JP2002507055A - 強磁性粒子 - Google Patents

強磁性粒子

Info

Publication number
JP2002507055A
JP2002507055A JP2000536082A JP2000536082A JP2002507055A JP 2002507055 A JP2002507055 A JP 2002507055A JP 2000536082 A JP2000536082 A JP 2000536082A JP 2000536082 A JP2000536082 A JP 2000536082A JP 2002507055 A JP2002507055 A JP 2002507055A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
carbon
metal
ferromagnetic
iron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000536082A
Other languages
English (en)
Inventor
ゲウス,ジョン,ウィルヘルム
Original Assignee
ユニベルシテイト ユトレヒト
ユー−シーエーティー ビー. ブイ.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニベルシテイト ユトレヒト, ユー−シーエーティー ビー. ブイ. filed Critical ユニベルシテイト ユトレヒト
Publication of JP2002507055A publication Critical patent/JP2002507055A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J21/00Catalysts comprising the elements, oxides, or hydroxides of magnesium, boron, aluminium, carbon, silicon, titanium, zirconium, or hafnium
    • B01J21/18Carbon
    • B01J35/33
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F1/00Metallic powder; Treatment of metallic powder, e.g. to facilitate working or to improve properties
    • B22F1/16Metallic particles coated with a non-metal
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/0036Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties showing low dimensional magnetism, i.e. spin rearrangements due to a restriction of dimensions, e.g. showing giant magnetoresistivity
    • H01F1/0045Zero dimensional, e.g. nanoparticles, soft nanoparticles for medical/biological use
    • H01F1/0054Coated nanoparticles, e.g. nanoparticles coated with organic surfactant
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/0036Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties showing low dimensional magnetism, i.e. spin rearrangements due to a restriction of dimensions, e.g. showing giant magnetoresistivity
    • H01F1/0072Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties showing low dimensional magnetism, i.e. spin rearrangements due to a restriction of dimensions, e.g. showing giant magnetoresistivity one dimensional, i.e. linear or dendritic nanostructures
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/44Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids
    • H01F1/442Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids the magnetic component being a metal or alloy, e.g. Fe
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F2998/00Supplementary information concerning processes or compositions relating to powder metallurgy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C26/00Alloys containing diamond or cubic or wurtzitic boron nitride, fullerenes or carbon nanotubes
    • C22C2026/002Carbon nanotubes

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、強磁性金属または金属アロイのコアを含む強磁性金属粒子に関し、ここで、コアの表面は、全体的にグラファイト炭素の層で被覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体に分散され得る、約4nm〜1μmの寸法を有する化学的に不活
性な強磁性粒子に関する。本発明はまた、かかる粒子の製造法に関する。強磁性
粒子は、小さい磁性粒子の液体中での分散によって磁力がこれらの液体に及ぼさ
れ得るところのいわゆるフェロ流体(ferrofluid)において利用され得る。これ
らの強磁性粒子は、生物物理学的または生化学的用途にも使用され得る。また、
特に、ある生物学的に重要な分子、巨大分子または細胞が分離され得るところの
分析的方法学も考慮される。タンパク質または、タンパク質によって、細胞は、
強磁性粒子に付着することができ、そしてタンパク質または細胞は磁力によって
分離され得る。低濃度で生じる毒性金属または放射性成分を液体流から除去する
ために、磁性粒子への吸着も提案されている(L. Nunez and M.D. Kaminski, Ch
emTech September 1998, pp.41-46)。さらに、NMR画像法において磁性粒子 を適用することが提案されている。さらに、複写目的のための強磁性粒子の使用
が提案されている。また、磁性粒子に付着した物質を適する交流電界にさらすこ
とにより磁性粒子に付着した物質を選択的に加熱することも可能である。本発明
に係る磁性粒子の特定のお適用は、触媒的に活性な物質または酵素のための担体
としてである。これらの触媒的に活性な物質は、とりわけ、触媒的に活性な貴金
属、例えば白金、パラジウムおよびロジウム、触媒的に活性な金属、例えばニッ
ケル、銅または鉄、触媒的に活性な酸化物、例えば酸化マグネシウムおよび酸化
銅、ならびに触媒的に活性なスルフィド、例えばコバルトスルフィドを包含する
。また、均一な触媒を強磁性粒子に付着させ、こうして、反応の完了後に反応生
成物から容易に分離することもできる。特に、均一触媒として使用される高価な
金属とリガンドとを有する有機金属化合物を、強磁性粒子への付着によって液体
から分離することは魅力的である。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
液相において進行する化学反応での触媒の使用では、一般に、サイズが小さ過ぎ
る触媒物体は使用され得ない。その中を液体流が通過する固定触媒床が使用され
るならば、粒子が約0.1mmより小さい場合は圧力低下が高くなり過ぎる。液
体の実用上有用な線速度では、触媒が反応器から押出され、あるいは圧力低下が
許容されないほど高くなる。触媒が液体に懸濁される場合は、より小さい触媒物
体が使用され得る。反応後、触媒物体は濾過または遠心分離によって液体から分
離されなければならない。かかる分離は、少なくとも約3mmの寸法の触媒物体
を用いた場合のみ可能である。現在の従来技術によれば、より小さい触媒物体は
、液体から適切に分離することができない。反応生成物中の触媒残渣の存在はほ
とんど許容され得ないので、反応生成物から触媒残渣を除去するために、しばし
ば高価な手順が必要である。その結果、液体に懸濁されながら使用される触媒物
体の耐摩耗性に関して厳重な要件が課せられる。触媒物体が摩耗されると、従来
法によって誰も液体から分離することができない約1mmより小さい粒子が生成
する。
【0003】 触媒の単位重量当りの活性表面積が活性を決定する。一般に、少なくとも3mm
の粒子の触媒の単位重量当りの表面積は、実用上要求される活性を得るには小さ
すぎる。従って、一般に、多孔性の触媒物体が使用される。約3μmの最小の寸
法を有する触媒物体の内部表面は、実用上要求される活性を得るのに十分大きい
。例えば3〜10μmの寸法の耐摩耗性触媒物体を大規模で製造することは、実
用上容易ではない。比較的新しいのは、噴霧乾燥によるかかる触媒物体の製造で
ある。この技術を使用すると、例えば3〜10μmの寸法を有する酸化アルミニ
ウムまたは酸化ケイ素に基づく多孔性物体を製造することができる。しかし、液
相反応用の広く使用されている担体である活性炭に基づく多孔性の触媒体の製造
はこの方法では可能でない。
【0004】 液相での反応において10〜100μmの寸法を有する多孔性物体を用いると、
触媒物体における孔故の輸送妨害によって困難が引き起こされ得る。まず最初に
、これは、活性の低下を招き得る。しかし、一般にもっと重大なことは、触媒反
応の選択性に対する輸送妨害の影響である。触媒反応のより低い選択性は、目的
を見出すことが困難である生成物を招き得ると同時に原料の消費が増加する。し
ばしば、望ましくない反応が、触媒物体の孔を塞ぐ分子も招き得る。その場合、
触媒の活性が低下する。触媒の再生が仮にも可能であるならば、触媒は液体から
分離され、気体流中で高められた温度で処理されなければならない。
【0005】 強磁性粒子が触媒的に活性な物質としてまたは触媒的に活性な物質のための担体
として使用されるならば、触媒物体の分離は、約3μmよりかなり小さい寸法の
粒子の場合でも、実用上適切に可能である。不均一な磁場を適用することにより
、極めて小さい粒子も容易に液体から分離することができる。そのとき、非常に
小さい粒子を使用することができ、従って、輸送妨害を避けることができる。実
用上、これは非常に重要である。輸送妨害を回避することは、液相反応での特に
魅力的な選択性をもたらし得る。
