JP2002508194A - アグーチ関連転写産物(art)タンパク質のc末端領域 - Google Patents

アグーチ関連転写産物(art)タンパク質のc末端領域

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JP2002508194A JP2000539354A JP2000539354A JP2002508194A JP 2002508194 A JP2002508194 A JP 2002508194A JP 2000539354 A JP2000539354 A JP 2000539354A JP 2000539354 A JP2000539354 A JP 2000539354A JP 2002508194 A JP2002508194 A JP 2002508194A
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Abstract

(57)【要約】 ヒトおよびマウスアグーチ関連転写産物(ART)タンパク質のC末端領域に由来する新規ポリペプチドを提供する。該新規C末端ポリペプチドをコードするDNA配列も提供する。該新規C末端ポリペプチドは、メラノコルチン受容体に対するメラニン細胞刺激ホルモンの結合を阻害するために使用することができる。メラノコルチン受容体に対するARTタンパク質の結合の阻害剤の同定方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、アグーチ関連転写産物(ART)タンパク質のC末端領域に由来するポ
リペプチド、およびそのようなポリペプチドの使用(メラノコルチン受容体に対
するメラニン細胞刺激ホルモンの結合の阻害剤としての使用、およびメラノコル
チン受容体に対するARTタンパク質の結合の阻害剤を同定するための使用を含む )に関する。
【0002】 (発明の背景) ART(agouti related transcript; アグーチ関連転写産物)は最初は、ob/ob およびdb/dbマウスの視床下部内でアップレギュレーションされるmRNAとして見 出された。ART遺伝子は、マウスおよびヒトの両方からクローニングされており 、マウスにおいては131アミノ酸の、ヒトにおいては132アミノ酸のタンパク質を
コードしている(Shutterら, 1997, Genes and Development 11:593-602)。組 換え的に産生されたARTタンパク質はメラノコルチン-3受容体(MC3R)およびメ ラノコルチン-4受容体(MC4R)の機能的アンタゴニストであることが示されてい
る(Fongら, 1997, Biochem. Biophys. Res. Comm. 237:629-631; Ollmanら, 19
97, Science 278:135-138)。
【0003】 MC3RおよびMC4Rは、メラノコルチン受容体として公知のGタンパク質共役受容 体のクラスに属する。なぜなら、これらの受容体は、メラノコルチンとして公知
のリガンド(例えば、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)ならびにα-、β-およびγ
-メラニン細胞刺激ホルモン)に応答してアデニリルシクラーゼを活性化するか らである。MC3RおよびMC4Rは神経メラノコルチン受容体であり、MC3Rは視床下部
および大脳辺縁系で発現され、MC4Rは脳内で広範に発現される。特に、MC4Rの発
現は、多数の視床下部部位、例えば腹内側核、外側核、背内側核および前室傍核
(Mountjoyら, 1994, Mol. Endocrinol. 8:1298-1308)など、摂食行動において
何らかの役割を果たしていることが示されている領域(Bray, 1987, Nutr. Rev.
45:33-43)で見出されている。遺伝子ターゲッティング実験は、MC4Rが摂食行 動および肥満の制御における重要な役割を有することを示している。MC4Rを欠く
ノックアウトマウスは、過食症、高インスリン血症および高グリシン血症により
特徴づけられる肥満症候群を発生する(Huszarら, 1997, Cell 88:131-141)。
【0004】 このことから、ヒトにおけるMC3RおよびMC4Rの天然調節体であると考えられる
ARTタンパク質に多大な関心が寄せられている。ARTタンパク質は、MC3RまたはMC
4Rに拮抗することにより機能するヒトにおける肥満の天然調節体であるらしいと
考えられる。したがって、MC3RまたはMC4Rに対するARTタンパク質の結合を阻害 する物質の同定が望まれている。なぜなら、そのような阻害剤は肥満の制御にお
いて重要だと考えられるからである。また、MC3RまたはMC4Rに対するARTタンパ ク質の作用を増強する物質は体重の制御において重要だと考えられる。
【0005】 (発明の概要) 本発明は、ヒトおよびマウスARTタンパク質のC末端領域に由来する新規ポリペ
プチドを提供する。また、該新規C末端ポリペプチドをコードするDNA配列も提供
する。該新規C末端ポリペプチドは、メラノコルチン受容体に対するメラニン細 胞刺激ホルモンの結合を阻害するために使用することができる。メラノコルチン
受容体へのメラニン細胞刺激ホルモンの結合に対するARTタンパク質の作用の阻 害剤を同定する方法も提供する。
【0006】 (発明の詳細な記載) 本発明は、アグーチ関連転写産物(ART)タンパク質に由来するC末端ポリペプ
チド、およびそれらのペプチドをコードするDNA配列を提供する。ARTタンパク質
由来のC末端ポリペプチドを、本発明では、「ARTポリペプチド」と称することに
する。ある実施形態においては、ARTポリペプチドは、連続的なポリペプチド配 列(すなわち、融合タンパク質であって、一般には該融合タンパク質のC末端に 、ARTタンパク質に由来しない1以上のアミノ酸配列を含むもの)として与えられ
る。そのような非ARTタンパク質配列は、例えば、プロテインキナーゼA部位(放
射性同位体標識を容易にするためのもの)またはELISA定量のための抗原配列( 例えば、mycエピトープ)などの「タグ」であってもよい。他のタグは当技術分 野で公知であり、そのような他のタグを含むARTポリペプチドは本発明に含まれ る。他の実施形態においては、ARTポリペプチドは、容易に検出されうるシグナ ルを生成する別のタンパク質、例えば、アルカリホスファターゼまたはルシフェ
ラーゼとの融合タンパク質(それぞれ、ART-APまたはART-luc)内に存在する。A
RT-AP、ART-lucなどの融合タンパク質は、放射能を使用しなくてもそれらの存在
および/または濃度が検出されうるため、結合アッセイにおいて有用である。
【0007】 特に、本発明は、以下のARTポリペプチドを含む。
【0008】 c-ART-a:このポリペプチドは、N末端からC末端の方向に、(1)酵母シグナル
配列ペプチド、(2)ヒトARTタンパク質のアミノ酸76-132、(3)トロンビン部 位、(4)mycエピトープ、(5)プロテインキナーゼA(PKA)部位、および(6)
ヘキサヒスチジンタグを含有する。c-ART-aのアミノ酸配列は以下のとおりであ る。
【0009】
【化1】
【0010】 c-ART-b:このポリペプチドは、N末端からC末端の方向に、(1)ヒトARTタン パク質のアミノ酸1-26、(2)ヒトARTタンパク質のアミノ酸76-132、(3)トロ ンビン部位、(4)mycエピトープ、および(5)ヘキサヒスチジンタグを含有す る。c-ART-bのアミノ酸配列は以下のとおりである。
【0011】
【化2】
【0012】 c-ART-c:このポリペプチドは、N末端からC末端の方向に、(1)ヒトARTタン パク質のアミノ酸1-26、(2)ヒトARTタンパク質のアミノ酸76-132、(3)トロ ンビン部位、(4)PKA部位、(5)mycエピトープ、および(6)ヘキサヒスチジ ンタグを含有する。c-ART-cのアミノ酸配列は以下のとおりである。
【0013】
【化3】
【0014】 ART-AP:このポリペプチドは、N末端からC末端の方向に、(1)ヒトARTタンパ
ク質のアミノ酸1-132、(2)トロンビン部位、(3)アルカリホスファターゼタ ンパク質、(4)mycエピトープ、および(5)ヘキサヒスチジンタグを含有する 。ART-APのアミノ酸配列は以下のとおりである。
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】 ART-luc:このポリペプチドは、N末端からC末端の方向に、(1)ヒトARTタン パク質のアミノ酸1-132、(2)トロンビン部位、(3)ルシフェラーゼタンパク 質、(4)mycエピトープ、および(5)ヘキサヒスチジンタグを含有する。ART-l
ucのアミノ酸配列は以下のとおりである。
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】 本発明はまた、以下のポリペプチド配列を有する、ヒトARTタンパク質のアミ ノ酸1-26および76-132を含有するARTポリペプチドを含む。
【0021】
【化8】
【0022】 本発明はまた、以下のポリペプチド配列を有する、ヒトARTタンパク質のアミ ノ酸76-132を含有するARTポリペプチドを含む。
【0023】
【化9】
【0024】 本発明はまた、以下のポリペプチド配列を有する、マウスARTタンパク質のア ミノ酸1-26および75-131を含有するARTポリペプチドを含む。
【0025】
【化10】
【0026】 本発明はまた、以下のポリペプチド配列を有する、マウスARTタンパク質のア ミノ酸75-131を含有するARTポリペプチドを含む。
【0027】
【化11】
【0028】 本発明はまた、N末端からC末端の方向に以下の配列を有するARTポリペプチド を含む:(1)酵母シグナル配列ペプチド、(2)マウスARTタンパク質のアミノ 酸75-131、(3)トロンビン部位、(4)mycエピトープ、(5)PKA部位、および (6)ヘキサヒスチジンタグ。このARTポリペプチドのアミノ酸配列は以下のとお
りである。
【0029】
【化12】
【0030】 本発明はまた、N末端からC末端の方向に以下の配列を有するARTポリペプチド を含む:(1)マウスARTタンパク質のアミノ酸1-26、(2)マウスARTタンパク質
のアミノ酸75-131、(3)トロンビン部位、(4)mycエピトープ、および(5)ヘ
キサヒスチジンタグ。このARTポリペプチドのアミノ酸配列は以下のとおりであ る。
【0031】
【化13】
【0032】 本発明はまた、N末端からC末端の方向に以下の配列を有するARTポリペプチド を含む:(1)マウスARTタンパク質のアミノ酸1-26、(2)マウスARTタンパク質
のアミノ酸75-131、(3)トロンビン部位、(4)PKA部位、(5)mycエピトープ 、および(6)ヘキサヒスチジンタグ。このARTポリペプチドのアミノ酸配列は以
下のとおりである。
【0033】
【化14】
