JP2002512803A - ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼに関連する新規核酸およびポリペプチド - Google Patents

ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼに関連する新規核酸およびポリペプチド

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JP2002512803A
JP2002512803A JP2000546022A JP2000546022A JP2002512803A JP 2002512803 A JP2002512803 A JP 2002512803A JP 2000546022 A JP2000546022 A JP 2000546022A JP 2000546022 A JP2000546022 A JP 2000546022A JP 2002512803 A JP2002512803 A JP 2002512803A
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チョイ,ユン−ジュン
ケー. ノース,アン
エー. マーティン,ジョージ
ボラッグ,ギデオン
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オニックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/1003Transferases (2.) transferring one-carbon groups (2.1)
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    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/05Animals comprising random inserted nucleic acids (transgenic)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼ核酸およびポリペプチド、特にヒトから得られるかまたは誘導されるものに関する。前記核酸およびポリペプチドは、情報伝達経路、特に細胞周期、細胞増殖および癌に関係する経路を活性調節する物質を同定するためのアッセイおよび診断において有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼは様々なタ
ンパク質、例えば情報伝達(signaling)経路に関係するタンパク質、真菌接合
因子およびRasポリペプチドのプロセシングに関与している。それらのメチルト
ランスフェラーゼの活性はプレニル化タンパク質に対しメチルエステル化を行う
ことである。例えば、Ashby他, Yeast, 9:907-913, 1993 ; Khosravi-Far他, Ce
ll Growth and Differentiation, 3:461-469, 1992を参照のこと。
【0002】発明の説明 本発明はカルボキシメチルトランスフェラーゼ(“MTアーゼ”)、特に哺乳
類ファルネシル指向MTアーゼ、例えばヒト STE14に関する。MTアーゼはメチ
ル供与体からメチル受容体へのメチル基の転移を触媒する。MTアーゼには少な
くとも7つの異なるカテゴリーがあり、酵素が作用するメチル受容体のタイプと
形成される化学結合の性質によって区別されている。例えば、KaganおよびClark
e, Arch. Biochem. Biophys. 310:417-427, 1994を参照のこと。
【0003】 本発明の一面は、カルボキシメチルトランスフェラーゼ、特に哺乳類ファルネ
シル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼ、例えばヒト STE14と
マウスMTアーゼ、をコードする核酸、ポリペプチドおよびそれらの断片に関す
る。本発明は更に、治療、診断および研究においてそのような核酸およびポリペ
プチドを使用する方法にも関する。例えば、そのような核酸およびポリペプチド
は、MTアーゼ活性の調節物質を同定する方法およびMTアーゼに結合するリガ
ンドを得る方法において使用することができる。
【0004】発明の具体的説明 哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼをコ
ードする新規核酸およびポリペプチド配列が同定された。それらの酵素は様々な
生物学的過程に関与しており、例えば情報伝達分子、例えばGTP結合タンパク
質のras, rho, rab, rac,γサブユニット、関連Gタンパク質、核ラミニンおよ
び真菌交配フェロモンの成熟に関係する経路に含まれる。ファルネシル指向シス
テインカルボキシメチルトランスフェラーゼは次の活性のうちの少なくとも1つ
を有する:メチル供与体基質、例えばS−アデノシル−L−メチオニン(“AdoM
et”)に結合もしくは付着する能力;メチル受容体にメチル基を転移させる能力
(“メチルトランスフェラーゼ活性”)(この場合メチル受容体は好ましくはプ
レニル化システイン、例えばS−ファルネシルシステインである);新たに暴露
されたα−カルボキシル基のメチルエステル化(この場合α−カルボキシル基は
プレニル化システイン、例えばS−ファルネシルシステインである);プレニル
化システインに結合もしくは付着する能力;タンパク質/タンパク質相互作用を
促進する能力;形質転換調節活性;または免疫原性活性(例えばポリペプチドも
しくはポリヌクレオチドが本発明のMTアーゼに特異的な免疫応答を惹起するこ
とができる)。
【0005】 MTアーゼの上記活性は、入手可能なアッセイに従ってまたは下記に示す実施
例に記載の通りに測定することができる。例えば、Imai他, Mol. Cell. Biol.,
17:1543-1551, 1997 ; Hrycyna他, Methods Enzymol., 250:251-266, 1995を参
照のこと。
【0006】 酵素がその触媒反応を達成できるようにするためには、リガンドとして作用す
る基質がまず最初に酵素表面に付着しなければならないので、一般に基質結合が
酵素触媒反応の第一段階であると考えられる。この酵素表面を酵素の活性部位と
称することができる。酵素表面への基質の結合には、酵素との多重相互作用、例
えば酵素を構成している1または複数のアミノ酸および/または官能基との化学
結合が関係し得る。本明細書中で用いる「メチル供与体基質結合活性」とは、メ
チル供与体基質が本発明のMTアーゼに結合することを意味する。酵素への結合
は、天然に存在する基質を保持する1または複数の相互作用によって達成するこ
とができる。しかしながら、本来の数や量よりも少ない相互作用によってポリペ
プチドが基質を保持する場合も、そのポリペプチドはメチル供与体基質結合活性
を有することができる。
【0007】 メチル供与体基質結合活性と触媒活性は互いに切り離して考えることができる
。よって、本発明に係るMTアーゼポリペプチドは、基質結合活性を有するが触
媒活性を持たないことも可能である。メチル供与体基質結合活性は、基質の触媒
作用を達成する;活性部位に競合的にまたは非競合的に結合する;酵素に不可逆
的に結合する;触媒活性の低下を引き起こす(例えばそれが自殺基質である場合
)のに効果的となる場合がある。
【0008】 メチル供与体基質結合活性(例えばS−アデノシル−L−メチオニンの結合)
は常用の方法で測定することができる。例えば、検出可能なマーカーを含む基質
、STE14ポリペプチドまたはその断片、および基質結合活性について試験しよう
とする化合物を、効果的な条件下で混合することにより、競合結合アッセイを使
ってポリペプチドまたはその誘導体に結合する基質を同定することができる。こ
のアッセイは、結合型基質と遊離型基質とが膜によって分離されている液相中で
行うことができ、あるいは所望であれば固相中で行うこともできる。固相アッセ
イは、例えばチップ、ウエファー等の固相上での高処理量法を使って行うことが
できる。
【0009】 本発明のポリペプチドは触媒活性、例えばメチル受容体基質へのメチル基の転
移活性を有することもできる。通常、触媒作用は、アミノ酸、特にプレニル化シ
ステインの新たに暴露されたα―カルボキシル基のメチルエステル化をもたらす
。よって、本発明に係る触媒活性は、カルボキシメチル化活性、特にプレニル化
ポリペプチドのカルボキシメチル化活性である。この活性は、例えばHrycyna他,
Methods Enzymol., 250:251-266, 1995 ; Imai他, Mol. Cell. Bio., 17:1543-
1551, 1997に記載されている。この活性は試験管内または生体内で測定すること
ができる。
【0010】 ポリペプチドまたはそれのヌクレオチドコード配列は、「形質転換調節活性」
も有することができる。これは、形質転換された細胞の表面型を変更する活性、
例えば細胞分裂を誘導する活性、足場非依存性増殖を誘導する活性、ras活性を
増加させる活性などであることができる。この作用は部分的または不完全である
ことができる。例えば、細胞中でのSTE14コード配列の発現により、形質転換さ
れた表面型を生じさせることができ、または既に形質転換されている細胞の表面
型を増強することができる。形質転換促進活性は、ras, p53, Rb, 細胞周期調節
遺伝子などのような、形質転換の原因となる別の遺伝子中の欠陥の存在によって
増強することができる。
【0011】 哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼ(例
えばヒト STE14)は、天然源より得られるアミノ酸配列を有する哺乳類ポリペプ
チドまたはその断片である。従って、それには正常型、変異型、多型アミノ酸配
列が含まれる。天然源としては、例えば、生存細胞、例えば組織もしくは完全生
物体より得られる生存細胞、培養細胞系、例えば初代および不死化細胞系、生検
(バイオプシー)用組織などが挙げられる。本発明は、全長哺乳類MTアーゼ、
例えばヒト STE14またはマウスMTアーゼの断片にも関する。断片は好ましくは
生物活性断片である。生物活性とは、ポリペプチド断片が生存機構においてまた
は生存機構の成分と一緒になって活性を有することを意味する。生物活性として
は、上述したもの、例えばメチル供与体基質結合活性、形質転換調節活性、およ
び/または免疫原性活性が挙げられる。断片は所望の任意方法、例えば化学合成
、遺伝子操作、開裂生成物などに従って調製することができる。下記参照。
【0012】 本発明は、アミノ酸1から284までのアミノ酸配列を有するヒトファルネシル
指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼにも関する。図1参照。28
4アミノ酸ポリペプチドは31.9キロダルトンの推定分子量を有する。
【0013】 ヒト STE14配列に加えて、別の哺乳類種であるマウスからのMTアーゼもクロ
ーニングしそして同定した。この配列は図2と図3に与えられる。例えばマウス
MTアーゼの完全コード配列、それのプロモーターおよび/またはエンハンサー
領域などを含有する全長核酸は、例えばcDNAライブラリーまたはゲノムライ
ブラリーのためのプローブとして前記断片を使用することによるか、PCRによ
るかなどして、日常的に同定し獲得することができる。
【0014】 哺乳類および非哺乳類からの別の相同物を様々な方法に従って得ることができ
る。例えば、哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェ
ラーゼに対して選択的なオリゴヌクレオチド(下記参照)とのハイブリダイゼー
ションを使用することにより、例えばSambrook他, Molecular Cloning, 1989,
第11章に記載されたようにして、そのような相同物を選択することができる。そ
のような相同物は、ファルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラーゼに対
するヌクレオチドおよびアミノ酸配列同一性や相同性の量が様々に異なりうる。
非哺乳類生物としては、例えば、脊椎動物、無脊椎動物、ゼブラ=ダニオ(zebr
a fish)、ニワトリ、ショウジョウバエ(Drosophila)、C.エレガンス(C. e
legans)、回虫、原核生物、植物、アラビドプシス(Arabidopsis)、ウイルス
等が挙げられる。
【0015】 本発明は、ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼ
特異的アミノ酸配列、例えば図1と図3の特定ヒト配列またはマウス配列中に見
つかるけれども、別のアミノ酸配列、好ましくはアフリカツメガエル(Xenopus
)Xmam4、S.ポンベ(S. pombe)mam4、S.セレビシエ(S. cerevisiae)STE1
4またはマウスMTアーゼ中は見つからない、限定されたアミノ酸配列にも関す
る。
【0016】 特異的アミノ酸配列は、例えばコンピュータープログラムのBLASTセットを使
って遺伝子/タンパク質データベースを検索することにより、日常的に見つける
ことができる。哺乳類特異的配列は、MTアーゼの最初の65アミノ酸あたりから
選択することができ、例えばCAARAPPなどであることができる。ヒト特異
的アミノ酸配列は、例えばICGVSYALTVである。ファルネシル指向シス
テインカルボキシメチルトランスフェラーゼ特異的アミノ酸配列は、ペプチドを
抗原として製造し、それに対して特異的な免疫応答を生じさせるのに有用である
。そのような免疫処置により得られた抗体は、哺乳類ファルネシル指向システイ
ンカルボキシメチルトランスフェラーゼタンパク質のための特異的プローブとし
て診断または研究目的で利用することができる。
【0017】 本発明のポリペプチド、例えば図1または図3に示すポリペプチド配列を有す
るポリペプチドは、利用可能な方法によって分析して該ポリペプチド中の構造お
よび/または機能領域を同定することができる。例えば、図1に記載のポリペプ
チドコード配列をヒドロパシーおよび親水性分析(例えばKyte & Doolittle, J.
