JP2002510978A - 副組織適合性抗原ha―1のタイピング法 - Google Patents

副組織適合性抗原ha―1のタイピング法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、サンプル中の副組織適合性抗原HA-1の対立遺伝子のタイピングのための方法を提供し、該方法はa)該サンプル中の該ゲノムポリ核酸を、少なくとも1対のプライマーと接触させて、該少なくとも一対のプライマーの5'−および/または3'−プライマーを、該対立遺伝子中の多形性ヌクレオチドを含むターゲット領域と特異的にハイブリッド化し、かつ増幅反応を実施し、b)該少なくとも1対のプライマー各々について、該工程a)において増幅生成物が形成されたか否かを検出し、c)該サンプル中に、どのHA-1の対立遺伝子が存在するかを、該工程b)の結果から推定する工程を含む。本発明は、またサンプル中の該副組織適合性抗原HA-1の対立遺伝子のゲノムタイピングのための方法を提供し、該方法はa)少なくとも一つの多形性ヌクレオチドを含む、該対立遺伝子のフラグメントを、該対立遺伝子内の保存されたターゲット領域と特異的にハイブリッド化している、少なくとも1対のプライマーを使用することにより増幅し、b)該工程a)の増幅された生成物を、該対立遺伝子内の1以上の多形性ヌクレオチドを含むターゲット領域と特異的にハイブリッド化している、少なくとも1つのプローブとハイブリッド化し、c)該サンプル中に、どのHA-1の対立遺伝子が存在するかを、該工程b)の結果から推定する工程を含む。更に、本発明は上記方法で使用するためのプライマーおよびプローブを提供する。該方法の実施を可能とする、診断用のキットをも提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 副組織適合性抗原HA-1のタイピング法 本発明は、副組織適合性抗原(minor histocompatiblilty)のタイピングの分野 に関連する。 本発明が関連する領域の一つであり、かつ本発明が出発点とした領域である骨 髄移植(BMT)は、例えば重度の再生不良性貧血、白血病および免疫不全疾患の治 療において、その用途が見出されている。 この技術の初期においては、多くの移植が宿主による該移植片の拒絶反応によ り失敗した。しかしながら、成功した移植はしばしば、該宿主の種々の組織に対 して、該移植片中に存在するリンパ細胞による免疫応答をもたらした(移植片対 宿主疾患(GvHD))。今では、このGvHD応答は、主として、移植障壁として存在す る主要組織適合性(H)抗原の存在に起因するものであることが知られている。従 って、骨髄移植におけるより改善された成功率を与える、(同胞または非関連個 体何れか由来の)HLA-適合性物質のみを移植することが、今日の日常的な慣習と なっている。しかしながら、この改善並びに予備移植化学療法または放射線療法 における改善および強力な免疫抑制薬物の入手可能性にも拘らず、治療した患者 の約20-70%が、依然としてGvHDに罹っている(この割合は、年齢および骨髄ドナ ー依存性である)。GvHDを回避するために、この反応の原因となる細胞(成熟T 細胞)を該移植片から除去することが示唆されている。しかしながら、これはし ばしば、移植の失敗または元の疾患の再発をもたらす。GvHDの原因となる該細胞 は、また白血病等に見られるような、元の異常な細胞に対してしばしば反応する 細胞でもある(移植片対白血病応答)。 BMTは、今日では主としてHLA適合移植片を使用して実施しているので、依然と して発生する該GvHDは、他の抗原群により引き起こされるはずである。(主要H 抗原とは違って)非-MHCコード組織適合性抗原である、一連の所謂副H抗原(mHa g)が、残りのGvHDの発生率に対して少なくとも部分的にその原因となっている可 能性が非常に高い。mHagは、もともとは腫瘍拒絶および皮膚拒絶反応 におけるマウスの共通遺伝子系において発見された。マウスにおいて、同系繁殖 系の使用は、該mHagが、ゲノム全体に渡り散在する殆ど50もの異なる対立遺伝子 型多形性遺伝子座によりコードされることを示した。同定することは厄介である が、ヒトにおいて、mHagが存在することが明らかにされているが、その全体とし ての数および複雑度は未確認である。副H抗原は、相互に全く異なっており、ま た主要H抗原とも全く異なっているものと考えられ、これらは恐らく種々の細胞 のハウスキーピング機能に関与する分子の、多様かつ確認しにくい一群のフラグ メントであると思われる。その抗原性は極めて偶発的に、MHC生成物と結合した 多形性タンパクの自然に処理されたフラグメントとして生ずる可能性がある。該 岨抗原の幾つかは、身体全体に渡る種々の組織上で広範に発現されると考えられ るが、他のものは限られた組織分布を示す。 よりよく知られた副組織適合性抗原の一つは、H-Y抗原である。このH-Yは、特 に女性のドナーが以前に妊娠した経験がある場合には、HLA-適合男性器官および 骨髄移植の、該女性レシピエントによる拒絶反応、および女性対男性移植におけ るGvHDの高い発生率に導く可能性のある、mH抗原である。該H-Y抗原は、また精 子形成において重要な役割を演じている可能性がある。このヒトH-Y抗原は、進 化的に保存された染色体タンパクであるSMCYを由来とする、11残基をもつペプチ ドである。GvHDに導く、もう一つのよく知られたmH抗原は、HA-2抗原である。こ のヒトHA-2抗原は多分クラスIミオシンから誘導された9残基をもつペプチドで ある。しかしながら、GvHDの一般的な場合の大部分の原因となる、このHA-1抗原 の性質は、依然として確認できないままである。重度の再生不良性貧血、白血病 および免疫不全疾患の治療として実施されるヒト骨髄移植は、70例において利用 された。現在は、同種異系骨髄移植(BMT)の長期に渡る結果は、骨髄ドナーとし てHLA-適合性同胞の利用、進歩した移植前の化学放射線療法、強力な免疫抑制薬 剤、例えば移植片対宿主疾患(GVHD)予防、より良好な抗体および単離手順により 大幅に改善されつつある。それにも拘らず、臨床的なBMTの結果は、MHC同一性ド ナー/レシピエントの選択が、ドナーとレシピエントとが密接に関係していても 、GVHDの回避または疾患を伴わない生存の保証がないこ とを明らかにした。特に成人における同種異系BMTは、該移植片のT細胞の欠乏 量に依存して、GVHDの場合の80%までに見られる。該HLAの遺伝子型について同等 な状況において、これは15-35%に達し、一方で表現型についてHLA適合性のレシ ピエント/ドナーの組み合わせにおいては、GVHDの発症率は著しく高く、50-80% である。ドナーとレシピエントとの間の副組織適合性抗原(mHag)に関する不適合 性は、GVHDまたは移植片不良に関連する潜在的な危険性を構成し、これらは生活 上、器官および骨髄移植レシピエントの長期に渡る薬理的な免疫抑制を必要とす る。mHagが、「有利な」GVHDの副作用、即ち該移植片対白血病活性に関与してい るものと考えられている。幾つかの報告は、HLAと遺伝子型について同一のBMT後 に、GVHDに罹った患者における、抗−宿主mHag特異的CTLの存在を明らかにした 。我々の研究室においては、(少)数の抗−宿主mHag特異的CTLSの更なる特徴付 けに多大な努力が払われた。これまでに、宿主mHagに対して特異的なCTLクロー ンは、重度のGvHDに罹った患者の末梢血管(PBL)から単離された。mHagHA-1特異 的CD8+CTLクローンは、HLAと同一であるがmHagとは非類似のBMT後に、GvHDに罹 った3名の患者由来の、インビボで感作されたPBLの再刺激の後、初めて得られ た。この後BMT CTL系を限界希釈によりクローニングし、多数のmHag−特異的CTL クローンを単離した。後の免疫原的な分析は、このCTLクローンは、(上記のよ うに)5種の性に無関係のmHag、即ちHA-1、-2、-3、-4および-5と命名されたmH agを同定し、これらは古典的なMHC制限様式で識別されることを明らかにした。m HagHA-3は、HLA-A1の存在下で認識され、またmHagHA-1、-2、-4および-5の認識 は、HLA-A2の存在を必要とした。分離の研究は、mHaGHA-1〜HA-5各々が、メンデ ル遺伝方式で分離された単一の遺伝子の生成物であり、かつHA-1およびHA-2が、 該HLA領域でコードされないことを明らかにした。該mHagは表現型の頻度におい て相互に異なっており、mHagHA-1は比較的高頻度(即ち、69%)で出現し、一方でm HagHA-2は、HLA-A2正の健康な集団において、極めて高い頻度(即ち、95%)で出現 した。本発明の、BMT後の5名の患者における、mHagHA-1、-2、-3、-4および-5 特異的抗−宿主CTL応答は、3名の患者における、該mHagHA-1特異的クローンの 存在を明らかに した。この観測は、mhagHA-1の免疫優性挙動を暗示している。種々の組織上で発 現された該mHagに関連して、我々は該解析されたmHagの偏在−制限組織分布を観 測した。該mhagHA-1の発現は、造血細胞系統の細胞、例えば胸腺細胞、末梢血リ ンパ細胞、B細胞、単球に制限されている。また、骨髄由来のプロフェッショナ ル(professional)抗原呈示細胞、樹状細胞および表皮ランゲルハンス細胞も、こ のmHagHA-1を発現する。このmHagHA-1は、またクロノジェン白血病先駆体細胞並 びに新たに単離された骨髄系細胞およびリンパ様白血病細胞上で発現され、これ はmHag特異的CTLが、白血病細胞の、HLAクラスIの制限された抗原特異的溶解を 可能とすることを示している。ヒトmH抗原系の重要性を立証するために、我々は 、該mHagが、ヒトとヒト以外の霊長類との間の進化において保存されているか否 かを検証した。これまでに、ヒト以外の霊長類由来の細胞を、ヒトHLAA2.1遺伝 子でトランスフェクションした。我々のヒト同種HLA-A2.1および4種のmHagA2.1 制限CLTクローンに関するその後の解析は、類人猿およびサルのターゲット細胞 によりトランスフェクションした、ヒトHLA-A2.1分子との関連で、類人猿および サルの同種およびmHagHY、HA-1およびHA-2ペプチドの発現を明らかにした。この ことは、該HA-1ペプチドが、少なくとも3千5百万年間に渡って保存されている ことを示す。この予測的研究は、急性(等級≧2)GVHDの発生率に対する、HLAと遺 伝子型について同一のBMTにおけるmHagの効果および臨床的な関連性を実証する ために実施した。