【0034】 本発明はまた、N末端からC末端の方向に以下の配列を有するARTポリペプチド を含む:(1)マウスARTタンパク質のアミノ酸1-131、および(2)アルカリホス
ファターゼタンパク質。このポリペプチドのアミノ酸配列は以下のとおりである
【0035】
【化15】
【0036】
【化16】
【0037】 本発明はまた、N末端からC末端の方向に以下の配列を有するARTポリペプチド を含む:(1)マウスARTタンパク質のアミノ酸1-131、および(2)ルシフェラー
ゼタンパク質。このポリペプチドのアミノ酸配列は以下のとおりである。
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】 本発明はまた、N末端からC末端の方向に以下の配列を有するARTポリペプチド を含む:(1)ヒトARTタンパク質のアミノ酸1-26、(2)ヒトARTタンパク質のア
ミノ酸76-132、(3)トロンビン部位、(4)アルカリホスファターゼタンパク質
、(5)mycエピトープ、および(6)ヘキサヒスチジンタグ。このポリペプチド のアミノ酸配列は以下のとおりである。
【0041】
【化19】
【0042】
【化20】
【0043】 本発明はまた、N末端からC末端の方向に以下の配列を有するARTポリペプチド を含む:(1)ヒトARTタンパク質のアミノ酸1-26、(2)ヒトARTタンパク質のア
ミノ酸76-132、(3)トロンビン部位、(4)ルシフェラーゼタンパク質、(5)m
ycエピトープ、および(6)ヘキサヒスチジンタグ。このポリペプチドのアミノ 酸配列は以下のとおりである。
【0044】
【化21】
【0045】
【化22】
【0046】 本発明はまた、N末端からC末端の方向に以下の配列を有するARTポリペプチド を含む:(1)ヒトARTタンパク質のアミノ酸1-132、および(2)アルカリホスフ
ァターゼタンパク質。このポリペプチドのアミノ酸配列は以下のとおりである。
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】 本発明はまた、N末端からC末端の方向に以下の配列を有するARTポリペプチド を含む:(1)ヒトARTタンパク質のアミノ酸1-132、および(2)ルシフェラーゼ
タンパク質。このポリペプチドのアミノ酸配列は以下のとおりである。
【0050】
【化25】
【0051】 本発明はまた、N末端からC末端の方向に以下の配列を有するARTポリペプチド を含む:(1)ヒトARTタンパク質のアミノ酸1-26、(2)アルカリホスファター ゼタンパク質、および(3)ヒトARTタンパク質のアミノ酸27-132。該アミノ酸配
列は以下のとおりである。
【0052】
【化26】
【0053】 本発明はまた、N末端からC末端の方向に以下の配列を有するARTポリペプチド を含む:(1)ヒトARTタンパク質のアミノ酸1-26、(2)ルシフェラーゼタンパ ク質、(3)ヒトARTタンパク質のアミノ酸27-132。該アミノ酸配列は以下のとお
りである。
【0054】
【化27】
【0055】
【化28】
【0056】 本発明のARTポリペプチドは、他のポリペプチドを実質的に含有しない形態で あってもよい。「他のポリペプチドを実質的に含有しない」は、少なくとも90%
、好ましくは95%、より好ましくは99%、より一層好ましくは99.9%の他のタン
パク質を含有しないことを意味する。したがって、他のポリペプチドを実質的に
含有しないARTポリペプチド調製物は、その全ポリペプチドに対する割合として 、10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下、より一層好ましくは
0.1%以下の非ARTポリペプチドを含有するであろう。ある与えられたARTポリペ プチド調製物が他のポリペプチドを実質的に含有するか否かは、適当な染色方法
(例えば、銀染色)と組合せたドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS-PAGE)などの通常の技術により判定することができる。
【0057】 本発明のARTポリペプチドのアミノ酸の多数を修飾し、それでもなお、未修飾A
RTポリペプチドが有するのと同じ生物活性を保有させることが可能である。修飾
ARTポリペプチドが未修飾ARTポリペプチドと「実質的に同じ生物活性」を有する
のは、MC3RまたはMC4Rに対する125I標識NDP-α-MSHの結合の阻害に関する該修飾
ポリペプチドのIC50値が、MC3RまたはMC4Rに対する125I標識NDP-α-MSHの結合の
阻害に関する該未修飾ARTポリペプチドのIC50値の5倍以下となる場合である。
【0058】 したがって、本発明は、アミノ酸の欠失、付加または置換を有する修飾ARTポ リペプチドであって、それが由来する未修飾ARTポリペプチドと実質的に同じ生 物活性を依然として保有する修飾ARTポリペプチドを含む。非臨界的な位置での 単一のアミノ酸の置換は通常はタンパク質またはポリペプチドの生物活性を改変
しないことが、一般に認められている(例えば、Molecular Biology of the Gen e , Watsonら, 1987, 第4版, The Benjamin/Cummings Publishing Co., Inc., p.
226; およびCunningham & Wells, 1989, Science 244:1081-1085を参照されたい
)。したがって、本発明は、配列番号1〜20において1つのアミノ酸置換が施され
ており未修飾ARTポリペプチドと実質的に同じ生物活性を依然として保有する修 飾ポリペプチドを含む。本発明はまた、配列番号1〜20において2つのアミノ酸置
換が施されており未修飾ARTポリペプチドと実質的に同じ生物活性を依然として 保有する修飾ポリペプチドを含む。より一般には、本発明は、臨界的でないポリ
ペプチド領域(すなわち、修飾が、未修飾ポリペプチドと実質的に同じ生物活性
を有するポリペプチドを与える領域)においてアミノ酸置換が施されている修飾
ポリペプチドを含む。
【0059】 特に、本発明は、前記の置換が同類置換である実施形態を含む。「同類アミノ
酸置換」は、あるアミノ酸残基が、化学的に類似した別のアミノ酸残基により置
換されることを意味する。そのような同類置換としては、例えば、疎水性残基(
イソロイシン、ロイシン、バリンまたはメチオニン)間での置換、極性残基を同
じ電荷の別の極性残基で置換すること(例えば、リシンからアルギニンへの、ア
スパラギン酸からグルタミン酸への置換)が挙げられる。
【0060】 本発明はまた、配列番号1〜20のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコード するDNA配列を含む(ただし、配列番号6〜9をコードするDNA配列の場合、該DNA 配列は、配列番号6〜9以外のARTタンパク質由来のアミノ酸のいずれの連続的伸 長をもコードしない)。
【0061】 本発明のDNA配列は、他の核酸を実質的に含有しない形態であってもよい。「 他の核酸を実質的に含有しない」は、少なくとも90%、好ましくは95%、より好
ましくは99%、より一層好ましくは99.9%の他の核酸を含有しないことを意味す
る。したがって、他の核酸を実質的に含有しない、ARTポリペプチドをコードす るDNA配列の調製物は、その全核酸に対する割合として、10%以下、好ましくは5
%以下、より好ましくは1%以下、より一層好ましくは0.1%以下の、ARTポリペ プチドをコードするDNA配列以外の核酸を含有するであろう。ARTポリペプチドを
コードするDNA配列の或る与えられた調製物が他の核酸を実質的に含有するか否 かは、適当な染色方法(例えば、臭化エチジウム染色)と組合せた例えばアガロ
ースゲル電気泳動などの通常の技術により判定することができる。
【0062】 ARTポリペプチドをコードする本発明のDNA配列は、他のDNA配列(例えば、ART
タンパク質をコードするDNA配列が天然には結合していないDNA配列)と結合して
、ARTポリペプチドをコードする「組換えDNA分子」を形成していてもよい。その
ような他の配列には、転写または翻訳を制御するDNA配列、例えば、翻訳開始配 列、RNAポリメラーゼIIのプロモーター、転写または翻訳終結配列、エンハンサ ー配列、微生物内での複製を制御する又は抗生物質耐性を付与する配列が含まれ
うる。本発明のDNA配列は、プラスミド、コスミド、ウイルスベクター、酵母人 工染色体などのベクター内に挿入することができる。
【0063】 本発明には、ARTポリペプチドをコードするDNA配列にストリンジェントな条件
下でハイブリダイズするDNA配列が含まれる。非限定的な具体例として挙げられ る、高ストリンジェンシーの条件を用いる方法は、以下のとおりである:DNAを 含有するフィルターのプレハイブリダイゼーションを、6X SSC、5Xデンハルト液
および100μg/ml変性サケ精子DNAよりなるバッファー中、65℃で2時間〜一晩行 なう。100μg/ml変性サケ精子DNAおよび5〜20 X 106cpmの32P標識プローブを含 有するプレハイブリダイゼーション混合物中、フィルターを65℃で12〜48時間ハ
イブリダイズさせる。2X SSC、0.1% SDSを含有する溶液中、37℃で1時間、フィ ルターの洗浄を行なう。この後、0.1X SSC、0.1% SDS中、50℃で45分間の洗浄を
行ない、ついでオートラジオグラフィーに付す。高いストリンジェンシーの条件
を使用する他の方法は、5XSSC、5Xデンハルト液、50%ホルムアミド中、42℃で1
2〜48時間行なうハイブリダイゼーション、または0.2X SSPE、0.2% SDS中、65℃
で30〜60分間行なう洗浄工程を含むであろう。
【0064】 高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーションを行なうための前記方法で挙
げた試薬は当技術分野でよく知られている。これらの試薬の組成の詳細は、Samb
rook, FritschおよびManiatis, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manua l , 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Pressに記載されている。前記のも の以外の使用しうる他の高ストリンジェンシー条件は当技術分野でよく知られて
いる。
【0065】 本発明のもう1つの態様は、ARTポリペプチドをコードするDNA配列を含有およ び/または発現するように操作された宿主細胞を含む。ARTポリペプチドを産生 させるために、そのような組換え宿主細胞を適当な条件下で培養することができ
る。組換え宿主細胞内でARTポリペプチドを発現させるために、ARTポリペプチド
をコードするDNAを含有する発現ベクターを使用することができる。組換え宿主 細胞は、原核性または真核性であることが可能であり、それらには、大腸菌(E.
