JP2002518297A - エイズ関連カポジ肉腫の治療のための方法および組成物 - Google Patents

エイズ関連カポジ肉腫の治療のための方法および組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、エイズ関連カポジ肉腫を有するヒトを治療するための方法及び組成物を包含する。更に詳細には、本方法は3時間の注入スケジュールに亘ってタキサン組成物を投与することを含む。重要なことは、これらの投与組成物と投与方法によって副作用を低減させそしてカポジ肉腫の症状を低減させ得ることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明はヒトのエイズ(AIDS)関連カポジ肉腫を治療するための方法及び
組成物に関する。更に詳細には、本発明はタキサン組成物を使用してエイズ関連
カポジ肉腫を治療するための方法に関する。
【0002】 背景技術 カポジ肉腫(KS)は1872年に初めて記載され、そして最初に記載されたよう
に、主として地中海人又はアシュケナジユダヤ人家系の高齢男性に発生する無痛
の臨床経過を示す稀な腫瘍である。この形態のKSは、血管増殖によって引き起
こされる下肢の皮膚小結節を特徴としている。これら患者の通常は良性である皮
膚病変はめったに何らかの問題を引き起こしたり、何らかの治療を必要としたり
しなかった。
【0003】 エイズ時代の到来に伴って、KSのビルレント形態がHIV(ヒト免疫不全ウ
イルス)で免疫不全になった者で現れている。エイズ(後天性免疫不全症候群)
及びHIV感染は、カポジ肉腫発生の世界的な増加を含めて、世界的な保健医療
問題を引き起こしている。米国では1996年に、エイズ関連カポジ肉腫はエイズ罹
患ゲイ男性の概ね17%でそして他のHIV感染者の1〜5%で発生した。最も一
般的なエイズ関連腫瘍として、KSの治療はエイズ治療の重要な一面となってき
ている。エイズ(後天性免疫不全症候群)と関連して、KSは通常攻撃的で広範
に伝播される新生物として出現する。KS新生物は、皮膚、粘膜表面、リンパ節
並びに肝臓、脾臓、胃腸管及び肺を含む内臓の血管内皮又はリンパ組織の多重病
巣として生じる。
【0004】 HIV陽性患者のなかには、KSが皮膚に限定されていて集中的な治療を必要
としない者もいる。対照的に、病変が黄斑からプラークや小結節に進行し、そし
てしばしば融合して最終的に菌状腫化するか又は潰瘍化した集塊に進展する攻撃
的な形態のKSを有している患者もいる。
【0005】 初期の臨床的状況では、多くのエイズ関連カポジ肉腫患者は多重器官疾患を示
す。最も普通で、そしてまた最も生命を脅かす罹患器官は胃腸管と肺である。胃
腸病変はしばしば腸疾患性症状や出血性症状と関連している。肺の罹患は特に悪
い前兆である可能性があり、そして臨床的な根拠に基づいてしばしば日和見感染
として誤診される。
【0006】 クラウン(Krown)と同僚は、3つの広範な階層化基準、すなわち、a)腫瘍
の罹患の程度; b)免疫学的状態; c)全身的疾病に基づいて、エイズ関連カポ
ジ肉腫患者の臨床試験結果に関する統一的な等級付けと評価システムを開発した
。クラウン等の「カポジ肉腫及び後天性免疫不全症候群: 統一的評価、応答及び
等級付けに関する提案」 J. Clin. Onc. 7:1201(1989年)参照。彼等は、腫瘍の
程度、CD-4陽性細胞数及び関連した全身的疾病が存在するか否かに基づいて
、患者の危険性がかなり高い又は危険性が低い階層に分類した。この等級付けシ
ステムは僅かに修正されたが、遡及的分析で生存の予測に役立つことが示されて
いる。
【0007】 現在利用可能な治療法では、エイズ関連カポジ肉腫の治癒又は長期間完全寛解
がありそうには思われない。本発明以前には、KSを有するエイズ患者の治療法
の主要な目標は、症状の軽減、浮腫、器官の危険性又は精神的ストレスを緩和す
るための浮腫の縮小、及び疾病進行の予防であった。このような治療法には局在
化した皮膚及び粘膜病変の軽減に有用な局所療法が含まれる。局所療法には放射
線療法、レーザー療法及び全肺照射が含まれる。手術はKSを制御する手段とし
て殆ど有益でないことが分かっている。
【0008】 ビブラスチン、ブレオマイシン、インターフェロン又はTNF(腫瘍壊死因子)
を使用する病変内薬剤投与により腫瘍の退化を誘導されている。他の実験的な生
物調節剤も病変内的に使用されている。これらの治療法は一般的に複数の注射を
必要とするので、潰瘍、疼痛及び二次感染を生じさせることがある局所的な炎症
を引き起こす。
【0009】 光力学的療法もエイズ関連カポジ肉腫を治療するために使用されている。ジヘ
マトポルフィリンのような光治療薬剤はレーザー治療に先立って投与された。こ
の治療法を受けている患者は治療後30日間は直射日光、明るい白熱光又は放射熱
を回避しなければならない。このような患者にとっての不都合や特殊なレーザー
装置の必要性のために、この治療計画は大部分のKS患者には取り扱いにくいも
のとなっている。
【0010】 これらの局所的手法は一時的に症状を軽減できるが、エイズ関連カポジ肉腫に
は、通常、全身的療法が必要である。このような全身的治療は単独の細胞毒性又
は抗ウイルス剤の初期の試みから、細胞毒性薬剤療法と抗ウイルス薬剤療法とを
組み合わせたものに発展してきている。本発明以前には、現在利用可能な治療法
、即ち単独又は組合せ投与のいずれも顕著な副作用無しに長期間に亘って成功し
ていることは示されていない。
【0011】 ビンカアルカロイド、ビンクリスチン、アントラサイクリン、白金及びブレオ
マイシンを含む数種の細胞毒性剤は40〜50%までの患者で抗腫瘍活性が証明され
ている。これら薬剤の組合せは、85%までの患者で応答を誘導することができ、
そしてアドリアマイシン、ブレオマイシン及びビンクリスチンの組合せ(ABV
)はほぼ40%の患者で完全な応答を誘導した。無作為と期待される様式で、ギル
(Gill)等はABVをドキソルビシン単独と比較し、そして単一剤による3.5カ
月に対して組合せでは9カ月間無疾病で生存することを証明した。全般的な生存
は顕著には影響されなかった。ギル, ピー.エス.(P.S.)等、「エイズ関連カポ
ジ肉腫の全身的治療: 無作為試験の結果」、Am. J. Med. 90:427(1991年)参照
【0012】 最近、タキサン、例えばパクリタキセル(paclitaxel)は広範囲の腫瘍に対し
て抗腫瘍活性を有していることが示されている。パクリタキセルは、元々タクサ
ス ブレビフォリア(Taxus brevifolia)、即ち西部(太平洋)イチイの木の幹
樹皮から単離された、微小管を安定化する新規な抗腫瘍剤である。パクリタキセ
ルは異常に安定な微小管の形成を促進することによって作用し、そして有糸分裂
及び細胞増殖に必要な微小管ネットワークの正常な動的再形成を阻害する。(Sc
hiff, P. B. 等(1979年)Nature 277、665; Schiff, P.B.等(1981年)Biochem
istry 20、3247参照)。パクリタキセルの存在下では、重合化に必要なチューブ
リンの濃度が顕著に低下する。微小管の集合はGTP無し且つ低温で生起し、そ
して形成された微小管は、希釈、カルシウム、寒冷及び阻害薬剤による脱重合に
対してより一層安定である。パクリタキセルは重合したチューブリンと可逆的に
結合し、そして他のチューブリン結合薬剤はパクリタキセルの存在下でチューブ
リンと結合するであろう。
【0013】 パクリタキセルに関して提案されたメカニズムは、パクリタキセルが多くのタ
イプの生物の微小管系と相互作用するというものである。例えば、哺乳類細胞で
は、50 nMのパクリタキセル濃度で微小管数が顕著に増加し、活発に分裂してい
る細胞において細胞形状の変化や分裂停止が通常生じる。(Parness, J.等(198
2年)Biochem. Biophys. Res. Commun. 105、1082)。パクリタキセルによって
引き起こされるこのような微小管機能の混乱は、細胞の運動性、分泌及び細胞分
裂で微小管が果たしている役割の故に、細胞に決定的な影響を有している。
【0014】 パクリタキセルの他のメカニズムは最近証明された。パクリタキセルは、cRaf
-1活性化で誘発されるbcl-2リン酸化によって細胞にアポトーシスを誘導する。
エム. ヴィ. ブラゴスクロニィ(M. V. Blagosklonny)等(1996年)、Cancer R
esearch、56(8):1851〜1854参照。パクリタキセルが、KSにおいて特別重要な
メカニズムである血管新生を阻害することも知られている。クラウバー(Klaube
r)等、Cancer Research(1997年)57:81〜86参照。KSの腫瘍は血管構造の異
常且つ亢進した増殖を特徴としている。
【0015】 パクリタキセルは、多様な用量と投与スケジュールを使用した多くの臨床試験
で種々の腫瘍の増殖と闘う効果に関して研究されている。パクリタキセルの投与
後に重篤なアレルギー反応が観察されている。しかしながら、アレルギー反応の
