JP2002520254A - 強い制癌薬としての合成スピロケタールピラン類 - Google Patents

強い制癌薬としての合成スピロケタールピラン類

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JP2002520254A JP2000557274A JP2000557274A JP2002520254A JP 2002520254 A JP2002520254 A JP 2002520254A JP 2000557274 A JP2000557274 A JP 2000557274A JP 2000557274 A JP2000557274 A JP 2000557274A JP 2002520254 A JP2002520254 A JP 2002520254A
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ウックン、ファティ、エム.
マオ、チェン
ジャン、シャイ−タイ、エム.
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パーカー ヒューズ インスティテュート
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Abstract

(57)【要約】 強いチューブリン脱重合活性およびチューブリン重合に対する阻害活性を有する新規のチューブリン結合化合物(SPIKETS)。その化合物は、例えば、癌細胞などにおける、細胞増殖を阻害するのに有効な薬剤である。その化合物はチューブリンの新規のSP結合ポケットと有利に相互作用するのに適しており、そのポケットは、抗チューブリン薬、抗増殖薬、および制癌薬のスクリーニングに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の分野] 本発明は、新規のチューブリン脱重合剤である、強い制癌薬としてのスピケッ
ト(SPIKET)に関する。
【0002】 [発明の背景] 癌は、どの年齢においても引き続いて死亡の主原因の1つである、主要な疾病
である。米国だけでも、1999年には50万人以上のアメリカ人が癌で死亡す
ると予想されている。現在では、放射線療法と化学療法が癌の処置に用いられる
2つの重要な方法である。
【0003】 通常の細胞機能への干渉を最小限にしながら、腫瘍細胞に対する効果的かつ効
率的な細胞毒性を与える、より効力のある特異的な制癌療法のための新しい化学
治療薬を開発するため、相当な努力が進められている。したがって、新規で効果
的な制癌薬の開発と分析の必要に迫られている。
【0004】 細胞増殖は、例えば、癌およびその他の細胞増殖性疾患において、細胞分裂ま
たは有糸分裂の結果として起こる。微小管は、有糸分裂紡錘体の形成および細胞
分裂において重要な役割を果たす15。これらの細胞骨格要素は、αβチューブ
リンヘテロ二量体の自己会合性によって形成される15。チューブリンの脱重合
を誘発し、および/またはチューブリンの重合を阻害する作用物質は、癌などの
細胞増殖性疾患を処置するための治療的方法を提供する。
【0005】 最近、亜鉛誘導チューブリンシート6(zinc-induced tubulin sheets)の電子結
晶解析によってαβチューブリン二量体の構造が解像された。報告された原子モ
デルによると、46×40×65オングストロームの各チューブリン一量体は、
ロスマンひだ局所解剖学(Rossman fold topology)によるヌクレオチド結合タン
パク質に典型的な205個のアミノ酸のN末端GTP/GDP結合ドメインと、
タキソール結合部位を含む、βシートと5つのらせんの混合から成る180個の
アミノ酸の中間ドメインと、微小管結合タンパク質(MAP)とモータータンパ
ク質の結合に関係する、主にらせん状のC末端ドメインとから構成されている2, 5
【0006】 チューブリンに結合したうえでチューブリン重合に干渉する新規のチューブリ
ン結合分子は、細胞増殖の阻害および癌の処置のための新規の薬剤を提供できる
【0007】 スポンギスタチン(Spongistatin)(SP)(図1)は、モクヨウカイメン属に
属する東インド海の海綿動物から分離された、強力にチューブリンを脱重合する
天然産物である。スポンギスタチン類は、2つのスピロ[5.5]ケタール部分
に包含された4つのピラン型環を含むスポンギピラン(spongipyran)環系を有す
る、員数32の大員環ラクトン化合物である7。細胞毒性のアッセイにおいて、
スポンギスタチン(SP)は、60のヒト癌細胞系のNCIパネルに対してサブ
ナノモルのIC50値を有する強い細胞毒性を示した7。SPは、ビンカアルカロ
イド類(vic alkaloids)(コルヒチンではない)のチューブリンに対する結合を
阻害することが分かっており8、これは、この強力なチューブリン脱重合剤の結
合部位がビンカアルカロイド類の結合領域としても働く可能性を示唆している。
【0008】 チューブリンに結合したうえで、例えば、チューブリンの脱重合をひき起こし
たり、チューブリンの重合を阻害したりすることによって、チューブリン会合に
干渉する新規のチューブリン結合化合物は、例えば、腫瘍細胞の増殖の阻害およ
び癌の処置において、細胞増殖を防止する新規の薬剤を提供するだろう。
【0009】 [本発明の要約] チューブリンには、新規の結合ポケットが同定されており、その結合ポケット
は、本発明の新規の小さい分子であるチューブリン結合スピロケタールピラン化
合物を受容し、結合する。チューブリンに対するスピロケタールピラン類(SP
IKETs)の結合はチューブリンの脱重合をひき起こし、および/またはチュ
ーブリンの重合を阻害する。本発明のスピロケタールピラン類は、細胞増殖を阻
害する細胞毒性薬として、および効果的な制癌薬としての治療効果がある。
【0010】 本発明の化合物は式Iに示される一般構造を有し、チューブリンのSPIKE
T結合ポケットのアミノ酸残基との有利な相互作用が可能な部分および/または
置換(substitutions)を含むように設計されている。例えば、以下により詳細
に述べるように、R1、R2、S1、およびS2は、SPIKET結合ポケットの疎
水性残基との疎水性相互作用、および/またはファンデルワールス相互作用に有
利なように設計された官能基および/または置換(substitutions)を含むこと
が好ましい。
【0011】
【化12】
【0012】 上記式Iにおいて、X1、X2、およびX3は、同一または相違し、それぞれ独立
してO、C、またはSである; R1およびR2は、同一または相違し、それぞれ独立して、R1およびR2の両方が
Hでないことを条件としてHであるか、または(C1−C8)アルキル基、(C1
−C8)シクロアルキル基、(C1−C8)アルコキシル基、(C1−C8)アリー
ルオキシル基、(C1−C8)アリールチオ基、(C1−C8)アリール基、(C1
−C8)ヘテロアリール基、C(=)NRab、もしくはNRabである;但し
、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素、アシル基、(C1−C8)アルキル
基、(C3−C7)シクロアルキル基、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6 −C10)ヘテロアリール基であり、または、RaおよびRbは、それらが結合する
窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノな
どの環を形成する; nおよびmは、同一または相違し、それぞれ独立して0から7の範囲である; S1およびS2は、同一でも相違してもよく、それぞれ独立して、OH、SH、C
2H、ハロゲン、CN、アシル基、チオアシル基、エステル基、チオエステル
基、(C1−C6)アルコキシル基、(C1−C6)アリールオキシル基、(C1
6)アルキルチオ基、(C1−C6)アリールチオ基、(C1−C6)アルキル基
、(C1−C6)アルケニル基、(C1−C6)アルキニル基、(C3−C7)シクロ
アルキル基、(C6−C10)アリール基、(C6−C10)ヘテロアリール基、C(
=O)NRabまたはNRabである;但し、RaおよびRbは、それぞれ独立し
て、水素、アシル基、(C1−C6)アルキル基、(C3−C7)シクロアルキル基
、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6−C10)ヘテロアリール基であり、
または、RaおよびRbは、それらが結合する窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジ
ノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノなどの環を形成する;共に、どんな2
つのS1およびS2も環を形成でき、どんな2つの隣接置換基もそれらが結合する
2つの炭素の間に二重結合を形成できる。R1、R2、S1、およびS2の炭化水素
部分は、置換されていても、置換されていなくても良い。
【0013】 請求された化合物の特定の実施態様は、例えば、式II〜Vに表された化合物で
あり、本発明の好ましい化合物は、詳細な説明、実施例、および請求項において
以下に記述されている。本発明の特に好ましい化合物は、 [(2R,8R)−8−(ヒドロキシメチル)−1,7−ジオキサスピロ[5,
5]ウンデ−2−シル]メタ−1−ノール(SPIKET−P1); ベンジル保護されたSPIKET−P1(SPIKET−P1−P);および 1,13−ジベンジルオキシ−5,9−ジヒドロキシ−スピロケタール(NP2
5)である。
【0014】 本発明の化合物は、チューブリンの結合、チューブリンの脱重合の誘発、細胞
増殖の阻害、および癌の処置に用いるのに適した調合物を形成するために、適当
な担体と組み合わされる。
【0015】 チューブリン上のSPIKET結合ポケットは、チューブリン結合分子、細胞
増殖抑制薬、および癌治療薬を設計し、スクリーニングするのに有用である。有
用な薬剤は、前記ポケットに適合するように、また、結合の強化と抗チューブリ
ン活性のために、前記ポケットと有利な相互作用をするように設計される。
【0016】 以下、本発明の更なる実施態様をより詳細に記述する。
【0017】 [図面の簡単な説明] 図1は、スポンギスタチン(SP)およびSPIKET−P1の構造を示す図
である。
【0018】 図2Aは、標識された各結合部位に結合しているGDPおよびタキソター(Tax
oter)分子のボールスティックモデル(ball and stick models)で示された、βチ
ューブリンの空間充填モデル(space filling model)の写真である。スポンギス
タチン結合部位(SBP)は標識され、近距離の全ての芳香族残基がカラー写真
にオレンジ色で示されている。赤色で示されたチューブリン残基N101はGD
P結合部位の近くに位置する。
【0019】 図2Bは、スポンギスタチン結合部位の顕著な特徴としての芳香族残基の一群
によって示された、βチューブリンのリボン図である。
【0020】 図3は、チューブリンの結合部位に結合されたSPIKET−P1の概略図で
ある。SPIKET−P1との相互作用に利用できるチューブリン残基が示され
ている。
【0021】 図4は、SPIKET−P1のX線構造の概略図である。
【0022】 図5は、濁度アッセイにおいて分析された本発明の化合物の抗チューブリン活
性を示すグラフである。
【0023】 図6A〜6Eは、対照(control)(図6Aおよび6B)、SPIKET−P1
(図6C)、SPIKET−P1P(図6D)、およびNP−25(図6E)で
処置されたヒト乳癌細胞において誘発されたアポプトーシスを示す電子顕微鏡写
真である。
【0024】 図7Aおよび7Bは、ヒト乳癌細胞の微小管に対するSPIKET−P1の影
響を示す共焦顕微鏡画像である。対照(図7A)および処置された細胞(図77
B)は、微小管を緑色の蛍光、DNAを青色として示している。バーは20ミク
ロンの大きさを示す。
【0025】 図8A〜8Cは、ライブラリーHHL2C(図8A)、HHL2f(図8B)
、およびHHL4c(図8C)の抗チューブリン効果を示すグラフである。
【0026】 [本発明の詳細な説明] (定義) 本願に用いられた全ての科学的および技術的な用語は、特に示されない限り、
当技術において通常に使用される意味を有する。本願に用いられるとき、以下の
用語および語句は特定の意味を有する。
【0027】 ここに用いられるとき、「アルキル」には、特定の炭素数を有する、有枝およ
び直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基が含まれる。好ましい実施態様としては、
炭素原子数1〜22の鎖が挙げられる。
【0028】 ここに用いられるとき、「アルケン」には、少なくとも1つの二重結合を有す
る、有枝および直鎖の両方の脂肪族炭化水素基が含まれる。
【0029】 ここに用いられるとき、「アルコキシ」には、少なくとも1つの炭素原子が酸
素原子との一重結合を形成し、特定の炭素数を有する、飽和および不飽和で、有
枝および直鎖の脂肪族炭化水素基が含まれる。
【0030】 ここに用いられるとき、「アミン」には、第一級、第二級、および第三級アミ
ン類が含まれる。
【0031】 ここに用いられるとき、「ハロゲン」または「ハロ」置換基には、フルオロ基
、クロロ基、ブロモ基、およびヨード基が含まれる。
【0032】 ここに用いられるとき、「製薬学的に許容できる塩」には、酸添加塩または塩
基塩が含まれる。
【0033】 ここに用いられるとき、「製薬学的に許容できる担体」には、本発明の化合物
と組み合わされたときに、その化合物が白血病または乳房腫瘍の細胞のアポプト
ーシスを誘発する能力などの生物学的活性を保持することを可能にし、患者の免
疫系と反応しないどんな物質も含まれる。例えば、リン酸緩衝生理食塩水、水、
水と油の乳剤などの乳剤、および種々の湿潤剤などの、標準の薬剤担体のどれも
が含まれるが、これらに限定されない。このような担体を含む調合物は、周知の
通常の方法によって調剤される(例えば、Remington's Pharmaceutical Science
s, Chapter 43, 14th Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA(ペンシルヴェニ
ア州)参照)。
【0034】 「置換シクロアルキル」には、ハロ基、アルキル基、アルケニル基、オキシア
ルキル基、オキシアルケニル基、ハロアルキル基、ハロアルケニル基、およびア
リール基を置換基として有する環状炭化水素類が含まれる。
【0035】 「置換シクロアルケニル」には、ハロ基、アルキル基、アルケニル基、オキシ
アルキル基、オキシアルケニル基、ハロアルキル基、ハロアルケニル基、および
アリール基を置換基として有し、少なくとも1つの二重結合を有する環状炭化水
素類が含まれる。
【0036】 「置換アリール」には、ヒドロキシル基、アミノ基、アミノメチル基、ハロ基
、アルキル基、アルケニル基、オキシアルキル基、オキシアルケニル基、ハロア
ルキル基、ハロアルケニル基、およびアリール基を置換基として有する芳香族炭
化水素類が含まれる。
【0037】 本発明のコンテクストにおける「処置する(Treating)」または「処置(Treatme
nt)」は、期待寿命の延長を含めた、病理的状態の激烈な症状もしくは影響の防
止または縮小を意味する。癌治療のコンテクストにおいて、処置には、腫瘍の増
殖の防止、腫瘍の大きさの縮小、腫瘍細胞の破壊の促進、およびアポプトーシス
の増加が含まれる。
【0038】 (チューブリン上のSPIKET結合ポケット) チューブリン表面のGDP結合部位の近くに位置する、スポンギスタチンのた
めに決定された結合ポケットの寸法は、およそ幅8オングストローム×長さ18
オングストローム×深さ11オングストロームである。前記結合ポケットは、Y
108、W103、Y185、W407、Y408、F399、F404、F3
95、F418、およびH406を含む、互いに近くに位置する芳香族残基の風
変わりな一群で覆われている(図2B参照)。本発明の合成スピロケタールピラ
ン類(SPIKET−P)化合物は、チューブリンポケットに結合したとき、芳
香族残基F404とW407の間に挟まれるスピロケタール環を有し、有利な疎
水性相互作用およびこれらの残基とのファンデルワールス接触を提供する(図3
参照)。近くにいくつかの親水性残基もある、前記芳香族残基の近傍における、
結合ポケット中のSPIKET−P1分子の周囲の非占有容量は、より強力なチ
ューブリン結合化合物と、より強力なチューブリン会合の阻害剤を設計するため
にSPIKET−P分子を改変する基礎を提供する。
