JP2002533085A - 哺乳類のリゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ - Google Patents

哺乳類のリゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ

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JP2002533085A
JP2002533085A JP2000589709A JP2000589709A JP2002533085A JP 2002533085 A JP2002533085 A JP 2002533085A JP 2000589709 A JP2000589709 A JP 2000589709A JP 2000589709 A JP2000589709 A JP 2000589709A JP 2002533085 A JP2002533085 A JP 2002533085A
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dna
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デビッド ダブリュー. リュング
ダニエル アドューレル
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Abstract

(57)【要約】 酵素リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ(LPAAT)活性を有するcDNA配列およびポリペプチドを開示する。LPAATは1-アシルsn-グリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼとしても知られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の技術分野 本発明は、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ(LPAAT)活性を有
するポリペプチドおよびLPAAT活性を有するポリペプチドをコードしているポリ
ヌクレオチドを提供する。本発明は、さらに、哺乳類細胞におけるホスファチジ
ン酸代謝およびシグナル伝達に関与するポリペプチドの単離及び生産、特に精製
型LPAATの生産を提供する。
【0002】 発明の背景 LPAATは、1-アシルsn-グリセロール-3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(EC2.
3.1.51)とも称され、これは、リゾホスファチジン酸(LPA)のホスファチジン酸(P
A)へのアシル化を、脂肪酸アシル鎖部分によるLPAのsn-2位のアシル化により、
触媒することがわかっている。LPAおよびPAは当初、脂質生合成の中間体として
同定された(Kent、Anal. Rev. Biochem.、64:315-343(1995))が、ごく最近、広
範な生体反応に影響を及ぼすリン脂質シグナル伝達分子として同定された(McPha
ilら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:7931-7935(1995);Willigerら、J. Biol
. Chem. 270:29656-29659(1995);Moolenaar、Curr. Opin. Cell Biol. 7:203-2
10(1995))。
【0003】 単核細胞およびリンパ系細胞における細胞活性化は、PA、ジアシルグリセロー
ル(DAG)およびグリカンホスファチジルイノシトール(PI)を含むリン脂質(P
L)の合成の迅速なアップレギュレーションに関連する。PAは、細胞活性化およ
び有糸分裂誘発に関連する分子的に異なる群のリン脂質の第2のメッセンジャー
である(Singerら、Exp. Opin. Invest. Drugs 3: 631-643, 1994)。PAはホス
ファチジルコリン(PC)(Exton、Biochem. Biophys. Acta 1212:26-42, 1994)
もしくはグリカンPI(Eardleyら、Science 251: 78-81, 1991; Meridaら、DNA C
ell Biol. 12: 473-479, 1993)の加水分解によって、またはDAGキナーゼによる
DAGのリン酸化によって(Kanohら、Trends Biochem. Sci. 15: 47-50, 1990)、
またはSN2位置におけるLPAのアシル化によって(Burstenら、Am. J. Physiol. 2
66:C1093-C1104, 1994)生産され得る。
【0004】 従って、PA生産を遮断し、細胞活性化に関与する脂質生合成およびシグナル伝
達を低下させる化合物は、例えば炎症および腫瘍並びに肥満治療分野において、
治療的に興味深い。したがって、LPAAT活性を遮断する化合物は、同様の治療的
価値を有する。
【0005】 LPAATをコードする遺伝子は、細菌(Coleman、Mol. Gen. Genet.232:295-303,
1992)、酵母(Nagiecら、J. Biol. Chem.268: 22156-22163, 1993)および植
物(Brownら、Plant Mol. Biol. 26:211-223, 1994;およびHankeら、Eur J. Bi
ochem. 232:806-810, 1995;Knutzonら、Plant Physiol. 109:999-1006, 1995)
において単離されている。更に、2種のヒトLPAATアイソフォームが報告されてい
る(Westら、DNA Cell Biol. 6:691-701(1997))。これらのアイソフォームは、LP
AATαおよびLPAATβと命名され(Westら、DNA Cell Biol. 6:691-701(1997))、本
明細書において説明されている。しかし依然として、例えばLPAAT活性を阻害す
る化合物のスクリーニングに使用できる別の哺乳類LPAATを単離する必要がある
【0006】 発明の概要 本発明は、単離された組換え哺乳類LPAATを作製するためのcDNA配列、ポリペ
プチド配列および形質転換細胞を提供する。本発明は、ヒトLPAATアイソフォー
ムに対応する4種のポリペプチドを提供する。これらのポリペプチドは、hLPAAT
α、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδと称される。本発明は更
に、生物学的活性のある、すなわちLPAAT活性を保持しているような、これらの
ポリペプチドの断片を提供する。LPAAT活性は、特に脂肪酸アシル鎖部分によるL
PAのsn-2位のアシル化による、リゾホスファチジン酸(LPA)のホスファチジン酸(
PA)へのアシル化を触媒することと定義される。
【0007】 本発明は更に、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδ
をコードしている核酸配列、ならびにhLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAAT
γ2、およびhLPAATδの生物学的活性断片をコードしているポリヌクレオチドを
提供する。本発明は更に、「生物学的活性」のあるポリヌクレオチド断片を提供
し、これは、LPAAT活性を有するポリペプチドをコードしているポリヌクレオチ
ド断片を内包している。本発明は更に、精製されたLPAAT類およびLPAATポリペプ
チドをコードする遺伝子の発現を修飾するためのアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドを提供する。LPAAT阻害能について被験化合物をスクリーニングするためのア
ッセイ法も提供される。
【0008】 本発明は、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδをコ
ードしている下記のポリヌクレオチドを含む。本発明は、以下のDNA配列を提供
する:hLPAATαをコードしている配列番号:1;hLPAATβをコードしている配列
番号:7;hLPAATγ1をコードしている図9;hLPAATγ2をコードしている図10;お
よび、hLPAATδをコードしている図11。
【0009】 本発明は更に、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδ
のポリペプチド、特に以下のアミノ酸配列を含む:hLPAATαを表している配列番
号:2;hLPAATβを表している配列番号:8;hLPAATγ1を表している図9;hLPAAT
γ2を表している図10;および、hLPAATδを表している図11。
【0010】 本発明は更に、配列番号:2、配列番号:8、図9、図10、および図11のアミノ
酸配列の生物学的活性断片、または生物学的活性のあるLPAATをコードしている
配列番号:1、配列番号:7、図9、図10、および図11のヌクレオチド断片を含む
。本発明は更に、遺伝子コードの縮重のために、配列番号:2、配列番号:8、図
9、図10、および図11のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを含む
。本発明は更に、配列番号:1、配列番号:7、図9、図10および図11の核酸配列
に高ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能であり且つ生物
学的活性のあるポリヌクレオチドを含む。
【0011】 哺乳類のLPAAT酵素をコードするDNA配列を含有し、発現調節配列と機能的に結
合するベクターも本発明によって提供される。組換えLPAATを作製する際に使用
するためのこのようなベクターで形質転換した宿主細胞も本発明によって提供さ
れる。本発明のベクターおよび形質転換細胞は、哺乳類の組換えLPAATを作製す
るための方法に使用される。本発明の方法では、発現調節配列に機能的に結合し
たLPAATをコードするDNA配列で形質転換した細胞株を培養する。本発明で特許請
求される方法は、LPAATポリペプチドを発現するための宿主細胞として、例えば
哺乳類細胞、酵母細胞、昆虫細胞および細菌細胞を含む数多くの公知の細胞を使
用することができる。本発明はさらに、活性な哺乳類LPAATを発現する形質転換
細胞を提供する。
【0012】 本発明は更に、LPAAT活性、すなわちLPAのPAへのアシル化を増大または減少す
る化合物を同定するための方法を提供する。PA濃度は多くの細胞経路に関与して
いるので、LPAのPAへのアシル化を増大または減少する化合物は、多くの細胞経
路の調節において有用である。このような化合物は、例えば、細胞減少療法後の
三細胞系譜の(trilineage)造血の増大、または低酸素症および再酸素化の損傷(
例えば、肺血症、外傷、およびARDS)後の炎症の阻害に使用することができる。
更に本発明は、このような化合物をインビトロまたはインビボの状況で使用する
ことを企図している。
【0013】 本発明は更に、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ(LPAAT)活性
を有するポリペプチドをコードし、下記の(a)および(b)からなる群より選択され
るヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを含む: (a)図9、図10、または図11のDNA配列およびそれらの生物学的活性断片、ならび
に (b)図9、図10、または図11のポリペプチドをコードしているDNA配列、およびそ
れらの生物学的活性断片。
【0014】 LPAAT活性を有する単離ポリペプチドは、図9、図10、または図11のアミノ酸配
列、およびそれらの生物学的活性断片を含む。
【0015】 1種以上の化合物がLPAAT活性を増大または減少するかどうかを決定するための
1種以上の化合物のスクリーニング法は、下記の段階を含む: (a)本発明のポリペプチドを、該ポリペプチドの1種以上の基質と、および1種以
上の化合物と接触させる段階;および (b)ポリペプチドのLPAAT活性が、1種以上の化合物により増大または減少される
かどうかを測定する段階。
【0016】 本発明のポリペプチドを発現させる方法は、下記の段階を含む: (a)細胞に、下記の(i)および(ii)からなる群より選択されるヌクレオチド配列を
含むポリヌクレオチドを導入する段階であって、該ポリヌクレオチドがプロモー
ターに機能的に結合されている段階: (i)図9、図10、または図11のDNA配列、およびそれらの生物学的活性断片;な
らびに (ii)図9、図10、または図11のポリペプチドをコードしているDNA配列、および
それらの生物学的活性断片;ならびに (b)ポリペプチドの発現を生じる条件下で該細胞を維持または増殖させる段階。
【0017】 リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ(LPAAT)活性を有するポリペ
プチドをコードしている単離ポリヌクレオチドは、前述のDNA配列(a)または(b)
の相補体に、高ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能であ
り且つLPAAT活性を有するポリペプチドをコードするDNA配列を含む。
【0018】 発明の詳細な説明 本発明は、単離LPAATポリペプチドおよびLPAATポリペプチドをコードしている
単離されたポリヌクレオチドを提供する。これに関連して「単離された」という
用語は、本質的に他のポリペプチドもしくは核酸配列を含まない、または天然に
通常認められる他の夾雑物を含まないポリペプチドまたはポリヌクレオチドを意
味する。
【0019】 本発明は、生物学的活性のあるLPAATおよびそれらの生物学的活性断片を含む
。本明細書において使用されるように、LPAAT活性に関連して「生物学的活性」
という用語は、脂肪酸アシル鎖部分によるLPAのsn-2位のアシル化による、リゾ
ホスファチジン酸(LPA)のホスファチジン酸(PA)へのアシル化を触媒する能力を
意味する。
【0020】 本明細書の全体にわたって使用される「発現産物」という用語は、組換えDNA
技術により産生された物質を意味する。
【0021】 本発明は、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδのポ
リペプチド配列の修飾を企図している。このような修飾は、部位特異的変異誘発
によるとして考えてもよく、または自然発生的であってもよい。これらの修飾に
より産生されたポリペプチドは全て、LPAATアシルトランスフェラーゼ活性が存
在する限りは、本明細書に含まれる。
【0022】 例えば本発明は、欠失変異体を作出する、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、h
LPAATγ2、およびhLPAATδのポリペプチド配列からの1個以上のアミノ酸の欠失
を企図している。この欠失は、1個以上のアミノ末端アミノ酸もしくは1個以上の
カルボキシ末端アミノ酸または1個以上の中間部のアミノ酸であることができる
。本発明は更に、置換変異体を作出するための、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ
1、hLPAATγ2、およびhLPAATδのポリペプチド配列への1個以上のアミノ酸の置
換を考察している。本発明は、このような置換変異体が、特定の機能的変化、例
えばタンパク質分解的切断に対する安定化などを含むことを考察している。依然
として、このような変異体は、そのアシルトランスフェラーゼ活性を保持してい
ることが理解される。
【0023】 置換は、好ましくは保存的であり、すなわち1個のアミノ酸は類似の形状およ