【0006】 多くの場合、触媒反応は、反応体の少なくとも1つが液体であり、多の反応体の 少なくとも1つが気体である中で行われる。気体反応体の触媒表面への輸送は、 多くの場合、特に液体中の気体の溶解度が低い場合は、速度により決定され得る
。例えば、水素添加反応を行う場合、触媒表面上の水素の不足は、部分的に水素
添加された中間体の望ましくない反応を招き得る。今、触媒物体が、液体を通過
する気体の泡の周りの薄層からなる境界層の厚さよりもかなり小さく作られるな
らば、触媒表面への気体反応体のいっそう速い輸送を行うことができる。薄層か
らなる境界層の厚さは、1μm未満の寸法の触媒粒子が気体の泡から触媒表面へ
のより速い物質輸送をもたらすように、約10μmで設定され得る。当然、かか
る小さい触媒物体の存在は、触媒物体が液体中に存在せず、一方では凝集されて
粒子のクラスターになる場合にのみ有効である。
【0007】 本発明にかかる強磁性粒子の最後の重要な適用は、電気化学反応のための電極と
してである。従来技術の電極の大きな欠点は、反応体への表面接近性が小さいか
、電極の電気伝導性が低いということである。低い電気伝導性は非常に好ましく
ないので、比較的小さい表面積を有する電極が使用される。電気化学法の適用の
場合、これは、いつも大きな問題となっている。電気化学法はほとんどいつも、
単位体積当りの生産速度が低く、その結果、かかる方法は、比較的高価である。
高い固有の電気伝導性を有する強磁性粒子を用いると、高い表面積が高い電気伝
導性と組み合せられた電極が達成され得る。
【0008】 従来技術によれば、小さい強磁性粒子はすでに使用されている。上記のフェロ流
体における適用はほとんど周知である(比較的古い文献の総説が、B. Berkovsky
, Thermomechanics of Magnetic Fluids, Hemisphere Publishing Corporation,
Washington 1978に示されている。比較的最近の総説は、La Recherche 18 (192
) October 1987, pp.1150-1159に示されている)。1μm未満の寸法の強磁性粒 子は、多くの場合、挽くことにより製造されている。しかし、これは、材料がし
ばしば、何週間も続いて挽かれる必要があるので、非常にコストのかかる方法で
ある。明らかなように、挽くことは、酸化強磁性物質の場合に適切に適用され得
るにすぎない。金属は、挽くことによって適切に粉砕することができない。代替
法は、小さい強磁性粒子の沈殿である。一般に、沈殿は、鉄(II)および鉄(II
I)の溶液が、一定に維持されたpHで混合される、19世紀から始まる方法に 従って行われる。そのとき沈殿する物は、少なくとも一部は磁鉄鉱Fe34であ
り、これは、熱処理によってより安定な磁赤鉄鉱g−Fe23に転化され得る。
これらの強磁性物質の欠点は、比較的高い化学反応性である。多くの液体におい
て、鉄イオンの攻撃および溶解が生じる。
【0009】 別の欠点は、強磁性粒子の分散性が小さいことである。磁力故に、粒子間に引き
つけあう相互作用があり、その結果、クラスターを形成する。フェロ流体では、
この欠点は認識されている。磁性粒子の懸濁物の安定性は、2つの方法で行われ る。第一の方法によれば、片側に反応性基を有する細長い分子が強磁性粒子の表
面上に付与される。洗剤がかかる分子の良い例である。極性頭部が強磁性粒子に
付着し、一方、非極性尾部は液体中に突き出す。分子の非極性部分が強磁性粒子
間の距離が小さくなるのを防ぎ、従って、粒子間の引力が大きくなるのを防ぐ。
ポリマー分子もこの目的に使用される。強磁性粒子のクラスター形成を防止する
第二の方法は、粒子に静電荷を付与することである。例えば、負の電荷が粒子に
付与されると、これは粒子間に静電気反発を招き、それが、磁性引力に対して優
位を占める。しかし、これは、懸濁物のイオン強度の適切な制御を必要とする。
なぜならば、イオン強度が高すぎると、短い距離にわたって、粒子上の静電荷の
中和を招くからである。また、懸濁された粒子上の静電荷は一般に、懸濁物のp
Hに強く依存し、その結果、そのうえpHも適切に制御されなければならない。
【0010】 文献は、懸濁された触媒および酵素の液体からの分離における問題が以前から認
識されていることを示している。すなわち、EP−A−125995では、酵素
を強磁性粒子に結合することによって酵素を固定することが提案されている。特
許出願WO95/13874(BASF)では、強磁性コア、バインダーおよび
金属の触媒的に活性な化合物から成る触媒を使用することが提案されている。バ
インダーは、5〜1000nm、好ましくは5〜100nmの直径の強磁性粒子
に付与される。粒子の飽和磁化は、1gにつき20〜200nTm2、好ましく は30〜100nTm2である。触媒的に活性な物質を強磁性物質と共に共沈さ せる可能性は、未解決のままである。しかし、特に、高価な貴金属の場合、この
方法は魅力的でない。なぜならば、貴金属の大きい画分が強磁性粒子の表面上に
存在しないからである。従って、強磁性粒子をバインダーの1以上の層で被覆す
ることが好ましい。バインダーとしては、モノマー状のアミン、例えば、ピリジ
ンまたは4−ピリジン−エタンスルホン酸が挙げられる。しかし、好ましくは、
水に可溶または分散可能な有機ポリマーが使用される。一連のかかるポリマーと
して、例えば、アクリル酸、メタクリル酸およびビニルスルホン酸のポリマーが
挙げられる。また、アミド、例えばビニルピロリドンおよびアクリルアミドが挙
げられる。同出願WO95/13874は、そこに付着した物質の磁性分離に適
する一連の強磁性物質、例えば磁鉄鉱、磁赤鉄鉱、二酸化クロムおよびマンガン
−亜鉛フェライトを列挙している。さらに言及していることは、対応するカルボ
ニルの分解によって得られる、鉄、ニッケルまたはコバルトなどの強磁性金属粒
子を使用することの可能性である。しかし、当然、これらの粒子は、高い飽和磁
化故に、凝集する傾向が強い。
【0011】 他の特許も、強磁性粒子を大きい非磁性分子で被覆することに関する。すなわち
、EP90420555(Rhone-Poulenc Chimie)は、強磁性粒子をポリシルセ
スキオキサンで被覆することを示唆している。米国特許第5,512,332号
(Immunivest Corporation)は、強磁性粒子を、ペプチドまたはタンパク質を包
含する合成または天然のポリマーで被覆することに言及している。後者の特許は
特に、生物学的または生化学的に重要な種の分離を焦点としている。ここでは、
生物学的分析用途が最初に記載されている。この最後の用途は、米国特許第5,
536,644号(Behringwerke AG, Marburug, ドイツ国)でも優位を占めて おり、該特許は特に、強磁性粒子に結合させ、かつ強磁性粒子を磁場中で勾配に
よって分離することによる、細胞および微生物の水性液体からの分離を焦点とし
ている。
【0012】 詳細には、Immunicon Corporationの特許出願WO91/02811は、磁性粒 子の懸濁物の安定性およびかかる粒子の再分散に関する。この特許出願では、磁
性粒子は、好ましくは、生化学物質または生物学的に活性な物質で被覆される。
従来技術の議論の後、この特許出願は、磁性粒子の塊状集積を妨げる、磁性粒子
上の層の形成に適する成分の存在下での酸化物磁性粒子の製造を記載している。
また、小さい磁性粒子の塊が、懸濁物を適する化合物と接触させることにより粉
砕されるところの製造も記載されている。かかる化合物は、ポリペプチド、タン
パク質または抗体である。
【0013】 最後に、興味深い発表は、M.J.Szymonifka and K. T. Chapman, Tetrahedron Le
tters 36 (10) (1995) 1597-1600によるものである。これらの著者らは、薬物の
開発のための多数の異なる化学化合物の合成に関心を持っている。樹脂の多孔性
ビーズが製造され、その中に、必要な試薬が付与される。これらのビーズがロボ
ットによって取り扱われ得るために、強くなく永久に磁化された強磁性粒子をビ
ーズに包含させることが極めて適することが見出された。ビーズは今、磁石を用
いて操作することができる。著者らは、ポリジビニルベンゼンの存在下で磁性粒
子を製造した。こうして、磁鉄鉱がアリールニトロ基を有する鉄(II)によって
製造されるという条件下で、磁気的に操作され得るビーズが得られた。
【0014】 従来技術の上記総説は、強磁性粒子上に非磁性層を付与することにより、特に、
強磁性粒子の凝集に対する安定化が行われたことを示している。強磁性粒子上へ
の静電荷の付与は、あまり注目を受けなかった。しかし、上記の全ての出願のた
めに、強磁性粒子の懸濁物を安定化する上記の2つの方法は魅力的ではない。強 磁性粒子の分散物が静電荷によって安定化される場合、粒子上に特定のイオンが
付与されなければならない。かかる電荷を付与するために使用されるイオン、例
えばヘテロポリ酸のアニオンは、望ましくない触媒効果を有する可能性があり、
または、触媒的に活性な成分と反応して不活性なまたはあまり活性でない化合物
を生じ得る。他の出願では、電荷決定イオンはほとんど、分離されるべき種を結
合し得る基を妨害するであろう。長い非極性基を有する分子による安定化は、触
媒反応用途において欠点を有する。かかる安定化は、安定化する分子が、強磁性
粒子の表面上に比較的高い密度で付与される場合にのみ作用する。そのとき、安
定化する分子の非極性部分に触媒的に活性な成分を付与することが可能であるに
過ぎない。典型的にぎっしり付与された非極性分子による可能な輸送妨害は別と
して、触媒的に活性な成分のかかる分子への付着は大抵低い。実用上、液相中の
小さい触媒活性粒子の損失は、本質的に決して許容されない。触媒による反応生
成物の上記した汚染の他に、これは、高価な触媒活性金属、例えばロジウムの損
失を招き得る。
【0015】 しかし、従来技術に従って提案された強磁性粒子の最も大きい欠点は、強磁性物
質自体の化学反応性である。磁鉄鉱および磁赤鉄鉱は、水によって攻撃され、反
応して非強磁性の水和された鉄酸化物を生じる。(弱い)酸水性溶液の存在下で
は、その攻撃はより急激に進行する。二酸化クロムは、酸化クロム(III)およ び三酸化クロム(Cr23およびCrO3)への不均化に関して安定でない。二 酸化クロムおよび分解生成物は、酸および塩基に対して耐性でない。金属の鉄、
ニッケルおよびコバルトは、それらが細かく分割されると確かに、非強磁性化合
物への酸化に対して感受性が高い。ポリマー層による被覆は一般に、粒子が使用
されるところの液体の化学相互作用に対して強磁性粒子を保護しない。液体との
接触を完全に防ぐところの従来公知の分子の層を付与することはできない。
【0016】 強磁性粒子の特定の製造法が、特許出願WO95/01643(Carnegie Mello
n University)に記載されている。その製造法では、Kratschmer-Huffmann炭素 アーク法の改良が使用される。炭素電極に穴が開けられ、こうして得られた空洞
に、望ましい磁性物質のための成分を含む金属酸化物粉末を充填する。金属酸化
物粉末は、グラファイトセメントによって固定される。その後、アークが当てら
れ、それによってすすが生じる。磁性ルートにより、今、より多いまたはより少
ない磁性粒子がすすから分離され得る。高倍率で記録する電子顕微鏡から明らか
なように、磁性粒子がすす中に現れる。該粒子は、グラファイト構造を有する層
で部分的に被覆されている。面倒な製造手順を別にして、こうして得られる強磁
性粒子は、比較的不活性なグラファイト構造を有する炭素の層によって完全には
囲まれていない。その結果、攻撃的な分子が、磁性層の表面に比較的容易に到達
し、グラファイト構造の層で被覆された表面の部分同士の間に侵入する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明の目的は、化学的に不活性な小さい強磁性粒子を提供することで
