JP2002514067A - 神経栄養因子nnt−1 - Google Patents

神経栄養因子nnt−1

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Abstract

(57)【要約】 NNT−1と表される新規神経栄養因子をコードする核酸が開示される。NNT−1ポリペプチドのためのアミノ酸配列、NNT−1ポリペプチドを調製する方法、および他の関連局面も開示される。そのようなポリペプチドは、B細胞および/またはT細胞の生成の刺激、ならびに炎症反応の低減において活性である。

Description

【発明の詳細な説明】 神経栄養因子NNT−1 背景発明の分野 本発明は、神経栄養活性を有するNNT−1と称される新規ポリペプチドおよ び関連するポリペプチド、そのようなポリペプチドをコードする新規核酸分子、 および他の関連局面に関する。関連分野の記載 特定のクラスのニューロンの退化または死が少なくとも部分的原因となって、 多くの神経疾患または病気が引き起こされる。例えば、パーキンソン病は、随意 筋の動きが遅くなること、筋硬直、および震えにより特徴付けられる。そのよう な症候は、黒質と呼ばれる脳の特定領域に配されているドーパミン生成ニューロ ンの進行性退化に少なくとも部分的に起因する。これらニューロン(「ドーパミ ン作動性ニューロン」)の退化により、線条と呼ばれる脳の隣接領域におけるド ーパミン水準が低下する。線条は、ドーパミンのための受容体を発現するニュー ロン を含み:これらのニューロンは、運動活性の制御に含まれる。ドーパミン作動性 ニューロンの退化の原因は知られていないが、遊離基、過剰鉄含量、環境毒素、 興奮性アミノ酸神経毒性、および特定の神経栄養因子の欠損の可能性によるもの とされていた(Jenner,Neurology,補遺3巻、S6〜S12[ 1995年版]、Adamsおよびvictor編、Principles o f Neurology、第42章、Degenerative Diseas es of theNervous system、マグローヒル社、ニューヨ ーク[1993年版])。 筋萎縮性側索硬化症(ALS、ルイ・ゲーリッヒ(Lou Gehrig’s )病としても知られている)、退化性筋萎縮、および遺伝性運動および感覚神経 障害(シャルコー−マリー−ツース病)のような病気は全て、脊髄の前角に位置 する運動神経の崩壊を少なくとも部分的原因として生じる。 脳の大脳皮質の一部である充分に輪郭がはっきりした構造体である海馬は、長 期記憶の形成において重要である。例えば虚血による海馬の破壊により、新しい 記憶の形成が不可能になり得る。海馬のCA1領域に位置する錐体CA1ニュー ロン退化 は、アルツハイマー病の1つの特徴である。これらの同じニューロンは、発作お よび頭部損傷のような条件において起こる虚血および無酸素障害により選択的に 障害を受ける。さらに、CA1錐体海馬ニューロンおよび海馬のCA3領域に位 置する錐体ニューロンは、てんかんにおいて選択的に損傷される。 線条は、黒質からのドーパミン含有ニューロンの神経終末の神経支配領域であ る。線条ニューロンの大部分は、神経伝達物質としてGABA(4−アミノ酪酸 )を利用する。線条は、主なニューロン損失が線条体GABA利用ニューロンの 損失であるハンチントン病において起こる進行性神経退化の主な標的である。 セロトニン含有ニューロンは、後脳の中心あたりに集まって群になって位置し ている。これらのニューロンは、体温、気分および睡眠に制御される。セロトニ ン含有ニューロン系の疾患は、例えば、うつ病、他の気分疾患、および睡眠障害 を含む。 光受容体細胞は、網膜ニューロンの特別の一群であり、視角を司るものである 。光受容体細胞の損傷および/または死は、失明につながり得る。色素性網膜炎 、老化による黄斑退化および静止夜盲症によるような網膜の退化は、全て、進行 性萎縮、 および光刺激を電気的活性に変換する視覚色素を含む特別の構造体である光受容 体外側セグメントの機能の損失により特徴付けられる。 症状を治療しそのような病気の重さを軽減するために利用できる治療手段(例 えば、パーキンソン病を治療するためのレボドーパ)が幾つかあるが、前述した クラスの感染されたニューロンの大部分の退化を防止または低減させる、あるい はそれらの回復を促進するための有効な治療は現在存在しない。 最近では、種々のニューロンに対する栄養活性に基づき幾つかの天然産タンパ ク様分子が確認された。これらの分子は、「神経栄養因子」と呼ばれる。神経栄 養因子は、ニューロンの生存、成長および/または形状的柔軟性を刺激または制 御することができる内因性の可溶性タンパクである(FallonおよびLau ghlin著、Neurotrophic Factors、Academic Press、サンディエゴ、カリフォルニア[1993年版]を参照)。 既知の神経栄養因子は、アミノ酸配列相同性および/またはそれらの3次元構 造に基づいてポリペプチド成長因子の幾つかの異なるタンパク上科に属する(M acDonaldおよび Hendrikson著、Cell、第73巻、421〜424頁[1993年 ])。神経栄養因子の1つの科は、ニューロトロフィン(neurotroph in)科である。この科は、現在のところ、NGF(神経成長因子)、BDNF (脳誘導神経栄養因子)、NT−3(ニューロトロフィン−3)、NT−4(ニ ューロトロフィン−4)およびNT−6(ニューロトロフィン−6)からなる。 CNTF(毛様体神経栄養因子)およびLIF(白血病抑制因子)は、神経栄 養活性を有するサイトカインポリペプチドである。その構造的特徴および受容体 成分故に、これらのポリぺプチドは、IL−6(インターロイキン−6)、IL −11(インターロイキン−11)、G−CSF(顆粒球刺激因子)および腫瘍 放出因子(oncostatin)−Mを含む造血サイトカインの科に関係する 。本発明のNMT−1は、神経栄養因子のこの科の種々の成員に類似している。 図6を参照されたい。 GDNF(神経膠誘導神経栄養因子)は、TGF−ベータ(形質転換成長因子 ベータ)上科に属する神経栄養因子である。GDNFは、ドーパミン作動性およ び運動ニューロンについて有効な生存および分化促進作用を示す(Linら著、 Science、 第260巻、1130〜1132頁[1993年版]、Yanら著、Natur e、第373巻、341〜344頁[1995年版])。 これらの神経栄養因子は、ニューロンの成長および/または生存を向上させる ことが知られているが、これらの因子と一緒に作用する分子についてはあまり知 られていない。さらなるニューロトロフィンおよび関連する分子を識別する1つ の方法は、神経系に効果があることが知られている1種または2種以上の化合物 を動物に投与し、次に、化合物への神経反応に含まれる遺伝子の誘導について組 織を分析することである。例えば、脳の海馬領域のような神経系の特定の組織に おいて誘発される遺伝子についてスクリーンすることができる。この技術は、カ イニン酸塩(カイニン酸)と呼ばれるグルタミン酸塩の神経伝達物質類似体の投 与に反応して海馬の歯状回部分において誘発される新規遺伝子を識別するために Nediviらにより用いられた(Nature、第363巻、718〜722 頁[1993年版]、Nediviら著、Proc.Natl.Acad.Sc i USA、第93巻、2048〜2053頁[1996年版])。 NGFN、BDNF、NT3、GDNF、bFGF、IGF−1およびTGF− βのような多くの神経栄養因子の発現は、求心性神経活性および/または神経損 傷により制御される。これらの遺伝子の一部の強度の誘発が、グルタミン酸類似 体のカイニン酸塩に反応して海馬歯状回において観察することができる(Isa ckson著、Current Opinions in Neurobiol ogy、第5巻、50〜357頁[1995年版])。カイニン酸塩処理は、警 戒ラットの海馬からの新規化合物の放出を増加させるようであり、この活性は既 知の神経栄養因子の作用とは異なるようである(Humpelら著、Scien ce、第269巻、552〜554頁[1995年版])。 多くの神経系の不全および疾患に治療法が知られていないことから、パーキン ソン病、筋萎縮性側索硬化(ALS)、アルツハイマー病、発作、視覚に影響す る種々の退化性疾患のような神経症状および疾患を治療するための新規化合物を 見つけることが当該分野において必要とされている。 NNT−1化合物が、特にB細胞およびT細胞生成の増加を引き起こすことに より免疫系を調整する生物学的活性を有する ことのさらなる証拠がここにある。 従って、本発明の目的は、ニューロン再生の促進および神経機能の回復におい て有用であり得る新規化合物を提供することにある。 本発明のさらなる目的は、ここに提示されたような神経疾患を治療する方法を 提供することにある。 本発明のなおさらなる目的は、ここに提示されたような免疫疾患を治療する方 法を提供することにある。 これらおよび他の目的は、ここの開示から当業者に明らかである。 発明の概要 1つの態様において、本発明は、 (a)配列番号1の核酸分子、 (b)配列番号3の核酸分子、 (c)配列番号2のポリペプチドまたはその生物学的活性フラグメントをコー ドする核酸分子、 (d)配列番号2のポリペプチドに少なくとも70%同一のポリペプチドをコ ードする核酸分子、 (e)前記(a)〜(d)のいずれかにストリンジェント条 件下にハイブリダイズする核酸分子、および (f)前記(a)〜(e)のいずれかの相補体である核酸分子 からなる群より選択される、ポリペプチドをコードする核酸分子を提供する。 もう1つの態様において、本発明は、 (a’)配列番号4の核酸分子、 (b’)配列番号5のポリペプチドまたはその生物学的活性フラグメントをコ ードする核酸分子、 (c’)配列番号5のポリペプチドに少なくとも70%同一のポリペプチドを コードする核酸分子、 (d’)前記(a’)〜(c’)のいずれかにストリンジェント条件下にハイ ブリダイズする核酸分子、および (e’)前記(a’)〜(d’)のいずれかの相補体である核酸分子 からなる群より選択されるポリペプチドをコードする核酸分子を提供する。 もう1つの態様において、本発明は、これらの核酸分子を含むベクター、およ びそのベクターを含む原核または有核の宿主 細胞を提供する。 本発明は、さらに、 (a)配列番号2のポリペプチド、 (b)配列番号2のアミノ酸1〜198であるポリペプチド、 (c)(a)または(b)のポリペプチドに少なくとも70%同一のポリペプ チド、および (d)(a)〜(c)のいずれかの生物学的活性フラグメント からなる群より選択されるNNT−1ポリペプチドを提供する。 本発明は、さらに、 (a’)配列番号5のポリペプチド、 (b’)配列番号5のアミノ酸1〜198であるポリペプチド、 (c’)(a’)または(b’)のポリペプチドに少なくとも70%同一のポ リペプチド、および (d’)(a’)〜(c’)のいずれかの生物学的活性フラグメント からなる群より選択されるNNT−1ポリペプチドを提供する。 任意により、NNT−1ポリペプチドは、アミノ末端メチオ ニンを有してよいまたは有さなくてよい。 もう1つの態様において、本発明は、配列番号2または配列番号5のNNT− 1ポリペプチド、配列番号2のアミノ酸1〜198、配列番号5のアミノ酸1〜 198、またはその生物学的活性フラグメントを製造する方法であって、 (a)適当な宿主中においてNNT−1核酸分子によりコードされるポリペプ チドを発現する工程、および (b)ポリペプチドを単離する工程 を含んでなる方法を提供する。 本発明は、さらに抗NNT−1抗体を提供する。 図面の簡単な説明 図1は、ヒトNNT−1をコードするcDNAの核酸配列を示す(配列番号1 )。 図2は、NNT−1についてのヒトゲノムDNAの核酸配列を示す(配列番号 3)。 図3は、cDNA(配列番号2)から翻訳されるヒトNNT−1についてのア ミノ酸配列(配列番号1)を示す。最初の27のアミノ酸は、シグナルペプチド 配列を表し、NNT−1の成熟状態が、番号1で示されるロイシンにおいて開始 する。*は停 止コドンを示す。 図4は、ネズミNNT−1をコードするcDNAの核酸配列(配列番号4)を 示す。 図5は、cDNA(配列番号4)から翻訳されるネズミNNT−1についての アミノ酸配列(配列番号5)を示す。最初の27のアミノ酸は、シグナルペプチ ド配列を表し、ネズミNNT−1の成熟状態が、番号1で示されるロイシンにお いて開始する。*は停止コドンを示す。 図6は、NNT−1、IL−11(配列番号8)、IL−6(配列番号9)、 G−CSF(配列番号10)、カルジオトロフィン(cardiotrophi n)(配列番号11)、CNTF(配列番号12)、腫瘍放出因子(配列番号1 3)およびLIF(配列番号14)のアミノ酸配列の比較を示す。各々の場合に おいて、ヒト分子が比較される。 図7は、ヒトCNTFと比較した、ヒトNNT−1についてのニワトリ運動神 経活性アッセイの結果のグラフを示す。 図8は、ヒトCNTFと比較した、ヒトNNT−1についてのニワトリ交換神 経活性アッセイの結果のグラフを示す。 図9は、負の対照マウス(#22)からの正常脾臓を示す、 20倍対物レンズ,H&E染色。 図10は、リンパ組織が過形成(矢印)されているNNT−1トランスジェニ ックマウス(#62)からの脾臓を示す。 図11は、対照マウスからの正常肝臓を示す。10倍対物レンズ,H&E染色 。 図12は、洞様毛細血管(矢印)中および血管周囲にリンパ凝集体を有するN NT−1トランスジェニックマウス(#60)からの肝臓を示す。 図13は、NNT−1が血清SAA(p<0.001)を誘発したことを表す データを示す。1群当り5匹のマウスとした。 図14は、NNT−1が、血清(p<0.01)中のコルチコステロンのIL −1による誘発を強化し、またIL−1から独立してコルチコステロンの血清水 準を上昇(p<0.001)させたことを表すデータを示す。 図15は、NNT−1が、血清(p<0.001)中のIL−1またはIL− 6による誘発を強化したことを表すデータを示す。1群当り5匹のマウスとした 。 図16は、NNT−1が,血清TNF水準(p<0.001)のLPS誘発増 加を阻害したことを表すデータを示す。LPS 処理群においては10匹のマウス、他の群においては5匹のマウスとした。 図17は、NNT−1が、マウス(p<0.001)中の末梢リンパ節中の合 計(p<0.04)およびCD45陽性細胞の数を増加させたことを表すデータ を示す。 発明の詳細な説明 配列番号2および配列番号5のポリペプチドのようなNNT−1ポリペプチド 、および関連する生物学的活性ポリペプチドフラグメントならびにその誘導体が 本発明の範囲に含まれる。さらに、これらのポリペプチドをコードする核酸分子 、およびそのポリペプチドを調製する方法が本発明の範囲内に含まれる。 I. NNT−1タンパク/ポリペプチド、フラグメントおよびその誘導体 ここで用いられる「NNT−1タンパク」または「NNT−1ポリペプチド」 という用語は、NNT−1についてここで記載の特性を有するタンパクまたはポ リペプチドを意味する。NNT−1ポリペプチドは、例えば調製される方法に依 存してアミノ末端メチオニンを有してよいまたは有さなくてよい。例として、N NT−1タンパクまたはNNT−1ポリペプチドは以 下の(1)〜(3)を表す。 (1)以下のいずれかにおいて定義されるようなNNT−1核酸分子によりコー ドされるアミノ酸配列: (a)配列番号1の核酸分子、 (b)配列番号3の核酸分子、 (c)配列番号2のポリペプチドまたはその生物学的活性フラグメントをコー ドする核酸分子、 (d)配列番号2のポリペプチドに少なくとも70%同一のポリペプチドをコ ードする核酸分子、 (e)前記(a)〜(d)のいずれかにストリンジェント条件下にハイブリダ イズする核酸分子、および (f)前記(a)〜(e)のいずれかの相補体である核酸分子、および (a’)配列番号4の核酸分子、 (b’)配列番号5のポリペプチドまたはその生物学的活性フラグメントをコ ードする核酸分子、 (c’)配列番号5のポリペプチドに少なくとも70%同一のポリペプチドを コードする核酸分子、 (d’)前記(a’)〜(c’)のいずれかにストリンジェ ト条件下にハイブリダイズする核酸分子、および (e’)前記(a’)〜(d’)のいずれかの相補体である核酸分子、および (2)配列番号2または配列番号5のNNT−1ポリペプチドと比較して1また は2以上のアミノ酸置換、欠失および/または挿入を発生させることになるNN T−1遺伝子の天然産対立変異体、および/または (3)ここに提示されるような化学的変性誘導体ならびにその核酸および/また はアミノ酸配列変異体。 