JP2002517165A - 迅速に崩壊するトリクロロイソシアヌル酸組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 トリクロロイソシアヌル酸及び崩壊に有効な量の天然水溶性ゴムから本質的になる圧搾形態の組成物。新規な組成物は、水に入れると、容易にトリクロロイソシアヌル酸を分散し、水泳プール、温泉、又は浴槽の如き水本体に対し、有効塩素の濃度を迅速に増大制御する。

Description

【発明の詳細な説明】 迅速に崩壊するトリクロロイソシアヌル酸組成物 本発明は、水物体を消毒するための組成物に関する。詳しくは、本発明は、水 物体を消毒するための迅速に崩壊するトリクロロイソシアヌル酸組成物に関する 。 トリクロロイソシアヌル酸は、水泳プールの如き溜水を、水に溶解した時に有 効塩素を与えることにより消毒するための商業的化合物として知られている。水 泳プールの如き溜水中に入れると、トリクロロイソシアヌル酸はゆっくり分解し てその有効塩素濃度を与え、溜水を消毒する。例えば、21℃の水中での14gのト リクロロイソシアヌル酸を含有する錠剤の溶解速度は、0.27g／時である。 水中の溶解度を増大する必要がある場合、ジクロロイソシアヌル酸、又はジク ロロイソシアヌル酸のアルカリ金属塩及びそれらの水和物の如き他のクロロイソ シアヌレートを用いることができる。 別法として、トリクロロイソシアヌル酸（ＴＣＣＡ）の溶解速度を増大するた め、水の存在下でＴＣＣＡと反応してアルカリ金属ジクロロイソシアヌル酸塩を 形成するアルカリ金属炭酸塩及び炭酸水素塩の如きアルカリ金属塩との混合物が 調製されてきた。 トリクロロイソシアヌル酸と、燐酸三ナトリウム及び燐酸四ナトリウムを含め たアルカリ金属燐酸塩、同様に硼酸ナトリウム及び珪酸塩ナトリウムの如き水溶 性アル カリ金属塩との混合物も、消毒剤として知られている。 別に、ヘンケル(Henkel)及びサイ(Cie)による南アフリカ特許第73-9740号明細 書には、ジクロロイソシアヌル酸又はそのアルカリ金属塩と、じゃがいも、トウ モロコシ、小麦、又は米の澱粉、又は化学的に部分的に還元、コロイド化、又は カルボキシメチル化した澱粉の如き澱粉と混合することにより、容易に溶解する 錠剤を作ることが教示されている。これらの錠剤は、例えば織物のための漂白及 び消毒溶液、浄化及び濯ぎ調製品、アルカリ性瓶クリーナー及び機械的皿洗い器 用調製品を製造するために用いられている。錠剤は、2.5〜18重量％の澱粉及び8 0〜97重量％のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム又はカリウムを含むことがで きる。 しかし、水に入れると、容易にトリクロロイソシアヌル酸を分散して、水泳プ ール、温泉、或は浴槽の如き水本体に対する有効塩素の濃度を迅速に増大し、調 節する、圧搾形態のトリクロロイソシアヌル酸組成物に対する必要性が依然とし て存在している。 この実績は、トリクロロイソシアヌル酸と崩壊有効量(disintegrating amount )の天然水溶性ガムから本質的になる圧搾形態の組成物によって達成されてきた 。 本発明の新規な組成物は、約89〜91.5％の範囲の有効塩素濃度を有する市販化 合物であるトリクロロイソシアヌル酸（ＴＣＣＡ）を含んでいる。 その組成物の第二の成分は天然水溶性ゴムである。天 然水溶性ゴムとして適当なものは、例えばグアーゴム、ローカスト・ビーン(Loc ust Bean)ゴムの如き種子ゴム；アラビアゴム、ガッチ(Ghatti)ゴム及びトラガ カントゴムを含めた浸出物或は本ゴム；及びキサンタンゴムの如き発酵又は微生 物ゴムである。 分散剤としてそれらのゴムは単独又は混合物として用いることができる。本発 明で分散材料として適した天然水溶性ゴムは、多糖類ゴムとして特徴付けること もできる。適当な多糖類ゴムは、分岐鎖多糖類、好ましくはグアーゴム、ローカ スト・ビーン・ゴム及びキサンタンゴムによって例示されるような規則的な短い 分岐鎖を有するもの、及びアラビアゴムのように分岐鎖が分岐した構造を有する ものである。