ある。本発明によれば、望ましい粒子は、グラファイト炭素の層で完全に被覆さ
れた強磁性金属粒子である。「グラファイト」は、本明細書では、グラファイト
構造を有する炭素原子の層からなるとして記載される。一方、連続する層は、グ
ラファイト構造に従って積み重ねられない。驚いたことに、物質が、触媒担体と
して使用される炭素、例えば活性炭よりも化学的に不活性であるように炭素の層
で完全に強磁性金属粒子を被覆することが可能である。活性炭のように、炭素の
層が付与された強磁性粒子は、強い酸化剤によってのみ影響を受け得る。
【0018】
【発明の実施の形態】
強磁性粒子の完全な被覆は、種々の方法で実験的に示され得る。最も明白な方法
は、炭素封入された粒子を、(強く)酸化しない酸溶液で処理することである。
このために、例えば塩酸、ギ酸または酢酸が使用され得る。炭素で完全には被覆
されない全ての金属粒子は、それによって溶解される。電子顕微鏡による試験は
、表面が炭素によってどの程度被覆されるかに関する明確な答えも提供し得る。
一般に、炭素の層は、顕微鏡においてコントラストの相違により適切に認識され
得る。高倍率では、約0.35nmの相互距離を有する、グラファイト構造を有
する炭素の層が区別され得る。図1は、比較的低い倍率での封入された金属粒子
の記録を示す。明らかなように、均一な厚さの炭素層が粒子を完全に囲んでいる
。炭素層の構造は、図2から明らかになる。ここには、はるかに高い倍率での電
子顕微鏡記録が示されている。そこで明らかなように、炭素層は、グラファイト
構造を有する金属粒子の周りに沈着している。炭素層は、金属またはアロイ粒子
の表面の曲線に従う。図1および2の記録は、かかる完全な囲いが存在しないこ
とが非常に明らかである、WO95/01643(Carnegie Mellon University
)で論じられた従来技術に関して相違を示す。また、透過型電子顕微鏡の記録で
は、投影におけるように、試験片の異なる部分が互いの上に画像化されることも
考慮されなければならない。従って、WO95/01643に含まれる電子顕微
鏡記録に見られるグラァイト層は、金属粒子と必ずしも接触していないが、金属
粒子の上または下に存在し得る。X線光電子分光学も、炭素による被覆の決定に
使用され得る。金属に由来する光電子は、比較的厚い層の場合にはスペクトルに
全く存在せず、比較的薄い層の場合には減衰された程度に存在する。最後に、水
素の吸着の大きさは、金属粒子の表面の炭素による被覆の程度を決定するために
確立され得る。炭素表面上に水素はほとんどまたは全く吸着されない。ところが
金属表面は、多量の水素を吸収する。例えばアンモニア合成触媒の接近し得る鉄
表面を決定するために、一酸化炭素の化学吸着がここ数十年間使用されている。
−78℃で化学吸着される一酸化炭素の量の大きさは、吸着された一酸化炭素の
総量と一酸化炭素の可逆的に吸着された量との間の相違から計算される。炭素表
面には、一酸化炭素の化学吸着は生じない。
【0019】 炭素層の厚さは、約1nm〜約50nmまで変わり得る。上記で論じたように、
強磁性金属粒子を包む炭素層は、グラファイト構造を有する炭素原子の層からな
り、層の積み重なりは、グラファイトの場合よりも規則正しくない。グアファイ
ト層が相互に整っている度合がグラファイトよりも小さいという事実は、かかる
グラファイト層によって囲まれた金属またはアロイ粒子の化学安定性を変えない
【0020】 炭素被覆された強磁性金属粒子のサイズは、広い範囲内で選択され得る。約4n
m〜1μmまたはそれより大きい寸法を有する炭素被覆された粒子を使用するこ
とができる。種々の用途を鑑みると、強磁性粒子のサイズが適切に制御され得る
といることは非常に重要である。そのとき、強磁性粒子の比較的狭い粒子サイズ
分布が設定され得ることが重要である。
【0021】 強磁性粒子のサイズは、粒子の分離に特に関係する。約0.1〜1μmの寸法を
有する比較的大きい粒子は、比較的弱い傾斜の磁場を用いて有効に分離され得る
。従って、例えば30nmの寸法を有する極めて小さい粒子を用いて作業するこ
とが重要ではない場合、例えば0.5μm以上の寸法を有す強磁性粒子を使用す
ることが好ましい。その場合、強い傾斜を有する磁場を液相に適用するための高
価な装置は必要でない。明らかなように、その場合、強磁性物質は、より小さい
粒子を何ら含んではならない。なぜならば、このような粒子はその時、分離され
ないからである。
【0022】 比較的小さい粒子は、例えば、触媒反応において引き合う。なぜならば、その時
、単位重量の触媒当りの、単位体積の液体に懸濁される粒子の数が高くされ得る
からである。一般に、これは、より高い活性をもたらす。しかし、分離のために
、強い傾斜を有する磁場がその時必要であり、それは特別の設備を必要とする。
極めて小さい粒子を用いて作業が行われるべきである場合、少しの比較的大きい
強磁性粒子の存在は一般に、あまり不都合ではない。従って、本発明の一部は、
比較的大きい強磁性粒子とはるかに小さい強磁性粒子との混合物である。また、
外部磁場における大きい強磁性粒子の周りの磁場の強い傾斜故に、大きい強磁性
粒子の小さい画分と共に(極めて)小さい強磁性粒子を分離することが、強い傾
斜を持たない磁場を用いて可能である。その時、より小さい強磁性粒子は、大き
い強磁性粒子の周りに凝集する。その場合、懸濁された固体相は、より大きいま
たはより小さい強さの傾斜を有する外部磁場を使用することなく分離することが
できる。凝集された粒子は一般に、急速に沈殿し、一方、塊は、濾過または遠心
分離によって分離することもできる。
【0023】 炭素被覆された強磁性粒子の凝集があまり重要な役割を果たさない場合がある。
すなわち、粒子を電極として使用すると、粒子のクラスターの形成は重要でない
。また、強磁性粒子は、不均一な磁場を有する反応器の特定の領域に固定するこ
とができ、反応物流をその中に通すことができる。これは、通常の固定触媒床よ
りもはるかに小さい触媒体を含む擬似固定触媒床を使用することを可能にする。
従来の固定触媒床において、物体のサイズが約1mm未満にされると、触媒床上
の圧力低下が高くなり過ぎ、それは、チャネリングを引き起こし、あるいは、触
媒床が部分的にまたは全体として反応器から押出される結果を招く。
【0024】 しかし、他の場合、特に懸濁された触媒のための担体としての使用の場合、強磁
性粒子の凝集は不利である。すなわち、懸濁された、触媒的に活性な粒子の活性
が、凝集によってかなり減少する。懸濁された強磁性粒子の凝集は、小さい強磁
性粒子の永久的な磁性モーメントによって特に引き起こされる。従って、強磁性
粒子の凝集を防ぐために、強磁性粒子は永久の磁気モーメントを有しないことが
必要である。
【0025】 今、強磁性物質の比較的大きい粒子は、物質が磁気ドメインに分裂し、その磁場
が互いに相殺するという点で、結果的に永久の磁気モーメントを持たない。しか
し、強磁性粒子がドメイン境界(いわゆるブロッホ壁)の厚さの大きさの順の寸
法を有するならば、磁気ドメインへの分裂はエネルギー的に不利になる。特定の
サイズより下では、強磁性粒子は、比較的強い外部磁場を有するモノドメインと
して生じる。多重ドメイン粒子では、磁気相互作用による強磁性粒子の凝集が生
じないことは明らかである。従って、本発明に係る金属粒子が等方性の形態を有
することが非常に重要である。異方性の形態は、比較的強い外部磁場を示すモノ
ドメイン粒子をもたらす。従って、データ保存のための磁気テープおよびディス
クの場合、高い残留磁気を達成するために、細長い磁気粒子が一般に使用される
。等方性粒子においてモノドメイン挙動が生じる寸法は、飽和磁化および磁気結
晶異方性エネルギーに依存する。磁気結晶異方性は、磁気ドメインのまたはモノ
ドメイン粒子のエネルギーを、結晶格子に関する磁化の配位と共に変化させる。
この異方性は、スピン軌道結合に由来する。等方性鉄粒子では、モノドメイン挙
動の限界のため、約10nmのサイズが明記される。ニッケルの場合、モノドメ
イン挙動の限界は、より大きい粒子寸法、特に20nmを超過する寸法にある。
【0026】 強磁性粒子の磁気結晶異方性エネルギーは、もちろん、粒子の体積に比例する。
その結果それらの小さい寸法故に単一の磁気ドメインから成る極めて小さい粒子
の場合、異方性エネルギーは、熱エネルギーの順になり得る。格子振動による結
合により、かかる粒子の磁気モーメントの配位(大きさではない)は今、分子お
よびコロイド状粒子のブラウン運動に類似して自発的に変わる。温度が高くなる
につれて、粒子の磁気モーメントの方向はより速く変わる。強磁性粒子のかかる
集まりの磁気特性が、非常に高い原子磁気モーメントを有する常磁性物質のもの
と類似しているので、その場合、その物質を超常磁性物質という。
【0027】 従って、適切に分散され得る、非凝集強磁性粒子が必要とされる場合、本発明に
よれば、多重ドメイン粒子または超常磁性粒子が使用される。多重ドメイン粒子
の存在は、粒子の残留磁気を測定することにより決定され得る。多重ドメイン粒
子の場合、この残留磁気は、飽和磁化の30〜40%より下である。超常磁性粒
子は、残留磁気を全く示さない。従って、本発明によれば、適切に分散され得る
物質として、その残留磁気が飽和磁化の30〜40%未満、好ましくは飽和磁化
の20%未満、さらに好ましくは飽和磁化の10%未満である強磁性粒子が使用
される。
【0028】 磁気結晶異方性エネルギーを下げることにより、それより下ではモノドメイン挙
動が示されるところの限界が、より小さい粒子にシフトされ得る。従って、本発
明によれば、好ましくは、低い磁気結晶異方性エネルギーのアロイが使用される
。実際、鉄とニッケルとの、またはコバルトと鉄とのアロイを用いると、非常に
低い異方性エネルギーを得ることができる。従って、好ましくは、本発明に従う
鉄−ニッケルまたは鉄−コバルトアロイ粒子が使用される。鉄−ニッケルアロイ
の製造は、鉄−コバルトアロイに関して以下に記載された従来技術に従って行う
ことができる。鉄−コバルトアロイの高い飽和磁化の観点から、これは、魅力的
な組み合わせである。しかし、コバルトの価格の観点からは、鉄−ニッケルアロ
イを用いて行う方がしばしばより経済的であり得る。
【0029】 本発明に従う強磁性粒子の製造に関しては、所望の寸法を有する所望の金属また
は所望のアロイの強磁性粒子が、不均質触媒用の通常の担体物質、例えば二酸化
ケイ素、酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムの上に付与される。この文脈
では、本発明の方法に従って、担体物質上に付与される金属酸化物の還元が等方
性粒子をもたらす。その場合、これは、従来公知の方法で、所望の金属の所望に
より水和された酸化物を担体上に付与することにより行われる。非常に明らかな
ように、付与されるべき金属の適する塩の溶液を、またはアロイの場合は、付与
されるべき金属の溶液を担体物質に含浸させることによりこれを行う。この目的
のために、孔体積の含浸および多量の溶液による含浸の両方を用いることができ
る。担体および所望の強磁性物質の前駆体の共沈も、公知の従来技術に従って適
用され得る。
【0030】 均一サイズの強磁性粒子の製造を望むならば、(水和された)酸化物が、担体物
質の表面上に均一に適用されなければならない。この目的のために、担体物質に
、適用されるべき金属の塩の溶液を含浸させることは一般に、あまり満足のいく
ものではない。従来技術によれば、担体物質上への前駆体の均一な分布を実現す
るためには、沈着−沈殿が著しく適する。得られる金属粒子の寸法は、一部は、
担体物質の付与を適切に選択することにより制御され得る。担体のより低い付与
、したがって小さい強磁性粒子の製造に関して、適用されるべき金属の適する錯
体、例えばクエン酸塩およびEDTA錯体による担体物質の孔体積の含浸、それ
に続く担体上に沈着した錯体の乾燥および熱分解は、担体物質上の酸化物の均一
