JP2002521087A - トレイからの突出部を受ける開口を備えたトレイ支持体を有する使い捨て可能咬合器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、歯科用モデルの作製における使用のためのデバイスを提供する。本デバイスは、開口を備えたトレイ支持体（７０）、およびトレイの下面からの突出部（７１）を備えた下面を有するトレイ（７２）を有し、ここでこのトレイの突出部は、トレイ支持体における開口へ嵌合し、該トレイ支持体はそこに装着されたヒンジ部（７９）を有し、このヒンジ部（７９）は、第二トレイ支持体からのヒンジ部と相互作用し得、完結したヒンジを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （発明の分野） 本発明は、ブリッジ、歯冠および他の修復物品の製造に使用するための歯科用
モデル作製用の装置に関する。

【０００２】 （発明の背景） 修復物（例えば、歯冠、ブリッジおよび義歯）の製造は、歯科用モデルから作
業まで、歯型の使用を必要とする。このようなモデルの製造物は、まず歯の凹型
（ｎｅｇａｔｉｖｅ）の型穴を使用して作製される。次いで、この凹型の型穴は
、硬化し、従って患者の歯型を作製する、鋳型材で満たされる。これらのモデル
と共に作用させるため、この鋳型材は、より小片に切断されなければならない。
この切片を適切な様式で再整合し得ることが、非常に重要である。

【０００３】 モデルを作製する際、技術者は咬合器として公知のデバイスを使用する。この
デバイスは、下顎の動きをシミュレートし、そして歯科用修復物の作製を助ける
器具である。

【０００４】 先行技術分野は、モデルの作製に使用するためのいくつかのデバイスを包含す
る。Ｈｕｆｆｍａｎの米国特許第４，３９８，８４４号は、歯科用モデルへの挿
入およびこれからの引き戻しの間に、鋳型材に固定し、義歯の取り外しをガイド
する挿入部は、モデルを分解し、次いで再組み立てる必要性へのアプローチを提
示することを記載する。しかし、この中で開示されるデバイスは、モデルが作製
された時のままの歯列弓を示す精密な３次元モデルを作製するような様式で、上
顎および下顎の歯列弓を互いに関係付けるための手段を提供しない。

【０００５】 Ｗａｌｔｅｒの米国特許第５，４６６，１５２号は、トレイ支持体中に複数の
穴を備え、鋳型材がそのトレイに配置される前に、そのトレイ支持体にピンが挿
入される歯科用咬合器システムを開示および特許請求する。これらのピンは、鋳
型材がより小片に分割された後に、モデルの再組み立てのための表示手段を提供
する。ピンの必要性は、本発明により排除された。

【０００６】 市販の他の咬合器は、適所に接着しなければならない分離可能ジョイント、ま
たは使用するためにかなりの時間および費用を必要とする非常に高価な金属デバ
イスを必要とするような、いくつかのものを含む。

【０００７】 （発明の要旨） 本発明は、トレイ支持体中の対応する開口部に嵌合する下面上の突出部を備え
るトレイを有する咬合器を提供する。トレイ支持体中の２つのトレイは、ヒンジ
手段と接続された鏡像状の部品として組み立てられる。これら２つの部品がヒン
ジ手段を用いて連結される場合、これらのヒンジによって、型穴と相互作用して
いる間、側方および水平方向の両方の運動が可能になる。トレイ支持体の開口部
は、対応する表示手段を有するトレイの下面からの突出を可能にし、ただ１つの
配向で、開口部に嵌合する形状によって提供される、１つ以上の表示手段を有す
る。一例として、表示の目的のために、このトレイおよびトレイ支持体開口部か
らの突出部は、ヒンジ手段と最も接近した末端部でより幅広であり得、トレイ支
持体の対応する開口部は、これがトレイ支持体の自由端に行くほど次第に狭くな
る。同様に、トレイの下側面上の突出部は、例えば、リブ（リッジ）のような表
示手段、波または他の凹凸を有し得、これらはトレイ支持体の相補的な開口部に
ぴったりと適合し、その結果、この突出部はただ１つの配向で、トレイ支持体の
対応する開口部に嵌合する。形状の特定の変化は、これらの変化がトレイの下面
からの突出部が、ただ１つの配向で、トレイ支持体の開口部に適合し得る限り、
無関係であり、その結果、鋳型材を有するトレイが取り外されそして分割される
場合、これらのトレイは、トレイ支持体において、正確に再組み立てされ得る。

