JP2002524105A - 形状順応性のある局所高圧酸素室 - Google Patents

形状順応性のある局所高圧酸素室

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Abstract

(57)【要約】 使い捨て高圧酸素室(16)は、可撓性で、薄肉のポリエチレン・プラスチック・バッグで構成されており、このバッグの寸法は、動物の、大抵の場合では人間の、ほぼ全身を入れることができる寸法である。バッグの口(20)には、プリーツが付けてあり、ある量の酸素を、皮膚潰瘍や、外傷や、損傷などの傷領域を上に集中させるために、これらのプリーツを一緒に束ねて局限的な膨出部を作ることができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
1)発明の分野 本発明は高圧酸素室に関する。より具体的に云うと、本発明は、酸素を含むガ
スを局所的に付与するための、移動可能な使い捨て型高圧酸素室であって、患者
の身体にある皮膚潰瘍や、外傷や、損傷のような傷の治癒を促進するために、人
体のような動物の胴部や2本以上の肢部に関連して使用するように設計され、酸
素含有ガスを付与するための密閉環境を創り出す高圧酸素室に関するものである
【0002】 2)従来技術の説明 高圧酸素室は長くから知られている。高圧酸素室というのは、種々なタイプの
傷の治癒を促進するために、加圧酸素をカプセル化した環境に導入するのを目的
とするものであり、特に、高圧酸素室内で傷を治療することで治癒が促進され、
バクテリア感染を抑制することができる、ということが判っている。
【0003】 高圧酸素室が初めて導入されたときには、鉄の肺に似せた固くて重い構造の形
を採っていた。そして、患者は頸部までの全身を高圧酸素室内に入れられたので
ある。この種のタイプの高圧酸素室の欠点の1つは、患者を高圧酸素室まで連れ
て行かねばならなかった、ということである。また、高圧酸素室の寸法や重量の
せいで、この種のタイプの高圧酸素室は非常に高価であり、したがって、普通の
病院では、このような高価な高圧酸素室は1台か2台しか備えられなかったので
、いろいろに異なった多くの患者に対して高圧酸素室を使用する時間を配分する
というのが困難だったのである。その上、患者間同士での感染の可能性があるた
め、高圧酸素室を使用毎に清浄にするのに、多大な時間や労力を費さねばならな
かった。あらゆる点で、このような「鉄の肺」タイプの高圧酸素室は不便だった
のである。
【0004】 時代が進むにつれて、高圧酸素室は、より洗練されてきて、移動可能型の高圧
酸素室が製造されるようになった。このような高圧酸素室は、移動可能になった
ばかりでなく、安価にもなり、使用後に廃棄処分することができるようにもなっ
た。これらのより洗練された高圧酸素室はサイズも豊富になり、あるものは基本
的には患者の胴部全体を包み込むことができるし、小さいものでは、腕や脚のよ
うな胴部よりも小さい部分だけを覆い込むのに使用される得る。
【0005】 しかしながら、従来技術の移動可能型高圧酸素室は、或る種の欠点を持ってい
た。 これらの欠点の1つは、かなりの量の酸素を傷にさらすようにするためには、
移動可能型高圧酸素室を患者の身体周りに非常にゆったりと嵌める、ということ
が重要であって、身体に対して高圧酸素室を近づけて装着することは望ましくな
いということであり、多くの従来技術の移動可能型高圧酸素室では、このように
ゆったりと装着を適正に行うことができなかった。
【0006】 別の欠点は、プラスチック・バッグ製の高圧酸素室にガス供給チューブを接続
しなければならないということであり、このような大抵のガス供給チューブは、
可撓性の薄肉プラスチック・バッグ製である移動可能型高圧酸素室に接続した時
に、直ちに、ガス供給チューブが捩れる傾向にある。このように捩れてしまって
は、プラスチックバッグ製の内部室内へのガス供給が減ってしまったり、完全に
遮断されてしまうことになる。高圧酸素室を満足な状態で機能させるためには、
一定して連続するガス供給が必要である。
