JP2002518343A - ヘリコバクター感染に対する非経口的免疫処置法におけるltおよびct - Google Patents

ヘリコバクター感染に対する非経口的免疫処置法におけるltおよびct

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リチャード エイ. ウェルツィン
ブルーノ ガイ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、1つまたは複数のヘリコバクター抗原ならびにアジュバントとしてLTおよび/またはLTBを哺乳動物に対して非経口的に投与することによって、哺乳動物におけるヘリコバクター感染に対する防御的または治療的免疫応答を誘発させる方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 本発明は、ヘリコバクター感染に対する免疫処置の方法に関する。
【0002】 コレラ毒素(CT)および大腸菌易熱性エンテロトキシン(LT)は、粘膜免疫の
ための免疫アジュバントとして一般に用いられる。LTの無毒性Bサブユニット(L
TB)にも免疫調節活性があることが示されている。ウレアーゼまたは他のヘリコ
バクター抗原とともに粘膜に送達されると、LTおよびCTはそれぞれ、ヘリコバク
ター・ピロリ菌(Helicobacter pylori)による感染からマウスを防御する免疫
応答を誘発する。
【0003】 スー-アマノ(Xu-Amano)ら(J. Exp. Med. 178:1309〜1320、1993)は、破
傷風毒素(TT)およびCTの双方による腹腔内免疫処置後のマウスで特異的な血清
IgMおよびIgG(しかし、IgAではない)応答が生じることを示した。TTのみの場
合にはわずかな応答が生じた。ホーンキスト(Hornquist)ら(Eur. J. Immunol
. 23:2136〜2143、1993)は、CTをキーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH
)とともに静脈内投与するとCD4+T細胞の初回刺激(priming)が促進されること
を示した。マリナロ(Marinaro)ら(J. Immunol. 155:4621〜4629、1995)は
、抗原およびアジュバントを皮下投与した場合に、CTがTTに対する血清IgEの産
生を促すことを示している。
【0004】発明の概要 本発明者らは、非経口的に送達されたLTおよびLTBが、ウレアーゼなどのヘリ
コバクター抗原の免疫防御機能を増強する有効なアジュバントであることを見い
だした。本発明者らは、LTとLTBとの併用(LT+LTB)が、LT単独よりも優れた結
果をもたらすことも見いだした。
【0005】 したがって、本発明は、哺乳動物においてヘリコバクター感染に対する防御的
または治療的な免疫応答を誘発させる方法であって、(a)ヘリコバクター抗原
および(b)LTまたはLTB(例えば、LT+LTB)を含むアジュバントを哺乳動物に
非経口的に(例えば、皮下、皮内、筋肉内または静脈内に)投与する方法を特徴
とする。選択的には、LTおよび/またはLTBに加えてCTおよび/またはCTBを含め
ることが可能である。
【0006】 抗原およびアジュバントは1つの溶液中に一緒にして提供することもでき、ま
たは別々に提供することもできる。抗原としてはウレアーゼ、またはそのサブユ
ニット、酵素的活性のない誘導体、もしくは断片が可能である。抗原がカタラー
ゼ、HspA、HspB、ラクトフェリン受容体、p76、p32、BabA、BabB、AlpA、AlpBま
たはその免疫原性断片もしくは誘導体であってもよい。本発明の方法は、複数の
ヘリコバクター抗原の投与も含む。
【0007】 本発明は、哺乳動物においてヘリコバクター感染に対する防御的または治療的
免疫応答を誘発させることを目的とする哺乳動物への非経口的(例えば、皮下、
皮内、筋肉内または静脈内)投与のための1つのヘリコバクター抗原およびLTま
たはLTB(例えば、LT+LTB)を含む1つのアジュバントの使用、ならびに哺乳動
物においてヘリコバクター感染に対する防御的または治療的免疫応答を誘発させ
ることを目的とする医薬品の調製における抗原およびアジュバントの使用も含む
。選択的には、LTおよび/またはLTBに加えてCTおよび/またはCTBを含めること
が可能である。
【0008】 抗原およびアジュバントは1つの溶液中に一緒にして提供することもでき、ま
たは別々に提供することもできる。抗原としてはウレアーゼ、またはそのサブユ
ニット、酵素的活性のない誘導体、もしくは断片が可能である。抗原がカタラー
ゼ、HspA、HspB、ラクトフェリン受容体、p76、p32、BabA、BabB、AlpA、AlpBま
たはその免疫原性断片もしくは誘導体であってもよい。本発明において複数のヘ
リコバクター抗原を用いることもできる。
【0009】 本発明にはいくつか利点がある。例えば、LTの非経口的送達は、毒素が腸上皮
細胞と接触せず、このため下痢を引き起こさない点で有利である。また、本発明
者らの観察では非経口的に投与されたLTの毒性は注射部位の腫脹に限定され、LT
Bは高用量でも毒性は認められなかった(下記参照)が、これはLTの防御免疫増
強効果に一致するものであった。また、LT(低用量)+LTB(高用量)の非経口
的投与による効果増強に関する本発明者の観察によれば、副作用の可能性は極め
て低い。
【0010】 本発明のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、図面および特許請求
の範囲によって明らかとなる。
