JP2002504878A - ウイングセールおよび使用方法 - Google Patents

ウイングセールおよび使用方法

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JP2002504878A
JP2002504878A JP50347099A JP50347099A JP2002504878A JP 2002504878 A JP2002504878 A JP 2002504878A JP 50347099 A JP50347099 A JP 50347099A JP 50347099 A JP50347099 A JP 50347099A JP 2002504878 A JP2002504878 A JP 2002504878A
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ミリドラゴヴィック,ムラデン
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ミリドラゴヴィック,ムラデン
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    • B63H9/00Marine propulsion provided directly by wind power
    • B63H9/04Marine propulsion provided directly by wind power using sails or like wind-catching surfaces
    • B63H9/06Types of sail; Constructional features of sails; Arrangements thereof on vessels
    • B63H9/061Rigid sails; Aerofoil sails
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    • B63H9/061Rigid sails; Aerofoil sails
    • B63H9/0621Rigid sails comprising one or more pivotally supported panels
    • B63H9/0635Rigid sails comprising one or more pivotally supported panels the panels being pivotable about vertical axes

Abstract

(57)【要約】 帆船500用の帆20である。この帆20は、上部スパー22とこれと同平面にある下部スパー24を備え、可動式スパー24をこれらの間に設ける。これら三つのスパー全体をシース30状の帆布で取り囲んで、可撓性の両面翼状構造体を構成する。帆20に風600が当たると、可動式スパー28が帆20の風下側に押圧され、この側面を変形させて、エーロフォイルの湾曲側面または長辺側面を構成し、これによって帆船500を推進する押圧力54を発生する。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 ウイングセールおよび使用方法 技術分野 本発明は船、ボート、ヨット、セールボートなどの帆船用の帆、特にエーロフ ォイル状の帆に関する。 背景技術 帆走分野には、帆の設計について慣習に基づく設計や慣習にとらわれない設計 が混在している。これら帆のいくつかは飛行機翼の形に設計されている。例えば 、Jaochim Schultによる“Curious Yachting Inventions”(ISBN0−808−2104−1)には、いくつか の翼状帆の構成が開示されている。そして図56および57には、エーロフォイ ル形状を与えることができる膨張式の帆が図示されている。また図73には、布 製帆の代わりに剛性のあるエーロフォイルをもつDyna−Shipが図示され ている。これらエーロフォイルの操帆は、ブリッジからの遠隔制御によって行な う。エーロフォイルは、楕円断面が可変の中空一体形マストに設置する。エーロ フォイルは形状がほぼ台形状で、タービン・ホィールのパドルと同じような形状 である。また、エーロフォイルは向かい風に対して角度が小さくなるように設置 する。図74には、停泊時に5つの垂直エーロフォイルを折り畳むことができる 三胴船が図示されている。船長が28f tの原型船は視風に対して角度は6°程であり、布製帆を取り付けたボートの2 0°とは対照的である。その帆面積が船体重量にからみて大きい323sq.f tであるにもかかわらず、転覆の恐れはまったくない。というのは、風が帆に対 して常に最適な角度で当たるからである。エーロフォイル全体は、最小の抵抗で 最大の推進力が得られるように、風に対して常に角度をもっている。図75には 、布製帆を取り付けた、外形を調節できるエーロフォイルが図示されている。こ の装置を使用すると、操船者は最小の抵抗で最大の推進力を得ることができる最 も有効な外形を知ることができる。図77には、帆の曲率を選択的に変更できる 、改良エーロフォイル設計構成が図示されている。図83には、共通な軸を中心 として回動するいくつかのエーロフォイルを回転円盤に取り付けた推進装置が図 示されている。図86および図87には、船首から船尾にかけて、また船体を横 切って可動な回動エーロフォイルが図示されている。この設計により、回動軸の 流動抵抗が小さくなり、従ってエーロフォイル帆の適帆が容易になる。図88に は、平行な支柱の助けによって、風入射角度を大きく変更せずに中心のエーロフ ォイルに対して前後に外側の二つのエーロフォイルを移動することができる多数 のエーロフォイルからなる帆が図示されている。図89には、垂直軸を中心にし て自由に回動するエーロフォイルが図示されている。左舷または右舷に羽根を設 けて、帆の凸側面に負圧を発生 し、風に対して所定の角度にこれを設定して、推進力を発生する。C.J.Sa tchwell編の“Windship Technology−Procee d−ings of the International Symposiu m on Windship Technology(Windtech’85 )”、Southampton、U.K.