JP2002533729A - ウエザーベーン調整方法と装置および当該方法で調整可能なウエザーベーン - Google Patents

ウエザーベーン調整方法と装置および当該方法で調整可能なウエザーベーン

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JP2002533729A
JP2002533729A JP2000591441A JP2000591441A JP2002533729A JP 2002533729 A JP2002533729 A JP 2002533729A JP 2000591441 A JP2000591441 A JP 2000591441A JP 2000591441 A JP2000591441 A JP 2000591441A JP 2002533729 A JP2002533729 A JP 2002533729A
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フィリップ ロベルジュ,
セルジュ フロマンタン,
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タレス アヴィオニックス エス.アー.
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Abstract

(57)【要約】 ベーン(1)は部分的に外部環境に露出した脆弱な装置である。これらは特に航空工業の分野で使用される。ベーンが供給する測定結果は航空機の操縦によって極めて重大である。本発明は、ベーンを交換することができるベーン形式に関するものである。ブレードを交換することができるためには、方向センサ(3)の調節が可能でなければならない。この調節は、種々のコンポーネントをベーンに取り付ける位置ファクトリー設定リグ(16)を使用して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明の対象は、ウェザーベーンを調節するための方法と装置に関する。本発
明の別の目的は、当該方法で調節することができるウェザーベーンである。ウェ
ザーベーンは風向を測定するための装置である。本発明は、ウェザーベーンの調
節がきわめて重要なものである航空産業の分野に適用することができるものであ
る。これは、航空機に対する風の見かけ上の方向によって、計算を経て、事象と
浮揚パラメータを得ることが可能になるからである。これらの2つのパラメータ
は、最適フライト状態を保証するものであり、何にも増してこれらのパラメータ
はフライトの安全性に肝要なものなので、その測定は信頼性が高い必要がある。
本発明による方法はしかし、特に気象学のような他の分野でも使用することがで
きる。気象観測点に設置されたウェザーベーンは定期的な調整や、場合によって
交換が必要になる。
【0002】 ウェザーベーンは一部が外部環境にさらされる装置である。この外部にさらさ
れた部分は、特に温度変化のような気象的変化にさらされることになる。さらに
、外部の物体例えば、鳥や砂埃や氷の粒子の衝突によって損傷を受ける。より一
般的には、対して加えられる外力によって疲労することになる。航空機の環境は
極めて厳しい。風の影響を直接受けるウェザーベーンの部分は繊細である。フラ
イト段階でこの装置に加えられる力はきわめて強い。これらの力によって風を測
定する部分の方向センサに対する調節が変化する可能性がある。
【0003】 経済的な理由から、ウェザーベーンを交換する時は、その一部分のみを交換す
る。したがって、ウェザーベーンは、風によって動くベーンと、センササポート
とプローブ本体とを有する。ベーンのみを交換する場合がある。新しいベーンは
すでに設置されているセンササポートとプローブ本体に固定されるが、あるいは
、新しいベーンと新しいセンササポートをすでに設置されているプローブ本体に
取り付ける必要がある。この場合、方向センサをプローブ本体に対して調節して
、新しいウェザーベーンが使用できるようにする必要がある。
【0004】 さらに、航空会社は調整の状態を頻繁に確認する。この確認の結果、ずれが観
測され、ウェザーベーンを再調整しなければならないことが起きる。したがって
