JP2002519362A - 殺胞子性組成物 - Google Patents

殺胞子性組成物

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JP2002519362A JP2000557693A JP2000557693A JP2002519362A JP 2002519362 A JP2002519362 A JP 2002519362A JP 2000557693 A JP2000557693 A JP 2000557693A JP 2000557693 A JP2000557693 A JP 2000557693A JP 2002519362 A JP2002519362 A JP 2002519362A
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iodide
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JP2000557693A
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ウィルソン アッシュワース デイヴィッド
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クノル アクチエンゲゼルシヤフト
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N63/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing microorganisms, viruses, microbial fungi, animals or substances produced by, or obtained from, microorganisms, viruses, microbial fungi or animals, e.g. enzymes or fermentates
    • A01N63/50Isolated enzymes; Isolated proteins

Abstract

(57)【要約】 殺胞子性組成物は:a)少なくとも11.2mg/kgの合わせたアニオン質量濃度を有する、質量比0.1:1〜50:1の範囲のヨウ化物アニオンおよびチオシアネートアニオン;b)質量濃度が1〜10mg/kgの範囲のペルオキシダーゼ;かつc)質量濃度が0.5〜100g/kgの範囲の非酵素的過酸化物供与体を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ヨウ化物アニオンおよびチオシアネートアニオン、ラクトペルオキ
シダーゼおよび過酸化物を含有する、殺胞子性組成物に関する。
【0002】 幾つかの殺胞子性組成物が一般に使用されている。これらは、グルタルアルデ
ヒドおよびペルオキシ酸を含む。米国特許第4937072号明細書では、過酸
化物を生成する材料、ペルオキシダーゼおよびヨウ化物塩を含有する殺胞子性組
成物が開示されている。
【0003】 しかしながら、前記すべての組成物は作用速度または作用持続時間の点におい
て欠点を有する。研究は、迅速に胞子を死滅させ、かつさらに改善された長い作
用持続時間を有する殺胞子性組成物のために続けられている。
【0004】 ヨーロッパ特許第307376号明細書(EWOS AG)では、ヨウ化物およびラ
クトペルオキシダーゼおよび/または西洋わさびペルオキシダーゼならびに過酸
化水素供与体を含有する短期型微生物性組成物(a short-term microbiological
composition)を開示している。場合によっては、過酸化物供与体はグルコース
とグルコースオキシダーゼとの組み合わせ物であってもよいが、しかしながら、
特に過酸化マグネシウムまたは過酸化カルバミドであってもよい。グルコースオ
キシダーゼが含まれる場合には、約100U/lに過ぎないレベルで存在する。
組成物は細菌類に対してのみ有効であることが示され、かつ大気中で約24時間
に亘って活性状態にあることが記載されている。チオシアネートは組成物に添加
されてよいことが開示されているが、しかしながらこれは組成物の活性が減少す
