JP2002522598A - プログラム可能なワンポットオリゴ糖合成 - Google Patents

プログラム可能なワンポットオリゴ糖合成

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JP2002522598A JP2000564977A JP2000564977A JP2002522598A JP 2002522598 A JP2002522598 A JP 2002522598A JP 2000564977 A JP2000564977 A JP 2000564977A JP 2000564977 A JP2000564977 A JP 2000564977A JP 2002522598 A JP2002522598 A JP 2002522598A
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ジユアン ザン
イアン オールマン
ティモー バーソフ
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Abstract

(57)【要約】 完全に保護されたか又は1個の露出されたヒドロキシル基を有するかのいずれかの多くのp-メチルフェニルチオグリコシド(STol)ドナーの反応性は、オリゴ糖の手軽な1-ポット合成のための広範に適用可能な方法の開発と、HPLCの組合せにより定量的に決定されている。各グリコシドドナー上の様々な単糖核及び様々な保護基の構造的作用の反応性に対する影響は、特徴決定されかつ定量されている。加えて、グリコシルドナーの反応性及び1H NMRによるアノマープロトンの化学シフトの間の相関が確立されている。グリコシルドナーとしてのチオグリコシドのデータベースは、この反応性データを用いて作成される。その利用性は、様々な直鎖及び分枝鎖のオリゴ糖構造の容易かつ迅速な1-ポット集成により明らかにされる。加えて、コンピュータプログラムが、所望のオリゴ糖又は個々のオリゴ糖ライブラリーの1-ポット集成のための構成ブロック選択のためのデータベース検索の道具及び指針として使用されることが説明されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】説明 技術分野 本発明は、オリゴ糖生成のための合成法に関する。より詳細に説明すると、本
発明は、オリゴ糖の1-ポット合成の全体の収率を最適化するためのデータベース
及びアルゴリズムに関する。
【0002】背景 炭水化物は、炎症(Phillips, M. L.ら、Science、1990, 250, 1130;Lasky, L
. A.、Science、1992, 258, 964;Giannis, A.、Angew. Chem. Int. Ed. Engl.
、1994, 33, 178;および、Yuen, C.-T.ら、J. Biol. Chem.、1994, 269, 1595)
、免疫応答(Varski, A.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、1994, 91, 7390;Ryan,
C. A.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、1994, 91, 1;および、Meldal, M.ら、C
arbohydrate Antigens;(Garegg, P. J.ら編集;ACS Symposium Series No. 519
;American Chemical Society;Washington, D. C., 1993))、転移(Feizi, T.、
Curr. Opin. Struct. Biol.、1993, 3, 701)、並びに細菌及びウイルス感染症(V
arski, A.、Glycobiology、1993, 3, 97) のような重要な機能に関連した生体シ
ステムにおいて遍在している。ペプチド及びオリゴヌクレオチドの合成は数十年
前に自動化されたが、複合オリゴ糖の構築に利用できるこのような一般的合成法
はない。最近オリゴ糖合成に関するいくつかの検証が発表されている(Paulsen,
H.、Angew. Chem. Int. Ed. Engl.、1990, 29, 823-839;Banoub, J.、Chem Rev
.、1992, 92, 1167-1195;Toshima, K.ら、Chem. Rev.、1993, 93, 1503;Schmi
dt, R. R.ら、Adv. Carbohydr. Chem. Biochem.、1994, 50, 21;及び、Danishe
fsky, S. J.ら、Angew. Chem. Int. Ed. Engl.、1996, 35, 1380)。グリコシド
結合の形成法における位置-及び立体-制御の必要性は、全体の合成法を複雑化し
かつ合成効率を低下するような煩雑な合成転移、おびただしい保護基操作、及び
単調な中間体単離につながることが多い。
【0003】 迅速なオリゴ糖合成を促進するための新たな化学選択的グリコシル化戦略であ
る「1-ポット逐次グリコシル化」が最近開発された(Fraser-Reid, B. C.ら、 Sy
nlett、1992, 927;Raghavan, S.ら、J. Am. Chem. Soc.、1993, 115, 1580;Ya
mada, H.ら, Tetrahedron Lett.、1994, 35, 3979;Yamada, H.ら、J. Am. Chem
. Soc.、1994, 116, 7919; Chenault, H. K.ら、Tetrahedron Lett.、1994, 35,
9145;Ley, S. V.ら、Angew. Chem. Int. Ed. Engl.、1994, 33, 2292;Grice,
P.ら、Synlett、1995, 781;Geurtsen, R.ら、J. Org. Chem.、1997, 62, 8145
;Grice, P.ら、Chem. Eur. J.、1997, 431)。この方法は、様々なグリコシルド
ナーの反応性の大幅な格差が、グリコシルドナー(例えばチオグリコシド)の所定
のクラス内の保護基及び脱離基の電子を供与又は求引する特性を変動することに
より簡単に達成することができるという知見を基にしている。その結果、同一の
化学が各グリコシドのカップリング工程時に行われるにもかかわらず、適切に計
画することにより高度の配列選択性が、同じクラスの競合するドナー間で生じ、
カップリング工程間の保護基操作の必要性を削減することができる。この合成法
は、糖成分上の保護基の選択(同節、Fraser-Reid, B.ら、1992;Raghavan, S.ら
、1993;及び、Yamada, H.ら、1994)、又は保護基及びアノマー置換基の組合せ(
同節、Yamada, H.ら、1994;及び、Chenault, H. K.ら、1994)が、合成配列の過
程を通じてのドナー反応性の低下につながるようにデザインされる。最も反応性
のドナーは非還元末端のために使用され、かつ非反応性ドナーは所定の目的オリ
ゴ糖の還元末端のために使用される。
【0004】 これらの方法を用いて、様々な長さの複合オリゴ糖を生成する多カップリング
工程が、多くの研究室で行われ成功を収めている(Green, L.ら、Synlett、1998,
4, 440)。しかしこの手法は、有用なグリコシルドナー及びアクセプターの正確
な反応性指数が存在しないために、一般に適用することはできない。いくつかの
グリコシルドナーのグリコシル化反応性の定量分析は、NMRを用いて達成するこ
とができる(Douglas, N.L.ら、J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1、1998, 51)。こ
の研究の特に望ましい目標は、プログラムされかつ予想された方法で、デザイン
されたモノマー構成ブロックから所望のオリゴ糖の迅速な合成を可能にする一般
に適用可能な方法を確立することである。このような方法は、複合オリゴ糖の迅
速な集成において使用することができ、かつ更に自動化に向けて開発されつつあ
る。
【0005】発明の概要 この目標のための第一段階として、本願明細書において我々は、HPLCを用いて
様々なグリコシルドナー及びアクセプターの相対反応性を定量測定する一般的方
法を明らかにした。この手法を用いて、6個の異なる単糖主鎖及び11個の通常使
用される保護基を含む最大50個の異なるドナー及びアクセプター分子を評価した
。各構造について、相対反応性指数(Relative Reactivity Value)(RRV)が決定さ
れる。作成中のこの相対反応性データベースにより、我々は、グリコシル構成ブ
ロックの最適の組合せを同定するために、データベースを検索することができる
、Macintoshコンピュータ互換性の汎用コンピュータプログラムを開発した。こ
の戦略は、直鎖及び分枝鎖のオリゴ糖合成の迅速な1-ポット合成プロトコールを
自動的にデザインすることを可能にしている(スキーム1)。
【0006】
【化1】
【0007】 本発明のひとつの態様は、オリゴ糖生成物を合成する改善された方法に関する
。このオリゴ糖生成物は、グリコシド結合により互いに連結している4個以上の
グリコシル単位の直線状配列を含む種類である。この配列は、非還元末端の最初
のグリコシル単位から始まり、還元末端の最後のグリコシル単位で終わり、かつ
最初及び最後のグリコシル単位の間に順次並べられた2個以上の中間のグリコシ
ル単位を含む。この方法は、保護されたオリゴ糖中間体を生成するための、保護
されたグリコシルドナー又は保護されたグリコシルドナー/アクセプターの、保
護されたグリコシルドナー/アクセプター又は保護されたグリコシルアクセプタ
ーによる縮合を含む型である。その後この保護されたオリゴ糖中間体は、オリゴ
糖生成物を生成するために脱保護される。より詳細に述べると、この改善法は、
最初のグリコシル単位に相当する様々に保護されたグリコシルドナーの、及び各
中間のグリコシル単位に相当する様々に保護されたグリコシルドナー/アクセプ
ターの、及び最後のグリコシル単位に相当する様々に保護されたアクセプターの
相対反応性指数に関するデータベースが提供される追加工程に関連している。こ
の様々に保護されたグリコシルドナーは、活性化されたアノマー炭素を有し及び
自由ヒドロキシルを欠いている型であり;様々に保護されたグリコシルドナー/
アクセプターは、活性化されたアノマー炭素及び1個の自由ヒドロキシル基の両
方を有する型であり;様々に保護されたアクセプターは、1個の自由ヒドロキシ
ル基及びブロックされたアノマー炭素を有する型である。この改善は更に、好ま
しいグリコシルドナーが最初のグリコシル単位に対応して選択され;好ましいド
ナー/アクセプターは各中間のグリコシル単位に対応して選択され;かつ、好ま
しいアクセプターは最後のグリコシル単位に対応して選択される工程を含む。好
ましいグリコシルドナー、好ましいグリコシルドナー/アクセプターの各々、及
び好ましいアクセプターは、保護されたオリゴ糖中間体の生成につながる縮合反
応を最適化するように選択される。前述の縮合工程において、 好ましいグリコ
シルドナー、好ましいドナー/アクセプター、及び好ましいアクセプターは、非
還元末端で始まりかつ還元末端へと順次進行していく1-ポット合成において保護
されたオリゴ糖中間体の合成のための縮合条件下で逐次的に付加される。
【0008】 別の本発明の態様は、様々に保護されたグリコシルドナー、グリコシルドナー
/アクセプター、及びグリコシルアクセプターに関する相対反応性指数のデータ
ベース構築法に関連している。これらの様々に保護されたグリコシルドナーの各
々は、活性化されたアノマー炭素を有しかつ自由ヒドロキシルを欠いており;様
々に保護されたグリコシルドナー/アクセプターは各々、活性化されたアノマー
炭素及び1個の自由ヒドロキシル基の両方を有し;様々に保護されたアクセプタ
ーは各々、1個の自由ヒドロキシル基及びブロックされたアノマー炭素を有する
。このデータベースは、オリゴ糖生成物の合成の最適化に使用可能な型である。
この方法は、様々に保護されたグリコシルドナー、グリコシルドナー/アクセプ
ター、及びグリコシルアクセプターの相対反応性指数を電子的記憶装置手段によ
り決定しかつ保存する工程を使用する。
【0009】 別の本発明の態様は、保護されたオリゴ糖生成物の1-ポット逐次合成につなが
る縮合反応の最適化のために、好ましいグリコシルドナー、好ましいグリコシル
ドナー/アクセプター、及び好ましいグリコシルアクセプターを選択する方法に
関する。この方法は、様々に保護されたグリコシルドナー、グリコシルドナー/
アクセプター、及びグリコシルアクセプターの相対反応性指数のデータベースを
使用する。この方法は、保護されたオリゴ糖生成物を生成する全体の収率が最適
な1-ポット逐次合成において使用可能な好ましいグリコシルドナー、グリコシル
ドナー/アクセプター、及びグリコシルアクセプターを選択するための相対反応
性指数のデータベースをアルゴリズムに従い検索する工程を含む。
【0010】詳細な説明 一般的戦略 : 本研究の第一段階として、下記の問題点が検証された:1) グリコシルドナー
のアノマー中心での脱離基の最良の選択は何か、2)広範なグリコシルドナー及び
アクセプターを操作するのに十分一般的であるような、カップリング反応に最も
適している促進剤システムは何か、3)どの手法が、様々なグリコシルドナーの反
応性の迅速かつ正確な評価に使用されるべきか?
【0011】 通常使用される脱離基の中で、我々は「万能構成ブロック」としてチオグリコ
シドを選択したが、その理由は、これらが構成ブロックの生成のために頻用され
るほとんどの反応条件下で安定しているからである。
【0012】 最近チオグリコシドの合成及び用途が、Garegg, P.J.により検証された(Gareg
g, P.J.、Adv. Carbohydr. Chem. Biochem.、1997, 52, 179)。これらは、NIS-T
fOH (Konradsson, P.ら、Tetrahedron Lett.、1990, 31, 4313;及びVeeneman,
G. H.ら、J. H. Tetrahedron Lett.、1990, 31, 1331)、MeOTf (Lonn, H.、Carb
ohydr. Res.、1989, 135, 105)、DMTST (Fugedi, P.ら、Carbohydr. Res.、1986
, 149, C9)、IDCP (Veeneman, G. H.ら、Tetrahedron Lett.、1990, 31, 275)、
Selectfluor (Burkart, M.D.ら、J. Am. Chem. Soc.、1997, 119, 11743)及び他
の促進剤のように、様々な条件で活性化することができる。p-メチルフェニルチ
オ(STol)基に特有の高いUV吸光度(例えば、MeOH中のp-メチルフェニルメルカプ
タンについて(Pinkernell, U.ら、Cammann, K. Anal. Chem.、1994, 66, 2599))
は、( = 256nm、ε=5 x 104 M-1 cm-1)で、グリコシルドナーの反応性の正確な
定量を容易にする。加えて、アクセプターに加えドナーとしても1個のヒドロキ
シル基を伴うチオグリコシドは、容易に調製することができ、かつチオグリコシ
ドは、通常オリゴ糖合成で使用される他のグリコシルドナー、スルホキシド(Kah
ne, D.ら、J. Am. Chem. Soc.、1993, 115, 1580)、フッ化物(Mukayama, T.ら、
Chem. Lett.、1981, 431;Nicolaou, K.C.ら、J. Am. Chem. Soc.、1984, 106,
4189;及び、同節、Burkart, M.D. 1997)、又はハロゲン化物(Sato, S.ら、Carb
ohydr. Res.、1986, 155, C6-. (b) Anderson, F. O.ら、Tetrahedron Lett.、1
986, 27, 3919)を含むものに、容易に転移される。最後に利用できる別のグリコ
シル化の化学は、これらを直交カップリング戦略の一部として共同方式でいくつ
かの異なるドナー種類を使用することができるようにする(Ito, Y.ら、J. Am. C
hem. Soc.、1994, 116, 12073)。我々は、本試験の主要促進剤としてNIS-TfOHを
選択している。これは化学量論的試薬であり、様々なチオグリコシドに適してい
る。
【0013】
【化2】
【0014】 我々のグリコシルドナー反応性を定量する方法は、Sinnot (Sinnott, M.L、Ch
em. Rev.、1990, 90, 1171)及びFraser-Reid (Fraser-Reid, B.ら、J. Org. Che
m.、1990, 55, 6068)による比較的初期の研究を基にしており、これらは2個のド
ナー間の競合反応を利用し、それらの間の反応性の相対率を決定するものである
。全体の競合反応は、スキーム2に示されたように進行すると考えられる。2個の
グリコシルドナーである A1及びA2は、共通の求電子体(E+)に関し可逆的に強制
的に競合し、活性化された中間体B1及びB2を生成する。これらの中間体は、対応
する一過性オキソカルボニウムカチオンC1及びC2を崩壊し、これらは次に迅速に
アクセプター分子と反応し、生成物を生じる。律速段階が工程B(Cであると仮定
すると、全体の反応は、見かけの二次速度定数によって説明することができる、
速度 = kobs[E+][A]。これは、関係 kobs = k/K により、一次速度式(速度 =
k [C])に関連づけられる。我々の測定した速度定数 kobs は、相対的二次速度定
数であり、絶対量ではない。相対値として速度を測定することで、我々は速度定
数が活性化剤の特性に左右されることを避けることができる。B(Cが律速段階で
あり続ける程度とこの機構が同じであるためには、これは、ここで測定される相
対速度が多くの異なる活性化剤に加え恐らく他のドナー種類についても有用であ
り続けることを確実にしなければならない。この分析は更に、律速段階後に生じ
る隣接基の関与を伴うグリコシルドナーについても該当する。
【0015】一般的反応性データベースの構築 : 図17の表は、様々なグリコシルドナー及び参照化合物(7, 14, 33及び48)の小
セットの間で反応性を比較することにより作成した。4種の参照化合物間の相対
反応性も試験した。これらのデータを基に、全50種の化合物の相対反応性を、参
照化合物と相対速度定数比の単純な掛け算により迅速に決定した。これらの値は
相対的なものであるので、これらは、ライブラリー中の反応性が最低のドナーが
反応性1.0を有するように標準化される(チャート1)。
【0016】
【化3】
【0017】 この表を作成するために使用された個々のRRVは、直接的競合アッセイにより
決定した。しかし先行する研究(同節、Dougpls, N.L.、1998) とは異なり、我々
は、相対速度比を生成物形成の比から直接得ることはしなかった。ドナー(A)濃
度が反応過程を通じて容易に検出できるようには変化しないように、活性化剤E+ よりも超過剰量の試薬Aを用いる2種のドナー間の競合アッセイ(スキーム2)によ
り、相対一次速度定数の直接測定が可能であるにも関らず、これらの方法を、我
々の場合のHPLC分析に直ちに送り込むことはなかった。我々は、生成物の出現よ
りもむしろドナーの消失により反応を辿るので(実験の項を参照のこと)、偽一次
速度論が認められるように実験をアレンジすることはかなり困難である。
【0018】 我々は実験感度を向上するために、ドナーのかなりの部分が消費されることを選
択した。アクセプター(メタノール)5当量存在下での A1:A2:E+ の定比1:1:1 を
使用した。スキーム2からの統合した二次速度式は、式1に示された相対速度定数
比とドナー濃度の間の関係を示している。競合実験における相対反応性の典型的
HPLC分析を、図21に示した。
【0019】 kobs,1 / kobs,2 = ln ([A1]t / [A1]o) / ln ([A2]t / [A2]o) (1)
【0020】 これらの測定値の内部整合性(internal self-consistency)は、一連の相対速
度定数を試験して決定した(表2)。各対について実験データと計算上のデータを
比較すると、平均誤差が約10%であることを示している。この精度は、1-ポット
オリゴ糖合成の指標としてこのデータライブラリーを使用するためには十分であ
る。
【0021】 加えて、我々は、異なる促進剤がグリコシルドナーの反応性にどのようにして
影響を及ぼすかに興味を持った。我々は2対のドナー:14対11及び7対5と、2種の
促進剤システム:NIS-TfOH及びDMTSTの間の相対反応性を測定した。認められたR
RVは、両方の促進剤システムにおいてほぼ同じであった:k14/k 11 = 1.4 (NIS-
TfOH)及び1.4-2.0(DMTST)、並びにk7/k5 = 2.0 (NIS-TfOH)及び1.3-1.7(DMTST)
であった。(注:DMTSTによる正確な測定は、その活性化効率がNISよりも低く、
通常4当量のDMTSTがグリコシル化に使用され、かつその反応はNISよりも非常に
遅いので、困難であった。我々は、2 当量が、チオグリコシド1当量との反応を
所定の時間内に完了するのに十分であることを認めた。競合反応の条件について
は、ドナー(各1モル当量)に対してDMTSTが2モル当量であり、かつ反応が3時間継
続された以外は、NIS-TfOHと全く同じであった(実験の項の一般的方法を参照の
こと)。この測定は、反応性の差が小さいドナー間でのみ行うことができる。)。
これらの予備的結果は、様々な促進剤が、グリコシルドナーの相対反応性には劇
的には影響しないことを示唆している。従って図17の表のRRVは、更に他の促進
剤にも適用可能である。我々はこの事実を利用し、NISを活性化剤として使用し
た場合に副生物がグリコシル化反応に関与するという問題点の解決法として、1-
ポットオリゴ糖合成においてDMTSTを使用することとした(下記の1-ポットオリゴ
糖合成を参照のこと)。
【0022】
【表1】
【0023】アノマーグリコシル化反応性に対する単糖類の構造上の作用 : 図17の表の完成は、我々に、様々な種類のグリコシルドナーのアノマー反応性
に対する様々な置換基の立体化学及び特性の影響を調べることを可能にした。表
3の結果から、反応性が最大の糖質はフコースであり、これにガラクトース、グ
ルコース及びマンノースが続くことは明らかである(表3-A)。過ベンジル化され
たフコース50は、過ベンジル化されたガラクトース48よりも4.2倍活性が高く、
後者は、過ベンジル化されたグルコース43よりも6.4倍活性が高い。フコシドの
より高い反応性は、恐らく-CH2OBn基よりも-CH3基がより高度の電子供与性であ
ることによるものであろう。様々な糖核の反応性の順番は、実験が様々な種類の
保護基を用いて行われた場合にもほとんど同じであり続けるように思われる。例
えば、過アセチル化されたガラクトース14(表3-B)が、過アセチル化されたグル
コース5と競合された場合、ガラクトース14の方が5.3倍大きい比が得られた。ガ
ラクトシドのグルコシドよりもより高い反応性が、ハロゲン化グリコシル(Pauls
en, H.、Angew. Chem. Int. Ed. Engl.、1982, 21, 155)及びグリコシド(Miljko
vic, M.ら、J. Org. Chem.、1997, 62, 7597)の加水分解試験において報告され
ている。これは、恐らく立体効果及び誘起効果に起因し、かつオキソカルボニウ
ムイオン中間体の安定化における軸4-Oの孤立電子対が関っている可能性がある
(同節、Miljkovic, M.ら、1997)。表3の結果を基に、単糖類の反応性の順番は、
フコース>ガラクトース>グルコース>マンノースである。
【0024】
【表2】
【0025】 アミノ糖は、天然のシステムにおいて広範に認められ、かつ非常に独特な電子
的及び構造的特徴を提供しているので、我々は、自分達の研究に含まれるべきこ
れらの重要なシステムを求めた。最初に我々は、最も豊富な量のグルコサミン核
及びガラクトサミン核を選択した。フタリル基は、ガラクトース及びグルコース
構造の間の反応性の差異について前述の傾向を保持し(N-フタリルガラクトース1
1の反応性は、N-フタリルグルコース4のそれよりも6.1倍高い)、トリクロロエチ
ルオキシカルボニル(Troc)基で保護されたアミンの通常でない高い反応性は非常
に驚くべきものであった。例えば、N-Trocで保護されたグルコサミン21(表3B)は
、対応するN-フタリルで保護されたグルコサミン4よりも33.7倍より反応性であ
る。更にグルコサミン21は、アミンがフタリル基で保護されている対応するガラ
クトサミン11よりも、更により反応性(5.5倍)である。この知見は、非還元末端(
又はその近傍)でもしくは還元末端(又はその近傍)でのいずれかに2-アミノ糖を
伴う目的化合物の集成に関するアミノグリコシドドナーの相対反応性の調節に関
して特に重要である。N-Trocで保護されたグルコサミンの反応性の増大は、下記
の仮説的機構に示されたような中間体を安定化するためのHN-トリクロロエトキ
シルカルボニル基の電子供与特性の結果であろう。この提案を検証するために、
研究が続けられている。
【0026】
【化4】
【0027】 2-AcNHグルコシドの酢酸中での加速された加酢酸分解については、Cocker, D.
ら、J. Chem. Soc. Perkin Trans.、1976, 2, 618を参照のこと。
【0028】チオグリコシドドナーの反応性に対する保護基の作用 : アノマー中心の反応性に対する置換基の作用は、かなり以前からわかっている
(Feather, M. S.ら、J. Org. Chem.、1965, 30, 153;Capon, B.;Chem. Rev.