【0039】 本発明の化合物は、結合ポケットと有利な相互作用をするように設計されてい
る。特に、SPIKET−P化合物の芳香環置換基は、F399、Y408、Y
185、およびH406などの芳香族残基との有利な接触を提供する。その環に
加えられた親水性置換基は、H406、K105、E411、およびN101な
どの親水性残基との水素結合能力を与える(図3参照)。
【0040】 したがって、本発明は、結合ポケットと有利に相互作用するように設計された
化合物、そのような化合物を設計およびスクリーニングする方法、および有用な
チューブリン阻害剤および制癌治療薬をスクリーニングする方法を含む。
【0041】 (本発明の化合物) 一般に、本発明の化合物には、チューブリンのスポンギスタチン結合ポケット
に結合するのに適したスピロケタール・サブユニットを有するものが含まれる。
本発明の化合物には、以下の構造式を有するものが含まれる。
【0042】
【化13】
【0043】 上記式Iにおいて、X1、X2、およびX3は、同一または相違し、それぞれ独立
してO、C、またはSである; R1およびR2は、同一または相違し、それぞれ独立して、R1およびR2の両方が
Hでないことを条件としてHであるか、または(C1−C8)アルキル基、(C1
−C8)シクロアルキル基、(C1−C8)アルコキシル基、(C1−C8)アリー
ルオキシル基、(C1−C8)アリールチオ基、(C1−C8)アリール基、(C1
−C8)ヘテロアリール基、C(=)NRab、もしくはNRabである;但し
、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素、アシル基、(C1−C8)アルキル
基、(C3−C7)シクロアルキル基、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6 −C10)ヘテロアリール基であり、または、RaおよびRbは、それらが結合する
窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノな
どの環を形成する; nおよびmは、同一または相違し、それぞれ独立して0から7の範囲である; S1およびS2は、同一でも相違してもよく、それぞれ独立して、OH、SH、C
2H、ハロゲン、CN、アシル基、チオアシル基、エステル基、チオエステル
基、(C1−C6)アルコキシル基、(C1−C6)アリールオキシル基、(C1
6)アルキルチオ基、(C1−C6)アリールチオ基、(C1−C6)アルキル基
、(C1−C6)アルケニル基、(C1−C6)アルキニル基、(C3−C7)シクロ
アルキル基、(C6−C10)アリール基、(C6−C10)ヘテロアリール基、C(
=O)NRabまたはNRabである;但し、RaおよびRbは、それぞれ独立し
て、水素、アシル基、(C1−C6)アルキル基、(C3−C7)シクロアルキル基
、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6−C10)ヘテロアリール基であり、
または、RaおよびRbは、それらが結合する窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジ
ノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノなどの環を形成する;共に、どんな2
つのS1およびS2も環を形成でき、どんな2つの隣接置換基もそれらが結合する
2つの炭素の間に二重結合を形成できる。R1、R2、S1、およびS2の炭化水素
部分は、置換されていても、置換されていなくても良い。
【0044】 本発明の他の実施態様としては、式II〜VIの構造を有する化合物が挙げられる
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】 スピロケタール環の置換基および置換(substitutions)は、チューブリンの
SP結合ポケットとの有利な相互作用を可能にするような大きさと化学機能性の
ものである。本発明の好ましい化合物は、下記の実施例に与えられたデータ表に
示されており、以下の化合物が含まれる:
【0051】
【化19】
【0052】 詳細な説明および実施例に与えられたモデリングおよびドッキングデータを用
いて、当業者は、チューブリンへの結合を促進し、活性な治療作用薬を製造する
ために本発明のスピロケタールピラン化合物を改変することができる。そのよう
な改変および作用薬のいくつかは、実施例に与えられた合成ライブラリーに示さ
れている。
【0053】 (塩) 本発明の化合物は、製薬学的に許容できる酸添加塩および/または塩基塩の両
方を生成することができる。塩基塩は、アルカリおよびアルカリ土類金属または
有機アミン類などの、金属またはアミン類から生成される。陽イオンとして用い
られる金属は、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど
である。また、例えば、銀、亜鉛、コバルト、およびセリウムなどの重金属塩も
含まれる。適当なアミン類は、例えば、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン
、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン(ethylen
ediamene)、N−メチルグルカミン、およびプロカインなどである。
【0054】 製薬学的に許容できる酸添加塩は、有機酸および無機酸から生成される。塩生
成のための適当な酸は、例えば、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸
、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、グルコン酸、フマル酸、こはく酸、アスコ
ルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸などである。これらの塩は、通常の方
法で遊離塩基の形態を十分な量の望ましい酸と接触させ、モノまたはジなどの塩
を生成することによって作られる。遊離塩基の形態は、塩の形態を塩基で処理す
ることによって再生できる。例えば、水性塩基の希薄溶液を利用できる。水酸化
ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、および重炭酸ナトリウムの希薄水溶液
が、この目的に適している。極性溶媒中の溶解度などのある物理的特性において
、遊離塩基の形態はそれぞれの塩の形態と幾分異なるが、本発明の目的のため、
それ以外の点で、前記塩はそれぞれの遊離塩基の形態と等しい。ここに用いられ
るとき、本発明の化合物にはその塩類が含まれる。
【0055】 (チューブリンの脱重合) 本発明の化合物は、チューブリンに特有の新規の結合ポケットでチューブリン
に結合する。チューブリン結合化合物と結合すると、チューブリンは脱重合を生
じるか、および/またはチューブリン会合の阻害を生じる。本発明の化合物の抗
チューブリン活性に関する適当なアッセイは、下記の実施例に開示されている。
【0056】 (腫瘍の処置) 本発明の化合物は、例えば、腫瘍細胞のチューブリン会合の阻害、および/ま
たは腫瘍細胞のチューブリンの脱重合、腫瘍細胞の増殖の阻害、腫瘍細胞の破壊
、アポプトーシスの誘発、および/または患者の寿命の延長を達成するために本
発明の化合物を患者に投与することによって、腫瘍の処置の方法に適用できる。
【0057】 本発明の制癌チューブリン結合化合物は、哺乳類における使用に適している。
ここに用いられるとき、「哺乳類」は、例えば、ヒト、ウサギ、およびサルなど
の、乳腺から分泌される乳を与えて子を育てる、高等脊椎動物のどんな綱も意味
する。
【0058】 (増殖性疾患の処置) 本発明の化合物は、細胞分裂および非癌性細胞の増殖の阻害に有用である。本
発明の方法によって、細胞の増殖に関連する疾患は、本発明の化合物および調合
物の投与によって処置される。
【0059】 そのような疾患には、例えば以下のものが含まれる:EBV誘導リンパ増殖性
疾患およびリンパ腫;例えば、アテローム性動脈硬化症(athlerosclerosis)の患
者やバルーン血管形成術を受けている患者における、新生脈管内膜形成不全(neo
intimal hypoplasia);血管増殖および網膜症を含む、糖尿病に従属する増殖的
影響;乾癬;血管腫、繊維腫、および筋腫を含む良性腫瘍;組織球増加症;骨粗
鬆症;肥満細胞症;および真性赤血球増加症(polycytemiavera)などの骨髄増殖
性疾患(myeleoproliferative disorders)。
【0060】 (投与方法) 本発明の化合物は薬剤化合物として調剤でき、選択された投与経路に適合した
様々な形態で、ヒト患者を含む哺乳類の宿主に投与できる。前記化合物は、製薬
学的に許容できる担体と組み合わせて投与することが好ましく、標的抗体および
/またはサイトカイン類などの特異的な輸送作用物質と組み合わせるか、または
複合させてもよい。
【0061】 前記化合物は、経口的、非経口的(皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内(intra
sternal)または注入の技術を含む)などの既知の技術によって、局所的に吸入ス
プレーによって、粘膜を介した吸収によって、または直腸で、通常の非毒性の製
薬学的に許容できる担体、補助薬、または賦形薬を含む適量ユニット製剤で投与
できる。本発明の薬剤調合物は、経口投与に適した懸濁液または錠剤、鼻内噴霧
、クリーム、無菌の注射可能な水性もしくは油性の懸濁液などの無菌の注射可能
な製剤、または座薬の形態であることができる。
【0062】 懸濁液としての経口投与のために、前記調合物は、製薬の技術における周知の
技術によって調製できる。前記調合物は、かさを与えるための微結晶性セルロー
ス、懸濁化剤としての海藻酸もしくはアルギン酸ナトリウム、粘度増強剤として
のメチルセルロース、および甘味剤もしくは着香剤を含むことができる。即時放
出性の錠剤として、前記調合物は、微結晶性セルロース、デンプン、ステアリン
酸マグネシウム、およびラクトース、または当技術において知られた他の賦形剤
、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤、および滑剤を含むことができる。
【0063】 吸入薬またはエーロゾルとしての投与のために、製薬の技術分野で周知の技術
によって前記調合物を調製することができる。前記調合物は、ベンジルアルコー
ルもしくは他の適当な防腐剤、バイオアベイラビリティを向上するための吸収促
進剤、フルオロカーボン類、または当技術において知られた他の溶解剤もしくは
分散剤を用いて、生理的食塩水の溶液として調製できる。
【0064】 注射可能な溶液または懸濁液としての投与のために、前記調合物は、合成のモ
ノグリセリド類またはジグリセリド類、およびオレイン酸などの脂肪酸類を含め
る、無菌の油類などの適当な分散剤または湿潤剤、および懸濁剤を用いて、当技
術において周知の技術によって調剤できる。
【0065】 座薬としての直腸内適用のために、前記調合物は、大気温度で固体状だが、直
腸の腔では液化または溶解して薬剤を放出する、カカオバター、合成グリセリド
エステル類、またはポリエチレングリコール類などの適当な非刺激性賦形剤と混
合することによって調製できる。
【0066】 好ましい投与経路には、経口、非経口、および、静脈内、筋肉内、または皮下
の経路が含まれる。
【0067】 より好ましくは、本発明の化合物は、注入または注射により、非経口的、すな
わち静脈内または腹腔内に投与される。本発明の1つの実施態様において、前記
化合物は、腫瘍注射によって腫瘍に直接、または静脈注射による全身系輸送によ
って投与してもよい。
【0068】 前記化合物の溶液または懸濁液は、水や等張の生理的食塩水(PBS)を用い
て調製でき、非毒性の界面活性剤と随意に混合される。また、懸濁液は、グリセ
ロール、液体ポリエチレングリコール類、DNA、植物油類、トリアセチン、お
よびそれらの混合物を用いて調製してもよい。通常の貯蔵および使用条件下で、
これらの製剤は、微生物の増殖を防止する防腐剤を含んでいてもよい。
【0069】 注射または注入の用途に適した投薬形態としては、無菌の注射可能、もしくは
注入可能な溶液または分散液の即時調製に適した、活性成分を含む無菌の水性溶
液もしくは懸濁液、または無菌粉末を挙げることができる。どの場合においても
、最終的な投薬形態は、製造および貯蔵の条件下で、無菌で、流動性があり、か
つ安定していなければならない。液状の担体または媒体は、例えば、水、エタノ
ール、グリセロール、プロピレングリコール、または液体ポリエチレングリコー
ル類などのポリオール、植物油類、非毒性のグリセリルエステル類、およびそれ
らの適当な混合物を含む、溶媒または液状分散媒体であることができる。適当な
流動性は、例えば、リポソームの形成によって、分散液の場合は、必要な粒子径
の維持によって、または、非毒性界面活性剤の使用によって維持できる。微生物
の作用の防止は、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、
フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどの種々の抗菌薬および抗真菌薬によ
って達成できる。多くの場合、例えば、糖類、緩衝剤、または塩化ナトリウムな
どの等張作用物質を含むことが望ましいだろう。注射可能な調合物の吸収は、そ
の調合物の中に、例えば、モノステアリン酸アルミニウム(aluminum monosterat
e)のヒドロゲル、およびゲラチンなどの、吸収を遅らせる薬剤を含めることによ
って延長できる。
【0070】 無菌の注射可能な溶液は、適切な溶媒中に必要量の複合体を上記に挙げられた
ような種々の他成分と共に含め、その後、必要に応じて滅菌ろ過(filter steril
ization)することによって調製される。無菌の注射可能な溶液の調製のために無
菌粉末を用いる場合、好ましい調製方法は真空乾燥および凍結乾燥技術であり、
これらの方法は、活性成分と、あらかじめ滅菌ろ過された溶液中に存在する任意
の望ましい追加成分の粉末を生ずる。
【0071】 (標的成分との複合) 本発明の化合物は、その化合物を標的成分と複合させることによって、処置さ
れる細胞に対して特異的に輸送されるように標的できる。本発明の化合物との複
合に有用な標的成分としては、抗体、サイトカイン類、および処置される細胞に
発現される受容体リガンドが挙げられる。
【0072】 「複合体(conjugate)」という用語は、2つ以上の化合物で形成された複合体
を意味する。
【0073】 「標的成分(targeting moiety)」という語句は、本発明の化合物を望ましい活
性のための特異な部位に輸送するように作用する化合物を意味する。標的成分と
しては、例えば、細胞表面に存在する分子と特異的に結合する分子が挙げられる
。本発明において有用な、そのような標的成分としては、細胞表面抗原に対する
抗体が挙げられる。上皮成長因子(EGF)などの因子であるインターロイキン
類を含めるサイトカイン類も、それらの受容体を高レベルで発現する細胞と結合
することが知られた特異的な標的成分である。
【0074】 治療作用のために本発明の化合物を細胞に標的するのに特に有用な標的成分と
しては、治療される腫瘍細胞の上に存在する抗原または受容体と結合するリガン
ドが挙げられる。例えば、CD19などのB系統癌細胞上に存在する抗原は、B
43などの抗CD19抗体で標的できる。一本鎖断片を含めた抗体断片も使用で
きる。IL4もB細胞を標的するために使用できる。EGFまたはIGF受容体
を発現する癌細胞は、結合リガンドで標的できる。他のそのようなリガンド−受
容体結合ペアは、特定の癌に関する科学文献において既知である。本発明の化合
物と標的成分の複合体を作る方法は既知である。
【0075】 (有用な投与量) 腫瘍細胞の増殖を破壊または阻害するためにインヴィヴォで用いられる場合、
その投与量は、腫瘍を縮小または除去するのに十分であるなど、望ましい効果を
もたらすのに有効な量である。適切な量は、当業者が、実施例に与えられたイン
ヴィヴォのデータから既知の方法および関係を用いて推定することによって決定
できる。
【0076】 一般に、腫瘍細胞のアポプトーシス、腫瘍の縮小、および生存時間の延長を達
成するのに効果的な新規のチューブリン結合化合物の投与量は、直接標的投与で
体重1kg当り1〜100mgである。効果的な投与量は、各患者に特有な条件
によって変わる。一般に、疾患の負担、腫瘍の位置(露出または遠方)、宿主の
年齢、代謝、病気、事前の医薬品の作用などの要因が、薬剤に予測される有効性