るので、10ppmを上廻る濃度で使用すべきではないことが記載されている。
2つの比較例(例5および例6)が開示されており、この場合、これはチオシア
ネート40ppm、ヨウ化物100ppmおよびグルコースオキシダーゼ100
U/lを有するが、しかしながらこれは十分な抗菌作用を有しない。この文献中
には殺胞子作用に関する記載はない。
【0005】 本明細書中に参考のために記載されているヨーロッパ特許第514417B号
明細書(The Boots Company PLC)では、質量比が0.1:1〜50:1であり
、かつ合わせたアニオン質量濃度が少なくとも5mg/kgであるヨウ化物アニ
オンおよびチオシアネートアニオン、質量濃度が少なくとも0.2g/kgであ
るD−グルコースおよび有効量のオキシドレダクターゼ酵素グルコースオキシダ
ーゼを含有する抗菌性組成物が開示されている。この文献中には、細菌性胞子に
対する作用の開示はない。
【0006】 WO95/26137では、有効量のD−グルコースおよびグルコースオキシ
ダーゼを混合し、ヨウ化物イオンとチオシアネートイオンとの質量比が0.1:
1〜50:1であり、かつ合わせたアニオン質量濃度が少なくとも5mg/kg
である、ヨウ化物イオンおよびチアシアネートイオンの双方を含有する得られる
混合物を-10℃〜50℃の温度で、pH1〜8で、30分〜48時間に亘って
恒温保持し、この場合、この混合物中のグルコースオキシダーゼ濃度は少なくと
も150U/kgであり、次いでこの恒温保持した混合物を微生物を死滅させる
ために適用する、改善された死滅速度で微生物を死滅させる方法が開示されてい
る。この文献中で細菌性胞子に対する作用の開示はない。
【0007】 WO98/49272では、安定化された水性酵素濃縮組成物が開示されてお
り、この場合、これはa)ラクトペルオキシダーゼ1000〜1800U/ml
;b)グルコースオキシダーゼ1500〜2750U/ml;c)アルカリ金属
ハロゲン化物塩10〜20%w/v;およびd)組成物のpHが5.5〜6.5
の範囲である程度の量で存在するキレート剤を含有する。この文献中には細菌性
胞子に対する作用は開示されていない。
【0008】 驚くべきことに、迅速に死滅させることとその作用持続時間が公知の組成物よ
り長いこととを組み合わせた殺胞子性組成物が見出された。
【0009】 本発明は、 a)少なくとも11.2mg/kgの合わせたアニオン質量濃度を有する、質量
比0.1:1〜50:1の範囲のヨウ化物アニオンおよびチオシアネートアニオ
ン、この場合、この殺胞子性組成物は少なくとも10.1mg/kgのチオシア
ネートアニオンを含有し、 b)質量濃度1〜10mg/kgのペルオキシダーゼ c)質量濃度0.5〜100g/kgの非酵素的過酸化物供与体を含有する殺胞
子性組成物を提供する。
【0010】 組成物は水または他の適した担持剤を用いて100質量%までに作製されるで
あろうことが認識される。
【0011】 ヨウ化物アニオンおよびチオシアネートアニオンの双方は本発明による組成物
の本質的な成分であることが見出された。ヨウ化物アニオンおよびチオシアネー
トアニオンは、一般に塩の形で本発明による組成物中に含まれる。適したヨウ化
物塩はアルカリ金属塩、例えばヨウ化カリウムおよびヨウ化ナトリウムおよびこ
れらの混合物を含む。適したチオシアネートの塩は例えばチオシアネートのカリ
ウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、鉄塩および銅塩ならびにこれらの混合
物を含む。好ましくはヨウ化物アニオンの質量濃度は少なくとも5mg/kgで
あり、かつチオシアネートアニオンの質量濃度は少なくとも12mg/kgであ
る。ヨウ化物アニオン:チオシアネートアニオンの質量比は好ましくは0.2:
1〜20:1の範囲であり、より好ましくは0.5:1〜15:1、特には1:
1〜5:1の範囲であり、かつ合わせたアニオン質量濃度は好ましくは少なくと
も15mg/kgである。
【0012】 ペルオキシダーゼはラクトペルオキシダーゼ、ミエロペルオキシダーゼ、西洋
ワサビペルオキシダーゼまたは他の適したペルオキシダーゼから選択される。ラ
クトペルオキシダーゼが特に好ましい。ラクトペルオキシダーゼはE.C.1.
