JP2002508964A - インターロイキン−1受容体アンタゴニストベータ(IL−1RAβ) - Google Patents

インターロイキン−1受容体アンタゴニストベータ(IL−1RAβ)

Info

Publication number
JP2002508964A
JP2002508964A JP2000540243A JP2000540243A JP2002508964A JP 2002508964 A JP2002508964 A JP 2002508964A JP 2000540243 A JP2000540243 A JP 2000540243A JP 2000540243 A JP2000540243 A JP 2000540243A JP 2002508964 A JP2002508964 A JP 2002508964A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypeptide
beta
seq
polynucleotide
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000540243A
Other languages
English (en)
Inventor
リサ・マーシャル
ピーター・アール・ヤング
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SmithKline Beecham Corp
Original Assignee
SmithKline Beecham Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SmithKline Beecham Corp filed Critical SmithKline Beecham Corp
Publication of JP2002508964A publication Critical patent/JP2002508964A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6863Cytokines, i.e. immune system proteins modifying a biological response such as cell growth proliferation or differentiation, e.g. TNF, CNF, GM-CSF, lymphotoxin, MIF or their receptors
    • G01N33/6869Interleukin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/02Nasal agents, e.g. decongestants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/06Antiasthmatics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/08Antiallergic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/52Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • C07K14/54Interleukins [IL]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Otolaryngology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 IL−1raベータポリペプチドおよびポリヌクレオチド、ならびに、組換え技術によるかかるポリペプチドの産生方法が記載されている。また、慢性および急性炎症、敗血症、関節炎、炎症性腸疾患、対宿主性移植片病、自己免疫、発作、心臓虚血、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、乾癬、再狭窄、外傷性脳損傷、AIDS、悪液質、アレルギー、寄生虫感染、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性炎症性疾患、および遅延型過敏症の治療用プロトコールの設計においてIL−1raベータポリペプチドおよびポリヌクレオチドを利用する方法、ならびにかかる病状についての診断アッセイが記載されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の相互参照) 本願は、1997年1月28日に出願された米国特許出願第08/790,032号の一部継続 出願である1998年1月14日に出願された米国特許出願第09/007,464号の一部継続 出願である。両出願は、引用によりその全体として本明細書の記載とする。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、新たに同定されたポリヌクレオチド、それによりコードされるポリ
ペプチド、およびかかるポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用、ならびに
その産生に関する。さらに詳しくは、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドは、インターロイキン−1ファミリーに関しており、以下、IL−1raベ
ータという。本発明は、また、かかるポリヌクレオチドおよびポリペプチドの作
用を阻害または活性化することにも関する。
【0003】 (発明の背景) インターロイキン1とは、炎症応答の初期に重要な役割を果たす2つのタンパ
ク質(IL1αおよびIL1β)をいう[総説として、C.A.Dinarello, Blood,
87:2095-2147 (1996) および該文献における参考文献を参照のこと]。両タンパ
ク質は、31kDal細胞内前駆タンパク質として調製され、これは、分泌時に
切断されて、生物学的に活性な成熟カルボキシ末端17kDalフラグメントを
生じる。IL−1βの場合、この切断にはICEとして知られている細胞内シス
テインプロテアーゼが必要であり、これは、不活性前駆体から活性フラグメント
を遊離させるのに必要である。IL−1αの前駆体は、活性である。
【0004】 これら2種類のタンパク質は、ほとんど全ての細胞型に見出される細胞表面受
容体に結合し、単独でまたは他の分泌された因子と協力して一定の範囲の応答を
誘発することにより作用する。これらは、増殖(例えば、線維芽細胞、T細胞の
)、アポトーシス(例えば、A375黒色腫細胞)、サイトカイン誘発(例えば
、TNF、IL1、IL8の)、受容体活性化(例えば、E−セレクチン)、エ
イコサノイド産生(例えば、PGE2)および分解酵素の分泌(例えば、コラゲ
ナーゼ)に対する作用から多岐にわたる。IL−1は、NF−κBおよびAP−
1などの転写因子を活性化してこれを行う。標的細胞に対するIL−1作用のい
くつかの活性は、ストレス活性化MAPキナーゼJNK/SAPKおよびp38
などの細胞性ストレスとも関連付けられてきたキナーゼカスケードの活性化を介
して媒介されると考えられている。
【0005】 その後、IL−1受容体に結合するが、細胞内シグナルまたは生物学的応答を
変換しないことにより、IL−1αおよびIL−1βの天然アンタゴニストとし
て作用するIL−1ファミリーの第3のメンバーが知見された。該タンパク質は
、IL−1ra(IL−1受容体アンタゴニストについて)またはIRAP(I
L−1受容体アンタゴニストタンパク質について)と呼ばれた。IL−1raに
は少なくとも3種類のスプライス形態が存在する:1つは、分泌タンパク質をコ
ードし、他の2つは、細胞内タンパク質をコードする。3つの形態の相対的な役
割およびそれらが異なって局在する理由は知られていない。3種類のタンパク質
、IL−1α、IL−1βおよびIL−1raは、全て、約25〜30%のアミ
ノ酸同一性を共に有し、内部に構造モチーフを3回繰り返して有するβ−バレル
に折り畳まれた12本のβ鎖からなる類似した三次元構造を共に有する。
【0006】 3つの公知のIL−1受容体サブユニットがある。活性受容体複合体は、I型
受容体およびIL1RAcP(IL−1補助タンパク質に対する)からなる。I
型受容体は、3つのリガンドの結合を引き起こし、IL1RAcPの不在下でこ
れらの結合を行うことができる。しかしながら、シグナル伝達にはIL−1αま
たはβとIL1RAcPとの相互作用が必要である。IL−1raは、IL−1
RAcPと相互作用せず、従って、シグナルを発することができない。第3の受
容体サブユニットであるII型受容体は、IL−1αおよびIL−1βと結合す
るが、その細胞内ドメインの欠如のためにシグナルを発することができない。む
しろ、該II型受容体は、その膜形態でデコイ(decoy)として、または、切断 された分泌形態でアンタゴニストとして作用し、従って、IL−1活性を阻害す
る。該II型受容体は、IL−1raを弱く結合するだけである。
【0007】 IL−1ra、I型IL−1Rの細胞外ドメイン由来の可溶性IL−1R、I
L−1αまたはβに対する抗体、およびこれらの遺伝子のトランスジェニックノ
ックアウトを用いる多くの研究は、最終的には、IL−1が多数の病態生理学に
おいて重要な役割を果たすことを示している(総説として、C.A. Dinarello, Bl
ood 87:2095-2147 (1996) を参照のこと)。例えば、IL−1raは、敗血症性
ショック、慢性関節リウマチ、対宿主性移植片病、発作、心臓虚血の動物モデル
において有効であることが示されており、現在、これらの適応症のいくつかにつ
いて臨床試験中である。さらにまた、IL−1αおよびβは、放射線防護剤およ
び化学防護剤としての可能性と共に造血幹細胞刺激剤としての可能性を多少示し
ている。
【0008】 より最近では、IL−1ファミリーのより遠いメンバーが同定された。このタ
ンパク質は、元来、T細胞中でγ型インターフェロンを誘導するその能力を介し
て単離され、よって、γ型インターフェロン誘導因子(IGIF)と呼称され[
H. Okamura et al., Nature 378:88-91 (1995)]、その後、IL−1と類似の構
造で折り畳まれており、弱いアミノ酸同一性を共有することが示された[Bazan
et al., Nature 379:591 (1996)]。IL−1γなる名称が提唱された。IGI Fは、毒素性ショックの間に起こる肝障害において直接的な役割を果たすと考え
られ、したがって、炎症性およびストレスの多い病状において初期の役割を果た
すというのは他のIL−1と同様である。
【0009】 このことは、これらのインターロイキン−1が治療の標的として確立され実証
された履歴を有することを示している。明らかに、慢性および急性炎症、敗血症
、ショック、関節炎、炎症性腸疾患、対宿主性移植片病、自己免疫、発作、心臓
虚血、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、乾癬、再狭窄、外傷性脳損傷、AID
S、悪液質、アレルギー、寄生虫感染、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、
アトピー性皮膚炎、アレルギー性炎症性疾患、および遅延型過敏症を包含するが
それに限定されない機能障害または疾患の予防、改善または修正において役割を
果たすことができるインターロイキン−1ファミリーのさらなるメンバーの同定
および特徴付けが必要とされている。
【0010】 (発明の概要) 一の態様において、本発明は、IL−1raベータポリペプチドおよび組換え
物質ならびにそれらの産生方法に関する。本発明の別の態様は、かかるIL−1
raベータポリペプチドおよびポリヌクレオチドを用いる方法に関する。かかる
使用としては、とりわけ、慢性および急性炎症、敗血症、慢性関節炎、急性呼吸
窮迫症候群(ARDS)、乾癬、再狭窄、外傷性脳損傷、AIDS、悪液質、ア
レルギー、寄生虫感染、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚
塩、アレルギー性炎症性疾患、および遅延型過敏症の治療を含む。さらに別の態
様において、本発明は、本発明により提供された物質を用いてアゴニストおよび
アンタゴニストを同定する方法、および同定した化合物を用いてIL−1raベ
ータ不均衡を伴う病状の治療に関する。本発明の別の態様において、本発明は、
不適当なIL−1raベータ活性またはレベルを伴う疾患の検出用診断アッセイ
