JP2002502174A - パンクチャー化した畳込み符号のビット誤り率を低下させるプリコード化技術 - Google Patents

パンクチャー化した畳込み符号のビット誤り率を低下させるプリコード化技術

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JP2002502174A JP2000529794A JP2000529794A JP2002502174A JP 2002502174 A JP2002502174 A JP 2002502174A JP 2000529794 A JP2000529794 A JP 2000529794A JP 2000529794 A JP2000529794 A JP 2000529794A JP 2002502174 A JP2002502174 A JP 2002502174A
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Abstract

(57)【要約】 チャンネルを通して情報信号を伝送/受信する誤り制御コード化システムであって、対応する複数のプリコーダ・マトリクスによって定義される複数のプリコーダと、第1の畳込み符号レートを有する生成マトリクスによって定義される畳込み符号を前記プリコード化した情報信号に適用するエンコーダと、対応する複数のパンクチャー化マトリクスによって定義される複数のパンクチャー化システムを含んで、前記チャネルを通して伝送されるパンクチャー化した情報信号を発生し、この際、前記選択プリコーダ・マトリクスを前記選択パンクチャー化マトリクスに合わせて、伝送されパンクチャー化した情報信号のビット誤り率を低下してなるパンクチャー化ブロックと、前記選択パンクチャー化マトリクスの逆マトリクスを伝送されパンクチャー化した情報信号に適用して、未パンクチャー化の情報信号を発生する逆パンクチャー化ブロックと、前記未パンクチャー化の情報信号を最大コード化シーケンス推定値にマッピングするデコーダと、前記生成マトリクスの逆マトリクスを前記最大コード化シーケンス推定値に適用して、未コード化の情報信号を発生するアンコーダと、前記選択プリコーダ・マトリクスの逆マトリクスを前記未コード化の情報信号に適用して、伝送される情報信号を発生する逆プリコーダ・ブロックとを備えたことを特徴とする前記システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の技術分野) 本発明はパンクチャー化した(punctured)畳込み符号化システムに
関し、特に、システムのビット誤り率(BER:bit error rate
)パフォーマンスを低減すべく、パンクチャー化畳込み符号化システムをプリコ
ード化することに関する。
【0002】 (発明の背景) 従来のコードは伝送の際に雑音、干渉等が付加されているデータをトライし保
護するのに誤り制御コードとして一般に使用される。畳込み符号化システムの背
景にある基礎的前提は、冗長性のあるまたは余分なビットがデータの雑音及び/
又は干渉に対する戦いを援助した状態で、情報を記述するのに必要とされるより
も多くのビットを送信することである。パフォーマンスは誤りの確率で測定され
、次式によって決定されるビット誤り率(BER:bit error rat
e)と一般に称されている。
【数1】
【0003】 容認可能なBERレベルは伝送中の情報の型式に応じて変化する。例えば、無
線チャネルを通して情報を出力する音声コーダは、音声を聴く電話の相手が伝送
される音声を容易に理解できる状態で、3%のBERに耐えることができる。
【0004】 誤り訂正畳込み符号化システムの設計は、期待すべき平均または最悪のチャネ
ル状態に適合する伝送すべきデータの保護要求に見合う或るレート及び訂正能力
を有する一定の畳込み符号を選択することから一般に構成される。この種の一定
の畳込み符号は一般にマザー畳込み符号として、または単にマザーコードとして
知られており、一般にエンコーダによってデータに適用される。畳込み符号・レ
ートは一般に式k/n(式中、kは一度にエンコーダが受け付ける入力ビットの
数であり、nは一度にエンコーダが生成する出力ビットの数であり、n>kであ
る)によって定義される。こうして、lビットの入力ブロックはln/kビット
(式中、lは大多数の任意の実際の損失無しでkの倍数であると仮定する)の出
力ブロックに帰着する。
