JP2002516297A - アルファ粒子放出構成物およびその使用方法 - Google Patents

アルファ粒子放出構成物およびその使用方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、大型腫瘍(直径が1mmより大きい)、または破壊の標的である、正常細胞を含む、ウィルス感染細胞、自己免疫細胞、または他の異常細胞のようなヒトまたは動物の病気に関連する他の細胞を殺して治療の成果を達成することができる、アルファ粒子放出、放射性構成物を開示する。アルファ粒子放出構成物は、特異性の高い活性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景関連出願の説明 本特許出願は、現在は放棄された、1998年5月26日に出願された米国仮特許出
願第60/086,772号の恩恵を主張する。
【0002】発明の背景 本発明は、通常、放射免疫治療に関する。さらに特定すると、本発明は、特異
性の高い活性を有するアルファ粒子放出構成物およびその使用方法であって、大
型腫瘍またはヒトの病気状態に関連する他の細胞を殺すための方法に関する。
【0003】関連技術の説明 放射性同位元素標識された抗体による治療においては、大型の病気に対して最
適化された抗体/放射性核種の組合せは、微小な病気のターゲッティングには最
適ではない(O'Donoghue et al.1995)。例えば、長い飛程のベータ粒子を放出す
る放射性核種は、通常、その飛程により大型の病気に典型例である不均一な抗体
分布が補われるので、大型の病気のターゲッティングに適切であると考えられて
いる。しかしながら、これらの放射性核種は、単一の細胞のターゲッティングに
は不適切である(Willins et al.1994,Willins et al.1995)。
【0004】 抗体は、親和性を犠牲にしてより早く固形腫瘍に浸透するフラグメントを形成
する。より小さく、より浸透性のあるクラスターのターゲッティングにおいては
、そのような物質には親和性の減少という不利益が残るだけである。このことは
、大型の病気に対するより大きい効果が微小な病気にも適用できる化学療法と対
照的である。放射性標識された抗体による治療は、作用機構において化学療法と
根本的に異なる。化学療法では容認されているが、“固形腫瘍の障害物”は、放
射免疫治療には適切ではない(Sgouros 1995)。
【0005】 大型の病気をターゲッティングするために、静脈投与された抗体は、溢血し、
間隙の液体空間に拡散しその後抗原陽性細胞中に分布しなければならない(図1
A)。これらの段階のそれぞれは、運搬の障害と関連する(Gerlowski et al.1986
,Dvorak et al.1988,Jain et al.1988,Clauss et al.1990,Fujimori et al.1990
,Sgouros et al.1989,Sgouros 1992)。分布した単一の腫瘍細胞または腫瘍細胞
のクラスターを血液学的にターゲッティングすることにより、抗体運搬の障害が
減少する(図1B)。クラスターのサイズおよび腫瘍の重さへの明らかな治療の
依存性は、抗体の浸透性のモデリング分析および実験的観察と矛盾しない(Saga
et al.1995)。
【0006】 播種性の腫瘍細胞または微小転移巣のターゲッティングにおいては、それぞれ
の腫瘍細胞は抗原を示さなければならない。この見かけは厳密な必要条件は、微
小転移性のターゲッティングの特有の態様を利用することにより無効にされるか
もしれない。静脈に投与された抗体は、血管系の上皮側の潜在的な交さ反応性細
胞にすぐには接近できないであろう。したがって、抗体が溢血する前に崩壊する
より寿命の短い放射性核種の使用により、ターゲッティングが血液学的に分布し
た病気にすぐに接近することが可能である場合に、抗体特異性の必要条件を緩和
することが可能である。特異性の必要条件を緩和することにより、腫瘍細胞にお
いてより高くより一様な発現を有する抗原が選択される(Riethmuller et al.199
4)。
【0007】 ビスマス−213(Bi-213)またはビスマス−212(Bi-212)結合アルファ粒子放出Ig
Gリガンドは、ヒトにおいて単一の細胞だけを殺すのに有用であると考えられて
いる。これらのリガンドは、細胞の固形腫瘍または小さい微小転移性コレクショ
ンを殺すことにおいて有用であるとは考えられていない。これらの単一の細胞ま
たは細胞のクラスターは、血液、骨髄、リンパ節、肝臓および脾臓中で、または
例えば白血病および他の癌を有する患者の髄液、腹水または胸膜液中の小さい転
移性の沈着物として局所蓄積物中で見られる(Langmuir,90;Greerlings,93,p474
:“Bi-213については、特異的致死は観察されず、これは固形腫瘍の治療におい
てこの放射性核種の適用が制限されることを示す。”;Simonson,90;Huneke,92;M
acklis,92;Kozak,86;Scheinberg,82)。この一般にいだかれているアルファ粒子
放出体の単一の細胞への適用の信頼は、約2−4の細胞直径に等しいアルファ粒子
の短い飛程(100マイクロメートル未満)および放射性核種の短い半減期(1時間
未満)に基づく。アルファ粒子放出体は3−4時間以内に大体崩壊し、IgGが大型
腫瘍中に拡散する時間はおよそ数日であるので、Bi-213またはBi-212を運搬する
IgGが一つまたは二つ以上の細胞に浸透して細胞を殺すことができる可能性はほ
とんどないと考えられていた。したがって、血液、骨髄、肝臓または脾臓中の単
一の細胞だけが適切な標的となる。その理由は、初期の研究は白血病、腹膜転移
巣、髄液中の癌性髄膜炎、または骨髄中の微小転移巣の沈着に集中されていたか
らである。
【0008】 標識されたリガンドにおいて少量(5-20 mCi)のBi-213を使用する方法により、
癌細胞のような個々の細胞を殺すことが考えられてきた。この方法には、画一的
な投与量のBi-213で標識された抗体または他のリガンドの使用が含まれる。しか
しながら、これらの方法だけでは、特異的に細胞を殺すための特異性の高い活性
を有するリガンドの必要条件を考慮に入れることができないので、アルファ粒子
放出構成物を使用することはできない。この必要条件は、ヒトの治療において以
前使用されていたベータまたはガンマ放出にはないアルファ粒子放出の特有の性
質(高い直線的なエネルギー転移および非常に短い飛程)から生じる。その結果
、放射線の場で殺すベータ放射治療抗体は任意の数の特異的活性において有効で
あるのに対し、アルファ粒子放出抗体は、最低一つの原子が個々の細胞に運搬で
きる場合にのみ有効であり、少なくとも一つのアルファ粒子の飛跡が細胞を通る
【0009】 従来技術は、第一にアルファ粒子により細胞を殺す工程において特異性の高い
活性が重要であること(および必要なこと)を理解する点で、および第二に少数
以上の細胞により腫瘍を殺す方法を理解する点で不十分である。したがって、従
来技術は、特異性の高いアルファ粒子放出構成物を使用して大型腫瘍(直径が1m
mより大きい)またはヒトあるいは動物の病気に関連する他の細胞を殺す効果的
な方法がない点で不十分である。本発明は、当該技術におけるこの長年の必要お
よび要求を満たす。
【0010】 発明の概要 本発明は、大型腫瘍(直径が1mmより大きい)、または破壊の標的である、正
常細胞を含む、ウィルス感染細胞、自己免疫細胞、または他の異常細胞のような
ヒトまたは動物の病気に関連する他の細胞を殺して治療の成果を達成することが
できる、Bi-213で標識された、アルファ粒子を放出する放射性構成物を開示する
。大型腫瘍を殺す方法(以前はアルファ粒子の短い飛程により不可能だと考えら
れていた)は、ヒト癌モデルに対してインビトロおよびインビボで記載され証明
されている。特異性の高い活性を有する構成物が治療成果を可能にするための必
要条件(リガンド分子毎の同位体原子の数)が示されている。さらに特異性の高
い活性が癌の“治癒”(“腫瘍コントロール確率(TCP)”が1であるとしても知ら
れる)を達成する必要条件も記載されている。これらの概念は、従来技術におい
て以前に開示されていない、または従来技術から理解されず、したがって予期さ
れていない。
【0011】 本発明はまた、多数のアルファ粒子放出娘核種を有するより寿命の長いアルフ
ァ粒子放出核種(Ac-225)の可能な治療活性を研究する。Ac-225およびその娘核種
を含有する新しいキレートを研究する。
【0012】 アルファ粒子放出粒子に基づく薬は、髄外毒性なく安全におよび繰り返し調製
および投与できる。Bi-213で標識された構成物から作製される薬は、適切な癌細
胞部位にのみ対する早く、特異的で、安定したターゲッティングと矛盾しない薬
物速度論を示す。重要な抗白血病活性は、最低レベルで示された。Ac-225で標識
された構成物から作製される薬は、Bi-213構成物より効力が強いことが示される
(mCi基準で約1000倍強い)。
【0013】 本発明の一つの実施の形態においては、大型腫瘍を殺す方法であって、アルフ
ァ粒子放出構成物を腫瘍に繰り返し投与する工程を含む方法が提供される。厳密
に言えば、腫瘍は直径が1mmより大きい。アルファ粒子放出構成物の代表例には
