JP2002525030A - 新規アポトーシスタンパク質 - Google Patents

新規アポトーシスタンパク質

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JP2002525030A
JP2002525030A JP2000563231A JP2000563231A JP2002525030A JP 2002525030 A JP2002525030 A JP 2002525030A JP 2000563231 A JP2000563231 A JP 2000563231A JP 2000563231 A JP2000563231 A JP 2000563231A JP 2002525030 A JP2002525030 A JP 2002525030A
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ライジェル・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、Apop1、Apop2、およびApop3タンパク質などの新規なアポトーシスポリペプチドそしてアポトーシスの調節にかかわる関連分子、さらにこれらのポリペプチドをコードする核酸分子に関する。本出願は、これらの核酸配列を含むベクターおよび宿主細胞、異種ポリペプチド配列と融合した本発明のポリペプチドを含むキメラポリペプチド分子、本発明のポリペプチドと結合した抗体、および本発明のポリペプチドの調製方法も提供する。さらに、本発明は、Apop1、Apop2およびApop3の生物学的活性を調節する新規組成物の同定方法、および疾患の診断および処置における該組成物の使用を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、「Apopタンパク質」と集合的に呼ばれるアポトーシスタンパク
質、およびそれらをコード化する核酸に関する新規方法および組成物に関するも
のである。さらに本発明は、病気の診断および処置を目的とする、Apopタン
パク質機能部分に結合し、それを変調する生物活性物質についてスクリーニング
する方法に関するものである。
【0002】 (発明の背景) アポトーシスまたはプログラム細胞死は、胚形成、組織ホメオスタシスおよび
再造形、癌、自己免疫疾患、ウイルス感染症およびある種の変性疾患を含む、健
康な状態および病気の状態の両方において致命的な役割を演じる高度に規則正し
い遺伝子制御プロセスである。
【0003】 TNFレセプター−1(TNFR1)の死ドメインは、アポトーシスに至る独
特なシグナル伝達経路を誘導し、NF−κB転写因子を、TRADDという34
kDa細胞質タンパク質[Hsuら、Immunity 4:387−96(1996)参照]
のC−末端死ドメインと上記因子との相互作用を介して活性化させる。TRAD
Dは、RIP[レセプター相互作用タンパク質;Stangerら、Cell 81:513
−23(1995)]、すなわちC-末端死ドメインと共にアポトーシスに関与
する74kDaセリン‐トレオニンキナーゼと強く相互作用する。RIPはまたN
F−κBを活性化する。第2のRIPタンパク質、RIP2またはRICK[Mc
Carthyら、J. Biol. Chem. 273:16968(1998)およびInoharaら、
J. Biol. Chem. 273:12296(1998)参照]もまた、死ドメインを
含み、NF−κBを活性化する。
【0004】 アポトーシス特有の特徴は、選別された標的タンパク質の開裂をもたらす細胞
質プロテアーゼのカスケードの活性化である。ICE(インターロイキン1ベー
タ−変換酵素)群プロテアーゼは、カスパーゼプロテアーゼとしても知られてお
り、標的細胞内の特異的構造、調節およびDNA修復タンパク質を分解すること
によりアポトーシスの活性相を開始させる[Lazebnikら、Nature 371:34
6−7(1994);Casciola-Rosenら、J. Biol. Chem. 269:30757
−60(1994)]。例えば、CARDIAK/RICKまたはRIP2[Th
omeら、Current Biol.8:885−88(1998);McCarthyら、J. Biol. C
hem. 273:16968−75(1998);Inoharaら、J. Biol. Chem. 2
73:12296−300(1998)参照]と呼ばれるRIP様キナーゼは、
カスパーゼ−1と会合することが示されている。これらのカスパーゼは、シー・
エレガンス(C. elegans)細胞死遺伝子産物と関係がある。カスパーゼは、アス
パラギン酸特異性を示すシステインプロテアーゼであり、若干の研究者らにより
アポトーシス経路にとって非常に重要であることが示された。再検討するために
は、Crynsら、Genes & Development 12:1551−70(1998)参照。
カスパーゼの天然基質は、プロテインキナーゼおよびDNA修復および細胞骨格
完全性に関与するタンパク質を含む、鍵となる調節および構造タンパク質である
【0005】 若干のアポトーシス阻害物質(IAP)が既に同定されている。バキュロウイ
ルスで最初に同定された、IAPは、宿主細胞死応答を抑制することにより、ウ
イルスを生存および増殖させ得る。現在までのところ、5種のヒトIAPが同定
されており、それらはヒト細胞で発現されると、多様な刺激因子により誘発され
るアポトーシスを阻害し得る。さらに、IAPはかなり選択的であることが示さ
れており、種々の経路および/または酵素が阻害される。ヒトXIAP、cIA
P1およびcIAP2は、少なくとも2つのカスパーゼ群構成員カスパーゼ−3
およびカスパーゼ−7の直接阻害物質である。
【0006】 従って、アポトーシスおよびその調節に関与するタンパク質は極めて興味深い
ものであり、ここではApopタンパク質と称される新規アポトーシスタンパク
質、特にApop1、Apop2およびApop3タンパク質および関連分子を
提供することが本発明の一目的である。Apopタンパク質をコード化する組換
え核酸、並びにそれらをコード化する核酸を含む発現ベクターおよび宿主細胞を
提供することが本発明のさらに別の目的である。本発明のさらに別の目的は、A
popタンパク質のアンタゴニストおよびアゴニストに関するスクリーニング方
法を提供することである。
【0007】 (発明の要旨) 上記で概説した目的に従い、本発明は、Apopタンパク質、および特に図2
、図4および図6にそれぞれ描かれたアミノ酸配列と少なくとも約85%同一で
あるApop1、Apop2およびApop3タンパク質をコード化する組換え
核酸を提供する。同様に、図1、3および5に描かれた核酸配列またはそれらの
相補体と少なくとも約85%同一である組換え核酸が提供される。上記核酸を含
む発現ベクターおよび宿主細胞もまた包含される。
【0008】 別の態様において、本発明は、核酸をコード化するApopタンパク質を含む
細胞を提供し、Apopタンパク質の発現を行わせる条件に細胞を付すことを含
む、Apopタンパク質の製造方法を提供する。
【0009】 別の態様において、本発明は、それぞれ図2、4および6に描かれたアミノ酸
配列と少なくとも約85%同一である組換えApopタンパク質、並びにApo
p1タンパク質、Apop2タンパク質およびApop3タンパク質に結合する
抗体を提供する。
【0010】 さらに別の態様において、本発明は、アポトーシスタンパク質Apop1、A
pop2およびApop3に結合するモノクローナルおよびポリクローナル抗体
を提供する。
【0011】 別の態様において、本発明は、Apopタンパク質に結合し得る生物活性物質
に関するスクリーニング方法を提供する。この方法では、候補生物活性物質およ
びApopタンパク質を合わせ、Apopタンパク質への候補物質の結合を測定
する。
【0012】 さらに別の態様において、本発明は、Apop3およびRIPの結合を妨げ得
る物質に関するスクリーニング方法を提供する。これらの方法では、Apop3
タンパク質、候補生物活性物質およびRIPタンパク質を合わせ、Apop3タ
ンパク質およびRIPタンパク質の結合を測定する。
【0013】 さらに別の態様において、本発明は、Apop1およびXIAPまたはApo
p2およびXIAPの結合を妨げ得る物質に関するスクリーニング方法を提供す
る。これらの方法では、Apop1タンパク質またはApop2タンパク質、候
補生物活性物質およびXIAPタンパク質を合わせ、Apop1タンパク質およ
びXIAPタンパク質またはApop2タンパク質およびXIAPタンパク質の
結合を測定する。
【0014】 さらに別の態様において、本発明は、Apopタンパク質の活性を変調し得る
生物活性物質に関するスクリーニング方法を提供する。この方法は、Apopタ
ンパク質をコード化する組換え核酸を含む細胞に候補生物活性物質を加え、アポ
トーシスに対する候補生物活性物質の効果を測定する段階を含む。
【0015】 一態様において、生物活性物質に関するスクリーニング方法は、図1、3およ
び5に示された発現プロフィール遺伝子から成る群から選ばれた発現プロフィー
ル遺伝子を発現する細胞を提供することを含む。
【0016】 別の態様において、生物活性物質に関するスクリーニング方法は、図2、4お
よび6に示されたアミノ酸配列を有する発現プロフィールタンパク質から成る群
から選ばれる発現プロフィールタンパク質を発現する細胞を提供することを含む
【0017】 別の態様において、本発明は、Apopタンパク質をコード化する組換え核酸
を含むバイオチップを提供する。Apopタンパク質をコード化し、バイオチッ
プに結合される組換え核酸は、図1、3および5に描かれた核酸配列またはそれ
らの相補体と少なくとも約85%同一であり得る。
【0018】 本発明の他の態様は、本発明の下記記載事項により熟練した専門家にとって明
白なものとなるはずである。
【0019】 (図面の簡単な記載) 図1は、ヒトApop1のヌクレオチド配列を示す。推定翻訳開始コドン(A
TG)および翻訳終止コドン(TGA)には下線を引いている。
【0020】 図2は、ヒトApop1のアミノ酸配列を示す。
【0021】 図3は、ヒトApop2のヌクレオチド配列を示す。推定翻訳開始コドン(A
TG)および翻訳終止コドン(TGA)には下線を引いている。
【0022】 図4は、ヒトApop2のアミノ酸配列を示す。
【0023】 図5は、ヒトApop3のヌクレオチド配列を示す。
【0024】 図6は、ヒトApop3のアミノ酸配列を示す。
【0025】 図7は、Apop3先端切除突然変異体を表す図を示す。シェード領域はキナ
ーゼ相同性ドメインを示す。Apop3(K50D)は、WT、野生型Apop
3、すなわち完全長タンパク質、アミノ酸50にK〜D突然変異を有する。
【0026】 図8は、酵母2ハイブリッドシステムにおけるRIPとApop3の結合結果
の要約を示す。++++非常に強い相互作用、+++強い相互作用、*検出可能
な相互作用、−検出可能な相互作用無し。
【0027】 図9は、フェニックス−A細胞におけるApop3によるアポトーシスの活性
化を示す。エンプティーベクター(ベクター)、Apop3またはApop3(
1−436)(3μg)を、pGDB(1μg)と共にフェニックス−A細胞へ共
トランスフェクションした。ヘキスト染色アポトーシスフェニックス−A細胞を
調べ、蛍光顕微鏡により計数した。データを、計数された細胞の総数におけるア
ポトーシス細胞のパーセンテージとして表す。
【0028】 図10は、フェニックス−A細胞におけるApop3によるNFκBの活性化
を示す。NFκBレポーター活性は、指示されたApop3発現ベクター(3μ
g)、NFκB依存性ルシフェラーゼレポータープラスミド(1μg)、およびレ
ニラ・ルシフェラーゼ発現ベクター(0.13μg)によりフェニックス−A細胞
を一時的に共トランスフェクションすることにより遂行された。燐酸カルシウム
沈降方法をトランスフェクションに使用した。また、発現された標識タンパク質
のレベルをウエスタンブロット分析によりモニターした。
【0029】 (発明の詳細な記載) 本発明は、酵母2−ハイブリッドスクリーニング方法を用いて最初に同定され
た新規アポトーシスタンパク質および核酸を提供する。伝統的には、タンパク質
−タンパク質相互作用は、化学的架橋、共免疫沈降並びに共分画化および同精製
を含む生化学的技術を用いて評価された。最近では「酵母2−ハイブリッドシス
テム」を含む遺伝子システムが、タンパク質−タンパク質相互作用を検出するも
のとして報告されている。基本システムの場合、レポーター遺伝子の転写を誘発
するためには「おとり(bait)タンパク質」および「試験タンパク質」間におけ
るタンパク質−タンパク質相互作用を必要とする。Fieldsら、Nature 340:
245(1989);Vasavadaら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88:10
686(1991);Fearonら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89:795
8(1992);Dangら、Mol. Cell. Biol. 11:954(1991);Chien
ら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88:9578(1991);米国特許第
5283173、5667973、5468614、5525490および56
37463号;および米国特許出願S.N.09/050863号参照。特に、A
pop1およびApop2は、「おとりタンパク質」としてXIAPを用いて同
定された。Apop3は、「おとりタンパク質」としてRIPを用いて同定され
た。
【0030】 すなわち、本発明は、Apopタンパク質と称する新規アポトーシスタンパク
質およびそれらをコード化する核酸を提供する。ここで明確に特記していない場
合、「Apop」、「Apopタンパク質」の語またはその文法的同義語は、A
pop1タンパク質、Apop2タンパク質およびApop3タンパク質を包含
するものとし、それらの野生型アミノ酸配列はそれぞれ図2、図4および図6に
描かれている。同様に、「Apop核酸」、「Apop DNA」、「Apop
ヌクレオチド配列」の語またはその文法的同義語は、Apop1タンパク質、A
pop2タンパク質およびApop3タンパク質をコード化する核酸を包含する
ものとし、それらの野生型核酸配列はそれぞれ図1、図3および図5に描かれて
いる。
【0031】 好ましい態様において、Apopタンパク質は、脊椎動物、さらに好ましくは
げっ歯動物(ラット、マウス、ハムスター、モルモットなど)、霊長類、家畜(
ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマなどを含む)を含む哺乳類に由来し、最も好ま
しい態様ではヒトに由来する。しかしながら、下記で概説されている技術を用い
ると、他の生物体由来のApopタンパク質も得られる。
【0032】 本発明のApopタンパク質は幾つかの方法で同定され得る。この意味での「
タンパク質」は、タンパク質、ポリペプチドおよびペプチドを包含する。Apo
p核酸またはApopタンパク質は、初めに図1、2、3、4、5および6に示
された配列との実質的核酸および/またはアミノ酸配列相同性により同定される
。上記相同性は、全体的な核酸またはアミノ酸配列に基き得る。
【0033】 ここで使用されているタンパク質は、図2、4および6に示されたアミノ酸配
列とのタンパク質配列の全体的相同性が好ましくは約75%より大、さらに好ま
しくは約80%より大、さらに好ましくは約85%より大、最も好ましくは90
%より大きい場合「Apopタンパク質」である。態様によっては、相同性は約
93〜95または98%ほどの高い場合もある。
【0034】 この明細書における相同性は、配列類似性または同一性を意味するが、同一性
の方が好ましい。この相同性は、当業界で周知の標準技術、例えば限定されるわ
けではないが、Smith & Waterman、Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局
部相同性アルゴリズム、Needleman & Wunsch、J. Mol. Biol.48:443(1
970)の相同性アラインメント(平行整列)アルゴリズム、Pearson & Lipman
、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:2444(1988)の類似性方法検
索、これらのアルゴリズムのコンピューターによる履行(GAP、BESTFI
T、FASTAおよびTFASTA、ウィスコンシン・ジェネティクス・ソフト
ウェア・パッケージ、ジェネティクス・コンピューター・グループ、575 サ
イエンス・ドライブ、マディソン、ウィスコンシン)、またはDevereuxら、Nucl
.Acid Res. 12:387−95(1984)により報告されたベスト・フィッ
ト配列プログラムにより、好ましくはデフォルト設定用いて、または検査するこ
とにより測定される。
【0035】 好ましい態様において、類似性は次のパラメーター:1.0の誤対合ペナルテ
ィー、0.33のギャップサイズペナルティー、30.0の連結ペナルティーに基
いたFastDBにより計算される(“Current methods in Comparison and An
alysis”、Macromolecule Sequencing and Synthesis, selected methods and A
pplications、127−149頁(1998)、アラン R,リス、インコーポレ
イテッド)。有用なアルゴリズムの別の例はPILEUPである。PILEUP
は、漸進的対合アラインメントを用いて関連配列の一群から多重配列アラインメ
ントを作成する。またそれにより、アラインメントの作成に使用されるクラスタ
ー形成関係を示すツリーがプロットされ得る。PILEUPは、FengおよびDool
ittle、J. Mol. Evol. 35:351−60(1987)の漸進的アラインメン
ト法の単純化方法を使用する。この方法は、HigginsおよびSharp CABIOS 5:1
51−3(1989)により報告されたものと類似している。有用なPILEU
Pパラメーターには、3.00のデフォルトギャップ重量、0.10のデフォルト
ギャップ長重量、および秤量された最終ギャップがある。
【0036】 有用なアルゴリズムの一追加例は、Altschulら、J. Mol. Biol. 215:40
3−410(1990)および Karlinら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 9
0:5873−87(1993)で報告されたBLASTアルゴリズムである。
特に有用なBLASTプログラムは、Altschulら、Methods in Enzymology 26
6:460−480(1996);http://blast.wustl/edu/blast/README.html
]から入手されたWU−BLAST−2プログラムである。WU−BLAST−
2は、幾つかの検索パラメーターを使用しており、それらの大部分はデフォルト
値に設定されている。調節可能なパラメーターは次の値:オーバーラップスパン
=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11によ
り設定されている。HSP SおよびHSP S2パラメーターは、動的値であり
、特定配列の組成および興味の対象である配列が検索されている特定データベー
スの組成次第でプログラム自体により確立されている。しかしながら、これらの
値は、感度を高めるべく調節され得る。アミノ酸配列同一性%値は、適合する同
一残基をアラインメント領域における「より長い」配列の残基の総数で割った数
により決定される。「より長い」配列は、アラインメント領域において最も現実
的な残基を有するものである(アラインメントスコアを最大にすべくWU−Bl
ast−2により導入されたギャップについては無視する)。
【0037】 同様にして、ここで同定されたポリペプチドのコーディング配列に関する「核
酸配列同一性パーセント(%)」は、Apopタンパク質のコーディング配列(
図1、3および5参照)におけるヌクレオチド残基と同一である候補配列におけ
るヌクレオチド残基のパーセンテージとして定義される。好ましい方法では、デ
フォルトパラメーターに設定したWU−BLAST−2のBLASTNモジュー
ルを使用し、オーバーラップスパンおよびオーバーラップフラクションはそれぞ
れ1および0.125に設定されている。
【0038】 追加的に有用なアルゴリズムは、Altschulら、Nucl. Acid Res. 25:338
9−3402(1997)により報告されたギャップトBLASTである。ギャ
ップトBLASTは、BLOSUM−62置換スコア;9に設定された閾値Tパ
ラメーター;非ギャップト伸長を誘発する2ヒット方法を使用し;10+kのコ
ストにつきkのギャップ長を埋め、Xuは16に設定され、Xgはデータベース
検索段階については40に設定され、アルゴリズムの出力段階については67に
設定される。ギャップトアラインメントは、〜22ビットに相当するスコアによ
り誘発される。
【0039】 このアラインメントは、アラインメントされる配列におけるギャップの導入を
含み得る。さらに、図2、4および6に示されたタンパク質配列より多いかまた
は少ないアミノ酸を含む配列の場合、相同性のパーセンテージはアミノ酸の総数
に対する相同性アミノ酸の数に基いて決定されることがわかる。すなわち、例え
ば、下記で検討されている通り、図2、4および6に示されているものより短い
配列の相同性は、より短い配列におけるアミノ酸の数を用いて決定される。
【0040】 好ましい態様では、Apopタンパク質はIAPタンパク質に結合する。アポ
トーシス阻害因子(IAP)タンパク質は、最初にバキュロウイルスで同定され
た抗アポトーシスタンパク質の新規一群である。ヒトIAP群の構成員には、例
えばNAIP、HIAP−1(アポトーシスタンパク質−1のヒト阻害因子)、
HIAP−2(アポトーシスタンパク質−2のヒト阻害因子)、c−IAP−1
、c−IAP−2およびXIAPがある。それらは、カスパーゼの直接阻害によ
り細胞死を阻害すると考えられている。事実、IAP群タンパク質の中には、例
えばc−IAP−1、c−IAP−2およびXIAPのように、遠位細胞死プロ
テアーゼ、カスパーゼ−3および−7に結合し、阻害し得るものもある(Royら
、EMBO J.、16:6914−25(1997);Takahashiら、J. Biol. Chem.
