JP2002513611A - 方向指定可能な内視鏡術式物質送出 - Google Patents

方向指定可能な内視鏡術式物質送出

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JP2002513611A JP2000546671A JP2000546671A JP2002513611A JP 2002513611 A JP2002513611 A JP 2002513611A JP 2000546671 A JP2000546671 A JP 2000546671A JP 2000546671 A JP2000546671 A JP 2000546671A JP 2002513611 A JP2002513611 A JP 2002513611A
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Abstract

(57)【要約】 所定の角度方向の範囲内でヒト又は動物の所望される内部位に単数又は複数の成分を塗布するための方向塗布装置は、成分の供給源と、第1の端部で成分の供給源と結合され、第2の端部で方向ノズルと結合されている流体連通手段と、方向ノズルとを備える。方向ノズルは、弾性材料からなり、第1の端部で流体連通手段と結合され、所望される方向の範囲内で最大の角度に曲がった第2の端部にノズルを有した内側管と、内側管よりも剛性が高い材料からなると共に一方の端部に開口部を有し、内側管が開口部を通って摺動可能に突出することを許容する外側管とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明はヒト又は動物の所望される内部位へ単数又は複数の物質を方向指定可
能に送出するための塗布装置(アプリケータ)に関する。
【0002】 発明の開示 本発明によれば、所定の角度方向の範囲内でヒト又は動物の所望される内部位
に単数又は複数の成分を塗布するための方向指定可能な塗布装置すなわち方向塗
布装置が開示される。本発明の塗布装置は、成分の供給源と、第1の端部で供給
源と結合され、第2の端部で方向ノズルと結合されている流体連通手段と、方向
指定可能なノズルすなわち方向ノズルとを備え、該方向ノズルが、弾性材料から
なり、第1の端部で流体連通手段の第2の端部と結合され、所望される方向の範
囲内で最大の角度に曲がった第2の端部にノズルを有した内側管と、内側管より
も剛性が高い材料からなると共に一方の端部に開口部を有し、内側管が開口部を
通って摺動可能に突出することを許容する外側管と、を備え、内側管の曲がった
端部が開口部を通って突出する量によりノズルの角度方向が定まるようになって
いる。
【0003】 好適な実施態様の詳細な説明 例えば、本発明の装置は、内視鏡術ですなわち体の開口部又は管を介して器官
へ、又は、典型的にはトロカールに合った寸法になった手術による開口部を通し
て例えば腹腔鏡術又は胸腔鏡術ですなわち腹腔又は胸腔へ、物質を送出するため
に使用され得る。本発明は方向指定可能な付与又は送出装置からなり、この装置
は弾性材料からなる内側管を備えている。内側管は、第1の端部で送出される単
数又は複数の物質の供給源と結合されており、第2の端部にノズルを有している
。弾性材料からなる第2の端部すなわちノズル端部は、物質の送出に対して所望
される角度方向の範囲内で最大の角度に屈曲又は湾曲されている。内側管はより
剛性が高い材料からなる外側管内に摺動可能に配置されており、使用者が剛性外
側管の第1の端部を保持できる(剛性外側管は便利なハンドルに形成することも
できる)と共に弾性管の第2の端部が剛性管の第2の端部で開口部から延出する
ことができるようになっている。より剛性が高い外側管の第2の端部は、例えば
トロカールを通して、所望される物質を受ける部位の近傍に配置される。剛性管
の第2の端部を越えて突出する弾性管の長さを変化させるために、剛性管内で弾
性管を摺動させるための手段が設けられている。このようにして、弾性管の屈曲
又は湾曲したノズル端部(第2の端部)は、所望される内部位置に物質を送出又
は付与するために、様々な角度をとる又は様々な角度で配置されるようになる。
【0004】 本発明の装置及び方法は、内視鏡術や腹腔鏡術や胸腔境術で任意の物質を送出
するために使用され得る。上記装置及び方法は、例えば液体成分といった成分を
