JP2002509922A - 4,4−二置換−3,4−ジヒドロ−2(1h)−キナゾリンチオン誘導体、それらの調製法、およびhiv逆転写酵素阻害剤としてのそれらの使用 - Google Patents

4,4−二置換−3,4−ジヒドロ−2(1h)−キナゾリンチオン誘導体、それらの調製法、およびhiv逆転写酵素阻害剤としてのそれらの使用

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JP2002509922A JP2000541157A JP2000541157A JP2002509922A JP 2002509922 A JP2002509922 A JP 2002509922A JP 2000541157 A JP2000541157 A JP 2000541157A JP 2000541157 A JP2000541157 A JP 2000541157A JP 2002509922 A JP2002509922 A JP 2002509922A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、HIV逆転写酵素阻害剤として有用な式(I)の4,4−二置換−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリンチオンであって、R1は1〜7個のハロゲンで置換されたC1 3アルキルであり、R2は1〜2個のR4で置換されたC1 5アルキル、1〜2個のR4で置換されたC2 5アルケニル、および1個のR4で置換されたC2 5アルキニルから選択され、R4は0〜2個のR3で置換されたC3 5シクロアルキル、0〜5個のR3で置換されたフェニル、ならびに0〜2個のR3で置換され、O、N、およびSから選択された1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員環の複素環系から選択される化合物と、式(II)の化合物であって、R2はC≡C−R4aであり、R4aはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、i−ブチル、t−ブチル、およびi−ペンチルから選択され、R3は、それぞれの出現時に、C1 4アルキル、OH、C1 4アルコキシ、F、Cl、Br、I、NR55a、NO2、CN、C(O)R6、NHC(O)R7、およびNHC(O)NR55aから独立に選択され、あるいは、2個のR3が存在して、隣接する炭素に結合している場合、それらは組み合わされて−OCH2O−を形成してもよく、R8はH、C3 5シクロアルキル、およびC1 3アルキルから選択され、かつnは0、1、2、3、および4から選択される化合物、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、もしくは薬剤に許容可能な塩の形に関し、同物質を含む医薬品組成物および診断キット、ならびにウイルス感染症を治療するため、またはアッセイ標準物質もしくは試薬として同物質を用いる方法に関する。 【化28】 【化29】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は一般に、HIV逆転写酵素阻害剤として有用である4,4−二置換−
3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリンチオン、同物質を含む医薬品組成物
および診断キット、ウイルス性感染症を治療するため、またはアッセイ標準物質
もしくは試薬として同物質を用いる方法、ならびに同物質を製造するための中間
体および方法に関する。
【0002】 (発明の背景) 2つの異なるレトロウイルス、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)1型(HI
V−1)または2型(HIV−2)は、病因学的に免疫抑制疾患である後天性免
疫不全症候群(AIDS)に関連づけられている。HIV血清陽性の者は、最初
は無症候性であるが、典型的にAIDS関連症候群(ARC)、続いてAIDS
を発症する。罹患した者は重度の免疫抑制を示し、それによって衰弱し、ついに
は致命的な日和見感染症にかかりやすくなる。
【0003】 疾患AIDSは、HIV−1またはHIV−2ウイルスがそれ自体の複雑な生
活環に従った最終結果である。ウィリオンの生活環は、ウィリオンがその保護膜
表面の糖蛋白質とリンパ球細胞上のCD4糖蛋白質との結合を通してウィリオン
自体を宿主であるヒトT−4リンパ球免疫細胞に結合させることから始まる。い
ったん結合すると、ウィリオンはその糖蛋白質膜を離脱し、宿主細胞の膜に浸透
し、そのRNAのコーティングをとる。ウィリオンの酵素である逆転写酵素は、
RNAを一本鎖DNAに転写する工程を誘導する。ウイルスRNAは分解され、
第二のDNA鎖が生成される。こうして二本鎖となったDNAがヒト細胞遺伝子
に組み込まれ、これらの遺伝子がウイルス複製に用いられる。
【0004】 この時点で、RNAポリメラーゼは組み込まれたDNAをウイルスRNAに転
写する。ウイルスRNAは前駆体のgag−pol融合ポリプロテインに翻訳さ
れる。ポリプロテインは次いで、HIVプロテアーゼ酵素によって切断されて、
成熟ウイルス蛋白質を生じる。したがって、HIVプロテアーゼは、ウイルス粒
子を完全な感染性を持つウイルスへと成熟させる切断事象のカスケードの調節を
担っている。
【0005】 ウイルスが感染して免疫系のT細胞を死滅させるため、侵入してくるウィリオ
ンを死滅させる典型的なヒト免疫系の応答には、重い負担がかかっている。加え
て、新しいウィリオン粒子を作る際に用いられる酵素であるウイルス逆転写酵素
はあまり特異的ではなく、転写の誤りを犯してウイルス保護膜表面上の連続的に
変化した糖蛋白質が生じることになる。1つの糖蛋白質に対して特異的に生成さ
れた抗体は別の糖蛋白質に対しては役に立たないことがあり、そのためウイルス
との闘いに有効な抗体の数が減るため、この特異性の欠除によって免疫系の有効
性が低下する。ウイルスが複製し続ける一方で、免疫応答系は弱り続けるのであ
る。ついには、HIVが身体の免疫系に対して広く勢力をふるうことになって、
日和見感染症を起こさせ、抗ウイルス薬、免疫調節薬、またはその両方を投与し
なければ死に至ることもある。
【0006】 抗ウイルス薬の標的として可能性があると認められた、ウイルスの生活環にお
ける決定的ポイントが少なくとも3つある。すなわち、(1)ウィリオンのT−
4リンパ球またはマクロファージ部位への最初の結合、(2)ウイルスRNAの
ウイルスDNAへの転写(逆転写酵素、RT)、および(3)gag−pol蛋
白質のHIVプロテアーゼによる処理である。
【0007】 第二の決定的ポイント、すなわちウイルスRNAからウイルスDNAへの転写
工程におけるウイルスの阻害は、AIDS治療に用いられているいくつかの現行
の治療法を提供している。ウィリオンの遺伝子はRNAにコードされており、宿
主細胞はDNAしか読まないため、この転写はウィリオンが複製するために起こ
らなければならないものである。逆転写酵素を阻害してウイルスDNAの生成を
完了させないようにする薬剤を導入することにより、HIV−1の複製を止める
ことができる。
【0008】 AIDSを治療するために、ウイルスの複製を妨害するいくつかの化合物が開
発されている。例えば、3′−アジド−3′−デオキシチミジン(AZT)、2
′,3′−ジデオキシシチジン(ddC)、2′,3′−ジデオキシチミジネン
(d4T)、2′,3′−ジデオキシイノシン(ddI)、および2′,3′−
ジデオキシ−3′−チア−シチジン(3TC)などのヌクレオシド類縁体が、逆
転写酵素(RT)段階でHIV複製を停止させるのに比較的有効であることが明
らかにされている。
【0009】 研究の活発な領域は、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤を見いだすこと
にある。一例として、特定のベンゾオキサジノンおよびキナゾリノンがHIV逆
転写酵素の阻害、HIVによる感染症の予防または治療、およびAIDSの治療
において作用することが見いだされている。
【0010】 US 5,519,021は、下記の式のベンゾオキサジノンである逆転写酵
素阻害剤について記載している。
【0011】
【化7】
【0012】 式中、Xはハロゲンであり、ZはSであってもよい。
【0013】 EP 0,530,994およびWO 93/04047は、下記の式Aのキ
ナゾリノンであるHIV逆転写酵素阻害剤について記載している。
【0014】
【化8】
【0015】 式中、Gは様々な基であり、R3およびR4はHであってよく、ZはSであってよ
く、R2は非置換アルキル、非置換アルケニル、非置換アルキニル、非置換シク ロアルキル、非置換複素環、および任意に置換されたアリールであってよく、か
つR1は置換アルキルを含む様々な基であってよい。
【0016】 WO 95/12583も、式AのHIV逆転写酵素阻害剤について記載して
いる。この公報において、Gは様々な基であり、R3およびR4はHであってよく
、ZはSであってよく、R2は置換アルケニルまたは置換アルキニルであり、か つR1はシクロアルキル、アルキニル、アルケニル、またはシアノである。
【0017】 前述したようなキナゾリノンを製造するための合成法は下記の参照文献に詳述
されている。Houpis et al,Tetr.Lett.1994,35
(37),6811−6814;Tucker et al,J.Med.Ch
em.1994,37,2437−2444;およびHuffman et a
l,J.Org.Chem.1995,60,1590−1594。
【0018】 DE 4,320,347は、下記の式のキナゾリノンについて記載している
【0019】
【化9】
【0020】 式中、Rはフェニル、炭素環、または複素環であり、XはSであってよい。この
種の化合物は、本発明の一部とは考えられない。
【0021】 現在、逆転写酵素阻害剤が成功しているにもかかわらず、HIV患者が単一の
阻害剤に対して抵抗性となりうることが明らかにされている。したがって、HI
V感染症とさらに闘うために、追加の阻害剤を開発することが望ましい。
【0022】 (発明の概要) したがって、本発明の一目的は、新規な逆転写酵素阻害剤を提供することであ
る。
【0023】 本発明のもう1つの目的は、HIV感染症を治療するための新規な方法であっ
て、このような治療を必要としている宿主に本発明の化合物の少なくとも1つま
たはその薬剤に許容可能な塩の形の治療上の有効量を投与する工程を含む方法を
提供することである。
【0024】 本発明のもう1つの目的は、HIV感染症を治療するための新規な方法であっ
て、このような治療を必要としている宿主に(a)本発明の化合物の1つと、(
b)HIV逆転写酵素阻害剤およびHIVプロテアーゼ阻害剤からなる群より選
択される1つまたは複数の化合物との治療上有効な組み合わせを投与することを
含む方法を提供することである。
【0025】 本発明のもう1つの目的は、逆転写酵素阻害活性を有する医薬品組成物であっ
て、薬剤に許容可能な担体と、本発明の化合物の少なくとも1つまたはその薬剤
に許容可能な塩の形の治療上の有効量とを含む組成物を提供することである。
【0026】 本発明のもう1つの目的は、体液サンプル中に存在するHIVを阻害する方法
であって、体液サンプルを本発明の化合物の有効な量で処理することを含む方法
を提供することである。
【0027】 本発明のもう1つの目的は、本発明の化合物の少なくとも1つを、HIV逆転
写酵素、HIV増殖、またはその両方を阻害する可能性のある医薬品の能力を判
定するための試験またはアッセイにおいて標準物質または試薬として用いるのに
有効量含む、キットまたは容器を提供することである。
【0028】 これらおよび他の目的は、下記の詳細な説明を読めば明らかとなるであろうが
、発明者らの、下記の式(I)の化合物、
【0029】
【化10】
【0030】 式中、R1、R2、R3、およびR8は以下に定義されている化合物、それらの立
体異性体、立体異性体の混合物、またはそれらの薬剤に許容可能な塩の形は有効
な逆転写酵素阻害剤であるという発見によって達成された。
【0031】 (好ましい実施形態の詳細な説明) [1]したがって、第1の実施形態において、本発明は、式I
【0032】
【化11】
【0033】 の新規な化合物またはそれらの立体異性体もしくは薬剤に許容可能な塩を提供し
ており、 式中、R1は1〜7個のハロゲンで置換されたC1 3アルキルであり、 R2は1〜2個のR4で置換されたC1 5アルキル、1〜2個のR4で置換され たC2 5アルケニル、および1個のR4で置換されたC2 5アルキニルから選択 され、 R3は、それぞれの出現時に、C1 4アルキル、OH、C1 4アルコキシ、F 、Cl、Br、I、NR55a、NO2、CN、C(O)R6、NHC(O)R7
およびNHC(O)NR55aから独立に選択され、 あるいは、2個のR3が存在して、隣接する炭素に結合している場合、それら は組み合わされて−OCH2O−を形成してもよく、 R4は0〜2個のR3で置換されたC3 5シクロアルキル、0〜5個のR3で置 換されたフェニル、ならびに0〜2個のR3で置換され、O、N、およびSから 選択された1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の複素環系から選択され、 R5およびR5aはHおよびC1 3アルキルから独立に選択され、 R6はH、OH、C1 4アルキル、C1 4アルコキシ、およびNR55aから選
択され、 R7はC1 3アルキルおよびC1 3アルコキシから選択され、 R8はH、C3 5シクロアルキル、およびC1 3アルキルから選択され、かつ nは0、1、2、3、および4から選択される。