【0005】 システムの受信端では、重畳デコーダは伝送される情報信号を受信し、どのコ
ードワードが最も起こり易いかを従来式に見積る。重畳デコーダの中で、ビタビ
・デコーダ(Viterbi decoder)が畳込み符号化システムに使用
されるのにポピュラーである。アンコーダ(uncoder:エンコーダの反対
)は伝送される情報信号になる受信した信号を効果的にアンコード化(unco
de)する。伝送される情報信号は、好ましくは許容可能なレベルかまたはこれ
を下回るレベルで、関連するビット誤り率(BER)を有することとなる。
【0006】 しかしながら、多くの場合、コード化レートには更なるフレキシビリティが望
まれる。何故ならば、伝送すべきデータは異なる誤り保護の必要性を有し得るか
らである。例えば、これに限定されるものではないが、音声、制御情報、データ
伝送等の、伝送すべき異なる型式の情報に対しては異なるコード化レートを利用
することが望ましい。
【0007】 実用上の目的のために、基礎的構造を変えること無く修正可能な1つのエンコ
ーダ及び1つのデコーダを利用することも望ましい。一般に、デコーダの複雑性
は主要な関心事である。何故ならば、このデコーダは一般にコード化システムの
受信機端で最も多くのメモリ空間を取るデコーダであるからである。コード化レ
ートのフレキシビリティ及びデコーダの簡易性の双方はパンクチャー化(pun
cturing)として一般に知られている技術によって達成することができる
【0008】 パンクチャー化は、より一般に知られているように或るコードビットを伝送す
るのではなく、コードをパンクチャー化することによって達成される。パンクチ
ャー化は実際に伝送されているコードビットの数の低減になると共に、最初のマ
ザー・コード・レートよりも高いコード化レートに帰着する。例えば、1/2レ
ートのマザー畳込み符号を利用するシステムにおいて、伝送中の情報の型式のた
めに、3/4のレート畳込み符号を利用して情報を伝送することが望ましい。し
かしながら、デコーダの簡易性を維持するために、1/2のレート畳込み符号用
のデコーダを利用することが望ましい。何故ならば、この種のデコーダは、レー
ト3/4コード用のデコーダに比して設計上より簡易的であり、動作上さ程複雑
ではないからである。複雑性がより低いということは電流がより小さくなり及び
/又はメモリ要求がより低減されることになる。1/2畳込み符号を実効的な3
/4の畳込み符号にパンクチャーすることによって、双方の必要性を満たすこと
ができる。
【0009】 前述した例においては、伝送すべき情報が、1/2のマザー・コードレートを
情報信号に適用するエンコーダに入力される。伝送すべき情報が100ビットに
含まれれば、200ビットがコード化信号としてエンコーダによって出力される
こととなる。コード化信号は次いで従来式にパンクチャー化されて、3/4の実
効的畳込み符号レートを有するパンクチャー化した信号を得るようになっている
。この例では、パンクチャー化によって200ビットのコード化信号がチャネル
間に伝送される133ビットのパンクチャー化信号に低減されて、3/4(10
0/133≒3/4)の実効畳込み符号レートを得るようになっている。パンク
チャー化は一般に技術上知られており、従って、200ビットのコード化信号を
133ビットのパンクチャー化信号に低減するのに利用されるパンクチャー化技
術に関する詳細な説明は必要ではない。
【0010】 受信機端では、1/2の畳込み符号レート用のデコーダは、デコーダの幾つか
のタップを従来式に閉じることによって、またはデコード化工程における幾つか
のステップを従来式にスキップすることによって133ビット(3/4レート)
をデコード化するのに使用することができる。1/2の畳込み符号レートを使用
すること及び幾つかのタップを閉じることは、3/4の畳込み符号レート用に特
別に設計されたデコーダを利用するよりも簡単である。こうして、デコーダの簡
易性を維持しながら、3/4の畳込み符号レートと釣り合う伝送品質が得られる
【0011】 1/2または1/3の一般に低い畳込み符号レートを有するマザーコードはA
SICまたはDSPにおいて効率的に一般に実施される。しかしながら、所定の
システムにおいて、音声、制御、データ伝送等の種々の情報の伝送に対しては、
例えば、2/3,5/6等の少なくとも2から3の付加的コードレートが望まし
い。デコード化端部での簡易化に対しては、同一のマザーコードからこれらの付
