JP2002534068A - パピローマの高誘発、パピローマウイルスの増殖、および候補治療剤の評価のための移植動物モデル - Google Patents

パピローマの高誘発、パピローマウイルスの増殖、および候補治療剤の評価のための移植動物モデル

Info

Publication number
JP2002534068A
JP2002534068A JP2000591856A JP2000591856A JP2002534068A JP 2002534068 A JP2002534068 A JP 2002534068A JP 2000591856 A JP2000591856 A JP 2000591856A JP 2000591856 A JP2000591856 A JP 2000591856A JP 2002534068 A JP2002534068 A JP 2002534068A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
model
tissue
papillomavirus
skin
animal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000591856A
Other languages
English (en)
Inventor
ジアンミン デュアン
Original Assignee
ベーリンガー インゲルハイム (カナダ) リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ベーリンガー インゲルハイム (カナダ) リミテッド filed Critical ベーリンガー インゲルハイム (カナダ) リミテッド
Publication of JP2002534068A publication Critical patent/JP2002534068A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/0004Screening or testing of compounds for diagnosis of disorders, assessment of conditions, e.g. renal clearance, gastric emptying, testing for diabetes, allergy, rheuma, pancreas functions
    • A61K49/0008Screening agents using (non-human) animal models or transgenic animal models or chimeric hosts, e.g. Alzheimer disease animal model, transgenic model for heart failure
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K67/00Rearing or breeding animals, not otherwise provided for; New or modified breeds of animals
    • A01K67/027New or modified breeds of vertebrates
    • A01K67/0271Chimeric vertebrates, e.g. comprising exogenous cells