び電荷のアミノ酸で置き換えられる。保存的置換は、当技術分野において周知で
あり、例えば下記の変化を含む:アラニンからセリンへ;アルギニンからリシン
へ;アスパラギンからグルタミンまたはヒスチジンへ;アスパラギン酸からグル
タミン酸へ;システインからセリンへ;グルタミンからアスパラギンへ;グルタ
ミン酸からアスパラギン酸へ;グリシンからプロリンへ;ヒスチジンからアスパ
ラギンまたはグルタミンへ;イソロイシンからロイシンまたはバリンへ;ロイシ
ンからバリンまたはイソロイシンへ;リシンからアルギニン、グルタミンまたは
グルタミン酸へ;メチオニンからロイシンまたはイソロイシンへ;フェニルアラ
ニンからチロシン、ロイシンまたはメチオニンへ;セリンからトレオニンへ;ト
レオニンからセリンへ;トリプトファンからチロシンへ;チロシンからトリプト
ファンまたはフェニルアラニンへ;および、バリンからイソロイシンまたはロイ
シンへ。
【0024】 本発明は更に、挿入変異体を作出するための、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ
1、hLPAATγ2、およびhLPAATδのポリペプチド配列への1種以上のアミノ酸の挿
入を考察している。このような挿入変異体の例としては、例えばポリペプチドの
迅速な精製が可能であるため使用されるような、融合タンパク質が含まれ、また
本発明のポリペプチドと相同である他のタンパク質およびポリペプチドの配列を
含むハイブリッドポリペプチドも含むことができる。例えば挿入変異体は、ある
種のポリペプチドのアミノ酸配列の一部を、別の種の相同なポリペプチドの一部
と共に含むことができる。他の挿入変異体は、付加アミノ酸がポリペプチドのコ
ード配列の内部に導入されるようなものを含むことができる。これらは典型的に
は、前述の融合タンパク質よりも小さい挿入であり、かつ例えばプロテアーゼ切
断部位を破壊するために導入される。
【0025】 本発明のポリペプチドは、αアミノ基のt-BOCまたはFMOC保護などの普通に使
用される方法によって合成することができる。両方法は、ペプチドのC末端から
出発して、各段階において1つのアミノ酸が添加される段階的合成を含む(Colig
anら、Current Protocols in Immunology, Wiley Interscience, Unit 9, 1991
)。また、本発明のポリペプチドはまた、0.1〜1.0mMアミン/gポリマーを含有す
るコポリオール(スチレン-ジビニルベンゼン)を使用して、固相合成方法によ
って合成することもできる(例えば、Merrifield、J. Am. Chem. Soc. 85:2149,
1962; 並びにStewartおよびYoung、Solid Phase Peptide Synthesis, Freeman,
San Francisco pp.27-62, 1969)。化学合成の終了時に、0℃で約15〜60分間、
液体HF10%アニソールで処理することによって、ポリペプチドの保護基をはずし
て、ポリマーから切断することができる。試薬を留去後、1%酢酸溶液でポリマー
からペプチドを抽出し、次いで凍結乾燥して粗材料を得る。これは、通常、溶媒
として5%酢酸を使用したセファデックスG-15によるゲル濾過などの技法によって
精製することができる。カラムの適当な画分の凍結乾燥によって、均質なポリペ
プチドまたはポリペプチド誘導体を獲得し、アミノ酸分析、薄層クロマトグラフ
ィー、高速液体クロマトグラフィー、紫外線吸収分光計、分子回転、溶解度およ
び固相エドマン(Edman)分解による定量などの標準的な技法によって特徴づけ
られる。
【0026】 本発明はまた、本発明のhLPAATをコードするポリヌクレオチドも提供する。本
明細書において使用される「ポリヌクレオチド」とは、分離した断片の形態の、
またはより大きな構築物の一成分としてのデオキシリボヌクレオチドまたはリボ
ヌクレオチドのポリマーを意味する。
【0027】 本発明のポリヌクレオチド配列はDNA、RNAおよびcDNA配列を含む。好ましくは
、hLPAATをコードするポリヌクレオチド配列は、hLPAATαが配列番号:1、LPAAT
βが配列番号:7、hLPAATγ1が図9、hLPAATγ2が図10、およびhLPAATδが図11
の配列である。本発明のDNA配列はいくつかの方法によって得ることができる。
例えば、当技術分野において公知のハイブリダイゼーション法を使用して単離す
ることができる。このようなハイブリダイゼーション法は、例えば、共有するヌ
クレオチド配列を検出するためのcDNAライブラリーのゲノムへのプローブのハイ
ブリダイゼーション、普通の抗原性エピトープなどの共有する構造特徴を検出す
るための発現ライブラリーの抗体スクリーニング、およびポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)による合成を含む。
【0028】 ハイブリダイゼーション法は、標識した合成オリゴヌクレオチドプローブの混
合物を使用することによって組換えクローンをスクリーニングするのに有用であ
る。この場合、各プローブは変性した2本鎖DNAの異種混合物を含むハイブリダイ
ゼーション試料において特定のDNA配列配列のおそらく完全な相補鎖である。こ
のようなスクリーニングでは、ハイブリダイゼーションは、好ましくは、1本鎖D
NAまたは変性2本鎖DNAに対して実施される。ハイブリダイゼーションは、関心の
あるポリペプチドに関するmRNAが極めて低量しか存在しない原料から誘導される
cDNAクローンを検出するために特に有用である。非特異的な結合を回避するため
のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を使用すると、混合物中の1
つのプローブに対する標的DNAのハイブリダイゼーションによって、その相補鎖
である特定のcDNAクローンのオートラジオグラフによる可視化が可能になる(Wa
llanceら、Nucl. Acid Res. 9:879, 1981)。ストリンジェント条件は、好まし
くは高ストリンジェンシー条件を含む。例えば、マニアティス(Maniatis)らの
、分子クローニング(実験室マニュアル)(Molecular Cloning (A Laboratory
Manual))Cold Spring Harbor Laboratory、387-389ページ、1982年)を参照の
こと。このような高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件のひとつは
、例えば、65℃で4 X SSC、それに続く0.1 X SSC中65℃での30分間の洗浄である
。あるいは、別の高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、50%ホ
ルムアミド中での、42℃での4 X SSCである。
【0029】 hLPAATをコードする特定のDNA配列は、ゲノムDNAからの2本鎖DNA配列の単離、
関心のあるポリペプチドに必要なコドンを提供するDNA配列の化学的な製造およ
び真核ドナー細胞について単離したmRNAの逆転写による2本鎖DNA配列のインビト
ロ合成によって形成することができる。後者の場合では、一般にcDNAと呼ばれる
mRNAの2本鎖DNA相補鎖が最終的に形成される。組換え手順に使用するための特定
のDNA配列を形成するこれら3種の方法のうち、ゲノムDNA単離物の単離はあまり
一般的でない。イントロンの存在によって哺乳類のポリペプチドの微生物による
発現をさせることが望ましい場合にはこれは特に当てはまる。
【0030】 DNA配列の合成は、多くの場合、望ましいポリペプチド産物のアミノ酸残基の
全長の配列が既知の場合に好ましい方法である。望ましいポリペプチドのアミノ
酸残基の全長の配列が既知でない場合には、DNA配列を直接合成することは不可
能であり、cDNA配列を合成することが望ましい。cDNA配列の単離は、例えば、mR
NAの逆転写により誘導される、cDNAライブラリーを保有するプラスミドまたはフ
ァージを形成することによって実施することができる。mRNAは、遺伝子発現が多
量であるドナー細胞では豊富である。発現が少量の場合は、PCR技法が好ましい
。アミノ酸配列の大半が既知である場合には、標識された1本鎖もしくは2本鎖DN
Aまたは標的cDNA中に存在することが推定される配列を複製するRNAプローブ配列
の作製はDNA/DNAハイブリダイゼーション手順で使用され、(1本鎖型に変性され
た)cDNAのクローニングされるコピーについて実施することができる(Jay ら,
Nucl. Acid Res. 11:2325, 1983)。
【0031】 hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδに特異的な抗体
を使用して、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδポリ
ペプチドについてλgt1lなどのcDNA発現ライブラリーをスクリーニングすること
ができる。このような抗体はポリクローナル的またはモノクローナル的に誘導さ
れてもよい。
【0032】 本発明のポリヌクレオチドは、遺伝子コードの結果として縮重している配列を
含む。この遺伝子コードは、コドンと称される複数のヌクレオチドトリプレット
が一種類のアミノ酸をコードすることができるので、縮重と説明される。本発明
は、遺伝子コードの縮重を考察し、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2
、およびhLPAATδをコードしている全ての縮重ヌクレオチド配列を含む。
【0033】 本発明は更に、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδ
をコードしているポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド配列も含む。特
に、本発明は、アンチセンスポリヌクレオチドを含む。アンチセンスポリヌクレ
オチドは、特定のmRNA分子の少なくとも一部に相補的なDNAまたはRNA分子である
(Weintraub、Sci. Amer. 262:40(1990))。本発明は、hLPAATα、hLPAATβ、hLPA
ATγ1、hLPAATγ2、またはhLPAATδの発現を阻害することが可能な全てのアンチ
センスポリヌクレオチドを包含している。細胞において、アンチセンスポリヌク
レオチドは、対応するmRNAにハイブリダイズし、二本鎖分子を形成する。細胞は
二本鎖であるmRNAを翻訳することができないので、アンチセンスポリヌクレオチ
ドはmRNAの翻訳により妨害される。約15個のヌクレオチドのアンチセンスオリゴ
マーが好ましく、その理由はこれらが容易に合成され、かつ標的であるhLPAATα
、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、またはhLPAATδ産生細胞に導入された場合
に、大きい分子よりも問題を生じる可能性が低いからである。遺伝子翻訳を阻害
するためのアンチセンス法の使用は公知である(例えば、Marcus-Sakura、Anal.
Biochem. 172:289(1988))。
【0034】 本発明は更に、対立遺伝子変異、すなわち、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1
、hLPAATγ2、またはhLPAATδをコードしているポリヌクレオチド配列に対し、
アミノ酸変化を生じうる、または生じえないような種の集団において天然に生じ
る塩基の変化を含む。本発明のポリヌクレオチド配列は更に、hLPAATα、hLPAAT
β、hLPAATγ1、hLPAATγ2、またはhLPAATδのコード領域またはコード領域の相
補鎖に対し、高ストリンジェントな条件下(例えば、Maniatisら、分子クローニ
ング(実験室マニュアル)(Molecular Cloning(A Laboratory Manual))、Cold
Spring Harbor Laboratory、387-389ページ、1982年参照)でハイブリダイズす
る配列を含む。このような高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は
、例えば、65℃で4 X SSC、それに続く65℃で0.1 X SSC中での30分間の洗浄であ
る。あるいは、別の高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、50%
ホルムアミド中での42℃での4 X SSCである。
【0035】 また、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδを開裂す
るリボザイムヌクレオチド配列は本発明に含まれる。リボザイムは、DNA制限エ
ンドヌクレアーゼに類似した方法で他の1本鎖RNAを特異的に切断する能力を有す
るRNA分子である。このようなRNAを転写するヌクレオチド配列を改変することに
よって、RNA分子中の特定のヌクレオチド配列を認識して、切断する分子を作製
することができる(Cech、J. Amer. Med. Assn. 260: 3030, 1988)。
【0036】 リボザイムには、テトラヒメナ型(Hasselhoff、Nature 334: 585, 1988)と
「ハンマーヘッド型」の2種の基本的な型が存在する。テトラヒメナ型リボザイ
ムは鎖長が4塩基の配列を認識するが、「ハンマーヘッド型」リボザイムは鎖長
が11〜18塩基の塩基配列を認識する。認識配列が長いほど、その配列が標的mRNA
種中に主に存在する可能性が大きくなる。結果として、特定のmRNA種を不活性化
するためには、ハンマーヘッド型リボザイムはテトラヒメナ型リボザイムより好
ましい。
【0037】ポリペプチドの生産 本発明のhLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチド配列は原核細胞または真核細胞のいずれで
発現されてもよい。宿主は微生物(細菌)、酵母、昆虫および哺乳類を含むこと
ができる。原核細胞において原核生物またはウイルスの調節配列の下流が挿入さ
れたDNA配列を発現する方法は当技術分野において公知である(Makrides、Micro
bio. Rev. 60:512, 1996)。真核生物宿主内で発現および複製することができ
る生物学的機能を有するウイルスおよびプラスミドDNAベクターは当技術分野に
おいて公知である(Cachianes、Biotechniques 15:255, 1993)。このようなベ
クターを使用して本発明のDNA配列を導入する。本発明のポリペプチドをコード
するDNA配列は、公知のトランスフェクション方法を使用して、好適な宿主内にD
NAを導入することによってインビトロで発現することができる。
【0038】 hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδ配列は組換え発
現ベクターに挿入することができる。「組換え発現ベクター」という用語は、遺
伝子配列を挿入または組み込むことによって操作されているプラスミド、ウイル
スまたは他の伝達体を意味する。このような発現ベクターは、宿主の挿入された
遺伝子配列の効率的な転写を促進するプロモーター配列を含む。発現ベクターは
、典型的には、複製起点およびプロモーター、ならびに形質転換後の細胞の表現
型による選択を可能にする特定の遺伝子を含む。DNAセグメントは、ベクター、
機能的に結合された調節配列、例えばプロモーター(例えばT7、メタロチオネイ
ンI、またはポリヘドリン(polyhedren)プロモーター)として存在しうる。本発
明に使用するために好適なベクターは、例えば、細菌内での発現のための細菌プ
ロモーターおよびリボザイム結合部位を有する細菌発現ベクター(Gold、Meth.