、ウェザーベーンを調節するための信頼性が高く経済的な方法が必要である。
【0005】 最も正確な調整方法は、ウェザーベーンを風洞内に設置することである。風洞
は風向が完全に把握されている風を起こすことができる。完成したウェザーベー
ンを、風洞によって得られた風の向きに対して調節することができる。この操作
が行われれば、航空機に設置した完成されたウェザーベーンは完全に調整されて
いる。
【0006】 風洞を使用したウェザーベーンの調節は非常に高い費用がかかる。特に、空気
の流れの方向を制御する特別なインフラストラクチャーを必要とする。さらに、
このシステムは、調整に時間がかかるために全体として長時間を必要とする。こ
の形式の制御は、調整の間中、航空機を地上に置くことになるが、航空機を地上
に置くことは非常に高くつく。
【0007】 上記の事情はあるが、この方法による調節も、風洞に対する投資を償却する手
段を有する産業分野のウェザーベーン設計者や修理業者にとっては不可能ではな
い。
【0008】 ウェザーベーンは、風を感知する機械的な部分と、ベーンと方向センサから構
成される。方向センサはセンササポートを介してプローブ本体に取り付けられて
いる。プローブ本体に対してベーンを既知の位置に固定し、センササポートの位
置をこのプローブ本体に対して機械的に調節し、既知のベーン位置に対してセン
サが送信する信号が所定の値になるように調節する。
【0009】 従来技術によれば、ベーンをプローブ本体に対して所定の位置に設定するため
には、流体力学的な意味におけるゼロに対するマークがベーン上に必要である。
流体力学上のゼロ点は風洞で観測される。これは、ベーンが、風洞の風の流れに
並行で、センササポートが所定の信号(通常はゼロ信号)を発信する位置に対応
する。この流体力学上のゼロ点に対して、センササポートに対するベーンの位置
に印をつける。実際は、プローブ本体に対してベーンをマーキングし、同様にプ
ローブ本体に対してセンササポートをマーキングすることによって行う。流体力
学上のゼロ点は、工場でベーンに穴をあけることによって指標をつける。この穴
の中心位置と風洞で観測された理論的な位置との間に第1の誤差が生じる。この
第1の誤差は精度誤差である。
【0010】 従来技術における調節の考え方は、流体力学上のゼロ点をあらわす穴をプロー
ブ本体に対して所定の位置に設け、方向センサを、この固定された集合体に対し
て、測定信号が所定の信号(通常はゼロ信号)となるように位置付けることであ
る。この種の調節の問題は、調節のたびにプローブ本体とベーンとをリファレン
ス位置に固定的に調節しなければならないことである。何度も使用された結果、
孔は変形して大きくなる。流体力学的なゼロ点を象徴する孔が時間とともに変形
することによって第2の誤差を生じる。この2番目の誤差は時間とともに変化し
、調節信頼性誤差として知られている。この孔が変形するために、プローブ本体
と風を感知する部分が唯一のリファレンス位置に固定されることが想定されてい
るにもかかわらず、固定位置が変化することが起こる。
【0011】 ウェザーベーンの調節方法が有する精度と再現性誤差の問題を解消することが
本発明の課題である。本発明の対象は、ウェザーベーンの調節方法である。調整
原理は4つの過程からなる。
【0012】 第1の過程は、ベーンと、方向センササポートとプローブ本体からなる集合体
を設定リグを使用して既知の固定位置に位置付けることである。この場合に使用
するセンササポートとプローブ本体は、工場の唯一のサポート本体であって、製
造されるすべての調整が必要なベーンに対して使用するものであってもよい。固
定位置では、センササポートをプローブ本体に固定する。ウェザーベーンのベー
ンを次にこのリグのビームに対して押し付ける。センサから得られる、機械的ゼ
ロ角と呼ばれる値を測定する。
【0013】 第2の過程は、取り付けられたセンササポートとプローブ本体とともにこの装
置全体を、ベーンが自由に動くことができるようにして第2の設定リグに取り付
けることである。第2の過程の間、ベーンは固定されたアッセンブリと第2の設
定リグに対して角度が知られている風洞からの風を当てる。センサが発生させる
、流体力学的なゼロ角と呼ばれる、第2の値を測定する。
