JP2002528046A - 新規レセプタースーパーファミリー分子およびそれについての用途 - Google Patents

新規レセプタースーパーファミリー分子およびそれについての用途

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JP2002528046A JP2000528724A JP2000528724A JP2002528046A JP 2002528046 A JP2002528046 A JP 2002528046A JP 2000528724 A JP2000528724 A JP 2000528724A JP 2000528724 A JP2000528724 A JP 2000528724A JP 2002528046 A JP2002528046 A JP 2002528046A
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strife1
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バスフイールド,サマンサ・ジエイ
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ミレニアム・フアーマシユーチカルズ・インコーポレーテツド
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Abstract

(57)【要約】 新規STRIFE1およびSTRIFE2のポリペプチド、タンパク質および核酸分子が開示される。単離された完全長のSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク質に加え、本発明は、単離されたSTRIFE1およびSTRIFE2の融合タンパク質、抗原性ペプチドおよび抗STRIFE1もしくはSTRIFE2抗体をさらに提供する。本発明は、STRIFE1およびSTRIFE2核酸分子、本発明の核酸分子を含有する組換え発現ベクター、当該発現ベクターが導入されている宿主細胞、ならびにSTRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子が導入もしくは分裂されている非ヒトトランスジェニック動物もまた提供する。本発明の組成物を利用する診断、スクリーニングおよび治療方法もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) タンパク質の腫瘍壊死因子レセプター(TNFR)スーパーファミリーは12
を上回るメンバーを包含し、その大部分はそれらのN末端のシステイン豊富なド
メイン(CRD)中に保存されたシステイン豊富な反復配列(CRR)の存在に
より関係のあるタイプI膜貫通タンパク質である。TNFRスーパーファミリー
のメンバーは、TNFR1(p55)、TNFR2(p75)、TNFR3(T
NF−RP)、Fas(CD95およびApo1としてもまた知られる)、OX
−40、41−BB、CD40、CD30、CD27、OPGおよびp75 N
GFRを包含する(スミス(Smith)ら(1993)Cell 76:95
9−962;アルミタージュ(Armitage,R.J.)(1994)Cu
rr.Opin.Immunol.6:407−413;グルス(Gruss)
ら(1995)Blood 85、3378−3404;ベイカー(Baker
)ら(1996)Oncogene 12:1−9;およびシモネ(Simon
et)ら(1997)Cell 89:309−319)。TNFRスーパーフ
ァミリーの一メンバーは、典型的には膜結合された三量体もしくは多量体の複合
体であり、これは個々のサブユニットのメンバーのシステイン豊富なドメイン間
で形成されるシステイン内ジスルフィド結合を介して安定化される(バナー(B
anner)ら(1993)Cell 73:431−445)。当該タンパク
質それら自身は固有の触媒活性を有さず、むしろ、それらは他のタンパク質との
会合を介して機能して細胞シグナルを伝達する。
【0002】 機能性のTNFRスーパーファミリーのタンパク質は可溶性の形態でもまた存
在し得る。このスーパーファミリーの可溶性のバージョンは、コグネイトのリガ
ンドを結合し、そして生物学的利用能に影響を与える。例えば、オステオプロテ
ゲリンタンパク質ファミリーは可溶性タンパク質として存在する。(シモネ(S
imonet)ら(1997)Cell 89:309−319。)TNFRの
多くの可溶性の形態が同定されている。ある種の可溶性TNFRは狼瘡およびリ
ウマチ性関節炎のような疾患状態で上昇される。(ギャベイ(Gabay)ら(
1997)J.Rheumatol.24(2):303−308。)可溶性の
スーパーファミリーのメンバーは、タンパク質性切断もしくは少なくとも一例で
は選択的スプライシングのいずれかにより、スーパーファミリーのメンバーの大
多数に特徴的な膜貫通ドメインを欠く(グルス(Gruss)ら(1995)B
lood 85、3378−3404。) (発明の要約) 本発明は、少なくとも部分的に、本明細書で「STRIFE」核酸およびタン
パク質分子と称されるTNFレセプタースーパーファミリーの新規分子の発見に
基づく。「STRIFE」核酸分子の2種のスプライス形態が同定され、そして
本明細書で「STRIFE1」および「STRIFE2」核酸およびタンパク質
分子と称される。本発明のSTRIFE1およびSTRIFE2分子は、多様な
細胞の過程の調節における調節剤として有用である。従って、一局面において、
本発明は、STRIFE1およびSTRIFE2タンパク質もしくはそれらの生
物学的に活性の部分をコードする単離された核酸分子、ならびにSTRIFE1
およびSTRIFE2をコードする核酸の検出のためのプライマーもしくはハイ
ブリダイゼーションプローブとして適する核酸フラグメントを提供する。
【0003】 一態様において、STRIFE1核酸分子は、配列番号1、配列番号3、配列
番号4に示されるヌクレオチド配列もしくはその相補物に最低約60%、65%
、70%、71%、75%、80%、85%、90%、95%、98%もしくは
それ以上相同である。なお別の態様において、STRIFE2核酸分子は、配列
番号5、配列番号7、配列番号8に示されるヌクレオチド配列もしくはその相補
物に最低約60%、65%、70%、71%、75%、80%、85%、90%
、95%、98%もしくはそれ以上相同である。好ましい一態様において、単離
されたSTRIFE1核酸分子は、配列番号3に示されるヌクレオチド配列もし
くはその相補物を有する。別の態様において、STRIFE1核酸分子は配列番
号1のヌクレオチド1−106をさらに含んで成る。なお別の好ましい態様にお
いて、STRIFE1核酸分子は配列番号1のヌクレオチド751−981をさ
らに含んで成る。別の好ましい態様において、単離されたSTRIFE1核酸分
子は配列番号1に示されるヌクレオチド配列を有する。
【0004】 別の好ましい態様において、単離されたSTRIFE2核酸分子は、配列番号
7に示されるヌクレオチド配列もしくはその相補物を有する。別の態様において
、STRIFE2核酸分子は配列番号5のヌクレオチド1−109をさらに含ん
で成る。なお別の好ましい態様において、STRIFE2核酸分子は配列番号5
のヌクレオチド562−655をさらに含んで成る。別の好ましい態様において
、単離されたSTRIFE2核酸分子は配列番号5に示されるヌクレオチド配列
を有する。
【0005】 別の態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2核酸分子は、それ
ぞれ配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列に十分に相同なアミノ酸配列
を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を包含する。別の好ましい態
様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2核酸分子は、それぞれ配列
番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列に60%、65%、70%、75%、
80%、85%、86%、90%、95%、98%もしくはそれ以上相同なアミ
ノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸配列を包含する。
【0006】 別の態様において、本発明の単離された核酸分子は、システイン豊富なドメイ
ン、場合によってはシグナル配列を包含しかつ膜結合されるSTRIFE1タン
パク質をコードする。別の態様において、本発明の単離された核酸分子は、シグ
ナル配列およびシステイン豊富なドメイン(ここでシステイン豊富なドメインは
最低1個のモジュールを含んで成る)を包含しかつ膜結合されるSTRIFE1
タンパク質をコードする。なお別の態様において、STRIFE1核酸分子はS
TRIFE1タンパク質をコードしかつ天然に存在するヌクレオチド配列である
【0007】 別の態様において、本発明の単離された核酸分子は、システイン豊富なドメイ
ン、場合によってはシグナル配列を包含しかつ分泌されるSTRIFE2タンパ
ク質をコードする。別の態様において、本発明の単離された核酸分子は、シグナ
ル配列およびシステイン豊富なドメイン(ここでシステイン豊富なドメインは最
低1個のモジュールを含んで成る)を包含しかつ分泌されるSTRIFE2タン
パク質をコードする。なお別の態様において、STRIFE2核酸分子はSTR
IFE2タンパク質をコードしかつ天然に存在するヌクレオチド配列である。
【0008】 本発明の別の態様は、非STRIFE1もしくは非STRIFE2タンパク質
をコードする核酸分子に関してそれぞれSTRIFE1もしくはSTRIFE2
核酸分子を特異的に検出するSTRIFE1もしくはSTRIFE2核酸分子を
特徴とする。例えば、一態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2
核酸分子は、ストリンジェントな条件下で、それぞれ、配列番号1に示されるヌ
クレオチド配列のヌクレオチド107−751、1−16、413−602もし
くは711−981、または配列番号5に示されるヌクレオチド配列のヌクレオ
チド110−562、1−16、416−489もしくは519−655を含ん
で成る核酸分子にハイブリダイズする。別の態様において、STRIFE1もし
くはSTRIFE2核酸分子は、長さが最低450ヌクレオチドであり、そして
、ストリンジェントな条件下でそれぞれ配列番号1もしくは配列番号5に示され
るヌクレオチド配列、またはその相補物を含んで成る核酸分子にハイブリダイズ
する。
【0009】 本発明の別の態様は、STRIFE1もしくはSTRIFE2核酸分子のコー
ディング鎖にアンチセンスである単離された核酸分子を提供する。
【0010】 本発明の別の局面は、STRIFE1もしくはSTRIFE2核酸分子を含ん
で成るベクターを提供する。ある態様において、ベクターは組換え発現ベクター
である。別の態様において、本発明は本発明のベクターを含有する宿主細胞を提
供する。本発明はまた、それぞれSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパ
ク質を産生するように組換え発現ベクターを含有する本発明の宿主細胞を適する
培地中で培養することによる、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク
質の産生方法も提供する。
【0011】 本発明の別の局面は、単離されたもしくは組換えのSTRIFE1もしくはS
TRIFE2のタンパク質およびポリペプチドを特徴とする。一態様において、
単離されたSTRIFE1タンパク質は、システイン豊富なドメイン、場合によ
ってはシグナル配列を有し、そして膜結合される。別の態様において、単離され
たSTRIFE2タンパク質は、システイン豊富なドメイン、場合によってはシ
グナル配列を有し、そして分泌される。なお別の態様において、単離されたST
RIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質は、それぞれ配列番号2もしくは
配列番号6のアミノ酸配列に十分に相同なアミノ酸配列を有する。好ましい一態
様において、STRIFE1タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列に最低約
60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、90%、95%、
98%もしくはそれ以上相同なアミノ酸配列を有する。別の好ましい態様におい
て、STRIFE2タンパク質は、配列番号6のアミノ酸配列に最低約60%、
65%、70%、75%、80%、85%、86%、90%、95%、98%も
しくはそれ以上相同なアミノ酸配列を有する。別の態様において、STRIFE
1もしくはSTRIFE2タンパク質は、それぞれ配列番号2もしくは配列番号
6のアミノ酸配列を有する。
【0012】 本発明の別の態様は、配列番号1のヌクレオチド配列もしくはその相補物に最
低約60%相同なヌクレオチド配列を有する核酸分子によりコードされる、単離
されたSTRIFE1タンパク質を特徴とする。本発明の別の態様は、配列番号
5のヌクレオチド配列もしくはその相補物に最低約60%相同なヌクレオチド配
列を有する核酸分子によりコードされる、単離されたSTRIFE2タンパク質
を特徴とする。本発明は、さらに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション
条件下で、それぞれ配列番号1もしくは配列番号5のヌクレオチド配列またはそ
の相補物を含んで成る核酸分子にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する
核酸分子によりコードされる単離されたSTRIFE1もしくはSTRIFE2
タンパク質を特徴とする。
【0013】 本発明のSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク質もしくはそれらの生
物学的に活性の部分は、STRIFE1およびSTRIFE2融合タンパク質を
形成するように、非STRIFE1および非STRIFE2ポリペプチドに効果
をもたらして連結することができる。本発明は、さらに、モノクローナルもしく
はポリクローナル抗体のようなSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク質
を特異的に結合する抗体を特徴とする。加えて、STRIFE1およびSTRI
FE2タンパク質もしくはそれらの生物学的に活性の部分は、場合によっては製
薬学的に許容できる担体を包含する製薬学的組成物に組み込み得る。
【0014】 別の局面において、本発明は、STRIFE1およびSTRIFE2の核酸分
子、タンパク質もしくはポリペプチドの存在が生物学的サンプル中で検出される
ように、その生物学的サンプルを、STRIFE1およびSTRIFE2の核酸
分子、タンパク質もしくはポリペプチドを検出することが可能な作用物質と接触
させることによる、生物学的サンプル中でのSTRIFE1およびSTRIFE
2の発現の検出方法を提供する。
【0015】 別の局面において、本発明は、STRIFE1およびSTRIFE2の活性の
存在が生物学的サンプル中で検出されるように、その生物学的サンプルを、ST
RIFE1およびSTRIFE2の活性の指標を検出することが可能な作用物質
と接触させることによる、生物学的サンプル中でのSTRIFE1およびSTR
IFE2の活性の存在の検出方法を提供する。
【0016】 別の局面において、本発明は、細胞中のSTRIFE1および/もしくはST
RIFE2の活性が調節されるように、細胞をSTRIFE1および/もしくは
STRIFE2の活性を調節する作用物質と接触させることを含んで成る、ST
RIFE1およびSTRIFE2の活性の調節方法を提供する。一態様において
、当該作用物質はSTRIFE1および/もしくはSTRIFE2の活性を阻害
する。別の態様において、当該作用物質はSTRIFE1および/もしくはST
RIFE2の活性を刺激する。一態様において、当該作用物質は、STRIFE
1および/もしくはSTRIFE2タンパク質に特異的に結合する抗体である。
別の態様において、当該作用物質は、STRIFE1およびSTRIFE2遺伝
子の転写もしくはSTRIFE1およびSTRIFE2のmRNAの翻訳を調節
することにより、STRIFE1およびSTRIFE2の発現を調節する。なお
別の態様において、当該作用物質は、STRIFE1およびSTRIFE2のm
RNAもしくはSTRIFE遺伝子のコーディング鎖にアンチセンスであるヌク
レオチド配列を有する核酸分子である。
【0017】 一態様において、本発明の方法は、STRIFE1および/もしくはSTRI
FE2モジュレーターである作用物質を被験者に投与することにより、異常なS
TRIFE1および/もしくはSTRIFE2タンパク質もしくは核酸の発現ま
たは活性を特徴とする障害を有する被験者を治療するのに使用される。一態様に
おいて、STRIFE1およびSTRIFE2モジュレーターはそれぞれSTR
IFE1およびSTRIFE2タンパク質である。別の態様において、STRI
FE1もしくはSTRIFE2モジュレーターはそれぞれSTRIFE1もしく
はSTRIFE2核酸分子である。なお別の態様において、STRIFE1およ
びSTRIFE2モジュレーターは、ペプチド、ペプチド模倣物(peptidomimeti
c)もしくは他の小分子である。好ましい一態様において、異常なSTRIFE1
および/もしくはSTRIFE2タンパク質または核酸の発現を特徴とする障害
は、発生、分化、もしくは増殖性障害である。
【0018】 本発明はまた、(i)STRIFE1および/もしくはSTRIFE2タンパ
ク質をコードする遺伝子の異常な修飾もしくは突然変異;(ii)前記遺伝子の
誤った調節(mis-regulation);ならびに(iii)STRIFE1および/もし
くはSTRIFE2タンパク質の異常な翻訳後修飾の最低1種を特徴とする遺伝
子の変化の存在もしくは非存在を同定するための診断アッセイも提供し、ここで
、前記遺伝子の野生型の形態はそれぞれSTRIFE1およびSTRIFE2の
活性をもつタンパク質をコードする。
【0019】 別の局面において、本発明は、それぞれSTRIFE1および/もしくはST
RIFE2活性を有するSTRIFE1および/もしくはSTRIFE2タンパ
ク質を含んで成る指標組成物を提供すること、この指標組成物を試験化合物と接
触させること、そして指標組成物中のSTRIFE1もしくはSTRIFE2活
性に対する試験化合物の影響を測定してそれぞれSTRIFE1もしくはSTR
IFE2タンパク質の活性を調節する化合物を同定することによる、STRIF
E1もしくはSTRIFE2タンパク質に結合するもしくはその活性を調節する
化合物の同定方法を提供する。
【0020】 本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な記述および請求の範囲から明ら
かとなるであろう。
【0021】 (発明の詳細な記述) 本発明は、少なくとも部分的に、本明細書で「STRIFE1」および「ST
RIFE2」核酸およびタンパク質分子と称される新規TNFレセプターファミ
リーのメンバーの発見に基づく。TNFレセプターは、典型的には膜結合された
三量体もしくは多量体の複合体であり、これは個々のサブユニットのメンバーの
システイン豊富なドメインの間で形成されるシステイン内ジスルフィド結合を介
して安定化される(バナー(Banner)ら(1993)Cell 73:4
31−445)。機能性のTNFレセプターは可溶性の形態でもまた存在し得る
。このスーパーファミリーの可溶性のメンバーは、コグネイトのリガンドを結合
し、そして生物学的利用能に影響を与える。可溶性のスーパーファミリーのメン
バーは、タンパク質性切断もしくは少なくとも一例では選択的スプライシングの
いずれかにより、スーパーファミリーのメンバーの大多数に特徴的な膜貫通ドメ
インを欠く(グルス(Gruss)ら(1995)Blood 85、3378
−3404。) TNFレセプターは腫瘍壊死因子(TNF)のシグナル伝達の唯一の媒介物質
である。TNFは、独立にもしくは他の因子とともに作用して多様な異なった身
体機能に影響を及ぼすことが可能であるサイトカインである。インビトロで、T
NFは、形質転換された細胞の殺傷、顆粒球および繊維芽細胞の刺激、内皮細胞
に対する損傷、ならびに駆虫効果を包含する多様な生物学的効果を有する。イン
ビボで、TNFは、炎症、免疫および宿主防御機能の内在性媒介物質として重要
な役割を演じている。加えて、TNFは多様な新生物疾患の状態である役割を演
じている。
【0022】 TNFレセプターに対する相同性を有する本発明のSTRIFE1およびST
RIFE2分子は、TNFシグナル伝達に関与するTNFレセプターでもまたあ
ることができる。従って、本発明のSTRIFE1およびSTRIFE2分子は
、炎症、免疫および宿主防御機能の媒介においてある役割を演じているかも知れ
ない。加えて、本発明のSTRIFE1およびSTRIFE2分子は、多様な新
生物疾患の状態である役割を演じているかも知れない。従って、STRIFE1
およびSTRIFE2分子は、TNF関連障害およびTNFレセプター関連障害
を治療するための新規診断および治療薬の開発のための標的として有用であるこ
とができる。
【0023】 本明細書で使用されるところの「TNF関連障害」および「TNFレセプター
関連障害」という用語は、異常なもしくは所望されないTNFもしくはTNFレ
セプター機能、または異常なもしくは所望されないTNFもしくはTNFレセプ
ターの水準、例えば血漿、組織もしくは細胞の水準もしくは濃度を伴ういずれか
の障害、疾患もしくは状態を包含する。TNF関連障害およびTNFレセプター
関連障害の例は、悪液質を包含する敗血症症候群;急性もしくは慢性の細菌感染
から生じる循環虚脱およびショック;細菌、ウイルスおよび真菌の感染を包含す
る急性および慢性の寄生性もしくは感染性の過程;全身性エリテマトーデスおよ
びリウマチ性関節炎のような急性および慢性の免疫および自己免疫の病状;アル
コール誘発性肝炎;サルコイドーシスおよびクローン病のような慢性の炎症性の
病状;播種性血管内凝固のような血管の炎症性の病状;移植片対宿主の病状;ラ
ワサキ(Rawasaki)病;TNF分泌性腫瘍を伴う悪性の病状;脳マラリ
ア;ならびに多発性硬化症を包含するがしかしこれらに制限されない。
【0024】 本発明のタンパク質および核酸分子を指す場合の「ファミリー」という用語は
、共通の構造ドメインを有しかつ本明細書で定義されるような十分なアミノ酸も
しくはヌクレオチド配列の相同性を有する2種もしくはそれ以上のタンパク質も
しくは核酸分子を意味することを意図される。こうしたファミリーのメンバーは
天然に存在する可能性があり、また、同一種もしくは異なる種のいずれかからで
あり得る。例えば、あるファミリーはヒト起源の第一のタンパク質、ならびにヒ
ト起源の他の別個のタンパク質を含有し得るか、あるいは非ヒト起源の相同物を
含有し得る。あるファミリーのメンバーは共通の機能的特徴もまた有していてよ
い。
【0025】 一態様において、STRIFE1およびSTRIFE2ファミリーのメンバー
は、そのタンパク質もしくは対応する核酸分子中の最低1個の「システイン豊富
なドメイン」の存在に基づいて同定される。本明細書で使用されるところの「シ
ステイン豊富なドメイン」という用語は、その最低約10〜30、好ましくは約
10〜20、そしてより好ましくは約12、13、14もしくは15のアミノ酸
残基がシステイン残基である、長さが約110〜160アミノ酸残基、好ましく
は長さが約100〜150アミノ酸残基、より好ましくは長さが約90〜140
アミノ酸残基、そしてなおより好ましくは長さが最低約80〜130アミノ酸残
基のタンパク質ドメインを指す。好ましい一態様において、システイン豊富なド
メインはSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク質のN末端領域に配置さ
れ、そしてそれぞれ配列番号2および配列番号6のおよそアミノ酸残基34から
114を包含する。好ましいシステイン豊富なドメインは、少なくとも約2、3
もしくは4個のモジュールもしくはモチーフを含有し、ここで各モジュールは長
さが約20〜60アミノ酸残基、好ましくは長さが30〜50アミノ酸残基、よ
り好ましくは長さが40アミノ酸残基の領域であり、そして約3〜10個のシス
テイン、好ましくは5〜7個のシステイン、そしてより好ましくは6個のシステ
インを包含する。一態様において、このモジュールは以下のモチーフ、すなわち
C−Xaa1(4−14)−C−Xaa2(0−2)−C−Xaa3(2−4)
−C−Xaa4(6−12)−C−Xaa5(6−10)−C(配列番号17)
を有し、上式中、「C」はアミノ酸システインであり、そして「Xaa1〜Xa
a5」はいずれかのアミノ酸残基であり得る。好ましい一態様において、Xaa
1は4〜6、6〜8、8〜10、10〜12もしくは12〜14アミノ酸残基の
間であり;Xaa4は6〜8、8〜10もしくは10〜12アミノ酸残基の間で
あり;そしてXaa5は6〜8もしくは8〜10アミノ酸残基の間である。別の
好ましい態様において、Xaa1は4〜6アミノ酸残基であり、その最低1個が
アミノ酸フェニルアラニンであり、最低1個がアミノ酸チロシンであり、そして
/もしくは最低1個がアミノ酸ヒスチジンである。なお別の好ましい態様におい
て、Xaa5は6〜10アミノ酸残基であり、その最低1個がアミノ酸アスパラ
ギン酸であり、最低1個がアミノ酸アスパラギンであり、最低1個がアミノ酸グ
ルタミン酸であり、最低1個がアミノ酸グルタミンであり、最低1個がアミノ酸
セリンであり、最低1個がアミノ酸リシンであり、そして/もしくは最低1個が
アミノ酸プロリンである。別の態様において、当該モジュールは以下のモチーフ
、すなわち C−Xaa1(4,6)−FYH−Xaa2(5,10)−C−Xaa3(0,
2)−C−Xaa4(2,3)−C−Xaa5(7,11)−C−Xaa6(4
,6)−DNEQSKP−Xaa7(2)−C(配列番号16) を有する。
【0026】 例えば、一態様において、STRIFE1タンパク質は、前述のモチーフによ
り示される位置に6個のシステイン残基を有する、配列番号2のおよそアミノ酸
34−72(配列番号11として別個に示される)を含有する第一のモジュール
、および、前述のモチーフにより示される位置に6個のシステイン残基を有する
配列番号2のおよそアミノ酸75−114(配列番号12として別個に示される
)を含有する第二のモジュール、を包含する1個のシステイン豊富なドメインを
含有する。別の態様において、STRIFE2タンパク質は、前述のモチーフに
より示される位置に6個のシステイン残基を有する配列番号6のおよそアミノ酸
34−72(配列番号14として別個に示される)を含有する第一のモジュール
、および、前述のモチーフにより示される位置に6個のシステイン残基を有する
配列番号6のおよそアミノ酸75−114(配列番号15として別個に示される
)を含有する第二のモジュール、を包含する1個のシステイン豊富なドメインを
含有する。
【0027】 本発明の別の態様において、STRIFE1およびSTRIFE2タンパク質
は最低1個のシステイン豊富なドメインおよび1個のシグナル配列を有する。本
明細書で使用されるところの「シグナル配列」は、分泌性タンパク質および内在
性膜タンパク質のN末端に存在しそして多数の疎水性アミノ酸残基を含有する、
約20アミノ酸を含有するペプチドを指す。例えば、あるシグナル配列は、最低
約14〜28アミノ酸残基、好ましくは約16〜26アミノ酸残基、より好まし
くは約18〜24アミノ酸残基、そしてより好ましくは約20〜22アミノ酸残
基を含有し、かつ、最低約40〜70%、好ましくは約50〜65%、そしてよ
り好ましくは約55〜50%の疎水性アミノ酸残基(例えば、アラニン、バリン
、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンもし
くはプロリン)を有する。当該技術分野で「シグナルペプチド」ともまた称され
るこうした「シグナル配列」は、こうした配列を含有するタンパク質を脂質二重
層に向けるのに役立つ。例えば、一態様において、STRIFE1タンパク質は
配列番号2のおよそアミノ酸1−29(配列番号9として別個に示される)のシ
グナル配列を含有する。別の態様において、STRIFE2タンパク質は配列番
号6のおよそアミノ酸1−29(配列番号13として別個に示される)のシグナ
ル配列を含有する。
【0028】 従って、本発明の一態様は、最低1個のシステイン豊富なドメインを有するS
TRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質を特徴とする。別の態様は、最
低1個のシステイン豊富なドメインを有するSTRIFE1もしくはSTRIF
E2タンパク質を特徴とし、ここで、システイン豊富なドメインは配列番号16
と予測されたモチーフを有する最低1個のモジュールを包含する。別の態様は、
最低1個のシステイン豊富なドメインを有するSTRIFE1もしくはSTRI
FE2タンパク質を特徴とし、ここで、システイン豊富なドメインは最低2個の
モジュールを包含する。別の態様は、本発明のSTRIFE1もしくはSTRI
FE2タンパク質のシステイン豊富なドメインに対する20、30、40、50
、60、70、80、90、95もしくは99%の相同性を有するタンパク質を
特徴とする。
【0029】 本発明のなお別の態様は、最低1個のシステイン豊富なドメインおよび1個の
シグナルペプチドを有するSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質を
特徴とする。別の態様は、最低1個のシステイン豊富なドメインおよび1個のシ
グナルペプチドを有するSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質を特
徴とし、ここでシステイン豊富なドメインは配列番号16と予測されたモチーフ
を有する最低1個のモジュールを包含する。
【0030】 本発明のなお別の態様において、STRIFE1タンパク質は1個の膜貫通ド
メインを有する。本明細書で使用されるところの「膜貫通ドメイン」という用語
は、原形質膜にわたる1個の疎水性ヘリックスを包含する構造的アミノ酸モチー
フを指す。膜貫通ドメインは、好ましくは、ロイシン、バリンおよびチロシン残
基のような一連の疎水性残基を包含する。例えば、STRIFE1タンパク質は
、配列番号2のアミノ酸169−193(配列番号10として別個に示される)
を含有する膜貫通ドメインを含有する。
【0031】 本発明の好ましいSTRIFE1もしくはSTRIFE2分子は、それぞれ配
列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列に十分に相同なアミノ酸配列を有す
る。本明細書で使用されるところの「十分に相同な」という用語は、第一および
第二のアミノ酸もしくはヌクレオチド配列が共通の構造ドメインおよび/もしく
は共通の機能的活性を共有するように、十分なもしくは最小限の数の第二のアミ
ノ酸もしくはヌクレオチド配列に同一もしくは同等な(例えば類似の側鎖を有す
るアミノ酸残基)アミノ酸残基もしくはヌクレオチドを含有する、第一のアミノ
酸もしくはヌクレオチド配列を指す。例えば、当該ドメインのアミノ酸配列にわ
たって最低約40%の相同性、好ましくは50%の相同性、より好ましくは60
%〜70%の相同性を有する共通の構造ドメインを共有しかつ最低1、好ましく
は2、より好ましくは3、そしてなおより好ましくは4、5もしくは6個の構造
ドメインを含有するアミノ酸もしくはヌクレオチド配列は、本明細書で十分に相
同と定義される。さらに、最低40%、好ましくは50%、より好ましくは60
、70もしくは80%の相同性を共有しかつ共通の機能的活性を共有するアミノ
酸もしくはヌクレオチド配列が、本明細書で十分に相同と定義される。
【0032】 本明細書で互換可能に使用されるところの「STRIFE1およびSTRIF
E2活性」、「STRIFE1およびSTRIFE2の生物学的活性」もしくは
「STRIFE1およびSTRIFE2の機能的活性」は、標準的技術に従って
インビボもしくはインビトロで決定されるような、STRIFE1もしくはST
RIFE2応答性細胞上でSTRIFE1およびSTRIFE2のタンパク質、
ポリペプチドもしくは核酸分子により発揮される活性を指す。一態様において、
STRIFE1およびSTRIFE2活性はSTRIFE1もしくはSTRIF
E2の標的分子との会合のような直接活性である。本明細書で使用されるところ
の「標的分子」は、STRIFE1もしくはSTRIFE2媒介性の機能が達成
されるように、それとSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク質が事実上
結合するもしくはそれと相互作用する分子である。STRIFE1もしくはST
RIFE2標的分子は、非STRIFE1および非STRIFE2分子、または
本発明のSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質もしくはポリペプチ
ドであり得る。例示的一態様において、STRIFE2標的分子は、膜結合タン
パク質(例えば「STRIFE2レセプター」)、もしくは当該タンパク質が可
溶性であるように変えられている(例えば当該タンパク質が膜結合ドメインを発
現しないように組換え的に産生された)こうしたタンパク質の改変された一形態
である。別の態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2標的は第二
の可溶性タンパク質分子(例えば「STRIFE1もしくはSTRIFE2結合
パートナー」または「STRIFE1およびSTRIFE2の基質」)である。
こうした例示的一態様において、STRIFE1およびSTRIFE2結合パー
トナーは、可溶性の非STRIFE1および非STRIFE2タンパク質、また
は本発明の第二のSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク質分子であり得
る。あるいは、STRIFE1およびSTRIFE2の活性は、第二のタンパク
質(例えばSTRIFE1のリガンドもしくはSTRIFE2のレセプター)と
のSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク質の相互作用により媒介される
細胞のシグナル伝達活性のような間接的活性である。
【0033】 好ましい一態様において、STRIFE1活性は以下の活性、すなわち(i)
細胞表面上のSTRIFE1タンパク質の同一細胞の表面上の第二の非STRI
FE1タンパク質分子との相互作用;(ii)細胞表面上のSTRIFE1タン
パク質の異なる細胞の表面上の第二の非STRIFE1タンパク質分子との相互
作用;(iii)膜結合されたSTRIFE1タンパク質とサイトカイン、例え
ばTNFとの間の複合体形成;(iv)SH2ドメイン含有タンパク質もしくは
細胞骨格タンパク質を包含する細胞内タンパク質とのSTRIFE1タンパク質
の相互作用;(v)STRIFE1様タンパク質との同種多量体のシグナル伝達
複合体の形成;および(vi)他のTNFRスーパーファミリーのタンパク質と
の異種多量体のシグナル伝達複合体の形成、の最低1種もしくはそれ以上である
【0034】 別の好ましい態様において、STRIFE2活性は以下の活性、すなわち(i
)膜結合されたSTRIFE2レセプターとのSTRIFE2タンパク質の相互
作用;(ii)可溶性の形態のSTRIFE2レセプターとのSTRIFE2タ
ンパク質の相互作用;(iii)膜結合されたSTRIFE2レセプターを介す
る細胞内タンパク質とのSTRIFE2タンパク質の相互作用;(iv)可溶性
のSTRIFE2タンパク質と第二の可溶性のSTRIFE2結合パートナーと
の間の複合体形成;(v)可溶性のTRIFE2タンパク質と第二の可溶性のS
TRIFE2結合パートナーとの間の複合体形成であって、ここでSTRIFE
2の結合パートナーが非STRIFE2タンパク質分子である;および(vi)
可溶性のSTRIFE2タンパク質と第二の可溶性のSTRIFE2結合パート
ナーとの間の複合体形成であって、ここでSTRIFE2結合パートナーは第二
のSTRIFE2タンパク質分子である、の最低1種もしくはそれ以上である。
【0035】 なお別の好ましい態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2活性
は、以下の活性、すなわち(i)インビトロもしくはインビボのいずれかの細胞
の情報伝達の調節;(ii)インビトロもしくはインビボのいずれかでの発生も
しくは分化に関与する細胞での遺伝子転写の調節;(iii)細胞の情報伝達の
調節;(iv)細胞増殖の調節;(v)細胞分化の調節および(vi)細胞の生
存の調節、の最低1種もしくはそれ以上である。
【0036】 従って、本発明の別の態様は、それぞれSTRIFE1および/もしくはST
RIFE2活性を有する単離されたSTRIFE1およびSTRIFE2のタン
パク質およびポリペプチドを特徴とする。好ましいSTRIFE1およびSTR
IFE2タンパク質は最低1個のシステイン豊富なドメインならびにSTRIF
E1および/もしくはSTRIFE2の活性を有する。別の好ましい態様におい
て、STRIFE1およびSTRIFE2タンパク質は最低1個のシステイン豊
富なドメインを有し、ここでシステイン豊富なドメインは最低1個のモジュール
、ならびにそれぞれSTRIFE1およびSTRIFE2の活性を含んで成る。
別の好ましい態様において、STRIFE1およびSTRIFE2タンパク質は
最低1個のシステイン豊富なドメインを有し、ここでシステイン豊富なドメイン
は最低2個のモジュール、ならびにそれぞれSTRIFE1およびSTRIFE
2の活性を含んで成る。なお別の好ましい態様において、STRIFE1および
STRIFE2タンパク質は1個のシグナル配列をさらに含んで成る。さらに別
の好ましい態様において、STRIFE1およびSTRIFE2タンパク質は、
1個のシステイン豊富なドメイン、STRIFE1およびSTRIFE2の活性
、ならびにそれぞれ配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列に十分に相同
なアミノ酸配列を有する。
【0037】 長さがおよそ981ヌクレオチドであるマウスのSTRIFE1のcDNAは
長さがおよそ214アミノ酸残基であるタンパク質をコードする。マウスのST
RIFE1タンパク質は、N末端のシグナル配列、および2個のモジュールを含
んで成る1個のシステイン豊富なドメインを含有する。1種のSTRIFE1の
システイン豊富なドメインは、少なくとも例えば配列番号2のおよそアミノ酸3
4−114から見出され得る。STRIFE1のシステイン豊富なドメインは、
配列番号2のおよそアミノ酸34−72からの第一のモジュール(配列番号11
として別個に示される)および配列番号2のおよそアミノ酸75−114からの