手術部位に送出して例えば生体高分子を形成又は付着させるために使用するのに
好都合である。本発明は、フィブリンシーラントの各成分を送出するにあたって
特に有用となる。したがって、弾性内側管は、フィブリノーゲン成分及びフィブ
リノーゲンをフィブリンポリマー(シーラント)に転換させることができる成分
を送出するために、複数の別個の流路を有した別個の複数の管又は1つの管を備
えることも可能である。このような成分は、トロンビンや、フィブリノーゲンの
フィブリノペプチドA及び/又はフィブリノペプチドBを触媒作用により開裂さ
せる別の酵素である。米国特許第5739288号明細書によれば、(別個の管
又は流路内を送られる)フィブリンシーラント形成成分は、(フィブリンI、フ
ィブリンII又はデスββフィブリンであり得る)フィブリンモノマー成分及び
フィブリン成分を重合させシーラントを形成させる成分とすることができる。フ
ィブリン成分が低いpHすなわちpH4である場合には、第二の成分は、例えば
フィブリン重合を促進させるpH10の緩衝剤とし得る。内側管は屈曲又は湾曲
させることができ且つ係る屈曲又は湾曲を保持しようとする可塑性材料からなり
得る。すなわち、内側管の材料はある種の「記憶性」を有する必要があり、最初
に公知の手段により所望される最大の角度に屈曲又は変形されると、強制的にま
っすぐにされた後にその角度に概略戻るようになっている。プトナム社(Put
nam Company)から商業的に入手可能な低密度ポリエチレン管のよう
なポリエチレン多内孔管が適している。これら多内孔管は、好ましくは、(各内
孔の)直径が約500μmより小さく、すなわち、より好ましくは、直径が30
0μm以下である。最も好ましくは、管は、本願と一体のものとして参照される
国際公開第98/20931号パンフレットに記載されるように、内孔の直径が
約120〜150μm直径であるような減径部分(直径が減少した部分)を有し
ている。これには、減径部分を作るために、管の端部を加熱して延伸させること
が必要とされる。
【0005】 弾性内側管は送出される成分供給源と直接的又は間接的に流体連通している。
「間接的に」とは、弾性管が実際に供給源に接続されている別個の管に接続され
ていることを意味する。好ましくは、成分の供給源は遠隔位置にあり、管によっ
て接続されている。これは、使用者が手に成分供給源を保持することはなく、使
用の容易性が高まることを意味する。このことは、本願と一体のものとして参照
される国際公開第98/20931号パンフレット及び国際公開第97/205
85号パンフレットに開示されている。それら特許に記載されているように、成
分供給源は、成分を供給源から本発明の装置のノズルに供給し送出させる機械的
又は電気機械的駆動装置の一部として遠隔位置に配置される。供給源から流体連
通手段を介して方向ノズルから各成分を送出させることは、駆動装置に信号を与
えるフットペダルを使用することによってなされ得る。あるいはまた、本発明の
装置は、各成分の付与を始動させるためにアクチュエータやボタン又はトリガを
さらに含み得る使用者用ハンドルを備えることもできる。
【0006】 フィブリンシーラントを塗布するのに当該技術分野で公知となっている二重バ
レルシリンジのような任意の医療成分アプリケータ(塗布装置)の送出端部に本
発明の装置を組み込むことができるのはもちろんである。 より剛性が高い外側管は弾性内側管よりも剛性が高い任意の材料とすることが
可能である。例えば、医用等級プラスチックを使用することができ、これらは当
該技術分野で周知のものである。例にはポリプロピレン又はポリカーボネートが
含まれるが、外側管が十分な剛性を有し屈曲された弾性内側管が外側管内に引き
戻されたときに「まっすぐ」になるようになっているのであれば、任意のプラス
チックとすることができる。外側管は、さらに、金属、例えばステンレス鋼や内
部医療装置に使用できる他の金属といったものとすることもできる。
【0007】 外側管の寸法は意図される目的に適するように合わせられる。内視鏡術での使
用では、外側管は、例えば食道や結腸などといった管や他の身体の孔や体腔に挿
入するための内視鏡術に使用する他の管と同等である必要がある。腹腔鏡術での
使用では、外側管はトロカール内に合わせて寸法を決める必要がある。実際には
、通常、外側管(内側管は図2に示されているように引っ込んだ状態になってい
