JP2002524218A - 心臓の医学的症状を検出するための方法および装置 - Google Patents
心臓の医学的症状を検出するための方法および装置Info
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Abstract
Description
を判定するための電気除細動器/細動除去器に組み込まれ得る体内植込み可能な
装置に関する。該装置は、現在の症状を診断しまたは未来の症状を予報するため
に用いられ得る。
心室の不整頻拍、心室細動の終止のための有効な治療であるかのように示されて
いる唯一の実行可能な方法である。最近は、心臓のリズムを自動的に監視し、鼓
動が速過ぎまたは遅過ぎるときに、適切な電気的治療を配給する体内植込み可能
なリズム管理システムが開発されている。緩慢な不整脈が検出されたとき、該装
置は、わずかにより速いレートで該心臓を駆動すべく低電圧(〜5V)の電気的
刺激を発生する。不整頻拍が検出されたとき、該装置は、1個またはそれ以上の
キャパシタを〜700Vまで充電し、それから、前記不整頻拍症状が前記装置に
より再確認されたときに、前記キャパシタを放電する。そのようなリズム管理シ
ステムは、生体植込み可能な電気除細動器、細動除去器(ICD)と呼ばれる。
および右心房内に配置されたリード線の先端に配設された検知および整速電極を
持っている。いくつかの、しかし全てではない、リード線システムは、上部大静
脈(superior vena cava)に他の電極を持っている。現代のICDは、除細動シ
ョックの間有効となる電極としてのICDの金属シェル(またはケース)を用い
る。ショックの間の電気抵抗は、シェル電極のない電極構成と比較して、シェル
電極を用いた方がより低いので、そのような構成は、低強度のショックでの除細
動を可能とする。典型的には、上部大静脈電極およびシェル電極は、電気的に共
通とされる。この場合、電極構成は、RV→SVC+シェルであるといわれる。
ICDのケースは、典型的には、当業者によって「缶」と称されることから、し
ばしば、前記シェル電極は、「缶」電極と称される。
図1および付随するテキストにおいて、第1の先端電極42が、左心室近傍の冠
状洞内部に、第2のリング電極44が、左心房の下方の冠状洞内部に、そして第
3の電極46が、右心房または上部大静脈の内部にあるように、リード線36が
冠状洞内に挿入される心房細動除去器および方法を記述している。前記第1の電
極は、検知電極として働き、前記第2の電極(やはり冠状洞内にある)は、セン
スおよび除細動電極の両方として働き、そして前記第3の電極は、センスおよび
除細動電極として働く(第5コラム第57行から第6コラム第12行参照)。
図9および付随するテキストにおいて、上述に従って構成されたリード線システ
ム250を記述している。第1の(右心室の)リード線252は、長尺大表面積
電極256、末梢すなわち先端検知電極258、およびリングすなわち基部電極
260を含んでいる。検知電極258、260は、右心室の壁部内に配置され且
つそれに接しており、長尺電極256は、右心房内にある。第2の(冠状洞の)
リード線254は、先端すなわち末梢検知電極264、リングすなわち基部検知
電極266、および第2の長尺、大表面積電極262を含んでいる。末梢および
基部検知電極264、266は、両方共大静脈の内部の左心室の近傍にあり、そ
して長尺電極262は、左心房の下方の冠状洞の内部にある。右心室検知電極2
58、260は、第1の検知増幅器50の入力50a、50bに結合され、大静
脈検知電極264、266は、第2の検知増幅器52の入力52a、52bの入
力に結合されている。このことは、右心室および左心室の検知、並びに心房に対
するエネルギの配給を同期させるための、偏波除去活性波の非同時的検知を提供
する(第15コラム第34行から第16コラム第54行、第5コラム第62〜6
4行参照)。
洞の開口に隣接する領域から延び且つ大静脈内において終端となる冠状洞電極が
、皮下プレート電極および右心室電極と組み合わされて用いられる心臓内細動除
去電極システムを記述している。冠状洞電極78は、左心室キャビティ86を取
り囲んでいる(第5コラム第50〜51行、図5B)。それは、「電極78を、
大静脈80を通って心臓の頂部79に向けて、下方に延長しないようにすること