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Animal Husbandry (AREA)
  • Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、パピローマウイルス増殖のため、およびパピローマウイルスに対する候補治療薬剤の評価及び試験のための移植動物モデルに関する。本動物モデルは、宿主特異的パピローマウイルス(PV)に感染した損傷皮膚移植片を移植されたレシピエント動物を含む。移植皮膚は明白なパピローマを有し、その宿主特異的PVの増殖を支持する。本発明は特に、ヒトパピローマウイルス(HPV)の宿主となり、これを増殖させ、それによって感染性である継代HPV懸濁液を提供するため、およびHPVに対する候補治療薬剤のスクリーニングのための異種移植動物モデルに関する。本発明はさらに、異種移植ヒト動物モデルを作製する新規な方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、HPVの増殖のため、およびHPVに対する候補治療剤の評価およびテス
トのための移植動物モデルに関する。この動物モデルは、宿主特異的パピローマ
ウイルス(PV)に感染した損傷皮膚移植片を移植されたレシピエント動物を含む。
移植された皮膚は明白なパピローマウイルスを有しておりその宿主特異的PVの増
殖を支持する。本発明は特に、ヒトパピローマウイルスの宿主提供および増殖の
ための再現性のある異種移植片動物モデルに関し、それにより感染性のあるヒト
PV懸濁物およびパピローマウイルス継代のための手段を提供することに関する。
本発明はさらに異種移植片ヒト動物モデルを作成する新規な方法に関する。
【0002】 (発明の背景) パピローマウイルス(PV)は上皮組織の過増殖病変を誘導する非エンベロープDN
Aウイルスである。パピローマウイルスは自然界に広がっており高等脊椎動物に
知られている。他のウイルスの中から、ヒト、ウシ、ウサギ、ウマおよびイヌか
らのウイルスが特徴づけられている。最初のパピローマウイルスは1993年にワタ
オウサギパピローマウイルス(CRPV)として記載された。それ以来、ワタオウサギ
および1型ウシパピローマウイルス(BPV-1)はパピローマウイルスに関する研究
の実験的基本型として役立ってきた。大部分の動物パピローマウイルスは純粋な
上皮組織増殖性病変と関連しており、動物の大部分の病変は皮膚性のものである
。ヒトでは、同定されている75以上の型のパピローマウイルス(HPV)が存在し
、感染部位によって分類されている:皮膚上皮および粘膜(口腔粘膜および生殖
非粘膜)上皮。皮膚関連疾病には、偏平疣贅、足底疣贅等が含まれる。粘膜上皮
関連疾病には、咽頭パピローマおよび子宮頚癌を含む肛門性器疾病が含まれる(F
ields, 1996, Virology, 第3版、Lippincott-Raven Pub., Philadelphia, N.Y.
)。
【0003】 肛門性器疾病に関与する25のHPV型があり、これらは「低危険」型と「高危険
」型にグループ分けされている。低危険型にはHPV6型、11型および13型が含ま
れ、大部分は尖形コンジローム(生殖器疣贅)のような温和な病変、および低度の
上皮内鱗片状病変(SIL)を誘導する。米国では生殖器疣贅を有する500万人の
人々がおり、その90%はHPV-6およびHPV-11に帰着する。SILの90%は低危険6型
および11型によって生ずる。SILの他の10%は高危険HPVによって引き起こされ
る。 高危険型パピローマウイルスは高度のSILおよび子宮頚癌と関連しており、最
も頻度高く、HPV16型、18型、31型、33型、35型、45型、52型および58型が含ま
れる。低度のSILから高度SILへの進行は高危険HPV-16および-18を含む病変につ
いては低危険型HPVを含む病変よりもずっと頻度が高い。更に、子宮頚癌につい
ては4種類のHPV型(16型、18型、31型および45型)のみが高頻度に検出されている
。世界中で子宮頚部浸潤性癌の約500,000の新規症例が毎年診断されている(Fiel
ds、1996、既出)。
【0004】 生殖器疣贅の治療には、冷凍療法、CO2レーザー、電気外科手術、または外科
的切除のような物理的除去が含まれる。トリクロロ酢酸(TCA)、ポドフィリンま
たはポドフィロクスのような細胞障害性薬剤も使用されることがある。インター
フェロンまたはイミキモド(Imiquimod)のような免疫療法も利用できる。これ
らの治療は全てのウイルス粒子を消滅させるのに完全には効果的でなく、それら
に関連した高額の負担又は不快な副作用が存在している。実際、現在の全て治療
法について疣贅の再発は一般的であることから(Beutner & Ferenczy, 1997, Ame
r. J. Med., 102(5A):28-37) HPV感染に対して効果的な抗ウイルス治療は現在存
在していない。
【0005】 HPVの生活環はケラチン細胞分化と密接に共役している。感染は基底上皮にお
ける組織破壊部位において生じると考えられている。正常な細胞と異なり、細胞
が垂直方向分化を起こすときに細胞分裂が続いている。感染細胞が漸進的分化を
起こしているとき、ウイルスコピー数及びウイルス遺伝子発現が増加し、その結
果最終分化したケラチン細胞内における後期遺伝子発現およびヴィリオンアッセ
ンブルおよびウイルス粒子の放出を伴う(Fields, 1996,上述)。 パピローマウイルスはin vitroでは増殖できない気難しいウイルスである。従
って、このウイルスは増殖のために宿主特異的動物を必要とする。PV感染を治療
するための現在の方法が効果的でないことは、HPV感染を防止および治療するた
めの手段として新たな治療剤を明らかにする必要性を示している。パピローマウ
イルスと戦うための候補治療剤開発の成功は、ある部分では、ウイルスの増殖の
困難さ、充分に感染性ウイルス粒子の取得の困難さ、および候補治療剤の効果を
評価するための優れたin vivoモデルがないことのために限られたものであった
。これらの困難を克服するための試みは、ヒトパピローマウイルスの移植動物モ
デルを作製することによって取り組まれて来た。しかしながら、先行技術で知ら
れた全てのモデルはこれらの困難を克服することについて限られた成功しか収め
ていなかった。
【0006】 理想的な動物モデルは以下の属性を有するものとして記載される:広く入手可
能であり、実験室において取り扱いおよび維持が容易であり、組織サンプルを得
るために充分に大型で、ヒトにおける病変と同等なパピローマ病変を誘導かつ形
成することができ、治療のために容易にそのパピローマに接近可能でなければな
らず、充分な量の感染性ウイルス粒子を生成することができること(Stanleyら、
1997、Antivirla Chemistry & Chemotherapy, 8(5): 381-400)。 米国特許第4,814,268号および第5,071,757号(Kreiderら)において、ヒトパピ
ローマウイルスに曝露したヒト皮膚組織が無胸腺マウスの腎臓莢膜(renal capsu
le)下に移植された。これは外科的な洗練さが必要な複雑な手順である。移植片
は回収可能な量のウイルスが生産されるまで動物内に維持することが可能である
。移植部位の検査とウイルス粒子の回収にはその動物を殺すことが必要である。
移植部位から回収されたウイルス粒子の感染性は10-2希釈に過ぎないことが報告
された。より重要なことに、形成されたパピローマは不可視であるため、治療剤
の評価はその動物を犠牲にする必要がある。このグループ(Kowettら、1990, Int
. Virology, 31:109-115)による、これらの公表された結果を繰り返し、他の動
物モデルと感染させることのできる感染性ウイルスストックを回収するその後の
試みは失敗している。著者らは、患者から集めた1次疣贅組織は、動物モデルの
感染に使用すると、おそらくより多くの感染性ビリオンを含んでおり、従って、
異種移植動物においてパピローマ感染を開始させることに成功するであろうと仮
説を立てた。
【0007】 Bonnez W.ら、(1993、Virology 197:455-458)は、SCIDマウスの腎臓莢膜下、
腹膜下および皮下に埋め込んだ、in vitroで11型HPVに感染させたヒト包皮を記
載している。移植片の58%のみがHPV感染の徴候を示した。皮下挿入移植片にお
いては、免疫細胞化学及びRT-PCRによれば僅かに25%がHPV陽性であった。生じ
た皮下パピローマは連続継代または回収されなかった。 Brandsma J.L.ら、(1995, J. of Vir. 69:2716-2712)および米国特許第5,811,
632には16型HPVゲノムDNAのSCIDマウスに移植したヒト包皮へのデリバリーが記
載されている。全部で16の移植片が裸のHPV DNAとともに接種され、8つが移植
前に、8つは移植後に接種された。移植後に接種された2つの移植片のみがHPV
感染の徴候を発達させるように見えた。しかしながら、これらの2つの先行技術
文献は感染性ウイルス粒子の回収またはパピローマウイルスの継代を教示してい
ない。 Sexton C.J.ら(1995、J. of Gen. Vir. 76:3107-3112)には、最初にカバーガ
ラスをSCIDマウスの移植部位に1〜2週間挿入する移植法が記載されている。こ
れは良性の疣贅組織が中に置かれているシリコン移植チャンバーと置き換えられ
る。5週間後、巨視的な疣贅が発達した。この疣贅組織を移植する試みはウイル
ス感染のない過増殖ヒト上皮組織を生じさせた。これらの疣贅の連続継代および
感染性粒子の採収は教示されていない。
【0008】 Bonnez Wら、(1998, J. Virol. 72:5256-5261)はHPV-16の単離と増殖を報告し
た。ウイルスは臨床サンプルから単離され、SCIDマウスへの皮下植え込みに先立
ってヒト包皮の感染に使用された。部位は感染包皮の移植前に2週間カバーガラ
スを移植部位に挿入することによって準備した。移植部位における病変は移植後
4週間に露出させ、動物は移植の24週間後に犠牲にした。5つのうち3つの移植
片だけが少量のパピローマを示した。これらのパピローマは採収され、第2のヒ
ト異種移植組織セットに接種するために使用された。この第2の動物の組におい
て、60の移植片が試され、生じた病変は露出せず、動物は移植後16週間に犠牲に
された。60の移植片の内、34がHPV DNAの存在に関して陽性であり、1つだけが
免疫化学によればHPVキャプシドに関して陽性であった。この先行技術はパピロ
ーマの継代または感染性ウイルス懸濁液を生成するために感染性ビルレントウイ
ルスの採収の可能性を教示していない。このモデルでは、感染性であるかもしれ
ないウイルス粒子が検出できる一つ移植部位を作製するために40週間かかる。改
良された動物モデルでは、感染性ウイルス粒子を有するパピローマを誘導するた
めのインキュベーション時間を劇的に減少させ、より重要なことにパピローマの
大きさ及び数の増大によって評価されるパピローマ形成の成功率を上昇させるこ
とが望まれるであろう。
【0009】 これまでに、作製容易で、信頼性があり、確実性があり、再現性があって、か
つ、パピローマの連続継代が可能で感染性ウイルス粒子の採収が可能なヒトパピ
ローマウイルス感染のための動物モデルは存在していない。従って、ヒトパピロ
ーマウイルスが容易に増殖でき、複雑な外科手順を必要とせずに連続的に継代で
き、多数のパピローマおよび感染性ウイルス粒子懸濁液を産生する動物モデルの
開発に対する需要が残っている。 本発明の動物モデルは特にウイルス感染の完全なサイクルおよび栄養成長を支
持し、ヒトにおいて生理学的および薬理的関連性を有するであろうパピローマウ
イルス感染の治療又は防止のための候補薬剤を選抜および試験するために特に有
用である。 本発明のモデルは、感染性ウイルス粒子が収集できる高度に信頼性および再現
性のあるパピローマを作り出す。本発明の動物モデルはさらにヒトパピローマウ
イルス感染およびそれが原因である一切の疾病を治療または防ぐための候補薬剤
をスクリーニングおよび選抜するためにも有用である。
【0010】 宿主の皮膚を移植に先立って損傷することがパピローマ誘導を呼び起こす傷治
癒を有利に生じさせる異種移植動物モデルを作製する方法を提供することは本発
明の重要な特徴である。この損傷をメッシュ化(meshing)によって与え、更に宿
主皮膚を伸長して広い移植領域を被覆し、それによって宿主皮膚組織に対する要
求性を低下させることは本発明の特有の利点である。更にメッシュ化された移植
組織はその移植皮膚組織の生存と健康状態を改善する。 従って、パピローマウイルスの成長と増殖のために使用し得る異種移植動物モ
デルを提供することは本発明の特徴である。特に、これらの異種移植動物はパピ
ローマウイルスに感染した場合パピローマウイルス感染の指標としてパピローマ
を形成する。これらの動物は既知の他の異種移植動物モデルに比較して信頼性が
あり再現性のあるパピローマウイルスの誘導のための優れたモデルである。
【0011】 ヒトパピローマウイルスの誘導、成長および増殖のために使用でき、そこから
感染性ウイルス粒子を収集できそれによって感染性ウイルスストック懸濁液を提
供し得る、ヒト異種移植された動物を提供することは本発明の特有の特徴である
。 パピローマウイルス-フリーの動物に連続的に継代して続く異種移植動物にパ
ピローマウイルス感染を誘導するためのウイルスストック懸濁液を提供すること
は本発明の更なる特有の特徴である。 さらに、本発明の別の特徴は、異種移植動物にパピローマ感染を誘導し、その
動物においてパピローマウイルスが採収および増殖でき、パピローマ-フリー移
植動物に継代するために、これらの異種移植動物を作製することである。 本発明の更なる特徴は、パピローマウイルス感染に対する可能な治療薬剤をテ
ストするために異種移植動物を提供することである。
【0012】 (発明の概要) このように本発明は、再現性のあるパピローマ誘導、およびパピローマウイル
スの増殖のための移植動物モデルに関する。このモデルはパピローマウイルス感
染に対する治療薬剤のスクリーニングおよび選抜にも役立つ。本発明は更に移植
片移植動物の作製方法およびそれによって作製されたモデルを提供する。 従って、本発明の第1の実施態様によれば、パピローマ誘導および形成のため
、およびパピローマウイルスの増殖のための移植動物モデルが提供される。その
モデルは以下に特徴づけられる: − 宿主皮膚組織を移植されたレシピエント動物であって、前期皮膚組織は前
記移植に先立って損傷されており、 − 前記移植皮膚組織に宿主特異的パピローマウイルス接種物が接種されるこ
と、 であって前記移植皮膚は前記レシピエント動物に支持されており、宿主特異的パ
ピローマウイルスの成長の誘導および維持が可能であり、感染性ウイルス粒子を
含む少なくとも1個のパピローマを保持することができる。
【0013】 本発明のモデルの成功は、ドナーの皮膚における損傷に伴う組織治癒がPV感染
に対する組織の感受性を改善し、疣贅形成を起こしやすくなると出願人が気づい
たことに基づく。 第1の実施態様によるモデルの中には、宿主皮膚組織を移植されたレシピエン
ト動物であって、前期皮膚組織は前記移植に先立って損傷されており、それによ
って前記移植皮膚は宿主特異的パピローマウイルスの増殖を誘導および維持する
ことができ、感染性ウイルス粒子を含む少なくとも1つのパピローマを保持する
ことができる、前記動物が含まれる。