加的コードレートをパンクチャーすることが望ましい。
【0012】 従来のパンクチャー化における問題は、レート=Aでの実効的パンクチャー化
畳込み符号がそれ程良好ではなく、即ち、同一レート=Aでのマザー畳込み符号
よりも高いBERを有するということである。例えば、前述の例において、3/
4のレートのパンクチャー化した畳込み符号は、スクラッチから実施されると共
にマザーコードとして利用される3/4のレートの畳込み符号よりも高いBER
を有している。
【0013】 本発明は前述した諸問題のうちの1つ以上を克服することに向けられている。
【0014】 (発明の概要) 本発明の一形態において、チャネルを通して情報信号を送信/受信する誤り制
御コード化システムが提供され、この際、前記誤り制御コード化システムは、前
記情報信号を受信すると共に、プリコード化した情報信号を発生するプリコーダ
、及び前記プリコード化した情報信号を受信すると共に、前記チャネルを通して
伝送すべきコード化した情報信号を発生するエンコーダを有し、前記プリコーダ
を前記エンコーダに合わせてなる送信機と、前記チャネルからの前記コード化情
報信号を受信すると共に、未コード化の情報信号を発生するデコード化システム
、及び前記未コード化情報信号を逆プリコード化して、伝送される情報信号を発
生する逆プリコーダを有する受信機とを備えている。
【0015】 本発明の一態様において、前記デコード化システムは前記チャネルから前記コ
ード化した情報信号を受信すると共に、コード化したシーケンス推定値を発生す
るデコーダと、前記コード化したシーケンス推定値を受信すると共に、前記未コ
ード化の情報信号を発生するアンコーダとを備えている。
【0016】 本発明の一態様において、前記エンコーダは生成マトリクスによって定義され
る畳込み符号を前記プリコード化した情報信号に適用して、前記コード化した情
報信号を発生し、前記プリコーダはプリコーダ・マトリクスを前記情報信号に適
用して、前記プリコード化した情報信号を発生し、かつ前記チャネルを通して伝
送される前記コード化した情報信号のビット誤り率が低減されるように前記プリ
コーダ・マトリクスを前記生成マトリクスに合わせている。
【0017】 本発明の別の態様において、前記アンコーダは前記生成マトリクスの逆マトリ
クスを前記コード化したシーケンス推定値に適用して、前記アンコード化情報信
号を発生し、かつ前記逆プリコーダは前記プリコーダ・マトリクスの逆マトリク
スを前記アンコード化した情報信号に適用して、前記伝送する情報信号を発生す
る。
【0018】 本発明の別の形態において、チャネルを通して情報信号を伝送/受信する誤り
制御コード化システムが提供され、この際、前記誤り制御コード化システムはプ
リコーダ・マトリクスを前記情報信号に適用すると共に、プリコード化した情報
信号を発生するプリコーダと、第1の畳込み符号レートを有する生成マトリクス
によって定義される畳込み符号を前記プリコード化した情報信号に適用すると共
に、前記第1の畳込み符号レートでコード化情報信号を発生するエンコーダと、
前記第1の畳込み符号レートよりも高い実効的な第2の畳込み符号レートでパン
クチャー化マトリクスを前記コード化した情報信号に適用するパンクチャーシス
テムであって、前記パンクチャー化した情報信号が前記チャネル間で伝送され、
前記伝送されパンクチャーされた情報信号のビット誤り率を低減すべく、前記プ
リコーダ・マトリクスを前記パンクチャー化マトリクスに合わせてなる前記パン
クチャー化システムと、前記伝送されパンクチャー化された情報信号を受信する
と共に、前記パンクチャー化マトリクスの逆マトリクスを適用して、未パンクチ
ャー化の情報信号を発生する逆パンクチャー化システムと、前記未パンクチャー
化の情報信号を最大コード化シーケンス推定量にマッピングするデコーダと、前
記生成マトリクスの逆マトリクスを前記最大コード化シーケンス推定値に適用す
ると共に、未コード化の情報信号を発生するアンコーダと、前記プリコーダ・マ
トリクスの逆マトリクスを前記未コード化の情報信号に適用すると共に、伝送さ
れる情報信号を発生する逆プリコーダとを備えている。
【0019】 本発明の一態様において、前記デコーダはヴィタービ・デコーダを備えている
【0020】 本発明のまた別の形態において、チャネル間の情報信号を伝送/受信する誤り
制御コード化システムが提供され、前記誤り制御コード化システムは対応する複