が重要である」(第5コラム第28〜30行)と述べている。メーラ(Mehr
a)(メドトロニック社(Medtronic,Inc.))に対する米国特許
第5,165,403号公報は、「冠状洞および大心臓動脈内部」に配置された
心房細動除去電極112を記述している。
下プレート電極および右心室電極と組み合わされて用いられる大静脈内の細動除
去電極(第1コラム第65行から第2コラム第2行)を記述している。大静脈電
極に関しては、第5コラム、第20〜33行に、「そのように取り付けられてい
るとき、長尺細動除去電極78は、冠状洞74の開口近傍の点から、そして大静
脈80内に延びる。このことは、概して心室細動除去電極74から充分に離間さ
れ且つ左心室77の領域に良好な電流分布を与える大表面積細動除去電極を提供
する。可能な限り心臓のまわりに電極78を延在させることが望ましい。しかし
ながら、電極78を、大静脈80を通って心臓の頂部79に向けて、下方に延長
しないようにすることは、このことが冠状洞および右心室電極を、適正な電流分
布を干渉するほど、互いに近付けるので、重要である」ということが述べられて
いる。バーディ(Bardy)に対する米国特許第5,193,535号公報(
1991年8月27日付提出)も、大静脈電極を記述している。コラム7、第3
1〜35行においては、「冠状洞リード線は、心臓のまわりにほぼ、大静脈が心
臓の頂部に向けて下方に向かうように向きを変える点まで延在する112の冠状
洞および大静脈領域内に配置された長尺電極を提供する」ということが述べられ
ている。
は、電極が冠状洞を通して心臓の周辺静脈内に配置される心室細動除去電極シス
テムを記述している。「周辺静脈(peripheral vein)」の語は、「心臓の基部
と頂部の間に走る冠状血管の静脈側。血管は、中ぐらいおよび小さな心臓血管、
および大きな心臓血管の、心臓の基部と頂部の間に走る、部分を含んでいる。こ
こで用いられる「周辺静脈」の定義は、それゆえ、大きな心臓血管の、心臓の基
底面に沿って走る部分、それは従来技術の電極システムにおける電極配置のため
の位置として用いられる、を除外する」を包含するようにそこに定義される。該
電極は、内壁に対して圧力を印加すべくらせん形状をなし(コラム4、第14〜
17行)、血液が、該らせんの内部を通って妨げられずに流れ得る(コラム4、
第46〜48行)。ボウォルド(Bowald)に対する米国特許第5,423
,865号公報も参照されたい。
大静脈電極が右心房/上部大静脈電極および生体植込み可能な細動除去器のハウ
ジングの形態での皮下電極に結合される心房細動除去方法を記述している。該装
置は、望ましくは、組み合わされた心房/心室細動除去器として実施されること
が述べられている(コラム2、第26〜35行)。
成功裏に停止され得ることを確実にするために不整脈変換検査を実施する。典型
的な臨床体内植込みにおいては、心室細動が医師によって電気的に誘起され、且
つICDシステムは、約10秒待った後に、既知の強度のテストショックを配給
すべく命令される。もしもテストショックが成功すれば、該強度は、後続のトラ
イアルの間、不整頻拍を変換するのに失敗する強度が識別されるまで、規律正し
く減小される。不整頻拍を成功裏に変換する直前のショック強度は、通常、細動
除去スレショールド(DFT)と称される。DFTは、患者によって変動する。
ICD植込みにおけるDFT検査の目的は、ICDから利益を得ることのなさそ
うな患者を識別することである(DFTは、安全限界を与えるべき最大装置出力
と比較すると非常に高い)。
テムと先行するICDシステムとにおける最も明白な相違の1つは、パルス発生
器の縮小されたサイズである。装置サイズにおけるさらなる減小は、該装置によ
って配給されるピーク電圧の低減を必要とするかもしれない。しかしながら、I
CD患者集団におけるほとんど全ての患者が、最大出力よりも低いDFTを持つ
であろうことを確実にするために、未来の装置は、DFTを実質的に低減するシ
ョック配給手段を提供することが必要であろう。
込み可能システムである。該システムは、前記心臓から電気的な活動を検知する
ために、冠状静脈洞口を通し且つ前記心臓の左心室の左面上の静脈の内部に配置
するように構成された第1の検知電極と、前記検知される電気的な活動により、
前記心臓の医学的症状を判定(例えば、診断または予知)するために前記第1の