本発明の実施において用いられるNNT−1ポリペプチドは、天然産全長ポリ ペプチド、または切形(truncated)ポリペプチドもしくはペプチド( すなわち、「フラグメント」である)。 ポリペプチドは成熟形状である、または天然もしくは異質シグナルペプチドに 結合していてよい。例えば、ヒトおよびネズミNNT−1は、それぞれ配列番号 2および配列番号5のアミノ酸27〜1のシグナルペプチドを有する。 ポリペプチドまたはフラグメントは化学的に変性してよい、すなわち、以下に 記載のようにグリコシル化、リン酸化および /またはポリマーに結合してよく、また、どのように調製されたかに依存してア ミノ末端メチオニンを有してよい。さらに、ポリペプチドまたはフラグメントは 、天然産NNT−1ポリペプチドの変異体であってよい(すなわち、天然産NT T−1と比較して1または2以上のアミノ酸欠失、挿入および/または置換を含 んでよい)。 ここで用いられる「NNT−1フラグメント」という用語は、天然産NTT− 1タンパクの全長アミノ酸配列より小さなペプチドまたはポリペプチドを意味す るが、前述のNNT−1ポリペプチドまたはNNT−1タンパクに対して、定性 的に実質的類似の生物学的活性を有する。そのようなフラグメントは、アミノ末 端、カルボキシ末端または両者において切断されてよく、化学的に変性されてよ い。そのようなNNT−1フラグメントは、アミノ末端メチオニンを用いてまた は用いないで調製することができる。フラグメントの活性は、全長(成熟)NN T−1ポリペプチドより大きい、同じまたは小さくてよい。この明細書の実施例 部分に示されているような標準的活性アッセイにより測定すると、フラグメント の活性は、好ましくは全長ポリペプチドの活性の50%以上、より好ましくは6 5%以上、最 も好ましくは80%以上である。本発明の幾つかの例示フラグメントは、1〜2 0のアミノ酸がNNT−1ポリペプチドのC末端、N末端または両末端から除去 されたポリペプチドを含む。 ここで用いられる「NNT−1誘導体」または「NNT−1変異体」という用 語は、 (1)例えば、1種または2種以上のポリエチレングリコール分子、糖、リン 酸塩、または野生型NNT−1ポリペプチドに天然には結合していない他のその ような分子の付加により化学的に変性された、および/または (2)図3(ヒト)または図5(ネズミ)に示すNNT−1アミノ酸配列と比 較して1または2種以上の核酸またはアミノ酸配列置換、欠失および/または挿 入を含む NNT−1ポリペプチド、タンパクまたはフラグメントを意味する。 ここで用いられる「生物学的活性ポリペプチド」および「生物学的活性フラグ メント」という用語は、(a)ニューロン(例えば、運動ニューロンおよび/ま たは交換ニューロン)または(b)B細胞およびT細胞のような免疫細胞のため の成長因子として作用するNNT−1についての前述の記載に従うペプチ ドまたはポリペプチドを意味する。 活性アッセイにおいてそれ自体活性でないNNT−1のフラグメントおよび/ または誘導体は、生体外または生体内でのNNT−1受容体の調節物質(例えば 、抑制物質または刺激物質)として、またはNNT−1ポリペプチドへの抗体を 調製するために有用であり得る。 本発明のNNT−1のアミノ酸変異体は、配列番号2または配列番号5に好ま しくは少なくとも70%同一、より好ましくは少なくとも約80%同一、さらに より好ましくは少なくとも約90%同一である。 配列同一性%は、2つのポリペプチドのアミノ酸の位置の類似性を比較するた めに通常用いられる標準的方法により決めることができる。例として、BLAS TまたはFASTAのようなコンピュータープログラムを用いて、配列同一性% を決めるべき2つのポリペプチドが、それぞれのアミノ酸に最良に匹敵するよう に配列される(「匹敵範囲(matched span)」は一方または両方の 配列の全長、または一方または両方の配列の予め決められた部分を含み得る)。 各コンピュータープログラムは、「デフォルト」開口ペナルティおよび「デフォ ルト」 ギャップペナルティ、ならびにPAM250のようなスコアリングマトリクスを 有する。標準的スコアリングマトリクス(Dayhoffら著、Atlas o f Protein Sequence and Structure、第5巻 、補遺3[1978年版])を、コンピュータープログラムと共に用いることが できる。次に、同一性%を、以下のようなFASTAのようなプログラムにおい て含まれるアルゴリズムを用いて計算することができる。 少なくとも70%同一のポリペプチドは、典型的に、野生型NNT−1と比較し て1種または2種以上のアミノ酸置換、欠失および/または挿入を有する。通常 、置換は、タンパクの全実効電荷、極性または疎水性に殆どまたは全く影響がな いように保存的であるが、任意にNNT−1の活性を増加させてよい。保存的置 換を下記表Iに示す。 表I 保存的アミノ酸置換 塩基性: アルギニン リシン ヒスチジン 酸性: グルタミン酸 アスパラギン酸 極性: グルタミン アスパラギン 疎水性: ロイシン イソロイシン バリン 芳香族: フェニルアラニン トリプトファン チロシン 小: グリシン アラニン セリン トレオニン メチオニン 本発明は、NNT−1の種同族体も含み、例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラッ ト、サル、ウマ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ等のような哺乳動物種からのNN T−1同族体がヒトに加えて考えられる。ネズミcDNAおよびタンパクの配列 が、配列番号4および5として提供される。 本発明は、さらに、もう1つのポリペプチドの全てまたは一部に結合している NNT−1のようなキメラポリペプチドを含む。好ましくは、キメラポリペプチ ドは、BDNF、GDNF、NT−3、NT−4、NT−5、NT−6等のよう なもう1つの神経栄養因子の全てまたは一部に結合しているNNT−1を含む。 ポリペプチドは、N−C末端、C−C末端、またはN−N末端に結合してよい。 II. 核酸 ここで用いられる「NNT−1」という用語は、核酸分子を表すために用いら れる場合、前述のように核酸分子またはそのフラグメントを意味する。 「ストリンジェント条件」という用語は、オリゴヌクレオチドまたはcDNA 分子プローブのような核酸分子を、同族性の高い配列に結合させるだけの条件下 におけるハイブリダイズおよび洗浄を意味する。1つのストリンジェント洗浄溶 液は、55℃〜65℃の温度で用いられる0.015M NaCl、0.005 M クエン酸Naおよび0.1%SDSである。もう1つのストリンジェント洗 浄溶液は、50℃〜65℃の温度で用いられる0.2 XSSCおよび0.1% SDSである。cDNAまたはゲノムラ イブラリーをスクリーンするためにオリゴヌクレオチドプローブを用いる場合、 以下のストリンジェント洗浄条件を用いることができる。1つのプロトコールは 、オリゴヌタレオチドプローブの長さに依存して、35℃〜62℃の温度で6× SSCと0.05%ピロリン酸ナトリウムを用いる。例えば、14塩基対プロー ブを35℃〜40℃で洗浄し、17塩基対プローブを45℃〜50℃で洗浄し、 20塩基対プローブを52℃〜57℃で洗浄し、23塩基対プローブを57℃〜 63℃で洗浄する。背景の非特異的結合が高いと思われるとき、温度を2〜3℃ 上げることができる。第2のプロトコールは、オリゴヌクレオチドプローブを洗 浄するために塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)を利用する。1つのス トリンジェント洗浄溶液は、3M TMAC、50mM Tris−HCl,p H8.0、および0.2%SDSである。この溶液を用いる洗浄温度は、プロー ブの長さの関数である。例えば、17塩基対を約45〜50℃で洗浄する。 活性アッセイにおいて活性であるポリペプチドをそれ自体がコードしないNN T−1核酸分子、フラグメントおよび/または誘導体は、哺乳動物組織または体 液サンプル中におけるNNT− 1DNAまたはRNAの存在について、定性的または定量的に試験するための診 断アッセイにおけるハイブリダイズプローブとして有用であり得る。 ここに記載のように、天然または異質シグナルペプチドにおよび/またはキメ ラポリペプチドに結合したNNT−1ポリペプチドをコードするNNT−1核酸 分子も、本発明の範囲に含まれる。 III. NNT−1ポリペプチドを調製するための方法 A. 組換え方法 Sambrookらにより開示(MolecularCloning:A L aboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,コールド・スプリング・ハーバー、ニュー ヨーク[1989年版])および/またはAusubelらが編集(Curre nt Protocols in MolecularBiology,Gre en Publishers Inc.and Wiley and Sons ,ニューヨーク[1994年版])しているような良く知られた組換えDNA技 術を用いて、全長NNT−1ポリペプチドまたはそのフラグメントを調 製することができる。NNT−1タンパクまたはそのフラグメントをコードする 遺伝子またはcDNAは、例えば、ゲノムまたはcDNAライブラリーをスクリ ーニングすることにより、またはPCR増幅により得ることができる。また、N NT−1ポリペプチドまたはフラグメントをコードする遺伝子を、Engelら により記載(Angew.Chem.Intl.Ed.,第28巻、716〜7 34頁[1989年版])されているような当業者に良く知られている方法を用 いて化学的合成により調製することがてきる。これらの方法は、特に、核酸合成 のためのリン酸トリエステル、ホスホルアミダイトおよびH−ホスホネート法を 含む。そのような化学的合成のために好ましい方法は、標準的ホスホルアミダイ ト化学を用いるポリマー支持合成である。典型的に、NNT−1ポリペプチドを コードするDNAは、数百ヌクレオチドの長さである。これらの方法を用いて、 約100ヌクレオチドより大きな核酸を複数のフラグメントとして合成すること ができる。次に、フラグメントを一緒に結合して全長NNT−1ポリペプチドを 形成することができる。通常、ポリペプチドのアミノ末端をコードするDNAフ ラグメントは、メチオニン残基をコードするATGを有する。 このメチオニンは、宿主細胞内で生成されたポリペプチドがその細胞から分泌さ れるかどうかによって、NNT−1ポリペプチドの成熟形状の上に存在または存 在しなくてよい。 ある場合には、天然産NNT−1の核酸および/またはアミノ酸変異体を調製 することが望ましいことがある。核酸変異体(1種または2種以上のヌクレオチ ドが、野生型すなわち天然産NNT−1と異なるように設計される)を、特定部 位突然変異誘発、またはプライマーが所望の点突然変異を有するPCR増幅を用 いて生成することができる(Sambrookら、前記、およびAusubel ら、前記、を参照)。そのような変異体を調製するために、前記Engelらに より記載の方法を用いる化学的合成を用いることもできる。当業者に知られてい る他の方法も用いることができる。好ましい核酸変異体は、NTT−1の生成の ために用いられるべき宿主細胞中のコドン選択性の説明となる核酸置換を含むも のである。他の好ましい変異体は、野生型と比較して前述したような保存性アミ ノ酸変化(例えば、天然産アミノ酸側鎖の電荷または極性が、異なるアミノ酸と の置換により実質的に変化しない)をコードするもの、および/または、NNT −1上に新規グリコシル化および /またはリン酸化部位を生成するように設計されたものまたはNNT−1上に存 在するグリコシル化および/またはリン酸化部位を欠失させるように設計された ものである。 NNT−1遺伝子またはcDNAは、宿主細胞内における発現のための適当な 発現ベクター中に挿入することができる。ベクターは、用いられる特別の宿主細 胞内において機能的であるように選択される(すなわち、ベクターが、NNT− 1遺伝子の増幅および/または遺伝子の発現が起こり得るように宿主細胞加工に 適合性がある)。NNT−1ポリペプチドまたはそのフラグメントは、原核細胞 、酵母、昆虫(バキュロウイルス系)および/または真核宿主細胞内において増 幅/発現することができる。宿主細胞の選択は、NNT−1ポリペプチドまたは そのフラグメントがグリコシル化されるかどうかに少なくとも部分的に依存する 。その場合、酵母、昆虫または哺乳動物宿主細胞が好ましく、酵母細胞はポリペ プチドをグリコシル化し、昆虫および哺乳動物細胞は、NNT−1ポリペプチド 上において自然に発生するときのポリペプチドをグリコシル化および/またはリ ン酸化(すなわち、「天然」グリコシル化および/またはリン酸化)することが できる。 典型的に、いかなる宿主細胞内において用いられるベクターも、5’側面配列 (flanking sequence)(「プロモーター」とも呼ばれる)およ びエンハンサーのような他の調節要素、複製要素の起源、翻訳停止要素、供与体 および受容体スプライス部位を含む完全イントロン配列、シグナルペプチド配列 、リボソーム結合部位要素、ポリアデニル化配列、発現すべきポリペプチドをコ ードする核酸を挿入するためのポリリンカー領域、および選択し得るマーカー要 素を含む。これらの要素の各々は、以下に説明する。任意に、ベクターは、「タ グ」配列、すなわちpolyHis(例えばHexaHis)をコードするNN T−1コード配列、またはもう1つの小さな免疫原性配列の5’または3’末端 に配置されたオリゴヌクレオチド配列を含み得る。このタグはタンパク質に沿っ て発現され、宿主細胞からのNNT−1ポリペプチドの精製のために親和性タグ として作用することができる。任意に、続いてタグを、精製されたNNT−1ポ リペプチドから、例えば選択されたペプチダーゼを用いるような種々の手段によ り除去することができる。 5’側面配列は、相同(すなわち、宿主細胞と同じ種および /または菌株から)、非相同(すなわち、宿主細胞種または菌株以外の種から) 、雑種(すなわち、2以上の発生源からの5’側面配列の組み合わせ)、合成で あってよく、または天然NNT−1 5’側面配列であってよい。そのようなも のとして、5’側面配列の発生源は、任意の単細胞原核または真核有機体、任意 の脊椎または非脊椎有機体、または任意の植物であり得るが、但し5’側面配列 は、宿主細胞加工において機能的でありかつ活性化され得る。 本発明のベクターにおいて有用な5’側面配列は、当該分野で良く知られてい る幾つかの方法のいずれかにより得ることができる。典型的に、NNT−15’ 側面配列以外のここで有用な5’側面配列は、マッピングによりおよび/または 制限エンドヌクレアーゼ消化により既に同定されており、適切な制限エンドヌク レアーゼを用いる適当な組織源から単離することができる。ある場合には、5’ 側面配列の全長ヌクレオチド配列は知られていることがある。ここで、5’側面 配列は、核酸合成またはクローニングについて前述されている方法を用いて合成 することができる。 5’側面配列の全てまたは一部のみが知られている場合、こ れは、PCRを用いることにより、および/または、適当なオリゴヌクレオチド および/または同じもしくはもう1つの種からの5’側面配列フラグメントを用 いてゲノムライブラリーをスクリーニングすることにより得ることができる。 5’側面配列が知られていない場合、5’側面配列を含むDNAのフラグメン トを、例えばコード配列または別の遺伝子さえ含み得るDNAの大きな断片から 単離することができる。 単離は、適当なDNAフラグメントを単離するために注意深く選択された1種ま たは2種以上の酵素を用いる制限エンドヌクレアーゼ消化により達成することが できる。消化後、所望のフ は当業者に知られている他の方法により単離することができる。この目的を達成 するための適当な酵素の選択は、当業者に容易に理解される。 複製要素の起源は、典型的には、市販の原核発現ベクターの一部であり、宿主 細胞内でのベクターの増幅を補助する。