【0009】 トポイソメラーゼ阻害剤エトポシドでの成熟卵母細胞の処理は、第一極体によ
るすべての遺伝物質の娩出を生じるが(Elsheikh A.S.ら, Jpn J Vet Res (1998
) Feb 45:4, 217-20)、ターム(term)までの発育は、本方法により産生される
サイトプラストレシピエントを用いて記載されず、その他の種におけるこの手順
の報告はない。サイトカラシンB処理と組み合わせたMII卵母細胞の遠心分離は
、ハムスター及びウシ卵母細胞において除核を生じるために報告されている(Ta
thamら, Hum Reprod (1996) Jul 11:7 1499-503)。そのようなサイトプラスト
から再構築された胚の発生は、ウシにおいて報告されているが、発生の頻度は低
い。 接合体を用いる場合、遺伝物質は両方の前核の機械的吸引により除去してもよ
い。種に依存して、前核の可視化を促進するために、接合体を除核前に遠心分離
してもよい。
【0010】遺伝物質の導入(胚再構築) 好適なレシピエント細胞又はサイトプラストを調製するために、ドナー遺伝物
質が導入されなければならない。以下に挙げる種々の技術が報告されている。 1. 化学的、ウイルス的又は電気的手法により誘発される細胞融合。 2. 任意の方法による無傷の細胞の注入。 3. 溶解した又は損傷した細胞の注入。 4. 核の注入。 これらの方法のすべては、個々のプロトコルの幾つかの変更を伴なういずれの種
において使用してもよい。
【0011】再構築された胚の活性化 カリオプラストからサイトプラストへのドナー遺伝物質の移植に加えて、サイ
トプラストは、発生を開始するために刺激されなければならない。サイトプラス
トレシピエントとして受精した接合体を用いる場合には、発生は、受精時の精子
の侵入によってすでに開始されている。サイトプラストレシピエントとしてMII
卵母細胞を用いる場合には、卵母細胞はその他の刺激によって活性化されなけれ
ばならない。以下に挙げる種々の処理は卵母細胞の活性化を誘発し、早期胚発生
を促進するために報告されているが、これらに限定されない。DC電気的刺激の利
用、エタノール処理、イオノマイシン、イノシトール三リン酸(IP3)、カルシ
ウムイオノフォアA23187、精子抽出処理又は卵母細胞へのカルシウム侵入又は内
部カルシウム保存の放出を誘発し、結果として発生の開始となるその他の任意の
処理。これらすべての処理に加えて、単独又は組み合わせて、同時に又は異なる
時にその利用を、又は蛋白質合成の阻害剤(即ちシクロへキシイミド又はピュー
ロマイシン)又はセリンスレオニン蛋白質キナーゼの阻害剤(即ち6-DMAP)と組
み合わせて、適用してもよい。
【0012】再構築された胚の培養 胚を再構築した核移植は、任意の好適な培地又は培養方法を用いて最終レシピ
エントへの移植のために好適な段階にin vitroで培養してもよい。あるいは、胚
は、最終代理レシピエントに移植するために好適な段階が達成されるまで、好適
な宿主動物(一般にはヒツジ)の結紮した卵管でin vivoで培養してもよい。ウ
シ、ヒツジ及びその他の種由来の胚は、トランス種レシピエントで培養されても
よく、単純さのため、ヒツジは、ウシの、ヒツジの及びブタの種について好適な
レシピエントを提供する。機械的損傷又はマクロファージによる再構築された胚
への攻撃を防止するために、一次的なレシピエントの卵管における、寒天又は同
様の材料の保護層で胚を包埋することは普通である。 現在、ブタの胚に利用できるin vitro培養システムは胚盤胞段階の発生をサポ
ートするが、そのような胚から生きた出生の頻度は低い(Machatyら, Biology o
f Reproduction, (1998) 59, 451-455)。本発明において、第一核移植の再構築
された胚は、前核のような体の形成が生じるまで、これらのいずれの方法によっ
て培養してもよく、その胚は第二核移植再構築で使用される。実際に、この第一
の培養期間がin vitoroで好適な培地を用いて行われることは、現在好ましい。
【0013】 核移植により哺乳類の胚の再構築を含む各段階は非効率的である。ブタにおい
て、このことは核移植の再構築された胚由来の生きた子孫の産生の報告が欠如に
より特に明らかである。本発明の基本は再構築方法を含む非効率的な段階を最小
化することであり、多段階胚再構築方法を使用し、最終代理レシピエントの胚を
培養する。従って、本発明の一の局面は動物の胚を再構築する方法を提供する。
この方法は、核を第一卵母細胞に移植する工程と、続いて該核を除去し、該卵母
細胞から別のレシピエント細胞に移植する工程とを含む。好ましくは、第一卵母
細胞から移植された核は、前核のような構造の形態である。好ましくは、第二レ
シピエント細胞は、卵母細胞又は除核された受精した接合体である。これは二重
核移植法を含む。この方法の第一段階は、ドナー核の卵母細胞への移植により前
核のような構造を産生することである。好ましくは、卵母細胞は、活性化前、又
は活性化と同時に、又は活性化後、成熟したメタフェーズII卵母細胞(未受精卵
)又は活性化したMII卵母細胞(活性化は、通常物理的又は化学的インプットに
よる)である。第一段階の例は図1に示される(簡単にするため、図1における
活性化レシピエントの使用は示さず、これは表1で提供される)。手順の第二段
階において、第一段階によって産生した前核のような構造は、第一の再構築され
た胚から除去され、卵母細胞に、又は活性化されたパルテノーテ(parthenote)
又は除核された受精した接合体に移植される(図1)。移植が卵母細胞にされる
場合、好ましくは前核のような構造は第一の再構築された胚から除去され、活性
化前に、活性化と同時に、又は活性化後に除核されたMII卵母細胞である卵母細
胞に移植される。第二核移植の後、再構築された胚は、タームまでの発育のため
に直接最終代理レシピエントに移植してもよい。
【0014】 胚再構築のためのドナー遺伝物質は、動物の発生における任意の段階(例えば
、胚、胎児、若年、成体動物)又はそれに由来する任意の株化細胞から直接得ら
れる分化細胞、部分分化細胞又は未分化細胞によって提供され得る。以前の報告
において、ドナー核の細胞周期段階は、発生にとって重大な意味を持つことが示
された。本発明において、いずれの細胞周期段階の細胞も第一の再構築方法のた
めに遺伝物質のドナーとして使用され得る。しかし、ドナー核及びレシピエント
細胞質の細胞周期段階の組み合わせは、移植時の遺伝物質のドナーとして使用さ
れるべき細胞の細胞周期段階に依存して異なる。ドナー遺伝物質及びレシピエン
ト細胞は、同一の動物種由来であることを要求しないが、これは好ましいであろ
う。
【0015】ドナー細胞の調製 核移植による胚の再構築のために核ドナーとして使用されるべきドナー細胞の
培養、同期化及び選択のための方法及び材料は、当業者によく知られている。動
物の生涯における任意の段階(例えば、胚、胎児又は成体動物)から直接得られ
るいずれの細胞集団もドナー遺伝物質として使用してもよく、あるいはいずれの
集団に由来する細胞も使用し(例えば未分化細胞集団、部分分化細胞集団又は分
化細胞集団)、いずれかの段階に由来し(例えば胚、胎児、若年、成体動物)、
培養中に維持されてもよく、又はいずれかの細胞(例えば未分化細胞、部分分化
細胞、分化細胞)は第一の単離体の培養の際に、又はホルモン、成長因子又は分
化状態を変える化学で培養した細胞集団の処理の結果として生じる。培養中で維
持された細胞の細胞周期段階は、当業者が利用できる任意の手段を用いてレシピ
エントサイトプラストとの協調を保証するために操作してもよい。以下の実施例
は本発明を限定せず、技術の種々の局面の単なる例示である。
【0016】G0相 有糸分裂及び細胞分裂の後であるがDNA複製又はS相の発生前の細胞周期を停止
した静止状態(非増殖)の二倍体細胞を産生するいずれの方法を使用してもよい
。好適な方法は以下に挙げられるが、これらに限定されない。 I. 培養された細胞集団の接触阻止によって誘発される静止状態。 II. 培地の血清又はその他の必須の栄養分(即ち、ロイシン又はその他のアミ
ノ酸、特定の増殖因子)の除去又は濃度の減少によって誘発される静止状態。 III. 老化によって誘発される静止状態。 IV. 特定の増殖因子又はその他の物質の添加によって誘発される静止状態。 V. 任意の物理的方法(例えば、熱ショック、高圧、又は熱ショック又はストレ
ス応答を誘発する化学物質(例えばピューロマイシン、アザシチジン)での処理
)によって誘発される静止状態。
【0017】G1相 ドナー核は、任意の化学的、ホルモン、増殖因子又は停止を誘発するその他の
物質での処理により、又は細胞周期の停止を誘発する任意の物理的ストレス(即
ち、結果として熱ショック応答の誘発又は高温又はそのような応答を誘発する化
合物(即ち、ピューロマイシン、アザシチジン)での処理)により細胞周期のG1
相で停止してもよい。あるいは、G1相細胞は、適した時間でG1細胞の任意の方法
及び選択によって細胞集団の同期化によって得てもよい。例えば、細胞は、薬剤
(例えば、コルセミド又はノコダゾール)を破壊させる微小管での処理により細
胞周期のM相で停止してもよく、次いで有糸分裂細胞はシェイクオフによって集
団から選択し、分離培養容器に配置してもよい。次いで、G1細胞は、シェイクオ
フの後適した時間で選択してもよい。また、この技法の変形として、有糸分裂細
胞は、非同期化集団から選択してもよい。G1細胞は細胞を生じることにより濃縮
し、増殖周期から抜けてもよく、静止状態又はG0相(上記のように)で停止し、
次いで制限因子の再添加により増殖を再刺激する。次いでG1細胞は、個々の細胞
タイプ/集団のための実験法によって見出される再刺激後に選択され得る。この
技法は、次いで細胞周期のG1又はG1/S相境界で細胞を停止する(即ち、ヒドロキ
シ尿素又はアフィディコリンで処理する)任意の技法と組み合わせてもよい。
【0018】S相 S相細胞は、複製手順の任意の点を妨げる任意の化学薬品(例えば、鎖伸長を
濃度依存方法で抑制するアフィディコリン、酵素リボヌクレオチドレダクターゼ
を抑制するヒドロキシ尿素)での処理により選択し、又は濃縮され得る。細胞周
期の任意のその他の段階で同期化された細胞は放出されてもよく、放出後S相の
タイミングは実験的に決定される。さらに、これら2つの方法は、組み合わせて
もよく、又はその他の選択又は同期化手順又は利用されるその組み合わせであっ
てもよい。
【0019】G2相 G2相細胞は、任意の物理的、化学的又は選択的方法により同期化された増殖集
団から選択してもよい。あるいは、G2細胞は、S相の完了後及び有糸分裂の開始
前に、特異的に細胞周期を停止する任意の薬剤での同期化又は非同期化細胞集団
の処理によって濃縮してもよい。M相 有糸分裂細胞は、有糸分裂シェイクオフ、水簸、FAC's(蛍光標示式細胞分取
)等の可能な任意の方法を用いて非同期化集団から選択してもよいが、これらに
限定されない。あるいは、細胞は、微小管分裂剤(例えばコルセミド又はノコダ
ゾール)での処理、DMAP又はその他の任意のセリンスレオニン蛋白質キナーゼ阻
害剤での処理、又は正常な増殖の進行を乱し及び有糸分裂で停止させるその他の
任意の化学的又は物理的方法により有糸分裂で停止してもよい。非同期化細胞集団 非同期化細胞集団は、任意の胚性胎児又は成体組織から得てもよく、in vitro又
は胚、胎児、若年又は成体動物から直接除去される任意の細胞で培養されてもよ
い。非同期化細胞は細胞として定義され、その細胞周期段階はレシピエントサイ
トプラストへの移植の時にはわからない。
【0020】核移植 I) 卵母細胞 好適なサイトプラストレシピエントとして作用する卵母細胞は種々の技法及び
プロトコルを用いて得られ、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない
。 i) 屠殺で又は外科的に除去して得られる卵巣から濾胞吸引後のin vitro成熟
。 ii) 経膣的濾胞穿刺、続いてin vitroでの成熟。 iii) 排卵前の経膣的濾胞穿刺による収集を除いたin vivo成熟、次いで成熟は
in vitroで完成する。 iv) in vivo成熟及び外科的回収。 v) in vivo成熟及び屠殺で回収。
【0021】 すべてのin vivo成熟卵母細胞は、0.1%の胎児ウシ血清(FCS)を含むカルシ
ウムマグネシウムフリーリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(又はカルシウム及びマ
グネシウムイオンのないその他の好適な培地)で卵管から洗い流すことにより収
集されることが好ましいが、必須ではない。同様に、in vitro成熟卵母細胞は収
集され、カルシウム及びマグネシウムイオンのない好適な培地(例えば、カルシ
ウム及びマグネシウムイオンの添加なしに提供されるM2培地)に移される。選択
された培地は、FCS、BSA又はその他の蛋白質源で補充してもよい。卵母細胞は、
卵丘細胞から剥皮され、カルシウムフリー培地は必須ではないがすべての手順で
好ましいことを除いて、以前に記載したのように(Campbellら, 1993, 1994)除
核される。融合手順は、以前に報告したもの(Campbellら, 1993, 1994)の修正
であり、以下の関連するセクションで記載され、あるいは核は、除核された卵母
細胞に、ドナー細胞のマニュアル注入によって(Ritchie and Campbell, J. Re
production and Fertility Abstract Series No. 15, p60)又はマウスで実証さ
れたように商業的に入手可能なピエゾ注入器を用いて(Wakayamaら, 1998)、導
入してもよい。これらのイベントのタイミングは種に依存する。本明細書に記載
されるプロトコルの概要は、in vitro又はin vivo産生接合体の使用と結合したi
n vivo及びin vitro成熟ヒツジ、ウシ及びブタの卵母細胞の使用を定義する。本
手順は、これらの定義されたプロトコルに限定されない。
【0022】II)接合体 第二核移植のためのレシピエントとして作用するために、(活性化前の、活性
化と同時の又は活性化の後の)受精した接合体又は卵母細胞が要求される。現時
点で受精した接合体は好ましいが、必須ではない。成熟卵母細胞は、上で概要を
述べたいずれの手順によって得てもよい。遺伝物質は、前述の通りに卵母細胞か
ら除去してもよい。卵母細胞は、活性化を生じ、発生を刺激する任意の物理的又
は化学的刺激又はそれらの組み合わせにより、成熟卵母細胞を処理することによ
って活性化してもよい。活性化刺激の適用のタイミングは、種及び成熟の方法の
両方によっていくらか異なる。受精した接合体は、上記源のいずれかから得た、
又は刺激又は非刺激ドナー動物を用いた接合又はAI後ex vivoで別に回収した、
成熟卵母細胞のin vitro受精によって得てもよい。
【0023】第一段階核移植胚再構築 細胞周期の異なる段階でドナー細胞は、胚再構築で使用してもよい。使用され
たサイトプラストレシピエント及び任意の必要な追加の処理は、ドナー及びレシ
ピエント細胞の細胞周期段階に依存していくらか異なっている。表1は、一連の
可能な組み合わせを示す。 実際に、いずれの方法を使用してもよく、1つ以上の前核のような構造、好ま
しくは通常の二倍体又は四倍体の産生において生じる。
【0024】第二段階核移植 本発明の第二段階において、第一核移植再構築された胚由来の前核のような構
造(好ましくは核の腫大した形態として同一視される)は、除核されたMII(活
性化前に、活性化と同時に、又は活性化後に)又は活性化パルテノーテ(parthe
note)又は前核の除去によって除核される受精した接合体に移植される。これら
の各サイトプラストレシピエントは、第二核移植に適しているが、実際に除核し
、受精した接合体が好ましい選択である。第二核移植のためにサイトプラストレ
シピエントとして作用する接合体は、in vivo又はin vitro産生してもよいが、
実際にin vivo産生接合体の使用がここで選択される方法である。あるいは、第
一核移植胚の発生から生じるいずれの細胞又はこの胚に由来する培養細胞集団は
、第二核移植胚の産生のために遺伝物質のドナーとして使用してもよい。
【0025】活性化卵母細胞又は接合体の源 任意のin vitro又はin vivo源から得られ、続いてin vitroで成熟される卵母
細胞又はin vivoで成熟される卵母細胞は、除核、続いて活性化の後又は活性化
、続いて除核の後の第二核移植のためにレシピエントとして使用してもよい。実
際に、第二核移植のためにレシピエントサイトプラストは受精した接合体から提
供されることが好ましい。第二核移植のためにサイトプラストレシピエントの産
生に必要な接合体は、任意の好適な源から得てもよく、その源としては、好適な
ドナー動物から回収されるin vivo産生された受精した接合体が挙げられるが、
これに限定されない。接合体は、自然接合、過排卵後自然接合、又は新鮮な又は
凍結した精液を用いるAIによって産生してもよい。あるいは、受精した接合体は
in vitroで産生してもよい。in vitro産生は、過排卵によって又は過排卵なしで
好適なドナーからin vivoで成熟された卵母細胞で、又は屠殺場物質から回収後
又はin vivoで濾胞吸引後in vitroで成熟された卵母細胞を用いて行ってもよい
。実際に、第二核移植のために接合体は、成熟及びin vivo受精の後、得られる
ものが好ましい。
【0026】接合体の除核 成功した受精の後、新たに形成した接合体の雄性及び雌性の染色質は脱凝集し
(decondense)、2つの前核を形成する。遺伝物質は受精後、任意の時点で除去
してもよい。しかし、実際に選択された本方法は、前核の形成後、遺伝物質を除
去することである。細胞質の性質のために、受精した接合体由来の前核を可視化
し、除去することはしばしば困難である。前核の可視化は、その操作前に接合体
の遠心分離によって促進してもよいが、これは必須ではない。第一核移植胚由来のカリオプラストドナーの提供 第一核移植再構築された胚で形成される前核は、除去され、第二サイトプラス
トレシピエントに移植されなけらばならない。前核を視覚化するために、好まし
くは胚は遠心分離される。次いで、細胞質によって囲まれ及び細胞膜で包まれた
前核の吸引が、好ましくは顕微手術によって行われる。この方法を促進するため
、胚は1つ以上の細胞骨格を分裂させる化学物質(例えば、サイトカラシンB又
はノコダゾール)での処理によりより柔軟に与えてもよいが、必須ではない。遠
心分離された胚は、選択した薬剤でプレインキュベートされ、次いで操作チャン
バーに移される。微細なガラスピペットを使用して、前核を含むカリオプラスト
を吸引する。
【0027】第二核移植胚の再構築 第一核移植胚から形成されるカリオプラストは、前核のような構造内に含まれ
る遺伝物質を除核された第二レシピエントサイトプラストに移植するために使用
される。ウイルス的、化学的又は電気的手法によりサイトプラストにカリオプラ
ストの融合を含む任意の移植方法を使用してもよく、あるいは前核をレシピエン
ト細胞に注入してもよい。前核のサイズのために、遺伝物質は細胞融合の方法で
移植されることが好ましいが、必須ではない。細胞融合のために、カリオプラス
トは、第二サイトプラストレシピエントの透明帯の下に移植され、除核された接
合体と接触して配置される。次いで細胞融合を含む任意の物理的、化学的又はウ
イルス的方法を適用してもよい。しかし、現時点では、電気的融合を使用するこ
とが好ましいが、必須ではない。電気的融合のために、カプレットは好適な融合
チャンバーの好適な培地に配置される。次いでDC電気パルスは、サイトプラスト
とカリオプラストとの間の接触面に直角にカプレットに印加される。AC電気パル
スは、初めに、サイトプラストとカリオプラストの間の接触を整列させ及び/又
は増加させるために使用してもよい。電気パルスの持続時間及びタイミングは、
すべて融合の頻度に影響し、実験法により最適化され得る。
【0028】第二核移植胚の培養 第二核移植胚の再構築の後、さらに発生は、最終代理レシピエントへの移植に
適した発生段階へ到達されるまで、in vitroで好適な培地に培養することによっ
て行ってもよい。あるいは、再構築された胚は、好適で、同期化された中間レシ
ピエントの結紮した卵管内で、最終代理レシピエントへの移植のために適した発
生段階に達するのに充分な時間で、培養してもよい。又は、現在ではブタの種で
選択される方法であり、第二核移植再構築された胚は最終代理レシピエントに直
接移植され、妊娠はホルモン処理によって維持される(下記参照)。
【0029】最終代理レシピエントへの移植 再構築された胚は、タームまでの発育のために同期化された最終レシピエント
への移植のために適した任意の段階へ、in vitro又はin vivoのいずれの方法に
よって培養してもよい。あるいは、再構築された胚は、出来るだけ早く、ターム
までの発育のために同期化されたレシピエントに移植してもよい。後者の方法は
、現在ブタ種で選択されている方法である。この状況において、最終レシピエン
トの妊娠の誘発及び維持は、以下の手順のいずれによっても達成され得る。 移植の際に、核移植再構築された胚として同一の発生段階でin vivo産生され
た胚は、核移植と共に移植してもよい。あるいは、レシピエントは、妊娠を維持
するためにホルモンの組み合わせで処理してもよい(Christensonら, J. Animal
Science 1971; 32:282-286)。 本発明は、すべての段階のトランスジェニック動物を提供する当業界で知られ
ている遺伝子組換えを包含する。用語“トランスジェニック”は、生殖系列が組
換えDNA技術による技術的介入の対象である任意の動物段階に広く適用される。
このことは、他の種同様に生殖系列内在性遺伝子が、削除され、複製され、活性
化され、又は改変されている動物由来の遺伝物質の導入を含む。
【0030】 遺伝物質(ドナー核)は、二重核移植方法論において、いずれの段階でも改変
され得る。最も好ましくは、組換え処置は第一核移植工程前に行われる。組換え
処置は、第一及び第二核移植工程の間で行ってもよい。 第一核移植工程前の組換え処置のために、遺伝物質は、好ましくは株化細胞改
変の一部として改変され、又は以前に改変された動物から得られる。選択のレベ
ルは、核移植工程についてドナー核を同定するために導入され得る。あるいは、
又はさらに、組換え処置は第一核移植工程後、第二核移植工程前に行われ得る。
このシナリオにおいて、同一又は異なる方法によって、得られた細胞を遺伝子組
換えしてもよい。 核物質を遺伝子組換えするために好適な組換え技術は、当業界においてよく知
られている。該技術としては、WO97/07669、WO97/07668、US5,612,205、US5,721
,367、WO99/01164、WO99/21415、US5,945,577及びWO98/37183で議論され、開示
された方法が挙げられる。
【0031】本発明は、核移植による胚再構築のためにサイトプラストレシピエントとして除 核されない卵母細胞の使用を含む。 核移植によって再構築された胚の発生は、レシピエント細胞質及びドナー核両
方の細胞周期段階を含む多くの因子に依存する。マウスの早期胚の割球を同期化
するための能力はサイトプラスト/カリオプラスト細胞周期の組み合わせの詳細
な研究を許容する。マウスにおける報告は、遺伝物質のドナーとして有糸分裂の
停止した細胞の使用を示した(Kwon and Kono, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.
