JP2002527126A - 靴ポケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 例えば靴（10）のような履物のソール（24）内に形成されていて、例えば鍵及び（又は）専用インサート（36）のような物品を収納する靴用ポケット。靴ポケットは、靴（10）のソール（24）のどこかに形成された１又は２以上の凹部（30）、好ましくは、靴（10）のアーチ（32）の下に形成された１又は２以上の凹部（30）を有し、靴（10）のソール（24）の片側に開口部を備えている。一実施形態では、収納されるべき物品は、靴（10）のソール（24）の凹部（30）内に直接納められる。別の実施形態では、ハウジング（34）が、収納されるのが望ましい物品を受け入れるように凹部内に永続的に取り付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 〔技術分野〕 本発明は、一般に１又は２以上の一体形収納ポケットを備えた履物に関し、特
に、収納ポケット又は凹部が形成されたソールを有する履物に関する。

【０００２】 〔背景技術〕 フィットネスやレクリエーションスポーツの愛好者が抱えることの問題の一つ
は、選んだ身体運動に参加している間、或る特定の個人的持ち物又は必需品、例
えば鍵又はクレジットカード、或いは、他のかかる品物をどこに保管すべきかに
関する問題である。自明な解決策は、かかる品物を各自の服のポケットに入れて
携えることである。しかしながら、全てのスポーツウエアにポケットがあるとい
うわけではなく、また、ポケットがあったとしても品物が入っていると、靴を履
いた人（以下、「着用者」ともいう）の気が散ったり、気持ちが落ちつかなかっ
たり、或いは参加者の団体競技における出来ばえに僅かではあるが許容限度を越
えるほどのずれが生じる場合がある。さらに、物品がポケットから落ちて紛失す
る場合がある。

【０００３】 従来の大抵の解決策は、かかる物品を参加者の靴に装着して携えるという方向
で技術的発展を見た。たとえば、従来解決策としては、靴のソールの上方で靴の
アッパー部分の種々の部分に取り付けることができる袋を利用することが挙げら
れる。これら解決策に関する問題は、従来設計のうち多くはぶらぶらしていて靴
にパタパタと当たり、靴への取付け取外しが困難又は不便であり、しかも着用中
、靴の外観を損ねる場合があるということである。さらに、袋又はその中身は、
或る種のスポーツではこれをしている間に損傷したり紛失しやすい場合がある。

【０００４】 これらの問題のうちの幾つかに取り組むために、靴のアッパー部分に一体に形
成された袋を有する多くの従来型靴が考案された。このような設計の靴は、他の
従来型袋の欠点のうち幾つかを解決したが、かかる袋及びこれらの中身は、依然
として傷みやすく、しかも、収納された品物のセキュリティーを適切には確保で
きない場合がある。たとえば、もし体育館での練習の際に靴を履くと、袋又はそ
の中身は、着用者の靴と体育館内の設備の思いがけない接触により損傷する場合
がある。袋が損傷すると、又は、袋が固定されていなければ、袋の中身が抜け落
ちて紛失する場合がある。

【０００５】 靴の一体部分であり、収納されるようになった物品をしっかりと保持し、靴の
他の部分を操作する必要なく収納状態の品物の収納取出しのための使い方が迅速
且つ容易であり、しかも、使用中、中身を損傷又は紛失から適切に保護する靴ポ
ケットが要望されている。

【０００６】 〔発明の概要〕 したがって、本発明は、靴のソール内に形成された靴収納コンパートメント又
はポケットに関する。本発明の靴ポケットは、靴のソールの縁部又は側部のとこ
ろで開口していて、収納されるべき物品を受け入れることができる凹部を有して
いる。いくつかの実施形態において、収納するのが望ましい物品は、凹部内に直
接納められ、又は凹部内に形成されたハウジング内に納められる。物品としては
、鍵、クレジットカード、マッチ、巻きタバコ、現金、マネークリップ及び硬貨
が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、本発明は、物品を凹
部内にしっかりと保持する１又は２以上の構造的特徴を有している。別の実施形
態では、保持するための構造的特徴としては、機械式ロック手段が挙げられ、別
の実施形態では、物品は凹部の内面との摩擦接触により定位置に保持される。