な分布を得るのに非常に役立つ。
【0031】 所望の金属の酸化物を適用し、水を除去した後、担体上にもしあるならば、酸化
物を対応する金属に還元する。好ましくは、還元は、水素含有気体混合物流中で
、充填された担体を加熱することにより行われる。ニッケルの還元は、熱力学平
衡の位置故に比較的簡単であるが、コバルトおよび特に鉄の還元は、適切に制御
された条件下で行わなければならない。特に鉄の還元では、担体の孔における水
蒸気圧が還元中、低く保持されなければならない。水蒸気/水素比が高すぎると
、磁鉄鉱Fe34での熱力学平衡の位置故に、還元が停止する。担体との相互作
用が強いと、還元はウスタイトFeOで停止する。本発明に係る方法によれば、
担体に付与された金属酸化物の還元も、他の還元剤を用いて異なる方法で行われ
得る。
【0032】 得られた金属粒子の寸法は、担体物質の付与、担体物質の比表面積、および担持
された金属粒子が非酸化環境において結果的に処理される温度によって決定され
る。比較的低い比表面積を有する担体の高い付与および高い温度での処理は当然
、大きい金属粒子をもたらすが、比較的大きい比表面積を有する担体の低い付与
および比較的低い温度での処理は、小さい〜非常に小さい金属粒子を生じる。
【0033】 その後、担持された金属粒子を高められた温度で、炭素含有分子を含む気体流に
さらすことにより、炭素層が金属粒子の周囲に付与される。二酸化炭素を除いて
、気体形状にされ得る本質的に全ての炭素含有分子は、この目的に使用され得る
。炭素層を形成するための、金属の表面上での炭素含有分子の分解に必要な温度
は、もちろん、分子の性質に依存する。ベンゼンまたはトルエンなどの分子の場
合、比較的低い温度で十分であるが、一酸化炭素の場合は、これに対して、比較
的高い温度が使用されなければならない。
【0034】 最後に、担体物質が、上記方法で前処理された物質を、適する酸または塩基によ
って処理することにより除去される。すなわち、酸化アルミニウムまたは酸化マ
グネシウム担体は、好ましくは、酸による処理によって除去されるが、酸化アル
ミニウムは、灰汁による処理によって除去することもできる。非酸化性の酸によ
る処理は、グラファイト層によって完全に囲まれた金属に影響を及ぼさないで、
単に担体を溶解することが分かった。二酸化ケイ素は、好ましくは、灰汁による
処理によって除去される。
【0035】 上記製造法故に、本発明に係る磁性物質は、1990年3月8日に公開された特開平
02−069904(三菱石油化学)に記載されている物質とは本質的に区別さ
れる。該特許公開では、出発物質が金属鉄、コバルトまたはニッケルあるいはこ
れらの金属のアロイの粉末である。粉末の粒子は、0.5mm以下の粒径を有す
る。今、これらの粒子は、一酸化炭素および水素の流れにおいて150〜400
℃の温度で、またはメタンもしくはエタンの流れにおいて300〜500℃の温
度で加熱される。今、かかる金属粒子は、少なくとも1mmの粒径の機械的に強
い塊を形成して、気体流が粒子の付与された床を通過できるようにし、それによ
って全ての粒子が気体流と接触するように加工されなければならない。流動床の
場合、少なくとも50μmの寸法の物体が必要である。それより小さい物体は流
動床から吹き飛ばされる。還元条件下で、固定床または流動床において使用され
得る、粒子のそのような塊は、非常に強く焼結する。これは特に、一酸化炭素の
存在下でのニッケル粒子に当てはまる。そのとき、ニッケルのニッケルカルボニ
ルとしての輸送は、非常に強くかつ急速な焼結をもたらす。記載された方法では
、従って、小さいグラファイト被覆された金属粒子を得ることは可能でない。
【0036】 非常に高い飽和磁化を有する強磁性粒子を所望する場合、鉄および特に鉄−コバ
ルトアロイを強磁性成分として使用することが魅力的である。比較的小さい強磁
性粒子と共に混合されながら使用され得る、永久磁気モーメントを有する強磁性
粒子を所望する場合、高いコバルト含量を有するコバルトと鉄のアロイが魅力的
である。個々の粒子の低い永久磁気モーメント、したがって低い残留磁気を有す
る磁性軟質物質の場合、比較的低いコバルト含量を有するコバルト−鉄アロイお
よびニッケル−鉄アロイが適する。本発明によれば、上記の場合、鉄およびコバ
ルトの、または鉄およびニッケルの混合酸化物が担体に付与される。公知の従来
技術によれば、これは、酸性の鉄イオンおよびコバルトイオン含有溶液、あるい
は酸性の鉄イオンおよびニッケルイオン含有溶液を水性溶液(該水溶液のpHは
、アルカリ溶液の同時注入により約5より上の値に保持される)中の所望の担体
の懸濁物に注入することにより可能である。公知の従来技術によれば、これは、
硝酸アンモニウムおよび尿素が添加されている、コバルト(II)および鉄(II)
イオンまたはニッケル(II)および鉄(II)イオンの溶液中に担体を懸濁するこ
とによっても可能である。加熱すると、鉄(II)が硝酸塩イオンによって鉄(II
I)に酸化され、鉄(III)は、加水分解し、コバルトまたは鉄(II)と共にCo
Fe24およびFe(II)Fe(III)24として沈殿する。尿素の加水分解は 、(重)炭酸塩イオンをもたらし、これは、水素イオンの放出を伴って反応する
。こうして、pHが所望のレベルで保持される。明らかなように、pHは、アル
カリ溶液の注入によって所望の値に調整することもできる。上記手法は共に、均
一な組成の粒子を生じ、一方、多孔性担体粒子が約3μm以下であるならば、沈
殿した物質は、懸濁された担体の(内部)表面上に均一に分布される。比較的長
い孔を通る輸送故に、懸濁された担体物体はその時、端において、内部よりも多
量に付与される。そのような製造法は、南アフリカ特許出願6804216(19
68年11月18日)、オランダ国特許出願6804511(1969年10月2日)、オラ
ンダ国特許出願6804970(1968年4月9日)、オランダ国特許出願681
5906(1968年11月8日)、ドイツ国特許公開1958606(1970年6月18
日)、ドイツ国特許公開1963828(1970年10月8日)、ドイツ国特許公開
2000321(1970年7月16日)、オランダ国特許出願6904043(1970
年9月17日)、英国特許明細書1346498(1974年2月13日)に記載されて
いる。これらの特許出願の出願人は全て、Stamicarbon N.V.である。
【0037】 本発明に係る好ましい方法によれば、鉄またはコバルトおよび鉄のアロイまたは
ニッケルおよび鉄のアロイまたは言及した3種類全ての金属のアロイの粒子が、
鉄のシアン化物錯体から出発して製造される。鉄粒子は、溶解された鉄(II)化
合物を例えば(NH44Fe(CN)6に添加することによって鉄シアン化物錯 体を沈殿させることにより、好ましい方法に従って得られる。4価または3価の
アニオンとしてFe(CN)6を有する、またはニッケルおよび/またはコバル トを有するアニオンとしてFe(CN)5(NO)を有する、鉄シアン化物錯体 の沈殿は、均一な化学組成の小さいアロイ粒子の製造を可能にする。かかるシア
ン化物錯体の還元は、非常に容易に進行する。小さいアロイ粒子の製造を所望す
るならば、アロイへの還元に先立って、シアン化物をまず、酸化性気体流中でか
焼することにより対応する混合酸化物へ転化しなければならない。大きいアロイ
粒子は、還元性気体流中で、担体上に付与されたシアン化物錯体を直ちに加熱す
ることにより得られる。得られた個々のアロイ粒子の電子顕微鏡における化学組
成の分析は、非常に均一な化学組成の粒子が得られることを示した。
【0038】 本発明に係る粒子は、多数の技術的に重要なプロセスに関して、多くの利点を伴
って使用され得る。上記で論じたように、最も明白な用途は、触媒的に活性な物
質のための担体としてである。化合物または元素を炭素表面上に吸着させ、次い
で粒子を用いてそれらを分離することも可能である。さらに、或るタンパク質粒
子を炭素表面上に付与し、次いで磁性粒子を分離し、または磁気センサーを用い
て磁性粒子の位置を決定することができる。
【0039】 しばしば、触媒的に活性な成分を適用するために利用され得る表面を拡大するこ
とが魅力的である。本発明によれば、これは、担体に付与された強磁性金属粒子
から生長した炭素フィブリルの小さいクラスターを有することによって行われる
。この文脈において、「小さい」とは、3μm未満の炭素フィブリルのクラスタ
ーの直径を意味すると理解される。生長は、担持された金属粒子が、炭素原子を
有する分子を含む気体流において付されるところの温度を急に上げることにより
、停止される。こうして、短い炭素フィブリルを金属粒子から生長させ、次いで
、金属粒子を炭素中に封入することができる。炭素フィブリルの生長および金属
粒子の封入の後、金属またはアロイ粒子が最初に付与されていたところの担体物
質が除去される。炭素フィブリルの高い電気伝導性故に、この物質は電極として
の使用に非常に魅力的である。炭素フィブリルのかかるクラスターは、懸濁され
た触媒的に活性な物質のための担体としても非常に適する。磁気ルートによる分
離は、1以上の強磁性粒子が存在するところの炭素フィブリルのかかるクラスタ
ーによって極めて可能である。
【0040】 従来技術によれば、機械的に強い炭素フィブリルを、フィブリル軸に平行に配位
したグラファイト層と共に生長させることは公知である。そのような炭素フィブ
リルおよびその製造法は、例えば、米国特許第5,171,560号(Hyperion
Catalyst International)に開示されている。さらに、グラファイト層をフィ ブリル軸と或る角度をなして配位させて炭素フィブリルを生長させることが可能
である。例えば、米国特許第4,855,091号(1989年8月8日)(DOW Ch
emical)を参照。グラファイト層のそのような配位が関与する場合、これを、魚
の骨(fishbone)構造と言うことがある。
【0041】 今、魚の骨構造を有する細い炭素フィブリルの機械的強度は、グラファイト層が
フィブリル軸に平行に配位した炭素フィブリルよりも低い。この文脈において機
械的強度が意味するものは、特に引張強度である。2種類の炭素フィブリルの圧
縮強度は、あまり相違しない。この場合の「細い」は、フィブリルの直径が最大
で約50nmであることを意味する。しかし、驚いたことに、魚の骨構造を有す
る太い炭素フィブリルは、細いフィブリルとしてのみ生長され得る、平行配位の
グラファイト層を有するフィブリルよりもかなり高い機械的強度を有することを
示す。この文脈において、太い炭素フィブリルは、約50nm以上の直径を有す
るフィブリルである。魚の骨構造を有する炭素フィブリルの利点は、その表面が
、グラファイト表面がフィブリル軸に平行に配位した炭素フィブリルの表面より
も反応性の高い部位を含むということである。また、カリウムをそのようなフィ
ブリルに挿入することができ、このことは、興味深い多数の適用可能性を切り開
く。
【0042】 本発明によれば、炭素フィブリルの機械的に強い物体は、少なくとも約50nm
の直径の魚の骨構造を有する炭素フィブリルを生長させることにより得られる。
そのような太いフィブリルは一般に、まっすぐではなく、かなり曲がりくねって
いる。それによって引き起こされるフィブリルの混交が、炭素フィブリルのクラ
スターの高い機械的強度をもたらす。従って、魚の骨構造を有する炭素フィブリ
ルのかかる物体は、本発明の一部を形成する。その物体のサイズは、炭素フィブ
リルが生長する時間を制御することにより支配され得る。気体雰囲気中での炭素
の熱力学ポテンシャルを急に増加させることにより、炭素フィブリルが生長する
ところの金属粒子が封入し、その結果、生長が停止する。こうして、1μm〜数
mmまたはそれ以上の寸法の物体を生長させることができる。
【0043】 従って、本発明に係る物質の上記の特定の型は、魚の骨構造を有する炭素フィブ
リルの機械的に強いクラスターも包含し、同時に、クラスターのサイズは3μm