【0014】 本発明の第2の実施態様によれば、感染性パピローマウイルス粒子を増殖させ
るための移植動物モデルを作製する方法であって、以下の工程を含む方法が提供
される: − 宿主ドナーから皮膚組織を入手し、前記皮膚を損傷する工程、 − 前記損傷した皮膚を前記皮膚組織を受容できるレシピエント動物に移植す
る工程、 − 前記移植された皮膚に宿主特異的パピローマウイルス接種物を接種する工
程、 − 前記パピローマウイルスが前記移植された組織中で増殖し、パピローマウ
イルス感染の指標としてパピローマを形成するに充分な時間をあたえる工程。
【0015】 この第2の実施態様の重要な特徴は、移植される宿主皮膚組織において損傷に
伴う組織治癒を誘導する工程において与えられる。 この第2の実施態様の具体的な側面において、損傷したドナー皮膚組織へのパ
ピローマウイルス接種物の接種は例えば、in vitroまたはin situのいずれでも
適用できるパピローマウイルス懸濁液を用いて行なうことができる。in vitroで
移植前に接種された損傷したドナー皮膚組織は免疫不全レシピエント動物の皮膚
にまたは皮下に植え付けることができる。皮膚に植え付けられた損傷ドナー皮膚
を移植後にin situで接種することもできる。 本実施態様の更なる側面において、感染移植動物において皮下に形成されたパ
ピローマは、皮下パピローマ成長部位における皮膚を切開し、皮下パピローマを
切り開くことにより露出させることができる。露出したパピローマは皮膚パピロ
ーマと類似した形態に発達し、移植動物を麻酔するまたは殺さずに観察し、かつ
評価することができる。
【0016】 本発明の第3の実施態様によれば、パピローマウイルス感染を防御、防止又は
治療するための候補治療剤のスクリーニングのための移植動物モデルが提供され
る。従って、候補薬剤は(治療上効果的な量で、および製薬的担体との混合物と
して)本発明の移植動物モデルに投与される。候補薬剤の効力は、未処置の移植
動物からの対照パピローマに比較した、パピローマの大きさ、成長および形態、
および/または、ウイルス装荷量及び感染性の変化を含む手段によって評価され
る。 従って、本発明の第4の実施態様によれば、パピローマウイルス感染に対して
有用な治療剤の効果を評価する方法であって、 − 本発明による移植動物モデルを提供する工程 − 前記移植宿主皮膚組織に宿主特異的パピローマウイルス接種物を接種する
工程、 − 前記パピローマウイルス感染動物を適切な製薬的担体中の候補治療薬剤を
投与することによって処置する工程、および、 − 前記感染動物における感染出現の防止、感染の生理学的症状の低下、また
は感染の証拠の低下について前記治療薬剤の効力を評価する工程、 を含む前記方法が提供される。
【0017】 本発明の他の目的、利点および特徴は、以下の非限定的な好ましい実施態様の
記載を、例示的であって本発明の範囲を制限するものと解してはならない添付の
図面を参照しつつ読むことにより、更に明らかになるであろう。 このように一般的に本発明を記載してきたが、添付の図面を参照し、好ましい
実施態様を図解によって示す。全ての図は、低危険HPVsに感染させたメッシュ化
ヒト包皮組織を異種移植したNIH-nu-bg-mixマウスモデルからなる、本発明の好
ましい実施態様を表す。
【0018】 (好ましい実施態様の記載) 定義 別に定義しない限り、本明細書で使用する科学用語および技術用語および名称
は本発明の属する通常の能力を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味
を有する。一般に、細胞培養、感染の手順、分子生物学的手法その他はこの技術
で一般に使用されるものである。そのような標準的技術は例えばSambrookら、(1
989, Molecular Cloning-A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laborator
ies)およびAusubelら、(1994、Current Protocols in Molecular Biology, Wile
y, New York)のような参照マニュアルに見いだすことができる。
【0019】 「配列増幅」は標的配列を多量に生成するための方法である。一般には、1以
上の増幅プライマーが核酸配列にアニーリングされる。適切な酵素を用いてプラ
イマーに隣接するまたはその間に見いだされる配列が増幅される。本明細書で使
用する増幅方法はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。 「増幅プライマー」とは標的配列に隣接したDNA領域にアニーリングすること
ができ、この技術で知られた適切な条件下でDNA合成のための開始プライマーと
して働くことのできるオリゴヌクレオチドをいう。合成されたプライマー伸長産
物は標的配列に相補的である。
【0020】 「移植動物」とは、移植組織が移植されたレシピエント動物である。 「同種移植」とは、ドナー動物から得た組織を同一の種であるレシピエント動
物に移植することである。 「異種移植」とは、ドナー動物から得た組織をドナー動物とは異なる種である
レシピエント動物に移植することである。 「異種移植動物」とは、異種移植片を移植されたレシピエント動物である。 用語「パピローマ」および/または「疣贅」は本明細書では互換的に使用され
パピローマウイルス感染によって引き起こされる高度に増殖性の組織成長を意味
する。これらはこの技術でよく知られた著しい解剖学的および組織学的特徴を有
し皮膚又は皮下に生じる。
【0021】 用語「in situ」とは、生きた動物に接種することをいう。すなわち、接種物
をこの技術で知られた何らかの手段によって生きた動物に適用することをいう。
特に、本明細書使用する場合、この語は、レシピエントへの移植後にドナー組織
に接種することを表す。in situ接種が皮膚移植片に行われるのが好ましいこと
は理解されるであろう。 「継代する」とは、感染移植片ドナー動物からの移植疣贅の前世代からパピロ
ーマウイルスを集め、見たところパピローマウイルス非感染のレシピエント動物
に疣贅を誘導することをいう。レシピエント動物は免疫無防備状態の動物または
パピローマウイルスの天然の宿主からなる群より選ぶことができる。継代された
パピローマウイルスを受けた動物は本明細書では「次の動物」または「次のレシ
ピエント動物」という。ウイルスを継代する好ましい手段は、メッシュ化した移
植組織を次のレシピエント動物に移植する前に感染することをその本質とする。
【0022】 用語「損傷」するとは、組織に対して深い損害または傷を生じさせる何らかの
手段をいい、それは組織治癒活性を生じさせるであろう。組織損傷は物理的創傷
又は化学的損傷によって誘導することができる。物理的創傷の非限定的な例には
、この技術で知られた適切な道具(例えば、メス、針、ピン、穴空け器、メッシ
ャー(mesher)等)を用いた目打ち(perforating)、スリット化(slitting)、切開(c
utting)、穿孔(punching hole)、火傷およびメッシュ化が含まれる。化学的損傷
の非限定的な例には、酵素処理および化学火傷が含まれる。組織治癒活性は新た
な細胞成長と細胞成長因子の増加およびキニンおよびインテグリンのような接着
因子の増加を含む。加えて、組織治癒活性は、電気的および化学的刺激のような
他の手段によっても誘導でき、化学的刺激には成長因子および/または酵素を組
織に与えることを含み得る。
【0023】 用語「メッシュ化」とは、組織、特に皮膚組織を処理する手段をいい、それに
よって小さな開口部または穴が組織全体に開けられることをいう。メッシュ化は
手動で行われても、この目的のために設計された装置の使用によって行ってもよ
い。メッシュ化(Popeら、1990、20:177-187)は、通常、大きな皮膚損傷を覆うた
めにより広い表面を取り囲むように移植皮膚組織を広げるために医学および獣医
学的応用に使用される方法である。Robら、(Journal of Burn CareおよびRehabi
litation, 1987, 8(5):371-375)には、重度の火傷を負った患者の同種移植にお
ける瘢痕化を調べるためにメッシュされたヒト皮膚がヌードマウスに移植された
動物モデルが記載されている。HPV増殖のためのヒト異種移モデルを作成できな
かったことにより、出願人らはヒト皮膚をメッシュ化してヒト異種移植モデルを
作製するという方法を試みるに至った。この技術がウイルス感染を生じさせる気
難しい生物を増殖させるために使用する移植モデルを作製する目的で使用される
のはこれが最初である。
【0024】 好ましい実施態様 レシピエント動物: 本発明の特定の特徴において、レシピエント動物は移植片を受容し、および、
維持できる非-ヒト哺乳動物である。特に、レシピエント動物は免疫無防備状態
であることによって異種移植片を受容することができ、ほとんど移植片拒絶免疫
応答を備えることができず、それによって外来組織を自己のものとして受け入れ
ることができる。好ましくは、レシピエント動物は生物学的手段または化学的手
段によって、免疫不全または免疫抑制されることにより免疫無防備になっている
。そのような生物学的または化学的手段には、シクロスポリンまたはこの技術で
良く知られた他の免疫抑制剤の繰り返し処置による免疫抑制が含まれる。より好
ましくは、免疫無防備動物は免疫不全である。用語、免疫不全とは、免疫系が部
分的にまたは完全に損なわれているレシピエント動物であって、移植された外来
細胞又は組織が成長することを許し、それらがそのレシピエント動物によって拒
絶される可能性が極小であるレシピエント動物を記述するために使用される。
【0025】 更により好ましくは、非-ヒト哺乳動物はげっ歯動物、より好ましくはマウス
、ラット、ウサギ、モルモットまたはハムスターである。より具体的には、この
哺乳動物は、機能性T-細胞免疫を有しないラット又はマウスのようなげっ歯類で
あり、その非限定的な例は重度複合免疫不全(SCID)マウス、SCID/ベージュマウ
ス、ヌードマウス、またはNIH-nu-bg-xidマウスである。特に、レシピエント動
物はT-細胞免疫またはB細胞またはNK細胞を全く又はほとんど有しない。もっと
も好ましくは、レシピエント動物は移植手順を容易にするように、NIH-nu-bg-xi
dマウスのように無毛である。
【0026】 ドナー組織/動物: 本発明の更なる側面において、ドナー組織はパピローマウイルスの天然の宿主
である如何なる動物からも採ることができる。これらの動物はOlson, C.(1987,
The Papaviridae, 第二巻、p.39-66)に列挙されている。ドナー動物の非限定的
な例は以下から選ぶことができる:イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ウサギ(ワタオウ
サギ、イエウサギ(domestic rabbit)、ニュージーランドホワイト(NZW))、シカ
、非-ヒト霊長類およびヒト。これらのドナー動物はそれぞれ以下のような対応
するパピローマウイルスの宿主である:イヌ口腔パピローマウイルス(canine or
al papillomavirus)、ウシパピローマウイルス、ウマパピローマウイルス、ブタ
パピローマウイルス、ワタオウサギパピローマウイルス(CRPV)、シカ線維腫
ウイルス、霊長類パピローマウイルスおよびヒトパピローマウイルス(HPV)。本
発明の好ましい側面では、ドナー動物はヒトである。本発明の好ましい側面にお
いては、ヒト組織は医療クリニック又は病院からの幼児包皮切除から得られる包
皮組織である。
【0027】 同種移植、または、異種移植: 本発明の特定の実施態様において、同一生物種(同種移植)または異なる(外来
性)生物種(異種移植)であるドナー動物から組織を移植するためのモデルが提供
される。上述したように、移植片が外来性である場合(異種移植)、レシピエント
動物は、そのような移植片を非自己として拒絶せずに維持することができるよう
に免疫無防備でなければならない。 従って、本発明の好ましい実施態様において、ヒトパピローマウイルス感染を
形成し得る異種移植動物モデルが提供される。このモデルは信頼性があり容易に
再現することができ、明白なヒトパピローマ誘導及び形成に特に有用である。よ
り具体的には、異種移植動物はヒトパピローマウイルスの増殖、およびHPV低危
険および高危険感染性ウイルス粒子の採収に有用である。
【0028】 移植組織損傷: 本発明のモデルの成功は、ドナーから得た皮膚の深い組織損傷が移植モデルに
おけるヒトパピローマウイルス感染の誘導に重要であることに気づいたことに基
づいている。好ましくは、PV感染に対して増大した感受性を有する移植動物モデ
ル作製において使用するための皮膚組織損傷手段がここに提供される。本発明の
重要な側面において、移植組織における組織治癒の誘導は組織損傷の結果である
。組織損傷は物理的創傷および化学的損傷を用いて達成することができる。物理
的創傷は、この技術で知られた適切な道具(例えば、メス、針、ピン、穴空け器
、メッシャーその他)を用いたスリット化、切開、火傷、目打ち、穿孔、メッシ
ュ化その他によって達成することができる。化学的損傷には、酵素処理が含まれ
る。より好ましくは、損傷の結果としての組織治癒誘導は特に物理的創傷及び最
も好ましくはメッシュ化による。物理的創傷は気難しい生物、特にヒトPVのヒト
異種移植動物モデルにおける感染開始の成功率を上昇させた。物理的創傷、特に
メッシュ化のヒトパピローマ誘導の改善における成功は幾つかの機構に帰属でき
るであろう。傷、特にメッシュ化は上皮新形成(neoepithelization)を刺激する
ことがありI(Harriesら、1995, Aust NZ J Surg, 65:600-6-3)従って、HPVの標
的細胞である基底細胞の個数を増加させることがある。更に、メッシュ化によっ
て傷つけられた組織は顕著な治癒過程へ導かれる。この治癒過程の間に、α6β4
のようなインテグリンが広範囲に発現するようになる。最近の研究(Evanderら、
1997、J. Virol 71:2449)はインテグリンα6β4はパピローマウイルス結合およ
び宿主細胞への侵入のレセプターであるかもしれないことを示唆している。従っ
て、物理的創傷後のヒト皮膚組織の治癒はPV感染のための移植モデルの開発にお
いて重要な要素であるように見える。
【0029】 従って、本発明の好ましい実施態様において、異種移植のためのヒト皮膚組織
は物理的に傷つけられHPV接種物を接種される。出願人は、移植に先立って皮膚
をメッシュ化することにより明白な皮膚および皮下パピローマを再現性よく誘導
した。同じウイルスストックを用いた、皮膚メッシュ化をしない並行実験では、
皮膚および皮下移植した組織にパピローマを誘導することができなかった。 従って、本発明の好ましい実施態様において、ヒト皮膚組織の物理的創傷はメ
ッシュ化、手動またはメッシュ化装置の使用によるメッシュ化によって達成され
る。より好ましくは、皮膚組織のメッシュ化はメッシュ化装置の使用によって達
成される。メッシュ化は有利なことにヒト皮膚を伸長してより広い移植領域を被
覆することを提供し、従って、ヒト皮膚組織に対する要求性を低減する。更に、
移植組織のメッシュ化は押出し物(extrudate)の浸出を容易にし、移植皮膚組織
の生存と健康を改善する(Popeら、上述)。
【0030】 接種物: 本発明の更なる好ましい側面において、接種物の調製に使用されるヒトパピロ
ーマウイルスはHPV低危険または高危険型から選ばれる。低危険型は6型、11型お
