JP2002514927A - 植物の形質転換のためのプラスミドならびにその使用方法 - Google Patents

植物の形質転換のためのプラスミドならびにその使用方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、Agrobacteriumで媒介される植物の形質転換に関し、特にT-DNAによる植物の形質転換に関し、ここでボーダーでのリードスルーは禁止される。これは、ベクターDNAが植物細胞に移入することを、DNA結合部位をTボーダーの外側に作製することによって阻害することによってなされ得るが、またコード配列をTボーダーの外側に挿入することは、これは宿主植物由来の遺伝子または共同移入された遺伝子と共同であろうがなかろうが、植物に対して毒性であり、そのため植物を余分なベクター−DNAで対抗選択する。

Description

【発明の詳細な説明】 植物の形質転換のためのプラスミドならびにその使用方法 発明の分野 本発明はAgrobacteriumで媒介される植物の形質転換に関し、特にT-DNAによる 植物の形質転換に関し、ここで非T-DNAベクター配列の偶発的な移入は禁止され る。 発明の背景 Agrobacteriumおよび野生型Agrobacterium細菌中に存在するTiまたはRiプラス ミドを用いる植物の形質転換は1983年から知られている(例えば、EP 0 116 718 およびEP 0 120 516)。この形質転換手順は一般に、異種遺伝子で提供される非 腫瘍化Agrobacterium株による植物の感染と一致する。この異種遺伝子はいわゆ るT-DNAの一片のプラスミド上に中位置する。T-DNAは2つの不完全な約24塩基対 長のダイレクトリピート、すなわちT-DNAボーダーの間に位置するDNAである。異 種遺伝子の植物中への移入はあるプロセスで生じ、このプロセスではまた、vir- 遺伝子に位置するプラスミドが、フェノール性化合物によって、Agrobaceriumを 植物細胞と共にインキュベートすることによって活性化される。これらのvir-タ ンパク質(D1およびD2)は、正確な部位でのボーダーリピートのニッキングを引き 起こし、それによりT-DNAはT-DNAボーダーでプラスミドから切り出され、そして 植物ゲノム中に挿入される。 右のボーダー領域はT-DNAの移入において最も重要であるように思われる:T-D NAの右のボーダー領域が欠失しているTi-プラスミドは非毒性である(Holsters, M.ら,Plasmid 3,212-230,1980)。左のボーダー領域の欠失は毒性に対して影 響を与えない(Joos,H.ら,Cell 32,1057-1067,1983)。 T-DNAボーダーが存在する必要性は、形質転換がバイナリーベクター系を用い て行われる場合に依然として存在し、ここではT-DNAは分離した独立のレプリコ ン、すなわちバイナリーベクター上に位置する。 形質転換後、T-DNAは宿主植物のゲノム中に単一のユニットとしてまたは複数 の直列に並ぶのコピー中に存在する。しかし、短縮型T-DNA領域もまた、しばし ば観察される(Deroles,S.C.およびGardner,R.C..Plant Mol.Biol.11,365- 377,1988)。さらに近年、ボーダーの向こう側のDNAもまた宿主植物のゲノム中 に組み込まれるという情報がある。これはトランジェニック植物の20〜30%のケ ースで報告されている(Martineau.B.ら、The Plant Cell 6,1032-1033,1994 )。しかし、最近、ある文献の報告はタバコの形質転換体のおよそ75%がベクタ ー「骨格」配列を含むことを伝えた(Kononov.M.E.ら、The Plant J.11(5),9 45-957,1997)。 ときどき起こる別の現象は、T-DNAの移入が左のボーダーからはじまるという 現象である。左のボーダーもまた(弱い)出発点として作用し得る。従って、「リ ードスルー(read-througu)」されるDNAの量は実質的であり得る:すなわち、と きどき、左のボーダーで開始する移入は、右のボーダーをリードスルーし、そし て再び左のボーダーで終了し、その結果、完全なバイナリーベクターが移入する 。(van der Graaff,E.ら、Plant Mol.Biol.31,677-681,1996)。 植物遺伝学者の目的はT-DNA中に存在するDNAのみを移入させることなので、両 方のリードスルー機構を禁止することが望まれる。さらに、トランスジェニック 植物および/またはトランスジェニック食品の(市場)登録の請求を扱う登録当局 もまた、トランスジェニック植物にべクタ−DNAが混入することはできる限り避 けるべきであるという見解を示している。 発明の要旨 本発明は、T-DNAを隣接するT-DNAボーダーと共に含む植物形質転換のためのベ クターを含み、このベクターはさらに、T-DNA配列よりも多くのベクター配列を 有する植物形質転換体の発生を妨げる核酸配列を含むことで特徴づけられる。