【0007】 従来技術の高圧酸素室における更に別の欠点は、時には患者は数時間にわたっ
て高圧酸素室内に置かれることもあり、この患者が意識を失ってしまうことさえ
あるかも知れないし、また、患者が排尿してしまうかも知れず、従来技術タイプ
の高圧酸素室では、尿を除去し易くするようには構成されていなかった、という
ことである。
【0008】 従来技術の高圧酸素室における別の欠点は、高圧酸素室(バッグ)の壁から手
を通して患者に処置を施す方法がまったくなかった、ということである。たとえ
ば、時には、患者の体位を或る位置から別の位置へ変えたり、患者の特定の組織
部分を別の方へ動かしたりする必要があり、また、患者の身体の特定部位を時々
マッサージしたりすることも望まれるところである。従来技術タイプの移動可能
型高圧酸素室では、高圧酸素室の壁厚があまりにも厚すぎるために手作業による
処置が容易にできず、そのため、通常は、患者の身体へ満足のゆく接触ができな
い。
【0009】 また更に別の欠点は、皮膚潰瘍、外傷、損傷の治癒に必要な狭い範囲に室内圧
力を維持することができないということである。傷内で新しい血管の成長を最大
限にし、瘢痕の組織が大きくなり過ぎないようにするためには、高圧酸素室内の
圧力を、常時、高圧酸素室内の狭い窓(ウィンドウ)の圧力内に維持しなければ
ならない。このような圧力維持するための狭い「窓」は、従来技術では知られて
いない。
【0010】
【発明の概要】
本発明は、従来技術の高圧酸素室の欠点を克服し、皮膚潰瘍、外傷、損傷を含
む傷を治療するための高圧酸素室を提供する。この高圧酸素室は、使い捨てであ
り、移動可能で、安価である。そして、高圧酸素室に接続されるガス供給チュー
ブのところでバッグがねじれてしまう可能性を排除し、さらに、高圧酸素室内に
溜まった液体を排出させることができ、その上、局所的高圧酸素室内に加圧環境
を維持しながら患者の体に対して身体的な物理的作業を施す、という方法を提供
する。最も重要なことは、本発明の高圧酸素室が、瘢痕の組織が過度に形成され
ないように抑えながら新しい血管の成長を最大限にするのに必要な狭い「窓」内
に、バッグ内の圧力を、常時、確実に維持する方法を提供することである。
【0011】 今日まで、新しい血管の成長から瘢痕組織の成長を分離する治療はまったく知
られていない。本発明の高圧酸素室は、単一のアクセス開口を有する密閉バッグ
を利用する。動物(ほとんどの場合、人間であろう)の胴部全体(体幹)が実質
的にバッグの内部室内に挿入されて、バッグの壁が人間の身体に対してゆったり
とゆるやかに嵌合する。バッグのアクセス開口周囲において、バッグの壁には、
バッグが局部的に膨張するようにさせ且つ傷の直ぐ上の領域内において内部室の
体積を増大させるために、プリーツが設けてある。バッグの壁には、酸素を含む
ガス源へ接続される供給コネクタが、少なくとも1つ有る。この供給コネクタは
、拡大フランジおよび管状ステムを有する。この管状ステムは、酸素供給チュー
ブとの接続用のものである。拡大フランジは、バッグの壁に固着されている。こ
の拡大フランジの機能は、ガス供給チューブの捩れを生じさせたり或いはバッグ
の内部室へガスを供給するのを減らしたり遮断したりする恐れのある、コネクタ
のバッグに関して回動するを阻止することである。また、排水用コネクタがバッ
グの壁内に設けてあり、その機能は、内部室内に蓄積された液体の除去のための
排水管に接続することである。また、バッグの壁内には、治療中の患者を取扱う
ためのアクセス開口が、少なくとも1個、形成されるようになる。このアクセス
開口内には、肉薄の手袋が配置されている。この手袋は非常にしなやかであり、
医療従事者である介護人の手を手袋へ挿入すれば、簡単に裏返しにすることがで
きるようになっている。これによって、密封された高圧酸素室内にいる患者の身
体を介護人が取扱うことができる。
【0012】 本発明の目的の1つは、酸素室それ自体は折畳み式であるので、使用前にはか
なり小さいスペースに格納することができる、という高圧酸素室を提供すること
にある。