Enzymol. 185: 11, 1990)、哺乳類細胞での発現のための動物プロモーターおよ
びエンハンサーを有する発現ベクター(Kaufman、Meth. Enzymol. 185: 487, 19
90)および昆虫細胞での発現のためのバキュロウイルス由来ベクター(Luckowら
、J. Virol. 67: 4566, 1993)を含む。
【0039】 ベクターは、発現ベクターを含む宿主細胞を同定するために表現型によって選
択可能なマーカーを含んでもよい。原核細胞発現ベクターに典型的に使用される
マーカーの例は、アンピシリン(β-ラクタマーゼ)、テトラサイクリンおよび
クロラムフェニコール(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ)に
対する抗生物質耐性遺伝子を含む。哺乳類発現ベクターに典型的に使用されるこ
のようなマーカーの例は、アデノシンデアミナーゼ(ADA)、アミノグリコシド
ホスホトランスフェラーゼ(neo、G418)、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、ハ
イグロマイシン-B-ホスホトランスフェラーゼ(HPH)、チミジンキナーゼ(TK)
およびキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(XGPTR、gpt)の
遺伝子を含む。
【0040】 別の好ましい態様において、使用される発現系はバキュロウイルスポリヘドリ
ンプロモーターによって駆動されるものである。LPAATをコードするポリヌクレ
オチドは、バキュロウイルスベクター内でのクローニングを促進するために、標
準的な技法によって操作することができる。オースベル(Ausubel)ら、前記を
参照のこと。好ましいバキュロウイルスベクターはpBlueBacベクター(Invitrog
en, Sorrento, CA)である。LPAATをコードするポリヌクレオチドを有するベク
ターをスポドプテラ・フルギペルタ(Spodoptera frugiperda)(Sf9)細胞に標
準的なプロトコールによってトランスフェクションし、細胞を培養し、組換えポ
リペプチドを産生するように処理する。サマーズ(Summers)ら、バキュロウイ
ルスベクター法および昆虫細胞培養手順マニュアル(A Manual for Methods of
Baculovirus Vectors and Insect Cell Culture Procedures)、テキサス州農業
実験ステーション(Texas Agricultural Experimental Station)を参照のこと
【0041】 本発明のポリヌクレオチドは任意の数の異なる組換えDNA発現系内で発現され
て、多量のポリペプチドを生産することができる。未変性グリコシル化配列を有
するLPAATポリペプチドおよび以下に記載する方法によって調製された脱グリコ
シル化または非グリコシル化ポリペプチドは本発明の範囲内に含まれる。当業者
に公知の発現系の例は大腸菌(E. coli)などの細菌、ピヒア・パストリス(Pic
hia pastosis)などの酵母、バキュロウイルス、およびCosまたはCHO細胞などの
哺乳類発現系を含む。
【0042】 本発明のポリヌクレオチドは、標準的なサブクローニング法によって発現ベク
ターに挿入することができる。好ましい態様では、組換えタンパク質を生産する
大腸菌(E. coli)発現ベクターを融合タンパク質として用いて、タンパク質の
迅速なアフィニティー精製が可能である。この融合タンパク質発現系の例はグル
タチオンS-トランスフェラーゼ系(Pharmacia, Piscataway, NJ)、マルトース
結合タンパク質系(NEB, Beverley, MA)、チオフュージョン系(Invotrogen, S
an Diego, CA)、Strep-tag II系(Genosys, Woodlands, TX)、FLAG系(IBI, N
ew Haven, CT)および6xHis系(Qiagen, Chatsworth, CA)である。これらの系
のいくつかは、組換えポリペプチドのLPAAT能力に影響を与える可能性のない、
ごく少数の別のアミノ酸を有する組換えポリペプチドを産生する。例えば、FLAG
系および6xHis系はいずれもごく短い配列を追加し、その両者共に抗原性は低い
ことが知られており、非変性コンフォーメーションへのポリペプチドの折り畳み
に有害な影響を与えない。他の融合系は、望ましいタンパク質から融合パートナ
ーを切除することが望ましいタンパク質を産生する。好ましい態様において、融
合パートナーを、プロテアーゼに特異的な認識配列を有するペプチド配列によっ
て組換えポリペプチドに結合する。好適な配列の例はタバコエッチウイルスプロ
テアーゼ(Tobacco Etch Virus protease)(Life Technologies, Gaithersburg
, MD)または因子Xa(New England Biolabs, Beverley, MA)またはエンテロキ
ナーゼ(Invotrogen, San Diego, CA)によって認識される配列である。
【0043】 本発明の一態様において、LPAATをコードするポリヌクレオチドは、推定膜貫
通配列を検出するため解析される。このような配列は典型的には非常に疎水性で
、MacDNASIS(Hitachi, San Bruno, CA)などの標準的な配列解析ソフトウェア
を使用することによって容易に検出される。組換えタンパク質が、多くの発現系
、特に大腸菌(E. coli)で合成される場合には、膜貫通配列の存在によって、
ポリペプチドの非変性コンフォーメーションへの復元が困難になる不溶性の凝集
物を形成するので、有害であることが多い。
【0044】 従って、1個以上の膜貫通配列の欠失が望ましいと考えられる。膜貫通配列の
欠失は、典型的には、残余のポリペプチド構造のコンホメーションまたは活性を
有意には変化させない。しかし、1個以上の欠失した配列を含むLPAATタンパク質
の活性をアッセイし、かつこの活性を修飾されていないLPAATの活性と比較する
ことにより、1個以上の膜貫通配列の欠失がLPAATタンパク質の生物学的活性に影
響を及ぼすかどうかを決定することができる。LPAAT活性のアッセイは、例えば
、関心のあるLPAATタンパク質を、基質LPAおよび脂肪酸アシル-CoAと接触させ、
かつPAもしくはCoAの生成を測定するか、または、例えば遊離のCoAの生成を測定
することにより実現することができる。このようなLPAAT活性を決定するための
アッセイ法は、下記のスクリーニングアッセイ法の項により詳細に説明する。
【0045】 さらに、膜貫通配列は、定義では膜内に埋め込まれているので、宿主の免疫系
に抗原決定因子として受け入れられない。従って、これらの配列に対する抗体は
宿主に免疫を与えないので、本発明の組換えポリペプチドからこのような配列を
除いても、モノクローナルまたはポリクローナル抗体の生産に関してはほとんど
損失がない。発現に使用されるポリヌクレオチドから膜貫通コード配列を除くこ
とは標準的な技法によって実施することができる。オースベル(Ausubel)ら、
前記、第8章を参照のこと。例えば、偶然配置された制限酵素部位を使用して望
ましい遺伝子断片を切除してもよく、またはPCRを使用して遺伝子の望ましい部
分だけを増幅してもよい。
【0046】 組換えDNAによる宿主細胞の形質転換は従来の技法によって実施することがで
きる。宿主が大腸菌(E. coli)などの原核細胞である場合、標準的な手順を使
用して、指数関数的な増殖相後に採取してから、CaCl2法で処理した細胞から、D
NAを取り込むことができる能力細胞を調製することができる。または、MgCl2
しくはRbClを使用することができる。宿主細胞のプロトプラストを形成すること
により、またはエレクトロポレーションによって形質転換を実施することもでき
る。
【0047】 宿主が真核細胞である場合には、リン酸カルシウム共沈、従来の機械的手順(
マイクロインジェクション)、エレクトロポレーション、リポソーム封入プラス
ミド、またはウイルスベクターなどのDNAのトランスフェクション方法を使用す
ることができる。真核細胞は、本発明のhLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAA
Tγ2、およびhLPAATδポリペプチドをコードするDNA配列並びに単純ヘルペスチ
ミジンキナーゼ遺伝子などの選択可能な表現型をコードする第2の外来DNA分子に
よって共形質転換することができる。別の方法はシミアンウイルス40(SV40)ま
たはウシパピローマウイルスなどの真核細胞ウイルスベクターを使用して、真核
細胞を一時的に感染すなわち形質転換して、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、h
LPAATγ2、およびhLPAATδポリペプチドを発現する。
【0048】 LPAATポリペプチドを産生するために好適な発現ベクターは、好ましくは、(1
)細菌複製起点および細菌宿主内での発現ベクターの増殖と選択を提供するため
の抗生物質耐性マーカーをコードする原核細胞DNA要素;(2)プロモーターなど
の、転写の開始を制御する真核細胞DNA要素;および(3)転写停止/ポリアデニ
ル化配列などの転写物の処理を制御するDNA要素を含む。本発明のLPAATポリペプ
チドは、好ましくは、哺乳類細胞、昆虫細胞および酵母細胞などの真核細胞内で
発現される。哺乳類細胞はグリコシル化などの好適な翻訳後調節を提供するので
、哺乳類細胞は特に好ましい真核細胞宿主である。哺乳類の宿主細胞の例はチャ
イニーズハムスター卵巣細胞(CHO-K1; ATCC CCL61)、ラット下垂体細胞(GH1;
ATCC CCL82)、HeLaS3細胞(ATCC CCL2.2)、ラット肝細胞癌細胞(H-4-II-E;
ATCC CRL1548)、SV40-形質転換サル腎臓細胞(COS-1; ATCC CRL1650)およびマ
ウス胎仔細胞(NIH-3T3; ATCC CRL 1658)を含む。哺乳類宿主では、転写および
翻訳調節シグナルは、調節シグナルが発現量が多い特定の遺伝子に結合している
、アデノウイルス、ウシパピローマウイルス、シミアンウイルス等などのウイル
ス起源から誘導することができる。好適な転写および翻訳調節配列は、アクチン
、コラーゲン、ミオシンおよびメタロチオネイン遺伝子などの哺乳類遺伝子から
得ることもできる。
【0049】 転写調節配列は、RNA合成を開始させるのに十分なプロモーター領域を含む。
好適な真核細胞プロモーターはマウスメタロチオネインI遺伝子(Hamer ら, J.
Molec. Appl. Genet. 1:273, 1982);ヘルペスウイルスのTKプロモーター(McK
night, Cell 31: 355, 1982);SV40早期プロモーター(Benoist ら, Nature 29
0: 304, 1981);ラウス肉腫ウイルスプロモーター(Gorman ら,Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 79: 6777, 1982);およびサイトメガロウイルスプロモーター(
Foesking ら Gene 45: 101, 1980)を含む。または、原核細胞ポリペプチドが真
核細胞プロモーターによって調節される場合には、バクテリオファージT3 RNAポ
リメラーゼプロモーターなどの原核細胞ポリペプチドを使用して、融合遺伝子発
現を制御することができる(Zhou ら, Mol. Cell. Biol. 10: 4529, 1990;Kauf
man ら, Nucl. Acids Res. 19: 4485, 1991)。
【0050】 リン酸カルシウムトランスフェクション、リポソーム媒介トランスフェクショ
ン、エレクトロポレーション等を含む種々の技法を使用して、発現ベクターを宿
主細胞に導入することができる。発現ベクターが宿主細胞ゲノム内に安定して組
み込まれ、安定な形質転換体を作製するトランスフェクションされた細胞が選択
され、増殖するのが好ましい。ベクターを真核細胞に導入する技法および優先的
な選択マーカーを使用して安定な形質転換体を選択するための技法は、例えば、
オースベル(Ausubel)およびミューレイ(Murray)(編)、遺伝子導入と発現
プロトコール(Gene Transfer and Expression Protocols)(Humana Press 199
1)に記載されている。哺乳類宿主細胞の例はCOS、BHK、293およびCHO細胞を含
む。
【0051】組換えポリペプチドの精製 数多くの異なる組換えDNA発現系の任意のもので発現されるLPAATポリペプチド
を大量に獲得して、生物活性について試験することができる。例えば大腸菌(E.
coli)のような組換え細菌は、例えばLBのような任意の数多くの好適な培地中
で増殖され、組換えポリペプチドの発現は培地にIPTGを添加したり、より高温に
インキュベーションを移すことによって誘導される。さらに2〜24時間の間、細
菌を培養した後、遠心分離によって細胞を回収し、洗浄して残存する培地を除去
する。例えば、細胞ホモジナイザーで崩壊することによって細菌細胞を溶菌し、
遠心分離して、可溶性細胞成分から密度の濃い封入小体と細胞膜を分離する。こ
の遠心分離は、緩衝液にショ糖などの糖を添加し、選択した速度で遠心分離する
ことによって選択的に密度の濃い封入小体を濃縮する条件下で実施することがで
きる。組換えポリペプチドが封入小体内で発現される場合には、これらをいくつ
かの溶液の任意のもので洗浄して、不純物となっている宿主タンパク質の一部を
除去し、次いで高濃度(例えば、8M)の尿素または塩酸グアニジンなどのカオト
ロピック試薬を含有する溶液に、β-メルカプトエタノールまたはDTT(ジチオス
レイトール)などの還元剤の存在下で溶解する。この段階で、未変性のポリペプ
チドのコンフォーメーションによりよく似たコンフォーメーションへの折り畳み
過程をポリペプチドが受けるのに好適な条件下において数時間ポリペプチドをイ
ンキュベーションすることが有利なこともある。このような条件は、一般に、低
濃度のポリペプチド(500mg/mlより少ない濃度)、低濃度の還元剤、2Mより少な
い濃度の尿素を含み、しばしばタンパク質分子内のジスルフィド結合の交換を促
進する還元型および酸化型グルタチオンの混合物などの試薬を含む。折り畳み過
程は、例えばSDS-PAGEによって、または未変性の分子に特異的な抗体を用いて測
定することができる。折り畳み後、イオン交換樹脂、ゲル透過樹脂を含むいくつ
かの支持体のうち任意のもの、または種々のアフィニティーカラムでのクロマト
グラフィーによって、ポリペプチドをさらに精製し、折り畳み混合物から分離す
ることができる。
【0052】 宿主細胞が発現したポリペプチドまたはその断片の単離および精製は、分取ク
ロマトグラフィーおよびモノクローナルまたはポリクローナル抗体を含む免疫学
的分離を含むがこれらに限定されない従来手段によって実施することができる。
【0053】 例えばトリリネアージ(trilineage)造血および抗炎症的治療用途について化
合物をスクリーニングし、治療、診断および研究用途のための抗体を形成するの
に有用な、純粋で生物学的に活性なhLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2
、およびhLPAATδの大規模生産を可能にするための、組換えDNA技法を含む種々
の方法でこれらのポリペプチドを生産することができる。
【0054】スクリーニングアッセイ法 本発明のhLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδポリペ
プチドは、炎症反応の細胞性シグナル伝達に作用する化合物または組成物を同定
するためのスクリーニング法においても有用である。このような試験される化合
物または組成物は、コンビナトリアルケミカルライブラリーまたは他の任意の適
当な供給源から選択することができる(Hogan, Jr.、Nat. Biotechology、15:328
(1997))。
【0055】 この方法は、例えば化合物およびLPAATの基質、すなわちLPAおよび脂肪酸アシ
ルCoAの存在下における、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、および
/またはhLPAATδとの接触を含む。これらのhLPAATタンパク質は、インキュベー
ション前に精製されるか、またはこれらのポリペプチドをコードしているcDNAで
トランスフェクションされた1種もしくは複数の細胞株(例えば、Sf9、ECV304、A
549)からの抽出物中に含まれるかのいずれかであることができる(Westら、DNA C
ell Biol.、16:691(1997))。あるいは、hLPAATタンパク質は、トランスフェクシ
ョンされた細胞から精製することができ、かつその後膜貫通タンパク質であるタ
ンパク質を、脂質二重層内で再構成し、細胞への送達のためのリポソームを形成
することができる(Weiner、Immunomethods 4:201(1994))。
【0056】 化合物または組成物のhLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、またはhL
PAATδ活性に対する作用は、例えばPAおよびCoAの生成を測定することにより、
決定することができる。例えばPAは、下記実施例3および7に説明されたTLC法に
より測定することができる。あるいは、LPAAT活性は、反応液中の遊離CoAの生成
を検出することによりアッセイすることができる。遊離のスルフヒドリル基を有
するCoAは、例えば5,5'-ジチオビス-(2-ニトロ安息香酸)(DTNB)またはThioGlo(C
ovalent Associates、ウォバーン、MA)のような、スルフヒドリルに特異的な試
薬を使用し、比色法または蛍光法のいずれかで測定することができる。認められ
たhLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδへの作用は、阻
害または刺激のいずれかであることができる。
【0057】ペプチド配列決定 前述の方法により調製された精製ポリペプチドを、当技術分野において周知の
方法を用いて、例えば気相ペプチドシーケンサー(Applied Biosystems、フォス
ターシティ、CA)を用いて配列決定することができる。本発明のタンパク質は糖
鎖結合しているので、配列決定の前に糖基(carbohydrate group)が該タンパク
質から取り除かれることが好ましい。これは、グリコシダーゼ酵素を用いて行う
ことができる。好ましくは、グリコシダーゼF(Boehringer-Mannheim、インディ
アナポリス、IN)が使用される。できる限り多くのポリペプチド配列を決定する
ために、本発明のポリペプチドが、気相配列解析により適しているより小さい断
片へと切断されることが好ましい。これは、ポリペプチドの選択的ペプチダーゼ
による処理により、特に好ましい態様においてはエンドプロテイナーゼlys-C(Bo
ehringer)による処理により達成することができる。このようにして作成された
断片を、逆相HPLCクロマトグラフィーにより分離することができる。
【0058】LPAATに対する抗体 ヒトLPAATに対する抗体は、抗原として、LPAAT発現ベクターの生成物または担
体に結合されたLPAATコード配列に由来する合成ペプチド(Pasnettら、J. Biol.
