JP2002520623A5 - - Google Patents
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Description
【発明の名称】GPS衛星ドリフト監視装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 GPS受信機の視野に入り、そして離れる複数の衛星から情報を受信するGPS受信機と共に使用される装置であって、
視野に入ってくる複数の衛星から前記情報を受信し、時々最小値へ変化する識別子を決定し、複数の前記最小値を用いて所定の信頼性レベルでドリフトエラーの上限を決定する衛星ドリフト監視装置。
【請求項2】 前記ドリフトエラーの上限が、時間的に可変の閾値と比較されて、視野に入ってくる新しい衛星のドリフトを示す選択取消信号を発生する、請求項1の衛星ドリフト監視装置。
【請求項3】 衛星エラー限界SELが、ドリフトエラー範囲及び現在の衛星エラー範囲に基き1−pmd信頼性レベルで再帰的に計算され、水平保護限界HPLが解行列Tに基きSELから計算される、請求項1の衛星ドリフト監視装置。
【請求項4】 前記衛星エラー範囲が、式
【式1】
に従って計算され、ここで|dn|は識別子dnの絶対値であり、Kmdは検出ミス確率pmdに相当する統計的シグマ数であり、σSAは選択的有効性ノイズシグマであり、
【式2】
は衛星の幾何的配置に依存する係数パラメータの絶対値であり、その上側と下側の添字が同一であり、衛星指標nに等しく、前記ドリフトエラー範囲が以前に計算されたドリフトエラー範囲の最小値として計算され、現在観測されたドリフトエラー範囲が、式
r(t)=min(r(t−Δt),ε/t)
に従って再帰的に決定され、ここでtは新しい衛星が最初に受信された後の時間であり、Δtは時間ステップである、請求項2の衛星ドリフト監視装置。
【請求項5】 前記衛星エラー範囲が、式
【式3】
に従って計算され、ここで|dn|は識別子dnの絶対値であり、Kmdは検出ミス確率pmdに相当する統計的シグマ数であり、σSAは選択的有効性ノイズシグマであり、
【式4】
は衛星の幾何的配置に依存する係数パラメータの絶対値であり、その上側と下側の添字が同一であり、衛星指標nに等しく、前記ドリフトエラー範囲は以前に計算されたドリフトエラー範囲の最小値として計算され、現在観測されたドリフトエラー範囲が、式
r(t)=min(r(t−Δt),ε/t)
に従って再帰的に決定され、ここでtは新しい衛星が最初に受信された後の時間であり、Δtは時間ステップであり、rは1−pmd信頼性レベルで予測されたドリフト速度であり、tは衛星が最初に受信された後の時間である、請求項3の衛星ドリフト監視装置。
【請求項6】 衛星エラー限界(SEL)が、式
SEL(t)=min(ε,SEL(t+Δt))
に従って再帰的に決定され、ここでΔtは時間ステップであり、衛星nに関連する水平保護限界(HPLn)が、式
HPLn=thnSEL+KmdrfσSA
に従って計算され、ここでKmdは検出ミス確率pmdに相当する統計的シグマ数であり、rfは1より小さな縮小係数であり、
【式5】
であって、tn1及びtn2がこの最小二乗解行列Tの要素である、請求項5の衛星ドリフト監視装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
この発明は航空機ナビゲーション、特に地球測位システム(GPS)及び慣性基準システム(IRS)を採用し、衛星信号が信頼できなくなるとき、並びに新しく得られた衛星信号が信頼できないときを早期に決定可能なシステムに関する。
【0002】
(背景技術)
従来GPSは複数の衛星からの信号を受信することにより航空機の位置を決定するために使用されている。各信号は衛星の位置及び伝送時間に関する情報を有しており、航空機上のGPS受信機はそれ自体の位置を演算可能である。4個の変数(3軸の位置及び時間)が存在するので、受信機の位置を決定するためには少なくとも4個の衛星からの信号が必要になる。良好な幾何的配置を有する少なくとも5個の衛星が存在する場合、4個の信号からなる各サブセットが位置決めするために利用可能であり、これらの信号の内の1つがエラーであるか否かを決定するために、これらの信号を互いに比較可能である(フェールセーフ)。衛星が少なくとも6個視野内に存在しエラー信号が存在した場合、どの信号がエラーであるかを決定するために、この群の配置を使用可能である(フェールオペレーショナル)。この手順は従来受信機自律完全性監視装置(RAIM)と呼ばれるシステムにより達成された。このシステムについては、バージニア州アレキサンドリアにあるナビゲーション協会(Institute of Navigation)により出版された「グローバルポジショニングシステム」第5巻と題する出版物内のハネウエル・インコーポレーテツドの「GPS受信機内のRAIM監視装置及び統合GPS/IRSの実現」と題した記事に開示されている。
【0003】
RAIMは4個の衛星ではエラーの有る衛星信号を検出できず、また5個の衛星のみではどの信号がエラーであるかが識別できないので、パイロットはこれらの状況で受信する位置情報を頼ることはできず、GPS入力は無視する必要がある。従って4個の衛星のみが視野内に有るとき信頼性のある出力を発生可能なシステムを提供することが望まれている。
【0004】