十分に定義された5種のmHagHA-1〜HA-5に対して特異的な該CT Lクローンを使用した、該mHagのタイピングの結果は、mHagHA-1、-2、-4および- 5不整合とGVHDとの間の有意な相関関係を立証した。GVHDの発症に関する有意な 相関性(P=0.024)が、mHagHA-1についてのみ解析した場合に観測された。該mHagH A-1の推定的なペプチド特性の解析のために、我々は、該細胞表面におけるmhag ペプチド発現に対する、該MHCをコードするTAP1およびTAP2遺伝子生成物の要件 を分析した。抗原発現に関連する、トランスポーター遺伝子TAP1およびTAP2が、 小胞体を有するサイトゾルからのペプチドの放出のために必要とされる。トラン スポートおよびプロテアソームサブユニット遺伝子両者を欠く、ヒト細胞系“T2 ”の利用性は、我々がヒトmHagの 処理および表示に関する研究を行うことを可能とした。我々は、該(ラット)ト ランスポート遺伝子生成物TAP1およびTAP2uが、該細胞内mHタンパクHA-1由来の 抗原性ペプチドの処理および表示にとって必要であることを明らかにした。ヒト におけるTCRレパートリーの後BMTに関する情報は、極めて少ない。我々は、mHag HA-1特異的CD8+CLTクローンの、T細胞レセプタ(TCR)のY領域の組成を、該αお よびβ鎖のDNA配列決定により分析した。我々は、3種の関連性をもたない個体 由来の12個のクローンのTCR利用性を分析することにより、該TcRβ鎖全てが、TC RβV6S9遺伝子セグメントを使用しており、かつ該N-D-N領域内で顕著な類似性を 示すことを観測した。 しかしながら、本発明以前には、誰も該mHagHA-1抗原に関連する抗原性ペプチ ドのアミノ酸配列を同定することに成功しておらず、またこの抗原が由来とする 該タンパクの同定に成功した者はいなかった。 従って、本発明の目的の一つは、該HA-1抗原のアミノ酸配列を明らかにするこ とにある。 また、該HA-1抗原の核酸配列、より具体的にはそのcDNAおよびHA-1抗原をコー ドするゲノム配列を導くことも、本発明の目的の一つである。 本発明の目的は、またHA-1抗原のタイピングを可能とするプライマーおよびプ ローブを提供することにある。 HA-1抗原をタイピングすることを可能とする、キットを提供することも、本発 明の目的の一つである。 本発明者等は、mHagHA-1の関連部分であるペプチドを、初めて同定した。本発 明者等は、またそのcDNA配列並びに2つのHA-1の対立遺伝子のゲノム配列を同定 した。 本発明者等は、初めて、配列VLXDDLLEAを含む該副組織適合性抗原HA-1から得 ることのできる、T-細胞エピトープを含有する(ポリ)ペプチド、または同様な 機能または免疫学的特性をもつその誘導体を記載する。ここで、Xはヒスチジン (H)またはアルギニン(R)残基である。 本発明において意図している診断的用途は、HA-1のタイピング、遺伝的異常 性の検出等であるが、これらに制限されない。 ここに記載するペプチドを基にして、該タンパクをコードする遺伝子のスクリ ーニングにおいて使用可能な、遺伝子プローブまたはプライマーを製造した。こ こに記載するペプチドを基にして、抗−イディオタイプB細胞および/またはT 細胞並びに抗体を製造することができる。適当なドナーまたはレシピエントの検 出を可能とする、種々の技術を使用することができ、これは、以下に更に説明さ れるであろうHA-1関連核酸配列の増幅またはHA-1関連ペプチド配列の免疫学的な 検出に基づくものである。 一態様によれば、本発明はサンプル中の該副組織適合性抗原HA-1の対立遺伝子 のタイピングのための方法に係わり、該方法は、該cDNAまたは該対立遺伝子、よ り具体的には第5図に示すような、HA-1の該HおよびR対立遺伝子のゲノム核酸 中の多形性ヌクレオチドの検出工程を含む。 好ましい一態様においては、該タイピング法は、ゲノムDNAのタイピング法で ある。また、該方法はcDNAのタイピング法でもあり得る。 本発明のもう一つの態様は、サンプル中の該副組織適合性抗原HA-1の対立遺伝 子のゲノムタイピング法に係わり、該方法は a)サンプル中の該ゲノムポリ核酸を、少なくとも1対のプライマーと接触させ て、該少なくとも一対のプライマーの5'−および/または3'−プライマーを、該 対立遺伝子中の多形性ヌクレオチドを含むターゲット領域と特異的にハイブリッ ド化し、かつ増幅反応を実施し、 b)該少なくとも1対のプライマー各々について、該工程a)において増幅生成物 が形成されたか否かを検出し、 c)該サンプル中に、どのHA-1の対立遺伝子が存在するかを、該工程b)の結果か ら推定する工程を含む。 好ましい態様によれば、本発明は上記方法に関連し、該方法は更に該副組織適 合性抗原HA-1の該対立遺伝子が、第5図に示すような該H対立遺伝子および該R 対立遺伝子であることを特徴とする。 本発明は、予想外のことに、該RT-PCR法で使用した該プライマーは、ゲノム DNAを鋳型として使用した場合には、特異的ポリマー核酸フラグメントの増幅を 生じないことを教示する。この問題を解決するために、本発明は、また該HA-1の 遺伝子座のゲノム構造をも記載する。実施例3で説明するように、このゲノム構 造の解析は、該HA-1ペプチドが2つのエキソン(第5図)によりコードされるこ とを示している。スプライスドナーサイトが、該HA-1コード配列中の該多形性コ ドンの4ヌクレオチド後方に配置されている。従って、該HA-1抗原のゲノムタイ ピング法の実施は、該HA-1コード配列に介在しているイントロンに関する配列情 報を必要とする。この配列情報は、本発明により与えられ、かつ以下に配列番号 1として示されている。 この配列は、該介在するイントロン(第5図においてイントロンaとして示さ れている)の一部を示し、この配列の第一のヌクレオチドは、イントロンaの最 初のヌクレオチドである。従って、本発明はまた、配列番号1により特定される 単離ポリ核酸、あるいは配列番号1に対して少なくとも80%、または少なくとも9 0%、あるいは少なくとも95%もしくは少なくとも99%の配列相同性を示す単離ポリ 核酸、またはプライマーまたはプローブとして使用できる、該ポリ核酸の任意の フラグメントにも関連する。 イントロンaのもう一つの部分、より具体的にはエキソンb(第5図)の前方 に位置する部分に対応する配列情報は、EMBLデータベースに、承認番号AC00415 1の下で記載されている。しかしながら、この配列は、上記方法用のプライマー の設計のためには不適当である。というのは、この増幅されたフラグメントの長 さは、該増幅反応の効率を低下するであろうからである。 本発明はまた、配列番号17(HA-1 R対立遺伝子)により特定される単離ポリ核酸 、あるいは配列番号17に対して少なくとも80%、または少なくとも90%、あるいは 少なくとも95%もしくは少なくとも99%の配列相同性を示す単離ポリ核酸、または プライマーまたはプローブとして使用できる、該ポリ核酸の任意のフラグメント にも関連する。 本発明はまた、配列番号18(HA-1 R対立遺伝子)により特定される単離ポリ核酸 、あるいは配列番号18に対して少なくとも80%、または少なくとも90%、あるいは 少なくとも95%もしくは少なくとも99%の配列相同性を示す単離ポリ核酸、または プライマーまたはプローブとして使用できる、該ポリ核酸の任意のフラグメント にも関連する。 本発明はまた、配列番号17または18の境界上にあるKIAA0223(GENBANK承認番号 D86976)の配列、特に該KIAA0223配列中の配列番号17または18の5'側にある配列 の任意の部分にも関する。このような配列は、本発明の請求の範囲に記載したよ うな、HA-1のタイピングのためのプライマーの設計のために有用である。 上記工程bに記載した該増幅生成物の検出のために、当分野で公知の種々の方 法を利用できる。その一つの方法は、該増幅反応後に得られる混合物を、ゲル電 気泳動操作にかけ、核酸の染色後に、該増幅生成物を肉眼で検出することからな る。あるいはまた、該増幅生成物を、例えば標識したプライマーを使用すること により標識でき、またハイブリダイゼーション等により固体担体上に捕獲するこ とができ、また該固体担体上で検出することができる。しかしながら、その他の 検出方法も、本発明の範囲内にあることは明らかである。 より好ましい態様の一つによれば、本発明は上記のような方法に係わり、該方 法は更に 該少なくとも1対のプライマーが、該HA-1対立遺伝子内の位置4または位置 4および8にヌクレオチドを含む、ターゲット領域と特異的にハイブリッド化す る5'−プライマーを含み、あるいは 該少なくとも1対のプライマーが、該HA-1対立遺伝子内の位置8または位置4 および8にヌクレオチドを含む、ターゲット領域と特異的にハイブリッド化する 3'−プライマーを含むことにより特徴付けられ、その位置は第5図に示されてい る。 より好ましい態様によれば、本発明は上記のような方法に係わり、該方法は更 に 該5'−プライマーが、イントロンa内のターゲット領域と特異的にハイブリッ ド化している、3'−プライマーと結合しているか、および/または 該3'−プライマーが、エキソンa内のターゲット領域と特異的にハイブリッド 化している、5'−プライマーと結合していることにより特徴付けられ、イントロ ンaおよびエキソンaは第5図に示されている。 この態様によれば、イントロンaにおける該ターゲット領域は、上で説明した ように、配列番号1により特定される配列内に、理想的に配置されている。また 、エキソンa内のターゲット領域と特異的にハイブリッド化している、5'−プラ イマーと結合している、該3'−プライマーの該ターゲット領域は、必然的に配列 番号1により特定される配列と重なり合うであろう。 更に好ましい実施態様によれば、本発明は、プライマーが表1から選ばれるこ とを更に特徴とする、上記方法に関する。 組1は共通の5'−プライマー(フォワード)及び2種の異なる3'-プライマー (リバース)(一つはH対立遺伝子に関するプライマーであり、また一つはR対 立遺伝子に関するプライマーである)からなる。共通の5'-プライマーの標的領域 はエクソンa中に配置される。3'-プライマーの標的領域はHA-1コーディング配 列(図5)中の位置4及び8の多形ヌクレオチドを含み、配列番号1により同定 された配列と一部オーバーラップする。組2は共通の3'-プライマー及び2種の 異なる5'-プライマーからなる。共通プライマーの標的領域は配列番号1により 同定された配列中に配置され、一方、5'-プライマーの標的領域はエクソンa中 に配置され、位置4及び8に多形ヌクレオチドを含む。