JP2002508159A - 変異の検出および同定方法 - Google Patents

変異の検出および同定方法

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JP2002508159A
JP2002508159A JP2000529460A JP2000529460A JP2002508159A JP 2002508159 A JP2002508159 A JP 2002508159A JP 2000529460 A JP2000529460 A JP 2000529460A JP 2000529460 A JP2000529460 A JP 2000529460A JP 2002508159 A JP2002508159 A JP 2002508159A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、試料ポリヌクレオチド鎖中の1つあるいはそれ以上の遺伝子変異を同定するための様々な方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は分子生物学および医学の分野に属する。より厳密に言えば、本発明は
核酸配列中の変異を検出し、同定する方法に関連する。
【0002】
【従来の技術】
遺伝子変異は遺伝性疾患および癌の主要な原因である。しかし、疾患の遺伝原
理は複雑かつ多様であって、例えば、嚢胞性線維症遺伝子だけでも700以上の推 定疾患原因変異が同定されている。複数の変異が一人の患者に存在する可能性が
あり、それらが互いに少数の塩基対以内の間隔にある可能性があって、そのそれ
ぞれは病原性であるかもしれないし病原性でないかもしれない。したがって、正
確に変異の位置を突きとめ同定できるということは、疾患の診断、予測、予防お
よび治療にとって重要である。
【0003】 核酸変異の存在を検出するアッセイは、様々な分子生物学的手法を用いて開発
されてきた。最も初期の方法の1つは、サザンブロッティングの手法を用いた制
限酵素断片長多型(RFLPs)の検出に関わる(Southern, E.M., J. Mol. Biol. 9
8:503-517 (1975))。PFLPsは、断片をII型制限エンドヌクレアーゼにて切断す ることによって特定のDNA断片の遺伝子変異を決定する。DNA長の違いは、特異的
なエンドヌクレアーゼ認識部位に存在または非存在によるもので、ゲル電気泳動
にて分離した後にDNAプローブとのDNAハイブリダイゼーションを用いて検出して
いる。
【0004】 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を利用した変異を検出する方法も開発されてき た。特定の変異が同定されている例では、標識されたプライマーを用いて試料中
に既知の変異が含まれているかどうか決定し得る。PCT/US93/04160では、完全に
一致したDNA分子を不完全に一致した分子から分離させる方法を記載している。 この分子も標識してゲノム中のヘテロ接合性の領域を同定するためのプローブを
提供し得る。
【0005】 アメリカ合衆国特許番号5,217,863では、Cottonらは試料DNAを既知のDNA(変 異なし)とハイブリダイズさせ、このヘテロ二本鎖をヒドロキシルアミンあるい
は、四酸化オスミウムおよびピペリジン処理にかけることによって、試料DNA中 の点突然変異を検出する方法を請求している。ヒドロキシルアミンはミスマッチ
したCと反応し、四酸化オスミウムはミスマッチしたTと(およびミスマッチした
Cと比較的低い程度で)反応し、その結果ピペリジンを添加した際にミスマッチ の位置で切断が起こる。次に、得られる物質を例えば電気泳動などによって分離
する。切断が1つあるいはそれ以上の部位で起こった場合は、分離処理の結果か
ら断片の数は切断の数を示し、それゆえ考慮中の種類の変異の数を示すというこ
とが明らかだろう。しかし、配列が同一であるということは決定できない。
【0006】 より最近では、ミスマッチしたDNAヘテロ二本鎖を認識し、それに結合するタ ンパク質を利用した、変異を検出するアッセイが開発された(例えば、Modrich,
Science 266:1959-1960 (1994)およびアメリカ合衆国特許番号5,459,039などを
参照)。これらのタンパク質は、大腸菌の他に様々な生物において見出されてき
た。それらは協調して作用して、ミスマッチを認識し修復する。もっとも単純な
態様においては、参照および試験DNA間で形成されたヘテロ二本鎖を、MutSなど のミスマッチを認識するタンパク質と接触させる。次に、タンパク質およびあら
ゆるタンパク質:DNA複合体を結合するニトロセルロースフィルターに混合物を 通す。接触させたDNA中のミスマッチの存在は、ニトロセルロース上にDNA:タン
パク質複合体が保持されることによって示される。しかし、この方法はミスマッ
チの存在あるいは非存在のみを示し、特異的な変異の同定を直接可能にするわけ
ではない。
【0007】 同様に、GeneCheck, Inc.に譲渡されたWO 95/12689では、標識したヘテロ二本
鎖DNAを、標識して固定化したMutSなどのミスマッチ結合タンパク質(”MBP”)
と接触させることを記載している。直接あるいは間接的な方法によって検出され
る結合はミスマッチを示す。同様に、この方法はミスマッチの存在あるいは非存
在のみを示し、特異的な変異の同定を直接可能にするわけではない。同じ特質に
のっとり、Upstate Biotechnology, Inc.に譲渡されたWO 93/02216では、ミスマ
ッチが存在するかどうか決定するために、MBP特異的な、標識された抗体を用い ていかにして変異を同定し得るかを記載している。やはり、ミスマッチの本体は
決定されない。
【0008】 ミスマッチ結合タンパク質を用いてミスマッチのおよその位置を決定する方法
も記載された(WO 95/29258参照)。ここでは、変異を含んでいる可能性のある 核酸の試験鎖を、変異を持たない機知の参照鎖とハイブリダイズさせる。二本鎖
をMBOと接触させ、次に複合体を得基礎ヌクレアーゼにて処理する。核酸の切断 は、結合したあらゆるMBPの位置で終結する。得られた分解産物の相対的な大き さを、例えば電気泳動などによって解析し、ミスマッチの存在およびおよその位
置を決定する。
【0009】 Modrichらに対するアメリカ合衆国特許番号5,459,039では、2つのDNA分子の相
同領域間の塩基配列の相違を検出する方法を記載している。この方法では、2つ の鎖をアニールさせ、ミスマッチを認識するタンパク質を添加してDNA:タンパ ク質複合体を形成させる。Modrichは、ミスマッチの”起源を突き止める”大き な労働力を要するいくつかの方法を記載している。たとえば、明らかにされてい
るミスマッチ修正系とDNA:タンパク質複合体を接触させることにより、ミスマ ッチの近傍に一本鎖ギャップを生むことができる。次に、DNAを一本鎖特異的な エンドヌクレアーゼおよび少なくとも1つの制限酵素にて切断する。次に、断片
の電気泳動移動度を比較する。あるいは、少なくとも1つのGATC配列を含むヘテ
ロ二本鎖DNAを、mutS、mutL、およびmutHの混合物と接触させ得る。DNAの切断は
ミスマッチの存在を示す。しかし、ミスマッチの位置は決定されない。
【0010】 あるいは、結合したミスマッチ認識タンパク質の付近のDNA二本鎖の少なくと も一方の鎖を化学修飾することによって、ミスマッチの位置を同定し得る。Modr
ichらは、ミスマッチ付近の結合したDNAのうちの少なくとも一方の鎖を代わるが
わる攻撃し、切断するであろうヒドロキシルラジカルの形成を触媒することので
きる金属イオンの結合部位を作り出すために、どのようにしてヒドロキシルラジ
カル切断などの化学修飾を、MutSタンパク質を修飾することによって達成するこ
とができるかを記載している。
【0011】 ミスマッチ検出の他の方法は、酵素的な手段よりもむしろ化学的な手段を利用
している。ミスマッチした塩基の位置で切断する化学物質も知られている。例え
ば、四酸化オスミウムは誤って対合したチミジンを修飾するが、ヒドロキシルア
ミンは対合していないシトシンを修飾する。共有されているアメリカ合衆国特許
番号5,217,863では、これらの化学修飾されたミスマッチをどのようにしてピペ リジンにて処理し、ミスマッチした、修飾されたヌクレオチドの除去およびミス
マッチ位置の一本鎖の切断をもたらすかを記載している。次ぎに、アダプター- プライマーオリゴヌクレオチドを新たに作り出された末端にライゲーションし、
その後で配列決定してミスマッチに隣接したヌクレオチド配列を同定する。しか
し、ミスマッチしたヌクレオチドの本体は決定されない。
【0012】 しかし、これらの方法のいずれも、変異の正確な配列を直接的に同定するわけ
ではない。さらに、これらの方法のいずれも、未知の変異を同定するための高い
処理量のシステムを提供するわけではない。現在、PCR増幅を利用してDNAの領域
を増幅し、その後でPCR産物の配列を決定することができる。しかし、疾患の原 因となる既知の変異の遺伝子座である遺伝子は、多キロベースのDNAに及び得る 。これらの重要な領域に渡って個々の患者のDNA試料を配列決定するために必要 な費用および労力は、病原性の変異の検出を極めて遅くし、ひどく不経済にする
だろう。したがって、上記のような、1つあるいはそれ以上の”変異スキャニン
グ”の方法論は典型的には、変異の存在を検出し、配列決定すべき領域を限定す
るために、潜在的な変異を含んでいるものに対して適用される。スキャニング過
程は、それ自体が鋳型の質及び量に伴う異なる独特の困難や、プライマーから一
定の数のヌクレオチドを超える配列を提供するための現在の方法に内在する制限
(典型的には600)を持ち得るその後の配列決定の過程を助けるわけではないた め、この過程は依然として時間を浪費し面倒である。したがって、未知の変異の
存在を示し、変異の配列を直接提供する必要性がある。本発明は、これらの必要
性を満たし、関連する利点をも提供する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題および課題解決手段】
本発明は、試料ポリヌクレオチド鎖を試料鎖に対して事実上相同である参照ポ
リヌクレオチドと、試料および参照鎖の二本鎖を形成するのに適した条件下で接
触させることにより、試料ポリヌクレオチド鎖鎖中の1つあるいはそれ以上の遺
伝子変異を同定するための方法を提供する。配列は、全部あるいは一部が未知で