T- DNA配列よりも多くのベクター配列を有する形質転換体の発生を妨げるこの配列 は、毒性化合物をコードする遺伝子であり、この毒性化合物は好ましくは、RNAs e、DNAse、フィトトキシン、ジフテリア毒素、プロテアーゼおよびアンチセンス ハウスキーピング遺伝子例えば、ATPシンターゼ、チトクロムC、ピルビン酸キナ ーゼ、アミノアシルトランスフェラーゼ、またはホスフェート、ジ−、トリカ ルボキシレート(tricarboxylkate)および2-オキソ-グルタレートトランスロケー ターからなる群から選択され、このベクターの他の実施熊様は、T-DNA配列の外 側のベクター配列を有する形質転換体の発生を妨げる配列が、DNA結合タンパク 質に結合する配列、またはそのG+C含量が高い配列を含む場合である。T-DNAの外 側のベクター配列を含まないトランスジェニック植物を得るための方法もまた本 発明の一部であり、この方法は植物を本発明によるベクターで形質転換すること による。次に、このようなベクターを含む宿主、例えば、細菌、好ましくはAgro bacteriaceaeのメンバー、より好ましくはAgrobacteriumまたはRhizobacterium 、最も好ましくはAgrobacterium tumefaciens形態もまた本発明の一部を形成す る。 さらに、植物の形質転換のための方法であって、本発明によるベクターを使用 することで特徴づけられる方法が本発明に含まれる。 図面の説明 図1:使用される構築物の模式図。 図2:ベクター配列の共挿入(co−integration)をチェックするために用いられ たプライマーのハイブリダイゼーションの位置の模式図 発明の詳細な説明 基本的に、植物の形質転換に用いられる全ての既知のプラスミドおよびベクタ ーは、本発明によるベクターに適合し得るか、あるいは本発明の方法で使用でき るベクターに適合し得る。このようなプラスミドの例は、pBini 9(Bevan.M.,N ucl.Acids Res.12,8711-8721,1984)、pMOG101(WO 93/10251)、pMOG800(WO 9 5/05467)、pMON128(EP 0 131 623)、GV2260(Deblaereら、1985,Nucl.Acids Re s.13,4777-4788)など、およびこれらに由来する全てのプラスミドである。 このようなプラスミドの重要な特徴は、これらがT-DNAボーダー配列に隣接し たT-DNAを含むことである。さらに、これらはAgrobacterium中での複製に適して いなければならず、従って、これらはAgrobacterium中で使用するのに適した複 製起点(ori)配列を含むべきである。最も用いられることが多いAgrobacterium株 はA.tumefaciensであるが、A.rhizogenesもまた植物の形質転換に適する。こ こで形質転換可能なDNAはRiプラスミド上に位置し、そのためこのDNAはこの後、 R-DNAと呼ばれなければならない。しかし、T-DNAは一般に用いられる用語であり 、そしてこれは本発明をA.tumefaciensのみに限定するものではなく、2つのダ イレクトリピートの間に位置するDNA配列を植物の形質転換に用いる全ての形質 転換法を包含する。 形質転換のために、T-DNAの隣に毒性タンパク質もまた必要である。これらは 、T-DNAをもまた含む同じプラスミド上でコードされ得、これはこの布置で一般 に、共挿入プラスミドと称される。毒性遺伝子が別々のプラスミド上に位置する 場合(この系は通常バイナリーベクター系と呼ばれる)、または細菌染色体上に位 置する場合でさえ、同様に良好であり得る。 さらに、プラスミドは通常、抗生物質に対する耐性をコードする遺伝子も含み (選択圧の下で培養可能)、そしてE.coli中での複製のためのoriも含む。 植物中への遺伝子の形質転換ならびにその中でのAgrobacteriumおよびTi-プラ スミドの役割に対する一般的な序論は、ハンドブック「Principles of gene Man ipulation」(Old,R.W.およびPrimrose,S.B.,Blackwell Scientific publicat ions,London,1994,第14章、第268-301頁)に見いだされ得る。 本発明の1つの実施態様はベクターを含み、ここで、植物発現プロモーターの 制御下で毒素をコードする遺伝子がT-DNAボーダーの外側に位置する。この遺伝 子は細菌に対して毒性でないこと、あるいは細菌中で発現しないことが必須であ る。なぜなら、それは細菌を劣化させ、それとともに植物に対するT-DNAの形質 転換能力を低下させるからである。細菌に対する毒性の影響を防ぎ得るいくつか の方法がある。そのうちの1つは細菌に対しては毒性ではない毒性化合物を選択 することである。このような毒性化合物の例はジフテリア毒素である。同様に、 必須の植物ハウスキーピング遺伝子をノックアウトするアンチセンスアプローチ もまた、細菌の劣化を妨げる機会を提供する。そのために忘れてはならないのは 、植物中で活性(かつ必須)であるが、細菌中では存在しないか、あるいはほんの わずかの機能しか有さないハウスキーピング遺伝子、または遺伝子のアンチセン ス発現によって妨げられるに十分なほど相同ではないハウスキーピング遺伝子を 選 択することである。しかし、毒素が細菌に対して有害な場合でさえも、そのよう な毒素が細菌中で発現することを妨げる方法が見いだされ得る。