ベクターの特定コピー数までの増幅は、 ある場合には、NNT−1ポリペプチドの最適発現に重要であり得る。選択され るベクターが複製部位の起源を含まない場合、それを既知の配列に基づ いて化学的に合成し、ベクター内に結合することができる。 転写終結要素は、典型的にNNT−1ポリペプチドコード配列の末端の3’に 位置し、NNT−1ポリペプチドの転写を終結するように作用する。通常、原核 細胞内の転写終結要素は、polyT配列が続くG−C富含フラグメントである 。要素は、容易にライブラリーからクローンされる、またはベタターの一部とし て市販さえされているが、前述のような核酸合成のための方法を用いて容易に合 成することもできる。 選択可能なマーカー遺伝子要素は、選択的培地中で成長した宿主細胞の生存お よび成長に必要なタンパク質をコードする。典型的な選択マーカー遺伝子は、( a)原核宿主細胞についての抗体または他の毒素、例えばアンピシリン、テトラ サイクリン、またはカナマイシンに抵抗を与える、(b)細胞の栄養要求欠損を 補う、または(c)複合培地から得られない重要栄養を供給するタンパク質をコ ードする。好ましい選択性マーカーは、カナマイシン抵抗遺伝子、アンピシリン 抵抗遺伝子、およびテトラサイクリン抵抗遺伝子である。 一般的にシャイン−ダルガルノ配列(原核物質)またはコザク配列(真核物質 )と呼ばれるリボソーム結合要素は、mRNA の翻訳開始に必要である。要素は、典型的に、合成すべきNNT−1ポリペプチ ドのプロモーターに対して3’の位置でコード配列に対して5’の位置に配され る。シャイン−ダルガルノ配列は変化するが、典型的にはポリプリンである(す なわち、高A−G含量を有する)。多くのシャイン−ダルガルノ配列が同定され ており、その各々が前述の方法を用いて容易に合成され、原核ベクターにおいて 用いることができる。 NNT−1が宿主細胞から分泌されることが望ましい場合、それが合成された 宿主細胞からNNT−1ポリペプチドを導き出すためにシグナル配列を用いるこ とができ、膜固着を防止するためにタンパク質のカルボキシ末端部分が欠失され 得る。典型的には、シグナル配列は、NNT−1核酸配列のコード領域内に配置 される、またはNNT−1コード領域の5’末端に直接配置される。多くのシグ ナル配列が同定されており、選択された宿主細胞内において機能的である任意の ものをNNT−1遺伝子と一緒に用いることができる。従って、シグナル配列は NNT−1ポリペプチドに相同または非相同であり得、NNT−1ポリペプチド に相同または非相同であり得る。さらに、シグナル配列は、前述の方法を用いて 化学的に合成することがで きる。大部分の場合、シグナルペプチドの存在を介しての宿主細胞からのポリペ プチドの分泌により、ポリペプチドからアミノ末端メチオニンが除去される。N NT−1ポリペプチドの発現および分泌を行うために有用な分泌配列の例は、t PAリーダー配列(例えば、Ricklesら著,J.Biol.Chem.第 263巻,1563〜1560頁[1988年版]およびFengら著,J.B iol.Chem.第265巻:2022〜2027頁[1990年版]を参照 )、EPOリーダー配列およびカルジオトロフィンリーダー配列から選択される 。 多くの場合、NNT−1ポリペプチドの転写は、ベクター上の1種または2種 以上のイントロンの存在により増加し;これは、特に、NNT−1が、真核宿主 細胞、特に哺乳動物宿主細胞内で生成されるときにあてはまる。使用されるイン トロンは、特に用いられるNNT−1配列が全長ゲノム配列またはそのフラグメ ントである場合、NNT−1核酸配列内に天然に発生し得る。イントロンがNN T−1DNA配列内で天然に発生しない場合(大部分のcDNAのように)、イ ントロンは別の源から得ることができる。イントロンは効果的に転写されなくて はならないので、5’側面配列およびNNT−1コード配列に対 するイントロンの位置が重要である。そのようであるので、NNT−1核酸配列 がcDNA配列の場合、イントロンについて好ましい位置は転写開始位置に対し て3’、およびpolyA転写終結配列に対して5’である。NNT−1cDN Aについて好ましくは、イントロンは、NNT−1コード配列の一方または他方 (すなわち、5’または3’)に位置して、それによりこのコード配列を妨害し ない。任意のウイルス、原核および真核(植物または動物)有機体を含む任意の 源からの任意のイントロンを本発明の実施に用いることができるが、但し、それ が挿入される宿主細胞と適合性を有するものとする。ここで、合成イントロンも 含まれる。任意に、ベクター内に2種以上のイントロンを用いることができる。 用いられるベクター中に前述の1種または2種以上の要素が予め存在しない場 合、それらは個々に得られ、ベクター内に結合することができる。要素の各々を 得るために用いられる方法は、当業者に良く知られており、前述の方法(すなわ ち、DNAの合成、ライブラリーのスクリーニング等)に匹敵する。 本発明の実施に用いられる最終ベクターは、典型的に、市販のベクターのよう な開始ベクターから構築される。そのような ベクターは、完成されたベクター中に含まれるべき要素の要素の一部を含んでよ くも、含まなくてもよい。所望の要素が出発ベクター中に含まれない場合、結合 すべき要素の末端およびベクターの末端が結合に適するように適当な制限エンド ヌクレーゼを用いてベクターを切断することにより各要素を個々にベクター内に 結合させることができる。ある場合には、満足できる結合を得るために結合すべ き末端を平滑化(blunt)することが必要な場合がある。平滑化は、全部で 4つのヌクレオチドの存在下にクレノウDNAポリメラーゼまたはT4DNAポ リメラーゼを用いて最初に突出末端(sticky end)を埋めることによ り達成される。この手順は、当該分野において良く知られており、例えばSam brookらの前記文献に記載されている。 また、ベクター内に挿入すべき要素の2種以上を、まず結合して一緒にし(そ れらが互いに隣接して位置する場合)、次にベクター内に結合してもよい。 ベクターを構築する1つの他の方法は、1つの反応混合物中において種々の要 素の全ての結合を同時に行うことである。ここで、多くのナンセンスまたは非機 能的ベクターが、要素の不 適当な結合または挿入により生成されるが、機能的ベクターは制限エンドヌクレ アーゼ消化により同定および選択することができる。 本発明を実施するのに好ましいベクターは、細菌、昆虫および/または哺乳動 物宿主細胞と適合性のあるベクターである。 そのようなベクターは、特に、pCRII(Invitrogen Compa ny製,サンディエゴ,カリフォルニア州)、pBSII(stratagen e Company製,ラジョラ,カリフォルニア州)およびpETL(Blu eBacII;Invitrogen製)。 ベクターを組み立てNNT−1核酸をベクターの適当な部位に挿入した後、完 成されたベクターを、増幅および/またはNNT−1ポリペプチド発現のために 適当な宿主細胞内に挿入することができる。 宿主細胞は、原核宿主細胞(例えば、E.coli)または真核宿主細胞(例 えば、酵母細胞、昆虫細胞または脊椎動物細胞)であってよい。宿主細胞は、適 当な条件下で培養した場合、NNT−1タンパク質を合成することができ、NN T−1タンパク質は続いて培地から(宿主細胞がそれを培地内に分泌する 場合)またはそれを生成する宿主細胞から直接(分泌しない場合)収集され得る 。収集後、NNT−1タンパク質を、分子篩クロマトグラフィーおよび親和性ク ロマトグラフィー等のような方法を用いて精製することができる。 宿主細胞の選択は、NNT−1タンパク質がグリコシル化されるかリン酸化さ れるか(この場合、真核宿主細胞が好ましい)に、および生物学的活性タンパク 質が細胞により調製されるように宿主細胞がタンパク質をその固有の3次構造( 例えば、ジスルフィド橋の適当な配向)内に折り込み得る方法に部分的に依存す る。しかしながら、宿主細胞が生物学的活性NNT−1を合成しない場合、NN T−1は、以下に記載の適当な化学的条件を用いて合成した後に“折り込まれ” 得る。 適当な細胞または細胞系は、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)また は3T3細胞のような哺乳動物細胞であり得る。適当な哺乳動物宿主細胞の選択 、および形質転換、培養、増幅、スクリーニングおよび生成物の生成および精製 の方法は当該分野において知られている。他の適当な哺乳動物細胞系は、サルC OS−1およびCOS−7細胞系、およびCV−1細胞系である。哺乳動物宿主 細胞のさらなる例は、形質転換した細 胞系を含む霊長類細胞系およびげっ歯類細胞系を含む。正常な2倍体細胞、一次 組織の生体外培地から誘導される細胞菌株、および一次外植体も好適である。使 用され得る細胞は、選択遺伝子において遺伝子型的に欠損、または主に作用して いる選択遺伝子を含み得る。他の適当な哺乳動物細胞系は、HeLa、マウスL −929細胞、Swissから誘導される3T3系、Balb−cまたはNIH マウス、BHKまたはHaKハムスター細胞系を含むが、これらに限定されない 。 本発明に好適な宿主細胞として同様に有用なものは、細菌細胞である。例えば 、E.coliの種々の菌株(例えば、HB101、DH5α、DH10および MC1061)は、バイオテクノロジーの分野において宿主細胞として良く知ら れている。B.subtilis、Pseudomonas spp.、他のB acillus spp.、Streptomyces spp.等の種々の菌 株もこの方法において用いることができる。 当業者に知られている酵母細胞の多くの菌株も、本発明のポリペプチドの発現 のための宿主細胞として利用することができる。さらに、要すれば、本発明の方 法において宿主細胞 として昆虫細胞を利用することができる(Millerら著、Genetic Engineering第8巻:277〜298頁[1986年版])。 選択された宿主細胞内へのベクターの挿入(「形質転換」または「トランスフ ェクション」とも呼ばれる)は、塩化カルシウム、電気穿孔、マイクロインジェ クション、リポフェクションまたはDEAEデキストラン法のような方法を用い て達成することができる。選択される方法は、部分的に、使用すべき宿主細胞の タイプの関数である。これらの方法および他の適当な方法は、当業者に良く知ら れており、例えはSambrookらの前記文献に記載されている。 ベクターを含む宿主細胞(すなわち、形質転換またはトランスフェクションさ れたもの)は、当業者に良く知られている標準的培地を用いて培養することがで きる。培地は、通常、細胞の成長および生存に必要な全ての栄養を含む。E.c oli細胞を培養するために適当な培地は、例えば、Luria Broth( LB)および/またはTerrific Broth(TB)である。真核細胞 を培養するために適当な培地は、RPMI1640、MEM、DMEMであり、 その全てが、要すれば、 培養すべき特定の細胞系により血清および/または成長因子を補足することがで きる。昆虫培地のために適当な培地は、要すればイーストレート(yeasto late)、ラクトアルブミン加水分解産物および/またはウシ胎児血清を補足 したGrace’s培地である。 典型的には、形質転換細胞の選択的成長に有用な抗体または他の化合物のみを 補足として培地に添加する。使用すべき化合物は、それを用いて宿主細胞を形質 転換したプラスミド上に存在する選択可能なマーカー要素により誘導される。例 えば、選択可能なマーカー要素がカナマイシン抵抗性である場合、培地に添加さ れる化合物はカナマイシンである。 宿主細胞内で生成されるNNT−1ポリペプチドの量は、当該分野において知 られている標準的方法を用いて評価することができる。そのような方法は、制限 はされないが、ウエスタンブロット分析、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気 泳動、非変性ゲル電気泳動、HPLC分離、免疫沈降、および/または、DNA 結合ゲルシフトアッセイのような活性アッセイを含む。 NNT−1ポリペプチドが宿主細胞から分泌されるように設計されている場合 、細胞培地内において大部分のポリペプチド を見つけることができる。このように調製されたポリペプチドは、典型的に、ア ミノ末端メチオニンを有さない。何故なら、それは細胞からの分泌中に除去され るからである。しかしながら、NNT−1ポリペプチドが宿主細胞から分泌され ない場合、それは、細胞質(真核生物グラム陽性細菌、および昆虫宿主細胞につ いて)中、または周辺質(グラム陰性細菌宿主細胞について)中に存在し、アミ ノ末端メチオニンを有し得る。 細胞内NNT−1タンパク質について、宿主細胞は典型的には最初に機械的ま たは浸透圧により破壊されて細胞質内容物を緩衝溶液中に放出する。次に、NN T−1ポリペプチドをこの溶液から単離することができる。 溶液からのNNT−1ポリペプチドの精製は、種々の技術を用いて達成するこ とができる。カルボキシルまたはアミノ末端にヘキサヒスチジン(NNT−1/ hexaHis)または他の小さなペプチドのようなのようなタグを含むように ポリペプチドを合成した場合、これは、カラムマトリクスがタグにまたは直接ポ リペプチドに高い親和性を有する親和性カラムを通して溶液を通過させることに より一段階プロセスにおいて実質的に精製することができる(NNT−1を特異 的に認識するモノ クローナル抗体)。例えば、ポリヒスチジンは、大きな親和性で特異的にニッケ ルに結合する、すなわちニッケルの親和性カラム(例えばQiagenニッケル カラム)を、NNT−1/polyHisの精製のために用いることができる( 例えば、Ausubelら編,Current ProtocoTs in M olecular Biology,セクション10.11.8,John W iley & Sons,ニューヨーク[1993年版]を参照)。 NNT−1ポリペプチドがタグを有さず抗体が得られない場合、精製のための 他の良く知られている手順を用いることができる。そのような手順は、限定はさ れないが、イオン交換クロマトグラフィー、分子篩クロマトグラフィー、HPL C、ゲル溶出と組み合わされた天然ゲル電気泳動、および分取等電点電気泳動( 「Isoprime」機構/技術、Hoefer Scientific製)を 含む。ある場合には、これらの技術の2つ以上を組み合わせて高い純度を達成す ることができる。 精製のための好ましい方法は、ポリヒスチジン標識法、および分取等電点電気泳 動と組み合わされたイオン交換クロマトグラフィーを含む。 NNT−1ポリペプチドが主に細菌の周辺質空間または真核細胞の細胞質中に 見つかることが予想されるなら、加工されたポリペプチドがそのような複合体を 形成する場合の封入体(例えば、グラム陰性細菌)を含む周辺質または細胞質の 内容物は、当業者に知られている標準的技術を用いて宿主細胞から抽出すること ができる。例えば、宿主細胞を、フレンチプレス、均質化および/または音波破 砕により破壊して周辺質の内容物を放出させることができる。次に、均質物を遠 心分離することができる。 NNT−1ポリペプチドが周辺質中に封入体を形成する場台、封入体は内側お よび/または外側細胞膜に結合し得ることが多く、主に遠心分離後にペレット材 料中に見つかる。次に、封入体を放出、破壊分離および可溶化するために、ペレ ット材料を、グアニジンまたは尿素のようなカオトロピック剤で処理することが できる。ここで可溶状態になったNNT−1ポリペプチドを、次に、ゲル電気泳 動または免疫沈降等を用いて分析することができる。NNT−1ポリペプチドを 単離することが望まれる場合、単離は、以下に記載およびMarstonらの文 献(Meth.Enz.,第182巻:264〜275頁 [1990年版])に記載のような標準的方法を用いて達成することができる。 宿主細胞の周辺質内にNNT−1ポリペプチド封入体が有意な程度に形成され ない場合、細胞均質物の遠心分離後に主に上澄液中で見つかり、以下に記載のよ うな方法を用いて上澄液からNNT−1ポリペプチドを単離することができる。 NNT−1ポリペプチドを部分的または完全に単離することが好ましい状況に おいて、精製は、当業者に良く知られている標準的方法を用いて達成することが できる。そのような方法は、限定はされないが、電気泳動による分離およびその 後の電気溶出、種々のタイプのクロマトグラフィー(免疫親和性、分子篩および /またはイオン交換)、および/または高圧液体クロマトグラフィーを含む。