【0013】 本発明の別の目的は、安価で、使い捨て可能な、高圧酸素室を構築することに
ある。
【0014】 本発明の別の目的は、軽量であるが故に、患者を酸素室が格納されている所へ
動かすのではなく、酸素室を格納されている所から患者のいる場所へ簡単に移動
させることができる、というようになる高圧酸素室を提供することにあり、更に
また、軽量であることにより、高圧酸素室の医療設備への輸送コストを最小限に
抑えることができるという利点を得ることができる。
【0015】 本発明の別の目的は、患者が自分の体を高圧酸素室内で気持ちよく移動するこ
とができ、治療時間の間、固定した姿勢を維持する必要がない、という高圧酸素
室を構築することにある。
【0016】 本発明の別の目的は、患者の身体を治療時間中に簡単に目視できるように、基
本的に透明である高圧酸素室を構築することにある。
【0017】 本発明の別の目的は、酸素を含むガスを局部的に適用できると共に、使い捨て
可能であるという高圧酸素室を構築することによって、このような酸素室を使え
ば、なんら清浄化する必要がなく、多数の患者が同じ酸素室を使用するときに起
こり得る可能性のある感染を防ぐことができるようにすることにある。
【0018】 本発明の別の目的は、新しい血管の成長を最大限にすると同時に瘢痕の組織形
成を抑制するのに必要な狭い圧力の窓を維持するために、高圧酸素室に圧力セン
サを組み込むことができるようにすることにある。
【0019】 本発明の別の目的は、患者の身体のむずかしい部位の傷に当てるかなりの量の
ガスを収容して供給するために、簡単に形状が変えられるようになる高圧酸素室
のバッグを構築することにある。
【0020】
【好ましい実施例の詳細な説明】
以下、図面を参照して本発明の高圧酸素室を説明する。 図1には、ベッド12上に腹臥姿勢に位置した人間10が表わしてある。人間
10は胴部または体幹14を有する。本発明の移動可能型高圧酸素室16は、以
下の方法で人間10と関連して装着される。
【0021】 高圧酸素室16は、主として、拡がったシート材料のプラスチック・バッグ1
8からなる。バッグ18の代表的な材料は、ポリエチレンである。バッグ18は
、その内部室22への入口を提供するただ1つのアクセス開口20を有する。こ
のアクセス開口20は、人間10の脚部24、26を内部室22内に位置づける
ことができ、また、アクセス開口20が胴部14周り位置づけられるように、充
分な大きさをしている。バッグ18が透明であることが重要である。
【0022】 バッグ18の典型的な厚みは、一般的に、約0.006インチ位である。アク
セス開口20に直ぐ隣接するバッグ18には、複数のプリーツ部28がある。プ
リーツ部28は、一連の平行に隔たった折り目30によって形成されており、ポ
リエチレン製の部分を折り重ね、各折り目が1つのプリーツとして限定される。
これらのプリーツ部28は、プリーツを互いに束ねたり、重ね合わせたり、折り
重ねたりして、様々に異なる胴部14の腹囲を収容し易くするものである。プリ
ーツ部28は、胴部14の様々に異なる寸法に対してそれに対応するよう調整を
容易にするばかりでなく、プリーツの折り重ねによって胴部14に非常に近づけ
て装着させるのを可能にする。アクセス開口20領域のバッグ18は、シール用
テープ32によって胴部14周囲に合わせることができる。シール用テープ32
を胴部14周りに配置し、また、バッグ18のアクセス開口20周りにも配置し
、シール用テープ32の両端部を互いに重なり合せた状態で固着する。シール用
テープ32が或る種の接着剤を含むことになることは了解されたい。
【0023】 先に延べたように、内部室22内に供給されることになっている酸素を含む加
圧ガス混合物にはある程度の量の漏洩がある。この漏洩は、シール用テープ32
の領域で生じる。内部室内に収容されたガスが常に一定に交換されるようにする
ために、少量の漏洩があることが望ましい。
【0024】 酸素を含むガスは、ガス源(図示せず)からガス供給チューブ34を通して内
部室22内に供給されることになっている。ガス供給チューブ34は、図1〜3