これを達成する 1つの可能性は、毒素が植物プロモーターの制御下にある遺伝子構築物を産生す ることによる;植物特異的プロモーターは細菌中で少なくともいくらかは発現す るので、全ての植物特異的プロモーターがこのようなベクター中で用いられ得る わけではないが、選択されたプロモーターが細菌細胞中での発現をもたらさない のであれば、樹立は容易である(例えば、このようなプロモーターに先だってGUS -遺伝子で細菌を形質転換することによる;細菌中でのGUSの発現は容易にアッセ イされ得る)。最後に、細菌中での発現を防ぐ1つの方法は、イントロン配列を 毒素のコード配列の中に導入すること(あるいはイントロン含有ゲノム配列を用 いること)である。なぜなら、細菌はイントロンを切り出すことができないので 、非機能性のタンパク質(の一部)が産生されるのみであり、これは細菌を害さな いからである。 用いられ得る毒素は特定の植物に特異的な毒素を含むが、より一般的に入手可 能な、膜システムおよび/または他の一般的な細胞構造もしくはプロセスに対し て作用する毒素もまた用いられ得る。このような毒素の例は:RIP、マゲイニン 、RNAses(バルナーゼ(barnase)など)、DNAses、プロテアーゼなどである。 他のアプローチがいくつかの方法で適用され得る。そしてこれらのアプローチ のための遺伝子は、(a)内因性RNA転写物に対するリボザイムをコードする遺伝子 、(b)過敏感反応を誘発し得るタンパク質を産生する遺伝子、(c)転写されたとき に、細胞の生存に必須の内因性遺伝子のRNA転写物に対して相補的、または少な くとも一部は相補的なRNA転写物を産生する遺伝子(遺伝子発現のアンチセンス阻 害として知られる方法である(EP-A 240 208で開示される))、および(d)転写され たときに、細胞の生存に必須の内因性遺伝子の転写物と同一か、または少なくと も非常に類似するRNA転写物を産生する遺伝子(まだ完全に理解されていない、遺 伝子発現の阻害方法であり、共抑制(co-suppression)とよばれる(Napoli C.ら、 1990,The Plant Cell 2,279-289で開示される))からなる群から選択され得る 。 過敏応答(HR)の誘発は、病原体由来エリシタータンパク質および対応の植物由 来レセプタータンパク質が同時に発現される場合に可能である。このような対応 するエリシター/レセプター遺伝子のカップル、ならびに遺伝子組み換え植物中 でHRを誘発するためのその適用性は当該分野で公知である。例えば、Cladospori um fulvum avr-遺伝子およびLycopersicon esculentum cf-遺伝子に関して(WO 9 l/15585)、またはPsuedomonas syringae avr-遺伝子and Arabidopsis thaliana RPM1-遺伝子に関して(Grant M.R.ら、Science 269,843-846.1995)。本発明に おけるこれらの遺伝子の適用の概略的な考えは、これらの遺伝子の1つをT-DNA ボーダーとボーダーの外側の相補的遺伝子との間に挿入することである。従って 、ボーダーの外側のDNAが植物中に移入した場合、両方の遺伝子が発現され、そ して過敏応答が生じ、これがそのように形質転換された細胞を死滅させる。 植物由来の耐性遺伝子はいくつかの植物では天然に存在するので、これらの植 物の場合、T-DNAボーダーの外側に位置する対応の無毒性遺伝子をコードする遺 伝子で十分であり得る。形質転換の後に発現される場合、これは内因的に産生さ れた対応の植物遺伝子に遭遇し、そしてHR応答を誘発する。 このHR機構のための構築物の(調節制限の観点での)好適な実施態様は、植物由 来遺伝子がT-DNAボーダーの間に存在し、そして病原体由来の遺伝子がボーダー の外側に存在する構築物である。 本発明の他の実施態様では、細胞の生存に必須の内因性遺伝子の発現を阻害す るためにアンチセンス遺伝子が使用される。この遺伝子は植物細胞中で発現され る。 アンチセンスディスラプター(disrupter)遺伝子の標的遺伝子は、細胞の生存 に必須の酵素(ハウスキーピング酵素ともよばれる)をコードする遺伝子から選択 され、そして好ましくは単一コピー遺伝子としてコードされる核であるべきであ るが、小さなサイズの遺伝子ファミリーでコードされるものもまた本発明の目的 に適する。さらに、この遺伝子のアンチセンス発現の効果は、このような酵素に よって通常合成される酵素産物が他の細胞またはオルガネラから拡散または転移 することによって無効になってはならない。好ましくは、膜転移(membrane-tran slocating)酵素が選択される。なぜなら、これらの酵素はオルガネラの膜を横切 る化学勾配の確立に関与するからである。このようなタンパク質のアンチセンス 発現による阻害は、その定義から、それらのタンパク質が存在する膜を横切る物 質の拡散によってうち消され得ない。転移される化合物は有機分子に限定されず 、無機的性質を有するもの、例えば、P、H、OHまたは電子であり得る。 標的酵素のリストを表1に例として示すが、本発明はこの表に示す酵素に限定 されるものではない。より詳細なリストはBiochemistry of Plants(Stumpfおよ びConn編,1988-1991,第1-16巻、Academic Press)またはEncyclopedia of Plan t Physiology(New Series,1976,Springer-Verlag,Berlin)のシリーズから集 成され得る。いくつかの場合にのみ、これらの酵素をコードする遺伝子は単離さ れており、従って遺伝子コピーの数は知られていないが、合致すべき基準は本発 明において記載される。 