、抗体、フラグメント、サイトカイン、レセプターリガンドおよび任意の他の種
のリガンドが含まれる。好ましくは、アルファ粒子放出構成物は、ビスマス−21
3、ビスマス−212、アクチニウム−225、ラジウム−223、鉛−212、タービウム(
turbium)−149、フェルミウム−155またはアスタチン−211により標識される。
構成物は、約0.05mCi/mgから約100mCi/mgまでの特異性の高い活性を有していな
ければならない。さらに、アルファ粒子放出構成物は、約0.1mg/m2から約10mg/m 2 までの範囲の投与量で反復的に投与される。
【0014】 本発明の別の実施の形態においては、ヒトの非悪性細胞を殺す方法であって、
アルファ粒子放出構成物を該細胞に投与する工程を含む方法が提供される。アル
ファ粒子放出構成物の代表例には、抗体、フラグメント、サイトカイン、レセプ
ターリガンドおよび任意の他の種のリガンドが含まれる。好ましくは、アルファ
粒子放出構成物は、ビスマス−213、ビスマス−212、アクチニウム−225、ラジ
ウム−223、鉛−212、タービウム−149、フェルミウム−155またはアスタチン−
211により標識される。さらに好ましくは、構成物は約0.05mCi/mgから約100mCi/
mgまで(特定の同位体に依存して)の特異性の高い活性を有し、約0.1mg/m2から
約50mg/m2までの効果的な投与量で投与される。好ましくは、非悪性腫瘍は、ウ
ィルス感染細胞、自己免疫細胞、リンパ系細胞、正常な骨髄細胞および過成長正
常細胞からなる群より選択される。この方法を使用して治療される病気の代表例
には、非腫瘍性の病気、ウィルス感染、自己免疫疾患、前立腺肥大症、冠疾患お
よび他の血管閉鎖性疾患が含まれる。
【0015】 本発明の別の実施の形態においては、そのような治療を必要とする個体の腫瘍
血管系中の抗原をターゲッティングすることにより腫瘍を殺す方法であって、ア
ルファ粒子放出同位体を含む構成物を薬理学的に効果的な投与量で前記個体に投
与して前記腫瘍血管系の機能を効果的に抑制する工程を含む方法が提供される。
【0016】 本発明の他のおよびさらなる態様、特徴、および利点は、開示の目的のため
に与えられた本発明の目下好ましい実施の形態の以下の記載から明らかとなるで
あろう。
【0017】 図面の簡単な説明 上述された、並びにこれから明らかになるであろう本発明の特徴、利点および
目的が達成され詳細に理解されるように、添付の図面に示されるある実施の形態
を参照して上記で簡単に要約された本発明をより特定して記載する。これらの図
面は明細書の一部を形成する。しかしながら、添付の図面は本発明の好ましい実
施の形態を示し、したがって本発明の範囲において制限するものと考慮すべきで
はないことに留意すべきである。
【0018】 図1は、腫瘍細胞の抗体ターゲッティングに対する障害を示す。図1Aは、固
形腫瘍のターゲッティングを示す。抗体Yは、まず毛細血管(円柱)から溢血し
、次に間質液の圧力勾配(矢印)と反対に拡散して腫瘍細胞(球)に達する。図
1Bは、血液学的に分布した微小転移巣のターゲッティングを示す。抗体が溢血
して間質液に拡散する必要はない。単一の腫瘍細胞に直接接近できる。
【0019】 図2は、“タマネギの皮をむく”ように大型のスフェロイド(spheroid)を殺す
ことを示す。両方のスフェロイドの連続は、Bi-213で標識された抗体と一晩イン
キュベーションした後に得られた図を示す。上の連続は、PSMA特異的抗体による
治療によって、それ以上成長しない芯のまわりの一層の細胞が殺されることを示
す。治療をさらに行うと、芯は消滅する。対照的に、下の連続のスフェロイドは
対照の非特異的構成物により治療され、成長しつづける。
【0020】 図3は、(Bi-213)CHX-A-DTPA-HuM195および(Bi-212)CHX-A-DTPA-HuM195がイン
ビトロで白血病細胞を殺す力を示す。細胞障害を、0.2mCi/mgから30mCi/mgまで
の範囲の特異的活性を使用し、HL60細胞(CD33+)(点線)およびRAJI細胞(CD33−
)(実線)を使用して測定した。100ml中2×105細胞を96穴プレート中に配置した
。ビスマスで標識された抗体を、ウェル中の最終濃度が0.02mCi/mlから20mCi/ml
までの範囲になるように階段希釈してウェルに加えた。プレートを、5%のCO2中3
7℃で24時間インキュベートした。生存率を3H−チミジンの取込みにより測定し
、特異的活性に対してプロットした。図3Aは、特異的活性および投与量の関数
としての(Bi-212)CHX-A-DTPA-HuM195による細胞障害を示す:0.2mCi/mg(HL60:
点線、白い記号およびRAJI:実線、黒い記号)、0.2 mCi/mg(十字)、10 mCi/m
g(円)、20 mCi/mg(菱形)および30 mCi/mg(四角形)。図3Bは、特異的活性
および投与量の関数としての(Bi-213)CHX-A-DTPA-HuM195の細胞障害を示す。RAJ
I:(黒い記号)2 mCi/mg(円)および8 mCi/mg(三角形);HL60:(白い記号
)1 mCi/mg(三角形)、2 mCi/mg(円)、4 mCi/mg(菱形)および8 mCi/mg(四
角形)。
【0021】 図4は、細胞表面上に結合したBi-213原子(図4A)およびBi-212原子(図4B
)の計算された平均数の関数としてHL60細胞の生存率を示す。直線は、約10mCi/
mgの特異的活性を生じたビスマス標識から得られた細胞障害データのポイントに
最も適合する直線を示す。この特異的活性は、HL60細胞を非常に選択的に殺す範
囲にある。同様の傾きの曲線が、他の特異性の高い活性における細胞障害データ
から生じる(図示せず)。
【0022】 図5は、特異的活性の関数としてLnCaP細胞の生存率に対するBi-213−J591の
力価を示す。特異的活性が低くなると、同じ濃度の同位体が標的細胞を殺す能力
は劇的に減少する。
【0023】 発明の詳細な説明 標識されたリガンド上で少量(5-20 mCi)のBi-213を使用する方法は、癌細胞の
ような個々の細胞を殺すために使用することが考えられてきた。この方法には、
画一的な投与量のBi-213で標識された抗体または他のリガンドの使用が含まれる
。しかしながら、これらの方法だけでは、特異的に細胞を殺すための特異性の高
い活性を有するリガンドの必要条件を考慮に入れることができないので、アルフ
ァ粒子放出構成物を使用することはできない。この必要条件は、ヒトの治療にお
いて使用されていたベータまたはガンマ放射にはないアルファ粒子放出の特有の
性質(高い直線的なエネルギー転移および非常に短い飛程)から生じる。その結
果、放射線の場で殺すベータ放射治療抗体は任意の数の特異的活性において有効
であるのに対し、アルファ粒子放出抗体は、最低一つの原子が個々の細胞に運搬
できる場合にのみ有効である。必要な特異的活性(リガンド分子毎の同位体の原
子(またはmCi/mg))を計算するために、(1)標的部位の数および(2)リガ
ンドの転形および薬理学を理解することが必要である。部位数だけで、異なるシ
ステムの間で1000倍以上異なり得る。広範囲の標的部位およびリガンドの特性の
実施例が表1に示される:
【表1】 確実に細胞を殺すための最低必要条件は:(1)標的細胞上のレセプター標的
(結合部位)の数;(2)一度標的にされた部位におけるリガンドの安定性;(
3)リガンドが標的部位に達する速度;(4)標的に対するリガンドの親和性;
および(5)宿主(患者)中の標的部位または非特異的結合部位の総数、に依存
する。これらの特徴のそれぞれを概算することにより、それぞれの治療の施用に
おいて効果的な薬を作製するために必要な特異的活性を判断することができる。
例えば、一つのBi-213崩壊(46分間の半減期)が単一の細胞を殺すのに必要であ
り、放射性リガンドが少なくとも3時間細胞において安定であり、崩壊の50%が間
違った方向であってエネルギーを細胞外で消費し、注入後リガンドが細胞に達す
るのに23分間必要であり製造投与量を調製し患者に投与するのに23分間必要であ
り、細胞毎に10,000の結合部位がある場合に、2500毎に最低一つのリガンドは反
応時間の終わりにBi-213原子で標識されて、放射リガンドを産生しなければなら
ない。(すなわち、0分ではそれぞれ2500のIgGについて一つのBi-原子が存在し
;46分ではそれぞれ5000のIgGについて一つのビスマス原子が存在する。細胞毎
に可能性のある部位が10,000存在するので、二つの原子が細胞に達し、3時間を
越えると概して一つはアルファ粒子とともに細胞中に崩壊し、一つは細胞から離
れる。) これは、Bi-213で標識されたHuM195IgGにより白血病を治療するための条件の
大体の推定である(以下の人において成功した使用の実施例参照)。したがって
、最低約10mCi/mgの特異的活性が必要である。病気の段階に依存して1−50 E10
の範囲の可能な標的白血病細胞が存在し(すなわち細胞毎に10,000部位において
0.1−5 E15結合部位)、最終的に抗体の約50%が親和性により標的細胞に結合す
るので、利用できる結合部位の全てを飽和させ適切な投与量を運搬するために0.
