JP2002509707A - 肺腫瘍細胞を同定するための組成物および方法 - Google Patents

肺腫瘍細胞を同定するための組成物および方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、肺癌細胞を特定するための組成物および方法を提供する。特に、その存在が肺癌の指示であるポリヌクレオチド配列が開示されている。また、肺癌は、これら配列によってコードされたペプチドの存在を検出することによって特定することができる。これらペプチドに対する抗体も、また、提供される。遺伝子供給ビヒクルおよびこれらポリヌクレオチドを含む宿主細胞も、また、含まれる。スクリーニングおよび検出法を実施するために必要とされる薬剤および指示書を含有するキットも、また、提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連する出願に対するクロスレファレンス 本出願は、35U.S.C.§119(e)の下に、1999年3月30日に
出願した米国特許予備出願No.60/080,037について優先権を主張し
、その内容は、本明細書で参考とすることによって、本開示に組込む。
【0002】 技術分野 本発明は、肺腫瘍または癌細胞に発現する新規な転写体の単離および特性決定
に関する。
【0003】 背 景 医学的探求の多くの進歩にもかかわらず、癌は、米国内において、第2位の死
因をもたらすままである。工業国においては、およそ1/5のヒトが癌によって
死亡しているであろう。臨床介護の慣用的な態様、例えば、外科的切除、放射線
療法および化学療法は、失敗率が有意であり、特に、固体腫瘍については、失敗
率が高い。失敗は、初期腫瘍が未応答性であるか、または、原発部位および/ま
たは転移先での再増殖による再発により生ずる。
【0004】 肺癌は、世界中で最も一般的な悪性状態の1つであり、ヒトにおける癌によっ
てもたらされる主な死因である。American Cancer Socie
ty, Cancer facts and figures,1996, A
tlannta参照。新たな肺癌のケースほぼ178,100例が1997年に
診断され、癌の診断率の13%を占めた。肺癌により160,400の死亡が1
997年に生じたと推定され、全ての癌死亡率の29%を占める。肺癌について
の1年間の生存率は、大部分、外科技術の改良により、1973年の32%から
1993年の41%へと増大した。すべての段階を合わせた5年間の生存率は、
14%にしか過ぎない。病気がなお局所的である時、検出されたケースについて
、生存率は、48%であるが、肺癌では、15%のみがそのような早期に発見さ
れているに過ぎない。肺癌の種々の形態のうち、非小細胞肺癌(NSCLC)が
、各年、全ての新しい肺癌ケースのほぼ80%を占める。NSCLCと診断され
た患者については、外科的切除のみが、有意な生存率の機会を与える。他方、小
細胞肺癌は、最も悪性であり、肺癌の最も早い増殖形であり、肺癌の新しいケー
スの残りのほぼ20%を占める。原発腫瘍は、概して、化学療法に対して応答性
であるが、続いて、広い範囲に転移する。診断時での生存時間中央値は、ほぼ1
年であり、5年の生存率は、5%である。
【0005】 外科的切除、放射線治療および化学療法を含め、癌治療法の大きな進歩にもか
かわらず、肺癌についての首尾よい処置は、特に、癌細胞の早期発見による。良
性腫瘍を生ずる新形成(neoplacia)は、外科的に塊を除去することに
よって完全に治癒させることができる。腫瘍が、周囲組織への侵入によって症状
発現して悪性となる場合には、それは、取り去ることがはるかに困難となる。し
たがって、病気をより早い段階で検出するための方法の開発が当分野においてか
なりの必要性が存在する。また、病気の進行をモニターするかまたはたどるため
の診断法および種々の状態を処置するための方法を開発するための差し迫った必
要性も存在する。しかし、病気が実際において広く変化するので、例えば、好ま
しくは、主な肺癌細胞において、過剰に暴露され、診断および治療方法について
有用な遺伝子のような細胞マーカについての探求を困難としている。
【0006】 本発明は、肺新生物の早期診断のために有用な組成物および方法を提供する。 発明の開示 本発明は、肺細胞の新生物状態の診断において補助するための方法;および、
新生物状態を逆転するための潜在的な治療剤についてスクリーニングするための
方法を提供する。本発明は、また、肺癌細胞において過剰に発現される遺伝子お
よび;原発性の肺癌細胞において発現される新規な遺伝子を提供する。
【0007】 したがって、本発明の1つの実施態様は、新生物肺細胞において発現されるが
、正常な肺細胞または組織では発現されない転写体の存在についてスクリーニン
グすることによって、肺細胞の新生物状態を診断する方法である。本発明の1つ
の態様において、転写体は、公知の遺伝子からであり、それは、本発明がなされ
るまで、肺癌または肺腫瘍組織において特異的に発現され、正常な肺組織では発
現されないか、肺癌組織または細胞においてよりも少ない程度に発現されること
が公知ではなかった。別の実施態様においては、転写体のフラグメントのみが、
従来の発現された配列タグ(Expressed Sequence tag)
(“EST")として公知である。しかし、正常な肺組織に対して肺癌組織にお けるESTの存在、不在または特異的な発現は、本出願人の発明がなされるまで
知られていなかった。ESTの対応する全長にわたるオープンリーディングフレ
ームおよび対応するゲノミックDNAは、当業者に公知であってもよく、公知で
なくともよい。
【0008】 さらなる実施態様において、ポリヌクレオチドは、遺伝子またはポリヌクレオ
チドの以前には同定されていなかったかまたは特性決定されていなかったフラグ
メントまたは全長のコード領域(オープンリーディングフレーム)を特定する。
本発明は、また、本発明の単離されたポリヌクレオチドに対応する遺伝子、フラ
グメントまたは全長コード領域を特定するための方法を提供する。これら方法に
よって得ることが可能な遺伝子、フラグメントおよび全長コード領域も、さらに
、本明細書で特許請求する。
【0009】 本発明のもう1つの実施態様は、肺細胞の新生物状態の逆転のための潜在的治
療剤をスクリーニングすることであり、細胞が、SEQ ID NOS:1−4
0によって本明細書で特定される少なくとも1種のポリヌクレオチドの存在によ
って特徴づけられる。その方法は、新生物肺細胞または組織を候補薬剤の有効量
と接触させ、新生物状態の逆転について検定することを含む。もう1つの実施態
様において、本方法で使用されるポリヌクレオチドは、SEQ ID NOS:
1−40の配列に対応するより大きなフラグメントまたは全長のコード配列の特
定によって得られる。
【0010】 もう1つの実施態様において、本発明は、肺癌細胞の状態を診断して、それが
、新生物状態にかかりやすいかまたは新生物の状態にあるかを決定する方法を含
む。本方法は、新生物肺細胞で発現されるが正常な肺細胞または組織では発現さ
れないポリヌクレオチドから転写されるペプチドの存在についてのスクリーニン
グを必要とする。本発明の1つの態様において、ペプチドは、本発明がなされる
まで、肺癌または肺腫瘍組織で特異的に発現され、正常な肺組織で発現されない
ことが知られていなかった公知遺伝子由来である。別の実施態様においては、ペ
プチドをコードするポリヌクレオチドのフラグメントのみが、従来のExpre
ssed Sequence Tag(“EST")として公知である。EST に対応する遺伝子の全長オープンリーディングフレームは、特性決定されていて
もされていなくともよい。しかし、正常な肺組織に対し、肺癌組織中でのEST
遺伝子生成物の存在または不在は、従来、特性決定されていなかった。新規ペプ
チドも、また、本発明に含まれる。
【0011】 本発明は、また、本明細書に記載する検出およびスクリーニング法において使
用されるキットを含む。キットは、適当なパッケージングにおいて、特許請求し
た本発明を実施するために必要とされる製剤および試薬と、スクリーニングを行
うための指示書を含む。
【0012】 肺癌に伴うポリヌクレオチド配列を破壊するように遺伝学的に修飾されたヒト
以外のトランスジェニック動物も、また、記載する。破壊されるポリヌクレオチ
ド配列は、SEQ ID NOS:1−40で示されているもの;これら配列に
対応するポリヌクレオチド;または、SEQ ID NOS:1−40に対応す
るより大きなフラグメントまたは全長コード配列の特定によって得られる配列で
あってもよい。
【0013】 発明を実施するための形態 本開示全体を通して、種々の刊行物、特許および公開された特許明細書は、用
例を特定することによって参考とする。これら刊行物、特許および公開された特
許明細書の開示は、本発明が関係する技術の状況をさらに十分に説明するために
、本明細書で参考とすることによって、ここで、本開示に組込む。
【0014】 定 義 本発明の実施には、特に断らない限り、免疫学、分子生物学、微生物学,細胞
生物学および組換DNAの慣用的な技術が使用されるであろうが、これらは、当
業者技術の範囲内である。例えば、Sambrook, Fritsch an
d Maniatis, MOLECULAR CLONING:A LABO
RATORY MANUAL 2nd edition(1989);CURRE
NT PROTOCOLs IN MOLECULAR BIOLOGY(F.
M. Ausbel et al. eds.,(1987)):一連のME
THOD IN ENZYMOLOGY,(Academic Press, Inc.):PCR2:A PRACTICAL APPROACH(M. J
. MacPherson, B. D. Hames and G. R. Taylor eds.(1995))、および、Harlow and La
ne eds.(1988)ANTIBODIES, A LABORATOR
Y MANUAL and ANIMAL CELL CULTURE(R. I. Freshney ed.(1987))を参照。
【0015】 本明細書および請求項で使用する単数形“a"、“an"、および、“the" は、コンテキストで明瞭に指示されていない限り、複数の参照事項を含む。例え
ば“a cell"という用語は、それらの混合物を含め、複数の細胞を含む。
【0016】 本明細書で使用する“含む(comprising)"という用語は、組成物 および方法が、列挙した要素を含むが、その他のものを排除しないことを意味す
る。組成物および方法を定義するために使用する時の“本質的に、〜からなる(
consisting essentially of)"とは、組合せについ ていずれかの不可欠な意義を有するその他の要素を排除することを意味する。し
かし、本明細書で定義した要素から本質的になる組成物は、単離および精製法な
らびに薬学的に許容可能な担体、例えば、リン酸塩緩衝塩水、保存剤等からの痕
跡量の汚染物を排除するつもりはない。“〜なる(consiting of)
"とは、その他の成分および本発明の組成物を投与するための実質的な方法工程 の痕跡量を上回る要素を排除することを意味するつもりである。これら段階的用
語によって定義される実施態様は、本発明の範囲内である。
【0017】 “単離される"という用語は、ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、 蛋白質、抗体、または、それらのフラグメントが、通常、自然において伴う細胞
内および細胞外の成分から分離されることを意味する。本発明の1つの態様にお
いて、単離されるポリヌクレオチドは、通常、例えば、染色体上に、その天然の
または自然の環境において伴われる3'および5'近接ヌクレオチドから分離され
たものである。当業者にとっては明らかであろうが、非天然産のポリヌクレオチ
ド、ペプチド、ポリペプチド、蛋白質、抗体、またはそれらのフラグメントは、
それを天然産の等価物から識別するために“単離"を必要としない。また、“濃 縮された"、“分離された"または“希釈された"ポリヌクレオチド、ペプチド、 ポリペプチド、蛋白質、抗体、または、それらのフラグメントは、体積当たりの
分子の濃度または数が、その天然産の等価物のそれよりも“濃縮される"より多 く、“分離される"より少ないことにより、その天然産の等価物から識別可能で ある。ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、蛋白質、抗体、または、そ
れらのフラグメントは、その一次配列におけるか、または、例えば、そのグリコ
シル化パターンによって、天然産の等価物とは異なり、それは、その一次配列に
よるか、または、もう1つの特性、例えば、グリコシル化パターンによって、そ
の天然産の等価物から識別可能であるので、単離された形で存在する必要はない
。本明細書で開示する発明の各々について十分に系統立てて記載されていないも
のの、以下に開示する組成物の各々についておよび適当な条件下で、上記実施態
様の全てが本発明によって提供されることは理解されるであろう。かくして、非
天然産のポリヌクレオチドは、単離される天然産のポリヌクレオチドとは別個の
実施態様として提供される。細菌細胞で生産される蛋白質は、それが自然状態で
生産される真核細胞から単離される天然産の蛋白質とは別個の実施態様として提
供される。
【0018】 “ポリヌクレオチド"および“オリゴヌクレオチド"という用語は、互換的に使
用され、いずれの長さの、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドあ
るいはそれらの類縁体である、ヌクオレチドの高分子形を称す。ポリヌクレオチ
ドは、いずれの三次元構造を有してもよく、公知または未知のいずれの機能をも
果たしてよい。以下は、ポリヌクレオチドの例であるが、これらに限定するもの
ではない:遺伝子または遺伝子フラグメント;エキソン;イントロン;メッセン
ジャーRNA(mRNA);トランスファーRNA;リボゾームRNA;リボザ
イム;cDNA;組換ポリヌクレオチド;分岐したポリヌクレオチド;プラスミ
ド;ベクター;いずれかの配列の単離されたDNA;いずれかの配列の単離され
たRNA;核酸プローブおよびプライマー。ポリヌクレオチドは、修飾されたヌ
クレオチド、例えば、メチル化されたヌクレオチドおよびヌクレオチド類縁体を
も含む。存在する場合、ヌクレオチド構造体に対する修飾は、ポリマーの組み立
て前または後に付与することができる。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド
成分によって遮断されていてもよい。ポリヌクレオチドは、さらに、重合後に、
例えば、標識成分との共役結合によって修飾することもできる。この用語は、ま
た、二重鎖分子および単鎖分子をも称す。特に断らないかまたは必要としない限
りは、ポリヌクレオチドである本発明のいずれの実施態様も、二重鎖形;および
、二重鎖形を構成することが公知または予想される各々2本の相補的単鎖形の両
方を包含する。
【0019】 ポリヌクレオチドは、4つのヌクレオチド塩基:アデニン(A);シトシン(
C);グアニン(G);チミン(T);および、ウラシル(U)の特異的配列に
よって構成され、グアニンは、ポリヌクレオチドがRNAである時のみである。
かくして、“ポリヌクレオチド配列"という用語は、ポリヌクレオチド分子のア ルファベット表示である。このアルファベット表示は、中枢処理ユニットを有す