植物宿主中でのアンチセンス効果を最大化するために、同種遺伝子を使用する ことが好ましい。同種(homologous)は植物宿主と同じ植物種から得られることを 意味する。異種(heterologous)は、本明細書の目的に関しては、異なる植物また は非植物種から得られることを意味するものとする。異種はまた、そのmRNAコー ド核酸配列が宿主遺伝子の少なくとも5%異なるように改変された遺伝子の合成 アナログを包含するものとする。ハウスキーピング遺伝子は通常高度に保存され るので、他の(植物)種由来の異種プローブを用いて、対応の遺伝子を耐性にされ た作物種から単離し得る。このような遺伝子の単離は当業者が十分に達成し得る 範囲内であり、本教示に関して過度の実験は必要とされない。 転写終止領域の必要性に関して、このような領域が、植物細胞における転写の 信頼性ならびに効率を増強すると通常考えらている。これを用いることは、従っ て、本発明の文脈において非常に好適である。 本発明の他の実施態様はベクターであり、ここでリードスルーまたは左ボーダ ーからのDNA移入の開始は、DNA巻き戻しプロセスを妨害するヌクレオチド配列を T-DNAボーダーの外側に挿入することによって阻害される。DNA巻き戻しプロセス は植物に転移することが意図されるDNA分子の形成に天然では必要とされる。こ のような配列の一例は、約40ヌクレオチド(好ましくは20−60塩基対)GCリッチ配 列であり、ここでDNA巻き戻しはエネルギー的に不利であり、そのためこの配列 を通じてのDNAの巻き戻しが妨害されることが予期される。しかし、リードスル ーまたは左ボーダー開始を阻止する他の配列もまた用いられ得る。このような二 本鎖配列の安定性の向上に関する計算は当業者に公知であり、Maniatis、Fritsc hおよびSambrook:Molecular Cloning,a laboratory manual,Cold Spring Harb or,1982,第388頁に記載されている。T-DNAボーダーの外側の配列中のDNA巻き 戻しプロセスを妨げる他のヌクレオチドの例は、Agrobacterium DNA結合タンパ ク質の結合部位に一致する配列である。結合した二本鎖DNA結合タンパク質の置 換がDNAの巻き戻しには必要とされるので、鎖の置換に必要とされるエネルギー は相当に増大する。加えて、左ボーダーに近接するDNA結合タンパク質の存在は 、左ボーダーの下流のDNAの巻き戻しに必要なDNAタンパク質複合体の組立てを物 理的に妨害し得る。一般に、全ての二本鎖DNA結合タンパク質がこのプロセスを 妨害し得る。好ましくは、Agrobacterium細胞を外部刺激で処理することによっ てDNA−タンパク質相互作用が誘導または強化され得るタンパク質結合部位が用 いられる。より好ましくは、DNA結合タンパク質はvirGであり、これはまた、T-D NA動員および移入に関与する全てのvirタンパク質のアクチベータータンパク質 である。virGはvirボックスに結合することが知られている。virボックスは配列 5'TNCAATTGAAAY3'からなる(ここでNは任意のヌクレオチドであり、そしてYはピ リミジン塩基ヌクレオチド(TまたはC)である)。virGのこのvirボックスへの結合 は、AgrobacteriumがvirA/virG2成分調節系を通じて活性化させることにより開 始または増強されると考えられる。インビボで、vir遺伝子の活性化はvirGのリ ン酸化に依存するが、この修飾の実際の役割は未だ知られていない。Shengおよ びCitovsky(The Plant Cell 8,1699-1710,1996)に概略されるように、非常に 可能性の高い説明は、リン酸化virGタンパク質がその同族結合部位に対する増大 した親和性を有するということである。 また、結合したDNA結合タンパク質のための結合部位を左ボーダー配列の近く に連結して導入することは、立体障害によって、鎖の置換に必要なこの左ボーダ ー上でのタンパク質の組み立てを物理的に妨害し得、そのため、左ボーダーでの 開始を効果的に低減する。 本発明の実施態様のうちのいくつかは現時点では実施可能ではないが(例えば 、いくつかの植物種はまだ遺伝的形質転換が困難である)、このような植物種で の本発明の実施は単に時間の問題であり、原理の問題ではない。なぜなら、遺伝 的形質転換への受け入れ易さはそれ自体、本発明の根底をなす実施態様に関係な いからである。 植物種の形質転換は、今や、莫大な数の植物種で慣用的であり、これにはDico tyledoneaeならびにMonocotyledoneaeが含まれる。原則として、任意の形質転換 法が本発明によるキメラDNAを適切な先祖細胞に導入するために用いられ得る。 本発明による好ましい方法は、Agrobacterium媒介DNA移入を包含する。特に好ま しいのは、EP A 120 516および米国特許第4,940,838号に開示されるようないわ ゆるバイナリーベクター技術の使用である。トマトの形質転換は好ましくは本質 的にVan Roekelら(Van Roekel.J.S.C.,Damm,B.,Melchers,L.S.,Hoekema, A.(1993)。トマト(Lycopersicon esculentum)の形質転換頻度に影響を与える因 子。