05mgから2.50mgまでの範囲の投与量の抗体が必要である。対照的に、同様の薬理
学および調製時間を有するが部位が10倍少ないリガンドについては(例えば通常
の細胞表面レセプター)、250のリガンド毎にほぼ一つの原子の特異的活性が必
要とされる。これがIgGの場合、約100mCi/mgが必要である。このレベルの特異的
活性を使用できないと、ほとんどの細胞は放射性原子を受け取らず、したがって
正常組織と比較して標的を適切に殺すことができない。したがって、放射性構成
物の最低限の適切な特異的活性は、記載した完全な特性である。この記載した特
徴がなければ、当業者が有用な投与量を調製することはできない。この場合それ
ぞれのIgGはトキシン分子で標識されているので、この概念は“免疫障害”の使
用に必要であることに留意すべきである;さらに、この概念はベータ放出体(I
−131またはY−90等)で標識されたリガンドでの使用には必要ではない、なぜな
らこれらの同位体は個々の細胞レベルにおけるよりも大きい場で殺すからである
。したがって、この概念は独特であり、放射免疫治療について以前に記載されて
いない。
【0024】 第二の重要な概念は、特異的活性と腫瘍コントロール確率との間の関係である
。微小転移巣の放射免疫治療に関連する放射線生物学の問題は、適切な治療の計
画および臨床結果の解釈に重要である。測定可能な大型の病気の治療におけるよ
りも微小転移巣のターゲッティングにおいてのほうが、有効性についての第一の
基準を満たすのはずっと難しい。大型の病気においては、有効性についての第一
の基準は、完全な応答の達成である。患者中の検出可能な限界が1グラムまたは1
09細胞であると仮定すると、100グラムの病巣の完全な応答には102の細胞を殺す
ことが必要である。適切な細胞の致死が達成されると、寛解は根絶の時間に依存
する。恒久性の寛解は達成するのがずっと困難である。微小転移巣の補助治療に
おいては、寛解期間は効果の主な基準である。これは、放射免疫治療後に生存す
る細胞の分画に依存し、細胞の減少がごくわずかである場合には細胞の母集団が
2倍になるのに必要な時間、すなわち潜在的な倍加時間にも依存する。ほとんど
の腫瘍細胞の潜在的な倍加時間は、2日間から15日間の範囲である(Steel 1989)
。初期治療で腫瘍の質量を100gm.から0.1gm.まで減少させる(103の細胞を殺す
)ことにより完全な寛解が生じ、腫瘍細胞の潜在的な倍加時間が15日間である場
合、約2ヶ月で腫瘍細胞は1グラムまで再成長し、再発の最初の証拠が明らかに
なる。初期に103の細胞を殺したのに続き、補助治療によりさらに103の細胞を殺
す場合、105の腫瘍細胞が残存する。潜在的な倍加時間が15日間であると仮定す
ると、腫瘍が検出可能になるまでに約7ヶ月必要である。補助治療の後に単一の
細胞だけが生存する場合、再発は15ヶ月以内であると思われる。
【0025】 治癒(5年間病気のない生存)を達成するために、全ての腫瘍細胞を殺す確率
は1に近づかなければならない。この確率は、腫瘍コントロール確率(TCP)と等し
く、TCP=e-n*SFから計算され、nは最初の腫瘍細胞の数であり、SFは治療後に生
存する分画であり、eはオイラーの数(2.71828…)である。例えば、手術または放
射線治療後に105の腫瘍細胞が残存しこれらが単一の細胞にまで減少される場合(
n=105;SF=10−5)、腫瘍コントロール確率は0.37である。さらに10の細胞を殺す
と、コントロール確率は90%まで増加する;107の細胞を殺した後、99%の確率が
達成される。腫瘍細胞の数を105細胞から10細胞まで減少させて、104の細胞を殺
すと、0.005%の腫瘍コントロール確率しか生じない。臨床用語においては、治療
の効力が105の腫瘍細胞を1の腫瘍細胞に減少させるものである場合、105の腫瘍
細胞を有する患者の37%が5年間病気なく生存することが達成される。治療の効力
が107の細胞を単一の細胞に減少させるのに十分なものである場合は、105の細胞
を有する患者の99%が5年後病気がない。同じ患者母集団において、治療により細
胞の総数が105から10にまで減少する場合には、100,000人の患者につき5人だけ
が治癒する。上述の分析は、再発の時間および治癒の確率の決定に影響を及ぼす
多くの因子を無視する単純化したものであるが、これにより測定可能な病態と微
小転移性病態とに対する薬の評価に使用される基準の根本的な相違および寛解と
恒久性の寛解/治癒との根本的な相違が強調される。この分析から明らかなよう
に、一次のまたは観察可能な転移の治療後に患者中に残存する腫瘍細胞の数は、
効力の重要な決定因子である。
【0026】 全ての以前に記載されたアルファ粒子放出構成物は活性の特異性が低いので、
特定のリガンドの構造により、効果のない薬またはヒトに注入された場合に治癒
を誘発できない薬が生じていた。さらに、この分野はベータおよびガンマ放出体
の使用をもっぱら信用し、標的化アルファ粒子放出体をヒトに使用するために良
好に拡張した者はこれまでいなかったので、ここに記載されるまでこの特異性の
低い活性の重大性は認識されていなかった。
【0027】 Bi-213のほかに、寿命の長い(t1/2=10日間)アルファ粒子放出放射性核種Ac-
225も研究された。3つのアルファ粒子放出娘核種を有するAc-225は、細胞内また
は細胞上に維持される場合には個々の細胞を、時間をかけてスフェロイドに浸透
できる場合には多細胞スフェロイドの致死において、寿命の短い(t1/2=46分間
)アルファ粒子放出Bi-213よりもずっと強力である。Ac-225のこれらの特徴によ
り、固形腫瘍のアルファ治療を考慮に入れてもよい;Bi-213は、腫瘍細胞の層を
ゆっくりと“むく”ために多投与量の薬を使用できなければ、固形腫瘍の治療に
有用ではない。Ac-225およびBi-213の使用についてのそれぞれのプロ(pro)およ
びコン(con)が表2に示されている。
【0028】
【表2】 Ac-225で標識された関連するおよび対照のmAbのIgG−キレート構成物を使用し
て、Ac-225で標識された構成物が、インビトロで腫瘍細胞およびスフェロイドを
殺す効力および特異性を研究した。細胞の内在化と異化、および細胞内における
核種の停留におけるこの構成物の役割もまた評価される。
【0029】 細胞質画分への転形により標的細胞内で結合し保持される、4つのアルファ粒
子によって崩壊する寿命の長い同位体のターゲッティングによる、標的部位にお
ける、インビボのアルファ粒子の産生により、Bi-213構成物よりもさらに強力な
(mCi基準で約1000倍)薬が産生されると推定される。さらに、長い半減期によ
り、固形腫瘍および寿命の短いBi-213によるよりも大きい微小転移性病巣のター
ゲッティングが可能となる。研究下で可能なターゲットシステムには、胸部およ
び前立腺モデルが含まれる。全投与量は、1mCi未満であると考えられる。
【0030】 本発明においては、特異性の高い活性を有するアルファ粒子放出構成物が開示
される。さらに、アルファ粒子放出構成物を使用して大型腫瘍またはヒトおよび
動物の病気に関連する他の細胞を殺す方法も開示される。
【0031】 本発明の目的は、大型腫瘍を殺す方法であって、多投与量のアルファ粒子放出
構成物を腫瘍に投与する工程を含む方法にある。厳密に言えば、腫瘍は直径が1m
mより大きい。好ましくは、アルファ粒子放出構成物には、抗体、フラグメント
、サイトカイン、レセプターリガンドおよび他のリガンドが含まれる。アルファ
粒子放出同位体の代表例には、ビスマス−213、ビスマス−212、アクチニウム−
225、ラジウム−223、鉛−212、タービウム−149、フェルミウム−155およびア
スタチン−211が含まれる。通常、構成物は、約0.1mCi/mgから約50mCi/mgまでの
特異性の高い活性を有していなければならない。すなわち、構成物は、細胞毎に
最低1原子を運搬するのに適切な投与量で投与される。好ましくは、アルファ粒
子放出構成物は、約0.1mg/m2から約10mg/m2までの範囲の投与量で反復的に投与
される。
【0032】 本発明の目的はまた、ヒトまたは動物の病気に関連する非悪性細胞を殺す方法
であって、アルファ粒子放出構成物を該細胞に投与する工程を含む方法にある。
アルファ粒子放出構成物の代表例には、抗体またはそのフラグメント、サイトカ
イン、レセプターリガンドおよび他のリガンドが含まれる。アルファ粒子放出同
位体の代表例には、ビスマス−213、ビスマス−212、アクチニウム−225、ラジ
ウム−223、鉛−212、タービウム−149、フェルミウム−155およびアスタチン−
211が含まれる。構成物は、約0.1 mCi/mgから約50mCi/mgまでの活性を有し非常
に特異的であり、約0.1mg/m2から約10mg/m2までの効果的な投与量で投与される
。すなわち、構成物は、細胞毎に最低1原子を運搬するのに適切な投与量で投与
される。この技術を使用して治療できる非悪性腫瘍の代表例には、ウィルス感染
細胞、自己免疫細胞、リンパ系細胞、正常な骨髄細胞および異常に増殖した正常
細胞が含まれる。個体は、非腫瘍性の病気、ウィルス感染、自己免疫疾患、前立
腺肥大症、冠疾患および他の血管閉鎖性疾患を有していてもよい。
【0033】 本発明の目的はまた、そのような治療を必要とする個体の腫瘍血管系中の抗原
をターゲッティングすることにより腫瘍を殺す方法であって、アルファ粒子放出
同位体を含む構成物を薬理学的に効果的な投与量で前記個体に投与して前記腫瘍
血管系の機能を効果的に抑制する工程を含む方法にある。アルファ粒子放出構成
物の代表例には、抗体またはそのフラグメント、サイトカイン、レセプターリガ
ンドおよび他のリガンドが含まれる。好ましくは、アルファ粒子放出構成物は、
ビスマス−213、ビスマス−212、アクチニウム−225、ラジウム−223、鉛−212
、タービウム−149、フェルミウム−155またはアスタチン−211により標識され
る。該構成物は約0.1 mCi/mgから約50mCi/mgまでの活性を有し非常に特異的であ
り、約0.1mg/m2から約10mg/m2までの効果的な投与量で投与される。すなわち、
構成物は、細胞毎に最低1原子を運搬するのに適切な投与量で投与される。
【0034】 ここで用いたように、“(アルファ粒子放出構成物の)特異的活性”とは、リ
ガンド分子毎の放射性原子の数を称する。ここで用いたように、“腫瘍コントロ
ール確率(TCP)”とは、腫瘍が再発できないサイズ以下まで縮小される確率を称
する。ここで用いたように、“寛解期間”とは、治療後腫瘍が再発するまでの時
間を称する。ここで用いたように、“倍化時間”とは、癌細胞または腫瘍のサイ
ズが2倍になるのにかかる時間を称する。
【0035】 以下の実施例は、本発明の様々の実施の形態を説明するために与えられたもの
であり、決して本発明を制限することを意図するものではない。
【0036】 実施例1−材料および方法 Ac - 225は、ドイツのカールスルーエにある超ウラン研究に関するヨーロッパ
研究所( European Institute for Transuranic Research )またはアメリカ合
衆国エネルギー省( United States Department of Energy )(テネシー州オ
ークリッジまたはワシントン州ハンフォード)から入手した。ガラスアンプルの
内表面に約20〜25 mCiのAc - 225 残渣が乾燥状態で付着していた。このガラス
アンプルには、内径0.07cmのチューブを介し、有鈎減圧栓(barbed reducing fi
ttings )、焼結ポリエチレンプラグおよび酸洗浄したグラスウール(約200mg