検知電極に作用的に関連付けられる検出器とを具備する。典型的には、前記心臓
の右心室内に配置するように構成された第2の検知電極をさらに備え、且つ前記
検出器は、前記第1の検知電極および前記第2の検知電極の両方に作用的に関連
付けられている。前記第2の検知電極は、前記心臓の左心室の左面上の静脈内(
しかしながら前記第1の検知電極からは離間配置されている)、右心房内、上部
大静脈内、その他、のような、他の位置に配置されていても良い。最後に、第3
の検出電極も含まれている、該第3の電極は上述したいずれかの位置に配置され
(今度も、前記第1および第2の電極から離間配置されている)、前記検出器は
前記第1、第2および第3の検知電極の全てに作用的に関連付けられているかも
しれない。医学的症状の判定は、前記心臓の(例えば、早期の、遅延された)偏
位鼓動(ectopic beat)のような、どんな適切な手段によって行なわれてもよい
。本発明の方法は、偏位鼓動の源(例えば、左心室、右心室、左心房、または右
心房)の腔所を識別するために特に有用である。
ズムの存在を検出すべく構成されていてもよい。前記検出器は、前記患者におけ
る心臓不整脈を、前記心臓不整脈の始まり、または患者における心臓不整脈の存
在の発生に先立って、予報すべく構成されていてもよい。前記検出器は、前記心
臓における偏位鼓動の源の位置を弁別すべく(例えば、源の右心室位置から左心
室位置を弁別する能力を持っていようといまいと、そして、源の右心房位置から
左心房位置を弁別する能力を持っていようといまいと、前記心臓における偏位鼓
動の源の心室位置から源の心房位置を弁別すべく)構成されていてもよい。
は、前記患者の心臓からの電気的活動を、前記心臓の左心室の左面上の静脈内に
配置された第1の検知電極から検出することと、前記患者の心臓からの電気的活
動を、前記心臓の右心室の内部に配置された第2の検知電極から検出することと
、前記検出された電気的活動から心臓虚血の発生を判定することとを有する。前
記判定するステップは、前記心臓における偏位鼓動の発生を検出することにより
実施されてもよい。
臓へ配給されるべき心臓治療を選択する方法も開示されている。該方法は、前記
心臓からの第1のセットの電気的活動を、前記心臓の左心室の表面上の静脈内に
配置された第1の検知電極から検出することと、前記心臓からの第2のセットの
電気的活動を、前記心臓の右心室の内部に配置された第2の検知電極から検出す
ることと、それから、前記第1および第2のセットの検出された電気的活動に基
づいて、前記体内植込み可能なシステムにより配給すべき電気的治療を選択する
ことと、それから、前記選択された電気的治療を配給することとを有する。
を治しまたは予防すべく、検出された医学的症状が、前記心臓に対する治療用パ
ルスを初期化するように治療回路が設けられていてもよい。
に述べる記載により詳細に説明される。
た電子回路を収容する体内植込み可能なハウジングを含んでいる。該ハウジング
は、任意に、しかし望ましくは、バーディ(Bardy)に対する米国特許第5
,292,338号公報に記載されたような既知の技術に従って、患者の左また
は右、望ましくは左、の胸部の領域に(例えば、左または右、望ましくは左、の
胸筋領域)、植え込まれた該ハウジングによる、該ハウジングのアクティブな外
部部位を備えた電極を含んでいる。
ヘッダユニットを介して電気的に且つ機械的にハウジングに接続され、そして心
臓に対する外科的な切開の必要性なしに前記心臓に挿入し得る(典型的には上部
または下部大静脈を通して)カテーテルまたはリード線により搬送される。ここ
で用いられている「カテーテル」の語は、「スタイレット(stylet)」を含み、
そして「リード線」という語と交換可能としても用いられている。
面上の静脈内部に」配置される電極は、種々の位置のいずれかに存在していて良
い。それは、次のような位置に位置していても良い。 (1)冠状静脈洞自体、 (2)心臓の基底面に沿って走る大心臓静脈の部分、 (3)当該大静脈が心臓の頂部に向けて下方に曲る点まで心臓のまわりに延在
する大心臓静脈の部分、 (4)心臓の基部と頂部との間に(上記(3)の部分を含みあるいは除外して
)走る大心臓静脈の部分、 (5)前側心室間静脈、後側心臓静脈、または中間心臓静脈のような大心臓静
脈に対する支脈。