、April24−25、1985、 ISBN0444425330(set)、LCCN85016170//r8 8には、数多くのウイングセールが記載されているが、ほとんどは大型船舶用の 剛性構成である。 発明の開示 本発明は、エーロフォイルの形に設計しているため、飛行機の翼の揚力と同様 な押圧力を得ることができる、帆船を対象とする翼形帆に関する。可動式スパー の使用によって、本発明は、両側のいずれかにおいてエーロフォイル形状を取る ことができるユニークな特徴をもつものである。即ち、帆に対する風の方向に応 じて、風によって可動式スパーを帆の風下側に押圧することによって、風下側を 変形させ、エーロフォイルの長辺側にする。このエーロフォイル形状によって得 られる押圧力を使用して、帆船を推進する。さらに、風の当たる角度を少し変え るだけで、風下側が変化し、エーロフォイルの形が反転し、このため押圧力の方 向がただちに、そして大きく変化する。 従来の帆と比較した場合、本発明は多くの特徴をもつものである。本発明によ れば、風の当たる角度を非常に小さくした状態できわめて“風に近接できる”た め、抵抗を大きく減らすことができる。風の当たる角度がほぼ10°〜20°の ときに最大の押圧力が実現する。さらに、本発明による帆は高さが、従来の帆の わずか30〜40%に過ぎない。本発明の帆が短いため、風によって発生する傾 きモーメントも小さくなる。このため、バラストが少なくて済み、流線型の船体 設計が可能になるため、速度が増すことになる。また、帆が短いため、帆の押圧 力の方向が水平方向になる。これと対照的に、従来の帆船は一方に傾くため、帆 走力の一部が垂直に散逸するものである。 本発明の好適な実施態様では、上部スパーを同平面にある下部スパーに結合す ることによって、帆平面を構成する。上部スパーと下部スパーとの間に可動式ス パーを設ける。この帆平面に対してこの可動式スパーは実質的に平行である。上 部スパー、可動式スパーおよび下部スパー全体をシース状の帆布で取り囲む。可 動式スパーは、帆平面に対して実質的に直交する方向に可動である。 本発明の重要な態様によれば、上部スパー、下部スパーおよび可動式スパーを 実質的に平行にし、下部スパーから所定の間隔をおいて上部スパーを設ける。 本発明の重要な特徴によれば、上部スパーと下部スパーとを結合し、上部スパ ーに対して実質的に直交する、 少なくとも一つの横リブを設ける。 本発明の別な重要な態様によれば、この横リブを縦方向に調節して、上記の所 定の間隔を選択的に変更できる。 本発明のさらに別な重要な特徴によれば、上部スパーが第1の長さを、下部ス パーが第2の長さを、可動式スパーが第3の長さを、そしてシースが第4の長さ を有し、第1の長さが第2の長さより長く、第2の長さが第3の長さより長く、 そして第3の長さが第4の長さと実質的に同じにする。 本発明の別な態様によれば、上部スパーが、シースに当接する湾曲前縁部を有 する。 本発明の別な特徴によれば、上部スパーは横断面が実質的に円形である。 本発明の別な態様によれば、下部スパーが、シースに当接する実質的にV字形 の後縁部を有する。 本発明の別な特徴によれば、下部スパーよりも上部スパーの方に近付けて可動 式スパーを設ける。 本発明の態様によれば、縦軸を有する上部スパーに回動手段を結合して、この 縦軸を中心にして上部スパーを選択的に回動する。 本発明の別な重要な特徴によれば、シースの第1側面が第1外面を構成し、こ れに対向する第2側面が第2外面を構成し、そして可動式スパーが第1の凸状側 面を有し、これに対向して第2凸側面を有する。 本発明の特徴によれば、可動式スパーの第1凸状側面 をシースの第1側面に結合し、そして可動式スパーの第2凸状側面をシースの第 2側面に結合する。 本発明の重要な態様によれば、風が第1外面に当たった場合に、シースの第2 側面に向かって帆平面に実質的に直交する方向に可動式スパーが押圧され、これ によって第2外面を変形させて、エーロフォイルの湾曲側面を構成する。 本発明の重要な特徴によれば、風が第2外面に当たった場合に、シースの第1 側面に向かって帆平面に実質的に直交する方向に可動式スパーが押圧され、これ によって第1外面を変形させて、エーロフォイルの湾曲側面を構成する。 本発明の態様によれば、可動式スパーは横断面が実質的に卵状である。 本発明の特徴によれば、上部スパーが帆平面に直交する方向に測定した場合に 第1の厚みを有し、可動式スパーが帆平面に直交する方向に測定した場合に第2 の厚みを有し、そしてこの第2厚みが第1厚みより厚い。 本発明の上記以外の特徴および作用効果は、例示のみを目的とし、本発明の原 理を説明する添付図面について、以下の詳細な説明を読めば明らかになるはずで ある。 図面の簡単な説明 図1は、本発明による帆の斜視図である。 図2は、図1の2−2線についての拡大横断面図である。 図3は、図1の領域3を示す、一部を切り欠いた拡大側面図である。 図4は、どのようにエーロフォイル状にするかを説明する帆の拡大横断面図で ある。 図5は、どのようにエーロフォイルを逆形状にするかを説明する帆の別な拡大 横断面図である。 図6は、風縦横比に対する押圧力の関係を示すグラフである。 図7A、図7Bおよび図7Cは、それぞれ帆船を風上に向けて操船するさいに 使用する帆の状態を説明する上面図である。 図8A、図8Bおよび図8Cは、それぞれ帆船を風下に向けて操船するさいに 使用する帆の状態を説明する上面図である。 図9は、帆船を制動または減速するさいに使用する帆の状態を示す上面図であ る。 図10は、帆船に垂直に取り付けた複数の帆を示す側面図である。 図11は、帆船に垂直に取り付けた複数の帆を示す上面図である。 図12は、上部スパーを回動し、複数の帆の帆平面を平行に維持するための回 動手段を示す図である。 発明の実施態様 まず、図1および図2について説明する。図1および図2はそれぞれ本発明に よる、20で示す帆の斜視図お よび拡大横断面図である。帆20は上部スパー22と後下部スパー24とを有す る。これら上部スパー22および後上部スパー24は実質的に同平面にあり、帆 平面24を形成するものである。