、1969, 69, 407;Fraser-Reid, B.ら、Can. J. Chem.、1969, 47, 393;Paulse
n, H.ら、Carbohydr. Res.、1974, 38, 312)。エステル保護基を伴うグリコシル
ドナーは、エーテル保護基を有する対応するドナーよりも、グリコシル化反応を
より遅く受ける。この現象の理由は、エステル基の電子求引性が、グリコシド形
成につながる推定されるカチオン性遷移状態を不安定にすることである。最近Le
yとその共同研究者達が、ラムノシル及びマンノシルドナーに対するベンゾエー
ト基とベンジル基の間の反応性の差を比較し、このような作用の最初の系統的定
量化を行った(同節、Douglas, N.L.、1998)。我々は、この作用を、グリコシル
反応性の最も一般的で一貫した決定因子のひとつとみている。
【0029】
【表3】
【0030】 本願明細書に記したデータは、多くの様々な保護基を2-位に有する一連のグリ
コシル核構造の活性化及び失活の詳細な実験を可能にする。ガラクトシル核の特
定の制限の中で(表4)、例えば、我々は、様々な電子求引基の失活力は、-N3
-OClAc> -NPhth > -OBz >-OBnの順番であると結論付けることができる。
【0031】電子吸引基の位置の作用 : 1個の保護基の他との交換から生じる反応性の混乱は、グリコシル核の周りの
保護基の位置、更には核の同一性に高度に依存することがわかった。第一の作用
は、同じ位置にベンゾイル保護基を有する糖質の反応性と、ヒドロキシル基を有
するものとの反応性の比較により明らかにすることができる(表5)。4-O位からの
ベンゾイル基の除去は、反応速度の最大の増加を引き起こす。しかしこれは、他
のピラノースでは認められず、ここでは2-位の保護基がより重要と認められる(
同節、Douglas, N.L.、1998)。これは、推定されるカチオン性遷移状態の安定化
へのガラクトースの4-酸素の関与により説明されるであろう(同節、Paulsen, H.
、1982)。C2-OHの作用に対するより強力なC3-OHで観察された作用は、それの4-
位の置換基との密な会合により説明されるであろう。誘起効果による推定された
カチオン性遷移状態の不安定化に加えて、3-位のベンゾイル化も、カチオン性遷
移状態の安定化におけるC4酸素の孤立電子対の関与を減少させる。表5から、ベ
ンゾエート基の位置の影響は、4位 > 3位 > 2位 > 6位の順であることがわか
る。これらの結果は、マンノースシステムにおいて認められたものとは異なり、
ここでは、順番2位 > 6位 > 4位 > 3位と決定された(同節、Douglas, N.L.、
1998)。後者の場合、隣接する2-位を除いて、環の酸素へのベンゾエートの近接
は、アノマー位からのその距離よりもより重要であることがわかった。
【0032】
【表4】
【0033】 表5に示された結果も、同じ位置での保護基及びヒドロキシル基の間の直接の
反応性の比較を我々に初めて示した。このようなデータは、ある工程のアクセプ
ター分子が次の工程ではドナーとなるような、高度の化学選択性のある1-ポット
グリコシル化配列(スキーム1)の設計において特に重要である(同節、Grice, P.
ら、1997)。従って、1個の自由ヒドロキシル基も含んでいるグリコシドドナーの
反応性の測定は、このような挑戦的作業を成功裡に達成する際に極めて重要であ
る。この目的のために、我々は、ドナーとしてのモノヒドロキシグリコシドの反
応性に対する様々な保護基及び単糖類の型の影響を試験しかつ大まかに定量化し
た(表5-7)。
【0034】
【表5】
【0035】 自由3-OH基を有する4,6-ベンジリデンで保護されたガラクトース誘導体(構造
は表6A)の反応性は、3-OHが保護された場合と同様に、C-2保護基により影響を受
けることも注意しなければならない。従ってC-2位での様々な基の失活作用は、
表5の3-OClAcで保護されたガラクトシド誘導体で認められたものと同じ順番(-OC
lAc > -OBz > -OBn)である。しかし、失活作用の大きさは、その分子上の他の
保護基の特性により著しく左右される。例えば、2-位のベンゾエート保護は、ガ
ラクトシド24に、同じ位置のベンジル基(化合物29、表4)よりも1.6倍低い反応性
をもたらす一方で、3-ヒドロキシルを有さないガラクトシド42及び49(表6A)にお
ける、ベンゾエート及びベンジルシステムの間の同じ比較は、約数11.2をもたら
す。失活力の同様の不均一性が、3位が保護された場合(5.9倍の差、表4)、又は
非含有(34及び49の間で62.5倍の差、表6A)の場合に、2-OAcCl(20)及び2-OBn(29)
の対において認められる。従って、それらを単純な数量的反応性モデルに導く一
貫した定量可能な反応性の傾向はない。一貫した定量的傾向があったとしても(
例えば、-OBnは-OBzよりも失活し難い)、この影響の程度は、残りの分子構造に
より大きく左右される。結果的に、我々は、自分達のライブラリーに登録されて
いる各ドナーの相対反応性を直接測定する方法を採用した。
【0036】
【表6】
【0037】ドナー反応性に対するグリコシル化の作用 : 自由ヒドロキシルのグリコシル化は、アクセプターのアノマー反応性に対しや
や失活作用を有する。このことは、第二及びその後の工程に関して、成長してい
るオリゴ糖還元末端の反応性は通常明確には特徴づけられないので意義がある。
幸運なことに、グリコシル化の失活作用は、典型的には合成に関するほとんどの
場合小さい。この問題点は、一連の異なる構造において検証され、かつ結果は表
7に示されている。概してこの結果は、所定のモノヒドロキシ糖のヒドロキシル
官能基のグリコシル化が、反応性のわずかな減少を引き起こすことを示している
。過ベンジル化された糖によるグリコシル化は、グリコシル化の位置により左右
されるか、約数1.1〜2.3の反応性の減少を引き起こし、他方過ベンゾイル化され
た糖質のグリコシル化は、より有意な反応性の減少を引き起こす(2(10について
約数9.4)。アクセプターの2-位でグリコシル化される場合の過ベンジル化された
糖の若干より大きい失活作用は、ある場合に認められる(45(39について約数4.5)
。これは、アノマー中心に対する有意な立体効果の結果であろう。グリコシル構
造により導入される失活の程度は、グリコシルドナーの反応性により変動するよ
うに見える。少ない反応性のグリコシルドナーは、一旦グリコシル結合が形成さ
れると、より強力に失活する。
【0038】 幸運なことに、本願明細書において開発された合成手法において、アクセプタ
ーのアノマー反応性に最も衝撃を与えるグリコシル化反応は、最も電子求引性の
ものである(合成経路の最終末端(the very end)で出現する傾向のあるもの)。最
大の失活は、最後のドナー上に生じるであろう。その還元末端は、典型的にはメ
チルグリコシドのような非反応性グリコシドであると予想されるので、それがオ
リゴ糖鎖に追加される場合にその工程において競合する反応はなく、かつこのよ
うな失活は、その工程では問題ではないと予想される。従ってグリコシル化に起
因した最悪の関係する反応性のシフトは、還元末端からの四番目の残基により、
還元末端からの三番目の残基のグリコシル化時に生じるであろう。四糖、五糖又
は六糖の合成時には、還元末端からの四番目の残基は妥当な活性があると予想さ
れる。従ってその失活作用は、恐らくこのサイズを目標とする場合に最悪であっ
ても大きいことはないであろう。しかし、拡大された合成スキームにおいて、恐
らくグリコシル化が関連した失活を説明する反応配列の最終工程のドナー間によ
り大きい反応性の幅(window)が残ることは少ないであろうことには注意しなけれ
ばならない。
【0039】アノマープロトンのNMR化学シフトとln(RRV)の相関 : チオグリコシド反応性の研究時に、我々は、より活性のある過ベンジル化され
たチオグリコシド48のアノマープロトンの化学シフトが、活性の低い過ベンゾイ
ル化されたアナログ7よりも著しく更に上側(up-field)であることを認めた(δ=4
.58ppm対δ=4.98ppm)。興味深いことに、同じ保護基(-OBz)を同じ核構造のC-2位
に有するいくつかの化合物(例えばガラクトース)を試験した場合、我々は、アノ
マープロトンの化学シフトと対応するln(RRV)の間に良好な線形の相関を認めた(
図18)。異なる保護基をC-2位に有する化合物は、良好な相関を示さず、これは恐
らく異なる遮蔽作用又は他の不明の機構のためであろう。グリコシル化の遷移状
態の安定性は、アノマー中心の電子密度により大きく影響されるようにみえるの
で、アノマープロトンの化学シフトを用いて、特定の場合のアノマー反応性を迅
速に決定することができるであろう。
【0040】最適なドナー反応性の予測 : 全部のグリコシル化反応の収率を減じるような望ましくない副反応又は他の作
用の出現にもかかわらず、グリコシル化工程の最高の収率は、ドナー及びアクセ
プターの間のアノマー反応性に最大差を有するものである。従って高い収率の多
工程法は、各工程での最大の反応性の差を利用するものである。その結果、最初
のカップリング工程において反応する予定のドナーは、利用可能な最も反応性の
ドナープールから抜き出されなければならず、かつ最後のカップリング工程で反
応する予定のものは、利用可能な最低の反応性のドナープールから抜き出されな
ければならない。式1の対数的本質は、所定の工程でのドナー及びアクセプター
のアノマー反応性の相対比の増加から生じるべき収率に強力な収穫逓減(diminis
hing return)が存在することを暗示している。従って、第一工程の相対速度比が
それにより開始する第二工程の比よりも大きくない限りは、別の工程の比を増大
するような1工程の相対速度比の減少は、全体の収率においてかなりの大きさの
喪失を生じるであろう。従って最適収率に関して、ドナー及びアクセプターの間
の反応性の比は、各工程について同じ(かつ可能な限り大きい)でなければならな
いことは明白である。速度定数の比の原理により、我々は、N工程の配列の各工
程xで使用される最適相対反応性指数(kx)は式2で得られると予想することができ
る。k1 は、第一工程で使用されるドナーの相対反応性定数である。kN は、N番
目の工程で使用されるドナーの相対反応性定数である:
【0041】 kx = k1 (kN / k1) (x-1)/(N-1)(2)
【0042】コンピュータによる方法 : 正確には式2により予想された正当な(right)ドナー反応性は、常には各工程か
ら入手できる訳ではないので、我々は、利用できる最良のドナーセットについて
ドナーライブラリーを検索し、オリゴ糖のプログラムされた集成を可能にするこ
とができるコンピュータプログラムを作成した。「OptiMer」と命名されたこの
プログラムは、FileMaker Pro 4.0 (FileMaker Inc.)データベースプログラムを
用いて保存されたドナーのデータベース(図17の表のデータ)に連動している。こ
のデータベースは、それが含む糖核の種類、グリコシル化され得る未保護のヒド
ロキシルのいずれかの配置、及びアノマー炭素位置の生成物の立体化学を予想す
るために使用される2位の置換基のα-又はβ-指向性(directing)の性質を保存し
ている。OptiMerは、配列の組合せを検証する際には、この情報を全て考慮して
いる。加えて、このデータベースは、化合物の図、その名称及びドナーの調製が
説明されている参考文献も保存している。一旦目標となる配列が決まったならば
(例えば、DGalα1,4DGlcNβ1,6DGalβ1,4DGlc)、このプログラムは、利用できる
特徴決定されたオリゴ糖ドナーの100種の最良のセットを確定するために社内デ
ータベースを検索する(例については図18を参照のこと)。巨大な配列については
、無作為な組合せを単純に試験する「Monte Carlo」検索法も利用できる。各ド
ナーが上位100種のドナーセットリスト中の各段階に出現する頻度を一覧表とし
、かつユーザーには、最高の全体の収率をもたらす傾向がある各段階でのドナー
リストが示される(図19)。従って化学者は、利用可能性、経費及び前述のドナー
反応性間の最適な数学的関係に関する知識を基にどのドナーを使用するかに関し
て、知識と経験に基づいた選択を行うことから解放される。我々は、このプログ
ラムは、構成ブロックの数が拡大された場合に非常に有用であろうと考える。
【0043】オリゴ糖の1-ポット合成 : この検討中のデータベース及びコンピュータプログラムにおいて、我々は、い
くつかの三糖及び四糖の1-ポット合成を行った(スキーム3及び4)。この構成ブロ
ックは、それらのRRVを減少するように順次追加していった。スキーム3は、直鎖
の三糖52、53及び54の合成を説明している。各々の三糖合成の全体の収率は、60
%の範囲であり、これは各カップリング工程の収率約80%に相当している。三糖
52は、α-及びβ-グリコシド結合の両方を含み、かつ活性のあるドナー48及び不
活性のアクセプター19により調製された。実際に、それらのRRVによると、過ベ
ンジル化された化合物48は、ベンゾイル化された化合物19よりも、反応性が588
倍大きい。しかし、三糖53(スキーム3b)及び54(スキーム3c)の合成は、適当なド
ナー及びアクセプター分子のRRVに関する定量的情報がなければ行うことができ
ない。化合物53の合成において、我々は最初に、2-アミノグリコシドに比較的活
性化するN-Troc保護基を用いた。2-N-Troc保護されたチオグルコシド21は、ベン
ゾイル化されたガラクトシド13よりも4.4倍活性がある。このRRVの差異は、三糖
53の1-ポット合成を全体の収率56%で行うのに十分である。
【0044】 三糖54の合成(スキーム3c)は、1-ポット法における2個のαグリコシド結合の
逐次構築を明らかにしている。この合成において使用されるチオグリコシドは、
化合物50及び49であり、それらのRRVの差はわずかに3.6倍である。カップリング
工程の選択性を高めるために、ドナー50を1.5当量用い、かつこの反応は促進剤D
MTSTを用いて行った。スキーム3の結果は、RRVデータベースは、NIS-TfOHで促進
された反応についてのみではなく、DMTST-促進されたグリコシル化についても十
分に適用でき、かつ更に他の促進剤をチオグリコシドの活性化に利用できること
を示している。
【0045】
【化5】
【0046】 相対反応性のドナーデータベースの用途を明らかにするために、我々は、2種
の異なる四糖化合物55及び57(スキーム4)を1-ポット法で構築した。化合物55の
合成において、我々は、最初の2種のグリコシル化工程において、各々、化合物1
04 倍(48(27)及び5.9倍(27(13)の反応性の差を使用した。これらの反応性の差は
、目的の四糖55の全体で40%の収率(各カップリング工程の収率は約74%)で合成
するのに十分であるにもかかわらず、この合成効率は、OptiMer検索によって予
測されたもの(82%、図18参照)よりもはるかに低い点は注目されなければならな
い。この理論的結果と実験的結果の間の大きな乖離のふたつの主な理由は容易に
明らかである。ひとつの理由は、開発のこの段階で、OptiMerプログラムは、副
反応(例えば分解反応)の発生及び新たに形成されたグリコシル結合によりもたら
された失活の可能性を考慮していない。従って、OptiMerによって報告された反
応収率は、通常の反応の100%収率に類似している最適収率とみなされるべきで
ある。
【0047】
【化6】
【0048】 第二の主な理由は、促進剤システムNIS-TfOHに関係している。NIS-TfOHを使用
すると、等モル量のスクシンイミドが反応混合物中に形成される。スクシンイミ
ドの窒素は余り求核性ではないが、高度に非反応性のアクセプターの場合に、こ
れは活性化されたグリコシルドナーの残りのプールについて効果的に競合するこ
とができる。これは、糖アクセプターのヒドロキシルが非常に妨害されている場
合(例えば、グルコースの4-OH、ガラクトースの4-OH)又は求核性が弱い場合(例
えば、隣接位の電子求引性の置換基に起因する)に、最も重要である。実際に、
調製のいくつかの場合、図17の表の二糖類の構成ブロックのいくつかの調製にお
いて、我々はグリコシルスクシンイミド生成物を単離しかつ特徴決定している。
例えば、ラクトシド9の合成において、目的の二糖9(65%)に加え、スクシンイミ
ド生成物58(15%)も副生物として単離した。グルコシド10の4-OHの低い反応性(R
RV=8.4)は、ヨードニウムイオンとガラクトシド48(RRV=1776)の最初の反応に由
来した一過性の中間体カチオンの増大した反応性と組合せて、化合物57の生成を
説明することができる。更に、1-ポット逐次合成において、スクシンイミドは工
程毎に蓄積するので、後の工程では特に問題となり、目的のグリコシル化生成物
の全体の収率の顕著な低下をもたらす。このような問題点を避ける一つの方法は
、2種の促進剤システムを組合せて使用することである:DMTST及びNIS-TfOH。DM
TSTは、NIS-TfOHよりも活性が低くかつ非反応性ドナーには適していないにも関
らず、これは副生物として求核体を生成しない。これは1-ポット合成の最初の工
程で使用することができ、しばしば非常に反応性のチオグリコシドを含むことが
ある。DMTSTが最早適していないような反応性の低いチオグリコシドを含む以後
の工程においては、反応をNIS-TfOHによって促進することができ、これにより、
スクシンイミドの全般的生成が削減される。このプロトコールは、分枝した四糖
57の集成(スキーム4b)にうまく使用することができる。この作業は、非求核性の
副生物を伴うチオグリコシド活性化剤を更に研究することが重要であることを強
調する。
【0049】 高度に分枝したオリゴ糖ライブラリーの合成に関する我々の研究室で開発され
た直交保護-脱保護戦略を基に(Wong, C.-H.ら、J. Am. Chem. Soc.、1998, 120,
7137)、我々は、分枝したオリゴ糖の合成における直交保護-脱保護戦略と1-ポ
ット逐次戦略を組合せる可能性も明らかにする。この組合せは、分枝した四糖57
の構築において(スキーム4b)示されたような、高度に分枝したオリゴ糖ライブラ
リーの迅速な集成のための効率的方法を提供する。我々は、いくつかの直交的に
保護された二糖チオグリコシドアナログを調製し、かつそれらの反応性について
調べた(図17の表)。分枝した四糖57の合成において、我々は最初に、NIS-TfOHの
存在下での化合物48及び32の間の反応を行い、かつこの反応が、ドナーの非常に
急速な消費を伴って進行し、スクシンイミドガラクトシドのみを生じることを発
見した。出発のアクセプター32は全て、この反応混合物から回収することができ
た。我々は、化合物32における2級ヒドロキシルの高度の立体妨害と共に、ドナ
ー48の反応性の上昇が、スクシンイミドの非常に効率的な競合につながり、該副
生物を生じると仮定している。
【0050】 この問題点を解決するために、化合物48及び32の間の反応を、カップリング試
薬としてDMTSTを用いて行った(スキーム4b)。これらの条件下で、反応は潤滑に
進行し、かつ生成物を単離することなく、更にNIS-TfOHの存在下でアクセプター
56を処理し、1-ポット2-工程法において化合物57を生じた(57%収率)。NIS及びD
MTSTの類似の組合せを使うことによって、1-ポット法において対応する単糖から
化合物57を構築するよう、更に研究中である。加えて、四糖57の合成に使用した
戦略(スキーム4b)は、分枝したオリゴ糖ライブラリーの作成のための一般的戦略
となるであろう。このような方法で重要なのは、ガラクトシド59(同節, Wong, C
.-H.ら、1998)及び化合物35(実施例を参照のこと)のような、直交的に保護され
た単糖である。この糖は、各位置で選択的に脱保護され、各々自由ヒドロキシル
基を3位、6位、4位及び2位に有する、対応するモノ-ヒドロキシル糖25、36、44
及び45を生成する。これらの化合物は各々、比較的高いRRVを持つドナーにより
グリコシル化され、対応する二糖を生成する;例えば、25(26、36(30、44(41、
及び45(39。観察された二糖は各々、更にその直交的に保護された糖質部分の残
りの3位置で選択的に脱保護され、4・3=12種のモノ-ヒドロキシル二糖を生成す
る(例えば、化合物32は、化合物41から、3-p-メトキシベンジル基の選択的脱保
護により生成される)。これらの構造は、次に、我々が本願明細書において化合
物57の合成(スキーム4b)について明らかにしたように、四糖又は五糖の1-ポット
集成に適用され、かつこれはスキーム1に概略的に説明されている。相対反応性
データベースの究極的補助を伴うこのような方法は、直鎖及び分枝鎖のオリゴ糖
ライブラリー構築の基礎を形成し、かつおよそ30種の完全に保護されたオリゴ糖
が、この反応性を基にした1-ポット戦略を用いて調製されている(表8)。このラ
イブラリーの完全な脱保護及び選択的脱保護は、より巨大なライブラリーを形成
するであろう。この作業は、我々の研究室で現在進行中であり、時がくれば報告
されるであろう。
【0051】
【表7】
【0052】結論 : 本願明細書において我々は、体系的かつ迅速な方法でのオリゴ糖の合成法を明
らかにしている。この結果を達成するために、反応性の低い別のドナーの存在下
での単独のアクセプターの化学選択的グリコシル化を基にした方法が実行されて
いる。この概念は、我々の開発したHPLCによるほとんどすべてのグリコシルドナ
ーの相対反応性の簡便化、迅速かつ正確な測定のための一般的手法により、予想
可能かつ反復可能に実践することができる。この手法は、1-ポット合成において
容易に入手できる(off-the-shelf)試薬を使用する一連のグリコシドドナーの相
対反応性の定量のために使用される。ドナー及び反応性のデータベースは、一連
の直鎖及び分枝鎖オリゴ糖1-ポット逐次合成の計画を可能にすることに加えて、
アノマー位の反応性に寄与する貴重な構造要因を明らかにしている。別の研究者
により認められたように、環の周囲の一部の保護基の電子求引性の寄与は、反応
性に影響を及ぼす。更に糖の特性、保護基の位置及びアノマー反応性に寄与する
他の重要な要因の影響が、本願明細書において特徴付けられた。
【0053】 本願明細書において更に、試験した単糖及び二糖の構造の中で、フコース核が
最も反応性であり、これにガラクトース、グルコース及びマンノースが続くこと
が明らかである。2-アミノグリコシドに関して、それらの反応性は、窒素位の保
護基により著しく影響されることが示されている。-NTroc基は、-NPhth又はアジ
ド基と比べて、大きい活性化作用を有している。アミン官能基の万能保護基とし
てTroc-及びPhth-基を利用することにより、我々は、アミン上の単に1個の保護
の変化が、所定の単糖の又は様々な単糖構造間のいずれかの反応性を調節するの
に十分であることを明らかにしている。ベンゾイル保護によるアノマー中心の失
活の程度は(その位置での自由ヒドロキシルと比較して)、ガラクトース核の4-位
が最大であり、その全体の順番は4位 > 3位 > 2位 > 6位であることが分かっ
た。
【0054】 所定の保護基の絶対的影響は簡単に説明することができないので、各モノマー
の反応性を個別に決定することが必要である。この目的のために、相対反応性指
数(RRV)が、所定の単糖又は二糖の反応性の相対的尺度として定義された。我々
は、最大50種の異なる単糖及び二糖構造のRRVを測定することにより、ドナー反
応性の最初のデータベースを作成し、かつ様々なオリゴ糖構造の迅速な1-ポット
集成にそれが有用であることを明らかにした。加えて、我々は、1H-NMRによりグ
リコシルドナー反応性とアノマープロトンの化学シフトの間に線形相関を認めた