【0034】 [2]好ましい実施形態において、本発明は、式Iの新規な化合物であって、 式中、R1は1〜7個のハロゲンで置換されたC1 3アルキルであり、 R2は1個のR4で置換されたC1 5アルキル、1個のR4で置換されたC2 5 アルケニル、および1個のR4で置換されたC2 5アルキニルから選択され、 R3は、それぞれの出現時に、C1 4アルキル、OH、C1 4アルコキシ、F 、Cl、Br、I、NR55a、NO2、CN、C(O)R6、NHC(O)R7
およびNHC(O)NR55aから独立に選択され、 あるいは、2個のR3が存在して、隣接する炭素に結合している場合、それら は組み合わされて−OCH2O−を形成してもよく、 R4は0〜2個のR3で置換されたC3 5シクロアルキル、0〜2個のR3で置 換されたフェニル、ならびに0〜1個のR3で置換され、O、N、およびSから 選択された1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の複素環系から選択され、 R5およびR5aはH、CH3およびC25から独立に選択され、 R6はH、OH、CH3、C25、OCH3、OC25、およびNR55aから選
択され、 R7はCH3、C25、OCH3、およびOC25から選択され、 R8はH、シクロプロピル、CH3およびC25から選択され、かつ nは0、1、2、および3から選択される化合物を提供する。
【0035】 [3]より好ましい実施形態において、本発明は、式Iの新規な化合物であって
、 式中、R1はCF3およびC25から選択され、 R2は1個のR4で置換されたC1 3アルキル、1個のR4で置換されたC2 3 アルケニル、および1個のR4で置換されたC2 3アルキニルから選択され、 R3は、それぞれの出現時に、C1 3アルキル、OH、C1 3アルコキシ、F 、Cl、Br、I、NR55a、NO2、CN、C(O)R6、NHC(O)R7
およびNHC(O)NR55aから独立に選択され、 あるいは、2個のR3が存在して、隣接する炭素に結合している場合、それら は組み合わされて−OCH2O−を形成してもよく、 R4は0〜2個のR3で置換されたC3 5シクロアルキル、0〜2個のR3で置 換されたフェニル、ならびに0〜1個のR3で置換され、O、N、およびSから 選択された1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の複素環系から選択され、 R5およびR5aはH、CH3およびC25から独立に選択され、 R6はH、OH、CH3、C25、OCH3、OC25、およびNR55aから選
択され、 R7はCH3、C25、OCH3、およびOC25から選択され、 R8はH、CH3およびC25から選択され、かつ nは0、1、および2から選択される化合物を提供する。
【0036】 [4]さらにより好ましい実施形態において、本発明は、式Iの新規な化合物で
あって、 式中、R1はCF3であり、 R2は1個のR4で置換されたC1 3アルキル、1個のR4で置換されたC2 3 アルケニル、および1個のR4で置換されたC2 3アルキニルから選択され、 R3は、それぞれの出現時に、C1 3アルキル、OH、C1 3アルコキシ、F 、Cl、NR55a、NO2、CN、C(O)R6、NHC(O)R7、およびNH
C(O)NR55aから独立に選択され、 あるいは、2個のR3が存在して、隣接する炭素に結合している場合、それら は組み合わされて−OCH2O−を形成してもよく、 R4は0〜1個のR3で置換されたシクロプロピル、0〜2個のR3で置換され たフェニル、ならびに0〜1個のR3で置換され、O、N、およびSから選択さ れた1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の複素環系であって、該複素環系が、
2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フラニル、3−フラニル、2
−チエニル、3−チエニル、2−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−イソオキ
サゾリル、および2−イミダゾリルから選択され、 R5およびR5aはH、CH3およびC25から独立に選択され、 R6はH、OH、CH3、C25、OCH3、OC25、およびNR55aから選
択され、 R7はCH3、C25、OCH3、およびOC25から選択され、 R8はH、CH3およびC25から選択され、かつ nは1および2から選択される化合物を提供する。
【0037】 [5]さらに好ましい実施形態において、化合物は式Iaの化合物である。
【0038】
【化12】
【0039】 [6]さらに好ましい実施形態において、化合物は式Ibの化合物である。
【0040】
【化13】
【0041】 [7]さらに好ましい実施形態において、式Iの化合物は、 (+/−)−4−シクロプロピルエチニル−5,6−ジフルオロ−4−トリフ
ルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリンチオン、 (+/−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメ
チル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリンチオン、 (+/−)−4−シクロプロピルエチニル−5,6−ジフルオロ−4−トリフ
ルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2−メチル(1H)−キナゾリンチオン、お
よび (+/−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメ
チル−3,4−ジヒドロ−2−メチル(1H)−キナゾリンチオン、 またはその薬剤に許容可能な塩から選択される。
【0042】 [8]第2の実施形態において、本発明は、式II
【0043】
【化14】
【0044】 の新規な化合物、またはそれらの立体異性体もしくは薬剤に許容可能な塩を提供
しており、 式中、R2はC≡C−R4aであり、 R3はC1 4アルキル、OH、C1 4アルコキシ、F、Cl、Br、I、NR55a、NO2、CN、C(O)R6、NHC(O)R7、およびNHC(O)NR55aから選択され、 R4aはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、i−ブチル、t−ブチ
ル、およびi−ペンチルから選択され、 R5およびR5aはHおよびC1 3アルキルから独立に選択され、 R6はH、OH、C1 4アルキル、C1 4アルコキシ、およびNR55aから選
択され、 R7はC1 3アルキルおよびC1 3アルコキシから選択され、 R8はH、C3 5シクロアルキル、およびC1 3アルキルから選択され、かつ nは0、1、2、3、および4から選択される。
【0045】 [9]もう1つの好ましい実施形態において、本発明は、式IIの新規な化合物
であって、 式中、R2はC≡C−R4aであり、 R3はC1 4アルキル、OH、C1 4アルコキシ、F、Cl、Br、I、NR55a、NO2、CN、C(O)R6、およびNHC(O)R7から選択され、 R4aはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、i−ブチル、t−ブチ
ル、およびi−ペンチルから選択され、 R5およびR5aはH、CH3およびC25から独立に選択され、 R6はH、OH、CH3、C25、OCH3、OC25、およびNR55aから選
択され、 R7はCH3、C25、OCH3、およびOC25から選択され、 R8はH、シクロプロピル、CH3およびC25から選択され、かつ nは0、1、および2から選択される化合物を提供する。
【0046】 [10]さらに好ましい実施形態において、化合物は式IIaの化合物である。
【0047】
【化15】
【0048】 [11]さらに好ましい実施形態において、化合物は式IIbの化合物である。
【0049】
【化16】
【0050】 第3の実施形態において、本発明は、新規な医薬品組成物であって、薬剤に許
容可能な担体と、式IもしくはIIの化合物またはそれらの薬剤に許容可能な塩
の形の治療上の有効量とを含む医薬品組成物を提供する。
【0051】 第4の実施形態において、本発明は、HIV感染症を治療するための新規な方
法であって、このような治療を必要としている宿主に式IもしくはIIの化合物
またはそれらの薬剤に許容可能な塩の形の治療上の有効量を投与することを含む
方法を提供する。
【0052】 第5の実施形態において、本発明は、HIV感染症を治療するための新規な方
法であって、このような治療を必要としている宿主に (a)式IまたはIIの化合物と、 (b)HIV逆転写酵素阻害剤およびHIVプロテアーゼ阻害剤からなる群よ
り選択される、少なくとも1つの化合物との治療上の有効量を、組み合わせて投
与することを含む方法を提供する。
【0053】 もう1つの好ましい実施形態において、逆転写酵素阻害剤はAZT、ddC、
ddI、d4T、3TC、デラビルジン、ネビラピン、Ro 18,893、ト
ロビルジン、MKC−442、HBY 097、ACT、UC−781、UC−
782、RD4−2025、およびMEN 10979から選択され、プロテア
ーゼ阻害剤はサキナビル、リトナビル、インジナビル、アンプレナビル、ネルフ
ィナビル、パリナビル、BMS−232623、GS3333、KNI−413
、KNI−272、LG−71350、CGP−61755、PD 17360
6、PD 177298、PD 178390、PD 178392、U−14
0690、およびABT−378から選択される。
【0054】 さらにより好ましい実施形態において、逆転写酵素阻害剤はAZTおよび3T
Cから選択され、プロテアーゼ阻害剤はサキナビル、リトナビル、ネルフィナビ
ル、およびインジナビルから選択される。
【0055】 なおさらに好ましい実施形態において、逆転写酵素阻害剤はAZTである。
【0056】 もう1つのなおさらに好ましい実施形態において、プロテアーゼ阻害剤はイン
ジナビルである。
【0057】 第6の実施形態において、本発明は、HIV感染症を治療するために有用な医
薬キットであって、 (a)式IまたはIIの化合物と、 (b)HIV逆転写酵素阻害剤およびHIVプロテアーゼ阻害剤からなる群よ
り選択される、少なくとも1つの化合物との治療上の有効量を、1つまたは複数
の無菌容器中に含むキットを提供する。
【0058】 第7の実施形態において、本発明は、体液サンプル中に存在するHIVを阻害
する新規な方法であって、体液サンプルを式IまたはIIの化合物の有効量で処
理することを含む方法を提供する。
【0059】 第8の実施形態において、本発明は、式IまたはIIの化合物を、HIV逆転
写酵素、HIV増殖、またはその両方を阻害する可能性のある医薬品の能力を評
価するための試験またはアッセイにおいて標準物質または試薬として用いるのに
有効な量含む、新規なキットまたは容器を提供する。
【0060】 (定義) 本明細書で用いられている、下記の用語および表現は示された意味を有してい
る。本発明の化合物は非対称に置換された炭素原子を含み、光学活性体またはラ
セミ体で単離されうることが理解されるであろう。ラセミ体の分割または光学活
性な出発物質からの合成などの、光学活性体を調製する方法は、当業界でよく知
られている。特定の立体化学または異性体が特に示されていない限り、すべての
キラル体、ジアステレオマー、ラセミ体、およびすべての同一構造の幾何異性体
を意図する。
【0061】 本発明の方法は、少なくとも多グラムスケール、キログラムスケール、多キロ
グラムスケール、または工業スケールで実施されることが企図される。本明細書
で用いられる多グラムスケールとは、少なくとも1つの出発物質が10グラム以
上存在するスケールであることが好ましく、少なくとも50グラム以上がより好
ましく、少なくとも100グラム以上であればさらにより好ましい。本明細書で
用いられる多キログラムスケールとは、少なくとも1つの出発物質が1キログラ
ムを超えて用いられることを意味する。本明細書で用いられる工業スケールとは
、実験室スケール以外であって、臨床試験または消費者への配布のいずれかに十
分な製品を供給するのに十分なスケールを意味する。
【0062】 本明細書で用いられる「アルキル」とは、特定の数の炭素原子を有する、分岐
鎖および直鎖両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むと意図される。アルキルの例に
は、メチル、−エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル
、t−ブチル、n−ペンチル、およびs−ペンチルが含まれるが、これらに限定
されることはない。「ハロアルキル」とは、1つまたは複数のハロゲンで置換さ
れた特定の数の炭素原子(例えば、v=1〜3であり、w=1〜(2v+1)で
ある−Cvw)を有する、分岐鎖および直鎖両方の飽和脂肪族炭化水素基を含む
と意図される。ハロアルキルの例には、トリフルオロメチル、トリクロロメチル
、ペンタフルオロエチル、およびペンタクロロエチルが含まれるが、これらに限
定されることはない。「アルコキシ」とは、酸素架橋を介して結合された特定の
数の炭素原子を有する、上で定義したアルキル基を意味する。アルコキシの例に
は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s
−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、およびs−ペントキシが含まれる
が、これらに限定されることはない。「シクロアルキル」とは、シクロプロピル
、シクロブチル、またはシクロペンチルなどの飽和環状基を含むと意図される。
「アルケニル」とは、エテニル、プロペニルなどの、直鎖または分岐鎖のいずれ
かの立体配置と、鎖に沿ったいかなる安定な点でも起こりうる1つまたは複数の
不飽和炭素−炭素結合とを有する炭化水素鎖を含むと意図される。「アルキニル
」とは、エチニル、プロピニルなどの、直鎖または分岐鎖のいずれかの立体配置
