JP2002507717A - 燃焼器とその使用方法並びに燃焼振動の低減方法 - Google Patents

燃焼器とその使用方法並びに燃焼振動の低減方法

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JP2002507717A JP2000538190A JP2000538190A JP2002507717A JP 2002507717 A JP2002507717 A JP 2002507717A JP 2000538190 A JP2000538190 A JP 2000538190A JP 2000538190 A JP2000538190 A JP 2000538190A JP 2002507717 A JP2002507717 A JP 2002507717A
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Abstract

(57)【要約】 燃焼空気（５）或いは燃焼空気と燃料との混合ガスの流れ（７）に燃焼のため供給され、この流れ（７）に周方向に不均一な旋回流が加えられる燃焼器（１）において、燃焼空気或いは燃焼空気と燃料との混合ガスの供給のため、周方向に不均一な旋回流を加える旋回流装置（６）を配置した通流路が利用される。この発明は、さらに、この燃焼器の使用方法並びに燃焼振動の低減方法にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 この発明は、燃焼空気或いは燃焼空気と燃料との混合ガス流を供給するための
通流路を備え、この通流路に前記流れに旋回流を加えるための旋回流装置が設け
られている燃焼器に関する。この発明は、さらに、この燃焼器の使用方法並びに
燃焼振動の低減方法に関する。
【０００２】 燃焼器を燃焼システムにおいて運転する際に、燃焼振動を生ずることがある。
これはまた、「燃焼室騒音」、「燃焼室振動」、「燃焼による圧力脈動」、「振
動性燃焼」の概念で知られている。燃焼振動は、燃焼器の通流路を流れて燃焼室
に入った後に点火され、火炎で燃焼される燃焼空気と燃料との混合ガスの時間単
位当たりの供給量と、その火炎における瞬間的な燃焼変換量との相互作用に起因
する。この燃焼変換量とは、火炎で燃焼する際に変換される燃焼空気と燃料との
混合ガスの単位時間当たりの量である。この燃焼変換量の変更により、燃焼室に
安定した圧力振動を形成する圧力変動が生じてしまう。燃焼振動は大きな騒音を
発生する他に、燃焼室の壁や燃焼システム等の他の部分に、大きな機械的及び熱
的な負担を与える原因となる。
【０００３】 ガスタービン用のハイブリッド燃焼器は、ヨーロッパ特許第０５８０６８号明
細書により公知である。このハイブリッド燃焼器は、拡散バーナに加えてプリミ
ックスバーナも備えている。従って、このハイブリッド燃焼器は拡散運転もまた
プリミックス運転も可能である。このハイブリッド燃焼器のプリミックスバーナ
は、燃焼空気或いは燃焼空気と燃料との混合ガスを供給するための環状通路を備
える。この環状通路には、供給された燃焼空気或いは燃焼空気と燃料との混合ガ
スにより、環状通路に生じた流れに旋回流を加えるための旋回流装置が配置され
ている。この旋回流装置はまた旋回流格子とも呼ばれる。ハイブリッド燃焼器の
拡散バーナは、プリミックスバーナの環状通路に同軸に配置されている。この拡
散バーナは、環状通路として形成された燃焼空気供給通路を備え、これに同軸に
燃料供給通路が配置される。拡散バーナの環状通路はノズルに通じる。さらに、
拡散バーナはその燃焼空気供給通路に、プリミックスバーナの運転のみに必要な
パイロットバーナを備える。ハイブリッド燃焼器のプリミックス運転時には、プ
リミックスバーナの環状通路を介し、旋回流格子により旋回流を加えた流れを環
状通路内に形成する、燃焼空気と燃料との混合ガスが供給され、旋回流を伴う流
れが、燃焼のためプリミックスバーナから流出する。燃焼はパイロットバーナの
火炎により安定化される。ハイブリッド燃焼器の拡散運転時、拡散バーナの燃焼
空気供給通路及び燃料供給通路を介して各々燃焼空気及び燃料が拡散バーナのノ
