JP2002532691A - 空間的シグネチャ情報を用いたワイヤレス位置決定 - Google Patents

空間的シグネチャ情報を用いたワイヤレス位置決定

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JP2002532691A JP2000587202A JP2000587202A JP2002532691A JP 2002532691 A JP2002532691 A JP 2002532691A JP 2000587202 A JP2000587202 A JP 2000587202A JP 2000587202 A JP2000587202 A JP 2000587202A JP 2002532691 A JP2002532691 A JP 2002532691A
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ラビ ラジャパクス,
ブラディミール ラジオノブ,
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ユー.エス. ワイアレス コーポレイション
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Abstract

(57)【要約】 ワイヤレス通信システムにおいて移動体送信器の位置を決定するための方法は、アンテナアレイにおいて受信された移動体からの信号からシグネチャを計算し、このシグネチャをデータベースに格納された較正されたシグネチャに対して照合することにより、移動体の位置を評価する。シグネチャは、移動体とアンテナアレイとの間の空間的チャネルを特徴付ける情報を含む。本方法を実現する装置(112)は、移動体送信器からの多次元信号ベクトルをコヒーレントに受信するための、アンテナアレイ(116)およびマルチチャネル受信器(118)を含む。プロセッサ(120は、受信された信号ベクトルから信号シグネチャを計算し、この信号シグネチャがメモリ(122)に格納された較正されたシグネチャに対して比較されることにより計算されたシグネチャに類似する較正されたシグネチャを同定し、これが移動体送信器の確からしい位置に対応する。従って、厳しいマルチパス環境においてでも、1つのベースステーションで受信された信号から送信器の位置を正確に決定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、一般に無線送信器の位置を測定するための方法に関する。特に、高
度なマルチパスによって特徴つけられる都市環境において動作するセルラーホン
、ページャ、および他の携帯送信器の位置を測定するための方法に関する。
【0002】 (発明の背景) 無線通信において、長期的な問題点は、移動無線送信器の位置を正確に測定す
ることである。セルラー電話ネットワークにおける正確な位置情報は、従来技術
において認知されているさまざまな理由から望まれる。例えば、セルラー位置情
報は緊急発送、不認可セルラーホン使用の追跡、および車両の速さの追跡あるい
は位置つけを補助するために用いられ得る。他の応用として、紛失したあるいは
盗難にあった車両の位置つけ、道に迷った運転手の補助、および位置に関する種
々のサービスの提供が含まれる。しかし、それらは正確な位置情報が必要であり
、そのような情報を提供する適切な方法がまだ開発されていないため、これらの
応用はまだ現実化されていない。一般に、従来の位置測定技術は以下の理由から
役に立たない。(1)従来の技術は、マルチパス効果が厳しい都市環境では、動
作しない、(2)送信器からの信号の範囲内に3基未満の基地局しかない場合、
従来の技術では動作しない、(3)従来の技術では、正確、精密、信頼の置ける
位置情報を提供しない、(4)従来の技術では、移動送信器、通信システム基地
局あるいはその双方において、大量の修正を必要とする。
【0003】 マルチパスは位置発見問題を解決する従来技術方法においては、おそらく最も
根本的な障害である。マルチパスは、ビル、丘、および他の建造物などの環境で
対象物からの信号の反射によって典型的に起こる。セルラーホンから送信された
信号はこれらの建造物からしばしば反射され、結果、マルチパス信号が、直接パ
ス信号に加えて基地局に到達する。マルチパス信号の到達角度は、普通、直接パ
ス信号の到達角度とは異なる。さらに、マルチパス信号のパスの長さは直接パス
信号のパスの長さとは異なるため、マルチパス信号および直接パス信号の到達時
間は異なる。さらに、ひどいマルチパスが存在する都市環境においては、時々、
直接パス信号がまったくなくなり、基地局では、マルチパス信号のみ受信するこ
とになる。しかし、従来型の位置測定技術は、到達角度測定あるいは到達時間測
定に基づく。この結果、従来技術では、マルチパス効果から相当な影響を受け、
精密な技術では、マルチパス効果を和らげる試みが用いられる。例えば、従来技
術は、信号平均化技術、拡散帯域あるいは周波数ポッピング技術およびマルチパ
ス確認および除去のための技術を示唆している。しかし、厳しいマルチパスの場
合、しばしば直接パス信号がまったく存在しない。そのような場合、これらのア
プローチは役に立たない。さらに、平均化技術は、一般的に、厳しいマルチパス
環境においては特に、根拠のないマルチパスの分布についての仮説に基づいてい
る。仮説に基づく分布が成立する場合ですら、これらの平均化技術は、正確な位
置情報を提供しない。したがって、従来のアプローチでは、マルチパス効果が微
少の場合でしか動作せず、マルチパス効果が厳しい都市環境において信頼できる
、正確な位置情報を提供できない。
【0004】 (発明の要旨) マルチパス信号およびその効果を取り除く、または避けるための、全ての従来
技術における位置探査方法と比較して、本発明は、送信機の位置を正確に決定す
るためにマルチパス信号を効果的に用いる。驚いたことに、位置探査の他の技術
と比べて、本発明の技術の正確さはシビアなマルチパス環境で改善されている。
さらに、本発明は、他の方法と比較して、単一の基地局から位置を正確に決定す
ることが可能な位置探査法を提供する。本発明のこの特徴により、複数の基地局
を必要とするか、または非常に不正確または誤った位置情報のみを提供するかの
いずれかであった従来技術とは区別される。加えて、本発明の位置決定技術は、
送信機、または無線通信システムの既存の基地局にいずれの変更も必要としない
。それゆえ、本発明は従来解決されずにいた位置探査における課題に特有の解決
策を提供する。
【0005】 本発明の原則に従って、位置探査装置のアンテナのアレイは、移動送信機から
の多次元信号ベクトルをコヒーレントに受信する。信号ベクトルを獲得するため
の特有の技術は、送信機に用いられる無線通信基準に依存する。いったん信号を
受け取ると、装置は次に、受信した信号ベクトルから送信機の信号シグネチャを
計算する。一般に、信号シグネチャは、所与の位置にある送信機からのアンテナ
アレイで受信した信号から派生したいずれかの位置依存特性として定義される。
例えば、シグネチャは、信号ベクトルから得た信号の振幅、位相、遅延、方向、
および極性の情報のさまざまな組合せから得られる。シグネチャは、ノイズおよ
び干渉等の発信位置とは無関係の全ての変数に関して実質的に不変であることが
望ましい。1つの好適な実施形態において、信号シグネチャは、モバイルデバイ
スと、位置探査装置との間の空間チャネルの信号マルチパス特性を含む。最も望
ましくは、シグネチャは信号ベクトルから形成される信号共分散マトリクス、ま
たは優勢な固有ベクトルにより補われた部分空間を含む。
【0006】 較正されたシグネチャと共に、送信機の信号シグネチャおよび対応する較正さ
れた位置は、例えば、送信機のシグネチャと、較正されたシグネチャのそれぞれ
との間の相似点を計算することで、送信機があると尤もらしく思われる1以上の
位置を決定するために用いられる。その尤もらしい位置は、送信機のシグネチャ
と最も類似している較正されたシグネチャに対応する。この方式で、シビアなマ
ルチパス環境においても、単一の基地局で受信された信号から送信機の位置が正
確に決定される。より精巧なマッチング技術が、位置のあいまいさを減らし、か
つより正確な位置の予測に用いられ得る。加えて、本発明の技術は正確な位置決
定のために複数の基地局を必要としないが、複数の基地局からのシグネチャが利
用できるのであれば、位置予測の正確性および信頼度を増すために組み合わせる
ことも可能である。
【0007】 較正された信号シグネチャおよび対応する位置は、既知の位置が送信機信号シ
グネチャと関連する較正手順により、望ましくは、グローパル測位システム(G
PS)の受信機に設けられた較正送信機を用いて決定される。較正されたシグネ
チャおよび位置情報は、収集され、処理され、整理されてリアルタイムの位置決
定で引き続いて使用するためにデータベースに記憶される。
【0008】 本発明の技術には、各種の有用な応用利用がある。例えば、信号シグネチャお
よび位置のデータベースは、アンテナ較正情報を得るために用いられる。この情
報は、従って位置決定を向上するためにも用いられ得る。別の有用な応用では、
送信機のシグネチャは、その速度を予測するためにも用いられ得る。この速度情
報は、位置決定と同様に、信号獲得およびシグネチャ決定を向上するために用い
られ得る。本発明による正確な位置情報には、有用な応用利用ができる範囲が広
い。2、3あげてみると、位置情報はモバイルデバイスのユーザへの位置に基づ
いたサービスおよび情報の提供に用いられ得、人、車両、またはその他の紛失し
ている、盗まれた、または注意または支援を必要としている大切なものを探し当
てる、またはつきとめるために用いられ得る。様々なタイプのネットワークの拡
張、診断、計画、評価、分析または管理において支援可能な無線通信システムオ
ペレーターリアルタイム位置拡張情報を提供するために用いられ得る。
【0009】 (発明の詳細な説明) 下記の詳細な説明は、図解の目的のための多くの特性を含んでいるが、当業者
であれば、下記の詳細に対して多くの変更および修正が、本発明の範囲内で行わ
れることを理解するであろう。従って、以下に示す本発明の好適な実施形態は、
請求の範囲に記載の発明の一般性を損ねるものではなく、また、それらを限定す
るものでもない。
【0010】 (システムアーキテクチャ) (ネットワークの概要) 本発明の好適な実施形態は、携帯電話、ポケットベル、ワイヤレスモデム、お
よび他のポータブル通信デバイスにサービスを提供する、1以上のワイヤレス通
信システムにおいて動作するように設計されている。各通信システムは、多くの
ベースステーションを含み、各ベースステーションは、地理的領域またはセル内
のポータブルデバイスと通信するように設計されている。ダウンリンク無線周波
数(RF)信号は、ベースステーションからポータブルデバイスまで伝送され、
アップリンクRF信号は、ポータブルデバイスからベースステーションまで伝送
される。従来のベースステーションは典型的には、ダウンリンク信号を送信しア
ップリンク信号を受信する1組の6方向アンテナを含む。これらの6つのアンテ
ナは通常、3対に分けられ、各対は、セルの120度のセクタにサービスを提供
するように設計されている。特定のセクタにおけるポータブルデバイスと通信す
るときに、6つのアンテナのうちの1つのみが通常用いられる。特に、特定のモ
バイルデバイスに用いられるアンテナは、最良の信号を提供するようにダイナミ
ックに選択される。ベースステーションとモバイルデバイスとの間の通信リンク
の質が低下した場合、通信システムは典型的には、より高質のリンクを提供し得
る別のベースステーションに、リンクを引き渡すことを試みる。このようにして
、セルの通信システムのネットワーク内を移動するポータブルデバイスが、連続
サービスを受け得る。これらの従来のシステム内における、特定のデバイスの位
置は、おおよその位置のみが知られる。ネットワークは、いずれのベースステー
ションがモバイルデバイスを提供しているかを知っており、時々は、デバイスと
の通信に用いられているアンテナを決定し得る。しかし、この情報を用いた場合
、ユーザの位置はせいぜい数キロ平方の領域までしか特定され得ない。
【0011】 (位置発見装置) モバイルデバイスのより正確かつ精密な位置情報を提供するために、本発明に
よる位置決定装置(LDA)が用いられる。図1A、図1B、および図1Cに示
すように、LDAは、通信システムの存在するベースステーションと部分的また
は完全に一体化され得るか、または他の通信システムからは独立して動作する別
のスタンドアローン型装置であり得る。例えば、図1Aは、ベースステーション
102と一体化されたLDA100を示す。一体化された実装において、LFA
はベースステーションの存在するアンテナを利用し、それ自体のアンテナは有さ
ない。これらのアンテナは、LDAに直接接続されているため、LDAの一部で
あると考えられる。高度に一体化された実装において、LDAは、ベースステー
ションアンテナに接続されているだけでなく、ベースステーションの内部電子装
置にも接続されている。このような接続は、例えば、ベースステーションからL
DAにユーザチャネル割り当て情報を通信するため、および/またはLDAから
ベースステーションに位置情報を通信するために用いられ得る。部分的一体化の
場合、図1Bに示すように、LDA104は、それ自体のアンテナを有し、情報
を交換する通信リンク以外は、ベースステーションから独立し分離している。ス
タンドアローン型実装の場合、図1Cに示すように、LFA108とベースステ
ーション110とは直接的には全く接続していないが、より大きいネットワーク
を介して間接的に接続し得る。
【0012】 LDA112とベースステーション114とが一体化された実装を図2に示す
。LDA112は、p個のアンテナのセット116と、p個のアンテナからコヒ
ーレントに信号を受信する複数の受信器118と、信号シグネチャ識別、データ
ベース検索、および以下に詳細に述べる他の必要な処理とを行う多目的信号プロ
セッサ120と、プロセッサによってアクセス可能であり、信号シグネチャ較正
データ、位置データ、地理マップデータおよび/または必要に応じてその他のデ
ータを格納するために用いられるメモリ格納デバイス122とを含む。プロセッ
サによって決定される位置情報は好適には、他のシステムによって用いられる外
部通信ライン124を介して送信される。位置情報はさらに、ベースステーショ
ン114のスイッチングマトリクス128に接続されたルーティングコントロー
ラ126にも提供され得る。スイッチングマトリクス128は、ルーティングコ
ントローラ126からの位置依存信号に応じて、アンテナビーム形成またはスイ
ッチングを行う。ベースステーションの受信器130および送信器132は、ス
イッチングマトリクスによってアンテナ116に接続されている。従って、ベー
スステーションの送信および受信は、LDA112からの位置ベースのルーティ
ング情報によって制御され得る。図2に示す実装は、図1Aに対応する、高度に
一体化された実装の一例である。LDA112のスタンドアローン型実装は、ル
ーティングコントローラ126を有さず、アンテナ116をベースステーション
114と共有することはない。上記以外は、動作の本質的な原理は同一である。
【0013】 ある時間に僅か1つの選択されたアンテナを用いて特定のモバイルと通信する
ベースステーションとは対照的に、LDAはコヒーレントにすべてのアンテナか
ら同時に信号を受信する。コヒーレントマルチチャネル受信器118は、様々な
アンテナ116において受信した信号間の相対的位相情報を保存する。その結果
、以下に詳細に述べるように、空間チャネルに関する微妙な情報が決定され得る
。特に、この空間チャネル情報は、図3に示すように、マルチパス信号情報を含
む。典型的には、モバイルデバイス136からLDA138への直接パス信号1
34に加えて、様々な周囲のオブジェクトから反射した1以上の追加のマルチパ
ス信号140がある。さらに、典型的には、デバイス周囲の領域142内に位置
する、様々なより小さい局部散乱器(図示せず)がある。このように、LDA1
38においてコヒーレントに受信された信号は、これらの反射または散乱した信
号に対応する微妙な空間チャネル情報を含む。
【0014】 (CDMAシステム用アーキテクチャ) ワイヤレス通信システムは、AMPSおよびCDMAなどの様々な従来の空間
規格およびプロトコルを用い得る。IS−95などのより複雑なCDMA規格の
場合、いくつかの追加の記載が助けになる。CDMA通信システムにおいて、す
べてのユーザが共通の周波数帯域を共有し、異なるモバイルデバイスは、すべて
のユーザが異なるPN拡散シーケンスを用いることによって区別される。ベース
ステーションにおいて、デバイスからの信号は、アンテナのうちの1つに接続さ
れ、IFにダウン変換され、その後デジタル化される。デジタル化された信号は
その後、信号を異なるモバイルデバイスから分離するために、PNシーケンスと
関連づけられる。独自のPNシーケンス間の低い相互関連性は、ベースステーシ
ョンのサービスエリア内のモバイル間に干渉がほとんどないことを保証する。各
モバイルに関してPNシーケンスを識別し、追跡可能な状態にしておくために、
周知のタイミング同期技術が用いられる。ユーザ信号は、分離された後、典型的
には、信号からウォルシュシンボルを抽出するために、逆アダマールトランスフ
ォーマに送信される。当該分野で周知であるように、モバイルデバイスからの情
報信号を再構築するために、様々なデコードおよびインターリーブ機能もまた行
われ得る。
【0015】 本発明のCDMA実施形態によるLDA144において、図4に示すように、
p個のアンテナ信号が、コヒーレントマルチチャネルIFダウン変換器およびA
/D変換器146に接続されて、p個のデジタル化複合信号のセットを生成する
。ダウン変換およびデジタル化は、p個のアンテナからの別々の信号間の位相関
係を保存するように、コヒーレントに行われる。p個のアンテナからのすべての
信号に対して行われる平行機能間のコヒーレンスを維持するために、共通の固定
発振器とマスタクロックとが用いられる。図において、LDA144は、それ自
体の送信器150と受信器152とを有するベースステーション148と一体化
