JP2002526503A - モノオルガノボランおよびジオルガノボランの合成方法 - Google Patents

モノオルガノボランおよびジオルガノボランの合成方法

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JP2002526503A
JP2002526503A JP2000574117A JP2000574117A JP2002526503A JP 2002526503 A JP2002526503 A JP 2002526503A JP 2000574117 A JP2000574117 A JP 2000574117A JP 2000574117 A JP2000574117 A JP 2000574117A JP 2002526503 A JP2002526503 A JP 2002526503A
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JP2000574117A
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ボーネン,ハンス
ハーン,ウルリヒ
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バーゼル、ポリオレフィン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F5/00Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic Table
    • C07F5/02Boron compounds
    • C07F5/027Organoboranes and organoborohydrides

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、工業的に実施可能な条件下でペルハロゲン化ジオルガノヒドロキシボランを合成することができる新規な方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業的に実施可能な条件下でペルハロゲン化モノオルガノボランお
よびペルハロゲン化ジオルガノボランを合成することができる、これらの化合物
の新規な合成方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、様々なジオルガノヒドロキシボランの合成方法が開示されている。中で
も、Davidsonらは、グリニャール化合物を使用して、ジオキシオルガノ
ボランからジオルガノヒドロキシボランを合成する方法を開示している。(J.
M.Davidson et al.,French Soc,1960,19
1参照。)ルイス塩基−ジオルガノオキシボランからジオルガノヒドロキシボラ
ンを合成する方法も同様に公知である。この場合には、ジアリールジヒドロキシ
ボランが、鉱酸水溶液により、塩として2−アミノエタノール付加物の形態で合
成される。酸加水分解により、所望のジオルガノヒドロキシボランが得られる。
(R.L.Letsinger,I.Skoog,J.Am.Chem.Soc
.,77,1955,2491参照。)
【0003】 従って、例えば、トリメトキシボロキシンを2当量の臭化フェニルマグネシウ
ム、さらに続いてエタノールアミンと反応させると(2−アミノエトキシ)ビス
(フェニル)ボランを得ることができ、この化合物から対応するジフェニルヒド
ロキシボランが上述のように合成される(T.P.Povlock,W.T.L
ippincott,J.Am.Chem.Soc.,80,1958,540
9参照)。トリオルガノオキシボランを2当量のグリニャール化合物と反応させ
、続いて加水分解すると、所望のジオルガノヒドロキシボランが得られる(R.
M.Washburn,F.A.Billig,M.Bloom,C.F.Al
bright,E.Levens,Advan.Chem.Ser.,32,2
08,1961参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一部または全部がハロゲン化されたジフェニルヒドロキシボランは、従来、上
述のような方法で得ることはできなかった。例えば、ジ(ペンタフルオロフェニ
ル)ヒドロキシボランは、アセトン中でジ(ペンタフルオロフェニル)クロロボ
ランを加水分解して合成することができる(R.D.Chambers,T.C
hivers,J.Chem.Soc.,1965,3933参照)。ジ(ペン
タフルオロフェニル)クロロボランの合成は、ジメチルビス(ペンタフルオロフ
ェニル)スズを三塩化ホウ素と高圧ガス容器中で大気圧以上の圧力下で反応させ
ることにより行い、従って、このままの方法では工業的な用途に適していない。
さらに、ジ(ペンタフルオロフェニル)ヒドロキシボランの合成の前駆体として
使用されるジ(ペンタフルオロフェニル)クロロボランを上記の方法で合成する
場合の収率は極めて低く、36%に過ぎない(R.D.Chambers,T.