【０００７】 収納されるべき物品は、専用インサートであってもよい。たとえば、インサー
トは、電子装置又は実用的な装置、例えば、計算機、小型コンピュータ、歩いた
距離を測定するための万歩計（登録商標）、実用的なナイフ、ラジオ、又はハウ ジング内に挿入するのに適した寸法を備えた状態で製造できる、事実上、任意他 の所望の物品であってもよく、これらを装備したものであってもよい。変形例と して、インサートは、他の小形の物品、例えば、鍵、クレジットカード、マッチ 、巻きタバコ、マネークリップ及び小銭を保持するように形作られたものであっ てもよい。インサートは、インサートを靴から取り出しやすいようにするのに用 いられるプルタブ又はストラップを有するのがよい。

【０００８】 一実施形態では、剛性材料で作られたハウジングは、靴のソール中の凹部内に
納められる。別の実施形態では、ハウジングは、靴の追加のアーチ支持体となる
。別の実施形態では、ハウジングは、可撓性エラストマー材料で構成される。別
の実施形態では、本発明は、インサートをハウジング内にしっかりと保持する１
又は２以上の構造的特徴を有している。別の実施形態では、保持する構造的特徴
として、機械式ロック手段が挙げられ、別の実施形態では、インサートはハウジ
ングの内面との摩擦接触により定位置に保持される。２以上の凹部を靴内に設け
てもよく、凹部、及び、もし、設けたとすれば、ハウジングを靴のソールの外縁
部に沿う任意の位置に設けることができる。しかしながら、凹部は、好ましくは
、靴のアーチの下に配置される。凹部の形状、そして、実施形態によっては、ハ
ウジングの形状は、所望に応じて、又は、実用向きに、様々であってよい。

【０００９】 本発明は又、物品を靴のソール内に形成された室（チャンバー）内に収納する
方法に関する。室（チャンバー）は、靴のソールにより又は靴のソール内に設け
られたハウジングの壁によって構成されるのがよい。本方法は、（Ａ）ソール内
に形成されていて、少なくとも１つの物品を収納するポケットを有する靴を準備
する段階を含み、靴のポケットは、靴のソール内に形成された少なくとも１つの
室を含み、該室は、靴のソールの側部のところで開口し、室は、この中に収納さ
れるべき物品を受け入れるよう寸法決めされており、上記方法は、（Ｂ）室内に
収納されるべき物品を準備する段階と、（Ｃ）収納されるべき物品を室内に配置
する段階とを更に含む。変形実施形態としての方法は、（Ａ）ソール内に形成さ
れていて、少なくとも１つの物品を収納するポケットを有する靴を準備する段階
を含み、靴のポケットは、靴のソール内に形成された少なくとも１つの室を含み
、該室は、靴のソールの側部のところで開口し、室はインサートを受け入れるよ
う寸法決めされており、上記方法は、（Ｂ）収納されるべき物品を保持するイン
サートを準備する段階と、（Ｃ）収納されるべき物品をインサート内に配置する
段階と、（Ｄ）インサートを室内に配置する段階とを更に含む。

【００１０】 〔発明の詳細な説明〕 本発明は、靴のソール内に形成されたポケットから成る収納室又はコンパート
メントに関する。本発明の靴ポケットは、靴のソールの片側に開口可能であり、
収納されるべき物品を受け入れることができる凹部を有している。実施形態によ
っては、収納するのが望ましい物品は、凹部内に直接納められ、又は凹部内に形
成されたハウジング内に納められる。物品としては、鍵、クレジットカード、マ
ッチ、巻きタバコ、現金、マネークリップ、小銭ホルダー、専用モジュール、カ
ートリッジ又はそれ自体収納保管されるのが望ましい物品であってもよく、或い
は収納保管されるべき小物を保持できる挿入物（本明細書では、「インサート」
という）が挙げられるが、これらには限定されない。２以上の凹部を靴に設ける
のがよく、設けた場合には、凹部及びハウジングを靴のソールの外縁部に沿う任
意の箇所に設けるのがよい。ただし、凹部は、好ましくは、靴のアーチ（踏まず
芯）の下に配置される。