可動式スパー28を上部スパー22と下部スパ ー24との間に設ける。この可動式スパー28は帆平面26に対して実質的に平 行であり、帆平面26に対して実質的に直交する方向に可動である。図2に示す ように、可動式スパー28は方向23または方向25のいずれの方向にも可動で ある。上部スパー22、可動式スパー28および下部スパー24は全体をシース 状の帆布30で包みこむことによって、全体が翼状の、可撓性の両面帆20を構 成する。シース30の第1面が第1外面32を構成し、これに対向する第2面が 第2外面34を構成する。なお、本明細書で使用する“帆布”は、製帆に好適な 布材料、織物、合成材料などを指す用語である。好適な実施態様では、上部スパ ー22、下部スパー24および可動式スパー28はいずれも実質的に平行で、上 部スパー22と下部スパー24との間に所定間隔Dを設ける(図3も参照)。間 隔Dが帆布20の翼弦または幅になる。好適な実施態様では、また、横リブ36 により上部スパー22を下部スパー24に結合する。図示の実施態様では、2つ の横リブ36および38を使用する。これら横リブ36および38は上部スパー 22に対して実質的に直交し、実質的に調節自在であるため、所定の間隔Dを選 択的に変更することができる。 所定間隔Dを広げると、シース30が上部スパー22、可動式スパー28および 下部スパー24の周囲に締め付けられる。これによって、シース30の張力を調 節できるため、風によって可動式スパー28がいずれかの側に押圧された場合に は、適正なエーロフォイル状になる。 図1から理解できるように、上部スパー22は第1の長さを、下部スパー24 は第2の長さを、可動式スパー28は第3の長さを、そしてシース30は第4の 長さを有する。この場合、第1の長さは第2の長さより長く、第2の長さは第3 の長さより長く、そして第3の長さは第4の長さと実質的に同じである。図2に 示すように、上部スパー22の湾曲しているか円形の縁部40がシース30に当 接している。帆20の使用時、風によって湾曲するのは上部スパー22であり、 従って湾曲前縁部40は、飛行機の翼の場合と同様に、風の抵抗が小さい。好適 な実施態様では、上部スパー22は横断面が実質的に円形である。一方、下部ス パー24は、実質的にV字形の縁部42がシース30に当接し、このV字の底部 には風はあたらない。好適な実施態様では、下部スパー24は横断面が実質的に 楔形である。 最適なエーロフォイル構成を得るためには、可動式スパー28を下部スパー2 4によりも上部スパー22の方に近付けて設ける必要がある。好適な実施態様で は、上部スパー22から翼弦Dのほぼ1/3〜1/4の位置に可動式スパー28 を設ける。風の方向に対して帆20の 方向を調節するため、上部スパー22に回動手段を結合して、上部スパー22、 従って帆20を上部スパー22の縦軸44を中心にして選択的に回動させること ができる(図12も参照)。図1においては、上部スパー22は縦軸44を中心 にして方向46か48のいずれかの方向に選択的に回動することができる。回動 手段は機械的に制御してもよいし、あるいは電気的に制御してもよく、上部スパ ー22に任意の有利な位置で結合できる。好適な実施態様では、回動手段は上部 スパー22の底部に結合する。 図2に示すように、シース30は第1面が第1の外面32を構成し、そしてこ れに対向する第2面が第2の外面34を構成する。可動式スパー28は第1の凸 状面50を有し、これに対向して凸状の第2面52を有する。可動式スパー28 の第1凸状面50をシース30の第2側面に結合し、スパー28の第2凸状面5 2をシース30の第2側面に結合する。結合は、可動式スパー28の上下部で行 なう必要があり、その間隔は1〜3mとする。結合は接着剤、ステープル、ステ ッチング、マジックテープなどの任意の有利な手段で行なえばよい。好適な実施 態様では、可動式スパー28は横断面が実質的に卵状で、より厚い側が上部スパ ー22に向いている。上部スパー22は、帆平面26に直交する方向に測定した 場合に第1の厚みT1を有し、可動式スパー28も、同様に帆平面26に直交す る方向に測定した場合に第2の厚み T2を有する。外面50と52とが最適なエーロフォイル形状を構成するために は、可動式スパー28の厚みT2を上部スパー22の厚みT1よりもわずかに厚 くする必要がある。例えば、上部スパー22の厚みが10cmの場合には、可動 式スパー28の厚みを12〜15cmとする必要がある。 図4について説明する。図4は、どのようにしてエーロフォイル形状にするか を説明する帆20の横断面図である。帆平面26に当たる角度がA°である風6 00が第2外面34に当たると、シース30の第1側面に向かって帆平面26に 実質的に直交する方向54に可動式スパー28が押圧される。このため、可動式 スパー28の第1曲面50がシース30の第1側面を押圧し、第1外面32を変 形させて、エーロフォイルの湾曲側面または長辺側面にする。可動式スパー28 の風に向かう側面(この場合には側面52)がある一ヶ所でシース30の第2側 面にのみ接触し、このため第2外面34がエーロフォイルの実質的に直線側面ま たは短辺側面を構成するのが理想的である。第2外面34が内側に曲がる場合に は、調節式リブ36および38を延ばして、シース30に適正な張力を発生し、 これによって第2外面34を適正な、実質的に直線形状にする。なお、第1外面 32が可動式スパー28によって外側に曲がると、上部スパー22の縁部40の 周囲にシース30がスリップ嵌めし、エーロフォイルの湾曲側面が形成する。さ らに、帆布が わずかに延伸するため、エーロフォイル形状が完全になる。このようにして形成 されたエーロフォイルの湾曲側面32が直線状の側面34よりも長いため、ベル ヌーイの原理により圧力差が発生する。いうまでもなく、これは飛行機の翼によ って発生する揚力と同様なものである。 次に、図5について説明する。図5は、上記とは逆のエーロフォイルの形成を 説明する帆20の別な横断面図である。帆平面26に当たる角度がA°である風 600が第1外面32に当たると、シース30の第2側面に向かって帆平面26 に実質的に直交する方向26に可動式スパー28が押圧される。