Chivers,J.Chem.Soc.,1965,3933参照)。アセト
ン中でジ(ペンタフルオロフェニル)クロロボランから化学量論的な量の水との
反応によってジ(ペンタフルオロフェニル)ヒドロキシボランを合成する場合の
収率は49%であり、従って同様に満足の得られるものではない。
【0005】 有機ホウ素化合物は、オレフィンのメタロセン触媒による重合における効果的
な助触媒である(M.Bochmann,J.Chem.Soc.,Dalto
nTrans,1996,255−270参照)。一部または全部がハロゲン化
されているジオルガノヒドロキシボランは特に、適当な助触媒の製造のための前
駆体として有用である。
【0006】 従って、本発明の目的は、第1に工業的規模で実施することができ、第2に高
い収率で目的の化合物を得ることができる、冒頭に示した化合物を簡単に合成す
る方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 発明者らは、上記目的は、極めて高い収率で対応するオルガノハロボランを得
るために、ホウ素含有化合物を炭素含有基の供与体として働く試薬と大気圧下で
反応させることにより達成できることを発見した。得られたオルガノハロボラン
は、所定の炭化水素または炭化水素の混合物で抽出することにより、容易に生成
した副生成物から分離することができ、従って、極めて高い収率で単離すること
ができる。対応するジオルガノヒドロキシボランの合成は、所定の炭化水素中で
オルガノハロボランを加水分解することにより、実質上定量的に行うことができ
る。
【0008】 本発明は、式(I)、 (C 1+lM(XR 2−l (I) {式中、 Rが、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、互いに関係なく、水
素原子、ハロゲン原子、またはC−C20−アルキル、C−C14−アリー
ル、C−C10−アルコキシ、C−C10−アルケニル、C−C20−ア
リールアルキル、C−C20−アルキルアリール、C−C10−アリールオ
キシ、C−C10−ハロアルキル、C−C10−ハロアリール、C−C −アルキニル、またはC−C20−アルキルシリルのようなC−C20
を表し、 Mが、元素周期表の第III主族に属する元素、好ましくはアルミニウムまた
はホウ素、特に好ましくはホウ素、を表し、 Xが、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、互いに関係なく、元素
周期表の第VまたはVI主族に属する元素、好ましくは酸素または窒素、を表し
、 Rが、水素原子、またはC−C20−アルキルまたはC−C14−アリ
ールのようなC−C20基を表し、 pが、1または2であり、 lが、0または1である。}、 で表される化合物の合成方法であって、 A)式(II)、 (C 1+n 3−n (II) {式中、 Rが、式(I)と同義であり、 Mが、元素周期表の第IV主族に属する元素、好ましくはケイ素またはスズ
、特に好ましくはスズを表し、 Rが、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、互いに関係なく、水
素原子、ハロゲン原子、またはC−C20−アルキルまたはC−C14−ア
リールのようなC−C20基を表し、 nが、0〜3の整数である。}、 で表される化合物を、式(III)、 BR (III) {式中、 R、RおよびRが、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、互
いに関係なく、水素原子、ハロゲン原子、C−C20−アルキル、C−C −アリール、C−C10−アルコキシ、C−C10−アルケニル、C
20−アリールアルキル、C−C20−アルキルアリール、C−C10
アリールオキシ、C−C10−ハロアルキル、C−C10−ハロアリール、
−C10−アルキニル、C−C20−アルキルシリルのようなC−C 基、-OR 基(Rが、C−C20−アルキルまたはC−C14−ア
リールのようなC−C20基を表す。)を表し、または1個以上の基R、R およびRがそれぞれ、-NR 基(Rが、水素原子、ハロゲン原子また
はC−C20−アルキルまたはC−C14−アリールのようなC−C20 基を表す。)を表す。}、 で表される化合物と、大気圧下で反応させて、式(IV)、 (C 1+mMR (2−m) (IV) {式中、 Rが、式(I)と同義であり、 Mが、元素周期表の第III主族に属する元素、好ましくはアルミニウムまた
はホウ素、特に好ましくはホウ素、を表し、 Rが、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、互いに関係なく、水
素原子またはハロゲン原子、好ましくは臭素または塩素、特に好ましくは塩素、
を表し、 mが、0または1である。}、 で表される化合物を得る段階、 B)式(IV)で表される化合物を、非プロトン性の、脂肪族炭化水素および
/または芳香族炭化水素で抽出する段階、および適宜、固体残留物を除去する段
階、 C)式(IV)で表される化合物を、例えば式H−XR 、 {式中、 XおよびRが、式(I)と同義であり、 pが1または2である。}、 で表される化合物のような求核剤と有機媒体中で反応させ、化合物H−Rを除
去した後、式(I)で表される化合物を得る段階、 および、 D)有機媒体を除去する段階、および適宜、式(I)で表される化合物を精製
する段階、 を含むことを特徴とする、式(I)で表される化合物の合成方法を提供する。
【0009】 式(II)で表される化合物としては、ペンタフルオロフェニルトリメチルス
タナン、ビス(ペンタフルオロフェニル)ジメチルスタナン、トリス(ペンタフ
ルオロフェニル)メチルスタナン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)スタ