数のプリコーダ・マトリクスによって定義される複数のプリコーダを含むプリコ
ーダ・ブロックであって、選択プリコーダ・マトリクスを前記情報信号に適用す
ると共に、プリコード化した情報信号を発生する前記プリコーダ・ブロックと、
第1の畳込み符号レートを有する生成マトリクスによって定義される畳込み符号
を前記プリコード化した情報信号に適用して、前記第1の畳込み符号レートでコ
ード化情報信号を発生するエンコーダと、対応する複数のパンクチャー化マトリ
クスによって定義される複数のパンクチャー化システムを含み、選択パンクチャ
ー化マトリクスを前記コード化した情報信号に適用して、前記第1の畳込み符号
レートよりも高い実効的な第2の畳込み符号レートでパンクチャー化した情報信
号を発生するパンクチャー化ブロックであって、前記パンクチャー化した情報信
号が前記チャネル間で伝送され、前記伝送されパンクチャー化した情報信号のビ
ット誤り率を低減すべく、前記選択プリコーダ・マトリクスを前記選択パンクチ
ャー化マトリクスに合わせてなる前記パンクチャー化ブロックと、対応する複数
の逆パンクチャー化マトリクスによって定義された複数の逆パンクチャー化シス
テムを含み、前記選択パンクチャー化マトリクスの逆マトリクスを前記伝送しパ
ンクチャー化した情報信号に適用して、未パンクチャー化情報信号を発生する逆
パンクチャー化ブロックと、前記未パンクチャー化情報信号を最大コード化シー
ケンス推定値にマッピングするデコーダと、前記生成マトリクスの逆マトリクス
を前記最大コード化シーケンス推定量に適用して、未コード化の情報信号を発生
するアンコーダと、対応する複数の逆プリコーダ・マトリクスによって定義され
る複数の逆プリコーダを含み、前記選択プリコーダ・マトリクスの逆マトリクス
を前記未コード化の情報信号に適用して、伝送される情報信号を発生する逆プリ
コーダ・ブロックとを備えている。
【0021】 本発明のまた別の形態において、前記生成マトリクスの前記第1の畳込み符号
レートは1/2及び1/3から成る群から選択される。
【0022】 本発明のまた別の形態において、前記選択プリコーダ・マトリクスの前記第2
の畳込み符号レートは4/5,2/3,4/7及び4/9から成る群から選択さ
れる。
【0023】 パンクチャー化した誤り制御コードシステムで伝送される情報信号をプリコー
ド化する方法が提供され、この際、前記方法は、プリコーダ・マトリクスを前記
情報信号に適用して、プリコード化した情報信号を生成する段階と、第1の畳込
み符号レートを有する生成マトリクスを前記プリコード化した情報信号に適用し
て、コード化した情報信号を生成する段階と、前記第1の畳込み符号レートより
も高い第2の畳込み符号レートを有するパンクチャー化マトリクスを前記コード
化した情報信号に適用して、パンクチャー化した情報信号を生成する段階と、チ
ャネル間でパンクチャー化した情報信号を伝送する段階と、前記伝送されパンク
チャー化した情報信号を受信する段階と、前記パンクチャー化マトリクスの逆マ
トリクスを前記受信しパンクチャー化した情報信号に適用して、未パンクチャー
化の情報信号を生成する段階と、前記未パンクチャー化の情報信号をデコード化
して、最大コード推定値シーケンスを生成する段階と、前記生成マトリクスの逆
マトリクスを前記最大コード推定値シーケンスに適用して、未コード化の情報信
号を生成する段階と、前記プリコーダ・マトリクスの逆マトリクスを前記未コー
ド化情報信号に適用して、伝送される情報信号を生成する段階とを備え、前記伝
送されパンクチャー化した情報信号のビット誤り率を低減するように、前記プリ
コーダ・マトリクスを前記パンクチャー化マトリクスに合わせている。
【0024】 本発明の目的は、システムの複雑性に僅かな影響を与えるだけでパンクチャー
化した畳込み符号システムのBERを低減することにある。
【0025】 本発明の別の目的は、デコーダの複雑性に僅かな影響を与えるだけでパンクチ
ャー化した畳込み符号システムのBERを低減することにある。
【0026】 本発明の別の目的は、システム及び/又はデコーダの複雑性に僅かな影響を与
えるだけでパンクチャー化した畳込み符号システムの不等誤り保護を提供するこ
とにある。
【0027】 本発明の他の態様、目的及び利益は、出願、図面、及び特許請求の範囲の研究
から得ることができる。
【0028】 (好ましい実施例の詳細な説明) 多くの無線通信システムは低いレート、例えば1/2,1/3等の1つのマザ