第二のモジュール(配列番号12として別個に示される)を含んで成る。マウス
のSTRIFE1タンパク質は、配列番号2のおよそアミノ酸169−193(
配列番号10として別個に示される)に1個の膜貫通ドメイン、および配列番号
2のおよそアミノ酸1−29(配列番号9として別個に示される)に1個のシグ
ナル配列を含有する膜結合タンパク質である。こうしたシグナルペプチドの予測
は、例えば、コンピュータアルゴリズムSIGNALP(ヘンリック(Henr
ik)ら (1997)Protein Engineering 10:1−
6)を利用してなされ得る。
【0038】 長さがおよそ655ヌクレオチドであるマウスのSTRIFE2のcDNAは
、長さがおよそ150アミノ酸残基であるタンパク質をコードする。マウスのS
TRIFE2タンパク質は、N末端のシグナル配列、および2個のモジュールを
含んで成る1個のシステイン豊富なドメインを含有する。1種のSTRIFE2
のシステイン豊富なドメインは少なくとも例えば配列番号6のおよそアミノ酸3
4−114から見出され得る。STRIFE2のシステイン豊富なドメインは、
配列番号6のおよそアミノ酸34−72からの第一のモジュール(配列番号14
として別個に示される)および配列番号6のおよそアミノ酸75−114からの
第二のモジュール(配列番号15として別個に示される)を含んで成る。マウス
のSTRIFE2タンパク質は、配列番号6のおよそアミノ酸1−29(配列番
号13として別個に示される)に1個のシグナル配列をさらに含有する分泌性タ
ンパク質である。
【0039】 本発明の多様な局面が以下のサブセクションにさらに詳細に記述される。すな
わち I.単離された核酸分子 本発明の一局面は、STRIFE1およびSTRIFE2タンパク質もしくは
その生物学的に活性の部分をコードする単離された核酸分子、ならびに、STR
IFE1およびSTRIFE2をコードする核酸(例えばSTRIFE1および
STRIFE2のmRNA)を同定するためのハイブリダイゼーションプローブ
としての使用に十分な核酸フラグメント、ならびにSTRIFE1およびSTR
IFE2核酸分子の増幅もしくは突然変異のためのPCRプライマーとしての使
用のためのフラグメントに関する。本明細書で使用されるところの「核酸分子」
という用語は、DNA分子(例えばcDNAもしくはゲノムDNA)およびRN
A分子(例えばmRNA)、ならびにヌクレオチド類似物を使用して生じられる
DNAもしくはRNAの類似物を包含することを意図される。核酸分子は一本鎖
もしくは二本鎖であり得るが、しかし好ましくは二本鎖DNAである。
【0040】 「単離された」核酸分子は、その核酸分子の天然の供給源中に存在する他の核
酸分子から分離されるものである。好ましくは、「単離された」核酸は、それか
ら当該核酸が生じられる生物体のゲノムDNA中で当該核酸に天然に隣接する配
列(すなわち、当該核酸の5’および3’端に配置される配列)を含まない。例
えば、多様な態様において、単離されたSTRIFE1およびSTRIFE2核
酸分子は、それから当該核酸が生じられる細胞のゲノムDNA中で当該核酸分子
に天然に隣接する約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kbもし
くは0.1kb未満のヌクレオチド配列を含有し得る。さらに、cDNA分子の
ような「単離された」核酸分子は、組換え技術により産生される場合に他の細胞
素材もしくは培養培地を本質的に含まないことができるか、または化学的に合成
される場合は化学的前駆物質もしくは他の化学物質を本質的に含まないことがで
きる。
【0041】 本発明の核酸分子、例えば配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5
、配列番号7もしくは配列番号8のヌクレオチド配列もしくはその一部分を有す
る核酸分子は、標準的分子生物学技術および本明細書に提供される配列情報を使
用して単離され得る。ハイブリダイゼーションプローブとして配列番号1、配列
番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7もしくは配列番号8の核酸配列の
全部もしくは一部分を使用すれば、STRIFE1およびSTRIFE2の核酸
分子を、標準的なハイブリダイゼーションおよびクローニングの技術(例えば、
サンブルック(Sambrook,J.)、フリッチュ(Fritsh,E.F
.)とマニアティス(Maniatis,T.)Molecular Clon
ing: A Laboratory Manual.第2版、コールド スプ
リング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbor L
aboratory)、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレ
ス(Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s)、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー、1989に記述されるよう
な)を使用して単離し得る。
【0042】 さらに、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7もし
くは配列番号8の全部もしくは一部分を包含する核酸分子は、配列番号1、配列
番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7もしくは配列番号8の配列に基づ
いて設計された合成のオリゴヌクレオチドプライマーを使用するポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)により単離し得る。
【0043】 本発明のある核酸は、標準的なPCR増幅技術に従って、鋳型および適切なオ
リゴヌクレオチドプライマーとしてcDNA、mRNA、あるいはゲノムDNA
を使用して増幅することができる。そのように増幅された核酸を適切なベクター
中にクローン化し得、そしてDNA配列分析により特徴づけることができる。さ
らに、STRIFE1およびSTRIFE2のヌクレオチド配列に対応するオリ
ゴヌクレオチドは、標準的合成技術により、例えば自動DNA合成機を使用して
製造することができる。
【0044】 好ましい一態様において、本発明の単離された核酸分子は配列番号1に示され
るヌクレオチド配列を含んで成る。配列番号1の配列はマウスのSTRIFE1
のcDNAに対応する。このcDNAはマウスのSTRIFE1タンパク質をコ
ードする配列(すなわち「コーディング領域」、ヌクレオチド107から751
)、ならびに5’非翻訳配列(ヌクレオチド1ないし106)および3’非翻訳
配列(ヌクレオチド752−981)を含んで成る。あるいは、当該核酸分子は
配列番号1のコーディング領域(例えばヌクレオチド107−751、配列番号
3に対応する)のみを含むことができる。
【0045】 別の好ましい態様において、本発明の単離された核酸分子は配列番号5に示さ
れるヌクレオチド配列を含んで成る。配列番号5の配列はマウスのSTRIFE
2のcDNAに対応する。このcDNAは、マウスのSTRIFE2タンパク質
をコードする配列(すなわち「コーディング領域」、ヌクレオチド110から5
62)、ならびに5’非翻訳配列(ヌクレオチド1−109)および3’非翻訳
配列(ヌクレオチド563−655)を含んで成る。あるいは、当該核酸分子は
配列番号5のコーディング領域(例えばヌクレオチド110−562、配列番号
7に対応する)のみを含むことができる。
【0046】 別の好ましい態様において、本発明の単離された核酸分子は、配列番号1、配
列番号3、配列番号4、配列番号5,配列番号7もしくは配列番号に示されるヌ
クレオチド配列、またはこれらのヌクレオチド配列のいずれかの一部分の相補物
である核酸分子を含んで成る。配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号
5、配列番号7もしくは配列番号8に示されるヌクレオチド配列に相補的である
核酸分子は、それが配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番
号7もしくは配列番号8に示されるヌクレオチド配列にハイブリダイズしてそれ
により安定な二重鎖を形成し得るように、配列番号1、配列番号3、配列番号4
、配列番号5、配列番号7もしくは配列番号8に示されるヌクレオチド配列に十
分に相補的であるものである。
【0047】 さらに別の好ましい態様において、本発明の単離された核酸分子は、配列番号
1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7もしくは配列番号8に示
されるヌクレオチド配列、または450bpより大きなこれらのヌクレオチド配
列のいずれかの一部分に最低約60%、65%、70%、71%、75%、80
%、85%、90%、95%、98%もしくはそれ以上相同であるヌクレオチド
配列を含んで成る。
【0048】 さらに、本発明の核酸分子は、配列番号1の核酸配列の一部分、もしくは配列
番号5、例えばSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の生物学的に
活性の部分をコードするプローブもしくはプライマーもしくはフラグメントとし
て使用し得るフラグメントのみを含むことができる。マウスのSTRIFE1お
よびSTRIFE2遺伝子のクローニングから決定されたヌクレオチド配列は、
他の細胞型中の、例えば他の組織からのSTRIFE相同物、ならびにヒトを包
含する他の哺乳動物からのSTRIFE相同物の同定および/もしくはクローニ
ングでの使用のため設計されるプローブおよびプライマーの発生を見込む。この
プローブ/プライマーは、典型的には本質的に精製されたオリゴヌクレオチドを
含んで成る。このオリゴヌクレオチドは、典型的には、ストリンジェントな条件
下で、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7もしくは
配列番号8のセンス配列、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、
配列番号7もしくは配列番号8のアンチセンス配列、または配列番号1、配列番
号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7もしくは配列番号8の天然に存在す
る突然変異体の最低約12、好ましくは約25、より好ましくは約40、50も
しくは75の連続するヌクレオチドにハイブリダイズするヌクレオチド配列の一
領域を含んで成る。例示的一態様において、本発明の核酸分子は、ストリンジェ
ントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1のヌクレオチド1−16、
413−602もしくは711−981を含んで成る核酸分子、または配列番号
5のヌクレオチド1−16、416−489もしくは519−655を含んで成
る核酸分子にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んで成る。
【0049】 マウスのSTRIFE1およびSTRIFE2ヌクレオチド配列に基づくプロ
ーブは、同一もしくは相同なタンパク質をコードする転写物もしくはゲノム配列
を検出するのに使用することができる。好ましい態様において、このプローブは
それに結合された標識基をさらに含んで成り、例えば、この標識基は、放射性同
位元素、蛍光化合物、酵素、もしくは酵素の補助因子であり得る。こうしたプロ
ーブを、被験体からの細胞のサンプル中のSTRIFE1もしくはSTRIFE
2をコードする核酸の水準を測定すること、例えばSTRIFE1もしくはST
RIFE2のmRNAの水準を検出すること、またはゲノムのSTRIFE1も
しくはSTRIFE2遺伝子が突然変異もしくは欠失されているかどうかを決定
することによるような、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質を誤
って発現する細胞もしくは組織を同定するための診断的試験キットの一部として
使用し得る。
【0050】 「STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の生物学的に活性の部分
」をコードする核酸フラグメントは、STRIFE1もしくはSTRIFE2の
生物学的活性(STRIFE1およびSTRIFE2タンパク質の生物学的活性
はタンパク質のTNFRスーパーファミリーに帰される生物学的活性を包含する
)を有するポリペプチドをコードする配列番号1、配列番号3、配列番号4、配
列番号5、配列番号7もしくは配列番号8の一部分を単離すること、STRIF
E1もしくはSTRIFE2タンパク質のコードされた部分を(例えばインビト
ロの組換え発現により)発現すること、そしてSTRIFE1もしくはSTRI
FE2タンパク質のコードされた部分の活性を評価することにより製造し得る。
【0051】 本発明は、さらに、遺伝暗号の縮重により配列番号1、配列番号3、配列番号
4、配列番号5、配列番号7もしくは配列番号8に示されるヌクレオチド配列と
異なりそして従ってそれぞれ配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5
、配列番号7もしくは配列番号8に示されるヌクレオチド配列によりコードされ
るものと同一のSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質をコードする
核酸分子を包含する。別の態様において、本発明の単離された核酸分子は、配列
番号2もしくは配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコード
するヌクレオチド配列を有する。
【0052】 それぞれ配列番号1および配列番号5に示されるマウスのSTRIFE1およ
びSTRIFE2ヌクレオチド配列に加え、STRIFE1およびSTRIFE
2タンパク質のアミノ酸配列中の変化につながるDNA配列の多形が、ある集団
(例えばヒト集団)内に存在してもよいことを当業者は認識するであろう。ST
RIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子中のこうした遺伝子多形は、天然の対
立遺伝子変異により、ある集団内の個体間に存在してもよい。本明細書で使用さ
れるところの「遺伝子」および「組換え遺伝子」という用語は、STRIFE1
もしくはSTRIFE2タンパク質、好ましくは哺乳動物のSTRIFE1もし
くはSTRIFE2タンパク質をコードする1個の読取り枠を含んで成る核酸分
子を指す。こうした天然の対立遺伝子変異は、典型的には、STRIFE1もし
くはSTRIFE2遺伝子のヌクレオチド配列中で1〜5%の変動をもたらす。
天然の対立遺伝子変異の結果でありかつSTRIFE1もしくはSTRIFE2
タンパク質の機能的活性を変えない、STRIFE1もしくはSTRIFE2遺
伝子中のいずれかのおよび全部のこうしたヌクレオチドの変異ならびに生じるア
ミノ酸の多形は、本発明の範囲内にあることを意図される。
【0053】 さらに、他の種からのSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク質をコー
ドし、そして従って配列番号1および配列番号5のマウスの配列と異なるヌクレ
オチド配列を有する核酸分子は、本発明の範囲内にあることを意図される。
【0054】 本発明のSTRIFE1もしくはSTRIFE2のcDNAの天然の対立遺伝
子の変異体および相同物に対応する核酸分子は、ストリンジェントなハイブリダ
イゼーション条件下で標準的なハイブリダイゼーション技術に従い、ハイブリダ
イゼーションプローブとしてマウスのcDNAもしくはその一部分を使用して、
本明細書に開示されるマウスのSTRIFE1もしくはSTRIFE2核酸に対
するそれらの相同性に基づいて単離することができる。
【0055】 従って、別の態様において、本発明の単離された核酸分子は長さが最低15ヌ
クレオチドであり、そしてストリンジェントな条件下で、配列番号1、配列番号
3、配列番号4、配列番号5、配列番号7もしくは配列番号8のヌクレオチド配
列を含んで成る核酸分子にハイブリダイズする。別の態様において、当該核酸は
、長さが最低30、50、100、250もしくは500ヌクレオチドである。
本明細書で使用されるところの「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る」という用語は、その下で相互に最低60%相同なヌクレオチド配列が典型的
には相互にハイブリダイズしたままでとどまるハイブリダイゼーションおよび洗
浄の条件を記述することを意図される。好ましくは、当該条件は、相互に最低約
70%、より好ましくは最低約80%、なおより好ましくは最低約85%もしく
は90%相同な配列が典型的に相互にハイブリダイズしたままとどまるような条
件である。こうしたストリンジェントな条件は当業者に既知であり、そしてCu
rrent Protocols in Molecular Biology
、ジョン ワイリー アンド サンズ(John Wiely & Sons)
、ニューヨーク(1989)、6.3.1−6.3.6に見出され得る。ストリ
ンジェントなハイブリダイゼーション条件の好ましい制限しない一例は、約45
℃での6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのハイブリダイ
ゼーション、次いで50〜65℃での0.2×SSC、0.1%SDS中での1
回もしくはそれ以上の洗浄である。好ましくは、ストリンジェントな条件下で配
列番号1の配列にハイブリダイズする本発明の単離された核酸分子は、天然に存
在する核酸分子に対応する。本明細書で使用されるところの「天然に存在する」
核酸分子は、天然に存在するヌクレオチド配列を有する(例えば天然のタンパク
質をコードする)RNAもしくはDNA分子を指す。
【0056】 集団中に存在しうるSTRIFE1もしくはSTRIFE2配列の天然に存在
する対立遺伝子変異体に加え、当業者は、変化が、配列番号1もしくは配列番号
5のヌクレオチド配列中の突然変異により導入され、それによりSTRIFE1
もしくはSTRIFE2タンパク質の機能的能力を変えることなくコードされた
STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質のアミノ酸配列中の変化につ
ながる可能性があることをさらに認識するであろう。例えば、「非必須」アミノ
酸残基でのアミノ酸置換につながるヌクレオチド置換を、配列番号1もしくは配
列番号5の配列中で作成し得る。「非必須」アミノ酸残基は、生物学的活性を変
えることなくSTRIFE1もしくはSTRIFE2の野生型配列(例えば配列
番号2もしくは配列番号6の配列)から変えることができる残基である一方、「
必須」アミノ酸残基は生物学的活性に必要とされる。例えば、本発明のSTRI
FE1もしくはSTRIFE2タンパク質のあいだで保存されるアミノ酸残基は
、とりわけ変化に容易に従わないと予測される。さらに、STRIFE1もしく
はSTRIFE2タンパク質と、システイン豊富なドメインを有する他のタンパ
ク質との間で保存されているアミノ酸残基は、変化に容易に従うようではない。
【0057】 従って、本発明の別の局面は、活性に必須でないアミノ酸残基中に変化を含有
するSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質をコードする核酸分子に
関する。こうしたSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質は、アミノ
酸配列が配列番号2もしくは配列番号6と異なるが、それでもなお生物学的活性
を保持する。一態様において、単離された核酸分子はあるタンパク質をコードす
る核酸配列を含んで成り、ここでこのタンパク質は、配列番号2、配列番号6、
配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列
番号14もしくは配列番号15のアミノ酸配列に最低約60%相同なアミノ酸配
列を含んで成る。好ましくは、当該核酸分子によりコードされるタンパク質は、
配列番号2、配列番号6、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号
12、配列番号13、配列番号14もしくは配列番号15に最低約60%、65
%、70%、75%、80%、85%、86%、90%、95%、98%もしく
はそれ以上相同である。
【0058】 それぞれ配列番号2もしくは配列番号6のタンパク質に相同なSTRIFE1
もしくはSTRIFE2タンパク質をコードする単離された核酸分子は、1個も
しくはそれ以上のアミノ酸の置換、付加もしくは欠失がコードされるタンパク質
中に導入されるように、配列番号1、配列番号3、配列番号5もしくは配列番号
7のヌクレオチド配列中に1個もしくはそれ以上のヌクレオチドの置換、付加も
しくは欠失を導入することにより創製し得る。突然変異は、部位特異的突然変異
誘発およびPCR媒介性の突然変異誘発のような標準的技術により配列番号1、
配列番号3、配列番号5もしくは配列番号7中に導入することができる。好まし
くは、保存的アミノ酸置換が、1個もしくはそれ以上の予測される非必須アミノ
酸残基で作成される。「保存的アミノ酸置換」は、その中でアミノ酸残基が類似
の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられるものである。類似の側鎖を有する
アミノ酸残基のファミリーが当該技術分野で同定されている。これらのファミリ
ーは、塩基性側鎖(例えばリシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例え
ばアスパラギン酸、グルタミン酸)、荷電しない極性の側鎖(例えばグリシン、
アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非
極性側鎖(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェ
ニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝状側鎖(例えばトレオニ
ン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えばチロシン、フェニルアラ
ニン、トリプトファン、ヒスチジン)をもつアミノ酸を包含する。従って、ST
RIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質中の予測される非必須アミノ酸残
基は、好ましくは同一の側鎖のファミリーからの別のアミノ酸残基で置き換えら
れる。あるいは、別の態様において、突然変異を、飽和突然変異誘発(saturatio
n mutagenesis)によるようにSTRIFE1もしくはSTRIFE2のコーディ
ング配列の全部もしくは一部に沿って無作為に導入することができ、そして、結
果として生じる突然変異体を、STRIFE1もしくはSTRIFE2の生物学
的活性についてスクリーニングして活性を保持する突然変異体を同定し得る。配
列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7もしくは配列番号
8の突然変異誘発の後に、コードされたタンパク質を組換え的に発現させること
ができ、そしてタンパク質の活性を測定することができる。
【0059】 好ましい一態様において、突然変異体のSTRIFE1もしくはSTRIFE
2タンパク質を、(i)インビトロもしくはインビボのいずれかでの細胞の情報
伝達を調節する;(ii)インビトロもしくはインビボのいずれかで発生もしく
は分化に関与する細胞での遺伝子転写を調節する;(iii)細胞の情報伝達を
調節する;(iv)細胞の増殖を調節する;(v)細胞の分化を調節する;(v
i)細胞の生存を調節する;そして(vii)免疫応答に関与する細胞を調節す
る能力についてアッセイし得る。
【0060】 上述されたSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質をコードする核
酸分子に加えて、本発明の別の局面は、それに対しアンチセンスである単離され
た核酸分子に関する。「アンチセンス」核酸は、タンパク質をコードする「セン
ス」核酸に相補的、例えば二本鎖cDNA分子のコーディング鎖に相補的、もし
くはmRNA配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んで成る。従って、アン
チセンス核酸はセンス核酸に水素結合することが可能である。アンチセンス核酸
は、STRIFE1もしくはSTRIFE2コーディング鎖全体、またはその一
部分のみに相補的である可能性がある。一態様において、アンチセンス核酸分子
は、STRIFE1もしくはSTRIFE2をコードするヌクレオチド配列のコ
ーディング鎖の「コーディング領域」に対しアンチセンスである。「コーディン
グ領域」という用語は、アミノ酸残基に翻訳されるコドンを含んで成るヌクレオ
チド配列の領域を指す(例えば、マウスのSTRIFE1のコーディング領域は
配列番号3に対応し、また、マウスのSTRIFE2のコーディング領域は配列
番号7に対応する)。別の態様において、アンチセンス核酸分子は、STRIF
E1もしくはSTRIFE2をコードするヌクレオチド配列のコーディング鎖の
「非コーディング領域」にアンチセンスである。「非コーディング領域」という
用語は、アミノ酸に翻訳されないコーディング領域に隣接する5’および3’配
列を指す(すなわち、5’および3’非翻訳領域ともまた称される)。
【0061】 本明細書に開示されるSTRIFE1もしくはSTRIFE2をコードするコ
ーディング鎖の配列(例えば配列番号3もしくは配列番号7)を考えれば、本発
明のアンチセンス核酸は、ワトソンおよびクリックの塩基対形成の規則に従って
設計し得る。アンチセンス核酸分子は、STRIFE1もしくはSTRIFE2
のmRNAのコーディング領域全体に相補的であり得るが、しかし、より好まし
くは、STRIFE1もしくはSTRIFE2のmRNAのコーディングもしく
は非コーディング領域の一部分のみにアンチセンスであるオリゴヌクレオチドで
ある。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、STRIFE1もしくはS
TRIFE2のmRNAの翻訳開始部位を取り巻く領域に相補的であり得る。ア
ンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、長さが約5、10、15、20、2
5、30、35、40、45もしくは50ヌクレオチドであり得る。本発明のア
ンチセンス核酸は、当該技術分野で既知の手順を使用する化学合成および酵素的
連結反応を使用して構築し得る。例えば、アンチセンス核酸(例えばアンチセン
スオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチド、または、当該分子の
生物学的安定性を増大させるように、もしくはアンチセンス核酸とセンス核酸と
の間で形成される二重鎖の物理的安定性を増大させるように設計された多様に改
変されたヌクレオチドを使用して化学的に合成し得、例えば、ホスホロチオエー
ト誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドを使用し得る。アンチセンス核酸を
生じさせるのに使用し得る改変ヌクレオチドの例は、5−フルオロウラシル、5
−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン
、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウ
ラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキ
シメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルキュ
ーオシン(queosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグ
アニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン
、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデ
ニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシア
ミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキューオシン、5’−メト
キシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6
−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシ
ン、プソイドウラシル、キューオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チ
オウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラ
シル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−
メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピ
ル)ウラシル、(acp3)wおよび2,6−ジアミノプリンを包含する。ある
いは、アンチセンス核酸は、その中に核酸がアンチセンスの向きでサブクローニ
ングされている発現ベクターを使用して生物学的に製造し得る(すなわち、挿入
された核酸から転写されるRNAは目的の標的核酸に対しアンチセンスの向きの
ものであることができる。以下のサブセクションにさらに記述される)。
【0062】 本発明のアンチセンス核酸分子は、典型的には、それらがSTRIFE1もし
くはSTRIFE2タンパク質をコードする細胞のmRNAおよび/もしくはゲ
ノムDNAとハイブリダイズするかもしくはそれに結合してそれにより例えば転
写および/もしくは翻訳を阻害することにより当該タンパク質の発現を阻害する
ように、被験体に投与されるか、もしくはインシトゥで生じられる。このハイブ
リダイゼーションは、安定な二重鎖を形成する慣習的なヌクレオチド相補性によ
ることができるか、もしくは、例えばDNA二重鎖に結合するアンチセンス核酸
分子の場合には二重らせんの大きい溝中の特異的相互作用によることができる。
本発明のアンチセンス核酸分子の投与経路の一例は組織部位での直接注入を包含
する。あるいは、アンチセンス核酸分子を、選択された細胞に標的を定めるよう
改変しそしてその後全身的に投与し得る。例えば、全身投与のためには、アンチ
センス分子を、例えば細胞表面のレセプターもしくは抗原に結合するペプチドも
しくは抗体にアンチセンス核酸分子を連結することにより、選択された細胞表面
上で発現されるレセプターもしくは抗原にそれらが特異的に結合するように改変
することができる。当該アンチセンス核酸分子はまた、本明細書に記述されるベ
クターを使用して細胞に送達することもできる。アンチセンス分子の十分な細胞
内濃度を達成するために、その中でアンチセンス核酸分子が強力なpol II
もしくはpol IIIプロモーターの制御下に置かれるベクター構築物が好ま
しい。
【0063】 なお別の態様において、本発明のアンチセンス核酸分子はα−アノマー核酸分
子である。α−アノマー核酸分子は相補的RNAと特異的二本鎖ハイブリッドを
形成し、その中では、通常のβ−ユニットに反して、鎖が相互に対し平行に走る
(ゴルティエ(Gaultier)ら(1987)Nucleic Acids
.Res.15:6625−6641)。このアンチセンス核酸分子は、2’−
o−メチルリボヌクレオチド(井上(Inoue)ら(1987)Nuclei
c Acids Res.15:6131−6148)もしくはキメラのRNA
−DNA類似物(井上(Inoue)ら(1987)FEBS Lett.21
5:327−330)もまた含む可能性がある。
【0064】 さらに別の態様において、本発明のアンチセンス核酸はリボザイムである。リ
ボザイムは、それに対しそれらが相補的領域を有するmRNAのような一本鎖核
酸を切断することが可能であるリボヌクレアーゼ活性をもつ触媒性RNA分子で
ある。従って、リボザイム(例えば、ハンマーヘッド型リボザイム(ハゼルホフ
(Haselhoff)とゲルラッハ(Gerlach)(1988)Natu
re 334:585−591に記述される))を、STRIFE1もしくはS
TRIFE2のmRNA転写物を触媒的に切断してそれによりSTRIFE1も
しくはSTRIFE2のmRNAの翻訳を阻害するのに使用し得る。STRIF
E1もしくはSTRIFE2をコードする核酸に対し特異性を有するリボザイム
は、本明細書に開示されるSTRIFE1もしくはSTRIFE2のcDNAの
ヌクレオチド配列(すなわち配列番号1,配列番号3、配列番号4,配列番号5
、配列番号7もしくは配列番号8)に基づいて設計することができる。例えば、
テトラヒメナ(Tetrahymena)のL−19 IVS RNAの誘導体
を構築することができ、その中で活性部位のヌクレオチド配列は、STRIFE
1もしくはSTRIFE2をコードするmRNA中で切断されるべきヌクレオチ
ド配列に相補的である。例えばチェック(Cech)ら 米国特許第4,987
,071号;およびチェック(Cech)ら 米国特許第5,116,742号
を参照されたい。あるいは、STRIFE1もしくはSTRIFE2のmRNA
を使用してRNA分子のプールから特定のリボヌクレアーゼ活性を有する触媒性
RNAを選択し得る。例えば、バーテル(Bartel,D.)とスゾスタク(
Szostak,J,W,)(1993)Science 261:1411−
1418を参照されたい。
【0065】 あるいは、STRIFE1もしくはSTRIFE2の遺伝子発現は、標的細胞
中でのSTRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子の転写を予防する三重らせ
ん構造を形成するように、STRIFE1もしくはSTRIFE2の調節領域(
例えば、STRIFE1もしくはSTRIFE2のプロモーターおよび/もしく
はエンハンサー)に相補的なヌクレオチド配列の標的を定めることにより阻害し
得る。一般に、ヘリーン(Helene,C.)(1991)Anticanc
er Drug Des.6(6):569−84;ヘリーン(Helene,
C.)ら(1992)Ann.N.Y.Acad.Sci.660:27−36
;およびマヘル(Maher,L.J.)(1992)Bioassays 1
4(12)807−15を参照されたい。
【0066】 なお別の態様において、本発明のSTRIFE1もしくはSTRIFE2核酸
分子を、例えば当該分子の安定性、ハイブリダイゼーションもしくは溶解性を改
良するように、塩基部分、糖部分もしくはリン酸骨格で改変することができる。
例えば、核酸分子のデオキシリボースリン酸骨格を、ペプチド核酸を生じさせる
ように改変することが可能である(ハイラップ(Hyrup B.)ら(199
6)Bioorganic & Medicinal Chemistry 4
(1):5−23を参照されたい)。本明細書で使用されるところの「ペプチド
核酸」もしくは「PNA」という用語は,その中でデオキシリボースリン酸骨格
が偽ペプチド基幹により置き換えられかつ4種の天然の核塩基(nucleobase)のみ
が保持される核酸模倣物(mimics)、例えばDNA模倣物を指す。PNAの中性の
骨格は、低イオン強度の条件下でDNAおよびRNAに対する特異的ハイブリダ
イゼーションを見込むことが示されている。PNAオリゴマーの合成は、ハイラ
ップ(Hyrup B.)ら(1996)上記;ペリー・オキーフ(Perry
−O’Keefe)ら PNAS 93:14670−675に記述されるよう
な標準的固相ペプチド合成プロトコルを使用して実施し得る。
【0067】 STRIFE1もしくはSTRIFE2核酸分子のPNAは治療および診断の
応用に使用することができる。例えば、PNAは、例えば転写もしくは翻訳の停
止の誘導または複製の阻害による遺伝子発現の配列特異的調節のためのアンチセ
ンスもしくはアンチジーン(antigene)作用物質として使用し得る。STRIFE
1もしくはSTRIFE2核酸分子のPNAは、遺伝子中の単一塩基対の突然変
異の分析(例えばPNAに向けられたPCRクランピングによる)で;他の酵素
(例えばS1ヌクレアーゼ(ハイラップ(Hyrup B.)(1996)上記
)と共同して使用される場合に「人工的制限酵素」として;またはDNAの配列
決定もしくはハイブリダイゼーションのためのプローブもしくはプライマーとし
て(ハイラップ(Hyrup B.)ら(1996)上記;ペリー・オキーフ(
Perry−O’Keefe)上記)もまた使用し得る。
【0068】 別の態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2のPNAを、PN
Aに親油性もしくは他のヘルパー基を結合することにより、PNA−DNAキメ
ラの形成により、またはリポソームもしくは当該技術分野で既知の薬物送達の他
の技術の使用により、(例えばそれらの安定性もしくは細胞の取り込みを高める
ように)改変し得る。例えば、STRIFE1もしくはSTRIFE2核酸分子
のPNA−DNAキメラを生じさせることが可能であり、これはPNAおよびD
NAの有利な特性を組み合わせることができる。こうしたキメラは、PNA部分
が高結合親和性および特異性を提供することができる一方で、DNA認識酵素(
例えば、RNアーゼHおよびDNAポリメラーゼ)をDNA部分と相互作用させ
る。PNA−DNAキメラは、塩基の積み重なり、核塩基の間の結合の数および
向きに関して選択された適切な長さのリンカーを使用して連結し得る(ハイラッ
プ(Hyrup B.)(1996)上記)。PNA−DNAキメラの合成は、
ハイラップ(Hyrup B.)(1996)上記およびフィン(Finn P
.J.)ら(1996)Nucleic Acids Res.24(17)3
357−63に記述されるように実施し得る。例えば、DNA鎖を、標準的ホス
ホルアミダイトカップリングの化学を使用して固体支持体上で合成し得、そして
、改変されたヌクレオシド類似物、例えば5’−(4−メトキシトリチル)アミ
ノ−5’−デオキシチミジンホスホルアミダイトをPNAとDNAの5’端との
間として使用することができる(マグ(Mag,M.)ら(1989)Nucl
eic Acid Res.17:5973−88)。PNAモノマーをその後
、5’のPNAセグメントおよび3’のDNAセグメントをもつキメラ分子を生
じさせるように段階的様式で結合させる(フィン(Finn P.J.)ら(1
996)上記)。あるいは、キメラ分子は、5’DNAセグメントおよび3’P
NAセグメントを用いて合成し得る(ペテルサー(Peterser,K.H.