coli)などの細菌、酵母などの真菌細胞、ヒト、ウシ、ブタ、サルおよびげっ 歯類由来の細胞系を含む(これらに限定されるものではない)哺乳類細胞、およ
びショウジョウバエ(Drosophila)およびカイコに由来する細胞系を含む(これ
らに限定されるものではない)昆虫細胞が含まれる。ARTポリペプチドの組換え 発現に適した、哺乳類種に由来する商業的に入手可能な細胞系には、L細胞L-M(T
K-)(ATCC CCL 1.3)、L細胞L-M(ATCC CCL 1.2)、293(ATCC CRL 1573)、Raj
i(ATCC CCL 86)、CV-1(ATCC CCL 70)、COS-1(ATCC CRL 1650)、COS-7(AT
CC CRL 1651)、CHO-K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC
CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS-C-1(ATCC CCL
26)およびMRC-5(ATCC CCL 171)が含まれるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0066】 哺乳類細胞内でARTポリペプチドを発現させるためには、種々の哺乳類発現ベ クターを使用することができる。商業的に入手可能な適当な哺乳類発現ベクター
には、pMC1neo(Stratagene)、pSG5(Stratagene)、pcDNAIおよびpcDNAIamp(
Invitrogen)、pcDNA3、pcDNA3.1、pCR3.1(Invitrogen)、EBO-pSV2-neo(ATCC
37593)、pBPV-1(8-2)(ATCC37110)、pdBPV-MMTneo(342-12)(ATCC37224)、p
RSVgpt(ATCC37199)、pRSVneo(ATCC37198)およびpSV2-dhfr(ATCC37146)が 含まれるが、これらに限定されるものではない。組換え細胞内での発現の後、通
常の技術により、他のタンパク質を実質的に含有しないレベルにまでARTポリペ プチドを精製することができる。
【0067】 本発明は、ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチドの結合 の阻害剤であるか否かを判定する方法を含む。そのような物質は、体重の制御に
有用と考えられる。該方法は、ARTポリペプチドが、メラノコルチン受容体に対 するメラニン細胞刺激ホルモンの結合を、ARTポリペプチド自体が該受容体に結 合することにより阻害するという事実を利用する。したがって、メラノコルチン
受容体へのメラニン細胞刺激ホルモンの結合に対するARTポリペプチドの阻害作 用に拮抗する物質は、メラノコルチン受容体に対するARTポリペプチド自体の結 合を阻害することにより作用すると考えられる。該方法は、 (a)該メラノコルチン受容体を発現する細胞を準備し、 (b)該ARTポリペプチドおよび該物質の不存在下、選択された濃度のメラニ
ン細胞刺激ホルモンに該細胞をさらし、該細胞に対するメラニン細胞刺激ホルモ
ンの結合の量を測定して、メラニン細胞刺激ホルモンの結合に関する第1数値を 得、 (c)選択された濃度の該ARTポリペプチドの存在下で該物質の不存在下、選
択された濃度のメラニン細胞刺激ホルモンに該細胞をさらし、メラニン細胞刺激
ホルモンの結合の量を測定して、メラニン細胞刺激ホルモンの結合に関する第2 数値を得(メラニン細胞刺激ホルモンの結合に関する該第2数値は、メラニン細 胞刺激ホルモンの結合に関する第1数値の場合より少ないメラニン細胞刺激ホル モンの結合が生じたことを示す)、 (d)選択された濃度のARTポリペプチドの存在下で該物質の存在下、選択さ
れた濃度のメラニン細胞刺激ホルモンに該細胞をさらし、メラニン細胞刺激ホル
モンの結合の量を測定して、メラニン細胞刺激ホルモンの結合に関する第3数値 を得ることを含んでなり、 メラニン細胞刺激ホルモンの結合に関する該第3数値が該第2数値より大きい
場合、該物質が該メラノコルチン受容体に対する該ARTポリペプチドの結合の阻 害剤であることを特徴とする。
【0068】 特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体を発現する細胞は、メラノ
コルチン受容体を天然で発現する細胞である。もう1つの実施形態においては、 メラノコルチン受容体を発現する細胞は、メラノコルチン受容体を天然では発現
しないが、メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェ
クトされている。トランスフェクションは、メラノコルチン受容体の発現を指令
する発現ベクターを細胞内に導入するための当技術分野で公知の任意の方法を包
含する意である。例えば、トランスフェクションには、リン酸カルシウムまたは
塩化カルシウムに媒介されるトランスフェクション、リポフェクション、メラノ
コルチン受容体を含有するレトロウイルス構築物の感染、およびエレクトロポレ
ーションが含まれる。
【0069】 特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体は、メラノコルチン-3受容
体(MC3R)およびメラノコルチン-4受容体(MC4R)よりなる群から選ばれる。前
記方法の特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体はアフリカツメガエ
ル(Xenopus)メラノコルチン受容体ではない。
【0070】 メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェクトされ
た細胞は原核細胞または真核細胞であることが可能である。特定の実施形態にお
いては、メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェク
トされた細胞は、酵母細胞、哺乳類細胞、細菌細胞および昆虫細胞よりなる群か
ら選ばれる。特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体の発現を指令す
る発現ベクターでトランスフェクトされた細胞は、ヒト細胞、マウス細胞、ラッ
ト細胞、ウシ細胞、ブタ細胞、ハムスター細胞およびサル細胞よりなる群から選
ばれる。特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体の発現を指令する発
現ベクターでトランスフェクトされた細胞は、L細胞L-M(TK-)(ATCC CCL 1.3) 、L細胞L-M(ATCC CCL 1.2)、293細胞(ATCC CRL 1573)、Raji細胞(ATCC CCL
86)、CV-1(ATCC CCL 70)、COS-1(ATCC CRL 1650)、COS-7(ATCC CRL 1651
)、CHO-K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658) 、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS-C-1(ATCC CCL 26)およ びMRC-5(ATCC CCL 171)よりなる群から選ばれる。特定の実施形態においては 、該細胞はアフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞ではない。
【0071】 特定の実施形態においては、メラニン細胞刺激ホルモンは、α-メラニン細胞 刺激ホルモン、β-メラニン細胞刺激ホルモンおよびγ-メラニン細胞刺激ホルモ
ンよりなる群から選ばれる。
【0072】 特定の実施形態においては、ARTポリペプチドは、配列番号1〜19および20より
なる群から選ばれるアミノ酸配列を有する。
【0073】 前記方法の特定の実施形態においては、該方法はインビトロで実施し、該方法
を実施する条件は、タンパク質-タンパク質相互作用の研究のために当技術分野 で典型的に用いられる条件(例えば、生理的pH;例えば、PBSなどの一般に使用 されるバッファーに典型的な又は組織培養培地における塩条件;約4℃〜約55℃ の温度)である。
【0074】 前記方法の特定の実施形態においては、メラニン細胞刺激ホルモンの選択され
る濃度は、0.05nM〜2.0nM、好ましくは0.1nM〜1.0nM、より好ましくは0.2nM〜0.