93, 13010-13013)。簡単に、有糸分裂において停止したノコダゾール処理され
る胚を由来の割球は移植されて、MII卵母細胞を除核する。極体の追放はサイト
カラシンBでの処理によって阻害され、これは2つの二倍体(前)核の形成を生
じる。次いで、これらの各核は、個々に、除核された接合体に移植される。この
方法を使用して、これらの著者は、単一の4細胞胚から6つの同一の子を産生した
。Otaegui及び共同研究者らによる別の研究において(未発表)、結果は、ドナ
ー細胞周期の遅いG2相及び早期G1相の際に、染色質は再度直接、より発生できる
ことを示唆する。同時に、これら二つの研究は、遅いG2、M及び早期G1の際に、
許容状態が存在し、核リプログラミングを許容することを示唆する。これらの観
察についての1つの可能な説明は、これら細胞周期相の際に、濃縮の結果として
、ある種の因子は染色質から置換されることであり、こうして因子に由来する卵
母細胞の接近を許容する。この仮説は2種類の証拠によって支持される。第一に
、有糸分裂の際、新生の転写物及び転写因子は染色質から置換され(Schermoen,
A.W. and O'Farrell, P.H. (1991) Cell. 67, 303-310. Martinez-Balbasら, C
ell. 83, 29-38)、第二に、遺伝物質ドナーとして有糸分裂の停止した割球を用
いた生きた子孫の産生である(Kwon and Kone, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.
93, 13010-13013)。
【0032】 核ドナーとして体細胞を使用する場合、細胞周期のG0相(静止状態)で停止し
た細胞は、核移植再構築された胚のタームまでに直接発育できることが示された
。静止状態の細胞の染色質は、凝縮を起こすことが報告され、また、これら細胞
は転写及び翻訳の減少を示し、mRNAは能動的に分割され、変化はポリリボソーム
で生じる(Whitfield, J.F.ら, (1985) 'Control of Animal cell proliferatio
n' (Eds Boynton, A.L. and Leffert, H.L.) pp331-365 (Academic Press Inc:
London))。静止状態細胞は、それらの代謝を、生存度を維持するために要求さ
れるものに減少する。概念的に、G0で停止し、分化して釣り合った細胞の染色質
は、種々のシグナルに応答することをより受け入れることが予想される。あるい
は、単に、染色質に核移植後遺伝子発現を制御する母系卵母細胞細胞質因子に応
答させる‘より無(more null)’の状態であってもよい。この仮説は、核ドナ
ーとして胚割球を用いるマウスにおける以前の観測によって支持される(上記参
照)。これらの報告において、遅いG2相、M相のドナー及び早期G1相の核は(そ
の染色質脱凝縮は不完全である)、遅いG1、S又は早期G2ドナーよりも大きい発
生ポテンシャルを有する。これらのより成功したドナー核において、ドナー細胞
の染色質凝縮のための転写因子の放出は、移植後染色質が脱凝縮するように、卵
母細胞細胞質因子の接近をより大きくさせることを推測する。この仮説の別の支
持は、有糸分裂の際、転写因子結合親和性が同様に残存するが、これらの因子は
その凝縮により染色質から排除されることを示す培養細胞の研究による(Martin
ez-Balbasら, Cell. 83, 29-38)。近年、その他の研究者らは、転写不活性遺伝
子がサイクリングの核の動原体性異種染色質に局在化させるが、静止状態の一次
B-リンパ球に局在化させないことを示した。増殖周期に再び入るための停止状
態細胞の刺激は、動原体性領域に不活性位置を変える(Brownら, Mol Cell Bio.
3, 207-217)。こうして、静止状態細胞の染色質は、遺伝子発現の‘リプログ
ラミング’に関係する核移植後の構造変化をより受け入れる。
【0033】 ドナー及びレシピエント細胞の異なる細胞周期の組み合わせを使用するための
能力は、種に依存する。マウスにおいて、無傷の組織化紡錘体は、G2相核又はM
相核が除核されたMII卵母細胞に移植される場合に得られる。活性化において、
“擬有糸分裂/減数分裂”イベントが生じ、極体は追放され、二倍体核が形成さ
れる。サイトカラシンBでの処理による極体娩出の別の抑制は、2つの二倍体前
核で四倍体胚になる。これらの各前核は、除核された接合体の核ドナーとして使
用され得る(うまく)。ウシ、ヒツジ及びブタにおいて、二倍体(G1)割球から
核の又は除核されたMII卵母細胞への体細胞の移植後、組織化紡錘体は観測され
ず、組織化紡錘体が実際に形成されないことを示唆する極体追放の報告はない。
同様にウシにおいて、G2核が除核されたMII卵母細胞に移植される場合、組織化
紡錘体は観測されないが、卵母細胞が除核されない場合、2つの組織化紡錘体は
観測され、第一に本来の卵母細胞MII及び第二にドナー核に由来した染色体の組
織化である。 紡錘体の組織化におけるこれらの相違は、利益を得るのに使用され得る。細胞
周期のG2相又はM相の核は、I)最初の減数分裂のメタフェーズ以降の時点(即ち
MI及びMIIの間)、又はii)MIIで成熟卵母細胞に移植され得る。MIIで、1つは母
系のDNAに由来し、その他は移植されたDNAに由来する2つの紡錘体が存在する。
レシピエント卵母細胞の活性化は、当業界で知られている方法(即ち、培養、操
作又は融合培地からのカルシウムの除去)によって防止され得る。次いで、染色
体に凝縮された移植染色質は、レシピエント細胞質に、レシピエント卵母細胞の
種及び年齢に依存する期間について、条件をつけられる。母系の染色質は、ドナ
ー染色質を含む無傷の紡錘体の形成後、又は再構築された胚の活性化の後除去し
てもよい。活性化は、紡錘体統合性が維持されるべきことを除き、当業界に共通
の方法によって達成してもよい。活性化において、移植DNAは、擬有糸分裂/減
数分裂を経験し、極体を追放して、二倍体胚を提供する。あるいは、極体の追放
は、当業界に共通の化合物(例えばサイトカラシンB)で防止され、生じた接合
体は、除核された接合体又は活性化され、除核された卵母細胞への移植のために
使用される2つの二倍体前核を有する。
【0034】 本来の卵母細胞又は母系DNAは選択的に除去され、以下の多くの方法によって
同定される。 1. 第一極体の観測及び活性化前の極体の直下から細胞質及び減数分裂紡錘体の
吸引によって、これは、増加する年齢で分解される極体として、レシピエント卵
母細胞の年齢に依存する。 2. 母系又はドナー染色質は、再構築前に、活性化前に染色された又は染色され
ない染色体の選択的な除去を許容するDNA特定染料で選択的に染色してもよい。 3. 第3として、活性化後の染色体の又は前核のその後の除去。 4. G0特定プロモーター配列によって派生した特定のマーカー遺伝子を含むトラ
ンスジェニックドナー細胞の使用による。
【0035】 除核されない卵母細胞の使用の例 上述の第一核移植方法のレシピエントとして卵母細胞の産生のために記載され
たプロトコルは、除核されない卵母細胞の使用にすべて適している。ドナー核の
移植は、ピエゾの使用を含む任意の方法による電気的、化学的又はウイルス的誘
発融合又は注入を使用して前述のように達成され得る。ドナー核の移植後の除核
は、当業界で知られている任意の方法によって達成され得る。種々の手順のタイ
ミングは、種によって異なり、卵母細胞の源に依存し、実験的に決定される。 ドナー細胞は、好適なDNA特定蛍光色素に配置されるべきであり、DNAを染色し
(即ち、1マイクログラムのHoescht 3332を培地に10分間)、続いて染色のない
培地でインキュベートした。核の移植は、当業者によく知られた卵母細胞の細胞
壁の小さな結節の出現によって微視的に観測されてもよい第一減数分裂の終期の
出現の後、任意の時間で行われる。レシピエント卵母細胞の操作及び再構築は、
好ましくは活性化を防止するためにカルシウムのない培地で行われる。次いで再
構築された卵母細胞は、母系DNAが除去されるまで培養される。充分な時間は、
有糸分裂紡錘体の形成のために許容される(これは、種間、培養条件及び再構築
のタイミングで異なる)。終期1レシピエントの場合に、充分な時間は卵母細胞
母系染色質をMIIに到達させる。母系染色質の除核は、染色された染色質の可視
化及び同定のためにUV光に短時間曝露されてMIIで達成してもよい。あるいは、
卵母細胞を活性化し、次いで前核の形成前及び後に任意の時間でドナー染色質の
同定のためにUVで露光してもよい。母系染色質の除去及び活性化の後、推定的な
接合体はタームまでの発育のために同期化された最終レシピエントに移植するた
めに好適な段階に当業界で知られた任意の方法によって培養される。 除核されない卵母細胞は、好ましくは第一核移植工程で使用される。それは第
二で使用してもよい。
【0036】実施例 以下の実施例は本発明を限定するものではなく、本発明の種々の局面の単なる
例示である。I) ブタの核移植のプロトコル ブタのin vivo成熟卵母細胞の収集のための同期化手順 ブタのin vivo成熟卵母細胞の収集のための好適な手順を以下に記載する。実
際に、好適な卵母細胞の産生を生じるいずれの手順を使用してもよい。 アルトレノジスト(Regu-Mate, 18 mg/day, 9 AM)を5から9日間与え、周期の
12日目から16日目で始めた(0日目は加温する)。加温ができない場合には、ア
ルトレノジストを14日間与える。最後のアルトレノジスト摂取の際、Estrumate
を未経産雌ブタに注入した(IM, 1.0 ml, 9 AM)。最後のアルトレノジスト摂取
の後14時間で(11 PM)、eCG(ウマ絨毛性ゴナドトロピン、1500 IU IM)を注入
した。eCG注入の後80時間で(7 AM)、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン、1000 I
U、IM)を注入した。hCG注入の後50時間で(9 AM)、卵母細胞を収集した。
【0037】第一段階核移植胚再構築 プロトコルの範囲は、第一段階核移植で使用できる。それらの使用は、移植の
時にドナー細胞核の細胞周期段階で指示される。1. “マジック”(サイトプラストを許容するメタフェーズ停止G1/G0) 除核された卵母細胞を、10%のFCSを含むカルシウムフリー培地で、39℃で維