あってもよい。次にこの二本鎖を、塩基対ミスマッチを認識し保護する作用物質
と、その作用物質が二本鎖:作用物質複合体を形成するようにミスマッチの箇所
でその二本鎖に結合できる条件下で接触させる。好ましくは、作用物質はMBP、 その機能し得る断片、類似体あるいは変異体である。次に、複合体を3'->5'エキ
ソヌクレアーゼなどの保護されていない塩基対を除去する作用物質と接触させ、
作用物質の位置で終結する一本鎖領域を形成させる。その箇所から配列決定する
ための唯一の塩基対位置を提供するために、次に、選択したヌクレオチドが現れ
た箇所から二番目の位置で終結するように3'末端を伸長させる(”埋め戻す”)
。これは、DNAポリメラーゼおよび2または3個の異なるデオキシヌクレオシド三 リン酸の混合物を用いて行う。以下の議論から明らかなように、この埋め戻し反
応は変異の存在を同定するためには必要ではない。次に、その5'末端に選択した
ヌクレオチド(上に記載した通り)を有する、あらかじめ配列を決定してある、
部分的に縮重した”アダプター”オリゴヌクレオチドを、試料鎖にライゲーショ
ンする。次に、部分的に縮重したオリゴヌクレオチドの部分に対して相補的なプ
ライマーおよび、調べた領域の5'のヌクレオチド配列に対して相補的な第二のプ
ライマーを用いて試料鎖を増幅する。参照鎖からの配列情報を除去し、アッセイ
の”ノイズ”を減らすために、任意に、増幅の前に試料ポリヌクレオチドを参照
ポリヌクレオチドから分離し得る。変異の存在は、増幅された産物の産生によっ
て示される。次に、この技術分野で十分知られている標準化された配列決定方法
を用いて産物の配列決定をすることにより、変異を同定する。
【0014】 本発明は、大多数の試料ポリヌクレオチド鎖中の1つあるいはそれ以上の遺伝
子変異を同定するための方法をも提供する。試料ポリヌクレオチドは、同一ある
いは同一でない配列を持ち得る。配列は、全部あるいは部分的に未知であっても
よい。試料ポリヌクレオチド鎖を、試料鎖に対して事実上相同である参照ポリヌ
クレオチドと、試料:参照鎖複合体を形成するのに適した条件下で接触させるこ
とにより二本鎖を形成させる。これらの二本鎖を、塩基対ミスマッチを認識し保
護する作用物質と、その作用物質が二本鎖:作用物質複合体を形成するようにミ
スマッチの箇所でその二本鎖に結合できる条件下で接触させる。好ましくは、作
用物質はMBP、その機能し得る断片、類似体あるいは変異体である。混合物を3'-
>5'エキソヌクレアーゼにて切断し、上に記載したように埋め戻す。次に、一本 鎖のアダプターオリゴヌクレオチドを二本鎖の末端にライゲーションする。次に
、プライマー、つまりアダプターオリゴヌクレオチドに対して相補的な配列を含
む第一(あるいは”フォワード”プライマー)および第二、すなわち試料鎖の調
べた領域の5'の配列を含む一組の”リバース”プライマーを用いて試料オリゴヌ
クレオチドを増幅する。出現したあらゆる増幅産物を配列決定して変異を同定す
る。参照鎖からの配列情報を除去し、アッセイの”ノイズ”を減らすために、任
意に、増幅の前に試料ポリヌクレオチドを参照ポリヌクレオチドから分離し得る
【0015】 本発明は、(a)試料ポリヌクレオチド鎖を1つあるいはそれ以上の固体支持 体に固定化させることおよび、大多数の試料ポリヌクレオチド鎖を、1つあるい
はそれ以上の試料鎖に対して事実上相同である参照ポリヌクレオチドと、試料お
よび参照鎖の複合体を形成するのに適した条件下で接触させること;(b)その 二本鎖を塩基対ミスマッチを認識し保護する作用物質と、その作用物質が二本鎖
:作用物質複合体を形成するようにミスマッチの箇所でその二本鎖に結合できる
条件下で接触させること;(c)保護されていない塩基対を除去すること;(d)
その箇所から配列決定するための唯一の塩基対位置を提供すること;および(e )試料鎖の配列を決定して遺伝子変異を同定すること;によって、試料ポリヌク
レオチド鎖中の1つあるいはそれ以上の遺伝子変異を同定するための方法をも提
供する。
【0016】 本発明は、大多数の試料ポリヌクレオチド鎖あるいは参照ポリヌクレオチドを
単一の固体支持体に固定化させることによって試料ポリヌクレオチド鎖中の1つ
あるいはそれ以上の遺伝子変異を同定するための方法をも提供する。試料ポリヌ
クレオチドは、同一あるいは同一でない配列を持ち得る。配列は、全部あるいは
部分的に未知であってもよい。次に、参照ポリヌクレオチドあるいは試料ポリヌ
クレオチドを(適切であるように)、固定化されたポリヌクレオチドと接触させ
て参照:試料複合体を形成させる。上に記載したように、試料ポリヌクレオチド
は、同一あるいは同一でない配列を持ち得る。これらの二本鎖を、塩基対ミスマ
ッチを認識し保護する作用物質と、その作用物質が二本鎖:作用物質複合体を形
成するようにミスマッチの箇所でその二本鎖に結合できる条件下で接触させる。
好ましくは、作用物質はMBP、その機能し得る断片、類似体あるいは変異体であ る。複合体を3'->5'エキソヌクレアーゼにて切断し、上に記載したように埋め戻
す。次に、一本鎖のアダプターオリゴヌクレオチドを二本鎖の末端にライゲーシ
ョンする。次に、アダプターオリゴヌクレオチドおよび試料鎖の調べた領域の5'
の配列に対して相補的なプライマーを用いて試料オリゴヌクレオチドを増幅し、
配列決定して変異を同定する。参照鎖DNAの増幅を除去し、”ノイズ”を減らす ために、任意に、増幅の前に試料ポリヌクレオチドを参照ポリヌクレオチドから
分離し得る。
【0017】 他の態様においては、ポリヌクレオチドの配列は全部あるいは部分的に未知で
あってもよい。ポリヌクレオチドは、PCRあるいは多重的な(すなわち大多数の )PCR産物、制限酵素切断断片、cDNAあるいは実質的に二本鎖である他のDNAを含
み得る。試料ポリヌクレオチドは、同一あるいは同一でない配列を持ち得る。試
料ポリヌクレオチド鎖を、試料鎖に対して事実上相同である参照ポリヌクレオチ
ドと、二本鎖を形成するのに適した条件下で接触させることにより、(一連の)
参照:試料二本鎖を形成させる。ポリヌクレオチドが大きさで1 kboを超える場 合は、断片の平均サイズを減らすために産物の二本鎖を二本鎖切断活性によって
分解し得る。次に、これらの二本鎖を、塩基対ミスマッチを認識し保護する作用
物質と、その作用物質が二本鎖:タンパク質複合体を形成するようにミスマッチ
の箇所でその二本鎖に結合できる条件下で接触させる。好ましくは、作用物質は
MBP、その機能し得る断片、類似体あるいは変異体である。次に、複合体を3'->5
'エキソヌクレアーゼなどの保護されていない塩基対を除去する作用物質と接触 させ、作用物質の位置で終結する一本鎖領域を形成させる。次に、エキソヌクレ
アーゼを除去するかあるいは不活性化する。縮重した短い広がりを両者ともにそ
の3'末端に有する、あらかじめ決定された配列の一対の”アダプター”オリゴヌ
クレオチドを切断された試料鎖の5'末端にライゲーションする。切断されていな
い一本鎖3'突出部分を、エキソヌクレアーゼにて除き(およびライゲーションさ
れていないアダプター)、次に一本鎖特異的3'->5'エキソヌクレアーゼを用いて
分解する。次に、”整えられた”3'末端をライゲーションされたアダプター配列
鋳型上に伸長させて二本鎖産物を作り出す。次に、部分的に縮重したアダプター
のそれぞれの固定された配列エレメントの部分に対して相補的な一組のプライマ
ーを用い、両方の鎖を増幅する。変異の存在は増幅産物の産生によって示される
。次に、産物をクローン化する。次に、この技術分野で十分知られている配列決
定方法を用いてクローン化された産物の配列を決定することにより、変異を同定
する。
【0018】 明らかになるように、本発明の1つの観点の好ましい特徴および特色は、本発
明の他のいかなる観点に対しても適用できる。 発明の実施方法 本出願を通して、様々な出版物、特許、および公示された特許出願を、関係づ
けの引用により参照している。本出願中で参照しているこれらの出版物、特許、
および公示された特許明細書は、本発明が関係する技術の事情をより完全に記載
するために本開示中に参考文献として援用されている。
【0019】 本発明は、試料ポリヌクレオチド配列中の変異を直接に同定するための方法で
ある。本方法は、適切な条件下で変異配列に特異的に結合する能力を有する、少
なくとも1つの作用物質の使用を伴う。言い換えれば、この作用物質はミスマッ
チを覆う、あるいは分解から保護する能力を有する。好ましい態様においては、
この作用物質はミスマッチ結合タンパク質(”MBP”)、その機能し得る断片、 機能し得る類似体または機能し得る変異体、あるいは異なるミスマッチ結合タン
パク質、その機能し得る類似または変異体の混合物である。
【0020】 定義 本明細書中で使用する場合に、ある用語は特定の意味を持つだろう。 用語”ポリヌクレオチド”および”核酸分子”は、互換可能に用いられて、あ
らゆる長さのヌクレオチドの多量体を指す。ポリヌクレオチドには、デオキシリ
ボヌクレオチド、リボヌクレオチド、および/またはその類似体が含まれ得る。 ヌクレオチドはあらゆる3次元構造をとることができ、既知あるいは未知のあら ゆる機能を実行し得る。用語”ポリヌクレオチド”には、一本鎖、二本鎖および
三重らせん分子が含まれる。”オリゴヌクレオチド”は、約6と約100ヌクレオチ
ドの間の一本鎖あるいは二本鎖DNAまたはRNAのポリヌクレオチドを指す。オリゴ
ヌクレオチドはオリゴマーとしても知られており、遺伝子から単離されるか、あ
るいはこの技術分野で知られている方法によって化学合成し得る。”プライマー
”は、核酸合成を開始するための3'ヒドロキシル末端を提供する、通常は一本鎖
のオリゴヌクレオチドを指す。
【0021】 以下は、ポリヌクレオチドの非制限的な態様である。すなわち、遺伝子または
遺伝子断片、エキソン、イントロン、mRNA、tRNA、rRNA、リボザイム、cDNA、組
み換えポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、あら
ゆる配列の単離されたDNA、あらゆる配列の単離されたRNA、核酸プローブ、およ
びプライマー。核酸分子には、メチル化された核酸分子および核酸分子類似体な
どの修飾された核酸分子も含まれ得る。プリンおよびピリミジンの類似体はこの
技術分野では知られており、aziridinyシトシン、4-アセチルシトシン、5-フル オロウラシル、5-ブロモウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウ ラシル、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、イノシン、N6-イソペンテ ニルアデニン、1-メチルアデニン、1-メチルシュードウラシル、1-メチルグアニ
