JP2002532220A - 中空ファイバ分離モジュール及びその製造方法 - Google Patents

中空ファイバ分離モジュール及びその製造方法

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JP2002532220A JP2000587874A JP2000587874A JP2002532220A JP 2002532220 A JP2002532220 A JP 2002532220A JP 2000587874 A JP2000587874 A JP 2000587874A JP 2000587874 A JP2000587874 A JP 2000587874A JP 2002532220 A JP2002532220 A JP 2002532220A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、性能を予測できる分離モジュールで使用するための単一層及び多層のコイル状中空ファイバ束を製造するための方法を提供し、前記モジュールはDean渦の利点を利用するように設計される。また、本発明は、直接的に拡張可能な分離モジュールで使用するための多層コイル状中空ファイバ束にも向けられる。何故ならば、Dean渦がつくり出される一定速度の流体にさらされるとき、各層が他の層と実質的に同等に動作するからである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [本発明の背景] 本発明は濾過モジュール又は濾過部品に関し、特に、多層中空ファイバ濾過モ
ジュールを製造する新しく有用な方法に関する。更に、本発明は、モジュールが
直接的に拡張できるように予測可能な性能を有する性能結果を有する多様な多層
中空ファイバ濾過モジュールを製造する方法を提供する。特に、本発明は、全体
を本明細書で参照される米国特許第5,626,758号(以後、「Belfort特許」)に記
載される発明の改良に向けられる。
【0002】 渦は当該技術分野で既知である。Taylor渦及びDean渦の両方は、圧力駆動薄膜
プロセスの性能を改良するために利用されてきた。Winzeler, H.及びBelfort, G
.著の「"Enhanced performance for pressure-driven membrane processes: the
argument for fluid instabilities", J. Membrane Sci., 80.35-47 (1993)」
を参照のこと。更に、そのような渦は、湾曲した管状薄膜を用いて利用されてき
た。Srinivasan, S.及びTien, C.著の「"Reverse osmosis in a curved tubular
membrane duct", Third International Symposium on Fresh Water from the S
ea, Vol. 2, pp. 587-600 (1970)」を参照のこと。Belfort特許は、湾曲した中
空ファイバ薄膜の中のDean渦を利用して薄膜表面における偏り及び付着物を減少
させ、それにより薄膜モジュールの効率を増加させることに向けられる。
【0003】 流体のDean数が臨界Dean数より大きいとき、Dean渦が層流状態で湾曲した導管
中に形成される。渦は乱流の中に存在するが、そのような渦は無秩序であり、過
大なポンプエネルギー及び/又は大口径の管がそれらを発生するために必要であ
る。渦の構成の物理的原因は、液体が湾曲面のまわりを流れるときに流体要素に
加わる遠心力である。これは、流れの主方向に対して横向きの平面内で流体要素
の半径方向の運動になり、その平面内で渦の最終的な構成をもたらす。図1は、
従来技術で既知の湾曲した流体管中のDean渦の図を提供する。
【0004】 Belfort特許は、湾曲した中空ファイバでDean渦を使用して特有の性能特性を
有するフィルタモジュールを得ることに向けられる。Belfort特許は、濾過を改
良するDean渦を形成するために構成された湾曲した流体管の使用を開示する。Be
lfort特許は、圧力駆動薄膜プロセスのための他の従来技術のモジュール設計に
も改良を加えた(例えば、逆浸透、並びに単位体積当たりの薄膜面積の最大化、
及びモジュールの取り扱いの容易さに基づく限外濾過)。
【0005】 確かに、Belfort特許は、濃度偏り(CP)及び付着物を減少させるための多
くの既存の方法(薄膜表面の化学修飾、及び物理的方法(例えば、スカーリング
)を含む)を加えた。また、流体力学的方法は、乱流の間ずっと渦に依存するか
、又は流れの不安定性を引き起こすことが知られている。流路への挿入物の導入
は、そのような引き起こされた流れの不安定性をつくり出すことができる。
【0006】 これらの方法の多くはGeorge Belfort著の論文、「"Fluid mechanics in memb
rane filtration: recent developments", J. Membrane Sci., 40,123-147 (198
9)」で論じられた。しかし、これら従来技術の方法、及びBelfort特許は、直接
拡張可能なDean渦を生成する濾過モジュールを製造するガイダンスを提供できな
い。
【0007】 Belfort特許は多層化されたモジュールを教示する。Belfort特許の図14を参
照のこと。しかし、Belfort特許は、直接拡張可能なDean渦を生成する濾過モジ
ュールの製造には何らの教示も提供できない。
【0008】 Belfort特許の教示を考慮すると、当業者は、実験室規模のモジュールとは対
照的なパイロットモジュール又はプロセスモジュールが、増加した流体流を処理
するための多層中空ファイバ、単一のマンドレルのまわりに巻かれたファイバを
有する信じられないくらい長いカートリッジ、又は管板の内部に封止されたマン
ドレルに巻かれた複数の単一層ファイバのために低い充填密度を有する非常に幅
広のカートリッジの何れかを必要とすることを認める。しかし、他の従来技術も
流れの不安定性を同様に使用するので、Belfort特許は、当業者に、実験室規模
のモジュールを多層化されたパイロットモジュール又はプロセス(製造)モジュ
ールに、かなりの試行錯誤を必要とせず直接スケールアップするための能力を教
示できない。Belfort特許は、本発明がそのようなスケーリングに適用できるこ
とを示唆するだけである。
【0009】 本発明は、直接拡張可能なDean渦を生成する多層濾過モジュールを提供する。
特に、本発明は、Dean渦の付着物除去特性から利益を得る溶液を濾過するための
実質的に直接拡張可能な多層濾過モジュールを開発するための性能特性を使用す
る方法を提供する。特に、本発明は、Dean数及びずり速度の数学的関係を使用し
て、湾曲した中空ファイバの多層化されたモジュールの内部の個々の層の性能を
予測することを含む。本発明は、多層化されたモジュールの内部の各層の性能が
実質的に同等(以下で定める)になるように設計されることを可能にする。本発
明は、そのような多層化されたモジュールを製造する手段を記載する。
【0010】 [発明の要約] 本発明は、Dean渦を生成する多層化された濾過モジュール、及びそのようなモ
ジュールを設計する方法に向けられる。そのようなモジュールは、実質的に同等
な性能特性を有する各層により特徴づけられる。この特性が、直接拡張可能な濾
過モジュールの構成を可能にする。本発明が11層モジュールの性能を、例えば
、1層モジュールの性能特性に基づいて予測することを可能にするので、これは
従来技術を越える実質的な改良である。
【0011】 上に記載したように、本発明はまた性能特性を使用する多層化された濾過モジ
