JP2002513948A - シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのプラズマ表面処理 - Google Patents

シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのプラズマ表面処理

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JP2002513948A JP2000547143A JP2000547143A JP2002513948A JP 2002513948 A JP2002513948 A JP 2002513948A JP 2000547143 A JP2000547143 A JP 2000547143A JP 2000547143 A JP2000547143 A JP 2000547143A JP 2002513948 A JP2002513948 A JP 2002513948A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、レンズの表面をプラズマ処理、水和、および熱消毒を包含するプロセスに供することによって、シリコーンヒドロゲルレンズの表面上に視覚的に明瞭な、親水性コーティングを提供する。このプロセスは、50×50平方ミクロンのAFM画像を見る場合、この表面が予めプラズマ処理されたレンズと比較して窒素富化である、亀裂により囲まれた突出するプレートのモザイクパターンを有するシリケート含有フィルムを生じるために制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの表面処理に関する。詳細
には、本発明は、コンタクトレンズの表面を改変して、その湿潤性を増大させ、
そして使用の間のタンパク質および脂質の堆積に対する感受性を減少させるため
の方法に関する。表面処理は、表面の50×50平方ミクロンのAFM画像を見
る場合に、後退する(receding)空間もしくは亀裂に囲まれた、高くな
ったプレートのモザイクパターンを有するシリケート含有表面フィルムまたはコ
ーティングを生じる。ここで、(i)この亀裂のピークから谷の距離は、平均し
て約100〜500オングストロームであり、(ii)このプレート適用範囲は
、平均して約40〜99%であり、そして(iii)この窒素元素分析が約6.
0〜10.0%であり、この窒素は、予め決定された深さでのXPS分析によっ
て決定される場合、予めプラズマ処理されたレンズ表面に対して、少なくとも1
0%富化になっている。
【0002】 (背景) シリコーン含有材料から作製されるコンタクトレンズは、長年の間調査されて
きた。そのような材料は、一般に、2つの主要なクラス、すなわち、ヒドロゲル
および非ヒドロゲルに細分され得る。非ヒドロゲルは、相当の量の水を吸収しな
いが、ヒドロゲルは、平衡状態において水を吸収および保持し得る。これらの水
分含有量に関わらず、非ヒドロゲルシリコーンコンタクトレンズおよびヒドロゲ
ルシリコーンコンタクトレンズの両方は、相対的に疎水性の、非湿潤性表面を有
する傾向にある。
【0003】 当業者は、眼と適合性であるように、このようなシリコーンコンタクトレンズ
の表面を改変する必要性を長く認識してきた。コンタクトレンズ表面の親水性の
増大によって、コンタクトレンズの湿潤性を改善することは公知である。次に、
これは、コンタクトレンズの装着の快適感の改善に関連する。さらに、レンズの
表面は、堆積(特に、レンズ装着の間の涙液からのタンパク質および脂質の堆積
)に対するレンズの感受性に影響を及ぼし得る。蓄積された堆積は、眼を不快に
し、またはさらに炎症を生じ得る。長時間装着レンズの場合において、長時間装
着レンズは、睡眠前の毎日のレンズの取り外しを必要とすることなく、延長した
期間にわたる高水準の快適感のために設計されねばならないので、この表面は特
に重要である。従って、長時間装着レンズの使用のためのレジメンは、眼のため
の毎日の時間を提供せずに、レンズ装着のいかなる不快感または他の潜在的な有
害な影響も克服する。
【0004】 シリコーンレンズは、これらの表面特性を改善するために、プラズマ表面処理
に供されている。例えば、表面は、より親水性、堆積耐性、引っ掻き耐性を付与
され、または他に改変されている。プラズマ表面処理を以前に開示した例として
は、コンタクトレンズ表面を、希ガスまたは酸素(例えば、米国特許第4,05
5,378号;同第4,122,942号;および同第4,214,014号を
参照のこと);種々の炭化水素モノマー(例えば、米国特許第4,143,94
9号を参照のこと);ならびに水およびエタノールのような酸化剤および炭化水
素の組合せ(例えば、WO 95/04609および米国特許第4,632,8
44号を参照のこと)を含むプラズマに供することが挙げられる。Peyman
らの米国特許第4,312,575号は、まず、レンズを炭水化物雰囲気に供し
、続いて流動放電(flow discharge)の間、このレンズを酸素に
供することによって実施される電気的グロー放電(プラズマ)処理にこのレンズ
を供し、それによってレンズ表面の親水性を増大させる、シリコーンレンズまた
はポリウレタンレンズ上にバリアコーティングを提供するためのプロセスを開示
する。
【0005】 このような表面処理はシリコーンコンタクトレンズの表面特性を改変するため
に開示されてきたが、この結果は疑わしく、そして商業的な実施可能性に問題が
多かった。これは、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズがまだ市販されるべ
きではないという事実によって疑いがない。例えば、Kamelらの米国特許5
,080,924号は、酸素を用いるプラズマ放電に対して目的の表面を曝露す
ることはこのような表面の湿潤性または親水性を増強させることが公知であるが
、このような処理はもっぱら一時的であるということを述べている。
【0006】 先行技術は、非水和状態におけるコンタクトレンズの表面処理が達成され得る
ことを示すために試みられているが、レンズの表面処理に際して、引き続く処理
工程または製造工程の可能性のある効果は、ほとんどまたは全く議論されておら
ず、そして実際の装着のために製造された十分に処理されたヒドロゲルの表面特
性についてまったく教示または説明されていない。同様に、公開された情報は、
ほとんどまたは全く存在しない。
【0007】 従って、改善された湿潤性を示すだけでなく、延長された期間中、ヒトの眼に
おけるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの使用もまた一般的に許容する、
光学的に透明な、親水性表面フィルムを有するシリコーンヒドロゲルコンタクト
レンズを提供することが望ましい。シリコーンヒドロゲルレンズを長時間装着す
る場合、酸素および水に対しても高度に透過性である表面を有するコンタクトレ
ンズを提供することが非常に望ましい。このような表面処理されたレンズは、実
際の使用に際して装着が快適であり、そして角膜に対する刺激または他の有害な
影響を有することなく、レンズの長時間の装着を可能にする。このような表面処
理されたレンズが経済的な製造を可能にする、商業的に実現可能な製品であるな
らば、望ましい。
【0008】 (発明の要旨) 本発明は、50×50平方ミクロンのAFM(原子間力顕微鏡)画像を見る場
合に、後退する空間または亀裂に囲まれた突出するプレートのモザイクパターン
を有するシリケート含有表面フィルムを有するシリコーンヒドロゲルレンズに関
する。ここで、(i)この亀裂のピークから谷の平均距離(または平均深さ)が
約100〜500オングストロームであり、(ii)このプレート適用範囲が平
均して約40〜99%であり、そして(iii)窒素元素分析が約6.0〜10
.0%であり、そして予め決定された深さでのXPS分析によって決定される場
合、予めプラズマ処理されたレンズ表面に対して、少なくとも10%富化である
。本発明はまた、湿潤性を増大させ、そして装着の間、堆積の形成に対する耐性
を増大させるように、コンタクトレンズの表面を改変する方法に関する。表面フ
ィルムは、適切なプラズマ条件下においてレンズの酸化的プラズマ処理、続く水
和およびオートクレービングによって作製され得る。
【0009】 (発明の詳細な説明) 上述のように、本発明は、シリケート含有コーティングを有するシリコーンヒ
ドロゲルコンタクトレンズおよびそれを製造する方法に関する。このコーティン
グは、レンズの親水性および脂質/タンパク質耐性を改善する。従って、シリケ
ート含有コーティングは、レンズが眼において快適に装着され得ないのではなく
、長時間の間、時間にして24時間より長い間、眼に装着されることを可能にす
る。
【0010】 シリコーンヒドロゲルレンズの表面処理は、シリコーンヒドロゲルレンズは非
水和状態においてプラズマ処理され得るが、そのようなレンズは非ヒドロゲル対
応物とは異なり、コーティング後にレンズの寸法を実質的に変化させ得る溶媒抽
出および水和によって実質的に膨潤されるという事実によって複雑にされている