Chem.、263:1728(1988))を用いて得ることができる。ポリクローナル抗体の調製
は当業者には周知である。例えば、Greenら、「ポリクローナル抗血清の作成(Pr
oduction of Polyclonal Antisera)」、Immunochemical Protocol(Manson編)、1
-5ページ(Humana Press、1992年)を参照のこと。あるいは、本発明のLPAAT抗体
は、齧歯類のモノクローナル抗体(MAb)に由来することができる。抗原に特異的
な齧歯類のモノクローナル抗体は、当業者に公知の方法により得ることができる
。例えば、KohlerおよびMilstein、Nature 256:495(1975)、およびColiganら(編
)、Current Protocols in Immunology、1:2.5.1-2.6.1(John Wiley & Sons、199
1年)を参照のこと。簡単に述べると、モノクローナル抗体は、マウスに抗原を含
有する組成物を注射し、血清検体を採取して抗体産生の存在を証明し、B-リンパ
球を採取するために脾臓を摘出し、B-リンパ球を骨髄細胞と融合してハイブリド
ーマを産生し、このハイブリドーマをクローニングし、該抗原に対する抗体を産
生する陽性クローンを選択し、該抗原に対する抗体を産生するクローンを培養し
、かつこの抗体をハイブリドーマ培養液から単離することにより得ることができ
る。
【0059】 MAbは、十分に確立された様々な技術により、ハイブリドーマ培養液から単離
および精製することができる。このような単離技術は、プロテインA セファロー
スによるアフィニティクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、お
よびイオン交換クロマトグラフィーを含む。例えばColiganらの2.7.1-2.7.12ペ
ージおよび2.9.1-2.9.3ページを参照のこと。同じくBainesらの「免疫グロブリ
ンGの精製(Purification of Immunoglobulin G(IgG))」、Methods in Molecular
Biology 10:79-104、Humana Press、1992年を参照のこと。本発明のLPAAT抗体
は、同じくヒトより下等な霊長類抗体に由来ものでもよい。ヒヒにおいて治療上
有用な抗体を生産する一般的技術は、例えば、Goldenbergらの国際特許公開であ
る国際公開公報第91/11465号(1991)、およびLosmanら、Int. J. Cancer 46:310(
1990)に見出すことができる。
【0060】 あるいは、治療上有用なLPAAT抗体は、「ヒト化された」モノクローナル抗体
に由来することができる。ヒト化されたモノクローナル抗体は、マウス免疫グロ
ブリンのH鎖およびL鎖可変領域からのマウスの相補性決定領域をヒト可変ドメイ
ンへ転移させ、その後マウスの対向部の枠組み構造領域のヒト残基と置換するこ
とにより、作成することができる。ヒト化されたモノクローナル抗体に由来する
抗体成分の使用は、マウスの定常領域の免疫原性に関連した問題の可能性をなく
す。マウスの免疫グロブリンの可変ドメインをクローニングするための一般的技
術は、例えば、Orlandiら、Proc. Natl. Acad Sci. USA 86:3833(1989)のような
出版物により説明されている。ヒト化されたMAbを作成する技術は、例えば、Jon
esら、Nature 321:522(1986)、Riechmannら、Nature 332:323(1988)、Verhoeyen
ら、Science 239:1534(1988)、Carterら、Proc. Natl. Acad Sci. USA 89:4285(
1992)、Sandhu、Crit. Rev. Biotech. 12:437(1992)、およびSingerら、J. Immu
n. 150:2844(1993)に説明されており、これらはいずれも本明細書に参照として
本明細書に組入れられている。
【0061】 別法として、本発明のLPAAT抗体は、コンビナトリアル免疫グロブリンライブ
ラリーから単離されたヒト抗体断片から誘導することができる。例えば、本明細
書に参照として組入れられている、Barbasら、METHODS: A Companion to Method
s in Enzymology 2:119(1991)、およびWinterら、Ann. Rev. Immunol.、12:433(
1994)を参照のこと。ヒトの免疫グロブリンファージライブラリーの作成に有用
なクローニングベクターおよび発現ベクターは、例えばストラタジーン・クロー
ニング・システムズ社(STRATAGENE Cloning Systems)(ラホヤ、CA)から得るこ
とができる。加えて、本発明のLPAAT抗体は、ヒトモノクローナル抗体から誘導
することができる。このような抗体は、抗原チャレンジに応答して特異的ヒト抗
体を産生するように「遺伝子操作された」トランスジェニックマウスから得られ
る。この技術において、ヒトH鎖およびL鎖の遺伝子座のエレメントは、内因性H
鎖およびL鎖遺伝子座の標的化された破壊を含む胚性幹細胞株に由来するマウス
の系統に導入される。トランスジェニックマウスは、ヒト抗原に特異的なヒト抗
体を合成することができ、かつこのマウスは、ヒト抗体−分泌ハイブリドーマを
産生するために使用することができる。トランスジェニックマウスからヒト抗体
を得る方法は、Greenら、Nature Genet. 7:13(1994);Lonbergら、Nature、368:
856(1994)、およびTaylorら、Int. Immun. 6:579(1994)により記載されている。
【0062】hLPAATαおよびhLPAATβ hLPAATα プローブとして酵母または植物のLPAATタンパク質配列を使用した、発現され
た配列標識(dbest)のジェンバンク(Genbank)データベースの検索は、酵母ま
たは植物LPAATタンパク質配列との相同性を有するcDNA配列のいくつかの短い鎖
を見つけた。関心対象のこれらのcDNA配列は、WashU-Merck ESTまたはGenexpres
s-Genethonプログラムによって実施されるランダムヒトcDNAクローンプロジェク
トのシングル-ラン部分シークエンシングから誘導された。酵母LPAATとヒトcDNA
クローン(dbest#102250)との間のアミノ酸配列の相同性の一例は、配列番号:
3(上段のアミノ酸配列)と配列番号:4(下段のアミノ酸配列)とを比較するこ
とによって以下に示してある:
【0063】 上段は酵母LPAAT配列のアミノ酸169〜220、下段はdbestクローン#102250の相
同領域を参照している。これらの2つの配列のうち同じアミノ酸には、間に星印
をつけたブロック文字で表示する。
【0064】 従って、クローン#102250の保存されているアミノ酸領域の相補的配列、GAFHL
A(配列番号:6)に基づいて、合成オリゴヌクレオチド(o.BPLAT.2R)、5'-TGC
AAGATGGAAGGCGCC-3'(配列番号:5)を作製した。o.BPLAT.2Rは、λzapヒト脳cD
NAライブラリー(Stratagene)をスクリーニングする際のプローブとしてγ-32P
-ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼを使用して5'-末端を放射性標識した。
【0065】 cDNAライブラリーのスクリーニングは標準的な方法を使用したフィルターハイ
ブリダイゼーションによって実施した(Current Protocols in Molecular Biolo
gy, John Wiley&Sons, Inc.,1995)。λファージ増殖物から誘導したDNAを含有
する2重のフィルターを6XSSC(1XSSCは、0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウ
ム、pH7.0である)、5Xデンハーツ(Denhardt)の溶液(1Xデンハーツ(Denhard
t)の溶液は0.02%Ficoll、0.02%ウシ血清アルブミンおよび0.02%ポリビニル-ピ
ロリドンである)、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、超音波処理した50 mg
/mlの変性サケ精子DNA中で、60℃において2時間プレハイブリダイゼーションを
行った。ハイブリダイゼーションはプレハイブリダイゼーションに使用したもの
と同じ緩衝液中で実施した。ハイブリダイゼーション後、フィルターを42℃にお
いて6XSSC中で洗浄し、オートラジオグラフした。
【0066】 スクリーニングしたヒト脳cDNAライブラリーの約1×106クローンのうち、2重
フィルターにおいてプローブにハイブリダイズした12種のクローンを同定した。
2回めのスクリーニングの後に、12種のクローンのうち11種を濃縮して、回収し
た。次いで、ストラタジーン社(Stratagene)の推奨する手順を使用して、大腸
菌(E. coli)XL 1-BlueにヘルパーファージR408を同時感染することによって、
10種の濃縮したファージ試料をプラスミド形質転換細胞に変換した。コロニーの
フィルターハイブリダイゼーションを実施し、プローブに「着火(lit up)」す
るコロニーを同定した。10種のコロニープールのうち7種が陽性のクローンを含
有した。これら7種のクローンのうち2種、pZplat.10およびpZplat.1lは>2 kbの
挿入物を含有した。Sst I、Pst IおよびBamHI消化の組み合わせを使用した制限
マッピングは、これらの2種のクローンは互いに多数の共通断片を含有すること
を示した。
【0067】 pZplat.10およびpZplat.1lcDNA挿入ヌクレオチド配列のシークエンシングを実
施した。図1は、pZplat.1lのcDNA挿入物のDNA配列を示す。cDNAクローンのヌク
レオチド配列解析および制限マッピングは、>300 bpの5'-側未翻訳領域、アミノ
酸283個のポリペプチドをコードすることができるオープンリーディングフレー
ムおよび>800 bpの3'-側未翻訳領域を明らかにした。翻訳開始部位は319〜321ヌ
クレオチド位置に局在化し、コザック(Kozak)による適当な開始部位の要件を
満たしていた(Kozak, Critical Rev. Biochem. Mol. Biol. 27: 385-402, 1992
)。131〜133位置に別の上流側ATGが存在し、176〜178位置にインフェース(inp
hase)停止コドンが存在する。5'-側未翻訳領域がより短い以外は、pZplat.10の
cDNA挿入部はpZplat.1lと同じDNA配列を有する。
【0068】 pZplat.1lのアミノ酸283個のオープンリーディングフレームの配列をquery配
列として使用して、タンパク質データベースの相同配列を検索した。blastpプロ
グラムを使用した国立バイオテクノロジーインフォメーションセンター(Nation
al Center for Biotechnology Information)(NCBI)のジェンバンクリリース
(Genbank Release)90に基づいたデータベースの検索は、pZplat.1lによってコ
ードされるタンパク質は酵母および細菌のLPAATとの相同性が最も大きいことを
示した。図2は、ヒトLPAATαコード配列と推定されるもの、酵母LPAATコード配
列、大腸菌(E. coli)LPAATコード配列およびトウモロコシLPAATコード配列の
アミノ酸配列を並べたものを示し、ヒトLPAATαは、植物LPAATより酵母または大
腸菌LPAATとの相同性がさらにより広範囲であることを明らかにしている。
【0069】hLPAATβ プローブとして酵母または植物LPAATタンパク質配列を使用した、発現配列標
識(dbEST)のジェンバンクデータベース(Genbank database)(Boguski, et. al
., Science 265: 1993-1994, 1994)の検索により、酵母または植物LPAATタンパ
ク質配列との相同性を有するいくつかの短いcDNA配列鎖を見つけた。関心のある
これらのcDNA配列はI. M. A. G. E. コンソルチウム(Consortium)[LLNL]cDN
Aクローンプログラムによって主に実施されるランダムヒトcDNAクローンプロジ
ェクトのシングル-ラン部分シークエンシングから誘導された。酵母LPAATとヒト
cDNAクローン(dbEST#363498)との間のアミノ酸配列の相同性の一例を以下に示
す:
【0070】 上段は酵母LPAAT配列のアミノ酸171〜230(配列番号:9)を参照しており、下
段は、+1読みとり枠を使用したdbestクローン#363498の相同領域を参照している
(配列番号:10)。これら2つの配列の間で、同一で、保存されているアミノ酸
をダブルドットとシングルドットで示す。酵母LPAAT配列との相同性が少ないこ
のようなcDNAクローンが実際にヒトLPAATβ配列をコードするかどうか見いだす
ために、全長のcDNAクローンを単離し、それを発現ベクターに挿入し、cDNA発現
ベクターで形質転換またはトランスフェクションした細胞がより強いLPAAT活性
を生じたかどうかを試験することが必要であった。
【0071】 従って、クローン#363498のコード配列および相補的配列にそれぞれ基づいて
、2つの合成オリゴヌクレオチド、5'-CCTCAAAGTGTGGATCTATC-3'(o. LPAT3.F)
(配列番号:11)および5'-GGAAGAGTACACCACGGGGAC-3'(o. LPAT3.R)(配列番
号:12)をオーダーした(Life Technologies, Gaithersburg, MD)。o. LPAT3.
