JP2002503702A - 神経細胞の細胞増殖および分化を促進する方法 - Google Patents

神経細胞の細胞増殖および分化を促進する方法

Info

Publication number
JP2002503702A
JP2002503702A JP2000532137A JP2000532137A JP2002503702A JP 2002503702 A JP2002503702 A JP 2002503702A JP 2000532137 A JP2000532137 A JP 2000532137A JP 2000532137 A JP2000532137 A JP 2000532137A JP 2002503702 A JP2002503702 A JP 2002503702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
tyr
active agent
ala
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000532137A
Other languages
English (en)
Inventor
キャスリーン イー. ロジャーズ、
ギーア ディゼレガ、
Original Assignee
ユニヴァースティ オブ サザーン カリフォルニア
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニヴァースティ オブ サザーン カリフォルニア filed Critical ユニヴァースティ オブ サザーン カリフォルニア
Publication of JP2002503702A publication Critical patent/JP2002503702A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/04Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • A61K38/08Peptides having 5 to 11 amino acids
    • A61K38/085Angiotensins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/14Angiotensins: Related peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/06Animal cells or tissues; Human cells or tissues
    • C12N5/0602Vertebrate cells
    • C12N5/0618Cells of the nervous system
    • C12N5/0623Stem cells
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2501/00Active agents used in cell culture processes, e.g. differentation
    • C12N2501/30Hormones
    • C12N2501/32Angiotensins [AT], angiotensinogen

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Developmental Biology & Embryology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、アンギオテンシノーゲン、AI、AI類似体、AI断片、およびその類似体、AII、AII類似体、AII断片、およびその類似体、および/またはAII AT2型受容体アゴニストの単独、または他の成長因子およびサイトカインとの組み合わせ存在下での増殖による、神経細胞の増殖および/または分化を促進する方法、改良細胞培養培地、およびキットを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (相互参照) 本出願は、1998年2月19日に出願された米国特許出願第60/075,
232号の一部継続出願である。
【0002】 (技術分野) 本発明は、神経細胞の増殖および/または分化を促進する方法及びキットに関
する。
【0003】 (発明の背景) 中枢神経系(以下、「CNS」とする)の幹細胞は、神経細胞、アストロサイ
ト、およびオリゴデンドロサイトに分化する、および自己複製する可能性を有す
る(McKay、Science 276:66−71、1997;そのまま参
考として本明細書に組込む)。CNS前駆細胞(progenitor cel
l)は幹細胞より制限された可能性を有し、CNS前駆細胞(precurso
r cell)は完全に分化していないCNS細胞型を含む(McKay、19
97)。
【0004】 神経細胞とグリア細胞を生じる哺乳動物の胎児の前駆細胞が単離されている(
Frederiksenら、Neuron 1:439(1988);Reyn
oldsとWeiss、Science 255:1707(1992);Da
visとTemple、Nature 372:263(1994))。成体の
CNSも、神経細胞、アストロサイト、およびオリゴデンドロサイトとなる多能
性前駆細胞を含む(McKay、1997)。in vitroで増殖した胎児
および成体CNS由来の培養細胞は、分化し、神経細胞に特有な形態学的、電気
生理学的特徴を示すことが可能である(Grittiら、J.Neurosci
.16:1091(1996);Vicario−Abejonら、Neuro
n 15:105(1995)。これらのデータは、CNS由来細胞の多能性の
性質を示す。
【0005】 胎児脳の多能性細胞は、均質であり安定であることが実証されている(Joh
eら、Genes Dev.10:3129(1996))。in vitro
では、少なくとも培養の最初の月には、これらの細胞は毎日分裂し、効率的に神
経細胞およびグリア細胞を産生する。これらの細胞は多能性および自己複製の基
準を満たすため、幹細胞であるとみなされ得る。
【0006】 成体脳の細胞は組織培養において、胎児幹細胞で見られた神経細胞分化と同様
の効率、および細胞外リガンドへの同様の応答で、増殖し神経細胞およびグリア
細胞に分化する(Mckay、1997)。このように、同様の共通した機構が
、胎児または成体の幹細胞の分化を調節する。成体前脳における前駆細胞の増殖
は、in vivoにおいて分裂促進的な成長因子の直接的投与により刺激され
ることが可能であり、このように処理した動物では、subventricul
ar zoneの増殖性細胞は神経細胞およびグリア細胞に分化する(Crai
gら、J.Neurosci.16:2649(1996))。しかしながら、
in vivoにおいては、ブロモデオキシウリジンで標識された増殖性細胞の
3%以下が、神経細胞に分化する(McKay、1997)。in vitro
での成体幹細胞の効率的な神経細胞の分化とin vivoでのそれらの非効率
的な分化との矛盾は、この分野において重大であるものの未解決な問題である(
同上)。分化する神経細胞の欠除は、適当な可能性をもつ細胞の欠除というより
は、むしろ成体脳における情報伝達環境の機能の欠除の結果かもしれない(同上
)。
【0007】 脳におけるタンパク質の長期送達は、遺伝子治療の重要な目標である。成長因
子を産生するように操作された細胞の移植は、タンパク質送達用ベクターとして
の移植細胞の可能性を示す(Beckら、Nature 373:339(19
95);Tomacら、Nature 373:335(1995);Moor
eら、Nature 382:76(1996))。成長しているCNSから多
くの様々な不死化細胞を作製することが可能である。in vitroで拡大し
た初代細胞を移植することも可能である。海馬由来でありin vitroで長
期培養された初代成体細胞が、成体嗅球において神経細胞を補充するのに利用さ
れる遊走経路(migratory pathway)に再移植される場合に、
依然として神経細胞に分化可能であることが実験により示唆されている(Suh
onenら、Nature 383:624(1996))。in vivoで
オリゴデンドロサイトに分化するin vitroで操作された供与細胞の利用
が他の研究により例証されるように、移植された神経細胞の宿主回路への組込み
が可能であることが、動物モデルでの実験的移植により示唆される(Tonts
chら、Proc.Natl.Sci.91:11616(1994);Gro
vesら、Nature 362:453(1993))。さらに、パーキンソ
ンおよびハンチントン病のような神経変性病のための神経細胞代償療法が実現可