。実際、水和は、レンズの最終的な水分含有量に基づいて、レンズを、約10〜
約20%またはそれ以上膨潤させ得る。溶媒抽出および水和の間に膨潤するレン
ズに加えて、水和したレンズの続くオートクレービング、パッケージングされた
レンズの製造の間にレンズを滅菌する共通の形態はまた、プラズマで改変したレ
ンズ表面に実質的に影響を及ぼすことが見出された。本発明は、レンズが抽出、
水和、およびオートクレービングされた後でさえ、望ましいコーティングの特徴
を示すシリケート含有コーティングを有する、表面を改変したシリコーンヒドロ
ゲルレンズに関する。
【0011】 詳細には、バルクの方式において、5〜50重量%の1つ以上のシリコーンマ
クロモノマー、5〜75重量%の1つ以上のポリシロキサニルアルキル(メト)
アクリルモノマー、および10〜50重量%のラクタム含有モノマーを含む、シ
リコーンヒドロゲルコンタクトレンズの表面は、比較的狭い空間または亀裂に囲
まれそして分離される比較的平坦なプレートのモザイク様パターンを示す、シリ
ケート含有コーティングとともに提供される。ここで(i)このプレートは平均
して約40〜99%の表面適用範囲を提供し、(ii)この亀裂は平均して約1
00〜500オングストロームの、ピークから谷の距離を有し、そして(iii
)窒素元素分析が約6.0〜10.0%であり、そして予め決定された深さでの
XPS分析によって決定される場合、予めプラズマ処理されたレンズ表面に対し
て、窒素が少なくとも10%富化である。表面処理、水和、および滅菌後の、十
分に処理されたレンズのこれらのコーティングの特徴は、以下で詳細に記載され
るように、原子間力顕微鏡(AFM)下で、50×50平方ミクロンの画像を見
る場合に、観察および決定され得る。
【0012】 本発明は、広範な種々のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ材料に対して
適用可能である。一般に、ヒドロゲルは、平衡状態において水を含有する、水和
した架橋ポリマー系を含む材料の周知のクラスである。シリコーンヒドロゲルは
、一般に、約5重量%より多い水分含有量を有し、そしてより通常には約10〜
約80重量%を有する。このような材料は、通常、少なくとも1つのシリコーン
含有モノマーおよび少なくとも1つの親水性モノマーを含む混合物を重合するこ
とによって調製される。代表的に、シリコーン含有モノマーまたは親水性モノマ
ーのいずれかが、架橋剤(複数の重合可能な官能基を有するモノマーとして規定
される架橋物質(crosslinker))として機能するか、または別の架
橋が使用され得る。シリコーンヒドロゲルの形成における使用に適用可能なシリ
コーン含有モノマー単位は、当該分野で周知であり、そして多くの例が、米国特
許第4,136,250号;同第4,153,641号;同第4,740,53
3号;同第5,034,461号;同第5,070,215号;同第5,260
,000号;同第5,310,779号;および同第5,358,995号に提
供される。
【0013】 適用可能なケイ素含有モノマー単位の例としては、バルキーな(bulky)
ポリシロキサニルアルキル(メト)アクリルモノマーが挙げられる。バルキーな
ポリシロキサニルアルキル(メト)アクリルモノマーの一例は、以下の式Iによ
って示される:
【0014】
【化1】 ここで: Xは、−O−または−NR−を示し; 各R18は、独立して、水素またはメチルを示し; 各R19は、独立して、低級アルキルラジカル、フェニルラジカルまたは
【0015】
【化2】 により表される基を示し、 ここで、各R19'は、独立して、低級アルキルまたはフェニルラジカルを示し
;そして hは、1〜10である。
【0016】 いくつかの好ましいバルキーなモノマーは、メタクリルオキシプロピル トリ
ス(トリメチルシロキシ)シランまたはトリス(トリメチルシロキシ)シリルプ
ロピルメタクリレート(時に、TRISと呼ばれる)およびトリス(トリメチル
シロキシ)シリルプロピルビニルカルバメート(時にTRIS−VCと呼ばれる
)である。
【0017】 代表的なケイ素含有モノマーの別のクラスとしては、シリコーン含有ビニルカ
ルボネートモノマーまたはシリコーン含有ビニルカルバメートモノマー(例えば
、1,3−ビス[4−ビニルオキシカルボニルオキシ)ブト−1−イル]テトラ
メチル−ジシロキサン;3−(トリメチルシリル)プロピルビニルカルボネート
;3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−[トリス(トリメチルシロキ
シ)シラン];3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカ
ルバメート;3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカル
バメート;3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルボ
ネート;t−ブチルジメチルシロキシエチルビニルカルボネート;トリメチルシ
リルエチルビニルカルボネート;およびトリメチルシリルメチルビニルカルボネ
ート)が挙げられる。
【0018】 ケイ素含有ビニルカルボネートモノマーまたはケイ素含有ビニルカルバメート
モノマーの一例は、式IIによって示される:
【0019】
【化3】 ここで; Y’は、−O−、−S−または−NH−を示し; RSiは、シリコーン含有有機ラジカルを示し; R20は、水素またはメチルを示し; dは、1、2、3または4であり;そしてqは、0または1である。
【0020】 適切なシリコーン含有有機ラジカルRSiとしては、以下:
【0021】
【化4】 が挙げられ、 ここで: R21は、
【0022】
【化5】 を示し、 ここで、p’は、1〜6であり; R22は、1〜6個の炭素原子を有するアルキルラジカルまたはフルオロアルキ
ルラジカルを示し; eは、1〜200であり;n’は、1、2、3または4であり;そしてm’は
、0、1、2、3、4または5である。
【0023】 式II中の特定の種の一例は、式IIIによって示される。
【0024】
【化6】 ケイ素含有モノマーの別のクラスとしては、ポリウレタン−ポリシロキサンマ
クロモノマー(時に、プレポリマーとも呼ばれる)が挙げられる。これは、硬性
−軟性−硬性ブロック様の古典的なウレタンエラストマーを有し得る。これらは
、HEMAのような疎水性モノマーを用いて末端キャップ化され得る。このよう
なシリコーンウレタンの例は、種々の刊行物(Lai,Yu−Chin、「Th
e Role of Bulky Polysiloxanylalkyl M
ethacryates in Polyurethane−Polysilo
xane Hydrogels」、Journal of Applied P
olymer Science、第60巻、1193〜1199(1996)を
含む)に開示されている。PCT公開出願番号WO 96/31792は、この
ようなモノマーの例を開示し、この開示は、その全体が、本明細書中に参考とし
て援用される。シリコーンウレタンモノマーのさらなる例は、式IVおよびVに
よって示される: (IV) E(****G)a ****E’;または (V) E(****A)a ****E’; ここで: Dは、6〜30個の炭素原子を有する、アルキルジラジカル、アルキルシクロ
アルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アリールジラジカルまたはア
ルキルアリールジラジカルを示し; Gは、1〜40個の炭素原子を有する、アルキルジラジカル、シクロアルキル
ジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、アリールジラジカルまたはア
ルキルアリールジラジカルを示し、そしてこれは、主鎖中にエーテル結合、チオ
結合またはアミン結合を含み得; *は、ウレタン結合またはウレイド結合を示し; aは、少なくとも1であり; Aは、式VIの二価のポリマーラジカルを示し:
【0025】
【化7】 ここで: 各Rsは、独立して、炭素原子間にエーテル結合を含み得る1〜10個の炭素
原子を有するアルキル基またはフルオロ置換アルキル基を示し; m’は、少なくとも1であり;そして pは、400〜10,000の部分重量を提供する数であり; EおよびE’の各々は、独立して、式VIIによって示される、重合可能な不
飽和有機ラジカルを示し:
【0026】
【化8】 ここで: R23は、水素またはメチルであり; R24は、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキルラジカル、または−CO
−Y−R26ラジカル(ここで、Yは、−O−、−S−または−NH−である)で
あり; R25は、1〜10個の炭素原子を有する二価のアルキレンラジカルであり; R26は、1〜12個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり; Xは、−CO−または−OCO−を示し; Zは、−O−または−NH−を示し; Arは、6〜30個の炭素原子を有する芳香族ラジカルを示し; wは、0〜6であり;xは、0または1であり;yは、0または1であり;そ