ュールを製造する方法に向けられる。この性能特性は、Dean数、及び液体のずれ
を含む数学的関数によって計算される。この性能特性を決定するとき、発明者は
、薄膜の内部表面の付着物を除去するためにDean渦を使用するように設計された
フィルタモジュール中の中空ファイバ管材料の1つ又は2つ以上の層の性能を正
確かつ精密に推定するための手段を見出した。次に発明者は、実質的に同等な性
能を有する後続の層を、そのようなモジュールで使用される中空ファイバ1つ又
は2つ以上の特性を操作することによりつくり出すことができた。そのような操
作を考慮される中空ファイバ特性は、内径、外径、壁の厚さ、長さ、孔のサイズ
、及び薄膜の対称性を含む。もちろん、中空ファイバの組成も調整でき、それは
中空ファイバをつくり出すために使用されるポリマである。
【0012】 この発明の目的のために、「付着物除去」というフレーズは、溶質、粒子状物
体、及びゲルを含むが限定されない、中空ファイバの表面に保持される種の除去
を意味する。分極する傾向がある溶液が分極しなくなることは、そのような「付
着物除去」に固有のものである。
【0013】 多層化された濾過モジュールを異なる材料から成る中空ファイバの層を用いて
製造することは本発明の範囲内であるが、これは好ましくない。更に、同じ内径
及び外径を有する本発明のモジュールを同じ材料のファイバを用いて製造するこ
とはより安価である。フィルタモジュールの後続のファイバ層で使用される中空
ファイバのファイバ長さを短くして実質的に同等な性能を有する層を製造するこ
とは、本発明の濾過モジュールを製造する好ましい手段である。
【0014】 本発明は、分極した溶液(分極した水溶液が好ましい)を用いて使用すること
に特に適合され、従って、Dean渦を使用して付着物を除去し、漂っている溶質を
薄膜付近で除去し、及び/又は溶質を薄膜表面から直接除去する多層濾過モジュ
ールの製造方法を含み、そのようなモジュールの性能は異なる数の層を有する装
置を用いて直接拡張できる。本発明は分極していない溶液を用いて使用すること
も考慮できる。
【0015】 層の数に関して、分極した溶媒を濾過する必要がある顧客が利用できるように
することが好ましく、パイロット規模の応用のために3層モジュールを製造する
ことが好ましい。プロセス規模の応用に対して、11層モジュールが適切なこと
が発明者により見出された。加えて、プロセス規模のモジュールが複数の多層化
されたファイバ束から成ることも考えられる。
【0016】 しかし、本発明は4〜10層を有するモジュール、又は11層以上を有するモ
ジュールを考慮する。発明者は、幾つかの応用に関して、以下の実施例で説明す
るモジュールより長いプロセス規模のモジュールを有することが望ましいことを
認める。そのような状況では、より少ない層が必要になる。
【0017】 本発明の多層分離モジュールは、当業者により現在実施されている異なるタイ
プの濾過(逆浸透、ナノフィルトレーション、限外濾過、ダイアフィルトレーシ
ョン、浄化、プレ−フィルトレーション、マイクロフィルトレーション、その他
同種類のもの)に対して特に有用であると考えられる。更に、本発明は、気体か
ら液体への変換、又は液体から気体への変換に対して考慮される。1つの用途は
血液の酸素付加である。Dean渦は、液体側の質量移行抵抗を減少させることによ
り気体から液体への変換を向上させる。またDean渦は、薄膜表面の抗トロンボゲ
ン特性を向上させる。本発明は予測可能な性能を有する薄膜モジュールを製造す
る能力を教示するので、本発明は心臓手術の間の血液の酸素付加において実質的
な利点を有する。何故ならば、モジュール−モジュール性能が非常に安定してお
り、その結果その種の製品に対する厳しいFDA(米国食品医薬品局)の要求を
通過するからである。また本発明は、より安価でより多孔性の薄膜(例えば、ポ
リエーテルスルホン)の使用を可能にする。何故ならば、Dean渦は血液成分の薄
膜壁への吸収を最小にできるからである。
【0018】 更に発明者は、本発明が今まで発見されていなかった種類の濾過に対して有用
であることを認める。
【0019】 逆浸透(RO)に関して、逆浸透は一般に液体の担体からの塩及び低分子量有
機物の分離のために使用される。本発明は一般的なROの応用、及び特定の応用
(例えば、塩気のある水及び海水の脱塩及び精製)に対して有用であると考えら
れる。他の潜在的な用途は、注射用の水の製造のために飲料水の塩分を除去する
ことである。これらの応用に対する本発明の利点は、RO濾過前の(化学的及び
物理的)前処理段階の最小化である。
【0020】 ナノフィルトレーション(NF)に関して、ナノフィルトレーションは一般に
塩及び低分子量有機物の分溜のために使用される。本発明は一般的なNFの応用
、及び特定の応用(例えば、抗生物質の処理)に対して有用であると考えられる
。適切なNF中空ファイバと組み合わせて、この技術は住宅用水の軟化に使用で
きる。ダイアフィルトレーションは、ナノフィルトレーション中空ファイバを用
いた脱塩又は溶媒交換にも適切である。
【0021】 限外濾過(UF)に関して、限外濾過は一般に中分子量有機物の分溜、並びに
塩及び低分子量有機物の変換のために使用される。本発明は一般的なUFの応用
、及び特定の応用(例えば、アルブミン精製)に対して有用であると考えられる
。限外濾過及び本発明の他の用途は、電気泳動塗装を適用後のリンス剤から回収
することである。電気泳動塗装は高価であるが、実質的な性能特性を有する。塗
装された車が水洗された後に生成するリンス混合液が一カ所に集められ、塗料が
除去されて再使用される場合にのみ、電気泳動塗装は経済的に使用できる。これ
は非常に汚染されたプロセスであり、本発明のモジュールの使用が汚染の量を減
少させ、限外濾過モジュールの定期的な洗浄を向上させる。
【0022】 マイクロフィルトレーション(MF)に関して、マイクロフィルトレーション
は一般にコロイド及び他の微小粒子の定着、並びに塩、低分子量有機物、及び他
の溶解有機物及び溶解溶質の変換のために使用される。本発明は一般的なMFの
応用、及び特定の応用(例えば、細胞の破片は保持されるが、所望するタンパク
質はモジュールを通して輸送される細胞処理)に対して有用であると考えられる
。更に、本発明は、ワクチン処理、特にウィルス粒子及び/又は細胞の破片の除
去に対して有用であると考えられる。
【0023】 上記の他のMFの応用に加えて、本発明は、ミルクのコロイド成分又はミセル
がミルクのタンパク質及び酵素から分離される、遺伝形質を転換したミルクの浄
化に対して有用であると考えられる。
【0024】 本発明に対して考えられる他のMFの応用は、タンパク質の沈殿物浄化であり
、特にタンパク質の再折り重ねプロセスの後である。本発明の他の目的は、溶解
した細胞培養液を含む多様な細胞培養液の浄化を含む。本発明の目的は、哺乳類
の細胞培養液(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞培養液)、
酵母菌の細胞培養液、及びバクテリア(例えば、大腸菌)の細胞培養液の浄化を
含む。
【0025】 本発明のモジュールが上記のMFの応用、又は他の応用のために使用されるこ
とが好ましい。MFの応用に関して、本発明のモジュールが細胞及びコロイドの
浄化に対して特に適していると考えられる。
【0026】 UFの応用に関して、本発明のモジュールは、タンパク質分溜のための高性能
タンジェンシャルフローフィルトレーション(HPTFF)に適応していると考
えられる。HPTFFは米国特許第5,256,294号及び第5,490,937号に記載されて
おり、そこで開示された内容は全体を本明細書で参照される.