1996年9月11日に出願され本発明の譲受人に譲受された第08/712,232号「精度不足を検出する解分離装置を有するナビゲーションシステム」と題した特許出願に、この問題の1解決法が開示される。更に詳述するにこの出願には複数の遠隔送信機から信号を受信し、精度不足を検出し、保護限界(即ち最遠の統計的距離であり、これにより装置によって決定された位置が1つの衛星がエラーである場合である可能性が極めて高い)を決定する完全性監視装置及び位置決めアルゴリズムを開示している。この位置決めアルゴリズムは好ましくはカルマンフィルタリング技術を利用し、検出能力を高めるため内部に慣性基準データを内蔵する。このシステムにより、限られた時間の間4個の衛星からの信号を信頼性高く使用できるが、カルマンフィルタバンクにより与えられる保護限界は時々飛行の最も厳しい時期(非精密進入及び境界領域ナビゲーション)に対して必要な保護の限界を超え、従って十分有効でない。更にカルマンフィルタのバンクは慣性基準装置以外の装置内で実施するためには計算上高価であり複雑である。従ってより簡潔で低廉であり、メーカの装置内に容易に内蔵可能で且つ動作の早期の時点で衛星信号エラーを検出可能なシステムの必要性が生じている。
【0005】
本発明者により本出願と同日付で出願され本発明の譲受人に譲渡された「GPS信号欠陥分離監視装置」と題する第09/118,046号出願は、GPS信号から所定の軸に沿った第1の加速出力を、また慣性基準装置(IRU)から同じ所定軸に沿った第2の加速出力を発生する新たな加速監視装置を提供することにより、これらの必要性に対応している。
【0006】
IRU出力は位置を決定するにはそれほど正確ではないが、所定軸に沿った加速の測定は極めて精度が高い。従ってIRU加速信号は所定軸に沿ったGPS加速信号と比較される。所定量より大きなエラーが存在する場合、不完全な衛星信号が識別され、計算から排除可能である。従って連続動作には4個の衛星のみが必要である。ランプ(傾斜)出力として考えられる信号ドリフトの場合、ランプの初期変化により、過渡的加速が発生され、加速監視装置により検出されてこの状態の早期の識別が得られる。この特徴は上述の出願に開示されている。しかしながら、GPS受信機により観察されるより前にドリフトし始める衛星の信号ドリフトの検出は、過渡的加速がそれ以前に生じているので、新たな加速監視装置によっては検出されない。
【0007】
(発明の開示)
本発明はこの問題を、衛星エラー範囲(所定の信頼度レベルに関連する範囲又は限界)を決定するために用いる識別子(discriminator)を発生し、この衛星エラー範囲をドリフトエラー範囲を決定するために使用し、このドリフトエラー範囲がドリフトが生じたことを示すことにより、新たに捕捉した衛星のドリフトを検出する新規な衛星ドリフト監視装置(時としてゼロクロッシングRAIMあるいはZ−RAIMとも呼ぶ)を提供することにより解決する。
【0008】
加速監視装置及び本発明の新規な衛星ドリフト監視装置の両方について以下に詳述するが、加速監視装置は上述した出願で請求され、新規な衛星ドリフト監視装置が本明細書で請求される。
【0009】
(発明を実施するための最良の形態)
図1を参照すると、GPS受信機12と慣性基準装置14とを備え、航空機ナビゲーションに使用されるシステム10が示される。GPS受信機12は当業者には周知なものであり、複数の衛星、例えば図1の衛星S1〜S6からそれらの位置及び伝達時間を示す信号を受信するよう動作する。6個の衛星を示したが、GPS受信機12の視野内に6個以上あるいはそれ以下であっても衛星を使用可能であり、その数は時間的期間にわたり変更可能であることは理解されよう。GPS受信機12は衛星S1〜S6からの信号で動作して、受信機の位置を決定し、各衛星に対しGPSコードに基く擬似レンジ測定値prを発生する。また各衛星からの搬送波のサイクル(サイクルの端数を含む)を追跡しカウントすることにより、GPS受信機12は以下の式(1)に従って、時間Δtにわたる擬似レンジの変化を得るために使用される累積搬送波カウント値pcを与える。
Δpr=Δpc=pc(t+Δt)−pc(t) (1)
搬送波カウント値の差分をとることにより得られる擬似レンジの変化は正確であり、センチメートル(0.01メートル)内にあって且つ擬似レンジ測定値の差分をとることにより形成される擬似レンジ変化は正確で2〜5メートル内である。GPSコードに基く擬似レンジの変化Δpr、搬送波に基く擬似レンジの変化Δpc、あるいはその組合せ(以下平滑化コード測定値)が本発明で使用される。以下にこの点について説明する。
【0010】
pr信号及びpc信号はGPS受信機12からの経路16により示される出力として与えられ、経路17、18を介しボックス20で示す標準RAIMへ供給される。標準RAIM20はまた経路24を介して高度検出装置22から気圧高度信号を受け取る。信頼できない衛星信号に遭遇した事が標準RAIM20により検出された場合、選択取消信号が経路26により示される出力として標準RAIM20から与えられる。これは良好な幾何的配置を有する少なくとも6個の衛星が視野に有る場合に生じ、このとき5個の衛星信号のグループはどの衛星信号が不完全かを決定するように比較できる。その衛星信号の内の1つがこのように識別されると、その情報は経路16から(経路26及び経路28を介し)GPSpr及びpcを受け取るボックス30により示される衛星選択機能へ送られる。衛星選択機能30は不完全な衛星信号を排除し、経路32により示される出力として残りの有効な信号をボックス34により示される位置決定機能へ送る。位置決定機能34はまた経路24を介し高度検出装置22から気圧高度信号も受け取り、指示器若しくは飛行管理システム(図示せず)のような下流の装置への航空機の位置を示す出力を(経路36により示されるように)発生する。良好な幾何的配置を有する衛星が5個だけ視野に有る場合、4個の衛星信号のグループが依然として少なくとも1つの他の衛星信号と比較でき、何れかの衛星信号が不完全である事を決定可能であるが、不完全な衛星信号の識別ができないので選択取消はできない。このような場合、下流の装置及びパイロットはGPS信号を使用すべきでないことを通知される(この信号は図1には図示していない)。