17.1.7(IUPAC)として分類され、かつ本明細書中では国際単位(p
H7.0で25℃で1分間当たりH1.0μモルの還元を触媒するのに必
要な酵素量)で定義されている。ラクトペルオキシダーゼは多くの出所、例えば
DMVインターナショナル(200U/mg)から市販されている。例えばこれ
は凍結乾燥粉末の形でか、あるいは例えば水性塩溶液、例えば1.8%NaCl
または12%NaCl中に提供されてもよい。
【0013】 本明細書に関連するすべての酵素活性の単位(U)は、最適条件下で25℃で
1分間当たり基質1.0μモルの変換を触媒するのに必要な酵素量として定義さ
れている活性の国際単位に該当する。本明細書に関連するすべての濃度は、最終
使用濃度で、組成物1kgまたは1l当たりの量に該当する。
【0014】 本発明の組成物は、組成物kg/l当たりラクトペルオキシダーゼ10U〜1
0000U、より好ましくは400U〜4000Uである。
【0015】 適した非酵素的過酸化物供与体は過酸化水素であるか、あるいは水性溶液中で
過酸化水素を生成する化合物、例えば金属過酸化物、金属パーカルボネート、金
属パーボラート、金属パースルフェート、金属パーホスフェートおよび金属ペル
オキソ酸である。好ましくは非酵素的過酸化物供与体は過酸化水素である。
【0016】 本発明の組成物は、好ましくは過酸化物供与体1.0〜100g/kg、例え
ば0.5〜50g/kg、例えば4〜16g/kg、さらに好ましくは1g〜1
0g/kgであり、かつ最も好ましくは0.6〜1.2g/kgを含む。
【0017】 本発明の殺胞子性組成物は、有効な殺胞子活性を必要とする広い種類の製品の
活性成分を提供することができる。このような製品の例は: a)例えば局所的投与のためのロールオン(roll-on)製剤またはステック調剤
の形での消臭剤; b)例えばローションの形での抗菌皮膚洗浄剤; c)ローションまたはクリームの形での抗アクネ製剤; d)ローションの形での水虫製剤; e)シャンプーまたはローションの形での抗フケ製剤; f)歯科用製剤、例えば一般口腔衛生学のために適しており、特に抗プラーク性
質有するマウスウオッシュおよび歯磨き剤、例えば練り歯磨き、歯磨き粉、チュ
ーインガムならびに口内錠; g)含浸された材料、例えば創傷包帯、縫合糸およびデンタルフロス; h)医薬品、例えば創傷洗浄剤および熱傷治療剤、下痢止め剤ならびに例えばカ
ンジタおよび白癬感染の治療に適した医薬品; i)眼科用製剤、例えばアイウオッシュおよびコンタクトレンズのすすぎおよび
/または滅菌のための溶液;および j)ほ乳瓶、手術用器具または歯科用器具および医療装置のための消毒薬 k)表面汚染を抑制するための消毒薬 l)調理のための消毒 m)食料品の収穫後(post harvest)処理 n)例えば水のための飲料水処理 o)衣料品の消毒 p)電気化学的工業において使用するための溶液および材料の消毒 q)消毒ふきん r)運搬可能なトイレで使用する消毒剤 本発明における殺胞子性組成物の手術器具および他の医療装置の消毒における
使用は特に有利である。広域スペクトルの殺胞子作用はこのような製品に本質的
に要求されるものであり、それというのも微生物の特別な群に対する特異性は、
他の日和見性胞子を繁栄させ、一つまたはそれ以上の特異型の胞子による深刻な
感染を生じさせるからである。
【0018】 本発明で使用される“活性”である典型的な組成物は: A)10〜500mg/kg、好ましくは25〜300mg/kgのヨウ化物ア
ニオン; B)15〜200mg/kg、好ましくは20〜150mg/kgのチオシアネ
ートアニオン; C)質量濃度が2〜20mg/kgの範囲のラクトペルオキシダーゼおよび D)質量濃度が1g/kg〜10g/kgの範囲の過酸化水素を適した担持剤ま
たは賦形剤と組み合わせて含有し、この場合、ヨウ化物アニオン:チオシアネー
トアニオンの質量比は、0.2:1〜20:1、好ましくは0.5:1〜15:
1、より好ましくは1:1〜5:1であり、かつ合わせたアニオン質量濃度は、
少なくとも25mg/kg、好ましくは25〜500mg/kgである。
【0019】 本発明の組成物は、望ましい場合には、それらの殺胞子作用を補うか強化させ