発生率や重篤度はパクリタキセルの注入速度とコルチコステロイドや抗ヒスタミ
ン剤によるプレメディケーションの影響を受けることが証明されている。(Weis
s, R.B.等、(1990年)J. Clin. Oncol. 8、1263)。その後、パクリタキセルは
卵巣癌や乳癌の代替療法として米国や他の国で承認されている。パクリタキセル
による腫瘍治療法の成功率は用量及び投与方式に大いに依存することが証明され
ている。
【0016】 エイズ関連カポジ肉腫はこれまでパクリタキセルで成功裏に治療されてきた。
これらの患者はウイルスプロテアーゼインヒビターとの併用療法を受けていなか
った。サビル(Saville)等は、タキソール(Taxol(登録商標))(パクリタキセ
ルのBristol-Meyers Squibb製剤)を使用し、135 mg/m2の用量を21日毎に3時間
かけて静脈内投与するフェーズII試験において、エイズ関連カポジ肉腫患者で65
%(13人/20人の患者)の応答率を証明した。これら13人の患者は、使用した修
正クラウン法で定義される部分的な応答を有していた。サビル等、「パクリタキ
セル(Taxol(登録商標))によるHIV関連カポジ肉腫の治療法」、Lancet 346:
26〜28、1995年参照。肺疾患を有する5人の各患者は応答した。好中球減少症は
、用量を制限する最も頻繁な毒性であった。発熱、発疹及び好酸球増加症を含め
て幾つかの新しいパクリタキセルの毒性も観察された。
【0017】 別の試験で、ギル等は、進行したか又は難治性のエイズ関連カポジ肉腫患者に
対して100 mg/m2の用量のパクリタキセルを14日毎に3時間かけて投与するフェ
ーズII試験で、59%(16/27)の応答率を報告した。残りの41%(11/27)の評価
可能な患者は安定な疾病を有していた。症候性リンパ水腫の改善が20人の患者の
うち19人で認められた。37パーセントの患者は等級3〜4の好中球減少症を経験
した。ギル, ピー.エス.等、1995年12月1〜5日の1995 ASH年会に提出、及び
ギル, ピー.エス.等、再発性又は難治性の進行したエイズ関連KSの治療におけ
るパクリタキセル(タキソール)、ASCO、1996年5月参照。
【0018】 パクリタキセルは、他の化学療法剤と同様に、腫瘍細胞において薬剤耐性を生
じさせることが示されている。腫瘍細胞による薬剤耐性は化学療法剤に対する通
常の応答である。パクリタキセル耐性に関しては2つのメカニズムがインビトロ
で確認されている。1つの細胞型では、耐性は薬剤流出によるものであり、そし
てこれは薬剤流出を増加させる膜P-糖タンパク質値の増加の結果である。(Gup
ta, R.S.(1985年)Cancer Treat. Rep. 69、515)。これらの細胞はビンカアル
カロイド、ドキソルビシン及び他の天然物に対しても耐性であり、そして耐性は
ベラパミルのようなカルシウムチャンネル遮断剤で可逆性である(Racker, E.等
(1986年)Cancer Treat. Rep. 70、275)。他のパクリタキセル耐性細胞で見ら
れる耐性に関するもう1つのメカニズムはアルファ-又はベータ-チューブリンサ
ブユニットの突然変異に関係している。(Schibler, M. J.等(1986年)J. Cell
Biol. 102、1522年)。
【0019】 エイズ関連カポジ肉腫を治療するときに更に考慮することは、原因となってい
るHIV感染に対して患者が受けている治療法である。AZT(ジドブジン)に
よるHIV感染の治療は最初は有効であるように思われたが、多くの患者は非常
に長期間ではAZTを寛容できないか又はAZTはこれら患者の疾病の進行に対
して殆ど有効でないことが見いだされている。ddI又はddCのような他のヌクレオ
シド類似体と組み合わせたAZTを含む併用療法はAZT単独投与に関連した問
題の克服に幾らか有効であることが証明されている。併用療法には、ラミブジン
、ネビラピン及びスタブジンのような逆転写酵素インヒビターも含まれている。
【0020】 エイズ/HIVに対して有望な一層最近の治療法の1つはウイルスプロテアー
ゼインヒビターを投与してウイルス自体の複製を遮断することである。このよう
なウイルスプロテアーゼインヒビターの1つの例はノルビル(NorvirTM)、即ち
通常リトナビルとして知られているアボットラボラトリーズ(Abbott Laborator
ies)の製品である。他の既知のプロテアーゼインヒビターにはインジナビル、
ネルフィナビル及びサキナビルが含まれる。リトナビルはHIV-1プロテアー
ゼとHIV-2プロテアーゼの両方のペプチド模擬インヒビターである。HIV
プロテアーゼの阻害によって酵素は、gag-polポリペプチドプリカーサーをプロ
セシングできなくなり、非感染性の未成熟HIV粒子が産生されることになる。
他のエイズ療法と同様に、リトナビル耐性HIV-1単離体がインビトロで見い
だされている。
【0021】 現在では、リトナビルは、療法が認可される場合、HIV感染治療に対してヌ
クレオシド類似体と組み合わせるか又は単一療法として指示される。リトナビル
と他の或る療法剤との組み合わせは、リトナビルが多数の他の薬剤の薬物動態学
を変化させるので、禁忌である。リトナビルはチトクロームp450酵素で代謝さ
れるので、他の薬剤の代謝を阻害する可能性がある。リトナビルによる治療法は
、ベプリジル、ブプロピオン、ピロキシカム、シサプリド、キニジン及びリファ
ブチンを含む多数の薬剤の血漿濃度を大いに上昇させることが予想される。アル
プラゾラム、ジアゼパム及びゾルピデムのような鎮静剤と一緒にプロテアーゼイ
ンヒビターを使用すると極度の鎮静や呼吸困難の可能性があるので、同時投与は
禁忌である。化学療法剤とプロテアーゼインヒビターとの併用は、薬剤暴露の1
つの尺度である血漿濃度−時間曲線が非常に上昇する可能性があるので、厳密に
監視しなければならない。このような化学療法剤にはパクリタキセルが含まれる
。作用剤の完全なリストについてはノルビル又は他のプロテアーゼインヒビター
の包装添付文書参照。
【0022】 プロテアーゼインヒビターはHIV感染の治癒を提供しないので、KSを含め
て、エイズのHIV関連病理学はかなりの健康懸念であり続けるであろう。エイ
ズ治療に対するプロテアーゼインヒビターの出現に伴って、エイズやその関連症
候群、例えばKSの治療に関して新たな期待がある。それ故、ウイルスプロテア
ーゼインヒビターのようなエイズウイルスに対する新しい治療を受けているエイ
ズ患者に使用できるエイズ関連カポジ肉腫のための新規な方法や組成物が必要で
ある。特に、ウイルスプロテアーゼインヒビターによるHIV治療を受けている
難治性エイズ関連カポジ肉腫を有する患者のための方法や組成物が必要である。
更に、本発明以前には、エイズ関連カポジ肉腫を有し、ウイルスプロテアーゼイ
ンヒビターによる抗ウイルス治療を受けている患者に関して、KS腫瘍増殖の長
期中断と疼痛又は臓器疾患の随伴問題の軽減を提供する有効な治療方式を証明で
きた者はいない。
【0023】 成功しなかったリポソームアントラサイクリン療法を受けている患者のエイズ
関連カポジ肉腫を治療するための方法や組成物も必要である。かくして、耐性で
あるか又は難治性のエイズ関連カポジ肉腫を治療することができ、そしてウイル
スプロテアーゼインヒビターのようなHIV治療剤と安全且つ有効に組み合わせ
られる方法や組成物が必要である。更に、この治療法に有効な注入治療方式が有
益であろう。加えて、容易に投与される方法や組成物が必要である。注入方法に
加えて、単純且つ効果的な治療方法は経口経路によるものであろう。
【0024】 発明の概要 本発明によって、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染又はエイズ(後天性免
疫不全症候群)に関連したカポジ肉腫(KS)を治療する組成物及び方法が提供
される。特に、これらの組成物と方法は、プロテアーゼインヒビターの投与を含
むHIV感染治療法を受けている患者に有効である。更に、本発明の組成物と方
法は、KSに対するリポソームアントラサイクリン治療が無効であったエイズ関
連カポジ肉腫を有する者に有効である。これらの組成物は容易に投与され且つ安
全な用量で投与できるので、副作用を管理することができる。
【0025】 本発明はカポジ肉腫治療用の方法及び組成物を包含する。このような方法や組
成物は、パクリタキセルのようなタキサンによる初期誘導治療及び長期維持治療
を包含する。このような初期誘導治療は、概ね10サイクルの治療の間、2週間毎
に少なくとも約3時間の注入時間を含む。長期維持治療は臨床レベルの腫瘍応答
及び疾病の安定化を維持するのに有効である。このような長期スケジュールはパ
クリタキセルのようなタキサンの活性を高めることができる。かくして、本発明
の長期維持方法の好ましい実施態様は、KS腫瘍を効果的に治療しそしてKSに
関連した症状を軽減するために、エイズ関連カポジ肉腫患者に2〜4週毎に3時