)ら(1975)Bioorganic Med.Chem.Lett.5:1
119−11124)。
【0069】 他の態様において、オリゴヌクレオチドは、ペプチド(例えばインビボで宿主
細胞レセプターに標的を向けるために)、または、細胞膜(例えば、レツィンガ
ー(Letsinger)ら(1989)Proc.Natl.Acad.Sc
i.US.86:6553−6556;ルメートル(Lemaitre)ら(1
987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:648−65
2;1988年12月15日に公開されたPCT刊行物第WO88/09810
号を参照されたい)もしくは血液脳関門(例えば1988年4月25日に公開さ
れたPCT刊行物第WO89/10134号を参照されたい)を横断する輸送を
助長する作用物質のような他の付属する基を包含してよい。加えて、オリゴヌク
レオチドは、ハイブリダイゼーション誘発性の切断剤(例えば、クロル(Kro
l)ら(1988)BioTechniques 6:958−976を参照さ
れたい)もしくは挿入剤(例えばゾン(Zon)(1988)Pharm.Re
s.5:539−549を参照されたい)を用いて改変することが可能である。
この目的のため、オリゴヌクレオチドを別の分子(例えば、ペプチド、ハイブリ
ダイゼーション誘発性の架橋剤、輸送剤もしくはハイブリダイゼーション誘発性
の切断剤)に結合してよい。 II.単離されたSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク質ならびに抗S
TRIFE1およびSTRIFE2抗体 本発明の一局面は、単離されたSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク
質ならびにその生物学的に活性の部分、ならびに、抗STRIFE1およびST
RIFE2抗体を生じさせるための免疫原としての使用に適するポリペプチドフ
ラグメントに関する。一態様において、本来のSTRIFE1もしくはSTRI
FE2タンパク質は、標準的タンパク質精製技術を使用する適切な精製スキーム
により細胞もしくは組織の供給源から単離し得る。別の態様において、STRI
FE1もしくはSTRIFE2タンパク質は組換えDNA技術により生じられる
。組換え発現に代わり、STRIFE1もしくはSTRIFE2のタンパク質も
しくはポリペプチドを、標準的ペプチド合成技術を使用して化学的に合成し得る
【0070】 「単離された」もしくは「精製された」タンパク質、またはその生物学的に活
性の部分は、それからSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質が生じ
られる細胞もしくは組織の供給源からの細胞素材もしくは他の混入するタンパク
質を実質的に含まないか、または、化学的に合成される場合は化学的前駆物質も
しくは他の化学物質を本質的に含まない。「細胞素材を実質的に含まない」とい
う語法は、その中で当該タンパク質がそれからそれが単離もしくは組換え的に産
生される細胞の細胞成分から分離される、STRIFE1もしくはSTRIFE
2タンパク質の調製物を包含する。一態様において、「細胞素材を実質的に含ま
ない」という語法は、約30%(乾燥重量で)未満の非STRIFE1もしくは
STRIFE2タンパク質(本明細書で「混入タンパク質」ともまた称される)
、より好ましくは約20%未満の非STRIFE1もしくは非STRIFE2タ
ンパク質、さらにより好ましくは約10%未満の非STRIFE1もしくは非S
TRIFE2タンパク質、そして最も好ましくは約5%未満の非STRIFE1
もしくは非STRIFE2タンパク質を有するSTRIFE1もしくはSTRI
FE2タンパク質の調製物を包含する。STRIFE1もしくはSTRIFE2
タンパク質、またはその生物学的に活性の部分を組換え的に産生する場合は、そ
れはまた好ましくは培養培地を実質的に含まない、すなわち、培養培地は、タン
パク質調製物の体積の約20%未満、より好ましくは約10%未満、そして最も
好ましくは約5%未満に相当する。
【0071】 「化学的前駆物質もしくは他の化学物質を本質的に含まない」という語法は、
その中でタンパク質が化学的前駆物質もしくはそのタンパク質の合成に関与する
他の化学物質から分離されている、STRIFE1もしくはSTRIFE2タン
パク質の調製物を包含する。一態様において、「化学的前駆物質もしくは他の化
学物質を本質的に含まない」という語法は、約30%(乾燥重量で)未満の化学
的前駆物質または非STRIFE1もしくは非STRIFE2化学物質、より好
ましくは約20%未満の化学的前駆物質または非STRIFE1もしくは非ST
RIFE2化学物質、さらにより好ましくは約10%未満の化学的前駆物質また
は非STRIFE1もしくは非STRIFE2化学物質、そして最も好ましくは
約5%未満の化学的前駆物質または非STRIFE1もしくは非STRIFE2
化学物質を有するSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の調製物を
包含する。
【0072】 STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の生物学的に活性の部分は
、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質のアミノ酸配列に十分に相
同なもしくはそれ由来のアミノ酸配列、例えば、完全長のSTRIFE1もしく
はSTRIFE2タンパク質より少ないアミノ酸を包含しかつSTRIFE1も
しくはSTRIFE2タンパク質の最低1種の活性を示す、配列番号2もしくは
配列番号6に示されるアミノ酸配列を含んで成るペプチドを包含する。典型的に
は、生物学的に活性の部分は、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク
質の最低1種の活性をもつドメインもしくはモチーフを含んで成る。STRIF
E1もしくはSTRIFE2タンパク質の生物学的に活性の部分は、例えば長さ
が10、25、50、100もしくはそれ以上のアミノ酸であるポリペプチドで
あり得る。
【0073】 一態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の生物学
的に活性の部分は、最低1個のシステイン豊富なドメインを含んで成る。別の態
様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の生物学的に活
性の部分は最低1個のシステイン豊富なドメインを含んで成り、ここでこのシス
テインドメインは最低1個のモジュールを包含する。なお別の態様において、S
TRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の生物学的に活性の部分は最低
1個のシグナル配列を含んで成る。なおさらなる一態様において、STRIFE
1もしくはSTRIFE2タンパク質の生物学的に活性の部分は、最低1個のシ
ステイン豊富なドメインおよび1個のシグナル配列を含んで成る。
【0074】 代替の一態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の
生物学的に活性の部分は、シグナル配列を欠くSTRIFE1もしくはSTRI
FE2のアミノ酸配列を含んで成る。別の代替の態様において、STRIFE1
もしくはSTRIFE2タンパク質の生物学的に活性の部分は、システイン豊富
なドメインを欠くSTRIFE1もしくはSTRIFE2のアミノ酸配列を含ん
で成る。
【0075】 本発明のSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の好ましい生物学
的に活性の部分は、上で同定された構造ドメインの最低1種を含有してよいこと
が理解されるべきである。STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の
別の好ましい生物学的に活性の部分は、上で同定された構造ドメインの最低2種
を含有してよい。STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の別のより
好ましい生物学的に活性の部分は、上で同定された構造ドメインの最低3種もし
くはそれ以上を含有してよい。
【0076】 さらに、その中で当該タンパク質の他の領域が欠失される他の生物学的に活性
の部分を、組換え技術により製造し得、そして本来のSTRIFE1もしくはS
TRIFE2タンパク質の機能的活性の1種もしくはそれ以上について評価し得
る。
【0077】 好ましい一態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質
はそれぞれ配列番号2もしくは配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する。他
の態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質は配列番号
2もしくは配列番号6に本質的に相同であり、そしてそれぞれ配列番号2もしく
は配列番号6のタンパク質の機能的活性を保持するが、それでもなお上のサブセ
クションIに詳細に記述されたとおり、天然の対立遺伝子変異もしくは突然変異
誘発のためにアミノ酸配列が異なる。従って、別の態様において、STRIFE
1もしくはSTRIFE2タンパク質は、配列番号2もしくは配列番号6のアミ
ノ酸配列に最低約60%相同なアミノ酸配列を含んで成りかつ好ましくはそれぞ
れ配列番号2もしくは配列番号6のSTRIFE1もしくはSTRIFE2タン
パク質の機能的活性を保持するタンパク質である。好ましくは、当該タンパク質
は、配列番号2もしくは配列番号6に最低約70%相同、より好ましくは配列番
号2もしくは配列番号6に最低約80%相同、なおより好ましくは配列番号2も
しくは配列番号6に最低約90%相同、そして最も好ましくは配列番号2もしく
は配列番号6に最低約95%もしくはそれ以上相同である。
【0078】 2種のアミノ酸配列もしくは2種の核酸配列の同一性パーセントを決定するた
めには、当該配列を至適な比較の目的上整列する(例えば、ギャップを、至適な
整列のため第一および第二のアミノ酸もしくは核酸配列の一方もしくは双方に導
入することができ、そして非相同配列を比較の目的上無視することが可能である
)。好ましい一態様において、比較の目的上整列される参照配列の長さは、その
参照配列の長さの最低30%、好ましくは最低40%、より好ましくは最低50
%、なおより好ましくは最低60%、そしてなおより好ましくは最低70%、8
0%もしくは90%である(例えば、177アミノ酸残基を有する配列番号2も
しくは配列番号6のSTRIFE1もしくはSTRIFE2のアミノ酸配列に第
二の配列を整列する場合、最低80、好ましくは最低100、より好ましくは最
低120、なおより好ましくは最低140、そしてなおより好ましくは最低15
0、160もしくは170アミノ酸残基を整列させる)。対応するアミノ酸位置
もしくはヌクレオチド位置のアミノ酸残基もしくはヌクレオチドをその後比較す
る。第一の配列中のある位置が第二の配列中の対応する位置として同一のアミノ
酸残基もしくはヌクレオチドにより占められる場合には、その分子はその位置で
同一である(本明細書で使用されるところのアミノ酸もしくは核酸の「同一性」
は、アミノ酸もしくは核酸の「相同性」に同等である)。2種の配列の間の同一
性のパーセントは、ギャップの数を考慮に入れたそれらの配列により共有される
同一の位置の数、および2種の配列の至適な整列のために導入されることが必要
である各ギャップの長さの関数である。
【0079】 配列の比較および2種の配列の間の同一性のパーセントの決定は、数学的アル
ゴリズムを使用して達成することが可能である。好ましい一態様において、2種
のアミノ酸配列の間の同一性のパーセントは、ニードルマン(Needlema
n)とヴンシュ(Wunsch)(J.Mol.Biol.(48):444−
453(1970))のアルゴリズムを使用して決定され、これはGCGソフト
ウェアパッケージ(http://www.gcg.comで入手可能)中のG
APプログラムに組み込まれており、ブロッサム(Blossom)62マトリ
ックスもしくはPAM250マトリックスのいずれか、ならびに16、14、1
2、10、8、6もしくは4のギャップ重み(gap weight)および1、2、3、4
、5もしくは6の長さ重み(length weight)を使用する。なお別の好ましい態様
においては、2種のヌクレオチド配列の間の同一性のパーセントは、GCGソフ
トウェアパッケージ(http://www.gcg.comで入手可能)中の
GAPプログラムを使用して決定され、NWSgapdna.CMPマトリック
スならびに40、50、60、70もしくは80のギャップ重みおよび1、2、
3、4、5もしくは6の長さ重みを使用する。別の態様において、2種のアミノ
酸もしくはヌクレオチド配列の間の同一性のパーセントは、マイヤース(E.M
eyers)とミラー(W.Miller)のアルゴリズム(CABIOS、4
:11−17(1989))を使用して決定され、これは、ALIGNプログラ
ム(バージョン2.0)中に組み込まれており、PAM120重み残基表(weigh
t residue table)、12のギャップ長ペナルティ(gap length penalty)および4
のギャップペナルティ(gap penalty)を使用する。
【0080】 本発明の核酸およびタンパク質配列は、例えば他のファミリーのメンバーもし
くは関連配列を同定するため公的データベースに対して検索を実施するための「
疑問符配列(query sequence)」としてさらに使用し得る。こうした検索は、アル
チュル(Altschul)ら(1990)J.Mol.Biol.215:4
03−410のNBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0
)を使用して実施し得る。BLASTヌクレオチド検索は、本発明のSTRIF
E1もしくはSTRIFE2核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得るため、N
BLASTプログラム、スコア=100、語長=12を用いて実施し得る。BL
ASTタンパク質検索は、本発明のSTRIFE1もしくはSTRIFE2タン
パク質分子に相同なアミノ酸配列を得るため、XBLASTプログラム、スコア
=50、語長=3を用いて実施し得る。比較の目的上ギャップをつけられた整列
を得るためには、アルチュル(Altschul)ら(1997)Nuclei
c Acids Res.25(17):3389−3402に記述されるよう
なギャップト(Gapped)BLASTを利用し得る。BLASTおよびギャップトB
LASTプログラムを利用する場合には、それぞれのプログラム(例えばXBL
ASTおよびNBLAST)のデフォルトのパラメータを使用し得る。http
://www.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。
【0081】 本発明は、STRIFE1もしくはSTRIFE2のキメラもしくは融合タン
パク質もまた提供する。本明細書で使用されるところのSTRIFE1もしくは
STRIFE2の「キメラタンパク質」もしくは「融合タンパク質」は、非ST
RIFE1もしくは非STRIFE2ポリペプチドに効果をもたらして連結され
たSTRIFE1もしくはSTRIFE2ポリペプチドを含んで成る。「STR
IFE1もしくはSTRIFE2ポリペプチド」は、STRIFE1もしくはS
TRIFE2に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドを指す一方、「非S
TRIFE1もしくは非STRIFE2ポリペプチド」は、STRIFE1もし
くはSTRIFE2タンパク質に本質的に相同でないタンパク質、例えばSTR
IFE1もしくはSTRIFE2タンパク質と異なりかつ同一もしくは異なる生
物体由来であるタンパク質に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドを指す
。STRIFE1もしくはSTRIFE2融合タンパク質内で、STRIFE1
もしくはSTRIFE2ポリペプチドはSTRIFE1もしくはSTRIFE2
タンパク質の全部もしくは一部分に対応し得る。好ましい一態様において、ST
RIFE1もしくはSTRIFE2融合タンパク質は、STRIFE1もしくは
STRIFE2タンパク質の最低1個の生物学的に活性の部分を含んで成る。別
の好ましい態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2融合タンパク
質は、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の最低2個の生物学的
に活性の部分を含んで成る。別の好ましい態様において、STRIFE1もしく
はSTRIFE2融合タンパク質は、STRIFE1もしくはSTRIFE2タ
ンパク質の最低3個の生物学的に活性の部分を含んで成る。融合タンパク質内で
、「効果をもたらして連結される」という用語は、STRIFE1もしくはST
RIFE2ポリペプチドおよび非STRIFE1もしくは非STRIFE2ポリ
ペプチドが相互に同じ読み枠で融合されることを示すことを意図される。非ST
RIFE1もしくは非STRIFE2ポリペプチドは、STRIFE1もしくは
STRIFE2ポリペプチドのN末端もしくはC末端に融合され得る。
【0082】 例えば、一態様において、融合タンパク質はGST−STRIFE1もしくは
STRIFE2融合タンパク質であり、ここでSTRIFE1もしくはSTRI
FE2配列はGST配列のC末端に融合される。こうした融合タンパク質は組換
えSTRIFE1もしくはSTRIFE2の精製を助長し得る。別の態様におい
て、融合タンパク質はそのN末端に異種シグナル配列を含有するSTRIFE1
もしくはSTRIFE2タンパク質である。例えば、本来のSTRIFE1もし
くはSTRIFE2のシグナル配列(すなわち、配列番号2もしくは配列番号6
のおよそアミノ酸1−29)が除去されそして別のタンパク質からのシグナル配
列で置き換えられ得る。ある宿主細胞(例えば哺乳動物宿主細胞)においては、
STRIFE1もしくはSTRIFE2の発現および/もしくは分泌は、異種シ
グナル配列の使用により増大する可能性がある。
【0083】 なお別の態様において、融合タンパク質はSTRIFE1もしくはSTRIF
E2−免疫グロブリン融合タンパク質であり、ここで主にSTRIFE1もしく
はSTRIFE2のシステイン豊富なドメインを含んで成るSTRIFE1もし
くはSTRIFE2配列が、免疫グロブリンタンパク質ファミリーのメンバー由
来の配列に融合される。可溶性の誘導体もまた、免疫グロブリンの定常(Fc)
領域に融合された細胞表面糖タンパク質の細胞外ドメインより成る免疫グロブリ
ン遺伝子スーパーファミリー中の細胞表面糖タンパク質から作成されている(例
えば、ケイポン(Capon,D.J.)ら(1989)Nature 337
:525−531ならびにケイポン(Capon)米国特許第5,116,96
4号および米国特許第5,428,130号[CD4−IgG1構築物];リン
スレイ(Linsley,P.S.)ら(1991)J.Exp.Med.17
:721−730[CD28−IgG1構築物およびB7−1−IgG1構築
物];ならびにリンスレイ(Linsley,P.S.)ら(1991)J.E
xp.Med.174:561−569および米国特許第5,434,131号
[CTLA4−IgG1]を参照されたい)。こうした融合タンパク質は、レセ
プターとリガンドの相互作用を調節するために有用と判明している。腫瘍壊死因
子レセプター(TNFR)スーパーファミリーのタンパク質の細胞表面タンパク
質の可溶性の誘導体が、免疫グロブリンの定常(Fc)領域に融合された細胞表
面レセプターの細胞外ドメインより成り作成されている(例えば、モアランド(
Moreland)ら(1997)N.Engl.J.Med.337(3):
141−147;ファン・デル・ポル(van der Poll)ら(199
7)Blood 89(10):3727−3734;およびアマン(Amma
nn)ら(1997)J.Clin.Invest.99(7):1699−1
703を参照されたい)。
【0084】 本発明のSTRIFE1もしくはSTRIFE2−免疫グロブリン融合タンパ
ク質は、製薬学的組成物中に組み込まれ得、そして被験体に投与されて、STR
IFE1リガンドと細胞の表面上のSTRIFE1レセプターとの間、もしくは
STRIFE2レセプターとSTRIFE2リガンドとの間の相互作用を阻害し
て、それによりインビボでのSTRIFE1もしくはSTRIFE2媒介性の情
報伝達を抑制し得る。STRIFE1もしくはSTRIFE2−免疫グロブリン
融合タンパク質を、STRIFE1もしくはSTRIFE2のコグネイトのレセ
プターの生物学的利用性に影響を及ぼすのに使用し得る。STRIFE1もしく
はSTRIFE2リガンド/STRIFE1もしくはSTRIFE2の相互作用
の阻害は、TNF関連障害、例えば炎症、免疫もしくは腫瘍性障害の治療のため
治療上有用でありうる。さらに、本発明のSTRIFE1もしくはSTRIFE
2−免疫グロブリン融合タンパク質は、被験体中で抗STRIFE1もしくはS
TRIFE2抗体を産生させるため、STRIFE1もしくはSTRIFE2リ
ガンドを精製するため、そして、STRIFE1もしくはSTRIFE2リガン
ドとのSTRIFE1もしくはSTRIFE2の相互作用を阻害する分子を同定
するためのスクリーニングアッセイにおいて、免疫原として使用することができ
る。
【0085】 好ましくは、本発明のSTRIFE1もしくはSTRIFE2のキメラもしく
は融合タンパク質は、標準的組換えDNA技術により産生される。例えば、多様
なポリペプチド配列をコードするDNAフラグメントは、慣習的技術に従って、
例えば、平滑端もしくは付着端の末端をライゲーションに使用すること、適切な
末端を提供するための制限酵素消化、適切なような付着末端の埋込(filling-in)
、所望されない結合を回避するためのアルカリホスファターゼ処理、および酵素
的ライゲーションにより、同じ読み枠で一緒に連結される。別の態様において、
融合遺伝子は、自動DNA合成機を包含する慣習的技術により合成し得る。ある
いは、遺伝子フラグメントのPCR増幅を、2個の連続する遺伝子フラグメント
間に相補的オーバーハングを生じさせるアンカープライマーを使用して実施し得
、これがその後アニーリングかつ再増幅されてキメラ遺伝子配列を生じさせ得る
(例えば、Current Protocols in Molecular
Biology,アウスベル(Ausubel)ら編 ジョン ワイリー アン
ド サンズ(John Wiley & Sons):1992を参照されたい
)。さらに、すでに融合部分(例えばGSTポリペプチド)をコードしている多
くの発現ベクターが商業的に入手可能である。STRIFE1もしくはSTRI
FE2をコードする核酸は、融合部分がSTRIFE1もしくはSTRIFE2
タンパク質に同じ読み枠で連結されるように、こうした発現ベクター中にクロー
ン化され得る。
【0086】 本発明は、STRIFE1もしくはSTRIFE2アゴニスト(模倣物(mimet
ics))またはSTRIFE1もしくはSTRIFE2アンタゴニストのいずれか
として機能する、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の変異体に
もまた関する。STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の変異体は、
突然変異誘発、例えばSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の別個
の点突然変異もしくは短縮により生じさせ得る。STRIFE1もしくはSTR
IFE2タンパク質のアゴニストは、天然に存在する形態のSTRIFE1もし
くはSTRIFE2タンパク質の本質的に同一の生物学的活性もしくはそのサブ
セットを保持する可能性がある。STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパ
ク質のアンタゴニストは、例えばSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパ
ク質を包含する細胞のシグナル伝達カスケードの下流もしくは上流のメンバーに
競争的に結合することにより、天然に存在する形態のSTRIFE1もしくはS
TRIFE2タンパク質の活性の1種もしくはそれ以上を阻害し得る。従って、
特別の生物学的効果を、制限された機能の変異体での処理により導き出し得る。
一態様において、天然に存在する形態のタンパク質の生物学的活性のあるサブセ
ットを有する変異体での被験者の治療は、天然に存在する形態のSTRIFE1
もしくはSTRIFE2タンパク質での治療に関して、被験者でより少ない副作
用を有する。
【0087】 一態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2アゴニスト(模倣物
)またはSTRIFE1もしくはSTRIFE2アンタゴニストのいずれかとし
て機能するSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の変異体は、ST
RIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の突然変異体、例えば短縮突然変
異体の組み合わせ(combinatorial)ライブラリーを、STRIFE1もしくはS
TRIFE2タンパク質のアゴニストもしくはアンタゴニスト活性についてスク
リーニングすることにより同定し得る。一態様において、STRIFE1もしく
はSTRIFE2変異体の多彩なライブラリーは、核酸段階での組み合わせ突然
変異誘発により生じられ、かつ、多彩な遺伝子ライブラリーによりコードされる
。STRIFE1もしくはSTRIFE2変異体の多彩なライブラリーは、例え
ば、潜在的STRIFE1もしくはSTRIFE2配列の縮重組が別個のポリペ
プチドとして、あるいはその中にSTRIFE1もしくはSTRIFE2配列の
組を含有する一組のより大きな融合タンパク質(例えばファージディスプレイの
ため)として発現可能であるように、合成オリゴヌクレオチドの混合物を遺伝子
配列中に酵素的に連結することにより生じさせ得る。縮重オリゴヌクレオチド配
列から潜在的STRIFE1もしくはSTRIFE2変異体のライブラリーを生
じさせるのに使用し得る、多様な方法が存在する。縮重遺伝子配列の化学合成は
自動DNA合成機で実施し得、そして合成遺伝子がその後、適切な発現ベクター
中に連結され得る。遺伝子の縮重組の使用は、所望の組の潜在的STRIFE1
もしくはSTRIFE2配列をコードする配列の全部の一混合物中での供給を見
込む。縮重オリゴヌクレオチドの合成方法は当該技術分野で既知である(例えば
、ナラング(Narang,S.A.)(1983)Tetrahedron
39:3;板倉(Itakura)ら(1984)Annu.Rev.Bioc
hem.53:323;板倉(Itakura)ら(1984)Science
198:1056;池(Ike)ら(1983)Nucleic Acid
Res.11:477を参照されたい)。
【0088】 加えて,STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質のコーディング配
列のフラグメントのライブラリーを、STRIFE1もしくはSTRIFE2タ
ンパク質の変異体のスクリーニングおよびその後の選択のため、STRIFE1
もしくはSTRIFE2フラグメントの多彩な集団を生じさせるのに使用し得る
。一態様において、コーディング配列のフラグメントのライブラリーは、STR
IFE1もしくはSTRIFE2のコーディング配列の二本鎖PCRフラグメン
トを、分子あたり約1回のみニック形成が起こる条件下でヌクレアーゼで処理す
ること、二本鎖DNAを変性させること、DNAを再生させて異なるニックを入
れられた産物からのセンス/アンチセンス対を包含する可能性のある二本鎖DN
Aを形成させること、S1ヌクレアーゼでの処理により再形成された二重鎖から
一本鎖部分を除去すること、そして生じるフラグメントのライブラリーを発現ベ
クター中に連結することにより生じさせ得る。この方法により、多様な大きさの
STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質のN末端、C末端および内部
フラグメントをコードする発現ライブラリーを生じさせ得る。
【0089】 点突然変異もしくは短縮により作成された組み合わせライブラリーの遺伝子産
物をスクリーニングするため、また、選択された特性を有する遺伝子産物につい
てcDNAライブラリーをスクリーニングするためのいくつかの技術が、当該技
術分野で既知である。こうした技術は、STRIFE1もしくはSTRIFE2
タンパク質の組み合わせ突然変異誘発により生じられる遺伝子ライブラリーの迅
速スクリーニングに融通がきく。大きな遺伝子ライブラリーをスクリーニングす
るための、高スループット分析に敏感に反応する最も広範に使用される技術は、
典型的に、遺伝子ライブラリーを複製可能な発現ベクター中にクローン化するこ
と、ベクターの生じるライブラリーで適切な細胞を形質転換すること、そして所
望の活性の検出がその産物が検出された遺伝子をコードするベクターの単離を助
長する条件下で組み合わせ遺伝子を発現させること、を包含する。ライブラリー
中の機能的突然変異体の頻度を高める新たな技術、recrusive ens
emble mutagenesis(REM)を、STRIFE1もしくはS
TRIFE2変異体を同定するために、スクリーニングアッセイと共同して使用
し得る(アーキン(Arkin)とユルヴァン(Yourvan)(1992)
PNAS 89:7811−7815;デルグレイヴ(Delgrave)ら(
1993)Protein Engineering 6(3):327−33
1)。
【0090】 一態様において、細胞に基づくアッセイを、多彩なSTRIFE1もしくはS
TRIFE2ライブラリーを分析するのに活用し得る。例えば、発現ベクターの
ライブラリーを、STRIFE1もしくはSTRIFE2依存性の様式で特定の
リガンド、例えばサイトカインに通常に応答する細胞系にトランスフェクション
し得る。トランスフェクションされた細胞をその後リガンドと接触させ、そして
リガンドによるシグナル伝達に対する突然変異体の発現の影響を、例えばNF−
κB活性もしくは細胞の生存を測定することにより検出し得る。プラスミドDN
Aをその後、阻害あるいはサイトカイン誘導の強化について成功する(score)細
胞から回収し得、そして個々のクローンをさらに特徴づけ得る。
【0091】 単離されたSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質、またはその一
部分もしくはフラグメントを免疫原として使用して、ポリクローナルおよびモノ
クローナル抗体の調製のための標準的技術を使用してSTRIFE1もしくはS
TRIFE2を結合する抗体を生じさせ得る。完全長のSTRIFE1もしくは
STRIFE2タンパク質を使用することができるか、あるいは、本発明は、免
疫原としての使用のためのSTRIFE1もしくはSTRIFE2の抗原性ペプ
チドフラグメントを提供する。STRIFE1もしくはSTRIFE2の抗原性
ペプチドは、そのペプチドに対して生じられる抗体がSTRIFE1もしくはS
TRIFE2と特異的免疫複合体を形成するように、配列番号2もしくは配列番
号6に示されるアミノ酸配列の最低8アミノ酸残基を含んで成り、かつ、STR
IFE1もしくはSTRIFE2のエピトープを包含する。好ましくは、この抗
原性ペプチドは、最低10アミノ酸残基、より好ましくは最低15アミノ酸残基
、なおより好ましくは最低20アミノ酸残基、そして最も好ましくは最低30ア
ミノ酸残基を含んで成る。
【0092】 抗原性ペプチドにより包含される好ましいエピトープは、タンパク質の表面に
配置されるSTRIFE1もしくはSTRIFE2の領域、例えば疎水性領域で
ある。
【0093】 STRIFE1もしくはSTRIFE2免疫原は、典型的に、適する被験体(
例えば、ウサギ、ヤギ、マウスもしくは他の哺乳動物)を当該免疫原で免疫する
ことにより抗体を調製するのに使用される。適切な免疫原性調製物は、例えば組
換え的に発現されたSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質、または
化学的に合成されたSTRIFE1もしくはSTRIFE2ポリペプチドを含有
し得る。当該調製物は、フロイントの完全もしくは不完全アジュバントのような
アジュバント、または類似の免疫刺激剤をさらに包含し得る。免疫原性のSTR
IFE1もしくはSTRIFE2調製物での適する被験体の免疫は、ポリクロー
ナルの抗STRIFE1もしくはSTRIFE2抗体応答を誘導する。
【0094】 従って、本発明の別の局面は抗STRIFE1もしくはSTRIFE2抗体に
関する。本明細書で使用されるところの「抗体」という用語は、免疫グロブリン
分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性の部分、すなわちSTRIFE
1もしくはSTRIFE2のような抗原を特異的に結合する(それと免疫反応す
る)抗原結合部位を含有する分子を指す。免疫グロブリン分子の免疫学的に活性
の部分の例はF(ab)およびF(ab’)2フラグメントを包含し、これらは
抗体をペプシンのような酵素で処理することにより生じさせ得る。本発明はST
RIFE1もしくはSTRIFE2を結合するポリクローナルおよびモノクロー
ナル抗体を提供する。本明細書で使用されるところの「モノクローナル抗体」も
しくは「モノクローナル抗体組成物」という用語は、STRIFE1もしくはS
TRIFE2の特定のエピトープと免疫反応することが可能な抗原結合部位の1
種のみを含有する抗体分子の集団を指す。モノクローナル抗体組成物は、従って
、典型的に、それとそれが免疫反応する特定のSTRIFE1もしくはSTRI
FE2タンパク質に対する単一の結合親和性を示す。
【0095】 ポリクローナル抗STRIFE1もしくはSTRIFE2抗体は、STRIF
E1もしくはSTRIFE2免疫原を用いて適する被験体を免疫することにより
上述されるとおり製造し得る。免疫された被験体における抗STRIFE1もし
くはSTRIFE2抗体の力価は、固定されたSTRIFE1もしくはSTRI
FE2を使用する酵素免疫測定法(ELISA)を用いるような標準的技術によ
り時間にわたってモニターし得る。所望の場合は、STRIFE1もしくはST
RIFE2に対し向けられた抗体分子を哺乳動物から(例えば血液から)単離し
得、そしてIgG画分を得るためのプロテインAクロマトグラフィーのような公
知の技術によりさらに精製し得る。免疫感作後の適切な時間で、例えば抗STR
IFE1もしくはSTRIFE2抗体の力価が最高である場合に、抗体産生細胞
を被験体から得ることができ、そして、コーラー(Kohler)とミルシュタ
イン(Milstein)(1975)Nature 256:495−497
により元は記述されたハイブリドーマ技術(ブラウン(Brown)ら(198
1)J.Immunol.127:539−46;ブラウン(Brown)ら(
1980)J.Biol.Chem.255:4980−83;イェ(Yeh)
ら(1976)PNAS 76:2927−31:およびイェ(Yeh)(19
82)Int.J.Cancer 29:269−75もまた参照されたい)、
より最近のヒトB細胞ハイブリドーマ技術(コズボル(Kozbor)ら(19
83)Immunol Today 4:72)、EBVハイブリドーマ技術(
コール(Cole)ら(1985)、Monoclonal Antibodi
es and Cancer Therapy、アラン R.リス インク(A
lan R.Liss,Inc.)、pp.77−96)もしくはトリオーマ技
術のような標準的技術によりモノクローナル抗体を製造するのに使用し得る。モ
ノクローナル抗体ハイブリドーマを産生するための技術は公知である(一般にケ
ネス(R.H.Kenneth)、Monoclonal Antibodie
s: A New Dimension In Biological Ana
lyses、プレナム パブリッシング コープ(Plenum Publis
hing Corp.)、ニューヨーク州ニューヨーク(1980)中;ラーナ
ー(E.A.Lerner)(1981)Yale J.Biol.Med.、
54:387−402;ゲフター(M.L.Gefter)ら(1977)So
matic Cell Genet.3:231−36を参照されたい)。簡潔
には、不死細胞系(典型的には骨髄腫)を上述されたようなSTRIFE1もし
くはSTRIFE2免疫原で免疫された哺乳動物からのリンパ球(典型的には脾
細胞)に融合し、そして生じるハイブリドーマ細胞の培養上清をスクリーニング
してSTRIFE1もしくはSTRIFE2を結合するモノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマを同定する。
【0096】 リンパ球および不死化細胞系を融合するために使用される多くの公知のプロト
コルのいずれかを、抗STRIFE1もしくはSTRIFE2モノクローナル抗