ズルの範囲に混合のため供給される。この混合時に作られた燃焼空気と燃料との
混合ガスは、燃焼のため拡散バーナから流出する。
【０００４】 この発明の課題は、燃焼システムに使用した際に燃焼振動を発生する傾向の小
さい燃焼器を提供することにある。さらに、その他の課題は、この燃焼振動を低
減する方法を提示することにある。
【０００５】 この発明によれば、燃焼器に関する課題は、請求項１の上位概念の燃焼器にお
いて、流出端を有する旋回流装置を設け、この旋回流装置が周方向に不均一な旋
回流を加えるように形成することで解決される。
【０００６】 この発明は、燃焼器の運転に際して通流路に燃焼空気の流れが生じ、これに燃
焼空気と燃料との混合ガスを形成すべく燃料入口を介して燃料が混合される、と
いう知見から出発している。燃料は、特に通流路の断面にわたり均一な燃焼空気
の流れに供給するのがよい。これにより、燃焼空気と燃料との場所的な混合比が
断面にわたってほぼ均一であるという利点が生ずる。均一な混合に伴い、混合に
より形成された燃焼空気と燃料との混合ガスの燃焼の際に生ずる排ガス中の窒素
酸化物の含有量が影響される。燃焼空気と燃料との混合ガスを燃焼のため供給す
る前に、燃焼を安定化するため、特に旋回流装置により通流路の流れに旋回流を
加える。この旋回流は、流れの均一性を損なわないよう、通流路の範囲にわたっ
て主として均一である。研究により分かったことは、燃焼器による燃焼のために
供給される燃焼空気と燃料との混合ガスの流れが均一であればあるほど、燃焼器
の運転の際に燃焼システムに燃焼振動を発生する蓋然性が大きいことである。
【０００７】 従ってこの発明は、形成された燃焼空気と燃料との混合ガス流を、燃焼に先立
って不均一な旋回流を加えることによって不均一化し、燃焼器を燃焼システムに
おいて運転する際の燃焼振動の刺激を少なくとも明らかに低減するよう燃焼器を
形成するという考えに基づいている。このため、通流路に配置された旋回流装置
により、燃焼空気と燃料との混合ガス流に、周方向に不均一な旋回流を加える。
【０００８】 特にこの旋回流装置は複数の旋回流要素を備え、その各旋回流要素が転向面を
備えているのがよい。通流路の配置により燃焼空気と燃料との混合ガスの主通流
方向が定められ、その方向は燃焼器の配置に応じて変わる。旋回流要素の転向面
は、それぞれ流出端において主通流方向に対する流出角を持ち、この角度は好ま
しくは、少なくとも２つの直接隣接する旋回流要素に対して異なっているのがよ
い。これにより、流れは旋回流装置を貫流した後周方向に少なくとも２つの異な
る角度で出るので、加えられる旋回流が周方向に不均一になる。
【０００９】 さらに、この旋回流要素は旋回羽根として形成されるのがよい。
【００１０】 好ましくは、同一の流出角を持つ複数の旋回流要素が１つの旋回流要素群を形
成し、旋回流装置が少なくとも１つのこのような旋回流要素群を備える。さらに
、好ましくは、旋回流装置が複数の旋回流要素群から形成され、その隣接する旋
回流要素群が異なる通流角を持つ。旋回流装置は、この場合、例えば６つの旋回
流要素群からなり、各旋回流要素群は各々４つの旋回流要素を備える。
【００１１】 好ましくは、燃焼器の通流路は環状通路として形成され、旋回流装置はこの環
状通路に配置される。この燃焼器は例えばガスタービン用のハイブリッド燃焼器
として形成される。
【００１２】 燃焼の際に生成する窒素酸化物の量を減少するため、燃焼に使われる燃焼空気
と燃料との混合ガスを形成するための燃料を、燃焼空気の均一な流れに供給する
のが望ましい。特に燃焼器は、このために燃料入口を備え、これを通して燃料を
流出端上流の通流路に供給可能である。これにより、燃料は旋回流装置の前で、
供給通路に流れる燃焼空気の均一な流れの中に導かれる。
【００１３】 使用方法に向けられた課題は、この発明によれば、ガスタービンにおいて、燃
焼空気と燃料との混合ガスの燃焼室における燃焼のために燃焼器を使用する、請
求項１０に記載の使用方法によって解決される。
【００１４】 方法に向けられた課題は、この発明によれば、請求項１１に記載された方法に