してzは、0または1である。
【0027】 シリコーン含有ウレタンモノマーのより特定の例は、式(VIII)によって
示される:
【0028】
【化9】 ここで、mは少なくとも1であり、そして好ましくは、3または4である。a
は少なくとも1であり、そして好ましくは1である。pは、400〜10,00
0の部分重量を提供する数であり、そして好ましくは、少なくとも30である。
27は、イソシアネート基の除去後のジイソシアネートのジラジカル(例えば、
イソホロンジイソシアネートのジラジカル)である。そして、各E’’は、以下
によって示される基である:
【0029】
【化10】 上記に示されるように、シリコーンヒドロゲル材料は、(バルクにおいて、す
なわち、共重合されたモノマー混合物において)5〜50重量%、好ましくは1
0〜25重量%の1つ以上のシリコーンマクロモノマー、5〜75重量%、好ま
しくは30〜60重量%の1つ以上のポリシロキサニル(メト)アクリルモノマ
ー、および10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%のラクタム含有モノ
マー(例えば、N−ビニルピロリドンのようなビニルラクタム)である親水性モ
ノマーを含む。ここで、このパーセンテージは、ヒドロゲルポリマー材料に基づ
く。ラクタム含有モノマーは、疎水性モノマー間に比較的低い臨界表面張力を有
することが知られている。理論によって束縛されることを望まないが、N−ビニ
ルピロリドンと他のラクタムとの比較的低い臨界表面張力(シランモノマーおよ
びマクロマーのが差違が比較的低いように)は、制御された量の成層を生じると
考えられ、その結果、ケイ素富化層は、成形に続いてレンズの表面で形成され、
そして窒素富化層は、表面から十分に隣接した距離で形成され、その結果、窒素
富化層は、製造の間、以下の亀裂、およびレンズ表面のオートクレービングに曝
露される。
【0030】 露出された窒素富化層は、快適性を補助するその親水性の特徴のためだけでな
く、窒素富化がケイ酸含有コーティングの界面接着(そして、それ故、耐久性)
の改善に寄与すると考えられていることからも、利点がある。
【0031】 シリコーンヒドロゲルにおける使用のための、より低い割合での、さらなる親
水性のモノマー(ただし、これは有意に高い臨界表面張力を有する)としては、
以下が挙げられる:不飽和カルボン酸(例えば、メタクリル酸およびアクリル酸
);アクリル置換アルコール(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレートお
よび2−ヒドロキシエチルアクリレート)およびアクリルアミド(例えば、メタ
クリルアミドおよびN,N−ジメチルアクリルアミド)、米国特許第5,070
,215号に開示されるようなビニルカルボネートまたはビニルカルバメートモ
ノマー、ならびに米国特許第4,910,277号に開示されるようなオキサゾ
ロンモノマー。他の親水性のモノマーは、当業者に明白である。
【0032】 一般に、シリコーンマクロモノマーは、分子の2つ以上の末端で不飽和基でキ
ャップされたポリ(オルガノシロキサン)である。上記の構造式中の末端基に加
えて、Deichertらの米国特許第4,153,641号は、さらなる不飽
和基(アクリルオキシまたはメタクリルオキシを含む)を開示する。好ましくは
、シランマクロモノマーは、ケイ素含有ビニルカルボネートもしくはビニルカル
バメート、または1つ以上の硬性−軟性−硬性ブロックを有し、そして親水性モ
ノマーで末端キャップされたポリウレタン−ポリシロキサンである。
【0033】 好ましくは、本発明において用いられるレンズ材料は、フッ素化されていない
か、または比較的わずかなフッ素原子を有する。シリコーンヒドロゲルの形成に
おいて用いられる特定のモノマーのフッ素化は、それから形成されるコンタクト
レンズ上の堆積物の堆積を低減することが示されているが、高度にフッ素化され
た物質はその特定の化学的性質により、本発明によるシリケート含有コーティン
グの生成には用いられ得ない。本発明はまた、米国特許第5,420,324号
によるフマレートシロキサンヒドロゲル組成物には適用可能ではない。理論によ
り束縛されることを望まないが、フマライドシロキサンレンズの表面ケイ素含量
は、十分に可撓性のシリケート材料の形成には高すぎ、その結果、酸化的なプラ
ズマ処理により形成されるシリケート表面は、ガラス状すぎて、引き続く処理の
間に層剥離(delamination)することが推測される。処置される表
面層のケイ素含量は、組成物(その疎水性部分および親水性部分を含む)のバル
ク化学の結果、および/または異なるモノマーまたは元素に関する層の相対的な
富化を生じる表面層化現象の結果のいずれかであり得る。
【0034】 理論により束縛されることを望まないが、本発明による完全に処理されたコー
ティングにおける所望のコーティングは、所望の表面特性(例えば、水和性およ
び堆積耐性)を提供するために十分なシリケート含量、ならびに膨潤の間十分な
可撓性を可能にする十分なポリマー含量、および層剥離を防ぐための加熱滅菌中
の十分な界面間粘着力を有することが考えられる。コーティング中の疎水性部分
および親水性部分の相対的バランスはまた、熱的なおよび水力学的な膨張または
応力の間の層剥離に対するコーティングの耐性に影響し得る。一般に、水中のヒ
ドロゲルの水力学的な膨張は、親水性ポリマー含量の型および量の関数である:
そして熱的膨張はシリコーンポリマー含量の関数である。最初の方が増加すれば
、2番目の方は低下し得る(または逆もまた真である)。
【0035】 従って、最終製品中のシリケート含有コーティングまたはフィルムの化学は、
完全にシリケートから作製されるのではなく、もともとの材料のいくらかは改変
された形態で残留し得る。しかし、プラズマ処理により成形されたコーティング
において、一般に、材料の元来のポリマー性の特徴は、よりガラス状の硬質の材
料に変化される。
【0036】 特定のシリコーンヒドロゲル材料に対する本発明の適用性を決定するために、
レンズを2つの広範に多様なプラズマセットの条件下で処理し得る。最初は「低
くかつ遅い(low and slow)」プラズマ処理であり、そして第2は
「熱くかつ速い(hot and fast)」プラズマ処理である。プラズマ
処理、水和および加熱滅菌の工程(いわゆる、「完全処理」)後に、シリケート
コーティングが得られ得る場合、プロセス条件のいくらかのさらなる調節は、本
発明による表面特徴を有するレンズコーティングを達成し得るはずである。一般
に、「低くかつ遅い」表面処理は、相対的に高いケイ素含有のレンズについて相
対的により効果的である傾向である:「熱くかつ速い」表面処理は、相対的に低
いケイ素含有のレンズについて相対的により効果的である。「低くかつ遅い」表
面処理とは、基質を改変している間、共有結合の崩壊を相対的に最小化するよう
に設計され、これにより、レンズ材料とのコーティング界面でより多くのポリマ
ーをはなす、比較的、短時間、高圧かつ低ワットの条件を意味する。プラズマ処
理のための例示的な「低くかつ遅い」条件(以下の実施例において用いられるよ
うなプラズマチャンバー内での)は、空気/水/過酸化物雰囲気下(HPLC等
級の水中での8%過酸化水素溶液を通して空気をバブリングした)で、100〜
300sccm(1分あたり標準立方センチメートル)で、片面につき1〜2分
、0.3〜0.6トルで、100ワットである。「熱くかつ速い」処理は、表面
の改変を相対的に最大化するように設計された、比較的高ワット、低圧かつ長時
間の条件を意味する。プラズマ処理のための例示的な「熱くかつ速い」条件は、
上記の雰囲気下で、200〜500sccmで、片面につき10分、0.1〜0
.4トルで、400ワットである。シリケート含有コーティングの存在は、表面
粗度(surface roughness:RMS)における、認識可能な変
化または統計学的に有意な変化により、AFMにより証明されるような表面形態
学における可視的変化(例えば、表面プレートの形成)、または完全に処理され
たレンズと比較した処理の前のレンズについてのXPSデータの統計学的有意差
により(明白には酸素および/またはケイ素含量(シリケートのピークの出現を
含む)における差により)証明され得る。コーティングの形成のための好ましい
試験は、95%信頼レベルで、酸素含量における1〜5%の変化である。上記の
ように、完全に、処理されたレンズ(水和および加熱滅菌後)においていかなる
シリケートコーティングもが「低くかつ遅い」処理条件か、または「熱くかつ速
い」処理条件のいずれかにより形成され得る場合、当業者により理解されるよう
に、過度の実験なしに、引き続くプロセス調節により本発明によるコーティング
を得ることが一般に可能である。単なるプラズマ処理後のシリケートコーティン
グの形成が適応性についての試験でないことは注目される。なぜなら、加熱滅菌
の間に引き続く層剥離が出現し得、その結果、完全に処理されたレンズにはコー
ティングはないことが明白となるからである。