423,865号公報参照)のうちの1つの内部に完全に位置されるように構成
されても良く、または2個またはそれ以上の隣接個所(例えば、メーラらに対す
る米国特許第5,014,696号公報、バーディに対する米国特許第5,09
9,838号公報、バーディに対する米国特許第5,193,535号公報、ミ
ンらに対する米国特許第5,690,686号公報参照)に位置されるように構
成されても良い。例えば、電極は、(i)冠状洞および心臓の基底面に沿って走
る大心臓静脈の部分内、(ii)心臓の基底面に沿って走る大心臓静脈の部分お
よび当該大静脈が心臓の頂部に向けて下方に向きを変える点まで心臓のまわりに
延在する大心臓静脈の部分内、(iii)当該大静脈が心臓の頂部に向けて下方
に向きを変える点まで心臓のまわりに延在する大心臓静脈の部分および心臓の基
部と頂部との間に走る大心臓静脈の部分内、その他に配置されても良い。電極が
、検知電極である場合には、冠状洞内の全て、またはその一部、に電極が位置す
る構成は、あまり望ましくなく、上述の3〜5の位置の1つまたはそれ以上に電
極が位置する構成がより望ましい。
電極は、どのような適切な構成からなっていてもよい。例えば、電極は、放射状
の拡大により血管壁へ固定されそれを通して血液が流れるであろう剛体の中空円
筒電極であっても良く、または電極は、フレキシブルなリード線により搬送され
る中実固体電極(すなわち、血流に関して中実固体として作用する)、該リード
線は、血管内において該電極の所望の位置を維持するために充分に剛体である、
であっても良い。中実固体電極が採用される場合、血液は、以下に論ずるように
、電極のまわりを流れるかもしれないし、流れないかもしれない。
ける線30−30′により識別され、そして心臓の頂部は、図1における参照番
号32によって識別される)の中間の、横左心室自由壁を横切る静脈内に配置さ
れる。一般に、特定の心臓解剖学に依存して、静脈は、そのように、後側心臓静
脈、または前側心臓静脈の支流のいずれかである。前記電極は、中実固体電極で
あるかもしれない。何故なら、そのように小直径の静脈においては、電極による
血管の閉塞は、該妨害物のまわりの、血液戻りの代替的なルートが得られるであ
ろうから、患者に対して有害ではないからである。
左心室(LV)心筋内における電気的活動を検地する方法は、以前には知られて
いなかった付加的な情報を収集し且つ利用する機械を与える。LVの電気的活動
の検知から導かれるそのような情報は、改善されたリズム分類、そしてさらに、
ICD患者に一般的に起こる偏位鼓動の源の識別およびそれに続く分類を可能と
する。
ICDは、患者固有の心臓リズムを継続的に監視する。該リズムが、異常である
と分類されたとき、該装置は、リズムが正常であるときに比べて異なって振る舞
うであろう。例えば、心室で検知された固有の活動間隔が、あるプリセットされ
た限界値を超えると、速度を整えるパルスが発行される。さらにまた、もしも、
活動事象が、検出基準を満足する高速連続にて検知されると、反頻拍整速または
高電圧ショックが、該装置により、不整脈を治療すべく配給されるであろう。し
かしながら、異常に速くても、有害でないいくつかの心臓リズムも存在する。有
害でない不整頻脈の例は、心房粗動および心房細動のような運動誘起洞頻拍およ
び上室性頻拍を含んでいる。
ンスを用いることにより実現され得る。活動事象間の相対的なタイミングは、直
接治療を必要とするリズムと安全に抑制され得る治療のためのそれらのリズムと
の間を弁別するためのICDに含まれる特定の検出アルゴリズムを許容する。
器6は、鎖骨下の領域の皮下に植え込まれる。3つの分離したリード線が、IC
Dヘッダ8から出ている。リード線10は、心筋内における電気的活動を検知す
るためおよび心臓に電気的治療を配給するために用いられる。リード線10の末
梢先端における電極12(右心室1;RV1)は、整速および検知に用いられ、
且つ普通はプラチナ材料から製作されている。リード線10上に取り付けられる
電極コイル14(右心室2;RV2)は、植え込まれた後は、右心室15内に存
在し、且つ高電圧ショックの配給のためおよび心筋における電気的活動の検知の
ために電気的放電面を提供している。やはり、リード線10の一部である電極1
6(上部大静脈;SVC)は、高電圧ショックの配給のためおよび心筋における
電気的活動の検知のために電気的放電面を提供している。リード線17は、右心