実施例6はこれらのプラ イマー組を使用するゲノムタイピング実験を示す。 別の好ましい実施態様によれば、本発明は上記方法のいずれかによる副組織適 合抗原HA-1の対立遺伝子のゲノムタイピング用の診断キットに関するものであり 、前記キットは a)上記方法のいずれかに記載の少なくとも一種のプライマー、 b)必要により、増幅反応を可能にする酵素及び/または試薬、 c)必要により、増幅産物の検出を可能にする手段 を含む。 別の好ましい実施態様によれば、本発明はサンプル中の副組織適合抗原HA-1の 対立遺伝子のゲノムタイピング方法に関するものであり、前記方法は a)前記対立遺伝子のフラグメント(前記フラグメントは少なくとも一種の多形 ヌクレオチドを含む)を前記対立遺伝子中の保存標的領域に特異的にハイブリッ ド形成するプライマーの少なくとも一つの対の使用により増幅し、 b)工程a)の増幅産物を前記対立遺伝子中に一種以上の多形ヌクレオチドを含む 標的領域に特異的にハイブリッド形成する少なくとも一種のプローブにハイブリ ッド形成し、 c)工程b)の結果からどのHA-1対立遺伝子が前記サンプル中に存在するのかを推 定することを特徴とする。 更に好ましい実施態様によれば、本発明は、副組織適合抗原HA-1の前記対立遺 伝子がH対立遺伝子及びR対立遺伝子であることを更に特徴とする、上記方法に 関する。 更に好ましい実施態様によれば、本発明は、プライマーの少なくとも一つの対 がエクソンa中の保存標的領域に特異的にハイブリッド形成する5'-プライマー 及び/またはイントロンa中の保存標的領域に特異的にハイブリッド形成する3' -プライマーを含み、エクソンa及びイントロンaが図5に示されることを更に 特徴とする、上記方法に関する。 理想的には、前記3'-プライマーの標的領域は配列番号1として同定された配 列中に配置される。明らかに、前記3'-プライマーの標的領域はまたこの配列の 下流、即ち、イントロンa、イントロンb、エクソンb中、または更にはエクソ ンbの下流に配置されてもよいが、増幅反応の効率は増幅フラグメントが長くな るにつれておそらく低くなる。更に好ましい実施態様によれば、本発明は、前記 少なくとも一種のプローブがHA-1対立遺伝子中の位置4及び/または8のヌクレ オチドを含む標的領域に特異的にハイブリッド形成し、前記位置が図5に 示されることを更に特徴とする、上記方法に関する。 更に好ましい実施態様によれば、本発明は、前記プライマー及び/または前記 プローブが表2から選ばれることを更に特徴とする、上記方法に関する。 プライマー3P1及び3P2は配列番号1中の標的配列に特異的にハイブリッド形成 する。プライマー3P3の標的領域はエクソンbの下流に配置される。表2のプロ ーブは全てエクソンa−イントロンa境界とオーバーラップする標的領域に特異 的にハイブリッド形成する。配列番号11〜16を有するプローブがLiPAアッセイ( 以下を参照のこと)で同じ条件で組み合わせて機能するように最適化された。当 業者は、配列番号2〜16を有するプローブ及びプライマーがそれらの端における 一種以上のヌクレオチドの付加または欠失により適合されてもよいこと を認めるであろう。増幅もしくはハイブリダイゼーションの条件が変化される場 合、または増幅物質がNASBA系の場合のようにDNAに代えてRNAである場合 、このような適合が必要とされるかもしれない。異なる技術が本発明の配列特異 的ハイブリダイゼーション方法を行うのに適用し得る。これらの技術は増幅HA-1 ポリ核酸を固体担体に固定し、標識オリゴヌクレオチドプローブでハイブリダイ ゼーションを行うことを含んでもよい。また、ゲノムポリ核酸は先に増幅しない で固体担体に固定され、ハイブリダイゼーションにかけられてもよい。また、プ ローブが固体担体に固定されてもよく、ハイブリダイゼーションが好ましくは増 幅後に標識HA-1ポリ核酸を用いて行われてもよい。この技術が逆ハイブリダイゼ ーションと称される。都合の良い逆ハイブリダイゼーション技術はライン・プロ ーブアッセイ(LiPA)である。このアッセイは固体担体ストリップに平行な線とし て固定されるオリゴヌクレオチドプローブを使用する(Stuyverら,1993)。HA-1 対立遺伝子のゲノムタイピングに関するあらゆるその他の技術がまた本発明によ り含まれることが理解されるべきである。 また、本発明は配列番号2〜10を有するあらゆるプライマー及び配列番号11〜 16を有するあらゆるプローブに関することが明らかであり、前記プライマー及び 前記プローブは副組織適合抗原HA-1の対立遺伝子のゲノムタイピング方法に使用 される。 別の好ましい実施態様によれば、本発明は上記配列特異的ハイブリダイゼーシ ョン方法のいずれかによる副組織適合抗原HA-1の対立遺伝子のゲノムタイピング 用の診断キットに関するものであり、前記キットは a)上記方法のいずれかに記載の少なくとも一種のプライマー、 b)必要により、増幅反応を可能にする酵素及び/または試薬、及び/またはハ イブリダイゼーション反応を可能にする試薬 を含む。 別の好ましい実施態様によれば、本発明は上記配列特異的ハイブリダイゼーシ ョン方法のいずれかによる副組織適合抗原HA-1の対立遺伝子のゲノムタイピング 用の診断キットに関するものであり、前記キットは a)上記方法のいずれかに記載の少なくとも一種のプライマー、 b)上記方法のいずれかに記載の少なくとも一種のプローブ、 c)必要により、増幅反応を可能にする酵素及び/または試薬、及び/またはハ イブリダイゼーション反応を可能にする試薬 を含む。 別の実施態様によれば、本発明はまた前記対立遺伝子を配列決定することによ る副組織適合抗原HA-1の対立遺伝子のタイピング方法に関する。 別の実施態様によれば、本発明はまた前記配列決定方法を行うためのキットに 関する。 別の実施態様によれば、本発明はまた図5に示されたHA-1対立遺伝子を特異的 に検出する抗体を使用することを特徴とするHA-1対立遺伝子のタイピング方法に 関する。前記抗体はモノクローナル抗体であることが好ましく、当業界で知られ ているあらゆる方法により産生し得る。 別の実施態様によれば、本発明はまた図5に示されたHA-1対立遺伝子を特異的 に検出する抗体を使用することを特徴とするHA-1対立遺伝子のタイピング用の診 断キットに関する。定義 以下の定義及び説明は本発明の良き理解を可能にするであろう。 分析されるサンプル中の標的物質はゲノムDNAまたはその増幅された変種で あろう。これらの分子はまた本件出願において“ポリ核酸”と称される。公知の 抽出操作及び精製操作がサンプルからのRNAまたはDNAの単離に利用し得る (例えば、Sambrookら,1989)。 “多形ヌクレオチド”はその他のHA-1対立遺伝子中の相当する位置で見られる ヌクレオチドの少なくとも一種とは異なる所定のHA-1対立遺伝子の配列のヌクレ オチドを表す。 HA-1対立遺伝子の“タイピング”という用語は対立遺伝子の同定、即ち、対 立遺伝子の検出及びその他のHA-1対立遺伝子からのその対立遺伝子の識別を表す 。本発明の“プローブ”という用語はHA-1ポリ核酸に特異的にハイブリッド形成 するように設計される一本鎖オリゴヌクレオチドを表す。本発明のプローブは長 さが約5〜50ヌクレオチドであることが好ましく、約10〜30ヌクレオチドである ことが更に好ましい。プローブの特に好ましい長さは10、11、12、13、14、15、 16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30のヌクレオ チドを含む。本発明に使用されるヌクレオチドはリボヌクレオチド、デオキシリ ボヌクレオチド及びイノシンの如き修飾ヌクレオチドまたはそれらのハイブリダ イゼーション特性を実質的に変化しない修飾基を含むヌクレオチドであってもよ い。 “プライマー”という用語はコピーされる核酸ストランドに相補性であるプラ イマー延長産物の合成のための開始点として作用することができる一本鎖オリゴ ヌクレオチド配列を表す。プライマーの長さ及び配列は、それらが延長産物の合 成を開始するようなものである必要がある。プライマーは長さが約5-50ヌクレオ チドであることが好ましい。特定の長さ及び配列は必要とされるDNA標的また はRNA標的の複雑度に依存するだけでなく、プライマーが使用される条件、例 えば、温度及びイオン濃度に依存するであろう。本発明のプライマーは、実験条 件が適合されることを条件として、プローブとして使用されてもよく、またその 逆であってもよいことが理解されるべきである。 本発明における“好適なプライマー対”という表現はHA-1ポリ核酸フラグメン トの特異的増幅を可能にするプライマーの対を表す。 本発明のプローブまたはプライマーの“標的領域”という用語は、そのプロー ブまたはプライマーが完全相補性または部分相補性(即ち、或る程度のミスマッ チを含む)であるHA-1ポリ核酸中の配列である。前記標的配列の補体がまた幾つ かの場合に好適な標的配列であることが理解されるべきである。 HA-1ポリ核酸の標的領域へのプローブの“特異的ハイブリダイゼーション”は 、前記プローブが使用される実験条件下でこの領域の一部または全領域と二重ら せんを形成すること、及びこれらの条件下で前記プローブが分析されるサンプ ル中に存在するポリ核酸のその他の領域と二重らせんを形成しないことを意味す る。HA-1ポリ核酸の標的領域へのプライマーの“特異的ハイブリダイゼーション ”は、増幅工程中に、前記プライマーが使用される実験条件下でこの領域の一部 または全領域と二重らせんを形成すること、及びこれらの条件下で前記プライマ ーが分析されるサンプル中に存在するポリ核酸のその他の領域と二重らせんを形 成しないことを意味する。ここに使用される“二重らせん”は特異的増幅をもた らす二重らせんを意味することが理解されるべきである。 HA-1ポリ核酸のフラグメントの“特異的増幅”は、プライマーが設計されたフ ラグメントの増幅を意味し、サンプル中に存在するポリ核酸のその他のフラグメ ントの増幅を意味するものではない。 増幅プライマーが適切な増幅を補償するために鋳型中の相当する標的配列と正 確にはマッチする必要がないという事実が文献(Kwokら,1990)に詳細に記載され ている。しかしながら、プライマーがそれらの標的配列に全く相補性ではない場 合、増幅されたフラグメントが標的配列ではなくプライマーの配列を有すること が考慮されるべきである。プライマーは特別の標識(例えば、ビオチン)で標識 されてもよい。