JP2002511070A - ヒト腫瘍壊死因子受容体tr10 - Google Patents

ヒト腫瘍壊死因子受容体tr10

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、腫瘍壊死因子(TNF)レセプタースーパーファミリーおよびTRAILレセプターサブファミリーのメンバーである、新規なタンパク質、TR10に関する。より詳細には、ヒトTR10タンパク質をコードする単離された核酸分子が提供される。TR10ポリペプチドはまた、それらを産生するためのベクター、宿主細胞および組換え方法として同様に提供される。本発明はさらに、TR10活性のアゴニストまたはアンタゴニストを同定するためのスクリーニング方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒト腫瘍壊死因子受容体TR10 発明の背景 発明の分野 本発明は、腫瘍壊死因子レセプターファミリーの新規のメンバーに関する。よ り詳細には、新規なヒト腫瘍壊死因子レセプター、TR10をコードする単離された 核酸分子が提供される。TR10ポリペプチドがまた提供され、TR10ポリペプチドを 産生するためのベクター、宿主細胞および組換え方法も同様に提供される。さら に本発明は、TR10活性のアゴニストまたはアンタゴニストを同定するためのスク リーニング方法に関する。 関連分野 多くの生物学的作用(例えば、特定の刺激および天然の生物学的プロセスに対 する応答)は、サイトカインのような因子により制御される。多くのサイトカイ ンは、レセプターと連動し、そして細胞内応答を生じることにより、レセプター を介して作用する。 例えば、腫瘍壊死因子(TNF)αおよび腫瘍壊死因子βは、多数の生物学的プ ロセス(感染およびショックおよび炎症性疾患の誘発に対する防御を含む)を調 節するためのTNFレセプターを介して作用するサイトカインである。TNF分子は「 TNFリガンド」スーパーファミリーに属し、そしてこれらのレセプターまたは対 のリガンド(「TNFレセプター」スーパーファミリー)と共に作用する。現在まで に、TNFリガンドスーパーファミリーの9個のメンバーが同定されており、そし てTNFレセプタースーパーファミリーの10個のメンバーが特徴付けられている。 リガンドには、TNF-、リンホトキシン-(TNF-としてまた公知であるLT-)、LT- (複合体ヘテロトリマーLT-2-中に見出される)、FasL、CD40L、CD27L、CD30L、 4-1B BL、OX40L、および神経成長因子(NGF)が含まれる。TNFレセプターのスーパーフ ァミリーは、p55TNFレセプター、p75TNFレセプター、TNFレセプター関連タンパ ク質、FAS抗原またはAPO-1、CD40、CD27、CD30、4-1BB、OX40、低親和性p75、お よびNGFレセプターを含む(Meager,A.,Biologicals,22:291-295(1994))。 TNFリガンドスーパーファミリーの多くのメンバーは、活性化T細胞により発 現される。これは、これらが細胞個体発生および機能の根底にある他の細胞型と のT細胞の相互作用に必要であることを意味する(Meager,A.、前出)。 TNFレセプターファミリーのいくつかのメンバーの不可欠な機能についてのか なりの洞察が、これらのタンパク質の発現を消滅させる変異体の同定および作製 により得られている。例えば、FAS抗原およびそのリガンド中の天然に存在する 変異は、リンパ球増殖疾患を生じ(Watanabe-Fukunaga,R.ら、Nature 356:314(1 992))、これはおそらく、プログラムされた細胞死の失敗を反映する。CD40リガ ンドの変異は、血漿中の高レベルの免疫グロブリンMおよび低レベルの免疫グロ ブリンGにより特徴付けされるX連鎖免疫不全状態を生じる。これは、不完全な T細胞依存性B細胞活性化を意味する(Allen,R.C.ら、Science 259:990(1993)) 。低親和性神経成長因子レセプターの標的化された変異は、末梢構造の不完全な 知覚神経支配(innovation)により特徴付けられた障害を生じる(Lee,K.F.ら、Ce ll 69:737(1992))。 TNFおよびLT-は、2つのTNFレセプター(55kdおよび75kdのTNFレセプター)へ 結合し得る。それらのレセプターを通して作用するTNFおよびLT-により誘発され る多くの生物学的効果は、移植された肺瘍の出血性壊死、細胞傷害性、エンドト キシンショックにおける役割、炎症、免疫調節、増殖および抗ウイルス応答、な らびに電離放射線の有害な効果に対する防御を含む。TNFおよびLT-は、エンドト キシンショック、大脳マラリア、腫瘍、自己免疫疾患、エイズ、および移植片宿 主拒絶を含む広範囲な疾患の病因に関与する(Beutler,B.およびVon Huffel,C. ,Science 264:667-668(1994))。p55レセプター中の変異は、微生物感染に対し て増加された感受性を生じる。 さらに、TNFR1(p55)およびFasのC-末端付近の約80アミノ酸ドメインが、プロ グラムされた細胞死についてのシグナルを伝達する原因である「死ドメイン(dea th domain)」として報告された(Tartagliaら、Cell 74:845(1993))。 アポトーシスすなわちプログラムされた細胞死は、多細胞生物の正常な発達ま たはホメオスタシスに不可欠である生理学的プロ七スである(H.Steller,Scien ce 267,1445-1449(1995))。アポトーシスの撹乱は、ガン、神経変性障害、およ び後天性免疫不全症候群を含むいくつかのヒト疾患の病因に寄与する(C.B.Thomp son,Science 267,1456-1462(1995))。1つの機構の免疫媒介性殺傷が死のレセ プターに関与する、最近、多くの注目が、2つの細胞表面の死レセプター(Fas/ APO-1およびTNFR-1)のシグナル伝達および生物学的機能に集中している(J.L.C levelandら、Cell 8l,479-482(1995);A.Fraserら、Cell 85,781-784(1996);S .Nagataら、Science 267,1449-56(1995))。両方とも、とりわけTNFR-2、低親 和性NGFR,CD40、およびCD30もまた含むTNFレセプターファミリーのメンバーであ る(C.A.Smithら、Science 248,1019-23(1990);M.Tewariら、Modular Texts in Molecular and Cell Biology M.Purton,Heldin,Carl編(Chapman and Hall,L ondon,1995)。ファミリーのメンバーはこれらの細胞外ドメイン中のシステイン リッチ反復の存在により定義されるが、Fas/APO-1およびTNFR-1はまた、ショウ ジョウバエ自殺遺伝子reaper(P.Golsteinら、Cell 81,185-6(1995);K.White ら、Science 264,677-83(1994))の遠縁になる、細胞内相同性の領域である、適 切に命名された「死ドメイン」を共有する。この共有された死ドメインは、両レ セプターが、最近まで未同定のままであった関連する一連のシグナル伝達分子と 相互作用することを示唆する。Fas/APO-1の活性化は、死ドメインを含むアダプ ター分子FADD/MORT1(A.M.Chinnaiyanら、Cell 81,505-12(1995);M.P.Boldinら 、J.Biol Chem 270,7795-8(1995);F.C.Kischkelら、EMBO 14,5579-5588(199 5))を補充し、死ドメインを含むアダプター分子FADD/MORT1は次いで、プロアポ トーシスプロテアーゼのICE/CED-3ファミリーのメンバーであるFLICE/MACH1へ結 合し、そしておそらく活性化する(M.Muzioら、Cell 85,817-827(1996);M.P.Bol dinら、Cell 85,803-815(1996))。Fas/APO-1の中心的役割は細胞死を誘発する ことであるが、TNFR-1は、多くの多様な生物学的活性(その多くは、NF-kBを活 性化する能力に由来する)の信号を送り得る(L.A.Tartagliaら、Immunol Today 13,151-153(1992))。従って、TNFR-1は、多価アダ プター分子TRADD(FADDのような)を補強し、また死ドメインを含む(H.Hsuら、 Cell 81,495-504(1995);H.Hsuら、Cell 84,299-308(1996))。FADD、TRAF2、 およびRIPを含む多くのシグナル伝達分子との会合を通して、TRADDは、アポトー シスおよびNF-kB活性化の両方へシグナルを送り得る(H.Hsuら、Cell 84,299-3 08(1996);H.Hsuら、Immunity 4,387-396(1996))。 最近、新規のアポトーシスを誘導するTNFリガンドが発見された。S.R.Wileyら (Immunity 3:673-682(1995))は、この新たな分子を「TNF関連アポトーシス誘 導リガンド」または「TRAIL」と命名した。R.M.Pittら、J.Biol.Chem.271:1268 7-12690(1996)は、この分子を、「Apo-2リガンド」または「Apo-2L」と命名した 。この分子はまた、同時継続出願の米国暫定出願第60/013,405でも開示された。 便宜上、この分子はTRAILとして本明細書中では呼ぶ。 FASリガンド(この転写物は、刺激されたT-細胞に大部分が制限されているよ うである)とは異なり、有意なレベルのTRAILは多くのヒトの組織中で検出され る(例えば、脾臓、肺、前立腺、胸腺、卵巣、小腸、大腸、末梢血リンパ球、胎 盤、腎臓)、そしていくつかの細胞株により構成的に転写される。TRAILは、FAS リガンド(S.R.Wileyら、前出)から独立して作用することが示されている。TRAI Lは、Fas/Apo-ILによる死のシグナル伝達に類似する時間枠内で、しかしTNF誘導 性アポトーシスよりも非常に早くアポトーシスを急速に活性化させることもまた 示されている。S.A.Marstersら、Current Biology 6,750-752(1996)。TNFR-1、F asまたは最近同定されたDR3に対するTRAILの結合の不可能さは、TRAILは独特の レセプターと相互作用し得ることを示唆する。 今日までの研究は、TRAILについての幾つかの独特なTNFレセプターが存在する ことを示唆する。同時継続中の米国仮出願第60/035,722において、TRAILについ ての1つの新規な死ドメイン含有レセプターであるDR4が開示された。Panら、Sc ience 276,111-113(1997年4月)を参照のこと。同時継続中の米国仮特許出願第6 0/040,846において、新規な死ドメイン含有レセプターDR5(TR7)が開示された 。このレセプターは、TRAILに結合することが現在では見出されている。同時継 続中の米国仮特許出願第60/035,496では、別のレセプター、TR5が開示された。 このレセプターもまた現在、TRAILに結合することが示されたが、TR5はアポトー シ スをアンタゴナイズする非シグナル伝達性のデコイレセプターであることが示さ れている。 TNFファミリーリガンドおよびTNFファミリーレセプターの効果は、哺乳動物シ ステムの生物学的プロセス中で変化し、そして正常および異常の両方の多数の機 能に影響を与える。従って、正常状態および疾患状態の両方の生物活性に影響を 与えるようなレセプターおよびリガンドの同定ならびに特徴付けについての明確 な必要性が存在する。詳細には、TRAILに結合するさらなる新規のレセプターの 単離および特徴付けする必要性がある。 発明の要旨 本発明は、配列番号2に示されるアミノ酸配列、またはアメリカンタイプカル チャーコレクション(ATCC)受託番号209040(1997年5月15日)として寄託されたc DNAクローンによりコードされるアミノ酸配列を有するTR10レセプターをコード するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子を提供する。ATCCは、10801U niversity Boulevard,Manassas,Virginia 20110-2209にある。 本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクターに関し、そ して組換えベクターを含む宿主細胞、ならびにこのようなベクターおよび宿主細 胞を作製する方法、ならびに組換え技術によってTR10ポリペプチドまたはTR10ペ プチドの産生のためにそれらを使用する方法に関する。 本発明は、本明細書中に記載されるポリヌクレオチドによりコードされるアミ ノ酸配列を有する単離されたTR10ポリペプチドをさらに提供する。 本発明はまた、診断アッセイ(例えば、TR10タンパク質のレベルを検出するた めの定量的アッセイ、および診断的なアッセイ)を提供する。従って、例えば、 TR10またはその可溶性形態の過剰発現を検出するために本発明に従う診断アッセ イは、正常コントロール組織試料と比較して、腫瘍の存在を検出するために使用 され得る。 腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーのリガンドは、多くの細胞性応答(細胞傷害、 抗ウイルス活性、免疫調節活性、およびいくつかの遺伝子の転写調節を含む)を 誘導する最も多面的なサイトカインであることが公知である。TNFファミリーの リガンドに対する細胞性応答は、正常な生理的な応答だけではなく、アポトーシ スの増加またはアポトーシスの阻害に関連する疾患をも含む。アポトーシス(プ ログラムされた細胞死)は、免疫系の末梢性Tリンパ球の欠失に関与する生理学 的な機構であり、そしてその調節不全は多くの異なる病原性のプロセスを誘導し 得る。細胞生存の増加またはアポトーシスの阻害に関連する疾患は、ガン、自己 免疫障害、ウイルス感染、炎症、移植片対宿主の疾患、急性移植片拒絶、および 慢性移植片拒絶を含む。アポトーシス増加に関連する疾患は、AIDS、神経変性障 害、脊髄形成異常症候群、虚血性傷害、毒物誘導性肝臓疾患、敗血症性ショック 、悪液質、および摂食障害を含む。 従って、本発明は、TNFファミリーのリガンドにより誘導されるアポトーシス を阻害する方法をさらに提案し、これはTR10ポリペプチドを発現している細胞に 対して、TR10仲介のシグナル伝達を増加させ得る有効量のアゴニストを投与する 工程を含む。好ましくは、TR10仲介のシグナル伝達はアポトーシスの増加が示さ れる疾患の処置のために増加される。 さらなる局面において、本発明は、TNFファミリーのリガンドにより誘導され るアポトーシスの増強のための方法に関し、これはTR10仲介活性を減少させ得る アンタゴニストの有効量を細胞へ投与する工程を含む。好ましくは、TR10仲介活 性は、アポトーシスの減少が示される疾患の処置のために減少される。 本発明の、候補「アゴニスト」または候補「アンタゴニスト」のいずれかがア ポトーシスを増強し得るか、または阻害し得るかどうかは、当該分野で公知であ るTNFファミリーのリガンド/レセプター細胞性応答アッセイ(以下により詳細 に記載されるものを含む)を使用して決定され得る。従って、さらなる局面にお いて、スクリーニングの方法は、候補アゴニストまたはアンタゴニストがTNFフ ァミリーのリガンドに対する細胞性応答を増強し得るか、または阻害し得るかど うかを決定するために提供される。この方法は、TR10ポリペプチドと、候補の化 合物およびTNFRファミリーのリガンドとを接触させる工程、細胞応答をアッセイ する工程、ならびに標準的な細胞応答に対して細胞応答を比較する工程(標準は 、リガンドとの接触が候補の化合物の不在下で行われる場合にアッセイされる) を含み、それによって、標準を超える増加した細胞性応答は、候補の化合物がリ ガ ンド/レセプターシグナル伝達経路のアゴニストであることを示し、そして標準 と比較して減少した細胞応答は、候補の化合物がリガンド/レセプターシグナル 伝達経路のアンタゴニストであることを示す。本発明により、TR10ポリペプチド を発現する細胞は、内因性のまたは外因的に投与されたTNFファミリーのリガン ドのいずれかと接触され得る。 図面の簡単な説明 図1は、TR10レセプターのヌクレオチド配列(配列番号1)および推定アミノ 酸配列(配列番号2)を示す。推定アミノ酸1〜55はシグナルペプチド(配列番 号2の約-55〜約-1のアミノ酸残基)を構成し;アミノ酸56〜212は細胞外ドメイ ン(配列番号2の約1〜約157のアミノ酸残基)を構成し;アミノ酸213〜230は 膜貫通ドメイン(配列番号2の約158〜約175のアミノ酸残基)を構成し;そして アミノ酸231〜386は細胞内ドメイン(配列番号2の約176〜約331のアミノ酸残基 )を構成し、そのうちのアミノ酸353〜363は部分的死ドメイン(配列番号2の約 298〜約308のアミノ酸残基)を構成する。 図2は、TR10レセプタータンパク質(配列番号2)、Fasレセプター(配列番 号3)、NGFRp75(配列番号4)、ヒトTNFR1(配列番号5)、およびDR4(配列番 号6)のアミノ酸配列間の類似性の領域を示す。 図3は、TR10アミノ酸配列の分析を示す。α、β、ターン、およびコイル領域 ;親水性および疎水性;両親媒性領域;可撓性領域;抗原性指数、および表面確 率が示されている。「抗原性指数−Jameson-Wolf」のグラフにおいて、図1中の アミノ酸残基約57〜約113、約130〜約197、および約250〜約283は、TR10タンパ ク質の示される高度に抗原性の領域に対応する。図1中のこれらの高度に抗原性 のフラグメントは、それぞれ、配列番号2中の以下のフラグメントに対応する: アミノ酸残基約2〜約58、約75〜約142、および約195〜約228. 好ましい実施態様の詳細な説明 本発明は、クローン化されたcDNAを配列決定することにより決定された、図1 (配列番号2)に示されるアミノ酸配列を有するTR10ポリペプチドをコードする ポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。本発明のTR10ポリペプ チドは、ヒトNGFR、TNFRI、DR4、およびFas(図2)と配列相同性を共有する。 図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列は、cDNAクローン(アメリカン タイプカルチャーコレクション、12301 Park Lawn Drive,Rockville,Maryland 20852に1997年5月15日に寄託され、そして受託番号209040が与えられた)を配 列決定することにより得られた。寄託されたクローンは、Sal I/Not I制限エン ドヌクレアーゼ切断部位を用いて、pCMVSport 2.0プラスミド(Life Technologie s,Rockville,MD)に挿入される。 核酸分子 他に示されない限り、本明細書中でDNA分子を配列決定することによって決定 されたすべてのヌクレオチド配列は、自動化DNA配列決定機(例えば、Applied B iosystems,Inc.からのModel 373)を用いて決定され、そして本明細書中で決定 されるDNA分子によってコードされるポリペプチドのすべてのアミノ酸配列は、 上記のように決定されるDNA配列の翻訳によって予測された。従って、この自動 化アプローチによって決定された任意のDNA配列について当該分野において公知 のように、本明細書中で決定される任意のヌクレオチド配列はいくつかの誤差を 含み得る。自動化によって決定されるヌクレオチド配列は、配列決定されるDNA 分子の実際のヌクレオチド配列に対して、代表的には少なくとも約90%同一、よ り代表的には少なくとも約95%から少なくとも約99.9%同一である。