あ る場合には、完全に精製するためにこれらの方法の2種以上を用いることが好ま しい。 B. 化学的合成法 組換えDNA技術を用いるNNT−1ポリペプチドの調製および精製に加えて 、Merrifieldらの文献(J.Am.Chem.Soc.,第85巻: 2149頁[1964年版])、Houghtenらの文献(Proc Nat l Acad. Sci.USA,第82巻:5132頁[1985年版])ならびにStewa rtおよびYoungの文献(Solid Phase Peptide Sy nthesis,Pierce Chem Co,ロックフォード,イリノイ州 [1984年版])により提示されるような当該分野で知られている方法を用い る化学的合成方法(例えば、固相ペプチド合成)によりNNT−1ポリペプチド 、フラグメントおよび/またはその誘導体を調製することができる。そのような ポリペプチドは、アミノ末端上のメチオニンを用いてまたは用いないで合成する ことができる。化学的に合成されたNNT−1ポリペプチドまたはフラグメント を、ジスルフィド橋を形成するための参考文献に提示されている方法を用いて酸 化することができる。NNT−1ポリペプチドまたはフラグメントを、治療およ び免疫プロセスにおいて天然の精製NNT−1ポリペプチドのための生物学的活 性または免疫代替物として用いることができる。 IV. 化学的に変性されたNNT−1誘導体 NNT−1ポリペプチドがポリマーに結合(「NNT−1−ポリマー」)され た化学的変性NNT−1組成物(すなわち「誘導体」)が、本発明の範囲に含ま れる。選択されるポリマーは、 典型的には、それが結合するタンパク質が生理学的環境のような水生環境中にお いて沈殿しないように水溶性である。選択されるポリマーは、通常、アシル化の ための活性エステルまたはアルキル化のためのアルデヒドのような単一の反応性 基を有するように変性され、それにより重合度が、本方法において提供されるよ うに制御され得る。ポリマーは任意の分子量であってよく、分岐でも非分岐でも よい。ポリマーの混合物が、NNT−1−ポリマーの範囲に含まれる。好ましく は、最終生成物製剤の治療的用途において、このポリマーは薬学的に許容できる 。 水溶性ポリマーまたはその混合物は、例えば、ポリエチレングリコール(PE G)、モノメトキシポリエチレングリコール、デキストラン、セルロース、また は他の炭水化物系ポリマー、ポリ(N−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコ ール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレン オキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)お よびポリビニルアルコールからなる群より選択することができる。 アシル化反応のために、選択されるポリマーは、単一の反応性エステル基を有 すべきである。還元性アルキル化のために、 選択されるポリマーは単一の反応性アルデヒド基を有すべきである。好ましい反 応性アルデヒドは、水安定性のポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、 またはそのモノC1〜C10アルコキシまたはアリーロキシ誘導体である(米国 特許第5,252,714号を参照)である。 NNT−1のペギレーション(pegylation)は、例えば以下の引例 に記載のような当該分野で知られている任意のペギレーション反応により行うこ とができる:Focuson Growth Factors第3巻:4〜10 頁(1992年版);EPO 154 316;およびEP0401 384。 好ましくは、ペギレーションは、以下に記載のように反応性ポリエチレングリコ ール分子(または、類似の反応性水溶性ポリマー)を用いるアシル化反応または アルキル化反応により行われる。 アシル化によるペギレーションは、通常、ポリエチレングリコール(PEG) の活性エステル誘導体とNNT−1タンパク質との反応を含む。既知のまたは続 いて発見された反応性PEG分子を、NNT−1のペギレーションを行うために 用いることができる。好ましい活性化PEGエステルは、N−ヒドロキシ スクシンイミド(「NHS」)にエステル化されたPEGである。ここで用いら れる「アシル化」という用語は、限定はされないが、Bioconjugate Chem.第5巻:133〜140頁(1994年版)に記載のようにPEG のような水溶性ポリマーとNNT−1との間の以下の種類の結合:アミド、カル バメートおよびウレタン等を含むと考えられる。反応条件はペギレーション技術 において知られているものまたはその後に開発されたものから選択することがで きるが、但し、変性すべきNNT−1種を不活性化する温度、溶媒およびpHの ような条件は避けるものとする。 アシル化によるペギレーションは、通常、リシンε−アミノ基がアシル結合基 を介してペギル化されているポリペキル化NNT−1生成物を発生させる。好ま しくは、結合はアミド結合である。また、得られる生成物の少なくとも約95% がモノ、ジまたはトリペギル化されていることも好ましい。しかしながら、ペギ ル化度が高い一部の種(NNT−1のリシンε−アミノ酸基+NNT−1のアミ ノ末端における1つのアミノ基の最大数まで)は、通常、用いられる特定の反応 条件に依存する量で形成される。要すれば、特に透析、塩析、限外濾過、イオン 交換 クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーおよび電気泳動を含む標準的 精製技術により混合物、特に未反応種から、より精製されたペギル化種を分離す ることができる。 アルキル化によるペギレーションは、通常、PEGの末端アルデヒド誘導体を 、還元剤の存在下に、NNT−1のようなタンパク質と反応させることを含む。 ペギレーションの度合いに拘わらず、PEG基は、好ましくは、−CH2−NH −基を介してタンパク質に結合する。特に−CH2−基に注目して、このタイプ の結合はここで「アルキル」結合と呼ぶ。 モノペギル化生成物を製造するための還元的アルキル化を介する誘導は、NN T−1の誘導に利用できる異なるタイプの第1アミノ基の異なる反応性(リシン 対N−末端)を開発する。典型的には、タンパク質のリン酸残基のε−アミノ基 とN−末端残基のα−アミノ基との間のPKaの相違を利用できるようにするp H(以下参照)において反応が行われる。そのような選択的誘導により、アルデ ヒドのような反応性基を含む水溶性ポリマーのタンパク質への結合は制御され: ポリマーとの共役は、主に、リシン側鎖アミノ基のような他の反応性基を大幅に 変性されることなくタンパク質のN−末端において生じる。本 発明は、NNT−1−モノポリマータンパク質共役分子の実質的均質調製を提供 する(これは、NNT−1タンパク質の実質的に単一位置においてのみ(すなわ ち、少なくとも約95%の)ポリマー分子がNNT−1タンパク質に結合してい ることを意味する。)。より具体的には、ポリエチレングリコールを用いる場合 、本発明は、抗原性結合基を恐らく欠いていると共にNNT−1タンパク質に直 接結合しているポリエチレングリコール分子を有するペギル化NNT−1タンパ ク質も提供する。 ここで用いるのに特に好ましい水溶性ポリマーは、PEGと略称されるポリエ チレングリコールである。ここで用いられるポリエチレングリコールという用語 は、モノ(C1〜C10)アルコキシまたはアリーロキシポリエチレングリコー ルのような他のタンパク質を誘導するために用いられたPEGを任意の形状を含 むことを意味する。 通常、化学的誘導は、生物学的活性物質を活性化ポリマー分子に反応させるた めに用いられる任意の適当な条件下に行うことができる。ペギル化NNT−1を 調製する方法は、通常、(a)NNT−1が1種または2種以上のPEG基に結 合される条件下にNNT−1ポリペプチドをポリエチレングリコール(例え ば、PEGの反応性エステルまたはアルデヒド誘導体)と反応させる工程、およ び(b)反応生成物を得る工程を含む。通常、アシル化反応に最適の反応条件は 、既知のパラメーターおよび所望の結果に基づいて決められる。例えば、PEG :タンパク質の比が大きいほど、ポリペギル化生成物の割合が大きくなる。 モノポリマー/NNT−1タンパク質共役分子の実質的に均質集合を生成する ための還元性アルキル化は、通常、(a)前記NNT−1タンパク質のアミノ末 端におけるα−アミノ基を選択的に変性させるのに好適なpHにおいて、還元性 アルキル化条件下に、NNT−1タンパク質を反応性PEG分子を反応させる工 程;および(b)反応生成物を得る工程を含む。 モノポリマー/NNT−1タンパク質共役分子の実質的に均質の集合のために 、還元性アルキル化反応条件は、NNT−1のN−末端に水溶性ポリマー部分を 選択的に結合させる条件である。そのような反応条件は、通常、リシンアミノ基 とN−末端におけるα−アミノ基との間のPKaの相違を提供する(PKaは、ア ミノ基の50%がプロトン化され50%がプロトン化されないpHである)。p Hは、用いるべきタンパク質へのポリマーの比にも影響を与える。通常、pHが 低い場合、タンパク 質に対してかなり過剰のポリマーが望ましい(すなわち、N−末端α−アミノ基 の反応性がより低いと、最適条件の達成により多くのポリマーが必要とされる) 。pHがより高いと、ポリマー:タンパク質比は同様に大きい必要はない(すな わち、より反応性の基が利用できると、必要とされるポリマー分子がより少なく なる。)。本発明の目的のために、pHは、通常、3〜5、好ましくは4〜5の 範囲である。 もう1つの重要な考察は、ポリマーの分子量である。通常、ポリマーの分子量 がより高いと、タンパク質に結合し得るポリマー分子の数がより少なくなる。同 様に、これらのパラメーターを最適化する場合にはポリマーの分岐を考慮しなけ ればならない。通常、分子量がより高いと(または、より分岐していると)、ポ リマー:タンパク質比がより高い。通常、ここで考えられるペギル化反応におい て、好ましい平均分子量は約2kDa〜約100kDaである(「約」という用 語は、±1kDaを意味する)。好ましい平均分子量は約5kDa〜約50kD a、特に好ましくは約12kDa〜約25kDaである。NNT−1タンパク質 への水溶性ポリマーの比は、通常、1:1〜100:1、好ましくは(ポリペギ レーションには)1:1〜20:1、 および(モノペギレーションには)1:1〜5:1に及ぶ。 前述の条件を用いると、反応性アルキル化により、アミノ末端にα−アミノ基 を有するNNT−1タンパク質にポリマーが選択的に結合され、モノポリマー/ NNT−1タンパク質共役体が実質的に均質に調製される。「モノポリマー/N NT−1タンパク質共役体」という用語は、ここで、NNT−1タンパク質分子 に結合している単一ポリマー分子を含んでなる組成物を意味するために用いられ る。モノポリマー/NNT−1タンパク質共役体は、好ましくは、N−末端に位 置するポリマー分子を有するが、リシンアミノ側基上には有さない。調製は、好 ましくは、90%モノポリマー/NNT−1タンパク質共役体を超え、より好ま しくは、95%モノポリマー/NNT−1タンパク質共役体を超え、観察され得 る分子の残りは未反応である(すなわち、タンパク質がポリマー部分を欠く)。 以下の例は、少なくとも約90%のモノポリマー/タンパク質共役体および約1 0%の未反応タンパク質の調製を提供する。モノポリマー/タンパク質共役体は 、生物学的活性を有する。 本還元性アルキル化のためには、還元剤は、水溶液中で安定で、好ましくは、 還元性アルキル化の初期プロセスにおいて形 成されるシッフ塩基のみを還元できなくてはならない。好ましい還元剤は、ホウ 水素化ナトリウム、シアノホウ水素化ナトリウム、ジメチルアミンボラン、トリ メチルアミンボランおよびピリジンボランからなる群より選択され得る。特に好 ましい還元剤は、シアノホウ水素化ナトリウムである。 溶媒、反応時間および温度等の他の反応パラメーター、および生成物の精製手 段は、水溶性ポリマーを用いるタンパク質の誘導に関する公表された情報に基づ いて決めることができる。 ポリマー−NNT−1タンパク質共役分子の混合物は、前述のようなアシル化 および/またはアルキル化方法により調製することができ、その混合物に含まれ るモノポリマー/タンパク質共役体の割合を選択することができる。すなわち、 要すれば、結合する種々の数のポリマー分子(すなわち、ジ、トリ、テトラ等) と種々のタンパク質との混合物を調製し、本方法を用いて調製したモノポリマー /NNT−1淡白共役体材料と組み合わせることができる。 通常、本ポリマー/NNT−1の投与により緩和または調整することができる 条件は、通常、NNT−1分子のためにここに記載の条件を含む。しかしながら 、ここに開示のポリマー/ NNT−1は、非誘導分子と比較して、さらなる活性、向上または低下した活性 、または他の特性を有し得る。 V.組合せ NNT−1ポリペプチド類およびそのフラグメントは、化学的な改変が施され ているか否かにかかわらず、神経学的または免疫学的な系の異常を処置する際に 単独で用いることができ、あるいは他の薬学的組成物(例えば、神経栄養因子、 サイトカイン、インターフェロン、インターロイキン、増殖因子、抗生物質、抗 炎症剤、神経伝達物質受容体のアゴニストまたはアンタゴニスト、および/また は抗体など)と組み合わせて用いることができる。 VI.抗体 NNT−1ポリペプチド類、そのフラグメントおよび/または誘導体を使用し て、標準的な方法によって作製される抗体を調製することができる。従って、N NT−1ポリペプチド類と反応する抗体は、そのような抗体の反応性フラグメン トと同様に本発明の範囲内であると見なされる。抗体は、ポリクローナル、ポリ クローナル、組換え、キメラ、単鎖および/または二重特異性であり得る。抗体 またはそのフラグメントは、典型的 には、「ヒト化」される。すなわち、患者に投与されたとき、抗体に対する免疫 反応を防止または最小限にするように調製される。抗体フラグメントは、本発明 のNNT−1と反応し得る任意のフラグメント(Fab、Fab,など)であり得る 。ハイブリドーマもまた本発明によって提供される。ハイブリドーマは、選択さ れた哺乳動物に抗原としてNNT−1またはそのフラグメントを与え、その後公 知の技術によって、哺乳動物の細胞(例えば、脾臓細胞)をある種のガン細胞と融 合し、不死化した細胞株を得ることによって作製される。そのような細胞株、お よび本発明のヒトNNT−1ポリペプチドの全体またはその部分に対する抗体を 作製するために用いられる方法もまた、本発明に含まれる。 抗体を治療的に使用して、NNT−1がその受容体に結合することを阻害する ようにすることができる。抗体はさらに、標識された形態で、体液中のNNT− 1の存在を検出するなどのインビボおよびインビトロでの診断目的に使用するこ とができる。 VII.治療組成物およびその投与 本明細書中で使用される用語の「有効量」および「治療有効 量」は、上記NNT−1の1つまたは複数の生物学的活性を維持するのに必要な NNT−1の量をいう。 様々な神経学的な異常または疾患を処置するための治療組成物は本発明の範囲 に含まれる。そのような組成物は、治療有効量のNNT−1ポリペプチドまたは そのフラグメント(それらはいずれも化学的に改変されていてもよい)を薬学的 に許容しうるキャリアとの混合物で含み得る。キャリア物質は、注射用の水、好 ましくは哺乳動物に投与するための溶液において一般的な他の物質が補充された 水であり得る。NNT−1の治療化合物は、典型的には、精製されたNNT−1 ポリペプチドまたはフラグメント(それらは化学的に改変されていてもよい)を 、1つまたは複数の生理学的に許容しうるキャリア、賦形剤または希釈剤と一緒 に含む組成物の形態で投与される。中性に緩衝化された生理食塩水または血清ア ルブミンと混合された生理食塩水は、適切なキャリアの例である。製造物は、好 ましくは、適切な賦形剤(例えば、スクロース)を使用する凍結乾燥物として製 剤化される。他の標準的なキャリア、希釈剤および賦形剤を所望するように含む ことができる。代表的な組成物は、NaClをさらに含み得るpHが約4.0〜 4.5のクエン酸 緩衝液を含む。 NNT−1組成物は、非経口的に全身投与することができる。