Mol. Bio., 157:105, 1982)により分析すると、L16〜T34;L44〜Y59;I6
8〜F85;I156〜L173およびV225〜W241のところに推定膜貫通領域が同定さ
れる。推定触媒領域はV110〜L284である。EMBL Protein Predict: Rost & San
der, Proteins, 19:55-72, 1994をはじめとする様々なその他のプログラムを使
って、その構造を分析することができ且つまた機能領域を日常的に推定すること
ができる。
【0018】 上述したように、本発明のポリペプチドは哺乳類ファルネシル指向システイン
カルボキシメチルトランスフェラーゼの完全コード配列またはそれの断片を含ん
でなることができる。例えば、哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメ
チルトランスフェラーゼのN末端領域は、活性を増強するかまたはそれを安定化
することにより、酵素活性を調節することができる。よって、有用な断片は、図
1および図2に記載のマウスまたはヒト配列のアミノ酸1〜65あたりを包含する
。それらの断片は、それらを着目のポリペプチドと読み枠内で連結せしめること
により、別のMTアーゼまたは別のポリペプチドの活性を調節するか、安定化す
るかまたは増強するのに利用することができる。1または複数の断片を用いるこ
とができ、例えばヒトまたはマウス STE14が調節活性を有する2以上のN末端領
域を含んで成ることができる。ファルネシル指向システインカルボキシメチルト
ランスフェラーゼポリペプチドの断片は、特定の生物活性、例えばメチル供与体
結合活性、メチルエステル化活性、メチルトランスフェラーゼ活性、形質転換調
節活性、免疫原性活性など、を有するように選択することができる。有用な断片
は、そのような断片を所望の活性について試験することにより日常的に同定する
ことができる。それらの活性の測定については下記と実施例中に記載する。それ
らのペプチドは欧州特許第496 162号公報に記載の通りに同定しそして調製する
こともできる。
【0019】 本発明のポリペプチドは,図1または図3に記載のアミノ酸配列に対して100
%またはそれ未満のアミノ酸配列同一性を有することもできる。下記記載の目的
上、「配列同一性」とは、図1または図3に示される配列中に見つかる同一のヌ
クレオチドまたはアミノ酸が、例えば図2の配列のような(1または複数の)比
較配列の対応位置において見つかることを意味する。図1または図3に記載のア
ミノ酸配列に対して100%未満の配列同一性を有するポリペプチドは、相同アミ
ノ酸置換といった様々な天然配列からの置換を含み得る。相同アミノ酸置換の具
体例については下記を参照のこと。ファルネシル指向システインカルボキシメチ
ルトランスフェラーゼポリペプチドと比較される配列中の同一残基と相同残基の
合計を総残基数によって割った値が、配列同一性%に等しい。配列同一性および
相同性を計算する目的で、例えばFASTA, BLASTAをはじめとする任意の所望の方
法、演算法、コンピュータープログラム等に従って、比較配列を整列しそして計
算することができる。図1のアミノ酸配列に対して100%未満のアミノ酸配列同
一性を有するポリペプチドは、例えば約99%、97%、95%、好ましくは約71%以
上、例えば75%以上の相同性を含んでなることができるが、ただし該配列はアフ
リカツメガエル(Xenopus)Xmam4、S.ポンベ(S. pombe)mam4、S.セレビシ
エ(S. cerevisiae)STE14またはマウスMTアーゼのものではないことを条件と
する。Imai他, Mol. Cell. Bio., 17:1543-1551, 1997 ; Sapperstein他, Mol.
Cell. Bio., 14:1438-1449参照。図3の断片も除外される。
【0020】 哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼポリ
ペプチド、断片または置換ポリペプチドは様々な修飾を含んでもよい。この場合
、そのような修飾としては、脂質修飾、メチル化、リン酸化、グリコシル化、共
有結合修飾(例えばアミノ酸のR基の共有結合修飾)、アミノ酸置換、アミノ酸
削除、またはアミノ酸付加が挙げられる。ポリペプチドへの修飾は、組換え法、
合成法、化学法といった様々な方法によって行うことができる。
【0021】 本発明のポリペプチド(例えばヒト STE14またはマウスMTアーゼ、それらの
断片、それらの変異体)は、様々な方法において、例えばアッセイにおいて、下
記記載のような抗体のための免疫原として、生物活性物質(例えば STE14に関連
する1または複数の活性を有するもの)として利用することができる。
【0022】 ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼをコードす
るポリペプチド、それの誘導体またはそれの断片は、天然に存在しない配置にお
いて、すなわち例えばヒトやマウス STE14遺伝子、生存生物(例えば動物、好ま
しくは哺乳類、例えばヒト、マウス)のゲノムまたはそれらの細胞系から調製さ
れたゲノム断片中には天然に存在しないような配置において、1または複数の構
造領域、機能領域、検出可能領域、抗原性領域、および/または所望の着目のポ
リペプチドと組み合わせることができる。そのような特徴を含むポリペプチドは
キメラまたは融合ポリペプチドである。そのようなキメラポリペプチドは、様々
な方法、例えば化学法、合成法、半合成法および/または組換え法に従って調製
することができる。キメラポリペプチドをコードするキメラ核酸は、連続した転
写解読枠(例えば活性を安定化するかまたは増強するために複数のN末端領域を
有する)または中断された転写解読枠(例えばイントロン、スプライス部位、エ
ンハンサー等を含む)の中に様々な領域または所望のポリペプチドを含むことが
できる。キメラ核酸は様々な方法に従って調製することができる。例えば、米国
特許第5,439,819号明細書を参照のこと。領域または所望のポリペプチドは、所
望の性質、例えば生物学的機能、例えば触媒機能、情報伝達機能、増殖促進機能
、細胞ターゲッティング機能(例えばシグナル配列、ターゲッティング配列、例
えばエンドソーム、リソゾーム、ER、核ターゲッティング配列)など、構造機
能、例えば疎水性、親水性、膜貫通性機能など、レセプター−リガンド機能、お
よび/または検出可能機能(例えば酵素、蛍光ポリペプチド、緑色蛍光タンパク
質と組み合わされた検出可能機能)を有することができる。Chalfie他, 1994, S
cience, 263:802 ; Cheng他, 1996, Nature Biotechnology, 14:606 ; Levy他,
1996, Nature Biotechnology, 14:610等を参照のこと。更に、ポリペプチドまた
はそれの一部分を宿主細胞中に導入するときの選択マーカーとして使用すること
ができる。例えば、本発明のアミノ酸配列をコードする核酸を枠内で所望のコー
ド配列と融合せしめ、それを精製、選択またはマーキングのための標識とするこ
とができる。融合領域は、発現、単離、精製等を容易にするために開裂部位をコ
ードすることができる。
【0023】 本発明のポリペプチドは、本発明に従って、発現系、例えば生体内、試験管内
、無細胞、組換え、細胞融合などにおいて生産せしめることができる。そのよう
な系により加えられるポリペプチド修飾としては、グリコシル化、アミノ酸置換
(例えば異なるコドン用法による)、ポリペプチドプロセシング(例えば消化、
開裂、エンドペプチダーゼまたはエキソペプチダーゼ活性による)、化学成分の
付加、例えば脂質およびリン酸基の付加が挙げられる。
【0024】 本発明のポリペプチドは、常法、例えば界面活性剤抽出(例えばCHAPS,オク
チルグルコシド)、硫酸アンモニウムもしくはエタノール沈澱、酸抽出、アニオ
ンもしくはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフ
ィー、疎水的相互作用クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラ
フィーおよびレクチンクロマトグラフィー等に従って、天然源からまたは形質転
換された宿主細胞(培地または細胞)から回収することができる。必要であれば
、成熟タンパク質の立体構造を完成させる際にタンパク質再生段階を用いること
ができる。最後に、最終精製段階として高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)
を用いることができる。
【0025】 哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼ核酸
またはその断片は、天然源から得られるヌクレオチド配列を有するかまたは哺乳
類ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼをコードす
るコード配列を含んでなる核酸である。従って、それには天然配列、正常配列、
変異配列、多型配列、縮重配列、対立遺伝子配列なども含まれる。天然源として
は、組織および完全生物体より得られる生存細胞、培養細胞系、例えば初代およ
び不死化細胞系が挙げられる。ヒト STE14の発現は比較的偏在性であり、例えば
それは心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓、脾臓、胸腺、前立腺、
精巣、卵巣、小腸、結腸および末梢血白血球において発現される。それは様々な
癌細胞、例えばHL-60、Hela細胞S3、慢性骨髄性白血病K-562、リンパ芽球性白血
病MOLT-4、バーキットリンパ腫Raji、結腸直腸腺癌SW 480、肺癌A549および黒色
腫G361においても発現される。転写産物のおよそのサイズは約2 kb, 3.5 kbおよ
び5 kbである。
【0026】 哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼSTE1
4のヒト対立遺伝子の核酸配列を図1に示す。それはヌクレオチド位置90〜944の
ところに284アミノ酸の転写解読枠を含む。それは1〜89位に5′非翻訳配列を
含みそして945〜2556位に3′非翻訳配列を含む。本発明の核酸配列は、アミノ
酸1からアミノ酸284までの完全コード配列(すなわち、開始コドンと終止コド
ンを有する全長配列)、それの縮重配列およびそれの断片を含むことができる。
本発明の核酸は、上記と下記に言及する任意のヌクレオチド配列に対して100%
相補的であるヌクレオチド配列、例えばアンチセンス配列を含むこともできる。
【0027】 本発明は、例えば図3に示すような、MTアーゼの全部または一部をコードす
るマウスヌクレオチド配列にも関する。ヒト対立遺伝子についてと同様に、本発
明はそれの縮重配列とアンチセンス断片にも関する。
【0028】 本発明の核酸は多種多様な源より得ることができる。それはDNAまたはRN
A、例えばポリアデニル化mRNA、例えば組織、細胞または完全生物体から単
離されたものより得ることができる。核酸はDNAもしくはRNAより直接得る
ことができ、またはcDNAライブラリーより得ることができる。核酸は、所望
の遺伝子型、表現型(例えば腫瘍形成性に形質転換された細胞または癌細胞)な
どを有する特定の発生段階にある細胞より得ることができる。
【0029】 上述したペプチドに関しては、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチ
ド配列を含んでなる核酸は、コード配列のみ;1つのコード配列と追加のコード