間の注入治療としてパクリタキセルのようなタキサンを10サイクルを超えて投与
することである。
【0026】 本発明はまた、ウイルスプロテアーゼインヒビターの投与によるウイルス感染
の治療又は肝臓で代謝される他の新規治療を受けているHIV感染患者を治療す
るためのパクリタキセル含有KS治療用組成物も包含する。これらの患者はKS
をリポソームアントラサイクリン治療法で成功裏に治療されなかったか又は治療
されていない者でもよい。このような組成物は、ウイルスプロテアーゼインヒビ
ターも投与されている、エイズ関連カポジ肉腫を有するヒトに約20 mg/m2〜200
mg/m2の用量、更に好ましくは50 mg/m2〜150 mg/m2、最も好ましくは100 mg/m2
の用量のパクリタキセルを投与することができ、そしてこの用量は上記患者にお
けるパクリタキセルの有効性と毒性によって決まる。
【0027】 本発明はまた、タキサンで腫瘍を治療するための組成物や方法も包含する。こ
のような組成物と方法では腫瘍を治療するために種々の投与経路を使用すること
ができる。エイズ関連カポジ肉腫は、タキサン組成物を投与して治療できること
が本発明者によって見いだされた腫瘍であり、そして他のタイプの腫瘍も本発明
の組成物や方法で治療することができる。
【0028】 従って、本発明の1つの目的はエイズ関連カポジ肉腫を治療するための方法及
び組成物を提供することである。
【0029】 本発明のもう1つの目的は、エイズ関連カポジ肉腫を治療するためにタキサン
を含んでいる組成物を提供することである。
【0030】 本発明の更にもう1つの目的は、少なくとも10サイクルのタキサン治療法によ
る長期間治療を含むエイズ関連カポジ肉腫の治療方法を提供することである。
【0031】 本発明のもう1つの目的は、他の化学療法方式による治療後に腫瘍が進行して
いるか又は疾病が寛解していないエイズ関連カポジ肉腫患者の治療方法を提供す
ることである。
【0032】 本発明の更にもう1つの目的は、リポソームアントラサイクリン治療法による
治療に対して難治性であったエイズ関連カポジ肉腫患者の治療法を提供すること
である。
【0033】 本発明の更なる目的は、ウイルスプロテアーゼインヒビターの投与によってウ
イルス感染の治療も同時に受けている患者のエイズ関連カポジ肉腫を治療する方
法及び組成物を提供することである。
【0034】 本発明の1つの目的は、ヌクレオシド又は他の抗ウイルス組成物の投与によっ
てウイルス感染の治療を現在受けている患者のエイズ関連カポジ肉腫を治療する
方法及び組成物を提供することである。
【0035】 本発明のもう1つの目的は、HIV感染者のエイズ関連カポジ肉腫の症状を低
下させるか又は軽減するパクリタキセル投与用の方法及び組成物を提供すること
である。
【0036】 本発明の更なる目的は、ウイルスプロテアーゼインヒビターとヌクレオシド類
似体又は逆転写酵素インヒビターを含む組合せ療法の実施によってウイルス感染
の治療も同時に受けている患者のエイズ関連カポジ肉腫を治療する方法及び組成
物を提供することである。
【0037】 本発明の上記目的及び他の目的、特徴並びに利点は開示した実施態様に関する
以下の詳細な説明及び下記の請求の範囲を検討すれば明白になるであろう。
【0038】 詳細な説明 本発明はエイズ関連カポジ肉腫を治療するための組成物及び方法を包含する。
本発明の1つの実施態様は、ウイルスプロテアーゼインヒビターのような抗ウイ
ルス治療も受けているエイズ関連カポジ肉腫患者を治療するために、少なくとも
10サイクルの長期スケジュールで、タキサン、例えばパクリタキセル又はタキソ
テレ(taxotere)を使用することである。本発明はまた、より短期間の患者スケ
ジュールも包含する。本発明はまた、米国政府の保健福祉省によって定められた
指針で推奨されているような政府機関によって認められている抗レトロウイルス
療法を受けている患者を治療するための組成物及び方法も意図している。本発明
はまた、カポジ肉腫のリポソームアントラサイクリン治療が無効であったエイズ
関連カポジ肉腫患者の治療法も包含する。本明細書で使用するとき、タキサン治
療にはパクリタキセル、タキソール(登録商標)(BMS)及びタキソテレ(登録
商標)、ドセタキセル(docetaxel)又はタキサンの組合せによる治療が含まれ、
そして本明細書でパクリタキセルを使用する場合には、このパクリタキセルを他
のタキサンで置換することができよう。
【0039】 パクリタキセルに関して提案されている既知のメカニズムは、パクリタキセル
が多くのタイプの生物の微小管系と相互作用するというものである。パクリタキ
セル活性に関する他のメカニズムには、cRaf-1活性化及び血管新生の阻害によ
って誘発されるbcl-2リン酸化による細胞のアポトーシスの誘導が含まれる。ど
んな理論にも拘束されることは望まないが、上記の後者の2つの活性メカニズム
は、微小管破壊を誘導するのに必要な量より低い血漿濃度のパクリタキセルによ
って達成することができる。かくして、これまでには知られていなかった、より
低い血漿濃度でパクリタキセルを使用する治療方法で疾病又は病変を治療するこ
とが可能である。
【0040】 本発明はまた、以前の全身的化学療法に応答しなかったか又はそれを寛容しな
かった患者のエイズ関連カポジ肉腫の治療用組成物及び方法も含んでいる。この
ような全身的化学療法には、ドキシル(登録商標)(Doxil)又はダウノキソム(登
録商標)(DaunoXome)に係わる治療が含まれるが、これらに限定されない。ドキ
シル(登録商標)は先行する化学療法が無効であった患者に使用するために承認さ
れた治療法であるが、ダウノキソム(登録商標)はそうではない。これらの薬剤は
広範には、リポソームアントラサイクリンとして分類される。かくして、本発明
は、少なくとも1つの全身的化学療法治療が無効であったエイズ関連カポジ肉腫
患者に対するパクリタキセル治療を包含する組成物及び方法を意図している。
【0041】 本発明の1つの態様は、米国保健福祉省によって定められた指針のような政府
機関によって定められた承認治療法に従うHIV患者の抗レトロウイルス治療法
処置と同等及びそれに補完的なパクリタキセル組成物及び方法を提供することで
ある。このような指針の例は、HIV感染治療の原則を定めるNIHパネル報告
の1997年草案及びHIV感染成人及び青年における抗レトロウイルス剤の使用指
針である。上記指針は共に米国官報に公示されており、そして国立エイズクリア
リングハウス(National AIDS Clearinghouse(http://www.cdcnac.org)及びH
IV/エイズ治療情報サービス(HIV/AIDS Treatment Information Service)(
http://www.hivatis.org)から入手可能である。指針はまた、http://www.nih.g
ov/pr/jun'97,niad-19 htmでも入手可能である。このような文書は全体を本明細
書に含める。これら文書の最終版は、疾病管理センター、罹患率及び死亡率週間
報告(the Center for Disease Control and Prevention Morbidity and Mortal
ity Weekly Report)に発表されている。
【0042】 上記指針は、3種の薬剤で治療を開始し、そしてこの治療が失敗であるという
徴候があるとき、例えば血中HIV値が高まっているとき、少なくとも2種の薬
剤を変えることを推奨している。一般的に、2種の薬剤しか使用しない治療法は
最適とはとても考えられない。1種の薬剤しか使用しない治療法は推奨されない
。しかしながら、ジドブジン(AZT)の単一療法は乳児へのHIV伝達を予防
するために推奨される予防法であり、そして比較的健常なHIV感染妊娠女性に
投与すべきである。
【0043】 上記指針は、1993年のCDC分類システムで定義されているエイズ患者又は症
候性HIV感染患者は全てウイルス負荷に関係なく抗レトロウイルス療法に付さ
れることを推奨している。500未満のCD+4 T細胞数又は10,000以上のコピー(
bDNA試験による)若しくは20,000以上のコピー(RT-PCR試験による)
のHIV RNA値を有する無症候性患者は治療に付されるべきである。しかし
ながら、他の考慮事項、例えば薬剤毒性や治療法を開始しそして順守するという
患者の意志が治療法の推奨の強さに影響を与えるであろう。
【0044】 上記指針で示唆されている治療方式は、2種のヌクレオシド逆転写酵素インヒ
ビターと1種のプロテアーゼインヒビターとでHIV感染患者を治療して最大の
ウイルス抑制を達成することである。また、代替的に提案される治療方式は上記
のプロテアーゼインヒビターをネビラピンで置換することである。急性のHIV
感染には、2種のヌクレオシドインヒビターと1種のプロテアーゼインヒビター
との組合せが推奨される。抗ウイルス療法が長期間休止される場合、耐性のウイ
ルス株を鼓舞する可能性を最小限にするために、1種又は2種の薬剤で治療を継