より解決される。その場合、燃焼空気と燃料との混合ガス或いは燃焼空気の流れ
に燃焼器の通流路において周方向に不均一の旋回流が加えられる。
【００１５】 図面に示された実施例を参照して、旋回流を加える旋回流装置及び燃焼振動の
低減方法を詳しく説明する。これらの図は、この説明のために使用された構造的
及び機能的な特徴を示しているが、概略的にかつ部分的には尺度的に忠実でなく
示している。なお、各図の符号はそれぞれ同じ意味を持っている。
【００１６】 図１は、図示しないガスタービンの、ハイブリッド燃焼器として構成された燃
焼器１を示す。このハイブリッド燃焼器１は、拡散バーナ２並びにまたプリミッ
クスバーナ３を備えている。プリミックスバーナ３は、外壁１６を有する環状通
路４を備え、この環状通路は燃焼空気５或いは燃焼空気と燃料との混合ガス５を
供給する。環状通路４には、流出端１２を持ち、供給された燃焼空気と燃料との
混合ガス５或いは燃焼空気５が環状通路４に形成する流れ７に、旋回流を加える
ための旋回流装置６が配置されている。この旋回流装置６は、以下において旋回
格子５とも呼ぶ。この旋回流装置６は、それぞれ旋回羽根として形成された複数
の旋回流要素１５を備える。流出端１２の上流側に燃料入口１３が配置され、こ
れを介して燃料１４が環状通路４に供給可能であり、燃焼空気と混合される。ハ
イブリッド燃焼器１の拡散バーナ２は、プリミックスバーナ３の環状通路４に同
軸に配置される。この拡散バーナ２は環状通路として形成された燃焼空気通路８
を備え、これに同軸に燃料供給通路９が配置される。拡散バーナ２のこれらの通
路８及び９はノズル１０に通じている。さらに、拡散バーナ２は、その燃焼空気
供給通路８に、プリミックスバーナ３の点火のために設けたパイロットバーナ１
１を備えている。
【００１７】 ハイブリッド燃焼器１をプリミックス運転する際、燃焼空気５は環状通路４を
介して供給される。この燃焼空気は燃料入口１３を介して供給された燃料１４と
混合され、燃焼空気と燃料との混合ガスを形成する。通流路２においてこの燃焼
空気と燃料との混合ガスは局部的な流れの主通流方向１４を持つ流れ７を形成す
る。旋回流格子６を通流する際、この流れ７に周方向に不均一な旋回流が加えら
れ、これと共に流れ７は旋回流格子６を流出端１２において離れ、続いて環状通
路４から出て行く。この流出の後、燃焼空気と燃料との混合ガス５の点火及び燃
焼が行われる。パイロットバーナ１１の火炎により、この燃焼は安定化される。
【００１８】 ハイブリッド燃焼器１の上述の構成において有利なことは、燃焼に供給された
燃焼空気と燃料との混合ガス５の流れ７が示す不均一な旋回流により燃焼器から
の流出自体が不均一であり、これにより燃焼振動に対する刺激が低減することで
ある。さらに、流れ７が旋回流を持ち、これにより燃焼が安定化するという利点
もある。プリミックスバーナ３の環状通路４おいて、燃焼空気５は流出端１２の
上流側に均一な流れ７を形成する。燃料入口１３を配置することにより、この燃
焼空気５の均一な流れ７に上流側で燃料１４が供給され、混合され、これにより
燃焼空気５と燃料１４の均一な混合が達成される。この結果、燃焼の際に生ずる
窒素酸化物の量の低減が可能である。
【００１９】 プリミックスバーナ３への旋回流格子６の形成と類似して、燃焼空気供給通路
８に配置される旋回流格子は、それにより燃焼空気供給通路８に形成される流れ
に対し、周方向に不均一な旋回流が加えられるように構成することができる。
【００２０】 図２は、プリミックスバーナ３の環状通路４の、周方向に展開された旋回流要
素１５を、その視線方向として環状通路４の外壁１６に対して垂直な、図１に示
す方向１７から見た面を示している。旋回流要素１５は、それぞれ１つの転向面
１８を持っている。この転向面１８は、局所的な主通流方向１４（図１をも参照
）とでそれぞれ流出角αを形成している。２つの隣接した旋回流要素２０及び２
１の転向面１８は、互いに異なる流出角α1及びα2を持っている。これにより流
れ７は旋回流格子６を、周方向に不均一に加えられた旋回流と共に流出端１２で