【０００８】 （発明の詳細な説明） 本発明の目的は、歯科用咬合（ａｒｔｉｃｕｌａｔｉｏｎ）装置を提供するこ
とであり、この装置は、現在公知の咬合具の使用に関連する作業および費用を排
除する。この装置は、使用者が、歯科医の修復作業により得られる型から正確な
モデルを作製することを可能とする。完全に組み立てられると、この装置は、ト
レイを備える上顎および下顎トレイ支持体材を提供し、これらのトレイは、一方
の表面（本明細書中では下面と称す）上に、少なくとも１つの突出部を有し、こ
の突出部が、このトレイ支持体の開口部に嵌合する。使用において、凹型の歯科
用型が、鋳型材料で充填され得る。咬合具の２つの半体（支持体上のトレイであ
って、ここで、これら２つの半体がヒンジ手段によって相互作用するよう作製さ
れる）は、このヒンジ手段上で操作されて、一方の半体上のトレイが、凹型の歯
科用型により形成されるモールド内の鋳型材料へと押し込まれる。鋳型材料が硬
化した後に、この凹型の型の対向する側が鋳型材料で充填され、そして咬合具の
第二の半体の支持体上の空のトレイ（支持体上のトレイ）が、ヒンジ手段上で操
作されて、凹型の（ｎｅｇａｔｉｖｅ）型の鋳型材料を圧迫する。鋳型材料が硬
化した後に、凹型の型が除去される。次いで、咬合具全体が、上顎および下顎の
歯のモデルを、トレイ上に有する。あるいは、各トレイは、わずかに硬化するこ
とが可能な鋳型材料を充填され得る。この鋳型材料は、この鋳型材料を適切な型
に押し込むことによって、モデルを形成する。一旦、この鋳型材料が十分に硬化
すると、この鋳型材料と共に、トレイおよび支持体が、型から除去される。この
鋳型材料が完全に硬化すると、モデルを備えるトレイが、トレイ支持体から除去
され得る。歯のモデルを備えるトレイは、次いで、ユニットとして作用し得るか
、またはより多くの場合には、セグメントに分けられ得る。この支持体が、トレ
イからの突出部を１方向のみから受容する開口部を有する場合には（例えば、変
動する幅および／または他の凹凸（例えば、波型またはリブ型）を、トレイの下
面上の突出部の面の凹凸と相補的な面に、有する場合）、これらのモデルは、適
切なトレイ支持体に、正しい順序で、容易に再組み立てされる。この支持手段は
、ヒンジ手段に取り付けられる伸長部を有する。

【０００９】 本開示において、このデバイスが組み立てられたときにトレイとインターフェ
ースするトレイ支持体の表面は、この支持体の上面と称され、一方で、このトレ
イが載る表面の反対側の面は、このトレイ支持体の下面と称される。このデバイ
スが完全に組み立てられたときに支持体とインターフェースするトレイの表面は
、本明細書中において、このトレイの下面と称され、そして鋳型材料とインター
フェースするトレイの表面は、本明細書中において、上面と称される。図面にお
いて、任意の番号が１つより多い図面に現れる場合には、その番号は常に、同じ
構造体を表す。

【００１０】 本発明の咬合具は、先行技術の咬合具に対していくつかの利点を提供する。全
装置がプラスチックで作製されるため、この装置は、使用が容易である。わずか
な可撓性を有する硬質プラスチックが、このデバイスの作製に使用するために最
も適切である。本発明のデバイスは、モデルを表示する際に使用するためのペグ
またはピンを必要としない。

【００１１】 図面を参照すると、図１は、モデルを保持するトレイ（２）の上面の頂平面図
であり、このトレイは、中央に突出部（８）、およびより小さな回転防止ガイド
手段（９）を有する。回転防止手段は、凸型（トレイ表面の上への突出）または
凹型（トレイ表面への陥凹）のいずれかであり得る。