るコンピュータのデータベースに入力することができ、生物情報科学用途、例え
ば、機能性ゲノミックス(functional genomics)および相
同性サーチ(homology searching)に使用される。
【0020】 “遺伝子(gene)"とは、転写および翻訳された後、特定のポリペプチド または蛋白質をコードすることのできる少なくとも1つのオープンリーディング
フレームを含有するポリヌクレオチドを称す。本明細書に記載するいずれのポリ
ヌクレオチド配列も、それらが伴う遺伝子のより大きなフラグメントまたは全長
のコード配列を特定するために使用することができる。より大きなフラグメント
配列を単離する方法は、当業者公知であり、そのうちあるものは、本明細書に記
載する。“腫瘍遺伝子(oncogene)"とは、宿主細胞に導入する時、正 常な細胞を癌(または新生物または腫瘍)細胞に形質変換することのできる少な
くとも1つのオープンリディングフレームを含有するポリヌクレオチドを称す。
腫瘍遺伝子は、細胞内の等価物の変化した形、すなわち、非癌細胞中に存在する
レベルで発現させた時に、細胞の形質変換をすることのできない“原腫瘍形成遺
伝子(proto−oncogenes)"であることが多い。
【0021】 “遺伝子生成物"とは、遺伝子が転写および翻訳される時に生ずるアミノ酸( 例えば、ペプチドまたはポリペプチド)を称す。 本明細書で使用する第2のポリヌクレオチドは、それが以下の関係のいずれか
によって第1のポリヌクレオチドに関連している場合に、もう1つの(第1の)
ポリヌクレオチドに“対応する": 1)第2のポリヌクレオチドが、第1のポリヌクレオチドを含み、第2のポリ
ヌクレオチドが遺伝子生成物をコードする。
【0022】 2)第2のポリヌクレオチドは、cDNA、RNA、ゲノムDNA、または、
これらポリヌクレオチドのいずれかのフラグメントにおいて第1のポリヌクレオ
チドの5'または3'側にある。例えば、第2のポリヌクレオチドは、第1および
第2のポリヌクレオチドを含む遺伝子のフラグメントであってもよい。第1およ
び第2のポリヌクレオチドは、それらが遺伝子生成物、例えば、蛋白質または抗
体をコードする遺伝子の成分である関係にある。しかし、第2のポリヌクレオチ
ドは、本明細書で使用する“対応する"についての定義内に包含させるために、 必ずしも第1のポリヌクレオチドを含むかまたは第1のポリヌクレオチドと重複
させる必要はない。例えば、第1のポリヌクレオチドは、第2のポリヌクレオチ
ドの3'非翻訳領域のフラグメントであってもよい。第1および第2のポリヌク レオチドは、遺伝子生成物をコードする遺伝子のフラグメントであってもよい。
第2のポリヌクレオチドは、遺伝子のエクソンであってもよく、他方、第1のポ
リヌクレオチドは、遺伝子のイントロンであっもよい。
【0023】 3)第2のポリヌクレオチドは、第1のポリヌクレオチドの相補体である。 ポリヌクレオチド操作の関連で使用する時、“プローブ"とは、当該試料中に 存在する可能性のある標的とハイブリダイズするすることによって試料中に存在
するその標的を検出するための試薬として提供されるオリゴヌクレオチドを称す
。通常、プローブは、標識または、それによって、ハイブリダイゼーション反応
の前または後に、標識を結合させることができる手段を含む。適した標識として
は、放射性同位体、蛍光発色団、ケミルミネッセント化合物、染料、および、蛋
白質、例えば、酵素が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】 “プライマー"とは、短いポリヌクレオチドであり、概して、標的とハイブリ ダイズさせ、その後、標的に対して相補的なポリヌクレオチドの重合を促進する
ことによって試料中に潜在的に存在する標的または“テンプレート"と結合する 遊離の3'−OHを有する。“ポリメラーゼ連鎖反応(PCR )"は、“プライ マー対";または,“上流域"および“下流域"プライマー;および、重合触媒、 例えば、DNAポリメラーゼ;ならびに、典型的には、熱安定ポリメラーゼ酵素
からなる“プライマーのセット" を使用して、標的ポリヌクレオチドから複製コ
ピーする反応である。PCRのための方法は、当分野周知であり、例えば、“P
CR: A PRACTICAL APPROACH"(MacPherson et al.,IRL Press at Oxford Universi
ty Press(1991))に教示されている。PCRまたは遺伝子クロー
ニングのようなポリヌクレオチドの複製コピーを生成させる方法は、全て、本明
細書において、集合的に“複製"と称す。プライマーは、また、ハイブリダイゼ ーション反応、例えば、サザンまたはノーザンブロット分析におけるプローブと
しても使用することができる。Sambrook et al.上記。
【0025】 “配列タグ(sequence tag)"または“SAGEタグ"は、短い配
列であり、概して、約20個より少ないヌクレオチドであり、メッセンジャーR
NAにおいてある一定の位置に生ずる。タグは、それよりタグが転写された対応
する転写および遺伝子を特定するために使用することができる。“ダイタグ(d
itag)"は、2つの配列タグのダイマーである。
【0026】 “cDNAs"という用語は、相補的なDNAを称し、それは、リバーストラ ンスクリプターゼのような酵素によりcDNAに作成され、細胞または生物中に
存在するmRNA分子である。“cDNAライブラリー"は、細胞または生物中 に存在するmRNA分子全ての集合であり、全て、酵素リバーストランスクリプ
ターゼにより、cDNA分子へと変化させられ、ついで、“ベクター"に挿入さ れる(他のDNA分子は、外来のDNAの添加後も、複製され続けることができ
る)。ライブラリーのための例としてのベクターとしては、バクテリオファージ
("ファージ"としても公知);細菌を感染させるウイルス、例えば、ラムダファ
ージが挙げられる。ライブラリーから興味ある特異的なcDNA(および、かく
して、mRNA)をプローブすることができる。
【0027】 “遺伝子供給ビヒクル"は、挿入された1種以上のポリヌクレオチドを宿主細 胞に運ぶことのできるいずれかの分子と定義される。遺伝子供給ビヒクルの例は
、リポゾーム;天然のポリマーおよび合成ポリマーを含め、生物適合性ポリマー
;リポ蛋白質;ポリペプチド;ポリサッカライド;リポポリサッカライド;人工
のウイルスエンベロープ膜;金属粒子;および、細菌、ウイルスおよびバキュロ
ウイルス、例えば、バキュロウイルス、アデノウイルスおよびレトロウイルス、
バクテリオファージ、コスミド、真菌ベクター;および、種々の真核生物および
原核動物宿主での複製および/または発現について記載されている当分野で典型
的に使用されるその他の組換ビヒクルである。遺伝子供給ビヒクルは、挿入され
たポリヌクレオチドの複製、遺伝子療法および簡単なポリペプチドおよび蛋白質
発現用に使用することができる。
【0028】 “ベクター"は、挿入されるポリヌクレオチドを宿主細胞におよび/または宿 主細胞間で伝達する自己複製核酸分子を意味する。この用語は、主として、核酸
分子を細胞内に挿入するために機能するベクター;主として、核酸の複製のため
に機能する複製ベクター;および、DNAまたはRNAの転写および/または翻
訳のために機能する発現ベクターを含むことを意図するものである。1つより多
い上記機能を生ずるベクターも、また、意図する。
【0029】 “宿主細胞"は、ベクターのための受容体または外来の核酸分子、ポリヌクレ オチドおよび/または蛋白質を組込むことができるかまたは組込まれた、いずれ
の個々の細胞または細胞培養物を含むことを意図する。それは、また、単細胞の
子孫を含むことを意味する。子孫は、自然の偶然のまたは意図的な変異により、
(形態学において、または、ゲノム性もしくは全体のDNA相補体において)必
ずしも本来の親細胞と完全に同一でなくともよい。細胞は、原核生物または真核
生物であってもよく、例えば、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、動物細胞;およ
び、哺乳動物細胞、例えば、ネズミ、ラット、類人猿またはヒトの細胞が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0030】 “遺伝学的に修飾した"という用語は、外来の遺伝子または核酸配列を含有お よび/発現することを意味し、これは、細胞の遺伝子型または表現型あるいはそ
の子孫を修飾することを意味する。換言すれば、それは、細胞の内因性ヌクレオ
チドに対する、いずれの付加、欠失または破壊をも称す。
【0031】 本明細書で使用する“発現"とは、ポリヌクレオチドがmRNAに転写され、 ペプチド、ポリペプチドまたは蛋白質に翻訳されるプロセスを称す。ポリヌクレ
オチドがゲノムDNAから誘導される場合、適当な真核生物宿主が選択される場
合には、発現は、mRNAのスプライシングを含んでもよい。発現に必要とされ
る制御要素としては、RNAポリメラーゼを結合するためのプロモータ配列およ
びリボゾーム結合のための転写開始配列が挙げられる。例えば、細菌発現ベクタ
ーとしては、lacプロモータのようなプロモータが挙げられ、転写開始につい
ては、シャイン−ダルガルノ配列および開始コドンAUG(Sambrook et al.(1989)上記)が挙げられる。同様に、真核生物発現ベクター
としては、RNAポリメラーゼIIについての異種起源または同種起源のプロモ
ータ;下流域ポリアデニル化シグナル;開始コドンAUG;および、リボゾーム
解離のための停止コドンが挙げられる。このようなベクターは、市販入手するこ
ともでき、また、当分野周知の方法において記載された配列、例えば、概して、
ベクターを構築するための以下に記載する方法に記載された配列によって組み立
てることもできる。
【0032】 遺伝子について適用する“特異的に発現される(differentiall
y expressed)"とは、遺伝子から転写されるmRNAまたは遺伝子 によってコードされた蛋白質生成物の特異的な生産をいう。特異的に発現される
遺伝子は、正常なまたは対照(またはコントロールとも称す)細胞の発現レベル
と比較して過剰発現であってもよく、過少発現であってもよい。1つの態様にお
いて、それは、対照試料において検出される発現レベルよりも、2.5倍、好ま
しくは、5倍、または、好ましくは10倍、過剰または過少である特異性を称す
。“特異的に発現される"という用語は、また、対照細胞において発現のない場 合に発現されるか、または、対照細胞において発現される場合に発現されない細
胞または組織におけるヌクレオチド配列を称す。
【0033】 “ポリペプチド"という用語は、その最も広い意味において使用し、2個以上 のサブユニットアミノ酸、アミノ酸類縁体またはペプチドミメチックス(pep
tidemimetics)を有する化合物を称す。サブユニットは、ペプチド
結合によって結合されていてもよい。もう1つの実施態様において、サブユニッ
トは、その他の結合、例えば、エステル結合またはエーテル結合等によって結合
されていてもよい。本明細書で使用する“アミノ酸"という用語は、天然および /または非天然のあるいは合成アミノ酸を称し、例えば、グリシンおよびDまた
はL光学異性体ならびにアミノ酸類縁体およびペプチドミメチックス等が挙げら
れる。3個以上のアミノ酸を有するペプチドは、ペプチド鎖が短い場合、一般に
、オリゴペプチドと称される。ペプチド鎖が長い場合には、ペプチドは、一般に
、ポリペプチドまたは蛋白質と称される。
【0034】 “ハイブリダイゼーション"とは、1つ以上のポリヌクレオチドが反応して、 ヌクレオチド残基の塩基間の水素結合により安定化された複合体を形成する反応
をいう。水素結合は、ワトソン−クリック塩基対、フーグシュテイン(Hoog
stein)結合、または、その他のいずれかの配列特異的様式で生じさせるこ
とができる。複合体は、二重構造を形成する2本のストランド(鎖)、多ストラ
ンド複合体を形成する3本以上のストランド、単一自己ハイブリダイジングスト
ランド(self−hybridizing strand)、または、これら
のいずれかの組合せを含んでもよい。ハイブリダイゼーション反応は、さらに包
括的プロセスにおいて、例えば、PCR反応の開始またはリボザイムによるポリ
ヌクレオチドの酵素による開裂のような工程を構成することができる。
【0035】 ハイブリダイゼーション反応は、種々の“ストリンジェンシー"条件下で行う ことができる。概して、低いストリンジェニシーハイブリダイゼーション反応は
、10X SSCまたは等価なイオン強度/温度の溶液中、約40℃で行われる
。中程度のストリンジェンシーハイブリダイゼーションは、典型的には、6X SSC中、約50℃で行われ、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション反
応は、おおよそ、1X SSC中、約60℃で行われる。
【0036】 ハイブリダイゼーションが2本の単一ストランドのポリヌクレオチド間で逆平
行配置で生ずる時、反応は、“アニーリング"と称され、これらポリヌクレオチ ドは、“相補的"と記載する。ハイブリダイゼーションが第1のポリヌクレオチ ド鎖の一方と第2のポリヌクレオチド鎖との間で生ずることができる場合には、
二重鎖ポリヌクレオチドは、もう一方のポリヌクレオチドに対して“相補的(c
omplementary)"または“相同的(homologous)"である
。“相補性(complementary)"または“相同性(homolog y)"(1つのポリヌクレオチドがもう1つに対して相補的である度合い)は、 一般に受け入れられている塩基対則に従い、互いに水素結合を形成することが期
待される対向するストランド(鎖)の塩基の比によって定量可能である。
【0037】 ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド領域(または、ポリペプチドまたは
ポリペプチド領域)が、もう1つの配列に対して、ある特定のパーセンテージ(
例えば、80%、85%、90%または95%)の“配列同一性"を有すること は、並列させた時に、塩基(または、アミノ酸)のパーセンテージが、2つの配
列を比較して、同一であることを意味する。この並列およびパーセント相同性ま
たは配列同一性は、当分野公知のソフトウエアープログラム、例えば、CURR
ENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(F
. M. Ausubel et al..eds.,1987) Suppl
ement 30,section 7.7.18, Table7.7.1に
記載されているものを使用して、決定することができる。好ましくは、並列につ
いて、デフォールトパラメータが使用される。好ましい配列プロブラムは、デフ
ォールトパラメータを使用するBLASTである。特に好ましいプログラムは、
以下のデフォールトパラメータ:Genetic code=standard
;filter=none;strand=both;cutoff=60;e
xpect=10;Matrix=BLOSUM62;Description
s=50sequences;sort by=HIGH SCORE;Dat
abases=non−redundant,GenBank+EMBL+DD
BJ+PDB+GenBank CDS traslation+SwissP