房20内における検知および整速のための心房リード線である。電極18(右心
房2;RA2)は、リング電極であり、電極19(右心房1;RA1)は、標準
心房リード線の整速先端電極であって、当業者には知られている。リード線22
は、ヘッダ8によりICDに動作可能に接続され、且つ冠状洞内、心臓静脈内を
通り、下がって、支流である、前側の心室間静脈、後側の心臓静脈または中間の
心臓静脈のような周辺冠状静脈に続く。電極24(左心室2;LV2)は、心臓
の整速に、且つ、電極26(左心室1;LV1)が、高電圧(>10V)ショッ
クのための電気的放電面を形成する間に電気的活動を検知するために用いられ得
る。
CD40を示している。パネルBにおいては、検知構成が示されている。ハード
ウェアおよび検知された情報は、チャンネル1から4の各々について、概念的に
、いくつも列をなして示されている。異なる電極構成のためのエレクトログラム
は、いくつかのコラムに配列され、コラム1は、正常静脈洞リズムを図解し、コ
ラム2は、洞心拍を図解し、コラム3は、心房細動を図解し、そしてコラム4は
、心室頻拍を図解している。
CD40内に収容される差動増幅器42、42a、42b、42cに作動可能に
接続され、帯域通過フィルタ44、44a、44b、44cおよび検知事象検出
器回路要素(sense event detector circuitry)46、46a、46b、46c
に順次接続される。増幅および帯域通過フィルタリングに続いて検知事象の検出
が行なわれる。検出器46〜46cにより検知された事象は、望ましくは局部心
筋活動時間である。局部活動時間を判定するための望ましい方法は、細胞外エレ
クトログラムの第1の一時的な導関数(dV/dt)の演算を必要とする。この
方法を用いる局部活動時間は、dV/dtの最も負の値(最小)に対応する。し
かしながら、本発明は、dV/dt基準のみにより判定される局部活動時間に制
限されるものではない。体内に植え込まれた装置においては、演算的強度(comp
utationally intensive)がより少ない方法が用いられ得る。活動時間の特徴を
含めても良いが、エレクトログラムにおける局部ピークに限定されることはない
。望ましい実施の形態に関し、検知事象は、検知電極の近傍を活動の波が通過す
るときに、生ずる。電極間の電位差が、活動時間マーカ48、48a、48b、
48c(NSRコラム内のみにラベル付けされている)を発行する回路構成によ
って検出される。
洞頻拍(ST)、心房細動(AF)および心室頻拍(VT)を含む種々のリズム
についての活動時間マーカの間の時間的な関係を示している。前記活動時間マー
カの間の相対的なタイミングは、鼓動の体系的な特徴を提供する。正常静脈洞リ
ズムの間、活動時間マーカの間の関係が存在するであろう。正常な体系的特徴か
らの偏差が、ICDにより検出され、そして心臓リズムの間を弁別するのに用い
られるであろう。
房電極対)(RA1およびRA2)において最初にあらわれる。電気的活動の波
動が静脈洞ノードを通過し且つRV先端を励起すると、活動時間マーカがRV1
、RV2記録チャンネルのために登録される。チャンネル1と2の間の時間差は
、ΔtAVであり、且つ心房内伝導時間、AVノードの遅延および心室内伝導時間
により構成される。チャンネル2と4上の活動マーカ間の時間差は、心室間伝導
時間(ΔtRL)である。ここに、RLは右から左を意味するのである。通常の条
件下において、これらの検知された事象の間の相対的なタイミングは、相対的に
変化しないままである。異常なリズムが存在する状況において、事象のこの一時
的なシーケンスは、NSRと比較して変更される。
AVノードの伝導異常が存在しなければ、心房活動間隔は、心室活動間隔に等し
いが、STの場合には絶対間隔は、NSRの間に観測される間隔のたった50%
であるであろう。本発明は、検知事象間の時間的関係は、NSRの間に存在する
それらと非常に類似しているであろうことを考慮している。それに比べて、AF
およびVTの期間に存在する時間的な事象のシーケンスはNSRの期間中とは著
しく異なっている。
は、図2のパネルBに示されている。わかるであろうように、これらの事象は、
検知事象検出器に作用的に関連付けられている弁別回路47により容易に区別さ
れ得る。それから、以下に非常に詳細に論ずるように、既知の技術に従って治療
