JP2002519067A - メチロトローフ酵母由来のホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子 - Google Patents

メチロトローフ酵母由来のホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、メチロトローフ酵母由来のホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子(FLD)を提供する。FL 構造遺伝子は、ホルムアルデヒドに対する耐性を付与し、それ故、メチロトローフ酵母の選択マーカーとして有用である。FLDプロモーター配列は、唯一の炭素源としてのメタノール(窒素源としての硫酸アンモニウムと共に)または唯一の窒素源としてのメチルアミン(炭素源としてのグルコースと共に)により強力かつ独立的に誘導される。メタノール、メチルアミンまたは両方下での誘導は、一般的に使用されるアルコールオキシダーゼI遺伝子プロモーター( AOX1 )で得られるものと同等の異種遺伝子発現レベルを提供する。Pichi pastoris FLD1 )のFLDプロモーターは、pastorisでの外来遺伝子発現用の AOX1 の魅力的な代替物であり、同発現株内での炭素(メタノール)または窒素(メチルアミン)源による調節を可能とする。FLD遺伝子プロモーターおよび3’終結配列を含む、酵母株、発現カセット、発現ベクターおよび宿主細胞も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) Pichiaは、工業的および学術的関心の高い異種タンパク質の産生に広く
使用されるメチロトローフ酵母である(Cregg、1998;Higgins
およびCregg、1988)。FLDは、炭素およびエネルギー源としてのメ
タノールの利用に重要な酵素である(Veenhuisら、1983)。メチロ
トローフ酵母では、メタノール代謝経路は、ほぼ同一であると考えられ、ペルオ
キシソームと呼ばれる細胞小器官に隔離された過酸化水素産生オキシダーゼのア
ルコールオキシダーゼ(AOX)によるメタノールのホルムアルデヒドへの酸化
で開始される。次いで、過酸化水素は、古典的ペルオキシソームマーカー酵素の
カタラーゼにより、酸素および水に分解される。得られたホルムアルデヒドの一
部が、キシルロース−5’−1リン酸と、第三のペルオキシソームメタノール経
路酵素である、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(DAS)により触媒される反
応で縮合する。この反応の生成物のグリセルアルデヒド−3−リン酸(GAP)
およびジヒドロキシアセトンは、次いで、ペルオキシソームを出て、キシルロー
ス−5’−1リン酸を再生し、また3回のサイクル毎に正味1分子のGAPも産
生する回路に入る。GAPは、細胞増殖のための炭素骨格の生合成に使用される
。別の部分のホルムアルデヒドはペルオキシソームを出て、ホルムアルデヒドデ
ヒドロゲナーゼ(FLD)により蟻酸に酸化され、次いで、蟻酸デヒドロゲナー
ゼ(FDH)により二酸化炭素に酸化される。これらの両方の反応が、NADH
形の還元力を産生する。FLD機能の1つのモデルは、FLDおよびFDHによ
り産生されたNADHが、メタノール上での増殖中の基本的なエネルギー源とし
て作用する(Veenhuisら、1983)。第二モデルは、メタノール増殖
のためのほとんどのエネルギーは、TCA回路の酵素による、1つ以上のキシル
ロース−5’−1リン酸サイクル中間体の酸化から生じること、およびFLDの
基本的役割は、培地中の過剰のメタノールと共に蓄積する毒性ホルムアルデヒド
から細胞を保護することであることを提唱する(Sibirnyら、1990)
【0002】 メタノールに加えて、FLDはまた、唯一の窒素源としてのあるメチル化アミ
ン(例えばメチルアミンおよびコリン)の代謝にも関与している(Zwartら
、1980)。この経路では、アミン基が、最初にペルオキシソームアミンオキ
シダーゼにより遊離され、ホルムアルデヒドを放出し、これはさらにFLDおよ
びFDHにより酸化される。唯一の窒素源としてのメチルアミン上で増殖させる
と、高レベルのFLDが過剰のグルコースの存在下でさえ誘導される。従って、
メチルアミン代謝におけるFLDの基本的な役割は、ホルムアルデヒドの毒性作
用から細胞を保護することであって、炭素またはエネルギーを産生することでは
ないようである。
【0003】 FLD合成は、唯一の炭素源およびエネルギー源としてのメタノールまたは唯
一の窒素源としてのメチルアミンに対する応答において独立的に調節されている
。従って、例えば、グルコースおよびアンモニウムイオン含有培地上で増殖して
いる細胞でのみ低いレベルのFLDが観察され、一方、メタノール−アンモニウ
ムイオンまたはグルコース−メチルアミン培地上では、FLDレベルは高い。
【0004】 Pichia系では、ほとんどの外来遺伝子が、pastorisアルコ
ールオキシダーゼ1遺伝子プロモーター( AOX1 )の転写調節下で発現され
、その調節特徴は、この目的によく適している。このプロモーターは、グルコー
ス、グリセロール、またはエタノールなどのほとんどの一般的な炭素源上での酵
母の増殖中には堅く抑制されているが、メタノール上での増殖中は高度に誘導さ
れている(Tschoppら、1987;Stroman,D.W.らの米国特
許第4,855,231号)。外来タンパク質の産生のために、 AOX1 制御
発現株を、最初に抑制炭素源上で増殖させてバイオマスを産生させ、次いで、唯
一の炭素およびエネルギー源としてのメタノールに切り替え、外来遺伝子の発現
を誘導する。 AOX1 調節系の1つの利点は、遺伝子発現産物が細胞に毒性で
ある外来遺伝子で形質転換したpastoris株を、抑制条件下で増殖さ
せることにより維持できることである。
【0005】 多くのタンパク質が、 AOX1 を使用して成功裡に産生されてきたが、この
プロモーターは、全ての設定で適切または簡便であるわけではない。例えば、振
盪フラスコ培養物では、メタノールは急速に蒸発し、メタノール濃度を監視し、
化合物を繰返し培地に加えることは不便である。さらに、大量で高密度の発酵層
培養物中での AOX1 制御発現株の増殖および誘導に必要な大量のメタノール
の貯蔵は、火事の危険性がある。それ故、転写的に効率的で、かつより揮発性お
よび可燃性の低い誘導物質により調節可能な AOX1 に替わるプロモーターが
必要である。本発明は、両方の特性を有するpastorisおよびHan
senula polymorphaホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子
FLD)プロモーターを提供する。
【0006】 さらに、抗生物質耐性遺伝子である選択マーカー以外の、メチロトローフ酵母
で機能する選択マーカーが必要である。現在、Zeo 遺伝子のみを、その遺伝
子型に関係なくpastoris株に形質転換するのに使用できる。さらに
Zeo は、複数のコピーの発現ベクターを受容するpastoris
を直接選択(選択培地中のゼオシン(Zeocin)の濃度を増加させることに
より)するために使用できる唯一の遺伝子である。抗生物質G418に耐性を付
与する第二の遺伝子(G418 )を使用して、pastorisの複数コ
ピー発現株をスクリーニングできるが、その使用には、栄養要求性/生合成遺伝
子選択マーカーも形質転換体を選択するためにベクターに含めなければならない
ことが要求される。本発明のFLD構造遺伝子は、メチロトローフ酵母細胞で選
択マーカーとして使用し得、抗生物質に対する耐性は付与しない。
【0007】 (発明の概要) 本発明は、メチロトローフ酵母由来のホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝
子(FLD)を含む単離核酸配列に関する。本発明の1つの実施形態において、
単離核酸は、低ストリンジェントな条件下で、配列番号1、配列番号5に示した
ヌクレオチド配列、または配列番号1または5に示した配列に相補的な配列の少
なくとも1つにハイブリッド化する配列を含む。
【0008】 図7に示した制限地図を有するPichia pastoris由来のFLD
遺伝子(FLD1)および図10の斜交平行線模様領域に示した制限地図を有す
Hansenula polymorpha由来のFLD遺伝子も提供される
【0009】 本発明の1つの実施形態において、配列番号5に示したヌクレオチド配列と比
較すると、約70%から約85%の配列相同性をもつコード配列を有するメチロ
トローフ酵母由来のFLD遺伝子を含む単離核酸が提供される。本発明の別の実
施形態において、配列番号5に示したヌクレオチド配列と比較すると、約85%
から約95%の配列相同性もつコード配列を有するメチロトローフ酵母由来の
LD遺伝子を含む単離核酸が提供される。さらに別の実施形態において、配列番
号5に示したヌクレオチド配列と比較すると、約95%以上の配列相同性もつコ
ード配列を有するメチロトローフ酵母由来のFLD遺伝子を含む単離核酸が提供
される。配列番号1または配列番号5に示した配列を含む単離核酸も提供される
【0010】 本発明はまた、FLDプロモーターを含むメチロトローフ酵母由来の単離核酸
も提供する。このプロモーターは、配列番号5に示したFLDコード配列のヌク
レオチド配列と比較すると、約70%から約85%の配列相同性をもつコード配
列を有するFLD遺伝子の翻訳開始コドンの上流に位置する。別の実施形態にお
いて、配列番号5に示したFLDコード配列のヌクレオチド配列と比較すると、
約85%から約95%の配列相同性もつコード配列を有するFLD遺伝子由来の FLD プロモーターを含むメチロトローフ酵母由来の単離核酸が提供される。好
ましい実施形態において、プロモーターは、配列番号5に示したFLDコード配
列のヌクレオチド配列と比較すると、約95%以上の配列相同性もつコード配列
を有するFLD遺伝子由来である。特に例示されるのは、配列番号3に示される
配列を含むPichia pastoris FLD1プロモーターである。
【0011】 また本発明により、メチロトローフ酵母由来のFLD3’終結配列を含む単離
核酸が提供される。3’終結配列は、配列番号5に示したFLDコード配列のヌ
クレオチド配列と比較すると、約70%から約85%の配列相同性をもつコード
配列を有するFLD遺伝子の翻訳終止コドンの下流に位置する。本発明の別の実
施形態において、配列番号5に示したFLDコード配列のヌクレオチド配列と比
較すると、約85%から約95%の配列相同性もつコード配列を有する遺伝子由
来のFLD3’終結配列を含む単離核酸が提供される。本発明の好ましい実施形
態において、配列番号5に示した配列と比較すると、約95%以上の配列相同性
もつコード配列を有する遺伝子由来のFLD3’終結配列を含む単離核酸が提供
される。
【0012】 また、FLD遺伝子を含む単離核酸が提供され、ここでの該FLD遺伝子は、
配列番号2に示したアミノ酸配列と比較すると、約30%から約49%、または
約50%から約90%、または約90%以上のアミノ酸配列同一性を有する産物
をコードする。
【0013】 さらに、本発明はまた、FLD遺伝子由来のプロモーター、コード配列または
3’終結配列の少なくとも1つを含む単離核酸を提供し、ここでの該FLD遺伝
子は、配列番号2に示したアミノ酸配列と比較すると約30%から約49%、ま
たは約50%から約90%、または約90%以上のアミノ酸配列同一性を有する
産物をコードする。
【0014】 さらに、本発明は、主題の単離核酸を含む発現カセット、ベクターおよび宿主
細胞を提供する。
【0015】 また本発明により、メチロトローフ酵母において異種遺伝子の発現を指令する
方法が提供される。該方法は、メチロトローフ酵母細胞に、メチロトローフ酵母
から単離したFLDプロモーターを含む単離核酸を導入することを含み、ここで
の該プロモーターは、その3’末端で、異種遺伝子の5’末端に作動可能に連結
し、該異種遺伝子は、その3’末端で、メチロトローフ酵母で機能する終結配列
の5’末端に作動可能に連結している。メチロトローフ酵母細胞は、グリセロー
ルまたはグルコースなどの適切な炭素源を有するおよびアンモニウム塩または水
酸化アンモニウムなどの適切な窒素源を有する培地で増殖させる。炭素または窒
素源が枯渇した後、該異種遺伝子の発現を、メタノールまたはメチルアミンまた
はメタノールおよびメチルアミンの両方の添加により誘導する。発現は、ホルム
アルデヒド、蟻酸、またはメチル化アミンの添加によっても誘導され得る。
【0016】 ホルムアルデヒド耐性宿主細胞を選択する方法も本発明により提供される。該
方法は、メチロトローフ酵母細胞を、FLD遺伝子を含むベクターで形質転換さ
せることを含み、該FLD遺伝子は、その5’末端で、該酵母細胞で機能する
LDプロモーターまたは異種プロモーターに作動可能に連結し、該FLD遺伝子
は、その3’末端で、該酵母細胞で機能する3’終結配列に作動可能に連結して
いる。宿主細胞を、ホルムアルデヒドの存在下で増殖させ、ホルムアルデヒドの
存在下で増殖する酵母細胞を選択する。
【0017】 本発明はまた、Pichia pastoris GS241(fld1−1
)などのFLD遺伝子(fld)の欠損したメチロトローフ酵母株を提供する。
また、FLD遺伝子が欠損し、別の生合成遺伝子について栄養要求性である、メ
チロトローフ酵母株も提供される。
【0018】 本発明により、メチロトローフ酵母で機能するFLDプロモーターおよび3’
終結配列を含む発現カセットを含むキットが提供される。少なくとも1つの制限
部位が、FLDプロモーターと3’終結配列の間に位置し、よって異種遺伝子が
挿入され得、プロモーターおよび3’終結配列に作動可能に連結され得る。キッ
トには、メチロトローフ酵母中で複製するか、またはメチロトローフ酵母のゲノ
ムに組込まれるベクターも含まれ、このベクターは、マーカー遺伝子および該カ