されている。しかし、スタンドアローン型および部分的に一体化された実装もま
た可能である。
【0016】 p個の複合信号は、LDAのCDMA受信器156の同期されたマルチチャネ
ル逆拡散器154において別々に逆拡散される。一実施形態において、LDAが
信号を逆拡散するように、PNシーケンス情報がベースステーション148から
提供される。あるいは、スタンドアローン型実装においては、LDAはこの情報
をユーザデバイスから獲得し得る。例えば、ユーザデバイスは、そのコードチャ
ネル情報を、ワイヤレスモデムリンクを介してインターネットコンピュータに伝
送し得る。その後LDAが、コンピュータに問い合わせてユーザ情報を獲得し、
それによってベースステーションからユーザ情報を獲得する必要性を回避し得る
。いずれの場合も、ユーザ用のPNシーケンス情報が一旦獲得されると、LDA
はp個の信号を逆拡散する。提供されているすべてのモバイルに対して同時に逆
拡散を行うベースステーション受信器152とは対照的に、LDAの受信器15
6は、現在のモバイルのセットからの信号を順次、時間サンプルし、それにより
、ハードウェアの要件およびコストを大幅に減少する。この順次逆拡散を行うた
めには、正確なコードタイミング情報が必要である。この情報は、ベースステー
ション受信器152から獲得され得る。あるいは、コードタイミング情報は、周
知の技術を用いて、LDAの受信器によって獲得および追跡され得る。LDAに
は間欠的時間サンプルで十分である。なぜなら、その目的は、すべてのオリジナ
ル信号情報を獲得することではなく、空間チャネルシグネチャを獲得することだ
からである。
【0017】 CDMAシステム内のLDA受信器アーキテクチャは好適には、上記の様式で
適用されるが、高レベルLDAアーキテクチャおよび動作原理も同一である。
【0018】 (信号測定) (信号ベクトルサンプル獲得) LDAハードウェアは、複合信号サンプルをコヒーレントに受信する。これら
のサンプルは、空間チャネルシグネチャを計算するために後に用いられる。空間
チャネルシグネチャは、位置決定のもとである。より具体的には、複合信号x1
(t)、x2(t)、...xp(t)を受信するために、p個のアンテナがそれ
ぞれ用いられる。これらの複合信号は、p次元信号ベクトルx(t)=[x1(t
)、x2(t)、...xp(t)]Tによって表される。時間tにおいて、このベ
クトルの各コンポーネントxj(t)は、アンテナのうちの1つの振幅および位
相の両方の情報を有する複素数である。概して、アレイベクトルx(t)の次元
は、アレイ内のアンテナの数であるpに等しい。pの値は好適には、2〜12の
範囲にあり、より好適には、4〜8の範囲にある。最も好適には、pの値は、ベ
ースステーションの存在するアンテナが用いられ得るように、6に選択されるこ
とが好都合である。
【0019】 (CDMAシステムにおける信号獲得) CDMAシステムにおける信号獲得は、より複雑であるため、より詳細に説明
する。当該技術において周知のように、従来のCDMA受信機は、差動遅延が1
チップ分よりも長い場合、信号のマルチパス部分を孤立し得る。信号部分は、通
常、受信機の「フィンガー」によって抽出され、改良した信号強度を得るように
、時間的アラインメントの後、結合される。各々のフィンガーは、特定のマルチ
パス部分と関連付けられた正確な遅延にマッチングする相関受信機を備える。し
かし、この標準の技術は、一時的に個別のマルチパス部分を区別するのみで、同
様の時間的遅延を有する、空間的に個別のマルチパス部分を、区別しないことが
、留意されなければならない。
【0020】 図4のLDA144内のCDMA受信機156は、上述の技術を適用し、配置
発見において厳正な弁別を提供するために、マルチパス部分を分離する。以下の
説明を容易にするため、1つの移動デバイスからの信号について考える。LDA
のp個のアンテナにおいて、この信号は、1セットのp個の、コヒーレントに受
け取られる信号x1(t)、x2(t)、…、xp(t)を生じさせる。同期マル
チチャネル逆拡散器154において、このセットの各々の成分xj(t)は、そ
の後、q個の相関受信機を用いてq個の一時的に個別信号xj,1(t)、…xj,q (t)に分解される。ただし、jは、信号のアンテナのインデックスであり、q
は、用いられるフィンガーの数である。従って、全体で、p×q個の相関受信機
が用いられる。好適には、qは、1〜8の範囲である。より好適には、2〜6の
範囲である。最も好適には、q=4である。所与のフィンガーを含むマルチパス
部分は、全て互いに1チップの遅延を有し、フィンガーの間の遅延は、1チップ
より大きい。所与のフィンガーiからのp個のサンプルの各セットは、p次元の
ベクトルx(i)(t)=[x1,i(t),…,xp,i(t)]Tによって表される。
全てのqベクトルx(1)、…、x(q)は、さらに以下で説明されるように、部分空
間決定のために、信号プロセッサ158に送られる。
【0021】 CDMA受信機156は、q個の逆拡散器によって用いられる、最も良いコー
ド遅延について、元の信号x1(t)、x2(t)、…、xp(t)を探すサーチ
ャ(searcher)160を含む。サーチャは、遅延した信号が入来信号と
マッチングする程度を表すコード相関出力を生成する。遅延値τ1、…、τLのL
のシーケンスは、選択され、1/2チップ長の間隔を空けられている。典型的に
、Lは、約200であり、シーケンスの時間的スパンは、100チップである。
各々の遅延値において、信号用の対応するコード相関値は、コード相関出力から
測定される。j番目のアンテナからのコード相関値は、シーケンスC(j)(τ1
、…、C(j)(τL)のように表される。ただし、C(j)(τi)は、信号xj(t
)と時間的遅延τiを有するコードとの間の相関の値である。p個の信号全てに
ついての相関出力シーケンスは、相関シグネチャの構成のために、信号プロセッ
サ158に送られる。
【0022】 サーチャ160は、コード相関出力を検査し、一番強い相関に対応する1セッ
トのq個の時間遅延τ(1)、…、τ(q)を決定する。このような時間遅延を決定す
る、様々な周知の方法がある。例えば、これらの時間遅延は、セット{C(j)
τi):j=1,…p;i=1,…,L}内のq個の最も大きいローカル最大値
に対応するq個のτの値を選択することによって、決定され得る。これらの遅延
は、決定された後、逆拡散器154に送られ、これらの遅延に対応するq個のフ
ィンガーの各々の逆拡散を制御する。遅延は、シグネチャ決定のために、プロセ
ッサ158にも送られる。
【0023】 ハードウェアの最適の使用を得るために、受信機からの信号が、規則的な時間
間隔で、サンプリングされ得る。しかし、この最適化のためには、図5および6
を参照して以下で詳細に説明する従来のCDMA受信機アーキテクチャに対して
、何らかの改良が必要である。以下の説明において、p=6であり、IS−95
規格が用いられると仮定する。しかし、この最適化の原理は、これらの特定の仮
定に依存するものではない。さらに、本発明は、有益に実現化されるために、こ
の最適化を必要とするわけではないことが強調される。
【0024】 各デバイスからのCDMA信号が標準の時間的構成を有することが、留意され
なければならない。特に、CDMA信号は、図5に示すように、各々が20ms
の持続時間を有し、192ビットの情報を含む時間的フレームから構成される。
各フレームは、各々が1.25msの持続時間を有する16個のパワーコントロ
ールグループに分割される。ハイのデータレートにおいて、16個のパワーコン
トロールグループの全ては、情報を含む。最もローのデータレートにおいて、2
つのパワーグループのみがアクティブ(すなわち、データを含む)である。ロー
のレートにおいて、フレームでのアクティブなグループの配置は、疑似ランダム
である。
【0025】 図6に示すように、LDAのカバレッジエリア内の各ユーザデバイスからの信
号は、6つのアンテナに接続され、6つの受信機164の対応するバンクによっ
て受け取られる。これらの受信機は、コヒーレントに同期し、6つのアンテナに
接続された信号の間の関係する位相情報を保存する。各受信機は、信号を1つの
アンテナからベースバンドへダウンコンバート(downconvert)し、
その後、IおよびQ信号成分を生成するように、信号をデジタル化する。この時
点で、様々なユーザからの信号が、まだ区別されていない。受信機バンク164
によって生成される6つのデジタル化された信号は、6つの信号バッファ166
の対応するバンクに送られる。各信号バッファは、いくつかの最近受け取ったデ
ジタル化された信号フレームをカバーするデータサンプルを格納する。典型的に
、各バッファは、3つ以上のデータのフレームを格納するために十分な大きさで
ある。1.25msの周期的な間隔で、バッファコントロール回路168は、現
在各バッファにある信号フレームからパワーコントロールグループを選択するた
めに用いられる、バッファアドレスを計算する。特定のバッファアドレスは、計
算され、各パワーグループの時間間隔の間、アクティブなパワーグループが、1
6個までの個別のユーザ電話のうちの1つから選択される。従って、6つのバッ
ファの各々からの出力は、約3フレーム遅延された、選択されたパワーグループ
のデータストリームである。ただし、フレーム内の16個のパワーグル−プの間
隔の各々は、16個までの個別のユーザ信号のうちの1つからのアクティブなパ
ワーグループを含み得る。バッファコントロール168は、信号バッファバンク
166内のバッファへと、信号のコモンセットを送る。これらの信号は、バッフ
ァレコードおよびプレイバックアドレス、読み出し/書き込み信号、ならびにバ
ッファ構成データを含む。
【0026】 バッファバンク166からの6つのデータストリームは、逆拡散のために、6
つの対応する逆拡散器170のバンクに送られる。各逆拡散器において、選択さ
れたパワーグループの入来データストリームが、データを逆拡散するために、適
切なPNシーケンスと相関される。CDMA通信システムにおいて、全てのユー
ザは、共通の周波数帯を共有し、異なる移動電話が個別のPN拡散シーケンスの
使用によって、区別される。個別のPNシーケンスの間の、ローであるクロス相
関は、基地局のサービスエリア内の異なるユーザの間の干渉が少ないことを確実
にする。さらに、所与のPNシーケンスの個別の遅延されたバージョンの間のク
ロス相関がローであることは、1人のユーザから生じる信号の様々なマルチパス
部分の間の干渉が少ないことを確実にする。周知のタイミング同期技術が、用い
られ、各ユーザについて、マルチパス部分のPNシーケンスに、識別し、ロック
する。
【0027】 従来の使用方法とは対照的に、本装置における逆拡散器のPNシーケンスは、
逆拡散器制御回路172によって1.25ms毎に変更される。PNシーケンス
は、パワーグループ間の移行と同期して変更され、これにより、1フレーム内の
16個のパワーグループのそれぞれを処理する間に、逆拡散器は、16ユーザの
1人に対応するPNシーケンスを用いる。従って、各逆拡散器からの出力は、1
フレームにおける16個のパワーグループ間隔のそれぞれが、最大16個のユー
ザ信号の1つからの逆拡散された信号を含む、逆拡散されたI/Qデータストリ
ームである。
【0028】 結果的に得られる6個の信号データストリームが移動体電話から送信される情
報の全てを含むのではないことに留意されたい。むしろ、逆拡散器から出てくる
各フレームは、最大16個の異なる移動体電話からの最大16個のアクティブパ
ワーグループサンプルを含む。逆拡散は、本質的に、複数のマルチパス部分を、
チップ期間よりも大きな異なる遅延で分離するので、各移動体の全ての重要なマ
ルチパス部分の空間的シグネチャ(フィンガーと呼ぶ)を得ることが可能である
。本システムにおいては、移動体毎に最大4つのフィンガーを逆拡散することが
できる。以下でより詳細に説明するように、逆拡散器出力は、空間的信号情報を
決定するために用いられる。
【0029】 ここで、バッファ制御回路168および逆拡散器制御回路172の動作を説明
する。共通組の信号を逆拡散器制御172から逆拡散器バンク170に送信する
。具体的には、これらの信号は、以下の2つのPNシーケンスを含む:組み合わ
されたI逆拡散シーケンス、および、組み合わされたQ逆拡散シーケンス。これ
らのシーケンスのそれぞれは、送信機内における信号の拡散に関わる拡散信号の
全てのチップ毎の積である。IS−95の場合、これらの拡散信号は、ロングコ
ード、Walshコード、およびショートIまたはQシーケンスを含む。
【0030】 Walshコードは、通常、送信シンボルとして使用され、よって、送信信号
情報を含むことに留意されたい。しかし、本技術は、Walshコードを単なる
別の拡散信号として扱う。Walshコードを拡散信号の一部として含むことに
より、受信信号の位相を決定する際のLDA受信機における処理が改善される。
好適な実施形態においては、送信前に移動体において行われるように、デコード
されたデータビットをCSMボードから畳み込みエンコーダ、インターリーバ、
およびWalshエンコーダを介して、送信することによりWalshコード情
報が得られる。本実施形態において説明されるIS−95規格においてWals
hコードが用いられているのと同様に、様々な他の規格において用いられる他の
コードまたはトレーニングシーケンスを用いることが可能であることが理解され
る。また、データストリームを生成するためにデコーダがWalshコードを決
定するので、原理的には、WalshコードがCSMボードによって提供され得
ることも理解される。現存のCSM集積回路は、Walshコード出力を提供し
ないが、将来的には、このような集積回路が製造されて、本発明のコンテキスト
において使用される可能性もある。
【0031】 逆拡散IRQ(DES.IRQ)信号は、インターバル遷移のタイミング制御
を行う任意のパワーコントロールグループに発行され、マイクロプロセッサ17
4をトリガして、次の組の逆拡散パラメータを逆拡散制御およびバッファ制御へ
とロードする。GPS IRQは、各UTC第2境界上で発行され、マイクロプ
ロセッサをトリガしてさまざまなハウスキーピングタスクを実行する。システム
バス176は、システム構成要素間で情報を搬送する。例えば、バス上を送信さ
れたデータは、システムリセットコマンド、データプレイバックについてのバッ
ファアドレス情報、逆拡散についてのPNシーケンス状態、データ逆拡散につい
てのPNマスク情報、データ逆拡散についてのウォルシュコード(Walsh
code)、ならびにCSMデータおよび制御情報を含む。
【0032】 受信器バンク164によって生成された6個のデジタル化された信号は、サー
チャ、逆拡散器、高速アダマール変換(FHT)プロセッサ、デインターリーバ
(deinterleaver)、デコーダ、ならびに、ウォルシュシンボルお
よび16個までのモバイルデバイスから受信された信号からの他の信号情報を生
成するために要求される他の周知の回路を含む16個の従来のCSM集積回路を
含む従来のCDMAモデムボード178に送信される。従来のCDMAモデムボ
ード178は、空間信号情報を生成しない。しかし、従来のCDMAモデムボー
ド178は、ユーザデバイスの各々によって伝送されたデータ、各ユーザについ
ての伝送速度、PNシーケンス情報、ユーザあたり8個までの通路についてのフ
ィンガーオフセット情報、フレームオフセット情報、およびパワーグループ配置
情報を提供する。この情報は、データバス176上でマイクロプロセッサ174
に利用可能になり、マイクロプロセッサ174は、バス上をバッファ制御回路1
68へと送信されるバッファアドレスおよびバス上を逆拡散器制御回路172に
送信されるPNシーケンスを計算する。バッファの3フレームの遅延の目的は、
マイクロプロセッサにバッファアドレス、PNシーケンス、および他の制御パラ
メータを計算する時間を与えることである。GPSタイミング回路180は、正
確なタイミングおよび同期化情報を、CDMAモデムボード178、バッファ制
御回路168、および逆拡散器制御回路172に提供するために使用される。G
PSタイミング回路から受信器ボード178、バッファ制御168、および逆拡
散制御172に送信される信号は、CHIP×16クロック(1.2288×1
6MHz)および2秒信号あたり1つのパルス(平均第2信号)を含む。
【0033】 逆拡散器170からの6個の出力データストリームは、ローパスフィルタでフ
ィルタリングされ、その後、DSPデータバス182上で利用可能になる。これ
らのサンプルは、その後、デジタル信号プロセッサ(DSP)184によって収
集される。DSPはまず、サンプリングされた信号の周波数誤差をヌル化するこ
とを目的とした周波数評価を実行する。この周波数誤差は、ユーザ送信機とベー
スステーション受信器との間での周波数の誤差が原因で起こる。周波数誤差は数
百ヘルツまでに達し得、信号が逆拡散され、ベースバンドへとダウンコンバート
される場合、この信号は、残りの非ゼロ周波数を有する。したがって、本システ
ムにおける信号サンプルが比較的長い期間にわたって平均化される場合、残りの
周波数は訂正されて、サンプルがゼロへと平均化されるのを防ぐ。したがって、
DSPはまず残りの周波数を判定し、その後、サンプルを平均化する前にそれを
訂正する。この訂正データは、受信器制御186によって使用されて、受信器周
波数および受信器164の減衰を設定する。
【0034】 マイクロプロセッサ174によって実行される特定の機能は以下のものを含む
: 1.CSM、GPSタイミング、バッファ制御および逆拡散器制御を初期化す
ること。
【0035】 2.速度、オフセット、アクティブパワーグループ、および加入者の送信され
たデータを、CSMから読み出すこと。
【0036】 3.送信されたウォルシュコードを受信されたデータから計算すること。
【0037】 4.各パワーコントロールグループインターバル遷移の前に、逆拡散制御へと
ウォルシュコードをロードすること。
【0038】 5.各パワーコントロールグループインターバル遷移の前に、プレイバックア
ドレスをバッファ制御へとロードすること。
【0039】 6.加入者データをDSPから受信して逆拡散すること。