回路50によって、適切な治療がトリガされ得る。
は、あるエレクトログラム(electrogram)の形状(形態)に関連する情報と組
み合わされる。
に、もしかすると致命的な心室不整脈が発生する。異常に頻繁な活動繰り返しサ
イクルは、生体臓器器官(脳、肝臓、腎臓および心臓自体)の生存能力を維持す
るために、心臓が充分に酸素添加された血液を供給することを妨げる。この異常
な心臓電気活動についての潜在的な原因は、変動する。活動の正常な電気的波動
の伝播は、心臓の特定領域における心臓細胞の電気生理学的な振る舞いにおける
急激な変化により過渡的に動揺され得る。そのような動揺は、妨害された血液供
給または心筋に導入される神経の異常な活動の存在時に起こることが知られてい
る。さらに、心室の不整頻拍の始まりは、正常なリズムと一致しない位置に異常
にあらわれる電気的なインパルスの存在時にしばしば起こる。そのようなインパ
ルスは、偏位インパルスと呼ばれる。これらの偏位インパルスが、次の正常な心
拍の始まりに先立って、それらの源の個所から伝播し始めるときに、それらは、
「早発(premature)」であるといわれる。そのような、期待されたよりも早く生
じる偏位心拍は、「早発心室活動(premature ventricular activation)」と呼ば
れる。これらの早発心室活動が意味のある収縮応答を結果として生じるとき、そ
れらは早発心室収縮と称される。全ての偏位心拍が、早発心拍である、すなわち
全ての偏位心拍がその次の正常な心拍よりも早く生じるのに対して、いくつかの
非常に早発の偏位心拍は、任意に遅発心拍にとみなされる、すなわちそれらは最
後の正常な心拍と比較して期待されたよりも遅れて生じるかもしれない。
は、不応組織の領域に遭遇し、それによって、不整頻脈のメカニズムに再び入る
ために必要とされる電気生理学的条件を確立する。心室に起こる偏位心拍は、伝
導された心房偏位心拍からまたは心室筋肉内に存在する1つまたはそれ以上の正
常でない位置の焦点から生ずるであろう。偏位心拍の源に関する知識は、偏位心
拍の不整脈発現作用に関連する評価の予報の正確さを増大させる。
、本発明の装置がどのようにして採用され得るかを図解していることを除き、本
質的に図2と同様である。パネル3Aは、基本的に図1に記載のように構造的に
構成されるICD140を示している。パネル3Bには、検知構成が示されてい
る。ハードウェアおよび検知された情報は、チャンネル1から4の各々について
、概念的に、いくつも列をなして示されている。異なる電極構成のためのエレク
トログラムは、いくつかのコラムに配列され、コラム1は、正常静脈洞リズムを
図解し、コラム2は、早発(または偏位)心房収縮(PAC)を図解し、コラム
3は、右心室早発心室収縮(PVC−RV)を図解し、そしてコラム4は、左心
室早発心室収縮(PVC−LV)を図解している。
位心室活動腔所(ectopic ventricular activation chamber)の識別によって提
供されるいくつかの利益がある。まず、偏位心室活動の源は、心室の電気生理学
的安定性を示す。該源における変化および心室偏位活動の周波数は、それゆえ、
自発的な心室の不整頻拍の始まりを示唆する。
の電気生理学的状態が、監視されなければならない。この監視の目標は、偏位心
室活動(偏位心拍)の周波数および位置を判定すること、およびいずれかの偏位
心室活動が潜在的に致命的な心室不整頻拍をもたらすような可能性を予報するた
めに心臓の電気生理学的状態を判定することである。
ムを収容する、体内に植え込まれた装置により収集された検知電気信号の特性を
分析することにより特徴付けられ得る。正常な静脈洞リズムの間に、内在する電
気的インパルスが、右心房内に自発的に生起し且つ心室への房室のノードを通し
て心室に伝導される。電極から記録されるエレクトログラムは、前記インパルス
の伝導および組織の再分極に関する情報を提供する。心筋を移動するインパルス
が検知電極の近傍を伝播するとき、信号の振幅が変化し、典型的にはインパルス
が検知電極に最も近づいて伝播すると最大に達する。エレクトログラム信号にお
ける変化率が最大に達する瞬間は、局部活動時間と呼ばれる。心臓の異なる領域
に配置されたいくつかの検知電極からの局部活動時間を比較することにより、該
活動時間の間の関係が、正常な心臓リズムについて確立される。各検知個所は、