Rは5'-側領域を増幅するために、順方向のベクタープライマー(o. sport. 1)
、5'-GACTCTAGCCTAGGCTTTTGC-3'(配列番号:13)と組み合わせて使用したが、o
. LPAT3.FはpCMV. SPORTヒト白血球cDNAライブラリー(Life Technologies, Gai
thersburg, MD)のLPAATβ配列と思われる配列の3'-領域を増幅するために、逆
方向のベクタープライマー(o. sport.1R)、5'-CTAGCTTATAATACGACTCAC-3'(配
列番号:14)と組み合わせて使用した。o. sport. 1およびo. LPAT3.R増幅から
誘導された700bpのPCR断片は、pBluescript(II)SK(-)(Stratagene, LaJoll
a, CA)のSma IとEcoR Iの間に挿入して、pLPAT3.5'を作製する前に、EcoR Iで
切断した。o. sport.1Rおよびo. LPAT3.F増幅から誘導された900bpのPCR断片は
、pBluescript(II)SK(-)(Stratagene, LaJolla, CA)のSma IとXba Iの間
に挿入して、pLPAT3.3'を作製する前に、Xba Iで切断した。これら2つのプラス
ミドのcDNA挿入物のヌクレオチド配列解析は、それらは互いに重なり合う配列、
dbEST#363498と同じ配列および酵母LPAATのアミノ酸配列と広範囲に相同性を有
することを示した(Nagiec ら J. Biol. Chem. 268: 22156-22163, 1993)。cDN
Aの半分の2つを全長のクローンに集成するために、pLPAT3.5'の560bpのNco I -
Nar I断片とpLPAT3.3'の780bpのNar I Xba I断片とを3-パートライゲーションに
よって、pSP-luc+(Promega, Madison, WI)から作製したNco I / Xba Iベクタ
ーに挿入して、pSP.LPAT3を作製した。
【0072】 図3は、pSP.LPAT3のcDNA挿入物のDNA配列IDを示す。cDNAクローンのヌクレオ
チド配列解析および制限マッピングは、39 bpの5'-側未翻訳領域、ヌクレオチド
位置40〜876に及ぶアミノ酸278個のポリペプチドをコードすることがオープンリ
ーディングフレームおよび480 bpの3'-側未翻訳領域を明らかにした(図3)。
翻訳開始部位はヌクレオチド位置40〜42に局在化しており、コザック(Kozak, C
ritical Rev. Biochem. Mol. Biol. 27: 385-402, 1992)による適当な開始部位
の要件を満たしていた。
【0073】 アミノ酸278個のオープンリーディングフレームの配列(図4)をquery配列と
して使用して、タンパク質データベース中の相同配列を検索した。blastpプログ
ラムを使用した国立バイオテクノロジーインフォメーションセンター(National
Center for Biotechnology Information)(NCBI)のジェンバンクリリース(G
enbank Release)92に基づいたデータベースの検索は、このタンパク質が酵母、
細菌および植物LPAATと相同性が最も大きいことを示した。図5は、ヒトLPAATβ
コード配列と推定されるもの、ヒトLPAATαコード、酵母LPAATコード配列、細菌
(E. coli, H. influenzaeおよびS. typhimurium)LPAATコード配列および植物
(L. douglassiおよびC. nucifera)LPAATコード配列のアミノ酸配列を並べたも
のを示し、ヒトLPAATコード配列は、植物LPAATより酵母または細菌LPAATとの相
同性がよりさらに広範囲であることを明らかにしている。
【0074】hLPAATγ1、hLPAATγ2、またはhLPAATδ hLPAATαおよびhLPAATβから識別される、ヒトLPAATアイソフォームであるhLP
AATγ1、hLPAATγ2、またはhLPAATδの単離について、以下に説明する。
【0075】 プローブとしてトウモロコシI型LPAATタンパク質(Brownら、Plant Mol. Biol.
26:211-223(1994))配列を用いる、発現された配列標識(dbEST)のGenbankデータ
ベースの検索(Boguskiら、Science 265:1993-1994(1994))により、トウモロコシ
LPAATタンパク質配列と相同なヒトcDNA配列のいくつかの短い伸展が同定された
。関心のあるこれらのcDNA配列は、主にI.M.A.G.E. Consortium [LLNL] cDNAク
ローンプログラムにより実施されたランダムヒトcDNAクローンプロジェクトの一
回試行部分シークエンシング(single-run partial sequencing)から誘導された
。トウモロコシLPAATとヒトcDNAクローン(GenBank#T55627)との間のアミノ酸配
列相同性の例を以下に示す。
【0076】 上段は、アミノ酸150〜172のトウモロコシLPAAT配列を示し、下段は、GenBank
#T55627のdbESTクローンからの相同領域を示している。これら2種の配列間の同
一アミノ酸および保存アミノ酸は、間の列にそれぞれ、二個点および一個点で示
した。これらのヒトcDNAクローンがトウモロコシLPAATと相同性があるが、ヒトL
PAATを実際にコードしているヒトLPAATαまたはLPAATβとは異なるかどうかを決
定するために、完全長cDNAクローンを単離し、それを発現ベクターへ挿入し、か
つcDNA発現ベクターで形質転換またはトランスフェクションされた細胞がより多
くのLPAAT活性を生じるかどうかの試験を行なった。
【0077】 従って、合成オリゴヌクレオチド5'-GACTACCCC GAGTACATG TGGTTTCTC-3' (oLP
Tg_1F)を、GenBank#T55627クローンのアミノ酸DYPEYMWFLに対応するコード領域
に基づいて並べた(Life Technologies、ガイザースバーグ、MD)。oLPTg_1Fを、p
CMV.SPORTヒト白血球cDNAライブラリー(Life Technologies、ガイザースバーグ
、MD)からの可能性のあるLPAAT配列の3'-領域の増幅のための、リバースベクタ
ープライマー(o.sport.1R)5'-CTAGCTTATA ATACGACTCA C-3'と組合せて用いた。o
.sport.1RおよびoLPTg_1F増幅由来の1,000bp PCR断片は、XhoIで切断し、その後
pBluescript(II)SK(-)(Stratagene、ラホヤ、CA)のSmaIとXhoIとの間に挿入し、
プラスミドpLPTγ_3'を作出した。プラスミドpLPTg_3'由来のcDNA挿入物のヌク
レオチド配列決定(シアトル・バイオメディカル・リサーチ・インスティテュー
ト・シクエンシング・サービス(Seattle Biomedical Research Institute seque
ncing service)により実施)解析により、これがGenBank#T55627のクローンに合
致した配列、ならびにトウモロコシLPAATアミノ酸配列のC末端と過度に相同な配
列(Brownら、Plant Mol. Biol.、26:211-223(1994))を含むことが示された。こ
の推定LPAATクローンの5'部分を単離するために、プラスミドpLPTg_3'を作成す
る以内のcDNAのBamHI部位の直ぐ下流の領域に相補的な、合成オリゴヌクレオチ
ド5'-CACATGTCCG CCTCGTACTT CTTC-3'(oLPTg_1R)を、pCMV.SPORTヒト白血球cDNA
ライブラリー(Life Technolgies、ガイザースバーグ、MD)由来の5'領域の増幅の
ための、フォワードベクタープライマー(osport.1)5'- GACTCTAGCC TAGGCTTTTG
C-3'と組合せて使用した。作成されたPCR断片は、Acc65IおよびBamHIで切断し、
その後pBluescript(II)SK(-)(Stratagene、ラホヤ、CA)のAcc65IとBamHIとの間
に挿入した。それぞれ980bpおよび770bpのAcc65I−BamHI挿入断片を含む2種のDN
AクローンのDNA配列解析により、これらがpLPTγ_3'のcDNA挿入断片に重複し、
加えてトウモロコシLPAATアミノ酸配列のN末端と極めて相同的である配列を含む
ことが示された。これら2種のcDNAクローンのDNA配列は、5'領域において多様で
あり、このことは他方(pLPγ2_5')と比較して、N末端に追加の62個のアミノ酸を
含む1種の変異体(pLPγ1_5')で異なるようにスプライシングされる2種の変異体
の存在を示唆している。2種の各DNAの半分を完全長クローンに構成するために、
pLPγ1_5'からの980bp Acc65I−BamHI断片またはpLPγ2_5'からの770bp Acc65I
−BamHI断片は、pBluescript(II)SK(-)(Stratagene、ラホヤ、CA)から調製され
たAcc65I/XhoIベクターへ、pLPTγ_3'からの870bp BamHI−XhoI断片と共に、3
部位ライゲーションにより挿入し、各々、pSK_LPγ1およびpSK_LPγ2を作出した
【0078】 図9は、pSK_LPγ1のcDNA挿入断片のDNAおよび翻訳配列(LPAAT-γ1)を示してい
る。このcDNAクローンのヌクレオチド配列解析および制限地図により、2個のATG
および同相(in-phase)の終結コドンを有する183bpの5'非翻訳領域、ヌクレオチ
ドの184位から1314位に及ぶ376個のアミノ酸ポリペプチドをコードすることが可
能なオープンリーディングフレーム、ならびに345bpの3'非翻訳領域が明らかに
された。翻訳開始部位は、ヌクレオチドの184〜186位に位置し、かつ開始部位に
適した要件を満たしている(Kozak、Critical Rev. Biochem. Mol. Biol. 27:385
-402(1992))。
【0079】 図10は、pSK_LPγ2のcDNA挿入断片のDNAおよび翻訳配列(hLPAATγ2)を示して
いる。このcDNAクローンのヌクレオチド配列解析および制限地図から、2個の上
流のATGおよび同相の終結コドンを有する232bpの5'非翻訳領域、ヌクレオチドの
133位から1177位に及ぶ314個のアミノ酸ポリペプチドをコードすることが可能な
オープンリーディングフレーム、ならびに346bpの3'非翻訳領域が明らかにされ
た。翻訳開始部位は、ヌクレオチドの233〜235位に位置し、かつ開始部位に適し
た要件を満たしている(Kozak、Critical Rev. Biochem. Mol. Biol. 27:385-402
(1992))。
【0080】 hLPAATγ1(図9)の376個のアミノ酸のオープンリーディングフレームの配列は
、タンパク質データベースの相同配列の検索のための照会(query)配列として使
用した。バイオテクノロジー情報国立センター(National Center for Biotechn
ology Information)(NCBI)のGenbankデータベースのtblastnプログラムを用い
る検索により、このタンパク質が、GenBank#H18562のヒトEST配列とは区別され
るが相同であることが示された。下記に示したのは、LPAAT-γ1とこの推定ヒトL
PAATコード配列(LPAAT-δ)とのアミノ酸配列のアラインメントである。
【0081】 上段は、アミノ酸1〜46のヒトLPAAT-γ1配列を示し、下段は、GenBank#H18562
のdbESTクローンからの相同領域を示している。これら2種の配列間の同一アミノ
酸および保存アミノ酸は、間の列にそれぞれ、二個点および一個点で示している
。この推定LPAAT-δクローン(Genome Systems Inc.、セントルイス、MO)のcDNA
を単離し、更に解析した。
【0082】 図11は、このcDNA挿入断片のDNAおよび翻訳配列(LPAAT-δ)を示している。ヌ
クレオチド配列解析および制限地図により、全部で3個のリーディングフレーム
内に1個の上流のATGおよび終結コドンを有する157bpの5'非翻訳領域、ヌクレオ
チドの158位から1294位に及ぶ378個のアミノ酸ポリペプチドをコードすることが
可能なオープンリーディングフレーム、ならびに480bpの3'非翻訳領域が明らか
にされた。翻訳開始部位は、ヌクレオチドの158〜160位に位置し、かつ開始部位
に適した要件を満たしている(Kozak、Critical Rev. Biochem. Mol. Biol. 27:3
85-402(1992))。
【0083】 図12は、ヒトアイソフォームγ1、γ2、およびδからのLPAATアミノ酸配列の
アラインメントを示している。少なくとも2種の配列において同一のアミノ酸に
ハイライトをつけた。LPAAT-γ1とLPAAT-δは、全体のアミノ酸一致が互いに54
%であった。
【0084】 実施例1 この実施例は、ヒトLPAATαクローンがLPAAT活性を有するタンパク質をコード
するかどうかを判定する実験を示し、β-ガラクトシダーゼとの融合タンパク質
としてヒトLPAATαを発現する大腸菌(E. coli)ベクターを大腸菌(E. coli)
のLPAAT欠損株に形質転換して、そのベクターが大腸菌(E. coli)の欠損部を補
足するかどうかをみた。具体的には、pZplat.1lから誘導し、ヒトLPAATαの68番
アミノ酸から停止コドンに及ぶコード領域の840bpのBglII-Nco I断片を、BglII/
Nco Iを切断したクローニングベクターpLitmus28(Evans ら, BioTechniques 19
: 130-135, 1995)に挿入してプラスミドp28BgNを作製する。このプラスミドは
、pLitmus28中のlacプロモーターを使用して、β-ガラクトシダーゼの最初の16
個のアミノ酸とヒトLPAATαコード配列の最後の216個の残基とを有する融合タン
パク質としてヒトLPAATαを発現することが期待される。このプラスミドを大腸
菌(E. coli)JC201株(Dr. Jack Coleman, Louisiana State Universityから入
手)に形質転換した。JC201(Coleman, Mol. Gen. Genet. 232: 295-303, 1992;
Nagiec ら, J. Biol. Chem. 268: 22156-22163, 1993; および Brown ら, Plan
t Mol. Biol. 26:211-223, 1994)は、plsC遺伝子座の突然変異によりLPAAT活性
が欠損している。この突然変異によって温度感受性表現型が形成され、JC201は3
7℃では徐々に増殖し、42℃ではほとんど増殖せず、44℃では全く増殖しない。p
28BgNで形質転換したJC201は、野生型JC200(plsC+)株と比較して、44℃で通常
に増殖することができたが、pLitmus28ベクターで形質転換したJC201は44℃にお
ける増殖を支持することができなかった。これらのデータは、ここで単離したヒ
トLPAATαcDNAと推定されるものは、このcDNAの最後の216個のアミノ酸がJC201
のLPAAT遺伝子(plsC)欠損部を補足するのに十分であるので、LPAAT活性を有す
ることを示唆している。
【0085】 実施例2 ヒトLPAATβクローンと推定されるものがLPAAT活性を有するタンパク質をコー
ドするかどうかを調べるために、直接的な産物としてこのヒトLPAATβを発現す
る大腸菌(E. coli)ベクターをLPAAT欠損大腸菌(E. coli)株に形質転換して
、それが大腸菌(E. coli)の欠損部を補足するかどうかを調べた。具体的には
、1番目アミノ酸から停止コドンまでのコード領域全体にわたる、pSP.LPAT3由来
の1350bpのNco I-Xba I断片を、Nco I/Xba Iを切断したクローニングベクターpK
K388-1(Clontech, Palo Alto, CA)に挿入してプラスミドpTrc.LPAT3を作製す
る。このプラスミドを大腸菌(E. coli)JC201株(Dr. Jack Coleman, Louisian