5nMである。
【0075】 前記方法の特定の実施形態においては、ARTポリペプチドの選択される濃度は1
0-12M〜10-7Mである。
【0076】 前記方法の特定の実施形態においては、該方法をインビトロで実施し、メラニ
ン細胞刺激ホルモンを、例えば、酵素、放射能などにより標識し、メラノコルチ
ン受容体を含有する細胞に結合した標識の量を測定することによりメラノコルチ
ン受容体に対するメラニン細胞刺激ホルモンの結合の量を測定する。
【0077】 前記方法の工程(b)、(c)および(d)を修飾することが可能であり、この 場合、無傷細胞をメラニン細胞刺激ホルモン、ARTポリペプチドまたは該物質に さらす代わりに、該細胞から膜を調製し、該膜をメラニン細胞刺激ホルモン、AR
Tポリペプチドまたは該物質にさらすことができる。前記方法と同様の方法にお いて無傷細胞の代わりに膜を使用するそのような修飾は、他のリガンドと受容体
との結合相互作用に関するものではあるが、当技術分野でよく知られており、例
えば、Hessら, 1992, Biochem. Biophys. Res. Comm. 184:260-268に記載されて
いる。
【0078】 前記方法のもう1つの修飾として、メラノコルチン受容体をコードするRNAを、
例えば、バクテリオファージT7プロモーターの制御下でメラノコルチン受容体を
コードするヌクレオチド配列を含有するプラスミドを使用するインビトロ転写に
より調製することが可能であり、メラノコルチン受容体を卵母細胞内で発現させ
るために、該RNAをアフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞内にマイクロインジ
ェクションすることができる。ついで、前記方法における細胞の代わりに、これ
らの卵母細胞を使用する。
【0079】 ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチドの結合の阻害剤で あると同定されたら、それがメラノコルチン受容体のアゴニストでもあるか否か
を判定するためにその物質を試験することができる。そのような試験は、メラニ
ン細胞刺激ホルモンおよびARTタンパク質またはARTポリペプチドの不存在下、メ
ラノコルチン受容体を発現する細胞を該物質にさらし、それにより該メラノコル
チン受容体が該物質により活性化されるか否かを判定することを含むであろう。
このようにして、MC3RまたはMC4Rアゴニスト活性をほとんど又は全く有さないが
ARTタンパク質が引き起こすMC3RまたはMC4R受容体活性の阻害を軽減する、MC3R またはMC4Rに対するARTタンパク質の作用の阻害剤を同定することができる。同 様にして、該物質がメラノコルチン受容体のアンタゴニストであるか否かを判定
することができる。
【0080】 本発明はまた、ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチドの 結合の阻害剤であるか否かを判定するための方法であって、 (a)メラノコルチン受容体を発現する細胞を準備し、 (b)該物質が存在しない場合にARTポリペプチドが該メラノコルチン受容体
に結合する条件下で該物質の存在下および不存在下、該細胞をARTポリペプチド にさらし、 (c)該物質の存在下および不存在下、該メラノコルチン受容体に対する該A
RTポリペプチドの結合の量を測定することを含んでなり、 該物質の不存在下と比べた場合の該物質の存在下における該メラノコルチン
受容体に対する該ARTポリペプチドの結合の量の減少が、該物質が該メラノコル チン受容体に対する該ARTポリペプチドの結合の阻害剤であることを示すことを 特徴とする方法を含む。
【0081】 特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体を発現する細胞は、メラノ
コルチン受容体を天然で発現する細胞である。もう1つの実施形態においては、 メラノコルチン受容体を発現する細胞は、メラノコルチン受容体を天然では発現
しないが、メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェ
クトされている。トランスフェクションは、メラノコルチン受容体の発現を指令
する発現ベクターを細胞内に導入するための当技術分野で公知の任意の方法を包
含する意である。例えば、トランスフェクションには、リン酸カルシウムまたは
塩化カルシウムに媒介されるトランスフェクション、リポフェクション、メラノ
コルチン受容体を含有するレトロウイルス構築物の感染、およびエレクトロポレ
ーションが含まれる。
【0082】 特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体は、メラノコルチン-3受容
体(MC3R)およびメラノコルチン-4受容体(MC4R)よりなる群から選ばれる。前
記方法の特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体はアフリカツメガエ
ル(Xenopus)メラノコルチン受容体ではない。
【0083】 メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェクトされ
た細胞は原核細胞または真核細胞であることが可能である。特定の実施形態にお
いては、メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェク
トされた細胞は、酵母細胞、哺乳類細胞、細菌細胞および昆虫細胞よりなる群か
ら選ばれる。特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体の発現を指令す
る発現ベクターでトランスフェクトされた細胞は、ヒト細胞、マウス細胞、ラッ
ト細胞、ウシ細胞、ブタ細胞、ハムスター細胞およびサル細胞よりなる群から選
ばれる。特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体の発現を指令する発
現ベクターでトランスフェクトされた細胞は、L細胞L-M(TK-)(ATCC CCL 1.3) 、L細胞L-M(ATCC CCL 1.2)、293(ATCC CRL 1573)、Raji(ATCC CCL 86)、C
V-1(ATCC CCL 70)、COS-1(ATCC CRL 1650)、COS-7(ATCC CRL 1651)、CHO-
K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(A
TCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS-C-1(ATCC CCL 26)およびMRC-5(A
TCC CCL 171)よりなる群から選ばれる。特定の実施形態においては、該細胞は アフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞ではない。
【0084】 特定の実施形態においては、ARTポリペプチドは、配列番号1〜19および20より
なる群から選ばれるアミノ酸配列を有する。前記方法の特定の実施形態において
は、ARTポリペプチドは10-12M〜10-7Mの濃度で使用する。
【0085】 前記方法の特定の実施形態においては、該方法はインビトロで実施し、該条件
は、タンパク質-タンパク質相互作用の研究のために当技術分野で典型的に用い られる条件(例えば、生理的pH;例えば、PBSなどの一般に使用されるバッファ ーに典型的な又は組織培養培地における塩条件;約4℃〜約55℃の温度)である 。
【0086】 前記方法の特定の実施形態においては、メラニン細胞刺激ホルモンの選択され
る濃度は、0.05nM〜2.0nM、好ましくは0.1nM〜1.0nM、より好ましくは0.2nM〜0.
5nMである。
【0087】 前記方法の特定の実施形態においては、該方法をインビトロで実施し、ARTポ リペプチドを、例えば、酵素、放射能などにより標識し、メラノコルチン受容体
に結合した標識の量を測定することによりメラノコルチン受容体に対するARTポ リペプチドの結合の量を測定する。ARTポリペプチドは、32P、33Pまたは125Iで 放射能標識されたり(例えば、c-ART-aまたはc-ART-cの場合)、あるいは非放射
能標識されるであろう(例えば、ART-AP、ART-luc、c-ART-APまたはc-ART-luc)
。これらの後者のARTポリペプチドの場合には、該ARTポリペプチドは、該ポリペ
プチドのアルカリホスファターゼまたはルシフェラーゼ部分の酵素活性を検出す
ることにより検出することができる。
【0088】 前記方法の工程(b)を修飾することが可能であり、この場合、該物質の存在 下および不存在下で該細胞をARTポリペプチドにさらす代わりに、該細胞から膜 を調製し、該物質の存在下および不存在下、該膜をARTポリペプチドにさらすこ とができる。前記方法と同様の方法において細胞の代わりに膜を使用するそのよ
うな修飾は、他のリガンドと受容体との結合相互作用に関するものではあるが、
当技術分野でよく知られており、例えば、Hessら, 1992, Biochem. Biophys. Re
s. Comm. 184:260-268に記載されている。
【0089】 前記方法のもう1つの修飾として、メラノコルチン受容体をコードするRNAを、
例えば、バクテリオファージT7プロモーターの制御下でメラノコルチン受容体を
コードするヌクレオチド配列を含有するプラスミドを使用するインビトロ転写に
より調製することが可能であり、メラノコルチン受容体を該卵母細胞内で発現さ
せるために該RNAをアフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞内にマイクロインジ
ェクションすることができる。ついで、前記方法における細胞の代わりに、これ
らの卵母細胞を使用する。
【0090】 ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTの結合の阻害剤であると同定さ れたら、それがメラノコルチン受容体のアゴニストでもあるか否かを判定するた
めにその物質を試験することができる。そのような試験は、ARTタンパク質また はARTポリペプチドの不存在下、メラノコルチン受容体を発現する細胞を該物質 にさらし、それにより該メラノコルチン受容体が該物質により活性化されるか否
かを判定することを含むであろう。このようにして、MC3RまたはMC4Rアゴニスト
活性をほとんど又は全く有さないがARTタンパク質が引き起こすMC3RまたはMC4R 受容体活性の阻害を軽減する、MC3RまたはMC4Rに対するARTタンパク質の結合の 阻害剤を同定することができる。
【0091】 本発明はまた、ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチドの 結合のアロステリック増強剤であるか否かを判定するための方法であって、 (a)メラノコルチン受容体を発現する細胞を準備し、 (b)該物質が存在しない場合にARTポリペプチドが該メラノコルチン受容体
に結合する条件下で該物質の存在下および不存在下、該細胞をARTポリペプチド にさらし、 (c)該物質の存在下および不存在下における該メラノコルチン受容体に対 する該ARTポリペプチドの結合の量を測定することを含んでなり、 該物質の不存在下と比べた場合の該物質の存在下における該メラノコルチン
受容体に対する該ARTポリペプチドの結合の量の増加が、該物質が該メラノコル チン受容体に対する該ARTポリペプチドの結合のアロステリック増強剤であるこ とを示すことを特徴とする方法を含む。
【0092】 特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体を発現する細胞は、メラノ
コルチン受容体を天然で発現する細胞である。もう1つの実施形態においては、 メラノコルチン受容体を発現する細胞は、メラノコルチン受容体を天然では発現
しないが、メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェ
クトされている。トランスフェクションは、メラノコルチン受容体の発現を指令
する発現ベクターを細胞内に導入するための当技術分野で公知の任意の方法を包
含する意である。例えば、トランスフェクションには、リン酸カルシウムまたは
塩化カルシウムに媒介されるトランスフェクション、リポフェクション、メラノ
コルチン受容体を含有するレトロウイルス構築物の感染、およびエレクトロポレ
ーションが含まれる。
【0093】 特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体は、メラノコルチン-3受容
体(MC3R)およびメラノコルチン-4受容体(MC4R)よりなる群から選ばれる。前
記方法の特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体はアフリカツメガエ
ル(Xenopus)メラノコルチン受容体ではない。
【0094】 メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェクトされ
た細胞は原核細胞または真核細胞であることが可能である。特定の実施形態にお
いては、メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェク
トされた細胞は、酵母細胞、哺乳類細胞、細菌細胞および昆虫細胞よりなる群か
ら選ばれる。特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体の発現を指令す
る発現ベクターでトランスフェクトされた細胞は、ヒト細胞、マウス細胞、ラッ
ト細胞、ウシ細胞、ブタ細胞、ハムスター細胞およびサル細胞よりなる群から選
ばれる。特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体の発現を指令する発
現ベクターでトランスフェクトされた細胞は、L細胞L-M(TK-)(ATCC CCL 1.3) 、L細胞L-M(ATCC CCL 1.2)、293(ATCC CRL 1573)、Raji(ATCC CCL 86)、C
V-1(ATCC CCL 70)、COS-1(ATCC CRL 1650)、COS-7(ATCC CRL 1651)、CHO-
K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(A
TCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS-C-1(ATCC CCL 26)およびMRC-5(A
TCC CCL 171)よりなる群から選ばれる。特定の実施形態においては、該細胞は アフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞ではない。
【0095】 特定の実施形態においては、ARTポリペプチドは、配列番号1〜19および20より
なる群から選ばれるアミノ酸配列を有する。前記方法の特定の実施形態において
は、ARTポリペプチドは10-12M〜10-7Mの濃度で使用する。
【0096】 前記方法の特定の実施形態においては、該方法はインビトロで実施し、該条件
は、タンパク質-タンパク質相互作用の研究のために当技術分野で典型的に用い られる条件(例えば、生理的pH;例えば、PBSなどの一般に使用されるバッファ ーに典型的な又は組織培養培地における塩条件;約4℃〜約55℃の温度)である 。
【0097】 前記方法の特定の実施形態においては、該方法をインビトロで実施し、ARTポ リペプチドを、例えば、酵素、放射能などにより標識し、メラノコルチン受容体
に結合した標識の量を測定することによりメラノコルチン受容体に対するARTポ リペプチドの結合の量を測定する。
【0098】 前記方法の工程(b)を修飾することが可能であり、この場合、該物質の存在 下および不存在下で該細胞をARTポリペプチドにさらす代わりに、該細胞から膜 を調製し、該物質の存在下および不存在下、該膜をARTポリペプチドにさらすこ とができる。前記方法と同様の方法において細胞の代わりに膜を使用するそのよ
うな修飾は、他のリガンドと受容体との結合相互作用に関するものではあるが、
当技術分野でよく知られており、例えば、Hessら, 1992, Biochem. Biophys. Re
s. Comm. 184:260-268に記載されている。
【0099】 前記方法のもう1つの修飾として、メラノコルチン受容体をコードするRNAを、
例えば、バクテリオファージT7プロモーターの制御下でメラノコルチン受容体を
コードするヌクレオチド配列を含有するプラスミドを使用するインビトロ転写に
より調製することが可能であり、メラノコルチン受容体を該卵母細胞内で発現さ
せるために該RNAをアフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞内にマイクロインジ
ェクションすることができる。ついで、前記方法における細胞の代わりに、これ
らの卵母細胞を使用する。
【0100】 メラノコルチン受容体は、Gsを刺激してcAMPの産生をもたらすGタンパク質共 役受容体である(Coneら, 1996, Recent Prog. Hormone Res. 51:287-318)。し
たがって、ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチドの拮抗( アンタゴニスト)作用の機能的阻害剤であるか否かを判定するための方法であっ
て、 (a)メラノコルチン受容体を発現する細胞を準備し、 (b)メラニン細胞刺激ホルモンに該細胞をさらして、該メラノコルチン受 容体を活性化させ、該メラノコルチン受容体に媒介されるcAMPの産生を引き起こ
させ、 (c)該物質が存在しない場合に該ARTポリペプチドが該メラノコルチン受容
体媒介性cAMP産生を阻害する条件下で該物質の存在下および不存在下、該細胞を
該ARTポリペプチドにさらし、 (d)該物質の存在下および不存在下で産生したcAMPの量を測定することを 含んでなり、 該物質の不存在下と比べた場合の該物質の存在下で産生したcAMPの量の増加
が、該物質が該メラノコルチン受容体に対する該ARTポリペプチドの拮抗作用の 機能的阻害剤であることを示すことを特徴とする方法において、本発明のARTポ リペプチドを使用することができる。
【0101】 特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体を発現する細胞は、メラノ
コルチン受容体を天然で発現する細胞である。もう1つの実施形態においては、 メラノコルチン受容体を発現する細胞は、メラノコルチン受容体を天然では発現
しないが、メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェ
クトされている。トランスフェクションは、メラノコルチン受容体の発現を指令
する発現ベクターを細胞内に導入するための当技術分野で公知の任意の方法を包
含する意である。例えば、トランスフェクションには、リン酸カルシウムまたは
塩化カルシウムに媒介されるトランスフェクション、リポフェクション、メラノ
コルチン受容体を含有するレトロウイルス構築物の感染、およびエレクトロポレ
ーションが含まれる。
【0102】 特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体は、メラノコルチン-3受容
体(MC3R)およびメラノコルチン-4受容体(MC4R)よりなる群から選ばれる。前
記方法の特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体はアフリカツメガエ
ル(Xenopus)メラノコルチン受容体ではない。
【0103】 メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェクトされ
た細胞は原核細胞または真核細胞であることが可能である。特定の実施形態にお
いては、メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェク
トされた細胞は、酵母細胞、哺乳類細胞、細菌細胞および昆虫細胞よりなる群か
ら選ばれる。特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体の発現を指令す
る発現ベクターでトランスフェクトされた細胞は、ヒト細胞、マウス細胞、ラッ
ト細胞、ウシ細胞、ブタ細胞、ハムスター細胞およびサル細胞よりなる群から選
ばれる。特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体の発現を指令する発
現ベクターでトランスフェクトされた細胞は、L細胞L-M(TK-)(ATCC CCL 1.3) 、L細胞L-M(ATCC CCL 1.2)、293(ATCC CRL 1573)、Raji(ATCC CCL 86)、C
V-1(ATCC CCL 70)、COS-1(ATCC CRL 1650)、COS-7(ATCC CRL 1651)、CHO-
K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(A
TCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS-C-1(ATCC CCL 26)およびMRC-5(A
TCC CCL 171)よりなる群から選ばれる。特定の実施形態においては、該細胞は アフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞ではない。
【0104】 特定の実施形態においては、メラニン細胞刺激ホルモンは、α-メラニン細胞 刺激ホルモン、β-メラニン細胞刺激ホルモンおよびγ-メラニン細胞刺激ホルモ
ンよりなる群から選ばれる。
【0105】 特定の実施形態においては、ARTポリペプチドは、配列番号1〜19および20より
なる群から選ばれるアミノ酸配列を有する。
【0106】 前記方法の特定の実施形態においては、該方法はインビトロで実施し、該条件
は、タンパク質-タンパク質相互作用の研究のために当技術分野で典型的に用い られる条件(例えば、生理的pH;例えば、PBSなどの一般に使用されるバッファ ーに典型的な又は組織培養培地における塩条件;約4℃〜約55℃の温度)である 。
【0107】 ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチドの拮抗作用の機能 的阻害剤であると同定されたら、それがメラノコルチン受容体のアゴニストでも
あるか否かを判定するためにその物質を試験することができる。そのような試験
は、ARTタンパク質またはARTポリペプチドの不存在下、メラノコルチン受容体を
発現する細胞を該物質にさらし、それにより該メラノコルチン受容体が該物質に
より活性化されるか否かを判定することを含むであろう。このようにして、MC3R
またはMC4Rアゴニスト活性をほとんど又は全く有さないがARTタンパク質が引き 起こすMC3RまたはMC4R受容体活性の阻害を軽減する、MC3RまたはMC4Rに対するAR
Tタンパク質の結合の阻害剤を開発することができる。同様にして、該物質がメ ラノコルチン受容体のアンタゴニストであるか否かを判定することができる。
【0108】 また、アフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞系(例えば、Quillanら,
1995, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:2894; Potenza & Lerner, 1992, Pigmen
t Cell Res. 5:372; Ollmanら, 1997, Science 278:135-138を参照されたい)を
使用するアッセイを用いて或る物質がARTポリペプチドの作用の阻害剤であるか 否かを判定する方法において、本発明のARTポリペプチドを使用することができ る。そのような方法は、 (a)アフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞系を準備し、 (b)該ARTポリペプチドの不存在下で該物質の不存在下、選択された濃度の