【0037】 レンズの製造。本発明によるコンタクトレンズは、種々の従来技術を用いて製
造され得、所望の後方レンズ表面および前方レンズ表面を有する成形された物品
を生じ得る。スピンキャスティング法は、米国特許第3,408,429号およ
び同第3,660,545号に開示される;好ましい静止キャスティング法は、
米国特許第4,113,224号および同第4,197,266号に開示される
。モノマー性混合物の硬化後、しばしば、所望の最終立体配置を有するコンタク
トレンズを提供するために加工操作が続く。例えば、米国特許第4,555,7
32号は、過剰のモノマー性混合物が型枠中のスピンキャスティングにより硬化
され、前方レンズ表面および比較的厚い厚さを有する成形された物品を形成する
プロセスを開示する。硬化されたスピンキャスト物品の後方表面は、引き続き薄
く(lathe)切断され、所望の厚さおよびレンズ後方表面を有するコンタク
トレンズを提供する。さらなる加工操作には、レンズ表面の薄い切断(例えば、
縁仕上げ操作)が続き得る。
【0038】 図1は、レンズの静止キャスティングのために一連の製造プロセス工程を例証
する。ここで最初の工程は、ツーリング(tooling)(1)であり、これ
により所定のレンズ設計に基づき、金属ツールは、伝統的な加工および研磨操作
により組み立てられる。次いで、これらの金属ツールは、複数の熱可撓性型枠を
作製するための射出成形または圧縮成形に用いられる。作製された型枠は、次に
、重合化可能な組成物から所望のレンズをキャストするために用いられる。従っ
て、金属ツールの1セットは、多数の熱可撓性型枠を作製し得る。熱可撓性型枠
は、1つのレンズを形成した後、廃棄され得る。次いで、ツーリング(1)の間
に組み立てられた金属型枠は、前方成形(2)および後方成形(3)のために用
いられ、それぞれ、所望のレンズ前方表面を形成するための前方型枠部分、およ
び所望のレンズ後方表面を形成するための後方型枠部分を作製する。引き続き、
キャスティング(4)の操作の間、モノマー混合物(5)は、前方型枠部分に注
入され、そして後方型枠部分は、所望のレンズ形状を形成するために所定の圧力
で圧着されそしてクランプされる。クランプされた型枠は、好ましくは硬化チャ
ンバーを通して型枠を運搬することにより、特定の時間、UV光または他のエネ
ルギー供給源への曝露により、硬化され得、その後クランプは外される。
【0039】 所望の最終形状を有するレンズの作製後、縁仕上げ操作の前に、レンズから残
りの溶媒を除去することが望ましい。なぜならこれは、代表的に、モノマー性混
合物の重合化により生成される重合化生成物の相分離を最小化するために、そし
て反応するポリマー性混合物のガラス転移温度を低下するために、最初のモノマ
ー性混合物に、有機希釈剤が含まれているからである。これは、硬化プロセスを
より効率的にし、そして最終的には、より均一に重合化された製品を生じる。最
初のモノマー性混合物および重合化された生成物の十分な均一性は、主にケイ素
含有モノマー(親水性コモノマーから分離する傾向であり得る)を含有させるこ
とに起因して、シリコーンヒドロゲルについて特別に関心が高い。適切な有機希
釈剤としては、例えば、一価アルコール、C6〜C10直鎖脂肪族一価アルコール
(例えば、n−ヘキサノールおよびn−ノナノール)が特に好ましい;エチレン
グリコールのようなジオール;グリセリンのようなポリオール;ジエチレングリ
コールモノエチルエーテルのようなエーテル;メチルエチルケトンのようなケト
ン;メチルエナンテートのようなエステル;ならびにトルエンのような炭化水素
が挙げられる。好ましくは、有機希釈剤は、大気圧下または大気圧付近でのエバ
ポレーションによる硬化された物品からの有機希釈剤の除去を容易にするように
十分に揮発性である。一般に、この希釈剤は、モノマー性混合物の5重量%〜6
0重量%で含まれ、特に好ましくは10〜50重量%である。
【0040】 次いで、硬化されたレンズは、溶剤除去(6)に供される。これは、大気圧下
もしくは大気圧付近でまたは減圧下でエバポレートすることにより達成され得る
。温度の上昇は、希釈剤をエバポレートするために必要な時間を短縮するために
使用され得る。溶媒除去工程のための時間、温度および圧力条件は、当業者によ
って容易に決定され得るように、希釈剤および特異的なモノマー性成分の揮発性
のような因子に依存して変化する。好ましい実施態様に従って、除去工程で用い
られる温度は、好ましくは少なくとも50℃、例えば60〜80℃である。不活
性ガスまたは真空下での線形オーブンにおける一連の加熱サイクルは、溶媒除去
の効率を最適化するために用いられ得る。希釈剤除去工程後、硬化された物品は
、20重量%以下の希釈剤(好ましくは5重量%以下)を含むべきである。
【0041】 有機希釈剤の除去後、次に、レンズは、図1の実施態様に従って、離型および
任意の加工操作(7)に供される。この加工工程は、例えば、レンズ縁および/
または表面のバフ仕上げあるいは研磨を含む。一般に、このような加工プロセス
は、物品が型枠部分から外される前または後に実施され得る。好ましくは、この
レンズは、型枠からレンズを持ち上げるため真空ピンセット(tweezer)
を使用することにより型枠から乾燥離型される。この後、レンズは、機械的なピ
ンセットにより第2セットの真空ピンセットへ移され、そして表面または縁を平
滑にするために族回表面に対して配置される。次いでこのレンズは、レンズの他
方の面を加工するために裏返され得る。
【0042】 離型/加工操作(7)に引き続いて、このレンズは、好ましくは、酸素含有ガ
スを使用するレンズ表面の酸化的RFプラズマ処理により、表面処理(8)に供
される。プラズマ処理は、低圧でガスを通る放電を通過させる工程を含む。放電
は、通常、高周波(代表的に13.56MHz)であるが、マイクロ波および他
の周波数は用いられ得る。この放電は、その気体状態で原子および分子により吸
収され、このためコンタクトレンズの表面と相互作用するプラズマを形成する。
【0043】 先行後術では、酸化プラズマ(例えば、O2(酸素ガス)、水、過酸化水素、
空気など、またはそれらの混合物を用いる)は、レンズの表面をエッチングする
ために用いられて、遊離基および酸化型の官能基を生成する。このような酸化は
、シリコーンレンズの表面をより親水性にすることが公知である;しかし、シリ
コーン材料のバルクの特性は、レンズの表面で明白なままであり得るか、または
比較的短時間の使用後明白になり得る。例えば、酸化が比較的表面的である場合
、レンズ表面に隣接するシリコーン鎖は、移動および/または回転し得、従って
、完全に抽出されたポリマー上においても、外部表面に対して疎水性基を露出さ
せる。また、酸化された表面は、さらなる処理工程(オートクレーブ工程を含む
)の間の、層剥離に起因して、コーティングを損失し得る。対照的に、本発明の
プラズマ条件は、得られるコーティングの注意深い品質管理に基づいて、表面材
料の切除および酸化の所望の組み合わせを得るように、調節および設定される。
それにより、基礎にあるシリコーン材料と外部レンズ表面との間の持続性の障壁
である、比較的厚いコーティングが、最終製品において得られる。
【0044】 レンズの表面改変のためのプラズマは、低いエネルギー放出により開始される
。プラズマ内に存在するエネルギー性自由電子間の衝突は、イオンの形成、励起
分子、およびフリーラジカルを生じる。このような種は、一旦形成されれば、気
相中でそれ自身、そしてさらに基底状態の分子と反応し得る。プラズマ処理は、
エネルギー性気体分子を含むエネルギー依存性プロセスとして理解され得る。レ
ンズの表面で生じる化学反応のために、荷電状態および粒子エネルギーに関して
必要な種(元素または分子)が必要である。高周波プラズマは、一般的にエネル
ギー性の種の分布を生じる。代表的に、「粒子エネルギー」とは、エネルギー性
の種についてのエネルギーのいわゆるBoltzman−style分布の平均
をいう。低密度のプラズマでは、電子エネルギー分布は、放電圧に対する、プラ
ズマを持続する電場強度の比(E/p)により関連され得る。プラズマ電力圧密
度(plasma power density)Pは、当業者により理解され
るように、ワット、圧力、気体の流速などの関数である。プラズマ技術に関する
背景情報(これによって、参考として援用されている)は、以下を含む:A.T
.Bell,Proc.Intl.Conf.Phenom.Ioniz.Ga
ses,「Chemical Reaction in Nonequlibr
ium Plasmas」、19〜33(1977);J.M.Tibbitt
,R.Jensen,A.T.Bell,M.Shen,Macromolec
ules,「A Model for the Kinetics of Pl
asma Polymerization」,3,648〜653(1977)
;J.M.Tibbitt,M.Shen,A.T.Bell,J.Macro
mol.Sci−Chem.,「Structural Characteri
zation of Plasma−Polymerized Hydroca
rbons」,A10,1623〜1648(1976);C.P.Ho,H.