【００１１】 今、図面を参照して本発明について説明する（なお、図中、同一の符号は類似
の部分を示している）。本発明の原理にしたがって形成された一体形靴用ポケッ
トが図１に示されている。図１に示す運動靴１０は、従来型の一般的な運動靴１
０である。靴１０は、着用者の足の少なくとも一部を包囲するための比較的軟質
で且つ可撓性のアッパー部分１２を有し、かかるアッパー部分は、足の入る空所
１６を構成する一対のサイドフラップ１４、靴のサイドフラップ１４相互間に延
びる靴の舌部１８及び靴のサイドフラップ１４を互いに固定するための手段を含
む。図１〜図７に示す靴は、サイドフラップ４の互いに平行な反対側の側部に沿
って設けられた複数のはと目２２に通された紐２０を用いているが、他の締結手
段、例えば、ＶＥＬＣＲＯ（登録商標）ストラップを用いてもよい。

【００１２】 靴１０は、例えば地面のような支持面との不快な接触からの保護作用、及び、
かかる不快な接触に対するクッション作用を発揮するソール２４を更に有する。
靴１０のアッパー部分１２に用いられる代表的な材料としては、皮革、人工シー
ト材料、例えばポリビニル又はポリウレタンシート又はこれらの組合せが挙げら
れる。靴１０のアッパー部分１２に用いられる特定の材料は、本発明について重
要ではない。靴１０のアッパー部分１２に用いられる特定の材料は、打抜きされ
又はレーザカットされることが多く、そして足の形をした靴型上で縫い合わされ
、それにより完成状態のアッパー部分１２が形成される。

【００１３】 ソール２４は、代表的には、１又は２以上の人工エラストマー材料、例えば発
泡又は固体ポリウレタン又はエチレン酢酸ビニルから成形又は形成され、そして
通常の構造的特徴、例えば、トップ又は「足床（footbed ）」表面、周囲外側又
は側壁面２６及びボトム又は地面接触面を含むように形づくられる。分かりやす
くするために、本発明を説明する図面には層状構造が示されていないが、ソール
２４は、代表的には、互いに異なる特性を備えた異種材料の一連の層、例えば強
靭な外底部品、クッション入り中底部品及び柔らかい内底部品を更に有するもの
である。ソール２４は、代表的には、その上面が、接着剤を用いることにより靴
１０のアッパー部分１２の下方縁部に取り付けられる。

【００１４】 図面はこの詳細な説明においては、本発明を代表的な運動靴に用いられるもの
として示しているが、本発明は、凹部又はポケットを内部に形成するのに十分に
厚いソールを有する任意種類の履物（かかる履物としては、ブーツ、カジュアル
シューズ及び礼装用の靴が挙げられるが、これらには限定されない）に使用でき
ることは理解されよう。さらに、靴の特定の形状及び靴の製造方法は、本発明に
とって重要ではない。ただし、ソールがポケットを内部に形成するのに十分な厚
さを有していることを条件とする。

【００１５】 本発明は、靴１０のソール２４内に形成されたポケット内に物品を収納するた
めの収納システムに関する。今、図１を参照すると、凹部３０が靴１０のアーチ
の下で靴１０のソール２４内に形成されている本発明の第１の実施形態が示され
ている。この実施形態では、剛性ハウジング３４が、凹部３０内に永続的に取り
付けられている。ハウジング３４の製作において、任意適当な材料を用いてもよ
いが、選択された材料は、好ましくは、比較的軽量であるが、靴１０のソール２
４のその部分が受ける条件に耐えることができるものである。図１に示す実施形
態では、本発明は、ハウジング３４内に受け入れられるインサート３６を更に有
している。インサート３６及びハウジング３４は、任意のサイズのものであって
よいが、好ましくは、クレジットカードよりも大して大きくないものである。凹
部及びこれに対応した任意のハウジング３４は、一般に、図面では横断面で見て
正方形又は矩形のものとして示されているが、変形実施形態では、事実上、任意
所望の形状又は実用的な形状を用いてもよい。しかしながら、かかる形状は、好
ましくは、収納されるのが望ましい物品の形状に一致するものということになろ
う。