【0011】
上述した出願によれば、経路16により示される出力信号は経路17及び経路18を介し、ボックス44により示される加速監視装置へ与えられる。加速監視装置44は慣性基準装置14(これは当業者には周知であり、複数のジャイロと加速度計からなる)からも入力を受信し、慣性基準装置14は高度h、高度行列C、緯度/経度/外れ角行列D、速度v、及び速度変化Δvを示すライン46の出力を発生する。最小3個のジャイロと3個の加速度計が使用されるが、フェールセーフやフェールオペレーショナル動作及び高い信頼性を保証するため、2あるいは3個の冗長システムが使用されることが好ましい。経路46からのΔv信号及び経路16、17、18からのpr信号、pc信号が本発明の加速監視装置44により使用され、この動作は図2に沿ってより良好に理解されよう。
【0012】
図2において、図1に相当する矢印46により示される経路を経て慣性信号h、C、D、v、及びΔvを受け取り、また図1に相当する矢印40により示される経路を経てGPS入力、pr及びpcを受け取る加速監視装置44が示される。
【0013】
慣性信号Δvは速度10〜60Hzでフィルタリング処理された速度の増分からなり、「Lフレームへ変換」と書かれた機能ボックス54に与えられる。機能ボックス54はまた矢印46で示す姿勢入力Cを受け取り、フィルタリング処理された速度増分を局部垂直フレームLに変換し、この変換された増分を「第2の1Hz時間差の形成」と書かれた機能ボックス58に出力する。機能ボックス58では、各軸に沿った「ダブル位置差信号」(即ち、現在のΔt期間での位置変化と以前のΔt期間の位置変化との差を示す信号)が慣性加速度(即ち変換された高速速度増分)を積分することにより形成される。機能ボックス58の出力はGPS信号(以下に説明する)から引き出される加速度内に存在しない地球の自転による加速度成分を含む、慣性により測定された加速度を反映する。従って機能ボックス58の出力は望ましくない地球回転成分を除去する「地球回転による加速度の除去」と書かれた機能ボックス60への入力として与えられる。最後にGPS信号から引き出される加速度は衛星の方向において(視線に沿って)だけ有効なので、機能ボックス60からの慣性による基準信号は「視線に沿って投影」と書かれた機能ボックス62に与えられ、機能ボックス62はまた矢印64により示される信号LOS(衛星に対する視線に沿っての単位ベクトル)を受け取り、機能ボックス62の出力は衛星に対する視線に沿って投影された慣性ダブル位置差である。この信号は加速度監視の識別子を形成する「識別子及び時間除去変換」と書かれた機能ボックス66に与えられる。
【0014】
GPS信号に関し、すべての追跡された衛星に対する擬似レンジ測定値pr及び累積された搬送波サイクルカウント値pcは経路18から「範囲差を形成」と書かれた機能ボックス70に与えられる。機能ボックス70は初期化時のGPS位置である矢印72により示される入力として図1の位置決め機能34からの初期GPS位置rinitを受け取る。上述したように、信号pcは累積された搬送波サイクル(各サイクルは通常の衛星信号内の約0.19m位置変化に相当する)からなり、信号prはGPSコードに基く擬似レンジ測定値である。信号pr、pcあるいはその組合せ(平滑化測定値)は衛星の運動を含み、機能ボックス70は衛星運動成分を除去し、その結果を「第2の1Hz時間差の形成」と書かれた機能ボックス74に与えるように動作する。ダブル差信号(即ち現在のΔt期間のサイクルカウント値(あるいは平滑化擬似レンジ)の変化と以前のΔt期間のサイクルカウント値(あるいは平滑化擬似レンジ)の変化との差)が機能ボックス74により形成され、(現在位置での視線ベクトル方向での変化及び初期の基準位置における視線ベクトル方向に関連する成分も含むが)GPS受信機の加速度を示す機能ボックス74の出力は「視線補償」と書かれた機能ボックス76に与えられる。この時点で衛星加速度が現在の位置から見たときと初期の基準位置から見たときが異なるよう投影される。従って機能ボックス76により形成される出力は視線方向に関連する成分が除去されたものである。機能ボックス76の出力は「衛星加速度補償」と書かれた機能ボックス78に与えられる。サイクルカウント値は衛星の運動を含み、機能ボックス78は衛星運動加速度成分を除去するように動作する。最終の結果は視線に沿ったGPS信号に基くダブル位置差であり、これは機能ボックス66に与えられる。「識別子及び時間除去変換」の機能ボックス66は機能ボックス78、62からのGPS信号及び慣性基準加速度信号で動作し、この2信号の差分を求めることにより識別子を形成する。この機能はまた各衛星特定の識別子からすべての識別子の(すべての衛星に対する)平均を減算して、受信機のクロックオフセットを除去する。この信号は、時間に対し識別子の出力を平均化し固定の閾値と比較して、ライン82に選択取消信号を発生する機能ボックス80に与えられ、この選択取消信号は加速度が閾値を超える衛星の選択を取り消すために使用される。上述した機能ボックスにより実行される機能のすべてはコンピュータプログラムにより実行でき、各機能はプログラミング分野における当業者により容易にプログラミングできることは理解されよう。
【0015】
図1において、図2のライン82上の選択取消信号がライン26、28を介して衛星選択機能30へ与えられる事が示され、選択取消しされた衛星信号は位置決め機能34へ送られない。
【0016】