に関する。
【0011】 (発明の記載) 定義 以下の定義は、本明細書においてしばしば用いられる特定の用語の理解を容易
にするためのものである。 「IL−1raベータ」とは、一般に、配列番号2に示されるアミノ酸配列を
有するポリペプチドまたはその対立遺伝子変種を意味する。 「IL−1raベータ活性またはIL−1raベータポリペプチド活性」また
は「IL−1raベータまたはIL−1raベータポリペプチドの生物学的活性
」とは、類似の活性もしくは改良された活性または望ましくない副作用を低下さ
せたこれらの活性を包含するIL−1raベータの代謝機能または生理学的機能
を意味する。また、IL−1raベータの抗原活性および免疫原的活性も包含す
る。 「IL−1raベータポリペプチド」とは、IL−1raベータ配列と十分に
類似するアミノ酸配列を有する、好ましくは、IL−1raベータの少なくとも
1つの生物学的活性を示すポリペプチドを意味する。 「IL−1raベータ遺伝子」とは、配列番号1に示されるヌクレオチド配列
を有するポリヌクレオチドまたはその対立遺伝子変種および/またはそれらの相
補物を意味する。 「IL−1raベータポリヌクレオチド」とは、IL−1raベータポリペプ
チドもしくはそのフラグメントをコードするヌクレオチド配列、または配列番号
2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列もしくはその対応するフラグメ
ントと少なくとも80%同一性を有するヌクレオチド配列、または増幅またはプ
ローブもしくはマーカーとしての使用に適した条件下でハイブリダイズするのに
十分な、配列番号1に含まれるヌクレオチド配列と80%同一性を有するヌクレ
オチド配列を含むポリヌクレオチドを意味する。
【0012】 本明細書で用いる「抗体」は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体、キ
メラ、一本鎖およびヒト化抗体、ならびにFabフラグメントを包含し、Fab
または他の免疫グロブリン発現ライブラリーの産物も包含する。 「単離」とは、「人間の手によって」天然の状態から変化させられたことを意
味する。「単離」組成物または物質が天然に存在する場合、その本来の環境から
変化させるかもしくは取り出すか、またはその両方が行われたことを意味する。
例えば、生存動物に天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、「
単離」されていないが、その天然状態で共存する物質から分離された同ポリヌク
レオチドまたはポリペプチドは、本明細書に用いる用語としての「単離」がなさ
れている。 「ポリヌクレオチド」とは、一般に、修飾されていないRNAもしくはDNA
または修飾されたRNAもしくはDNAであってよい、ポリリボヌクレオチドま
たはポリデオキシリボヌクレオチドを意味する。「ポリヌクレオチド」は、一本
鎖および二本鎖DNA、一本鎖領域と二本鎖領域との混合物であるDNA、一本
鎖および二本鎖RNA、および一本鎖領域と二本鎖領域との混合物であるRNA
、一本鎖もしくはより典型的には二本鎖または一本鎖領域と二本鎖領域との混合
物であってもよいDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子を包含するが、こ
れに限定されるものではない。さらに、「ポリヌクレオチド」は、RNAもしく
はDNAまたはRNAとDNAとの両方を含む三本鎖領域を意味する。ポリヌク
レオチドなる用語は、1つまたはそれ以上の修飾された塩基を含有するDNAま
たはRNAおよび安定性またはその他の理由で修飾された骨格を有するDNAま
たはRNAを包含する。「修飾された」塩基は、例えば、トリチル化された塩基
、およびイノシンのような通常でない塩基を包含する。種々の修飾がDNAおよ
びRNAに対してなされている;よって、「ポリヌクレオチド」は、典型的には
天然において見いだされるような化学的、酵素的または代謝的に修飾された形態
のポリヌクレオチド、ならびにウイルスおよび細胞に特徴的な化学的形態のDN
AおよびRNAを包含する。また、「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌ
クレオチドと称される比較的短いポリヌクレオチドも包含する。
【0013】 「ポリペプチド」は、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合により互い
に結合している2個またはそれ以上のアミノ酸を含むペプチドまたはタンパク質
、すなわちペプチド同配体(peptide isosteres)を意味する。「ポリペプチド 」は、通常、ペプチド、オリゴペプチドまたはオリゴマーと称される短鎖、およ
び一般的にタンパク質と称される長鎖の両方を意味する。ポリペプチドは、遺伝
子によりコードされる20種類のアミノ酸以外のアミノ酸を含んでいてもよい。
「ポリペプチド」は、翻訳後プロセッシングのような天然プロセスにより、また
は当該技術分野でよく知られている化学修飾技術により修飾されたアミノ酸配列
を包含する。かかる修飾は、基本書およびさらに詳細な論文、ならびに多数の研
究文献にも詳しく開示されている。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、およ
びアミノまたはカルボキシル末端を包含するポリペプチドのいずれの場所でも起
こり得る。同じタイプの修飾が所定のポリペプチドのいくつかの部位で同程度ま
たは異なる程度で存在してもよいことが理解されるであろう。また、所定のポリ
ペプチドは、多くのタイプの修飾を含んでもよい。ポリペプチドは、ユビキチネ
ーションの結果として枝分れしていてもよく、それらは、枝分れしているかまた
はしていない環状のものであってよい。環状、分枝状および枝分れした環状のポ
リペプチドは、翻訳後の天然プロセスにより生じたものでもよく、または、合成
方法により生成されるものでもよい。修飾としては、アセチル化、アシル化、A
DP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌク
レオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結
合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋結合、環化、ジスルフィド結
合形成、脱メチル化、共有架橋結合形成、シスチン形成、ピログルタミン酸塩形
成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、糖鎖形成、GPIアンカー形成、ヒ
ドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プ
ロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アル
ギニル化のようなタンパク質への転移RNA媒介性アミノ酸付加、およびユビキ
チネーションが挙げられる。例えば、PROTEINS-STRUCTURE AND MOLECULAR PROPE
RTIES, 2nd Ed., T. E. Creighton, W. H. Freeman and Company, New York, 19
93 および Wold, F., Posttranslational Protein Modifications: Perspective
and Prospects, pgs. 1〜12 in POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF
PROTEINS, B. C. Johnson, Ed., Academic Press, New York, 1983;Seifter e
t al.,“Analysis for protein modifications and nonprotein cofactors”, M
eth Enzymol (1990) 182:626-646 および Rattan et al.,“Protein Synthesis:
Posttranslational Modifications and Aging”, Ann NY Acad Sci (1992) 663
:48-62 を参照のこと。
【0014】 本明細書で用いる「変種」なる用語は、対照ポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドとは各々異なるポリヌクレオチドまたはポリペプチドであるが、本質的な特
性は保持している。典型的なポリヌクレオチドの変種は、別の対照ポリヌクレオ
チドとはヌクレオチド配列が異なる。変種のヌクレオチド配列の変化は、対照ポ
リヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させるも
のであっても変化させないものであってもよい。以下に記載するように、ヌクレ
オチドの変化は、結果的に、対照配列によりコードされるポリペプチドにおける
アミノ酸置換、付加、欠失、融合および末端切断を引き起こす。典型的なポリペ
プチドの変種は、別の対照ポリペプチドとはアミノ酸配列が異なる。一般的には
、差異は、対照ポリペプチドおよび変種の配列が、全体的に極めて類似しており
、多くの領域で同一であるように制限される。変種および対照ポリペプチドは、
1つまたはそれ以上の置換、付加、欠失が任意の組み合わせで起こることにより
アミノ酸配列が異なる。置換または挿入されたアミノ酸残基は、遺伝暗号により
コードされたものであってもなくてもよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチ
ドの変種は、対立遺伝子変種のような自然に発生するものでもよく、または自然
に発生することが知られていない変種であってもよい。ポリヌクレオチドおよび
ポリペプチドの自然に生じない変種は、突然変異誘発技術により、または直接的
合成により製造できる。
【0015】 当該技術分野において知られているように「同一性」は、配列を比較すること
により測定される、2つまたはそれ以上のポリペプチド配列間または2つまたは
それ以上のポリヌクレオチド配列間の関係である。また、当該技術分野において
、「同一性」とは、場合によって、かかる配列の鎖間の合致により測定される、
ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列間の配列相関の程度を意味する。「同
一性」および「類似性」は、文献(Computational Molecular Biology,Lesk, A
.M., ed., Oxford University Press, New York, 1988;Biocomputing: Informa
tics and Genome Projects,Smith, D.W., ed., Academic Press, New York, 19
93;Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., and Griff
in, H.G., eds., Humana Press, New Jersey, 1994;Sequence Analysis in Mol
ecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987;および Sequence An
alysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J., eds., M Stockton Press, Ne
w York, 1991;および Carillo, H., and Lipman, D., SIAM J. Applied Math.,
48: 1073 (1988))に開示されているものを包含するがこれに限定されない既知
の方法により容易に算出できる。同一性を測定する好ましい方法は、試験する配
列間で最も良く合致するように設計される。同一性および類似性を測定する方法
は、公衆に利用可能なコンピュータープログラムに集成されている。2つの配列
間の同一性および類似性を測定する好ましいコンピュータープログラム法として
は、GCGプログラムパッケージ(Devereux, J., et al., Nucleic Acids Rese
arch 12(1):387 (1984))、BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Atschul, S.F. et al.