【００１６】 インサート３６は、靴１０を履いている間、容易に挿入したり取り出したりす
ることができることが好ましい。しかしながら、インサート３６は、不用意にハ
ウジング３４から突き出ないようにするために、ハウジング３４内にしっかりと
保持されることも望ましい。したがって、ハウジング３４は、好ましくは、かか
る自体の発生を防止するためのロック構造を備える。インサート３６をハウジン
グ３４内に固定するための任意公知の手段を使用することができる。図１に示す
実施形態では、剛性ハウジング３４の上壁４２に設けられた孔４０を有するカム
ロック機構が用いられており、この孔４０は、インサート３６の上面３８上に成
形されていて、弾性アーム４６で支持されたオーバセンタ係止カム４４と形状が
相補し、この弾性アーム４６は、これに設けられたタブ４８によって下方へ押し
下げることができる。かくして、インサート３６を挿入するためには、ユーザは
単にインサート３６の適正な縁部をハウジング３４内に挿入してインサート３６
をハウジング３４内に押し込み、ついには、カム４４がスナップ動作によって孔
４０に嵌まり込み、それにより、インサート３６を定位置にロックするようにす
る。

【００１７】 インサート３６を取り出すためには、ユーザは係止カム４４が孔４２から出る
までタブ４８を押し下げ、次に、インサート３６をハウジング３４から引き出す
。タブ４８は、好ましくは、靴１０のソール２４の側部から短い距離延びている
。その目的は、ユーザがタブ４８を容易に把持できるようにすることにある。

【００１８】 図２に示されている剛性ハウジング３４の別の形態では、ハウジング３４は、
アーチ支持体となるよう形作られている。この実施形態では、ハウジング３４の
上壁５０は、上述の層のアーチ支持体ベースとして役立つよう凸状の円弧を形成
している。

【００１９】 図１のインサート３６は、平らな矩形の箱の形をしていて、片方の側部にクレ
ジットカード５４を受け入れるような形状のクレジットカード用開口部５２と、
これと反対側の側部に設けられていて、それぞれが１つの鍵５８を受け入れるよ
うな形状の２つの鍵用開口部５６とを備えている。図３は、図１のインサート３
６の背面図である。インサート３６の幅を減少させるために、鍵５８及びクレジ
ットカード５４をインサート３６内に積み重ねることが好ましい。具体的に説明
すると、鍵用開口部５６は、インサート３６の中心線６０の上方に形成され、ク
レジットカード用開口部５２は中心線６０の下に形成されている。ユーザが開口
部５２，５６内に収納されているクレジットカード５４又は鍵５８を把持できる
ようにするために、開口部５２，５６のところでインサート３６の壁には切欠き
が形成されている。図８に示す変形実施形態では、鍵用開口部５２は、インサー
ト３６の両側の側部に設けられている。インサート３６の寸法形状は、必要に応
じて様々なものであってよいが、インサート３６についての好ましい適当な寸法
は、幅が２．２５インチ（約５．７２cm）、長さが３．４０インチ（約８．６４
cm）、高さが０．２５インチ（約０．６４cm）である。

【００２０】 インサート３６の別の実施形態が図９及び図１０に示されており、図９及び図
１０は、上側部分３７と、下側部分３９と、ヒンジ４１とを有するインサート３
６の折り重ね式実施形態を示している。上側部分３７又は下側部分３９のうちの
少なくとも一方は、好ましくは、収納されるべき品物を受け入れるような形状に
なっている。図９を参照すると、上側部分３７は、２つの鍵５８を保持するよう
な形状になっており、下側部分３９は、クレジットカード５４を保持するような
形状になっている。収納された品物を固定するための任意の使用できる手段を用
いることができ、かかる手段としては、品物の形をしたスナップ嵌め方式の凹部
が挙げられる。図１０を参照すると、図９の線１０−１０におけるインサート３
６の断面が示されている。

【００２１】 インサート３６のこの実施形態は、インサート３６の上面、下面にそれぞれ形
成された隆起停止部４３，４５を示している。インサート３６をハウジング３４
内に納めると、隆起停止部４３，４５は、これらを受け入れるよう形成された切
欠き４７に入る。隆起停止部４３，４５が切欠き４７内に位置したままである限
り、インサート３６の取出しは不可能である。インサート３６を取り出すには、
突出した上方タブ４９及び突出した下方タブ５１を把持して、これらを互いに押
し寄せて、隆起停止部４３，４５が切欠き４７から引き出されるようにする。す
ると、インサート３６をハウジング３４から引き出すことができる。