よび13型からなる。高危険型は16型、18型、35型、45型、52型および58型からな
る。好ましくは、パピローマウイルスは6型、11型および13型からなる低危険性
である。 特定の側面において、初期HPV接種物は医療クリニックから得られる臨床的に
切除されたヒトパピローマに由来する。臨床サンプルから得られるウイルス粒子
は6型および11型を含む混合物または、単一のHPV-6または-11型を含む。従って
、異種移植されたヒト皮膚組織はHPV6型および11型を含む混合接種物または、単
一のHPV-6または-11型を接種される。 本発明の更なる側面において、ヒト皮膚組織、特に異種移植されたヒト皮膚組
織に感染性のウイルス懸濁物が提供される。従って、有利なことに、ウイルス懸
濁物は、次のHPV異種移植動物を作製するために本発明の動物モデルに継代する
ことができる。好ましくは、本発明のヒト異種移植動物モデルから集めたウイル
ス懸濁物はHPVタイプの単一型または混合物を含むいずれかのウイルス懸濁物を
単離するために使用することができる。もっとも好ましくは、ウイルス懸濁物は
単一のウイルス型を含んでいる。 有利なことに、純粋なウイルス単離物は純粋なHPV型の遺伝子型または表現型
の特徴づけに有用である。一方、混合型による感染はウイルス型優位性および相
互作用に関連した疑問に応えることを可能とするかもしれない。
【0031】 接種: 用語「接種」とは、感染性ウイルス、ビリオンまたはウイルス粒子を非感染組
織に導入するための手段を言う。接種物は臨床サンプル、臨床サンプルまたは培
養サンプルに由来する懸濁物、または単離株であってもよい。接種物は単一の純
粋なウイルス株又は型、あるいは1以上のウイルス株又は型の混合物を含んでよ
い。 接種の特定の側面において、ドナー皮膚組織は接種に先立ち、または接種の間
に、乱切(scarify)される。ドナー皮膚組織の乱切は組織を傷つけるための器具
、例えば、ナイフ、メス、針等を用いて達成され得る。好ましくは、乱切に使用
する器具はパピローマウイルス懸濁液中に浸され、それによって皮膚組織の乱切
と同時にパピローマウイルス粒子の接種が行なわれる(in vitro, 移植前)。この
移植前接種(in vitro)はまた乱切組織をパピローマウイルス懸濁液中に浸漬し、
あるいは、移植前組織にウイルス懸濁液を上層することによって達成することが
できる。
【0032】 本発明の別の側面において、乱切された皮膚組織は後に、移植後直ちにin sit
uで、または移植数週間後にin situでパピローマウイルス懸濁物を接種される:
。この移植後接種(in situ)はまた、移植組織にウイルス懸濁液を上層すること
により、または移植組織にウイルス懸濁液を注射ことにより、またはこれらの組
合せによって達成されてもよい。
【0033】 皮膚又は皮下移植: 本発明の更なる側面において、移植組織はレシピエント動物に皮下および/ま
たは皮膚に挿入される。皮膚移植された組織において、パピローマウは異種移植
されたヒト組織の表面上に形成される。皮下異種移植組織においては、パピロー
マは移植されたヒト組織部位において皮下に形成される。従って、本発明は明ら
かな皮膚及び皮下パピローマを有することのできるヒト異種移植動物モデルを提
供する。
【0034】 疣贅の露出: 好ましい側面において、皮下パピローマは露出させることができ、皮膚パピロ
ーマへ発達することが可能となる。従って、皮下パピローマはこの技術で知られ
た何らかの手段を用いて露出させることができ、皮膚パピローマに発達させるこ
とができる。非限定的な例において、皮下パピローマの先端を被覆している皮膚
を切開により切り込み、皮膚を丁寧に引っ張りパピローマが外へ向かって成長し
、皮膚を通して突出できるように引き留める。これらの露出した皮下パピローマ
は皮膚パピローマと類似の形態的及び組織学的外観を発達させる。好ましくは、
切った皮膚は宿主皮膚を移植組織に縫合することにより引き留められる。
【0035】 採収: 本発明の更なる側面において、HPVは本発明の異種移植動物モデルの感染組織
から抽出することができ、従って、ウイルス懸濁物が提供される。特に、本発明
の異種移植動物モデルから得たパピローマ組織はウイルス懸濁液に含まれるべき
感染性粒子を提供する。ビリオンはパピローマ組織から当業者に良く知られた手
段によって集められる。非限定的な例において、切除されたパピローマ組織は当
業者に知られた適切なホモゲナイズバッファー中でホモゲナイズされ遠心される
。ビリオンを含む上清は集められ、直ぐに使用されるかまたは後の使用のために
保存される。好ましくは、ウイルス懸濁液は抗生物質を補充したリン酸緩衝生理
食塩水中に保存される。
【0036】 治療薬剤のスクリーニング: 本発明の好ましい実施態様において、ヒトパピローマウイルスに対する候補治
療薬剤をスクリーニングするための動物モデルが提供される。特に、この動物モ
デルは高度に再現性があり、ヒトパピローマ感染の指標である可視的パピローマ
および感染性ウイルス粒子を与えることにより世代から世代へ「伝搬可能」であ
る。好ましくは、治療的に効果のある量で、かつ、製薬的担体との混合物中の候
補薬剤は本発明の動物モデルに投与される。治療薬剤はヒトパピローマウイルス
感染に拮抗する目的で選抜され、その目的にはそのような医薬が必要である個人
においてヒトパピローマウイルス感染の防御、防止及び治療することが含まれる
。治療薬剤は単独で、またはHPV感染に干渉する他の手段とともに使用されてよ
い。特に、治療候補薬剤は個体におけるヒトパピローマウイルス感染の進行を防
ぐことのできる化合物である。最も好ましくは、治療候補薬剤は個体においてヒ
トパピローマウイルス感染またはその再発を除去することができる化合物である
【0037】 あるいは、治療候補薬剤は、ヒトパピローマウイルス感染に対して哺乳動物に
おける免疫反応を引き起こすことのできる化合物であり、それによってパピロー
マウイルス感染に対する免疫剤が提供される。可能性のある免疫剤は、ヒトパピ
ローマウイルスに対する抗体を惹起する目的で治療的に効果のある量で適切な担
体と共に投与される。このような薬剤は個体において部分的又は完全な免疫を与
え得る。 この実施態様の特定の側面において、治療候補薬剤はこの技術で知られた、局
所的、経口的又は全身的な何らかの手段により、本発明の動物モデルおよびそれ
を必要とする個体に投与される。 従って、そのような薬剤を動物に投与する手段は、経口的、局所的又は全身的
である物を含み、1以上の製薬的に許容できる担体を含むビヒクルに含めて投与
され、その割合は化合物の溶解性および化学的性質、選択された投与経路および
標準的な生物学的経験によって決定される。
【0038】 経口投与のためには、この薬剤または製薬的に許容できるそれらの塩は、所定
の量の活性成分を製薬的に許容できる担体中に含むカプセル又は錠剤のような単
一用量形態で製剤化することができる。経口投与のためには、化合物または製薬
的に許容できるそれらの塩はその効果的な結果を達成するために一日当たりに動
物の体重に従って投与される。 局所的投与のためには、薬剤は、活性薬剤を含む製薬的に許容できるビヒクル
中に製剤化される。そのような製剤は溶液、クリームまたはローションの形態で
あってよい。局所的塗布については、この薬剤は皮膚および生殖器のような感染
部位に適切な製剤形で感染部位を覆うに充分な量で投与される。治療は繰り返す
必要があり、例えば、病変が治癒するまで4時間から6時間ごとに繰り返す。
【0039】 非経口投与について、この薬剤は静脈投与、皮下又は筋肉内注射によって、製
薬的に許容できるビヒクル又は担体との組成物として投与してよい。注射による
投与について、この薬剤は、バッファーまたは保存剤および充分な量の製薬的に
許容できる塩又は溶液を等張にするためのグルコースを含んでいてもよい滅菌水
性ビヒクル中で溶液として使用するのが好ましい。全身性投与に関して、この薬
剤は効果的な結果を達成するために1日あたり動物または個人の体重に従った容
量で投与される。上に開示した製剤に含まれる選択した薬剤はパピローマウイル
ス感染の治療に関して効果的かつ比較的安全な医薬であろうが、パピローマウイ
ルス感染に対する他の治療と一緒に本製剤を同時投与することも含まれる。これ
らの治療にはトリクロロ酢酸、ポドフィロックスおよびポドフィリンのような細
胞障害薬;インターフェロンおよびイミキノドのようは免疫療法剤および、電気
外科手術、冷凍療法、切除手術およびCO2レーザーのような物理的方法が含まれ
る。
【0040】 上記の製剤のための適切なビヒクルまたは担体は標準的な薬学の教科書、例え
ば、Remingtonの"The Science and Practice of Pharmacy",第19版、Mack Publi
shing Company, Easton, Penn., 1995または"Pharmaceutical Dosage Forms And
Drugs Delivery Systems",第6版、H.C. Anselら編集、Williams & Wilkins, B
altimore, Maryland, 1995に記載されている。 この薬剤の用量は投与形態および選択した特定の活性薬剤によって変動するで
あろう。一般に、この薬剤は最も好ましくは、動物に有害又は有毒な副作用を生
じることなく抗ウイルス効果を一般に与えるであろう濃度レベルで投与される。 候補薬剤の効力は以下を含む手段によって測定することができる;パピローマ
のお大きさおよび成長、ウイルス装荷およびウイルス粒子の感染性、および組織
学、in situハイブリダイゼーション、PCRおよび免疫組織化学のような他の分子
的及び細胞性パラメーターに与えるその薬剤の有効性。
【0041】 (実施例) 材料と方法 免疫不全動物、NIH-nu-bg-xidマウスはCharles River Laboratories; Wilming
ton, Massachusetts, USA; Taconic, New York, USAおよびSt. Constance, Queb
ec, Canadaから購入した。動物はマイクロアイソレーターケージ内、半剛性アイ
ソレーターの内側に滅菌したエサ、水および床敷きと共に入れた。全ての実験は
クラスII型安全キャビネット(NuAire, Plymouth, Minnesota, USA)内で行ない、
Canadian Council for Animal Care(Ottawa, Ontario, Canada)によって認可さ
れているプロトコルに従って行なった。 移植手術はハロタンで麻酔したマウスで行なった。動物の全ての切開及び移植
領域はPolysporinTMおよびSofra-tulleTM抗生物質包帯剤(dressing)(Hoechst-Ro
ussel、Canada、Inc.、Montreal, Quebec, Canada)で処置した。次にこれらを黄
色ワセリン含浸ガーゼの層で覆い、柔軟性のある粘着ストリップで正しい位置に
維持した。 細胞および組織培養培地、アールの塩を含むα-改変イーグル培地はCellgroか
ら購入した。この培地に以下の抗生物質を補充した:0.05mg/mlゲンタマイシン
、100μg/mlストレプトマイシンおよび100U/mlペニシリン(Gibco、Ontario、Can
adaから購入)。
【0042】実施例1: 臨床的に切除したヒト疣贅からの初期ウイルス抽出物 臨床的に切除したヒト肛門性器組織は地元の病院から入手した(Dr. Ferenczy,
Jewish General NOspital, Montreal, Quebec, Canada、から快く提供された)
。集めた疣贅はプラスチック試験管に入れ、ドライアイス中に維持し我々の研究
室に輸送した。この臨床サンプルの重さを量り、小片に切り刻み(〜1-2mm四方)
、PolytronTMで冷リン酸緩衝生理食塩水(4℃)中でホモゲナイズし、最終体積を
約5ml/g組織とした。ホモゲネートを3000g(4℃)で30分間遠心した。得られたペ
レットは場合により同じ手順を用いて二度目の抽出にかけた。集めた(第1およ
び/または第2の)上清に1%(v/v)抗生物質ストック(ゲンタマイシン、50mg/ml
、ペニシリン、10,000単位/ml、およびストレプトマイシン、10,000μg/ml(Gibc
o、Ontario、Canadaから入手))を補充し、-80℃に保存した。抽出した上清は異
種移植ヒト皮膚組織を感染させるための初期HPVストックとした。 別々に抽出するには小さすぎるサンプルについては、疣贅を(実施例5のよう
に)拭き取り(swab)、それらのDNAをPCRアッセイを用いて実施例2に記載したよ
うに型判定した。同じHPV型の小さな疣贅をプールした。感染ヒト組織全ての操
作は生物学的安全性レベル2のガイドラインに従って行なった。
【0043】実施例2 :臨床的に切除したヒト疣贅のHPV型判定 HPV DNAを各サンプルから単離し、次にHPV型特異的プライマーを用いたPCR増
幅によって型判定に使用した。SDSおよびプロテイナーゼKをそれぞれ最終濃度0.
5%および0.2mg/mlで添加することによってウイルス上清を消化し、一晩55℃に
てインキュベーションした。DNAを消化した上清から等体積のTris-緩衝化フェノ
ールを用いて抽出し、続いてフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール
(25:24:1)で1回、およびクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)で1回抽出
した。DNAを酢酸ナトリム(3M)および冷無水エタノールで沈殿させた。得られた
ペレットを70%エタノールで洗滌し、乾燥させおよび0.01M Tris-HClバッファー
(pH8.0)中に再懸濁した。増幅反応は200ngの単離DNAを使用して行なった。
【0044】 ここで用いた増幅プライマーはMantらに記載されている(J. Vir. Meth., 1997
, 66:169-178)。HPV-6に対する特異的プライマーVdB-6-U/DはHPV-6 L2オープン
リーディングフレームを含む280bpの断片を増幅し、HPV-11に特異的なプライマ
ーvdB-11-U/DはHPV-11 L1 ORFを含む360bp断片を増幅した。増幅反応に対する陽
性対照としては、ヒトβ-グロビンDNAに特異的なプライマー対を各増幅反応に使
用した。増幅反応はPerkin Elmer GeneAmp PCR System 9600(Perkin Elmer, Nor
wlk, CT)で、5μlの10XPCRバッファー、6μlの25mM MgCl2、1μlの12.5 dNT
P、各2μlの10μMのプライマー、および5U/μlのAmpliTaq GoldTM(Applied B
iosystems, Mississauga, ONT)を含む50μl体積中で、以下の条件を用いて行な
った:95℃変性、10分間、続いて95℃にて30秒間の変性、58℃にて30秒間のア
ニーリング、および72℃にて1分間の伸長を40サイクル、さらに72℃にて5分間
の最終伸長。増幅反応産物を1%アガロースゲル上の電気泳動および0.5%臭化
エチジウムによる視覚化によって解析した。
【0045】 電気泳動した増幅産物を図1に示した。vdB-6およびvdB-11プライマーに対応
する280bpおよび360bpのバンドは図1(A)で解析した臨床疣贅抽出物中に6型HPV
および11型HPVの両方の存在を確認するものであるが、一方、図1(B)で解析した