, J. Molec. Biol. 215: 403-410 (1990))を包含するが、これに限定されるも のではない。BLAST Xプログラムは、NCBIおよび他の情報源から公衆に利用 可能である(BLAST Manual, Altschul, S., et al., NCBI NLM NIH Bethesda, M
D 20894;Altshul, S., et al., J. Mol. Biol. 215: 403-410 (1990))。また 、よく知られているスミス・ウォーターマン(Smith Waterman)アルゴリズムを
用いて同一性を測定してもよい。
【0016】 ポリペプチド配列比較のための好ましいパラメーターとしては、以下のものが
挙げられる: 1)アルゴリズム:Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970)
比較マトリックス:Hentikoff and Hentikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 8
9: 10915-10919 (1992) からのBLOSSUM62 ギャップ・ペナルティー:12 ギャップ・レングス・ペナルティー:4 これらのパラメーターを用いる有用なプログラムは、ウィスコンシン州マジソ
ンのジェネティクス・コンピューター・グループ(Genetics Computer Group) から「ギャップ」プログラムとして公に入手可能である。上記パラメーターは、
ペプチド比較のためのデフォルト・パラメーターである(エンド・ギャップにつ
いてのペナルティーなしで)。
【0017】 ポリヌクレオチド比較のための好ましいパラメーターとしては、以下のものが
挙げられる: 1)アルゴリズム:Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970)
比較マトリックス:合致=+10、ミスマッチ=0 ギャップ・ペナルティー:50 ギャップ・レングス・ペナルティー:3 入手可能:ウィスコンシン州マジソンのジェネティクス・コンピューター・グル
ープからの「ギャップ」プログラム。これらは、核酸比較のためのデフォルト・
パラメーターである。
【0018】 一例として、本発明のポリヌクレオチド配列は、配列番号1の対照配列と同一
であってもよく、すなわち、100%同一であるか、または対照配列と比較して
ある整数までのヌクレオチドの変化を含んでいてもよい。かかる変化は、少なく
とも1つのヌクレオチド欠失、トランジションおよびトランスバージョンを含め
る置換、または挿入からなる群から選択され、該変化は、対照配列におけるヌク
レオチドの間に個々にまたは対照配列内で1つもしくはそれ以上の連続した群と
なって散在して、対照ヌクレオチド配列の5'もしくは3'末端位またはこれらの
末端間のいずれの位置でも起こり得る。ヌクレオチドの変化の数は、個々のパー
セント同一性のパーセント数(100で割った)と配列番号1におけるヌクレオ
チドの総数とを乗じ、この積を配列番号1におけるヌクレオチドの総数から減じ
ることによって決定される。すなわち: nn≦xn−(xn・y) [式中、nnは、ヌクレオチドの変化の数であり、xnは、配列番号1におけるヌ
クレオチドの総数であり;yは、例えば、70%に対しては0.70、80%に 対しては0.80、85%に対しては0.85、90%に対しては0.90、95 %に対しては0.95であり、ここで、xnおよびyの整数ではない積は、それを
nから減じる前に最も近い整数に切り下げる]。配列番号2のポリペプチドを コードするポリヌクレオチド配列の変化は、このコード配列においてナンセンス
、ミスセンスまたはフレームシフト突然変異を引き起こすことがあり、これによ
り、かかる変化によりポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが改
変される。
【0019】 同様に、本発明のポリペプチド配列は、配列番号2の対照配列と同一であって
もよく、すなわち、100%同一であるか、または対照配列と比較してある整数
までのアミノ酸の変化を含んでいて同一性%が100%未満であってもよい。か
かる変化は、少なくとも1つのアミノ酸欠失、保存的置換および非保存的置換を
含める置換、または挿入からなる群から選択され、該変化は、対照配列における
アミノ酸の間に個々にまたは対照配列内で1つ以上の連続した群となって散在し
て、対照ポリペプチド配列のアミノ末端位もしくはカルボキシ末端位またはこれ
らの末端間のいずれの位置でも起こり得る。所定の%同一性についてのアミノ酸
の変化の数は、個々のパーセント同一性のパーセント数(100で割った)と配
列番号2におけるアミノ酸の総数とを乗じ、この積を配列番号2におけるアミノ
酸の総数から減じることにより決定される。すなわち: na≦xa−(xa・y) [式中、naは、アミノ酸の変化の数であり、xaは、配列番号2におけるアミノ
酸の総数であり;yは、例えば、70%に対しては0.70、80%に対しては 0.80、85%に対しては0.85であり、xaおよびyの整数ではない積は、 それをxaから減じる前に最も近い整数に切り下げる]。
【0020】 本発明のポリペプチド 本発明のIL−1raベータポリペプチドは、配列番号2のポリペプチド(特
に、成熟ポリペプチド)、ならびに配列番号2のポリペプチドまたは関連する部
分と少なくとも80%同一性、より好ましくは、少なくとも85%同一性、さら
に好ましくは、少なくとも90%同一性、さらにより好ましくは、少なくとも9
5%同一性を有するIL−1raベータポリペプチドを包含する。 IL−1raベータポリペプチドは、「成熟」タンパク質の形態であっても融
合タンパク質のような大型タンパク質の一部であってもよい。分泌またはリーダ
ー配列、プロ配列、複数のヒスチジン残基のような精製を促進する配列、または
組換え産生の間の安定性のための付加配列を含む付加アミノ酸配列を含んでいる
ことが有利なことがよくある。
【0021】 IL−1raベータポリペプチドの生物学的に活性なフラグメントもまた本発
明に包含される。フラグメントは、上記IL−1raベータポリペプチドのアミ
ノ酸配列の全てではなく一部と完全に同一であるアミノ酸配列を有するポリペプ
チドである。IL−1raベータポリペプチドに関して、フラグメントは、「自
立している(free-standing)」であるか、または、フラグメントが一部もしく は一領域を形成する大型ポリペプチド内に含まれていてもよく、最も好ましくは
単一の連続した領域として含まれる。本発明のポリペプチドフラグメントの代表
的な例としては、例えば、IL−1raベータポリペプチドのアミノ酸番号約1
〜20、21〜40、41〜60、61〜80、81〜100、および101か
ら末端までのフラグメントが挙げられる。これに関して、「約」とは、所定の範
囲よりもいずれかの端部または両端でアミノ酸が数個、5個、4個、3個、2個
または1個だけ多いかまたは少ない範囲を含む。
【0022】 好ましいフラグメントとしては、例えば、アミノ末端を含める1つの一連の残
基もしくはカルボキシル末端を含める1つの一連の残基が欠失しているか、また
は1つがアミノ末端を含めるものであり、もう1つがカルボキシル末端を含める
ものである2つの一連の残基が欠失していること以外はIL−1raベータポリ
ペプチドのアミノ酸配列を有する末端切断ポリペプチドが挙げられる。また、ア
ルファヘリックスおよびアルファヘリックス形成領域、ベータシートおよびベー
タシート形成領域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよびコイル形成領域
、親水性領域、疎水性領域、アルファ両親媒性領域、ベータ両親媒性領域、可変
領域、表面形成領域、基質結合領域、および高抗原性指標領域を含むフラグメン
トなどの構造的または機能的属性により特徴付けられるフラグメントが好ましい
。生物学的に活性なフラグメントは、類似の活性もしくは改良された活性を有す
るか、または望ましくない活性を減少させたフラグメントを包含する、IL−1
raベータ活性を媒介するフラグメントである。動物において、とりわけ、ヒト
において抗原的または免疫原的なフラグメントもまた含まれる。
【0023】 かくして、本発明のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも
同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたは配列番号2の対応するフラ
グメントと少なくとも80%の同一性を有するそのフラグメントを包含する。好
ましくは、これらのポリペプチドは全て、抗原性活性を含めるIL−1raベー
タの生物学的活性を保持している。定義された配列およびフラグメントの変種は
、この群に含められる。好ましい変種は、保存的アミノ酸置換により対照から変
化したものであり、すなわち、ある残基を同様の特徴を有する別の残基と置換し
たものである。典型的なかかる置換は、Ala、Val、LeuおよびIleの
間、SerおよびThrの間、酸性残基AspおよびGluの間、Asnおよび
Glnの間、ならびに塩基性残基LysおよびArgの間、芳香族残基Pheお
よびTyrの間での置換である。特に好ましくは、数個、5−10個、1−5個
、または1−2個のアミノ酸がいずれかの組み合わせで置換、欠失または付加さ
れた変種である。 本発明のIL−1raベータポリペプチドは、いずれかの適当な方法で調製す
ることができる。かかるポリペプチドは、単離天然ポリペプチド、組換え操作に
より産生されたポリペプチド、合成法により生成されたポリペプチド、またはこ
れらの方法を組み合わせて生成されたポリペプチドを包含する。かかるポリペプ
チドの調製方法は、当該技術分野においてよく理解されている。
【0024】 本発明のポリヌクレオチド 本発明のもう1つの態様は、IL−1raベータポリペプチドをコードする単
離ポリヌクレオチドおよびそれに密接に関連するポリヌクレオチドに関する。 本発明のIL−1raベータは、ヒトIL−1raベータをコードするcDN
Aの配列決定の結果により示されるように、インターロイキン−1ファミリーの
他のタンパク質に構造的に関連付けられる。cDNA配列は、推定分子量18. 7kDaを有する169個のアミノ酸からなるタンパク質をコードするオープン
リーディングフレームを含んでいる。図1のIL−1raベータ(配列番号2)
は、162個の残基にわたってヒトIL−1受容体アンタゴニスト(IL−1r
a)(S.P. Eisenberg et al., Nature 343:341-346, 1990)とアミノ酸残基に おいて約29.9%同一性(BESTFIT(プログラムのGCG suiteの部分)を用い
る)を有する。さらにまた、IL−1raベータ(配列番号2)は、160個の
残基にわたってヒトインターロイキン1ベータ(IL−1ベータ)(P.E. Auron
et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:7907-7911, 1984;C.J. March et al
., Nature 315:641-647 (1985))と21.3%同一である。図1のIL−1ra ベータ遺伝子(配列番号1)は、ヒトIL−1ra(S.P. Eisenberg et al., N
ature 343:341-346, 1990)と230個のヌクレオチド残基において約59.0%
同一性(BESTFIT(プログラムのGCG suiteの部分)を用いる)を有する。
【0025】 IL−1raベータをコードする本発明の一のポリペプチドは、標準的なクロ
ーニングおよびスクリーニングを用い、発現配列タグ(EST)分析(Adams, M
.D., et al., Science (1991) 252:1651-1656;Adams, M.D. et al., Nature (1
992) 355:632-634;Adams, M.D. et al., Nature (1995) 377 Supp:3-174)を用
いて、ヒトケラチノサイトの細胞およびTNFα+IFNγ(インターフェロン