rotein+SPupdate+PIRを使用するBLASTNおよびBLA
STPである。これらプログラムの詳細は、以下のインターネットアドレス:h
ttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/cgi−bin/B
LASTで見ることができる。
【0038】 本明細書で使用する“固相支持体"または“固体支持体"は、互換的に使用され
、支持体の個々のタイプに限定されない。大多数の支持体が使用可能であり、当
分野の当業者には公知である。固相支持体としては、シリカゲル、樹脂、誘導さ
れるプラスチックフィルム、ガラスビーズ、綿、プラスチックビーズ、アルミナ
ゲルが挙げられる。本明細書で使用する“固体支持体"としては、また、合成抗 原呈示マトリックス、細胞およびリポゾームが挙げられる。適した固相支持体は
、所望される最終用途および種々のプロトコルに対する適合性に基づき選択され
る。例えば、ペプチド合成用には、固相支持体としては、樹脂、例えば、ポリス
チレン(Bachem Inc.,Peninsula Laboratori
esから入手されるPAM−樹脂);登録商標POLYHIPE樹脂(Amin
otech,Canadaから入手される);ポリアミド樹脂(Peninsu
la Laboratoriesから入手される);ポリエチレングリコールを
グラフトさせたポリスチレン樹脂(登録商標TentaGel,Rapp Po
lymere,Tubingen,Germany);または、ポリジメチルア
クリルアミド樹脂(Milligen/Biosearch,Californ
iaから入手される)が挙げられる。
【0039】 本発明のポリヌクレオチドは、また、高スループットスクリーニング検定に使
用される固体支持体に結合することもできる。例えば、PCT WO97/10
365は、高密度オリゴヌクレオチドチップの構築物を開示している。また、米
国特許Nos.5,405,783;5,412,087;および、5,445
,934も参照。この方法を使用すると、プローブは、誘導されたガラス表面上
で合成される。光保護ヌクレオシドホスホルアミダイトをガラス表面に結合させ
、フォトリソグラフィックマスクを介してフォトリシスにより選択的に脱保護し
、第2の保護されたヌクレオシドホスホルアミダイトと反応させる。所望される
プローブが完成するまで、カップリング(結合)/脱保護プロセスを繰り返す。
【0040】 “抗体"は、抗原上に存在するエピトープを結合することのできる免疫グロブ リン分子である。本明細書で使用するこの用語は、無傷の免疫グロブリン分子、
例えば、モノクローナルおよびポリクロナール抗体のみならず;必要とされる特
異性を有する抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の、抗イディオタイプ抗体
、突然変異体、フラグメント、融合蛋白質、二−特異性抗体(bi−speci
fic antibodies)、ヒト型化蛋白質および修飾体を包含する。
【0041】 “抗体複合体"とは、(上記定義した)抗体と、その結合パートナーまたはリ ガンドとの組合せである。 “認識される"という用語は、非関連のポリペプチドに対するよりも本発明の ポリペプチド上に存在するエピトープに対して、より高い親和性またはより高い
アビジチー(avidity)のいずれかまたは双方により、本発明の抗体が結
合することを意図する。抗体複合体の親和性およびアビジチーについての検定は
、当分野で公知である。
【0042】 本明細書で使用する“新生物細胞(neoplastic cells)"“ 新生物(neoplasia)"、“腫瘍(tumor)"“腫瘍細胞(tumo
r cells)“癌(cancer)"および“癌細胞(cancer ce lls)"は、(互換的に使用され)、比較的に自立性の成長を示す細胞をいい 、それらは、細胞増殖のコントロールの著しい欠如(すなわち、脱制御細胞分割
)を特徴とする異常な増殖表現型を示す。新生物細胞は、悪性または良性であっ
てもよい。転移細胞または組織は、細胞が隣接体構造物に侵入するかまたは隣接
体構造物を破壊することができることを意味する。
【0043】 腫瘍の増殖を“抑制すること(suppressing)"は、本明細書に記 載する養成された抗原特異性免疫エフェクター細胞と接触しないで増殖するのと
比較した時に縮小した増殖状態を示す。腫瘍細胞増殖は、いずれかの当分野公知
の手段、例えば、腫瘍寸法を測定するか、3H−チミジン組込み検定を使用して 腫瘍細胞が増殖するかを決定するか、または、腫瘍細胞を数えるか等によって評
価することができるが、これらに限定されるものではない。腫瘍細胞増殖を“抑
制すること"は、以下の状態:腫瘍増殖の進行を緩やかにし、遅延させ、停止さ せることおよび腫瘍収縮のいずれかまたは全てを意味する。
【0044】 ハイパープラシア(Hyperplasia)は、構造または機能を有意に変
化させることなく、組織または器官における細胞数の増加を伴う制御された細胞
増殖の形態である。メタプラシア(Metaplasia)は、十分に分化され
た細胞の1つのタイプが分化された細胞のもう1つのタイプを置換する制御され
た細胞増殖の形態である。メタプラシアは、上皮組織または結合組織細胞で生じ
うる。異型性のメタプラシアは、幾分無秩序な後形質の上皮組織を伴う。
【0045】 本明細書で使用する“細胞の新生物状態を逆にする"という用語は、本明細書 で記載するように、アポトーシス;ネクロシス;または、細胞の分化を防止する
か;腫瘍の発生を少なくするか;薬学的抵抗性、化膿、分化を喪失させるか;あ
るいは、新生物表現型を逆にするいずれかのその他手段を含むことを意図する。
【0046】 “組成物"とは、活性剤;および、不活性(例えば、検知可能な薬剤または標 識)または活性なもう1つの化合物または組成物、例えば、アジュバントと組合
せることを意味することを意図するものである。
【0047】 “薬学的組成物"とは、組成物をインビトロ、インビボまたはエクスビボで診 断または治療用途に適するようにする、不活性または活性な担体との活性剤の組
合せを含むことを意図する。
【0048】 本明細書で使用する“薬学的に許容可能な担体"という用語は、いずれかの標 準的な薬学的担体、例えば、リン酸塩緩衝塩水溶液、水;および、乳濁液、例え
ば、油/水または水/油乳濁液;ならびに、種々のタイプの湿潤剤を包含する。
組成物は、また、安定剤および保存剤を含んでもよい。担体、安定剤およびアジ
ュバントの例については、Martin REMINGTON'S PHARM . SCI., 15th Ed.(Mack Publ. Co., Eas
ton(1975)参照。
【0049】 “有効量"とは、有益なまたは所望される結果を生ずるのに十分な量である。 有効量は、1回以上の投与、適用、または投薬で投与することができる。 “対象"、“個体"または“患者"は、本明細書において、互換的に使用され、 これは、脊椎動物、好ましくは、哺乳動物、さらに好ましくは、ヒトを称す。哺
乳動物としては、ネズミ、類人猿、ヒト、家畜動物、スポーツ用動物およびペッ
トが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0050】 “対照(control)"とは、比較目的のために実験に使用される別の対 象または試料である。対照は、“陽性"または“陰性"であってもよい。例えば、
実験の目的が原腫瘍形成遺伝子(proto−oncogene)"の変化した 発現レベルを生じる特定のタイプの癌との相関を決定することである場合、概し
て、陽性の対照(このような変化を保有し、その病気に特徴的な症候群を示す対
象または対象からの試料);および、陰性の対照(変化させる発現およびその病
気の臨床的な症候群を欠く対象または対象からの試料)を使用することが好まし
い。
【0051】 “トランスジェニック動物"とは、遺伝学的に管理される動物または遺伝学的 に管理される動物の子孫を称す。トランスジェニック動物は、少なくとも1種の
非関連生物からの(例えば、細菌、ウイルス、植物または他の動物からの)遺伝
物質を含有することができるか、または、遺伝子生成物の発現を妨害する突然変
異体を含有することができる。
【0052】 非小細胞肺癌(NSCLC)で呈示される転写体の系統的な分析は、Seri
al Analysis of Gene Expression(“SAGE
")によって行った(米国特許No.5,695,937)。SAGE分析は、 細胞中で発現されるヌクレオチド配列を特定することを含む。つまり、SAGE
分析は、(1)新生物集団および(2)正常細胞から相補的なデオキシリボ核酸
を提供することで開始される。両cDNAsともプライマー部位に結合させた。
ついで、例えば、適当なプライマーを使用して、DNAを増幅させ、配列タグを
生じさせた。2つの細胞タイプの間のこれらタグにおける差を測定することによ
って、新生物細胞集団で異常に発現される配列を特定した。
【0053】 ポリヌクレオチドおよび有用性 SAGEを使用し、SEQ ID NOS:1−40によって代表される配列
タグを特定し、さらに、特性決定した。かくして、本発明は、SEQ ID N
OS:1−40によって表されるポリヌクレオチドの集団、または、それらのそ
れぞれの相補体を提供する。これらポリヌクレオチドを含有する組成物(以下に
詳細に記載する)およびデータベース(また、以下に記載する)も、また、本発
明によって提供される。
【0054】 SEQ ID NOS.24−26、29、32−35、および、38に対応
するポリヌクレオチドは、従来は特定されていなかったポリヌクレオチドまたは
遺伝子を表す。かくして、本発明は、また、SEQ ID NOS.24−26
、29、32−35、および、38,または、それらのそれぞれの相補体からな
る群より選択される配列を有する少なくとも1種のポリヌクレオチドを含むポリ
ヌクレオチドの集団を提供する。また、本発明によって、SEQ ID NOS
.24−26、29、32−35、および、38の配列を有するポリヌクレオチ
ドに対応するポリヌクレオチドが提供される。1つの実施態様において、これら
ポリヌクレオチドは、これらポリヌクレオチドの配列をコードするより大きなフ
ラグメントまたは全長の同定によって得られる。これらポリヌクレオチドを含有
する遺伝子供給ビヒクル、宿主細胞、組成物(以下に詳細に記載する)およびデ
ータベース(また、以下に詳細に記載する)も、また、本発明によって提供され
る。
【0055】 本発明は、また、上記したポリヌクレオチドのそれとは異なるが、同一の表現
型効果を生成するポリヌクレオチド、例えば対立遺伝子、を包含する。これらの
変化させたが、表現型において等価なポリヌクレオチドは、“等価な核酸という
。本発明は、また、本明細書中のポリヌクレオチドと比較する時、それから生ず
るポリペプチドの表現型(phenotype)を変化させることのない非コー
ド領域における変化を特徴とするポリヌクレオチドを包含する。本発明は、さら
に、中程度または高度のストリンジェンシー条件下で本発明のポリヌクレオチド
とハイブリダイズするポリヌクレオチドを包含する。これとは別に、ポリヌクレ
オチドは、デフォールトパラメータ下で試験する時、配列並列プログラムによっ
て決定されるのと、少なくとも85%、または、少なくとも90%、さらに好ま
しくは、95%に等しいかまたはそれ以上同一である。
【0056】 また、本発明において、本発明がなされるまで、肺癌において特異的に発現さ
れることが知られていなかった、ESTによるか、または、公知の遺伝子によっ
てコードされるポリペプチドが提供される。さらに、本発明のポリペプチドにお
いて、同一のコード配列とハイブリダイズする新規配列、例えば、そのフラグメ
ントまたはその相補体が具体化され、それに対して、SEQ ID NOS.2
4−26、29、32−35、または、38で表されるヌクレオチドによってコ
ードされたポリペプチドがハイブリダイズする。これら配列は、肺癌細胞におい
てはそれらが過剰であり(over−representation)、正常な
肺細胞においてはそうでない点でユニークであり、かくして、肺癌細胞を検出す
るのに特に有用である。
【0057】 SEQ ID NOS.24−26、29、32−35、または、38で表さ
れる部分配列がハイブリダイズする配列をコードする主要なフラグメントまたは
全長を同定する方法は、好ましくは、本発明で提供される方法および試薬を単独
または組合せて使用することを含む。ポリヌクレオチドを単離するために適用可
能ないずれの慣用的な組換DNA技術も、また、使用することができる。
【0058】 このような方法の1つは、5'−RACE−PCR技術を含み、この技術にお いては、特に重要なコード配列を含有するpoly−AmRNAが、最初に、本
明細書に開示した配列を含む3'−プライマーにより逆転写される。ついで、新 たに合成したcDNAストランド(鎖)が、公知配列を有するアンカープライマ
ーでタグされ、それは、好ましくは、5'末端に結合した都合のよいクローニン グ制限部位を含有する。ついで、タッグ付きcDNAは、3'−プライマー(ま たは、コード領域の内部配列に対して配列相同性を有するネステドプライマー)
および5'−アンカープライマーによって増幅される。増幅は、増幅特異性を最 適化するために、種々のレベルのストリンジェンシー条件下で行うことができる
。5'−RACE−PCRは、市販のキット(例えば、BRL Life Te chnologies Inc.Clotechから入手可能)を使用し、製造
者の指示書に従い、容易に行うことができる。
【0059】 遺伝子の完全なコード配列を単離することも、また、適当なプローブを使用す
るハイブリダイゼーション検定において行うことができる。プローブは、好まし
くは、少なくとも10個のヌクレオチドを含み、さらに好ましくは、SEQ I
D NOS.24−26、29、32−35、または、38で示されるポリヌク
レオチドに対して配列相同性を示す。cDNAに対する他の高スループットスク
リーニング、例えば、遺伝子チップ技術を含むものも、また、完全なcDNA配
列を得るのに使用することができる。
【0060】 また、試験的な遺伝子に隣接したEST配列を組み立てることによって、ES
Tsの複雑度を低下させるデータベースが存在する。例えば、TIGRは、試験
的ヒトコンセンサス配列(tentative human consensu
s sequence;THC)と呼ばれる名称のデータベースにヒトESTs
を集積した。THCデータベースは、ESTs単独と比較してさらに完全なアサ
インメント(assignment)を可能とする。いずれの生物からの隣接配
列にESTを組み立てることも可能とするソフトウエアープログラムが、(TI
GER assembler and TIGEM EST assembly
machineおよびcontig assemly program(Hu
ang,X.(1996) Genomics 33:21−23)参照。)存
在する。
【0061】 これとは別に、試料調製物からのmRNAは、Velculescu et al.(1997) Science270:484に記載された処方に従い、
ZAP Expressベクター中にcDNAライブライリーを構築するために
使用される。ZAP Express cDNA合成キット(Stragene
)を製造者のプロトコルに従い使用する。250−2000プラクーを含有する
プレートを、Rupert et al.(1988) Mol. Cell.