273:7787−90(1998))。IAPは進化にもかかわらず高度保
存されているが、それらがアポトーシス細胞死を妨げる機構は不明である。IA
Pに関する若干の未知蛋白質基質およびIAPの活性を変調するアゴニスト的ま
たはアンタゴニスト的タンパク質が存在し得る。
【0041】 IAP、特にXIAPと相互作用する新規タンパク質を同定するために、我々
は酵母2−ハイブリッドスクリーニングシステムを使用した。「おとりタンパク
質」としてXIAPを用いることにより、我々はXIAPと相互作用する2種の
新規タンパク質、すなわちApop1およびApop2を同定した。
【0042】 好ましい態様では、Apopタンパク質はApop1タンパク質である。Ap
op1のヌクレオチド配列は図1に、コード化されたタンパク質は図2に描かれ
ている。Apop1核酸およびコード化Apop1タンパク質のかなりの部分は
、ヒトカテプシンB前駆体タンパク質および対応するDNAとの同一性を有する
[Ritonjaら、FEBS Lett. 181:169−172(1985)、Chanら、Proc
. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83:7721−7725(1986)、Fongら、
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83:2909−2913(1986)、Moin
ら、Biochem. J. 285:427−434(1992)、Caoら、Gene 139:
163−169(1994)]。カテプシンBは、追加的リソソーム外機能を有
し得るリソソームチオールプロテイナーゼである。特に、図1に描かれたApo
p1ヌクレオチド配列のヌクレオチド364〜716は、ヒトカテプシンB(C
TSB)mRNA(ジェンバンク受入番号NM_001908およびM1422
1)と>99%(352/353ヌクレオチド残基)同一性を有する。同様に、
アミノ酸レベルでは、図2に描かれたApop1アミノ酸配列は、ヒトカテプシ
ンB前駆体タンパク質(ジェンバンク受入番号P07858)との100%(1
09/109アミノ酸残基)同一性およびヒトカテプシンB前駆体タンパク質(
ジェンバンク受入番号NP_001899)との>99%(108/109アミ
ノ酸残基)同一性を示す。しかしながら、Apop1タンパク質および核酸の残
りは、既知配列とは相同性を全く呈しない。すなわち、本発明のApop1核酸
配列は、別の方法でスプライシングされたカテプシンB mRNA転写物を表し
得、コード化タンパク質はカテプシンBと比較すると他の生物学的活性を有し得
る。
【0043】 核酸レベルでは、Apop1との相同性を有するEST99543およびES
T41374を含む若干の配列が報告されている。
【0044】 好ましい態様では、Apopタンパク質はApop2タンパク質である。Ap
op2のヌクレオチド配列は図3に、コード化タンパク質は図4に描かれている
。Apop2核酸およびコード化Apop2タンパク質は、ヒトカテプシンF前
駆体タンパク質および対応するDNAとの同一性を有する[Wangら、J. Biol. C
hem. 273:32000−8(1998);Naglerら、Biochem. Biophys. Res
. Commun. 257:313−8(1999);Santamariaら、J. Biol. Chem.
274:13800−9(1999);Wexら、Biochem. Biophys. Res. Commun
. 259:401−7(1999);ジェンバンク受入番号AF071748、
NM_003793、AF088886、AJ007331、およびAF132
894]。カテプシンFは、疎水性シグナル配列、プロドメインおよび触媒領域
を含む、前駆体タンパク質として合成された、新規パパイン様システインプロテ
イナーゼである[Santamariaら、J. Biol. Chem. 274:13800−9(1
999)]。驚くべきことに、Apop2は幾つかの他のカテプシン類との強い
相同性を有する。タンパク質配列を比較すると、カテプシンWとは58%相同性
、カテプシンL、K、S、HおよびOとは約42−43%、およびカテプシンB
とは38%の相同性が示された[Wangら、J. Biol. Chem. 273:32000
−8(1998)]。XIAPへの結合によるApop2(カテプシンF)の同
定は、まずカテプシン相同性を含むタンパク質がアポトーシスにおいてある役割
を演じることが示されていたことを表す。
【0045】 核酸レベルでは、Apop2核酸部分を含む若干のEST配列が報告されてい
る。これらには、EST43911/AA38898、yp01g08.r1/
H39591、およびEST91038/AA378321がある。さらに、マ
ウス乳腺cDNA;(AA475592)との88%同一性、ヒトcDNAクロ
ーン(H15748)との95%同一性、およびマウス乳腺cDNA(AA95
8896)との88%同一性を含め、既知cDNAとの幾つかの相同性領域があ
る。
【0046】 好ましい態様では、Apopタンパク質はApop3タンパク質である。酵母
2−ハイブリッドスクリーニングで「おとりタンパク質」としてRIPを用いる
ことにより、Apop3が同定された。Apop3のヌクレオチド配列は図5に
、コード化タンパク質は図6に描かれている。ヒトApop3は、心臓、肝臓、
膵臓、胎盤および肺で発現されるが、脳では弱くしかまたは全く発現されないと
思われる。Apop3はまた「RIP3」とも称されている[Yuら、Current Bi
ology 9:539−42(1999);Sunら、J. Biol. Chem. 274:168
71−5(1999)参照]。Apop3のN−末端部分、特にアミノ酸残基1
−274は、RIP(34%同一性および60%類似性)およびRIP2(31
%同一性および58%類似性)のキナーゼドメインとの相同性を有する[Sunら
、J. Biol. Chem. 274:16871−5(1999)参照]。しかしながら
、Apop3のC−末端部分は、いずれの既知タンパク質ともあまり相同性を示
さない。従って、Apop3タンパク質は、一態様ではキナーゼドメイン以外の
領域とのかなりの相同性により同定され得る。この相同性は、好ましくは約60
%より大であり、約70または75%より大が特に好ましく、約80%より大が
特に好ましい。場合によっては、相同性は約90〜95または98%より大きい
こともある。
【0047】 さらに、Apop3タンパク質はまた、好ましくはここに記載されたキナーゼ
ドメインとのかなりの相同性を有する。この相同性は、好ましくは約75%より
大であり、約80%より大が特に好ましく、約85%より大が特に好ましい。場
合によっては、相同性は約90〜95または98%より大きいこともある。
【0048】 本発明のApopタンパク質は、図2、4および6に示されたアミノ酸配列よ
りも短いかまたは長いものであり得る。すなわち、好ましい態様では、ここに描
かれた配列の一部分またはフラグメントもApopタンパク質の定義内に含まれ
る。Apopタンパク質の一部分またはフラグメントは、a)それらが少なくと
も一つの抗原性エピトープを共有しているか、またはb)少なくとも示された相
同性を有するか、またはc)好ましくは例えば限定されるわけではないがキナー
ゼ活性、細胞死活性、XIAPまたはRIPへの結合性などを含め、Apop生
物活性を有する場合、Apopタンパク質であると見なされる。
【0049】 周知の方法、例えば核酸のインビトロ操作またはPCR(ポリメラーゼ連鎖反
応)は、当業界では公知であり、目的とされる核酸配列の一部分またはフラグメ
ントを生成し、次いで目的とされるタンパク質の一部分またはフラグメントをコ
ード化するのに常用されている。一般的に、Apopタンパク質の上記部分は、
少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、さらに好ましくは少なくとも
25%、さらに好ましくは少なくとも30%および最も好ましくは少なくとも5
0%の割合でApopタンパク質を含む。態様によっては、Apopタンパク質
の一部分またはフラグメントは、各Apopタンパク質を60〜90または95
%ほどの高い割合で含むこともある。
【0050】 一態様では、各Apopタンパク質の一部分またはフラグメントは、それが得
られるApopタンパク質に隣接している。別の態様では、各Apopタンパク
質の一部分またはフラグメントは、それが誘導されるApopタンパク質には隣
接していない。この態様において、Apopタンパク質の2またはそれ以上の部
分、例えばN−末端から得られたフラグメントおよびC−末端から得られたフラ
グメントを連結することにより、内側の配列が欠失される。
【0051】 好ましい態様において、Apopタンパク質は、誘導体または変異体のApo
pタンパク質である。すなわち、下記でより十分に概説されているように、誘導
体のApopペプチドは、少なくとも1個のアミノ酸置換、欠失または挿入を含
み、アミノ酸置換が特に好ましい。アミノ酸置換、挿入または欠失は、Apop
ペプチド内にあるいずれの残基でも行われ得る。
【0052】 さらに、下記でより十分に概説されている通り、例えばエピトープまたは精製
標識の付加、他の融合配列の付加などにより、図2、4および6に描かれたもの
より長いApopタンパク質が製造され得る。
【0053】 Apopタンパク質はまた、Apop核酸によりコード化されるものとして同
定され得る。すなわち、Apopタンパク質は、ここで概説されている通り、図
1、3および5に描かれた配列またはその相補体とハイブリダイズする核酸によ
りコード化される。
【0054】 好ましい一態様では、この発明のApopタンパク質を用いることにより、A
popタンパク質に対するポリクローナルおよびモノクローナル抗体が生成され
得、それらはここに記載されている通り有用である。「Apop抗体」、「Ap
opに結合する抗体」の語またはそれらの文法的同義語は、Apop1タンパク
質、Apop2タンパク質およびApop3タンパク質に結合する抗体を包含す
る。
【0055】 Apop抗体は、通常図2、4および6に描かれたアミノ酸配列を有するAp
opタンパク質により産生される。好ましい態様では、そのアミノ酸配列が図2
、4および6に描かれているApopタンパク質の一部分またはフラグメントに
対応するApopタンパク質は、抗体産生に使用される。モノクローナルおよび
ポリクローナル抗体の製造および精製方法は当業界では公知であり、例えば Har
low および Lane、Antibodies: A Laboratory Manual(ニューヨーク:コールド
スプリングハーバー・ラボラトリー・プレス、1988)に記載されている。A
popタンパク質を用いて抗体を産生させるとき、Apopタンパク質は、図2
、4および6に示された完全長タンパク質と少なくとも1つのエピトープまたは
決定因子を共有していなければならない。ここで「エピトープ」または「決定因
子」は、抗体を産生および/または結合するタンパク質の一部分を意味する。す
なわち、たいていの場合、小さいApop3タンパク質に対して産生された抗体
は完全長タンパク質と結合することができる。
【0056】 好ましい実施態様では、エピトープは固有のものであり、すなわち固有のエピ
トープに対して作製された抗体はその他のタンパク質との交差反応性をほとんど
示さないか、全く示さない。「抗体」とは、完全抗体の改変によって作出された
、またはFab Fab2、一本鎖抗体(例えば、Fv)、キメラ抗体などをはじめ、本技
術分野で公知の抗体断片、または組換えDNA技術を用いてde novoで合成されたも
のを含む。「抗体」とは、アゴニストもしくはアンタゴニスト抗体であり得るポ
リクローナル抗体およびモノクローナル抗体をさらに含む。
【0057】 本発明のApop抗体はApopタンパク質と特異的に結合する。本明細書において「
特異的に結合する」とは、抗体が、少なくとも10-4ないし10-6M-1、好ましくは1
0-7ないし10-9M-1の範囲に結合定数でタンパク質と結合することを意味する。
【0058】 好ましい実施態様では、本発明のApopタンパク質はその免疫活性、すなわち図
2、4および6に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質内で見られるエピトープ
に特異的な抗体と結合するその能力によって同定され得る。「免疫活性」とは、
タンパク質の、図2、4および6に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質に特異
的な抗体、すなわちApopタンパク質抗体と交差反応する能力を意味する。従って
、タンパク質が図2、4および6に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質の免疫
活性を示すとすれば、そのタンパク質はApopタンパク質である。
【0059】 好ましい実施態様では、Apop抗体が提供される。該抗体はポリクローナルであ
っても、またはモノクローナルであってもよい。好ましい実施態様では、該Apop
抗体は以下に記載されるようにApopの生物学的機能を低下または消失させること
ができる。すなわち抗Apop抗体(ポリクローナルまたは好ましくはモノクローナ
ルのいずれか)をApop(またはApopを含む細胞)に添加すると、Apop活性を低下
または消失され得る。一般に少なくなくとも25%の活性の低下が好ましく、少な
くとも約50%の低下が特に好ましく、約95ないし100%の低下がさらに特に好まし
い。
【0060】 モノクローナル抗体は抗原上の単一の抗原部位または単一の決定基に対して向
けられる。従ってモノクローナル抗体は、複数の異なるエピトープに向けられる
ポリクローナル抗体とは対照的に特異性が極めて高い。モノクローナル抗体は通
常ハイブリドーマ培養物の上清から得られる(Kohler and Milstein, Nature 256
:495-7 (1975); Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual (New Yor
k: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988参照)。
【0061】 好ましい実施態様では、Apopタンパク質に対する抗体はヒト化される。最新の
モノクローナル抗体技術を用いれば、同定可能な実質的にいずれの標的抗原に対
するヒト化抗体も作出することができる[Stein, Trends Biotechnol. 15:88-90
(1997)]。ヒト化形態の非ヒト(例えば、ネズミ)抗体は免疫グロブリンのキメ
ラ分子、免疫グロブリン鎖、または非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含む
その断片(Fv、Fab、Fab'、F(ab')2または抗体のその他の抗原結合サブ配列など)
である。ヒト化抗体としては、レシピエントの相補性決定領域(CDR)由来の残基
が、所望の特異性、親和性および能力を有するマウス、ラットまたはウサギなど
の非ヒト種(ドナー抗体)のCDR由来の残基で置換されているヒト免疫グロブリ
ン(レシピエント抗体)が挙げられる。いくつかの例では、ヒト免疫グロブリン
のFvフレームワーク残基は対応する非ヒト残基で置換されている。ヒト化抗体は
また、レシピエント抗体でも、移入CDRまたはフレームワーク配列にも見られな
い残基を含む。一般にヒト化抗体は実質的に少なくとも1つ、典型的には2つの
可変領域のすべてを含み、非ヒト免疫グロブリンのそれに対応するCDR領域のす
べてもしくは実質的にすべて、またはFR領域のすべてもしくは実質的にすべては
ヒト免疫グロブリン不変配列である。ヒト抗体は最適にはまた、免疫グロブリン
不変領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのそれの少なくとも一部を含むと
考えられる[Jones et al., Nature 321:522-525 (1986); Riechmann et al., Na
ture 332:323-329 (1988); and Presta, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596 (
1992)]。
【0062】 非ヒト抗体をヒト化する方法は当技術分野で十分公知である。一般に、ヒト化
抗体は非ヒト起源からそれに導入された1以上のアミノ酸残基を有する。これら
の非ヒトアミノ酸残基はしばしば移入残基と呼ばれ、典型的には移入可変ドメイ
ンから取られる。ヒト化は本質的にWinterおよび共同研究者の方法に従い[Jones
et al., supra; Riechmann et al., supra; and Verhoeyen et al., Science,
239:1534-1536 (1988)]、対応するヒト抗体配列を齧歯類CDR群またはCDR配列で
置き換えることにより行える。ヒト化ネズミモノクローナル抗体のさらなる例も
当技術分野で公知であり、例えば、抗体結合性ヒトCタンパク質[O'Connor et a
l., Protein Eng. 11:321-8 (1998)]、インターロイキン2受容体[Queen et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A. 86:10029-33 (1989])、およびヒト上皮増殖
因子受容体2[Carter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89:4285-9 (1992
)]がある。従って、かかるヒト化抗体はキメラ抗体であり(米国特許第4,816,567
号)、ここでは全ヒト可変ドメインよりも実質的に小さい部分が非ヒト種由来の
対応する配列で置換されている。実際には、ヒト化抗体は典型的にはいくつかの
CDR残基およびおそらくはいくつかのFR残基が齧歯類抗体の類似部位由来の残基
で置換されているヒト抗体である。
【0063】 ヒト抗体はまたファージ・ディスプレー・ライブラリーをはじめ、当技術分野
で公知の種々の技術を用いて作製できる [Hoogenboom and Winter, J. Mol. Bio
l. 227:381 (1991); Marks et al., J. Mol. Biol. 222:581 (1991)]。Cole et
al.およびBoerner et alの技術もまたヒトモノクローナル抗体に調製に利用でき
た(Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss,
p. 77 (1985) and Boerner et al., J. Immunol. 147(1):86-95 (1991)]。同様
にヒト抗体は内因性の免疫グロブリン遺伝子が一部または完全に不活性化された
トランスジェニック動物、例えばマウスにヒト免疫グロブリン遺伝子座を導入す
ることによって作製できる。抗原投与時、遺伝子の再配列、構築および抗体特性
をはじめあらゆる点でヒトで見られるものと極めてよく似たヒト抗体の産生が見
られる。この試みは例えば米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,569,
825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,661,016号および以下の科学刊
行物:Marks et al., Bio/Technology 10:779-783 (1992); Lonberg et al. Natu
re 368:856-859 (1994); Morrison, Nature 368:812-13 (1994); Fishwild et
al., Nature Biotechnology 14:845-51 (1996); Neuberger, Nature Biotechnol
ogy 14:826 (1996); Lonberg and Huszar, Intern. Rev. Immunol. 13:65-93 (1
995)に記載されている。
【0064】 好ましい実施態様では、Apop核酸が提供される。本発明のApop核酸は図1、3
または5に示されるヌクレオチド配列との配列の同一性により同定され、図1、
3または5に示されるヌクレオチド配列のすべてまたは一部と何%の配列の同一
性を有するかとして示され得る。核酸についていう場合、配列の同一性は比較さ
れる配列が対応する位置に同一のヌクレオチドを有することを意味する。Apop核
酸の配列の同一性はApopタンパク質の配列の同一性に比例するが、種々の生物の
遺伝コードおよびコドンバイアスにおける縮重を考慮している。従って、Apop核
酸に対する配列の同一性はApopタンパク質に対する配列の同一性とは異なり得る
。従って核酸配列の相同性は図1、3および5の核酸配列と比較すると、好まし
くは75%より高く、さらに好ましくは約80%より高く、特には約85%より高く、最
も好ましくは90%より高い。いくつかの実施態様では、相同性は約93ないし95ま
たは98%といった高さである。
【0065】 好ましい実施態様では、Apop核酸はApopタンパク質をコードする。当業者なら
ば分かるであろうが、遺伝コードの縮重のために、そのいずれもが本発明のApop