離れる。旋回流要素２０及び旋回流要素２１は、その場合、流出角α1もしくは α2を持つ１つの旋回流要素群にそれぞれ纏められている。
【００２１】 この発明は、燃焼空気及び燃焼空気と燃料との混合ガスの流れに燃焼のため供
給され、この流れに周方向に不均一な旋回流が加えられる燃焼器を備えているこ
とを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ハイブリッド燃焼器として構成されたガスタービン用燃焼器を示す。
【図２】 プリミックスバーナの環状通路の、周方向に展開された旋回流要素の面を示す
。
【符号の説明】
１ 燃焼器 ２ 拡散バーナ ３ プリミックスバーナ ４ 環状通路 ５ 燃焼空気或いは燃焼空気と燃料との混合ガス ６ 旋回流装置（旋回流格子） ７ 燃焼空気或いは燃焼空気と燃料との混合ガスの流れ ８ 燃焼空気供給通路 ９ 燃料供給通路 １０ ノズル １１ パイロットバーナ １２ 流出端 １３ 燃料入口 １４ 主通流方向 １５ 旋回流要素 １６ 外壁 １７ 外壁に対して垂直な視線方向 １８ 転向面 ２０ 旋回羽根 ２１ 旋回羽根 α 流出角

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】燃焼空気（５）又は燃焼空気と燃料との混合ガスの流れ（７）
    を供給するための通流路（４）を備え、この通流路に、流れに旋回流を加えるた
    めの旋回流装置（６）が設けられている燃焼器において、 流出端（１２）を有する旋回流装置を備え、該装置が周方向に不均一な旋回流を
    加えるように形成されていることを特徴とする燃焼器。
  2. 【請求項２】通流路（４）の配置に基づいて局部的な主通流方向（１４）が
    定められ、旋回流装置（６）が、それぞれ流出端（１２）において主通流方向に
    対して流出角（α）を持つそれぞれの転向面（１８）を備えた旋回流要素（１５
    ）を備え、少なくとも２つの直接隣接する旋回流要素の流出角（α）が異なって
    いることを特徴とする請求項１に記載の燃焼器。
  3. 【請求項３】各旋回流要素（１５）が旋回羽根として形成されていることを
    特徴とする請求項２記載の燃焼器。
  4. 【請求項４】旋回流装置（６）が同じ流出角（α1もしくはα2）を持つ複数
    の旋回流要素（１５）から形成された旋回流要素群（２０もしくは２１）を備え
    ていることを特徴とする請求項２又は３記載の燃焼器。
  5. 【請求項５】旋回流装置（６）が複数の旋回流要素群（２０、２１）から形
    成され、隣接の旋回流要素群が異なる流出角（α1、α2）を持っていることを特
    徴とする請求項４記載の燃焼器。
  6. 【請求項６】旋回流装置（６）がそれぞれ４つの旋回流要素を備えた６つの
    旋回流要素群を持っていることを特徴とする請求項５記載の燃焼器。
  7. 【請求項７】通流路（４）が環状通路として形成されていることを特徴とす
    る請求項１ないし６の１つに記載の燃焼器。
  8. 【請求項８】ガスタービン用のハイブリッド燃焼器（１）として構成されて
    いることを特徴とする請求項７記載の燃焼器。
  9. 【請求項９】燃料が燃料入口（１３）を通して通流路（４）に流出端（１２
    ）の上流で供給可能であることを特徴とする請求項１ないし８の１つに記載の燃
    焼器。
  10. 【請求項１０】請求項１ないし９の１つに記載の燃焼器（１）をガスタービ
    ン設備において使用する方法。
  11. 【請求項１１】燃焼器（１）を燃焼システムにおいて使用する際に、燃焼器
    の通流路（４）における燃焼空気と燃料との混合ガス或いは燃焼空気の流れ（７
    ）に、周方向に不均一な旋回流を加えることにより燃焼振動を低減する方法。
JP2000538190A 1998-03-20 1999-03-08 燃焼器とその使用方法並びに燃焼振動の低減方法 Abandoned JP2002507717A (ja)

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