の乾燥AG MP - 50 樹脂、100〜200メッシュ、H+ 型を含む)(バイオラド・ラ
ボラトリーズ( BioRad Laboratories )、カリフォルニア州ハーキュレス)の
適量を有する5cm×0.5cmのポリエチレンチューブをつないだ。アンプルとカラ
ムをはずし、アンプルに2個の三方コックをつけた。三方コックの一つから3ml
シリンジを用いて3Mの特級塩酸(フィッシャー・サイエンティフィク( Fishe
r Scientific ))0.5mlを加えることにより、ガラスアンプル内の残渣を酸と反
応させた。Ac - 225の酸溶液が入ったガラスアンプルのもう一方の端は、0.22 m
mのフィルター(コーニング(Corning))を取り付けて通気し、加熱または気体
の発生によって増加した圧力を放出できるようにした。3Mの酸は、緩やかに撹
拌しながら1時間ガラスアンプル内の残渣と混合し、全てのAc - 225 を完全に
溶解した。1時間後、0.5mlの金属不含水を入れた2本目のシリンジをコックを
介して取り付け、酸性塩化アクチニウム溶液を注意深く希釈した。得られた1.5
Mのアクチニウム酸性溶液をシリンジに抜き取り、アンプルを注意深くはずし、
Ac - 225溶液が入ったシリンジをアンプルに取り付けた。
【0037】 カラム内の樹脂は、10mlの1.5M特級塩酸を用いて洗浄し、逆流によって樹脂
を除去し、2mlの1.5M特級塩酸が入った清浄な10mlシリンジに100mgを入れた。
洗浄した樹脂の残りの100mgについては、50mgをカラムに戻し、少量の酸で洗浄
した石英グラスウールを加えて樹脂がきちんと収まるようにした。この50mgの樹
脂は、溶出を繰り返す間に突出してくるAc - 225 を捕獲するための捕獲プラグ
としての役割を果たす。カラム、Ac - 225 溶液の入ったシリンジおよび10mlシ
リンジの三種をプラスチックの三方コックを介してつないだ。カラムの出口には
60mlシリンジを取り付けたが、これは、カラムを充填している間にカラム内を陰
圧にするためである。
【0038】 三方コックを操作することより、AG MP - 50 樹脂のスラリーが入ったシリン
ジにAc - 225 溶液が入る。時折緩やかに振とうしながら、このAc - 225 溶液と
樹脂のスラリーとを30分間接触させた。Ac - 225 を樹脂支持体に加えた後、再
度三方コックを操作してAc - 225 /樹脂をカラムに入れた。装置は、カラムが
垂直になるように固定し、Ac - 225 /樹脂が下方に流れるようにした。樹脂は
緩やかに混合した後、カラム充填のためにわずかに陰圧になっている10mlシリン
ジから押し出した。三方コックの中で、最初にAc - 225 溶液の入ったシリンジ
用に使用していた位置に、次に、洗浄用の10mlの1.5M特級塩酸の入った清浄な
シリンジを取り付けた。樹脂の入った10mlシリンジにこの洗浄液を入れ、緩やか
に振とうしてシリンジをすすぎ、次にこれを用いてジェネレーターカラムを洗浄
した。60mlシリンジを用い、洗浄液をカラムに流し入れた。カラムを三方コック
から外し、洗浄石英ガラスウールの小さな栓をはめ、樹脂が保持されるようにし
た。さらに50mgの樹脂をその上に加えて第二捕獲栓としたが、これは、カラムが
逆流した場合に役立つものである。再度、洗浄石英ガラスウールの小さな栓をは
め、さらに、有鈎減圧栓を取り付けることによってカラムが完成した。これでジ
ェネレーターは使用可能な状態になった。溶出に際しては、ジェネレーターが垂
直になっていることが好ましいが、これは捕獲樹脂部分が常に上部に位置してい
ることにより、生成する如何なる微粒子も樹脂から放出され、樹脂を詰まらせな
いためである。 0.1MのHCl/0.1MのNaI 緩衝液は用時調製し、これを用いて
樹脂からBi - 213 を溶出させた。約138〜300分(Bi - 213 の半減期の6.5倍)
後にBi - 213 はAc - 225と持続的な平衡に達する。0.1MのHCl/0.1MのNaI
溶出緩衝液を2.5ml用いることにより、回収可能なビスマスのうちの98%が溶出
し、3.6ml用いることにより、回収可能なビスマスが全て溶出した。調製時の0.1
MのHCl/0.1MのNaI 溶液は無色であるが、ジェネレーター樹脂を通過後は、ご
く薄い黄色溶液として溶出する。0.20mlの3Mのアンモニウムアセテートを添加
することにより、3.6mlの 0.1MのHCl/0.1MのNaI 溶液のpHを4〜5に調整し
た。金属不含水を用い、150 mg/ml のl−アスコルビン酸溶液を調製し、これを
チェレックス−100(Chelex - 100 )樹脂と20分間反応させた。20分後、0.45mm
のフィルターを用いてl−アスコルビン酸/チェレックス−100(Chelex - 100
)スラリーをろ過し、金属不含l−アスコルビン酸溶出液を回収した。この溶出
液の一部を緩衝Bi - 213 混合物に加えて、l−アスコルビン酸の最終濃度を5m
g/mlとした。つぎに、抗体構成物CHX - A - DTPA - HuM195 を緩衝Bi - 213 溶
液に加え、室温で最長20分間インキュベートした。反応を4分以上延長すると、
長く反応を進行させることによって収量が増すわけではなく、通常は、崩壊によ
り、Bi - 213 生成物が大幅に消失する。インキュベーション後、0.020mlの10 m
M EDTA溶液を添加することによって反応混合物を抑制し、遊離の反応性放射金属
イオンとキレートを生成させた。所望するキャリヤを用いた反応において所望す
る生成物を産生する反応が定量的に進行するとは限らないため、抑制は必須であ
る(Bi - 213 の取り込み率は98%以上)。さらに、反応物質および副生成物か
ら生成物を分離する手段も必要である。分子ふるいクロマトグラフィーを用いる
ことにより、低分子量の不純物から放射標識した抗体を迅速に精製した。
【0039】 実施例2−IgG HuM195(プロテイン・デザイン・ラブズ(Protein Design Labs)、カリフォ
ルニア州マウンテンビュー)は、組換えIgG1 mAb であり、マウスM195のCDR領域
をヒトの骨格領域および定常領域と組み合わせることによって構成したものであ
る。M195 mAb はどちらも高い親和性をもってCD33抗原(シェインバーグ(Sche
inberg)、89;キャロン(Caron)、92、94;シュワルツ(Schwartz)、93;コ
ー(Co)、92)に結合する。J591抗体(前立腺癌細胞上の前立腺特異的膜抗原と
反応する)は、ニューヨーク病院(New York Hospital)のネイル・バンダー(N
eil Bander)博士から供与された。
【0040】 実施例3−キレートのIgGへのコンジュゲート 単容器法(single vessel method )(ニクラ(Nikula)、95a)または従来法
(ミルザデ( Mirzadeh )、90)を用い、HuM195を2−(p−SCN−Bz)−シク
ロヘキシル−DTPA(CHX - A - DTPA)にコンジュゲートした。このCHX - A - DT
PA は、DTPA24の骨格置換体として最近開発されたものである。抗体1個あたり
の平均キレート数は5〜10であった。
【0041】 実施例4−放射ラベリング Bi - 213 :活性レベルの低いBi - 213 を生成するための放射核ジェネレータ
ーについては別の文献に記載されている(ゲーリングス(Geerlings)、93;ケ
スパーセン(Kespersen)、95)。10〜25mCi のBi - 213 を産生することができ
るジェネレーターの構成にあたっては、数カ所の変更を要する。0.001MのHClを
用いてジェネレーターを洗浄し、次に、0.5〜1mlの0.1MのHCl、0.1MのNaIを
流してBi - 213を溶出させる。タンパク質を放射ラベリングするためには、3M
のアンモニウムアセテートを用いて溶出液のpHを4〜4.5の範囲に調整し、Bi -
206に関する記載と同様に、すぐに使用した。Bi - 212:ビスマス−212は、Ra -
224 / Bi-212 ジェネレーター14から溶出し、Bi - 213 に関する記載と同様の
条件下においてHuM195を標識した。
【0042】 実施例5−Bi - 213のカウンティング Bi - 213の放射活性(光子エネルギー 440KeV、存在量 28%)は、スクイブ CRC-17 放射性同位体キャリブレーター(Squibb CRC-17 Radioisotope Calib
rator )を用いて定量した。この装置は、キャンベラ(Canberra)マルチチャン
ネルパルス高分析器を用いて標準化し、固定セッティングで使用した。パッカー
ド コブラ(Packard Cobra)ガンマーカウンター(340〜540 KeV ウィンドウ
)を用い、ITLC、ATLC、HPLC、プロテインAおよび細胞サンプル内のBi - 213カ
ウントの相対数を求めた。標準的な方法を用いて他の核種についてもカウントし
た。
【0043】 実施例6−放射金属キレートにコンジュゲートしたIgGの精製 バイオシル−250(Bio - Sil - 250 )分子ふるいカラム(600×7.5mm )に
移動相として20mMの酢酸ナトリウム/150mMの塩化ナトリウム、 pH 6.5を用いた
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、または10 DC分子ふるいカラム(バイオ
ラド・ラボラトリーズ( BioRad Laboratories )、カリフォルニア州ハーキュ
レス)に移動相として1%のヒト血清アルブミン/0.9%の塩化ナトリウムを用
いた低圧クロマトグラフィーのいずれかにより、放射標識したCHX - A - DTPA -
HuM195 構成物を精製した。
【0044】 標識効率ならびに反応混合物および最終生成物の純度を求めるため、5mlのサ
ンプルを32枚の簡易薄層クロマトグラフィー(ITLC)(ゲルマン・サイエンス(
Gelman Science)社、ミシガン州アナーバー)にのせた。これらの薄層を10mM
のEDTAを用いて展開した。この条件下においては、mAbは開始点に残り、遊離の
金属は溶媒先端まで移動する。薄層をrf=0.5の位置で切断し、ガンマーカウン
ターでカウントした。
【0045】 実施例7−M195のCHX - A DTPAへのコンジュゲート Bi - 213を用いたHuM195 CHX - A - DTPAの標識効率は、特異活性が20 mCi/mg
までであれば、通常、90%以上であったが、所望する特異活性が上がるにつれ
て効率が低下した。特異活性が50 mCi/mg の場合、効率は50〜70%であった。こ
の低下は、少量の抗体を使用してより高い特異活性を得ようとしたためと考えら
れる。キレート反応は6分でほぼ完了(85%)したが、15〜20分間反応を続け、
最大限に標識されるようにした。しかしながら、Bi - 213 の半減期が短いため
、崩壊によって生成物が消失するため、5分以上反応を続けても、標識された生
成物の最終収量は増加しなかった。これらの標識効率は、CHX - A - DTPA - HuM
195構成物に使用したIn - 111 、Bi - 206 およびBi - 212 において観察された
現象と類似していた。
【0046】 HuM195 のCHX - A - DTPAへのコンジュゲートにおいては、抗体1個あたり10
個以内のリガンド分子を結合させることができた。タンパク質あたりのキレート
比の高さは免疫反応性にほとんど影響を与えなかった。金属標識したCHX - A -