より大きい。強磁性物質の含量はその時、先に論じた物質におけるよりもはるか
に低い。クラスターを3μm以上の寸法に生長させる場合、磁性物質は実際には
分離に必要ない。なぜならば、クラスターはその時、沈降、濾過または遠心分離
によって容易に分離することができるからである。強磁性物質が、あってもほと
んど封入されないように、炭素フィブリルの生長を進行させることができる。驚
いたことに、磁性物質は、所望ならば、酸中に溶解させることにより除去され得
る。しかし、一般には、金属またはアロイ粒子を封入することが好ましい。
【0044】 しかし、ある用途に関しては、魚の骨構造を有する太い炭素フィブリルの接近可
能な表面および孔体積が小さすぎてもよい。その時、本発明の特定の実施態様に
よれば、細い炭素フィブリルおよび太い炭素フィブリルを含み、同時に細い炭素
フィブリルが、フィブリル軸に平行に配位したおよび或る角度をなして配位した
グラファイト層を有することができ、かつ太い炭素フィブリルが魚の骨構造を有
する物体が使用される。その時、接近可能な表面および孔体積は、細いフィブリ
ルによって付与され、機械的強度は太い炭素フィブリルによって付与される。本
発明によれば、魚の骨構造を有する細い炭素フィブリルおよび太い炭素フィブリ
ルのかかるクラスターは、固体触媒において慣用の担体物質から出発し、該担体
物質が種々の寸法の金属またはアロイ粒子を付与されることにより製造される。
当然、種々の寸法の金属またはアロイ粒子は、2つの担体に関してかなり異なる
、多かれ少なかれ均一な金属またはアロイ粒子を各々付与された2つの担体物質
を混合することにより得ることもできる。本発明によれば、出発物質は、30n
mより大きいおよび20nmより小さい金属またはアロイ粒子である。Hoogenra
ad(M. Hoogenraad Growth and Utilization of Carbon Fibrils Dissertation
University of Utrecht, 1995)の研究から、高温、例えば600℃で、一酸化 炭素および水素の混合物から、細い炭素フィブリルを小さい金属またはアロイ粒
子から選択的に生長させることができることが公知である。次いで温度を500
℃に下げると、機械的に強い太いフィブリルが大きい金属またはアロイ粒子から
生長する。
【0045】 本発明に係る物質の特定の実施態様は、炭素フィブリルの機械的に強いクラスタ
ーを含み、同時に、クラスターのサイズは3μmより大きい。機械的強度のため
に、これらのクラスターは太い炭素フィブリルを含み、そのグラファイト層は、
魚の骨構造に従って配列している。大きい表面および/または孔体積が望ましい
ならば、平行にまたは魚の骨構造に従って配列したグラファイト層を有する細い
炭素フィブリルがクラスターに組み込まれる。その時、強磁性物質の含量は、先
に論じた物質におけるよりもはるかに低い。クラスターを3μm以上の寸法に生
長させる場合、分離のために必要な磁性物質は全くない。なぜならば、その時、
クラスターは、沈降、濾過または遠心分離によって容易に分離され得るからであ
る。強磁性物質が、あったとしてもほとんど封入されないように、炭素フィブリ
ルの生長を進行させることが可能である。次いで、所望ならば酸中に溶解するこ
とにより磁性物質を除去することができる。しかし、一般には、金属またはアロ
イ粒子を封入することが好ましい。
【0046】 本発明に係る特定の方法によれば、小さいおよび大きい担持された金属またはア
ロイ粒子の混合物が、出発物質を別々に製造することにより得られる。金属また
はアロイの前駆体を担体に高付与することにより、大きい粒子が還元後に得られ
、一方、低付与は、小さい粒子をもたらす。条件は、両方の場合とも、活性前駆
体が担体に均一に付与されるということである。公知の従来技術によれば、この
目的のための多数の方法、例えば沈着−沈殿またはクエン酸塩錯体の含浸が知ら
れている。
【0047】 前駆体が種々の程度付与された担体粒子の適切な混合を得るために、出発点は、
1mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.2mm以下の担体
粒子の集塊である。金属またはアロイの前駆体を付与した後、担体粒子を液体、
好ましくは水に懸濁し、その後、懸濁物を適切に混合する。液体の分離および乾
燥および必要ならばか焼の後、付与された担体粒子を、炭素フィブリルの生長に
望ましい寸法の物体に形成する。
【0048】 太い炭素フィブリルおよび細い炭素フィブリルの望ましい比は、所望の表面積お
よび孔体積および必要とされる機械的強度によって決定される。本発明によれば
、大きいおよび小さい金属粒子の質量比は、約2:1から1:100まで変化す
る。
【0049】 本発明によれば、上記したように、大きい表面および大きい孔体積のために、魚
の骨構造を有するフィブリルおよび平行構造を有するフィブリルの混合物が製造
される。したがって、かかる混合物も、本発明の一部である。この場合、金属ま
たはアロイは、特定の条件下で、魚の骨構造を有するフィブリルが生長するとこ
ろのもの、例えばニッケル、および平行フィブリルが生長するところもの、例え
ば鉄から選択される。その場合、異なる条件下では、生長中に、平行配位のグラ
ファイト層を有するフィブリルをニッケル粒子から生長させることができる。ニ
ッケル付与および鉄付与された担体粒子の混合物は、上記したように本発明に従
って製造される。このようにして、魚の骨構造を有するフィブリルの化学的反応
性および機械的強度を、グラファイト層の平行配位を有するフィブリルの大きい
孔体積と組み合せることができる。本発明によれば、魚の骨構造を有する太い炭
素フィブリルおよび平行構造を有する細い炭素フィブリルを生長させる金属粒子
の質量比は同様に、約2:1〜約1:100である。
【0050】 魚の骨構造を有する炭素フィブリルは、高い電気伝導性を有することが分かった
。この伝導性は、走査電子顕微鏡で使用されるアルミニウム台に炭素フィブリル
を付与することにより確認された。走査電子顕微鏡では、試料の低い伝導性が、
試料台のアルミニウムとの接触が少ない位置で試料の局所的帯電を招く。アルミ
ニウム試料台との接触を小さくする、試料の部分は、試料に入射する電子によっ
て、負に帯電される。その結果、電子が、試料の負に帯電した部分に比較的低い
速度で入射する。二次電子の強度は、入射電子のエネルギーの減少につれて強く
増加する。すなわち、二次電子の写真では、試料の負に帯電した部分が、二次電
子のはるかに高い強度によって認識され得る。炭素フィブリルの帯電は、その時
、試料の異なる部分から生じる二次電子の強度における強い相違から現れる。ま
た、炭素フィブリルの厚い層の場合、アルミニウム台との接触がはるかに小さく
、帯電は何ら生じないことが分かる。このことは、炭素フィブリルの高い伝導性
を指し示す。これを図3に示す。これは、電界放射電子銃を備えた走査電子顕微
鏡における高倍率での記録を表す。高電気伝導性は、グラファイト層から成る炭
素フィブリルの構造から理論的に予測することもできる。
【0051】 魚の骨構造を有する太い炭素フィブリルまたは太い炭素フィブリルおよび細い炭
素フィブリルの上記混合物は、ポリマーに非常に良く加工され得ることが分かっ
た。従って、本発明に係る物質の特定の形態によれば、魚の骨構造を有する炭素
フィブリルまたは魚の骨構造を有する絡み合った太い炭素フィブリルと平行構造
もしくは魚の骨構造を有する細い炭素フィブリルとの混合物をポリマーに加工す
ることにより、純粋なポリマーよりもかなり高い電気伝導性を有するポリマーが
得られる。かかる加工は、自体公知の技術、例えば、マスターバッチング、ある
いは炭素フィブリルをポリマー粉末と混合した後押出すなどの方法を使用するこ
とにより行われる。従って、本発明は、魚の骨構造を有する炭素フィブリルから
加工されたポリマーを包含する。
【0052】 上記では、触媒的に活性な物質のための担体としての使用が言及された。従って
、本発明の特定の実施態様によれば、物質が、触媒的に活性な成分のための担体
として使用される。この場合、触媒的に活性な物質(の前駆体)が、炭素表面上
に付与される。活性成分を付与するために、触媒的に活性な物質(の前駆体)を
活性炭上に付与するための従来技術に従って公知である方法が使用され得る。
【0053】 今、活性炭の大きい内部表面の一部は、空気にさらされると比較的急激に酸化す
る。その結果、空気に24時間さらした後の活性炭の表面は、多くの極性基、例
えばカルボキシル基を含み、それに触媒的に活性な物質の前駆体が強く吸着する
。従って、空気にさらした後、活性炭は、親水性である。そのような極性基に活
性成分(の前駆体)を容易に吸着させることができ、従って、触媒的に活性な物
質が活性炭の表面上に付与され得る。本発明に係る炭素層の表面は、酸化する速
度がはるかに小さい。実際、封入された強磁性粒子および炭素フィブリル(のク
ラスター)は疎水性である。緩やかな酸化により、限られた数のカルボキシル基
を、本発明に係る物質の表面上に付与することができ、それに、正に帯電した活
性成分(の前駆体)、例えば貴金属のアンモニア錯体などが吸着され得る。緩や
かな酸化は、例えば、封入された粒子を希硝酸に懸濁し、短時間沸騰させること
により従来技術に従って行うことができる。従来技術によれば、他の緩やかな酸
化法、例えば次亜塩素酸塩による酸化も公知である。長時間沸騰させると、典型
的に薄い炭素層が完全に酸化され、金属またはアロイ粒子が溶解する。優れた結
果は、貴金属の溶解された化合物、好ましくはアンモニアまたはアミンとの錯体
を、懸濁された封入された粒子の存在下、液相で還元することにより得ることも
できる。活性金属の非常に細かい分布は、懸濁された封入された粒子の不存在下
、液相中で還元が進行するときの温度よりも低い温度で還元が行われるときに生
じる。しばしば、炭素フィブリル上に、幾分大き目の貴金属粒子を付与すること
が魅力的である。本発明に係る特定の方法によれば、これは、緩やかに酸化され
たフィブリルに比較的少量の活性成分(の前駆体)を付与することにより行われ
る。一般に、かかる付与は、2重量%より下であり、還元後、約1nmの寸法を
有する金属粒子が得られる。液相での還元が進行し、一方、すでに付与された小
さい粒子によってもっぱら触媒される条件下、活性元素の溶解された前駆体の存
在下で還元を行うことにより、主として付与された触媒的に活性な粒子が選択的
に生長されてより大きい粒子になり得る。主として付与された粒子上に異なる化
合物を付与することにより、均一な組成の活性粒子を有するいくつかの成分から
成る活性物質を提供することもこうして可能である。
【0054】 低い温度で還元することができる金属を比較的多く付与することが望ましい場合
は、本発明に係る好ましい方法が使用される。その場合、炭素フィブリルにショ
糖またはグルコースの溶液を含浸させ、その後、含浸された炭素フィブリルを乾
燥させる。次いで、得られたショ糖の層が、高められた温度下、不活性気体また
は不活性気体流中で分解される。そのとき得られるものは、分解温度に依存する
酸素含有量を有する、炭素フィブリル上の薄く、強い接着性の無定形炭素層であ
る。この層は、大気空気にさらすと速く酸化し、その結果、親水性のフィブリル
が得られ、それは例えば貴金属の錯体、例えば塩化物錯体を強く吸着する。貴金
属は、ホルムアルデヒドまたはグルコースによって、または水素を懸濁物に通す
ことによって、水性相で還元され得る。
【0055】 本発明の好ましい実施態様によれば、EDTAまたはクエン酸などの有機化合物
の錯体の溶液を含浸させることにより、本発明に係る物質の表面上に、活性成分
の前駆体が付与される。また、本発明に係る物質の表面に表面活性化合物を先ず
付与し、次いで前処理された表面に活性成分を付与することもできる。しばしば
、活性成分の前駆体が、グルコースまたはショ糖の溶液に有利に添加され得る。