持した。第一段階核移植において、ピエゾ促進注入によってドナー遺伝物質を除
核された卵母細胞に導入することは、現在好ましいが、必須ではない。注入を促
進するために、サイトプラストレシピエントは、13,000×Gで5分間遠心分離して
もよい。ドナー細胞を、12%のポリビニルピロリドンを含む(必要により)培地
に配置し、細胞を注入ピペットに引き出し、次いで卵母細胞に注入し、細胞膜を
、適したサイズのピペットの選択及び/又はピエゾ振動のバーストの適用及び繰
り返しピペットで取ることにより内在的に傷つけてもよい。注入ピペットのサイ
ズは細胞のサイズに依存する。あるいは、核の移植を細胞融合によって達成して
もよい。除核後できるだけ素早く単細胞を、ガラスピペットを用いて卵母細胞と
接触させて配置し、透明帯に予め作製した孔を通して細胞に移植した。次いでサ
イトプラスト/細胞カプレットを融合チャンバーの融合培地(H2O に0.1 mMのMg
SO4及び0.05 mMのCaCl2を含めて補充した0.3 MのD-ソルビトール、重量モル浸透
圧濃度280 mOsM)に移した。カプレットを電極間にマニュアルで配列した。1 kV
/cmの2つのDCパルスを5秒の間隔で60マイクロ秒間印加することにより、融合を
誘発した。次いでカプレットを10%のFCSで補充したカルシウムフリー培地で、3
7℃で洗浄し、同一培地で、油の下で37℃ 5% CO2でインキュベートした。活性
化前に30分、カプレットを5μMのノコダゾールを含む10% FCSのカルシウムフリ
ー培地に移した。活性化を以下に記載した通りに誘発し、活性化の後、再構築さ
れた接合体を、培地NCSU23で、10% FCS 、37℃ 5% CO2でさらに3時間インキュ
ベートした。次いでそれらを3回5分間37℃でノコダゾールを含まない同じ培地で
洗浄し、さらに第二段階核移植胚再構築のために核ドナーとして使用される前に
、前核の形成に充分な時間で培養した。あるいは、ドナー核は、マニュアル又は
ピエゾ促進注入のいずれかによって、又は細胞融合を産生する任意のその他の化
学的又は物理的方法によって移植してもよい。
【0038】2. “ヤギ”(G0/G1活性化及び移植) 除核された卵母細胞を成熟培地に戻した。成熟の開始後30又は42時間、単細胞
を除核された卵母細胞に接触させて配置した。カプレットを、H2O に0.1 mMのMg
SO4及び0.05 mMのCaCl2を含めて補充した0.3 MのD-ソルビトール、重量モル浸透
圧濃度280 mOsMの培地の融合チャンバー(以下参照)に移した。1 kV/cmの2つの
DCパルスを5秒の間隔で60マイクロ秒間印加して、融合及び活性化を誘発した。
次いでカプレットをNCSU23 10% FCSで洗浄し、さらに第二段階核移植胚再構築
のための核ドナーとして使用される前に前核の形成に充分な時間、37℃ 5% CO2 でインキュベートした。あるいは、ドナー核は、マニュアル又はピエゾ促進注入
のいずれかによって、又は細胞融合を産生する任意のその他の化学的又は物理的
方法によって移植してもよい。
【0039】3. “汎用性のレシピエント” 除核された卵母細胞を活性化し(以下に記載したように)、NCSU23 10% FCS
で 37℃ 5% CO2で培養した。MPF活性の減衰の後、次いで単細胞を卵母細胞と接
触させて配置し、以下に記載したように融合を誘発した。次いでカプレットを、
さらに第二段階核移植胚再構築のための核ドナーとして使用される前に前核の形
成に充分な時間、NCSU23 10% FCSで 37℃ 5% CO2で培養した。あるいは、ドナ
ー核は、マニュアル又はピエゾ促進注入のいずれかによって、又は細胞融合を産
生する任意のその他の化学的又は物理的方法によって移植してもよい。
【0040】第二核移植胚再構築のためのサイトプラストの調製 好適なサイトプラストは、‘汎用性のレシピエント’に記載されたように除核
された卵母細胞の活性化によって調製してもよい。あるいは、現在では好ましく
、サイトプラストレシピエントは、任意のin vivo又はin vitro産生接合体から
調製してもよい。前核形成後、接合体は、好適な緩衝培地で、13,000×gで5分間
遠心分離し、これは前核の可視化を促進するが、必須ではない。遠心分離された
接合体を好適な培地の操作チャンバーに配置し(上記のように)、2つの前核を
含む細胞質の1部をマイクロピペットを使用して吸引した。
【0041】第二段階核移植胚再構築 ブタのin vivo受精1-細胞接合体の収集のための同期化手順 ブタのin vivo成熟卵母細胞の収集のための好適な手順を以下に記載する。実
際に、好適な卵母細胞の産生を生じるいずれの手順を使用してもよい。 アルトレノジスト(Regu-Mate, 18 mg/day, 9 AM)を5から9日間与え、周期の
12日目から16日目で始めた(0日目は加温する)。加温ができない場合には、ア
ルトレノジストを14日間与える。最後のアルトレノジスト摂取の際、Estrumate
を未経産雌ブタに注入した(IM, 1.0 ml, 9 AM)。最後のアルトレノジスト摂取
の後14時間(11 PM)で、eCG(ウマ絨毛性ゴナドトロピン、1500 IU IM)を注入
した。eCG注入の後79時間(6 AM)で、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン、1000 I
U、IM)を注入した。hCG注入の後24及び36時間で、人工的に媒精した。hCG注入
の後(正午)50時間で、胚を収集した。
【0042】第二段階核移植胚の再構築 第一核移植胚由来の細胞質の1部及び膜結合によって囲まれた前核の吸引によ
って形成されたカリオプラストをサイトプラストと接触して第二レシピエントサ
イトプラストの透明帯の下に配置した。カリオプラスト及びサイトプラストの融
合を以下に記載したように、又は任意のその他の方法によって行った。あるいは
、カリオプラスト、前核又は細胞質の1部によって囲まれた前核は、第二核移植
胚に注入してもよい。
【0043】再構築された胚の培養 再構築された胚は、任意の好適な培地及び条件(例えば、10% FCSで補充した
NCSU培地、37℃、5.0% CO2の加湿した大気)を用いてin vitroで培養してもよ
い。あるいは、現在ブタの種で選択した方法であるように、再構築された胚は、
タームまでの発育のために同期化された最終レシピエントに直接移植してもよい
。同期化されたレシピエントへの胚の移植は、よい胚及び胎児の発生を支持する
ために決定される。コントロール実験において、ブタの接合体は、核移植手順の
際に生じる透明帯の損傷を模倣するために、見せ掛けの操作がされる。次いで、
これらの操作された胚を、好適なレシピエントに移植した。その後、レシピエン
トを犠牲にし、移植された胚の発生を評価した(表2)。
【0044】
【表1】 表2. in vivo派生顕微操作したブタの接合体を用いた胚発生及び妊娠誘発。
2つの孔を、核移植顕微操作を模倣するために透明帯に除核ピペットで作製した
。次いで、胚をレシピエントに移植した。
【0045】 操作された胚は、胚盤胞及び健康な胎児を発生することができた。融合及び活性化 活性化のために、卵母細胞をH2O に0.1 mMのMgSO4及び0.05 mMのCaCl2を含め
て補充した0.3 MのD-ソルビトール、重量モル浸透圧濃度280 mOsMの活性化培地
の2つの平行電極間に配置した。1 kV/cmの2つのDCパルスを5秒の間隔で60マイク
ロ秒間印加して、活性化を誘発した。この活性化手順は、単為生殖の胚の発生を
胚盤胞段階に促進する(表3参照)。しかし、任意のその他の好適な培地を使用
してもよい(例えば、蒸留水中に0.3 Mのマンにトール、0.1 mMのMgSO4、0.001
mMのCaCl2(Willadsen、1986))。任意の好適な活性化パルスを使用してもよい
(例えば1.25 kV/cmの1つのDCパルスを80マイクロ秒間)。融合のために、除核
された卵母細胞及び細胞の間の接触面が電極に平行に配列することに加えて、操
作された胚を同様の方法で処理した。3 VのAC電流を5秒間印加した後、1.0 kV/c
mのDCパルスを5秒の間隔で60マイクロ秒間印加して、融合を誘発した。
【0046】
【表2】 表3. 異なる年齢で電気的に活性化したブタの卵母細胞の胚盤胞段階への発生
【0047】胚培養及び評価(すべてのグループ) 再構築の後、胚は、以下に挙げる当業者に知られた種々の技法によって培養し
てもよい。好適な培地でのin vitro培養又は最終代理レシピエントへ移植するた
めの段階まで好適なレシピエント宿主の結紮した卵管でのin vivo培養。あるい
は、現在ブタの種において選択された方法であるが必須ではなく、第二段階再構
築された胚は、タームまでの発育のために好適な同期化された最終レシピエント
宿主の卵管に直接移植してもよい(表4及び5参照)。
【0048】
【表3】 表4. ブタの二重核移植胚の発生。第一段階核胚を、ブタのin vivo母系除核
された卵母細胞への二倍体第一繊維芽細胞のピエゾ注入により再構築した。ブタ
のin vivo産生した接合体で使用される第二段階核移植。再構築された胚を、同
期化されたレシピエントの雌ブタの卵管に移植し、発生を評価するために6日目
に回収した。
【0049】
【表4】 表5. 二重核移植胚を直接、同期化された最終レシピエントへ移植した後の妊
娠結果
【0050】核移植再構築された胚のための代理レシピエントの調製のための同期化手順 以下の相違で、接合体の調製のために使用した同一の方法(eCGなし、AIなし
及び1.5日後)。代理レシピエントの妊娠の維持のための手順 最終レシピエントにおいて妊娠を維持するために、再構築された胚と同じ発生
段階でin vivo産生された胚を核移植胚とともに移植してもよい。あるいは、現
在ブタの種において好ましいため、最終レシピエントをホルモン処理し、以下の
方法で妊娠を維持してもよい(妊娠の9日目又は10日目でeCG(1000 IU)、3から
3.5日後hCG(500 IU))。
【0051】II) ヒツジの核移植のためのプロトコル 材料及び方法 ドナー雌ヒツジ過剰刺激及び卵母細胞の回収 スコティッシュブラックフェース雌ヒツジを14日間プロゲスターゲンスポンジ
で同期化し(Veramix、Upjohn、UK)、2日間連続的に3.0 mg/day(合計6.0 mg)
のヒツジの濾胞刺激ホルモン(FSH)(Ovagen、Immunochemical Products Ltd.