ナン、ペンタフルオロフェニルトリメチルシランおよびビス(ペンタフルオロフ
ェニル)ジメチルスタナンが好ましい。
【0010】 式(III)で表される化合物としては、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三
臭化ホウ素、三ヨウ化ホウ素が好ましい。同様に、三フッ化ホウ素−ジエチルエ
ーテル錯体または三塩化ホウ素−ジエチルエーテル錯体のようなドナー錯体も好
ましい。
【0011】 特に、ビス(ペンタフルオロフェニル)クロロボランおよびペンタフルオロフ
ェニルジクロロボランが好ましい。
【0012】 本発明の方法によると、特に以下に示す式(I)で表される化合物、すなわち
ビス(ペンタフルオロフェニル)ヒドロキシボラン、ペンタフルオロフェニルジ
ヒドロキシボランおよびビス(ペンタフルオロフェニル)アミノボランを工業的
な量で製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の合成方法において実施される各段階を、以下により詳細に説明する。
【0014】 段階A)において、まず1種以上の式(III)で表される化合物を反応容器
に導入する。該化合物は、所定の溶媒の溶液または懸濁液として存在させてもよ
く、またそれ自体として存在させてもよい。好適な溶媒としては、n−ペンタン
、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、イソドデカン
、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、石油エーテル、トルエン、ベンゼン
、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,2,3−トリメチルベンゼ
ン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,2,5−トリメチルベンゼン、1,
3,5−トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン等、またはこ
れらの混合液のような脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素が挙げられる。ドナ
ー溶媒、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル
、ジイソアミルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタ
ン、ジ−2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラ
ン、1,4−ジオキサン等、を使用することもできる。溶媒は非プロトン性であ
るのが好ましい。1種以上の式(III)で表される化合物は、−100〜20
0℃、好ましくは−80〜40℃、特に好ましくは−80〜0℃、の範囲の温度
下で反応容器中に導入する。式(III)で表される化合物は、液相として存在
させるのが好ましい。
【0015】 続いて、1種以上の式(II)で表される化合物を添加する。これらも同様に
所定の溶媒の溶液または懸濁液として存在させてもよく、またそれ自体を添加し
てもよい。使用する溶媒は、上述した溶媒であるが、上記の場合に使用した溶媒
と同じ溶媒を使用するのが好ましい。添加は、1分〜96時間、好ましくは10
分〜8時間、の範囲の時間で行う。添加中の初期導入物の温度は、−100〜2
00℃、好ましくは−80〜40℃、特に好ましくは−80〜0℃の範囲である
。上記温度は、少なくとも1種の反応物が液相として存在するように選択する。
式(III)で表される化合物の物理的性質に依存して、冷媒を用いて動作させ
るような低温冷却機を使用して、冷却を行う。従って、例えば三塩化ホウ素を使
用した反応は、三塩化ホウ素の放散防止のために、−20℃で動作させる冷却機
を使用して行う。
【0016】 式(II)で表される化合物に対する式(III)で表される化合物の化学量
論比は、1000:1〜1:100の範囲である。式(II)で表される化合物
に対する式(III)で表される化合物の化学量論比は、100:1〜1:10
の範囲であるのが好ましい。
【0017】 反応温度は、−100〜200℃、好ましくは0〜150℃、特に好ましくは
50〜150℃の範囲である。少なくとも1種の反応物が、液相として存在して
いるのが好ましい。反応は、還流しながら行うのが特に好ましい。その上、反応
時間を顕著に短縮するために、温浴の温度を50〜200℃の範囲にするのが有
効である。反応時間は、選択した反応温度に依存し、1分〜96時間の範囲であ
る。反応時間は、10分〜8時間の範囲であるのが好ましい。
【0018】 続いて、段階B)において、反応混合物を、非プロトン性の、脂肪族炭化水素
または芳香族炭化水素またはこれらの混合物で抽出する。この様にすると、生成
した式(IV)で表される化合物が、生成した副生成物から分離される。好適な
抽出溶剤としては、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−
ヘプタン、シクロヘキサン、イソドデカン、n−オクタン、n−ノナン、n−デ
カン、石油エーテル、トルエン、ベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−
キシレン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン
、1,2,5−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、エチル
ベンゼン、プロピルベンゼンまたはこれらの混合物が挙げられる。