【0040】 7.逆拡散器からDSPへと送信された各バッチのデータについて、このデー
タに関連する加入者を識別するDSPに記述子を送信すること。
【0041】 DSP184によって実行される特定の機能は以下のものを含む: 1.各加入者について周波数誤差を計算すること。
【0042】 2.各受信されたデータバッチについての周波数誤差を訂正すること。
【0043】 3.各データバッチについての共分散(covariance)を計算するこ
と。
【0044】 4.共分散行列を位置発見プロセッサ188に移動すること。
【0045】 5.マイクロプロセッサに命令を移動すること(例えば、加入者リストおよび
パラメータ)。
【0046】 受信器制御186によって実行される特定の機能は以下のものを含む: 1.受信器周波数の設定。
【0047】 2.受信器減衰の設定。
【0048】 CDMA信号の空間シグネチャを計算するために、まずそれを逆拡散する必要
がある。しかし、空間シグネチャを判定するために、実際の情報データストリー
ムを捕捉または計算までする必要はない。本発明の空間シグネチャ測定技術の目
的上、重要な情報は、情報データストリーム自体ではなく、むしろ、部分的に、
アレイのアンテナ間の相対位相情報から得られる空間チャネル情報である。結果
的に、本技術は、動機、方法、および公知のCDMA受信技術から得られる結果
の点で明確である。本技術は、CDMA通信システムにおいて、複数のユーザに
ついての空間信号情報を同時に判定する効率的な方法およびシステムを提供する
【0049】 (データ収集および平均化) (信号バッチおよび標準的な平均化) 好適な実施形態において、特定のモバイルデバイスについてのp次元の受信さ
れた信号x(t)は、サンプリングインターバルの間に規則的にサンプリングさ
れて、1バッチの信号ベクトルサンプルx(t1)、x(t2)、...x(tN
)を生成する。図7Aに示した実施形態において、1msサンプリングインター
バルの間に約100個のサンプルが取り出される、つまり、10μs毎に信号が
サンプリングされ、差分Δtj=|tj−tj+1|が10μsとなる。その後、1
msバッチにおけるこれら100個のベクトルの外積が結合されて、上記バッチ
についてp×p共分散行列を形成する。各モバイルデバイスに対して、図7Bに
示すように信号サンプルのバッチが50ms毎に収集され、対応するバッチ共分
散行列が算出される。その後、所定のモバイルデバイスについてのバッチ共分散
行列は、図7Cに示すように、数秒間(例えば5s)にわたって収集される。そ
の後、これらのバッチ共分散行列は平均化されて、TrR=1となるように正規
化されたp×p信号共分散行列Rを形成する。この正規化共分散マトリクスは、
以下で説明するように、引き続いて行われる計算の基礎として使用される。
【0050】 各バッチスパンは1msしかないので、50msインターバル中には、この技
術を用いて50個までの異なるユーザデバイスからの信号をサンプリングするの
に十分な時間が存在する。要するに、第1の1msインターバルの間に第1のユ
ーザデバイスからの信号がサンプリングされ、第2の1msインターバルの間に
第1のユーザデバイスからの信号がサンプリングされ、以下同様にサンプリング
が行われる。50ms後、第1のユーザデバイスからの信号が再びサンプリング
される。
【0051】 また、他のさまざまな値を用いて、時間インターバル、バッチ毎にサンプリン
グされた信号ベクトルの数等について、同様のサンプリング方法を実行し得るこ
とが、当業者に明らかである。さらに、非均一なサンプリングスキームも使用し
得る。このサンプリングスキームでは、各モバイルが、物理的移動の速度に逆比
例する期間において、または他の基準にしたがって、サンプリングされる。ここ
での説明は、1つのユーザデバイスからの信号の処理に焦点を当てたが、好適な
実施形態において、本明細書中に記載した技術は、複数のユーザからの信号に応
用される。
【0052】 このサンプリングプロシージャはAMPSセルラー規格に適切であるが、他の
さまざまな変調スキームにも同様に適合できることが当業者に理解される。CD
MAセルラーネットワークの場合、例えば、アンテナアレイからの拡散スペクト
ル信号が、デジタル化され、同期化されたマルチチャネル逆拡散器を通過して、
各モバイルに対応するp次元のアレイベクトルx(t)を生成する。その後、こ
れらのベクトルは、上で概説した様態で、サンプリングされ、平均化されて、共
分散行列を形成する。このようなCDMAインプリメンテーションのより特定的
な詳細を、ここで説明する。
【0053】 好適な実施形態において、長さ1.25msの時間インターバル内で、所定の
モバイルについて、1バッチの信号が60ms毎に収集される。したがって、6
0ms間に、48個までの異なるモバイルがサンプリングされ得る。明らかなこ
とに、1.25msバッチインターバル長を減少する、または、60ms反復イ
ンターバル増加することにより、より多くのモバイルが処理され得る。さらに、
ハードウェアは、複数のモバイルが連続的ではなく並列的に処理されるように複
製され得る。これらのさまざまなインプリメンテーションは、さまざまな交換を
含むが、本発明の本質的な技術は変更しない。
【0054】 各バッチにおける信号の外積が結合されて、バッチ共分散行列を形成する。多
重フィンガーからの信号が利用可能である場合、各バッチについてバッチ共分散
行列が存在する。その後、各フィンガーについてのバッチ共分散は、数秒にわた
って平均化されて、信号共分散マトリクスRを形成する。多重フィンガーが存在
する場合、多重信号共分散行列が存在する。
【0055】 サンプリングされた時間遅延および相関データも、数秒間にわたって、類似の
様態で平均化される。これらの平均化技術は、測定されたシグネチャにおけるノ
イズの影響を低減するのを助ける。
【0056】 (速度依存型平均化) 均一な平均化に加えて、様々なタイプの不均一の平均化が用いられ、信号獲得
の効率および性能を増加させ得る。特に、図7Dに関して記載されるように、モ
バイルデバイスの速度の評価を用いて、平均化を制御し得る。所定のモバイルデ
バイスの場合、約100バッチのバッチ共分散行列が、p×p信号の共分散行列
Rを形成するために先に上述したように数秒に亘って平均化される。本発明の速
度依存型平均化技術によると、この初期共分散行列はRt0で示される(ここでt
0はRが測定された時間である)。リアルタイムでシステムが動作を継続するの
で、別の信号共分散行列Rt1が、同様の方法で時間t0と後の時間t1との間で
経過する数秒に亘って測定されたバッチ共分散行列から決定される。この様態で
、信号共分散行列Rt0,Rt1,Rt2,...,Rtnが生成される(ここでRtn
最も新しい共分散行列を示す)。好ましくは、差Δti=|ti−ti+1|は、0
.1から20秒の範囲内であるが、より好ましくは1と10秒との間であり、最
も好ましくは5秒である(均一なサンプルを仮定)。
【0057】 本発明の教授によれば、平均信号共分散
【0058】
【数1】 は、リアルタイムで共分散行列Rt0,Rt1,Rt2,...,Rtn1次結合を形成
することによって生成される。好適な実施形態において、共分散行列にける特定
の様態で結合され、送信器の速度(それぞれvt0,...,vtn)の評価に依存
した平均共分散行列を生成する。好ましくは、平均共分散行列を形成するために
結合された共分散行列が、送信器が距離D(ここでDは較正されたシグネチャ位
置間の平均空間的スパンに対応する所定の距離である)を移動する時間間隔に亘
って収集されたものである。一般的に、速度の評価値が大きい場合、次いで行列
が最も新しい共分散行列が平均共分散に大きく寄与するように結合される。一方
、あまり新しくない共分散行列は比較的、平均共分散行列に寄与しない。逆に、
速度の評価値が小さい場合、あまり新しくない共分散行列の寄与はそれほど重要
ではない。速度の評価が、当該分野で公知の様々な技術を用いて決定され得る。
あるいは、速度は、本発明の技術から導出される最近の位置評価に基づいて、ま
たは以下に記述されるように最近の共分散行列から直接評価され得る。この説明
の目的のために、本出願にらは速度の評価が正の速度の大きさであると仮定する
【0059】 好適な実施形態の一実施において、平均共分散行列
【0060】
【数2】 が以下の評価によって算出される。
【0061】
【数3】 ここでDm=vtmΔtm+・・・+vtnΔtnおよびmは
【0062】
【数4】 となるように選択される。つまり、mは過去の共分散行列Rtm,...,Rtn
送信器が距離Dを移動する時間間隔に亘って収集されたものであるように選択さ
れる。時間間隔Δtm,...,Δtnが一定と仮定すると、過去の共分散行列の
相対質量を決定する係数は評価される送信器の速度に比例するということに留意
されたい。従って微小速度に対応する共分散行列は、大きな速度に対応する共分
散行列よりも平均共分散行列にあまり寄与しない。この一般的な原理によると、
当業者は過去の共分散行列から平均共分散行列を算出するために他の多くの式を
作成し得る。
【0063】 好適な実施形態の別の実施において、平均共分散行列が最も最近の過去の共分
散行列および速度の評価、ならびに最後の平均共分散行列から算出される。つま
り、
【0064】
【数5】 は以下の式によって評価することにより帰納的に算出される。
【0065】
【数6】 ここでfは送信器の信号から評価された現在の速度vtnの関数であり、現在の共
分散行列Rtn、最も最近よりも前の平均共分散行列
【0066】
【数7】 である。これは共分散行列
【0067】
【数8】 が同様に以下の式
【0068】
【数9】 から算出されるので、帰納的定義である。 従って、1つには、以下のように書くことが可能である。
【0069】
【数10】 ここでvt0,...,vtnは時間t0,...,tnにおける評価された速度であ
る。多くの可能な関数fが使用目的で選択され得るが、一実施において関数fは
次の
【0070】
【数11】 の1次結合を形成することによって定義される。ここでλtnは0と1との間の値
をとる速度依存係数である。1に近いλtn値は、過去の共分散情報の大きな保持
となり、一方0に近いλtn値は、過去の共分散情報の大きな忘れとなる。
【0071】 本発明の一実施において、λt0,...,λtn値は、時間依存速度の推定値v t0 ,...,vtnから算出される。λtn値は、極めて大きな速度の推定値vtn
0に近いλtn値となるように算出され、従って過去の共分散情報の大きな忘れと
なり、一方極めて小さな速度の推定値は、1に近いかまたは等しいλtn値となり
、従って過去の共分散情報の大きなまたは全保持となる。多くの式がこれらの特
性を有しているが、λtn算出のための式の一例は、以下である。
【0072】
【数12】 ここで、Δtnは数秒のオーダーであり、Dは数十メートルのオーダーであり、
tnは送信器の現在の推定値である。例えば、Δtn=1sおよびD=25mの
場合、λtn=1となる。一方、vtn=25m/s=90km/hrの速度は、λ tn =e-1=0.368となり得る。λtnのための多くの他の式を用いて実質的に
等価な効果をもたらすことが理解され得る。例えば、 λtn=1/(1+vtn) または λtn=1/(1+(vtn2) である。
【0073】 別の実施形態において、λtn値は、所定値λ1,...,λmの有限集合から選
択される。選択された特定の値は、vtn値に依存する。例えば、
【0074】
【数13】 ここでvlowおよびvhighは所定の低速度および高速度のそれぞれの閾値である
【0075】 過去の共分散行列から平均共分散行列を算出するためのこの技術は、重要な利
点である。極めて遅い移動または定常の送信器の現在の共分散行列は、移動送信
器のそれよりも少ない情報を有するので、現在の共分散行列は位置と弱く関係し
、位置発見プロセス内に曖昧さをもたらす。しかし本発明の技術は、速度が微小
であるかまたはゼロである場合、過去の共分散情報を保持し、この問題を克服す
る。一方、送信器がすばやく移動している場合、現在の共分散行列は現在の位置
と強く関係し、一方過去の共分散行列は過去の位置と強く関係する。現在の技術
は、この場合において過去の共分散情報を忘れるので、現在の位置と最も強く関
係する平均共分散行列を生成する自動的に適応する方法を提供する。
【0076】 (シグネチャ計算) モバイルデバイスの信号シグネチャは、アンテナアレイで受信される信号から
得られる基本的な空間チャネル情報をキャプチャする。信号シグネチャは空間チ
ャネル情報に依存するので、可動の空間位置と強く関係する。好ましくは信号シ
グネチャは、空間チャネルの位置依存型局面を含み、好ましくはノイズのような
位置非依存型局面を可能な限り除去する。より好ましくは、信号シグネチャがそ
の環境における複数の伝播効果から得られる信号マルチパス情報を含み、好まし
くはこのマルチパス情報は、アンテナアレイで測定される位相および振幅情報か
ら得られる。最も好ましくは、信号シグネチャは、以下の1つ以上の要素を含む
。それらの要素は、信号共分散行列の空間的部分空間、信号マルチパス部の相対
的時間遅延、および補正情報コードである。シグネチャはまた、信号のより高次
のスペクトル等の別の方法で表され得る。信号部分空間はまた、キュミュラント
および信号共分散行列により表される2次の統計に関連してより高次の統計を含
む他の技術を介して求められ得る。次いで、キュミュラントを用いて、共分散行
列単独よりも可能なより多くの位相情報を回復し、さらに加法的なガウス観測ノ
イズの存在下でより頑強な特性を有する。
【0077】 (共分散行列部分空間の計算) 好ましい実施形態において、信号シグネチャは、その主な構成要素として、単
一の共分散行列Rの主要固有ベクトルによってスパンされた、単一の部分空間U
を含む。この主要固有ベクトルは、Rの固有ベクトルとして定義され、総信号エ
ネルギーの少なくともある割合を選択的にキャプチャする最大の固有ベクトルに
対応する。好ましくは、この割合は少なくとも70%であるが、より好ましくは
、90%である。信号部分空間は、いくつかの異なる基準によって決定され得る
ことは、強調されるべきである。
【0078】 CDMAシステムの場合、q信号部分空間U(1),・・・,U(q)は、好
ましくは、qフィンガーのq信号共分散行列R(1),・・・,R(q)に関し
て計算される。フィンガーiにおける各マルチパス信号は、通常、余分なディメ
ンションを部分空間U(i)に与える。従って、部分空間は、重要なマルチパス
が存在するロケーションへの依存性を強める。
【0079】 (相関関係および時間遅延情報) 信号部分空間に加えて、マルチパス部分に関する微分時間遅延はまた、信号シ
グネチャの一部として使用され得る。これらの遅延は、信号シグネチャをさらに
増強するように使用され得、それによりさらなるロケーション依存性を提供する
。結果として、遅延は、そのシステムに増大されたロケーション正確性を提供し
、ロケーションにおける曖昧さを解消するためにも使用され得、例えば、狭帯域
変調スキームを使用する据え置き電話機の場合に生じる(注。いくつかの異なる
基地局に到達する直接信号の時間差からなる従来技術における時間差データと対
照的に、本明細書中で使用される微分時間遅延は、単一基地局に到達するマルチ
パス信号部分の間の時間差を含む。)。
【0080】 一実施形態において、マルチパス信号の間の微分時間遅延は、以下のように計
算され得る。まず、例えばハイオーダ(high−order)統計のような、
従来技術で周知の技術による較正手順の間に、アレイ応答行列Aの理解不能な見
積もりが行われる。行列Aの行は、線形独立なアレイ応答ベクトルの組からなる
。微分遅延が、信号帯域の相互作用と比較して小さい場合、トランスミッタの作
動を利用して、信号および行列式Aを非相関化する。次に、重量行列WをWA=
Iのように決定するために使用される。Wおよびサンプル化された信号を使用し
て、次に、qマルチパス信号部分が解決され、それらの相対時間遅延、τ(1)
,・・・,τ(q)を計算する。各ロケーションに関連するこれらの時間遅延お
よび行列Aは、較正データベースに格納される。(信号部分空間は、Aから決定
されるため、Aが格納される場合、信号部分空間を格納することは必要でない。
)トランスミッタを未知のロケーションに配置しようとした場合、データベース
上の追加情報は、以下のように正確さを改善するために使用され得る。部分集合
の組み合わせを使用して、可能なロケーションの組を決定した後、格納された行
列Aは、較正手順で行われるように、サンプル化された信号に基づいて微分時間
遅延を計算するために使用される。次に、これらの時間遅延は、格納された時間
遅延と比較され、ロケーションの曖昧さを解消するのに役立つ。
【0081】 CDMAの実施の場合、理解不能な見積もり技術は時間遅延τ(1),・・・
,τ(q)を得るためには必要とされない。なぜなら、この遅延情報は、上述さ
れたような信号取得によって提供されるからである。好ましくは、時間遅延シグ
ネチャは、τ=[τ(1),・・・,τ(q)]T で定義されるベクトルとして
示される。さらに、CDMAの実施はまた、C=[C(1)T,・・・,C(P)TT
として示されるコード相互関係データを提供する。ここで、C(i)=[C(i)(τ
1),・・・,C(i)(τL)]Tである。部分空間U(1),・・・,U(q)
は、行列Cおよびベクトルτとともに、不可避的にロケーションに依存し、現在
のロケーションでのモバイルのための空間チャネルについての情報をキャプチャ
する、信号シグネチャを構築するために使用される。さらに、共分散行列R(1
),・・・,R(q)は、シグネチャの一部としても使用され得る。
【0082】 各ロケーションdkに関するデータベース内の信号シグネチャは、好ましくは
、較正された空間シグネチャSk={Uk(1),・・・,Uk(q);Rk(1)
,・・・,Rk(q)}、較正された時間遅延シグネチャτk=[τk(1),・
・・,τk(q)]T 、および相関された較正シグネチャCk=[Ck (1)T,・・
・,Ck (p)TTを含む。信号シグネチャは、ここで得られた特定の実施例に限ら
ず、他の特徴も含み得ることは強調されるべきである。さらに、信号シグネチャ