体を生じさせる目的上、適用することができる(例えば、ガルフレ(G.Gal
fre)ら(1977)Nature 266:55052;ゲフター(Gef
ter)ら Somatic Cell Genet.、上記に引用された;ラ
ーナー(Lerner)、Yale J.Biol.Med.、上記に引用され
た;ケネス(Kenneth)、Monoclonal Antibodies
、上記に引用された、を参照されたい)。さらに、当業者は、また有用であると
みられるこうした方法の多くの変形物が存在することを認識するであろう。典型
的には、不死細胞系(例えば骨髄腫細胞系)はリンパ球と同一の哺乳動物種由来
である。例えば、マウスハイブリドーマは、本発明の免疫原性調製物で免疫され
たマウスからのリンパ球を不死化されたマウス細胞系と融合することにより作成
し得る。好ましい不死細胞系は、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジ
ンを含有する培養培地(「HAT培地」)に感受性であるマウス骨髄腫細胞系で
ある。多数の骨髄腫細胞系のいずれか、例えばP3−NS1/1−Ag4−1、
P3−x63−Ag8.653もしくはSp2/O−Ag14骨髄腫系統を、標
準的技術に従って融合パートナーとして使用し得る。これらの骨髄腫系統はAT
CCから入手可能である。典型的には、HAT感受性のマウス骨髄腫細胞を、ポ
リエチレングリコール(「PEG」)を使用してマウス脾細胞に融合する。この
融合から生じるハイブリドーマ細胞をその後、融合されない骨髄腫細胞および非
生産的に融合された骨髄腫細胞を殺すHAT培地を使用して選択する(融合され
ない脾細胞は、それらが形質転換されないため数日後に死ぬ)。本発明のモノク
ローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞を、例えば標準的ELISAアッセ
イを使用して、STRIFE1もしくはSTRIFE2を結合する抗体について
ハイブリドーマ培養上清をスクリーニングすることにより検出する。
【0097】 モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを製造する代わりに、モノクロ
ーナル抗STRIFE1もしくはSTRIFE2抗体を、組換え組み合わせ免疫
グロブリンライブラリー(例えば抗体ファージディスプレイライブラリー)をS
TRIFE1もしくはSTRIFE2でスクリーニングして、それによりSTR
IFE1もしくはSTRIFE2を結合する免疫グロブリンライブラリーのメン
バーを単離することにより、同定かつ単離し得る。ファージディスプレイライブ
ラリーを生じさせそしてスクリーニングするためのキットが商業的に入手可能で
ある(例えば、ファルマシア(Pharmacia)の組換えファージ抗体系(
Recombinant Pharge Antibody System)、
カタログ番号27−9400−01;およびストラタジーン(Stragate
ne)のサーフザップ[SurfZAP](商標)ファージディスプレイキット
(Pharge Display Kit)、カタログ番号240612)。加
えて、抗体ディスプレイライブラリーの発生およびスクリーニングでの使用にと
りわけ敏感に反応する方法および試薬の例は、例えば、ラドナー(Ladner
)ら 米国特許第5,223,409号;カング(Kang)ら PCT国際特
許出願第WO 92/18619号;ドワー(Dower)ら PCT国際特許
出願第WO 91/17271号;ウィンター(Winter)ら PCT国際
特許出願第WO 92/20791号;マークランド(Markland)ら
PCT国際特許出願第WO 92/15679号;ブライトリンク(Breit
ling)ら PCT国際特許出願第WO 93/01288号;マッカファー
ティ(McCafferty)ら PCT国際特許出願第WO 92/0104
7号;ガラード(Garrard)ら PCT国際特許出願第WO 92/09
690号;ラドナー(Ladner)ら PCT国際特許出願第WO 90/0
2809号;フーフス(Fuchs)ら(1991)Bio/Technolo
gy 9:1370−1372;ヘイ(Hay)ら(1992)Hum.Ant
ibod.Hybridomas 3:81−85;布施(Huse)ら(19
89)Science 246:1275−1281;グリフィス(Griff
iths)ら(1993)EMBO J 12:725−734;ホーキンス(
Hawkins)ら(1992)J.Mol.Biol.226:889−89
6;クラークソン(Clarkson)ら(1991)Nature 352:
624−628;グラム(Gram)ら(1992)PNAS 89:3576
−3580;ガラド(Garrad)ら(1991)Bio/Technolo
gy 9:1373−1377;ホーゲンボーム(Hoogenboom)ら(
1991)Nuc.Acid Res.19:4133−4137;バルバス(
Barbas)ら(1991)PNAS 88:7978−7982;およびマ
ッカファーティ(McCafferty)ら Nature(1990)348
:552−554に見出し得る。
【0098】 加えて、標準的組換えDNA技術を使用して作成し得るヒトおよび非ヒト双方
の部分を含んで成るキメラおよび人化モノクローナル抗体のような組換え抗ST
RIFE1もしくはSTRIFE2抗体は本発明の範囲内にある。こうしたキメ
ラおよび人化モノクローナル抗体は、当該技術分野で既知の組換えDNA技術に
より、例えば、ロビンソン(Robinson)ら 国際特許出願第PCT/U
S86/02269号;晶(Akira)ら 欧州特許出願第184,187号
;谷口(Taniguchi,M.)、欧州特許出願第171,496号;モリ
ソン(Morrison)ら 欧州特許出願第173,494号;ノイバーガー
(Neuberger)ら PCT国際特許出願第WO 86/01533号;
キャビリー(Cabilly)ら 米国特許第4,816,567号;キャビリ
ー(Cabilly)ら 欧州特許出願第125,023号;ベター(Bett
er)ら(1988)Science 240:1041−1043;リウ(L
iu)ら(1987)PNAS 84:3439−3443;リウ(Liu)ら
(1987)J.Immunol.139:3521−3526;サン(Sun
)ら(1987)PNAS 84:214−218;西村(Nishimura
)ら(1987)Canc.Res.47:999−1005;ウッド(Woo
d)ら(1985)Nature 314:446−449;ならびにショー(
Shaw)ら(1988)J.Natl.Cancer Inst.80:15
53−1559;モリソン(Morrison,S.L.)(1985)Sci
ence 229:1202−1207;大井(Oi)ら(1986)BioT
echniques 4:214;ウィンター(Winter)米国特許第5,
225,539号;ジョーンズ(Jones)ら(1986)Nature 3
21:552−525;フェルヘイヤン(Verhoeyan)ら(1988)
Science 239:1534;およびバイドラー(Beidler)ら(
1988)J.Immunol.141:4053−4060に記述される方法
を使用して産生し得る。
【0099】 抗STRIFE1もしくはSTRIFE2抗体(例えばモノクローナル抗体)
を使用して、アフィニティークロマトグラフィーもしくは免疫沈降法のような標
準的技術によりSTRIFE1もしくはSTRIFE2を単離することが可能で
ある。抗STRIFE1もしくはSTRIFE2抗体は、細胞からの天然のST
RIFE1もしくはSTRIFE2、および宿主細胞中で発現された組換え的に
産生されたSTRIFE1もしくはSTRIFE2の精製を助長し得る。さらに
、抗STRIFE1もしくはSTRIFE2抗体は、STRIFE1もしくはS
TRIFE2タンパク質の豊富さおよび発現のパターンを評価するために、(例
えば細胞ライセートもしくは細胞上清中の)STRIFE1もしくはSTRIF
E2タンパク質を検出するのに使用し得る。抗STRIFE1もしくはSTRI
FE2抗体は、例えば、例えば所定の治療レジメンの有効性を決定するための臨
床試験処置の一部として組織中のタンパク質濃度をモニターするため、診断的に
使用し得る。検出は、検出可能な物質に抗体を結合する(すなわち物理的に連結
する)ことにより助長され得る。検出可能な物質の例は、多様な酵素、補欠分子
族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質および放射活性物質を包含する。適する
酵素の例はワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシ
ダーゼもしくはアセチルコリンエステラーゼを包含し;適する補欠分子族複合体
の例はストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンを包含し;適す
る蛍光物質の例はウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオ
シアナート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシ
ルクロリドもしくはフィコエリトリンを包含し;発光物質の一例はルミノールを
包含し;生物発光物質の例はルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンを
包含し、そして適する放射活性物質の例は125I、131I、35Sもしくは3Hを包
含する。 III.組換え発現ベクターおよび宿主細胞 本発明の別の局面は、STRIFE1もしくはSTRIFE2(またはその一
部分)をコードする核酸を含有するベクター、好ましくは発現ベクターに関する
。本明細書で使用されるところの「ベクター」という用語は、それにそれが連結
されている別の核酸を輸送することが可能な核酸分子を指す。1個の型のベクタ
ーは「プラスミド」であり、これは、その中に付加的なDNAセグメントを連結
し得る環状の二本鎖DNAループを指す。別の型のベクターはウイルスベクター
であり、ここでは付加的DNAセグメントをウイルスゲノム中に連結し得る。あ
る種のベクターは、それらが導入される宿主細胞中で自律複製が可能である(例
えば、細菌の複製開始点を有する細菌ベクター、およびエピソームの哺乳動物ベ
クター)。他のベクター(例えば非エピソームの哺乳動物ベクター)は、宿主細
胞中への導入に際して宿主細胞のゲノム中に組込まれ、そしてそれにより宿主ゲ
ノムと一緒に複製される。さらに、ある種のベクターは、それらが効果をもたら
して連結される遺伝子の発現を指図することが可能である。こうしたベクターは
本明細書で「発現ベクター」と称される。一般に、組換えDNA技術において有
用な発現ベクターはしばしばプラスミドの形態にある。本明細では、「プラスミ
ド」および「ベクター」を互換的に使用する可能性がある。なぜなら、プラスミ
ドがベクターの最も普遍的に用いられる形態であるからである。しかしながら、
本発明は、同等の機能を供給するウイルスベクター(例えば複製欠損レトロウイ
ルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)のような発現ベクターのこう
した他の形態を包含することを意図される。
【0100】 本発明の組換え発現ベクターは、本発明の核酸を、宿主細胞での当該核酸の発
現に適する形態で含んで成り、これは、当該組換え発現ベクターが、発現に使用
されるべき宿主細胞に基づいて選択された1個もしくはそれ以上の調節配列を包
含することを意味し、それは発現されるべき核酸配列に効果をもたらして連結さ
れる。組換え発現ベクター内で、「操作可能に(operably)連結される」は、目的
のヌクレオチド配列がそのヌクレオチド配列の発現を見込む様式で(例えば、イ
ンビトロの転写/翻訳系で、もしくはそのベクターが宿主細胞中に導入される場
合は宿主細胞中で)調節配列(1個もしくはそれ以上)に連結されることを意味
することを意図される。「調節配列」という用語は、プロモーター、エンハンサ
ーおよび他の発現制御要素(例えばポリアデニル酸化シグナル)を包含すること
を意図される。こうした調節配列は、例えば、ゲデル(Goeddel);Ge
ne Expression Technology: Methods in
Enzymology 185、アカデミック プレス(Academic
Press)、カリフォルニア州サンディエゴ(1990)中に記述される。調
節配列は、多くの型の宿主細胞中でヌクレオチド配列の構成的発現を指図するも
の、およびある種の宿主細胞中でのみヌクレオチド配列の発現を指図するもの(
例えば、組織特異的調節配列)を包含する。発現ベクターの設計が、形質転換さ
れるべき宿主細胞の選択、所望されるタンパク質の発現の水準などのような要因
に依存する可能性があることが、当業者により認識されるであろう。本発明の発
現ベクターは、宿主細胞中に導入されて、それにより、本明細書に記述されるよ
うな核酸によりコードされる、融合タンパク質もしくはペプチドを包含するタン
パク質もしくはペプチド(例えば、STRIFE1もしくはSTRIFE2タン
パク質、STRIFE1もしくはSTRIFE2の突然変異体の形態、融合タン
パク質、など)を産生し得る。
【0101】 本発明の組換え発現ベクターは、原核生物細胞もしくは真核生物細胞中でのS
TRIFE1もしくはSTRIFE2の発現のため設計され得る。例えば、ST
RIFE1もしくはSTRIFE2は、大腸菌(E.coli)のような細菌細
胞、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを使用して)、酵母細胞もしくは
哺乳動物細胞で発現させ得る。適する宿主細胞は、ゲデル(Goeddel)、
Gene Expression Technology: Methods
in Enzymology 185、アカデミック プレス(Academi
c Press)、カリフォルニア州サンディエゴ(1990)中にさらに論考
される。あるいは、組換え発現ベクターは、例えばT7プロモーター調節配列お
よびT7ポリメラーゼを使用して、インビトロで転写かつ翻訳され得る。
【0102】 原核生物でのタンパク質の発現は、最もしばしば、融合タンパク質もしくは非
融合タンパク質のいずれかの発現を指図する構成プロモーターもしくは誘導可能
なプロモーターを含有するベクターを用いて大腸菌(E.coli)中で実施さ
れる。融合ベクターは、その中でコードされるタンパク質に、通常は組換えタン
パク質のアミノ末端に多数のアミノ酸を付加する。こうした融合ベクターは、典
型的に3の目的、すなわち1)組換えタンパク質の発現を増大させること;2)
組換えタンパク質の可溶性を増大させること;そして3)親和性精製においてリ
ガンドとして作用することにより当該組換えタンパク質の精製で補助することに
かなう。しばしば、融合発現ベクターにおいて、タンパク質分解性切断部位が融
合部分および組換えタンパク質の接合部で導入されて、融合タンパク質の精製後
の融合部分からの組換えタンパク質の精製を可能にする。こうした酵素およびそ
れらのコグネイトの認識配列は、第Xa因子、トロンビンおよびエンテロキナー
ゼを包含する。典型的な融合発現ベクターは、標的組換えタンパク質にそれぞれ
グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質
もしくはプロテインAを融合するpGEX(ファルマシア バイオテック イン
ク(Pharmacia Biotech Inc);スミス(Smith,D
.B.)とジョンソン(Johnson,K.S.)(1988)Gene 6
7:31−40)、pMAL(ニュー イングランド バイオラブス(New
England Biolabs)、マサチューセッツ州ビバリー)およびpR
IT5(ファルマシア(Pharmacia)、ニュージャージー州ピスカタウ
ェイ)を包含する。
【0103】 精製された融合タンパク質は、例として、STRIFE1もしくはSTRIF
E2活性アッセイで、STRIFE1もしくはSTRIFE2リガンド結合(例
えば以下に詳細に記述される直接アッセイもしくは競争アッセイ)で、STRI
FE1もしくはSTRIFE2タンパク質に特異的な抗体を生じさせるために利
用し得る。好ましい一態様において、本発明のレトロウイルス発現ベクター中で
発現されるSTRIFE1もしくはSTRIFE2融合タンパク質を、骨髄細胞
を感染させるのに使用し得、この細胞がその後、放射線照射されたレシピエント
に移植される。主題のレシピエントの病状をその後、十分な時間が経過した後(
例えば6週間)に検査する。
【0104】 適する誘導可能な非融合大腸菌(E.coli)発現ベクターの例は、pTr
c(アマン(Amann)ら、(1988)Gene 69:301−315)
およびpET 11d(シュテュディエール(Studier)ら、Gene
Expression Technology: Methods in En
zymology 185、アカデミック プレス(Academic Pre
ss)、カリフォルニア州サンディエゴ(1990)60−89)を包含する。
pTrcベクターからの標的遺伝子の発現は、ハイブリッドのtrp−lac融
合プロモーターからの宿主のRNAポリメラーゼ転写を頼みとする。pET 1
1dベクターからの標的遺伝子の発現は、共発現されるウイルスのRNAポリメ
ラーゼ(T7 gn1)により媒介されるT7 gn10−lac融合プロモー
ターからの転写を頼みとする。このウイルスのポリメラーゼは、lacUV 5
プロモーターの転写制御下にT7 gn1遺伝子をもつ定住λプロファージから
の宿主株PL21(DE3)もしくはHMS174(DE3)により供給される
【0105】 大腸菌(E.coli)での組換えタンパク質発現を最大にするための一戦略
は、当該タンパク質を、組換えタンパク質をタンパク質分解的に切断する損なわ
れた能力をもつ宿主細菌中で発現することである(ゴッテスマン(Gottes
man,S.)、Gene Expression Technology:
Methods in Enzymology 185、アカデミック プレス
(Academic Press)、カリフォルニア州サンディエゴ(1990
)119−128)。別の戦略は、各アミノ酸の個々のコドンが大腸菌(E.c
oli)中で優先的に利用されるものとなるように、発現ベクターに挿入される
べき核酸の核酸配列を変えることである(和田(Wada)ら、(1992)N
ucleic Acids Res.20:2111−2118)。本発明の核
酸配列のこうした変化は、標準的DNA合成技術により実施し得る。
【0106】 別の態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2発現ベクターは酵
母の発現ベクターである。酵母S.セリビセ(S.cerivisae)での発
現のためのベクターの例は、pYepSec1(バルダリ(Baldari)ら
、(1987)Embo J.6:229−234)、pMFa(クルジャン(
Kurjan)とヘルスコヴィッツ(Herskowitz)、(1982)C
ell 30:933−943)、pJRY88(シュルツ(Schults)
ら、(1987)Gene 54:113−123)、pYES2(インビトロ
ジェン コーポレーション(Invitrogen Corporation)
、カリフォルニア州サンディエゴ)およびpicZ(インビトロジェン コープ
(InVitrogen Corp)、カリフォルニア州サンディエゴ)を包含
する。
【0107】 あるいは、STRIFE1もしくはSTRIFE2は、バキュロウイルス発現
ベクターを使用して昆虫細胞中で発現し得る。培養された昆虫細胞(例えばSf
9細胞)中でのタンパク質の発現に利用可能なバキュロウイルスベクターは、p
Ac系列(スミス(Smith)ら(1983)Mol.Cell Biol.
3:2156−2165)およびpVL系列(ルクロウ(Lucklow)とサ
マーズ(Summers)(1989)Virology 170:31−39
)を包含する。
【0108】 なお別の態様において、本発明の核酸は哺乳動物発現ベクターを使用して哺乳
動物細胞中で発現される。哺乳動物発現ベクターの例は、pCDM8(シード(
Seed,B.)(1987)Nature 329:840)およびpMT2
PC(カウフマン(Kaufman)ら(1987)EMBO J.6:187
−195)を包含する。哺乳動物細胞中で使用される場合、発現ベクターの制御
機能はしばしばウイルスの調節要素により提供される。例えば、普遍的に使用さ
れるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルスお
よびSV40由来である。原核生物細胞および真核生物細胞双方のための他の適
する発現系については、サンブルック(Sambrook,J.)、フリッチュ
(Fritsh,E.F.)とマニアティス(Maniatis,T.) Mo
lecular Cloning: A Laboratory Manual
.第2版、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spr
ing Harbor Laboratory)、コールド スプリング ハー
バー ラボラトリー プレス(Cold Spring Harbor Lab
oratory Press)、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー、
1989の第16および17章を参照されたい。
【0109】 別の態様において、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型において優
先的に当該核酸の発現を指図することが可能である(例えば、組織特異的調節要
素が核酸を発現するのに使用される)。組織特異的調節要素は当該技術分野で既
知である。適する組織特異的プロモーターの制限しない例は、アルブミンプロモ
ーター(肝特異的;ピンカート(Pinkert)ら(1987)Genes
Dev.1:268−277)、リンパ系特異的プロモーター(カレイム(Ca
lame)とイートン(Eaton)(1988)Adv.Immunol.4
3:235−275)、とりわけT細胞レセプターのプロモーター(ウィノト(
Winoto)とボルティモア(Baltimore)(1989)EMBO
J.8:729−733)および免疫グロブリンのプロモーター(バネリ(Ba
nerji)ら(1983)Cell 33:729−740;クィーン(Qu
een)とボルティモア(Baltimore)(1983)Cell 33:
741−748)、ニューロン特異的プロモーター(例えば神経細糸プロモータ
ー;バーン(Byrne)とラドル(Ruddle)(1989)PNAS 8
6:5473−5477)、膵特異的プロモーター(エドルンド(Edlund
)ら(1985)Science 230:912−916)、ならびに乳腺特
異的プロモーター(例えば乳ホエイプロモーター;米国特許第4,873,31
6号および欧州特許出願第264,166号)を包含する。発生的に調節される
プロモーター、例えばマウスhoxプロモーター(ケセル(Kessel)とグ
ルス(Gruss)(1990)Science 249:374−379)お
よびα−フェトプロテインプロモーター(カンペス(Campes)とティルフ
マン(Tilghman)(1989)Genes Dev.3:537−54
6)もまた包含される。
【0110】 本発明はさらに、アンチセンスの向きで発現ベクターにクローン化された本発
明のDNA分子を含んで成る組換え発現ベクターを提供する。すなわち、DNA
分子は、STRIFE1もしくはSTRIFE2のmRNAにアンチセンスであ
るRNA分子の(DNA分子の転写による)発現を見込む様式で調節配列に効果
をもたらして連結される。多様な細胞におけるアンチセンスRNA分子の継続的
発現を指図する、アンチセンスの向きでクローン化された核酸に効果をもたらし
て連結された調節配列、例えばウイルスプロモーターおよび/もしくはエンハン
サーを選ぶことができるか、または、アンチセンスRNAの構成的、組織特異的
もしくは細胞型特異的な発現を指図する調節配列を選ぶことができる。このアン
チセンス発現ベクターは、組換えプラスミド、ファージミドもしくは弱毒性ウイ
ルスの形態であり得、そこでアンチセンス核酸が高効率の調節領域の制御下に産
生され、その活性は、ベクターが導入される細胞型により決定され得る。アンチ
センス遺伝子を使用する遺伝子発現の調節の論考については、ヴァイントラウプ
(Weintraub,H.)ら、Antisense RNA as a m
olecular tool for genetic analysis,R
eviews−Trends in Genetics,Vol.1(1)19
86を参照されたい。
【0111】 本発明の別の局面は、本発明の組換え発現ベクターが導入された宿主細胞に関
する。「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」という用語は本明細書で互換的に
使用される。こうした用語は特定の被験体細胞のみならずこうした細胞の子孫も
しくは潜在的な子孫も指すことが理解される。ある種の改変は突然変異もしくは
環境のいずれかの影響により次の世代で起こるかも知れないため、こうした子孫
は実際のところ親細胞に同一でないかも知れないが、しかしなお本明細書で使用
されるところの用語の範囲内に包含される。
【0112】 宿主細胞はいずれかの原核生物細胞もしくは真核生物細胞であり得る。例えば
、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質は、大腸菌(E.coli
)のような細菌細胞、昆虫細胞、酵母または(チャイニーズハムスター卵巣細胞
(CHO)もしくはCOS細胞のような)哺乳動物細胞中で発現し得る。他の適
する宿主細胞は当業者に既知である。
【0113】 ベクターDNAは、慣習的な形質転換もしくはトランスフェクション技術を介
して原核生物細胞もしくは真核生物細胞に導入し得る。本明細書で使用されると
ころの「形質転換」および「トランスフェクション」という用語は、リン酸カル
シウムもしくは塩化カルシウム共沈殿法、DEAE−デキストラン媒介性のトラ
ンスフェクション、リポフェクションもしくは電気穿孔法を包含する、宿主細胞
中に外来核酸(例えばDNA)を導入するための多様な技術に認識される(art-r
ecognized)技術を指すことを意図される。宿主細胞を形質転換もしくはトランス
フェクションするための適する方法は、サンブルック(Sambrook)ら(
Molecular Cloning: A Laboratory Manu
al.第2版、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold S
pring Harbor Laboratory)、コールド スプリング
ハーバー ラボラトリー プレス(Cold Spring Harbor L
aboratory Press)、ニューヨーク州コールドスプリングハーバ
ー、1989)および他の実験室手順書で見出し得る。
【0114】 哺乳動物細胞の安定なトランスフェクションのためには、使用される発現ベク
ターおよびトランスフェクション技術に依存して、細胞の小さな部分のみがそれ
らのゲノム中に外来DNAを組み込みうることが既知である。これらの組込み体
を同定および選択するために、選択可能なマーカー(例えば抗生物質に対する耐
性)をコードする遺伝子が、一般に、目的の遺伝子と一緒に宿主細胞中に導入さ
れる。好ましい選択可能なマーカーは、G418、ヒグロマイシンおよびメトト
レキセートのような薬物に対する抵抗性を賦与するものを包含する。選択可能な
マーカーをコードする核酸は、STRIFE1もしくはSTRIFE2をコード
するものと同一のベクター上で宿主細胞中に導入し得るか、または別個のベクタ
ー上で導入し得る。導入された核酸で安定にトランスフェクションされた細胞は
、薬物選択により同定し得る(例えば、選択可能なマーカー遺伝子を組み込んだ
細胞は生存することができる一方、他の細胞は死ぬ)。
【0115】 培養物中の原核生物もしくは真核生物の宿主細胞のような本発明の宿主細胞を
、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質を産生(すなわち発現)す
るのに使用し得る。従って、本発明はさらに、本発明の宿主細胞を使用するST
RIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の産生方法を提供する。一態様に
おいて、当該方法は、発明の宿主細胞(STRIFE1もしくはSTRIFE2
をコードする組換え発現ベクターが導入されている)を、STRIFE1もしく
はSTRIFE2タンパク質が産生されるように適する培地中で培養することを
含んで成る。別の態様において、当該方法はさらに、培地もしくは宿主細胞から
STRIFE1もしくはSTRIFE2を単離することを含んで成る。
【0116】 本発明の宿主細胞は、非ヒトのトランスジェニック動物を産生するのにもまた
使用し得る。例えば、一態様において、本発明の宿主細胞は、その中にSTRI
FE1もしくはSTRIFE2をコードする配列が導入された受精卵もしくは胚
幹細胞である。こうした宿主細胞を、その後、外因性のSTRIFE1もしくは
STRIFE2配列がそれらのゲノム中に導入された非ヒトのトランスジェニッ
ク動物、または内在性のSTRIFE1もしくはSTRIFE2配列が変えられ
た相同的組換え動物を創製するのに使用し得る。こうした動物は、STRIFE
1もしくはSTRIFE2の機能および/もしくは活性を研究するため、ならび
にSTRIFE1もしくはSTRIFE2の活性のモジュレーターを同定および
/もしくは評価するために有用である。本明細書で使用されるところの「トラン
スジェニック動物」は、その中でその動物の細胞の1個もしくはそれ以上がトラ
ンスジーン(transgene)を包含する非ヒト動物、好ましくは哺乳動物、より好ま
しくはラットもしくはマウスのようなげっ歯類である。トランスジェニック動物
の他の例は、非ヒトの霊長類、ヒツジ、イヌ、雌牛、ヤギ、ニワトリ、両生類な
どを包含する。トランスジーンは、それからトランスジェニック動物が発生する
細胞のゲノム中に組込まれそして成熟動物のゲノム中にとどまりそれによりその
トランスジェニック動物の1種もしくはそれ以上の細胞型もしくは組織中でコー
ドされた遺伝子産物の発現を指図する、外因性DNAである。本明細書で使用さ
れるところの「相同的組換え動物」は、その中で内在性のSTRIFE1もしく
はSTRIFE2遺伝子が内在性遺伝子と、動物のある細胞、例えば動物の発生
前の動物の胚細胞に導入された外因性DNA分子との間の相同的組換えにより変
えられた、非ヒトの動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはマウスである。
【0117】 本発明のトランスジェニック動物は、STRIFE1もしくはSTRIFE2
をコードする核酸を、例えば微小注入、レトロウイルス感染により受精卵の雄性
前核中に導入すること、そしてその卵を偽妊娠の雌性里親動物(foster animal)
中で発生させることにより創製し得る。配列番号1もしくは配列番号4のマウス
のSTRIFE1もしくはSTRIFE2のcDNA配列が、トランスジーンと
して非ヒト動物のゲノム中に導入され得る。あるいは、ヒトSTRIFE1もし
くはSTRIFE2遺伝子のような、マウスのSTRIFE1もしくはSTRI
FE2遺伝子の非マウスの相同物を、マウスのSTRIFE1もしくはSTRI
FE2のcDNAへのハイブリダイゼーションに基づき単離し得(上のサブセク
ションIにさらに記述された)、そしてトランスジーンとして使用し得る。イン
トロン配列およびポリアデニル酸化シグナルもまた、トランスジーンの発現の効
率を増大させるためにトランスジーン中に包含され得る。組織特異的な調節配列
(1種もしくはそれ以上)を、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク
質の発現を特定の細胞に向かわせるため、STRIFE1もしくはSTRIFE
2のトランスジーンに操作可能に連結し得る。胚の操作および微小注入を介する
トランスジェニック動物、とりわけマウスのような動物の発生方法は、当該技術
分野で慣習的になっており、そして、例えば、双方ともレダー(Leder)ら
による米国特許第4,736,866号および第4,870,009号、ワグナ
ー(Wagner)らによる米国特許第4,873,191号、ならびにホーガ
ン(Hogan,B.)、Manipulating the Mouse E
mbryo、(コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス(Co
ld Spring Harbor Laboratory Press)、ニ
ューヨーク州コールドスプリングハーバー、1986)に記述される。類似の方
法が、他のトランスジェニック動物の産生に使用される。トランスジェニックの
創始体(founder)動物は、そのゲノム中のSTRIFE1もしくはSTRIFE
2のトランスジーンの存在および/またはその動物の組織もしくは細胞中でのS
TRIFE1もしくはSTRIFE2のmRNAの発現に基づいて同定し得る。
トランスジェニックの創始体動物を、その後、トランスジーンをもつ付加的な動
物を繁殖させるのに使用し得る。さらに、STRIFE1もしくはSTRIFE
2をコードするトランスジーンをもつトランスジェニック動物は、他のトランス
ジーンをもつ他のトランスジェニック動物にさらに交配し得る。
【0118】 相同的組換え動物を創製するには、その中に欠失、付加もしくは置換が導入さ
れておりそれによりSTRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子を変える、例
えば機能的に崩壊させる、STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子の少な
くとも一部分を含有するベクターを調製する。STRIFE1もしくはSTRI
FE2遺伝子はマウス遺伝子(例えば配列番号3もしくは配列番号7のcDNA
)であり得るが、しかしまたマウスのSTRIFE1もしくはSTRIFE2遺
伝子の非マウスの相同物でもあり得る。例えば、ヒトのSTRIFE1もしくは
STRIFE2遺伝子を、マウスゲノム中の内在性のSTRIFE1もしくはS
TRIFE2遺伝子を変えるのに適する相同的組換えベクターを構築するのに使
用し得る。好ましい一態様において、当該ベクターは、相同的組換えに際して内
在性のSTRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子が機能的に崩壊される(す
なわち、もはや機能的タンパク質をコードしない;「ノックアウト」ベクターと
もまた称される)ように設計される。あるいは、当該ベクターを、相同的組換え
に際して内在性のSTRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子が突然変異され
るかもしくは別の方法で変えられるが、しかしなお機能的タンパク質をコードす
る(例えば、上流の調節領域が変えられて、それにより内在性のSTRIFE1
もしくはSTRIFE2タンパク質の発現を変えることができる)ように設計し
得る。この相同的組換えベクターにおいて、STRIFE1もしくはSTRIF
E2遺伝子の変えられた部分は、ベクターにより運ばれる外因性のSTRIFE
1もしくはSTRIFE2遺伝子と、胚幹細胞中の内在性のSTRIFE1もし
くはSTRIFE2遺伝子との間に相同的組換えを起こさせるように、STRI
FE1もしくはSTRIFE2遺伝子の付加的核酸によりその5’および3’端
で隣接される。付加的な隣接するSTRIFE1もしくはSTRIFE2核酸は
、内因性の遺伝子との成功裏の相的組換えに十分な長さのものである。典型的に
は、数キロ塩基の隣接するDNA(5’および3’双方の端)がベクター中に包
含される(例えば、相同的組換えベクターの記述については、トーマス(Tho
mas,K.R.)とカペッキ(Capecchi,M.R.)(1987)C
ell 51:503を参照されたい)。このベクターを胚幹細胞系中に(例え
ば電気穿孔法により)導入し、そして、導入されたSTRIFE1もしくはST
RIFE2遺伝子が内在性のSTRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子と相
同的に組換わった細胞を選択する(例えば、リ(Li,E.)ら(1992)C
ell 69:915を参照されたい)。選択された細胞を、その後、動物(例
えばマウス)の胚盤胞中に注入して凝集キメラを形成する(例えば、ブラッドレ
イ(Bradley,A.)Teratocarcinomas and Em
bryonic Stem Cells: A Practical Appr
oach、ロバートソン(E.J.Robertson)編(IRL、オックス
フォード、1987)pp.113−152中を参照されたい)。キメラ胚を、
その後、適する偽妊娠の雌性里親動物中に移植し得、そして胚を出産予定日にも
たらし得る。それらの生殖細胞中に相同的に組換えられたDNAをもつ子孫を、
その動物の全部の細胞がトランスジーンの生殖系列の伝播により相同的に組換え
られたDNAを含有する動物を繁殖させるのに使用し得る。相同的組換えベクタ
ーおよび相同的組換え動物の構築方法は、ブラッドレイ(Bradley,A.