ン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグ
アニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、シュードウラシル、5-ペンチル
ニルウラシルおよび2,6-ジアミノプリンが含まれるが、これらに限定はされない
。デオキシリボ核酸中でウラシルをチミンの代用として使用することも、ピリミ
ジンの類似型として考慮する。これらのポリヌクレオチドは、少なくとも試料鎖
および参照鎖にあてはめると解釈される。
【0022】 本明細書中で使用する場合に、”塩基対”は、”bp”とも表されるが、相補核
酸分子を指す。すなわち、DNA中では、プリンアデニン(A)はピリミジン塩基チ
ミン(T)と水素結合しており、プリングアニン(G)はピリミジンシトシン(C )と水素結合しており、ワトソン-クリック塩基対合としても知られている。100
0塩基対は、しばしばキロ塩基あるいはkbと呼ばれる。”塩基対ミスマッチ”と は、核酸分子中で塩基が相補的なワトソン-クリック対になっていない位置を指 す。
【0023】 用語”二本鎖”は、水素結合した2つの鎖である相補核酸分子間で形成される 複合体を指す。二本鎖は必ずしも完全に相補的である必要はなく、1つあるいは
それ以上のミスマッチまたは1つあるいはそれ以上の欠失あるいは付加を含み得
る。二本鎖は、その二本鎖あるいは複合体の形成と、例えばあらゆる任意の洗い
段階を含むその後の操作との間に存続するのに十分に長い耐久性がある。
【0024】 本明細書中で使用する場合に、用語”参照鎖”あるいは”野生型鎖”は、いか
なる疾患あるいは識別可能な表現型にも関連していない、一般的な集団において
優勢な配列を有する核酸分子またはポリヌクレオチドを指す。一般的な集団にお
いては、野生型遺伝子には、互いに比較して配列に変化を含むが識別可能な病的
影響を引き起こさないような、複数の優勢なバージョンが含まれ得るということ
に言及しておく。これらの変異は”多型”または”対立遺伝子変異”と呼ばれる
。それゆえ、複数の参照鎖を調製し、それによって最も共通な多型の混合物を提
供することが可能である。あるいは、その特異的な配列に関して選択された1つ
の参照鎖を用いてもよい。参照鎖は、例えばメチル基を除去あるいは付加するな
ど、化学的あるいは酵素的に修飾することもできる。1つあるいはそれ以上の態
様においては、参照鎖は、一般的な集団において優勢な配列と少なくとも一部分
は一致するPCR産物を含む。それには、上に定義した通りのポリヌクレオチド、 すなわち遺伝子または遺伝子断片、制限酵素切断断片、エキソン、イントロン、
mRNA、tRNA、rRNA、リボザイム、cDNA、組み換えポリヌクレオチド、分枝ポリヌ
クレオチド、プラスミド、ベクター、あらゆる配列の単離されたDNA、あらゆる 配列の単離されたRNA、核酸プローブ、およびプライマーを含まれるが、それら に限定はされないと解釈される。
【0025】 好ましい態様においては、参照鎖あるいは野生型鎖には、病的状態あるいは症
候群に関わることが知られている、患者のゲノムDNA中の特定の遺伝子または遺 伝子座の一部分が含まれる。遺伝的症候群の非制限的な例には、嚢胞性線維症、
鎌状赤血球貧血、サラセミア、ゴシェ病、アデノシンデアミナーゼ欠損症、アル
ファ-抗トリプシン欠損症、デュシェーヌ筋ジストロフィー、家族性高コレステ ロール血症、脆弱X症候群、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ欠損症、血友
病A、ハンティントン病、筋緊張性ジストロフィー、1型神経線維腫症、骨形成不
全症、フェニルケトン尿症、.網膜芽腫、テイ‐サックス病、およびウィルムス
腫瘍が含まれる(Thompson and Thompson, Genetics in Medicine, 5th Ed.)。
それには、上に定義したとおりのポリヌクレオチド、すなわちPCR産物、遺伝子 または遺伝子断片、制限酵素切断断片、エキソン、イントロン、mRNA、tRNA、rR
NA、リボザイム、cDNA、組み換えポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プ
ラスミド、ベクター、あらゆる配列の単離されたDNA、あらゆる配列の単離され たRNA、核酸プローブ、およびプライマーを含まれるが、それらに限定はされな いと解釈される。
【0026】 別の態様においては、参照鎖には、特定の疾患に関連しているとは知られてい
ないかもしれないが、多型が知られているかあるいは推測されているような特定
の遺伝子または遺伝子座の一部が含まれる。例えば、肥満はアポリポタンパク質
B遺伝子の変異に関連している可能性があり、高血圧はナトリウムまたは他の輸 送系の遺伝子変異のためである可能性があり、大動脈瘤はα-ハプトグロビンお よびコレステロールエステル輸送タンパク質の変異に関連している可能性があり
、アルコール中毒はアルコールデヒドロゲナーゼおよびミトコンドリアアルデヒ
ドデヒドロゲナーゼの変異型に関係している可能性がある。さらに、ある個体の
薬物への応答は、シトクロームP450などの薬剤修飾系の変異の影響を受ける可能
性があり、特定の感染性疾患に対する感受性も、遺伝子状態によって影響され得
る。最終的に、本発明の方法は一致試験に関するHLA解析に応用し得る。それに は、上に定義したとおりのポリヌクレオチド、すなわち遺伝子、遺伝子断片、制
限酵素切断断片、エキソン、イントロン、mRNA、tRNA、rRNA、リボザイム、cDNA
、組み換えポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、
あらゆる配列の単離されたDNA、あらゆる配列の単離されたRNA、核酸プローブ、
およびプライマーを含まれるが、それらに限定はされないと解釈される。
【0027】 用語”試料鎖”または”患者鎖”は、未知の配列を有し、対照鎖と比較して1
つあるいはそれ以上の変異またはミスマッチを含んでいる可能性のあるポリヌク
レオチドを指す。これは、患者のDNAから増幅されたPCR産物または他の試料であ
ってもよい。これにも、上に定義したとおりのポリヌクレオチド、すなわち遺伝
子、遺伝子断片、制限酵素切断断片、エキソン、イントロン、mRNA、tRNA、rRNA
、リボザイム、cDNA、組み換えポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラ
スミド、ベクター、あらゆる配列の単離されたDNA、あらゆる配列の単離されたR
NA、核酸プローブ、およびプライマーを含まれるが、それらに限定はされないと
解釈される。
【0028】 さらに別の態様においては、参照鎖には、例えば侵襲性の微生物のゲノムなど
の外来性の遺伝子配列の一部が含まれる。非制限的な例には、細菌およびそのフ
ァージ、ウイルス、真菌、原生動物、マイコプラズムおよび類似のものが含まれ
る。本方法は、適切な治療的介入を選択するために微生物の異なる変異体または
系統を識別することが望まれる場合に、特に適用できる。
【0029】 用語”遺伝子変異”または”変異”は、1つあるいはそれ以上の核酸分子の野
生型または対照鎖からの変化を指すのに用いられる。それは、参照鎖と比較した
場合の試料鎖の塩基対の置換、付加および欠失を指す。
【0030】 ポリヌクレオチドの一次配列は、両配列がハイブリダイズして同じ相補的なポ
リヌクレオチドと二本鎖を形成する場合に、別の一次配列に”事実上相同”であ
る。非常に厳しい条件下でハイブリダイズする配列がより好ましい。これらの条
件はこの技術分野で知られており、例えば、Sambrookら(1989)MOLECULAR CLON
ING: A LABORATORY MANUAL, 2nd Edition, Cold Spring Harbor Press, N.Y.な どを参照のこと。ハイブリダイゼーション反応は、ヌクレオチド配列中の挿入、
欠失および置換を適応させ得る。したがって、ヌクレオチドの一次配列は、ヌク
レオチド残基のいくつかが正確に対応あるいは整列しない場合であっても、本質
的には同一であり得る。好ましくは、本発明の”事実上相同”な試料配列には、
対照ポリヌクレオチドと比較した場合に単一の変異(ミスマッチ)または1から 約10塩基対の付加または欠失が含まれる。
【0031】 本明細書中で使用する場合に、用語”ポリヌクレオチドを認識し”、化学的あ
るいは酵素的な分解から”保護するあるいは覆う作用物質”は、本発明の方法に
用いた場合にこの機能的な活性を提供するような、あらゆる作用物質、タンパク
質あるいはそうでないものである。一態様においては、この作用物質はミスマッ
チ結合タンパク質あるいは”MBP”である。MBPは、ポリヌクレオチド二本鎖中の
ヌクレオチドミスマッチを認識しそれに結合する一群のタンパク質を指す。不適
切に対合したヌクレオチド鎖を認識しそれに結合することによって、これらのタ
ンパク質は遺伝子修復の複雑な経路に関わる。修復は、一般的にミスマッチにタ
ンパク質MutSが結合することによって開始される(上記Modrich(1994)を参照 )。次いで、MutLがミスマッチに結合したMutSと複合体を作り、それが次にMutH
と複合体を作り、MutHと結合したGATCエンドヌクレアーゼの活性化を引き起こす
。MutS、MutLおよびDNAヘリケース(MutU)の協同作用は、ミスマッチ領域を除 去するのに必要であり、それが次にポリメラーゼおよび他の酵素を用いて修復さ
れる。
【0032】 ”MBP”にはいくつかの態様が含まれる。これらの態様には、ヌクレオチドミ スマッチを認識し、それに結合する能力を維持している、あらゆる断片、類似体
、ムテイン、変異体およびそれらの混合物が含まれる。一態様においては、”変
異体”は野生型のアミノ酸配列と比較して保存的なアミノ酸置換を有するタンパ
ク質またはポリペプチドであり、それゆえこの用語はMutSおよび、hMSH2、h PMS
1およびhPMS2を含むその相同体を包含している。
【0033】 本発明に用いるためのミスマッチ修復タンパク質は、大腸菌(上に記載した通
り)に由来するか、あるいは適切な機能特性を有するミスマッチ修復タンパク質
を含むあらゆる生物に由来し得る。有用なタンパク質の非制限的な例には、Salm
onella typhimurium(MutS、Su, S. S. and Modrich, P., Proc. Natl. Acad. S