能であることが、臨床試験により示される(Kordowerら、New En
gl.J.Med.332:1118(1995);Lindvallら、An
n.Neurol.35:172(1994))。このように、臨床応用に、細
胞培養は神経病の細胞ベースの療法において高度な遺伝学を利用するのに重要な
機会を提供する(McKay、1997)。
【0008】 CNS幹細胞は、上皮成長因子(EGF)および塩基性繊維芽細胞成長因子(
bFGF)を利用することにより、in vitroで拡大されている(McK
ay、1997)。in vitroにおいて、EGFはアストロサイトの分化
因子であることも示されている。
【0009】 これらの研究により幹細胞と神経細胞代償療法の可能性が明らかになる一方で
、成体神経細胞幹細胞の綿密な分析は始まったばかりである。神経細胞幹細胞の
多能性、自己複製、および運命の制限を調節する機構のさらなる特徴付けが、成
体神経系における細胞の再生および置換の新しい療法を開発するのに明らかに重
要である(Joheら、1996)。
【0010】 神経細胞の幹細胞と前駆細胞のin vitroおよびex vivoでの増
殖および分化を増加させる方法は、パーキンソンおよびアルツハイマー病、およ
び筋萎縮性側索硬化症等の様々な神経変性病の神経細胞代償療法の有用性を大き
く増すであろう。同様に、神経細胞の幹細胞と前駆細胞のin vivoでの増
殖および分化を増加させる方法は、治療の位置で神経細胞の幹細胞と前駆細胞の
局部的濃度を迅速に増加させることにより、神経細胞の代償療法の有用性を増す
であろう。
【0011】 (発明の要約) 本発明は、神経細胞代償療法で利用する神経細胞の幹細胞と前駆細胞の大きな
集団を迅速に提供し、神経細胞代償療法で利用する形質移入された細胞の大きな
集団を作製するのに有効である、神経細胞の幹細胞と前駆細胞の増殖または分化
を増加させる方法を提供する。
【0012】 一つの態様において、本発明は、細胞をアンギオテンシノーゲン、アンギオテ
ンシンI(AI)、AI類似体、AI断片、およびその類似体、アンギオテンシ
ンII(AII)、AII類似体、AII断片、またはその類似体、またはAI
I AT2型受容体アゴニストと単独でまたは他の成長因子およびサイトカイ
ンと組み合わせて接触させることにより、神経細胞の増殖あるいは分化を促進す
る方法を提供する。
【0013】 本発明の別の態様において、改良細胞培養培地が神経細胞の増殖または分化の
ために提供され、ここで改良は有効量のアンギオテンシノーゲン、AI,AI類
似体、AI断片、およびその類似体、AII、AII類似体、AII断片、また
はその類似体、またはAII AT2型受容体アゴニストを細胞培養培地に添
加することを含む。
【0014】 さらなる態様において、本発明は、神経細胞の増殖または分化のためのキット
を提供するものであって、該キットは有効量のアンギオテンシノーゲン、AI,
AI類似体、および/またはAI断片、およびその類似体、AII、AII類似
体、AII断片、またはその類似体、および/またはAII AT2型受容体
アゴニスト、および細胞を培養するための説明書を含む。好ましい実施形態にお
いて、該キットはさらに、細胞培養増殖培地、無菌容器、および抗生物質補充を
含む。
【0015】 (好ましい実施形態の詳細な説明) 本明細書で定義した「神経細胞」なる語は、神経細胞、アストロサイト、およ
びオリゴデンドロサイトに分化し、および自己複製する可能性を有する初代細胞
または株化細胞、さらに、完全に分化したCNSおよび末梢神経系(「PNS」
)細胞型を含むそれら由来の分化した細胞を含む。神経細胞幹細胞および前駆細
胞の例には、以下を含むがこれに限定されない;Grittiら、J.of N
euroscience 16:1091−1100(1996);Frede
riksenら、(1988);ReynoldsとWeiss、(1992)
;DavisとTemple、(1994);McKay、(1997);Vi
cario−Abejonら、(1995);Craigら、(1996);T
ontschら、(1994);Gravesら、(1993),およびJoh
eら、Genes and Develop.10:3129−3142(19
96);全参考文献をそのまま本明細書に組込む。本明細書で定義した「増殖」
は、細胞自己複製および分化を伴う細胞増殖の両方を包含する。
【0016】 特記しない限り、本明細書で使用した「活性剤」なる語は、アンギオテンシノ
ーゲン、アンギオテンシンI(AI),AI類似体、AI断片、およびその類似
体、アンギオテンシンII(AII)、AII類似体、AII断片、またはその
類似体、およびAII AT2型受容体アゴニストを含む化合物群を意味する
【0017】 特記しない限り、本明細書で利用される技術は以下のようないくつかの既知参
考文献に見出される:A Laboratory Manual(Sambro
okら、1989、Cold Spring Harbor Laborato
ry Press)、Gene Expression Technology
(D.Goeddel編集によるMethods in Enzymology
、Vol.185、1991、Academic Press、サンディエゴ、
カリフォルニア)、Methods in Enzymology中の“Gui
de to Protein Purification”(M.P.Deut
shcerら、(1990)Academic Press、Inc.);PC
R Protocols:A Guide to Methods and A
pplications(Innisら、1990.Academic Pre
ssサンディエゴ、カリフォルニア)、Culture of Animal
Cells:A Manual of Basic Technique、2 Ed.(R.I.Freshney.1987.Liss、Inc.ニュー
ヨーク、ニューヨーク)、Gene Transfer and Expres
sion Protocols、109−128ページ、ed.E.J.Mur
ray、The Humana Press Inc.、クリフトン、ニュージ
ャージー)、およびAmbion 1998 Catalog(Ambion、
オースチン、テキサス)。
【0018】 DiZeregaの米国特許第5,015,629号(その全開示を参考とし
て本明細書に組込む)は創傷組織の治癒速度を増加させる方法を記載し、これは
該組織への該増加に十分な量のアンギオテンシンII(AII)の投与を含む。
創傷組織へのAIIの投与により創傷治癒速度は有意に増加し、より迅速な再上
皮化および組織修復がもたらされる。AIIなる語は、配列Asp−Arg−V
al−Tyr−Ile−His−Pro−Phe[配列番号1]を有する、ヒト
および他の種に存在するオクタペプチドを意味する。アンギオテンシンの生物学
的形成は、血漿基質のアンギオテンシノーゲンに対するレニンの作用により開始
される。かくして形成された物質はアンギオテンシンI(AI)と呼ばれるデカ
ペプチドであり、これはAI(Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−Hi
s−Pro−Phe−His−Leu[配列番号37])からC末端His−L
eu残基を除去する変換酵素アンギオテンシナーゼによりAIIに変換される。
AIIは既知の昇圧剤であり、市販で入手できる。AII類似体と断片、AT2
アゴニスト、またAIIIおよびAIII類似体と断片の創傷治癒における利用
も記述されている(米国特許第5,629,292号;米国特許第5,716,
935号;国際出願番号WO 96/39164号;全参考文献をそのまま本明
細書に組込む。)。
【0019】 研究により、AIIは創傷治癒に関与する細胞培養における有糸分裂誘発およ
び走化性を増加させ、また、その成長因子および細胞外基質の放出も増加させる
ことが示された(diZerega、米国特許第5,015,629号;Dza
uら、J.Mol.Cell.Cardiol.21:S7(補刊III)19
89;Berkら、Hypertension 13:305−14(1989
);Kawaharaら、BBRC 150:52−9(1988);Naft
ilanら、J.Clin.Invest.83:1419−23(1989)
;Taubmanら、J.Biol.Chem 264:526−530(19
89);Nakaharaら、BBRC 184:811−8(1992);S
toufferとOwens、Circ.Res.70:820(1992);
Wolfら、Am.J.Pathol.140:95−107(1992);B
ellとMadri、Am.J.Pathol.137:7−12(1990)
)。さらに、AIIは、ウサギ角膜眼およびヒヨコ絨毛尿膜モデルにおいて血管
形成性であることが示された(Fernandezら、J.Lab.Clin.