使用される増幅方法はポリメラーゼ連鎖反応(PCR;Saikiら,198 8)、リガーゼ連鎖反応(LCR;Landgrenら,1988;Wu&Wallace,1989;Bara-ny,199 1)、核酸配列をベースとする増幅(NASBA;Gustolliら,1990;Compton,1991)、転 写をベースとする増幅系(TAS;Kwohら,1989)、ストランド置換増幅(SDA;Duck,1 990)またはQβレプリカーゼによる増幅(Lomeliら,1989)或いは当業界で知られ ている核酸分子を増幅するのに適したあらゆるその他の方法であってもよい。 プローブ配列及びプライマー配列は本明細書中5'末端から3'末端への一本鎖D NAオリゴヌクレオチドとして表される。以下に特定されるプローブのいずれも ががこのようなものとして、またはそれらの相補性形態もしくはそれらのRNA 形態(TがUにより置換される)で使用し得ることが当業者に明らかである。 本発明のプローブは相当するヌクレオチド配列を含むインサートを含む組換え プラスミドのクローニング、必要により適当なヌクレアーゼの使用によるクロー ン化プラスミドからの後者の切除そして、例えば、分子量による分別によるそれ らの回収により調製し得る。また、本発明のプローブは、例えば、通常のホスホ −トリエステル方法により化学合成し得る。 プライマーまたはプローブとして使用されるオリゴヌクレオチドはまたヌクレ オチド類似体、例えば、ホスホロチエート(Matsukuraら,1987)、アルキルホス ホロチエート(Millerら,1979)またはペプチド核酸(Nielsenら,1991;Nielsenら ,1993)を含んでもよく、またはインターカレーション剤(Asselineら,1984)を 含んでもよい。本発明の当初のDNA配列に導入された殆どのその他の変化また は修飾として、これらの変化は、オリゴヌクレオチドが必要とされる特異性及び 感度を得るのに使用されるべきである条件に関して適合を必要とするであろう。 しかしながら、ハイブリダイゼーションの最終の結果は未修飾オリゴヌクレオチ ドで得られた結果と実質的に同じであろう。これらの修飾の導入は特性、例えば 、ハイブリダイゼーション速度論、ハイブリッド形成の可逆性、オリゴヌクレオ チド分子の生物学的安定性等に積極的に影響するために有利であり得る。 “固相”という用語は、オリゴヌクレオチドプローブが結合し得るあらゆる基 質を表し得るが、但し、それがそのハイブリダイゼーション特性を保持すること を条件とし、またハイブリダイゼーションのバックグラウンドレベルが低く留ま ることを条件とする。通常、固体基質はミクロタイタ・プレート、膜(例えば、 ナイロンまたはニトロセルロース)または微小球体(ビード)もしくはチップで あろう。膜への適用または固定の前に、固定を促進し、またはハイブリダイゼー ション効率を改良するために核酸プローブを修飾することが都合が良いかもしれ ない。このような修飾はホモポリマーテーリング、異なる反応性基、例えば、脂 肪族基、NH2基、SH基、カルボキシル基とのカップリング、またはビオチン、ハ プテンもしくはタンパク質とのカップリングを含んでもよい。 “標識された”という用語は標識核酸の使用を表す。標識はSaikiら(1988)も しくはBejら(1990)により説明されたような増幅のポリメラーゼ工程中にとり込 まれる標識ヌクレオチドまたは標識プライマーの使用、或いは当業者に知ら れているあらゆるその他の方法により行われてもよい。標識の性質は放射性同位 元素(32P、35S等)または非放射性同位元素(ビオチン、ジゴキシゲニン等)で あってもよい。 “生物学的サンプル”は、例えば、血液、口用の綿棒またはゲノムDNAを含 むあらゆるその他のサンプルであってもよい。 所望の特性を有するプローブを設計するために、当業者に知られている下記の 有益なガイドラインが適用し得る。 本明細書に記載されるようなハイブリダイゼーション反応の程度及び特異性が 幾つかの因子により影響されるので、一種以上のこれらの因子の操作が特別なプ ローブ(その標的に完全に相補性であるか否かを問わない)の正確な感度及び特 異性を決めるであろう。種々のアッセイ条件の重要性及び効果が本明細書に更に 説明される。 **[プローブ:標的]核酸ハイブリッドの安定性はアッセイ条件と適合性であ るように選ばれるべきである。これは長いATに富む配列を回避することにより、 ハイブリッドをG:C塩基対で終端することにより、また適当なTmを有するプロー ブを設計することにより達成し得る。プローブの開始点及び終点は、長さ及びGC %が最終アッセイが行われる温度よりも約2-10℃高いTmをもたらすように選ばれ るべきである。プローブの塩基組成が重要である。何とならば、G-C塩基対は付 加的な水素結合のためにA-T塩基対と較べて大きい熱安定性を示すからである。 こうして、高いG-C含量の相補核酸を伴うハイブリダイゼーションは高温で更に 安定であろう。 **プローブが使用される条件、例えば、イオン濃度及びインキュベーション温 度がプローブを設計する時に考慮されるべきである。ハイブリダイゼーションの 程度は反応混合物のイオン濃度が増大するにつれて増大すること、またハイブリ ッドの熱安定性はイオン濃度を増大するにつれて増大することが知られている。 一方、化学試薬、例えば、ホルムアルデヒド、尿素、DMSO及びアルコール(これ らは水素結合を分断する)がハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを増 大するであろう。このような試薬による水素結合の不安定化はTmを大きく低 下し得る。一般に、長さ約10-50塩基の合成オリゴヌクレオチドプローブに最適 のハイブリダイゼーションは所定の二重らせんの融解温度より約5℃下で起こる 。最適値を下回る温度におけるインキュベーションはミスマッチ塩基配列にハイ ブリッド形成させ、それ故、低下された特異性をもたらし得る。 **高ストリンジェンシーの条件下でのみハイブリッド形成するプローブを有す ることが望ましい。高ストリンジェンシー条件下では、高度に相補性の核酸ハイ ブリッドのみが形成するであろう。相補性の充分な程度を有しないハイブリッド は形成しないであろう。それ故、アッセイ条件のストリンジェンシーはハイブリ ッドを形成する2種の核酸ストランドの間で必要とされる相補性の量を決める。 ストリンジェンシーの程度は、標的及び非標的核酸と形成されたハイブリッド間 の安定性の相違を最大にするように選ばれる。 **ハイブリダイゼーションに抑制性の強い内部構造を形成することが知られて いる標的DNAまたはRNA中の領域はそれ程好ましくない。同様に、強力な自 己相補性を有するプローブは避けられるべきである。先に説明したように、ハイ ブリダイゼーションは水素結合した二本鎖を形成する相補核酸の二つの一本鎖の 会合である。二つのストランドの一つがハイブリッドに全部または一部関与して いる場合、それは新しいハイブリッドの形成にそれ程関与することができないこ とは暗黙のことである。充分な自己相補性がある場合、プローブの一つの型の分 子中に形成された分子内ハイブリッド及び分子間ハイブリッドがあり得る。この ような構造は慎重なプローブ設計により避けられる。関係する配列の実質的な部 分が一本鎖であるようにプローブを設計することにより、ハイブリダイゼーショ ンの速度及び程度が大いに増大される。コンピュータ・プログラムがこの型の相 互作用について探査するのに利用できる。しかしながら、或る場合には、この型 の相互作用を回避することが可能ではないかもしれない。 **通常のハイブリダイゼーション及び洗浄条件が実施例の物質及び方法の節に 開示される。その他の条件は、例えば、50℃における3X SSC(クエン酸ナトリウ ム食塩水)、20%の脱イオンFA(ホルムアルデヒド)である。また、プローブの 特異性及び感度が維持されることを条件として、その他の溶液(SSPE(リン酸ナ トリウム食塩水EDTA)、TMAC(テトラメチルアンモニウムクロリド)等)及び温度 が使用し得る。必要とされる場合、プローブの長さまたは配列のわずかな変更が 所定の状況下で必要とされる特異性及び感度を維持するために行われるべきであ る。 “ハイブリダイゼーション緩衝液”という用語は適当なストリンジェンシー条 件下でプローブとサンプル中に存在するポリ核酸、または増幅産物との間のハイ ブリダイゼーション反応を可能にする緩衝液を意味する。 “洗浄溶液”という用語は適当なストリンジェンシー条件下で形成されたハイ ブリッドの洗浄を可能にする溶液を意味する。図面と表の簡単な説明 表1 配列特異的増幅によるHA-1対立遺伝子のゲノム分類に用いられるプライマーの配 列。 表2 増幅及び配列特異的ハイブリッド形成によるHA-1対立遺伝子のゲノム分類に用い られるプライマーとプローブの配列 表3 3種のHLA-A0201陽性家系におけるHA-1の細胞とゲノムの分類 表4 家系1のHA-1のPCR又はLiPAによる細胞とゲノムの分類の比較 表5 mH HA-1陽性及びHA-1陰性個体におけるKIAA0223配列多型性。HA-1+/+及びHA-1-/ -同型接合個体とKG-1におけるKIAA0223遺伝子のHA-1領域のシークエンシングか ら1つのアミノ酸の違いが生じる2つのヌクレオチドが異なる2つの対立遺伝子 がわかり、HA-1HとHA-1Rと呼んだ。DHとvRについては6個の独立したPCR産物を 配列決定した。KG-1については8個のPCR産物を配列決定した。 図1.mH HA-1特異的T細胞クローン3HA15を用いた51Cr遊離分析においてHLA-A2. 1から溶離したペプチドを分画したHPLCによるHA-1の再構成。 a.90.109HA-1及びHLA-A2.1陽性Rp細胞からペプチドを溶離し、有機修飾因子と してHFBAにより逆相HPLCを用いて分離した。 b.HA-1活性を含む第1HPLCの画分24を有機修飾因子としてTFAにより逆相HPLCで 分画した。 c.第2勾配の画分27を含むHA-1を0.1%アセトニトリル/分からなる浅い第3勾 配でクロマトグラフィー処理した。ペプチド不在下のCTLによるT2のバックグラ ウンド溶解はaが3%、bとcが0%であった。正の対照溶解はaが99%、bが74%、 cが66%であった。 d.HA-1候補ペプチドの定量。図1cの分離からのHPLC画分33をオンライン微量毛 管カラム溶離スプリッターでクロマトグラフィー処理し、エレクトロスプレーイ オン化質量分析と51Cr遊離分析により分析した。比遊離%としてのHA-1再構成活 性をイオン電流として測定したペプチド候補の存在量と比較した。 図2.タンデム質量分析によるmH HA-1ペプチドのシークエンシング。 