続するよりもむしろ、全ての抗ウイルス薬剤による治療を中止することも示唆さ
れている。
【0045】 失敗した治療方式を考慮して治療法を変えるように考慮することも示唆されて
いる。考慮事項には薬剤の無効と薬剤の毒性との区別が含まれている。薬剤の毒
性では毒性を引き起こすと疑われる薬剤を別の薬剤で置換しなければならないが
、一方、薬剤の無効では、少なくとも2つの薬剤を変えなければならない。
【0046】 本発明の好ましい実施態様には、20 mg/m2〜200 mg/m2の用量、更に好ましく
は50 mg/m2〜150 mg/m2、最も好ましくは100 mg/m2の用量のタキサンでエイズ関
連カポジ肉腫患者を治療することが包含されており、そしてこの用量は患者に対
するパクリタキセルの有効性及び毒性によって決まる。本発明には、特に初期誘
導期間の用量から長期維持期間の用量まで、治療用量を変更できることが意図さ
れている。初期誘導期間の投与方法の好ましい実施態様は概ね100 mg/m2のタキ
サン用量及び20 mg/m2〜80 mg/m2、更に好ましくは25〜50 mg/m2の用量である。
【0047】 このような方法の注入スケジュールには、少なくとも10サイクル以上の治療の
間2週間毎に少なくとも3時間の継続が含まれる。本明細書で使用するとき、1
サイクルはタキサンによる1回の注入処置を意味し、そして好ましい実施態様で
は1サイクルは2〜4週間に等しい。
【0048】 上記範囲内での、100 mg/m2より少ない用量のタキサンの投与も本発明の範囲
内で意図されている。100 mg/m2の用量値を寛容できない患者に対する100 mg/m2 より少ない用量値を含む治療はこれらの患者に上首尾な結果を与える。更に、本
発明は、タキサン組成物の投与間の時間の長さによって限定されない。サイクル
間の時間、タキサン投与期間は10日未満又は14日以上、例えば少なくとも30日で
あることができる。タキサン投与間の時間の長さは患者の免疫状態又は他の医学
的考慮事項に依存することができよう。このような考慮事項は当該技術分野の熟
練者に周知であり、そして本発明の実施に限定を与えるものではない。
【0049】 本発明に包含される組成物にはタキサン、好ましくはパクリタキセル又はタキ
ソテレ、最も好ましくはパクリタキセルが含まれる。このような組成物はまたタ
キサン混合物も包含する。最も好ましい実施態様では、本発明は、ウイルスプロ
テアーゼインヒビターによる抗ウイルス治療も受けているエイズ関連カポジ肉腫
患者を治療する組成物及び方法を包含し、その際該患者は100 mg/m2のパクリタ
キセル用量で14日毎に3時間の注入割合でパクリタキセル静脈内注入を受ける。
もう1つの好ましい実施態様は、ウイルスプロテアーゼインヒビターによる抗ウ
イルス治療を受けている患者において静脈内注入に類似する治療を提供する経口
パクリタキセル組成物及び治療方法を包含する。他の好ましい実施態様は、全身
的化学療法による治療が以前に失敗したエイズ関連カポジ肉腫患者を治療する組
成物及び方法を包含し、その際該患者は100 mg/m2のパクリタキセル用量で14日
毎に3時間の注入割合でパクリタキセル静脈内注入を受ける。もう1つの好まし
い実施態様は、全身的化学療法による治療が以前に失敗した患者で静脈内注入に
類似する治療を提供する経口パクリタキセル組成物及び方法を包含する。本発明
の好ましい実施態様には、任意の利用可能な形態で投与されるパクリタキセルに
よる治療が含まれており、そしてこの実施態様は以前の全身的化学療法治療が失
敗しており且つ抗レトロウイルス療法、例えば米国保健福祉省によって推奨され
ている治療法やプロテアーゼインヒビターを含む治療法を受けているエイズ関連
カポジ肉腫患者に使用することができる。
【0050】 本明細書で使用するとき、パクリタキセル(USAN一般名)は、(2R,3S)-
Nベンゾイル-3-フェニルイソセリンとの5β,20-エポキシ-1,2α,4,7β,10β,13
α-ヘキサヒドロキシタクス-11-エン-9-オン 4,10-ジアセテート 2-ベンゾエー
ト 12-エステルである。
【0051】 本発明で治療される患者には、ウイルスプロテアーゼインヒビター及び他の抗
ウイルス剤による抗ウイルス療法を受けているエイズ関連カポジ肉腫を有するヒ
トが含まれる。本発明はまた、肝臓で代謝されそして併用使用される薬剤の薬物
動態学に影響を与えることも知られている抗ウイルス治療を受けているエイズ患
者の治療も意図している。本発明の組成物や方法によるインテグラーゼ治療法も
意図されている。本発明の1つの実施態様では、これらの方法及び組成物は以前
にカポジ肉腫のリポソームアントラサイクリン治療を受けたことがあるが、この
ような治療が成功しなかったカポジ肉腫患者に有用である。
【0052】 本明細書で使用するとき、カポジ肉腫(KS)とは、エイズ(後天性免疫不全
症候群)を引き起こすウイルスによる感染に関連したカポジ肉腫を言う。エイズ
出現以前には、カポジ肉腫は主として地中海人又はアシュケナジユダヤ人家系の
高齢男性で発生する希な腫瘍として記載されていた。このような高齢男性のKS
は血管増殖によって引き起こされた下肢の皮膚小結節を特徴としていた。エイズ
関連カポジ肉腫は非常に異なる臨床経過と患者集団を有している。エイズ関連カ
ポジ肉腫は、エイズ患者の身体内のどの構造にも見いだされ得る攻撃的で且つ広
範に伝播される新生物である。エイズ関連カポジ肉腫は生命を脅かし且つ非常に
不能にする可能性がある。
【0053】 攻撃的なエイズ関連カポジ肉腫を治療するために、ビンカアルカロイド、ビン
クリスチン、白金、ブレオマイシン及びアントラサイクリンを含む幾つかの細胞
毒性治療法が使用されている。これら作用剤の組合せ物は、例えばABV療法、
即ちドキソルビシン(アドリアマイシン)、ブレオマイシン及びビンクリスチン
の組合せ物は治療した患者の40%ほどもの多くの患者で応答を誘導した。リポソ
ームダウノキソム(登録商標)及びドキシル(登録商標)は、応答率はABVと同等
であるがより良好な毒性プロフィールを示すので、進行したエイズ関連カポジ肉
腫の治療に急速に容認されようとしている。しかしながら、ダウノキソム(登録
商標)又はドキシル(登録商標)及びABVで失敗した患者については、治療的な
選択肢は殆ど残っていない。本発明の組成物や方法はこのような患者に安全で且
つ有効であることが証明されている。
【0054】 大部分のエイズ治療方式では、臨床応答と生存に関する最優先の決定因子はC
D4+細胞の破壊の程度と日和見感染歴である。アルファインターフェロンも、
最も一般的には150個/mm3を超えるCD4+数を有している患者で応答を誘導し
、そしてAZTと組み合わせて使用するとき、相乗作用の徴候が幾らか存在する
。フィッシュル, エム.エイ.(Fischl, M.A.)「インターフェロンと組み合わせ
たエイズ関連カポジ肉腫の抗ウイルス療法」、Am. J.Med. 902S.(1991年)参照
【0055】 エイズ関連カポジ肉腫患者の原因になっているウイルス感染の新しい治療法の
出現は考えられるKS治療法に影響を与えている。ウイルスプロテアーゼインヒ
ビターのような新しいウイルス療法の幾つかは、エイズ関連カポジ肉腫を治療す
るために使用される薬剤の薬物動態学を改変することができる。ウイルスプロテ
アーゼインヒビターは肝臓で代謝され、そしてその結果他の多数の薬剤の代謝に
影響を与える。例えば、パクリタキセルの血漿濃度−時間曲線が潜在的に大きく
上昇するため、パクリタキセルは1つのウイルスプロテアーゼインヒビターのリ
トナビルと一緒に使用するためには用心しなければならない。他のウイルス療法
もパクリタキセル薬物動態学に影響を与える可能性があるので、本発明によって
意図されている。
【0056】 殆どの国で、パクリタキセルは白金で前処置された卵巣癌とアントラサイクリ
ン耐性肺癌の両方に対して登録されており、175 mg/m2の用量が3時間注入剤と
して投与される。パクリタキセルの大部分の薬物動態学的データは、この薬剤を
5日間1日1回1時間注入剤(15〜30 mg/m2)として; 6時間注入剤(15〜275
mg/m2)として; 24時間注入剤(100〜390 mg/m2)として; 又は96時間注入剤(1
20〜160 mg/m2)として投与したフェーズI臨床試験中に集められた。パクリタ
キセルの代謝に関する感受性アッセイから得られる証拠は、この薬剤が長期間循
環することを示している。ヒュイジング, エム.ティ.(Huizing, M.T.)及びベ
イジネン, ジェイ.エイチ.(Beijnen, J.H.)、「パクリタキセルの生物分析及
び臨床薬理学」、Taxane Journal、II巻、1号 1996年5月参照。
【0057】 初期の研究で、用量やスケジュールと独立したクリアランスを有するパクリタ
キセルの直線的薬物動態学的挙動が示された。しかしながら、他のスケジュール
と用量では薬物動態学的挙動が直線的でないことが示されている。24時間の注入
でパクリタキセルを投与したとき、直線的な動態学が存在する。パクリタキセル