セットの挿入のための1つ以上の制限部位を含む。
【0019】 さらに、本発明は、選択マーカーとしてのFLD遺伝子並びに発現カセットを
含む発現ベクターを含むキットを提供する。発現カセットは、メチロトローフ酵
母で機能するプロモーターおよび3’終結配列を含み、プロモーターと3’終結
配列の間に位置する少なくとも1つの制限部位を有し、よって異種遺伝子が挿入
され得、プロモーターおよび該3’終結配列に作動可能に連結され得る。
【0020】 (発明の詳細な説明) 本発明は、メチロトローフ酵母由来のホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝
子(FLD)を含む単離核酸配列に関する。FLD遺伝子の産物のホルムアルデ
ヒドデヒドロゲナーゼは、ホルムアルデヒドに対する耐性を付与する。本発明の
1つの態様において、FLDコード配列を、メチロトローフ酵母細胞で選択マー
カーとして機能させるために、それ自体の5’および3’調節領域と共に、また
は異種5’および3’調節領域と共に使用し得る。それ故、主題のFLDコード
配列は、選択マーカーとしての抗生物質耐性遺伝子の使用を回避したい場合に有
利である。
【0021】 本発明により、主題FLD遺伝子は、選択マーカーとして使用でき、これは、 Zeo のように、pastoris株の遺伝子型とは独立的に選択でき、 Zeo およびG418 のように、複数のコピーの発現ベクターを受容する株
を直接選択するために使用できる。しかし、Zeo およびG418 とは異な
り、pastoris FLD1遺伝子は、pastorisに天然で
あり、抗生物質に対する耐性を付与しない。
【0022】 本発明の1つの態様において、それぞれ図7に示した制限地図および図10の
斜交平行線模様領域を有するPichia pastorisおよびHanse
nula polymorpha由来のFLD遺伝子が提供される。メタノール
およびメチルアミンに応答したFLD発現は、転写レベルで制御される。Pic
hia pastorisFLD1)由来のFLD遺伝子は、そのヌクレオチ
ド配列に関してさらに記載でき、その配列(配列番号1)が図4に示されている
FLD1遺伝子のコード領域のヌクレオチド配列は配列番号5に示す。
【0023】 本発明の別の態様において、メチロトローフ酵母から単離されたFLD遺伝子
由来の誘導性5’調節領域(本明細書では「FLDプロモーター」と同義語で使
用する)が提供され、その5’調節領域は、メチロトローフ酵母細胞での異種遺
伝子の効率的発現に有用である。対象であるFLD5’調節領域は、メタノール
、ホルムアルデヒド、および蟻酸などの異なる炭素および/またはエネルギー源
により強力かつ独立的に誘導される。ホルムアルデヒドも蟻酸も、真の意味で炭
素源ではない。なぜなら、Pichia pastorisは、該化合物から炭
素を利用せず、単にその酸化によってエネルギーを得るからである。対象である FLD 5’調節領域は、メチルアミン、コリン、および他のメチル化アミンなど
の異なる窒素源によっても強力かつ独立的に誘導される。従って、例えば、Pi
chia pastoris FLD1プロモーターは、唯一の炭素源としての
メタノールにより(窒素源としての水酸化アンモニウムまたはアンモニウム塩と
共に)、または唯一の窒素源としてのメチルアミンにより(炭素源としての炭素
糖と共に)強力かつ独立的に誘導される。非誘導窒素源の例は、硫酸アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウムおよび水酸化アンモニウムを含む。非
誘導炭素源の例は、グリセロールおよびグルコースを含む。
【0024】 従って、本発明は、メチロトローフ酵母由来のFLD遺伝子の翻訳開始コドン
の上流に位置する約600塩基対以上のヌクレオチド配列を含む単離核酸分子を
提供する。特に、図8に示した制限地図を有するPichia pastori
FLD遺伝子(FLD1)由来のプロモーターが例示される。好ましい実施
形態において、FLD1遺伝子プロモーターは、配列番号3に示したヌクレオチ
ド配列を有する。また、図10の斜交平行線模様領域に示した制限部位を有する Hansenula polymorpha由来のFLDプロモーターも例示さ
れる。
【0025】 本発明はまた、メチロトローフ酵母由来FLD3’終結配列も提供する。従っ
て、本発明は、FLD遺伝子の翻訳終止コドンの下流に位置する約300ヌクレ
オチド以上の配列を含む単離核酸を提供する。例えば、3’終結配列は、図4の
ヌクレオチド1255〜1555を含み得る(配列番号4)。本発明の別の実施
形態において、3’終結配列は、Hansenula polymorpha FLD 遺伝子由来であり、この遺伝子は、図10に斜交平行線模様領域として示
す。
【0026】 配列番号3に示したFLD1プロモーターへの修飾は、メタノール、ホルムア
ルデヒド、または蟻酸誘導による、またはメチルアミン、コリンまたは他のメチ
ル化アミン誘導による発現促進の特徴的特性を維持しているが、これは本発明の
範囲内である。配列番号4に示した3’終結配列への修飾は、遺伝子のmRNA
転写産物を安定化させる特徴的特性を維持しているが、これも本発明の範囲内で
ある。同様に、Pichia pastoris FLD1コード配列(図4、
配列番号5)への修飾は、生物学的に活性なホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ
をコードする特徴的特性を維持しているが、これも本発明の範囲内である。かか
る修飾は、1つ以上のヌクレオチドの挿入、欠失および置換を含む。
【0027】 本発明はまた、FLD遺伝子を欠損したメチロトローフ酵母株、すなわちfl
変異体も提供する。かかる株は、メチロトローフ酵母細胞をニトロソグアニジ
ンなどの変異原に曝露させ、唯一の炭素源としてメタノールおよび唯一の窒素源
としてメチルアミンを利用できない株をスクリーニングすることにより作成し得
る。次いで、補完および他の遺伝子技法を使用して、メチロトローフ酵母株が
ld変異体であることを確認し得る。本発明により、Pichia pasto
ris fld株が提供され、GS241(fld1−1)と称する。fld
異体メチロトローフ酵母株は、生合成遺伝子について栄養要求性変異体であるか
、または異なる選択マーカーを有する別の株に交雑し得る。例えば、本発明は、
MS105(fld1−1 his4)と称される、メタノール利用欠損(Mu
)であり、ヒスチジンに栄養要求性である(HisPichia pa
storis酵母株を提供する。
【0028】 FLD遺伝子は、古典的な機能的補完技法を使用してメチロトローフ酵母から
単離し得る。簡潔に述べると、メチロトローフ酵母由来のDNAのゲノムライブ
ラリーを、メチロトローフ酵母中で複製するベクターにクローン化する。ベクタ
ーを使用して、fld変異体であるメチロトローフ酵母を形質転換する。メタノ
ール(または任意の上記の誘導剤)の存在下で増殖する細胞を、ゲノムライブラ
リーから機能性FLD遺伝子を有するものとして選択する。ベクターを、補完酵
母細胞から単離し、制限地図を作成する。ベクター挿入物の断片をサブクローニ
ングし、fld変異体および単離したfld変異体に依然として補完するより小
さな断片を形質転換し得る。このベクターの挿入物をシークエンスし、FLD
伝子オープンリーディングフレーム(ORF)を同定し得る。実施例2および3
に記載のように、Pichia pastoris FLD1遺伝子およびHa
nsenula polymorpha FLD遺伝子の両方を機能的補完によ
り単離した。
【0029】 メチロトローフ酵母のFLD遺伝子のコード配列、プロモーターまたは3’終
結配列に対応する核酸分子もまた、全FLD1遺伝子、FLD1遺伝子の全コー
ド配列、またはFLD1コード配列の一部(断片およびオリゴヌクレオチドを含
む)をプローブとして使用し、メチロトローフ酵母由来の核酸分子(群)とハイ
ブリッド化することにより得られ得る。Pichia pastorisFL
遺伝子(配列番号1)、またはFLDコード配列(図4、配列番号5)、また
は配列番号5に示したヌクレオチド配列の一部にハイブリッド化する核酸分子を
、例えば、当業者に既知の技法によりゲノムライブラリーから単離できる。ゲノ
ムライブラリーをスクリーニングすることによる本発明のPichia pas
toris FLD遺伝子に対応するゲノムDNA配列を得るに有用であると考
えられる方法は、例えば、Sambrookら(1989)、分子クローニング
:実験マニュアル、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク、または汎用さ
れている組換えDNA工学に関する無数の実験マニュアルのいずれかに提供され
ている。
【0030】 対象FLD遺伝子は、単離FLDゲノムクローンの制限エンドヌクレアーゼ消
化により得られ得る。従って、例えば、Pichia pastoris FL
D1遺伝子の既知のヌクレオチドまたはアミノ酸配列(図4、配列番号1および
2)を、単離された推定FLDゲノムクローンの核酸または推論アミノ酸配列に
整列させ、単離FLDゲノムクローンの5’調節配列(すなわち、コード領域の
翻訳開始コドンの上流の配列)、コード配列、および3’調節配列(すなわち、
コード領域の翻訳終止コドンの下流の配列)を配置する。
【0031】 対象FLDプロモーター、3’終結配列またはコード配列は、例えばin v
itro変異誘発により、過剰の5’フランキング配列、過剰のコード配列、ま
たは過剰の3’フランキング配列を有するゲノムクローンから作成し得る。in
vitro変異誘発は、簡便な制限部位の導入に役立つ。T7−Gen in
vitro変異誘発キット(USB、クリーブランド、オハイオ)およびQu
ikchange部位特異的変異誘発キット(ストラタジーン、サンディエゴ、
カリフォルニア)などのこの適用に特に適切な様々な市販で入手可能なキットが
ある。別法として、PCRプライマーを、対象FLDプロモーター、コード配列
、および3’終結配列の直接的増幅を可能とするように規定できる。
【0032】 同方法を使用して、当分野の通常の熟練者は、配列番号3に示したFLD1
ロモーターの1つ以上の欠失断片を作成できる。配列番号3に示したヌクレオチ
ド配列の連続部分を含み、メタノール、ホルムアルデヒド、または蟻酸誘導によ
る発現促進能を保持するか、またはメチルアミン、コリンまたは他のメチル化ア
ミン誘導による発現促進能を保持する任意および全ての欠失断片が本発明により
考えられる。同様に、配列番号4および5に示した配列の連続部分を含み、それ
ぞれ遺伝子のmRNA転写産物の安定化能を保持するか、または生物学的に活性
FLDをコードする能力を保持する任意および全ての欠失断片が本発明の範囲
内である。
【0033】 Pichia pastoris FLD1プロモーター(そのヌクレオチド
配列は、図4のヌクレオチド−537から−1として示す(配列番号3))に加
えて、本発明は、他のメチロトローフ酵母のFLD遺伝子に対応する他のプロモ
ーター配列に関する。本明細書に定義したように、メタノール、ホルムアルデヒ
ド、または蟻酸誘導により発現を促進するか、またはメチルアミン、コリンまた
は他のメチル化アミン誘導により発現を促進する、かかる関連配列は、FLD
ード配列の翻訳開始コドンの上流でのその位置に関して記載され得、そのコード
配列は図4に示したヌクレオチドコード配列(配列番号5)に対するヌクレオチ
ドレベルでの相同性%に関して記載する。
【0034】 別に、メチロトローフ酵母由来のFLDコード配列は、低ストリンジェントな
ハイブリッド形成条件下で、例示したPichia pastoris FLD
遺伝子(配列番号1)またはFLD1コード配列(配列番号5)にハイブリッ
ド化するその能力に関して定義され得る。それ故、本発明は、FLD遺伝子に対
応するプロモーター、コード領域または3’終結配列を含むメチロトローフ酵母
から単離した核酸配列に関し、かかるFLD遺伝子のコード領域は、低ストリン
ジェントな条件下で、配列番号1または5に示したFLD遺伝子核酸配列、また
は配列番号1または5に示した配列に相補的な配列にハイブリッド化する。FL
遺伝子(そのコード領域は配列番号1または5に示した配列とハイブリッド化
する)のプロモーター、コード領域または3’終結配列は、FLD遺伝子由来の
該コード配列が、生物学的に活性なFLDをコードする限り、または該FLD
ロモーターが、エネルギー源としてのメタノール、ホルムアルデヒド、または蟻
酸により、または唯一の窒素源としてのメチルアミン、コリンまたは他のメチル
化アミンにより独立的に誘導される限り、配列番号1から5と比較して、1つ以
上のヌクレオチド位置が異なり得る。さらに、主題3’終結配列は、3’終結配
列がコード配列に作動可能に連結された場合にmRNA転写物の安定化能を保持
する限り、配列番号4と比較して、1つ以上のヌクレオチド位置が異なり得る。
【0035】 「ハイブリッド形成」により、該核酸分子は、例えば、Sambrook(分
子クローニング;実験マニュアル、第2版、Cold Spring Harb
or Laboratory Press、コールドスプリングハーバー、ニュ
ーヨーク(1989))により記載のように、慣用的なハイブリッド条件下でハ
イブリッド化することを意味する。
【0036】 メチロトローフ酵母由来のFLD遺伝子(ゲノム配列)、およびFLDコード
配列は、慣用的なハイブリッド形成条件を使用して、FLD1のコード領域また
はその一部(配列番号1および5、並びに配列番号1および5に相補的な配列)
へのハイブリッド形成により同定し得る。好ましくは、低ハイブリッド形成条件
、例えば、37℃で30%ホルムアミド、次いで、室温で1×SSC中および6
0℃で1×SSC中の洗浄などを使用する。低ストリンジェントな条件下で配列
番号1または5にハイブリッド化する、約2kbから約3.5kbまたは約2.