Bio.8:3104に記載されているように、ハイブリダイゼーション温度を
室温まで低下させた以外は、標準的プローブについて先に記載したと同様の条件
でオリゴヌクレオチドに対してハイブリダイズする。洗浄は、6X標準−塩水−
クエン酸塩0.1%SDS中、室温で30分間行う。プローブは、T4ポリヌク
レオチドキナーゼの使用を通して、32P−ATPで標識する。
【0062】 部分的なcDNA(3'−フラグメント)は、3'側に対するPCR反応によっ
て単離することができる。この方法は、Polyak et al.(1997
) Nature 389:300に記載されたプロトコルの修飾である。簡単
に述べると、この方法は、PCR反応においてSAGEタグを使用して生ずるP
CR生成物が興味対象のSAGEタグおよびさらなるcDNAを含有するように
する。そのcDNAの長さは、cDNAの3'末端に対するタグの位置によって 決まる。このような転写誘導PCR反応から由来するcDNA生成物は、多くの
用途について使用することができる。
【0063】 所定のタグに対応するcDNAを発現すると考えられている試料源からのRN
Aは、最初に、標準cDNAプロトコルを使用して、二重鎖cDNAに転化され
る。第1のストランド(鎖)合成を誘導するために、修飾されたオリゴ−dTプ
ライマーが使用される以外は、SAGEライブラリー構築物についてcDNAを
発生させるために使用される同様の条件を使用することができる。例えば、組成
5'−B−TCC GGC GCG CCG TTT TCC CAG TCA CGA(30)−3'のオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションおよ びポリ−A端尾からのプライミングのために3'末端にポリ−Tストレッチを含 有し、続くPCR工程で使用されるM13プライミング部位を含有し、ストレプ
アビジン(strepavidin)被覆磁気ビーズに捕捉される5'ビオチン 標識(B)を含有し、そして、ストレプトアビジン被覆磁気ビーズからcDNA
を放出するためのAscI制限エンドヌクレアーゼ部位を含有する。理論的には
、PCRプライマーとハイブリダイズすることのできるいずれの十分なサイズの
DNA領域も使用でき、さらに、いずれの他の8塩基対認識エンドヌクレアーゼ
も同様に使用することができる。
【0064】 これと同一または同様の修飾オリゴ−dTプライマーを使用して構築されるc
DNAは、ついで、アダプターのライゲーションまで、正確に米国特許No.5
,695,937に記載されているように処理され、そして1個のアダプターの
みがcDNAプールにライゲートされる。アダプターのライゲーションの後、c
DNAは、ストレプトアビジン被覆磁気ビーズから放出され、ついで、cDNA
増幅のためのテンプレートとして使用される。
【0065】 3'修飾オリゴ−dTプライマーおよびSAGEタグ内のPCRプライミング 部位を使用して、種々のPCRプロトコルを使用することができる。使用される
SAGEタグ誘導PCRプライマーは、タグのアダプター配列内への5'延長程 度に応じて長さを変化させることができる。かくして、cDNA生成物は、種々
の用途について使用可能となる。
【0066】 この技術は、(1) 修飾されるオリゴ−dTプライマーの長さおよび/また
は含量を変化させ;(2) SAGEプロトコル内で先に使用した以外のアダプ
ターをリゲートし;(3) ストレプトアビジン被覆磁気ビーズ上に保持された
テンプレートからPCRを行い;(4) 非−オリゴ−dTに基づくプライマー
で第1のストランドcDNA合成をプライミングすること(priming)に
よって、さらに改良することができる。
【0067】 遺伝子トラッパー技術(Gene trapper technology)
も、また、使用することができる。この技術のための試薬および製造者の指示書
は、Life Technologies, Inc., Gaithersb
urg, Marylandから市販入手可能である。要約すると、方向性を有
するcDNAインサートを含有する単鎖ファーミジド(phagemid)DN
Aの複雑な集団は、標的配列に対して相補的なビオチン化したオリゴヌクレオチ
ドプローブに対する溶液中でのハイブリダイゼーションによって、標的配列を富
裕化させる。磁石により、溶液から常磁性ビーズを回収し、ハイブリダイズドさ
れない単鎖DNAsを後に残す。続いて、捕捉した単鎖DNA標的をビオチン化
されたオリゴヌクレオチドから放出させる。放出後、cDNAクローンは、特異
的に標的単鎖を二重鎖DNAへと転化処理するために、非ビオチン化標的オリゴ
ヌクレオチドを使用してさらに富裕化する。形質転換およびプレーティングの後
、典型的には、20%−100%のコロニーが当該cDNAクローンを表す。所
望されるcDNAクローンを同定するためには、溶液ハイブリダイゼーションの
ために、上記したように、32P−標識オリゴヌクレオチドを使用するコロニーハ
イブリダイゼーションによるか、または、コンセンサス配列を決定するために、
多数のクローンから得られる全ての配列をDNAシークエンシングおよび並列す
ることにより、コロニーをスクリーニングすることができる。
【0068】 本発明のポリヌクレオチドは、PCRを使用して、複製することができる。P
CR技術は、米国特許Nos.4,683,195;4,800,159;4,
754,065;および、4,683,202の主題であり、PCR:THE POLYMERASE CHAIN REACTION (Mullis et
al. eds, Birkhauser Press, Boston(1
994));および、その中の参考文献に記載されている。
【0069】 これとは別に、当業者であれば、DNAを複製するために、本明細書により提
供される配列および市販のDNAシンセサイザーを使用することができる。した
がって、本発明は、また、ポリヌクレオチドの直線配列;適当なプライマー分子
;酵素のような薬品;および、それらの複製のための指示書;ならびに、ポリヌ
クレオチドを得るために、適切な方向にヌクレオチドを化学的に複製または連結
することを提供することによって、本発明のポリヌクレオチドを得るための方法
をも提供する。別の実施態様においては、これらポリペプチドは、さらに単離さ
れる。なおさらに、当業者であれば、ポリヌクレオチドを適当な複製ベクター内
に挿入し、そのベクターを複製および増幅に適した宿主細胞(原核生物または真
核生物)内に挿入することができるであろう。かくして増幅されたDNAは、当
分野の当業者に周知の方法によって細胞から単離することができる。この方法に
よってポリヌクレオチドを得るための方法は、さらに、かくして得られるポリヌ
クレオチドと同様に本明細書において提供される。
【0070】 RNAは、最初に、DNAポリヌクレオチドを適当な宿主細胞内に挿入するこ
とによって得ることができる。DNAは、いずれかの適当な方法、例えば、適当
な遺伝子供給ビヒクル(例えば、リポゾーム、プラスミドまたはベクター)の使
用によるか、または、エレクトロポーレーション(electroporati
on)により挿入することができる。細胞が複製され、DNAがRNA内に転写
されると、ついで、RNAは、当分野の当業者に周知の方法、例えば、Samb
rook et al.(1989)上記に記載された方法を使用して、単離す
ることができる。例えば、mRNAは、Sambrook et al.(19
89)上記に従い、種々の細胞溶解性の酵素または薬品溶液を使用して単離する
か、または、製造者によって提供される添付の指示書に従い、核酸結合樹脂によ
って抽出することができる。
【0071】 上記したように、本発明は、さらに、例えば、悪性、ハイパープラシア(hy
perplasia)またはメタプラシア(metaplasia)の形態での
異常な細胞増殖を特徴とするかまたはその傾向を有する肺細胞の新生物状態の診
断において補助となる種々の方法を提供する。細胞の新生物状態は、概して、細
胞の増殖が正常な増殖の通常の限度によって支配されないことを認めることによ
って決定される。本発明の目的に対し、この用語は、また、腫瘍の形態でのこの
増殖の検出前に生ずる遺伝子型の変化;および、これら表現型変化の原因となる
遺伝子型の変化をも含むものである。細胞の新生物状態に伴う表現型(インビト
ロでのチューモリジェニック能を伴う一連のインビトロ特性)の変化としては、
より丸い細胞形態;よりルーズな支持体との結合(substratum at
tachment);接触阻害の喪失;アンカー依存性の喪失;プロテアーゼ、
例えば、プラスミノーゲン活性化因子の放出;糖輸送の増大;血清要求の低下;
胎児抗原の発現等が挙げられる(Luria, et al.(1978) G
ENERAL VIROLOGY 3rd Ed.,436−446,(Joh
n Wiley & New York))。
【0072】 本発明の方法は、SEQ ID No:1−40で与えられる配列の少なくと
も1種によって同定することのできるポリヌクレオチドの存在をスクリーニング
する。また、SEQ ID NOS:1−40を有するポリヌクレオチドおよび
これらポリヌクレオチドの遺伝子生成物も提供される。別の実施態様において、
転写および翻訳される(または、ポリヌクレオチド転写体に対応する遺伝子生成
物のサブフラグメントである)ポリペプチドまたは蛋白質の存在が細胞の新生物
状態の存在を示唆する。転写体は、SEQ ID NOS:1−40のいずれか
のポリヌクレオチド、または、それらの相補体を含むプローブに対してハイブリ
ダイズするmRNAをスクリーニングすることによるか、または、SEQ ID
NOS:1−40のいずれかのポリヌクレオチド、または、それらの相補体を
含むプライマーを使用して核酸を増幅させることにより同定される。PCRは、
配列を増幅させる好ましい方法であるが、従来のクローニング技術も、また、公
知の配列を増幅するであろうし、したがって、本発明の範囲内に入る。肺癌細胞
を含有する疑いのある試料から単離されるポリヌクレオチドの配列は、配列の相
同性(homologies)を同定したアルゴリズムを使用して、SEQ I
D NOS:1−40を含むデータベースに対して比較することができる。配列
試料とデータベース中の配列の少なくとも1つとの間の高い配列同一性の存在は
、その試料が肺癌細胞を含有することを陽性で示す。
【0073】 これら方法は、原発性の肺腫瘍細胞の表現型特性と相関する遺伝子型を検出す
ることによって、肺癌、例えば、鱗状の細胞肺癌の診断における補助に使用する
ことができる。かくして、腫瘍増殖前のこの遺伝子型を検出することによって、
癌に対する素因を予想するか、または、早期診断を提供する。
【0074】 本発明に使用される細胞または組織試料は、体液、固体組織試料、組織培養物
またはそれらより誘導される細胞およびそれらの子孫、および、これらの源より
調製される部分またはスミア、あるいは、肺癌細胞を含有することのできるその
他いずれかの試料をも包含する。かくして、好ましい試料は、対象の肺組織から
調製されるものである。
【0075】 転写体に対してハイブリダイズするmRNAについての検定において、前述の
試料に含有されるmRNAは、最初に、当分野の標準法に従い抽出される。例え
ば、RNAは、Sambrook et al.(1989)上記に記載された
方法に従い、種々の細胞溶解酵素または薬品溶液を使用し、単離することができ
るか、または、製造者によって提供される添付の指示書に従い核酸結合性樹脂に
よって抽出することができる。抽出した核酸試料に含有されるmRNAは、つい
で、ハイブリダイゼーション(例えば、ノーザンブロット分析)および/または
当分野で広く知られている方法に従うかまたは本明細書で例として挙げる方法に
基づく増幅方法により検出される。
【0076】 少なくとも10個のヌクレオチドを有するかまたはSEQ ID NOS:1
−40に対して配列相補性またはホモロジー(相同性)を示す核酸分子は、ハイ
ブリダイゼーションプローブとしての有用性を見出す。若干の態様において、転
写体、すなわち、SEQ ID NOS:1−20の全コード配列は、公知であ
る。したがって、GenBankにおいて入手可能な公知配列のいずれの部分ま
たは相同性の配列も、本発明の方法において使用することができる。“完全に符
合する(perfectly matched)プローブが、特異的なハイブリ
ダイゼーションについて必要とされるわけでないことは当分野公知である。少数
の塩基の置換、欠失または挿入によって達成されるプローブ配列における小さな
変化は、ハイブリダイゼーション特異性に影響を及ぼさない。概して、20%程
度の塩基対におけるミスマッチ(最適に並列させた時)は許容されうる。好まし
くは、前述のmRNAを検出するために有用なプローブは、SEQ ID NO
S:1−20によって特定される先に特定された配列に含有される匹敵しうるサ
イズの相同性領域に対して少なくとも約80%同一であり、これは、先に特性決
定された遺伝子、または、SEQ ID NOS:21−23、27、28、3
0、31、37、39および40に相当し、これは、公知のESTsに対応する
。さらに好ましくは、プローブは、相同性領域の並列後の対応する遺伝子配列に
対して、85%同一であり;なおさらに好ましくは、それは、90%の同一性を
示す。パーセント同一性は、上記のようにして決定される。
【0077】 これらプローブは、肺細胞または組織における種々の新生物状態を検出、予後
、診断またはモニターするための放射性検定(例えば、サザンおよびノーザンブ
ロット分析)に使用することができる。プローブは、また、肺新生物の検出およ
びモニタリングのための高スループットスクリーニング検定に使用されるチップ
のような固体支持体に結合させることもできる。したがって、本発明は、また、
高スループットスクリーニングに使用される固体支持体と結合させた、SEQ ID NOS:1−40として特定される転写体またはその相補体の少なくとも
1つを提供する。
【0078】 本発明のポリヌクレオチドは、また、高スループットスクリーニング検定に使
用される固体支持体に結合させることができる。この方法を使用して、プローブ
は、誘導化ガラス表面上で合成される。光保護ヌクレオシドホスホルアミダイト
をガラス表面に結合させて、フォトリソグラフィックマスクを介してフォトリシ
スにより選択的に脱保護し、第2の保護されたヌクレオシドホスホルアミダイト
と反応させる。所望されるプローブが完了するまで、カップリング/脱保護プロ
セスを繰り返す。
【0079】 遺伝子の発現レベルは、核酸試料をプローブ修飾チップへ暴露させて決定され
る。抽出した核酸は、好ましくは、増幅工程の間、蛍光タグによって標識される
。標識した試料のハイブリダイゼーションは、適当なストリンジェンシーレベル
で行われる。プローブ核酸ハイブリダイゼーションの度合いは、検出装置、例え
ば、コンフォーカルマイクロスコープ(confocal microscop
e)を使用して、定量的に測定される。米国特許Nos.5,578,832;
および、5,631,734参照。得られる測定値は、遺伝子発現レベルと直接
対比される。
【0080】 チップ検定からの結果は、典型的には、コンピュータソフトウエアプログラム
を使用して分析される。例えば、EP717,113A2およびWO95/20
681を参照。ハイブリダイゼーションデータをプログラムに読み込み、これに
より、標的遺伝子の発現レベルを計算する。この数値をその細胞タイプについて
の遺伝子発現レベルの既存のデータセットに対して比較する。
【0081】 例えば、データベースおよびデータベースを使用する方法は、エピトープを発
現しないか、または、当該細胞よりもより高いかまたはより低いレベルでそれを
発現する細胞から本発明の合成抗原性ペプチドエピトープの天然の等価体である
ペプチドエピトープを発現する細胞を識別するための手段を提供する。ペプチド
をコードするポリヌクレオチドの発現を測定する。1つの細胞は、“参照細胞(
reference cell)"として働き、本発明の合成抗原性ペプチドエ ピトープに対応するペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現が測定される
その細胞は、“試験細胞(test cell)"と称す。1つの例として、そ の方法は、正常な細胞(この場合、参照細胞)を新生物細胞(すなわち、試験細
胞)から識別するために使用することができる。それは、また、患者または異な
る対象からの新生物細胞バイオプシーまたは潜在的な治療剤で処置する前または
後の遺伝子発現を識別可能とする。それは、薬剤の毒性および効能を分析するた
めに、および、薬剤によって影響を受けることが期待されるか、または、薬剤で
の処置の結果過剰発現することのできる蛋白質のカテゴリー、例えば、種々の多
重薬剤抵抗性遺伝子を選択的に見るために使用することができる。データベース
のさらなる有用性としては、試験細胞の発育状態の分析;ウイルスまたは細菌感
染の影響;細胞サイクルのコントロール;腫瘍抑制剤遺伝子の有効または無効;
細胞タイプ内の多形;アポトーシス;および、制御遺伝子の効果等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0082】 フラグメントの合計寸法および相補性ストレッチ(stretches)の寸
法は、個々の核酸セグメントの意図する使用または用途に依存するであろう。よ
り小さなフラグメントは、概して、ハイブリダイゼーション実施態様において使
用でき、その場合、相補性領域の長さは、例えば、約10個〜約100個のヌク
レオチドの間で変化させることができるか、または、検出したいと思う相補性配
列に応じて全長であってもよい。
【0083】 ハイブリッドの安定性および選択性を増大させるためには、長さ10個のヌク
レオチドより大きなストレッチにわたって相補的配列を有するヌクレオチドプロ
ーブが、概して、好ましく、それによって、得られる個々のハイブリッド分子の
特異性が改良される。さらに好ましくは、遺伝子相補性ストレッチ約25個以上
を有する核酸分子を設計することができる。若干の例において、分子は、相補性
ストレッチ約50個以上の長さのヌクレオチドを有し、なおさらに長いことが所