【0014】 最初の2つのステップの間、方向センサによって供給される信号の差を検出す
る。この測定信号の差は、ベーンが回転した角度に対応している。この差は、機
械的ゼロと流体力学的ゼロの差である。第3の過程では、ベーンに添付する文書
又はベーン自身にこの角度を記録する。この角度によって、搭載するベーンの特
性に基づいて回転センサを迅速に調節することができる。
【0015】 最後の過程は、すでに取り付けられているプローブ本体とセンサ集合体に新し
いベーンを取り付ける際、あるいはウェザーベーンを再調節するときに現場で行
わなければならない唯一の過程である。
【0016】 調節作業だけである最後のステップにおいて、第1の過程とまったく同じ位置
にベーンとプローブ本体を固定する。現場でこの調節を行うために、第1の過程
で使用した設定リグとすべての意味において同一な設定リグを使用する。調節に
あたっては、センササポートをベーンの回転軸の周りにプローブ本体に対して回
転させる。この調節をセンサからの信号を測定しながら行う。測定された信号が
最初の2つの過程で得られた信号の差、つまり角度差、に等しくなるように、プ
ローブ本体とセンササポートの相対位置を設定する。この方法によれば、従来技
術で使用される視覚的又は機械的なホールのアラインメント調整よりもはるかに
高精度な、これらのセンサの測定精度に基づいてウェザーベーンを調整すること
ができる。
【0017】 本発明の目的は、ウェザーベーンの調節方法であって、 −現場で、ウェザーベーンを現場用設定リグに取り付け、 −ウェザーベーンの方向センサのプローブ本体とベーンに対する方向を測定す
る方向センサの機械的な位置を調節し、 −工場で、方向センサとプローブ本体の相対位置をリファレンス相互関係に固
定し、 −プローブ本体を第1の工場用設定リグに設置し、 −ベーンを第1の工場用設定リグに対して機械的な意味で既知である位置に保
持し、この位置での位置センサからの第1の信号(機械的ゼロ)を測定し、 −ウェザーベーンを第1の設定リグに対する角度が既知である風洞の風に対し
て同じリファレンス角度に保持し、この方向がわかっている風に対するベーンの
角度に対する方向センサが出力した第2の信号(流体力学的ゼロ)を測定し、 −現場で、プローブ本体を第1の工場用設定リグと同じ現場用設定リグに設置
して、現場用設定リグに対してベーンを前記と同じ固定位置において、この固定
されたベーンの位置に対する方向センサからの第3の信号を測定し、 −方向センサの位置を、第3の信号が第1と第2の信号の差(相対角)と等し
くなるように調節する。
【0018】 別な方法としては、方向センサ測定装置を使用するかわりに、センサボディの
オフセットは、第3のステップで、現場で、前の2つの測定から測定又は演繹さ
れる角度の差と等しく設定する。本発明の目的は、ウェザーベーンの調節方法で
あって、 −現場でウェザーベーンを現場用設定リグに設置し、 −ウェザーベーンのプローブ本体とウェザーベーンのベーンに対するウェザー
ベーンの方向を測定する方向センサの位置を機械的に調節し、 ―工場で、方向センサとプローブ本体との相対位置をリファレンス関係に基づ
いて固定し、 −プローブ本体を第1の工場用設定リグに搭載し、 −ベーンを第1の工場用設定リグに対して既知の位置に保持して、このベーン
位置に対する方向センサの第1の角度信号を測定し、 −同じリファレンスの位置関係を維持しながら、ウェザーベーンに風洞で第1
の設定リグに対する方向が分かっている風を当てて、この方向が分かっている風
に対する方向センサが発生する第2の角度信号を測定し、 −現場において、プローブ本体を第1の工場用設定リグと同一の現場用設定リ
グに設置して、ベーンをサイト設定リグに対して同じ位置に保持して、方向セン
サを、方向センサのリファレンスのプローブ本体に対するオフセット角が、前記
2つの角度に関する信号の差と同じになるように設定する。
【0019】 本発明の別の目的は、風の方向を測定するためのウェザーベーンの調節装置で
あって、当該ウェザーベーンは、センササポートプレートに搭載された方向セン
サを指しているインジケータを支持するシャフトに固定された、風を感知するベ
ーンと、プローブ本体を具備し、プレートはプローブ本体に対して角度を変更す