5kbから約3.5kbのサイズの範囲の推定FLD遺伝子は、制限地図形成お
よびシークエンスによりさらに特徴づけ得る。プローブとしてプラスミドpYG
1のFLD1遺伝子を使用し、かかる低ストリンジェント条件下でハイブリッド
化させることにより、polymorpha FLD遺伝子を同定し得る。
実施例3参照。
【0037】 FLDプロモーターおよび3’終結配列もまた、FLD遺伝子の対応するコー
ド配列(これからプロモーターまたは3’終結配列が得られる)の、低ストリン
ジェント条件下で、図4に示したコード配列(配列番号1および5)、並びに配
列番号1および5に対して相補的な配列にハイブリッド化する能力により規定さ
れ得る。
【0038】 本発明のFLD構造遺伝子、プロモーター断片および終結配列もまた、本明細
書に提供したヌクレオチド配列に対するヌクレオチドレベルでの相同性%に関し
て記載し得る。当業者が配列相同性を決定する目的で使用し得る核酸配列を比較
および整列させる多くのコンピュータープログラムが存在する。例えば、PC/
Geneプログラム(リリース6.6、IntelliGenetics,In
c.、Mountainview、Ca.)を、オープンギャップコスト15お
よび単位ギャップコスト10として使用し得る。
【0039】 本明細書に使用した配列相同性%値は、特に配列番号で示した一本鎖配列と比
較した場合の、単離核酸の相同性%を含むだけでなく、特に配列番号、例えば配
列番号5で示した一本鎖配列の相補的鎖と比較した場合の単離核酸の相同性%も
含む。
【0040】 従って、上記のようにパラメータを設定しPC/Geneプログラムなどのコ
ンピュータープログラムを使用して、主題単離核酸を下記の通りに記載し得る。
本発明の1つの実施形態において、唯一の炭素源としてのメタノールまたは唯一
の窒素源としてのメチルアミンにより独立的に誘導されるメチロトローフ酵母由
来のFLD遺伝子を含み、配列番号5に示したFLD遺伝子のヌクレオチド配列
と比較して約70%から約85%の配列相同性をもつコード配列を有する、単離
核酸が提供される。好ましい実施形態において、唯一の炭素源としてのメタノー
ルまたは唯一の窒素源としてのメチルアミンにより独立的に誘導されるFLD
伝子を含む単離核酸は、配列番号5に示したFLD遺伝子のコード配列と比較し
て約85%から約95%の配列相同性をもつコード配列を有する。
【0041】 最も好ましい実施形態において、唯一の炭素源としてのメタノールまたは唯一
の窒素源としてのメチルアミンにより独立的に誘導されるFLD遺伝子を含む単
離核酸は、配列番号5に示したFLDコード領域の配列と比較して約95%以上
の配列相同性をもつコード配列を有する。
【0042】 本発明の別の態様において、唯一の炭素源としてのメタノールまたは唯一の窒
素源としてのメチルアミンにより独立的に誘導されるFLD遺伝子由来のプロモ
ーターを含む単離核酸は、FLD遺伝子の翻訳開始コドンの上流(5’)に位置
する約600塩基対以上のヌクレオチド配列を含み、そのコード配列は、配列番
号5に示したFLDコード配列のヌクレオチド配列と比較して約70%から約8
5%の配列相同性を有する。好ましい実施形態において、唯一の炭素源としての
メタノールまたは唯一の窒素源としてのメチルアミンにより独立的に誘導される FLD 遺伝子由来のプロモーターを含む単離核酸は、FLD遺伝子の翻訳開始コ
ドンの上流(5’)に位置する約600塩基対以上のヌクレオチド配列を含み、
そのコード配列は、配列番号5に示したFLDコード配列のヌクレオチド配列と
比較して約85%から約95%の配列相同性を有する。
【0043】 より好ましい実施形態において、唯一の炭素源としてのメタノールまたは唯一
の窒素源としてのメチルアミンにより独立的に誘導されるFLD遺伝子由来のプ
ロモーターを含む単離核酸は、FLD遺伝子の翻訳開始コドンの上流(5’)に
位置する約600塩基対以上のヌクレオチド配列を含み、そのコード配列は、配
列番号5に示したFLDコード配列のヌクレオチド配列と比較して約95%以上
の配列相同性を有する。任意の上記のプロモーターに関して、好ましくは、プロ
モーターは、FLD遺伝子の翻訳開始コドンの直ぐ上流(5’)に位置する約6
00塩基対以上のヌクレオチド配列を含む。
【0044】 本発明の別の態様において、メチロトローフ酵母由来のFLD3’終結配列を
含む単離核酸は、FLD遺伝子の翻訳終止コドンの下流(3’)に位置する約3
00塩基対以上のヌクレオチド配列を含み、そのコード配列は、配列番号5に示
したFLDコード配列のヌクレオチド配列と比較して約70%から約85%の配
列相同性を有する。好ましい実施形態において、メチロトローフ酵母由来のFL
3’終結配列を含む単離核酸は、FLD遺伝子の翻訳終止コドンの下流(3’
)に約300塩基対以上のヌクレオチド配列を含み、そのコード配列は、配列番
号5に示したFLDコード配列のヌクレオチド配列と比較して約85%から約9
5%の配列相同性を有する。最も好ましい実施形態において、メチロトローフ酵
母由来のFLD3’終結配列を含む単離核酸は、FLD遺伝子の翻訳終止コドン
の下流(3’)に位置する約300塩基対以上のヌクレオチド配列を含み、その
コード配列は、配列番号5に示したFLDコード配列のヌクレオチド配列と比較
して約95%以上の配列相同性を有する。任意の上記の3’終結配列に関して、
好ましくは、3’終結配列は、FLD遺伝子の翻訳終止コドンの直ぐ下流(3’
)に位置する約300塩基対以上のヌクレオチド配列を含む。
【0045】 前記の核酸配列に加えて、本発明は、FLD遺伝子由来のプロモーター、コー
ド配列および3’終結配列を含む単離核酸に関し、その産物は、図4に示したア
ミノ酸配列(配列番号2)と比較して約30%から約49%のアミノ酸配列同一
性を有する。好ましい実施形態において、FLD遺伝子由来のプロモーター、コ
ード配列または3’終結配列を含む単離核酸は、FLD遺伝子由来であり、その
産物は、図4に示したアミノ酸配列(配列番号2)と比較して約50%から約9
0%のアミノ酸配列同一性を有する。より好ましい実施形態において、FLD
伝子由来のプロモーター、コード配列および3’終結配列を含む単離核酸は、
LD遺伝子由来であり、その産物は、図4に示したアミノ酸配列(配列番号2)
と比較して約90%以上のアミノ酸配列同一性を有する。最も好ましい実施形態
において、FLD遺伝子由来のプロモーター、コード配列または3’終結配列を
含む単離核酸はFLD遺伝子由来であり、その産物は、図4に示したアミノ酸配
列(配列番号2)を有する。
【0046】 本発明により、全FLD遺伝子(すなわち、天然FLDプロモーターおよび天
然3’終結配列に作動可能に連結したFLDコード配列を含むゲノム配列)もま
た、コード領域の産物の配列同一性により記載され得る。従って、本発明の1つ
の実施形態において、FLD遺伝子の産物のアミノ酸配列が、図4に示したアミ
ノ酸配列(配列番号2)と比較して約30%から約49%の配列同一性を有する FLD 遺伝子が提供される。好ましい実施形態において、FLD遺伝子の産物の
アミノ酸配列が、図4に示したアミノ酸配列(配列番号2)と比較して約50%
から約90%の配列同一性を有するFLD遺伝子が提供される。より好ましい実
施形態において、FLD遺伝子を含む単離核酸は、図4に示したアミノ酸配列(
配列番号2)と比較して約90%以上の配列同一性をもつアミノ酸配列を有する
産物をコードする。最も好ましい実施形態において、FLD遺伝子は、図4に示
したアミノ酸配列(配列番号2)を有する産物をコードする。
【0047】 メチロトローフ酵母由来の推定FLDアミノ酸配列と、配列番号2として本明
細書に提供されるFLDアミノ酸配列の間の配列同一度を決定する目的で、BL
AST2.0プログラム(Genbank、National Center
for Biotechnology Information)を、全てのパ
ラメータを初期パラメータに設定して使用し得る。
【0048】 単離FLD核酸分子のヌクレオチド配列を決定するために、任意の様々な既知
の技法を使用し得る。例えば、Pichia pastorisまたは他のメチ
ロトローフ酵母由来のFLD遺伝子を含む制限断片を、pBluescript
(ストラタジーン)などのベクターのポリリンカー部位にサブクローニングでき
る。次いで、これらのpBluescriptサブクローンは、二本鎖ジデオキ
シ法(Chenら、(1985)DNA、4;165)によりシークエンスでき
る。
【0049】 Pichia pastoris FLD遺伝子配列に対応するメチロトロー
フ酵母FLD遺伝子由来の5’調節配列、コード配列、および3’終結配列もま
た、配列番号1、3、4、および5に示した配列由来のプライマーオリゴヌクレ
オチドを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの核酸増幅技法を適用
することにより単離し得る。
【0050】 メチロトローフ酵母由来のFLDプロモーター(その修飾または欠失断片も含
む)の独立的誘導性の確認を、異種遺伝子のコード配列との特異的配列の転写お
よび/または翻訳融合物の作成、キメラ遺伝子の適切な宿主への移行、および異
種遺伝子の発現の検出により達成できる。発現の検出に使用したアッセイは、異
種配列の性質に依存する。例えば、β−ラクタマーゼ(β−lac)、β−ガラ
クトシダーゼ(β−gal)、ルシフェラーゼ、およびクロラムフェニコールア
セチルトランスフェラーゼ(CAT)により例示されるリポーター遺伝子は、キ
メラ作成物の転写および翻訳適合性の評価によく使用される。標準的なアッセイ
は、形質転換宿主細胞のリポーター酵素を高い感度で検出するために利用できる
【0051】 FLDプロモーター、3’終結配列およびその単離断片は、メチロトローフ宿
主細胞での異種タンパク質の発現のための発現カセット(本明細書では「キメラ
遺伝子」とも呼ばれる)および発現ベクターの作成に有用である。本明細書に使
用した「異種タンパク質」または「異種ポリペプチド」は、ホルムアルデヒドデ
ヒドロゲナーゼ以外の任意のタンパク質またはポリペプチドを意味する。本明細
書に使用した「異種遺伝子」は、FLD以外の遺伝子を意味する。
【0052】 本明細書に使用した「カセット」なる語は、特定の遺伝子を、ヌクレオチド配
列に存在する1つ以上の調節配列に作動可能に連結するように挿入した場合に、
該遺伝子を発現できるヌクレオチド配列を意味する。従って、例えば、発現カセ
ットは、メタノールまたはメチルアミン誘導を通して発現されることが望ましい
異種遺伝子を含み得る。それ故、本発明の発現カセットおよび発現ベクターは、
メタノールまたはメチルアミン誘導時に任意の数の異種遺伝子の発現を促進する
に有用である。
【0053】 対象FLDプロモーターの制御下で外来タンパク質を発現させるための、およ
び本発明の発現カセットおよびベクターに使用するための異種遺伝子のいくつか
の例は、ヒト血清アルブミン、インベルターゼ、ウシリゾチーム、ヒトEGF、
マウスEGF、アプロチニン、クニッツプロテアーゼ阻害剤、B型肝炎表面抗原
、腫瘍壊死因子、破傷風毒素断片C、百日咳菌抗原P69、ストレプトキナーゼ
、β−ガラクトシダーゼ、およびBacillus属の種の結晶タンパク質毒素
を含む。Pichia pastorisで発現され得る他の有用なタンパク質
のリストについては、Higgins,D.R.およびCregg,J.M.1
998)分子生物学の方法:Pichiaプロトコール、Humana Pre
ss、トトワ、ニュージャージー、第17章、p.249−261参照。任意お
よび全てのコード配列が、本発明の発現カセットおよび発現ベクターに使用する
ための異種遺伝子として考えられる。
【0054】 本発明の発現カセットは、5’から3’の方向に、異種遺伝子をコードするヌ
クレオチド配列に作動可能に連結したFLDプロモーターを含む。好ましい実施
形態において、異種遺伝子のコード配列は、さらに、その3’末端で、3’終結
配列に作動可能に連結している。所望であれば、異種遺伝子によりコードされる
ポリペプチドの有効量を産生する発現を引き起こすに十分な、FLD以外の遺伝
子由来の追加の調節エレメントまたは該エレメントの一部が、キメラ作成物に含
まれる。例えば、シグナルペプチドをコードするシグナル配列を、異種遺伝子の
産物の分泌が所望である場合に使用し得る。該配列は、広く知られており、容易