図1には、経路16、17、18を経てGPS信号を受け取り、また経路24を経て高度検出装置22から気圧高度信号を受け取る受信監視装置(Acceptance Monitor)86が示される。受信監視装置86は、例えば衛星擬似レンジが適正な範囲から遠く離間するため明らかに正しくないGPS信号を検出すべくこの分野で使用される。このようなエラーの有る衛星信号が受信されると、受信監視装置86は経路26に選択取消信号を発生し、経路28を経て衛星選択機能30に与え、衛星選択機能30はこのエラーの有る信号の位置決め機能34による使用を防止するよう動作する。
【0017】
本発明によれば、新規な「衛星ドリフト監視装置」即ち「Z−RAIM」が経路16、17、18を経て、GPS信号を、及び経路24を経て気圧高度信号を受け取るボックス92として示される。Z−RAIM92は水平保護限界HPLを示す出力95を経路95を経てパイロットあるいは飛行管理システム(図示せず)のような下流の航空機装置に与える。
【0018】
本発明の新規な衛星ドリフト監視装置即ちZ−RAIM92は、新たな衛星からの信号が最初に得られるときドリフトが既に開始されているか否かを決定するよう動作する。これについては図3A及び図3Bに沿って説明する。
【0019】
良好な幾何的配置を有する衛星がN個存在すると仮定すると、n番目の衛星に対し当業者に周知のRAIM識別子が以下の式により形成される。
【式6】
ここで、
【式7】
は上述した出版物に見られるように、周知な衛星配置に依存する係数であり、Nは衛星の数、kはk番目の衛星を示し、Δprkはk番目の衛星に対する測定された擬似レンジ(あるいは平滑化擬似レンジ)と予想擬似レンジとの差である。選択的有効性(SA、DODによりGPSの出力に重畳された意図的なノイズ信号)のため、識別子は図3Aに見られるように変化する。
【0020】
1−pmdの所定の信頼性レベル(通常99.9%)を有するよう定義されたエラー範囲εは以下の式により定義される。
【式8】
ここで、|dn|は識別子dnの絶対値であり、Kmdは検出ミス確率pmdに相当する統計的シグマ数、σSAは選択的有効性ノイズシグマであり、
【式9】
は式(2)内の衛星配置依存係数の絶対値であり上側と下側の添字は同一であり衛星指標nに等しい。
【0021】
SAノイズの特性に基き、識別子はゼロにクロスするか、時間を置いて即ち少なくとも5分毎に最小値となる。識別子がゼロにクロスするか最小の絶対値|dn|minに達すると、1−pmdエラー範囲の推定のエラーは最小となる。
【式10】
また、1−pmd信頼性レベルでの推定されたドリフト速度は次のように表される。
r=εmin/t (5)
ここで、tは衛星が最初に受信された後の時間である。tが増加するに伴い、各最小値|dn|minに対しより正確なドリフトエラー範囲が得られる。ドリフトエラー範囲が以下の式に従い再帰的に最小値として計算されると、
r(t)=min(r(t−Δt),ε/t) (6)
ここで、Δtは時間ステップであり、その結果は同じであることに留意する必要がある。
【0022】
衛星エラー限界SELは現在の衛星エラー範囲ε及び1−pmdドリフトエラー範囲が加えられた、以前に推定された衛星エラー範囲の最小値である。これは以下の式により再帰的に決定される。
SEL(t)=min(ε,SEL(t+Δt)) (7)
ここで、Δtは時間ステップである。
【0023】
衛星nと関連する水平保護限界HPL(航空電子工学装置に於ける所要出力)は以下のように計算できる。
HPLn=thnSEL+KmdrfσSA (8)
ここで、Kmdは検出ミス確率pmdに相当する統計的シグマ数であり、rfは1より小さな縮小係数で、
【式11】
は当業者には周知な最小二乗解行列Tであり、tn1及びtn2はこの行列Tの要素である。初期のドリフトを有する衛星を排除するアクションが講じられない場合でも、ドリフトが一定である、即ちフェールセーフ動作を保証する限りにおいて、この衛星と関連する水平保護限界HPLnがこのエラーを常に制限する。ドリフトが一定でない場合、上述した出願の加速監視装置44は加速度を検出する必要がある。速度rが所定の時間依存しきい値を越えるときは、フェールセーフ動作能力を達成するために経路22、23を経て新たな衛星の選択を解除し、かつ図1の機能ブロック24を実行する必要がある。既に位置決めに使用されている衛星は加速監視装置44により監視されているので、新しく捕捉された衛星だけこのように監視する必要がある。
【0024】
ここで示すボックス及び経路は好ましい実施形態の動作を説明する目的のために使用されたが、これらのボックス及び経路はソウフトウエア若しくはハードウエア、あるいはその組合せにより実現可能であることは理解されよう。
【0025】
従って新しく捕捉された衛星が捕捉前にドリフトを開始するときを検出可能なドリフト監視装置が提供されたことが理解されよう。多くの別の実施形態が当業者において推測でき、ここで開示される本発明は本発明の精神から離れることなく他の特定形態で実施可能である。従ってここで説明した実施形態はすべての点で例示のためと考えるべきであり、これに制限されるものではなく、本発明の範囲は上述の説明によるものに限られるものではなく添付の請求項により表わされ、請求項の等価物の意味及び範囲内に入るすべての設計変更が本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は本発明を利用するシステムの概略ブロック図である。
【図2】
図2は上述した出願の加速監視装置の動作を説明するためのブロック図である。
【図3A】
図3Aは本発明の新規な衛星ドリフト監視装置の動作を示すグラフである。
【図3B】