る)が成分送出を所望する領域に挿入される。その後、内側管が、図3及び図4
に示されているように各成分を所望される角度方向に噴霧又は送出するのに十分
な程度まで、延長される。これは、公知の内視鏡カメラ又は腹腔鏡カメラ又は手
順を観察又は確認するための光学装置と共に、使用されることが可能である。
【0008】 図2〜図4から分かるように、好ましい実施態様では、本発明の装置はハンド
ルを含み、このハンドルは中空の管状又は筒状又は他の形状の部分とすることが
できる。剛性外側管は図中に示されているようにハンドルの第1の端部から延び
ている。外側管内で弾性内側管を摺動(すなわち延ばしたり引き込んだり)させ
るための手段もまた剛性材料であり、例えばOリングや他の従来の締結手段によ
って、弾性管に留められている。摺動させるための手段はハンドルの第2の端部
内の凹部で摺動して出入りするように構成されている。これにより、摺動させる
ための手段がハンドルの凹部で摺動して出入りするときに弾性管のノズル端部が
示されているように剛性外側管から延びたり引っ込んだりさせる。
【0009】 本発明の装置は、例えばフィブリンシーラント成分といった成分を角度方向を
定めて塗布することが求められる任意の内視鏡術、腹腔鏡術、胸腔鏡術又は同様
の手法において極めて有用となる。ほぼ全ての「低」侵襲術において本発明の装
置を使用することができ、本発明の装置は流体及び空気の漏れに関して快適な水
準を提供することにより大きな利益を外科医に提供するが、この流体及び空気の
漏れは標準的な切開手術において実現される漏れと同等である。
【0010】 胸腔鏡手術、特にビデオ補助下胸腔鏡手術(VATS)においては、特有の利
点が実現される。例えば、自然気胸(潰れた肺)は、崩壊を引き起こさせた原因
である肺における孔や外科的切断線又は外科的切除線のため、治療することが極
めて困難である。ステープル及び/又は縫合糸では肺を再膨張させるのに十分に
は空気漏れが密閉されない。標準的な低侵襲胸腔鏡術を用いるときには、ステー
プル及び/又は縫合糸を使用して傷害が生じた肺を再密閉し、本発明の装置を利
用して、切除線及びステープル線を覆ってフィブリンシーラントを塗布する。使
用される穴は10〜16mmの標準的な胸腔鏡術穴とすることができ、シーラン
トの塗布は直接胸腔鏡監視下で行われる(VATS)ことが好ましい。その後、
肺を再膨張させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ノズル端部が屈曲又は湾曲している弾性管の一部を示している。
【図2】 剛性管の第2の端部から弾性管を突出させている程度又は剛性管の第2の端部
内へ弾性管を引き込ませる程度によって変化し得る様々な角度範囲への送出を示
しており、剛性管の第1の端部又はその近傍には摺動手段(又は突出/引き込み
手段)を設けることができる。
【図3】 剛性管の第2の端部から弾性管を突出させている程度又は剛性管の第2の端部
内へ弾性管を引き込ませる程度によって変化し得る様々な角度範囲への送出を示
しており、剛性管の第1の端部又はその近傍には摺動手段(又は突出/引き込み
手段)を設けることができる。
【図4】 剛性管の第2の端部から弾性管を突出させている程度又は剛性管の第2の端部
内へ弾性管を引き込ませる程度によって変化し得る様々な角度範囲への送出を示
しており、剛性管の第1の端部又はその近傍には摺動手段(又は突出/引き込み
手段)を設けることができる。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望される角度方向の範囲内でヒト又は動物の所望される内
    部位に単数又は複数の成分を塗布するための方向塗布装置であって、 (a)前記成分の供給源と、 (b)第1の端部で前記成分の供給源と結合され、第2の端部で方向ノズルと
    結合されている流体連通手段と、 (c)方向ノズルと、 を備え、該方向ノズルが、 (i)弾性材料からなり、第1の端部で前記流体連通手段の前記第2の端部と
    結合され、前記所望される角度方向の範囲内で最大の角度に曲がった第2の端部
    にノズルを有した内側管と、 (ii)前記内側管よりも剛性が高い材料からなると共に一方の端部に開口部
    を有し、前記内側管が前記開口部を通って摺動可能に突出することを許容する外