【0011】詳細な説明 本発明の方法および組成物にはいくつかの成分および技法を用いるが、それら
の詳細を以下に説明する。
【0012】抗原 本発明における使用のために好ましい抗原は、細菌培養物から精製されるか、
または標準的な組換え法もしくは化学合成法を用いて製造される、ヘリコバクタ
ー(例えば、H.ピロリ菌(H. pylori)またはH.フェリス(H. felis))の蛋白
質または他の成分(例えば、リポ多糖または糖質)である。好ましい抗原は蛋白
質または蛋白質の一部(すなわち、ペプチドまたはポリペプチド)である。ポリ
ペプチド抗原の免疫原性断片を同定するための方法は当技術分野で周知であり、
本発明の方法において用いるための抗原の調製に用いることができる(Sturniol
oら、Nature Biotechnology、「DNAマイクロアレイおよび仮想的HLAクラスIIマ
トリックスを用いた組織特異的および乱交雑HLAリガンドデータベースの作製(G
eneration of Tissue-Specific and Promiscuous HLA Ligand Databases Using
DNA Microarrays and Virtual HLA Class II Matrices)」、1999年6月)。本発
明に用いることができるそのほかの抗原は、細菌全体およびヘリコバクター可溶
化物などの非精製蛋白質調製物である。
【0013】 本発明において用いる抗原は、融合蛋白質、すなわち、ペプチド結合によって
連結された形で、通常は別々の蛋白質である2つまたはそれ以上の蛋白質(また
はその断片)に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドとして製造することが
できる。融合蛋白質は一般に、融合蛋白質を構成する個々のポリペプチドのそれ
ぞれをコードするヌクレオチドを含む融合遺伝子(hybrid gene)の発現によっ
て合成される。本発明に含まれる抗原性融合蛋白質の一例は、ウレアーゼなどの
H.ピロリ菌抗原と融合させたCTまたはLT毒素アジュバント(例えば、毒素Aもし
くはBサブユニットまたはアジュバント活性を有するその断片もしくは誘導体)
である。本発明に含まれるもう一つの種類の融合蛋白質は、融合蛋白質の精製を
容易にするポリペプチド(例えば、グルタチオン5-トランスフェラーゼ(GST)
)と融合させた抗原からなる。本発明において抗原として用いる蛋白質を、標準
的な方法を用いてアジュバントと共有結合させてもよく、化学的に架橋させても
よい。
【0014】 本発明における使用のために最も好ましいH.ピロリ抗原は、ウレアーゼおよび
その誘導体である。参照として本明細書に組み入れられるリー(Lee)ら、国際
公開公報第96/33732号に記載された通りに製造される、酵素的活性のない組換
え多量体ウレアーゼ複合体が最も好ましい。例えばカタラーゼ(国際公開公報第
95/27506号)、HspAおよびHspB(国際公開公報第94/26901号)、ラクトフェリ
ン受容体(国際公開公報第97/13784号)、p76(国際公開公報第97/12908号)
、p32(国際公開公報第97/12909号)、BabAおよびBabB(国際公開公報第97/47
646号)、AlpA(国際公開公報第96/41880号)、AlpB(国際公開公報第97/1118
2号)のほか、国際公開公報第96/38475号、国際公開公報第96/40893号、国際
公開公報第97/19098号、国際公開公報第97/37044号および国際公開公報第98/
18323号に記載された抗原などの、他の数多くの免疫原性H.ピロリ抗原を本発明
に従って投与することも可能である。免疫原性抗原は単独で(アジュバントとと
もに)用いることもでき、または2つまたはそれ以上の抗原の「混合物(cocktai
l)」として用いることもできる。
【0015】LTおよびCTアジュバント 本発明には既知の任意のLTもしくはCTアジュバントまたはその変形物(varian
t)を用いることができる。天然型のものも用いることができ(例えば、Clement
sら、Vaccine 6:269、1988参照)、強いアジュバント活性を示すものの、それ
には幾分毒性があるため、さらに毒性の弱い変異体の方が好ましい。アジュバン
ト活性を有するこのような変異体のいくつかは、参照として本明細書に組み入れ
られる国際公開公報第93/13202号、国際公開公報第95/17211号および国際公開
公報第96/06627号に記載されている。参照として本明細書に組み入れられる米
国特許第5,308,835号、第5,079,165号、第4,808,700号および第5,182,109号に記
載された低毒性Bサブユニット(LTB)も有効である。
【0016】 本発明ではLTまたはCTトキソイドをアジュバントとして用いることもできる。
トキソイドとは、その毒性を消失または低下させつつアジュバント活性は保たれ
るような処理を受けた毒素のことである。本発明に含まれるトキソイドは、化学
的(例えば、ホルムアルデヒドまたはグルタルアルデヒド)処理、プロテアーゼ
切断、および組換え法(例えば、毒素の断片または変異(点変異など)を作製す
ることによる)を非制限的に含む、標準的な方法を用いて作製される。適切な発
現ベクター中にある、LTまたはCT毒素サブユニットもしくはトキソイドをコード
するDNAを用いることもできる。CTおよびLTの詳細は、例えば、スパングラー(S
pangler)(Microbiological Reviews 56(4):622〜647、1992)に記載されて
いる。