実際の配列 は、当該分野において周知の手動DNA配列決定方法を含む他のアプローチによっ てさらに正確に決定され得る。当該分野においてまた公知のように、実際の配列 と比較した、決定されるヌクレオチド配列における単一の挿入または欠失は、ヌ クレオチド配列の翻訳においてフレームシフトを引き起こし、その結果、決定さ れるヌクレオチド配列によってコードされる推定アミノ酸配列は、配列決定され るDNA分子によって実際にコードされるアミノ酸配列とは完全に異なり、このよ うな挿入または欠失の点にて始まる。 配列番号1の核酸配列のような、本明細書中で提供される情報を使用して、TR 10ポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、出発物質としてmRNAを使用し てcDNAをクローニングするための手順のような標準的なクローニングおよびスク リーニング手順を使用して入手され得る。本発明の例として、配列番号1に記載 される核酸分子は、ケラチノサイト由来のcDNAライブラリーから発見された。本 発明の遺伝子はまた、以下の組織に由来するcDNAライブラリーから同定された: 胎児肝臓、末梢血リンパ球(PBL)、肺、腎臓、小腸、結腸、内皮細胞、および単 核活性化組織。さらに、以下のガン細胞株がTR10を発現する:Hela細胞S3、SW48 0(結腸直腸腺ガン)、およびA549(肺ガン)。 配列番号1のTR10 cDNAの決定されたヌクレオチド配列は、約55アミノ酸残基 の推定リーダー配列を有する、約331アミノ酸残基のタンパク質をコードするオ ープンリーディングフレーム、および約42kDaの推定分子量を含む。推定成熟TR1 0レセプターのアミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸残基約1〜残基約331に示 される。TNFレセプターファミリーの公知のメンバーのうち、本発明のTR10ポリ ペプチドは、ヒトDR4(図2を参照のこと)と最も大きな程度の相同性を共有し 、複数のシステインリッチドメインにわたって有意な配列相同性を含む。 TR10とDR4(およびレセプターを含む、他の死ドメイン)との間に示される配 列相同性に起因して、TR10がおそらくTRAILに結合することもすぐに認識された 。興味深いことに、細胞質ドメインは、1つの部分的(または短縮型)死ドメイ ンのみを含む。以下の実施例5において記載されるように、TR10は、TRAILに結 合するが、細胞死を引き起こないようである。対照的に、TRAILのTR10結合は、 アポトーシスをアンタゴナイズする。TRAIL誘導性アポトーシスに対するそのよ うなアンタゴニスト効果は、TR10の異所性発現、および可溶性TR10の外因性投与 の両方を介して達成され得る。 TR10の組織分布を試験するために、ノーザンブロット分析を行った。単一の転 写物が、発現の種々のレベルにて、複数のヒト組織(心臓、肺、脳、胎盤、肝臓 、平滑筋、腎臓、膵臓、脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵巣、小腸、結腸、PBL、 リンパ節、骨髄、および胎児肝臓を含む)において検出された。TR10発現は、試 験されたほとんどのガン細胞株において観察されなかった。以下の実施例4を参 照のこと。 示されるように、本発明はまた、本発明のTR10レセプターの成熟形態を提供す る。シグナルの仮説によれば、粗面小胞体を通して成長しているタンパク質鎖の 輸送が一旦開始されると、哺乳動物細胞から分泌されるタンパク質は、成熟タン パク質から切断されるシグナルまたは分泌リーダー配列を有する。ほとんどの哺 乳動物細胞および昆虫細胞もなお、同じ特異性で分泌されるタンパク質を切断す る。しかし、いくつかの場合において、分泌されるタンパク質の切断は、完全に は均一ではなく、これによってタンパク質の2つ以上の成熟種が生じる。さらに 、分泌されるタンパク質の切断特異性が完全なタンパク質の一次構造によって究 極的に決定される、すなわち、切断特異性がポリペプチドのアミノ酸配列に固有 であることが長い間知られている。 従って、本発明は、ATCC受託番号209040として同定される宿主において含まれ るcDNAクローンによってコードされる、図1(配列番号2)において示されるよ うなアミノ酸配列を有する成熟TR10ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列 を提供する。ATCC受託番号209040として同定された宿主に含まれるcDNAクローン によりコードされるアミノ酸配列を有する成熟TR10タンパク質により、寄託され る宿主中のベクターに含まれるクローンのヒトDNA配列によりコードされる完全 なオープンリーディングフレームの、哺乳動物細胞(例えば、以下に記載される COS細胞)における発現により産生されるTR10レセプターの成熟形態が意味され る。以下に示されるように、ATCC受託番号209040に含まれるcDNAクローンによっ てコードされるアミノ酸配列を有する成熟TR10レセプターは、コンピューター分 析に基づいた推定切断部位の正確さに依存して、配列番号2に示される推定成熟 TR10タンパク質(アミノ酸の約1〜約331)とは異なっても、異ならなくてもよ い。 分泌リーダーおよびそのリーダー配列のための切断点をタンパク質が有するか 否かを予測する方法が利用可能である。例えば、McGeoch(Virus Res.3:271-286 (1985))およびvon Heinje(Nucleic Acids Res.14:4683-4690(1986))の方法が使 用され得る。これらの各方法についての既知の哺乳動物分泌タンパク質の切断点 を推定することの精度は、75〜80%の範囲である(von Heinje、前出)。しかし 、2つの方法は、所定のタンパク質について常に同じ予測切断点を生じるわけで はない。 本発明の場合において、本発明の完全なTR10ポリペプチドの予測アミノ酸配列 は、コンピュータープログラム(「PSORT」)によって分析された。K.Nakaiおよ びM.Kanehisa,Genomics 14:897-911(1992)を参照のこと。PSORTはアミノ酸配列 に基づいてタンパク質の細胞内位置を予測するための専門システムである。この コンピューターによる局在の予測の一部として、McGeochおよびvon Heinjeの方 法が組み込まれている。PSORTプログラムによる分析は、配列番号2におけるア ミノ酸-1〜1の間に切断部位を予測した。その後、完全なアミノ酸配列は、目視 検査によってさらに分析され、von Heinjeの(-1,-3)法則の簡略な形態を適用さ れる。von Heinje、前述。従って、TR10タンパク質のためのリーダー配列は、配 列番号2における約-55〜約-1のアミノ酸配列からなると予測されるが、成熟TR1 0タンパク質は配列番号2における約1〜約331の残基からなると推定される。 当業者が理解するように、配列決定誤差の可能性、ならびに異なる公知のタン パク質におけるリーダーの切断部位の可変性に起因して、寄託されたcDNAにより コードされる推定TR10ポリペプチドが約386アミノ酸を含むが、376〜396アミノ 酸の範囲のどこかであり得;そしてこのタンパク質の予測リーダー配列は約55ア ミノ酸であるが、約45〜約65アミノ酸の範囲のどこかであり得る。 示されるように、本発明の核酸分子は、RNA(例えば、mRNA)の形態、またはD NA(例えば、cDNA、およびクローニングによって得られるか、または合成的に生 成されるゲノムDNAを含む)の形態で存在し得る。DNAは、二本鎖または一本鎖で あり得る。一本鎖DNAは、コード鎖(センス鎖としても知られる)であり得るか 、または非コード鎖(アンチセンス鎖とも呼ばれる)であり得る。 「単離された」核酸分子によって、ネイティブな環境から取り出された核酸分 子(DNAまたはRNA)が意図される。例えば、ベクター中に含まれる組換えDNA分 子は、本発明の目的のために単離されていると考えられる。単離されたDNA分子 のさらなる例は、異種の宿主細胞において維持される組換えDNA分子、または溶 液中の(部分的または実質的に)精製されたDNA分子を含む。単離されたRNA分子 は、本発明のDNA分子のインビボまたはインビトロでのRNA転写物を含む。本発明 に従う単離された核酸分子は、そのような合成的に生成された分子をさらに含む 。 本発明の単離された核酸分子は、配列番号1に示されるオープンリーディング フレーム(ORF)を含むDNA分子;成熟TR10タンパク質のためのコード配列を含むDN A分子;および上記の配列とは実質的に異なる配列を含むが、遺伝コードの縮重 に起因してTR10タンパク質をなおコードするDNA分子が挙げられる。当然のこと ながら、遺伝コードは当該分野において周知である。従って、当業者にとって、 このような縮重型改変体を作製することは日常的である。 さらに、本発明は、配列番号1の広範な部分に関するヌクレオチド配列を有す る核酸分子を提供し、これは以下の関連するcDNAクローンから決定された:HSAB D50R(配列番号7)、HGBDL20R(配列番号8)、およびHELDL61R(配列番号9) およびAA150849(配列番号15)。 別の局面において、本発明は、ATCC受託番号209040(1997年5月15日)として 寄託されたプラスミド中に含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配 列を有するTR10ポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供する。さら なる実施態様において、N末端メチオニンを欠損した、成熟TR10ポリペプチドま たは全長TR10ポリペプチドをコードする核酸分子を提供する。本発明はさらに、 配列番号1に示されるヌクレオチド配列、または上記の寄託されたクローン中に 含まれるTR10 cDNAのヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子、あるいは 上記配列の1つに相補的な配列を有する核酸分子を提供する。このような単離さ れた分子(特にDNA分子)は、染色体とのインサイチュハイブリダイゼーション による遺伝子マッピングのための、およびヒト組織におけるTR10遺伝子の発現を 検出する(例えば、ノーザンブロット分析による)ためのプローブとして有用で ある。 本発明はさらに、本明細書中に記載される単離された核酸分子のフラグメント に関する。寄託されたcDNAのヌクレオチド配列または配列番号1に示されるヌク レオチド配列を有する単離されたDNA分子のフラグメントによって、本明細書中 に議論されるように、診断用プローブおよびプライマーとして有用である、少な くとも約15nt、そしてより好ましくは少なくとも20nt、さらにより好ましくは少 なくとも約30nt、そしてさらにより好ましくは約40ntの長さのDNAフラグメント が意図される。当然のことながら、50〜1500nt長のより長いフラグメントもまた 、寄託されたcDNAのヌクレオチド配列、または配列番号1に示されるヌクレオチ ド 配列の、全てではないにしても、そのほとんどに対応するフラグメントと同様に 、本発明に従って有用である。例えば、少なくとも20nt長のフラグメントにより 、寄託されたcDNAのヌクレオチド配列または配列番号1に示されるヌクレオチド 配列由来の20以上の連続した塩基を含むフラグメントが意図される。 本発明の好ましい核酸フラグメントには、以下をコードする核酸分子が挙げら れる:TR10レセプター細胞外ドメインを含むポリペプチド(図1のアミノ酸残基 約56〜約212、または配列番号2のアミノ酸残基約1〜約157);TR10膜貫通ドメ インを含むポリペプチド(図1のアミノ酸残基約213〜約230、または配列番号2 のアミノ酸残基約158〜約175);TR10細胞内ドメインを含むポリペプチド(図1の アミノ酸残基約231〜約386、または配列番号2のアミノ酸残基約176〜約331); および不完全なTR10死ドメインを含むポリペプチド(図1のアミノ酸残基約353〜 約363、または配列番号2のアミノ酸残基約298〜約308)。これらのドメインの位 置はコンピューター分析により予測されているので、当業者は、これらのドメイ ンを構成するアミノ酸残基が、各ドメインを規定するのに使用される判断基準に 依存して、わずかに(例えば、約1〜15アミノ酸残基)変化し得ることを理解す る。 メチオニンは自然に切断されること、そしてこのような配列はTR10発現ベクタ ーを遺伝的に操作するのに有用であり得ることが公知であるので、本発明の好ま しい核酸フラグメントは、アミノ末端メチオニンをコードするヌクレオチドを欠 損する全長TR10ポリペプチド(配列番号1のヌクレオチド109〜111)をコードす る。このようなポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドもまた、本 発明によって意図される。 本発明の好ましい核酸フラグメントはさらに、TR10レセプタータンパク質のエ ピトープ保有部分をコードする核酸分子をさらに含む。詳細には、本発明のこの ような核酸フラグメントは、以下をコードする核酸分子を含む:図1における約 57〜約113のアミノ酸残基を含むポリペプチド(配列番号2におけるアミノ酸約 2〜約58に対応する);図1における約130〜約197のアミノ酸残基を含むポリペ プチド(配列番号2におけるアミノ酸約75〜約142に対応する);および、図1 における約250〜約283のアミノ酸残基を含むポリペプチド(配列番号2における アミノ酸約195〜約228に対応する)。本発明者らは、上記のポリペプチドフラグ メントがTR10タンパク質の抗原性領域であることを決定した。TR10タンパク質の 他のこのようなエピトープ保有部分の決定方法は、以下に詳細に記載する。 別の局面において、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条 件下で、上記の本発明の核酸分子(例えば、ATCC受託番号209040に含まれるcDNA クローン)中のポリヌクレオチドの一部にハイブリダイズするポリヌクレオチド を含む単離された核酸分子を提供する。「ストリンジェントなハイブリダイゼー ション条件」によって、以下を含む溶液中での42℃での一晩のインキュベーショ ン、続いて約65℃での0.1×SSC中でフィルターの洗浄が意図される:50%ホルム アミド、5×SSC(150mM NaCl、15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナト リウム(pH7.6)、5×デンハート溶液、10%デキストラン硫酸、および20g/mlの 変性剪断サケ精子DNA。 ポリヌクレオチドの「一部」にハイブリダイズするポリヌクレオチドによって 、参照ポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド(nt)、そしてより好まし くは少なくとも約20nt、さらにより好ましくは少なくとも約30nt、そしてさらに より好ましくは約30〜70ntにハイブリダイズするポリヌクレオチド(DNAまたはR NAのいずれか)が意図される。これらは、先に議論し、そして以下でより詳細に 考察されるような診断用プローブおよびプライマーとして有用である。 例えば、「少なくとも20nt長」のポリヌクレオチドの一部により、参照ポリヌ クレオチドのヌクレオチド配列(例えば、寄託されたcDNA、または配列番号1に 示されるようなヌクレオチド配列)由来の20以上の連続したヌクレオチドが意図 される。 当然のことながら、ポリA配列(例えば、配列番号1に示されるTR10 cDNAの3' 末端ポリ(A)トラクト)にのみ、またはT(もしくはU)残基の相補的なストレ ッチにのみハイブリダイズするポリヌクレオチドは、本発明の核酸の一部分にハ イブリダイズさせるために使用される本発明のポリヌクレオチドに含まれない。 なぜなら、このようなポリヌクレオチドは、ポリ(A)ストレッチまたはその相 補体(例えば、実際に任意の二本鎖cDNAクローン)を含む任意の核酸分子にハイ ブリダイズするからである。 示されるように、TR10ポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、以下を 含み得るがこれらに限定されない:成熟ポリペプチドのコード配列自体;成熟ポ リペプチドのコード配列およびさらなる配列(例えば、プレタンパク質配列また はプロタンパク質配列またはプレプロタンパク質配列のようなリーダー配列また は分泌配列をコードする配列);上記のさらなるコード配列を含むかまたは含ま ず、さらなる非コード配列(例えば、イントロンおよび非コード5'および3'配列 (例えば、転写、mRNAプロセシング(スプライシングを含む)およびポリアデニ ル化シグナル(例えば、mRNAのリボソーム結合および安定性)において役割を担 う転写される非翻訳配列)を含むがこれらに限定されない)を共に有する、成熟 ポリペプチドのコード配列;さらなる機能性を提供するようなさらなるアミノ酸 をコードするさらなるコード配列。従って、例えば、ポリペプチドは、融合され たポリペプチドの精製を容易にするペプチドのようなマーカー配列と融合され得 る。本発明のこの局面の特定の好ましい実施態様において、マーカー配列は、と りわけ、pQEベクター(Qiagen,Inc.)中に提供されるタグのような、ヘキサ−ヒ スチジンペプチドであり、そのうちの多くは市販されている。例えば、Gentzら 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:821-824(1989)において記載されるように、 ヘキサ−ヒスチジンは、融合タンパク質の簡便な精製を提供する。「HA」タグは 、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する、精製の ために有用な別のペプチドであり、それは、Wilsonら、Cell 37:767-778(1984 )によって記載されている。以下で考察されるように、他のそのような融合タン パク質には、N末端またはC末端でFcに融台されたTR10レセプターが含まれる。 本発明は、さらに、TR10レセプターの一部、アナログ、または誘導体をコード する、本発明の核酸分子の改変体に関する。改変体は、天然の対立遺伝子変異体 のように、天然に生じ得る。「対立遺伝子変異体」によって、生物の染色体上の 所定の遺伝子座を占める遺伝子のいくつかの代わりの形態の1つが意図される。 Genes II,Lewin,B.編、John Wiley&Sons,New York(1985)。天然に存在しない 改変体は、当該分野で公知の変異誘発技術を用いて生成され得る。 このような改変体には、ヌクレオチドの置換、欠失、または付加により産生さ れる改変体が含まれる。この置換、欠失、または付加には1つ以上のヌクレオチ ドが含まれ得る。改変体は、コード領域、非コード領域、または両方において変 化され得る。コード領域における変化は、保存的または非保存的アミノ酸置換、 欠失、または付加を生じ得る。これらの間で特に好ましいのは、サイレントな置 換、付加、および欠失であり、これらはTR10レセプターまたはそれらの一部の特 性および活性を変化させない。この点に関してまた特に好ましいのは、保存的置 換である。 