タンパク質をコードする極めて多数の核酸が製造され得る。従って特定のアミノ
酸配列が同定されれば、当業者はApopのアミノ酸配列を変化させないように1以
上のコドンの配列を単に改変することによっていずれの数の異なる核酸でも作出
することができよう。
【0066】 ある実施態様では、核酸の相同性はハイブリダイゼーション実験によって決定
される。このように例えば、図1、3および5に示される核酸配列またはそれら
の相補体と高いストリンジェンシーの下でハイブリダイズする核酸はApop遺伝子
であるとみなされる。高ストリンジェンシー条件は当技術分野で公知である。例
えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (New York:
Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)およびAusubel et al., Short P
rotocols in Molecular Biology (John Wiley & Sons, Inc., 1995)を参照。な
お、双方とも出典明示により本明細書の一部とされる。ストリンジェント条件は
配列に依存し、違った環境では異なるものである。長い配列ほど高い温度で特異
的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションの包括的な指針はTijs
sen, Techniques in Biochemistry and Molecular Biology: Hybridization wit
h Nucleic Acid Probes, "Overview of principles of hybridization and the
strategy of nucleic acid assays" (1993)に見出せる。一般に、所定のイオン
強度pHで特異的な配列の融点(Tm)より約5ないし10℃低いものとなるよう選択
される。Tmは(所定のイオン強度、pHおよび核酸濃度の下)並行状態において
その温度で標的と相補的なプローブの50%が標的配列とハイブリダイズする温度
である(標的配列が過剰に存在する場合にはTmにて、平衡状態で50%のプローブ
が会合する)。ストリンジェント条件は、塩濃度がpH7.0ないし8.3において約
1.0Mより低いナトリウムイオン濃度、典型的には約0.01ないし1.0Mのナトリウム
イオン濃度(またはその他の塩)であり、かつ、温度が短いプローブ(例えばヌ
クレオチド10ないし50個)については少なくとも約30℃、長いプローブ(例えば
ヌクレオチド50個を超えるもの)については少なくとも約60℃であるといったも
のである。ストリンジェント条件はまた、ホルムアミドなどの脱安定化剤の添加
により達成され得る。
【0067】 もう1つの実施態様では、より低いストリンジェントのハイブリダイゼーショ
ン条件が用いられ、当技術分野で公知のように、例えば中程度または低いストリ
ンジェンシー条件が使用され得る。Sambrook et al.,前記、Ausubel et al.,前
記、およびTijssen前記参照。
【0068】 この発明のApopタンパク質および核酸は、好ましくは組換え体である。こ
こで使用されており下記で定義する「核酸」は、DNAまたはRNA、またはデ
オキシ−およびリボヌクレオチドの両方を含む分子を包含し得る。核酸は、セン
スおよびアンチセンス核酸を含むゲノムDNA、cDNAおよびオリゴヌクレオ
チドを含む。上記核酸はまた、リボース‐燐酸バックボーンにおける修飾を含む
ため、生理学的環境における上記分子の安定性および半減期が増加され得る。
【0069】 核酸は、2本鎖、1本鎖であり得、または2本鎖または1本鎖配列の両方の一
部を含む。当業界で認められているように、また1本鎖(「ワトソン」)を描く
ことにより、他方の鎖(「クリック」)の配列が定義される。すなわち、図1、
図3および図5に描かれた配列はまた、配列の補体を含む。ここで「組換え核酸
」の語は、一般にはエンドヌクレアーゼによる核酸の遺伝子操作により、事実上
普通には見出されない形態でもともとインビトロ形成された核酸を意味する。す
なわち、線形で分離されたApop核酸、または通常では結合されていないDN
A分子を連結することによりインビトロ形成された発現ベクターは、両方ともこ
の発明の目的に適った組換え体であると考えられる。一旦組換え核酸が製造され
、宿主細胞または生物体に再導入されると、非組換え的に、すなわちインビトロ
操作ではなく宿主細胞のインビボ細胞機構を用いて複製することがわかる。しか
しながら、上記核酸は、一旦組換え的に製造されると、その後は非組換え的に複
製されるが、依然としてこの発明の目的に適った組換え体であると考えられる。
【0070】 同様に、「組換えタンパク質」は、組換え技術を用いて、すなわち上記組換え
核酸の発現により製造されるタンパク質である。組換えタンパク質は、少なくと
も1つまたはそれ以上の特徴により天然タンパク質とは区別される。例えば、こ
のタンパク質は、普通その野生型宿主においてそれが随伴されているタンパク質
および化合物の一部または全体から分離または精製され得るため、実質的に純粋
であり得る。例えば、分離されたタンパク質は、それが自然状態では通常随伴し
ている物質の少なくとも一部を伴っておらず、その物質は、好ましくは与えられ
た試料における全タンパク質の重量にして少なくとも約0.5%、さらに好まし
くは少なくとも約5%を構成している。実質的に純粋なタンパク質は、総タンパ
ク質の少なくとも約75重量%を構成し、少なくとも約80%が好ましく、さら
に少なくとも約90%が特に好ましい。この定義には、異なる生物体または宿主
細胞における一生物体からのApopタンパク質の製造が含まれる。別法として
、このタンパク質は、タンパク質が高い濃度レベルで製造されるような誘導可能
プロモーターまたは高度発現プロモーターの使用により、普通に見られる濃度よ
り著しく高い濃度で製造され得る。別法として、タンパク質は、下記で検討され
ている通り、エピトープ標識の付加またはアミノ酸置換、挿入および欠失といっ
た状態で、事実上普通には見出されない形態であり得る。
【0071】 また、アミノ酸配列変異型もこの発明のApopタンパク質の定義内に含まれ
る。これらの変異型は、3種類、すなわち置換、挿入または欠失変異型の1つま
たはそれ以上に分類される。通常これらの変異型は、変異型をコードするDNA
を製造するため、当業界で公知のカセットまたはPCR突然変異誘発法または他
の技術を用いた後、上記で概説された細胞培養物において組換えDNAを発現さ
せることによる、Apopタンパク質をコードするDNAにおけるヌクレオチド
の部位特異的突然変異導入法により製造される。しかしながら、約100−15
0以下の残基を有する変異型Apopタンパク質フラグメントは、確立された技
術を用いるインビトロ合成により製造され得る。アミノ酸配列変異型は、予め定
められた変異の性質を特徴とし、すなわちApopタンパク質アミノ酸配列の天
然対立遺伝子または種間変異からそれらを区別する特徴である。変異型は、典型
的には天然類似体と同じ質的生物活性を呈するが、下記でより詳細に説明されて
いる通り修飾された特徴を有する変異型も選択され得る。
【0072】 アミノ酸配列変異が導入される部位または領域が予め決定されても、突然変異
自体は予め決定される必要はない。例えば、所定の部位における突然変異誘発の
性能を最適化するため、ランダム突然変異誘発が標的コドンまたは領域で誘導さ
れ、発現されたApop変異型は所望の活性の最適な組み合わせについてスクリ
ーニングされ得る。既知配列を有するDNAにおいて予め決定された部位で置換
突然変異を誘発する技術はよく知られており、例えばM13プライマー突然変異
誘発法およびPCR突然変異誘発法がある。突然変異体のスクリーニングは、A
popタンパク質活性の検定法を用いて行なわれる。
【0073】 アミノ酸置換は典型的には単一残基によるものであり、挿入は通常約1ないし
20アミノ酸程度で行われるが、かなり大規模な挿入も認容され得る。欠失は約
1ないし約20残基の範囲であるが、場合によってはかなり大規模な欠失もあり
得る。
【0074】 置換、欠失、挿入またはそれらの組み合わせを用いることにより、最終誘導体
に到達し得る。一般に、これらの変化は、分子の改変を最小限にとどめるため数
個のアミノ酸に対して行われる。しかしながら、大規模な変化もある種の環境で
は認容され得る。Apopタンパク質の特性の小規模な改変が望まれる場合、置
換は一般に下記チャートに従って行われる。 チャートI
【表1】
【表2】
【0075】 機能または免疫学的同一性の実質的変化は、チャートIに示されたものより同
類性が低い置換を選択することにより行われる。例えば、改変領域におけるポリ
ペプチドバックボーンの構造、例えばアルファ−らせんまたはベータ‐シート構
造、標的部位における分子の荷電または疎水性、または側鎖のバルクに顕著な影
響を及ぼす置換が行われ得る。一般にポリペプチドの特性に最大の変化をもたら
すことが予測される置換は、(a)親水性残基、例えばセリルまたはトレオニル
が疎水性残基、例えばロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリルまた
はアラニルの代わりに(または、により)置換されている場合、(b)システイ
ンまたはプロリンが他のいずれかの残基の代わりとして(または、により)置換
されている場合、(c)電気陽性側鎖を有する残基、例えばリシル、アルギニル
またはヒスチジルが、電気陰性残基、例えばグルタミルまたはアスパルチルの代
わりとして(または、により)置換されている場合、または(d)巨大側鎖を有
する残基、例えばフェニルアラニンが側鎖をもたない残基、例えばグリシンの代
わりとして(または、により)置換されている場合である。
【0076】 変異型は、典型的には天然類似体と同じ質的生物活性を呈し、同じ免疫応答を
発するが、必要に応じてApopタンパク質の特徴を修飾する変異型も選択され
る。別法として、変異型は、Apopタンパク質の生物活性が改変されるように
設計され得る。例えば、グリコシル化部位が改変または除去され得る。同様に、
例えばApop1またはApop2のシステインプロテアーゼドメインまたはA
pop3のキナーゼドメイン内で変異が形成され得る。
【0077】 Apopポリペプチドの共有結合修飾もこの発明の範囲内に含まれる。共有結
合修飾の1タイプには、Apopポリペプチドの標的とされるアミノ酸残基と、
Apopポリペプチドの選択された側鎖またはN−もしくはC−末端残基と反応
し得る有機誘導体化剤との反応が含まれる。下記でさらに詳述されている通り、
例えば、抗Apop抗体の精製方法またはスクリーニング検定法で使用される水
不溶性支持体マトリックスまたは表面にApopを架橋させるには、二官能薬剤
による誘導体化が有用である。常用架橋剤には、例えば1,1−ビス(ジアゾア
セチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシン
イミドエステル類、例えば4−アジドサリチル酸とのエステル類、ホモ二官能性
イミドエステル類、例えばジスクシンイミジルエステル類、例えば3,3'‐ジチ
オビス(スクシンイミジルプロピオネート)、二官能性マレイミド類、例えばビ
ス−N−マレイミド−1,8−オクタンおよびメチル−3−[(p−アジドフェ
ニル)ジチオ]プロピオイミデート試薬がある。
【0078】 他の修飾には、グルタミニルおよびアスパラギニル残基から各々対応するグル
タミルおよびアスパルチル残基への脱アミド化、プロリンおよびリシンのヒドロ
キシル化、セリルまたはトレオニル残基のヒドロキシル基の燐酸化、リシン、ア
ルギニンおよびヒスチジン側鎖の“‐アミノ基のメチル化[T.E.Creighton、Pro
teins:Structure and Molecular Properties、W.H.Freeman & Co.、サンフラン
シスコ、79−86頁(1983)]、N−末端アミンのアセチル化、およびC
−末端カルボキシル基があればそのアミド化がある。
【0079】 ポリペプチドの天然グリコシル化パターンの改変を含むApopポリペプチド
の共有結合修飾の別のタイプもこの発明の範囲内に含まれる。「天然グリコシル
化パターンの改変」とは、ここでの目的の場合天然配列Apopポリペプチドに
見出される1個またはそれ以上の炭水化物部分の欠失、および/または天然配列
Apopポリペプチドには存在しない1個またはそれ以上のグリコシル化部位の
付加を意味するものとする。
【0080】 Apopポリペプチドへのグリコシル化部位の付加は、そのアミノ酸配列の改
変により達成され得る。この改変は、例えば1個またはそれ以上のセリンまたは
トレオニン残基を天然配列Apopポリペプチドに付加するか、またはこれによ
り置換することによって行われ得る(O−結合グリコシル化部位の場合)。Ap
opアミノ酸配列は、所望によりDNAレベルでの変化を通して、特に所望のア
ミノ酸へ翻訳するコドンが生成されるように予め選択された塩基でApopポリ
ペプチドをコードするDNAを突然変異させることにより改変され得る。
【0081】 Apopポリペプチドにおける炭水化物部分の数を増やす別の手段は、ポリペ
プチドに対するグリコシドの化学的または酵素的結合によるものである。上記方
法は、文献、例えば1987年9月11日公開のWO87/05330、および
Aplin および Wriston、CRC Crit.Rev.Biochem.、259−306頁(1981
)で報告されている。
【0082】 Apopポリペプチドに存在する炭水化物部分の除去は、化学的または酵素的
方法またはグリコシル化の標的として用いられるアミノ酸残基をコードするコド
ンの突然変異的置換により達成され得る。化学的脱グリコシル化技術は当業界で
は公知であり、例えば、Hakimuddinら、Arch.Biochem.Biophys.、259:52
(1987)および Edgeら、Anal.Biochem.、118:131(1981)によ
り報告されている。ポリペプチドにおける炭水化物部分の酵素的開裂は、Thotak
uraら、Meth. Enzymol.、138:350(1987)で報告されているように
様々なエンド−およびエキソ−グリコシダーゼの使用により達成され得る。
【0083】 Apop共有結合修飾の別のタイプは、米国特許第4640835、4496
689、4301144、4670417、4791192または417933
7号に示された方法による、様々な非タンパク質性ポリマー、例えばポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシアルキレンの一つへ
のApopポリペプチドの結合を含む。
【0084】 この発明のApopポリペプチドはまた、別の異種ポリペプチドまたはアミノ
酸配列に融合させたApopポリペプチドを含むキメラ分子を形成する方法で修
飾され得る。一態様において、かかるキメラ分子は、抗標識抗体が選択的に結合
され得るエピトープを提供する標識ポリペプチドを伴ったApopポリペプチド
の融合体を含む。エピトープ標識は、一般にApopポリペプチドのアミノ−ま
たはカルボキシル−末端に位置する。Apopポリペプチドの上記エピトープ標
識形態の存在は、標識ポリペプチドに対する抗体を用いて検出され得る。また、
エピトープ標識の提供によって、Apopポリペプチドは、抗標識抗体またはエ
ピトープ標識に結合する別のタイプのアフィニティーマトリックスを用いるアフ
ィニティー精製により容易に精製され得る。別の態様において、キメラ分子は、
免疫グロブリンまたは免疫グロブリンの特定領域を伴うApopポリペプチドの
融合体を含み得る。キメラ分子の2価形態の場合、かかる融合は、IgG分子の
Fc領域に対するものであり得る。
【0085】 様々な標識ポリペプチドおよびそれらの各抗体は当業界ではよく知られている
。例としては、ポリ−ヒスチジン(ポリ−his)またはポリ−ヒスチジン−グリ
シン(ポリ−his−gly)標識、flu HA標識ポリペプチドおよびその抗体12C
A5[Fieldら、Mol. Cell Biol.、8:2159−2165(1988)]、c
−myc標識およびそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7および9
E10抗体[Evanら、Molecular and Cellular Biology、5:3610−361
6(1985)]、および単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)標識お
よびその抗体[Paborskyら、Protein Engineering、3(6):547−553
(1990)]がある。他の標識ポリペプチドには、フラッグ‐ペプチド[Hopp
ら、Bio Technology、6:1204−1210(1988)]、KT3エピトー
プペプチド[Martinら、Science、255:192−194(1992)]、チ
ューブリンエピトープペプチド[Skinnerら、J.Biol.Chem.、266:1516
3−15166(1991)]、およびT7遺伝子10タンパク質ペプチド標識
[Lutz-Freyermuthら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、87:6393−639
7(1990)]がある。
【0086】 また、Apop群に属する他のApopタンパク質、および他の生物体由来の
Apopタンパク質もApopタンパク質の定義に含まれ、それらは下記に概説
された要領でクローン化および発現される。すなわち、プローブまたは縮重ポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)プライマー配列を用いることにより、ヒトまたは他
の生物体に由来する他の関連Apopタンパク質が見出され得る。当業界で認め
られているところによると、特に有用なプローブおよび/またはPCRプライマ
ー配列は、Apop核酸配列の特有領域を含む。すなわち、有用なプローブまた
はプライマー配列は、免疫グロブリンV様Apopドメインの配列の全部または
一部、ほぼアミノ酸18−253に及ぶ、唯一の細胞外ドメインの全部または一
部、または暗号化領域外の配列に対して設計され得る。当業界で一般に知られて
いるように、好ましいPCRプライマーは、約15ないし約35ヌクレオチド長
であって、約20ないし約30が好ましく、必要に応じてイノシンを含み得る。
PCR反応の条件は当業界ではよく知られている。
【0087】 他の好ましい態様では、Apop群内の新メンバーは、同じ生物体の異なる細
胞または組織中で同定される。各メンバーのアミノ酸配列を上記のように整列さ
せて分析する。これらの群メンバー中、各同一のアミノ酸配列は、PCRプライ
マーを設計するのに使用する。これらのPCRプライマーは、遺伝子コードの縮
重を考慮に入れ、そのために例えば第3コドン位置にイノシンを組み込むことが
できる。同様に、PCRプライマーは、各核酸配列のアライメントおよび分析に
基いて設計する。このようにして、PCRプライマーを、Apop群の異なるメ
ンバーに共有される保存ヌクレオチド配列と結合するように設計する。この実施
態様では、PCRプライマーが結合する各ヌクレオチド配列を共有する、Apo
p群の全メンバー、すなわち、既知メンバーおよび未知メンバー、のヌクレオチ
ド配列が、PCRによって産生される。続く産出したDNAフラグメントのサブ
クローニングおよびDNA分析は、当業者によく知られているように、そして例
えばSambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (New York: C
old Spring Harbor Laboratory Press, 1989)およびAusubel et al., Short Pro
tocols in Molecular Biology (John Wiley & Sons, Inc., 1995)に記載されて
いるように、Apop群の既知および/または新メンバーを同定する。
【0088】 一旦Apop核酸が同定されると、それはクローン化され、さらに必要ならば
、その構成部分はApop核酸全体を形成すべく組換えられ得る。一旦その天然
供給源から単離されると、例えばプラスミドまたは他のベクター内に封入される
かまたはそこから線形核酸セグメントとして切除されると、組換えApop核酸
はプローブとしてさらに用いられることにより、他のApop核酸が同定および
単離され得る。それはまた、修飾または変異型Apop核酸およびタンパク質を
製造するための「前駆体」核酸として使用され得る。
【0089】 Apopタンパク質をコードする本発明核酸を用いると、様々な発現ベクター
が製造される。発現ベクターは、自己複製する染色体外ベクターまたは宿主ゲノ
ムに組み込まれるベクターであり得る。一般に、これらの発現ベクターは、Ap
opタンパク質をコードする核酸に機能し得るように結合された転写および翻訳
調節核酸を含む。「制御配列」の語は、特定宿主生物体において機能し得るよう
に結合された暗号化配列の発現に必要なDNA配列を包含する。原核生物に適し
た制御配列は、例えばプロモーター、所望によりオペレーター配列、およびリボ
ソーム結合部位含む。真核生物細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル
およびエンハンサーを利用することが知られている。
【0090】 核酸が別の核酸配列と機能的関係にある状況に置かれたとき、それは「機能し
得るように結合」されている。例えば、前駆配列または分泌リーダーに関するD
NAは、それがポリペプチドの分泌に関与する前タンパク質として発現される場
合、ポリペプチドに関するDNAに機能し得るように結合されている。プロモー
ターまたはエンハンサーは、それが配列の転写に影響を及ぼす場合、暗号化配列
に機能し得るように結合されている。リボソーム結合部位は、それが翻訳を容易
にするような位置にある場合、暗号化配列に機能し得るように結合されている。
一般に、「機能し得るように結合されている」は、結合されているDNA配列が
隣接しており、分泌リーダーの場合、隣接し、読み取り段階にある。しかしなが
ら、エンハンサーは隣接している必要はない。結合は、好都合な制限部位での連
結反応により達成される。上記部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチド
アダプターまたはリンカーは、慣例に従い使用される。転写および翻訳調節核酸
は、当業者に認識され得るように、一般にApopタンパク質の発現に使用され
る宿主細胞に適合する。例えば、バチルス(Bacillus)由来の転写および翻訳調
節核酸配列は、好ましくはバチルス(Bacillus)でのApopタンパク質の発現
に使用される。多様なタイプの適当な発現ベクターおよび適当な調節配列が、様
々な宿主細胞に関する当技術分野では知られている。
【0091】 一般に、転写および翻訳調節配列は、プロモーター配列、リボソーム結合部位
、転写開始および停止配列、翻訳開始および停止配列、およびエンハンサーまた
はアクチベーター配列を含み得るが、これらに限定はされない。好ましい態様に
おいて、調節配列は、プロモーターおよび転写開始および停止配列を含む。 プロモーター配列は、構成的および誘導プロモーター配列を含む。プロモータ
ーは、天然プロモーターまたはハイブリッドまたは合成プロモーターであり得る
。複数のプロモーターの要素をあわせもつハイブリッドプロモーターはまた、当
業界でも知られており、この発明において有用である。
【0092】 さらに、発現ベクターは追加要素を含み得る。例えば、発現ベクターは2つの
複製系を有し得るため、2生物体、例えば発現用の哺乳類または昆虫細胞および
クローニングおよび増幅用の原核生物宿主において維持され得る。さらに、組込
み発現ベクターの場合、発現ベクターは、宿主細胞ゲノムに相同的な少なくとも
1つの配列、および好ましくは発現構築物の両端に隣接する2つの相同性配列を
含む。組込みベクターは、ベクターでの封入に適した相同性配列を選択すること
により宿主細胞における特異的座に指向され得る。組込みベクター用構築物並び
に適当な選択およびスクリーニングプロトコルは当業界ではよく知られており、
例えばMansour et al., Cell, 51:503 (1988)およびMurray, Gene Transfer and
Expression Protocols, Methods in Molecular Biology, Vol. 7 (Clifton: Hu
mana Press, 1991)に記載されている。
【0093】 さらに、好ましい態様において、発現ベクターは、発現ベクターを含む形質転
換された宿主細胞の選択を可能にする選択遺伝子を含み、そして特に哺乳類細胞
の場合は、ベクターを含有しない細胞は一般的に死んでゆくことから、細胞ベク
ターの安定性が保証される。選択遺伝子は当業界ではよく知られており、使用さ
れる宿主細胞により異なる。本明細書中の“選択遺伝子”は、選択剤への耐性を
与える遺伝子産物をコードする全ての遺伝子を意味する。適切な選択剤には、そ
れらに限定する意図ではないが、ネオマイシン(またはその類似体 G418)、ブラ
ストサイジンS、ヒスチニドールD、ブレオマイシン、ピューロマイシン、ハイ
グロマイシンB、および他の薬物が含まれる。 好ましい実施態様では、遺伝子発現のレベルを増大させるために、発現ベクタ
ーは、発現させる遺伝子の上流または下流のRNAスプライシング配列を含む。
Barret et al., Nucleic Acids Res. 1991; Groos et al., Mol. Cell. Biol. 1
987; and Budiman et al., Mol. Cell. Biol. 1988参照。 好ましい発現ベクター系は、例えばMann et al., Cell, 33:153-9 (1993); P
ear et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 90(18):8392-6 (1993); Kitamur
a et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 92:9146-50 (1995); Kinsella et
al., Human Gene Therapy, 7:1405-13; Hofmann et al.,Proc. Natl. Acad. Sci
. U.S.A., 93:5185-90; Choate et al., Human Gene Therapy, 7:2247 (1996);
PCT/US97/01019およびPCT/US97/01048およびそれ
らの中で引用された文献に総括的に記載されたようなレトロウイルスベクター系
であり、ここでそれらの参照文献の全てを特に引用して説明の一部とする。
【0094】 この発明のApopタンパク質は、Apopタンパク質発現の誘導または誘発
に適した条件下、Apopタンパク質をコードする核酸を含む核酸、好ましくは
発現ベクター、により形質転換された宿主細胞を培養することにより製造される
。Apopタンパク質発現に適した条件は、発現ベクターおよび宿主細胞の選択
により変動し、常用的実験を通じて当技術分野の熟練者により容易に確認される
。例えば、発現ベクターにおいて構成的プロモーターを使用する場合、宿主細胞
の成長および増幅の最適化が必要とされ、誘導プロモーターを使用する場合、誘
導に適した成長条件が必要とされる。さらに、具体例によっては、採取のタイミ
ングが重要な場合もある。例えば、昆虫細胞発現で使用されるバクロウイルス系
は溶菌ウイルスであるため、採取時間の選択が生成物収率にとって重大なことで
あり得る。
【0095】 適当な宿主細胞には、酵母、細菌、古細菌、真菌、および昆虫および哺乳類細
胞を含む動物細胞が含まれる。特に興味深いのは、ドロソフィラ・メランガスタ
ー(Drosophila melanogaster)細胞、サッカロマイシス・セレヴィシアエ(Sac
charomyses cerevisiae)および他の酵母、エシェリキア・コリ( E.coli)、バ
チルス・スブチリス(枯草菌、Bacillus subtilis)、SF9細胞、C129細
胞、293細胞、ニューロスポラ(アカパンカビ、Neurospora)、BHK、CH
O、COSおよびヒーラ細胞、線維芽細胞、神経鞘腫セルライン、不死化哺乳類
骨髄様およびリンパ様セルライン、ジュルカット(Jurkat)細胞、マスト細胞お
よび他の内分泌細胞および外分泌細胞、そして神経細胞である。ATCCセルライン
カタログ参照(明示引用して本明細書中の一部とする)。
【0096】 好ましい態様では、Apopタンパク質は哺乳類細胞で発現される。哺乳類発
現系もまた当業界では公知であり、レトロウイルス系を含む。哺乳類プロモータ
ーは、哺乳類RNAポリメラーゼに結合し、mRNAへのApop3タンパク質
に関する暗号化配列の下流(3')転写を開始させ得るものであればいかなるD
NA配列でもよい。プロモーターは、通常暗号化配列の5'末端近位に配置され
ている転写開始領域、および転写開始部位上流に位置する25−30塩基対を用
いたTATAボックスを有する。TATAボックスは、RNAポリメラーゼIIに
指令して正確な部位でのRNA合成を開始させると考えられている。哺乳類プロ
モーターはまた、典型的にはTATAボックスの上流100ないし200塩基対
内に位置する、上流プロモーター要素(エンハンサー要素)を含む。上流プロモ
ーター要素は、転写開始速度を決定し、いずれかの配向で作用し得る。ウイルス
遺伝子は高度発現されることが多く広い宿主範囲を有するため、哺乳類プロモー
ターとして特に有用なのは哺乳類ウイルス遺伝子由来のプロモーターである。例
としては、SV40初期プロモーター、マウス乳癌ウイルスLTRプロモーター
、アデノウイルス主要後期プロモーター、単純ヘルペスウイルスプロモーター、
およびCMVプロモーターがある。
【0097】 典型的には、哺乳類細胞により認識される転写終結およびポリアデニル化配列
は、転写停止コドンに対し3'に配置された調節領域であるため、プロモーター
要素と共存して暗号化配列の両端に隣接する。成熟mRNAの3'末端は、部位
特異的翻訳後開裂およびポリアデニル化により形成される。転写ターミネーター
およびポリアデニル化シグナルの例としては、SV40から誘導されたものがあ
る。
【0098】 外来核酸を哺乳類宿主および他の宿主に導入する方法は、当業界ではよく知ら
れており、使用される宿主により変化する。技術としては、デキストラン介在ト
ランスフェクション、燐酸カルシウム沈殿、ポリブレン介在トランスフェクショ
ン、プロトプラスト融合、電気穿孔法、ウイルス感染、リポソームにおけるポリ
ヌクレオチド(複数も可)封入、および核へのDNAの直接顕微注入がある。 好ましい態様では、Apopタンパク質は細菌系で発現される。細菌発現系は
当業界ではよく知られている。
【0099】 適当な細菌性プロモーターは、細菌性RNAポリメラーゼに結合し、mRNA
へのApop3タンパク質暗号化配列の下流(3')転写を開始させ得る核酸配
列であればよい。細菌性プロモーターは、通常暗号化配列の5'末端近位に配置
された転写開始領域を有する。この転写開始領域は典型的にはRNAポリメラー
ゼ結合部位および転写開始部位を含む。代謝経路酵素をコードする配列からは、
特に有用なプロモーター配列が提供される。例としては、糖代謝性酵素、例えば
ガラクトース、ラクトースおよびマルトースから誘導されたプロモーター配列、
および生合成酵素、例えばトリプトファンから誘導された配列がある。バクテリ
オファージからのプロモーターもまた使用され得、当業界では公知である。さら
に、合成プロモーターおよびハイブリッドプロモーターもまた有用である。例え
ば、tacプロモーターは、trpおよびlacプロモーター配列のハイブリッドである
。さらに、細菌性プロモーターは、細菌性RNAポリメラーゼと結合し、転写を
開始させる能力を有する非細菌起源の天然プロモーターを含み得る。
【0100】 機能性プロモーター配列に加えて、有効なリボソーム結合部位が望ましい。エ
シェリキア・コリ(E.coli)の場合、リボソーム結合部位は、シャイン‐デルガ
ルノ(SD)配列と呼ばれ、開始コドンおよび開始コドン上流3‐11ヌクレオ
チドに位置する配列3−9ヌクレオチド長を有する。
【0101】 発現ベクターはまた、細菌においてApopタンパク質の分泌をもたらすシグ
ナルペプチド配列を含み得る。シグナル配列は、当業界でよく知られているよう
に、典型的には細胞からのタンパク質分泌を指令する疎水性アミノ酸により構成
されるシグナルペプチドをコードする。タンパク質は、成長培地(グラム陽性菌
)または細胞(グラム陰性菌)の内膜および外膜間にある周辺腔に分泌される。
【0102】 細菌性発現ベクターはまた、形質転換された細菌株の選択を可能にする選択可
能マーカー遺伝子を含み得る。適当な選択遺伝子には、薬剤、例えばアンピシリ
ン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン、ネオマイシンお
よびテトラサイクリンに対する耐性を細菌に付与する遺伝子がある。選択可能マ
ーカーはまた、生合成遺伝子、例えばヒスチジン、トリプトファンおよびロイシ
ン生合成経路にあるものを含む。 これらの成分は発現ベクターへと構築される。細菌に関する発現ベクターは当
業界ではよく知られており、特に、バチルス・スチリス(枯草菌、Bacillus sub
tilis)、エシェリキア・コリ(E.coli)、ストレプトコッカス・クレモリス(S
treptococcus cremoris)およびストレプトコッカス・リビダンス(Streptococc
us lividans)に関するベクターを含む。
【0103】 細菌性発現ベクターは、当業界でよく知られた技術、例えば塩化カルシウム処
理、電気穿孔法などを用いて細菌宿主細胞に形質転換される。
【0104】 一態様では、Apopタンパク質は昆虫細胞で製造される。昆虫細胞の形質転
換用発現ベクターおよび特にバキュロウイルス由来の発現ベクターは、当業界で
もよく知られており、例えば、O'Reilly et al., Baculovirus Expression Vect
ors: A Laboratory Manual (New York: Oxford University Press, 1994)に記載
されている。 好ましい態様では、Apopタンパク質は酵母細胞で製造される。酵母発現系
は当業界では十分知られており、サッカロマイシイス・セレヴィシアエ(Saccha
romyces cerevisiae)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)およびカ
ンジダ・マルトーサ(C. maltosa)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula poly
morpha)、クルイヴェロマイシス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis)およ
びクルイヴェロマイシス・ラクティス(K. lactis)、ピキア・ギレリモンディ
(Pichia guillerimondii)およびピキア・パストリス(P. Pastoris)、シゾサ
ッカロマイシス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)およびヤロウィア・リ
ポリティカ(Yarrowia lipolytica)に関する発現ベクターがある。酵母におけ
る発現に好ましいプロモーターには、誘導性GAL1,10プロモーター、アル
コールデヒドロゲナーゼ、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコース−6−燐酸
イソメラーゼ、グリセルアルデヒド−3−燐酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナー
ゼ、ホスホフルクトキナーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キ
ナーゼおよび酸性ホスファターゼ遺伝子由来のプロモーターがある。酵母選択可
能マーカーには、ADE2、HIS4、LEU2、TRP1およびALG7(こ
れはツニカマイシンに対する耐性を付与する)、G418に対する耐性を付与す
るネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、および銅イオンの存在下で酵
母を成長させ得るCUP1遺伝子がある。
【0105】 Apopタンパク質はまた、当業界で十分知られている技術を用い、融合タン
パク質として製造され得る。すなわち、例えば、モノクローナル抗体を作製する
ためには、所望のエピトープが小さい場合、Apopタンパク質を担体タンパク
質と融合することにより、免疫原が形成され得る。別法として、Apopタンパ
ク質は、発現増強または他の理由のために融合タンパク質として製造され得る。
例えば、Apopタンパク質がApopペプチドであるとき、ペプチドをコード
する核酸は、発現を目的として他の核酸に連結され得る。
【0106】 一態様では、この発明のApop核酸、タンパク質および抗体は標識される。
ここで「標識される」とは、本発明の核酸、タンパク質、および抗体に少なくと
も1つの成分、同位体または化学的化合物を結合させて、本発明の核酸、タンパ
ク質、および抗体の検出を可能にすることを意味する。一般に、標識は3種類、
すなわちa)放射性または重同位体であり得る同位体標識、b)抗体または抗原
であり得る免疫標識、およびc)着色または蛍光染料に分類される。標識は化合
物のいずれかの位置に組込まれ得る。 好ましい態様では、Apopタンパク質は発現後に精製または単離される。A
popタンパク質は、他に何の成分が試料中に存在するかにより、当業界の熟練
者に周知の様々な方法で単離または精製され得る。標準精製方法には、電気泳動
、分子、免疫学的およびクロマトグラフィー技術があり、例えばイオン交換、疎
水性、アフィニティーおよび逆相HPLCクロマトグラフィーおよびクロマトフ
ォーカシングが含まれる。例えば、Apopタンパク質は、標準抗Apop3抗
体カラムを用いて精製され得る。限外濾過およびダイアフィルトレーション技術
をタンパク質濃度と連係的に用いても有用である。適当な精製技術における一般
的ガイダンスについては、Scopes,R.、Protein Purification、Springer-Verlag
、ニューヨーク(1982)参照。必要な精製度合いは、Apop3タンパク質
の用途により異なる。精製が必要ではない場合もある。
【0107】 一旦発現および必要ならば精製されると、Apopタンパク質および核酸は、
若干の適用法において有用である。 好ましい態様では、Apop抗体の形成にApopタンパク質が使用される。
Apop抗体は多くの適用における使用が見出されている。例えば、Apop抗
体を標準アフィニティークロマトグラフィーカラムと組合わせて、Apopタン
パク質の精製に使用してもよい。また、抗体はApopタンパク質と特異的に結合す
るので、先に概略を示したようにブロッキングポリペプチドとして使用してもよ
い。
【0108】 好ましい実施態様では、例えば免疫療法のためにApopタンパク質および/また
はApop核酸を用いて抗体を生成させる。「免疫療法」とは、Apopタンパク質に対
して作製された抗体によるアポトーシスの治療を意味する。本明細書において免
疫療法は受動型であっても能動型であってもよい。本明細書で定義されたように
受動的免疫療法は受容者(患者)への抗体の受動的伝達である。能動的免疫療法
は受容者(患者)における抗体および/またはT細胞応答の誘導である。免疫応
答の誘導は、それに対して抗体が生じたApop抗原を患者に与えた結果としてのも
のであり得る。当業者ならば分かるであろうが、それに対する抗体が生成するの
が望まれるApopポリペプチドを受容者に注入する、またはApop抗原の発現のため
の条件下でApop抗原を発現し得るApop核酸と受容者とを接触させることにより提
供され得る。
【0109】 好ましくは実施態様では、治療化合物が抗体、好ましくはApop抗体と組み合わ
せる。治療化合物は細胞傷害物質であってもよい。この方法では、細胞傷害物質
をアポトーシス細胞、または腫瘍組織もしくは細胞にターゲッティングすること
で罹患細胞の数が減少し、それによりアポトーシスおよび癌に関連する症状が軽
減される。細胞傷害物質には多くがあり、多様であり、限定されるものではない
が細胞傷害薬または毒素もしくはかかる毒素の有効な断片が挙げられる。好適な
毒素および対応するそれらの断片としては、ジフテリア(diptheria)A鎖、外毒
素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、クルシン、クロチン、フェノマイシン、エ
ノマイシンなどが挙げられる。細胞傷害物質にはまた、Apopタンパク質に対して
作製された抗体に放射性同位元素を結合することにより、または抗体に共有結合
させたキレート剤に放射性核種を結合させることにより作製された放射性化学物
質も含まれる。
【0110】 好ましい実施態様では、Apop遺伝子が単独遺伝子でまたはApop遺伝子と組み合
わせてDNAワクチンとして投与される。裸のDNAワクチンは一般に当技術分野で公
知である。Brower, Nature Biotechnology 16:1304-1305 (1998)参照。DNAワク
チンとしての遺伝子を用いる方法は当業者に十分公知であり、Apop遺伝子または
Apop遺伝子の一部を患者での発現のためのプロモーターの制御下に置くことを含
む。DNAワクチンとして用いられるApop遺伝子は全長Apopタンパク質をコードす
るものであってもよいが、Apopタンパク質に由来するペプチドをはじめとするAp
opタンパク質の一部をコードするものがより好ましい。好ましい実施態様では、
患者はApop遺伝子に由来する複数のヌクレオチド配列を含むDNAワクチンで免疫
される。同様に本明細書で定義されるような複数のApop遺伝子またはその一部で
患者を免疫することもできる。理論に拘束されるものではないが、DNAワクチン
、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞よってコードされるポリペプチドの発現の
後、Apopタンパク質を発現する細胞を認識し、破壊または排除する抗体が誘導さ
れる。
【0111】 好ましい実施態様では、DNAワクチンとしてはDNAワクチンとともにアジュバン
ト分子をコードする遺伝子が挙げられる。かかるアジュバント分子としては、DN
