JP2002518184A - パンチングユニットを備えたツールホルダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 パンチプレス機用ツールホルダは、いくつかのパンチングユニット（１４）を備え、該パンチングユニット（１４）は、ツール受け（１２）のホルダ（１０）に設置され、パンチ（２０）を引っ込めるためのガス圧ばね（１５）を有している。ガス圧ばね（１５）の利点は、加工される材料に対する圧力レベルを調節することができる点である。複数のホルダについてより早く簡単に調節を行うために、ガス圧ばね（１５）の圧力チャンバ（２８、３２）を共通の給送ライン（４４）に接続し、該給送ライン（４４）を圧縮ガス源に接続することができる。これにより、全ガス圧ばね（１５）の内部圧力を選択的に同時に変化させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （発明の属する技術分野） 本発明は、パンチングユニットをいくつか備えたパンチプレス機用のツールホ
ルダに関するものである。該パンチプレス装置は、ホルダ内のツール受けに設置
され、パンチを引っ込めるためのガス圧ばねを有する。

【０００２】 （発明の背景） 螺旋状またはプレート状のばねとして形成された、広く用いられている鋼鉄製
のばねに加えて、さらに、例えば欧州特許第０６４６４２７号明細書により、ガ
ス圧ばねを利用したパンチングユニットが公知である。ガス圧ばねの利点は、ガ
ス圧ばねのある圧力チャンバ内の圧力レベルを変化させることにより、ばね特性
曲線を積極的に変化させることができるという点である。これによれば、例えば
、厚いシート状の鋼鉄プレートを加工している際には、圧力チャンバ内では非常
に高い圧力が発生し、また、薄いアルミニウムシートを加工している際には、圧
力チャンバ内で比較的低い圧力が発生するように、ばね力を加工される材料に合
わせて調整することができる。軟らかい材料を加工する際に低い圧力を用いるこ
とにより、損傷を受けやすく場合によってはすでにコーティングされた表面への
損傷が防止される。

【０００３】 公知のガス圧ばねを有するパンチングユニットにおいては圧力をこのように設
定できるが、しかしながら、ツールホルダについては、１０またはそれ以上のパ
ンチングユニット用ツール受けを設けることが容易であり、個々のパンチングユ
ニットの圧力チャンバ全ての圧力レベルを加工される材料に対応して調節するこ
とは非常に煩雑であることが分かった。

【０００４】 （発明の概要） 本発明の目的は、パンチングユニットに、ガス圧ばねを備えて、より早く簡単
な方法で、加工される材料に対してパンチングユニットを調節することができる
ツールホルダを形成することである。

【０００５】 本目的は、最初に記述したタイプのツールホルダのガス圧ばねの圧力チャンバ
が、圧縮ガス源に接続可能な共通の給送ラインに接続されるという本発明により
達成される。

【０００６】 全圧力チャンバについて中央圧縮ガス源が存在しているので、同時に全てのガ
ス圧ばねの内部圧力を変化させることができる。従って、加工される材料を替え
る際に必要なリセット時間は大幅に減少する。さらに、必要な場合には、共通の
圧力供給により、ガス圧ばね全てにおいて均一な圧力レベルが確実に得られる。

【０００７】 給送ラインは、圧力受容部を構成しているのが好ましい。給送ラインが比較的
大きな容積であることにより、ガス圧ばね特性曲線がより平坦となる結果となる
。これは、パンチストローク中のガス圧ばね１つあたりの移動容量が、圧力全体
の分量に対して比較的小さいのが理由である。逆に、ツールホルダ及びパンチプ
レス機の状態により、構造的な空間が非常に限定されるので、ガス圧ばねの領域
において、比較的多量のガス圧力を実現することは殆ど不可能である。

【０００８】 本発明の好ましい実施形態において、給送ラインにおいて所定の圧力レベルを
設定するための制御バルブが、圧縮ガス源と給送ラインとの間に備えられる。所
定の非常に高い圧力の圧力供給容器が、圧縮ガス源として用いられる場合、制御
バルブにより圧力レベルを正確に設定することができる。

【０００９】 本発明の他の実施形態において、個別の圧力チャンバ内の所定の圧力レベルを
設定するための制御バルブを、給送ラインと圧力チャンバの少なくとも一部分と
の間に備えることができる。このように配置することにより、種々の圧力チャン
バ内の圧力レベルを別々に設定することができ、その結果、パンチングユニット
を状態に応じて別々に調節することができる。個別に加工される材料に対する復
元力の最適化は、実際のピストン表面とパンチの種類に依存するが、本実施形態
を用いてさらに正確に最適化することができる。

【００１０】 典型的な実施形態において、ツールホルダはリボルバー状に設計され、またパ
ンチングユニットは円状に配置される。このタイプのツールホルダを用いて、給
送ラインが、パンチングユニットの間に環状に配置されるのが好ましい。このよ
うに配置することにより得られる利点は、特に、パンチングユニット間の空間に
、給送ライン用に利用可能な空間が十分に確保され、この結果、従来、鋼鉄製ば
ねを有するパンチングユニットとともに用いられてきた従来のツールホルダを再
装着することが容易にできる。