a State Universityから入手)に形質転換した。JC201(Coleman, Mol. Gen. Ge
net. 232: 295-303, 1992)は、plsC遺伝子座の突然変異によりLPAAT活性が欠損
している。この突然変異によって温度感受性表現型が形成され、JC201は37℃で
は徐々に増殖し、42℃ではほとんど増殖せず、44℃では全く増殖しない。pTrc.L
PAT3で形質転換したJC201は、野生型JC200(plsC+)株と比較して、44℃で通常
に増殖することができたが、pKK388-1ベクターで形質転換したJC201は44℃にお
ける増殖を支持することができなかった。これらのデータは、ここで単離したヒ
トLPAATβcDNAと推定されるものは、このcDNAのタンパク質産物と推定されるも
のがJC201のLPAAT遺伝子(plsC)欠損部を補足することができるので、LPAAT活
性を有することを示唆している。
【0086】 実施例3 この実施例は、本発明のヒトLPAATαの過剰発現が哺乳類細胞になんらかの影
響を与えるかどうかを調べる実験群を例示する。哺乳類発現ベクターpCE9に挿入
するために、pZplat.1l由来の全cDNA挿入物(〜2,300 bp)をAsp718 IおよびXho
Iで切断して、pCE9.LPAAT1を作製した。pCE9はpCE2に2箇所の改変を加えて誘導
した。pCE2の伸長因子-1a(EF-1a)イントロン内の550bpのBstY I 断片が欠損し
ていた。pCE2のAsp718 IとBamH I部位との間のマルチクローニング領域を、pLit
mus28のAsp718 IからBgl IIにわたるマルチクローニング領域と交換した。プラ
スミドpCE2は、RSVプロモーターを、CMVエンハンサーと伸長因子-1a(EF-1a)プ
ロモーターとイントロンと交換したpREP7b(Leung, ら, Proc. Natl. Acad. Sci
. USA, 92: 4813-4817, 1995)から誘導した。CMVエンハンサーは、プライマー5
'-GGCTCTAGATATTAATAGTAATCAATTAC-3'および5'-CCTCACGCATGCACCATGGTAATAGC-3'
を使用して、PCRによってpCEP4(Invitrogen, San Diego, CA)から作製した380
bpのXba I-Sph I断片から作製した。EF-1aプロモーターおよびイントロン(Uets
uki, ら, J. Biol. Chem.,264: 5791-5798, 1989)は、プライマー5'-GGTGCATGC
GTGAGGCTCCGGTGC-3'および5'-GTAGTTTTCACGGTACCTGAAATGGAAG-3'を使用して、PC
RによってヒトゲノムDNAから作製した1200bpのSph I-Asp718 I断片から作製した
。これら2つの断片をpREP7bから誘導したXba I/Asp718 I欠損ベクターに連結しp
CE2を作製した。
【0087】 A549細胞、ECV304細胞(American Type Culture Collection, Rockville, MD
)、IL-1bで刺激するときIL-6およびTNFを産生すると思われる2種のヒト細胞株
並びにマウスTNFおよび293-EBNA細胞(Invitrogen, San Diego, CA)を含む、数
種の哺乳類細胞株にpCE9.LPAAT1 DNAをトランスフェクションした。以前に記載
されている条件(Cachianes, ら, Biotechniques 15: 255-259, 1993)を使用し
て、これらの細胞株に登録商標Cell-Porator(Life Technologies, Gaitherberg
, MD)をエレクトロポレーションする前に、pCE9.LPAAT1をBspH Iで消化した。2
4時間後、トランスフェクションした細胞を固着してから、200μg/mlヒグロマイ
シンB(Hyg)(Calbiochem, La Jolla, CA)の存在下で細胞を増殖して、両プラ
スミドが導入されている細胞を選択した。ノーザンブロット分析(Kroczek, et.
al., Anal. Biochem. 184: 90-95, 1990)に基づいて、トランスフェクションし
ていない細胞と比較して20倍より大きいレベルでLPAAT mRNAを発現したHyg-耐性
クローンをさらに検討するために選択した。
【0088】 図6は、TLCアッセイを使用して、A549細胞のLPAAT活性とpCE9.LPAAT1 DNAでト
ランスフェクションしたA549細胞のLPAAT活性とを比較する。細胞抽出物のLPAAT
活性のこのスクリーニングアッセイは、蛍光液体基質を使用した蛍光アッセイに
基づいていた(Ella, ら, Anal. Biochem. 218: 136-142, 1994)。PC-基質を使
用する代わりに、BPC(Molecular Probes, Eugene, OR)、すなわちSN1位置にエ
ーテル結合を有し、蛍光Bodipy部分がSN1位置のアルキル鎖の末端に導入されて
いる合成PCであるBPCを、キャベツホスホリパーゼD(Sigma, St. Louis, MO)を
使用して、Bodipy-PAに変換した。次いで、ヘビ毒ホスホリパーゼA2を使用して
、Bodipy-PAをBodipy-LPAに変換した。LPAATアッセイに使用するために、得られ
たBodipy-LPAを分取TLCによって精製した。0.5 mMATP、0.3 mM MgCl2、100μMオ
レオイル-CoAおよび10μM Bodipy LPAを補給した溶菌緩衝液(Ella, ら, Anal.
Biochem. 218: 136-142, 1994)に懸濁した細胞総抽出液中で解析を行った。試
料を30分間インキュベーションしてから、TLCプレートにローディングした。
【0089】 レーン1は、細胞抽出液を全く添加しない緩衝液単体でBodipy LPAをインキュ
ベーションしたものを示す。レーン9は、Bodipy-PAマーカーを作製するために、
BPCをキャベツホスホリパーゼDで処理したものを示す。レーン2および4は、それ
ぞれ脂質Aを含有して、または含有しないで、対照のA549細胞抽出とBodipy LPA
をインキュベーションしたものを示す。レーン3および5は、それぞれ、脂質Aを
含有して、または含有しないで、pCE9.LPAAT1DNAで形質転換したA549細胞抽出物
とBodipy LPAをインキュベーションしたものを示す。図3は、LPAATcDNAをトラン
スフェクションしたA549細胞(レーン3および5)は、Bodipy-LPAのBodipy-PAへ
の変換の増加によって明らかにされるように、対照細胞(レーン2および4)より
もずっと強いLPAAT活性を含有することを示す。細胞抽出物への脂質Aを添加して
も、LPAAT活性にほとんど影響を与えない(レーン2と4およびレーン3と5)。A54
9細胞抽出物はまた、Bodipy-LPAをBodipy-モノアルキルグリセロールに変換する
ホスホヒドロラーゼ活性も有する(レーン2〜5)。興味深いことに、LPAATを過
剰発現するA549細胞(レーン3および5)は、対照細胞(レーン2および4)と比較
してこの活性が低く、このホスホヒドロラーゼは基質としてPAよりLPAを好むこ
とを示唆している。また、おそらくこの内因性ホスホヒドロラーゼにより形成さ
れたPAがDAGに一部変換されたことによって、、対照細胞(レーン2および4)と
比較してトランスフェクションした細胞(レーン3および5)はDAGも増加してい
る。
【0090】 実施例4 本明細書で記載するLPAATcDNAクローンが発現されたものが、SN2位置に遊離の
水酸基を有する他のグリセロール脂質も使用するかどうかを調べるために、細胞
抽出物を基質NBD-lysoPC(レーン6および7)およびNBD-モノアシルグリセロール
(MAG)(レーン10およびレーン11)とインキュベーションして、それぞれlysoP
CおよびDAGへの変換が増加しているかどうかを調べた。レーン8および12は、そ
れぞれ、細胞抽出液を全く添加せず、緩衝液だけとNBD-lysoPCおよびNBD-MAGを
インキュベーションしたものを示す。TLC分析は、トランスフェクションした細
胞と対照細胞との間の脂質プロフィールにほとんど差がないことを示し(レーン
7対6、レーン11対10)、これはクローニングしたLPAAT酵素はLPAを好ましい基質
として使用することを示唆している。lysoPC(Fyrst, ら, Biochem. J. 306: 79
3-799, 1995)およびMAG(Bhat, ら, Biochemistry 34: 11237-11244, 1995)の
アシルトランスフェラーゼは、本明細書に記載するLPAATとは異なる酵素を示す
可能性がある。
【0091】 実施例5 A549細胞(American Type Culture Collection, Rockville, MD)、IL-1βで
刺激するときIL-6およびTNFを産生すると思われるヒト細胞株並びにマウスTNFに
pCE9.LPAAT1 DNAをトランスフェクションした。以前に記載されている条件(Cac
hianes, ら, Biotechniques 15: 255-259, 1993)を使用して、A549細胞に登録
商標Cell-Porator(Life Technologies, Gaitherberg, MD)をエレクトロポレー
ションする前に、pCE9.LPAAT1をBspH Iで消化した。24時間後、トランスフェク
ションした細胞を固着してから、200μg/mlヒグロマイシンB(Hyg)(Calbioche
m, La Jolla, CA)の存在下で細胞を増殖させ、両プラスミドが導入されている
細胞を選択した。ノーザンブロット分析(Kroczek, et.al., Anal. Biochem. 18
4: 90-95, 1990)に基づいて、トランスフェクションしていないA549細胞と比較
して20倍以上高いレベルでLPAAT mRNAを発現したHyg-耐性クローンをさらに検討
するために選択した。
【0092】 IL-1βおよびマウスTNFで刺激したことによる、pCE9.LPAAT1でトランスフェク
ションしたA549細胞と対照A549との間のTNF(図7)およびIL-6(図8)の産生の
比較は、LPAATを過剰産生するA549は、トランスフェクションしていないA549細
胞と比較して>5倍のTNFと>10倍のIL-6を産生することを示す。これはLPAATの過
剰発現は細胞内のサイトカインシグナル伝達応答を増大させることを示唆してい
る。従って、LPAAT活性を調節すると思われる化合物の開発は炎症分野において
治療的に興味深いはずである。
【0093】 実施例6 pC9LPTγ1およびpC2LPTδの構築:プライマー5'-ggcccggtacc ATGGGCCTG CTGG
CCTTC C-3' (oLPγ1_1F)および5'-taactcCTCGAG TTATTCCTT TTTCTTAAA CTC-3' (
oLPγ1_1R)を用いて、鋳型pSK_LPg1のPCRにより、1100bp Acc65I−XhoI断片を増
幅した。次に作出した断片を、Acc65I/XhoI消化したpCE9(Westら、DNA Cell Bi
ol. 6:691-701(1997))発現ベクターに挿入し、pC9LPTγ1を作成した。同様に、
プライマー5'-atggtggtaccacc ATGGACCTC GCGGGACTG CTG-3'(oLPTδ_1F)および5
'-GGAgGATATc tAGAgGCCAC CAGTTC-3'(oLPTδ_1R)を用いて、鋳型#H18562のPCRに
より、1100bp Acc65I−XbaI断片を増幅した。次に作出した断片は、Acc65I/Nhe
I消化したpCE2(Westら、DNA Cell Biol. 6:691-701(1997))発現ベクターに挿入
し、pC2LPTδを作成した。
【0094】 実施例7 哺乳類細胞におけるhLPAATγ1およびhLPAATδの発現:プラスミドpC9LPTγ1ま
たはpC2LPTδを、内皮ECV304細胞(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクシ
ョン、ロックビル、MD)に安定的にトランスフェクションした。具体的には、pC9
LPTγ1またはpC2LPTδを、BspHIで消化し、その後これらの細胞株をCell-Porato
r(商標)(Life Technologies、ガイザースバーグ、MD)で電気穿孔した。24時間
後にトランスフェクションされた細胞の接着後、細胞を、ヒグロマイシンB(Hyg)
(Calbiochem、ラホヤ、CA)500μg/ml存在下で増殖し、プラスミドが組込まれた
細胞を選択した。ノーザンブロット分析により、pCE9またはpCE2ベクターでトラ
ンスフェクションされた細胞の値よりも10倍以上高いレベルでLPAAT-γ1またはL
PAAT-δ mRNAを発現したHyg-耐性クローンを、更なる試験のために選択した。
【0095】 図13は、LPAAT-α(pCE9.LPAAT-α)、LPAAT-β(pCE9.LPAAT-β)DNA、LPAAT-γ1
(pC9LPTγ1)、LPAAT-δ(pC2LPTδ)の発現プラスミド、または対照ベクター(pCE9
)で安定的にトランスフェクションされたECV3O4細胞におけるLPAAT活性を比較し
ている。この細胞抽出液中のLPAAT活性についてのスクリーニングアッセイ法は
、TLCアッセイ法を用い[14C]オレオイル-CoAの[14C]PAへの転換を基に行った。
このアッセイ法は、50μM[14C]オレオイル-CoAおよび200μM LPAを補充した溶解
緩衝液(Ellaら、Anal. Biochem.、218:136-142(1994))に再懸濁した細胞抽出液
全体において行った。これらの試料を10分間インキュベーションし、クロロホル
ムで抽出し、その後TLCプレート上に負荷した。レーン1および2は、LPAAT-αプ
ラスミドでトランスフェクションした細胞抽出液でインキュベーションした[14C
]オレオイル-CoAおよびLPAを示し;レーン3および4は、LPAAT-βプラスミドで;
レーン5および6は、LPAAT-γ1プラスミドで;レーン7および8は、LPAAT-δプラ
スミドで;ならびに、レーン9および10は、対照ベクターでトランスフェクショ
ンしたものを示している。LPAAT-αまたは-βcDNAでトランスフェクションしたE
CV3O4細胞(レーン1〜4)は、対照細胞(レーン9および10)の値と比較した場合に、
それぞれ3倍および20倍以上高いLPAAT活性を含んでおり、これは[14C]オレオイ
ル-CoAの[14C]PAへの転換の増大により示される。LPAAT-δcDNA(レーン7および8
)でトランスフェクションされた細胞は、対照細胞(レーン9および10)の値よりも
約2.5倍大きいLPAAT活性を有するのに対し、LPAAT-δcDNAでトランスフェクショ
ンされた細胞は、対照細胞(レーン9および10)の値と比較した場合に、活性の増
加を示さなかった。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、hLPAATαをコードするpZplat.1lのcDNA挿入DNA配列を示
す。
【図2】 図2は、ヒトLPAATαコード配列、酵母LPAATコード配列、大腸菌
(E. coli)LPAATコード配列およびトウモロコシLPAATコード配列のアミノ酸配
列を並列したものを示す。この比較によって、ヒトLPAATαは、植物LPAATよりも
酵母または大腸菌LPAATとの相同性の範囲が広いことを示す。
【図3】 図3は、hLPAATβをコードするcDNA挿入pSP.LPAT3のDNA配列を示
す。cDNAクローンのヌクレオチド配列解析および制限マッピングは、39塩基対の
5'側非翻訳領域と、アミノ酸278個のポリペプチドをコードする40〜876の位置の
オープンリーディングフレームを明らかにした。それはまた、pSP.LPAT3の480塩
基対の3'側非翻訳領域も示す。翻訳開始部位はヌクレオチド位置40〜42に存在し
、十分な開始部位の要件を満たしていた(Kozak、Critical Rev. Biochem. Mol.