に関与する。当業者は、実施例に与えられたデータから推定し、標準の方法およ
び患者分析を用いて適切な投与量を計算するだろう。
【0077】 一般に、体重1kgあたり約1〜100mgを輸送する量が効果的であると予
想される。但し、この範囲から多少はずれても有用なことがある。
【0078】 更に、本発明の調合物は、他の抗腫瘍治療と組み合わせて投与してもよい。そ
のような組み合わせ治療では、チューブリン結合化合物の投与量が、1つの薬剤
の治療の場合より少なくてもよい。
【0079】 [実施例] 本発明は、下記の実施例を参照することにより、更に明確にできる。これらの
実施例は実施態様をいくつか例示するが、いかなる意味においても本発明を限定
するものではない。
【0080】 [方法] (化学) 特に記載しない限り、全ての化学物質はオルドリッチ社(Aldrich)(ミルウォー
キー、ウィスコンシン州)から購入し、更に精製しないで用いた。特に記載しな
い限り、各反応容器はゴム製の隔膜で固定し、窒素雰囲気下で反応を行った。1
および13C−NMRスペクトルは、指定された溶媒中、大気温度でバリアン・マ
ーキュリー300(Varian Mercury 300)計器によって得られた。融点はフィッシ
ャー・ジョーンズ融点測定装置(Fisher-Johns melting point apparatus)を用い
て測定し、未修正である。FT−IRスペクトルは、ニコレットプロテージ46
0(Nicolet Protege 460)分光器で記録した。GC/MSは、HP5973マス
・セレクティブ・ディテクター(HP 5973 Mass Selective Detecter)を装備した
HP6890GCシステム(HP 6890 GC System)によって得た。分子量は、GC
−MS(HP GCシステム6890シリーズ)によって得た。分析薄層クロマ
トグラフィーは、ホワットマン・シリカ60アルミニウム被覆プレート(Whatman
silica 60 aluminum coated plates)上で行った。フラッシュカラムクロマトグ
ラフィー(Flash column chromatography)は、230〜400メッシュのシリカ
ゲルで行った。
【0081】 (実施例1) チューブリン上のスポンギスタチン結合ポケット 生物学的活性に必要なSP構造の最小分子構造を決定することを目的とする合
理的な薬剤設計の努力において、SPの潜在的なチューブリン結合部位を同定す
るため、αβチューブリン二量体の3D原子モデルを用いた。SP結合部位を同
定するための統合的努力には、「キャビティー調査」("cavity searching")、結
合環境の分析、チューブリンの電子結晶学的座標に基づくドッキング方法、およ
び修正型スコア関数(LUDIスコア関数)による結合定数の計算が含まれた。
【0082】 SPは、幅10オングストローム、長さ10オングストロームよりも大きな寸
法を有する大員環分子である。SPの大きな分子体積は、チューブリン脱重合剤
としてのSPの著しい効能に貢献することができ、また、SPがチューブリンの
表面または表面近くの深いポケットに結合し、分子相互作用のための高度に疎水
性の環境を提供できることを示唆する。GRASP(A. Nicholls, GRASP, Graph
ical Representation and Analysis of Surface Properties, 1992, New York)
、およびインサイトII(INSIGHT II)(Molecular Simulations Inc., 1996, San
Diego, California)を含むグラフィックスプログラムを用いてチューブリンの
構造を調査し、適当な寸法を有し、タンパク質表面の近くに疎水性残基の一群を
含むような潜在的なSPの結合部位を同定した。
【0083】 その調査の結果、SPを収容するのに十分な大きさを有し、広い疎水性相互作
用のための環境も提供できる、チューブリン表面の独特の候補結合ポケットが発
見された。そして、この候補結合部位に、インサイトIIプログラム(Molecular S
imulations Inc., 1996, San Diego, California)内のアフィニティー・モジュ
ール(Affinity module)を用いてSP分子をドッキングさせた。DISCOVE
Rプログラム(Biosym Technologies Inc., San Diego, California)を用いて、
いくつかの異なる形状を表すSPの初期の座標をモデリングし、エネルギー最小
化した。下記の実施例に示すように、SPの異なる形状を利用したドッキングの
結果を分析し、それらの相互作用のスコアに基づいて評価した。最高の相互作用
スコアと最小の位置エネルギーが割り当てられたSPモデルを選び、更に計算し
た。そのドッキング・シミュレーションの結果は、チューブリンの表面に位置す
る推定のSP結合ポケットが、およそ幅8オングストローム×長さ18オングス
トローム×深さ11オングストロームであることを示した(図2A)。そのポケ
ットは、Y108、W103、Y185、W407、Y408、F399、F4
04、F395、F418、およびH406を含めた、きわめて近接して位置す
る芳香族残基の風変わりな一群からなる(図2B)。
【0084】 提案されたSPのチューブリン結合部位は、チューブリンヘテロ二量体のβサ
ブユニット上のGDP交換部位にきわめて近接している(図2)。SP結合部位
のこの位置は、結合されたGDP分子がチューブリンからはずれることを抑制す
るSPの能力について、説得力のある説明を提供するだろう8,9。更に、最近公
開された微小管構造の高解像度モデルによると10、この結合ポケットは、微小管
の縦方向の二量体間界面に接触する。したがって、この結合ポケットに結合され
たSPの存在は、チューブリンの二量体間の相互作用を妨げ、SPのチューブリ
ン脱重合活性に貢献できる。この推定SP結合ポケットを用いたSPの相互作用
の高度のモデリング研究は、SPの2つのスピロケタール基が、結合ポケットを
覆うタンパク質残基と密接しているため、SPの重要な結合成分として機能しう
ることを示した。
【0085】 SPの適当なチューブリン結合要素としてのスピロケタール・サブユニットが
同定されたことは、これらのサブユニットを表す、化合物SPIKET−P1(
図3)などの単純な合成スピロケタールピラン類(「SPIKET−P化合物」
)が、SPファーマコフォア(SP pharmacophores)として機能するという仮説を
提示した。ドッキング研究は、チューブリンに結合されたとき、SPIKET−
P1のスピロケタール環は、結合ポケットの芳香族残基F404およびW407
の間に挟まれ、これらの残基との有利な疎水性相互作用およびファンデルワール
ス接触を提供することを示唆した(図3)。更に、SPIKET−P1結合環境
の分析は、少数の親水性残基と混ざった主に疎水性芳香族残基の近傍において、
ドッキングされたSPIKET−P1分子を取り囲む未占有容量(図3参照)が
あることを示した。
【0086】 水素結合相互作用とは異なり、タンパク質と結合された阻害剤との間の疎水性
相互作用は、その相互作用に関与する官能基の精密な配置および配向に対して、
比較的鈍感である。したがって、チューブリンとスピロケタールピラン阻害剤の
間の有利な分子相互作用を向上させる最上の戦略は、異なる官能基を阻害剤に添
加することの効果を調べることだろうと論断した。これは、構造に基づく設計手
法と組み合わせたコンビナトリアル・ケミストリーの手法を用いて、より効力の
あるSPIKET−P1の誘導体を開発することによって達成された。特に、S
PIKET−P1の好ましい置換基を指図する、結合部位における有利な相互作
用領域を定義するために、コンピューターで生成したチューブリンの結合ポケッ
トのモデルを用いた。
【0087】 また、置換基の選択は、化学合成の容易さも考慮し、チューブリン脱重合の活
性が最も高い誘導体を同定するために高スループットアッセイを十分に利用する
。この手法を用いて、チューブリン脱重合剤の第1世代設計として、SPIKE
T−P1のための、環上の親水性基と組み合わせた芳香族置換基のコンビナトリ
アル・ライブラリーを考案した。これは、チューブリン結合ポケットの定義され
た大きさと、親化合物であるSPIKET−P1の予測される結合位置の周囲に
芳香族残基がいくつか存在することに基づいて同定した。阻害剤の芳香環置換基
がチューブリン結合部位を覆う芳香族残基(残基F399、Y408、Y185
、およびH406)との接触を有利にするのに対して、環に添加された親水性置
換基は、少しばかりより遠い親水性残基(残基H406、K105、E411、
およびN101(図3))との水素結合の機会を提供するだろう。
【0088】 SPIKET−P1のチューブリンSP結合部位との相互作用は、SP結合部
位のサーフェスモデルと、SPIKET−P1分子のスティックボールモデルに
示されている。スピロケタール環は、フェニルアラニン404とトリプトファン
(図3のカラー写真において淡青色および深紅色で示される)407の間に挟ま
れ、ヒスチジン(緑色に着色)の近くにある。
【0089】 SPIKET−P1のスピロケタール環は周囲の疎水性残基に密接し、全分子
表面218平方オングストロームの75%が覆われている。その計算および図は
、GRASP11を用いて作られた。SPIKET−P1とタンパク質残基の間に
水素結合は観察されない。SPIKET−P1の2つのヒドロキシル基は未占有
ポケットの方を向いており、SPIKET−P1がより大きな置換基を有する余
地がある。SPIKET−P1に芳香族残基に富む環境が観察されたことは、ヒ
ドロキシル基を疎水性環に置き換えれば、周囲の芳香族残基との相互作用がより
有利になることを示唆している。
【0090】 SPIKET−P1のスピロケタール基の分子表面は218平方オングストロ
ームであり、その75%が上記の2つの芳香環によって覆われるだろう。したが
って、SPIKET−P1(図3)を最初の合成ターゲットとして選択した。下
記の実施例2に示されたSPIKET−P1のレトロ合成分析(機構1)は、S
PIKET−P1が、立体制御した方法で可変性の多段階合成機構を用いて製造
できることを示唆した。
【0091】 最初に、SP結合部位におけるスポンギスタチンのA−Bスピロケタール基の
位置に基づいて結合位置を決定した。以下のドッキング方法に用いられるSPI
KET−P1の座標は、X線結晶構造から取った(実施例3、図4)。その後、
インサイトIIプログラム(Molecular Simulations Inc., 1996, San Diego, Cali
fornia)のスケッチャー・モジュール(Sketcher module)を用いて、SPIKET
−P1−PおよびNP−25をSPIKET−P1座標上に構成した。小さな分
子をチューブリンの結合部位にドッキングするために、インサイトII内のアフィ
ニティー・モジュールにおける固定ドッキングを用いた。チューブリンの結合部
位は電子結晶構造から決定し、目視検査によって更に限定した。前記ドッキング
プログラムは、リガンド分子から7Åの範囲内に残基の半径を限定する能力を有
する。モデリング計算が進むにつれて、限定された半径内の残基をエネルギー最
小化に基づいて移動した。出発位置が無作為に決められた各分子について、それ
ぞれ10箇所の最終目標位置を定義した。分子の最終的なドッキング位置は、最
小エネルギーの推定と、調査標的のために修正型LUDI関数15,16(下記)に
よって定義されたスコアランクの最高値の両方に基づいて選択した。ディスカバ
ープログラム(Discover Program)のCVFF力場、およびアフィニティー (Affi
nity)のモンテカルロ調査戦略(Monte Carlo search strategy)を用いてSGI−
INIDIGO2によって計算した17。溶媒和の手順は用いなかった。可動な原
子の総数が200を越えたので、CPU時間を節約するため、ニュートン最小化
の方法の代わりに複合勾配の最小化(conjugated gradient minimization)を用い
た。
【0092】 LUDIスコア関数15,16を使用し、実験データ18,19の傾向を正しく予測する
ために事前に用いられた配置化合物の阻害剤定数(Ki値)を計算する時に、い
くつかの修正を与えた。第1に、MSプログラム20を用いて、ドッキング形態の
化合物の座標から分子表面積(MS)を直接計算した。第2に、インサイトII(M
olecular Simulations Inc., 1996, San Diego, California)では正確に評価さ
れないことがある、回転できる結合の数(NR)を再評価した。使用したスコア
関数を以下に示す: 修正型LUDIスコア関数 = MS×BS×2.93+85×(H結合#)−N
R×24.2−95, Log Kd = −スコア/100: 上記式において、NRは回転できる結合の数、MSはMSプログラムで計算され
た分子表面積、BSはタンパク質残基と接触する表面積の百分率、H結合#は水
素結合数、Kdは結合定数である。SPA1分子(SPA1 molecular)について、 MS=218平方オングストローム、BS=75%、H結合#=0、NR=2、
Kd=0.50mM。
【0093】 (実施例2) SPIKET−P1の合成 (SPIKET−P1のレトロ合成分析) SPIKET−P1の適切な合成機構を決定するため、レトロ合成分析を開始
した。SPIKET−P1のスピロケタール基を2つのヒドロキシル基と1つの
カルボニル基に変換した。このようにして、その化合物は、機構1で1として示
される長鎖成分になった。得られた化合物1を、更に2つのセグメント2および
3に変換した。2および3の両方とも、4つの工程で市販のベンジル(R)−(
−)−グリシジルエーテル5から合成された4より誘導された。
【0094】 機構1: SPIKET−P1のレトロ合成分析
【0095】
【化20】
【0096】 (SPIKET−P1の合成) 11の工程によるSPIKET−P1の合成を機構2に基づいて行った: 機構2: SPファーマコフォアSPIKET−P1の立体制御された収束合
【0097】
【化21】
【0098】 (a)ビニルMgBr,CuBr,2時間,0℃ (b)TBDMSCl,イミダゾール,DMAP,1時間0℃,3時間室温 (c)(1)BH3−THF複合体 (2)H22,NaOH (d)MsCl,Et3N,2時間,0℃ (e)LiBr,アセトン,還流,0.5時間 (f)NaCN,DMSO,15−クラウン−5,40℃,一晩 (g)DIBAL−H,−78℃,3時間,10%酒石酸 (h)Mg/Et2O (i)塩化オキサリル,DMSO,Et3N,−78℃ (j)5%HF/CH3CN,0.5時間,室温 (k)LDBB,0℃ 臭化ビニルマグネシウムを用いて市販のエポキシド5を開くことによって合成
を開始し、アルコール6を得た。アルコール6をt−ブチルジメチルシリルエー
テルとして保護し、7を生成した。7の末端オレフィンのハイドロボレーション
によって8のような第一級アルコールを得た後、8をメシレート4に変換した。
4のメシレート基を臭化物に置換して3を生成した。また、4のメシレートをシ
アン化物に置換して9を生成した。更に、9は、1つの容器反応(one pot react
ion)でDIBAL還元した後に酸触媒加水分解を行ってアルデヒド2に変換した
。最初に5をグリニャール試薬に変換した後、それをアルデヒド2と反応させて
10を生成することによって、化合物3を2と結合した。スウェーン酸化(Swern
oxidation)によって10を1に変換した。1の2つのt−ブチルジメチルシリ
ル保護されたヒドロキシル基を脱保護した後、酸触媒アセタール生成を行って、
SPIKET−P1のベンジル保護された前駆体である、SPIKET−P1−
Pを直ちに得た。室温にて30分間、5%HFのアセトニトリル溶液で1を処理
することにより、1つの容器反応で反応を行った。白金触媒水素化処理を行った
が、SPIKET−P1−Pの2つのベンジル性保護基は除去されなかった。そ
の後、SPIKET−P1−Pをリチウム4,4’−ジ−t−ブチルビフェニリ
ド(LDBB)で処理することによって、SPIKET−P1を得た。
【0099】 SPIKET−P1の合成の詳細な方法を下記に記載する。工程は上記機構2
に示されたものであり、工程の名称は得られた生成物の名称である。また、各中
間生成物の特徴データも記載している。中間体の構造は、上記機構2に示されて
いる。
【0100】 (a)5−ベンジルオキシ−4R−ヒドロキシ−1−ペンテン(6): 無水
THF(300mL)のCuBr(2.90g、10.22mmol)懸濁液に
、温度0℃、N2下で臭化ビニルマグネシウム(102.0mL、THFの1.