【００２２】 本発明のインサートの形状は、上述の形状に限定されない。変形実施形態では
、インサート３６を任意の有用な形状で形成することができる。例えば、図４は
、回動方式の蓋６４を備えた単純な箱として形成されているインサート３６の実
施形態を示している。かくして、変形実施形態では、インサートを、事実上任意
の有用な物品又は所望な物品を収納するような設計の任意所望の形状で製作する
ことができ、かかる物品としては、鍵、クレジットカード、マッチ、巻きタバコ
、現金、マネークリップ及び硬貨が挙げられるが、これらには限定されない。イ
ンサート３６は又、他の小形の物品を保持するに形作られた器具ではなく、それ
自体有用な器具ともなる。例えば、インサート３６は、電子装置又は実用的な装
置、例えば計算機、小型コンピュータ、歩いた距離を測定するための万歩計、実
用的なナイフ、ラジオ、又はハウジング３４内に挿入するのに適した寸法を備え
た状態で製造できる事実上任意他の所望の物品であってもよく、これらを装備し
たものであってもよい。収納可能な物品の種類に制約はない。

【００２３】 本発明の別の変形実施形態では、ソール２４の凹部３０内のハウジング３４は
、剛性材料ではなく、可撓性のエラストマー材料で作られたものであってもよい
。この実施形態では、ハウジング３４は、ハウジング３４内に挿入されるとイン
サート３６に摩擦嵌め関係をなすような寸法形状に設定されており、かくして、
カム組立体又は他の機械的な締結機構は不要である。インサート３６をハウジン
グ３４内に押し込むだけでインサート３６をハウジング３４内に挿入することが
できる。ハウジング３４の内壁とインサート３６の外面との間の摩擦接触は、イ
ンサート３６がハウジング３４に対して動くのを阻止する傾向がある。インサー
ト３６を取り出すためには、ユーザは摩擦抵抗に打ち勝つのに十分な力でインサ
ート３６のタブ４８を引っ張るだけでよい。

【００２４】 図１１及び図１２に示す別の実施形態では、インサート３６は、タブではなく
、インサート３６の取り出しのためにユーザによって把持されるようになった小
さなストラップ７８を有している。ストラップ７８を有する実施形態では、スト
ラップ７８の端をぶらりと垂れ下がらないようにするための手段を有することが
望ましい場合がある。例えば、フックとループからなる締結具、例えば、ＶＥＬ
ＣＲＯを用いてストラップ７８の垂れ下がった端部を靴１０に取り付けるのがよ
い。

【００２５】 本明細書に記載したこの実施形態及び他の実施形態では、インサートの形状及
びハウジング３４又は靴１０のソール２４に形成された凹部３０内の開口部の対
応関係にある形状は、ハウジング３４に対するインサート３６の運動に対する摩
擦抵抗を制御するような形状になっているのがよい。多種多様な形状のインサー
ト３６をハウジング３４が例示として示されている。さらに、本明細書で説明し
たこの実施形態及び他の実施形態では、ハウジング３４の１又は２以上の内面を
、ハウジング３４に対するインサート３６の運動に対する所望の摩擦抵抗を提供
するような形状になっているのがよい。例えば、１又は２以上の表面は、膨らみ
、突起、こぶ状部分又は靴１０からのインサート３６の取り出しやすさに影響を
及ぼすようになった他の構造的特徴部分を有するのがよい。変形実施形態では、
インサート３６の表面は、ハウジング３４に対するインサート３６の運動に対し
て所望の摩擦抵抗を生じさせるようになった構造的特徴部分、例えば膨らみ、突
起、こぶ状部分等を有するのがよい。別の実施形態では、インサート３６の表面
は、圧縮性のある材料、例えば独立気泡フォームを有するのがよく、かかる材料
は、ハウジング内にいったん挿入されると、ハウジング３４の壁に力を及ぼす傾
向があり、それにより好ましくはハウジング３４に対するインサート３６の運動
に対する摩擦抵抗を増大させる。