New Zealand)の一回の注入で過排卵させるために誘発した。FSHの第二注入後24
時間で、排卵を、8 mgのゴナドトロピン放出ホルモン類縁体(GnRH Receptal、H
oechst. UK.)の一回の投与で誘発した。未受精メタフェーズII卵母細胞を、GnR
H注入後24から29時間で卵管から、使用するまで37℃で維持された1.0%の胎児ウ
シ血清(FCS)を含むダルベッコのリン酸緩衝食塩水を用いて、洗い流しにより
回収した。卵母細胞操作 回収された卵母細胞を37℃に維持し、PBS 1.0% FCSで洗浄し、10%の胎児ウ
シ血清(FCS)を含むカルシウムフリーM2培地に、37℃で移した。染色体を除去
するために(除核)、卵母細胞を、10%のFCS、7.5 ug/mlのサイトカラシンB(
Sigma)(サイトカラシンは必要により)及び5.0 ug/mlのHoechst 33342(Sigma
)を含むカルシウムフリーM2倍地に、37℃で20分間配置した。次いで、第一極体
直下から少量の細胞質を20 μMガラスピペットを用いて吸引した。除核は、細胞
質の吸引部分をUV光に曝し、メタフェーズプレートの存在について調べることに
より確認した。
【0052】第一段階核移植胚再構築 プロトコルの範囲は第一段階核移植について利用できる。それらの使用は、移
植の際に、ドナー細胞核の細胞周期段階によって指示される。胚再構築 10から20の卵母細胞のグループを除核し、カルシウムフリーM2培地の20 μl液
滴に、37℃ 5% CO2で鉱油(SIGMA)の下で配置した。3つのプロトコルを胚再構
築のために使用した。1. “マジック”(サイトプラストを許容するメタフェーズ停止G1/G0) 除核後、できるだけ素早く単細胞を、ガラスピペットを用いて卵母細胞と接触
させて配置し、透明帯に予め作られた孔を通して細胞に移植した。次いで、サイ
トプラスト/細胞カプレットを、200 μlの蒸留水に0.3 Mマンニトールを含む融
合チャンバーに移し、マニュアルで電極間に配置した。5 VのACパルスを3秒間印
加し、その後3つの1.25 kV/cmのD.C.パルスを80マイクロ秒間印加した。次いで
カプレットをカルシウムフリーM2 10% FCSで、37℃で洗浄し、同一の培地で、
油下、37℃ 5% CO2でインキュベートした。活性化後30分で、カプレットを5 μ
Mのノコダゾールを含むカルシウムフリーM2培地、10% FCSに移した。活性化を
、以下に記載した通りにhCG注入後32から34時間で誘発した。活性化後、再構築
された接合体を、培地TC199 10% FCSで、37℃ 5% CO2でさらに3時間インキュ
ベートした。次いでそれらを3回、5分間、37℃で、ノコダゾールを含まない同一
の培地で洗浄し、さらに第二段階核移植胚再構築のために核ドナーとして使用さ
れる前の前核の形成に充分な時間で培養した。あるいは、ドナー核は、マニュア
ル又はピエゾ促進注入によって、又は細胞融合を産生するその他の任意の化学的
又は物理的方法によって移植してもよい。
【0053】2. “ヤギ”(G0/G1活性化及び移植) hCG注入後32から34時間で、単細胞を除核された卵母細胞と接触させて配置し
た。カプレットを200 μlの蒸留水に0.3 Mのマンニトール、0.1 mMのMgSO4、0.0
01 mMのCaCl2を含む融合チャンバーに移した(下記参照)。融合及び活性化を、
3 VのAC.パルスを5秒間印加し、その後1.25 kV/Cmの3つのDC.パルスを80μ秒間
印加して誘発した。次いで、カプレットをTC199 10% FCS(この培地への7.5 μ
g/mlのサイトカラシンBの添加は、必要により行われる)で洗浄し、この培地で
1時間37℃ 5% CO2でインキュベートした。次いで、カプレットをTC199 10% FC
Sで洗浄し、さらに第二段階核移植胚再構築のために核ドナーとして使用される
前の前核の形成のために充分な時間で、TC199 10% FCSで37℃ 5% CO2で培養し
た。あるいは、ドナー核は、マニュアル又はピエゾ促進注入によって、又は細胞
融合を産生するその他の任意の化学的又は物理的方法によって移植してもよい。
【0054】3. “汎用性のレシピエント” 除核された卵母細胞を、hCG注入後32から34時間活性化し(以下に記載したよ
うに)、次いでTC199 10% FCSで37℃ 5% CO2で4から6時間培養した。次いで単
細胞を卵母細胞と接触させて配置し、以下に記載したように融合を誘発した。次
いでカプレットを、7.5 μgのサイトカラシンBを含むTC199 10% FCSで、1時間
37℃ 5% CO2でインキュベートした。次いでカプレットを洗浄し、さらに第二段
階核移植胚再構築のための核ドナーとして使用される前に前核の形成のために充
分な時間で、TC199 10% FCSで、37℃ 5% CO2で培養した。あるいは、ドナー核
は、マニュアル又はピエゾ促進注入のいずれかによって、又は細胞融合を産生す
る任意のその他の化学的又は物理的方法によって移植してもよい。
【0055】第二段階核移植胚再構築 接合体の収集 ドナー雌ヒツジの過剰刺激及び卵母細胞の回収 スコティッシュブラックフェース雌ヒツジを14日間プロゲスターゲンスポンジ
で同期化し(Veramix、Upjohn、UK)、2日間連続的に3.0 mg/day(合計6.0 mg)
のヒツジの濾胞刺激ホルモン(FSH)(Ovagen、Immunochemical Products Ltd.
New Zealand)の一回の注入で過排卵させるために誘発した。FSHの第二注入後24
時間で、排卵を、8 mgのゴナドトロピン放出ホルモン類縁体(GnRH Receptal、H
oechst. UK.)の一回の投与で誘発した。未受精メタフェーズII卵母細胞を、GnR
H注入後24から29時間で卵管から、使用するまで37℃で維持された1.0%の胎児ウ
シ血清(FCS)を含むダルベッコのリン酸緩衝食塩水を用いて、洗い流しにより
回収した。回収した卵母細胞を、当業者が利用できる技法を用いて、in vitroで
受精した。あるいは、過剰刺激雌ヒツジを掛け合わせ、新鮮な又は凍結した血清
を用いて人工授精によって受精した。受精した接合体を任意の好適な培地で卵管
から洗い出すことによって外科的に回収した。
【0056】第二核移植胚再構築のためのサイトプラストの調製 好適なサイトプラストは、‘汎用性のレシピエント’で記載したように除核さ
れた卵母細胞の活性化によって調製してもよい。あるいは、現在好適であるよう
に、サイトプラストレシピエントは、任意のin vivo又はin vitro産生接合体か
ら調製してもよい。前核形成後、接合体を好適な緩衝培地で、13,000×gで5分間
遠心分離してもよく、これは前核の可視化を促進するが、必須ではない。遠心分
離された接合体を好適な培地の操作チャンバーに配置し(上記のように)、2つ
の前核を含む細胞質の1部は、マイクロピペットを用いて停止させた。
【0057】第二段階核移植胚の再構築 第一核移植胚由来の細胞質の1部及び膜結合により囲まれた前核の吸引によっ
て形成されたカリオプラストをサイトプラストと接触して第二レシピエントサイ
トプラストの透明帯の下に配置した。カリオプラスト及びサイトプラストの融合
を以下のように、又は任意のその他の方法によって行った。あるいは、カリオプ
ラスト、前核又は細胞質の1部で囲まれた前核は、第二核移植胚に注入してもよ
い。融合及び活性化 活性化のために、卵母細胞を200 μlの蒸留水に0.3 Mのマンニトール、0.1 mM
のMgSO4、0.001 mMのCaCl2を含む2つの平行電極間に配置した(Willadsen, 1986
)。1.25 kV/cmの1つのDCパルスを80マイクロ秒間印加して、活性化を誘発した
。融合のために、除核された卵母細胞と細胞の間の接触面を電極に平行に配列す
ることを加えて、操作された胚を同様の方法で処理した。3 VのAC.電流を5秒間
印加し、その後1.25 kV/cmの3つのDCパルスを80マイクロ秒間印加して、融合を
誘発した。胚培養及び評価(すべてのグループ) 培養期間の後、融合したカプレットを、PBS(又は任意のその他の好適な保護
被覆材料)に1%及び1.2%の寒天(DIFCO)で二重に包埋し、非同期化雌ヒツジ
の結紮した卵管に移植した。6日後、レシピエント雌ヒツジを屠殺し、胚をPBS
10% FCSを用いて卵管から洗い流すことにより回収した。胚を2つの針を用いて
寒天チップから解剖し、発生を顕微鏡観察により評価した。桑実胚/胚盤胞段階
に発生したすべての胚を、できるだけ素早く同期化された最終レシピエント雌ヒ
ツジの子宮角に移植した。あるいは、第二段階再構築された胚は、タームまでの
発育のために好適な同期化された最終レシピエント宿主の卵管に直接移植しても
よい。
【0058】III) ウシの核移植のためのプロトコル 材料及び方法 核移植胚再構築のためのレシピエントとして使用するためにウシの卵母細胞及
び接合体は、任意の源から、又は当業者が利用できるいずれかの方法によって得
てもよい。以下の実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明の種々の局
面の単なる例示である。In vitro卵母細胞成熟 卵巣を地方の屠殺場から得て、実験室に輸送する間、28から32℃に保持した。
卵丘卵母細胞複合体(COC's)を、皮下針(内径1.2 mm)を用いて3から10 mmの
径で濾胞から吸引し、汎用性の無菌プラスチック容器に配置した。汎用性の容器
を暖めたチャンバー(35℃)に配置し、濾胞性材料を、上澄みの4分の3を注ぐ前