【００１２】 図２は、面（１）を有する支持トレイを上から示し（上面が見える）、この面
は、開口部（１５）を有し、この開口部は、このトレイの下面からの突出部（単
数または複数）を受容する。この支持トレイは、ヒンジ端（１０）および自由端
（１１）を有する。このトレイ支持体は、図３に支持トレイの斜視図で示され、
支持トレイの上面（４）および対応する開口部（１２）（これは、この場合には
、リブ型の突出部を受容するよう刻まれている；これに、トレイの下面からの突
出部が嵌合する）の面を示す。ヒンジ手段は、ボール（１４）およびボールアク
セプター部分（１３）を有する。このデバイスを組み立てたときに、個々の支持
体は、個々のトレイ支持体上のボールおよびアクセプターを介して相互ロックさ
れ得る。図４は、相互ロックされたときのボールおよびアクセプターの拡大図を
示す。ボール（５）は切り欠き（２０）を有し、この切り欠きが、支持トレイの
アクセプター部分の凹部（６）に嵌合する。

【００１３】 図５は、自由端ストップ（１８）を有するトレイ支持体の側面図を示し、この
自由端ストップは、一旦アプローチ部材が互いに平行な位置に達すると、トレイ
を備えるトレイ支持体をストップさせる。図６は、ボールおよびソケットヒンジ
部材の背面図を示し、ボール部をアクセプターの適切な位置に配置する、アクセ
プター手段の切り欠き（１９）を示す。ブリッジ（３）は、支持トレイの壁の一
部であり得、ヒンジ部材の各アーム（２１）を適切に整列して保持する。

【００１４】 トレイホルダーにおけるモデルの正しい配向を増大させるためには、波型の構
成が有用であるが、この面における鋸歯型の変形のような他の構成もまた、使用
され得る。

【００１５】 図７は、トレイの上からの斜視図として提供され、中央突出部（８）が見える
状態で、トレイの上面を示す。図８は、突出部（４６）（この場合には、チャネ
ルによって分割されている）を有するトレイの端面図を提供し、トレイの上面の
、回転防止手段（９）および中央突出部（８）が見える。

【００１６】 図９は、歯科用型と共に使用するために完全に組み立てられた支持体上の、ト
レイを示す。これらの部品は、特に、トレイ支持体（７０）であり、トレイ（７
２）がその上に配置されている。このトレイの下面からの突出部（７１）は、ト
レイ支持体の開口部を通って突出するように見える。この特定の実施形態におい
ては、このトレイはリップ（７３）を有し、これは、このトレイ支持体の面に突
き出ており、これによってトレイ支持体からのトレイの除去が容易となる。端部
ストップ（８０）は、ヒンジにおいて、閉め過ぎ（ｏｖｅｒ ｃｌｏｓｕｒｅ）
を防止する適切な位置にある。ジョイント（７９）は、ボールおよびアクセプタ
ージョイントである。この図面において、このトレイの、鋳型材料が適用される
上面の突出部は（７４）と称され、そして回転防止手段は（７６）と称される。

【００１７】 この咬合器は、顎全体の両方の側の歯科用モデルを一度に作製する目的のため
に馬蹄形に作製され得る。図を参照して、図１０は、臼歯の配置に対応した湾曲
したセクション（９５）、および臼歯の配置に対応した２つの側方端（９２）を
有する支持トレイ（９０）を示す。上面から見ると、凹凸面（この例においては
波状形状）を有する側面（９６）を有する開口（９１）があり、ヒンジ手段（９
４）のための装着手段であるブリッジ（９３）を有する。このブリッジは、支持
トレイを整列して保持するように装着されるが、型との最適な咬合を提供するた
めの充分な動きを可能にする。

【００１８】 図１１は、鋳型材料を保持する上面（１０１）を備える馬蹄形トレイ（１００
）を示す。上面から現れているのは、突出部（１０２）であり、これは図８にお
ける突出部（８）と等価物である。このトレイはまた、図１０のトレイの開口（
９６）へぴったり嵌合するよう彫刻されたトレイの下面からの突出部（１０３）
を有する。このトレイはまた、回転防止手段（１０４）として作用する比較的小
さい凹凸を有する。

【００１９】 図１２は、図６の大まかな等価物であるが、馬蹄形（図１０の（９２））の端
部におけるトレイの部分に渡る広がりをブリッジするための比較的広いブリッジ
（１０６）を有する。この図において、（２０）および（１９）は、図６におけ
るものと同じ名称を有する。

【００２０】 図１３は、トレイの上面からの突出部（１２１）を有し、回転防止手段（１２
０）、およびトレイ支持体の開口における配置のためのトレイの下面からの単一
突出部（１１８）、を備えるトレイ（１１９）の局面を示す。