)(1991)Current Opinion in Biotechnol
ogy 2:823−829、ならびに、ルムーレ(Le Mouellec)
らによるPCT国際特許出願第WO 90/11354号;スマイシーズ(Sm
ithies)らによる第WO 91/01140号;ジルストラ(Zijls
tra)らによる第WO 92/0968号;およびベルンス(Berns)ら
による第WO 93/04169号にさらに記述される。
【0119】 別の態様において、トランスジーンの調節された発現を見込む選択された系を
含有するトランスジェニックの非ヒト動物が産生され得る。こうした系の一例は
、バクテリオファージP1のcre/loxP組換え酵素系である。cre/l
oxP組換え酵素系の記述については、例えばラクソ(Lakso)ら(199
2)PNAS 89:6232−6236を参照されたい。組換え酵素系の別の
例は、サッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerev
isiae)のFLP組換え酵素系である(オゴルマン(O’Gorman)ら
(1991)Science 251:1351−1355)。cre/lox
P組換え酵素系を、トランスジーンの発現を調節するのに使用する場合は、Cr
e組換え酵素および選択されたタンパク質の双方をコードするトランスジーンを
含有する動物が必要とされる。こうした動物は、例えば、一方が選択されたタン
パク質をコードするトランスジーンを含有しそして他方が組換え酵素をコードす
るトランスジーンを含有する2種のトランスジェニック動物を交尾させることに
よる「二重」トランスジェニック動物の構築により提供され得る。
【0120】 本明細書に記述される非ヒトのトランスジェニック動物のクローンもまた、ヴ
ィルムート(Wilmut,I.)ら(1997)Nature 385:81
0−813およびPCT国際特許出願第WO 97/07668号および第WO
97/07669号に記述される方法に従って産生し得る。簡潔には、トラン
スジェニック動物からの1個の細胞、例えば体細胞を単離し得、そして成長周期
を出かつG0期に進入するよう誘導し得る。静止状態の細胞を、その後、例えば
電気的パルスの使用により、それから静止状態の細胞が単離される同一の種の動
物からの除核卵母細胞に融合し得る。再構築された卵母細胞をその後、それが桑
実胚もしくは胚盤胞に発生するように培養し、そしてその後、偽妊娠の雌性里親
動物に移す。この雌性里親動物から生まれた子孫は、それから細胞、例えば体細
胞が単離される動物のクローンとなることができる。 IV.製薬学的組成物 本発明のSTRIFE1もしくはSTRIFE2核酸分子、STRIFE1も
しくはSTRIFE2タンパク質、および抗STRIFE1もしくはSTRIF
E2抗体(本明細書で「有効成分」ともまた称される)は、投与に適する製薬学
的組成物中に組込み得る。こうした組成物は、典型的に、核酸分子、タンパク質
もしくは抗体、および製薬学的に許容できる担体を含んで成る。本明細書で使用
されるところの「製薬学的に許容できる担体」という語法は、製薬学的投与と適
合するいずれかのおよび全部の溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真
菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを包含することを意図される。製薬学的有効
成分のためのこうした媒体および作用物質の使用は当該技術分野で公知である。
いずれかの慣習的媒体もしくは作用物質が有効成分と不適合性である限りを除き
、組成物におけるその使用が企図される。補足の有効成分もまた当該組成物中に
組込まれ得る。
【0121】 本発明の製薬学的組成物は、その意図される投与経路と適合性であるように処
方される。投与経路の例は、非経口、例えば静脈内、皮内、皮下、経口(例えば
吸入)、経皮(局所)、経粘膜および直腸投与を包含する。非経口、皮内もしく
は皮下適用に使用される溶液もしくは懸濁剤は、以下の成分、すなわち注射用蒸
留水、生理的食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロ
ピレングリコールもしくは他の合成溶媒のような滅菌の希釈剤;ベンジルアルコ
ールもしくはメチルパラベンのような抗菌剤;アスコルビン酸もしくは亜硫酸水
素ナトリウムのような抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤;
酢酸塩、クエン酸塩もしくはリン酸塩のような緩衝剤、および塩化ナトリウムも
しくはブドウ糖のような張性の調節のための作用物質を包含し得る。pHは、塩
酸もしくは水酸化ナトリウムのような酸もしくは塩基で調節し得る。非経口製剤
は、アンプル、使い捨てシリンジ、またはガラスもしくはプラスチックで作成さ
れた複数の用量のバイアル中に封入し得る。
【0122】 注入可能な使用に適する製薬学的組成物は、滅菌の水性溶液(水溶性の場合)
もしくは分散系、および滅菌の注入可能な溶液もしくは分散系の即座の調製のた
めの滅菌粉末を包含する。静脈内注入のためには、適する担体は、生理学的生理
的食塩水、静菌水、クレモフォール[Cremophor]EL(商標)(BA
SF、ニュージャージー州パーシッパニー)もしくはリン酸緩衝生理的食塩水(
PBS)を包含する。全部の場合で、当該組成物は滅菌でなくてはならず、そし
て容易な注射可能性(syringablity)が存在する程度まで流動性であるべきである
。それは、製造および貯蔵の条件下で安定でなくてはならず、そして細菌および
真菌のような微生物の汚染作用に対し保存されなければならない。担体は、例え
ば、水、エタノール、多価アルコール(例えばグリセロール、プロピレングリコ
ールおよび液体ポリエチレングリコールなど)、ならびにそれらの適する混合物
を含有する溶媒もしくは分散媒であり得る。適正な流動性は、例えばレシチンの
ようなコーティングの使用、分散剤の場合には必要とされる粒子径の維持、およ
び界面活性剤の使用により維持し得る。微生物の作用の予防は、多様な抗菌剤お
よび抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビ
ン酸、チメロサールなどにより達成し得る。多くの場合、等張剤、例えば糖類、
マンニトールのような多価アルコール、ソルビトール、塩化ナトリウムを組成物
中に包含することが好ましいことができる。注入可能な組成物の持続性の吸収は
、吸収を遅延させる作用物質、例えばアルミニウムモノステアレートおよびゼラ
チンを組成物中に包含することによりもたらし得る。
【0123】 滅菌の注入可能な溶液は、必要とされるように、上に挙げられた成分の1種も
しくはその組み合わせを含む適切な溶媒中に、有効成分(例えば、STRIFE
1もしくはSTRIFE2タンパク質、または抗STRIFE1もしくはSTR
IFE2抗体)を必要とされる量で組込むこと、次いで濾過滅菌により製造し得
る。一般に、分散系は、有効成分を、基本的分散媒および上に挙げられたものか
らの必要とされる他の成分を含有する滅菌ベヒクル中に組込むことにより製造す
る。滅菌の注入可能な溶液の製造のための滅菌粉末の場合、好ましい製造方法は
真空乾燥および凍結乾燥であり、それは、その以前に滅菌濾過された溶液からい
ずれかの付加的な所望の成分を含む有効成分の粉末を生じる。
【0124】 経口組成物は一般に不活性の希釈剤もしくは可食担体を包含する。それらはゼ
ラチンカプセル中に封入され得るか、もしくは錠剤に圧縮され得る。経口の治療
的投与の目的上、有効成分は賦形剤とともに組み込むことができ、そして錠剤、
トローチ剤もしくはカプセル剤の形態で使用し得る。経口組成物は含嗽剤として
の使用のため液体の担体を使用してもまた製造され得、ここで、液体担体中の有
効成分が経口で適用され、そしてシュッと音をたてられ(swished)、そして喀出
されるかもしくは飲み込まれる。製薬学的に適合する結合剤および/もしくは補
助物質を組成物の一部として包含し得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤
などは、以下の成分、すなわち微晶質セルロース、トラガカントガムもしくはゼ
ラチンのような結合剤;デンプンもしくは乳糖のような賦形剤、アルギン酸、プ
リモゲル(Primogel)もしくはコーンスターチのような崩壊剤;ステア
リン酸マグネシウムもしくはステローツ(Sterotes)のような滑沢剤;
コロイド状二酸化ケイ素のような滑剤(glidant);ショ糖もしくはサッカリンの
ような甘味料;またはペパーミント、サリチル酸メチルもしくはオレンジ調味料
、あるいは類似の性質の化合物のいずれかを含有し得る。
【0125】 吸入による投与のためには、有効成分は、適する噴射剤、例えば二酸化炭素の
ような気体を含有する加圧容器もしくは分注器、またはネブライザーからエアゾ
ルスプレーの形態で送達される。
【0126】 全身投与はまた経粘膜もしくは経皮手段によることができる。経粘膜もしくは
経皮投与のためには、浸透されるべき障壁に対し適切な浸透剤を製剤中で使用す
る。こうした浸透剤は当該技術分野で公知であり、そして、例えば経粘膜投与の
ためには洗剤、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体を包含する。経粘膜投与は鼻ス
プレーもしくは坐剤の使用により達成し得る。経皮投与のためには、有効成分は
当該技術分野で公知のような軟膏(ointment)、軟膏(salve)、ゲルもしくはクリ
ームに処方される。
【0127】 有効成分はまた、直腸送達のために坐剤(例えばカカオバターおよび他のグリ
セリドのような慣習的坐剤基剤を含む)もしくは保持浣腸の形態でも製造し得る
【0128】 一態様において、有効成分は、埋込物および微小被包化送達系を包含する制御
放出処方のような、身体からの迅速な排泄に対し有効成分を保護することができ
る担体を含んで製造される。エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリ
コール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ酢酸のような生物分解性
の生物適合性ポリマーを使用し得る。こうした製剤の製造方法は当業者に明白で
あろう。これらの素材はまた、アルザ コーポレーション(Alza Corp
oration)およびノヴァ ファーマシューティカルズ インク(Nova
Pharmaceuticals,Inc)から商業的に得ることができる。
リポソーム懸濁剤(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体に感染した細胞に
標的を向けられたリポソームを包含する)もまた、製薬学的に許容できる担体と
して使用し得る。これらは例えば米国特許第4,522,811号に記述される
ような当業者に既知の方法に従って製造し得る。
【0129】 経口もしくは非経口の組成物を、投与の容易さおよび投薬量の均一性のために
投薬単位形態に処方することがとりわけ有利である。本明細書で使用されるとこ
ろの投薬単位形態は、治療されるべき被験者のための単位投薬量として適する物
理的に別個の単位を指し;各単位は、必要とされる製薬学的担体と共同して所望
の治療効果を生じさせるよう計算された予め決められた量の有効成分を含有する
。本発明の投薬単位形態についての仕様は、有効成分の独特の特徴および達成さ
れるべき特定の治療効果、ならびに個体の治療のためのこうした有効成分の調合
の技術に固有の限界により指図されかつそれらに直接依存する。
【0130】 こうした有効成分の毒性および治療上の有効性は、例えばLD50(集団の5
0%に対し致死的な用量)およびED50(集団の50%で治療上有効な用量)
を決定するための細胞培養物もしくは実験動物での標準的製薬学的手順により決
定し得る。毒性効果と治療効果との間の用量比が治療指標であり、そしてそれは
比LD50/ED50として表現し得る。大きな治療指標を示す有効成分が好ま
しい。毒性の副作用を示す有効成分が使用されてよい一方、未感染細胞に対する
潜在的損傷を最小にしそしてそれにより副作用を低減するために、影響を及ぼさ
れる組織の部位にこうした有効成分の標的を向ける送達系を設計するための注意
を払うべきである。
【0131】 細胞培養物アッセイおよび動物研究から得られるデータを、ヒトでの使用のた
めのある範囲の投薬量の処方において使用し得る。こうした化合物の投薬量は、
好ましくは、ほとんどもしくは全く毒性を伴わないED50を包含する循環濃度
の範囲内に存する。投薬量は使用される投薬形態および利用される投与経路に依
存してこの範囲内で変動してよい。本発明の方法で使用されるいずれの化合物に
ついても、治療上有効な用量を細胞培養物アッセイから最初に推定し得る。細胞
培養物で決定されるようなIC50(すなわち、症状の最大の半分の阻害を達成
する試験化合物の濃度)を包含する循環血漿濃度範囲を達成するためのある用量
を動物モデルで処方することができる。こうした情報を使用してヒトでの有用な
用量をより正確に決定し得る。血漿中の濃度は、例えば高速液体クロマトグラフ
ィーにより測定することができる。
【0132】 本発明の核酸分子はベクター中に挿入され得、そして遺伝子治療ベクターとし
て使用され得る。遺伝値治療ベクターは、例えば静脈内注入、局所投与(米国特
許第5,328,470号を参照されたい)もしくは定位的注入(例えばチェン
(Chen)ら(1994)PNAS 91:3054−3057を参照された
い)により被験者に送達し得る。遺伝子治療ベクターの製薬学的製剤は、許容で
きる希釈剤中に遺伝子治療ベクターを包含し得るか、もしくはその中に遺伝子送
達ベヒクルが埋め込まれる遅延放出マトリックスを含み得る。あるいは、完全な
遺伝子送達ベクター、例えばレトロウイルスベクターを組換え細胞から無傷で製
造し得、当該製薬学的製剤は遺伝子送達系を生じさせる1個もしくはそれ以上の
細胞を包含し得る。
【0133】 製薬学的組成物は、投与のための説明書と一緒に容器、パックもしくは分注器
中に包含され得る。 V.本発明の用途および方法 本明細書に記述される核酸分子、タンパク質、タンパク質相同物および抗体は
、以下の方法、すなわちa)スクリーニングアッセイ;b)検出アッセイ(例え
ば染色体マッピング、組織型分類および法廷生物学);c)予測医学(例えば診
断アッセイ、予後アッセイ、モニタリング臨床試験および薬遺伝学(pharmacogen
etics));ならびにd)治療方法(例えば治療的および予防的方法、ならびに薬
ゲノム学(pharmacogenomics)の情況におけるこうした方法)の1種もしくはそれ
以上で使用され得る。本明細書で記述されるところの本発明のSTRIFE1タ
ンパク質は、以下の活性、すなわち(i)細胞表面上のSTRIFE1タンパク
質の同一細胞の表面上の第二の非STRIFE1タンパク質分子との相互作用;
(ii)細胞表面上のSTRIFE1タンパク質の異なる細胞の表面上の第二の
非STRIFE1タンパク質分子との相互作用;(iii)膜結合されたSTR
IFE1タンパク質とサイトカイン、例えばTNFとの間の複合体形成;(iv
)SH2ドメイン含有タンパク質もしくは細胞骨格タンパク質を包含する細胞内
タンパク質とのSTRIFE1タンパク質の相互作用;(v)類似のSTRIF
E1タンパク質との同種多量体のシグナル伝達複合体の形成;および(vi)他
のTNFRスーパーファミリーのタンパク質との異種多量体のシグナル伝達複合
体の形成、の1種もしくはそれ以上を有する。本明細書で記述されるところの本
発明のSTRIFE2タンパク質は、以下の活性、すなわち(i)膜結合された
STRIFE2レセプターとのSTRIFE2タンパク質の相互作用;(ii)
可溶性の形態のSTRIFE2レセプターとのSTRIFE2タンパク質の相互
作用;(iii)膜結合されたSTRIFE2レセプターを介する細胞内タンパ
ク質とのSTRIFE2タンパク質の相互作用;(iv)可溶性のSTRIFE
2タンパク質と第二の可溶性のSTRIFE2結合パートナーとの間の複合体形
成;(v)可溶性のSTRIFE2タンパク質と第二の可溶性のSTRIFE2
結合パートナーとの間の複合体形成であって、ここでSTRIFE2結合パート
ナーは非STRIFE2タンパク質分子であり;そして(vi)可溶性のSTR
IFE2タンパク質と第二の可溶性のSTRIFE2結合パートナーとの間の複
合体形成であって、ここでSTRIFE2結合パートナーは第二のSTRIFE
2タンパク質分子である、の1種もしくはそれ以上を有する。本発明のSTRI
FE1およびSTRIFE2タンパク質は、従って、例えば(1)インビトロも
しくはインビボのいずれかでの細胞の情報伝達の調節;(2)インビトロもしく
はインビボのいずれかでの発生もしくは分化に関与する細胞における遺伝子転写
の調節;(3)発生もしくは分化に関与する細胞における遺伝子転写の調節であ
って、ここで最低1種の遺伝子が分化特異的タンパク質をコードし;(4)発生
もしくは分化に関与する細胞における遺伝子転写の調節であって、ここで最低1
種の遺伝子が第二の分泌性タンパク質をコードし;(5)発生もしくは分化に関
与する細胞における遺伝子転写の調節であって、ここで最低1種の遺伝子が情報
伝達分子をコードし;そして(6)インビトロもしくはインビボのいずれかでの
細胞増殖の調節、で使用し得る。本発明の単離された核酸分子は、例えば、(例
えば遺伝子治療の応用において宿主細胞中で組換え発現ベクターを介して)ST
RIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質を発現するため、(例えば生物学
的サンプル中で)STRIFE1もしくはSTRIFE2のmRNAまたはST
RIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子中の遺伝子変化を検出するため、そし
て以下にさらに記述されるとおりSTRIFE1もしくはSTRIFE2の活性
を調節するために使用し得る。加えて、STRIFE1もしくはSTRIFE2
タンパク質は、STRIFE1もしくはSTRIFE2活性を調節する薬物もし
くは化合物をスクリーニングするため、ならびに、STRIFE1もしくはST
RIFE2タンパク質の不十分なもしくは過剰な産生、またはSTRIFE1も
しくはSTRIFE2の野生型タンパク質に比較して減少されたもしくは異常な
活性を有するSTRIFE1もしくはSTRIFE2のタンパク質の形態の産生
を特徴とする障害(例えば、発生障害もしくは癌のような増殖性疾患)を治療す
るために使用し得る。さらに、本発明の抗STRIFE1もしくはSTRIFE
2抗体は、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質を検出かつ単離し
、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の生物学的利用性を調節し
、そしてSTRIFE1もしくはSTRIFE2の活性を調節するために使用し
得る。 A.スクリーニングアッセイ 本発明は、モジュレーター、すなわちSTRIFE1もしくはSTRIFE2
タンパク質に結合する、あるいは例えばSTRIFE1もしくはSTRIFE2
の発現またはSTRIFE1もしくはSTRIFE2の活性に対し刺激もしくは
阻害効果を有する候補もしくは試験化合物もしくは作用物質(例えば、ペプチド
、ペプチド模倣物、小分子もしくは他の薬物)の同定方法(本明細書で「スクリ
ーニングアッセイ」ともまた称される)を提供する。
【0134】 例えば、STRIFE1もしくはSTRIFE2の発現またはSTRIFE1
もしくはSTRIFE2の活性に対し刺激もしくは阻害効果を有する候補もしく
は試験化合物もしくは作用物質を同定するのに使用し得るアッセイが存在する。
例えば、いくつかの細胞に対するTNFの影響に基づくアッセイを、STRIF
E1もしくはSTRIFE2の発現またはSTRIFE1もしくはSTRIFE
2の活性に対する試験化合物の調節活性を評価するのに使用し得る。線維芽細胞
に対するTNFの既知の影響は、有糸分裂誘発、IL−6分泌およびHLAクラ
スII抗原誘導に対する影響を包含する。単球に対するTNFの既知の影響は、
GM−CSF、IL−6およびIL−8のようなサイトカインの分泌に対する影
響を包含する。TNFは、WEHI−164マウス線維肉腫細胞(エスペヴィク
(Espevik)ら(1986)J.Immunol.Methods 95
:99−105に記述される)のようないくつかの細胞に対し細胞傷害性である
ことが既知である。TNFはまた、内皮細胞によるサイトカイン分泌に対する影
響、ならびにICAM−1、E−セレクチン、VCAMのような接着分子、およ
び内皮細胞における組織因子産生の誘導に対する影響を有することも既知である
。従って、試験化合物の存在もしくは非存在下でのTNFの影響から生じるこれ
らの細胞および検出可能な表現型の変化を、STRIFE1もしくはSTRIF
E2の発現またはSTRIFE1もしくはSTRIFE2の活性に対する試験化
合物の調節活性を評価するのに使用し得る。さらに、TNFは好中球応答を調節
することが既知である。比較を、STRIFE1もしくはSTRIFE2の調節
活性の評価のための検出可能なエンドポイントとして、細胞の活性化、プライミ
ング、脱顆粒および/もしくはスーパーオキシド産生を使用して、試験化合物の
存在もしくは非存在下での好中球に対するTNFの影響の間で行うことができる
。これらおよび他の関連するアッセイは当業者に公知である。
【0135】 一態様において、本発明は、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク
質もしくはポリペプチドまたはそれらの生物学的活性の部分に結合するもしくは
それらの活性を調節する候補もしくは試験化合物をスクリーニングするためのア
ッセイを提供する。別の態様において、本発明は、STRIFE1レセプターに
結合するもしくはその活性を調節する候補もしくは試験化合物をスクリーニング
するためのアッセイを提供する。本発明の試験化合物は、生物学的ライブラリー
;空間的に接近可能な平行の固相もしくは溶液相のライブラリー;デコンヴォリ
ューションを必要とする合成ライブラリー法;「一ビーズ一化合物」ライブラリ
ー法; およびアフィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラ
リー法を包含する、当該技術分野で既知の組み合わせライブラリー法での多数の
アプローチのいずれかを使用して得ることができる。生物学的ライブラリーのア
プローチはペプチドライブラリーに限定される一方、他の4種のアプローチは、
ペプチド、非ペプチドのオリゴマーもしくは化合物の小分子ライブラリーに応用
可能である(ラム(Lam,K.S.)(1977)Anticancer D
rug Des.12:145)。
【0136】 分子ライブラリーの合成方法の例は、当該技術分野で、例えばデウィット(D
eWitt)ら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.