a.m/z 513のペプチド候補の衝突活性化解離質量スペクトル。 b.3種のHA-1特異的T細胞クローン、3HA15、クローン15と5W38を用いた異なる 濃度の合成mH HA-1ペプチドによる再構成分析。ペプチド不在下のCTLによるT2の バックグラウンド溶解は3HA15が4%、クローン15が10%及び5W38が2%であった 。正の対照溶解は、3HA15が46%、クローン15が47%及び5W38が48%であった。 図3.mH抗原HA-1表現型で正確に相関したKIAA0223。 a.HA-1 mH抗原分類家系におけるKIAA0223のHA-1領域を配列決定した。各家系メ ンバーの6つのPCR産物を配列決定した。家系メンバー00、07と09は、6つのPCR 産物中全てにHA-1Rを発現した。家系メンバー01は2つのPCR産物中でHA-1H対立 遺伝子を発現し、4つのPCR産物中でHA-1R対立遺伝子を発現した。家系メンバー 08は4つのPCR産物中でHA-1H対立遺伝子を発現し、2つのPCR産物中でHA-1R対立 遺伝子を発現した。 b.HA-1表現型と正確に相関したHA-1 mH抗原分類家系におけるHA-1対立遺伝子特 異的PCR反応。得られたPCR産物のサイズは、cDNA配列から演繹した予想したサイ ズと一致した。 c.KIAA0223のHA-1H対立遺伝子をトランスフェクションするとmH HA-1特異的T細 胞による認識がもたらされる。KIAA0223のHA-1Hコード配列とHA-1Rコード配列は 、ヒーラ細胞へトランスフェクションしたHLA-A2.1と一緒になった。3日後にHA -1特異的CTLクローン5W38と3HA15を加え、24時間後に上清中のTNFαの遊離を測 定した。クローンQ66.9はインフルエンザマトリックスペプチド58-66に特異的で あった。pcDNA3.1(+)ベクターのみのトランスフェクション後にTNFα産生は見ら れなかった(結果は示されていない)。 図4 a.HLA-A2.1へのHA-1HとHA-1Rペプチドの結合。HA-1HとHA-1Rペプチドの結合に ついて無細胞ペプチド結合分析において組換えHLA-A2.1とβ2ミクログロブリン への蛍光ペプチドFLPSDCFPSVの結合を阻害する能力を分析した。代表的な実験を 示す。4回の実験の結果に対してIC50を求め、VLHDDLLEAが30nMであり、VLRDDLL EAが365nMであった。 b.HA-1特異的T細胞を用いた異なる濃度の合成HA-1Rペプチドによる再構成分析 。HA-1Rペプチドを滴定し、T2細胞とプレインキュベートした。3種のHA-1特異 的T細胞クローン、5W38、3HA15とクローン15を加え、4時間の51Cr遊離分析を行 った。ペプチド不在下のCTLによるT2のバックグラウンド溶解は、3HA15が10%で あり、クローン15が10%であり、5W38が2%であった。正の対照溶解は、3HA15が 46%であり、クローン15が47%であり、5W38が48%であった。 図5 HA-1遺伝子座の配列とゲノム構造。図1a、HA-1のHとR対立遺伝子のコード配列。 太字は多型性ヌクレオチドを示す。図1b.HA-1遺伝子座のエキソン-イントロン 境界。エキソン配列を大文字、イントロン配列を小文字で示す。 図6 臨床試料中のHA-1対立遺伝子のゲノム分類。表1の2組のプライマーを使用して 配列特異的増幅によりゲノム分類を行った。ゲル中上の2つの断片はH対立遺伝 子に由来し、下の2つの断片はR対立遺伝子に由来する。 図7 家系1のLiPAによるHA-1の分類実施例 1 .実施例1:HA-1のcDNA調製 1.1結果 移植片対宿主反応による疾患(GvHD)は、同種HLA同一骨髄移植(BMT)後にしばし ば起こる致命的な合併症である。HLA同一骨髄のレシピエントは急性又は慢性の 移植片対宿主反応による疾患を各々36%と49%生じる1,2。マイナー組織適合性( mH)抗原と呼ばれるMHC以外の遺伝子の相違は、HLA同−BMT後のGvHDの発症に関係 することが明らかである。最近の回顧的分析からmH抗原HA-1のミスマッチとHLA 同一BMT後のGvHDの誘発間にかなり関連があることがわかった3。マイナー組織適 合抗原は、MHC制限T細胞によって認識され、MHC分子によって示される細胞内タ ンパク質に由来するペプチドであることがわかった4,6。ここではヒトmH抗原を コードしている多型遺伝子の最初の同定が報告される。GvHD関連mH抗原HA-1は、 二対立遺伝子KIAA0223遺伝子に由来するノナペプチドである。KIAA0223によって コードされたHA-1対立遺伝子対応物は、mH抗原HA-1と1つのアミノ酸でのみ異な っている。家系の研究から、HA-1特異的CTLクローンによる認識によって前に求 められたようにKIAA0223遺伝子多型とHA-1表現型間の正確な相関が示された。HA -1コード遺伝子の解明は、BMTドナーとレシピエントの予想されるHA-1 DNA分類 がドナー選定とGvHD予防を向上させることを可能にする。 mH抗原HA-1に特異的な細胞毒性T細胞クローンは重篤なGvHDの3人の異なる患 者から単離された7。mH抗原HA-1はHLA-A2.1の関係に存在し、HLA-A2.1陽性集団 の69%に存在した7。HA-1発現は、樹状突起細胞、ランケルハンス細胞や白血病 細胞を含む造血起原の細胞に特異的で限定される組織であることが示された8-10 。家系分析からHA-1のメンデル遺伝様式とMHC複合体と独立した分離が示された1 1 。異なる個体に由来する異なるHA-1特異的T細胞クローンのT細胞レセプター(TC R)配列の比較からTCR Vβ6.9の保存使用とCDR3領域の保存アミノ酸がわかった12 。回顧的研究においては、多くのmH抗原のミスマッチをHLA同−BMT後のGvHDとの 関連について評価した。ドナーとレシピエント間の単一のHA-1ミスマッチがHLA 同一BMT後のGvHDの誘発と顕著に相関した。 mH抗原HA-1を同定するために、HLA-A2.1分子を2種のHA-1発現EBV形質転換Bリ ンパ芽球細胞系(EBV-BLCL)RpとBlkから精製した。HLA-A2.1結合ペプチドを酸処 理により単離し、ペプチドの分画を多数回の逆相HPLCで行った。画分について51 Cr遊離分析における標的細胞としてT2細胞を用いエフェクター細胞としてHA-1特 異的CTLクローンを用いてHA-1特異的溶解を誘導する能力を分析した(図1a)。画 分24はHA-1活性を含み、異なる有機修飾因子を用いて逆相HPLCにより2回分画し た(図1b.c.)。第3HPLC分画の画分33と34はHA-1活性51Cr遊離分析を示し、タンデ ム質量分析により分析した。これらの画分に100種類を超える異なるペプチドが 存在することから、画分33と34の約40%をオンライン微量毛管カラム溶離スプリ ッターでクロマトグラフィー処理した。画分をタンデム質量分析と51Cr遊離分析 により同時に分析した(図1d)。5種類のペプチド(m/z550、520、513、585と502) が活性画分に特異的に存在し、CML分析で活性を示さない画分には存在しなかっ た。ペプチド候補m/z550の衝突活性化解離分析から配列YXTDRVMTVがわかった。X は、この種類の質量分析で判別できないイソロイシン又はロイシンを表す。しか しながら、この配列による合成ペプチドはHA-1エピトープを再構成することがで きなかった(結果は示されていない)。残っている4候補がHA-1ペプチドであるこ とを求めるために、第2HA-1精製のEBV-BLCL Blkを評価した。第2逆相HPLC分画 のHA-1陽性ペプチド画分33を第3有機修飾因子を用いて微量HPLCによりクロマト グラフィー処理した。51Cr遊離分析において再構成活性の1本のピークが見られ た(結果は示されていない)。これらの画分の質量スペクトル分析からペプチド候 補m/z513だけが存在することがわかった。このペプチドを衝突活性化解離分析に より分析し、VXHDDXXEAとして配列決定された(図2a)。ペプチドのイソロイシン とロイシン変異体を合成し、微量毛管HPLCカラムに流した。ペプチドVLHDDLLEA のみが天然処理ペプチドと同時溶離した(結果は示されていない)。次に、3種類 の異なるHA-1特異的CTLクローンによるCML分析に異なる濃度で添加した合成VLHD DLLEAから、半最大活性が150〜200pMのペプチドの3クローン全て又は3クロー ン全てによる認識が示された(図2b)。これにより、mH抗原HA-1がノナペプチドVL HDDLLEAによって表されることが示された。 HA-1をコードしている遺伝子を同定するために行われたデータベースの検索か ら、HA-1ペプチドVLHDLLEAが急性骨髄性白血病KG-1細胞系(遺伝子バンク受託No. D86976)に由来するKIAA0223部分相補的DNA(cDNA)配列からのペプチドVLRDDLLEA と9個のうち8個のアミノ酸が同じであることがわかった。HA-1の集団頻度が69 %であることから、VLRDDLLEAペプチド配列が集団の残りの31%に存在するHA-1 対立遺伝子対応物を表すと考えた。この仮定を述べるために、推定HA-1ホモ接合 陽性(vR)、推定HA-1陰性個体(DH)及びKG-1細胞系に由来するEBV-BLCLのKIAA0223 の推定HA-1コード領域のcDNA配列分析を行った(表5)。HA-1 +/+個体(vR)のKIA A0223のHA-1コード領域はデータバンク中の2つのヌクレオチドの相違を示し、 アミノ酸配列VLHDDLLEAとなる(HA-1Hと名付けた)。HA-1 -/-個体(DH)のKIAA0223 のHA-1コード領域は報告されているKIAA0223配列と100%のホモロジーを示した( HA-1Rと名付けた)。KG-1細胞株は両方のKIAA0223対立遺伝子を発現していた。KG -1はT細胞認識に必要な拘束分子HLA-A2.1を発現していないため、KG-1をHLA −A2.1でトランスフェクションし、この細胞を51Cr-遊離アッセイの標的細胞と して、エフェクター細胞としてのHA-1特異的T細胞クローンとともに使用した。 cDNA配列解析の結果に従い、KG-1細胞HA-1特異的T細胞クローンによって認識さ れた(データは示していない)。この結果はKIAA0223遺伝子が、HA-1H対立遺伝子m H抗原HA-1特異的T細胞クローンによって認識されるという、2対立遺伝子系を 構成することを示すものである。 それまでHA-1特異的CTLによってHA-1にタイピングされていた2つの家系を、 そのKIAA0223多型性についてcDNAレベルで調べた。