【0019】 式(I)で表される化合物を合成するために、式(IV)で表される化合物を
所定の有機媒体中に溶解するかまたは懸濁させる(段階C)。好適な有機媒体と
しては、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘ
キサン、イソドデカン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、石油エーテル
、トルエン、ベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,2,
3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,2,5−トリ
メチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、プロピル
ベンゼンまたはこれらの混合物のような非プロトン性の、脂肪族炭化水素または
芳香族炭化水素が挙げられる。ドナー性を有する溶媒、例えば、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、1,
2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジ−2−メトキシエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、を使
用することもできる。
【0020】 続いて、式H−Rで表される化合物を除去するための、式H−XR で表
される化合物、例えば水、アンモニア、1級アミン、2級アミン、アルコールま
たはチオール、との反応を行うと、対応する式(I)で表される化合物が得られ
る。この反応は、懸濁液または溶液として添加することができる試薬を使用して
、バルク中で、または上述の有機媒体のなかの1種の媒体中で行うことができる
。添加は、1分〜96時間、好ましくは10分〜8時間、の範囲の時間で行う。
添加中の初期導入物の温度は、−100〜200℃、好ましくは−10〜40℃
、の範囲である。水、アンモニア、1級アミン、2級アミン、アルコールまたは
チオールのような使用する試薬は、化学量論比で、または過剰に、使用すること
ができる。
【0021】 得られた式(I)で表される化合物は、段階D)において、蒸留、再結晶、抽
出または昇華のような公知の方法により、単離することができる。
【0022】 以下の例により、本発明をより詳細に説明する。
【0023】 一般的手法:化合物の合成および取り扱いは、アルゴン下で、空気および湿度
を遮断して行った(シュレンク法)。必要な溶媒は全て、使用前に、好適な乾燥
剤上で数時間煮沸した後アルゴン下で蒸留することにより乾燥した。
【0024】 例1:ジメチルビス(ペンタフルオロフェニル)スズの合成 20gのマグネシウム片にジエチルエーテル50mlを加えた。1−ブロモ−
2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼン100mlを、ジエチルエーテル
450ml中に溶解させ、この溶液を室温下でマグネシウム片にゆっくりと滴下
した。2、3ml添加したときに、グリニャール反応が開始した(発熱し、ジエ
チルエーテルが煮沸し始め、反応混合物が黒色に変色した)。この混合物を、続
いてさらに5時間撹拌し、得られた溶液の上澄みをアルゴン流と逆の方向で取り
除いた。続いて二臭化ジメチルスズ123.4gを室温下でアルゴン流と逆の方
向で一度に少しずつ添加し、得られた混合物を24時間還流した。続いて飽和塩
化アンモニウム溶液160mlを、氷で冷却しながらゆっくりと滴下したところ
、灰色/黒色の沈殿が生成した。混合物をさらに30分撹拌し、続いて沈殿およ
び水相から有機相を分離した。沈殿と水相を、200mlのn−ヘプタンで振ト
ウすることにより抽出した。有機相を混ぜ合わせ、これを蒸留水50mlで振ト
ウし、相分離を行った後、MgSO100g上で乾燥した。乾燥剤を除去した
後、溶媒を真空オイルポンプにより除去し、残った暗茶色の溶液を分留した。全
体の収率は93%であった。
【0025】 H−NMR(C):0.5ppm(s、6H、Sn−CH19F−NMR(C):−123ppm(m、4F、o−Sn(C );−150.5ppm(m、2F、p−Sn(C);−16
0ppm(m、4F、m−Sn(C)。
【0026】 例2:ビス(ペンタフルオロフェニル)クロロボランの合成 三塩化ホウ素35.3gを、積層型ドライアイス凝縮機を付属させた容量50
0mlの1口フラスコ中で−78℃で凝縮させた。ジメチルビス(ペンタフルオ
ロフェニル)スズ150gを、続いてアルゴン流と逆の方向ですばやく添加した
。反応混合物を室温まで加熱し、続いて予め100℃に加熱しておいた油浴を使
用して2時間還流しながら撹拌した。続いて反応混合物を室温まで冷却し、n−
ペンタン150ml中に分散し、濾過し、n−ペンタンで濾液が無色になるまで
洗浄した。続いて得られた濾液を結晶化のために冷却機中に放置した。結晶化し
た無色の固体を濾過し、真空オイルポンプにより乾燥した。残った母液の約1/
3を真空オイルポンプにより除去し、溶液を再度、残留している生成物を結晶化
させるために冷却機中に放置した。両方の結晶生成物を混合し、真空オイルポン
プにより乾燥し、分留して精製した。全体的な収率は70%であった。ガラスフ
ィルター上に固体残留物として残っているジメチルジクロロスタナンは、別の反
応のために再利用することができる。
【0027】 19F−NMR(C):−130ppm(m、4F、o−B(C);−144ppm(m、2F、p−B(C);−161ppm
(m、4F、m−B(C)。
【0028】 例3:ビス(ペンタフルオロフェニル)ヒドロキシボランの合成 ビス(ペンタフルオロフェニル)クロロボラン134gを容量500mlの1