に入手でき、Saccharomyces cerevisiae α交配因子
プレプロ(αmf)、Pichia pastoris酸性ホスファターゼ(P
HO1)シグナル配列および異種遺伝子をコードするタンパク質由来の天然シグ
ナル配列を含む。
【0055】 発現カセットは、環状プラスミドまたは線形部位特異的組込みベクターなどの
ベクターを介して微生物宿主に挿入し得る。「作動可能に連結」なる語は、FL
Dプロモーター、構造遺伝子、および3’終結配列が、その正常な機能を実施す
るように連結および配置している近位を意味する。3’終結配列は、ポリアデニ
ル化を誘発する配列などの配列が作動可能に連結している遺伝子のmRNA転写
産物を安定化させるように機能する構造遺伝子の終止コドンまでの3’配列であ
る。3’終結配列は、PichiaまたはHansenula polymor
phaまたは他のメチロトローフ酵母から得られ得る。本発明の実践に有用な
ichia pastoris 3’終結配列の例は、AOX1遺伝子、p40
遺伝子、HIS4遺伝子およびFLD1遺伝子由来の終結配列を含む。
【0056】 本発明により、メチロトローフ酵母から単離されたPichia pasto
ris FLD1遺伝子、Hansenula polymorpha FLD
遺伝子および他のFLD遺伝子を、宿主細胞での選択マーカーとして使用し得る
。天然5’および3’調節配列を含む全FLD遺伝子、またはFLD遺伝子以外
の5’および3’調節領域に作動可能に連結したFLDコード領域を、使用し得
る。
【0057】 FLDプロモーター、FLDコード配列および/またはFLD3’終結配列を
含む単離核酸、該単離核酸を含む発現カセット、並びに、全FLD遺伝子(ゲノ
ム配列)またはFLD遺伝子以外の5’および3’調節領域に作動可能に連結し
FLDコード配列を、プラスミドなどのベクターに挿入し得る。ベクターは、
好ましくは、メチロトローフ酵母で機能する選択マーカー遺伝子を含む。選択マ
ーカーは、メチロトローフ酵母に選択可能な表現型を付与し、該酵母の非形質転
換細胞からの同定および選択を可能とする任意の遺伝子であり得る。選択マーカ
ー系は、栄養要求性変異体Pichia pastoris宿主株および宿主欠
損を補完する野生型遺伝子を含み得る。かかる系の例は、his4 Pichi
株の補完に使用され得るSaccharomyces cerevisiae
またはPichia pastoris HIS4遺伝子、または、Pichi
pastorisarg変異体の補完に使用し得るcerevisia
またはPichia pastoris ARG4遺伝子を含む。Pichi
pastorisで機能する他の選択マーカー遺伝子は、Zeo 遺伝子、 G418 遺伝子、および勿論、本発明のFLD遺伝子を含む。
【0058】 本発明のベクターはまた、細菌中で機能する選択マーカー遺伝子も含み得る。
加えられた細菌選択マーカーにより、細菌宿主細胞中でのベクターの増幅が可能
となる。細菌選択マーカー遺伝子の例は、アンピシリン耐性(Amp)、テト
ラサイクリン耐性(Tet)、ネオマイシン耐性、ヒグロマイシン耐性、およ
びゼオシン耐性(Zeo )を含む。
【0059】 さらに、本発明のベクターは、coliなどの細菌中での複製および染色
体外維持に関与する配列を含み得る。該配列の使用により、細菌中でのベクター
の増幅、および従って大量のベクターDNAの産生が可能となる。細菌複製起源
の例は、コリシン、col D1、col E1、および当業者に既知の他の物
を含む。
【0060】 本発明のベクターはまた、James M.Creggの1989年6月6日
に発行された米国特許第4,837,148号に記載のような自己複製配列(A
RS)を含み得る。米国特許第4,837,148号の開示は、完全に示したの
と同じように本明細書に組込む。Creggにより開示された自己複製配列は、 Pichia pastorisでプラスミドを維持するに適切な手段を提供す
る。
【0061】 別法として、環状プラスミド以外の組込みベクターを使用してもよい。該組込
みベクターは、James M.Creggの1989年11月21日に発行さ
れた米国特許第4,882,279号に開示されている。’279号特許もまた
、完全に示したのと同じように本明細書に組込む。主題プロモーター、3’終結
配列、FLD1マーカー遺伝子、および発現カセットと共に使用するに適切な組
込みベクターは、少なくとも第一の挿入可能なDNA断片、選択マーカー遺伝子
、および第二の挿入可能なDNA断片の連続的に並べられた配列を含む。異種構
造遺伝子を含む発現カセットは、このベクターに、第一および第二の挿入可能な
DNA断片の間に、マーカー遺伝子の前または後に挿入する。別法として、発現
カセットは、FLDプロモーターが、構造遺伝子が作動可能に連結され得る挿入
可能な断片の1つの中に含まれる場合、in situで形成できる。
【0062】 第一および第二の挿入可能なDNA断片は、各々少なくとも約200ヌクレオ
チド長であり、形質転換する種のゲノムDNAの一部に相同的であるヌクレオチ
ド配列を有する。挿入可能な断片は、Pichia pastorisの二倍体
株を使用する場合、50ヌクレオチド長という少ない長さであり得る。組込みベ
クターの様々な成分は、発現カセットおよび選択マーカー遺伝子が、第一の挿入
可能なDNA断片の3’末端と、第二の挿入可能なDNA断片の5’末端の間に
位置するように、連続的に並べられ線形DNA断片を形成する。第一および第二
の挿入可能なDNA断片は互いに、親ゲノムの配向と同じように連続的に並べら
れた線形断片で配向している。
【0063】 第一および第二の挿入可能なDNA断片として有用なヌクレオチド配列は、ゲ
ノム修飾が起こる天然ゲノム位置の別々の部分と相同的であるヌクレオチド配列
である。例えば、ゲノム修飾がアルコールオキシダーゼ遺伝子の遺伝子座で起こ
る場合、使用される第一および第二の挿入可能なDNA断片は、アルコールオキ
シダーゼ遺伝子遺伝子座の別々の部分に相同的である。第一および第二の挿入可
能なDNA断片として使用できるヌクレオチド配列の例は、Pichia pa
storisアルコールオキシダーゼ(AOX1)遺伝子、ジヒドロキシアセト
ンシンターゼ(DAS1)遺伝子、p40遺伝子およびHIS4遺伝子などのデ
オキシリボヌクレオチド配列である。AOX1遺伝子、DAS1遺伝子、p40
遺伝子、およびHIS4遺伝子が、米国特許第4,855,231号、および第
4,885,242号に開示され、その両方を参考として本明細書に組込む。呼
称DAS1は、米国特許第4,855,231号および第4,885,242号
で最初に使用されたDAS呼称と等価である。第一の挿入可能なDNA断片は、 FLD プロモーターを含み得、このFLDプロモーターも発現カセットの一部で
ある。第二の挿入可能なDNA断片は、FLD遺伝子の翻訳終止コドンの下流の
約300塩基対で始まる3’フランキング配列を含み得る。
【0064】 本発明のベクターおよびキメラ遺伝子は、当業者には既知の標準的な技法によ
り作成でき、例えば、Sambrookら、(1989)、分子クローニング:
実験マニュアル、または汎用されている組換えDNA工学に関する無数の実験マ
ニュアルのいずれかに見出すことができる。様々な戦略が、DNA断片のライゲ
ートに利用でき、その選択は、DNA断片の末端の性質に依存し、当業者は容易
に決定できる。
【0065】 メチロトローフ酵母宿主細胞を、FLDプロモーターの制御下で、異種遺伝子
を含む線形DNA断片を用いて形質転換する場合、発現カセットは、一段階遺伝
子置換などの当業者に既知の遺伝子置換法のいずれかにより宿主細胞ゲノムに組
込まれる。Rothstein、1983 Methods Enzymol.
101:202およびCreggら、1987 Bio/Technology
5:479。DNAベクターが環状プラスミドである場合、該プラスミドは、
組込みを容易にするために線形にし得、次いで、付加によりメチロトローフ酵母
ゲノムの同一または異なる遺伝子座に組込み得る。Creggら(1985)M
ol.Cell.Biol.5:3376。
【0066】 本発明のベクターは、Creggら1985により記載のスフェロプラスト技
法、または欧州特許第312,934号に記載のPichiaでの使用のために
修飾されたItoら、Agric.Biol.Chem.48:341の全細胞
塩化リチウム酵母形質転換系などの既知の方法を使用してメチロトローフ酵母細
胞に形質転換し得る。本発明のプラスミドまたは線形ベクターの形質転換に有用
な他の刊行された方法は、CreggおよびBarringerの米国特許第4
,929,555号;Hinnenら(1978)Proc.Nat.Acad
.Sci.75:1929;Itoら(1983)J.Bacteriol.1
53:163;D.W.Stromanらの米国特許第4,879,231号;
Sreekrishnaら(1987)Gene 59:115を含む。電気穿
孔およびPEG1000全細胞形質転換手順も使用し得る。CreggおよびR
ussel(1985)分子生物学の方法:Pichiaプロトコール、第3章
、Humana press、トトワ、ニュージャージー、p.27−39。
【0067】 本発明により、主題発現カセットおよび発現ベクターを含む宿主細胞が提供さ
れる。形質転換用酵母宿主は、任意の適切なメチロトローフ酵母であり得る。適
切なメチロトローフ酵母は、Candida属、Hansenula属、Tor
ulopsis属、およびPichia属の酵母などのメタノール上で増殖でき
る酵母を含むがこれに限定されない。このクラスの酵母を例示する種のリストは
、C.Anthony(1982)、メチロトローフの生化学、269に見出し
得る。Pichia pastorisPichia methanolic
Pichia anomolaHansenula polymorph
およびCandida boidiniiは、本発明の実践に有用なメチロト
ローフ酵母の例である。好ましいメチロトローフ酵母はPichia属である。
特に好ましいのは、Pichia pastoris株GS115(NRRL
Y−15851);米国特許第4,818,700号に開示されたGS190(
NRRL Y−18014);および米国特許第4,812,405号に開示さ
れたPPF1(NRRL Y−18017)である。GS115、GS190お
よびPPF1などの栄養要求性Pichia pastoris株は、選択を容
易にするために本発明の実践に有利である。NRRL Y−11430およびN
RRL Y−11431などの野生型Pichia pastoris株は、適
切な形質転換マーカー遺伝子を選択、例えば、Pichia pastoris
を、スクロース上での増殖を可能とする株に形質転換させるためのSUC2の使
用を選択する場合、または抗生物質耐性マーカーを使用、例えばG418および
ゼオシンに対する耐性を使用する場合、同程度成功裡に使用し得る。
【0068】 本発明のベクターを使用してPichia pastorisで異種タンパク
質を大量に産生するために、2段階の高細胞密度のバッチ発酵を使用し得る。第
一段階(増殖段階)中、Pichia宿主細胞を、グリセロールまたはグルコー
スなどの適切な炭素源、および硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムまたは他の
アンモニウム塩などの適切な窒素源を含む規定最小培地中で培養し得る。水酸化
アンモニウムも使用し得る。この第一段階で、異種遺伝子発現は抑制され、これ
により細胞塊の細胞増殖および産生が可能となる。一旦抑制炭素または窒素源が
枯渇すれば、メタノールまたはメチルアミン、または両方を加え、これは第二段
階(産生段階)の異種遺伝子の発現を開始する。本発明により、メタノールおよ
びメチルアミンの両方を使用した誘導により、相乗効果が得られる。すなわち、
遺伝子発現のレベルは、メタノールおよびメチルアミンの両方を誘導に使用する
と、メタノール単独またはメチルアミン単独を誘導に使用する場合に比べて高く
なる。
【0069】 別法として、遺伝子発現は、エネルギー源としてのホルムアルデヒドまたは蟻
酸または窒素源としてのコリンおよび他のメチル化アミンを使用して誘導され得
る。メタノールを誘導に使用する場合、1%またはそれ以下の濃度で使用される
。非常に少量から、ほとんど存在しない量が、発現の誘導に必要な全てである。