このため、可動 式スパー28の第2曲面52がシース30の第2側面を押圧し、第2外面34を 変形させて、エーロフォイルの湾曲側面または長辺側面にするとともに、第1外 面32を変形させて、エーロフォイルの直線状側面または短辺側面にする。 図6は、風の当たる角度A°の関数として帆20が発生する押圧力を説明する 図である。なお、押圧力が最大になる角度A°は約10°〜約20°である。風 の当たる角度A°が0°に近付くと、シース30のどちらの側にも可動式スパー 28が押圧されなくなるため、エーロフォイル形状が得られなくなり、押圧力も 得られなくなる。同様に、風の当たる角度A°がほぼ50°〜60°になると、 帆20周囲の空気流れが乱流になるため、押圧力を得ることができなくなる。 図7A、図7Bおよび図7Cは、帆船500を風上に 向かって(風に逆らって)帆走させる場合に帆20をどのように操帆するかを説 明する上面図である。最初の工程として、上部スパー22を自由に回動させて、 帆平面26を風600の方向に調節する。いずれにせよ、この場合には、帆20 の上部スパー22を予め選択的に回動させ、帆平面26に当たる風の角度A°を 約10°〜約20°にすることによって、最大の押圧力54を得るようにしてい る。なお、風600が船首501に吹き付けている間は、にもかかわらず、帆2 0が発生する押圧力54はが船首501に向かって作用しているため、帆船50 0は順走することができる。図7Aの場合、押圧力54は、縦方向成分が帆船5 00の中心線にそって船首501に向いている。なお、本明細書で、風の当たる 角度A°が正の場合には、全体として帆船500の船首501に向かって作用す る押圧力54が得られ、角度A°が負の場合には、全体として船尾502に向か って作用する押圧力54が得られる。 図8A、図8Bおよび図8Cは、帆船500を風下に向かって(順風で)帆走 させる場合に帆20をどのように操帆するかを説明する上面図である。上記と同 様に、帆20の上部スパー22を予め回動させ、帆平面26に当たる風の角度A °を約10°〜約20°にする。図7および図8では、上部スパー22を連続的 かつ選択的に回動して、帆平面に当たる風の角度を実質的に10°〜20°に維 持し、縦成分が帆船500の船首501に向 く帆20に押圧力54を発生する。図9は、帆船500を制動または減速するさ いに帆20をどのように操帆するかを説明する上面図である。この操帆は、本発 明の非常にユニークかつ重要な特徴である。図8Aの場合には、帆20を回動し て、追い風600に調節し、帆船の船首501の全体的な方向に最大の押圧力5 4を発生していたが、何らかの理由により帆船500を急激に減速する必要があ る場合に、なすべきことについて以下説明する。本発明によれば、上部スパー2 2、従って帆平面26を図8Aに示すように、ほぼ20°〜40°反時計方向( 風の当たる角度A°がほぼ−10°〜−20°)に回動することによって、押圧 力54を大幅に変更し、その全体的な方向を帆船の船尾502方向にすると、帆 船500をただちに減速することができる。即ち、減速するためには、上部スパ ー22をただちに回動して、風の当たる角度A°を実質的に−10°〜−20° にし、帆船500の中心線にそって帆船500の船尾502に縦成分55が向い ている帆20に押圧力54を発生する。 図10は、帆船500に垂直に取り付けた複数の帆20を示す側面図である。 より長い帆20を補強支持するために、水平なロッドまたはステー505を使用 できる。 図11は、帆船500に垂直に取り付けた複数の帆20を示す上面図である。 帆20を同時に回動すると、帆20および帆平面26がすべて連続的に平行にな り、発生する押圧力54がすべて平行になる。 図12は、上部スパー22を回動し、複数の帆20の帆平面26を平行に維持 するための回動手段を示す図である。図示の実施態様では、複数の歯付きプーリ 510を帆船500のキャビンの屋根上に取り付ける。各プーり510には、帆 20の上部スパー22が着脱自在に係合する。チェーン512によりプーリ51 0をホィール514に結合する。ホィール514が回転すると、プーリ510す べてが同期して回転するため、帆平面26のすべてを平行に維持する。クラッチ 機構をホィール514に組み込むと、ホィール514、従ってプーリ510を自 由に回転させることができる。こうすると、帆20のすべてが風の方向に一致す ることになる。いうまでもなく、帆20を平行同期回転させるために、他の機械 的方法も使用できる。あるいは、同期モータ駆動システムも使用できる。 上部スパー22および下部スパー24はアルミニウムや複合材料で構成するこ とができる。あるいは、場合にもよるが、木製シャフトで構成することもできる 。なお、可動式スパー28については、ポリウレタン、中空プラスチック管材や 発砲ナイロンなどの軽量材料で構成するのが最善である。別な実施態様では、下 部スパー24は固体材料からなるスパーではなく、トート(taught)ケー ブルとすることができる。 帆20の使用数、大きさ、形状については、対象とする帆船500に合うよう に選択する。一般的には、帆船 50の大きさが大きくなるに従って、帆20の使用数も多くなる。例えば、船長 が9〜10mの帆船500の場合には、高さが3〜5mの、6〜8枚の帆20を 垂直に取り付ける必要があり、また翼弦(幅)をほぼ0.45〜0.65mにし 、上部スパー22の厚みをほぼ7〜10cmにする必要がある。実際には、翼弦 の幅は、帆20が発生するトルクの量によって制限される。船長が3〜5mの帆 船500の場合には、大きさが同じか小さい帆が2、3枚あれば十分である。帆 船500の係留上の点から、帆20の高さを帆船500のキャビンの屋根の長さ 以内に止める必要がある。多数の帆20を取り付ける場合には、ある帆20の上 部スパー24と次の帆20の上部スパー22と間にほぼ5〜10cmのクリアラ ンスを見込んでおく必要がある。なお、帆20は縦横比が非常に高いため、今ま での帆よりも効率が高い。ここで、縦横比を定義すれば、翼弦に対する高さの比 であり、帆20についてはほぼ8:10である。以上説明してきた好適な実施態 様は例示を目的とするもので、数多くの変更、寸法変更、再構成などが容易であ り、いずれも上記と同様な作用効果を得ることができる。これらについては、す べて特許請求の範囲内に含まれるものである。