Med.105:141(1985);LeNobleら、Eur.J.Pha
rmacol.195:305−6(1991)。したがって、AIIは、増加
した新血管新生、成長因子の放出、再上皮化、および/または細胞外基質の生成
を通して、創傷治癒を促進するのかもしれない。
【0020】 AIIは、また、細胞増殖および分化の両方にも結び付けられている(Mef
fertら、Mol.and Cellul.Endocrin.122:59
(1996))。AII受容体の二つの主要なクラス、ATとATが同定さ
れている(Meffert、1996)。AIIの増殖促進効果はAT1受容体
に起因すると考えられており、いくつかの証拠によって、AT2受容体がAII
の細胞分化効果の媒介に関与すると示唆される(Bedecsら、Bioche
m.J.325:449(1997))。
【0021】 AII受容体およびAII受容体アゴニストの効果は、血管損傷および修復の
2つのモデルで調べられ、これにより、両方のAII受容体サブタイプ(AT1
とAT2)が創傷治癒に役割を果たしていることが示唆される(Janiakら
、Hypertension 20:737−45(1992);Presco
ttら、Am.J.Pathol.139:1291−1296(1991);
Kauffmanら、Life Sci.49:223−228(1991);
Viswanathanら、Peptides 13:783−786(199
2);Kimuraら、BBRC 187:1083−1090(1992))
【0022】 多くの研究は、AII(1−7)(AII残基1−7)またはAIIの他の断
片にその活性を評価するために焦点を当てた。AII(1−7)は、AIIに顕
現される効果の全範囲ではなく、いくらかを顕現する。Pfeilschift
erら、Eur.J.Pharmacol.225:57−62(1992);
Jaiswalら、Hypertension 19(補刊II):II−49
−II−55(1992);EdwardsとStack、J.Pharmac
ol.Exper.Ther.266:506−510(1993);Jais
walら、J.Pharmacol.Exper.Ther.265:664−
673(1991);Jaiswalら、Hypertension 17:1
115−1120(1991);Portsiら、Br.J.Pharmaco
l.111.652−654(1994)。
【0023】 研究により、AIIは不死化神経細胞株(クロム親和細胞腫由来PC12W、
Meffert、1996)および18日齢ラット胚からのretrochia
matic視床下部の解離初期培養(Jirikowskiら、Develop
.Brain Res.14:179−18381984))の両方を阻害する
ことが示された。他の研究により、ラット脳中のATとAT受容体の比率は
発達過程で変化し、胎児組織はより多くのAT受容体サブタイプを発現し、成
体動物はより多くのATサブタイプを発現することが示された(Meffer
t、1996)。しかしながら、ほとんどのCNSあるいは末梢神経系(「PN
S」)細胞型に対するAIIの効果についてはほとんど知られていない。さらに
、神経細胞幹細胞あるいは前駆細胞によってどのようなAII受容体サブタイプ
が発現されているのか、またその増殖能力に対してAIIがどのような効果をも
つのかは知られていない。
【0024】 AT2受容体に選択的なペプチドアゴニスト(AIIはAT1よりもAT2に
100倍高い親和性を有する)は、p−アミノフェニルアラニン6−AII[「
(p−NH−Phe)6−AII」]、Asp−Arg−Val−Tyr−I
le−Xaa−Pro−Phe[配列番号36]であり、ここでXaaはp−N
−Pheである(SpethとKim、BBRC 169:997−100
6(1990))。このペプチドは、試験した実験モデルでAT2アンタゴニス
トと同等な結合特徴を与えた(Cataliotoら、Eur.J.Pharm
acol.256:93−97(1994);Brysonら、Eur.J.P
harmacol.225:119−127(1992)。
【0025】 本発明の特に目的である活性AI、AI類似体、AI断片、およびその類似体
、AII類似体、AII断片、およびその類似体は、 一般式I R−R−R−R−R−R−R−R [式中、 RおよびRは共に、式 X−R−R− で示される基を形成し、 ここで、XはHまたは1−3個のペプチド基であり、 Rは、Asp、Glu、Asn、Acpc(1−アミノシクロペンタンカルボ
ン酸)、Ala、MeGly、Pro、Bet、Glu(NH)、Gly、
Asp(NH)、およびSucから適切に選択され、 Rは、Arg、Lys、Ala、Orn、Ser(Ac)、Sar、D−Ar
g、およびD−Lysから適切に選択され; Rは、Val、Ala、Leu、ノルLeu、Ile、Gly、Pro、Ai
b、Acpc、Lys、およびTyrからなる群から選択され; Rは、Tyr、Tyr(PO、Thr、Ser、ホモSer、Ala、
およびアザTyrからなる群から選択され; Rは、Ile、Ala、Leu、ノルLeu、Val、およびGlyからなる
群から選択され; Rは、His、Arg、または6−NH−Pheであり; Rは、Pro、またはAlaであり;および Rは、Phe、Phe(Br)、Ile、およびTyrからなる群から選択さ
れ、末端Tyr基のようにRを含む配列を除外する] で示される配列のR−R基の少なくとも3つ連続したアミノ酸からなる配列
を含む特徴を有する。
【0026】 本発明の実施に有用なAT2アゴニストのカテゴリー内に該当する化合物は、
がp−NH−Pheであるという制限を課した上記で示したAII類似体
を含む。ペプチド剤に加えて、必須のAT2アゴニスト活性を有する様々な非ペ
プチド剤(例えば、ペプチドミメティック)が、さらに本発明での利用に考えら
れる。
【0027】 RおよびRに特に好ましい組合せは、Asp−Arg、Asp−Lys、
Glu−Arg、およびGlu−Lysである。このクラスの特に好ましい実施
形態は以下を含む:AII、AIII、またはAII(2−8)、Arg−Va
l−Tyr−Ile−His−Pro−Phe[配列番号2];AII(3−8 )、これはデス1−AIIIまたはAIVとしても知られる、Val−Tyr−
Ile−His−Pro−Phe[配列番号3];AII(1−7)、Asp−
Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro[配列番号4];AII(2
−7)、Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro[配列番号5];A
II(3−7)、Val−Tyr−Ile−His−Pro[配列番号6];A
II(5−8)、Ile−His−Pro−Phe[配列番号7];AII(1
−6)、Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His[配列番号8];A
II(1−5)、Asp−Arg−Val−Tyr−Ile[配列番号9];A
II(1−4)、Asp−Arg−Val−Tyr[配列番号10];およびA
II(1−3)、Asp−Arg−Val[配列番号11]。他の好ましい実施
形態は:Arg−ノルLeu−Tyr−Ile−His−Pro−Phe[配列
番号12]、およびArg−Val−Tyr−ノルLeu−His−Pro−P
he[配列番号13]を含む。本発明の範囲内に包含されるさらに別の好ましい
実施形態は、配列Asp−Arg−Pro−Tyr−Ile−His−Pro−
Phe[配列番号31]を有するペプチドである。AII(6−8)、His−
Pro−Phe[配列番号14]、およびAII(4−8)、Tyr−Ile−
His−Pro−Phe[配列番号15]も試験し、効果のないことが判明した
【0028】 別の好ましい実施形態において、本発明は、一般式: R1−ARG−VAL−TYR−R2−HIS−PRO−R3 [式中、 R1は、HまたはAspからなる群から選択され; R2は、Ile、Val、Leu、ノルLeu、およびAlaからなる群から選
択され、 R3は、PheまたはHである] からなる配列を含む、増殖または分化を促進するのに十分な量の少なくとも1つ
の活性剤を神経細胞に接触させることを含む、神経細胞の増殖または分化を促進
する方法を提供する。
【0029】 最も好ましい実施形態では、活性剤は、配列番号1、配列番号2、配列番号4
、配列番号13、配列番号18、配列番号19、配列番号26、および配列番号
34からなる群から選択される。
【0030】 本発明の特に目的である別のクラスの化合物は、一般式II R−R−R−R−R−R−R [式中、 Rは、H、Arg、Lys、Ala、Orn、Ser(Ac)、Sar、D−