γ)誘発性上皮細胞におけるmRNA由来のcDNAライブラリーから得ること
ができる。本発明のポリヌクレオチドは、また、ゲノムDNAライブラリーのよ
うな天然の供給源から得ることができるか、または、良く知られている市販の技
術を用いて合成することができる。
【0026】 かくして、IL−1raベータポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は
、図1におけるコード配列(配列番号1)とその全長にわたって同一であるか、
または、配列番号2のポリペプチドをコードするこのヌクレオチド配列の縮重形
態であるか、または、配列番号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
と高度に同一であってもよい。好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは、IL
−1raベータポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と高度に同一である
かもしくは少なくとも同一であるか、または図1に記載のコードヌクレオチド配
列(配列番号1)と少なくとも80%同一であるか、または、配列番号2のポリ
ペプチドをコードするヌクレオチド配列と少なくとも80%同一であるヌクレオ
チド配列を含む。
【0027】 本発明のポリヌクレオチドをIL−1raベータポリペプチドの組換え産生に
用いる場合、該ポリヌクレオチドは、単独の成熟ポリペプチドまたはそのフラグ
メントのコード配列、リーダーもしくは分泌配列またはプレ−、プロ−もしくは
プレプロ−タンパク質配列をコードするコード配列などの他のコード配列、また
は他の融合ペプチド部分を伴うリーディングフレーム中の成熟ポリペプチドまた
はフラグメントのコード配列を包含してもよい。例えば、融合ポリペプチドの精
製を容易にするマーカー配列をコードすることができる。本発明のこの態様の好
ましい実施態様において、マーカー配列は、pQEベクター(キアジェン・イン
コーポレイテッド(Qiagen, Inc.))にて提供される、Gentz et al., Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA (1989) 86:821-824 に開示されているヘキサ−ヒスチジン ペプチドであるか、またはHAタグである。該ポリヌクレオチドは、また、転写
された非翻訳配列、スプライシングおよびポリアデニル化シグナル、リボソーム
結合部位、およびmRNAを安定化する配列などの非コード5'および3'配列を
含んでもよい。
【0028】 本発明の特に好ましい実施態様には、図1に記載のアミノ酸配列(配列番号2
)を有するIL−1raベータポリペプチドおよびその変種をコードするポリヌ
クレオチドがある。 さらに好ましい実施態様は、数個、5−10個、1−5個、1−3個、1−2
個または1個のアミノ酸残基がいずれかの組み合わせで置換、欠失または付加さ
れている図1のIL−1raベータポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号2)
を有するIL−1raベータ変種をコードするポリヌクレオチドである。
【0029】 本発明のさらに好ましい実施態様は、図1に記載のアミノ酸配列(配列番号2
)を有するIL−1raベータポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと全
長にわたって少なくとも80%同一であるポリヌクレオチド;およびかかるポリ
ヌクレオチドと相補的なポリヌクレオチドである。これに関して、図1に記載の
アミノ酸配列(配列番号2)を有するIL−1raベータポリペプチドをコード
するポリヌクレオチドと全長にわたって少なくとも80%同一であるポリヌクレ
オチドが特に好ましく、少なくとも90%同一であるものがさらに特に好ましい
。さらにまた、少なくとも97%同一であるものが高度に好ましく、少なくとも
98−99%同一であるものがより高度に好ましく、少なくとも99%同一であ
るものが最も好ましい。
【0030】 本発明は、さらに、上記配列とハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する
。これに関して、本発明は、特に、上記ポリヌクレオチドとストリンジェントな
条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本明細書で用いる場合
、「ストリンジェントな条件」なる用語は、配列間に少なくとも95%、好まし
くは、少なくとも97%同一性がある場合にのみハイブリダイゼーションが起こ
ることを意味する。 配列番号1に含まれるヌクレオチド配列と十分に同一である本発明のポリヌク
レオチドは、cDNAおよびゲノムDNAのハイブリダイゼーションプローブと
して用いて、IL−1raベータポリペプチドをコードする全長cDNAおよび
ゲノムクローンを単離し、IL−1raベータ遺伝子と高配列類似性を有する他
の遺伝子のcDNAおよびゲノムクローンを単離する。かかるハイブリダイゼー
ション技術は、当業者に知られている。典型的には、これらのヌクレオチド配列
は、対照配列と70%同一であり、好ましくは、80%同一であり、より好まし
くは、90%同一である。該プローブは、一般的に、少なくとも15個のヌクレ
オチドからなる。好ましくは、かかるプローブは、少なくとも30個のヌクレオ
チドを有し、少なくとも50個のヌクレオチドを有していてもよい。特に好まし
いプローブは、30ないし50個の範囲のヌクレオチドを有する。 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、動物およびヒトの疾患に対
する治療および診断を見出すための研究試薬および材料として用いられる。
【0031】 ベクター、宿主細胞、発現 本発明は、また、本発明のポリヌクレオチド(1個または複数)を含むベクタ
ー、および本発明のベクターを用いて遺伝子工学処理される宿主細胞、ならびに
組換え技術による本発明のポリペプチドの産生に関する。また、無細胞翻訳系を
用い、本発明のDNA構築物から誘導されたRNAを用いてかかるタンパク質を
産生することができる。 組換え産生のために、宿主細胞を遺伝子工学処理して、本発明のポリヌクレオ
チドについての発現系またはその一部を組込むことができる。ポリヌクレオチド
の宿主細胞への導入は、Davis et al., BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY (
1986) および Sambrook et al., MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2n
d Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (19
89) などの多くの標準的な実験マニュアルに開示されている方法、例えば、リン
酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェ
クション、トランスベクション、マイクロインジェクション、陽イオン脂質媒介
トランスフェクション、エレクトロポレーション、トランスダクション、スクレ
ープローディング(scrape loading)、バリスティック(ballistic)導入また は感染により行うことができる。
【0032】 適当な宿主の代表例としては、細菌細胞、例えば、ストレプトコッカス(stre
ptococci)、スタフィロコッカス(staphylococci)、イー・コリ(E. coli)、
ストレプトマイセス(Streptomyces)およびバシラス・サチリス(Bacillus sub
tilis)細胞;真菌細胞、例えば、酵母細胞およびアスペルギルス(Aspergillus
)細胞;昆虫細胞、例えば、ドロソフィラ(Drosophila)S2およびスポドプテ
ラ(Spodoptera)Sf9細胞;動物細胞、例えば、CHO、COS、HeLa、
C127、3T3、BHK、293およびボウズ(Bowes)黒色腫細胞;ならび に植物細胞が挙げられる。 広範囲に及ぶ種々の発現系を用いることができる。かかる系としては、とりわ
け、染色体系、エピソーム系およびウイルス由来系、例えば、細菌プラスミド由
来、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入
要素由来、酵母染色体要素由来、バキュロウイルス、パポバウイルス(例えば、
SV40)、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病
ウイルスおよびレトロウイルスなどのウイルス由来のベクター、ならびにそれら
を組み合わせたものに由来するベクター、例えば、コスミドおよびファージミド
などのプラスミドおよびバクテリオファージ遺伝要素由来のベクターが挙げられ
る。発現系は、発現を制御したり引き起こしたりする調節領域を含んでもよい。
一般に、ポリヌクレオチドを保持、増殖または発現させて宿主においてポリペプ
チドを産生するのに適した系またはベクターが用いられる。種々のよく知られて
いる慣用的な技術のいずれか、例えば、Sambrook et al., MOLECULAR CLONING,
A LABORATORY MANUAL(上掲)に開示されている技術により、適当なヌクレオチ ド配列を発現系に挿入できる。
【0033】 翻訳タンパク質の、小胞体の管腔への、細胞周辺腔への、または細胞外環境へ
の分泌について、適当な分泌シグナルを所望のポリペプチドに組込んでよい。こ
れらのシグナルは、ポリペプチドに固有のシグナルであっても、異種シグナルで
あってもよい。 IL−1raベータポリペプチドをスクリーニングアッセイにおいて用いるた
めに発現させるべきである場合、該ポリペプチドは、細胞表面で産生されてもよ
い。この場合、細胞は、スクリーニングアッセイに使用する前に収穫されてもよ
い。IL−1raベータポリペプチドが培地中に分泌される場合、該培地を回収
してポリペプチドを回収および精製することができる;細胞内に産生される場合
は、該細胞をまず溶解した後に該ポリペプチドを回収しなければならない。IL
−1raベータポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿法、酸
抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロ
マトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマト
グラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマト
グフィーを包含するよく知られている方法により組換え細胞培養液から回収およ
び精製することができる。最も好ましくは、精製のために高速液体クロマトグラ
フィーを用いる。該ポリペプチドが単離および/または精製の間に変性する場合
にはタンパク質を再生するためのよく知られている技術を用いて、活性なコンホ
メーションを再生することができる。
【0034】 診断アッセイ 本発明は、また、診断試薬として用いるためのIL−1raベータポリヌクレ
オチドの使用に関する。機能障害に関与するIL−1raベータ遺伝子の変異形
の検出は、IL−1raベータの過少発現、過剰発現または発現の変化により引
き起こされる疾患または該疾患に対する感受性の診断に付加するかまたは該診断
を定義することができる診断手段を提供する。IL−1raベータ遺伝子におい
て変異を有する個体は、種々の技術によりDNAレベルで検出できる。 診断用核酸は、対象の細胞から、例えば、血液、尿、唾液、組織生検体または
剖検体などから得られる。ゲノムDNAは、検出に直接用いてもよく、または分
析の前にPCRもしくは他の増幅技術を用いることにより酵素的に増幅させても
よい。RNAまたはcDNAもまた同様の方法で用いることができる。欠失およ
び挿入は、正常な遺伝子型との比較における増幅産生物の大きさの変化により検
出することができる。点突然変異は、増幅DNAを標識IL−1raベータヌク