DTPA - HuM195 の免疫反応性は80〜95%であり、特異活性とは無関係であった。
このことは、HuM195のCDR領域のアミノ酸配列と一致している(ニクラ(Nikula
)、95b)。
【0047】 実施例8−免疫反応性 ビスマスで標識したCHX - A - DTPA - HuM195 構成物の免疫反応性は、総量
を30mlとした中で放射標識した2ngのmAbを20〜30倍過量の抗原(10×10
または15×10個のCD33(+)HL60細胞)と共にインキュベートするという記載
に従って測定した。これらの細胞は、細胞1個あたりに約10,000〜20,000のCD33
(+)結合部位を有しており、添加したHuM195の90%までを結合する能力を有し
ている。インキュベーション後、遠心分離によって細胞を回収し、未結合のIgG
を次の細胞群に移し、最初のインキュベーションと同様に同程度の過量抗原を用
い、0℃、90分間再度インキュベートした。少容量において大過量の抗原を用い
る本条件下においては、60分で反応はほぼ完了する。免疫反応性の%は、(1回
目の細胞群+2回目の細胞群に結合したBi - 206 - IgG )/(Bi - 206 - IgG
の総結合量 +未結合Bi - 206 - IgG)×100として計算した。これらの放射結合
アッセイにおける特異的結合は、放射標識mAbがCD33(−)RAJI細胞に結合しな
いことによって確認した。非特異結合およびFcレセプター結合を排除するため、
アッセイは2%のヒト血清を添加して行った。
【0048】 迅速アフィニティー薄層クロマトグラフィー(ATLC)アッセイを行い、寿命の
短いBi - 213 構成物の免疫反応性を測定した(ザモラ(Zamora)、95)。免疫
反応性は、標的抗原を含む紙片部分に結合した放射標識構成物の割合として表わ
し、この標的抗原はAL67細胞(CD33トランスフェクト体)の抽出物から調製した
【0049】 実施例9−細胞表面の抗体:抗原コンプレックスの改変 細胞表面の抗体−抗原コンプレックスのインターナリゼーションは、0.5mg/ml
の放射標識mAbを5×10個の細胞と37℃、長時間インキュベートすることに
よって測定した。細胞ペレットをRPMIで2回洗浄し、1mlの50mMグリシン/150m
M NaCl(pH 2.8)を用い、24℃、10分間かけて表面に結合した(Bi - 206)CHX
- A - DTPA - HuM195を除去した。細胞関連性の放射活性および酸抵抗性(イン
ターナリゼーションした)放射活性の総計を測定した。 非特異結合およびFcレ
セプター結合を排除するため、アッセイは2%のヒト血清を添加して行った。
【0050】 実施例10−細胞致死作用 (Bi - 213)CHX - A - DTPA - HuM195および(Bi - 212)CHX - A - DTPA -
HuM195の白血病細胞致死能力は、100mlあたり2×10個の細胞を含むHL60細
胞(CD33(+))またはRAJI細胞(CD33(−))を用い、96穴プレート内で測定
した。連続希釈したビスマス標識抗体をウェルに加えたところ、ウェル内の最終
活性は0.02〜20 mCi/mg の範囲であった。特異活性の異なるビスマス標識抗体に
ついても実験を行った(活性範囲は3〜20 mCi/mg )。プレートは、5%CO 2
雰囲気下、37℃、24時間インキュベートした。インキュベーション後、H−チ
ミジンの取り込みによって細胞の生存率を測定した。非特異結合およびFcレセプ
ター結合を排除するため、アッセイは2%のヒト血清を添加して行った。
【0051】 さらに、標識した特異活性の高い二作用キレートをアルファ粒子放出同位元素
とコンジュゲートした。インターナリゼーション、高免疫反応性、イン・ビトロ
(in vitro)における腫瘍細胞致死作用に関し、以下の5種類の異なるモノクロ
ーナル抗体を用いて細胞致死能力と特異的活性との間の関係を調べた:骨髄性白
血病に対するHuM195ヒト型化抗CD33、リンパ腫に対するC2B8キメラ抗CD20、前立
腺癌に対するJ591マウス抗PSMA、ならびにB細胞白血病およびリンパ腫に対する
マウスSJ25C1およびマウスB4抗CD19。従って、複数の腫瘍抗原系におけるマウス
、ヒトおよびキメラ抗体を用いた複数の実施例について報告する。
【0052】 実施例11−特異的細胞毒性−イン・ビトロ(in vitro)における大型腫瘍クラ
スターの致死 図2は、スフェロイドモデルにおいて、繰り返し投与による大型腫瘍の致死の
可能性を示す。図から明らかなように、単回投与により、細胞の5〜6層が除去
されて、未接触細胞からなる「中心部(コア)」が残され、これが次の投与の標
的となる。対照的に、Bi -213で標識した無関係な抗体を接触させた場合には、
同じ細胞系のスフェロイドは対数増殖し続けた。これらの結果は、大型スフェロ
イドを標的としたBi - 212標識抗体に関して研究したラングミュア(Langmuir)
らの見解(1990)に反する。ラングミュア(Langmuir)らは、Bi - 212の半減期
が短いことおよびアルファ粒子の有効範囲から、抗体の侵入に時間がかかるとい
う理由で、大型腫瘍に対してはアルファ粒子放出体は有効ではないと結論づけた
。図2は、繰り返し投与を行った場合には、上述のことが制限因子とはならない
ことを示している。
【0053】 Bi - 212 またはBi - 213で標識したCHX - A - DTPA - HuM195 の別異の特異
活性を利用した細胞致死実験においては、CD33(+)HL60細胞に対して投与量依
存性および特異活性依存性の致死作用を示した。(Bi - 212 )CHX - A - DTPA
- HuM195の致死作用は、イン・ビトロ(in vitro)での24時間アッセイにおいて
CD33(−)RAJI細胞に対する作用と比較すると、CD33(+)HL60細胞に対する作
用の方が少なくとも10倍は強かった(図3A)。特異的標的であるHL60細胞に対
する力価は、標識した抗体の特異活性(IgG1分子あたりのBi - 212数)に直接
関係しており、最も特異活性が高い場合(30 mCi/mg )に最も高い力価を示した
。特異活性が減少すると選択的細胞致死が消失した。特異活性0.2mCi/mg にお
けるHL60細胞に対する致死能力は、対照であるRAJI細胞に対する致死能力とほぼ
等しかった。
【0054】 特異活性が選択性に影響を与えていることについては、各HL60細胞表面のCD33
標的部位数、およびHuM195 IgG 1分子あたりのビスマス原子による標識数を調
べることによって説明することができる。0.2mCi/mg においては、IgG 100,000
個につき約1個がBi - 212を有しているのみであった。細胞1個あたりにはわず
か10,000個のCD33認識部位があるだけであることから、特異的細胞致死は起こり
得ない。培地からのアルファ粒子照射に由来する、または細胞に非特異的に結合
している抗体構成物に由来する非特異的細胞毒性が優先的に発現して細胞溶解活
性を示す。従って、標識した構成物の特異活性が低い場合のHL60細胞に対する致
死能力はRAJI細胞に対するそれと同等であった。逆に、特異活性が20mCi/mg (
これは、HuM195 IgG 1000個につき約1個が標識されている状態である)の場合
には、飽和状態において平均10個のBi - 212原子が各HL60細胞に輸送される。故
に、特異活性が高い場合には、細胞毒性はHuM195のHL60細胞に対する結合特性に
直接影響される。結合曲線は、10〜1000ng/ml の間においては結合が対数増加す
ることを示している。高い濃度から開始すると、非特異結合が直線増加を示す。
【0055】 (Bi - 213 )CHX - A - DTPA - HuM195についても、HL60細胞に対する同様な
特異的致死作用が観察された(図3B)。特異活性が8〜10mCi/mgの場合、HL60
細胞に対する能力はRAJI細胞に対するそれの10倍以上高かった。予測していたよ
うに、(Bi - 212)CHX - A - DTPA - HuM195の方が(Bi - 213 )CHX - A - DT
PA - HuM195よりわずかに強力であった:これは、特異活性が同等の場合、Bi -
212 の方が物理的半減期が長いためにHuM195 IgG1個あたりのコンジュゲート数
が多いためである。故に、各細胞へのHuM195の結合が等しい場合には、Bi - 212
構成物によってより多くのアルファ粒子が放出されることになる。Bi - 212を
用いた場合には、細胞致死能力は、総投与量だけでなく、IgG1分子あたりのビ
スマス原子の特異活性にも直接影響を受けた。
【0056】 HL60細胞の特異的致死に必要なビスマス原子の数を求める目的で、細胞1個あ
たりに関するビスマス原子の関数として細胞毒性データを再度プロットした(図
4)。特異活性が10mCi/mgの場合の致死データを示す。HL60細胞の生存率は、細
胞表面に結合したBi - 212原子およびBi - 213原子に対する関数であった。細胞
表面に結合したビスマス原子の初期量を計算するため、特異活性およびスキャッ
チャード(Scatchard)分析を用い、HuM195が結合している結合部位の割合を求
めた。図4に示す直線は、特異的致死作用を示す領域におけるデータポイントを
最適化したものを表している。この直線は、Bi - 213については、Y=111.24×
e−ln2×0.419Xという式で表され、ここで、Yは生存率、Xは初期のビスマス
原子数である。Bi - 212で標識した抗体構成物については、Y=87.42×e−ln2
×0.429Xという式で表される。これらのデータからBi - 213 およびBi - 212の
LD50量が求められ、この値は細胞1個あたりの初期原子数が2〜2.5の範囲であ
る。
【0057】 特異的致死を示すことは白血病系に特徴的な現象ではなく、Bi - 213 で標識
したJ591抗体(リウ(Liu)、1997)およびヒトの前立腺癌細胞(LnCap 細胞)
でも同様の実験が行われている。この系においても、特異活性に対する同様な影
響が観察された(図5)。
【0058】 実施例12−肉眼視できる大きさの動物の腫瘍の治療 イン・ビボ(in vivo)において、アルファ粒子放出リガンドが肉眼で見える
大きさの腫瘍に対して効果を発揮することを示すために、1500万個のLnCaP前立
腺癌細胞を大腿に注入したヌードマウスを用いて動物治療実験を行った。腫瘍は
目に見える大きさまで増殖させ、その直径は3〜5mmであった。一つの群のマウ
スは、前立腺癌に特異的であるJ591抗体をBi - 213で標識したものを用いて治療
し、もう一つの群については、若干多量の対照抗体(Bi - 213 -HuM195 )を用
いた。抗腫瘍活性を定量測定したところ、治療前後においてマウスの血清中に前
立腺特異的抗原(PSA)が検出された。治療1週間後、対照抗体を投与したマウ
スにおいては平均26%のPSAの上昇を示したが(n=4)、特異的J591抗体を用い
て治療したマウスにおいては平均6%の上昇を示したにとどまった(n=4)。
【0059】 2番目の実験においては、600万個の前立腺癌細胞をマウスに注入した。Bi -
213で放射標識した対照抗体、抗体なし、またはBi - 213で標識した放射活性J59
1前立腺癌特異抗体を用いてマウスを治療した。28〜31日後、2つの対照群にお
いては50%のマウスが発癌していた。これとは対照的に、治療群においては50%
のマウスが癌を呈するまでに46日を要した。故に、アルファ粒子放出前立腺抗体
は肉眼で観察できる大きさの腫瘍の増殖を抑制することができた。その他の腫瘍