本発明のさらなる実施態様には、以下に対して少なくとも90%同一、そしてよ り好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレ オチド配列を有するポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子が含まれる:( a)配列番号2中のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチ ド配列;(b)配列番号2中のアミノ酸配列を有するが、アミノ末端メチオニン を欠損したポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(c)配列番号2中の 約1〜約331位のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド 配列;(d)ATCC受託番号209040に含まれるcDNAクローンによってコードされる アミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(e)ATCC 受託番号209040に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有 する成熟TR10ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(f)TR10レセプタ ー細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;(g)TR10レセプター膜貫通 ドメインをコードするヌクレオチド配列;および(h)TR10レセプターの細胞外 ドメインおよび細胞内ドメインをコードするヌクレオチド配列;(i)膜貫通ド メインのすべてまたは一部を欠失した、TR10レセプターの細胞外ドメインおよび 細胞内ドメインをコードするヌクレオチド配列;(j)TR10レセプター死ドメイ ンの一部をコードするヌクレオチド配列;(k)上記の(a)、(b)、(c) 、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、または(j)のヌクレオ チド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列。 TR10ポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列に、例えば、少なくとも 95%「同一の」ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによって、そのポリ ヌクレオチドのヌクレオチド配列が、TR10ポリペプチドをコードする参照ヌクレ オチド配列の各100ヌクレオチドあたり5つまでの点変異をポリヌクレオチド配 列が含み得ることを除いて、参照配列に同一であることが意図される。換言すれ ば、参照ヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有す るポリヌクレオチドを得るために、参照配列における5%までのヌクレオチドが 欠失され得るか、もしくは別のヌクレオチドで置換され得るか、または参照配列 において全ヌクレオチドの5%までのある数のヌクレオチドが、参照配列中に挿 入され得る。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチド配列の5'もしくは3' 末端位置において、または参照配列中のヌクレオチド間で個々に、もしくは参照 配列内の1つ以上の連続した基中のいずれかに散在されて、これらの末端位置の 間の任意の位置で生じ得る。 実際には、任意の特定の核酸分子が、例えば、配列番号1に示されるヌクレオ チド配列または寄託されたcDNAクローンのヌクレオチド配列に少なくとも90%、 95%、96%、97%、98%、または99%同一であるか否かは、Bestfitプログラム( Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Comput er Group,University Research Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711 )のような公知のコンピュータープログラムを用いて従来通りに決定され得る。B estfitは、SmithおよびWaterman,Advances in Applied Mathematics 2:482-489 (1981)の局所的相同性アルゴリズムを用いて、2つの配列間の最も相同性のセグ メントを見出す。Bestfitまたは任意の他の配列整列プログラムを使用して、特 定の配列が本発明による参照配列に、例えば95%同一であるか否かを決定する場 合、当然のことながらパラメーターは、同一の割合が、参照ヌクレオチド配列の 全長にわたって計算されるように、そして参照配列の総ヌクレオチド数の5%ま での相同性におけるギャップが許容されるように設定される。 本出願は、TR10レセプター活性を有するポリペプチドをコードするか否かにか かわらず、配列番号1に示される核酸配列、または寄託されたcDNAの核酸配列に 少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である核酸分子に関 する。これは、特定の核酸分子がTR10活性を有するポリペプチドをコードしない 場合でさえ、当業者は、核酸分子の使用方法(例えば、ハイブリダイゼーション プローブ、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のプライマーとしての使用)をな お知るからである。TR10レセプター活性を有するポリペプチドをコードしない、 本発明の核酸分子の使用としては、とりわけ以下が挙げられる:(1)cDNAライブ ラリーにおけるTR10レセプター遺伝子またはその対立遺伝子変異体を単離するこ と;(2)Vermaら,Human Chromosomes:A Manual of Basic Techniques,Pergamon Press,New York(1988)に記載の、TR10レセプター遺伝子の正確な染色体位置を 提供するための中期染色体スプレッドに対するインサイチュハイブリダイゼーシ ョン(例えば、「FISH」);および、特定の組織におけるTR10レセプターのmRNA発 現を検出するためのノーザンブロット分析。 しかし、実際のところ、TR10レセプター活性を有するポリペプチドをコードす る配列番号1に示される核酸配列、あるいは寄託されたcDNAの核酸配列に少なく とも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である配列を有する核酸分 子が好ましい。「TR10レセプター活性を有するポリペプチド」によって、特定の 生物学的アッセイにおいて測定される場合に、本発明のTR10レセプター活性に類 似するが必ずしも同一ではない活性を示すポリペプチド(全長タンパク質もしく は好ましくは成熟タンパク質)が意図される。例えば、TR10レセプター活性は、 本質的に以前に記載されるように、および以下で実施例5において示されるよう に実施される細胞死アッセイを用いて測定され得る(A.M.Chinnaiyanら、Cell 8 1,505-512(1995);M.P.Boldinら、J.Blol Chem 270,7795-8(1995);F.C.Kisch kelら、EMBO 14,5579-5588(1995);A.M.Chinnaiyanら、J.Biol.Chem.271:4 961-4965(1996))。MCF7細胞において、レセプターを含む全長TR10または候補細 胞死ドメインをコードするプラスミドが、緑色蛍光タンパク質をコードするpLan ternレセプター構築物で同時トランスフェクトされる。TR10でトランスフェクト された細胞の核は、DAPI染色によって評価されるようなアポトーシス形態学を示 す。TNFR-1およびFas/APO-1と同様に(M.Muzioら、Cell 85,817-827(1996);M.P. Boldinら、Cell 85,803-815(1996);M.Tewariら、J.Biol.Chem.270:3255-60( 1995))、TR10誘導アポトーシスは、ICE様プロテアーゼ、CrmAおよびz-VAD-fmkの インヒビターによってブロックされる。さらに、TR10によって誘導されるアポト ーシスはまた、FADD(FADD-DN)またはFLICE(FLICE-DN/MACHa1C360S)の優性ネガテ ィブバージョンによってブロックされる。 もちろん、遺伝子コードの縮重のために、当業者は、寄託されたcDNAの核酸配 列、または配列番号1に示される核酸配列に対して少なくとも90%、95%、96% 、97%、98%、または99%同一である配列を有する多数の核酸分子が「TR10レセ プター活性を有する」ポリペプチドをコードすることを直ちに認識する。実際に 、これらのヌクレオチド配列の縮重改変体の全てが同じポリペプチドをコードす るので、このことは、上記の比較アッセイを行わずとも、当業者に明らかである 。縮重改変体でないそのような核酸分子について、妥当な数がまたTR10レセプタ ー活性を有するポリペプチドをコードすることが、当該分野でさらに認識される 。これは、当業者が、タンパク質の機能に有意に影響する可能性が低いか、また はその可能性がないかのいずれかのアミノ酸置換(例えば、1つの脂肪族アミノ 酸を第二の脂肪族アミノ酸で置換すること)を十分に知っているからである。 例えば、表現型としてサイレントなアミノ酸置換をいかに作製するかというこ とに関するガイドラインは、J.U.Bowieら「Deciphering the Message in Protei n Sequences:Tolerance to Amino Acid Substitutions」Science 247:1306-1310 (1990)(ここで、著者らはタンパク質は驚くべきことにアミノ酸置換に対して耐 性であることを示す)に提供される。 ポリヌクレオチドアッセイ 本発明はまた、TR10ポリヌクレオチドの、例えば、診断試薬としてのような、 相補的ポリヌクレオチドの検出のための使用に関連する。機能不全と関連したTR 10の変異形態の検出は、診断ツールを提供する。この診断ツールは、例えば、腫 瘍や自己免疫疾患のような、TR10またはその可溶化形態の低発現、過剰発現また は変化した発現から生じる疾患または疾患の感受性の診断を加え得るか、または 規定し得る。 TR10遺伝子における変異を保有する個体は、種々の技術によってDNAレベルで の検出され得る。診断のための核酸は、患者細胞(例えば、血液、尿、唾液、組 織生検および剖検物質由来)から得られ得る。ゲノムDNAは、検出のため直接使 用され得るか、またはPCRを使用して分析前に酵素的に増幅され得る(Saikiら、N ature 324:163-166(1986))。RNAまたはcDNAはまた、同一の方法において使用さ れ得る。例として、TR10をコードする核酸に相補的なPCRプライマーは、TR10 発現および変異を同定および検出するために使用され得る。例えば、欠失および 挿入は、正常遺伝子型との比較において増幅産物のサイズの変化によって検出さ れ得る。点変異は、増幅されたDNAを、放射性標識TR10 RNAまたは代替的に放射 性標識TR10アンチセンスDNA配列とハイブリダイズさせることにより同定し得る 。完全にマッチした配列は、RNaseA消化または融点の差によって、ミスマッチ二 重鎖から区別され得る。 参照遺伝子と変異を有する遺伝子の間の配列の差はまた、直接的なDNA配列決 定によって、明らかにされ得る。さらに、クローン化DNAセグメントは、特定のD NAセグメントを検出するためのプローブとして使用され得る。このような方法の 感度は、PCRまたは別の増幅方法の適切な使用によって、大幅に増強され得る。 例えば、配列決定プライマーは、二本鎖PCR産物または改変PCRにより生成される 1本鎖鋳型分子とともに使用される。配列決定は、放射性標識ヌクレオチドを用 いる従来の手順によってか、または蛍光タグを用いる自動配列決定手順によって 、行われる。 DNA配列の差に基づく遺伝的試験は、ゲル(界面活性剤あり、またはなし)に おけるDNAフラグメントの電気泳動移動度の変化の検出によって達成され得る。 小さな配列欠損および挿入は、高解像度ゲル電気泳動によって可視化され得る。 異なる配列のDNAフラグメントは、その特異的融解温度または部分融解温度によ って、異なるDNAフラグメントの移動度がゲルの異なる位置で遅れる変性ホルム アミド勾配ゲル上で識別され得る(例えば、Myersら、Science 230:1242(1985) を参照のこと)。 特異的位置における配列変化はまた、ヌクレアーゼ保護アッセイ(例えば、RN aseおよびS1保護、または化学的切断方法(例えば、Cottonら、Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 85:4397-4401(1985)))によって明らかになり得る。 従って、特異的DNA配列の検出は、ハイブリダイゼーション、RNase保護、化学 切断、直接的DNA配列決定または制限酵素の使用(例えば、制限フラグメント長 多型性(「RFLP」))およびゲノムDNAのサザンブロットのような方法によって 達成され得る。 より慣習的なゲル電気泳動およびDNA配列決定に加え、変異導入もまた、イン サイチュ分析において検出され得る。 ベクターおよび宿主細胞 本発明はまた、本発明の単離されたDNA分子を含むベクター、本発明の組換え ベクターで遺伝子操作された宿主細胞、および組換え技術によるTR10ポリペプチ ドまたはそのフラグメントの産生に関する。 ポリヌクレオチドは、宿主における増殖のために、選択マーカーを含むベクタ ーに結合され得る。一般的に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈澱物 のような沈澱物中か、または荷電された脂質との複合体中で導入される。ベクタ ーがウイルスである場合、ベクターは、適切なパッケージング細胞株を用いてイ ンビトロでパッケージングされ得、次いで宿主細胞に形質導入され得る。 DNAインサートは、適切なプロモーター(例えば、少し名を挙げると、ファー ジλPLプロモーター、E.coli lacプロモーター、trpプロモーター、およびtacプ ロモーター、SV40初期プロモーターおよび後期プロモーター、ならびにレトロウ イルスLTRのプロモーター)に作動可能に連結されるべきである。他の適切なプ ロモーターは、当業者に公知である。発現構築物は、さらに、転写開始、転写終 結のための部位、および、転写領域中に翻訳のためのリボゾーム結合部位を含む 。構築物によって発現される成熟型転写物のコード部分は、好ましくは、翻訳さ れるべきポリペプチドの始めに翻訳開始コドンを含み、そして終わりに適切に位 置される終止コドン(UAA、UGA、またはUAG)を含む。 示されるように、発現ベクターは、好ましくは、少なくとも1つの選択マーカ ーを含む。このようなマーカーとしては、真核生物細胞培養についてはジヒドロ 葉酸レダクターゼ、またはネオマイシン耐性、およびE.coliおよび他の細菌にお ける培養についてはテトラサイクリン耐性遺伝子、またはアンピシリン耐性遺伝 子が挙げられる。適切な宿主の代表的な例としては、細菌細胞(例えば、E.coli 細胞、Streptomyces細胞、およびSalmonella typhimurium細胞);真菌細胞(例 えば酵母細胞);昆虫細胞(例えば、Drosophila S2細胞およびSpodoptera Sf9 細胞);動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、およびBowes黒色腫細胞);な らびに植物細胞が挙げられるが、これらに限定されない。上記の宿主細胞のため の適切な培養培地および条件は当該分野で公知である。 細菌における使用に好ましいベクターの中には、pQE70、pQE60、およびpQE-9 (Qiagenから入手可能);pBSベクター、Phagescriptベクター、Bluescriptベク ター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratageneから入手可能);ならびにpt rc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Pharmaciaから入手可能)が含ま れる。好ましい真核生物ベクターの中には、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、お よびpSG(Stratageneから入手可能);ならびにpSVK3、pBPV、pMSG、およびpSVL (Pharmaciaから入手可能)がある。他の適切なベクターは、当業者に容易に明 らかである。 宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE -デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェク ション、エレクトロポレーション、形質導入、感染または他の方法によってもた らされ得る。このような方法は、Davisら,Basic Methods In Molecular Biolog y(1986)のような多くの標準的研究室マニュアルに記載されている。 ポリペプチドは、融合タンパク質のような改変された形態で発現され得、そし て分泌シグナルだけでなく、さらなる異種の機能的領域も含み得る。従って、例 えば、さらなるアミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域が、精製の間の、または続く 取り扱いおよび保存の間の、宿主細胞における安定性および持続性を改善するた めに、ポリペプチドのN末端に付加され得る。また、ペプチド部分が、精製を容 易にするためにポリペプチドへ付加され得る。そのような領域は、ポリペプチド の最終調製の前に除去され得る。とりわけ、分泌または排出を生じるため、安定 性を改善するため、および精製を容易にするためのペプチド部分のポリペプチド への付加は、当該分野でよく知られており、そして日常的な技術である。好まし い融合タンパク質は、タンパク質の可溶化のために有用な免疫グロブリン由来の 異種領域を含む。例えば、EP-A-0 464 533(カナダ対応出願第2045869号)は、 別のヒトタンパク質、またはその一部とともに免疫グロビン分子の定常領域の種 々の部分を含む融合タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク質中のFc 部分は、治療および診断における使用に十分に有利であり、従って、例えば改善 された薬物動態学的特性を生じる(EP-A 0232 262)。一方、いくつかの使用に ついて、融合タンパク質が、記載される有利な様式で、発現され、検出され、そ して精製された後に、Fc部分が欠失され得ることが望ましい。これは、Fc部分が 、治療および診断における使用に対して障害となると判明する場合(例えば、融 合タンパク質が免疫のための抗原として使用されるべき場合)である。薬物探索 において、例えばhIL-5−レセプターのようなヒトタンパク質は、hIL-5のアンタ ゴニストを同定するための高処理能力スクリーニングアッセイの目的でFc部分と 融合されている。D.Bennettら,Journal of Molecular Recognition 8:52-58(19 95)、およびK.Johansonら,The Journal of Biological Chemistry 270:16:945 9-9471(1995)を参照のこと。 TR10レセプターは、硫酸アンモニウム沈澱またはエタノール沈澱、酸抽出、陰 イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラ フィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ ー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフ ィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され、そして精製され 得る。