AワクチンによってコードされるApopポリペプチドに対する免疫応答を増強する
サイトカインが挙げられる。当業者にはさらなる、あるいは代替となるアジュバ
ントが知られており、本発明において使用が見出せる。
【0112】 好ましい実施態様では、Apopタンパク質、核酸、改変タンパク質および天然型
または改変型Apopタンパク質を含有する細胞がスクリーニングアッセイにおいて
使用される。Apopタンパク質が同定されれば、Apop活性を調節する化合物に関す
る薬剤スクリーニングアッセイの計画が可能となる。
【0113】 スクリーニングはまずApopタンパク質と結合し得る候補薬剤を見つけ、次ぎに
これらの薬剤を、Apop活性を調節する候補物質の能力を評価するアッセイで使用
するよう計画される。「Apopと結合する」および「Apop活性を調節する」または
文法上これらと同等なものには、Apop1タンパク質、Apop2タンパク質、Apop3タ
ンパク質と結合すること、ならびにApop1タンパク質活性、Apop2タンパク質活性
、およびApop3タンパク質活性を調節することが含まれる。当業者ならば分かる
であろうが、結合アッセイおよび活性アッセイを実施するにはいくつかの異なる
方法が存在する。
【0114】 好ましい実施態様において、この方法は、Apopタンパク質と候補生物学的
活性物質とを合わせ、そして候補物質のApopタンパク質への結合を測定する
ことを含むものである。好ましい実施態様は、ヒトのApopタンパク質を利用
するものであるが、げつ歯類(マウス、ラット、ハムスター、モルモットなど)
家畜(牛、羊、豚、馬など)および霊長類を含む他の哺乳動物のApopタンパク
質も利用できる。これらの後者の実施態様は、ヒトの病気の動物モデル開発にお
いて好ましいものである。本明細書中で概説しているように、ある実施態様では
、前述したApopタンパク質の削除を含むApopタンパク質の変種または誘
導体を使用できる。
【0115】 さらに、Apopタンパク質の定義中には、Apopタンパク質のフラグメン
トおよび部分も含まれている。即ち、完全長タンパク質を使用することができ、
あるいは、上記のとおりそれらの部分またはフラグメントを使用することができ
る。加えて、本明細書中に記載したアッセイは、単離したApopタンパク質ま
たはApopタンパク質を含む細胞も利用できる。
【0116】 一般に、本発明方法の好ましい実施態様では、Apopタンパク質または候補
物質は、単離した試料受け入れ領域(例えば、マイクロタイタープレート、アレ
イなど)を有する不溶性担体に非拡散的に結合している。不溶性担体は、それに
Apopタンパク質または候補物質が結合でき、容易に可溶性物質から分離でき
、スクリーニング方法の全工程で他と適合性のある、任意の組成物製であり得る
。それらの担体の表面は、任意の都合のよい形状の固体または多孔性であり得る
。好適な不溶性担体の例は、マイクロタイタープレート、アレイ、膜及びビーズ
などである。これらは、典型的にガラス、プラスチック(例えばポリエチレン)
、多糖類、ナイロンまたはニトロセルロース、テフロンTM製などである。マイク
ロタイタープレートおよびアレイは、同時に多数のアッセイを少量の試薬および
試料を用いて実施できるので特に便利である。Apopタンパク質または候補物
質を結合する特定の方法は、試薬や本発明の全工程に適合し、組成物の活性を維
持しかつ非拡散的である限り限定的なものではない。好ましい結合方法には、抗
体(それらは、タンパク質が該担体に結合してもApopタンパク質または候補
物質配列を立体的にブロックしないものである)、「粘着性」またはイオン性担
体への直接結合、化学的架橋結合、表面上でのタンパク質または物質の合成、な
どの使用が含まれる。Apopタンパク質または候補物質の結合につづいて、過
剰の非結合物質を洗浄により除去する。試料受け入れ領域を、次いで、牛血清ア
ルブミン(BSA)、カゼインまたは他の無害タンパク質または他の部分とイン
キュベートしてブロックする。
【0117】 好ましい実施態様では、Apopタンパク質は支持体と結合しており、そして
候補バイオ活性物質をアッセイに加える。あるいは、候補物質を支持体と結合さ
せてApopタンパク質を加える。新規な結合物質は、特異的抗体、化学的ライ
ブラリーのスクリーニングにおいて同定された非天然結合物質、ペプチド類似体
、などを含む。特に有利なのは、ヒト細胞への毒性が低い物質のスクリーニング
アッセイである。Apopタンパク質と候補物質の結合の測定は、例えば、それ
らに限定するものではないが、標識化インビトロタンパク−タンパク結合アッセ
イ、電気泳動移動性シフトアッセイ、タンパク質結合の免疫アッセイ、機能性ア
ッセイ(フォスフォリレーションアッセイなど)および類似法を含む、広範な種
類のアッセイで実施されている。
【0118】 「候補バイオ活性物質」および「外因性化合物」なる用語は、本明細書中で使
用するとき、直接または間接的にApopのバイオ活性を変える能力を有する、
すべての分子、例えば、タンパク質、オリゴペプチド、有機小分子、多糖類、ポ
リヌクレオチド、脂質、その他、またはそれらの混合物を含む。一般に、各種濃
度に対応して示差応答が得られるように、複数のアッセイ混合物を異なる候補物
質濃度で並行して進める。典型的には、これらの各濃度の1つをネガティブコン
トロール、即ち、ゼロ濃度または測定限度以下のものとする。
【0119】 候補物質は、多種類の化学物質を包含するが、典型的には、有機分子、好まし
くは分子量が100以上で約2500ダルトン以下の小型の有機化合物である。
候補物質は、タンパク質との構造的相互作用、特に水素結合に必要な各官能性基
、そして典型的には少なくとも1種のアミン、カルボニル、ヒドロキシルまたは
カルボキシル基、好ましくは少なくとも2種の化学的官能性基を含む。候補物質
はしばしば上記官能性基の1種またはそれ以上で置換されている環状の炭素また
はヘテロ環式構造、および/または芳香性またはポリ芳香性構造を含む。候補物
質は、ペプチド、サッカライド、脂肪酸、ステロイド、プリン類、ピリミジン類
、を含むバイオ分子、それらの誘導体、構造類似体またはそれらの組合わせ中に
も見出される。特に好ましいのはペプチドである。
【0120】 候補物質は、合成または天然化合物のライブラリーを含む広範囲のソースから
得られる。例えば、無差別なまたは指向性の各種有機化合物およびバイオ分子の
合成に、ランダム化オリゴヌクレオチド発現を含む、多様な手段を採用できる。
あるいは、細菌、かび、植物および動物抽出物の形態で、天然化合物のライブラ
リーを入手しまたは容易に生産できる。加えて、天然にまたは合成的に得たライ
ブラリーや化合物を、通常の化学的、物理的および生化学的手段で容易に修飾で
きる。既知の薬理学的物質も、指向性またはランダムな化学修飾に供し、例えば
アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化して構造的類似体を生成させるこ
とができる。
【0121】 好ましい実施態様では、候補バイオ活性物質はタンパク質である。本明細書中
で「タンパク質」とは、少なくとも2つの共有結合しているアミノ酸を意味し、
タンパク質、ポリペプチド類、オリゴペプチド類およびペプチド類を含むもので
ある。これらのタンパク質は、天然に存在するアミノ酸やペプチド結合、あるい
は合成的な偽ペプチド構造のものなどから構成されているものであってもよい。
従って、「アミノ酸」あるいは「ペプチド残基」とは、本明細書中で用いるとき
、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸の両方を意味している。例えば、
ホモ−フェニルアラニン、シトルリンおよびノルロイシンは、本発明の目的に沿
うアミノ酸と考えられる。「アミノ酸」はまたイミノ酸残基、例えば、プロリン
およびヒドロキシプロリンをも含む。側鎖は(R)または(S)配置であり得る
。好ましい実施態様では、アミノ酸は(S)またはL配置である。もし天然には
存在しない側鎖を用いる場合、非アミノ酸置換基を、例えば、インビボでの分解
の防止または遅延させるために使用し得る
【0122】 好ましい実施態様では、候補バイオ活性物質は、天然に存在するタンパク質ま
たは天然に存在するタンパク質の断片である。従って、例えば、タンパク質を含
有する細胞抽出物、あるいはタンパク質生細胞抽出物の無差別もしくは指向性消
化物を使用できる。このようにして、原核性および真核性タンパク質のライブラ
リーを、Apopに対するスクリーニングのために調製することができる。この
実施態様で特に好ましいのは、細菌、かび、ウイルス、および哺乳類のタンパク
質のライブラリーであり、後者が好ましく、ヒトタンパク質が特に好ましいもの
である。
【0123】 好ましい実施態様では、候補バイオ活性物質は、約5ないし約30アミノ酸の
ペプチドであり、約5ないし約20アミノ酸のものが好ましく、そして約7ない
し約15のものが特に好ましいものである。該ペプチドは、上述のように、天然
に存在するタンパク質の消化物である、ランダムペプチドまたは「偏らせた」ラ
ンダムペプチドであり得る。「ランダム化した」あるいはその同義語は、本明細
書中で使用するとき、各核酸及びペプチドが、ランダムなヌクレオチド群及びア
ミノ酸群からそれぞれ実質的に構成されていることを意味する。一般に、これら
のランダムなペプチド類(または以下で述べる核酸類)は化学的に合成されるも
のであるため、それらは任意のヌクレオチドやアミノ酸を任意の位置に導入する
こととなる。合成プロセスは、ランダム化したタンパク質や核酸を生成するよう
にデザインでき、配列の全長に亘って可能性のある組合わせのすべてあるいは大
部分を形成させ、このようにして、ランダム化した候補バイオ活性物質のライブ
ラリーを形成させることができる。
【0124】 ある実施態様では、このライブラリーは、完全にランダム化しており、如何な
る位置においても全く配列選好や常数をもたない。好ましい実施態様では、ライ
ブラリーは偏らせたものである。それは、配列中の数カ所が、一定化されている
かまたは限られた種類の可能性から選択されているかである。例えば、好ましい
実施態様では、これらのヌクレオチドまたはアミノ酸残基は、システイン類の創
製に対して、架橋結合のために、SH−3度メインに対するプロリン類、フォス
フォリレーション部位に対するセリン類、スレオニン類、チロシン類またはヒス
チジン類等、またはプリン類などのために、例えば、疎水性アミノ酸、親水性残
基、立体的に偏らせた(小さくまたは大きく)残基などの、決まった種類内でラ
ンダム化されている。
【0125】 好ましい実施態様では、ヌクレオチド配列をコードするタンパク質のライブラ
リーを、本発明のベクター組成物を含む宿主細胞に加える。ヌクレオチド配列を
コードするタンパク質のライブラリーは、ゲノムDNAから、cDNA類から、
または任意のヌクレオチドから入手できる。本実施態様で特に好ましいのは、細
菌、かび、ウイルス、および哺乳類のタンパク質およびペプチドをコードするラ
イブラリーであり、後者が好ましく、ヒトのコード化タンパク質およびペプチド
が特に好ましいものである。上記のとおりそして当業者に知られているように、
ヌクレオチド配列をコードするタンパク質およびペプチドを哺乳類細胞の発現に
適切などのベクターに挿入してもよい。
【0126】 好ましい実施態様では、候補バイオ活性物質は、核酸類である。「核酸」また
は「オリゴヌクレオチド」またはそれらの同義語は、本明細書で用いるとき、少
なくとも2つの互いに共有結合しているヌクレオチドを意味する。本発明の核酸
は、一般にフォスフォジエステル結合を含有するが、ある場合には、以下に述べ
るように、核酸類似体を含む。それらは、例えば下記別の骨格を有するものを含
む;フォスフォルアミド(Beaucage, et.al., Tetrahedron, 49, (10) ; 1925 (
1993) およびその参照文献; Letsinger, J. Org. Chem. 35: 3800 (1970); Spr
inzl, et. al., Eur. J. Biochem. 81: 579 (1977); Letsinger, et. al., Nucl . Acids Res. , 14: 3487 (1986); Sawai, et. al., Chem. Lett. 805 (1984), L
etsinger, et. al., J. Am. Chem. Soc., 110: 4470 (1988); and Pauwels et.
al., Chemica Scripta, 26: 141 (1986))、フォスフォロチオエート(Mag, et.
al., Nucl. Acids Res.,19: 1437 (1991); and U.S. Patent No. 5644048)、フ
ォスフォロジチオエート(Briu, et. al., J. Am. Chem. Soc., 111: 2321 (198
9))、O−メチルフォスフォロアミダイト結合(Eckstein, Oligonucleotides an
d Analogues: A Practical Approach, Oxford University Press 参照)、並び
に、ペプチド核酸骨格および結合(Egholm, J. Am. Chem. Soc., 114: 1895 (19
92); Meier, et. al., Chem. Int. Engl., 31: 1008 (1992); Nielsen, Nature,
365: 566 (1993); Carlsson, et. al., Nature, 380: 207 (1996) 参照)、こ
れらは全て参照して本書記載の一部とする)。その他の類似核酸にはポジティブ
骨格を有するもの(Denpcy, et. al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 92: 6097
(1995)); 非イオン性骨格(U.S. Patent Nos. 5386023; 5637684; 5602240; 521
6141; and 4469863; Kiedrowshi, et. al., Angew. Chem. Intl. Ed. English,
30: 423 (1991); Letsinger, et. al., J. Am. Chem. Soc.,110: 4470 (1988);
Letsinger, et. al.,Nucleotide, 13: 1597 (1994); Chapters 2 and 3, ASC Sy
mposium Series 580,"Carbohydrate Modificationsin Antisense Research" Ed.
Y. S. Sanghui and P. Dan Cook; Mesmaeker, et. al., Bioorganic & Medical Chem Lett. , 4: 395 (1994); Jeffs, et. al., J. Biomolecular NMR, 34: 17
(1994); Tetrahedron Lett., 37: 743 (1996))、および、以下に記載のものを
含む非リボース骨格(U.S. Patent Nos.5235033 and 5034506 and Chapters 6 a
nd 7, ASC Symposium Series 580, " Carbohydrate Modificationsin Antisense
Research" Ed. Y. S. Sanghui and P. Dan Cook)が含まれる。1またはそれ以
上の炭素環糖類を含有する核酸類もまた、核酸の定義内に含まれる(Jenkins, e
t. al., Chem. Soc. Rev., (1995) pp. 169-176 参照)。数種の核酸類似体が(
Rawls, C & E News, June 2, 1997, page 35)に記載されている。これらの参照
文献は明示引用して本明細書中の一部とする。これらのリボース−フォスフェー
ト骨格の修飾を行うと、付加部分例えば標識の付加を容易にし、また、物理的環
境におけるそれらの分子の安定性及び半減期を増加させることができる。さらに
、天然に存在する核酸類と類似体との混合物を調製することもできる。あるいは
、異なる核酸類似体の混合物と、天然に存在する核酸類と類似体との混合物、と
の混合物を調製することもできる。これらの核酸は、一本鎖または二重鎖であっ
ても、また二重鎖または一本鎖配列の両方の部分を含有していてもよい。核酸は
、染色体性およびcDNAの両方のDNAであってもよく、RNAまたはハイブ
リッドでもよく、それらにおいて核酸は、デオキシリボ−およびリボ−ヌクレオ
チド類の任意の組合わせ、および、ウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グ
アニン、イノシン、キサタニン、ヒポキサタニン、イソシトシン、イソグアニン
などを含む塩基の任意の組合わせを含む。
【0127】 タンパク質について一般的に上述したように、核酸候補バイオ活性物質は天然
に存在する核酸、ランダム核酸,または「偏らせた」ランダム核酸であり得る。
例えば、原核生物のまたは真核生物の染色体の消化物が、タンパク質について上
述したように使用できる。
【0128】 好ましい実施態様では、候補バイオ活性物質は、文献的に入手可能な多様な種
類の組合わせのケミカルライブラリーから得られる。「組合わせのケミカルライ
ブラリー」とは、本明細書で用いるとき、定義されたまたは任意の方法、一般的
には化学合成、で生成した多様な化合物の集合を意味する。多数の化合物を、組
合わせの混合により合成することができる。
【0129】 候補バイオ活性物質のApopタンパク質への結合の検定は、多種類の方法で
実施できる。好ましい実施態様では、候補バイオ活性物質を標識し、結合を直接
測定する。例えば、これは、Apopタンパク質の全部または一部を固体担体に
結合させ、標識化した候補物質を加え(例えば、蛍光標識を含む候補物質)、過
剰の試薬を洗い落とし、個体担体上に標識が存在するかどうか測定することによ
り実施できる。当業界で知られているように、多様なブロッキングおよび洗浄工
程を使用できる。
【0130】 「標識化」とは、本明細書で用いるとき、その候補生物活性(バイオ活性)物質
が直接または間接的に、検出可能な信号、例えば、放射能(3H、14C、32P、33 P、35Sまたは125Iなど)、蛍光性または化学発光性化合物(フルオレセンイソ
チオシアン酸塩、ローダミンまたはルシフェリンなど)、酵素(アルカリホスファ
ターゼ, β--ガラクトシダーゼまたは西洋わさびペルオキシダーゼなど)、抗体
、磁性粒子のような粒子、または特異的結合分子、などを提供する標識で標識化
されていることを意味する。特異的結合分子には、ビオチンとストレプタビジン
、ジゴキシンとアンチジゴキシン、等の対が含まれる。特異的結合メンバーでは
、上述したように、通常既知操作に従って、相補的メンバーを検出付与分子で標
識する。標識は直接または間接的に検出可能なシグナルを提供する。
【0131】 多くの実施態様では、成分中の1種だけを標識する。例えば、タンパク質(ま
たはタンパク性候補物質)をチロシン位で125Iまたはフルオロフォアで標識す
ることができる。あるいは、1種以上の成分を異なる標識で、例えば、タンパク
質に対しては125Iを使用し、候補物質に対してはフルオロフォアを使用して標
識することができる。
【0132】 好ましい実施態様では、候補バイオ活性物質の結合は、競合結合アッセイを従
って、使用して測定する。この実施態様では、競合物質は標的分子(すなわちA
popタンパク質)、例えば、抗体、ペプチド、結合パートナー、リガンド、そ
の他と結合することが知られている結合部分である。好ましい実施態様では、A
pop3の競合物質はRIPである(Stanger et al., 上記)。他の好ましい実施
態様では、Apop1およびApop2との競合物質はXIAPである(Deverau
x et al., Nature 388:300-303 (1997))。ある環境下では、結合部分バイオ活性
物質と置き換わる、バイオ活性物質と結合部分との間のような競合的結合があり
得る。
【0133】 ある実施態様では、候補バイオ活性物質を標識する。候補バイオ活性物質また
は競合物質のいずれか、または両方を、もし生成するなら、まず結合が生じるに
十分なだけの時間、タンパク質に加える。最適活性を促進する任意の温度、典型
的には4℃ないし40℃でインキュベーションを実施する。インキュベーション
時間は最適活性のために選択されるが、迅速高度スクリーニングを容易にするた
めにも最適化することができる。典型的には、0.1ないし1時間で十分であろう
。過剰の試薬は一般的に除去もしくは洗い落とす。次いで、第2成分を加え、標
識成分の存否が結合の指標として現れる。
【0134】 好ましい実施態様では、先ず競合成分を加え、次いで候補バイオ活性物質を加
える。競合成分の置き換えは、候補バイオ活性物質がApopタンパク質と結合
していること、従って、Apopタンパク質に結合し得ること、そしてApop
タンパク質の活性を調節し得る可能性のあることの指標である。この実施態様で
は、どの成分も標識できる。従って、例えば、競合成分を標識した場合、洗浄液
中に標識が存在すると該物質による置き換えがあったことを示す。あるいは、候
補バイオ活性物質を標識した場合、担体上に標識が存在することは置き換えを示