ci. 84:5057-5061 (1986)を参照のこと; MutL);Streptococcus pneumonide(H
exA、HexB);Saccharomyces cervisiae(”オールタイプの”、MSH2、MLH1、MS
H3);Schizosaccharomyces pombe(SW14);マウス(rep1、rep3);およびヒ ト(”オールタイプの”、hMSH2、hMLH1、hPMS1、hPMS2、duc1)由来のものが含
まれる。好ましくは、ヒトまたは酵母細胞由来の”オールタイプの”ミスマッチ
修復系を用いる(Chang et al., Nuc. Acid. Res. 19:4761 (1991); Yang et al
., J. Biol. Chem. 266:6480 (1991))。別の態様においては、上に記載したよ うに患者のDNAと野生型DNAの間に形成されるヘテロ二本鎖を、本質的には国際特
許出願WO/93/20233に記載の通りに精製されたヒト”オールタイプの”ミスマッ チ修復活性とともにインキュベートする。別の態様においては、上に記載したよ
うに患者のDNAと野生型DNAの間に形成されるヘテロ二本鎖を、p53あるいはそのC
末端ドメインとともにインキュベートする(Lee, et al., Cell 81:1013-1020 (
1995))。
【0034】 作用物質がタンパク質あるいはポリペプチドである場合は、ポリペプチドの生
物活性が維持される限りは、L型であってもD型であってもよい。例えば、そのタ
ンパク質は、組み換え産生および精製のために細胞から分泌されるように改変し
得る。これらには、糖鎖付加、アセチル化およびリン酸化を含む反応によって翻
訳後修飾されるタンパク質も含まれる。そのようなポリペプチドには、アミノ酸
誘導体あるいは、野生型または天然に存在するタンパク質と比較してその他パク
質の生物学的あるいは機能的活性に影響しないような非アミノ酸部分を含み得る
、類似体、対立遺伝子および対立変異体も含まれる。用語アミノ酸は、天然に存
在するアミノ酸および、TryMeおよびPheClといったその誘導体の両方も、利用可
能なカルボキシル基およびアミン基の両方の存在を特徴とする他の部分も指す。
そのようなポリペプチドに含まれ得る非アミノ酸部分には、例えばアミノ酸を模
倣した構造などが含まれる。模倣構造は、アミノ酸と事実上同一の空間的配置を
示すが、アミノ酸に特徴的なα-アミノおよびα-カルボキシル基の両方を必ずし
も持たない構造である。
【0035】 本明細書中で使用する場合に、用語”ミスマッチを切断する作用物質”は、ポ
リヌクレオチド中のミスマッチ塩基を明色紙、少なくとも一方の鎖の切断をもた
らすかあるいはそのポリヌクレオチドを別の作用物質による切断に感受性である
ようにするような、酵素または化学物質を指す。そのような作用物質の非制限的
な例には、T4エンドヌクレアーゼVIIなどの”レソルバーゼ”(Cotton et al.,
WO 9529251, Youil, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 92:97-91 (1995))、CEL
1、およびT7エンドヌクレアーゼI(Mashal, et al., Nature Genetics 9:177-1
83 (1995))が含まれる。
【0036】 用語”エンドヌクレアーゼ”は、直鎖の核酸基質の遊離末端から順次ヌクレオ
チドを切断する酵素を指す。エキソヌクレアーゼは、二本鎖あるいは一本鎖ヌク
レオチドに特異的であり、かつ/または、例えば3'->5'および/または5'->3'など
、方向特異的である。例えば、天然のT7 DNAポリメラーゼは、ポリメラーゼであ
って、デオキシヌクレオシド三リン酸の非存在下では活性な3'->5'エキソヌクレ
アーゼであるなど、いくつかのエキソヌクレアーゼは他の酵素活性を示す。エキ
ソヌクレアーゼIIIは、二本鎖DNAの3'末端から一度に1つずつヌクレオチドを除
去し、エキソヌクレアーゼVIIは、一本鎖DNAの両末端から一度にいくつかのヌク
レオチドを除去し、ラムダエキソヌクレアーゼは、二本鎖DNAの5'末端から結合 している5'リン酸基を有するヌクレオチドを除去する。
【0037】 用語”ポリメラーゼ連鎖反応”または”PCR”は、Taqポリメラーゼなどの熱安
定性のポリメラーゼおよび、一方は増幅すべき配列の一方の末端で(+)鎖に対し て相補的であり、他方は他方の末端で(-)鎖に対して相補的であるような2つのオ
リゴヌクレオチドプライマーを用いてDNA塩基配列を増幅する方法を指す。新た に合成されたDNA鎖は、続いて同じプライマー配列のさらなる鋳型として働き得 るため、プライマーのアニーリング、鎖伸長、および解離の連続的な繰り返しに
より、目的の配列の急速かつ極めて特異的な指数関数的増幅を生み出すことがで
きる。PCRは、DNA試料中の限定された配列の存在を検出するのにも用いることが
できる。
【0038】 本明細書中で使用する場合に、”固体の支持体”は、参照あるいは試料ヌクレ
オチドを結合することができるあらゆる支持体を指す。よく知られた支持体には
、磁気ビーズあるいは他の微粒子が含まれる。ポリアクリルアミド、ガラス、天
然セルロース、またはニトロセルロースなどの修飾されたセルロース、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、あるいはナイロンも有用
である。固体の支持体は、標的とする鎖に結合できる限りは、事実上いかなる構
造または配置をもとり得る。固体の支持体にポリヌクレオチド鎖を結合させる方
法は、例えば、McGallらに対するアメリカ合衆国特許番号5,412,087;Shena et
al. PNAS USA 93:10614-10619 (1996)およびWO 95/35505などに記載されている 。
【0039】 材料および方法 試料および参照ポリヌクレオチドの調製 参照DNAは、化学的方法を用いて合成できる、あるいは好ましくは、この技術 分野で知られているいかなる方法によってもいかなる生物からも単離することが
できる。その生物は、いかなる識別可能な疾患または表現型上の影響をも持たな
いだろう。このDNAは、あらゆる細胞起源、組織起源または体液から得ることが できる。臨床の実際において入手可能な細胞起源の非制限的な例には、血液細胞
、口内細胞、腟頸管細胞、尿由来の上皮細胞、胎児細胞、あるいは生検によって
得られた組織に存在するあらゆる細胞が含まれる。体液には、尿、血液、脳脊髄
液(CSF)、および感染または炎症部位の組織滲出液が含まれる。この技術分野 で知られているあらゆる方法を用いて、DNAを細胞または体液から抽出する。好 ましくは、少なくとも5 pgのDNAを抽出する。抽出されたDNAは、さらに修飾する
ことなしに用いるか、あるいは今後に使用するために保存し得る。
【0040】 好ましくは、抽出された参照ポリヌクレオチド中の1つあるいはそれ以上の特
異的な領域を、約500塩基対までに分離したゲノムDNAに相補的な一組のPCRプラ イマーを用いてPCRにより増幅する。適切であるとわかったPCR条件は、以下の実
施例に記載する。最適なPCR条件は当業者によって容易に決定し得るということ が理解されるだろう(例えば、PCR 2: A PRACTICAL APPROACH (1995) eds. M.J.
McPherson, B.D. Hames and G.R. Taypor, IRL Press, Oxfordなどを参照)。
【0041】 PCR産物を、マイクロ濾過、透析、ゲル電気泳動および類似のものを含むがそ れらに限定はされない様々な方法によって精製し得る。いかなる新たなDNA合成 も起こり得ないように、PCRに用いたポリメラーゼを除くのが望ましい。
【0042】 二本鎖形成 参照:試料ヘテロ二本鎖を、この技術分野で知られているあらゆるハイブリダ
イゼーション方法によって形成し得る。一態様においては、参照および試料を別
々に加熱し、次に一緒にアニールさせる。好ましくは、加熱段階は約70℃と約10
0℃の間、より好ましくは約80℃と100℃の間であり、なおより好ましくは約90℃
と100℃の間である。ポリヌクレオチドを、鎖を分離するために十分な時間、好 ましくは約2分と約15分の間、より好ましくは約2と約10分の間、なおより好まし
くは約5分間、高い温度に保つ。
【0043】 次に、別々に加熱された参照および試料鎖を、高い温度にあって冷却させてい
る間、組み合わせる。一般的に、冷却はいくぶんゆっくりに起こり、例えば、溶
液を約1時間にわたって、50℃まで冷却させる。冷却は、高いTmと低いTmの両方 を持ったものを含め参照:試料二本鎖を形成させるように十分ゆっくりでなけれ
ばならない。二本鎖はすぐに用い得る、あるいは用いるまで4℃で保存し得る。
【0044】 あるいは、適切なハイブリダイゼーション条件を達成するように塩および温度
を調整することによって二本鎖を形成させることができる。ハイブリダイゼーシ
ョン反応は、約10 mM NaClから約600 mM NaClまでの範囲の溶液中で、約37℃か ら約65℃までの範囲の温度で行うことができる。ハイブリダイゼーション反応の
厳しさは塩濃度および温度の両方によって決まるということが理解されるだろう
。例えば、10 mM塩中、37℃で行ったハイブリダイゼーションは、500 mM塩中、6
5℃で行ったものと同様の厳しさであり得る。加えて、ハイブリダイゼーション を37℃で行えるようにするのに、有機溶媒および/または、グアニジンチオシア ン酸(2.5 M)などのカオトロピックな塩を用い得る。最終的には、フェノール エマルジョン再会合法あるいはPERT(Miller & Riblet, Nucl. Acids Res. 23:2
339-2340 (1995))といった、ハイブリダイゼーションを促進する手段を用い得 る。本発明に関しては、用いた試薬がMBPおよび用いたエキソヌクレアーゼと両 立可能であるならば、事実上相同な相補配列間でハイブリッドを形成させるよう
なあらゆるハイブリダイゼーション条件を用い得る。概して、これは、希釈、抽
出してその後、エタノール沈殿、限外濾過あるいはスピンカラムクロマトグラフ
ィーおよび類似のものをすることにより、選んだ反応バッファーに交換すること
によって達成することができる。好ましい態様においては、厳しいハイブリダイ
ゼーション条件を用いる。
【0045】 固体支持体への結合 ミスマッチ結合タンパク質を加える前か後に、参照または患者鎖のいずれかを