図3Bは本発明の新規な衛星ドリフト監視装置の動作を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 GPS受信機の視野に入り、そして離れる複数の衛星から情報を受信するGPS受信機と共に使用される装置であって、
視野に入ってくる複数の衛星から前記情報を受信し、時々最小値へ変化する識別子を決定し、複数の前記最小値を用いて所定の信頼性レベルでドリフトエラーの上限を決定する衛星ドリフト監視装置。
【請求項2】 前記ドリフトエラーの上限が、時間的に可変の閾値と比較されて、視野に入ってくる新しい衛星のドリフトを示す選択取消信号を発生する、請求項1の衛星ドリフト監視装置。
【請求項3】 衛星エラー限界SELが、ドリフトエラー範囲及び現在の衛星エラー範囲に基き1−pmd信頼性レベルで再帰的に計算され、水平保護限界HPLが解行列Tに基きSELから計算される、請求項1の衛星ドリフト監視装置。
【請求項4】 前記衛星エラー範囲が、式
【式1】
に従って計算され、ここで|dn|は識別子dnの絶対値であり、Kmdは検出ミス確率pmdに相当する統計的シグマ数であり、σSAは選択的有効性ノイズシグマであり、
【式2】
は衛星の幾何的配置に依存する係数パラメータの絶対値であり、その上側と下側の添字が同一であり、衛星指標nに等しく、前記ドリフトエラー範囲が以前に計算されたドリフトエラー範囲の最小値として計算され、現在観測されたドリフトエラー範囲が、式
r(t)=min(r(t−Δt),ε/t)
に従って再帰的に決定され、ここでtは新しい衛星が最初に受信された後の時間であり、Δtは時間ステップである、請求項2の衛星ドリフト監視装置。
【請求項5】 前記衛星エラー範囲が、式
【式3】
に従って計算され、ここで|dn|は識別子dnの絶対値であり、Kmdは検出ミス確率pmdに相当する統計的シグマ数であり、σSAは選択的有効性ノイズシグマであり、
【式4】
は衛星の幾何的配置に依存する係数パラメータの絶対値であり、その上側と下側の添字が同一であり、衛星指標nに等しく、前記ドリフトエラー範囲は以前に計算されたドリフトエラー範囲の最小値として計算され、現在観測されたドリフトエラー範囲が、式
r(t)=min(r(t−Δt),ε/t)
に従って再帰的に決定され、ここでtは新しい衛星が最初に受信された後の時間であり、Δtは時間ステップであり、rは1−pmd信頼性レベルで予測されたドリフト速度であり、tは衛星が最初に受信された後の時間である、請求項3の衛星ドリフト監視装置。
【請求項6】 衛星エラー限界(SEL)が、式
SEL(t)=min(ε,SEL(t+Δt))
に従って再帰的に決定され、ここでΔtは時間ステップであり、衛星nに関連する水平保護限界(HPLn)が、式
HPLn=thnSEL+KmdrfσSA
に従って計算され、ここでKmdは検出ミス確率pmdに相当する統計的シグマ数であり、rfは1より小さな縮小係数であり、
【式5】
であって、tn1及びtn2がこの最小二乗解行列Tの要素である、請求項5の衛星ドリフト監視装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
この発明は航空機ナビゲーション、特に地球測位システム(GPS)及び慣性基準システム(IRS)を採用し、衛星信号が信頼できなくなるとき、並びに新しく得られた衛星信号が信頼できないときを早期に決定可能なシステムに関する。
【0002】
(背景技術)
従来GPSは複数の衛星からの信号を受信することにより航空機の位置を決定するために使用されている。各信号は衛星の位置及び伝送時間に関する情報を有しており、航空機上のGPS受信機はそれ自体の位置を演算可能である。4個の変数(3軸の位置及び時間)が存在するので、受信機の位置を決定するためには少なくとも4個の衛星からの信号が必要になる。良好な幾何的配置を有する少なくとも5個の衛星が存在する場合、4個の信号からなる各サブセットが位置決めするために利用可能であり、これらの信号の内の1つがエラーであるか否かを決定するために、これらの信号を互いに比較可能である(フェールセーフ)。衛星が少なくとも6個視野内に存在しエラー信号が存在した場合、どの信号がエラーであるかを決定するために、この群の配置を使用可能である(フェールオペレーショナル)。この手順は従来受信機自律完全性監視装置(RAIM)と呼ばれるシステムにより達成された。このシステムについては、バージニア州アレキサンドリアにあるナビゲーション協会(Institute of Navigation)により出版された「グローバルポジショニングシステム」第5巻と題する出版物内のハネウエル・インコーポレーテツドの「GPS受信機内のRAIM監視装置及び統合GPS/IRSの実現」と題した記事に開示されている。
【0003】
RAIMは4個の衛星ではエラーの有る衛星信号を検出できず、また5個の衛星のみではどの信号がエラーであるかが識別できないので、パイロットはこれらの状況で受信する位置情報を頼ることはできず、GPS入力は無視する必要がある。従って4個の衛星のみが視野内に有るとき信頼性のある出力を発生可能なシステムを提供することが望まれている。
【0004】