および図6に示す第1実施例のコネクタの直立コネクタ・ステム36上へ固着さ
れる。このコネクタ・ステム36は、拡大フランジ38と一体であり、このフラ
ンジは、ディスク状で、ステム36から外方へ直角に延びている。コネクタ・ス
テム36は、長手方向の貫通開口40と、ギザギザの付いて外面42とを有する
。このギザギザの付いた外面42により、ガス供給チューブ34とのとまりばめ
がし易すくなる。また、ギザギザの付いた外面42は、ガス供給チューブ34が
コネクタ・ステム36から脱落するのに抗する働きをする。
【0025】 コネクタ・ステム36は、バッグ18内に形成された孔44を通して嵌入され
るフランジ38は、バッグ18の内面に直ぐ隣接して位置づけられる。コネクタ
・ステム36を取り囲んでいるバッグ18の外面に対してウォッシャ46が装着
されている。ウォッシャ46およびフランジ38の両方共、バッグ18にしっか
りとシールされる。代表的なシール法としては熱によるものがある。
【0026】 コネクタ・ステム36の機能は、フランジ38およびウォッシャ46と関連し
て、バッグ18とガス供給チューブ34との間に捩れが生じない状態を確立する
ことである。ガス供給チューブ34の位置に関係なく、供給チューブ34と貫通
開口40との間には、開放したガス流路が常にあり、故に、ガスは、ガス供給チ
ューブ34から内部室22内へ常に自由に流れるようになっている。
【0027】 また、排水用コネクタ48が、バッグ18に関連して装着されている。排水用
コネクタ48は、図面の図6に示すコネクタと正確に同じ方法で構成される。排
水用コネクタ48は、バッグ18の足部領域50に装着される。排水用コネクタ
48は、ベッド12に直ぐ隣接して位置づけられる。排水用コネクタ48の機能
は、内部室22内に蓄積された液体を排水用のホース52内へ放出することにあ
る。液体は、図示しない適当な外部にある放出場所へ放出されるようになってい
る。
【0028】 手によるアクセス開口54が1対、バッグ18の両サイドの各壁面内に形成さ
れている。ゴムまたはプラスチック製の肉薄の管状部材56が、各々の手アクセ
ス開口54に関連して装着されている。管状部材56は細長く、その外端が人間
の手に合わせた手袋の形に終端している。各管状部材56は、それぞれの手アク
セス用開口54と気密に接続している。一方の管状部材56は、医療従事者の左
手に合わせてあり、他方の管状部材56は、医療従事者の右手に合わせてある。
【0029】 通常、圧力が1乃至1.5気圧の間位になるまでガスを内部室22内に供給す
ると、管状部材56は、図2に示すように、バッグ18から外方に突出した位置
につくようになる。しかしながら、医療従事者としての介護人が人間の患者10
に或る種の作業(たとえば、患者の身体領域を扱うこと)を行なおうと思った場
合には、医療従事者が管状部材56内に自分の手を挿入することによって、強制
的に左右管状部材56それぞれを内部室22内部へと強制的に移動させることが
できる。これにより、介護人の手を内部室22内に置き、介護人が人間の患者1
0に所望の物理的な機能を実施することができる。管状部材56を製造するため
のの典型的な材料は、外科手術の際に使用される手術用手袋を作るときに普通に
使用される、薄い外科用のゴムである。
【0030】 医療従事者としての介護人が患者10に所望される身体的な物理的作業を全て
終えて、各アクセス開口54を通して内部室22から自分の手や腕を引き抜くと
、管状部材56は再び図2に示す外方突出位置をとるようになる。患者に対して
管状部材56を使用している場合の位置が、図3に示してある。
【0031】 シール用テープ32は非常にきつく調整することができるので、ほとんど全く
酸素が逃げ出せないようにすることもできるようになっている。このような状態
の時に、シール用テープ32をいくぶん緩めると、内部室22内のガス圧力が、
傷の治癒に必要な、狭い窓の圧力内に維持されるようになる。典型的には、バッ
グ18は、長さ6〜8フィート、幅3〜4フィートとなるように製造される。