適当な多糖類ゴムは、更にポリヘテログリカンとして類別すること もできる。例えば、ポリヘテログリカンには、グアーゴム及びローカスト・ビー ン・ゴムの如きジヘテログリカン、キサンタンゴムの如きトリヘテログリカン、 及びアラビアゴムの如きテトラヘテログリカンが含まれる。ポリヘテログリンは 、その構造中に少なくとも二つの異なった単糖類を含む。好ましい具体例はジヘ テログリカン及びトリヘテログリカン及びそれらの混合物である。天然水溶性ゴ ムは工業的ゴムとして市販されている。 合成ゴム及び澱粉同様、セルロース及び澱粉を含む変性ゴムは本発明では使用 しない。 圧搾形態の組成物を水に入れた時、錠剤を容易に崩壊 し、トイソシアヌル酸を分散させるどのような量の天然水溶性ゴムを用いてもよ い。例えば、天然水溶性ゴムの適当な量には、組成物の約0.1〜約25重量％、好 ましくは約0.25〜約15重量％、一層好ましくは組成物の約0.5〜約10重量％の範 囲の量が含まれる。 本発明の新規な組成物は、例えば錠剤、リング、円板、棒、ブリケット等の如 き圧搾した形態で供給されている。圧搾形態は、成分の均一な混合物を用いてど のような適当な商業的方法によって製造してもよい。圧搾形態の好ましい具体例 は、錠剤、円板及びブリケットであり、錠剤が特に好ましい。 本発明の組成物の圧搾形態のものを水泳プールの如き溜水中に入れると、その 圧搾形態のものは容易に崩壊して水中にトリクロロイソシアヌル酸の小さな粒子 を分散し、それによってそれら組成物は大きな添加速度となって水本体中に調節 された有効塩素濃度を与える。圧搾形態物の崩壊速度は用途が変われば変えても よいが、水泳プール又は温泉で用いる場合、圧搾形態物の完全な崩壊は、30分以 内、好ましくは10分、一層好ましくは５分以内に起きるのがよい。 貯蔵中トリクロロイソシアヌル酸はいくらかの分解を受け、塩素含有ガスを形 成することが知られている。容器中にこれらの塩素含有ガスが蓄積すると、容器 を侵食して脆くし、強度を低下する結果になる。従って、トリクロロイソシアヌ ル酸の容器、例えばドラム、瓶、鑵等 は、きつく閉ざされているが、例えば気密に密閉されてはいない。これによって 、例えば上昇した温度及び湿度条件下で保存している期間中に形成された分解ガ スを放出することができる。トリクロロイソシアヌル酸及び本発明の組成物の圧 搾形態物、例えば錠剤の如きものは、箱又はカートンに入れて出荷することがで きる熱封着プラスチック袋又は包みの中に詰めてもよい。 熱封着袋中に存在する塩素含有ガスは、新規な組成物に用いられた天然水溶性 ゴムの幾らかの酸化を促進し、本発明の組成物の崩壊速度に有害な影響を与える ことがある。 これらの塩素含有ガスの蓄積を防止するため、ガス除去剤を使用する。適当な ガス除去剤には、例えば、J.P.ブレナン(Brennan)その他による米国特許第4,149 ,988号に記載されているアルカリ土類金属硫酸塩、及びJ.M.キャスバーグ(Casbe rg)による米国特許第4,444,316号に教示されているシリカゲル、炭素、及びアル カリ金属炭酸水素塩の混合物が含まれる。そのような除去剤を、ガス除去に有効 な量使用する。 本発明の新規な組成物を、次の実施例により更に例示するが、それによって本 発明は何等限定されるものではない。別に指示しない限り、全ての部、％、比、 等は重量による。 例１〜２ 粒状トリクロロイソシアヌル酸（ＴＣＣＡ）〔ＣＤＢ 90（登録商標名）、コネチカット州スタンホードのオリン社(Olon Corp.)〕と２ 重量部のグアーゴムとの混合物；及び10重量部のグアーゴム〔ウィスコンシン州 ミルウォーキーのアルドリッヒ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.)〕と、唯一 の他の成分であるトリクロロイソシアヌル酸との混合物を、混合により調製した 。