。利用可能な試薬による高い収率の合成を計画する際の補助として、特徴決定さ
れたドナーデータベースを検索し、かつ恐らく最良の収率をもたらすであろうモ
ノマードナーの特性セットを確定するコンピュータプログラムOptiMerを明らか
にしている。このデータベースは、他の単糖及びオリゴ糖システムを収容するよ
うに容易に拡張することができる。この新規合成戦略の更なる開発は、炭水化物
リガンド及び受容体の発見を促進し、次にそれらの生物学的機能に関するより深
い理解への道を開くための、炭水化物構造の分子多様性への迅速なアクセスに確
実に影響を及ぼすであろう。
【0055】合成プロトコール 一般的方法 : 使用した化学物質は、試薬等級であり、かつ特に記した以外は供給されたまま
で使用した。溶媒は、常法により乾燥するか、又は購入時のまま使用した。特に
言及しない限りは、全ての反応はアルゴン大気下で行った。本研究において使用
した全てのチオグリコシドは、p-メチルフェニルチオグリコシドであった。化合
物3、4、及び43 (Balavoine, G.ら、J. Carbohydr. Chem.、1995, 14, 1217)、
化合物5、6、及び14 (Magnusson, G.、J. Org. Chem.、1977, 42, 913)、化合物
7 (Burkart, M.D.ら、J Am. Chem. Soc.、1997, 119, 11743)、並びに化合物51
(DeNinno, M.P.ら、Tetrahedron Lett.、1995, 36, 669)は、公知の構造であり
、公表された方法に従い調製した。全てのグリコシル化実験は、反応前に高真空
下でフレーム乾燥したライト(right)であるモレキュラーシーブを用いて行った
。分析用薄層クロマトグラフィーは、シリカゲル60 F254 ガラスプレート(Merck
社)を用いて行い;化合物のスポットを、UV光(254 nm)によるか、及び/又は6%
H2SO4 (500 mL)中にCe(NH4)2(NO3)6 (0.5 g)及び(NH4)6Mo7O24・4H2O (24.0 g)
を含有する黄色溶液による染色により、可視化した。フラッシュカラムクロマト
グラフィーは、シリカゲル60 Geduran (35-75μm、EM Science社)上で行った。1 H NMRスペクトルは、Bruker AMX-400又はBruker AMX-500装置により記録した。
低及び高解像度の質量スペクトルは、高速原子衝撃(FAB)条件下で記録した。HPL
C測定は、UV検出装置L7400、ポンプL7100及びソフトウェアD-7000を装備したHIT
ACHI HPLC D-7000システム上で行った。全ての実験は、通常の相カラム86-100-D
5 (MICROSORB-MVTM、RAININ INST. COMPANY INC.)を、溶媒システムヘキサン-Et
OAcで用いて行った。
【0056】 競合実験の一般的方法:ジクロロメタン(1.0 mL)を溶媒とする2種のチオグリ
コシドドナー(各々0.01 mmol、Dref は参照ドナー分子及びDx はいずれか他のド
ナー分子である)、無水MeOH (0.05 mmol)及びモレキュラーシーブ(AW-300)の混
合物を、室温で10分間攪拌した。この混合物のアリコート(40μL)をとりわけ、
かつベースライン分離条件を決定するため、及び更に吸光度(A)及びドナー分子
の濃度[D]の間の係数(a):a = A/[D]を調べるために、個別にHPLCに注入した(各
注入につき10μL)。アセトニトリル(20μL, 0.01 mmol)を溶媒とする0.5 M NIS
溶液を、前述の混合物に添加し、引き続き0.1M TfOH (10μL, 0.001 mmol)溶液
を添加し、かつ室温で2時間静置し反応を進行した。この混合物を、ジクロロメ
タン(2 mL)で希釈し、ろ過し、10%炭酸水素ナトリウムを含有する飽和チオ硫酸
ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、かつ蒸発乾固した。残留物を、ジ
クロロメタン(1.0 mL)に溶解し、残留ドナーの濃度([Dx]及び[Dref])を、試薬添
加前の混合物について測定したものと同じ条件(1回の注入につき10μL)で、HPLC
により測定した。このような実験の例は、図19に示している。
【0057】 構成ブロックの合成:スキーム5は、図17の表において認められた特定の構成
ブロックの代表的合成を説明している。
【0058】
【化7】
【0059】 グリコシル化の一般的方法:グリコシルドナー(1.5当量)、アクセプター(1.0
当量)、NIS(1.6当量)及びMSの冷却した混合物(-40℃)に、シリンジを使ってCH2C
l2 を添加し、かつこの混合物を20分間攪拌し、その後TfOH (0.015当量)を添加
した。この混合物を、-20℃で0.5時間攪拌し、引き続き徐々に室温まで温度上昇
した。反応はTLCによりモニタリングした。反応終了後、固形物 Na2SO3、NaHCO3 及び水数滴を、反応混合物に添加し、この混合物を5分間攪拌し、CH2Cl2で希釈
し、ろ過し、飽和NaHCO3及びブラインで洗浄し、Na2SO4(又はMgSO4)上で乾燥し
、濃縮した。残留物をクロマトグラフィーにかけ、名指しした化合物を得た。
【0060】 p-メチルフェニル 2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-1-チオ-α-D-マンノピラノシド(
1): CH2Cl2 (200 mL)を溶媒とするD-マンノース五酢酸(16.0 g, 0.041 mol)及びp-
チオクレゾール(7.6 g, 0.0615 mol)の混合物に、三フッ化ホウ素ジエチルエテ
レート(6.8 mL, 0.0533 mol)を添加した。混合物を一晩攪拌した。その後反応混
合物を、CH2Cl2 (200 mL)で希釈し、飽和NaHCO3(2 x 120 mL)及び水(100 mL)で
洗浄した。有機相を、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を除去し、かつ残留物を、シリ
カゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン/EtOAc、3:1)、シ
ロップ状の生成物(16.2 g, 87%)を得た:1HNMR (500 MHz, CDCl3), δ7.38 (d,
J = 8.0 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.49 (dd, 1H, J = 2.5, 1.5 H
z), 5.42 (d, 1H, J = 1.0 Hz), 5.30-5.35 (m, 2H), 4.54-4.58 (m, 1H), 4.30
(dd, 1H, J = 12.5, 6.0 Hz), 4.11 (dd, 1H, J = 12.0, 2.5 Hz), 2.33 (s, 3
H), 2.15 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.02 (s, 3H);C21H26O9SCs
のHRMS (M+Cs)、計算値 587.0352、実測値 587.0331。
【0061】 p-メチルフェニル 2,3,6-トリ-O-ベンゾイル-4-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイ
ル-β-D-ガラクトピラノシル)-β-D-グルコピラノシド(2): 過アセチル化されたラクトシド6(同節、Balavoine, G.ら、1995)(2g, 2.695 m
mol)を、無水メタノール(25 mL)中に溶解し、メタノール中の25%NaOMe溶液(w/v
, 0.5 mL)を滴下した。室温で0.5時間攪拌した後、溶液を、アンバーライトHR-1
20 (H+)で中和し、ろ過しかつ濃縮した。残留物を無水ピリジン(10 mL)に溶解し
、過剰量の塩化ベンゾイル(3 mL)及びp-ジメチルアミノピリジン(100 mg)と共に
5時間50℃で処理した。混合物を減圧下で蒸発乾固し、かつ残留物をCH2Cl2 (250
mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過
しかつ濃縮した。残留物をクロマトグラフィーにかけ(ヘキサン/EtOAc, 4:1)化
合物2を得た(3.06g, 96%):[α]D22 +37.80 (c, 0.5, CHCl3);(1H-NMR (500 M
Hz, CDCl3), δ2.23 (S, 3H), 3.69(d, 2H, J=6.5 Hz), 3.88 (ddd, 1H, J=10.0
, 4.5及び1.5 Hz), 3.93 (t, 1H, J=6.5 Hz, H4), 4.18 (t, 1H, J=9.5 Hz), 4.
51 (dd, 1H, J=12.0及び5.0 Hz), 4.67 (dd, 1H, J=12.0及び1.5 Hz), 4.85 (d,
1H, J=10.0 Hz), 4.89 (d, J=8.0 Hz), 5.42 (dd, 1H, J=9.5及び1.5 Hz), 5.4
3 (dd, 1H, J=10.0及び4.5 Hz), 5.74 (dd, 1H, J=10.0及び7.5 Hz), 5.76 (d,
1H, J=3.0 Hz), 5.82 (t, 1H, J=9.5 Hz), 6.90 (d, 2H, J=8.0 Hz), 7.11-7.61
(m, 24H), 7.73 (d, 2H, J=8.0 Hz), 7.9-8.0 (m, 12H);C68H56O17SCsのHRMS(
M+Cs)、計算値 1309.2293、実測値 1309.2222。
【0062】 p-メチルフェニル 3,6-ジ-O-ベンゾイル-2-デオキシ-2-フタルイミド-1-チオ-β
-D-グルコピラノシド(8): CH2Cl2 (8 mL)中のp-メチルフェニル 2-デオキシ-2-フタルイミド-1-チオ-β-
D-グルコピラノシド(同節、Balavoine, G.ら、1995)(185 mg, 0.44 mmol)を塩化
ベンゾイル(203μL, 1.76mmol)及びピリジン(177μL, 2.2 mmol)で処理した(2参
照)。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc, 3:1)で精製し、
白色固形物の表題化合物(205mg, 75%)を得た:[α]D22 +1070 (c, 0.1, CHCl3)
1H-NMR (400MHz, CDCl3), δ2.02 (s 3H), 3.70 (s, 1H), 3.86 (t, 1H, J =
9.4 Hz), 4.03 (m, 1H), 4.47 (t, 1H, J = 10.4 Hz), 4.70 (dd, 1H, J = 12.1
, 5.1 Hz), 4.78 (dd, 1H, J= 12.0, 4.0 Hz), 5.83 (d, 1H, J= 10.4 Hz), 5.9
9 (dd, 1H, J= 10.2, 9.1 Hz), 7.23-8.08 (m, 8 H); 13C-NMR (400 MHz, CDCl3 ), δ 21.10, 53.44, 63.71, 70.01, 74.69, 78.21, 83.05, 123.54, 127.30, 1
28.29, 128.33, 128.63, 129.51, 129.69, 129.78, 129.83, 131.07, 131.43, 1
33.16, 133.40, 133.59, 134.13, 134.26, 138.29, 166.65, 166.87, 167.14, 1
67.89; C35H29NO8SCsのHRMS (M+Cs)、計算値 756.0668、実測値 756.0690。
【0063】 p-メチルフェニル 2,3,6-トリ-O-ベンゾイル-4-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-
β-D-ガラクトピラノシル)-β-D-グルコピラノシド(9): ドナー48(151.2 mg, 0.234 mmol)及びアクセプター10(100 mg, 0.167 mmol)の
グリコシル化を、上記の一般的方法に従い行った。粗物質のクロマトグラフィー
は、白色固形物の表題化合物9(121 mg, 65%)を得、かつ副産物としてコハク酸
イミド誘導体(directive)58(22 mg, ドナー48の15%)を得た。化合物9のデータ
:[α]D22 +26.80 (c, 0.5, CHCl3);1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ2.25 (S, 3H
, Me of STol), 3.38 (m, 2H), 3.76 (dd, 1H, J=10.5及び4.0 Hz), 3.84 (dd,
1H, J=10.5及び2.5 Hz), 3.90-4.0 (m, 3H), 4.17 (t, 1H, J=9.5 Hz), 4.19 (d
, 1H, J=11.5 Hz), 4.23 (d, 1H, J=12.0 Hz), 4.28 (d, 1H, J=12.0 Hz), 4.41
(d, 1H, J=11.0 Hz), 4.56 (dd, 1H, J=12.0及び4.5 Hz), 4.59 (d, 2H, J=2.5
Hz), 4.77 (d, 1H, J=11.5 Hz), 4.87 (d, 1H, J=12.0 Hz), 4.94 (dd, 1H, J=
12.0 及び 2.0 Hz), 4.99 (d, 2H, J=3.5 Hz), 5.36 (t, 1H, J=10.0 Hz), 5.85
(t, 1H, J=7.5 Hz), 6.88 (d, 2H, J=8.0 Hz), 7.05-7.52 (m, 35H), 7.63 (t,
1H, J=7.0 Hz), 7.92 (d, 2H, J=8.0 Hz), 7.95 (d, 2H, J=8.0 Hz), 8.02 (d,
2H, J=8.0 Hz); C68H64O13SCsのHRMS (M+Cs)、計算値1253.3122、実測値1253.
3056。C68H64O13Sの分析:計算値 C, 72.94; H, 5.75; S, 2.86;実測値 C, 72.
94; H, 5.60; S, 3.25。化合物58のデータ:1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ2.51-
2.64 (m, 4H), 3.42 (dd, 1H, J=9.5及び7.0 Hz), 3.49 (dd, 1H, J=9.5及び6.0
Hz), 4.03 (d, 1H, J=2.5 Hz), 4.36-4.49 (m, 5H), 4.55 (dd, 1H, J=10.0及
び3.0 Hz), 4.57 (d, 1H, J=9.0 Hz), 4.67 (d, 1H, J=11.5 Hz), 4.75 (d, 1H,
J=11.5 Hz), 4.82 (d, 1H, J=11.5 Hz), 4.94 (d, 1H, J=11.5 Hz), 6.13 (d,
1H, J=7.5 Hz), 7.20-7.37 (m, 20H); C38H39O7NCsのHRMS (M+Cs)、計算値754.
1781、実測値754.1763。
【0064】 p-メチルフェニル 2,3,6-トリ-O-ベンゾイル-1-チオ-β-D-グルコピラノシド(10
): 表題化合物を、下記の5工程合成法により、過アセチル化されたグルコシド5
から調製した(同節、Magnusson, G.J.、1977): 1)化合物2の調製に記された方法により、化合物5(2.2 g, 4.8 mmol)を、無水
メタノール(35 mL)を溶媒とするメタノール(0.5 mL)中の1M NaOMeで処理した。 2)残留物を、無水アセトニトリル(20 mL)に溶解し、かつp-アニスアルデヒド
ジメチルアセタール(1.3 g, 7 mmol)及びショウノウスルホン酸(100 mg)を添加
した。室温で2時間攪拌した後、ピリジンを添加し混合物を中和し、その後蒸発
乾固した。 3)残留物を、無水ピリジン(10 mL)中の過剰量の塩化ベンゾイル(1.64 mL, 13.
6 mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(0.5 g)で、50℃で2時間処理した(2参照)
。残留物を、酢酸エチル及びヘキサンから結晶化し、白色結晶の生成物2,3-ベン
ゾイル-4,6-p-メトキシベンジリジンを得た(2.4 g, 3工程の収率83%):m.p. 20
2-203 ℃;1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ2.34 (S, 3H, Me of STol), 3.73 (ddd
, 1H, J=14.0, 9.5及び4.5 Hz, H5), 3.75 (s, 3H, OMe), 3.83-3.88 (m, 2H),
4.43 (dd, 1H, J=10.5及び4.5 Hz), 4.96 (d, 1H, J=10.0 Hz, H-1), 5.44 (t,
1H, J=9.5 Hz), 5.49 (s, 1H), 5.77 (t, 1H, J=9.5 Hz), 6.83 (d, 2HJ=9.0 Hz
), 7.12 (d, 2H, J=8.0 Hz), 7.25-7.41 (m, 8H), 7.47 (t, 1H, J=7.5 Hz), 7.
53 (t, 1H, J=7.5 Hz), 7.93 (d, 2H, J=8.0 Hz), 7.97 (d, 2H, J=8.0 Hz); C3 5 H32O8SCsのHRMS (M+Cs):計算値745.0872, 実測値 745.0849。 4)前記ベンジリデン誘導体(2.0 g, 3.27 mmol)を、80%酢酸-水(v/v, 25 mL)
中に懸濁し、かつ反応液を、50℃で1時間攪拌した。混合物を蒸発乾固した。残
留物を、無水トルエン(20 mL)中に溶解し、再度蒸発乾固した。この方法を3回繰
り返した。 5)次に粗残留物をジクロロメタン(20 mL)中に溶解し、その後トリエチルアミ
ン(3 mL)及び塩化ベンゾイル(0.57 mL, 4.95 mmol)を添加した。室温で1時間静
置した後、酢酸エチル及び水を添加し、反応を停止し、混合物を蒸発乾固した。
生成物を、酢酸エチル及びヘキサンにより結晶化し、白色結晶の化合物10 (1.5
g, 77%)を得た:[α]D22 +560 (c, 0.5, CHCl3); 1H-NMR (500 MHz, CDCl3),
m.p. 197 ℃;δ2.28 (s, 3H), 3.46 (d, 1H, J=4.0 Hz), 3.84-3.86 (m, 2H),
4.72-4.76 (m, 2H), 4.89 (d, 1H, J=10.0 Hz, H-1), 5.37 (t, 1H, J=9.5 Hz)
, 5.47 (t, 1H, J=9.0 Hz), 6.96 (d, 2H, J=8.0 Hz), 7.31-7.40 (m, 6H), 7.4
7-7.54 (m, 4H), 7.63 (t, 1H, J=7.5 Hz), 7.93 (d, 2H, J=8.0 Hz), 7.98 (d,
2H, J=8.0 Hz), 8.09 (d, 2H, J=8.0 Hz)。C34H30O8SCsのHRMS(M+Cs)、計算値
731.0716、実測値731.0689。C34H30O8Sの分析:計算値 C, 68.21; H, 5.05; S,
5.36;実測値 C, 68.79; H, 5.06; S, 5.13。
【0065】 p-メチルフェニル 3,4,6-トリ-O-アセチル-2-デオキシ-2-フタルイミド-1-チオ-
β-D-ガラクトピラノシド(11): 化合物1の調製において説明した方法で、CH2Cl2 (20 mL)を溶媒とする1,3,4,6
-テトラ-O-アセチル-2-デオキシ-2-フタルイミド-β-D-ガラクトピラノース(Nil
sson, U.ら、Carbohydr. Res.、1990, 208, 260)(1.7 g, 3.56 mmol)を、チオク
レゾール(663 mg, 5.34 mmol)及びBF3.Et2O (1.5 mL)で処理した。後処理後、粗
生成物を、Et2Oから結晶化し、表題化合物11(1.62 g, 83 %)を得た:m.p. 141-
142℃;[α]D22 +45.40 (c, 0.5, CHCl3); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3), δ1.97
(s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 4.09-4.24 (m, 3H), 4.
62 (t, 1H, J=10.8 Hz), 5.49 (d, 1H, J=3.2 Hz), 5.64 (d, 1H, J= 10.8 Hz),
5.80 (dd, 1H, J= 10.8, 3.2 Hz),7.07 (d, 2H, J= 8.1 Hz), 7.32 (d, 2H, J=
8.1 Hz), 7.76-7.80 (m, 4H); 13C-NMR (400 MHz, CDCl3), δ20.52, 20.69,
21.14, 50.11, 61.63, 66.85, 68.81, 74.48, 84.35, 123.65, 129.62, 133.21
, 134.40, 162.01, 163.10, 167.16, 167.90, 171.22; C27H27NO9SCsのHRMS(M+
Cs)、計算値 674.0461、実測値 674.0435。
【0066】 p-メチルフェニル 3-O-アセチル-6-O-ベンゾイル-2-デオキシ(dexy)-2-フタルイ
ミド-1-チオ-β-D-グルコピラノシド(12): p-メチルフェニル 2-デオキシ-2-フタルイミド-1-チオ-β-D-グルコピラノシ
ド(同節、Balavoine, G.ら、1995) (420 mg, 1.01 mmol)を、ショウノウスルホ
ン酸(30 mg)及びアニスアルデヒドジメチルアセタール(0.2 mL, 1.2 mmol)で処
理した(化合物5の調製を参照)。ピリジン(2 mL)中の残留物を0℃に冷却し、無水
酢酸(0.3 mL, 3 mmol)を添加し、反応液を1.5時間攪拌した。後処理後、HOAc/水
(1:1, 20 mL)中の混合物を60℃で30分間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を
蒸発乾固した。残留物をCH2Cl2 (20 mL)中に溶解し、飽和NaHCO3水溶液及びNH4C
lで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。この物質は更に精製す
ることなく、ピリジン(2 mL)及び塩化ベンゾイル(121μL, 1.05 mmol)を0℃で30
分間処理し、その後蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘ
キサン/EtOAc, 2:1)により精製し、白色固形物として化合物12(340 mg, 4工程で
60%)を得た:[α]D22 8.60 (c, 0.5, CHCl3);1H-NMR (400 MHz, CDCl3), δ 1
.88 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 3.51 (m, 1H), 3.71 (t, 1H, J=8.0 Hz), 3.96 (m
, 1H), 4.27 (t, 1H, J= 10.3 Hz), 4.63-4.75 (m, 2H), 5.76 (m, 1H), 5.80 (
d, 1H, J=10.4 Hz), 6.94 (d, 1H, J= 8.0 Hz), 7.32 (d, 2H, J= 8.1 Hz), 7.