は上述のすべての構成を含む必要はないことは、理解されるべきである。例えば
、唯一の部分空間Ukを含み得る。
【0083】 (速度評価) 本発明に従って、電話のリアルタイム速度は、次の方法によって決定され得る
。1ミリ秒バッチサンプル化時間は、電話の動作と比較して短いため、バッチ共
分散行列は、近似的にランク1を有する。従って、Rでバッチ共分散行列を表す
と、以下のように表記され得る。
【0084】
【数14】 ここで、xxHは、Rに対するランク1の近似を表す。すなわち、ベクトルxは
、Rの主要な固有ベクトルであり、そしてxHは、そのへルマン結合である。
【0085】 Rが測定されて短時間δt(例えば、δt=50ミリ秒)後、再度1ミリ秒の
時間間隔をおいて測定された第2の共分散行列R’を考慮する。すると、R’は
以下のように書ける。
【0086】
【数15】 ここで、x’(x’)Hは、R’に対するランク1の近似を表す。
【0087】 典型的なマルチパス環境において、トランスミッタの物理的変位は、第1のオ
ーダの近似に対して、信号空間のベクトルxとx’との間の角度の変位量に比例
している。間隔δtの間の電話の変位量が大きければ大きいほど、ベクトルxと
x’との間の角度は大きくなる。従って、電話の速度を評価するために、既知の
時間間隔δtだけ隔てられたxについて、2つの連続した測定値を比較すること
によって、信号ベクトルの角速度を測定することが望ましい。しかし、xの計算
は、Rの固有値および固有ベクトルについての、コンピュターによる高度な計算
を含む。従って、本発明者らは、次の計算技術を利用して、複雑な計算を必要と
することなく、速度を決定した。 定義 δR=R’−R (3) および δx=x’−x (4) これらの定義を使用して、式2は、以下のように書ける。 R+δR=(x+δx)(x+δx)H (5) 式5の右辺を展開して、以下の式を得る。 R+δR=xxH+δxxH+xδxH+δxδxH (6) これから、式1を引いて、以下の式を得る。 δR=δxxH+xδxH+δxδxH (7) ここで、式7を使用して、
【0088】
【数16】 が計算され、結果の式を引いて、以下の式を得る。
【0089】
【数17】 定義 δxT=δx−(δxHxu)xu (8) ここで、XU=X/|X|は、xの方向の単位ベクトルである。従って、δxT
は、xの方向のδxの部分の引いたδxである。従って、δxの接線方向成分と
して、δxTが考えられる。
【0090】 式9を使用して、式8は再度、以下のように書ける。
【0091】
【数18】 δθをx’とxとの間の角とする。次に、δxT<<xを仮定して、
【0092】
【数19】 および
【0093】
【数20】 が得られる。式10にてこれを置換して、以下の式が得られる。
【0094】
【数21】 最後に、R=xxHであるから、Tr(R)=Tr(xxH)=|x|2、および
|x|4=[Tr(R)]2が得られる。 これを、式11で置換して以下の式を得る。
【0095】
【数22】 これをδθについて解いて以下の式を得る。
【0096】
【数23】 この式の右辺は、δRおよびRだけに関して、簡単な代数的な手法で計算され得
ることに留意されたい。従って、この式は、測定されたバッチ共分散行列から直
接、信号ベクトルの角度変化を計算するための簡単かつ計算効率の良い方法を提
供する関数である。
【0097】 電話の1次近似へ物理的変位は、信号ベクトルの角変位に比例する。時間tで
の電話の速度の大きさを評価するには、従って、下記の式が計算される。
【0098】 │Vt│=αδθ/δt (14) ここで、δは、測定値R’とRとの間の時間差であり、αは、経験によって判
定される比例定数である。│Vt│は、典型的には5から50msである期間δ
tにわたる速度の評価値であることに留意されたい。例えば1秒などのより長い
期間にわたる平均速度を得るには、上述した平均化および平滑化技術のうち任意
のものを、より長い期間内に収集された速度評価値の群に対して使用することが
できる。eqs.13および14と同様の別の等式が、電話速度の同様の評価値
を作るために使用され得ることが理解される。このような実質的に同様である等
式は例えば、数学的に等価である等式だけではなく、量Tr(R)、Tr(δR
)とTr(δRδRH)との同様の組合せを伴う等式またはこれらの量の倍数も
含む。この等式の本質的な特徴は、簡単で、RおよびR’のみについての閉じた
形式の式であることである。速度の方向は、位置発見システムを用いて判定され
た連続的な位置を比較することにより評価され得ることもまた理解される。この
方向評価値と大きさの評価値とを組み合わせれば、実際の速度ベクトルvを評価
することができる。
【0099】 │V│の数値は、位置発見システムの性能を改善するためだけではなく、送信
器の動きが分かっていると有用である別の用途にのためにも多様な方法で使用さ
れ得る。
【0100】 (較正データ収集工程) 本発明のリアルタイム位置判定技術は、較正された信号シグネチャ情報と関連
する位置とが格納されているデータベースを利用している。従って、このシステ
ムの初期化は好適には、信号シグネチャおよび位置情報を収集する較正工程を含
む。このようなデータを収集するための1つの工程は、以下のようなものである
【0101】 好適な較正工程によれば、較正ビークルは、LDAの近傍において任意の軌跡
を追跡する。このビークルは、アクティブなセルラー電話と、GPS受信器と、
ビークルの軌跡に沿ったリアルタイムGPS位置データを格納するためのコンピ
ュータとを含む。代表的な較正工程において、軌跡に沿ったGPS位置データは
、GPSクロックタイムスタンプと共に、典型的には10から100ms程度の
間隔で定期的にコンピュータに格納される。その間、セルラー電話からの送信信
号は、LDAにおいて受信される。LDAもまた、GPSを装備している。そし
て、信号シグネチャが、計算され、GPSクロックタイムスタンプと共に格納さ
れる。ビークルおよびLDAからのデータが組み合わされ、処理されるとき、標
準技術であり、LDAから得られる差分(differential)GPS収
集データは、LDAにおいて測定された各シグネチャに対応するビークル位置を
高い精度で判定するために用いられる。信号シグネチャおよび位置情報は次いで
、原較正データとしてベースステーションに格納される。
【0102】 この較正工程は、いくつかのベースステーションおよび/またはサービスエリ
ア内を移動しているいくつかのビークルの同時使用を含み得ることに留意された
い。加えて、各ビークルは、異なるチャンネルで動作しているいくつかの電話を
含み得る。例えば、AMPS標準のためのインプレメンテーションにおいて、1
つのビークル中の6個の電話の1セットが、2MHzの周波数間隔で送信して、
信号シグネチャデータを10MHz帯域にわたる周波数範囲で堤供するために、
使用され得る。この場合、原較正データは、ビークル軌跡に沿った各位置の6つ
の周波数に対応する6個のシグネチャを含む。位置データは、GPS技術以外の
技術またはGPS技術に加えられた技術から得られ得ることもまた理解される。
例えば、GPS位置情報は、推測航法または別の航行情報により補足され得る。
このような補足位置情報は、GPS受信が良好でない場合特に有用である。補足
位置情報は、上述のように、GPS情報と共に格納され得り、そしてオフライン
工程において後処理され得る。あるいは、この位置情報は、較正工程の間、リア
ルタイムでベースステーションへと送信され得る。
【0103】 1つのビークルと1個の電話との較正工程の結果は、1個のセットの共分散行
【0104】
【数24】 と、N個の対応位置の1個のセット
【0105】
【数25】 とを含む1つの軌跡についての原較正データの1個の連続したセットである。こ
の1つの軌跡についての原較正データは、便宜上、1からNまでの整数によりイ
ンデックス付けられ、順列付けられた対の1つのセット
【0106】
【数26】 として表される。位置d1とインデックスiとは、1対1で対応しているため、
位置は、対応する位置インデックスにより同定され得るか、またはその反対も可
能である。時間遅延および/またはコード相関情報もまた測定される場合、この
データもまた原較正データの一部として記録され、これにより、1つの軌跡につ
いてのデータが、順列付けられた3要素または順列付けられた4要素として表さ
れる。
【0107】 較正工程では典型的には、同時にまたは異なる時刻にM個のルートを追跡する
1つ以上のビークルを用いる。M個のルートから収集された原データは最初に、
【0108】
【数27】 としてでも表されるM個のファイルの1セット内に格納される。共分散行列情報
のみが測定される場合、各ファイル
【0109】
【数28】 は、順列付けられた対(R1、d1)、...、(RN(m)、dN(m))の時間的に連
続したリストを含む。ここで、N(m)は、ルートmにおけるデータポイントの
数を示す。付加的な情報が測定される場合、各ファイルは、順列付けられた3要
素、4要素などのリストを含む。従って、各データポイントは、ユニークなイン
デックス対(m、n)を割り当てられ得る。ここで、表1に示すように、m=1
、...、Mは、ルートを表し、n=1、...、N(m)は、ルート内のデー
タポイントを表す。
【0110】
【表1】 各ルートmは通常、異なる数のデータポイントN(m)を有することに留意さ
れたい。従って、表1の列は、行と同一の数を必ずしも有するわけではない。
【0111】 原較正データは、表2に示すように、K個の較正された信号シグネチャおよび
K個の関連位置を含む較正データベースを形成するために用いられる。位置d1
、...、dKのそれぞれは、2次元または3次元であり得り、そして最後に較
正された日付けが割り当てられ得る。各位置dKについてのデータベース内の信
号シグネチャは、較正された空間的サブ空間情報Skと、そしておそらくは較正
された時間遅延情報τkと、コード相関情報Ckとを含む。好適な実施形態におい
て、共分散シグネチャは、Sk={Uk; Rk}であり、または、マルチパス部
分を解けば、Sk={Uk (1)、...、Uk (q); Rk (1)、...、Rk (q)}と
なる。時間遅延シグネチャは好適には、τk=[τk (1)、...、τk (q)Tであ
り、コード相関シグネチャは、Ck=[Ck (1)T、...、Ck (p)TTである。信
号シグネチャは、本明細書中所与されている具対例に限定されるものではなく、
別の特徴も含み得ることが、強調されるべきである。
【0112】
【表2】 信号シグネチャは位置確認機能として比較的安定しているが、較正された信号
シグネチャのデータベースの精度に影響を与え得る、シグネチャにおける特定の
変化が実行され得る。そのような変化は、建物の建設または破壊、あるいは、マ
ルチパスに影響を与える自然環境における季節的な変化の結果として起こり得る
。従って、本発明の好適な実施形態は、データベースを更新する技術を含む。直
接的な方法は、較正手順を定期的間隔または継続的に実行することを含む。継続
的較正の費用効果的な方法として、商業用配送車の車隊を用いることができる。
そのような配送車は、典型的に地方の多くの地点を通過するので、これらの配送
車に専用の較正システムを積載でき、データベースの継続的なアップデートが可
能となる。あるいは(さらに)、サービス地点の較正のため、専門の車両を定期
的に出動できる。また、2つ以上の基地局が、そのような較正ユニットから同時
に信号を受け取ることのできる場合に、その信号は、これらすべての基地局によ
り、各データベースを自主的に較正するように用いることができることに留意さ
れたい。
【0113】 特定のデータベースの訂正を、(特別な較正システムの車両を用いずに)通常
の電話からの信号のみを用いて実行することもまた可能である。例えば、季節的
な大気中の変化がマルチパスに変更を引き起こす場合、数日から数週間にわたる
信号の分析は、集合的信号シグネチャの段階的なずれを検出することができる。
そのようなずれを明確に確認した後、データベースシグネチャはずれを補正する
ために訂正でき、これにより、較正手順を実行する必要性が排除される。同様の
技術が、環境中の反射物体の建設または破壊による、信号シグネチャの変化を補
正するデータベースを訂正するのに用いることができる。この場合、時間の経過
ごとの信号シグネチャの分析は、物体付近の位置と関連するそれらのシグネチャ
に対して、一貫し、かつ段階的なシフトを表示する。そのようなバイアスを確認
したことで、次にデータベースはしかるべく補正をすることができる。これらの
環境的バイアスの確認を補助するものとして、基地局は、互いに特定の情報を共
有し得る。例えば、ある位置のアレイ応答行列Aである。両方の基地局がシフト
を検出した場合は、おそらく環境の変化によるものと思われる。基地局間におけ
るそのような情報を通信するのに、高い帯域幅の通信チャネルが必要ないことは
、著しい特徴といえる。さらに、これらのシフトを検出するのに、地理的および
環境的情報を用いることができる。例えば、主要幹線道路の位置は典型的には変
わらないため、そのような幹線道路沿いで定期的に追跡される車両は、既知の軌
跡を有する。この軌跡情報は、較正データにおけるずれを確認し、訂正するのに
用いることができる。
【0114】 送信器が静止しており、時間遅延の差が信号帯域幅の逆数よりもさらに小さい
場合、マルチパスおよびダイレクトパスの信号はコヒーレントとなることに留意
されたい。すなわち、マルチパスおよびダイレクトパスは、複雑スカラー要因に
よってのみ異なる。この場合、測定された信号部分空間は、マルチパス信号が、
信号部分空間に対して追加的な次元を与えないため、1次元である。反対に、移
動送信器は、いくつかの波長の直接およびマルチパス信号にわたって脱相関させ
る。例えば、移動送信器からの2つのマルチパス信号は、以降の(subseq
uent)信号ベクトルx(t1)〜x(tM)を十分に変化させることにより、
完全な部分空間の決定を可能とする。較正手順において、多次元的部分空間から
成る信号シグネチャを有することが好ましいため、本発明の較正手順は、直接お
よびマルチパス信号を有利に脱相関させるため移動車両を用いる。これにより、
完全な信号部分空間を決定できる。静止した送信器は1次元的な部分空間しか有
さないが、この部分空間は較正された信号部分空間内にあるため、移動送信器よ
りも確実性に欠けるが、送信器の位置を確認することがなお可能である。しかし
ながら、帯域幅変調方式または周波数ホッピングの場合、完全な信号部分空間は
、静止した送信器においても決定され得る。
【0115】 (較正データ処理) 好適な実施形態において、較正プロセスは、較正表を最適化するための後処理を
含む。この最適化は、冗長な情報の排除、より効率的な保存のためのデータの圧
縮、およびより効率的な検索のためのデータの体系化を含むことができる。生デ
ータは、主として較正データ収集の間の任意的かつ無制御な車両のスピードおよ
び軌跡により、冗長を含む。例えば、停止中、または非常に遅い移動車両は、ほ
ぼ同じ位置に対応する、多数の冗長なデータとなり得る(データポイントの均一
なサンプリングを想定した場合)。重なったルート軌跡もまた、冗長なデータポ
イントとなる。従って、この生データから最適の較正表を作成するためには、こ
れらの冗長性を取り除くことが有利である。後処理方法は、2つの主要部分から
なる。すなわち、データの関連付けおよびグリッド生成である。
【0116】 (データの関連付け) データの関連付け処理は、好ましくは2つのステップに分けられる。第1のス
テップは、各ルートにルート近傍物ファイルを生成する。一方で、第2のステッ
プは、全ルートに全ルート近傍物ファイルを生成する。
【0117】 第1のステップは、以下のように実行される。ルートmにおける各データポイ
ント(m、n)に、同じルートmにおける近傍物データポイントのリスト
【0118】
【数29】 が決定される。近傍データポイントは、(m、n)の位置からの所定の位置Dよ
りも短い位置にある任意のデータポイントとなるように規定される。好適な実施
形態において、所定の距離Dは、5から10メートルである。これは、現在のG
PS受信器のほぼ正確な精度であり、典型的な道路の車線幅に匹敵するからであ
る。他の距離Dもまた用いられ得ることを理解されたい。このようにして、ルー
トmのルート近傍域ファイル
【0119】
【数30】 は、ルートの各ポイントのルート近傍物リストを含むように作成される。表3は
、ルートmにおけるすべてのポイントのルートmのルート近傍物リストを含む、
ルート近傍域ファイル
【0120】
【数31】を示す。
【0121】
【表3】 同様に、ルート近傍域ファイルは、各Mルート用に作成され、全Mルート近傍
【0122】
【数32】 となる。これは各ルート
【0123】
【数33】 に対応する。
【0124】 Mルート近傍域ファイルが作成されると、データの関連付け処理の第2のステ
ップが実行される。このステップにおいて、すべてのルートからの情報を結合し
て、全近傍域ファイル
【0125】
【数34】 が作成される。全近傍域ファイル
【0126】
【数35】 は、各ルートにおける各データポイントの全近傍物リストを含む。あるポイント
の全近傍物リストは、すべてのルートにおけるすべてのデータポイントから選択
されたポイントのすべての近傍物を含む。すなわち、ポイントの全近傍物リスト
は、同じルートの近傍物を含むだけでなく、その他のすべてのルートから得た近
傍物も含む。表4は、全近傍域ファイルの例を示す。
【0127】
【表4】 上記のデータ処理は、特定の汎用プロシージャを繰り返し実行することによっ
て簡便に行われ得る。基本的(fundamental)プロシージャNEIG
HBOR(m1,n1,m2,n2)は、ルートm1内のGPS位置dn1とルートm2 内GPS位置dn2との間のユークリッド距離を計算することによって、データポ
イント(m1,n1)が(m2,n2)の近傍物かどうかをチェックする。この距離
がDメートル未満である場合、プロシージャはTRUE値を返し、そうでない場
合には、偽の値を返す。このプロシージャを用いれば、ルートm1内の各データ
ポイントについて、ルートm2内の近傍ポイントのリストを計算するプロシージ
ャASSOCIATE_ROUTES(m1,n1)を創出するのは簡単である。