固体支持体に結合させ得る。鎖あるいは二本鎖を進行過程の間のいかなる時点で
固体支持体に結合させてもよいと思われ、当業者であれば進行過程の間のどの時
点または複数の時点において鎖または二本鎖を固体支持体に結合させるのが望ま
しいか理解できるだろう。
【0046】 本発明に用いるのに適したマトリックスの非制限的な例には、ニトロセルロー
スまたはナイロンフィルター、アフィニティー捕捉するための物質をコートして
あるグラスビーズ、磁気ビーズ、処理済みあるいは無処理のマイクロタイタープ
レート、および類似のものが含まれる。当業者であれば、ポリヌクレオチド鎖を
固体支持体に結合させる方法は、用いた特定の固体支持体に依存しているという
ことを理解するだろう。アミノ修飾されたPCR産物は、シリル化されたガラス表 面に結合し得る(例えば、上記Schenaらなどを参照)。
【0047】 適切な支持体には、ポリヌクレオチドを固体支持体に結合させることができる
分子をコートしてあり、このアッセイと両立可能であるようなビーズまたはマイ
クロタイタープレートが含まれるが、これらに限定はされない。例えば、ビオチ
ン結合PCRプライマーを用いることによってビオチンを結合させてある鎖を結合 させるのに、アビジンを用い得る。加えて、抗体を表面にコートし、標的DNA中 に例えばジゴキシゲニン、蛍光色素、エオジン、DNPおよび類似のものといった 抗体特異的なハプテンを取り込ませることにより、抗体を用いて、上に述べたあ
らゆる固体支持体に参照鎖を結合させることができる。好ましい態様においては
、ビオチン化されたプライマーを用いて増幅された参照または患者鎖を、ストレ
プトアビジンをコートしたビーズ(CPG, Inc., Lincoln Park, NJ)に結合させ る。一態様においては、参照二本鎖を両5'末端にてビオチン化する。これはノイ
ズを有意に減少させ、弱いミスマッチ(すなわち、C:C)の検出を可能にする。
【0048】 ミスマッチ認識 参照:試料二本鎖を、bpミスマッチに特異的に結合する能力を持つ1つあるい
はそれ以上の物質と接触させる。これにはミスマッチ結合タンパク質が含まれる
が、これらに限定はされない。その物質がミスマッチに結合できる条件下でその
物質を接触させる。他のMBPあるいはMBPの混合物を用いることもできるが、好ま
しくは、MBPは大腸菌MutS(Amersham Pharmacia Biotech)である。例えば、The
rmus aquaticus(Epicentre)由来のMutS、Streptococcus pneumoniae HexA、hM
SH2といった、MutSの相同体、遺伝的に修飾されたMutSあるいは、ヒトp53などの
他のミスマッチ結合タンパク質、または大腸菌由来のmutYまたはRubCタンパク質
の遺伝的に修飾された(切断しない)型、T7エンドヌクレアーゼIあるいはT4エ ンドヌクレアーゼVIIを用い得る。好ましくは、二本鎖を、MutSと0℃で約10と30
分の間、好ましくは約30分間接触させる。この段階のpHは、検出の感度および得
られるパターンの質に有意に影響する。高アフィニティーのMutS結合をもたらす
pH(pH7.6あるいはそれ以上-例えば、WO95/29258;Ellis et al., Nucl. Acids
Res. 22:2710-11;Jiricny et al., Nucl. Acids Res. 16:7843-53;Lishanski
et al. PNAS USA 91:2674-8;Su and Modrich, PNAS 83:5057-61を参照のこと)
では、本発明によって得られる保護パターンは、多数のミスマッチのために複数
のバンドからなる。加えて、G:Tミスマッチに対する強い選択性が観察される。 加えて、ミスマッチしたヌクレオチドの存在は、MutS結合の見かけの位置に対す
る有意な影響をマスクする(上記Su and Modrichも参照)。低めのpH値を以前に
MutS結合実験において調べたが、高い非特異的結合をもたらした(上記Jiricny,
et al.参照)。しかし、思いがけず、低めのpHで特にpH7.0以下で、本発明の複
数のバンドが、保護されている全てのミスマッチに関してさらにほとんど同一で
あるような、ほとんど単一の保護された断片に分解した。加えて、保護された産
物の収量が、異なるミスマッチしたヌクレオチド対間でより類似しているように
なる。加えて、いくつかのミスマッチに関しては、pH7.5以下の結合があらゆる 有意な保護に必要であることがわかった。さらに、保護された断片の大きさも、
低めのpH中で結合(および保護)を行うことによって上昇する。したがって、mu
tS結合反応のpHは都合よくは、中性近くのpH、好ましくは約6.5と7.5の間のpH、
より好ましくは約6.5と7.0の間のpHに調整される。MutS結合を増強するために、
マグネシウムイオン(Mg++)の供給源も反応に加え得る。より均一な保護パター
ンを生み出すために、低濃度(1 μM)のATPあるいはATPγSなどの加水分解でき
ないATP類似体を反応に加え得る。
【0049】 保護されていないヌクレオチドの除去、埋め戻しおよび捕捉 MBPなどの作用物質がヘテロ二本鎖中の変異に結合すると、DNAのその部分を化
学的または酵素的分解から保護する。同様に、例えばハプテンへの結合などによ
って固体支持体に結合されているか、別の方法で保護されている末端は、分解に
さらされないだろう。それゆえ、好ましい態様においては、MBPを加えた後に、M
BPに結合していないかあるいは固体支持体に連結されていないヌクレオチドを除
去するのに十分な条件下で、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素を添加する。
好ましくは、高い活性を有する一方向性のエキソヌクレアーゼを用いる。好まし
い態様においては、エキソヌクレアーゼはT7 DNAポリメラーゼの3'->5'エキソヌ
クレアーゼであり、図1の概略図の一番下のパネルに示すように3-5分間、37℃で
DNAを切断する。二本鎖のうちMBPが結合した部分はエキソヌクレアーゼ活性から
保護され、したがってミスマッチの領域は二本鎖に維持されるだろう。
【0050】 図1Bの一番上のパネルは、あらかじめ決めた配列のオリゴヌクレオチドをエ
キソヌクレアーゼ処理後にいかにして二本鎖の各鎖上に添加し得るかを示す。一
態様においては、エキソヌクレアーゼを除去し、次に3つのヌクレオシド三リン 酸、好ましくはα-S-dGTP、α-S-dCTP、およびα-S-dTTPの混合物を添加し、そ の混合物を焼く5分間、37℃で、DNAポリメラーゼ活性を有する作用物質とともに
インキュベートする。反応物を、例えば高塩バッファーを加えることによって静
める。産物がすでに固体支持体に結合しているのではない場合には、例えば除タ
ンパク質およびエタノール沈殿など、他の方法を用いることもできるが、都合よ
くは固体支持退場に産物を直接捕捉して洗うことによってこれを達成し得る。ハ
プテンがビオチンである場合は、好ましい固体支持体は磁気粒子に結合したスト
レプトアビジンである。固体支持体とハプテン化された二本鎖を約30分間、室温
でインキュベートすることによって結合を得ることができる。
【0051】 エキソヌクレアーゼ処理および埋め戻しの後、MBPは、一態様においては除去 し得る。この技術分野で知られているあらゆる方法を用いて、参照:試料二本鎖
を除タンパク質し得る。好ましくは、高塩濃度(あるいは界面活性剤などのタン
パク質変性剤による処理)を用いてMBPを除く。あるいは、他の既知の除タンパ ク質物質を用いてMBPを解離させ得る。
【0052】 増幅および変異した配列の決定 MBPの除去後、変異した配列を様々な方法によって直接決定することができる 。一態様を図1Aおよび図1Bに示す。図1Bは、洗った、タンパク質のない、 埋め戻された参照:試料二本鎖をいかにして、好ましくは配列5'-pQZNNX、式中N
は全4ヌクレオチドの等モル混合物であり、Qはあらかじめ決定したあらゆるヌク
レオチド、好ましくはAであり、Zはあらかじめ決定したあらゆるヌクレオチドま
たは混合物、好ましくは全4ヌクレオチドの等モル混合物である:を有する5'-リ
ン酸化されたオリゴヌクレオチド(アダプター)と接触させるかを示す。Xは、D
NAを生じさせ解析するのに用いたプライマーと類似のTmを有し、コルジセピン(
3'デオキシアデノシン)、リン酸、プロピル基または類似のものといったブロッ
キング基で終結しているプライマーに相補的な配列である。図1Aに示すように 、アダプターの配列は5'-pANNNXである。
【0053】 ライゲーションの前に、固定化された切断された産物を、そこからはシグナル
が望ましくないような領域の5'の約50ヌクレオチド以内の配列に相補的な一本鎖
DNAまたはRNAとインキュベートし得る。化学的なオリゴヌクレオチド合成に内在
する不正確さおよび/またはそれを合成、脱保護、あるいは精製する間に受けた 損傷のために、PCRプライマーの配列内に作られたミスマッチから有意な非特異 的シグナルが生じ、それがアッセイの感度を下げ得る。都合良くは、固定化され
た産物をプライマー配列に相補的なオリゴヌクレオチドと、アダプターおよびリ
ガーゼの添加前にインキュベートすることによって、これらの誤ったシグナルを
防ぎ得る。
【0054】 図1Bは、配列決定のためにいかにして試料鎖を参照鎖から分離するかを示す
。好ましくは、試料鎖ライゲーション産物を溶出するためにおよそ5 Mベタイン (N,N,N-トリメチルグリシン)を用いる。ベタインはバックグラウンド(ノイズ
)を減らし、二本鎖の熱安定性に対して(例えば、Rees, W.A., et al. Biochem
istry (1993) 32:137-44)、それゆえ配列変化を検出する能力に対して、その遺
伝子座周辺の塩基組成が持ち得る影響を最小限にする。この化合物は、ポリヌク
レオチド二本鎖のTmも低くし(上記Rees, W.A.ら参照)、鎖の分離が室温で達成
されるのを可能にする。試料鎖を解離させる他の方法も用い得る。
【0055】 次に、アダプターの配列Xに相補的なプライマーおよび元のDNA内の配列に相補
的な第二のプライマーを用いて、解離された鎖を直接増幅することができる。産
物DNAのその後の精製および配列決定を助けるために、後の方のプライマーをビ オチン化し得る。アガロースまたはアクリルアミドゲル中の電気泳動によって、
あるいはHPCL、薄層クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーまたは
キャピラリーゲル電気泳動などの他の手段によって、増幅され、保護された断片
を分離し得る。この解析による、特異的なサイズの増幅産物の存在は、DNA中に 変異または多型を含む試料を同定する。各配列変異は、独特のサイズの二本鎖DN
Aを作りだし、それゆえその配列中の1つ以上の変化の検出を可能にする。
【0056】 増幅産物は、もし存在するならば、アダプターに相補的なプライマーを用いて
単離し、直接配列決定することもできる。産物DNAのそれぞれは患者DNA鎖に由来
するため、変異体配列のみが存在する。ただ1つの配列である可能性(ヘテロ接
合体の場合の変異体と正常配列の混合物とは反対に)も、配列決定のあいまいさ
から配列変異をはっきりと識別する。アダプターに相補的なプライマーの伸長に
よる配列決定は、通常は50ヌクレオチド以内に変異の場所を定める。当業者によ
って認識される通り、プライマーに近い配列決定は、得られる配列の信頼性を十
分に改善する。加えて、このアプローチは、小さな欠失または挿入を含む変異体
DNAを分離する(例えばクローニングによって)必要をも排除し、さもなければ 直接的な配列解析による解釈において困難さを提起する入れ子配列を生み出すだ
ろう。
【0057】 ポジショナルクローニング 本発明は、疾患原因遺伝子の位置を突き止めるための、代替の、費用に対し最
も効率のよい方法を提供する。手短に述べると、冒された個体由来のポリヌクレ
オチドを、上に記載したとおりに正常あるいは野生型のポリヌクレオチドとハイ
ブリダイズさせ、変異の位置でミスマッチ領域を形成させる。ハイブリダイゼー
ション反応に含める前に、その染色体位置に対応するDNAの同様の大きさの断片 も患者のゲノムDNAから増幅され得るが、好ましくは、ゲノムDNAを、大きさで平
均数百ヌクレオチドの断片を生むような制限酵素で切断する。あるいは、ハイブ
リダイゼーション反応の後に、ポリヌクレオチドの両方の鎖を反対のあるいはほ
とんど反対の位置で切断する活性にて処理する場合は、より大きなゲノム断片を
用い得る。そのような作用物質には、制限エンドヌクレアーゼ、単球菌のヌクレ
アーゼ、またはマンガンイオン存在下のDNase Iが含まれる。次に、ミスマッチ 領域を認識させ、結合させて切断から保護するために、上に記載したような保護
実験においてハイブリッドを処理する。”埋め戻し”反応を行う必要はない。T7
遺伝子6エキソヌクレアーゼまたはラムダエキソヌクレアーゼを含め、ミスマッ チへのMBPの結合によって阻害されるあらゆる5'->3'エキソヌクレアーゼを用い 得る。次に、あらかじめ決めた配列の2つのオリゴヌクレオチドアダプターの混 合物を、切断から得られた末端にライゲーションする。エキソヌクレアーゼによ
る分解にかけられなかったあらゆる突出末端を、次に第二の3'->5'一本鎖特異的
エキソヌクレアーゼによって”刈り込む”。非制限的な例は、エキソヌクレアー
ゼI(3'->5')、エキソヌクレアーゼVII(5'->3'および3'->5')、あるいはT4ま
たはT7 DNAポリメラーゼなどの、ヌクレオシド三リン酸の存在下でエキソヌクレ
アーゼ活性を有するDNAポリメラーゼであり得る。好ましい酵素は、エキソヌク レアーゼIである。次に、第二のエキソヌクレアーゼによって生じた”刈り込ま れた”末端を、ライゲーションされたアダプター鋳型鎖上でDNAポリメラーゼに て伸長させ、第二のアダプターの配列を保護された産物の3'末端にコピーする。
付加されたアダプター配列を有する領域を次に、PCRまたは他の方法によって増 幅する。次に、産物をクローン化する。最後に、ミスマッチの付近に保護された
領域を含む、クローン化されたDNAの配列を、この技術分野で十分知られている 方法によって決定する。
【0058】 当業者であれば、このアプローチが多型と呼ばれる、DNA配列中の天然に存在 するが他の点では無害な変異体から大集団の産物を生むであろうということを直
ちに理解するだろう。そのような配列変異体は、疾患原因変異特別できないミス
マッチを生むだろう。これらの変異体を集団から除くために、”サブトラクティ
ブハイブリダイゼーション”の方法の変法(アメリカ合衆国特許番号5,436,142 および5,501,964)を行う。ミスマッチ結合-保護-増幅実験を、冒されていない 個体(”正常対照”集団)由来のDNAのプールを用いて繰り返し、一組の正常対 照プローブを作る。この組を増幅するためのプライマーは、患者試料の増幅に用
いたプライマーと交差ハイブリダイズしないように設計され、対照プローブおよ
びそれらにハイブリダイズし得るあらゆる配列の除去を容易にするような、さら
に1つあるいはそれ以上のハプテン、好ましくはビオチンである、を含む。試料
PCR産物を、過剰の正常対照プローブの組と混合し、混合物を加熱によって変性 させ、再アニールさせ、対照プローブとハイブリダイズする配列を、ストレプト
アビジンなどのハプテン結合部分を有する固体支持体と結合させることによって
除く。次に、患者試料を増幅するのに用いたのと同じプライマー組を用いて、結
合していない産物を再増幅する。次に、これらの産物をクローン化して配列決定
する。ハイブリダイゼーションの効率および/またはその集団における天然に存 在する変異体の数度は、患者試料PCR産物の集団から全ての多型を除くほどには 十分高くない可能性があるということが理解されるだろう。この困難を克服する
ために、この過程を、多型配列に対して選別するために必要とされるほど何回も
繰り返し得る。この過程の後に、既知の変異を有する個体由来のDNAに関する実 験を行い、ハイブリダイゼーションによってそのPCR集団におけるその配列の数 度を追跡し得る。最後に、クローニングの前に、増幅され保護された断片インサ
ートの末端同士のライゲーションを可能にするような制限酵素部位をアダプター
中に含めることによって産物を直列にクローン化することもできる(例えば、SA
GE特許WO 97/10363などを参照)。
【0059】 この態様においては、ミスマッチの付近にある短い配列の決定でさえ、疾患原
因遺伝子の決定的な同定を容易にする。配列決定の一巡目において決定される短
い配列を用いて、ゲノムまたはcDNAライブラリーのスクリーニングに用いるため
のオリゴヌクレオチドプローブを設計することができる。一次配列情報を単独あ
るいはライブラリースクリーニングと組み合わせて用いることができる他の方法
には、組織特異的な発現の同定、mRNAの逆転写-PCR増幅、および冒された集団の
遺伝子型/表現型関連に関するスクリーニングが含まれる。したがって、理論に 縛られることを望まずに、これらの方法によって、疾患あるいは他の表現型の原
因となる、以前には未知であった遺伝子を迅速かつ効率的に同定し得るというこ
とが予期される。
【0060】 本発明は、本明細書中に記載した方法を実行するために有用なキットまたは試
薬システムをも提供する。そのようなキットには、本明細書中に記載したとおり
のアッセイを行うために必要な必須の要素を含む試薬の組み合わせを含むだろう
。試薬システムは、市販用に包装された形で、試薬の適合性が許すであろう組成
または混合物として、テスト装置構成で、あるいはより典型的にはテストキット
、すなわち必要な試薬含む1つあるいはそれ以上の容器、装置、または類似のも
の、およびおよびアッセイを実行するための書面による使用説明の、包装された
組み合わせとして、提示される。本発明のキットには、本明細書中に記載した様
々なアッセイ形式を行うためのあらゆる構成および組成が含まれ得る。
【0061】 高い処理量のスクリーニング この技術分野で知られているように、結合したヌクレオチドの高密度アレイを
高い処理量のスクリーニングのために作り得る。本発明の方法は、高い処理量の
DNA解析、すなわち多数の患者由来のDNA試料の迅速かつ同時の処理に特に適して
いる。さらに、de novo変異を検出するための他の方法とは対照的に、本発明の 方法は単一の反応における多数の遺伝子座の同時解析に適しており、これは”多
重”解析と呼ばれる。それゆえ、いかなる単一の試料に関して、あるいは非常に
多数の試料に関して、本発明は、遺伝子内の座位(単一の遺伝子内のいくつかの
領域)およびinternecine loci(異なる遺伝子内のいくつかの領域)の両方の、
単一反応混合物中での解析を可能にする。本発明の方法の実行に関わる操作は、
例えば、固体支持体として、あるいはビーズなどのレセプタクルとしてマルチウ
ィルマイクロタイターディッシュ;連続的なインキュベーションおよび洗いを行
うためのロボット工学;および最終的には市販の自動DNA配列決定装置を用いた 自動配列決定などを用いて自動化に力を尽くしている。臨床に関連して、500個 の患者DNA試料を、費用に対し最も効率のよい方法($50.00以下/試料)で1-2日
のうちに解析することができるということを企図している。
【0062】 以下の実施例は、本発明を例証することだけを意図したものであり、いかなる
ようにも本発明を制限するように解釈されるべきではない。
【0063】
【実施例】
実施例1:試料DNAの調製 高グルコースACD VacutainersTM(yellow top)中に回収した全血試料を遠心 し、バフィコートを回収した。14mM NH4Clおよび1mM NaHCO3の10:1(v/v)混合物 で2回洗うことにより白血球を可溶化し、その核を核可溶化バッファー(10mM Tr
is, pH 8.0、0.4M NaCl、2mM EDTA、0.5% SDS、500 μg/ml proteinase K)に再
懸濁させ、一晩、37℃でインキュベートした。次に、試料を4分の1量の飽和NaCl
にて抽出し、DNAをエタノール中に沈殿させた。次に、DNAを70%エタノールにて 洗い、乾燥させ、TEバッファー(10mM Tris-HCl, pH7.5、1mM EDTA)に溶解させ
た。
【0064】 あるいは、内頬の中にブラシまたは綿棒を30秒間巻き付けることにより、口内
細胞を滅菌した細胞学ブラシ(Scientific Products)あるいはfemaleダクロン 綿棒(Medical Packaging Corp.)上に回収した。直ちに、あるいは室温または4
℃で保存した後に、DNAを以下のようにして調製した。ブラシまたは綿棒をポリ プロピレン遠心チューブに入れられた600 μlの50mM NaClに浸し、ボルテックス
した。ブラシまたは綿棒を依然として含むチューブを95℃で5分間加熱し、その 後、ブラシまたは綿棒を注意深く取り除いた。次に、DNAを含む溶液を60μlのTr
is, pH8.0にて中和し、再びボルテックスした(Mayall et al., J. Med. Genet.