【0017】ワクチンの配合 一般には、H.ピロリ抗原およびアジュバントを、例えば、水、生理食塩水また
はリン酸緩衝生理食塩水などの薬学的に許容される担体中にて混合する。組成物
中のH.ピロリ菌抗原の濃度は、好ましくは10μgから1mgまでの間、有利には25μ
gから500μgまでの間、好ましくは50μgから200μgまでの間であり、より好まし
くは1回分の投与量が約100μgの抗原を含む。組成物中のLTまたはCTアジュバン
トの濃度は好ましくは1μgから100μgまでの間であり、LTBまたはCTBサブユニッ
トもしくはトキソイドの濃度は好ましくは1μgおよび1mgの間、例えば10μgから
50μgまでの間である。
【0018】投与 本発明の組成物は非経口的に投与される。すなわち、組成物は皮下、筋肉内、
静脈内、皮内またはその他の任意の非粘膜的方式によって注入される。LTまたは
CTアジュバントは、カプセルに封入された剤形として投与してもよく、カプセル
に封入されていない剤形として(すなわち、溶液として)投与してもよい。
【0019】 本発明の方法は、H.ピロリ感染症の治療および予防の両方の目的に用いること
ができる。予防の目的には、H.ピロリ抗原が0.05〜5mg/kgとなる用量の本組成
物を、1週間〜6カ月間隔で1〜6カ月間にわたって患者に注射する。治療する必要
のあるH.ピロリ感染症が患者にある場合には、H.ピロリ抗原が0.05〜5mg/kgと
なるように1週間〜6カ月間隔で1〜6カ月間にわたり注射による投与を行う。本発
明の免疫療法に対する補助療法として抗生物質を投与することができる。
【0020】 以下の実験結果は本発明の方法を裏づけるものである。
【0021】結果 組換えLTおよびLTBの特徴分析 Y-1細胞円形化アッセイ方(rounding assay
)(Chapmanら、J. Med. Microbiol. 18:399〜403、1984)を用いてLTおよびLT
Bの毒性に関する試験を行った。LTの試験は、Aサブユニットの切断によって毒素
を活性化するトリプシンによる処理の前および後に行った。細胞の50%が円形化
するのに必要な非処理LTの用量(ED50)は0.2ng/mlであった。トリプシン処理
後のED50は0.1ng/mlに低下し、このことからトリプシン処理前にLTのほぼ50%
に活性があることが示された。LTBは最大100μg/mlまでの濃度で試験した限り
では活性が認められなかった。
【0022】 非経口的に送達されたLTおよびLTBのH.ピロリ菌感染刺激に対するアジュバン
ト効果 マウスに対して、5ng〜5μgの組換えLTまたは5μg〜50μgの組換えLT
B(表1参照)と混合した10μgのH.ピロリ菌ウレアーゼによる皮下または皮内免
疫処置を行った。陽性対照として、H.ピロリ菌感染刺激に対する防御を生じるこ
とが以前に示されている処方である(Ermakら、J. Exp. Med. 188:2277〜2288
、1998)、25μgウレアーゼ+1μg LTの経口または胃内免疫処置をマウスに行っ
た。2週間の投与間隔をおいて3回の免疫処置を行うという日程を用いた。さらに
高い2種類の用量のLT(0.5および5μg)の皮下注射を受けたマウスには注射部位
に腫脹が生じ、初回免疫処置から2週後にもこれは残存していた。このため、こ
れらの2群では2回目の投与は中止し、腫脹が鎮静化した時点である、1回目の投
与から4週後の時点で単回の追加免疫処置を行った。注射部位の腫脹は直径約1cm
の隆起領域であり、皮膚の色調変化および壊死は認められなかった。他の毒性の
徴候も認められなかった。0.5および5μgのLTの皮内注射を受けたマウスでも注
射部位に腫脹が生じた。これらのマウスではそれほど急速には腫脹の鎮静化が認
められなかったため、それ以上の免疫処置は行わず、これらのマウスは試験から
除外した。最後の免疫処置から2週間後に、マウスに適合化させたH.ピロリX47-2
AL株による胃内感染刺激をマウスに加えた。胃コロニー形成の評価は感染刺激か
ら2週間後にウレアーゼ活性および細菌CFUの測定によって行った。
【0023】 胃ウレアーゼ活性に関する結果を図1に示す。個々のマウスのA550値および各
群の中央値を示している。アッセイ法に伴う技術的問題のために、一部の群では
含まれるデータポイントは10個未満であった。免疫処置を受けていない群のマウ
スは明らかに感染し(A550≧0.20)、A550の中央値は0.67であった。ウレアーゼ
+LTによる胃内免疫処置を受けたマウス(陽性対照)のA550の中央値は0.21であ
り、すべてのマウスでH.ピロリ菌の胃クローン形成が大幅に低下した。ウレアー
ゼに加えて最も高い2種類の用量のLT(5および0.5μg)による皮下免疫処置を受
けたマウスにおいても同様の効果が認められた。これよりも低用量のLT(50およ
び5ng)の効果は幾分低かった。ウレアーゼおよびLTによる皮内免疫処置でもほ
ぼ同程度の防御が得られた。ウレアーゼ+50μg LTBによる皮下免疫処置を行っ
た場合のA550値はすべての群の中で最も低かった。
【0024】 胃組織の量的培養の結果はウレアーゼアッセイ法の結果を反映するものであっ
た(図2)。最も高用量のLTおよびLTB皮下接種により、胃内免疫処置によって得
られるものと同レベルの防御がもたらされた。これよりも低い用量では効果も低
くなった。より詳細には、非免疫処置マウスにおけるH.ピロリ菌の胃コロニー形
成レベルの中央値は2.9×105CFU/胃試料であった(図2)。ウレアーゼ+LTによ
る経口免疫処置を受けたマウスでは中央値が9.1×103CFU/試料であり、X47-2AL
株を感染刺激に用いた以前の実験と同じく(26、38)、コロニー形成の有意な低