口フラスコ中でトルエン350mlに溶解させ、0℃で撹拌した。続いて蒸留水
6.3gをゆっくりと滴下した。反応溶液を0℃で1時間撹拌し、さらに室温で
1時間撹拌した。続いて、真空オイルポンプにより溶媒を除去し、残った明灰色
の固体を200mlのn−ペンタン中で撹拌した。混合物を濾過し、得られた残
留物を、50mlのn−ペンタンで数回洗浄し、続いて真空オイルポンプにより
乾燥した。全体的な収率は96%であった。
【0029】 H−NMR(C):5ppm(broad、1H、OH) 19F−NMR(C):−132ppm(m、4F、o−B(C);−148ppm(m、2F、p−B(C);−162ppm
(m、4F、m−B(C)。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年10月25日(2000.10.25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4H048 AA02 AC30 AC41 AC90 AD16 BB11 BB41 BC10 BC31 BD21 BD70 VA11 VA20 VA30 VA75 VB10

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)、 (C 1+lM(XR 2−l (I) {式中、 Rが、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、互いに関係なく、水
    素原子、ハロゲン原子またはC−C20基を表し、 Mが、元素周期表の第III主族に属する元素を表し、 Xが、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、互いに関係なく、元素
    周期表の第VまたはVI主族に属する元素を表し、 Rが、水素原子またはC−C20基を表し、 pが、1または2であり、 lが、0または1である。}、 で表される化合物の合成方法であって、 A)式(II)、 (C 1+n 3−n (II) {式中、 Rが、式(I)と同義であり、 Mが、元素周期表の第IV主族に属する元素を表し、 Rが、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、互いに関係なく、水
    素原子、ハロゲン原子またはC−C20基を表し、 nが、0〜3の整数である。}、 で表される化合物を、式(III)、 BR (III) {式中、 R、RおよびRが、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、互
    いに関係なく、水素原子、ハロゲン原子、C−C20基、-OR 基(R
    がC−C20基を表す。)を表し、または1個以上の基R、RおよびR がそれぞれ、-NR 基(Rが、水素原子、ハロゲン原子またはC−C
    基を表す。)を表す。}、 で表される化合物と、大気圧下で反応させて、式(IV)、 (C 1+mMR (2−m) (IV) {式中、 Rが、式(I)と同義であり、 Mが、元素周期表の第III主族に属する元素を表し、 Rが、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、互いに関係なく、水
    素原子またはハロゲン原子を表し、 mが、0または1である。}、 で表される化合物を得る段階、 B)式(IV)で表される化合物を、非プロトン性の、脂肪族炭化水素および
    /または芳香族炭化水素で抽出する段階、および適宜、固体残留物を除去する段
    階、 C)式(IV)で表される化合物を、式H−XR 、 {式中、 XおよびRが、式(I)と同義であり、 pが1または2である。}、 で表される求核剤と、有機媒体中で反応させ、化合物H−Rを除去した後、式
    (I)で表される化合物を得る段階、 および、 D)有機媒体を除去する段階、および適宜、式(I)で表される化合物を精製
    する段階、 を含むことを特徴とする、式(I)で表される化合物の合成方法。
  2. 【請求項2】Rが、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、互い
    に関係なく、C−C20−アルキル、C−C14−アリール、C−C10 −アルコキシ、C−C10−アルケニル、C−C20−アリールアルキル、
    −C20−アルキルアリール、C−C10−アリールオキシ、C−C −ハロアルキル、C−C10−ハロアリール、C−C10−アルキニル、
    またはC−C20−アルキルシリル、を表すことを特徴とする、請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】Mが、アルミニウムまたはホウ素であることを特徴とする、請
    求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】Xが、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、互いに
    関係なく、酸素または窒素であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに
    記載の方法。
  5. 【請求項5】Rが、C−C20−アルキルまたはC−C14−アリー
    ルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】R、RおよびRが、同一であっても異なっていてもよく
    、それぞれ、互いに関係なく、C−C20−アルキル、C−C14−アリー
    ル、C−C10−アルコキシ、C−C10−アルケニル、C−C20−ア
    リールアルキル、C−C20−アルキルアリール、C−C10−アリールオ