0M溶液)を加えた。その後、無水THF(20mL)に溶かしたベンジル保護
エポキシド5(8.36g、51.00mmol)を滴下した。その混合物を0
℃で2時間攪拌した後、飽和NH4Clを加えて冷却し、EtOAc(3×50
mL)で抽出し、塩水(brine)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。溶媒は減
圧下で除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって純粋な生成物を
得た(Hex/EtOAc=10/1, 7.93g, 81%): 1H NMR (C
DCl3) δ 2.27 (m, 2H), 3.37 (dd, J = 9.5, 7.0 Hz, 1H), 3.50 (dd, J = 9.5
, 3.5 Hz, 1H), 3.87 (m, 1H), 4.56 (s, 2H), 5.07 (m, 2H), 5.82 (m, 1H), 7
.32 (m, 5H); 13C NMR (CDCl3) δ 137.87, 134.15, 128.41, 127.74, 127.69,
117.69, 73.85, 73.35, 69.67, 37.88; GC/MS m/z 192 (M+); IR (neat): 3428,
3071, 3025. 2917, 2860 cm-1; [α]D 22 +4.5 (c 3.3, CH3CO2C2H5)。
【0101】 (b)5−ベンジルオキシ−4R−t−ブチルジメチルシロキシ−1−ペンテ
ン(7)21: 無水CH2Cl2(400mL)にオレフィン6(8.23g,4
2.90mmol)をよく攪拌した0℃の溶液に、無水DMF(40mL)およ
びイミダゾール(11.68g,171.6mmol)を加えた。イミダゾール
が溶解した後、その混合物に触媒量の4−ジメチルアミノピリジンを加え、その
後t−ブチルジメチルシリルクロライド(14.23g,94.38mmol)
を加えた。その溶液を0℃で1時間攪拌し、その後、室温で2時間攪拌した。そ
の反応混合物を少量の水で冷却して2層を分離し、水性層をエチルエーテル(2
×100mL)で抽出した。結合した有機層を塩水で洗浄し、無水MgSO4
乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/エーテル=10/1)で精製し、TBDMS保護された生成物
を得た(12.83g,98%): 1H NMR (CDCl3) δ 0.05 (s, 6H), 0.88 (s
, 9H), 2.25 (m, 1H), 2.33 (m, 1H), 3.38 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 3.83 (m, 1H
), 4.52 (s, 2H), 5.05 (m, 2H), 5.80 (m, 1H), 7.33 (m, 5H); 13C NMR (CDCl 3 ) δ 138.38, 134.90, 128.25, 127.53, 127.43, 116.97, 74.19, 73.27, 71.1
5, 39.38, 25.87, 19.19, -4.44, -4.68; IR (neat): 3070, 3027, 2959, 2928,
2857 cm-1; [α]D 22 -3.7 (c 0.5, CH3CO2C2H5). (c)5−ベンジルオキシ−4R−t−ブチルジメチルシロキシ−1−ペンタ
ノール(8) 乾燥THF(50mL)のオレフィン7(3.03g,9.9m
mol)溶液に、窒素下、0℃でボラン−THF複合体(20mL,THFの1
.0M溶液)を加え、得られた混合物を室温で12時間攪拌した。その後、反応
混合物を水(5.0mL)で入念に冷却した後、NaOHの水溶液(20mL,
4.0N)および30%H22(20mL)を加え、反応混合物を室温で2時間
攪拌した。生成物をエーテル(3×80mL)で抽出し、結合した有機抽出物を
塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残分をフ
ラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エーテル=4/1、その後、ヘ
キサン:EtOAC=6:1)で精製し、望ましいアルコールを供給した(2.
26g,70%): 1H NMR (CDCl3) δ 0.06 (s, 3H), 0.07 (s, 3 H), 0.89 (
s, 9H), 1.62 (m, 3H), 1.84 (m, 2H), 3.42 (m, 2H), 3.63 (m, 2H), 3.90 (m,
1H), 4.53 (s, 2H), 7.33 (m, 5H); 13C NMR (CDCl3) δ 138.23, 128.29, 127
.58, 127.51, 74.11, 73.32, 71.04, 63.08, 31.26, 28.23, 25.88, 18.18, -4.
77, -4.40; GC/MS m/z 325 (M+ + 1), 203, 159, 91; IR (neat): 3381, 3070,
3027, 2958, 2927, 2860 cm-1; [α]D 22+7.5 (c 1.1, CH3CO2C2H5)。
【0102】 (d)5−ベンジルオキシ−4R−t−ブチルジメチルシロキシ−1−ペンチ
ルメシレート(4): 乾燥CH2Cl2(100mL)のアルコール8(3.2
0g,9.90mmol)溶液に、トリエチルアミン(7.9mL,20.68
mmol)およびメタンスルホニルクロライド(0.86mL,10.89mm
ol)を加え、得られた混合物をN2下、0℃で1時間攪拌した。反応混合物を水
(100mL)で冷却し、生成物をCH2Cl2(3×50mL)で抽出した。結
合した有機層を塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去し
、望ましい純粋な生成物を得た(3.74g,94%): 1H NMR (CDCl3) δ 0
.05 (s, 6H), 0.87 (s, 9H), 1.50-1.90 (m, 4H), 2.99 (s, 3H), 3.34 (dd, J
= 9.5, 6.0 Hz, 1H), 3.42 (dd, J = 9.5, 5.0 Hz, 1H), 3.80 (m, 1H), 4.21 (
t, J = 6.5 Hz, 2H), 4.51 (s, 2H) , 7.33 (m, 5H); 13C NMR (CDCl3) δ 138
.12, 128.32, 127.60, 74.18, 73.33, 70.55, 70.28, 37.38, 30.47, 25.86, 24
.93, 18.14, -4.34, -4.77; IR (neat): 3070, 3027, 2929, 2958, 2856 cm-1;
[α]D 22 +9.3 (c 1.3, CH3CO2C2H5)。
【0103】 (e)5−ベンジルオキシ−4R−t−ブチルジメチルシロキシ−1−ペンチ
ルブロミド(3): 乾燥アセトン(5mL)に溶解したメシレート4(1.0
0g,2.50mmol)に、LiBr(1.09g,12.5mmol)を加
えた。反応混合物を0.5時間逆流させた後、Et3N(5.7mL,12.5
mmol)で中和した。H2Oを加えて反応混合物を冷却した後、溶媒を減圧下
で除去した。生成物をEt2O(2×50ml)で抽出した。フラッシュクロマ
トグラフィーによって純粋な生成物を得た(ヘキサン類/EtOAc=10/1
)(0.77g,80%): 1H NMR (CDCl3) δ 0.04 (s, 3H), 0.05 (s, 3H),
0.88 (s, 9H), 1.57 (m, 1H), 1.71 (m, 1H), 1.91 (m, 2H), 3.41 (m, 4H), 3
.86 (m, 1H), 4.52 (s, 2H), 7.33 (m, 5H); 13C NMR (CDCl3) δ 138.05, 128.
31, 127.58, 74.37, 73.31, 70.60, 34.19, 33.25, 28.58, 25.88, 18.11, -4.3
4, -4.77; IR (neat): 3025, 2928, 2958, 2856, 2361, 2341 cm-1; [α]D 22 +
9.6 (c 1.2, CH3CO2C2H5)。
【0104】 (f)5−ベンジルオキシ−4R−t−ブチルジメチルシロキシ−1−ペンチ
ルシアニド(9): DMSO(10mL)にメシレート4(2.00g,5m
mol)を攪拌した溶液に、NaCN(1.22g,25mmol)および触媒
量の15−クラウン−5(1mL)を加えた。その後、反応混合物を40℃で2
0時間加熱した。反応混合物を水で冷却し、溶液をエーテルで抽出した。結合し
た有機層を塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。その後、減圧下で溶媒を除
去し、望ましい純粋な生成物を得た(1.54g,95%): 1H NMR (CDCl3)
δ 0.04 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 1.60-1.80 (m, 4H), 2.35 (t,
J = 6.5 Hz, 2 H), 3.33 (dd, J = 9.5, 6.5 Hz, 1H), 3.41 (dd, J = 9.5, 5.
0 Hz, 1H), 3.84 (m, 1H), 4.51 (s, 2H), 7.31 (m, 5H); 13C NMR (CDCl3) δ
138.23, 128.33, 127.61, 119.70, 74.05, 73.34, 70.41, 33.56, 25.83, 21.27
, 18.11, 17.40, -4.36, -4.81; GC/MS m/z 333 (M+); IR (neat): 3090, 3064,
3031, 2929, 2856 cm-1; [α]D 22 +13.3 (c 0.8, CH3CO2C2H5)。
【0105】 (g)5−ベンジルオキシ−4R−t−ブチルジメチルシロキシ−1−ヘキサ
ナール(2): 乾燥CH2Cl2(30mL)に攪拌したシアン化物9(1.2
1g,3.74mmol)溶液に、−78℃でジイソブチルアルミニウムヒドリ
ド(DIBAL−H,5.7mL,1.0Mへキサン類)を加え、反応混合物を
室温、N2下で2時間攪拌した。酒石酸の水溶液(10%、30mL)を加え、
混合物を更に2時間攪拌した。反応混合物をCH2Cl2(2×50mL)で抽出
し、溶媒を減圧下で除去して純粋な生成物を得た(1.09g,93%): 1H
NMR (CDCl3) δ 0.05 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 1.42-1.80 (m, 4
H), 2.42 (dt, J =1.5, 7.0 Hz, 2H), 3.35 (dd, J = 9.5, 5.7 Hz, 1H), 3.41
(dd, J = 9.5, 5.4 Hz, 1H), 0.86 (m, 2H), 4.51 (s, 2H), 7.32 (m, 5H), 9.7
4 (t, J = 1.5 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 202.39, 138.19, 128.23, 127.52
, 127.46, 74.33, 73.25, 70.93, 43.88, 33.99, 25.84, 18.11, 17.79, -4.37,
-4.81; IR (neat): 3071, 3030, 2953, 2929, 2856, 1728 cm-1; [α]D 22 +11.