下が認められた(P=0.0004)。ウレアーゼと最も高用量のLT(5μg)との皮下
投与は、感染低下の点で経口免疫処置と同じ程度に有効であり、H.ピロリ菌レベ
ルの中央値は8.3×103CFU/試料へと有意に低下した(図2)。ウレアーゼとより
低用量のLTとの皮下投与による胃コロニー形成の低下の程度はこれよりもわずか
ではあったものの、有意であった(P<0.05)。ウレアーゼと5ngまたは50ngのLT
との皮下注射は、同じ用量の皮下投与と同程度に有効であった。ウレアーゼと50
μgのLTBとの皮下投与によってH.ピロリ菌レベルの中央値は3.2×103CFU/試料
に低下し、これはすべての群で最も低かった。5μgのLTBのみを用いた場合には
、これより低いものの有意な効果が認められた(P=0.0006)。
【0025】 免疫処置後にはすべてのマウスの血清中にウレアーゼに対するIgGが生じた(
図3)。非経口的免疫処置を受けたマウスにおける応答は、胃内免疫処置を受け
たマウスよりも高度であった。LTの非経口投与を受けた群では、用量が低いほど
IgG産生応答が低いという傾向が認められた。ウレアーゼ+LTBによる免疫処置を
受けたマウスにおける応答は、ウレアーゼ+LTによる免疫処置を受けたマウスの
ものよりも幾分弱かった。
【0026】 ウレアーゼに対する唾液IgAは胃内免疫処置群で最も高値であったが、マウス1
0匹中3匹では応答がみられなかった(図4)。他の免疫処置群におけるIgA応答は
一定の範囲であった。ウレアーゼ+LTによる皮下免疫処置を受けたマウスで最も
高い応答がみられたのは、 最も低い2種類の用量のLT(50および5ng)による処
置を受けた群であった。ウレアーゼ+50または5ng LTによる皮内免疫処置の場合
は、大部分のマウスで唾液IgAが誘発された。LTB免疫処置によってIgA応答が生
じたのは主として低用量群であった。
【0027】 以上の結果は、粘膜的または非経口的に送達されたLTが、H.ピロリ菌感染に対
するマウス免疫化のための有効なアジュバントとして作用することを示している
。驚くべきことに、非経口的に送達されたLTはウレアーゼに対するIgA分泌応答
を促した。本発明者らは以前の実験で、ウレアーゼを単独またはミョウバンアジ
ュバントに吸着させた形で皮下注射しても唾液IgA応答はほとんどまたは全く誘
発されないことを見いだしている。
【0028】 経口的に送達されたLTB、および非経口的に送達されたLT-LTB混合物のアジュ
バント効果 LTBが経口的に活性をもつか否か、皮下投与したウレアーゼはLT
またはLTBがなくても防御性を有するか否か、ならびにLTおよびLTBの併用はいず
れか一方の分子単独よりも有効か否かといった点を含む、ウレアーゼと併用した
場合のLTおよびLTBのアジュバント活性に関するいくつかの問題を検討するため
に、上記と同じ免疫処置日程および感染刺激手順を用いる第2の実験をデザイン
した。図5に示す通り、胃コロニー形成レベルの中央値は、非処置マウスの7.9×
104CFU/試料からウレアーゼ+1μg LTの経口投与によって1.5×104CFU/試料へ
と低下した(P=0.02)。しかし、ウレアーゼと50μgのLTBとの経口投与にはコ
ロニー形成に対する効果はみられなかった(P=0.82)。ウレアーゼのみの皮下
免疫処置によってH.ピロリ菌レベルの中央値は非処置マウスよりもわずかに低下
し(P=0.02)、LTまたはLTBの添加によって防御効果は増強した(P=0.01)。
前の実験と同じく、LTBの効果は高用量(50μg)の方が低用量(5μg)よりも大
きかった。ウレアーゼを伴わずに50μgのLTBを投与してもコロニー形成に対する
効果はなかった。最大の効果が認められたのは、50μg LTBおよび10ng LTの混合
物を皮下免疫処置のためのアジュバントとして用いた場合であった。この群では
コロニー形成のレベルが2.1×103CFU/試料に低下した(P=0.0002)。
【0029】 ウレアーゼおよびLTまたはLTBアジュバントの非経口的送達後のウレアーゼに
対する抗体反応 ウレアーゼに対して産生される抗体の程度および種類に対す
るさまざまなアジュバントおよび免疫処置経路の効果を明らかにする目的で、免
疫処置の後でH.ピロリ菌感染刺激を行う前の時点で血清および唾液を採取して検
討した。1/100倍希釈で試験した場合、非免疫処置マウスの血清中にウレアーゼ
に対するIgGは検出されなかった。ウレアーゼ+LTによる経口免疫処置により、
低〜中程度の力価のウレアーゼ特異的IgGの産生が誘発された(図6)。LTBをア
ジュバントとして用いてマウスに経口免疫処置を行った場合のIgG価も同程度で
あった。皮下免疫処置を行ったマウスから採取した血清におけるIgGレベルは全
群とも経口免疫処置によって得られた値より高く、各群の内部における反応の均
一性も高かった。ウレアーゼ単独の皮下免疫処置によって得られたIgG価は5 log 10 よりも高く、LTまたはLTDの添加によって抗体価はその数倍に増加した(それ
ぞれP=0.06およびP<0.005、LTおよびLTD群と非アジュバント投与群との比較)
。防御作用と同じく、LTおよびLTDの同時投与には相加作用があり、ウレアーゼ
特異的IgG価は6.9 log10となったが、これはアジュバントを伴わずにウレアーゼ
のみによる免疫処置を受けたマウスにおける中央値に対して20倍の増加であっっ
た(P=0.002)。
【0030】 血清IgG1およびIgG2aレベルの分析では、ウレアーゼ特異的IgG応答の質に関し
て群間差が認められた(表2)。LTまたはLTDのいずれをウレアーゼとともに送達