それぞれの抽出物には単一のHPV-6型および-11型のみが存在していた。
【0046】 実施例3:ヒト包皮の調製 日常的な包皮切除による新生児包皮はTiny Tots Clinicから集めた(Dr, Katz,
Dollard-des-Ormeaux, Quebec, Canadaから快く提供された。)。サンプルを抗
生物質(0.05mg/mlゲンタマイシン、100U/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプ
トマイシン)を補充した、アールの塩を添加したα-改変イーグル培地(Cellgroか
ら入手)中に入れ、我々の研究室へ輸送した。全てのヒト組織の操作はクラスII
生物学的安全キャビネット(NuAireTM, Plymouth, Minnesota, U.S.A.)の下で行
なった。 包皮を、まず閉塞組織(occluded tissue)および下層の真皮の一部を除去する
ことによって処理し、中間層包皮組織(split-thickness foreskin tissue)サン
プルを以下の手段の一つを用いて調製した:
【0047】 A. 包皮組織を乱切またはメッシュ化せずに1x1cm四方に切断した。 B. 包皮組織を70μl/cm2の初期HPV接種物のアリコットを用いて乱切し、次に
1x1cm四方に切断した。乱切した組織を30μl/cm2の初期接種物の追加のアリ
コット中に浸漬し、37℃にて1時間インキュベーションした。 C. 包皮組織を上述したように乱切し、メッシュ化装置(Zimmer Skin Graft M
esherTM, Zimmer Bureau Regional, Montreal, QC, Canada)でメッシュ化し、1
x1cmサイズに切断した。乱切した組織を30μl/cm2の初期接種物の追加のアリ
コット中に浸漬し、37℃にて1時間インキュベーションした。
【0048】 組織乱切はこの技術で良く知られた技法である。簡単に言えば、組織にウイル
ス懸濁液に浸した器具で擦り傷を作り(scraped)、それによってウイルス粒子を
非感染組織に導入する。本発明の目的のためには、上述したように臨床疣贅から
調製した70μl/cm2の初期接種物を組織乱切に使用した。
【0049】 実施例4:ヒト皮膚組織の皮膚移植または皮下移植 Charles River Laboratories(Wilmington, Boston, USA)またはTaconic(N.Y.
USA)から入手したNIH-bg-nu-xidマウスをマイクロアイソレーターケージ内、半
剛性アイソレーターの内側に滅菌したエサ、水および床敷きと共に入れた。全て
の実験はクラスII型安全キャビネット(NuAire, Plymouth, Minnesota, USA)内で
行ない、Canadian Council for Animal Care(Ottawa, Ontario, Canada)によっ
て認可されているプロトコルに従って行なった。
【0050】 全ての移植手術はハロタンで麻酔したレシピエント動物で行なった。皮膚移植
については、レシピエント動物の背側方(laterodorsal)領域からの1cm2の皮膚
領域を下層の筋膜を維持し出血を最小にするように注意深く取り出した。組織片
を受容層(receiving bedding)に適合させ、サイズ6-0の絹縫合糸で正しい位置に
固定した。移植した領域をPolysporinTM抗生物質クリームおよびSofra-tulleTM
抗生物質包帯剤(dressing)(Hoechst-Roussel、Canada, Inc., Montreal, QC, Ca
nada)で手当てした。次にこれらを黄色ワセリン含浸ガーゼの層で覆い、柔軟性
のある粘着ストリップで正しい位置に維持した。包袋剤は必要に応じて3〜4日
毎に交換し、3週間維持した。皮下移植については、処理した包皮組織を更に5
x5mm四方のサイズに切り、背側中央の小さな開口部によって皮下の空間へ導入
した。これらの切り口は滅菌した創傷クリップで閉じた。
【0051】 移植後第0日から開始して、全ての異種移植動物に抗生物質SeptraTMをその飲
料水に濃度1:800(v/v)として与えた。移植部位を疣贅形成の最初の徴候について
観察し、その成長を毎週監視した。 いくつかの実験では、皮下移植組織を移植10週間後に、移植部位の上に形成さ
れたレシピエント動物の皮膚を切り、レシピエント動物の皮膚の縁を移植組織に
縫合することによって露出させた。この外科的手続はハロタン麻酔下の異種移植
動物で行なった。手術部位を皮膚移植皮膚組織についてと同様な方法で(上述し
た)、傷が安全に再結合するまで包帯をした(dressed)。 移植部位をパピローマまたは他の感染の発達について毎日調べた。目に見える
パピローマの出現時点でパピローマのサイズを、長さ、幅および高さの積として
、あるいは、その立方根[幾何学的平均直径(GMD)]として測定した。皮膚パピロ
ーマについては、以下のようなスコア付けシステムを作成した:(0)正常;(1)
凸凹;(2)各方向に1〜2mmの小さな疣贅;(3)いずれかの2方向において2mm
より大きな疣贅;(4)移植片表面の半分までを覆う半-コンフルエントなパピロ
ーマ;(5)移植片表面の半分より多くを覆うコンフルエントなパピローマ;(6)
稠密に角質化したコンフルエントなパピローマ。
【0052】実施例4A:混合HPVによる皮膚異種移植片におけるパピローマ誘導(図2B) HPV-6および-11を含む(実施例1で調製したような)初期接種物を接種した、メ
ッシュ化ヒト皮膚組織を皮膚移植した8つの部位の内、6つが目に見えるパピロ
ーマを形成し、見積GMDが2.3±0.4mm(2〜5のスコア)を有していた。皮膚パピ
ローマの外観は図2Bに示した。非メッシュ化ヒト皮膚組織を同じ初期接種物およ
び実験条件で皮膚移植した4つの部位では6ヶ月に至っても目に見えるパピロー
マは観察されなかった。
【0053】実施例4B:単一型HPVによる皮膚異種移植片におけるパピローマ誘導(図2(C)) 表1は臨床コンジローマから調製したHPV-11またはHPV-6による皮膚誘導の頻
度をまとめたものである。
【表1】
【0054】 免疫不全マウスの早期の死はHPV感染に関係のない臨床抽出物からの混入物に
よって生じたものである。続く実験において、我々は15000gで30分間の遠心を導
入し、先の死を30%未満にまで最小化させた。
【0055】実施例4C:皮下異種移植片におけるHPV混合物によるパピローマ誘導(図3) 混合HPV-16および-11(実施例1のように調製)を接種したメッシュ化ヒト組織を
皮下移植した16の部位を上述したように露出させた。露出後7週間、全部で5つの
移植部位が可視的なパピローマを有していた。それらのうち、4つのパピローマ
は移植の最初の10週間のうちに有意な成長を示し、他の1つは移植後7週間内にパ
ピローマを形成した。これらの体外露出させた皮下パピローマは皮膚パピローマ
と類似の形態を示した(図3)。非−メッシュ化ヒト皮膚組織を皮下移植した10の
部位では同じ期間内に明瞭な成長は観察されなかった。しかしながら、露出のた
めの手術の繰り返しにより、露出10週間後に(移植後20週間)これらの10個のうち
の3つで限定的な成長が観察された。この限られた成長の可能な説明は、外科手
術露出の際に組織の損傷が起こったということである。この過程はおそらくメッ
シュ化を模倣することによってパピローマウイルス感染を容易にするのであろう
【0056】実施例4D:単一型HPVにより皮下異種移植片におけるパピローマ誘導(図4) 単一型HPV-11感染皮下異種移植片ではパピローマは有意に成長した。これと比
較して、第1世代単一HPV-6型感染組織は殆どの移植片で明白な成長をしなかっ
た。 それらの臨床パピローマとの全体的な形態的類似性に加えて、混合型または単
一ウイルス型のいずれかで誘導された皮膚および皮下疣贅は図5に示したのと同
じ組織学的、細胞および免疫組織化学的特徴を有している。
【0057】実施例5 :異種移植疣贅のHVP型判定 HPV型判定は移植部位の最上層または可視的パピローマの移植部位からはがれ
落ちたHPV粒子または異種移植疣贅の抽出物からのHPV粒子のDNAを解析すること
によって行った。 可視的パピローマおよび非接種移植部位(陰性対照として使用)の場合、最上層
をまずPBSで湿した綿棒で拭い取り(swab)、続いて乾いた綿棒で穏やかに擦る。
この綿棒を0.5mlの消化バッファー(100mM NaCl、10mM Tris-HCl、25mM EDTA、お
よび0.5%SDS)および最終濃度0.2mg/mlのプロテイナーゼK中で55℃にて一晩イン
キュベーションすることによってDNAを単離した。インキュベーション期間の終
わりに、余剰の液体を取り出して捨てるために綿棒を絞った。DNAを消化した綿
棒サンプルから古典的な方法で抽出した。簡単にいうと、消化した綿棒に等量の
フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)を添加し、続いて1
6000gで1分間遠心して相を分離した。水性相をMicrocon-50微量濃縮器(Millipo
re,Canada Ltd.から購入, 業者の指示書に従った)を通し、DNAを25μlの0.25X Tris-EDTA pH7.4バッファーで溶出した。溶出したDNAを制限酵素HindIII(100U/u l)(New England Biolabsから購入、業者の指示書に従った)で消化した。疣贅抽 出物の場合、DNAは実施例1に臨床サンプルについて提示したのと方法と同様な手 順を用いて抽出した。
【0058】 HindIII消化DNAの5μlのアリコットをHPV中のL1遺伝子ORF領域を非特異的に
増幅するプライマー対MY09/MY011および、陽性対照として働くヒトβ-グロビン
遺伝子の領域を増幅するS-GH20/APCO04で同時増幅した(プライマー配列は上述し
たMantらに記載されている)。視覚化した増幅産物の結果物を図6に示した。レ
ーン1〜3では、非感染移植部位由来のDNAが増幅されており、β-グロビン(286
)に対応する増幅産物のみが存在している。レーン4から6は、疣贅組織からのD
NAが増幅されており、HPV(450bp)およびβ-グロビン(286bp)に対応する増幅産物
が存在している。 疣贅組織からの拭い取りサンプル中にHPV型が存在することを明らかにするた
めに、HindIII消化DNAをHPV6型、11型、16型、18型および31型に特異的なプラ
ーマー対(Mantら、上述)を用いて異なる増幅反応で増幅した。図7に示した結果
は皮膚疣贅組織から単離したDNA中のHPV6型および11型の存在を確認し、HPV16
型、18型および31型の不存在を確認するものである。従って、拭い取りサンプル
からのDNA抽出物の増幅産物は皮膚パピローマ中のHPV-6および-11の存在を証明
した。
【0059】 4つの露出した皮下移植片の表面から得た拭い取りサンプルから単離したDNA
をHPV6型および11特異的プライマーを用いて増幅することにより解析した。こ
の結果はこれらの4つの部位全てにおいてHPV6型および11型の両方の存在(図8
)および、高危険HPV-16型、-18型および-31型の不存在(データ示さず)を示すも
のである。図9に示した結果はそれぞれ単一型HPV-6または-11の増殖を確認する
ものである。
【0060】実施例6 :第1世代パピローマからの組織収集と第2世代および代3代異種移植
動物への継代のためのHPVストックの調製 異種移植パピローマを外科的に切除し組織を臨床サンプルに使用したのと同じ
方法に従って処理した(実施例1に記載)。HPVストックをこれらの組織から集め
、HPV型を判定した(実施例1と同様)。収集したストックを用いて免疫不全レシ
ピエント動物に移植するためのメッシュ化したヒト皮膚組織に接種した。これに
よって第2世代HPVパピローマを作製した。同じ手順を続いて繰り返し、第3世
代パピローマを得た。 ウイルスストックは1%v/v(50mg/ml)、ペニシリン(10,000U/ml)およびストレ
プトマイシン(10,000μl/ml)を補充したリン酸緩衝生理食塩水中で-80℃の温度
にて保存することができる。 図10は第2世代異種移植動物からの皮膚パピローマの、疣贅形成成長の初期に
おける全体の形態を示す。これは、少なくとも2世代のヒト異種移植動物モデル
を通過した臨床サンプルから単離したヒトパピローマウイルス粒子の増殖成功を
証明するものである。
【0061】 第1世代皮膚パピローマ(cut)から抽出した、または皮下疣贅からの2回の連
続抽出物(SC1およびSC2)からのHPV-6および-11混合ストックを使用して、免疫不
全レシピエントに移植するためのメッシュ化ヒト皮膚組織に接種した。得られた
動物は本明細書においては第2世代動物という。結果を図11にまとめた。皮下
疣贅の最初の抽出物(SC1)および皮膚収集ウイルス(cut)はそれぞれ移植組織の80
%および33%にパピローマを誘導し(移植後第77日)、SC1ストックがより感染性
であることが示された。SC2ストックは接種部位のわずかに33%にパピローマを
誘導しただけであり、このことは感染性ウイルス粒子の大部分は最初の抽出(SC1
)で回収されていたことを示す。SC1の1:10希釈は可視的なパピローマを誘導する
ことに失敗し、このことはこのモデルが感染の低い閾値を検出するために非常に
感度が高いことを示している。 図12は、連続異種移植継代から集めたパピローマウイルスを用いた、単一HPV-
11型による第2世代および第3世代におけるパピローマ誘導の頻度の高さを示す
。HPV-11の皮下継代の再現性は図13に示されている。HPV-6単一型はHPV-11より
も低い頻度で疣贅形成を誘導したが、第2世代継代はその誘導率を改善するよう
に見える(図14)。
【0062】 考察 出願人は、皮膚および皮下ヒトパピローマを誘導および形成するため、混合お
よび単一型のヒトパピローマウイルスを増殖させるため、感染性ヒトパピローマ
ウイルス粒子を収集し、パピローマウイルス粒子を有利に無パピローマヒト異種
移植動物に継代するための、高度に再現性のある異種移植動物モデルを初めて提
供するものである。 本研究は、HPV増殖のための新規なヒト異種移植動物を提示する。本発明は、
移植に先立つヒト皮膚組織の深い組織損傷および特にメッシュ化によるものが重
要な役割をもつモデルを提示する。皮膚移植モデルにおいて、可視的なパピロー
マはメッシュ化した移植片のみにおいて誘導された。皮下移植モデルにおいては
、露出前の皮下成長はメッシュ化したヒト組織においてのみ生じた。露出により
全ての皮下移植部位および、繰り返し露出させた後のいくつかの非-メッシュ化
移植組織においてのみ僅かなパピローマ成長が観察された。
【0063】 損傷組織、特に、メッシュ化組織におけるヒトパピローマ誘導の成功の背景に
ある機構は不明であるが、1つまたは複数の要因の組合せによるものかもしれな
い。第1に、損傷特にメッシュ化は新生上皮化を誘導することがあり(Harriesら
、1995、Aust NZ J. Surg. 65:600-603)従って、HPVの標的細胞である基底細胞
のポピュレーションを増加させるかもしれない。第2に、メッシュ化移植片は顕
著な傷治癒過程を有している。傷治癒の過程で、インテグリン、α6β4は過剰発
現するようになることが知られている。最近の研究(Evanderら、1997、J. Virol
., 71:2449)はこのインテグリンはパピローマウイルス結合及び宿主細胞への侵