と、鎖に沿ったいかなる安定な点でも起こりうる1つまたは複数の三重炭素−炭
素結合とを有する炭化水素鎖を含むと意図される。
【0063】 本明細書で用いられる「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、
ブロモおよびヨードを意味する。「対イオン」とは、塩化物、臭化物、水酸化物
、酢酸塩、硫酸塩などの、小さく、負の電荷を持つ化学種を指して用いられる。
【0064】 本明細書で用いられる「アリール」または「芳香族残基」とは、フェニルまた
はナフチルなどの、特定の数の炭素原子を含む芳香族部分を意味する。本明細書
で用いられる「炭素環」または「炭素環残基」とは、いかなる安定な3から5員
単環をも意味し、これは飽和または部分的に不飽和であってもよい。このような
炭素環の例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル
、ビフェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、またはテトラヒドロナフ
チル(テトラリン)などが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0065】 本明細書で用いられる「複素環」または「複素環系」という用語は、安定な5
から6員単環複素環を意味し、これは飽和、部分的不飽和または不飽和(芳香族
)であり、炭素原子と、N、OおよびSからなる群より独立に選択される1〜3
個のヘテロ原子とからなる。窒素および硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていて
もよい。複素環はその側鎖と、安定な構造をとるようないかなるヘテロ原子また
は炭素原子において結合していてもよい。本明細書に記載されている複素環は、
得られる化合物が安定であれば、炭素または窒素原子上で置換されていてもよい
。特別に示されている場合には、複素環中の窒素は任意に第四級となっていても
よい。複素環中のSおよびO原子の総数が1を超えるとき、これらのヘテロ原子
は相互に隣接していないことが好ましい。複素環中のSおよびO原子の総数が1
以下であることが好ましい。本明細書で用いられる「芳香族複素環系」という用
語は、炭素原子と、N、OおよびSからなる群より独立に選択される1〜3個の
ヘテロ原子とからなる、安定な5から6員単環複素環芳香環を意味する。芳香族
複素環中のSおよびO原子の総数が1以下であることが好ましい。
【0066】 複素環の例には、2−ピロリドニル、2H−ピロリル、4−ピペリドニル、6
H−1,2,5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、フ
ラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、イソ
オキサゾリル、モルホリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリ
ル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,
4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペ
リジニル、プテリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、プテリジニル、プ
リニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、
ピリダジニル、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニ
ル、ピロリル、テトラヒドロフラニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1
,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジ
アゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾ
リル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル
、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリア
ゾリル、および1,3,4−トリアゾリルが含まれるが、これらに限定されるこ
とはない。好ましい複素環には、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、
ピラゾリル、イミダゾリル、およびオキサゾリジニルが含まれるが、これらに限
定されることはない。また、例えば前述の複素環を含む縮合環およびスピロ化合
物も含まれる。
【0067】 本明細書で用いられる「HIV逆転写酵素阻害剤」とは、HIV逆転写酵素(
RT)のヌクレオシドおよび非ヌクレオシド阻害剤の両方を意味する。ヌクレオ
シドRT阻害剤の例には、AZT、ddC、ddI、d4T、および3TCが含
まれるが、これらに限定されることはない。非ヌクレオシドRT阻害剤の例には
、デラビルジン(Pharmacia and Upjohn U90152S
)、ネビラピン(Boehringer Ingelheim)、Ro 18,
893(Roche)、トロビルジン(Lilly)、MKC−442(Tri
angle)、HBY 097(Hoechst)、ACT(Korean R
esearch Institute)、UC−781(Rega Insti
tute)、UC−782(Rega Institute)、RD4−202
5(Tosoh Co.Ltd.)、およびMEN 10979(Menari
ni Farmaceutici)が含まれるが、これらに限定されることはな
い。
【0068】 本明細書で用いられる「HIVプロテアーゼ阻害剤」とは、HIVプロテアー
ゼを阻害する化合物を意味する。これらの例には、サキナビル(Roche、R
o31−8959)、リトナビル(Abbott、ABT−538)、インジナ
ビル(Merck、MK−639)、アンプレナビル(Vertex/Glax
o Wellcome)、ネルフィナビル(Agouron、AG−1343)
、パリナビル(Boehringer Ingelheim)、BMS−232
623(Bristol−Myers Squibb)、GS3333(Gil
ead Sciences)、KNI−413(Japan Energy)、
KNI−272(Japan Energy)、LG−71350(LG Ch
emical)、CGP−61755(Chiba−Geigy)、PD 17
3606(Parke Davis)、PD 177298(Parke Da
vis)、PD 178390(Parke Davis)、PD 17839
2(Parke Davis)、U−140690(Pharmacia an
d Upjohn)、およびABT−378が含まれるが、これらに限定される
ことはない。さらなる例には、WO 93/07128、WO 94/1932
9、WO 94/22840、およびPCT出願番号US96/03426に開
示されている環状プロテアーゼ阻害剤が含まれる。
【0069】 本明細書で用いられる「薬剤に許容可能な塩」とは、親化合物がその酸または
塩基塩を形成することによって修飾されている、開示された化合物の誘導体を意
味する。薬剤に許容可能な塩の例には、アミンなどの塩基性残基の鉱酸または有
機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩、その他が含まれる
が、これらに限定されることはない。薬剤に許容可能な塩には、例えば非毒性の
無機または有機酸から生成された親化合物の通常の非毒性塩または第四級アンモ
ニウム塩が含まれる。例えば、このような通常の非毒性塩には、塩酸、臭化水素
酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸由来の塩、および酢酸、
プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石
酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモイン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン
酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2
−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エ
タンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などの有機酸から調製された塩が含
まれる。
【0070】 本発明の薬剤に許容可能な塩は、塩基性または酸性部分を含む親化合物から、
通常の化学的方法によって合成することができる。一般に、そのような塩はこれ
らの化合物の遊離酸または塩基体を、化学量論的量の適当な塩基または酸と水も
しくは有機溶媒中、または2つの混合物中で反応させることによって調製するこ
とができ、一般にはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、ま
たはアセトニトリルなどの非水性媒質が好まれる。適当な塩の一覧は、Remi
ngton′s Pharmaceutical Sciences,17th
ed.,Mack Publishing Company,Easton,
PA,1985,p.1418に記載されており、その開示を参照として本明細
書中に組み入れる。
【0071】 「薬剤に許容可能」という語句は、本明細書において、正しい医学的判断の範
囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触しての使用に適し、妥当な利益/危険比に
比例した過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を
伴わない、化合物、物質、組成物、および/または剤形を指すために用いられる
【0072】 「プロドラッグ」とは、そのようなプロドラッグが哺乳動物対象者に投与され
たときに、式(I)の活性親薬物または本発明の他の式もしくは化合物をin
vivoで放出する、いかなる共有結合した担体も含むと意図される。例えば式
(I)の本発明の化合物のプロドラッグは、化合物中に存在する官能基を、修飾
体が通常の操作またはin vivoのいずれかで切断されて親化合物となるよ
うな様式で修飾することにより、調製される。プロドラッグには、水酸基または
アミノ基が、プロドラッグが哺乳動物対象者に投与されると切断されて、それぞ
れ遊離の水酸基またはアミノ基を生じるような基に結合されている、本発明の化
合物が含まれる。プロドラッグの例には、本発明の化合物におけるアルコールお
よびアミン官能基の酢酸エステル、ギ酸エステルおよび安息香酸エステル誘導体
などが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0073】 「安定な化合物」および「安定な構造」とは、反応混合物から有用な程度の純
度まで単離し、有効な治療薬に製剤する段階で残存するのに十分強い化合物を示
すことを意味する。本発明によって、安定な化合物だけが企図される。
【0074】 「置換された」とは、「置換された」という用語を用いた表現で示された原子
の通常の原子価を超えず、置換によって安定な化合物が生じるとの条件で、その
原子上の1つまたは複数の水素が特定の基から選択されたもので置換されている
ことを指すと意図される。置換基がケト(すなわち、=O)基のとき、原子上の
2つの水素が置換される。
【0075】 「治療上の有効量」とは、HIV感染を阻害する、または宿主におけるHIV
感染症の症状を治療するのに有効であると主張されている、本発明の化合物の量
または化合物の組み合わせの量を含むと意図される。化合物の組み合わせは、相
乗的な組み合わせが好ましい。相乗作用は、例えば、Chou and Tal
alay,Adv.Enzyme Regul.22:27−55(1984)
によって記載されているとおり、組み合わせて投与したときの化合物の効果(こ
の場合、HIVの複製の阻害)が、単一の薬剤として単独で投与したときの化合
物の相加的効果よりも大きいときに生じる。一般に、相乗効果は化合物の最適以
下の濃度でもっともはっきりと示される。相乗作用は、より低い細胞毒性、高い
抗ウイルス効果、または組み合わせによる他の有益な効果に関して、個々の成分
と比較することができる。
【0076】 (合成) 本発明の化合物は、有機合成分野の当業者にはよく知られているいくつかの方
法で調製することができる。本発明の化合物は、下記の方法を、合成有機化学分
野において知られている合成法、または当業者には認められているその変法と共
に用いて合成することができる。好ましい方法には下記の方法が含まれるが、こ
れらに限定されることはない。以下に引用した各文献を、参照して本明細書に組
み入れる。
【0077】 スキーム1は、4,4−二置換3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリンチ
オンをその対応する4,4−二置換3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリノ
ンから合成する方法を示している。
【0078】
【化17】
【0079】 スキーム2は、4,4−二置換3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリンチ
オンのN(3)−メチル類縁体を調製する方法を示している
【0080】
【化18】
【0081】 背景の項に示した参照文献に記載されているキナゾリノンの合成に加えて、ス
キーム3〜6に4,4−二置換3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリノンを
調製する経路を記載している。これらのキナゾリノンは、スキーム1および2に
示すとおり、キナゾリンチオンに変換することができる。
【0082】
【化19】
【0083】 スキーム3は、適当に置換された2−アミノ安息香酸からケトアニリンを調製
する方法を示している。酸をそのN−メトキシ−N−メチルアミド誘導体に変換
し、これを次いで置換してR1置換ケトンを得ることができる。ケトアニリンは 本明細書において請求される化合物の有用な中間体である。
【0084】
【化20】
【0085】 スキーム4は、今度は適当に置換されたアニリンからケトアニリンを調製する
もう1つの方法を示している。ヨード化およびアミン保護の後、強塩基およびト
リフルオロ酢酸エチルを用いてトリフルオロメチルなどの基を導入することがで
きる。脱保護により、ケトアニリンが得られる。ケトアニリンを調製する別の手
段、例えばHoupis et al,Tetr.Lett.1994,35(
37),6811−6814が当業者には知られており、その内容を参照として
本明細書に組み入れる。
【0086】
【化21】
【0087】 2−トリフルオロアセチルアニリンを製造するもう1つの方法をスキーム5に
示す。保護されたアニリンを生成した後、アミドを還元し、トリフルオロメチル
基を付加する。MnO2などの酸化剤を用いた酸化により、有用な中間体が得ら れる。
【0088】
【化22】
【0089】 スキーム6に詳細に示した一般法を用いて、本発明の化合物を調製することが
できる。スキーム3および4に記載の方法によって調製することができるケトア
ニリンを、乾燥テトラヒドロフラン中ジメチルアミノピリジン存在下でトリメ
チルシリルイソシアネートで処理し、続いてフッ化テトラブチルアンモニウムで
処理することにより、ヒドロキシ尿素が得られる。このヒドロキシ尿素を次
いで、還流トルエンまたはキシレン中、4Åモレキュラーシーブなどの脱水剤で
脱水して、ケチミンが得られる。別の反応容器で乾燥テトラヒドロフラン中で
対応する置換アセチレンをn−ブチルリチウムと反応させることによって調製さ
れるリチウムアセチリドで、ケチミンを処理することにより、置換アセチレン
のR2基を付加して、式Iの化合物である4,4−二置換3,4−ジヒドロ−2 (1H)−キナゾリノンが得られる。化合物のアセチレン結合は、例えば接
触水素化によって還元することができ、対応するアルケニル基(示していない)
または飽和化合物が得られる。
【0090】 イミンをBF3エーテラートなどのルイス酸触媒存在下または非存在下で、 リチアートR2Liまたはグリニャール試薬R2MgXと直接反応させることによ
り、他のR2基も導入することができる。Huffman et al,J.O rg.Chem.1995,60,1590−1594も参照されたく、その内
容を参照として本明細書に組み入れる。
【0091】 式Iの化合物の一方の鏡像異性体が、他方と比べて優れた活性を示すことがあ
る。したがって、下記の立体化学も本発明の一部であると考えられる。
【0092】
【化23】
【0093】 必要があるときは、実施例27〜34(スキーム4)に例示したキラルカラムを
用いたHPLCにより、またはThomas J.Tucker,et al,
J.Med.Chem.1994,37,2437−2444に記載のカンフォ
ニッククロリドなどの分割剤を用いた分割により、ラセミ物質を分離することが
できる。式Iのキラル化合物を、例えばMark A.Huffman,et
al,J.Org.Chem.1995,60,1590−1594に記載のキ
ラル触媒またはキラルリガンドを用いて直接合成することもできる。
【0094】 本発明の他の特徴は、下記の例示的実施形態の説明を読めば明らかになると考
えられるが、これらは本発明の例示のために示すもので、本発明を限定するもの
ではない。
【0095】 (実施例) 実施例において用いられる略語は下記のとおりに定義される。すなわち、「℃
」は摂氏温度、「d」は二重線、「dd」は二重線の二重線、「eq」は当量、
「g」はグラム、「mg」はミリグラム、「mL」はミリリットル、「H」は水
素、「hr」は時間、「m」は多重線、「M」はモル、「min」は分、「MH
z」はメガヘルツ、「MS」は質量分光分析法、「nmr」または「NMR」は
核磁気共鳴分光分析法、「t」は三重線、「TLC」は薄層クロマトグラフィ、
「EDAC」は塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジ
イミド、「DIPEA」はジイソプロピルエチルアミン、「TBAF」はフッ化
テトラブチルアンモニウム、「LAH」は水素化リチウムアルミニウム、および
「TEA」はトリエチルアミンである。
【0096】 (中間体) (+/−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチ
ル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリノン(R4=シクロプロピル)の 調製
【0097】
【化24】
【0098】 ステップ1.I−aからII−aの合成 化合物I−a(4.55g、20.2mmol)の無水THF(40mL)溶
液に、ジメチルアミノピリジン(0.25g、2.02mmol)およびトリメ
チルシリルイソシアネート(6.05g、7.11mL、52.5mmol)を
加えた。混合物を室温で約16時間撹拌し、次いでフッ化テトラブチルアンモニ
ウム(1M THF溶液21mL)を加えた。濃厚なスラリーを追加のTHF(
20mL)で希釈し、室温で0.5時間撹拌した。THFを減圧下で除去し、残
渣をEtOAc(100mL)に取って、1N HCl(70mL)、飽和Na
HCO3水溶液(70mL)および飽和NaCl水溶液(50mL)で順次洗浄 した。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、淡黄色の液体 を得た。ヘキサンで粉砕して黄色い色を除去し、IIa(5.09g、94%)
を白色の固体で得た。1H NMR(300MHz、アセトン−d6)δ9.06
(br s、1H)、7.48(s、1H)、7.40(br s、1H)、7
.34(dd、J=8.8、2.6Hz、1H)、6.97(d、J=8.8H
z、1H);19F NMR(282MHz、アセトン−d6)δ−86.33、 −86.35;IR(KBrペレット)1724、1678、1398、119
8、1174cm-1;MS(CI)m/e 266(MH+、100)。
【0099】 ステップ2.II−aからIII−aの合成 4Åモレキュラーシーブ(約100mg)を含むII−a(5.09g、19
.1mmol)のトルエン(150mL)懸濁液を加熱して16時間還流させた
。得られた澄明な黄色溶液を室温まで冷却し、沈殿した固体をアセトンに溶解し
、モレキュラーシーブを減圧濾過により除去した。ろ液を減圧下で濃縮し、ヘキ
サンで粉砕してIII−a(4.25g、89%)を黄色の固体で得た。1H NMR(300MHz、アセトン−d6)δ7.86〜7.82(m、2H)、 7.61(d、J=8.8Hz、1H);19F NMR(282MHz、アセト
ン−d6)δ−67.88。
【0100】 ステップ3.IIIaからIV−aの合成 シクロプロピルアセチレン(トルエン/THF/ヘキサンの30重量%溶液1
3.0mL、59.0mmol)の無水THF(118mL)溶液を−78℃に
冷却し、n−BuLi(1.6Mヘキサン溶液32.8mL、52.4mmol
)で処理し、氷浴中で0℃まで暖め、0.5hエイジングさせた。III−a(
3.12g、12.6mmol)の無水THF(66mL)溶液に、−78℃で
リチウムアセチリドを約10分かけて加えた。これに三フッ化ホウ素エーテラー
ト(0.89g、0.80mL、6.28mmol)を加え、続いて冷却浴を除
去した。反応物を室温にもどし、室温で4時間撹拌した後、1Mクエン酸(10
0mL)で急冷した。混合物を減圧下で元の容量の1/2まで濃縮し、EtOA
c(200mL)で希釈し、水相を除去し、有機相を飽和NaHCO3(100 mL)水溶液および飽和NaCl水溶液(100mL)で順次洗浄した。有機相
をMgSO4で乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュク ロマトグラフィ(3%MeOH/CH2Cl2)で精製して濃厚な黄色オイルを得
て、これより結晶IV−a(R4=シクロプロピル)(3.85g、97%)を 白色固体で得た。mp 86.6〜88℃;1H NMR(300MHz、アセ トン−d6)δ8.95(br s、1H)、7.51(br s、1H)、7 .43(br s、1H)、7.40(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)
、7.02(d、J=8.8Hz、1H)、1.49〜1.41(m、1H)、
0.93〜0.82(m、1H)、0.77〜0.74(m、1H);19F N
MR(282MHz、アセトン−d6)δ−82.96;IR(KBrペレット )1696、1172cm-1;MS(CI)m/e C1410ClF32Oにつ
いての計算値:315.051201、測定値315.051626;315(
MH+、51)、332(M+NH4 +、100);C14102ClF3O・0. 25 H2Oについての計算値:C、52.68;H、3.32;N、8.78 ;測定値:C、52.61;H、3.35;N、8.28。
【0101】 (+/−)−4−シクロプロピルエチニル−5,6−ジフルオロ−4−トリ
フルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリノン(R4=シクロ プロピル)の調製
【0102】
【化25】
【0103】 ステップ1.IX−aからX−aの合成 IX−a(6.46g、28.7mmol)の溶液を、実施例1のステップ1
に記載のとおり、ジメチルアミノピリジンおよびトリメチルシリルイソシアネー
トで処理して、所望の生成物6.74g(88%)を得た。1H NMR(30 0MHz、アセトン−d6)δ9.13(br s、1H)、7.45〜7.3 2(m、2H)、7.18(br s、1H)、6.85〜6.80(m、1H
);19F NMR(282MHz、アセトン−d6)δ−86.6(d、17. 2、3)、−137.52〜137.68(m、1)、−148.47〜148
.59(m、1)。
【0104】 ステップ2.X−aからXI−aの合成 X−a(6.74g、25.1mmol)の溶液を、トルエンをキシレンに変
えて実施例1のステップ2に記載のとおり、キシレン中で加熱して還流させ、所
望の生成物6.3g(100%)を得た。1H NMR(300MHz、アセト ン−d6)δ7.92〜7.83(m、1H)、7.46〜7.44(m、1H );19F NMR(282MHz、アセトン−d6)δ−70.7、(d、38 .7、3)、−136.72(s、1)、−146.47〜146.57(m、
1)。
【0105】 ステップ3.XI−aからXII−aの合成 実施例1のステップ3の方法に従い、XI−aの溶液(6.28g、25.1
mmol)を、シクロプロピルアセチレン(トルエン/THF/ヘキサンの30
重量%溶液24.9mL、0.113mol)から誘導したリチウムアセチリド
で処理した。得られた粗黄色オイルをアセトンに溶解し、減圧下で濃縮して黄色
固体を得た。アセトンから結晶化させて所望の物質5.98g(75%)を得た
。mp 86.5〜88.5℃;1H NMR(300MHz、アセトン−d6
δ9.01(br s、1H)、7.46(br s、1H)、7.44〜7.
35(m、1H)、6.86〜6.81(m、1H)、1.41〜1.37(m
、1H)、0.90〜0.83(m、1H)、0.74〜0.69(m、1H)
19F NMR(282MHz、アセトン−d6)δ−83.3(d、J=12 .9、1)、−136.04〜136.23(m、1)、−148.14〜14
8.26(m、1);IR(KBrペレット)1706、1516、1442、
1246、1214、1196cm-1;MS(CI)m/e C141052
についての計算値:317.071329、測定値317.070836;31
7(MH+、100)、334(M+MH4 +、62);C14952Oについて
の分析計算値:C、53.17;H、2.88;N、8.87;測定値:C、5
3.30;H、3.16;N、8.53。
【0106】 (実施例1) (+/−)−4−シクロプロピルエチニル−5,6−ジフルオロ−4−トリフル
オロメチル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリンチオンの調製 (+/−)−4−シクロプロピルエチニル−5,6−ジフルオロ−4−トリフ
ルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリノン(0.32g、1
.0mmol)のNa2CO3(160mg、1.5mmol)を含むオキシ塩化
リン(5mL)溶液を95℃で終夜加熱した。室温に冷却後、オキシ塩化リンを
減圧下で除去した。残渣をエタノール(5mL)に溶解し、チオ尿素(0.44
g、5.7mmol)を加えた。得られた混合物を加熱して24時間還流させ、
室温まで冷却して濃縮した。この物質をEtOAc(75mL)に溶解し、飽和
NaHCO3(50mL)水溶液および飽和NaCl水溶液(50mL)で順次 洗浄した。有機抽出物をMgSO4で乾燥し、濾過して、濃縮した。粗生成物を フラッシュクロマトグラフィ(38%EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題
化合物を白色固体で得た(142mg、43%)。mp 241〜243℃;1 H NMR(300MHz、アセトン−d6)δ7.52〜7.43(m、1H )、7.06〜7.03(m、1H)、1.43〜1.40(m、1H)、0.