した場合も、皮下免疫処置と比べて、経口免疫処置によって誘発されたIgG1およ
びIgG2aレベルはともに低く、IgG1/IgG2a比も低かった。これに対して、LTおよ
びLTDの皮下免疫処置の際に誘発されたウレアーゼに対するIgG応答は互いに質的
に異なっていた。ウレアーゼ単独の皮下投与によって強いIgG1およびIgG2a応答
が誘発され、双方のアイソタイプの値はLTまたはLTBの添加によって上昇した。
しかし、LTはIgG2aよりもIgG1の上昇を強く刺激し、一方、LTDはIgG1よりもIgG2
aの上昇を強く刺激した。LTおよびLTDをともに投与した場合にLTBの効果は最も
強いように思われ、IgG2a価の中央値は6.7 log10であったが、これはアジュバン
トを用いずにウレアーゼのみを投与したマウスの80倍近い値であり、すべての群
の中で最も高かった。
【0031】 ウレアーゼに対する血清IgEは、非経口免疫処置の場合のみに産生された(図7
)。ウレアーゼ単独による皮下免疫処置により、大部分のマウスにおいて低レベ
ルのIgE応答が誘発された。LTアジュバントを添加するとIgEレベルは上昇したが
、応答の程度にはばらつきが大きかった。LTBアジュバントの投与を受けたマウ
スにおけるIgE応答の中央値は、アジュバントを投与していないマウスの値より
もわずかに高いのみであった。LTおよびLTBの併用によって得られたレベルはLTB
単独の場合に認められた程度よりも幾分高かった。
【0032】 唾液中のウレアーゼに対するIgAは、マウスに経口免疫処置を行ってLTアジュ
バントを用いた場合に最も高値であったが、すべてのマウスにIgA応答が検出さ
れたわけではなかった(図8)。ウレアーゼのLTBとの経口投与またはアジュバン
トなしでの皮下投与によって誘発された唾液中の特異的IgAはごく低いレベルで
あった。LTをウレアーゼとともに皮下投与した場合には大部分のマウスの唾液中
に低レベルの特異的IgAが誘発されたが、一方、LTBには同様の効果がみられたも
のの、何匹かのマウスでは中程度のレベルの唾液IgAも誘導された。LTおよびLTB
をともに投与しても、ウレアーゼのみによる免疫処置を受けたマウスに認められ
たレベルを上回る特異的唾液IgAの増加は生じなかった。
【0033】 ウレアーゼおよびミョウバンアジュバントの非経口的送達後のウレアーゼに対
する抗体反応 LTおよびLTDのアジュバント活性をより一般的な非経口的アジ
ュバントと比較するために、ミョウバン(水酸化アルミニウム)アジュバントに
吸着させたウレアーゼによる皮下免疫処置をマウスに行った。上記の実験と同じ
く、マウスには3回の免疫処置を行い、最終免疫処置から1週間後に血液および唾
液を採取した。この処方は、H.ピロリ菌感染刺激後の胃コロニー形成を減少させ
るが、ウレアーゼ+LTによる経口免疫処置よりも効果は弱いことが以前に示され
ている(Ermakら、J. Exp. Med. 188:2277〜2288、1998)。ミョウバンに吸着
させたウレアーゼによる免疫処置後の血清における特異的IgG1の力価は5.7〜7.1
log10の範囲であり、中央値は6.3 log10であった。これはウレアーゼ+LTまた
はLTBの皮下投与によって誘発された血清IgGとほぼ等しいレベルであった。ウレ
アーゼ+ミョウバンによる免疫処置後の血清におけるIgG1およびIgG2aの力価の
中央値はそれぞれ6.6および5.5であった(表2)。IgG1/IgG2a比は比較的高く、
3.9〜53.2の範囲であった。この範囲は、ウレアーゼ単独またはLTとの併用によ
る皮下投与の際に得られた値と同様であった。LTまたはLTBをアジュバントとし
た場合よりもミョウバンを用いた方がIgEレベルは高く、ミョウバンを投与した
マウスの過半数でウレアーゼ特異的IgEのA405値は2.0を上回った(図9)。ミョ
ウバンをアジュバントとした場合に誘発された唾液IgA応答はわずかであった(
図9)。
【0034】 これらの所見を裏づける別のデータを図10および11に示す。これらの実験では
、それぞれマウス10匹からなる群に対して第0、14および28日に以下の免疫処置
を行った:抗原なし、アジュバントなし(第1群)、25μgウレアーゼ、1μg LT
、経口(第2群)、25μgウレアーゼ、50μg LTB、経口(第3群)、10μgウレア
ーゼ、アジュバントなし、皮下(第4群)、10μgウレアーゼ、10ng LT、皮下(
第5群)、10μgウレアーゼ、5μg LTB、皮下(第6群)、10μgウレアーゼ、50μ
g LTB、皮下(第7群)、10μgウレアーゼ、10ng LT、50μg LTB、皮下(第8群)
および抗原なし、50μg LTB、皮下(第9群)。以上の群に対して第42日に1×107 CFUのH.ピロリ菌による感染刺激を行った。第56日にマウスを屠殺し、ウレアー
ゼ活性(ジャトロー試験(Jatrow test))およびH.ピロリ培養に関する胃試料
の検査によって胃コロニー形成を評価した。図10および11に示す通り、10ng LT
および50μg LTBをウレアーゼとともに皮下投与した場合(第5および7群)の感
染率は対照(第1および9群)に比べて有意に低下した。これらの結果はウレアー
ゼ+1μg LTの経口投与(第5群)によって得られたものと同程度に良好であった
。10ng LT+50μg LTB(第7群)ではさらに優れた結果が得られた。
【0035】 上記の結果は以下の材料および方法を用いて得た。
【0036】材料および方法 抗原およびアジュバント 以前に記載された通りに、大腸菌ORV214株に組換
えH.ピロリ菌ウレアーゼを発現させ、陰イオン交換およびゲル濾過クロマトグラ