Arg、およびD−Lysからなる群から選択され; Rは、Val、Ala、Leu、ノルLeu、Ile、Gly、Pro、Ai
b、Acpc、およびTyrからなる群から選択され; Rは、Tyr、Tyr(PO、Thr、Ser、ホモSer、およびア
ザTyrからなる群から選択され; Rは、Ile、Ala、Leu、ノルLeu、Val、およびGlyからなる
群から選択され; Rは、His、Arg、または6−NH−Pheであり; Rは、Pro、またはAlaであり;および Rは、Phe、Phe(Br)、Ile、およびTyrからなる群から選択さ
れる] で示される化合物である。
【0031】 一般式IIの化合物に特に好ましいサブクラスは、式、 R−R−Tyr−R−His−Pro−Phe[配列番号16] [式中、 R、R、およびRは、前記で定義した通りである] を有する。特に好ましいのは、式Arg−Val−Tyr−Ile−His−P
ro−Phe[配列番号2]のアンギオテンシンIIIである。他の好ましい化
合物は、構造Arg−Val−Tyr−Gly−His−Pro−Phe[配列
番号17]、およびArg−Val−Tyr−Ala−His−Pro−Phe
[配列番号18]を有するペプチドを含む。断片AII(4−8)は反復試験で
効果がなく;これはN末端に露出したチロシンに起因すると信じられている。
【0032】 上記の式において、アミノ酸残基について標準的な3文字略称を使用する。反
対に表記してない場合、L型のアミノ酸を意図する。他の残基は以下のように略
する:
【表1】 AIIおよびその類似体は、γまたはβターンのいずれかをとることが示唆さ
れている(Regoliら、Pharmacological Reviews
26:69(1974)。一般に、R、R、およびR位の中性側鎖は、
受容体への結合および/または固有活性に主に関与するR、R、およびR 位の活性基の間における適切な距離の維持に関与し得る。R、R、およびR 位の疎水性側鎖は、ペプチド全体のコンフォメーションに重要な役割を果たし
得、および/または、仮定上の疎水性ポケットの形成に寄与し得る。
【0033】 R位のアミノ酸上の適切な側鎖は、標的受容体に対する化合物の親和性に寄
与し得、および/または、ペプチドのコンフォメーションに重要な役割を果たし
得る。この理由から、ArgおよびLysは、Rとして特に好ましい。
【0034】 本発明の目的において、Rは、R(γターンモデルにおいて)またはR (βターンモデルにおいて)との線形または非線形水素結合の形成に関与し得る
。Rはまた、β逆平行構造(これも可能な構造として提唱されている)の最初
のターンに関与する。一般式Iの他の位置とは対照的に、βおよびγ分枝は、こ
の位置で等しく効果的であるようである。さらに、比較的安定なコンフォメーシ
ョンを維持するには1つの水素結合で十分であり得る。したがって、Rは、V
al、Ala、Leu、ノルLeu、Ile、Gly、Pro、Aib、Acp
c、およびTyrから適切に選択され得る。他の好ましい実施形態において、R 3 はLysである。
【0035】 Rに関して、コンフォメーション解析により、この位置(並びにRおよび
)そ側鎖は、受容体の占有および刺激に不可欠であると信じられている疎水
性クラスターに寄与することが示唆された。したがって、Rは、好ましくは、
Tyr、Thr、Tyr(PO、ホモSer、Ser、およびアザTyr
から選択される。フェノール性ヒドロキシルからの水素を受用できる受容体部位
と水素結合を形成し得るため、この位置にはTyrが特に好ましい(Regol
iら、(1974)、上記)。さらに好ましい実施形態において、RはAla
である。
【0036】 R位には、β脂肪族または脂環式鎖を有するアミノ酸が特に好ましい。それ
ゆえ、GlyがR位に適切であるが、この位置のアミノ酸は、Ile、Ala
、Leu、ノルLeu、Gly、およびValから選択することが好ましい。
【0037】 本発明の特に目的であるAI、AI類似体、AI断片、およびその類似体、A
II、AII類似体、断片、および断片の類似体において、Rは、His、A
rg、または6−HN−Pheである。ヒスチジンのイミダゾール環の独特な
特性(例えば、生理学的pHでのイオン化、プロトンドナーまたはアクセプター
として作用可能であること、芳香族的特徴)は、Rとしてのその特定の有用性
に寄与すると信じられている。例えば、コンフォメーションモデルにより、Hi
sは、Rの配向に影響を与えることにより、水素結合形成(βモデルにおいて
)または逆平行構造の第2ターンに関与し得ることが示唆される。同様に、R は、Rの最も好ましい配向を提供するためにProであるべきと現在考えられ
ている。R位において、疎水性環およびアニオン性カルボキシル末端は両方と
も、目的の類似体の受容体への結合に特に有用であるようであり;それゆえ、T
yrおよび特にPheが本発明の目的に好ましい。
【0038】 特に目的である類似体は以下を含む:
【表2】 本発明のポリペプチドは、J.M.StewartとJ.D.Young、固
相ペプチド合成、第2版、Pierce Chemical.Co.、ロックフ
ォード、イリノイ(1984)、および固相合成のためのJ.Meienhof
er、ホルモン性タンパク質とペプチド、第2巻、Academic Pres
s、ニューヨーク、(1973)、および溶液合成のためのE.Schrode
rとK.Lubke、ペプチド、第1巻、Academic Press、ニュ
ーヨーク、(1965)に述べらた方法等の方法により合成され得る。
【0039】 一般に、これらの方法は、成長ペプチド鎖への保護アミノ酸の連続的添加を含
む(米国特許第5,693,616号、そのまま参考として本明細書に組込む)
。普通、最初のアミノ酸のアミノまたはカルボキシル基および任意の反応性側鎖
基を保護する。この保護されたアミノ酸を、次いで、不活性固体支持体に付着さ
せるか、または溶液中で使用し、配列における次のアミノ酸(これも適切に保護
する)を、アミド連鎖の形成を受けやすい条件下で加える。すべての所望のアミ
ノ酸を適切な配列で連結させた後、保護基および任意の固体支持体を除去すると
、粗ポリペプチド鎖が得られる。ポリペプチドを脱塩し、好ましくはクロマトグ
ラフィーにより精製すると、最終生成物が得られる。
【0040】 本発明の1つの実施形態において、アンギオテンシノーゲン、AI、AI類似
体、AI断片、およびその類似体、AII類似体、AII断片、またはその類似
体、またはAII AT 2型受容体アゴニスト(「活性剤」)への曝露によ
り、in vivo、in vitro、およびex vivoで神経細胞幹細
胞および前駆細胞の増殖を増加させる方法が開示される。神経細胞幹細胞および
前駆細胞の単離、精製、in vitro/ex vivo増殖、およびin
vitro動員の実験条件が報告されている(Frederiksenら、19
88;ReynoldsとWeiss、1992;Grittiら、1996;
Vicario−Abejonら、1995;Joheら、1996;Crai
gら、1996;Sohonenら、Nature 383:624−627、
1996、およびTontschら、1994)。
【0041】 増殖は、当分野で既知の様々な技術のいずれかを利用して定量され得り、ブロ
モデオキシウリジンの取り込み(Vicario−Abejonら、1995)
H−チミジンの取り込み(Fredericksenら、1988)、ある
いは非増殖細胞と比べて増殖細胞において高い濃度で存在するタンパク質の抗体
標識を含むがこれに限定されない。好ましい実施形態において、神経細胞幹細胞
および前駆細胞の増殖は、非増殖細胞と比べて増殖細胞において高い濃度で存在
すると知られているタンパク質に対する抗体への反応性により評価され、増殖細
胞核抗原(PCNA、またはサイクリン;Zymed Laboratorie
s、サウスサンフランシスコ、カリフォルニア)を含むがこれに限定されない。
【0042】 1つの実施形態において、神経細胞は標準の方法にしたがって初期細胞集団か
ら単離し(Jirikowskiら、1984;RaynoldsとWeiss
、1992;Joheら、1996;Grittiら、1996;Vicari
o−Abejonら、1995;Kordowerら、1995;Nauert
とFreeman、Cell Transplant 3:147−151、1
994;FreemanとKordower、In:Linvallら、eds
.Intracerebral Transplantation in Mo
vement Disorders.ニューヨーク:Elsevier Sci
ence、163−170、1991)、細胞培地に懸濁し、好ましくは約0.