メラニン細胞刺激ホルモンに該アフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞系 をさらし、色素拡散の量を測定して、色素拡散に関する第1数値を得、 (c)該ARTポリペプチドの存在下で該物質の不存在下、選択された濃度のα
-メラニン細胞刺激ホルモンに該アフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞系
をさらし、色素拡散の量を測定して、色素拡散に関する第2数値を得(色素拡散 に関する該第2数値は、色素拡散に関する該第1数値の場合より少ない色素が拡散
したことを示す)、 (d)該ARTポリペプチドの存在下で該物質の存在下、選択された濃度のα- メラニン細胞刺激ホルモンに該アフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞系 をさらし、色素拡散の量を測定して、色素拡散に関する第3数値を得ることを含 んでなり、 色素拡散に関する該第3数値が、該第2数値の場合より多くの色素が拡散して
いることを示す場合、該物質が該ARTポリペプチドの作用の阻害剤であることを 特徴とする。
【0109】 特定の実施形態においては、メラニン細胞刺激ホルモンは、α-メラニン細胞 刺激ホルモン、β-メラニン細胞刺激ホルモンおよびγ-メラニン細胞刺激ホルモ
ンよりなる群から選ばれる。
【0110】 特定の実施形態においては、ARTポリペプチドは、配列番号1〜19および20より
なる群から選ばれるアミノ酸配列を有する。
【0111】 前記方法の特定の実施形態においては、該条件は、タンパク質-タンパク質相 互作用の研究のために当技術分野で典型的に用いられる条件(例えば、生理的pH
;例えば、PBSなどの一般に使用されるバッファーに典型的な又は組織培養培地 における塩条件;約4℃〜約55℃の温度)である。
【0112】 ある物質がARTポリペプチドの作用の阻害剤であると同定されたら、それがア フリカツメガエル(Xenopus)メラノコルチン受容体のアゴニストでもあるか否 かを判定するためにその物質を試験することができる。そのような試験は、ART タンパク質またはARTポリペプチドの不存在下、アフリカツメガエル(Xenopus)
メラノコルチン受容体を発現する黒色素胞細胞を該物質にさらし、それにより該
メラノコルチン受容体が該物質により活性化されるか否かを判定することを含む
であろう。このようにして、MC3RまたはMC4Rアゴニスト活性をほとんど又は全く
有さないがARTタンパク質が引き起こすMC3RまたはMC4R受容体活性の阻害を軽減 する、ヒトMC3RまたはMC4Rに対するART結合阻害剤を開発するためのリード物質 として使用しうる、アフリカツメガエル(Xenopus)メラノコルチン受容体に対 するARTタンパク質の結合の阻害剤を同定することができる。同様にして、該物 質がメラノコルチン受容体のアンタゴニストであるか否かを判定することができ
る。
【0113】 本発明は、ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチドの結合 の阻害剤であるか否かを判定する方法であって、 (a)該メラノコルチン受容体を発現する細胞を準備し、 (b)該物質の存在下および不存在下、選択された濃度の該メラニン細胞刺 激ホルモンおよび選択された濃度の該ARTポリペプチドに該細胞をさらし、該物 質の存在下および不存在下における該細胞に対するメラニン細胞刺激ホルモンの
結合の量を測定することを含んでなり、 該物質の存在下におけるメラニン細胞刺激ホルモンの結合の量の増加が、該
物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチドの結合の阻害剤であるこ とを示すことを特徴とする方法を含む。
【0114】 特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体を発現する細胞は、メラノ
コルチン受容体を天然で発現する細胞である。もう1つの実施形態においては、 メラノコルチン受容体を発現する細胞は、メラノコルチン受容体を天然では発現
しないが、メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェ
クトされている。トランスフェクションは、メラノコルチン受容体の発現を指令
する発現ベクターを細胞内に導入するための当技術分野で公知の任意の方法を包
含する意である。例えば、トランスフェクションには、リン酸カルシウムまたは
塩化カルシウムに媒介されるトランスフェクション、リポフェクション、メラノ
コルチン受容体を含有するレトロウイルス構築物の感染、およびエレクトロポレ
ーションが含まれる。
【0115】 特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体は、メラノコルチン-3受容
体(MC3R)およびメラノコルチン-4受容体(MC4R)よりなる群から選ばれる。前
記方法の特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体はアフリカツメガエ
ル(Xenopus)メラノコルチン受容体ではない。
【0116】 メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェクトされ
た細胞は原核細胞または真核細胞であることが可能である。特定の実施形態にお
いては、メラノコルチン受容体の発現を指令する発現ベクターでトランスフェク
トされた細胞は、酵母細胞、哺乳類細胞、細菌細胞および昆虫細胞よりなる群か
ら選ばれる。特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体の発現を指令す
る発現ベクターでトランスフェクトされた細胞は、ヒト細胞、マウス細胞、ラッ
ト細胞、ウシ細胞、ブタ細胞、ハムスター細胞およびサル細胞よりなる群から選
ばれる。特定の実施形態においては、メラノコルチン受容体の発現を指令する発
現ベクターでトランスフェクトされた細胞は、L細胞L-M(TK-)(ATCC CCL 1.3) 、L細胞L-M(ATCC CCL 1.2)、293細胞(ATCC CRL 1573)、Raji細胞(ATCC CCL
86)、CV-1(ATCC CCL 70)、COS-1(ATCC CRL 1650)、COS-7(ATCC CRL 1651
)、CHO-K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658) 、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS-C-1(ATCC CCL 26)およ びMRC-5(ATCC CCL 171)よりなる群から選ばれる。特定の実施形態においては 、該細胞はアフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞ではない。
【0117】 特定の実施形態においては、メラニン細胞刺激ホルモンは、α-メラニン細胞 刺激ホルモン、β-メラニン細胞刺激ホルモンおよびγ-メラニン細胞刺激ホルモ
ンよりなる群から選ばれる。
【0118】 特定の実施形態においては、ARTポリペプチドは、配列番号1〜19および20より
なる群から選ばれるアミノ酸配列を有する。
【0119】 前記方法の特定の実施形態においては、該方法はインビトロで実施し、該方法
を実施する条件は、タンパク質-タンパク質相互作用の研究のために当技術分野 で典型的に用いられる条件(例えば、生理的pH;例えば、PBSなどの一般に使用 されるバッファーに典型的な又は組織培養培地における塩条件;約4℃〜約55℃ の温度)である。
【0120】 前記方法の特定の実施形態においては、メラニン細胞刺激ホルモンの選択され
る濃度は、0.05nM〜2.0nM、好ましくは0.1nM〜1.0nM、より好ましくは0.2nM〜0.
5nMである。
【0121】 前記方法の特定の実施形態においては、ARTポリペプチドの選択される濃度は1
0-12M〜10-7Mである。
【0122】 前記方法の特定の実施形態においては、該方法をインビトロで実施し、メラニ
ン細胞刺激ホルモンを、例えば、酵素、放射能などにより標識し、メラノコルチ
ン受容体を含有する細胞に結合した標識の量を測定することによりメラノコルチ
ン受容体に対するメラニン細胞刺激ホルモンの結合の量を測定する。
【0123】 前記方法の工程(b)を修飾することが可能であり、この場合、無傷細胞をメ ラニン細胞刺激ホルモン、ARTポリペプチドまたは該物質にさらす代わりに、該 細胞から膜を調製し、該膜をメラニン細胞刺激ホルモン、ARTポリペプチドまた は該物質にさらすことができる。前記方法と同様の方法において無傷細胞の代わ
りに膜を使用するそのような修飾は、他のリガンドと受容体との結合相互作用に
関するものではあるが、当技術分野でよく知られており、例えば、Hessら, 1992
, Biochem. Biophys. Res. Comm. 184:260-268に記載されている。
【0124】 前記方法のもう1つの修飾として、メラノコルチン受容体をコードするRNAを、
例えば、バクテリオファージT7プロモーターの制御下でメラノコルチン受容体を
コードするヌクレオチド配列を含有するプラスミドを使用するインビトロ転写に
より調製することが可能であり、メラノコルチン受容体を卵母細胞内で発現させ
るために、該RNAをアフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞内にマイクロインジ
ェクションすることができる。ついで、前記方法における細胞の代わりに、これ
らの卵母細胞を使用する。
【0125】 ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチドの結合の阻害剤で あると同定されたら、それがメラノコルチン受容体のアゴニストでもあるか否か
を判定するためにその物質を試験することができる。そのような試験は、メラニ
ン細胞刺激ホルモンおよびARTタンパク質またはARTポリペプチドの不存在下、メ
ラノコルチン受容体を発現する細胞を該物質にさらし、それにより該メラノコル
チン受容体が該物質により活性化されるか否かを判定することを含むであろう。
このようにして、MC3RまたはMC4Rアゴニスト活性をほとんど又は全く有さないが
ARTタンパク質が引き起こすMC3RまたはMC4R受容体活性の阻害を軽減する、MC3R またはMC4Rに対するARTタンパク質の作用の阻害剤を同定することができる。同 様にして、該物質がメラノコルチン受容体のアンタゴニストであるか否かを判定
することができる。
【0126】 本発明のARTポリペプチドは、完全長ARTタンパク質より小さく、したがって製
造しやすく分解しにくい。cART-bなどの本発明の実施形態に関しては、ART配列 のC末端に付加された非ARTタンパク質アミノ酸配列は、結合も機能的活性も損な
わず、ART配列の標識無しで32Pまたは33Pでの標識を可能にする。例えばART-AP 、ART-lucなどの融合ポリペプチドは、結合アッセイにおいてARTポリペプチドを
検出するための非放射性方法の使用を可能にする。
【0127】 非ARTタンパク質由来のアミノ酸配列をC末端に有する本発明のARTポリペプチ ドが機能的であることは、驚くべきことである。ARTタンパク質のC末端はアグー
チタンパク質のC末端と相同であり、該ARTタンパク質および該アグーチタンパク
質は共に、この領域におけるシステイン残基の特徴的なパターンを有する。クモ
およびマキガイの毒素からの或る種のイオンチャンネルブロッカーにおいて、シ
ステイン残基の同様のパターンが見出されている。システインのこのパターンは
、「毒素」生物活性の原因となる特徴的な三次元構造に該毒素を拘束する特異的
ジスルフィド架橋の形成を引き起こすと提案されている(Kimら, 1995, J. Mol.