フィーによって精製した(Leeら、J. Infect. Dis. 172:161〜172、1995)。カ
ブトガニアメーバ様細胞溶解物アッセイ法(Limulus amoebocyte lysate assay
)によって測定した内毒素濃度は、サートバインド(Sartobind)マトリックス
(Sartorius Corporation、NY)の使用により1.5ng/mgウレアーゼに低下した。
組換えLTはベルナプロダクツ社(Berna Products Corp.)(Coral Gables、FL)
から入手した。トリプシン切断のためには、200μlのリン酸緩衝生理食塩水(PB
S)中で100μgのLTを1μgのウシ膵臓トリプシン(Sigma Chemical Co.、St. Lou
is、MO)と混合し、37℃で60分間インキュベートした。100μgのダイズトリプシ
ンインヒビター(Sigma)を添加することによって酵素活性を失活させた。組換
えLTBはクローニングし、大腸菌内で発現させた。
【0037】 Bサブユニットはガラクトースアフィニティークロマトグラフィーによって可
溶化物から精製し、90%以上が五量体LTBからなる産物を得た。内毒素はサート
バインド(Sartobind)マトリックスを用いて除去した。精製したLTBを凍結乾燥
して保存した。
【0038】 Y-1細胞円形化(rounding)アッセイ法 LTおよびLTBの毒性は細胞円形化ア
ッセイ法(Chapmanら、J. Med. Microbiol. 18:399〜403、1984)の変法を用い
て評価した。簡潔に示すと、96穴平底組織培養プレートにY-1マウス副腎細胞を1
0%ウシ胎児血清を加えた最少必須培地に2×104個/ウェルの密度で播いた。細
胞が基質上に広がるように5%CO2下にて37℃で2時間以上インキュベートした後
に培地をウェルから除去し、LTまたはLTBの2倍希釈系列を含む培地を補充した上
でインキュベーターに戻した。37℃で一晩インキュベートした後に、細胞を倒立
顕微鏡で観察した。毒素の力価は、細胞の50%以上が円形化する最小濃度と定義
した(50%有効量またはED50)。
【0039】 免疫処置および試料採取 動物を用いる手順については、オラバックス社(
OraVax, Inc.)の施設内動物管理使用審査委員会(Institutional Animal Care
and Use Committee)の承認を得た。特定病原体をもたない6〜8週齡の雌性スイ
ス-ウェブスター(Swiss-Webster)マウスをタコニックラボラトリーズ社(Taco
nic Laboratories)(Germantown、NY)から購入した。マウスには経口、皮下ま
たは皮内経路を介してウレアーゼによる免疫処置を行った。2週間の投与間隔を
おいて3回投与を行った。経口免疫処置のためには、25μgのウレアーゼおよび1
μgのLTを容積25μlとして口内にピペットで注入した。皮下免疫処置のためには
、10μgのウレアーゼをLT、LTBもしくは水酸化アルミニウム(ミョウバン)アジ
ュバントとともに、または単独で、容積100μlとして腰背部に注射した。注射の
前に、2mg/mlのミョウバン(Rehydragel、Reheis, Inc.、Berkeley Heights NJ
)および100μg/mlのウレアーゼの同容積を混合して30〜60分間おいた。皮内免
疫処置のためには、背部の皮膚の一部を剃毛し、イソフルラン吸入によってマウ
スに麻酔を施した上で、10μgウレアーゼをLTまたはLTBアジュバントとともに容
積50μlとして30ゲージ針を通して投与した。
【0040】 血液および唾液の試料採取は3回目の免疫処置からほぼ1週間後に行った。血液
はマウスがイソフルラン吸入麻酔下にある時点で後眼窩洞から採取し、唾液は70
〜100μgのピロカルピンの腹腔内注射後にマイクロピペットを用いて口内から採
取した。
【0041】 感染刺激およびコロニー形成の分析 最後の免疫処置からほぼ2週間後に、
マウスに対して、1×107個のストレプトマイシン耐性H.ピロリ菌X47-2AL株(Kle
anthousら、Infect. & Immun. 66:2879〜2886、1998)の単回投与による胃内感
染刺激を加えた。以前の記載の通りに、感染刺激用の菌は10%ヒツジ血を含むミ
ュラーヒントン寒天培地上でまず増殖させた後にブルセラ培地に移した(Klcant
housら、Infect. & Immun. 66:2879〜2886、1998)。感染刺激用の投与は、先
端を丸めた供給針を用いて容積100μlを胃内投与することによって行った。感染
刺激から2週間後にマウスを屠殺し、H.ピロリ菌による胃コロニー形成を評価し
た。胃を摘出して0.9%NaCl溶液ですすぎ洗いした後、小弯および大弯に沿って
切り開いた。5%子ウシ血清を添加したブルセラ培地1ml中に前庭部の4分の1を入
れ、目の粗い内筒を装着したダウンスホモジナイザーを用いて破砕した。ホモジ
ネートの10倍希釈物を、10%ヒツジ血、5μg/mlのアンホテリシンB、5μg/ml
のトリメトプリム、10μg/mlのバンコマイシン、10U/mlの硫酸ポリミキシンB
および50μg/mlのストレプトマイシンを含むミュラーヒントン培地上に接種し
た。平板培地を7%CO2下にて37℃でインキュベートし、5〜7日後にコロニー数を
算定した。
【0042】 抗体分析 血清および唾液における抗体反応を固相酵素免疫アッセイ法(EL
ISA)によって測定した。96穴平底プレートに対して、1ウェル当たり0.5μgのウ
レアーゼを含む100μlの0.1M炭酸塩緩衝液、pH 9.6によるコーティングを4℃で