1ng/mlないし約10mg/mlの本発明の活性剤存在下でインキュベート
する。該細胞を8ないし21日間拡大し、細胞増殖を上記したように評価する。
【0043】 好ましい実施形態において、神経細胞幹細胞および前駆細胞は、成体ラット哺
乳動物前脳あるいはラット胚性海馬から単離された初期細胞から単離する(Jo
heら、1996)。機械的粉砕あるいはハンクス緩衝食塩液(HBSS)中で
細かくした組織をインキュベートすることにより、細胞集団を解離する。細胞を
遠心分離により回収し、ダルベッコ修飾イーグル培地(DMEM)/F12、グ
ルコース、グルタミン、炭酸水素ナトリウム、25μg/mlインシュリン、1
00μg/mlヒトアポトランスフェリン、20nmプロゲステロン、100μ
mプトレシン、30nm亜セレン酸ナトリウム(pH7.2)、10ng/ml
組換え体塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF;R&D.Inc)を含む、無血
清培地に再懸濁する(Johe、1996)。細胞を、当分野で既知のように、
細胞接着因子で予めコーティングした組織培養プレートにプレーティングする。
BFGFは毎日添加し、2日ごとに培地を交換する。細胞は、HBSSで少しイ
ンキュベートし、セルスクレーパーで剥がすことにより、50%コンフルエンス
で継代する。
【0044】 別に、神経細胞幹細胞および前駆細胞は、抗体を介した細胞捕獲により解離細
胞集団から単離される(「パニング」;Barresら、Cell 70:31
−46、1992)。神経細胞幹細胞および前駆細胞を単離するのに利用される
抗体は、ネスチン抗体を含むがこれに限定されない(Vicario−Abej
onら、1995)。次に、細胞を上記のように処理する。
【0045】 上記のように活性剤に曝露した神経細胞幹細胞および前駆細胞は、パーキンソ
ン病、アルツハイマー病、および筋萎縮性側索硬化症を含むがこれに限定されな
い病気を治療するため、神経細胞代償療法に利用され得る。細胞は、上記のよう
にin vitroまたはex vivoで培養する。細胞をリンスして培養液
をすべて除去し、適切な培地に再懸濁し、その後ペレット化し、数回リンスする
。最後のリンスの後、細胞を0.7×10ないし50×10細胞/mlで適
切な培地に再懸濁し、以前に述べられた方法にしたがって移植に利用する(Ko
rdowerら、1995;Freedら、N.Engl.J.Med.327
:1549−1555、1992;Ann.Neurol.31:155−16
5、1992;Peschanskiら、Brain 117:487−499
、1994;Spencerら、N.Engl.J.Med.327:1541
−1548、1992;Hendersonら、Arch.Neurol.48
:822−827、1992;Hitchcockら、Exp.Neurol.
129:3、1994;Lindvallら、Science 247:574
−577、1990;Widnerら、N.Engl.J.Med.327:1
556−1563、1992;Bankiewiczら、J.Neurosur
g.72:231−244、1990;Kordowerら、Ann.Neur
ol.29:405−412、1991)。
【0046】 好ましい実施形態において、移植後にグリア細胞株由来神経栄養因子(GDN
F;Beckら、Nature 373:339−341、1995;Toma
cら、Nature 373:335−339、1995)を含むがこれに限定
されない治療タンパク質を発現するために、移植に利用される神経細胞幹細胞お
よび前駆細胞に発現ベクターを形質移入する。
【0047】 本発明のさらなる態様において、神経細胞幹細胞および前駆細胞に対する活性
剤の効果は、遺伝子発現、表現型、形態の変化を検査することにより、あるいは
完全に分化した細胞から幹細胞および/または前駆細胞を区別するいずれかの他
の方法により評価する。それに対する抗体が得られるそのような分化マーカーの
例には、神経細胞特異的微小管関連タンパク質2(MAP2;Vicario−
Abejonら、1995;抗体はベーリンガーマンハイム、ドイツから入手可
能)、アストログリア特異的グリア繊維酸性タンパク質(GFAP;Vicar
io−Abejonら、1995;抗体はIncstarから入手可能)、神経
細胞特異的τタンパク質(Joheら、1996;抗体はシグマ、セントルイス
、ミズーリから入手可能)、ニューロフィラメントLおよびM(Joheら、1
996;抗体はベーリンガーマンハイムから入手可能)、およびオリゴデンドロ
サイト特異的O4およびガラクトセレブロシド(GalC;Joheら、199
6)が含まれるがこれに限定されない。すべてのこれら分化特異的マーカーのD
NA配列が知られており、よって、分化マーカーの遺伝子発現を評価するPCR
増幅および/またはハイブリダイゼーション研究が、当分野で標準の方法にした
がって実施可能である(Joheら、1996)。
【0048】 好ましい実施形態において、神経細胞幹細胞および前駆細胞は、上記のように
単離し培養する。該細胞に、bFGF非存在化の無血清培地で上記のように活性
剤を作用させ、分化を開始する。上記した抗体を利用して、様々な時点で分化特
異的マーカーの免疫検出することにより、分化を評価する(Joheら、199
6)。別に、神経突起の成長を測定することにより、分化を形態学的に評価する
【0049】 本発明の別の態様では、活性剤はin vivoでの神経細胞幹細胞および前
駆細胞の増殖を増加させるのに使用される。神経細胞幹細胞および前駆細胞の増
殖増加に使用するために、活性剤は、経口、非経口、吸入スプレー、経直腸、ま
たは局所を含む適切な経路により、慣用的な医薬的に許容される担体、アジュバ
ント、および賦形剤を含む投薬単位製剤で投与し得る。本明細書で使用した非経
口なる語は、皮下、静脈内、動脈内、脳室内、筋肉内、胸骨内、腱内、脊髄内、
頭蓋内、胸腔内、注入技術、または腹腔内を含む。
【0050】 活性剤は、固体形(顆粒、粉末、または坐剤を含む)または液体形(例えば、
溶液、懸濁液、またはエマルジョン)に製造され得、滅菌等の慣用的な医薬的操
作にかけ得、および/または保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤等の慣用
的なアジュバントを含み得る。
【0051】 活性剤は単一の活性な医薬として投与することができるが、それらは1つ以上
の他の化合物と組み合わせて使用することもできる。組み合わせとして投与する
場合、活性剤および他の化合物は、同じまたは異なる時間に投与する別々の組成
物として製剤化できるか、またあ活性剤および他の化合物は単一の組成物として
投与できる。
【0052】 投与用に、活性剤は、通常、指示された投与経路に適切な1つ以上のアジュバ
ントと組み合わせる。該化合物は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、ア
ルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシ
ウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、
アカシア、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、および/
またはポリビニルアルコールと混合し得、および慣用的な投与用に錠剤化または
カプセル化し得る。別に、本発明の化合物は、食塩水、水、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースコロイド状溶液、エ
タノール、コーン油、落花生油、綿実油、ゴマ油、トラガカントゴム、および/
または様々な緩衝液に溶解し得る。他のアジュバントおよび投与形態も、医薬分
野で既知である。担体または希釈剤は、モノステアリン酸グリセリルまたはジス
テアリン酸グリセリル等の時間遅延物質を、単独で、またはワックスまたは当分
野で既知の他の物質と共に含み得る。
【0053】 局所的に適切な製剤は、皮膚の透過に適切な液体または半液体製剤(例えば、
リニメント、ローション、軟膏、クリーム、またはペースト)、および眼、耳、
または鼻への投与に適した液剤を含む。
【0054】 本発明の活性剤を用いて神経細胞幹細胞および前駆細胞のin vivo増殖
または分化を増加させる投与計画は、損傷の型、年齢、体重、性、個体の医学的
状態、状態の重度、投与経路、および使用する特定の化合物を含む、様々な因子
に基づく。したがって、投与計画は様々に変化し得るが、標準的な方法を使用し
て医者により日常的に決定できる。約0.1ng/kgないし約10mg/kg
のアンギオテンシノーゲン、AI、AI類似体、AI断片、およびその類似体、
AII、AII類似体、AII断片、およびその類似体、および/またはAII
AT2型受容体アゴニスト/体重の次元の用量レベルが、本明細書で開示し
た使用の全方法に有用である。
【0055】 本発明の好ましい実施形態において、活性剤は、Craigら、J.of N
euroscience 16:2649−2658(1996)に記載されて
いるように、注入位置に埋め込まれた30ゲージのカニューレに接続した浸透圧
ポンプ(Alza Palo Alto、カリフォルニア)を利用して、哺乳動
物脳側脳室へ片側直接注入することにより投与する。活性剤の活性成分の適切な
注入用量は、好ましくは、1日2回、約0.1ng/kgないし約10mg/k
gの投与である。活性成分は、0.001%〜10%w/w、例えば、1重量%
〜2重量%の製剤を含み得るが、10%w/wという多くを含んでもよい。しか
し、好ましくは5%w/w以下、より好ましくは0.1%〜1%の製剤を含み得
る。
【0056】 本発明の別の実施形態において、改良培養培地が神経細胞の増殖および分化の