についてもそのような方法で治療を行うことができると考えられる。そのような
腫瘍としては、前立腺の腫瘍(悪性腫瘍ではない)の過増殖によって起こる「良
性前立腺肥大」などの「良性」腫瘍が挙げられ、この疾患によって全世界で多数
の人が苦しんでいる。
【0060】 実施例13−アルファ粒子が脈管構造を致死させることによる大型腫瘍の致死 アルファ粒子放出同位体を有するリガンドは、同位体の半減期が短いことから
、同位体が放射活性である間に大型腫瘍に拡散することが困難であるため、これ
らの構成物を用いる致死の別の方法とは、拡散を要せずに致死させることである
。例えば、脈管構造が発達している組織および臓器においては、血液にアルファ
粒子放出リガンドを迅速に(数分以内に)輸送することが可能である(実施例14
参照)。腫瘍細胞よりも腫瘍脈管構造自身を標的にする場合には、この方法によ
って選択的に腫瘍を致死させることができる。このような方法は、天然のもしく
は化学療法剤のコンジュゲートリガンドまたは抗体について示されている(アラ
ップ(Arap)ら、Science、1998)。この従来技術においては、アルファ粒子を
放出する構成物を用いることについては全く示唆されていない。しかしながら、
本明細書に記載しているデータに基づけば、そのような方法によっても良い結果
が得られることが推察される。脈管構造を標的とすることができるそのようなリ
ガンドの一つとしてJ591抗体がある(リウ(Liu)、1997)(図5参照)。この
抗体は、前立腺癌細胞と同様に、腫瘍脈管構造上において選択的に認識したPSM
抗原を標的にする。
【0061】 従来技術の教示とは反対に、アルファ粒子放出構成物をコンジュゲートしたリ
ガンドを用いて充実性腫瘍を治療することは可能であり、また、半減期の短いア
ルファ粒子放出リガンドを用いて大型腫瘍を致死させることが可能である。本発
明は、多数の細胞からなる腫瘍クラスターである「スフェロイド」を用いたイン
・ビトロ(in vitro)モデルを提供するものであり、これは、まずはじめに腫瘍
の外層(厚さは細胞2〜4個分)を選択的に致死させ、従ってその内側の層がむ
き出しになる。このようにして、繰り返し投与を行い、外側の層を死に至らせる
時間を区別することにより、大型腫瘍を致死させることが可能である。この方法
は「タマネギの皮をむく」ことにたとえることができ、本発明においてイン・ビ
トロ(in vitro)およびイン・ビボ(in vivo)で実験を行うことによって初め
て明らかになった。最終的には、肉眼で認められる大きさの腫瘍を有する生きた
動物モデルにおいて正しいことが示された。
【0062】 細胞致死実験においては、(Bi - 213)CHX - A - DTPA - HuM195構成物、(B
i - 212 )CHX - A - DTPA - HuM195構成物および(Bi - 213 )CHX - A - DTPA
- J591構成物を用いることにより特異的細胞致死作用を示したが、この作用は
投与量および標識した特異活性に影響を受けていた。2種類のビスマス原子が最
初に標的細胞表面に結合した場合には、いずれのビスマス同位体も約50%の致死
率を示した。細胞1個あたりには約10,000のCD33部位が存在することから、細胞
致死レベルを高めるためには数千に1個の割合でmAbを標識すればよいことを意
味している。標的細胞によって満たされている立体角は、溶液中のIgGに比例し
て急速に消失することから、標的細胞表面から離れたところにある放出点から放
出されるアルファ粒子が細胞核を攻撃する可能性は、細胞からの距離が近い場合
には無視できる。同様に、インターナライゼーションしたビスマスから生じる放
出が最も効果的な細胞致死を引き起こす。表面に結合したIgGからの放出は、害
を与えることなく細胞を通過してしまうと考えられる。60分で放射標識したCHX
- A - DTPA - HuM195の約50%が細胞内にインターナリゼーションすることから
、これらのデータは、細胞内の1個の原子から1個のアルファ粒子を放出するこ
とによって該細胞を致死させることができると示唆される。初期の細胞1個あた
りの結合ビスマス原子数が2〜2.5個であり、平均のインターナリゼーション時
間が60分である場合、ポアソン(Poisson)分布およびビスマス原子がインター
ナリゼーションする確率に基づくと、ビスマス原子が細胞内に存在していない細
胞は約60%である。特異活性が高い場合には、IgG濃度が3.3〜25ng/ml(20〜160
pM)のアルファ粒子放出構成物を用いることにより、24時間で50%のHL60細胞の
致死が観察された。ビスマスで標識したIgGの実際量に換算すると、50%有効投
与量に必要な放射免疫コンジュゲートの量はわずか5〜10 pg/ml (30〜60fM)
であった。
【0063】 アルファ粒子放出体による細胞致死を表す曲線における重要な特徴は、放射コ
ンジュゲートの特異活性に顕著に影響を受けていることである。このことは、2
種の異なるアルファ粒子放出同位体を用い、白血病および充実性腫瘍の両方につ
いて行った3つの実験によって示された。致死には細胞表面または細胞内部への
ビスマスの特異的輸送を要することから、HuM195あたりのビスマス原子数がIgG
分子10,000個あたり約1個のレベルまで低下すると、標的致死能力は非特異的標
的細胞を用いた場合に観察されるそれとほぼ同等である。この場合においては、
標識していないHuM195がビスマスで標識したCHX - A - DTPA - HuM195 と結合部
位において競合する。HL60細胞上およびLnCaP細胞上には標的結合部位数が少な
い(約1〜4×104)ため、この系においてはこの効果がきわめて顕著に現れる
【0064】 実施例14−患者の癌の治療を目的とした特異活性の高いリガンドの臨床有用性
調査 次に、アルファ粒子放出構成物の使用のひとつの可能性を探るための臨床実験
(プロトコール)を作成した。本実験は、HuM195 IgG1を用いて白血病細胞をBi
- 213の標的とすることについて記載しており、また、構成物は安定であり、同
位体はヒトの細胞に輸送され、および非標的組織に対しては特に毒性を与えるこ
となく白血病細胞を致死させ得ることが示されている。そのようなスキームは、
例えばBi - 212などのように、該リガンドまたはその他のリガンドに安定に結合
しているその他のアルファ粒子放出体にも用いることができ、ここで、その他の
リガンドとしては、抗体もしくはその断片、サイトカインまたはレセプターリガ
ンドなどが挙げられ、これらはいずれも特異的に高い親和性を持って標的細胞ま
たは標的組織に結合することができる。さらに、そのようなリガンドを用いて悪
性腫瘍以外の標的を選択的に致死させることもでき、このような標的としては、
炎症もしくは自己免疫などの病理学的過程に存在するリンパ様細胞、骨髄移植片
として使用可能な正常骨髄細胞もしくはその他の臓器あるいは組織の移植片、ま
たは致死を要する過増殖した正常細胞(これらの細胞は、冠動脈疾患もしくはそ
の他の血管閉塞性疾患などの病理学的過程に存在する)などがあげられる。
【0065】 臨床プロトコールの目的は、骨髄腫瘍の患者のうちで再発したまたは治療不応
性の患者についてBi - 213標識したHuM195の安全性および毒性を確認すること、
Bi - 213標識したHuM195の薬理学的作用および投与量を確認すること、ならびに
、ヒト抗ヒト抗体(HAHA)応答および抗白血病応答を誘起することができるか否
かについての研究を含む、Bi - 213標識したHuM195 の生物学的効果を研究する
ことである。
【0066】 急性骨髄性白血病(AML)は成人の急性白血病において多く見られる病型であ
る。ほとんどの患者はシトシンアラビノシドおよびアントラサイクリンを組み合
わせた化学療法によって完全寛解に至ることができるが、非罹患生存期間の延長
率は20%以下である。再誘導傾向があるため、二回目の寛解に至る患者はわずか
20〜25%であり、その期間は6ヶ月以下であることが多い。1年以上生存できる
のは再発患者のうちの5%以下である。
【0067】 慢性骨髄性白血病(CML)は初期の造血幹細胞における二相性疾患である。慢
性相(平均罹患期間は4年)は、成熟白血球および成熟中の白血球の顕著な上昇
を伴い、必ず急性白血病のような増悪相に移行する。少数の患者において行った
細胞遺伝学的分析により、α−インターフェロンを用いた治療がフィラデルフィ
ア染色体を撲滅したことが示された。しかしながら、従来から実施されている化
学療法による治療では、この疾患の自然進行に何ら影響を与えなかった。遺伝子
組成の異なる同種からの骨髄移植は、患者に一時的な治癒をもたらすだけである
。一般的に、疾患の進行が加速したり、CMLの増悪相にある患者は、移植によっ
て利益を得ることはないため、これらの患者が初期慢性相にある間に移植の努力
をしておくべきである。
【0068】 骨髄異形成症候群として分類される慢性骨髄性単球性白血病(CMMOL)は、単
球数が1H109/Lより多いこと、骨髄の単球増加症、貧血および血小板減少症
によって定義される。生存期間は数週間〜数年の範囲であり、平均生存期間は30
〜41ヶ月である。治療は症状緩和が主目的であり、ヒドロキシウレアを用いて末
梢血の白血球数の上昇を制御することができる。
【0069】 CD33抗原は、その分布範囲が限定されていることから、造血抗原の中では特徴
的であり、M195(抗CD33)は、イン・ビトロ(in vitro)において白血病細胞を
標的とする際に有用である。M195は、ヒトの白血病性骨髄芽球を生きたまま用い
て免疫したマウス由来のモノクローナルIgG2a抗体である。M195の結合特異性は
、骨髄性白血病細胞系および単球性白血病細胞系、ならびに成熟癒着性単球フラ
クションに限定されている。骨髄性白血病細胞系および単球性白血病細胞系では
細胞1個あたり約10,000の抗体結合部位が存在しており、ならびに成熟癒着性単
球では細胞1個あたり約5,000の部位が存在している。
【0070】 M195はヒトの白血病細胞を標的とする。骨髄性白血病の10人の患者について、
マウスM195の投与量を増やしながら第1相臨床試験において治療を行った。M195
131Iを用いて極微量標識し、血液と骨髄の連続サンプリングおよびガンマカメ
ラによる全身画像によって、薬物動態学的および投与量に関する詳細な研究を行
うことができるようにした。総投与量として76mg(40mg/m2)までは急性の副作
用を起こすことなく安全に投与できた。イン・ビボ(in vivo)における白血病
細胞へのM195の吸着については、生検(バイオプシー)、薬理学、フローサイト
メトリーおよび画像によって明らかにした。結合可能な結合部位の飽和は投与量
が5mg/m2以上の場合に生じた。投与後から数時間以内では、全骨髄が特異的か
つ鮮明に画像としてとらえられた。M195は標的細胞に結合後に迅速にインターナ
リゼーションした。推定投与量として34 rad/mCi が骨髄に輸送されていたこと
から、全骨髄に必要な量の131I をM195によって運搬することができることが示
唆された。
【0071】 ヒト型化したM195(HuM195)は、全てをヒト型に変更したM195構成物であり、
生化学的活性および免疫学的活性が向上している。相補性決定領域(CDR)を移
植してヒト型化したM195は、ヒトIgG1骨格構造を利用して構成したものであり、
マウスM195由来の部分としてはCDRと立体構造上重要なその他のアミノ酸のみを
有している。ヒト型化したM195を分泌するSp2/0マウス骨髄腫細胞系をイン・ビ