レオチド配列とハイブリダイズすることにより同定することができる。完全に合
致した配列は、RNase消化により、または、融解温度の差異によりミスマッ
チ二本鎖と区別することができる。DNA配列の差異はまた、変性剤を用いるか
用いずにゲル中でのDNAフラグメントの電気泳動移動度の変化により、または
、直接DNA配列決定法により検出することができる。例えば、Myers et al.,
Science (1985) 230:1242 を参照のこと。特異的な位置での配列の変化はまた、
RNaseおよびS1保護のようなヌクレアーゼ保護アッセイまたは化学的切断
法により明らかにできる。Cotton et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA (1985)
85:4397-4401 を参照のこと。別の実施態様において、IL−1raベータヌク レオチド配列由来のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドプローブのアレイを
構築して、例えば、遺伝子突然変異などの効果的なスクリーニングを行うことが
できる。アレイ法は、よく知られており、一般的な適用性を有し、これを用いて
、遺伝子発現、遺伝的連鎖、および遺伝的変異性を包含する分子遺伝学における
様々な問題に取り組むことができる。(例えば、M.Chee et al., Science, Vol
274, pp 610-613 (1996) を参照のこと)。
【0035】 当該診断アッセイは、上記方法によるIL−1raベータ遺伝子中の変異の検
出を介する、慢性および急性炎症、敗血症、関節炎、炎症性腸疾患、対宿主性移
植片病、自己免疫、発作、心臓虚血、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、乾癬、
再狭窄、外傷性脳損傷、AIDS、悪液質、アレルギー、寄生虫感染、アレルギ
ー性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性炎症性疾患、お
よび遅延型過敏症に対する感受性の診断または測定方法を提供する。 さらに、慢性および急性炎症、敗血症、関節炎、炎症性腸疾患、対宿主性移植
片病、自己免疫、発作、心臓虚血、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、乾癬、再
狭窄、外傷性脳損傷、AIDS、悪液質、アレルギー、寄生虫感染、アレルギー
性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性炎症性疾患、およ
び遅延型過敏症は、対象由来の試料から、異常に低下または増加したIL−1r
aベータポリペプチドまたはIL−1raベータmRNAのレベルを測定するこ
とを含む方法により診断することができる。発現の低下または増加は、例えば、
PCR、RT−PCR、RNase保護、ノーザンブロッティングおよび他のハ
イブリダイゼーション法などの、ポリヌクレオチドの定量化のために当該技術分
野でよく知られている方法のいずれかを用いてRNAレベルで測定することがで
きる。宿主由来の試料中のIL−1raベータポリペプチドのようなタンパク質
のレベルを測定するために用いることができるアッセイ技術は、当業者によく知
られている。かかるアッセイ方法としては、ラジオイムノアッセイ、競合結合ア
ッセイ、ウェスタンブロット分析法およびELISAアッセイが挙げられる。
【0036】 染色体アッセイ 本発明のヌクレオチド配列はまた、染色体同定に有用である。該配列は、個々
のヒト染色体上の特定の座を特異的に標的とし、かかる座とハイブリダイズする
ことができる。本発明に従って、関連する配列を染色体にマッピングする工程は
、これらの配列を遺伝子が関与する疾患と関連づけるのに重要な第1段階である
。該配列を正確な染色体座にマッピングすると、染色体上の該配列の物理的位置
を遺伝子地図データと関連づけることができる。かかるデータは、例えば、V. M
cKusick, Mendelian Inheritance in Man に見ることができる(ジョンズ・ホプ
キンズ・ユニバーシティ・ウェルシュ・メディカル・ラボラトリー(Johns Hopk
ins University Welch Medical Library)を介してオンラインで入手可能)。次
いで、同一染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾病との関係を、連鎖分析を
介して同定する(物理的に隣接する遺伝子の同時遺伝(coinheritance))。
【0037】 合成オリゴヌクレオチドプライマー対を用いるPCRにより得られるマッピン
グされたゲノムDNAのフラグメントから得られる配列を含む公のデータベース
と比較することにより、IL−1raベータ遺伝子をIL−1α、βおよびIL
−1raに近い領域で第2染色体にマッピングした。 また、罹患した個体と罹患していない個体との間のcDNAまたはゲノム配列
における差異を測定することができる。罹患した個体のいくつかまたは全てにお
いて変異が観察されるが正常な個体においては観察されない場合、該変異は、疾
患の原因因子であると考えられる。
【0038】 抗体 また、本発明のポリペプチドまたはそれらのフラグメントまたはそのアナログ
、またはそれらを発現する細胞を免疫原として用いて、IL−1raベータポリ
ペプチドに対して免疫特異的な抗体を産生することができる。「免疫特異的」な
る用語は、抗体が、従来技術における他の関連ポリペプチドに対する親和性より
も本発明のポリペプチドに対する親和性の方が実質的に高いことを意味する。 IL−1raベータポリペプチドに対して生じる抗体は、慣用のプロトコール
を用いて、ポリペプチドまたはエピトープ担持フラグメント、アナログまたは細
胞を動物、好ましくは、ヒト以外の動物に投与することにより得ることができる
。モノクローナル抗体の調製について、連続細胞系培養により産生される抗体を
提供するいずれの技術も用いることができる。例えば、ハイブリドーマ法(Kohl
er, G. and Milstein, C., Nature (1975) 256:495-497)、トリオーマ法、ヒト
B−細胞ハイブリドーマ法(Kozbor et al., Immunology Today (1983) 4:72) およびEBV−ハイブリドーマ法(Cole et al., MONOCLONAL ANTIBODIES AND C
ANCER THERAPY, pp. 77-96, Alan R. Liss, Inc., 1985)が挙げられる。
【0039】 また、一本鎖抗体の産生技術(米国特許第4,946,778号)を適用して、本発明 のポリペプチドに対する一本鎖抗体を産生できる。また、トランスジェニックマ
ウス、または他の哺乳動物を包含する他の生物を用いてヒト化抗体を発現させて
もよい。 上記抗体を用いて、ポリペプチドを発現するクローンを単離もしくは同定した
り、または、アフィニティークロマトグラフィーにより該ポリペプチドを精製し
たりできる。 また、IL−1raベータポリペプチドに対する抗体を用いて、とりわけ、慢
性および急性炎症、敗血症、関節炎、炎症性腸疾患、対宿主性移植片病、自己免
疫、発作、心臓虚血、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、乾癬、再狭窄、外傷性
脳損傷、AIDS、悪液質、アレルギー、寄生虫感染、アレルギー性鼻炎、アレ
ルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性炎症性疾患、および遅延型過敏
症を治療できる。
【0040】 ワクチン 本発明の別の態様は、哺乳動物における免疫学的応答を誘発する方法であって
、該哺乳動物に、抗体および/またはT細胞免疫応答を生じさせるのに十分なI
L−1raベータポリペプチドまたはそのフラグメントを接種して、該動物を、
とりわけ、慢性および急性炎症、敗血症、関節炎、炎症性腸疾患、対宿主性移植
片病、自己免疫、発作、心臓虚血、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、乾癬、再
狭窄、外傷性脳損傷、AIDS、悪液質、アレルギー、寄生虫感染、アレルギー
性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性炎症性疾患、およ
び遅延型過敏症から防御することからなる方法に関する。本発明のさらに別の態
様は、哺乳動物における免疫学的応答を誘発する方法であって、インビボでIL
−1raベータポリペプチドを発現させるベクターを介してIL−1raベータ
遺伝子をデリバリーし、かかる免疫学的応答を誘発し、抗体を産生し、該動物を
疾患から防御することからなる方法に関する。
【0041】 本発明のさらなる態様は、哺乳動物宿主に導入されると該哺乳動物においてI
L−1raベータポリペプチドに対する免疫学的応答を誘発する免疫学的/ワク
チン製剤(組成物)であって、IL−1raベータポリペプチドまたはIL−1
raベータ遺伝子を含むことを特徴とする製剤に関する。さらに、当該ワクチン
製剤は、適当な担体を含んでもよい。IL−1raベータポリペプチドは、胃で
分解されるかもしれないので、非経口投与(皮下注射、筋肉注射、静脈注射、皮
内注射などを包含する)が好ましい。非経口投与に適した製剤としては、抗酸化
剤、緩衝液、静菌剤、および該製剤を受容者の血液に対して等張する溶質を含ん
でよい水性および非水性無菌注射液;ならびに、懸濁化剤または増粘剤を含んで
よい水性および非水性無菌懸濁剤が挙げられる。当該製剤は、一回投与型または
多投与型容器、例えば、密封されたアンプル剤およびバイアル剤で提供されても
よく、または、使用直前に無菌液体担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態で貯
蔵できる。当該ワクチン製剤は、また、水中油系および当該技術分野で知られて
いる他の系などの製剤の免疫原性を増強するための補助剤系を含んでもよい。投
与量は、ワクチンの個々の活性に依存しており、慣用的な試験により容易に決定
することができる。
【0042】 スクリーニングアッセイ 本発明のIL−1raベータポリペプチドの合成または作用を刺激する化合物
(アゴニスト)または阻害する化合物(アンタゴニスト、または阻害剤ともいう
)についてのスクリーニング方法において本発明のIL−1raベータポリペプ
チドを用いることができる。本発明のIL−1raベータポリペプチドはまた、
本発明のL−1raベータポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニスト特性
を模倣する化合物に対するスクリーニングプロセスにおいて用いられる。かくし
て、本発明のポリペプチドは、また、例えば、細胞、無細胞調製物、化学ライブ
ラリー、および天然産物混合物からアゴニストまたはアンタゴニストを評価およ
び同定するために用いられる。これらのアゴニストまたはアンタゴニストは、場
合によっては本発明のポリペプチドの、天然基質、リガンド、受容体などであっ
てよい;または、本発明のポリペプチドの構造的または機能的模倣物であっても
よい。Coligan et al., Current Protocols in Immunology 1(2):Chapter 5 (19
91) を参照のこと。
【0043】 IL−1raベータタンパク質は、哺乳動物宿主において偏在しており、多く
の病状を包含する多くの生物学的機能を引き起こす。したがって、一方ではIL
−1raベータポリペプチドを刺激ことができる化合物および薬物を、他方では
IL−1raベータポリペプチドの機能を阻害することができる化合物および薬
物を見出すことが望まれている。一般に、アゴニストは、慢性および急性炎症、
敗血症、関節炎、炎症性腸疾患、対宿主性移植片病、自己免疫、発作、心臓虚血
、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、乾癬、再狭窄、外傷性脳損傷、AIDS、
悪液質、アレルギー、寄生虫感染、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、アト