望されるかもしれない。このようなフラグメントは、例えば、化学的手段による
フラグメントの直接合成によるか;核酸再生産技術の適用、例えば、米国特許N
o.4,603,102に記載されているような2つのプライミングオリゴヌク
レオチドによるPCRTM技術によるか;または、組換生産のための組換ベクター
内に選択された配列を導入することにより容易に調製することができる。好まし
いプローブは、約50―75以上;さらに好ましくは、50―100個の長さの
ヌクレオチドである。
【0084】 ある種の実施態様においては、適当な手段、例えば、ハイブリダイゼーション
を検出するための標識;および、したがって、相補性配列と組合せた本発明の核
酸配列を使用することが有益である。多種多様な適したインジケータ手段、例え
ば、蛍光、放射活性、酵素またはその他のリガンドを使用する、例えば、アビジ
ン/ビオチンが当分野で公知であり、それらは、検出可能なシグナルを与えるこ
とができる。好ましい実施態様においては、放射活性またはその他の環境上望ま
しくない試薬の代わりに、蛍光標識または酵素タグ、例えば、ウレアーゼ;アル
カリ性ホスファターゼまたはパーオキシダーゼを使用することが望まれる。酵素
タグの場合、ヒトの目で可視であるか、または、分光学的に、相補性核酸含有試
料で特異的なハイブリダイゼーション同定するための手段を提供するために使用
することのできる比色インジケータ基質が公知である。
【0085】 ハイブリダイゼーション反応は、種々の“ストリンジェンシー"を有する条件 下で実施することができる。関連する条件としては、温度;イオン強度;インキ
ュベーション時間;反応混合物中のさらなる溶質、例えば、ホルムアミドの存在
;および洗浄処理が挙げられる。より高いストリンジェンシー条件は、例えば、
より高い温度およびより低いナトリウムイオン濃度を有する条件であり、これは
、安定なハイブリダイゼーション複合体の形成についてのハイブリダイジング要
素間の最小相補性が大きいことを必要とする。ハイブリダイゼーション反応のス
トリンジェンシーを増大させる条件は、広く公知であり、当分野で公開されてい
る。例えば、(Sambrook, et al.,(1989)、上記)およ
び上記定義を参照。
【0086】 本発明のヌクレオチドプローブは、また、正常な肺組織ではなく、新生物肺癌
細胞において発現される遺伝子または遺伝子転写体の検出のためのプライマーと
して使用することができる。本発明の目的に対し、増幅とは、妥当な正確さで標
的配列を複製することのできるプライマー依存性ポリメラーゼを使用するいずれ
かの方法を意味する。増幅は、天然または組換DNA−ポリメラーゼ、例えば、
T7DNAポリメラーゼ、E,coliDNAポリメラーゼのKlenowフラ
グメント、および、リバーストランスクリプターゼによって実施することができ
る。
【0087】 好ましい増幅方法は、PCRである。PCRについての一般的方法は、Mac
Pherson et al.PCR:A PRACTICAL APPROA
CH(IRL Press at Oxford University Pr
ess(1991))に教示されている。しかし、各適用反応について使用され
るPCR条件は、実験的に決定される。多数のパラメータが反応の達成に影響を
及ぼす。これらのうちには、アニーリング温度および時間;延長反応の時間;M
2+ATP濃度;pH;および,プライマー、テンプレートおよびデオキシリボ
ヌクレオチドの相対濃度が含まれる。
【0088】 増幅後、生ずるDNAフラグメントは、アガロースゲル電気泳動、続く、エチ
ジウムブロマイド染色および紫外線照射による可視化によって検出することがで
きる。SEQ ID NOS:1−40において特定されるポリヌクレオチドに
対して相補的な配列を有し、増幅されたDNAフラグメントが予想された寸法を
有することを立証する特異的な増幅ポリヌクレオチドは、予想される制限消化パ
ターンを示し、および/または、正確なクローンされたDNA配列に対してハイ
ブリダイズする。
【0089】 新規な転写体の発現は、また、蛋白質生成物の存在について検定することによ
って決定することができる。蛋白質レベルを決定することは、a)ポリペプチド
を含有する疑いのある生物学的試料を用意し;b)蛋白質生成物に対して反応性
の抗体間で生ずるいずれかの免疫特異的結合の量を測定し、いずれかの抗体:形
成される蛋白質複合体の存在を検出することを含む。複合体の存在は、蛋白質生
成物が試料中に存在し、したがって、試料が新生物肺細胞を含有していたことを
示す。
【0090】 遺伝子供給ビヒクルおよび宿主細胞 本発明は、また、ベクター細胞に組込むための発現および/または挿入ベクタ
ーのための遺伝子供給ビヒクルに組込まれた、上記したような、ポリヌクレオチ
ドを提供する。プロモータと、それにポリヌクレオチドを機能的に結合させるこ
とのできるクローニング部位とを含有するベクターは、当分野周知である。この
ようなベクターは、インビトロまたはインビボでRNAを転写することができ、
例えば、Stratgene(La Jolla,CA)およびPromega
Biotech(Madison,WI)のような源から市販入手可能である。
発現および/またはインビトロでの転写を最適化するためには、転写または翻訳
のいずれかのレベルにおける発現を妨害するかまたは低下させることのありうる
余分で潜在的に不適切な交互翻訳開始コドン;または、その他の配列を除去する
ための、クローンの5'および/または3'非翻訳部分を除去、付加または変化さ
せることが必要かも知れない。これとは別に、コンセンサスリボゾーム結合部位
を、発現を高めるために、開始コドンのすぐ5'側に挿入することができる。ベ クターの例は、ウイルス、例えば、バキュロウイルスおよびレトロウイルス;バ
クテリオファージ;アデノウイルス;アデノ関連ウイルス;コスミド;プラスミ
ド;真菌ベクター;および、種々の原核および真核宿主における発現について記
載されている当分野で典型的に使用されているその他の組換ビヒクルであり、遺
伝子療法および単純な蛋白質発現に使用することができる。
【0091】 幾つかの非ウイルスベクター、例えば、DNA/リポゾーム複合体および標的
とされるウイルス性蛋白質DNA複合体がこのうちに入る。細胞への供給を高め
るために、本発明の核酸または蛋白質は、細胞表面抗原を結合する抗体またはそ
の結合フラグメントと共有結合させることができる。また、標的抗体またはその
フラグメントを含むリポゾームを本発明の方法において使用することができる。
本発明は、また、本明細書で開示した方法に使用される標的複合体を提供する。
【0092】 ポリヌクレオチドは、当分野周知の方法を使用して、ベクターゲノムに挿入さ
れる。例えば、挿入体およびベクターDNAは、相互に対を形成することができ
、リガーゼによって結合することのできる各分子上の相補的末端を生ずるために
、制限酵素と、適当な条件下で接触させることができる。これとは別に、合成核
酸リンカーを制限ポリヌクレオチドの末端に連結することもできる。これら合成
リンカーは、ベクターDNAの特定の制限部位に対応する核酸配列を含有する。
さらに、終止コドンおよび適当な制限部位を含有するオリゴヌクレオチドを、例
えば、以下の幾つかまたは全部を含有するベクター内への挿入体に対してリゲー
トすることができる:選択可能なマーカ遺伝子、例えば、哺乳動物細胞における
安定なまたは一時的なトランスフェクタント(transfectant)を選
択するためのネオマイシン遺伝子;高レベルの転写のためのヒトCMVのすぐ直
前の遺伝子からのエンハンサー/プロモータ配列;mRNAを安定化するための
SV40からの転写停止およびRNA処理シグナル;適切なエピゾーマル複製の
ためのSV40ポリオマ複製開始点およびColE1;種々のマルチクローニン
グ部位;および、センスおよびアンチセンスRNAのインビトロでの転写のため
のT7およびSP6RNAプロモータ。その他の手段は、周知であり、当分野で
使用可能である。
【0093】 本発明は、さらに、本発明のポリヌクレオチドを含む、上記定義したような、
宿主細胞を提供する。 ポリペプチドおよびそれらの有用性 本発明の方法に従い使用されるペプチドは、多数の慣用的な方法のいずれか1
つにおいて得ることができる。それらは、概して、短い配列であるので、標準技
術を使用する化学合成によって製造することができる。固相ペプチド合成技術が
特に都合がよい。自動ペプチドシンセサイザーが、それらの使用に必要とされる
試薬も含めて、市販入手可能である。これとは別に、ペプチドは、天然の蛋白質
の酵素による消化または開裂によって製造することができる。ペプチドは、また
、当業者公知の組換技術を使用して製造することができる。
【0094】 1つの実施態様において、本発明の単離されたペプチドは、適当な固相合成方
法を使用して、合成することができる。Steward and Young(
1968) SOLID PHASE PEPTIDE SYNTHESIS,
Freemantle,San Francisco,Calif。好ましい方
法は、Merrifieldの方法である。Merriefield(1967
) Recent Progress in Hormone Res.23:
451。これらペプチドの抗原活性は、例えば、本明細書に記載する検定法を使
用して、試験するのが便利である。
【0095】 一度、本発明の単離されたペプチドが得られたら、それは、標準法、例えば、
クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティおよびサイジングカラ
ムクロマトグラフィー)、遠心分離、示差溶解度、または、蛋白質精製のための
その他いずれかの標準的な技術によって精製することができる。免疫親和性クロ
マトグラフィーについては、本発明のペプチドまたは関連ペプチドに対して生ず
る抗体を含むエピトープをアフィニティカラムに結合させることによって、エピ
トープを単離し、一定の支持体に固定することができる。
【0096】 これとは別に、アフィニティタグ、例えば、ヘキサ−His(Invitro
gen)、マルトース結合ドメイン(New England Biolabs
)、インフルエンザコート配列(Kolodziej et al.(1991
)Methods Enzymol. 194:508−509)、および、グ
ルタチオン−S−トランスフェラーゼを本発明のペプチドに結合させて、適当な
アフィニティカラムに通すことによって容易に精製することができる。単離され
るペプチドは、また、蛋白質分解、核磁気共鳴およびX線結晶解析のような技術
を使用して、物理的に特性決定することができる。
【0097】 翻訳の間または後に、例えば、ホスホリル化、グリコシル化、架橋、アシル化
、蛋白質分解開裂、抗体分子、膜分子またはその他リガンドに対する結合によっ
て特異的に修飾された本発明のポリヌクレオチドによってコードされるペプチド
も、また、本発明の範囲に含まれる。Ferguson et al.(198
8)Ann. Rev. Biochem. 57:285−320。これは、
種々の化学的方法を使用するか、または、種々の宿主細胞、例えば、細菌、哺乳
動物、酵母または昆虫細胞におけるポリヌクレオチオドの発現によって達成され
る。
【0098】 本発明のポリペプチドは、種々の配合物において使用することができ、これら
配合物は、意図する用途に依存して、変化させることができる。ポリペプチドは
、種々のその他の分子に共有結合的に、または、非共有結合的に結合(または複
合体化)することができ、その性質は、個々の目的に依存して変化させることが
できる。例えば、本発明のペプチドは、巨大分子担体、例えば、天然および合成
ポリマー、蛋白質、ポリサッカライド、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドンおよび脂質に共有結合的または非共有結合的に(複合
体化)させることができるが、これら例として挙げた巨大分子に限定されるもの
ではない。ペプチドは、リポゾームに導入するために、脂肪酸と共有結合させる
ことができる。米国特許No.5,837,249。本発明の合成ペプチドは、
固体支持体と共有結合的または非共有結合的に複合体化し、種々の合成ペプチド
が当分野公知である。本発明の合成抗原性ペプチドエピトープは、以下に詳細に
記載するように、相補的分子であるなしにかかわらず抗原呈示マトリックスと会
合することができる。
【0099】 蛋白質担体の例としては、超抗原、血清アルブミン、テタヌストキソイド、オ
バルブミン、チログロブリン、ミオグロブリンおよび免疫グロブリンが挙げられ
るがこれらに限定されるものではない。
【0100】 ペプチド−蛋白質担体ポリマーは、慣用的な架橋剤、例えば、カルボジイミド
を使用して形成することができる。カルボジイミドの例は、1−シクロヘキシル
−3−(2−モルホリニル−(4−エチル)カルボジイミド(CMC)、1−エ
チル−3−(3−ジメチアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)および1−
エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミドであ る。
【0101】 その他の適した架橋剤の例は、シアノーゲンブロマイド、グルタルアルデヒド
および無水コハク酸である。概して、多数のホモ二官能性薬剤、例えば、ホモ二
官能性アルデヒド、ホモ二官能性エポキシド、ホモ二官能性N−ヒドロキシコハ
ク酸イミドエステル、ホモ二官能性マレイミド、ホモ二官能性アルキルハライド
、ホモ二官能性ピリジルジスルフィド、ホモ二官能性アリールハライド、ホモ二
官能性ヒドラジド、ホモ二官能性ジアゾニウム誘導体およびホモ二官能性光反応
性化合物を使用することができる。また、ヘテロ二官能性化合物、例えば、アミ
ノ反応性およびスルフヒドリル反応性基を有する化合物、アミン反応性および光
反応性基を有する化合物、および、カルボニル反応性およびスルフヒドリル反応
性基を有する化合物が挙げられる。
【0102】 このようなホモ二官能性架橋剤の具体的な例としては、二官能性N−ヒドロキ
シコハク酸イミドエステル、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)、
ジスクシンイミジルスベレート、ジスクシンイミジルタータレート;二官能性イ
ミドエステルジメチルアジプイミデート、ジメチルピメリミデートおよびジメチ
ルスベルイミデート;二官能性スルフヒドリル反応性架橋剤1,4−ジ−〔3' −(2'−ピリジルジチオ)プロピオンアミド〕ブタン、ビスマレイミドヘキサ ンおよびビス−N−マレイミド−1,8−オクタン;二官能性アリルハライド1
,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼンおよび4,4'−ジフルオロ−3 ,3'−ジニトロフェニルスルホン;二官能性光反応性剤、例えば、ビス−〔b −(4−アジドサリシルアミド)エチル〕ジスルフィド;二官能性アルデヒドホ
ルムアルデヒド、マロンジアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒ
ドおよびアジプアルデヒド;二官能性エポキシド、例えば、1,4−ブタンジオ
ールジグリシジルエーテル、二官能性ヒドラジドアジピン酸ジヒドラジド、カル
ボヒドラジドおよびコハク酸ジヒドラジド;二官能性ジアゾニウムo−トルイジ
ン、ジアゾ化およびビスジアゾ化したベンチジン;二官能性アルキルハライドN
1N'−エチレン−ビス(ヨードアセトアミド)、N1N'−ヘキサメチレン−ビ
ス(ヨードアセトアミド)、N1N'−ウンデカメチレン−ビス(ヨードアセト アミド)、および、ベンジルハライドおよびハロムスタード、例えば、ala' −ジヨード−p−キシレンスルホン酸およびトリ(2−クロロエチル)アミンが
、それぞれ、挙げられる。
【0103】 蛋白質をペプチドに共有結合するために使用されるその他の一般的なヘテロ二
官能性架橋剤の例としては、SMCCスクシニミジル−4−(N−マレイミドメ
チル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート)、MBS(m−マレイミドベン
ゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、SIAB(N−スクシンイ
ミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート)、SMPB(スクシンイミ
ジル−4(p−マレイミドフェニル)ブチレート)、GMBS(N−(γ−マレ
イミドブチルオキシ)スクシンイミドエステル)、MPBH(4−(4−N−マ
レイミドフェニル)酪酸ヒドラジド)、M2C2H(4−(N−マレイミドメチ
ル)シクロヘキサン−1−カルボキシ−ヒドラジド)、SMPT((スクシンイ
ミジルオキシカルボニル−1−α−メチル−α−(2−ピリジルジチオ)トルエ
ン)およびSPDP(N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピ
オネート)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0104】 架橋は、カルボニル基をアミノ基に、または、ヒドラジル基に、還元的なアミ
ノ化によってカップリングすることによって達成される。 本発明のペプチドは、また、イオン性、吸着性または生物特異性の相互作用を
介するモノマーの非共有結合体として配合される。ペプチドの高度に陽性または
陰性の帯電した分子との複合体形成は、低いイオン強度環境下、例えば、脱イオ
ン水中における塩の架橋形成を通してなされる。大きな複合体は、多数の陰電荷
および陽電荷を、それぞれ、含有する帯電ポリマー、例えば、ポリ−(L−グル
タミン酸)またはポリ−(L−リシン)を使用して、生成させることができる。
ペプチドの吸収は、例えば、ミクロ粒子ラテックスビーズの表面またはその他疎
水性ポリマーに対してなされ、架橋または化学的に重合された蛋白質を有効に模
倣し(mimicking)、非共有結合会合ペプチド−超抗原複合体を形成す
る。最後に、ペプチドは、その他の分子との間の生物特異的相互作用の使用を通