Yasuda,J.Biomed,Mater.Res.,「Ultrathi
n coating of plasma polymer of metha
ne applied on the surface of silicon
e contact lenses」,22,919〜937(1988);H
.Kobayashi,A.T.Bell,M.Shen,Macromole
cules,「Plasma Polymerization of Satu
rated and Unsaturated Hydrocarbons」,
3,277〜283(1974);R.Y.Chen,米国特許第4,143,
949号(1979年3月13日)「Process for Putting
a Hydrophilic Coating on a Hydropho
bic Contact lens」;ならびにH.Yasuda,H.C.M
arsh,M.O.Bumgarner,N.Morosoff,J.of A
ppl.Poly.Sci.,「Polymerization of Org
anic Compounds in an Electoroless Gl
ow Discharge.VI.Acetylene with Unusu
al Comonomers」,19,2845〜2858(1975)。
【0045】 プラズマ技術の分野における、この以前の研究に基づいて、プラズマ改変の速
度に対する圧力および放電力を変化させる効果が、理解され得る。速度は、一般
に、圧力が増大するにつれて、低下する。従って、圧力が増加する場合、E/p
(気体圧に対するプラズマを持続する電場強度の率)の値は低下し、そして平均
電子エネルギーの低下を生じる。電子エネルギーにおける低下は、次に全ての電
子−分子衝突プロセスの速度定数の低下を生じる。圧力の増加のさらなる結果は
、電子密度の低下である。圧力が一定に保たれている条件では、電子密度と電力
との間に線形の関係が存在し得る。
【0046】 実際に、コンタクトレンズは、電子グロー放電反応管(例えば、真空チャンバ
ー)内で、その非水和化状態で配置することにより、表面処理される。このよう
な反応管は市販されている。このレンズは、アルミニウムトレー(電極として作
用する)上の管内で、またはレンズの位置を調節するために設計された他の支持
デバイスで保持され得る。特殊化された支持デバイス(レンズの両側の表面処理
を可能にする)の使用は、当該分野において公知であり、そして本発明において
用いられ得る。
【0047】 プラズマ処理において使用されるガスは、約0.1〜1.0トルの圧力で、適
切には、約100〜1000ワットの間、好ましくは200〜800ワットの間
、より好ましくは300〜500ワットの間で、例えば、13.56MHzの電
子放電周波数で、例えば、空気、水、過酸化物、O2(酸素ガス)またはそれら
の組み合わせのような酸化媒体を含む。プラズマ処理時間は、有効だが効率的な
製造のためには、片面につき4分より長く、好ましくは片面につき少なくとも約
5分であり、より好ましくは片面につき約6〜60分であり、最も好ましくは、
片面につき約8〜30分である。相対的に「強力な」酸化プラズマは、この最初
の酸化に利用されることが好ましい。(例えば、好ましくは50〜500scc
m、より好ましくは100〜300sccmの流速で、大気を3〜30重量%、
好ましくは4〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%の過酸化水素水溶液
を通して流す)。
【0048】 このようなプラズマ処理は直接、光学的清明度が影響される点に接近し得る、
比較的厚い平滑なフィルムを生じ、これは約1500オングストロームである。
好ましくは、プラズマ後コーティング厚は、1000オングストロームより大き
いべきである。なぜなら、かなりの厚さが、引き続く処理の間に失われるからで
ある。水和およびオートクレーブの後、以下にさらに議論するように、表面は、
裂け、そして厚さは、最初のコーティングの厚さから50%より多く、90%以
上でさえもが、低下し得る。
【0049】 所望のコーティングを得るため、プロセスのパラメーターは、さらなる処理工
程に供される後に供されるように、所望のコーティングを生じる切除およびガラ
ス形成の組み合わせを得るために調節される必要があり得る。コーティングの厚
さは、プラズマ流速およびチャンバー温度に感受性である。フロー速度が高いほ
ど、切除をより多く生じる傾向である:圧力が低いほどプラズマチャンバーの外
により厚いコーティングを生じる傾向である。しかし、より高い温度では、より
ガラス質でないかつ、より粘着性でない表面を生じる傾向であり得る。
【0050】 コーティングは、多数の変数に依存するので、所望のコーティングまたは最適
のコーティングを得るための最適の変数は、ある程度の調節を必要とし得る。1
つのパラメーターが調節される場合、1つ以上の他のパラメーターの代償性の調
節が適切であり得、その結果、いくつかの日常的な試行および誤差実験ならびに
それらの相互作用が本発明によるコーティングを得るために必要であり得る。し
かし、プロセスパラメーターのこのような調節は、本開示およびプラズマ処理に
おける技術水準を考慮して、過度の実験を含むまないはずである。上記のように
、プロセスパラメーター間の一般的関係は、当業者に公知であり、そしてプラズ
マ処理の技術は、近年、十分発展してきた。以下の実施例は、シリコーンヒドロ
ゲルレンズ上にコーティングを形成するための本出願人らの最適の態様を提供す
る。
【0051】 図1の実施態様における表面処理(8)の工程に続き、レンズは、レンズ中の
残留物を除去するための抽出(9)に供され得る。一般に、コンタクトレンズの
製造において、モノマー混合物のいくらかは、完全に重合化されていない。重合
化プロセスからの不完全に重合化された物質は、光学的清明度に影響し得るか、
または眼に対して有害であり得る。残留物質は、以前の溶剤除去操作により完全
に除去されていない溶媒、モノマー混合物からの未反応のモノマー、重合化プロ
セスからの副産物として存在するオリゴマー、またはレンズを形成するために用
いられた型枠から移動し得る添加剤をさえ、含み得る。
【0052】 重合化コンタクトレンズ物質からこのような残留物質を抽出するための従来の
方法は、数時間のアルコール溶液での抽出(疎水性残留物質の抽出のため)、そ
の後の水での抽出(親水性残留物質の抽出のため)を含む。従って、アルコール
抽出溶液のいくらかが重合化コンタクトレンズ物質のポリマー網目に残り、そし
てレンズが安全にかつ快適に眼に装着され得る前に、レンズ物質から抽出される
べきである。レンズからのアルコールの抽出は、数時間、加熱した水を使用して
達成され得る。抽出は、可能な限り完全であるべきである。なぜなら、レンズか
らの残留物質の不完全な抽出はレンズの有効期限に対して有害に影響し得るから
である。また、このような残留物は、光学的清明度またはレンズ表面の所望の均
一な親水性を妨害することにより、レンズの性能および快適性に影響し得る。選
択された抽出溶液がレンズの光学的清明度にどのような方法でも有害に影響しな
いことが重要である。光学的清明度とは、レンズが可視的に検査された場合に、
観察された清明度のレベルとして主観的に判断される。
【0053】 抽出(9)に引き続き、レンズは、水和(10)に供される。ここでレンズは
水、緩衝化生理食塩水などで完全に水和される。レンズが最終的に完全に水和さ
れる場合(ここで、レンズは代表的に10〜約20%以上、膨潤し得る)、コー
ティングは、完全で、かつレンズに結合されたままであり、層剥離に耐性である
ことが見出されている耐久性の親水性コーティングを提供する。
【0054】 水和(10)の後、レンズは、外観の検査(11)を受け得る。ここで訓練さ
れた検査官が清明度、および孔、粒子、泡、傷、裂け目などの欠損の存在しない
ことについてコンタクトレンズを検査する。検査は、好ましくは10×倍率であ
る。レンズが外観検査(11)の工程を合格した後、このレンズは、消費者のた
めに滅菌状態にレンズを維持するためのバイアル、プラスチック性ブリスター包
装、または他の容器中のいずれであっても、パッケージング(12)のために準
備される。最後に、パッケージングされたレンズは、滅菌(13)に供される。
この滅菌は、当業者に理解されるように、従来のオートクレーブ、好ましくは空
気加圧滅菌サイクル(時に、空気蒸気混合サイクルといわれる)の下で、達成さ
れ得る。好ましくは、このオートクレーブは、10〜120分間の間、100℃
〜200℃である。滅菌後、滅菌されたレンズのレンズ寸法は、貯蔵の前にチェ
ックされ得る。
【0055】 水和および滅菌工程の後、プラズマ処理により生成されたシリケート含有コー
ティングは、その最終形態に改変されている。ここでこのコーティングは、川に
囲まれる狭い間隔の島の外観に似た、後退する亀裂をにより囲まれた、突出する
プレート状のモザイクパターンを示す。Atomic Force Micro
scopyによる50×50平方ミクロンの画像の視野で、亀裂のピーク/谷間
距離(または深さ)が、平均で約100オンングストロームと500オングスト
ロームとの間である場合、プレート適用範囲(plate coverage)
(または表面の適用範囲)は、平均で約40%と99%との間であり、そして(
iii)窒素元素分析は、約6.0〜10.0パーセントであり、事前プラズマ
処理したレンズ表面に対して少なくとも10%富化されている(所定の深さでの
XPS分析により決定されたように)。亀裂の深さは、「コーティング厚」の測
定値であると考えられ得る。ここでこの亀裂は、シリケート含有のガラス状コー
ティング下の基部にあるヒドロゲル物質を露出する。好ましくは、亀裂のピーク
/谷の間の距離は、平均で150オングストロームと200オングストロームと
の間で、そして好ましくは、このプレート適用範囲は平均で約50%〜99%、
より好ましくは60%〜99%である。好ましくは、窒素元素分析は、約7.0
〜9.0パーセントであり、これは、事前プラズマ処理されたレンズ表面に対し
て少なくとも約20パーセント富化されており、より好ましくは、約7.5%よ
り多くの窒素、そして約25%より多い窒素富化である(以下の実施例で記載さ
れる手順であるXPS測定に従って)。
【0056】 用語「平均で(して)」とは、最適範囲におけるそれぞれのレンズの平均の測
定値に基づいて、商業的製造の間に採用されるレンズの制御されたロットの測定
値の統計的平均を意味する。好ましくは、それぞれのレンズについての平均は、
以下の実施例のように、それぞれのレンズの片面について、3つの50×50平