1=m2の場合、このプロシージャを用いて、初期ルート近傍域(neighb
orhood)ファイルを生成することができる。また、このプロシージャを用
いて、m1≠m2である全ての場合についてこのプロシージャを呼び出し、各呼び
出しの結果を合計近傍域ファイルに加算することによって、ルート近傍域ファイ
ルのコレクションから合計近傍域ファイルを生成することも可能である。ASS
OCIATE_ROUTESは対称的、即ち、ASSOCIATE_ROUTE
S(m1,m2)=ASSOCIATE_ROUTES(m2,m1)であるので、
距離計算の半分は行わなくてもよいことに留意されたい。
【0128】 全てのmについてASSOCIATE_ROUTES(M+1,m)を呼び出
すことにより、そして、全てのmについてASSOCIATE_ROUTES(
m,M+1)を呼び出すことにより、新たなルートM+1を合計近傍域ファイル
に加算することができる。この第1の一連の呼び出しにより、存在する全てのル
ートからの全ての近傍物が新たなルートに加算され、第2の一連の呼び出しによ
り、新たなルート内の近傍物が既存のルートに加算される。同様に、その他のル
ートについてデータポイントの合計近傍域リストに含まれ得る全てのデータポイ
ント(m,1),...,(m,N(m))を除去し、これらのデータポイント
への全ての参照を除去することにより、任意のルートmを合計近傍域ファイルか
ら削除することができる。
【0129】 (地理的ビン化(GEOGRAPHIC BINNING)) ビン化プロシージャ(binning procedure)は、合計近傍域
ファイルの内容を用いて地理的ビン(geographical bins)の
コレクションを構築する。ビン(bin)は、1つ以上のルートの一部に対応す
る連続的な地理的地域として定義される。ビン化ステップは、複数のルートの軌
跡(trajectories)に対応するビンのコレクションを構築する。こ
のビンのコレクションは、ファイル較正テーブルの基本要素である。
【0130】 ビンは、以下のようにして、シーケンシャルに作成される。最初に、全てのル
ート内の全てのポイントを未ビン化(unbinned)としてタグ付けする。
現ルート変数は、初期的に、第1のルートとして設定され、現ルート内の現ポイ
ントは、初期的には、そのルート内の初期ポイントに設定される。次に、現ポイ
ントから、そのルート内の最後の連続ポイントであって現ポイントから最小ビン
化距離以内にあるポイントまでのポイントのシーケンスをカバーするビンが作成
される。以下でより詳細に説明するように、ビンには、そのビン内のシグネチャ
およびポイント位置に基づいて、あるビン位置およびあるシグネチャが割り当て
られる。ビン作成後、現ポイントは、そのビンの外にあるルートに沿った第1の
ポイントである。このポイントは、次のビンについての第1のポイントになり、
そして、新たなビンが作成される。このようにして、そのルート内にポイントが
なくなるまで、複数のビンがそのルートに沿って連続的に作成される。第1のル
ートがビン化された後、現ルートをインクリメントし、そして、次のルートにつ
いて同様にビン化を繰り返す。このようにして全てのルートがビン化されると、
ビン化プロシージャが完了する。
【0131】 単一のビンを作成するステップは以下のように行われる。初期ビンポイントを
、現ポイントとして設定する。そのポイントについて合計近傍物リストを調べる
ことによって、現ポイントの全ての近傍物を特定する。これらの近傍物は、現ポ
イントの円形近傍域(neighborhood)内にある(任意のルートから
の)ポイントである。これらの近傍物のリストおよび現ポイント自体から、全て
の未ビン化ポイントが選択される。ビンが完了したときに、これらの選択された
ポイントはビン化済みとしてタグ付けされ、これにより、これらのポイントが他
のビンのデータとして含まれないようになる。その後、これらのポイントの共分
散行列を平均化して、現ポイントに関連付けられた平均共分散行列Rを形成する
。その後、この平均共分散行列から、このポイントに対応する共分散シグネチャ
Uが決定される。好適な実施形態において、共分散行列Rに対応する共分散シグ
ネチャUは、Rの支配(dominant)固有ベクトルによって張られる部分
空間である。さらに、共分散行列自体を、シグネチャとして使用することができ
る。現ポイントの近傍物の内に未ビン化ポイントが全くない場合、そのポイント
についてシグネチャ値は全く計算されない。未処理データが時間遅延およびコー
ド相関データを含む場合、これらは、そのポイントについて、平均化され、その
シグネチャ値内に含まれる。
【0132】 その後、現ポイントを、現ルート内の次のポイントにインクリメントする。現
ポイントが、初期ビンポイントから所定のビン化距離(例えば、30メートル)
未満である場合、上記プロシージャを繰り返して、このポイントについて再びシ
グネチャを作成する。結果的に、初期ビンポイントから所定ビン化距離以内にあ
る、現ルートに沿った複数のポイントに対応する一連のシグネチャ値が得られる
。概して、ビン化距離は、近傍物距離Dよりも大きい任意の値として選択され得
る。好適な実施形態において、ビン化距離は、典型的な郊外型環境の場合の約5
0メートルとして選択される。密集都市型環境の場合、ビン化距離は、好ましく
は、30メートルであり、田舎の環境においては、ビン化距離は、好ましくは、
50メートル以上である。その後、所与のビン内のシグネチャ値を平均化して、
ビンシグネチャを形成し、そして、対応する位置を平均化して、平均位置を形成
する。ビン位置は、平均位置に最も近いデータポイントの位置として選択される
【0133】 上記ステップの変形例においては、図8Aおよび図8Bに示すように、各ビン
は、複数のサブビンに分割される。サブビンの大きさおよび形状は、位置情報誤
差によって決定される。差分補正を用いたGPSの場合、サブビンは、好ましく
は、その大きさが約10mである正方形であり、ビンは約30mの大きさを有す
る。未処理データポイントの位置は、図面中、白丸で示されている。図8Aは、
車両ルートを点線で示している。図8Bは、9個のサブビンを含むビンの詳細を
示している。各サブビンについて、その位置がこのサブビン内にある共分散行列
の平均を、それらの位置の重心(centroid)と共に、計算する。こ
れらのサブビンの重心は、図8B中、黒丸で示されている。複数のビンについて
、この同じプロシージャを繰り返す。即ち、各ビンkについて、そのビンに属す
るサブビン共分散の平均Rkを、そのビン内のサブビン位置の重心dkと共に
、計算する。このビンについての重心は、図面中、丸付き「x」印で示されてい
る。さらに、RkからビンシグネチャUkを計算する。
【0134】 そのルート内のポイントが全てビン化されるまで、このプロセスを続ける。そ
の後、その他のルートを同じ方法でビン化し、これにより、全てのルートからの
データを取り入れた較正テーブルが得られる。AMPS規格に適合した好適な実
施形態において、使用中の様々な異なる周波数バンドについて、個別の較正テー
ブル(例えば、周波数チャネルの各3〜6MHzバンドにつき、1つの較正テー
ブル)が構築される。従って、位置を導出するために使用される較正テーブルは
、信号の周波数に依存して選択される。
【0135】 多量の計算を不必要に繰り返すことなく、新たなルートからのデータを、現存
の較正テーブル内に取り入れることができる。具体的には、新たなルートからの
データを用いて、上述した方法で、新たな合計近傍物ファイルが作成される。新
たなルートの全ての近傍物、ならびに、その新たなルート内の全てのポイントは
、未ビン化としてタグ付けされる。その後、その新たなルートについて、ビン化
プロシージャを実行することによって、較正テーブルを更新することができる。
【0136】 最適化された較正テーブルは、時間的または空間的に冗長なデータを含まず、
各ビン内の平均化により、正確なデータを含む。この方法はまた、車両がとる具
体的なルートを制限しないという利点も有する。当業者であれば、本方法が、あ
る地域の連続的な地図を生成し、その精度が既存の調査地図の精度をしばしば上
回ることを理解する。従って、本方法には、高精度地図の作製、ならびに、位置
特定技術の用途がある。
【0137】 (データの圧縮および組織化(data compression and
organization)) 高速リアルタイム位置発見システムを提供するためには、較正データを効率的
に格納および組織化することが好ましい。信号シグネチャデータに加えて、予備
計算されたデータを格納することが好ましい。これにより、リアルタイム位置決
定を行う際により効率的にシグネチャマッチング処理を行うことが可能になる。
予備計算されるデータの種類の一例は、1組のN次ベクトルw1,...,wN
あり、これらは、それぞれ、全N個の位置の共分散行列R1,...,RNから導
出される。マッチング精度を高めるために、以下でより詳細に説明するように、
これらのベクトルをシグネチャマッチング処理において使用することが可能であ
る。各ベクトルは、wk=[Tr{P1k},...,Tr{PNk}]T(但
し、Pi=Uii Hは、位置iの部分空間に対する射影作用素(projecto
r)である)によって定義される。従って、このベクトルの各要素Tr{Pik }によって、位置kの共分散行列Rkが位置iの部分空間Uiとオーバーラップす
る範囲が測定される。このベクトルを用いて、リアルタイム共分散行列Rを較正
共分散シグネチャにマッチングさせることが可能である。以下でより詳細に説明
するように、Rから同様のベクトルwを計算することが可能であり、その後、量
G(w,wk)=|w−wk2を計算し、これにより、リアルタイムシグネチャ
の較正されたシグネチャとの類似度を測定する。これらのN次ベクトルは、大量
の格納スペースをとり得るので、それらの情報のよりコンパクトな表記を格納す
ることが望ましい。Tr{Pik}=pi Tk(但し、piはPiから導出される
2次ベクトルであり、rkはRkから導出されるp2次ベクトルである)であるこ
とが示され得る。さらに、piおよびrkの両者は、実数ヨウ素を有する。従って
、wk=[p1 Tk,...,pN Tk,]Tである。より一般化すれば、任意のp
×p共分散行列Rについて、ベクトルw=[p1 Tr,...,pN Tr,]T(但
し、rは、実数要素を有するp2次ベクトル)を導出することが可能である。必
要なデータ格納スペース、ならびに、リアルタイム位置発見の際にデータベース
サーチを行うのに必要な時間を低減するために、N次ベクトルw1,...,wN の代わりに、p2次ベクトルr1,...,rNを格納する。さらに、p2次ベクト
ルp1,...,pNも格納する。その後、必要に応じて、ベクトルw1,...
,wNを容易に再構築することができる。
【0138】 他の同様の技術は、以下の方法に基づき、より一般的な距離関数(dista
nce function)すなわち線形である必要のない関数に適用される。
行列W=[w1,・・・,wN]の特異値分解(SVD)が実行される。典型的には
、この行列のSVDはNよりも劇的に小さい有効ランクを有し得る。例えば、典
型的な約100のみの統計学的に有意な優性な固有ベクトルは、N=10,00
0として、行列WのSVDより生じる。これらの優性な固有ベクトルは行列Wの
部分空間Wsをスパンする。この部分空間上のプロジェクタは、PWs=Wss H
である。ここで、k=1,・・・,Nにおいて、=Ws Hwおよび k=Ws Hk である。ベクトルは、Wの優性な固有ベクトルによってスパンされた部分空間
上のN方向ベクトルwのプロジェクションである。同様に、ベクトル kは、同
じ部分空間上のN次元ベクトルwkのプロジェクションである。この部分空間の
次元は、典型的にNより小さい規模のおよそ2つのオーダーである。結果的に、
ベクトルおよび kは、N未満の規模の2つから3つのオーダーの次元をも有
する。さらに、他の次元は無視されるので、オリジナルのN次元ベクトルがこの
ようなより低い次元ベクトルによって置き換えられることによって、有意な情報
が失われない。同様に、較正テーブルのサイズは、このようなN次元カウンター
パートよりはこのような低減されたベクトルが格納されることによって、規模の
2つ以上のオーダーによって低減され得る。
【0139】 ベクトルwとNベクトルw1,・・・,wNのセットのベクトルとのマッチング
は、k=1,・・・,Nにおける評価(evaluating)G(w,wk
によって実行される。しかしながら、それは以下のように示され得る。
【0140】
【数36】 このようにして、コンパクトベクトルおよび kは、オリジナルベクトルよ
りはリアルタイム計算において直接使用され得る。なぜなら、および kの次
元は、wおよびwkの次元よりもより小さいからであり、格納要求はより小さく
、計算がより早くなる。
【0141】 (アンテナアレイマニフォールドデータの評価) アレイマニフォールドベクトル{a(θ):θ=θ1,・・・,θL}のアンテ
ナアレイのセットは、よく知られたアレイ較正手順を介して経験的に便利に決定
される。しかしながら、本発明の較正データは、アレイマニフォールドベクトル
が便利なアレイ較正手順を除いて決定されることを認める。かわりに、アレイマ
ニフォールドベクトルは、以下のシグネチャー較正テーブルから計算され得る。
図9に示すように、LDA190のサービス領域は、較正位置のセットを含み、
図面では、円で囲まれた「x」印で示される。サービス領域の角度セクターは、
角度θ周辺の中央の角度幅Δθを有するとみなす。好適な実施形態において、Δ
θの値はおよそ1度である。しかしながら、この特定の値は、本発明の実行にお
いて必要ではなく、他の様々な値が同様に用いられ得る。このセクターに含まれ
るのは様々な較正された位置であって、較正されたシグネチャー部分空間U1
・・・,Ukに対応する。これらの部分空間が与えられたセクターで確認された
後に、各部分空間Uiは、最大の固有ベクトルeiが、同じ部分空間内における他
の固有ベクトルよりも顕著に大きい規模を有するかを決定するために試験される
。例えば、最大の固有ベクトルが所定のファクターにより次の最大の固有ベクト
ルより大きいならば、それは、他の全ての固有ベクトルよりも顕著に大きいと考
えられる。好ましくは、この所定のファクターは、少なくとも2であり、より好
ましくは10以上である。この部分空間の試験の結果は、最大の固有ベクトルと
なる。例えば、全ての部分空間が顕著に大きい第1の固有ベクトルを有するなら
、最大の固有ベクトルのセットは、各部分空間ej,・・・,ekからの1つの固
有ベクトルを含み得る。これらの固有ベクトルは、セクターeavの平均固有ベク
トルを形成するために組み合わされる。様々な技術がej,・・・,ekからeav を決定するために用いられ得る。例えば、K固有ベクトルは行列においてスタッ
クされ、行列の分解された別個の値は、行列のベストランク−1近似を決定する
ために計算され得る。このベストランク−1近似は、eavの値として用いられる
。eavのより正確な評価は、初期のeavの評価が使用され得、Kセットからのい
くつかのアウトライン固有ベクトルが排除され得、この手順は繰り返される。セ
クターのeavの最終値は、セクターのアレイ較正ベクトルa(θ)の初期の評価
として用いられる。同様の近似がLDAにおける全てのセクターについてつくら
れる。これらの近似は、θに対するa(θ)の値上の継続状態に行われることに
よって改変され得る。そのために、上記の手順は、LDAにおけるL次元θl
・・・,θLのセットのLアレイ較正ベクトルa(θl),・・・,a(θL)の
セットを駆動し得る。
【0142】 位置データベースからのアレイ較正ベクトルを生成させるこの技術は、一般的
なアレイ較正ベクトルの知られた方法よりも重要な様々な利点があることに留意
されたい。従来技術は典型的に、アレイがインストールされ、特別なアンテナ範
囲で測定されることを要求する。知られた方法は、多くの存在するアンテナアレ
イにとって使い勝手が悪い。一方、本発明の方法は、アレイまたはそれをサポー
トする構造の性質上制限が無いので、存在するアンテナアレイにとって有効であ
る。
【0143】 (位置評価) 本発明の位置決定技術のアプローチは、位置の分からないモバイルデバイスの
リアルタイムシグネチャーの測定であって、シグネチャーは較正位置の同様のシ
グネチャーとマッチする。なぜなら、シグネチャーは、位置と高い相関性があり
、マッチングシグネチャのキャリブレート位置は、モバイルデバイスの位置に対
応し得る。様々なマッチング手順が、異なるタイプのシグネチャー、異なるマッ
チング技術、サーチ最適化アルゴリズム、あいまい低減技術等を含むように使用
される。マッチングの為に用いられる特定の技術の組み合わせは、使用可能なシ
グネチャー情報のタイプ、ワイヤレス環境の性質および他のファクターに依存し
得る。
【0144】 (共分散行列、時間遅延、および相関マッチング) 好ましい実施形態では、サービスエリアのモバイルデバイスの位置は、以下の
ように決定される。位置の知られていないデバイスからの信号の発生は、LDA
で受信され、信号シグネチャーは、上記で詳細に開示内容によって信号から決定
される。1つの実施形態によると、シグネチャーは、共分散行列Rの信号を含む
共分散シグネチャーSおよび信号部分空間Uを含む。他の実施形態によれば、シ
グネチャーは、各信号のqマルチパス部の信号共分散行列および信号部分空間を
含む。すなわち、S={U(1),・・・,U(q);R(1),・・・,R(q)}である
。さらに他の実施形態によれば、シグネチャーは、時間遅延および/またはコー
ド相関情報をまた含む。上記の較正テーブルの使用において、信号シグネチャー
は、N較正位置のセットに対応する較正された信号シグネチャーのセットに類似
する測定の使用と比較される。
【0145】 測定された空間シグネチャSと、所与の較正された空間シグネチャSkとの類
似度の測定は、2つのシグネチャをそれらの互いの接近度を示す数字に写像する
関数D(S,Sk)を評価することによって決定され得る。D(S,Sk)の値は
、測定された共分散シグネチャSが較正されたシグネチャSkと一致する可能性
を示す。それぞれのシグネチャSkは、既知の位置dkと対応するので、D(S,