ることができ、それぞれのウェザーベーンが、ウェザーベーンを設定リグに搭載
してからプレートをプローブ本体とベーンに対して調整するためのラベルを有す
る。
【0020】 さらに、センササポートは一般にベーンの回転軸の周りに回転させられる2つ
の回転センサを有する。ベーン上の風が直角に入力する場合(航空機の胴体に概
ね沿った方向)、2つのセンサはそれぞれこの回転軸の片側に1つづつ位置する
。ベーンの回転軸の回りに次第に増大していく元の回転軸の遊びのために、2つ
のセンサの表示がそろわなくなってくる。ベーンの回転軸の遊びが存在しかつ時
間と共に変化するので、これを調節することは極めて困難である。
【0021】 本発明は、ベーン軸のガイドを頻繁に取り替える以外には除去することのでき
ないこの遊びによる致命的な結果を排除しようとするものである。本発明は、2
つの回転センサの回転軸を最も頻繁に風が向いている(あるいは最も厳しい)方
向にそろえる。この位置であれば、回転軸の遊びは残るがその効果は中和される
:センサが供給する指標は誤差を含まない。頻度が比較的低い(あるいは比較的
厳しくない)、別の方向の風に対しては、指示はある程度誤差を含むが、頻度が
低く厳しさの程度が低いので問題となる程度は小さい。
【0022】 本発明の別の目的は、風向を測定するためのウェザーベーンであって、回転軸
に取り付けられて風を感知し、回転軸と平行な軸の回りに回転する一組のセンサ
を有する測定装置を駆動するベーンとを具備し、センサの軸は、ウェザーベーン
がメイン位置にあるときには、ベーンのリーディングエッジとベーンの回転軸を
通る平面に位置する。
【0023】 本発明は以下の記載と添付の図面を参照し検討することでよりよく理解するこ
とができるはずである。これらは限定的でない例として記載するものである。
【0024】 図1aから図1cによれば、ウェザーベーンは、回転軸2の周りに回転するこ
とができる風を感知する部材であるベーン1を具備する。方向センサ3はセンサ
サポートプレート4によって支持されている。ウェザーベーンはプローブ本体5
を有する。方向センサ3はベーンが供給する機械的な方向を電気信号6に変換す
る。ベーン1はプローブ本体5に、前記回転軸2と同軸上のシャフト7によって
支持されている。シャフト7はベーン1に固定されている。シャフト7はベアリ
ング8によってプローブ本体5に保持されている。ベアリング8は、ベーン1の
1自由度の運動を可能にする。特に、ベーン1とシャフト7は軸2の回りに回転
運動だけをすることができる。
【0025】 プレート4は回転軸2の周りに回転することができる。プレート4の位置はプ
ローブ本体5に対する位置によって規定することができる。プレート4は、例え
ば、プレート4の形状に好ましくは掘り込まれたマーク9を有する。回転軸2と
直交してマーク9を通る軸10が定義される。同様に、プローブ本体5は、好ま
しくはプローブ本体5に掘り込まれたマーク11を有する。回転軸2に直角で、
マーク11を通る軸12が定義される。マーク9と11は、ウェザーベーンを搭
載したときには概ね互いに対向するような位置に掘り込まれている。好ましくは
、プレート4はプローブ本体5に、1度の100分の一以下の設定制度のゲージ
レグを有するマーキングシステムを使用して設定する。
【0026】 プレート4はベーン1とプローブ本体5の間に設けられる。プレート4は、シ
ャフト7を通すために開口13が形成されている。開口13の直径は、シャフト
7の直径よりも大きい。図1aでは、シャフト7の周囲にはボールベアリング1
4と15が設けられている。ボールベアリング14はベーン1をプレート4に対
して回転可能に支持する。ボールベアリング14はベーンが回転軸2の回りに自
由に回転できるようにする。ボールベアリング15は、ベアリング8を有する。
ボールベアリング15はプローブ本体5とシャフト7の間に設けられる。ボール
ベアリング14もまた、プレート4の位置をプローブ本体5に対して調節すると
きにプレート4が軸2の回りに回転を可能にする。ボールベアリング14と15
は図1bと1cには示していない。
【0027】 ウェザーベーンの調節方法の1つの特徴に従えば、プローブ本体5とプレート
4の集合体をリファレンス位置と称する既知の固定位置に設定することが必要で