89〜0.86(m、2H)、0.79〜0.74(m、2H);19F NMR
(282MHz、アセトン−d6)δ−83、−136、−145;C14952Sについての分析計算値:C、50.60;H、2.73;N、8.43; 測定値:C、50.46;H、2.78;N、8.31。
【0107】 (実施例2) (+/−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメチ
ル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリンチオンの調製 (+/−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメ
チル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリノン(0.33g、1.0mm
ol)のNa2CO3(160mg、1.5mmol)を含むオキシ塩化リン(5
mL)溶液を95℃で終夜加熱した。室温に冷却後、オキシ塩化リンを減圧下で
除去した。残渣をエタノール(5mL)に溶解し、チオ尿素(0.35g、4.
6mmol)を加えた。得られた混合物を加熱して24時間還流させ、室温まで
冷却して濃縮した。この物質をEtOAc(75mL)に溶解し、飽和NaHC
3(50mL)水溶液および飽和NaCl水溶液(50mL)で順次洗浄した 。有機抽出物をMgSO4で乾燥し、濾過して、濃縮した。粗生成物をフラッシ ュクロマトグラフィ(25%EtOAc/ヘキサン)で精製して、表題化合物を
白色固体で得た(129mg、37%)。mp 259〜260;1H NMR (300MHz、アセトン−d6)δ10.3(br s、1H)、8.95( br s、1H)、7.56(d、J=1.1Hz、1H)、7.48(dd、
J=8.4、2.6Hz、1H)、7.20(d、J=8.4Hz、1H)、1
.49〜1.44(m、1H)、0.93〜0.85(m、2H)、0.80〜
0.76(m、2H);19F NMR(282MHz、アセトン−d6)δ−8 2;C1410ClF32SについてのMS(CI)計算値:m/z 330.0
20533、測定値330.019821;331(MH+)。
【0108】 (実施例3) (+/−)−4−シクロプロピルエチニル−5,6−ジフルオロ−4−トリフル
オロメチル−3,4−ジヒドロ−2−メチル(1H)−キナゾリンチオンの調製
【0109】
【化26】
【0110】 ステップ1.5から10の合成 アニリン5(0.56g、2.5mmol)のエタノール(30mL)溶液に
、メチルイソシアネート(0.59mL、10mmol)を加えた。得られた溶
液を加熱して15時間還流させ、室温まで冷却して濃縮した。得られた固体をヘ
キサンで粉砕し、未反応の5を除去して10を得た(0.55g、79%)。1 H NMR(300MHz、アセトン−d6)δ9.16(br s、1H)、 7.44〜7.35(m、2H)、6.86〜6.81(m、1H)、3.06
〜3.05(m、3H);19F NMR(282MHz、アセトン−d6)δ− 83、−137、−148。
【0111】 ステップ2.10から11の合成 シクロプロピルアセチレン(トルエン/THF/ヘキサンの30重量%溶液0
.58mL、2.6mmol)の無水THF(5.2mL)溶液を−78℃に冷
却し、n−BuLi(1.6Mヘキサン溶液1.6mL、2.6mmol)で処
理し、氷浴中で0℃まで暖め、40分間エイジングさせた。10(0.25g、
0.87mmol)の無水THF(10mL)溶液に、0℃でメタンスルホニル
クロリド(0.17g、0.12mL、1.5mmol)と、続いてトリエチル
アミン(0.44g、0.61mL、4.3mmol)を加えた。得られた溶液
は明るい橙色になって沈殿を生じた。溶液を0℃で50分間撹拌し、その時点で
橙色の溶液に0℃のリチウムアセチリド溶液を約5分かけて加えた。混合物を0
℃で1時間撹拌し、1Mクエン酸(40mL)を加えることによって急冷し、E
tOAc(50mL)で希釈した。水相を除去し、有機相を飽和NaHCO3( 100mL)水溶液および飽和NaCl水溶液(100mL)で順次洗浄した。
有機相をMgSO4で乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッ シュクロマトグラフィ(50%EtOAc/ヘキサン)で精製して11を白色固
体で得た(0.12g、41%)。mp 178〜180℃;1H NMR(3 00MHz、アセトン−d6)δ9.12(br s、1H)、7.44〜7. 35(m、1H)、6.84〜6.79(m、1H)、3.20(s、3H)、
1.53〜1.45(m、1H)、0.95〜0.90(m、2H)、0.80
〜0.75(m、1H);19F NMR(282MHz、アセトン−d6)δ− 80、−135、−148。
【0112】 ステップ3.11から12の合成 11(66mg、0.20mmol)のオキシ塩化リン(5mL)溶液および
Na2CO3(45mg、0.40mmol)を95℃で3日間加熱した。オキシ
塩化リンを減圧下で除去し、次いでEtOAc(10mL)を加えて、得られた
混合物を減圧下で濃縮した。残渣をCH2Cl2に溶解し、濃縮してエタノール(
5mL)に溶解した。このエタノール溶液にチオ尿素(0.35g、4.6mm
ol)を加え、混合物を加熱して24時間還流させた。エタノールを減圧下で除
去し、残渣をEtOAc(90mL)に溶解し、飽和NaHCO3(30mL) 水溶液および飽和NaCl水溶液(30mL)で順次洗浄した。有機溶液をMg
SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して白色固体を得た。粗生成物をフラッシュクロ マトグラフィ(20%EtOAc/ヘキサン)で精製して、12を白色固体で得
た(40mg、58%)。mp 143〜145℃;1H NMR(300MH z、アセトン−d6)δ10.4(br s、1H)、7.52〜7.43(m 、1H)、7.03〜6.99(m、1H)、3.65(s、3H)、1.58
〜1.49(m、1H)、0.97〜0.91(m、2H)、0.86〜0.8
0(m、2H);19F NMR(282MHz、アセトン−d6)δ−79、− 135、−145;C151252OSについてのMS(ES+)計算値:m/ z 347.064137、測定値347.063819;347(MH+)。
【0113】 (実施例4) (+/−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメ
チル−3,4−ジヒドロ−2−メチル(1H)−キナゾリンチオンの調製
【0114】
【化27】
【0115】 ステップ1.13から14の合成 13(0.45g、2.0mmol)のエタノール(20mL)溶液に、メチ
ルイソチオシアネート(0.49g、0.46mL、6.7mmol)を加え、
得られた混合物を室温で4日間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をEtO
Ac(50mL)に溶解して、1Mクエン酸(30mL)、飽和NaHCO3水 溶液(30mL)、および飽和NaCl水溶液(30mL)で順次洗浄した。有
機抽出物をMgSO4で乾燥し、濾過して濃縮した。粗生成物をフラッシュクロ マトグラフィ(25%EtOAc/ヘキサン)で精製して14を得た(0.26
g、29%)。1H NMR(300MHz、アセトン−d6)δ10.4(br
s、1)、7.57(br s、1)、7.49(dd、8.5、2.2、1
)、7.20(d、8.5、1)、3.47(d、1.8、3);19F NMR
(282MHz、アセトン−d6)δ−83。
【0116】 ステップ2.14から15の合成 シクロプロピルアセチレン(トルエン/THF/ヘキサンの30重量%溶液1
.32mL、6.0mmol)の無水THF(15mL)溶液を−78℃に冷却
し、n−BuLi(1.6Mヘキサン溶液3.75mL、6.0mmol)で処
理し、氷浴中で0℃まで暖め、40分間エイジングさせた。14(0.30g、
1.0mmol)の無水THF(15mL)溶液に、0℃でメタンスルホニルク
ロリド(0.14g、93μL、1.2mmol)およびトリエチルアミン(0
.15g、0.21mL、1.5mmol)を順次加えた。得られた混合物を0
℃で0.5時間撹拌した。この溶液にリチウムシクロプロピルアセチリドを加え
、得られた混合物を0℃で2時間、次いで室温で終夜撹拌した。反応を1Mクエ
ン酸(5mL)を加えることによって急冷した。THFを減圧下で除去し、得ら
れた濃厚で橙色の溶液をEtOAc(150mL)で希釈し、飽和NaHCO3 (30mL)水溶液および飽和NaCl水溶液(30mL)で順次洗浄した。有
機抽出物をMgSO4で乾燥し、濾過して濃縮した。粗生成物をフラッシュクロ マトグラフィ(13%EtOAc/ヘキサン)で精製して15を黄色固体で得た
(93mg、27%)。mp 178.9〜179.6℃;1H NMR(30 0MHz、アセトン−d6)δ10.4(br s、1H)、7.58(d、J =1.4Hz、1H)、7.48(dd、J=8.6、2.4Hz、1H)、7
.18(d、J=8.4Hz、1H)、3.64(d、J=1.1Hz、3H)
、1.65〜1.56(m、1H)、1.02〜0.93(m、2H)、0.9
1〜0.82(m、2H);19F NMR(282MHz、アセトン−d6)δ −79;C1513ClF32SについてのMS(ES-)計算値:m/z 34 5.044008、測定値344.043482;343(MH-)。
【0117】
【表1】
【0118】* 特に示されていない限り、立体化学は(+/−)である。
【0119】 表2および3は、本発明の代表例を含む。
【0120】
【表2−1】
【0121】
【表2−2】
【0122】
【表2−3】
【0123】
【表2−4】
【0124】
【表2−5】
【0125】
【表2−6】
【0126】
【表2−7】
【0127】
【表2−8】
【0128】
【表2−9】
【0129】
【表2−10】
【0130】
【表2−11】
【0131】
【表2−12】
【0132】
【表2−13】
【0133】
【表2−14】
【0134】
【表2−15】
【0135】
【表2−16】
【0136】
【表2−17】
【0137】
【表2−18】
【0138】
【表2−19】
【0139】
【表2−20】
【0140】
【表2−21】
【0141】
【表2−22】
【0142】
【表2−23】
【0143】
【表2−24】
【0144】
【表2−25】
【0145】
【表2−26】
【0146】
【表2−27】
【0147】
【表2−28】
【0148】
【表2−29】
【0149】
【表2−30】
【0150】
【表2−31】
【0151】
【表2−32】
【0152】
【表2−33】
【0153】
【表2−34】
【0154】
【表2−35】
【0155】
【表2−36】
【0156】
【表2−37】
【0157】
【表2−38】
【0158】
【表2−39】
【0159】
【表2−40】
【0160】
【表2−41】
【0161】
【表2−42】
【0162】
【表2−43】
【0163】
【表2−44】
【0164】
【表2−45】
【0165】
【表2−46】
【0166】
【表2−47】
【0167】
【表2−48】
【0168】
【表2−49】
【0169】
【表2−50】
【0170】
【表2−51】
【0171】
【表2−52】
【0172】
【表2−53】
【0173】
【表2−54】
【0174】
【表2−55】
【0175】
【表2−56】
【0176】
【表2−57】
【0177】* 特に示されていない限り、立体化学は(+/−)である。
【0178】
【表3−1】
【0179】
【表3−2】
【0180】
【表3−3】
【0181】
【表3−4】
【0182】
【表3−5】
【0183】
【表3−6】
【0184】
【表3−7】
【0185】
【表3−8】
【0186】
【表3−9】
【0187】
【表3−10】
【0188】
【表3−11】
【0189】
【表3−12】
【0190】
【表3−13】
【0191】* 特に示されていない限り、立体化学は(+/−)である。
【0192】 (有用性) 本発明の化合物は、逆転写酵素阻害活性、特にHIV阻害効果を有する。式(
I)の化合物は、HIV逆転写酵素阻害活性を有し、したがって、HIV感染症
および関連疾患治療のための抗ウイルス剤として有用である。式(I)の化合物
は、HIV逆転写酵素阻害活性を有し、HIV増殖の阻害剤として有効である。
ウイルスの増殖または感染性を阻害する本発明の化合物の能力は、ウイルスの増
殖または感染性の標準的アッセイ、例えば下記のアッセイを用いて示される。
【0193】 本発明の式(I)の化合物は、HIVを含む、またはHIVに曝露されたと予
想されるex vivoサンプルにおけるHIV阻害のためにも有用である。し
たがって、本発明の化合物は、HIVを含む、またはHIVを含むこともしくは