に10から15分間定着させた。残った濾胞性材料を、10%のウシ血清を補充した等
量の解剖培地(アール塩を有するTCM 199(Gibco)、75.0 mg/lのカナマイシン
、30.0 mMのHepes、pH 7.4、モル浸透圧濃度280 mOsmols/Kg H2O)で希釈し、85
mmのペトリ皿に移し、解剖顕微鏡下でCOC'sで調べた。少なくとも2から3の卵丘
細胞の緻密な層の複合体を選択し、解剖培地で3回洗浄し、10%のウシ血清及び1
×106顆粒膜 cell/mlで補充した成熟培地(アール塩を有するTC培地199(Gibco
)、75.0 mg/lのカナマイシン、30.0 mMのHepes、7.69 mMのNaHCO3、pH 7.8、モ
ル浸透圧濃度280 mOsmols/Kg H2O)に移し、ロッキングテーブルで要求されるま
で、39℃で空気中に5%のCO2の大気圧で培養した。
【0059】卵母細胞操作 成熟卵母細胞から成熟の開始後18時間で卵丘細胞をとった。次いで、剥皮卵母
細胞を、10%の胎児ウシ血清(FCS)を含むカルシウムフリーM2培地で洗浄し、
この培地に37℃で維持した。染色体を除去するために(除核)、卵母細胞を、10
%のFCS、7.5 μg/mlのサイトカラシンB(Sigma)及び5.0 μg/mlのHoechst 33
342(Sigma)を含むカルシウムフリーM2に37℃で20分間配置した。次いで、第一
極体直下から少量の細胞質を20 μMのガラスピペットを用いて吸引した。細胞質
の吸引した部分をUV光に曝し、メタフェーズプレートの存在を調べることにより
、除核を確認した。次いで、以下に記載するように、3つの各再構築方法で除核
された卵母細胞を使用した。
【0060】第一段階核移植胚再構築 プロトコルの範囲は第一段階核移植について利用できる。その利用は移植の際
にドナー細胞核の細胞周期段階によって指示される。1. “マジック”(サイトプラストを認めるメタフェーズ停止G1/G0) 除核後、できるだけ素早く除核された卵母細胞をカルシウムフリーM2 10%のF
CSに39℃で維持し、単細胞を、ガラスピペットを用いて卵母細胞と接触させて配
置し、透明帯に予め作製された孔を通して細胞に移植した。次いで、サイトプラ
スト/細胞カプレットを、200 μlの蒸留水に0.3 Mのマンニトールを含む融合チ
ャンバーに移した。そのカプレットをマニュアルで電極間に配置した。3 VのAC
パルスを5秒間印加し、その後1.25 kV/cmの3つのD.C.パルスを80マイクロ秒間印
加した。次いでそのカプレットをカルシウムフリーM2、10%のFCSで、37℃で洗
浄し、同一の培地で油下、37℃ 5% CO2でインキュベートした。活性化前30分で
、そのカプレットを5 μMのノコダゾールを含むカルシウムフリーM2培地、10%
のFCSに移した。以下に記載した通りに活性化を誘発し、活性化後、再構築され
た接合体を、培地TC199 10% FCSに37℃ 5% CO2で、さらに3時間インキュベー
トした。次いでそれらを3回5分間37℃で、ノコダゾールを含まない同一の培地で
洗浄し、さらに第二段階核移植胚再構築のために核ドナーとして使用される前の
前核の形成に充分な時間で培養した。あるいは、ドナー核は、マニュアル又はピ
エゾ促進注入によって、又は細胞融合を産生するその他の任意の化学的又は物理
的方法によって移植してもよい。
【0061】2. “ヤギ”(G0/G1活性化及び移植) 除核された卵母細胞を成熟培地に戻した。成熟の開始後30から42時間で、単細
胞を除核された卵母細胞と接触させて配置した。そのカプレットを200 μlの蒸
留水に0.3 Mのマンニトール、0.1 mMのMgSO4、0.001 mMのCaCl2を含む融合チャ
ンバー(下記参照)に移した。融合及び活性化を、3 VのAC.パルスを5秒間印加
し、その後1.25 kV/Cmの3つのDC.パルスを80μ秒間印加して誘発した。次いで、
そのカプレットをTC199 10% FCSで洗浄し、さらに第二段階核移植胚再構築のた
めに核ドナーとして使用される前の前核の形成のために充分な時間で、37℃ 5%
CO2で培養した。あるいは、ドナー核は、マニュアル又はピエゾ促進注入によっ
て、又は細胞融合を産生するその他の任意の化学的又は物理的方法によって移植
してもよい。
【0062】3. “汎用性のレシピエント” 除核された卵母細胞を、成熟の開始後30から42時間で活性化し(以下に記載し
たように)、次いでTC199 10% FCSに37℃ 5% CO2で8から10時間(30 hpmグル
ープ)又は4から6時間(42 hpmグループ)培養した。次いで単細胞を卵母細胞
と接触させて配置し、以下に記載したように融合を誘発した。次いで、そのカプ
レットを、さらに第二段階核移植胚再構築のための核ドナーとして使用される前
に前核の形成のために充分な時間、TC199 10% FCSに37℃ 5% CO2で培養した。
あるいは、ドナー核は、マニュアル又はピエゾ促進注入のいずれかによって、又
は細胞融合を産生する任意のその他の化学的又は物理的方法によって移植しても
よい。
【0063】第二段階核移植胚再構築 第二核移植胚再構築のためのサイトプラストの調製 好適なサイトプラストは、‘汎用性のレシピエント’で記載したように除核さ
れた卵母細胞の活性化によって調製してもよい。あるいは、現在好適であるよう
に、サイトプラストレシピエントは、任意のin vivo又はin vitro産生接合体か
ら調製してもよい。前核形成後、接合体を好適な緩衝培地で、13,000×gで5分間
遠心分離し、これは前核の可視化を促進するが、必須ではない。遠心分離された
接合体を好適な培地(上記のように)の操作チャンバーに配置し、2つの前核を
含む細胞質の1部はマイクロピペットを用いて停止した。第二段階核移植胚の再構築 第一核移植胚由来の細胞質の1部及び膜結合により囲まれた前核の吸引によっ
て形成されたカリオプラストをサイトプラストと接触して第二レシピエントサイ
トプラストの透明帯の下に配置した。カリオプラスト及びサイトプラストの融合
を以下のように、又は任意のその他の方法によって行った。あるいは、カリオプ
ラスト、前核又は細胞質の1部で囲まれた前核は、第二核移植胚に注入してもよ
い。
【0064】融合及び活性化 活性化のために、卵母細胞を200 μlの蒸留水に0.3 Mのマンニトール、0.1 mM
のMgSO4、0.001 mMのCaCl2を含む2つの平行電極間に配置した(Willadsen, 1986
)。1.25 kV/cmの1つのDCパルスを80マイクロ秒間印加して、活性化を誘発した
。融合のために、除核された卵母細胞と細胞の間の接触面を電極に平行に配列す
ることに加えて、操作された胚を同様の方法で処理した。3 VのAC.電流を5秒間
印加し、続いて1.25 kV/cmの3つのDCパルスを80マイクロ秒間印加して、融合を
誘発した。胚培養及び評価(すべてのグループ) 第二段階核移植後、融合されたカプレットを、PBSに1%及び1.2%の寒天(DIF
CO)で二重に包埋し、同期化又は非同期化雌ヒツジの結紮した卵管に移植した。
6日後、レシピエント雌ヒツジを屠殺し、胚をPBS 10% FCSを用いて卵管から洗
い流すことにより回収した。胚を2つの針を用いて寒天チップから解剖し、発生
を顕微鏡観察により評価した。あるいは、第二段階再構築された胚は、タームま
での発育のために好適な同期化した最終レシピエント宿主の卵管に直接移植して
もよい。
【0065】
【表5】 表1. 再構築された接合体の核の倍数性を維持するための第一NTについて、ド
ナー及びレシピエント細胞の可能な細胞周期の組み合わせ。 * 種に依存する。
【0066】IV. 核ドナーとして体細胞を用いるクローンブタの産生 核ドナー ブタの顆粒膜細胞の単離 顆粒膜細胞を卵巣濾胞から濾胞液の針吸引により収集した。卵巣を収集する動
物を卵母細胞収集のために使用したものと同様に用意した(下記の卵母細胞回収
参照)。濾胞を、10 mlのシリンジに取り付けた18ゲージ皮下針を用いて、卵巣
の皮質を通した浸透により吸引した。濾胞液を2から5mm径の範囲の濾胞から収集
し、15 mlの円錐体遠心分離チューブに配置し、1000rpmで10分間遠心分離した。
細胞ペレットを10%のFCS(Summit Biotech)、NEAA、2 ng/mlのbFGF及び6 μl/
mlのゲンタマイシンを含むDMEM(Gibco)に再懸濁した。細胞を数日間膨潤させ
て、次いで凍結保存した。
【0067】 核移植のための細胞の調製 ドナー細胞を35mm皿当たり1から5×104細胞で蒔き、NEAA(0.1 mM)、bFGF(2
ng/ml)及び10%の胎児ウシ血清で補充したDMEM培地に100%コンフルエンシー
に到達させた。二倍体DNA含量を有する健康な細胞の数を最大にするために、接
触阻害を細胞同期化で選択した。詳細については、細胞周期データを参照された
い。 細胞をトリプシン処理によって収集し、核ドナーとして使用する前に、NCSU-2
3培地のカルシウムフリーリン酸緩衝バージョンに懸濁して、38.5℃で20から120
分間保存した。
【0068】 細胞周期分析(顆粒膜細胞) 核移植(NT)の第一段階のためにレシピエントサイトプラストとしてMII卵母
細胞を使用したため、得られた再構築された胚の倍数性の適した協調を維持する
ために、二倍体DNA含量を有するドナー細胞を選んだ。8日間の培養の後、種々の
細胞集団の細胞周期内の位置を、フローサイトメトリーを用いてDNA含量を測定