【0027】 本発明から利益を得る他の分離プロセスは、気体分離薄膜プロセスを含む。こ
れは、特に濃度偏りが発生し得る高フラックスの高透過性薄膜に対して有用であ
る。気体分離の間、濃度勾配が境界層にできる。Dean渦は濃度勾配が起こらない
ようにし、それにより薄膜をまたがる気体の流れを増加させる。
【0028】 モジュールの設計に関して、本発明はマンドレルの長さ及び直径を調節して所
望する性能特性に合わせることを可能にする。更にまた、中空ファイバの巻角が
調整され、マンドレル上のギャップをつくり出すか除去する。中空ファイバの間
にギャップが存在しないことが好ましい。
【0029】 更に、本発明は、1度にマンドレルのまわりに巻くファイバ(束)の数の選択
に対するガイダンスを提供する。更に、本発明は、モジュールの製造者がはめ込
まなければならないマンドレルの量、各層に対して切断されるファイバの長さ、
及びマンドレルユニットの数を予め決定することさえ可能にし、マンドレルは特
定の数の層、及びファイバ特性を有し、それらはプロセス規模の装置をつくり出
すために組み合わされる。
【0030】 本発明の他の目的は、半導体製造に使用される化学的機械的平坦化(CMP)
スラリからの凝縮及びゲルの除去を含む。
【0031】 本発明の他の目的は、コンパクトで比較的短い濾過モジュールを提供すること
である。これは、高い充填密度を有する本発明のファイバ束によりある程度達成
された。より短い濾過モジュールは、単一モジュール中で複数のマンドレルユニ
ットを使用することにより更に容易に設計できる。
【0032】 本発明を特徴づける新規性の種々の特色が、この開示に添付され、この開示の
一部を形成する請求項で独自性を指摘する。本発明、その動作上の長所、及びそ
の使用により達成される特定の目的を更に理解するために、添付図面、記載され
た内容、及び本発明の好ましい実施例が図示された実施例が参照される。それが
理解されるとき、本発明は他の異なる実施例を可能にし、その幾つかの詳細は種
々の明らかな側面での変更を本発明から逸脱することなく可能にする。従って、
図面及び記載は本質的に実施例とみなされ、制限するものとはみなされない。
【0033】 [本発明の詳細な記載] 本発明は、従来技術を越える実質的な改良(各層に対して予め定められた性能
の出力を有するコイル状中空ファイバ分離モジュールを設計する能力)を提供す
る。特に、発明者は、各層に対して予め定められた出力を有する多層化された中
空ファイバモジュールの設計を可能にするアルゴリズムを発明した。本発明は、
単一層のコイル状中空ファイバ分離モジュールから直接拡張可能な、パイロット
規模及びプロセス規模の多層化された中空ファイバモジュールを設計することを
可能にする。これは、第1の層に続く各層の出力性能が、単一層のモジュールか
らの性能データを使用してアルゴリズム的に予め定めることができるからである
【0034】 また本発明は、単一層のコイル状中空ファイバ分離モジュールの出力性能を予
測する方法を提供する。何故ならば、アルゴリズム的に定量化できない唯一の変
数は、特定の薄膜(即ち、孔のサイズ、ポリマ、非対称性)が性能に及ぼす影響
だからである。
【0035】 また本発明は、コイル状中空ファイバ分離モジュールを実験的に設計するプロ
セスを提供する。
【0036】 本発明は分離モジュールで使用するための多層化されたコイル状中空ファイバ
束を提供し、前記束は複数のコイル状中空ファイバから成り、それにより同心円
のアウトラインを形成する少なくとも2つの層をつくり出すように複数の中空フ
ァイバが配置され、前記束の各層は、前記束が分離モジュールの一部であってDe
an渦がつくり出されるような特定の速度の流体にさらされるとき、他の層と実質
的に同等に動作するように設計される。中空ファイバ束は、分離モジュールの一
部であることが好ましい。束の中の中空ファイバは、実質的に同一の構造及びポ
リマ成分を有することが好ましい。好ましい実施例では、複数の中空ファイバが
配置されて同心円のアウトラインを形成する少なくとも2つの層をつくり出し、
少なくとも2つの各層は1組の変数によって独立に特徴づけられ、これらの変数
は中空ファイバの外径及び内径、ファイバの数、前記ファイバの巻角、並びに前
記ファイバの長さを含む。
【0037】 本発明の目的のために、「束の中の中空ファイバは、実質的に同一の構造及び
ポリマ成分を有する」というフレーズは、中空ファイバ全てが同じ材料から成り
、中空ファイバの構造(例えば、非対称、対称、孔なし、又は多孔)が同じであ
ることを意味する。この定義は、中空ファイバの内径及び/又は外径が層毎に変
えられる本発明の実施例を考慮に入れる。
【0038】 本発明の他の好ましい実施例では、束の中の全ての中空ファイバは実質的に同
一の組成を有する。中空ファイバ束の各層は、ファイバの数、前記ファイバの巻
角、及び前記ファイバの長さを含む1組の変数によって独立に特徴づけられるこ
とが好ましい。
【0039】 本発明の目的のために、「束の中の全ての中空ファイバは実質的に同一の組成
を有する」というフレーズは、ファイバ束で使用される中空ファイバ全ては同じ
材料から成り、中空ファイバの構造(例えば、非対称、対称、孔なし、又は多孔
)は同じであり、全ての中空ファイバの内径及び外径が同じであることを意味す
る。
【0040】 本発明の他の好ましい実施例では、中空ファイバの少なくとも2つの各層は、
まわりでファイバ束が巻かれるマンドレルの長さ、マンドレルの直径、及び各層
に対する中空ファイバの数を含む1組の変数により特徴づけられる。ファイバ間
のギャップを最小にするために、所定のファイバ直径に対して、ファイバの好ま
しい数及び好ましい角度が選択される。
【0041】 本発明の好ましい実施例では、ファイバが使用されるモジュールの中のファイ
バの充填密度を最大にするようにファイバが配置される。
【0042】 他の好ましい実施例では、このファイバ束は濾過モジュールに収納される。フ
ァイバ束は、マンドレルのまわりに巻かれることが好ましい。巻方向に関して、
巻方向は層毎に交替することが好ましい。この方法で積層することは、(充填密
度を減少させるが)中空ファイバ薄膜にまたがる溶質の流れを改善すると考えら
れる。
【0043】 本発明は、単一層のコイル状中空ファイバ束から直接拡張可能な多層化された
コイル状中空ファイバ束を製造するための方法を提供し、前記束は分離モジュー
ルで使用され、それにより使用された中空ファイバは実質的に同一の構造及びポ
リマ成分を有し、前記方法は、濾過モジュールに収容され、Dean渦がつくり出さ
れるような特定の速度の流体にさらされるとき、実質的に同一の構造及びポリマ
成分を有する中空ファイバを含む単一層のコイル状中空ファイバフィルタ束から
性能パラメータを決定し;前記束が濾過モジュールの一部であり、前記特定の速
度の流体にさらされるとき、追加の各層が第1の層の性能パラメータと実質的に
同一である性能パラメータを生成するように、追加の各層に対する変数の必要な
値を計算し;前記計算された変数を取り入れる多層化されたコイル状中空ファイ
バ束を製造することから成る。
【0044】 本発明の方法の好ましい実施例では、変数は中空ファイバの外径及び内径、層
に対するファイバの数、前記ファイバの巻角、及び前記ファイバの長さを含む。
【0045】 好ましい実施例では、層の直径は約1ミリメートルから約460ミリメートル
の間である。
【0046】 本発明の好ましい実施例では、ファイバ束は1層から20層より成る。
【0047】 1つの好ましい実施例では、3層から成るファイバ束が製造される。この束は
パイロット規模のプロセスのための濾過モジュールで使用されると予想される。
【0048】 他の好ましい実施例では、5層から成るファイバ束が製造される。
【0049】 他の好ましい実施例では、複数の5層ファイバ束(複数マンドレルユニット)
が、単一の分離モジュールで使用される。
【0050】 この複数マンドレルユニットは、製造規模のプロセスのための濾過モジュール
で使用されると予想される。7個のそのようなユニットを、ライセート培養液の
浄化のためのプロセス規模の装置で使用することが好ましい。
【0051】 好ましい実施例では、ファイバが使用されるモジュールの中のファイバ束の充
填密度を最大にするようにファイバが配置される。
【0052】 本発明は、単一層のコイル状中空ファイバ束から直接拡張可能な多層化された
コイル状中空ファイバ束を製造するための方法を提供し、前記束は分離モジュー
ルで使用され、それにより使用された中空ファイバは実質的に同一の組成を有し