27:658 (1990))。DNAを44℃で保存した。
【0065】 実施例2:参照および試料鎖のアニーリング 増幅された試料DNAを別々に熱し、各ビオチン化された参照DNAの存在下でアニ
ールさせた。Pfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)にて生じさせたPCR産物を除タ
ンパク質し、続いてCentrocon 100フィルター(Amicon, Inc., Beverly MA)に て洗うことにより精製した。5ピコモルの各産物DNAを100mM NaCl、1mM EDTA、10
mM Tris・HCl pH 7.5中で混合し、95℃に5分間加熱し、90分に渡って50℃までゆ
っくりと冷却する(0.5℃min-1)ことによってアニールさせた。
【0066】 実施例3:ミスマッチ認識および固体支持体上への捕捉 アニールした二本鎖(計0.5 pmol)を、5 pmolの大腸菌MutSタンパク質(Am
ersham)および5 pmolのTaq MutSタンパク質(Epicentre)と氷上で30分間、20 μlの7mM MgCl2、5mM DTT、40mM HEPES pH6.5中で接触させた。10ユニットのT7
DNAポリメラーゼを加え、DNAを37℃で4分間切断した。3つのヌクレオシド三リン
酸。α-S-dGTP、α-S-dCTP、α-S-dTTPの混合物を加え、反応液を37℃で5分間イ
ンキュベートした。高塩バッファー(”B&W”:1M NaCl、10mM Tris pH7.5、1mM
EDTA、0.1% Tween 80)を加えて反応を静めた。次に、10μl(100μg)のMPGス
トレプトアビジン磁気粒子(CPG, Inc.)を加えて室温で30分間インキュベーシ ョンすることによって、切断された産物を捕捉した。粒子をB&Wバッファーにて 一回、ライゲーションバッファー(50mM Tris pH7.5、5mM MgCl2、1mM DTT、100
μM ATP、および100μg/mlアセチル化BSA)にて一回洗った。
【0067】 実施例3b:プライマーによって生じるノイズのブロッキング ライゲーションバッファーにて洗った後、結合した切断産物を含む粒子を、最
初の増幅に用いたプライマーに相補的な2つのオリゴヌクレオチドを各50pmol含 む10μlのライゲーションバッファーに再懸濁させた。混合液を室温で5-10分間 インキュベートした。
【0068】 実施例4:特異的プライマーのライゲーションおよび配列決定 ブロッキングの後、配列5'-pANNNX、式中、Nは全4ヌクレオチドの等モル混合 物であり、Xは試料鎖を作るのに用いたプライマーと同様のTmを有するプライマ ーに相補的な配列である、を有する5'リン酸化されたアダプターと産物を接触さ
せた。50pmolのオリゴヌクレオチド5'-ANNNTGAGGCTGCGGACCGTGGGCCK、式中、Kは
コルジセピン(3'デオキシアデノシン)残基である、および5 Weiss unitのT4 D
NAリガーゼを含む10μlのライゲーションバッファーを加え、混合物を室温で30 分間インキュベートした。
【0069】 次に、300μlの0.3M NaCl、50mM Tris・HCl, pH7.5、1mM EDTAを加えることに
よって、ライゲーションされた産物を洗い、その後、分離して、50μlの5.2Mベ タイン(N,N,N,-トリメチルグリシン)溶液を使用して室温で10分間インキュベ ートすることによって試料鎖(ビオチン化されていない)を解離させた。次に、
ライゲーションされたアダプター配列(5'-GGCCCACGGTCCGCAGCCTCA-3')の配列X
に相補的なプライマーおよび、その鎖内の配列に相補的な第二のプライマーによ
るPCRを用い、試料鎖(溶出物のうちの10μl)を増幅した。いくつかの場合では
、第二のプライマーをビオチン化して、試料鎖のその後の精製および配列決定の
助けとした。
【0070】 増幅された産物をアガロースまたはアクリルアミドゲルにて、あるいはいくつ
かの場合にはHPLCまたはキャピラリーゲル電気泳動によって分離した。示した実
施例においては、3% MetaPhorアガロースゲルを用いた。各遺伝子変異は独特の サイズの二本鎖DNAを生じさせるため、配列中に1つ以上の変化を検出できた。
【0071】 直接の配列決定も行い得る。この技術分野で知られているように、適切なプラ
イマーおよび標識されたダイデオキシヌクレオチドを用いたPCR配列決定により 、各塩基で終了する断片を生み出すことができる。次に、これらの断片をゲル電
気泳動にて分離し、配列を決定することができる。
【0072】 実施例5:既知のゲノム領域内の変異同定/スキャニング pAT2.1(InVitroGen)中のPCR産物挿入部位に取り込まれたCFTR遺伝子のエキ ソン7を包含するSau3A断片のクローンをEcoRIにて切断し、クローン化されたイ ンサートをはずし、電気泳動によってベクターDNAを含まないように精製する。1
μgのインサートDNAを、0.1Uのウシ腸ホスファターゼにて60分間脱リン酸化し、
除タンパク質する。5UのT4 ポリヌクレオチドキナーゼおよび1mM ATPγSと 50mM
Tris・HCl pH7.5、10mM MgCl2、1mM DTT中で30分間インキュベートすることに よって三リン酸を5'末端に導入し、50mM HEPES pH7.5 1mM EDTAにて平衡化したS
ephadexG50のスピンカラム上のクロマトグラフィーにて、取り込まれなかったAT
PγSを除く。1mM 1-ビオチンアミド-4-[4'-(マレイミドメチル)-シクロヘキサン
-カルボキシアミド]ブタン(”Biotin-BMCC”、Pierce)を加えて室温で2時間イ
ンキュベートすることにより、ビオチンを末端に付加する。未反応の試薬をスピ
ンカラムクロマトグラフィーにて除去し、吸光度によってDNAを定量する。
【0073】 患者のDNA(10μg)をSau3Aにて完全に切断し、蒸留したての8%(v/v)フェノー
ルを含む1.5Mチオシアン酸ナトリウム、120mMリン酸ナトリウムpH6.8、10mM EDT
A中、0.5ピコグラムのビオチン化された参照DNAと混合する。混合物を100℃まで
加熱し、氷上で冷却する。断続的に(15分毎に)65℃まで2分間、計24時間加熱 する間に、サーマルサイクラー中、37℃にてインキュベーションすることにより
ヘテロ二本鎖を形成させる。次に、混合物をクロロホルムにて一回抽出し、G50
Sephadexスピンカラム上でクロマトグラフィーして、アニーリングバッファーの
成分を除く。
【0074】 第一のメンバーはアダプター配列(以下の配列1)に相補的であり、他方はエ キソン境界の外の5'または3'領域のいずれかにあるがSau3A断片(以下の配列2お
よび3)の中にある配列に相補的であるような一組のプライマーを用いてPCRによ
りベタイン溶出物を増幅すること以外は、実施例3および4に記載の通りのアンプ
リコンDNAと同じ方法で1μgの上のヘテロ二本鎖DNA調製物を用いる。正常(対照
)DNA由来の試料とは区別可能なバンドとして現れる産物を切り出し、以下の配 列1と同じ配列のプライマーを用いて配列決定する。 配列1:5'-GGC-CCA-CGG-TCC-GCA-GCC-TCA-3'(アダプタープライマー) 配列2:5'-CTC-AGA-CTC-CCA-GCC-CAA-AAA-TAA-AAT-AAC-ATC-CTG-AAT-3'(エキソ
ン7の5') 配列3:5'-CTC-AGA-CTC-CCA-GCC-CTT-ACC-TGT-ATT-TTG-TTT-ATT-GCT-3'(エキソ
ン7の3') 5'ドライバー配列(下線を引いた)をプライマー2および3に加えて同じ条件下
でフォワードおよびリバース鎖産物の増幅を可能にした(Schuber, A.P. et al.
, Genome Research 5:488-93 (1995))。
【0075】 実施例6:頻繁に見られる変異/多型を抑制するためのPNA指向性PCRクランピン
グ いくつかの例においては、同じDNA中のよくある変異および多型の存在から生 じるシグナルを抑制することが好都合である。例えば、CFTR遺伝子内に変異体DN
A配列を含むと疑われる患者試料のうちの大部分は△F508対立遺伝子を1つ含ん でいる。この集団における総変異体対立遺伝子のうちの約70%は、△F508を含む 。したがって、この遺伝子を解析する際には、この変異に対応するシグナルがし
ばしば見出されるだろう。そのようなシグナルは、mutSによってより弱く認識さ
れる同じ領域内の他のミスマッチの検出を妨げる場合がある。しかし、これらの
シグナルはPCR反応物中の対立遺伝子に相補的なペプチド核酸(PNA)を含ませる
ことによって選択的に抑制し得る(Orum, et al., Nucl. Acids. Res. 21:5332-
36(1993))。
【0076】 実施例7:疾患原因遺伝子のポジショナルクローニング 以下に記載する実験は、疾患原因遺伝子に対応するゲノム領域を迅速に位置決
めし、配列決定するために行う。遺伝性疾患が発現する複合的な家系を、標準的
な臨床指標によって同定する。DNA試料を上に記載の通りに罹患者および非罹患 者から得て、疾患の遺伝形式が常染色体劣性症候群であるとみられる場合には、
その疾患遺伝子に関して仮定上ヘテロ接合体である個体からDNA試料を得る。
【0077】 実施例1に記載の通りに調製した、ヘテロ接合な個体由来のDNAを、Alu Iにて 切断し、熱変性して自己アニールさせる。Alu切断された10マイクログラムのゲ ノムDNAを、50μlの1.5Mチオシアン酸ナトリウム、120mM リン酸ナトリウムpH6.
8、10mM EDTAおよび8%の蒸留したてのフェノール中、100℃にて10分間加熱する 。混合物を氷上で冷却し、次に、サーマルサイクラー中に置き、24時間、65℃に
て2分間に続き37℃にて15分間を繰り返す。次に、混合物をSephadex G50スピン カラム(Pharmacia)にてクロマトグラフィーにかける。Taqおよび大腸菌mutS(
各10 pmol)の混合物を、50mM HEPES pH7.2、7mM MgCl2、1mM DTTにて溶出され たDNA1μgに添加し、混合物を氷上で30分間インキュベートする。次に、混合物 をT7遺伝子6エキソヌクレアーゼ(Amersham)により、37℃にて15分間消化する 。フェノール抽出およびSephadex G50によるクロマトグラフィーにより反応を静
める。配列(1)5'-HO-GGCCCACGGTCCGAAGACCTCNNN-OH-3'および(2)5'-HO-GGGC
CGGACCGGATGGGATCANNN-OH'-3'を有する2つのオリゴヌクレオチドアダプターを、
50mM Tris・HCl、10mM MgCl2、1mM ATPおよび1mM DTT中、5 Weiss unitsのT4 DN
Aリガーゼにて室温で1時間、DNA消化物にライゲーションする。T7エキソヌクレ アーゼにより残った突出末端を除くために、100 unitsのエキソヌクレアーゼI(
Amersham)を加え、混合物を37℃にて30分間インキュベートする。5 unitsのT4
DNAポリメラーゼおよび、各200μMのdATP、dGTP、dCTP、dTTPと共に37℃にて10 分間インキュベートすることにより、産物を完全に二本鎖にする。次に、混合物
を加熱して、残存するあらゆるエキソヌクレアーゼを不活性化し、3'縮重ヌクレ
オチドを除くこと以外は、上の配列と同一のプライマー(プライマーセット1) を用いてPCRにより増幅する。
【0078】 選択した遺伝子に遺伝的欠損のないと思われる以外は、国籍、人種、あるいは
疾患の頻度の変動の原因を示すと知られている他の顕著な特徴がヘテロ接合の試
料と同様である個体からなる対照群由来のプールされたゲノムDNAを用いて、別 々に平行して実験を行う。この場合、最終的な増幅は、ヘテロ接合なDNAに用い たプライマーとは交差ハイブリダイズしないであろうプライマー(プライマーセ
ット2)を用いて行う。このセットの産物を、プライマーにビオチンを導入する ことによってか、あるいはPCR後にビオチン化されたデオキシヌクレオシド三リ ン酸およびTdTにて付加することのいずれかにより、ビオチン化する。この産物 をヘテロ接合体PCRの産物とハイブリダイズさせ、ストレプトアビジンアガロー スに吸収することによって対照の産物にアニーリングする物質を除く。ハイブリ