混合物の各々の14gを錠剤形成型（直径2.5cm）に入れ、それら混合物をカーバ ー(Carver)プレス〔実験室用プレス、Ｂ型、ウィスコンシン州メノモニのスター リング社(Sterling Inc.,)〕で9,000psiで圧搾し、夫々の混合物の錠剤を製造し た。錠剤の崩壊速度を決定するため、水道水（25℃）を満たした８オンスのジャ ーに入れ、錠剤が完全に崩壊してＴＣＣＡを分散させ、トリクロロイソシアヌル 酸粒子の小山をジャーの底に形成する時間を測定した。２重量％、及び10重量％ のグアーゴムを含有する錠剤の崩壊時間は、１分より短かった。 例３〜７ 粉末ＴＣＣＡと、0.5％、１％、1.5％、２％、及び2.5％の添加量のグアーゴ ムとの混合物を、トリクロロイソシアヌル酸を唯一の他の成分として調製した。 例１の方法を用いて混合物の各々を10,000psiで圧搾して15gの混合物からなる錠 剤にした。各混合物の錠剤について崩壊時間を、水道水(25℃)で満たされた８オ ンスのジャーに入れ、錠剤が完全に崩壊する時間を測定することにより決定した 。錠剤の各々は３分以内で完全に崩壊した。 例８〜９ ２重量％のグアーゴムと98重量％のＴＣＣＡを含む錠剤、及び２重量％のキサ ンタンゴムと98重量％のＴＣＣＡを含む錠剤を、例１〜５の方法に従って調製し た。各混合物の６個の錠剤をペトリ皿に入れて覆いをし、その皿を40℃の温度で 作動する炉に92日間入れた。各混合物の錠剤を周期的に炉から取出し、それら炉 乾燥した錠剤の崩壊時間を例１の方法を用いて測定した。測定された崩壊時間を 下の表Ｉに示す。 例10〜11 ２％のグアーゴムと98％のＴＣＣＡを含む錠剤、及び２％のキサンタンゴムと 98重量％のＴＣＣＡを含む錠剤を、夫々加熱密封した2.5ミル高密度ポリエチレ ン(ＨＤＰＥ)袋中に入れ、貯蔵室中に入れた。貯蔵室を38℃の 温度及び85％の湿度で33日間維持した。各混合物の錠剤を周期的にその袋から取 出し、錠剤の崩壊時間を例１の方法を用いて決定した。測定された崩壊時間を下 の表IIに示す。 ★錠剤の崩壊は観察されなかった。 例12〜13 ２％のグアーゴムと98％のＴＣＣＡを含む錠剤、及び２％のキサンタンゴムと 98重量％のＴＣＣＡを含む錠剤を、2.5ミル高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ)袋中 にnyuu れた。そのＨＤＰＥ袋の中には、ガス除去剤として約50％のシリカゲル 、約17％の炭素、及び約33％のＮａＨＣＯ₃の混合物32gが入った包みも入れた。 それら袋を加熱密封し、貯蔵室に入れた。貯蔵室を38℃の温度及び85％の湿度で 33日間維持した。各混合物の錠剤を周期的に炉から取出し、錠剤の崩壊時間を例 １の方法を用いて決定した。測定された崩壊時間を下の表IIIに示す。

【手続補正書】 【提出日】平成１１年１月４日（１９９９．１．４） 【補正内容】 請求の範囲 1. トリクロロイソシアヌル酸及び崩壊有効量の天然水溶性ゴムを特徴とする 圧搾形態の組成物。 2. 天然水溶性ゴムが、グアーゴム、ローカスト・ビーン・ゴム、アラビアゴ ム、ガッチゴム、トラガカントゴム、キサンタンゴム、及びそれらの混合物から なる群から選択されることを特徴とする請求項１に記載の組成物。 3. 崩壊有効量が組成物の約０．１〜約２５重量％であることを特徴とする請 求項１に記載の組成物。 4. 圧搾形態が、錠剤、円板、及びブリケットからなる群から選択されること を特徴とする請求項３に記載の組成物。 5. 請求項１に記載の組成物、及び塩素含有ガスのためのガス除去に有効な量 の除去剤が中に入れてあることを特徴とする容器。 6. トリクロロイソシアヌル酸及び崩壊有効量の多糖類ゴムを特徴とする圧搾 形態の組成物。 7. 多糖類ゴムがポリヘテログリカンであることを特徴とする請求項６に記載 の組成物。 8. ポリヘテログリカンが、ジヘテログリカン、トリヘテログリカン、テトラ ヘテログリカン、及びそれらの混合物からなろ群から選択されることを特徴とす る請求項７に記載の組成物。 9. 請求項８に記載の組成物、及び塩素含有ガスのためのガス除去に有効な量 の除去剤が中に入っていることを特徴とする容器。