Biol. 250:659-671; 以下、「Kim」と称する)。Kimが研究した該毒素の最もC 末端側のアミノ酸はこの三次元構造の一部ではなかったが、これらの最もC末端 側のアミノ酸は、それでもやはり、「決定的に重要」であった。なぜなら、それ
らを改変すると、活性の喪失が生じたからである。Kimの第665頁右欄には以下の
ように記載されている:「これらの結果は、ω-AGA-IVAのC末端セグメントが、 ラット小脳プルキンエ細胞内で発現されるP型カルシウムチャンネルに対するそ の遮断作用に決定的に重要であることを示唆している」。したがって、ARTタン パク質のC末端の改変(例えば、それを非ARTタンパク質由来の配列に結合させる
ことによるもの)は、完全長ARTタンパク質の活性を欠くか又は少なくとも実質 的に低い活性を示すART融合ポリペプチドを与えると予想されたであろう。本発 明は、これがそうではないことを実証するものである。
【0128】 本発明を更に例示するために、以下に非限定的な実施例を記載する。
【0129】 実施例1 c-ART-bを発現する構築物の製造 pcDNA3.1-Myc-His-A(Fongら, 1997, Biochem. Biophys. Res. Comm. 237:629
-631; 以下、「Fong」と称する)のEcoRIおよびBamHI部位内にART cDNAを挿入す
ることにより作製したART発現プラスミドを修飾することにより、c-ART-b用の発
現プラスミドを構築した。該c-ART-b配列は、残基27-75がARTから欠失している 点で、Fongに記載の組換えARTの配列とは異なる。それを行なうために、鋳型と しての該ART発現プラスミドおよび2つのオリゴ(GGGCTCGGCGGTCCTGCAGGGCCAAGCC
CATCTGGGC(配列番号21))およびT7プライマーTAATACGACTCACTATAGGG(配列番 号22)を使用して第1 PCRを行なって、ART残基1-26およびそれに続く残基76-81 をコードするDNA断片を増幅した。鋳型としての該ART発現プラスミドおよび2つ の他のオリゴ(CTGCAGGACCGCGAGCCC(配列番号23))およびpcDNA3.1Aプライマ ー(GTCGACGGCGCTATTCAG(配列番号24))を使用して第2 PCRを行なって、ART残
基76-132をコードするDNA断片を増幅した。ついで、鋳型としての該第1および第
2 PCR産物および2つのオリゴ(T7プライマーおよびpcDNA3.1Aプライマー)使用 してを第3 PCRを行なって、c-ART-b cDNAを増幅した。最終的なPCR産物を制限酵
素EcoRIおよびBamHIで切断し、同様にEcoRIおよびBamHIで切断されたpcDNA3.1A-
Myc-His-Aベクター内に連結した。該トロンビン部位配列は、pET-34b(Novagen,
Milwaukee, WI)内のトロンビン部位に基づくものであった。該Mycエピトープ 配列およびヘキサヒスチジン配列は、pcDNA3.1-Myc-His-Aベクター(Invitrogen
, Carlsbad, CA)内に含有されているものであった。
【0130】 実施例2 c-ART-bの発現 T-175フラスコ内のCOS-7細胞を、リポフェクタミン(Gibco)によりc-ART-b発
現プラスミド(24μg)で一過性にトランスフェクトし、1%ウシ胎仔血清で補足
されたOpti-men培地(Gibco)内で増殖させた。トランスフェクションの2日後、
培地を集め、遠心分離して残留細胞を除去し、Centriprep-3(Amicon)内で約10
0倍に濃縮し、2.5mM EGTA、4mg/mlロイペプチンおよび0.01mMホスホラミドンの 存在下、4℃で保存した。c-ART-bの濃度の測定後、NaN3を0.02%まで加えた。該
Myc配列を含有するc-ART-bの濃度の測定は、ELISA標準曲線に基づくものであっ た。簡単に説明すると、マイクロタイタープレートを0.2μgのMycペプチド(ヒ トc-Myc 408-439)で一晩コートし、洗浄し、ブロッキングし、ついで種々の濃 度の該遊離Mycペプチドの存在下、抗Myc mAb-HRPコンジュゲート(Invitrogen)
と共に2時間インキュベートした。比色基質であるテトラメチルベンジジン(Bio
Rad)を使用して、結合したmAb-HRPを検出した。c-ART-b濃度の測定では、該遊 離Mycペプチドの代わりにc-ART-bサンプルを使用した。
【0131】 実施例3 MC3RおよびMC4Rに対するc-ART-bの結合 Fongら, 1997, Biochem. Biophys. Res. Comm. 237:629-631の記載と同様にし
て、結合アッセイを行なった。ヒトMC3R、MC4RまたはMC5Rを安定に発現するL細 胞またはCHO細胞から調製した膜を使用して、結合アッセイを行なった。該結合 アッセイ混合物には、0.2nMの125I-[Tyr2][Nle4, D-Phe7]α-メラニン細胞刺激 ホルモン(125I-NDP-α-MSH)、種々の濃度のc-ART-bまたは完全長ARTタンパク 質、および適当な量の膜を含有させて、全結合放射性リガンドが添加放射性リガ
ンドの10%未満となるようにした。結合バッファー(50mM Tris、2mM CaCl2、1m
M MgCl2、5mM KCl、pH7.2)中の前記混合物を室温で2時間インキュベートし、つ
いでGFC紙で濾過した。該結合リガンドをγカウンターで定量した。IC50値を、 既に記載されているとおりに計算した(Fongら, 1996, Mol. Pharmacol. 50:160
5-1611)。結果を図2に示す。図2から、c-ART-bがMC3Rに対する125I-NDP-α-M
SHの結合を阻害することが認められる。
【0132】 c-ART-bがMC4Rに対する125I-標識NDP-α-MSHの結合を阻害するか否かを判定す
るために、同様の実験を行なった。結果を図3に示す。図3から、c-ART-bがMC4
Rに対する125I-NDP-α-MSHの結合を阻害することが認められる。
【0133】 完全長ヒトARTタンパク質で同様の実験を行なった。また、メラノコルチン-5 受容体(MC5R)に関しては、完全長ARTタンパク質およびc-ART-bで同様の実験を
行なった。これらの実験、図2および3に示す結果、ならびに同様の実験から、
MC3R、MC4RおよびMC5Rに対する125I-標識NDP-α-MSHの、完全長ARTタンパク質お
よびcART-bによる阻害に関して、以下のIC50値を求めることができる。
【0134】
【表1】
【0135】 表1に示すIC50値はnM単位で記載されている。括弧内の数字は、実施した実験
の数を表す。表1に示す結果は、驚くべきことに、c-ART-bが、ARTタンパク質のN
末端からの配列の有意な量を失っているにもかかわらず、完全長ARTタンパク質 と実質的に機能的に等価であることを示している。また、c-ART-bは、有意な量 の非ART配列(トロンビン部位、mycエピトープおよびヘキサヒスチジンタグ)を
C末端に有するにもかかわらず機能的である。
【0136】 実施例4 MC3RおよびMC4Rに対するc-ART-bの結合に関する機能的アッセイ MC3RまたはMC4Rを介して作用するα-メラニン細胞刺激ホルモンによるcAMPの 産生をc-ART-bが阻害しうることは、ヒトMC3RまたはMC4Rを安定に発現するL細胞
をc-ART-bと共に10分間プレインキュベートし、ついで20nM α-メラニン細胞刺 激ホルモンと共に45分間インキュベートすることにより示されうる。該インキュ
ベーションバッファーはまた、アール均衡塩類溶液、10mM HEPES、5mM MgCl2、1
mg/ml BSAおよび0.5mM IBMXを含有する。該インキュベーションの後、4分間煮沸
することにより細胞を溶解する。抗AMP抗体および125I-cAMP(シンチレーション
近位アッセイ様式において修飾されているもの)(Amersham)を使用するRIA(H
uangら, 1997, J. Receptor Signal Transduc. Res. 17:599-607)により、細胞
内cAMP濃度を測定する。
【0137】 本発明の範囲は、本明細書に記載の特定の実施形態により限定されるものでは
ない。さらには、本明細書に記載のもの以外の本発明の種々の修飾が、以上の記
載から当業者に明らかとなるであろう。そのような修飾は、添付する請求の範囲
の範囲内に含まれると意図される。
【0138】 本明細書には種々の刊行物が引用されているが、それらの開示の全体を参照に
より本明細書に組み入れることとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 c-ART-b内のmycエピトープを認識する抗体を用いるELISAの使用によるCOS-7細
胞からのc-ART-bの定量を示す。既知量のmycペプチドを使用して作成した標準曲
線が示されている。COS-7細胞から調製したc-ART-b調製物では、該サンプルの10
倍(10 x)希釈物が、前記標準曲線の10nMに相当する0.079の吸光度を与えた。 したがって、該c-ART-b調製物は100nMの濃度を有していた。
【図2】 ヒトMC3Rに対するc-ART-bの結合アフィニティーを示す。ヒトMC3Rに対する125 I-[Tyr2][Nle4, D-Phe7]α-メラニン細胞刺激ホルモン(125I-NDP-α-MSH)の結
合の、c-ART-bによる阻害が示されている。
【図3】 ヒトMC4Rに対するc-ART-bの結合アフィニティーを示す。ヒトMC4Rに対する125 I-NDP-α-MSHの結合の、c-ART-bによる阻害が示されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 G01N 33/53 D 33/53 33/566 33/566 C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 フアン・デル・プルーフ,レオナルドス・ ハー・テー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 トータ,マイクル・アール アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA36 FB08 4B024 AA11 BA80 CA04 DA02 EA04 GA13 GA18 4B063 QA01 QA18 QQ79 QR48 QR60 QR77 QR80 QS05 QS25 QS36 QX07 4H045 AA10 AA30 BA10 BA41 EA50 FA74 GA10