ホルムアルデヒドを誘導に使用する場合、約10mMからのほぼ存在しない量ま
でが使用され、ホルムアルデヒドは、10mMまたはそれ以上の量でpas
torisに対して非常に毒性であることを心に留めておく。蟻酸も、100m
M以上の量でpastorisに対して非常に毒性である。メチルアミン、
コリンまたは他のメチル化アミンを遺伝子発現の誘導に使用する場合、0.5%
からほぼ存在しない量までが使用される。
【0070】 宿主細胞は、摂氏(C)約35℃から摂氏4℃までの範囲の温度で増殖し得る
。好ましい細胞増殖温度は、摂氏30℃である。細胞増殖のpH範囲は、2.8
から7.5であり、好ましい範囲は3.0から6.5である。メチロトローフ酵
母細胞の増殖の条件および方法は、HigginsおよびCregg(1988
)分子生物学の方法:Pichiaプロトコール、Humana Press、
トトワ、ニュージャージーで徹底的に議論され、完全に示したのと同じように本
明細書に取込む。
【0071】 形質転換されたPichia pastoris細胞は、形質転換後の前記の
栄養要求性細胞を、必要な生化学産物(細胞の栄養要求性のために)の非存在下
で培養し、新規表現型(「メタノール遅延」)を選択および検出するか、または
形質転換体に含まれる耐性遺伝子の非存在下で酵母に毒性な抗生物質の存在下で
培養することを含むがこれに限定されない適切な技法を使用して選択し得る。
【0072】 以前に議論したように、主題FLD遺伝子は、選択マーカーとして使用して、
ホルムアルデヒド耐性を直接的に選択する目的でメチロトローフ酵母細胞を形質
転換し得る。さらに、本発明は、宿主細胞に、本明細書に定義したFLDプロモ
ーターに作動可能に連結された、または異種プロモーターに作動可能に連結され
FLDコード配列を含むベクターを導入することを含む、形質転換宿主細胞の
直接的選択法を提供する。最適には、FLDコード配列もまた、その3’末端で
、3’終結配列に作動可能に連結している。形質転換宿主細胞は、ホルムアルデ
ヒドの存在下で増殖させ、耐性細胞を選択する。
【0073】 耐性細胞の選択に使用されるホルムアルデヒドのレベルは、宿主細胞として使
用した酵母株、およびFLD遺伝子の発現の駆動に使用したプロモーターに依存
する。例えば、野生型Pichia pastoris株および天然FLDプロ
モーターを使用する場合、約7mMのホルムアルデヒドレベルが、直接的な選択
には十分である。fld変異体Pichia pastoris株を、天然FL
プロモーターまたは異種プロモーター(すなわち、FLDプロモーター以外の
プロモーター)と共に使用する場合、約2mMのレベルが直接的な選択には十分
である。
【0074】 陽性形質転換体は、DNA組込み部位の同定に特に有用であるサザンブロット
解析(Sambrookら、1989)により特徴づけられ得る。ノザン解析(
Sambrookら、1989)を使用して、メタノール応答性およびメチルア
ミン応答性遺伝子発現を確認し得る。異種遺伝子産物はまた、既知の方法および
同定した適切なレベルで所望の遺伝子産物を産生する単離物を使用してアッセイ
し得る。異種遺伝子産物に対するポリクローナルまたはモノクローナル抗体を使
用したイムノブロットも使用し得る。
【0075】 本発明の別の態様は、メチロトローフ酵母細胞に、メチロトローフ酵母から単
離したFLDプロモーター(このプロモーターは、その3’末端で、異種遺伝子
の5’末端に作動可能に連結している)を含む単離核酸を導入することを含む、
メチロトローフ酵母での異種遺伝子の発現を指令する方法を提供する。最適には
、異種遺伝子はまた、その3’末端で、メチロトローフ酵母で機能する3’終結
配列の5’末端に作動可能に連結している。かかる単離核酸は、好ましくは、メ
チロトローフ酵母内で複製するか、または前記したようにメチロトローフ酵母の
ゲノムに組込まれるベクター内に存在する。メチロトローフ酵母細胞は、発現カ
セットまたは発現ベクターで形質転換され、次いで、細胞を、炭素源としてグリ
セロールまたはグルコースなどの糖、および窒素源としての水酸化アンモニウム
、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、または他のアンモニウム塩を有する培
地中で増殖させる。抑制炭素または窒素源が枯渇した後、異種遺伝子の発現を、
メタノールまたはメチルアミンの添加により誘導する。別法として、遺伝子発現
は、エネルギー源としてのホルムアルデヒドまたは蟻酸で、または窒素源として
のコリンおよび他のメチル化アミンで誘導され得る。慣用的な方法を使用して、
培養培地(異種タンパク質が異種細胞から分泌される場合)またはメチロトロー
フ酵母細胞(異種タンパク質が分泌されていない場合)から異種タンパク質を単
離する。
【0076】 本発明はまた、本発明の発現カセットおよび発現ベクターを含むキットを提供
する。本発明のこの態様において、メチロトローフ酵母由来の主題FLDプロモ
ーターを含む発現カセット並びにAOX1遺伝子、p40遺伝子、HIS4遺伝
子またはFLD遺伝子由来の3’終結配列などの3’終結配列を含むキットが提
供される。少なくとも1つの制限部位および好ましくはマルチクローニングサイ
トが、FLDプロモーターと3’終結配列の間に簡便には位置し、よって異種遺
伝子が挿入され得、プロモーターおよび3’終結配列に作動可能に連結され得る
。キットはまた、メチロトローフ酵母中で複製するか、または前記したようにメ
チロトローフ酵母のゲノムに組込まれる、プラスミドなどのベクターを含み得る
。好ましくは、ベクターは、マーカー遺伝子並びに発現カセットの挿入のための
1つ以上の制限部位を含む。別に、キットは、ベクター内にすでに配置された発
現カセットを含んでもよい。別の実施形態において、キットはまた、発現ベクタ
ーで形質転換され得、形質転換細胞が直接選択され得る酵母株を含み得る。選択
マーカーおよび栄養要求酵母株の例は、前記している。本発明のこの態様のさら
に別の実施形態において、キットはまた、β−ラクタマーゼなどのリポーター遺
伝子に作動可能に連結したFLD1プロモーターなどの制御プラスミドを含み得
る。該プラスミドは、単独で、または形質転換酵母株内で供給され得る。
【0077】 本発明はまた、選択マーカーとしてのFLD遺伝子と共に発現ベクターを含む
キットを提供する。ベクターは、自己複製ベクターでも組込みベクターでもよい
。前記したように、FLDコード配列は、天然FLD5’および/または3’調
節配列の制御下にあり得るか、または異種5’および/または3’調節配列に作
動可能に連結し得る。発現ベクターには、メチロトローフ酵母中で機能するプロ
モーター並びにメチロトローフ酵母中で機能する3’終結配列を含む発現カセッ
トも存在する。発現カセット内の、5’調節配列と3’調節配列の間には、1つ
以上の制限部位が存在し、よって異種遺伝子が挿入され得、調節配列の制御下に
配置され得る。好ましい実施形態において、プロモーターおよび3’終結配列は
Pichia pastoris AOX1遺伝子由来である。別の実施形態
において、キットはさらに、5’調節領域に作動可能に連結したシグナル配列と
共に、該発現カセットを有するベクターを含む。シグナル配列の末端と3’終結
配列の間には、異種遺伝子の挿入ための少なくとも1つの制限部位が位置する。
好ましくは、マルチクローニングサイトが、シグナル配列の末端と3’終結配列
の5’末端の間に位置する。適切なシグナル配列の例は、Saccharomy
ces cerevisiae α交配因子プレプロ(αmf)、およびPic
hia pastoris酸性ホスファターゼシグナル配列(PHO1)を含む
【0078】 本発明は、以下の具体的な実施例によりさらに説明され、これは本発明の範囲
をいずれにしても限定するものではない。
【0079】 (実施例) 以下の実施例で使用した株、プラスミド、および培地は、以下に示した組成を
有する。
【0080】 使用した野生型pastoris株は、NRRL Y−11430であっ
た。pastoris fld1変異体株を、ニトロソグアニジンを使用し
て作成し、Dr.George Sperl of Phillips Pet
rileum Company(Bartlesville、オクラホマ、米国
)を通して得られた。Pichia pastoris fld1株のGS24
1(fld1−1)は、米国農務省の北部領域リサーチセンター(NRRL)、
ピオリア、イリノイに__で寄託され、寄託番号__を割当てられた。MS10
5、pastoris fld1 his4株は、GS241(fld1−
)をGS115(his4)と交雑することにより作成した。MS105はま
た、NRRLに__で寄託され、寄託番号__を割当てられた。プラスミドpY
G1およびpYG2は、NRRLに__で寄託され、寄託番号__および__を
それぞれ割当てられた。使用したHansenula polymorpha
は、CBS4732であった。細菌組換えDNA操作は、Escherichi
coli株MS1061またはDH5αで実施した。酵母株は、富化YPD
培地(1%酵母抽出物、2%ペプトン、0.4%グルコース)、または、硫酸ア
ンモニウムおよびアミノ酸を含まない0.17%酵母窒素ベース、炭素源(0.
4%グルコースまたは0.5%メタノール)、および窒素源(0.5%硫酸アン
モニウムまたは0.25%塩化メチルアミン)からなる最小培地中で培養した。 coli株は、必要であれば100μg/mlアンピシリンまたは50μg
/mlゼオシン(Invitrogen Corporation、カールスバ
ート、カリフォルニア、米国)を補充したルリアブロス培地中で培養した。
【0081】 (実施例1) [pastorisにおけるホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損変
異体の単離] pastorisホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子(FLD1
のクローニングの第一段階として、FLD活性の特異的に欠損した変異体を探し
た。以前のメチロトローフ酵母の生化学的研究により、FLDが、炭素源として
のメタノールおよび窒素源としてのメチルアミンの両方に関与していることが示
された(Zwart糖、1983)。pastoris fld1変異体を
探すために、ニトロソグアニジンで変異誘発した培養物を、炭素源としてメタノ
ールおよび窒素源としてメチルアミンを利用できない株についてスクリーニング
した。補完解析および他の古典的な遺伝子技法をCreggおよびRussel
l(1998)に記載の通りに実施した。単一の補完群に属する5つの変異体を
同定した。
【0082】 これらの5つの株をさらに、各株のメタノール誘導培養物から調製した抽出物
での鍵となるメタノール経路酵素活性レベルを測定することにより調べた。これ
らの酵素は、アルコールオキシダーゼ(AOX)、カタラーゼ、ジヒドロキシア
セトン、シンターゼ、ジヒドロキシアセトンキナーゼ、FLD、および蟻酸デヒ
ドロゲナーゼを含んだ。酵素アッセイ用に、酵母株を、振盪フラスコ中で30℃
でYNB培地(アミノ酸および硫酸アンモニウムを含まない、DIFCO)中で
炭素源として0.5%メタノールおよび窒素源として0.5%硫酸アンモニウム
を使用して増殖させた。培養物を、後期対数増殖期で収集し、細胞非含有抽出物
を、Waterhamら(1996)に記載の通りにガラスビーズを使用して調
製した。細胞非含有抽出物のタンパク質濃度は、Bradford(1976)
の方法または標準物質としてウシ血清アルブミンを用いるピアスBCAタンパク
質アッセイキット(ロックフォード、イリノイ)を使用して決定した。アルコー
ルオキシダーゼ(van der Kleiら、1990)、カタラーゼ(Lu
eck、1963)、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(WaitesおよびQ
uayle、1981)、ジヒドロキシアセトンキナーゼ(van Dijke
nら、1978)、および蟻酸デヒドロゲナーゼ(van Dijkenら、1
976)活性を、発表された方法により決定した。ホルムアルデヒドデヒドロゲ
ナーゼ活性は、Schutteら(1976)に記載のように飽和量のホルムア
ルデヒド、グルタチオン、およびNADの存在下で340nnmでNADH形成
速度を追跡することにより分光光学的に測定した。反応混合物は、最終容量1.