配列(例えばリーダー、分泌、ターゲッティング、酵素、蛍光または他の診断用
ペプチドをコードする配列);複数のコード配列と非コード配列(例えば5′も
しくは3′末端のいずれかにあるかまたはコード配列中に分散されている非翻訳
配列、例えばイントロン)を含むことができる。中断なくポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列を含んでなる核酸とは、そのヌクレオチド配列が、コード
配列を中断またはさえぎる非コードヌクレオチドを全く含まない、例えばイント
ロンを含まない、ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラ
ーゼのアミノ酸コード配列を含むことを意味する。そのようなヌクレオチド配列
は連続であると説明することもできる。ヒトまたはマウスMTアーゼをコードす
るゲノムDNA等は日常的に得ることができる。
【0030】 本発明の核酸は、上述したような核酸に作用可能に連結された発現調節配列を
含んでもよい。「発現調節配列」という語句は、作用可能に連結されている核酸
によってコードされるポリペプチドの発現を調節する核酸配列を意味する。発現
はmRNAレベルまたはポリペプチドレベルで調節できる。よって、発現調節配
列はmRNA関連要素とタンパク質関連要素を包含する。そのような要素として
は、プロモーター、エンハンサー(ウイルスまたは細胞性)、リボソーム結合配
列、転写ターミネーターなどが挙げられる。発現調節配列は、その発現調節配列
がコード配列の発現を実行または達成するような形で配置された場合にヌクレオ
チドコード配列に作用可能に連結されている。例えば、プロモーターがコード配
列の5′側に作用可能に連結されると、そのプロモーターによりコード配列の発
現が指令される。発現調節配列は正常遺伝子にとって非相同(異種)であっても
内在性であってもよい。
【0031】 本発明に係る核酸は核酸ハイブリダイゼーションに基づいて選択することがで
きる。2つの一本鎖核酸調製物が一緒にハイブリダイズする能力は、それらのヌ
クレオチド配列の相補性、例えばヌクレオイチド間塩基対合、例えばA−T,G
−Cなどの尺度である。よって本発明は、図1〜図3、好ましくは図1に記載の
ヌクレオチド配列を含んでなる核酸にハイブリダイズする核酸にも関する。後者
の配列にハイブリダイズする核酸配列は、相補的核酸鎖を有するか、またはポリ
メラーゼ(すなわち適当な核酸合成酵素)の存在下で一方の鎖のための鋳型とし
て働くことができるだろう。本発明は核酸の両鎖、すなわちセンス鎖とアンチセ
ンス鎖の両方を包含する。
【0032】 ハイブリダイゼーション条件を適宜選ぶことにより、図1に記載のヌクレオチ
ド配列に対して所望の量のヌクレオチド相補性を有する核酸を選択することがで
きる。そのような配列にハイブリダイズすることができる核酸は、配列間で好ま
しくは約95%、より好ましくは97%等の相補性を有する。本発明は特に、緊縮条
件下で図1に記載のヌクレオチド配列もしくはその相補物にハイブリダイズする
DNA配列に関する。ここで使用する緊縮条件とは、例えば、50%ホルムアミド
、6×SSCまたは6×SSPE、および所望により1または複数のブロック剤
(例えばデンハーツ試薬:BLOTTO、ヘパリン、変性サケ精子DNA断片)中で42
℃(またはホルムアミドが省略される場合には68℃)を意味する。洗浄とハイブ
リダイゼーションはSambrook他、Molecular Cloning, 1989,第9章に記載の通り
に行うことができる。ハイブリダイゼーションは、Sambrook他に記載のように、
プローブとその標的との間で形成されるハイブリッドの融解温度(Tm)の計算
に基づいて行うこともできる。そのような緊縮条件は、核酸間のヌクレオチド相
補性が例えば少なくとも約95%、好ましくは97%である配列を選択することがで
きるが、ただしそのような核酸がアフリカツメガエルXmam4、S.ポムベmam4、
S.セレビシエSTE14またはマウスMTアーゼではないことを前提とする。Imai
他, Mol. Cell. Bio., 17:1543-1551, 1997 ; Sapperstein他, Mol. Cell. Bio.
, 14:1438-1449, 1994を参照のこと。
【0033】 本発明によれば、核酸またはポリペプチドは図1または図3に記載のヌクレオ
チド配列またはアミノ酸配列中に1または複数の変更を含んでなることができる
。ヌクレオチド配列および/またはアミノ酸配列への変更または修飾は、部位特
異的またはランダム変異誘発をはじめとする利用可能な任意方法によって達成す
ることができる。
【0034】 本発明のヒトまたはマウスMTアーゼをコードする核酸は、天然に存在するM
Tアーゼ遺伝子中に見つかるヌクレオチド、例えば天然に存在する多型、正常型
または変異型対立遺伝子(ヌクレオチドまたはアミノ酸)、哺乳類(例えばヒト
、サル、ブタ、マウス、ラットまたはウサギ)の自然集団において発見される突
然変異を含んでなることができる。天然に存在する(naturally-occurring)と
いう語句は、その核酸が自然源、例えば動物の組織や細胞、体液、組織培養細胞
、法医学試料から得られることを意味する。天然に存在する変異としては、ヌク
レオチド配列の欠失(例えば先端が切除されたアミノまたはカルボキシ末端)、
置換、または付加を挙げることができる。それらの遺伝子は、当業者が周知であ
る方法に従った核酸ハイブリダイゼーションにより、検出しそして単離すること
ができる。別の腫瘍遺伝子への類推により、天然に存在する変異の中には宿主細
胞や宿主生物に病理状態を引き起こす欠失、置換および付加が含まれると解釈さ
れる。
【0035】 本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、天然の遺伝子、転写
物もしくはcDNA(例えば図1に記載のような)中に見つかるコドンを含むこ
とができ、または同じアミノ酸配列をコードする縮重コドンを含むこともできる
【0036】 本発明の配列への変更、例えば突然変異は、遺伝子データバンク、例えばGenb
ank, EMBLからの相同性検索に基づいて作製することもできる。配列相同性検索
は様々な方法、例えばコンピュータープログラムのBLAST群に記載の演算法、Smi
th-Waterman演算法などを使って行うことができる。例えば、様々な配列間で保
存されたアミノ酸を同定することができる。例えば図2参照。次いで、ポリペプ
チド間で保存されているアミノ酸を同定し整列させた後、保存位置または非保存
位置のアミノ酸を変更することにより、1または複数の変異を導入することがで
きる。
【0037】 本発明の核酸および対応するポリペプチドは、図1(または好ましさは低いが
図3)のヌクレオチド配列とは異なるけれども表現型上はサイレントである配列
を包含する。これらの配列変異としては、例えば、アミノ酸配列に影響を及ぼさ
ないヌクレオチド置換(例えば同じアミノ酸をコードする異なるコドンまたは縮
重配列)、天然アミノ酸を相同アミノ酸に置換するヌクレオチド置換、例えば(
側鎖の大きさと極性の度合いに基づいて)小型無極性アミノ酸:システイン、プ
ロリン、アラニン、スレオニン;小型極性アミノ酸:セリン、グリシン、アスパ
ラギン酸、アスパラギン;大型極性アミノ酸:グルタミン酸、グルタミン、リジ
ン、アルギニン;中極性アミノ酸:チロシン、ヒスチジン、トリプトファン;大
型無極性アミノ酸:フェニルアラニン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、
バリン間での置換が挙げられる。
【0038】 相同の酸として次のように分類することもできる:無電荷で極性R基のアミノ
酸:グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グ
ルタミン;酸性アミノ酸(負電荷を有する):アスパラギン酸とグルタミン酸;
塩基性アミノ酸(正電荷を有する):リジン、アルギニン、ヒスチジン。相同置
換にはDayhoffによりAtlas of Protein Sequence and Structure 5 (1978)に記
載されたものおよびArgosによりEMBO J., 8, 779-785 (1985)に記載されたもの
も含まれる。
【0039】 本発明に係るミューテインとしては、ヒト配列中の1残基が、対応する位置で
アフリカツメガエルXmam4、S.ポムベmam4、S.セレビシエSTE14またはマウス
MTアーゼ中の対応領域からの1残基により置き換えられているアミノ酸配列が
挙げられる。
【0040】 核酸は、1もしくは複数の位置が相同アミノ酸により置換されていること以外
は図1または図3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌク
レオチド配列;または保存的アミノ酸置換であるような1,5,10,15もしくは
20個の置換を有すること以外は図1(または好ましさは低いが図3)に記載のア
ミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むことがで
きる。本発明はそのような核酸によりコードされるポリペプチドにも関する。そ
の上、それは所望の宿主中での発現に向けて配列を最適化するように配列中のコ
ドンを変更することが望ましいかもしれない。
【0041】 本発明の核酸は、例えばDNA、RNA、合成核酸、ペプチド核酸、修飾ヌク
レオチド、またはそれらの混合物を含んでなることができる。DNAは二本鎖で
あっても一本鎖であってもよい。核酸を含んでなるヌクレオチドは、所望の目的
、例えばRNアーゼHのようなヌクレアーゼに対する耐性の付与、生体内安定性
の改善といった目的に応じて、様々な既知の結合、例えばエステル、スルファメ
ート、スルファミド、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、メチルホスホ
ネート、カルバメート等を介して連結することができる。例えば米国特許第5,37
8,825号明細書を参照のこと。
【0042】 核酸には様々な変更を施すことができ、例えば検出可能なマーカー(アビジン
、ビオチン、放射性元素)、ハイブリダイゼーション、検出または安定性を改善
する成分を取り付けることができる。所望の方法に従って、固形支持体、例えば
ニトロセルロース、磁性または常磁性微小球(例えば米国特許第5,411,863号;
同第5,543,289号明細書に記載されたもの;例えば、フェロ磁性、超磁性、常磁
性、超常磁性、酸化鉄および多糖を含むもの)、ナイロン、アガロース、ジアゾ
化セルロース、ラテックス固形微小球、ポリアクリルアミド等に核酸を取り付け
ることもできる。例えば米国特許第5,470,967号、同第5,476,925号、同第5,478,
893号明細書を参照のこと。
【0043】 本発明の別の面はオリゴヌクレオチドと核酸プローブに関する。そのようなオ
リゴヌクレオチドまたは核酸プローブは、例えば、試験試料中のヒトまたはマウ
スMTアーゼ(例えばSTE14)核酸を検出、定量または単離するために利用する
ことができる。研究、診断および法医学をはじめとする様々な異なる目的で検出
が望ましいことがある。診断目的には、試料中のそのような核酸配列の存否また
は量を同定することが望ましいかもしれない。この場合、試料は組織、細胞、体
液などから得られる。好ましい方法では、本発明は核酸の検出方法であって、試
験試料中の標的核酸とオリゴヌクレオチドとを、前記標的核酸と前記オリゴヌク
レオチドの間でハイブリダイゼーションを達成するのに効果的な条件下で接触さ
せ;そしてハイブリダイゼーションを検出することを含んでなる方法に関する。