トロ(in vitro)で増殖させ、次に、溶出液のpHを段階的に変化させるアフィニ
ティークロマトグラフィー法により、PA−セファロース(PA - Sepharose)を用
いて抗体を精製した。クーマジー・ブリリアントブルー(Coomassie brilliant
blue )を用いて染色したSDS−ポリアクリルアミドゲル上で抗体の純度を確認し
た。HuM195構成物は、放射免疫アッセイにより、一連のCD33(+)細胞系および
CD33(−)細胞系に対して確認されている結合特性を保持していた。
【0072】 イン・ビボ(in vivo)においては、免疫原性がない場合でもHuM195は白血病
細胞を特異的標的とする。HuM195の毒性、薬理学、投与量、ヒト抗ヒト抗体(HA
HA)応答の発達および抗白血病作用に関して、骨髄性白血病が再発したまたは治
療不応性の患者について調査した。0.5〜10mg/m2 の範囲の4段階の投与量で週
2回3週間の投与を行って13人の患者を治療した。ここで、アルファ粒子粒子放
出体は、二作用性キレート(CHX - A - DTPA)を介してHuM195 にコンジュゲー
トしたが、これは効率よく得られ(90%以上)、特異性も高かった(最高20 mCi
/mg )。
【0073】 実施例15−抗体の産生およびラベリング HuM195はプロテイン・デザイン・ラブズ(Protein Design Labs)社(カリフ
ォルニア州マウンテンビュー)において産生されたものである。HuM195を分泌す
るSp2/0ハイブリドーマ細胞系は血清不含培地で増殖させた。アフィニティーク
ロマトグラフィーおよびそれに続くさらなる精製段階を経て、濃縮した上清から
HuM195を精製した。HuM195 - CHX - A - DTPA は、契約により、TSIワシントン
(TSI Washington )(メリーランド州ロックヴィル)が調製した。HuM195 - C
HX - A - DTPA は10.6 mg/ml 溶液として供給され、−70℃で保存した。
【0074】 25〜50 mCi を産生することができる臨床使用可能なBi - 213 ジェネレーター
は、スローン−ケタリング研究所(Sloan - Kettering Institute)において調
製した。アクチニウムは、超ウラン元素研究所(Transuranium Elements Instit
ute )(ドイツ、カールスルーエ)ガラスアンプル内で乾燥した状態で供給され
た。Bi - 213 はジェネレーターから溶出させ、HuM195 - CHX - A - DTPA にキ
レートさせ、続いて分子ふるいクロマトグラフィーによってBi - 213 - HuM195
を分離した。OD280およびガンマ放出を検出するセンサーを用いて収率および特
異活性を測定した。必要に応じて標識していないHuM195を添加して投与量を調整
することができる。これは、スローン−ケタリング研究所(Sloan - Kettering
Institute)において、患者への投与直前に実施した。投与用としては、1%
のヒト血清アルブミン(HSA)を加えた通常の生理食塩水を用いてBi - 213 - Hu
M195を希釈して総容量を10mlとした。Bi - 213 - HuM195 - CHX - A - DTPAは、
FDAによって承認されているINDに従って製造し、試験を行った。
【0075】 患者の適格としては次の項目が要求される:(1)AML(再発または標準的な
化学療法を少なくとも2コース行ったにもかかわらず治療不応性の場合)、CML
の進行加速相もしくは増悪相、またはCMMOLであるという病理学的診断が確定し
ていること;(2)骨髄芽細胞の25%以上がCD33(+)であること;(3)患者
の余命が少なくとも6週間以上であり、カルノフスキー動作状態(Karnofsky pe
rformance status )が60%以上であること;(4)治療開始前の少なくとも3
週間は化学療法または放射線治療を受けていないこと、ただし、ヒドロキシウレ
アは例外であり、これは治療開始2日前に中止する。患者はこれまでの治療の影
響が消失した状態でなければならず、急性白血病の明白な兆候を呈していること
。患者は、骨髄芽細胞数が急激に増加しておらず、または臨床的に不安定な疾患
を有していないこと;(5)患者の血清クレアチニンは正常値上限の1.5倍未満
であり、ビリルビン値は約1.0 mg/dl 、ならびにアルカリホスファターゼおよび
SGOTは正常値上限の約2.5倍であること(このような状態は、NCIの一般的毒性判
断基準による毒性段階の0〜1に相当する);(6)患者がインフォームドコン
セントにサインしていること。
【0076】 患者は外来または入院のいずれかで治療を受ける。半減期の短いBi - 213を投
与するため、病院職員の放射線暴露は最小限であり、患者の放射線に関する隔離
は必要ない。放射線安全管理者(Radiation Safety Officer )が患者をモニタ
ーし、排泄物の適切な処理に関して指導する。さらに、患者は投与の2〜3時間
後に病院から帰宅するが、この時点で残留しているガンマ線はごく微量である。
Bi - 213 - HuM195 は1日分の投与量を分割し、3〜4時間間隔で1日に1〜4
回、IV投与する。次のような投与量増加スキームを採用した:投与量レベル1(
0.28 mCi/kg );投与量レベル2(0.42 mCi/kg ); 投与量レベル3(0.56 mC
i/kg );投与量レベル4(0.7 mCi/kg )、さらに、必要に応じて同様に投与量
を増やした。
【0077】 治療前、ならびに投与30分後および60分後さらにその後1時間おきに4時間後
まで生徴候(脈拍、血圧、呼吸数、体温)をモニターし、記録した。次のような
試験を行った:CBC鑑別、血小板数計数については、治療期間中は1日2回、そ
の後は週4回、さらにその後は月3回実施。電解質、BUN、クレアチニン、生化
学的値については、治療期間中は1日1回、その後は週4回、さらにその後は月
3回実施。ヒト抗ヒト抗体については、治療前、および治療後に月4回測定。ガ
ンマカメラによる画像については、初回投与後および最終回投与後にそれぞれ60
分間連続して撮影し、さらに、初回投与および最終回投与の90分後にそれぞれ撮
影した。骨髄および生検(免疫表現型の決定を含む)については、治療後7〜10
日後および4週間後に実施した。薬物動態については、初回投与および最終回投
与の5分後、10分後、15分後、30分後、45分後、60分後、90分後、120分後およ
び180分後にそれぞれ調べた。
【0078】 4段階の投与レベルに対して12人の患者が登録した。明細書の記載に従って50
投与分以上の薬物を合成し、患者に投与した。少なくとも3〜4時間毎に、投与
に必要な量をジェネレーターから調製することができた。明細書の記載に合致し
た薬物について、少なくとも9日間の治療が可能な量をジェネレーターから産生
した。ガンマ画像および一連の血液検査により、即時に薬物動態を求めた。最初
に薬物は白血病部位ならびに肝臓および脾臓内の単球/マクロファージ細胞を標
的にした。次に骨髄が標的になった。投与後十分経過した後には、部位の飽和に
よって肝臓への取り込みは50%まで減少し、より多くの薬物が利用できるように
なることから、骨髄への取り込みは100%にまで増加した。概算の放射線量(単
位はREM)は、全身、腎臓またはその他の非標的臓器においては0.03、血液にお
いては125、肝臓においては600、脾臓においては1400、ならびに赤色骨髄におい
ては1100であった。故に、標的における量と非標的における量との比は25,000〜
50,000:1であった。いずれの患者においても急性毒性は発現しなかった。いず
れの患者においても骨髄外での毒性は発現しなかった。大多数の患者において、
末梢血細胞数(白血病芽細胞数および白血球数)は治療開始後48時間以内に下が
りはじめ、最大90%減少した。細胞数は2週間以内に元に戻った。1週間後には
、大多数の患者において、骨髄中の細胞充実性が低下し、白血病芽細胞の割合が
減少した(最大70%減少した)。
【0079】 実施例16−Ac - 225標識した構成物 プロテインA ビーズアッセイ(Protein A Bead assay)を用い、イン・ビト
ロ(in vitro)、37℃におけるAc - 225標識した構成物の安定性を調べた。この
アッセイは、遊離のAc - 225 およびIgに結合したAc - 225を調べるものである
(ニクラ(Nikula)ら、1999)。放射性核種の検出は、ガスイオン化検出器(GI
D)または高純度Ge検出器(HPGe)を備えたマルチチャンネルパルス高分析器(M
CA)を用いて行った。
【0080】 イン・ビトロ(in vitro)において、1個の細胞および多細胞から構成される
スフェロイドの致死に関し、Ac - 225標識した対照構成物の力価および特異性に
対するAc - 225標識した該構成物のそれらを特異活性と活性濃度との関数として
評価した。3H−チミジンの取り込みアッセイを行い、Ac - 225の標的となった
細胞の照射後の生存数を確認した(Nikula)ら、1999)。Ac - 225標識したIgG
構成物の標的細胞へのインターナリゼーション能力(インターナリゼーション率
として求めることができる)は、Bi - 213標識したHuM195構成物に関する上述の
記載に基づいて調査した。
【0081】 個々の細胞内および多細胞から構成されるスフェロイドにおけるAc - 225の保
持時間は、過量のAc - 225標識したIgG構成物に細胞抗原を接触させ、適切な時
間インキュベートし、洗浄し、新鮮培地に再懸濁することにより、時間の関数と
して評価した。次に、細胞に残存している反応性、ならびに上清および洗浄液中
の活性を定量した。接触を受けた細胞およびスフェロイドは10日間(Ac -225の
1半減期)維持し、毎日細胞を遠心分離し、Ac - 225の相対レベルおよび各構成
成分の放射性核種組成を調べるために一定量の上清および一定量の濃縮細胞をサ
ンプルとして採取した。上述に従い、放射性核種の定量および特定を行った。
【0082】 イン・ビボ(in vivo)において[Ac - 225]CHX - A - DTPA部位よりも安定
である可能性がある多様な新規キレート剤を用いることができる。最初に、キレ
ートの可能性を調べ、アクチニウムキレートの相対速度および熱力学を求めた。
キレートへのAc - 225の取り込み率は、シリカゲルを塗布した紙、塩基性pHの水
性移動相を用いた簡易薄層クロマトグラフィー技術によって評価した。熱力学的
安定性は、EDTAチャレンジに対する相対的基準として評価し、血清または培地中
、37℃で数日間インキュベートして行った。キレート剤はこのようにして評価し
、迅速に反応を開始し、kdが高く、イン・ビボ(in vivo)での使用に耐える適
切な安定性を有するものを見出した。研究されているmAbを用いて構成物を調製
することにより、候補となるキレート剤をさらに開発することができる。
【0083】 実施例17−Ac - 225構成物に関する予備試験の結果 Ac - 225を標識するためのいくつかの条件について評価を行い、迅速標識のた
めの条件を決定した。室温では10分後の[Ac - 225]CHX - A - HuM195の収率は
30〜40%であった。イン・ビトロ(in vitro)において、1時間、3時間、24時
間および96時間後のCHX - A - DTPAキレート部位の安定性を調べたところ、HuM1
95に結合していたAc - 225の割合はそれぞれ、100±0%、100±0%、84±2%
および44±13%であった(それぞれについて2回測定した)。