、前記方法は、濾過モジュールに収容され、Dean渦がつくり出されるような特定
の速度の流体にさらされるとき、実質的に同一の組成を有する中空ファイバを含
む単一層のコイル状中空ファイバフィルタ束から性能パラメータを決定し;前記
束が濾過モジュールの一部であり、前記特定の速度の流体にさらされるとき、追
加の各層が第1の層の性能パラメータと実質的に同一である性能パラメータを生
成するように、追加の各層に対する変数の必要な値を計算し;前記計算された変
数を取り入れる多層化されたコイル状中空ファイバ束を製造することから成る。
【0053】 本発明の方法の好ましい実施例では、変数は層に対するファイバの数、前記フ
ァイバの巻角、及び前記ファイバの長さを含む。
【0054】 本発明は、Dean渦を生成するのに適した多層化された濾過モジュールを製造す
る方法を提供し、前記方法は、予め定められた直径及び長さを有するマンドレル
を選択し;予め定められた内径(ID)及び外径(OD)を有する中空ファイバ
を選択し;層から成る多数のファイバを選択し;ファイバがマンドレルのまわり
に巻き付く巻角を選択し;コイル状中空ファイバの層を形成するようにファイバ
をマンドレルのまわりに予め選択された角度で巻き;測定可能な粘度及びずり速
度を有する流体の測定可能な速度が適用されると、一定の性能パラメータを有す
る前記モジュールの第1の層を製造するように前記巻かれたファイバの長さをマ
ンドレルの長さに合わせ;後続の各層の一定の性能パラメータが第1の層の一定
の性能パラメータと実質的に同一であるように、ファイバの長さ、ファイバの数
、及び後続の層の巻角を調節することから成る。
【0055】 本発明の好ましい実施例では、選択されたファイバは、約0.2ミリメートル
から約4.0ミリメートルの範囲のIDを有する。選択されたファイバは、約1
.0ミリメートルから約2.0ミリメートルの範囲のIDを有することが好まし
い。
【0056】 本発明の好ましい実施例では、選択されたファイバは、約0.3ミリメートル
から約6.0ミリメートルの範囲のODを有する。ODは約1.5ミリメートル
から約2.5ミリメートルの範囲であることが好ましい。
【0057】 本発明の好ましい実施例では、選択されたファイバの数は1から200の間で
ある。選択されたファイバの数は6から53の間であることが好ましい。
【0058】 本発明の好ましい実施例では、ファイバの長さは約635ミリメートルから約
2540ミリメートルの間である。ファイバの長さは、約889ミリメートルか
ら約1321ミリメートルの間であることが好ましい。
【0059】 本発明の好ましい実施例では、マンドレルの直径は約3.2ミリメートルから
約13ミリメートルの間である。
【0060】 本発明の好ましい実施例では、モジュールの長さは約51ミリメートルから約
1524ミリメートルの間である。
【0061】 好ましい実施例では、巻角(β)は約30度から約89度の間である。巻角は
約45度から約75度であることが好ましい。巻角が約51度から約62度の間
であることは更に好ましい。表2及び図10を参照して巻角を決定すること。
【0062】 本発明は、Dean渦をつくり出す、既知のずり速度及び予め定められた速度の流
体が濾過されるとき、推定された出力性能を提供するように設計された単一層の
コイル状中空ファイバ分離モジュールを提供し、前記モジュールは、中空ファイ
バが中空ファイバの外径及び内径、ファイバの数、前記ファイバの巻角、及び前
記ファイバの長さを含む1組の変数により特徴づけられるコイル状中空ファイバ
の層、及びハウジングから成る。また、単一層のコイル状中空ファイバ分離モジ
ュールはまわりにファイバが巻かれるマンドレルを含み、マンドレルの長さ及び
直径が既知であることが好ましい。各層に対して選択されたファイバの数は、フ
ァイバ間のギャップの最小化次第であることが好ましい。ファイバは、充填密度
を最大にするように配置されることが好ましい。
【0063】 本発明のファイバ束を取り入れる濾過モジュールの動作に関して、そのような
モジュールに対する薄膜を横切る最大圧力は、MFの応用に対しては約10ミリ
バールから約700ミリバールの間であると考えられ、UFの応用に対しては約
300ミリバールから約5500ミリバールの間と考えられる。
【0064】 LTFの応用及びMFの応用の両方に対して本発明に必要な他の動作条件であ
るレイノルズ数は、湾曲した流路の内半径及び外半径の比に依存する臨界レイノ
ルズ数以上であり、Dean数は13以上であり、流体の流量は薄膜面積に関して5
リットル/平方フィート以下である。
【0065】 上記の応用に加えて、以下の応用は、次のような応用(例えば、哺乳類の細胞
のタンパク質浄化、哺乳類の細胞のタンパク質灌流、バクテリアの細胞の浄化及
び精製、ライセート浄化、バクテリアの組み換えタンパク質の refold pool 浄
化、尿膜腔液(インフルエンザワクチン)、組み換えタンパク質の封入体の洗浄
、診断ビードの洗浄、ワインの浄化、赤血球の洗浄及び濃縮、ワクチンの浄化、
遺伝子治療のプラスミドの浄化及び精製、並びに遺伝形質を転換したミルクのタ
ンパク質の浄化)に対して歴史的に適切であるフィルタのタイプとは無関係な本
発明のモジュールに対して適切であると考えられる。
【0066】 [実験] 歴史的に、導管中の流体の流れは、レイノルズ数(導管中の液体の流れを研究
した科学者 Osborne Reynolds に由来する)と呼ばれる無次元のパラメータによ
り特徴づけられてきた。レイノルズ数(Re)は、以下の式1に示されるように
、流体の平均速度(u)とチューブの直径(d)と流体密度(ρ)の積を流体の
絶対粘度(μ)で割ったものである。
【数1】 Reynoldsは、この無次元の数が臨界値を越えるときに液体の流れ特性が変化す
ることを発見した。レイノルズ数がおよそ2000より小さいとき、流線は平坦
な層流であった。前記の値より大きければ、流線は渦の構成のために不規則であ
り、乱流となる。
【0067】 湾曲した導管中の液体の流れは、Dean数と呼ばれる他の無次元のパラメータを
必要とする。いわゆるDean渦は、Dean数が臨界値を越えるときに形成される。De
an数は、以下の式2で表される。
【数2】 この式では、uは導管中の流体の平均速度であり、dはチューブの直径であり、
μは絶対粘度であり、ρは流体の密度であり、dcは導管の曲率半径の2倍であ
る。Boucher, D. F.及びAlves, G. E.著の「"Chem. En. Progr." 55 (9): 1959
」を参照のこと。
【0068】 臨界Dean数に関して、この式は式3で明らかにされる。
【数3】 本発明はDean渦が発生する濾過モジュールに向けられるので、数学的モデルは
その要求に対応しなければならない。そういうものであるから、Dean比(D)(
実Dean数の臨界Dean数に対する比)に興味がある。以下の式4を参照のこと。
【数4】 Decrはおよそ13であるから、Dが1以上であるためにDeは13より大き
くなければならない。従って、後続の数学的モデルはDが1以上である必要があ
り、さもなければ性能パラメータが条件を満たさない。
【0069】 TFFに関して、薄膜に保持された種が濃縮層又は濃縮ケークを薄膜の表面に
形成する。しかし、いわゆる累積した種の逆輸送(back-transport)が薄膜表面に
保持された種の濃度を減少させ、それによりフィルタ性能への濃縮層の逆効果を
軽減する。逆輸送の主なメカニズムは、1)濃度差による拡散、及び2)薄膜の
表面に対して接線方向にある濾過液の流れによる物質移動である。物質移動の大
小は、一般に物質移動係数と呼ばれるパラメータにより特徴づけられ、薄膜の表
面におけるずり速度に比例する。ずり速度自体は、薄膜の表面で傾斜を有する軸
方向の速度で定義される。接線流濾過装置の性能は、従来技術の軸方向のずり速
度に関連がある。ずり速度が高くなると逆輸送が増加し、従って、フィルタの性
能の効率が上がる。
【0070】 (上記)従来の研究は、Dean渦が横方向のずり速度を第2の流れ平面内につく
り出すことを示した。この現象は、保持された種の逆輸送を増加させる。図2は
、軸方向のずり速度及び横方向のずり速度を図示する。Belfort特許は、コイル
状導管の中でDean渦を使用して、保持された種の逆輸送の増加をもたらす濾過モ
ジュールを製造することを開示する。
【0071】 湾曲した流路、その一部であるコイル状流路内の正味の速度は、式5で与えら
れるように、軸方向成分及び横方向成分から得られるずり速度として表すことが
できる。