ために提供され、ここで改良は、有効量の上記の活性剤を細胞培養培地に添加す
ることを含む。神経細胞幹細胞および前駆細胞の成長を支持できる任意の細胞培
養培地を、本発明に使用できる。かかる細胞培養培地は、基礎培地イーグル、ダ
ルベッコ修飾イーグル培地、イスコーブ(Iscove)修飾ダルベッコ培地、
マックコイ(McCoy)培地、最小必須培地、F−10栄養混合物、Opti
−MEM(登録商標)減少血清培地、RPMI培地、およびマクロファージ−S
FM培地、またはその組み合わせを含むがこれに限定されない。
【0057】 改良培養培地は、濃縮(すなわち10×)または非濃縮形で供給され得、液体
、粉末、または凍結乾燥物として供給され得る。細胞培養物は、化学的に定めら
れ得るか、または血清補充を含み得る。培養培地は、ギブコBRL(ガイザーズ
バーグ、メリーランド)およびシグマ(セントルイス、ミズーリ)等の多くの源
から市販で入手可能である。
【0058】 さらなる態様において、本発明は、神経細胞幹細胞および前駆細胞の増殖のた
めのキットを提供するものであって、該キットは有効量の本発明の活性剤を含む
【0059】 好ましい実施形態において、該キットは、さらに細胞培養増殖培地を含む。神
経細胞幹細胞および前駆細胞の増殖を支持できる任意の細胞培養培地を、本発明
で使用できる。かかる細胞培養培地の例は、上記している。
【0060】 改良細胞培養培地は、濃縮(すなわち10×)または非濃縮形で供給され得、
液体、粉末、または凍結乾燥物として供給され得る。細胞培養物は、化学的に定
められ得るか、または血清補充を含み得る。
【0061】 別の好ましい実施形態において、該キットは、さらに無菌容器を含む。該無菌
容器は、細胞培養フラスコ、ローラーボトル、または遠心チューブ等の封入容器
、または細胞培養プレートまたはマイクロタイタープレート(ヌンク;Nape
rville、イリノイ)等の封入のない容器を含むことができる。
【0062】 さらなる好ましい実施形態において、該キットは、さらに、戻した細胞増殖培
地に包含させるための抗生物質補充を含む。適切な抗生物質補充の例は、アクチ
ノマイシンD、フンジゾン(登録商標)、カナマイシン、ネオマイシン、ナイス
タチン、ペニシリン、ストレプトマイシン、またはその組み合わせ(ギブコ)を
含むがこれに限定されない。
【0063】 本発明は、添付の実施例を参照してより良く理解され、これは説明の目的のみ
のためであり、添付の特許請求の範囲に定義されるような本発明の範囲を制限す
るものと解釈するべきではない。
【0064】実施例1 正常ヒト神経細胞前駆細胞の増殖および分化に対するAIIの効果 正常ヒト前駆細胞はClonetics(サンディエゴ、カリフォルニア)か
ら購入し、神経前駆細胞維持培地(NPMM)(ヒト組換え体線維芽細胞成長因
子β、ヒト組換え体上皮成長因子、神経生存因子、ゲンタマイシン、およびアン
ホテリシンBを含む、神経細胞前駆細胞基礎培地)で培養した。細胞を融解し、
NPMMで希釈し、75cmフラスコで24時間培養した。細胞は、分化を評
価する研究を実施するまで、脱分化した球状体で培養した。接着と分化を可能に
する培養基質上に細胞を置く前に(後述)、1、10、または100μg/ml
AII存在下の懸濁培養で4〜7日間培養した時点で、分化可能な細胞数の増
加(すなわち、増殖)を観察した(表1)。
【0065】
【表3】 分化の評価 神経細胞の分化を評価するため、ホウ酸緩衝液中の0.05%ポリエチレンイ
ミン(PEI)基質でコーティングしたウェルに、細胞を播種した。0.05m
lのこの溶液で、96ウェルプレートのウェルを、室温にて一晩コーティングし
た。インキュベート後、吸引によりこの基質を除去し、滅菌水でリンスし、細胞
を播種する前に乾燥させた。
【0066】 AII存在下で4〜7日間細胞を培養した後(増殖を評価するため)、細胞を
洗浄し、分化を評価するためにPEIコーティングしたウェルにプレーティング
した。プレーティングから4日後、神経突起の成長によって評価することにより
、分化している細胞数を測定した(表1を参照)。
【0067】 さらなる研究において、神経細胞前駆細胞の分化に対するAIIの効果を評価
した。PEI基質への接着後、細胞は増殖を止めて分化および神経突起の成長を
起こす。様々な濃度のAII存在下または非存在下で、各ウェルに1,000個
の細胞をプレーティングした。培養開始から4および7日後、分化している細胞
の神経突起のサイズ(接眼ミクロメーターでの測定による)、および分化してい
る細胞数を評価した。AII存在下での細胞の培養では、神経突起の成長の比率
が増加し(図1を参照)、分化している細胞数はおよそ50%増加した(データ
は示さず)。
【0068】 これらの研究から、AIIへの曝露が、正常ヒト神経細胞前駆細胞の増殖およ
び分化を促進することが示される。
【0069】実施例2 正常ヒト神経前駆細胞の増殖に対するAII、AII(1−7)、お
よびAla4−AIIIの効果 正常ヒト前駆細胞はClonetics(サンディエゴ、カリフォルニア)か
ら購入し、神経細胞前駆細胞維持培地(NPMM)(ヒト組換え体線維芽細胞成
長因子β、ヒト組換え体上皮成長因子、神経生存因子、ゲンタマイシン、および
アンホテリシンBを含む、神経細胞前駆細胞基礎培地)で培養した。細胞を融解
し、NPMMで希釈し、75cmフラスコで24時間培養した。分化を評価す
る研究を実施するまで、細胞は脱分化した球状体で培養した。接着を可能にする
コラーゲンコーティングしたプレートに細胞を置く前に、10μg/ml AI
I[配列番号1]、AII(1−7)[配列番号4]、またはAla4−AII
I[配列番号18]の存在下の懸濁培養で細胞を培養した時点で、分化可能な細
胞数の増加を観察した(図2)。ウェル中のヒト神経前駆細胞は数の増加は、A
II存在下で300%、Ala4−AIII存在下で175%、AII(1−7
)存在下で100%である一方、コントロールウェルではたったの33%であっ
た。これらの研究により、これらのペプチドが正常ヒト神経細胞前駆細胞の増殖
を促進することが示される。
【0070】 本発明は、神経細胞の増殖を促進する方法を提供することにより、神経細胞幹
細胞および前駆細胞の移植の臨床的利点を大きく増大するであろう。様々な神経
細胞型に分化可能な幹細胞をより多く供給するであろう神経細胞幹細胞の「自己
複製」の増加、および適切な位置で神経細胞前駆細胞および分化した細胞をより
多く供給するであろう分化を伴う増殖のどちらとも、真実である。同様に、神経
細胞幹細胞、前駆細胞、および分化した細胞のin vivo増殖を増加する方
法は、パーキンソン病、アルツハイマー病、および筋萎縮性側索硬化症を含む多
くの神経変性病を治療する上で、有益である。
【0071】 本発明の方法は、形質移入に用いるそのような細胞をより効率的に多数供給す
ることにより、また、形質移入した神経細胞幹細胞および前駆細胞を迅速に拡大
するより効率的な方法を提供することにより、中枢および末梢神経系の病気にお
ける遺伝子治療の媒介としての、神経細胞幹細胞および前駆細胞の可能性ある有
用性も増大させる。
【0072】 本発明は、前記の特定の好ましい実施形態により限定されない。様々な変更を
、本発明の概念から逸脱することなく、開示された好ましい実施形態に施し得る
ことは、当業者に理解されるであろう。すべてのかかる変更は、本発明の範囲に
ある。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒト神経細胞前駆細胞の神経突起成長に対するAIIの効果。
【図2】 正常ヒト神経前駆細胞の増殖に対するAII、AII(1−7)、およびAl
a4−AIIIの効果。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 5/00 B (72)発明者 ディゼレガ、 ギーア アメリカ合衆国 91106 カリフォルニア 州 パサデナ ヒルクレスト アヴェニュ ー 1270 Fターム(参考) 4B065 AA93X BB19 BB34 CA44 CA46 4C084 AA02 BA01 BA15 BA16 BA17 BA18 DB59 ZA012 4H045 AA10 BA12 BA15 BA17 CA40 DA01 EA20 EA50 FA74

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 神経細胞の増殖または分化を促進する方法であって、 一般式I R−R−R−R−R−R−R−R [式中、 RおよびRは共に、式 X−R−R− で示される基を形成し、 ここで、XはHまたは1〜3個のペプチド基であり、 Rは、Asp、Glu、Asn、Acpc、Ala、MeGly、Pro、
    Bet、Glu(NH)、Gly、Asp(NH)、およびSucから選択
    され; Rは、Arg、Lys、Ala、Orn、Ser(Ac)、Sar、D−Ar
    g、およびD−Lysから選択され; Rは、Val、Ala、Leu、ノルLeu、Ile、Gly、Pro、Ai
    b、Acpc、Lys、およびTyrからなる群から選択され; Rは、Tyr、Tyr(PO、Thr、Ser、ホモSer、Ala、
    およびアザTyrからなる群から選択され; Rは、Ile、Ala、Leu、ノルLeu、Val、およびGlyからなる
    群から選択され; Rは、His、Arg、または6−NH−Pheであり; Rは、Pro、またはAlaであり;および Rは、Phe、Phe(Br)、Ile、およびTyrからなる群から選択さ
    れ、末端Tyr基のようにRを含む配列を除外する] で示される配列のR−R基の少なくとも3つ連続したアミノ酸からなる配列
    を含む、少なくとも1つの活性剤の、増殖または分化を促進するのに有効な量と