【手続補正書】特許法第184条の4第4項 【提出日】平成10年11月10日(1998.11.10) 【補正内容】 6. 上部スパーが、シースに当接する湾曲前縁部を有する請求項1の帆。 8. 下部スパーが、シースに当接する後縁部が実質的にV字状になるような横 断面を有している請求項1の帆。 10.下部スパーよりも上部スパーの方に近付けて可動式スパーを設けた請求項 1の帆。 11.さらに縦軸を有する上部スパーに回動手段を結合して、この縦軸を中心に して上部スパーを選択的に回動できるようにした請求項1の帆。 12.さらにシースの第1側面が第1外面を構成し、これに対向する第2側面が 第2外面を構成し、そして可動式スパーが第1の凸状側面を有し、これに対向し て第2凸側面を有する請求項1の帆。 13. 可動式スパーの第1凸状側面をシースの第1側面に結合し、そして可動 式スパーの第2凸状側面をシースの第2側面に結合した請求項12の帆。 【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年6月5日(1999.6.5) 【補正内容】 明細書 発明の名称 ウイングセールおよび使用方法 技術分野 本発明は船、ボート、ヨット、セールボート、カヤック、カヌーなどの帆船用 の帆、特にエーロフォイル状の帆に関する。 背景技術 帆走分野には、帆の設計について慣習に基づく設計や慣習にとらわれない設計 が混在している。これら帆のいくつかは飛行機翼の形に設計されている。例えば 、Jaochim Schultによる“Curious Yachting Inventions”(ISBN0−808−2104−1)には、いくつか の翼状帆の構成が開示されている。そして図56および57には、エーロフォイ ル形状を与えることができる膨張式の帆が図示されている。また図73には、布 製帆の代わりに剛性のあるエーロフォイルをもつDyna−Shipが図示され ている。これらエーロフォイルの操帆は、ブリッジからの遠隔制御によって行な う。エーロフォイルは、楕円断面が可変の中空一体形マストに設置する。エーロ フォイルは形状がほぼ台形状で、タービン・ホィールのパドルと同じような形状 である。また、エーロフォイルは向かい風に対して角度が小さくなるように設置 する。図74には、停泊時に5つの垂直エーロフォイルを折り畳 むことができる三胴船が図示されている。船長が28ftの原型船は視風に対し て角度は6°程であり、布製帆を取り付けたボートの20°とは対照的である。 その帆面積が船体重量にからみて大きい323sq.ftであるにもかかわらず 、転覆の恐れはまったくない。というのは、風が帆に対して常に最適な角度で当 たるからである。エーロフォイル全体は、最小の抵抗で最大の推進力が得られる ように、風に対して常に角度をもっている。図75には、布製帆を取り付けた、 外形を調節できるエーロフォイルが図示されている。この装置を使用すると、操 船者は最小の抵抗で最大の推進力を得ることができる最も有効な外形を知ること ができる。図77には、帆の曲率を選択的に変更できる、改良エーロフォイル設 計構成が図示されている。図83には、共通な軸を中心として回動するいくつか のエーロフォイルを回転円盤に取り付けた推進装置が図示されている。図86お よび図87には、船首から船尾にかけて、また船体を横切って可動な回動エーロ フォイルが図示されている。この設計により、回動軸の流動抵抗が小さくなり、 従ってエーロフォイル帆の適帆が容易になる。図88には、平行な支柱の助けに よって、風入射角度を大きく変更せずに中心のエーロフォイルに対して前後に外 側の二つのエーロフォイルを移動することができる多数のエーロフォイルからな る帆が図示されている。図89には、垂直軸を中心にして自由に回動するエーロ フォイルが図示されている。左 舷または右舷に羽根を設けて、帆の凸側面に負圧を発生し、風に対して所定の角 度にこれを設定して、推進力を発生する。C.J.Satchwell編の“W indship Technology−Proceed−ings of t he International Symposium on Windsh ip Technology(Windtech’85)”、Southamp ton、U.K.、April24−25、1985、ISBN0444425 330(set)、LCCN85016170//r88には、数多くのウイン グセールが記載されているが、ほとんどは大型船舶用の剛性構成である。また、 このようなウイングセールはUSP4,341,176、USP4,945,8 47、USP5,181,678、USP5,320,310,AU−A523 ,766、LU−88,528の各公報に開示されている。 発明の実施態様 まず、図1および図2について説明する。図1および図2はそれぞれ本発明に よる、20で示す帆の斜視図および拡大横断面図である。帆20は上部スパー2 2と後下部スパー24とを有する。これら上部スパー22および後上部スパー2 4は実質的に同平面にあり、帆平面24を形成するものである。可動式スパー2 8を上部スパー22と下部スパー24との間に設ける。この可動式スパー28は 帆平面26に対して実質的に平行であり、帆 平面26に対して実質的に直交する方向に可動である。図2に示すように、可動 式スパー28は方向23または方向25のいずれの方向にも可動である。上部ス パー22、可動式スパー28および下部スパー24は全体をシース状の帆布30 で包みこむことによって、全体が翼状の、可撓性の両面帆20を構成する。シー ス30の第1面が第1外面32を構成し、これに対向する第2面が第2外面34 を構成する。なお、本明細書で使用する“帆布”は、製帆に好適な布材料、織物 、合成材料などを指す用語である。好適な実施態様では、上部スパー22、下部 スパー24および可動式スパー28はいずれも実質的に平行で、上部スパー22 と下部スパー24との間に所定間隔Dを設ける(図3も参照)。間隔Dが帆布2 0の翼弦または幅になる。好適な実施態様では、また、横リブ36により上部ス パー22を下部スパー24に結合する。