【００１１】 不可燃性で、無毒で、安価であるので、窒素が圧縮ガスとして使用されるのが
好ましい。

【００１２】 添付の図面を参照することにより、本発明の典型的な実施形態についてより詳
細な説明を行う。

【００１３】 （好ましい実施形態） ツールホルダ１０は、タレットパンチプレス機に挿入することができるもので
、図１に示されている。ツールホルダ１０は、平円盤状に設計されており、受け
部１２（図２を参照）を備え、該ツール受けは、円状に配置され、またその内部
でパンチングユニット１４を受け取る。図示した典型的な実施形態では、パンチ
ングユニット１４の構造は、ドイツ特許第１９５０５７５４号明細書に記載され
ている構造に準じるが、ただし、ガス圧ばねが、該特許明細書において図示され
ているプレートばねパッケージに置き換わっており、このようなパッケージは、
基本的に欧州特許第０７０８２６７号明細書により公知である。

【００１４】 パンチングユニット１４は、これとは異なり、ガイドブッシュ１６と、複数の
パンチドライバ１８と、パンチ２０とを備え、該パンチ２０は、ねじ部１９によ
りパンチドライバ１８に接続されている。ストリッパプレート２２が、ガイドブ
ッシュの下側端部とパンチ２０との間に配置されている。ガス圧ばねは、放射状
に突出するヘッド部２４とガイドブッシュ１６の後側端部壁との間に配置されて
いる。

【００１５】 ガス圧ばね１５はハウジング２６を有しており、ハウジング２６の断面は、本
質的に円状であり、その中に円筒形ボア２８が配置され、各ボアの中にピストン
３０が軸方向に着脱可能な方法で案内される。円筒形ボア２８は、環状の管３２
により互いに連結されており、ガス圧ばね１５の圧力チャンバをともに構成して
いる。ピストン３０は、閉鎖リング３４により、円筒形ボア２８の壁について閉
鎖されている。環状管３２は、接続管３６を有しており、接続管３６の開口部３
８に向かって、給送ライン４０が適宜のねじエレメントによりねじで取り付けら
れている。図示した典型的な実施形態におけるパンチングユニット１４は、全て
、同一の構造であるが、異なる構造のパンチングユニットと異なる設計のガス圧
ばねとを連結することは許容範囲内だろう。

【００１６】 全パンチングユニット１４の給送ホース４０は、適宜のコネクタ４２により環
状給送ライン４４へ接続されており、該環状給送ライン４４は、ツールホルダ１
０と同心に配置されている。給送ライン４４本体は圧力コネクタ４６を有し、該
圧力コネクタ４６は圧縮ガス源に接続されている（図示せず）。制御バルブが、
圧力コネクタ４６と圧縮ガス源との間に配置されており、この制御バルブにより
、給送ライン４４の圧力レベルを正確に調節することができる。

【００１７】 図示した実施形態を用いて、圧力チャンバは、全て、給送ライン４４に常時接
続されており、全圧力チャンバ内は、給送ライン４４内における圧力と同じ圧力
レベルである。その上、給送ラインと別個の圧力チャンバとの間に制御バルブを
さらに設けることができ、この制御バルブにより、これらの別個のチャンバ内の
圧力レベルが個々に作用を受けるようにすることができる。

【００１８】 他の形状のツールホルダを用いることにより、給送ラインは、ツールホルダの
形状及びパンチングユニットの配置に従って利用可能な構造的空間に適合させら
れるだろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】 パンチングユニットのガス圧ばね用給送ラインを有するツールホルダを概略的
に示す平面図である。

【図２】 図１のツールホルダの断面図である。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 いくつかのパンチングユニット（１４）を備えたパンチプレ
   ス機用ツールホルダであって、該パンチングユニット（１４）は、ホルダ（１０
   ）のツール受け（１２）に設置されており、また前記パンチを引っ込めるための
   ガス圧ばね（１５）を有し、 前記ガス圧ばね（１５）の圧力チャンバ（２８、３２）が、共通の給送ライン
   （４４）に接続され、該給送ライン（４４）は、圧縮ガス源に接続することがで
   きることを特徴とするパンチプレス機用ツールホルダ。
2. 【請求項２】 前記給送ライン（４４）が圧力受容部を構成することを特徴
   とする請求項１に記載のツールホルダ。
3. 【請求項３】 前記給送ライン（４４）の所定の圧力レベルを設定するため
   の制御バルブを、前記圧縮ガス源と前記給送ライン（４４）との間に備えること
   を特徴とする請求項１または２に記載のツールホルダ。
4. 【請求項４】 前記個別の圧力チャンバ（２８、３２）の所定の圧力レベル
   を設定するための制御バルブを、前記給送ライン（４４）と前記圧力チャンバ（
   ２８、３２）の少なくとも一部分との間に備えることを特徴とする請求項１から
   ３のいずれかに記載のツールホルダ。
5. 【請求項５】 前記ツールホルダが、リボルバー状に設計されており、また
   前記パンチングユニット（１４）が円状に配置されていることを特徴とする請求
   項１から４のいずれかに記載のツールホルダ。
6. 【請求項６】 前記給送ライン（４４）が、パンチングユニット（１４）間
   に環状に配置されることを特徴とする請求項５に記載のツールホルダ。
7. 【請求項７】 前記圧縮ガスが窒素であることを特徴とする請求項１から６
   のいずれかに記載のツールホルダ。