60-7.74 (m, 3H), 7.81-7.87 (m, 2H), 8.05-8.08 (?);13C-NMR (400MHz, CDCl 3 ), δ20.56, 21.06, 53.54, 63.64, 69.42, 74.07, 77.97, 82.72, 123.53, 12
7.13, 128.26, 128.33, 129.45, 129.60, 129.72, 129.78, 131.02, 131.46, 13
3.20, 133.59, 134.20, 134.37, 138.25, 166.67, 167.16, 167.90, 171.22; C 30 H27NO8SClCsのHRMS(M+Cs)、計算値 694.0512、実測値 694.0537。
【0067】 p-メチルフェニル 2,3,4-トリ-O-ベンゾイル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド
(13): 化合物16(3.6 g, 5.06 mmol)を、CH3CN-(aq)HF (90:10, 100 mL)の混合物で1
時間処理した。その後溶液を濃縮し、かつ残留物をCH2Cl2 (300 mL)に希釈し、
飽和NaHCO3(2 x150 mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過及び濃縮した。残留物
を、フラッシュクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン/EtOAc、2:1から1:2)、化
合物13(2.92 g, 96.8%)を得た:[α]D22 +112.60 (c, 1, CHCl3);1H-NMR (400
MHz, CDCl3), δ8.01-7.14 (19H), 5.83 (d, 1H, J=3.16 Hz, H-4), 5.77 (t,
1H, J=9.92 Hz, H-2), 5.67 (dd, 1H, J=3.16及び9.88 Hz, H-3), 4.968 (d, 1H
, J=9.88Hz, H-1), 4.08(t, 1H, J=6.68 Hz, H-5), 3,85 (dd, 1H, J=6.68及び1
1.88 Hz, H-6), 3,85 (dd, 1H, J=6.68及び11.88 Hz, H-6);13C-NMR (400 MHz,
CDCl3), δ166.47, 165.45, 165.13, 85.73, 77.76, 73.10, 68.91, 67.95, 60
.6821.31; C34H30O8CsのHRMS(M+Cs)、計算値 731.0716、実測値 731.0736。
【0068】 p-メチルフェニル 3,4,6-トリ-O-ベンゾイル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド
(15): トルエン-ベンゼン(1:1, 10 mL)中のp-メチルフェニル 1-チオ-β-D-ガラクト
ピラノシド(Vargas-Berenguel, A.ら、J. Chem. Soc. Perkin Trans 1、1994, 3
287) (100 mg, 0.350 mmol)及びBu2SnO(266 mg, 1.04 mmol)の懸濁混合物を、10
分間還流した。混合物を濃縮し、Ar下で蒸留し容量2mLとし、次に温めた溶液(約
100℃)を、塩化ベンゾイル(130μL, 1.12 mmol)で処理した。この温度で1時間攪
拌した後、反応混合物をEtOAc (20 mL)で希釈し、室温に冷却し、セライトを通
してろ過しかつ濃縮した。残留物のクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc, 4:1か
ら2:1から1:1)で、真白色(white white)固形物として化合物15(192 mg, 91.7 %
)をもたらした:[α]D22 +150 (c, 0.5, CHCl3);1H-NMR (250 MHz, CDCl3),
δ 5.91 (d, 1H, J=3.1 Hz, H-4), 5.43 (dd, 1H, J=3.3, 9.7 Hz, H-3), 4.720
(d, 1H, J=9.6 Hz, H-1), 4.29 (bt, 1H, J=6.5 Hz, H-5), 4.62 (dd, 1H, J=6
.6 Hz, H-6) 4.37 (dd, 1H 各, J=11.5 Hz, H-6'), 4,03 (t, 1H, J=9.6 Hz, H-
2), 2.38 (s, 3H, Me);13C-NMR (270 MHz, CDCl3), δ 165.98, 165.90, 165.2
9, 88.26, 74.97, 74.47, 68.59, 67.34, 62.45, 21.28 ;C40H44O8SiCsのHRMS(
M+Cs)、計算値 845.1581、実測値 845.1609。
【0069】 p-メチルフェニル 2,3,4-トリ-O-ベンゾイル-6-O-t-ブチルジメチルシリル-1-チ
オ-β-D-ガラクトピラノシド (16): DMF (10 mL)中のp-メチルフェニル 1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(同節、V
argas-Berenguel, A.ら、1994)(4.0 g, 14.0 mmol)溶液を、イミダゾール(1.4 g
, 20.6 mmol)及びt-ブチルジメチルシリルクロリド(2.26g, 14.5 mmol)で、0℃
で12時間処理した。混合物を、減圧下で蒸発乾固し、かつ残留物をフラッシュク
ロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、4:1から1:1)で精製し、シロップ状の対応す
る6-O-t-ブチルジメチルシリルエーテル(5.3 g, 96%)を得た。この生成物の一
部(4.0 g, 10.0 mmol)を、ピリジン(50 mL)、過剰量の塩化ベンゾイル(8 mL)及
び4-ジメチルアミノピリジン(100 mg)で、50℃で1時間処理した。後処理後、残
留物を、シリカゲルカラム上のクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc, 4:1)で精
製し、シロップ状の表題化合物16(6.96g, 97.7%)を得た;[α]D22 +1020 (c, 0
.8, CHCl3); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3), δ 5.93 (d, 1H, J=3.2, H-4), 5.66
(t, 1H, J=9.84 Hz, H-2), 5.56 (dd, 1H, J=3.24, 9.96 Hz, H-3), 4.935 (d,
1H, J=9.80 Hz, H-1), 4.05 (bt, 1H, J=7.08 Hz, H-5), 3,85 (dd, 1H, J=5.92
, 10.0 Hz, H-6), 3,85 (dd, 1H, J=7.52, 10.0 Hz, H-6); 13C-NMR (400 MHz,
CDCl3), δ165.52, 165.21, 165.09, 86.09, 73.32, 68.12, 67.95, 60.96, 25
.77, 25.73, 21.34, -5.60, -5.70; C40H44O8SiCsのHRMS(M+Cs)、計算値 845.1
581、実測値 845.1609。
【0070】 p-メチルフェニル 4,6-O-ベンジリデン-2-デオキシ-2-フタルイミド-1-チオ-β-
D-グルコピラノシド(17): 化合物5の調製について説明した方法のように、p-メチルフェニル 2-デオキシ
-2-フタルイミド-1-チオ-β-D-グルコピラノシド(同節、Balavoine, G.ら、1995
) (820 mg, 1.98 mmol)を、無水CH3CN(20 mL)中のベンズアルデヒドジメチルア
セタール(385μL, 2.56 mmol)及びショウノウスルホン酸(50 mg)で処理した。残
留物を、EtOH (-25℃)から結晶化し、白色結晶として化合物17(780 mg, 79%)を
得た:m.p. 121-122 ℃;[α]D22 +340 (c, 0.5, CHCl3); 1H-NMR (400 MHz, C
DCl3), δ 7.75-7.06 (13H), 5.624 (d, 1H, J=10.52 Hz, H-1), 5.60 (dd, 1H,
J=2.96, 9.48 Hz, H-3), 4.39 (dd, 1H, J=4.76, 10.48 Hz, H-6), 4.30 (t, 1
H, J=10.16 Hz, H-2), 3.81 (t, 1H, J=10.16 Hz, H-6), 3.67 (dd, 1H, J=4.88
, 9.80 Hz, H-5), 3.58 (t, 1H, J=9.16 Hz, H-4), 2.29 (s, 3H, Me); 13C-NM
R (400 MHz, CDCl3), δ101.93, 84.43, 81.88, 70.24, 69.71, 68.55, 55.57,
21.12; C28H25NO6SCsのHRMS (M+Cs)、計算値 636.0457、実測値 636.0475。
【0071】 p-メチルフェニル 2-アジド-4,6-O-ベンジリデン-3-O-クロロアセチル-2-デオキ
シ-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(18): 表題化合物を前述のように、無水CH3CN(15 mL)中のp-メチルフェニル 2-デオ
キシ-2-アジド-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(Luening, B.ら、Glycoconjuga
te J.、1989, 6, 5-19) (527 mg, 1.70 mmol)、ベンズアルデヒドジメチルアセ
タール(280μL, 1.87 mmol)及びショウノウスルホン酸(30 mg, 0.15 mmol)から
調製した。粗残留物のフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc, 2:1)は
、白色固形物として対応する4,6-O-ベンジリジン誘導体18a (584 mg, 86 %)を
得た:1H-NMR (400 MHz, CDCl3), δ 2.34 (s, 3H), 3.39 (s, 1H), 3.49 (t,
1H, J =7.6 Hz), 3.57 (m, 1H), 3.94 (dd, 1H, J= 10.0, 1.2 Hz), 4.05 (d, 1
H, J= 3.5 Hz), 4.31 (d, 1H, J= 9.5 Hz), 4.32 (m, 1H), 7.32 (d, 2H, J= 8.
1 Hz), 7.60-7.74 (m, 5H), 7.81-7.87 (m, 2H); 13C-NMR (400 MHz, CDCl3),
δ 21.10, 61.70, 69.0, 69.5, 72.8, 79.2, 84.8, 101.1, 126.2, 126.5, 128.
1, 129.2, 129.6, 134.5, 137.3, 138.5; C20H21N3O4SNaのHRMS(M+Na)、計算値
422.1150、実測値 422.1134。
【0072】 前述の4,6-O-ベンジリジン誘導体(212 mg, 0.53 mmol)を無水ピリジン(5 mL)
に溶解し、0℃に冷却した。混合物を、クロロアセチルクロリド(47.8μL, 0.6 m
mol)で処理し、反応の進行をTLCでモニタリングした。室温で20分間攪拌した後
、溶媒を高真空下で蒸留することにより除去し、かつ残留物をシリカゲルカラム
上で精製し(ヘキサン/EtOAc, 2:1)、真白色固形物として化合物18 (247 mg, 98
%)を得た:[α]D22 -280 (c, 0.5, CHCl3); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3), δ2.
34 (s, 3H), 3.56 (m, 1H), 3.81 (t, 1H, =10.1 Hz), 4.00 (dd, 1H, J= 12.4,
1.6 Hz), 4.08 (ABq, 2H, J= 12.2 Hz), 4.36 (dd, 1H, J= 3.4, 0.8 Hz), 4.3
9 (dd, 1H, J= 12.4, 1.7 Hz), 4.45 (d, 1H, J= 9.8 Hz), 4.84 (dd, 1H, J= 1
0.8, 3.4 Hz), 5.47 (s, 1H), 7.05-7.07 (m, 2H), 7.37-7.40 (m, 5H), 7.60-7
.62 (m, 2H);13C-NMR (400 MHz, CDCl3), δ 21.25, 40.45, 58.08, 69.11, 69
.38, 72.27, 76.68, 85.21, 100.92, 125.77, 126.42, 128.16, 129.28, 129.58
, 134.72, 137.32, 138.35, 166.83; C22H22N3O5SClNaのHRMS(M+Na)、計算値 4
98.0866、実測値 498.0882。
【0073】 p-メチルフェニル 2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド
(19): 化合物13 (300 mg, 0.502 mmol)を、ピリジン-H2O (4:1, 3 mL)混合物に溶解
し、これにAgF (30 mg)を添加し、かつ混合物を50℃で20分間攪拌した。反応混
合物を、減圧下で濃縮し、かつ残留物をクロマトグラフィーにかけ(ヘキサン/Et
OAc, 2:1)、白色粉末として化合物19を得た(96 mg, 32%):[α]D22 10.40 (c,
0.5, CHCl3); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3), δ8.11-7.02 (19H), 5.77 (d, 1H, J
=3.36 Hz, H-4), 5.26 (t, 1H, J=9.64 Hz, H-2), 4.879 (d, 1H, J=9.88 Hz, H
-1), 4.58 (dd, 1H, J=7.24, 11.56Hz, H-6), 4.45 (dd, 1H, J=5.44, 11.60 Hz
, H-6), 3.85 (bt, 1H, J=6.44 Hz, H-5), 4.15 (dq, 1H, J=3.56, 6.28 及び 9
.64 Hz, H-3), 2.77 (d, 1H, J=6.24 Hz, OH), 2.34 (s, 3H, Me); C34H30O8SC
sのHRMS(M+Cs)、計算値 731.0716、実測値 731.0737。C34H30O8Sの分析、計算値
:C, 68.21; H, 5.05; S, 5.36;実測値:C, 67.65; H, 4.96; S, 5.45。
【0074】 p-メチルフェニル 4,6-O-ベンジリジン-2,3-ジ-O-クロロアセチル-1-チオ-β-D-
ガラクトピラノシド(20): p-メチルフェニル 1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(同節、Vargas-Berenguel
, A.、1994)(3.5 g, 12.24 mmol)を、CH3CN(30 mL)中に懸濁し、ベンズアルデヒ
ドジメチルアセタール(9.35 mL, 18.36 mmol)及びショウノウスルホン酸(100 mg
)で処理した。混合物を室温で、出発材料が全て消費されるまで攪拌した(2時間)
。溶媒を蒸発した後、粗生成物を、MeOHから結晶化し、対応する4,6-O-ベンジリ
ジン誘導体(3.8 g, 83%)とした。この生成物の一部(200 mg, 0.535 mmol)を、C
H2Cl2 (5 mL)中に溶解し、ピリジン(300μL)及びクロロアセチルクロリド(153μ
L,1.91 mmol)で処理した。通常の後処理後、粗生成物を、クロマトグラフィー(
ヘキサン/EtAc, 1:1)で精製し、白色固形物として表題化合物20(276 mg, 98%)
を得た:[α]D22 -10 (c, 0.5, CHCl3);1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ 7.49 (
d, 2H, J=8.0 Hz), 7.09 (d, 2H, J=8.0 Hz), 5.45 (s, 1H), 5.24 (t, 1H, J=1
0.0 Hz), 5.08 (dd, 1H, J= 3.5, 12.4 Hz), 4.68 (d, 1H, J= 10.0 Hz), 4.4 (
m, 2H), 4.11-4.01 (m, 6H), 3.62 (s, 1H), 2.35 (s, 3H); C24H24Cl2O7SCsの
HRMS(M+Cs)、計算値 658.9674、実測値 658.9692。
【0075】 p-メチルフェニル 3,4,6-トリ-O-アセチル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエ
トキシルカルボニルアミノ)-1-チオ-β-D-グルコピラノシド(21): 表題化合物を前述の方法に従い、無水CH2Cl2 (60 mL)中の1,3,4,6-テトラ-O-
アセチル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエトキシルカルボニルアミノ)-β-D-
グルコピラノース(Boullanger, P.ら、Carbohydr. Res.、1990, 202, 151) (11.
8 g, 22.5 mmol)、チオクレゾール(3.07 g, 24.75 mmol)及びBF3-Et2O (10 mL)
から調製した(化合物1を参照のこと)。粗生成物を、エーテルから結晶化し、白
色結晶として化合物21( 11.8 g, 89 %)を得た:m.p. 175-176℃;[α]D22 +30
(c, 0.5, CHCl3); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3), δ2.00 (s, 3H), 2.01 (s, 3H),
2.09 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 3.71-3.73 (m, 1H), 4.11-4.25 (m, 2H), 4.73
(d, 1H, J= 12.0 Hz), 4.79 (d, 1H, J= 10.8 Hz), 5.01 (t, 1H, J= 9.8 Hz),
5.26 (d, 1H, J= 9.8 Hz), 5.31 (d, 1H, J= 9.1 Hz), 7.11 (d, 2H, J= 8.0 Hz
), 7.41 (d, 2H, J= 8.0 Hz); 13C-NMR (400 MHz, CDCl3), δ20.56, 20.61, 2
0.73, 21.15, 54.93, 62.25, 68.44, 73.14, 74.47, 75.70, 86.65, 95.36, 127
.84, 129.71, 133.62, 138.70, 153.85, 169.45, 170.61; C22H26NO9SCl3NaのH
RMS(M+Na)、計算値 610.0266、実測値 610.0286。C22H26NO9SCl3の分析:計算値
:C, 45.03; H, 4.47; N, 2.39;実測値: C, 45.46; H, 4.26; N, 2.30。
【0076】 p-メチルフェニル 2,3,6-トリ-O-ベンゾイル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド
(22): 化合物33 (200 mg, 0.342 mmol)を、TFA-CH2Cl2 (1:1, 5 mL)の混合物に溶解
し、かつ1時間攪拌した。反応混合物を、CH2Cl2 (50 mL)で希釈し、飽和NaHCO3
で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過しかつ濃縮した。更に残留物を、BzCl (56μ
L, 0.479 mmol)及びピリジンで処理した。一般的後処理後、残留物をクロマトグ
ラフィーにかけ(ヘキサン/AcOEt, 3:2)、化合物22(153 mg, 85%)を得た;1H-NM
R (500 MHz, CDCl3), δ8.16-6.95 (19H), 5.80 (t, 1H, J=10.0 Hz, H-2), 5.3
8 (dd, 1H, J=3.0 及び 10.0 Hz, H-3), 4.920 (d, 1H, J=10.0 Hz, H-1), 4.66
(m, 2H, H-6), 4.40 (d, 1H, J=2.50 Hz, H-4), 4.12 (bt, 1H, J=6.0 Hz, H-5
), 2.27 (s, 3H, -Me);13C-NMR (500 MHz, CDCl3), δ166.4, 165.8, 165.3, 8
7.1, 76.2, 67.9, 67.6, 63.4, 21.1;C34H30O8SCsのHRMS (M+Cs) 計算値 731.0
716、実測値 731.0736。
【0077】 p-メチルフェニル 4,6-O-ベンジリジン-2-デオキシ-2-フタルイミド-1-チオ-β-
D-ガラクトピラノシド(23a): 無水CH2Cl2 (15 mL)中のp-メチルフェニル 2-デオキシ-2-フタルイミド-1-チ
オ-β-D-ガラクトピラノシド1.5 g (3.91 mmol)を、ショウノウスルホン酸(30 m
g, 0.15 mmol)及びベンズアルデヒドジメチルアセタール(0.59 mL, 3.94 mmol)
で処理した。残留物にフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt 1:2)を行
い、真白色固形物として化合物23a (1.83 g, 93 %)を得た:1H-NMR (500 MHz,
CDCl3), δ 2.35 (s, 3H), 3.70 (m, 1H), 4.06 (dd, 1H, J=12.0 Hz, 2.0 Hz),
4.12 (dd, 1H, J=14.5, 7.0 Hz), 4.28 (m, 1H), 4.39-4.51 (m, 3H), 5.56 (s
, 1H), 5.61 (d, 1H, J=10Hz, H-1), 7.07 (d, 2H, J=8.0 Hz), 7.39-7.48 (m,
7H), 7.72-7.87 (m, 4H);C28H25O6NSCsのHRMS (M+Cs) 計算値 636.0457、実測
値 636.0435。
【0078】 p-メチルフェニル 4,6-O-ベンジリジン-3-O-クロロアセチル-2-デオキシ-2-N-フ
タルイミド-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(23): 前述の方法(化合物18の調製を参照のこと)により、化合物23a(580 mg, 1.15 m
mol)を、クロロアセチルクロリド(238μL, 3.45 mmol)及びピリジン(5 mL)で、0
℃で処理した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc, 2:1)
で精製し、白色固形物として化合物23(647 mg, 97%)を得た:[α]D22 +100 (c,
0.5, CHCl3);1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ 2.34 (s, 3H), 3.75 (s, 1H), 3.
82-3.90 (ABq, 2H, J=15 Hz), 4.07 (dd, 1H, J=11.5 Hz, 1.5 Hz), 4.40 (dd,
1H, J=12.5 Hz, 1.5 Hz), 4.51 (d, 1H, J= 3.5 Hz), 4.77 (t, 1H, J=10.5), 5
.52 (s, 1H), 5.67 (d, 1H, J=10.4 Hz), 5.76-5.79 (dd, 1H, J= 11.0 Hz, 3.
5 Hz), 7.04 (d, 2H, J= 8.0 Hz), 7.38-7.46 (m, 7H), 7.74-7.77 (m, 2H), 7.
84-7.89 (m, 2H); 13C-NMR (500 MHz, CDCl3), δ21.22, 40.47, 49.33, 69.63
, 71.74, 72.57, 82.50, 101.03, 123.49, 123.68, 126.53, 126.57, 126.72, 1
28.15, 129.18, 129.53, 131.27, 131.46, 134.15, 134.28, 134.32, 137.41, 1
38.40, 166.79, 166.87, 168.30;C30H26NO7SClCsのHRMS (M+Cs) 計算値 712.01
73、実測値 712.0196。
【0079】 p-メチルフェニル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリジン-3-O-クロロアセチル-1-
チオ-β-D-ガラクトピラノシド(24): 化合物42(80 mg, 0.167 mmol)を、CH2Cl2 (2 mL)中のClAcCl (27μL, 0.335 m
mol)及びピリジン(100μL)で処理した。残留物をクロマトグラフィー(ヘキサン-
AcOEt 1:1)にかけ、白色粉末の化合物24 (87 mg, 94%)を生じた:1H-NMR (500
MHz, CDCl3), δ8.05-7.04 (14H), 5.54 (t, 1H, J=10.0 Hz, H-2), 5.49 (s,
1H, ArCH), 5.22 (dd, 1H, J=3.5 及び 10.0 Hz, H-3), 4.828 (d, 1H, J=10.0
Hz, H-1), 4.45 (d, 1H, J=3.5 Hz, H-4), 4.43 (d, 1H, J=11.0 Hz, H-6), 4.0
6 (d, 1H, J=11.0 Hz, H-6), 3.98及び3.89 (dAB, 1H 各, J=15.0 Hz, ClCH2),
3.67 (bs, 1H, H-5), 2.34 (s, 3H, Me);13C-NMR (500 MHz, CDCl3), δ167.2
, 164.8, 101.2, 85.2, 75.0, 73.3, 69.6, 69.1,67.2, 40.6, 21.05;C29H27O7 ClCsのHRMS (M+Cs)、計算値 687.0220、 実測値 687.0235。
【0080】 p-メチルフェニル 2-O-ベンゾイル-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-O-レブリ
ニル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(25): CH2Cl2 (45 mL)を溶媒とする化合物35(1.1 g, 1.3 mmol)の攪拌溶液に、トリ
フルオロ酢酸(8 mL)を-20℃で添加した。20分間この温度で攪拌した後、次に反
応混合物にメタノール(8 mL)及びCH2Cl2 (80 mL)を添加し、かつ混合物を飽和Na
HCO3 (3 x 30 mL)及びブライン(30 mL)で洗浄し、その後Na2SO4上で乾燥した。
溶媒除去後、残留物を、シリカゲルカラム上のクロマトグラフィーにより精製し
(ヘキサン-EtOAc、2.5:1)、白色固形物として化合物25(547 mg, 58%)を生じた
1HNMR (500 MHz, CDCl3), δ8.08 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.66 (t, J = 7.5 H
z, 4H), 7.59 (t, 1H, J = 7.5 Hz), 7.37-7.48 (m, 8H), 7.33 (d, 2H, J = 8.
0 Hz), 7.02 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 5.58 (d, 1H, J = 3.5 Hz), 5.13 (t, 1H,
J = 10.0 Hz), 4.76 (d, 1H, J = 10.0 Hz), 3.95 (dt, 1H, J = 3.0, 8.5 Hz),
3.76-3.82 (m, 2H), 3.66-3.72 (m, 1H), 3.01 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 2.67-2.
79 (m, 2H), 2.42-2.56 (m, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 1.05 (s, 9H)
13C-NMR (125 MHz, CDCl3),δ207.7, 172.0, 166.3, 138.1, 135.6, 135.6, 1
33.2, 133.1, 133.1, 133.0, 130.0, 129.8, 129.8, 129.7, 129.6, 128.9, 128
.4, 127.7, 86.7, 77.83, 73.18, 71.58, 70.36, 61.97, 38.41, 29.68, 28.17,
26.75, 21.13, 19.11; C41H46O8SSiCs のHRMS (M + Cs)、計算値 859.1737、
実測値 859.1704。C41H46O8SSi分析の計算値:C, 67.74; H, 6.38; S, 4.41;実
測値:C, 68.10; H, 6.46; S, 4.91。
【0081】 p-メチルフェニル 2-O-ベンゾイル-3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-α-D-グル
コピラノシル)-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-O-レブリニル-1-チオ-β-D-ガ
ラクトピラノシド(26): 化合物26を、一般的グリコシル化法に記されたように、化合物25(60.0 mg)及
び化合物43(80.1 mg)から調製し、化合物25を生じた(93.1 mg, 90%):1H-NMR (
500 MHz, CDCl3), δ7.98 (dd, J = 8.0 Hz, 1.0 Hz, 2H), 7.63-7.69 (m, 4H),
7.16-7.45 (m, 29H), 7.00 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 6.79 (dd, 2H, J = 8.0, 2.
0 Hz), 5.66 (d, 1H, J = 3.0 Hz), 5.46 (t, 1H, J = 9.0 Hz), 5.16 (d, 1H,
J = 3.5 Hz), 4.81 (d, 1H, J = 11.0 Hz), 4.69 (d, 1H, J = 12.0 Hz), 4.59
(d, 2H, J = 11.0 Hz), 4.54 (d, 1H, J = 11.5 Hz), 4.46 (d, 1H, J = 12.0 H
z), 4.36 (d, 1H, J = 12.0 Hz), 4.20 (d, 1H, J = 11.0 Hz), 4.05-4.07 (m,
1H), 3.80 (dd, 1H, J = 9.5, 6.0 Hz), 3.72 (t, 1H, J = 6.0 Hz), 3.63-3.69
(m, 4H), 3.39-3.44 (m, 2H), 3.35 (t, 1H, J = 9.5 Hz), 3.30 (dd, 1H, J =
10.5, 4.0 Hz), 2.39-2.45 (m, 1H), 2.23-2.33 (m, 6H), 1.95 (s, 3H), 1.06
(s, 9H); 13C-NMR (125 MHz, CDCl3), δ 206.1, 171.6, 165.0, 138.6, 138.