本発明に係るオリゴヌクレオチドは、合成核酸増幅、例えばPCR(例えばSaik
i他, 1988, Science, 241:53;米国特許第4,683,202号明細書;PCR Protocols:
A Guide to Methods and Applications, Innis他編, Academic Press, New York
, 1990)または分別表示(例えばLiang他, Nucl. Acid. Res., 21:3269-3275, 1
993;米国特許第5,599,672号明細書;WO 97/18454)においても用いることがで
きる。有用なオリゴヌクレオチドとしては、例えば 5'-CAGATAGCCATCCGAGCTTGT-3' (282-302ヌクレオチド位置) 5'-CTCCTGAATCACAGCCTGGAGTA-3' (462-484ヌクレオチド位置) 5'-CCTGGAGTATACAGTAGCTGCT-3' (476-497ヌクレオチド位置) が挙げられる。そのような検出は、別の遺伝子、例えばras, p53, Rb, 細胞周期
調節遺伝子などをコードするオリゴヌクレオチドと併用して行うことができる。
【0044】 本発明の別の面は、ヒトSTE14またはマウスMTアーゼにユニークであるヌク
レオチド配列である。ファルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラーゼに
ユニークである配列とは、ヒトまたはマウスSTE14中、例えば図1のヌクレオチ
ド配列中に存在するが、別の核酸、特に動物核酸、好ましくは哺乳類,例えばヒ
ト、ラット、マウス等の核酸中にはまれにしかまたは低頻度にしか存在しない、
限定されたヌクレオチド順序を意味する。センスヌクレオチドとアンチセンスヌ
クレオチドの両方が含まれる。本発明に係るユニーク核酸配列は日常的に決定す
ることができる。そのようなユニーク配列を含む核酸は、核酸の混合物を含んで
なる試料において、例えばノーザンブロット上で、ヒトまたはマウスSTE14の存
在を同定するためのハイブリダイゼーションプローブとして用いることができる
。ハイブリダイゼーションは、該プローブに対して少なくとも95%の同一性(す
なわち相補性)を有する核酸を選択するような緊縮条件下で実施することができ
るが、より低い緊縮条件を使用してもよい。ユニークなファルネシル指向カルボ
キシメチルトランスフェラーゼヌクレオチド配列は、それの5′または3′末端
のいずれかのところで、本明細書中に言及した様々なヌクレオチド配列、例えば
STE14の別の部分、酵素、GFPなどをコードする配列に読み枠内で融合せしめ
ることもできる。例えば、Hrycyna他, Methods Enzymol., 250:251-266, 1995を
参照のこと。
【0045】 ハイブリダイゼーションは、例えばSambrook他, Molecular Cloning, 1989に
記載された通りに、所望する選択性に応じて異なる条件下で行うことができる。
例えば、ヒトまたはマウスMTアーゼを特異的に検出するために、そのオリゴヌ
クレオチドのみが標的核酸にハイブリダイズするような条件下で、例えば該オリ
ゴヌクレオチドが標的に対して100%相補的である条件下で、オリゴヌクレオチ
ドを標的核酸にハイブリダイズさせることができる。100%未満、例えば少なく
とも約99%、97%、95%、90%、70%、67%のヌクレオチド相補性を有する標的
核酸を選択することが望ましい場合には、その配列がアフリカツメガエルXmam4
、S.ポムベmam4、S.セレビシエSTE14ではないことを前提として、別の条件
を用いることができる。Imai他, Mol. Cell. Bio., 17:1543-1551, 1997 ; Sapp
erstein他, Mol. Cell. Bio., 14:1438-1449, 1994を参照のこと。本発明のヒト
またはマウスMTアーゼ中の突然変異が病気または病理状態(例えば癌、良性腫
瘍)を引き起こすかまたは増強させる場合があるので、本発明のオリゴヌクレオ
チドを診断に利用することができる。例えば、腫瘍遺伝子またはras情報伝達経
路中の遺伝子(例えばGRB2, H-ras, K-ras, N-ras, c-Raf, MAPキナーゼ, p42,
p44, Ser/Thrキナーゼ, Elk-1, c-myc, c-Jun, Gタンパク質, Ftase, PPSEP, P
PSMTなど)に別のオリゴヌクレオチドを組み合わせて、ポリメラーゼ連鎖反応に
おいて本発明のオリゴヌクレオチドを使用し、次いでDNA配列決定してその配
列が正常であるかどうかを同定することにより、癌またはRas情報伝達経路に関
連する他の状態(下記参照)の症状を有する患者をその病気について診断するこ
とができる。好ましい方法では、本発明は癌の診断方法であって、標的核酸とオ
リゴヌクレオチド間でのハイブリダイゼーションを可能にするのに効果的な条件
下で前記標的核酸を含む試料と前記オリゴヌクレオチドとを接触させ;ハイブリ
ダイゼーションを検出し、ここで前記オリゴヌクレオチドはヒトまたはマウスM
Tアーゼの配列、好ましくはユニーク配列を含んでなり;そして前記オリゴヌク
レオチドがハイブリダイズした前記標的核酸のヌクレオチド配列を決定すること
を含んでなる方法に関する。ヌクレオチド配列は、標的核酸またはそれのcDN
Aを単離し、そして所望の方法によりその配列を決定することを含む、様々な方
法に従って決定することができる。
【0046】 本発明のオリゴヌクレオチドは図1に記載のいずれかの連続ヌクレオチド配列
を含んでなることができる。本発明のそれらのオリゴヌクレオチド(核酸)は任
意の所望のサイズ、例えば約10〜200ヌクレオチド、12〜100、好ましくは12〜50
、12〜25、14〜16、少なくとも約15、少なくとも約20ヌクレオチドなどであるこ
とができる。オリゴヌクレオチドは天然に存在しないヌクレオチド、例えばイノ
シンを有してもよい。オリゴヌクレオチドは図1もしくは図3に記載の配列に対
して100%同一性もしくは相補性を有することができ、または不正対合もしくは
ヌクレオチド置換、例えば1,2,3,4もしくは5個の置換を有することがで
きる。本発明によれば、オリゴヌクレオチドはキットを含んでもよく、その場合
キットは所望の緩衝剤(例えばリン酸塩、トリス等)、検出組成物などを含む。
オリゴヌクレオチドは当該技術分野で周知のように放射性標識または非放射性標
識で標識されていてもよく、または未標識であってもよい。
【0047】 本発明の核酸からアンチセンス核酸を調製することもでき、好ましくは図1、
またはあまり好ましくないが図3のコード配列に対するアンチセンス核酸を調製
することもできる。アンチセンス核酸は様々な方法に利用でき、例えばファルネ
シル指向カルボキシメチルトランスフェラーゼの発現を調節もしくは活性調節(
modulate)するため、例えばそれを阻害するため、それの発現を検出するため、
またはin situハイブリダイゼーションのために利用することができる。それら
のオリゴヌクレオチドは、rasの阻害を記載している米国特許第5,576,208号明細
書と同様に利用することができる。ファルネシル指向カルボキシメチルトランス
フェラーゼの発現を調節または活性調節する目的で、アンチセンスオリゴヌクレ
オチドを発現調節配列に作用可能に連結することができる。
【0048】 本発明の核酸は、任意の所望の方法に従って標識することができる。核酸は放
射性トレーサー、最も汎用されるトレーサーのみを挙げると、例えば32P,35
125I,3Hまたは14Cを使って標識することができる。放射性標識は、任意方
法、例えば放射性標識ヌクレオチド、ポリヌクレオチドキナーゼ(ホスファター
ゼによる脱リン酸を伴うまたは伴わない)またはリガーゼ(標識しようとする末
端に依存する)を使った3′または5′末端での末端標識法に従って行うことが
できる。また、免疫学的性質を有する残基(抗原、ハプテン)、ある種の試薬に
対する特異的親和性を有する残基(リガンド)、検出可能な酵素反応を完成させ
ることができる性質を有する残基(酵素もしくは補酵素、酵素基質または酵素反
応に関与する他の物質)、または特徴的な物理的性質(例えば所望の波長の光の
発光もしくは吸収または蛍光)を有する残基と本発明の核酸とを組み合わせる、
非放射性標識を用いることもできる。
【0049】 オリゴヌクレオチド、アンチセンス核酸などを包含する本発明の核酸は、様々
な技術により、例えばノーザンブロット、PCR、in situハイブリダイゼーシ
ョン等により、完全器官、組織、細胞等におけるファルネシル指向カルボキシメ
チルトランスフェラーゼの発現を検出するために用いることができる。そのよう
な核酸は、ファルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラーゼの妨害発現、
例えば細胞特異的および/または細胞下変化を検出するのに特に有用である。フ
ァルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラーゼの発現レベルは、単独でま
たは別の遺伝子産物(例えばRas-H, Ras-N, Ras-K4A, Ras-K4B, p53, Rb, RCE1
など)と組み合わせて測定することができる。
【0050】 本発明の核酸は、所望の目的に応じて、試験管内と生体内の多種多様な系にお
いて発現させることができる。例えば、核酸を発現ベクター中に挿入し、所望の
宿主に導入し、該核酸をコードするポリペプチドの発現に効果的な条件下で培養
することができる。効果的な条件は、宿主細胞によるポリペプチドの生産を達成
するのに適している任意の培養条件、例えば効果的な温度、pH、培地、宿主細
胞を培養する培地への添加剤(例えば、発現を増幅させるかまたは誘導する添加
剤、例えばブチレート、コード核酸がdhfr遺伝子に隣接している場合にはメトト
レキセート)、シクロヘキサミド、細胞密度、培養皿などを包含する。核酸は、
任意の有効な方法、例えばnaked DNA法、リン酸カルシウム沈澱、エレクトロポ
レーション、注入、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、細胞中への
取り込みを増加させる剤と組み合わせたリポソーム融合、ウイルストランスフェ
クションなどにより、細胞に導入することができる。本発明の核酸が導入されて
いる細胞は形質転換された宿主細胞である。核酸は宿主細胞の染色体外に存在し
てもよく、または宿主細胞の染色体中に組み込まれてもよい。それは安定である
かまたは一時的であることができる。発現ベクターは宿主細胞と適合するように
選択される。宿主細胞としては、哺乳類細胞、例えばCOS-7, CHO, HeLa, LTK, N
IH 3T3, HEK 293,酵母、昆虫細胞、例えばSf9(S.フルギペダ)およびショウ
ジョウバエ(Drosophila)、細菌、例えばE.コリ、ストレプトコッカス、バシ
ラス、酵母、真菌細胞、植物、胎児性幹細胞(例えば哺乳類、例えばマウスまた
はヒト)、癌または腫瘍細胞が挙げられる。Sf9発現はGraziani他, Oncogene, 7
:229-235と同様にして行うことができる。ヒト遺伝子をSf9細胞中で発現させる
と、その活性は膜画分において最大であった。発現調節配列も同様に宿主適合性
および所望の目的(例えば、高コピー数、大量、誘導、増幅、調節発現)に合せ
て選択される。使用できる別の配列としては、エンハンサー、例えばSV40, CMV
からのエンハンサー、誘導性プロモーター、細胞型特異的要素、または選択的も
しくは特異的細胞発現を可能にする配列が挙げられる。発現を指令するために用
いることのできるプロモーターとしては、例えば内因性プロモーター、SV40プロ