8 (c 1.5, CH3CO2C2H5)。
【0106】 (h)1,11−ジベンジルオキシ−2R,10S−ジ−t−(ブチルジメチ
ルシロキシ)6−ウンデカノール(10): 乾燥エーテル(2mL)のマグネ
シウム粉末(0.16g,6.7mmol)懸濁液に、乾燥N2下でヨウ素の小
片を加えた。混合物の色が灰色に変わった後、臭化物3(0.52g,1.34
mmol)を加え、反応混合物を0.5時間逆流した。混合物を0℃まで冷却し
、前記アルデヒド(0.24g,0.67mmol)を導入した。反応混合物を
0℃で更に0.5時間攪拌し、飽和NH4Clを加えて冷却した。生成物をエー
テルで抽出した。結合した有機層を塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた
。溶媒を減圧下で除去した。粗製物のフラッシュクロマトグラフィーにより、純
粋な生成物を得た(Hex/Et2O=6/1〜Hex/EtOAc=6/1;
0.19g,45%): 1H NMR (CDCl3) δ 0.04 (s, 6H), 0.05 (s, 6H), 0.8
8 (s, 18H), 1.24-1.63 (m, 13H), 3.36 (m, 4H), 3.57 (m, 1H), 3.80 (m, 2H)
, 4.52 (s, 4H), 7.26 (m, 10H); 13C NMR (CDCl3) δ 138.36, 128.25, 127.56
, 127.45, 74.62, 73.25, 71.66, 71.37, 37.58, 37.50, 34.66, 25.92, 21.32,
21.24, 18.20, -4.31, -4.69; IR (neat): 3444, 3030, 2932, 2855 cm-1; [α
]D 22 +7.0 (c 0.3, CH3CO2C2H5)。
【0107】 (i)1,11−ジベンジルオキシ−2R,10S−ジ−(t−ブチルジメチ
ルシロキシ)6−ウンデカノン(1): 乾燥CH2Cl2(20mL)の塩化オ
キサリル(0.78mL,8.93mmol)溶液を−78℃に冷却した。この
後、乾燥CH2Cl2(2mL)のDMSO(1.27mL,17.86mmol
)の溶液を加えた。得られた溶液を5分間攪拌した後、乾燥CH2Cl2(2mL
)のアルコール10(5.23g,8.12mmol)溶液を2分以内で加え、
その後、更に20分間攪拌した。その後、Et3N(5.66mL,40.60
mmol)を加え、反応混合物の温度を徐々に室温まで0.5時間で上げ、その
時点で水で冷却した。2層が分離し、水性層をEtOAcで抽出した。結合した
有機層はMgSO4で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラ
フィーによって純粋な生成物を得た(Hex/EtOAc=10/1,4.31
g,83%): 1H NMR (CDCl3) δ 0.04 (s, 6H), 0.05 (s, 6H), 0.87 (s, 18
H), 1.40-1.70 (m, 8 H), 2.38 (t, J = 7.0 Hz, 4H), 3.37 (m, 4H), 3.79 (m,
2H), 4.51 (s, 4H), 7.32 (m, 10H); 13C NMR (CDCl3) δ 210.69, 138.31, 12
8.23, 127.53, 127.43, 74.48, 73.21, 71.14, 42.71, 34.08, 25.83, 19.50, 1
8.09, -4.20, -4.82; IR (neat): 3064, 3030, 2955, 2929, 2856, 1714 cm-1;
[α]D 22 +11.2 (c 0.4, CHCl3)。
【0108】 (j)ベンジル保護SPIKET−P1(SPIKET−P1−P)22: C
3CN(4mL)のケトン1(0.17g,0.27mmol)溶液に室温で
HF(0.42mL,48%酸)を加え、反応混合物を1時間攪拌した。EtO
Acを加えて反応混合物を希釈した後、水、NaHCO3、および塩水で洗浄し
た。有機層を無水MgSO4で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した(0.11g
,100%): 1H NMR (CDCl3) δ 1.23-1.67 (m, 10H), 1.91 (m, 2H), 3.47
(m, 4H), 3.90 (m, 2H), 4.59 (s, 4H), 7.32 (m, 10H); 13C NMR (CDCl3) δ 1
38.63, 128.23, 127.43, 127.33, 96.19, 73.62, 73.15, 68.57, 35.19, 27.53,
18.53; GC/MS m/z 396 (M+); IR (neat): 3030, 2937, 2855 cm-1; [α]D 22 -
16.0 (c 0.7, CHCl3)。
【0109】 (k)[2R,8R)−8−(ヒドロキシメチル)−1,7−ジオキサスピロ
[5,5]ウンデ−2−シル]メタ−1−ノール(SPIKET−P1): あ
らかじめ作られたリチウム4,4’−ジ−t−ブチルビフェニリド(LDBB) 23 の溶液に、乾燥THF(1mL)のベンジル化スピロピランSPIKET−P
1−P(0.20g,0.51mmol)溶液を0℃で滴下した。混合物は直ち
に、暗青色−緑がかった色からオレンジ色に変わった。その後、約0.5時間後
に、反応混合物は暗青色−緑がかった色に戻った。反応は0℃で1時間継続した
。水を加えて反応物混合物を冷却し、溶液をEtOAcで抽出した。結合した有
機層は無水MgSO4で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残分をカラムクロ
マトグラフィー(Hex/EtOAc=2/1,その後100%EtOAc)で
精製し、黄色がかった固体の純粋な生成物を得た(0.06g,50%): 1H
NMR (CDCl3) δ 1.26-1.53 (m, 6H), 1.63 (m, 4H), 1.88 (m, 2H), 2.14 (bs,
2H), 3.52 (m, 2H), 3.62 (m, 2H), 3.75 (m, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 95.99,
69.70, 66.16, 35.21, 26.35, 18.24; GC/MS m/z 216 (M+); IR (neat): 3373,
2939, 2871 cm-1; [α]D 22 -59.4 (c 0.7, CHCl3)。
【0110】 [X線結晶構造] 上記の合成経路を通して作られた化合物SPIKET−P1は、その後、X線
結晶解析で分析した。結晶構造は、上記の特徴データと共にSPIKET−P1
の構造を確認するために利用した。
【0111】 図4に示すように、SPIKET−P1の構造を小分子X線結晶解析によって
確認した。
【0112】 [SPIKET−P1の結晶データおよび構造の微細な点] 結晶サイズ: 0.05mm×0.3mm×1mm 温度: 298K 空間群: P21 a=11.4510オングストローム, a=90° 単位格子径: b=8.9628オングストローム, b=93.396° c=22.942オングストローム, g=90° 体積,Z: 2350.5立方オングストローム,8 q範囲: 1.78°〜28.32° データ/抑制(restraints)/パラメーター: 9044/1/542 F2上のGOF: 1.025 最終R指数[I>2s(I)]: R1=0.1385, wR2=0.175
4 (実施例3) スピロケタール,NP25の合成 以下に示すように、機構3に基づいて、別のスピロケタールである、NP−2
5を合成した。SPのA&Bスピロケタールユニット12を合成するための合成中
間体である、既知の化合物20をフッ化水素酸で処理し、NP−25を得た。機
構3に示すように、塩化ベンジルによって1,3−プロパンジオール11をモノ
アルキル化した後、アルコール12のスウェーン酸化(Swern oxidation)によっ
てアルデヒド13を得た。13にアリルボランを加えると、酸化的な反応の後、
ホモアリルアルコール14が得られた。TESエーテルとしての14をシリル保
護することよって15を得た。15を四酸化オスミウムおよび過ヨウ素酸ナトリ
ウムと反応させて(S)−アルデヒド16を得た。アセトンを(−)−Ipc2
BClでエノール化(enolisation)した後、16にホウ素エノラート(boron enol
ate)を加えてメチルケトンアルコール17を生成した。TBSエーテルである1
7をシリル保護して18を得た後、18および(−)−Ipc2BClから作ら
れたホウ素エノラートを16と結合させて19を得た。19をメタノール/ジク
ロロメタンに溶かしたPPTSで処理した結果、両方のTES保護基がきれいに
除去され、もとの場所にアセタール化が生じて、1つのスピロケタール20を生
成した。テトラヒドロフランに溶かしたフッ化水素酸で20を処理した結果、T
BS保護基が除去され、ジヒドロキシスピロケタールNP−25を得た。
【0113】 機構3: スピロケタール,NP−25の合成
【0114】
【化22】
【0115】 以下に、NP−25の合成方法を詳細に記述する。工程は、その工程で生成さ
れる中間生成物によって示す。各中間生成物の特徴データも記述する。構造は上
記の機構3に示される。
【0116】 3−ベンジルオキシ−1−プロパノール(12): 氷浴中の共溶媒(DMF
:THF=3:1)500mLに溶かした50.0g(0.657mol)の1
,3−プロパンジオール11の溶液に、60%水酸化ナトリウム26.3g(0
.657mol)を入念に加え、1時間攪拌した。その後、0℃で塩化ベンジル
80.5g(0.636mol)をゆっくりと加え、一晩室温にて攪拌した。水
50mLを加えて反応混合物を冷却した後、エーテル(2×600mL)で混合
物を抽出した。有機層を水(50mL)および塩水(50mL)で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。118〜120℃、5mmHgでの蒸留
により、50.2%の収率で54.8gの液体を得た。1H NMR (CDCl3): δ 7.3
5-7.28 (m, 5H, ArH), 4.51 (s, 2H, ArCH2O), 3.76 (m, 2H, CH2O), 3.65 (
t, J = 6.0 Hz, 2H, CH2O), 2.58 (m, 1H, OH), 1.85 (p, J = 6.0 Hz, 2H,
CH2). 13C NMR (CDCl3): δ 137.93, 128.34, 127.60, 127.54, 73.15,
69.15, 61.58, 32.04. 3−ベンジルオキシ−プロピオンアルデヒド(13): −78℃のジクロロ
メタン420mLに溶かした塩化オキサリル15.6mLの溶液に、ジメチルス
ルホキシド24.0mLを加え、10分間攪拌した。その後、3−ベンジルオキ
シ−1−プロパノール19.95g(0.12mol)を加え、45分間攪拌し
た。トリエチルアミン58.5mLを加えた後、混合物を氷浴中で20分間攪拌
した。水42mLを加え、ベンゼン/ジエチルエーテル(1/1)660mLで
混合物を抽出した。有機層を5%塩酸(42mL)、水(42mL)、および塩
水(42mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。68〜7
0℃、3mmHgでの蒸留により、86.3%の収率で17.0gの液体を得た
1H NMR (CDCl3): δ 9.79 (t, J = 1.8 Hz, 1H, CHO), 7.35-7.31 (m, 5H, A
rH), 4.53 (s, 2H, ArCH2O), 3.81 (t, J = 6.0 Hz, 2H, CH2O), 2.69 (td,
J = 6.0, 1.8 Hz, 2H, CH2C=O). 13C NMR (CDCl3): δ 201.08, 137.72, 128
.35, 127.69, 127.62, 73.18, 63.75, 43.81. EIMS m/z 164 (M+), 107,
91, 79. 4−ヒドロキシ−6−ベンジルオキシ−1−へキセン(14): −78℃の
ジエチルエーテル120mLに溶かした37.98g(0.118mol)の(
+)−B−メトキシジイソピノカンフェイルボラン((+)-B-methoxydiisopinocam
pheylborane)の溶液に、120mL(0.120mol)の臭化アリルマグネシ
ウム(ジエチルエーテルの1.0M溶液)を滴下し、−78℃で15分間攪拌し
、室温で1時間攪拌した。−78℃で3−ベンジルオキシ−プロピオンアルデヒ
ド17.0g(10.4mol)を加えた後、その混合物を−78℃で1時間攪
拌し、室温で1時間攪拌した。その混合物に、3N水酸化ナトリウム90mLお
よび30%過酸化水素36mLを加え、還流で1時間加熱した。水性層を分離し
、有機層を水(75mL)および塩水(75mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥させて濃縮した。残分を蒸留してイソピノカンフェオール(isopinocamp
heol)を除去した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン類:酢酸
エチル=5:1)によって、70.2%の収率で15.5gの液体を得た。1H N
MR (CDCl3): δ 7.36-7.28 (m, 5H, ArH), 5.83 (m, 1H, CH=C), 5.12 (m, 2H
, C=CH2), 4.52 (s, 2H, ArCH2O), 3.88 (m, 1H, CH-O), 3.73 (m, 2H, CH2 O), 2.91 (d, J = 2.4 Hz, 1H, OH), 2.25 (m, 2H, CH2), 1.76 (m, 2H, CH2 ). 13C NMR (CDCl3): 137.84, 134.80, 128.40, 127.69, 127.62, 117.55,
73.29, 70.38, 68.95, 41.91, 35.82. HRMS (CI, NH3) found: 207.1388,
calcd for C13H19O2 (M + H)+: 207.1385. 4−トリエチルシリルオキシ−6−ベンジルオキシ−1−へキセン(15):
−78℃のジクロロメタン300mLに溶かした4−ヒドロキシ−6−ベンジ
ルオキシ−1−へキセン10.52g(51.0mmol)の溶液に2,6−ル
チジン23.75mL(204.0mmol)を添加し、10分間攪拌した後、
トリエチルシリルトリフルオロメタンスルホナート23.24mL(102.0
mmol)を加えて2時間攪拌した。その混合物はジエチルエーテル750mL
と水500mLとに分離した。有機層は1N塩酸(380mL)、水(380m
L)、および塩水(380mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃
縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン類:酢酸エチル=20
0:3)によって残分を精製し、83.9%の収率で13.71gの液体を得た
。[α]22 D -11.69( (c 3.15, CHCl3). IR (KBr): 3074, 3030, 2955, 2977
cm-1. 1H NMR (CDCl3): δ 7.34-7.25 (m, 5H, ArH), 5.77 (m, 1H, CH=C),
5.05 (m, 2H, C=CH2), 4.52 (d, J = 11.7 Hz, 1H, ArCH2O), 4.46 (d, J = 1
1.7 Hz, 1H, ArCH2O), 3.91 (m, 1H, CH-O), 3.54 (m, 2H, CH2O), 2.21 (m,
2H, CH2), 1.75 (m, 2H, CH2), 0.96 (t, J = 8.1 Hz, 9H, TES CH3), 0.60
(q, J = 8.1 Hz, 6H, TES CH2). 13C NMR (CDCl3): 138.46, 134.83, 128.27
, 127.63, 127.43, 116.99, 72.95, 68.94, 66.99, 42.41, 36.80, 6.9
5, 5.02. HRMS (CI, NH3) found: 321.2251, calcd for C19H33O2Si (M + H)+:
321.2250. 3−トリエチルシリルオキシ−5−ベンジルオキシ−バレルアルデヒド(16
): 0℃のテトラヒドロフラン310mLに溶かした4−トリエチルシリルオ
キシ−6−ベンジルオキシ−1−へキセン10.0g(31.2mmol)の溶
液に、4.38g(37.4mmol)の4−メチルモルホリンN−オキシド、
6.24mL(1.248mmol)の四酸化オスミウム(0.2Mのベンゼン
溶液)、および45mLの水を加え、室温で一晩攪拌した。0℃のその混合物に
、水185mLおよび過ヨウ素酸ナトリウム20.02g(93.6mmol)
を加え、室温で1時間攪拌した後、酢酸エチルと水に分離した。有機層は水と塩
水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮し、次の反応に供した。1H N
MR (CDCl3): δ 9.79 (t, J = 2.4 Hz, 1H, CH=O), 7.35-7.31 (m, 5H, ArH),
4.51 (d, J = 12.0 Hz, 1H, ArCH2O), 4.46 (d, J = 12.0 Hz, 1H, ArCH2O),
4.40 (p, J = 6.0 Hz, 1H, CH-O), 3.55 (m, 2H, CH2-O), 2.56 (m, 2H, CH 2 C=O), 1.85 (m, 2H, CH2), 0.94 (t, J = 8.1 Hz, 9H, TES CH3), 0.59 (q,
J = 8.1 Hz, 6H, TES CH2). 13C NMR (CDCl3): δ 201.94, 138.14, 128.31
, 127.60, 127.55, 72.99, 66.31, 65.49, 51.14, 37.71, 6.84, 4.88
. 4−ヒドロキシ−6−トリエチルシリルオキシ−8−ベンジルオキシ−ヘキサ
−2−ノン(17): 0℃の乾燥ジエチルエーテル150mLに溶かした(−
)−B−クロロジイソピノカンフェイルボラン26.02g(81.1mmol
)の溶液に、トリエチルアミン12.63g(12.5mmol)およびアセト
ン3.63g(62.5mmol)を加え、30分間攪拌した後、−78℃の3
−トリエチルシリルオキシ−5−ベンジルオキシ−バレルアルデヒド31.2m
molを加え、5時間攪拌した。その混合物は、ジエチルエーテル(430mL
)およびpH7の緩衝液(310mL)に分離した。有機層は濃縮し、残分をメ
タノール310mLに溶解した。0℃のその溶液に、pH7の緩衝液(62mL
)および30%過酸化水素(94mL)を加え、室温で1〜2時間攪拌した。そ
の混合物を水500mLで希釈し、ジクロロメタン(3×500mL)で抽出し
た。有機層は重炭酸ナトリウム溶液と塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
させて濃縮した。残分はフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン類:酢
酸エチル=4:1)で精製し、2つの工程で、60.6%の収率で7.2gの液
体を得た。[α]22 D +8.63( (c 1.10, CHCl3). IR (KBr): 3417 (br), 3037,
2955, 2886, 1713 cm-1. 1H NMR (CDCl3): δ 7.35-7.31 (m, 5H, ArH), 4
.51 (d, J = 11.7 Hz, 1H, ArCH2O), 4.46 (d, J = 11.7 Hz, 1H, ArCH2O), 4
.20 (m, 1H, CH-O), 4.19 (m, 1H, CH-O), 3.53 (t, J = 6.3 Hz, 2H, CH2-O)
, 2.55 (m, 2H, CH2-C=O), 2.16 (s, 3H, CH3-C=O), 1.83 (q, J = 6.3 Hz,
2H, CH2), 1.60 (m, 2H, CH2), 0.96 (t, J = 8.1 Hz, 9H, TES CH3), 0.62
(q, J = 8.1 Hz, 6H, TBS CH2). 13C NMR (CDCl3): δ 208.93, 138.28, 1
28.30, 127.63, 127.52, 72.98, 69.08, 66.56, 66.20, 50.62, 43.02,
37.22, 30.77, 6.80, 4.94. HRMS (CI NH3) found: 381.2473, calcd for
C21H37O4Si (M + H)+: 381.2461. 4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−6−トリエチルシリルオキシ−8−ベ
ンジルオキシ−ヘキサ−2−ノン(18): −78℃の乾燥テトラヒドロフラ
ンに溶かした7.0g(18.4mmol)の4−ヒドロキシ−6−トリエチル
シリルオキシ−8−ベンジルオキシ−ヘキサ−2−ノン(17)の溶液に、2,
6−ルチジン7.89g(73.6mmol)を加えて10分間攪拌した後、t
−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート9.73g(36.8
mmol)を加えて2時間攪拌した。その混合物はジエチルエーテル(300m
L)と水(200mL)に分離した。有機層は、130mLの5%塩酸、130
mLの水、および130mLの塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて
濃縮した。残分をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン類:酢酸エチ
ル=20:1)によって精製し、62.5%の収率で5.69gの液体を得た。
[α]22 D -0.74( (c 1.99, CHCl3). IR (KBr): 2957, 2877, 1720 cm-1. 1H
NMR (CDCl3): δ 7.33-7.28 (m, 5H, ArH), 4.48 (d, J = 11.7 Hz, 1H, ArC
H2O), 4.44 (d, J = 11.7 Hz, 1H, ArCH2O), 4.23 (p, J = 6.0 Hz, 1H, CH-O
), 3.92 (m, 1H, CH-O), 3.52 (m, 2H, CH2-O), 2.55 (d, J = 6.0 Hz, 2H,
CH2C=O), 2.12 (s, 3H, CH3C=O), 1.84-1.54 (m, 4H, CH2), 0.93 (t, 9H, T
ES CH3), 0.83 (s, 9H, TBS CH3), 0.57 (q, J = 8.1 Hz, 6H, TES CH2), 0.