【0032】 ここで、再度説明すると、本発明の高圧酸素室16を利用することの主要な特
徴の1つは、バッグ18が傷に対して非常に近づいて位置しているのに気づいた
ときに、医療従事者のすることは、傷に隣接したバッグ18を外方へ引張って、
膨出部21を生じさせるだけでよいということである。たとえこの傷がシール用
テープ32に直ぐ隣接して位置している場合であっても、傷領域上を覆ったプリ
ーツ部28を束ねることによって、バッグ18を局所的に伸張させて膨出部21
を生じさせることができる。この所望領域でバッグを膨張させて膨出部を作ると
いうことの目的は、治療効果を高める必要のある傷に接触する酸素の量を増やす
ことにある。
【0033】 図7を参照すると、第2の実施例の酸素供給チューブ34が捩れないでバッグ
18に接続されているのが示してある。バッグ18の角隅のところで、直角に曲
げられた延長部58が形成されている。この直角に曲げられた延長部58は、酸
素供給チューブ34とサイズがピタリと一致する孔60を包含する。ガス供給チ
ューブ34は、その内端62がバッグ18の内部室22内で大体8インチ程度に
わたるまで、孔60を通して押し込められる。バッグ18は、様々な所にシーム
を含む。延長部58の形成は、これらのシーム64の1つのところで行われる。
シーム64のところにガス供給チューブ34を設けることにより、さらに、捻転
が生じる可能性を減らすことができる。ひとたびガス供給チューブ34が所定位
置に据え付けられ、内端62が内部室22内で約8インチのところまで達したな
らば、延長部58と酸素供給チューブ34との間に適切なシールを行う。このタ
イプのシールは、接着剤、熱シールのいずれでも、あるいは、外部テープによっ
ても行うことができる。
【0034】 本発明の重要な特徴は、バッグ18内のガス圧力が、選択された圧力で、或る
狭い「窓」内に維持されない場合には、本発明の高圧酸素室は、傷の治癒にほと
んど効果がなくなるということにある。あらゆる既知の傷に対する所望範囲の圧
力は、周囲圧力高いよりも0.5〜10ミリメートル水銀柱(Hgmm)であるべ
きである。周囲圧力よりも高いこの狭い窓の圧力は再潅流外傷を排除すると共に
、酸素毒性を防ぐのに必要である。再潅流外傷とは、この狭い領域の圧力範囲よ
り下い圧力によって起こされる外傷であり、酸素毒性とは、狭い窓の圧力範囲よ
り上に圧力レベルがある場合に、起こるものである。この厳密な範囲において生
物学的プロセスが変化して、瘢痕組織の生育が遅らされると同時に、血管成長が
加速されるようになる。この結果として、瘢痕組織の成長が鈍くなればなるほど
、血管密度が増進され、健康な組織が傷内に蓄えられることになる。これらの治
癒した傷は、瘢痕組織よりもかなり高い圧力に耐えることができるようになり、
その結果、これらの治癒した傷は再び損傷を受けるようなことがない。したがっ
て、正しい圧力がバッグ18内に維持されていることを医療介護人(通常、医者
または看護婦)に容易にわかるようにさせるために、簡単ではあるが効果的な方
法を使用しなければならない。
【0035】 バッグ18と共に利用され得るセンサの種類としては、流体圧力計、液晶、シ
リコン・チップおよびブルドン・チューブがある。図1、図8、図9、図10、
および図11には、バッグ18に組み込んだブルドン・チューブ・タイプの圧力
センサが示してある。ブルドン・チューブ・タイプは、薄い金属片68に片面を
接着した螺旋形のプラスチック・チューブ66からなる。静止時、この薄い金属
片68は、螺旋状に渦巻き状態になる。プラスチック・チューブ66に通ずるた
だ1つの入口が、図6に示してある構造に従って構築されたコネクタ・ステム3
6上に設けてある。バッグ18内のガス圧力が、プラスチック・チューブ66内
に供給される。この圧力が低すぎる場合には、センサは、図8に示すような位置
になる。圧力が高すぎる場合には、センサは、図9で示すような位置になる。セ
ンサについての正しい位置は、図1、図10に示してある。介護者は、センサを
一瞥するだけで、バッグ18内の圧力レベルが低すぎるのか、高すぎるのか、或