ある。このリファレンス位置は、同種のすべてのプローブ本体5とプレート4の
組み合わせに対して、軸10と12が平行な1つの位置で定義することができる
。共通のリファレンス位置の利点は、センサの線形性についての調節とは独立で
ある。 リファレンス位置では、プローブ本体5とプレート4は設定リグ16に取り付け
られている。設定リグ16はプレート4とプローブ本体5の集合体をプローブ本
体5を介して設定リグ16に固定することができる2つのブロック17と18を
有する。本体5は、プローブ本体5のエッジが、現場用の設定リグに対して後に
位置付けられるのと同じ位置に取り付けられる。
【0028】 ここで示したウェザーベーンは方向センサ3を1つしか有していない。方向セ
ンサ3はプレート4に固定されている。例えば、方向センサ3は−Vから+Vの
間の入力を受けるポテンショメータ19を有する。センサ3から供給される信号
は、スライダ20又はそれ以外の装置の出力を感知する。スライダ20はシャフ
ト7に固定されており、その位置はベーン1の方向に依存する。アナログからデ
ジタルへの変換器21がセンサ20によって供給された電圧を、その値が風の方
向を示す2値信号6に変換する。この信号6はディスプレイ22に表示すること
もできる。リファレンスとして、方向センサ3はリゾルバまたは同期検出機を具
備する。
【0029】 ベーンの取り付けの第1の特徴は、本発明に基づく方法の第1の過程によって
得られる。この過程では、プローブ本体5とプレート4との、リファレンス位置
に組み合わせられた組み合わせを、設定リグ16の固有の位置に搭載する。ベー
ン1は動くことができる。L字型の先端に設けられたアーム23はボール上の先
端24を具備する。ボール24は例えば直径が数ミリ程度である。アーム23と
ストップ24は、ベーン1を機械的に既知の位置に保持することができる。この
アーム23は特に、プローブ本体5が設定リグ16のブロック17と18との間
、または、設定リグ16のマーキングシステムに設置されたときにベーン1と接
触するように設計されている。ベーン1は一部を切り落とした円筒状の形態であ
る。好ましくは、アーム23は、プローブ本体5のプレート4とは反対側である
ベーンの上部でベーン1と接触する。より具体的には、ボール24は、ベーンが
風によって方向が決まったときに、ベーン1のトレーリングエッジ25の近傍に
接触する。
【0030】 ブロック17,18およびアーム23によって規定される設定リグ16は再構
成することができる設定装置である。ベーンの第1の特徴を規定するために工場
で使用した装置、本発明によれば、航空機に対してウェザーベーンを検査する際
に使用するものと同一である。この点に関して、図1aの設定リグ16は図1c
に示した設定リグ16と同一である。
【0031】 設定リグ16もまた検査が必要な装置である。しかし、設定リグの材料は剛性
が非常に高いので検査自体は単純である。設定リグ16は構造上の偏差は非常に
小さい。設定リグは、ウェザーベーンを調節するためのリファレンス開口を有す
る。設定リグに関する調節の信頼性は、丈夫な構造である設定リグに依存してい
る。調節の繰り返し可能性は、したがって本発明では向上している。ベーン1は
単に設定リグ16のアーム23に搭載されるだけである。したがって、ボール2
4が磨耗することがない。
【0032】 本発明に基づく調節方法の第1のステップでは、プローブ本体5とプレート4
が、相対的なリファレンス位置に保持され、設定リグ16に対しては固有の位置
に設置される。ベーン1はアーム23の壁面に対して押し付けられる。この組み
合わせによれば結果的にウェザーベーンが既知の保持位置に位置付けられる。こ
の位置においては、ディスプレイ22に示された値は第1の値V1に対応する。
【0033】 方法の第2ステップでは、プローブ本体5とプレート4を取り外さずに一緒に
第2の設定リグ26に設置する。設定リグ26は1つの長い部材とブロック17
,18と同様な2つのブロック27,28またはマーキングシステムを具備する
。ブロック27,28はプレート4とプローブ本体5の組み合わせを第2の固有
の位置に保持する。この組み合わせにおいて、図1bによれば、ベーン1に対し
て風29を当てる。風29の方向は既知である。あらかじめ知られている風29