方ミクロンの画像の評価に基づいて算出される。用語「制御された製造」または
「制御されたプロセス」は、製造された製品が一貫して生産され、そして品質管
理に供され、その結果、平均値が、亀裂の深さおよびプレート適用範囲に関して
、その選択された範囲内、または仕様の予め選択された範囲内であることを意味
する。一貫性に関しては、製造されたレンズの好ましくは少なくとも70%、よ
り好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%(95%信頼
性レベルで)が、コーティング厚およびプレート適用範囲について要求される範
囲に適合すべきである。好ましくは、製造されたレンズの表面適用範囲およびコ
ーティング厚についての平均値は、90%信頼性レベル内で、より好ましくは9
5%信頼性レベル内で、要求される範囲内であるべきである。
【0057】 (実施例1) この実施例は、以下の実施例に使用される代表的なシリコーンヒドロゲルレン
ズ材料を開示する。材料についての処方は、以下の表1に提供される。
【0058】
【表1】 以下の材料は、上に記載されている。
【0059】 TRIS−VC トリス(トリメチルシロキシ)シリプロピルビニルカルバメ ート NVP N−ビニルピロリドン V225 米国特許第5,534,604号に以前に記載されたシリコ ーン含有ビニルカルボネート VINAL N−ビニルオキシカルボニルアラニン Darocur Darocur−1173、UVイニシエーター ティント剤 1,4−ビス[4−(2−メタクリルオキシエチル)フェニ ルアミノ]アントラキノン。 (実施例2) この実施例は、本発明に従うコンタクトレンズの表面改変のためのプロセスを
例示する。上記実施例1の処方物から作製されたシリコーンヒドロゲルレンズは
、ポリプロピレン成形からキャスト成形された。不活化窒素雰囲気下で、45μ
lの処方物を、清潔なポロプロピレン凹面成形片側上に注入し、そして相補的ポ
リプロピレン凸面成形片側で被覆する。これらの成形片側を、70psiの圧力
で圧縮し、そしてその混合物を、約15分間、UV光(Spectronic
UVメーターによって測定して、6〜11mW/cm2)の存在下で、硬化した
。その成形を、UV光にさらに約5分間曝露した。
【0060】 上部の成形片側を除去し、そしてそのレンズを60℃で3時間、強制空気オー
ブンにおいて維持し、n−ヘキサノールを除去した。引き続いて、そのレンズの
端を、10秒間、2300rpmで、60gの力でバフ磨きをした。次いで、そ
のレンズを、以下のようにプラズマ処理した:そのレンズを、凹面を上にしてア
ルミニウム被覆トレー上に置き、そしてそのトレーをプラズマ処理チャンバに置
いた。その雰囲気を、空気を400sccmでチャンバ中に、8%の過酸化物溶
液を通して通過させることによって製造し、空気/H2O/H22の気体混合物
を生じる。そのレンズを、8分間プラズマ処理した(350ワット、0.5トル
)。次いで、そのチャンバを、周囲圧まで充填した。次いで、そのトレーを、チ
ャンバから取り出し、そのレンズをひっくり返し、そしてその手順をレンズの反
対側をプラズマ処理するために繰り返した。
【0061】 レンズを、プラズマチャンバから、そして完全に処理した後に直接分析した。
完全処理には、プラズマ処理後、抽出、水和、およびオートクレーブ滅菌が含ま
れる。抽出は、イソプロパノールを室温で4時間利用した(商業用製造の間は、
最低48時間、その後約85℃で4時間の水中での抽出が好ましい)。次いで、
そのレンズを、緩衝化生理食塩水中に水和のために浸漬させた。オートクレービ
ングを、そのレンズを用いてバイアル中で行い、水性パッケージング溶液中に浸
漬させた。
【0062】 プラズマチャンバは、Branson GaSonics Division
(Model 7104)により製造された、直流DC RFGDチャンバであ
った。このチャンバは、500ワットの最大出力を有する冷平衡化平面配置であ
った。全てのレンズを、チャンバ中の残余の空気から、任意のプラズマ処理の前
に0.01トルに予めポンピングした。このプロセスは、ポリマーの相対的な処
理レベルを気体圧力を制御することによって減少させた。
【0063】 この研究における全てのレンズを、受けとった状態で分析した。プラズマ処理
前およびプラズマ処理後のレンズを、乾燥状態で分析した。完全に処理したレン
ズを、バイアルから取り出し、そしてHPLCグレードの水中で定常的な様式で
少なくとも15分間、脱塩した。各ロットの、プラズマ処理前のレンズ、プラズ
マ処理後のレンズ、および完全処理レンズからの3つのレンズの後方および3つ
のレンズの前方を、X線Photoelectron Spectroscop
ic(XPS)によって分析した。
【0064】 XPSデータをPhysical Electronics[PHI]Mod
el 5600 Spectrometerによって獲得した。データを収集す
るために、その装置のアルミニウムアノードを、300ワット、15kV、およ
び20mAで操作した。Al Kα線が、ドーナツ形のレンズ系によって単色光
化された励起源であった。7mmのフィラメントを、X線単色光計によって利用
し、X線源に集中させ、これは、中和剤(neutralizer)の使用を介
しての電荷の散逸の必要性を増大させる。装置の基底圧力は、2.0×10-10
トルであったが、操作中は、1.0×10-9トルであった。半球状のエネルギー
分析器は、電気動力学エネルギーを測定する。炭素に関して、サンプリングの角
度45°での装置の実践的なサンプリングの深さは、およそ74オングストロー
ムである。全ての元素を、炭素結合エネルギーの285.0eVのCHxピーク
に対して電荷補正した。
【0065】 プラズマ改変標本の各々を、低分解能調査スペクトル[0−1100eV]を
利用するXPSによって分析し、サンプル表面上に存在する元素を同定した。高
分解能スペクトルを、低分解能スキャンから検出された元素に対して行った。元
素の組成を、高分解能スペクトルから決定した。原子組成を、装置の伝達機能で
増感した後の光電子ピーク下の領域、および目的のオービタルについての原子断
面から計算した。XPSは、水素またはヘリウムの存在を検出しないので、これ
らの元素は、原子のパーセントの計算には含まれない。原子組成データの概略を
、表2に示した。
【0066】
【表2】 各実験は、50〜100個のレンズのサンプルロットからの6個のレンズの試
験を包含していた。実験1〜3のプラズマ処理前のレンズの調査スペクトルは、
酸素、窒素、炭素、およびケイ素を示す光電子ピークを含む。ケイ素2p3/2
ーク位置(102.4eV)は、表面上で検出されたケイ素が、シリコーンの誘
導体に由来したことを示す。実験1〜3のプラズマ処理後のレンズの調査スペク
トルは、酸素、窒素、炭素、ケイ素、およびフッ素を示す光電子ピークを含む。
フッ素は、レンズを保持するために使用されるトレーを支持するTeflonラ
ンナーのプラズマ切除の副産物である。ケイ素2p3/2光電子ピーク位置(10
3.7eV)は、表面上の検出されたケイ素がシリケートに由来したことを示す
。これは、コーティングの存在を確証する。証明されたように、異なる実験につ
いての元素分析におけるわずかな差異は、プラズマ処理のパラメータ、チャンバ
の位置のわずかな変化から、またはこの特定のロットのレンズの固有の表面特性
の結果として生じ得る。
【0067】 さらに、原子間力顕微鏡(AFM)を、コンタクトレンズ表面の形態を研究す
るために利用した。AFMは、鋭い探針とレンズ表面の原子との間のナノスケー
ルの力(10-9N)を測定することによって機能する。その探針は、カンチレバ
ー基板上にマウントされる。レーザー検出システムによって測定されるカンチレ
バーのゆがみは、高さの情報を作成することによって処理される。高さの情報を
集める間に、探針は、x−y平面に走査され、レンズ表面の3次元のトポグラフ
画像を作製する。各レンズの光学ゾーンにおいて、3つの画像を、レンズの両面
上にサンプリングした。
【0068】 コーティングによって被覆されたそのレンズの表面の画分を、「プレート適用
範囲」または「表面適用範囲」という。この測定は、ときどき、表面の高さのヒ
ストグラムを観察することによって、簡単になされる。しかし、そのコーティン
グが薄すぎる場合(<10nm)、その適用範囲はヒストグラムからは得られな
い。これが生じる場合、問題のAFM画像は、その正確な適用範囲が公知である
以前のAFM画像と比較される。この視覚的方法が使用される場合、その適用範
囲が見積もられ、そして±10%内に補正される。
【0069】 図2は、水和およびオートクレービングによってさらに処理する前にプラズマ
処理したレンズを示す原子間力顕微鏡(AFM)のトポグラフ画像である。その
画像は、その外観においてプラズマ処理前の表面と非常に類似したなめらかな表
面(100%表面適用範囲)を有するレンズのコーティングを示す。これは、ほ
とんどのプラズマコーティングが、元々の表面に等角であるからである。明らか
なように、その表面は、完全になめらかではない。その表面は、工具の跡に起因
するいくらかの微細な多方向性スクラッチを示す。
【0070】 図3は、本発明に従うレンズ表面との比較であり、そして片面あたりわずか4
分のプラズマ処理時間の後の、それ以外はこの実施例の処理条件と匹敵する、オ
ートクレーブされたプラズマ処理レンズ(完全に処理された)を示す原子間力顕
微鏡(AFM)写真である。このコーティング厚は、わずか4+/−2nmの厚
さで、わずか約20%の適用範囲である。その画像の色づけは、その表面上の異
なる高さを表す。より明るい領域は、上昇した特徴に対応し、一方、暗い領域は
、窪んだ特徴に対応する。図3の画像において、そのコーティングは、亀裂し、
そしてはがれ落ちており、そのレンズの表面を曝し、それゆえ、ほとんど見えな
い、プレートの比較的なめらかな表面を示していることが明らかである。
【0071】 図4は、イソプロパノールでの抽出後のプラズマ処理レンズの原子間力顕微鏡
(AFM)画像である。そのレンズの厚さは、約100nm(これは、引き続く
オートクレービングの間に減少される)であり、そしてその表面適用範囲は、約
50パーセントである。このAFM画像は、乾燥状態にあるので、抽出されそし
て完全に処理されたレンズのその表面適用範囲は、匹敵する。
【0072】 図5は、8分の時間後に、水和しそしてオートクレーブしたプラズマ処理レン
ズ(本発明に従って完全に処理された)を示す原子間力顕微鏡(AFM)のトポ
グラフ画像(50×50平方ミクロン)であり、良好な表面適用範囲を有する明
確なプレートを示す。コーティングの厚さは、約95パーセントの表面適用範囲