を静脈内注入剤として6時間又はそれ未満で投与したとき、非直線的な薬物動態
学が明白となる。パクリタキセルを135 mg/m2を超える用量で3時間の注入剤と
して投与したとき、パクリタキセルのクリアランスは増加用量内で低下し、非直
線的な飽和薬物動態学を示している。この現象は用量に伴って指数関数的に増加
する最大血漿濃度値と共に現れる。これらの研究結果は、パクリタキセルの血漿
濃度が飽和値を超えるときに生ずる、この薬剤による飽和可能な消失過程と一致
しているように考えられた。非直線的な薬物動態学挙動の発生は、用量及び/又
はスケジュールを変えたとき上記の動態学的挙動が薬剤暴露の劇的な変化を導く
ことがあるので、臨床的に重要な結果を有している可能性がある。ヒュイジング
, エム.ティ.及びベイジネン, ジェイ.エイチ.、「パクリタキセルの生物分析及
び臨床薬理学」、Taxane Journal、II巻、1号 1996年5月参照。
【0058】 本発明以前には、用量又はスケジュール投与に高度に感受性であることが知ら
れているタキサン治療法と、タキサンの代謝に影響を与えることが知られている
ウイルスプロテアーゼインヒビター治療法との組合せには大きな不確かさが存在
していた。それ故、エイズ関連カポジ肉腫を治療するためのパクリタキセル又は
他のタキサンの使用についての先行する教示はエイズ関連カポジ肉腫に対するタ
キサンとウイルスプロテアーゼインヒビターの組合せに関する教示又は示唆を全
く提供していない。パクリタキセルはKSを治療するために使用されてきたが、
本発明までは、ウイルスプロテアーゼインヒビター治療を受けている患者におけ
るKSの治療は全く存在しなかった。ノルビルのようなウイルスプロテアーゼイ
ンヒビターによるエイズ治療を受けている患者において多数サイクルで投与され
たパクリタキセルによるエイズ関連カポジ肉腫の治療が、安全で且つ効果的な治
療法を提供するということは本発明者の驚くべき発見であった。100 mg/m2注入
中及び注入後に得られるパクリタキセルの血漿値は、発表された文献から得られ
るもっとも低い135 mg/m2の用量で得られる値より驚くほど低かった。更に、パ
クリタキセル単独でそして2週間のインジナビル療法後に治療された他の2人の
患者において、これら患者が長期間に亘って血漿パクリタキセル濃度の評価可能
な差異を示さなかったという驚くべき結果が見いだされた。
【0059】 以下の説明はパクリタキセルを含んでいる組成物の投与を教示するものである
。パクリタキセルの代わりに他のタキサンを使用することは本発明で考慮されて
いる部分である。容器や注入装置のような他の医学的デバイスの使用も本発明で
意図されている。
【0060】 パクリタキセル BNP(Baker Norton Pharmaceutical)は一般的に、5mLの
アンプル(30 mg/アンプル)中で6mg/mLの濃縮無菌溶液として提供される。無
菌溶液1mlは527 mgのポリオキシエチル化ヒマシ油(Cremophor(登録商標) EL)
及び49.7%(w/v)の無水アルコール(英国薬局方)を含有している。アンプ
ルの内容物は臨床で使用する前に希釈しなければならない。開封した未使用部分
は、OSHAで承認された指針を使用して処分すべきである。
【0061】 バイアルは室温(約25℃)か又は冷蔵下(2〜8℃)で貯蔵する。各パクリタ
キセル注入溶液は調製後24時間以内に投与すべきである。パクリタキセル注入溶
液は、薬剤の濃度と調製後の経過時間に正比例して僅かな混濁を示すことがある
。パクリタキセル注入溶液は、調製したとき、周囲温度(約25℃)及び通常の照
明条件で48時間までの間安定である。パクリタキセル注入溶液の調製後にパクリ
タキセル注入溶液中に少数の線維(LVPに関する米国薬局方微粒子物試験で確
立された許容限界内)の形成が観察された。微粒子形成は薬剤力価の損失を示さ
ないが、過剰の微粒子物形成を示している溶液は使用すべきではない。直列ろ過
が必要になる可能性があり、そしてそのようなろ過は0.22ミクロンより大きくな
い孔サイズの親水性微細孔フィルター(IVEX-HP In Line Filter Set-SL, 15イ
ンチ、Abbottモデル #4525又は等価物)を注入ポンプの遠位で液体経路に導入
することによって達成することができる。
【0062】 パクリタキセルは、ポリ塩化ビニル(PVC)バッグや静脈内配管によってジ
エチルヘキシルフタレート(DEHP)可塑化剤が浸出するため、可塑化されな
い溶液容器(例えば、ガラス、ポリオレフィン又はポリプロピレン)中で調製し
なければならない。パクリタキセルはPVC静脈内セットで投与してはならない
。それ故、ポリオレフィンライン又はポリエチレンラインのセット、例えば、I
Vニトログリセリンセット(又は等価物)を使用してパクリタキセル注入溶液の容
器をIVポンプに連結し、次いで0.22ミクロンのフィルターをIVセットに取り
付け、そしてその後これを患者のセントラルアクセスデバイスに直接取り付ける
ことができる。必要な場合には、ポリオレフィンラインの延長セット(PolyfinT M -延長セット、MiniMed technologies、モデル#126)を使用して、IVポンプ
と患者のセントラルアクセスデバイス間に更に距離を置くことができる。
【0063】 本発明の1つの実施態様を実施するために、最終的なパクリタキセル注入溶液
はパクリタキセルの総用量、即ち3時間供給物を、ガラス、ポリオレフィン又は
ポリプロピレン容器中の5%のデキストロース注射液(米国薬局方)又は0.9%
の塩化ナトリウム注射液(米国薬局方)250又は500 mLに希釈して調製すること
ができる。パクリタキセル注入溶液は当該技術分野の熟練者に知られている任意
の方法で3時間かけて注入されよう。ポンプを使用する場合、ポリオレフィンラ
インセット又はポリエチレンラインセットを使用してバッグ/瓶をこのIVポン
プに、続いて直列フィルターに連結すべきである。患者は注入用に使用できるセ
ントラルアクセスデバイスを有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0064】 本発明の実施態様は3時間連続静脈内注入剤としてパクリタキセル注入溶液を
投与することを包含する。パクリタキセル注入溶液は当該技術分野で知られてい
る任意の方法を使用して、14日ごとに反復するサイクルで送達することができる
。或いは、治療範囲内の血漿パクリタキセル値のような薬物動態学的利益を提供
するタキサンの経口投与は患者に静脈アクセスを要求することなく投与すること
ができよう。
【0065】 アナフィラキシー反応の可能性があるため、医者は各注入の最初の30分間は備
えているべきであり、そして静脈内エピネフリン、ヒドロコルチゾン及びジフェ
ンヒドラミンも利用可能にしておくべきである。
【0066】 本発明の好ましい実施態様はリポソームアントラサイクリンによる以前の治療
後に疾病が進行したエイズ関連カポジ肉腫患者の治療方法である。本発明の最も
好ましい実施態様は、難治性KSを有しそしてウイルスプロテアーゼインヒビタ
ーのような抗ウイルス治療法を同時に受けておりエイズ関連カポジ肉腫を有する
ヒトの治療方法である。
【0067】 本発明は、以下の実施例によって更に説明されるが、これらの実施例はいずれ
にしても本発明の範囲に限定を課すように解釈してはならない。反対に、本明細
書の説明を読んだ後に、本発明の精神及び/又は下記請求の範囲から逸脱するこ
となく当該技術分野の熟練者に示唆される他の種々の実施態様、修正、及びこれ
らの等価物に頼ることができると明確に理解すべきである。
【0068】 実施例1 エイズ関連カポジ肉腫の治療は、最初の10サイクルの間、14日毎に投与される
100 mg/m2のパクリタキセルの3時間注入からなっていた。パクリタキセル、(2
R,3S)-Nベンゾイル-3-フェニルイソセリンとの5β,20-エポキシ-1,2α,4,7β
,10β,13α-ヘキサヒドロキシタクス-11-エン-9-オン 4,10-ジアセテート 2-ベ
ンゾエート 12-エステルは5mLのアンプル(30 mg/アンプル)中で6mg/mLの濃
縮無菌溶液として提供された。無菌溶液各1mLは527 mgのポリオキシエチル化ヒ
マシ油(Cremophore(登録商標) EL)及び49.7%(w/v)の無水アルコール(英
国薬局方)を含有している。バイアルの内容物は臨床で使用する前に希釈されな
ければならない。開封した未使用部分は、OSHAで承認された指針及び/又は
制度化されたポリシーを使用して処分すべきである。バイアルは室温(約25℃)
か又は冷蔵下(2〜8℃)で貯蔵すべきである。各バッグ/瓶は調製後24時間以
内に投与すべきである。
【0069】 パクリタキセル溶液は、薬剤の濃度と調製後の経過時間に正比例して僅かな混
濁を示すことがある。注入用のパクリタキセル溶液(0.3〜1.2 mg/mL)は、周囲
温度(約25℃)及び通常の照明条件で48時間までの間安定である。