    キシ、C−C10−ハロアルキル、C−C10−ハロアリール、C−C −アルキニル、C−C20−アルキルシリル、-OR 基(RがC
    20−アルキルまたはC−C14−アリール基を表す。)を表し、または1
    個以上の基R、RおよびRがそれぞれ、-NR 基(Rが、C−C
    20−アルキルまたはC−C14−アリールを表す。)を表すことを特徴とす
    る、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】Rが、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、互い
    に関係なく、臭素または塩素であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】Mが、ケイ素またはスズであることを特徴とする、請求項1
    〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】Rが、C−C20−アルキルまたはC−C14−アリー
    ルであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】式(I)で表される化合物が、ビス(ペンタフルオロフェニ
    ル)ヒドロキシボラン、ペンタフルオロフェニルジヒドロキシボランまたはビス
    (ペンタフルオロフェニル)アミノボランであることを特徴とする、請求項1〜
    9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】段階A)において、式(III)で表される化合物を始めに
    反応容器中に導入することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方
    法。
  12. 【請求項12】式(III)で表される化合物を所定の溶媒の溶液または懸
    濁液として存在させることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方
    法。
  13. 【請求項13】使用する溶媒が、非プロトン性の、脂肪族炭化水素または芳
    香族炭化水素であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】式(II)で表される化合物に対する式(III)で表され
    る化合物の化学量論比が、1000:1〜1:100の範囲であることを特徴と
    する、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】式(II)で表される化合物と式(III)で表される化合
    物との反応における反応温度が、−100〜200℃の範囲であることを特徴と
    する、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】前記反応温度が、0〜150℃の範囲であることを特徴とす
    る、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】段階B)における、非プロトン性の、脂肪族炭化水素または
    芳香族炭化水素が、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン
    、シクロヘキサン、イソドデカン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、石
    油エーテル、トルエン、ベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン
    、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,2
    ,5−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、エチルベンゼン
    、プロピルベンゼンまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1〜
    16のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】段階C)における有機媒体が、n−ペンタン、イソペンタン
    、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、イソドデカン、n−オクタン
    、n−ノナン、n−デカン、石油エーテル、トルエン、ベンゼン、o−キシレン
    、m−キシレン、p−キシレン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4
    −トリメチルベンゼン、1,2,5−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメ
    チルベンゼン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ジエチルエーテル、ジイソ
    プロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、1,2−ジメト
    キシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジ−2−メトキシエチルエーテル、テ
    トラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンまたはこれらの混
    合物であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
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