    側管と、 を備え、前記内側管の前記曲がった端部が前記開口部を通って突出する量により
    前記ノズルの角度方向が定まるようにした塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記単数又は複数の成分がフィブリンシーラントを形成する
    、請求項1に記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記成分が、フィブリノーゲン成分と、フィブリノーゲンの
    フィブリノペプチドA及びBの一方又は両方を触媒作用により開裂させる酵素を
    含んだ成分とを含んでなる、請求項2に記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記成分がフィブリンモノマー成分を含んでなる、請求項2
    に記載の塗布装置。
  5. 【請求項5】 前記方向ノズルがヒト又は動物の直接の穴、通路及び管のい
    ずれか又はそれらを組み合わせたものの中に挿入され、前記直接の穴、通路又は
    管若しくは前記直接の穴、通路又は管と結合した器官の内部に方向を定めて前記
    成分を塗布することができるようにした、請求項1に記載の塗布装置。
  6. 【請求項6】 前記方向ノズルが前記ヒト又は動物の腹壁又は胸壁を貫通す
    るトロカール又は穴を通るように寸法を定めて構成されている、請求項1に記載
    の塗布装置。
  7. 【請求項7】 弾性材料からなる前記内側管が、前記単数又は複数の成分の
    各々のために別個の内孔を有した多内孔管である、請求項1に記載の塗布装置。
  8. 【請求項8】 前記内孔の直径が約500μm以下である、請求項7に記載
    の塗布装置。
  9. 【請求項9】 前記管のノズル端部の直径が減寸されている、請求項7に記
    載の塗布装置。
  10. 【請求項10】 前記内孔の直径が約150μm以下である、請求項7に記
    載の塗布装置。
  11. 【請求項11】 前記弾性管がプラスチック材料からなる、請求項1に記載
    の塗布装置。
  12. 【請求項12】 前記材料がポリエチレンである、請求項11に記載の塗布
    装置。
  13. 【請求項13】 前記外側管がポリエチレンよりも高い剛性を有する医用等
    級プラスチックからなる、請求項12に記載の塗布装置。
  14. 【請求項14】 前記外側管がステンレス鋼からなる、請求項1に記載の塗
    布装置。
  15. 【請求項15】 前記外側管と結合されたハンドルをさらに含む、請求項1
    に記載の塗布装置。
  16. 【請求項16】 前記弾性内側管が前記成分の遠隔の供給源と流体連通して
    いる、請求項1に記載の塗布装置。
  17. 【請求項17】 前記成分を付与するためのフットペダルをさらに含む、請
    求項1に記載の塗布装置。
  18. 【請求項18】 前記成分の付与を制御するために、ボタン、トリガ、又は
    アクチュエータを前記ハンドルにさらに含む、請求項15に記載の塗布装置。
  19. 【請求項19】 自然気胸の治療のための方法であって、 a)肺の穴又は異常部をステープリング又は縫合することと、 b)請求項1に記載の塗布装置を使用して、ステープル線又は縫合線にフィブ
    リンシーラントを塗布することと、 c)肺を再膨張させることと、 を含む自然気胸の治療のための方法。
  20. 【請求項20】 所望される角度方向の範囲内でヒト又は動物の所望される
    内部位に単数又は複数の成分を塗布するための方向塗布装置であって、 a)前記成分の供給源と、 b)弾性材料からなり、第1の端部で前記成分の供給源と結合されて流体連通
    しており、前記所望される角度方向の範囲内で最大の角度に曲がった第2の端部
    にノズルを有した内側管と、 c)前記内側管よりも剛性が高い材料からなると共に一方の端部に開口部を有
    し、前記内側管が前記開口部を通って摺動可能に突出することを許容する外側管
    と、 を備え、前記内側管の前記曲がった端部が前記開口部を通って突出する量によ
    り前記ノズルの角度方向が定まるようにした塗布装置。
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