る他の薬剤、例えば他の酵素、例えばラクトフェリンまたは塩、例えば塩化カル
シウムを含んでいてもよい。好ましくはラクトフェリンは組成物の0.01〜1
0質量%の範囲およびより好ましくは1〜5%の範囲の濃度で使用される。
【0020】 殺胞子作用は抗酸化作用を有する薬剤の添加によって増強されてもよい。
【0021】 典型的な抗酸化剤は、例えばブチル化されたヒドロキシアニソール、ブチル化さ
れたヒドロキシトルエン、α−トコフェノールおよびこれらのエステル、アスコ
ルビン酸、その塩およびエステル、没食子酸、その塩およびエステル、例えばプ
ロピルガレート、キノン例えば2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、プロポ
リス、フラベノイド(flavenoid)含有材料、例えばケルセチン、硫黄含有材料
、例えばジラウリル−3,3−チオジプロピオネートおよびジステアリル−3,
3−チオジプロピオネート、およびこれらの混合物を含む。好ましい抗酸化剤は
、ブチル化されたヒドロキシアニソール、ブチル化されたヒドロキシトルエン、
α−トコフェノールおよびそれらのエステルならびにアスコルビン酸、これらの
塩およびエステルから、好ましくは少なくとも1mg/kg、より好ましくは少
なくとも50mg/kgの質量濃度で選択される。α−トコフェノールおよびこ
れらのエステルを“天然の(natural)”抗酸化剤として使用することは特に好
ましい。
【0022】 さらに、本発明の組成物は、一つまたはそれ以上の他のキレート剤、例えばエ
チレンジアミンテトラ(メチレンホスホン)酸(EDTMP)またはジエチレントリ
アミンペンタ(メチレンホスホン)酸(DTPMP)を含む。これらのキレート剤は
金属イオン、例えば鉄イオン、銅イオンおよびマンガンイオンを封鎖するとされ
ており、この場合、これは過酸化水素分解を促進することが公知である。
【0023】 適した組成物のpHは1〜10の範囲である。好ましくはpHは2〜9の範囲
であり、かつより好ましくは3〜8の範囲である。組成物のpHは当業者に公知
の適した緩衝液を添加することによって望ましいpHに維持されてもよい。
【0024】 本発明による組成物は、本明細書中で記載されているように活性状態での使用
のために適した濃縮の形で提供されてもよい。したがって、濃縮された組成物は
、濃縮物のkgまたはlに対して相対的な割合で、成分A:B:C:Dを含有し
ていてもよい。
【0025】 (A)ヨウ化物アニオン0.75〜9g: (B)チオシアネートアニオン0.3〜4.5g: (C)ラクトペルオキシダーゼ0.03〜0.3g: (D)非酵素的過酸化物供与体30〜300g。
【0026】 他の形態において、本発明は一連の成分を含有する、濃縮され実際には非反応
性の形で殺胞子性組成物を提供し、この場合、この過酸化物供与体は、ヨウ化物
アニオンおよびチオシアネートアニオンの混合物ならびにラクトペルオキシダー
ゼとは分けられており、その後使用前に混合される。
【0027】 前記の方法で使用するための包装された化学組成物の形で器具は提供され、こ
の場合、この器具は: a)ヨウ化物アニオン、チオシアネートアニオンおよびラクトペルオキシダーゼ
の第1溶液を含む第1溜め; b)過酸化物供与体の第2溶液を含む第2溜め; c)前記の第1溜めおよび第2溜めと接続されているインキュベーションチャン
バー;および d)調整された量の第1溶液および第2溶液を前記インキュベーションチャンバ
ーに装入し、殺胞子性組成物を使用できる状態に調製および恒温保持する器具を
含む。
【0028】 一般に、1として示された包装された殺胞子性組成物は、第1溜め2および第
2溜め3を有する。溜めはおおよそ等しい寸法であり、かつ一般には管状の形を
している。溜めの壁面4、5は弾力のあるポリエチレンから作られているが、し
かしながら望ましい場合には、他の弾力性の材料、例えばポリ塩化ビニル(PV
C)またはポリエチレンテレフタレート(PET)もまた使用されることも認め
られる。壁面は、破損の危険性を回避するために十分な強さがあるが、しかしな
がら使用において内容物を“絞り出す”のに十分な柔軟性を有する。
