JP2002505239A - ヒンジ式蓋付き紙巻タバコ用パケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 紙巻タバコ用の上下蓋を有するヒンジ式蓋付きパケット。該パケットは長手方向に延びる中心線に対して対称形をなす形板から形成される。上蓋は従来通り、形板の蓋を構成するパネルから形成され、一方下蓋は従来のヒンジ式パケットでは胴体パネルとなる部分によって形成される。下蓋を閉じた状態から開くために蓋の前面パネル及び側部パネルは、打ち抜き線によって胴体パネルから離隔される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は対向する第１及び第２のヒンジ（蝶番）式蓋を有する紙巻タバコ用パ
ケットに関する。

【０００２】 タバコ産業において、いわゆるヒンジ式に開閉する蓋を有するパケットは、紙
巻タバコ用のパッケージとして広く用いられている。これらのパケットは、基本
的には平行六面体の胴体部と、この胴体部の上方端部でヒンジ式に固定された蓋
とからなる。このようなパケットは、通常本体の前壁及び側壁から上方に突出し
たネック部をさらに有し、蓋が閉じられた時このネック部が蓋の中に納まるよう
になっている。

【０００３】 また胴体の上方および下方端部にそれぞれ配された２つの蓋からなるヒンジ式
のパケットも知られている。

【０００４】 このように２つのヒンジ式の蓋を有する紙巻タバコ用パケットの一例が欧州特
許第３８０８９８号に開示されている。このパケット用の形板（blank）は、T字
状に形成されており、このT字の縦に延びる部分は横に延びる部分より短く構成 されている。形板のT字の長い部分（横方向に延びる部分）の一方の端部にパケ ットに組み立てられたときに蓋となるパネル部が配されている。組み立てられた
状態のパケットでは胴体の一側壁は2枚の重なり合ったパネルからなり、即ち2重
の厚さを有し、もう一方の側壁は一枚のパネルから構成され、一枚のパネル分の
厚さしかない。これとは対照的に各蓋の両側壁は二重の厚みを有している。従っ
てこのパケットは非対称形をなしているので美観的によくない。さらにT字形の 形板は、従来のヒンジ式の蓋付きパケットの通常の矩形の形板に比べて材料とな
るカートン紙の無駄が多くなる。

【０００５】 欧州特許第６２５４６９号には特別な紙巻タバコ用の２つのヒンジ式蓋を有す
るパケットが開示されている。このパケットは通常の矩形の形板から製すること
ができるが、組み立てられたパケットは、欧州特許第３８０８９８号に開示され
ているパケットと同様に胴体部の側壁の１つが1枚のパネル分の厚みを有し、も う一方の側壁は２重の厚みを有しているので完全な対称構造になっていない。

【０００６】 米国特許第５，０７４，４１２号には上方及び下方に位置するヒンジ式蓋を有
する紙巻タバコ用パケットが開示されており、さらにこのパケットにはその胴体
内部を上下室に分割する役割を果たす壁部を有している。

【０００７】 本発明の目的は、組み立てられた状態の頂端部及び底端部に配された２つの対
向するヒンジ式蓋を有し、かつ基になる形板が非常に簡単な形状で従来の形板と
は僅かに異なるヒンジ式蓋を有する紙巻タバコ用パケットを提供することである
。

【０００８】 本発明により胴体と、パケットの対向する端部に配された第１及び第２のヒン
ジ式蓋とからなり、これら蓋と共に胴体は一枚の形板から形成され、この形板は
その長手方向に延びる中央線を中心に対称形をなし、第１の蓋の前壁及び側壁は
この形板のパネル部によって形成され、このパネル部は形板の胴体を構成するパ
ネルとは当接せず、一方第２の蓋の前壁と側壁は胴体パネルの弱い部分に沿って
当接し取り付けられるパネルによって形成され、この第２の蓋の第１開口部は打
ち抜き線に沿って蓋と胴体パネルを離隔することによって得られる。

【０００９】 本発明では２つのヒンジ式の蓋を有するパケットを製するのに従来のヒンジ蓋
付きパケットの形板と殆ど変わらない外形のブランクを使用することができる。
従って、通常使用されるパッケージ用機械でその仕様を大幅に変更することなく
本発明によるパケット形板を処理することができる。製せられたヒンジ蓋付きパ
ケットは従来のものと外観的にも全く変わらない。第２の蓋の部分はパケット形
板に弱い部分を線状に設けることによって得られ、それを補助的な蓋として使用
するのは使用者であり、例えばパケット形板に特別な押し抜きで形成された線と
して僅かに繋がっている接合部を破断することによって第２の蓋として機能する
。