5, 138.4, 137.9, 137.9, 135.6, 135.6, 133.1, 133.0, 132.9, 129.8, 129.7,
129.7, 129.6, 129.5, 129.1, 128.6, 128.3, 128.2, 128.2, 127.9, 127.8, 1
27.7, 127.7, 127.6, 127.5, 127.4, 127.3, 127.3, 127.1, 93.32, 87.08, 81.
41, 79.31, 77.96, 77.38, 75.45, 74.28, 73.91, 73.31, 73.17, 70.54, 68.26
, 65.31, 62.22, 37.84, 29.66, 29.50, 27.98, 26.76, 21.09, 19.13;C75H80O 13 SSiCsのHRMS (M+Cs)、計算値 1381.4143、実測値 1381.4077。
【0082】 p-メチルフェニル 3,6-ジ-O-ベンゾイル-2-デオキシ-2-(2,2,2-トリクロロエト
キシルカルボニルアミノ)-1-チオ-β-D-グルコピラノシド(27): MeOH (10 mL)中の化合物21(2.0 g, 3.41 mmol)を、触媒量の1M NaOMeで5時間
処理し、次にIR-120 (H+)で中和し、ろ過及び濃縮した。CH2Cl2 (20 mL)を溶媒
とする粗生成物(610 mg, 1.324 mmol)、ピリジン(700μL)及びDMAP(50 mg)の溶
液に、BzCl (338μL,2.916 mmol)を添加した。混合物をAr下で5時間還流し、そ
の後濃縮及びトルエンで2回共沸し、CH2Cl2 (100 mL)で希釈し、10%H2SO4水溶
液、ブライン、及び飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過及び濃
縮した。残留物のカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt, 2:1から1:2)は、
真白色固形物として化合物27 (495 mg, 56%)を生じた:[α]D22 +28.40 (c, 0.
5, CHCl3); 1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ5.50 (d, 1H, J=9.5 Hz, H-2), 5.41
(t, 1H, J=9.5 Hz, H-3), 4.844 (d, 1H, J=10.0 Hz, H-1), 4.74-4.64 (m, 3H
), 4.55 (d, 1H, J=12.0 Hz, OCH2CCl3), 3.90 (q, 1H, J=10.0 Hz, H-2), 3.79
(m, 2H, H-5, H-4), 3.42 (d, 1H,J=5.0 Hz, OH), 2.27 (s, 3H, Me); C30H28 O8Cl3NSCsのHRMS (M+Cs)、計算値 799.9655、実測値 799.9680。
【0083】 p-メチルフェニル 2-O-ベンゾイル-3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-α-D-グル
コピラノシル)-4-O-レブリニル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(28): 化合物28を、化合物36の調製に記されたように、化合物26(76.0 mg)から調製
し、化合物28(48.3 mg, 79%)を得た:1H-NMR (400 MHz, CDCl3), δ 7.99 (d,
J = 7.5 Hz, 2H), 7.43 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.2
0-7.31 (m, 20H), 7.09 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 6.84 (dd, J = 7.5, 2.0 Hz, 2H
), 5.48-5.52 (m, 2H), 4.98 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 4.84 (d, J = 10.9 Hz, 1H
), 4.74 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 4.66 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.61 (s, 2H), 4.
58 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.27 (d, J = 12.0 Hz
, 1H), 4.22 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 4.04-4.08 (m, 1H), 3.68-3.79 (m, 3H),
3.57-3.63 (m, 2H), 3.38-3.44 (m, 2H), 3.15-3.23 (m, 2H), 2.64 (br. s, 1H
), 2.26-2.53 (m, 7H), 2.09 (s, 3H);13C-NMR (100 MHz, CDCl3), δ 206.73,
173.55, 165.07, 138.58, 138.44, 138.40, 138.23, 137.77, 133.13, 133.08,
129.77, 129.56, 128.73, 128.29, 128.25, 127.96, 127.80, 127.71, 127.60,
127.51, 127.43, 127.24, 127.14, 94.32, 87.00, 81.46, 78.96, 77.28, 75.4
4, 74.76, 74.24, 73.31, 73.15, 70.66, 69.04, 69.03, 67.90, 66.20, 60.21,
37.72, 29.63, 27.82, 21.11; C59H62O13SCsのHRMS (M+Cs)、計算値 1143.296
5、実測値 1143.2920。
【0084】 p-メチルフェニル 2-O-ベンジル-4,6-O-ベンジリジン-3-O-クロロアセチル-1-チ
オ-β-D-ガラクトピラノシド(29): 化合物49(200 mg, 0.431 mmol)を、クロロアセチルクロリド(69μL,0.862 mmo
l)及びピリジン(2.0 mL)で処理した。残留物をクロマトグラフィーで精製し(ヘ
キサン/AcOEt, 1:1)、シロップ状の化合物29(229 mg, 98%)を得た:[α]D22 +2
7.40 (c, 0.5, CHCl3);1H-NMR (400 MHz, CDCl3), δ7.63-7.04 (14H), 5.48 (
s, 1H, ArCH), 5.01 (dd, 1H, J=3.36及び9.64 Hz, H-3), 4.81 及び 4.50 (d,
1H 各, J=10.96 Hz, ArCH2), 4.642 (d, 1H, J=9.5 Hz, H-1), 4.40 (dd, 1H, J
=1.5及び12.5 Hz, H-6), 4.39-4.36 (m, 2H), 4.00-3.79 (m, 4H), 3.50 (bs, 1
H, H-5), 2.36 (d, 1H, J=11.0 Hz, OH), 2.35 (s, 3H, Me);13C-NMR (500 MHz
, CDCl3), δ166.78, 100.75, 86.35, 77.03, 75.11, 73.60, 73.31, 69.07, 68
.96, 40.50, 21.02;C29H29O6ClSCsのHRMS (M+Cs)、計算値 673.0428、実測値 6
73.0457。C29H29O6ClS分析の計算値:C, 64.38; H, 5.40;実測値:C, 64.18; H
, 5.32。
【0085】 p-メチルフェニル 2-O-ベンゾイル-6-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-α-D-ガラ
クトピラノシル)-4-O-レブリニル-3-O-p-メトキシベンジル-1-チオ-β-D-ガラク
トピラノシド(30): 化合物30を、一般的グリコシル化法に記されたように、 化合物36(49.0 mg)及
び化合物48(78.1 mg)から調製し、化合物30(16.2 mg, 18%)を得た:1H-NMR (50
0 MHz, CDCl3), δ7.97 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.60 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.4
6 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.19-7.36 (m, 22H), 6.95 (t, J = 8.5 Hz, 4H), 6.5
7 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 5.50 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.32 (t, J = 10.0 Hz, 1
H), 4.94 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 4.92 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.68-4.76 (m,
4H), 4.63 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 4.45 (d, J =
12.0 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.40 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.21
(d, J = 12.5 Hz, 1H), 3.76-3.92 (m, 5H), 3.70 (s, 3H), 3.50-3.60 (m, 5H)
, 2.57-2.75 (m, 4H), 2.20 (s, 3H), 2.13 (s, 3H);13C-NMR (125 MHz, CDCl3 ), δ206.3, 171.9, 165.1, 159.1, 138.8, 138.6, 138.5, 137.8, 137.6, 133.
0, 132.8, 132.3, 129.9, 129.9, 129.6, 129.6, 129.5, 129.5, 129.3, 129.2,
128.4, 128.3, 128.3, 128.3, 128.2, 127.9, 127.8, 127.5, 127.4, 113.6, 1
04.0, 86.64, 82.06, 79.49, 76.82, 76.67, 75.08, 74.56, 73.49, 73.40, 73.
24, 73.09, 70.42, 69.42, 68.57, 68.48, 67.05, 55.10, 38.14, 29.68, 28.13
, 21.00; C67H70O14SCsのHRMS (M + Cs)、計算値 1263.3541、実測値 1263.360
4。
【0086】 p-メチルフェニル 2-O-(2,3,4-トリ-O-ベンジル-α-L-フコピラノシル)-6-O-t-
ブチリジフェニルシリル-4-O-レブリニル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(31)
: 化合物31を、化合物25の調製に記されたように、化合物39(100 mg)から調製し
、シロップ状の化合物31(89 mg, 99%)を得た:1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ 7
.64 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 7.22-7.43 (m, 23H), 7.00 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5
.50 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 4.97 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 12.0 Hz,
1H), 4.86 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.78 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.75 (s, 2H)
, 4.66 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 4.52 (d, J = 9.5
Hz, 1H), 4.28 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 4.04-4.09 (m, 1H), 3.97 (dd, J = 10.0
, 2.5 Hz, 1H), 3.83 (dt, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 3.63-3.75 (m, 4H), 3.57 (
t, J = 9.0 Hz, 1H), 2.58-2.70 (m, 2H), 2.51 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.29 (s
, 3H), 2.12 (s, 3H), 1.20 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.03 (s, 9H);13C-NMR (12
5 MHz, CDCl3),δ206.3, 171.8, 138.5, 138.4, 137.4, 137.3, 135.6, 133.2,
133.1, 132.3, 129.9, 129.7, 129.6, 129.5, 128.6, 128.4, 128.3, 128.2, 12
8.0, 127.7, 127.7, 127.6, 127.4, 101.2, 86.6, 79.97, 79.80, 77.76, 77.38
, 75.83, 74.73, 74.66, 74.17, 72.52, 69.44, 67.33, 62.08, 38.14, 29.78,
28.05, 26.74, 21.07, 19.10, 16.43;C61H70O11SSiCsのHRMS (M + Cs)、計算値
1171.3462、実測値 1171.3423。
【0087】 p-メチルフェニル 2-O-ベンゾイル-4-O-(2,3,4-トリ-O-ベンジル-α-L-フルコピ
ラノシル)-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(32
): 化合物32を、化合物25の調製に記されたように、化合物41(48 mg)から調製し
、化合物32(26.3 mg, 61%)を得た:1H-NMR (500 MHz, CDCl3)), δ8.12 (dd, J
= 8.0, 1.0 Hz, 2H), 7.65-7.68 (m, 4H), 7.57 (tt, J = 7.5, 1.0 Hz, 1H),
7.16-7.49 (m, 25H), 6.90 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.33 (t, J = 10.0 Hz, 1H),
5.02 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.93 (t, J = 12.5 Hz, 2H), 4.84 (d, J = 11.5
Hz, 1H), 4.76 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.70 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 4.67 (d,
J = 12.0 Hz, 1H), 4.66 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.65 (d, J = 11.5 Hz, 1H),
4.00 (dd, J = 10.5, 3.5 Hz, 1H), 3.95 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 3.73-3.84 (m,
4H), 3.56-3.62 (m, 2H), 3.47 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 2.19 (s, 3H), 1.01 (s
, 9H), 0.79 (d, J = 6.5 Hz, 3H);13C-NMR (125 MHz, CDCl3), δ165.5, 138.
6, 138.4, 137.5, 137.2, 135.6, 133.7, 133.2, 132.8, 130.4, 129.9, 129.7,
129.2, 128.8, 128.5, 128.4, 128.4, 128.4, 128.2, 128.1, 127.9, 127.7, 1
27.6, 102.0, 85.7, 80.98, 79.70, 79.25, 77.38, 76.35, 74.67, 74.36, 74.1
9, 73.14, 71.84, 67.30, 62.86, 29.65, 26.78, 21.10, 16.21;C63H68O10SSiC
sのHRMS (M + Cs)、計算値 1177.3357、実測値 1177.3397。
【0088】 p-メチルフェニル 2,3-ジ-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリジン-1-チオ-β-D-ガラ
クトピラノシド(33): p-メチルフェニル 4,6-O-ベンジリジン-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド (1.
0 g, 2.67 mmol)を、CH2Cl2 (10 mL)中のBzCl (2 mL)−ピリジン(3 mL)で処理し
た。残留物のクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt, 1:1)は、化合物33を生じた
:[α]D22 +340 (c, 0.5, CHCl3);1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ5.76 (t, 1H,
J=10.0 Hz, H-2), 5.49 (s, 1H, ArCH), 5.34 (dd, 1H, J=3.5 及び 10.0 Hz, H
-3), 4.902 (d, 1H, J=10.0 Hz, H-1), 4.57 (d, 1H, J=3.0 Hz, H-4), 4.44, 4
.08 (dd, 1H 各, J=1.5及び12.5 Hz, H-6), 3.75 (s, 1H, H-5), 2.34 (s, 3H,
-Me); C34H30O7SCsのHRMS (M+Cs)、計算値 715.0767、実測値 715.0792。C34H3 0 O7S分析の計算値:C, 70.09; H, 5.19; S, 5.50;実測値:C, 70.05; H, 5.02;
S, 6.06。
【0089】 p-メチルフェニル 4,6-O-ベンジリジン-2-O-クロロアセチル-1-チオ-β-D-ガラ
クトピラノシド(34): CH2Cl2 (40 mL)の中のp-メチルフェニル 4,6-O-ベンジリジン-1-チオ-β-D-ガ
ラクトピラノシド(2.5 g, 6.68 mmol)、DCC (1.65 g, 8.0 mmol)及びDMAP (200
mg)の溶液に、レブリン酸(770μL, 7.35 mmoL)を添加した。混合物を室温で3時
間攪拌し、その後ピリジン(2.5 mL)及びクロロアセチルクロリド(537μL, 13.36
mmol)を添加した。一晩攪拌した後、混合物をCH2Cl2 (150 mL)で希釈し、水、1
0% H2SO4、水、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過及び濃縮
した。残留物をクロマトグラフィーにかけ(ヘキサン/AcOEt, 2:1から1:1)、p-メ
チルフェニル4,6-O-ベンジリジン-2-O-クロロアセチル-3-O-レブリニル-1-チオ-
β-D-ガラクトピラノシド(1.32 g, 36%)を得、これをTHF-MeOH(10:1, 10 mL)中
のNH2NH2 (1 mL)−AcOH(2mL)で処理した。残留物を濃縮し、CH2Cl2 (150 mL)で
希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過及び濃縮した。残留
物をクロマトグラフィーにかけ、真白色固形物として化合物34 (1.03 g, 95%)
を得た:[α]D22 17.60 (c, 0.5, CHCl3);1H-NMR (400 MHz, CDCl3), δ7.50-7
.10 (9H), 5.47 (s, 1H, ArCH), 5.01 (t, 1H, J=9.64 Hz, H-2), 4.579 (d, 1H
, J=9.76 Hz, H-1), 4.36 (dd, 1H, J=1.48及び12.48 Hz, H-6), 4.17 (dd, 1H,
J=1.0及び3.64 Hz, H-4), 4.14 (s, 2H, CH2Cl), 3.73 Bs, 1H, H-3), 3.51 (d
, 1H, J=1.08 Hz, H-5), 2.66 (bs, 1H, OH), 2.35 (s, 3H, Me);13C-NMR (500
MHz, CDCl3), δ166.41, 138.53, 137.20, 101.39, 84.29, 75.45, 72.32, 71.
76, 69.75, 68.98, 40.84, 21.21;C22H23O6ClSCsのHRMS (M+Cs)、計算値 473.0
802、実測値 473.0817。
【0090】 p-メチルフェニル 2-O-ベンゾイル-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-O-レブリ
ニル-3-O-p-メトキシベンジル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(35): 化合物45(1.97 g, 2.65 mmol)を、ピリジン(50 mL)及び塩化ベンゾイル(1.2 m
L, 10.6 mmol)で処理した。残留物に、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィ
ーを行い(ヘキサン/EtOAc、4:1)、シロップ状の化合物35(2.24 g, 100%)を得た
1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ7.98 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.65-7.68 (m, 4H)
, 7.60 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.37-7.48 (m, 8H), 7.32 (d, J = 8.0 Hz, 2H),
7.01 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.99 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.59-6.62 (m, 2H),
5.66 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.31 (t, J = 10.0 Hz, 1H), 4.68 (d, J = 10.0 H
z, 1H), 4.54 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 4.33 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 3.80-3.85
(m, 1H), 3.68-3.73 (m, 5H), 3.62 (dd, J = 9.5, 3.0 Hz, 1H), 2.55-2.73 (m
, 4H), 2.27 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 1.07 (s, 9H);13C-NMR (125 MHz, CDCl3 ), δ 206.1, 171.8, 165.1, 159.1, 137.9, 135.6, 135.6, 133.1, 133.0, 132
.9, 129.9, 129.9, 129.8, 129.8, 129.6, 129.5, 129.3, 129.2, 128.3, 127.8
, 127.7, 113.5, 87.0, 77.67, 76.87, 70.35, 69.62, 66.16, 61.99, 55.11, 3
8.18, 29.75, 28.18, 26.74, 21.08, 19.12; C49H54O9SSiCsのHRMS (M + Cs)、
計算値 979.2312、実測値 979.2349。
【0091】 p-メチルフェニル 2-O-ベンゾイル-4-O-レブリニル-3-O-p-メトキシベンジル-1-
チオ-β-D-ガラクトピラノシド(36): 化合物35 (330 mg, 0.39 mmol)、HF-ピリジン錯体(3.5 mL)、酢酸(5.0 mL)、
及び無水THF (25 mL)の混合物を、アルゴン下で11時間攪拌した。反応混合物をE
tOAc (150 mL)で希釈し、次に飽和NaHCO3水溶液(3 x 30 mL)及びブライン(30 mL
)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。ろ過しかつ減圧下で濃縮した。残留物を、シ
リカゲルカラム上のクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン-EtOAc、1:1.5)
、シロップ状の化合物36(237 mg, 100%)を生じた:1HNMR (500 MHz, CDCl3),
δ7.99 (dd, J = 8.5, 1.0 Hz, 2H), 7.61 (t, J = 7.0, 1.0 Hz, 1H), 7.47 (t
, J = 8.0 Hz, 2H), 7.32-7.34 (m, 2H), 7.06 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.00 (d,
J = 9.0 Hz, 2H), 6.59-6.62 (m, 2H), 5.53 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.38 (t,
J = 10.0 Hz, 1H), 4.70 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.53 (d, J = 12.0 Hz, 1H),
4.31 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 3.77-3.80 (m, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.62-3.70 (m
, 2H), 2.82-2.89 (m, 1H), 2.67-2.74 (m, 2H), 2.57-2.64 (m, 2H), 2.30 (s,
3H), 2.19 (s, 3H), 2.04 (d, J = 0.5 Hz, 1H);13C-NMR (125 MHz, CDCl3),
δ 206.9, 173.1, 165.1, 159.2, 138.1, 133.1, 129.9, 129.5, 129.1, 128.8,
128.2, 113.6, 86.86, 77.40, 76.64, 70.37, 69.67, 66.62, 60.51, 55.08, 3
8.00, 29.70, 28.01, 21.02; C33H36O9SCsのHRMS (M+Cs)、計算値 741.1134、
実測値 741.1155。
【0092】 p-メチルフェニル 3-O-ベンンジル-4,6-O-ベンジリジン-2-O-レブリニル-1-チオ
-β-D-ガラクトピラノシド(37): CH2Cl2 (5 mL)中のp-メチルフェニル 3-O-ベンジル-4,6-O-ベンジリジン-1-チ
オ-β-D-ガラクトピラノシド(300 mg, 0.646 mmol)を、化合物34の調製に記した
方法により、レブリン酸(120μL, 0.97 mmol)、DCC (200 mg)及びDMAP (50 mg)
で処理した。残留物を、カラムクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン/AcOE
t, 1:1)、白色固形物として化合物37(345 mg, 95%)を生じた:[α]D22 2.60 (c
, 0.5, CHCl3);1HNMR (500 MHz, CDCl3), δ7.49-7.03 (m, 14 H), 5.42 (s, 1
H), 5.26 (t, 1H,J = 10.0 Hz, H-2), 4.65, 4.61 (d, 各 1H, J = 12.5 Hz), 4
.573 (d, 1H, J = 9.5 Hz, H-1), 4.33 (d, 1H, J = 12.0 Hz), 4.14 (d, 1H, J
= 3.5 Hz), 3.97 (d, 1H, J = 12.0 Hz), 3.60 (dd, 1H, J = 10.0 及び 3.5 H
z), 3.41 (s, 1H), 2.77, 2.62 (m, 2H 各), 2.32, 2.19 (s, 3H 各);13C-NMR
(125 MHz, CDCl3), δ206.4, 171.7, 138.1, 138.0, 137.6, 101.2, 85.3, 78.4
, 73.2, 71.2, 69.9, 69.2, 68.6, 37.9, 29.9, 28.1, 21.2; C32H34O7SCsのHR
MS (M+Cs)、計算値 695.1080、実測値 695.1054。
【0093】 p-メチルフェニル 2,3-ジ-O-アセチル-6-O-ベンジル-1-チオ-β-D-ガラクトピラ
ノシド(38) p-メチルフェニル 4,6-O-ベンジリジン-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド (2
00 mg, 0.437 mmol)を、化合物12の調製のように、Ac2O−ピリジン(1:2, 3 mL)
で処理した。残留物のフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt、1:1)を
行い、p-メチルフェニル 2,3-ジ-O-アセチル-4,6-O-ベンジリジン-1-チオ-β-D-
ガラクトピラノシド(358 mg, 97%)を得た。この生成物の一部(200 mg, 0.437 m
mol)を、THF (2 mL)中のモレキュラーシーブ(MS)3A(300 mg)及びNaCNBH3 (155 m
g, 2.19 mmol)と混合し、かつ1M HCl-Et2O溶液を、気体が発生しなくなるなるま
で添加した。混合物を、CH2Cl2 (20 mL)で希釈し、かつセライトを通してろ過し
、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)、ろ過及び濃縮した。残留物のクロマトグラ
フィー(ヘキサン-AcOEt, 1:1)は、白色固形物として化合物38(184 mg, 92%)を
生じた:[α]D22 +70 (c, 0.5, CHCl3);1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ41-7.05
(9H), 5.27 (t, 1H, J=9.5 Hz, H-2), 4.95 (dd, 1H, J=3.0 及び 9.5 Hz, H-3)
, 4.625 (d, 1H, J=10.0 Hz, H-1), 4.55 (ABq, 2H, J=12.0 Hz, ArCH2), 4.16
(bs, 1H, H-4), 3.77 (m, 2H, H-6), 3.70 (t, 1H, J=5.0 Hz, H-5), 2.74 (d,
1H, J=3.5 Hz, OH ), 2.30, 2.08, 2.06 (s, 3H 各, Me);C24H28O7SNaのHRMS (
M+Na)、計算値 483.1453、実測値 483.1465。
【0094】 p-メチルフェニル 2-O-(2,3,4-トリ-O-ベンジル-α-L-フルコピラノシル)-6-O-t
-ブチルジフェニルシリル-4-O-レブリニル-3-O-p-メトキシベンジル-1-チオ-β-
D-ガラクトピラノシド(39): CH2Cl2 (8 mL)中の化合物45(300 mg, 0.404 mmol)、化合物50(327 mg, 0.606
mmol)、及び4 ナモレキュラーシーブ(800 mg)の混合物に、NIS(143 mg, 0.606 mm ol)をアルゴン下で添加した。20分間-20℃で攪拌した後、TfOH (65(L, 0.3M, Et 2 O中)を-20℃で添加し、かつ反応混合物を20分間攪拌した。その後Et3N(1.0 mL)
を添加した。反応混合物をセライトを通してろ過し、かつろ液をCH2Cl2で希釈し
た。この溶液を、飽和Na2S2O5水溶液、飽和NaHCO3、及びブラインで洗浄し、Na2 SO4上で乾燥し、かつ濃縮した。残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラ
フィーにより精製し(ヘキサン/ EtOAc、4:1)、化合物39 (343 mg, 73%)を得た
1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ 7.60-7.63 (m, 4H), 7.19-7.43 (m, 23H), 7.