かかる溶液を含浸させた物質を乾燥させると、本発明にかかる物質の炭素表面上
に粘性の層が形成される。従来技術によれば、付与された担体物質を酸素含有気
体または酸素含有気体流中で加熱することにより、有機物質が除去される。その
ような方法は、本発明にかかる担体物質の場合には使用できない。なぜならば、
その場合、炭素も担体から酸化されるからである。これは、一般に触媒的に活性
な物質(の前駆体)は、本発明にかかる物質の炭素フィブリルおよび炭素層の酸
化も触媒的に促進するので、なお一層そうである。
【0056】 本発明によれば、含浸された物質の有機成分が、付与された担体を不活性気体流
中で高温で加熱することにより除去される。その時、触媒的に活性な成分は一般
に、高い炭素含量を有する残渣と共に後に残り、それらは、大部分が活性成分を
被覆する。高められた温度で水素を用いて処理することにより、炭素含有残渣が
除去され得る。典型的には、かかる炭素含有担体、例えば本発明に係る担体物質
は、金属活性成分のための担体として使用される。その場合、活性成分の前駆体
を対応する金属またはアロイに転化するために、還元処理も必要である。今、貴
金属は、担体の炭素が反応しない非常に低い温度で還元され得る。しかし、コバ
ルトおよび鉄の場合のように、還元のために比較的高い温度が必要な場合は、担
体の炭素も反応してメタンを生じる。従って、還元は、有機化合物の錯体を含浸
させるためおよびあまり不活性でない(貴金属でない)金属またはアロイを還元
ための両方に必要である。
【0057】 貴金属の場合、ほとんどいつも、アルゴンまたは窒素などの不活性気体流での加
熱で十分である。その場合、金属は、フィブリルの炭素によって少なくとも部分
的に還元される。一般に、これは比較的に少量の炭素のみを伴う。従って、本発
明に係る方法の特定の実施態様によれば、炭素フィブリル上に付与された貴金属
前駆体は、不活性気体または不活性気体流中で加熱することにより還元される。
【0058】 驚いたことに、水素およびメタン分圧が、pH2 2/pCH4の値が金属カーバイ ド、水素およびメタンの間での平衡の値と、グラファイト、水素およびメタンの
間での平衡の値の間にあるような値に設定されると、炭素からメタンへの水素添
加も金属カーバイドの形成も生じないことが今、分かった。また、一酸化炭素、
二酸化炭素およびグラファイトまたは金属カーバイドの間の平衡の場合は、その
ような挙動が見られた。従って、本発明に係る方法の特定の実施態様によれば、
グラファイトと対応する気体分子との間の平衡も金属カーバイドと対応する気体
分子との間の平衡も得られないような条件下で還元を行う。
【0059】 本発明に係る担体物質は、水素添加脱硫黄、脱ニトロ化または粗製油画分からの
金属の水素添加除去のための触媒的に活性な物質の担体として特に魅力的である
。一般に、水素添加脱硫黄のために、コバルトおよびモリブデンを含む触媒が使
用され、一方、石油画分から窒素を除去するためにはニッケルおよびタングステ
ン触媒が適する。本発明に係る担体物質の大きな利点は、使用済みの触媒におい
て、炭素担体が容易に酸化除去され得るということである。次いで、残留成分は
、酸化アルミニウムが担体として使用される従来技術に係る触媒とは対照的に、
比較的容易に処理され得る。比較的多量の酸化アルミニウムを処理することは煩
雑である。塩化モリブデン(III)は、炭素フィブリルまたは強磁性粒子に沈着 した炭素層によって適切に吸着されないが、驚いたことに、モリブデンは、酸化
後に強く吸着されることが今、分かった。コバルトまたはニッケルおよびモリブ
デンを付与された炭素フィブリルを硫化した後に、極めて活性な触媒が得られる
。炭素フィブリルのクラスターの大きい孔体積および開いた孔故に、こうして得
られた触媒は、比較的重い、金属を含む油画分の処理に極めて適する。触媒粒子
を懸濁物中で磁気的に保持すること、または触媒粒子を磁気的に分離することも
、石油画分の処理において大きな利点を伴って適用され得る。特に水素添加脱金
属では、スルフィドを付与された炭素フィブリルが魅力的である。ここでは、特
にニッケルおよびバナジウムが触媒に沈着される。実用上、使用済みの触媒は、
炭素フィブリルを完全に酸化することにより簡単に処理され得る。その時、残り
のコバルトまたはニッケルならびにバナジウムおよびモリブデンは、容易に回収
され得る。その結果、炭素担持された触媒を作り上げることは、従来技術に従う
、担体として酸化アルミニウムを有する触媒よりもはるかに速く進行し得る。
【0060】 本発明の特定の実施態様によれば、チーグラー−ナッタ触媒が、炭素フィブリル
のクラスター上に付与される。特に、例えばTiCl3などの塩化物は、金属粒 子から成長される炭素フィブリル上に大いに付与され得る。三塩化チタンを比較
的多く付与することを意図する場合、炭素フィブリルを高められた温度でCl2 を用いて前処理することが好ましい。また、上記したように、グルコースまたは
ショ糖を分解することにより無定形の酸素含有炭素の薄層を付与することもでき
る。そのような方法で付与された炭素フィブリルがオレフィンの重合のために使
用されるならば、静電気の帯電を防止するのに十分な電気伝導性のオレフィンが
得られる。また、メタロセンを炭素フィブリル上に付与することもでき、こうし
て、適する重合触媒を得ることができる。
【0061】 大いに興味深いことは、本発明に係る炭素フィブリル上に酸触媒としての使用の
ためのゼオライトの薄層を付与することもできると言うことである。その場合、
表面活性物質が炭素フィブリルの表面上に付与され、その後、前処理された炭素
フィブリルがゼオライトの合成懸濁物に入れられる。大きな利点は、こうして、
ゼオライトの大きい面積対体積比が実現され、その結果、輸送妨害が完全に回避
されるということである。液相反応では、反応後、液体から小さいゼオライト結
晶を分離することはしばしば煩雑である。本発明にかかる炭素フィブリル上に付
与されたゼオライト層を用いると、液体からのゼオライトの分離が、濾過または
遠心分離によって非常に容易に行われ得る。所望ならば、ゼオライトを付与した
後、炭素フィブリルを焼き落とすことができる。今、ゼオライト層の内部表面は
、気体または液層からも接近可能である。しかし、その時、系の強度は比較的小
さい。
【0062】 本発明にかかる炭素フィブリルの欠点は、フィブリルが、高められた温度で酸化
性環境に対する耐性がないことである。従って、本発明の特定の実施態様によれ
ば、炭素フィブリルは、炭化ケイ素フィブリルに転化される。炭化ケイ素の表面
に、酸化ケイ素の密封層が形成され、それが更なる酸化を防ぐ。炭素フィブリル
の炭化ケイ素への転化は、公知の従来技術に従って行なわれる。好ましくは、フ
ィブリルは、一酸化ケイ素流中で加熱される。比較的揮発性の一酸化ケイ素が、
ケイ素を二酸化ケイ素と共に加熱することにより得られる。このように炭化ケイ
素に転化された炭素フィブリルは、本発明に従って、優れた触媒担体である。公
知の従来技術によれば、揮発性のハロゲンシランも炭化ケイ素への反応のために
使用され得る。
【0063】 本発明にかかる炭素フィブリルは、強磁性粒子と結合していてもいなくても、イ
オン交換体のための優れた担体を形成する。大きい孔体積および広い孔は、この
物質を、イオン交換体の提供に極めて適するものにする。従来技術によれば、イ
オン交換体は、炭素表面上へのカルボキシル基の存在をもたらす緩やかな酸化に
よって得られ得る。炭素のための従来技術に従って公知であるように、硫酸との
反応によって、より強酸性のイオン交換体を得ることができる。また、公知のイ
オン交換体が、本発明に係る物質の表面上に付与され得る。特にポリスチレンに
基づくイオン交換体は、炭素フィブリル上への付与に適する。比較的高温で使用
することもできる強酸性の触媒の場合、Nafionが本発明に係る物質上に付与され
得る。
【0064】 こうしてイオン交換体を付与された炭素フィブリルは、固定床において十分使用
することができ、それによって、イオン交換性の基の大きな画分が使用され得る
。また、付与されたフィブリルを懸濁し、次いで濾過または遠心分離によってそ
れを分離することもできる。非常に魅力的なことは、流動する液体に全く容易に
懸濁することができ、または磁場を適用することにより非常に容易に分離するこ
とができる、封入された強磁性粒子が存在する炭素フィブリルのクラスターの使
用である。
【0065】 イオン交換体を付与された炭素フィブリルは、酸触媒として極めて適用され得る
。従来技術に係るイオン交換体の小さい輸送特性および比較的低い熱安定性は、
炭素フィブリル上へそれを付与することによりかなり改善される。
【0066】 触媒的に活性な物質のための担体物質の実用上の適用では、反応器上での圧力低
下が、しばしば決定的に重要である。圧力低下は触媒の物体のサイズによって決
定される。一般に、固定触媒床では、圧力低下を許容され得る値内に維持するた
めに、少なくとも数mmの物体が使用される。また、固定床でイオン交換体を使
用する場合、十分大きい物体を使用することが重要である。本発明によれば、そ
の時、数mm以上の寸法の物体が、金属またはアロイ粒子を付与された担体物質
から成長される。その場合、炭素フィブリルの成長中の条件は、比較的長く太い
炭素フィブリルが成長するように設定される。
【0067】 驚いたことに、主に炭素フィブリルからなる数mmの物体も、数mmの適する触
媒担体、例えば酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素などの物体から出発すること
により得られ得ることがさらに分かった。これらの多孔性粒子の(内部)表面上
に、そこから炭素フィブリルを成長させることが望ましい金属粒子が付与される
。今、炭素フィブリルを次いで成長させるならば、元の担体物体よりもわずかに
大きい寸法を有する機械的に強い物体が得られる。本発明によれば、その中で炭
素フィブリルが成長され、同時に元の担体粒子の外部表面を被覆する、慣用の触
媒担体から成る物体がその時使用される。本発明によれば、かかる担体粒子は、
約5nm〜0.2mmの寸法の金属粒子を担体物体に付与し、かつそこから炭素
フィブリルを成長させることにより得られる。
【0068】 本発明の一部は、封入された金属粒子に結合した炭素層または炭素フィブリルで
被覆された金属粒子を、該粒子を磁力線に従って配位させて保持する磁場に導入
することにより得られる電極である。磁場の傾斜故に、粒子は所望の位置に保持
され、同時に、粒子間の良好な接触がさらに得られる。強磁性金属の電気伝導性
は、炭素層および炭素フィブリルのように高い。こうして、高い比表面積を有す
る十分に伝導性の電極が得られる。グラファイト炭素層で完全に被覆された強磁
性粒子の別の適用は、電気化学反応のための電極としてである。いくつかの場合
、炭素表面上に付与されるべき他の活性成分はその時、不要である。
【0069】 係る電極は、希過酸化水素溶液の電気化学的製造に極めて適することが分かった
【0070】
【実施例】 実施例1.ニッケル鉄酸化物およびアルミニウム酸化物の製造 1.5リットルの脱イオン水中の4.3gの硝酸ニッケルおよび5.0gのγ−
酸化アルミニウムの懸濁物に、100mlの脱イオン水中の2.1gのフェロシ
アン化アンモニウムの溶液を1ml/分の速度で添加した。溶液のpHを予め5
に設定した。シアン化物溶液の完全な添加の後、懸濁物を濾別し、洗浄し、乾燥
した。425μm〜825μmの1モル画分を、He中の20%のO2流中(総 流量100ml/分)、573Kで3時間か焼した。解析をXRDによって行っ
た。
【0071】 実施例2.単離された鉄ニッケル粒子の製造 γ−酸化アルミニウム上の100mgのニッケル鉄酸化物を、そのために特に
設計された反応器において、20%H2の気体流中(Ar中;総流量100ml /分)、インシチューに(in situ)還元した。温度を973Kに上げ、この値