図示の実施態様では、2つの横リブ36 および38を使用する。これら横リブ36および38は上部スパー22に対して 実質的に直交し、実質的に調節自在であるため、所定の間隔Dを選択的に変更す ることができる。所定間隔Dを広げると、シース30が上部スパー22、可動式 スパー28および下部スパー24の周囲に締め付けられる。これによって、シー ス30の張力を調節できるため、風によって可動式スパー28がいずれかの側に 押圧された場合には、適正なエーロフォイル状になる。 図1から理解できるように、上部スパー22は第1の 長さを、下部スパー24は第2の長さを、可動式スパー28は第3の長さを、そ してシース30は第4の長さを有する。この場合、第1の長さは第2の長さより 長く、第2の長さは第3の長さより長く、そして第3の長さは第4の長さと実質 的に同じである。図2に示すように、上部スパー22の湾曲しているか円形の縁 部40がシース30に当接している。帆20の使用時、風によって湾曲するのは 上部スパー22であり、従って湾曲前縁部40は、飛行機の翼の場合と同様に、 風の抵抗が小さい。好適な実施態様では、上部スパー22は横断面が実質的に円 形である。一方、下部スパー24は、実質的にV字形の縁部42がシース30に 当接し、このV字の底部には風はあたらない。 最適なエーロフォイル構成を得るためには、可動式スパー28を下部スパー2 4によりも上部スパー22の方に近付けて設ける必要がある。好適な実施態様で は、上部スパー22から翼弦Dのほぼ1/3〜1/4の位置に可動式スパー28 を設ける。風の方向に対して帆20の方向を調節するため、上部スパー22に回 動手段を結合して、上部スパー22、従って帆20を上部スパー22の縦軸44 を中心にして選択的に回動させることができる(図12も参照)。図1において は、上部スパー22は縦軸44を中心にして方向46か48のいずれかの方向に 選択的に回動することができる。回動手段は機械的に制御してもよいし、あるい は電気的に制御してもよく、 上部スパー22に任意の有利な位置で結合できる。好適な実施態様では、回動手 段は上部スパー22の底部に結合する。 図2に示すように、シース30は第1面が第1の外面32を構成し、そしてこ れに対向する第2面が第2の外面34を構成する。可動式スパー28は第1の凸 状面50を有し、これに対向して凸状の第2面52を有する。可動式スパー28 の第1凸状面50をシース30の第2側面に結合し、スパー28の第2凸状面5 2をシース30の第2側面に結合する。結合は、可動式スパー28の上下部で行 なう必要があり、その間隔は1〜3mとする。結合は接着剤、ステープル、ステ ッチング、マジックテープなどの任意の有利な手段で行なえばよい。好適な実施 態様では、可動式スパー28は横断面が実質的に卵状で、より厚い側が上部スパ ー22に向いている。上部スパー22は、帆平面26に直交する方向に測定した 場合に第1の厚みT1を有し、可動式スパー28も、同様に帆平面26に直交す る方向に測定した場合に第2の厚みT2を有する。外面50と52とが最適なエ ーロフォイル形状を構成するためには、可動式スパー28の厚みT2を上部スパ ー22の厚みT1よりもわずかに厚くする必要がある。 図4について説明する。図4は、どのようにしてエーロフォイル形状にするか を説明する帆20の横断面図である。帆平面26に当たる角度がA°である風6 00が 第2外面34に当たると、シース30の第1側面に向かって帆平面26に実質的 に直交する方向54に可動式スパー28が押圧される。このため、可動式スパー 28の第1曲面50がシース30の第1側面を押圧し、第1外面32を変形させ て、エーロフォイルの湾曲側面または長辺側面にする。可動式スパー28の風に 向かう側面(この場合には側面52)がある一ヶ所でシース30の第2側面にの み接触し、このため第2外面34がエーロフォイルの実質的に直線側面または短 辺側面を構成するのが理想的である。第2外面34が内側に曲がる場合には、調 節式リブ36および38を延ばして、シース30に適正な張力を発生し、これに よって第2外面34を適正な、実質的に直線形状にする。なお、第1外面32が 可動式スパー28によって外側に曲がると、上部スパー22の縁部40の周囲に シース30がスリップ嵌めし、エーロフォイルの湾曲側面が形成する。さらに、 帆布がわずかに延伸するため、エーロフォイル形状が完全になる。このようにし て形成されたエーロフォイルの湾曲側面32が直線状の側面34よりも長いため 、ベルヌーイの原理により圧力差が発生する。いうまでもなく、これは飛行機の 翼によって発生する揚力と同様なものである。 次に、図5について説明する。図5は、上記とは逆のエーロフォイルの形成を 説明する帆20の別な横断面図である。帆平面26に当たる角度がA°である風 600が第1外面32に当たると、シース30の第2側面に向 かって帆平面26に実質的に直交する方向26に可動式スパー28が押圧される 。このため、可動式スパー28の第2曲面52がシース30の第2側面を押圧し 、第2外面34を変形させて、エーロフォイルの湾曲側面または長辺側面にする とともに、第1外面32を変形させて、エーロフォイルの直線状側面または短辺 側面にする。 図6は、風の当たる角度A°の関数として帆20が発生する押圧力を説明する 図である。なお、押圧力が最大になる角度A°は約10°〜約20°である。風 の当たる角度A°が0°に近付くと、シース30のどちらの側にも可動式スパー 28が押圧されなくなるため、エーロフォイル形状が得られなくなり、押圧力も 得られなくなる。同様に、風の当たる角度A°がほぼ50°〜60°になると、 帆20周囲の空気流れが乱流になるため、押圧力を得ることができなくなる。 図7A、図7Bおよび図7Cは、帆船500を風上に向かって(風に逆らって )帆走させる場合に帆20をどのように操帆するかを説明する上面図である。最 初の工程として、上部スパー22を自由に回動させて、帆平面26を風600の 方向に調節する。いずれにせよ、この場合には、帆20の上部スパー22を予め 選択的に回動させ、帆平面26に当たる風の角度A°を約10°〜約20°にす ることによって、最大の押圧力54を得るようにしている。