【0070】 治療した患者は全て、測定可能な疾病を有するエイズ関連カポジ肉腫を有して
おりそして少なくとも1つの先行する化学療法方式を受けたことがあった。患者
は、次の少なくとも1つの存在: 25以上の粘膜皮膚(口又は皮膚)病変; 内臓疾
患; 症候性リンパ水腫(疼痛); 身体検査によるか又はX線、CT若しくはMRI
で測定可能な疾病、によって全身的療法が医学的に指示されるHIV感染に関連
したKSの診断に関して顕微鏡的に確認され、そして顕著な利益を維持できなか
った少なくとも1つの全身的化学療法方式を受けていた。病変内化学療法方式は
先行する化学療法としては考慮しなかった。
【0071】 患者は全て2週間毎に100 mg/m2の3時間パクリタキセル注入を受けた。過敏
反応の危険性を最小限にするために、注入前に次の薬剤を投与した。すなわち、
パクリタキセル注入開始12時間前にそして再度6時間前に10〜20 mgのデキサメ
タゾンを経口投与した。上記経口用量は、パクリタキセル注入60分前の20 mgの
デキサメタゾンの静脈内投与で置換することができる。静脈内用量は、過敏反応
がサイクル1及び2で認められなかった場合、その後のサイクルでは8〜10 mgに
減らした。すなわち、パクリタキセル注入開始1時間前にシメチジン300 mg又は
ラニチジン50 mgを静脈内及びジフェンヒドラミン50 mgを静脈内(又は経口)で
投与した。
【0072】 腫瘍応答の分類は全て、現在の病変の特徴(即ち、大きさ、出現数及び罹患部
位)を患者のベースライン腫瘍評価と比較して実施した。患者が多数の皮膚病変
を有していた場合、5つの別個のマーカー病変を二次元腫瘍測定で追跡した。全
身皮膚病変(50まで)をサイクル毎に計数し、平板(flat)及び隆起(raised)病変
数に関して示した。
【0073】 患者応答は次のようにして測定した。
【0074】 完全な応答(CR): 少なくとも4週間持続する、腫瘍関連浮腫を含む検出可能
な疾病の無存在。
【0075】 部分的な応答(PR): 新たな病変(皮膚又は口)なし、新たな内臓罹患部位な
し又は腫瘍関連浮腫若しくは滲出物の出現若しくは悪化及び以前に存在していた
全病変数の50%以上の減少(数の減少は少なくとも4週間持続しなければならな
い); 或いは、少なくとも4週間持続する全ての測定可能な内臓病変の径の積の
合計の50%の減少; 或いは以前には隆起していた全ての病変の少なくとも50%の
完全な平板化(即ち、以前の全小結節又はプラーク様病変のうち50%が斑になっ
ている); 或いは5つのマーカー病変の最大垂直径の積の合計の50%の減少。
【0076】 安定な疾病(SD): 応答も進行性疾病も示さない患者。
【0077】 進行性疾病(PD): 新たな内臓罹患部位又は内臓疾病の進行(即ち、胸部X線
による病変又は滲出物の増加、内視鏡による胃腸病変の大きさ又は数の増加);
或いは少なくとも1週間持続し患者の通常の活動の障害となる、新たな又は増加
している腫瘍関連浮腫の発現; 或いは病変数の25%の増加; 或いは以前の「平板
な」全病変の25%以上が「隆起した」病変になる(即ち、以前の全黄斑病変の25
%が小結節又はプラーク様になる)という特徴の変化; 或いは、マーカー病変の
最大垂直径の積の合計の25%の増加。
【0078】 パクリタキセルは最初の10サイクルの間、14日毎に3時間注入剤として投与し
た。10サイクル後は、サイクル間の間隔は14〜28日であった。100 mg/m2の用量
は注射用5%デキストロース(米国薬局方)又は注射用0.9%塩化ナトリウム(
米国薬局方)中で0.3〜1.2 mg/mLの濃度に希釈した。パクリタキセルは非PVC
管及びコネクターを使用してポンプで自由流動静脈内ライン、例えば非経口ニト
ログリセリンを注入するために使用される静脈内投与セット(ポリエチレン又は
ポリオレフィン)を通して投与した。パクリタキセルを投与するために使用した
上記のラインからは他のどんな作用剤も同時には注入しなかった。
【0079】 パクリタキセルは0.22ミクロンより大きくない微小孔膜(例えば、IVEX2
)を使用して直列(in-line)フィルターを通して投与した。過剰の微粒子製剤を
有する溶液は破棄した。希釈後、各バッグ/瓶は24時間以内に投与した。セント
ラルラインは3時間注入剤を投与される患者では必要でなかった。
【0080】 89人の患者のエイズ関連カポジ肉腫をパクリタキセルで治療した。患者は全て
進行したKSを有しており、そして全員がこれまでに全身的化学療法で治療され
たことがあった。89人の患者のうち60人は<200の開始CD4数を有し、またこ
れらの患者のうち49人は<50のCD4数を有していた。27人の患者は外観を損な
う顔面病変を有しており、37人はリンパ水腫を有しており、そして28人は肺及び
/又は胃腸管が冒される内臓疾患を有していた。
【0081】 患者は全て、KSに対して以前に少なくとも1つの全身的化学療法治療を受け
たことがあった。43人の患者は以前にビンクリスチン若しくはビンブラスチン(
V); ブレオマイシンとビンクリスチン(BV)又はアドリアマイシン(登録商
標)、ブレオマイシン及びビンクリスチン(ABV)のいずれかを投与されてい
た。41人の患者は以前にリポソームダウノキソム(登録商標)を投与されていた。
27人の患者は以前にドキシル(登録商標)を投与されていた。合計51人の患者は1
つ又は2つの全身的リポソームアントラサイクリン薬剤を投与されていたが、エ
イズ関連カポジ肉腫の治療に成功していなかった。これら51人の患者のうち33人
の患者はパクリタキセルによる治療に対して65%の応答率で応答した。
【0082】 89人の患者では、全体として52%の応答率であった。以前にV、BV又はAB
Vを投与されていた患者は65%の応答率(28/43)を有しており、一方以前にダ
ウノキソム(登録商標)を投与されていた患者は51%(21/41)の応答率を有して
いた。以前にドキシル(登録商標)を投与されていた患者は41%(11/27)の応答
率を有していた。
【0083】 これら89人の患者のうち2人の患者は完全な応答を示し、そして44人は部分的
な応答(PR)を示した。患者の大部分はパクリタキセル治療中の或る時期にウ
イルスプロテアーゼインヒビターが投与されていた。89人の患者はパクリタキセ
ルを使用して1サイクルから27サイクルまで(中央値は8サイクル)の処置で治
療した。34人の患者は10サイクルを超える処置で治療された。このような治療法
は、最初の10サイクルの誘導療法(induction therapy)を超える維持治療法を示
している。
【0084】 薬物動態学試験はサイクル6〜11中の9人の患者で実施した。ピーク濃度、血
漿濃度曲線下の領域、分布量及び身体クリアランスを下記表に示す。固形腫瘍を
有する患者で135 mg/m2及び175 mg/m2の処置で得られたデータの比較を行う。
【0085】
【表1】
【0086】 実施例2 エイズ関連カポジ肉腫の治療は実施例1に記載した方法と同様に、14日毎に投
与される100 mg/m2のパクリタキセルの3時間注入からなっていた。この患者は3
2歳の白人男性患者であり、彼は1993年7月にHIV陽性と診断され、そして1994
年以後カポジ肉腫を有している。KS疾患には、皮膚、口及び鼠蹊結節が含まれ
ていた。等級付けによって、この患者は腫瘍及び全身疾患の危険性は低く、そし
て免疫状態の危険性はかなりあった。このプロトコールに入る前の以前の化学療
法にはVP16、ビンクリスチン−ビンブラスチン及びアルファ−インターフェロ
ンが含まれており、そしてこれらに対するこの患者の最善の応答は進行性疾病で
あった。プロテアーゼインヒビターのインジナビルと2種の逆転写酵素インヒビ
ター、ジドブジン及びラミブジンからなるサイクル2で開始する抗レトロウイル
ス療法で治療した。3種抗レトロウイルス薬剤療法はこの患者の治療中を通して
継続し、そしてこの治療は、サイクル11の後にインジナビルをリトナビルに変え
たが、サイクル19まで継続した。患者は治療を十分に寛容し、副作用は等級3又
はそれ以上の2つのエピソードだけであった。1つのエピソードは等級3の発熱
であり、そして他のエピソードは等級3の胸やけであった。治験担当医師によっ
て、上記の発熱はパクリタキセルに起因するものではないが、胸やけはパクリタ
キセルに起因するものと考えられた。
【0087】 この患者はパクリタキセル治療に対して部分的な応答を示した。カルノフスキ
ィ(Karnofsky)作業得点はベースラインの70から試験中の80までの改善を示し
そして症状苦痛得点(Symptom Distress Scale)はベースラインの38からサイク
ル10の32までの改善を示した。患者は50を超える病変を有していたので、腕と背
中の28の病変を追跡し、そしてこれら病変のうち最大限21の病変が治療中に解消
され、そして3つだけは隆起したままであった。更に、ベースラインで患者は黒
ずんだ病変に沿った広範囲の陰嚢浮腫及び右下肢の浮腫を有していた。サイクル
4までで、陰嚢浮腫は顕著に減少し、そしてこの改善はサイクル19まで持続した