モーター等が挙げられる。
【0051】 例えばファルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラーゼ発現を活性調節
するため、ファルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラーゼ機能または着
目の遺伝子の機能を惹起させるため等の目的で、着目の別の遺伝子を同一宿主中
に導入することができる。着目の遺伝子としては、別の腫瘍遺伝子、細胞周期に
関与する遺伝子、例えばp53、Rbなどが挙げられる。そのような遺伝子は正常型
遺伝子であるか、または変型、例えば突然変異、キメラ、多型であることができ
る。
【0052】 本発明の核酸またはポリペプチドは、核酸またはタンパク質電気泳動、クロマ
トグラフィー等においてサイズマーカーとして使用することができる。制限部位
について配列を精査することにより限定された制限断片を決定し、サイズを計算
し、そして対応する制限消化を実施することができる。ヒトファルネシル指向カ
ルボキシメチルトランスフェラーゼcDNAをゲル上の2.5 kb分子量マーカーと
して用いることもできる。
【0053】 本発明の別の面は、MTアーゼ遺伝子が関与する生化学経路の調節、特に病理
状態の調節に関する。例えば、細胞増殖(例えば癌)、成長調節、アポプトシス
、分化、形態発生、交配型、Gタンパク質情報伝達、細胞接着など。例えば、本
発明の哺乳類MTアーゼは様々なタンパク質のプロセシングに関係しており、例
えば脂質改質されている(例えばステロイド中間体、例えばファラネシルもしく
はゲラニルゲルナニル、または他のプレニル化種を含有する)ポリペプチドおよ
び/またはN末端C,CC,CCXX,CXCを含有するポリペプチドのプロセ
シングに関係している。例えばCox & Der, Biochim. Biophys. Acta 1333, F51-
F71, 1997 を参照のこと。特に着目されるのは、ras ポリペプチドのプロセシン
グにおいて哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラ
ーゼが果たす役割である。というのは、ras ポリペプチドは発癌と形質転換に関
係しているからである。ras ポリペプチドや上記モチーフを含む他のポリペプチ
ドは、ファルネシル化、分子内タンパク質分解(エンドプロテオリシス)および
メチル化を包含する1または複数の段階を経てプロセシングされる。例えば、Ge
lb, Science, 275, 1751-1751, 1997 を参照のこと。ras(野生型、変異型、構成
的などのras )の過剰発現は、場合により他の遺伝子の異常発現と一緒になって
、腫瘍形成活性を引き起こすことがある。ras 過剰発現を治療する1つのアプロ
ーチは、ras蓄積物を不完全にプロセシングおよび/または不活性化するようにr
as 成熟過程を阻害するか、それの腫瘍形成作用を排除または減少させることで
ある。本発明によれば、ras 成熟過程は、STE14 のような哺乳類ファルネシル指
向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼをブロックすることにより阻
害することができる。ブロックは様々な方法、例えば、STE14 抗体もしくは別の
STE14 リガンド、STE14 ペプチド(特にメチル供与体に結合するがメチルトラン
スフェラーゼ活性またはメチルエステル化活性を欠いているもの)、STE14 触媒
活性の阻害剤(例えばメチル供与体模倣物または競合剤または拮抗剤)、STE14
遺伝子発現の阻害剤(例えばアンチセンスRNAまたは二本鎖RNA、例えばFi
re他, Nature, 391:806-811, 1998)を投与することにより、達成することがで
きる。ブロック剤は本明細書中に記載の方法または当業界で利用可能なものに従
って同定することができる。
【0054】 本発明の一面は、ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェ
ラーゼ活性を調節する化合物を同定することに関する。その活性を増加、減少、
拮抗、促進、安定化することなどにより、活性調節することができる。よって、
本発明の1つの目的は、メチルトランスフェラーゼ酵素のメチル受容体基質中へ
のメチル基の取り込みを調節する化合物についてのスクリーニングを容易にする
ことである。
【0055】 従って、本発明は、哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメチルトラ
ンスフェラーゼ、特に図1または図3のヒトまたはマウスMTアーゼを活性調節
する化合物を同定する方法であって、試験化合物の存在下、メチル供与体基質、
メチル受容体基質および哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメチルト
ランスフェラーゼもしくはメチルトランスフェラーゼ活性を有するその断片を、
前記哺乳類カルボキシメチルトランスフェラーゼもしくは前記断片が前記メチル
受容体基質をメチル化するのに効果的な条件下で反応させ;前記メチル受容体基
質のメチル化を検出し;そして前記試験化合物の存在下と非存在下でメチル化の
量を比較することにより前記試験化合物がメチルトランスフェラーゼ活性を調節
するかどうかを同定することを含んでなる方法に関する。
【0056】 検出可能に標識されたS−アデノシルメチオニン、特にS−アデノシル−L−
[メチル−14C]メチオニンまたはS−アデノシル−L−[メチル−3 H]メチ
オニンをはじめとする任意の機能的なメチル供与体基質を利用できる。同様に、
末端ファルネシル化システインを含有するポリペプチド、CC,CCXXもしく
はCXCで終わるポリペプチド、および/または例えばファルネシルもしくはゲ
ラニルゲラニルでシステインがプレニル化されているポリペプチドをはじめとす
る任意の機能的なメチル受容体基質が利用可能である。機能的メチル受容体基質
としては、Ras-H, Ras-N, Ras-K4A, Ras-K4B 、ラミンAおよびB,RhoB, RhoE
他,Rap2, Rheb 、ホスホリラーゼキナーゼおよびロドプシンキナーゼ、トラン
スデューシン(Transducin)、cGMPホスホジエステラーゼ、IFN誘導グアニル
酸結合タンパク質1、IP3 5−ホスファターゼ、PxF, PRL-1/PTPCAAX1および
2、ビオチン−Lys-Lys-Ser-Lys-Thr-Lys−(ファルネシル)Cys などが挙げら
れる。
【0057】 別の基質としては、デルタ肝炎ウイルス(Otto他, J. Biol. Chem., 271:4569
-72, 1996)が挙げられる。一般に、それがメチルトランスフェラーゼ反応にお
いて作用することができれば、どんな基質でも適当である。かくして、基質は追
加の原子を含むことができ、例えばペプチド結合また別の結合によって連結され
た追加のアミノ酸残基を含むことができ、そしていずれかの望ましい方法で修飾
することができる。例えば、基質を固形支持体、例えばラテックス、セファロー
ス、シリカ、アガロース、セファデックス、セルロース、多糖、ガラス、ポリマ
ー等を含む支持体に固定することができる。また、例えば抗体、アビジン、ビオ
チン、放射性標識、アプタマー、蛍光標識、核酸などにより、基質を検出可能に
標識することもできる。基質はリン酸基、メチル基、糖または脂質を含んでもよ
い。
【0058】 試験化合物は、好ましくは受容体基質のメチル化が達成されるような環境で基
質と反応せしめられる。そのような環境は効果的環境と称することができる。例
えば対照実験におけるように、試験化合物の非存在下で基底活性を構築するそれ
らの条件を決定することができる。効果的反応条件は、例えば塩類、緩衝剤、還
元剤および/または酸化剤、pH等を使って、日常的に選択することができる。
例えば、ファルネシル化C末端システインを含んでなるメチル受容体基質を使う
場合、効果的メチル化はそれのメチル化を引き起こす。
【0059】 メチル化が達成される条件下で試験化合物、MTアーゼおよび基質を反応させ
る段階の後、次の段階はメチル化に対する試験化合物の効果を測定する段階であ
る。メチル化の検出は、試験化合物の非存在下でMTアーゼが基底活性を樹立す
るように最適化することができる。一般に、メチル化の検出は、MTアーゼの受
容体基質中への標識メチル基(例えば 3Hまたは14C)の取り込みを測定するこ
とを伴う。好ましい態様では、メチル受容体基質がビオチン−Lys-Lys-Ser-Lys-
Thr-Lys-(ファルネシル)Cysであり、そしてメチル供与体基質が検出可能に標
識されたS−アデノシルメチオニン(例えば、S−アデノシル−L−[メチル− 14 C]メチオニンまたはS−アデノシル−L−[メチル− 3H]メチオニン)で
あり、そしてメチル化検出が、ストレプトアビジンでコーティングされたビーズ
を使ってメチル受容体基質を捕捉しそして前記メチル受容体基質中に取り込まれ
た標識メチルの量を測定することにより達成される。しかしながら、メチル受容
体基質中に含まれるアンカー(例えばビオチン)に依存して、任意の利用可能な
手段を使って捕捉を行うことができ、例えば、プロテインAでコーティングされ
たSPAビーズを抗Ras 抗体に結合させたものを使って、細胞から全長タンパク
質を捕捉することができる。この細胞性Ras がメチル化されていなければ、 3
−S−アデノシルメチオニンから標識を取り込ませるのに組換えMTアーゼを使
用することができる。
【0060】 一般に、本発明のアッセイはメチル基質受容体の捕捉と、該基質がメチル基の
付加により修飾されているかどうかの識別を包含する。これは、任意の有効な手
段、例えば抗体(例えば、メチル化された基質を認識するがメチル化されていな
い基質は認識しない抗体、またはその逆の抗体);質量分析法;電気泳動移動度
シフト;クロマトグラフィー;電気泳動;等により達成することができる。
【0061】 MTアーゼ成分は様々な形態で、例えば実質的に純粋な形態で、細胞膜の一成
分として(例えば小胞体)または可溶性抽出物として、反応混合物に添加するこ
とができる。どの場合でも、MTアーゼポリペプチドは天然源、組換え源(例え
ば、Hrycyna他, Methods Enzymol., 250:251-266, 1995に記載されたように、融
合タンパク質としてまたは非融合タンパク質として昆虫細胞系または細菌中で発
現させたヒトSTE14 )から得ることができ、あるいはそれは合成により生産(化
学的または酵素的に生産、例えば全長MTアーゼの開裂により生産)させること
ができる。
【0062】 好ましくは、MTアーゼはMTアーゼコード配列(例えばcDNA、遺伝子、
ゲノム断片等)により形質転換せしめた細胞系中で発現される。後者の場合、M
Tアーゼは細胞の非相同成分として存在する。非相同とは、MTアーゼが異なる
種の細胞系中で発現されるというだけでなく、例えばトランスフェクション、形
質転換等によって細胞中に導入されたコード配列によりコードされることも意味
する。好ましくは、MTアーゼは細胞(例えば細菌、酵母、哺乳動物など)中で
高レベルで発現される。ヒトファルネシル指向システインカルボキシメチルトラ
ンスフェラーゼまたはその断片が好ましいコード配列である。例えば図1を参照
のこと。そのヒト配列の有用な断片は、メチルトランスフェラーゼ活性とメチル
供与体基質結合活性を含む。
【0063】 本発明の好ましい面によれば、MTアーゼは細胞溶解物として提供される。例
えばヒトSTE14 により形質転換された細胞を溶解させ、生じた溶解物をそのまま
、すなわち粗溶解物としてアッセイに使用する。所望により、組換えヒトSTE14