一晩施した。ウェルを0.05%Tween 20を含むPBS(PBS-Tween)で洗い、非特異的
結合をブロックするために2.5%脱脂粉乳を含むPBS-Tween(ブロック用緩衝液)
を添加した。ブロック用緩衝液は被験試料および抗体結合物のための希釈液とし
て用いた。試料および試薬を容積100μlとしてウェルに添加し、各段階の間には
ウェルをPBS-Tweenで洗った。IgG、IgG1およびIgG2aの測定のためには、血清を1
/100に希釈した後、さらに5倍希釈系列として希釈した。ブロック用緩衝液を除
去した後、各希釈液100μlを添加したものを2つずつ用意し、プレートを28℃で6
0分間インキュベートした。次に、それぞれ1/1000に希釈したビオチン結合ヤギ
抗マウスIgG、IgG1またはIgG2a抗体(Southern Biotechnology Associates、Bir
mingham AL)をウェルに添加し、プレートを28℃で60分間インキュベートした。
次に、1/500に希釈したストレプトアビジン-アルカリホスファターゼ(Calbioc
hem、La Jolla CA)を添加し、プレートを28℃で30分間インキュベートした。最
後の段階として、5mM MgCl2を含む1Mフェニルジエタノールアミン緩衝液、pH 9.
6によるp-ニトロフェニルリン酸基質(Sigma)の1mg/ml溶液を100μl添加した
。プレートを室温下で20分間インキュベートし、Vmaxマイクロプレートリーダー
(Molecular Devices、Menlo Park、CA)を用いてA405を判読した。2つずつのウ
ェルの平均吸光度をプロットし、アップル(Apple)社のマッキントッシュ(Mac
intosh)コンピュータ上で動作するクリケットグラフIII(Cricket Graph III)
ソフトウエア(Computer Associates International, Inc.、Islandia NY)のべ
き関数を用いてデータ点を曲線に適合させた。各試料の力価は、1/100に希釈し
た正常マウス血清に関するバックグラウンドの吸光度のほぼ3倍である、A405が0
.1となる希釈度の逆数と定義した。1/100倍希釈でもA405が0.1未満であった試
料の力価は50とした。唾液IgAレベルの測定に関しては、唾液を1/10倍に1回希
釈し、2つずつのウェルに関する平均A405値として報告した。IgA測定のためのア
ッセイ手順は、結合した唾液IgA抗体の検出にヤギ抗マウスIgAビオチン結合物(
Southern Biotechnology)を用いた点を除いて上記と同じである。
【0043】 ウレアーゼに対するIgEの定量化のためには、捕捉(capture)ELISAを用いた
。96穴平底プレートに対して、マウスIgEに対するラットモノクローン抗体クロ
ーン23G3(Southern Biotech)の1μg/mlの濃度で用い、4℃で一晩コーティン
グを施した。上記の通りにウェルの洗浄および脱脂粉乳によるブロッキングを行
い、1/100に希釈したマウス血清100μlをウェルに添加したものを2つずつ用意
した。28℃で1時間インキュベートした後にプレートを洗い、2.5μg/mlのウレ
アーゼをウェルに添加した。プレートを再び28℃で1時間インキュベートした。
次の段階では、ウェルを1/4000に希釈したウサギ抗ウレアーゼで、および1/20
00に希釈したアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ウサギIgGでウェルを処理した
。各段階においてプレートを28℃で1時間インキュベートした。基質溶液の添加
および吸光度の測定は上記の通りに行った。
【表1】 免疫処置の手順
【表2】 ウレアーゼ単独またはウレアーゼおよびLT、LTBもしくはミョウバン
アジュバントによる免疫処置後の血清IgG1およびIgG2a抗体反応 a ウレアーゼ特異的IgG1およびIgG2aの力価をELISAにより測定した。力価は、A4 05 が1となる血清希釈度から、1/希釈度と定義される。検討した最も低い希釈度
(1/100)でも陰性であった試料の力価は50(1.7 log10)とした。 b アジュバントおよび抗原を混合し、経口または皮下(s.c.)経路により送達し
た。
【0044】 本明細書に述べた刊行物および親出願はすべて参照として本明細書に組み入れ
られる。その他の態様は添付の特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、処置および対照条件下で測定した胃ウレアーゼ活性を示
すグラフである。マウス胃組織の試料におけるウレアーゼ活性を比色アッセイに
よって測定した。各マウスに関する個々のA550値(三角印)を、各群に関する中
央値(横線)とともに示している(これ以上の詳細については下記参照)。
【図2】 図2は、処置および対照条件下で行った量的培養測定を示すグラ
フである。マウス胃組織の試料をホモジネート化および培養し、試料毎にコロニ
ー形成単位(CFU)の数を決定した。各マウスに関する個々の数値(丸印)を、
各群に関する中央値(横線)とともに示している(これ以上の詳細については下
記参照)。
【図3】 図3は、処置および対照条件下で行った抗ウレアーゼ血清IgGの測
定を示すグラフである。ウレアーゼに対するIgG抗体に関する免疫処置後血清の
検査をELISAによって行った。1ml当たりのELISA単位(EU)として各マウスに関
するIgG値を示している。
【図4】 図4は、処置および対照条件下で行った唾液抗ウレアーゼIgAの測
定を示すグラフである。免疫処置後の唾液試料を1:10に希釈し、ウレアーゼに