ピー性皮膚炎、アレルギー性炎症性疾患、および遅延型過敏症などの病状につい
ての治療および予防目的のために用いられる。アンタゴニストは、慢性および急
性炎症、敗血症、関節炎、炎症性腸疾患、対宿主性移植片病、自己免疫、発作、
ショック、アテローム性動脈硬化症、心臓虚血、急性呼吸窮迫症候群(ARDS
)、乾癬、再狭窄、外傷性脳損傷、AIDS、悪液質、アレルギー、寄生虫感染
、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性炎症
性疾患、および遅延型過敏症のような病状についての種々の治療および予防目的
のために用いられる。
【0044】 一般に、かかるスクリーニング方法は、細胞表面上にて本発明のIL−1ra
ベータポリペプチドの受容体を発現する適当な細胞を同定し、取得し、使用する
ことを包含する。かかる細胞としては、哺乳動物、酵母、ドロソフィラまたはイ
ー・コリ由来の細胞が挙げられる。かかる細胞は、例えば、放射性標識されたか
または蛍光標識したIL−1raベータポリペプチドを用いる直接結合法を用い
ることにより、同定される。次いで、IL−1raベータポリペプチド受容体を
発現する細胞(または発現ポリペプチドを含む細胞膜)を試験化合物と接触させ
て、結合、または機能的応答の刺激もしくは阻害を観察する。別法として、当該
技術分野で知られている発現クローニングまたは精製方法を用いる上記直接結合
法によりIL−1raベータポリペプチド受容体のcDNAをクローン化し、そ
の細胞外ドメインを分泌または膜タンパク質として発現してもよい。次いで、可
溶性または膜結合受容体を用いて、直接結合法を介してアゴニストまたはアンタ
ゴニストを同定することができる。
【0045】 該アッセイは、候補化合物の結合を簡単に試験でき、この場合、IL−1ra
ベータポリペプチド受容体を有する細胞への付着が、候補化合物に直接または間
接的に会合した標識により、または標識IL−1raベータポリペプチドとの競
争を含むアッセイにおいて検出される。さらに、これらのアッセイにより、表面
にIL−1raベータポリペプチド受容体を有する細胞に適した検出系を用いて
、候補化合物がIL−1raベータポリペプチドの結合により発生するシグナル
と類似のシグナルを生じるかを試験してもよい。活性化の阻害物質は、一般に、
既知のアゴニストの存在下でアッセイされ、候補化合物の存在がアゴニストによ
る活性化に及ぼす作用を観察する。かかるスクリーニングアッセイを行う標準的
な方法は、当該技術分野で十分に理解されている。
【0046】 可能性のあるIL−1raベータポリペプチドアゴニストの例としては、抗体
、または、場合によっては、場合によりIL−1raベータポリペプチドのリガ
ンド、基質、受容体などに密接に関連するオリゴヌクレオチドもしくはタンパク
質、例えば、リガンド、基質、受容体のフラグメント、または本発明の標的受容
体に結合するが応答を誘発せずにポリペプチドの活性を妨げる小分子が挙げられ
る。
【0047】 予防および治療方法 本発明は、過剰な量および不充分な量の両方のIL−1raベータポリペプチ
ド活性に関連する異常な状態を処置する方法を提供する。 IL−1raベータポリペプチドの活性が過剰である場合、いくつかの方法が
利用可能である。一の方法は、IL−1raベータポリペプチドのその標的受容
体への結合を遮断することによるかまたは別のシグナルを阻害することにより活
性化を阻害するのに有効な量の上記阻害性化合物(アゴニスト)を医薬上許容さ
れる担体と一緒に対象に投与して異常な症状を改善することからなる。 別の方法において、内在IL−1raベータポリペプチドと競争して受容体と
結合する能力を有する可溶形のIL−1raベータポリペプチドを投与してもよ
い。かかる競争物質の典型的な実施態様例は、IL−1raベータポリペプチド
のフラグメントを含む。 さらに別の方法らおいて、発現遮断技術を用いて内在IL−1raベータポリ
ペプチドをコードする遺伝子の発現を阻害することができる。既知のかかる技術
は、内部発生するかまたは別々に投与されるアンチセンス配列の使用を包含する
。例えば、O'Connor, J Neurochem (1991) 56:560 in Oligodeoxynucleotides a
s Antisense Inhibitors of Gene Expression, CRC Press, Boca Raton, FL (19
88) を参照のこと。別法として、遺伝子と共に三重螺旋を形成するオリゴヌクレ
オチドを供給することができる。例えば、Lee et al., Nucleic Acids Res (197
9) 6:3073;Cooney et al., Science (1988) 241:456;Dervan et al., Science
(1991) 251:1360 を参照のこと。これらのオリゴマーをそれ自体投与すること ができるか、または、関連するオリゴマーをイン・ビボで発現させることができ
る。
【0048】 IL−1raベータの過少発現およびその活性に関連する異常な症状の治療に
ついて、さらにいくつかの方法が利用可能である。一の方法は、対象に治療上有
効量のIL−1raベータポリペプチドまたは化合物、すなわち、上記アゴニス
トまたは模倣物を医薬上許容される担体と組み合わせて投与して、異常な状態を
改善することからなる。別法として、遺伝子治療を用いて、対象における関連細
胞によるIL−1raベータの内生的産生に影響を及ぼす。例えば、本発明のポ
リヌクレオチドを、上記のとおり、複製欠損レトロウイルスベクターにて発現す
るように工学処理できる。次いで、該レトロウイルス発現構築物を単離し、本発
明のポリペプチドをコードするRNAを含むレトロウイルスプラスミドベクター
で形質導入したパッケージング細胞に導入して、パッケージング細胞が目的の遺
伝子を含む感染性ウイルス粒子を産生するようにしてもよい。これらのプロデュ
ーサー細胞を対象に投与して、細胞をインビボで工学的処理し、インビボでポリ
ペプチドを発現するようにしてもよい。遺伝子治療のあらましについては、Chap
ter 20, Gene Therapy and other Molecular Genetic-based Therapeutic Appro
aches in Human Molecular Genetics, T Strachan and A P Read, BIOS Scienti
fic Publishers Ltd (1996) (およびそれに引用されている文献)を参照のこと
【0049】 製剤および投与 可溶形のIL−1raベータポリペプチドのようなペプチド、ならびにアゴニ
ストおよびアンタゴニストペプチドまたは小分子は、適当な医薬担体と組み合わ
せて製剤化できる。かかる製剤は、治療上有効量のポリペプチドまたは化合物、
および医薬上許容される担体または賦形剤を含む。かかる担体としては、生理食
塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、お
よびその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。製剤は、投与の形
態に適したものとすべきであり、十分に当該分野の技術の範囲内である。本発明
は、さらに、上記の本発明の組成物の1種類またはそれ以上の成分を充填した1
個またはそれ以上の容器を含む医薬パックおよびキットに関する。
【0050】 本発明のポリペプチドおよび他の化合物は、単独で、または、治療化合物のよ
うな他の化合物と組み合わせて用いることができる。 医薬組成物の全身投与の好ましい形態としては、注射、典型的には静脈注射が
挙げられる。他の注射経路、例えば、皮下注射、筋肉注射または腹腔内注射など
を用いることもできる。全身投与のための別の手段としては、胆汁酸塩もしくは
フシジン酸などの浸潤剤または他の界面活性剤を用いる経粘膜および経皮投与が
挙げられる。さらに、腸溶性またはカプセル化製剤において適当に製剤化される
場合、経口投与もまた可能である。これらの化合物の投与は、また、軟膏剤、ペ
ースト剤、ゲル剤などの形態で、局所的であっても、および/または局在化され
てもよい。
【0051】 必要な投与量の範囲は、ペプチドの選択、投与経路、製剤の性質、対象の状態
の性質、主治医の判断に依存する。しかしながら、適当な投与量は、対象の体重
1kgにつき0.1−100μg/kgの範囲である。しかしながら、利用可能 な種々の化合物および種々の投与経路の効力の違いの点から、必要な投与量の広
範囲に及ぶ変動が予想される。例えば、経口投与は、静脈注射による投与よりも
高い投与量が必要であると予想される。これらの投与量レベルの変動は、当該技
術分野において十分に理解されている最適化のための標準的な経験的手順を用い
て調節することができる。 治療に用いられるポリペプチドは、また、しばしば、上記したように「遺伝子
治療」と称される理学療法において、対象において内生的に発生させることがで
きる。かくして、例えば、半ビボで、および例えば、レトロウイルスプラスミド
ベクターの使用により対象由来の細胞をDNAまたはRNAなどのポリヌクレオ
チドを用いて工学処理してポリペプチドをコードしてもよい。次いで、該細胞を
対象に導入する。
【0052】 (実施例) 以下の実施例は、詳細に特記した場合を除いて、当業者によく知られており慣
用的な標準的な技術を用いて行う。実施例は、本発明を説明するものであり、限
定するものではない。
【0053】 実施例1 IL−1RAβの単離および同定 最初に、インターロイキン1ファミリーのメンバーと相同性を有するタンパク
質に対してHuman Genome Sciences EST データベース(EST分析に関しては上
記参照のこと)の検索を介して可能性のある全長クローン(HGS EST #1
506331;Project ID HAICQ62)を同定した。この部分配
列は、ネズミIL−1raと有意な配列同一性(77アミノ酸にわたって35%
)を示した。このcDNAを自動シークエンサーを用いて両方の鎖について完全
に配列決定した。合計1183bpを配列決定した。これは、169アミノ酸の
ペプチドをコードするオープンリーディングフレームを含む。cDNAおよびタ
ンパク質配列は、各々、配列番号1および配列番号2であり、IL−1raβと
命名される。該タンパク質は、そのアミノ末端でシグナル配列を有しないようで
あり、当該ファミリーの他のメンバーと同様に細胞内細胞質ゾルタンパク質とし
て発現されると思われる。IL−1raについて見出されたようにシグナル配列
を含む他のスプライス形態が存在することが考えられる。 合成オリゴヌクレオチドプライマー対を用いてPCRにより得られたマッピン
グされたゲノムDNAのフラグメントから得られる配列を含む公のデータベース
と比較することにより、IL−1raベータ遺伝子をIL−1α、βおよびIL
−1ra付近の領域において第2染色体にマッピングした。アルゴリズムBLA
STを用いて、該第2染色体の頂部から約142cMまでマッピングされ得るヒ
トSTS CHLC.GAAT11C03.P3330クローンGAAT11C0 3(受託番号G942011)との合致が判明した。
【0054】 実施例2 IL−1raベータを、アミノ末端His6テールに続いてトロンビンに対す るタンパク質分解性切断部位を有するpET15ベクター(ノバジェン(Novage
n))にてイー・コリ中で発現させた。トロンビンを用いる精製および切断の後 、アミノ末端は、哺乳動物発現タンパク質について予想されたアミノ末端と同一
であった。IL−1raベータは、非常に類似の円二色性スペクトルに基づいて
IL−1raと類似のβ鎖様構造を有することが判明した。精製したIL−1r
aベータ(0.01−1000ng/ml、(0.56pM−56nM))を、市
販のIL−4用ELISAキットにより測定して、24、72および96時間に
わたってヒト末梢血リンパ球においてインターロイキン−4(IL−4)を誘発
する能力について評価した。また、正の対照として数種類の刺激(例えば、30
ug/ml PMA + 10ng/ml PMA;1uM A23187 + 10 ng/ml PMA;抗CD3+抗CD28モノクローナル抗体;6nM IL−