【0029】 溜めの片方2は、前記第1溶液を収容しており、かつ他方の溜め3は前記第2
溶液を収容している。溜め2、3は実際には、内容物それぞれがもう一方へ漏出
しない程度に封止されている。好都合には、これらの溜めは1カ所でポリエチレ
ンウェブ6によって溶接されており、この場合、このウェブは溜めの壁面4、5
とつながれている。溜めの壁面は、一つの溜めを変形させることが可能な程度に
、例えば望ましい場合には他方を変形させことなく“絞り出す”によって、別個
に変形可能である。
【0030】 溜めの下端部は、包装物が直立できるように底板7が備えられている。溜め2
、3の上端部は圧縮され、剛性の非弾性ポリエチレンから作られたネックピース
9によって閉塞されたネック8を形成している。ネック8およびネックピース9
は球状インキュベーションチャンバー10を支持している。インキュベーション
チャンバー10はその上端部で第2ネック11を備えるために狭隘化され、この
場合、このネック11は、ねじ蓋を備えたボトルネックの形式でねじ山を備えて
おり、使用しない場合には包装物を閉じることができるねじ蓋12と接続される
【0031】 ポリエチレン管13、14は実際にそれぞれ2個の溜めの底部から、ネックピ
ース9の穴を通して締まりばめを形成しながらインキュベーションチャンバー1
0の底部まで延ばす。管13、14は、通常の保存の間に、溜め2、3の内容物
がインキュベーションチャンバー10へ著しく漏出するのを防ぐのに十分な細さ
である。生じうるこのような漏出はキャップ12によって阻止されている。しか
しながら、蓋12が取り除かれ、かつ溜め壁面の一つまたは双方が、例えば“絞
り出し”によって変形される場合には、溜め内容物の一部分は管13または14
に、生じた圧力によって押し上げられ、インキュベーションチャンバー10に押
入れられる。
【0032】 使用において、溜め内容物の調整された混合は、溜めそれぞれを順にか、およ
び/または同時におおよそ等量を絞り出すことによって、等量の溜め溶液をイン
キュベーションチャンバー10に装入することが達成される。表示15はインキ
ュベーションチャンバー10の壁面に備えられ、混合されるべき量の測定を補助
する。インキュベーションチャンバーの壁面は測定プロセスを補助するために、
輸送可能な/半透明のポリエチレンから作られているが、しかしながらこれは絶
対的なことではなく、不透明なプラスチック材料が使用されてもよいことが認め
られるであろう。蓋12はその後に交換されてもよく、かつ器具1は混合プロセ
スを完全にするために穏やかに振盪されてもよい。得られる混合物は直接的に使
用されるか、あるいは望ましい時間、典型的には5〜10分間恒温保持したまま
にしておく。
【0033】 恒温保持の後に、蓋12を取り除き、かつ恒温保持された殺胞子性混合物を望
ましい方法で使用する。
【0034】 組成物が等しい割合で混合されない場合には、溜めは相当するふぞろいの寸法
で作られてもよく、かつ器具の他部分に関して相当する改変は適切になされても
よい。したがって、第2溶液1部に対して第1溶液が4部必要である場合には、
次いで第1溶液を収容している溜めは望ましい量の混合物がインキュベーション
チャンバー10中に生じるまで、第2溶液を収容している溜めよりも4倍多く絞
り出される。二者択一的にかまたは付加的に、表示15は必要とされる割合を測
定するために使用することができる。
【0035】 適切な割合で成分を混合するための使用説明は、通常は器具に備えられている
か、好ましくは包装物自体に印刷することによって提供されてもよい。
【0036】 広範の形態において、本発明は、本明細書中で殺胞子性組成物として記載され
た組成物の使用を含む。他の形態において、本発明は、本発明の組成物に胞子を
さらすことを含む殺胞子法を提供する。他の形態において、本発明はヨーロッパ
特許第514417B明細書中に開示された組成物に胞子をさらすことを含む殺
胞子法を提供する。
【0037】 例 例1(LPS−HP8000) クエン酸3ナトリウム塩(44.12g)を蒸留水(900ml)中に溶解し
、かつ攪拌しながらクエン酸を添加することによってpH5に調整する。量は蒸
留水を用いて1.5lにした。