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のため に用いられる。 本発明のポリペプチドは以下を含む:天然の供給源からの精製産物;化学合成 手順の産物;および原核生物宿主または真核生物宿主(例えば、細菌細胞、酵母 細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を含む)から組換え技術に よって産生された産物。組換え産生手順において用いられる宿主に依存して、本 発明のポリペプチドは、グリコシル化されていても、またはグリコシル化されて いなくてもよい。さらに、本発明のポリペプチドはまた、いくつかの場合、宿主 媒介プロセスの結果として、最初の改変された開始メチオニン残基を含み得る。 TR10レセプターポリヌクレオチドおよびポリペプチドは本発明に従って、種々 の適用、特にTR10の化学的および生物学的特性を利用する適用のために使用され 得る。とりわけこれらは腫瘍の処置、寄生虫、細菌およびウイルスに対する耐性 における、アゴニストによるTR10での刺激後の、T細胞、内皮細胞、および特定 の造血細胞の増殖の誘導、再狭窄、対宿主移植片疾患の処置、抗ウイルス応答の 制御、および特定の自己免疫疾患の予防のための適用である。さらなる適用は、 細胞、組織、および生物の障害の診断および処置に関する。本発明のこれらの局 面は、さらに以下において議論される。 TR10レセプターポリペプチドおよびフラグメント 本発明はさらに、寄託されたcDNAによってコードされるアミノ酸配列、または 配列番号2のアミノ酸配列を有する、単離されたTR10ポリペプチド、あるいは上 記ポリペプチドの一部を含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。 当該分野においてTR10アミノ酸配列のいくつかは、タンパク質の構造および機 能に有意な影響なしに、変化され得ることが認識される。このような配列の差が 意図される場合、タンパク質において活性を決定する重要な領域が存在すること を思い出すべきである。従って、本発明はさらにTR10レセプターの改変体を含み 、これは実質的なTR10レセプター活性を示すか、またはTR10タンパク質の領域( 例えば、以下に考察するタンパク質の部分)を含む。そのような変異としては、 欠失、挿入、逆位、反復、および型置換が挙げられる。上記のように、アミノ酸 変化が表現型としてサイレントであるようなことに関するガイダンスは、J.U.Bo wieら、Science 247:1306-1310(1990)に見出され得る。 従って、配列番号2のポリペプチドまたは寄託されたcDNAにコードされる、フ ラグメント、誘導体、またはアナログは、(i)少なくとも1つ以上のアミノ酸残 基が保存されたアミノ酸残基または保存されていないアミノ酸残基(好ましくは 、保存されたアミノ酸残基、そしてより好ましくは少なくとも1つ、そして10 未満の保存されたアミノ酸残基)と置換されたものであり、そしてそのような置 換されたアミノ酸残基は、遺伝子コードによってコードされるものでもそうでな くてもよい、または(ii)1つ以上のアミノ酸残基が置換基を含むもの、または(ii i)成熟ポリペプチドが、ポリペプチドの半減期を増加する化合物のような別の化 合物と融合されたもの(例えば、ポリエチレングリコール)または(iv)付加的ア ミノ酸が、IgG Fc融合領域ペプチドまたはリーダーもしくは分泌配列、あるいは 成熟ポリペプチドまたはプロタンパク質配列の精製のために使用される配列のよ うな、成熟ポリペプチドと融合されるものであり得る。そのようなフラグメント 、誘導体およびアナログは、本明細書の教示から当業者にとっての範囲内である と みなされる。 荷電アミノ酸を、中性、または負に荷電したアミノ酸を用いて、別の荷電のア ミノ酸に置換することは、特に興味深い。後者は、正の電荷の減少したタンパク 質を生じ、TR10レセプタータンパク質の特徴を改善する。凝集の回避は非常に望 ましい。タンパク質の凝集は、活性の喪失を生じるのみならず、免疫原性であり 得るために、薬学的処方物を調製する場合にまた、問題であり得る(Pinckardら 、Clin Exp.Immunol.2:331-340(1967);Robbinsら、Diabetes 36:838-845(1987 );Clelandら、Crit.Rev.Therapeutic Drug Carrier Systems 10:307-377(1993 ))。 アミノ酸の置換はまた細胞表面レセプターへの結合選択性を変化させ得る。Os tadeら、Nature 361:266-268(1993)は、既知の2つタイプのTNFレセプターの1つ に対してのみTNFの結合選択的を生じる特定の変異を記載する。従って、本発明 のTR10レセプターは、天然の変異または人の操作によるかのいずれかによる、1 つ以上のアミノ酸置換、欠失、または付加を含み得る。 示されたように、変化は好ましくはマイナーな性質(例えば、タンパク質のフ ォールディングまたは活性に有意に影響しない、保存的アミノ酸置換(表1を参 照のこと))の変化である。 表1.保存的アミノ酸置換 本発明のTR10タンパク質の機能に必須のアミノ酸は、当該分野で公知の方法( 例えば、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャン変異誘発(Cunninghamおよ びWells,Science 244:1081-1085(1989))により同定され得る。後者の手順は、分 子のすべての残基に単一のアラニン変異を導入する。次いで、得られた変異体分 子は生物学活性(例えば、レセプター結合またはインビトロでの増殖活性)につ いて試験される。リガンドーレセプター結合について決定的である部位はまた、 構造解析(例えば、結晶化、核磁気共鳴法または光親和性標識)により決定され 得る(Smithら、J.Mol.Biol.224:899-904(1992)およびde Vosら、Science 255:30 6-312(1992))。 本発明のポリペプチドは、好ましくは、単離された形態で提供される。「単離 されたポリペプチド」とは、その天然環境から取り出されたポリペプチドを意図 する。従って、組換え宿主細胞内で産生されおよび/または含まれるポリペプチ ドは、本発明の目的のために単離されたとみなされる。「単離されたポリペプチ ド」として意図されるのはまた、組換え宿主細胞から、部分的または実質的に精 製されたポリペプチドである。例えば、TR10ポリペプチドの組換え産生版は、Sm ithおよびJohnson,Gene 67:31-40(1988)に記載されるワンステップ法により実質 的に精製され得る。 本発明のポリペプチドは、寄託されたcDNAによってコードされるポリペプチド を含む。これには、リーダー;成熟ポリペプチド(これは、リーダーを除いた寄 託されたcDNAによってコードされる)(すなわち、成熟タンパク質);配列番号 2のアミノ酸ほぼ-55〜ほぼ331を含むポリペプチド;配列番号2のアミノ酸ほぼ −54〜ほぼ331を含むポリペプチド;配列番号2のアミノ酸ほぼ1〜ほぼ331を含 むポリペプチド;細胞外ドメインを含むポリペプチド;膜貫通ドメインを含むポ リペプチド;細胞内ドメインを含むポリペプチド;膜貫通ドメインの全部または 一部が除去された、細胞外および細胞内ドメインを含むポリペプチド;部分的に 致死ドメインを含むポリペプチド;ならびに上記のポリペプチドに対して少なく とも80%同一、より好ましくは、少なくとも90%または95%同一、なおより好ま しくは少なくとも96%、97%、98%、または99%同一であるポリペプチドが含ま れ、そしてまた、少なくとも30アミノ酸、およびより好ましくは少なくとも50ア ミノ酸を有するこのようなポリペプチドの部分が含まれる。 例えば、TR10ポリペプチドの参照アミノ酸配列に少なくとも、95%「同一の」 アミノ酸配列を有するポリペプチドにより、そのポリペプチド配列が、TR10ポリ ペプチドの参照アミノ酸配列の各100アミノ酸毎に5つまでのアミノ酸変化を含 み得ることを除いて、そのポリペプチドのアミノ酸配列は参照配列と同一である ことが意図される。言い換えれば、参照アミノ酸配列に対して少なくとも95%同 一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るために、参照配列において5%ま でのアミノ酸残基が、欠失されるかもしくは別のアミノ酸で置換され得、または 参照配列における総アミノ酸残基の5%までの多数のアミノ酸が参照配列に挿入 され得る。これらの参照配列の改変は、参照アミノ酸配列のアミノ末端位置もし くはカルボキシ末端位置で、または参照配列の残基間で個々に、もしくは参照配 列内で1つ以上の隣接した基内のいずれかに散在した、これらの末端位置の間の どこかで起こり得る。 実際に、任意の特定のポリペプチドが、例えば、配列番号2に示されるアミノ 酸配列、または寄託されたcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列に対し て、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるかどうか は、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 fo r Unix、Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science D rive,Madison,WI 53711)のような公知のコンピュータープログラムを使用し て従来通りに決定され得る。特定の配列が、例えば、本発明の参照配列に95%同 一であるかどうかを決定するために、Bestfitまたは任意の他の配列アラインメ ントプログラムを使用する場合、当然のことながら、同一性のパーセンテージが 参照アミノ酸配列の全長にわたって計算され、そして参照配列内のアミノ酸残基 の総数の5%までの相同性におけるギャップが許容されるようにパラメーターが 設定される。 特に、TR10ポリペプチドのN末端欠損は、一般的な式m-157によって記載され 得、ここでmは1〜156の数であり、配列番号2において同定されるアミノ酸 の位置に対応する。好ましくは、配列番号2に示される、本発明のTR10ポリペプ チドのN末端欠損は、以下の残基のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む:配 列番号2の、 さらに、TR10ポリペプチドのC末端欠失はまた、一般式1−nで記載され得る 。ここで、nは2〜156の数であり、配列番号2において同定されるアミノ酸 の位置に対応する。好ましくは、配列番号2に示される、本発明のTR10ポリペプ チドのC末端欠損は、以下の残基のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む:配 列番号2の、 例えば、上記に列挙したNまたはC末端欠失のいずれかは、NおよびC末端欠 失TR10ポリペプチドを生成するために組み合わせられ得る。 本発明はまた、アミノおよびカルボキシル末端の両方からの1つ以上のアミノ 酸欠失を有するポリペプチドを提供し、これは一般的に配列番号2のn−m残基 を有するとして記載され得、ここでnおよびmは上記の整数である。 本発明のポリペプチドは、当業者にとって周知の方法を用いる、SDS-PAGEゲル または分子ふるいゲル濾過カラムの分量マーカーとして使用され得る。 別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドのエピトープ保有部分を 含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。このポリペプチド部分のエピトー プは、本明細書中に記載されるポリペプチドの免疫原性または抗原性エピトープ である。「免疫原性エピトープ」は、全てのタンパク質が免疫原である場合、抗 体応答を誘発するタンパク質の一部として定義される。一方では、抗体が結合し 得るタンパク質分子の領域は、「抗原性エピトープ」と定義される。タンパク質 の免疫原性エピトープの数は、一般には、抗原性エピトープの数よりも少ない。 例えば、Geysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998-4002(1983)を参照 のこと。 抗原性エピトープを保有する(すなわち、抗体が結合し得るタンパク質分子の 領域を含む)ペプチドまたはポリペプチドの選択に関して、タンパク質配列の一 部を模倣する比較的短い合成ペプチドが、部分的に模倣されたタンパク質と反応 する抗血清を日常的に誘発し得ることが当該分野で周知である。例えば、J.G.S utcliffeら、「Antibodies That React With Predetermined Sites on Proteins 」,Science 219:660-666(1983)を参照のこと。タンパク質反応性血清を誘発し得 るペプチドは、タンパク質の一次配列で頻繁に示され、一連の単純な化学的法則 により特徴付けられ得、そしてインタクトなタンパク質の免疫優性領域(すなわ ち、免疫原性エピトープ)にも、アミノ末端またはカルボキシル末端にも、制限 されない。 それゆえ本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、本発 明のポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を含む、抗体を惹起す るために有用である。例えば、Wilsonら、Cell 37:767-778(1984)の777頁を参照 のこと。本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、本発明 のポリペプチドのアミノ酸配列中に含まれる、好ましくは少なくとも7個、より 好ましくは少なくとも9個、そして最も好ましくは約15〜約30個の間のアミノ酸 の配列を含む。 TR10レセプター特異的抗体を産生するために使用され得る抗原性ポリペプチド またはペプチドの限定しない実施例は以下を含む:図1のほぼ57からほぼ113ま で(配列番号2の2〜58)のアミノ酸残基を含むポリペプチド;図1のほぼ130か らほぼ197まで(配列番号2の75〜142)のアミノ酸残基を含むポリペプチド;図 1のほぼ250からほぼ283まで(配列番号2の195〜228)のアミノ酸残基を含むポ リペプチド。上記のように、本発明者らは、上記のポリペプチドフラグメントが TR10レセプタータンパク質の抗原領域であることを決定した。 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、任意の従来の手段に より産生され得る。例えば、R.A.Houghten,(1985)「General method for the rapid solid-phase synthesis of large numbers of peptides:specificity of antigen-antibody interaction at the level of individual amino acids.」Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA 82:5131-5135を参照のこと;この「Simultaneous Multip le Peptide Synthesis(SMPS)」プロセスは、Houghtenらの米国特許第4,631,211 号(1986)でさらに記載される。 当業者が理解するように、本発明のTR10レセプターポリペプチドおよびその上 記のエピトープ保有フラグメントは、免疫グロブリン(IgG)の定常ドメインの 部分と結合し得、キメラポリペプチドを生じる。これらの融合タンパク質は、精 製を容易にし、そしてインビボで半減期の増加を示す。これは、例えば、ヒトCD 4-ポリペプチドの最初の2つのドメインおよび哺乳動物免疫グロブリンの重鎖ま たは軽鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質について示され ている(EP A 394,827;Trauneckerら、Nature 331:84-86(1988))。IgG部分に よるジスルフィド結合二量体構造を有する融合タンパク質はまた、単量体TR10 タンパク質またはタンパク質フラグメント単独よりも、他の分子の結合および中 和において効率的であり得る(Fountoulakisら、J.Biochem.270:3958-3964(1 995))。 ポリペプチドアッセイ 本発明はまた、細胞および組織におけるTR10レセプタータンパク質またはその 可溶化形態のレベルを検出するための、定量的アッセイおよび診断的なアッセイ のような診断アッセイに関連し、これは正常および異常なレベルの測定を含む。 従って、例えば、正常コントロール組織サンプルと比較した、TR10またはその可 溶化形態の過剰発現の検出のための本発明に従う診断アッセイは、例えば、腫瘍 の存在を検出するために使用され得る。宿主由来のサンプルにおいて、タンパク 質(例えば、本発明のTR10タンパク質またはその可溶化形態)のレベルを決定す るために使用され得るアッセイ技術は、当業者にとって周知である。そのような アッセイ方法としては、ラジオイムノアッセイ、競合的結合アッセイ、ウエスタ ンブロット分析およびELISAアッセイが挙げられる。 生物学的サンプルにおけるTR10タンパク質レベルのアッセイは、当該分野で公 知の任意の方法を用いて行い得る。「生物学的サンプル」によって、TR10レセプ タータンパク質またはmRNAを含有する、個体、細胞株、組織培養物、またはその 他の供給源から得られた、任意の生物学的サンプルが意図される。生物学的サン プル中のTR10タンパク質レベルのアッセイに好ましいのは、抗体に基づく技術で ある。例えば、組織でのTR10タンパク質発現は、古典的な免疫組織学的方法によ って研究され得る(M.Jalkanenら、J.Cell.Biol.101:976-985(1985);M. Jalkanenら、J.Cell.Biol.105:3087-3096(1987))。TR10レセプター遺伝子 発現を検出するために有用なその他の抗体に基づく方法は、イムノアッセイ(例 えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA) )を包含する。 適切な標識は、当該分野で公知であり、グルコースオキシダーゼのような酵素 標識、およびヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、イオウ(35S)、トリチウム (3H)、インジウム(112In)、およびテクネチウム(99mTc)のようなラジオア イソ トープ、およびフルオレセインおよびローダミンのような蛍光標識、およびビオ チンを包含する。 治療薬 腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーリガンドは、多くの細胞性応答(細胞障害性、抗 ウイルス活性、免疫調節活性、およびいくつかの遺伝子の転写調節を含む)を誘 導する、最も多面発現性のサイトカインの1つであることが公知である(D.V.Goe ddelら、「Tumor Necrosis Factors:Gene Structure and Biological Activitie s」Symp.Quant.Biol.51:597-609(1986),Cold Spring Harbor;B.Beutler and A.Cerami,Annu.Rev.Biochem.57:505-518(1988);L.J.Old,Sci.Am.258:59-75 (1988);W.Fiers,FEBS Lett.285:199-224(1991))。