することによって決定した。3つの集団(サブコンフルエントな能動的増殖顆粒
膜細胞、接触阻害された顆粒膜細胞及び48時間血清欠乏させた顆粒膜細胞)を解
析した。 この実験の結果を表6にまとめた。血清欠乏後、顆粒膜細胞集団が、G1の細胞
と一致したものより低いDNA含量を有する大量(7.2%)の構造を含むことが観測
された(それらはサブG1であった)。これらの構造はアポトーシス及び老化を起
こす細胞に特有であり、このように顆粒膜細胞が血清欠乏を明らかに容認しない
ことを示した。接触阻害による細胞の同期化(100%コンフルエント)はより効
果的であり、細胞のより高い比率がG1/G0において得られることを示し(90.3%
)、集団においてより少ないアポトーシスのサブG1細胞が存在する(1.6%のみ
)。
【0069】
【表6】 表6. 顆粒膜細胞の細胞周期解析。値は集団の細胞の合計数の百分率で表した
【0070】 卵母細胞及び接合体回収のための未経産雌ブタの同期化及び過排卵 卵母細胞回収 雑種未経産雌ブタ(280から320 lbs.)を同期化し、過排卵させ、卵母細胞を
収集した。未経産雌ブタを、餌に混合した18から20 mgのRegu-Mate(アルトレノ
ジスト、Hoechst)の経口投与により、同期化した。発情周期の段階に依存した
スキームを用いて、Regu-Mateを5から14日間摂取した。Regu-Mate処理の最終日
に、Estrumate(250 μg、Bayer)をIMに投与した。最終Regu-Mate摂取後15から
17時間で、過排卵を、妊娠中の雌ウマ血清ゴナドトロピン(PMSG、Diosynth)の
1600 IU IM注入で誘発した。PMSG注入後82時間で、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(
hCG、Intervet America)の1500ユニットをIMに投与した。hCG注入後50から52時
間で、卵母細胞を、BSA(4 g/l)を含むダルベッコのリン酸緩衝食塩水を用いて
収集した。
【0071】 妊娠の維持 妊娠中の雌ウマ血清ゴナドトロピン(PMSG)及びヒト絨毛性ゴナドトロピン(
hCG)の組み合わせを使用することによって、妊娠を維持した。発情周期のd10で
、PMSG(1000 IU)をIMに注入し、d1は発情の日である。3から3.5日後、周期のd
13で、ヒト絨毛性ゴナドトロピンをIMに注入した。 接合体の回収 雑種の雌ブタ(280から320 lbs.)を同期化し、過排卵させ、接合体を収集し
た。雌ブタを、餌に混合した18から20 mgのRegu-Mate(アルトレノジスト、Hoec
hst)の経口投与によって同期化した。Regu-Mateを5から14日間摂取させ、発情
周期の段階に依存して雌ブタを入れた。Regu-Mate処理の最終日に、Estrumate(
250 g、Bayer)をIMに投与した。最終Regu-Mate摂取後15から17時間、妊娠中の
雌ウマ血清ゴナドトロピン(PMSG、Diosynth)の1600 IU IM注入によって、過排
卵を誘発した。1500ユニットのヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG、Intervet Amer
ica)をPMSG注入後78時間で投与した。次いで、雌ブタを人工媒精し、又はhCG注
入後24から36時間自然に育種した。hCG注入後52から54時間で、BSA(4 g/l)を
含むダルベッコのリン酸緩衝食塩水を用いて接合体を収集した。
【0072】 卵母細胞除核 回収した卵母細胞を38℃で維持し、4 g/lのBSAを含むリン酸緩衝食塩水(PBS
)で洗浄し、カルシウムフリーリン酸緩衝NCSU-23培地に、38℃で移した。染色
体を除去するために(除核)、卵母細胞を初めに5 μg/mlのサイトカラシンB(
Sigma)(サイトカラシンBはオプションである)及び7.5 μg/mlのHoechst 333
42(Sigma)を含むカルシウムフリーリン酸緩衝NCSU-23培地に、38℃で20分間配
置した。次いで、第一の極体直下から少量の細胞質を18 μMのガラスピペットを
用いて吸引した。除核をピペットの細胞質の吸引部分をUV光に曝し、メタフェー
ズプレートの存在について調べることにより確認した。
【0073】 胚再構築(1日目) 10から20の卵母細胞のグループを除核し、20 μlの液滴のNCSU-23培地のカル
シウムフリーリン酸緩衝バージョンに、38℃で鉱油(SIGMA)下で配置した。hCG
注入後53から56時間で、単細胞を除核された細胞質と接触させて透明帯に配置し
た。カプレットを700 μlの脱イオン水に0.3 Mマンニトール、0.1 mMのMgSO4、0
.1 mMのCaCl2を含む融合チャンバー(モデル#BT-453、BTX Inc. San Diego、CA
)に移した。ECM2001 Electrocell Manipulator(BTX Inc.、San Diego、CA)を
用いて5 VのACパルスを5秒間印加した後、1.5 kV/Cmの2つのDCパルスを60マイク
ロ秒間印加して、融合及び活性化を誘発した。次いで、カプレットをバイカーボ
ネート緩衝NCSU-23培地で洗浄し、この培地で、0.5から1時間、38.6℃で、5% C
O2からなる加湿した大気でインキュベートした。次いで、カプレットを倒立顕微
鏡を用いて300×の拡大率で融合について調べた。融合した再構築された胚を2つ
の成功した1.2 kV/cmのDCパルスを60マイクロ秒間印加して人工的に活性化し、
一晩培養した。
【0074】二重核移植(2日目) 二重核移植手順は、1日目の核移植によって産生された核を用いて2日目に除核
された接合体の再構築に適用する。 核移植の前日(1日目)から核形成の評価 核移植の前日から再構築された胚を培養から除去し、Biofugeで、13,000 rpm
で、15分間遠心分離し、核形成を観察した。胚を、倒立顕微鏡を用いた300×で
の観察によって擬前核の存在について評価した。擬前核を有する胚を選別し、カ
ウントし、インキュベーター内のNCSU-23含有培養プレートに38.6℃で5% CO2
大気に戻した。
【0075】 接合体除核 接合体を13,000 rpmで15分間Biofuge 13遠心器で遠心分離した。次いで、接合
体を5.0 μg/mlのサイトカラシンB(Sigma)を含むリン酸緩衝NCSU-23培地に、
38℃で配置し、20分間インキュベートした。2つの前核を有する受精した接合体
を除核のため使用した。 核を除去するために、除核ピペット(25から35 μm)を透明帯に通して、細胞
質に挿入し、除核ピペットの開口を前核に接近させた。前核及び極体の両方を、
除核系で、陰圧でゆっくりと吸引した。
【0076】 除核された接合体の再構築 1日目に再構築された胚をサイトカラシンB及びノコダゾールを含むリン酸緩
衝NCSU-23培地に配置した。30から45μmの除核ピペットを操作のため使用した。
周囲の細胞質を最小限含んで擬前核を吸引することにより、カリオプラストを用
意した。これらのカリオプラストを除核された接合体の囲卵空間にゆっくりと排
出した。カプレットを700 μlのSOR2培地を含む融合チャンバーに移した。5 Vの
ACパルスを5秒間印加した後、1.2 kV/cmの2つのDCパルスを60マイクロ秒間印加
して、融合を誘発した。次いで、カプレットをNCSU-23培地で洗浄し、この培地
で0.5から1時間38.6℃で、5% CO2でインキュベートし、次いで融合を調べた。
融合されたカプレットをできるだけ素早く発情同期化レシピエント雌ブタの卵管
に移植した。第一顆粒膜細胞を用いた核移植の結果を表7にまとめた。
【0077】
【表7】 表7. ブタの顆粒膜細胞を用いた核移植 1は少なくとも3つの胎児であり、2は少なくとも2つの胎児である。ブタの子宮の
解剖学的な位置のために、ブタにおいて、超音波により胎児の正確な数を決定す
ることは困難であった。
【0078】 超音波イメージは、妊娠期間の29日目及び42日目で妊娠を確認した。
【0079】ウシの核移植のためのプロトコル 材料及び方法 核移植胚再構築のためにレシピエントとして使用するウシの卵母細胞及び接合
体は、任意の源から、又は当業者に利用可能なすべての方法によって得てもよい
。以下の実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明の種々の局面の単な
る例示である。In vitro卵母細胞成熟 卵巣を地方の屠殺場から得て、実験室に輸送する間、28から32℃に維持した。
卵丘卵母細胞複合体(COC's)を、皮下針(内径1.2 mm)を用いて3から10 mmの
径で濾胞から吸引し、汎用性の無菌プラスチック容器に配置した。汎用性の容器
を暖めたチャンバー(35℃)に配置し、濾胞性材料を、上澄みの4分の3を注ぐ前
に10から15分間定着させた。残った濾胞性材料を、10%のウシ血清で補充した等
量の解剖培地(アール塩を有するTCM 199(Gibco)、75.0 mg/lのカナマイシン
、30.0 mMのHepes、pH 7.4、モル浸透圧濃度280 mOsmols/Kg H2O)で希釈し、85
mmのペトリ皿に移し、解剖顕微鏡下でCOC'sについて調べた。少なくとも2から3
の卵丘細胞の緻密な層の複合体を選択し、解剖培地で3回洗浄し、10%のウシ血
清及び1×106顆粒膜細胞/mlで補充した成熟培地(アール塩を有するTC培地199(
Gibco)、75.0 mg/lのカナマイシン、30.0 mMのHepes、7.69 mMのNaHCO3、pH 7.