【数5】 γeは正味のずり速度又は有効ずり速度であり、γaは軸方向のずり速度であり、
γtは横方向のずり速度である。ここで、横方向のずり速度の大きさがDean数に
比例することを仮定する。圧力降下(流体摩擦係数による)及び熱伝達の両方が
Dean数に関連があるので、これは合理的な仮定である。
【0072】 従って、横方向のずり速度を式6で表すことができる。
【数6】 横方向のずり速度及びDean数の間のこの関係は、式5を使用して実験的に求めら
れ、γtは式7で与えられるように表される。
【数7】 次のステップは、軸方向のずり速度及び有効ずり速度を所定のDean数で決定す
ることである。軸方向のずり速度は、断面方向の流量から容易に計算できる。有
効ずり速度を見出すために、以下の手順を使用する。式8で与えられるように、
TFF装置のフラックスは、ずり速度に比例する。
【数8】 実験は真っ直ぐな中空ファイバ及びコイル状中空ファイバを用いて行われ、フラ
ックスは、ずり速度の関数として測定された。予想通り、コイル状ファイバは、
より高いフラックスを同じ軸方向のずり速度で生成し、従って、湾曲したファイ
バの有効ずり速度は、その軸方向のずり速度より高い。湾曲したファイバと同じ
フラックスを発する真っ直ぐなファイバの軸方向のずり速度は、湾曲したファイ
バの有効ずり速度と等しい。例えば、もし真っ直ぐなファイバの中の8000S -1 の軸方向のずり速度が、湾曲したファイバの中の4000S-1の軸方向のずり
速度と同じフラックスをもたらせば、湾曲したファイバの中の有効ずり速度は8
000S-1であることがわかった。有効ずり速度における増加は、横方向のずれ
のためである。従って、実験は、軸方向のずり速度及び有効ずり速度を、Dean数
の関数として生成する。次に、横方向のずり速度をDの関数として式6を使用し
て計算し、結果を式9で関連づける。
【数9】 有効ずり速度は次のように表される。
【数10】 更に、これらの実験は、性能及び有効ずり速度の間の相関関係の公式化に帰着す
る。この公式は、式11で表される。
【数11】 有効ずり速度の式を式11に代入することにより、次の式を得る。
【数12】 従って、本発明のフィルタモジュールの層の性能は式13に比例する。
【数13】 式13は、本発明のファイバ束をアルゴリズム的に設計できることを明らかにす
る。特に、式13は、当業者が直接的に規模を拡張できる多層化された濾過モジ
ュールを製造することを可能にする。
【0073】 更に、式13は、層毎に同等の性能は有しないが、各々が他の層とモジュール
内部で「実質的に同等に」動作する層を有することができるモジュールを設計す
るための基礎を提供する。このフレーズは、本発明が、アルゴリズムにより認識
されるそれら設計及び製造の制限を考慮し取り入れることを意味する。例えば、
このアルゴリズムは、ファイバの数/層(又はN)が整数である必要があること
を考慮に入れていない。
【0074】 更に、式13及び式13に関連する変数の発見は、発明者が個々の層の性能を
測定するための実験的アプローチを考え出すことを可能にした。従って、本発明
の目的は、多層化された濾過モジュールで使用するためのファイバ束を設計する
ことである。そのような実験的アプローチは本発明のモジュールを製造すること
を可能にするが、既に組み立てられたモジュールの性能を測定するのにも適切で
ある。
【0075】 製造を考慮すると、モジュールがアルゴリズム的に設計されてもされなくても
、発明者は性能パラメータが各層に対する巻角の調節に依存することを認める。
そのような調節は、11層モジュールの製造では高価である。そのような状況で
は、巻角が3〜4回だけ変化させられる。以下の実施例では、巻角は1回だけ変
更される。
【0076】 従って、発明者は、3層の全てのグループに対する巻角を変えることを予測す
る。従って、本発明のために、パイロット規模のモジュール(本発明のファイバ
束の中に3層だけを有することが好ましい)では、全ファイバ層が同じ巻角を有
することが好ましい。
【0077】 化学工学プロセスでは、本発明の目的のために、「スケールアップ」というフ
レーズは、実験室規模からパイロット規模への、又はパイロット規模から(当該
技術分野で製造規模としても既知である)プロセス規模へのプロセスの移行に関
係する活性を含む。スケールアップの主な問題は、より大きな規模で製造される
ときに、より小さな規模で開発されたプロセスが実質的に同等であることを保証
することである。もし製造規模の又はプロセス規模の性能を実験室規模の又はパ
イロット規模の性能に基づいて最小限の試行錯誤実験で正確に予測できたら、こ
れは非常に有用である。
【0078】 本発明の目的のために、「直接的に拡張可能」という用語は、分離における薄
膜プロセスのスケールアップに関係する。薄膜プロセスは、いわゆるバイオテク
ノロジ製造物の分離で使用されることが好ましい。そのような製造物は、組み換
えデオキシリボ核酸(DNA)分子及び誘導体、組み換えリボ核酸(RNA)分
子、リボザイム、組み換え酵素、組み換えホルモン、タンパク質、並びにペプチ
ドを含むが、限定はされない。
【0079】 薄膜プロセスは、実験室規模の又はパイロット規模のプロセスで使用されたの
と同じ率で処理される流体の体積に関する製造で使用される薄膜の表面積の増加
により「直接的にスケールアップ」される。
【0080】 線形のスケールアップは、一定のパラメータ(例えば、流路内部での同じ経路
長、同じ速度の使用、等)の使用を必要とする。当業者は、他のパラメータが線
形スケールTFFに必要であることを認める。
【0081】 本発明により解決される問題は、Dean渦生成装置の性能が曲率半径に反比例す
るので、Dean渦が本質的に非線形であることである。多層化された装置に対して
、外側のファイバ層はより大きな曲率半径を有する必要があり、従って、内側の
層よりも潜在的に低い性能を有する。この問題を解決するために、Dean数及び速
度のずれの依存関係の長所を取り入れることにした。もし内側の層が外側の層よ
り小さな曲率半径を有すれば、内側の層で低い速度を使用することにより、その
性能を外側の層の性能と等しくできる。
【0082】 本発明の多層化されたモジュール内部で実施するための好ましい手段は、外側
の層のファイバより長いファイバの内側の層での使用による。全てのファイバは
同じ圧力差にさらされるので、内側の層は低い速度を有する。図3はこの概念を
示す。
【0083】 中空ファイバの特定の層の中の流体の速度を調整する代替手段を利用すること
が、本発明により考慮された。ファイバの長さが同じであると仮定して、直径に
関して異なる中空ファイバの使用、又は異なる直径及び長さの組み合わせが使用
できる。発明者は、より高い製造コストを有するような方法を予測したが、それ
により製造されたモジュールは同じ性能利点及び特定の顧客のプロセスフィルタ
設置面積に適した寸法を有する。
【0084】 本発明の性能パラメータ及び圧力降下速度の関係が、ファイバの長さを変化さ
せて本発明のモジュールを設計し、各ファイバ層が実質的に同等の性能を有する
モジュールを製造するために使用された。この方法で、Dean渦の本質的非線形効
果が直接的に拡張可能にされた。この新しく設計されたモジュールを用いる直接
的スケールアップは、実験室規模、パイロット規模、及び製造規模のモジュール
を同じ供給路圧力降下で動作させることにより提供される。
【0085】 濾過モジュールで使用するための多層中空ファイバ束を設計するための実験的
アプローチは、以下で明らかにされる実質的に同等な性能を有する束の各層をも
たらす。
【0086】 第1に、ロッド又はマンドレルの直径(DRI)、及び単一層モジュールに対
するモジュールの長さ(L)が選択される。次に、第1の層に対する数のファイ
バ(N)が、マンドレルのまわりに巻かれる。そのような数は下限(1)、及び
ファイバがマンドレルのまわりに巻かれる実際的な上限を有するので、もし前記
ファイバ束の一端を見たら、そのアウトラインは実質的に同心円を形成する。更
に、(もし有るなら)ファイバの間の間隔がほとんど無いことが(即ち、充填密
度が最大化されることが)好ましい。
【0087】 Nが選択された後、ファイバ束がマンドレルのまわりに巻かれ、当業者に既知
の方法ではめ込まれ、(ポリスルホン又は関連する材料から製造されることが好
ましい)ハウジングに挿入されたこのアセンブリはハウジングの内部に固定され
、次にハウジングは流体の出入りを提供する適切なキャップをかぶされる。
【0088】 次に、関心がある流体は、中空ファイバを設定されたフラックス(J)及び設