入のレセプターかもしれないこと、およびHPV感染の開始における重要な要素で
あるかもしれないことが示唆された。加えて、この過剰発現インテグリンはパピ
ローマ誘導において重要な役割を果たすかもしれない細胞増殖および分化に関し
て他の未同定の機能を有しているかもしれない。
【0064】 従って、どんな傷に対する応答における傷治癒もヒト皮膚組織におけるパピロ
ーマ誘導において重要な要因であるようであり、HPV感染に関する動物モデル作
製における重要な構成要素であるかもしれない。ここで提示した結果は、高度に
再現性のあるHPVに関する異種移植皮膚および皮下動物モデルを作製する方法を
初めて提供するものである。この動物モデルは高度に感染性のウイルス粒子を増
殖し収集すること、およびヒトパピローマウイルスの継代のために有用であり、
潜在的治療剤をスクリーニングするために有用である。 この研究は、NIH-nu-bg-xidマウスにおける皮下及び皮膚HPV感染の再現性のあ
るモデルを提供し、このモデルは移植した疣贅組織において感染性ヴィリオンを
有するパピローマを形成することができる。潜在的候補薬剤の効果は疣贅成長の
観点からだけでなく、ウイルス複製の点からも評価することができる。移植感染
の後に続く世代を通してウイルスを増殖させることができるということは、臨床
ヒトパピローマ組織に対する必要性を取り除き、スクリーニング目的のHPVスト
ックの継続的かつ標準化された供給手段を提供する。
【0065】 NIH-nu-bg-xidマウスの選択はnu/nuマウスおよびscidマウスのどちらに対して
もある利点を有している。Stanleyら(1997、Antiviral Chem. Chmemother, 8:38
1-400)によって示唆されたように、nu/nuマウスはscidマウスやNIH-nu-bg-xidマ
ウスよりも免疫不全性が低く、従って、容易には異種移植組織の生存及び成長を
許さない。scidマウスは毛で覆われており、従って、手術の前および評価前、お
よび実験の終了点の測定前に毛を除去する必要がある。NIH-nu-bg-xidマウスは
実質的に無毛であり、機能性T-細胞、B-細胞およびNK-細胞を欠き、そのためこ
の動物モデルにおいて理想的なレシピエントとなっている。
【0066】 既知の方法工程、慣用的な方法工程、既知の方法または慣用的な方法への言及
は、本発明のいかなる側面、記載または実施態様が関連技術において開示され、
教示され、または示唆されていることをいかなる点でも認めるものではない。 特定の実施態様の上述の記載は、他者がその能力の範囲内で自身の知識(本明
細書で引用した文献の内容を含めて)を適用することにより、過度の実験をする
ことなく、本発明の一般的概念を逸脱することなく、容易に改変および/または
そのような特定の実施態様のような種々の応用に適合できるように本発明の一般
的な性質を完全に明らかにしているであろう。従って、そのような適合および改
変は、本明細書に存在する教示および指針に基づいて、開示された実施態様の意
図および等価物の範囲内であると考えられる。本明細書中の表現および用語は、
説明を目的としており限定を目的とするものではなく、従って、本明細書の用語
および表現は当業者により、本明細書に存在する教示及び指針に沿って、当業者
の知識と組み合わせて解釈されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は切除したヒトパピローマ組織の臨床サンプルから抽出した
DNAの増幅産物を示す。これらの抽出物は第1世代パピローマを誘導するための
初期HPVストックとして使用した。 パネルAは、HPV-6と-11の混合物を示す。レーン1では、Mantら(1997、J. Vir
ol. Met. 66:169-178)によって記載されたHPV-6 L2オープンリーディングフレー
ムを含むプライマー対VdB-6-U/Dは予想される280BP産物を増幅した。レーン2で
は、HPV-11 L1オープンリーディングフレーム(Mantら、上述)を含むプライマー
対VdB-11-U/Dが予想される360bp産物を増幅した。レーン3では、陽性対照、Sai
ki、PCR Protocols(1990, Innisら編集、pg13-20)に記載されたヒトβ-グロビン
に特異的なプライマー対KM29/RS42は予想される536bpを増幅した。レーンMは、D
NA分子量ラダーを表す。右の矢印は増幅産物の分子量を表す。 パネルBは、単一の型HPV-6またはHPV-11抽出物を示す。HPV-6 L2オープンリ
ーディングフレームを含むVdB-6U/Dプライマー対を用いると、HPV-6抽出物は予
想される280bp塩基対産物をレーン1に与え、HPV-11(レーン2)抽出物はHPV-6プ
ライマーについては陰性のままであった。HPV-11 L1オープンリーディングフレ
ームを含むVdB-11U/Dプライマー対をPCR増幅に使用した場合は、予想される360b
p産物がHPV-11抽出物について観察されたが(レーン3)、HPV-6抽出物については
観察されなかった(レーン4)。
【図2】 図2(A)はメッシュ化によって損傷された、ヒト疣贅抽出接種
物を接種しないヒト皮膚組織を移植した部位の外観を示す。この部位には目に見
える疣贅は無かった。 図2(B)はメッシュ化によって損傷され、ヒト疣贅組織の臨床サンプルから抽
出したHPV-6およびHPV-11の両方を含む接種物を接種したヒト皮膚組織を移植し
た部位に形成された第1世代疣贅を示す。 図2(C)はHPV-11単一型ウイルスによって誘導された典型的なHPV疣贅を示す。
メッシュ化によって損傷された、ヒト疣贅組織の臨床サンプルから抽出したHPV-
11単一型を含む接種物で接種したヒト皮膚組織を移植部位に形成された第1世代
疣贅。
【図3】 図3は、露出した皮下パピローマを示す。ヒト皮膚組織はメッシ
ュ化によって物理的に損傷し、臨床サンプルからのヒト疣贅組織抽出物の接種物
を接種し、皮下移植した。移植後約10週間目に、皮下パピローマの先端を被覆し
ている皮膚を切り込みによって切開し、皮膚を穏やかに引き込み移植組織に縫合
糸を用いて固定し、パピローマが外へ向けて成長し、皮膚から突出できるように
した。これらの露出した皮下パピローマは皮膚で成長するパピローマと類似の形
態学的かつ組織学的外観を発達させた。
【図4】 図4は、単一のHPV-11または-6型で感染させた、皮下に移植され
た異種移植ヒト包皮組織第1世代の成長速度を示す。体積は、長さx幅x高さの
積として測定した。HPV-11誘導疣贅を移植後第20週にウイルス収集のために集
めた。いくつかのHPV-6感染移植片が7か月後に中程度の成長をしただけであっ
た。単一のHPV-11および-6型の感染成功およびウイルス増殖はPCR解析(図9)、
典型的な組織学、in situハイブリダイゼーション、免疫組織化学(図5)、およ
び集めたウイルスのその後の継代における感染性(図12、13)によって確認された
【図5】 図5はHPV-誘導異種移植片疣贅の典型的な組織学、in situ ハイ
ブリダイゼーションおよび免疫組織学を示す。 パネルA:疣贅組織を集めて直ぐにホルマリンで固定した。サンプルを表皮か
ら皮下組織に亘って切り取り、乾燥させ、キシレンによって処理し、パラフィン
で灌流した。切片を5μmに切り、組織学用にヘマトキシリン及びエオジンで染
色した。 パネルB:in situハイブリダイゼーションのため、HPV-6または-11特異的な
ビオチン化DNAプローブをDAKO社から入手した。組織切片はキシレン中で脱パラ
フィンし、段階的にエタノール及び水で再水和した。プロテアーゼ消化に続いて
、プローブ溶液をスライドに添加した。スライドをシールせずにカバーし92℃に
て6分間インキュベーションしてHPVおよびプローブDNAを変性させた。スライド
を湿気のあるチャンバー内で37℃にて1時間置いた。ハイブリダイゼーション
に続いて、スライドを高いストリンジェンシーの洗滌にかけ、非特異的ハイブリ
ダイゼーションを低減させた。特異的ハイブリダイゼーションは、トリアミド信
号増幅キット(GenPoint、DAKO社)を用いて触媒されたレポーター沈着によって視
覚化し、茶色の細胞内染色が陽性シグナルとして同定された。 パネルC:免疫化学研究のため、HPV6型、11及び18型に共通のHPV-6 L1コー
ト融合タンパク質(アミノ酸40-233)に対するマウスIgG1モノクローナル抗体(Nov
ocastra Laboratories Ltd, UK)を用いて疣贅組織中のHPV-6または-11 L1発現を
検出した。ビオチン化ヤギ抗マウスIgG1を添加し、抗体と反応させ、続いて陽性
細胞を茶色に標識する免疫ペルオキシダーゼ染色を行なった。
【図6】 HPV-6および-11の混合物によって誘導された第1世代パピローマ
の拭い取りサンプル(swab sample)から抽出したHPV DNAの存在を示す。DNAは以
下のものを移植した部位からの拭い取りサンプルから抽出した:メッシュ化した
非-接種ヒト皮膚組織(レーン1-3)、およびメッシュ化し接種したヒト包皮組織(
レーン4-6)。これらの拭い取り物(swab)からDNAを抽出し、HindIIIで消化した。
消化したDNAのアリコットを以下のプライマー対で同時増幅した:HPVs中のL1遺
伝子のORF領域を特異的に増幅するMY09/MY011、およびヒトβ-グロビン遺伝子中
の領域を増幅するS-GH20/SPCO04(プライマー配列はMantら、上述、に記載されて
いる)。第1世代疣贅組織に由来するDNAの増幅産物はHPV L1遺伝子およびβ-グ
ロビンDNAに対応する、それぞれ予想される450bpおよび286bpバンドを示した。
【図7】 HPV-6および-11の混合物によって誘導された第1世代皮膚疣贅組
織から単離したDNAの増幅産物の結果を示す。単離したDNAをMantら(上述)に記載
されたようにHPV型特異的プライマーで増幅した。グループA、B、C,Dおよ
びE中のレーンは、HPV-6、-11、-16、-18および-31にそれぞれ特異的なプライ
マーの増幅産物に対応する。各グループにおいて、レーン1は第1世代皮膚疣贅
組織から抽出したDNAの増幅産物に対応し、レーン2は陽性対照に対応し、レー
ン3は陰性対照(増幅反応中にDNA無し)に対応する。陽性対照は、アメリカンタ
イプカルチャーコレクション(Manassas, Virginia, U.S.A.)から入手した、それ
ぞれ、HPV-6、-11、-16、-18および-31を含む標準HPVプラスミド、pUC19-HPV6、
pBR322-HPV11、pBluescript-HPV16、pBR322-HPV18およびpBR322-HPV13である。
これらのプラスミドの増幅は対照プラスミドHPV-6、-11、−16および-31につ
いて3kbよりも大きい増幅産物を生成した。増幅産物は第1世代皮膚パピローマ
中のHPV-6(レーンA1)および11(レーンB1)の存在を明らかにしたが、後危険型HPV
-16、-18および-31はそうではなかった。
【図8】 図8は、HPV-6および-11の混合物で感染させた皮下移植部位にお
けるHPV6型および11型の存在を示す。4つの別個の第1世代露出皮下パピローマ
の表面から得た拭い取りサンプルから単離したDNAを増幅によって解析した。HPV
6型および11型に特異的なプライマーは、HPV-6(レーン1から4)およびHPV-11(
レーン6から9)の存在を確認した。レーン5および10は図7に記載したように陽
性対照である。
【図9】 図9は、他に単一のHPV-6または-11型誘導異種移植疣贅のPCR解
析を表す。HPV-6 L2オープンリーディングフレームを含むVdB-6U/Dは予想される
280bp産物を両方のHPV-6誘導皮下疣贅(レーン3および4)から増幅し、これは対
照プラスミドpU19-HPV-6(レーン5)で得られるものと類似していた。対照的に、
HPV-11疣贅はHPV-6に対してプロービングした場合は、陽性シグナルを与えなか
った(レーン1および2)。レーン6および7において、HPV11 L1オープンリーデ
ィグフレームを含むプライマー対VdB-11U/Dは予想される360bpの産物をHPV-11誘
導した皮膚および皮下疣贅の両方から増幅し、これは対照プラスミドpUC19-HPV-
11で見られるものと類似していた(レーン10)。HPV-6疣贅はHPV-11でプロービン
グした場合は陰性シグナルを与えた(レーン8,9)。
【図10】 移植後第9週における、HPV-6および-11型混合物で誘導された
第1世代パピローマから継代した第2世代皮膚パピローマの形態を示す。
【図11】 HPV-6および-11型混合物で誘導された第1世代パピローマから
集めたHPVを接種した第2世代異種移植動物中の皮膚モデルにおける%疣贅誘導(
移植後第77日)のまとめである。皮下パピローマを二回の連続したウイルス粒
子抽出にかけ、第1抽出からのウイルスストック(SC1)および第2抽出からのも
の(SC2)はそれぞれ、80%(10の移植部位の内8)および33%(3つの移植部位の
内1つ)パピローマを誘導した。SC1の1:10希釈はいかなるパピローマも誘導しな
かった(5つの移植部位の内0)。皮膚(cut)パピローマから集めたウイルス粒子
は第2世代の動物において33%のパピローマ(6つの移植部位の内2つ)を誘導し
た。この結果は、皮下疣贅から抽出したウイルスストックは次の感染に関して感
染性粒子を生成することについてより効果的であるかもしれないことを示唆する
【図12】 図12は、皮膚モデルにおける、最初の皮下異種移植疣贅から
作製したウイルスストックによる単一HPV-11型疣贅誘導を示す。 パネルAは、3つの別の実験を示しており、第2世代における高度に再現性の
あるパピローマ誘導頻度および増殖速度を示す。 パネルBは第3世代継代パピローマ誘導が高度に再現性があることを示す。パ
ピローマ誘導、継代およびスコア付けの基準は文中に記載したとおりである。
【図13】 図13は、単一HPV-11型感染した異種移植片の第2および第3世
代における皮下成長を示す。 パネルA:実験1〜4は第2世代における4つの別個の実験を示す。 パネルB:実験5は皮下モデルにおける第3世代継代を示す。パピローマ誘導
、継代および体積測定は本文中に記載したとおりである。
【図14】 図14は、単一HPV-6型によって誘導された第1世代および第2
世代疣贅の皮膚モデルにおける比較成長速度を示す。第2世代疣贅は図4に記載
したように集めた24個の小さな皮下第1世代疣贅と1つの小さな皮膚第1世代
疣贅から調製した小さなストックによって誘導した。皮膚疣贅スコアは文中に記
載したとおりである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (75)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パピローマの誘導および形成のための移植動物モデルであっ
    て、 − 宿主皮膚組織を移植されたレシピエント動物であって、前期皮膚組織が前
    記移植の前に損傷されている前記レシピエント動物、 − 前記移植皮膚組織に宿主特異的パピローマウイルスの接種物が接種されて
    いることを含み、 前記移植皮膚が前記レシピエント動物に支持され、宿主特異的パピローマウイ
    ルスの成長を誘導および維持することができ、感染性ウイルス粒子を含む少なく
    とも1つのパピローマを保持することができるものを含む、前記動物モデル。
  2. 【請求項2】 皮膚組織損傷が物理的創傷および化学的損傷を含む手段によ