ー畳込み符号を使用すると共に、パンクチャー化を使用して、例えば2/3,5
/6のより高いレートのコードを得ている。この種の通信システムの諸例は、こ
れに限定されるものではないが、D−AMPS,GSM及びACeSを含んでい
る。本来、畳込み符号を誤り制御コードとして利用して、雑音、干渉等の各影響
を低減している。この種の雑音/干渉等の低減は、必要以上のビットを送信する
ことによって、畳込み符号の使用を通して実現される。付加的なビット数は要求
される畳込み符号レートによって決まる。
【0029】 パンクチャー化は従来、伝送中の情報が異なる誤り保護の必要性を要求すると
きに無線通信システムで使用され、異なる畳込み符号レートを要求する。しかし
ながら、パンクチャー化に関連する欠点は、同一の有効レートに対して特別に設
計されたコード化体系におけるよりも多くのビットを誤り事象が引き起こす傾向
にあって、伝送される情報信号のビット誤り率(BER:bit error
rate)を増大することである。
【0030】 図1は、全体に10で示される従来の誤り制御コード化システムのブロック図
である。このコード化システム10は送信機12及び受信機14を備えている。
送信機12は情報シーケンス/信号x(D)を受信し、これにマザー畳込み符号
を適用し、かつコード化したシーケンス/信号y(D)を出力するエンコーダ1
6を備えている。コード化したシーケンスy(D)は、受信機14でシーケンス
/信号z(D)として受信されるチャネル18を通して伝送される。デコード化
システム19はシーケンスz(D)を受信すると共に、対応する出力シーケンス
x(D)、即ち、伝送される情報信号を発生する。詳述すれば、トレリス・デコ
ーダ(trellis decoder)20はシーケンスz(D)を受信する
と共に、受信したシーケンスz(D)を最尤コード化シーケンス/信号推定値
【外1】 にマッピングする。アンコーダ22はコード化したシーケンス推定値
【外2】 を受信すると共に、対応する出力シーケンス
【外3】 、即ち、伝送される情報信号を決定する。コード化システム10のより詳細な説
明を以下において行う。
【0031】 一般に、畳込み符号レートは出力ビット数で割った多数の入力ビットとして定
義され、一般に1より小さい。エンコーダ16によって適用される畳込み符号は
k/n(式中、k=エンコーダ16に入力されるビットの数で、n=エンコーダ
16から出力されるビットの数である)のレートを有する(n,k)畳込み符号
であり得、これは構成要素が遅延構成要素Dの有理関数であるk×n生成マトリ
クスG(D)によって記述することができる。G(D)の全ての構成要素が整式
であれば、G(D)はフィードフォワードであると言い、さもなくばフィードバ
ックを有すると言われる。情報シーケンスx(D)は次のように書くことができ
る。
【数2】 式中、xi=(xik....x(i+1)k-1)である。同様に、コード化したシーケンス y(D)は次のように書くことができる。
【数3】 式中、yi=(yin....y(i+1)n-1)である。
【0032】 G-1(D)はG(D)G-1(D)=IとなるようなG(D)の正逆関数である
とする。更に、G-1(D)は幾つかのS≧0に対してG(D)G-1(D)=ID s であるような擬似正逆関数であるとする。このsは動作を行わない単純遅延を 表わしている。
【0033】 所定のG(D)に対して、適正な状態数を有するトレリス・デコーダ20におけ
る対応するトレリスを構成することができる。ビタビ・デコーダはトレリス上で
使用することが好ましく、この場合、デコード化の複雑性は状態の数に比例し、
しかしながら、他のデコーダも考えられる。
【0034】 コード化したシーケンスy(D)は、送信機12の各ステージ(図示せず)の残
りが次にくる変調器(図示せず)に送給され、チャネル18を通して伝送される
。フェージング、干渉及び雑音に晒される信号は受信機14の復調器(図示せず
)によって捕獲され処理される。復調器(図示せず)の出力z(D)はトレリス
・デコーダ20に送られる。
【0035】 トレリス・デコーダ20は受信したシーケンスz(D)を最尤コード化シーケ
ンス推定値
【外4】 にマッピングする。アンコーダ22(エンコーダ16の逆)はコード化したシー
ケンス推定値y(D)を受信して、対応する入力シーケンス
【外5】 、即ち、伝送した情報信号を出力する。アンコーダ22は任意の正逆関数G-1