【００２１】 図１４は、湾曲したプレート（６４）と相互作用する、受部（６３）および突
起（６２）を必要とするヒンジ手段を示す。このヒンジ部を保持するアーム（２
１）は、２つのアームの間のブリッジ（３）におけるトレイホルダに装着される
。

【００２２】 互いに嵌合する、および／またはヒンジ手段により接続される対応部分を有す
るデバイスを作製する当該分野で公知の材料、表示手段、およびヒンジ手段にお
ける改変は、本発明を構成するための使用において適切であると理解される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、例えば、セッコウまたは石のような鋳型材を保持するためのトレイの
上面平面図である。

【図２】 図２は、トレイ支持体の上からの図である。

【図３】 図３は、トレイ支持体の斜視図である。

【図４】 図４は、ボールおよびソケット型ヒンジの細部を示す。

【図５】 図５は、トレイ支持体の側面図である。

【図６】 図６は、ボールおよびソケットヒンジ手段の後面図である。

【図７】 図７は、トレイの斜視図である。

【図８】 図８は、トレイの端面図である。

【図９】 図９は、完全に組み立てられたトレイ支持体を有するトレイを示す。

【図１０】 図１０は、同時に全顎の両側の歯科用モデルを作製する目的のための、蹄鉄型
のトレイ支持体を示す。

【図１１】 図１１は、図１０のトレイ支持体に嵌合するトレイを示す。

【図１２】 図１２は、蹄鉄型支持トレイと共に使用するためのボールおよびソケットヒン
ジ手段を示す。

【図１３】 図１３は、支持体において対応する開口部に嵌合する、単一の突出部を有する
トレイを示す。

【図１４】 図１４は、湾曲したプレートと相互作用する受器および突起を有する部分を必
要とするヒンジ手段を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＣＡ，ＧＢ，Ｊ Ｐ，ＵＳ

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 歯科用モデルを作製するための使用のためのデバイスであっ
   て、該デバイスは、開口を有するトレイ支持体、および下面を有するトレイを備
   え、該下面は該トレイの下面からの突出部を備え、ここで該トレイの突出部は、
   該トレイ支持体の開口へ嵌合し、該トレイ支持体はそこに装着されたヒンジ部を
   有し、該ヒンジ部は、第二トレイ支持体からのヒンジ部と相互作用し、完結した
   ヒンジ部を形成し得る、デバイス。
2. 【請求項２】 前記ヒンジ手段がボールジョイントである、請求項１に記載
   のデバイス。
3. 【請求項３】 前記トレイ突出部およびトレイ支持体開口が、１方向のみで
   該突出部が該開口へ嵌合するように表示される、請求項１に記載のデバイス。
4. 【請求項４】 前記トレイ突出部およびトレイ支持体開口が、対応する溝へ
   嵌合するリッジにより表示される、請求項３に記載のデバイス。
5. 【請求項５】 前記トレイ突出部および前記トレイ支持体における対応する
   開口が、一方端において他方端よりも広い、請求項３に記載のデバイス。
6. 【請求項６】 歯科用モデルの作製における使用のための馬蹄形状のデバイ
   スであって、該デバイスは、開口、ならびに鋳型材料を保持するための上面、お
   よびトレイの下面からの突出部を備えた下面、を有するトレイ、を有するトレイ
   支持体を備え、ここで該トレイの突出部は、該トレイ支持体の開口へ嵌合し、該
   トレイ支持体は、そこに装着された、第二トレイ支持体からのヒンジ部を有し、
   完結したヒンジ手段を形成する。
7. 【請求項７】 前記ヒンジ手段が、ボールジョイントである、請求項６に記
   載のデバイス。
8. 【請求項８】 前記トレイ突出部およびトレイ支持体開口が、１つの方向の
   みに、該突出部が該開口へ嵌合するように表示される、請求項６に記載のデバイ
   ス。
9. 【請求項９】 前記トレイ突出部およびトレイ支持体開口が、対応する溝へ
   嵌合するリッジにより表示される、請求項８に記載のデバイス。
10. 【請求項１０】 前記トレイ突出部、およびトレイ支持体開口が、該突出部
    および支持体開口の側面における波により表示される、請求項８に記載のデバイ
    ス。
11. 【請求項１１】 前記ヒンジ手段が、対応する開口へ嵌合する突起である、
    請求項６に記載のデバイス。
12. 【請求項１２】 前記ヒンジ手段が、対応する開口へ嵌合する突起である、
    請求項１に記載のデバイス。