なお、風600が船 首501に吹き付けている間は、にもかかわらず、帆20が発生する押圧力 54はが船首501に向かって作用しているため、帆船500は順走することが できる。図7Aの場合、押圧力54は、縦方向成分が帆船500の中心線にそっ て船首501に向いている。なお、本明細書で、風の当たる角度A°が正の場合 には、全体として帆船500の船首501に向かって作用する押圧力54が得ら れ、角度A°が負の場合には、全体として船尾502に向かって作用する押圧力 54が得られる。 図8A、図8Bおよび図8Cは、帆船500を風下に向かって(順風で)帆走 させる場合に帆20をどのように操帆するかを説明する上面図である。上記と同 様に、帆20の上部スパー22を予め回動させ、帆平面26に当たる風の角度A °を約10°〜約20°にする。図7および図8では、上部スパー22を連続的 かつ選択的に回動して、帆平面に当たる風の角度を実質的に10°〜20°に維 持し、縦成分が帆船500の船首501に向く帆20に押圧力54を発生する。 図9は、帆船500を制動または減速するさいに帆20をどのように操帆するか を説明する上面図である。この操帆は、本発明の非常にユニークかつ重要な特徴 である。図8Aの場合には、帆20を回動して、追い風600に調節し、帆船の 船首501の全体的な方向に最大の押圧力54を発生していたが、何らかの理由 により帆船500を急激に減速する必要がある場合に、なすべきことについて以 下説明する。本発明によれば、上部スパー22、従って帆平面 26を図8Aに示すように、ほぼ20°〜40°反時計方向(風の当たる角度A °がほぼ−10°〜−20°)に回動することによって、押圧力54を大幅に変 更し、その全体的な方向を帆船の船尾502方向にすると、帆船500をただち に減速することができる。即ち、減速するためには、上部スパー22をただちに 回動して、風の当たる角度A°を実質的に−10°〜−20°にし、帆船500 の中心線にそって帆船500の船尾502に縦成分55が向いている帆20に押 圧力54を発生する。 図10は、帆船500に垂直に取り付けた複数の帆20を示す側面図である。 より長い帆20を補強支持するために、水平なロッドまたはステー505を使用 できる。 図11は、帆船500に垂直に取り付けた複数の帆20を示す上面図である。 帆20を同時に回動すると、帆20および帆平面26がすべて連続的に平行にな り、発生する押圧力54がすべて平行になる。 図12は、上部スパー22を回動し、複数の帆20の帆平面26を平行に維持 するための回動手段を示す図である。図示の実施態様では、複数の歯付きプーリ 510を帆船500のキャビンの屋根上に取り付ける。各プーり510には、帆 20の上部スパー22が着脱自在に係合する。チェーン512によりプーリ51 0をホィール514に結合する。ホィール514が回転すると、プーリ510す べてが同期して回転するため、帆平面26のすべてを平行に維持する。クラッチ 機構をホィール51 4に組み込むと、ホィール514、従ってプーリ510を自由に回転させること ができる。こうすると、帆20のすべてが風の方向に一致することになる。いう までもなく、帆20を平行同期回転させるために、他の機械的方法も使用できる 。あるいは、同期モータ駆動システムも使用できる。 上部スパー22および下部スパー24はアルミニウムや複合材料で構成するこ とができる。あるいは、場合にもよるが、木製シャフトで構成することもできる 。なお、可動式スパー28については、ポリウレタン、中空プラスチック管材や 発砲ナイロンなどの軽量材料で構成するのが最善である。また、膨張式の管とし ても構成可能である。別な実施態様では、下部スパー24は固体材料からなるス パーではなく、張力ケーブルまたはロープとすることができる。 帆の縮帆については、後縁部および可動式スパーを上部スパーまで手繰り込め ばよい。可動式スパーとして膨張式管を使用する場台には、下部スパーを回すこ とによって帆布を巻き取ることができる。 帆20の使用数、大きさ、形状については、対象とする帆船500に合うよう に選択する。一般的には、帆船50の大きさが大きくなるに従って、帆20の使 用数も多くなる。例えば、船長が9〜10mの帆船500の場合には、高さが3 〜5mの、6〜8枚の帆20を垂直に取り付ける必要があり、また翼弦(幅)を ほぼ0.45 〜0.65mにし、上部スパー22の厚みをほぼ7〜10cmにする必要がある 。実際には、翼弦の幅は、帆20が発生するトルクの量によって制限される。船 長が3〜5mの帆船500の場合には、大きさが同じか小さい帆が2、3枚あれ ば十分である。帆船500の係留上の点から、帆20の高さを帆船500のキャ ビンの屋根の長さ以内に止める必要がある。多数の帆20を取り付ける場合には 、ある帆20の上部スパー24と次の帆20の上部スパー22と間にほぼ5〜1 0cmのクリアランスを見込んでおく必要がある。なお、帆20は縦横比が非常 に高いため、今までの帆よりも効率が高い。ここで、縦横比を定義すれば、翼弦 に対する高さの比であり、帆20についてはほぼ8:10である。以上説明して きた好適な実施態様は例示を目的とするもので、数多くの変更、寸法変更、再構 成などが容易であり、いずれも上記と同様な作用効果を得ることができる。これ らについては、すべて特許請求の範囲内に含まれるものである。 請求の範囲 1. ウイングセール平面を構成する細長い、基本的に矩形の固体フレームの上 部スパー縁部と下部スパー縁部との間に平行に設けた軽量のスパーを有し、こら 三つのスパーをシース状の帆布で取り囲み、軽量をスパーを上記の帆平面に対し て実質的に直交する方向にのみ可動するようにし、場合によっては下部縁部スパ ーの代わりに張力ケーブルまたはロープを使用する帆。 12.さらにシースの第1側面が第1外面を構成し、これに対向する第2側面が 第2外面を構成し、そして可動式スパーが第1の凸状側面を有し、これに対向し て第2凸側面を有する請求項1の帆。 13.可動式スパーの第1凸状側面をシースの第1側面に当接し、そして可動式 スパーの第2凸状側面をシースの第2側面に当接した請求項12の帆。 14.