1996年9月11日に出願され本発明の譲受人に譲受された第08/712,232号「精度不足を検出する解分離装置を有するナビゲーションシステム」と題した特許出願に、この問題の1解決法が開示される。更に詳述するにこの出願には複数の遠隔送信機から信号を受信し、精度不足を検出し、保護限界(即ち最遠の統計的距離であり、これにより装置によって決定された位置が1つの衛星がエラーである場合である可能性が極めて高い)を決定する完全性監視装置及び位置決めアルゴリズムを開示している。この位置決めアルゴリズムは好ましくはカルマンフィルタリング技術を利用し、検出能力を高めるため内部に慣性基準データを内蔵する。このシステムにより、限られた時間の間4個の衛星からの信号を信頼性高く使用できるが、カルマンフィルタバンクにより与えられる保護限界は時々飛行の最も厳しい時期(非精密進入及び境界領域ナビゲーション)に対して必要な保護の限界を超え、従って十分有効でない。更にカルマンフィルタのバンクは慣性基準装置以外の装置内で実施するためには計算上高価であり複雑である。従ってより簡潔で低廉であり、メーカの装置内に容易に内蔵可能で且つ動作の早期の時点で衛星信号エラーを検出可能なシステムの必要性が生じている。
【0005】
本発明者により本出願と同日付で出願され本発明の譲受人に譲渡された「GPS信号欠陥分離監視装置」と題する第09/118,046号出願は、GPS信号から所定の軸に沿った第1の加速出力を、また慣性基準装置(IRU)から同じ所定軸に沿った第2の加速出力を発生する新たな加速監視装置を提供することにより、これらの必要性に対応している。
【0006】
IRU出力は位置を決定するにはそれほど正確ではないが、所定軸に沿った加速の測定は極めて精度が高い。従ってIRU加速信号は所定軸に沿ったGPS加速信号と比較される。所定量より大きなエラーが存在する場合、不完全な衛星信号が識別され、計算から排除可能である。従って連続動作には4個の衛星のみが必要である。ランプ(傾斜)出力として考えられる信号ドリフトの場合、ランプの初期変化により、過渡的加速が発生され、加速監視装置により検出されてこの状態の早期の識別が得られる。この特徴は上述の出願に開示されている。しかしながら、GPS受信機により観察されるより前にドリフトし始める衛星の信号ドリフトの検出は、過渡的加速がそれ以前に生じているので、新たな加速監視装置によっては検出されない。
【0007】
(発明の開示)
本発明はこの問題を、衛星エラー範囲(所定の信頼度レベルに関連する範囲又は限界)を決定するために用いる識別子(discriminator)を発生し、この衛星エラー範囲をドリフトエラー範囲を決定するために使用し、このドリフトエラー範囲がドリフトが生じたことを示すことにより、新たに捕捉した衛星のドリフトを検出する新規な衛星ドリフト監視装置(時としてゼロクロッシングRAIMあるいはZ−RAIMとも呼ぶ)を提供することにより解決する。
【0008】
加速監視装置及び本発明の新規な衛星ドリフト監視装置の両方について以下に詳述するが、加速監視装置は上述した出願で請求され、新規な衛星ドリフト監視装置が本明細書で請求される。
【0009】
(発明を実施するための最良の形態)
図1を参照すると、GPS受信機12と慣性基準装置14とを備え、航空機ナビゲーションに使用されるシステム10が示される。GPS受信機12は当業者には周知なものであり、複数の衛星、例えば図1の衛星S1〜S6からそれらの位置及び伝達時間を示す信号を受信するよう動作する。6個の衛星を示したが、GPS受信機12の視野内に6個以上あるいはそれ以下であっても衛星を使用可能であり、その数は時間的期間にわたり変更可能であることは理解されよう。GPS受信機12は衛星S1〜S6からの信号で動作して、受信機の位置を決定し、各衛星に対しGPSコードに基く擬似レンジ測定値prを発生する。また各衛星からの搬送波のサイクル(サイクルの端数を含む)を追跡しカウントすることにより、GPS受信機12は以下の式(1)に従って、時間Δtにわたる擬似レンジの変化を得るために使用される累積搬送波カウント値pcを与える。
Δpr=Δpc=pc(t+Δt)−pc(t) (1)
搬送波カウント値の差分をとることにより得られる擬似レンジの変化は正確であり、センチメートル(0.01メートル)内にあって且つ擬似レンジ測定値の差分をとることにより形成される擬似レンジ変化は正確で2〜5メートル内である。GPSコードに基く擬似レンジの変化Δpr、搬送波に基く擬似レンジの変化Δpc、あるいはその組合せ(以下平滑化コード測定値)が本発明で使用される。以下にこの点について説明する。
【0010】
pr信号及びpc信号はGPS受信機12からの経路16により示される出力として与えられ、経路17、18を介しボックス20で示す標準RAIMへ供給される。標準RAIM20はまた経路24を介して高度検出装置22から気圧高度信号を受け取る。信頼できない衛星信号に遭遇した事が標準RAIM20により検出された場合、選択取消信号が経路26により示される出力として標準RAIM20から与えられる。これは良好な幾何的配置を有する少なくとも6個の衛星が視野に有る場合に生じ、このとき5個の衛星信号のグループはどの衛星信号が不完全かを決定するように比較できる。その衛星信号の内の1つがこのように識別されると、その情報は経路16から(経路26及び経路28を介し)GPSpr及びpcを受け取るボックス30により示される衛星選択機能へ送られる。衛星選択機能30は不完全な衛星信号を排除し、経路32により示される出力として残りの有効な信号をボックス34により示される位置決定機能へ送る。位置決定機能34はまた経路24を介し高度検出装置22から気圧高度信号も受け取り、指示器若しくは飛行管理システム(図示せず)のような下流の装置への航空機の位置を示す出力を(経路36により示されるように)発生する。良好な幾何的配置を有する衛星が5個だけ視野に有る場合、4個の衛星信号のグループが依然として少なくとも1つの他の衛星信号と比較でき、何れかの衛星信号が不完全である事を決定可能であるが、不完全な衛星信号の識別ができないので選択取消はできない。このような場合、下流の装置及びパイロットはGPS信号を使用すべきでないことを通知される(この信号は図1には図示していない)。