Plant Cell Reports.12,644-647)に記載のようにして行われる。ジャガイ モの形質転換は好ましくは本質的にHoekemaら(Hoekema.A.,Huisman,M.J.,Mo lendijk,L.,van den Elzen,P.J.M.,およびCornelissen.B.J.C.(1989)。2 つの市販のジャガイモ栽培種のジャガイモウイルスxに対する耐性についての遺 伝子操作。Bio/Technology 7,273-278)によって記載されるようにして行われる 。 遺伝的形質転換がさらにいくらか困難であると考えられるが、単子葉植物は形 質転換を受け入れ易く、そして稔性トランスジェニック植物が形質転換細胞また は胚、または他の植物材料から再生され得る。単子葉植物はイネおよびトウモロ コシのような商業的に重要な作物を含み、Agrobacterium株によるDNA移入を受け 入れ易い(WO 94/00977;EP 0 159 418 B1;Gould J.Michael D,Hasegawa O.Ul ian EC,Peterson G,Smith RH,(1991)Plant.Physiol.95,426-434を参照の こと)。 実際的には全ての植物が培養細胞または組織から再生され得ることは公知であ る。再生のための手段は、植物の種によって変動するが、通常、形質転換された プロトプラストの懸濁液、または形質転換外植体を入れたペトリ皿が最初に提供 される。発芽は直接的または間接的にカルスから、器官形成または胚形成を通じ て誘導され得、そして次に根付く。選択可能なマーカーの次に、培地は通常種々 のアミノ酸およびホルモン(例えば、オーキシンおよびサイトカイニン)を含む 。グルタミン酸およびプロリンを培地に添加することもまた、特にトウモロコシ およびアルファルファのような種の場合に有利である。効率のよい再生は培地、 遺伝子型、および培養歴に依存する。これらの3つの変数が制御されるならば、 再生は通常、再現性および反復性がある。形質転換された遺伝子配列を遺伝子組 み換え植物中に安定に組み込んだ後、これにより与えられた形質は他の植物に有 性 交雑により移入され得る。任意の標準的な育種技術が、交雑される種に応じて用 いられ得る。 実験の部 実施例1 バイナリーベクター骨格の構築 独特のSal I制限エンドヌクレアーゼ部位をpMOG 800中に導入した。その結果 、リードスルーの阻害またはベクター配列を有するトランスジェニック体の対抗 選択で目的とされるエレメントを左ボーダーの隣にクローニングし得る。この部 位は左ボーダーの10bpに隣接して位置する。変異誘発ストラテジーに基づく単純 なPCRを配列番号1から配列番号4のプライマーと共に用いて、DraIIIおよびNru I部位を包含するフラグメントを作製した。これはバイナリーべクタ−pMOG800(C entraal Bureau voor Schimelcultures.Baarn.The NetherlandsにCBS 414.93 として寄託、1993年8月12日)中の対応フラグメントとほぼ等しく、さらに左ボー ダーリピートから10bpの独特のSalI部位をT-DNAの外側に有する。このPCRフラグ メントをDraIIIおよびNruIで切断し、そしてDraIIIおよびNruIで切断したpMOG80 0中にクローン化した。得られたプラスミドをpNE03とよぶ。 実施例2 GCリッチストレッチの挿入 40bpのGCリッチストレッチを、配列番号5および6を互いにアニーリングさせ ることによって作製した。このフラグメントをSalI部位に挿入することによって 、SalI部位は一方の末端のみをインタクトのままにする。二本鎖合成オリゴをT4 ポリヌクレオチドキナーゼでリン酸化し、そしてSalI切断されたpNE03ベクター 中にクローン化した。得られたプラスミドpNE07は、SalI部位に挿入されたGCリ ッチストレッチを有する。この結果、左のT-DNAボーダーに最も近い方の側のSal I部位が除去される。配向の模式図を図1に示す。 実施例3 virG結合部位の挿入 VirG結合部位を含むフラグメントをAgrobacterium株EHA101のVirBプロモータ ーから誘導する。VirBプロモーターは両方ともVirGで認識される2つのvirボック ス配列を含むことが既に示されていた(DasおよびPazour,1989,Nucl.Acids Re s.17.4541-4150)。Virボックス単独ではVirGタンパク質の結合に十分ではない と考えられ、約19bpのVirボックスに対して3’にさらなる特定の非保存的配列が あることもまた、VirGタンパク質の結合に必要とされる確率が最も高い。配列番 号7および8のプライマーを、約90bpのVirBプロモーターフラグメントをAgroba cterium tumefaciens株MOG101からPCR増幅するために用いた。フラグメトをSalI およびAvaIで切断し、そしてpNE03ベクターの独特のSall部位に導入した。再び このフラグメントを、SalI−AvaI末端が左ボーダーに最も近接して連結するよう に配向する。配向の模式図を図1に示す。このベクターをpNE09と名付ける。 実施例4 バルナーゼ(barnase)発現カセットの導入 バルナーゼオープンリーディングフレームおよびnosターミネーター配列(925b p)をpM0G944(WO 98/22599)からNcoIおよびEcoRI部位を用いて切り出し、NcoIお よびEcoRIで切断したpM0G1302中にクローン化した。