の方向は、例えば、設定リグ26によって形成される平面に対して定義する。好
ましくは、風の方向は設定リグ26の平面とは直行する。ベーン1の方向は風に
よって決まる。ベーン1がこの状態で、ディスプレイ22に供給する値がV2で
ある。V1の値とV2の値は通常同じではない。
【0034】 リグ26とリグ26におけるプローブ本体5の第2の特徴的な位置はリグ16
とプローブ本体5の第1の特徴的な位置に極めて密接な関係を有することに注意
する必要がある。簡単に言えば、マーク9と11が完全に位置調整されておりV
1の値がゼロであれば、V2の値もゼロである。2つの設定リグ16と26はそ
のように製作される必要がある。実際、基本的に重要なことは、リグ26とプロ
ーブ本体5に対する風の方向と、ウェザーベーンを搭載する航空機の導体に対す
るリグ26又はリグ16の方向性である。
【0035】 V1とV2の値の差は、2つの位置におけるベーンの角度の差に対応している
:設定リグ16上に設置された時の位置とリグ26に設置されて風洞に置かれた
時の位置である。この角度の差、または、V1−V2を、ベーン2の本体にマー
クしても良い。したがって、ベーンに対してラベル状のものを設けることができ
る。この値は好ましくはベーンに掘り込むのがよい。この差の値によってベーン
をプローブ本体とプレート集合体に対して、工場外で、工場とまったく同じ形式
のものに対して調節することが可能になる。この調整値は文書化してベーンに添
付することもできる。
【0036】 図1cによれば、ベーン1はプローブ本体5とプレート4からなる組み合わせ
に現場で取り付けられ、この集合体を現場用設定リグ16に搭載する。プローブ
本体5とプレート4はベーン1を固定する航空機のエレメントに対応するもので
ある。ベーン1を現場用リグ16のアーム23の壁面24に対して押し付ける。
スライダ20は既知の位置を示す。ポテンショメータ19を支持しているプレー
ト4を、プローブ本体5に対して操作する。この回転操作によってセンサをディ
スプレイ22に読み出された信号がV3に相当するように、信頼性の高い方法で
調節することができる。目標となる位置は、値V3が、V1とV2との差に相当
する位置である。 プレート4は,プローブ本体5に対して,ボルト31に対向したキドニースロッ
ト30によって、プローブ本体にボルト結合されている。キドニースロットは円
形で、その中心は軸2に一致している。このシステムによって、プレート4の位
置をプローブ本体5に対して固定することができる。プレート4はプローブ本体
5に対して他の手段によって固定することもできる。回転位置センサのステータ
を、プローブ本体5に対して固定されているプレート4に対して回転させること
によって調整することも可能である。
【0037】 図1aから 1cに示したウェザーベーンは1つの方向センサを有する。改善
した実施例では、ウェザーベーンは好ましくはプレート4に固定された複数のセ
ンサを具備する。従来技術を示す図2aによれば、2次的な方向センサが複数設
けられている時は、2次的なセンサをピニオン32又はラックによって回転させ
ることができる。ラックによって概念的に示したピニオン32がセンサのロータ
に固定されており、中央軸7のピニオン33によって駆動される。シャフト7の
回転と、従ってピニオン33の回転は、風34に従うベーン1の方向に直接依存
する。方向識別は、2つの個別の2次的方向センサによって供給される:センサ
35とセンサ36である。理解を単純化するために、2次的センサ35と36は
ポテンショメータであると仮定する。好ましくは、方向センサ35と36はリゾ
ルバ又は同期検出器である。
【0038】 複数の方向センサを有する事実は、情報源の数が増大することを意味する。2
つの方向センサの値が同じでなければ、風向測定装置の故障をパイロットに知ら
せるために、警報信号が送られる。航空機はこの情報を考慮して航行することが
必要になる。
【0039】 2次センサ35は回転軸37を有し、2次センサ36は回転軸38を有する。
回転軸2,37,38は互いに並行で、1つの平面を定義する。風は、ウェザー
ベーンの露出した部分、つまりベーン1にだけ風圧を生じさせる。ベーン1に固