。右大腿の周長はベースラインの約65 cmからサイクル19中の<58 cmまで治療中
に顕著に減少した。左大腿もベースラインの約60 cmからサイクル19中の約57 cm
までの減少を示した。
【0088】 実施例3 エイズ関連カポジ肉腫の初期治療法は実施例1に記載した方法と同様に、14日
毎に投与される100 mg/m2のパクリタキセルの3時間注入、次いで75 mg/m2の処
置からなっていた。この患者は1994年12月にHIV陽性と診断されそして1995年
2月以後カポジ肉腫を有している33歳の黒人男性であった。KS疾患には皮膚、
顔面、口及び胃腸管が含まれていた。等級付けによって、彼は腫瘍及び免疫状態
で定義される危険性は低く、そして全身的疾患で定義される危険性はかなりあっ
た。このプロトコールに入る以前の化学療法には、安定した疾病を示したが毒性
を有していたダウノキソム(登録商標)、並びに部分的に応答したがその後失敗し
たアドリアマイシン(登録商標)、ブレオマイシン及びビンクリスチン(ABV)
が含まれていた。患者はこのプロトコールに入った時点で、プロテアーゼインヒ
ビターのインジナビルと2種の逆転写酵素インヒビター、スタブジン及びラミブ
ジンからなる抗レトロウイルス療法の途中であった。彼は治療法全体を通してこ
れらの薬剤投与を継続し、そしてこの治療法はサイクル17まで進んだ。この患者
はパクリタキセルの最初のサイクル後に等級4の好中球減少症を経験したので、
用量を75 mg/m2に減量しそして17サイクルの処置を通してこの用量で治療した。
この患者はまた等級3の尿管感染及び等級3の陰嚢潰瘍感染も経験し、そしてこ
れらは治験担当医師によってパクリタキセル治療に起因するものであると考えら
れた。彼はまた、等級3及び等級4のアルカリホスファターゼ増加並びに等級3
の肺炎も有しており、そしてこれらはパクリタキセルに起因するものとは思われ
なかった。
【0089】 最初の治療サイクル後のパクリタキセルの減量用量(75 mg/m2)による治療中
に、この患者はパクリタキセルに対して部分的な応答を示した。カルノフスキィ
作業得点はベースラインの60からサイクル10の90まで改善し、そして症状苦痛得
点はベースラインの35からサイクル10の18まで改善した。この患者は50を超える
病変を有していたので、左前腕の8つの病変を追跡し、そしてこれらのうち2つ
は消失しそして4つは平板化した。患者は広範な顔面病変及び広範な顔面浮腫を
有していた。浮腫及び顔面病変の隆起の顕著な減少がサイクル7までに見られた
【0090】 実施例4 エイズ関連カポジ肉腫の治療は実施例1に記載した方法と同様に、14日毎に投
与される100 mg/m2のパクリタキセルの3時間注入からなっていた。この患者は
、1990年にHIV陽性と診断されそして1996年5月以後カポジ肉腫を有している4
1歳の黒人男性であった。KS疾患には皮膚、顔面及び鼠蹊小結節が含まれてお
り、口や肺は決定的とは言えないが冒されていた。等級付けによって、彼は腫瘍
及び免疫の危険性は低く、そして全身疾患の危険性はかなりあった。このプロト
コールに入る以前の化学療法はダウノキソム(登録商標)であり、これに対する彼
の最大応答は進行性疾病であった。患者はこのプロトコールに入ったときに、プ
ロテアーゼインヒビターのサキナビル及びレチノビルと3種の逆転写酵素インヒ
ビター、ジダノシン、スタブジン及びラミブジンからなる抗レトロウイルス療法
の途中であった。彼は治療法全体を通してこれらの薬剤投与を継続し、そしてこ
の治療法はサイクル10まで進んだ。この患者はパクリタキセルによる治療を十分
に寛容し、経験した唯一の重篤な有害事象は、治験担当医師によってパクリタキ
セルに起因するとされた等級3及び等級4の好中球減少症であった。
【0091】 この患者はパクリタキセルに対して、10サイクルの治療全体で安定な疾病の最
大応答を有していた。彼のカルノフスキィ作業得点はベースラインの90からサイ
クル3〜10中に80までの低下を示し、一方ベースラインとサイクル4で測定した
症状苦痛得点は変化を示さなかった。患者は50を超える病変を有していたので、
顔面及び左大腿の22の病変を検査し、そしてこれらのうち1つは平板化しそして
どれも消失しなかった。ベースラインで、多数の病変が両下肢に現れ、そして右
下肢は浮腫状で左下肢より大きくそして踝は顕著に膨潤していた。左下肢は治療
法全体を通して右下肢より大きいままであったが、サイクル4までに大きさは縮
小しているように思われた。治療の結果、病変は殆ど突起していないように思わ
れた。下腿の周長の測定によってどちらの下腿もベースライン(共に30 cm)か
らの変化を示さなかった。しかしながら、右大腿は試験中に59 cmから57 cmへの
縮小を示し、そして左下肢は52.8 cmから51.5 cmまで少し縮小した。
【0092】 実施例5 エイズ関連カポジ肉腫の治療は実施例1に記載した方法と同様に、14日毎に投
与される100 mg/m2のパクリタキセルの3時間注入からなっていた。この患者は
、1985年以後HIV陽性でありそして1995年3月以後カポジ肉腫を有している41
歳の白人男性であった。彼は、肺及び皮膚のKS病変疾患を有していた。等級付
けによって、彼は腫瘍、免疫及び全身的疾患の危険性は低かった。このプロトコ
ールに入る以前の化学療法は、最大応答が部分的な応答であったリポソームダウ
ノルビシン(DaunoXome(登録商標))及び最大応答が腫瘍進行であったドキソル
ビシン(Doxil(登録商標))の両方を含んでいた。パクリタキセルによる治療開
始によって、彼はサイクル4で部分的な応答の開始を示した。彼は肺KSでかな
りの改善を有しており、そしてこの改善はサイクル4ほどの初期に見られ、顕著
な改善はサイクル19まで持続した。彼の呼吸、咳及び運動性得点はパクリタキセ
ル治療で改善した。この患者はパクリタキセルによる治療以前には酸素吸入を受
けていたが、パクリタキセルによる治療開始後にはこれを中断できたことは注目
に値する。
【0093】 実施例6 実施例1に記載した方法と同様に、14日毎に投与される100 mg/m2のパクリタ
キセルの3時間注入からなるエイズ関連カポジ肉腫の治療を以下の患者で開始し
たが、医学的考慮によって、スケジュールは以下に記載したように変更した。
【0094】 患者#687は等級3の高ビリルビン血症のため第2サイクル後にパクリタキセ
ルの用量を75 mg/m2に減量した。サイクル2から7までこの減量用量で継続した
。この患者はサイクル6で部分的な応答の開始を示した。
【0095】 患者#688は、等級3の下痢を経験した第4サイクル後にパクリタキセルの用
量を75 mg/m2に減量した。サイクル5から9までこの用量で継続した。この患者
はサイクル6で部分的な応答の開始を示した。
【0096】 患者#692は、等級4の好中球減少症のため最初のサイクル後にパクリタキセ
ルの用量を75 mg/m2に減量した。サイクル2から11までこの用量で継続した。こ
の患者は安定な疾病の最大応答を示した。
【0097】 患者#630は、等級4の好中球減少症を経験した後の第12サイクル後にパクリ
タキセルの用量を75 mg/m2に減量した。サイクル13から27までこの用量で継続し
た。この患者はパクリタキセルの上記減量用量でサイクル27まで持続した部分的
な応答を示した。
【0098】 実施例7 実施例1に記載した方法と同様に、14日毎に投与される100 mg/m2のパクリタ
キセルの3時間注入からなるエイズ関連カポジ肉腫の治療法を以下の患者で開始
したが、医学的考慮によって、スケジュールは以下に記載したように変更した。
【0099】 患者#637は、サイクル間の期間を第10サイクル後15〜28日(一般的には21〜2
8日)の間に延長した。この患者は17サイクルの治療を受けた。治療間のこの期
間延長(1週当たり25〜33 mg/m2の強さの用量を投与)にも拘わらず、この患者
はサイクル11から17の間、部分的な応答を維持していた。
【0100】 表IIIは実施例1〜8に詳記した試験で患者に使用された抗レトロウイルス薬
剤の投与を示す。患者には試験前又は試験中何時でも各クラスのうちの1つより
多くの薬剤を投与することができる。
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】 実施例8 薬物動態学試験 患者は実施例1に記載したようなエイズ-KSでパクリタキセルの臨床試験に
登録した。治療法のサイクル6から11までの範囲内のパクリタキセル投与の1サ
イクル中に、この試験に自発的に参加した患者が連続血漿試料採取のため病院に
残った。3時間のパクリタキセル注入剤に関連して、血漿パクリタキセル濃度を
測定するために、0(注入前)、注入中0.5、1、2、2.5時間、注入後0(注入
終了)、0.08(5分)、0.25(15分)、0.5(30分)、1、1.5、2、3、6、8
、10、18、24、30及び48時間目にヘパリン添加バキュテイナー(Vacutainer(登