定された供給路圧力降下(ΔPo)(ΔPo=供給圧力−未透過圧力)で通過する
。次に、薄膜内外圧(TMP)がモニタされる。TMPが最大許容値に達すると
き、濾過プロセスは停止される。フィルタの能力は、濾過された液体の体積を薄
膜表面積で割ることにより計算される。このプロセスは、異なるNを有する複数
層ファイバ束に対して繰り返される。次に、処理能力−Nをプロットする。図4
を、そのようなグラフのサンプルとして参照のこと。
【0089】 図4は、薄膜の能力(リットル/平方フィート)が記録された多様なNを明ら
かにする。次に、第2の層が、多様なNが使用されてプロットされたマンドレル
のまわりに巻かれる。図5を参照のこと。図6は、5層に関する実験がプロット
されたものを提供する。関心があるモジュールは、各層に対する全ての曲線と交
わる、y軸と実質的に垂直な直線を描くことにより特徴づけられることが好まし
い。この直線は、所定のP及び長さに制約された供給流/薄膜面積(平方メート
ル)に基づいて描かれる。次に、各層に対するファイバの数が、各層に対する曲
線との制約線の交点により決定される。実験的に設計されたそのようなモジュー
ルは、互いに実質的に同等に動作する層を有する。
【0090】 中空ファイバは当業者に既知であり、当業者は、選択された中空ファイバが濾
過されるプロセス流の特性、濾過液の組成、溶媒特性、及びプロセス流の速度、
等に部分的に依存することを認める。本発明のフィルタモジュールのための中空
ファイバに対するパラメータの選択は、物理的特性(例えば、内径、外径、長さ
、孔のサイズ、及び薄膜の対称性)を含むことができるが、これらに制限される
ものではない。
【0091】 本発明で使用する中空ファイバを製造するために一般に使用される材料は、種
々のポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)、更に詳細には、超高分子量ポリ
エチレン、種々のポリサルホン(例えば、ポリアリールスルホン、ポリエーテル
スルホン、ナイロン、及び他のポリアミド)、及びポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、及び他のフッ素化ポリマ(例えば、ポリ(テトラフルオロエチレ
ン−コ−プレフルオロ(アルキルビニルエーテル))(FEP)、ポリ(テトラ
フルオロエチレン−コ−プレフルオロ(アルキルビニルエーテル))PFA及び
MFA)を含む。
【0092】 中空ファイバのために選択されたプレフルオロ熱可塑性樹脂に関して、そのよ
うなファイバは、New Jersey州ThorofareのAusimont社から入手できるHYFLON (R
) 620 樹脂、又はDelaware州WilmingtonのE.I. duPont de Nemours社から入手で
きるTEFLON (R) FEP 100 樹脂のような樹脂から作ることができる。
【0093】 また、そのような中空ファイバは、Massachusetts州BedfordのMillipore社、
及びMassachusetts州NeedhamのA/G Technologies社を含む多数の供給元から入手
できる。
【0094】 Massachusetts州MarlboroughのCorsep社は、本発明の現在の最良の態様である
ポリエーテルスルホン薄膜を製造する。そのようなファイバは内径1.3ミリメ
ートル、外径2.0ミリメートルのファイバである。定格0.5マイクロメート
ル、及び定格0.2マイクロメートルの両方の薄膜が使用された。薄膜は実質的
に非対称であり、PCT/US89/04847で教示されるように製造された。そのモデル番
号は以下の実施例4で与えられる。
【0095】 中空ファイバを作る材料及び方法は、当業者に既知である。中空ファイバの直
径に関して、それは製造業者及び使用されたポリマに大きく依存する。一般に、
中空ファイバの外径は約0.3ミリメートルから約6.0ミリメートルであり、
薄膜壁(ルーメン)の厚さは約30マイクロメートルから約600マイクロメー
トルであり、250から350マイクロメートルが好ましい。ファイバの外径の
内径に対する比は、一般に1.5:1から約2.5:1であることが好ましい。
多孔率は一般に約25%から約90%であり、約60%から約80%であること
が好ましい。
【0096】 当業者は、本発明のために使用する中空ファイバが十分に柔軟であり、巻き付
けたときに割れたり破損したりしないことを高く評価するであろう。
【0097】 本発明のモジュールの製造に関して、図7は多様な本発明のモジュールを提供
する。図7に付随する表で明らかにされるのは、実験室規模、パイロット規模、
及びプロセス規模のモジュールに対して考慮する設計基準である。
【0098】 以下の実施例は本発明を図示するが、本発明を制限するものではない。種々の
長さ、直径、構造、及び組成の多様な中空ファイバが、本発明の中空ファイバフ
ィルタモジュールを製造するために考慮される。
【0099】実施例1 本発明の前提は、所望する性能パラメータを知ることにより、濾過モジュール
で使用するための多層化されたコイル状中空ファイバ束を設計できることである
。これは性能パラメータ中の2変数のためであり、それらは(関心がある流体の
流体特性が濾過される)湾曲した中空ファイバの物理的構造に左右されるDean数
、及び流速である。
【0100】 以下の表1は、互いに実質的に同等に動作する層を含む多層化されたファイバ
束を含むモジュールに対する基準を提供する。
【0101】 図示される性能ファクタは、1(cps)の流体で3ポンド/平方インチのル
ーメン圧力降下、及び流体流量<1.21pm/平方フィートの薄膜面積に基づ
く。
【表1】 この設計の長所は、均一の性能ファクタ、及び1つの巻角だけが巻き付けステ
ップの間に変化することである。
【0102】実施例2 図8は、実験室規模のモジュール(1層)と製造規模のモジュール(11層)
の間のスケーリングを実証する実験を提供する。この実験は、pH=5の0.1
モルの酢酸ナトリウム緩衝剤中の2%のウシ血清アルブミン、0.2%のリボ核
酸、及び0.5%のデキストランから成る溶液を用いて行われる。実験の間、透
過フラックスは、20(lmh)の値の透過ポンプの使用により一定に保たれた
。薄膜内外圧がモニタされた。一般に、薄膜内外圧が5ポンド/平方インチの値
に達するとき、動作は停止する。何故ならば、薄膜内外圧の増加は付着物を意味
し、従って、透過側への製造物分子の低透過を意味するからである。
【0103】 図8は、11層モジュールの層が実験室規模のモジュールの層と実質的に同等
に動作することを実証する。従って、本発明は単一層モジュールを直接的に拡張
できる。
【0104】実施例3 更に、図10及び表2は、本発明の巻角を如何に決定するかについての説明を
提供する。上記のように、βは巻角を表す。巻角を決定するための式は、以下の
通りである。
【数14】
【表2】 図10は、巻角を決定するために表2の式を如何に使用するかを定める。左側
の列及び右側の列の公式の違いに注意しなければならない。右側の列は、巻きの
間のギャップが無くなる所望する巻角を表す。
【0105】実施例4 この実施例は、1層モジュールを用いた本発明のアルゴリズムを使用して、1
1層の装置の出力性能を予測することを示す。結果は表3に示されるが、この実
施例は、それらの数字を生成するために使用される変数及びアルゴリズムをたど
る。
【0106】 アルゴリズムは、層1に対する入力、構造出力、及び出力性能に分けられる。
表にされた入力は、第1の層の既知特性である。1層モジュールを組立てて所望
する圧力及び速度で動かした後に一旦決定したら、これらの変数はアルゴリズム
にプラグインされ、構造出力を決定する。ファイバは同じであり、出力性能は同
等であり続ける必要があるので、構造出力は装置が如何に設計されるかを示唆す
る。そのような出力は、上記のようにアルゴリズム的に予め定められる。構造出
力は、連続する各層を設計するために使用される。3層から11層に対する出力
性能が、表3で同様に提供される。
【0107】 以下は、1層の中空ファイバモジュール及びプロセス条件に対して既知の変数
である。これらの変数は構造出力にプラグインされ、組み立てるモジュールの所
望する特性を決定する。 LROD=ロッド及びシェルの長さ(インチ) DROD=ロッドの外径(インチ) N=「グループ」のファイバの数 G*=グループ間の線形ギャップ(インチ) IDF=ファイバの内径(ミリメートル) ODF=ファイバの外径(ミリメートル) μ=動粘性率(cps) den=密度 Lμ=ウレタンの長さ(両端に対する全長) Q=多層装置のための各層に対する流量(lpm) X=層番号