定されたシャフト7もまたプローブ本体5に接続されている。プローブ本体5は
ウェザーベーンの内部にあるので、風圧を受けない。シャフト7の軸は従って初
期の位置から若干変形する。プローブ本体5はプレート4に対して固定されてお
り、同時にシャフト7を介してベーン1に固定されているので、このことによっ
て方向測定に誤差を生じる。この誤差は、仮に小さいとしてボールベアリング1
4と15に存在する遊びによって生じるものである。
【0040】 図2aと2bはシャフト7の方向に与える、回転軸2,37,38によって定
義される平面に対する風の向きによって生じる、この変形の影響を概念的に示し
たものである。従来技術を示した図2aには、回転軸2,37,38で定義され
る平面に対して直角向きの主要な風に対してシャフト7のピニオン33の偏差が
最大になることが示されている。この位置は、変形に関して方向センサがもっと
も大きな誤差を含んだ値を出力する位置である。軸2の変位は、ピニオン32の
若干の変位を生じさせ、このことが、ピニオン33が回転していないにもかかわ
らず2次センサ35と36の回転を生じさせる。
【0041】 これに対して、図2bに示す本発明によれば、回転軸2,37,38を含む平
面の方向は、主要なフライト状態においてセンサの値の誤差が最小になるように
設定される。この状態では、ベーン1の方向は軸2によって平面を定義するリー
ディングエッジ39を有する。主方向(最も頻度の高い方向)を向いたベーン1
の平面は、本発明の場合には、軸37と38を含む平面である。主要なフライト
条件は航行状態の風の向き、あるいは、失速状態の向きである。これらの場合は
いずれにおいても、本発明の場合には、これらの重要な方向に関して、変形の影
響を排除して測定値をもっとも正確なものにすることができる。
【0042】 ベアリングの遊びに起因する誤差を補償する別の方法は、設定リグ16に対し
て、風洞テストの際に、流体力学的な風圧に対応する力を加えることである。こ
のことによって、現場又は工場用の設定リグを使用して既知の力をベーンに加え
ることができる。この既知の力の合力は、ベーンの回転軸に対して直角方向であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1aは、本発明の第1の過程を示す、工場用設定リグに設置さ
れたウェザーベーンを概念的に示すものである。図1bは、本発明の第2の過程
を示すための、方向が分かっている風を受ける設定リグに搭載されたウェザーベ
ーンを概念的に示すものである。図1cは、工場用設定リグと同一の現場用設定
リグに搭載されたウェザーベーンを概念的に示すものである。当該図面は本発明
の第4の過程を示すものである。
【図2】 図2aは、航空機に搭載され、複数の角度センサを具備し、所定
の風を受ける、ウェザーベーンを上から見た概念図である。図2bは、航空機に
搭載され、複数の角度センサを具備し、図2aの風とは90°の角度をなす所定
の風を受ける、本発明に基づくウェザーベーンを上から見た概念図である

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェザーベーン(1)の調整方法であって、 −ウェザーベーンを現場で現場用設定リグ(16)に設置し、 −ウェザーベーンの、ウェザーベーンのプローブ本体(5)とウェザーベーン
    のベーンに対する角度を検出する方向センサ(3)の位置を機械的に調節し、 −工場において、方向センサとプローブ本体の相対位置をリファレンス相互位
    置に固定し、 −プローブ本体を第1の工場用設定リグ(16)に設置し、 −第1の工場用設定リグに対して機械的な意味で既知である位置に保持し、こ
    の位置での位置センサからの第1の信号(6)を測定し、 −風に対して風洞で得られたのと同じ第1の設定リグに対する関係を維持しな
    がら、既知の方向を有するこの風(29)に対応したベーンの位置に対する方向
    センサからの第2の信号を測定し、 −現場で、プローブ本体を第1の工場用設定リグと同じ現場用設定リグに設置
    して、現場用設定リグに対してベーンを前記と同じ固定位置において、この固定
    されたベーンの位置に対する方向センサからの第3の信号を測定し、 −方向センサの位置を、第3の信号が第1と第2の信号の差と等しくなるよう