これに曝露されたことが疑われる体液サンプル(例えば、血清または精液サンプ
ル)中に存在するHIVを阻害するために用いることができる。
【0194】 本発明によって提供される化合物は、ウイルスのクローン複製および/または
HIV逆転写酵素を阻害する薬物の能力を評価するための試験またはアッセイ、
例えば、医薬品研究プログラムにおいて用いるための、標準または基準化合物と
しても有用である。したがって、本発明の化合物は、そのようなアッセイにおけ
る対照または基準化合物として、そして品質管理標準物質として用いることがで
きる。本発明の化合物は、そのような標準または基準化合物として用いるための
、市販用キットまたは容器中で提供することができる。
【0195】 本発明の化合物はHIV逆転写酵素に対して特異性を示すため、本発明の化合
物はHIV逆転写酵素検出のための診断アッセイにおける診断試薬としても有用
である。したがって、あるアッセイ(本明細書に記載のアッセイなど)において
本発明の化合物により逆転写酵素活性が阻害されれば、HIV逆転写酵素および
HIVウイルスの存在を示していると考えられる。
【0196】 本明細書で用いられる「μg」はマイクログラムを示し、「mg」はミリグラ
ムを示し、「g」はグラムを示し、「μL」はマイクロリットルを示し、「mL
]はミリリットルを示し、「L」はリットルを示し、「nM」はナノモルを示し
、「μM」はマイクロモルを示し、「mM」はミリモルを示し、「M]はモルを
示し、「nm」はナノメートルを示す。「シグマ」はミズーリ州セントルイスの
Sigma−Aldrich Corp.を表す。
【0197】 (HIV RNAアッセイ) DNAプラスミドおよびin vitroRNA転写産物: PTZ 19RにクローニングされたBH10(塩基対113〜1816)の
gagおよびpol配列両方を含むプラスミドpDAB 72を、Ericks
on−Viitansen et al.AIDS Research and
Human Retroviruses 1989,5,577に従って調製
した。プラスミドをBam HIで直鎖状にした後、Riboprobe Ge
miniシステムIIキット(Promega)をT7 RNAポリメラーゼと
共に用いて、in vitroRNA転写物を生成した。合成したRNAを、R
Naseを含まないDNAse(Promega)による処理、フェノール−ク
ロロホルム抽出、およびエタノール沈殿によって精製した。RNA転写物を水に
溶解し、−70℃で保存した。RNA濃度をA260から求めた。
【0198】 プローブ: ビオチン化キャプチャープローブを、Applied Biosystems
(カリフォルニア州フォスターシティ)のDNA合成装置で、Cocuzza,
Tet.Lett.1989,30,6287のビオチン−ホスホロアミダイト
試薬(biotin-phosphoramidite reagent)を用い、オリゴヌクレオチドの5′末
端にビオチンを付加することにより合成した後、HPLCで精製した。gagビ
オチン化キャプチャープローブ(5−ビオチン−CTAGCTCCCTGCTT
GCCCATACTA3′)はHXB2のヌクレオチド889〜912に相補的
で、polビオチン化キャプチャープローブ(5′−ビオチン−CCCTATC
ATTTTTGGTTTCCAT3′)はHXB2のヌクレオチド2374〜2
395に相補的であった。レポータープローブとして用いるアルカリ性ホスファ
ターゼ結合オリゴヌクレオチドを、Syngene(カリフォルニア州サンディ
エゴ)によって調製した。polレポータープローブ(5′CTGTCTTAC
TTTGATAAAACCTC3′)はHXB2のヌクレオチド2403〜24
25に相補的であった。gagレポータープローブ(5′CCCAGTATTT
GTCTACAGCCTTCT3′)はHXB2のヌクレオチド950〜973
に相補的であった。ヌクレオチドの位置はすべて、Genetics Comp
uter Group Sequence Analysis Softwar
e Package(Devereau Nucleic Acids Res
earch 1984,12,387)を通じてアクセスしたGenBank
Genetic Sequence Data Bankのものである。レポー
タープローブを、2×SSC(0.3M NaCl、0.03Mクエン酸ナトリ
ウム)、0.05Mトリス(pH8.8)、1mg/mL BSA中0.5μM
のストックとして調製した。ビオチン化キャプチャープローブを100μM水溶
液のストックとして調製した。
【0199】 ストレプトアビジンでコートしたプレート: ストレプトアビジンでコートしたプレートを、Du Pont Biotec
hnology Systems(マサチューセッツ州ボストン)から入手した
【0200】 細胞およびウイルスストック: MT−2およびMT−4細胞を、MT−2細胞については5%仔ウシ胎児血清
(FCS)またはMT−4細胞については10%FCS、2mM L−グルタミ
ンおよび50μg/mLゲンタマイシンを補足したRPMI 1640(すべて
Gibcoから入手)中で維持した。HIV−1 RFを、同じ培地でMT−4
細胞中で増殖させた。MT−4細胞の急性感染から約10日後にウイルスストッ
クを調製し、一定量に分けて−70℃で保存した。HIV−1(RF)ストック
の感染タイターは、MT−2細胞におけるプラークアッセイにより測定して1〜
3×107PFU(プラーク形成単位)/mLであった(下記参照)。感染に用 いるウイルスストックの各一定量は1回だけ解凍した。
【0201】 抗ウイルス効果の評価のために、感染させる細胞を感染前に1日継代培養した
。感染の当日、バルク感染の場合は5%FCS含有RPMI 1640中5×1
5細胞/mL、マイクロタイタープレートでの感染の場合は5%FCSを含有 するDulbeccoの改良イーグル培地中2×106/mLで、細胞を再度懸 濁させた。ウイルスを加え、培養を37℃で3日間続けた。
【0202】 HIV RNAアッセイ: 3Mまたは5M GED中の細胞溶解産物または精製RNAを、5M GED
およびキャプチャープローブと混合して、イソチオシアン酸グアニジン最終濃度
3Mおよびビオチンオリゴヌクレオチド最終濃度30nMとした。ハイブリダイ
ゼーションを密閉したU底96穴組織培養プレート(NuncまたはCosta
r)中、37℃で16〜20時間実施した。RNAハイブリダイゼーション反応
物を脱イオン水で3倍に希釈して、イソチオシアン酸グアニジン最終濃度1Mと
し、一定量(150μL)をストレプトアビジンでコートしたマイクロタイター
プレートのウェルに移した。キャプチャープローブおよびキャプチャープローブ
−RNAハイブリッドと固定化ストレプトアビジンとの結合を、室温で2時間進
行させ、その後プレートをDu Pont ELISAプレート洗浄緩衝液(リ
ン酸緩衝化食塩液(PBS)、0.05%トゥイーン20)で6回洗浄した。レ
ポータープローブとキャプチャープローブの固定化複合体およびハイブリダイズ
した標的RNAとの第2のハイブリダイゼーションを、洗浄したストレプトアビ
ジンでコートしたウェル中で、4×SSC、0.66%トリトン×100、6.
66%脱イオンホルムアミド、1mg/mL BSAおよび5nMレポータープ
ローブを含むハイブリダイゼーションカクテル120μlを加えることによって
実施した。37℃で1時間のハイブリダイゼーションの後、プレートを再度6回
洗浄した。固定化アルカリ性ホスファターゼ活性を、緩衝液δ(2.5Mジエタ
ノールアミン(pH8.9)(JBL Scientific)、10mM M
gCl2、5mM酢酸亜鉛2水和物および5mM N−ヒドロキシエチルエチレ ンジアミントリ酢酸)中、0.2mM 4−メチルウンベリフェリルホスフェー
ト(MUBP、JBL Scientific)100μLを加えることによっ
て検出した。プレートを37℃でインキュベートした。450nMの蛍光を、3
65nMで励起するマイクロプレート蛍光測定器(Dynateck)を用いて
測定した。
【0203】 HIV−1感染したMT−2細胞におけるマイクロプレートに基づく化合物
評価: 評価する化合物をDMSOに溶解し、試験する最高濃度の2倍で、最大DMS
O濃度2%となるように、培地中で希釈した。培地による化合物のさらに3倍の
連続希釈を、U底マイクロタイタープレート(Nunc)中で直接実施した。化
合物の希釈後、MT−2細胞(50μL)を最終濃度が5×105/mL(1× 505/ウェル)となるように加えた。細胞を化合物と共に、CO2インキュベー
ター中、37℃で30分間インキュベートした。抗ウイルス効力の評価のために
、HIV−1(RF)ウイルスストックの適当な希釈液(50μL)を、細胞お
よび試験化合物希釈液を含む培養ウェルに加えた。各ウェルの最終容量は200
μLであった。1プレートにつき8個のウェルをウイルスの代わりに50μLの
培地を加えることによって未感染で残し、8個のウェルをいかなる抗ウイルス化
合物も非存在下で感染させた。化合物の毒性評価のために、ウイルス感染してい
ないプレートを並行して培養した。
【0204】 CO2インキュベーター内の加湿チャンバーで37℃で3日間培養した後、H IV感染したプレートから培地をウェルごとに25μL残して除去した。ビオチ
ン化キャプチャープローブを含む5M GED37μLを各ウェルの沈降した細
胞および残りの培地に加えて、GEDおよびキャプチャープローブの最終濃度を
それぞれ3Mおよび30nMとした。細胞溶解産物中のHIV RNAに対する
キャプチャープローブのハイブリダイゼーションを、ウイルス培養に用いたのと
同じマイクロプレートウェルで、プレートをプレートシーラー(Costar)
で密閉し、37℃のインキュベーターで16〜20時間インキュベートすること
により実施した。次いで蒸留水を各ウェルに加えてハイブリダイゼーション反応
物を3倍に希釈し、この希釈混合物150μLをストレプトアビジンでコートし
たマイクロタイタープレートに移した。HIV RNAを前述のとおりに定量し
た。溶解した未感染細胞を含むウェルにpDAB 72in vitroRNA
転写物の既知の量を加えることによって調製した標準曲線を、各マイクロタイタ
ープレートに対して適用し、感染中に生じたウイルスRNAの量を求めた。
【0205】 化合物の抗ウイルス活性評価に用いるウイルス接種材料を標準化するために、
ジデオキシシチジン(ddC)のIC90値(HIV RNAレベルを90%低下
させるのに必要とされる化合物の濃度)が0.2μg/mLとなるウイルス希釈
物を選択した。この方法に従うと、他の抗ウイルス化合物のIC90値は、ddC
よりも効力が強いものと弱いものいずれの場合も、いくつかのHIV−1(RF
)ストックを用いて再現することができた。このウイルス濃度は、アッセイウェ
ルごとに約3×105PFU(MT−2細胞におけるプラークアッセイで測定) に相当しており、一般にいかなるウイルス接種材料でも達成可能な最大のウイル
スRNAレベルのおよそ75%となった。HIV RNAアッセイで、IC90
を、RNAアッセイにおける正味のシグナル(感染した細胞サンプルのシグナル
から未感染の細胞サンプルのシグナルを減じたもの)を、同じ培養プレート上の
感染した未処理細胞の正味のシグナル(8個のウェルの平均)と比べた場合の低
下パーセントから求めた。個々の感染およびRNAアッセイ試験の有効性を、3
つの基準に従って判断した。すなわち、ウイルス感染によってRNAアッセイの
シグナルにおいて、2ngのpDAB 72in vitroRNA転写物から
生じるシグナルと同等またはそれよりも大きくなる。各アッセイで求めたddC
のIC90は0.1〜0.3μg/mLの間である。最後に、有効な逆転写酵素阻
害剤によるウイルスRNAのプラトーレベルは、阻害されていない感染で達成さ
れるレベルの10%未満である。化合物のIC90が20μM未満であると判明し
た場合、この化合物は活性があると考えられた。
【0206】 抗ウイルス効力試験において、最初に1列のウェルに2倍濃度の化合物溶液を
加えた後、マイクロタイタープレートでのすべての操作をPerkin Elm
er/Cetus ProPetteを用いて行った。
【0207】 (蛋白質結合および突然変異体抵抗性) NNRTI類縁体の臨床的効果の可能性を特徴付けるために、血漿蛋白質の抗
ウイルス効力に対する影響を調べ、HIVの野生型とNNRTIに対する既知の
結合部位でアミノ酸が変化している突然変異体とに対する抗ウイルス効力を測定
した。この試験法の原理は次の2つである。
【0208】 1.多くの薬物は血漿蛋白質に広く結合している。ヒト血漿の主要成分、つま
りヒト血清アルブミン(HSA)またはアルファ−1−酸性糖蛋白質(AAG)
に対するほとんどの薬物の結合親和性は低いが、これらの主要成分は血中に高濃
度で存在する。遊離または結合していない薬物だけが、標的部位(すなわち、H
IV−1逆転写酵素、HIV−1 RT)と相互作用するために感染した細胞膜
を横切ることができる。したがって、添加したHSA+AAGの組織培養におけ