家系1の構成員を、HA-1コー ド配列領域をシーケンシングすることによりKIAA0223配列多型性に関してスクリ ーニングした。全てのHA-1陰性構成屓はHA-1R配列を示し、全てのHA-1陽性構成 員はヘテロ接合であることが分かり、従って、朗報ともHA-1対立遺伝子を保持し ていた(図3a)。我々は次に細胞的にHA-1としてタイピングされていた別の家系を スクリーニングするためにHA-1対立遺伝子特異的PCRプライマーを設計した。両 親および1人の子がHA-1に関してヘテロ接合であると決定され、HA-1陰性の2人 の子供がHA-1R対立遺伝子に関してホモ接合であり、1人の子供がHA-1H対立遺伝 子に関してホモ接合であると決定された(図3b)。両方 の家系のスクリーニングにより、HA-1特異的T細胞クローンによる認識によって 決定されるHA-1表現型とKIAA0223遺伝子多型性とに正確な相関が示された。 KIAA0223遺伝子がmH抗原HA-1をコードすることをはっきりと証明するために、 HA-1HおよびHA-1R対立遺伝子のKIAA0223のHA-1コード配列領域を真核発現ベクタ ーにクローニングし、HA-1陰性Hela細胞にHLA-A2.1と組み合わせてトランジェン トトランスフェクションした。TNFα遊離アッセイを用いてこれらの形質転換Hel a細胞に関するHA-1特異的T細胞認識をアッセイした。HA-1H配列を含むベクター で形質転換されたHela細胞は2種類のHA-1特異的T細胞クローン(図3c)によ って認識された。これに対して、HA-1R配列を含むベクターによるトランスフェ クションでは認識に至らなかった。結論として、我々の結果はmH抗原HA-1はKIAA 0223遺伝子のHA-1H対立遺伝子によってコードされていることが明確に証明され た。 HA-IRペプチドVLRDDLLEAのHLA-A2.1への結合能およびHA-1特異的T細胞クロー ンによって認識されるかどうかを決定するために認識およびHLA-A2.1結合アッセ イを行なった。蛍光標準ペプチドのHLA-A1への結合を50%阻害するHLA-A2.1のHA -1Rペプチドの濃度(IC50)は365nMであった。これは中間的な結合であるが、一 方、HA-1HペプチドのIC50は30nMであり、これは高親和性結合体の領域である( 図4a)13,14。3種類のHA-1特異的T細胞クローンでの51Cr-遊離アッセイにお いて種々の濃度のVLRDDLLEAをテストした。テストした3種のクローンのうちの 1つ(3HA15)はHA-1Rペプチドを認識することが示されたが、HA-1Hペプチドの 認識に必要な濃度の1000倍高いペプチド濃度においてのみである(図4b)。2種 類のペプチドのHLA-A2.1に対する親和性は10倍しか異ならないので、全てのT細 胞クローンは特異的にHA-1Hペプチドを認識していると結論することが出来る。 濃度下のHA−1Rペプチドを認識する3HA15 T細胞クローンは、HA−1R のホモ接合性個体を認識しない。このことは、VLRDDLLEAペプチドは HLA−A2.1によっては提示されないか、又はT細胞の検出限界未満で提示 されていることを示唆している。HA−1RペプチドVLRDDLLEAがHL A−A2.1によって提示されるかどうかを決定するために、HLA−A2. 1結合ペプチドをHA−1Rホモ接合性EBV−BLCLから溶離し、逆相HP LCを用いて分画した。合成HA−1ペプチドVLRDDLLEAを逆相HPL Cに流し、このペプチドが溶離する画分を決定した。HA−1R発現EBV−B LCLに由来する対応のHPLC画分を、質量分析法を使用して分析した。ペプ チドVLRDDLLEAの存在を検出することはできなかった(データは示さず) 。このことは、このペプチドはHLA−A2.1により細胞表面上に提示されな いか、又は非常に微量提示されることを示している。これは、おそらくHLA− A2.1に対するペプチドの結合親和性が10倍低いことによるものであろう。 HLA−A2.1において想定されるHA−1Rペプチドの不在は、この対立遺 伝子はT細胞反応性に関しては無効の対立遺伝子として考慮しなければならない ことを示している。このことは、HA−1R/R(HA−1−)ドナーからHA− 1H/H又はHA−1R/H(HA−1+)レシピエントのみのBMTのみがGvHD と有意に関連し、逆は関連しないことを意味している。実際にこのことは、HL A−2.1陽性のBMTペアがHA−13に対して分類された過去の研究におい て観察される。しかしながら、HA−1Rに由来するペプチドは、その他のHL A対立遺伝子に結合し、おそらくT細胞によって認識されるだろう。後者のペプ チドが生成せず、HA−1R対立遺伝子により提示されない場合、HA−1R対立 遺伝子に対するT細胞反応性が予見され、その方向のにおけるGvHDが起こる だろう。 今日までに、わずか少数のマウス及びヒトmH抗原が、ペプチド及び遺伝子レ ベルで同定されている。2種のマウスmH抗原はミトコンドリアタンパク質によ りコードされており、これはそれぞれ4又は2つの対立遺伝子を導く15-17。更 に、2種のマウスH−YmH抗原は、Y−染色体に位置する遺伝子によりコード されるペプチドであることが示された18-21。Y染色体上に位置するヒトSMC Y遺伝子は、HLA−B7及びHLA−A2.1制限H−YmH抗原をコードす る5,6。性に関連しないヒトのmH抗原のなかで、mH抗原HA−2のみがペプ チドレベルで配列決定されている。しかし、HA−2をコードする遺伝子は未知 のままである4。mH抗原HA−1をコードする遺伝子の同定は、ヒトmH抗原 が多型性遺伝子に由来していることの最初の証明になる。HA−1をコードする KIAA0223遺伝子は、2つのヌクレオチドで異なる2つの対立遺伝子を有 しており、これは1つの単一アミノ酸の差異を導く。 HA−1mH抗原は、BMT後のGvHDの発達と関連する唯一の既知のヒト mH抗原であるので、本発明者等の研究結果は、有意な臨床的関連性がある3。 異なるヒトmH抗原の数はおそらく高いけれども、極僅かの免疫優性mH抗原が GvHDに対するリスクの原因となることができると予見される23。ヒト免疫優 性mH抗原の同定及びそのスクリーニングは、BMT後のGvHDの有意な減少 を引き起こすだろう。本明細書において、本発明者等は、免疫優性mH抗原HA −1をコードする多型性遺伝子の最初の解明について記載する。このことは、本 発明者等が移植前のドナー及びレシピエントの分類用HA−1対立遺伝子特異的 PCRプライマーを本発明者等が設計し、ドナーの選択を改善し、これによりH A−1誘導GvHD発達を防止することを可能にする。 1.2 方法 1.2.1 細胞培養 CD8+ HLA−A2.1制限HA−1特異的キラーT細胞クローン3HA 15、クローン15及び5W38は、HLA同一骨髄移植を受けた二人の患者の PBMCに由来した7,23。クローンを、15%ヒト血清、3mM L−グルタミ ン、1%白血球凝集素A及び20U/ml rIL−2を含むRPMI−164 0培地中、照射同種PBMC及びBLCLを用いた一週間にわたる刺激により培 養した。HLA−A2.1陽性HA−1発現EBV形質転換B細胞系(BLCL )Rp及びBlkを、5%FCS含有IMDM中で維持した。KG−1及びT2 細胞系は、3mM L−グルタミン及び10%FCSを含む1640培地中で培 養した。 1.2.2 51Cr放出アッセイ HPLC画分及び合成ペプチドを、文献24に記載されるようにして51Cr放出 アッセイで試験した。25μl中の2500の51Cr標識T2細胞を、ハンクス 50mM Hepes中に溶解した25μlペプチドと共に、37℃で30分 間インキュベートした。キラーT細胞を最終容積150μl中に添加した。HP LCペプチド画分を試験するときは、51Cr標識化の間、T2を2μg/mlM A2.1と共にインキュベートした。37℃で4時間後、上清を集めた。 1.2.3 ペプチド精製 文献24に記載されたようにして、ペプチドを、精製HLA−A2.1分子の中 から溶離した。要約すると、HLA−A2.1分子を、BB7.2結合CNBR −活性化セファロース4Bビーズ(ファルマシア(Pharmacia)LKB)を用い たアフィニティークロマトグラフィーにより、90.109HLA−A2.1陽 性EBV−BLCLから2回精製し、大規模洗浄した。ペプチドを、10%酢酸 で処理し、更に1%TFAで酸性化することにより、HLA−A2.1から溶離 し、10kDセントリオン(Centricon)(アミコン(Amicon))フィルターを用い てろ過することによりHLA−A2.1重鎖及びβ2−ミクログロブリンから分 離した。ペプチドを、逆相マイクロHPLC(スマート・システム(Smart Syste m)、ファルマシア)を使用して分画した。第一の精製のために、3回のHPLC 分画を使用して、90.109Rp細胞からHLA−A2.1制限HA−1活性 ペプチド画分を精製した。第一の画分は、緩衝液A:H2O中の0.1%HFB A、緩衝液B:アセトニトリル中の0.1HFBAから構成された。勾配は、1 00%緩衝液A(0〜20分)、0〜15%緩衝液B(20〜25分)及び15〜 70%緩衝液B(25〜80分)(流量100μl/分)であった。100μlの 画分を集めた。第一の勾配の画分24を更に分画した。第2の分画は、緩衝液A :H2O中の0.1%TFA、緩衝液B:アセトニトリル中の0.1%TFAか ら構成された。勾配は、100%緩衝液A(0〜20分)、0〜12%緩衝液B( 20〜25分)及び12〜50%緩衝液B(25〜80分)(流量100μl/分 )であった。100μlの画分を集めた。より浅い第三の勾配を使用して、HA −1活性を含んでいた画分27を更に精製した。勾配は、100%緩衝液A(0 〜29分)、0〜18%緩衝液B(29〜34分)、18%緩衝液B(34〜39 分)及び18〜23.9%緩衝液B(39〜98分)(流量100μl/分)であ った。出発物質の1/180から1/45を、51Cr放出アッセイに おいて陽性の画分についての試験に使用した。比較可能なHPLC分画を、90 .109BlkからのHLA−A2.1制限HA−1活性ペプチド画分の第2の 精製に使用した。第2のHA−1精製物のHA−1含有画分33の40%を、更 なる逆相ミクロキャピラリーHPLC分画に使用した。緩衝液Aは、酢酸でpH 6.0に緩衝化した水中の0.1%トリエチルアミン(TEA)であり、緩衝液 Bは、酢酸でpH6.0に緩衝化した60%アセトニトリル中の0.085TE Aであった。勾配は、100%緩衝液A(0〜5分)、0〜100%緩衝液B(5 〜45分)(流量100μl/分)であった。