【0011】
上述した出願によれば、経路16により示される出力信号は経路17及び経路18を介し、ボックス44により示される加速監視装置へ与えられる。加速監視装置44は慣性基準装置14(これは当業者には周知であり、複数のジャイロと加速度計からなる)からも入力を受信し、慣性基準装置14は高度h、高度行列C、緯度/経度/外れ角行列D、速度v、及び速度変化Δvを示すライン46の出力を発生する。最小3個のジャイロと3個の加速度計が使用されるが、フェールセーフやフェールオペレーショナル動作及び高い信頼性を保証するため、2あるいは3個の冗長システムが使用されることが好ましい。経路46からのΔv信号及び経路16、17、18からのpr信号、pc信号が本発明の加速監視装置44により使用され、この動作は図2に沿ってより良好に理解されよう。
【0012】
図2において、図1に相当する矢印46により示される経路を経て慣性信号h、C、D、v、及びΔvを受け取り、また図1に相当する矢印40により示される経路を経てGPS入力、pr及びpcを受け取る加速監視装置44が示される。
【0013】
慣性信号Δvは速度10〜60Hzでフィルタリング処理された速度の増分からなり、「Lフレームへ変換」と書かれた機能ボックス54に与えられる。機能ボックス54はまた矢印46で示す姿勢入力Cを受け取り、フィルタリング処理された速度増分を局部垂直フレームLに変換し、この変換された増分を「第2の1Hz時間差の形成」と書かれた機能ボックス58に出力する。機能ボックス58では、各軸に沿った「ダブル位置差信号」(即ち、現在のΔt期間での位置変化と以前のΔt期間の位置変化との差を示す信号)が慣性加速度(即ち変換された高速速度増分)を積分することにより形成される。機能ボックス58の出力はGPS信号(以下に説明する)から引き出される加速度内に存在しない地球の自転による加速度成分を含む、慣性により測定された加速度を反映する。従って機能ボックス58の出力は望ましくない地球回転成分を除去する「地球回転による加速度の除去」と書かれた機能ボックス60への入力として与えられる。最後にGPS信号から引き出される加速度は衛星の方向において(視線に沿って)だけ有効なので、機能ボックス60からの慣性による基準信号は「視線に沿って投影」と書かれた機能ボックス62に与えられ、機能ボックス62はまた矢印64により示される信号LOS(衛星に対する視線に沿っての単位ベクトル)を受け取り、機能ボックス62の出力は衛星に対する視線に沿って投影された慣性ダブル位置差である。この信号は加速度監視の識別子を形成する「識別子及び時間除去変換」と書かれた機能ボックス66に与えられる。
【0014】
GPS信号に関し、すべての追跡された衛星に対する擬似レンジ測定値pr及び累積された搬送波サイクルカウント値pcは経路18から「範囲差を形成」と書かれた機能ボックス70に与えられる。機能ボックス70は初期化時のGPS位置である矢印72により示される入力として図1の位置決め機能34からの初期GPS位置rinitを受け取る。上述したように、信号pcは累積された搬送波サイクル(各サイクルは通常の衛星信号内の約0.19m位置変化に相当する)からなり、信号prはGPSコードに基く擬似レンジ測定値である。信号pr、pcあるいはその組合せ(平滑化測定値)は衛星の運動を含み、機能ボックス70は衛星運動成分を除去し、その結果を「第2の1Hz時間差の形成」と書かれた機能ボックス74に与えるように動作する。ダブル差信号(即ち現在のΔt期間のサイクルカウント値(あるいは平滑化擬似レンジ)の変化と以前のΔt期間のサイクルカウント値(あるいは平滑化擬似レンジ)の変化との差)が機能ボックス74により形成され、(現在位置での視線ベクトル方向での変化及び初期の基準位置における視線ベクトル方向に関連する成分も含むが)GPS受信機の加速度を示す機能ボックス74の出力は「視線補償」と書かれた機能ボックス76に与えられる。この時点で衛星加速度が現在の位置から見たときと初期の基準位置から見たときが異なるよう投影される。従って機能ボックス76により形成される出力は視線方向に関連する成分が除去されたものである。機能ボックス76の出力は「衛星加速度補償」と書かれた機能ボックス78に与えられる。サイクルカウント値は衛星の運動を含み、機能ボックス78は衛星運動加速度成分を除去するように動作する。最終の結果は視線に沿ったGPS信号に基くダブル位置差であり、これは機能ボックス66に与えられる。「識別子及び時間除去変換」の機能ボックス66は機能ボックス78、62からのGPS信号及び慣性基準加速度信号で動作し、この2信号の差分を求めることにより識別子を形成する。この機能はまた各衛星特定の識別子からすべての識別子の(すべての衛星に対する)平均を減算して、受信機のクロックオフセットを除去する。この信号は、時間に対し識別子の出力を平均化し固定の閾値と比較して、ライン82に選択取消信号を発生する機能ボックス80に与えられ、この選択取消信号は加速度が閾値を超える衛星の選択を取り消すために使用される。上述した機能ボックスにより実行される機能のすべてはコンピュータプログラムにより実行でき、各機能はプログラミング分野における当業者により容易にプログラミングできることは理解されよう。
【0015】
図1において、図2のライン82上の選択取消信号がライン26、28を介して衛星選択機能30へ与えられる事が示され、選択取消しされた衛星信号は位置決め機能34へ送られない。
【0016】