いはちょうどよいレベルにあるのかどうかを迅速に知ることができる。通常、ガ
ス供給源に圧力レギュレータ(図示せず)が組み込まれることになっていること
は了解されたい。バッグ18に伴ってどのようなセンサが使用されても、バッグ
18が使い捨てできるように製造され得るよう、センサはできるだけ安価である
ことが重要である。この考えを念頭に置くと、図1、及び図8〜11に示すブル
ドン・チューブ・タイプのセンサが本質的に安価であるので、このタイプのセン
サが望ましいとする理由である。また、シリコン・チップ・タイプのセンサも充
分に安価であり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に従って構成した高圧酸素室の平面図であり、代表的な人間の
患者に装着した状態で高圧酸素室(密閉室)を示している図である。
【図2】 図2は、高圧酸素室が以下を含む本発明に従って構成した高圧酸素室の一部の
頂平面図であり、高圧酸素室が、複数の手アクセス開口を包含し、この高圧酸素
室から外部に突出する位置で手アクセス開口のリバーシブルの管状手袋部材を示
す図である。
【図3】 図3は、高圧酸素室内部の反転位置で管状の手袋部材を示している、図2と同
様の図である。
【図4】 図4は、高圧酸素室の薄肉バッグの身体アクセス開口の拡大図であり、患者の
身体上へのバッグの装着、シール状態をより明瞭に示す、図1の4−4線に沿っ
た図である。
【図5】 図5は、身体アクセス開口に直ぐ隣接して設置したバッグのプリーツ付き領域
を通る、図4の5−5線に沿った横断面図である。
【図6】 図6は、バッグの壁と関連して装着したガス・コネクタの第1実施例を通る、
図1の6−6線に沿った拡大横断面図である。
【図7】 図7は、バッグの壁と関連して装着したガス・コネクタの第2実施例の横断面
図である。
【図8】 図8は、本発明の高圧酸素室と関連して利用できるブルドン・チューブ・タイ
プの圧力センサの側面図であり、周囲圧力より上の小圧力増加のみを検出してい
る位置にある圧力センサを示している図である。
【図9】 図9は、過度の圧力レベルを検知している位置の圧力センサを示してあってい
る図8の圧力センサの側面図である。
【図10】 図10は、本発明による高圧酸素室と関連して装着した圧力センサの側面図で
あり、高圧酸素室内の正しい圧力量を検出している正しい位置にある圧力センサ
を示している図である。
【図11】 図11は、図9の11−11線に沿った、センサを通る横断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C167 AA39 AA80 BB32 BB62 CC06 GG06 GG14 GG36 HH03 HH12 HH17 4C341 KK10 KL06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物の身体の一部にある傷の局所性治療のための移動可能
    ・使い捨て型局所高圧酸素室であって、内部室およびガスを有する密閉バッグを
    包含し、この密閉バッグが、圧力をかけた前記ガスを受け取り、前記密閉バッグ
    内の前記ガスが、周囲圧力よりも上で、水銀柱0.5ミリメートルより高いが、
    水銀柱10ミリメートルより低い圧力であり、前記ガスが酸素を含んでおり、前
    記密閉バッグが、前記内部室へ入るためのただ一つの身体アクセス開口を有し、
    動物の身体の一部が前記内部室内に挿入されるようになっており、身体のこの部
    分が、前記身体アクセス開口を通して導かれて前記内部室内に置かれるようにな
    っており、前記密閉バッグが、薄くて、可撓性のある、透明な材料で構成された
    壁を有し、前記身体アクセス開口まわりの前記バッグの前記壁が、一連のプリー
    ツを包含し、前記プリーツが、前記壁内に形成された一連の平行に隔たった折り
    線によって形成されており、前記プリーツが、前記アクセス開口のところで前記