る抗ウイルス効力に対する影響は、臨床での所与の化合物の効力をより密接に反
映する。ウイルスRNAに基づく高感度検出法で測定したウイルス複製の90%
阻害に要する化合物濃度を、IC90と呼ぶ。次いで、in vivo濃度(45
mg/ml HSA、1mg/ml AAG)を反映するHSAおよびAGGの
存在下または追加レベルでの、試験化合物の見かけのIC90の増加分を計算した
。増加分が低いほど、化合物は標的部位と相互作用しやすくなる。
【0209】 2.感染者におけるウイルス複製速度が速いことと、ウイルスRTの適合度が
低いこととの組み合わせによって、感染者においてHIV種の準種(quasi-spec
ies)または混合物が産生されることになる。これらの種には、HIVの野生型 種の大部分が含まれるが、突然変異体も含まれ、所与の突然変異体の比率はその
相対的適応度および複製速度を反映することになる。ウイルスRTのアミノ酸配
列が変化した突然変異体を含む突然変異体は、感染者の類似種にあらかじめ存在
すると考えられるため、臨床において観察された全体的効力は、薬物の野生型H
IV−1を阻害する能力だけでなく、突然変異体も同様に阻害する能力を反映す
ることになる。したがって、発明者らは、知られている遺伝学的背景において、
NNRTI結合に関与すると考えられる位置でアミノ酸が置換されているHIV
−1突然変異体を作製し、これらの変異体ウイルスの複製を阻害する試験化合物
の能力を測定した。ウイルスRNAに基づく高感度検出法で測定したウイルス複
製の90%阻害に要する化合物濃度を、IC90と呼ぶ。様々な変異体に対して高
い活性を有する化合物を開発することが望まれる。
【0210】 (用量および製剤) 本発明の抗ウイルス化合物は、活性薬物を哺乳動物の体内の薬物作用部位、す
なわちウイルス逆転写酵素と接触させるいかなる手段によっても、ウイルス感染
症の治療薬として投与することができる。これらの化合物は、個々の治療薬とし
て、または治療薬の組み合わせとして、医薬品に関連して用いることが可能ない
かなる通常の手段によっても投与することができる。これらは単独でも投与する
ことができるが、選択した投与経路および標準的薬学業務に基づいて選択した医
薬品担体と共に投与することが好ましい。
【0211】 投与する用量は、もちろん、特定の薬物の薬力学的特性や、その投与様式およ
び経路、受容者の年齢、健康および体重、症状の性質および範囲、併用療法の種
類、治療頻度、ならびに望まれる効果などの知られている要因に応じて異なる。
活性成分の1日用量は体重1キログラムあたり約0.001から約1000ミリ
グラムであると予想することができ、約0.1から約30mg/kgであること
が好ましい。
【0212】 投与に適した組成物の剤形は、単位あたり約1mgから約100mgの活性成
分を含む。これらの医薬品組成物において、活性成分は通常、組成物の総重量の
約0.5〜95%の量で存在する。活性成分は、カプセル剤、錠剤および散剤な
どの固形剤形、またはエリキシル剤、シロップ剤および懸濁剤などの液体剤形で
、経口投与することができる。また、無菌液体剤形で非経口投与することもでき
る。
【0213】 ゼラチンカプセルは活性成分と、乳糖、デンプン、セルロース誘導体、ステア
リン酸マグネシウム、ステアリン酸などの粉末担体を含む。同様の希釈剤を用い
て圧縮錠剤を作ることができる。錠剤およびカプセル剤はいずれも持効性製剤と
して製造し、数時間にわたって薬剤を持続的に放出することもできる。圧縮錠剤
は、糖衣もしくはフィルムコーティングして、いかなる不快な味もマスクし、錠
剤を大気から保護することができ、または腸溶コーティングして胃腸管で選択的
に崩壊させることもできる。経口投与用の液体剤形は、患者が受け入れやすくす
るために着色剤および着香剤を含むことができる。
【0214】 一般に、水、適当な油、食塩液、デキストロース(グルコース)水溶液、およ
び関連する糖溶液、ならびにプロピレングリコールまたはポリエチレングリコー
ルなどのグリコールが、非経口液用の適当な担体である。非経口投与用の溶液は
、活性成分の水溶性の塩、適当な安定化剤、および必要があれば緩衝物質を含む
ことが好ましい。重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン
酸などの抗酸化剤は、単独または組み合わせのいずれかで適当な安定化剤である
。同様に、クエン酸およびその塩や、EDTAナトリウムも用いられる。加えて
、非経口液は、塩化ベンザルコニウム、メチルまたはプロピルパラベンおよびク
ロロブタノールなどの保存剤も含むことができる。適当な医薬品担体が、この分
野の標準的参照テキストである、Remington′s Pharmaceu
tical Sciences(上記)に記載されている。
【0215】 本発明の化合物を投与するために有用な医薬品剤形を、下記のとおりに例示す
ることができる。
【0216】 (カプセル) 多くの単位カプセルは、標準的な2部分からなる硬ゼラチンカプセルにそれぞ
れ100mgの粉末活性成分、150mgの乳糖、50mgのセルロース、およ
び6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することによって調製できる。
【0217】 (軟ゼラチンカプセル) ダイズ油、綿実油またはオリーブ油などの可消化油中、活性成分の混合物を調
製し、ゼラチンに容積式ポンプにより注入して、100mgの活性成分を含む軟
ゼラチンカプセルを形成することができる。次いで、カプセルを洗浄し、乾燥し
なければならない。
【0218】 (錠剤) 多くの錠剤は、投与単位が活性成分100mg、コロイド状二酸化ケイ素0.
2mg、ステアリン酸マグネシウム5ミリグラム、微結晶性セルロース275m
g、デンプン11mgおよび乳糖98.8mgとなるよう、通常の方法によって
調製することができる。適当なコーティングを適用して、嗜好性を増大させるか
、または吸収を遅延させてもよい。
【0219】 (懸濁剤) それぞれ5mLが細かく分割した活性成分25mg、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム200mg、安息香酸ナトリウム5mg、米国薬局方ソルビトー
ル溶液1.0g、およびバニリン0.025mgを含むように、経口投与用の水
性懸濁液を調製することができる。
【0220】 (注射可能薬物) 注射による投与に適した非経口組成物を、10体積%のプロピレングリコール
水溶液中で、1.5重量%の活性成分を撹拌することによって調製できる。溶液
を一般に用いられる技法によって滅菌する。
【0221】 (化合物(a)および(b)の組み合わせ) 本発明の各治療薬成分は個別に、前述したようないかなる剤形でもよく、前述
したような様々な様式で投与することもできる。下記の記載において、成分(b
)は前述の物質の1つまたは複数を指すと理解される。したがって、成分(a)
および(b)を同等または独立に扱う場合、成分(b)の各物質も同等または個
別に扱うことができる。
【0222】 本発明の成分(a)および(b)は、組み合わせ製剤として1回投与単位中に
共に調合する(すなわち、1つのカプセル、錠剤、散剤、または液剤などの中に
組み合わせる)ことができる。成分(a)および(b)を1回投与単位中に共に
調合しないとき、成分(a)を成分(b)と同時に、またはいかなる順序でも投
与することができる。例えば、本発明の成分(a)を最初に投与し、続いて成分
(b)を投与してもよく、または逆の順序で投与してもよい。成分(b)が2つ
以上の物質、例えば1つのRT阻害剤と1つのプロテアーゼ阻害剤とを含む場合
、これらの物質を共に投与してもよく、いかなる順序で投与してもよい。同時に
投与しないとき、成分(a)および(b)の投与は約1時間以上間隔をあけずに
行うことが好ましい。成分(a)および(b)の投与経路は経口が好ましい。本
明細書で用いられる経口物質、経口阻害剤、経口化合物などの用語は、経口投与
することができる化合物を意味する。成分(a)および成分(b)はいずれも、
同じ経路(つまり、例えば、両方とも経口)または剤形で投与することが好まし
いが、望まれる場合は、それぞれ異なる経路(つまり、例えば、組み合わせ製剤
の1つの成分は経口で投与してもよく、もう一方の成分は静脈内に投与してもよ
い)または剤形で投与してもよい。
【0223】 当業界の医師には理解されているとおり、本発明の組み合わせ療法の用量は、
前述のとおり、特定の薬物の薬力学的特性や、その投与様式および経路、レシピ
エントの年齢、健康および体重、症状の性質および範囲、併用療法の種類、治療
頻度、ならびに望まれる効果などの様々な要因に応じて異なる。
【0224】 本発明の成分(a)および(b)の適当な用量は、本開示に基づき、当業界の
医師には容易に確認可能であろう。一般的指針として、1日用量は典型的には各
成分約100ミリグラムから約1.5グラムでありうる。成分(b)が複数の化
合物である場合、1日用量は典型的には成分(b)の各物質約100ミリグラム
から約1.5グラムでありうる。一般的指針として、成分(a)および成分(b
)の化合物を組み合わせて投与するとき、各成分の用量は、組み合わせの相乗作
用を考慮して、成分をHIV感染症治療のための単一薬物として単独で投与する
ときの成分の通常用量と比較して、約70〜80%減量することができる。
【0225】 本発明の組み合わせ製剤は、活性成分を1回用量単位中で組み合わせるが、活
性成分間の物理的接触が最小限となるよう、調合することができる。接触を最小
限にするために、例えば、製剤を経口投与する場合、1つの活性成分を腸溶コー
ティングしてもよい。活性成分の1つを腸溶コーティングすることにより、組み
合わせた活性成分間の接触を最小限にすることが可能なだけでなく、これらの成
分の1つの胃腸管内における放出を制御して、これらの成分の1つが胃では放出
されず、腸において放出されるようにすることもできる。経口投与が望まれる本
発明のもう1つの実施形態により、活性成分の1つを持効性物質でコーティング
し、それにより胃腸管全体での持続的な放出に効果があり、また組み合わせた活
性成分間の物理的接触を最小限にするのに役立つ、組み合わせ製剤が提供される
。さらに、持効性成分の放出が腸でのみ起こるように、この成分をさらに腸溶コ
ーティングすることもできる。さらにもう1つのアプローチは、活性成分をさら
に分離するために、1つの成分を持効性および/または腸放出ポリマーでコーテ
ィングし、もう1つの成分も低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたは
当業界で知られている他の適当な物質などのポリマーでコーティングした、組み
合わせ製剤の調合物を含む。このポリマーコーティングは、他の成分との相互作
用に対するさらなる障壁を形成するのに役立つ。成分(a)と(b)との間の接
触が、コーティングまたはいくつかの他の物質によって防止されているそれぞれ
の調合物において、成分(b)の個々の物質間の接触も防止することができる。
【0226】 1つの活性成分が腸溶コーティングされている本発明の組み合わせ製剤の剤形
は、腸溶コーティングされている成分および他の活性成分を混合し、次いで錠剤
に圧縮する、または腸溶コーティングされている成分を1つの錠剤層に圧縮し、
他の活性成分を別の層に圧縮するような、錠剤の形であってもよい。任意に、2
つの層をさらに分離するために、プラシーボ層が活性成分の層の間にあるような
、1つまたは複数のプラシーボ層が存在してもよい。加えて、本発明の剤形は、
1つの活性成分を錠剤に圧縮したカプセルの形、または多数の微小錠剤、粒子、
顆粒もしくは非ペリルの形であってもよく、これらを次いで腸溶コーティングす
る。これらの腸溶コーティングされた微小錠剤、粒子、顆粒または非ペリルを次
いで、他の活性成分の顆粒と共にカプセルに入れるか、または圧縮してカプセル
とする。
【0227】 本発明の組み合わせ製剤の成分間の接触を最小限にするこれらの方法ならびに
他の方法は、単一の剤形で投与するか、または分離した形ではあるが同時に、も
しくは同じ様式で同時に投与するかに関わらず、本開示に基づき、当業者には容
易に明らかとなろう。
【0228】 HIV感染症の治療に有用な医薬品キットであって、成分(a)の化合物およ
び成分(b)の1つまたは複数の化合物を、1つまたは複数の滅菌容器内に含む
、治療上有効な量の医薬品組成物を含むキットも、本発明の範囲内である。容器
の滅菌は、当業者にはよく知られている通常の滅菌法を用いて実施することがで
きる。成分(a)および成分(b)は同じ滅菌容器に入っていてもよく、または
別の滅菌容器に入っていてもよい。複数の物質の滅菌容器は、望まれるとおり、
独立の容器を含んでいてもよく、または1つもしくは複数の多部分容器を含んで
いてもよい。成分(a)および成分(b)は分離していてもよく、または前述の
とおり、単一の剤形もしくは単位に物理的に合わされていてもよい。このような
キットは、当業者には容易に明らかとなるであろうが、望まれる場合は、例えば