あるいは、組成 物は、静脈内または皮下に投与することができる。全身投与される場合、本発明 において使用される治療組成物は、パイロジェンを含まない許容しうる非経口用 水溶液の形態であり得る。そのような薬学的に許容しうるタンパク質溶液の調製 は、pH、等張性および安定性などを十分考慮することによって当業者の範囲に 含まれる。 本発明を実施するために有用なNNT−1組成物の治療処方物は、貯蔵するた めに、所望の純度を有する選択された組成物を、必要に応じて生理学的に許容し うるキャリア、賦形剤または安定化剤と混合することによって、凍結乾燥塊また は水溶液の形態で調製することができる(Remington’s Pharm aceutical Sciences、第18版、A.R.Gennaro編 、Mack Publishing Company[1990])。許容しう るキャリア、賦形剤または安定化剤は、受容者に対して非毒性であり、用いられ る投与量および濃度で不活性であることが好ましく、下記の物質が含まれる:リ ン酸塩、クエン酸または他の有機酸塩などの緩 衝剤;アスコルビン酸などの抗酸化剤;低分子量ポリペプチド;血清アルブミン 、ゼラチンまたは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなど の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリ ジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類および他の炭水化物(グルコース、マンノ ースまたはデキストリン類を含む);EDTAなどのキレート化剤;マンニトー ルまたはソルビトールなどの糖アルコール;ナトリウムなどの塩形成対イオン; および/または非イオン性界面活性剤(ツィーン(Tween)、プルロニック ス(Pluronics)類またはポリエチレングリコール(PEG)など)。 インビボ投与するために使用され得るNNT−1組成物は無菌でなければなら ない。これは、滅菌ろ過膜を通してろ過することによって容易に行われる。NN T−1組成物を凍結乾燥するとき、このような方法を使用する滅菌化は、凍結乾 燥および再構成の前またはその後のいずれかで行うことができる。非経口投与さ れる組成物は、通常、凍結乾燥形態あるいは溶液で貯蔵される。 治療組成物は、一般に、無菌の取り出し部を有する容器、例 えば、皮下注射針によって突き通すことができる栓を有する静脈内溶液バッグま たはバイアルの中に入れられる。 組成物の投与経路は、公知の方法(例えば、経口、静脈内経路、腹腔内経路、 大脳内(実質内)経路、脳室内経路、筋肉内経路、眼内経路、心房内経路または 病巣内経路による注射または注入)によるか、あるいは必要に応じてカテーテル の使用を含み得る持続放出システムまたは埋め込みデバイスによる。所望する場 合には、組成物は、注入、ボーラス注射により、あるいは埋め込みデバイスによ り連続的に投与することができる。その代わりあるいはさらに、NNT−1は、 移植によって局所的に、NNT−1ポリペプチドが吸収されている膜、スポンジ または他の適切な物質の罹患領域に投与することができる。 埋め込みデバイスを使用する場合、デバイスは、任意の適切な組織または器官 の中に、例えば、脳室または脳実質の中に埋め込むことができる。NNT−1の 送達は、ホーラスまたは連続的な投与、あるいは連続注入を使用するカテーテル によってデバイスから直接行うことができる。 NNT−1ポリペプチドは持続放出処方物または持続放出調製物で投与するこ とができる。持続放出処方物の適切な例とし て、成形された物品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態の半透 過性ポリマーマトリックスか挙げられる。持続放出マトリックスには、ポリエス テル、ハイドロゲル、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、欧州特 許第58,481号)、L−グルタミン酸とγ−エチル−L−グルタミンとのコ ポリマー(Sidmanら.、Biopolymers、22:547−556 [1983])、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(Langer ら.、J.Biomed.Mater.Res.、15:167−277[19 81]およびLanger、Chem.Tech.、12:98−105[19 82])、エチレンビニルアセテート(Langerら.、上記)、またはポリ −D(−)−3−ヒドロキシ酪酸(欧州特許第133,988号)が含まれる。 持続放出組成物にはまた、リポソームが含まれる。リポソームは、当該分野で公 知ないくつかの方法のいずれかによって調製することができる(例えば、ドイツ 国特許第3,218,121号;Epsteinら.、Proc.Natl.A cad.Sci.USA、82:3688−3692[1985];Hwang ら.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:4030−40 34[1980]; 欧州特許第52,322号;欧州特許第36,676号;欧州特許第88,04 6号;欧州特許第143,949号)。 場合によっては、NNT−1組成物をエクスビボ様式で、すなわち、患者から取 り出され、次いでその後患者に戻された細胞または組織を処置するために使用す ることが望ましいと考えられる。 他の場合においては、NNT−1は、NNT−1ポリペプチドを発現して分泌 するように遺伝子操作されたある種の細胞を患者に移植することによって送達す ることができる。そのような細胞は、動物またはヒトの細胞であってもよく、患 者自身の組織に由来し得るか、あるいは別の供給源(ヒトまたは非ヒトのいずれ か)に由来し得る。必要な場合には、細胞を不死化することができる。細胞は、 脳、副腎、あるいは患者の他の適切な身体組織または器官に移植することができ る。 ある種の状況においては、遺伝子治療法を使用して、いくつかの神経学的また は免疫学的な異常を患っている患者にNNT−1を投与することが望ましいと考 えられる。このような状況において、NNT−1またはそのフラグメントまたは その変化種をコードするゲノムDNA、cDNAおよび/または合成 DNAは、組成物が注射される組織において活性な構成的または誘導的なプロモ ーターに作動可能に連結することができる。このようなNNT−1構築物は、ベ クターに挿入されているかまたはベクターを用いずに単独で、脳または他の組織 (ニューロンまたは非ニューロンのいずれか)に直接注射することができる。 あるいは、NNT−1のDNA構築物は、NNT−1のDNAが筋肉組織にお いて活性なプロモーター(サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、ラウ ス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、または筋肉のクレアチンキナーゼプロ モーターなど)に作動可能に連結されている場合、NNT−1のDNA構築物が 細胞に取り込まれて細胞内で発現し得る筋肉組織に直接注射することができる。 DNA構築物は、典型的には、(NNT−1 DNAおよびプロモーターに加え て)、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、レトロウイルス ベクター、および/またはヘルペスウイルスベクターなどのベクターから得られ るベクター配列を含むことができる。ベクター/DNA構築物は、注射用の薬学 的に許容しうるキャリアと混合することができる。 治療的に用いることができるNNT−1組成物の有効量は、例えば、NNT− 1が使用されている適応症などの治療目的、投与経路および患者の状態に依存す る。従って、治療専門家は、最適な治療効果を得るために必要とされるように投 与の力価を測定し、投与経路を改変することが必要である。代表的な日用量は、 上記の要因に依存して、約0.1μg/kg〜10mg/kgあるいはそれ以上 の範囲であり得る。臨床医は、典型的には、所望の効果が達成される投与量に達 するまでNNT−1組成物を投与する。従って、NNT−1組成物は、単回用量 で、あるいは時間をかけて2回以上の用量(これは同じ量のNNT一1を含有し てもよいし、あるいは含有しなくてもよい)で、あるいは埋め込みデバイスまた はカテーテルによる連続的な注入として投与することができる。 研究をさらに行うと、様々な患者の様々な状態を処置するために必要な適切な 投与レベルに関する情報が得られる。当業者は、治療状況、処置されている異常 のタイプ、受容者の年齢および全身の健康状態を考慮して、適正な投与を決定す ることができる。 VIII.NNT−1で処置され得る状態 NNT−1タンパク質類、そのフラグメントおよび/または誘導体を利用して 、NNT−1の発現パターンの変化と関連し得るか、あるいはNNT−1または 抗NNT−1抗体に曝すことから利益を受け得る中枢神経系または末梢神経系の 疾患および異常を処置することができる。 NNT−1タンパク質および/またはそのフラグメントもしくは誘導体を使用 して、中枢神経系、自律神経系または末梢神経系の様々な細胞が、先天的な疾患 、外傷、機械的な損傷、手術、発作、虚血、感染、代謝性疾患、栄養不足、悪性 腫瘍、および/または毒性薬剤による変性および/または損傷を受けている患者 を処置することができる。より詳細には、NNT−1タンパク質のレベルを、下 記のような適用症に対して調節(アップレギュレーションまたはダウンレギュレ ーション)することができる:アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側 索硬化症、シャルコー−マリー−トゥース(Charcot−Marie−To oth)症候群、ハンチントン病、糖尿病または他の代謝異常によって誘導され る末梢神経障害、および/または神経網膜のジストロフィーまたは変性(色素性 網膜炎、薬物によって誘導される網膜障害、定常型の夜盲症、および進 行性錐体変性症など)など。NNT−1はまた免疫系細胞において発現している ので(下記の実施例Vを参照のこと)、免疫異常によって引き起こされる疾患を 処置することもまた有用であると考えられる。さらに、NNT−1はまた造血細 胞において発現しているので(下記の実施例Vを参照のこと)、造血系の異常に よって引き起こされる疾患を処置することもまた有用であると考えられる。 NNT−1タンパク質類に加えて、そのフラグメントおよび/または誘導体を 利用して、B細胞および/またはT細胞、好ましくは、B細胞を含む免疫学的な 系の疾患および異常を処置することができる。本明細書中の実施例IX〜実施例 XIに示すように、NNT−1は、B細胞の刺激活性を有し、そしてそれより小 さい程度ではあるがT細胞産生の刺激活性を有する。 いくつかの原発性の体液性免疫不全は、本発明の因子の潜在的な標的である。 いくらか稀ではあるが、このような疾患はすベて慢性であり、長期間の処置を必 要とする。第1のものは、分類不能型免疫不全すなわちCVIDである。これは 、循環しているB細胞のレベルがほぼ正常であることを特徴とするが、B細胞は 免疫グロブリン産生細胞に正しく分化する能力を喪失 している。CVIDのヒトは、再発性の細菌感染に罹りやすい。 NNT−1が標的とする別の疾患は、選択的なIgA欠損である。これはまた 、通常は肺、胃腸管および泌尿生殖管に限定される再発性の感染をもたらす。選 択的なIgA欠損は、人口中の有病率が0.03%〜0.97%の間であるこの ような疾患のよりありふれたものの1つである。 NNT−1が標的とする他の疾患には、様々な形態の低ガンマグロブリン血症 、X連鎖無低ガンマグロブリン血症、および/またはこれらの疾患の1つに関連 する状態(再発性感染、腎不全またはジアルジア鞭毛虫症など)が含まれる。C lin.Immunol.and Immunopath.、40(1):13− 24[1986]を参照のこと。 いくつかのワクチンに対する体液性免疫応答を高めることは、NNT−1ポリ ペプチド類に関する別の使用であると考えられる。例えば、経口ワクチンを投与 した後の抗体産生は十分でないことが多く、従って、限られた期間保護される。 ワクチン接種時の抗体産生を改善するためのアジュバントとしてNNT−1を使 用することが考えられる。 LPSによって誘導されるTNF−α産生の阻害におけるそ の能力のために、NNT−1は敗血症の処置において使用することができる。生 物学的応答改変剤に基づく多くのアプローチは、この重要な臨床的問題を解決す るために、何ら納得できるほど有効であることは明らかにされていないが、他の 候補となる治療が失敗した場合、NNT−1が成功し得る可能性は依然として存 在している。ジャリシュ−シュワルツマン(Jarish−Schwarzma nn)反応は、敗血症に類似し、厳密にはTNFの毒性作用の結果である臨床的 な状態である。抗TNF抗体の使用は、この状態の処置に対する臨床的に成功し たアプローチであることが明らかにされた。これは、NNT−1がその抗TNF 特性および抗炎症特性による臨床的な示し得る状態である。 IX.NNT−1阻害剤についてスクリーニングするためのアッセイ ある種の状況においては、NNT−1活性を阻害するか、またはそのレベルを 著しく低下させることは望ましいことであると考えられる。NNT−1活性を阻 害する化合物は、エクスビボ様式、あるいは局所注射もしくは静脈内注射による かまたは経口送達もしくは埋め込みデバイスなどによるインビボ様式の いずれかで投与することができる。下記のアッセイは、NNT−1活性を阻害し 得る化合物を同定するために有用な方法の例である。 理解しやすくするために、下記の定義を、アッセイを説明するために本明細書 中で使用する。 「試験分子」は、評価のもとで、典型的にはNNT−1とその受容体との相互 作用を阻止するその潜在的な能力による、NNT−1の阻害剤としての分子をい う。 NNT−1受容体は、例えば、標識された(例えば、ヨード化された)NNT −1を使用する発現クローニングによって単離することができる。 精製されたタンパク質を使用するいくつかのタイプのインビトロアッセイは、 NNT−1活性を破壊する化合物を同定するために行うことができる。そのよう な破壊は、典型的にはNNT−1とその受容体との相互作用を阻害する化合物に よって達成することができる。 1つのアッセイにおいて、精製されたNNT−1タンパク質またはそのフラグ メント(例えば、上記の方法を使用して調製される)は、マイクロタイタープレ ートのウエルの底に結合さ せることによって固定化することができる。次いで、放射能標識されたNNT− 1受容体ならびに試験化合物は、一度にあるいは同時にウエルに添加することが できる。インキュベーション後、ウエルを洗浄し、シンチレーションカウンター を使用して放射能を計数し、試験化合物の存在下でのNNT−1/受容体結合の 程度を決定することかできる。分子は、典型的には、ある範囲の濃度にわたって 試験される。試験アッセイの1つまたは複数の要素を有しない一連のコントロー ル「ウエル」を使用して、結果を精確に評価することができる。このようなアッ セイの1つの変法は、受容体のウエルへの結合、および放射能標識されたNNT −1を試験化合物と一緒にウエルに加えることを含む。インキュベーションおよ び洗浄の後に、ウエルを放射能について計数することができる。 放射能標識を含むいくつかの手段は、NNT−1に「目印を付ける」ために用 いることができる。例えば、NNT−1タンパク質は、125−Iまたは35− Sを使用して放射能標識することができる。あるいは、NNT−1の融合タンパ ク質がある。この場合、NNT−1をコードするDNAは、c−mycエピトー プなどのペプチドのコード配列に融合される。NNT −1−myc融合タンパク質は、mycに対する市販の抗体を用いて容易に検出 することができる。 マイクロタイタープレートタイプの結合アッセイの代替法は、NNT−1また はその受容体のいずれかをアガロースビーズ、アクリル酸ビーズまたは他のタイ プのそのような不活性基質に固定化することを含む。NNT−1またはその受容 体を含有する不活性基質は、試験化合物を、放射能標識または蛍光標識が行われ た相補的成分(受容体またはNNT−1タンパク質のいずれか)と一緒に含有す る溶液に入れることができる;インキュベーション後、不活性基質は遠心分離に よって沈澱させることかでき、NNT−1と受容体との問の結合量を、上記の方 法を使用して評価することができる。