を含んでなる粗溶解物をヒトSTE14について精製または濃縮することができる。
例えば、Hrycyna他, Methods Enzymol., 250:251-266, 1995に記載のようにして
、例えば膜画分などを単離することができる。
【0064】 アッセイの目的は、MTアーゼ活性を調節する化合物を選択しそして同定する
ことである。よって、典型的には試験化合物の存在下と非存在下でメチル化が行
われる。化合物がRCEを活性調節するかどうかは、例えば試験化合物の存在下
でメチル化がより多くまたは少なく起こったかどうかを測定することにより、日
常的に決定することができる。
【0065】 アッセイは完全細胞において実施することもできる。例えば、ファルネシル指
向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼ活性の調節物質(モジュレー
ター)を所望の宿主細胞系に加えた後、細胞系に対するそれの効果を観察するこ
とができる。上述したように、MTアーゼは細胞中の多種多様なタンパク質をメ
チル化する。上記参照。よって、基質がメチル化されたかどうかを同定すること
により、完全細胞(または抽出物など)に対する阻害剤の効果を測定することが
できる。例えば、ras を発現する細胞系においては、全細胞アッセイは、試験化
合物を細胞に投与し;例えば抗体または電気泳動シフトを使ってras 中間体が細
胞に蓄積したかどうかを検出することにより、試験化合物がras のプロセシング
を調節するかどうかを測定または検出することを含んでなる。メチルトランスフ
ェラーゼ基質を発現するように、またはそれを過剰発現するように等、細胞系を
操作することができる。ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランス
フェラーゼについての生体内アッセイ法は、細胞内に取り込まれるように試験化
合物を修飾すること、例えば化合物を誘導体化すること、化合物をリポソーム中
に封入すること、および細胞への導入を増加させる他の手段、例えば食作用(フ
ァゴサイトーシス)を刺激すること、を更に必要とする。そのような細胞に剤を
投与し、例えば細胞形態を監視する等により、形質転換を阻害するそれらの剤の
能力について調べることもできる。例えば、米国特許第 5,688,655号明細書を参
照のこと。アッセイは例えば米国特許第 5,710,171号;同第 5,703,241号;同第
5,585,359号;同第 5,557,729号;同第 5,532,359号;同第 5,470,832号;同第
5,420,245号;同第 5,185,248号明細書に記載されたように行うこともできる。
【0066】 試験管内アッセイに有用な細胞系(例えば膜の入手源として)および生体内ア
ッセイに有用な細胞系は、FTase, RCE1, Rb, rac, p53, Ras-H, Ras-N, Ras-K4A
, Ras-K4B, ラミンAおよびB,RhoB, RhoE Rap2, Rheb, ホスホリラーゼキナー
ゼおよびロドプシンキナーゼ、トランスデューシン、cGMPホスホジエステラーゼ
、IFN誘導グアニル酸結合タンパク質1、IP3 5−ホスファターゼ、PxF, P
RL-1/PTPCAAX1および2をはじめとする1または複数の非相同遺伝子を発現する
ことができる。
【0067】 この手法または別の手法で同定された化合物は、細胞、組織、完全生物体、そ
の場(in situ)、試験管内(試験管、固形支持体など)、生体内または任意の
所望の環境においてファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェ
ラーゼ活性を調節するのに有用である。一般に、そのような試験管内活性を有す
る化合物は、ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼ
に関連する生物学的経路を活性調節する際に、例えば上述した生物活性および細
胞活性に関連した病理状態を治療する際に、生体内で有用であろう。よって本発
明は、ras, Gタンパク質などに関連づけられる病気および病理状態、例えば癌
、異常細胞増殖に関連づけられる病気、の治療または予防にも関する。例えば、
本発明は癌の治療方法であって、治療の必要な被検者に、前記病気を治療するの
に有効な量の化合物を投与することを含んでなり、前記化合物がファルネシル指
向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼ遺伝子またはポリペプチド発
現の調節物質であることを特徴とする方法に関する。病気を治療するとは、その
開始を遅らせること、病気の進行を遅らせること、病気の臨床的および病理学的
徴候を改善するまたは遅らせることを意味する。調節化合物または化合物の混合
物は、合成、天然またはその組合せであることができる。調節化合物はアミノ酸
、ヌクレオチド、炭水化物、脂質、多糖などを含んでなることができる。調節化
合物は、好ましくは、ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフ
ェラーゼの調節物質、例えばそれのmRNA,タンパク質の発現またはプロセシ
ングを阻害または増加させる調節物質である。発現は別の剤、例えばアンチセン
ス核酸、リボザイム、アプタマー、合成化合物、または天然化合物を使って調節
することもできる。病気を治療するために、当業者に明白であるような医薬上許
容される担体および他の賦形剤を含んでなる医薬組成物に化合物または混合物を
配合することができる。例えば、Remington's Pharmaceutical Science, 第18版
,Mack Publishing Company, 1990を参照のこと。そのような組成物は別の化合
物、特に癌治療用の化合物の有効量を更に含むことができる。
【0068】 本発明は、ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼ
を特異的に認識する抗体にも関する。抗体、例えばポリクローナル、モノクロー
ナル、組換え、キメラ抗体は任意の所望の方法に従って調製することができる。
例えば、モノクローナル抗体の生産のために、図1に記載のポリペプチド(それ
の特定断片)を、免疫応答を惹起せしめるのに有効な量で、アジュバントと共に
または無しで、マウス、ヤギまたはウサギの皮下および/または腹腔内に投与す
ることができる。抗体は一本鎖またはFAbであってもよい。抗体はIgG,サブ
タイプIgG2a, IgG1などであることができる。抗体はnaked DNAを投与する
ことにより生産させることもできる。例えば米国特許第5,703,055号、同第5,589
,466号、同第5,580,859号明細書を参照のこと。
【0069】 ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼに特異的な
抗体とは、該抗体がファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェ
ラーゼを包含するアミノ酸または内部のアミノ酸の限定配列、例えば図1および
図3のヒトおよびマウス配列を認識することを意味する。よって、特異的抗体は
、例えば免疫ブロットアッセイにより検出および/または測定すると、別のエピ
トープに対してよりも、図1中に見つかるアミノ酸配列(すなわち一定のエピト
ープ)に対して、より高い親和力で結合するだろう。よって、ヒト STE14のエピ
トープに特異的である抗体は、試料中の(例えばヒト STE14遺伝子産物を含有す
る組織の試料中の)前記エピトープの存在を検出し、前記エピトープを欠いてい
る試料からその試料を識別するのに有用である。そのような抗体はSanta Cruz B
iotechnology, Inc., Research Product Catalog中に記載されるように有用であ
り、例えば100 μg/mlの量で配合することができる。
【0070】 その上、例えば合成ペプチドライブラリーまたはアプタマーを使って、本発明
のファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼポリペプチ
ドに結合するリガンド、またはその誘導体を調製することもできる(例えば、Pi
trung他, 米国特許第5,143,854号明細書;Geysen他, 1987, J. Immunol. Method
s, 102:259-274;Scott他, 1990, Science, 249:386;Blackwell他, 1990, Scie
nce, 250:1104;Tuerk他, 1990, Science, 249:505)。
【0071】 ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼに結合する
抗体および別のリガンドは、様々な方法、例えば治療、診断および商業的研究手
段として、例えば動物、組織、細胞などにおけるファルネシル指向システインカ
ルボキシメチルトランスフェラーゼポリペプチドの量を定量するため、それの細
胞内限局化および/または分布を同定するため、それ自身またはその一部分を含
んでなるポリペプチドを精製するため、それの機能を調節するため等に利用する
ことができる。それに対する抗体またはその誘導体はウエスタンブロット、ELIZ
A、免疫沈澱、RIA等に利用できる。本発明は、そのようなアッセイ、それを
行うための組成物およびキット等にも関する。
【0072】 本発明の抗体は、様々な試料、例えば組織、細胞、体液、血液、尿、脳脊髄液
においてファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼポリ
ペプチドまたはその断片を検出するために用いることができる。本発明の方法は
、例えば、(a) 図1のポリペプチドに結合するリガンドを、当該技術分野で周知
のように、結合を達成するのに効果的な条件下で接触させ、そして(b) 前記リガ
ンドと前記ポリペプチドとの間の特異的結合を検出することを含んでなる。特異
的結合とは、図1のアミノ酸配列を包含するかまたはその内部に含まれる限定さ
れたアミノ酸配列にリガンドが結合することを意味する。抗体またはその誘導体
は、ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼまたはそ
の断片の発現を阻害するために用いることもできる。単独でまたは別の遺伝子産
物と組み合わせてファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラ
ーゼポリペプチドのレベルを測定することができる。特に、ファルネシル指向シ
ステインカルボキシメチルトランスフェラーゼポリペプチド(例えばその発現レ
ベル)を同一または異なる試料中の別のポリペプチド(例えばras, FTアーゼ
、エンドプロテアーゼなど)の量と比較する(例えば比率として)ことができる
。ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼに対するリ
ガンドを、別の抗体、例えば、癌の腫瘍形成マーカー(例えばrasなど)を認識
する抗体と組み合わせて使用することができる。一般に、ファルネシル指向シス
テインカルボキシメチルトランスフェラーゼに特異的である試薬は、例えば米国
特許第 5,397,712号、同第 5,434,050号、同第 5,429,947号明細書に記載のよう
な任意の所望の方法に従って、診断および/または法医学的研究に利用すること
ができる。
【0073】 本発明は、所望の方法、例えば米国特許第5,434,050号明細書に開示された方