【００１０】 さらに本発明は非常に経済的な方法で２つのヒンジ式蓋付きパケットを形成す
ることができる。

【００１１】 第２の蓋のヒンジ部分はパケットの前面または背面のいずれにも設けることが
可能である。もしこのヒンジ部分がパケットの前面に位置する場合、購入者には
パケットの前面と背面が同じに見え、購入者が注意してこのパケットを見ればこ
のパケットが２つの蓋を有するということが明らかになる。

【００１２】 また２つの蓋それぞれにネックインサートを取り付けるのが好ましく、特に両
方の蓋のヒンジ部分がパケットの背面に位置する場合、共通の単一のインサート
としてネックインサートを形成することも可能である。

【００１３】 蓋に割り当てられるネックインサートは、タバコが取り出される領域になるパ
ケットの対象軸に対して横方向にオフセットした切り欠き部からなる。ネックイ
ンサートの残りの部分は、折りたたまれた境界領域として形成してもよい。これ
により購入者はタバコをネックインサートの切り欠き部を介して取り出すことが
でき、境界領域で覆われているタバコは、触れることができないまたは実質的に
触れることができないままである。このように触れることのできないタバコは、
パケットのもう一方の端部から取り出すことができ、この端部のネックインサー
トはこれらのタバコ用に割り当てられた切り欠き部からなる。これにより紙巻タ
バコの種類によって紙巻タバコをパケットの各側部に割り当てることができ、さ
らに２種類の紙巻タバコを紙で包んで２つの別個の塊とすることによってより明
確にパケット内で紙巻タバコを種分けすることが可能になる。

【００１４】 本発明を容易に理解し、実施できるように添付の図面を参照し、以下に詳述す
る。

【００１５】 図２及び４において、鏡像をなすこれら図面に示す形板において対をなす共通
の特徴を示す部分には、同じ参照番号を付すべきであるが、過度に参照番号を付
するのを防ぐために対をなす一方の部分にのみ番号を付している。

【００１６】 図１に示す紙巻タバコ用パケットは、胴体１と、第１の上蓋２と、第２の下蓋
３とからなる。第１及び第２の蓋のヒンジラインをそれぞれ符号４及び５で示す
。図１では、蓋２，３はぞれぞれ開いた状態に示している。

【００１７】 図１に示すパケットはさらに上下ネックインサート６，７をも含む。

【００１８】 当業者にとっては容易に理解できるように蓋２，３が閉じている時、パケット
は外観上、長方平行六面体形状になる。

【００１９】 図１に示した紙巻タバコ用パケットを形成するための形板（図２に示す）は、
紙巻タバコパッケージ製造機に供給される方向において対称形をなしており、こ
の形板の外形は従来のヒンジ蓋付き紙巻タバコ用パケットのそれと対応している
。この形板は上蓋２となる上方部分を有する。パネル８は蓋２の前部を形成し、
パネル９は蓋２の背部を形成する。パネル１１，１２は、内方に折り曲げられ、
蓋２の頂部１３の内方面と側部１０の内方面にそれぞれ糊付けされる蓋の内フラ
ップを形成する。このためにパネル１０と蓋の頂部パネル１３をパネルフラップ
１１から離す切断線１３（太線で示す）が設けられている。パネル３８は蓋２の
前面を補強する役割を果たし、折り曲げ線１４で折り曲げられる。パネル１０，
１１，１２は折り曲げ線３７に沿って折られる。パケットに組み立てられた状態
では、符号１６で示す折り曲げ線は蓋２の側部の上縁部を形成する。

【００２０】 蓋２を閉じやすくするように切り欠き部１８が、胴体の各側部パネル１９とそ
れに対応する蓋の内フラップ１２の間に設けられている。

【００２１】 胴体１の背部は、パネル１７、２４によって形成され、パネル１７は打ち抜き
線２８によってパネル２４から分けられている。打ち抜き線２８は、基本的には
線状にカットされたものであるが、この線の両側で延びるパネルを互いに繋がっ
た状態に維持するために切断されずに残っているウェブによって形成された接合
部を有する。