を有する約10+/−2nmの厚さ(100オングストローム)である。
【0073】 コーティング内の亀裂の平均の深さ(「コーティングの厚さ」ともいわれる)
は、AFMソフトウェアを使用して直接測定された。各写真において3〜5個の
島(任意に選択された)の厚さを、測定し、そして平均して各画像の全体のコー
ティングの厚さを得る。好ましくは、完全に処理されたレンズのRMSの起伏(
roughness)は、約50nm未満であり、より好ましくは、約2〜約2
5nmであり、最も好ましくは、5〜20nmである。
【0074】 この比較は、圧力または空気流速のような他のパラメータに加えて、プラズマ
処理時間が、所望のコーティングを得るためのプラズマ処理の間の有意な制御パ
ラメータであることを示す。
【0075】 (比較例3) 上記実施例1における処方物のシリコーンヒドロゲルレンズを、片面当たり4
分間プラズマ処理し、そして臨床研究において使用した。レンズ表面のトポグラ
フの変化のために、ロットのいくつかは、原子間力顕微鏡(AFM)(50×5
0平方ミクロンの画像が、1.5×108平方ミクロンに等しいレンズの代表的
面積からなる)による表面画像化を使用して検査したときに、プレートの任意の
証拠を有さずに平滑な表面を示した。全範囲の表面を示す13個のロットを検査
し、そして「モザイクから過渡期」(本明細書中以下で「モザイク」)および「
過渡期から平滑」(本明細書中以下で「平滑」)として分類した。およそ42パ
ーセントのレンズが、平滑表面を示した。用語「平滑」により、レンズに関して
、川によって囲まれた密接に間隔を置いた島に類似する、谷または亀裂に囲まれ
たシリケートプレートを示さないレンズの表面を意味する。その平滑レンズはま
た、30パーセント未満の表面適用範囲および約50オングストローム未満の深
さの谷を有するレンズを含んでいた。モザイクレンズは、30パーセントより大
きい適用範囲、および50オングストロームより大きい深さの谷を示したもので
あった。
【0076】 表面の特徴を臨床成績と相関させるために、臨床研究に使用したレンズを、そ
の研究に関与した臨床医によって提供される情報に基づいて、堆積の程度によっ
て分類した。グレードのレベルは、スリットランプの分析を介して堆積の漸増レ
ベルに対応する0〜4であった。患者の数が高いグレード0および1について、
そのレンズを、グレードの半分が脂質について、そして残りがタンパク質につい
て試験され得るように分離した。グレード2、3、および4におけるレンズの数
はずっと低いので、これらのレンズを半分に切断し(メスおよび手袋を使用して
)、各レンズをタンパク質および脂質について試験され得るようにした。これら
のレンズについて作製されたデータを、レンズ全体上の堆積を表すために二倍に
した。そのレンズを、3ヶ月間、装着した各週の終わりに酵素洗浄を使用し、次
いで、ReNu MPS溶液で終夜殺菌して、装着した。いくつかの場合におい
て、そのレンズを、特定の理由から、その3ヶ月の前に取り替えた。他の全ての
場合において、そのレンズを全ての研究の間装着した。3ヶ月後、全てのレンズ
を輸送(乾燥状態で)し、そして到着時に冷蔵庫に保存した。
【0077】 堆積特性(組成物)に対する表面の特徴をさらに相関付けるために、堆積のタ
ンパク質および脂質分析を行った。タンパク質分析を、比色定量BCA分析法(
Sigma)を使用して行った。この方法は、タンパク質に誘導されたCu(I
I)からCu(I)への還元を利用する。次いで、紫色の複合体(AMAX=56
2nm)が、還元した銅にビシンコニン酸(Bicinchoninic ac
id)(BCA)を添加した後に形成される。その複合体の強度は、タンパク質
濃度範囲5μg/ml〜2000μg/mlにわたって正比例することが示され
る。37℃でのインキュベーションの後、発色の速度は、十分に遅延し、大多数
のサンプルが1回の試行で行われるようにする。使用した標準タンパク質溶液は
、BSAであり、標準濃度範囲は0〜200μgであった。分析プロトコルは以
下であった: 1)標準の調製において、装着されていないレンズを、バイアルから取り出し
、風乾し、次いでプラスチック遠心分離管中に、標準BSA溶液とともに置く。
装着済みのレンズ(風乾してもある)をまた、遠心分離管中に置く。次いで、B
CA/硫酸銅(II)溶液の混合物を、乾燥したレンズに添加する。
【0078】 2)次いで、管を37℃で15分間水浴中に置く。インキュベーションの後、
その紫色の複合体が発色する。
【0079】 4)サンプルおよび標準を562nmで読む。
【0080】 5)次いで、タンパク質濃度を、吸光度対濃度(μg)の標準プロットから決
定する。
【0081】 6)報告されるタンパク質の結果は、結合したタンパク質の総量を示す。
【0082】 ガスクロマトグラフィー(GC)は、総脂質濃度を決定する方法である。トリ
パルミチン(C16)を、全てが類似の保持時間を示したC12〜C22鎖長脂質の、
以前のGC試行に基づいて標準として使用した。標準のストック溶液は、塩化メ
チレン中の1mg/mlのトリパルミチンであり、そこで標準についてのその濃
度範囲は、0〜100μgであった。包含された分析プロトコルは、以下の工程
であった:
【0083】
【数1】 上記と同じプロトコルを、標準について使用し、ここで装着していないレンズを
標準溶液とともにガラス試験管に入れた。それ以外は、プロトコルは以下のよう
であった: 1)ヘキサンを(加熱して)レンズに添加したとき、そのレンズは、溶解しそ
して最終的に管の底に沈殿する。2相が形成される。底の層は、曇っており(M
eOH層)、そして上部の層(ヘキサン層)は透明である。ヘキサン層を抽出す
る。サンプルおよび標準の抽出を二回行う。そのレンズがこの手順の間に溶解す
る事実により、表面上の脂質およびレンズマトリックスに潜在的に埋まった脂質
の両方の総量を決定し得る。
【0084】 2)N2流を使用して、ヘキサンを管から吹き飛ばす。次いで、そのサンプル
および標準を、50μlのヘキサン中に再懸濁する。
【0085】 3)ヘキサンを、GC(2μl)に通して、ピークが適切な保持時間を伴って
出現することを確認する。
【0086】 4)次いで、各管から2μlの量をGCに注入する。そのシリンジを、各試行
間にヘキサンで10〜14回洗浄した。脂質の保持時間は、鎖長に対応する。C 8 〜C12、C12、C14、およびC16〜C18は、漸増間隔で出現する。GCは、F
ID検出器(質量)に連結したCapillary CG30ft HPR1カ
ラムであり、従って、質量をピークに対応して読むことができる(μgで)。
【0087】 5)トリパルミチンの標準曲線は、ピーク面積対脂質の量(μg)でプロット
する。
【0088】 臨床医のグレード付スケールに基づいて、その研究に関与した患者の86%が
、グレード0〜2に分類され、これは最小の表面堆積または表面堆積がないこと
を反映する。これらのグレード間の平均のタンパク質濃度は、34.2μgであ
り、そして脂質の平均の量は、17.5μgであった。研究におけるタンパク質
および脂質分析の詳細な結果は、以下の表3に示される。
【0089】
【表3】 観察されたタンパク質および脂質の濃度の範囲は、堆積レベルにおける個々の可
変性および堆積のグレードの臨床医の評価における可変性を示す。全体として、
全てのグレードのうちのタンパク質レベルは、グレード0(ここでは、その数は
、少し低い(25μg))を除いて、比較的定常(約35〜40μg)のままで
ある。しかし、脂質堆積は、グレードとともに一貫して増加し、これは、重粘度
(heavy soiler)が、平均で脂質においてタンパク質よりも堆積す
るようであることを示す。グレード3および4の堆積を有するとして分類された
24人の患者のうち、5人が不快感を経験した。レンズの齢(装着時間)と堆積
の程度と間の相関は観察されなかった。
【0090】 以下の表は、堆積のグレード間のロットの分布を示し、これは特定のロットに
おける堆積に対するレンズの相対的な感受性を示す。
【0091】
【表4】 レンズ表面を堆積に相関させることにより、結果は以下であった:
【0092】
【表5】 *これらのロットは、湿潤した堆積および/または多量の堆積がより少ないロッ
トとして、視野において記録されたものであった。
【0093】 これらの結果は、上記実施例2からの図3のものと同様の「モザイク」表面特
徴を示すプラズマ処理レンズについて、2より大きい堆積評点を有するレンズの
パーセントが8%であり、一方、同様に、図2の「モザイク」表面特徴を示さな
かったプラズマ処理レンズについて(例えば、図4に示すレンズのように)、2
より大きい堆積評点を有するレンズのパーセントは、14%であり、これはモザ
イクパターンについての統計学的に有意な優位性を示した。
【0094】 (実施例4) 本発明に従うレンズの湿潤特性における変化を示すために、接触角の測定を、
未処理のレンズについて(プラズマ処理前)、プラズマ処理レンズ(プラズマ処
理後すぐに)、および完全に処理した後(水和および熱滅菌を含む)について行
った。接触角を、以下のように測定した。白金ワイヤ(Pt)を、汚染を最小に
するために利用した。Ptワイヤを、そのワイヤが、試験に利用した水(HPL
Cグレード)が新鮮で清潔な金属表面(汚染を含まない)に曝されたことを確実
にするために、鈍い赤(オレンジ)色に到達するまで、ブンゼンバーナーの炎を
通して引っ張った。約2μlの水を、そのボトルからワイヤまで移し、このプロ
セスは、ワイヤの最大量が液体下にあるようにそのボトルを傾けることを包含し
ていた。ワイヤ上の水を、その表面にそって引くことなしに、実施例1の材料で
作られたレンズに移した。一旦、移されると、NRL−100 Rhame−H
art Contact Angle Goniometerを、接触角を測定
するために利用した。基線を、基線が液滴の底とそれ自体の反射との間に引かれ
るまで、ステージの高さを調節することによって設定した。基線を見つけた後、
液滴によって形成された接触角を、右側、および左側で測定した。別の水滴を、
最初の液滴に添加し、次いで、その接触角を、左側および右側について再び計算
した。4つ全ての測定を平均した。この測定を利用して、処理前のそのレンズの
表面は、約90ダイン/cmの水接触角を示した。プラズマ処理後、水接触角は
、0ダイン/cmであった。熱滅菌の後、完全に処理したレンズは、72.4+
/−2ダイン/cmの接触角を示した。全ての測定を乾燥したレンズ上で行った
【0095】 本発明の多くの他の改変および変更が、本明細書中の教示に照らして可能であ
る。従って、請求項の範囲内において、本発明は本明細書に特に記載された以外