06 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.01 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.76-6.80 (m, 2H), 5.7
6 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.63 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 4.94 (d, J = 11.5 Hz, 1
H), 4.79 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.74 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.72 (d, J = 1
1.5 Hz, 1H), 4.58-4.69 (m, 5H), 4.26 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.97-4.07 (m,
3H), 3.76 (s, 3H), 3.71-3.75 (m, 3H), 3.59-3.65 (m, 2H), 2.49-2.56 (m,
4H), 2.29 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 1.14 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.02 (s, 9H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3), δ171.73, 158.91, 138.76, 138.61, 138.43, 13
7.23, 135.61, 135.55, 133.17, 132.94, 131.56, 130.42, 129.76, 129.67, 12
9.58, 128.68, 128.35, 128.29, 128.14, 128.10, 127.70, 127.67, 127.51, 12
7.40, 127.33, 113.60, 97.57, 87.52, 82.57, 79.47, 77.71, 77.10, 75.55, 7
4.68, 73.14, 72.81, 71.53, 70.25, 67.37, 65.95, 62.00, 55.22, 38.13, 29.
74, 28.08, 26.72, 21.04, 19.06, 16.58; C69H78O12SSiCsのHRMS (M + Cs)、
計算値 1291.4038、実測値 1291.4100。
【0095】 p-メチルフェニル 2-O-(2,3,4-トリ-O-ベンジル-α-L-フコピラノシル)-4-O-レ
ブリニル-3-O-p-メトキシベンジル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(40): 化合物40を、化合物36の調製について記したように、化合物39(86.0 mg)から
調製し、化合物40(62.6 mg, 92%)を得た:1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ 7.18-
7.37 (m, 17H), 7.09 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.04 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.78
(d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.76 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.45 (d, J = 3.5 Hz, 1H),
4.94 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.80 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.76 (d, J = 10.0
Hz, 1H), 4.73 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.58-4.68 (m, 4H), 4.55 (d, J = 10.
5 Hz, 1H), 4.27 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 4.05-4.09 (m, 3H), 4.00 (dd, J = 1
0.0, 2.5 Hz, 1H), 3.82 (dd, J = 9.0, 3.5 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.73 (br
. s, 1H), 3.67 (dd, J = 11.5, 6.5 Hz, 1H), 3.59 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.5
1 (dd, J = 11.0, 6.5 Hz, 1H), 2.59-2.75 (m, 3H), 2.50-2.56 (m, 1H), 2.32
(s, 3H), 2.13 (s, 3H), 1.17 (d, J = 6.5 Hz, 3H);13C-NMR (125 MHz, CDCl 3 ), δ 206.4, 173.2, 159.0, 138.7, 138.6, 138.3, 137.6, 132.0, 129.8, 12
9.6, 129.5, 128.5, 128.3, 128.2, 128.1, 128.1, 127.7, 127.5, 127.4, 127.
4, 113.6, 97.6, 87.08, 82.10, 79.42, 77.66, 76.75, 75.51, 74.68, 73.15,
72.82, 71.79, 70.13, 67.40, 66.41, 60.53, 55.20, 37.93, 29.70, 27.92, 21
.04, 16.58;C53H60O12SCsのHRMS (M+Cs)、計算値 1053.2860、実測値 1053.283
0。
【0096】 p-メチルフェニル 2-O-ベンゾイル-4-O-(2,3,4-トリ-O-ベンジル-α-L-フコピラ
ノシル)-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-3-O-p-メトキシベンジル-1-チオ-β-D-
ガラクトピラノシド(41): 化合物41を、化合物39の調製に記したように、化合物44(311 mg)及び化合物50
(337 mg)から調製し、化合物41(356 mg, 74%)を得た:1H-NMR (500 MHz, CDCl3 ), δ8.02 (dd, J = 8.0, 1.0 Hz, 2H), 7.69 (dd, J = 8.0, 1.0 Hz, 2H), 7.
63 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 2H), 7.59 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.17-7.48 (m, 25
H), 6.98 (t, J = 8.5 Hz, 4H), 6.63 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.76 (t, J = 9.5
Hz, 1H), 5.57 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.92 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.87 (d,
J = 11.5 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 4.67 (d, J = 12.0 Hz, 1H),
4.56 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 12.5
Hz, 1H), 4.39 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.21 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.96 (dd,
J = 11.0, 7.5 Hz, 1H), 3.89 (dd, J = 10.5, 4.0 Hz, 1H), 3.63-3.77 (m, 7H
), 3.44 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 3.34 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.0
7 (s, 9H), 0.74 (d, J = 6.5 Hz, 3H);13C-NMR (125 MHz, CDCl3), δ164.9,
159.2, 139.4, 139.0, 138.6, 137.0, 135.7, 135.5, 133.4, 133.0, 132.9, 13
1.6, 130.9, 130.3, 129.8, 129.7, 129.6, 129.5, 129.3, 128.6, 128.3, 128.
2, 128.1, 128.1, 127.9, 127.7, 127.5, 127.5, 127.2, 126.8, 113.7, 96.6,
87.8, 81.27, 80.23, 78.32, 77.51, 77.21, 75.12, 74.50, 73.61, 71.83, 71.
46, 70.32, 69.22, 66.63, 64.76, 55.15, 26.84, 21.04, 16.54;C71H76O11SSi
CsのHRMS (M+Cs)、計算値 1297.3932、実測値 1297.3995。
【0097】 p-メチルフェニル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリジン-1-チオ-β-D-ガラクト
ピラノシド(42): CH2Cl2 (10 mL)中のp-メチルフェニル 4,6-O-ベンジリジン-1-チオ-β-D-ガラ
クトピラノシド(300 mg, 0.802 mmol)を、化合物34の調製について記したように
、DCC(238 mg, 1.16 mmol)、DMAP(50 mg)及びレブリン酸(100μL, 0.963 mmol)
で処理した。残留物を、還流条件下でピリジン(500μL)及びBzCl(400μL)で処理
した。後処理後、残留物をクロマトグラフィーにかけ(ヘキサン/AcOEt, 2:1から
1:1)、p-メチルフェニル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリジン-3-O-レブリニル
-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(226 mg, 49%)を得、これをTHF-MeOH(10:1,
5 mL)を溶媒とするNH2NH2(100μL)−AcOH(200μL)で処理した。残留物を濃縮し
、CH2Cl2 (150 mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ
過及び濃縮した。残留物をクロマトグラフィーにかけ、化合物42(185 mg, 99%)
を得た:1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ7.50-7.10 (14H), 5.52 (s, 1H, ArCH),
5.20 (t, 1H, J=9.5 Hz, H-2), 4.760 (d, 1H, J=10.0 Hz, H-1), 4.40 (dd, 1H
, J=1.5及び12.5 Hz, H-6), 4.24 (bd, 1H, J=3.5 Hz, H-4), 4.04 (dd, 1H, J=
1.5及び12.5 Hz, H-6), 3.87 (ddd, 1H, J=3.0及び9.5 Hz, H-3 ) 3.59 (bs, 1H
, H-5), 2.62 (d, 1H, J=11.0 Hz, OH), 2.35 (s, 3H, Me);13C-NMR (500 MHz,
CDCl3), δ165.96, 101.44, 84.80, 75.60, 72.90, 70.67, 69.88, 69.10, 21.
21; C27H26O6SNaのHRMS (M+Na)、計算値 501.1348、実測値 501.1364。
【0098】 p-メチルフェニル 2-O-ベンゾイル-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-3-O-p-メト
キシベンジル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(44): THF-MeOH(10:1 v/v, 22 mL)を溶媒とする化合物35 (420 mg, 0.496 mmol)の攪
拌溶液に、THF-MeOH(5:1 v/v)(5 mL)中の1M NH2NH2-AcOH (1:2.5 v/v)を添加し
た。反応混合物を4時間攪拌し、その後蒸発乾固した。残留物を、EtOAc (80 mL)
で希釈し、飽和NaHCO3水溶液及びブラインで洗浄し、及びNa2SO4上で乾燥した。
乾燥した有機相を減圧下で濃縮し、かつ残留物をシリカゲルカラム上のクロマト
グラフィーで精製し(ヘキサン-EtOAc、4:1)、固形物として化合物44(343 mg, 92
%)を得た:1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ 8.01 (dd, J = 8.0, 1.0 Hz, 2H), 7
.68-7.71 (m, 4H), 7.60 (t, J = 7.0, 1.5 Hz, 1H), 7.36-7.48 (m, 8H), 7.33
(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.07 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.99 (d, J = 8.0 Hz, 2H)
, 6.67 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 5.43 (t, J = 10.0 Hz, 1H), 4.67 (d, J = 10.0
Hz, 1H), 4.57 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.12 (br
. S, 1H), 3.94-4.00 (m, 2H), 3.71 (s, 3H), 3.61 (dd, J = 9.0, 3.0 Hz, 1H
), 3.56 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 2.54 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 2.27 (s, 3H), 1.0
7 (s, 9H); 13C-NMR (125 MHz, CDCl3), δ 165.2, 159.3, 137.7, 135.6, 135
.6, 133.2, 133.2, 133.0, 132.6, 130.1, 129.9, 129.7, 129.5, 129.5, 129.3
, 128.3, 127.7, 113.8, 87.06, 79.02, 78.75, 71.01, 69.85, 66.30, 63.15,
55.12, 26.81, 21.08, 19.19; C44H48O7SSiCsのHRMS (M+Cs)、計算値 881.1944
、実測値 881.1976。
【0099】 p-メチルフェニル 6-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-O-レブリニル-3-O-p-メト
キシベンジル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(45): p-メチルフェニル 2-O-クロロアセチル-3-O-p-メトキシベンジル-4-O-レブリ
ニル-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(同節、W
ong, C.H.ら、1998)(550 mg, 0.672 mmol)、MeOH-H2O(5:1 v/v)溶液(50 mL)中の
飽和NaHCO3及びTHF(12 mL)の混合物を、60℃で6時間攪拌した。その後溶媒を減
圧除去し、かつ残留物をEtOAc (150 mL)及び水(30 mL)で希釈した。有機相を分
離し、かつ水相をEtOAc (2 x 25 mL)で希釈した。有機画分を一緒にし、ブライ
ンで洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。乾燥した有機相を濃縮し、かつ残留物をシリ
カゲルカラム上でクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン-EtOAc、3:1)、シ
ロップ状の化合物45(498 mg, 100%)を得た:1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ7.63
-7.66 (m, 4H), 7.36-7.45 (m, 8H), 7.26 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.04 (d, J =
8.0 Hz, 2H), 6.87 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.63 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 4.71 (
d, J = 11.0 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 4.40 (d, J = 11.0 Hz, 1H)
, 3.79 (s, 3H), 3.78 (dd, J = 12.5, 9.0 Hz, 1H), 3.64-3.68 (m, 2H), 3.62
(dt, J = 1.5, 9.5 Hz, 1H), 3.44 (dd, J = 9.0, 3.0 Hz, 1H), 2.50-2.67 (m
, 4H), 2.42 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 2.30 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 1.05 (s, 9H
);13C-NMR (125 MHz, CDCl3)), δ205.9, 171.7, 159.4, 138.1, 135.6, 135.6
, 133.1, 133.0, 129.9, 129.8, 129.8, 129.6, 129.4, 128.2, 127.7, 113.9,
88.4, 79.83, 77.58, 71.17, 68.38, 66.21, 61.89, 55.25, 38.06, 29.79, 28.
02, 26.74, 21.10, 19.10; C42H50O8SSiCsのHRMS (M+Cs)、計算値 875.2050、
実測値 875.2082。
【0100】 p-メチルフェニル 2,3-ジ-O-ベンジル-4,6-O-ベンジリジン-1-チオ-β-D-ガラク
トピラノシド(46)、及びp-メチルフェニル 2-O-ベンジル-4,6-O-ベンジリジン-1
-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(49): CH2Cl2 (75 mL)及び1.0 M NaOH水溶液(27 mL)中のp-メチルフェニル 4,6-O-ベ
ンジリジン-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(2.0 g, 5.35 mmol)及びBnBr (1.0
8 mL, 6.42 mmol)の混合物に、Bu4N-HSO4 (367 mg, 1.07 mmol)を添加した。混
合物を、還流下で20時間激しく攪拌し、その後CH2Cl2 (100 mL)で希釈し、ブラ
インで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過及び濃縮した。残留物のクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/AcOEt, 5:1から1:1)は、シロップ状のジベンジル化された化合物
46(170 mg, 6%)を生じた:[α]D22 -230 (c, 0.5, CHCl3); 1H-NMR (500 MHz,
CDCl3), δ 5.48 (s, 1H, ArCH), 4.72 (m, 4H, ArCH2), 4.577 (d, 1H, J=9.50
Hz, H-1), 4.37 (dd, 1H, J=1.5及び12.0 Hz, H-6), 4.14 (d, 1H, J= 3.5 Hz,
H-4), 3.98 (dd, 1H, J=1.5及び12.5 Hz, H-6), 3.85 (t, 1H, J=9.5 Hz, H-2)
, 3.63 (dd, 1H, J=3.5及び9.5 Hz, H-3), 3.40 (Bs, 1H, H-5), 3.51 (d, 1H,
J=1.08 Hz, H-5), 2.31 (s, 3H, Me);13C-NMR (500 MHz, CDCl3), δ138.5, 13
8.1, 137.9, 137.6, 133.4, 101.3, 86.5, 81.4, 75.4, 75.3, 73.6, 71.8, 69.
7, 69.4, 21.1; p-メチルフェニル 3-O-ベンジル-4,6-O-ベンジリジン-1-チオ-β-D-ガラクトピ
ラノシド(1.10 g, 44.7%):1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ5.39 (s, 1H, ArCH2)
, 4.68 (m, 2H, ArCH2), 4.435 (d, 1H, J=9.5 Hz, H-1), 4.30 (dd, 1H, J=1.0
及び 12.5 Hz, H-6), 4.09 (d, 1H, J= 3.5 Hz, H-4), 3.92 (dd, 1H, J=1.5
及び 12.5 Hz, H-6), 3.85 (t, 1H, J=9.5 Hz, H-2), 3.47 (dd, 1H, J=3.5 及
び 9.5 Hz, H-3), 3.38 (Bs, 1H, H-5), 2.31 (s, 3H, Me);13C-NMR (500 MHz,
CDCl3), δ101.0, 87.0, 80.1, 73.2, 71.5, 69.9, 69.3, 67.0, 21.2;C27H28 O5SCsのHRMS (M+Na)、計算値 597.0712、実測値 597.0728;並びに、シロップ状
の化合物49 (780 mg, 31.4%):1H-NMR (500MHz, CDCl3), δ5.51 (s, 1H, ArCH 2 ), 4.77及び4.67 (d, 1H 各, ArCH2), 4.541 (d, 1H, J=9.9 Hz, H-1), 4.34 (
bd, 1H, J=12.0 Hz, H-6), 4.12 (d, 1H, J= 3.5 Hz, H-4), 3.97 (bd, 1H, J=1
2.5 Hz, H-6), 3.60 (t, 1H, J=9.0 Hz, H-2), 3.75 (bs, 1H, H-3), 3.40 (Bs,
1H, H-5), 2.60 (bs, 1H, OH), 2.33 (s, 3H, Me);13C-NMR (500MHz, CDCl3),
δ101.3, 86.3, 77.0, 75.7, 75.2, 74.2, 69.6, 69.2, 21.1;C27H28O5SCsのH
RMS (M+Cs)、計算値 597.0712、実測値 597.0727。
【0101】 p-メチルフェニル 2-O-(2,3,4-トリ-O-ベンジル-α-L-フコピラノシル)-6-O-t-
ブチルジフェニルシリル-3-O-p-メトキシベンジル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノ
シド(47): 化合物47を、化合物44の調製に記されたように、化合物39(73.0 mg)から調製
し、化合物47(57.3 mg, 86%)を得た:1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ 7.63-7.65
(m, 4H), 7.22-7.41 (m, 23H), 7.13 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.00 (d, J = 8.0
Hz, 2H), 6.80 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.75 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 4.95 (d, J
= 12.0 Hz, 1H), 4.80 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.65-4.77 (m, 5H), 4.60 (q,
J = 6.5 Hz, 1H), 4.53 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4
.01-4.12 (m, 4H), 3.83-3.89 (m, 2H), 3.76 (s, 3H), 3.67-3.73 (m, 2H), 3.
45 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 2.36 (br. s, 1H), 2.28 (s, 3H), 1.14 (d, J = 6.0
Hz, 3H), 1.02 (s, 9H);13C-NMR (125 MHz, CDCl3), δ 159.2, 138.8, 138.6
, 138.5, 137.0, 135.6, 135.5, 135.5, 133.2, 133.1, 131.4, 130.7, 129.7,
129.6, 129.5, 129.3, 128.7, 128.4, 128.3, 128.1, 127.8, 127.7, 127.5, 12
7.4, 113.9, 97.6, 87.34, 84.24, 79.59, 78.00, 77.66, 75.70, 74.66, 73.37
, 72.78, 71.55, 70.38, 67.31, 65.54, 63.04, 55.19, 29.66, 26.76, 21.04,
16.55;C64H72O10SSiCsのHRM (M+Cs)、計算値 1193.3670、実測値 1193.3613。
【0102】 p-メチルフェニル 2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシ
ド(48): p-メチルフェニル 1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(1.0 g, 3.5 mmol)を無水
DMF (15 mL)中に溶解し、かつ-10℃に冷却した。この温度でNaH(840 mg, 35 mmo
l)を添加し、かつ混合物を室温まで温め、更に10分間攪拌した。その後BnBr(4.1
mL, 35 mmol)を添加し、かつ混合物を5時間攪拌した。0℃の10 mL H2Oを添加し
、かつ混合物をEtOAc (3 x 50 mL)で抽出した。有機相をMgSO4上で乾燥し、蒸発
乾固した。ヘキサン/EtOAc (5:1)を用いてフラッシュクロマトグラフィーを行い
、白色固形物として表題化合物(2.01 g, 89 %)を得た:[α]D22 1.20 (c, 0.5,
CHCl3);1H-NMR (400MHz, CDCl3), δ,2.27 (s, 3H), 3.56-3.65 (m, 4H), 3.8
9 (t, 1H, J=9.4 Hz) 3.97 (s, 1H), 4.42 (ABq, 2H, J=11.6 Hz), 4.59-4.60 (
m, 3H), 4.70 (m, 3H), 4.73 (ABq, 2H, J=10.1 Hz), 4.95 (d, 1H, J=11.5 Hz)
, 6.98 (d, 2H, J=8.6 Hz), 7.25-7.47 (m, 22H);13C-NMR (400MHz, CDCl3),
δ 21.04, 68.68, 72.63, 73.48, 74.34, 75.54, 77.16, 77.24, 84.13, 87.95,
127.36, 127.49, 127.60, 127.65, 127.71, 127.78, 127.86, 128.09, 128.26,
128.35, 129.49, 132.10;C41H42O5SCsのHRMS (M+Cs)、計算値 779.1807、実測
値 779.1782。
【0103】 p-メチルフェニル 2,3,4-トリ-O-ベンジル-1-チオ-β-L-フコピラノシド(50): p-メチルフェニル 2,3,4-トリ-O-アセチル-1-チオ-β-L-フコピラノシド (同
節, Brukart, M.D.ら、1997)(2.5g, 6.31 mmol)を、NaOMe-MeOHで処理した。生
成物を更に、DMF(25 mL)を溶媒とする85% NaH(463 g, 22.7 mmol)及びBnBr(5.8
mL, 37.86 mmol)で処理した。反応が終了した後、ヘキサン(30 mL)及び水(300
mL)を、激しく攪拌している溶液に添加した。固形生成物をろ過し、水(2 x 5 mL
)及びヘキサン-AcOEt(15:1, 2 x 5 mL)で洗浄した。粗生成物を、AcOEt-ヘキサ
ン(10:1)の温(70℃)混合物中に懸濁し、10分間攪拌し、室温まで冷却し、ろ過し
、固形物として純粋な化合物50(2.6 g, 76%)を生じた:[α]D22 +80 (c, 0.5,
CHCl3);C34H36O4SCsのHRMS (M+Cs)、計算値 672.1290、実測値 672.1287。
【0104】 メチル 2,3-ジ-O-アセチル-6-O-ベンジル-4-O-[2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-3-O-(
2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-α-D-ガラクトピラノシル)-β-D-ガラクトピラノシ
ル]-α-D-グルコピラノシド(52): CH2Cl2 (2 mL)中の化合物48(37.5 mg, 0.052 mmol)、化合物19(24 mg, 0.039
mmol)及びMS-AW-300(400mg)の混合物を、0℃で15分間攪拌し、その後NIS(13.5 m
g, 0.057 mmol)を添加し、その後Et2O(10μL, 0.005 mmol)中の0.5 M TfOHを添
加した。30分後、CH2Cl2 (0.5 mL)中の化合物51(36 mg, 0.080 mmol)の溶液及び
MS AW-300(100 mg)を添加し、引き続きNIS(13.5 mg, 0.057 mmol)を添加した。
混合物を室温で2時間攪拌し、その後固形のNa2S2O3、NaHCO3及びH2O 2滴を添加
し、5分間攪拌子、CH2Cl2 (25 mL)で希釈し、セライトを通してろ過し、ブライ
ンで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過及び濃縮した。残留物のクロマトグラフィー
(ヘキサン-AcOEt, 2:1から1:1)により、シロップ状の化合物52 (35.9 mg, 64%)
を生じた:1H-NMR (400MHz, CDCl3), δ5.80 (d, 1H, J=3.1 Hz), 5.56 (dd, 1H
, J=8.4及び10.1 Hz), 5.48 (d, 1H, J=9.8 Hz), 5.09 (d, 1H, J=3.2 Hz), 4.8
6 (d, 1H, J=3.6 Hz), 4.79 (dd, 1H, J=3.7及び10.4 Hz), 4.69 (d, 1H, J=11.
4 Hz), 4.60 (d, 1H, J=8.1 Hz), 4.58 (d, 1H, J=12.0 Hz), 3.95 (m, 2H), 3.
85 (dd, 1H, J=3.2 Hz), 3.81-3.74 (m, 2H), 3.69 (m, 2H), 3.28 (s, 3H), 2.