【００２６】 図５に示す本発明の別の実施形態では、インサート３６は用いられておらず、
物品はハウジング３４内に直接収納される。別の実施形態では、ハウジング３４
は、鍵、クレジットカード及び他の物品を受け入れるスロットを有するのがよい
。靴１０のソール２４内に形成されたハウジング６６〜７０は、任意所望の実用
的な形状を有するのがよいが、好ましくはこの中に収納されるべき品物の形状に
ほぼ等しいものである。図５は、靴１０のアーチを下に配置されていて、２つの
鍵のスロットを備えたハウジング６６と、靴１０のかかと部分の下に配置されて
いて、クレジットカードを受け入れる寸法又は形状になったハウジング６８と、
靴１０のつま先部分内に配置されていて、鍵を受け入れるような寸法又は形状に
なったハウジング７０とを示している。

【００２７】 ハウジング６６〜７０は、収納された物品が不用意に飛び出ないようにするた
めの機械的な手段を使用するのがよく、或いは、ハウジング６６〜７０は、物品
をこれらの中に収納するための摩擦嵌め作用を発揮するよう構成されたものであ
ってもよい。収納された物品が不用意に飛び出ないようにするための機械的な手
段としては、簡単な側扉及び靴１０のソール２４の側部に開口したラッチの使用
が挙げられる。別の実施形態では、公知の機械式イジェクト装置、例えば、コン
ピュータの場合にフロッピー（登録商標）ディスク用として用いられたイジェク ト装置と類似した堅牢化イジェクト組立体を、収納された品物を部分的に飛び出 させるために用いてもよい。

【００２８】 摩擦嵌め方式が望ましい場合、ハウジング６６〜７０の製作にあたって可撓性
エラストマー材料を用いることが好ましい。この実施形態では、収納されるべき
物品を、ハウジング６６〜７０のうち１つの中に挿入するには、物品を開口部内
に単に押し込むだけでよい。選択されたハウジングの内壁とこの中に収納された
物品の外面との間の摩擦接触は、物品が選択されたハウジングに対して動くのを
阻止する傾向がある。物品を取り出すためには、ユーザは、摩擦抵抗に打ち勝つ
のに十分な力で物品を引っ張るだけでよい。物品又は物品の特徴的部分、例えば
ストラップ７８は、選択されたハウジング内に正しく配置されると、靴１０のソ
ール２４の側部から短い距離にわたって延びて、ユーザが物品をハウジングから
取り出すのが望ましい場合に、物品を容易に把持できるようにすることが好まし
い。

【００２９】 更に別の実施形態では、収納されるべき物品は、ハウジング又はインサートを
用いないでソール２４内に形成された凹部３０内に直接配置される。図６を参照
すると、２つのスロット形状の凹部と、靴１０のかかと部分の下に位置した凹部
７２及び靴１０のつま先部分の下に位置した凹部と７４が、ソール２４の材料中
に直接形成された状態で示されている。この実施形態では、ソール２４は、好ま
しくは、凹部７２又は７４内に納められた物品を把持する傾向のある材料で作ら
れる。収納されるべき物品を凹部７２又は７４内へ納めるには、物品を凹部７２
又は７４内へ押し込むだけでよい。凹部７２又は７４の内壁と物品の外面との間
の摩擦接触により、物品は凹部７２又は７４に対する運動が阻止される傾向があ
る。物品を取り出すには、ユーザは摩擦抵抗に打ち勝つのに十分な力で物品を引
っ張るだけである。

【００３０】 物品を凹部内に正確に配置すると、物品又は物品の特徴的部分が靴１０のソー
ル２４の側から短い距離延びて、ユーザが物品を凹部からの取出しのために、容
易に把持できるようにすることが好ましい。靴１０のソール２４内に形成された
スロット７２又は７４は、任意所望又は実用的な形状を有するのがよいが、好ま
しくは、この中に収納されるべき品物の形状にほぼ等しい形状のものである。

【００３１】 更に別の実施形態では、インサートが靴のソール内に直接形成された凹部と組
み合わせて用いられるが、この場合、ハウジングは用いられない。たとえば、図
７は、靴１０のアーチの下に配置されていて、クレジットカード及び２つの鍵を
保持するように形作られたインサート３６を受け入れるように寸法決めされた凹
部７６を備えた靴１０の底面図である。ソール２４は好ましくは、凹部７６内に
納められたインサート３６を把持する傾向のある材料で作られる。この実施形態
では、インサート３６を凹部７６内へ納めるにはインサート３６を凹部７６内へ
押し込むだけでよい。凹部７６の内壁とインサート３６の外面との間の摩擦接触
により、インサート３６は凹部７６に対する運動が阻止される傾向がある。イン
サート３６を取り出すには、ユーザは摩擦抵抗に打ち勝つのに十分な力でタブ４
８によりインサート３６を引っ張るだけである。