して非共有結合的に結合させることができる。例えば、ビオチンの蛋白質,例え
ば、アビジンもしくはストレプトアビジンまたはそれらの誘導体に対する強力な
アフィニティを使用すると、ペプチド複合体を形成することができる。これらビ
オチン結合蛋白質は、溶液中でビオチンと相互作用することができるか、または
、もう1つの分子に共有結合的に結合することのできる4つの結合部位を含有す
る。Wilchek(1988)Anal Biochem.171:1−32
。ペプチドは、蛋白質上の利用可能なアミン基と反応する一般的なビオチン試薬
、例えば、D−ビオチン(NHS−ビオチン)のN−ヒドロキシスクシンイミジ
ルエステルを使用して、ビオチン基を有するように修飾することができる。つい
で、ビオチン化したペプチドは、アビジンまたはストレプトアビジンとインキュ
ベートすることができ、大きな複合体を生ずる。このようなポリマーの分子塊は
、ビオチン化されたペプチド対アビジンまたはストレプトアビジンのモル比の注
意深いコントロールを通して制御することができる。
【0105】 この適用によって、また、診断法において使用される検出可能な薬剤に共有結
合した本明細書に記載するペプチドおよびポリペプチドが提供される。例えば、
検出可能に標識されたペプチドおよびポリペプチドは、カラムに結合させること
ができ、抗体の検出および精製のために使用することができる。これらは、また
、以下に記載するように、抗体の生産のためのイムノゲンとして有用である。
【0106】 本発明のペプチドは、また、種々の液体相担体、例えば、滅菌または水溶液;
薬学的に許容可能な担体、懸濁液および乳濁液と組合せることができる。非水性
溶剤の例としては、プロピルエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよ
び植物油が挙げられる。抗体を製造するために使用する時、担体は、また、特異
的な免疫応答を非特異的に増大させるために有用なアジュバントを含むこともで
きる。当業者であれば、アジュバントを必要とするかを容易に決定し、アジュバ
ントを選択することができる。しかし、例示するためだけの目的であるが、適し
たアジュバントとしては、フロイントの完全および不完全アジュバント;鉱酸塩
およびポリヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0107】 1つの実施態様において、本発明のペプチドは、ペプチド上に存在するエピト
ープと特異的に結合する抗体を生ずるために使用される。抗体は、細胞試料から
単離される遺伝子生成物を検出するために有用である。
【0108】 蛋白質分析については、種々の技術が当分野で使用可能である。これらとして
は、放射免疫検定、ELISA(酵素結合した免疫放射検定法)、“サンドイッ
チ(sandwich)"免疫検定法、免疫放射検定法、in situ免疫検 定法(例えば、コロイド状の金、酵素または放射性同位体標識)、ウェスターン
ブロット分析、免疫沈降検定法、免疫蛍光検定法およびPAGE−SDSが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。Harlow and Lane
(1988)上記;および、Sambrook et al.(1989)上記
参照。
【0109】 免疫特異性結合、または、ハイブリダイゼーションまたは増幅処理の間に発生
するシグナルを検出および定量するためには、ディジタルイメージ分析システム
、例えば、プローブの放射活性またはケミルミネセンスを検出するものを使用す
ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0110】 SEQ ID NOS:1−40、またはその相補体によって本明細書で特定
された転写の発現を特徴とする悪性疾患、ハイパープラシアまたはメタプラシア
を診断するには、典型的には、対象と適当なコントロールとの比較分析が行われ
る。好ましくは、診断試験は、対象(以降、陽性コントロール)から誘導される
コントロール試料を含み、それは、転写体および悪性またはメタプラシア肺癌臨
床特性のの発現を示す。さらに好ましくは、診断は、また、新生物状態の臨床特
性を欠く対象(以降、陰性コントロール)から誘導されるコントロールを含み、
その当該転写体の発現は、陰性または最低限(de minimus)である。
特定された改変に関する対象と陽性のコントロールとの間の陽性の相関は、新生
物肺状態の発育に対する存在または素因を示す。対象と陰性コントロールとの間
の相関の欠如は診断を確認する。
【0111】 薬剤スクリーニング 本発明は、また、種々の薬剤についてのスクリーニングおよび細胞の新生物状
態を逆転するか、または、上記した細胞の成育または増殖を選択的に阻害する方
法を提供する。1つの態様において、悪性疾患、ハイパープラシアまたはメタプ
ラシアの処置のために有用な薬剤についてのスクリーニング検定は、本明細書に
記載する転写体の発現を特徴とする。
【0112】 かくして、インビトロで本方法を実施するためには、適当な細胞培養物または
組織培養物を最初に用意する。細胞は、SEQ ID NOS:1−40からの
転写体またはそれらの相補体を発現する培養された細胞または遺伝的に修飾され
た細胞であってもよい。あるいは、細胞は、組織バイオプシーからであってもよ
い。細胞は、(温度、増殖または培養培地およびガス(CO2))の条件下で、 密度依存性の拘束なしで急激な増殖を達成するのに適当な時間量培養される。ま
た、コントロールとして試験薬剤が添加されないさらなる別の細胞培養物を維持
することが望ましい。
【0113】 当業者には明らかなように、適した細胞は、マイクロタイタープレート(mi
crotiter plates)で培養することができ、数種の薬剤を、遺伝
子型の変化、表現型の変化または細胞の死滅に注意しながら同時に検定すること
ができる。
【0114】 薬剤がDNAまたはRNA核酸分子以外の組成物である時、適した条件は、細
胞培養物に直接添加することによるか、または、添加のための培養培地に添加す
ることによることができる。当業者には明らかであるように、実験的に決定する
ことのできる“有効な"量を添加する必要がある。
【0115】 本発明の目的に対し、“薬剤"としては、生物学的または化学的化合物、例え ば、単純もしくは複雑な有機または無機分子、ペプチド、蛋白質(例えば、抗体
)またはオリゴヌクレオチド(例えば、アンチ−センス)が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。広く列挙される化合物、例えば、オリゴペプチド
およびオリゴヌクレオチドのようなオリゴマー;および、種々の基本骨格に基づ
く合成有機化合物を合成することができ、これらは、また、“薬剤(agent
)"という用語に含まれる。また、種々の天然源、例えば、植物または動物抽出 物等も、また、スクリーニングのための化合物を提供することができる。薬剤が
単独または本発明のスクリーニングによって同定される薬剤と同様または異なる
生物学的活性を有するもう1つの薬剤と組合せて使用されうることは、必ずしも
明言できないが、理解する必要がある。薬剤および方法も、また、他の療法と組
み合わされることを意図する。
【0116】 上記したように、新生物状態を生ずる原腫瘍形成遺伝子の過剰発現を有する肺
細胞は、本方法によって適当に処置される。これら細胞は、原腫瘍形成遺伝子の
過剰発現の同定を可能とする当分野公知のいずれかの方法によって同定すること
ができる。1つのこのような方法を以下に例として示す。
【0117】 薬剤が核酸である時、それは、当分野周知の方法によって、細胞培養物に添加
することができ、これとしては、リン酸カルシウム沈降物、マイクロインジェク
ションまたはエレクトロポーレションが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0118】 本方法の目的、すなわち、細胞の新生物状態の逆転が、細胞分割の減少;細胞
の分化;または、転写体発現の減少または喪失についての検定によって達成され
るかを決定することができる。細胞分化は、組織学的な方法によるか、または、
ある特定の細胞表面マーカの存在または喪失についてモニターすることによって
モニターすることができ、これは、未分化の表現型、例えば、初期の造血幹細胞
上のCD34に関連させることができる。
【0119】 スクリーニングを実施するために必要とされる薬剤および指示書を含有するキ
ットおよび本明細書に記載するインビトロでの方法も、また、特許請求する。 対象がラットまたはマウスのような動物である時、本方法は、治療剤の臨床試
験前に使用することのできる都合のよい動物モデルシステムを提供する。このシ
ステムにおいて、転写発現が新生物肺細胞において減少するか、または、転写発
現を含有する細胞の存在に伴うかまたは関連する症候群が、各々、病気の細胞を
有する未処置の動物と比較して、改善される場合には、候補薬剤は、可能性のあ
る薬剤である。健康で、処置することのない細胞または動物の別の陰性コントロ
ール群を有することが有用であるかもしれず、これは、比較のための基礎を提供
する。
【0120】 本発明のこれら薬剤および上記化合物およびそれらの誘導体は、本明細書に記
載する方法において使用される医薬品の製造のために使用することができる。 好ましい実施態様において、本発明の薬剤は、肺癌を処置するために投与する
ことができる。さらに好ましい実施態様において、本発明の薬剤は、鱗状の細胞
肺癌を処置するために投与される。本発明の治療剤は、また、新生物前または非
悪性状態から新生物または悪性状態へと進行するのを防止するために使用するこ
とができる。
【0121】 種々の供給システムが公知であり、本発明の治療剤、例えば、リポゾーム内の
封入物;マイクロ粒子;マイクロカプセル;組換細胞による発現;レセプター媒
介エンドサイトシス(例えば、Wu and Wu(1987)J. Biol
. Chem. 262:4429−4432);治療核酸のレトロウイルスま
たはその他ベクター等の一部としての構築物を投与するために使用することがで
きる。供給方法としては、動脈内、筋肉内、静脈内、鼻腔内および経口ルートが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。特異な実施態様においては、
処置を必要とする領域に、局所的に、本発明の薬学的組成物を投与することが望
ましいこともあり;これは、例えば、手術の間の局所注入;注射によるか;また
は、カテーテルを用いて、達成することができる。
【0122】 それらの意図する目的に対して有効であると本明細書で特定された薬剤は、こ
れら原腫瘍形成遺伝子の過剰発現の関係する病気が生じやすいかまたはその発症
の危険性のある対象または個体に投与することができる。薬剤を対象、例えば、
マウス、ラットまたはヒト患者に投与する時、薬剤は、薬学的に許容可能な担体
に添加することができ、対象に、全身的または局所的に、投与することができる
。有益に処置することのできる患者を決定するためには、腫瘍試料を患者から取
り出し、原腫瘍形成遺伝子の過剰発現について、その細胞を検定する。治療学的
な量は、実験的に決定し、処置される病理学、処置される対象および薬剤の効能
および毒性によって変わるであろう。動物に供給する時、本方法は、薬剤の効能
についてさらに確認することが有用である。動物モデルの例としては、ヌードマ
ウス群(Balb/cNCR/nu/nu雌、Simonsen, Gilro
y,CA)が、本明細書に定義されているように、各々、約105〜約109過剰
増殖癌または標的細胞を、皮下、接種される。腫瘍ができたら、例えば、腫瘍周
りに皮下接種することによって、薬剤を投与する。腫瘍寸法の減少を決定するた
めの腫瘍測定は、一週間に2回、ベニエルカリパー(venier calip
ers)を使用して、二次元的になされる。その他の動物モデルも、また、適当
に使用することができる。
【0123】 インビボでの投与は、治療過程全体を通して、1回投与、連続または間欠的投
与において行うことができる。投与の最も有効な手段および投薬量を決定する方
法は、当業者周知であり、治療のために使用される組成物、治療の目的、処置す
る標的細胞および処置する対象によって変化させられる。1回投与または多数回
投与を行うことができ、投与レベルおよびパターンは、処置する医師によって選
択される。適した投薬配合物および薬剤を投与する方法を以下に記載する。
【0124】 本発明の薬剤および組成物は、医薬品の製造に使用することができ、慣用的な
方法に従い、例えば、薬学的組成物における活性成分をヒトおよびその他動物の
処置に使用することができる。
【0125】 薬学的組成物は、経口、鼻腔内、非経口、または、吸入療法によって投与する
ことができ、錠剤、ロゼンジ、顆粒、カプセル、ピル、アンプル、座剤またはエ
アロゾルの形態を有することができる。これらは、また、懸濁液、溶液、および
、活性成分の水性溶液または非水性希釈剤乳濁液、シロップ、顆粒または粉末の
形態を取ることができる。本発明の薬剤以外に、薬学的組成物は、また、その他
の薬学的に活性な化合物または本発明の複数の化合物を含有することができる。
【0126】 さらに詳しくは、本発明の薬剤は、また、本明細書で活性成分と称され、治療
のために、適当なルート、例えば、経口、直腸、鼻腔、局所(例えば、経皮、エ
アロゾル、頬および舌下)、膣、非経口(例えば、皮下、筋肉内、静脈内、皮膚
内)および肺のいずれかの適当なルートによって投与することができる。好まし
いルートは、受容体の状態および年齢ならびに処置される病気によって変わるで
あろうことも、また、理解されるであろう。
【0127】 理想的には、薬剤は、病気の部位で活性化合物のピーク濃度を達成するように
投与する必要がある。これは、例えば、薬剤の静脈注射、所望により、塩水にお
いて、または、経口的に、例えば、活性成分を含有する、錠剤、カプセルまたは
シロップとして投与することによって達成することができる。薬剤の望ましい血
液レベルは、連続的な注入によって維持することができ、病気組織内で活性成分
の治療学的な量を生ずる。機能的な組合せ使用も考えることができ、各個々の治
療学的化合物または薬剤を単独で使用する時に必要とされるよりもより少ない各
成分抗ウイルス剤の合計投薬を必要とする治療学的組合せを提供し、それによっ
て、悪影響を少なくする。
【0128】 薬剤を単独で投与することも可能であるが、上記定義した少なくとも1つの活
性成分を、1種以上の薬学的に許容可能なそのための担体;および、所望により
、その他治療剤とともに含む薬学的配合物としてそれを提供することが好ましい
。各担体は、配合物のその他成分と適合し、患者に損傷を与えないという意味に
おいて、“許容可能"である必要がある。
【0129】 配合物としては、経口、直腸、鼻腔、局所(例えば、経皮、頬、舌下)、非経
口(例えば、皮下、筋肉内、静脈内および皮膚中)および肺投与するのに適した
ものが挙げられる。配合物は、便宜上、単位用量形で呈示され、当薬学分野周知
のいずれかの方法によって調製することができる。このような方法としては、1
種以上の副成分を構成する担体と活性成分と合わせる工程を含む。概して、配合
物は、液体担体または微細に粉砕された担体と、活性成分とを均一または緊密に
合わせ、ついで、必要な場合に、製品を造形することによって調製される。
【0130】 経口投与に適した本発明の配合物は、具体的なユニット、例えば、カプセル、
カシェ剤または錠剤として、各々が、予め決められた量の活性成分を、粉末また
は顆粒として;水性または非水性液体の溶液または懸濁液として;または、水中
油液体エマルジョンまたは油中水液体エマルジョンとして提供することができる
。活性成分は、また、丸薬、舐剤またはペーストを提供することもできる。
【0131】 錠剤は、所望により、1種以上の副成分とともに、圧縮または成形することに
より製造することができる。圧縮した錠剤は、活性成分をサラサラした形、例え
ば、粉末または顆粒に、所望により、結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース)、滑剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(
例えば、ナトリウム澱粉グリコレート、架橋ポビドン、架橋ナトリウムカルボキ
シメチルセルロース)界面活性剤または分散剤と、適当な機械で混合して圧縮す
ることによって調製することができる。成形錠剤は、適当な機械中、不活性液体
希釈剤で湿潤した粉末化された化合物の混合物を成形することによって製造する
ことができる。錠剤は、所望により、被覆または刻み目を入れることができ、例
えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを、所望される放出プロフィールを
与えるように、量比を変化させて使用し、その中の活性成分の放出を緩やかにし
たり、制御したりすることができる。錠剤は、所望により、胃以外の消化管の一
部で放出を生ずるように、腸被覆を備えていてもよい。
【0132】 口における局所投与に適した配合物としては、芳香性の主成分、通常、シュク
ロースおよびアカシアまたはトラガカンスに活性成分を含むロゼンジ;不活性主
成分、例えば、ゼラチンおよびグリセリンまたは、シュクロースおよびアカシア
に活性成分を含む錠剤;および、適当な液体担体に活性成分を含む口洗浄剤が挙
げられる。
【0133】 本発明に従う局所投与のための薬学的組成物は、軟膏、クリーム、懸濁液、ロ
ーション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたは油として
配合することができる。これとは別に、配合物は、パッチまたは包帯、例えば、
バンデージ;または、活性成分と、所望により、1種以上の賦形剤または希釈剤
とを含浸させた接着剤プラスターを含むことができる。
【0134】 所望される場合には、クリーム主成分の水相としては、例えば、少なくとも約
30%w/wの多価アルコール、すなわち、2個以上のヒドロキシル基を有する
アルコール、例えば、プロピレングリコール、ブタン1,3−ジオール、マンニ