05, 1.96 (s, 3H 各);13C-NMR (500MHz, CDCl3), δ170.3, 169.7, 166.1, 165
.8, 164.3, 243.6, 243.3, 243.0, 138.8, 138.6, 138.2, 138.1, 100.7, 96.9,
95.6, 78.8, 75.1, 75.0, 74.5, 74.3, 73.4, 73.3, 73.1, 72.5, 71.5, 71.4,
71.3, 70.0, 69.9, 69.7, 68.9, 67.6, 86.6, 62.3, 20.9, 20.7;C79H80O21Cs
のHRMS (M+Cs)、計算値 1497.4246、実測値 1497.4362。
【0105】 メチル 2,3-ジ-O-アセチル-6-O-ベンジル-4-O-[2,3,4-トリ-O-ベンゾイル-6-O-(
3,4,6-トリ-O-アセチル-2-デオキシ-2-(2,2,2,-トリクロロエトキシルカルボニ
ルアミノ)-β-D-グルコピラノシル)-β-D-ガラクトピラノシル]-α-D-グルコピ
ラノシド(53): CH2Cl2 (2 mL)中の化合物21(70 mg, 0.12 mmol)、化合物13(48 mg, 0.08 mmol
)及びMS-AW-300(400mg)の混合物を、0℃で15分間攪拌し、その後NIS(30.5 mg, 0
.132 mmol)を添加し、引き続きEt2O中のTfOHの0.1 M溶液(0.5μL)を添加した。1
5分後、CH2Cl2 (0.5 mL)中の化合物51(72 mg, 0.16 mmol)及びMS AW-300 (100 m
g)を添加し、引き続きNIS(33 mg, 0.13 mmol)を添加した。化合物52の調製に記
したように、混合物を1時間攪拌し、その後後処理した。残留物のクロマトグラ
フィー(ヘキサン-AcOEt, 3:2から1:1)は、真白色固形物として化合物53(62.5 mg
, 60%)を生じた:1H-NMR (500MHz, CDCl3), δ5.80 (d, 1H, J=3.1 Hz), 5.77
(d, 1H, J=8.2 Hz), 5.56 (dd, 1H, J=8.2 及び 10.0 Hz), 5.42 (t, 1H, J=10.
0 Hz), 5.34 (bt, 1H, J= 9.4 Hz), 5.25 (dd, 1H, J=3.2 及び 10.3 Hz), 5.0
(m, 3H), 4.87 (d, 1H, J=3.5 Hz), 4.75 (d, 1H, J=12.5 Hz), 4.70 (d, 1H, J
=8.3 Hz), 4.38 (d, 1H, J=12.5 Hz). 3.31 (s, 3H), 2.07, 2.06 (s, 3H 各),
2.01(s, 9H);13C-NMR (500MHz, CDCl3), δ170.6, 170.4, 169.6, 169.5, 165.
4, 165.3, 164.6, 133.6, 133.3, 133.2, 100.7, 100.1, 97.1, 74.3, 74.2, 73
.6, 72.5, 72.0, 71.8, 71.6, 70.8, 70.7, 70.0, 69.6, 68.6, 68.2, 67.6, 67
.1, 61.8, 56.2, 55.3, 31.6, 29.7, 29.6, 22.63, 21.22, 20.8, 20.6;C60H64 O25NSiCsのHRMS (M+Cs)、計算値 1436.1887、実測値 1436.1824。
【0106】 メチル 2,3-ジ-O-アセチル-6-O-ベンジル-4-O-[2-O-ベンジル-4,6-O-ベンジリジ
ン-3-O-(2,3,4-トリ-O-ベンジル-α-L-フコピラノシル)-α-D-ガラクトピラノシ
ル]-α-D-グルコピラノシド(54): CH2Cl2 (2 mL)中の化合物50 (32 mg, 0.6 mmol)、化合物49 (19 mg, 0.04 mmo
l)、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルピリジン(25 mg, 0.12 mmol)及びMS-AW-300 (300
mg)の冷溶液(0℃)に、新たに調製したCH2Cl2 (120μL, 0.12 mmol)中の1M DMTS
Tを添加した。1時間後、CH2Cl2 (0.5 mL)中のメチル 2,3-ジ-O-アセチル-6-O-ベ
ンジル-α-D-グルコピラノシド(side side)51(36 mg, 0.08 mmol)及びMS AW-300
(100 mg)を添加し、引き続き1M DMTST (120μL, 0.12 mmol)を添加した。混合
物を2時間攪拌し、その後CH2Cl2 (25 mL)で希釈し、セライトを通してろ過し、
飽和したNaHCO3水溶液で洗浄し、乾燥(Na2SO4)、ろ過及び濃縮した。残留物をク
ロマトグラフィーにかけ(ヘキサン-AcOEt, 3:1から1:1)、シロップ状の化合物54
(28.4 mg, 63%)を得た:1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ 5.53 (t, 1H, J=9.5 Hz
), 5.33 (s, 1H), 5.32 (d, 1H, J=3.0 Hz), 5.14 (d, 1H, J=3.5 Hz), 4.92-4.
49 (m, 12 H), 4.28 (dd, 1H, J=3.0 及び 10.0 Hz), 4.10 (t, 1H, J=9.5 Hz),
3.87 (dd, 1H, J= 3.0及び10.0 Hz), 3.72 (bt, 1H, J=12.5 Hz), 3.39 (s, 3H
), 2.07, 2.06 (s, 3H 各), 0.97 (d, 1H J=6.5 Hz);C65H72O17CsのHRMS (M+Cs
)、計算値 1257.3824、実測値 1257.3870。
【0107】 メチル2,3-ジ-O-アセチル-6-O-ベンジル-4-O-{2,3,4-トリ-O-ベンゾイル-6-O- [
3,6-ジ-O-ベンゾイル- 2-デオキシ-2-(2,2,2,-トリクロロエトキシルカルボニル
アミノ)-4-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-ガラクトピラノシル)-β-D-グ
ルコピラノシル]-β-D-ガラクトピラノシル}-α-D-グルコピラノシド(55): CH2Cl2 (3 mL)中の化合物48(73 mg, 0.112 mmol)、化合物27(50 mg, 0.075 mm
ol)及びMS-AW-300(400mg)の混合物を、-25℃で20分間攪拌し、次にNIS(27.8 mg,
0.118 mmol)を添加し、引き続き1M TfOH (10μL, 0.001 mmol)を添加した。20
分後、化合物13 (68.8 mg, 0.112 mmol)、MS AW-300 (100 mg)及びNIS (18.6 mg
, 0.079 mmol)を添加した。この混合物を、0℃で1時間攪拌し、その後化合物51
(125mg / 0.5 mLを250μL, 0.150 mmol)及びNIS (40 mg, 0.169 mmol)の溶液を
添加し、かつ50分間攪拌し、化合物52の調製について記されたように後処理した
。残留物のクロマトグラフィー(ヘキサン-AcOEt, 3:2から1:1)は、シロップ状の
化合物55 (56 mg, 39.2%)を生じた: 1H-NMR (500MHz, CDCl3), δ5.80 (d, 1H
, J=3.1 Hz), 5.59 (t, 1H, J=9.5 Hz), 5.52 (dd, 1H, J=8.2 及び 10.0 Hz),
5.41 (t, 1H, J=9.1 Hz), 5.24 (dd, 1H, J= 3.2及び10.4 Hz), 5.03 (d, 1H, J
=3.4 Hz), 5.25 (dd, 1H, J=3.2及び10.3 Hz), 4.94 (dd, 1H, J=3.5及び10.0 H
z), 4.67 (d, 1H, J=7.9 Hz), 3.29 (s, 3H), 2.07, 2.02 (s, 3H 各), 2.01(s,
9H); C102H102O29NCl3CsのHRMS (M+Cs)、計算値 2042.4657、実測値 2042。
【0108】 5-メトキシカルボニルペンチル 3-O-ベンジル-2-デオキシ-6-O-p-メトキシベン
ジル-2-フタルイミド-β-D-グルコピラノシド(56): 表題化合物を、3-工程により合成した:
【0109】 1) 無水アセトニトリル(200 mL)中の化合物61b(16.0 g, 36.6 mmol)を、化合物5
の調製について記したように、アニスアルデヒドジメチルアセチル(9.3 mL, 54.
9 mmol)及び10-ショウノウスルホン酸(173.5 mg)で処理した。残留物を、シリカ
ゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけ(ヘキサン/EtOAc、2:1)、固形物とし
て5-メトキシカルボニルペンチル-2-デオキシ-4,6-O-p-メトキシベンジリデン-2
-フタルイミド-β-D-グルコピラノシド(16.4 g, 81%)を生じた:1H-NMR (400 M
Hz, CDCl3), δ7.84-7.87 (m, 2H), 7.71-7.75 (m, 2H), 7.42 (d, J = 8.7 Hz,
2H), 6.89 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 5.52 (s, 1H), 5.24 (d, J = 8.5 Hz, 1H),
4.57-4.63 (m, 1H), 4.36 (dd, J = 10.2, 4.3 Hz, 1H), 4.22 (dd, J = 10.5,
8.5 Hz, 1H), 3.78-3.85 (m, 5H), 3.55-3.66 (m, 5H), 3.37-3.45 (m, 1H), 2.
64 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 1.93-2.07 (m, 2H), 1.32-1.51 (m, 4H), 1.05-1.15
(m, 2H);13CNMR (100 MHz, CDCl3), δ173.86, 160.24, 134.13, 131.56, 129.
40, 127.59, 123.42, 113.69, 101.83, 98.81, 82.19, 69.66, 68.62, 68.58, 6
6.09, 56.53, 55.27, 51.39, 33.67, 28.91, 25.24, 24.34;C29H33O10NCsのHRM
S (M+Cs)、計算値 688.1159、 実測値 688.1188。
【0110】 2)無水DMF(40 mL)を溶媒とする工程(1)の生成物(8.85 g, 15.9 mmol)の溶液に、
NaH (60%, 0.95 g, 23.8 mmol)を分けて添加した。10分間攪拌した後、臭化ベ
ンジル(2.9 mL, 23.8 mmol)及びBu4NI (3.5 g, 9.5 mmol)を、0℃で添加した。
反応混合物を0℃で3時間攪拌し、その後MeOH (8 mL)を添加し、10分間攪拌した
。反応混合物を、氷-水(200 mL)に注ぎ、EtOAc(3 x 150 mL)で抽出した。一緒に
した有機相液体を、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を除去し、かつ残留物をシリカゲ
ル上でカラムクロマトグラフィーにかけ(ヘキサン/EtOAc、3:1)、白色固形物と
して5-メトキシカルボニルペンチル3-O-ベンジル-2-デオキシ-4,6-O-p-メトキシ
ベンジリデン-2-フタルイミド-β-D-グルコピラノシド(5.56 g, 54%)を生じた
1HNMR (500 MHz, CDCl3), δ7.66-7.85 (m, 4H), 7.45 (d, J = 8.5 Hz, 2H),
7.00 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 2H), 6.86-6.94 (m, 5H), 5.58 (s, 1H), 5.18 (
d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.78 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 12.5 Hz, 1H)
, 4.40 (dd, J = 10.5, 9.0 Hz, 1H), 4.38 (dd, J = 10.5, 5.5 Hz, 1H), 4.20
(dd, J = 10.5, 8.5 Hz, 1H), 3.74-3.86 (m, 6H), 3.58-3.67 (m, 4H), 3.38
(dt, J = 9.5, 6.5 Hz, 1H), 1.92-2.03 (m, 2H), 1.33-1.44 (m, 4H), 1.03-1.
12 (m, 2H);13CNMR (125 MHz, CDCl3), δ 173.8, 160.0, 137.9, 133.9, 131.
6, 129.8, 128.0, 127.3, 123.3, 113.6, 101.3, 98.8, 83.05, 74.58, 74.02,
69.59, 68.73, 66.10, 55.81, 55.27, 51.44, 33.67, 28.91, 25.24, 24.35;C3 6 H39O10NCsのHRMS (M+Cs)、計算値 778.1628、実測値 778.1652。
【0111】 3) 工程2の生成物(2.7 g, 4.19 mmol)を、NaCNBH3 (1.38 g, 21 mmol)、DMF(35
mL)、及び3 ナモレキュラーシーブ(5.0 g)と混合し、かつDMF(25 mL)中のトリフ
ルオロ酢酸(3.2 mL, 42 mmol)の溶液を0℃で滴下した。反応混合物を、0℃で1.5
時間攪拌し、その後室温で24時間攪拌した。更にDMF(20 mL)中のトリフルオロ酢
酸(3.0 mL)の添加後に、反応混合物を更に室温で24時間攪拌した。混合物を、Et
OAc (50 mL)及びMeOH (5 mL)で希釈し、セライトを通してろ過し、かつケーキを
EtOAc (150 mL)で洗浄した。一緒にしたろ液を、冷水(200 mL)、冷飽和NaHCO3 (
200 mL)、及びブライン(2 x 100 mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を除
去し、かつ残留物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーにより精製し(ヘ
キサン/EtOAc、2:1)、油状の化合物56 (2.45 g, 90%)を得た: 1H-NMR (500 MH
z, CDCl3), δ7.68-7.81 (m, 4H), 7.28 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.04-7.06 (m,
2H), 6.92-6.96 (m, 3H), 6.89 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.12 (d, J = 8.0 Hz, 1
H), 4.75 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.57 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.53 (d, J = 1
2.5 Hz, 1H), 4.51 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.21 (dd, J = 11.0, 8.5 Hz, 1H),
4.13 (dd, J = 11.0, 8.5 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.73-3.82 (m, 4H), 3.60-
3.64 (m, 1H), 3.59 (s, 3H), 3.35 (dt, J = 9.5, 6.5 Hz, 1H), 3.07 (d, J =
2.0 Hz, 1H), 1.91-2.02 (m, 2H), 1.32-1.45 (m, 4H), 1.01-1.12 (m, 2H);1 3 C-NMR (125 MHz, CDCl3), δ173.8, 159.3, 138.2, 133.7, 129.6, 129.4, 128
.1, 127.8, 127.3, 113.9, 98.2, 78.55, 74.66, 74.20, 73.36, 73.36, 70.45,
69.18, 55.31, 55.20, 51.31, 33.60, 28.87, 25.17, 24.35;C36H41O10NCsのH
RMS (M + Cs)、計算値 780.1785、 実測値 780.1759。
【0112】 5-メトキシカルボニルペンチル 4-O-[3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-α-D-ガ
ラクトピラノシル)-4-O-(2,3,4-トリ-O-ベンジル-α-L-フコピラノシル)-2-O-ベ
ンゾイル-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-β-D-ガラクトピラノシル]-3-O-ベン
ジル-2-デオキシ-6-O-p-メトキシベンジル-2-フタルイミド-β-D-グルコピラノ
シド(57): CH2Cl2 (2 mL)中の二糖32(15.0 mg, 0.01437 mmol)及びフコシド50 (13.9 mg, 0.02155 mmol)の溶液に、4ナ モレキュラーシーブ(300 mg)を添加し、混合物を
アルゴン下室温で20分間攪拌した。CH2Cl2 (0.5 mL)中のメチルジスルフィド(8.
2 mg, 86.2μmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸メチル(14.3 mg, 86.2μmo
l)から新たに調製したDMTST溶液を、前述の0℃で攪拌している混合物に添加し、
かつ反応の進行をTLCで追跡した。反応混合物を、0℃で30分間攪拌し、その後室
温で1時間攪拌し、その後CH2Cl2 (0.5 mL)中の化合物62 (27.9 mg, 0.04311 mmo
l)の溶液、NIS (5.1 mg, 0.02155 mmol)、及びTfOH (25μL, 0.3 Mエーテル性溶
液)を添加した。反応混合物を室温で30分間攪拌し、その後Et3N (0.8 mL)を添加
し反応を停止し、CH2Cl2で希釈し、ろ過した。有機相を、飽和したNa2S2O3水溶
液、NaHCO3、及びブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4上で乾燥しかつ濃縮した。
残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン/Et
OAc、3:1から2:1)、粘稠な油状の生成物57(17.2 mg, 57%)を生じた: 1H-NMR (
500 MHz, CDCl3), δ8.00 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.08-7.77 (m, 46H), 6.96-6.
97 (m, 4H), 6.81-6.85 (m, 6H), 6.76 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 6.64 (t, J = 7.
5 Hz, 1H), 6.55 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 5.98 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 5.90 (dd,
J = 10.0, 7.5 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 4.94 (d, J = 8.0 Hz, 1
H), 4.88 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 4.83 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.81 (d, J = 11
.5 Hz, 1H), 4.78 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.64-4.71 (m, 2H), 4.59 (d, J = 1
1.0 Hz, 1H), 4.55 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 4.54 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.45
(d, J = 11.0 Hz, 2H), 4.43 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.27-4.36 (m, 6H), 4.17
(d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.98-4.09 (m, 5H), 3.93 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.8
5-3.90 (m, 2H), 3.73-3.80 (m, 5H), 3.57-3.68 (m, 5H), 3.56 (s, 3H), 3.51
(q, J = 6.5 Hz, 1H), 3.36-3.42 (m, 3H), 3.19-3.27 (m, 4H), 1.84-1.96 (m
, 2H), 1.25-1.35 (m, 4H), 1.10 (s, 9H), 0.95-1.03 (m, 2H), 0.90 (d, J =
6.5 Hz, 3H);13C-NMR (100 MHz, CDCl3), δ 164.43, 159.11, 139.45, 139.42
, 139.17, 138.78, 138.66, 138.51, 138.17, 137.88, 135.69, 135.48, 133.53
, 133.47, 133.00, 130.40, 129.82, 129.74, 129.33, 128.70, 128.53, 128.45
, 128.38, 128.33, 128.24, 128.19, 128.15, 128.00, 127.87, 127.74, 127.69
, 127.66, 127.51, 127.48, 127.22, 126.84, 126.58, 113.71, 100.44, 98.15,
94.78, 94.29, 78.72, 78.28, 77.22, 77.17, 76.51, 75.59, 74.97, 74.83, 7
4.69, 74.65, 74.50, 74.22, 73.44, 73.34, 73.03, 72.84, 72.07, 71.46, 69.
75, 69.06, 68.97, 67.90, 66.64, 64.92, 63.76, 55.74, 55.24, 51.35, 33.69
, 29.70, 28.83, 27.02, 25.27, 24.37, 22.69, 19.25, 16.84, 14.13; C126H1 35 O25NSiCsのHRMS (M + Cs)、計算値 2222.8147、実測値 2222.8294。
【0113】 5-メトキシカルボニルペンチル 3,4,6-トリ-O-アセチル-2-デオキシ-2-フタルイ
ミド-β-D-グルコピラノシド(61a): CH2Cl2 (550 mL)中の化合物60(同節、Nilsson, U.ら、1990) (30.0 g, 62.89
mmol)及び6-ヒドロキシルヘキサン酸メチル(13.8 g, 94.3 mmol)の混合物に、BF 3 .OEt2 (120 mL, 943 mmol)を0℃で添加した。反応混合物を一晩攪拌した後、水
(15 mL)を混合物に添加した。混合物を、CH2Cl2 (400 mL)で希釈し、飽和NaHCO3 (3 x 200 mL)及びブライン(200 mL)で洗浄し、かつNa2SO4上で乾燥し、ろ過及
び濃縮した。残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製し
(ヘキサン/EtOAc、2.5:1)、固形物として化合物61a (26.0 g, 73%)を得た:1H-
NMR (500 MHz, CDCl3), δ 7.84-7.89 (m, 2H), 7.73-7.77 (m, 2H), 5.79 (dd,
J = 10.5, 9.0 Hz, 1H), 5.36 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.18 (dd, J = 10.0, 9.
5 Hz, 1H), 4.34 (dd, J = 12.0, 4.5 Hz, 1H), 4.31 (dd, J = 10.5, 8.5 Hz,
1H), 4.18 (dd, J = 12.5, 2.5 Hz, 1H), 3.81-3.89 (m, 2H), 3.61 (s, 3H), 3
.44 (dt, J = 10.0, 6.5 Hz, 1H), 2.12 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.97-2.07 (m
, 2H), 1.87 (s, 3H), 1.37-1.51 (m, 4H), 1.04-1.18 (m, 2H);13C-NMR (125
MHz, CDCl3), δ 173.8, 170.7, 170.2, 169.5, 134.3, 131.3, 123.6, 98.10,
71.79, 70.74, 69.73, 68.97, 62.00, 54.59, 51.38, 33.67, 28.84, 25.20, 24
.37, 20.75, 20.57, 20.44; C27H33O12NNaのHRMS (M+Na)、計算値 586.1900、
実測値 586.1920。
【0114】 5-メトキシカルボニルペンチル 2-デオキシ-2-フタルイミド-β-D-グルコピラノ
シド(61b): 化合物61a(26.0 g, 46.18 mmol)を、MeOH (200 mL)を溶媒とするNaOMe / MeOH
(25 wt.%, 2.7 mL)で、室温で処理した。6時間後、混合物を中和し(IRC-50樹
脂、弱酸性)、及び濃縮し、半固形物として生成物61b(20.0 g, 99%)を得た:1H
-NMR (500 MHz, CDCl3), δ 7.78-7.82 (m, 2H), 7.68-7.72 (m, 2H), 5.16 (d,
J = 8.5 Hz, 1H), 4.63 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 4.25-4.31 (m, 2H), 4.06 (dt,
J = 2.0, 8.5 Hz, 1H), 3.88-3.89 (m, 2H), 3.76 (dt, J = 10.0, 6.5 Hz, 1H
), 3.65-3.71 (m, 1H), 3.59 (s, 3H), 3.48 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 3.43 (dt,
J = 9.5, 3.5 Hz, 1H), 3.38 (dt, J = 10.0, 6.5 Hz, 1H), 1.90-2.02 (m, 2H)
, 1.31-1.43 (m, 4H), 1.00-1.09 (m, 2H);13CNMR (125 MHz, CDCl3), δ 174.