法に従って調製した、標識されたファルネシル指向システインカルボキシメチル
トランスフェラーゼポリペプチドにも関する。標識ポリペプチドは、例えば結合
アッセイにおいて、例えばファルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラー
ゼに結合または付着する物質を同定するために、細胞、生体またはin situ系に
おいてファルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラーゼの動向を追跡する
ために、などに利用することができる。
【0074】 本発明に係る核酸、ポリペプチド、抗体、ファルネシル指向カルボキシメチル
トランスフェラーゼリガンド等は単離することができる。「単離された」とは、
その材料がその元の環境では見られないような形態にあること、例えばより濃縮
された形態、より精製された形態、他成分から分離された形態などにあることを
意味する。単離された核酸としては、例えば、生存動物中に見つかる染色体DN
Aから分離されたファルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラーゼの配列
を有する核酸が挙げられる。この核酸は、ベクターの一部であるかまたは染色体
中に挿入されてもよく(それの通常の位置とは異なる位置でのランダム組み込み
または特異的遺伝子ターゲッティングにより)、それが生来の環境で見つかる形
態ではない形態で単離することができる。本発明の核酸またはポリペプチドは実
質的に精製されてもよい。実質的に精製されたとは、その核酸またはポリペプチ
ドが別の核酸またはポリペプチドから分離されており且つそれらを本質的に含ま
ないこと、すなわち本発明の核酸またはポリペプチドが主成分でありかつ活性成
分であることを意味する。
【0075】 本発明は、トランスジェニック動物、例えばファルネシル指向システインカル
ボキシメチルトランスフェラーゼ核酸を含んでなる非ヒト動物、例えばマウスに
も関する。トランスジェニック動物は、例えばL細胞胚の前核中への組換え遺伝
子の前核注入、胎児性幹細胞中への人工酵母染色体の組み込み、遺伝子ターゲッ
ティング法、胎児性幹細胞方法論によるものをはじめとする、既知方法に従って
調製することができる。例えば、米国特許第4,736,866号;同第4,873,191号;同
第4,873,316号;同第5,082,779号;同第5,304,489号;同第5,174,986号;同第5,
175,384号;同第5,175,385号;同第5,221,778号明細書;Gordon他, Proc. Natl.
Acad. Sci., 77:7380-7384 (1980) ; Palmiter他, Cell, 41:343-345 (1985) ;
Palmiter他, Ann. Rev. Genet., 20:465-499 (1986) ; Askew他, Mol. Cell. B
io. 13:4115-4124, 1993 ; Games他, Nature, 373:523-527, 1995 ; Valancius
& Smithies, Mol. Cell. Bio., 11:1402-1408, 1991 ; Stacey他, Mol. Cell. B
io., 14:1009-1016, 1994 ; Hasty他, Nature, 350:243-246, 1995 ; Rubinstei
n他, Nucl. Acid Res., 21:2613-2617, 1993を参照のこと。本発明の核酸は、マ
ウス(Hogan他, 1986, Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual,
Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York)、ブタ(Ha
mmer他, Nature, 315:343-345, 1985)、ヒツジ(Hammer他, Nature, 315:343-3
45, 1985)、ウシ、ラットまたは霊長類を含む、任意の非ヒト動物中に導入する
ことができる。例えば、Church, 1987, Trends in Biotech. 5:13-19 ; Clark他
, 1987, Trends in Biotech. 5:20-24 および DePamiphilis他, 1988, BioTechn
iques, 6:662-680も参照のこと。加えて、例えば典型的なトランスジェニックラ
ットおよびマウスの生産法は商業的に入手可能である。それらのトランスジェニ
ック動物は、癌モデルとして、例えば薬剤の試験のために、蛇の餌として、株起
源を検出するための遺伝子マーカーとして等に有用である。そのようなトランス
ジェニック動物は、別のトランスジェニック遺伝子、例えばGTP結合タンパク
質のRb, p53, RCE1, FTase, rho, rab, rac,γサブユニット、および本明細書全
体を通して言及した遺伝子のいずれかを更に含んでなることができる。
【0076】 一般に、本発明の核酸、ポリペプチド、抗体等は、米国特許第5,501,969号、
同第5,506,133号;同第5,441,870号;国際公開第90/00607号;国際公開第91/155
82号公報に記載された通りに調製しそして利用することができる。
【0077】 本発明の核酸、ポリペプチド、抗体等の別の面については、分子生物学、タン
パク質化学、免疫学の標準参考書を参照されたい。例えば、Davis他 (1986), Ba
sic Methods in Molecular Biology, Elsevir Sciences Publishing, Inc., New
York ; Hames他 (1985) Nucleic Acid Hybridization, IL Press ; Molecular
Cloning, Sambrook他;Current Protocols in Molecular Biology, F.M. Ausub
el他編, John Wiley & Sons, Inc. ; Current Protocols in Human Genetics, N
icholas C. Dracopoli他編, John Wiley & Sons, Inc. ; Current Protocols in
Protein Science, John E. Coligan他編, John Wiley & Sons, Inc. ; Current
Protocols in Immunology, John E. Coligan他編, John Wiley & Sons, Inc.を
参照のこと。
【0078】実施例 本発明者らは、ビオチン化されたプレニル化ペプチド基質[ビオチン−Lys-Ly
s-Ser-Lys-Thr-Lys-(ファルネシル)Cys;K-Ras-4BのC末端配列に基づくが、
最後の3残基を欠いている]を使用するこのアッセイの我々独自の変形を発明し
た。簡単にいえば、ヒト STE14を発現する細菌または昆虫細胞膜が補助基質の3
H−S−アデノシルメチオニンを利用して(ファルネシル)Cys−カルボキシル
基をメチル化する。ストレプトアビジンによりコーティングされたSPAビーズ
を使って、基質ペプチド中に取り込まれた標識を定量する。メチラーゼをpRSET
(Invitrogen) 細菌細胞発現ベクターとpFastBac (Gibco BRL)昆虫細胞発現ベク
ター中にそれぞれクローニングする。
【0079】 標準アッセイは、一般に次の順序で添加する成分:化合物 50 L, 膜 25 Lおよ
3H−SAM 25 L/基質を含有する100 Lの総アッセイ容量において、96ウエ
ル試料プレート(Wallac Part NO. 1450-401)中で実施する。HEPES pH 7.4の最
終濃度は100 mMである。
【0080】 100 mM HEPES pH 7.4中の25 Lの容量の膜を各ウエルに添加し、次いで25 Lの
希釈基質(メチラーゼ基質を100%DMSO中で−20℃で保存するが、使用直前に10
%DMSO中で必要な使用濃度に希釈する)を添加する。これに標識、すなわち3
−SAM(〜85 Ciミリモル;1mCi/ml;12 M)を添加する。
【0081】 100 mM HEPES pH 7.4を使ってウエルあたり0.125 Lを25 Lにする。 次いでプレートを密封し、室温で60分間インキュベートする。 PBS pH 7.1+5 mM EDTA+0.1%Tween 20中にSPAビーズ(250 g)を含有す
る150 LのStop Mixを添加することにより反応を停止させる。プレートを再び密
封し、一晩落ち着かせた後、シンチレーションカウンター上で読み取る。
【0082】 更に詳述しなくとも、当業者は上記説明を用いて、本発明を最大限に利用する
ことができると思われる。従って、上述した好ましい特定態様は、単に例示的な
ものとして解釈すべきであって、決して本開示の残りを限定するものとして解釈
してはならない。
【0083】 上記および図面の中に引用した全ての出願、特許および刊行物の全開示は,参
考として本明細書中に組み込まれる。 上記記載から、当業者は本発明の本質的特徴を容易に確かめることができ、且
つ本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明を様々な用途および条
件に適合させるために、本発明の様々な変更や改良を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒトファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラー
ゼのヌクレオチド配列およびアミノ酸コード配列を示す。
【図2】 図2は、異なる種からのメチルトランスフェラーゼ配列間の比較を示す。
【図3】 図3は、マウスファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラ
ーゼのヌクレオチド配列およびアミノ酸コード配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 9/10 5/10 C12Q 1/48 Z 9/10 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/48 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 マーティン,ジョージ エー. アメリカ合衆国,カリフォルニア バーク レー,スタネイジ アベニュ 1430 (72)発明者 ボラッグ,ギデオン アメリカ合衆国,カリフォルニア 94547, ハーキュルス,カタリナ ドライブ 172 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA10 CA01 CA07 CA11 DA02 GA11 4B050 CC03 DD11 4B063 QA01 QA18 QQ26 QQ61 QQ79 QQ95 QQ96 QR06 QR48 QS24 QS33 QX01 QX02 4B065 AA90X AA93Y AB01 BA02 CA29 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA89 EA20 EA50 FA74

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離された哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメ
    チルトランスフェラーゼポリペプチドまたはそれの生物活性断片。