03 (s, 3H, TBS CH3), 0.00 (s, 3H, TBS CH3). 13C NMR (CDCl3): δ 207.56
, 138.48, 128.26, 127.64, 127.43 , 72.97, 66.76, 66.63, 66.41,
51.29, 45.42, 37.13, 31.61, 25.78, 17.88, 6.93, 5.01, -4.57, -4
.69. HRMS (CI, NH3) found: 495.3342, calcd for C27H51O4Si2 (M + H)+:49
5.3326. 1,13−ジベンジルオキシ−3,11−ジ(トリエチルシリルオキシ)−5
−t−ブチルジメチルシリルオキシ−9−ヒドロキシ−トリデカ−7−ノン(1
9): 化合物(17)の合成と同様の方法を用いた。1H NMR (CDCl3): δ 7.3
5-7.26 (m, 10H, ArH), 4.48 (m, 4H, ArCH2O), 4.30 - 4.09 (m, 4H, CH-O),
3.93 (m, 1H OH), 3.55-3.50 (m, 4H, CH2-O), 2.58 - 2.52 (m, 4H, CH2C=
O), 1.89-1.56 (m, 8H, CH2), 0.95 (m, 18H, TES CH3), 0.84 (s, 9H, TBS
CH3), 0.61 (m, 12H, TES CH2), 0.05 (s, 3H, TBS CH3), 0.01 (s, 3H, TBS
CH3). 13C NMR (CDCl3): δ 209.57, 138.42, 138.30, 128.25, 127.58,
127.45, 127.38, 72.93, 68.68, 66.68, 66.62, 66.13, 65.77, 51.48
, 51.12, 45.40, 43.26, 37.08, 25.75, 17.81, 6.88, 6.80, 4.96,
4.92, -4.62, -4.71. 1,13−ジベンジルオキシ−5−t−ブチルジメチルシリルオキシ−9−ヒ
ドロキシ−スピロケタール(20): ジクロロメタン2mLおよびメタノール
2mLに3を150mg溶かした溶液に、ピリジニウムp−トルエンスルホナー
ト5mgを加え、3時間攪拌した。その混合物は酢酸エチルと水に分離した。有
機層は、水、重炭酸ナトリウム溶液、および塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥させて濃縮した。残分をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、
76.2%の収率で80mgの液体を得た。[α]22 D -49.69( (c 1.68, CHCl3)
. IR (KBr): 3521, 3029, 2926 cm-1. 1H NMR (CDCl3): δ 7.27-7.20 (m,
10H, ArH), 4.36 (m, 4H, ArCH2O), 4.13 (m, 1H, OH), 4.04 (m, 2H, CH2-O
), 3.98 (br s, 2H, CH2), 3.60 (m, 2H, CH-O), 3.41 (m, 2H, CH-O), 1.7
7-1.61 (m, 6H, CH2), 1.57-1.36 (m, 6H, CH2), 0.86 (s, 9H, TBS CH3), 0
.00 (s, 6H, TBS CH3). 13C NMR (CDCl3): δ 138.68, 138.20, 128.24, 12
8.21, 127.91, 127.52, 127.45, 127.36, 98.20, 73.03, 72.83, 67.77
, 67.16, 65.16, 64.34, 63.15, 60.95, 41.23, 40.69, 38.65, 37.99
, 35.87, 35.77, 25.88, 18.20, -4.73, -4.97. HRMS (CI NH3) m/z 571
.3553 (M + H)+ , calcd for C33H31O6Si 571.3455; 588.3717 (M + NH4)+, c
alcd for C33H34NO6Si 588.3720; 553.3347 (M - OH)+, calcd for C33H29O5S
i 553.3349. 1,13−ジベンジルオキシ−5,9−ジヒドロキシ−スピロケタール(NP
25): 2.5mLのアセトニトリルに20を40mg溶かした溶液に、0.
26mLの48%フッ化水素酸を加え、室温で1.5時間攪拌した。その混合物
をフラッシュクロマトグラフィーのカラムに適用してトリエチルアミンの存在下
で精製し、93.8%の収率で30mgの液体を得た。1H NMR (CDCl3): 7.32-7
.26 (m, 10H, ArH), 4.46 (d, J = 12.0 Hz, 2H, ArCH2O), 4.39 (d, J = 1
2.0 Hz, 2H, ArCH2O), 4.26 (d, J = 9.0 Hz, 2H, OH), 4.14 (m, 2H, CH-O),
4.04 (m, 2H, CH-O), 3.43 (t,, 4H, CH2OBn), 1.88-1.73 (m, 6H, CH2),
1.67-1.48 (m, 6H, CH2). 13C NMR (CDCl3): 138.02, 128.20, 128.06, 127
.53, 99.76, 73.17, 67.48, 64.43, 63.32, 39.78, 38.16, 35.52. (実施例4) チューブリン重合に対するSPIKET類の影響 SPIKET−P1、そのベンジル保護された前駆体のSPIKET−P1−
P、およびNP−25の天然類似体のチューブリン脱重合を引き起こす能力、ま
たはチューブリン重合を防止する能力を次に分析した。GTP誘発チューブリン
重合に対するSPIKET−P1、SPIKET−P1−P、およびNP−25
の影響を測定する標準の濁度アッセイに、牛の脳のチューブリン(シグマ社(Sig
ma)製、セントルイス(St. Louis),ミズーリ州)を用いた。
【0117】 化合物(1%DMSO中)をチューブリン(1mg/ml、0.1MのMES
、1mMのEGTA、0.5mMのMgCl2、0.1mMのEDTA、2.5
Mのグリセロール、1mg/mlのロイペプチン、および1mg/mlのアプロ
チニン、pH6.5)に加え、その後1mMのGTPで2分間重合を刺激した。
温度制御されたキュベットホルダー(thermostated cuvette holder)を用いて反
応を37℃に保ちながら、ベクトン・ディッキンソンUV分光光度計(Becton Di
ckinson UV spectrophotometer)を用いて350nmで光学濃度を測定した。薬
剤添加後の試料読み取り値から水中の化合物のバックグラウンド吸光度を差し引
くことによって、分光光度計から得た読み取り値を標準化した。その結果は図5
に示され、測定された3つのSPIKET化合物の全てがチューブリンの部分的
な脱重合を引き起こし、GTP誘発チューブリン重合を阻害したことを示してい
る。
【0118】 (実施例5) SPIKET類による癌細胞のアポプト−シスの誘発 ヒト乳癌細胞の生存に対するスピロケタールピラン類の影響をインヴィトロで
調べた。タイトルの化合物を用いて、細胞を37℃で指定された時間インキュベ
ートした。インキュベーションの終了時に、細胞をPBSで二度洗浄して2%パ
ラホルムアルデヒドに固定し、顕微鏡で調べた。
【0119】 図6は、SPIKET−P1、SPIKET−P1−P、またはNP−25で
処置されたヒトBT−20乳癌細胞の、透過電子顕微鏡13による写真を示す。そ
のデータは、これらの化合物がヒト乳癌細胞にアポプトーシスを誘発することの
直接の証拠を提供する。
【0120】 また、共焦レーザ走査顕微鏡検査法14を用いて、ヒト乳癌細胞に対するSPI
KET−P1の影響も調べた。固定後、細胞は透過性にされ、非特異的な結合部
位は、0.1%のトリトンX−100(Triton X-100)を含む、PBSに溶かした
2.5%BSA溶液で30分間ブロックされた。チューブリン発現は、1:10
00の希釈率のα−チューブリンに対するモノクローナル抗体(シグマ社(Sigma
Chemical Co.)製、セントルイス,ミズーリ州)、およびFITCと複合させた
抗マウスIgGを用いて、免疫蛍光検査法によって調べた。細胞をPBSで洗浄
し、1:1000の希釈率のトト−3(toto-3)(モレキュラー・プローブ社(Mol
ecular Probes Inc.)製、ユージーン(Eugene)、オレゴン州)で10分間対比染
色した。再度、細胞をPBSで洗浄し、ベクタシールド(Vectashield)(ベクタ
ー・ラボ社(Vector Labs)製、バーリンガム(Burlingame)、カリフォルニア州)
でカバーグラスを取り付け、ニコン・ラボフォト直立顕微鏡(Nikon Labhophot u
pright microscope)に取り付けられた共焦顕微鏡(Bio−Rad MRC 1
024)で観察した。
【0121】 デジタル画像をジャズディスク(Jaz disk)に保存し、アドーブ・フォトショッ
プ・ソフトウェア(Adobe Photoshop software)(アドーブ・システムズ社(Adobe
Systems)製、マウンテン・ヴュー(Mountain View)、カリフォルニア州)で処理
した。図7A〜7Bに示すように、SPIKET−P1で処置された細胞は、ア
ポプトーシスと関連する微小管組織の破壊、膜の液胞化、および核の分断を示し
た。
【0122】 対照(図7A)に緑色で示されるように、賦形薬で処理された対照細胞は、よ
く組織化した微小管の細胞骨格で結びつけられている。これに対し、500mM
のSPA−1(図7B)で24時間処置された細胞は、より少なく、より組織化
していない微小管を示した。更に、膜の液胞化および核の分断が観察された。処
置された細胞内には大きな液胞が存在した。また、SPIKET−P−1は分裂
指数にも影響しており、対照細胞の2.25%が有糸分裂中であったのに対し、
処置された細胞の0.0%が有糸分裂中であった(それぞれ、23/1024対
0/1000)。
【0123】 (実施例6) SPIKETのコンビナトリアル・ライブラリー 上記のモデリング研究により、チューブリンのSP結合ポケットには、ドッキ
ングしたSPIKET−P1分子の周囲に立体的に利用できる空間があることが
分かった(図3参照)。したがって、このSPファーマコフォア(SP pharmacoph
ore)に疎水性置換基を導入すれば、チューブリンのSP結合ポケットとの接触表
面の増大によって、生物学的活性が向上することが考えられる。
【0124】 この仮説を試すため、溶液相コンビナトリアル・ケミストリーによって、2つ
のモデルライブラリー(表1)、2つのモノエステルライブラリー(表2および
4)、および14のバイエステルライブラリー(表3および5)を含む、一連の
SPIKET−P1を基礎としたバイエステルライブラリーを合成した。コンビ
ナトリアル合成戦略を機構4に図示する。
【0125】 機構4: SPIKET−P1を基礎とするモノエステルおよびバイエステル
ライブラリーの合成
【0126】
【化23】
【0127】 表1:モデルライブラリーHHML3およびHHML4の構成員
【0128】
【表1】
【0129】 モデルライブラリーHHML3およびHHML4のどちらも、2つの構成員を
ほぼ等しいモル量で含む。これら2つのモデルライブラリーのうち、HHML3
の方が、標準チューブリン濁度アッセイにおいて、より強いチューブリン脱重合
活性を示した。
【0130】 表2:モノエステルライブラリー(HHL2)の理論的な構成員数
【0131】
【表2】
【0132】 GC−MS分析は、このライブラリーに予想される10個の構成員化合物のう
ち、9個が存在することを示した(表のR3:p置換MeO化合物がなかった)
【0133】 表3: バイエステルライブラリーHHL2a−j*の理論的な構成員数:
10のライブラリーが、それぞれ10個の構成員を有する。
【0134】
【表3】
【0135】* HHL2a: 一方のエステル基はR1に固定し、他方のエステル基はR1か
らR10まで変化させる。 HHL2b: 一方のエステル基はR2に固定し、他方のエステル基はR1から
R10まで変化させる。 HHL2j: 一方のエステル基はR10に固定し、他方のエステル基はR1か
らR10まで変化させる。
【0136】 表3の分子量は対角軸に沿って対称だった。GC−MSは、10のサブライブ
ラリーにそれぞれ構成員が9個しかない(R3がない)ことを示した。
【0137】 サブライブラリーのHHL2cおよびHHL2fは、チューブリン濁度アッセ
イにおいて、強いチューブリン脱重合活性を示した(図8)。これはSPIKE
T−P1のものより優れていた。
【0138】 表4: モノエステルライブラリー(HHL4)の構成員
【0139】
【表4】
【0140】 GC−MSは、ライブラリーに4個の構成員化合物が存在することを確認した
。 表5:バイエステルライブラリーHHL4a−d*の構成員: 4つのライブラ
リーが、それぞれ4個の構成員を有する。
【0141】
【表5】
【0142】* HHL4a: 一方のエステル基はR1に固定し、他方のエステル基はR1か
らR4まで変化させる。 HHL4b: 一方のエステル基はR2に固定し、他方のエステル基はR1から
R4まで変化させる。 HHL4c: 一方のエステル基はR3に固定し、他方のエステル基はR1から
R4まで変化させる。 HHL4d: 一方のエステル基はR4に固定し、他方のエステル基はR1から
R4まで変化させる。
【0143】 表5の分子量は対角軸に沿って対称だった。SPIKET−P化合物の例: 上記のコンビナトリアル・ライブラリーに生ずるSPIKET−P化合物には
、上記コンビナトリアル表の順序で下記に列挙したものが含まれる。
【0144】 表1: 1,11−ジベンゾエート−スピロケタール 1,11−ジ−m−メトキシベンゾエート−スピロケタール 1−ベンゾエート−11−m−メトキシベンゾエート−スピロケタール 11−ベンゾエート−1−m−メトキシベンゾエート−スピロケタール 表2: 1−メタノール−11−ベンゾエート−スピロケタール 1−メタノール−11−m−メトキシベンゾエート−スピロケタール 1−メタノール−11−p−メトキシルベンゾエート−スピロケタール 1−メタノール−11−m−フルオロベンゾエート−スピロケタール 1−メタノール−11−m−クロロベンゾエート−スピロケタール 1−メタノール−11−p−クロロベンゾエート−スピロケタール 1−メタノール−11−m−ブロモベンゾエート−スピロケタール 1−メタノール−11−p−ブロモベンゾエート−スピロケタール 1−メタノール−11−m−メチルトリフルオライド(flouride)ベンゾエート
−スピロケタール 1−メタノール−11−m−ニトロベンゾエート−スピロケタール 表3: 1,11−ジベンゾエート−スピロケタール 1−ベンゾエート−11−m−メトキシベンゾエート−スピロケタール 1−ベンゾエート−11−p−メトキシルベンゾエート−スピロケタール 1−ベンゾエート−11−m−フルオロベンゾエート−スピロケタール 1−ベンゾエート−11−m−クロロベンゾエート−スピロケタール 1−ベンゾエート−11−p−クロロベンゾエート−スピロケタール 1−ベンゾエート−11−m−ブロモベンゾエート−スピロケタール 1−ベンゾエート−11−p−ブロモベンゾエート−スピロケタール 1−ベンゾエート−11−m−メチルトリフルオライドベンゾエート−スピロケ
タール 1−ベンゾエート−11−m−ニトロベンゾエート−スピロケタール 1,11−ジ−m−メトキシベンゾエート−スピロケタール 11−ベンゾエート−1−m−メトキシベンゾエート−スピロケタール 1−m−メトキシベンゾエート−11−p−メトキシルベンゾエート−スピロケ
タール 1−m−メトキシベンゾエート−11−m−フルオロベンゾエート−スピロケタ
ール 1−m−メトキシベンゾエート−11−m−クロロベンゾエート−スピロケター
ル 1−m−メトキシベンゾエート−11−p−クロロベンゾエート−スピロケター
ル 1−m−メトキシベンゾエート−11−m−ブロモベンゾエート−スピロケター
ル 1−m−メトキシベンゾエート−11−p−ブロモベンゾエート−スピロケター
ル 1−m−メトキシベンゾエート−11−m−メチルトリフルオライドベンゾエー
ト−スピロケタール 1−m−メトキシベンゾエート−11−m−ニトロベンゾエート−スピロケター
ル 1,11−ジ−p−メトキシベンゾエート−スピロケタール 1−p−メトキシベンゾエート−11−m−メトキシベンゾエート−スピロケタ
ール (実施例7) 実施例6からのライブラリーのチューブリン脱重合活性 実施例6で作成されたいくつかのライブラリーについて濁度アッセイを行った
。濁度アッセイは、上記実施例に記述した材料および方法を用いて行った。測定
された3つのライブラリーによるアッセイの結果を図8に示す。
【0145】 SPバイエステルライブラリーのHHL4cは、チューブリン濁度アッセイに
おいて強いチューブリン脱重合活性を示し(図8)、これはSPIKET−P1
のものよりも優れていた。これらの発見は、本発明の化合物の簡単な改変が、新
規のSPファーマコフォアSPIKET−P1の生物学的活性を著しく向上でき