0ml中に、33mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.9から8.0)、2m
Mグルタチオン、1mM NAD、1mMホルムアルデヒド、および限定量の酵
素を含んだ。340nmでの吸光度変化率を、少なくとも2分間追跡し、活性を
、NADについて定数ε=6.22cm/nmolを使用することにより計算
した。アルコールオキシダーゼ活性は、μmol/mg/分で表現し、ホルムア
ルデヒドデヒドロゲナーゼ活性は、μmol/mg/分で表現した。nmol/
mg/分で表現したβ−ラクタマーゼ活性は、569nmおよび30℃で、25
mMトリスHCl(pH7.5)中、11.1mM PADACを基質として使
用して分光光学的にアッセイした(吸光係数44.403cm−1−1)。
【0083】 表1に示したように、唯一の炭素源としてのメタノールおよび唯一の窒素源と
しての硫酸アンモニウム上での野生型pastorisの増殖は、特異的に
高レベルのFLD活性を誘導した(表1)。結果は、5つの変異体の各々につい
て本質的に同一であり、変異体株GS241の1つについて表1に示す。各変異
体は、検出不可能であったFLDを除いてアッセイした全ての酵素について有意
な活性レベルを含んだ。対照として、メタノール増殖野生型pastori
は、通常レベルのFLD活性を示し、そのAOX遺伝子が欠失し、その結果と
してメタノール上で増殖できないpastorisのメタノール誘導細胞も
、かなりのレベルのFLD活性を含んだ。
【0084】 変異体の表現型および生化学的特徴は、それらがpastoris FL
D1遺伝子に特に欠損しているという知見と一致した。1つの推定fld1株の
GS241(fld1−1)を、全てのさらなる操作について選択した。
【0085】 (実施例2) [pastoris FLD1遺伝子の単離および特徴づけ] 機能的補完により推定FLD1遺伝子をクローン化するために、G241株を
最初に、pastoris株GS115(his4)に交雑させて、メタノ
ール利用欠損(Mut)およびヒスチジン栄養要求性(His)の両方であ
る誘導体を得た。この交雑から生じた1つのMutHis株のMS105( fld1−1 his4)を、次いで、スフェロプラスト法を使用して、
astoriscoliシャトルベクターpYM8に作成した5から10
μgのpastorisゲノムDNAライブラリーを用いて形質転換した(
Creggら、1985;Liuら、1995)。プラスミドpYM8は、Sa
ccharomyces cerevisiaeヒスチジノールデヒドロゲナー
ゼ遺伝子(SHIS4)およびcoliプラスミドpBR322に挿入され
pastoris−特異的自己複製配列(PARS1)からなる。約50
,000のライブラリー形質転換体を、YND培地寒天上でHisプロトトロ
フについて選択し、得られた選択クローンはさらに、Mut表現型についてY
NMプレート上で選択した。全DNAを、数百個のHisMutコロニーの
プールから抽出し、coliの形質転換に使用した。このプロセスから回収
された1つのプラスミドのpYG1は、MS105株を、HisおよびMut の両方に再形質転換でき、さらに調べた。
【0086】 pYG1上での推定FLD1遺伝子の位置を決定するために、プラスミドの制
限地図を作成し、ベクターからの選択断片を、サブクローニングし、MS105
株を補完する能力について試験した。組換えDNA法を、本質的にSambro
okら(1989)に記載の通りに実施した。オリゴヌクレオチドを合成し、D
NAシークエンスを、Oregon Regional Primate Re
search Center、Molecular Biology Core
Facility(Beaverton、オレゴン、米国)で実施した。プラ
スミドは、サイズが14.5kbであり、6.8kbの挿入断片を含むことが判
明した(図2)。2.7kbのSphIBamHI断片は、MS105のMu
欠損を補完するに十分であることが判明し、シークエンスした。DNA配列
は、長いオープンリーディングフレーム(ORF)を同定し、その推定産物は、
他のアルコールデヒドロゲナーゼと強い類似性を示した。またこの配列により、
遺伝子の5’末端近辺にイントロンの存在の可能性が示唆された。
【0087】 イントロンの存在を確認するために、ORFのこの領域を、mRNAから、逆
転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−PCR)により増幅し、産物のサイ
ズおよび配列を、プラスミドpYG1上のゲノム断片のPCRにより得られたも
のと比較した(図3)。PCR反応は、KramerおよびCoen(1995
)により記載の通りに実施した。全pastoris RNAを、Schm
ittら(1990)に従って単離した。RT−PCR反応は以前に記載された
通りに(Frohmanら、1988;Stewartら、1992)、以下の
オリゴヌクレオチドプライマー:5’−CACAATGTCTACCGAAGG
TC−3’(5’プライマー)および5’−CCAGAAAGCGTGTAAG
CATCAG−3’(3’プライマー)を使用して実施した。
【0088】 ゲノム産物は、284bp長であるが、cDNA産物は、170bpよりも有
意に短かった。cDNAおよびゲノム配列の整列により、ゲノムDNAに存在し
た114bpのセグメントは、cDNAには存在しないことが実証された。さら
に、推定イントロン/エキソン接合部の調査により、典型的な酵母スプライス接
合部(5’接合部、5’−GTAAGT−3’;3’接合部、5’−YAG−3
’)および分岐点(5’−TACTAAC−3’)(Domdeyら、1984
;Sasnauskasら、1992)が判明した。1つのイントロンがそれ故
、ORFのこの位置に存在する。最後に、ハイブリッド形成プローブとしてOR
F由来の断片を使用して、野生型ゲノムDNAの選択制限消化物のサザンブロッ
トにより、pastorisゲノムは唯1つの遺伝子コピーを含むことが示
された。
【0089】 ORFのDNAおよび推定アミノ酸配列を図4に示す。配列データは、EMB
L/GenBank/DDBJから、アクセス番号AF066054で入手でき
る。ORFは、1,137bp長であり、計算分子量39,870をもつ、37
9アミノ酸のタンパク質をコードする。イントロンは、推定メチオニンイニシエ
ーターATGのAの3’の18bpの位置(6アミノ酸)で開始し、114bp
長である。グルコースおよびメタノール増殖野生型pastoris細胞か
ら、ORF領域由来のDNA断片を使用して抽出された全RNAのノザンブロッ
トは、メタノール−増殖細胞には高いレベルで存在するが、グルコース増殖細胞
には存在しない約1.3kbの1つのmRNA種を示した(データは示していな
い)。全体的に、推定FLD1遺伝子のコドン使用は、他の高度に発現されてい
pastoris遺伝子に典型的であった(Sreekrishna、1
993)。
【0090】 GenBank/NCBIデータベースを、ORF産物に対するアミノ酸配列
類似性をもつ他のタンパク質についてスクリーニングした。推定FLD1タンパ
ク質(Fld1p)の配列により、酵母Candida maltosa由来の
グルタチオン依存性ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼのそれと最も高い同一性
(71%)を示した(Sasnauskasら、1992)(図5)。ma
ltosaは、n−アルカン同化酵母であり、FLDは、ホルムアルデヒドの毒
性効果から酵母を保護するに重要であると信じられている(Sasnauska
sら、1992)。推定maltosa FLD産物の、クローン化ORF
のそれへの高度な類似性は、このORFが、pastoris Fld1p
をコードするさらなる支持を提供する。pastoris Fld1p配列
はまた、高等真核生物のアルコールデヒドロゲナーゼIII(ADHIII)タ
ンパク質との高度な同一性(65%ヒト;63%、ウマ;64%、ラット)、お
よび他の高等真核生物(ADH)との低いが有意な同一性が示された(Holm
quistおよびVallee、1991;Koivusaloら、1998;
Rathnagiriら、1998)。最後に、Fld1p配列は、cer
evisiae ADHの推定アミノ酸配列とほとんど類似性を示さなかった。
最も近い、19%同一性は、cerevisiae ADHIであった(J
ornvallら、1987)。
【0091】 (実施例3) [Hansenula polymorpha FLD遺伝子の単離および特
徴づけ] 推定polymorpha FLD1遺伝子を、pastoris
伝子について上記した同じ機能的補完戦略を使用して単離した。polym
orphaゲノムDNAライブラリーは、pastorisライブラリーと
同じ方法で、pastorisベクターpYM8に作成した(Liuら19
95)。簡潔には、polymorphaゲノムDNAを、Sau3Aで部
分消化し、5から20kbの断片についてサイズを選択した。これらの断片を、
pYM8のBamHI部位にライゲートした。ライブラリーは、約100,00
0の独立したcoli形質転換体からなり、90%以上が挿入断片を含む。
挿入断片DNAの平均サイズは、約10kbであった。polymorph
ゲノムのサイズが10,000kbであると仮定して、ライブラリーは、 polymorpha ゲノムDNAの約100ゲノム等価物を含んだ。プラスミ
ドを回収し、MS105(fld1−1 his4)をHisおよびMut 表現型の両方に同時に再形質転換できるものについて解析した。これらの基準に
適合する1つのプラスミドpYG2(図9)を、これらの研究に使用するために
選択した。このプラスミドは、7.2kbのpolymorpha DNA
挿入断片を含み、Mut補完活性は、2.4kb SphI断片内に存在するこ
とが判明した(図10)。サザンブロット研究により、ベクターpYG1および
pYG2は、相同FLD遺伝子を含むことが示された。かかるブロットの例は、
図11に示す。この実験で、polymorpha由来のゲノムDNAを、
BglII(B)(レーン1から3)またはClaI(C)(レーン4から6
)で消化し、以下の標識プローブとハイブリッド化させた:pYG2(レーン1
および4)、pYM8(レーン2および5)、またはpYG1(レーン3および
6)。推定polymorpha FLD1遺伝子を含むpYG2プローブ
は、高ストリンジェントでBglIIおよびClaI消化polymorp
haゲノムDNAとそれぞれハイブリッド化させた場合に、から15kbおよび
から7kbの主なバンドを生じた。pastoris FLD1遺伝子を含
むpYG1の、低ストリンジェント(30%ホルムアミド、37℃ハイブリッド
形成、1×SSC、室温洗浄)でのハイブリッド形成により、同サイズの主なハ
イブリッド形成バンドが生じた。これらのバンドは、pYM8由来のベクター配
列のハイブリッド形成に起因するものではない。なぜなら、pYM8プローブは
、同じ低ストリンジェントな条件下でpolymorphaゲノムDNAと
のハイブリッド形成による主なバンドを全く示さなかったからである。
【0092】 (実施例4) [pastorisおよびpolymorpha由来のFLD1pの
熱安定性の比較] クローン化pastoris遺伝子が実際にFLDをコードしているさら
なる証拠は、その産物を、polymorpha由来のFLDに対して熱安
定性を比較することにより得られた。polymorphaは、pas
torisよりも有意に高い(42℃対30℃)最適増殖温度を有する関連メチ
ロトローフ酵母である。polymorpha由来のFLDは、それ故、
pastoris FLDよりも有意に高い熱安定性を示すことが期待される
。2つの酵母由来の推定FLDの熱安定性特性の比較により、遺伝子産物の同一
性の強力な支持が提供される。この実験で、推定pastorisおよび
polymorpha FLD1遺伝子は、pastoris fld1
−1 his4 MS105のメタノール増殖細胞中で発現され、各々のFLD
活性の熱安定性は、株から調製した抽出物を、60℃で、選択した期間インキュ
ベートし、FLD活性の減少速度を決定することにより評価した。遺伝子が実際
にFld1pをコードする場合、pastorisに発現されるpol
ymorpha Fld1pのFLD失活速度は、野生型polymorp
ha Fld1pのそれと類似し、pastoris遺伝子産物の失活速度
は、野生型pastoris Fld1pのそれと類似するはずである。
【0093】 この比較を行うために、最初に、pastorisおよびpolym
orpha FLDの熱安定性が有意に異なることを確立し、推定poly
morpha FLD1遺伝子をクローン化することが必要であった。熱安定性
は、野生型pastorisおよびpolymorphaのメタノール
増殖培養物から細胞非含有抽出物を調製し、それらを60℃でインキュベートす
ることにより決定した。インキュベート中の選択した時間に、抽出物のサンプル
を取り出し、FLD活性についてアッセイした。図6に示したように、po
lymorpha FLD活性は、pastoris活性よりも有意により
熱に安定であった。
【0094】 次いで、polymorphaベクターpYG2から発現されたFLDの
熱安定性を、pastorisベクターpYG1由来のFLDの熱安定性と
比較した。図6に示したように、MS105(pYG2)のFLDは、野生型
polymorphaのそれと類似した熱失活速度を示し、一方、MS105
(pYG1)は、pastorisのそれと類似した速度を示した。これら
の結果は、pastorisGS241株(およびMS105)のFLD活
性の特異的非存在、およびクローン化pastorisORFおよび
altosa FLDの一次アミノ酸配列の高度な類似性を実証した結果と合わ
せて、クローン化ORFは、pastoris Fld1pをコードするこ
とが示された。
【0095】 (実施例5) [P FLD1 の解析およびP AOX1 に対する比較] FLD1 の転写制御下での遺伝子発現を調べるために、2つのベクターを作
成した(図1)。両方のベクターが、β−ラクタマーゼ(β−lac)をコード
している細菌bla遺伝子に融合したFLD1のメチオニンイニシエーターAT
Gコドンのちょうど5’から配列が始まっている0.6kb MunIBam
HI断片、次いで、AOX1転写ターミネーターを含む断片からなる同一の発現
カセットを含んだ。MunIは人工的であり、FLD1のメチオニンイニシエー
ターATGのちょうど5’からの配列と共に、MunI部位を含んだオリゴヌク
レオチドを使用して、PCRにより設置された。この位置での制限部位は、β−
ラクタマーゼリポーター遺伝子の5’へのプロモーターの挿入を補助するのに必
要であった。MunI部位を選択した。なぜなら、MunIで作成したDNA末
端は、EcoRIと適合性であり、試験ベクターのβ−ラクタマーゼリポーター
のちょうど5’にすでにEcoRIが存在していたからである。EcoRI部位
は、FLD1遺伝子の3’末端には配置できなかった。なぜなら、FLD1プロ
モーター領域は天然EcoRI部位を有するからである。
【0096】 1つのベクターのpSS040は、 FLD1 断片内に独特なNsiI制限部
位を含んだ。この部位で切断し、pastorisに形質転換すると、ベク
ターは、 FLD1 遺伝子座で効率的に組込まれた。この組込み事象の結果は、 FLD1 bla発現カセットであり、これはまた FLD1 断片の上流に天
FLD1配列も含んだ(WT FLD1 bla)。FLD1の転写制御に