1β)を付加した。刺激されない細胞は、評価されるいずれの時点でも〜40p
g/mlのIL−4を産生した。全ての場合、上記の種々の刺激はIL−4を産
生し、これは、96時間まで最高または最大のレベルであった。IL−1raベ
ータは、他の刺激と同等のレベルまで(すなわち、500pg/mlまで)IL
−4の形成を濃度依存的に誘発した。IL−4の誘発は、TH2応答に関連して
おり、アレルギーおよび喘息に関与している。
【0055】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒトIL−1raベータのヌクレオチド配列(配列番号
1)および推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 11/02 A61P 37/08 4C084 11/06 43/00 111 4H045 29/00 C07K 14/545 37/08 16/24 43/00 111 C12N 1/15 C07K 14/545 1/19 16/24 1/21 C12N 1/15 C12P 21/02 C 1/19 C12Q 1/02 1/21 1/68 A 5/10 G01N 33/50 C12P 21/02 33/566 C12Q 1/02 C12N 15/00 ZNAA 1/68 A61K 37/02 G01N 33/50 37/26 33/566 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),JP (72)発明者 ピーター・アール・ヤング アメリカ合衆国08648ニュージャージー州 ローレンスビル、ヘンドリックソン・ロー ド32番 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA12 DA13 DA36 FB03 4B024 AA01 AA11 BA43 BA63 CA04 DA02 EA04 GA11 HA01 4B063 QA01 QQ08 QQ42 QR32 QR55 QS33 QS34 4B064 AG01 AG20 AG27 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA90X AA93Y AB01 BA02 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 AA13 AA17 BA01 BA02 BA08 BA22 BA23 CA53 CA59 DA13 NA14 ZA342 ZA592 ZA892 ZA962 ZB112 ZB132 ZB352 ZB372 ZC542 ZC552 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA02 DA51 EA22 EA50 FA74

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2のIL−1raベータポリペプチドをコードする
    ヌクレオチド配列とその全長にわたって少なくとも80%の同一性を有するヌク
    レオチド配列;または該ヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列を含む単
    離ポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 DNAまたはRNAである請求項1記載のポリヌクレオチド
  3. 【請求項3】 ヌクレオチド配列が配列番号1に含まれるヌクレオチド配列
    と少なくとも80%同一である請求項1記載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 ヌクレオチド配列が配列番号1に含まれるIL−1raベー
    タポリペプチドコード化配列を含む請求項3記載のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 配列番号1のポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のポリヌクレオチドの少なくとも15個の連続
    したヌクレオチドを含むポリヌクレオチドプローブまたはプライマー。
  7. 【請求項7】 発現系を含むDNAまたはRNA分子であって、該発現系が
    適合する宿主細胞中に存在する場合に、該発現系が配列番号2のポリペプチドと
    少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むIL−1raベータポリ
    ペプチドを産生する能力を有する、DNAまたはRNA分子。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の発現系を含む宿主細胞。
  9. 【請求項9】 ポリペプチドの産生に十分な条件下で請求項8記載の宿主を
    培養することを特徴とするIL−1raベータポリペプチドの産生方法。
  10. 【請求項10】 さらに、培養物から該ポリペプチドを回収することを含む
    請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 宿主細胞が適当な培養条件下でIL−1raベータポリペ
    プチドを産生するように、該宿主細胞を請求項7記載の発現系で形質転換または
    トランスフェクトすることを特徴とする、L−1raベータポリペプチドを産生
    する細胞の産生方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の方法により産生される細胞。
  13. 【請求項13】 配列番号2のアミノ酸配列とその全長にわたって少なくと
    も80%同一であるアミノ酸配列を含むIL−1raベータポリペプチド。
  14. 【請求項14】 配列番号2のアミノ酸配列を含む請求項13記載のポリペ
    プチド。
  15. 【請求項15】 配列番号2のポリペプチド。
  16. 【請求項16】 請求項10記載の方法により調製されるIL−1raベー
    タポリペプチド。
  17. 【請求項17】 請求項13記載のIL−1raベータポリペプチドに免疫
    特異的な抗体。
  18. 【請求項18】 IL−1raベータポリペプチド活性の増強を必要とする
    対象の治療方法であって、 (a)該対象に治療上有効量の該ポリペプチドに対するアゴニストを投与し;
    および/または (b)該対象に、L−1raベータポリヌクレオチドをインビボで該ポリペプ
    チド活性を生じさせるような形態で投与すること を特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 IL−1raベータポリペプチド活性の阻害を必要とする
    対象の治療方法であって、 (a)該対象に治療上有効量の該ポリペプチドに対するアンタゴニストを投与
    し;および/または (b)該対象に該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の発現を阻害す
    る核酸分子を投与し;および/または (c)該対象に、リガンド、基質または受容体について該ポリペプチドと競争
    する治療上有効量のポリペプチドを投与すること を特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 対象におけるIL−1raベータポリペプチドの発現また
    は活性に関連する対象における疾患または該疾患に対する感受性の診断方法であ
    って、 (a)該対象のゲノム中のIL−1raベータポリペプチドをコードするヌク
    レオチド配列中の変異の存在または不在を測定し;および/または (b)該対象由来の試料中のIL−1raベータポリペプチドの発現の存在ま
    たは量を分析すること を特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 IL−1raベータポリペプチドを阻害(拮抗)するかま
    たは作動させる化合物の同定方法であって、 (a)候補化合物を、IL−1raベータポリペプチドを発現する細胞(もし
    くはIL−1raベータポリペプチドを発現する細胞膜)またはIL−1raベ
    ータポリペプチドに応答する細胞と接触させ; (b)結合、または機能的応答の刺激もしくは阻害を観察するか;または、候
    補化合物と接触させた該細胞(または細胞膜)と、接触させなかった同じ細胞と
    をIL−1raベータポリペプチド活性に関する能力について比較すること を特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の方法により同定されるアゴニスト。
  23. 【請求項23】 請求項21記載の方法により同定されるアンタゴニスト。
  24. 【請求項24】 ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列
    番号1の配列またはそのフラグメントを有するプローブを用いてIL−1raベ
    ータ遺伝子を含む適当なライブラリーをスクリーニングし、単離することにより
    得られるDNA配列を含むポリヌクレオチド。
  25. 【請求項25】 配列番号1の配列を含むヌクレオチド配列を発現すること
    により得られるポリペプチド。
  26. 【請求項26】 アレルギー、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、また
    はアレルギー性炎症性疾患の治療方法であって、かかる治療を必要とする患者に
    IL−1RABに対するアンタゴニストを投与することを特徴とする方法。
JP2000540243A 1998-01-14 1999-01-14 インターロイキン−1受容体アンタゴニストベータ(IL−1RAβ) Withdrawn JP2002508964A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US746498A 1998-01-14 1998-01-14
US09/007,464 1998-01-14
US09/069,619 1998-04-29
US09/069,619 US6054559A (en) 1997-01-28 1998-04-29 Interleukin-1 receptor antagonist beta (IL-1raβ)
PCT/US1999/000847 WO1999036541A1 (en) 1998-01-14 1999-01-14 INTERLEUKIN-1 RECEPTOR ANTAGONIST BETA (IL-1RAβ)

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002508964A true JP2002508964A (ja) 2002-03-26

Family

ID=26677030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000540243A Withdrawn JP2002508964A (ja) 1998-01-14 1999-01-14 インターロイキン−1受容体アンタゴニストベータ(IL−1RAβ)

Country Status (4)

Country Link
US (2) US6054559A (ja)
EP (1) EP1047782A4 (ja)
JP (1) JP2002508964A (ja)
WO (1) WO1999036541A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140090757A (ko) * 2013-01-10 2014-07-18 (주) 수파드엘릭사 염증 또는 알러지의 예방 또는 치료용 약학 조성물 및 염증 또는 알러지 개선용 화장료 조성물