    って行なわれる、請求項1に記載のモデル。
  3. 【請求項3】 物理的創傷がスリット化、切開、伸長、火傷、目打ち、穿孔
    、またはメッシュ化を含む、請求項2に記載のモデル。
  4. 【請求項4】 化学的損傷が化学火傷または酵素処理を含む請求項2に記載
    のモデル。
  5. 【請求項5】 宿主皮膚組織の物理的損傷がメッシュ化によって行なわれる
    請求項3に記載のモデル。
  6. 【請求項6】 メッシュ化が手動で行なわれる請求項5に記載のモデル。
  7. 【請求項7】 皮膚組織のメッシュ化がメッシュ化装置によって行なわれる
    、請求項5に記載のモデル。
  8. 【請求項8】 レシピエント動物が移植宿主組織を受け入れ、かつ保持でき
    る非-ヒト哺乳動物である、請求項1に記載のモデル。
  9. 【請求項9】 非-ヒト哺乳動物がげっ歯動物である、請求項8に記載のモ
    デル。
  10. 【請求項10】 げっ歯動物が、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ま
    たはハムスターからなる群より選ばれる、請求項9に記載のモデル。
  11. 【請求項11】 非-ヒト哺乳動物が免疫無防備状態であり、移植片拒絶免
    疫応答を実質的にほとんど備えることができない、請求項8に記載のモデル。
  12. 【請求項12】 レシピエント動物が生物学的手段または化学的手段によっ
    て免疫不全にされているまたは免疫抑制されていることによって免疫無防備状態
    になっている、請求項11に記載のモデル。
  13. 【請求項13】 免疫不全レシピエント動物が移植された外来性細胞又は組
    織の成長を許すように免疫系が部分的または完全に無防備になっている、請求項
    12に記載のモデル。
  14. 【請求項14】 げっ歯動物が機能性T-細胞免疫を有しない、請求項9に記
    載のモデル。
  15. 【請求項15】 重度複合免疫不全(SCID)マウス、SCID/ベージュマウス、
    ヌードマウス、およびNIH-nu-bg-xidマウスからなる群より選ばれるげっ歯動物
    である請求項14に記載のモデル。
  16. 【請求項16】 げっ歯動物が全く又はほとんど機能性T-細胞免疫またはB
    細胞またはNK細胞を有しない、請求項9に記載のモデル。
  17. 【請求項17】 げっ歯動物が無毛である、請求項16に記載のモデル。
  18. 【請求項18】 げっ歯動物がNIH-nu-bg-xidマウスである、請求項17に
    記載のモデル。
  19. 【請求項19】 ドナー動物が、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ウサギ(ワタオ
    ウサギ、イエウサギおよびニュージーランドホワイト(NZW))、シカ、非―ヒト霊
    長類およびヒトから選ばれる、請求項1に記載のモデル。
  20. 【請求項20】 ドナー動物が、イヌ口腔パピローマウイルス、ウシパピロ
    ーマウイルス、ウマパピローマウイルス、ブタパピローマウイルス、ワタオウサ
    ギパピローマウイルス(CRPV)、シカ線維腫ウイルス、霊長類パピローマウイルス
    およびヒトパピローマウイルス(HPV)、からなる群より選ばれるそれぞれに対応
    するパピローマウイルスの宿主である、請求項19に記載のモデル。
  21. 【請求項21】 ドナー動物がヒトである、請求項20に記載のモデル。
  22. 【請求項22】 ヒト組織が包皮組織である、請求項21に記載のモデル。
  23. 【請求項23】 パピローマウイルスの増殖に有用である、請求項1に記載
    のモデル。
  24. 【請求項24】 HPV低危険および高危険ヒトパピローマウイルスの増殖及
    び感染性ウイルス粒子の収集に有用である、請求項1に記載のモデル。
  25. 【請求項25】 低危険パピローマウイルスが6型、11型および13型からな
    る群より選ばれる、請求項24に記載のモデル。
  26. 【請求項26】 高危険パピローマウイルスが16型、18型、35型、45型、52
    型、および58型からなる群より選ばれる、請求項24に記載のモデル。
  27. 【請求項27】 パピローマウイルスが低危険6型または11型である、請求
    項25に記載のモデル。
  28. 【請求項28】 異種移植ヒト皮膚組織がHPV-6型および11型の混合物を接
    種されている、請求項24に記載のモデル。
  29. 【請求項29】 異種移植ヒト皮膚組織が単一のHPV-6型を接種されている
    、請求項24に記載のモデル。
  30. 【請求項30】 異種移植ヒト皮膚組織が単一のHPV-11型を接種されている
    、請求項24に記載のモデル。
  31. 【請求項31】 皮膚組織がパピローマウイルスの懸濁液で移植後直ちにin
    -situで、または、移植後数週間でin situで接種される、請求項1に記載のモデ
    ル。
  32. 【請求項32】 移植後接種(in situ)が移植組織にウイルス懸濁液を上層
    することによって、または移植組織にウイルス懸濁液を注射することによって、
    またはそれらの組合せによって行なわれる、請求項1に記載のモデル。
  33. 【請求項33】 移植組織がレシピエント動物の皮膚に挿入される、請求項
    1に記載のモデル。
  34. 【請求項34】 移植組織がレシピエント動物の皮下に挿入される、請求項
    1に記載のモデル。
  35. 【請求項35】 皮下パピローマの先端を覆う皮膚が外科用ハサミを用いた
    直線切開によって切開され、前記皮膚は緩やかに引っ張られ、引き留められるこ
    とによって、皮下パピローマが露出され、パピローマが外へ向かって成長し皮膚
    から突出するようになる、請求項34に記載のモデル。
  36. 【請求項36】 宿主皮膚組織が移植されたレシピエント動物であって、前
    記移植皮膚組織は前記移植に先立って損傷されており、それによって前記移植皮
    膚が宿主特異的パピローマウイルスの成長を誘導及び維持し、感染性ウイルス粒
    子を含む少なくとも一つのパピローマを保持することができる、前記レシピエン
    ト動物。
  37. 【請求項37】 感染性パピローマウイルス粒子の増殖のための移植動物モ
    デルを作製する方法であって、 − 宿主ドナーから皮膚組織を入手し、前記皮膚を損傷すること、 − 前記損傷皮膚組織を、前記皮膚組織を受容できるレシピエント動物に移植
    すること、 − 前記移植組織に宿主特異的パピローマウイルスの接種物を接種すること、 − 前記移植組織中で前記パピローマウイルスが、感染性ウイルス粒子を含む
    少なくとも1つのパピローマを形成し、そこに潜むための充分な時間を与えるこ
    と、 を含む前記方法。
  38. 【請求項38】 皮膚組織損傷が物理的創傷及び化学的損傷を含む手段によ
    って行なわれる、請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 物理的創傷が、スリット化、切開、伸長、火傷、目打ち、
    穿孔またはメッシュ化を含む、請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 化学的損傷が化学火傷または酵素処理を含む、請求項38
    に記載の方法。
  41. 【請求項41】 宿主皮膚組織の物理的創傷がメッシュ化によって行なわれ
    る、請求項39に記載の方法。
  42. 【請求項42】 メッシュ化が手動で行なわれる、請求項41に記載の方法
  43. 【請求項43】 皮膚組織のメッシュ化がメッシュ化装置によって行なわれ
    る、請求項41に記載の方法。
  44. 【請求項44】 レシピエント動物が移植宿主組織を受容し支持し得る非-
    ヒト哺乳動物である、請求項37に記載の方法。
  45. 【請求項45】 非-ヒト哺乳動物がげっ歯動物である、請求項44に記載
    の方法。
  46. 【請求項46】 げっ歯動物がマウス、ラット、ウサギ、モルモット、また
    はハムスターからなる群より選ばれる、請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】 非-ヒト哺乳動物が免疫無防備状態であり、実質的にほと
    んど移植拒絶免疫応答を備えることができないものである、請求項44に記載の
    方法。
  48. 【請求項48】 レシピエント動物が生物学的手段又は化学的手段によって
    免疫不全となっている又は免疫抑制されることによって免疫無防備状態となって
    いる、請求項47に記載の方法。
  49. 【請求項49】 免疫不全レシピエント動物の免疫系が部分的又は完全に無
    防備になっており、移植された外来生細胞又は組織の増殖を許す、請求項48に
    記載の方法。
  50. 【請求項50】 げっ歯動物が機能性T-細胞免疫を有しない請求項45に記
    載の方法。
  51. 【請求項51】 げっ歯動物が重度複合免疫不全(SCID)マウス、SCID/ベー
    ジュマウス、ヌードマウス、およびNIH-nu-bg-xidマウスからなる群より選ばれ
    る、請求項50に記載の方法。
  52. 【請求項52】 げっ歯動物が機能性T-細胞免疫またはB細胞またはNK細胞
    を全くまたはほとんど有しない、請求項9に記載の方法。
  53. 【請求項53】 げっ歯動物が無毛である、請求項16に記載の方法。
  54. 【請求項54】 げっ歯動物がNIH-nu-bg-xidマウスである、請求項17に
    記載の方法。
  55. 【請求項55】 ドナー動物がイヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ウサギ(ワタオウ
    サギ、イエウサギおよびニュージーランドホワイト(NZW))、シカ、非-ヒト霊長
    類およびヒトからなる群より選ばれる、請求項1に記載の方法。
  56. 【請求項56】 ドナー動物が、イヌ口腔パピローマウイルス、ウシパピロ
    ーマウイルス、ウマパピローマウイルス、ブタパピローマウイルス、ワタオウサ
    ギパピローマウイルス(CRPV)、シカ線維腫ウイルス、霊長類パピローマウイルス
    およびヒトパピローマウイルス(HPV)、からなる群より選ばれるそれぞれに対応
    するパピローマウイルスの宿主である、請求項19に記載の方法。
  57. 【請求項57】 ドナー動物がヒトである、請求項20に記載の方法。
  58. 【請求項58】 ヒト組織が包皮組織である、請求項21に記載のモデル。
  59. 【請求項59】 パピローマウイルスの増殖に有用である、請求項1に記載
    の方法。
  60. 【請求項60】 HPV低危険および高危険ヒトパピローマウイルスの増殖及
    びその感染性ウイルス粒子の収集に有用である、請求項1に記載の方法。
  61. 【請求項61】 低危険パピローマウイルスが6型、11型および13型からな
    る群より選ばれる、請求項24に記載の方法。
  62. 【請求項62】 高危険パピローマウイルスが16型、18型、35型、45型、52
    型、および58型からなる群より選ばれる、請求項24に記載の方法。
  63. 【請求項63】 パピローマウイルスが低危険6型または11型である、請求
    項25に記載の方法。
  64. 【請求項64】 異種移植ヒト皮膚組織がHPV-6型および11型の混合物を接
    種される、請求項24に記載の方法。
  65. 【請求項65】 異種移植ヒト皮膚組織が単一のHPV-6型を接種される、請
    求項24に記載の方法。
  66. 【請求項66】 異種移植ヒト皮膚組織が単一のHPV-11型を接種される、請
    求項24に記載の方法。
  67. 【請求項67】 皮膚組織がパピローマウイルスの懸濁液で移植後直ちにin
    situで、または、移植後数週間でin situで接種される、請求項1に記載の方法
  68. 【請求項68】 移植後接種(in situ)が移植組織にウイルス懸濁液を上層
    することによって、または移植組織にウイルス懸濁液を注射することによって、
    またはそれらの組合せによって行なわれる、請求項1に記載の方法。
  69. 【請求項69】 移植組織がレシピエント動物の皮膚に挿入される、請求項
    1に記載の方法。
  70. 【請求項70】 移植組織がレシピエント動物の皮下に挿入される、請求項
    1に記載の方法。
  71. 【請求項71】 皮下パピローマの先端を覆う皮膚が外科用ハサミを用いた
    直線切開によって切開され、前記皮膚は緩やかに引っ張られ、引き留められるこ
    とにより皮下パピローマが露出され、パピローマが外へ向かって成長し皮膚から
    突出するようになる、請求項34に記載の方法。
  72. 【請求項72】 パピローマウイルス感染に対して有用な治療薬剤の効力を
    評価するための方法であって、 − 請求項1〜36のいずれか1項に記載の移植動物モデルを提供する工程、 − 前記移植宿主組織に宿主特異的パピローマウイルスの接種物を接種する工
    程、 − 前記パピローマウイルス感染異種移植動物を、適切な医薬担体中の治療薬
    剤を投与することによって処置する工程、および、 − 前記感染動物における生理学的症状の出現を防ぐ、低減する、または前記
    感染の証拠を低減することに関する前記治療薬剤の効果を評価する工程、 を含む前記方法。
  73. 【請求項73】 パピローマの誘導及び形成のための移植動物モデルであっ
    て、 − 宿主皮膚組織を移植されたレシピエント動物であって、前期皮膚組織は前
    記移植の前に治癒に対して刺激されていること、 − 前記移植皮膚組織に宿主特異的パピローマウイルスを接種すること、 を含み、前記移植皮膚は前記レシピエント動物によって支持され、宿主特異的パ
    ピローマウイルスの成長を誘導かつ維持することができ、および感染性ウイルス
    粒子を含む少なくとも1つのパピローマを保持することができるものである、前
    記移植動物モデル。
  74. 【請求項74】 組織治癒が深い創傷損傷または生物学的応答調節剤に曝露
    されることによって刺激される、請求項73に記載のモデル。
  75. 【請求項75】 生物学的応答調節剤がα6β4インテグリンの発現を刺激す
    る薬剤である、請求項73に記載のモデル。
JP2000591856A 1999-01-04 1999-12-16 パピローマの高誘発、パピローマウイルスの増殖、および候補治療剤の評価のための移植動物モデル Pending JP2002534068A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11464299P 1999-01-04 1999-01-04
US60/114,642 1999-01-04
PCT/CA1999/001196 WO2000040082A1 (en) 1999-01-04 1999-12-16 Graft animal model for high induction of papillomas, the propagation of papillomavirus and evaluation of candidate therapeutic agents