対するIgA抗体に関する検査をELISAによって行った。個々のマウスに関するA405
値を示している。
【図5】 図5は、ウレアーゼ単独、またはLTもしくはLTBとの併用による経
口または皮下免疫処置後のマウスにおけるH.ピロリ菌(H. pylori)の胃コロニ
ー形成を示すグラフである。マウスに免疫処置を行わないまま(非処置)、また
はウレアーゼと図示したアジュバントとの併用による免疫処置を3回行い、最後
の免疫処置から2週間後に経口的にH.ピロリ菌による感染刺激を行った。経口免
疫処置の場合には、ウレアーゼ25μgをLT 1μgとともに投与した。皮下免疫処置
の場合には、ウレアーゼ10μgを図示した用量のアジュバントともに投与した。
記号は個々のマウスの前庭部4分の1当たりのCFUを示している。横線は各群の中
央値を示している。
【図6】 図6は、免疫化マウスの血清における、ウレアーゼに対するIgGの
力価を示すグラフである。マウスにはウレアーゼと図示したアジュバントとの併
用による経口または皮下免疫処置を3回行った。最後の免疫処置から1週間後に血
清を採取し、ウレアーゼ特異的IgGに関する検査をELISAによって行った。個々の
マウスに関する終点力価を示している。特異抗体が全く認められなかった場合は
力価を50とした。横線は各群に関する力価の中央値を示している。
【図7】 図7は、免疫化マウスの血清における、ウレアーゼに対するIgEを
示すグラフである。マウスにはウレアーゼと図示したアジュバントとの併用によ
る経口または皮下免疫処置を3回行った。最終免疫処置から1週間後に血清を採取
し、1/100に希釈した上でウレアーゼ特異的IgEに関する検査をELISAによって行
った。個々のマウスに関する吸光度を示している。横線は各群に関する中央値を
示している。
【図8】 図8は、免疫化マウスの唾液試料における、ウレアーゼに対するI
gAを示すグラフである。マウスにはウレアーゼと図示したアジュバントとの併用
による経口または皮下免疫処置を3回行った。最終免疫処置から1週間後に唾液を
採取し、1/10に希釈した上でウレアーゼ特異的IgAに関する検査をELISAによっ
て行った。個々のマウスに関する吸光度を示している。横線は各群に関する中央
値を示している。
【図9】 図9は、ミョウバンアジュバントに吸着させたウレアーゼによる
皮下免疫処置を3回行ったマウスの血清におけるウレアーゼ特異的IgEおよび唾液
におけるIgAを示すグラフである。最終免疫処置から1週間後に血清および唾液を
採取し、ウレアーゼ特異的抗体に関する検査をELISAによって行った。個々のマ
ウスに関する吸光度を示している。横線は各群に関する中央値を示している。
【図10】 図10は、処置および対照条件下で測定した胃ウレアーゼ活性を
示している。マウス胃組織の試料におけるウレアーゼ活性を比色アッセイによっ
て測定した。各マウスに関する個々のA550値(三角印)を、各群に関する中央値
(横線)とともに示している(これ以上の詳細については下記参照)。
【図11】 図11は、処置および対照条件下で行った量的培養測定を示すグ
ラフである。マウス胃組織の試料をホモジネート化および培養し、試料毎にコロ
ニー形成単位(CFU)の数を決定した。各マウスに関する個々の数値(丸印)を
、各群に関する中央値(横線)とともに示している(これ以上の詳細については
下記参照)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,Z W

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物においてヘリコバクター感染に対する防御的または
    治療的免疫応答を誘発させることを目的とする、哺乳動物への非経口的投与のた
    めの1つのヘリコバクター抗原およびLTまたはLTBを含む1つのアジュバントの使
    用。
  2. 【請求項2】 抗原およびアジュバントがともに溶液中にある形で提供され
    る、請求項1記載の使用。
  3. 【請求項3】 抗原にウレアーゼまたはそのサブユニットもしくは酵素的活
    性のない誘導体が含まれる、請求項1記載の使用。
  4. 【請求項4】 LTおよびLTBが哺乳動物に投与される、請求項1記載の使用。
  5. 【請求項5】 非経口的投与が皮下に行われる、請求項1記載の使用。
  6. 【請求項6】 非経口的投与が皮内に行われる、請求項1記載の使用。
  7. 【請求項7】 ヘリコバクター抗原がカタラーゼまたはその免疫原性断片を
    含む、請求項1記載の使用。
  8. 【請求項8】 抗原がHspA、HspB、ラクトフェリン受容体、p76、p32、BabA
    、BabB、AlpA、AlpBおよびそれらの免疫原性断片からなる群より選択されるポリ
    ペプチドを含む、請求項1記載の使用。
  9. 【請求項9】 哺乳動物に1つまたは複数の別のヘリコバクター抗原を投与す
    ることをさらに含む、請求項1記載の使用。
  10. 【請求項10】 ヘリコバクター抗原がウレアーゼであって、1つまたは複数
    の別のヘリコバクター抗原がカタラーゼ、HspA、HspB、ラクトフェリン受容体、
    p76、p32、BabA、BabB、AlpA、AlpBおよびそれらの免疫原性断片からなる群より
    選択される、請求項9記載の使用。
  11. 【請求項11】 哺乳動物にCTまたはCTBを投与することをさらに含む、請求
    項1記載の使用。
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