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20050147609A1 (en) * 1998-05-15 2005-07-07 Genentech, Inc. Use of anti-IL-17 antibody for the treatment of cartilage damaged by osteoarthritis
US6680380B1 (en) 1998-09-18 2004-01-20 Schering Corporation Nucleic acids encoding mammalian interleukin-1ζ, related reagents and methods
DE19948126A1 (de) * 1999-10-06 2001-04-12 Max Delbrueck Centrum Pharmazeutisches Mittel zur Behandlung von Kachexie und/oder kardiogenem Schock
CA2393532A1 (en) * 1999-12-10 2001-06-14 Frank J. Calzone Interleukin-1 receptor antagonist-like molecules and uses thereof
WO2001057219A2 (en) * 2000-02-02 2001-08-09 Schering Corporation Mammalian interleukin-1-delta and -epsilon. their use in therapeutic and diagnostic methods
US20010053764A1 (en) * 2000-05-12 2001-12-20 Sims John E. Interleukin-1 inhibitors in the treatment of diseases
TR201809008T4 (tr) 2001-06-26 2018-07-23 Amgen Fremont Inc Opgl ye karşi antikorlar.
DK1572946T3 (da) 2002-09-06 2012-07-02 Amgen Inc Terapeutisk humant monoklonalt anti-IL-1R1-antistof
CA2557910C (en) 2004-04-02 2012-05-29 Amgen Inc. Methods of reducing aggregation of il-1ra
US20090191217A1 (en) * 2004-12-02 2009-07-30 De Wildt Ruud M Anti-IL-1R1 Single Domain Antibodies And Therapeutic Uses
TW200736277A (en) 2005-11-14 2007-10-01 Amgen Inc RANKL antibody-PTH/PTHrP chimeric molecules
TW200736276A (en) * 2005-12-01 2007-10-01 Domantis Ltd Competitive domain antibody formats that bind interleukin 1 receptor type 1
EP2217258B1 (en) 2007-11-14 2014-03-26 General Regeneratives Limited Use of interleukin-1 receptor antagonist as a myeloprotective agent
CN104628855A (zh) * 2008-05-05 2015-05-20 诺维莫尼公司 抗il-17a/il-17f交叉反应性抗体及其使用方法
RU2605318C2 (ru) * 2009-05-05 2016-12-20 Новиммун С.А. Анти-il-17f антитела и способы их применения
CN101690801B (zh) 2009-10-26 2012-08-01 上海交通大学 白细胞介素-1受体拮抗剂的用途及其药物组合物
RU2457789C2 (ru) * 2010-06-30 2012-08-10 Федеральное государственное учреждение "Санкт-Петербургский научно-исследовательский институт уха, горла, носа и речи Федерального агентства по высокотехнологичной медицинской помощи" (СПб НИИ ЛОР Росмедтехнологий) Способ иммунотерапии гнойного риносинусита
EP2851429B1 (en) 2012-05-18 2019-07-24 Adda Biotech Inc. Protein and protein conjugate for diabetes treatment, and applications thereof
WO2015191783A2 (en) 2014-06-10 2015-12-17 Abbvie Inc. Biomarkers for inflammatory disease and methods of using same
EP3836954A1 (en) 2018-08-13 2021-06-23 Iltoo Pharma Combination of interleukin-2 with an interleukin 1 inhibitor, conjugates and therapeutic uses thereof
AR123405A1 (es) 2018-12-21 2022-11-30 23Andme Inc Anticuerpos anti-il-36 y métodos de uso de estos
WO2023222565A1 (en) 2022-05-16 2023-11-23 Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale Methods for assessing the exhaustion of hematopoietic stems cells induced by chronic inflammation

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5075222A (en) * 1988-05-27 1991-12-24 Synergen, Inc. Interleukin-1 inhibitors
JPH05506986A (ja) * 1990-05-01 1993-10-14 カイロン コーポレイション インターロイキン―1拮抗物質及びその利用
IT1269989B (it) * 1994-09-21 1997-04-16 Dompe Spa Antagonisti recettoriali di il-1 ad aumentata attivita' inibitoria
US5863769A (en) * 1997-01-28 1999-01-26 Smithkline Beecham Corporation DNA encoding interleukin-1 receptor antagonist (IL-1raβ)
US6197551B1 (en) * 1998-01-27 2001-03-06 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Spoil-1 protein and nucleic acid molecules and uses therefor

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140090757A (ko) * 2013-01-10 2014-07-18 (주) 수파드엘릭사 염증 또는 알러지의 예방 또는 치료용 약학 조성물 및 염증 또는 알러지 개선용 화장료 조성물
KR102017026B1 (ko) 2013-01-10 2019-09-02 (주) 수파드엘릭사 염증 또는 알러지의 예방 또는 치료용 약학 조성물 및 염증 또는 알러지 개선용 화장료 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
EP1047782A1 (en) 2000-11-02
US6054559A (en) 2000-04-25
EP1047782A4 (en) 2004-12-29
WO1999036541A1 (en) 1999-07-22
US6399573B1 (en) 2002-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0855404B1 (en) Interleukin-1 receptor antagonist beta (il-1rabeta)
JP2002508964A (ja) インターロイキン−1受容体アンタゴニストベータ(IL−1RAβ)
US20010047090A1 (en) VANILREP1 polynucleotides and VANILREP1 polypeptides
EP0869180A1 (en) A TNF homologue, TL5
US7049422B2 (en) Tumor necrosis related receptor, TR7
US5945310A (en) DNA encoding members of the IL-1 family, IL-1 delta
EP0859054B1 (en) Drug binding protein
EP0914433A2 (en) Kv potassium channel polypeptides and polynucleotides
EP0889127A1 (en) Serine/threonine protein kinase (H-SGK2)
EP0908515A2 (en) Pancreatic polypeptide
JP2002233387A (ja) 慢性腎不全の標的およびマーカーであるCRFG−1a
EP0905238A2 (en) Pigrl-1, a member of immunoglobin gene superfamily
US6342371B1 (en) Interleukin-1 homologue, IL-1H4
JPH111500A (ja) 新規化合物
JP2004000193A (ja) 免疫グロブリン遺伝子スーパーファミリーのメンバー、pigr−2
EP0879886A2 (en) Signal transduction protein HLDAT86, the human Wnt-4 homolog
WO1999022006A1 (en) CBLAFC02: A SUBUNIT OF VACUOLAR H(+)-ATPase
US20020019520A1 (en) CBFBGA09: a human SL15 homolog
EP0892050A2 (en) Human HFIZG53
WO1998042833A2 (en) Kv potassium channel polypeptides and polynucleotides
US20020052473A1 (en) Interleukin-1 homologue, mat IL-1H4
US20010016339A1 (en) Novel compound
WO1999046291A1 (en) A human glia maturation factor (gmf) beta homolog gene (cbfboe11)
JP2002223777A (ja) 慢性腎不全の標的およびマーカーであるCRFG−1b
WO1999018990A1 (en) The il-1 receptor related protein 3 (il-1rrp3)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060404