    、神経細胞を接触させることを含む、上記方法。
  2. 【請求項2】 活性剤が、アンギオテンシノーゲン、配列番号1、配列番号2、
    配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、
    配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列
    番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番
    号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号
    26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号3
    1、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36
    、および配列番号37からなる群から選択される、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 活性剤が、配列番号1、配列番号4、または配列番号18である
    、請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 活性剤の濃度が、約0.1ng/kgないし約10.0mg/k
    gである、請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 神経細胞の増殖または分化促進のための改良細胞培養培地であっ
    て、改良は、一般式I R−R−R−R−R−R−R−R [式中、 RおよびRは共に、式 X−R−R− で示される基を形成し、 ここで、XはHまたは1−3個のペプチド基であり、 Rは、Asp、Glu、Asn、Acpc、Ala、MeGly、Pro、
    Bet、Glu(NH)、Gly、Asp(NH)、およびSucから選択
    され; Rは、Arg、Lys、Ala、Orn、Ser(Ac)、Sar、D−Ar
    g、およびD−Lysから選択され; Rは、Val、Ala、Leu、ノルLeu、Ile、Gly、Pro、Ai
    b、Acpc、Lys、およびTyrからなる群から選択され; Rは、Tyr、Tyr(PO、Thr、Ser、ホモSer、Ala、
    およびアザTyrからなる群から選択され; Rは、Ile、Ala、Leu、ノルLeu、Val、およびGlyからなる
    群から選択され; Rは、His、Arg、または6−NH−Pheであり; Rは、Pro、またはAlaであり;および Rは、Phe、Phe(Br)、Ile、およびTyrからなる群から選択さ
    れ、末端Tyr基のようにRを含む配列を除外する] で示される配列のR−R基の少なくとも3つ連続したアミノ酸からなる配列
    を含む、少なくとも1つの活性剤の、神経細胞の増殖または分化を促進するのに
    有効な量を、細胞培養培地に添加することを含む、上記改良細胞培養培地。
  6. 【請求項6】 活性剤が、アンギオテンシノーゲン、配列番号1、配列番号2、
    配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、
    配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列
    番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番
    号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号
    26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号3
    1、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36
    、および配列番号37からなる群から選択される、請求項5の改良細胞培養培地
  7. 【請求項7】 活性剤が、配列番号1、配列番号4、または配列番号18である
    、請求項5の改良細胞培養培地。
  8. 【請求項8】 活性剤の濃度が、約0.1ng/kgないし約10.0mg/k
    gである、請求項5の改良細胞培養培地。
  9. 【請求項9】 神経細胞の増殖または分化を促進するキットであって、 (a)一般式I R−R−R−R−R−R−R−R [式中、 RおよびRは共に、式 X−R−R− で示される基を形成し、 ここで、XはHまたは1−3個のペプチド基であり、 Rは、Asp、Glu、Asn、Acpc、Ala、MeGly、Pro、
    Bet、Glu(NH)、Gly、Asp(NH)、およびSucから選択
    され; Rは、Arg、Lys、Ala、Orn、Ser(Ac)、Sar、D−Ar
    g、およびD−Lysから選択され; Rは、Val、Ala、Leu、ノルLeu、Ile、Gly、Pro、Ai
    b、Acpc、Lys、およびTyrからなる群から選択され; Rは、Tyr、Tyr(PO、Thr、Ser、ホモSer、Ala、
    およびアザTyrからなる群から選択され; Rは、Ile、Ala、Leu、ノルLeu、Val、およびGlyからなる
    群から選択され; Rは、His、Arg、または6−NH−Pheであり; Rは、Pro、またはAlaであり;および Rは、Phe、Phe(Br)、Ile、およびTyrからなる群から選択さ
    れ、末端Tyr基のようにRを含む配列を除外する] で示される配列のR−R基の少なくとも3つ連続したアミノ酸からなる配列
    を含む、少なくとも1つの活性剤の、神経細胞の増殖または分化を促進するのに
    有効な量;および (b)神経細胞の増殖または分化を促進するのに有効な量の活性剤を使用するた
    めの説明書を含む、上記キット。
  10. 【請求項10】 活性剤が、アンギオテンシノーゲン、配列番号1、配列番号2
    、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8
    、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配
    列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列
    番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番
    号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号
    31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号3
    6、および配列番号37からなる群から選択される、請求項9のキット。
  11. 【請求項11】 活性剤が、配列番号1、配列番号4、または配列番号18であ
    る、請求項9のキット。
  12. 【請求項12】 活性剤の濃度が、約0.1ng/kgないし約10.0mg/
    kgである、請求項9のキット。
  13. 【請求項13】 神経細胞の増殖または分化を促進する方法であって、 以下の一般式: R1−ARG−VAL−TYR−R2−HIS−PRO−R3 [式中、 R1は、HまたはAspからなる群から選択され; R2は、Ile、Val、Leu、ノルLeu、およびAlaからなる群から選
    択され、 R3は、PheまたはHである] からなる配列を含む、少なくとも1つの活性剤の、増殖または分化を促進するの
    に有効な量と、神経細胞を接触させることを含む、上記方法。
  14. 【請求項14】活性剤が、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号13
    、配列番号18、配列番号19、配列番号26、および配列番号34からなる群
    から選択される、請求項13の方法。
  15. 【請求項15】 活性剤の濃度が、約0.1ng/kgないし約10.0mg/
    kgである、請求項13の方法。
  16. 【請求項16】 神経細胞の増殖または分化促進のための改良細胞培養培地であ
    って、改良は、一般式I R1−ARG−VAL−TYR−R2−HIS−PRO−R3 [式中、 R1は、HまたはAspからなる群から選択され; R2は、Ile、Val、Leu、ノルLeu、およびAlaからなる群から選
    択され、 R3は、PheまたはHである] からなる配列を含む、少なくとも1つの活性剤の、神経細胞の増殖または分化を
    促進するのに有効な量を、細胞培養培地に添加することを含む、上記改良細胞培
    養培地。
  17. 【請求項17】 活性剤が、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号1
    3、配列番号18、配列番号19、配列番号26、および配列番号34からなる
    群から選択される、請求項16の改良細胞培養培地。
  18. 【請求項18】 活性剤の濃度が、約0.1ng/kgないし約10.0mg/
    kgである、請求項16の改良細胞培養培地。
  19. 【請求項19】 神経細胞の増殖または分化を促進するキットであって、 (a)一般式 R1−ARG−VAL−TYR−R2−HIS−PRO−R3 [式中、 R1は、HまたはAspからなる群から選択され; R2は、Ile、Val、Leu、ノルLeu、およびAlaからなる群から選
    択され、 R3は、PheまたはHである] からなる配列を含む、少なくとも1つの活性剤の、神経細胞の増殖または分化を