【0038】 要求されるラクトペルオキシダーゼの量は、酵素活性(単位/mgとして表さ
れた)のためのアッセイ結果(WO98/49272に記載されたように実施す
る)を用いて次の数式を用いて算定された:
【0039】
【数1】
【0040】 ラクトペルオキシダーゼの必要量を、攪拌しながら緩衝液(900ml)に添
加した。混合物を15分間に亘って攪拌した。ヨウ化カリウム溶液[クエン酸緩
衝液(100ml)中でヨウ化カリウム(0.73g)を溶解させることによっ
て製造された溶液10ml]およびナトリウムチオシアネート溶液[クエン酸緩
衝液(100ml)中でナトリウムチオシアネート(0.47g)を溶解するこ
とによって製造された溶液10ml]を添加し、かつこの混合物を2分間に亘っ
て攪拌した。過酸化水素溶液(30%溶液26.67ml)を添加し、かつこの
溶液をクエン酸緩衝液を用いて1lにした。溶液を5分間に亘って攪拌し、かつ
必要である場合にはpHをクエン酸で調整した。混合物を室温でポリエチレン容
器中に保存した。
【0041】 異なるレベルの過酸化水素溶液を用いての比較例1の試験工程 枯草菌(B. Subtilis)胞子懸濁液は、1週間目の培養物を遠心洗浄し、かつ
McFarland2に希釈することで、約10〜10cfu/mlに調製
された。例1の溶液および過酸化水素溶液(0.8%、1%、2%および4%)
を殺胞子試験の1日前に調製した。
【0042】 殺胞子試験を次のように実施した: 重複する10ml容量のそれぞれの溶液(およびコントロールとしての滅菌蒸
留水)を胞子懸濁液0.1mlで接種した。0.3〜5時間の接触時間で、1m
lをレーテン培地(Letheen broth)9ml中に入れ、かつこの重複する0.1
ml容量をバクトメーター★★ウェル中の汎用媒地(GPM)1mlに入れた
。試験試料をバクトメーター中で37℃で24時間に亘って恒温保持した。また
、他のコントロール群は、胞子懸濁液の1/1000希釈液(10〜10
fu/ml)0.1mlで接種した重複する滅菌蒸留水10mlで実施した。
【0043】★★ ビオメリックス ビテク バクトメーター(The bioMerieux Vitek Bactome
ter)は微生物の存在を迅速に検出するために電気的シグナル(インピーダンス
の場合)を使用した。
【0044】 結果 結果はチャート図の形(図3)でそれぞれの溶液に関する検出時間の平均とし
て表されている。検出時間が長くなればなるほど胞子の数は少なくなる。24時
間よりも長い検出時間は全量を死滅させること(または存在するきわめて少なく
生存胞子を全て抑制すること)に貢献するようである。
【0045】 4%w/w過酸化水素溶液は直ちに全量を死滅させる。5時間の接触時間で、
例1の組成物および2%過酸化水素溶液の双方は、それぞれ19.1および21
.9時間の検出時間でほとんど全量を死滅させることが明かにされた。この結果
において、0.8%w/wおよび1%w/w過酸化水素溶液では、2〜3log
の減少のみが明かにされた(コントロール群を基にした近似値)。これらの結果
は、ラクトペルオキシダーゼ、チオシアネートおよびヨウ化物の過酸化水素溶液
への添加が、活性を増強させることを証明している。5時間を超えると、800
0ppm(0.8%w/w)Hを含有するラクトペルオキシダーゼ系は、
1%w/wH溶液を上廻る活性を示し、かつ5時間で、2%w/wH 溶液とほとんど同等に死滅させることが明かにされた(図3参照)。
【0046】 例2 本発明の適した濃縮組成物の例は、製剤の性質に依存する最終的な濃縮物のk
gなたはlに対してそれぞれの組成物をグラムによって以下に記載した。
【0047】 過酸化水素 200g ラクトペルオキシダーゼ 0.25g ナトリウム チオシアネート 2.1g ヨウ化カリウム 3.3g 最終的な活性殺胞子性組成物を得るために、この濃縮物を使用前に500部の
水に対して濃縮物の1部の割合で希釈した。
【0048】 本発明による特別な組成物の抗菌作用は、次のように明らかにされた:組成物
のアリコート10mlを1×10枯草菌(Bacillus subtilis)(NCTC 10073
)胞子懸濁液100μlで接種した。接種した組成物のアリコート1mlを0.