TNFファミリーリガンドは 、TNFファミリーレセプター(本発明のTR10を含む)へ結合することにより、この ような種々の細胞性応答を誘導する。TR10ポリペプチドを発現し、TR10リガンド に対し強力な細胞性応答を有すると考えられる、細胞には、胎児肝臓、PBL、肺 、腎臓、小腸、結腸、ケラチノサイト、内皮細胞、および単球活性化組織が含ま れる。「TNFファミリーリガンドに対する細胞性応答」とは、TNFファミリーリガ ンドによって誘導される、細胞、細胞株、組織、組織培養物、または患者に対す る任意の遺伝子型の、表現型の、および/または形態学的な変化を意図される。 示されるように、このような細胞性応答には、TNFファミリーリガンドに対する 正常な生理学的応答だけではなく、増加したアポトーシス、またはアポトーシス の阻害に関連した疾患もまた含まれる。アポトーシス(すなわち、プログラムさ れた細胞死)は、免疫系の末梢Tリンパ球の削除に関与する生理学的機構であり 、そしてその調節不全は、多くの異なる病原性プロセスを導き得る(J.C.Ameisen ,AIDS 8:197-1213(1994);P.H.Krammerら,Curr.Opin.Immunol.6:279-289(199 4))。 増大した細胞生存、またはアポトーシスの阻害に関連する疾患には、ガン(例 えば、濾胞性リンパ肺、p53変異を伴うガン腫、および、乳ガン、前立腺ガン、 カポジ肉腫、および卵巣ガンのようなホルモン依存性腫瘍);自己免疫障害(例え ば、全身性紅斑性狼瘡、および免疫関連糸球体腎炎、慢性関節リウマチ);ウイ ルス感染症(例えば、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、およびアデノウイ ルス);炎症;対宿主性移植片病;急性移植片拒絶および慢性移植片拒絶が含ま れる。増大したアポトーシスに関連する疾患には、AIDS;神経変性障害(例えば 、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮側索硬化症、色素性網膜炎、小脳 変性);脊髄異形成症候群(例えば、再生不良性貧血)、虚血傷害(例えば、心筋梗 塞、卒中、および再灌流傷害により引き起こされるもの)、毒素誘導肝疾患(例え ば、アルコールにより引き起こされるもの)、敗血症性ショック、悪液質、およ び食欲不振が含まれる。 従って、1つの局面で、本発明は、TNFファミリーリガンドにより誘導される アポトーシスを増強するための方法に関し、この方法は、TR10ポリペプチドを発 現する細胞に、有効量のTR10リガンド、アナログもしくはTR10媒介シグナル伝達 を増大させ得るアゴニストを投与する工程を包含する。好ましくは、TR10媒介シ グナル伝達は、減少したアポトーシスまたは減少したサイトカインおよび接着分 子の発現が示される疾患を処置するために増大される。アゴニストには、可溶性 形態のTR10およびTR10ポリペプチドに対するモノクローナル抗体が含まれ得る。 さらなる局面において、本発明は、TNFファミリーリガンドによって誘導され るアポトーシスを阻害するための方法に関し、この方法は、TR10ポリペプチドを 発現する細胞に、TR10媒介シグナル伝達を減少させ得る、有効量のアンタゴニス トを投与する工程を包含する。好ましくは、TR10媒介シグナル伝達は、増大した アポトーシスまたはNFkB発現が示される疾患を処置するために減少される。アン タゴニストには、可溶性形態のTR10およびTR10ポリペプチドに対するモノクロー ナル抗体が含まれ得る。 「アゴニスト」とは、アポトーシスを増強または強化し得る、天然に存在する化 合物および合成化合物を意図される。「アンタゴニスト」とは、アポトーシスを阻 害し得る天然に存在する化合物および合成化合物を意図される。本発明の任意の 候補の「アゴニスト」または「アンタゴニスト」が、アポトーシスを増強し得るかま たは阻害し得るかは、当該分野で公知のTNFファミリーリガンド/レセプター細胞 性応答アッセイ(下記により詳細に記載されているものを含む)を用いて決定され 得る。 1つのこのようなスクリーニング手順は、本発明のレセプターを発現するよう にトランスフェクトされたメラニン保有細胞の使用を包含する。このようなスク リーニング技術は、1992年2月6日に公開されたPCT WO 92/01810に記載されてい る。このようなアッセイは、例えば、レセプターをコードするメラニン保有細胞 を、TNFファミリーリガンドおよび候補アンタゴニスト(またはアゴニスト)の両 方と接触させることによる、本発明のレセプターポリペプチドの活性化を阻害す る(または増強する)化合物についてスクリーニングするために使用され得る。リ ガンドによって生成されたシグナルの阻害または増強は、その化合物が、リガン ド/レセプターシグナル伝達経路のアンタゴニストまたはアゴニストであること を示す。 他のスクリーニング技術は、レセプター活性化によって引き起こされる細胞外 pH変化を測定するシステムにおける、レセプターを発現する細胞(例えば、トラ ンスフェクトしたCHO細胞)の使用を包含する。例えば、化合物を、本発明のレセ プターポリペプチドを発現する細胞と接触させ得、そしてセカンドメッセンジャ ー応答(例えば、シグナル変換またはpH変化)を測定し、その可能性のある化合物 が、レセプターを活性化するかまたは阻害するかを決定し得る。 別のこのようなスクリーニング技術は、レセプターを一過性に発現するように 、レセプターをコードするRNAをXenopus卵母細胞中へ導入することを包含する。 次いで、レセプター卵母細胞を、レセプターリガンドおよびスクリーニングされ るべき化合物と接触させ、続いて、レセプターの活性化を阻害すると考えられる 化合物についてスクリーニングする場合には、カルシウムシグナルの阻害または 活性化を検出し得る。 当該分野において周知の別のスクリーニング技術は、レセプターがホスホリパ ーゼCまたはDに連結されている構築物を細胞中で発現させることを包含する。 例示的な細胞には、内皮細胞、平滑筋細胞、胚性腎細胞などが含まれる。スクリ ーニングは、ホスホリパーゼシグナルから、レセプターの活性化またはレセプタ ーの活性化の阻害を検出することによって、上記のように達成され得る。 別の方法は、その表面上にレセプターを有する細胞への標識リガンドの結合の 阻害を決定することによって、本発明のレセプターポリペプチドの活性化を阻害 する化合物(アンタゴニスト)についてスクリーニングすることを包含する。この ような方法は、細胞がその表面上にレセプターを発現するように、レセプターを コードするDNAで真核生物細胞をトランスフェクトする工程、および標識形態の 公知リガンドの存在下で細胞を化合物と接触させる工程を包含する。リガンドは 、例えば、放射活性によって標識され得る。レセプターに結合した標識リガンド の量は、例えば、レセプターの放射活性を測定することによって測定される。化 合物が、レセプターに結合する標識リガンドの減少によって決定されるように、 レセプターに結合する場合、レセプターへの標識リガンドの結合は阻害される。 本発明のアゴニストおよびアンタゴニストについてのさらなるスクリーニング アッセイは、L.A.TartagliaおよびD.V.Goeddel,J.Biol.Chem.267:4304-4307(1 992)に記載されている。 従って、さらなる局面では、候補のアゴニストまたはアンタゴニストが、TNF ファミリーリガンドに対する細胞性応答を増強し得るかまたは阻害し得るかを決 定するためのスクリーニング方法が提供される。この方法は、TR10ポリペプチド を発現する細胞と、候補化合物およびTNFファミリーリガンドとを接触させる工 程、細胞性応答をアッセイする工程、および、その細胞性応答を標準的な細胞性 応答と比較する工程であって、その標準が、リガンドとの接触を、候補化合物の 非存在下で実施したときにアッセイされる、工程を包含し、この比較工程により 、標準を超えて増大した細胞性応答は、候補化合物がリガンド/レセプターシグ ナル伝達経路のアゴニストであることを示し、そして、標準と比較して減少した 細胞性応答は、候補化合物がリガンド/レセプターシグナル伝達経路のアンタゴ ニストであることを示す。「細胞性応答をアッセイする」こととは、候補化合物お よび/またはTNFファミリーリガンドに対する細胞性応答を定性的または定量的に 測定すること(例えば、T細胞増殖またはトリチウム化チミジン標識の増加また は減少を決定または評価すること)を意図される。本発明によって、TR10ポリペ プチドを発現する細胞は、内因性または外因的に投与されたTNFファミリーリガ ンドのいずれかと接触させられ得る。 本発明に従うアンタゴニストは、例えば、TNFファミリーリガンドペプチドフ ラグメント、トランスフォーミング増殖因子、神経伝達物質(例えば、グルタメ ート、ドーパミン、N-メチル-D-アスパルテート)、腫瘍サプレッサー(p53)、細 胞溶解性T細胞、および代謝拮抗物質のような、天然に存在する化合物および合 成化合物を包含する。好ましいアゴニストには、例えば、シスプラチン、ドキソ ルビシン、ブレオマイシン、シトシンアラビノシド、ナイトロジェンマスタード 、メトトレキセート、およびビンクリスチンのような化学療法薬が含まれる。他 には、エタノールおよびアミロイドペプチドが挙げられる(Science 267:1457-14 58(1995))。さらに好ましいアゴニストには、TR10ポリペプチドに対して惹起さ れたポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体、またはそれらのフラグメン トが含まれる。このようなアゴニストである、TNFファミリーレセプターに対し て惹起された抗体は、L.A.Tartagliaら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:9292-9296 (1991);およびL.A.TartagliaおよびD.V.Goeddel,J.Biol.Chem.267:4304-4307 (1992)に開示される。PCT出願WO 94/09137もまた参照。 本発明に従うアゴニストには、例えば、CD40リガンド、中性アミノ酸、亜鉛、 エストロゲン、アンドロゲン、ウイルス遺伝子(例えば、アデノウイルスEIB、バ キュロウイルスp35およびIAP、ウシポックスウイルスcrmA、エプスタイバーウイ ルスBHRF1、LMP-1、アフリカブタ熱ウイルスLMW5-HL、およびへルペスウイルスy l 34.5)、カルパインインヒビター、システインプロテアーゼインヒビター、お よび腫瘍プロモーター(例えば、PMA、フェノバルビタール、およびヘキサクロロ シクロヘキサン)のような、天然に存在する化合物および合成化合物が含まれる 。 他の可能性のあるアンタゴニストには、アンチセンス分子が含まれる。アンチ センス技術は、アンチセンスDNAまたはRNAを介して、または三重ヘリックス形成 を介して、遺伝子発現を制御するために使用され得る。アンチセンス技術は、例 えば、Okano,J.Neurochem.56:560(1991);Oligodeoxynucleotides as Antise nse Inhibitors of Gene Expression,CRC Press,Boca Raton,FL(1988)に考察 されている。三重ヘリックス形成は、例えば、Leeら、Nucleic Acids Research 6:3073(1979);Cooneyら、Science 241:456(1988);およびDervanら、Science 2 51:1360(1991)に考察されている。その方法は、ポリヌクレオチドの相補的DNAま たはRNAへの結合に基づく。 例えば、本発明の成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの5'コー ド部分は、長さが約10塩基対〜40塩基対のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチド を設計するために使用され得る。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関与する遺 伝子の領域に相補的であるように設計され、そのことによって、転写およびレセ プター産生を防止する。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、インビボにお いてmRNAにハイブリダイズし、mRNA分子のレセプターポリペプチドへの翻訳をブ ロックする。上記のオリゴヌクレオチドはまた細胞へ送達され得、その結果、ア ンチセンスRNAまたはDNAがインビボで発現して、レセプターの産生を阻害し得る 。 本発明に従うアゴニストには、可溶性形態のTR10(すなわち、完全長レセプタ ーの細胞外領域由来のリガンド結合ドメインを含むTR10フラグメント)が含まれ る。このような可溶性形態のレセプター(天然に存在し得るか、または合成であ り得る)は、TNFファミリーリガンドへの結合について細胞表面TR10と競合するこ とによって、TR10媒介シグナル伝達に拮抗する。しかし、可溶性TR10はアポトー シス誘導リガンド(例えば、TRAIL)に結合し得、そしてレセプターへの結合のた めに利用可能なTRAILを減少させるTRAIL結合について、機能的な死ドメインと、 より効果的に競合し得る。従って、リガンド結合ドメインを含むレセプターの可 溶性形態は、TNFファミリーリガンドによって誘導されるアポトーシスを阻害し 得る、新規なサイトカインである。これらは、好ましくは、ダイマーまたはトリ マーとして発現される。なぜなら、これらは、アンタゴニストとしてモノマー形 態の可溶性レセプター(例えば、IgGFc-TNFレセプターファミリー融合体)より優 れていることが示されているからである。他のこのようなサイトカインは当該分 野で公知であり、Fasリガンドによって誘導されるアポトーシスを制限するよう に生理学的に作用するFas B(マウスFasレセプターの可溶性形態)を包含する(D.P .HughesおよびI.N.Crispe,J.Exp.Med.182:1395-1401(1995))。 本明細書で使用される用語「抗体」(Ab)または「モノクローナル抗体」(mAb)は、 インタクトな分子、ならびに抗原に結合し得るそのフラグメント(例えば、Fabお よびF(ab')2フラグメントなど)を包含することが意図される。FabおよびF(ab')2 フラグメントは、インタクトな抗体のFcフラグメントを欠き、循環からより迅速 に除去され、そしてインタクトな抗体のより少ない非特異的組織結合を有し得る (Wahlら、J.Nucl.Med.24:316-325(1983))。 本発明に従う抗体は、本発明のTR10免疫原を使用して、種々の方法のいずれに よっても調製され得る。示されるように、このようなTR10免疫原には、完全長TR 10ポリペプチド(リーダー配列を含んでもよいし、含まなくともよい)、およびTR 10ポリペプチドフラグメント(例えば、リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン 、細胞内ドメイン、および不完全死ドメイン)が含まれる。 TR10ドメインに結合するタンパク質および他の化合物もまた、本発明に従う候 補のアゴニストおよびアンタゴニストである。このような結合化合物は、酵母ツ ーハイブリッドシステムを用いて「捕捉され」得る(FieldsおよびSong,Nature 34 0:245-246(1989))。酵母ツーハイブリッドシステムの改変型は、Roger Brentお よび共同研究者らによって記載された(J.Gyurisら、Cell 75:791-803(1993);A. S.Zervosら、Cell 72:223-232(1993))。好ましくは、酵母ツーハイブリッドシス テムを、本発明に従って使用して、TR10リガンド結合ドメインまたはTR10細胞内 ドメインのいずれかに結合する化合物を捕捉する。このような化合物は、本発明 の良好な候補アゴニストおよびアンタゴニストである。 「TNFファミリーリガンド」とは、TNFレセプターファミリーのメンバーに結合し 、リガンド/レセプターシグナル伝達経路を誘導し得る、天然に存在するリガン ド、組換えリガンド、および合成リガンドを意図される。TNFリガンドファミリ ーのメンバーには、TRAIL、TNF-α、リンホトキシン-α(LT-α、TNF-βとしても また知られる)、LT-β(複合体ヘテロトリマーLT-α2-βに見出される)、FasL、C D40、CD27、CD30、4-1BB、OX40、および神経成長因子(NGF)を含むTR10リガンド が含まれるが、これらに限定されない。 本発明の代表的な治療適用は、下記により詳細に考察される。AIDSを定義する 免疫不全の状態は、CD4+Tリンパ球の数および機能の減少に対して副次的である 。最近の報告は、CD4+T細胞の日々の喪失が、3.5×107細胞と2×109細胞との 間であると評価している(X.Weiら、Nature 373:117-122(1995))。HIV感染の環境 下でのCD4+T細胞枯渇の1つの原因は、HIV誘導アポトーシスであると考えられ ている。事実、HIV誘導アポトーシス性細胞死は、インビトロだけでなく、より 重要なことに、感染個体でも実証された(J.C.Ameisen,AIDS 8:1197-1213(1994) ;T.H.FinkelおよびN.K.Banda,Curr.Opin.Immunol.6:605-615(1995);C.A.M uro-Cachoら、J.Immunol.154:5555-5566(1995))。さらに、アポトーシスおよ びC D4+Tリンパ球枯渇は、AIDSの異なる動物モデルで密接に相関し(T.Brunnerら、N ature 373:441-444(1995);M.L.Gougeonら、AIDS Res.Hum.Retroviruses 9:55 3-563(1993))、そしてアポトーシスは、ウイルス複製がAIDSを生じない動物モデ ルでは観察されない(同上)。さらなるデータは、HIV感染個体由来の非感染であ るが感作または活性化されたTリンパ球が、TNFファミリーリガンドFasLと遭遇 後に、アポトーシスを経験することを示す。HIV感染後に死を生じる単球細胞株 を使用して、U937細胞のHIVによる感染がFasLの新規発現を生じること、およびF asLがHIV誘導アポトーシスを媒介することが実証されている(A.D.Badleyら、J. Virol.70:199-206(1996))。さらに、TNFファミリーリガンドは、非感染マクロ ファージにおいて検出可能であり、その発現は、HIV感染後にアップレギュレー トされ、非感染CD4 Tリンパ球の選択的殺傷を生じた(同上)。従って、本発明に よって、HIV+個体を処置するための方法が提供され、この方法は、本発明のアン タゴニストを投与して、CD4 Tリンパ球の選択的殺傷を減少させる工程を包含す る。投与様式および投薬量は下記に詳細に考察される。 同種移植片の拒絶において、レシピエント動物の免疫系は、応答するよう予め 感作されていない。なぜなら、免疫系はほとんどの場合、環境抗原によってのみ 感作されるからである。同種の他のメンバー由来の組織は、例えば、ウイルスお よび細菌が提示されたのと同じようには提示されていない。同種移植片拒絶の場 合、免疫抑制養生法は、免疫系がエフェクター段階に到達することを防ぐように 設計される。しかし、異種移植片拒絶の免疫プロフィールは、同種移植片拒絶よ りも疾患再発に類似し得る。疾患再発の場合、免疫系は、ネイティブな島細胞の 破壊によって示されるように、すでに活性化されている。従って、疾患再発では 、免疫系はすでにエフェクター段階にある。活性化され、エフェクター細胞へ分 化したリンパ球は、TR10ポリペプチドを発現するので、本発明のアンタゴニスト は、同種移植片および異種移植片の両方に対する免疫応答を抑制し得、そのこと によって、アポトーシスを増強する化合物に感受性である。