1つまたは複数の薬剤に許容可能な担体、成分を混合するための追加のバイアル
などの、1つまたは複数の様々な通常の医薬品キット成分をさらに含むこともで
きる。投与する成分の量を示す、添付書またはラベルのいずれかとしての説明書
、投与の指針、および/または成分混合の指針も、キットに含まれていてもよい
【0229】 明らかに、前述の教示に照らし、本発明の多くの修正および変更が可能である
。したがって、添付の特許請求の範囲内において、本発明は、本明細書において
特に記載された方法以外にも実施可能であることが理解されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 401/06 C07D 401/06 403/06 403/06 405/06 405/06 409/06 409/06 413/06 413/06 417/06 417/06 // C07D 491/056 491/056 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AU ,BR,CA,CN,CZ,EE,HU,IL,IN, JP,KR,MX,NO,NZ,PL,SG,SK,U A,VN,ZA Fターム(参考) 4C050 AA01 BB08 CC17 EE02 FF05 GG01 HH01 4C063 AA01 BB03 CC29 CC31 CC51 CC52 CC62 CC75 CC92 DD12 DD31 EE01 4C086 AA01 AA03 BA03 BB02 BC17 BC42 BC46 BC67 BC69 BC82 CB22 MA02 NA14 ZB33 ZC20 ZC55 【要約の続き】

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I 【化1】 の化合物、またはそれらの立体異性体もしくは薬剤に許容可能な塩であって、 式中、R1は1〜7個のハロゲンで置換されたC1 3アルキルであり、 R2は1〜2個のR4で置換されたC1 5アルキル、1〜2個のR4で置換され たC2 5アルケニル、および1個のR4で置換されたC2 5アルキニルから選択 され、 R3は、それぞれの出現時に、C1 4アルキル、OH、C1 4アルコキシ、F 、Cl、Br、I、NR55a、NO2、CN、C(O)R6、NHC(O)R7
    およびNHC(O)NR55aから独立に選択され、 あるいは、2個のR3が存在して、隣接する炭素に結合している場合、それら は組み合わされて−OCH2O−を形成してもよく、 R4は0〜2個のR3で置換されたC3 5シクロアルキル、0〜5個のR3で置 換されたフェニル、ならびに0〜2個のR3で置換され、O、N、およびSから 選択された1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の複素環系から選択され、 R5およびR5aはHおよびC1 3アルキルから独立に選択され、 R6はH、OH、C1 4アルキル、C1 4アルコキシ、およびNR55aから選
    択され、 R7はC1 3アルキルおよびC1 3アルコキシから選択され、 R8はH、C3 5シクロアルキル、およびC1 3アルキルから選択され、かつ nは0、1、2、3、および4から選択されること を特徴とする化合物またはそれらの立体異性体もしくは薬剤に許容可能な塩。
  2. 【請求項2】 R1は1〜7個のハロゲンで置換されたC1 3アルキルであ り、 R2は1個のR4で置換されたC1 5アルキル、1個のR4で置換されたC2 5 アルケニル、および1個のR4で置換されたC2 5アルキニルから選択され、 R3は、それぞれの出現時に、C1 4アルキル、OH、C1 4アルコキシ、F 、Cl、Br、I、NR55a、NO2、CN、C(O)R6、NHC(O)R7
    およびNHC(O)NR55aから独立に選択され、 あるいは、2個のR3が存在して、隣接する炭素に結合している場合、それら は組み合わされて−OCH2O−を形成してもよく、 R4は0〜2個のR3で置換されたC3 5シクロアルキル、0〜2個のR3で置 換されたフェニル、ならびに0〜1個のR3で置換され、O、N、およびSから 選択された1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の複素環系から選択され、 R5およびR5aはH、CH3およびC25から独立に選択され、 R6はH、OH、CH3、C25、OCH3、OC25、およびNR55aから選
    択され、 R7はCH3、C25、OCH3、およびOC25から選択され、 R8はH、シクロプロピル、CH3およびC25から選択され、かつ nは0、1、2、および3から選択されること を特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R1はCF3およびC25から選択され、 R2は1個のR4で置換されたC1 3アルキル、1個のR4で置換されたC2 3 アルケニル、および1個のR4で置換されたC2 3アルキニルから選択され、 R3は、それぞれの出現時に、C1 3アルキル、OH、C1 3アルコキシ、F 、Cl、Br、I、NR55a、NO2、CN、C(O)R6、NHC(O)R7
    およびNHC(O)NR55aから独立に選択され、 あるいは、2個のR3が存在して、隣接する炭素に結合している場合、それら は組み合わされて−OCH2O−を形成してもよく、 R4は0〜2個のR3で置換されたC3 5シクロアルキル、0〜2個のR3で置 換されたフェニル、ならびに0〜1個のR3で置換され、O、N、およびSから 選択された1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の複素環系から選択され、 R5およびR5aはH、CH3およびC25から独立に選択され、 R6はH、OH、CH3、C25、OCH3、OC25、およびNR55aから選
    択され、 R7はCH3、C25、OCH3、およびOC25から選択され、 R8はH、CH3およびC25から選択され、かつ nは0、1、および2から選択される ことを特徴とする請求項2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R1はCF3であり、 R2は1個のR4で置換されたC1 3アルキル、1個のR4で置換されたC2 3 アルケニル、および1個のR4で置換されたC2 3アルキニルから選択され、 R3は、それぞれの出現時に、C1 3アルキル、OH、C1 3アルコキシ、F 、Cl、NR55a、NO2、CN、C(O)R6、NHC(O)R7、およびNH
    C(O)NR55aから独立に選択され、 あるいは、2個のR3が存在して、隣接する炭素に結合している場合、それら は組み合わされて−OCH2O−を形成してもよく、 R4は0〜1個のR3で置換されたシクロプロピル、0〜2個のR3で置換され たフェニル、ならびに0〜1個のR3で置換され、O、N、およびSから選択さ れた1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員の複素環系であって、複素環系は2−
    ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フラニル、3−フラニル、2−チ
    エニル、3−チエニル、2−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−イソオキサゾ
    リル、および2−イミダゾリルから選択され、 R5およびR5aはH、CH3およびC25から独立に選択され、 R6はH、OH、CH3、C25、OCH3、OC25、およびNR55aから選
    択され、 R7はCH3、C25、OCH3、およびOC25から選択され、 R8はH、CH3およびC25から選択され、かつ nは1および2から選択されること を特徴とする請求項3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 前記化合物は、式Ia 【化2】 であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 前記化合物は、式Ib 【化3】 であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 前記化合物は、 (+/−)−4−シクロプロピルエチニル−5,6−ジフルオロ−4−トリフ
    ルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリンチオン、 (+/−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメ
    チル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キナゾリンチオン、 (+/−)−4−シクロプロピルエチニル−5,6−ジフルオロ−4−トリフ
    ルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2−メチル(1H)−キナゾリンチオン、お
    よび (+/−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4−トリフルオロメ
    チル−3,4−ジヒドロ−2−メチル(1H)−キナゾリンチオン、 またはそれらの薬剤に許容可能な塩から選択されることを特徴とする請求項1
    に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 式II 【化4】 の化合物、またはそれらの立体異性体もしくは薬剤に許容可能な塩であって、 式中、R2はC≡C−R4aであり、 R3はC1 4アルキル、OH、C1 4アルコキシ、F、Cl、Br、I、NR55a、NO2、CN、C(O)R6、NHC(O)R7、およびNHC(O)NR55aから選択され、 R4aはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、i−ブチル、t−ブチ
    ル、およびi−ペンチルから選択され、 R5およびR5aはHおよびC1 3アルキルから独立に選択され、 R6はH、OH、C1 4アルキル、C1 4アルコキシ、およびNR55aから選
    択され、 R7はC1 3アルキルおよびC1 3アルコキシから選択され、 R8はH、C3 5シクロアルキル、およびC1 3アルキルから選択され、かつ nは0、1、2、3、および4から選択されること を特徴とする化合物またはそれらの立体異性体もしくは薬剤に許容可能な塩。
  9. 【請求項9】 R2はC≡C−R4aであり、 R3はC1 4アルキル、OH、C1 4アルコキシ、F、Cl、Br、I、NR55a、NO2、CN、C(O)R6、およびNHC(O)R7から選択され、 R4aはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、i−ブチル、t−ブチ
    ル、およびi−ペンチルから選択され、 R5およびR5aはH、CH3およびC25から独立に選択され、 R6はH、OH、CH3、C25、OCH3、OC25、およびNR55aから選
    択され、 R7はCH3、C25、OCH3、およびOC25から選択され、 R8はH、シクロプロピル、CH3およびC25から選択され、かつ nは0、1、および2から選択されること を特徴とする請求項8に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 前記化合物は、式IIa 【化5】 であることを特徴とする請求項9に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 前記化合物は、式IIb 【化6】 であることを特徴とする請求項9に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 医薬品組成物であって、薬剤に許容可能な担体と、請求項
    1から11に記載のいずれかの化合物の治療上の有効量とを含有することを特徴
    とする医薬品組成物。
  13. 【請求項13】 HIV感染症の治療方法であって、このような治療を必要
    としている宿主に請求項1から11に記載のいずれかの化合物またはそれらの薬
    剤に許容可能な塩の形の治療上の有効量を投与する工程を具えることを特徴とす
    る治療方法。
  14. 【請求項14】 HIV感染症の治療方法であって、このような治療を必要
    としている宿主に (a)請求項1から11に記載のいずれかの化合物またはそれらの薬剤に許容
    可能な塩と、 (b)HIV逆転写酵素阻害剤およびHIVプロテアーゼ阻害剤からなる群よ
    り選択される少なくとも1つの化合物と の治療上の有効量を、組み合わせて投与する工程を具えることを特徴とする治療
    方法。
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