録商標))管を使用して7mLの血液を得た。各血液試料は3500 rpmで10分間遠心
した。分離した血漿を標識したプラスチックバイアル(ポリプロピレン)中に移
し、そしてその後アッセイするまで−20℃で貯蔵した。
【0105】 血漿パクリタキセル濃度は、有効性が立証されているLC/MS-MS法を使用
して測定した。0.8 mLの血漿試料にアセトニトリルを加えて血漿タンパク質を沈
殿させた。遠心後、アセトニトリル層を蒸発乾固した。再構成抽出物のアリコー
トを、HPLCカラムを使用してSCIEX APIIIプラスLC/MS-MSに注
入した。パクリタキセルの下限量は50 pg/mLであった。血漿パクリタキセル値は
非区画分析に付した。
【0106】 このデータが得られた9人の患者は、進行したエイズ関連カポジ肉腫(AID
S-KS)を有するHIV陽性の男性であった。この薬物動態学試験に参加した
患者(白人8人、黒人1人)は平均年齢 36.3歳(範囲: 27.7〜48.5)、平均体
重 154.5 kg(範囲: 116〜180)、及び平均身長 67.9インチ(範囲: 64〜72)で
あった。No.651の患者を除いて、患者は全てHIV疾病のために逆転写酵素ヌ
クレオシド類似体を摂取していた。これらの患者のベースラインの平均CD4数
は210.8細胞/mm3(範囲: 17〜640)であった。
【0107】 薬物動態学: 種々の薬物動態学的パラメーターの平均(CV)値を表VIに示す
【0108】
【表5】
【0109】 薬物動態学的評価はサイクル6〜11中に行ったが、患者が受けた治療サイクル
数と得られた薬物動態学的値との間には関係はなかった。
【0110】 これらの各パラメーターのCVが3時間かけて投与されたパクリタキセルのよ
り高い用量で報告されたものより低いことは注目に値する。これは用量がより低
い場合には、用量がより高い場合と比較して、より少ない被験者間変動性を示し
得ることを示唆している。
【0111】 これは正式な薬剤−薬剤相互作用試験ではなかったが、患者は原因となってい
るHIV感染及び併発性疾患を治療するために多数の作用剤も投与されていた。
AIDS-KS患者は典型的には併用抗真菌剤を投与されるので、パクリタキセ
ルの薬物動態学をこれらの併用イミダゾール抗真菌剤を投与されている6人の患
者とこれらを投与されなかった3人の患者で比較した。これらの群間に差異はな
かった。同様に、併用インジナビル、即ちプロテアーゼインヒビターを投与され
ている5人の患者の薬物動態学をこの作用剤を投与されていない4人の患者の薬
物動態学と比較しても顕著な差異の無いことが示された。2週間のインジナビル
(800 mg 1日3回)後のパクリタキセルの薬物動態学的値の平均変化パーセン
トを次の表に記載する。
【0112】
【表6】
【0113】 身上調査的又は経済的状態が得られた薬物動態学的試料に影響を与えたかどう
かを決定するために多数の分析を行った。患者の年齢と種々の薬物動態学的パラ
メーター間に顕著な関係はなかった: [Cmax(r2=0.26)、AUClast(r2=0.14)、CL(r2=0.11)及びVds s (r2=0.14)]。
【0114】 中程度の肝機能試験の上昇を有する2,3人の患者の試験から、肝機能の損傷
は全身循環からのパクリタキセルの排除速度の中程度の低下と関連している可能
性があると結論された。
【0115】 以前の試験で、或る値を超えて維持された薬剤値は、白血球数(WBC)と絶
対好中球数(ANC)の減少の発生率がより高いことと関係のあることが示唆さ
れた。パクリタキセル値が0.1又は0.05μMを超えた時間のデータとWBC及び
ANCの変化の間の相関関係を決定することはできなかった。5人の患者は、こ
の試験に参加している間に等級3の非血液学的毒性[脱毛症(N=3)、胸やけ
(N=1)及びALTの増加(N=1)]を示していたが、脱毛症の2人の報告
は共に薬物動態学的試験日前に生じていた。これらの有害事象(3650 ng・hr/mL
)を発現した患者から得られたAUC値においては発現しなかった患者(3426 n
g・hr/mL)と比較して認められるほどの差異はなかった。
【0116】 パクリタキセル投与に対して部分的に応答した5人の患者と薬物動態学試験の
時点で応答していなかった4人の患者の薬物動態学には明白な差異はなかった。
残りの患者のうち3人は試験中に部分的に応答するようになっていた。
【0117】 この試験の結果は、3時間かけて投与された100 mg/m2の用量後のパクリタキ
セルへの暴露が、固形腫瘍を有する癌患者において上記と同一の間隔で投与され
た135 mg/m2及びそれ以上の慣用的な用量で報告されたものよりかなり低いこと
を証明している。パクリタキセルの体内クリアランスと分布量は、以前に試験さ
れた高用量と比較してこの低用量のパクリタキセルで約2倍〜6倍高かった。上
記のより高い用量と同様に、パクリタキセルの薬物動態学は非直線的であると思
われる。この用量での患者間変動性は以前の試験で認められたものより低い。
【0118】 薬剤−薬剤又は薬剤値と有効性若しくは毒性の顕著な相互作用は認められなか
った。
【0119】 勿論、上記は本発明の好ましい実施態様だけに関するものであり、そして請求
の範囲に記載した本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明では多数
の修正又は改変を行うことができると理解すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 121 A61P 43/00 121 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,Y U,ZW (72)発明者 グリフィング,スーザン アメリカ合衆国 33139 フロリダ マイ アミビーチ アパートメント 805 テン ス ストリート 1045 (72)発明者 ハリーマン,グレゴリー アール. アメリカ合衆国 33133 フロリダ ココ ナット グローブ マラガ アベニュー 4011 Fターム(参考) 4C084 AA17 NA14 ZB262 ZB332 ZC552 4C086 AA01 AA02 BA02 MA01 MA04 NA14 ZB26 ZB33 ZC55

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タキサンの有効用量を1種以上のプロテアーゼインヒビターと
    共にヒトに投与することを含むエイズ関連カポジ肉腫の治療方法。
  2. 【請求項2】 1種以上の逆転写酵素インヒビターを共に投与することを更に
    含む請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 タキサンの前記用量が2週間毎に30〜200 mg/m2である請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 タキサンの前記用量が2週間毎に50〜155 mg/m2である請求項
    1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 タキサンの前記用量が2週間毎に100 mg/m2である請求項1に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ヒトが、リポソームアントラサイクリンによる治療法が無
    効であっったヒトである請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ヒトが、リポソームドキソルビシンによる治療法が無効で
    あったヒトである請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記ヒトが、アドリアマイシン、ブレオマイシン又はビンクリ
    スチンの組合せ物による治療法が無効であったヒトである請求項1に記載の方法
  9. 【請求項9】 前記ヒトが、リポソームアントラサイクリンとアドリアマイシ
    ン、ブレオマイシン又はビンクリスチンの組合せ物による治療法が無効であった
    ヒトである請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ヒトが、2種以上の先行する細胞毒性化学療法が無効で
    あったヒトである請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記ヒトが約10週間の誘導療法を受ける請求項1に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 8〜30日毎にタキサンの有効用量を投与することを含む、約
    10週間の誘導療法に応答したカポジ肉腫患者の維持療法の方法。
  13. 【請求項13】 タキサンの前記用量が50〜100 mg/m2の間である請求項12
    に記載の方法。
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