【0108】構造出力 β=(水平に関する)巻角 = arcsin(sin β)*(180/π) 図10は、如何にして関心がある層に対する巻角を決定するかのサポートを提供
する。
【数15】 P’=堅く巻かれたファイバのグループのピッチ+グループ間のギャップ(P’
=P+G) ピッチは巻角に関係するので、以下の式を使用して決定する。もしファイバのグ
ループの各巻きの間にギャップが無ければ、Gは0であることに注意しなければ
ならない。
【数16】 ピッチの使用は、各層に必要なファイバの長さを決定することを可能にする。
【数17】
【数18】 ロッド全体とモジュールに使用されているロッドの一部は区別する必要がある。
即ち、はめ込まれたロッドの一部は計算され、差し引かれなければならない。 Le=ウレタン封止の間のファイバの有効な直線長さ(即ち、両端にあるポット
。表3では、ポットはロッドの2インチを占める)
【数19】 T=ロッドの全長にわたる巻き数 =LF/λ Tμ=(ポットの内端の間の)ウレタン封止の間の巻き数 =Le/λ GT=ロッドの全長にわたるギャップの総和 =(TT−1)xG
【数20】 m=有効薄膜面積 =π(IDF)xLexN
【数21】
【数22】
【数23】 (ファイバの積層のために)各層は前の直径とは異なる実際のロッド直径を有す
るので、これを考慮に入れることを忘れてはならない、従って、次の式は、ロッ
ドの直径、中空ファイバの直径の2倍、及びロッド上の前の層の数を含む。Di
は、そのまわりに現在の層を巻き付けようとしている「仮想ロッド」である。 Di=層「X」と等しい「DROD」=[(X−1)*2ODF]+DROD 以下の式に対して、Aは中空ファイバの半径であり、r’cは曲率半径である。
【数24】 出力性能 これらの構造出力は、層「X」に対する出力性能を決定することを可能にする。
dP(linear)=ファイバが真っ直ぐな場合のルーメン圧力降下
【数25】
【数26】
【数27】
【数28】 dP(helical)=らせんファイバに対するルーメン圧力降下 =(1+0.033(log DN4)xdp(LIN) 以下に与えられるのは2つのキャップからの圧力損失であり、未透過及び供給が
定量化される。成形された部品が異なるので、dP(fits)はモジュール毎
に変化する。従って、これに対するdP(fits)は、(供給及び未透過フィ
ッティングに対する)成形されたEFD120フィッティングに対するものである。 dP(fits)=フィッティング損失=2.18*10-5(Q)1.79
【数29】 F/A=供給流/薄膜面積 及び、性能ファクタは、
【数30】
【表3】
【0109】実施例5 本発明の出願人は、中空ファイバはめ込みの改良された方法に関する米国特許
出願を同時に出願した。この出願は、本出願に実質的に全体が含まれる。
【0110】 はめ込みの改良された方法は、エポキシを中空ファイバ束の内部領域に導入し
、次にエポキシを前記第1の点の外部の領域に導入することから成る。新しい方
法はBelfort特許として必要であり、コイル状中空ファイバモジュールへの主要
な言及は、多層化された装置のファイバ束のはめ込みに触れていない。
【0111】 真っ直ぐな中空ファイバ濾過装置をはめ込むために、エポキシがファイバを一
緒にはめ込むか又は曲げるために使用される。そのようなファイバは、ファイバ
の外側の層のまわりにエポキシを注入することによってはめ込まれる。この方法
は真っ直ぐな中空ファイバに対して適切であったが、発明者の同僚により製造さ
れた多層化されたコイル状中空ファイバ装置に対しては不適切であった。199
8年12月17日に出願された米国特許出願第60/112,647号を参照すること。
【0112】 マンドレルの使用がこれら多層化されたコイル状中空ファイバ装置を製造する
ために行われたが、マンドレルははめ込みを妨げる。従来技術の方法については
、エポキシは全てのファイバ(特に、マンドレルの付近に配置されたファイバ)
のまわりは封止しなかった。堅く巻かれた多層ファイバは、ファイバの内側の層
に浸透するエポキシに対するバリアを形成した。ファイバは適切にはめ込まれな
かったので、モジュールの性能はアルゴリズムにより予測された出力性能と一致
しなかった。
【0113】 このはめ込み方法は、エポキシを中心チューブを通して多層化されたファイバ
束の内側の層上に注入することを含む2ステップのはめ込みプロセスを含む。中
心チューブを通す最初のはめ込みにより、エポキシはこれらファイバの全体にわ
たって均等に分布する。第2のステップは、ファイバ束の外側の層のまわりには
め込んでプロセスを終了させることである。
【0114】 Millipore社は、中心中空チューブのまわりのらせん巻きファイバを提供する
。この改良されたはめ込み方法は、らせん巻き中空ファイバをはめ込むために好
ましいはめ込み技術である。また、このはめ込み技術は、真っ直ぐな中空ファイ
バの端部を、チューブを使用して、はめ込む必要があるファイバの長さだけはめ
込むために使用される。
【0115】 図11は本発明を図示する。シェル又はハウジング、及びファイバを巻いたマ
ンドレルが、外側の層のエポキシ充填孔及び中心ロッドエポキシ充填孔を有する
予め形成されたブロック上に配置される。中空の中心チューブはプラスチックの
挿入物を含み、流体中のスルーホールが中空ファイバの内側の層と連絡する。中
空ファイバ束をシェルに挿入する前に、はめ込まれる端部がグリセリンに浸され
る。グリセリンはファイバをぬらし、エポキシがファイバのルーメン又はファイ
バの側面に吸い込まれないようにする。グリセリンの使用は、ポットが再現可能
であることを保証する。
【0116】 次に構造物が予め形成されたブロックの内部に挿入され、中心ロッドエポキシ
充填孔が十分なエポキシで充填され、エポキシをスルーホールを通してファイバ
束の内部に送り込み、予め定められた高さのポットを形成する。次に外側の層の
エポキシ充填孔がエポキシで同じ高さまで充填される。
【0117】実施例6 この実施例は、本発明の5層モジュールを提供する。図9及び表4を参照のこ
と。このモジュールは、実施例4のCorsep社の薄膜と同じ特性を多く有する実験
的なポリエーテルスルホン中空ファイバを使用した。しかし、この薄膜は実験的
な薄膜のままなので、オートクレービングに耐えられない。
【0118】 5層モジュールを製造し、次に複数の5層モジュールを1つのハウジングで結
合することが、プロセス規模のモジュールのために最も望ましいように決定され
た。実際、パイロットバッチに対する単一の5層モジュールの使用は、拡張を非
常に容易にする。
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 湾曲した流体通路中のDean渦の従来技術の概念である。
【図2】 湾曲した流体通路中の軸方向及び横方向のずり速度である。
【図3】 本発明の多層化されたモジュールの内側の層及び外側の層の異なる流速である
【図4】 本発明のモジュールを製造するために使用されるグラフである。
【図5】 本発明のモジュールを製造するために使用されるグラフである。
【図6】 本発明のモジュールを製造するために使用されるグラフである。
【図7】 本発明の多様なモジュールである。
【図8】 本発明の11層フィルタの性能を示すグラフである。
【図9】 複数のマンドレルユニットから成る本発明のモジュールである。
【図10】 巻角の決定で使用する図である。
【図11】 本発明のモジュールをはめ込むために使用する装置の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG ,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,T J,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN ,YU,ZA,ZW (72)発明者 スティーブン ドゼンゲレスキ アメリカ合衆国 02174 マサチューセッ ツ、アーリントン、フォックス メドウ レイン 20 (72)発明者 ラルフ クリール アメリカ合衆国 02116 マサチューセッ ツ、ボストン、ダートマス ストリート 330、アパートメント 2エヌ Fターム(参考) 4D006 GA02 GA03 GA06 GA35 HA02 HA08 JA02A MA01 MC62 PB09 PB12 PB52 PB55 PB62 PC45