必要な全ての配列がFLD1 ORFの5’に位置すると仮定すると、この株で
blaおよびFLD1発現の調節は、ほぼ同一であるべきである。表2に示す
ように、これは、株でのβ−lacおよびFLD活性の相対レベルが、4つの発
現試験培地中で増殖した細胞で類似していた点で真実のようであった。これらの
4つの培地は、炭素および窒素源としてそれぞれ:(1)グルコースおよび硫酸
アンモニウム(G/NH )、(2)グルコースおよびメチルアミン(G/M
A)、(3)メタノールおよび硫酸アンモニウム(M/NH )、および(4
)メタノールおよびメチルアミン(M/MA)を含んだ。期待される通り、β−
lacおよびFLD活性は、G/NH 培地上で増殖した細胞で高度に抑制さ
れていた。G/MAまたはM/NH 培地上で増殖した細胞は、少なくとも1
0倍以上のβ−lacおよびFLDを含み、両酵素の最も高いレベルがM/MA
培地で増殖させた細胞で観察された。
【0097】 第二ベクターのpSS050は、選択マーカーとしてpastoris HIS4 遺伝子を含んだ。HIS4内の独特なSalI部位で切断し、pa
storisで形質転換すると、このベクターは、pastoris HI
S4遺伝子座で効率的に取込まれた。この組込み事象の結果は、0.6−kb FLD1 −断片のちょうど5’のpBR322由来の配列をもつ FLD1
la発現カセットであった(pB FLD1 bla)。この株のβ−lac
活性レベルと、WT FLD1 bla株で観察された活性レベルの比較によ
り、0.6kb断片は正常な調節に必要な全ての上流調節配列を含むかの評価が
可能となった。表2は、各4つの発現試験培地中で増殖させた場合、pB LD1 bla株のβ−lac活性レベルが、WT FLD1 bla株で観
察されたレベルの約2倍高かったことを示す。これらの結果は、正常な調節に必
要なほとんどの配列が、 FLD1 断片内に存在するが、 FLD1 を約2倍の
率で構成的に抑制するその配列は、 FLD1 断片のいずれかの5’に存在し、
0.6kb断片にはないことを示した。
【0098】 最後に、 FLD1 制御下で産生されたβ−lac活性レベルを、bla発現
AOX1 の転写制御下にある株のものと比較した(Waterhamら、1
997)。以前に報告されたように、 AOX1 発現は、グルコース含有培地で
強力に抑制され、メタノール含有培地で高度かつ特異的に誘導される(Tsch
oppら、1987;Waterhamら、1997)(表2)。同等なレベル
のβ−lacが、M/NH またはM/MA培地中で増殖させたWTFL D1 bla株の細胞に存在し、一方、pBFLD1 bla株の細胞は、 AOX1 bla株のレベルよりも有意に高いβ−lacレベルを含んだ。特
に注目されるのは、M/NH およびM/MA培地上のpB FLD1
la株のβ−lacであり、これは一貫して、同培地上の AOX1 bla
で観察されたものの約2倍であった。
【0099】 (実施例6)FLD1 遺伝子は、ホルムアルデヒドに対する耐性を付与する pastoris FLD1遺伝子を、Zeo (Invitrogen
、カールスバート、カリフォルニア)を含むpPICZベクターに取込んだ。2
つの該pPICZ−FLD1ベクターを作成した。1つに、FLD1プロモータ
ーを含む全FLD1遺伝子、構造遺伝子および転写ターミネーターを挿入した(
pPFLD1−FLD1)。他方には、FLD1構造遺伝子(および転写ターミ
ネーター)を、pastorisグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロ
ゲナーゼ遺伝子(GAP)プロモーター(pPGAP−FLD1)の制御下に配
置した。これらの2つのプラスミドを、そのそれぞれのプロモーター断片(P LD1 、PGAP)内で線形化し、電気穿孔法により野生型およびMS105( fld1−1 his4pastoris株に形質転換し、100μg/
mlおよび1mg/mlでゼオシンに対する耐性についての選択した。低い方の
ゼオシン濃度は、1つの組込みZeo ベクターコピーを有するpasto
ris形質転換体を選択し、一方、高い方のゼオシン濃度は、複数の組込みZe
ベクターコピーを有する形質転換体を選択する。各々の型の選択された形質
転換体を、100mg/mlまたは1mg/mlのゼオシンを含むYPD培地プ
レート上および0から30mMの範囲の濃度のホルムアルデヒドを含むYPDプ
レートのセットに画線した。対照として、pPICZベクターのみで形質転換し
た(すなわちFLD1遺伝子を含まない)野生型およびGS241株もまたプレ
ート上に画線した。
【0100】 pPICZのみで形質転換したMS105株は、1mMホルムアルデヒドに対
して耐性であった。1コピーのpPFLD1−FLD1およびpPGAP−FL
D1を含むMS105由来株は、10mMおよび5mMホルムアルデヒドにそれ
ぞれ耐性であり、一方、複数コピーのpPFLD1−FLD1およびpPGAP −FLD1を含むMS105由来株は、30mMおよび10mMホルムアルデヒ
ドに対してそれぞれ耐性であった。従って、PFLD1−FLD1およびpP AP −FLD1ベクターは、ホルムアルデヒドに対する耐性の増加を付与した。
さらに、追加の効果が明らかとなり、各々のベクターのコピー数の増加により、
各ベクターの1コピーにより付与される耐性レベル以上に、ホルムアルデヒドに
対する耐性レベルは増加した。
【0101】 pPICZのみで形質転換した野生型pastoris株は、5mMホル
ムアルデヒドに対して耐性であった。野生型株は、FLD1遺伝子の1つの天然
コピーを含むので、この株に対するホルムアルデヒドの濃度は、期待されるより
も有意に高かった。1コピーのpPFLD1−FLD1およびpPGAP−FL
D1を含む野生型由来株は、10および5mMホルムアルデヒドにそれぞれ耐性
であり、一方、複数コピーのpPFLD1−FLD1およびpPGAP−FLD
1を含む野生型由来株は、30mMホルムアルデヒドにそれぞれ耐性であった。
従って、pPGAP−FLD1ではなくpPFLD1−FLD1ベクターは、ホ
ルムアルデヒドに対する耐性の増加を付与した。さらなる効果も明らかとなり、
各々のベクターのコピー数の増加は、各ベクターの1コピー以上に、ホルムアル
デヒドに対する耐性レベルの増加を付与した。
【0102】 これらの形質転換実験は、pPFLD1−FLD1およびpPGAP−FLD
1ベクター並びにホルムアルデヒドに対する耐性を直接選択する野生型およびM
S105pastoris株(対照としてゼオシン耐性の選択と共に)を用
いて繰返した。MS105株では、2mMホルムアルデヒドが形質転換体の選択
に最適であった。この濃度のホルムアルデヒドは、100μg/mlゼオシン選
択対照を用いて観察したのとほぼ同数の形質転換体を産生した。野生型pa
storisには、7mMホルムアルデヒドが、pPFLD1−FLD1ベクタ
ーをもつ形質転換体の選択に最適であった。この濃度は、100μg/mlのゼ
オシン選択対照を用いて観察したのとほぼ同数の形質転換体を産生した。形質転
換体は、pPGAP−FLD1ベクターでは観察されなかった。
【0103】 これらの陽性結果に基づいて、P.pastoris発現ベクターを作成した
。ベクターは、異種遺伝子を挿入できるマルチクローニングサイト(MCS)に
より分離されているAOX1プロモーターおよび転写ターミネーターを含むDN
A断片からなる異種遺伝子発現カセットを含む。発現カセットの次に、 GAP FLD1遺伝子作成物を含むDNAセグメントが続き、このセグメントの次に
AOX1遺伝子の3’配列由来のDNA断片が続く。このセットのDNA断片
を、細菌プラスミドpBluescript(ストラタジーン、サンディエゴ、
カリフォルニア)に挿入し、よってベクターはcoliで増殖させることが
できる。
【0104】 異種遺伝子をMCSに挿入した後、得られたベクターを、制限酵素NotIで
切断し、pastorisを形質転換できるDNA断片を細菌プラスミドか
ら放出させる。断片を、pastorisの野生型またはMS105(fl
d1−1)株に、電気穿孔法により形質転換し、形質転換体を、野生型株につい
ては7mMホルムアルデヒドまたはMS105 fld1株については2mMを
含むYPD培地プレート上で選択した。ベクター断片は、2つの方法の1つで、
それ自体をpastorisゲノムに挿入する。第一は、AOX1遺伝子を
置換する遺伝子置換事象による。ホルムアルデヒドに対する耐性の増加に加えて
、該遺伝子置換形質転換体は、AOX1遺伝子の非存在に起因するメタノール上
での非常に遅い増殖速度から、容易に表現型により同定できる。
【0105】 ベクターのそれ自体をpastorisゲノムに挿入する別の方法は、組
込み前の同じ点での形質転換断片の線形化を含む。線形化後、形質転換DNAは
、ベクターに示されるpastorisゲノム遺伝子座のいずれかで1回の
交差事象により組込むことができる。これらのゲノム領域は、FLD1AOX
プロモーターおよびAOX1 3’フランキング遺伝子座を含む。これらの部
位のいずれかでの組込みにより、ホルムアルデヒドに対する耐性の増加以外は株
表現型に変化は生じなかった。任意の方法でのこの断片の組込みにより、そのタ
ンパク質産物を所望する異種遺伝子の例外を除く、pastorisに外来
性の抗生物質耐性遺伝子または任意の他の遺伝子の取り込みが生じないように注
意することは重要である。
【0106】 (参照文献) Bradford,M.(1976)タンパク質−染料結合という原則を利用し
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pastorisグリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の単離
とそのプロモーターの使用.Gene 186,37−44. Zwart,K., Veenhuis,M., van Dijken,J.
P.及びHarder,W.(1980)唯一の窒素源としてメチルアミン存在
下、グルコースで育成中の酵母におけるアミンオキシダーゼ含有ペルオキシソー
ムの発生.Arch.Microbiol.126,117−126.
【0107】 (表1) pastorisのメタノール利用欠損変異体の相対酵素活性レベル
【表1】 各酵素の活性は、野生型pastorisのメタノール増殖培養物から調
製した抽出物で観察される活性の%として表現する。略称は:AOX、アルコー
ルオキシダーゼ;CAT、カタラーゼ;FLD、ホルムアルデヒドデヒドロゲナ
ーゼ;FDH、蟻酸デヒドロゲナーゼ;DAS、ジヒドロキシアセトンシンター
ゼ;DAK、ジヒドロキシアセトンキナーゼである。
【0108】 決定せず。
【0109】 (表2) FLD および AOX1 の制御下でblaを発現するpastoris
の抽出物でのβ−ラクタマーゼ活性の比較
【表2】 各株は、炭素源としてグルコース(G)またはメタノール(M)および窒素源
として硫酸アンモニウム(NH )またはメチルアミン(MA)を含む培地中
で増殖させた。
【0110】 β−ラクタマーゼ活性は、nmol/mg/分として、および括弧内には、メ
タノールおよびメチルアミン上で増殖させた野生型 FLD1 bla株で見ら
れる活性の%として表現する。活性は、2つの独立的に形質転換した株を使用し
た3つの実験の平均を示す。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、選択したプラスミドpHW018、pSS050、pK321、およ
びpSS040の物理地図を提供する。
【図2】 図2は、FLD1遺伝子含有ベクターpYG1の制限酵素地図である。
【図3】 図3Aは、FLD1遺伝子のエキソン解析を示す。非スプライス(ゲノム)お
よびスプライス(cDNA)DNAのPCRから期待される産物の図が示される
。PCR反応に使用したハイブリッド化プライマーの位置は収束矢印として示す
。 図3Bは、PCRおよびRT−PCR反応産物の電気泳動図である。PCR反
応は、以下を用いて実施した:レーン1、ゲノムDNA鋳型と両方のプライマー
;レーン2、cDNA鋳型と両方のプライマー;レーン3、cDNA鋳型と5’
プライマーのみ;レーン4、cDNA鋳型と3’プライマーのみ;レーン5、両
方のプライマーでDNA鋳型はなし。側方のマーカーバンドは塩基対で示す。
【図4】 図4は、pastoris FLD1遺伝子およびその産物のヌクレオチ
ドおよび推論アミノ酸配列である。
【図5】 図5は、pastorisおよびmaltosa FLDタンパク質
の予測アミノ酸配列の比較である。配列をPC遺伝子ソフトウェアを使用して整
列させた。配列間の文字「*」は、同一の残基を示す。文字「.」は、類似残基
を示す。類似残基は、A、S、T;D、E;N、Q;R、K;I、L、M、V;
F、Y、Wとして規定する。
【図6】 図6は、pastorisおよびpolymorpha由来の推定
LD1遺伝子で形質転換したpastoris株のホルムアルデヒドデヒド
ロゲナーゼ活性の熱安定性をグラフで示す。株は、野生型pastoris
(■);野生型polymorpha(●);pastoris MS
105(pYG1)(□);およびpastoris MS105(pYG
2)(○)である。
【図7】 図7Aは、Pichia pastoris FLD1遺伝子の制限地図であ
る。
【図8】 図8は、 FLD1 の制限地図である。
【図9】 図9は、Hansenula polymorpha FLD遺伝子含有ベク
ターpYG2の制限酵素地図である。
【図10】 図10は、FLD遺伝子を含むpolymorpha DNA断片の制限
地図である。
【図11】 図11は、BglII(B)(レーン1から3)またはClaI(C)(レ
ーン4から6)で消化し、以下のプローブ:pYG2(レーン1および4)、p
YM8(レーン2および5)、またはpYG1(レーン3および6)とハイブリ
ッド化させたpolymorpha由来のゲノムDNAを示すサザンブロッ
トである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クレッグ、 ジェイムズ エム. アメリカ合衆国 97229 オレゴン州 ポ ートランド エヌ.ダブリュー. ワンハ ンドレッドトゥエンティサード プレイス 3080 Fターム(参考) 4B024 AA05 AA17 BA08 CA01 FA02 GA11 GA16 4B050 CC03 DD04 LL02 LL05 4B063 QA01 QA18 QQ07 QQ24 QR69 QS24 QX01 4B065 AA72X AA73X AA77Y AA82X AB01 AC14 AC20 BA02 BB12 CA28 CA41 CA56

Claims (70)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチロトローフ酵母由来のホルムアルデヒドデヒドロゲナー
    ゼ遺伝子(FLD)を含む単離核酸。
  2. 【請求項2】 メチロトローフ酵母由来のホルムアルデヒドデヒドロゲナー
    ゼ遺伝子(FLD)を含む単離核酸であって、上記単離核酸は、低ストリンジェ
    ントな条件下で、配列番号1に示したヌクレオチド配列、配列番号5に示したヌ
    クレオチド配列、または配列番号1または5に示したヌクレオチド配列に相補的
    なヌクレオチド配列の少なくとも1つにハイブリッド化する上記単離核酸。
  3. 【請求項3】 約2Kbから約3.5kbの長さを有する、請求項2の単離
    核酸。
  4. 【請求項4】 約2.5kbから約3.5kbの長さを有する、請求項2の
    単離核酸。