あるいは、不活性基質複合体はカラム内に 固定化することができ、試験化合物および相補成分をそのカラムに通すことがで きる。次いで、NNT−1/受容体複合体の形成を、上記の技術のいずれか(す なわち、放射能標識または抗体結合など)を使用して評価することができる。 NNT−1活性を阻害する分子を同定するために有用な別のタイプのインビト ロアッセイは、表面プラスモン共鳴検出器を 使用し、製造者のプロトコルに従うBiacoreアッセイシステム(Phar macia、Piscataway、NJ)である。このアッセイは、検出器内 に置かれているデキストランコーティングのセンサーチップにNNT−1または その受容体のいずれかが共有結合することを本質的に含む。次いで、試験分子お よび相補的成分は、センサーチップを含有するチャンバー内に、同時にまたは連 続的に注入することができる。NNT−1/受容体の結合量は、センサーチップ のデキストランコーティング面と物理的に結合した分子量の変化に基づいて評価 することができる;分子量の変化は検出器システムによって測定することができ る。 いくつかの場合において、NNT−1活性を低下させるかまたは阻害するとき に使用するためには、2つ以上の試験分子を一緒に評価することが望ましいと考 えられる。このような場合において、上記のアッセイは、そのようなさらなる試 験化合物を、最初の試験化合物と同時に、あるいは最初の試験化合物に引き続い て添加することによって容易に改変することができる。このアッセイの残りの工 程は上記の通りであり得る。 X.トランスジェニック哺乳動物 NNT−1のヒト等価物をコードする遺伝子(または遺伝子群)が破壊され( 「ノックアウトされ」)、その結果この遺伝子の発現レベルが著しく低下してい るかまたは完全になくなっているマウス、ラット、ウサギ、ヤギまたはヒツジな どの非ヒト哺乳動物もまた、本発明の範囲内に含まれる。そのような哺乳動物は 、米国特許第5,557,032号に記載される技術および方法などの技術およ び方法を使用して調製することができる。本発明はさらに、NNT−1(哺乳動 物の天然型NNT−1遺伝子または異種のNNT−1遺伝子のいずれか)をコー ドする遺伝子(または遺伝子群)が哺乳動物によって過剰発現し、それによって 「トランスジェニック」哺乳動物が作製されるマウス、ラット、ウサギ、ヤギま たはヒツジなどの非ヒト哺乳動物を含む。そのようなトランスジェニック哺乳動 物は、米国特許第5,489,743号およびPCT特許出願WO94/281 22(1994年12月8日発行)に記載される方法などの公知の方法を使用し て調製することができる。 下記の実施例は、例示目的のためにのみ意図され、いかなる点においても本発 明の範囲を限定するものとして解釈してはならない。 実施例 ライブラリー調製、DNAクローニングおよびタンパク質発現に関する標準的 な方法は、Sambrookら.(Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor 、NY[1989])およびAusubelら.編(Current Prot ocols in Molecular Biology、Wiley、New York、NY[1995])に説明されている。実施例I:NNT−1のcDNAおよびゲノムクローンのクローニング A.cDNAライブラリーの構築 ヒトT細胞リンパ腫細胞(Jurkat細胞)を、37℃で、5%CO2下、 10%ウシ胎児血清を含有するPRMI400培地で増殖させた。培地は、10 mM HEPES(pH7.5)で緩衝化された。8代の継代培養の後に細胞を 2群に分けた。1群をコンフルエンスに達するまで増殖させ(2×107細胞/ フラスコ)、この細胞から集めたRNAは「ドライバー」RNA として役に立った。もう1群は「テスター」群であり、下記の処置を用いて活性 化した。 細胞を、80ng/mlのスーパー抗原の連鎖球菌エンテロトキシンBおよび F(TSST);50ng/mlのPKC活性化剤PMA;125ng/mlの カルシウムイオノフォアA21832を添加することによって8時間活性化した 。タンパタ質翻訳阻害剤のシクロヘキシミドもまた、1mg/mlの濃度で添加 した。RNAを、異なる群の細胞から異なる時間で集めた。 1.全RNAの調製: 細胞を、300×gで5分間遠心分離することによってペレット化し、PBS (リン酸緩衝化生理食塩水)で洗浄し、Ultraspec II(Biote x,Inc.、TX)中に5×106細胞/ml(Ultraspec II) の濃度で再懸濁した。次いで、細胞を、21ゲージのシリンジに4回通して溶解 した。ホモジネートを氷上で15分間インキュベーションし、その後0.2容量 のクロロホルムを加え、十分に混合し、氷上でさらに10分間インキュベーショ ンし、30mlのコレックス(corex)チューブで、12000×gで30 分間遠心分離した。遠心分離後、上清を取り出し、残渣を廃棄した。単離キット の一部としてBiotexによって販売されているRNA結合性樹脂の0.05 容量を、0.5容量のイソプロパノールを添加した後に流加した。速心分離(3 00×g、5分問)によって樹脂をペレット化した後に、RNaseを含まない 75%エタノールで樹脂を2回洗浄し、50℃で10分間風乾した。次いで、R Naseを含まない1容量の水に樹脂を再度懸濁し、1分間激しく攪拌し、次い で13000×gで1分間遠心分離することによって全RNAを樹脂から溶出し た。その後、全RNAを新しいエッペンドルフに移し、樹脂ペレットを廃棄した 。 2.ポリ(A)+RNAの単離: QiagenのオリゴテックスmRNA単離システムを、製造者の説明に従っ て使用した;その手順を2回繰り返して、純粋なポリ(A)+RNAを得た。こ れは、ランダムプライム化ライブラリーにおいてcDNA中のリボソームRNA のコピー数を最小限にするためには特に重要である。次いで、mRNAの完全性 を、分光学およびホルムアルデヒド変性ゲル電気泳動の両方によって調べた。 最初のストランドcDNAをBRLのcDNA合成プロトコルに従って合成し た。標的cDNAから残存mRNAを除くために、この最初のストランドcDN A反応物を、フェノール/クロロホルムによって抽出し、2M酢酸アンモニウム および3容量のエタノールで沈澱させた。次いで、cDNA/mRNAのハイブ リッドを、2mM EDTAが存在する0.3M NaOHに再度懸濁し、68 ℃で15分間インキュベーションした。加水分解反応を、1.5Mの過剰の純粋 なTris HClを用いて中和した。次いで、cDNAを、フェノール/クロ ロホルムによって抽出し、2M酢酸アンモニウムおよび3容量のエタノールで沈 澱させ、75%エタノールで洗浄し、7mlの滅菌水に再度葱濁した。この単一 ストランドcDNAを、Boehringer Mannheimテイリングキ ットのプロトコルに従ってテイル処理した。 3.ドライバーmRNA調製およびホトビオチン化反応: ポリ(A)RNAを上記のように単離した。次いで、約20mgを、20mg のホトビオチンアセテート(Sigma)を用いて2回ホトビオチン化し、RN aseを含まない水に1mg/mlの濃度で再構成した。過剰のホトビオチンを 、水飽和イ ソブタノールを用いて除き、エタノール沈澱を行い、30mlのDEPC処理水 に再度懸濁した。 4.サブトラクティブハイブリダイゼーション反応: ホトビオチン化したドライバーmRNAをテスターcDNAと同時に沈澱させ 、RNaseを含まない2mlの水に再度懸濁した。核酸を溶液に移行させるた めに、沈澱物を、時々穏やかに攪拌しながら室温で数時間放置し、その後68℃ でさらに20時間インキュベーションした。ホトビオチン化したドライバーを溶 解して最終濃度を2mg/mlにした。一般に、ドライバーRNAの濃度は、少 なくとも1mg/mlで使用すべきである。 5.ハイブリダイゼーション後のハイブリッドの除去: ハイブリダイゼーション後、ストレプトアビジンを0.2mg/mlの最終濃 度に加え、室温で10分間インキュベーションした。次いで、ストレプトアビジ ンを、フェノール/クロロホルム抽出によって除いた。抽出後、cDNAをエタ ノールで沈澱させた。 1対のプライマー:AGCGCTACGGTCGACCCG GCG TTT TTT TTT TTT TTT TTT TTT (ACG)X(配列番号15)(SalI T21アンカープライマー )およびGGA AGG AAA AAA GCG GCC GCT ACA( 配列番号16)(NotIN9プライマー)をPCRにおいて使用して、cDN Aを増幅した。使い捨て式のPCRキットを使用した。15サイクルを行って、 ゲル分画法に関して十分な物質が得られ、等しいサイズのものがライブラリーに おいて示された。最初のプライマーをアニーリングさせるために、PCRの最初 の5サイクルのアニーリング温度は、35℃で1分間実施した。異なるサイズ画 分を示すcDNAをゲルで分画した。SalIアダプターを二重鎖cDNAに加 え、次いでこれをNotIで消化してpSportベクターにクローン化した。 B.cDNAクローンの単離 ライブラリーを発現配列タグ(est)分析によってスクリーニングした。こ のライブラリーから得られた個々のクローンを無作為に選び、ベクタープライマ ーおよびTaq色素ターミネーターの反応を使用するApplied Bios ystems373A自動配列決定機(Applied Biosystems )で配列決定を行った。無作為に選んだクローンNNT−1から 得られた最終ヌクレオチド配列を翻訳し、次いでFASTAプログラムの改変版 を使用して、既知のタンパク質配列の既存データベースと比較した。 1つのクローン(khj1−00008−f2)は、翻訳されたアミノ酸配列 レベルでCNTFと約21%の相同性を有する。このcDNAクローンの挿入物 全体を配列決定し、全長のクローンをコードしていることを見出した。すなわち 、それは、5’末端でのMetおよびMetの上流での1つの停止コドンおよび 3’末端での別の停止コドンを含有する。 この全長cDNAの配列を図1に示す。タンパク質の予想アミノ酸配列を図3 に示す。推定のシグナルペプチドがアミノ酸−27(Met)〜アミノ酸−1( Ala)に拡がっていた。 C.ゲノムクローンの単離 NNT−1のゲノムDNAをヒトのゲノムP1ライブラリー(Genome Systems Tnc.、st.Louis、MO;カタログ番号P1−25 35)から得た。このライブラリーを、NNT−1cDNAをプローブとして使 用してスクリーニングした。cDNAを、Amersham Rediprim eキット(Amersham、Arlington Heights、 IL;カタログ番号RPN−1633)を使用して放射能標識した。ハイブリダ イゼーション溶液およびプレハイブリダイゼーション溶液は下記の通りであった :50%ホルムアミド、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.05%ピロリン 酸ナトリウム、0.1%SDS、および100mg/mlサケ精子DNA。プレ ハイブリダイゼーションは42℃で約1時間であり、ハイブリダイゼーションは 42℃で約16時間であった。 ハイブリダイゼーション後、フィルターを0.2×SSCおよび0.1%SD Sで、42℃で約30分間洗浄し、次いでフィルムに感光させた。2つの陽性ク ローンが確認され、これらのクローンを含有するプラスミドをGenome S ystems Inc.のプロトコルに従って精製した。次いで、プラスミドD NAを直接配列決定した。 NNT−1をコードするゲノム配列を図2に示す(配列番号3)。この遺伝子 は、3つのエキソンおよび2つのイントロンから構成されている。コード領域を 大文字で表す。一方、5’非翻訳領域、イントロンおよび3’非翻訳領域を含む 非コード領域を小文字で表す。実施例II:NNT−1の組換え哺乳動物タンパク質の調製 ヒトNNT−1cDNAおよびフラッグ標識ペプチドを含有する発現ベクター を、融合遺伝子のPCR増幅によって構築した。5’末端にHindIII部位 を有するセンスプライマーを下記に示す: (5’−AGCAAGCTTCACCATGGACCTCCGAGCAGGGG ACTC−3’)(配列番号6) これは、アミノ酸−27(Met)〜アミノ酸−21(Asp)をコードする。 5’末端にNotI部位を有し、フラッグ標識ペプチドおよび3’末端の最後の 8アミノ酸をコードするアンチセンスプライマーを下記に示す: (5’AGCGGGGCCGCACTACTTGRCATCGTCGRCGTC CTTGTACTCGAAGCCATGAGCCCCCAGGTGCAG−3’ )(配列番号7) これらのプライマーをPCRにおいて使用して、融合遺伝子を増幅した。融合遺 伝子をPCEP4ベタター(Invitrogen Tnc.、San Die go、CA)に連結した。この発現ベクターを、製造者が推奨する方法を使用し て、リポフェクチン(BRL、Gaithersburg、MD)を用 いてEBNA−1 293細胞にトランスフェクションした。トランスフェクシ ョンの48時間後、293細胞およびその順化培地の両方を集め、抗フラッグ標 識抗体(Eastman Kodak Co.、New Haven CT)を 使用することによってウエスタンブロットで分析した。大部分の組換えタンパク 質が、293細胞の溶解物の中に見出された。従って、抗フラッグ抗体ゲル(E astman Kodak Co.、New Haven CT)を使用して、 293細胞の溶解物からタンパク質を精製した。28〜30kdのタンパク質を 製造者のプロトコルに従って精製した。この組換えタンパク質を、(運動ニュー ロンおよび交感神経ニューロンの生存アッセイに関する)生物学的な機能分析に おいて使用した。タンパク質のN末端アミノ酸は、Leu(アミノ酸1)である ことが決定された。このことは、シグナルペプチドと考えられる部分(アミノ酸 −27〜アミノ酸−1)が切断されたことを示している。実施例III:組換えE.coli NNT−1タンパク質の調製 配列番号2のアミノ酸Leu(1)〜Phe(198)をコードするNNT− 1のcDNAクローンをpAMG21ベクタ ーに挿入した。pAMG21は、pCFM1656(ATCC寄託番号6957 6)の誘導体であり、lux PRプロモーターの下流に遺伝子を挿入するため の適切な制限部位を含有する(lux発現系の説明に関しては米国特許第5,1 69,318号を参照のこと)。使用した宿主細胞は、E.coli K12の CGSG6159株であった(Yale University遺伝子ストック 、New Haven、CT)。宿主細胞を、標準的な形質転換手順を使用して ベクターで形質転換し、次いで、約50μl/mlのカナマイシンを含有する2 XYT培地中で、30℃でインキュベーションした。NNT−1遺伝子産物の誘 導を、自己誘導剤N−(3−オキソヘキサノイル)−DL−ホモセリンラクトン を培養培地に約30ng/mlの最終濃度に添加することによって開始した。培 養物を30℃または37℃のいずれかで6時間インキュベーションした。その後 、細胞を封入体について顕微鏡で調べた。 大部分のNNT−1タンパク質が、封入体内に存在していることが見出された 。従って、細胞ペーストを、細胞をペレット化することによって調製した。封入 体を低pHで可溶化し、タンパク質を連続的な沈澱によって精製した。タンパク 質を透析 し、その後純度を評価するために、SDS−PAGEにサンプルを負荷した。ゲ ルのクーマシー染色によって、タンパク質は少なくとも95%の純度であること が示された。実施例IV:NNT−1の神経生物学的な機能 A.ヒヨコの運動ニューロンアッセイ 腰椎部の脊髄から得られた運動ニューロン(MN)の濃縮培養物を、胎芽E5 .5日目のヒヨコから調製した。MNニューロンを、6.8%メトリザミドグラ ジエントを使用して濃縮した。簡単に記載すると、腰椎部の脊髄を切開し、髄膜 およびDRGを除いた。脊髄を、パパイン含有L15培地(Gibco/BRL 、Grand Island、NY)中で20分間、37℃でインキュベーショ ンした(Worthington Biochemical Corp、Fre ehold、NJ)。酵素的に軟化させた脊髄断片を、ピペッティングによって 1個ずつの細胞に解離した。