す。
【0135】 別の実施態様においては、まず候補バイオ活性物質を加え、インキュベーショ
ンし、洗浄した後、競合成分を加える。競合成分による結合が不存在であれば、
バイオ活性物質が高い親和性でApopタンパク質に結合していることが示され
る。従って、候補バイオ活性物質を標識する場合、担体上に標識が存在すること
は、競合成分結合がないこと相俟って、候補物質がApopタンパク質と結合し
得ることを示すものである。
【0136】 好ましい実施態様では、これらの方法は、Apopタンパク質の活性を調節す
る能力のあるバイオ活性物質を同定するための示差スクリーニングを含む。この
実施態様では、これらの方法は、Apopタンパク質と競合成分とを第1試料中
で合わせることを含む。第2試料は、候補バイオ活性物質、Apopタンパク質
および競合成分を含む。Apopタンパク質の調整を行なう条件下で候補バイオ
活性物質の添加を行なう。競合成分の結合は、両試料について検定し、2試料間
の結合の変化または差異は、Apopタンパク質への結合能力があり、その活性
を調節する可能性のある物質の存在を示す。即ち、競合成分の結合が第1試料と
の関係で第2試料中で異なっているならば、該物質はApopタンパク質と結合
する能力がある。
【0137】 他の好ましい実施態様では、天然Apopタンパク質には結合するが修飾Ap
opタンパク質には結合しない医薬候補を同定するための示差スクリーニングを
利用する。Apopタンパク質の表面は、モデル化でき、その部位で相互作用す
る物質を合成するための理論的ドラッグデザインに使用し得る。Apop生物活
性に影響を及ぼす医薬候補は、医薬物質を、タンパク質の活性を増強または減少
させる能力についてスクリーニングすることによっても同定される。
【0138】 これらのアッセイでは、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロー
ルを使用できる。好ましくは、全てのコントロールおよび試験検体を少なくとも
各3検体で実施し統計的に有意な結果を得るようにする。全試料のインキュベー
ションは、タンパク質への物質の結合に十分な時間行う。インキュベーションに
つづいて全試料を、非特異的結合物質がなくなるまで洗浄し、結合量、一般的に
は標識物質である、を測定する。例えば、放射能標識を採用した場合、試料をシ
ンチレーションカウンターでカウントして結合化合物の量を測定する。
【0139】 これらのスクリーニングアッセイでは、他の多種類の試薬も使用できる。それ
らには、最適のタンパク質−タンパク質結合を容易にするために、および/また
は、非特異的またはバックグラウンド相互作用を減少させるために使用できる、
塩類、天然タンパク質、例えば、アルブミン、洗浄剤、などのような試薬が含ま
れる。あるいは、別のアッセイの効率を改善する試薬、例えば、プロテアーゼ阻
害物質、ヌクレアーゼ阻害物質、抗微生物剤,その他も使用できる。これらの成
分の混合物は、必要な結合を生じる任意の順序で加えることができる。
【0140】 Apopの活性を調節する物質のスクリーニングも実施できる。好ましい実施
態様では、Apopの活性を調節する能力のあるバイオ活性物質のスクリーニン
グ方法は、上記のように、候補バイオ活性物質をApopの試料に加える段階、
およびApopの生物学的活性における変化を測定する段階を含む。「Apop
の活性を調節する」には、活性の増加,活性の減少、存在する活性の型または種
類の変化が含まれる。従って、この実施態様では、本明細書中で述べているよう
に、候補物質は、Apopと結合(これは必ずしも必須ではないが)し、かつそ
の生物学的または生化学的活性を変化させなければならない。これらの方法は、
一般的に前述したようなインビトロのスクリーニング方法と、Apopの存在、
分布、活性または量における変化についてのインビボの細胞スクリーニングとの
両方を含む。
【0141】 このように、この態様において、本発明の方法は、Apopサンプルと候補生
物活性剤とを組合わせ、アポトーシスへの影響を評価することを含む。本明細書
において“Apop活性”または文法的に等価の用語はApop1、Apop2
、およびApop3の1つ以上の生物活性を意味する。Apop1およびApo
p2の生物活性は、例えば、アポトーシスに影響する能力を含む。Apop3の
生物活性は、そのキナーゼ活性、NF−κBを活性化する能力、カスパーゼ−3
を活性化する能力、およびアポトーシスに影響する能力を包含するが、これらに
限定されるものではない。Apop3キナーゼ活性は既知のセリン/スレオニン
・キナーゼアッセイ法を用いてアッセイしてもよい;Thome et al., J. Exp. Me
d. 181: 1997 (1995); del Peso et al., Science 278: 687 (1997); その他参
照。同様に、死のドメインアッセイは技術上既知である。
【0142】 好適な態様においては、Apopタンパク質の活性が上昇する;もう一つの好
適な態様において、Apopタンパク質の活性は低下する。このように、アンタ
ゴニストである生物活性剤はある種の態様において好適であり、アゴニストであ
る生物活性剤は他の態様において好適である。
【0143】 好適な態様において、本発明はApopタンパク質の活性を調節し得る生物活
性剤のスクリーニング法を提供する。本方法は上記定義の候補生物活性剤を、A
popタンパク質を含有してなる細胞に加えることを含む。好適な細胞型宿主細
胞として上記定義の殆どすべての細胞を包含する。好適な細胞は、これらに限定
されるものではないが、原核細胞および真核細胞を包含し、哺乳動物細胞、特に
ヒトの細胞が好ましい。
【0144】 該細胞はApopタンパク質をエンコードする組換え核酸を含んでいる。好適
な態様においては、候補薬剤のライブラリーを複数の細胞について試験する。本
明細書において“複数の細胞”とは大まかに約10個ないし10個または1
個の細胞を意味し、好ましくは10個ないし10個が好ましい。
【0145】 ある態様においては、該アッセイ法はコントロール細胞、すなわち、同じ型の
細胞ではあるがApopをエンコードする外来性の核酸を含まない細胞において
アポトーシスを誘発するアポトーシス剤に該細胞を曝すことからなる。適切なア
ポトーシス誘発剤は技術上既知である。別法として、細胞を通常アポトーシスに
至らしめる条件に曝し、通常のアポトーシス進行における変化を測定してもよい
。あるいは、Apop核酸を導入した細胞に通常のアポトーシスを受けさせ、そ
の変化(例えば、アポトーシスの阻害)を測定する。選択肢として、通常、細胞
はアポトーシスを受けず、候補薬剤の導入がアポトーシスを引起す。 このように、アポトーシスに対する候補薬剤の影響を次いで評価する。
【0146】 アポトーシスの検出法は当業者の認知する方法でなし得る。一態様においては
、アポトーシスの指示体を用いる。適切なアポトーシスの標識はDAPIである
が、これに限定されるものではない。したがって、これらの試剤はアフィニティ
・リガンドとして用い、ビーズ、界面活性体などの固形支持体に付着させて、ア
ポトーシスを受ける細胞を引き出すことができる。同様に、これらの試剤は蛍光
色素、例えば、PerCPなどに結合させて、蛍光標示式細胞分取(FACS)
分離の基準として用いることができる。
【0147】 アポトーシスの様々な生物学的および形態学的特性を測定する高感度アッセイ
法は技術上既知である。例えば、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼの切断
を検出するために使用し得るモノクローナル抗体、CCP32/カスパーゼ−3
蛍光および比色アッセイキット、およびFLICE/カスパーゼ−8蛍光アッセ
イキットなどは市販品として入手可能である(クロンテック・ラボラトリーズ・
インク)。転位したホスファチジルセリン(PS)を測定するアネキシンVアポ
トーシス・アッセイ法については、例えば、Dachary-Prigent et al., Blood 81
:2554-65 (1993); Thiagarajan and Tait, J. Biol. Chem., 265: 17420-3 (199
0); および Zhang et al., Biotechniques 23: 525-31 (1997)に記載されている
。核DNAフラグメンテーションの特異的標識による生体内原位置でのアポトー
シスの同定については、Gavrieli et al., J. Cell Biol., 119: 493-501 (1992
)に記載されている。
【0148】 好適な態様において、上に概説した方法の一つにより同定される生物活性剤は
、薬理活性または治療活性を示す化合物であってもよい。薬理活性をもつ化合物
はApopタンパク質の活性を上昇させるか、または阻害することができる。所
望の薬理活性を有する化合物は、上記のように生理的に許容し得る担体と共に宿
主に投与してもよい。該試剤は様々な方法、例えば、経口、非経口、例えば、皮
下、腹腔内、血管内投与により投与することができる。導入の様式により、該化
合物は様々な方法で製剤化することができる。該製剤における治療上活性な化合
物の濃度は約0.1〜100wt%で変化し得る。
【0149】 製薬組成物は種々の形状、例えば、顆粒、錠剤、ピル、坐剤、カプセル、懸濁
剤、軟膏剤、ローションなどに調製することができる。経口または局所用の製剤
等級の有機または無機担体および/または賦形剤を用いて、治療活性化合物含有
の組成物を調製することができる。技術上既知の賦形剤は水性媒体、植物性およ
び動物性油脂などを包含する。安定剤、湿潤・乳化剤、浸透圧を変化させる塩ま
たは適切なpH値を維持するバッファー、および皮膚浸透促進剤などが補助薬と
して使用し得る。
【0150】 理論に拘束されるものではないが、Apopタンパク質はアポトーシスにおい
て重要なタンパク質であると思われる。したがって、突然変異体または変異形の
Apop遺伝子に基づく疾患が判定され得る。一態様において、本発明は変異形
のApop遺伝子を含む細胞の同定法を提供するが、該方法は細胞中の少なくと
も1種の外来性Apop遺伝子について、その全配列または一部配列を決定する
ことを含む。当業者が認めるように、これは多くの配列決定技法を用いて実施す
ることができる。好適な態様において、本発明は個体のApop遺伝子型を同定
する方法を提供するが、該方法は個体の少なくとも1つのApop遺伝子につい
て、その全配列または一部配列を決定することを含む。これは一般に個体の少な
くとも1つの組織について実施するが、多数組織または同一組織の異なるサンプ
ルについて評価してもよい。本方法は配列決定したApop遺伝子配列を既知の
Apop遺伝子、すなわち、野生型遺伝子(例えば、図1、3、および5に描出
した核酸配列)に比較し、もし何らかの相違が存在するならばそれを決定するこ
とからなる。これは多くの既知相同性プログラム、例えば、ベストフィットなど
を用いて実施することができる。好適な態様においては、患者のApop遺伝子
と既知Apop遺伝子間に配列の相違が存在するなら、本明細書に概説するよう
に、それは病状の暗示であるか、または病状に対する傾向を示す。
【0151】 アポトーシスにおけるApopの役割に関する本発見は、かくして、細胞にお
いてアポトーシスを誘発するか、または防止する方法を提供する。好適な態様に
おいて、Apopタンパク質、特にApopフラグメントはアポトーシスが介在
する症状の研究または治療、すなわち、アポトーシス介在の疾患を診断、治療ま
たは予防するために有用である。このように、“アポトーシス介在の疾患”また
は“病状”とは、癌、自己免疫疾患および持続性ウイルス感染を含む不十分なア
ポトーシス、および不適切な細胞喪失および退行性疾患を含む過剰なアポトーシ
スの両者の関与する症状を包含する。
【0152】 一態様においては、細胞内または生体内でのアポトーシスを調節する方法が提
供される。一態様において、該方法は細胞に、外来性Apopタンパク質の生物
活性を低減または除去する抗−Apop抗体を投与することを含む。あるいは、
該方法は細胞または生体にApopタンパク質をエンコードする組換え核酸を投
与することを含む。当業者が認めるように、これは多くの方法で実施し得る。好
適な態様において、Apopの活性は細胞中のApop量の増加により上昇する
が、例えば、既知の遺伝子−治療技法を用い、例えば、外来性Apopの過剰発
現により、またはApopをエンコードする遺伝子の投与により上昇する。好適
な態様において、遺伝子治療技法は、相同性組換え(EHR)による外来性遺伝
子の取込みによるが、例えば、PCT/US93/03868(その全文を出典
明示により本明細書の一部とする)に記載されている。
【0153】 一態様において、本発明は個体におけけるApop介在疾患の診断法を提供す
る。該方法は個体または患者からの組織におけるApopの活性および発現を測
定することを含むが、当該測定はApopの量または特異活性を測定することで
もよい。この活性は定量的に測定し、未罹患の第二の個体からの、または第一の
個体の未罹患組織からのApopの活性と比較する。これらの活性が異なる場合
、第一の個体にはApop介在疾患の危険性がある。この方法により、例えば、
種々疾患症状のモニターはApopのレベルをモニターすることにより実施し得
る。同様に、Apopレベルは上記列挙した疾患と症状に関連づけることが可能
である。
【0154】 一局面においては、Apop遺伝子の発現レベルは診断または予後情報を必要
とする異なる患者のサンプルまたは細胞において判定する。遺伝子発現モニター
はApopタンパク質について実施される。一態様において、Apop遺伝子の
発現レベルは、正常細胞とアポトーシスを受ける細胞など、異なる細胞状態に対
して定量する。異なる状態にある細胞のApop遺伝子の発現レベルを比較する
ことにより、Apop遺伝子のアップ・レギュレーションおよびダウン・レギュ
レーション両方に関する情報が得られるが、この情報は多くの方法に使用するこ
とができる。例えば、特定の治療処方の評価は、化学療法剤が特定患者における
長期間の予後を改善するように作用するかどうかで評価することができる。同様
に、診断は患者のサンプルを比較することにより実施するか、または確認する。
さらに、これらの遺伝子発現レベルは、特定の発現レベルを真似るか変更するか
を考慮して、薬物候補のスクリーニングを可能とする。これは本発明のものなど
重要なApop遺伝子のセットを含むバイオチップを作製することにより実施さ
れ、次いでこれをこれらの選別に使用することができる。これらの方法もまたタ
ンパク質をベースとして実施し得る;すなわち、Apopタンパク質のタンパク
発現レベルは診断目的または候補薬剤の選別のために評価することができる。さ
らに、Apop核酸の配列は、アンチセンス核酸の投与も含む遺伝子治療を目的
として投与するか、またはApopタンパク質を治療薬として投与してもよい。
【0155】 バイオチップに結合するApop配列は上記定義のように核酸およびアミノ酸
配列の双方を含む。好適な態様において、Apop核酸(図1、3、および5に
示した配列の核酸配列および/またはその補体双方)に対する核酸プローブが作
製される。バイオチップに付着する核酸プローブは標的であるApop核酸に対
し実質的に相補性であるように設計する;すなわち、標的配列(例えば、サンド
イッチアッセイにおけるサンプルの標的配列または他のプローブ配列に対する標
的配列)と本発明のプローブとのハイブリダイゼーションが起こるように設計す
る。下記概説のように、この相補性は完全である必要はない;標的配列と本発明
の一本鎖核酸間のハイブリダイゼーションを妨げるような幾つもの塩基対のミス
マッチがあってもよい。しかし、もし突然変異の数がハイブリダイゼーションの
最低緊縮条件においてさえハイブリダイゼーションを起こし得ない程に大きいな
らば、その配列は相補性の標的配列ではない。かくして、本明細書において“実
質的に相補性”とは、該プローブが標的配列に十分に相補性であり、正常の反応
条件下、特に本明細書にて概説したような高度に緊縮性の条件下でハイブリダイ
ズするものを意味する。
【0156】 “核酸プローブ”は一般に一本鎖であるが、部分的に一本鎖で、かつ部分的に
二本鎖であってもよい。プローブの鎖形成性は標的配列の構造、組成および性質
により規定される。一般に、核酸プローブは約8ないし約100塩基の長さの範
囲にあり、好ましくは約10ないし約80塩基であり、特に好ましくは、約30
ないし約50塩基である。一部の態様においては、さらにより長い、数百塩基に
も及ぶ核酸(例えば、全遺伝子)を使用し得る。
【0157】 当業者が認めるように、核酸は様々な方法で固形支持体に付着または固定化さ
せることができる。本明細書において“固定化”および文法的に等価の用語は、
核酸プローブと固形支持体間の会合または結合が、下記のごとき結合、洗浄、分
析、および除去の条件下で十分に安定であることを意味する。該結合は共有結合
であっても非共有結合であってもよい。本明細書において“非共有結合”および
文法的に等価の用語は、1つ以上の静電気的、親水性および疎水性相互作用を意
味する。非共有結合には、支持体に対するストレプトアビジンなどの分子の共有
結合性付着およびストレプトアビジンに対するビオチン化プローブの非共有結合
を包含する。本明細書において“共有結合”および文法的に等価の用語は、2つ
の部分、固形支持体とプローブが、シグマ結合、パイ結合および配位結合を含む
少なくとも一つの結合により付着していることを意味する。共有結合はプローブ
と固形支持体との間に直接形成されるか、または固形支持体もしくはプローブま
たは両分子上の特異反応性基の混在によって形成され得る。固定化は共有結合お
よび非共有結合相互作用の組合わせをも含む。
【0158】 一般に、プローブは当業者が認めるように、様々な方法でバイオチップに付着
させる。本明細書に記載するように、該核酸は先ず合成して、次いでバイオチッ
プに付着させるか、あるいはバイオチップ上で直接合成してもよい。
【0159】 該バイオチップは適切な固形基体を含む。本明細書において“基体”または“
固形支持体”または他の文法的等価物とは、核酸プローブの付着または会合にと
って適切な不連続に個々の部位を含むように改変できて、かつ少なくとも1つの
検出法により検査可能である材料を意味する。当業者が認めるように、可能な基
体の数は非常に多く、これらに限定されるものではないが、ガラスおよび修飾も
しくは機能化したガラス、プラスティック(アクリル、ポリスチレンおよびスチ
レンと他の材料のコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、
ポリウレタン、テフロンJなどを含む)、多糖類、ナイロンまたはニトロセルロ
ース、樹脂、シリコンおよび修飾シリコンを含むシリカまたはシリカ−ベースの
材料、炭素、金属、無機ガラス類、プラスティックなどを包含する。一般に、該
基体は光学検出を可能とするが、認知し得る程には蛍光を示さない。
【0160】 好適な態様において、バイオチップの表面およびプローブは2つの引続く付着
のために化学官能基により誘導体化してもよい。かくして、例えば、バイオチッ
プは化学官能基、例えば、これらに限定されるものではないが、アミノ基、カル
ボキシ基、オキソ基およびチオール基などにより誘導体化するが、特にアミノ基
が好ましい。これらの官能基を用い、該プローブはプローブ上の官能基により付
着させることができる。例えば、アミノ基を含む核酸はアミノ基を含む表面に、
例えば、技術上既知のリンカー、例えば、周知のホモ−またはヘテロ−二官能性
リンカーを用い、付着させることができる(ピアース・ケミカル・カンパニー・
カタログ(1994)、架橋剤に関する技術セクション、155〜200頁参照
;出典明示により本明細書の一部とする)。さらに、ある場合には、アルキル基
(置換およびへテロアルキル基)などのさらなるリンカーを使用してもよい。
【0161】 本態様においては、核酸プローブに相当するオリゴヌクレオチドを技術上既知
として合成し、次いで固形支持体の表面に付着させる。当業者が認めるように、
5’または3’末端のいずれかが固形指示体に付着するか、または付着は内部ヌ
クレオシドを介してもよい。
【0162】 さらなる態様において、固形支持体への固定化は非常に強力であるが、非共有
結合であってもよい。例えば、ビオチン化オリゴヌクレオチドを作製し、ストレ
プトアビジンを共有結合により被覆した表面に結合させ、結果として付着に至ら
しめることができる。
【0163】 別法として、技術上既知どおりにオリゴヌクレオチドを表面上で合成してもよ
い。例えば、光重合化合物と技術を利用する光活性化技法を使用する。好適な態
様においては、周知の光リソグラフィー技法により、例えば、WO95/251
16;WO95/35505;USP5,700,637および5,445,9
34、およびそこに引用された文献(これらすべてを出典明示により本明細書の
一部とする)に記載の技法などに従い原位置にて合成することができる;これら
の付着法はアフィメトリックス・ジーンチップ(商標)(Affimetrix GeneChip
)技法の基礎をなす。
【0164】 本明細書にて使用する場合の“ディファレンシャル発現”または文法的に等価
の用語は、細胞内または細胞間での遺伝子の時間的および/または細胞性発現パ
ターンにおける質的並びに量的差異をいう。このように、示差的に発現された遺