0, 168.4, 134.0, 131.6, 123.4, 98.31, 75.53, 71.53, 71.20, 69.43, 61.63,
56.66, 51.38, 33.65, 28.84, 25.18, 24.34; C21H27O9NNaのHRMS (M+Na)、計
算値 460.1584、実測値 460.1598。
【0115】数式モデル コンピュータを使ったオリゴ糖の最適な合成を設計する際の問題点を分析する
ように、収率とデータベースのドナーの相対速度定数との間の関係を定量化する
ことが必要である。この問題点の短絡的な処理(short treatment)が以下に示さ
れている。これは、最適条件下での収率(副反応なし、促進剤と100%反応など)
と、個別の工程の各々について検討された2種のドナー間の相対速度比の間の数
学的関係を提供している。
【0116】相対速度及び基質消費の間の関係 仮定:各競合反応は、二次速度式により説明することができる:
【0117】 ∂A1 / ∂t = -k1[A1][E] ∂A2 / ∂t = -k2[A2][E]
【0118】 (i)二次速度式の積分。それらの1方を[E]について解き、かつ他方と置換し、下
記式を得る:
【0119】 ∂A1 / [A1] = (k1 / k2 ) ∂A2 / [A2]
【0120】 その後、これを実験限界を越えて積分した:
【0121】
【化8】 ln[A1]t - ln[A1]o = (k1 / k2)(ln[A2]t - ln[A2]o )
【0122】 最後に、
【0123】 k1 / k2 = (ln [A1]t - [A1]o) / (ln [A2]t - [A2]o) = {(ln [A1]t) / [A1]o} / {(ln ([A2]t) / [A2]o)(1)
【0124】 (ii)収率の式。仮定:全ての反応の出発材料は、生成物を目指す:
【0125】 [A1]t / [A1]o = 1 - ([P]t / [A1]o ) ([A2]t / [A2]o ) = 1 - [Q]t / [A2] o
【0126】 これら2種のドナーは等モル濃度で存在する:
【0127】 [A1]o = [A2]o
【0128】 収率から減ずるのは、望ましくないドナーとの競合値のみである:
【0129】 収率 = [P]t / [A1]o = 1 - [Q]t / [A2]o
【0130】 速度定数比及び出発材料の消費の間の関係のために式1を使うことで、我々は
、2種の生成物P(所望)及びQ(所望でない)の生成を迅速に予測することができる
【0131】 k1 / k2 = (ln[A1]t / [A1]o ) / (ln[A2]t / [A2]o) = ln(1 - [P]t / [A1]o) / ln(1 - [Q]t / [A2]o)(2)
【0132】 再整理し、我々は下記式を得る:
【0133】 ln((1 - [Q]t / [A2]o)k1 / k2) = ln(1 - [P]t / [A1]o) (1 - [Q]t / [A2]o)k1 /k2 = 1 - [P]t / [A1]o
【0134】 最後に、上記仮定に列記された単純な収率関係を使用し、これは下記のようにな
る:
【0135】 (収率)k1 / k2 = 1 - 収率(3)
【0136】 これは、収率を直接解くものではない。しかしコンピュータは、反復解法(ite
rative solution)に関連する多くの方法により、解を見つけることができる。コ
ンピュータにアクセスしなくとも、単純に図20を参照し、この式を解くことがで
き、この場合は式3は k1/k2 について解かれるので、引き算することが可能であ
る。
【0137】OptiMer : 最良の可能性のある収率をもたらすドナーの組合せについてドナーライブラリ
ーを検索するために、コンピュータプログラムOptiMerを、前記式2において示さ
れた計算で収率が最も満足できるような利用できるドナーセットを確定するため
に、Macintosh PowerPCコンピュータ上で動作するMetrowerks CodeWarrior Prof
essional Release 3を用いて、C/C++言語で作成した。このプログラムは、FileM
aker Pro 4.0を用いて保存されたドナーデータベースと連動している。ユーザー
が検索を開始する状態にあることをシグナル発信すると、C++プログラムがデー
タベースをロードし、かつこれを検索し、利用できる特徴決定されたオリゴ糖ド
ナーの上位100種セットを確定する。巨大な配列については、単純に組合せを無
作為に選ぶ「Monte Carlo」検索法も利用できる。上位100種のドナーセットのリ
スト中に各ドナーが各工程に出現する頻度を一覧表とし、かつユーザーに、最高
の全体の収率をもたらす傾向がある各工程のドナーリストと共に提示される。そ
の後ユーザーは、利用可能性、経費及びドナー反応性を基にどのドナーを使用す
るかについて知識と経験に基づいて選択することから解放される。
【0138】 この方法のひとつの可能性のある限界は、炭水化物コードに固有の極めて濃密
な情報能から生じる(Laine, R.、A. Pure & Appl. Chem.、1997, 69, 1867)。こ
のことは、ライブラリーサイズの増加及びオリゴマー中のモノマー単位の数の増
加により、コンピュータの負荷が極めて急激に増加することで露になる。その結
果、下記の最適化が検索論理となる:プログラムは、先行する工程において使用
されるドナーの反応性よりも低いか又は等しいドナー反応性を有する反応工程に
ついてドナーをチェックするのみである。その結果、プログラムは、多-工程反
応の経過を通じてドナー反応性が減少しない(又は同じでありつづける)ような結
果には戻らないであろう。加えて、プログラムは(「Monte Carlo」モードでない
場合)、工程1で使用したドナーの反応性を減少する順に配列をチェックする。プ
ログラムが、工程1の特定のドナーが、それに続く工程のドナーの全組合せにつ
いて「ヒット」を生じないことがわかった場合、プログラムはより低い反応性の
工程1のドナーについて検証することはないであろう。これは、他のドナーの反
応性が一定であると仮定すると、工程1のより反応性のドナーは常に遅いものよ
りもより良い推定収率を生じることが基になっている。ほとんどのドナーの全て
の値について良く説明された大きいライブラリーに関して、更に各工程の検索を
予想される最適反応性の周辺値の範囲に限定するインテリジェント検索のオプシ
ョンがある。
【0139】 各工程で利用可能な1〜10000の範囲の反応性を伴う200種のランダムドナーの
ライブラリーを用いる六糖の検索について、最適化の通常のセットは、スキャニ
ングが必要な配列の数を3200億種からおよそ7000万(1/4500)へと減少する。(イ
ンテリジェント検索は、更に、1/3〜1/4倍に減速される。)現在のデスクトップ
型コンピュータは、1秒間に約200M CPUクロックサイクルであるので、1配列あた
り1CPU サイクルとしても完全な配列スペースの検索には、15分の検索時間を必
要とするであろう。(実際の1配列あたりのサイクル数は、これよりも大きい桁で
ある)。
【0140】 OptiMerは、収率式(3)を基にした誤差関数を最小化することにより、段階的に
収率を計算する。この誤差関数は、式(3)を最も満足する[収率]及びk1/k2の値に
ついて最低でなければならず、かつこれは常に正であり、0 < [収率] < 1 (10
0%)については最小値ゼロである:
【0141】 誤差 = (収率 k1/k2 + 収率 - 1) 2
【0142】 収率値を補正するための最初の推量は、一次速度論 [収率 = k1 / (k1 + k2)
]を仮定する単純な段階的収率の式を用いて得られた。この値は、当初の値より
高い及び低い2種の収率値を選択し、かつ3種全ての収率値について誤差関数を評
価することにより最適化された。これは、誤差関数(誤差 = A + B(収率) + C (
収率2))の放物線状の近似を得るための3点(所定の k1/k2の収率対誤差)を提供し
た。これより、放物線関数の最小値(最小値 = -B/2C)を基に、収率のよりよい推
定が直接得られる。これは、外れ値を括弧でくくり、かつ収率値が0.00001%未
満の段階的変化に該当するまで収率値を最適化する方法で、反復方式で行った。
そのようにして得られた収率値は、式3(これは k1/k2について解くことができる
) に対してチェックされ、かつ範囲 10-6 < k1/k2 < 106において、期待値の
偏りが±0.001%を越えないことが分かった。この範囲を越えると、収率は0% (
k1/k2 <10-6 )及び100% (k1/k2 >106)に非常に近くなると予想される。試験
した範囲の誤差の外れ値は、収率はこれらの領域で非対称的に挙動するので、全
体の収率の計算に有意には影響しないと予想される。全体の収率が上位ヒットの
リスト内に含まれるのに十分な程に大きい場合は、段階的収率は互いに掛け算し
、ドナーセットの全体の計算された収率を得、ドナーセットがその後のユーザー
への出力のために保存される。
【0143】 構成ブロックの合成の典型的実験法: (1) p-メチルフェニル2-デオキシ-2-フタルイミド-3-O-ベンゾイル-4,6-O-ベン
ジリデン-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド: p-メチルフェニル2-デオキシ-2-フタルイミド-4,6-O-ベンジリデン-1-チオ-β-D
-グルコピラノシド(1.50 g, 2.98 mmol)及びピリジン(50 mL)の冷(0℃)混合物に
、塩化ベンゾイル(1.38 mL, 11.92 mmol)を添加した。その後この混合物を一晩
攪拌しかつ濃縮した。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン/EtOAc, 3:1から2:1)で精製し、無色の泡状の生成物(1.81 g, 100 %)を得
た:1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ 7.65-7.88 (m, 6H), 7.47 (t, J=7.4 Hz, 1H
), 7.28-7.41 (m, 9H), 7.09 (d, J=7.9 Hz, 2H), 6.18 (t, J=9.4 Hz, 1H), 5.
83 (d, J= 10.6 Hz, 1H), 5.55 (s, 1H), 4.52 (t, J=10.3 Hz, 1H), 4.43-4.48
(m, 1H), 3.83-3.92 (m, 3H);13C-NMR (125 MHz, CDCl3), δ167.87, 167.10,
165.59, 138.67, 136.77, 134.27, 134.11, 133.61, 133.11, 131.58, 131.16,
129.76, 129.13, 129.03, 128.25, 128.16, 127.31, 126.15, 123.69, 123.60,
101.52, 84.29, 79.40, 70.95, 70.62, 68.60, 54.29, 21.18;C35H29O7NSNaの
HRMS (M+Na) 計算値 630.1562、実測値 630.1571。
【0144】 (2)p-メチルフェニル 2-デオキシ-2-フタルイミド-3-O-ベンゾイル-6-O-ベンジ
ル-1-チオ-β-D-グルコピラノシド: 3 ナモレキュラーシーブ(2.0 g)を含有するTHF (25 mL, Naから蒸留)中のp-メチ
ルフェニル2-デオキシ-2-フタルイミド-3-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-1-
チオ-β-D-グルコピラノシド(290 mg, 0.4778 mmol)及びシアノ水素化ホウ素ナ
トリウム(395 mg, 5.97 mmol)の混合物に、ジエチルエーテル(1.0 M溶液, 〜6mL
)を溶媒とする塩化水素を、気体の蒸発が収まるまで添加した。20分間攪拌した
後、反応混合物を、CH2Cl2 (30 mL)で希釈し、セライトを通してろ過した。ろ液
を、H2O(15 mL)、飽和NaHCO3 (15 mL)及びブライン(10 mL)で洗浄した。有機相
を乾燥(Na2SO4)及び濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーで精製し(
ヘキサン/EtOAc, 3:1)、発泡体として生成物(280 mg, 96 %)を得た:1H-NMR (5
00 MHz, CDCl3), δ 7.86 (dd, J=8.4, 1.0Hz, 2H), 7.82 (d, J=6.4Hz, 1H), 7
.55 (d, J=6.3Hz, 1H), 7.65-7.69 (m, 2H), 7.48 (t, J=7.5Hz, 1H), 7.28-7.3
7 (m, 9H), 7.03 (d, J=7.7Hz, 2H), 5.90 (dd, J=10.2, 8.8Hz, 1H), 5.73 (d,
J=10.4Hz, 1H), 4.58-4.65 (ABq, J=11.9Hz, 2H), 4.48 (t, J=10.4Hz, 1H), 3
.81-3.95 (m, 4H), 3.15 (d, J=3.7Hz, 1H), 2.29 (s, 3H); 13C-NMR (125 MHz
, CDCl3), δ167.86, 167.20, 166.86, 138.38, 137.86, 134.22, 134.11, 133.
49, 133.38, 131.59, 131.27, 129.88, 129.66, 128.90, 128.37, 127.77, 127.
72, 123.58, 83.47, 78.71, 75.27, 73.72, 71.41, 70.10, 53.54, 21.14;C35H 31 O7NSNaのHRMS (M+Na) 計算値 632.1719、実測値 632.1747。
【0145】 (3)p-メチルフェニル 2-デオキシ-2-フタルイミド-3-O-ベンゾイル-1-チオ-β-D
-グルコピラノシド: p-メチルフェニル 2-デオキシ-2-フタルイミド-3-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリ
デン-1-チオ-β-D-グルコピラノシド(530 mg, 0.873 mmol)を、トリフルオロ酢
酸水溶液(10 mL, 80%)に溶解し、この混合物を55℃で一晩放置し、かつその後
濃縮し、トルエンと共に濃縮した。残留物をクロマトグラフィーにかけ(シリカ
ゲル、ヘキサン/EtOAc, 3:1〜1:1)、固形物として生成物(387 mg 85 %)を得た
1H-NMR (400 MHz, CDCl3), δ 7.68-7.88 (m, 6H), 7.51 (t, J=7.4Hz, 1H),
7.35 (t, J=7.8Hz, 2H), 7.29 (d, J=8.1Hz, 2H), 7.08 (d, J=7.9Hz, 2H), 5.8
7 (dd, J=10.2, 8.9Hz, 1H), 5.75 (d, J=10.5Hz, 1H), 4.48 (t, J=10.4Hz, 1H
), 4.02 (dd, J=12.0, 3.2Hz, 1H), 3.87-3.94 (m, 2H), 3.70-3.75 (m, 1H), 2
.32 (s, 3H); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3), δ167.23, 138.68, 134.33, 134.31
, 133.61, 133.48, 129.90, 129.81, 128.47, 123.67, 83.37, 79.78, 75.64, 7
0.55, 62.50, 53.53, 21.17;C28H25O7NSNaのHRMS (M+Na)、計算値 542.1249、
実測値 542.1259。
【0146】 (4)p-メチルフェニル 2-デオキシ-2-フタルイミド-3-O-ベンゾイル-6-O-t-ブチ
ルジフェニルシリル-1-チオ-β-D-グルコピラノシド: DMF (4 mL)中のp-メチルフェニル 2-デオキシ-2-フタルイミド-3-O-ベンゾイル-
1-O-ベンゾイル-1-チオ-β-D-グルコピラノシド(70.0 mg, 0.1349 mmol)、t-ブ
チルクロロジフェニルシラン(83.2 mg, 0.2968 mmol)及びイミダゾール(27.8 mg
, 0.4047 mmol)の混合物を4時間攪拌した。混合物を、EtOAc(35 mL)で希釈し、
水(3 x 10 mL)で洗浄した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。残留物をシリ
カゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン/EtOAc, 4:1〜3:1)
、粘稠な油状の生成物(82.0 mg 80 %)を得た:1H-NMR (500 MHz, CDCl3), δ 7
.85 (dd, J=8.3, 1.1Hz, 2H), 7.80 (d, J=6.4Hz, 1H), 7.73-7.77 (m, 5H), 7.
60-7.66 (m, 2H), 7.28-7.47 (m, 11H), 7.00 (d, J=8.1Hz, 2H), 5.39 (dd, J=
10.3, 8.9Hz, 1H), 5.77 (d, J=10.4Hz, 1H), 4.47 (t, J=10.3Hz, 1H), 4.01-4
.09 (m, 2H), 3.97 (t, J=9.3Hz, 1H), 3.78 (dt, J=9.6, 4.3Hz, 1H), 3.18 (b
r. s, 1H), 2.28 (s, 3H), 1.09 (s, 9H); 13C-NMR (125 MHz, CDCl3), δ167.
88, 167.17, 166.84, 138.14, 135.65, 135.60, 134.17, 134.04, 133.30, 133.
26, 132.95, 132.91, 131.55, 131.21, 129.84, 129.77, 129.61, 128.90, 128.
30, 127.79, 127.76, 123.54, 123.50, 83.29, 79.76, 75.38, 71.05, 64.12, 5
3.54, 26.80, 21.10, 19.22;C44H43O7NSSiNaのHRMS (M+Na)、計算値 780.2427
、実測値 780.2460。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、システム全体のブロック図である。
【図2】 図2は、本発明の要素の間のデータの好ましい流れを示す流れ図である。
【図3】 図3は、データの追加及び削除の際の好ましい操作を示すフローチャートであ
る。
【図4】 図4は、ThioGlycosidesアイコンを用いて配列を選択する好ましい操作を示す
フローチャートである。
【図5】 図5は、直接Optimer FAT画面を用いて配列を選択する好ましい操作を示すフロ
ーチャートである。
【図6】 図6は、配列を、通常の計算法又は検索を用いて検索するためにプログラムに
実行要求する場合のイベントの順番を示すフローチャートである。
【図7】 図7は、配列を、通常の計算法又は検索を用いて検索するためにプログラムに
実行要求する場合のイベントの順番を示すフローチャートの後半である。
【図8】 図8は、最良の理論収率の算出が、最高反応性のモノマー及び最低反応性の最
後のドナー/アクセプターについて計算される場合の好ましいデータ流れを示す
フローチャートである。
【図9】 図9は、最良の理論収率の算出が、所定のモノマー配列について可能な場合の
好ましいデータ流れを示すフローチャートである。
【図10】 図10は、所定の工程のドナー及びドナー/アクセプターの相対反応性の比から
、所定の工程の収率を計算する好ましい方法である。
【図11】 図11は、インテリジェント検索を用いたモノマーの予備選択のための好ましい
配列である。
【図12】 図12は、主要な検索の流れ図を示す。
【図13】 図13は、Monte Carlo検索時の操作を例示している。
【図14】 図14は、プログラム操作により得られた情報及び印刷結果の形態を示すフロー
チャートである。
【図15】 図15は、ライブラリーデータテキストファイルの記録にとって一般的な好まし
いテキストファイルのレコードフォーマットを例示する。
【図16】 図16は、ThioGlycosidesデータベースの記録にとって一般的な好ましいテキス
トファイルのレコードフォーマットを例示する。
【図17】 図17は、様々なチオグリコシドの相対反応性指数の表を示す。この表は、チャ
ート1に示された方法を基に作成された。最も非反応性化合物であるアセチル化
されたマンノシドの相対反応性指数(RRV)を1.0と定義した。化合物は、反応性の
減少傾向に従い番号をつけ、かつRRV/sを括弧に示した。
【図18】 図18は、HPLCを用いた、チオグリコシド(Dx)及び参照化合物(Dref)の相対反応
性測定の例を示す(詳細は実験の項を参照のこと)。各々の残留しているドナーの
256nmでの吸光度を測定し、相対反応性 kx/kref を決定した。[D]tは、t時のド
ナー濃度であり;(A)tは、t時のドナー吸光度である。
【図19】 図19は、チオグリコシドのアノマー性プロトンの化学シフトとそれらのlnRRV
の関係を例示している。
【図20】 図20は、操作中のOptiMerプログラム図を示している。バックグラウンドにお
いて、 左側は、ドナーライブラリーを含むFileMaker Proデータベースである。
「Run Research」ボタンを押すと、OptiMerが実行され、次に目的のオリゴ糖配
列を要求するダイアログボックスをユーザーに示す(最前面)。結果は、最適収率
計算を伴うドナー配列「ヒット」のリストとしてウインドウの残りに表示され、
その後上位100種のヒットからの各工程でのドナーの出現頻度リストとして(巨大
なライブラリーを使用するために)表示される。化学者は、見つかった最良の配
列のひとつを採用するか、又はドナーの利用可能性又は他の望ましい特性の知識
を基に自身の配列を設計するために各位置での最良のドナーリストから選択する
かを決めることができる。
【図21】 図21は、ドナー及びアクセプターの間の予想される収率及び速度比の間の関係
を示している。
【図22】 図22は、デザインされた完全に保護されたマンノシドの構成ブロックの一部を
示している。
【図23】 図23は、デザインされた2位に自由OHを持つマンノシドの構成ブロックの一部
を示している。
【図24】 図24は、デザインされた3位に自由OHを持つマンノシドの構成ブロックの一部
を示している。
【図25】 図25は、デザインされた4位に自由OHを持つマンノシドの構成ブロックの一部
を示している。
【図26】 図26は、デザインされた6位に自由OHを持つマンノシドの構成ブロックの一部
を示している。
【図27】 図27は、デザインされた2個のOH基を持つマンノシドの構成ブロックの一部を
示している。
【図28】 図28は、デザインされたチオガラクトシドの構成ブロックの一部を示している
【図29】 図29は、デザインされたシアル酸チオグリコシドの構成ブロックの一部を示し
ている。
【図30】 図30は、いくつかのチオグリコシドの相対反応性指数を示している。
【図31】 図31は、いくつかの構成ブロックの合成スキームを示している。
【図32】 図32は、別のいくつかの構成ブロックの合成スキームを示している。
【図33】 図33は、更に別のいくつかの構成ブロックの合成スキームを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ザン ジユアン アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92122 サン ディエゴ カーギル アベ ニュー 8155 ナンバー26 (72)発明者 オールマン イアン アメリカ合衆国 カリフォルニア州 91104 パサディナ ノース ホリストン 1317−#3 (72)発明者 バーソフ ティモー イスラエル 32716 ハイファ ギルボア ストリート 22 (72)発明者 イェー シン シャン アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92122 サン ディエゴ デコロ ストリ ート 4158 アパートメント 11 Fターム(参考) 4C057 AA30 BB01 BB04 4C090 AA05 CA50 5B075 ND02 UU18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オリゴ糖生成物の改善された合成法であり、このオリゴ糖生
    成物が、グリコシド結合により互いに連結した4個以上のグリコシル単位の直線
    状配列を有し、この配列が非還元末端の最初のグリコシル単位で始まり、還元末
    端の最後のグリコシル単位で終わり、かつ最初及び最後のグリコシル単位の間に
    順次並べられた2個以上の中間体グリコシル単位を含んでおり、この方法が下記
    の工程を用いる、方法: 保護されたグリコシルドナー又は保護されたグリコシルドナー/アクセプター
    を、保護されたグリコシルドナー/アクセプター又は保護されたグリコシルアク
    セプターで縮合し、オリゴ糖生成物に対応する保護されたオリゴ糖中間体を生成
    する工程;及び次に 保護されたオリゴ糖中間体を脱保護し、オリゴ糖生成物を生成する工程; ここで、改善法は、下記の追加の工程を含む: 工程A:最初のグリコシル単位に相当する様々に保護されたグリコシルドナーの
    、及び中間のグリコシル単位の各々に相当する様々に保護されたグリコシルドナ
    ー/アクセプターの、並びに最後のグリコシル単位に相当する様々に保護された
    アクセプターの相対反応性指数のデータベースを提供する工程であり、ここで様
    々に保護されたグリコシルドナーの各々は、活性化されたアノマー炭素を有しか
    つ自由ヒドロキシルを欠いており、この様々に保護されたグリコシルドナー/ア
    クセプターの各々は活性化されたアノマー炭素及び1個の自由ヒドロキシル基の
    両方を有し、様々に保護されたアクセプターは1個の自由ヒドロキシル基及びブ
    ロックされたアノマー炭素を有する工程;その後 工程B:前記工程Aのデータベースから、最初のグリコシル単位に相当する好まし
    いグリコシルドナー、中間のグリコシル単位の各々に相当する好ましいドナー/
    アクセプター、及び最後のグリコシル単位に相当する好ましいグリコシルアクセ
    プターを選択する工程であり、ここで好ましいグリコシルドナー、好ましいグリ
    コシルドナー/アクセプターの各々、及び好ましいアクセプターは、保護された
    オリゴ糖中間体の生成につながる縮合反応を最適化するように選択される工程;
    及び 前記縮合工程において、非還元末端で始まりかつ還元末端へと逐次進行する、1-
    ポット合成において保護されたオリゴ糖中間体の合成のために、好ましいグリコ
    シルドナー、好ましいドナー/アクセプター、及び好ましいアクセプターが、縮
    合条件下で逐次的に付加されるような、方法。
  2. 【請求項2】 様々に保護されたグリコシルドナー、グリコシルドナー/ア
    クセプター、及びグリコシルアクセプターの相対反応性指数のデータベースの構
    築法であって、ここで様々に保護されたグリコシルドナーは各々、活性化された
    アノマー炭素を有しかつ自由ヒドロキシルを欠き、様々に保護されたグリコシル
    ドナー/アクセプターは各々、活性化されたアノマー炭素及び1個の自由ヒドロ
    キシル基の両方を有し、様々に保護されたアクセプターは各々、1個の自由ヒド
    ロキシル基及びブロックされたアノマー炭素を有し、このデータベースは、オリ
    ゴ糖生成物の合成の最適化のために利用可能であり、この方法は、様々に保護さ
    れたグリコシルドナー、グリコシルドナー/アクセプター、及びグリコシルアク
    セプターに関する相対反応性指数が電子的記憶装置手段により決定及び保存され
    る工程を含むような、方法。
  3. 【請求項3】 保護されたオリゴ糖生成物の1-ポット逐次合成をもたらす、
    縮合反応を最適化するのに好ましいグリコシルドナー、好ましいグリコシルドナ
    ー/アクセプター、及び好ましいグリコシルアクセプターの選択法であり、ここ
    で該方法が、様々に保護された グリコシルドナー、グリコシルドナー/アクセ
    プター、及びグリコシルアクセプターの相対反応性指数のデータベースを利用し
    、これが、保護されたオリゴ糖生成物の生成に最適な全体の収率を伴う1-ポット
    逐次合成において利用可能な好ましいグリコシルドナー、好ましいグリコシルド
    ナー/アクセプター、及び好ましいグリコシルアクセプターを選択するための相
    対反応性指数のデータベースをアルゴリズムに従い検索する工程を含むような、
    方法。
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