【0084】 0.12Ci/g および0.0012Ci/gの特異活性を示す[Ac - 225]HuM195を用い、HL6
0細胞およびRAJI細胞の致死を行ったところ、48時間の接触アッセイにおいて特
異的かつ強力な細胞致死が観察された。LD95はそれぞれ、0.12Ci/g で処理したH
L60細胞では約0.5 nCi/ml 、0.0012Ci/gで処理した場合のHL60細胞では約50 nC
i/ml、0.12Ci/g で処理したRAJI細胞では約50 nCi/ml、0.0012Ci/g で処理したR
AJI細胞では約50 nCi/mlであった。これとは対照的に、8Ci/gの特異活性を示す
[Bi - 213]HuM195構成物を用いた場合には、LD95はそれぞれ、HL60細胞では約
3μCi/ml 、RAJI細胞では約10μCi/ml であった。このことは、Bi - 213と比べ
て、Ac - 225の特異活性は67分の1であり、95%の細胞を致死させるのに必要な
活性量としては6000分の1であることを表している。
【0085】 0.02 mCi/ml 〜8mCi/ml の範囲でAL67スフェロイド細胞およびLNCaPFGCスフ
ェロイド細胞について実験を行い、HuM195抗体構成物およびJ591抗体構成物を用
いることにより、それぞれのスフェロイド細胞が特異的に致死することを示した
【0086】 実施例18−Ac - 225標識したmAbに関する第1相臨床試験 投与量を増加することについての第1相試験として臨床試験を計画したが、基
本的にはビスマス - 213 - HuM195を用いた第1相試験に従った。抗体系として
は、HuM195 - AML 、またはS193(ヒト型化抗ルイス(lewis)Y)もしくはハー
セプチン(Herceptin)(ヒト型化抗her - 2 - neu)を用いた乳癌充実性腫瘍系
を使用することができる。
【0087】 以下の参考文献を本明細書中に引用しておく。
【0088】
【表3】 本明細書において言及している特許および文献はいずれも、本発明の属する分
野の当業者のレベルの指標となる。これらの特許および文献は、それらの各々が
特別かつ個別に参照として取り入れられているかのように参照として本明細書中
に取り入れられている。
【0089】 当業者であれば、目的の実施のために本発明を首尾良く適合させることは容易
であり、本明細書中に記載しておりかつ特徴的である結果および利益を得ること
ができるはずである。本明細書に記載している方法、手順、操作、分子および特
定の化合物に関する本実施例は、好ましい実施態様のうちの代表的なものであり
、例示であり、本発明の範囲を制限するためのものではない。当業者であればそ
れらの変更およびその他の使用が可能であり、そのようなものも請求の範囲によ
って定義される本発明の範ちゅうに包含される。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 固形腫瘍のターゲッティングを示す図
【図1B】 血液学的に分布した微小転移巣のターゲッティングを示す図
【図2】 “タマネギの皮をむく”ように大型のスフェロイドを殺すことを示す図
【図3A】 特異的活性および投与量の関数としての(Bi-212)CHX-A-DTPA-HuM195による細
胞障害を示すグラフ
【図3B】 特異的活性および投与量の関数としての(Bi-213)CHX-A-DTPA-HuM195の細胞障
害を示すグラフ
【図4A】 細胞表面上に結合したBi-213原子の計算された平均数の関数としてHL60細胞の
生存率を示すグラフ
【図4B】 細胞表面上に結合したBi-212原子の計算された平均数の関数としてHL60細胞の
生存率を示すグラフ
【図5】 特異的活性の関数としてLnCaP細胞の生存率に対するBi-213-J591の力価を示す
グラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 13/10 A61P 31/12 31/12 35/00 35/00 37/06 37/06 43/00 105 43/00 105 A61K 103:00 // A61K 103:00 103:30 103:30 103:40 103:40 121:00 121:00 43/00 (72)発明者 マー,ダンシェ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 11106 アストリア トウェンティーナインス ストリート 35−34 アパートメント 2 エフ (72)発明者 マックデヴィット,マイケル アール アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10471 ブロンクス ネザーランド アヴェニュ ー 5644 アパートメント 6エイ (72)発明者 スガーロス,ジョージ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021 ニューヨーク イー シックスティーエ イス ストリート 345 アパートメント 3イー Fターム(参考) 4C076 AA11 AA95 CC07 CC11 CC16 CC17 CC27 EE59 FF31 4C084 AA12 NA14 ZA362 ZA812 ZB072 ZB262 ZB332 4C085 AA13 BB01 CC01 DD23 DD37 EE01

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 そのような治療が必要な個体中の、サイズが1mmより大きい
    腫瘍を殺す方法であって、 アルファ粒子放出同位体を含む薬理学的に効果的な投与量の構成物を前記個体
    に投与する工程を含む方法。
  2. 【請求項2】 前記構成物が、抗体、抗体フラグメント、サイトカインおよ
    びレセプターリガンドからなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 前記アルファ粒子放出同位体が、ビスマス−213、ビスマス
    −212、アクチニウム−225、ラジウム−223、鉛−212、タービウム−149、フェ
    ルミウム−155およびアスタチン−211からなる群より選択されることを特徴とす
    る請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記アルファ粒子放出同位体が、約0.05mCi/mgから約100mCi
    /mgまでの特異的活性を有することを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記アルファ粒子放出同位体が、細胞毎に最低一つのアルフ
    ァ粒子の飛跡を運搬するのに適切な投与量で投与されることを特徴とする請求項
    3記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記構成物が、複数回投与されることを特徴とする請求項1
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記投与量が、約0.1mg/m2から約50mg/m2までであることを
    特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 そのような治療の必要な個体中の非悪性細胞を殺す方法であ
    って、 アルファ粒子放出同位体を含む薬理学的に効果的な投与量の構成物を前記個体
    に投与する工程を含む方法。
  9. 【請求項9】 前記細胞が、ウィルス感染細胞、自己免疫細胞、リンパ系細
    胞、正常な骨髄細胞および異常に増殖した正常細胞からなる群より選択されるこ
    とを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記個体が、非腫瘍性の病気、ウィルス感染、自己免疫疾
    患、前立腺肥大症、冠疾患および血管閉鎖性疾患からなる群より選択される病気
    を有することを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記構成物が、抗体、抗体フラグメント、サイトカインお
    よびレセプターリガンドからなる群より選択されることを特徴とする請求項9記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 前記アルファ粒子放出同位体が、ビスマス−213、ビスマ
    ス−212、アクチニウム−225、ラジウム−223、鉛−212、タービウム−149、フ
    ェルミウム−155およびアスタチン−211からなる群より選択されることを特徴と
    する請求項8記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記アルファ粒子放出同位体が、約0.1mCi/mgから約100mC
    i/mgまでの特異的活性を有することを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記アルファ粒子放出同位体が、細胞毎に最低一つのアル
    ファ粒子の飛跡を運搬するのに適切な投与量で投与されることを特徴とする請求
    項12記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記構成物が、約0.1mg/m2から約50mg/m2までの投与量で
    投与されることを特徴とする請求項8記載の方法。
  16. 【請求項16】 そのような治療を必要とする個体の腫瘍血管系中の抗原の
    ターゲッティングにより腫瘍を殺す方法であって、 アルファ粒子放出同位体を含む薬理学的に効果的な投与量の構成物を前記個体
    に投与して前記腫瘍血管系の機能を効果的に抑制する工程を含むことを特徴とす
    る方法。
  17. 【請求項17】 前記構成物が、抗体、抗体フラグメント、サイトカイン、
    ペプチドおよびレセプターリガンドからなる群より選択されることを特徴とする
    請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記アルファ粒子放出同位体が、ビスマス−213、ビスマ
    ス−212、アクチニウム−225、ラジウム−223、鉛−212、タービウム−149、フ
    ェルミウム−155およびアスタチン−211からなる群より選択されることを特徴と
    する請求項16記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記アルファ粒子放出同位体が、約0.1mCi/mgから約100mC
    i/mgまでの特異的活性を有することを特徴とする請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記アルファ粒子放出同位体が、細胞毎に最低一つのアル
    ファ粒子の飛跡を運搬するのに適切な投与量で投与されることを特徴とする請求
    項18記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記構成物が、複数回投与されることを特徴とする請求項
    16記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記投与量が、約0.1mg/m2から約50mg/m2までであること
    を特徴とする請求項16記載の方法。
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