るという仮説を確認した。
【0146】 本明細書に記載した全ての刊行物、特許、特許文献は、あたかも完全に記載さ
れたように、引用によりここに含まれる。ここに記載された本発明は、代替の実
施態様を含むように改変することができる。そのような自明の代替の実施態様は
全て、以下に請求されるように、本発明の精神および範囲に含まれる。
【0147】 引用文献 1. Avila, J. Life Sci. 1992, 50, 327. 2. Hyams, J. S. and Lloyd, C. W. Microtubules 1994, New York. 3. Hyman, A. and Karsenti, E. J Cell Sci. 1998, 111 ( Pt 15), 2077. 4. Downing, K. H. and Nogales, E. Curr. Opin. Cell Biol. 1998 Feb, 10,
16. 5. Kozielski, F., Arnal, I. and Wade, R. H. Curr. Biol. 1998, 8, 191. 6. Nogales, E., Wolf, S. G. and Downing, K. H. Nature 1998, 391, 199. 7. Pettit, G. R., Cichacz, Z. A., Gao, F., Herald, C. L. and Boyd, M. R
. J. Org. Chem. 1993, 58, 1302. 8. Bai, R., Cichacz, Z. A., Herald, C. L., Pettit, G. R. and Hamel, E.
Molecular Pharmacology 1993, 44, 757. 9. Bai, R., Taylor, G. F., Cichacz, Z. A., Herald, C. L., Kepler, J. A.
, Pettit, G. R. and Hamel, E. Biochemistry 1995, 34, 9714. 10. Nogales, E., Whittaker, M., Milligan, R. A. and Downing, K. H. Cell
1999, 96, 79. 11. Nicholls, A., Sharp, K. and Honig, B. Protein, Structure, Function
and Genetics 1991, 11, 281ff. 12. Paterson, I., Oballa, R. M. and Norcross, R. D. Tetrahedron Lett. 1
996, 37, 8581 . 13. Uckun, F. M., Stewart, C. F., Reaman, G., Chelstrom, L. M., Jin, J.
, Chandan-Langlie, M., Waddick, K. G., White, J. and Evans, W. E. Blood
1995, 85, 2817. 14. Vassilev, A., Ozer, Z., Navara, C., Mahajan, S. and Uckun, F. M. J
Biol Chem. 1999 Jan 15, 274(3), 164616. 15. Bohm, H. J. J. Comput. Aided. Mol. Des. 1992, 6, 593. 16. Bohm, H. J. J. Comput. Aided. Mol. Des. 1994, 8, 243. 17. Luty, B. A., Wasserman, P. F., Stouten, P. F., Hodge, C. N., Zachar
ias, M. and McCammon, J. A. J. Comp. Chem. 1995, 16, 454. 18. Vig, R., Mao, C., Venkatachalam, T. K., Tuel-Ahlgren, L., Sudbeck,
E. A. and Uckun, F. M. Bioorganic & Medicinal Chemistry 1998, 6, 1. 19. Mao, C., Vig, R., Venkatachalam, T. K., Sudbeck, E. A. and Uckun, F
. M. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 1998, 8, 2213. 20. Connolly, M. L. Science 1983, 221, 709. 21. Corey, E. J. and Venkateswarlu J. Am. Chem. Soc. 1972, 94, 6190. 22. Danishefsky, S. J., Armistead, D. M., Wincott, F. E., Selnick, H. G
. and Hungate, R. J. Am. Chem. Soc. 1987, 109, 8117. 23. Cohen, T., Jeong, I.-H., Mudryk, B., Bhupathy, M. and Awad, M. M. A
. J. Org. Chem. 1990, 55, 1528.
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、スポンギスタチン(SP)およびSPIKET−P1の構造を示す図
である。
【図2】 図2Aは、標識された各結合部位に結合しているGDPおよびタキソター(Tax
oter)分子のボールスティックモデル(ball and stick models)で示された、βチ
ューブリンの空間充填モデル(space filling model)の写真である。スポンギス
タチン結合部位(SBP)は標識され、近距離の全ての芳香族残基がカラー写真
にオレンジ色で示されている。赤色で示されたチューブリン残基N101はGD
P結合部位の近くに位置する。 図2Bは、スポンギスタチン結合部位の顕著な特徴としての芳香族残基の一群
によって示された、βチューブリンのリボン図である。
【図3】 図3は、チューブリンの結合部位に結合されたSPIKET−P1の概略図で
ある。SPIKET−P1との相互作用に利用できるチューブリン残基が示され
ている。
【図4】 図4は、SPIKET−P1のX線構造の概略図である。
【図5】 図5は、濁度アッセイにおいて分析された本発明の化合物の抗チューブリン活
性を示すグラフである。
【図6】 図6A〜6Eは、対照(control)(図6Aおよび6B)、SPIKET−P1
(図6C)、SPIKET−P1P(図6D)、およびNP−25(図6E)で
処置されたヒト乳癌細胞において誘発されたアポプトーシスを示す電子顕微鏡写
真である。
【図7】 図7Aおよび7Bは、ヒト乳癌細胞の微小管に対するSPIKET−P1の影
響を示す共焦顕微鏡画像である。対照(図7A)および処置された細胞(図77
B)は、微小管を緑色の蛍光、DNAを青色として示している。バーは20ミク
ロンの大きさを示す。
【図8】 図8A〜8Cは、ライブラリーHHL2C(図8A)、HHL2f(図8B)
、およびHHL4c(図8C)の抗チューブリン効果を示すグラフである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年8月1日(2000.8.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 上記式において、X1、X2、およびX3は、同一または相違し、それぞれ独立し
てO、C、またはSであり、 R1およびR2は、同一または相違し、それぞれ独立して、R1およびR2の両方が
Hでないことを条件としてHであるか、または(C1−C8)アルキル基、(C1
−C8)シクロアルキル基、(C1−C8)アルコキシル基、(C1−C8)アリー
ルオキシル基、(C1−C8)アリールチオ基、(C1−C8)アリール基、(C1
−C8)ヘテロアリール基、C(−)NRab、もしくはNRabであり、但し
、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素、アシル基、(C1−C8)アルキル
基、(C3−C7)シクロアルキル基、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6 −C10)ヘテロアリール基であり、または、a およびb は、それらが結合する
窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノな
どの環を形成し、 nおよびmは、同一または相違し、それぞれ独立して0から7の範囲であり、 S1およびS2は、同一でも相違してもよく、それぞれ独立して、OH、SH、C
2H、ハロゲン、CN、アシル基、チオアシル基、エステル基、チオエステル
基、(C1−C6)アルコキシル基、(C1−C6)アリールオキシル基、(C1
6)アルキルチオ基、(C1−C6)アリールチオ基、(C1−C6)アルキル基
、(C1−C6)アルケニル基、(C1−C6)アルキニル基、(C3−C7)シクロ
アルキル基、(C6−C10)アリール基、(C6−C10)ヘテロアリール基、C(
=O)NRabまたはNRabであり、但し、RaおよびRbは、それぞれ独立し
て、水素、アシル基、(C1−C6)アルキル基、(C3−C7)シクロアルキル基
、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6−C10)ヘテロアリール基であり、
または、RaおよびRbは、それらが結合する窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジ
ノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノなどの環を形成し、共に、どんな2つ
のS1およびS2も環を形成でき、どんな2つの隣接置換基もそれらが結合する2
つの炭素の間に二重結合を形成できる。
【化2】 上記式において、X1およびX2は、同一または相違し、それぞれ独立してO、C
、またはSであり、 R1およびR2は、同一または相違し、それぞれ独立して、R1およびR2の両方が
Hでないことを条件としてHであるか、または(C1−C8)アルキル基、(C1
−C8)シクロアルキル基、(C1−C8)アルコキシル基、(C1−C8)アリー
ルオキシル基、(C1−C8)アリールチオ基、(C1−C8)アリール基、(C1
−C8)ヘテロアリール基、C(=)NRab、もしくはNRabであり、但し
、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素、アシル基、(C1−C8)アルキル
基、(C3−C7)シクロアルキル基、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6 −C10)ヘテロアリール基であり、または、RaおよびRbは、それらが結合する
窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノな
どの環を形成し、 nおよびmは、同一または相違し、それぞれ独立して0から7の範囲であり、 S1およびS2は、同一でも相違してもよく、それぞれ独立して、OH、SH、C
2H、ハロゲン、CN、アシル基、チオアシル基、エステル基、チオエステル
基、(C1−C6)アルコキシル基、(C1−C6)アリールオキシル基、(C1
6)アルキルチオ基、(C1−C6)アリールチオ基、(C1−C6)アルキル基
、(C1−C6)アルケニル基、(C1−C6)アルキニル基、(C3−C7)シクロ
アルキル基、(C6−C10)アリール基、(C6−C10)ヘテロアリール基、C(
=O)NRabまたはNRabであり、但し、RaおよびRbは、それぞれ独立し
て、水素、アシル基、(C1−C6)アルキル基、(C3−C7)シクロアルキル基
、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6−C10)ヘテロアリール基であり、
または、RaおよびRbは、それらが結合する窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジ
ノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノなどの環を形成し、共に、どんな2つ
のS1およびS2も環を形成でき、どんな2つの隣接置換基もそれらが結合する2
つの炭素の間に二重結合を形成できる。
【化3】 上記式において、Rは水素結合基である。
【化4】 上記式において、X1およびX3は、同一または相違し、それぞれ独立してO、C
、またはSであり、 R1およびR2は、同一または相違し、それぞれ独立して、R1およびR2の両方が
Hでないことを条件としてHであるか、または(C1−C8)アルキル基、(C1
−C8)シクロアルキル基、(C1−C8)アルコキシル基、(C1−C8)アリー
ルオキシル基、(C1−C8)アリールチオ基、(C1−C8)アリール基、(C1
−C8)ヘテロアリール基、C(=)NRab、もしくはNRabであり、但し
、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素、アシル基、(C1−C8)アルキル
基、(C3−C7)シクロアルキル基、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6 −C10)ヘテロアリール基であり、または、RaおよびRbは、それらが結合する
窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノな
どの環を形成し、 nおよびmは、同一または相違し、それぞれ独立して0から7の範囲であり、 S1およびS2は、同一でも相違してもよく、それぞれ独立して、OH、SH、C
2H、ハロゲン、CN、アシル基、チオアシル基、エステル基、チオエステル
基、(C1−C6)アルコキシル基、(C1−C6)アリールオキシル基、(C1
6)アルキルチオ基、(C1−C6)アリールチオ基、(C1−C6)アルキル基
、(C1−C6)アルケニル基、(C1−C6)アルキニル基、(C3−C7)シクロ
アルキル基、(C6−C10)アリール基、(C6−C10)ヘテロアリール基、C(
=O)NRabまたはNRabであり、但し、RaおよびRbは、それぞれ独立し
て、水素、アシル基、(C1−C6)アルキル基、(C3−C7)シクロアルキル基
、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6−C10)ヘテロアリール基であり、
または、RaおよびRbは、それらが結合する窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジ
ノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノなどの環を形成し、共に、どんな2つ
のS1およびS2も環を形成でき、どんな2つの隣接置換基もそれらが結合する2
つの炭素の間に二重結合を形成できる。
【化5】
【化6】 上記式において、Rは水素結合基である。
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】 上記式において、 nおよびmは、同一または相違し、それぞれ独立して0から7の範囲であり、
1およびS2は、同一でも相違してもよく、それぞれ独立して、OH、SH、C
2H、ハロゲン、CN、アシル基、チオアシル基、エステル基、チオエステル
基、(C1−C6)アルコキシル基、(C1−C6)アリールオキシル基、(C1
6)アルキルチオ基、(C1−C6)アリールチオ基、(C1−C6)アルキル基
、(C1−C6)アルケニル基、(C1−C6)アルキニル基、(C3−C7)シクロ
アルキル基、(C6−C10)アリール基、(C6−C10)ヘテロアリール基、C(
=O)NRabまたはNRabであり、但し、RaおよびRbは、それぞれ独立し
て、水素、アシル基、(C1−C6)アルキル基、(C3−C7)シクロアルキル基
、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6−C10)ヘテロアリール基であり、
または、RaおよびRbは、それらが結合する窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジ
ノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノなどの環を形成し、共に、どんな2つ
のS1およびS2も環を形成でき、どんな2つの隣接置換基もそれらが結合する2
つの炭素の間に二重結合を形成できる。
【化11】 上記式において、 nおよびmは、同一または相違し、それぞれ独立して0から7の範囲であり、
1およびS2は、同一でも相違してもよく、それぞれ独立して、OH、SH、ま
たはCO2Hである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 ジャン、シャイ−タイ、エム. アメリカ合衆国、55113 ミネソタ州、ロ ーズヴィル、ブレナー 1415 Fターム(参考) 4C071 AA04 BB01 CC12 EE07 FF17 GG06 KK11 4C086 AA01 AA03 CA01 MA01 MA04 MA08 MA09 NA14 ZB26