A.90:6909;エルブ(Erb)ら(1994)Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 91:11422;ズカーマン(Zuckerman
n)ら(1994)J.Med.Chem.37:2678;チョ(Cho)ら
(1993)Science 261:1303;カレル(Carrell)ら
(1994)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2059
;カレル(Carell)ら(1994)Angew.Chem.Int.Ed
.Engl.33:2061;およびギャロップ(Gallop)ら(1994
)J.Med.Chem.37:1233に見出し得る。
【0137】 化合物のライブラリーは、溶液中(例えばホーテン(Houghten)(1
992)Biotechniques 13:412−421)、またはビーズ
(ラム(Lam)(1991)Nature 354:82−84)、チップ(
フォドル(Fodor)(1993)Nature 364:555−556)
、細菌(ラドナー(Ladner)米国特許第5,223,409号)、スポア
(ラドナー(Ladner)米国特許第’409号)、プラスミド(カル(Cu
ll)ら(1992)Proc Natl Acad Sci USA 89:
1865−1869)中、もしくはファージ(スコット(Scott)とスミス
(Smith)(1990)Science 249:386−390);(デ
ヴリン(Devlin)(1990)Science 249:404−406
);(クウィルラ(Cwirla)ら(1990)Proc.Natl.Aca
d.Sci.87:6378−6382);(フェリチ(Felici(199
1)J.Mol.Biol.222:301−310);(ラドナー(Ladn
er)上記)上に提示されることができる。
【0138】 一態様において、アッセイは、その中で細胞表面上にSTRIFE1もしくは
STRIFE2レセプターを発現する細胞が試験化合物と接触され、そして試験
化合物のSTRIFE1もしくはSTRIFE2レセプターに結合する能力が測
定される、細胞に基づくアッセイである。細胞は、好ましくは、ヒトSTRIF
E1もしくはSTRIFE2レセプター、例えばATCC寄託番号98101に
含有されるクローンAX92_3によりコードされるヒトレセプター(1998
年1月15日に公開されたPCT特許出願第WO 98/01554号に記述さ
れる)、もしくはヒトOAF065レセプター(1998年9月3日に公開され
たPCT特許出願第WO 98/38304号に記述される)を発現する。細胞
は、例えば哺乳動物起源もしくは酵母細胞のものであり得る。STRIFE1も
しくはSTRIFE2レセプターに結合する試験化合物の能力の測定は、例えば
、STRIFE1もしくはSTRIFE2レセプターへの試験化合物の結合を複
合体中の標識された化合物を検出することにより測定し得るように、試験化合物
を放射性同位元素もしくは酵素標識と結合することにより達成し得る。例えば、
試験化合物は、直接にもしくは間接的にのいずれかで125I、35S、14Cもしく
3Hで標識し得、そして、放射性同位元素を、放射発射の直接計数もしくはシン
チレーション計数により検出し得る。あるいは、試験化合物は、例えば、ワサビ
ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼもしくはルシフェラーゼで酵素的に
標識し得、そして、その酵素標識を、適切な基質の産物への転化の測定により検
出し得る。
【0139】 相互作用体のいずれかの標識なしでSTRIFE1もしくはSTRIFE2レ
セプターと相互作用する試験化合物の能力を測定することもまた本発明の範囲内
にある。例えば、微小生理測定器(microphysiometer)を使用して、試験化合物も
しくはレセプターのいずれかの標識なしで、STRIFE1もしくはSTRIF
E2レセプターとの試験化合物の相互作用を検出し得る。マコンネル(McCo
nnell,H.M.)ら(1992)Science 257:1906−1
912。本明細書で使用されるところの「微小生理測定器」(例えば、サイトセ
ンサー[Cytosensor](商標))は、光アドレス可能な電位差センサ
ー(LAPS)を使用して、細胞がその環境を酸性化する速度を測定する分析器
械である。この酸性化速度の変化を、リガンドとレセプターとの間の相互作用の
指標として使用し得る。
【0140】 好ましい一態様において、当該アッセイは、細胞表面上にSTRIFE1もし
くはSTRIFE2レセプターを発現する細胞を、STRIFE1もしくはST
RIFE2タンパク質またはその生物学的に活性の部分と接触させてアッセイ混
合物を形成すること、アッセイ混合物を試験化合物と接触させること、そしてS
TRIFE1もしくはSTRIFE2レセプターと相互作用する試験化合物の能
力を測定することを含んで成り、ここで、STRIFE1もしくはSTRIFE
2レセプターと相互作用する試験化合物の能力の測定は、STRIFE1もしく
はSTRIFE2、またはその生物学的に活性の部分がレセプターに結合する能
力に比較して、STRIFE1もしくはSTRIFE2レセプターに優先的に結
合する試験化合物の能力を測定することを含んで成る。
【0141】 別の態様において、アッセイは、STRIFE1もしくはSTRIFE2標的
分子を発現する細胞を試験化合物と接触させること、そしてSTRIFE1もし
くはSTRIFE2標的分子の活性を調節する試験化合物の能力を測定すること
を含んで成る、細胞に基づくアッセイである。例えば、標的分子の活性は、標的
の細胞のセカンドメッセンジャー(例えば、細胞内Ca2+、ジアシルグリセロー
ル、IP3など)の誘導を検出すること、適切な基質に対する標的の触媒/酵素
活性を検出すること、レポーター遺伝子(検出可能なマーカー、例えばルシフェ
ラーゼをコードする核酸に効果をもたらして連結されたSTRIFE1もしくは
STRIFE2応答性の調節要素を含んで成る)の誘導を検出すること、または
細胞応答、例えば発生、分化もしくは増殖の速度を検出することにより測定し得
る。
【0142】 なお別の態様において、本発明のアッセイは、STRIFE1もしくはSTR
IFE2タンパク質またはその生物学的に活性の部分を試験化合物と接触させ、
そしてSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質またはその生物学的に
活性の部分に結合する試験化合物の能力を測定する、細胞を含まないアッセイで
ある。STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質への試験化合物の結合
は、上述されたとおり、直接にかもしくは間接的にかのいずれかで測定し得る。
好ましい一態様において、当該アッセイは、STRIFE1もしくはSTRIF
E2タンパク質またはその生物学的に活性の部分を、STRIFE1もしくはS
TRIFE2を結合する既知化合物と接触させてアッセイ混合物を形成すること
、アッセイ混合物を試験化合物と接触させること、そしてSTRIFE1もしく
はSTRIFE2タンパク質と相互作用する試験化合物の能力を測定することを
包含し、ここで、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質と相互作用
する試験化合物の能力の測定は、既知化合物に比較してSTRIFE1もしくは
STRIFE2またはその生物学的に活性の部分に優先的に結合する試験化合物
の能力を測定することを含んで成る。
【0143】 別の態様において、当該アッセイは、STRIFE1もしくはSTRIFE2
タンパク質またはその生物学的に活性の部分を試験化合物と接触させ、そしてS
TRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質またはその生物学的に活性の部
分の活性を調節(例えば刺激もしくは阻害)する試験化合物の能力を測定する、
細胞を含まないアッセイである。STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパ
ク質の活性を調節する試験化合物の能力の測定は、例えば、直接結合を測定する
ための上述された方法の一により、STRIFE1もしくはSTRIFE2標的
分子に結合するSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の能力を測定
することにより達成し得る。STRIFE1もしくはSTRIFE2標的分子に
結合するSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の能力の測定もまた
、実時間生物分子相互作用分析(real−time Biomolecula
r Interaction Analysis)(BIA)のような技術を使
用して達成し得る。ショランダー(Sjolander,S.)とウルバニツキ
(Urbaniczky,C.)(1991)Anal.Chem.63:23
38−2345、およびザボ(Szabo)ら(1995)Curr.Opin
.Struct.Biol.5:699−705。本明細書で使用されるところ
の「BIA」は、相互作用体のいずれかを標識することなく実時間で生物特異的
相互作用を研究するための技術である(例えば、バイアコア[BIAcore]
(商標))。光学的現象の表面プラスモン共鳴(SPR)の変化を、生物学的分
子の間の実時間反応の指標として使用し得る。
【0144】 代替の一態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の
活性を調節する試験化合物の能力の測定は、STRIFE1もしくはSTRIF
E2標的分子の活性をさらに調節するSTRIFE1もしくはSTRIFE2タ
ンパク質の能力を測定することにより達成し得る。例えば、適切な支持体上の標
的分子の触媒/酵素活性は、既に記述されたとおり測定し得る。
【0145】 なお別の態様において、細胞を含まないアッセイは、STRIFE1もしくは
STRIFE2タンパク質またはその生物学的に活性の部分をSTRIFE1も
しくはSTRIFE2タンパク質を結合する既知の化合物と接触させてアッセイ
混合物を形成すること、アッセイ混合物を試験化合物と接触させること、そして
STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質と相互作用する試験化合物の
能力を測定することを必要とし、ここで、STRIFE1もしくはSTRIFE
2タンパク質と相互作用する試験化合物の能力の測定は、STRIFE1もしく
はSTRIFE2標的分子に優先的に結合するもしくはその活性を調節するST
RIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の能力を測定することを含んで成
る。
【0146】 本発明の細胞を含まないアッセイは、可溶性のおよび/もしくは膜結合された
双方の形態の単離されたタンパク質(例えば、STRIFE1もしくはSTRI
FE2タンパク質またはその生物学的に活性の部分、あるいはSTRIFE1も
しくはSTRIFE2標的分子)の使用に敏感に反応する。膜結合された形態の
単離されたタンパク質(例えばSTRIFE2標的分子もしくはレセプター)が
使用される、細胞を含まないアッセイの場合には、膜結合された形態の単離され
たタンパク質を溶液中に維持するように可溶化剤を利用することが望ましいこと
ができる。こうした可溶化剤の例は、n−オクチルグルコシド、n−ドデシルグ
ルコシド、n−ドデシルマルトシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、デ
カノイル−N−メチルグルカミド、トリトン[Triton](商標)X−10
0、トリトン[Triton](商標)X−114、テシット[Thesit]
(商標)、イソトリデシルポリ(エチレングリコールエーテル)n、3−[(3
−コルアミドプロピル)ジメチルアンミニオ]−1−プロパンスルホネート(C
HAPS)、3−[(3−コルアミドプロピル)ジメチルアンミニオ]−2−ヒ
ドロキシ−1−プロパンスルホネート(CHAPSO)もしくはN−ドデシル=
N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネートのような非イオ
ン性洗剤を包含する。
【0147】 本発明の上のアッセイ法の1以上の態様において、STRIFE1もしくはS
TRIFE2またはその標的分子のいずれかを固定して、タンパク質の一方もし
くは双方の複合体形成されない形態からの複合体形成された形態の分離を助長す
ること、ならびにアッセイの自動化を適応させることが望ましいことができる。
STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質への試験化合物の結合、また
は候補化合物の存在および非存在下の標的分子とのSTRIFE1もしくはST
RIFE2タンパク質の相互作用は、反応体を含有するのに適するいずれかの容
器中で達成し得る。こうした容器の例は、マイクロタイタープレート、試験管お
よび微小遠沈管を包含する。一態様において、タンパク質の一方もしくは双方を
マトリックスに結合させるドメインを付加する融合タンパク質を提供し得る。例
えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/STRIFE1もしくはSTR
IFE2融合タンパク質、またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ/標的
融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(シグマ ケミカル(Si
gma Chemical)、ミズーリ州セントルイス)もしくはグルタチオン
誘導体化マイクロタイタープレート上に吸着され得、これらがその後、試験化合
物、あるいは試験化合物および吸着されない標的タンパク質またはSTRIFE
1もしくはSTRIFE2タンパク質のいずれかと組み合わせられ、そして、こ
の混合物が、複合体形成に対し伝導性の条件下で(例えば塩およびpHについて
生理学的条件で)インキュベーションされる。インキュベーション後に、ビーズ
もしくはマイクロタイタープレートのウェルを洗浄していずれの結合されない成
分も除去し、ビーズの場合はマトリックスを固定し、複合体を直接にもしくは間
接的にのいずれかで例えば上述されたとおり測定する。あるいは、複合体をマト
リックスから解離し、そしてSTRIFE1もしくはSTRIFE2の結合もし
くは活性の水準を、標準的技術を使用して測定し得る。
【0148】 マトリックス上でタンパク質を固定するための他の技術もまた本発明のスクリ
ーニングアッセイで使用し得る。例えば、STRIFE1もしくはSTRIFE
2タンパク質またはSTRIFE2もしくはSTRIFE2標的分子のいずれか
を、ビオチンおよびストレプトアビジンの複合(conjugation)を利用して固定化
し得る。ビオチニル化STRIFE1もしくはSTRIFE2のタンパク質もし
くは標的分子は、当該技術分野で公知の技術(例えば、ビオチニル化キット、ピ
アース ケミカルズ(Pierce Chemicals)、イリノイ州ロック
フォード)を使用してビオチン−NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)から
調製し得、そしてストレプトアビジン被覆された96穴プレート(ピアース ケ
ミカル(Pierce Chemical))のウェル中に固定し得る。あるい
は、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質もしくは標的分子と反応
性だがしかしその標的分子へのSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク
質の結合を妨害しない抗体を、プレートのウェルに誘導体化し得、そして結合さ
れない標的またはSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質を抗体複合
によりウェル中で捕捉し得る。GSTで固定された複合体について上述されたも
のに加え、こうした複合体の検出方法は、STRIFE1もしくはSTRIFE
2のタンパク質もしくは標的分子と反応性の抗体を使用する複合体の免疫検出、
ならびにSTRIFE1もしくはSTRIFE2のタンパク質もしくは標的分子
と関連した酵素活性を検出することを頼みとする酵素結合アッセイを包含する。
【0149】 別の態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2の発現のモジュレ
ーターがある方法で同定され、そこでは、細胞が候補化合物と接触されそして細
胞中のSTRIFE1もしくはSTRIFE2のmRNAもしくはタンパク質の
発現が測定される。候補化合物の存在下でのSTRIFE1もしくはSTRIF
E2のmRNAもしくはタンパク質の発現の水準が、候補化合物の非存在下での
STRIFE1もしくはSTRIFE2のmRNAもしくはタンパク質の発現の
水準と比較される。候補化合物を、その後、この比較に基づいてSTRIFE1
もしくはSTRIFE2発現のモジュレーターと同定し得る。例えば、STRI
FE1もしくはSTRIFE2のmRNAもしくはタンパク質の発現が候補化合
物の非存在下でよりもその存在下でより大きい(統計学的に有意により大きい)
場合は、その候補化合物を、STRIFE1もしくはSTRIFE2のmRNA
もしくはタンパク質の発現の刺激剤と同定する。あるいは、STRIFE1もし
くはSTRIFE2のmRNAもしくはタンパク質の発現が候補化合物の非存在
下でよりもその存在下でより少ない(統計学的に有意により少ない)場合には、
その候補化合物を、STRIFE1もしくはSTRIFE2のmRNAもしくは
タンパク質の発現の阻害剤と同定する。細胞中でのSTRIFE1もしくはST
RIFE2のmRNAもしくはタンパク質の発現の水準は、STRIFE1もし
くはSTRIFE2のmRNAもしくはタンパク質の検出するための本明細書に
記述される方法により測定することがでる。
【0150】 本発明のなお別の局面においては、STRIFE1もしくはSTRIFE2タ
ンパク質を、STRIFE1もしくはSTRIFEに結合もしくはそれと相互作
用し(「STRIFE1もしくはSTRIFE2結合タンパク質」または「ST
RIFE1もしくはSTRIFE2−bp」)そしてSTRIFE1もしくはS
TRIFE2の活性を調節する、他のタンパク質を同定するための2ハイブリッ
ドアッセイもしくは3ハイブリッドアッセイでの「餌(bait)タンパク質」として
使用し得る(例えば米国特許第5,283,317号;ゼルフォス(Zervo
s)ら(1993)Cell 72:223−232;マデュラ(Madura
)ら(1993)J.Biol.Chem.268:12046−12054;
バーテル(Bartel)ら(1993)Biotechniques 14:
920−924;岩淵(Iwabuchi)ら(1993)Oncogene
8:1693−1696;およびブレント(Brent)第WO94/1030
0号を参照されたい)。こうしたSTRIFE1結合タンパク質はまた、例えば
STRIFE1媒介性のシグナル伝達経路の下流の要素として、STRIFE1
タンパク質によるシグナルの伝播に関与することもありそうである。あるいは、
こうしたSTRIFE2結合タンパク質は非STRIFE2発現細胞と会合する
細胞表面分子でありそうであり、ここでこうしたSTRIFE2結合タンパク質
が情報伝達に関与する。
【0151】 2ハイブリッド系は大部分の転写因子のモジュラーの性質を基礎とし、分離可
能なDNA結合ドメインおよび活性化ドメインより成る。簡潔には、当該アッセ
イは2種の異なるDNA構築物を利用する。一構築物では、STRIFE1もし
くはSTRIFE2タンパク質をコードする遺伝子が、既知の転写因子(例えば
GAL−4)のDNA結合ドメインをコードする遺伝子に融合される。他方の構
築物では、同定されないタンパク質(「餌食(prey)」もしくは「サンプル」)を
コードする、DNA配列のあるライブラリーからのDNA配列が、既知の転写因
子の活性化ドメインをコードする遺伝子に融合される。「餌」および「餌食」タ
ンパク質はインビボで相互作用することが可能であり、STRIFE1もしくは
STRIFE2依存性の複合体を形成し、その転写因子のDNA結合ドメインお
よび活性化ドメインが緊密な近接にもたらされる。この近接は、転写因子に応答
性の転写調節部位に操作可能に連結されるレポーター遺伝子(例えばLacZ)
の転写を可能にする。レポーター遺伝子の発現を検出し得、そして機能的な転写
因子を含有する細胞のコロニーを単離し得、そしてSTRIFE1もしくはST
RIFE2タンパク質と相互作用するタンパク質をコードするクローン化された
遺伝子を得るのに使用し得る。
【0152】 本発明は、さらに、上述されたスクリーニングアッセイにより同定される新規
作用物質に関する。従って、適切な動物モデルにおいて本明細書に記述されると
おり同定される作用物質をさらに使用することが本発明の範囲内にある。例えば
、本明細書に記述されるとおり同定される作用物質(例えば、STRIFE1も
しくはSTRIFE2調節剤、アンチセンスのSTRIFE1もしくはSTRI
FE2核酸分子、STRIFE1もしくはSTRIFE2特異的抗体、またはS
TRIFE1もしくはSTRIFE2結合パートナー)を、動物モデルにおいて
使用して、こうした作用物質を用いる治療の有効性、毒性もしくは副作用を決定
し得る。あるいは、本明細書に記述されるとおり同定される作用物質を、動物モ
デルにおいて使用して、こうした作用物質の作用機序を決定し得る。さらに、本
発明は、本明細書に記述されるような治療のための上述されたスクリーニングア
ッセイにより同定される新規作用物質の使用に関する。
【0153】 本明細書で記述されるスクリーニングアッセイにおいて、マウスSTRIFE
1もしくはSTRIFE2レセプターのいずれかを使用することができるか、ま
たは、好ましくは、ヒトSTRIFE1もしくはSTRIFE2レセプター、例
えばATCC寄託番号98101に含有されるクローンAX92_3によりコー
ドされるヒトレセプター(1998年1月15日に公開されたPCT特許出願第
WO 98/01554号に記述される)もしくはヒトOAF065レセプター
(1998年9月3日に公開されたPCT特許出願第WO 98/38304号
に記述された)を使用してよい。 B.検出アッセイ 本明細書で同定されるcDNA配列の部分もしくはフラグメント(および対応
する完全な遺伝子配列)は、ポリヌクレオチド試薬として多数の様式で使用し得
る。例えば、これらの配列は、(i)染色体上でそれらのそれぞれの遺伝子をマ
ッピングし;そして従って遺伝病に関連する遺伝子領域の位置を突き止める;(
ii)微小な生物学的サンプルから個体を同定する(組織型分類);そして(i
ii)生物学的サンプルの法廷の同定で補助するのに使用し得る。これらの応用
を下のサブセクションに記述する。 1.染色体マッピング 遺伝子の配列(もしくは配列の一部分)が単離されれば、この配列を使用して
染色体上で遺伝子の位置をマッピングし得る。この過程は染色体マッピングと呼
ばれる。従って、本明細書に記述されるSTRIFE1もしくはSTRIFE2
ヌクレオチド配列の部分もしくはフラグメントを使用して、染色体上でSTRI
FE1もしくはSTRIFE2遺伝子の位置をマッピングし得る。染色体に対す
るSTRIFE1もしくはSTRIFE2配列のマッピングは、これらの配列の
疾患に関連する遺伝子との相関における重要な第一段階である。
【0154】 簡潔には、STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子は、STRIFE1
もしくはSTRIFE2ヌクレオチド配列からPCRプライマー(好ましくは長
さが15〜25bp)を調製することにより染色体に対しマッピングし得る。S
TRIFE1もしくはSTRIFE2配列のコンピュータ分析を使用して、ゲノ
ムDNAの1個以上のエクソンに広がって従って増幅過程を複雑にすることのな
いプライマーを予測し得る。これらのプライマーをその後、個体のヒト染色体を
含有する体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングに使用し得る。STRIF
E1もしくはSTRIFE2配列に対応するヒト遺伝子を含有するハイブリッド
のみが、増幅されたフラグメントを生じることができる。
【0155】 体細胞ハイブリッドは、異なる哺乳動物からの体細胞(例えばヒトおよびマウ
スの細胞)を融合することにより製造される。ヒトおよびマウスの細胞のハイブ
リッドが成長しそして分割する際に、それらは無作為の順序で徐々にヒト染色体
を喪失するが、しかしマウス染色体を保持する。マウス細胞が特定の酵素を欠く
ためそれらが成長し得ない(しかしヒト細胞はし得る)培地を使用することによ
り、必要とされる酵素をコードする遺伝子を含有する1個のヒト染色体を保持す
ることができる。多様な培地を使用することによりハイブリッド細胞系の一団を
樹立し得る。一団中の各細胞系は単一のヒト染色体もしくは少数のヒト染色体の
いずれか、および完全な一組のマウス染色体を含有し、特定のヒト染色体に対す
る個々の遺伝子の容易なマッピングを可能にする(デウスタキオ(D’Eust
achio P.)ら(1983)Science 220:919−924)
。ヒト染色体のフラグメントのみを含有する体細胞ハイブリッドもまた、転座お
よび欠失をもつヒト染色体を使用することにより産生し得る。
【0156】 体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定の配列を特定の染色体に割り
当てるための迅速な一手順である。3種もしくはそれ以上の配列を、単一のサー
マルサイクラーを使用して1日あたり割り当て得る。オリゴヌクレオチドプライ
マーを設計するためにSTRIFE1もしくはSTRIFE2のヌクレオチド配
列を使用して、下位位置推定(sublocalization)を、特定の染色体からのフラグ
メントの一団を用いて達成することができる。その染色体に対しSTRIFE1
もしくはSTRIFE2の配列をマッピングするのに同様に使用し得る他のマッ
ピング戦略は、インシトゥハイブリダイゼーション(ファン(Fan,Y.)ら
(1990)PNAS、87:6223−27に記述された)、標識された流動
選別された(flow-sorted)染色体を用いるプレスクリーニング、および染色体特
異的cDNAライブラリーへのハイブリダイゼーションによる前選択を包含する
【0157】 分裂中期の染色体スプレッド(chromosomal spread)に対するDNA配列の蛍光
インシトゥハイブリダイゼーション(FISH)を、一段階で正確な染色体位置
を提供するのにさらに使用し得る。染色体スプレッドは、その分割が有糸分裂紡
錘体を分裂させるコルセミドのような化学物質により分裂中期で封鎖されている
細胞を使用して作成し得る。染色体をトリプシンで短く処理し得、そしてその後
ギムザで染色し得る。明バンドおよび暗バンドのパターンが各染色体上で発生し
、その結果染色体を個々に同定し得る。FISH技術は500もしくは600塩
基程度の長さのDNA配列で使用し得る。しかしながら、1,000塩基より長
いクローンは、単純な検出のために十分なシグナル強度で独特の染色体の位置に
結合する見込みがより大きい。好ましくは1,000塩基、そしてより好ましく
は2,000塩基が、合理的な時間量で良好な結果を得るのに十分であることが
できる。この技術の総説については、ヴェルマ(Verma)ら、Human
Chromosomes: A Manual of Basic Techn
iques(ペルガモン プレス(Pergamon Press)、ニューヨ
ーク1988を参照されたい)。
【0158】 染色体マッピングのための試薬が、単一の染色体もしくはその染色体上の単一
の部位に印を付けるため個々に使用され得るか、または一団の試薬が複数の部位
および/もしくは複数の染色体に印をつけるため使用され得る。遺伝子の非コー
ディング領域に対応する試薬が、実際のところマッピングの目的上好ましい。コ
ーディング配列は遺伝子ファミリー内で保存されることがよりありそうであり、
従って、染色体マッピングの間の交差ハイブリダイゼーションの機会を増大させ
る。
【0159】 配列が正確な染色体位置にマッピングされていれば、染色体上のその配列の物
理的位置を遺伝子地図データと相関させ得る。(こうしたデータは、例えば、マ
クシック(V.McKusick)、Mendelian Inheritan
ce in Man、[ジョンズ・ホプキンス大学ウェルチ医学図書館(Joh
ns Hopkins University Welch Medical
Library)によりオンラインで入手可能]に見出される)。同一の染色体
領域にマッピングされる遺伝子と疾患との間の関係を、その後、例えばエーゲラ
ンド(Egeland,J.)ら(1987)Nature、325:783−
787に記述される連関分析(物理的に隣接した遺伝子の共遺伝)により同定し
得る。
【0160】 さらに、STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子と関連した疾患で影響
を及ぼされた個体と影響を及ぼされない個体との間のDNA配列の差異を決定し
得る。突然変異が、影響を及ぼされた個体のいくつかもしくは全部で観察される
がしかしいずれの影響を及ぼされない個体でもされない場合には、その突然変異
は特定の疾患の原因因子であるようである。影響を及ぼされた個体および影響を
及ぼされない個体の比較は、一般に、最初に、染色体スプレッドから見えるもし
くはそのDNA配列に基づくPCRを使用して検出可能である欠失もしくは転座
のような染色体中の構造的変化を捜すことを必要とする。最終的には、いくつか
の個体からの遺伝子の完全な配列決定を実施して突然変異の存在を確認しかつ突
然変異を多形と識別することが可能である。 2.組織型分類 本発明のSTRIFE1もしくはSTRIFE2配列はまた、微小な生物学的
サンプルから個体を同定するのにも使用し得る。例えば、米軍は、その人員の同
定のために制限断片長多形(RFLP)の使用を考慮している。この技術におい
ては、個体のゲノムDNAを1種もしくはそれ以上の制限酵素で消化し、そして
サザンブロット上でプロービングして同定のための独特のバンドを生じさせる。
この方法は、決定的な(positive)同定を困難にする、失われる、取り違えられる
もしくは盗まれる可能性のある「認識票」の現在の制限を被らない。本発明の配
列はRFLPのための付加的DNAマーカーとして有用である(米国特許第5,
272,057号に記述される)。
【0161】 さらに、本発明の配列は、個人のゲノムの選択された部分の実際の一塩基ごと
のDNA配列を決定する代替技術を提供するのに使用し得る。従って、本明細書
に記述されるSTRIFE1もしくはSTRIFE2ヌクレオチド配列を使用し
て、その配列の5’および3’端からの2種のPCRプライマーを調製すること
が可能である。これらのプライマーをその後、個体のDNAを増幅しそしてその
後それを配列決定するのに使用することができる。
【0162】 この様式で調製された個体からの対応するDNA配列の一団は、独特な個体の
同定を提供し得る。なぜなら各個体は対立遺伝子の差異により独特な一組のこう
したDNA配列を有することができるからである。本発明の配列を使用して、個
体および組織からこうした同定配列を得ることが可能である。本発明のSTRI
FE1もしくはSTRIFE2ヌクレオチド配列は、ヒトゲノムの部分を独特に
表わす。対立遺伝子の変異は、これらの配列のコーディング領域でいくらかの程
度、そして非コーディング領域でより大きな程度まで発生する。個々のヒトの間
の対立遺伝子の変異は各500塩基あたり約1回の頻度で存在することが推定さ
れる。本明細書に記述される配列のそれぞれは、いくらかの程度まで、それに対
し個体からのDNAを同定の目的上比較し得る標準として使用し得る。より多い
数の多形が非コーディング領域中に存在するため、より少ない配列が個体を識別
するために必要である。配列番号1もしくは配列番号5の非コーディング配列は
、決定的な個体の同定におそらく10ないし1,000種のプライマーの一団を
らくらくと提供する可能性があり、それはそれぞれ100塩基の非コーディング
の増幅された配列を生じる。配列番号3もしくは配列番号7のもののような予測
されたコーディング配列を使用する場合は、決定的な個体の識別のためのプライ
マーのより適切な数は500〜2,000となるとみられる。
【0163】 本明細書に記述されるSTRIFE1もしくはSTRIFE2ヌクレオチド配
列からの試薬の一団を使用してある個体についての独特の同定データベースを生
じさせる場合は、それらの同一の試薬を、その個体からの組織を同定するのに後
で使用し得る。独特の同定データベースを使用して、個体(生存もしくは死亡)
の決定的同定を、極めて少量の組織サンプルから行い得る。 3.法廷生物学での部分的STRIFE1もしくはSTRIFE2配列の使用 DNAに基づく同定技術は法廷生物学でもまた使用し得る。法廷生物学は、例
えば犯罪の犯人を決定的に同定するための手段としての、犯罪現場で見出された
生物学的証拠の遺伝子型分類を使用する学術的一分野である。こうした同定を行
うため、PCR技術を、犯罪の現場で見出された組織、例えば髪もしくは皮膚、
または体液、例えば血液、唾液もしくは精液のような非常に少量の生物学的サン
プルから採取されるDNA配列を増幅するのに使用し得る。増幅された配列をそ
の後標準と比較し得、それによりその生物学的サンプルの起源の同定を可能にす
る。
【0164】 本発明の配列は、ヒトゲノムの特定の遺伝子座に標的を定められたポリヌクレ
オチド試薬、例えばPCRプライマーを提供するのに使用し得、それは、例えば
別の「同定マーカー」(すなわち、特定の個体に独特である別のDNA配列)を
提供することによりDNAに基づく法廷の同定の信頼性を高め得る。上で挙げら
れたとおり、実際の塩基配列情報は、制限酵素で生じられるフラグメントにより
形成されるパターンに対する正確な一代替として同定に使用し得る。配列番号1
もしくは配列番号5の非コーディング領域に標的を定められた配列は、この使用
にとりわけ適切である。なぜなら、より多い数の多形が非コーディング領域中に
存在し、この技術を使用して個体を識別することをより容易にするからである。
ポリヌクレオチド試薬の例は、STRIFE1もしくはSTRIFE2ヌクレオ
チド配列またはその部分、例えば最低20塩基、好ましくは最低30塩基の長さ
を有する配列番号1もしくは配列番号5の非コーディング領域由来のフラグメン
トを包含する。
【0165】 本明細書に記述されるSTRIFE1もしくはSTRIFE2ヌクレオチド配
列は、例えば、特定の組織、例えば脳もしくは肺組織を同定するためのインシト
ゥハイブリダイゼーション技術で使用し得るポリヌクレオチド試薬、例えば標識
されたもしくは標識可能なプローブを提供するためにさらに使用し得る。これは
、法廷病理学者が未知の起源の組織をもたらされる場合は非常に有用となり得る
。こうしたSTRIFE1もしくはSTRIFE2プローブの一団を使用して、
種および/もしくは器官の型により組織を同定し得る。
【0166】 類似の様式で、これらの試薬、例えばSTRIFE1もしくはSTRIFE2
のプライマーもしくはプローブは、混入について培養物組織をスクリーニングす
る(すなわち、培養物中の多様な型の細胞の混合物の存在についてスクリーニン
グする)ために使用し得る。 C.予測医学: 本発明はまた予測医学の分野にも関し、ここで、診断アッセイ、予後アッセイ
およびモニタリング臨床試験が、予後の(予測の)目的上それにより個体を予防
的に治療するため使用される。従って、本発明の一局面は、生物学的サンプル(
例えば血液、血清、細胞、組織)の情況でSTRIFE1もしくはSTRIFE
2タンパク質および/もしくは核酸の発現ならびにSTRIFE1もしくはST
RIFE2の活性を測定して、それによりある個体が、異常なSTRIFE1も
しくはSTRIFE2の発現もしくは活性を伴う疾患もしくは障害で苦しめられ
ているか、または疾患を発症する危険にさらされるかどうかを決定するための診
断アッセイに関する。本発明はまた、ある個体がSTRIFE1もしくはSTR
IFE2のタンパク質、核酸の発現もしくは活性に関連する障害を発症する危険
にさらされるかどうかを決定するための予後(もしくは予測)アッセイも提供す
る。例えば、STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子中の突然変異が生物
学的サンプル中でアッセイされ得る。こうしたアッセイを予後もしくは予測の目
的上使用して、それによりSTRIFE1もしくはSTRIFE2のタンパク質
、核酸発現もしくは活性を特徴とするもしくはそれと関連する障害の発症に先立
ち個体を予防的に治療し得る。
【0167】 本発明の別の局面は、臨床試験におけるSTRIFE1もしくはSTRIFE
2の発現もしくは活性に対する作用物質(例えば、薬物、化合物)の影響のモニ
タリングに関する。
【0168】 これらおよび他の作用物質は以下のセクションでさらに詳細に記述される。 1.診断アッセイ 生物学的サンプル中のSTRIFE1もしくはSTRIFE2のタンパク質も
しくは核酸の存在もしくは非存在を検出するための一例示的方法は、試験の被験
体から生物学的サンプルを得ること、そしてその生物学的サンプルを、STRI
FE1もしくはSTRIFE2のタンパク質もしくは核酸の存在がその生物学的
サンプル中で検出されるように、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパ
ク質またはSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質をコードする核酸
(例えばmRNA、ゲノムDNA)を検出することが可能な化合物もしくは作用
物質と接触させることを必要とする。STRIFE1もしくはSTRIFE2の
mRNAもしくはゲノムDNAを検出するための好ましい作用物質は、STRI
FE1もしくはSTRIFE2のmRNAもしくはゲノムDNAにハイブリダイ
ズすることが可能な標識された核酸プローブである。この核酸プローブは、例え
ば、配列番号1もしくは配列番号5の核酸のような完全長のSTRIFE1もし
くはSTRIFE2核酸、または長さが最低15、30、50、100、250
もしくは500ヌクレオチドかつストリンジェントな条件下でSTRIFE1も
しくはSTRIFE2のmRNAもしくはゲノムDNAに特異的にハイブリダイ
ズするのに十分なオリゴヌクレオチドのようなその一部分であり得る。本発明の
診断アッセイでの使用のための他の適するプローブを本明細書に記述する。
【0169】 STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質を検出するための好ましい
作用物質は、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質に結合すること
が可能な抗体、好ましくは検出可能な標識をもつ抗体である。抗体は、ポリクロ
ーナル、もしくは、より好ましくはモノクローナルであり得る。無傷の抗体また
はそのフラグメント(例えばFabもしくはF(ab’)2)を使用し得る。プ
ローブもしくは抗体に関する「標識された」という用語は、検出可能な物質をプ
ローブもしくは抗体に結合する(すなわち物理的に連結する)ことによるプロー
ブもしくは抗体の直接標識、ならびに直接に標識される別の試薬との反応性によ
るプローブもしくは抗体の間接的標識を包含することを意図される。間接的標識
の例は、蛍光的に標識された二次抗体を使用する一次抗体の検出、およびそれを
蛍光的に標識されたストレプトアビジンで検出し得るようなビオチンでのDNA
プローブの末端標識を包含する。「生物学的サンプル」という用語は、ある被験
体から単離された組織、細胞および生物学的液体、ならびに被験体内に存在する
組織、細胞および液体を包含することを意図される。すなわち、本発明の検出方
法は、インビトロならびにインビボで生物学的サンプル中のSTRIFE1もし
くはSTRIFE2のmRNA、タンパク質もしくはゲノムDNAを検出するの
に使用し得る。例えば、STRIFE1もしくはSTRIFE2のmRNAの検
出のためのインビトロ技術は、ノーザンハイブリダイゼーションおよびインシト
ゥハイブリダイゼーションを包含する。STRIFE1もしくはSTRIFE2
タンパク質の検出のためのインビトロ技術は、酵素免疫測定法(ELISA)、
ウェスタンブロット、免疫沈降法および免疫蛍光法を包含する。STRIFE1
もしくはSTRIFE2ゲノムDNAの検出のためのインビトロ技術はサザンハ
イブリダイゼーションを包含する。さらに、STRIFE1もしくはSTRIF
E2タンパク質の検出のためのインビボ技術は、標識された抗STRIFE1も
しくはSTRIFE2抗体を被験体に導入することを包含する。例えば、抗体は
、被験体中でのその存在および位置を標準的画像形成技術により検出し得る放射
活性マーカーで標識し得る。
【0170】 一態様において、生物学的サンプルは試験被験体からのタンパク質分子を含有
する。あるいは、生物学的サンプルは、試験被験体からのmRNA分子もしくは
試験被験体からのゲノムDNA分子を含有する可能性がある。好ましい一生物学
的サンプルは被験体から慣習的手段により単離された血清サンプルである。
【0171】 別の態様において、当該方法は、さらに、対照被験体から対照生物学的サンプ
ルを得ること、対照サンプルを、STRIFE1もしくはSTRIFE2のタン
パク質、mRNAもしくはゲノムDNAの存在がその生物学的サンプル中で検出
されるようにSTRIFE1もしくはSTRIFE2のタンパク質、mRNAも
しくはゲノムDNAを検出することが可能な化合物もしくは作用物質と接触させ
ること、そして対照サンプル中のSTRIFE1もしくはSTRIFE2のタン
パク質、mRNAもしくはゲノムDNAの存在を試験サンプル中のSTRIFE
1もしくはSTRIFE2のタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの存在
と比較することを必要とする。
【0172】 本発明はまた、生物学的サンプル中でのSTRIFE1もしくはSTRIFE