k)の値はまた、送信機が位置dkにある可能性を表す。1つの適当な定義によ
れば、D(S,Sk)は測定されたフィンガー共分散行列R(1),...,R(q)
の対応する較正された部分空間への投影の軌跡の合計であり、以下のように計算
され得る。
【0146】
【数37】 ここで、Pk (i)=Uk (i)[Uk (i)Hは、部分空間Uk (i)へのプロジェクタであ
る。マルチパス部分が解決されない場合(すなわちq=1)、この式はD(S,
k)=TrPkR=pk Trと簡略になる。ここにベクトルpkとrとは較正テー
ブルデータ圧縮に関連してすでに議論したp2次元のベクトルである。なお、こ
の特定の測定は、部分空間UがRから計算されることを必要としない。すなわち
、これはRのドミナントな固有ベクトルを計算することを必要としない。D(S
,Sk)は、信号共分散が任意の所与の較正シグネチャとどれほどよく似ている
かを測定する多くの他の方法によって定義され得ることが理解されるであろう。
例えば、D(S,Sk)は、部分空間UとUkとの間の主角のコサイン自乗平均で
あると定義され得る。
【0147】 共分散シグネチャに加えて、信号シグネチャもまた信号についての時間コード
相互相関C=[C(1)T,...,C(p)TTを含みうる。これは、較正データベ
ースにおける類似コード相互相関と比較され得る。この比較は、例えば、最小自
乗差測定値を用いて行われ得る。例えば、測定された相互相関シグネチャC=[
(1)T,...,C(p)TTと較正された相互相関シグネチャCk=[Ck (1)T
...,Ck (p)TTは、以下のように計算され得る。
【0148】
【数38】 ここで、
【0149】
【数39】 この関数D’(C,Ck)は、測定された信号コード相互相関と、較正された
位置kのコード相互相関との「距離」を与える。それは、0を1に写像する[0
,∞)から(0,1]への任意の種々の写像(例えば、f(x)=1/(1+x
))による類似度の測定に容易に変換され得る。この分離された測定は次に、D
(S,Sk)に加えて、例えば、コード相互相関と共分散部分空間測定値との両
方に関して測定された信号とよく一致するような位置のみを保つことによって、
一致の精度を向上させるために用いられ得る。
【0150】 同様に、測定された信号の時間遅延シグネチャτ=[τ(1),...,τ(q) T を、較正された時間遅延シグネチャτk=[τk (1),...,τk (q)Tと比較
して、差異度のさらなる測定値D”(τ,τk)を提供する。例えば、以下の計
算を行い得る。
【0151】
【数40】 その後、D(S,Sk)およびD’(C,Ck)に加えて、このさらなる差異度
の測定値(または類似度の対応する測定値)を用いて、例えば、測定された信号
を3つ全ての測定値と近似にマッチングさせるこれらの位置を維持することによ
り、マッチングの正確性をさらに向上する。より一般的には、測定値D(S,S k )、D’(C,Ck)、およびD”(τ,τk)のさまざまな組み合わせをさま
ざまな方法で用いて、位置を適切に選択することが理解される。シグネチャ間の
類似または差異の程度を測定する場合に、これらの関数を規定するために他の式
が使用され得ることも理解される。
【0152】 本発明のあるマッチング技術において、類似度および/または差異度の測定値
を使用して、以下のように、1セットの最も可能性の高い位置を選択する。まず
、N個の位置全てについてD(S,Sk)を評価することにより、1セットの最
も可能性の高い位置が、例えば、対応する較正された空間シグネチャが測定され
た空間シグネチャに最も近い較正された位置をとることによって選択され得る。
例えば、位置k=1,...,Nから、{D(S,Sk(1)),...,D(S,
k(M))}がセット{D(S,S1),...,D(S,SN)}においてM個の
最大値からなるセットとなるように、M個の位置k(1),...,k(M)か
らなるサブセットを選択する。あるいは、対応する較正された空間シグネチャが
測定されたシグネチャに対する最小の類似の程度を少なくとも有するそれらの位
置をとることによって、可能性の高い位置のセットが選択され得る。例えば、j
=1,...,M,について、D(S,Sk(j))>h(hは所定の閾値)となる
ように、位置k(1),k(2),...,k(M)からなるサブセットを選択
する。このサブセットのポイントを、hの値に対応する点線より上の点として図
10に示す。
【0153】 1セットの可能性の高い位置を判定する別のアプローチは、z=S(x,y)
(関数Sは、S(xk,yk)=D(S,Sk)によって、バイナリ位置(bin
location)(xk,yk)=dkに規定され、(x,y)の他の値にお
いて内挿される)によって規定される表面の地形的構造を考慮することである。
この表面Sの最小値に対応する位置は、モバイルの最も可能性の高い位置である
はずである。表面の系統的な検索または他の分析は、表面の異なる最小値に対応
する位置の小さなセットを生成するために使用され得る。最良のマッチが、これ
らの最小値のうちの最も小さいものに対応する。最もあり得るケースとして、実
際の位置が、最も小さな最小値、および複数の他の最小値の両方を近位に有する
【0154】 異なる測定値D’(C,Ck)およびD”(τ,τk)を用いて、可能性の高い
位置が同様に選択され得る。ここで、D(S,Sk)が類似度の測定値であるの
に対して、これらの測定値は差異度の測定値である。各測定値を用いて選択され
た可能性の高い位置のセットは、その後、結合またはインターセクトされて、1
セットの可能性の高い位置を獲得し得る。
【0155】 (シグネチャスペクトルマッチング) 位置発見システムの性能をさらに向上させるために、上記の技術に加えて、別
のマッチング技術が用いられ得る。この技術を説明するために、我々はまず、N
次元ベクトルwをw=[D(S,S1),...D(S,SN)]Tと定義づける。
【0156】 ベクトルwは、空間シグネチャSがどのように、較正された空間シグネチャS 1 ,...SNのセット全体に匹敵するかを特徴づける。このベクトルwは、較正
されたシグネチャS1,...SNのセット全体に対する、シグネチャSの「スペ
クトル」を記載すると考えられ得る。このスペクトルは、図10に示すように、
kに関する関数D(S,Sk)のグラフとして視覚化され得る。同様に、Nベク
トルw1,...,wNのセットをwk=[D(Sk,S1),...,D(Sk,S N )]Tによって定義する。
【0157】 ベクトルwkは、較正されたシグネチャSkがどのように、較正された空間シグ
ネチャS1,...SNのセット全体に匹敵するかを特徴づける。言いかえると、
ベクトルwkは、較正されたシグネチャのセット全体に対する、較正されたシグ
ネチャSkの「スペクトル」であり、wに関して図10に示すグラフと同様のグ
ラフに対応する。
【0158】 シグネチャのスペクトルwは、シグネチャに関する情報を含むため、マッチン
グに用いられ得る。特に、測定されたシグネチャのスペクトルwは、各較正され
たシグネチャのスペクトルwkと比較され得る。例えば、図11は、スペクトル
k(1)およびwk(2)に関するグラフに重畳する、スペクトルwに関するグラフを
示す。図から明らかなように、スペクトルwk(2)は、スペクトルwk(1)よりもス
ペクトルwに似ている。従って、位置k(1)よりも位置k(2)である可能性
が高い。より概して述べると、スペクトルwを各較正されたスペクトルwkと比
較することにより、シグネチャ自体が選択されたように、1組の可能性のある位
置が選択され得る。例えば,リアルタイムシグネチャスペクトルwと較正された
シグネチャスペクトルwkとの差異Gの測定値を、何らかの差異測定を用いて定
義する。2つのベクトル間の距離を測定するには、多くの周知の技術がある。例
えば、ベクトル間の距離は、以下のように最小二乗差によって定義し得る.
【0159】
【数41】 可能性のある位置のセットは、この差異の測定値のみを用いて、または上記の
様々な測定値との組合せを用いて、選択され得る。
【0160】 ベクトルwとwkとの比較は、ベクトルのすべてのNコンポーネントからの比
較情報を含むため、上記の技術は有利であり、位置の曖昧さを低減する。上記の
技術は、wのコンポーネントのみに基づいて位置を選択するわけではない。測定
された信号共分散と較正されたサブ空間とを比較するために、さらなる情報が用
いられ、より正確なマッチングが得られ得る。
【0161】 さらに、それぞれD’(C,Ck)およびD”(τ,τk)からのベクトルw’
およびw”を定義して、それぞれ関数G’(w’,wk’)およびG”(w”,
k”)を獲得し得る。関数G、G’およびG”はその後、関数D、D’および
D”に関連して上述した技術を用いて、最も可能性のある位置のセットを選択す
るために、個別にまたは共に用いられ得る。上述した技術または類似の技術を用
いて位置を選択するために、測定値D、D’、D”、G、G’およびG”の様々
な組合せが、様々な様式で用いられ得ることが理解される。さらに、これらの測
定値を定義するために、他の公式が用いられ得ることも理解される。
【0162】 (計算最適化) D(S,Sk)=Tr{PkR}の場合、この類似度基準は、単にD(S,Sk
)=pk Trによって計算され得、ここで、pkはpkから導かれるp2次元ベクト
ルであり、rはRから導かれるp2次元ベクトルである。さらに、pkとrとの両
方は、実数成分を有する。したがって、wk=[p1 Tk,・・・,pN TkT
よびw=[p1 Tr,・・・,pN Tr]Tである。この技術は、D(S,Sk)およ
びG(W,Wk)の計算を単純化するだけでなく、予め計算された値に必要な格
納空間の大きさを減らす。
【0163】 これらのwおよびwkの単純化された表記は、測定されたシグネチャの近接お
よび較正されたシグネチャは、以前のように、関数D(w,wk)を用いて計算
され得る。しかし、この測定は、ベクトルのすべてのN成分を用いて規定された
。したがって、Dの計算を単純化することで、ベクトルの単純化された表記を使
用することが好ましい。Dの計算を単純化するためのそのような技術の一つは、
以下のようである。マトリクス T=[p1 T・・・pN T]および=[r1・・
・rN]を規定する。ここで、示されるように、N×N較正テーブル表マトリク
スW=[w1・・・Wn]はV= によって与えられ、 G(w、wk)=|w−wk2 =|r−k2 =|Qr−Qrk2 であり、ここで、QTQは、 T のチョレスキー(Cholesky)分解であ
る。Qは、p2×p2正方行列であり、rkとrの両者はp2次元ベクトルであるの
で、QおよびQrkを格納し、G(w、wk)=|Qr−Qrk2を計算すること
は非常に簡単である。一般的な実施形態において、p=6およびN=10,00
0を用いて、この技術は、格納および計算を2つのオーダより大きい節約を提供
する。
【0164】 別の実施形態において、ベクトル=Ws Hwは、W=[w1・・・wN]の基本
固有ベクトル(dominant eigenvectors)により占められ
るサブスペースWs上のN次元ベクトルwの投影である。同様に、ベクトル
s Hkは、同じサブスペース上のN次元ベクトルwkの投影である。これらのベ
クトルは、Nよりかなり小さい次元を有し、したがって、必要とする格納空間が
小さい。N個のベクトルw1,・・・,wNのセットにおけるベクトルとベクトル
wとのマッチングは、k=1,・・・,NでG(w,wk)を評価することによ
って行われる。しかし、
【0165】
【数42】 であることが示され得る。したがって、G(w,wk)の計算はかなり単純化さ
れる。
【0166】 (角エネルギー分布マッチング) 上記技術を別々に、または、共に使用し得るシグネチャマッチングへの別のア
プローチは、アレイ多様体(array manifold)ベクトル{a(θ
)}の使用を伴う。これらのベクトルは、上記のように、または他の公知の技術
によってシグネチャ較正情報を用いて決定され得る。これらのベクトルが公知で
あれば、それらは以下のようにモバイルデバイスを位置付けるために使用され得
る。デバイスの共分散マトリクスRは、上記のように測定され、信号のための角
エネルギー分布B(θ)はそれぞれのθの値に対して計算される。一般に、約3
60の値である。好適な実施形態において、角エネルギー分布はビーム形成計量
で以下のように計算される。
【0167】 B(θ)=a(θ)HRa(θ) あるいは、高分解角エネルギー分布計量は、MUSIC計量のように使用され
得、 B(θ)=a(θ)HUUHa(θ) ここで、UはRの基本固有ベクトルのマトリクスである。同じ関数は、較正され
た信号共分散マトリクスR1,・・・,RNのそれぞれにたいして前もって予め計
算され得る。次いで、N個の較正されたロケーションのセットに対応するN個の
角エネルギー分布関数B1(θ),・・・,BN(θ)のセットを得る。ビーム形
成計量のために、 Bk(θ)=a(θ)Hka(θ) を計算する。
【0168】 あるいは、MUSIC計量のために、 Bk(θ)=a(θ)Hkk Ha(θ) を計算し、ここで、UkはRkの基本固有ベクトルのマトリクスある。関数B1
θ),・・・,BN(θ)のこのセットは、好ましくは、事前に計算され、較正
データベースにおいて格納される。
【0169】 好適な実施形態において、モバイルデバイスからの信号のリアルタイム角エネ
ルギー分布B(θ)を較正された角エネルギー分布B1(θ),・・・,BN(θ
)と比較することによって、見込みのあるロケーションのセットが決定される。
好適な実施形態において、これらの分布は、統計的測定を用いて比較され、B
と較正された分布B1,・・・,BNのそれぞれとの間の類似度を測定する。例え
ば上記測定は平方差によって規定され得る。
【0170】
【数43】 ここで、合計は全ての角度θ=1,・・・,360に対するものである。あるい
は、計量は、クルバック−リーブラー(Kullback−Liebler)
または他の計量として、規定され得る。この類似測定を用いることで、すぐに
、好ましいロケーションのセットは、類似度測定D,D’,D”,G,G’およ
びG”に対してすでに上記したような技術を用いて選択される。
【0171】 (付加的多義性減少技術) 多義性を解消し、マッチングを向上するためのさまざまなタイプのシグネチャ
分析を使用する上記の技術に加えて、多義性を解消し、ロケーション決定技術の
精度を向上させるためにさまざまな他の技術が使用され得る。
【0172】 (マップ比較) 多義性を減少させる技術は、計算された見込みのあるロケーションとマップ上
のロケーションとを比較することである。例えば、モバイルデバイスが移動する
ことが知られている場合、公知の道路に制限された乗り物内が最も見込みがある
と仮定され得る。したがって、オフロードロケーションは削除またはより低い確
率で割り当てられ得る。モバイルが大きな速度を有している場合は特にそうであ
る。
【0173】 (トラッキング) 多義性を解消する別の技術は、数分または数秒の過程で測定された見込みのあ
るロケーションのセットに関連する動きトラッキングシステム(motion
tarcking system)である。時間の経過に対するフォンロケーシ
ョン(phone locatiaon)の起こり得る変化についての現実的な
仮定を用いて、ロケーションの多義性は減少または解消され得る。例えば、サー
ビスエリアのある位置付けされた領域に位置するフォンが突然数マイル離れた別
のロケーションに移動することは起こりにくい。すなわち、動きの継続性の制限
を使用することが可能であり、それにより、別のロケーションの確率を削除また
は減少させる。
【0174】 好適なトラッキング技術は、図12に関連して記載される。この技術は、時間
の経過にたいする見込みのあるロケーションのセットからの形成される軌道、い
わゆるトラック、を含む。これらのトラックは、図で曲線によって示される。こ
の技術は、また、見込みのあるロケーションの連続するそれぞれのセットが得ら
れる場合にトラックを更新する工程と、さまざまなトラックの確率を決定する工
程を包含する。同様の技術は軍事ターゲットトラッキングの分野において周知で
ある。やがて、所定の点での現在のトラックは、トラックの最近のロケーション
に対応する終点、および予測された次の点を有する。終点は、図においてトラッ
クの右端で黒丸として示され、一方、予測された次の点は、白丸として示される
。破線として示される予測線により、終点と予測された次の点とが結ばれる。次
いで、上記のマッチング技術を用いることによって、見込みのあるロケーション
の次の測定されたセットに対応する点のセットが得られる。これらの測定された
点は、結ばれていない黒丸として示される。一般に、見込みのあるロケーション
の次の測定されたセットにおいて、ある点はトラックの予測された次の点に近く
、別の点は近くにはない。明らかに、現在のトラックに近い点が実際のロケーシ
ョンに対応する可能性が高い。
【0175】 トラックのセットおよび見込みのあるロケーションのセットが仮定される場合
、それぞれのトラックについて予測された次のロケーションを計算(calcu
late)し、その分散を計算(compute)(例えば、周知のカルマンフ
ィルタ(Kslman filterを用いて)させる。トラックにおけるデー
タ点の確率を使用して、トラックの演繹的確率を計算する。次に、トラックの予
測された次のロケーションと見込みのあるロケーションの測定されたセットとの
間の全ての可能なペアをなす関連性の間で、上記ペアをなす関連性の帰納的確率
を最大化する関連性を決定させる。すなわち、予測されたトラックロケーション
と実際のロケーションとの間のベストマッチを見出させる。所定の関連性の閾値
より大きい距離である関連性を削除させる。所定の数の連続する関連性の不全を
有するトラックを終了させる。関連しないロケーションに対して、新しいトラッ
クを始める。新しいトラックは、確認されるまで一時的なものと考慮される。I
ロケーションがJの連続する試み外で関連している場合、一時的なトラックが確
認される。整数IおよびJは特定の所望なシステムトラッキング性能に依存して
選択される設計パラメータである。次いで全てのトラックは、周知のカルマン(
Kalman)フィルタを用いてフィルタされる。モバイルデバイスの最も見込