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002534068A true JP2002534068A (ja) 2002-10-15

Family

ID=22356523

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000591856A Pending JP2002534068A (ja) 1999-01-04 1999-12-16 パピローマの高誘発、パピローマウイルスの増殖、および候補治療剤の評価のための移植動物モデル

Country Status (9)

Country Link
US (2) US6596924B1 (ja)
EP (1) EP1139731A2 (ja)
JP (1) JP2002534068A (ja)
AU (1) AU769843B2 (ja)
CA (1) CA2355865A1 (ja)
HU (1) HUP0104851A3 (ja)
IL (1) IL143567A0 (ja)
NZ (1) NZ513275A (ja)
WO (1) WO2000040082A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009532020A (ja) * 2006-03-03 2009-09-10 セ・イ・エ・エメ・ア・テ 紫外線に過敏な移植されたヒト皮膚を含むマウスモデル
JP2011512872A (ja) * 2008-03-13 2011-04-28 チャールズ リバー ラボラトリーズ, インコーポレイテッド 無毛の免疫不全マウスモデル

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000040082A1 (en) * 1999-01-04 2000-07-13 Boehringer Ingelheim (Canada) Ltd. Graft animal model for high induction of papillomas, the propagation of papillomavirus and evaluation of candidate therapeutic agents
US20020064876A1 (en) * 1999-12-28 2002-05-30 Kyonggeun Yoon Novel gene therapy methods for the treatment of skin disorders
US20030091543A1 (en) * 2001-10-26 2003-05-15 Klein Matthew B. Therapeutic cell preparation grafts and methods of use thereof
KR100441202B1 (ko) * 2001-12-11 2004-07-23 대한민국 Hpv e6 유전자를 발현하는 마우스 수정란
US7285386B2 (en) 2003-10-29 2007-10-23 University Of New Mexico, And Educational Institution Of The State Of New Mexico RhPV as a model for HPV-induced cancers
WO2005110391A2 (en) * 2004-04-08 2005-11-24 University Of Massachusetts Compounds for treating human papillomavirus
CN100337690C (zh) * 2005-02-07 2007-09-19 上海复旦张江生物医药股份有限公司 一种评价治疗尖锐湿疣药物有效性的方法
CA2607533A1 (en) * 2005-04-29 2006-11-09 Ventana Medical Systems, Inc. Xenograft tissue control for histology
CA2636990A1 (en) * 2006-01-13 2007-07-26 Battelle Memorial Institute Animal model for assessing copd-related diseases

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4814268A (en) * 1986-10-06 1989-03-21 Kreider John W Methods for propagating fastidious human viruses and for producing purified suspensions thereof
US5811632A (en) * 1994-09-26 1998-09-22 Brandsma; Janet L. Non-human mammalian model for human papillomavirus-induced disease
DE19637645A1 (de) * 1996-09-16 1998-03-19 Bayer Ag Modell für die Papillomavirusinfektion in vivo die SCID-bo Maus
WO2000040082A1 (en) * 1999-01-04 2000-07-13 Boehringer Ingelheim (Canada) Ltd. Graft animal model for high induction of papillomas, the propagation of papillomavirus and evaluation of candidate therapeutic agents

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009532020A (ja) * 2006-03-03 2009-09-10 セ・イ・エ・エメ・ア・テ 紫外線に過敏な移植されたヒト皮膚を含むマウスモデル
JP2011512872A (ja) * 2008-03-13 2011-04-28 チャールズ リバー ラボラトリーズ, インコーポレイテッド 無毛の免疫不全マウスモデル

Also Published As

Publication number Publication date
EP1139731A2 (en) 2001-10-10
NZ513275A (en) 2003-11-28
HUP0104851A2 (hu) 2002-04-29
HUP0104851A3 (en) 2004-10-28
AU769843B2 (en) 2004-02-05
US20030226157A1 (en) 2003-12-04
AU1763200A (en) 2000-07-24
WO2000040082B1 (en) 2000-10-19
US6596924B1 (en) 2003-07-22
CA2355865A1 (en) 2000-07-13
IL143567A0 (en) 2002-04-21
WO2000040082A1 (en) 2000-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Jelinek et al. Cutaneous papillomatosis in cattle
Rowson et al. Human papova (wart) virus
US6479232B1 (en) Human xenografts for microbicide testing and anatomical modeling
Cladel et al. Mouse papillomavirus MmuPV1 infects oral mucosa and preferentially targets the base of the tongue
US6596924B1 (en) Graft animal model for high induction of papillomas, the propagation of papillomavirus and evaluation of candidate therapeutic agents
Moore et al. Ophthalmology of psittaciformes: parrots and relatives
CN112011509A (zh) 脊髓损伤大鼠原代小胶质细胞分离方法及应用
Terziev et al. Papillomatosis in heifers—Comparative studies on Surgical excision and autogenous vaccine therapies
Abel-Reichwald et al. Epidemiologic analysis of a sarcoid outbreak involving 12 of 111 donkeys in Northern Italy
US5811632A (en) Non-human mammalian model for human papillomavirus-induced disease
MXPA01006589A (en) Graft animal model for high induction of papillomas, the propagation of papillomavirus and evaluation of candidate therapeutic agents
US20210060044A1 (en) Methods for treating bladder cancer by activation of hedgehog signaling using a methylation inhibitor
Bonnez The HPV xenograft severe combined immunodeficiency mouse model
JP5187676B2 (ja) 腹腔内腫瘍病変の治療又は予防用の医薬組成物
Parker et al. The clinical management and laboratory assessment of anal warts
Christensen et al. Animal models of papillomavirus infections
JP2001500017A (ja) SCID―boマウスからなるインビボでのパピローマウイルス感染のためのモデル
Duan et al. A novel model of HPV infection in meshed human foreskin grafts
Kreider et al. The susceptibility of fetal rat skin in different immunologic environments to neoplastic induction with Shope papilloma virus
Finlay Equine sarcoids and bovine papillomavirus: unravelling the viral pathogenesis
WO2000032226A2 (en) Xenograft animal model for the induction of papillomas, the production of papillomavirus and the propagation thereof
DEEPTHI Master of Veterinary Science
JP2007516174A (ja) 乳頭腫ウイルスに対するctc−96の殺菌的、予防的及び治療的効果
Lara-Velazquez et al. Animal Models of Brain Tumor Surgery
US20140194348A1 (en) Method of inhibiting papillomavirus proliferation and treating papillomavirus infection