分離された検知チャンネルに接続される。種々の検知チャンネル間に存在する活
動時間の時間的シーケンスは、正常な心臓リズムについて「体系的特徴(syntac
tic signature)」を形成する。偏位心室活動が検出されたとき、活動時間の間
の時間的な関係が、変更されるであろう。偏位心室活動の源となった腔所を判定
すべく検知活動時間にアルゴリズムが適用される。偏位心室活動の周波数および
腔所源は、装置によって表化され、医師による装置の質問の間に医師に報告され
る。
に、該装置からダウンロードされるか、または治療回路150の励起によりIC
D140による治療の処置をトリガするために用いられるこの情報はそこに収容
されている。
た医学的症状の治療のために提供されても良い。この場合、該システムは、上述
した図2および3に図解されるようにさらに治療医回路50または150を含む
であろう。アダムスに対する米国特許第5,282,837号公報、アダムスに
対する米国特許第5,433,729号公報、メーラに対する米国特許第5,0
14,696号公報、バーディに対する米国特許第5,099,838号公報、
ボウォルドに対する米国特許第5,431,683号公報、およびミンに対する
米国特許第5,690,686号公報に記述されたものを含み、しかしそれらに
限定されないどんな治療回路も採用され得る。概して、治療回路は、心臓に治療
用パルスを配給するように構成された複数の予備電極(例えば、電極16、14
、26、および6(ここで、電極6は、ハウジングのアクティブな外部部分を意
味する)の種々の組み合わせ)、電源(前記ICD内に収容されている)、そし
て前記電源、前記予備電極および予報回路と作動的に関連付けられた制御回路(
前記ICD内に収容されている)を具備し、該制御回路は患者における心臓不整
脈の今後の始まりを予報して、前記予備電極を通して治療用パルスを配給するよ
うに構成されている。図2および3に図解されたような弁別回路47または14
7は、予報回路として提供される。望ましくは、治療用パルスのための予備電極
の1つは、冠状静脈洞口を通り且つ心臓の左心室の表面上の静脈内に位置させる
ように構成される(例えば、図1の電極26参照)。
路を含むハードウェアの種々の形態として、ソフトウェアとして、そしてハード
ウェアとソフトウェアの組み合わせとして、実施されても良い。
発明には、多くの付加的な特徴が加えられ得る。例えば、心筋の電気生理学的状
態は、各心臓活動サイクル(心拍)について判定され、またはその間全く計測さ
れない期間により分離された選択時間の間だけに計測が行なわれ、間欠的に判定
され得る。分析は、インパルスの伝導に関連するエレクトログラムから抽出され
た特徴と、心臓組織の回復(再分極)に関連する特徴とについて同時になされ得
る。インパルスの伝導に関連する特徴は、局部エレクトログラムの幅および心臓
全体のうちの空間的に異なる検知個所検知事象間の絶対時間差であっても良い。
伝導に関する特徴は、右心房、右心室および左心室の表面上の静脈内に配置され
た検知電極から得られる検知事象間の時間差の演算により判定される内在のまた
は整速されたインパルスの伝導間隔であっても良い。伝導間隔の動的振る舞いは
、監視されるであろう。したがって、発明は、それに含まれるべき均等物を含む
特許請求の範囲によって定義される。
と共に植え込まれたものとして、本発明の装置を図解している。
Aの装置の電極接続および回路構成を図解している。
プを予報するように構成された図3Aの装置の電極接続および回路構成を図解し
ている。
Claims (17)
- 【請求項1】 患者の心臓から電気的な活動を検出するための体内植込み可
能システムであって、 前記心臓から電気的な活動を検知するために、冠状静脈洞口を通し且つ前記心
臓の左心室の左面上の静脈の内部に配置するように構成された第1の検知電極と
、 前記検知される電気的な活動により、前記心臓の医学的症状を診断または予知
するために前記第1の検知電極に作用的に関連付けられる検出器手段と、 を具備する体内植込み可能システム。 - 【請求項2】 前記心臓の右心室内に配置するように構成された第2の検知
電極をさらに備え、且つ 前記検出器手段は、前記第1の検知電極および前記第2の検知電極の両方に作