次いで、この細胞懸濁液を6.8%メトリザミド( Serva、Feinbiochemicala、Germany)層の上に重 層し、チューブを500gで20分間遠心分離した。メトリザミド層と細胞懸濁 液との間の界面を採取し、培養培地に希釈した。次いで、この画分を4%BSA 層の上に静かに重層し、280gで10分間遠心分離した。10%ウシ胎児血清 を有するL15培地を含有し、3.6mg/mlグルコース、5ng/ml亜セ レン酸ナトリウム、6.25ng/mlプロゲステロン、0.1mg/mlコン アルブミン、16mg/mlプトレッシンおよび5mg/mlインスリンが補充 された培養培地でペレットを再度懸濁した。10,000細胞/ウエルを96ウ エル組織培養プレートに播種した。神経栄養因子(NNT−1またはCNTF) の連続希釈物を培養物に添加し、3日間インキュベーションした。3日目に、M TTを培養物に4.5時間添加した。ホルマザン産物を可溶化した。プレートを 、可視部の妨害のために、650nmサブストラクションで570nmの波長で の読み取りを行った。光学密度(OD)の読み取り値は、培養中の生存ニューロ ンの数に比例する。3連のウエルにおける570nmでの吸光度(ニューロン生 存を増大させる)をNNT−1またはCNTFの最終濃度の関数としてプロット する。 分析の結果を図7に示す。570nmでの吸光度を実際の読み取り値の100 0倍として表す。結果は、NNT−1はヒヨコの運動ニューロン増殖を支持し得 ることを示した。その最大 活性は、CNTFの最大活性の約90%に達する。 B.ヒヨコの交感神経ニューロンアッセイ ヒヨコ肝の始原交感神経鎖神経節の培養物を調製した。簡単に記載すると、交 感神経節を、加湿雰囲気下、37.6℃で9日間インキュベーションした、病原 体を含まないニワトリ受精卵から取り出した。神経節を、最初に、2価陽イオン 類を含まず、10mM HEPES緩衝液(pH7.2)を含有するハンクス平 衡塩溶液に10分間、37℃で曝し、次いで、上記のように改変されたハンクス 平衡塩溶液における0.125%のバクトトリプシン1:250(Difco、 Detroit、Michigan)溶液に曝すことによって化学的に解離した 。トリプシン処理を、ウシ胎児血清を10%の最終濃度に添加することによって 停止した。 この処理後、神経節を、重炭酸塩とともに10%ウシ胎児血清および10mM HEPES(pH7.2)を含有するクルベッコ高グルコース改変イーグル培 地からなる溶液に移し、20ゲージで1インチの二重に型押しされたステンレス スチール針に約14回通して粉砕することによって機械的に解離した。 次いで、解離した神経節を、直径が100mmの組織培養デ ィッシュ内の培養培地(10%ウシ胎児血清、4mMグルタミン、60mg/L ペニシリン−G、25mM HEPES(pH7.2)を補充したダルベッコ改 変イーグル培地)に2〜3時間置床した(ディッシュあたり約40個の解離神経 節)。この予備置床は、ディッシュに接着する非ニューロン細胞を、接着しない 神経細胞から分離するために行った。予備置床後、非接着性の神経細胞を遠心分 離によって集め、培養培地で再度懸濁し、ウエルあたり50mlで、96ウエル マイクロタイター組織培養プレートの半分の領域に、ウエルあたり2500個の 神経細胞の密度で置床した。マイクロタイターのウエルは、10mMホウ酸ナト リウム(pH8.4)におけるポリ−L−オルニチンの1mg/mlの溶液に一 晩、4℃で予め曝され、滅菌した精製水で洗浄され、風乾されていた。 細胞が曝された神経栄養因子の最終濃度は下記の通りである:1)CNTF標 品に関して、100ng/ml〜6pg/mlの範囲にわたる9点の連続希釈列 ;2)NNT−1タンパク質に関して、100ng/ml〜0.12pg/ml の範囲にわたる9点の連続希釈列。神経栄養因子活性についてアッセイされるべ きサンプルの25mlの連続希釈物を各ウエルに添 加し、7.5%CO2を含有する加湿雰囲気中で、ディッシュを38〜46時間 、37℃でインキュベーションした。次いで、重炭酸塩とともに10mM HE PES(pH7.2)を含有するダルベッコ高グルコース改変イーグル培地にお けるテトラゾリウム色素MTTの1.5mg/mlの溶液を18ml/ウエルで 加えた。培養物を37℃のインキュベーターに4.5時間入れた。次いで、20 %ドデシル硫酸ナトリウム(pH4.7)を含有する50%N,N−ジメチルホ ルムアミドの溶液の75mlを添加し、結晶性のホルマザン産物を溶解し、プレ ートを37℃のインキュベーターで少なくとも12時間インキュベーションした 。579nmでの吸光度を、自動マイクロタイタープレート読み取り機を使用し て各ウエルについて650nmを参照として測定した。得られる吸光度は、各ウ エルにおける生存細胞の数に比例し、色素を還元し得るそのような神経細胞とし て定義される。 分析結果を図8に示す。結果は、NNT−1はヒヨコの交感神経ニューロン増 殖を支持することを明らかにする。実施例V:組織分布のノーザンブロット分析 ヒト組織のノーザンブロットをClontech(Palo Alto、CA)から購入した。このノーザンブロットをヒトNNT−1cDN Aプローブで調べた。NNT−1の5’および3’のコード領域に拡がる2つの cDNAフラグメントを標識し、NNT−1遺伝子の組織発現を分析するための プローブとして使用した。結果は、NNT−1が、下記の組織において2.2k bの転写物として発現していることを明らかにした:脾臓、リンパ節および末梢 血液リンパ球、骨髄および胎児肝臓、腎臓、肺、結腸直腸腺ガン細胞SW480 、Hela細胞S3、肺ガンA549、慢性骨髄性白血病K−562細胞、バー キットリンパ腫Raji細胞。遺伝子の組織分布は、この遺伝子がまた、免疫系 の発達または造血細胞の発達に関与し得ることを示唆する。実施例VI:NNT−1遺伝子の染色体での局在性 遺伝子の染色体での位置をFISHによって決定した。14kbのゲノムフラ グメントを、BRL BioNick標識キットを使用してdATPでビオチン 化した。(15℃で1時間)。FISHの手順をHengら.(Proc.Na t Acad Sci USA 89:9509−9513、1992)に従っ て行った。結果は、この遺伝子が第11染色体のq13に位 置していることを明らかにした。この位置は、ヒトCNTFの遺伝子座(第11 染色体のq12)に近い。実施例VII:マウスcDNAクローンの単離 マウスの部分的なcDNAクローンを、ヒトに特異的なプライマーを使用して 、マウスの11目目の肝cDNA(Clontech、Palo Alto、C A)からPCR増幅によって単離した。全長のcDNAクローンは、さらに、5 ’RACEおよび3’RACEによって得られた。マウスのcDNAヌクレオチ ド配列およびアミノ酸配列を、それぞれ、図4およひ図5に示す。マウスのタン パク質は、ヒトのタンパク質と96%の同一性を有する。このことは、タンパク 質が進化を通して高度に保存されていることを示す。ヒトのタンパク質と同様に 、マウスのタンパク質はまた、アミノ酸2(Asn)にN結合型グリコシル化部 位と考えられる部位を含有する。実施例VIII:NNT−1とファミリーの他のメンバーとの比較 NNT−1のアミノ酸配列は、このタンパク質がCNTF(配列番号12)の ファミリーに属することを示唆する。このファミリーには、IL−11(配列番 号8)、IL−6(配列番号 9)、カルジオトロフィン(配列番号11)、オンコスタチン(配列番号13) 、および顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)(配列番号10)が含まれる。 本発明者らは、コンピュータプログラムPILEUPによって、NNT−1のア ミノ酸配列をこのファミリーのすべてのメンバーと比較した。結果を図6に示す 。このファミリーの他のメンバーすべてについて同様に、NNT−1タンパク質 の二次構造は、4つの反平行α鎖を含有することが予想された。実施例IX:NNT−1トランスジェニックマウスの表現型 A.NNT−1トランスジェニックマウスの表現型 NNT−1遺伝子によってコードされるタンパク質は、CNTFとある程度の 相同性を有し、骨髄アッセイおよび神経細胞アッセイにおけるインビトロ活性を 有する。NNT−1でトランスフェクションされた骨髄が移植されたマウスの研 究によって、胃腸に関連したリンパ様組織において穏やかなリンパ球増殖が明ら かにされたが、他の明瞭な表現型の変化は見られなかった。材料および方法 種:マウス 株:BDF1 齢:17週齢(120日)試験品:NNT− 1(WX240) 性別:雄/雌試験群 この2つの群において、明らかな異常は検出されなかった。 全体的な剖検を、組織病理学的な試験のために緩衝化亜鉛ホルマリンで固定化 した組織を選択することによって行った[脳、心臓、腎臓、副腎、十二指腸、膵 臓、膀胱、肝臓、肺、脾臓、任意の大きな病巣]。組織を一晩固定化し、その後 、日常的な組織学的処理を行った。データを、JMP(SAS Institu te、Cary、NC)ソフトウエアプログラムを使用して分析した。 試験:臓器重量、体重、組織病理学、免疫組織学、ノーザンブロット。 下記の処置に関連する変化が、NNT−1トランスジェニックマウスに存在し た: 日臓は、トランスジェニックマウスの小胞(B細胞)領域および細動脈周囲( T細胞)領域を含む中程度から顕著な反応性リンパ様過形成(図10)を有して いた。リンパ様過形成は、 高発現マウス#62において最も突出しており(図10)、剖検で認められた巨 脾腫とよく相関していた。他の高発現マウス#60は、3系列すべてのかなりの 散在性骨髄外造血を伴うリンパ様領域の穏やかな過形成を有するだけであった。 この2匹の高発現マウスに基づいてNNT−1の脾臓作用に関する何らかの一般 的な結論を下すことは困難であるが、マウス#62において認められたリンパ球 増殖は、注射したタンパク質(下記の実施例X Aを参照のこと)による本発明 者らの知見と一致する。一方、マウス#60で見出されたEMHは、以前のイン ビトロ骨髄培養知見のインビボ相関を反映し得る。 マウス#60の肝臓は、脈管周囲空間に浸潤し、肝臓内の「リンパ球産生の島 」に似た独特のパターンで隣接の洞様毛細血管に拡がるリンパ球および血漿細胞 の多病巣性凝集を有していた(図12)。免疫組織学によって、リンパ様凝集は 、B220+細胞およびCD3+細胞から構成されていた。同様ではあるが、よ り穏やかで典型的な管脈周囲のリンパ様浸潤が、マウス#62においても見出さ れた。肝臓において見出された他の変化は、対照群および/またはトランスジェ ニック群の個々のマウスにおいて突発的に起こっていた。 胃腸管は、パイヤー斑(腸結合リンパ様組織)の最小から中程度の反応性リン パ様過形成を有していた。同様に、頸部リンパ節および腸間膜リンパ節は、トラ ンスジェニックマウスにおいて、対照群よりも反応的であった。しかし、この変 化は、この研究において、注射したNNT−1タンパク質による本発明者らの研 究(下記の実施例X A参照のこと)ほどの突出した特徴ではなかった。 トランスジェニックマウスの骨髄、中枢神経系および末梢神経系は正常な様で あった。一般に、これ以外の組織での変化は、陰性対照群および/またはトラン スジェニック群の1つまたは複数の動物において突発的に見出され、導入遺伝子 に関連しているとは考えられなかった。 この研究から得られるデータによって、NNT−1トランスジェニックマウス は、脾臓、リンパ節、腸結合リンパ様組織、腎臓および肝臓を含む多数の末梢組 織におけるTリンパ球およびBリンパ球および血漿細胞の増殖を特徴とする興味 深い表現型を有していることが示される。NNT−1はまた、脾臓および膵臓な どのいくつかの末梢組織における骨髄外リンパ球産生を、末梢血または骨髄にお ける著しい変化を有することなく誘 導し得る。従って、NNT−1トランスジェニックマウスから得られるデータは 、骨髄または中枢神経系に検出可能な影響を伴うことなく、リンパ様組織の増殖 を誘導した注射可能なNNT−1タンパク質による本発明者らの7日目マウスの 研究(下記の実施例X A)から得られる知見を一般に支持する。 興味深いことに、2匹の高発現NNT−1トランスジェニック雌性マウスにお いて検出された糸球体腎炎は、MRL/1pr(Fas欠損)マウスにおいて認 められた自発性糸球体腎炎と非常によく似ている。MRL/1prマウスは、ポ リクローナルB細胞の活性化、多数の自己抗体、循環性の免疫複合体、および二 重陰性(CD4−、CD8−、TCRab+、CD3+)T細胞の異常な集団の 蓄積を伴って初期に開始するSLE様の自己免疫症候群を発症する。このような 二重陰性T細胞はまた、通常はB細胞のマーカーであるB220+と呼ばれるC D45Rのイソ型を発現する(Singerら.、Curr.Opin.Imm unol.、6:913−920、1994)。さらに、NNT−1のいくつか の生物学的効果はまた、インターロイキン−6の生物学的効果を模倣する。イン ターロイキン−6は、(CNTF、LIFおよびIL−11と同様に)、gp1 30 のシグナル伝達トランスデューサーを利用し、肝臓、腎臓、脳、皮膚、免疫系お よび造血系に対して多面発現性作用を有する(Ryffelら.、Int.Re v.Exp.Pathol.、34A:79−89、1993)。従って、末梢 血または末梢組織において見出されるリンパ球が、フローサイトメトリー分析に よって、T細胞マーカーおよびB細胞マーカーの二重発現を有する異常な表現型 を有し得るかどうかを決定することは重要である。 B.NNT−1トランスジェニック創始動物のFACS免疫表現型決定分析組織 末梢血液サンプルを後眼窩採血によって得た。創始動物の同腹子の対照マウス および(PCRによる)NNT−1陽性マウスの各群から9サンプルを採取した ;どれも凝固させなかった。1サンプルあたり約20〜40μlの血液を、Fc 阻止抗体と最初にインキュベーションし、その後、様々な細胞表面抗原の蛍光抗 体とインキュベーションした。 抗体を、循環している末梢血液中の大部分の造血細胞集団を分化させるための マーカーについて選択した。同様に、B細胞 およびT細胞のいくつかの活性化/分化マーカーを、この発現配列タグ(est )に関するライブラリーの起源に基づいて選択した。ライブラリーを、トキシッ クショック症候群毒素(TSST)で活性化したJurkat細胞(T細胞株) から作製した。抗体 Fc阻止(CD32/16)−非特異的な結合を阻止するためのプレインキュ ベーションの一部として、合計で21個の抗体を使用した。データを単色ヒスト グラムとして分析した。ラットIgGフルオレセインイソチオシアネート(FI TC)+ ラット1gGフィコエリトレン(PE) Ham IgG FITC + Ham IgG PE CD45 FITC + GR−1(CD97)PE −−− 汎(Pan)白血球対顆粒球 CD4 FITC + CD8 PE −−− T細胞サブセットのヘルパー対 キラー Th1.2 FITC + B220 PE −−− T細胞対汎B細胞のマー カー CD69 FITC + CD28 PE −−− T細胞& B細胞またはT細胞のみに関する活性化マーカー CD3 FITC + CTLA4 PE −−− 汎T細胞対T細胞の活性化 ckit FITC + Sca−1 PE −−− 骨髄様細胞および始原細 胞対始原細胞および末梢リンパ球 CD40 FITC + CD40L PE −−− B細胞分化抗原対そのT 細胞リガンド CD62L FTTC + CD54 PE −−− B細胞およびT細胞に対 する活性化接着分子 CD34 FITC(データを分析せず)結果 著しい増大が、B220+、CD40+、CD62L+およびCD54+の細 胞に関して、4匹のNNT−1陽性動物に関する細胞の絶対数において観測され た。これらの4匹の動物(#24、#35、#60、#62)は、後に、ノーザン ブロットによって発現体として確認された。B220+およびCD40+の細胞 における増加は、対照の2倍〜4倍の範囲であった。CD62L+(LECAM )およびCD54+(ICAM)は、対照群の1.5倍〜3倍の範囲であった。 4匹の発現体のうち 3匹において増大を示すマーカーには、Sca−1(対照の2倍〜6倍)および ckit(対照の2倍〜3倍)が含まれた。CD3、CD4、CD8、Thy1 .2を含むさらなるマーカーは、4匹の発現体のうち2匹において緩やかな増大 を示したが、一貫した様式ではなかった(これらはすべてT細胞のマーカーであ るが、同じ発現体においてそれらは必ずしもすべて陽性ではなかった)。