pMOG1302は、GapCプロモー ターフラグメントを含み(Shihら、1991,Gene 104,133-138)、そしてpMOG445(p UCベースの)ベクター骨格を有する(pMOG445は、pUC18(Yannisch-PerronおよびMe ssing,1985,Gene 33,103-119)から、配列番号9および10のプライマーで作製 された2本鎖合成DNAをEcoRIおよびSstIで切断されたpUC18中に挿入することに よって作製された)。得られたプラスミドは、バルナーゼオープンリーディング フレームおよび開始コドン上に位置するNcoI部位上でGapCプロモーターおよび5 ’非翻訳配列にカップリングしたnos3’非翻訳配列/ターミネーターを有する。 得られたプラスミドをpNE01とよぶ。次に、pNE01の全発現カセット(GapC−バル ナーゼ−nos)を、pBSK+(Stratagene,La Jolla,CA.USA)中に、BamHIおよびXh oI部位を用いてクローン化した。このプラスミドをpNE05とよぶ。次いで、pNE05 をBamHIで切断し、そしてBamHI部位を破壊し、SalI部位を導入するアダプター (配列番号11)を導入した。得られたプラスミドはpNE08である。次いで、発現カ セットを、pNE08からSalIおよびXhoIを用いて持ち上げ、そして改変されたバイ ナリーベクターpNE03、pNE07およびpNE09(全てSalIで切断)中にクローン化した 。この結果ベタターpNE10(バルナーゼカセットのみ)、pNE11(GCクランプ+バル ナーゼカセット)およびpNE12(virG結合部位+バルナーゼカセット)が得られる。 実施例5 GUSマーカーカセットの導入 pMOG1059由来のEcoRI−HindIIIフラグメントは、GUS発現カセットを含み、こ のGUS発現カセットは、l)FdrolDキメラプロモーターおよび非翻訳配列(特許出願 番号97203912.7、12/12/97出願)、2)StLS1イントロンを含むGUSオープンリーデ ィングフレーム(Vancanneytら、1990,Mol.Gen.Genet.220-245-250)および3) プロテイナーセインヒビターII遺伝子の3'非翻訳/ターミネーター配列(Thornbu rgら、1987,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,744-748)を含む。このEcoRI-Hin dIIIフラグメントを、バイナリーベクターpNE10、-11および-12のEcoRI-HiIII部 位へボーダーの間に挿入した。GUSカセットは右ボーダーに最も近く、nptII選択 マーカーカセットは左ボーダーの最も近くに存在する(図1参照)。非改変のコン トロールpMOG1059を使用したので、このベクター配列は非改変pMOG800骨格であ る。pMOG13l3はバイナリーベクターであり、これはFdrolD−GUSカセットをT-DNA 上に有し、そしてGCクランプをその左ボーダーの次に含む。pMOG1314はT-DNA内 では同一であるが、virG結合部位を左ボーダーの次に含む。pMOG1315もまた同じ T-DNA配列を有し、そして左ボーダーの次にバルナーゼカセットを含む。同様に 、pMOG1316はGCクランプおよびバルナーセカセットの両方を含み、そしてpMOG13 17はvirG結合部位とその次にバルナーゼカセットを含む。 実施例6 新規バイナリーベクターによるジャガイモの形質転換頻度の分析 cv.Kardalのジヤガイモ茎セグメントをAgrobacterium tumefaciens株EHA 105 で、3つの別々の形質転換実験において(PCT/EP 98/02979に記載のような)標準 的な形質転換プロトコルを用いて、形質転換した。1構築物当たり最少で150個 の外植体を用いた。通常、これは約90の形質転換体/構築物の再生を導く。形質 転換頻度を、用いた外植体の数に対する、選択圧下でカナマイシン含有生長培地 上で根付くことができる再生体の数として決定した。表1で、形質転換頻度をコ ントロール構築物pMOG1059を1.0として規格化した。 表1.試験された構築物で観察された平均相対形質転換頻度。全ての値は、1回 の形質転換実験についてpMOG1059(1.00とする)に対して規格化した。値は3つの 独立した形質転換実験から平均した。 GCクランプまたはvirG結合部位を左ボーダーの外側に挿入すると形質転換頻度 がいくぶん増加するように思われる。本発明者らは、この効果の理由を完全には 理解していない。1つの説明は、(数人の研究者(Kononov.M.E.ら、1997.Plan t J.11,945-957;Ramanathan,V.およびVeluthambi,K.,1995,Plant Mol.Bi ol.28,1149−1154)によって起こることが記載されているように)DNA移入の左 ボーダーでの開始の妨害がT-DNA移入の機会を増加させ、これがnptII選択マーカ ーで初期形質転換される細胞の数を増加させるということである。 実施例7 ベクター骨格の同時組み込みの分析 次に本発明者らは、左と右のT-DNAボーダーにまたがるDNAフラグメントの存在 をPCRにより分析した。