用的に関連付けられている請求項1に記載の体内植込み可能システム。 - 【請求項3】 前記心臓の右心室内に配置するように構成された第2の検知
電極と、前記心臓の右心房または上部大静脈の内部に配置するように構成された
第3の検知電極とをさらに備えており、 前記検出器手段は前記第1、第2および第3の検知電極の全てに作用的に関連
付けられ、且つ 前記検出器手段は、前記第1、第2および第3の電極から得られる関連情報に
より前記心臓の医学的症状を診断または予知すべく構成されている請求項1に記
載の体内植込み可能システム。 - 【請求項4】 前記検出器手段は、前記心臓における偏位鼓動を検出すべく
構成されている請求項1に記載の体内植込み可能システム。 - 【請求項5】 前記検出器手段は、前記心臓における偏位鼓動の源の心臓腔
所を識別すべく構成されている請求項4に記載の体内植込み可能システム。 - 【請求項6】 前記検出器手段は、エレクトログラムの特徴の間の体系的な
関係により、静脈洞リズムの存在を検出すべく構成されている請求項1に記載の
体内植込み可能システム。 - 【請求項7】 前記検出器手段は、前記患者における心臓不整脈を、前記心
臓不整脈の始まりに先立って予報すべく構成されている請求項1に記載の体内植
込み可能システム。 - 【請求項8】 前記検出器手段は、前記心臓における偏位鼓動の源の位置を
弁別すべく構成されている請求項1に記載の体内植込み可能システム。 - 【請求項9】 前記検出器手段は、前記心臓における偏位鼓動の源の心室位
置から源の心房位置を弁別すべく構成されている請求項8に記載の体内植込み可
能システム。 - 【請求項10】 前記心臓へ治療パルスを配給するように構成されている複
数の予備電極と、 電源と、 前記電源、前記予備電極および前記予報回路と作用的に関連付けられている制御
回路とを具備し、 前記制御回路は、前記患者における心臓不整脈の未来の開始の予報によって前
記予備電極を通して治療パルスを配給するように構成されている請求項8に記載
の体内植込み可能システム。 - 【請求項11】 前記予備電極の最初の1個は、冠状静脈洞口を通して前記
心臓の左心室の表面上の静脈の内部に配置するように構成されている請求項10
に記載の体内植込み可能システム。 - 【請求項12】 前記検出器手段は、前記患者内における心臓不整脈の存在
を判定するように構成された判定回路を含む請求項1に記載の体内植込み可能シ
ステム。 - 【請求項13】 前記心臓へ治療パルスを配給するように構成されている複
数の予備電極と、 電源と、 前記電源、前記予備電極および前記判定回路と作用的に関連付けられている制御
回路とを具備し、 前記制御回路は、前記患者における心臓不整脈の存在の判定によって前記予備
電極を通して治療パルスを配給するように構成されている請求項12に記載の体
内植込み可能システム。 - 【請求項14】 前記予備電極の最初の1個は、冠状静脈洞口を通して、前
記心臓の左心室の表面上の静脈の内部に配置するように構成されている請求項1
2に記載の体内植込み可能システム。 - 【請求項15】 患者における心臓虚血を検出するための方法であって、 前記患者の心臓からの電気的活動を、前記心臓の左心室の左面上の静脈内に配
置された第1の検知電極から検出するステップと、 前記患者の心臓からの電気的活動を、前記心臓の右心室の内部に配置された第
2の検知電極から検出するステップと、 前記検出された電気的活動から心臓虚血の発生を判定するステップと を有する方法。 - 【請求項16】 前記判定するステップは、前記心臓における偏位鼓動の発
生の検出により実施される請求項15に記載の方法。 - 【請求項17】 体内植込み可能な電気除細動器/細動除去器システムによ
って患者の心臓へ配給されるべき心臓治療を選択する方法であって、 前記心臓からの第1のセットの電気的活動を、前記心臓の左心室の表面上の静
脈内に配置された第1の検知電極から検出するステップと、 前記心臓からの第2のセットの電気的活動を、前記心臓の右心室の内部に配置
された第2の検知電極から検出するステップと、 前記第1および第2のセットの検出された電気的活動に基づいて、前記体内植
込み可能なシステムにより配給すべき電気的治療を選択するステップと、 前記選択された電気的治療を配給するステップと を有する方法。
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