伝子は質的にその発現が変化しており、例えば、正常細胞対アポトーシス性細胞
における活性化または不活性化を含む。すなわち、遺伝子は他の状態に関連して
特定の状態に入るか、そこから外れることができる。当業者にとって明らかなよ
うに、2つ以上の状態について比較がなされる。かかる質的に調節された遺伝子
は、標準技法によって検出し得る状態または細胞型内での発現パターンを示すが
、該技法はかかる状態または細胞型の一方について検出し得るもので、両方につ
いては検出し得ない。あるいは、発現が増加または減少している場合には、判定
は定量的である;すなわち、遺伝子の発現は、アップ・レギュレーションにあっ
ては転写物量が増加し、あるいはダウン・レギュレーションにあっては転写物量
が減少する。発現が異なる程度は下記に概説する標準的特性化技法、例えば、ア
フィメトリックス・ジーンチップ(商標)発現アレイ、ロックハート(Nature B
iotechnology, 14: 1675-1680 (1996); 出典明示により本明細書の一部とする)
を使用する技法などにおいて十分に大きい必要がある。他の技法は、これらに制
限されるものではないが、定量的逆転写酵素PCR、ノーザン分析およびRNア
ーゼ保護などである。
【0165】 当業者が認めるように、これは遺伝子転写物またはタンパク質レベルいずれか
を評価することにより実施することができる;すなわち、遺伝子発現量は遺伝子
転写物のDNAまたはRNA等価物に対する核酸プローブをモニターしてもよく
、遺伝子発現レベルの定量、または代替法として、最終の遺伝子産物それ自体(
タンパク質)は、例えば、Apopタンパク質に対する抗体と標準的イムノアッ
セイ法(ELISAなど)または他の技法、例えば、質量分析法、2Dゲル・電
気泳動法などの使用を介してモニターすることができる。
【0166】 他の方法において、mRNAの検出は生体内原位置にて実施する。この方法に
おいて、透過性とした細胞または組織サンプルは、検出可能とした標識核酸プロ
ーブと、該プローブが標的mRNAとハイブリダイズするのに十分な時間接触さ
せる。洗浄して非特異結合したプローブを除いた後、標識を検出する。例えば、
Apopタンパク質をエンコードするmRNAに相補的なジゴキシン標識リボプ
ローブ(RNAプローブ)は、ジゴキシゲニンを抗ジゴキシゲニン第二抗体と結
合させ検出し、ニトロブルーテトラゾリウムおよびリン酸5−ブロモ−4−クロ
ロ−3−インドイルで発色させる。
【0167】 他の好適な方法において、Apopタンパク質の発現は、Apopタンパク質
に対する抗体を用いる生体内原位置画像技法により実施する。この方法において
は、細胞を1個ないし多数のApopタンパク質に対する1種または複数種の抗
体と接触させる。洗浄して非特異結合した抗体を除いた後、1種または複数種の
抗体の存在を検出する。一態様において、該抗体は検出し得る標識を含む第二抗
体とインキュベートすることにより検出する。さらに他の方法において、Apo
pタンパク質に対する一次抗体は検出可能な標識を含む。他の好適な態様におい
ては、複数の一次抗体それぞれが別々の検出可能な標識を含む。この方法は複数
種のApopタンパク質に対する同時スクリーニングに特別に使用し得る。該標
識は異なる波長の発光を検出し識別する能力をもつ蛍光検出器により検出しても
よい。さらに、蛍光標示式細胞分取器(FACS)をこの方法に使用してもよい
。当業者が認めるように、多くの他の組織画像技法が本発明において有用であり
、該抗体がELISA、免疫ブロッティング(ウエスタン・ブロッティング)、
免疫沈降法、BIACORE技法などに使用可能である。
【0168】 一態様においては、治療有効量のApopを患者に投与する。本明細書にて“
治療有効量”とは、それが投与されたときに効力を生じる用量を意味する。確実
な用量は治療目的に左右されるが、既知技法を使用して当業者が確認し得るもの
である。技術上知られるように、Apop分解の調整、全身または局所送達、お
よび新しいプロテアーゼの合成速度、並びに年齢、体重、全身健康状態、性別、
食事、投与時間、薬物相互作用および症状の重度が必要とされるが、当業者の常
套的実験により確認し得るものである。
【0169】 本発明の目的とする“患者”はヒトおよびその他の動物、とりわけ、哺乳動物
、および生物体である。かくして、本方法はヒトの治療と家畜への応用、双方に
適用し得る。好適な態様において、患者は哺乳動物であり、最も好適な態様にお
いて、患者はヒトである。
【0170】 本発明のApopタンパク質の投与は種々の方法、例えば、経口、皮下、静脈
内、鼻腔内、経皮、腹腔内、筋肉内、胸腔内、経膣、直腸、または眼内投与によ
り実施し得るが、これらに限定されるものではない。ある場合、例えば、外傷お
よび炎症の治療において、Apopは溶液またはスプレーとして直接塗付しても
よい。
【0171】 本発明の医薬組成物は患者への投与に適した形状のApopタンパク質を含む
。好適な態様において、該医薬組成物は水溶性形状にあり、例えば、医薬的に許
容し得る塩として存在し、当該塩は酸付加塩および塩基付加塩の両方を含むこと
を意味する。“医薬的に許容し得る酸付加塩”とは、遊離塩基の生物学的有効性
を維持し、かつ、生物学的にまたはその他の面で不都合のない塩をいい、無機酸
、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など、また、有機酸、例えば
、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、蓚酸、マレイン酸、マロン
酸、コハク酸、フマール酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル
酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル
酸などにより形成される塩である。“医薬的に許容し得る塩基付加塩”とは、無
機塩基から誘導される塩、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニ
ウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩な
どである。とりわけ好ましいのは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カル
シウム、およびマグネシウム塩である。医薬的に許容し得る非毒性有機塩基から
誘導される塩は、一級、二級、および三級アミン、天然産の置換アミンを含む置
換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂などであって、例えば、イ
ソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ト
リプロピルアミン、およびエタノールアミンなどとの塩である。
【0172】 該医薬組成物はまた、1種以上の以下の成分を含む:血清アルブミンなどの担
体タンパク質;バッファー;微結晶セルロース、ラクトース、トウモロコシデン
プンおよび他のデンプンなどの賦形剤;結合剤;甘味剤と他の矯味剤;着色剤;
およびポリエチレングリコール。添加剤は技術上既知であり、様々な製剤に使用
される。
【0173】 他の好適な態様において、アンチセンスRNAおよびDNAは生体内でのAp
op遺伝子発現を遮断するための治療剤として使用し得る。本明細書で“アンチ
センス”という用語は、アンチセンスRNAまたはDNAの核酸配列が、結合す
るmRNAと逆の相補性配列を含むことを意味する。例えば、もしmRNAが、
その発現(すなわち、タンパク質への翻訳)を遮断すべきものであって、核酸配
列5'−GGAAUUGGAGC−3'を含むならば、アンチセンスRNAは5'
−GCUCCAAUUCC−3'の核酸配列を含んでなり、アンチセンスDNA
は5'−GCTCCAATTCC−3'の核酸配列を含む。
【0174】 本明細書に定義のApopアンチセンス分子は、その標的配列に対する逆−相
補同一性が少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好
ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%を示す核酸分子で
ある。本明細書における一態様において、Apopアンチセンス分子は、その標
的配列に対し100%の逆−相補同一性を示す。技術上知られているように、ア
ンチセンス核酸はイノシンなどのヌクレオチド同族体を含むこともできる。
【0175】 本明細書に定義のApopアンチセンス分子は、Apop核酸の発現または翻
訳を、少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なく
とも50%、さらにより好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくと
も90%阻害する核酸分子である。本明細書における一態様において、Apop
アンチセンス分子は、ApopをエンコードするmRNAの発現または翻訳を1
00%阻害する。
【0176】 一般に、Apopアンチセンス分子は、その鎖長が少なくとも約10個のヌク
レオチドからなり、より好ましくは少なくとも12個、最も好ましくは少なくと
も15個のヌクレオチドからなる。当業者は、その鎖長がApop核酸への結合
を阻害しない長さであれば、さらに10個以上の核酸を伸長させ得ることを理解
する。本明細書での好適な態様では、その鎖長は約100個のヌクレオチドの長
さであり、より好ましくは約50個のヌクレオチド、さらに好ましくは約25個
のヌクレオチド、最も好ましくは約12ないし25個のヌクレオチドの長さであ
る。
【0177】 すでに示されていることであるが、短鎖のアンチセンス・オリゴヌクレオチド
は、細胞膜による取込み制限のために細胞内濃度が低いにもかかわらず、細胞内
に搬送され、そこでインヒビターとして作用することが可能である[Zamecnik e
t al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83:4143-4146 (1986)]。オリゴヌクレ
オチドはその取込みを上昇させるために修飾することが可能であるが、例えば、
負に帯電したホスホジエステル基を非荷電基に置換えることによる。生きた細胞
中に核酸を導入するために利用し得る様々な技法がある。その技法は核酸が生体
外で培養細胞に移入するのか、あるいは生体内で意図した宿主の細胞に移入する
のかによって左右される。生体外で哺乳動物細胞に核酸を移入するのに適した技
法は、リポソームの使用、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション
、細胞融合、DEAE−デキストラン、リン酸カルシウム沈殿法などを包含する
。現行の好適な生体内遺伝子移入技法は、ウイルス(代表的にはレトロウイルス
)ベクターによるトランスフェクションおよびウイルス・コートタンパク質−リ
ポソーム介在トランスフェクションなどである[Dzau et al., Trends in Biote
chnology 11:205-210 (1993)]。ある状況下では、核酸源に、標的細胞を標的と
する試剤、例えば、細胞表面膜タンパク質または標的細胞に対し特異的な抗体な
ど、また、標的細胞上のレセプターに対するリガンドなどを提供することが望ま
しい。リポソームを採用する場合、エンドサイトーシスと関連する細胞表面膜タ
ンパク質に結合するタンパク質を用い、標的とするか、および/または取込みを
容易にするが、それらは、例えば、特定の細胞型に向性のキャプシドタンパク質
またはそのフラグメント、環化においてインターナリゼーションを受けるタンパ
ク質に対する抗体、細胞内局在化を目標とし、細胞内半減期を高めるタンパク質
などである。レセプター介在エンドサイトーシス技法は、例えば、Wu et al., J
. Biol. Chem. 262:4429-4432 (1987); およびWagner et al., Proc. Natl. Aca
d. Sci. U.S.A. 87:3410-3414 (1990)などに記載されている。遺伝子標識と遺伝
子療法についての総説は、Anderson et al., Science 256:808-813 (1992)を参
照されたい。
【0178】 好適な態様において、本発明のApopタンパク質は、Apopタンパク質と
相互作用する新規タンパク質を単離するための酵母ツーハイブリッド・スクリー
ニングまたは哺乳動物ツーハイブリッド・スクリーニング(Luo et al., Biotec
hniques 22:350-352 (1997)および米国特許出願SN09/050,863;両
文献の全文を出典明示により本明細書の一部とする)における“釣り餌タンパク
質”として使用する。
【0179】 以下の実施例は上記発明の使用方法をより詳細に説明し、同様に本発明の種々
の局面を実施するために予測される最良の方法を明らかにするためのものである
。理解すべきは、これらの実施例が本発明の真の範囲を制限するものでは決して
なく、むしろ説明を目的として提示されるものであるということである。本明細
書に引用した文献はすべてその全文を出典明示により本明細書の一部とする。
【0180】 実施例1 Apop3の単離と配列分析 幾つかの既知TNFαシグナル伝達タンパク質はRIPに結合することが示さ
れており[Hsu et al., Immunity 4:387-396 (1996)]、RIPキナーゼ、TR
ADD、FADDおよびRAIDD間の相互作用により形成される複合体が他の
タンパク質をTNFR1またはFasレセプターに採り入れ、シグナル伝達を開
始する[Stanger et al., Cell 81:513-523 (1995); Hsu et al., Immunity 4:3
87-396 (1996); Tartaglia et al., Cell 74:845-853 (1993); Darnay et al.,
J. Leukoc. Biol. 61:559-566 (1997); Ashkenazi and Dixit, Science 281:130
5-1308 (1998)]。我々は希少mRNAを単離し、TNFシグナル伝達経路に関
与する新規タンパク質−タンパク質相互作用を確認するために設計した大規模酵
母ツーハイブリッド・スクリーニング・システムを確立した。釣り餌としてRI
Pを用い、我々は一回の形質転換により、併合Hela/リンパ球cDNAライ
ブラリーを用い、96百万の独立した酵母形質転換体を選抜した。予想どおりに
、TRAF1、TRAF2、TNFR1、RIP、TRADD、およびFADD
を含む既知RIP結合タンパク質の多くがクローン化された;同様に、幾つかの
新しい遺伝子が単離された。新しいcDNAの一つはRIPと高い配列相同性を
もっていた。全長cDNA(図5)は518アミノ酸オープン読み枠を含み、A
pop3と命名されたタンパク質をエンコードする。この新しいタンパク質のア
ミノ酸配列(図6)を分析して、RIPのキナーゼドメインに47%の相同性お
よびRIP2/Rick/CARDIAKのキナーゼドメインに42%の相同性
をもつキナーゼドメイン(aa21〜287)を明らかにした。しかし、キナー
ゼドメインの外側、Apop3のC−末端領域は、死のドメイン[Tartaglia et
al., Cell 74:845-853 (1993)]、死のエフェクタードメイン[Siegel et al.,
J. Cell. Biol. 141:1243-1253 (1998)]、またはCARD領域[Hofmann et a
l., Trends Biochem. Sci. 22:155-156 (1997)]とは相同性がない。約2.1K
bの転写物が正常ヒト組織とヒト腫瘍RNAブロット双方でApop3に特異的
なcDNAプローブにより検出された(データ未開示)。
【0181】 実施例2 Apop3とTNFαシグナル伝達複合体の他の構成物での同時免疫沈降 我々は哺乳動物細胞にApop3とTNFαシグナル伝達複合体の他の構成物
との会合を同時免疫沈降により確認した。Apop3のどの領域がRIPとの相
互作用にとって重要であるかをさらに分析するために、一連の欠失突然変異体を
計画した(図7)。酵母では、Apop3の中間領域(aa82〜436)がR
IPとApop3間の相互作用に必要であった(図8)。フェニックスA(29
3T)細胞において、HA標識RIPとApop3のFlag標識完全長末端切
除突然変異体との同時トランスフェクションによりRIPとApop3の相互作
用を確認するために、同時免疫沈降を実施した。本実施例では、HA−RIP(
5μg)とFlag−制御タンパク質またはFlag−Apop3タンパク質の
一つとの同時トランスフェクション24時間後に、フェニックスA細胞から細胞
溶解液を採取した(図7に図式化)(5μg)。同時沈降Flag−Apop3
タンパク質は抗−Flagポリクローナル抗体での免疫ブロッティングにより検
出した。完全長Apop3はRIPと同時免疫沈降し、Apop3(82〜51
8)およびApop3(K50D)突然変異体も同様であった(データ未開示)
。興味深いことに、Apop3(1〜436)突然変異体は劇的にRIPとの結
合親和性が低下していた。RIPとApop3(1〜251)、Apop3(1
〜196)またはApop3(287〜518)との間に会合は検出されなかっ
た。このことはApop3とRIP間の相互作用がApop3のカルボキシル−
ドメインの寄与と共にキナーゼドメインの一部により仲介されていることを示唆
する。
【0182】 実施例3 Apop3は内在性RIPに結合する Apop3が内在性RIPに結合し得るか否かを試験するために、TNFα刺
激の存在下または不存在下にフェニックスA(293T)細胞にFlag−Ap
op3を移入した。本実施例において、293T細胞にはFlag制御タンパク
質およびFlag−Apop3(10μg)を移入した。18時間のインキュベ
ーション後、細胞はhuTNFα20ng/mlの存在下または不存在下に6時間
処理した。トランスフェクション24時間後に、細胞抽出物を採取した。免疫沈
降したタンパク質はヒツジ抗−RIPポリクローナル抗体により免疫ブロットし
た。異所性に発現したApop3は内在性RIPキナーゼに結合し得た(データ
未開示)。TNFα処理はこの結合に有意に影響することはなかった(データ未
開示)。
【0183】 実施例4 内在性Apop3はTRAF2およびTNFR1に結合する さらに、内在性TNFR1は異所性に発現したApop3と同時免疫沈降し、
内在性Apop3は異所性に発現したTRAF2と同時免疫沈降した(データ未
開示)。TRAF2とApop3間の相互作用もまた酵母ツーハイブリッド・シ
ステムにより確認された(データ未開示)。このことはApop3がTNFR1
シグナル伝達複合体の部分であることを示唆する。本実施例においては、Fla
g標識TRAF2発現ベクターが細胞内に移入していた。内在性Apop3との
会合は抗−Apop3抗体により検出した。さらに、Flag標識Apop3は
細胞に移入され、内在性TNFR1との会合は抗−TNFR1抗体により検出し
た(データ未開示)。
【0184】 実施例5 APOP3キナーゼ活性の証明 Apop3は共通Ser/Thrキナーゼ・モチーフを含む。RIPに保存さ
れたリジンに相同であり、酵素活性とATP結合にとって重要なApop3キナ
ーゼドメインのリジン50[McCarthy et al., J. Biol. Chem. 273:16968-1697
5 (1998); Inohara et al., J. Bio. Chem. 273: 12296-12300 (1998)]をアス
パラギン酸に置換えた。生体外キナーゼアッセイは、Apop3がキナーゼであ
り、自己リン酸化されているこをと示した(データ未開示)。しかし、Apop
3(K50D)突然変異体はキナーゼ活性を喪失しており(データ未開示)、こ
のリジンが自己リン酸化のために必要であることを示唆している。この実施例で
は、フェニックスA細胞にそれぞれ10μgのFlagベクター、Flag−A
pop3およびFlag−Apop3(K50D)を移入した。溶解液を抗−F
lag抗体で免疫ブロットしIPに対するタンパク量を調節した。
【0185】 実施例6 Apop3による細胞死の誘発 Apop3が細胞死を誘発し得るか否かを試験するために、フェニックスA細
胞に、Apop3をエンコードする真核細胞発現ベクターおよびトランスフェク
ション効率についてのpGDB対照を同時移入した[Xu et al., Nucl. Acids R
es. 26:2034-2035 (1998)]。GFP陽性のApop3移入細胞はアポトーシス
の形態学的特性を示し、プレート基体からの脱離、結果としての“ラウンディン
グ・アップ”および縮合/断片化核を含んでいた[Cryns et al., Cell 82:349-
352 (1995)](データ未開示)。C−末端欠失突然変異体Apop3(1〜43
6)はアポトーシスを誘発し得なかった(データ未開示)。Apop3誘発アポ
トーシスはHela細胞においても観察された(データ未開示)。図9はApo
p3移入フェニックスA細胞では細胞死が約35%であり、比較とした対照ベク
ター移入細胞ではアポトーシスがわずかに2%であること示す。RIP[Hsu et