ダイゼーションおよびクロマトグラフィー(上に記載した)の後、試料を50μl のストレプトアビジンアガロース(Life Technologies, Inc.)とともに室温で3
0分間、1M NaCl 、10mM Tris、1mM EDTA pH7.5中でインキュベートする。結合し
ていない物質をG50スピンカラムクロマトグラフィーにより回収する。この”サ ブトラクトされた”ライブラリーを、プライマーセット1を用いて再増幅し、サ ブトラクションおよび増幅の段階をもう1回行う。最後に、産物を適切なベクタ ーにクローン化し、産物を配列決定する。これは、都合良くは、まず直列のアレ
イ(好ましくは600ヌクレオチド)中に配列をライゲーションし、配列の高処理 量の解析を可能にすることによって行い得る。限定された配列変化(トランジシ
ョン、トランスバージョン、および3ヌクレオチドまでの欠失/挿入)のみによっ
て異なる2つの対立遺伝子を単離することにより、変異を同定する。次に、2つの
対立遺伝子座にハイブリダイズし、かつそれらを区別するように設計された対立
遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドのセットを用いて、罹患した個体の家系にお
ける分離解析を行い得る。次に、同定されたクローン由来のDNAを、cDNAライブ ラリーをスクリーニングするのに用い、さらに、クローニングおよびスクリーニ
ングの前にゲノムDNA断片、メッセンジャーRNAまたはcDNAを抽出するのに用い得
る。
【0079】 本発明を上の態様に関連して記載してきたが、前述の説明および続く実施例は
例証を意図するものであって本発明の範囲を制限するものではないということを
理解すべきである。本発明の範囲内にある他の観点、利点および修飾は、本発明
が属する技術分野の当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは、本発明の一態様の第一段階を描いた概略図である。ビ オチン化された参照DNA鎖を試料DNAにアニールさせ、二本鎖をMutSなどのミスマ
ッチを認識するタンパク質と接触させる。3'->5'エキソヌクレアーゼはタンパク
質によって保護されていないヌクレオチドを除去する。 図1Bは、図1Aから続く概略図である。エキソヌクレアーゼによって生じた3'
末端をDNAポリメラーゼおよび2または3個のデオキシヌクレオシド三リン酸の混 合物によって伸長させる。エキソヌクレアーゼ処理した、ポリメラーゼによって
埋められたDNAを、ビオチン-アビジン相互作用を介して固体支持体に捕捉する。
部分的に縮重したアダプター-プライマーを鎖の3'末端にライゲーションする。 試料鎖を参照鎖から解離させる。次に、配列決定の前にアダプター-相補的プラ イマーおよび試料鎖の5'末端に対応するプライマーを用いて試料鎖を増幅する。
【図2】 図2は、典型的なアッセイ由来の増幅された保護された断片を示す
、臭化エチジウム染色されたアガロースゲルの写真である。嚢胞性線維症膜貫通
調節エキソン7の一部分を含む260 b.p.のアンプリコン中の一連の部位特異的な 変異を、mutSを用いてアッセイした。”参照鎖”は、参照DNAのセンス鎖中に存 在するアンプリコンの位置154のヌクレオチドを示す。”塩基対”は、それぞれ 位置154のヌクレオチドの同一性が変化した、ビオチン化されていない4つの試料
DNAのそれぞれと同じ位置に形成された塩基対を示す。
【図3】 図3は、図2に示したゲルから切り出した、増幅された保護された
断片を用いて行った配列決定の実験の写真である。アダプター特異的プライマー
および33PダイデオキシヌクレオチドおよびThermosequence(Amersham)を用い 、切り出された、回収された産物を配列決定した。”塩基対”は、検出された増
幅産物をもたらす特定のミスマッチを示す。”変異”は、示した特定のミスマッ
チをもたらすヌクレオチド変化を示す。矢印は、アンプリコンにおける位置154 に対応する位置を示す。
【図4】 図4Aは、本発明の別の態様の第一段階を描いた概略図である。1
つあるいはそれ以上の部位で異なる2つの核酸試料を加熱し、アニールさせて、 異なる遺伝子座にミスマッチしたヌクレオチドを含むヘテロ二本鎖DNAを生成さ せる。このヘテロ二本鎖をMutSあるいは他のミスマッチ結合タンパク質と接触さ
せる。次に、複合体をT7遺伝子6エキソヌクレアーゼなどの5'->3'エキソヌクレ アーゼと接触させる。エキソヌクレアーゼを除去する。 図4Bは、図4Aから続く概略図である。3'部分縮重アダプターオリゴヌクレ
オチドを鎖の5'末端にライゲーションする。産物をエキソヌクレアーゼIなどの 一本鎖特異的3'->5'エキソヌクレアーゼと接触させる。新たに生じた3'末端をDN
Aポリメラーゼにて伸長させ、各末端に完全な二本鎖アダプター配列を生じさせ る。次に、産物をPCRによって増幅する。
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月12日(2001.3.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 AA35 BB01 BB10 BB14 BB48 BB50 BB51 CA11 CA25 DA13 FB02 FB05 FB08 FB09 GC10 4B024 AA11 CA04 CA12 HA19 4B063 QA13 QQ42 QQ53 QQ58 QR32 QR55 QR62 QS34

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の段階、 (a)試料ポリヌクレオチド鎖を試料鎖に対して事実上相同である参照ポリヌク レオチドと、試料および参照鎖の二本鎖を形成するのに適した条件下で接触させ
    ること; (b)その二本鎖を塩基対ミスマッチを認識し保護する作用物質と、その作用物 質が二本鎖:作用物質複合体を形成するようにミスマッチの箇所でその二本差に
    結合できる条件下で接触させること; (c)保護されていない塩基対を除去すること; (d)その箇所から配列決定するための唯一の塩基対位置を提供すること; (e)試料鎖の配列を決定して、試料ポリヌクレオチド鎖中の1つあるいはそれ 以上の遺伝子変異を同定すること; を含む、試料ポリヌクレオチド鎖中の1つあるいはそれ以上の遺伝子変異を同定
    するための方法。
  2. 【請求項2】 段階(d)が、DNAポリメラーゼ活性を有する作用物質および
    、2から3個の異なるデオキシヌクレオシド三リン酸の混合物と二本鎖を接触させ
    ることを含む、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 段階(d)が、アダプターオリゴヌクレオチドを試料鎖にラ イゲーションすることを含む、請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 二本鎖を固体支持体に固定化させることを含む、段階(a) (i)をさらに含む、請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 以下の段階、 (a)複数の試料ポリヌクレオチド鎖を、1つあるいはそれ以上の試料鎖に対し て事実上相同である参照ポリヌクレオチドと、試料:参照鎖複合体を形成するの
    に適した条件下で接触させること; (b)その二本鎖を塩基対ミスマッチを認識し保護する作用物質と、その作用物 質が二本鎖:作用物質複合体を形成するようにミスマッチの箇所でその二本鎖に
    結合できる条件下で接触させること; (c)保護されていない塩基対を除去すること; (d)その箇所から配列決定するための唯一の塩基対位置を提供すること; (e)試料鎖の配列を決定して、試料ポリヌクレオチド鎖中の1つあるいはそれ 以上の遺伝子変異を同定すること; を含む、試料ポリヌクレオチド鎖中の1つあるいはそれ以上の遺伝子変異を同定
    するための方法。
  6. 【請求項6】 段階(d)が、DNAポリメラーゼ活性を有する作用物質および
    、2から3個の異なるデオキシヌクレオシド三リン酸の混合物と二本鎖を接触させ
    ることを含む、請求項5の方法。
  7. 【請求項7】 段階(d)が、アダプターオリゴヌクレオチドを試料鎖にラ イゲーションすることを含む、請求項5の方法。
  8. 【請求項8】 二本鎖を固体支持体に固定化させることを含む、段階(a) (i)をさらに含む、請求項5の方法。
  9. 【請求項9】 以下の段階、 (a)試料ポリヌクレオチド鎖を1つあるいはそれ以上の固体支持体に固定化さ せることおよび、試料ポリヌクレオチド鎖を試料鎖に対して事実上相同である参
    照ポリヌクレオチドと、試料および参照鎖の複合体を形成するのに適した条件下
    で接触させること; (b)その二本鎖を塩基対ミスマッチを認識し保護する作用物質と、その作用物 質が二本鎖:作用物質複合体を形成するようにミスマッチの箇所でその二本鎖に
    結合できる条件下で接触させること; (c)保護されていない塩基対を除去すること; (d)その箇所から配列決定するための唯一の塩基対位置を提供すること; (e)試料鎖の配列を決定して、試料ポリヌクレオチド鎖中の1つあるいはそれ 以上の遺伝子変異を同定すること; を含む、試料ポリヌクレオチド鎖中の1つあるいはそれ以上の遺伝子変異を同定
    するための方法。
  10. 【請求項10】 段階(d)が、DNAポリメラーゼ活性を有する作用物質およ
    び、2から3個の異なるデオキシヌクレオシド三リン酸の混合物と二本鎖を接触さ
    せることを含む、請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 段階(d)が、アダプターオリゴヌクレオチドを試料鎖に ライゲーションすることを含む、請求項9の方法。
  12. 【請求項12】 以下の段階、 (a)複数の試料ポリヌクレオチドを1つあるいはそれ以上の固体支持体に固定 化させることおよび、該複数の試料ポリヌクレオチド鎖を、1つあるいはそれ以
    上の試料鎖に対して事実上相同である参照ポリヌクレオチドと、試料および参照
    鎖の複合体を形成するのに適した条件下で接触させること; (b)その二本鎖を塩基対ミスマッチを認識し保護する作用物質と、その作用物 質が二本鎖:作用物質複合体を形成するようにミスマッチの箇所でその二本鎖に
    結合できる条件下で接触させること; (c)保護されていない塩基対を除去すること; (d)その箇所から配列決定するための唯一の塩基対位置を提供すること; (e)試料ポリヌクレオチド鎖の配列を決定して、遺伝子変異を同定すること; を含む、試料ポリヌクレオチド鎖中の1つあるいはそれ以上の遺伝子変異を同定
    するための方法。
  13. 【請求項13】 段階(d)が、DNAポリメラーゼ活性を有する作用物質およ
    び、2から3個の異なるデオキシヌクレオシド三リン酸の混合物と二本鎖を接触さ
    せることを含む、請求項12の方法。
  14. 【請求項14】 段階(d)が、アダプターオリゴヌクレオチドを試料鎖に ライゲーションすることを含む、請求項12の方法。
  15. 【請求項15】 段階(d)が、2つのアダプターオリゴヌクレオチドを段階
    (c)の産物に連結させること、クローニングおよび配列決定することを含む、 請求項1、5、9または12の方法。
  16. 【請求項16】 2つのアダプターオリゴヌクレオチドが一本鎖である、請 求項15の方法。
  17. 【請求項17】 アダプターオリゴヌクレオチドのライゲーションの次に、
    残っているあらゆる鎖を分解しアダプター鋳型上に伸長させて二本鎖産物を作り
    出す、請求項15の方法。
  18. 【請求項18】 作用物質がMutSである、請求項1、5、9または12の方法。
  19. 【請求項19】 参照鎖が5'末端にビオチンあるいはその類似体をさらに含
    む、請求項1、5、9または12の方法。
  20. 【請求項20】 参照鎖が、PCR産物、多様な制限酵素切断産物、cDNA、お よびmRNAからなる群から選択される、請求項1、5、9または12の方法。
  21. 【請求項21】 試料鎖が、PCR産物、多様な制限酵素切断産物、cDNA、お よびmRNAからなる群から選択される、請求項1、5、9または12の方法。
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