Biol. 27:385-402, 1992)。
【図4】 図4は、hLPAATβのアミノ酸278個のオープンリーディングフレー
ムを示す。このアミノ酸配列を、タンパク質データベース中で相同配列を検索す
るためのquery配列として使用した。blastpプログラムを使用した、国立バイオ
テクノロジーインフォメーションセンター(National Center for Biotechnolog
y Information)(NCBI)のジェンバンクリリース92データベースに基づいたデー
タベースの検索は、このタンパク質は酵母、細菌および植物LPAATとの相同性が
最も大きいことを示した。
【図5】 図5は、本発明のヒトLPAATβコード配列、ヒトLPAATαコード配
列、酵母LPAATコード配列、細菌(E.coli, H. influenzae, および S. typhimur
ium)LPAATコード配列および植物(L. douglassi および C. nucifera)LPAATコ
ード配列のアミノ酸配列を並べたものを示し、ヒトLPAATコード配列は植物LPAAT
より酵母または細菌LPAATとの相同性の範囲がずっと広いことを明らかにしてい
る。
【図6】 図6は、TLC(薄層クロマトグラフィー)分析を使用して、pCE9.L
PAAT1 DNAをトランスフェクションしたA549細胞またはDNAをトランスフェクショ
ンしなかった細胞のLPAAT活性の比較を示す。これらのデータは実施例3および4
により詳細に記載する。
【図7および8】 図7および8は、IL-1βおよびマウスTNFで刺激した後の
、pCE9.LPAAT1をトランスフェクションしたA549細胞と、対照のA549細胞のTNF(
図7)およびIL-6(図8)の産生の比較を示す。これらのデータは、トランスフェ
クションしていないA549細胞と比較して、LPAATを過剰発現するA549は>5倍多くT
NFを産生し、>10倍多くIL-6を産生することを示す。これはLPAATの過剰発現は細
胞のサイトカインシグナル伝達応答を増大することを示唆している。
【図9】 図9は、LPAATγ1のDNA配列および翻訳配列を示す。
【図10】 図10は、LPAATγ2のDNA配列および翻訳配列を示す。
【図11】 図11は、LPAATδのDNA配列および翻訳配列を示す。
【図12】 図12は、ヒトLPAATγ1、γ2およびδについて、LPAATアミノ酸
配列のアラインメントを示す。
【図13】 図13は、LPAATα(pCE9.LPAAT-α)、LPAATβ(pCE9.LPAAT-β)DN
A、LPAATγ1(pC9LPTγ1)、LPAATδ(pC2LPTδ)、または対照ベクター(pCE9)の発
現プラスミドで安定的にトランスフェクションされたECV3O4細胞のLPAAT活性を
比較している。
【手続補正書】
【提出日】平成14年1月15日(2002.1.15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】 本発明は、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAATδを
コードしている下記のポリヌクレオチドを含む。本発明は、以下のDNA配列を提
供する:hLPAATαをコードしている配列番号:1;hLPAATβをコードしている配
列番号:6;hLPAATγ1をコードしている図9;hLPAATγ2をコードしている図10;
および、hLPAATδをコードしている図11。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】 本発明は更に、hLPAATα、hLPAATβ、hLPAATγ1、hLPAATγ2、およびhLPAAT
δのポリペプチド、特に以下のアミノ酸配列を含む:hLPAATαを表している配列
番号:2;hLPAATβを表している配列番号:7;hLPAATγ1を表している図9;hLPA
ATγ2を表している図10;および、hLPAATδを表している図11。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】 本発明は更に、配列番号:2、配列番号:7、図9、図10、および図11のアミ
ノ酸配列の生物学的活性断片、または生物学的活性のあるLPAATをコードしてい
る配列番号:1、配列番号:6、図9、図10、および図11のヌクレオチド断片を含
む。本発明は更に、遺伝子コードの縮重のために、配列番号:2、配列番号:7
図9、図10、および図11のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを含
む。本発明は更に、配列番号:1、配列番号:6、図9、図10および図11の核酸配
列に高ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能であり且つ生
物学的活性のあるポリヌクレオチドを含む。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】 本発明のポリヌクレオチド配列はDNA、RNAおよびcDNA配列を含む。好ましく
は、hLPAATをコードするポリヌクレオチド配列は、hLPAATαが配列番号:1、LPA
ATβが配列番号:6、hLPAATγ1が図9、hLPAATγ2が図10、およびhLPAATδが図1
1の配列である。本発明のDNA配列はいくつかの方法によって得ることができる。
例えば、当技術分野において公知のハイブリダイゼーション法を使用して単離す
ることができる。このようなハイブリダイゼーション法は、例えば、共有するヌ
クレオチド配列を検出するためのcDNAライブラリーのゲノムへのプローブのハイ
ブリダイゼーション、普通の抗原性エピトープなどの共有する構造特徴を検出す
るための発現ライブラリーの抗体スクリーニング、およびポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)による合成を含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】 hLPAATαおよびhLPAATβ hLPAATα プローブとして酵母または植物のLPAATタンパク質配列を使用した、発
現された配列標識(dbest)のジェンバンク(Genbank)データベースの検索は、
酵母または植物LPAATタンパク質配列との相同性を有するcDNA配列のいくつかの
短い鎖を見つけた。関心対象のこれらのcDNA配列は、WashU-Merck ESTまたはGen
express-Genethonプログラムによって実施されるランダムヒトcDNAクローンプロ
ジェクトのシングル-ラン部分シークエンシングから誘導された。酵母LPAATとヒ
トcDNAクローン(dbest#102250)との間のアミノ酸配列の相同性の一例は、配列
番号:18(上段のアミノ酸配列)と配列番号:19(下段のアミノ酸配列)とを比
較することによって以下に示してある:
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】 従って、クローン#102250の保存されているアミノ酸領域の相補的配列、GAF
HLA(配列番号:21)に基づいて、合成オリゴヌクレオチド(o.BPLAT.2R)、5'-
TGCAAGATGGAAGGCGCC-3'(配列番号:20)を作製した。o.BPLAT.2Rは、λzapヒト
脳cDNAライブラリー(Stratagene)をスクリーニングする際のプローブとしてγ
-32P-ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼを使用して5'-末端を放射性標識し
た。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】 上段は酵母LPAAT配列のアミノ酸171〜230(配列番号:22)を参照しており
、下段は、+1読みとり枠を使用したdbestクローン#363498の相同領域(配列番号
23)を参照している。これら2つの配列の間で、同一で、保存されているアミ
ノ酸をダブルドットとシングルドットで示す。酵母LPAAT配列との相同性が少な
いこのようなcDNAクローンが実際にヒトLPAATβ配列をコードするかどうか見い
だすために、全長のcDNAクローンを単離し、それを発現ベクターに挿入し、cDNA
発現ベクターで形質転換またはトランスフェクションした細胞がより強いLPAAT
活性を生じたかどうかを試験することが必要であった。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】 従って、クローン#363498のコード配列および相補的配列にそれぞれ基づい
て、2つの合成オリゴヌクレオチド、5'-CCTCAAAGTGTGGATCTATC-3'(o. LPAT3.F
)(配列番号:24)および5'-GGAAGAGTACACCACGGGGAC-3'(o. LPAT3.R)(配列
番号:25)をオーダーした(Life Technologies, Gaithersburg, MD)。o. LPAT
3.Rは5'-側領域を増幅するために、順方向のベクタープライマー(o. sport. 1
)、5'-GACTCTAGCCTAGGCTTTTGC-3'(配列番号:26)と組み合わせて使用したが
、o. LPAT3.FはpCMV. SPORTヒト白血球cDNAライブラリー(Life Technologies,
Gaithersburg, MD)のLPAATβ配列と思われる配列の3'-領域を増幅するために、
逆方向のベクタープライマー(o. sport.1R)、5'-CTAGCTTATAATACGACTCAC-3'(
配列番号:27)と組み合わせて使用した。o. sport. 1およびo. LPAT3.R増幅か
ら誘導された700bpのPCR断片は、pBluescript(II)SK(-)(Stratagene, LaJo
lla, CA)のSma IとEcoR Iの間に挿入して、pLPAT3.5'を作製する前に、EcoR I
で切断した。o. sport.1Rおよびo. LPAT3.F増幅から誘導された900bpのPCR断片
は、pBluescript(II)SK(-)(Stratagene, LaJolla, CA)のSma IとXba Iの
間に挿入して、pLPAT3.3'を作製する前に、Xba Iで切断した。これら2つのプラ
スミドのcDNA挿入物のヌクレオチド配列解析は、それらは互いに重なり合う配列
、dbEST#363498と同じ配列および酵母LPAATのアミノ酸配列と広範囲に相同性を
有することを示した(Nagiec ら J. Biol. Chem. 268: 22156-22163, 1993)。c
DNAの半分の2つを全長のクローンに集成するために、pLPAT3.5'の560bpのNco I
- Nar I断片とpLPAT3.3'の780bpのNar I Xba I断片とを3-パートライゲーション
によって、pSP-luc+(Promega, Madison, WI)から作製したNco I / Xba Iベク
ターに挿入して、pSP.LPAT3を作製した。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】 上段は、アミノ酸150〜172のトウモロコシLPAAT配列(配列番号:28)を示
し、下段は、GenBank#T55627のdbESTクローンからの相同領域(配列番号:29)
を示している。これら2種の配列間の同一アミノ酸および保存アミノ酸は、間の
列にそれぞれ、二個点および一個点で示した。これらのヒトcDNAクローンがトウ
モロコシLPAATと相同性があるが、ヒトLPAATを実際にコードしているヒトLPAAT
αまたはLPAATβとは異なるかどうかを決定するために、完全長cDNAクローンを
単離し、それを発現ベクターへ挿入し、かつcDNA発現ベクターで形質転換または
トランスフェクションされた細胞がより多くのLPAAT活性を生じるかどうかの試
験を行なった。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】 従って、合成オリゴヌクレオチド5'-GACTACCCC GAGTACATG TGGTTTCTC-3' (o
LPTg_1F)(配列番号:30)を、GenBank#T55627クローンのアミノ酸DYPEYMWFL
配列番号:31)に対応するコード領域に基づいて並べた(Life Technologies、ガ
イザースバーグ、MD)。oLPTg_1Fを、pCMV.SPORTヒト白血球cDNAライブラリー(Li
fe Technologies、ガイザースバーグ、MD)からの可能性のあるLPAAT配列の3'-領
域の増幅のための、リバースベクタープライマー(o.sport.1R)5'-CTAGCTTATA AT
ACGACTCA C-3'(配列番号:27)と組合せて用いた。o.sport.1RおよびoLPTg_1F
増幅由来の1,000bp PCR断片は、XhoIで切断し、その後pBluescript(II)SK(-)(St
ratagene、ラホヤ、CA)のSmaIとXhoIとの間に挿入し、プラスミドpLPTγ_3'を作
出した。プラスミドpLPTg_3'由来のcDNA挿入物のヌクレオチド配列決定(シアト
ル・バイオメディカル・リサーチ・インスティテュート・シクエンシング・サー
ビス(Seattle Biomedical Research Institute sequencing service)により実施
)解析により、これがGenBank#T55627のクローンに合致した配列、ならびにトウ
モロコシLPAATアミノ酸配列のC末端と過度に相同な配列(Brownら、Plant Mol. B
iol.、26:211-223(1994))を含むことが示された。この推定LPAATクローンの5'部
分を単離するために、プラスミドpLPTg_3'を作成する以内のcDNAのBamHI部位の
直ぐ下流の領域に相補的な、合成オリゴヌクレオチド5'-CACATGTCCG CCTCGTACTT
CTTC-3'(oLPTg_1R)(配列番号:32)を、pCMV.SPORTヒト白血球cDNAライブラリ
ー(Life Technolgies、ガイザースバーグ、MD)由来の5'領域の増幅のための、フ
ォワードベクタープライマー(osport.1)5'- GACTCTAGCC TAGGCTTTTG C-3'(配列 番号:26) と組合せて使用した。作成されたPCR断片は、Acc65IおよびBamHIで切
断し、その後pBluescript(II)SK(-)(Stratagene、ラホヤ、CA)のAcc65IとBamHI
との間に挿入した。それぞれ980bpおよび770bpのAcc65I−BamHI挿入断片を含む2
種のDNAクローンのDNA配列解析により、これらがpLPTγ_3'のcDNA挿入断片に重
複し、加えてトウモロコシLPAATアミノ酸配列のN末端と極めて相同的である配列
を含むことが示された。これら2種のcDNAクローンのDNA配列は、5'領域において
多様であり、このことは他方(pLPγ2_5')と比較して、N末端に追加の62個のアミ