8、モル浸透圧濃度280 mOsmols/Kg H2O)に移植し、ロッキングテーブルで要求
されるまで、39℃で5% CO2の大気で培養した。開始後成熟の13時間の間早期に
卵母細胞を、1 μg/mlのHoescht 3332(Sigma)を含む培地に10分間配置し、Hoe
schtを含まない成熟培地で3回洗浄し、成熟に戻した。あるいは、ドナー細胞を1
μg/mlのHoescht 3332を含む増殖培地に10分間曝し、次いで増殖培地で3回洗浄
し、使用するまで培地で保存した。
【0080】卵母細胞操作 成熟卵母細胞から成熟の開始後18時間で卵丘細胞をとった。次いで、10%の胎
児ウシ血清(FCS)を含むカルシウムフリーM2培地で、剥皮卵母細胞を洗浄し、
この培地に37℃で維持した。除核されない卵母細部の再構築 卵母細胞をカルシウムフリーM2 10% FCSで、39℃で維持し、ガラスピペット
を用いて単細胞を卵母細胞と接触させて配置し、透明帯に予め作製された孔を通
して細胞に移植した。次いでサイトプラスト/細胞カプレットを200 μlの蒸留
水に0.3 Mマンニトールを含む融合チャンバーに移した。そのカプレットをマニ
ュアルで電極間に配列した。3 VのACパルスを5秒間印加した後、1.25 kV/cmの3
つのD.C.パルスを80マイクロ秒間印加した。次いで、そのカプレットをカルシウ
ムフリーM2、10% FCSで、37℃で洗浄し、同一の培地で、油下、37℃ 5% CO2
60分間インキュベートした。融合を顕微鏡観察により評価した。融合されたカプ
レットを成熟培地に2から20時間配置した。あるいは、ドナー核は、マニュアル
又はピエゾ促進注入により、又は細胞融合を産生する任意のその他の化学的又は
物理的方法により移植してもよい。
【0081】除核 1. 融合された卵母細胞を上述のようにインキュベートした。インキュベーショ
ン後、母系染色質を除去した。染色体を除去するために(除核)、卵母細胞を10
% FCSを含むカルシウムフリーM2で、37℃で配置した。第一極体が可視である場
合、次いで第一極体直下から少量の細胞質を20 μMのガラスピペットを用いて吸
引した。極体が可視でない場合、卵母細胞を1から2秒の短時間UV光に曝し、染色
したドナー(又は卵母細胞)染色質を同定した。 2. 成熟の開始後24から45時間で、卵母細胞を下記のように活性化した。活性化
後30から60分(又は周期が生じるのに充分な時間)、関連性のある染色質を短時
間UV光に曝すことにより同定し、吸引により除去した。 3. 成熟の開始後24から45時間で、活性化を下記のように誘発し、活性化後、さ
らに前核の形成に充分な時間、再構築された接合体を培地TC199 10% FCSで、37
℃ 5% CO2で、インキュベートした。関連性のある染色質を短時間UV光に曝すこ
とにより同定し、吸引した。
【0082】 除核された卵母細胞を成熟培地に戻した。成熟の開始後30から42時間で、単細
胞を除核された卵母細胞と接触させて配置した。そのカプレットを200 μlの蒸
留水に0.3 Mのマンニトール、0.1 mMのMgSO4、0.001 mMのCaCl2を含む融合チャ
ンバー(下記参照)に移した。3 VのAC.パルスを5秒間印加した後、1.25 kV/Cm
の3つのDC.パルスを80マイクロ秒間印加して、融合及び活性化を誘発させた。次
いで、カプレットをTC199 10% FCSで洗浄し、さらに第二段階核移植胚再構築の
ために核ドナーとして使用される前の前核の形成に充分な時間、37℃ 5% CO2
インキュベートした。かわりに、ドナー核は、マニュアル又はピエゾ促進注入に
より、又は細胞融合を産生する任意のその他の化学的又は物理的方法により移植
してもよい。
【0083】融合及び活性化 活性化のために、卵母細胞を200 μlの蒸留水に0.3 Mのマンニトール、0.1 mM
のMgSO4、0.001 mMのCaCl2を含む2つの平行電極間に配置した(Willadsen、1986
)。1.25 kV/cmの1つのDCパルスを80マイクロ秒間印加して、活性化を誘発させ
た。融合のために、除核された卵母細胞及び細胞の間の接触面が電極に平行に配
列されることを加えて、操作された胚を同様の方法で処理した。3 VのAC電流を5
秒間印加した後、1.25 kV/cmの3つのDCパルスを80マイクロ秒間印加して、融合
を誘発させた。
【0084】胚培養及び評価(すべてのグループ) 核移植後、再構築された胚は、以下の当業界で知られる任意の方法によって培
養してもよいが、これらに限定されない。 1. 胚を1%及び1.2%の寒天(DIFCO)を含むPBSで二重に包埋し、同期化した又
は同期化しない雌ヒツジの結紮した卵管に移植した。6日後、レシピエント雌ヒ
ツジを屠殺し、PBS 10% FCSを用いて卵管から洗い流すことにより、胚を回収し
た。胚を2つの針を用いて寒天チップから解剖し、発生を顕微鏡で評価した。 2. あるいは、再構築された胚は、タームまでの発育のために好適な同期化させ
た最終レシピエント宿主の卵管に直接移植してもよい。 3. あるいは、胚は、同期化させたレシピエントに移植するために好適な段階へ
、任意の好適な方法によりin vitroで培養してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 二重核移植方法論の概要である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 キャンベル ケイス エイチ エス イギリス レイスターシャー エルイー12 5アールディー ラフボラフ サットン ボニントン キャンパス ディヴィジョ ン オブ アニマル サイシオロジー ス クール オブ バイオロジカル サイエン セズ ユニヴァーシティー オブ ノッテ ィンガム プロフェッサー オブ アニマ ル ディヴェロップメント Fターム(参考) 4B024 AA10 AA20 CA20 DA02 GA03 GA11 GA18 4B065 AA90X AA90Y AA91X AA91Y AB01 AB04 BA08 BA30 CA60

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物の胚を再構築する方法であって、核を第一卵母細胞に移
    植する工程と、続いて該核を除去し、該卵母細胞から別の卵母細胞に、又は除核
    された受精した接合体に移植する工程を含む前記方法。
  2. 【請求項2】 前記第一卵母細胞が成熟メタフェーズII卵母細胞(未受精卵
    )又は活性化MII卵母細胞である請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記別の卵母細胞が除核されたMII卵母細胞である請求の範
    囲第1項又は第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】 再構築された胚が、タームまでの発育のために最終代理レシ
    ピエントへの移植に適した段階へ、in vitro又はin vivoで培養される請求の範
    囲第1項から第3項のいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 再構築された胚が、最終代理レシピエントに移植され、胚発
    生及びタームまでの発育をサポートする請求の範囲第1項から第3項のいずれか
    1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 ドナーの核が遺伝子組換えされている請求の範囲第1項から
    第5項のいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 二倍体細胞が核を提供する請求の範囲第1項から第6項のい
    ずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 二倍体核がG1細胞によって提供される請求の範囲第1項から
    第7項のいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 二倍体核がG1/S相境界で停止された細胞によって提供される
    請求の範囲第1項から第7項のいずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 核が四倍体細胞によって提供される請求の範囲第1項から
    第6項のいずれか1項記載の方法。
  11. 【請求項11】 四倍体核がG2細胞によって提供される請求の範囲第1項か
    ら第6項のいずれか1項記載の方法。
  12. 【請求項12】 四倍体核が有糸分裂細胞によって提供される請求の範囲第
    1項から第11項のいずれか1項記載の方法。
  13. 【請求項13】 核が未知の倍数性の細胞によって提供される請求の範囲第
    1項から第6項のいずれか1項記載の方法。
  14. 【請求項14】 未知の倍数性の核が細胞周期の任意の点、即ちG1、S、G2
    又はMで増殖細胞によって提供される請求の範囲第1項から第6項又は第13項
    のいずれか1項記載の方法。
  15. 【請求項15】 核が、任意の方法により、細胞周期の任意の点、即ちG0、
    G1、G1/S、S、G2又はMで停止された細胞によって提供される請求の範囲第1項か
    ら第6項のいずれか1項記載の方法。
  16. 【請求項16】 第一核移植のレシピエント卵母細胞が除核されている請求
    の範囲第1項から第15項のいずれか1項記載の方法。
  17. 【請求項17】 第一核移植が細胞融合によって、又は細胞又は核注入によ
    って達成される請求の範囲第1項から第16項のいずれか1項記載の方法。
  18. 【請求項18】 動物が有蹄動物種である請求の範囲第1項から第17項の
    いずれか1項記載の方法。
  19. 【請求項19】 動物が雌ウシ又は雄ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、
    スイギュウである請求の範囲第1項から第18項のいずれか1項記載の方法。
  20. 【請求項20】 動物がマウス、ラット又はその他のげっ歯類である請求の
    範囲第1項から第17項のいずれか1項記載の方法。
  21. 【請求項21】 動物がウサギ目の動物である請求の範囲第1項から第17
    項のいずれか1項記載の方法。
  22. 【請求項22】 動物がウサギである請求の範囲第21項記載の方法。
  23. 【請求項23】 正しい倍数性がドナー及びレシピエント細胞周期段階の組
    み合わせにより維持される請求の範囲第1項から第22項のいずれか1項記載の
    方法。
  24. 【請求項24】 正しい倍数性が、正しい倍数性を維持する任意の化合物で
    の再構築された胚の処理により維持される請求の範囲第1項から第23項のいず
    れか1項記載の方法。
  25. 【請求項25】 次いで、ドナーの核が第二レシピエント細胞に移植される
    請求の範囲第1項から第24項のいずれか1項記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記第二レシピエント細胞が受精した接合体である請求の
    範囲第1項から第25項のいずれか1項記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記第二レシピエント細胞が活性化卵母細胞である請求の
    範囲第1項から第25項のいずれか1項記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記第二レシピエント細胞が除核される請求の範囲第1項
    から第27項のいずれか1項記載の方法。
  29. 【請求項29】 動物を提供する方法であって、 (a)請求の範囲第1項から第28項のいずれか1項に記載の通りに動物の胚を再
    構築する工程と、 (b)胎児を胚から発生させる工程と (c)動物を胎児からタームまでに発育させる工程と (d)必要によりその形態で動物から繁殖させる工程を含む前記方法。
  30. 【請求項30】 動物の胚が胚の完全な発生前にさらに操作される請求の範
    囲第29項記載の方法。
  31. 【請求項31】 動物の胎児が胚の完全な発生前にさらに操作される請求の
    範囲第29項記載の方法。
  32. 【請求項32】 新しい株化細胞が再構築された胚に由来する請求の範囲第
    29項から第31項のいずれか1項記載の方法。
  33. 【請求項33】 新しい株化細胞が胚の完全な発生前の動物の胎児に由来す
    る請求の範囲第29項から第31項のいずれか1項記載の方法。
  34. 【請求項34】 新しい株化細胞が結果として生じる動物に由来する請求の
    範囲第29項から第31項のいずれか1項記載の方法。
  35. 【請求項35】 1種よりも多い動物が胚に由来する請求の範囲第29項か
    ら第34項のいずれか1項記載の方法。
  36. 【請求項36】 生児出産をすることができ、請求の範囲第1項から第35
    項のいずれか1項記載の方法により提供される再構築された動物の胚。
  37. 【請求項37】 請求の範囲第1項から第36項のいずれか1項記載の方法
    により得ることができる又は得られる動物。
  38. 【請求項38】 請求の範囲第1項から第36項のいずれか1項記載の胚か
    ら得ることができる又は得られる動物。
  39. 【請求項39】 請求の範囲第1項から第28項のいずれか1項記載の方法
    により産生された胚から得ることができる又は得られる胚幹細胞株。
  40. 【請求項40】 請求の範囲第1項から第28項のいずれか1項記載の方法
    により産生された胚から得ることができる又は得られる未分化細胞株又は集団。
  41. 【請求項41】 請求の範囲第1項から第28項のいずれか1項記載の方法
    により産生された胚から得ることができる又は得られる分化細胞株又は集団。
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JP2006522609A (ja) * 2003-04-09 2006-10-05 マギー−ウイメンズ・ヘルス・コーポレイション 動物の体細胞核移植と関係する紡錘体欠損を修正するための方法

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