このフラグメントはベクターDNAが形質転換体に組み込ま れたことの指標である。1構築物当たり、75の個別の系統をボーダーの外側の配 列について多重PCRで分析した。6つのプライマーを多重PCRに用い、nptIIプラ イマーを初期コントロールとした。バイナリーベクター上のプライマーの位置に ついては図2を参照のこと。 ベクターpMOG1313、pMOG1314およびpMOG1059で作製された形質転換体由来の左 ボーダースパンニング配列(left border spanning sequence)を、配列番号12お よび13のプライマーを用いて増幅した。これは約1200bpのフラグメントを生じる 。構築物pMOG1315、pMOG1316およびpMOG1317プライマーで作製された形質転換体 には、配列番号12および14のプライマーを左ボーダースパンニング配列の増幅に 用いた。この場合の外側プライマーは、バルナーゼ遺伝子にアニールする。この プライマーは、他のPCRフラグメントは効率的な増幅を可能とするには大きすぎ るので、選択された。内部コントロールのためのプライマーnptII,配列番号15 および16でのPCR増幅は、約850bpのフラグメントを与える。右ボーダーを含む配 列については、500bpのフラグメントが配列番号17および18のプライマーを用い て増幅された。PCR反応はPerkin-Elmer 480サーマルサイクラーで行われた。 増幅の後、得られたPCRフラグメントを臭化エチジウムを含む0.8%アガロース ゲル上で電気泳動した。写真を撮影した後、異なるフラグメントをカウントし、 そしてリードスルーの割合を決定した(比較のために表2を参照)。 表2:左と右のボーダーにまたがる配列を有する個別の形質転換体の割合 表2からわかるように、望ましくないベクター配列の同時組み込みを示す系統 の数は非常に多い。非改変pMOG1059構築物で作製された我々のトランスジェニッ ク系統の約半数はベクター骨格の少なくとも一部を組み込んでいる。この値はGC リッチストレッチを左ボーダーの隣に導入しても減少しない。virG結合部位を左 ボーダーの隣に導入することによって、ボーダーの転移の数はいくらか減少する 。明らかに、GCリッチストレッチまたはvirG結合部位を左ボーダーの外側に導入 した場合、左ボーダー転移を有する系統の数(LBのみまたはLBプラスRB転移のい ずれかを有する系統の割合として計算)は明白に減少し、pMOG1059の場合の40% からpMOG1313およびpMOG1314形質転換系統の場合の30%および25%まで減少する 。 pMOG1315構築物は、左ボーダーの外側にバルナーゼ発現カセットのみを有し、 これはベクター配列を有する形質転換体の数を非常に有意に減少させる。GCスト レッチまたはvirG結合部位をバルナーゼカセットと組み合わせるとその数はさら に減少するように見える。本発明者らの実験において、ボーダー転移を有する個 別の系統の数は、約10%減少することが観察され、これは非改変pMOG1059コント ロールと比較して、非常に有意な改良である。 本発明者らのコレクションにおける初期トマト形質転換の簡単な長鎖は、約40 %のトランスジェニックトマト植物がボーダー外側の配列を含むことを示してい た。これは、この技術が他の植物種にもまた必要とされることを明白に示す。 実施例8 T-DNAの外側のベクター配列の対抗選択のための無毒性および耐性遺伝子の使用 Pseudomonas syringae由来のAvrRpmlエリシターコーディング領域を、強い構 成性プロモーターの後ろ、かつジャガイモプロテイナーゼインヒビターII転写タ ーミネーター配列の前に作動可能にクローン化した。このカセットを左T-DNAボ ーダーの下流のBgIII中に導入する。構成性プロモーターおよびターミネーター 配列に隣接したArabidopsis thaliana由来のRpml耐性遺伝子を含むゲノムDNAフ ラグメントをT-DNA中に導入し、従ってpMOG1257を形成する(図2)。Brassica na pus、トマトおよびジャガイモ植物のこの構築物による形質転換を、標準的手順 を用いて実行する。 この形質転換手順から生じるトランスジェニック植物を、T-DNAの外側のベク ター配列のその存在について、各形質転換体のゲノムDNA上でのPCR反応を用いて 分析する。用いるプライマーは、左ボーダーに近いT-DNAの外側の約300bpの配列 にまたがる。 実施例9 コピー数の決定 構築物pMOG13I7を含む植物および構築物pMOG1059を含むコントロール植物のコ ピー数の決定のために、ゲノムDNAを1系統当たり25の植物の葉から、(Rogers a nd Bendich,1985,Plant.Mol.Biol.5,69-76)に本質的に記載のように、CTA B抽出手順を用いて単離した。約10μgのゲノムDNAを制限酵素EcoRIで、適切なバ ッファー中、37℃で16時間かけて、切断した。この制限部位は両構築物中に一つ 、GUS発現カセットとNPT-IIカセットとの間に位置する。切断混合物を1容量の フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1、v/v、Gibco BRL )で抽出し、そして0.1容量の3M NaAc(pH=5.2)および2.5容量の96%エタノール で沈殿させた。