風が第1外面に当たった場合に、シースの第2側面に向かって帆平面に実 質的に直交する方向に可動式スパーが押圧され、これによって第2外面を変形さ せて、エーロフォイルの湾曲側面を構成する請求項12の帆。 15.風が第2外面に当たった場合に、シースの第1側面に向かって帆平面に実 質的に直交する方向に可動式スパーが押圧され、これによって第1外面を変形さ せて、エーロフォイルの湾曲側面を構成する請求項12の帆。 19.請求項1の帆を準備する工程と、 縦軸を有する上部スパーに回動手段を結合して、この 縦軸を中心にして帆を選択的に回動する工程と、 上記の帆を少なくとも1枚帆船に垂直に取り付ける工程と、 この帆を自由に回動させて、帆平面を風の方向に調節する工程と、そして 風の当たる角度が実質的に10°〜20°になるまで帆を回動して、可動式ス パーを風の方向からそらし、帆をエーロフォイル形状にする工程とを有する帆船 の帆走方法。 20.さらに帆を連続的かつ選択的に回動して、風の当たる角度を実質的に10 °〜20°に維持し、帆の縦成分が船首方向に向く時に押圧力を発生する工程を 有する請求項19の方法。 21.さらに帆を回動して、風の当たる角度を実質的に−10°〜−20°に維 持し、帆の縦成分が船尾方向に向く時に押圧力を発生する工程を有する請求項1 9の方法。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 上部スパーおよび下部スパーが実質的に同平面にあって、帆平面を形成す るように下部スパーを上部スパーに結合し、帆平面に対して実質的に平行に、可 動式スパーを上部スパーと下部スパーとの間に設け、これら上部スパー、可動式 スパーおよび下部スパー全体をシース状の帆布で取り囲み、そして帆平面に対し て実質的に直交する方向に可動式スパーが可動な帆。 2. 上部スパー、下部スパーおよび可動式スパーを実質的に平行にし、下部ス パーから所定の間隔をおいて上部スパーを設けた請求項1の帆。 3. 上部スパーと下部スパーとを結合し、上部スパーに対して実質的に直交す る、少なくとも一つの横リブをさらに有する請求項2の帆。 4. 上記横リブを縦方向に調節して、上記の所定の間隔を選択的に変更できる ようにした請求項3の帆。 5. さらに、上部スパーが第1の長さを、下部スパーが第2の長さを、可動式 スパーが第3の長さを、そしてシースが第4の長さを有し、第1の長さが第2の 長さより長く、第2の長さが第3の長さより長く、そして第3の長さが第4の長 さと実質的に同じである請求項2の帆。 6. 上部スパーが、シースに当接する湾曲前縁部を有する請求項1の帆。 7. 上部スパーは横断面が実質的に円形である請求項6の帆。 8. 下部スパーが、シースに当接する実質的にV字形の後縁部を有する請求項 1の帆。 9. 下部スパーは横断面が実質的に楔状である請求項8の帆。 10.下部スパーよりも上部スパーの方に近付けて可動式スパーを設けた請求項 1の帆。 11.さらに縦軸を有する上部スパーに回動手段を結合して、この縦軸を中心に して上部スパーを選択的に回動できるようにした請求項1の帆。 12.さらにシースの第1側面が第1外面を構成し、これに対向する第2側面が 第2外面を構成し、そして可動式スパーが第1の凸状側面を有し、これに対向し て第2凸側面を有する請求項1の帆。 13.可動式スパーの第1凸状側面をシースの第1側面に結合し、そして可動式 スパーの第2凸状側面をシースの第2側面に結合した請求項12の帆。 14.風が第1外面に当たった場合に、シースの第2側面に向かって帆平面に実 質的に直交する方向に可動式スパーが押圧され、これによって第2外面を変形さ せて、エーロフォイルの湾曲側面を構成する請求項12の帆。 15.風が第2外面に当たった場合に、シースの第1側面に向かって帆平面に実 質的に直交する方向に可動式スパーが押圧され、これによって第1外面を変形さ せて、エーロフォイルの湾曲側面を構成する請求項12の帆。 16.可動式スパーは横断面が実質的に卵状である請求 項1の帆。 17.さらに上部スパーが帆平面に直交する方向に測定した場合に第1の厚みを 有し、可動式スパーが帆平面に直交する方向に測定した場合に第2の厚みを有し 、そしてこの第2厚みが第1厚みより厚い請求項1の帆。 18.さらに少なくとも一つを帆船に垂直に取り付けた請求項1の帆。 19.上部スパーおよび下部スパーが実質的に同平面にあって、帆平面を形成す るように下部スパーを上部スパーに結合し、帆平面に対して実質的に平行に、可 動式スパーを上部スパーと下部スパーとの間に設け、これら上部スパー、下部ス パーおよび可動式スパー全体をシース状の帆布で取り囲み、そして帆平面に対し て実質的に直交する方向に可動式スパーが可動で、縦軸を有する上部スパーに回 動手段を結合して、この縦軸を中心にして上部スパーを選択的に回動できるよう にした帆を準備する工程と、 船首および船尾を備えた帆船を準備する工程と、 上記の帆を少なくとも1枚帆船に垂直に取り付ける工程と、 上部スパーを自由に回動させて、帆平面を風の方向に調節する工程と、そして 上部スパーを選択的に回動させて、帆平面を風の当たる角度にし、可動式スパー を風の方向からそらし、帆をエーロフォイル形状にする工程とを有する帆船の帆 走方法。 20.さらに上部スパーを連続的かつ選択的に回動して、風の当たる角度を実質 的に10°〜20°に維持し、帆の縦成分が船首方向に向く時に押圧力を発生す る工程を有する請求項19の方法。 21.さらに上部スパーを急激に回動して、風の当たる角度を実質的に−10° 〜−20°に維持し、帆の縦成分が船尾方向に向く時に押圧力を発生する工程を 有する請求項19の方法。 22.さらに上記の帆を複数帆船に取り付ける工程と、そして各帆を同時に回動 させて、上記帆平面をすべて平行にする工程とを有する請求項19の方法。 23.さらに下部スパーを上部スパーに実質的に平行にする工程と、そして少な くとも一つの縦方向調節式横リブによて上部スパーと下部スパーとを結合する工 程と、そしてこの横リブを調節して、上記所定の間隔を広げ、上部スパー、可動 式スパーおよび下部スパーの周囲に上記シースを締め付ける工程とを有する請求 項19の方法。
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