    促進するのに有効な量;および (b)神経細胞の増殖または分化を促進するのに有効な量の活性剤を使用するた
    めの説明書を含む、上記キット。
  20. 【請求項20】 活性剤が、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号1
    3、配列番号18、配列番号19、配列番号26、および配列番号34からなる
    群から選択される、請求項18のキット。
  21. 【請求項21】 活性剤の濃度が、約0.1ng/kgないし約10.0mg/
    kgである、請求項18のキット。
JP2000532137A 1998-02-19 1999-02-19 神経細胞の細胞増殖および分化を促進する方法 Pending JP2002503702A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US7523298P 1998-02-19 1998-02-19
US60/075,232 1998-02-19
PCT/US1999/003772 WO1999042123A1 (en) 1998-02-19 1999-02-19 Method of promoting neuronal cell proliferation and diffrentiation

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002503702A true JP2002503702A (ja) 2002-02-05

Family

ID=22124390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000532137A Pending JP2002503702A (ja) 1998-02-19 1999-02-19 神経細胞の細胞増殖および分化を促進する方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1054684A1 (ja)
JP (1) JP2002503702A (ja)
AU (1) AU750029B2 (ja)
CA (1) CA2321164A1 (ja)
WO (1) WO1999042123A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015509914A (ja) * 2011-12-23 2015-04-02 メディカル リサーチ カウンシル 選択的gpcrリガンド

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6730775B1 (en) 1999-03-23 2004-05-04 University Of Southern California Methods for limiting scar and adhesion formation
US6747008B1 (en) 2000-06-19 2004-06-08 University Of Southern California Methods for treating and preventing alopecia
AU2001271926A1 (en) * 2000-07-13 2002-01-30 University Of Southern California Methods for promoting dendritic cell proliferation or differentiation
WO2014021942A1 (en) * 2012-08-01 2014-02-06 University Of Southern California Methods for limiting development of neurodegeneration
RU2688163C2 (ru) 2013-03-15 2019-05-20 Юниверсити Оф Саузерн Калифорния Способы, соединения и композиции для лечения связанных с ангиотензином заболеваний
US9623084B2 (en) 2013-03-15 2017-04-18 University Of Southern California Methods for treating multiple sclerosis

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5015629A (en) * 1989-06-26 1991-05-14 University Of Southern California Tissue repair
US6335195B1 (en) * 1997-01-28 2002-01-01 Maret Corporation Method for promoting hematopoietic and mesenchymal cell proliferation and differentiation

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015509914A (ja) * 2011-12-23 2015-04-02 メディカル リサーチ カウンシル 選択的gpcrリガンド

Also Published As

Publication number Publication date
AU750029B2 (en) 2002-07-11
EP1054684A1 (en) 2000-11-29
CA2321164A1 (en) 1999-08-26
AU2779199A (en) 1999-09-06
WO1999042123A1 (en) 1999-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6335195B1 (en) Method for promoting hematopoietic and mesenchymal cell proliferation and differentiation
US6248587B1 (en) Method for promoting mesenchymal stem and lineage-specific cell proliferation
US7651853B2 (en) Cultures of GFAP+ nestin+ cells that differentiate to neurons
US6239109B1 (en) Method of promoting erythropoiesis
CA2310852A1 (en) Method for promoting hematopoietic and mesenchymal cell proliferation and differentiation
AU750029B2 (en) Method of promoting neuronal cell proliferation and diffrentiation
WO1999042122A1 (en) Method of promoting embryonic stem cell proliferation
Lieth et al. Neuronal‐glial interactions: Complexity of neurite outgrowth correlates with substrated adhesivity of serotonergic neurons
Sacerdote et al. Cloned microglial cells but not macrophages synthesize β‐endorphin in response to CRH activation
Fu et al. A simplified method for generating oligodendrocyte progenitor cells from neural precursor cells isolated from the E16 rat spinal cord
WO1999039743A2 (en) Method of promoting hepatic cell proliferation
MXPA00008071A (en) Method of promoting neuronal cell proliferation and diffrentiation
Worley et al. Non-neuronal cells of rat hypothalamus in dissociated cell culture: evidence that neurophysin modulates growth and DNA synthesis of non-neuronal cells
EP1410801A1 (en) Method for promoting hematopoietic cell proliferation and differentiation
MXPA00008070A (es) Metodo para promover la proliferacion de celulaspluripotenciales embrionicas
WO2004013315A1 (en) Method for the preparation, purification and differentiation of neurospheres from mammalian stem cells
MXPA00007509A (en) Method of promoting erythropoiesis

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040629