従って、本発明はさ らに、免疫寛容組織(immune privileged tissue)を作製するための方法を提供す る。 本発明のTR10アンタゴニストはさらに、炎症性疾患(例えば、炎症性腸疾患、 慢性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬、および敗血症)の処置に使用され得る 。 さらに、TR10のリンパ芽球発現に起因して、可溶性TR10アゴニストまたはアン タゴニストmABは、この形態のガンを処置するために使用され得る。 投与様式 本明細書に記載のアゴニストまたはアンタゴニストは、インビトロ、エキソビ ボ、またはインビボで、本発明のレセプターを発現する細胞に投与され得る。ア ゴニストまたはアンタゴニストの「有効量」の投与とは、TNFファミリーリガンド に対する細胞性応答を増強または阻害し、ポリペプチドを含むに十分な化合物の 量を意図される。特に、アゴニストまたはアンタゴニストの「有効量」の投与とは 、TR10媒介アポトーシスを増強または阻害するに効果的な量を意図される。もち ろん、アポトーシスを増強することが所望される場合、本発明に従うアゴニスト は、TNFファミリーリガンドと同時投与され得る。当業者は、アゴニストまたは アンタゴニストの有効量が、経験的に決定され得、そして純粋形態で、または薬 学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ形態で使用され得ることを 理解する。アゴニストまたはアンタゴニストは、1またはそれ以上の薬学的に受 容可能な賦型剤と組み合わせた組成物で投与され得る。 ヒト患者に投与される場合、本発明の化合物および組成物の総日用量は、主治 医によって、適切な医学的判断内で決定される。任意の特定の患者についての具 体的な治療有効用量レベルは、医学分野において周知の因子に依存する。 一般的な提案として、1用量あたりに非経口的に投与されるTR10ポリペプチド の薬学的に有効な総量は、患者の体重あたり約1g/kg/日〜10mg/kg/日の範囲で あるが、上記のように、これは治療上の裁量を受ける。より好ましくは、この用 朧は、少なくとも0.01mg/kg/日、そしてヒトについて最も好ましくは、ホルモン について約0.01と1mg/kg/日との間である。継続的に投与される場合、TR10ポリ ペプチドは、代表的には、約1g/kg/時間〜約50g/kg/時間の用量速度で、1日あ たり1〜4回の注射によって、または、例えば、ミニポンプを使用する継続的皮 下注入によってのいずれかで投与される。静脈内点滴用バッグ溶液もまた使用さ れ得る。 投薬は、患者に特異的な様式で用意され、RIA技術によって決定される所定の 濃度のアゴニストまたはアンタゴニストを血中に提供し得る。従って、患者投薬 は、RIAによって測定される、50〜1000ng/ml(好ましくは、150〜500ng/ml)のオ ーダーの、血液レベルの一定した継続を達成するように、調整され得る。 本発明のTR10ポリペプチドを含有する薬学的組成物は、経口、直腸内、非経口 、槽内(intracistemally)、腟内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、液滴、または経皮 パッチによるような)、口腔に(bucally)、または経口もしくは経鼻スプレーとし て投与され得る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性固体、半固体、ま たは液体充填剤、希釈剤、カプセル化材料、または任意の型の処方補助剤を意味 する。本明細書で使用されるように、用語「非経口」は、静脈内、筋肉内、腹腔内 、胸骨内(intrasternal)、皮下、および関節内注射および注入を包含する、投与 様式をいう。 非経口注射のための、本発明の薬学的組成物は、薬学的に受容可能な滅菌水性 もしくは非水性の溶液、分散物、懸濁物またはエマルジョン、ならびに使用直前 に滅菌注射溶液もしくは分散物に再構成するための滅菌粉末を含み得る。 可溶性TR10ポリペプチドに加え、膜貫通領域を含有するTR10ポリペプチドもま た、界面活性剤(CHAPSまたはNP-40)を緩衝液と共に含ませることにより適切に可 溶化される場合、使用され得る。 染色体アッセイ 本発明の核酸分子はまた、染色体同定に有用である。この配列は、個々のヒト 染色体上の特定の位置に特異的に標的化され、そしてその位置とハイブリダイズ し得る。本発明に従う染色体へのDNAのマッピングは、それらの配列を、疾患に 関連した遺伝子と相関づけることにおいて重要な最初の工程である。 この点における特定の好ましい実施態様において、本明細書中で開示されるcD NAは、TR10レセプター遺伝子のゲノムDNAをクローニングするために用いられる 。これは、一般的に市販されている、種々の周知の技術およびライブラリーを用 いて達成され得る。次いで、この目的のための周知の技術を用いて、インサイチ ュ染色体マッピングのためにゲノムDNAが用られる。 さらに、いくつかの場合において、配列は、cDNAからPCRプライマー(好ましく は、15〜25bp)を調製することにより、染色体にマッピングされ得る。遺伝子の 3'非翻訳領域のコンピューター分析を用いて、ゲノムDNAにおいて1より多いエ キソンにまたがらず、従って、増幅プロセスを複雑化しないプライマーを迅速に 選択する。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含有する体細胞 ハイブリッドのPCRスクリーニングのために用いられる。 中期染色体スプレッドに対するcDNAクローンの蛍光インサイチュハイブリダイ ゼーション(「FISH」)は、一工程で、正確な染色体位置を提供するために用いられ 得る。この技術は、50または60bp程度の短いcDNAと共に用いられ得る。この技術 の概説については、Vermaら、Human Chromosomes:a Manual of Basic Techniqu es,Pergamon Press,New York(1988)を参照。 一旦、配列が正確な染色体位置にマッピングされると、染色体上の配列の物理 的な位置は、遺伝子マップデータと相関づけられ得る。このようなデータは、例 えば、V.McKusick,Mendelian Inheritance in Man(Johns Hopkins University ,Welch Medical Libraryからオンラインで入手可能である)に見出される。次い で、同じ染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾患との間の関係が、連鎖分析 (物理的に隣接した遺伝子の共遺伝)によって同定される。 次に、罹患個体と非罹患個体との間でのcDNAまたはゲノム配列における差異を 決定することが必要である。変異がいくつかまたは全ての罹患個体において認め られるが、いずれの正常個体にも認められない場合、その変異は、疾患の原因因 子である可能性が高い。 本発明に一般的に記載されるように、以下の実施例を参照することにより、本 発明は、より容易に理解されるが、以下の実施例は、例示の目的で提供され、限 定として意図されない。 実施例1 E.coliにおけるTR10レセプターの発現および精製 細菌性発現ベクターpQE60を、本実施例において、細菌性発現のために使用す る(QIAGEN,Inc.,9259 Eton Avenue,Chatsworth,CA,91311)。pQE60はアンピ シリン抗生物質耐性(「Ampr」)をコードし、そして細菌の複製起点(「ori」)、IPTG 誘導性プロモーター、リボソーム結合部位(「RBS」)、QIAGEN Inc.(前出)から販売 されているニッケル-ニトリロ-三酢酸(「Ni-NTA」)アフィニティー樹脂を用いるア フィニティー精製を可能にする、ヒスチジン残基をコードする6つのコドン、お よび適切な単一の制限酵素切断部位を含む。これらのエレメントは、ポリペプチ ドをコードするDNAフラグメントが、そのカルボキシル末端に共有結合した6つ のHis残基(すなわち、「6×Hisタグ」)を有するポリペプチドを産生するように挿 入され得るように、配置される。しかし、この実施例において、ポリペプチドを コードする配列は、6つのHisコドンの翻訳が阻止され、従ってポリペプチドが 6×Hisタグを有しないで産生されるように挿入される。 疎水性リーダー配列を欠くTR10タンパク質の所望の部分をコードするDNA配列 は、TR10タンパク質の所望の部分のアミノ末端配列、および寄託された構築物中 のcDNAコード配列の3'側の配列にアニーリングするPCRオリゴヌクレオチドプラ イマーを用いて、寄託されたcDNAクローンから増幅される。pQE60ベクターにお けるクローニングを容易にする制限部位を含むさらなるヌクレオチドが、それぞ れ、5'および3'配列に付加される。 熟成タンパク質のクローニングのために、5'プライマーは、下線を付したNco I制限部位、続いて図1の成熟TR10配列のアミノ末端コード配列に相補的なヌク レオチドを含む、配列5'-CGCCCATGGCCACCATCCCCCGGCAG-3'(配列番号10)を有する 。もちろん、5'プライマーが始まるタンパク質コード配列の位置は、成熟形態 より短いかまたは長い完全なタンパク質の所望の部分を増幅するために変動され 得ることを、当業者は理解する。 3'プライマーは、下線を付したHindIII制限部位、続いて図1のTR10 DNA配列 中の非コード配列の3'末端に相補的なヌクレオチドを含む、配列5'-CGCAAGCTTT TAGTAGTGATAGGGAGAGGC-3'(配列番号11)を有する。 増幅されたTR10 DNAフラグメントおよびベクターpQE60は、NcoIおよびHindIII で消化され、次いで消化されたDNAは、一緒に連結される。制限化されたpQE60ベ クターへTR10タンパク質DNAを挿入することによって、IPTG誘導性プロモーター の下流で、開始AUGとインフレームに、TR10タンパク質コード領域(その付随する 停止コドンを含む)を配置する。付随する停止コドンは、挿入点の下流の6つの ヒスチジンコドンの翻訳を防ぐ。 連結混合物を、標準的な手順を使用してコンピテントなE.coli中に形質転換す る。このような手順は、Sambrookら、Molecular Cloning:a Laboratory Manual 、第2版;Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.( 1989)に記載される。複数コピーのプラスミドpREP4(これは、lacリプレッサーを 発現し、そしてカナマイシン耐性(「Kanr」)を付与する)を含有するE.coli株M15/r ep4を、本明細書中に記載の例示的な実施例の実施に使用する。この株(これは、 TR10タンパク質を発現するに適切である多くの株の内のただ一つである)は、Qia gen,Inc.(前出)から市販されている。 形質転換体を、アンピシリンおよびカナマイシンの存在下でLBプレート上で増 殖する能力により同定する。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し、そして クローニングされたDNAの同一性を、制限分析、PCRおよびDNA配列決定により確 認する。 所望の構築物を含むクローンを、アンピシリン(100g/ml)とカナマイシン(25g/ ml)の両方を補充したLB培地における液体培養物中で一晩(「O/N」)増殖させる。O/ N培養物を用いて約1:100〜1:250の希釈率で大きな培養物に接種する。細胞を、0 .4と0.6との間の、600nmでの光学密度(「OD600」)にまで増殖させる。次いで、イ ソプロピル-B-D-チオガラクトピラノシド(「IPTG」)を1mMの最終濃度まで添加し て、lacIリプレッサーを不活化することにより、lacリプレッサー感受性プロモ ーターからの転写を誘導する。細胞をさらに3時間から4時間の間引き続きイン キュベートする。次いで細胞を遠心分離により採集する。 次いで、細胞をpH8の6Mグアニジン-HCl中で、4℃にて3〜4時間撹拌する 。細胞残渣を遠心分離により除去し、そしてTR10を含む上清をニッケル−ニトリ ロ−三酢酸(「Ni-NTA」)アフィニティー樹脂カラム(QIAGEN,Inc.(前出)から入手 可能)にロードする。6×Hisタグを有するタンパク質は、高い親和性でNI-NTA樹 脂へ結合し、そして、単純な一工程手順で精製され得る(詳細については、The Q IAexpressionist,1995,QIAGEN,Inc.(前出)を参照)。簡潔には、上清を10容 量の6Mグアニジン-HCl(pH8)にロードする。このカラムを、最初に10容量の6 Mグアニジン-HCl(pH8)で洗浄し、次いで10容量の6Mグアニジン-HCl(pH6)で洗 浄し、 そして最後に、TR10を6Mグアニジン-HCl(pH5)で溶出する。 次いで、精製タンパク質を、200mM NaClを有するリン酸緩衝化生理食塩水(PBS )または50mM酢酸Na(pH6)緩衝液に対して透析することにより再生させる。あるい は、タンパク質をNi-NTAカラムに固相化させた間に、首尾良く再折り畳みさせ得 る。推奨する条件は以下のとおりである:プロテアーゼインヒビターを含む、50 0mM NaCl、20%グリセロール、20mMトリス/HCl(pH7.4)中の6M〜1M尿素への 線形勾配を使用する再生。再生は、1.5時間以上の期間にわたり実施すべきであ る。再生後、タンパク質を250mMイミダゾールの添加により溶出させ得る。イミ ダゾールを、200mM NaClを有するPBSまたは50mM酢酸ナトリウム(pH6)緩衝液に対 する最終透析工程により除去する。精製タンパク質は4℃で保存するかまたは− 80℃で凍結する。 実施例2 バキュロウイルス発現系におけるTR10のクローニングおよび発現 この例示的実施例において、プラスミドシャトルベクターpA2を用いて、その 天然に関与する分泌シグナル(リーダー)配列を含む、完全なタンパク質をコー ドするクローニングされたDNAを、成熟TR10タンパク質を発現するバキュロウイ ルスに、Summerら、AManual of Methods for Baculovirus Vectors and Insect Cell Culture Procedures、Texas Agricultural Experimental Station Bulleti n第1555号(1987)に記載のような標準的な方法を用いて挿入する。この発現ベク ターは、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘド リンプロモーターを含み、続いてBamHIおよびAsp718のような都合良い制限部位 を含む。サルウイルス40(「SV40」)のポリアデニル化部位を、効率的なポリア デニル化のために用いる。組換えウイルスの平易な選択のために、プラスミドは 、同じ方向で、弱いDrosophilaプロモーターの制御下で、E.coli由来のβガラク トシダーゼ遺伝子を含み、続いて、ポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナ ルを含む。挿入遺伝子は、野生型ウイルスDNAとの細胞媒介性相同組換えのため にウイルス配列の両側に隣接し、クローニングされたポリヌクレオチドを発現す る生存可能なウイルスを産生する。 当業者に容易に理解されるように、構築物が、必要ならば、シグナルペプチド およびインフレームAUGを含む、転写、翻訳、分泌などのための適切に配置され たシグナルを提供する限り、多くの他のバキュロウイルスベクターを、上記のベ クター(例えば、pAc373、pVL941、およびpAcIM1)の代わりに用い得る。このよ うなベクターは、例えば、Luckowら、Virology 170:31〜39(1989)に記載される 。 寄託されたクローン中に、成熟のTR10レセプタータンパク質をコードするcDNA 配列(AUG開始コドン、および図1(配列番号2)に示される天然に関与するリー ダー配列を欠失する)を、遺伝子の5'配列および3'配列に対応するPCRオリゴヌ クレオチドプライマーを用いて増幅する。 5'プライマーは、下線を付したBamHI制限酵素部位を含む、配列5'CGCGGATCCGC CATCATGGGACTTTGGGGACAA3'(配列番号12)、M.Kozak,J.Mol.Biol.196:947-95 0(1987)によって記載されるような真核生物細胞の翻訳の開始のために効率的な シグナル、続いて、成熟タンパク質の示されたN末端で始まる図1に示される成 熟TR10タンパク質の配列の塩基を有する。 TR10の3'プライマーは、下線を付したAsp718制限部位に続いて図1の3'非コー ド配列に相補的なヌクレオチドを含む、配列5'CGCGGTACCTTAGTAGTGATAGGGAGAGGC 3'(配列番号13)を有する。 増幅されたフラグメントを、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca)を用いて、1%アガロースゲルから単離する。次いで、このフラグ メントを、BamHIおよびAsp78で消化し、そして、再度1%アガロースゲル上で精 製する。このフラグメントを「F1」と称する。 プラスミドを、制限酵素BamHIで消化し、そして必要に応じて、当該分野で公 知の日常的な技術を用いて、仔ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化し得る 。次いで、このDNAを市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc.,LaJolla,Ca )を用いて1%アガロースゲルから単離する。このベクターDNAを、本明細書中 で「V1」と称する。 フラグメントF1および脱リン酸化プラスミドV1を、一緒に、T4DNAリガーゼで 連結する。E.coli HB101またはXL-1 Blue(Stratagene Cloning Systems,La Jo lla,CA)細胞のような他の適切なE.coli宿主を、連結混合物で形質転換し、そ して培養プレートに塗布する。PCR法(ここで、遺伝子を増幅するために使用さ れるプライマーの1つおよび第2のプライマーは、ベクター内に十分であるフラ グメント由来であり、その結果TR10遺伝子フラグメントを含むこれらの細菌コロ ニーのみがDNA増幅を示す)を用いて、ヒトTR10遺伝子を有するプラスミドを含 む細菌を同定する。クローニングされたフラグメントの配列を、DNA配列決定に よって確認する。このプラスミドを、本明細書中で、pBacTR10と称する。 5gのプラスミドpBacTR10を、FelgnerらProc.Natl.Acad.Sci.USA84:7413- 7417(1987)によって記載されるリポフェクション法を用いて、1.0gの市販の線状 化バキュロウイルスDNA(「BaculoGoldTM baculovirus DNA」,Pharmingen,San Diego,CA.)とともに同時トランスフェクトする。1gのBaculoGoldTMウイルスD NAおよび5gのプラスミドpBacTR10を、501の無血清グレース培地(Life Technol ogies Inc.,Rockville,MD)を含むマイクロタイタープレートの無菌ウェル中 で混合する。その後、10lのリポフェクチンおよび90lのグレース培地を添加し、 混合し、そして室温にて15分間インキュベートする。次いで、このトランスフェ クション混合物を、無血清グレース培地1mlを有する35mm組織培養プレート内に 播種されたSf9昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に滴下する。