【００２２】 組み立てられた状態のパケットにおいて、パネル２５がパケットの底部を構成
し、パネル２６，２７はパケット胴体の前面を構成する。ヒンジとして機能する
ライン５はパネル２６，２７間の境界線を形成する。胴体の外側の側部パネル２
２，２３は、打ち抜き線２３によって互いに分割されており、この打ち抜き線も
完全には切断されておらず接合部を有する。切断線２９によってパネル２２，２
５から切り離されており且つ折り曲げ線３２を介してパネル２０と接合している
内フラップ２１は、パケットに折り曲げられ、糊付けされる際に内側に折り曲げ
られる。内フラップ２１は底部パネルに糊付けされる。

【００２３】 本発明の紙巻タバコ用パケットは図２に示した形板を折り曲げ、糊付けするこ
とによって形成される。パケットを立たせた垂直方向において、パケットの形板
が、その長手方向に延びる中心線に対して完全に対称形をなしているので、形板
の折り曲げも完全に対称に行われる。

【００２４】 完成したパケットの第１の上蓋２は、通常の方法でヒンジ式に開閉閉し、第２
の下蓋３は、最初は打ち抜き線２８、３３でこれら線の接合部によって胴体１に
強固に接合している。しかしながら、購入者は打ち抜き線２８，３３の接合部を
破断することによって第２の蓋を開けることができる。

【００２５】 ライン５は折り曲げ線のまま残り、第２の蓋３のヒンジとなる。ライン５はヒ
ンジライン４と同様に刻み目が設けられているので開閉が容易になる。縁部の損
傷を防ぐためにヒンジライン４，５にはそれぞれ斜めに傾斜した切り込みが設け
られている。

【００２６】 上蓋２が閉じている時、パケットの折り曲げ線１４は胴体の前面パネル２７の
上方縁部と当接し、一方下蓋３が閉じている時、下蓋３のパネル２４の上方縁部
は打ち抜き線２８の位置で胴体の背面パネル１７の下方縁部と当接する。

【００２７】 パネル２４の上方縁部は、パネル８のようにその下方縁部がパネル３８によっ
て補強されていないが、この紙巻タバコ用パケットは好ましくは従来のヒンジ蓋
付きパケットの半分の数のタバコが各蓋に割り当てられ、各蓋を開ける頻度は従
来のパケットの単独の蓋の半分となるので、この点は不利にはならない。

【００２８】 図１は２つの蓋を有する紙巻タバコ用パケットを示し、これらの蓋のヒンジは
パケット前面と背面に互いに対向して配されているが、図３に示すパケットは２
つの蓋のヒンジがパケットの同じ側、即ちパケットの背面に配されている。後者
の場合、第２の下蓋３はヒンジ３９を介してパケット胴体に接合している。パケ
ットが閉じた状態にある時、蓋３の上方の前方縁部はパケット胴体の縁部４０に
当接する。

【００２９】 図４に示すパケット形板、即ち図3のパケット用の形板は、実質的には図２に 示した形板と同じであるが、折り曲げ線及び打ち抜き線３９，４０，４２の配向
が異なり、切断線４４も図２の切断線２９の切断線と異なって配向されていると
言う点で図２に示した形板と異なる。この場合、ライン３９が下蓋３のヒンジと
なり、パネル１７、４３を分割している。パネル４３は、パケットの下蓋３の背
部となる。下蓋３の前面は打ち抜き線４０によってパネル２７から分割されるパ
ネル４６によって形成される。

【００３０】 切り込み３４，４１が、それぞれライン４，３９に対して設けられている。

【００３１】 図４の形板から形成されるパケットにおいて、折り曲げ線４５が下蓋３の下方
前縁部を形成する。

【００３２】 図５に示す形状のネックインサートは、上述のいずれの紙巻タバコ用パケット
にも使用することができる。即ち図１及び３に示したネックインサート６，７と
して使用することが可能である。従来のヒンジ蓋付きパケットのネックインサー
トと同様にインサート６，７はパケット胴体１内に収まり、そこで固定され且つ
胴体１から外方へと延びており、胴体１の外側に位置する各インサート６，７の
部分は、それぞれ蓋２，３が閉じている時に蓋２，３内に収容される。