    に調節する過程を含む方法。
  2. 【請求項2】 ウェザーベーンの調整方法であって、 −ウェザーベーンを現場で現場用設定リグ(16)に設置し、 −ウェザーベーンの、ウェザーベーンのプローブ本体(5)とウェザーベーン
    のベーンに対する角度を検出する方向センサ(3)の位置を機械的に調節し、 −工場において、方向センサとプローブ本体の相対位置をリファレンス相互位
    置に固定し、 −プローブ本体を第1の工場用設定リグ(16)に設置し、 −第1の工場用設定リグに対して機械的な意味で既知である位置に保持し、こ
    の位置での位置センサからの第1の信号(6)を測定し、 −風に対して風洞で得られたのと同じ第1の設定リグに対する関係を維持しな
    がら、既知の方向を有するこの風(29)に対応するベーンの位置に対する方向
    センサからの第2の信号を測定し、 −現場で、プローブ本体を第1の工場用設定リグと同じ現場用設定リグに設置
    して、現場用設定リグに対してベーンを前記と同じ固定位置において、方向セン
    サをプローブ本体に対して、方向センサのリファレンス(9)のプローブ本体の
    リファレンス(11)に対するオフセット角が2つの角度信号の差に等しくなる
    ようにオフセットする過程を有する方法。
  3. 【請求項3】 ベーンを工場用設定リグに対して既知の機械的な位置に保持
    するために、ウェザーベーンのベーンを工場用設定リグのアーム(23)に対し
    て押圧することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
  4. 【請求項4】 第1と第2の信号の差をウェザーベーン、好ましくはそのベ
    ーンに印をつけることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 ウェザーベーンが取り付けられる可動部分の基本的な方向に
    対応する既知の方向の風を風洞で発生させることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 −現場用又は工場用の設定リグを使用して、合力がベーンの
    回転軸と直角方向となる既知の力をベーンに加えることを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 風向測定のためのウェザーベーン(1)を調節するための装
    置であって、当該ウェザーベーンは、センササポートプレート(4)に搭載され
    た方向センサ(19)を指したインジケータ(20)を支持するシャフト(7)
    に固定されたウインド感知ベーンと、プローブ本体(5)とを具備し、当該プレ
    ートはプローブ本体に対して角度を変化させることができ、設定リグにウェザー
    ベーンを搭載した後、それぞれのウェザーベーンに、プレートをプローブ本体と
    ベーンに対して調節するためのラベルが設けられていることを特徴とする装置。
  8. 【請求項8】 ラベルはベーンに設けた刻印であることを特徴とする請求項
    7に記載の装置。
  9. 【請求項9】 工場用設定リグと現場用設定リグを具備し、現場用設定リグ
    は工場用設定リグと同一形状であることを特徴とする請求項7又は8のいずれか
    に記載の装置。
  10. 【請求項10】 回転軸に固定されてセンサを搭載した測定部材を駆動する
    風感知ベーンを具備し、各センサが回転シャフトと平行な軸に対して回転するこ
    とができる風向測定用ウェザーベーンであって、センサの軸(37,38)は、
    ベーンのリーディングエッジ(39)と主要位置にあるウェザーベーンのベーン
    の回転軸を通る平面に位置することを特徴とする装置。
  11. 【請求項11】 主位置は、失速時の風の方向に対応するものであることを
    特徴とする請求項10に記載のウェザーベーン。
  12. 【請求項12】 主位置が航行方向の風に対応するものであることを特徴と
    する請求項10に記載のウェザーベーン。
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