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシ末端において、ARTタンパク質に由来しない1以上
    のアミノ酸配列に融合したARTタンパク質由来のアミノ酸配列を有する融合タン パク質であって、該ARTタンパク質由来のアミノ酸配列が配列番号6〜8および9よ
    りなる群から選ばれることを特徴とする融合タンパク質。
  2. 【請求項2】 配列番号1〜5、10〜19および20よりなる群から選ばれるアミ
    ノ酸配列を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. 【請求項3】 配列番号2のアミノ酸配列を有する、請求項2に記載の融合タ
    ンパク質。
  4. 【請求項4】 配列番号6〜8および9よりなる群から選ばれるアミノ酸配列 を有するARTポリペプチド。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の融合タンパク質をコードするDNA配列。
  6. 【請求項6】 ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチド の結合の阻害剤であるか否かを判定する方法であって、 (a)該メラノコルチン受容体を発現する細胞を準備し、 (b)該ARTポリペプチドおよび該物質の不存在下、選択された濃度のメラニ
    ン細胞刺激ホルモンに該細胞をさらし、該細胞に対するメラニン細胞刺激ホルモ
    ンの結合の量を測定して、メラニン細胞刺激ホルモンの結合に関する第1数値を 得、 (c)選択された濃度の該ARTポリペプチドの存在下で該物質の不存在下、選
    択された濃度のメラニン細胞刺激ホルモンに該細胞をさらし、メラニン細胞刺激
    ホルモンの結合の量を測定して、メラニン細胞刺激ホルモンの結合に関する第2 数値を得(メラニン細胞刺激ホルモンの結合に関する該第2数値は、メラニン細 胞刺激ホルモンの結合に関する第1数値の場合より少ないメラニン細胞刺激ホル モンの結合が生じたことを示す)、 (d)選択された濃度のARTポリペプチドおよび該物質の存在下、選択された
    濃度のメラニン細胞刺激ホルモンに該細胞をさらし、メラニン細胞刺激ホルモン
    の結合の量を測定して、メラニン細胞刺激ホルモンの結合に関する第3数値を得 ることを含んでなり、 メラニン細胞刺激ホルモンの結合に関する該第3数値が該第2数値より大きい
    場合、該物質が該メラノコルチン受容体に対する該ARTポリペプチドの結合の阻 害剤であり、 該ARTポリペプチドが、配列番号1〜19および20よりなる群から選ばれるアミ
    ノ酸配列を有することを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 該メラノコルチン受容体が、メラノコルチン-3受容体(MC3R
    )およびメラノコルチン-4受容体(MC4R)よりなる群から選ばれる、請求項6に 記載の方法。
  8. 【請求項8】 ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチド の結合の阻害剤であるか否かを判定するための方法であって、 (a)メラノコルチン受容体を発現する細胞を準備し、 (b)該物質が存在しない場合にARTポリペプチドが該メラノコルチン受容体
    に結合する条件下で該物質の存在下および不存在下、該細胞をARTポリペプチド にさらし、 (c)該物質の存在下および不存在下、該メラノコルチン受容体に対する該A
    RTポリペプチドの結合の量を測定することを含んでなり、 該物質の不存在下と比べた場合の該物質の存在下における該メラノコルチン
    受容体に対する該ARTポリペプチドの結合の量の減少が、該物質が該メラノコル チン受容体に対する該ARTポリペプチドの結合の阻害剤であることを示し、 該ARTポリペプチドが、配列番号1〜19および20よりなる群から選ばれるアミ
    ノ酸配列を有することを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 該メラノコルチン受容体が、メラノコルチン-3受容体(MC3R
    )およびメラノコルチン-4受容体(MC4R)よりなる群から選ばれる、請求項8に 記載の方法。
  10. 【請求項10】 ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチ ドの結合のアロステリック増強剤であるか否かを判定するための方法であって、 (a)メラノコルチン受容体を発現する細胞を準備し、 (b)該物質が存在しない場合にARTポリペプチドが該メラノコルチン受容体
    に結合する条件下で該物質の存在下および不存在下、該細胞をARTポリペプチド にさらし、 (c)該物質の存在下および不存在下における該メラノコルチン受容体に対 する該ARTポリペプチドの結合の量を測定することを含んでなり、 該物質の不存在下と比べた場合の該物質の存在下における該メラノコルチン
    受容体に対する該ARTポリペプチドの結合の量の増加が、該物質が該メラノコル チン受容体に対する該ARTポリペプチドの結合のアロステリック増強剤であるこ とを示し、 該ARTポリペプチドが、配列番号1〜19および20よりなる群から選ばれるアミ
    ノ酸配列を有することを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 該メラノコルチン受容体が、メラノコルチン-3受容体(MC
    3R)およびメラノコルチン-4受容体(MC4R)よりなる群から選ばれる、請求項10
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】 ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチ ドの拮抗作用の機能的阻害剤であるか否かを判定するための方法であって、 (a)メラノコルチン受容体を発現する細胞を準備し、 (b)α-メラニン細胞刺激ホルモン、β-メラニン細胞刺激ホルモンおよび γ-メラニン細胞刺激ホルモンよりなる群から選ばれるメラニン細胞刺激ホルモ ンに該細胞をさらして、該メラノコルチン受容体を活性化させ、cAMPの産生を引
    き起こさせ、 (c)該物質が存在しない場合に該ARTポリペプチドがメラノコルチン受容体
    媒介性cAMP産生を阻害する条件下で該物質の存在下および不存在下、該細胞を該
    ARTポリペプチドにさらし、 (d)該物質の存在下および不存在下で産生したcAMPの量を測定することを 含んでなり、 該物質の不存在下と比べた場合の該物質の存在下で産生したcAMPの量の増加
    が、該物質が該メラノコルチン受容体に対する該ARTポリペプチドの拮抗作用の 機能的阻害剤であることを示し、 該ARTポリペプチドが、配列番号1〜19および20よりなる群から選ばれるアミ
    ノ酸配列を有することを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 該メラノコルチン受容体が、メラノコルチン-3受容体(MC
    3R)およびメラノコルチン-4受容体(MC4R)よりなる群から選ばれる、請求項12
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】 ある物質がARTポリペプチドの作用の阻害剤であるか否か を判定する方法であって、 (a)アフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞系を準備し、 (b)該ARTポリペプチドの不存在下で該物質の不存在下、選択された濃度の
    α-メラニン細胞刺激ホルモンに該アフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞
    系をさらし、色素拡散の量を測定して、色素拡散に関する第1数値を得、 (c)該ARTポリペプチドの存在下で該物質の不存在下、選択された濃度のα
    -メラニン細胞刺激ホルモンに該アフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞系
    をさらし、色素拡散の量を測定して、色素拡散に関する第2数値を得(色素拡散 に関する該第2数値は、色素拡散に関する該第1数値の場合より少ない色素が拡散
    したことを示す)、 (d)該ARTポリペプチドの存在下で該物質の存在下、選択された濃度のα- メラニン細胞刺激ホルモンに該アフリカツメガエル(Xenopus)黒色素胞細胞系 をさらし、色素拡散の量を測定して、色素拡散に関する第3数値を得ることを含 んでなり、 色素拡散に関する該第3数値が、該第2数値の場合より多くの色素が拡散して
    いることを示す場合、該物質が該ARTポリペプチドの作用の阻害剤であり、 該ARTポリペプチドが、配列番号1〜19および20よりなる群から選ばれるアミ
    ノ酸配列を有することを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 ある物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチ ドの結合の阻害剤であるか否かを判定する方法であって、 (a)該メラノコルチン受容体を発現する細胞を準備し、 (b)該物質の存在下および不存在下、選択された濃度の該メラニン細胞刺 激ホルモンおよび選択された濃度の該ARTポリペプチドに該細胞をさらし、該物 質の存在下および不存在下における該細胞に対するメラニン細胞刺激ホルモンの
    結合の量を測定することを含んでなり、 該物質の存在下におけるメラニン細胞刺激ホルモンの結合の量の増加が、該
    物質がメラノコルチン受容体に対するARTポリペプチドの結合の阻害剤であるこ とを示し、 該ARTポリペプチドが、配列番号1〜19および20よりなる群から選ばれるアミ
    ノ酸配列を有することを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 該メラノコルチン受容体が、メラノコルチン-3受容体(MC
    3R)およびメラノコルチン-4受容体(MC4R)よりなる群から選ばれる、請求項15
    に記載の方法。
JP2000539354A 1997-12-16 1998-12-11 アグーチ関連転写産物(art)タンパク質のc末端領域 Pending JP2002508194A (ja)

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