画分を、0.1%酢酸50μl中に 、5〜15分は毎分、15〜20分は30秒毎、20〜40分は20秒毎、40 〜45分は30秒毎に集めた。集めた画分について、20%をHA−1活性につ いての試験に使用し、80%をマススペクトルデータを得るために使用した。 1.2.4 質量分析 Rp精製物の三次元HPLC分離より得た、HA−1活性を含んでいる画分を 、ミクロキャピラリーHPLC−エレクトロスプレーイオン化質量分析法により 分析した25。ペプチドを、C18ミクロキャピラリーカラム(75μm、内径× 10cm)中へロードし、0〜60%のBの34分間の勾配により溶離した。溶 媒Aは水中の0.1M酢酸であり、溶媒Bはアセトニトリルであった(流量0. 5μl/分)。5分の1の溶出液を、各ウェルが100μlの培養培地を含む9 6ウェルプレートのウェル中へ置いた(10秒間の画分)。一方、残りの5分の4 はTSQ−70Uのエレクトロスプレー源に向けた。マススペクトル及びCAD マススペクトルを、エレクトロスプレーイオン源を備えたフィニガン(Finnigan )−MAT TSQ−7000(サンノゼ、カリフォルニア)3重4極質量分析 計上で記録した。 1.2.5. HLA−A2.1ペプチド結合アッセイ 蛍光標識標準ペプチドHbc18−27F−C6(FLPSDCFPSV)の 組替えHLA−A2.1タンパク質及びβ2−ミクログロブリンへの結合の阻害 に基づき、HLA−A2.1結合ペプチドについての定量分析を使用した26,27 。 要約すると、蛍光標準ペプチドへの約40〜60%の結合を与えるHLA−A2 .1濃度を、15pmol/ウェル(150nM)β2−ミクログロブリン(シ グマ(Sigma))と共に使用した。試験するペプチドの種々の投与量を、100f mol/ウェル(1nM)蛍光標準ペプチド、HLA−A2.1及びβ2−ミク ログロブリンと一緒に、分析用緩衝液100μl中、暗闇、室温下で1日間イン キュベートした。MHC結合蛍光の百分率を、ゲル濾過により測定し、各ペプチ ドについて50%阻害投与量を、プリズムグラフ(prismgraph)ソフトウェアを 有する1部位競合非線形回帰分析により測定した。合成ペプチドは、アビムド( Abimed)422多重ペプチド合成機(アビムド、ランゲンフェルド、ドイツ)内 で製造し、逆相HPLCによりチェックしたところ純度は90%をこえていた。 1.2.6 HA-1をコードするKIAA0223領域のRT-PCR増幅およびシーケンシング 全RNAまたはmRNAをBLCLからRNAzol法(Cinaa/Biotecx Laboratories,Houston ,TX)または業者の説明書(QuickPrep mRNA精製キット、Pharmacia Biotech) に従って調製した。テンプレートとしての1μgのRNAとKIAA0223に基づく逆方向 プライマー5'-GCTCCTGCATGACGCTCTGTCTGCA-3'とでcDNAを合成した。KIAA0223のH A-1領域を増幅するために以下のプライマーを使用した:順方向プライマー5'-GA CGTCGTCGAGGACATCTCCCAT-3'および逆方向プライマー5'-GAAGGCCACAGCAATCGTCTCC AGG-3'。使用するサイクルパラメータは、変性95℃にて1分間、アニーリング58 ℃にて1分間、伸長72℃にて1分間(25サイクル)とした。PCR産物はマジックP CR-Preps DNA精製システム(Promega)を使用して精製し、pMosBlue Tベクター キット(Amersham LIFE SCIENCE)を使用して直接クローニングした。それぞれ から6つの独立のクローンを選びT7-シーケンシングキット(Pharmacia Biotech )を用いてシーケンシングした。 1.2.7 HA-1対立遺伝子特異的PCR増幅 HA-1対立遺伝子特異的PCR増幅の場合、cDNAは上述のように合成した。PCR増幅 は対立遺伝子特異的順方向プライマーで行なった:HA-1H対立遺伝子に対しては プライマーH1:5'-CCT-TGA-GAA-ACT-TAA-GGA-GTG-TGT-GCT-GCA-3'、HA-1R対 立遺伝子に対してはプライマーR1:5'-CCT-TGA-GAA-ACT-TAA-GGA-GTG-TGT-GTT-G CG-3'および、双方の反応に対して上述の逆方向プライマーを使用した。使用し たサイクルパラメーターは、変性、95℃で1分間、アニーリング、67℃にて1分 間および伸長、72℃にて1分間(25サイクル)である。 1.2.8 KIAA0223のHA-1HおよびHA-1R対立遺伝子領域のクローニングと発現 KIAA00223に基づく、ATG開始コドンを有する順方向プライマー(5'-CCG-GCA-T GG-ACG-TCG-TCG-AGG-ACA-TCT-CCC-ATC-3')およびKIAAO023に基づく、翻訳停止 シグナルを有する逆方向プライマー(5'-CTA-CTT-CAG-GCC-ACA-GCA-ATC-GTC-TCC -AGG-3')を設計し、ホモ接合HA-1Hおよびホモ接合HA-1R BLCL由来のcDNAとのRT -PCR反応に使用した。使用したサイクルパラメーターは、変性95℃、1分間、ア ニーリング60℃、1分間および伸長72℃、1分間(25サイクル)である。望みの PCR産物をマジックPCR-Preps DNA精製キット(Promega)を使用して精製した。 精製したDNAをPmosBlue Tベクターキット(Amersham LIFE SCIENCE)を用いて直 接クローニングし、真核用pCDNA3.1(+)ベクター中でCMVプロモーター制御下に再 クローニングした。DEAE-デキストラン共沈殿法を使用して、Hela細胞中に対し てHLA-A2.1とトランジェント・コトランスフェクションを行なった。培養3日後 にHA-1特異的T細胞を加え、24時間後にWEHI細胞を用いて上清中へのTNFα放出 を測定した282.実施例2:HA-1対立遺伝子のゲノムDNA単離のための材料と方法 細胞培養とゲノムDNAの単離: 凍結末梢血リンパ細胞(PBL)から、Boehringer MannheimのPure Template Puri ficationキットゲノムDNAを用いて業者の説明に従ってゲノムDNAを単離した。EB V-形質転換LCL細胞を3mMのL-グルタミンと10%のFCSを含むRPMI-1640中で培養し た。DNA単離のために細胞を集め、リン酸緩衝食塩水(PBS)で2回洗浄し、200μl に再懸濁し、使用するまで-20℃に保存した。各DNAの単離のだめには2x106個の 細胞を使用した。 ゲノムPCR: 各PCR反応のためには100〜200ngのゲノムDNAを使用した。増幅は、50mM KCl、 4mM MgCl2、0.06mg/ml BSA、0.5mM dNTP、および2.5ユニットのTaqポリメラーゼ (Roche Molecular Systems,Branchebur,New Jersy)を含む100μlの10mM Tris/ HClバッファー(PH8.4)中で、20pmolの各プライマーを用いて行なった。全ての 反応は、95℃、5分間の変性ステップから開始させた。全てのプライマーの組み 合わせに対して、サイクル条件は95℃にて1分間、65℃にて1分間を10サイクル とした。その後、95℃にて1分間、62℃にて1分間、72℃にて1分間を20サイク ル行ない、最後のステップにおける伸長を72℃にて5分間行なった。 コスミドDNAの単離: コスミドDNAの大スケール単離のために、1LのLB-培地(20μg/mlアンピシリン )に接種し、激しく振盪しながら(300rpm)37℃にて一晩増殖させた。コスミド DNAはQuiagenプラスミド精製キットの低コピー数プラスミド単離法を用い、業者 の説明に従って単離した。この単離方法には平均して500μgの精製コスミドDNA を生じさせた。 コスミドDNAのシーケンシング: 各シーケンシング反応用には、10μgのコスミドDNA。シーケンシング反応はT7 シーケンシングキット(Pharmacia Biotech)で行なった。 mHag HA-1特異的CTL; EBV-形質転換-LCLをHA-1特異的CTLでテストした。反応性はクロム遊離アッセイ で測定した。51Crラベルした標的細胞(3x103)をエフェクターT細胞の系列希 釈物と、96穴丸底マイクロタイタープレート(Costar 3799)中で共インキュベ ーションした。37℃にて4時間後、γ測定のために無細胞上清を集めた。特異的 溶解パーセントを以下のように計算した:5 特異的溶解=(実験的遊離−自然 遊離)/(最大遊離−自然遊離)x100%。自然遊離および最大遊離は、そ それぞれ、培地単独中の標的細胞のクロム遊離および1%のTriton-X 100を含む 培地中での標的細胞のクロム遊離である。 3.実施例3 HA-1ペプチドは2つのエクソンにコードされている HA-1ペプチド周辺のゲノム構造を決定するために、ヒト男性PBL由来のコスミ ドライブラリーをスクリーニングした。HA-1をコードする312bpのcDNA断片をス クリーニングのためのプローブとして使用した。オーバーラップする3種のコス ミドを単離した。R-対立遺伝子を含むコスミドpTCF-HA-1を部分的にシーケンシ ングした。シーケンシング反応はHA-1多型コドンの4ヌクレオチド後のスプライ シング・ドナー部位を明らかにした。スプライシング・アクセプター部位はHA-1 ペプチドをコードする第2エクソンの前に同定することが出来る(図5)。このよ うに、HA-1ペプチド配列は2つのエクソンによってコードされている。4.実施例4 ゲノムDNAに関する対立遺伝子特異的PCR 対立遺伝子特異的ゲノムタイピングのために異なる2つのプラーマーセットを 設計した。両方のセットとも1つの共通プライマーとHA-1H対立遺伝子またはR- 対立遺伝子のいずれかに特異的な1つのプライマーを含んでいる(表1)。セット 1の共通プライマーはHA-1ペプチドの最初の4つのアミノ酸をコードするエクソ ンに由来するものである。H/Rプライマーはイントロン配列、スプライシング・ ドナー配列およびエクソン配列の対立遺伝子特異的部分を含んでいる。セット2 はpTCF-HA-1中で同定されるイントロン由来の共通プライマーとH-およびR-対立 遺伝子をカバーするエクソン由来プライマーからなっている。プライマーセット 1による増幅は190bpの断片を生じさせ、プライマーセット2は331bp断片を生じ させた。双方のプライマーセットとも期待した長さの断片を示したので、ゲノム タイピングに適している。