DNAペレットを70%エタノールで洗浄し、次いで、このペレット を20μlの蒸留水に溶解した。 各試料を0.7%アガロースゲルで約16時間かけて2V/cmで分離した。DNAをナイ ロンメンブレン(Hybond-N+.Amershan Life Science)に、0.4M Na0Hでのサザン ブロッティングを用いて移した。ブロットを(16時間、65℃)、プローブとして32 P-dCTPで標識した558bpのGUSフラグメント(pMOG18のNcoI-EcoRVフラグメント;S ijmonsら、Biotechnology第8巻、1990年3月、第217-221頁)を用いてハイブリダ イズした。次にブロットを0.2×SCCのストリンジェンシーで65℃で洗浄した。サ ザンブロットの結果を表3に示す。 表3。pMOG1059およびpMOG1317で形質転換された種々の個別の系統で観察される T-DNA挿入物の数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 オール,ステファン アンドレアス オランダ国 エヌエル―2331 ジェイペー ライデン,マグダ ジャンセンスパッド 34 (72)発明者 ゴッディジン,オスカー ジョアンナ マ リア オランダ国 エヌエル―2312 エルエヌ ライデン,オードゥ ヘレングラッチ 5 (72)発明者 シモンズ,ランベルタス ヘンリカス オランダ国 エヌエル―1187 ダブリュー エル アムステルダム,アン ドゥ ブリ スラン 20 (72)発明者 デッカー,ベルナルダス マルティヌス マリア オランダ国 エヌエル―2804 エイチゼッ ト ゴウダ,ヘレナ フーブ 40 (72)発明者 ホエクストラ,シエツケ オランダ国 エヌエル―2343 ベーアール オエグストギースト,グロンホッヘラン 71 (72)発明者 ティゲラー,ヘンドリック オランダ国 エヌエル―2332 ゼットエム ライデン,オナファンケリジハイズウェ フ 19 (72)発明者 エルツィンガ,ニコラス オランダ国 エヌエル―1106 デーエー アムステルダム,ビアネンストラット 200

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.植物の形質転換のためのベクターであって、T-DNAボーダーが隣接したT-DNA を含み、さらに、該T-DNAボーダーの外側に位置する核酸配列を含み、該T-DNAボ ーダーは、T-DNA配列より多くのベクター配列を有する植物形質転換体の発生を 妨げ、該核酸配列は毒性化合物をコードする配列を含む、ベクター。 2.前記毒性化合物が、RNAse、DNAse、フィトトキシン、ジフテリア毒素、プロ テアーゼおよびアンチセンスハウスキーピング遺伝子からなる群から選択される ことで特徴付けられる、請求項1に記載のベクター。 3.前記ハウスキーピング遺伝子が、ATPシンターゼ、チトクロムc、ピルビン酸 キナーゼ、アミノアシルトランスフェラーゼ、およびホスフェート、ジー、トリ カルボキシレートおよび2-オキソ-グルタレートトランスロケーターからなる群 から選択されることで特徴付けられる、請求項2に記載のベクター。 4.植物の形質転換のためのベクターであって、T-DNAボーダーが隣接したT-DNA を含み、さらにT-DNA配列より多くのベクター配列を有する形質転換体の発生を 妨げる核酸配列を含み、該核酸配列が、左T-DNAボーダーに密接に連結して位置 すること、ならびに、該核酸配列が、結合部位が複製起点を形成しないことを条 件として、細菌DNA結合タンパク質を認識する1つ以上の該結合部位を含む配列 、およびGC含量が80%を越える20〜60塩基対のGCリッチ配列からなる群から選択 されることで特徴づけられる、ベクター。 5.細菌DNA結合タンパク質を認識する前記結合部位がvirボックスであることで 特徴付けられる、請求項4に記載のベクター。 6.前記virボックスが配列5'TNCAATTGAAAY3'(ここでNは任意のヌクレオチドで あり、そしてYはピリミジン塩基のヌクレオチド(TまたはC)である)を有するこ とで特徴付けられる、請求項5に記載のベクター。 7.前記核酸配列が約40塩基対のGCリッチ配列であることで特徴付けられる、 請求項4に記載のベクター。 8.前記配列が90%を越えるGC含量を有することで特徴付けられる、請求項4ま たは7に記載のベクター。 9.トランスジェニック植物を得るための方法であって、該トランスジェニック 植物はT-DNAの外側にベクター配列を含まず、該方法は、請求項1〜8のいずれ かに記載のベクターで植物を形質転換する工程による、方法。 10.請求項1〜8のいずれかに記載のベクターを含む、宿主。 11.細菌であることで特徴付けられる、請求項10に記載の宿主。 12.Agrobacteriaceae属のメンバーであり、好ましくはAgrobacteriumまたはR hizobacteriumであることで特徴付けられる、請求項11に記載の宿主。 13.Agrobacterium tumefaciensであることで特徴付けられる、請求項11ま たは12に記載の宿主。 14.植物の形質転換のための方法であって、請求項1〜8のいずれかに記載の ベクターを用いることで特徴付けられる、方法。
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