このプレートを、新たに 添加した溶液と混合するために前後に傾ける。次いでプレートを、27℃で5時間 インキュベートする。5時間後、トランスフェクション溶液をプレートから除去 し、そして10%ウシ胎児血清を補充した1mlのグレース昆虫培地を添加する。こ のプレートをインキュベーターへ戻し、そして、27℃で4日間培養を続ける。 4日後、上清を回収し、そして上記のように、SummersおよびSmithに記載され るようにプラークアッセイを行う。青く染色されたプラークを産生するgal発現 クローンの容易な同定および単離を可能にするために、「Blue Gal」(Llfe Tec hnologies Inc.,Rockville,MD)を有するアガロースゲルを用いる。(このタイ プの「プラークアッセイ」の詳細な説明はまた、Life Technologies Inc.、Rock ville,MD、で配布される昆虫細胞培養およびバキュロウイルス学のための使用者 ガイド(9〜10頁)においても見い出され得る)。適切なインキュベーション後 、青く染色されたプラークをマイクロピペッターの(例えば、エッペンドルフ) チップで拾う。次いで、組換えウイルスを含む寒天を、2001のグレース培地 を含む微小遠心管中に再懸濁する。そして、組換えバキュロウイルスを含む懸濁 液を用いて、35mmディッシュに播種されたSf9細胞に感染させる。4日後、これ らの培養ディッシュの上清を収集し、次いでそれらを4℃で保存する。この組換 えウイルスをV-TR10と称する。 TR10遺伝子の発現を確認するために、Sf9細胞を、10%熱非働化FBSを補充した グレース培地中で増殖させる。細胞を、約2の感染多重度(「MOI」)で組換え バキュロウイルスV-TR10を用いて感染させる。6時間後、その培地を除去し、そ してメチオニンおよびシステインを除いたSF900 II培地(Life Technologies In c.,Rockville,MDから入手可能)に置き換える。放射性標識タンパク質が所望 される場合、42時間後、5Ciの35S-メチオニンおよび5Ciの35S-システイン( Amershamから入手可能)を添加する。細胞をさらに16時間インキュベートし、次 いで細胞を遠心分離により収集する。上清中のタンパク質および細胞性のタンパ ク質をSDS-PAGE、続いて(放射性標識された場合)オートラジオグラフィーによ り分析する。精製タンパク質のアミノ末端のアミノ酸配列の微小配列決定を用い て、成熟タンパク質のアミノ末端配列を決定し得、従って分泌シグナルペプチド の切断点および長さを決定し得る。 実施例3:哺乳動物細胞におけるTR10レセプターのクローニングおよび発現 代表的な哺乳動物発現ベクターは、プロモーターエレメント(mRNAの転写の開 始を媒介する)、タンパク質コード配列、ならびに転写の終結および転写物のポ リアデニル化に必要なシグナルを含む。さらなるエレメントとしては、エンハン サー、Kozak配列、ならびにRNAスプライシングのためのドナー部位およびアクセ プター部位に隣接する介在配列が挙げられる。非常に効率的な転写を、SV40由来 の初期および後期プロモーター、レトロウイルス由来の長末端反復(LTR)(例 えば、RSV、HTLVI、HIVI)ならびにサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモ ーターを用いて達成し得る。しかし、細胞性シグナル(例えば、ヒトアクチンプ ロモーター)もまた使用され得る。本発明の実施における使用に適切な発現ベク ターとしては、例えば、pSVLおよびpMSG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、pRSV cat(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)、ならびにpBC12MI(ATCC 67109) のようなベクターが挙げられる。使用され得る哺乳動物宿主細胞としては、ヒト Hela293細胞、H9細胞およびJurkat細胞、マウスNIH3T3細胞およびC127細胞、Cos 1細胞、Cos7細胞およびCVI細胞、ウズラQC1-3細胞、マウスL細胞、ならびにチャ イニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が挙げられる。 あるいは、遺伝子は、染色体に組み込まれたその遺伝子を含む安定な細胞株に おいて発現され得る。選択マーカー(例えば、dhfr、gpt、ネオマイシン、また はハイグロマイシン)との同時トランスフェクションは、トランスフェクトされ た細胞の同定および単離を可能にする。 トランスフェクトされた遺伝子はまた、増幅されて大量のコードされたタンパ ク質を発現し得る。ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)マーカーは、目的の遺伝 子の数百または数千ものコピーを有する細胞株を開発するのに有用である。別の 有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら、Bi ochem J.227:277-279(1991);Bebblngtonら、Bio/Technology 10:169-175(1992 ))。これらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地において増殖させ 、そして最も高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は染色体に組み 込まれた増幅された遺伝子を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は 、タンパク質の産生にしばしば使用される。 発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモーター(LT R)(Cullenら、Molecular and Cellular Biology 5,438-447(1985年3月)) およびCMVエンハンサーのフラグメント(Boshartら、Cell 41:521-530(1985) )を含む。複数のクローニング部位(例えば、制限酵素切断部位BamI、XbaI、お よびAsp718を有する)は、目的の遺伝子のクローニングを容易にする。ベクター はさらに、ラットプレプロインシュリン遺伝子の3'イントロン、ポリアデニル化 シグナル、および終結シグナルを含む。 実施例3A COS細胞におけるTR10の細胞外可溶性ドメインのクローニングおよび発現 発現プラスミドpTRl0-HAを、TR10をコードするcDNAを発現ベクターpcDNAI/Amp またはpcDNAIII(これは、Invitrogen,Inc.から入手し得る)へクローニングす ることによって作製する。 発現ベクターpcDNAI/ampは以下を含む:(1)E.coliおよび他の原核生物細胞に おける増殖に有効なE.coli複製起点;(2)プラスミド含有原核生物細胞の選択の ためのアンピシリン耐性遺伝子;(3)真核生物細胞における増殖のためのSV40複 製起点;(4)CMVプロモーター、ポリリンカー、SV40イントロン、ならびにcDNAが 都合良くCMVプロモーターの発現制御下におかれ、そしてポリリンカーにおける 制限部位の手段によってSV40イントロンおよびポリアデニル化シグナルに作動可 能に連結され得るように配置された、ポリアデニル化シグナル。 全体TR10前駆体をコードするDNAフラグメントおよびその3'末端にインフレー ムで融合されたHAタグを、組換えタンパク質発現がCMVプロモーターによって指 向されるようなベクターのポリリンカー領域にクローン化される。HAタグは、Wi lsonら、Cell 37:767(1984)によって記載されたインフルエンザ赤血球凝集素タ ンパク質に由来するエピトープに対応する。標的タンパク質へのHAタグの融合は 、HAエピトープを認識する抗体を用いる、組換えタンパク質の容易な検出を可能 にする。 プラスミド構築戦略は、以下のようである: 寄託されたクローンのTR10cDNAを、E.coliにおけるTR10発現のための発現ベク ターの構築について先に記載されるのとほとんど同じように、都合の良い制限部 位を含むプライマーを用いて増幅する。 発現したTR10の検出、精製および特徴づけを容易にするために、1つのプライ マーは、上記に記載されるような赤血球凝集素タグ(「HAタグ」)を含む。 TR10のための適切なプライマーは、以下の本実施例に使用されたプライマーを 含む: 5'プライマー(5'CGCGGATCCGCCATCATGGGACTTTGGGGACAA3'(配列番号12))は、 下線を付したBamHI部位、ATG開始コドンおよび、その後に5コドンを含む。下線 を付したXbaI部位、停止コドン、赤血球凝集素タグ、および3’コード配列の最 後の19ヌクレオチド(3'末端)を含む、TR10の3'プライマーは、以下の配列を有す る:5'CGCTCTAGATCAAGCGTAGTCTGGGACGTCGTATGGGTAGTAAGTGATAGGGAGAGGC3'(配列 番号14)。 PCR増幅DNAフラグメントおよびベクターpcDNAI/Ampを、BamHIおよびXbaIで消 化し、次いで連結する。連結混合物を、E.coli株SURE(Stratagene Cloning Syst ems,11099 North Torrey PinesRoad,La Jolla,CA 92037より入手可能)へ形質 転換し、形質転換培養物を、次いでインキュベートしてアンピシリン耐性コロニ ーの増殖を可能にするアンピシリン培地プレートへプレーティングする。プラス ミドDNAを耐性コロニーから単離し、そしてTR10をコードするフラグメントの存 在について制限分析およびゲルサイズ化によって試験する。 組換えTR10の発現のために、COS細胞を、例えば、Sambrookら,Molecular Clo ning:a Laboratory Manual,Cold Spring Laboratory Press,Cold Spring Harb or,NY(1989)に記載のようにDEAE-DEXTRANを用いて、上記のように発現ベクター でトランスフェクトする。細胞を、ベクターによるTR10の発現のための条件下で インキュベートする。 TR10-HA融合タンパク質の発現を、例えば、Harlowら,Antibodies:A Laborato ry Manual,第2版;Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor ,New York(1988)に記載の方法を用いて放射標識化および免疫沈降法によって検 出する。この目的のため、トランスフェクションの2日後に、細胞を、35S-シス テインを含む培地中で8時間インキュベートすることによって標識する。細胞お よび培地を採取し、そして細胞を洗浄し、そしてWilsonら(上記に引用される) に記載されるように界面活性剤含有RIPA緩衝液:150mM NaCl、1% NP-40、0.1 % SDS、1% NP-40、0.5% DOC、50mM TRIS、pH7.5で溶解する。タンパク質を 、HA特異的モノクローナル抗体を用いて細胞溶解物および培養培地から沈降する 。次いで、沈降されたタンパク質を、SDS-PAGEゲルおよびオートラジオグラフィ ーによって分析する。期待されるサイズの発現産物は、細胞溶解物において観察 され、これはネガティブコントロールにおいては見られない。 実施例3B CHO発現系を用いるTR10のクローニングおよび発現 ベクターpC4を、TR10ポリペプチドの発現のために使用する。プラスミドpC4は 、プラスミドpSV2-dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体である。このプラスミド は、 SV40初期プロモーターの制御下で、マウスDHFR遺伝子を含む。これらのプラスミ ドでトランスフェクトされるジヒドロ葉酸活性を欠如するチャイニーズハムスタ ー卵巣細胞または他の細胞は、化学治療剤メトトレキサート(MTX)を補充した選 択培地(αマイナスMEM,Life Technologies,Rockville,MD)中で細胞を増殖 させることによって選択され得る。MTXに耐性である細胞におけるDHFR遺伝子の 増幅は、よく考証されている(例えば、F.W.Altら,J.Biol.Chem.253:1357-1 370(1978)、J.L.Hamlin,およびC.Ma,Biochem.et Biophys.Acta,1097:107-14 3(1990)、M.J.Page,およびM.A.Sydenham,Biotechnology 9:64-68(1991)を参 照のこと)。漸増濃度のMTXにおける細胞増殖は、DHFR遺伝子の増幅の結果とし て、標的酵素DHFRを過剰産生することによって薬物への耐性を生じる。第2の遺 伝子がDHFR遺伝子と連鎖する場合、通常、同時増幅され、そして過剰発現される 。増幅した遺伝子の1,000を超えるコピーを有する細胞株を開発するためにこの アプローチを使用し得ることは、当該分野において公知である。続いて、メトト レキサートが取り除かれると、宿主細胞の1つ以上の染色体に組み込まれた増幅 遺伝子を含む細胞株が得られる。 プラスミドpC4は、目的の遺伝子の発現のために、ラウス肉腫ウイルス(Culle nら、Molecular and Cellular Biology,5:438-447,(1985年3月))の長末端反 復(LTR)の強力なプロモーター、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)(Bo shartら、Cell 41:521-530(1985))の前初期遺伝子のエンハンサーから単離され たフラグメントを含む。プロモーターの下流には、遺伝子の組み込みを可能にす る以下の単一の制限酵素切断部位が存在する:BamHI、XbaI、およびAsp718。こ れらのクローニング部位の後ろに、プラスミドは、ラットプレプロインスリン遺 伝子の3'イントロンおよびポリアデニル化部位を含む。他の高効率プロモーター もまた、例えば、ヒトβアクチンプロモーター、SV40初期もしくは後期プロモー ター、または他のレトロウイルス(例えば、HIVおよび有TLVI)由来の長末端反 復の発現のために使用され得る。ClontechのTet-OffおよびTet-On遺伝子発現系 および同様の系は、哺乳動物細胞において調節された方法でTR10ポリペプチドを 発現するために使用され得る。mRNAのポリアデニル化のために、他のシグナル( 例えば、ヒト成長ホルモンまたはグロビン遺伝子由来)もまた、同様に使用さ れ得る。 染色体に組み込まれた目的の遺伝子を有する安定な細胞株もまた、選択マーカ ー(例えば、gpt、G418、またはハイグロマイシン)との同時トランスフェクシ ョンに際して選択され得る。最初は、1つより多い選択マーカー(例えば、G418 およびメトトレキサート)を使用することが、有利である。 プラスミドpC4を、制限酵素BamHIで消化し、次いでウシ腸ホスファターゼ(pho sphate)を用いて、当該分野で公知の手順によって脱リン酸化する。次いで、ベ クターを、1%アガロースゲルから単離する。 完全なTR10ポリペプチドをコードするDNA配列を、遺伝子の所望の部分の5'お よび3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅する。 TR10についての5'オリゴヌクレオチドプライマーは、下線を付したBamHI制限 部位、Kozak配列、およびAUG開始コドンを含む、以下の配列を有する: 5'CGCGGATCCGCCATCATGGGACTTTGGGGACAA3'(配列番号12)。TR10についての3’プ ライマーは、下線を付したAsp718制限部位を含む以下の配列を有する:5'CGCGGT ACC TTAGTAGTGATAGGGAGAGGC3'(配列番号13)。 増幅させたフラグメントを、BamHIで消化し、そして次いで1%アガロースゲ ルで再度精製する。単離したフラグメントおよび脱リン酸化ベクターを、次いで T4 DNAリガーゼで連結する。次いで、E.coli HB101またはXL-1 Blue細胞を形質 転換し、そして例えば制限酵素分析を用いてプラスミドpC4に挿入されたフラグ メントを含む細菌を同定する。 活性なDHFR遺伝子を欠失するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トランスフ ェクションのために使用する。5gの発現プラスミドpC4を、リポフェクチン法( Felgnerら、前出)を用いて、0.5gのプラスミドpSVneoとともに同時トランスフ ェクトする。プラスミドpSV2-neoは、優性選択マーカー(G418を含む一群の抗生 物質に対する耐性を与える酵素をコードするTn5由来のneo遺伝子)を含む。細胞 を、1mg/mlのG418を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をトリプ シン処理し、そして10、25、または50ng/mlのMTXおよび1mg/ml G418を補充した αマイナスMEM中のハイブリドーマクローニングプレート(Greiner,Germany) に播種する。約10〜14日後、単一のクローンをトリプシン処理し、次いで異 なる濃度のメトトレキサート(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を用いて、 6ウェルペトリ皿または10mlフラスコに播種する。次いで、最高濃度のメトトレ キサートで増殖するクローンを、さらに高濃度のメトトレキサート(1M、2M、 5M、10M、20M)を含む新たな6ウェルプレートに移す。同じ手順を、100〜200M の濃度で増殖するクローンが得られるまで繰り返す。所望の遺伝子産物の発現を 、例えば、ウェスタンブロット分析およびSDS-PAGEによって、または逆相HPLC分 析によって分析する。 実施例4 TR10 mRNA発現の組織分布 ノーザンブロット分析を、とりわけSambrookら(上記に引用される)によって B記載される方法を用いて行って、ヒト組織におけるTR10遺伝子の発現を調べた 。 TR10タンパク質の全ヌクレオチド配列(配列番号1)を含むcDNAプローブを、re diprimeTM DNA標識系(Amersham Life Science)を製造者の説明書に従って用いて32 Pで標識した。標識後、プローブを、CHROMA SPIN-100カラム(Clontech Labor atories,Inc.)を製造者のプロトコル番号PT1200-1に従って用いて精製した。 次いで、精製した標識プローブを用いて、種々のヒト組織をTR10 mRNAについて 調べた。 種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含むMultiple Tissue No rthern(MTN)ブロットを、Clontechから入手し、そしてExpressHybTMハイブリ ダイゼーション溶液(Clontech)を製造者のプロトコル番号PT1190-1に従って用 いて標識プローブを用いて調べた。ハイブリダイゼーションおよび洗浄後、ブロ ットをマウントし、そして−70℃にて一晩フィルムに曝し、そして標準的な手順 に従って、フィルムを現像した。TR10の発現を、末梢血白血球(PBL)、胎児肝臓 、肺、腎臓、小腸、大腸、ケラチノサイト、上皮細胞および単球活性化組織を含 む、リンパ球で濃縮された組織中で検出した。TR10はリンパ球ホメオスタシスに おいて役割を果たすことが認識され得る。 種々の細胞株方法におけるTR10のノーザンブロット分析 細胞 特に明記しない限り、細胞株を、アメリカンタイプカルチャーコレクション(R ockville,MD)から得た。