同一のPCR条件下でDNAを増幅するようにプライマーを 選択したので、両方のプラマーセットの組み合わせを同じPCR反応中で使用する ことができる。この場合、2種の異なる共通プライマー上のDNA増幅による535bp の第3の断片が観察された(データは示していない)。 5.実施例5 家系調査 ゲノムタイピングの実効可能性を3つのHLA-A*0201陽性家系の24人について調 べた。DNAタイピングの結果をmHag HA-1 CTLタイピングと比較し(表3)、正確に 相関することが示された。図6は代表的な家系のHA-1遺伝子座のゲノムDNA解析 を示している。骨髄ドナー(06)およびレシピエント(02)はHLA-同一であった 。ドナーはR-対立遺伝子に関してホモ接合であった。レシピエントはヘテロ接合 (H/R)であり、従って、HA-1抗原を細胞表面に提示していた。この不適合はGvHD を生じさせ、従ってドナーのT細胞はレシピエントのmHagに対して反応した。こ の家系においてはドナーとレシピエントはHLA-同一であったが、HA-1配列にミス マッチを有していた。HA-1に対して同じ不一致が家系2においても観察された。 ここでもドナー(07)はR-対立遺伝子に関してホモ接合であり、患者(02)はヘ テロ接合(H/R)であり、GvHDを生じさせた。家系3は3世代の健康な家系におけ るHA-1 H対立遺伝子の分離を示す。H-対立遺伝子は祖父(01)に由来し、2世代 に遺伝している。祖母(00)はHLA-A*0201陽性であるがR-対立遺伝子に関してホモ 接合である。子(03、04、05)はHA-1遺伝子座に関して全てヘテロ接合であった 。子04はHLA-A*0201陽性であるがR-対立遺伝子に関してホモ接合である個体34と 結婚した。その子孫の中で、84だけがHA-1 H-対立遺伝子を祖父から受け継いだ 。他の孫たち(82、83および85)はHA-1Rホモ接合であった。 6.実施例6 LiPA法によるHA-1対立遺伝子タイピング サンプル中のHA-1対立遺伝子HおよびRのタイピングに関する以下の方法はLiPA 技術(Stuyverら、1993)に基づいている。各PCR反応に関して100〜200ngのゲノ ムDNAを用いた。増幅は50mM KCl、4mM MgCl2、0.06mg/ml BSA、0.5mM dNTPおよ び2.5ユニットのTaqポリメラーゼ(Roche Molecular Systems,Brancheburg,New Jersey)を含む100μlの10mM Tris/HCl(pH8.4)中で20pmolの各プライマーで行な った。全ての反応は、5分間95℃の変性ステップから開始させた。全てのプライ マーの組み合わせに対してサイクル条件は95℃にて1分間、65℃にて1分間を10 サイクルとした。続いて、95℃にて1分間、62℃にて1分間、72℃にて1分間お よび最後のステップにおいて72℃にて5分間の伸長を行なった。続いてHA-1対立 遺伝子をニトロセルロースのストリップに固定化したオリゴヌクレオチドプロー ブに対する逆ハイブリダイゼーションステップによってタイピングした。R-対立 遺伝子に特異的にハイブリダイズするプローブは例えば、HA1-R1(1)(配列番号11 )、HA1-R1(2)(配列番号12)およびHA1-R1(3)(配列番号13)である。H-対立遺伝 子に特異的にハイブリダイズするプローブは、例 えば、HA1-H1(1)(配列番号14)、HA1-H1(2)(配列番号15)およびHA1-H1(3)(配 列番号16)である。ハイブリダイゼーションは5xSSPE、0.5%SDS中、56℃にて 30分間行なった。ストリンジェントな洗浄ステップは2xSSPE、0.1%SDS中 、56℃にて10分間行なった。特異的プローブHA1-H1(1)(配列番号14)、HA-1-R1(3 )(配列番号13)および発色反応(CC)のための対照プローブを含むLiPAを、 家系1からの6つのサンプルについて実効可能性をテストした。LiPAによって得 られた結果は(図7)PCRおよびCTLタイピングによる結果を確認するものであっ た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.サンプル中の副組織適合性抗原HA-1の対立遺伝子のタイピング方法であって 、該対立遺伝子のゲノム核酸またはcDNA中の多形性ヌクレオチドを検出する工程 を含むことを特徴とする、上記方法。 2.該副組織適合性抗原HA-1の該対立遺伝子が、第5図に示すH対立遺伝子およ びR対立遺伝子である、請求の範囲第1項に記載の方法。 3.a)該サンプル中の該ゲノムポリ核酸を、少なくとも1対のプライマーと接触 させ、該少なくとも一対のプライマーの5'−および/または3'−プライマーを、 該対立遺伝子中の多形性ヌクレオチドを含むターゲット領域と特異的にハイブリ ダイズさせ、かつ増幅反応を実施し、 b)該少なくとも1対のプライマー各々について、該工程a)において増幅生成物 が形成されたか否かを検出し、 c)該サンプル中に、どのHA-1の対立遺伝子が存在するかを、該工程b)の結果か ら推定する工程を含む、請求の範囲第1または2項に記載のゲノムタイピング方 法。 4.更に、該少なくとも1対のプライマーが、該HA-1対立遺伝子内の位置4また は位置4および8を含むターゲット領域と特異的にハイブリダイズする5'−プラ イマーを含み、あるいは 該少なくとも1対のプライマーが、該HA-1対立遺伝子内の位置8または位置4 および8を含むターゲット領域と特異的にハイブリダイズする3'−プライマーを 含み、その位置が第5図に示されている、請求の範囲第1〜3項の何れかに記載 の方法。 5.更に、該5'−プライマーが、イントロンa内のターゲット領域と特異的にハ イブリダイズしている、3'−プライマーと組み合わされ、および/または 該3'−プライマーが、エキソンa内のターゲット領域と特異的にハイブリダイ ズする5'−プライマーと組み合わされ、イントロンaおよびエキソンaは第5図 に示されている、請求の範囲第4項に記載の方法。 6.更に、該プライマーが、以下に列挙するものから選択される、請求の範囲第 1〜5項の何れかに記載の方法: 配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7 。 7.a)少なくとも一つの多形性ヌクレオチドを含む、該対立遺伝子のフラグメン トを、該対立遺伝子内の保存されたターゲット領域と特異的にハイブリッド化し ている、少なくとも1対のプライマーを使用することにより増幅し、 b)該工程a)の増幅された生成物を、該対立遺伝子内の1以上の多形性ヌクレオ チドを含むターゲット領域と特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプロ ーブとハイブリダイズさせ、 c)該サンプル中に、どのHA-1の対立遺伝子が存在するかを、該工程b)の結果か ら推定する工程を含む、請求の範囲第1または2項に記載のゲノムタイピング方 法。 8.更に、該少なくとも1対のプライマーが、エキソンa内の保存されたターゲ ット領域と特異的にハイブリダイズする5'−プライマーおよび/またはイントロ ンa内の保存されたターゲット領域と特異的にハイブリダイズする3'−プライマ ーを含み、該エキソンaおよび該イントロンaは、第5図に示されているもので ある、請求の範囲第7項に記載の方法。 9.更に、該少なくとも一つのプローブが、該HA-1対立遺伝子内の位置4および /または8に該ヌクレオチドを含む、ターゲット領域と特異的にハイブリッド化 し、該位置が第5図に示された位置である、請求の範囲第7または8項の何れか に記載の方法。 10.更に、該プライマーが、配列番号2、配列番号8、配列番号9、配列番号10 から選択され、および/または該プローブが、配列番号11、配列番号12、配列番 号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16から選択されるものである、請求の 範囲第7〜9項の何れかに記載の方法。 11.該副組織適合性抗原HA-1の対立遺伝子をタイピングするための、請求の範囲 第1〜10項の何れかに記載の方法で使用するためのプライマー。 12.該副組織適合性抗原HA-1の対立遺伝子のゲノムタイピングのための、請求の 範囲第7〜10項の何れかに記載の方法で使用するためのプライマー。 13.配列番号1または配列番号17または配列番号18により特定される単離ポリ核 酸、または該ポリ核酸に対して少なくとも80%の配列相同性を示す単離ポリ核酸 、またはHA-1タイピング用のプライマーまたはプローブとして使用することので きる、該ポリ核酸の任意のフラグメント。 14.該対立遺伝子の配列決定による、請求の範囲第1または2項に記載の、該副 組織適合性抗原HA-1の対立遺伝子のゲノムタイピング方法。 15.請求の範囲第3〜6項の何れかに記載の、該副組織適合性抗原HA-1の対立遺 伝子のタイピング用の診断キットであって、 a)請求の範囲第1〜5項の何れかに記載の少なくとも一つのプライマーと、 b)場合により、該増幅反応を可能とする酵素および/または試薬と、 c)場合により、該増幅された生成物の検出を可能とする手段と、 を含むことを特徴とする、上記診断用キット。 16.請求の範囲第7〜10項の何れかに記載の、該副組織適合性抗原HA-1の対立遺 伝子のゲノムタイピング用の診断キットであって、 a)請求の範囲第7〜10項の何れかに記載の少なくとも一つのプライマーと、 b)請求の範囲第7〜10項の何れかに記載の少なくとも一つのプローブと、 c)場合により、該増幅反応を可能とする酵素および/または試薬、および/ま たは該ハイブリッド化反応を可能とする試薬と、 を含むことを特徴とする、上記診断用キット。 17.請求の範囲第14項記載の、該副組織適合性抗原HA-1の対立遺伝子のゲノムタ イピング用の診断キットであって、 a)必須の、請求の範囲第7〜10項の何れかに記載の少なくとも一つのプライマ ーと、 b)場合により、該増幅反応を可能とする酵素および/または試薬、および/ま たは該配列決定反応を可能とする試薬と、 を含むことを特徴とする、上記診断用キット。 18.第5図に示した、HA-1の対立遺伝子を特異的に検出する抗体を使用する工程 を含むことを特徴とする、該HA-1の対立遺伝子をタイピングする方法。 19.第5図に示した、HA-1の対立遺伝子を特異的に検出する抗体を含むことを特 徴とする、該HA-1の対立遺伝子をタイピングするための診断用キット。
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