    壁を寄せ集めて動物の身体の前記部分とのしまりばめを形成するのを容易にし、
    前記プリーツが、また、バッグの形状における局所的な変化を許し、或る種の傷
    の領域を覆って酸素の体積を濃縮することによって傷の位置に順応することがで
    き、前記身体アクセス開口のところで前記壁にシール手段が取り付けてあり、こ
    のシール手段が、前記密閉バッグと身体の前記部分との間にほぼ気密のシールを
    形成し、前記内部室から前記ガスのゆっくりした漏洩だけを許すようになってお
    り、前記壁が、少なくとも1つの供給コネクタを有し、この供給コネクタが、前
    記ガスを供給するガス供給チューブと接続するようになっており、前記供給コネ
    クタが、拡大フランジに装着された雄型管状ステムを有し、前記拡大フランジが
    、前記壁に固着されており、それによって、前記拡大フランジが、ガス供給チュ
    ーブの捻転を防ぎ、前記内部室内への前記ガスの連続的な供給を保証するように
    なっていることを特徴とする移動可能・使い捨て型局所高圧酸素室。
  2. 【請求項2】 動物の身体の一部にある傷の限局性治療のための移動可能
    ・使い捨て型局所高圧酸素室であって、内部室およびガスを有する密閉バッグを
    包含し、この密閉バッグが、圧力をかけた前記ガスを受け取り、前記密閉バッグ
    内の前記ガスが、周囲圧力よりも上で、水銀柱0.5ミリメートルより高いが、
    水銀柱10ミリメートルより低い圧力であり、前記密閉バッグが、前記内部室へ
    入るためのただ一つの身体アクセス開口を有し、動物の身体の一部が前記内部室
    内に挿入されるようになっており、身体のこの部分が、前記身体アクセス開口を
    通して導かれて前記内部室内に置かれるようになっており、前記密閉バッグが、
    薄くて、可撓性のある、透明な材料で構成された壁を有し、前記身体アクセス開
    口まわりの前記バッグの前記壁が、一連のプリーツを包含し、前記プリーツが、
    前記壁内に形成された一連の平行に隔たった折り線によって形成されており、前
    記プリーツが、前記アクセス開口のところで前記壁を寄せ集めて動物の身体の前
    記部分とのしまりばめを形成するのを容易にし、前記プリーツが、一緒に束ねら
    れたときに、局所的な形状変化を許し、傷の領域を覆う酸素の体積を濃縮するよ
    うになっており、前記身体アクセス開口のところで前記壁にシール手段が取り付
    けてあり、このシール手段が、前記密閉バッグと身体の前記部分との間にほぼ気
    密のシールを形成し、前記内部室から前記ガスのゆっくりした漏洩だけを許すよ
    うになっており、前記壁が、少なくとも1つの排水用コネクタを有し、この排水
    用コネクタが、ドレイン・チューブと接続し、前記内部室内から溜まった液体を
    取り出せるようになっていることを特徴とする移動可能・使い捨て型局所高圧酸
    素室。
  3. 【請求項3】 動物の身体の一部にある傷の限局性治療のための移動可能
    ・使い捨て型局所高圧酸素室であって、内部室およびガスを有する密閉バッグを
    包含し、この密閉バッグが、圧力をかけた前記ガスを受け取り、前記密閉バッグ
    内の前記ガスが、周囲圧力よりも上で、水銀柱0.5ミリメートルより高いが、
    水銀柱10ミリメートルより低い圧力であり、前記ガスが酸素を含んでおり、前
    記密閉バッグが、前記内部室へ入るためのただ一つの身体アクセス開口を有し、
    動物の身体の一部が前記内部室内に挿入されるようになっており、身体のこの部
    分が、前記身体アクセス開口を通して導かれて前記内部室内に置かれるようにな
    っており、前記密閉バッグが、薄くて、可撓性のある、透明な材料で構成された
    壁を有し、前記身体アクセス開口まわりの前記バッグの前記壁が、一連のプリー
    ツを包含し、前記プリーツが、前記壁内に形成された一連の平行に隔たった折り
    線によって形成されており、前記プリーツが、前記アクセス開口のところで前記