GR1 は1匹の発現体で増大していたが、対照動物の1匹においては、GR1+細胞の 数はさらに多かった。従って、このマーカーは重要でないと考えられる。残りの 抗体は、陽性ではなく、あるいは有意な違いはなく、あるいはCD34の場合に は分析することができなかった。要約 循環しているリンパ様細胞の絶対的な細胞数の非常に明確な増大が、これらの マウスにおいて観測される。リンパ様集団のこのような増大は、主にB細胞と一 致するようであるが、T細胞の数においてもまた、いくらかの増大を認めること ができる。リンパ様集団はいすれも、活性化された細胞タイプを増大しないよう である。循環している骨髄様細胞集団に対する効果はほとんど見られないか、あ るいは全く見られない。ckitおよ びSca−1における増大は、始原細胞での増大と必ずしも相関していない。な ぜなら、これらのマーカーは、循環している成熟細胞についても同様に見出され るからである。 データは、増殖に向かうB細胞を示唆する。なぜなら、これらの細胞はすべて 、発現と良好に相関するからである。いくつかの動物におけるT細胞の増大は、 増大したB細胞によって産生されるいくつかの他の因子の二次的な効果であり得 る。B細胞に関する1つの興味深い観察は、B220+細胞の数とCD40+細 胞の数との間の差はわずかではあるが、非常に一貫していることである。これら はともにB細胞のマーカーであるが、CD40はまた、樹状細胞についても同様 に見出されている。実施例X:NNT−1を注射したマウスのリンパ様過形成 A.NNT−1処置BDF1雌性マウスにおける7日間の実験的な静脈内/皮下 研究 NNT−1によってコードされるタンパク質は、CNTFに対していくらかの 相同性を有し、骨髄アッセイおよび神経細胞アッセイにおけるインビトロ活性を 有する。この研究の目的は、マウスに7日間毎日投与したときのNNT−1タン パク質の全身効果および潜在的毒性を測定することであった。材料および方法 26週齢の雌性BDF1マウスをこの研究に使用した。マウスを、下記の処置 群に無作為に振り分けた(n=5/群): 1. PBS緩衝液対照(7日間にわたり1日に1回の静脈内投与) 2. 1.5mg/kgのNNT−1(静脈内) 3. 0.15mg/kgのNNT−1(静脈内) 4. 1.5mg/kgのNNT−1(皮下) マウスは、全体的な剖検の前に絶食させなかった。剖検の1時間前(最後の投 与の24時間後)に、マウスにBrdU(細胞増殖研究のために50mg/kg で)の腹腔内注射を施した。血液を、血液学的測定(ヘモグロビン、ヘマトクリ ット、赤血球数、血小板数、平均血小板量、全白血球数および較差白血球数)お よび臨床化学的パラメーター(アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギ ン酸アミノトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、乳酸デヒドロゲナー ゼ、グルコース、尿素窒素、クレアチニン、総タンパク質、アルブミン、グロブ リン、カルシウム、リン、総ビリルビン、尿酸、コレステロールおよびトリグリ セリド類)のために心臓穿刺によって得た。 全体的な剖検を、組織病理学的試験のために緩衝化亜鉛ホルマリンで固定化した 組織を選択することによって行った[副腎、骨髄、骨(大腿骨)、脳、盲腸、近 位および遠位の結腸、十二指腸、食道、心臓、回腸、空腸、腎臓、肝臓、肺、乳 腺、卵巣、膵臓、骨格筋、皮膚、脾臓、胃、胸腺、甲状腺、気道、膀胱、子宮、 膣、白色脂肪組織および褐色脂肪組織、任意の大きな病巣]。組織を一晩固定化 し、その後、日常的な組織学的処理を行った。臓器重量を、脾臓、肝臓、胃、腎 臓および胸腺について測定した。結果 脾臓。脾臓の白色脾髄での顕著なリンパ様過形成が、NNT−1処置群におい て、細動脈周囲のリンパ様鞘(T細胞領域)および小胞(B細胞領域)の膨大を 伴って見られた。しかし、骨髄外造血の程度は、これらの群においては明瞭には 増大していなかった。このことは、このタンパク質が、インビボにおいては、造 血細胞に対するよりもむしろリンパ球に対する刺激因子様効果または増殖因子様 効果を有し得ることを示唆する。 リンパ節。NNT−1処置マウスは、リンパ節皮質の小胞(B細胞)領域およ び副皮質(T細胞)領域の穏和〜著しい反応性 リンパ様過形成を有していた。この変化は組換えタンパク質に対する初期の免疫 応答を反映し得るが、脾臓、リンパ節、パイヤー斑および骨髄に存在していた一 般化された反応性リンパ様過形成の程度によって、これはNNT−1の処置に関 連する特異的な効果であり得ることが示唆される。要約および結論 この研究から得られる最も重要な知見は、7日間のマウスのNNT−1処置は 、リンパ様組織の増殖、特に脾臓およびリンパ節における増殖を誘導するようで あるということであった。しかし、このタンパク質は、この研究の条件下におい て、造血系または中枢神経系に対する検出可能な何らかの効果を有さないようで あった。 B.NNT−1注射マウスのFACS分析 試薬およびマウス。組換えヒトNNT−1およびrhIL−1をAmgen Inc.(Thousand Oaks、CA)から得た。LPS(Esche richia coli 0111:B4)をLIST Biologic L aboratories(Campbell、CA)から購入した。約20gの 雌性Balb/cマウスをCharles River Laboratories(Wilmington、MA)から購入した。マウ スを、一定の温度および湿度で維持し、12時間の明/暗サイクルに設定された 部屋で飼育した。マウスは、標準的な実験餌および水を自由に摂取した。動物お よびその管理に関する手順は、国家および国際的な法律および行動(U.S.N ational Research Council、実験動物の管理および使 用に関する指針、1996)に適合している研究所の指針に従って行った。 リンパ節の重量および細胞数。7日間にわたり、マウスは、毎日、5mg/K gのNNT−1または緩衝液の腹腔内注射を受けた。7回目の注射の24時間後 に、マウスを屠殺し、末梢(頸部および腋窩)リンパ節を採取した。リンパ節を まとめ、重量を測定し、ホモジネートして細胞懸濁腋を調製した。次いで、細胞 をSismex細胞計数器(Toa Medical Corporation 、Kobe、Japan)によって計測し、ラットの抗マウス抗CD45R(抗 B220)MAb(Pharmingen、San Diego、CA)を使用 する直接的なIFによって染色し、Cell Questソフトウエア(Bec ton and Dickinson、San Jose、CA)を使用するFACSCANで分析した。 統計分析。結果を平均±SDとして表す。TNFの値を対数変換して、その歪 んだ分布を小さくし、それらを正規化した。シャピローウィルクス検定を使用し て、変換の前後でのそれらの分布の正規性を分析した。群間の差をスチューデン トt検定によって分析した。BWを各個体において繰り返し測定したので、群内 および群間のBWの差を、繰り返した測定について分散分析(ANOVA)によ って検定した。 リンパ節の重量および細胞数。NNT−1処置によって、末梢リンパ節におけ る総細胞数およびCD45陽性細胞の数は増大した(図17)。実施例XI:NNT−1はIL−6ファミリーのサイトカイン類に特徴的なイン ビボ活性を示す 試薬、マウスおよび統計分析は、上記の実施例X Bに示した通りである。 血清アミロイドA(SAA)誘導、IL−1によるコルチコステロンおよびI L−6誘導の増強、およびLPS誘導によるTNFの阻害。 NNT−1を、5m g/kgの用量で、単独あるいはIL−1(100ng/マウス)またはLPS (100 ng/マウス)と一緒に腹腔内に投与した。対照のマウスには、NNT−1に対 する溶媒(10mM酢酸塩を含む生理食塩水)を投与した。血液を、SAA測定 のためにはNNT−1または生理食塩水を投与した8時間後に、コルチコステロ ンおよびIL−6に関しては投与の2時間後に、そしてTNFに関しては投与の 1.5時間後に後眼窩叢から採取した。実験を、5匹のマウスまたは10匹のマ ウスからなる群で行った。 SAA、IL−6およびTNFを、市販のキット(Biogen、Camar illo、CA)を使用するELISAによって血清で測定した;結果を、それ ぞれ、μg、ngおよびpg/mlで表した。コルチコステロンを、市販のキッ ト(ICB Biochemical、Costa Mesa、CA)を使用す るRTAによって測定した;結果をng/mlで表した。 SAA誘導、IL−1によるコルチコステロンおよびIL−6誘導の増強、お よびLPS誘導によるTNFの阻害。 NNT−1は循環性SAAを誘導した(図13)。 NNT−1は、低用量のIL−1によって、血清コルチコステロンまたはIL −6のいずれかの誘導を増強した(図14および図15)。NNT−1はまた、 単独で注射されたときに、 コルチコステロンの循環レベルを増大させ得ることを示した。 NNT−1は、LPSによる血清TNFの誘導を阻害した(図16)。結果の要約 炎症プロセスは、炎症関連の病理学を区別する組織の損傷および機能の悪化に 大きく関わっているサイトカインであるTNFの産生を伴う。しばしば、IL− 1はTNFと同時に産生され、炎症の病原性メディエーターであることもまた考 えられる。コルチコステロイド類は幅広い作用範囲を有し、効率的な負のフィー ドバック回路を介してIL−1により誘導される非常に強力な抗炎症剤である。 コルチコステロイド類は、TNF産生およびIL−1産生の両方を阻害する。I L−6は、またTNFおよびIL−1の両方によって誘導されるが、別の負のフ ィードバック回路を介してTNF産生およびIL−1産生をもまた阻害し得る。 少なくともIL−1の存在下でコルチコステロイド類およびIL−6を誘導す るNNT−1の能力によって、この分子が2つの生理学的な抗炎症回路を増強し 得ることが示唆される。これによって、TNF産生およびIL−1産生の阻害を 促進する ことができ、従って炎症プロセスの消散を促進することができる。コルチコステ ロイド類の誘導およびIL−6産生に加えて、そしてそれらから独立して、NN T−1は、TNF産生を直接阻止する特性を示す。これは、興味深いことに、上 記に概略される抗炎症性の特徴に加えられる。DNAの寄託 NNT−1のヒトゲノムDNAをコードするP1ベクターを含有するE.co li細胞DH10B、およびNNT−1のヒトcDNAをコードするPSPOR Tベタターを含有するE.coli細胞DH10Bを、ATCC(Americ an Type Culture Collection、12301Park lawn Drive、Rockville、MD、USA)に1997年1月 21日に寄託し、それぞれ、98294および98295の受入番号が割り当て られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/28 A61P 37/00 29/00 C07K 14/475 37/00 16/22 C07K 14/475 C12N 1/15 16/22 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 21/08 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 5/00 A 21/08 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 エリオツト,ゲリー・エス アメリカ合衆国、カリフオルニア・91361、 サウザンド・オークス、グリーンムーア・ プレイス・324 (72)発明者 セナルデイ,ジヨルジ アメリカ合衆国、カリフオルニア・91362、 サウザンド・オークス、ホワイト・リツ ジ・プレイス・2846 (72)発明者 サルミエント,ウラ アメリカ合衆国、カリフオルニア・93021、 ムーアパーク、ブロードビユウ・ドライ ブ・11340

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)配列番号1の核酸分子; (b)配列番号3の核酸分子; (c)配列番号2のポリペプチドまたはその生物学的活性フラグメントをコー ドする核酸分子; (d)配列番号2のポリペプチドに少なくとも70%同一のポリペプチドをコ ードする核酸分子; (e)前記(a)〜(d)のいずれかにストリンジェント条件下にハイブリダ イズする核酸分子;および (f)前記(a)〜(e)のいずれかの相補体である核酸分子 からなる群より選択される,ポリペプチドをコードする核酸分子。 2.(a’)配列番号4の核酸分子; (b’)配列番号5のポリペプチドまたはその生物学的活性フラグメントをコ ードする核酸分子; (c’)配列番号5のポリペプチドに少なくとも70%同一のポリペプチドを コードする核酸分子; (d’)前記(a’)〜(c’)のいずれかにストリンジェント条件下にハイ ブリダイズする核酸分子;および (e’)前記(a’)〜(d’)のいずれかの相補体である核酸分子 からなる群より選択される,ポリペプチドをコードする核酸分子。 3.配列番号1の核酸分子。 4.配列番号3の核酸分子。 5.配列番号2のポリペプチドをコードする核酸分子。 6.配列番号2のアミノ酸1〜198をコードする核酸分子。 7.請求項1〜6のいずれかの核酸分子を含むベクター。 8.請求項7のベクターを含む宿主細胞。 9.(a)適当な宿主内において請求項1〜6のいずれかの核酸によりコードさ れるポリペプチドを発現する工程;および (b)そのポリペプチドを単離する工程 を含んでなるNNT−1ポリペプチドを製造する方法。 10.(a)配列番号2のポリペプチド; (b)配列番号2のアミノ酸1〜198であるポリペプチド; (c)(a)または(b)のポリペプチドに少なくとも70%同一のポリペプ チド;および (d)(a)〜(c)のいずれかの生物学的活性フラグメント からなる群より選択されるNNT−1ポリペプチド。 11.(a’)配列番号5のポリペプチド; (b’)配列番号5のアミノ酸1〜198であるポリペプチド; (c’)(a’)または(b’)のポリペプチドに少なくとも70%同一のポ リペプチド;および (d’)(a’)〜(c’)のいずれかの生物学的活性フラグメント からなる群より選択されるNNT−1ポリペプチド。 12.配列番号2のポリペプチドまたはその生物学的に活性なフラグメントであ るNNT−1ポリペプチド。 13.配列番号5のポリペプチドまたはその生物学的に活性なフラグメントであ るNNT−1ポリペプチド。 14.アミノ末端メチオニンを有さない請求項12または13のNNT−1ポリ ペプチド。 15.アミノ末端メチオニンをさらに有する請求項12または13のNNT−1 ポリペプチド。 16.特異的にヒトNNT−1と結合する抗体またはそのフラグメント。 17.モノクローナル抗体である請求項16に記載の抗体。 18.神経または免疫疾患または不全を患っている患者を治療する方法であって 、前記患者に請求項12〜15のいずれかに記載のNNT−1ポリペプチドの有 効量を投与することを含んでなる方法。 19.前記疾患または不全が、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側 索硬化、シャルコー−マリー−ツース症候群、ハンチントン病、末梢神経障害、 ジストロフィー、または神経性網膜の退化から選択される請求項18に記載の方 法。 20.前記疾患または不全がB−細胞またはT−細胞の欠損により特徴付けられ る請求項18に記載の方法。 21.前記疾患または不全が、後天性免疫グロブリン血症(CVID)、選択的 IgA不全、低γ−グロブリン血症、および伴性無ガンマグロブリン血症である 請求項20に記載の方法。 22.ワクチン摂取時に免疫反応性および抗体生成を促進する 方法であって、それを必要としている患者に詰求項12〜15のいずれかに記載 のNNT−1ポリペプチドの有効量を投与することを含んでなる方法。 23.それを必要としている患者における炎症条件を治療する方法であって、前 記患者に請求項12〜15のいずれかに記載のNNT−1ポリペプチドの有効量 を投与することを含んでなる方法。
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