ノ酸を含む1種の変異体(pLPγ1_5')で異なるようにスプライシングされる2種の
変異体の存在を示唆している。2種の各DNAの半分を完全長クローンに構成するた
めに、pLPγ1_5'からの980bp Acc65I−BamHI断片またはpLPγ2_5'からの770bp A
cc65I−BamHI断片は、pBluescript(II)SK(-)(Stratagene、ラホヤ、CA)から調製
されたAcc65I/XhoIベクターへ、pLPTγ_3'からの870bp BamHI−XhoI断片と共に
、3部位ライゲーションにより挿入し、各々、pSK_LPγ1およびpSK_LPγ2を作出
した。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】 上段は、アミノ酸1〜46のヒトLPAAT-γ1配列(配列番号:33)を示し、下段
は、GenBank#H18562のdbESTクローンからの相同領域(配列番号:34)を示して
いる。これら2種の配列間の同一アミノ酸および保存アミノ酸は、間の列にそれ
ぞれ、二個点および一個点で示している。この推定LPAAT-δクローン(Genome Sy
stems Inc.、セントルイス、MO)のcDNAを単離し、更に解析した。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】 実施例3 この実施例は、本発明のヒトLPAATαの過剰発現が哺乳類細胞になんらか
の影響を与えるかどうかを調べる実験群を例示する。哺乳類発現ベクターpCE9に
挿入するために、pZplat.1l由来の全cDNA挿入物(〜2,300 bp)をAsp718 Iおよ
びXho Iで切断して、pCE9.LPAAT1を作製した。pCE9はpCE2に2箇所の改変を加え
て誘導した。pCE2の伸長因子-1a(EF-1a)イントロン内の550bpのBstY I 断片が
欠損していた。pCE2のAsp718 IとBamH I部位との間のマルチクローニング領域を
、pLitmus28のAsp718 IからBgl IIにわたるマルチクローニング領域と交換した
。プラスミドpCE2は、RSVプロモーターを、CMVエンハンサーと伸長因子-1a(EF-
1a)プロモーターとイントロンと交換したpREP7b(Leung, ら, Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 92: 4813-4817, 1995)から誘導した。CMVエンハンサーは、プラ
イマー5'-GGCTCTAGATATTAATAGTAATCAATTAC-3'(配列番号:35)および5'-CCTCAC
GCATGCACCATGGTAATAGC-3'(配列番号:36)を使用して、PCRによってpCEP4(Inv
itrogen, San Diego, CA)から作製した380bpのXba I-Sph I断片から作製した。
EF-1aプロモーターおよびイントロン(Uetsuki, ら, J. Biol. Chem.,264: 5791
-5798, 1989)は、プライマー5'-GGTGCATGCGTGAGGCTCCGGTGC-3'(配列番号:37
および5'-GTAGTTTTCACGGTACCTGAAATGGAAG-3'(配列番号:38)を使用して、PC
RによってヒトゲノムDNAから作製した1200bpのSph I-Asp718 I断片から作製した
。これら2つの断片をpREP7bから誘導したXba I/Asp718 I欠損ベクターに連結しp
CE2を作製した。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】 実施例6 pC9LPTγ1およびpC2LPTδの構築:プライマー5'-ggcccggtacc ATGGGCCTG
CTGGCCTTC C-3' (oLPγ1_1F)(配列番号:39)および5'-taactcCTCGAG TTATTCCT
T TTTCTTAAA CTC-3' (oLPγ1_1R)(配列番号:40)を用いて、鋳型pSK_LPg1のPC
Rにより、1100bp Acc65I−XhoI断片を増幅した。次に作出した断片を、Acc65I/
XhoI消化したpCE9(Westら、DNA Cell Biol. 6:691-701(1997))発現ベクターに挿
入し、pC9LPTγ1を作成した。同様に、プライマー5'-atggtggtaccacc ATGGACCTC
GCGGGACTG CTG-3'(oLPTδ_1F)(配列番号:41)および5'-GGAgGATATc tAGAgGCC
AC CAGTTC-3'(oLPTδ_1R)(配列番号:42)を用いて、鋳型#H18562のPCRにより
、1100bp Acc65I−XbaI断片を増幅した。次に作出した断片は、Acc65I/NheI消
化したpCE2(Westら、DNA Cell Biol. 6:691-701(1997))発現ベクターに挿入し、
pC2LPTδを作成した。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、hLPAATαをコードするpZplat.1lのcDNA挿入DNA配列(配
列番号:1)を示す。
【図2】 図2は、ヒトLPAATαコード配列のアミノ酸配列(配列番号:2)
、酵母LPAATコード配列のアミノ酸配列(配列番号:3)、大腸菌(E. coli)LPA
ATコード配列のアミノ酸配列(配列番号:4)およびトウモロコシLPAATコード配
列のアミノ酸配列(配列番号:5)を並列したものを示す。この比較によって、
ヒトLPAATαは、植物LPAATよりも酵母または大腸菌LPAATとの相同性の範囲が広
いことを示す。
【図3】 図3は、hLPAATβをコードするcDNA挿入pSP.LPAT3のDNA配列(配
列番号:6)を示す。cDNAクローンのヌクレオチド配列解析および制限マッピン
グは、39塩基対の5'側非翻訳領域と、アミノ酸278個のポリペプチドをコードす
る40〜876の位置のオープンリーディングフレームを明らかにした。それはまた
、pSP.LPAT3の480塩基対の3'側非翻訳領域も示す。翻訳開始部位はヌクレオチド
位置40〜42に存在し、十分な開始部位の要件を満たしていた(Kozak、Critical
Rev. Biochem. Mol. Biol. 27:385-402, 1992)。
【図4】 図4は、hLPAATβのアミノ酸278個のオープンリーディングフレー
(配列番号:1 および 2)を示す。このアミノ酸配列を、タンパク質データベ
ース中で相同配列を検索するためのquery配列として使用した。blastpプログラ
ムを使用した、国立バイオテクノロジーインフォメーションセンター(National
Center for Biotechnology Information)(NCBI)のジェンバンクリリース92デ
ータベースに基づいたデータベースの検索は、このタンパク質は酵母、細菌およ
び植物LPAATとの相同性が最も大きいことを示した。
【図5】 図5は、本発明のヒトLPAATβコード配列のアミノ酸配列(配列番 号:7) 、ヒトLPAATαコード配列のアミノ酸配列(配列番号:2)、酵母LPAATコ
ード配列のアミノ酸配列(配列番号:3)、細菌(E.coli, H. influenzae, およ
び S. typhimurium)LPAATコード配列のアミノ酸配列(それぞれ配列番号:4、8 および 9) および植物(L. douglassi および C. nucifera)LPAATコード配列
のアミノ酸配列(それぞれ配列番号:10 および 11)を並べたものを示し、ヒト
LPAATコード配列は植物LPAATより酵母または細菌LPAATとの相同性の範囲がずっ
と広いことを明らかにしている。
【図6】 図6は、TLC(薄層クロマトグラフィー)分析を使用して、pCE9.L
PAAT1 DNAをトランスフェクションしたA549細胞またはDNAをトランスフェクショ
ンしなかった細胞のLPAAT活性の比較を示す。これらのデータは実施例3および4
により詳細に記載する。
【図7および8】 図7および8は、IL-1βおよびマウスTNFで刺激した後の
、pCE9.LPAAT1をトランスフェクションしたA549細胞と、対照のA549細胞のTNF(
図7)およびIL-6(図8)の産生の比較を示す。これらのデータは、トランスフェ
クションしていないA549細胞と比較して、LPAATを過剰発現するA549は>5倍多くT
NFを産生し、>10倍多くIL-6を産生することを示す。これはLPAATの過剰発現は細
胞のサイトカインシグナル伝達応答を増大することを示唆している。
【図9】 図9は、LPAATγ1のDNA配列および翻訳配列(配列番号:12 およ
び 13)を示す。
【図10】 図10は、LPAATγ2のDNA配列および翻訳配列(配列番号:14 お よび 15) を示す。
【図11】 図11は、LPAATδのDNA配列および翻訳配列(配列番号:16 お
よび 17)を示す。
【図12】 図12は、ヒトLPAATγ1、γ2およびδについて、LPAATアミノ酸
配列のアラインメント(それぞれ配列番号:13、15 および 17)を示す。
【図13】 図13は、LPAATα(pCE9.LPAAT-α)、LPAATβ(pCE9.LPAAT-β)DN
A、LPAATγ1(pC9LPTγ1)、LPAATδ(pC2LPTδ)、または対照ベクター(pCE9)の発
現プラスミドで安定的にトランスフェクションされたECV3O4細胞のLPAAT活性を
比較している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 9/10 C12R 1:91) C12R 1:91) C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 アドューレル ダニエル アメリカ合衆国 ワシントン州 ウッディ ンビル エヌ.イー. 201 アベニュー 19010 (72)発明者 ホーレンバック デビッド アメリカ合衆国 ワシントン州 シアトル エヌダブリュー 60ス 911 Fターム(参考) 2G045 AA28 CB01 DA12 DA13 DA14 DA20 DA36 FB01 FB02 FB03 4B024 AA01 BA10 CA04 DA02 DA06 EA04 FA02 GA14 4B050 CC03 DD11 EE10 LL01 4B063 QA01 QA05 QQ20 QQ26 QR45 QR57

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(a)および(b)からなる群より選択されるヌクレオチド
    配列を含む、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ(LPAAT)活性を有
    するポリペプチドをコードしている単離ポリヌクレオチド: (a)図9、図10、または図11のDNA配列およびそれらの生物学的活性断片、ならび
    に (b)図9、図10、または図11のポリペプチドをコードしているDNA配列、およびそ
    れらの生物学的活性断片。
  2. 【請求項2】 図9、図10または図11のアミノ酸配列およびそれらの生物学
    的活性断片を含む、LPAAT活性を有する単離ポリペプチド。
  3. 【請求項3】 下記の段階を含む、1種以上の化合物が、LPAAT活性を増大ま
    たは減少するかどうかを決定するための、1種以上の化合物のスクリーニング法
    : (a)請求項2記載のポリペプチドを、該ポリペプチドの1種以上の基質と、および
    該1種以上の化合物と接触させる段階;および (b)該ポリペプチドのLPAAT活性が、該1種以上の化合物により増大または減少さ
    れるかどうかを測定する段階。
  4. 【請求項4】 1種以上の化合物がコンビナトリアルケミカルライブラリー
    から選択される、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 下記の段階を含む、請求項2記載のポリペプチドの発現法: (a)細胞に、下記の(i)および(ii)からなる群より選択されるヌクレオチド配列を
    含むポリヌクレオチドを導入する段階であって、該ポリヌクレオチドがプロモー
    ターに機能的に結合されている段階: (i)図9、図10、または図11のDNA配列、およびそれらの生物学的活性断片;な
    らびに (ii)図9、図10、または図11のポリペプチドをコードしているDNA配列、および
    それらの生物学的活性断片;ならびに (b)該ポリペプチドの発現を生じる条件下で該細胞を維持または増殖する段階。
  6. 【請求項6】 ポリヌクレオチドが、図9のDNA配列または図9のポリペプチ
    ドをコードしているDNA配列を含む、請求項1記載の単離ポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 ポリヌクレオチドが、図10のDNA配列または図10のポリペプ
    チドをコードしているDNA配列を含む、請求項1記載の単離ポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 ポリヌクレオチドが、図11のDNA配列または図11のポリペプ
    チドをコードしているDNA配列を含む、請求項1記載の単離ポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 ポリペプチドが、図9のアミノ酸配列を含む、請求項2記載
    の単離ポリペプチド。
  10. 【請求項10】 ポリペプチドが、図10のアミノ酸配列を含む、請求項2記載
    の単離ポリペプチド。
  11. 【請求項11】 ポリペプチドが、図11のアミノ酸配列を含む、請求項2記載
    の単離ポリペプチド。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の(a)または(b)の相補鎖に対し高ストリンジェ
    ンシー条件下でハイブリダイズすることが可能で、かつLPAAT活性を有するポリ
    ペプチドをコードしているDNA配列を含む、リゾホスファチジン酸アシルトラン
    スフェラーゼ(LPAAT)活性を有するポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオ
    チド。
  13. 【請求項13】 下記の(a)および(b)段階を含む、LPAAT活性を有するポリペ
    プチドを発現する方法: (a)細胞へ、請求項1記載の(a)または(b)の相補鎖に対し高ストリンジェンシー
    条件下でハイブリダイズすることが可能で、かつLPAAT活性を有するポリペプチ
    ドをコードするDNA配列を含むポリヌクレオチドを導入する段階であって、該ポ
    リヌクレオチドがプロモーターに機能的に結合されている段階;および (b)該細胞を該ポリペプチドの発現を生じる条件下で維持または増殖する段階。
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