【００３２】 一般に、凹部並びにもし設けたとすればハウジング及びインサートを靴のアー
チの下に配置することが好ましい。その理由は、本発明の要素は、この位置では
気がつきにくいからであり、しかも、靴内にこの位置で挿入された構成部品は、
靴の性能及び快適さを損ねる恐れが小さいからである。しかしながら、１又は２
以上の凹部、及び、この中に納められたハウジング又はインサートを靴のソール
上の、事実上、任意他の位置に配置してもよい。凹部の開口部を図１〜図７に示
す向きとは異なる向きにしてもよい。たとえば、図５では、かかと部分内の凹部
６８の開口部を靴１０の背後に向かって差し向けてもよく、或いは靴１０のつま
先部分内の凹部７０の開口部を靴１０の前部に向かって差し向けてもよい。

【００３３】 本発明は又、物品を靴のソール内に形成された室（チャンバー）内に収納する
方法に関する。室（チャンバー）は、靴のソールにより又は靴のソール内に設け
られたハウジングの壁によって構成されるのがよい。本方法は、（Ａ）ソール内
に形成されていて、少なくとも１つの物品を収納するポケットを有する靴を準備
する段階を含み、靴のポケットは、靴のソール内に形成された少なくとも１つの
室を含み、該室は、靴のソールの側部のところで開口し、室はこの中に収納され
るべき物品を受け入れるよう寸法決めされており、上記方法は、（Ｂ）室内に収
納されるべき物品を準備する段階と、（Ｃ）収納されるべき物品を室内に配置す
る段階を更に含む。変形実施形態としての方法は、（Ａ）ソール内に形成されて
いて、少なくとも１つの物品を収納するポケットを有する靴を準備する段階を含
み、靴のポケットは、靴のソール内に形成された少なくとも１つの室を含み、該
室は、靴のソールの側部のところで開口し、室はインサートを受け入れるよう寸
法決めされており、上記方法は、（Ｂ）収納されるべき物品を保持するインサー
トを準備する段階と、（Ｃ）収納されるべき物品を準備する段階と、（Ｄ）収納
されるべき物品をインサート内に配置する段階と、（Ｅ）インサートを室内に配
置する段階とを更に含む。

【００３４】 当業者であれば、本発明の精神から逸脱すること無く好ましい実施形態の上記
説明の検討により、多くの置換例及び設計変更例を容易に想到できよう。本明細
書における説明及びその開示内容は、例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するも
のとして解されるべきではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づ
いて定められる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 靴のアーチの下に配置された靴ポケット及び靴ポケットに嵌まり込み、小さな
物品を保持するインサートを有する本発明の実施形態の斜視図である。

【図２】 靴のアーチ支持体を提供しやすいように形作られた靴ポケットの実施形態を示
している。

【図３】 図１のインサートの背面図である。

【図４】 回動式の蓋を備えた箱として構成されたインサートの実施形態を示す図である
。

【図５】 インサートを用いないで、靴のソール内に形成された凹部内のハウジングの中
に物品を直接収納するような形状になった本発明の実施形態を示す図である。

【図６】 物品を靴のソール内に形成された凹部内に直接収納するような形状になった本
発明の別の実施形態を示す図である。

【図７】 靴のソール内の凹部がハウジングを備えておらず、インサートが直接凹部内に
受け入れられる本発明の実施形態の底面図である。

【図８】 本発明のインサートの変形実施形態の平面図である。

【図９】 本発明のインサートの変形実施形態の平面図であり、インサートが開いている
状態を示す図である。

【図１０】 閉じられていて、靴のソール中のハウジング内に挿入された状態の図９のイン
サートの断面図である。

【図１１】 幾つかの互いに異なる形状のインサートを備えた靴の側面図であり、１又は２
以上結合された靴用ストラップを示す図である。

【図１２】 幾つかの別の形状のインサートを備えた靴の側面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＣＡ，ＪＰ，Ｋ Ｒ，ＭＸ