【００３３】 各ネックインサートは、中央パネル５１と側部パネル５０，５２とからなる。
パケットの胴体１内で延びる側部パネル５０，５２の部分は、胴体１の各側壁パ
ネルの内面に当接する。紙巻タバコの取り出しを容易にするために取り出し用切
り欠き部４８がパネル５１に設けられており、この切り欠き部はパケットの長手
方向に延びる対称線からずれて配されている。切り欠き部４８からネックインサ
ートの他側部にかけてインサートにはバリアーフラップ４９が設けられており、
このフラップは喫煙者が切り欠き部４８に露出している紙巻タバコだけを取り出
せるように折られ、一方このバリアーフラップ４９で覆われている紙巻タバコは
、パケットの他端部から取り出され、この他端部では切り欠き部は長手方向に延
びる対称線から逆の方向にずれている。

【００３４】 図５は上下に並べられた２つのネックインサート用の形板を示し、これらネッ
クインサートが連続したカードボードから無駄を出さずに形抜きされるようにイ
ンサートの縁部が互いに噛合うということを示している。

【００３５】 図５に示したネックインサートはそれぞれ１つの蓋に対して取り付けられるが
、本発明では一端部を第１の蓋用に他端部を第２の蓋用に形成された一枚の単独
のネックインサートを使用してもよい。このネックインサートをパケットに挿入
すると２つの蓋に対応するネックインサート領域を形成することになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 上方及び下方端部にそれぞれ配された２つのヒンジ蓋を有する紙巻タバコ用パ
ケットの側面図。

【図２】 図１に示したパケットを形成するために形板を示す。

【図３】 図１に示したパケットとは若干異なるヒンジ蓋付き紙巻タバコパケットの側面
図。

【図４】 図３に示したパケット用形板を示す。

【図５】 ２種類のネックインサートを示す。

【符号の説明】

１ 胴体 ２ 上蓋 ３ 下蓋 ４ ヒンジライン ５ ヒンジライン ６ 上方ネックインサート ７ 下方ネックインサート ２８ ３３ 打ち抜き線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ， ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ， ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，Ｍ Ｘ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ， ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 フィービンゲル、ユールゲン ドイツ、ディー‐91338 イーゲンスドル フ、ウンテルーセルバッハ27 (72)発明者 ウェインホールド、トーマス ドイツ、ディー‐81369、プリンガンセル シュトラーセ 61 Ｆターム(参考） 3E068 AA21 AB02 AC02 BB08 CC04 CD01 DD01 DE06 EE32

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴体と対向する端部に配された第１の蓋と第２の蓋とからな
   るヒンジ式蓋付き紙巻タバコ用パケットにおいて、前記２つの蓋と共に前記胴体
   は単一の形板から形成され、この形板はその中央の長手方向に延びる線に対して
   対称形をなし、前記第１の蓋の前壁と側壁は、形板の状態においてパケットの胴
   体を構成するパネルと当接しないパネルによって形成され、一方前記第２の蓋の
   前壁と側壁は、形板の状態において形板の胴体パネルに打ち抜き線に沿って当接
   し且つ接合しているパネルによって形成され、前記第２の蓋は、最初に前記打ち
   抜き線に沿って胴体パネルと蓋を切り離すことによって行われることを特徴とす
   るパケット。
2. 【請求項２】 前記第１の蓋のヒンジラインが前記パケットの背部で横手方
   向に延び、前記第２の蓋のヒンジラインが前記パケットの前部で横手方向に延び
   ていることを特徴とする請求項１記載のパケット。
3. 【請求項３】 前記第１および第２の蓋のヒンジラインが共に前記パケット
   の背部で横手方向に延びていることを特徴とする請求項１記載のパケット。
4. 【請求項４】 さらに前記胴体に収まる第１及び第２ネックインサートを含
   み、前記第１ネックインサートは胴体から延び、前記第１の蓋が閉じている時に
   は第１の蓋内に収まり、前記第２のネックインサートは前記胴体から延び、前記
   第２の蓋が閉じている時には第２の蓋内に収まることを特徴とする請求項１乃至
   ３いずれか１項に記載のパケット。
5. 【請求項５】 各前記ネックインサートの前記胴体から延びる部分が、紙巻
   タバコを取り出すための切り欠き部を有し、前記第１のネックインサートの切り
   欠き部が前記パケットの前面に位置し、前記第２のネックインサートの切り欠き
   部が前記パケットの背面に位置していることを特徴とする請求項４記載のパケッ
   ト。
6. 【請求項６】 各前記ネックインサートが前記切り欠き部が位置している側
   とは反対の側に仕切り手段を有することを特徴とする請求項５記載のパケット。
7. 【請求項７】 前記第１及び第２ネックインサートが、一体構造であること
   を特徴とする請求項４乃至６いずれか１項に記載のパケット。