図1には、経路16、17、18を経てGPS信号を受け取り、また経路24を経て高度検出装置22から気圧高度信号を受け取る受信監視装置(Acceptance Monitor)86が示される。受信監視装置86は、例えば衛星擬似レンジが適正な範囲から遠く離間するため明らかに正しくないGPS信号を検出すべくこの分野で使用される。このようなエラーの有る衛星信号が受信されると、受信監視装置86は経路26に選択取消信号を発生し、経路28を経て衛星選択機能30に与え、衛星選択機能30はこのエラーの有る信号の位置決め機能34による使用を防止するよう動作する。
【0017】
本発明によれば、新規な「衛星ドリフト監視装置」即ち「Z−RAIM」が経路16、17、18を経て、GPS信号を、及び経路24を経て気圧高度信号を受け取るボックス92として示される。Z−RAIM92は水平保護限界HPLを示す出力95を経路95を経てパイロットあるいは飛行管理システム(図示せず)のような下流の航空機装置に与える。
【0018】
本発明の新規な衛星ドリフト監視装置即ちZ−RAIM92は、新たな衛星からの信号が最初に得られるときドリフトが既に開始されているか否かを決定するよう動作する。これについては図3A及び図3Bに沿って説明する。
【0019】
良好な幾何的配置を有する衛星がN個存在すると仮定すると、n番目の衛星に対し当業者に周知のRAIM識別子が以下の式により形成される。
【式6】
ここで、
【式7】
は上述した出版物に見られるように、周知な衛星配置に依存する係数であり、Nは衛星の数、kはk番目の衛星を示し、Δprkはk番目の衛星に対する測定された擬似レンジ(あるいは平滑化擬似レンジ)と予想擬似レンジとの差である。選択的有効性(SA、DODによりGPSの出力に重畳された意図的なノイズ信号)のため、識別子は図3Aに見られるように変化する。
【0020】
1−pmdの所定の信頼性レベル(通常99.9%)を有するよう定義されたエラー範囲εは以下の式により定義される。
【式8】
ここで、|dn|は識別子dnの絶対値であり、Kmdは検出ミス確率pmdに相当する統計的シグマ数、σSAは選択的有効性ノイズシグマであり、
【式9】
は式(2)内の衛星配置依存係数の絶対値であり上側と下側の添字は同一であり衛星指標nに等しい。
【0021】
SAノイズの特性に基き、識別子はゼロにクロスするか、時間を置いて即ち少なくとも5分毎に最小値となる。識別子がゼロにクロスするか最小の絶対値|dn|minに達すると、1−pmdエラー範囲の推定のエラーは最小となる。
【式10】
また、1−pmd信頼性レベルでの推定されたドリフト速度は次のように表される。
r=εmin/t (5)
ここで、tは衛星が最初に受信された後の時間である。tが増加するに伴い、各最小値|dn|minに対しより正確なドリフトエラー範囲が得られる。ドリフトエラー範囲が以下の式に従い再帰的に最小値として計算されると、
r(t)=min(r(t−Δt),ε/t) (6)
ここで、Δtは時間ステップであり、その結果は同じであることに留意する必要がある。
【0022】
衛星エラー限界SELは現在の衛星エラー範囲ε及び1−pmdドリフトエラー範囲が加えられた、以前に推定された衛星エラー範囲の最小値である。これは以下の式により再帰的に決定される。
SEL(t)=min(ε,SEL(t+Δt)) (7)
ここで、Δtは時間ステップである。
【0023】
衛星nと関連する水平保護限界HPL(航空電子工学装置に於ける所要出力)は以下のように計算できる。
HPLn=thnSEL+KmdrfσSA (8)
ここで、Kmdは検出ミス確率pmdに相当する統計的シグマ数であり、rfは1より小さな縮小係数で、
【式11】
は当業者には周知な最小二乗解行列Tであり、tn1及びtn2はこの行列Tの要素である。初期のドリフトを有する衛星を排除するアクションが講じられない場合でも、ドリフトが一定である、即ちフェールセーフ動作を保証する限りにおいて、この衛星と関連する水平保護限界HPLnがこのエラーを常に制限する。ドリフトが一定でない場合、上述した出願の加速監視装置44は加速度を検出する必要がある。速度rが所定の時間依存しきい値を越えるときは、フェールセーフ動作能力を達成するために経路22、23を経て新たな衛星の選択を解除し、かつ図1の機能ブロック24を実行する必要がある。既に位置決めに使用されている衛星は加速監視装置44により監視されているので、新しく捕捉された衛星だけこのように監視する必要がある。
【0024】
ここで示すボックス及び経路は好ましい実施形態の動作を説明する目的のために使用されたが、これらのボックス及び経路はソウフトウエア若しくはハードウエア、あるいはその組合せにより実現可能であることは理解されよう。
【0025】
従って新しく捕捉された衛星が捕捉前にドリフトを開始するときを検出可能なドリフト監視装置が提供されたことが理解されよう。多くの別の実施形態が当業者において推測でき、ここで開示される本発明は本発明の精神から離れることなく他の特定形態で実施可能である。従ってここで説明した実施形態はすべての点で例示のためと考えるべきであり、これに制限されるものではなく、本発明の範囲は上述の説明によるものに限られるものではなく添付の請求項により表わされ、請求項の等価物の意味及び範囲内に入るすべての設計変更が本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は本発明を利用するシステムの概略ブロック図である。
【図2】
図2は上述した出願の加速監視装置の動作を説明するためのブロック図である。
【図3A】
図3Aは本発明の新規な衛星ドリフト監視装置の動作を示すグラフである。
【図3B】
図3Bは本発明の新規な衛星ドリフト監視装置の動作を示すグラフである。
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