Claims (20)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 靴のソール内に形成されていて、物品を再取出し可能に収納
   する靴ポケットであって、靴のソール内に形成された少なくとも１つの凹部を有
   し、該凹部は、靴のソールの側部のところで開口し、前記凹部は、この中に再取
   出し可能に収納されるべき物品を受け入れるように寸法決めされていることを特
   徴とする靴ポケット。
2. 【請求項２】 凹部は、靴のアーチの下に形成されていることを特徴とする
   請求項１に記載の靴ポケット。
3. 【請求項３】 凹部は、スロットであることを特徴とする請求項１に記載の
   靴ポケット。
4. 【請求項４】 スロットは、物品と摩擦嵌め関係をなすように形作られてい
   ることを特徴とする請求項３に記載の靴ポケット。
5. 【請求項５】 凹部は、インサートを受け入れるように形作られていること
   を特徴とする請求項１に記載の靴ポケット。
6. 【請求項６】 凹部は、物品と摩擦嵌め関係をなすように形作られているこ
   とを特徴とする請求項５に記載の靴ポケット。
7. 【請求項７】 インサートは、少なくとも１つの物品を保持するよう形作ら
   れていることを特徴とする請求項５に記載の靴ポケット。
8. 【請求項８】 凹部は、ハウジングを受け入れるよう形作られていることを
   特徴とする請求項１に記載の靴ポケット。
9. 【請求項９】 ハウジングは、収納されるべき物品を受け入れるよう形作ら
   れていることを特徴とする請求項８に記載の靴ポケット。
10. 【請求項１０】 ハウジングは、収納されるべき物品と摩擦嵌め関係をなす
    ように形作られていることを特徴とする請求項９に記載の靴ポケット。
11. 【請求項１１】 ハウジングは、剛性材料で構成されていることを特徴とす
    る請求項８に記載の靴ポケット。
12. 【請求項１２】 ハウジングは、靴のアーチ支持体をなすよう形作られてい
    ることを特徴とする請求項１１に記載の靴ポケット。
13. 【請求項１３】 ハウジングは、収納されるべき物品をハウジング内に保持
    する固定手段を有していることを特徴とする請求項１１に記載の靴ポケット。
14. 【請求項１４】 ハウジングは、インサートを受け入れるよう形作られてい
    ることを特徴とする請求項８に記載の靴ポケット。
15. 【請求項１５】 ハウジングは、インサートをハウジング内に固定的に保持
    する固定手段を有していることを特徴とする請求項１４に記載の靴ポケット。
16. 【請求項１６】 固定手段は、カム組立体であることを特徴とする請求項１
    ５に記載の靴ポケット。
17. 【請求項１７】 ハウジングは、インサートと摩擦嵌め関係をなすことを特
    徴とする請求項１４に記載の靴ポケット。
18. 【請求項１８】 インサートは、（ａ）鍵、（ｂ）クレジットカード、（ｃ
    ）マッチ、（ｄ）巻きタバコ、（ｅ）マネークリップ、（ｆ）硬貨から成る群か
    ら選択された物品のうち１又は２以上を保持するよう形作られていることを特徴
    とする請求項１４に記載の靴ポケット。
19. 【請求項１９】 物品を収納する方法であって、（Ａ）ソール内に形成され
    ていて、少なくとも１つの物品を収納するポケットを有する靴を準備する段階を
    含み、靴のポケットは、靴のソール内に形成された少なくとも１つの室を含み、
    該室は、靴のソールの側部のところで開口し、室は、この中に収納されるべき物
    品を受け入れるよう寸法決めされており、前記方法は、（Ｂ）収納されるべき物
    品を室内に配置する段階を更に含むことを特徴とする方法。
20. 【請求項２０】 物品を収納する方法であって、（Ａ）ソール内に形成され
    ていて、少なくとも１つの物品を収納するポケットを有する靴を準備する段階を
    含み、靴のポケットは、靴のソール内に形成された少なくとも１つの室を含み、
    該室は、靴のソールの側部のところで開口し、室はインサートを受け入れるよう
    寸法決めされており、前記方法は、（Ｂ）収納されるべき物品を保持するインサ
    ートを準備する段階と、（Ｃ）収納されるべき物品をインサート内に配置する段
    階と、（Ｄ）インサートを室内に配置する段階とを更に含むことを特徴とする方
    法。