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，Ｎ Ｌ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＵ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＣＡ，ＦＩ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＰ， ＫＲ，ＬＫ，ＭＧ，ＭＷ，ＮＯ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，Ｓ Ｄ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．トリクロロイソシアヌル酸及び崩壊有効量の天然水溶性ゴムを特徴とする 圧搾形態の組成物。 ２．天然水溶性ゴムが、グアーゴム、ローカスト・ビーン・ゴム、アラビアゴ ム、ガッチゴム、トラガカントゴム、キサンタンゴム、及びそれらの混合物から なる群から選択されることを特徴とする請求項１に記載の組成物。 ３．崩壊有効量が組成物の約0.1〜約25重量％であることを特徽とする請求項 １に記載の組成物。 ４．圧搾形態が、錠剤、円板、及びブリケットからなる群から選択されること を特徴とする請求項３に記載の組成物。 ５．天然水溶性ゴムがグアーゴムであることを特徴とする請求項３に記載の組 成物。 ６．天然水溶性ゴムがキサンタンゴムであることを特徴とする請求項３に記載 の組成物。 ７．請求項１に記載の組成物、及び塩素含有ガスのためのガス除去に有効な量 の除去剤が中に入れてあることを特徴とする容器。 ８．トリクロロ・イソシアヌル酸及び崩壊有効量の多糖類ゴムを特徴とする圧 搾形態の組成物。 ９．多糖類ゴムがポリヘテログリカンであることを特徴とする請求項８に記載 の組成物。 10．ポリヘテログリカンが、ジヘテログリカン、トリ ヘテログリカン、テトラヘテログリカン、及びそれらの混合物からなる群から選 択されることを特徴とする請求項９に記載の組成物。 11．ポリヘテログリカンがトリヘテログリカンであることを特徴とする請求項 10記載の組成物。 12．ポリヘテログリカンがジヘテログリカンであることを特徴とする請求項10 に記載の組成物。 13．崩壊有効量が、約0.1〜約25重量％であることを特徴とする請求項10に記 載の組成物。 14．圧搾形態が、錠剤、円板、及びブリケットからなる群から選択されること を特徴とする請求項13に記載の組成物。 15．請求項10に記載の組成物、及び塩素含有ガスの)ためのガス除去に有効な 量の除去剤が中に入っていることを特徴とする容器。 16．天然水溶性ゴムが、グア−-ゴム、ローカスト・ビーン・ゴム、及びキサ ンタンゴム、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請 求項１に記載の組成物。 17．トリクロロイソシアヌル酸及び崩壊有効量の天然水溶性種子ゴムを特徴と する圧搾形態の組成物。 18．天然水溶性ゴムが、グアーゴム、ローカスト・ビ−ン・ゴム、及びそれら の混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の組成物。 19．トリクロロイソシアヌル酸、及び崩壊有効量の天 然水溶性浸出物ゴムを特徴とする圧搾形態の組成物。 20．天然水溶性浸出物ゴムが、アラビアゴム、ガッチゴム、トラガカントゴム 、及びそれらの混含物からなる群から選択されることを特徴とする請求項19に記 載の組成物。 21．トリクロロイソシアヌル酸、及び崩壊有効量の天然水溶性微生物ゴムを特 徴とする圧搾形態の組成物。 22．天然水溶性微生物ゴムが、キサンタンゴムであることを特徴とする請求項 21に記載の組成物。 23．請求項20に記載の組成物、及び塩素含有ガスのためのガス除去に有効な量 の除去剤が中に入っていることを特徴とする容器。 24．請求項21に記載の組成物、及び塩素含有ガスのためのガス除去に有効な量 の除去剤が中に入っていることを特徴とする容器。