で2時間保持した。次いで、H2をCH4で置き換え、この気体を973Kで1時
間通すことにより、封入が生じた。完全な封入が生じた後、物質をアルゴン流下
で室温に冷却した。次いで、試料を50mlの濃塩酸中で8時間沸騰させること
により、γ−酸化アルミニウムを除去した。単離された封入された鉄ニッケル粒
子をTEMによって解析した。
【0072】 実施例3.シクロヘキセンの水素添加のための磁性担体粒子の使用 実施例2に記載した方法と同様にして封入された鉄ニッケル粒子0.12gに
、酸性の塩化パラジウム溶液0.11mlを含浸させた。塩化パラジウム溶液の
濃度は0.25モルであった。含浸された担体をアルゴン流中、60℃で乾燥し
た。次いで、パラジウムを、アルゴン流中の10体積%の水素を混合することに
より同じ温度で還元した。透過型電子顕微鏡での調査から明らかなように、強磁
性粒子の周りの炭素被覆に小さいパラジウム粒子が沈着していた。パラジウム粒
子の寸法は約1〜2nmであった。 触媒をトルエン中に懸濁し、その後水素を通して、空気中で酸化されたパラジ
ウム粒子を再び還元した。次いで、シクロヘキセンを懸濁物に注入した。水素添
加速度を、水素消費を測定することにより決定した。水素消費を、担体として活
性炭を有する市販のパラジウム触媒のそれと比較した。本発明に係る磁性担体の
パラジウム含量は市販の触媒の半分であったが、水素添加速度は等しかった。
【0073】 実施例4.膨張された球状担体粒子の製造 出発物質は、1〜0.85mmの寸法を有する酸化アルミニウムの球状粒子で
あった。孔体積に水性硝酸ニッケル溶液を含浸させ、次いで115℃で乾燥させ
、450℃でか焼することにより、広い粒径分布の酸化ニッケル粒子を、球状担
体物体に付与した。次いで、こうして酸化ニッケルを付与された担体粒子を45
0℃で水素流中で還元して、3〜50nmの粒径の金属ニッケル粒子を得た。 その後、還元された担体物体を、空気に暫時さらすことなく、450〜500
℃でメタンおよび水素(1:2の比)の流れにさらした。約1時間後、担体粒子
の直径が約1.3mmに増加していることが分かった。電子顕微鏡で調べると、
大きく変わる直径の炭素フィブリルが、担体粒子からおよび担体粒子中に成長し
ていることが分かった。 そこから炭素フィブリルが成長した球状担体物体の機械的強度は、サイドクラ
ッシュ強度が測定された試験から明らかなように、実質的に低下していないこと
が分かった。
【0074】
【図面の簡単な説明】
【図1】 低倍率での封入された鉄−ニッケル粒子。透過型電子顕微鏡での記録である。
【図2】 非常に高倍率での封入された鉄−ニッケル粒子。(a)鉄−ニッケル粒子;(
b)グラファイト層。グラファイト層間の距離は0.33nmである。
【図3】 電界放射電子銃を備えた走査電子顕微鏡を用いてなされた、魚の骨構造を有す
る炭素フィブリルの厚い層の記録である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22F 1/02 B22F 9/22 F 5E041 9/22 C01B 39/02 C01B 39/02 C08F 4/02 C08F 4/02 D01F 9/127 D01F 9/127 B01J 23/74 321Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4G069 AA02 AA03 AA08 BA01A BA01B BA01C BA02A BA02C BA04A BA05A BA06A BA06C BA07A BA07B BA08A BA08B BA21C BA27C BB01C BB02A BB02B BB04A BB08C BB15A BC59A BC59C BC60A BC60C BC66A BC66B BC66C BC67A BC67B BC67C BC68A BC68B BC72A BC72B BD02C BD04C BD05A BD12C BE01C BE02C BE08C BE15C BE37C BE43C BE47C CB02 CB65 DA05 EA02X EA02Y EA03X EA03Y EA07 EB15X EB15Y EB18X EB18Y EB19 EC27 EE01 FA01 FB01 FB06 FB08 FB14 FB30 FB34 FB39 FB43 FB44 FB48 FB49 FB57 FB58 FC01 FC02 FC04 4G073 BD18 UA09 4K017 AA04 BA03 BA06 BB06 CA01 DA02 DA09 EH18 EJ01 FB06 4K018 BA04 BA15 BA16 BB03 BC26 BC28 BD01 BD10 4L037 AT03 CS04 FA03 FA05 PA05 PA06 PA12 PA13 PA17 UA04 UA15 UA20 5E041 AA06 BC05 CA10 HB09 HB14 HB17 HB19 NN01 NN05 NN06 NN11

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性金属または金属アロイのコアを含む強磁性金属粒子におい て、該コアの表面が全体的にグラファイト炭素の層で被覆されている粒子。
  2. 【請求項2】 グラファイト炭素層の厚さが約1〜約50nmである、請求項1
    記載の粒子。
  3. 【請求項3】 最大の寸法が4nm〜5μm、好ましくは4nm〜1μmである
    、請求項1記載の粒子。
  4. 【請求項4】 少なくとも0.5μmの強磁性相の寸法を有し、より小さい粒子
    はない、請求項1または2記載の粒子。
  5. 【請求項5】 少なくとも0.5μmの寸法を有する粒子(比較的小さい画分)
    および最大で0.1μmの寸法を有する粒子(比較的大きい画分)が並んで存在
    するような双峰性分布の強磁性相寸法を有する、請求項1または2記載の粒子。
  6. 【請求項6】 個々の強磁性コアの寸法が全ての方向で実質的に同じである、請
    求項1〜5のいずれか1項記載の粒子。
  7. 【請求項7】 粒子の強磁性相が、多重ドメインまたは超常磁性である、請求項
    1〜6のいずれか1項記載の粒子。
  8. 【請求項8】 残留磁化が、飽和磁化の40%以下、好ましくは20%以下、よ
    り好ましくは10%以下である、請求項1〜7のいずれか1項記載の粒子。
  9. 【請求項9】 強磁性相が鉄−コバルトまたは鉄−ニッケルアロイから成る、請
    求項1〜7のいずれか1項記載の粒子。
  10. 【請求項10】 担体物質に所望の金属の(水和された)酸化物を付与し、該付
    与された担体物質を乾燥させ、か焼した後、金属酸化物を対応する金属または対
    応するアロイに還元し、その後、その物質を、炭素含有分子を含む気体流中で、
    高められた温度で処理することにより金属粒子上に炭素層を付与し、最後に、こ
    うして処理された物質の冷却後に担体物質を溶解させることによる、請求項1〜
    9のいずれか1項記載の炭素被覆された強磁性金属粒子の製造法。
  11. 【請求項11】 担体物質として、二酸化ケイ素、酸化アルミニウムまたは酸化
    マグネシウムが使用される、請求項10記載の炭素被覆された強磁性金属粒子の
    製造法。
  12. 【請求項12】 水和された金属酸化物が、沈着−沈殿によって担体に付与され
    る、請求項10または11記載の炭素被覆された強磁性金属粒子の製造法。
  13. 【請求項13】 金属酸化物が、所望の金属のEDTAまたはクエン酸塩錯体に
    よる孔体積含浸によって担体に付与され、次いで、この錯体が、酸化性気体流中
    で、高められた温度で分解される、請求項10または11記載の炭素被覆された
    強磁性金属粒子の製造法。
  14. 【請求項14】 担持された金属酸化物の還元が、水素含有気体混合物流中で、
    高温で行われる、請求項10〜13のいずれか1項記載の炭素被覆された強磁性
    金属粒子の製造法。
  15. 【請求項15】 炭素による被覆が、該物質を高められた温度で、必要ならば水
    素が添加されている、ベンゼン、トルエン、アセチレン、エチレン、メタンまた
    は一酸化炭素を有する気体流にさらすことにより行なわれる、請求項10〜14
    のいずれか1項記載の炭素被覆された強磁性金属粒子の製造法。
  16. 【請求項16】 担体物質が塩酸、ギ酸、酢酸または他の非酸化性の酸の水性溶
    液に溶解される、請求項10〜14のいずれか1項記載の炭素被覆された強磁性
    金属粒子の製造法。
  17. 【請求項17】 鉄(II)の溶液および3価または4価のアニオンFe(CN) 6 の溶液を混合することにより、液体に懸濁された担体物質の存在下で鉄シアン 化物錯体を沈殿させることによる請求項1〜11のいずれか1項記載の鉄粒子の
    製造法において、小さい鉄粒子を製造するために、アロイへ還元する前に、シア
    ン化物をまず、酸化性気体流中でか焼することにより対応する酸化物に転化し、
    かつ大きい鉄粒子を製造するために、担体上に付与されたシアン化物錯体を、還
    元性気体流中で直ちに加熱する方法。
  18. 【請求項18】ニッケルおよび/またはコバルトおよび必要ならば鉄(II)の溶 液と3価もしくは4価のアニオンFe(CN)6の溶液またはアニオンとしての Fe(CN)6(NO)の溶液とを混合することにより、液体中に懸濁された担 体物質の存在下でコバルト−鉄またはコバルト−ニッケルまたはコバルト−ニッ
    ケル−鉄シアン化物錯体を沈殿させることによる請求項1〜11のいずれか1項
    記載のコバルトおよび鉄のまたはニッケルおよび鉄のまたは該3種類全ての金属
    のアロイ粒子を製造する方法において、小さいアロイ粒子の製造のために、アロ
    イへの還元の前に、シアン化物をまず、酸化性気体流中でか焼することにより対
    応する混合酸化物に転化し、かつ大きいアロイ粒子のために、担体に付与された
    シアン化物錯体を、還元性気体流中で直ちに加熱する方法。
  19. 【請求項19】 1以上の強磁性粒子が存在する、約3μmの最大寸法の炭素フィ
    ブリルのクラスター。
  20. 【請求項20】 約50nmより大きい直径を有する魚の骨構造を有する炭素フ
    ィブリル。
  21. 【請求項21】 少なくとも約50nmの直径を有する魚の骨構造を有する炭素 フィブリルの物体。
  22. 【請求項22】 強磁性粒子が存在しない、請求項21記載の魚の骨構造を有す
    る炭素フィブリルの物体。
  23. 【請求項23】 クラスターの寸法が3μmより大きい、請求項20〜22のい
    ずれか1項記載の魚の骨構造を有する炭素フィブリルのクラスター。
  24. 【請求項24】 細い炭素フィブリルが、フィブリル軸に平行に配位したグラフ
    ァイト層および或る角度をなして配位したグラファイト層を有することができ、
    かつ太い炭素フィブリルが魚の骨構造を示す、細い炭素フィブリルおよび太い炭
    素フィブリルを含む物体。
  25. 【請求項25】 固体触媒において慣用の担体物質から出発し、該担体物質が種
    々の寸法の金属またはアロイ粒子を付与されるところの、請求項24記載の細い
    炭素フィブリルおよび太い炭素フィブリルのクラスターの製造法。
  26. 【請求項26】 30nmより大きい粒子および20nmより小さい粒子から成
    る担持された金属またはアロイ粒子の混合物から生長された炭素フィブリルのク
    ラスター。
  27. 【請求項27】 比較的大きい粒子と比較的小さい粒子との質量比が2:1〜1
    :100である、請求項26記載の炭素フィブリルのクラスター。
  28. 【請求項28】 1mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.