5時間および24時間で取り除きレーテンブロスに入れた。この接種したレーテ
ンブロスのアリコート0.1mlをGMP媒地中に移し、生存検出のためにバ
クトメーター中に入れた。Log生存率は検出時間によって表されてもよい。発
生を検出するのにかかる時間に注目した。組成物と相当するコントロール群との
間の検出時間を比較した。
【0049】 結果は図4に示した。プロットはチオシアネート含有組成物(HP4000)
およびチオシアネート不含組成物(HP4−SCN)の結果を示す。これらの結
果は、胞子に対するチオシアネート含有組成物の作用のより長い作用持続時間を
明かにした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による包装された化学組成物の図2の線I−Iに沿っての側面図。
【図2】 本発明による包装された化学組成物の図1の線II−IIに沿っての平面図。
【図3】 種々の過酸化水素レベルによるLPS−HP8000の殺胞子作用を示す線図
【図4】 チアネート含有組成物またはチアネート不含組成物の比較を示す線図。
【符号の説明】 1 包装された殺胞子性組成物、 2 第1溜め、 3 第2溜め、 4 溜
め壁面、 5 溜め壁面、 6 ポリエチレンウェブ、 7 底板、 8 ネッ
ク、 9 ネックピース、 10 インキュベーションチャンバー、 11 第
2ネック、 12 ねじ蓋、 13 ポリエチレン管、 14 ポリエチレン管
、 15 表示

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)少なくとも11.2mg/kgの合わせたアニオン質量
    濃度を有し、質量比が0.1:1〜50:1の範囲であるヨウ化物アニオンおよ
    びチオシアネートアニオン、この場合、この殺胞子性組成物は少なくとも10.
    1mg/kgのチオシアネートアニオンを有し、 b)質量濃度が1〜10mg/kgの範囲であるペルオキシターゼ、かつ c)質量濃度が0.5〜100g/kgの範囲である非酵素的過酸化物供与体を
    含有する殺胞子性組成物。
  2. 【請求項2】 ペルオキシダーゼがラクトペルオキシダーゼである、請求項
    1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 過酸化物供与体が過酸化水素である、請求項1に記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 殺胞子性組成物に対するヨウ化物アニオンの質量濃度が少な
    くとも5mg/kgであり、かつチオシアネートアニオンの質量濃度が少なくと
    も12mg/kgである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の殺胞子性
    組成物。
  5. 【請求項5】 ヨウ化物アニオン:チオシアネートアニオンの質量比が0.
    2:1〜20:1である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 (A)ヨウ化物アニオン25〜300mg/kg (B)チオシアネートアニオン20〜150mg/kg (C)ラクトペルオキシダーゼ1〜10mg/kg (D)過酸化水素1〜10g/kg を、ヨウ化物アニオン:チオシアネートアニオンの質量比が0.1:1〜50:
    1であり、かつ合わせたアニオン質量比が少なくとも15mg/kgである程度
    に、適した担持剤または賦形剤と組み合わせて含有する、請求項1に記載の殺胞
    子性組成物。
  7. 【請求項7】 ヨウ化物アニオン:チオシアネートアニオンの質量比が0.
    2:1〜20:1である、請求項6に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 合わせたアニオンの質量濃度が25〜200mg/kgであ
    る、請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 濃縮され、かつ実際に未反応の形で存在する、請求項1から
    8までのいずれか1項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1から8までのいずれか1項に記載の組成物に胞子
    をさらす、殺胞子方法。
  11. 【請求項11】 手術用器具および他の医療装置の消毒における、請求項1
    から8までのいずれか1項に記載の組成物の使用。
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