    壁を寄せ集めて動物の身体の前記部分とのしまりばめを形成するのを容易にし、
    前記プリーツが、一緒に束ねられたとき、局所的な形状変化を許し、傷の領域を
    覆って酸素の体積を濃縮するようになっており、前記身体アクセス開口のところ
    で前記壁にシール手段が取り付けてあり、このシール手段が、前記密閉バッグと
    身体の前記部分との間にほぼ気密のシールを形成し、前記内部室から前記ガスの
    ゆっくりした漏洩だけを許すようになっており、前記壁内に少なくとも1つの手
    アクセス開口が形成してあり、この手アクセス開口が、管状の手袋部材を包含し
    、前記管状の手袋部材が、薄くて、可撓性のある、気密材料で形成されて折り、
    前記管状の手袋部材が、外部位置と内部位置との間で移動することができ、前記
    外部位置が、前記壁の外部に前記管状の手袋部材を位置させ、前記内部位置が、
    前記内部室内に前記管状の手袋部材を位置させ、それによって、人の手が前記管
    状の手袋部材と接続し、前記管状の手袋部材を前記内部室内で動かし、人の手が
    前記内部室内で身体の前記部分についての作業を実施できると共に、前記内部室
    内の前記ガスのガス加圧環境を維持できるようにしたことを特徴とする移動可能
    ・使い捨て型局所高圧酸素室。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の移動可能型加圧高圧酸素室において、前記
    壁が、前記ガスを供給するガス供給チューブと接続するようになっている少なく
    とも1つの供給コネクタを有し、この供給コネクタが、拡大フランジに装着され
    た雄型管状ステムを有し、前記拡大フランジが、前記壁に固着してあり、それに
    よって、前記拡大フランジが、前記ガス供給チューブの捻転を防ぎ、ガス供給チ
    ューブを通しての前記内部室への前記ガスの連続的な供給を保証することを特徴
    とする移動可能型加圧高圧酸素室。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の移動可能型加圧高圧酸素室において、前記
    壁が、少なくとも1つの排水用コネクタを有し、この排水用コネクタが、ドレイ
    ン・チューブと接続し、前記内部室内に溜まった液体を取り出せるようになって
    いることを特徴とする移動可能型加圧高圧酸素室。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の移動可能型加圧高圧酸素室において、圧力
    センサが前記密閉バッグに接続されており、前記圧力センサが、前記高圧酸素室
    の動作中に観察者に前記ガスの圧力レベルの狭い領域を示すことができることを
    特徴とする移動可能型加圧高圧酸素室。
  7. 【請求項7】 動物の身体の一部にある傷の限局性治療のための移動可能
    ・使い捨て型局所高圧酸素室であって、内部室およびガスを有する密閉バッグを
    包含し、この密閉バッグが、圧力をかけた前記ガスを受け取り、前記ガスが酸素
    を含んでおり、前記密閉バッグが、前記内部室へ入るためのただ一つの身体アク
    セス開口を有し、動物の身体の一部が前記内部室内に挿入されるようになってお
    り、身体のこの部分が、前記身体アクセス開口を通して導かれて前記内部室内に
    置かれるようになっており、前記密閉バッグが、薄くて、可撓性のある、透明な
    材料で構成された壁を有し、前記壁にシール手段が取り付けてあり、前記身体ア
    クセス開口が、前記密閉バッグと身体の一部との間にほぼ気密のシールを形成し
    、前記内部室から前記ガスのゆっくりした漏洩だけを許すようになっており、前
    記ガスが、周囲圧力よりも上方で、水銀柱0.5〜10ミリメートルの範囲内に
    加圧されていることを特徴とする移動可能・使い捨て型局所高圧酸素室。
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