  2. 【請求項2】 前記ポリペプチドがメチル供与体基質結合活性またはメチル
    トランスフェラーゼ活性を有する、請求項1に記載の単離された哺乳類ファルネ
    シル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼまたはそれの生物活性
    断片。
  3. 【請求項3】 前記ポリペプチドが、末端S−ファルネシル−システインを
    含んでなるメチル受容体基質にメチル基を転移させることができる、請求項1に
    記載の単離された哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランス
    フェラーゼまたはそれの生物活性断片。
  4. 【請求項4】 ヒト由来である、請求項1に記載の単離された哺乳類ファル
    ネシル指向カルボキシメチルトランスフェラーゼまたはそれの生物活性断片。
  5. 【請求項5】 図1に記載のアミノ酸1からアミノ酸284までを含んでなる
    、請求項1に記載の単離された哺乳類ファルネシル指向カルボキシメチルトラン
    スフェラーゼ。
  6. 【請求項6】 図3に記載のアミノ酸1からアミノ酸153までを含んでなる
    、請求項1に記載の単離された哺乳類ファルネシル指向カルボキシメチルトラン
    スフェラーゼ。
  7. 【請求項7】 図3に記載のアミノ酸配列からなる、請求項6に記載の単離
    された哺乳類ファルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラーゼ。
  8. 【請求項8】 実質的に精製されている、請求項1に記載の単離された哺乳
    類ファルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラーゼまたはそれの生物活性
    断片。
  9. 【請求項9】 哺乳類ファルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラー
    ゼポリペプチドまたはそれの生物活性ポリペプチド断片をコードするヌクレオチ
    ド配列を含んでなる単離された核酸。
  10. 【請求項10】 前記コードされるポリペプチドが、メチル供与体基質結合
    活性またはメチルトランスフェラーゼ活性を有する、請求項9に記載の単離され
    た核酸。
  11. 【請求項11】 前記ポリペプチドが、末端S−ファルネシル−システイン
    を含んでなるメチル受容体基質にメチル基を転移させることができる、請求項9
    に記載の単離された核酸。
  12. 【請求項12】 ヒト由来である、請求項9に記載の単離された核酸。
  13. 【請求項13】 前記ヌクレオチド配列が図1に記載のアミノ酸1からアミ
    ノ酸284までをコードする、請求項9に記載の単離された核酸。
  14. 【請求項14】 前記ヌクレオチド配列が図3に記載のアミノ酸1からアミ
    ノ酸153までをコードする、請求項9に記載の単離された核酸。
  15. 【請求項15】 図3に記載の核酸からなる、請求項9に記載の単離された
    核酸。
  16. 【請求項16】 図1に記載のヌクレオチド配列より選択された12〜100塩
    基対の任意の連続配列またはそれの相補体から本質的になる、請求項9に記載の
    単離された核酸。
  17. 【請求項17】 検出可能な標識を更に含んでなる、請求項16に記載の単
    離された核酸。
  18. 【請求項18】 前記ヌクレオチド配列が発現調節配列に作用可能に連結さ
    れている、請求項9に記載の単離された核酸。
  19. 【請求項19】 前記核酸が天然に存在するヌクレオチド配列をコードする
    、請求項9に記載の単離された核酸。
  20. 【請求項20】 前記核酸が中断なく前記ポリペプチドをコードする、請求
    項9に記載の単離された核酸。
  21. 【請求項21】 前記核酸がDNAまたはRNAである、請求項9に記載の
    単離された核酸。
  22. 【請求項22】 前記核酸が検出可能な標識を更に含んでなる、請求項9に
    記載の単離された核酸。
  23. 【請求項23】 1または複数のアミノ酸位置が置換もしくは削除されてい
    るかまたはその両方であり、そして前記核酸によりコードされるポリペプチドが
    メチル供与体基質結合活性またはメチルトランスフェラーゼ活性を有する、請求
    項9に記載の単離された核酸。
  24. 【請求項24】 1または複数の置換されたアミノ酸位置が相同アミノ酸に
    より置換されている、請求項23に記載の単離された核酸。
  25. 【請求項25】 緊縮条件下で図1に記載のヌクレオチド配列にハイブリダ
    イズする天然に得られるヌクレオチド配列またはそれの相補的配列を有し、ただ
    し前記配列がアフリカツメガエル(Xenopus)Xmam4、S.ポムベ(S. pombe)ma
    m4、S.セレビシエ(S. cerevisiae)STE14またはそれらの断片ではないことを
    条件とする、請求項9に記載の単離された核酸。
  26. 【請求項26】 図1に記載のヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の
    ヌクレオチド配列同一性を有する、請求項25に記載の単離された核酸。
  27. 【請求項27】 前記ヌクレオチド配列が、メチル供与体基質結合活性また
    はメチルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、請求項2
    5に記載の単離された核酸。
  28. 【請求項28】 形質転換された宿主細胞において、核酸によりコードされ
    る哺乳類ファルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラーゼポリペプチドを
    発現させる方法であって、 請求項15に記載の核酸を含有する形質転換された宿主細胞を、前記ポリペプ
    チドを発現させるのに有効な条件下で培養する ことを含んでなる方法。
  29. 【請求項29】 前記宿主細胞がSf9またはHEK293である、請求項28に記
    載の方法。
  30. 【請求項30】 前記ポリペプチドを含んでなる前記宿主細胞の細胞膜画分
    を単離することを更に含んでなる、請求項28に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記ポリペプチドの発現を活性調節することを更に含んで
    なる、請求項28に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記ポリペプチドが図1に記載のアミノ酸1からアミノ酸
    284までを含んでなる、請求項28に記載の方法。
  33. 【請求項33】 請求項9に記載の核酸を含有する形質転換された宿主細胞
  34. 【請求項34】 請求項13に記載の核酸を含有する形質転換された宿主細
    胞。
  35. 【請求項35】 請求項9に記載の核酸を含んでなるベクター。
  36. 【請求項36】 請求項13に記載の核酸を含んでなるベクター。
  37. 【請求項37】 請求項13に記載の核酸を含んでなる、トランスジェニッ
    ク非ヒト哺乳類。
  38. 【請求項38】 哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメチルトラ
    ンスフェラーゼを活性調節する化合物を同定する方法であって、 試験化合物の存在下で、メチル供与体基質、メチル受容体基質、および哺乳類
    ファルネシル指向システインカルボキシメチルトランスフェラーゼまたはメチル
    トランスフェラーゼ活性を有するそれの断片を、前記哺乳類カルボキシメチルト
    ランスフェラーゼまたはその断片にとって効果的な条件下で反応させることによ
    り、前記メチル受容体基質をメチル化し; 前記メチル受容体基質のメチル化を検出し;そして 前記試験化合物の存在下と非存在下でメチル化の量を比較することにより、前
    記試験化合物がメチルトランスフェラーゼ活性を活性調節するかどうかを同定す
    る ことを含んでなる方法。
  39. 【請求項39】 前記哺乳類ファルネシル指向システインカルボキシメチル
    トランスフェラーゼまたはそれの断片がヒト由来である、請求項38に記載の方
    法。
  40. 【請求項40】 前記メチル受容体基質がプレニル化C末端システインを含
    んでなる、請求項38に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記メチル受容体基質がビオチン−Lys-Lys-Ser-Lys-Thr-
    Lys-(ファルネシル)Cysであり、そして前記メチル供与体基質が検出可能に標
    識されたS−アデノシルメチオニンである、請求項38に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記メチル受容体基質がビオチン−Lys-Lys-Ser-Lys-Thr-
    Lys-(ファルネシル)Cysでありそして前記メチル供与体基質が検出可能に標識
    されたメチル基を含んでなるS−アデノシルメチオニンであり、前記メチル化の
    検出が 前記メチル受容体基質を捕捉しそして前記メチル受容体基質中に取り込まれた
    標識メチル基の量を測定する ことにより達成される、請求項38に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記メチル受容体基質がビオチン−Lys-Lys-Ser-Lys-Thr-
    Lys-(ファルネシル)Cysでありそして前記メチル供与体基質が検出可能に標識
    されたメチル基を含んでなるS−アデノシルメチオニンであり、前記メチル化の
    検出が ストレプトアビジンでコーティングされたビーズを使って前記メチル受容体基
    質を捕捉し、そして前記メチル受容体基質中に取り込まれた標識メチル基の量を
    測定する ことにより達成される、請求項38に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記カルボキシメチルトランスフェラーゼが実質的に精製
    されている、請求項38に記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記カルボキシメチルトランスフェラーゼが細胞膜の非相
    同成分として存在する、請求項38に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記カルボキシメチルトランスフェラーゼが融合タンパク
    質として存在する、請求項38に記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記カルボキシメチルトランスフェラーゼが図1に記載の
    アミノ酸1から284までを含んでなる、請求項38に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記方法が完全細胞を使って実施される、請求項38に記
    載の方法。
  49. 【請求項49】 哺乳類ファルネシル指向カルボキシメチルトランスフェラ
    ーゼに特異的である単離された抗体。
  50. 【請求項50】 図1より選択されたアミノ酸配列に結合する、請求項48
    に記載の単離された抗体。
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