    2mm以下である、担体物体に付与された種々の寸法の金属またはアロイ粒子か
    ら生長された請求項25〜27のいずれか1項記載の炭素フィブリルのクラスタ
    ー、ここで、該担体物体は、金属またはアロイの前駆体を付与された後、液体、
    好ましくは水に懸濁され、その後、懸濁物を適切に混合し、液体からの分離およ
    び乾燥および必要ならばか焼の後、炭素フィブリルの生長に望ましい寸法の物体
    に形成されている。
  29. 【請求項29】 請求項20〜24のいずれか1項記載の炭素フィブリルのクラ
    スターから加工されたところのポリマー。
  30. 【請求項30】 表面に触媒的に活性な物質が付与されている、請求項1〜9お
    よび19〜24のいずれか1項記載の粒子。
  31. 【請求項31】 粒子が液相に懸濁され、触媒反応の後、不均一磁場により分離
    される、請求項1〜9および19〜24および30のいずれか1項記載の粒子の
    使用法。
  32. 【請求項32】 タンパク質または生物学的細胞の分離のための、請求項1〜9
    および19〜24のいずれか1項記載の粒子の使用法。
  33. 【請求項33】 その表面が緩やかに酸化されており、かつ上に、触媒的に活性
    な物質の正に帯電した前駆体が溶液から吸着されている、請求項1〜9および1
    9〜24のいずれか1項記載の粒子。
  34. 【請求項34】 表面に極めて小さい金属粒子を付与し、次いでこれらの粒子を
    、同じ物質または異なる物質を用いて、溶解された化合物の触媒還元により生長
    させることによる、請求項1〜9および19〜24のいずれか1項記載の粒子の
    付与法。
  35. 【請求項35】 酸素含有炭素の薄い無定形層を表面上に有する、請求項1〜9
    および19〜24のいずれか1項記載の粒子。
  36. 【請求項36】 グルコースまたはショ糖溶液を含浸させ、乾燥させ、不活性気
    体または不活性気体流中で加熱することによる、請求項1〜9および19〜24
    のいずれか1項記載の粒子に酸素含有炭素の無定形層を付与する方法。
  37. 【請求項37】 不活性気体または不活性気体流中で加熱することによる、請求
    項1〜9および19〜24のいずれか1項記載の担体上に付与された貴金属前駆
    体の還元法。
  38. 【請求項38】 予め表面活性化合物で処理し、またはEDTAまたはクエン酸
    または他の有機化合物の錯体の溶液を含浸させ、次いで、不活性気体中で加熱し
    、その後、炭素残渣を除去し、必要ならば、水素およびメタン分圧が、pH2 2
    pCH4の値が金属カーバイド、水素およびメタンの間での平衡の値と、グラフ ァイト、水素およびメタンの間での平衡の値の間にあり、炭素からメタンへの水
    素添加も金属カーバイドの形成も生じないような値に設定されるところの条件下
    で活性前駆体を還元することによる、物質の表面に活性成分の前駆体を付与する
    方法。
  39. 【請求項39】 請求項1〜9および19〜24のいずれか1項記載の物質上に
    、コバルトおよびモリブデンまたはニッケルおよびタングステンまたはこれらの
    成分の混合物が付与されている触媒。
  40. 【請求項40】 塩化モリブデン(III)または塩化タングステン(III)から出
    発し、これが付与されるべき担体の懸濁物中で酸化される、請求項36記載の触
    媒の製造法。
  41. 【請求項41】 請求項19〜24のいずれか1項記載の炭素フィブリルのクラ
    スターに付与された、オレフィンの重合のためのチーグラー−ナッタ触媒または
    メタロセン触媒。
  42. 【請求項42】 後で必要ならば炭素が酸化除去される、請求項19〜24のい
    ずれか1項記載の炭素フィブリルに付与されたゼオライト。
  43. 【請求項43】 炭素が完全にまたは部分的に炭化ケイ素に転化され、または酸
    化によって二酸化ケイ素に転化される、請求項1〜9および19〜24のいずれ
    か1項記載の物質。
  44. 【請求項44】 例えば緩やかな酸化または硫酸との反応により、請求項1〜9
    および19〜24のいずれか1項記載の物質にイオン交換基を付与することによ
    り得られるイオン交換体。
  45. 【請求項45】 請求項1〜9および19〜24のいずれか1項記載の物質にス
    ルホン化(ポリ)スチレンまたはNafionまたはその他のイオン交換成分を付与する
    ことにより得られるイオン交換体。
  46. 【請求項46】 酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化ジルコ
    ニウム、酸化マグネシウムまたは他の担体の、炭素フィブリルによって膨張され
    た担体物体。
  47. 【請求項47】 炭素フィブリルがそれから生長し得るところの金属の前駆体の
    付与、対応する金属への還元および炭素フィブリルの生長による、炭素フィブリ
    ルによって膨張された担体物体の製造法。
  48. 【請求項48】 適する磁場に置くことによって固定される、請求項1〜9およ
    び19〜24のいずれか1項記載の粒子から少なくとも部分的に成る電極。
  49. 【請求項49】 H22の製造のための、請求項48記載の電極の使用法。
JP2000536082A 1998-03-09 1999-03-04 強磁性粒子 Pending JP2002507055A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
NL1008528A NL1008528C2 (nl) 1998-03-09 1998-03-09 Ferromagnetische deeltjes.
NL1008528 1998-03-09
PCT/NL1999/000116 WO1999046782A2 (en) 1998-03-09 1999-03-04 Ferromagnetic particles

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002507055A true JP2002507055A (ja) 2002-03-05

Family

ID=19766693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000536082A Pending JP2002507055A (ja) 1998-03-09 1999-03-04 強磁性粒子

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1062672A2 (ja)
JP (1) JP2002507055A (ja)
AU (1) AU2861099A (ja)
NL (1) NL1008528C2 (ja)
WO (1) WO1999046782A2 (ja)
ZA (1) ZA991800B (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7285329B2 (en) 2004-02-18 2007-10-23 Hitachi Metals, Ltd. Fine composite metal particles and their production method, micro-bodies, and magnetic beads
JP2010212580A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Kurimoto Ltd 磁気粘性流体
JP4824312B2 (ja) * 2002-11-26 2011-11-30 ユニバーシティ オブ ユタ リサーチ ファンデーション 微小孔物質、被分析物の局在化及び定量の方法、並びに被分析物の局在化及び定量用物品
JP2011246820A (ja) * 2004-02-27 2011-12-08 Hitachi Metals Ltd 鉄系ナノサイズ粒子およびその製造方法
JP2013167000A (ja) * 2012-02-16 2013-08-29 Hitachi Metals Ltd 金属粉末、その製造方法、及び圧粉磁心
JP2013540196A (ja) * 2010-04-29 2013-10-31 ビーエーエスエフ コーポレーション 炭素及び強磁性金属又は合金を含む、ナノ粒子
JP2016127042A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 株式会社豊田中央研究所 被覆処理液、圧粉磁心、磁心用粉末とその製造方法

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2319253A (en) 1996-11-16 1998-05-20 Eric Leigh Mayes Composition, for use in a device, comprising a magnetic layer of domain-separated magnetic particles
US6713173B2 (en) 1996-11-16 2004-03-30 Nanomagnetics Limited Magnetizable device
GB9927911D0 (en) * 1999-11-25 2000-01-26 Nanomagnetics Ltd Magnetic fluid
US6986942B1 (en) 1996-11-16 2006-01-17 Nanomagnetics Limited Microwave absorbing structure
US6815063B1 (en) 1996-11-16 2004-11-09 Nanomagnetics, Ltd. Magnetic fluid
DE10025964A1 (de) * 2000-05-25 2001-12-06 Henkel Kgaa Katalysatorsystem und seine Verwendung
GB0200260D0 (en) * 2002-01-07 2002-02-20 Inst Of Applied Catalysis The Microparticles and methods of making them
US7597936B2 (en) 2002-11-26 2009-10-06 University Of Utah Research Foundation Method of producing a pigmented composite microporous material
WO2009015890A2 (de) * 2007-07-31 2009-02-05 Dws Synthesetechnik Dr. Peter Wilharm Katalytisch wirkende magnetische nanopartikel
US10279328B2 (en) * 2009-02-27 2019-05-07 Basf Corporation Process for the preparation of metal-carbon containing bodies
EP2233207A1 (en) 2009-02-27 2010-09-29 Basf Se Process for the preparation of metal-carbon containing bodies
CN115814789B (zh) * 2022-11-25 2024-03-29 安徽师范大学 包覆型Pd基催化剂及其制备方法、及处理水体中六价铬的方法
CN117123281B (zh) * 2023-08-03 2024-03-26 宁夏大学 一种碳包覆Fe-Ni合金的长效催化剂及其制备方法和应用

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5597531A (en) * 1985-10-04 1997-01-28 Immunivest Corporation Resuspendable coated magnetic particles and stable magnetic particle suspensions
JPH0269904A (ja) * 1988-09-05 1990-03-08 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 改質磁性金属粉末の製造法
EP0706709A1 (en) * 1993-06-30 1996-04-17 Carnegie Mellon University Metal, alloy, or metal carbide nanoparticles and a process for forming same

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4824312B2 (ja) * 2002-11-26 2011-11-30 ユニバーシティ オブ ユタ リサーチ ファンデーション 微小孔物質、被分析物の局在化及び定量の方法、並びに被分析物の局在化及び定量用物品
US7285329B2 (en) 2004-02-18 2007-10-23 Hitachi Metals, Ltd. Fine composite metal particles and their production method, micro-bodies, and magnetic beads
US7892316B2 (en) 2004-02-18 2011-02-22 Hitachi Metals, Ltd. Fine composite metal particles and their production method, micro-bodies, and magnetic beads
US8323374B2 (en) 2004-02-18 2012-12-04 Hitachi Metals, Ltd. Fine composite metal particles and their production method, micro-bodies, and magnetic beads
US8398741B2 (en) 2004-02-18 2013-03-19 Hitachi Metals, Ltd. Fine composite metal particles and their production method, micro-bodies, and magnetic beads
JP2011246820A (ja) * 2004-02-27 2011-12-08 Hitachi Metals Ltd 鉄系ナノサイズ粒子およびその製造方法
JP2010212580A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Kurimoto Ltd 磁気粘性流体
JP2013540196A (ja) * 2010-04-29 2013-10-31 ビーエーエスエフ コーポレーション 炭素及び強磁性金属又は合金を含む、ナノ粒子
JP2013167000A (ja) * 2012-02-16 2013-08-29 Hitachi Metals Ltd 金属粉末、その製造方法、及び圧粉磁心
JP2016127042A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 株式会社豊田中央研究所 被覆処理液、圧粉磁心、磁心用粉末とその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
AU2861099A (en) 1999-09-27
EP1062672A2 (en) 2000-12-27
WO1999046782A2 (en) 1999-09-16
WO1999046782A3 (en) 1999-10-21
NL1008528C2 (nl) 1999-09-10
ZA991800B (en) 1999-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002507055A (ja) 強磁性粒子
Shylesh et al. Magnetically separable nanocatalysts: bridges between homogeneous and heterogeneous catalysis
Lu et al. Magnetic nanoparticles: synthesis, protection, functionalization, and application
US4113658A (en) Process for homogeneous deposition precipitation of metal compounds on support or carrier materials
Ma et al. Superparamagnetic silica nanoparticles with immobilized metal affinity ligands for protein adsorption
Walker et al. A simple route to diverse noble metal-decorated iron oxide nanoparticles for catalysis
Teunissen et al. Magnetic catalyst bodies
Ding et al. A type of raspberry-like silica composite with tunable nickel nanoparticles coverage towards nanocatalysis and protein adsorption
EP2383374A1 (en) Nano-particles containing carbon and a ferromagnetic metal or alloy
Zalich et al. Structural and magnetic properties of oxidatively stable cobalt nanoparticles encapsulated in graphite shells
Mayes et al. Biologically derived nanomagnets in self-organized patterned media
Ahmad et al. Iron oxide nanoparticles: an efficient nano-catalyst
JPH0725531B2 (ja) ε’炭化鉄からなる磁性超微粒子及びその製造法
Rafiee et al. Effect of a weak magnetic field on the Mizoroki–Heck coupling reaction in the presence of wicker-like palladium-poly (N-vinylpyrrolidone)-iron nanocatalyst
Biausque et al. One-pot synthesis of size-and composition-controlled Ni-rich NiPt alloy nanoparticles in a reverse microemulsion system and their application
Ocaña et al. Spherical iron/silica nanocomposites from core-shell particles
Trifoi et al. Coprecipitation nanoarchitectonics for the synthesis of magnetite: A review of mechanism and characterization
Sundar et al. Facile biosurfactant assisted biocompatible α-Fe 2 O 3 nanorods and nanospheres synthesis, magneto physicochemical characteristics and their enhanced biomolecules sensing ability
Mostaghim et al. Synthesis of magnetite–gold nanoshells by means of the secondary gold resource
Habibi et al. Preparation of single-phase α-Fe (III) oxide nanoparticles by thermal decomposition. Influence of the precursor on properties
Sun et al. Controllable synthesis of coralloid Fe 3 O 4 nanoclusters in an ionic liquid for catalytic applications
Jaiswal et al. Magnetic Nanoparticles Activated Carbon: Preparation, Characterization and Application: A Review article
CN110614082B (zh) 一种炭黑-超顺磁Fe3O4纳米复合物的制备及应用
JP2007070195A (ja) 有機物質とフェライト粒子とを有する複合粒子及びその製造方法
Osaka et al. New trends in nanoparticles: syntheses and their applications to fuel cells, health care, and magnetic storage