みのあるロケーションは、最も見込みのあるトラックの新しい(フィルタリング
された)終点である。一般に、誤ったロケーションに対しさまざまな短いトラッ
クが対応し、正しいロケーションに対し長いトラックが対応する。他のトラッキ
ング方法を使用することで、同様の結果を得ることができる。さらに、このトラ
ッキング方法は、多義性を減少させる他の方法を、1つまたは組み合わせて、使
用され得る。
【0176】 (多数サイトデータ) 曖昧さを解決する他の技術は、多数のLDAから得られる、あり得る位置の集
合を結合することである。この技術は、例えば中央ハブを介して、互いに通信し
ているいくつかのLDAの集合を利用する。図13に示されるように、ハブ19
2は、多数のLDA196、198および200に接続された通信線194上で
位置情報を収集する。それぞれのLDAはモバイル202から信号を受信し、そ
の現在位置を推定し、それらの位置推定を従来の通信線194上でハブ192に
対して伝送する。このように、位置推定は多数のLDAにより独立して得られ、
ハブに送信される。多数のLDAが同一のモバイル機器についてあり得る位置の
集合を決定した場合、その位置推定の精度と信頼度とを向上するためにハブはそ
れらの集合を二分し得、あるいは結合し得る。
【0177】 異なったLDAへの信号の伝播経路は異なり、従って、真の位置のみが全ての
集合に共通となりやすいため、別個のLDAからのあり得る位置の集合の結合は
、曖昧さを低減する。その結果、この技術は位置の曖昧さを低減するのに高い効
果があることがわかる。位置情報は、別々のLDAのそれぞれにおいて独立して
決定されるので、LDAの間の時間の同期は必要でないことに留意することが重
要である。これに対して、従来の位置決定技術は、異なるベースステーションで
受信される信号の到達時間差を測定するために、しばしば、多数のベースステー
ションにおける正確な同期を必要とする。このような技術はまた、未処理のタイ
ミングデータのバッチを位置決定の計算のため中央ハブに送信するのに、高いバ
ンド幅の通信を必要とする。これに対して、本発明の技術は、それぞれのLDA
で未処理のデータから位置を計算し、あり得る位置の小さな集合しかハブには送
信しない。このように、高速で、高いバンド幅の通信線は必要でない。
【0178】 多数サイトの曖昧さ低減の他のバージョンでは、あり得る位置のデータをLD
Aからハブに送信するのでなく、信号共分散行列がハブに送信され、シグネチャ
照合がそれぞれのLDAによってではなくハブによって実行される。この方法で
は、それぞれのLDAからの較正データは、それぞれのLDAにではなくハブに
格納される。このシステムアーキテクチャは、LDAのハードウェアコストを低
減する。一方、ハブは、好ましくは1以上の非常に強力なコンピュータを備え、
ハブはそのコンピュータをハブが関わる全てのLDAについてシグネチャ照合を
実行するために使用する。この照合を実行する1つのアプローチは、それぞれの
LDAで使用されていたであろう照合プロセスを単純に使用し、次に、上述した
ように曖昧さを低減するために、個々に得られたあり得る位置を結合する。ある
いは、ハブは、より高度な照合を実行するために、多数のLDAからのシグネチ
ャデータを有しているという事実を利用することも可能である。この考えを実現
するための1つの技術は以下の通りである。G1(k)を第1のLDAにおいて
測定されたシグネチャと、同一のLDAについての位置kに対応する較正された
シグネチャとの差の測定値とする。例えば、wおよびwkがこのLDAにおける
測定された、および較正されたスペクトラムである場合、G1(k)はG1(k)
=G1(w,wk)により定義され得る。また、G1(k)は、上述された種々の
他の測定値を用いても定義され得る。同様に、G2(k)を第2のLDAにおい
て測定されたシグネチャと、同一のLDAについての位置kに対応する較正され
たシグネチャとの差の測定値と定義する。ここに、G1(k)およびG2(k)を
別々に用いてあり得る位置の集合を選択するのではなく、G1(k)およびG2
k)を一緒に用いてあり得る位置の集合を1ステップで選択しうる。例えば、G 1 (k)+G2(k)<Fとなるような位置kを選択する。ここにFは所定の差分
閾値である。あるいは、全ての位置のうちで和G1(k)+G2(k)が最小とな
るk(1),...,k(M)のM個の位置の集合を選択し得る。この技術は、
較正されたデータベースの両方と信号とを同時に比較するので、信号をデータベ
ースと独立に比較する技術と比べて高い精度および曖昧さの低減が得られる。こ
の技術は、3以上のベースステーションに対して直接的に一般化することが当業
者によって理解され得る。それぞれの共分散行列は典型的には6×6行列に過ぎ
ず、典型的には5秒間に1度送信されるので、LDAからハブへの共分散行列の
伝送は、大きいバンド幅を必要としないことも当業者よって理解され得る。
【0179】 (効率的な探索技術) 実時間シグネチャ照合の計算効率を向上させるために、較正データは組織化さ
れ得、組織化された較正情報を探索するために探索技術が用いられ得る。1つの
探索技術によれば、図14に示されるように、階層ツリー構造がN個の較正され
た位置の集合に関連付けられる。ツリー構造はいくつかのノードから構成され、
これらのノードは図に円で示される。それぞれのノードは1つの上位レベルのノ
ードに接続されており(図で「1」が中に示されている頂点ノードを除く)、そ
れぞれのノードはまた、いくつかの下位レベルのノードに接続されている(図で
「1/1024」が中に示されている底辺ノードを除く)。説明の単純化のため
に、図のツリーは、それぞれのノードから下方に延びる枝が2本しかない。好ま
しくは、実際にはそれぞれのノードから下方に延びる枝が4〜16本あり、ノー
ドのレベルは3〜6である。ツリーの底辺レベルの葉ノードは、下位ノードを有
さない。
【0180】 周知のデータクラスタリング手法を用いて、それぞれの位置kはツリーの最下
位レベルの少なくとも1つの葉ノードに割り当てられる。典型的には、それぞれ
の葉ノードは10〜30の位置を含む。最下位から2番目のレベルのノードは、
それに接続される下位レベルのノードに含まれる点の和集合を含む。同様の関係
が、ツリーの他のノードの間にも成り立つ。このように、最上位のノードは較正
テーブルの全てのN個の位置のインデックスを含み、最上位から2番目のノード
はそれらのN個のインデックスの部分集合(必ずしも部分に分ける必要はない)
を含む。すでに議論したように、シグネチャは、好ましくは、測定されたシグネ
チャのスペクトラムwを較正されたシグネチャのスペクトラムwkと比較するこ
とにより照合される。しかしながら、このツリー探索技術は、他の照合技術と一
緒にも同様に使用され得る。しかしながら、以下の記述は、説明のために、照合
は信号スペクトラムを用いて実行されることを仮定する。
【0181】 ツリーのそれぞれのノードqは、そのノードに関連して、ノードq内の位置に
対応するすべてのベクトルwkを平均することによって計算される平均スペクト
ラムベクトルwAV(q)を有する。ノードqにはまた、予め計算された次のパラ
メータが関連付けられている。 Gmax(q)=max{G(wav(q),wk)、ただし位置kはノードq内} Gmin(q)=min{G(wav(q),wk)、ただし位置kはノードq内} それぞれの葉ノードは、そのノードに関連して、ノード内のi>jであるよう
なすべてのwi,wjの組について予め計算された距離G(wi,wj)の集合を有
する。これらの予め計算された値は、好ましくは較正テーブルデータとともに格
納され、テーブルが再較正されるごとに更新される。
【0182】 この階層ツリー構造および関連データを用いると、シグネチャ照合のための較
正データベースの探索プロセスはずっと効率的になる。好ましい探索技術は2つ
のフェーズを有する。照合の第1のフェーズで用いられるツリー探索手続は、周
知のブランチおよびバウンドアルゴリズムである。このアルゴリズムは、ツリー
をトラバースし、最適の照合を含み得ない全てのノードを探索から効率的に削除
する。探索からのノードの削除は、以下の規則に従って行われる。ノードqは、 G(w,wav(q))−Gmax(q)>B または Gmin(q)−G(w,wav(q))>B のいずれかであれば削除される。ここに、Bは、wから、これまでツリーで考
慮されたベクトルのうち最良照合のベクトルまでの距離である。
【0183】 いったん葉ノードに到達すれば、ノード内での照合を実行するための効率的な
探索技術が用いられる。この技術では、そのノードについての予め計算された値
G(wi,wj)が、ノード内のベクトルをすばやく削除するために用いられる。
予め計算された距離G(wi,wj)を格納するのに必要な容量は、葉ノード内の
点の数の2乗であることに留意されたい。従って、格納に必要な容量を最小にす
るために、葉ノード内の点の数は小さく保たれることが好ましい。好ましい実施
の形態では、葉ノード内の点の数は典型的には10と30との間である。葉ノー
ドq内の点の探索プロセスからの削除は、次の規則を用いて行われる。位置dk
は、 |G(w,wav(q))−G(wk,wav(q))|>B または |G(ws,wk)−G(ws,w)|>B の場合に削除される。ここに、Bは、wから、これまでツリーで考慮されたベ
クトルの集合のうち最良照合のベクトルまでの距離であり、sは葉ノード内の特
別な点dsを指す。この規則は、1つの距離G(ws,w)以外に新たな距離の計
算を必要としないことに留意されたい。このように、できるだけ多くの点をすば
やく削除するために、wsとwとの距離が小さくなるようにdsを選択することが
重要である。好ましい実施の形態では、dsについてのインデックスsは、次の
近似基準に従って決定される。
【0184】 s=arg mins maxk{|G(ws,wk)−G(ws,w)|2} または、 s=arg mins {Σk|G(ws,wk)−G(ws,w)|2} ここに、maxkおよびΣkは、これまでノード内で考慮された点に対応する全て
のインデックスkについて計算され、arg mins関数はノード内でまた考
慮されていない点に対応するすべてのインデックスsを範囲とする。点を削除す
るこのプロセスは、葉ノード内のすべての点が削除されるか考慮されるまで続け
られる。
【0185】 この効率的な照合手続は、多数の最適位置の探索にも容易に拡張され得ること
に留意すべきである。あるいは、他の種々の基準を満たすあり得る位置の集合の
探索にも拡張され得る。例えば、あり得る位置dsについての1つの基準は、G
(wk,w)<αBである。ここにBは最良照合への距離であり、αは1より大
きい定数である。
【0186】 (位置情報のアプリケーション) 本発明の位置決定技術は、移動デバイスの実時間位置情報を、任意の同様の地
上基地システムよりも精度と信頼性とを伴って提供する。さらに、他のシステム
とは異なり、本技術は、移動デバイスの位置を決定するのに複数の基地局を必要
としないし、本技術は、既存の通信システム基地局または移動デバイスの改変を
必要としない。また本技術は、過酷な(severe)多重通路環境において正
確な位置情報を提供するという独自の利点を有する。さらに、本システムの精度
は、過酷な多重通路の存在において実際に向上する。本発明のこれらのおよび他
の利点は、長年にわたる無線通信システムの位置決定の問題に独自的かつ実用的
な解決策を提供する。過酷な多重経路環境および1つの基地局のみが移動デバイ
ス信号を受信し得る環境において、初めて正確な位置情報が決定され得る。さら
に、この正確な位置情報は、高価かつ精巧な改変、または既存の通信網ハードウ
ェアの交換を伴わずに提供され得る。従って、位置決定におけるこの顕著な向上
は、移動デバイスのユーザ、無線通信プロバイダ、および第三者に利益を供する
複数位置ベースサービスの広範かつ実用的な実現を可能にする技術を初めて提供
する。
【0187】 有用な実時間位置情報のアプリケーションが多く公知であったが、正確な位置
情報を獲得することが技術的および経済的に困難なため、商業的に実現されてこ
なかった。本発明がこれらの困難を克服するので、これらの望ましいアプリケー
ションが今や実現し得る。これらのアプリケーションは、従来技術において他の
位置決定技術と関連づけて説明されてきたが、これらの特定技術と無関係な程度
までなら、本発明の位置決定技術を活用するように適合し得る。換言すれば、従
来公知のアプリケーションにおいて、従来の位置発見技術に代えて、本位置発見
技術を代用することは、たいていの場合において明白かつ簡単な改変である。し
かしながら、本技術は位置発見の問題に対して独自の方法に基づくので、従来ま
ったく公知でない、新しくかつ有用な位置情報のアプリケーションが考案され得
ることに留意されたい。
【0188】 (無線加入者サービス) 本発明により提供される正確かつ信頼できる位置情報は、移動デバイスに対す
る多くの重要なサービスを提供するのに用いられ得る。
【0189】 (緊急出動) 無線デバイスのユーザが緊急事態を報告するための通報(例えば、911通報
)を行った場合、ユーザの位置が自動的に決定され、適切な当局に即座に転送さ
れ、迅速な対応を確実にする。特に、1つ以上のLDAまたはLDAハブから得
られた位置情報は、緊急出動者が、例えば、コンピュータネットワーク接続を介
してアクセスできる実時間位置データベースに格納される。通報者の位置は実時
間で追跡されているので、出動者および出動した緊急車両は、静止していないユ
ーザの位置を監視することができる。
【0190】 (位置ベースのサービス情報) また、位置情報は、例えば、ナビゲーションの方位および/または交通状態情
報を運転者に提供するためのサービス、または発信者に最寄りのレストラン、ガ
ソリンスタンド、自動現金支払機、駐車場、映画館などの情報を提供するための
サービスなど、位置により向上された情報サービスのために用いることができる
。例えば、本アプリケーションは、情報の売り手が発信者の実時間位置データベ
ースにアクセスできるようにすることで実施し得る。次に、発信者位置情報は、
位置表示されたサービスのデータベースにアクセスするために用いられ得る。情
報の売り手は、例えばウェブサイトまたは音声情報システムなどの自動システム
であり得る。
【0191】 (車両集団の管理) 商用車両集団の位置を実時間で追跡し、車両の管理を補助できる。例えば、自
動スマート車両スケジューリングは、実時間位置情報を用いて、車両の位置およ
び乗客または配達物の位置に基づき車両の使用を最適化できる。また、位置情報
は、その時点の交通状況、道路状況および道路工事に基づき、個々の車両によっ
て取られる経路を最適化するのにも用いられ得る。また、位置情報は、長期に渡
り車両利用を監視し、車両整備を計画するのにも使用され得る。
【0192】 (人物および物体の追跡) 位置情報は、子供、親、または他の人物の位置を遠隔的に監視するためにも用
いることができる。その人物は、LDAにより受信するのに十分強力な信号を周
期的に発振する小さなマイクロ発振器「タグ」を着用することのみを必要とする
。同様の「タグ」は、自動車などの物体に取り付けて、それらが迷ったり盗まれ
た場合の位置確認を補助するのにも使用できる。このアプリケーションの可能な
適用の1つでは「タグ」の位置が、ウェブサイトを介して、または電話により、
サービスを認可された加入者によりアクセスされ得る。
【0193】 (無線プロバイダサービス) 無線通信プロバイダは、位置情報を利用して、無線ネットワークを個人的かつ
集合的に管理し得る。例えば、位置情報は、自動中継、チャネル借用、チャネル
容量最適化に関するセル間のハンドオフを支援し、より効率よくセルの周波数を
割り付け、ネットワークの容量を増大するために使用され得る。また、位置情報
は、ネットワークにおける無線トラフィックを積極的に監視および/または管理
し、例えば、発信が途絶えた場所を決定し、新たな基地局が必要な場所を決定す
るのを支援するためにも使用され得る。位置情報は、位置ベースでのセル発信の
請求のためにも使用され得、セルの不正行為と戦うことも支援する。また、位置
情報は、アンテナ選択技術と組み合わせて用いられ得、個々のセル効率および容
量を向上させる。既存のセル基地局のアンテナは、異なる方位応答を有するので
、本技術は、現時点で存在するセル内の周波数チャネルのより効率のよい割当お
よび使用を可能にする。特に、位置情報を用いて異なるセクタ内でチャネルをプ
ールすることにより、基地局はブロッキングを低減し中継効率を高め得る。
【0194】 さらに、本方法により提供される位置情報は、受信および送信の両方において
ビーム形成することにより、既存の基地局の質を向上させ範囲を拡大するのに用
いることができる。受信では、較正テーブルに格納された行列Aを用いて、最適
なビーム形成を計算し得る。送信では、送信周波数に対する対応A行列を最初に
計算しなければならない。これは、探査技術、即ち、いくつかの異なる重さベク
トルを用いて移動体で受信された信号を計算することにより、較正プロセスの一
部として行い得る。次に、行列Aがこのデータからオフラインで計算される。
【0195】 本位置情報発見方法は、位置分割多元接続(LDMA)を実施し、同一の基地
局エリアでいくつかの電話が同一の周波数を用いるのを可能にすることにより、
セルシステムの容量を増大するのに用いられ得る。サービスエリアを大きな空間
セクタに分割するスイッチビーム技術とは対照的に、LDMAはサービスエリア
を小さな局在化サブセルに分割する。サブセルは、信号部分空間などの信号シグ
ニチャの計算に基づく。局在化サブセルの形状および大きさは、その環境の多重
経路反射器により決定される。特に、各サブセルは、独自の信号シグニチャによ
り特徴付けられるので、異なるサブセル内の送信機は、独特の信号シグニチャを
表示する。従って、本LDMA技術は、さもなくば同位置のスイッチビームセク
タに存在し得る妨害の分離をしばしば可能にする。
【0196】 本発明は、空間分割多重接続(SDMA)技術に比べ、基地局に関するデータ
ベースの較正がいったん決定されれば、位置ベース計算をオフラインで行い得る
という点で、重要な利点を有する。大量の処理を事前に実行しているので、周波