研究した骨髄(Koefflerら、(1980));Koeffler(1983); HarrisおよびRalph(1985);ならびにTuckerら(1987)およびB細胞株(Jonakら(192 2))は、分化過程の異なる段階で細胞型を提示する。KG1aおよびPLB985細胞(Tu ckerら、(1987))を、H.P.Koeffler(UCLA School of Medicine)から得た。BJA -Bは、Z.Jonal(SmithKline Beecham)から得た。TF274(造骨細胞の特徴を示す 間質細胞)を、健常人男性ドナーの骨髄から産生させた(Z.JonakおよびK.B.Tan (未公表))。一次頚動脈内皮細胞を、Clonetics Corp.(SanDiego,CA)から購入 し、そして単球を、末梢血単核球細胞の差遠心分離および組織培養ディッシュへ の吸着によって調製した。CD19+、CD4+およびCD8+細胞(>90%純粋)を細胞型特 異的免疫磁性ビーズ(Drynal,Lake Success、NY)で単離した。 RNA分析 成人組織の総RNAを、Clonetech(Palo Alto,CA)から購入した。総RNAを、TriR eagent(Molecular Research Center,Inc.,Cincinnati,OH)によって細胞株( 指数関数的な増殖期で)および第一期細胞から抽出した。5から7.5gの総RNAを 、記載(Sambrook)されるように、わずかな改変とともに、Wide Mini-Sub Cell g el tray(Bio-Rad,Hercules,CA)中で、ホルムアルデヒドキャストを含む1%の アガロースゲルで分画した。ホルムアルデヒド濃度を、0.5Mまで減少させ、そし てRNAを、ローディング緩衝液に加えた100g/mlのエチジウムブロマイドで染色し て電気泳動した。連続的な緩衝液再循環(60ボルト/90分)での電気泳動後、ゲル を撮影し、そして90分間25mM NaOHでのバキュームブロッティングによって、RNA をZetaプローブナイロン膜(Biorad,Hercules,CA)へ定量的に移動した。3MNaC lを含む1MのTris-HCl、pH7.5による5〜10分間の中和後、ブロット物を、50%ホ ルムアミド、8%デキストラン硫酸、6×SSPE、0.1% SDS、および100g/mlの剪 断し、そして変性させたサケ精子DNAで、42℃にて少なくとも30分間、プレハイ ブリダイズさせた。ランダムプライミング(Straragene,La Jolla,CA)によって32 P-dCTPで標識したcDNA挿入物を、0.25MのNaOH(37℃で10分)で変性させ、 そしてプレハイブリダイゼーション溶液に添加した。42℃にて24〜65時間後、ブ ロット物を高度にストリンジェンシーな条件下で洗浄し(Sambrookら)、そしてX 線フィルムに曝露した。 結果 TR10の発現を、以下の細胞株:HL60(前骨髄球性白血病)、Hela細胞S3、K562 (慢性骨髄性白血病)、M0LT4(リンパ組織破壊白血病)Raji(バーキットリン パ腫)、SW480(結腸直腸腺ガン)、A549(肺癌)、およびG361(黒色腫)にお けるノーザンブロットにより評価し、そしてTR10の発現を、Hela細胞S3、SW480 (結腸直腸腺ガン)、およびA549(肺癌)細胞株においてのみ検出した。 実施例5 TR10誘導性アポトーシス TR10の全体配列(特に、その細胞外システインリッチドメイン)は、他のTRAI Lレセプターの配列に高度に相同であるので、TR10へ結合しかつアポトーシスを 誘導するTRAILに対する能力を評価した。 実験的設計 検出を容易にするために、ベクターによってコードされるシグナル配列および FLAG-エピトープタグへのインフレーム融合のように、TR10(アミノ酸56-386) をpCMV2FLAG(IBI Kodak)へクローニングした。TR10(アミノ酸56-210)の細胞 外ドメインをコードするcDNAを、上記に記載される方法と同様に、PCR法によっ て得、そしてヒトIgGのFc部分とインフレームに融合するように改変されたpCMV1 FLAGベクターへサブクローニングした。DR4-Fc、TNRF1-Fc、Fcおよび可溶性TRAI LならびにTNFα発現構築物は、Pan,G.ら、Science 276:111-113(1997)(これ は、その全体において本明細書中で参考として援用される)によって以前に記載 されている。 レセプターFc融合および可溶性リガンドを調製し、そしてインビボ結合を、Pa n,G.ら、Science 276:111-113(1997)、およびPan G.ら、Science 277:815-8 18(1997)(これらの両方とも、それらの全体において本明細書中で参考として 援用される)によって以前に記載されるように実施した。 細胞死ブロッキングアッセイを、レセプターFc融合を用いてPan G.ら、Scienc e 276:111-113(1997)、およびPan G.ら、Science 277:815-818(1997)(これら の両方とも、それらの全体において本明細書中で参考として援用される)によっ て以前に記載されるように実施した。 結果 TR10の細胞外ドメインを、293細胞中でヒトIgGのFc部分に融合させた分泌キメ ラとして発現させた。トランスフェクトした細胞からの馴化培地を、細菌的に発 現させた可溶性His-FLAGタグ化TRAILと混合した。生じる複合体を、プロテイン G-Sepharoseとともに沈澱させ,そして結合したTRAILを、抗FLAG抗体を使用し てウエスタンブロットにより検出した。DR4、DR5、およびTR5(TRID)、TR10も同 様にTRA住を結合した。TRAILへ結合するこの能力の確認は、TR10-Fcが、DR4-Fc と同様にTRAIL誘導性アポトーシスを効率良くブロックし得るという発見であっ た。 TR10プロセシングと調和して、短縮型非機能性死ドメインは、TR10過剰発現が Hela細胞において細胞死を生じず、予想され得るように、TRAIL誘導性アポトー シスをアンタゴニスト化する優性のネガティブレセプターとして作用し得るとい う知見であった。それゆえ、TR10の異所性発現(デコイレセプターTR5発現のよ うな)は、実質的に減弱するTRAIL誘導細胞死を可能にし、これはTR10がTRAILシ グナルをアンタゴニスト化することを示唆する。 本発明が、前述の説明および実施例に特に記載されることとは別に実施され得 ることは明らかである。 本発明の多数の改変および変化は、上記の教示の観点からみて可能であり、そ してそれゆえ、添付された請求の範囲内にある。 本明細書に引用される全ての刊行物(特許、特許出願、雑誌記事、研究室マニ ュアル、本、または他の書物を含む)の全体の開示は、本明細書において参考と して援用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/28 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 A61K 37/02 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ローゼン,クレイグ エイ. アメリカ合衆国 メリーランド 20882, レイトンズビル,ローリング ヒル ロー ド 22400

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号2のアミノ酸約-55〜約331を含むポリペプチドをコードする、 ヌクレオチド配列; (b)配列番号2のアミノ酸約-54〜約331を含むポリペプチドをコードする、 ヌクレオチド配列; (c)配列番号2のアミノ酸約1〜約331を含むポリペプチドをコードする、ヌ クレオチド配列; (d)ATCC受託番号209040に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミ ノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列; (e)ATCC受託番号209040に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミ ノ酸配列を有する成熟TR10ポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列; (f)TR10細胞外ドメインをコードする、ヌクレオチド配列; (g)TR10膜貫通ドメインをコードする、ヌクレオチド配列; (h)TR10細胞内ドメインをコードする、ヌクレオチド配列; (i)膜貫通ドメインのすべてまたは一部が欠失している、TR10レセプター細 胞外および細胞内ドメインをコードする、ヌクレオチド配列; (j)TR10死ドメインの部分をコードする、ヌクレオチド配列;ならびに (k)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、 (i)または(j)のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列 、からなる群から選択される配列に対して少なくとも95%同一であるヌクレオチ ド配列を有するポリヌクレオチドを含む、核酸分子。 2.前記ポリヌクレオチドが、配列番号1のヌクレオチド配列を有する、請求項 1に記載の核酸分子。 3.前記ポリヌクレオチドが、配列番号2のアミノ酸配列を有するTR10レセプタ ーをコードする、配列番号1のヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載の核 酸分子。 4.前記ポリヌクレオチドが、配列番号2のアミノ酸配列を有する成熟TR10レセ プターをコードする、配列番号1のヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載 の核酸分子。 5.前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号209040に含まれるcDNAクローンの完 全ヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 6.前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号209040に含まれるcDNAクローンによ ってコードされるアミノ酸配列を有するTR10レセプターをコードするヌクレオチ ド配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 7.前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号209040に含まれるcDNAクローンによ ってコードされるアミノ酸配列を有する成熟TR10レセプターをコードするヌクレ オチド配列を有する、請求項1に記載の核酸分子。 8.請求項1の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、( h)、(i)、(j)または(k)のヌクレオチド配列と同一のヌクレオチド配 列を有するポリヌクレオチドに対して、ストリンジェントなハイブリダイゼーシ ョン条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを有する、単離された核酸分 子であって、ここでハイブリダイズする該ポリヌクレオチドは、ストリンジェン トなハイブリダイゼーション条件下で、A残基のみまたはT残基のみからなるヌ クレオチド配列を有するポリヌクレオチドにはハイブリダイズしない、核酸分子 。 9.請求項1の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、( h)、(i)または(j)のアミノ酸配列を有するTR10レセプターのエピトープ 保有部分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む、単離された核 酸分子。 10.請求項9に記載の単離された核酸分子であって: 配列番号2のアミノ酸残基約2から約58を含むポリペプチド; 配列番号2のアミノ酸残基約75から約142を含むポリペプチド; 配列番号2のアミノ酸残基約195から約228を含むポリペプチド; からなる群から選択される、TR10レセプターのエピトープ保有部分をコードする 、核酸分子。 11.TR10レセプター細胞外ドメインをコードする、請求項1に記載の単離され た核酸分子。 12.TR10レセプター膜貫通ドメインをコードする、請求項1に記載の単離され た核酸分子。 13.TR10レセプター細胞内ドメインをコードする、請求項1に記載の単離され た核酸分子。 14.単離された核酸分子であって、以下: (a)クローンHSABD50R(配列番号7)のヌクレオチド配列; (b)クローンHGBDL20R(配列番号8)のヌクレオチド配列; (c)クローンHELDL61R(配列番号9)のヌクレオチド配列;および (d)上記(a)(b)または(c)のヌクレオチド配列のいずれかに相補的で あるヌクレオチド配列、 からなる群から選択される配列に少なくとも95%同一である配列を有するポリヌ クレオチドを含む、核酸分子。 15.請求項1の単離された核酸分子をベクターに挿入する工程を含む、組換え ベクターの作製方法。 16.請求項15の方法によって産生される組換えベクター。 17.請求項16の組換えベクターを宿主細胞に導入する工程を含む、組換え宿 主細胞の作製方法。 18.請求項17の方法によって産生される組換え宿主細胞。 19.TR10ポリペプチドを産生するための組換え方法であって、該ポリペプチド が発現され、そして該ポリペプチドを回収するような条件下で請求項18に記載 の組換え宿主細胞を培養する工程を包含する、組換え方法。 20.単離されたTR10ポリペプチドであって、以下: (a)配列番号2のアミノ酸約-55〜約331; (b)配列番号2のアミノ酸約-54〜約331; (c)配列番号2のアミノ酸約1〜約331; (d)ATCC受託番号209040に含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ 酸配列を有するTR10ポリペプチドのアミノ酸配列; (e)ATCC受託番号209040に含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ 酸配列を有する成熟TR10ポリペプチドのアミノ酸配列; (f)TR10レセプター細胞外ドメインのアミノ酸配列; (g)TR10レセプター膜貫通ドメインのアミノ酸配列; (h)TR10レセプター細胞内ドメインのアミノ酸配列; (i)膜貫通ドメインのすべてまたは一部が欠失している、TR10レセプター細 胞内および細胞外ドメインのアミノ酸配列; (j)TR10レセプター死ドメインのアミノ酸配列;ならびに (k)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)( i)または(j)のポリペプチドのいずれか1つのエピトープ保有部分のアミノ 酸配列、 からなる群から選択される配列に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有す る、ポリペプチド。 21.TR10レセプタータンパク質のエピトープ保有部分を含む、単離されたポリ ペプチドであって、該部分は、以下: 配列番号2のアミノ酸残基約2〜約58を含むポリペプチド; 配列番号2のアミノ酸残基約75〜約142を含むポリペプチド;および 配列番号2のアミノ酸残基約195〜約228を含むポリペプチド、 からなる群から選択される、ポリペプチド。 22.請求項20のTR10レセプターポリペプチドに特異的に結合する、単離され た抗体。 23.請求項20に請求されるポリペプチド、またはそのアゴニストの有効量を 、それを必要とする患者に投与する工程を含む、アポトーシスの阻害に関連する 疾患および障害を処置する方法。 24.請求項20に請求されるポリペプチドのアンタゴニストの有効量を、それ を必要とする患者に投与する工程を含む、増加したアポトーシスに関連する疾患 および障害を処置する方法。 25.請求項20に請求されるポリペプチドのアンタゴニストの有効量を、それ を必要とする患者に投与する工程を含む、炎症疾患および障害を処置する方法。 26.TR10レセプターポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む単離さ れた核酸分子であって、少なくとも1つの保存性アミノ酸置換を除いて、該ポリ ペプチドは以下: (a)配列番号2のアミノ酸約-55〜約331を含むポリペプチドをコードする、 ヌクレオチド配列; (b)配列番号2のアミノ酸約-54〜約331を含むポリペプチドをコードする、 ヌクレオチド配列; (c)配列番号2のアミノ酸約1〜約331を含むポリペプチドをコードする、ヌ クレオチド配列; (d)ATCC受託番号209040に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミ ノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列; (e)ATCC受託番号209040に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミ ノ酸配列を有する成熟TR10ポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列; (f)TR10細胞外ドメインをコードする、ヌクレオチド配列; (g)TR10膜貫通ドメインをコードする、ヌクレオチド配列; (h)TR10細胞内ドメインをコードする、ヌクレオチド配列; (i)膜貫通ドメインのすべてまたは一部が欠失している、TR10レセプター細 胞外および細胞内ドメインをコードする、ヌクレオチド配列; (j)TR10部分死ドメインをコードする、ヌクレオチド配列;および (k)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、 (i)または(j)のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列 、からなる群から選択される配列を有する、核酸分子。 27.単離されたTR10レセプターポリペプチドであって、少なくとも1つの保存 性アミノ酸置換を除いて、該ポリペプチドは以下: (a)配列番号2のアミノ酸約-55〜約331; (b)配列番号2のアミノ酸約-54〜約331; (c)配列番号2のアミノ酸約1〜約331; (d)ATCC受託番号209040に含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ 酸配列を有するTR10ポリペプチドのアミノ酸配列; (e)ATCC受託番号209040に含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ 酸配列を有する成熟TR10ポリペプチドのアミノ酸配列; (f)TR10レセプター細胞外ドメインのアミノ酸配列; (g)TR10レセプター膜貫通ドメインのアミノ酸配列; (h)TR10レセプター細胞内ドメインのアミノ酸配列; (i)膜貫通ドメインのすべてまたは一部が欠失している、TR10レセプター細 胞外および細胞内ドメインのアミノ酸配列; (j)TR10レセプター部分死ドメインのアミノ酸配列;ならびに (k)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、( i)または(j)のポリペプチドのいずれか1つのエピトープ保有部分のアミノ 酸配列、 からなる群から選択される配列を有する、ポリペプチド。
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