al., Immunity 4:387-396 (1996)]およびRIP2/Rick/CARDIA
Kキナーゼ欠失[McCarthy et al., J. Biol. Chem. 273:16968-16975 (1998)]
と同様に、Apop3キナーゼドメインの欠失はそのプロ−アポトーシス活性に
影響を示さなかったが(データ未開示)、このことはキナーゼドメインがApo
p3−介在の細胞死にとって必要のないことを示唆する。
【0186】 実施例7 Apop3による細胞性カスパーゼの活性化 TNFαとFasリガンド誘発アポトーシスはカスパーゼの活性化により制御
される[Martin and Green, Cell 82:349-352 (1995)]。Rick/RIP2/
CARDIAKキナーゼはカスパーゼ活性の増強を介してアポトーシスを誘発す
るとも報告されている[Inohara et al., J. Bio. Chem. 273: 12296-12300 (
1998)]。Apop3が細胞性カスパーゼを活性化するか否かを試験するために
、pYCI−Apop3(データ未開示)をpGDBと共にフェニックスA細胞
に同時移入した。本実施例では、2×10個のフェニックスA細胞にApop
3とApop3変異体をエンコードする発現ベクターを、図7に描出するように
(10μg)、pGDB(3μg)と共に同時移入した。細胞溶解液は抗−GF
Pモノクローナル抗体をプローブとするウエスタン・ブロットにより分析した。
カスパーゼの切断は矢印で示したように単量体GFPを放出した。細胞内カスパ
ーゼ活性のレポーターとして使用されるDEVD含有ペプチド(‘GFP’−G
SGSGSDEVDGGSGSGS−‘BFP’;ただし、カスパーゼ切断部位
はVおよびDの間に存在する)により連結したすでに記載されているBFP−G
FPハイブリッドタンパク質を発現する[Xu et al., Nucl. Acids Res. 26:203
4-2035 (1998)]。カスパーゼ2、3または7は、活性化されると、適切に接近
し得る基質をDEVDペプチド部分で特異的に切断し[Cryns et al., Cell 82:
349-352 (1995)]、GFP/BFP単量体を放出する。抗−GFPモノクローナ
ル抗体によるウエスタン・ブロット分析は、Apop3の異所性発現がカスパー
ゼを活性化し、DEVDリンカーペプチドを切断してGFP/BFP単量体を放
出することを示した(データ未開示)。カスパーゼの広範囲スペクトル・インヒ
ビター、zVAD−fmk[Zhu et al., FEBS Lett. 374:303-308 (1995)]は
、Apop3発現を引き金としてカスパーゼ活性を阻害した(データ未開示)。
この結果はキメラタンパク質の切断がカスパーゼ活性化によるものであったこと
を確認させた(データ未開示)。Apop3−誘発アポトーシスはCrmAによ
っても阻害し得た(データ未開示)。N−末端欠失突然変異体Apop3(82
−518)、Apop3(287−518)およびApop3(K50D)はな
おカスパーゼ活性を活性化することができた(データ未開示)。Apop3、A
pop3(1−251)およびApop3(1−436)のC−末端領域の欠失
は、カスパーゼ活性化を完全に排除した(データ未開示)。これらの結果は再度
Apop3のキナーゼ活性がカスパーゼの活性化と細胞死にとって必要ではない
ことを示している。Apop3のC−末端ドメイン(aa437〜518)がA
pop3のRIP結合にとって不要である以上、この領域はアポトーシスにつな
がる新しいシグナル伝達経路に関与する他のタンパク質の結合に関与している可
能性がある。Apop3のC−末端領域が直接既知の死アダプターまたは死プロ
テアーゼに結合し得るか否かは未知である。釣り餌としてApop3を用いるさ
らなるツーハイブリッド・スクリーニングがApop3の下流にあるシグナル伝
達タンパク質を見出すために実施されつつある。
【0187】 実施例8 Apop3によるNFκBの活性化誘発 我々はまたApop3がNFκBの活性化を誘発し得るか否かを試験した。N
FκB−依存性ルシフェラーゼ・レポーター構築物とApop3発現ベクター(
pYCI−Apop3;データ未開示)を同時移入した24時間後のフェニック
スA細胞をルシフェラーゼ・レポーターアッセイ用に採取した。Apop3の異
所性発現のみがNFκBの活性化を約7倍誘発した(図10、データ未開示)。
NFκBの活性化はIκBドミナントネガティブ突然変異体の同時トランスフェ
クションにより阻害し得た(データ未開示)。C−末端領域は、Apop3(1
−251)およびApop3(1−436)がNFκBを活性化し得なかったの
で、NFκBの活性化にとって必須であった(図10)。興味深いことに、Ap
op3(K50D)、Apop3(82−518)、およびApop3(287
−518)は完全長Apop3よりもより高いルシフェラーゼ活性を誘発した(
図10)。このことはApop3のキナーゼドメインがNFκBの活性化にとっ
て必要ではないことを示唆する。対照的に、Apop3はAP−1活性化経路に
認知し得る影響を示さなかった(データ未開示)。
【0188】 実施例9 Apop3の過剰発現はTNFα−誘発カスパーゼ活性化を阻害するが、TNF
α−誘発NFκBの活性化は阻害しない Apop3はRIPおよびTRAF2と会合し、アポトーシスとNFκBを活
性化するが、TNFαシグナル伝達経路でのその機能は切断されている必要があ
る。この実施例では、フェニックスA(293T)細胞にApop3とApop
3変異体をエンコードする発現ベクターを、図7に描出するように(3μg)、
pGDB(0.3μg)およびRIP(0.1μg)と共に同時移入した。トラン
スフェクションの24時間後に、細胞溶解液を採取し、抗−GFP抗体でのウエ
スタン・ブロット分析により分析した。これらの実験では、Apop3(1−4
36)はTNFα−誘発カスパーゼの活性化を阻害した(データ未開示)が、T
NFα−誘発NFκBの活性化は阻害せず(データ未開示)、Apop3がTN
Fα−介在のアポトーシス経路に関与していることを示唆する。これらの結果が
意味することは、C−末端ドメイン(aa437−518)の不存在下、Apo
p3がカスパーゼの活性化に必要な複合体のTNFシグナル伝達の他のタンパク
質と競合しているか、またはそれらを採り入れ得ないことである。別の実験では
、Apop3(1−436)がRIP介在アポトーシス活性化をダウンレギュレ
イションし得た(データ未開示)。Apop3の完全長(3μg)とRIP(0
.1μg)の同時トランスフェクションはRIP単独よりもカスパーゼ活性を大
きなものとした(データ未開示)。しかし、Apop3(1−436)はRIP
誘発カスパーゼを有意に減少させた(データ未開示)。他方、Apop3単独で
はNFκBを活性化し得たが、フェニックス細胞中のRIP(0.3μg)と完
全長Apop3(3μg)の同時トランスフェクションはNFκBの活性化に相
乗的影響を示さなかった(データ未開示)。Apop3(1−436)をRIP
と同時移入した場合には、RIP介在NFκBの活性化をほんのわずか減少させ
た(データ未開示)。もう一つのApop3突然変異体(aa287−518)
はなおカスパーゼとNFκBを活性化し得たが、RIPには結合しなかった(デ
ータ未開示)。
【0189】 要約すると、我々はApop3がTNFαシグナル伝達複合体と会合した新規
キナーゼであることを証明した。Apop3は酵母および哺乳動物細胞双方でR
IPおよびTRAF2に結合し、TNFR1と同時免疫沈降する。RIPはTN
Fα誘発NFκB活性化における必須のプレイヤーであり[Kelliher et al,. I
mmunity 8:297-303 (1998)]、Apop3はRIPに結合することでクローン化
されたが、Apop3の機能はRIPに結合することにのみあるのではない。ド
ミナントネガティブ型のApop3はTNFα誘発NFκBの活性化に影響せず
に、TNFα誘発カスパーゼ活性化を阻害し得るものであり、Apop3がTN
Fα誘発アポトーシスに関与している可能性のあることを示唆している。それ故
、Apop3およびRIPはTNFαシグナル伝達の2つの異なる領域、アポト
ーシスおよびNFκB活性化、それぞれに関与することが可能である。TNFα
シグナル伝達におけるApop3の正確な役割は将来のノックアウト実験によっ
て答え得る。
【0190】 実施例10 酵母ツーハイブリッド・スクリーニング法:プラスミド、cDNAライブラリー
、酵母株、増殖培地、およびプラスミド回収 既知“釣り餌”タンパク質と相互作用する未知タンパク質は酵母ツーハイブリ
ッド・スクリーニング法を用いて同定することができる。この方法では、既知の
“釣り餌”タンパク質(XIAPまたはRIPなど)は“釣り餌ベクター”にエ
ンコードされており、“釣り餌”タンパク質に結合し得るタンパク質(“テスト
”タンパク質)は通常“テスト”ベクターまたは“テスト”プラスミド上にエン
コードされている。この方法は以下の工程を含む:(1)酵母を“釣り餌ベクタ
ー”および“テスト”ベクターにより形質転換する工程(通常ライブラリー);
(2)釣り餌タンパク質とテストタンパク質間の相互作用を検出する工程(通常
、lacZなどのレポーター遺伝子の発現による);(3)同定した酵母コロニ
ーを増殖する工程;(4)“テスト”ベクターを単離する工程;(5)“テスト
”ベクターを大腸菌に形質転換する工程;および(6)標準技法を用いて、さら
に“テスト”ベクターとエンコードされた“テスト”タンパク質を特性化する工
程。
【0191】 プラスミドおよびcDNAライブラリー:pAS2およびpACT2プラスミ
ド系はエレッジ(Elledge)および共同研究者[Durfee et al., Genes Dev. 4:5
55-69 (1993)]により当初構築された。我々のスクリーニングに用いた釣り餌ベ
クターはpAS2またはpAS2Kのいずれかである。pAS2KはpAS2に
おけるAmp遺伝子をKan遺伝子と置換えることにより構築した。我々の
スクリーニングに用いたcDNAライブラリーは、例えば、脳組織またはTおよ
びBリンパ球から調製した。
【0192】 酵母ツーハイブリッド・システム・レポーター株Y190(MATa、ura
3−52、his3−200、lys2−801、ade2−101、trp1
−901、leu2−3、112、gal4D、gal80D、cyhr2、L
YS2::GAL1UAS−HIS3TATA−HIS3、URA3::GAL
1UAS−GAL1TATA−lacZ)をすべてのスクリーニングにおいて使
用した。
【0193】 酵母培地、例えば、YPD、YPD寒天、DOB、DOBA、CSM−TRP
、CSM−LEU、CSM−HIS、CSM−URA、CSM−LYS、CSM
−LEU−TRP、CSM−LEU−HIS、およびCSM−LEU−TRP−
HISはすべてバイオ101・インクから入手し得る。3AT(3−アミノ−1
,2,4−トリアゾール)はシグマから入手し得る(カタログ番号A−8056
、セントルイス、MO、USA)。
【0194】 酵母からプラスミドを回収する方法はリティカーゼ溶菌からガラスビーズに至
るまで種々の方法がある。ガラスビーズ法を以下に掲載する: 1.選択培地(例えば、cDNAライブラリープラスミドpACT用SD−L)
3mlに酵母コロニーを植菌する。 2.300Cシェーカーまたは回転器にて一夜または集密となるまで培養する。
3.酵母をベンチ−トップ型遠心機により3000rpm、室温にて遠沈する。
4.培地を除き、ペレットをリジンバッファー200μlに再懸濁する。エッペ
ンドルフチューブに移す。 5.200μl容量のグラスビーズを加える。 6.200μlのフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:2
4:1)を加える。 7.最高速度で3分間ボルテックス(渦と)する。 8.ミクロ遠心機にて14,000rpmで10分間遠心する。 9.上部水層を別のエッペンドルフチューブに移し、3M−NaAc20μlお
よびエタノール500μlを加える。 10.エッペンドルフチューブを15分間または凍結するまでドライアイス浴に
入れる。 11.ミクロ遠心機にて14,000rpmで10分間遠心する。 12.上清を除き、ペレットを乾燥する。 13.ペレットを80%エタノール100μlで洗浄し、ペレットを風乾する。
14.ペレットを水30μlに再懸濁し、その1μlをエレクトロポレーション
に使用し、大腸菌を形質転換する。
【0195】 エレクトロポレーション法は酵母最少調製物からのプラスミドを大腸菌に形質
転換するこれまでで最も有効な方法である。釣り餌プラスミドとcDNA(テス
ト)プラスミドには異なる選択マーカーを担持させ、大腸菌での分離を容易にす
ることができる。例えば、我々の釣り餌プラスミドはKan遺伝子を担持し、
cDNA(テスト)プラスミドはAmp遺伝子を担持する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒトApop1のヌクレオチド配列を示す。推定翻訳開
始コドン(ATG)および翻訳終止コドン(TGA)には下線を引いている。
【図2】 図2は、ヒトApop1のアミノ酸配列を示す。
【図3】 図3は、ヒトApop2のヌクレオチド配列を示す。推定翻訳開
始コドン(ATG)および翻訳終止コドン(TGA)には下線を引いている。
【図4】 図4は、ヒトApop2のアミノ酸配列を示す。
【図5】 図5は、ヒトApop3のヌクレオチド配列を示す。
【図6】 図6は、ヒトApop3のアミノ酸配列を示す。
【図7】 図7は、Apop3先端切除突然変異体を表す図を示す。シェー
ド領域はキナーゼ相同性ドメインを示す。Apop3(K50D)は、WT、野
生型Apop3、すなわち完全長タンパク質、アミノ酸50にK〜D突然変異を
有する。
【図8】 図8は、酵母2ハイブリッドシステムにおけるRIPとApop
3の結合結果の要約を示す。++++非常に強い相互作用、+++強い相互作用
、*検出可能な相互作用、−検出可能な相互作用無し。
【図9】 図9は、フェニックス−A細胞におけるApop3によるアポト
ーシスの活性化を示す。エンプティーベクター(ベクター)、Apop3または
Apop3(1−436)(3μg)を、pGDB(1μg)と共にフェニックス
−A細胞へ共トランスフェクションした。ヘキスト染色アポトーシスフェニック
ス−A細胞を調べ、蛍光顕微鏡により計数した。データを、計数された細胞の総
数におけるアポトーシス細胞のパーセンテージとして表す。
【図10】 図10は、フェニックス−A細胞におけるApop3によるN
FκBの活性化を示す。NFκBレポーター活性は、指示されたApop3発現
ベクター(3μg)、NFκB依存性ルシフェラーゼレポータープラスミド(1
μg)、およびレニラ・ルシフェラーゼ発現ベクター(0.13μg)によりフェ
ニックス−A細胞を一時的に共トランスフェクションすることにより遂行された
。燐酸カルシウム沈降方法をトランスフェクションに使用した。また、発現され
た標識タンパク質のレベルをウエスタンブロット分析によりモニターした。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年10月11日(2000.10.11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C 4H045 5/10 C12Q 1/02 ZCC C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 ZCC 33/50 Z G01N 33/15 C12P 21/08 33/50 C12N 15/00 ZNAA // C12P 21/08 5/00 A (31)優先権主張番号 60/099,486 (32)優先日 平成10年9月8日(1998.9.8) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 メアリー・シェン アメリカ合衆国94560カリフォルニア州ニ ューアーク、ジェラニアム・コート5670番 (72)発明者 ペイ・ウェン・ユ アメリカ合衆国94404カリフォルニア州フ ォスター・シティ、コメット・ドライブ 808番、ナンバー15 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 BB10 BB48 CB01 DA13 DA36 FA16 FB01 FB02 FB03 FB12 4B024 AA11 BA41 BA80 CA04 DA12 EA01 GA11 HA11 HA15 4B063 QA05 QA18 QQ08 QQ13 QQ20 QQ27 QQ36 QQ41 QQ79 QR48 QR66 QR76 QR80 QR82 QX02 4B064 AG01 AG27 CA01 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA16X AA19X AA80X AA90X AA90Y AA91X AA93X AA93Y AB01 AC14 CA24 CA25 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA76 EA20 EA50 FA72 FA73 FA74

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図6に示されるアミノ酸配列と少なくとも約85%一致するApo
    p3タンパク質をコードする組換え核酸。
  2. 【請求項2】 図5に示される核酸配列またはその相補体と少なくとも約85
    %一致する、組換え核酸。
  3. 【請求項3】 該Apop3タンパク質がヒトApop3タンパク質である、請求項1
    に記載の組換え核酸。
  4. 【請求項4】 図6に示されるアミノ酸配列をコードする請求項1に記載の
    組換え核酸。
  5. 【請求項5】 高いストリンジェンシー条件下で、図5に示される核酸配列
    またはその相補体とハイブリダイズする、請求項2に記載の組換え核酸。
  6. 【請求項6】 その核酸で形質転換された宿主細胞によって認識される制御
    配列と機能し得る形で連結された、請求項1に記載の組換え核酸。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の核酸を含む発現
    ベクター。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の核酸を含む宿主
    細胞。
  9. 【請求項9】 Apop3タンパク質の発現に好適な条件下で請求項8に記載の
    宿主細胞を培養することを含む、Apop3タンパク質の産生方法。
  10. 【請求項10】 該Apop3タンパク質を回収することをさらに含む、請求項
    9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 図6に示されるアミノ酸配列と少なくとも約85%一致する
    組換えApop3タンパク質。
  12. 【請求項12】 図6に示される配列を含む、請求項11に記載のApop3タ
    ンパク質。
  13. 【請求項13】 図5に示される核酸配列と少なくとも約85%一致する核酸
    によってコードされている、請求項11または請求項12に記載のApop3タンパ
    ク質。
  14. 【請求項14】 高いストリンジェンシー条件下で図5に示される核酸配列
    の相補体とハイブリダイズする核酸によってコードされている、請求項11、請
    求項12または請求項13に記載のApop3タンパク質。
  15. 【請求項15】 請求項11、請求項12、請求項13、または請求項14
    に記載のApop3タンパク質と特異的に結合するモノクローナル抗体。
  16. 【請求項16】 該Apop3タンパク質の生物学的機能を低下または消失させ
    る、請求項15に記載のモノクローナル抗体。
  17. 【請求項17】 Apop3タンパク質と結合し得る生物活性剤のスクリーニン
    グ方法であって、 a)Apop3タンパク質と候補生物活性剤とを組み合わせ、さらに b)該候補生物活性剤と該Apop3タンパク質との結合を測定する ことを含む方法。
  18. 【請求項18】 Apop3タンパク質の結合を阻害し得る生物活性剤のスクリ
    ーニング方法であって、 a)Apop3タンパク質、候補生物活性剤、およびRIPタンパク質を組み合わせ、さ
    らに b)該Apop3タンパク質と該RIPタンパク質との結合を測定する ことを含む方法。
  19. 【請求項19】 Apop3タンパク質の活性を調節し得る生物活性剤のスクリ
    ーニング方法であって、 a)Apop3タンパク質をコードする組換え核酸を含む細胞に候補生物活性剤を加
    え、さらに b)アポトーシスに対する候補生物活性剤の作用を測定する 工程を含む方法。
  20. 【請求項20】 Apop3タンパク質をコードする組換え核酸を含む複数の細
    胞に候補生物活性剤のライブラリーが加えられる、請求項19に記載の方法。
JP2000563231A 1998-08-06 1999-08-06 新規アポトーシスタンパク質 Pending JP2002525030A (ja)

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