数割当およびビーム形成を実時間で迅速に実施し得る。一方、従来のSDMA技
術は、実時間で複雑な演算を実行しなければならない。
【0197】 本スキームを実施するために、受信および送信の両方において、その周波数を
使用するすべての電話に対応するA行列の全集合からビーム形成が計算される。
すべてのユーザの位置を計算するためには、高次元統計など、統計的に無関係な
妨害の存在のもとでアレイベクトルを盲目的に推定し得る技術を組み込むように
、好適な実施形態を改変する。このステップは、1msのサンプリング間隔にわ
たり100サンプル毎のバッチにおいて実行すべきである。このようなビーム形
成技術は、信号対雑音比などのビーム形成技術を向上させ、セルネットワークの
全体容量を増大し、より高い密度の基地局を分散させることを可能にする。ネッ
トワーク管理技術は、送信機の組の位置に基づき周波数を効率よく共有するよう
に最寄りの基地局を調節するのに用いられる。
【0198】 また、上述のシステムは、基地局のトラブルシューティングのための手段も供
給する。アレイ応答行列Aは、基地局の多くのアンテナおよび/または設備の性
能を持続的に監視するのにも使用され得る。例えば、すべての位置に関するA行
列の要素の突然かつ劇的な変化は、おそらく基地局のハードウェア損傷による。
A行列の検証は、損傷を分離し識別するのに使用され得る。Aの小さな変化は、
基地局の些細なハードウェア変更および/または伝播環境の変化を示し得る。1
つの基地局でのアレイ内のそのような変化と、別の基地局での変化との比較は、
変化が1つの基地局に限定されているか共有環境内のすべての局に共通であるか
を決定するのに用いられ得る。
【0199】 (第三者サービス) 本発明により提供される位置情報は、様々な第三者エンティティにより、有利
な方法で使用され得る。例えば、ハイウェイ安全当局は、大都市の高速道路交通
を実時間で監視し、その時点での交通の流れ、渋滞、起こりそうな事故等に関す
る位置特定的な情報を獲得し得る。この情報は、運転者に、代わりの経路を取り
問題のエリアを避けるよう忠告するメッセージを自動的に表示し、および/また
は自動的に警察または消防の車両を出動させ、起こりそうな交通事故を調査する
ために用いられ得る。また、この交通情報は、その状況に影響され得ることを示
す位置にいる運転者に送られ得るか、または直接利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aは、本発明の既存の基地局と、位置決定装置(LDA)との間の統合の
1つのレベルを図示する。図1Aは、基地局と密接に統合されたLDAを示す。
【図1B】 図1Bは、本発明の既存の基地局と、位置決定装置(LDA)との間の統合の
1つのレベルを図示する。図1Bは、基地局と部分的に統合されたLDAを示す
【図1C】 図1Cは、本発明の既存の基地局と、位置決定装置(LDA)との間の統合の
1つのレベルを図示する。図1Cは、基地局とは直接的にを接続されていないL
DAの独立型のインプリメンテーションを示す。
【図2】 図2は、図1Aに示されたインプリメンテーションに対応する、基地局と統合
したLDAのブロック図である。
【図3】 図3は、マルチパス伝搬効果に特徴づけられた空間チャネルを図示する。本発
明では、この空間チャネル情報は可動性の有る位置と密接な相関関係があるシグ
ネチャを構成するために測定され、用いられる。このシグネチャと、既知の位置
と関連する較正されたシグネチャとを比較し、モバイルデバイスの位置が予測さ
れる。
【図4】 図4は、CDMA無線システムに適した本発明の1つの実施形態によるLDA
のブロック図である。
【図5】 図5は、IS−95基準によるCDMA信号の時間構造を図示する。特に、C
DMA信号は、それぞれが20ミリ秒の長さを有する時間フレームのシークエン
スから成る。各フレームは、それぞれが1.25ミリ秒の長さを有する16の電
力制御群に分かれる。
【図6】 図6は、CDMA無線システムに適した本発明の1つの実施形態による有効受
信機構造のブロック図である。
【図7A】 図7Aは、本発明の1つの好適な実施形態で用いられる信号サンプリング機構
を図示する。図7Aは、約100の信号サンプルが、1ミリ秒のサンプリング間
隔中にどのようにして取られるかを図示する。
【図7B】 図7Bは、本発明の1つの好適な実施形態で用いられる信号サンプリング機構
を図示する。図7Bは、所与のモバイルデバイスからの信号サンプルの一群が、
50ミリ秒ごとにどのようにして集められるかを図示する。
【図7C】 図7Cは、本発明の1つの好適な実施形態で用いられる信号サンプリング機構
を図示する。図7Cは、所与のモバイルデバイスのバッチ共分散マトリクスが、
2、3秒の間にどのようにして集められるかを図示する。
【図7D】 図7Dは、本発明の1つの好適な実施形態で用いられる信号サンプリング機構
を図示する。図7Dは、信号共分散マトリクスのシークエンスが時間の経過に応
じて、5秒ごとにそのシークエンスに加えられる1つの共分散マトリクスを伴っ
て生成される。
【図8A】 図8Aは、本発明の較正テーブル圧縮技術で用いられる地理的ビンおよびサブ
ビンの概略図である。示されるサブビンは幅が約10mの正方形で、ビンは幅が
約30mの正方形である。ローデータポイントの位置は、図面上で白丸で示され
ている。
【図8B】 図8Bは、本発明の較正テーブル圧縮技術で用いられる位置ビンおよびサブビ
ンの概略図である。示されるサブビンは幅が約10mの正方形で、ビンは幅か約
30mの正方形である。ローデータポイントの位置は、図面上で白丸で示されて
いる。
【図9】 図9は、図面上で×印を○で囲んで示されている、較正された位置の集合を含
むLDAのサービス区域の例図である。角度幅Δθを有する角度θの周りを中心
としたサービス区域の角度セクタも示す。本発明の1つの局面によると、このセ
クタの較正されたシグニチャは、アレイ較正ベクトルを計算するために用いられ
る。
【図10】 図10は、較正された位置kに関する関数D(S,Sk)のグラフである。所
与の位置kの関数の値は、測定されたシグネチャSと較正されたシグネチャSk
との間の相似の測定である。このグラフはまた、較正されたシグネチャの全集合
1,...,SNに関するシグネチャSの「スペクトラム」を表わす。1つのマ
ッチング技術によると、シグネチャSを有するモバイルデバイスの尤らしい位置
は、D(S,Sk(j))>hでj=1,...,M,であるような位置k(1),
k(2),...,k(M)であり、ここでhは所定の閾値である。この点の部
分集合は、図面上でhの値に対応する点線より上の点として図示されている。
【図11】 図11は、2つの較正されたスペクトルwk(1)およびwk(2)のグラフと共に、
測定された信号のスペクトルwのグラフを示す。好適なマッチングの技術による
と、スペクトルwを有するモバイルデバイスの尤らしい位置は、wと較正された
スペクトルw1,...,wNを比較することで求められる。例えば、図から明ら
かなように、スペクトルwk(2)は、スペクトルwk(1)よりもスペクトルwに類似
している。よって、位置k(2)は、位置k(1)よりも見込みがある。
【図12】 図12は、あいまいさを低減する好適な技術による、移動「トラック」のグラ
フ表示である。トラックは、図面上に実線の曲線で示されている。トラックは、
時間の経過につれて収集された尤らしい集合から導出される過去の仮の軌跡を表
わし、白丸で示される次の点の集合を予測するために用いられる。尤らしい位置
の現在の集合におけるあいまいさは、予測された次の点に近くない位置の蓋然を
減らすことにより低減され得る。
【図13】 図13は、複数のLDAから得られた尤らしい位置の集合を合わせることによ
ってあいまいさを解消するための技術を備えるために用いられるシステムを示す
。中央のハブは、通信ライン上の位置情報を収集する。位置情報は、別々のLD
Aで独立して得られるので、あいまいさを減らし、かつ信頼度を増すために結合
され得る。
【図14】 図14は、リアルタイムシグネチャマッチングの計算効率を向上するための技
術で用いられる階層的木構造の概略図である。この木構造は、図面上で丸で示さ
れる複数のノードから成る。各構成された位置は、少なくとも1つのボトムノー
ドに割り当てられる。木構造の上側のノードは、そこから下方向に接続されてい
る全てのノードの集合体を含む。同様の較正されたシグネチャを探すさいに、こ
の木構造は大量の計算結果を削除するために用いられ得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 09/275,655 (32)優先日 平成11年3月24日(1999.3.24) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU ,ZA,ZW (72)発明者 ジャヤラマン, スリラム アメリカ合衆国 カリフォルニア 94066, サン ブルーノ, ナンバー201, ツ リートップス サークル 3300 (72)発明者 バー, アブラハム アメリカ合衆国 カリフォルニア 94303, パロ アルト, エル カジョン ウェ イ 936 (72)発明者 マーキン, マサン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94583, サン ラモン, ショアライン サーク ル 105, アパートメント 411 (72)発明者 ラジャパクス, ラビ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94109, サン フランシスコ, パイン ストリ ート ナンバー304 1448 (72)発明者 ラジオノブ, ブラディミール アメリカ合衆国 カリフォルニア 94583, サン ラモン, ナンバー12, リフレ クションズ ドライブ 130 (72)発明者 メン, ヤン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94583, サン ラモン, ナンバー27, リフレ クションズ ドライブ 275 Fターム(参考) 5J062 AA08 5K067 AA02 BB02 BB21 CC24 DD20 EE02 EE10 EE16 JJ51 JJ61 KK03

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モバイルデバイスおよび位置決定装置を備えたワイヤレス通
    信システムにおける位置評価のための方法であって、 a)該位置決定装置において、p個のアンテナ要素を含むアンテナアレイに結
    合されたp個の受信器を用いて、p個の信号のセットをコヒーレントに受信する
    ステップと、 b)該位置決定装置において、該コヒーレントに受信されたp個の信号のセッ
    トから該モバイルデバイスについての信号シグネチャを計算するステップであっ
    て、該信号シグネチャは該モバイルデバイスと該位置決定装置との間の空間的チ
    ャネルを特徴付けている、ステップと、 c)較正された信号シグネチャの所定のセットに対応する較正された位置の所
    定のセットから、確からしい位置のセットを選択するステップであって、該確か
    らしい位置を選択するステップは該信号シグネチャを同様な較正された信号シグ
    ネチャに対して照合するステップを包含する、ステップと、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記信号シグネチャは前記空間的チャネルのマルチパス情報
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記信号シグネチャを計算するステップは、前記受信された
    信号から得られるp次元の信号ベクトルのバッチを収集するステップを包含し、
    該p次元信号ベクトルは、前記モバイルデバイスから発せられた信号を表してい
    る、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記信号シグネチャを計算するステップは信号共分散行列R
    を計算するステップをさらに包含し、該計算は、p次元信号ベクトルの外積を結
    合するステップを包含する、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記信号シグネチャを計算するステップは、p次元信号ベク
    トルの外積から得られた信号共分散行列を結合するステップを包含する、請求項
    1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記信号共分散行列を結合するステップは、前記モバイルデ
    バイスの評価速度から得られるファクタによって重み付けされた、信号共分散行
    列の線形結合を形成するステップを包含する、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記結合ステップは、1対の最近測定された共分散行列から
    前記モバイルデバイスの速度を評価するステップを包含する、請求項5に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 前記信号シグネチャを計算するステップは、前記p個の信号
    の各々をq個のマルチパス部分に分解し、該q個のマルチパス部分についてq個
    の信号共分散行列を計算するステップを包含する、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記信号シグネチャを計算するステップは、前記p個の信号
    の各々をq個のマルチパス部分に分解し、該q個のマルチパス部分のq個の相対
    的時間的遅延時間を評価し、該q個の相対的時間的遅延時間から時間的遅延シグ
    ネチャを形成するステップを包含する、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記信号シグネチャを計算するステップは、前記p個の信
    号からp個のコード相関を導出し、該p個コード相関からコード相関シグネチャ
    を形成するステップを包含する、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記選択ステップは、前記信号シグネチャと較正された信
    号シグネチャとの間の類似性を測定する関数を評価するステップを包含する、請
    求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記関数を評価するステップは、信号共分散行列の較正さ
    れた共分散行列サブ空間への投影の跡を計算するステップを包含する、請求項1
    1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記較正された信号シグネチャは、共分散行列シグネチャ
    、時間的遅延シグネチャ、コード相関シグネチャ、および角度エネルギー分布シ
    グネチャからなる群より選ばれたシグネチャを含むる、請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記選択ステップは、複数のシグネチャタイプについてシ
    グネチャ類似性関数を計算し、該計算された関数を結合するステップを包含する
    、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記較正された信号シグネチャは較正されたベクトルwk
    のセットを含み、各較正されたベクトルwkは、較正された信号共分散行列Rk
    較正された信号共分散行列の群との間の類似度の尺度であり、該信号シグネチャ
    は、信号共分散行列と較正された信号共分散行列との間の類似度の尺度であるベ
    クトルwを含む、請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記選択ステップは、ベクトルwと較正されたベクトルw k との差を計算するステップを包含する、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 wおよびwkの次元はいずれもp2に等しい、請求項15に
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記選択ステップは、前記較正されたシグネチャをインデ
    ックス付けするツリー構造のノードをサーチするステップを包含する、請求項1
    に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記サーチステップは、前記ツリー構造のノードを消去し
    、残りのノード中において較正された位置をサーチするステップを包含する、請
    求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記選択ステップは前記位置決定装置によって行われる、
    請求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記計算された信号シグネチャをハブに通信するステップ
    をさらに包含し、前記選択ステップは該ハブにおいて、好ましくは追加的な位置
    発見装置から通信された補足的な信号シグネチャを用いて行われる、請求項1に
    記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記確からしい位置のセットを、該確からしい位置の地理
    的情報との比較に基づいて、改変するステップをさらに包含する、請求項1に記
    載の方法。
  23. 【請求項23】 確からしい位置の後続のセットを追跡するステップをさら
    に包含する、請求項1に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記較正された信号シグネチャの所定のセットを、該信号
    シグネチャおよび既知の地理的情報に基づいて更新するステップをさらに包含す
    る、請求項1に記載の方法。
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