トール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコールおよびこれ
らの混合物が挙げられる。局所的な配合物は、望ましくは、皮膚またはそのたの
影響を受ける領域を通して薬剤の吸収または浸透を高める化合物を含む。このよ
うな皮膚浸透向上剤としては、ジメチルスルホキシドおよび関連する類縁体が挙
げられる。
【0135】 本発明のエマルジョンの油相は、公知の成分より公知の方法で構成することが
できる。この相は、単なる乳化剤(または、エマルジェントとして公知)を含ん
でもよいが、それは、望ましくは、少なくとも1種の乳化剤と脂肪または油、ま
たは、脂肪および油との混合物を含む。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤と
して作用する親油性乳化剤とともに含まれる。また、油および脂肪として含まれ
ることが好ましい。安定剤なしまたは有りの乳化剤は、合わさって、いわゆる乳
化ワックスを構成し、油および/または脂肪と合わさったワックスは、クリーム
配合物の油状の分散相を形成するいわゆる乳化軟膏を構成する。
【0136】 本発明の配合物に使用するのに適したエマルジェントおよびエマルジョン安定
剤としては、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、
ミリスチルアルコール、グリセリルモノステアレートおよびナトリウムラウリル
硫酸が挙げられる。
【0137】 配合物について適した油または脂肪の選択は、薬学的エマルジョン配合物にお
いて使用される傾向のある大部分の油中の活性化合物の溶解度が非常に低いので
、所望される化粧性を達成することに基づく。かくして、クリームは、好ましく
は、非グリース性、非染色性および洗浄可能な製品であり、チューブまたは容器
からの漏れを回避するために、適当な稠度を有する。直鎖または分岐鎖、一また
は二塩基性アルキルエステル、例えば、ジ−イソアジペート、イソセチルステア
レート、ココナツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、イソプロピルミリ
ステート、デシルオレエート、イソプロピルパルミテート、ブチルステアレート
、2−エチルヘキシルパルミテート、または、Crodamol CAPとして
公知の分岐鎖エステルのブレンドを使用することができ、最後の3つが好ましい
エステルである。これらは、要求される性質に依存し、単独または組合せて使用
することができる。これとは別に、高融点脂質、例えば、白色軟質パラフィンお
よび/または液体パラフィンもしくはその他の鉱油を使用することもできる。
【0138】 目に対する局所投与に適した配合物としては、また、活性成分が適当な担体、
特に、薬剤についての水性溶剤に溶解または懸濁された目薬が挙げられる。 直腸投与に対する配合物は、例えば、ココアバターまたはサリシレートを含む
適当な主成分を有する座剤として提供することができる。
【0139】 膣投与に適した配合物は、本薬剤、例えば、当分野で適当であることが公知の
担体以外に、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体、噴霧
配合物として提供することができる。
【0140】 担体が固体である鼻腔投与に適した配合物としては、粒子寸法、例えば、約2
0〜約500ミクロンを有する粗い粉末が挙げられ、これは、すなわち、鼻に近
づけて保持し、粉末の容器から鼻腔を通して迅速な吸入により、鼻で吸い込むよ
うにして投与される。担体が、例えば、鼻腔噴霧、鼻腔液滴として、または、ネ
ブライザーによってエアロゾル投与のための液体である適当な配合物としては、
薬剤の水性または油状溶液が挙げられる。
【0141】 非経口投与に適した配合物としては、抗酸化剤;緩衝液;細菌発育抑制剤;お
よび、配合物を意図する受容体の血液と等張とする溶質を含有することのできる
水性および非水性等張滅菌注射溶液;および、懸濁剤および増粘剤、および、化
合物を血液成分または1つ以上の器官に対して標的とするように設計されたリポ
ゾームまたはその他の微粒子システムを含むことのできる水性および非水性滅菌
懸濁液が挙げられる。配合物は、単位投与またはマルチ投与密封容器、例えば、
アンプルおよびバイアルで提供されるが、滅菌液体担体、例えば、使用直前の注
射用水の添加のみを必要とする凍結乾燥された(リオフィライズドされた)状態
で貯蔵することができる。即注射用の溶液および懸濁液は、先に記載した種類の
、滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製される。
【0142】 好ましい単位投与配合物は、本明細書で上記列挙した薬剤について、1日当た
りの用量または単位、1日当たりの亜投与、または、その適当な画分を含有する
ものである。
【0143】 上記詳しく記載した成分以外に、本発明の配合物は、当該配合物のタイプに関
して、当分野で慣用的なその他薬剤を含むことができ、例えば、経口投与に適し
たものは、甘味剤、増粘剤および芳香剤のようなさらなる薬剤を含むことができ
ることを理解する必要がある。それは、また、本発明の薬剤、組成物および方法
が、その他適当な組成物および療法と組合せられることを意図する。
【0144】 抗 体 上記したように、蛋白質またはポリペプチドと特異的に複合体を形成すること
のできる抗体も、また、本発明によって、提供される。“抗体"という用語は、 ポリクロナール抗体およびモノクローナル抗体を含む。抗体としては、マウス、
ラットおよびウサギまたはヒト抗体が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0145】 ポリクロナール抗体およびモノクローナル抗体を製造し、それらの対応する核
酸配列を推定するための実験室的な方法は、当分野公知であり、Harlow and Lane(1988)上記およびSambrook etal.(19
89)上記参照。本発明のモノクローナル抗体は、蛋白質またはそのフラグメン
トを動物、例えば、マウスまたはウサギに導入することによって、生物学的に製
造することができる。動物における抗体生成細胞は、単離され、骨髄腫細胞また
はヘテロミエロマ細胞(heteromyeloma cells)と融合され
て、ハイブリッド細胞またはハイブリドーマを生成する。したがって、本発明の
モノクローナル抗体を生成するハイブリドーマ細胞も、また、提供される。
【0146】 かくして、蛋白質またはそのフラグメントおよび公知の方法を使用して、当業
者であれば、蛋白質またはポリペプチドと結合する能力を有する抗体について、
本発明のハイブリドーマ細胞および抗体を生成およびスクリーニングすることが
できる。
【0147】 試験されるモノクローナル抗体が蛋白質またはポリペプチドと結合する場合に
は、試験される抗体および本発明のハイブリドーマによって提供される抗体は等
価である。過度の実験なしで、モノクローナル抗体が正常に反応する蛋白質また
はポリペプチドと本発明のモノクローナル抗体が結合するのを抗体が妨害するか
を決定することによって、抗体が、本発明のモノクローナル抗体と同様の特異性
を有するかを決定することも可能である。試験される抗体が本発明のモノクロー
ナル抗体による結合の減少によって示されるように、試験される抗体が本発明の
モノクローナル抗体と競争する場合には、2つの抗体が同一または緊密な関係の
エピトープに対して結合する傾向がある。これとは別に、正常に反応する蛋白質
で本発明のモノクローナル抗体を予めインキュベートし、試験されるモノクロー
ナル抗体がその抗原を結合するその能力において阻害されるかを決定することが
できる。試験されるモノクローナル抗体が、あらゆる可能性において、阻害され
る場合には、それは、本発明のモノクローナル抗体と同一または密接に関連した
エピトープ特異性を有する。
【0148】 “抗体"という用語は、また、あらゆるアイソタイプの抗体を含むことを意図 する。モノクローナル抗体の個々のアイソタイプは、最初の融合細胞から直接選
択することによるか、または、種々のアイソタイプのモノクローナル抗体を分泌
する親のハイブリドーマから、Steplewski etal.(1989)
Proc. Natl. Acad. Sci.82:8653またはSpir
a etal.(1984)J.Immunol.Methods 74:30
7に記載された方法を使用し、クラススイッチ変種を単離するための血族選択技
術を使用することによって二次的に調製することができる。
【0149】 本発明は、また、上記したポリクロナールおよびモノクローナル抗体の生物学
的に活性なフラグメントを提供する。これら“抗体フラグメント"は、その抗原 またはイムノゲンと選択的に結合する若干の能力を保持する。このような抗体フ
ラグメントとしては、 (1) Fab、 (2) Fab’、 (3) F(ab’)2、 (4) Fv、および、 (5) SCA を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0150】 “生物学的に活性な抗体フラグメント(biologically acti
ve antibody fragment)"の具体的な例は、抗体のCDR 領域である。これらフラグメントを製造する方法は、当分野公知であり、例えば
、Harlow and Lane(1988)上記参照。
【0151】 本発明の抗体は、また、修飾して、キメラ抗体およびヒト化した抗体を生ずる
ことができる(Oi et al.Bio Techniques 4(3):
214)。キメラ抗体は、抗体の重鎖および軽鎖の種々の領域を1種以上の種か
らのDNAによってコードしたものである。
【0152】 本発明のモノクローナル抗体の特異性を有するモノクローナル抗体を分泌する
その他のハイブリドーマの単離は、当業者であれば、抗イディオタイプの抗体を
生成させることによって達成することができるであろう(Herlya et al.(1986) Science 232:100)。抗イディオタイプの
抗体は、当該ハイブリドーマによって生成するモノクローナル抗体上に存在する
ユニークな決定因子を認識する抗体である。
【0153】 2つのハイブリドーマのモノクローナル抗体間のイディタイプの同一性は、2
つのモノクローナル抗体が同一のエピトープ決定因子の認識に関して、同一であ
ることを立証する。かくして、モノクローナル抗体上のエピトープ決定因子に対
して抗体を使用することにより、同一のエピトープ特異性を有するモノクローナ
ル抗体を発現する他のハイブリドーマを同定することが可能である。
【0154】 また、エピトープに類似したモノクローナル抗体を製造するために、抗−イデ
ィオタイプの技術を使用することも可能である。例えば、第1のモノクローナル
抗体に対して製造された抗イディオタイプのモノクローナル抗体は、第1のモノ
クローナル抗体によって結合されたエピトープの鏡像である過剰変化可能な領域
に結合領域を有するであろう。かくして、本例において、抗イディタイプのモノ
クローナル抗体は、これら抗体の製造のための免疫化のために使用することがで
きる。
【0155】 本発明で使用する“エピトープ"という用語は、本発明のモノクローナル抗体 に対して特異な親和性を有するいずれかの決定因子を含むことを意味する。エピ
トープ決定因子は、通常、例えば、アミノ酸または糖側鎖のような分子の化学的
に活性な表面グルーピングからなり、通常、特異的な三次元構造特性および特異
な変化特性を有する。
【0156】 本発明の抗体は、検出可能な薬剤または標識と結合することができる。当業者
公知の多数の異なる標識および標識方法が存在する。 抗体標識複合体は、標準免疫化学技術、例えば、Harlow and la
ne(1988)(上記)によって記載された免疫組織化学を使用して、試料中
の蛋白質またはフラグメントを検出するために有用である。直接または間接フォ
ーマット中での競争および非競争免疫検定法は、このような検定の例であり、例
えば、酵素結合免疫検定法(ELISA)、放射免疫検定法(RIA)およびサ
ンドイッチ(免疫検定法)がある。当業者であれば、過度の実験なくして、その
他の免疫検定フォーマットを知ることができるか、または、容易に理解すること
ができるであろう。
【0157】 低分子量ハプテンに対する抗体の結合は、検定の感度を高めることができる。
ついで、ハプテンは、第2の反応によって、特異的に検出することができる。例
えば、アビジンと反応するハプテン、例えば、ビオチン、または、ジニトロフェ
リル、ピリドキサールおよびフルオレッセンを使用することが一般的であり、こ
れらは、特異的抗ハプテン抗体と反応させることができる。Harlow an
d Lane(1988)上記参照。
【0158】 本発明のモノクローナル抗体は、また、多くの異なる担体と結合させることが
できる。かくして、本発明は、また、抗体;および、活性または不活性なもう1
つの物質を含有する組成物を提供する。周知担体の例としては、ガラス、ポリス
チレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ
、天然および修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロースおよびマグネタ
イトが挙げられる。担体の性質は、本発明の目的に対し、溶解性または不溶性で
あってもよい。当業者であれば、モノクローナル抗体を結合するためのその他適
当な担体について、知っているであろうし、ルーチン実験を使用して、これを確
認することができるであろう。
【0159】 組成物 1種以上のポリヌクレオチド、遺伝子、ポリペプチド、蛋白質、遺伝子供給ビ
ヒクル、ベクター、宿主細胞または抗体および担体、例えば、固体支持体を含有
するかまたは含む組成物が、本発明によって、また、提供される。1つの実施態
様において、担体は、上記定義した、薬学的に許容可能な担体である。肺癌の診
断および処置について有用な薬剤も、さらに、本発明によって提供される。
【0160】 非ヒトトランスジェニック動物 もう1つの態様において、肺癌に関連する新規ポリヌクレオチド配列は、トラ
ンスジェニック動物モデルを発生させるために使用することができる。近年、遺
伝子学者は、発育胚の遺伝子を操作し、外来の遺伝子をこれら胚に導入すること
によって、トランスジェニックな動物モデル、例えば、マウスを発生させるのに
成功した。これら遺伝子が一度受容体の胚のゲノムに統合されると、生成する胚
または成人動物は、遺伝子の機能を決定するために分析することができる。イン
ビボでの公知の遺伝子の機能を理解し、ヒトの病気の動物モデルを発生するため
に、突然変異動物(mutant animals)を生産する。(例えば、C
hisaka etal.(1992)355:516−520;Joyner
et al.(1992) in POSTIMPLANTATION DE
VELOPMENT IN THE MOUSE(Chadwick and Marsh, eds. John Wiley & Sons, Unite
d Kingdom)pp:277−297;Dorin et al.(19
92)Nature359:211−215参照。) 米国特許Nos.5,4
64,764および5,487,992は、当該遺伝子がその機能を崩壊するの
に十分に欠失または突然変異されているトランスジェニック動物の1つのタイプ
を記載している。(例えば、米国特許Nos.5,631,153および5,6
27,059参照。)相同的組換え現象の利点を採用することによって製造され
るこれら“ノックアウト(knock−out)"動物は、インビボにおける個 々の遺伝子配列の機能を研究するために使用することができる。本明細書に記載
するポリヌクレオチド配列は、肺癌の動物モデルを製造するのに有用である。
【0161】 コンピュータ解析およびゲノミックス用途 本発明は、また、SEQ ID NOS:1−40で特定される配列またはそ
のそれぞれの相補体の少なくとも1つを含むデータベースを製造するための方法
を提供する。これとは別に、データベースは、24−26、29、32または3
8、または、そのそれぞれの相補体からなる群より選択される配列の少なくとも
1つを含む。ポリヌクレオチド配列は、肺癌細胞を特定する遺伝子の標準的な典
型のためのデータ処理システムが条件を満たすように、ディジタル記憶媒体に記
憶される。データ処理システムは、新生物表現型または遺伝子型である疑いのあ
る細胞を最初に選択し、ついで、細胞からポリヌクレオチドを単離することによ
り、2つの細胞間の遺伝子発現を解析するために有用である。単離されたポリヌ
クレオチドは、配列決定される。試料からの配列は、相同性探求技術を使用して
、データベースに存在する配列と比較される。試験配列とSEQ ID NO:
1−40またはその相補体によって特定される少なくとも1つの配列との間の、
90%より大、さらに好ましくは、95%より大、さらに好ましくは、97%か
それ以上の配列同一性が、ポリヌクレオチドが上記したように肺癌から単離され
たことの陽性の指示である。
【0162】 別の実施態様において、本発明のポリヌクレオチドは、配列決定され、配列に
関する情報;および、若干の例においては、相対的な発現が、いずれかの機能的
なプログラム、例えば、SAGEソフトウエア(Dr, Ken Kinzle
r at Johns Hopkins Universityを通して入手可
能)を使用するCompare Reportに記憶される。Compare Reportは、ポリヌクレオチド配列の表;および、ライブラリー当たりのポ
リヌクレオチドを定義された数(例えば、25,000)に基準化した場合の試
料(例えば、上記A、B、CおよびD)中のポリヌクレオチドの豊富さを提供す
る。ついで、これは、直接;または、最初に、Excelスプレッドシートにデ
ータをコピーし、さらなる操作のために、ついで、そこからMS−ACCESS
にコピーすることを経てMS−ACCESSにインポートされる。例えば、ポリ
ヌクレオチド数の比較を可能とするSYBASEまたはOracleのようなそ
の他のプログラムをMS−Accessの代わりに使用することがもきる。ソフ
トウエアの向上により、これらさらなる機能を組込むように設計することができ