2の存在を検出するためのキットを包含する。例えば、当該キットは、生物学的
サンプル中でSTRIFE1もしくはSTRIFE2のタンパク質もしくはmR
NAを検出することが可能な標識された化合物もしくは作用物質;そのサンプル
中のSTRIFE1もしくはSTRIFE2の量を測定するための手段;および
サンプル中のSTRIFE1もしくはSTRIFE2の量を標準と比較するため
の手段を含み得る。この化合物もしくは作用物質は適切な容器中に包装され得る
。当該キットは、STRIFE1もしくはSTRIFE2のタンパク質もしくは
核酸を検出するためにキットを使用するための説明書をさらに含み得る。 2.予後アッセイ 本明細書に記述される診断方法は、さらに、異常なSTRIFE1もしくはS
TRIFE2の発現もしくは活性を伴う疾患もしくは障害を有するもしくはそれ
を発症する危険にさらされる被験体を同定するために利用し得る。例えば、先行
する診断アッセイもしくは以下のアッセイのような本明細書に記述されるアッセ
イを、TNF関連障害、例えば炎症、免疫もしくは腫瘍性障害のような、STR
IFE1もしくはSTRIFE2のタンパク質、核酸発現もしくは活性と関連す
る障害を有するもしくはそれを発症する危険にさらされる被験体を同定するため
に利用し得る。従って、本発明は、その中で試験サンプルが被験体から得られ、
そしてSTRIFE1もしくはSTRIFE2のタンパク質もしくは核酸(例え
ばmRNA、ゲノムDNA)が検出される、異常なSTRIFE1もしくはST
RIFE2の発現もしくは活性を伴う疾患もしくは障害の同定方法を提供し、こ
こで、STRIFE1もしくはSTRIFE2のタンパク質もしくは核酸の存在
は、異常なSTRIFE1もしくはSTRIFE2の発現もしくは活性を伴う疾
患もしくは障害を有するもしくはそれを発症する危険にさらされる被験体にとっ
て診断的である。本明細書で使用されるところの「試験サンプル」は、目的の被
験体から得られた生物学的サンプルを指す。例えば、試験サンプルは生物学的液
体(例えば血清)、細胞サンプルもしくは組織であり得る。
【0173】 さらに、本明細書に記述される予後アッセイは、ある被験体が、異常なSTR
IFE1もしくはSTRIFE2の発現もしくは活性を伴う疾患もしくは障害を
治療するためある作用物質(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模
倣物、タンパク質、ペプチド、核酸、小分子もしくは他の薬物候補)を投与され
る可能性があるかどうかを決定するのに使用することができる。例えば、こうし
た方法は、ある被験体が、増殖性障害、分化もしくは発生障害、または造血障害
のような障害のための作用物質で効果的に治療される可能性があるかどうかを決
定するのに使用し得る。あるいは、こうした方法を使用して、ある被験体が分化
もしくは増殖性疾患(例えば癌)についてある作用物質で効果的に治療される可
能性があるかどうかを決定し得る。従って、本発明は、ある被験体が、異常なS
TRIFE1もしくはSTRIFE2の発現もしくは活性を伴う障害についてあ
る作用物質で効果的に使用される可能性があるかどうかの決定方法を提供し、こ
こでは試験サンプルを得、そしてSTRIFE1もしくはSTRIFE2のタン
パク質もしくは核酸発現もしくは活性を検出する(例えば、ここで、STRIF
E1もしくはSTRIFE2のタンパク質もしくは核酸発現もしくは活性の豊富
は、異常なSTRIFE1もしくはSTRIFE2の発現もしくは活性を伴う障
害を治療するためにその作用物質を投与される可能性がある被験体にとって診断
的である)。
【0174】 本発明の方法はまた、STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子中の遺伝
子変化を検出するのにも使用し得、それにより変えられた遺伝子をもつある被験
体が、異常な発生、異常な細胞分化、異常な細胞増殖もしくは異常な造血応答を
特徴とする障害についての危険にさらされるかどうかを決定する。好ましい態様
において、当該方法は、被験体からの細胞のサンプル中で、STRIFE1もし
くはSTRIFE2タンパク質をコードする遺伝子の完全性に影響を及ぼす変化
の最低1種、またはSTRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子の誤った発現
を特徴とする遺伝子変化の存在もしくは非存在を検出することを包含する。例え
ば、こうした遺伝子変化は、1)STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子
からの1個もしくはそれ以上のヌクレオチドの欠失;2)STRIFE1もしく
はSTRIFE2遺伝子への1個もしくはそれ以上のヌクレオチドの付加;3)
STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子の1個もしくはそれ以上のヌクレ
オチドの置換;4)STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子の染色体再配
列;5)STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子のメッセンジャーRNA
転写物の水準の変化、6)ゲノムDNAのメチル化パターンのもののようなST
RIFE2もしくはSTRIFE2遺伝子の異常な修飾、7)STRIFE1も
しくはSTRIFE2遺伝子のメッセンジャーRNA転写物の非野生型のスプラ
イシングパターンの存在、8)STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク
質の非野生型の水準、9)STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子の対立
遺伝子の喪失、および10)STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質
の不適切な翻訳後修飾、の最低1種の存在を確かめることにより検出し得る。本
明細書で記述されるとおり、STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子中の
変化を検出するのに使用し得る、当該技術分野で既知の多数のアッセイ技術が存
在する。好ましい生物学的サンプルは被験体から慣習的手段により単離された組
織もしくは血清サンプルである。
【0175】 ある種の態様においては、変化の検出は、アンカーPCRもしくはRACE
PCRのようなポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば米国特許第4,683
,195号および第4,683,202号を参照されたい)、あるいはライゲー
ション連鎖反応(LCR)(例えば、ランデグラン(Landegran)ら(
1988)Science 241:1077−1080;および中沢(Nak
azawa)ら(1994)PNAS 91:360−364を参照されたい)
でのプローブ/プライマーの使用を必要とし、その後者はSTRIFE1もしく
はSTRIFE2遺伝子中で点突然変異を検出するためにとりわけ有用である可
能性がある(例えば、エイブラヴァヤ(Abravaya)ら(1995)Nu
cleic Acids Res.23:675−682)。この方法は、患者
から細胞のサンプルを収集すること、サンプルの細胞から核酸(例えばゲノム、
mRNAもしくは双方)を単離すること、核酸サンプルを、STRIFE1もし
くはSTRIFE2遺伝子のハイブリダイゼーションおよび増幅が(存在する場
合)発生するような条件下でSTRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子に特
異的にハイブリダイズする1種もしくはそれ以上のプライマーと接触させること
、そして増幅産物の存在もしくは非存在を検出すること、または増幅産物の大き
さを検出しそしてその長さを対照サンプルと比較すること、の段階を包含し得る
。PCRおよび/もしくはLCRは、本明細書で記述される突然変異を検出する
ために使用される技術のいずれかとともに予備増幅段階として使用することが望
ましいことができることが予期される。
【0176】 代替の増幅方法は、自己持続配列複製(self sustained sequence replication
)(グアテリ(Guatelli,J.C.)ら、1990、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 87:1874−1878)、転写増幅系(ク
ォ(Kwoh,D.Y.)ら、1989、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 86:1173−1177)、Q−βレプリカーゼ(リザルディ(
Lisardi,P.M.)ら、1988,Bio/Technology 6
:1197)、もしくはいずれかの他の核酸増幅法、次いで当業者に公知の技術
を使用する増幅された分子の検出を包含する。これらの検出スキームは、こうし
た分子が非常に少ない数で存在する場合に核酸分子の検出にとりわけ有用である
【0177】 代替の一態様においては、サンプル細胞からのSTRIFE1もしくはSTR
IFE2遺伝子中の突然変異を制限酵素切断パターンの変化により同定し得る。
例えば、サンプルおよび対照DNAを単離し、増幅し(場合によっては)、1種
もしくはそれ以上の制限エンドヌクレアーゼで消化し、そしてフラグメント長さ
の大きさをゲル電気泳動により測定しかつ比較する。サンプルDNAと対照DN
Aとの間のフラグメント長さの大きさの差異はサンプルDNA中の突然変異を示
す。さらに、配列特異的リボザイム(例えば米国特許第5,498,531号を
参照されたい)の使用を、リボザイム切断部位の発生もしくは喪失により特定の
突然変異の存在について評価するのに使用し得る。
【0178】 他の態様において、STRIFE1もしくはSTRIFE2中の遺伝子突然変
異は、サンプルおよび対照の核酸、例えばDNAもしくはRNAを、数百もしく
は数千のオリゴヌクレオチドプローブを含有する高密度列(high density array)
とハイブリダイズすることにより同定し得る(クロニン(Cronin,M.T
.)ら(1996)Human Mutation 7:244−255;コザ
ル(Kozal,M.J.)ら(1996)Nature Medicine
2:753−759)。例えば、STRIFE1もしくはSTRIFE2中の遺
伝子突然変異は、クロニン(Cronin,M.T.)ら 上記に記述されるよ
うな光で生じられたDNAプローブを含有する二次元列で同定し得る。簡潔には
、プローブの第一のハイブリダイゼーション列を使用してサンプルおよび対照中
のDNAの長い伸展(stretches)中を走査して、連続的に重なり合うプローブの
直線状の列を作成することにより配列間の塩基変化を同定し得る。この段階は点
突然変異の同定を可能にする。この段階に、検出される全ての変異体もしくは突
然変異に相補的なより小さい特化されたプローブ列を使用することにより特定の
突然変異の特徴づけを可能にする第二のハイブリダイゼーション列が続く。各突
然変異列は、一方が野生型遺伝子に相補的でかつ他方が突然変異体遺伝子に相補
的な平行なプローブの組から構成される。
【0179】 なお別の態様において、当該技術分野で既知の多様な配列決定反応のいずれか
を、STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子を直接配列決定し、そして、
サンプルのSTRIFE1もしくはSTRIFE2の配列を対応する野生型(対
照)と比較することにより突然変異を検出するのに使用し得る。配列決定反応の
例は、マキシム(Maxim)とギルバート(Gilbert)((1977)
PNAS 74:560)もしくはサンガー(Sanger)((1977)P
NAS 74:5463)により開発された技術に基づくものを包含する。質量
分析法(例えばPCT国際特許出願第WO 94/16101号;コーエン(C
ohen)ら(1996)Adv.Chromatogr.36:127−16
2;およびグリフィン(Griffin)ら(1993)Appl.Bioch
em.Biotechnol.38:147−159を参照されたい)による配
列決定を包含する、多様な自動化配列決定処置のいずれかを、診断アッセイを実
施する場合に利用し得る((1995)Biotechniques 19:4
48)こともまた企図される。
【0180】 STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子中の突然変異を検出するための
他の方法は、その中で切断剤からの保護を使用してRNA/RNAもしくはRN
A/DNAヘテロ二重鎖中の不適正にされた塩基を検出する方法(マイヤース(
Myers)ら(1985)Science 230:1242)を包含する。
一般に、「不適正切断」の当該技術の技術(art technique)は、野生型のSTR
IFE1もしくはSTRIFE2配列を含有する(標識された)RNAもしくは
DNAを組織サンプルから得られた潜在的に突然変異体のRNAもしくはDNA
とハイブリダイズすることにより形成されたヘテロ二重鎖を提供することにより
開始する。二本鎖の二重鎖を、対照鎖とサンプル鎖との間の塩基対不適正により
存在することができるような二重鎖の一本鎖領域を切断する作用物質で処理する
。例えば、RNA/DNA二重鎖はRNアーゼで処理し、そしてDNA/DNA
ハイブリッドはS1ヌクレアーゼで処理して、不適正にされた領域を酵素的に消
化し得る。他の態様においては、DNA/DNAもしくはRNA/DNA二重鎖
のいずれかを、不適正にされた領域を消化するために、ヒドロキシルアミンもし
くは四酸化オスミウムおよびピペリジンで処理し得る。不適正にされた領域の消
化後に、生じる物質をその後、変性ポリアクリルアミドゲル上で大きさにより分
離して突然変異の部位を決定する。例えば、コットン(Cotton)ら(19
88)Proc.Natl Acad Sci USA 85:4397;サレ
ーバ(Saleeba)ら(1992)Methods Enzymol.21
7:286−295を参照されたい。好ましい一態様において、対照のDNAも
しくはRNAは検出のため標識される可能性がある。
【0181】 さらに別の態様において、不適正切断反応は、細胞のサンプルから得られたS
TRIFE1もしくはSTRIFE2のcDNA中の点突然変異を検出かつマッ
ピングするための定義された系中で二本鎖DNA中の不適正にされた塩基対を認
識する1種もしくはそれ以上のタンパク質(いわゆる「DNA不適正修復」酵素
)を使用する。例えば、大腸菌(E.coli)のmutY酵素はG/A不適正
でAを切断し、また、HeLa細胞からのチミジンDNAグリコシラーゼはG/
T不適正でTを切断する(シュ(Hsu)ら(1994)Carsinogen
esis 15:1657−1662)。例示的一態様によれば、STRIFE
1もしくはSTRIFE2配列、例えば野生型のSTRIFE1もしくはSTR
IFE2配列に基づくプローブを、cDNAもしくは試験細胞(1個もしくはそ
れ以上)からの他のDNA産物にハイブリダイズさせる。この二重鎖をDNA不
適正修復酵素で処理し、そして切断生成物がもしあれば電気泳動のプロトコルな
どから検出し得る。例えば米国特許第5,459,039号を参照されたい。
【0182】 他の態様において、電気泳動の移動度の変化を使用してSTRIFE1もしく
はSTRIFE2遺伝子中の突然変異を同定することができる。例えば、一本鎖
コンホメーション多形(SSCP)を使用して突然変異体の核酸と野生型の核酸
との間の電気泳動の移動度の差異を検出することができる(織田(Orita)
ら(1989)Proc Natl.Acad.Sci USA: 86:27
66、コットン(Cotton)(1993)Mutat Res 285:1
25−144;および林(Hayashi)(1992)Genet Anal
Tech Appl 9:73−79もまた参照されたい)。サンプルおよび
対照のSTRIFE1もしくはSTRIFE2核酸の一本鎖DNAフラグメント
は変性されそして再生させられることができる。一本鎖核酸の二次構造は配列に
より変動し、電気泳動の移動度の生じる変化は単一の塩基変化の検出さえ可能に
する。DNAフラグメントが標識されてよいか、もしくは標識されたプローブで
検出されることができる。このアッセイの感度は(DNAよりむしろ)RNAを
使用することにより高めることができ、ここで二次構造は配列の変化に対しより
感受性である。好ましい一態様において、主題の方法は、電気泳動の移動度の変
化に基づき二本鎖の二重鎖分子を分離するために二重鎖分析を利用する(キーン
(Keen)ら(1991)Trends Genet 7:5)。
【0183】 なお別の態様においては、変性剤の勾配を含有するポリアクリルアミドゲル中
での突然変異体もしくは野生型のフラグメントの動きは、変性勾配ゲル電気泳動
(DGGE)を使用してアッセイされる(マイヤース(Myers)ら(198
5)Nature 313:495)。DGGEを分析の方法として使用する場
合は、DNAを、例えばPCRによりおよそ40bpの高溶融のGC豊富なDN
AのGCクランプを付加することにより、それが完全には変性しないことを確実
にするよう改変することができる。さらなる一態様においては、温度勾配が、対
照およびサンプルDNAの移動度の差異を同定するために変性勾配の代わりに使
用される(ローゼンバウム(Rosenbaum)とライスナー(Reissn
er)(1987)Biophys Chem 265:12753)。
【0184】 点突然変異を検出するための他の技術の例は、選択的オリゴヌクレオチドハイ
ブリダイゼーション、選択的増幅もしくは選択的プライマー伸長を包含するがし
かしこれらに制限されない。例えば、その中で既知の突然変異が中央に置かれそ
してその後完全な合致が見出される場合にのみハイブリダイゼーションを可能に
する条件下で標的DNAにハイブリダイゼーションされるオリゴヌクレオチドプ
ライマーが調製されてよい(斉木(Saiki)ら(1986)Nature
324:163);斉木(Saiki)ら(1989)Proc.Natl A
cad.Sci USA 86:6230)。こうした対立遺伝子特異的なオリ
ゴヌクレオチドが、そのオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする膜に結合され
かつ標識された標的DNAとハイブリダイズされる場合は、PCR増幅された標
的DNAもしくは多数の多様な突然変異にハイブリダイズされる。
【0185】 あるいは、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的な増幅技術を本発明
とともに使用してよい。特異的増幅のためのプライマーとして使用されるオリゴ
ヌクレオチドは、分子の中央(増幅が示差的ハイブリダイゼーションに依存する
ように)(ギブス(Gibbs)ら(1989)Nucleic Acids
Res.17:2437−2448)もしくは適切な条件下で不適正がポリメラ
ーゼ伸長を予防もしくは抑制し得る1個のプライマーの極限の3’端(プロスナ
ー(Prossner)(1993)Tibtech 11:238)に目的の
突然変異をもつことができる。加えて、突然変異の領域中に新規の制限部位を導
入して切断に基づく検出を創製することが望ましいことができる(ガスパリニ(
Gasparini)ら(1992)Mol.Cell Probes 6:1
)。ある態様においては、増幅を、増幅のためにTaqリガーゼを使用して実施
してもまたよい(バラニー(Barany)(1991)Proc.Natl.
Acad.Sci USA 88:189)ことが予期される。こうした場合に
は、ライゲーションは、増幅の存在もしくは非存在を捜すことにより特定の部位
で既知の突然変異の存在を検出することを可能にする、5’配列の3’端に完全
な合致が存在する場合にのみ起こることができる。
【0186】 本明細書に記述される方法は、例えば本明細書に記述される最低1種のプロー
ブ核酸もしくは抗体試薬を含んで成る予め包装された診断キットを利用すること
により実施してよく、それは、例えば、STRIFE1もしくはSTRIFE2
遺伝子を伴う疾患もしくは疾病の症状もしくは家族歴を示す患者を診断するため
に臨床の設定で便宜的に使用することができる。
【0187】 さらに、STRIFE1もしくはSTRIFE2が発現されるいずれかの細胞
型もしくは組織を、本明細書に記述される予後アッセイで利用してよい。 3.臨床試験のあいだの効果のモニタリング STRIFE1もしくはSTRIFE2の発現もしくは活性に対する作用物質
(例えば薬物、化合物)の影響(例えば、細胞の情報伝達の調節、発生もしくは
分化に関与する細胞での遺伝子転写の調節、細胞増殖の調節)のモニタリングは
、基礎的薬物スクリーニングでのみならずしかし臨床試験でもまた適用し得る。
例えば、STRIFE1もしくはSTRIFE2の遺伝子発現、タンパク質の水
準を増大させる、またはSTRIFE1もしくはSTRIFE2の活性をアップ
レギュレーションすることが本明細書に記述されるようなスクリーニングアッセ
イにより決定されるある作用物質の有効性は、低下されたSTRIFE1もしく
はSTRIFE2の遺伝子発現、タンパク質の水準、またはダウンレギュレーシ
ョンされたSTRIFE1もしくはSTRIFE2活性を示す被験者の臨床試験
でモニターし得る。あるいは、STRIFE1もしくはSTRIFE2の遺伝子
発現、タンパク質の水準を減少させる、またはSTRIFE1もしくはSTRI
FE2の活性をダウンレギュレーションすることがスクリーニングアッセイによ
り決定されるある作用物質の有効性は、増大されたSTRIFE1もしくはST
RIFE2の遺伝子発現、タンパク質の水準、またはアップレギュレーションさ
れたSTRIFE1もしくはSTRIFE2活性を示す被験者の臨床試験でモニ
ターし得る。こうした臨床試験において、STRIFE1もしくはSTRIFE
2および好ましくは例えば増殖性障害に関係している他の遺伝子の発現もしくは
活性を、特定の細胞の表現型の「読み上げ」もしくはマーカーとして使用し得る
【0188】 例えば、そして制限としてでなく、STRIFE1もしくはSTRIFE2の
活性(例えば本明細書に記述されるようなスクリーニングアッセイで同定される
)を調節する作用物質(例えば化合物、薬物もしくは小分子)での処理により細
胞中で調節される、STRIFE1もしくはSTRIFE2を包含する遺伝子を
同定し得る。従って、例えば臨床試験において増殖性障害、発生もしくは分化障
害、または造血障害に対する作用物質の影響を試験するために、細胞を単離し得
、かつRNAを調製し得、そして、STRIFE1もしくはSTRIFE2、お
よびそれぞれ増殖性障害、発生もしくは分化障害または造血障害に関係している
他の遺伝子の発現の水準について分析し得る。遺伝子発現の水準(すなわち遺伝
子発現パターン)は、本明細書に記述されるようなノーザンブロット分析もしく
はRT−PCRにより、あるいは、本明細書に記述されるような方法の一により
産生されるタンパク質の量を測定することにより、あるいはSTRIFE1もし
くはSTRIFE2または他の遺伝子の活性の水準を測定することにより定量し
得る。こうして、遺伝子発現パターンは、マーカーすなわちその作用物質に対す
る細胞の生理学的応答の指標としてはたらき得る。従って、この応答状態は、作
用物質での個体の処理の前およびその間の多様な点で測定してよい。
【0189】 好ましい一態様において、本発明は、(i)作用物質の投与に先立ち被験者か
ら投与前サンプルを得ること;(ii)投与前サンプル中のSTRIFE1もし
くはSTRIFE2のタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの発現の水準
を検出すること;(iii)被験者から1個もしくはそれ以上の投与後サンプル
を得ること;(iv)投与後サンプル中のSTRIFE1もしくはSTRIFE
2のタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの発現もしくは活性の水準を検
出すること;(v)投与前サンプル中のSTRIFE1もしくはSTRIFE2
のタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの発現もしくは活性の水準を、投
与後サンプルもしくは複数のサンプル中のSTRIFE1もしくはSTRIFE
2のタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAと比較すること;そして(vi
)それに従って被験者への作用物質の投与を変えること、の段階を含んで成る、
作用物質(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質
、ペプチド、核酸、小分子、もしくは本明細書に記述されるスクリーニングアッ
セイにより同定される他の薬物候補)での被験者の治療の有効性のモニタリング
方法を提供する。例えば、作用物質の増大された投与は、STRIFE1もしく
はSTRIFE2の発現もしくは活性を検出されたより高い水準に増大させる、
すなわち作用物質の有効性を増大させるために望ましいことができる。あるいは
、作用物質の減少された投与が、STRIFE1もしくはSTRIFE2の発現
もしくは活性を検出されたより低い水準に減少させる、すなわち作用物質の有効
性を減少させるために望ましいことができる。こうした態様に従えば、STRI
FE1もしくはSTRIFE2の発現もしくは活性は、観察可能な表現型応答の
非存在下でさえ、ある作用物質の有効性の指標として使用することができる。 C.治療の方法: 本発明は、異常なSTRIFE1もしくはSTRIFE2の発現もしくは活性
を伴う障害の危険にさらされる(もしくはそれに敏感な)またはその障害を有す
る被験者の予防的および治療的双方の治療方法を提供する。予防的および治療的
双方の治療方法に関して、こうした治療は、薬ゲノム学(pharmacogenomics)の分
野から得られた知識に基づき特別にあつらえるもしくは改変することができる。
本明細書で使用されるところの「薬ゲノム学」は、臨床開発中であるおよび市場
に出回っている薬物に対する遺伝子配列決定、統計遺伝学および遺伝子発現分析
のようなゲノム学の技術の応用を指す。より具体的には、この用語は、患者の遺
伝子がある薬物に対する彼もしくは彼女の応答をどのように決定しているか(例
えば、患者の「薬物応答表現型」もしくは「薬物応答遺伝子型」)の研究を指す
。従って、本発明の別の局面は、本発明のSTRIFE1もしくはSTRIFE
2分子、またはその個体の薬物応答遺伝子型に従ったSTRIFE1もしくはS
TRIFE2モジュレーターのいずれかを用いる、個体の予防的もしくは治療的
治療をあつらえる方法を提供する。薬ゲノム学は、臨床医もしくは内科医に、こ
の治療から最も利益を得るであろう患者に予防的もしくは治療的治療の標的を向
けさせ、そして毒性の薬物関連の副作用を経験するであろう患者の治療を回避さ
せる。 1.予防的方法 一局面において、本発明は、STRIFE1もしくはSTRIFE2の発現も
しくは少なくとも1種のSTRIFE1もしくはSTRIFE2の活性を調節す
る作用物質を被験者に投与することによる、その被験者での異常なSTRIFE
1もしくはSTRIFE2の発現もしくは活性を伴う疾患もしくは状態の予防方
法を提供する。異常なSTRIFE1もしくはSTRIFE2の発現もしくは活
性により引き起こされるもしくはそれにより寄与される疾患に対する危険にさら
される被験者は、例えば本明細書に記述されるような診断もしくは予後アッセイ
のいずれかもしくはその組み合わせにより同定し得る。予防的作用物質の投与は
、疾患もしくは障害が予防される、あるいはその進行において遅延されるように
STRIFE1もしくはSTRIFE2の異常性に特徴的な症状の発現に先立ち
起こり得る。STRIFE1もしくはSTRIFE2の異常性の型に依存して、
例えば、STRIFE1もしくはSTRIFE2アゴニストまたはSTRIFE
1もしくはSTRIFE2アンタゴニスト作用物質を、被験者を治療するのに使
用し得る。適切な作用物質は本明細書に記述されるスクリーニングアッセイに基
づき決定し得る。本発明の予防的方法を以下のサブセクションでさらに論考する
。 2.治療方法 本発明の別の局面は、治療の目的上STRIFE1もしくはSTRIFE2の
発現もしくは活性の調節方法に関する。本発明の調節方法は、その細胞に関連す
るSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質活性の活性の1種もしくは
それ以上を調節する作用物質とある細胞を接触させることを必要とする。STR
IFE1もしくはSTRIFE2タンパク質活性を調節するある作用物質は、核
酸もしくはタンパク質、STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の天
然に存在する標的分子、ペプチド、STRIFE1もしくはSTRIFE2ペプ
チド模倣物、または他の小分子のような本明細書に記述されるような作用物質で
あり得る。一態様において、当該作用物質は1種もしくはそれ以上のSTRIF
E1もしくはSTRIFE2タンパク質の活性を刺激する。こうした刺激性作用
物質の例は、活性のSTRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質、および
細胞中に導入されているSTRIFE1もしくはSTRIFE2をコードする核
酸分子を包含する。別の態様において、当該作用物質は1種もしくはそれ以上の
STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質の活性を阻害する。こうした
阻害性作用物質の例は、アンチセンスSTRIFE1もしくはSTRIFE2核
酸分子、および抗STRIFE1もしくはSTRIFE2抗体を包含する。これ
らの調節方法は、インビトロ(例えば、細胞を作用物質とともに培養することに
より)、あるいはインビボで(例えば、被験者に作用物質を投与することにより
)実施し得る。そういうものとして、本発明は、STRIFE1もしくはSTR
IFE2タンパク質もしくは核酸分子の異常な発現もしくは活性を特徴とする疾
患もしくは障害で苦しめられる個体の治療方法を提供する。一態様において、当
該方法は、STRIFE1もしくはSTRIFE2の発現もしくは活性を調節(
例えばアップレギュレーションもしくはダウンレギュレーション)する作用物質
(例えば本明細書に記述されるスクリーニングアッセイにより同定される作用物
質)もしくは作用物質の組み合わせを投与することを必要とする。別の態様にお
いて、当該方法は、抑制されたもしくは異常なSTRIFE1もしくはSTRI
FE2の発現もしくは活性について補償するための治療としてSTRIFE1も
しくはSTRIFE2のタンパク質もしくは核酸分子を投与することを必要とす
る。
【0190】 STRIFE1もしくはSTRIFE2の活性の刺激は、STRIFE1もし
くはSTRIFE2が異常にダウンレギュレーションされ、そして/または増大
されたSTRIFE1もしくはSTRIFE2の活性が有益な効果を有するよう
である状況で望ましい。同様に、STRIFE1もしくはSTRIFE2の活性
の阻害は、STRIFE1もしくはSTRIFE2が異常にアップレギュレーシ
ョンされ、そして/または減少されたSTRIFE1もしくはSTRIFE2の
活性が有益な効果を有するようである状況で望ましい。こうした状況の一例は、
被験者がTNF関連障害、例えば、炎症、免疫もしくは新生物性障害を有する場
合である。 3.薬ゲノム学 本発明のSTRIFE1もしくはSTRIFE2分子、ならびに本発明で記述
されるスクリーニングアッセイにより同定されるようなSTRIFE1もしくは
STRIFE2活性(例えば、STRIFE1もしくはSTRIFE2の遺伝子
発現)に対し刺激性もしくは阻害性の効果を有する作用物質もしくはモジュレー
ターは、異常なSTRIFE1もしくはSTRIFE2活性を伴う障害(例えば
TNF関連障害)を(予防的にもしくは治療的に)治療するために個体に投与し
得る。こうした治療とともに、薬ゲノム学(すなわち、個体の遺伝子型と外来化
合物もしくは薬物に対するその個体の応答との間の関係の研究)を考慮してよい
。治療薬の代謝での差異は、用量と薬理学的に活性の薬物の血液濃度との間の関
係を変えることにより、重症の毒性もしくは治療の失敗につながる可能性がある
。従って、内科医もしくは臨床医は、STRIFE1もしくはSTRIFE2分
子またはSTRIFE1もしくはSTRIFE2モジュレーターを投与すべきか
どうかの決定、ならびにSTRIFE1もしくはSTRIFE2分子またはST
RIFE1もしくはSTRIFE2モジュレーターでの治療における投薬量およ
び/もしくは治療レジメンのあつらえにおいて、関連する薬ゲノム学的研究で得
られた知識の適用を考慮することができる。
【0191】 薬ゲノム学は、影響を及ぼされる人での変えられた薬物の配置および異常な作
用による薬物に対する応答の臨床的に重要な遺伝性の変動を取り扱う。例えば、
アイヒェルバウム(Eichelbaum,M.)、Clin Exp Pha
rmacol Physiol、1996、23(10−11):983−98
5およびリンダー(Linder,M.W.)Clin Chem、1997、
43(2):254−266を参照されたい。一般に、2種の型の薬ゲノム学的
状況が区別される可能性がある。薬物が身体に作用する方法を変える単一の要因
として伝達される遺伝的状態(変えられた薬物作用)、もしくは身体が薬物に対
し作用する方法を変える単一の要因として伝達される遺伝的状態(変えられた薬
物代謝)。これらの薬ゲノム学的状況が、まれな遺伝子欠損もしくは天然に存在
する多形のいずれかとして存在し得る。例えば、グルコース−6−リン酸脱水素
酵素欠損症(G6PD)は、主要な臨床的合併症が酸化剤薬物(抗マラリア薬、
スルホンアミド、鎮痛薬、ニトロフラン)の摂取およびファバマメの消費後の溶
血である、普遍的な遺伝性酵素欠損症である。
【0192】 「ゲノム幅連合(genome-wide association)」として知られる薬物応答を予測
する遺伝子を同定することに対する1種の薬ゲノム学的アプローチは、主として
、既に知られた遺伝子関連マーカー(例えば、ヒトゲノム上の60,000〜1
00,000の多形もしくは変動部位[そのそれぞれは2種の変異体を有する]
より成る「二対立遺伝子」遺伝子マーカー地図)より成るヒトゲノムの高分離地
図を頼みとする。こうした高分離遺伝子地図が、特定の観察される薬物応答もし
くは副作用に関連するマーカーを同定するために、第II/III相薬物試験に
参加している統計学的に有意の数の患者のそれぞれのゲノムの地図と比較され得
る。あるいは、こうした高分離地図は、ヒトゲノム中の数千万の既知の単一ヌク
レオチド多形(SNP)の組み合わせから生じさせ得る。本明細書で使用される
ところの「SNP」は、DNAの伸長(stretch)中の単一ヌクレオチド塩基で起
こる普遍的変化である。例えば、SNPはDNAの1000塩基ごとあたり1回
起こりうる。SNPは疾患過程に関与するかも知れないが、しかしながら、大多
数は疾患関連性でないとみられる。こうしたSNPの発生に基づく遺伝子地図を
考えれば、個体を、それらの個体のゲノム中のSNPの特定のパターンに依存し
て遺伝子範疇にグループ分けし得る。こうした様式で、治療レジメンを、こうし
た遺伝子的に類似の個体の間で共通でありうる形質を考慮に入れて、遺伝子的に
類似の個体の群に対してあつらえることができる。
【0193】 あるいは、「候補遺伝子アプローチ」と命名された方法を利用して薬物応答を
予測する遺伝子を同定し得る。この方法により、薬物標的をコードする遺伝子が
既知である場合(例えば、本発明のSTRIFE1もしくはSTRIFE2タン
パク質またはSTRIFE1レセプター)、その遺伝子の全部の共通な変異体を
集団中で同定し得、そして特定の薬物応答を1種もしくはそれ以上の遺伝子に関
連させ得る。
【0194】 具体的に説明する一態様として、薬物代謝酵素の活性が薬物作用の強度および
持続期間の双方の主要決定子である。薬物代謝酵素の遺伝子多形の発見(例えば
N−アセチルトランスフェラーゼ2(NAT2)およびチトクロームP450酵
素CYP2D6およびCYP2C19)が、なぜ若干の患者が薬物の標準的かつ
安全な用量を服用した後に期待された薬物効果を得ない、もしくは誇張された薬
物応答および重大な毒性を示すかについての説明を提供した。これらの多形は集
団中で2種の表現型、すなわち大量代謝体(extensive metabolizer)(EM)お
よび過小代謝体(poor metabolizer)(PM)で表現される。PMの頻度は多様な
集団のあいだで異なる。例えば、CYP2D6をコードする遺伝子は高度に多形
であり、そしていくつかの突然変異がPMで同定され、それらはすべて機能的な
CYP2D6の非存在につながる。CYP2D6およびCYP2C19の過小代
謝体は、それらが標準的用量を受領する場合に極めて頻繁に誇張された薬物応答
および副作用を経験する。ある代謝物が活性の治療的部分である場合、PMは、
そのCYP2D6で形成される代謝物モルヒネにより媒介されるコデインの鎮痛
効果について立証されるとおり、治療応答を示さない。他の極端は、標準的用量
に応答しないいわゆる超迅速代謝体(ultra-rapid metabolizer)である。最近、
超迅速代謝の分子的基礎がCYP2D6遺伝子増幅によることが同定された。
【0195】 あるいは、「遺伝子発現プロファイリング(gene expression profiling)」と
命名された方法を利用して薬物応答を予測する遺伝子を同定し得る。例えば、薬
物を投与された動物の遺伝子発現(例えば、本発明のSTRIFE1もしくはS
TRIFE2分子、またはSTRIFE1もしくはSTRIFE2モジュレータ
ー)が、毒性に関連する遺伝子経路が通じているかどうかの表示を与え得る。
【0196】 上の薬ゲノム学的アプローチの一以上から生じられた情報を使用して、個体の
予防的もしくは治療的治療のための適切な投薬量および治療レジメンを決定し得
る。この知識は、投薬もしくは薬物選択に適用される場合、有害反応もしくは治
療の失敗を回避し得、そして、従って、STRIFE1もしくはSTRIFE2
分子、または本明細書に記述される例示的スクリーニングアッセイの一により同
定されるモジュレーターのようなSTRIFE1もしくはSTRIFE2モジュ
レーターを用いて被験者を治療する場合に治療的もしくは予防的有効性を高め得
る。
【0197】 本発明は以下の実施例によりさらに具体的に説明され、これらは制限するとし
て解釈されるべきでない。本出願を通じて引用される全部の参考文献、特許およ
び公開された特許出願の内容は、引用により本明細書に組み込まれる。 実施例 実施例1:マウスSTRIFE1およびSTRIFE2のcDNAの同定 本実施例では、マウスSTRIFE1およびSTRIFE2をコードするcD
NAの単離および特徴づけを記述する。STRIFEはTNFRファミリーに属
するタンパク質をコードするマウスの遺伝子である。膜結合されることが予測さ
れる1種(STRIFE1)および分泌される1種(STRIFE2)の2種の
スプライス形態が同定されている。
【0198】 STRIFEを、公的ESTデータベースのコンピュータに基づく検索により
TNFR相同物として同定した。より具体的には、マウスSTRIFE1および
STRIFE2のcDNAを、BLASTN(商標)プログラム(BLASTN
1.3MP:アルチュル(Altschul)ら、J.Mol.Bio.21
5:403、1990)を使用してジェンバンク(GenBank)ヌクレオチ
ドデータベースのコピーに対して検索することにより同定した。大部分が3’読
取り(read)より成った多数のクローン、および3’非翻訳領域内の5’読取りで
あったいくつかのクローンをこの検索により見出した。この配列を、BLAST
X(商標)プログラムを用いて非冗長タンパク質データベースに対し分析した。
このプログラムは、核酸配列を全6個の枠(frame)に翻訳し、そしてそれを入手
可能なタンパク質データベース(BLASTX 1.3MP:アルチュル(Al
tschul)ら、上記)に対し比較する。このタンパク質データベースは、ス
イスプロット(Swiss−Prot)、PIRおよびNCBIジェンペプト(
GenPept)タンパク質データベースの組み合わせである。2種のクローン
(受託番号AA036247およびAA003356)をIMAGEコンソーシ
アムから得、そして完全に配列決定した。AA036247の付加的配列(T
127a;STRIFE1)は623ヌクレオチドだけもとのESTを伸長し(
配列番号1を参照されたい)、また、AA003356のさらなる配列決定(T
127b;STRIFE2)は254ヌクレオチドだけもとのESTを伸長した
(配列番号5を参照されたい)。
【0199】 ESTデータベースのBLASTN(商標)検索は、受託番号AA03624
7のクローンに対する有意の相同性を有する以下のESTを示した。すなわち
【0200】
【表1】
【0201】 ESTおよびヌクレオチドデータベースのBLASTN(商標)検索は、受託
番号AA003356のクローンに対する有意の相同性を有する以下のESTお
よびヌクレオチドを示した。すなわち
【0202】
【表2】
【0203】 実施例2:STRIFE1およびSTRIFE2遺伝子の組織発現 レーンあたり2μgのポリA+RNAを含有するヒトの1種およびマウスの複
数の組織のノーザン(MTN)ブロット(クロンテック(Clontech)、
カリフォルニア州パロアルト)を、マウスSTRIFE1のcDNAの750b
pのEcoRI/NotIフラグメントを用いてプロービングした。フィルター
を、10mlのエクスプレス ハイブ(Express Hyb)ハイブリダイ
ゼーション溶液(クロンテック(Clontech)、カリフォルニア州パロア
ルト)中68℃で1時間プレハイブリダイズし、その後、100ngの32P標識
プローブを添加した。プローブは、ストラタジーン(stratagene)の
プライムイット(Prime−It)キット、カタログ番号300392(クロ
ンテック(Clontech)、カリフォルニア州パロアルト)を使用して生じ
させた。ハイブリダイゼーションを68℃でおよそ2時間処理させた。フィルタ
ーを、0.05%SDS/2×SSC溶液中室温で15分間、そしてその後0.