の様式でも実施され得ることは理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に従うレンズコーティングを有するレンズを作製するための製
造プロセスのフローチャートである。
【図2】 図2は、本発明に従って、抽出、水和、および滅菌によってさらに処理される
前の、プラズマ処理されたレンズを示す、原子間力顕微鏡(AFM)のトポグラ
フ画像(topographical image)(50×50平方ミクロン
)である。
【図3】 図3は、比較のために、単に4分後の、水和およびオートクレーブしたプラズ
マ処理した(十分に処理された)レンズ、さもなければ、かろうじて見える(v
isale)プレートおよび約20%の表面適用範囲を有する比較的平滑な表面
を示す図3におけるレンズと同等に処理されたレンズを示す、原子間力顕微鏡(
AFM)のトポグラフ画像(50×50ミクロン四方)である。
【図4】 図4は、イソプロパノールを用いて抽出され、そしてオートクレービングする
前の、本発明に従ってプラズマ処理されたレンズを示す、原子間力顕微鏡(AF
M)のトポグラフ画像(50×50平方ミクロン)であり、これは、約50%の
表面適用範囲を示す。
【図5】 図5は、実施例1の条件に従って片面あたり8分の時間の後、本発明に従って
水和およびオートクレーブした、プラズマ処理された(十分に処理された)レン
ズを示す、原子間力顕微鏡(AFM)のトポグラフ画像(50×50平方ミクロ
ン)であり、これは約95%の表面適用範囲を示す。全てのAFM画像は、乾燥
したサンプルに対してである。
【手続補正書】
【提出日】平成13年1月30日(2001.1.30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AU,BA,BB,BG,BR,CA ,CN,CU,CZ,EE,GD,GE,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KP,KR,LC,L K,LR,LT,LV,MG,MK,MN,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,SE,SG,SI,SK, SL,TR,TT,UA,UZ,VN,YU (72)発明者 グローブ, ジョージ エル. アメリカ合衆国 ニューヨーク 14534, ピッツフォード, オールド ライム ロード 14 (72)発明者 アモン, ダニエル エム. ジュニアー アメリカ合衆国 ニューヨーク 14609, ロチェスター, ハーストボールン ロ ード 179 (72)発明者 モーレヘッド, マイケル ジェイ. アメリカ合衆国 ニューヨーク 14450, フェアーポート, ゲートウェイ ロー ド 1 Fターム(参考) 2H006 BB03 BB07 BB10 2K009 BB11 BB14 BB24 BB25 DD12 DD17 EE00 EE05 4F006 AA22 AA42 BA10 CA05 EA03 4F073 AA01 BA18 BA33 BB08 BB09 CA01 CA69 EA11

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルクの方式において、5〜50重量%の1つ以上のシリコ
    ーンマクロモノマー、5〜75重量%の1つ以上のポリシロキサニルアルキル(
    メト)アクリルモノマー、および10〜50重量%のラクタム含有モノマーを含
    むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの表面を改変する方法であって、この
    方法は、以下の工程: (a)100〜1000ワットのワット数、および0.1〜1.0トルの圧力
    で、片面あたり4分より長い間、酸素含有空気を用いて該レンズをプラズマ処理
    して、シリケート含有コーティングを生成する工程、 (b)水溶液中に該レンズを浸漬することによって該レンズを水和させる工程
    であって、これによって、該レンズによって吸収される水の量が該レンズの材料
    の少なくとも5重量%である、工程、および (c)該水和したレンズを熱消毒に供する工程、 を包含する、制御された製造であって、 これによって、50×50平方ミクロンのAFM画像を見る場合に、該熱消毒
    されたレンズが、後退する亀裂に囲まれた突出するプレートのモザイクパターン
    によって特徴付けられるシリケート含有コーティングを有し、ここで、(i)該
    亀裂の深さが平均して約100〜500オングストロームであり、(ii)該プ
    レート適用範囲が平均して約40〜90%であり、そして(iii)窒素元素分
    析が約6〜10%であり、そしてXPS分析によって決定される場合、予めプラ
    ズマ処理されたレンズ表面に対して、窒素において相対的に少なくとも10%で
    ある、方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(a)におけるプラズマ処理が、片面あたり6〜6
    0分の時間の間、300〜500ワットである、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記窒素元素分析が、約7.0〜9.0%であり、そしてこ
    れが、前記予めプラズマ処理されたレンズ表面に対して、窒素において少なくと
    も20%富化である、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記オートクレービング工程が、10〜120分の時間の間
    、100℃〜200℃である、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記亀裂の深さが、平均して約150〜200オングストロ
    ームである、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記プレート適用範囲が、平均して約60〜80%である、
    請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 商業的に製造されたロットにおいて、前記レンズの少なくと
    も80%が、前記亀裂の深さおよびプレート適用範囲について前記プレート範囲
    内である、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記レンズの少なくとも90%が前記範囲内にある、請求項
    8に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記シランマクロモノマーが、2つ以上の末端において不飽
    和基を用いてキャップ化されたポリ(オルガノシロキサン)である、請求項1に
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記シランマクロモノマーが、ケイ素含有ビニルカルボネ
    ートもしくはケイ素含有ビニルカルバメート、または1つ以上の硬性−軟性−硬
    性ブロックを有し、そして親水性モノマーを用いて末端キャップ化されたポリウ
    レタン−ポリシロキサンである、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記ポリシロキサニルアルキル(メト)アクリルモノマー
    が、メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチル−シロキシ)シランである、
    請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記ラクタム含有モノマーが、ビニルラクタムである、請
    求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記ラクタム含有モノマーが、N−ビニルピロリドン、メ
    タクリルアミドである、請求項14に記載の方法。
  14. 【請求項14】 バルクの方式において、5〜50重量%の1つ以上のシリ
    コーンマクロモノマー、5〜75重量%の1つ以上のポリシロキサニルアルキル
    (メト)アクリルモノマー、および10〜50重量%のラクタム含有モノマーを
    含む、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、このレンズは、50×
    50平方ミクロンのAFM画像を見る場合に、後退する亀裂に囲まれた突出する
    プレートのモザイクパターンによって特徴付けられるシリケート含有表面コーテ
    ィングを有し、ここで、制御された製造プロセスの結果として、該平均亀裂の深
    さが平均して約100〜500オングストロームであり、該プレート適用範囲が
    平均して約40〜99%であり、そして(iii)窒素元素分析が約6〜10%
    であり、そしてXPS分析によって決定される場合、予めプラズマ処理されたレ
    ンズ表面に対して、窒素において相対的に少なくとも10%である、シリコーン
    ヒドロゲルコンタクトレンズ。
  15. 【請求項15】 前記亀裂の深さが、平均して150〜200オングストロ
    ームである、請求項14に記載のコンタクトレンズ。
  16. 【請求項16】 前記プレート適用範囲が、平均して約60〜99%である
    、請求項14に記載のコンタクトレンズ。
  17. 【請求項17】 前記ラクタム含有モノマーが、N−ビニルピロリドンであ
    る、請求項14に記載のコンタクトレンズ。
  18. 【請求項18】 前記シランマクロモノマーが、2つ以上の末端において不
    飽和基を用いてキャップ化されたポリ(オルガノシロキサン)である、請求項1
    4に記載のコンタクトレンズ。
  19. 【請求項19】 前記シランマクロモノマーが、ケイ素含有ビニルカルボネ
    ートもしくはケイ素含有ビニルカルバメート、または1つ以上の硬性−軟性−硬
    性ブロックを有し、そして親水性モノマーを用いて末端キャップ化されたポリウ
    レタン−ポリシロキサンである、請求項14に記載のコンタクトレンズ。
  20. 【請求項20】 前記ポリシロキサニルアルキル(メト)アクリルモノマー
    が、メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチル−シロキシ)シランである、
    請求項14に記載のコンタクトレンズ。
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