る。これら機能は、標準ブール代数およびテキストサーチ操作からなり、特異的
に定義された重要なポリヌクレオチドの管理可能なサブセットの大量のインプッ
トを減少させるために、種々の組合せで適用される。
【0163】 研究者は、グループ(例えば、GroupNormal=Normal1+N
ormal2+、Group Tumor=PrimaryTumor1+Tu
morCelline)内の特異的なポリヌクレオチドのカウントを組合せるこ
とによって、1つ以上のプロジェクト(projects(s))を含有する群
を創造することができる。さらなる特性値は、また、グループ(例えば、平均カ
ウント数、最小カウント数、最大カウント数)内の各タグについて計算される。
研究者は、グループ間の個々のタグカウント比、例えば、各ポリヌクレオチドに
ついての平均GroupNormalカウントの平均GroupTumorカウ
ントに対する比を計算することができる。研究者は、グループ間の観測されるタ
グカウントの差の有意性の統計的尺度を計算することができる。
【0164】 以下の実施例は、本発明を例示することを意図するもので、本発明を何ら限定
するものではない。 実施例 実施例 1: 非小細胞肺癌(NSCLC)に存在する転写体の系統的な解析は、Seria
l Analysis of Gene Expression("SAGE")
(米国特許No.5,695,937)によって行った。2人の無関係な患者か
らの新生物の95%を上回る成分をSAGE分析のために選択した。患者Aは、
年齢58歳であり、手術の時に肺の下方の右肺葉における中程度に分化した癌を
有すると診断された。患者Bは、年齢68歳であり、下方右肺葉に分化の乏しい
癌を有すると診断された。2人の独立した個体から得られた正常な小気道上皮細
胞を陰性のコントロールとして使用した。
【0165】 本質的にVelculescu Vet al.(1995)Science
270:484−487に記載されているようにして、SAGEライブラリーを
構築した。患者AおよびBの肺腫瘍からおよび正常な小さい気道上皮細胞から単
離したPolyA RNAを二重鎖cDNAに転化した。ついで、cDNAをア
ンカリング酵素NlaIIIで開裂し、2つのプールに分けた。タッギング酵素
BsmFIについての認識部位を含有するリンカーを各プールにライゲートした
:BsmF1制限処理後、SAGEタグの出っ張りをKlenowで充填し、2
つのプールからのタグを合わせ、相互に、ライゲートした。リゲーション(li
gation)生成物を希釈し、ついで、PCRによって増幅した。ついで、P
CR生成物をポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)によって分析し、尾
−尾ライゲートした2つのタグ(ダイダグ)を含有するPCR生成物を切除し、
ついで、NIalIIで開裂させた。N1alII制限処理後、ダイタグを切除
し、自己ライゲートした。連結された生成物をPAGEによって分離し、葯50
0−2000個のヌクレオチド塩基対を含有するものを切除し、続く配列解析の
ためにクローニングした。
【0166】 各SAGEライブラリーからほぼ2000−4000個の個々のコロニーを単
離し、配列決定した。肺癌における遺伝子発現パターンを有する包括的なプロフ
ィールを発生させるために、各ライブラリーにおける約15,000個のユニー
クな転写体を代表する50,000個を上回るタグの配列を解析した。表1およ
び表2は、2人の個体の肺癌および2人の正常な個体の肺から誘導されるcDN
Aクローンについての比較SAGE分析をまとめて示す。
【0167】 表1は、既に特性決定されている遺伝子に対応する配列の転写体を提供する。
【0168】
【表1】
【0169】 表2は、既に特性決定されている遺伝子に対応しない転写体をまとめて示す。
これら配列のいくつかは報告されている発現配列タグ(ESTs)に対応する。
一般に入手可能なデータベースの本発明者らのサーチに基づき、残る転写体は、
新規な特性決定されていない遺伝子を特定する。
【0170】
【表2】
【0171】 新規転写体に対応する遺伝子のクローニングおよび配列 本発明は、また、新規な特性決定されていない遺伝子のフラグメントであるポ
リヌクレオチドを提供する。これら転写体は、SEQ ID NOS:24−2
6、29、32−35および38において提供される。本明細書に開示した方法
を使用すると、これら転写体に対応する遺伝子のオープンリディングフレームは
、単離し、配列決定することができる。したがって、これら転写体またはそれら
のそれぞれの相補体を含むポリヌクレオチドも、また、本発明によって提供され
る。それらの完全なオープンリーディングフレームまたはそのフラグメントは、
ベクターまたは宿主細胞に挿入することができ、配列を再現し、ポリペプチドを
生成するために使用することができる。そのポリヌクレオチドに対して特異的に
結合する抗体、特に、モノクローナル抗体は、周知の方法に基づき、発生させる
ことができる。抗体は、転写体に対応する遺伝子の発現についてスクリーニング
するために使用することができる。
【0172】 本発明を上記実施態様に関して記載したが、前述した説明および実施例は、例
示することを意図したものであり、本発明の範囲を何ら制限するものではないこ
とを理解するべきである。本発明の範囲内のその他の態様、利点および変形例は
、本発明が関係する当分野の当業者にとっては明らかであろう。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/19 4C084 1/19 1/21 4H045 1/21 C12P 21/08 5/10 C12Q 1/68 A C12P 21/08 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/53 D G01N 33/15 33/566 33/53 A61K 45/00 33/566 A61P 9/00 // A61K 45/00 35/00 A61P 9/00 C12N 15/00 ZNAA 35/00 5/00 A (72)発明者 バーテルセン,アーサー・エイチ アメリカ合衆国ニュージャージー州07450 −4715,リッジウッド,マナー・ロード 215 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA80 CA04 DA02 DA06 DA11 DA12 EA04 GA11 HA12 HA15 4B063 QA01 QA19 QQ08 QQ43 QQ58 QR08 QR32 QR42 QR56 QS25 QS34 QX02 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA14 4B065 AA01X AA57X AA72X AA93Y AB01 BA02 CA46 4C057 BB01 BB02 MM09 4C084 AA17 MA01 NA14 ZB262 ZC782 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 CA41 DA76 EA51 FA72 FA74

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SEQ ID NOS:1−40またはそのそれぞれの相補
    体からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列を含む少なくとも1つのポリ
    ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドの集団。
  2. 【請求項2】 1つのポリヌクレオチドが、SEQ ID NO:24−2
    6、29、32−35もしくは38、または、そのそれぞれの捕体からなる群よ
    り選択される新規タグまたはその相補体を含む、請求項1に記載の集団。
  3. 【請求項3】 SEQ ID NOS:24−26、29、32−35もし
    くは38、または、そのそれぞれの相補体からなる配列の群より選択されるポリ
    ヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかの単離されたポリヌクレオチ
    ドを含む遺伝子供給ビヒクル。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項3のいずれかの単離されたポリヌクレオチ
    ドを含む宿主細胞。
  6. 【請求項6】 SEQ ID NOS:24−26、29、32−35もし
    くは38、または、そのそれぞれの相補体として示される配列のより大きなフラ
    グメントまたは全長のコード配列を同定することによって得られるポリヌクレオ
    チド配列を含む単離されたポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 請求項1のポリヌクレオチドに対応する単離された第2のポ
    リヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 請求項7のポリヌクレオチドの単離されたポリヌクレオチド
    フラグメント。
  9. 【請求項9】 固体支持体に結合された請求項6に記載のポリヌクレオチド
  10. 【請求項10】 固体支持体に結合されたSEQ ID NOS:24−2
    6、29、32−35もしくは38、または、そのそれぞれの相補体からなる群
    より選択されるポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 固体支持体がチップアレーである、請求項10に記載のポ
    リヌクレオチド。
  12. 【請求項12】 請求項6に記載のポリヌクレオチド配列によってコード化
    されたポリペプチドを含む単離されたポリペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項12のポリペプチド上のエピトープを認識する抗体
  14. 【請求項14】 肺癌細胞を検出するための方法であって、肺癌細胞を含有
    する疑いのある試料から単離されるポリヌクレオチドを、相補性ポリヌクレオチ
    ドのハイブリダーゼーションに有利な条件下で、SEQ ID NOS:1−4
    0からなる群より選択されるポリヌクレオチドと接触させ、ハイブリダイズドし
    た相補体を検出することを含み、ハイブリダイズした相補体の過剰発現を、肺癌
    細胞の存在の指標とすることを含む方法。
  15. 【請求項15】 肺癌細胞を検出するための方法であって、肺癌細胞を含有
    する疑いのある試料から単離されるポリヌクレオチドを、相補性ポリヌクレオチ
    ドのハイブリダイゼーションに有利な条件下で、SEQ ID NOS:1−4
    0からなる群より選択される配列のより大きなフラグメントまたは全長のコード
    配列を同定することによって得られるポリヌクレオチドと接触させ、ハイブリダ
    イズした相補体を検出することを含み、ハイブリダイズした相補体の過剰発現を
    、肺癌細胞の存在の指標とすることを含む方法。
  16. 【請求項16】 ポリヌクレオチドが、固体支持体上に固定化されている、
    請求項14または請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 肺癌細胞を検出するための方法であって、肺癌細胞を含有
    する疑いのある試料から単離されるポリヌクレオチドを、ハイブリダイゼーショ
    ンに有利な条件下で、SEQ ID NOS:1−40のポリペプチドからなる
    群より選択されるポリヌクレオチドと接触させ、試料中の相補的なポリヌクレオ
    チドを増幅させることを含み、増幅されたポリヌクレオチドの検出を、肺癌細胞
    の指標とする方法。
  18. 【請求項18】 肺癌細胞を検出するための方法であって、肺癌細胞を含有
    する疑いのある試料から単離されたポリヌクレオチドを、ハイブリダイゼーショ
    ンに有利な条件下で、SEQ ID NOS:1−40のポリヌクレオチドから
    なる群より選択される配列のより大きなフラグメントまたは全長のコード配列を
    同定することによって得られるポリヌクレオチドと接触させ、試料中の相補的な
    ポリヌクレオチドを増幅させることを含み、増幅されたポリヌクレオチドの検出
    を、肺癌細胞の指標とする方法。
  19. 【請求項19】 肺癌細胞を検出するための方法であって、肺癌細胞を含有
    する疑いのある試料を、カルボキシルエステラーゼ、NB1、IGFbp5、H
    CG4、BST2、U2snmp aux fac、8−オキソ−D−GTPア
    ーゼ、GSTsubもしくはGST1またはCGTM2、アポリペ Jもしくは
    SP40またはtrpm−2、または、硫酸塩化されたgp2、DSS1、チオ
    レドキシンレダクターゼ、B−myb、ミエロブラストミトコンドリア外膜蛋白
    質、α−チューブリン、p27、sox2またはHMGbox、上皮膜 pro
    T2/XMP、Na/K、ATPアーゼ βサブユニット、グルタチオンペルオ
    キシダーゼ様蛋白質、HSP90およびODC−1からなるより選択される遺伝
    子から生成する遺伝子生成物と特異的に結合する薬剤と接触させ、かくして形成
    される薬剤−遺伝子生成物複合体を検出することを含み、それによって、肺癌細
    胞を検出する方法。
  20. 【請求項20】 薬剤が、モノクローナル抗体である、請求項18に記載の
    方法。
  21. 【請求項21】 肺癌細胞を検出するための方法であって、肺癌細胞を含有
    する疑いのある試料を、SEQ ID NOS:24−26、29、32−35
    または38からなる群より選択される大きなフラグメントまたは全長コード配列
    を同定することによって得られるポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド
    から生成される遺伝子生成物と特異的に結合する薬剤と接触させ、かくして形成
    されるいずれかの薬剤:ペプチド複合体を検出することを含み、それによって、
    肺癌細胞を検出する方法。
  22. 【請求項22】 薬剤が、モノクローナル抗体である、請求項21に記載の
    方法。
  23. 【請求項23】 肺癌細胞を同定する選択されたポリヌクレオドのレコード
    を同定するためのシステムであって、そのシステムが、 ディジタルコンピュータ; コンピュータに結合させたデータベース; その中に記憶されたデータを有し、そのデータが、SEQ ID NOS:1
    −40を含むポリヌクレオチド配列から得られる組合されたデータのレコードを
    含むデータベースサーバーに結合させたデータベース; 所望される選択基準と合致するポリヌクレオチドレコードの報告を生じさせる
    ためにデータベース中のデータファイルに所望される選択基準に基づき、質問を
    発するためのコード機構; を含むシステム。
  24. 【請求項24】 プロセッサ、メモリー、ディスプレー、および、インプッ
    ト/アウトプットデバイスを有するコンピュータを使用して、肺癌細胞を検出す
    るための方法であって、この方法が、 a)肺癌細胞を含有する疑いのある試料から単離したポリヌクレオチドの配列
    を用意し; b)請求項23に記載のデータベースを用意し; c)工程a)のポリヌクレオチドレコードのレポートを生ずるために、データ
    ベース内のデータファイルに対して所望される選択基準に基づき質問を発するた
    めのコード機構を使用し、それが、工程b)のデータベース内の配列の所望され
    る選択基準の合致を生じ、合致の存在を、工程a)のポリヌクレオチドが、肺癌
    細胞である細胞から単離されていることの陽性指標とする; 各工程を含む方法。
  25. 【請求項25】 肺癌細胞で特異的に発現されるポリヌクレオチドのための
    スクリーニングであって、SEQ ID NOS:1−40からなる群より選択
    されるポリヌクレオチドに対して相同性のヌクレオチド配列を配列データベース
    でサーチし、相同性の配列を検出し、それによって、肺癌細胞に特異的に発現す
    るポリヌクレオチドを同定するスクリーニング。
  26. 【請求項26】 肺細胞の新生物状態の逆転のための潜在的な治療剤のため
    のスクリーニングであり、その細胞が、SEQ ID NOS:1−40で表さ
    れるポリヌクレオチドからなる群より選択されるポリヌクレオチドの発現を特徴
    とし、潜在的な薬剤の有効量と上記ポリヌクレオチドを発現する細胞とを接触さ
    せ、新生物状態の逆転について検定することを含むスクリーニング。
  27. 【請求項27】 肺細胞の新生物状態を逆転するための潜在的な治療剤のた
    めのスクリーニングであり、その細胞が、SEQ ID NOS:1−40で表
    される配列のより大きなフラグメントまたは全長コード配列を同定することによ
    って得られるポリヌクレオチドからなる群より選択されるポリヌレオチドの発現
    を特徴とし、上記ポリヌクレオチドを発現する細胞を潜在的な薬剤の有効量と接
    触させ、新生物状態の逆転について検定するスクリーニング。
  28. 【請求項28】 請求項11〜請求項15のいずれか1項に記載の検出方法
    に使用されるキットであり、適当なパッケージングに、 固体支持体上に固定化されたSEQ ID NOS:1−40からなる群より
    選択される1つ以上のポリヌクレオチド;および、 肺癌細胞を含有する疑いのある試料をハイブリダイズするのに適した試薬; 含むキット。
  29. 【請求項29】 SEQ ID NOS:1−40からなる群より選択され
    る配列を有するポリヌクレオチドに対応するポリヌクレオチドに破壊を有する非
    ヒトトランスジェニック動物。
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