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 式Iの構造を有する化合物: 【化1】 上記式において、X1、X2、およびX3は、同一または相違し、それぞれ独立し
    てO、C、またはSであり、 R1およびR2は、同一または相違し、それぞれ独立して、R1およびR2の両方が
    Hでないことを条件としてHであるか、または(C1−C8)アルキル基、(C1
    −C8)シクロアルキル基、(C1−C8)アルコキシル基、(C1−C8)アリー
    ルオキシル基、(C1−C8)アリールチオ基、(C1−C8)アリール基、(C1
    −C8)ヘテロアリール基、C(=)NRab、もしくはNRabであり、但し
    、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素、アシル基、(C1−C8)アルキル
    基、(C3−C7)シクロアルキル基、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6 −C10)ヘテロアリール基であり、または、RaおよびRbは、それらが結合する
    窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノな
    どの環を形成し、 nおよびmは、同一または相違し、それぞれ独立して0から7の範囲であり、 S1およびS2は、同一でも相違してもよく、それぞれ独立して、OH、SH、C
    2H、ハロゲン、CN、アシル基、チオアシル基、エステル基、チオエステル
    基、(C1−C6)アルコキシル基、(C1−C6)アリールオキシル基、(C1
    6)アルキルチオ基、(C1−C6)アリールチオ基、(C1−C6)アルキル基
    、(C1−C6)アルケニル基、(C1−C6)アルキニル基、(C3−C7)シクロ
    アルキル基、(C6−C10)アリール基、(C6−C10)ヘテロアリール基、C(
    =O)NRabまたはNRabであり、但し、RaおよびRbは、それぞれ独立し
    て、水素、アシル基、(C1−C6)アルキル基、(C3−C7)シクロアルキル基
    、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6−C10)ヘテロアリール基であり、
    または、RaおよびRbは、それらが結合する窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジ
    ノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノなどの環を形成し、共に、どんな2つ
    のS1およびS2も環を形成でき、どんな2つの隣接置換基もそれらが結合する2
    つの炭素の間に二重結合を形成できる。 【請求項2】 R1、R2、R3、およびR4の1つ以上が、OH基、SH基、C
    2H基、ハロゲン基、CN基、アシル基、チオアシル基、エステル基、チオエ
    ステル基から選択される少なくとも1つの官能基で置換される請求項1に記載の
    化合物。 【請求項3】 R1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つが芳香環を含む請
    求項1に記載の化合物。 【請求項4】 R1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つが水素結合できる
    基である請求項1に記載の化合物。 【請求項5】 前記基がチューブリンのN101、E411、K105、およ
    びH406から選択されるスポンギスタチン結合ポケットの1つ以上の残基と水
    素結合できる請求項4に記載の化合物。 【請求項6】 前記1つ以上の基がヒドロキシル基を含む請求項5に記載の化
    合物。 【請求項7】 R1、R2、R3、およびR4の1つ以上が、チューブリンのY1
    85、Y408、F399、F404、およびW407から選択されるスポンギ
    スタチン結合ポケットの1つ以上の疎水性残基と疎水性相互作用できる請求項1
    に記載の化合物。 【請求項8】 R1、R2、R3、およびR4の1つ以上が、チューブリンのY1
    85、Y408、F399、F404、およびW407から選択されるスポンギ
    スタチン結合ポケットの1つ以上の疎水性残基とファンデルワールス相互作用で
    きる請求項1に記載の化合物。 【請求項9】 R1、R2、R3、およびR4の1つ以上が−CH2OHである請
    求項1に記載の化合物。 【請求項10】 R1、R2、R3、およびR4の1つ以上が−(CH2nOHで
    ある請求項1に記載の化合物。 【請求項11】 R1、R2、R3、およびR4の1つ以上が−CH2CH2OPh
    である請求項1に記載の化合物。 【請求項12】 式IIの構造を有する化合物: 【化2】 上記式において、X1およびX2は、同一または相違し、それぞれ独立してO、C
    、またはSであり、 R1およびR2は、同一または相違し、それぞれ独立して、R1およびR2の両方が
    Hでないことを条件としてHであるか、または(C1−C8)アルキル基、(C1
    −C8)シクロアルキル基、(C1−C8)アルコキシル基、(C1−C8)アリー
    ルオキシル基、(C1−C8)アリールチオ基、(C1−C8)アリール基、(C1
    −C8)ヘテロアリール基、C(=)NRab、もしくはNRabであり、但し
    、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素、アシル基、(C1−C8)アルキル
    基、(C3−C7)シクロアルキル基、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6 −C10)ヘテロアリール基であり、または、RaおよびRbは、それらが結合する
    窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノな
    どの環を形成し、 nおよびmは、同一または相違し、それぞれ独立して0から7の範囲であり、 S1およびS2は、同一でも相違してもよく、それぞれ独立して、OH、SH、C
    2H、ハロゲン、CN、アシル基、チオアシル基、エステル基、チオエステル
    基、(C1−C6)アルコキシル基、(C1−C6)アリールオキシル基、(C1
    6)アルキルチオ基、(C1−C6)アリールチオ基、(C1−C6)アルキル基
    、(C1−C6)アルケニル基、(C1−C6)アルキニル基、(C3−C7)シクロ
    アルキル基、(C6−C10)アリール基、(C6−C10)ヘテロアリール基、C(
    =O)NRabまたはNRabであり、但し、RaおよびRbは、それぞれ独立し
    て、水素、アシル基、(C1−C6)アルキル基、(C3−C7)シクロアルキル基
    、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6−C10)ヘテロアリール基であり、
    または、RaおよびRbは、それらが結合する窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジ
    ノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノなどの環を形成し、共に、どんな2つ
    のS1およびS2も環を形成でき、どんな2つの隣接置換基もそれらが結合する2
    つの炭素の間に二重結合を形成できる。 【請求項13】 式VIの構造を有する請求項12に記載の化合物: 【化3】 上記式において、Rは水素結合基である。 【請求項14】式 IIIの構造を有する化合物: 【化4】 上記式において、X1およびX3は、同一または相違し、それぞれ独立してO、C
    、またはSであり、 R1およびR2は、同一または相違し、それぞれ独立して、R1およびR2の両方が
    Hでないことを条件としてHであるか、または(C1−C8)アルキル基、(C1
    −C8)シクロアルキル基、(C1−C8)アルコキシル基、(C1−C8)アリー
    ルオキシル基、(C1−C8)アリールチオ基、(C1−C8)アリール基、(C1
    −C8)ヘテロアリール基、C(=)NRab、もしくはNRabであり、但し
    、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素、アシル基、(C1−C8)アルキル
    基、(C3−C7)シクロアルキル基、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6 −C10)ヘテロアリール基であり、または、RaおよびRbは、それらが結合する
    窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノな
    どの環を形成し、 nおよびmは、同一または相違し、それぞれ独立して0から7の範囲であり、 S1およびS2は、同一でも相違してもよく、それぞれ独立して、OH、SH、C
    2H、ハロゲン、CN、アシル基、チオアシル基、エステル基、チオエステル
    基、(C1−C6)アルコキシル基、(C1−C6)アリールオキシル基、(C1
    6)アルキルチオ基、(C1−C6)アリールチオ基、(C1−C6)アルキル基
    、(C1−C6)アルケニル基、(C1−C6)アルキニル基、(C3−C7)シクロ
    アルキル基、(C6−C10)アリール基、(C6−C10)ヘテロアリール基、C(
    =O)NRabまたはNRabであり、但し、RaおよびRbは、それぞれ独立し
    て、水素、アシル基、(C1−C6)アルキル基、(C3−C7)シクロアルキル基
    、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6−C10)ヘテロアリール基であり、
    または、RaおよびRbは、それらが結合する窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジ
    ノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノなどの環を形成し、共に、どんな2つ
    のS1およびS2も環を形成でき、どんな2つの隣接置換基もそれらが結合する2
    つの炭素の間に二重結合を形成できる。 【請求項15】 式IVまたはVを有する請求項14に記載の化合物: 【化5】 【化6】上記式において、Rは水素結合基である。 【請求項16】 式VIの化合物: 【化7】 【請求項17】 式VIIの化合物: 【化8】 【請求項19】 式VIIIの化合物: 【化9】上記式において、 R1およびR2は、同一または相違し、それぞれ独立して、R1およびR2の両方が
    Hでないことを条件としてHであるか、または(C1−C8)アルキル基、(C1
    −C8)シクロアルキル基、(C1−C8)アルコキシル基、(C1−C8)アリー
    ルオキシル基、(C1−C8)アリールチオ基、(C1−C8)アリール基、(C1
    −C8)ヘテロアリール基、C(=)NRab、もしくはNRabであり、但し
    、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素、アシル基、(C1−C8)アルキル
    基、(C3−C7)シクロアルキル基、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6 −C10)ヘテロアリール基であり、または、RaおよびRbは、それらが結合する
    窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノな
    どの環を形成し、 nおよびmは、同一または相違し、それぞれ独立して0から7の範囲であり、 S1およびS2は、同一でも相違してもよく、それぞれ独立して、OH、SH、C
    2H、ハロゲン、CN、アシル基、チオアシル基、エステル基、チオエステル
    基、(C1−C6)アルコキシル基、(C1−C6)アリールオキシル基、(C1
    6)アルキルチオ基、(C1−C6)アリールチオ基、(C1−C6)アルキル基
    、(C1−C6)アルケニル基、(C1−C6)アルキニル基、(C3−C7)シクロ
    アルキル基、(C6−C10)アリール基、(C6−C10)ヘテロアリール基、C(
    =O)NRabまたはNRabであり、但し、RaおよびRbは、それぞれ独立し
    て、水素、アシル基、(C1−C6)アルキル基、(C3−C7)シクロアルキル基
    、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6−C10)ヘテロアリール基であり、
    または、RaおよびRbは、それらが結合する窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジ
    ノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノなどの環を形成し、共に、どんな2つ
    のS1およびS2も環を形成でき、どんな2つの隣接置換基もそれらが結合する2
    つの炭素の間に二重結合を形成できる。 【請求項14】 式IVの構造を有する化合物: 【化10】 上記式において、 nおよびmは、同一または相違し、それぞれ独立して0から7の範囲であり、 S1およびS2は、同一でも相違してもよく、それぞれ独立して、OH、SH、C
    2H、ハロゲン、CN、アシル基、チオアシル基、エステル基、チオエステル
    基、(C1−C6)アルコキシル基、(C1−C6)アリールオキシル基、(C1
    6)アルキルチオ基、(C1−C6)アリールチオ基、(C1−C6)アルキル基
    、(C1−C6)アルケニル基、(C1−C6)アルキニル基、(C3−C7)シクロ
    アルキル基、(C6−C10)アリール基、(C6−C10)ヘテロアリール基、C(
    =O)NRabまたはNRabであり、但し、RaおよびRbは、それぞれ独立し
    て、水素、アシル基、(C1−C6)アルキル基、(C3−C7)シクロアルキル基
    、(C6−C10)アリール基、もしくは(C6−C10)ヘテロアリール基であり、
    または、RaおよびRbは、それらが結合する窒素と共に、ピロリジノ、ピペリジ
    ノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノなどの環を形成し、共に、どんな2つ
    のS1およびS2も環を形成でき、どんな2つの隣接置換基もそれらが結合する2
    つの炭素の間に二重結合を形成できる。 【請求項15】 式Vの構造を有する化合物: 【化11】上記式において、 nおよびmは、同一または相違し、それぞれ独立して0から7の範囲であり、 S1およびS2は、同一でも相違してもよく、それぞれ独立して、OH、SH、ま
    たはCO2Hである。 【請求項16】 請求項1に記載の化合物と、担体とを含む組成物。 【請求項17】 請求項16、17、または18に記載の化合物と、担体とを
    含む組成物。 【請求項18】 チューブリンを請求項12または13に記載の化合物と接触
    させることを含む、チューブリンの重合を阻害するか、または脱重合を誘発する
    方法。 【請求項19】 チューブリンを請求項16、17、または18に記載の化合
    物と接触させることを含む、チューブリンの重合を阻害するか、または脱重合を
    誘発する方法。 【請求項20】 患者の細胞増殖性疾患を処置する方法であって、前記患者に
    請求項1に記載の化合物を投与することを含む方法。 【請求項21】 請求項1に記載の化合物を阻害量で前記腫瘍細胞に投与する
    ことを含む、腫瘍細胞の増殖を阻害する方法。 【請求項22】 患者の癌を処置する方法であって、前記患者に請求項1に記
    載の化合物を効果的な阻害量で投与することを含む方法。 【請求項23】 チューブリンのGDP/GTP結合部位に近接して位置する
    ポケットを含む、チューブリンのスポンギスタチン結合ポケットのモデルであっ
    て、前記ポケットはおよそ8オングストローム×18オングストローム×11オ
    ングストロームの寸法を有し、結合化合物との相互作用に利用できる複数の芳香
    族残基を前記ポケットに有するモデル。 【請求項24】 請求項23に記載のSP結合ポケットと有利に相互作用する
    ように構成され、配列された合成化合物。 【請求項25】 1つ以上の下記のチューブリンアミノ酸残基と有利に相互作
    用するように構成され、配列された請求項24に記載の化合物: Y108、W103、Y185、W407、Y408、F399、F404、F
    395、F418、およびH406。 【請求項26】 1つ以上の下記のチューブリンアミノ酸残基と有利に相互作
    用するように構成され、配列された請求項25に記載の化合物: W407およびF404。
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