  5. 【請求項5】 図7に示す制限地図を有する、または図10の斜交平行線模
    様領域に示した制限地図を有するFLD遺伝子を含む単離核酸。
  6. 【請求項6】 メチロトローフ酵母由来のFLD遺伝子を含む単離核酸であ
    って、上記単離核酸は、配列番号5に示したヌクレオチド配列と比較すると、約
    70%から約85%の配列相同性をもつコード配列を有する、上記単離核酸。
  7. 【請求項7】 メチロトローフ酵母由来のFLD遺伝子を含む単離核酸であ
    って、上記単離核酸は、配列番号5に示したヌクレオチド配列と比較すると、約
    85%から約95%の配列相同性もつコード配列を有する、上記単離核酸。
  8. 【請求項8】 メチロトローフ酵母由来のFLD遺伝子を含む単離核酸であ
    って、上記単離核酸は、配列番号5に示したヌクレオチド配列と比較すると、約
    95%以上の配列相同性もつコード配列を有する、上記単離核酸。
  9. 【請求項9】 配列番号1または配列番号5に示した配列を含む単離核酸。
  10. 【請求項10】 FLDプロモーターを含むメチロトローフ酵母由来の単離
    核酸であって、上記プロモーターはFLD遺伝子の翻訳開始コドンの上流に位置
    し、上記FLD遺伝子のコード配列は、配列番号5に示したFLDコード配列の
    ヌクレオチド配列と比較すると約70%から約85%の配列相同性を有する、上
    記単離核酸。
  11. 【請求項11】 FLDプロモーターを含むメチロトローフ酵母由来の単離
    核酸であって、上記プロモーターはFLD遺伝子の翻訳開始コドンの上流に位置
    し、上記FLD遺伝子のコード配列は、配列番号5に示したFLDコード配列の
    ヌクレオチド配列と比較すると約85%から約95%の配列相同性を有する、上
    記単離核酸。
  12. 【請求項12】 FLDプロモーターを含むメチロトローフ酵母由来の単離
    核酸であって、上記プロモーターはFLD遺伝子の翻訳開始コドンの上流に位置
    し、上記FLD遺伝子のコード配列は、配列番号5に示したFLDコード配列の
    ヌクレオチド配列と比較すると約95%以上の配列相同性を有する、上記単離核
    酸。
  13. 【請求項13】 約600塩基対以上のヌクレオチド配列を含む、請求項1
    0〜12のいずれか1つの単離核酸。
  14. 【請求項14】 配列番号3に示した配列を含む単離核酸。
  15. 【請求項15】 図8に示した制限地図を有するFLDプロモーターを含む
    単離核酸。
  16. 【請求項16】 メチロトローフ酵母由来のFLD3’終結配列を含む単離
    核酸であって、上記3’終結配列はFLD遺伝子の翻訳終止コドンの下流に位置
    し、上記FLD遺伝子のコード配列は、配列番号5に示したFLDコード配列の
    ヌクレオチド配列と比較すると約70%から約85%の配列相同性を有する、上
    記単離核酸。
  17. 【請求項17】 メチロトローフ酵母由来のFLD3’終結配列を含む単離
    核酸であって、上記3’終結配列はFLD遺伝子の翻訳終止コドンの下流に位置
    し、上記FLD遺伝子のコード配列は、配列番号5に示したFLDコード配列の
    ヌクレオチド配列と比較すると約85%から約95%の配列相同性を有する、上
    記単離核酸。
  18. 【請求項18】 メチロトローフ酵母由来のFLD3’終結配列を含む単離
    核酸であって、上記3’終結配列はFLD遺伝子の翻訳終止コドンの下流に位置
    し、上記FLD遺伝子のコード配列は、配列番号5に示したFLDコード配列の
    ヌクレオチド配列と比較すると約95%以上の配列相同性を有する、上記単離核
    酸。
  19. 【請求項19】 3’終結は、約300塩基対以上のヌクレオチド配列を含
    む、請求項16〜18のいずれか1つの単離核酸。
  20. 【請求項20】 配列番号4に示した配列を含む単離核酸。
  21. 【請求項21】 FLD遺伝子を含む単離核酸であって、上記FLD遺伝子
    は、配列番号2に示したアミノ酸配列と比較すると約30%から約49%のアミ
    ノ酸配列同一性を有する産物をコードする、上記単離核酸。
  22. 【請求項22】 FLD遺伝子を含む単離核酸であって、上記FLD遺伝子
    は、配列番号2に示したアミノ酸配列と比較すると約50%から約90%のアミ
    ノ酸配列同一性を有する産物をコードする、上記単離核酸。
  23. 【請求項23】 FLD遺伝子を含む単離核酸であって、上記FLD遺伝子
    は、配列番号2に示したアミノ酸配列と比較すると約90%以上のアミノ酸配列
    同一性を有する産物をコードする、上記単離核酸。
  24. 【請求項24】 FLD遺伝子由来のプロモーター、コード配列または3’
    終結配列の少なくとも1つを含む単離核酸であって、上記FLD遺伝子は、配列
    番号2に示したアミノ酸配列と比較すると約30%から約49%のアミノ酸配列
    同一性を有する産物をコードする、上記単離核酸。
  25. 【請求項25】 FLD遺伝子由来のプロモーター、コード配列または3’
    終結配列の少なくとも1つを含む単離核酸であって、上記FLD遺伝子は、配列
    番号2に示したアミノ酸配列と比較すると約50%から約90%のアミノ酸配列
    同一性を有する産物をコードする、上記単離核酸。
  26. 【請求項26】 FLD遺伝子由来のプロモーター、コード配列または3’
    終結配列の少なくとも1つを含む単離核酸であって、上記FLD遺伝子は、配列
    番号2に示したアミノ酸配列と比較すると約90%以上のアミノ酸配列同一性を
    有する産物をコードする、上記単離核酸。
  27. 【請求項27】 FLD遺伝子由来のプロモーター、コード配列または3’
    終結配列の少なくとも1つを含む単離核酸であって、上記FLD遺伝子は、配列
    番号2に示したアミノ酸配列を有する産物をコードする、上記単離核酸。
  28. 【請求項28】 請求項1〜12、14〜18、または20〜27のいずれ
    か1つの単離核酸を含むベクター。
  29. 【請求項29】 請求項1〜12、14〜18、または20〜27のいずれ
    か1つの単離核酸を含む宿主細胞。
  30. 【請求項30】 請求項28のベクターを含む宿主細胞。
  31. 【請求項31】 宿主細胞は細菌細胞または酵母細胞である、請求項29の
    宿主細胞。
  32. 【請求項32】 宿主細胞は細菌細胞または酵母細胞である、請求項30の
    宿主細胞。
  33. 【請求項33】 請求項10〜12または24〜26のいずれか1つのプロ
    モーターを含む発現カセットであって、上記プロモーターは、異種遺伝子をコー
    ドする核酸に作動可能に連結されている、上記発現カセット。
  34. 【請求項34】 異種遺伝子は、ヒト血清アルブミン、インベルターゼ、ウ
    シリゾチーム、ヒトEGF、マウスEGF、アプロチニン、クニッツプロテアー
    ゼ阻害剤、B型肝炎表面抗原、腫瘍壊死因子、破傷風毒素断片C、百日咳抗原P
    69、ストレプトキナーゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはBacillus属
    の種の結晶タンパク質毒素である、請求項33の発現カセット。
  35. 【請求項35】 3’終結配列をさらに含む、請求項33の発現カセット。
  36. 【請求項36】 請求項10〜12または24〜26のいずれか1つのプロ
    モーターを含む発現カセットであって、上記プロモーターは、異種遺伝子をコー
    ドする核酸に作動可能に連結され、異種遺伝子をコードする核酸は、その3’末
    端で、請求項16〜18または24〜26の3’終結配列のいずれか1つに作動
    可能に連結されている、上記発現カセット。
  37. 【請求項37】 3’終結配列は、AOX1遺伝子、p40遺伝子、または HIS4 遺伝子の配列である、請求項35の発現カセット。
  38. 【請求項38】 請求項33に記載の発現カセットを含む発現ベクター。
  39. 【請求項39】 請求項35に記載の発現カセットを含む発現ベクター。
  40. 【請求項40】 請求項36に記載の発現カセットを含む発現ベクター。
  41. 【請求項41】 請求項37に記載の発現カセットを含む発現ベクター。
  42. 【請求項42】 請求項33に記載の発現カセットを含む宿主細胞。
  43. 【請求項43】 請求項35に記載の発現カセットを含む宿主細胞。
  44. 【請求項44】 請求項36に記載の発現カセットを含む宿主細胞。
  45. 【請求項45】 請求項37に記載の発現カセットを含む宿主細胞。
  46. 【請求項46】 請求項38に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  47. 【請求項47】 請求項39に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  48. 【請求項48】 請求項40に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  49. 【請求項49】 請求項41に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  50. 【請求項50】 上記宿主細胞はメチロトローフ酵母細胞である、請求項4
    6の宿主細胞。
  51. 【請求項51】 上記宿主細胞はメチロトローフ酵母細胞である、請求項4
    7の宿主細胞。
  52. 【請求項52】 上記宿主細胞はメチロトローフ酵母細胞である、請求項4
    8の宿主細胞。
  53. 【請求項53】 上記宿主細胞はメチロトローフ酵母細胞である、請求項4
    9の宿主細胞。
  54. 【請求項54】 メチロトローフ酵母細胞は、Pichia属、Candi
    da属、Hansenula属、またはTorulopsis属由来である、請
    求項46の宿主細胞。
  55. 【請求項55】 メチロトローフ酵母細胞は、Pichia属、Candi
    da属、Hansenula属、またはTorulopsis属由来である、請
    求項47の宿主細胞。
  56. 【請求項56】 メチロトローフ酵母細胞は、Pichia属、Candi
    da属、Hansenula属、またはTorulopsis属由来である、請
    求項48の宿主細胞。
  57. 【請求項57】 メチロトローフ酵母細胞は、Pichia属、Candi
    da属、Hansenula属、またはTorulopsis属由来である、請
    求項49の宿主細胞。
  58. 【請求項58】 メチロトローフ酵母で異種遺伝子の発現を指令する方法で
    あって、 a)メチロトローフ酵母細胞に、メチロトローフ酵母から単離したFLDプロ
    モーターを含む単離核酸を導入すること、ここでの上記プロモーターは、その3
    ’末端で、異種遺伝子の5’末端に作動可能に連結し、上記異種遺伝子は、その
    3’末端で、メチロトローフ酵母で機能する終結配列の5’末端に作動可能に連
    結しており; b)上記メチロトローフ酵母細胞を、グリセロールまたはグルコースなどの適
    切な炭素源を有し、およびアンモニウム塩または水酸化アンモニウムなどの適切
    な窒素源を有する培地で増殖させること、および炭素または窒素源が枯渇した後
    ; c)上記異種遺伝子の発現を、メタノール或いはメチルアミンまたはメタノー
    ルおよびメチルアミンの両方の添加により誘導することを含む、上記方法。
  59. 【請求項59】 メチロトローフ酵母で異種遺伝子の発現を指令する方法で
    あって、 a)メチロトローフ酵母細胞に、メチロトローフ酵母から単離したFLDプロ
    モーターを含む単離核酸を導入すること、ここでの上記プロモーターは、その3
    ’末端で、異種遺伝子の5’末端に作動可能に連結し、上記異種遺伝子は、その
    3’末端で、メチロトローフ酵母で機能する終結配列の5’末端に作動可能に連
    結しており; b)上記メチロトローフ酵母細胞を、グリセロールまたはグルコースなどの適
    切な炭素源を有し、アンモニウム塩または水酸化アンモニウムなどの適切な窒素
    源を有する培地で増殖させること、および炭素または窒素源が枯渇した後; c)上記異種遺伝子の発現を、ホルムアルデヒド、蟻酸、またはメチル化アミ
    ンの添加により誘導することを含む、上記方法。
  60. 【請求項60】 メチル化アミンはコリンである、請求項59の方法。
  61. 【請求項61】 ホルムアルデヒド耐性宿主細胞を選択する方法であって、 a)メチロトローフ酵母細胞を、FLD遺伝子を含むベクターで形質転換する
    こと、ここでの上記FLD遺伝子は、その5’末端上で、上記酵母細胞で機能す
    FLDプロモーターまたは異種プロモーターに作動可能に連結し、上記FLD
    遺伝子は、その3’末端で、上記酵母細胞で機能する3’終結配列に作動可能に
    連結しており; b)ホルムアルデヒドの存在下で上記宿主細胞を増殖させ;および c)ホルムアルデヒドの存在下で増殖する形質転換酵母細胞を選択することを
    含む、上記方法。
  62. 【請求項62】 FLD遺伝子(fld)の欠損したメチロトローフ酵母株
  63. 【請求項63】 上記株は、Pichia pastoris GS241
    fld1−1)である、請求項62に記載のメチロトローフ酵母株。
  64. 【請求項64】 FLD遺伝子が欠損し、別の生合成遺伝子について栄養要
    求性である、メチロトローフ酵母株。
  65. 【請求項65】 上記株はヒスチジンについて栄養要求性である(HIS )、請求項64に記載のメチロトローフ酵母株。
  66. 【請求項66】 上記株は、Pichia pastoris MS105
    (fld1−1 his4)である、請求項65に記載のメチロトローフ酵母株
  67. 【請求項67】 キットであって、 a)少なくとも1つの制限部位が、FLDプロモーターと3’終結配列の間に
    位置し、よって異種遺伝子が挿入され得、上記プロモーターおよび上記3’終結
    配列に作動可能に連結され得る、メチロトローフ酵母で機能するFLDプロモー
    ターおよび3’終結配列を含む発現カセットであり、 b)ベクターは、マーカー遺伝子および上記カセットの挿入のための1つ以上
    の制限部位を含む、メチロトローフ酵母中で複製するか、またはメチロトローフ
    酵母のゲノムに組込まれる上記ベクターを含むキット。
  68. 【請求項68】 マーカー遺伝子としてのメチロトローフ酵母由来のFLD
    遺伝子を含む発現ベクターおよび発現カセットを含むキットであって、上記発現
    カセットは、メチロトローフ酵母で機能するプロモーターおよび3’終結配列を
    含み、少なくとも1つの制限部位が、プロモーターと3’終結配列の間に位置し
    、よって異種遺伝子が挿入され得、上記プロモーターおよび上記3’終結配列に
    作動可能に連結され得る、上記キット。
  69. 【請求項69】 プロモーターは、Pichia pastoris AO
    X1プロモーターである、請求項68に記載のキット。
  70. 【請求項70】 3’終結配列は、Pichia pastoris AO
    X1 3’終結配列である、請求項68に記載のキット。
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