1%SDS/0.1×SSC溶液中50℃で20分間2回洗浄し、そしてその後
、1スクリーンを用いて−80℃で一夜オートラジオグラフィーフィルムに露光
させた。試験されたマウス組織は、心、脳、脾、肺、肝、骨格筋、腎および精巣
を包含した。試験されたヒト組織は、心、胎盤、肺、肝、骨格筋、腎および膵を
包含した。
【0204】 マウスおよびヒト双方の心、脳および肺に対する強いハイブリダイゼーション
が存在し、およそ4.4kbのSTRIFE1およびSTRIFE2遺伝子転写
物がこれらの組織中で発現されることを示した。 実施例3:細菌細胞中での組換えSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク
質の発現 本実施例では、STRIFE1もしくはSTRIFE2を、大腸菌(E.co
li)中で組換えグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合ポリペ
プチドとして発現し、そしてこの融合ポリペプチドを単離かつ特徴づけする。と
りわけ、STRIFE1もしくはSTRIFE2をGSTに融合し、そしてこの
融合ポリペプチドを大腸菌(E.coli)、例えば株PEB199中で発現す
る。マウスSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク質はそれぞれおよそ2
3.55kDaおよび16.72kDaであることが予測され、また、GSTは
26kDaであることが予測されるため、当該融合ポリペプチドは、分子量がそ
れぞれおよそ49.55kDaおよび42.72kDaであることが予測される
。PEB199でのGST−STRIFE1もしくはSTRIFE2融合タンパ
ク質の発現をIPTGで誘導する。組換え融合ポリペプチドを、グルタチオンビ
ーズ上でのアフィニティークロマトグラフィーにより、誘導されたPEB199
株の粗細菌ライセートから精製する。細菌ライセートから精製されたポリペプチ
ドのポリアクリルアミドゲル電気泳動分析を使用して、結果として生じる融合ポ
リペプチドの分子量を決定する。 実施例4:COS細胞での組換えSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク
質の発現 COS細胞中でSTRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子を発現するため
、インビトロジェン コーポレーション(Invitrogen Corpor
ation)(カリフォルニア州サンディエゴ)によるpcDNA/Ampベク
ターを使用する。このベクターは、SV40の複製開始点、アンピシリン耐性遺
伝子、大腸菌(E.coli)の複製開始点、CMVプロモーター、次いでポリ
リンカー領域、ならびにSV40イントロンおよびポリアデニル酸化部位を含有
する。STRIFE1もしくはSTRIFE2タンパク質全体および当該フラグ
メントのその3’端に同じ読み枠で融合されたHA標識(ウィルソン(Wils
on)ら(1984)Cell 37:767)をコードするDNAフラグメン
トを、このベクターのポリリンカー領域中にクローン化し、それにより組換えタ
ンパク質の発現をCMVプロモーターの制御下に置く。
【0205】 このプラスミドを構築するため、STRIFE1もしくはSTRIFE2のD
NA配列を、2種のプライマーを使用するPCRにより増幅する。5’プライマ
ーは、目的の制限部位、次いで、開始コドンから開始するSTRIFE1もしく
はSTRIFE2のコーディング配列のおよそ20ヌクレオチドを含有し;3’
端配列は、目的の他の制限部位に対する相補的配列、翻訳終止コドン、HA標識
およびSTRIFE1もしくはSTRIFE2のコーディング配列の最後の20
ヌクレオチドを含有する。PCR増幅されたフラグメントおよびpCDNA/A
mpベクターを適切な制限酵素で消化し、そしてこのベクターをCIAP酵素(
ニュー イングランド バイオラブス(New England Biolab
s)、マサチューセッツ州ビバリー)を使用して脱ホスホリル化する。好ましく
は、選ばれた2個の制限部位は、STRIFE1もしくはSTRIFE2遺伝子
が正しい向きで挿入されるように異なる。ライゲーション混合物を、大腸菌(E
.coli)細胞(ストラタジーン クローニング システムズ(Strata
gene Cloning Systems)、カリフォルニア州ラホヤから入
手可能な株HB101、DH5a、SUREを使用し得る)中に形質転換し、形
質転換された培養物をアンピシリン培地プレート上でプレート培養し、そして耐
性のコロニーを選択する。プラスミドDNAを形質転換体から単離し、そして制
限分析により正しいフラグメントの存在について検査する。
【0206】 COS細胞をその後、リン酸カルシウムもしくは塩化カルシウム共沈殿法、D
EAE−デキストラン媒介性トランスフェクション、リポフェクションまたは電
気穿孔法を使用して、STRIFE1もしくはSTRIFE2−pcDNA/A
mpプラスミドDNAでトランスフェクションする。宿主細胞の他の適するトラ
ンスフェクション方法は、サンブルック(Sambrook,J.)、フリッチ
ュ(Fritsh,E.F.)とマニアティス(Maniatis,T.)、M
olecular Cloning: A Laboratory Manua
l.第2版、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Sp
ring Harbor Laboratory)、コールド スプリング ハ
ーバー ラボラトリー プレス(Cold Spring Harbor La
boratory Press)、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー
、1989に見出され得る。STRIFE1およびSTRIFE2ポリペプチド
の発現を、放射標識(NEN、マサチューセッツ州ボストンから入手可能な35
−メチオニンもしくは35S−システインを使用し得る)およびHA特異的モノク
ローナル抗体を使用する免疫沈降法(ハーロウ(Harlow,E.)とレーン
(Lane,D.)、Antibodies: A Laboratory M
anual、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス(Col
d Spring Harbor Laboratory Press)、ニュ
ーヨーク州コールドスプリングハーバー、1988)により検出する。簡潔には
、細胞を35S−メチオニン(もしくは35S−システイン)を用いて8時間標識す
る。培養培地をその後収集し、そして、細胞を、洗剤(RIPA緩衝液、150
mM NaCl、1% NP−40、0.1% SDS、0.5% DOC、5
0mMトリス、pH7.5)を使用して溶解する。細胞ライセートおよび培養培
地双方をHA特異的モノクローナル抗体で沈殿させる。沈殿されたポリペプチド
をその後SDS−PAGEにより分析する。
【0207】 あるいは、STRIFE1もしくはSTRIFE2のコーディング配列を含有
するDNAを、適切な制限部位を使用してpCDNA/Ampベクターのポリリ
ンカー中に直接クローン化する。生じるプラスミドを、上述された様式でCOS
細胞にトランスフェクションし、そしてSTRIFE1もしくはSTRIFE2
ポリペプチドの発現を、放射標識、およびSTRIFE1もしくはSTRIFE
2特異的モノクローナル抗体を使用する免疫沈降法により検出する。 実施例5:マウスSTRIFE1およびSTRIFE2タンパク質の特徴づけ STRIFE1は長さがおよそ981ヌクレオチドであり、そして214アミ
ノ酸のタンパク質をコードすることが予測される645ヌクレオチドの1個の読
取り枠を有する。STRIFE2は、150アミノ酸のタンパク質をコードする
ことが予測される453ヌクレオチドの1個の読取り枠をもつおよそ655ヌク
レオチド長である。双方のクローンを、レトロウイルス送達ならびに細菌、酵母
および哺乳動物細胞での発現のためのものを包含する多様な発現ベクター中にサ
ブクローニングする。
【0208】 タンパク質データベースのBlastX検索は、TNFRファミリーの多様な
メンバーに対するこのクローンの相同性を確認する。STRIFE1およびST
RIFE2の細胞外ドメインはOX40におよそ40%同一である。重要なこと
に、STRIFE1およびSTRIFE2の細胞外ドメイン内の多数のシステイ
ン残基は、TNFR/NGFRファミリー(プロサイト(Prosite)受託
PDOC00561)のシステイン豊富なドメインのシグネチャ(signature)に
合致する。プログラムSignalP(ニールセン(Nielsen)ら、19
97)は、STRIFE1およびSTRIFE2双方のまさにN末端に30アミ
ノ酸のシグナルペプチドを予測する(すなわち、配列番号1および5のaa1−
29)。STRIFE1についての予測された分子量は、シグナルペプチドを含
みおよそ23.55kDa、また、シグナルペプチド[成熟タンパク質中で切断
されることが想定される]を含まず20.34kDaである。STRIFE1の
小さな細胞内ドメイン中に明らかなモチーフは存在しない。STRIFE2はシ
グナルペプチドを含み16.72kDaおよびシグナルペプチドを含まず13.
51kDaであることが予測される。
【0209】 疑問符としてSTRIFE1タンパク質配列を使用するFASTA検索(ピア
ソン(Pearson W.R.)とリップマン(Lipman D.J.)(
1988)PNAS 85:2444−2448に記述される、スコアマトリッ
クス:PAM120)は、STRIFE1がアミノ酸残基1−203にわたって
ヒトOAF065レセプター(受託番号W70387;1998年9月3日に公
開されたPCT特許出願第WO 98/38304号に記述される)に85.7
%同一であることを示す。この検索からの結果を図4に示す。
【0210】 疑問符としてSTRIFE1ヌクレオチド配列を使用するFASTA検索(ピ
アソン(Pearson W.R.)とリップマン(Lipman D.J.)
(1988)PNAS 85:2444−2448に記述される、スコアマトリ
ックス:PAM120)は、STRIFE1がヌクレオチド残基65−981に
わたってヒトOAF065レセプター(受託番号V733362;1998年9
月3日に公開されたPCT特許出願第WO 98/38304号に記述される)
をコードする核酸分子に70.6%同一であることを示す。この検索からの結果
を図5に示す。 STRIFE1およびSTRIFE2ファミリータンパク質の構造 マウスSTRIFE1、STRIFE2およびマウスOX40(受託番号P4
7741)のアミノ酸配列の整列を図3に示す。マウスSTRIFE1とSTR
IFE2ファミリーのメンバーとの間で保存されるアミノ酸残基が強調される。
同一性のパーセントを、MegAlign(商標)配列整列ソフトウェアを使用
して生じられた整列を使用して算出した。最初の対での(pairwise)整列段階を、
2のK−タプル(K-tuple)、5のギャップペナルティ(GAP penalty)、4のウィン
ドウ、および4に設定された保存されたダイアゴナル(diagonal)を用いて、ウィ
ルバー−リップマン(Wilbur−Lipman)アルゴリズムを使用して実
施した。複数の整列段階は、PAM250残基重み表(residue weight table)、
10のギャップペナルティおよび10のギャップ長ペナルティ(GAP length pena
lty)を用いて、クラスタル(Clustal)アルゴリズムを使用して実施した
。 マウスへのSTRIFE1およびSTRIFE2のレトロウイルス送達 STRIFE1もしくはSTRIFE2の完全な読取り枠を、ホーレイ(Ha
wley)ら(1994)Gene Therapy 1:136−138に記
述されるレトロウイルスベクターMSCVneo中にサブクローニングする。細
胞(293Ebna、インヴィトロジェン(Invitrogen))をその後
、STRIFE1もしくはSTRIFE2構築物、およびウイルスの調節要素を
含有する構築物で一過性にトランスフェクションして、STRIFE1もしくは
STRIFE2遺伝子を含有する高力価のレトロウイルスを産生する。このウイ
ルスをその後、マウスをトランスフェクションするのに使用する。これらのマウ
スをその後、いずれかの全体の病状、および標準的アッセイを使用するそれらの
免疫応答の変化について試験する。 同等物 当業者は、わずかに慣例的実験を使用して、本明細書に記述される本発明の特
定の態様に対する多くの同等物を認識するであろうか、もしくは確かめることが
可能であろう。こうした同等物は以下の請求の範囲により包含されることを意図
される。
【0211】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明にかかる、マウスSTRIFE1のcDNA配列および予測されるアミノ
酸配列を描く。ヌクレオチド配列は配列番号1の核酸1ないし981に対応する
。アミノ酸配列は配列番号2のアミノ酸1ないし214に対応する。
【図2】 発明にかかる、マウスSTRIFE2のcDNA配列および予測されるアミノ
酸配列を描く。ヌクレオチド配列は配列番号5の核酸1ないし655に対応する
。アミノ酸配列は配列番号6のアミノ酸1ないし150に対応する。
【図3】 発明にかかる、マウスSTRIFE1(本明細書で「Tango127a」も
しくは「T127a」ともまた称される)、STRIFE2(本明細書で「Ta
ngo127b」もしくは「T127b」ともまた称される)およびマウスOX
40(受託番号P47741)のアミノ酸配列の整列を描く。マウスSTRIF
E1のファミリーメンバーとSTRIFE2のファミリーメンバーとの間で保存
されるアミノ酸残基が強調されている。
【図4】 発明にかかる、疑問符としてSTRIFE1のアミノ酸配列を使用するFAS
TA検索からの結果を描く。
【図5】 発明にかかる、疑問符としてSTRIFE1のヌクレオチド配列を使用するF
ASTA検索からの結果を描く。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61K 48/00 4C085 45/00 A61P 7/06 4C086 48/00 29/00 4H045 A61P 7/06 35/00 29/00 37/02 35/00 C07K 14/715 37/02 16/30 C07K 14/715 19/00 16/30 C12N 1/15 19/00 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 21/08 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 1/68 A 21/08 G01N 33/53 M C12Q 1/02 C12N 15/00 ZNAA 1/68 A61K 37/02 G01N 33/53 C12N 5/00 A Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA63 CA04 CA09 CA11 CA12 FA02 FA10 GA11 HA14 HA15 4B063 QQ42 QQ52 QR32 QR56 QS03 QS34 QX07 4B064 AG20 AG27 CA02 CA10 CA19 CA20 CC24 DA01 DA13 4B065 AA26X AA90X AA91Y AA93Y AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA13 AA16 BA01 DA53 4C085 AA14 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 NA14 ZB01 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA76 EA20 EA50 FA74

Claims (69)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号3もしくは配列番号7のヌクレオチド配列またはそ
    の相補物に最低約60%相同なヌクレオチド配列を含んで成る、STRIFEタ
    ンパク質をコードする単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 配列番号3のヌクレオチド配列もしくはその相補物を含んで
    成る、請求項1の単離された核酸分子。
  3. 【請求項3】 配列番号1のヌクレオチド1−106をさらに含んで成る、
    請求項2の単離された核酸分子。
  4. 【請求項4】 配列番号1のヌクレオチド752−981をさらに含んで成
    る、請求項2の単離された核酸分子。
  5. 【請求項5】 配列番号7のヌクレオチド配列もしくはその相補物を含んで
    成る、請求項1の単離された核酸分子。
  6. 【請求項6】 配列番号5のヌクレオチド1−109をさらに含んで成る、
    請求項5の単離された核酸分子。
  7. 【請求項7】 配列番号5のヌクレオチド563−655をさらに含んで成
    る、請求項5の単離された核酸分子。
  8. 【請求項8】 非STRIFEタンパク質をコードする核酸分子に関してS
    TRIFEタンパク質をコードするSTRIFE核酸分子を特異的に検出する、
    請求項1もしくは7のいずれかの単離された核酸分子。
  9. 【請求項9】 配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列に最低約60
    %相同なアミノ酸配列を含んで成るタンパク質をコードするヌクレオチド配列を
    含んで成る、単離された核酸分子。
  10. 【請求項10】 配列番号2のアミノ酸配列を含んで成るタンパク質をコー
    ドするヌクレオチド配列を含んで成る、請求項9の単離された核酸分子。
  11. 【請求項11】 配列番号6のアミノ酸配列を含んで成るタンパク質をコー
    ドするヌクレオチド配列を含んで成る、請求項9の単離された核酸分子。
  12. 【請求項12】 ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列
    番号1もしくは配列番号5のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子にハイブリ
    ダイズするヌクレオチド配列を含んで成る、STRIFEタンパク質をコードす
    る単離された核酸分子。
  13. 【請求項13】 ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列
    番号3もしくは配列番号7のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子にハイブリ
    ダイズするヌクレオチド配列を含んで成る、STRIFEタンパク質をコードす
    る単離された核酸分子。
  14. 【請求項14】 ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列
    番号4もしくは配列番号8のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子にハイブリ
    ダイズするヌクレオチド配列を含んで成る、STRIFEタンパク質をコードす
    る単離された核酸分子。
  15. 【請求項15】 ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列
    番号1のヌクレオチド107−751、1−16、413−602もしくは71
    1−981を含んで成る核酸分子にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含ん
    で成る、単離された核酸分子。
  16. 【請求項16】 ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列
    番号5のヌクレオチド110−562、1−16、416−489もしくは51
    9−655を含んで成る核酸分子にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含ん
    で成る、単離された核酸分子。
  17. 【請求項17】 ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列
    番号1、配列番号5、配列番号4もしくは配列番号8のヌクレオチド配列を含ん
    で成る核酸分子にハイブリダイズする、長さが最低450ヌクレオチドの単離さ
    れた核酸分子。
  18. 【請求項18】 請求項1、10、11、13、14もしくは15のいずれ
    かの核酸分子に対しアンチセンスである、単離された核酸分子。
  19. 【請求項19】 請求項1、9、12、13もしくは14のいずれかの核酸
    分子を含んで成るベクター。
  20. 【請求項20】 組換え発現ベクターである、請求項19のベクター。
  21. 【請求項21】 請求項20のベクターを含有する宿主細胞。
  22. 【請求項22】 STRIFEタンパク質が産生されるまで適する培地中で
    請求項21の宿主細胞を培養することを含んで成る、STRIFEタンパク質の
    製造方法。
  23. 【請求項23】 培地もしくは宿主細胞からSTRIFEタンパク質を単離
    することをさらに含んで成る、請求項22の方法。
  24. 【請求項24】 STRIFEタンパク質をコードするトランスジーンをも
    つ細胞を含有する、非ヒトのトランスジェニック動物。
  25. 【請求項25】 変えられたSTRIFE遺伝子を有する細胞を含有する、
    非ヒトの相同的組換え動物。
  26. 【請求項26】 配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列に最低約6
    0%相同なアミノ酸配列を含んで成る、単離されたSTRIFEタンパク質。
  27. 【請求項27】 配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列
    番号7もしくは配列番号のヌクレオチド配列、またはその相補物に最低約60%
    相同なヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子によりコードされる、単離された
    STRIFEタンパク質。
  28. 【請求項28】 配列番号3もしくは配列番号7のヌクレオチド配列に最低
    約60%相同なヌクレオチド配列、またはその相補物を含んで成る核酸分子によ
    りコードされる、単離されたSTRIFEタンパク質。
  29. 【請求項29】 配列番号4もしくは配列番号8のヌクレオチド配列に最低
    約60%相同なヌクレオチド配列、またはその相補物を含んで成る核酸分子によ
    りコードされる、単離されたSTRIFEタンパク質。
  30. 【請求項30】 ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配
    列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7もしくは配列番号
    8のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子にハイブリダイズするヌクレオチド
    配列を含んで成る核酸分子によりコードされる単離されたSTRIFEタンパク
    質。
  31. 【請求項31】 配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列に十分に相
    同なアミノ酸配列を含んで成る単離されたタンパク質であって、STRIFEの
    生物学的活性を保持するタンパク質。
  32. 【請求項32】 配列番号2のアミノ酸配列に60%相同なアミノ酸配列を
    含んで成る、請求項31の単離されたタンパク質。
  33. 【請求項33】 配列番号6のアミノ酸配列に60%相同なアミノ酸配列を
    含んで成る、請求項31の単離されたタンパク質。
  34. 【請求項34】 シグナル配列を含んで成る、請求項26〜33のいずれか
    の単離されたタンパク質。
  35. 【請求項35】 N末端のシステイン豊富なドメインを含んで成る、請求項
    26〜33のいずれかの単離されたタンパク質。
  36. 【請求項36】 配列番号2もしくは配列番号6のアミノ酸配列を含んで成
    る、単離されたタンパク質。
  37. 【請求項37】 非STRIFEポリペプチドに効果をもたらして連結され
    るSTRIFEポリペプチドを含んで成る融合タンパク質。
  38. 【請求項38】 非STRIFEポリペプチドがシグナル配列を含んで成る
    、請求項37の融合タンパク質。
  39. 【請求項39】 非STRIFEポリペプチドが免疫グロブリンドメインで
    ある、請求項37の融合タンパク質。
  40. 【請求項40】 STRIFEを特異的に結合する抗体。
  41. 【請求項41】 モノクローナルである、請求項40の抗体。
  42. 【請求項42】 検出可能な物質で標識される、請求項41の抗体。
  43. 【請求項43】 請求項26〜33もしくは37のいずれか一のタンパク質
    、および製薬学的に許容できる担体を含んで成る、製薬学的組成物。
  44. 【請求項44】 請求項40の抗体および製薬学的に許容できる担体を含ん
    で成る、製薬学的組成物。
  45. 【請求項45】 細胞に関連する活性が、STRIFEタンパクの質活性も
    しくはSTRIFE核酸の発現を調節する作用物質の非存在下での細胞の細胞に
    関連する活性に比較して変わるように、当該作用物質と当該細胞を接触させるこ
    とを含んで成る、細胞に関連する活性の調節方法。
  46. 【請求項46】 作用物質がSTRIFEタンパク質の活性もしくは発現を
    刺激する、請求項45の方法。
  47. 【請求項47】 作用物質がSTRIFEタンパク質の活性もしくは発現を
    阻害する、請求項45の方法。
  48. 【請求項48】 作用物質がアンチセンスSTRIFE核酸分子である、請
    求項47の方法。
  49. 【請求項49】 作用物質がSTRIFEに特異的に結合する抗体である、
    請求項47の方法。
  50. 【請求項50】 細胞が被験者内に存在しかつ作用物質が当該被験者に投与
    される、請求項45の方法。
  51. 【請求項51】 被験者の治療が行なわれるように被験者にSTRIFEモ
    ジュレーターを投与することを含んで成る、異常なSTRIFEタンパク質の活
    性もしくは核酸の発現を特徴とする障害を有する被験者の治療方法。
  52. 【請求項52】 STRIFEモジュレーターが小分子である、請求項51
    の方法。
  53. 【請求項53】 STRIFEモジュレーターがSTRIFEタンパク質で
    ある、請求項51の方法。
  54. 【請求項54】 STRIFEモジュレーターがSTRIFEタンパク質を
    コードする核酸分子である、請求項51の方法。
  55. 【請求項55】 障害が分化障害である、請求項51の方法。
  56. 【請求項56】 障害が増殖性障害である、請求項51の方法。
  57. 【請求項57】 STRIFE活性の存在が生物学的サンプル中で検出され
    るように、生物学的サンプルをSTRIFE活性の指標を検出することが可能な
    作用物質と接触させることを含んで成る、生物学的サンプル中のSTRIFE活
    性の存在の検出方法。
  58. 【請求項58】 作用物質がSTRIFEのmRNAを検出する、請求項5
    7の方法。
  59. 【請求項59】 作用物質が、STRIFEのmRNAにハイブリダイズす
    ることが可能な標識された核酸プローブである、請求項57の方法。
  60. 【請求項60】 作用物質がSTRIFEタンパク質を検出する、請求項5
    7の方法。
  61. 【請求項61】 作用物質が、STRIFEタンパク質に特異的に結合する
    ことが可能な標識された抗体である、請求項57の方法。
  62. 【請求項62】 生物学的サンプル中でSTRIFE活性の指標を検出する
    ことが可能な作用物質を含んで成る、生物学的サンプル中のSTRIFE活性の
    存在を検出するためのキット。
  63. 【請求項63】 作用物質が、STRIFEのmRNAにハイブリダイズす
    ることが可能な核酸プローブである、請求項62のキット。
  64. 【請求項64】 作用物質が、STRIFEタンパク質に特異的に結合する
    ことが可能な抗体である、請求項62のキット。
  65. 【請求項65】 使用説明書をさらに含んで成る、請求項62のキット。
  66. 【請求項66】 細胞サンプル中の遺伝子変化を同定するための診断アッセ
    イであって、遺伝子変化の存在もしくは非存在が、(i)STRIFEタンパク
    質をコードする遺伝子の異常な修飾もしくは突然変異、および(ii)前記遺伝
    子の誤った調節、または(iii)STRIFEタンパク質の異常な翻訳後修飾
    の最低1種を特徴とするアッセイ。
  67. 【請求項67】 前記変化の検出が、 a.請求項15、16、17もしくは18の診断プローブを含んで成る試薬を提
    供すること; b.前記試薬を前記細胞サンプルの核酸と組み合わせること;そして c.前記細胞の核酸への前記プローブのハイブリダイゼーションにより、前記遺
    伝子からの1個もしくはそれ以上のヌクレオチドの欠失、前記遺伝子への1個も
    しくはそれ以上のヌクレオチドの付加、前記遺伝子の1個もしくはそれ以上のヌ
    クレオチドの置換、前記遺伝子の全部もしくは一部分の著しい染色体の再配列、
    前記遺伝子のm RNA転写物の水準の著しい変化、または前記遺伝子のmRN
    A転写物の非野生型のスプライシングパターン、の最低一の存在を検出すること
    、 を包含する、請求項66のアッセイ。
  68. 【請求項68】 前記変化の検出が、 a.2種の診断プローブを含んで成る試薬を提供すること; b.前記試薬を前記細胞サンプルの核酸と組み合わせること;そして c.前記細胞の核酸の増幅もしくは増幅の欠如により前記変化の非存在もしくは
    存在を検出すること、 を包含する、請求項66のアッセイ。
  69. 【請求項69】 a.STRIFE活性を有するタンパク質を含んで成る指
    標組成物を提供すること; b.指標組成物を試験化合物と接触させること;そして c.指標組成物中のSTRIFE活性に対する試験化合物の影響を測定してそれ
    によりSTRIFEタンパク質の活性を調節する化合物を同定すること、 を含んで成る、STRIFEタンパク質の活性を調節する化合物の同定方法。
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