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分離モジュールで使用するための多層コイル状中空ファイバ
    束であって、前記束が、 複数のコイル状中空ファイバから成り、それにより前記複数の中空ファイバが
    少なくとも2つの層をつくり出すように配置され、前記束がハウジングに収容さ
    れ、Dean渦がつくり出されるような特定の速度の流体にさらされるとき、前記束
    の各層が特定の出力性能を提供するように設計されていることを特徴とする多層
    コイル状中空ファイバ束。
  2. 【請求項2】 前記束がハウジングに収容され、Dean渦がつくり出されるよ
    うな特定の速度の流体にさらされるとき、少なくとも2つの層が実質的に同等な
    出力性能を有することを特徴とする、請求項1に記載の多層コイル状中空ファイ
    バ束。
  3. 【請求項3】 前記束の中の全ての中空ファイバが実質的に同一の構造及び
    ポリマ組成を有することを特徴とする、請求項1に記載の多層コイル状中空ファ
    イバ束。
  4. 【請求項4】 前記束の中の全ての中空ファイバが実質的に同一の組成を有
    することを特徴とする、請求項1に記載の多層コイル状中空ファイバ束。
  5. 【請求項5】 中空ファイバの中の前記少なくとも2つの各層が、前記中空
    ファイバの外径及び内径、ファイバの数、前記ファイバを巻き付ける角度、及び
    前記ファイバの長さを含む1組の変数により特徴づけられ、それにより、前記束
    がハウジングに収容され、Dean渦がつくり出されるような特定の速度の流体にさ
    らされるとき、各層が他の層と実質的に同等に動作するように前記束の少なくと
    も2つの層の変数が選択されることを特徴とする、請求項3に記載の多層コイル
    状中空ファイバ束。
  6. 【請求項6】 中空ファイバの中の前記少なくとも2つの各層が、ファイバ
    の数、前記ファイバを巻き付ける角度、及び前記ファイバの長さを含む1組の変
    数により特徴づけられ、それにより、前記束がハウジングに収容され、Dean渦が
    つくり出されるような特定の速度の流体にさらされるとき、各層が他の層と実質
    的に同等に動作するように前記束の各層の変数が選択されることを特徴とする、
    請求項4に記載の多層コイル状中空ファイバ束。
  7. 【請求項7】 中空ファイバの中の前記少なくとも2つの各層が、まわりに
    前記ファイバ束が巻かれるマンドレルの長さ、マンドレルの直径、及び各層に対
    する中空ファイバの数を含む1組の変数により特徴づけられることを特徴とする
    、請求項1に記載の多層コイル状中空ファイバ束。
  8. 【請求項8】 各層に対して選択されるファイバの数が、ファイバ間のギャ
    ップの最小化次第であることを特徴とする、請求項7に記載の多層コイル状中空
    ファイバ束。
  9. 【請求項9】 前記ファイバが使用されるモジュールの中の前記ファイバの
    充填密度を最大にするように前記ファイバが配置されることを特徴とする、請求
    項1に記載の多層コイル状中空ファイバ束。
  10. 【請求項10】 前記束が濾過モジュールの一部であることを特徴とする、
    請求項1に記載の多層コイル状中空ファイバ束。
  11. 【請求項11】 前記束がマンドレルのまわりに巻かれることを特徴とする
    、請求項10に記載の多層コイル状中空ファイバ束。
  12. 【請求項12】 単一層のコイル状中空ファイバ束から直接拡張可能な多層
    コイル状中空ファイバ束を製造するための方法であって、前記束は分離モジュー
    ルで使用され、 ハウジングに収容され、Dean渦がつくり出される特定の速度の流体にさらされ
    る単一層のコイル状中空ファイバ束から性能パラメータを決定し、 前記束が濾過モジュールの一部であり、前記特定の速度の流体にさらされると
    き、追加の各層が第1の層と実質的に同等に働くように、追加の各層に対する変
    数の必要な値を決定し、及び 前記決定された変数を取り入れる多層化されたコイル状中空ファイバ束を製造
    することから成ることを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 前記性能パラメータがアルゴリズム的に決定されることを
    特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記性能パラメータが実験的に決定されることを特徴とす
    る、請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記変数が前記中空ファイバの外径及び内径、前記層に対
    するファイバの数、前記ファイバを巻き付ける角度、及び前記ファイバの長さを
    含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記変数が前記層に対するファイバの数、マンドレルの長
    さ、及びマンドレルの直径をを含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法
  17. 【請求項17】 5層から成る前記束が製造されることを特徴とする、請求
    項12に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記ファイバが使用されるモジュールの中の前記ファイバ
    の充填密度を最大にするように前記ファイバが配置されることを特徴とする、請
    求項12に記載の方法。
  19. 【請求項19】 Dean渦を生成するのに適した多層分離モジュールを製造す
    るための方法であって、 予め定められた直径及び長さを有するマンドレルを選択し、 予め定められた内径(ID)及び外径(OD)を有する中空ファイバを選択し
    、 層を形成するための多数の中空ファイバを選択し、 前記ファイバが前記マンドレルのまわりに巻かれる巻角を選択し、 コイル状中空ファイバの層を形成するように、前記ファイバを前記マンドレル
    のまわりに予め選択された角度で巻き、 測定可能な粘度及びずり速度を有する流体の測定可能な速度に適用される一定
    の性能パラメータを有する前記モジュールの第1の層を製造するように、前記巻
    かれたファイバの長さを前記マンドレルの長さに合わせ、及び 後続の各層の一定の性能パラメータが前記第1の層の一定の性能パラメータと
    実質的に同一であるように、前記ファイバの長さ、前記ファイバの数、及び後続
    の層の巻角を調節することから成る方法。
  20. 【請求項20】 前記多層モジュールの2つの端部をはめ込むことを更に含
    むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 少なくとも1つの多層モジュールをハウジングに挿入する
    ことを更に含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  22. 【請求項22】 既知のずり速度、及びDean渦をつくり出す予め定められた
    速度の流体が濾過されるとき、推定された出力性能を提供するように設計された
    単一層コイル状中空ファイバ分離モジュールであって 前記中空ファイバが前記中空ファイバの外径及び内径、ファイバの数、前記フ
    ァイバを巻き付ける角度、及び前記ファイバの長さを含む1組の変数により特徴
    づけられる、コイル状中空ファイバの層、及び ハウジングから成ることを特徴とする単一層コイル状中空ファイバ分離モジュ
    ール。
  23. 【請求項23】 予め定められた変数で前記ファイバが巻かれるマンドレル
    を更に含み、これらの変数がマンドレルの長さ、及びマンドレルの直径を含むこ
    とを特徴とする、請求項22に記載の単一層コイル状中空ファイバ分離モジュー
    ル。
  24. 【請求項24】 各層に対して選択されたファイバの数が、前記ファイバ間
    のギャップの最小化次第であることを特徴とする、請求項22に記載の単一層コ
    イル状中空ファイバ分離モジュール。
  25. 【請求項25】 前記ファイバが充填密度を最大にするように配置されるこ
    とを特徴とする、請求項22に記載の単一層コイル状中空ファイバ分離モジュー
    ル。
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