D)によって実施することができる。個別のデコーダ及びアンコーダ動作によっ
て、トレリス・デコーダ20を固定したまま、エンコーダ16と調和してアンコ
ーダの変更が許容される。代替的に、明快に
【外6】 を生成すること無く、デコーダ20及びアンコーダ22を組み合わせて、
【外7】 を直接生成することができる。
【0036】 ビタビ・デコード化において、分析は状態図上の基本的経路、即ち、状態零で
開始し終了しその中間もないこれらの経路に集中する。便宜上、各基本的経路は
、本願では基本的コード化シーケンスと称するその対応するコード化シーケンス
によって同定される。
【0037】 ハミング重み(Hamming weight)はw(.)で表わされる。全
てのlに対して、基本的コード化シーケンスのセットは次のように定義される。
【数4】 lはYlの寸法を表わすとする。勿論Ao=1であり、Al>0における最小値l
>0は自由距離dfreeである。
【0038】 事象誤り率Peは次式で制限され、
【数5】 かつ、量子化を有しない加法的ホワイトガウス雑音(AWGN:Additiv
e White Gaussin Noise)チャネルに対して、次式が成立
する。
【数6】 式中、Ebは情報ビット当りのエネルギーであり、Noは雑音パワースペクトル密
度である。同様の式は他のチャネル、特にレイリー・フェージング・チャネル(
Rayleigh fading channel)及びリシアン・フェージン
グ・チャネル(Rician fading channel)に対して書き表
わすことができる。
【0039】 基本的コード化シーケンスの各セットに対して、入力シーケンスの対応するセ
ットが全てのlに対して次式によって与えられる。
【数7】 セットの重みは次式によって定義される。
【数8】
【0040】 従って、ビット誤り率(BER)Pbは上限が次式によって制限される。
【数9】
【0041】 図2は一般に10′で示す従来のパンクチャー式誤り制御コード化システムを
図示しており、この際、図1における同様の構成要素には同一の参照番号が付さ
れ、修正された構成要素にはプライム記号(′)が付されている。本来、複数の
パンクチャー化テーブル1,2,...,Lからなるパンクチャー化テーブル24 は送信機12′に付加されていた。同様に、一般に24で示すそれぞれのパンク
チャー化テーブル1,2,...,Lに対応する複数の逆パンクチャー化テーブル 1,2,...,Lから成る逆パンクチャー化テーブル26は受信機14′に付加 されていた。基本的動作は次の通りである。
【0042】 エンコーダ16は情報シーケンスx(D)を列挙し、これにマザー畳込み符号
を適用し、かつコード化したシーケンスy(D)を出力する。コード化したシー
ケンスy(D)は伝送すべき情報の型式に応じてパンクチャー化テーブル24の
うちの選択した1つに適用される。選択パンクチャー化テーブル24はコード化
したシーケンスy(D)を効果的にパンクチャー化して、チャネル18を通して
伝送されるパンクチャー化したコード化しシーケンスy′(D)を生成する。詳 述すると、選択パンクチャー化テーブル24は従来式にコード化シーケンスy(
D)から或るビットを除去して、パンクチャー化したコード化シーケンスy′( D)を発生する。
【0043】 パンクチャー化したコード化シーケンスy′(D)はチャネル18を通して伝 送され、チャネルでは雑音、干渉等に晒され、受信機14′にてシーケンスz′
(D)として受信される。受信したシーケンスz′(D)は、送信機12′にて コード化シーケンスy(D)をパンクチャー化するのに利用される選択パンクチ
ャー化テーブル24に対応する選択逆パンクチャー化テーブル26に入力される
。選択逆パンクチャー化テーブル26はビットが選択パンクチャー化テーブル2
4によって除去された受信信号z′(D)に零を従来式に挿入して、未パンクチ ャー化の受信信号
【外8】 を発生する。逆パンクチャー化テーブル26によるビットの付加によって、マザ
ー畳込み符号レートに対応する或る数のビットを受信すべくセットアップされた
デコーダ20は受信したシーケンス
【外9】 をデコード化することができる。デコード化システム19のデコーダ20及びア
ンコーダ22は前に説明したように受信したシーケンス
【外10】 を従来式にデコード及びアンコードして、対応する出力シーケンス
【外11】 、即ち、伝送した情報信号を出力する。
【0044】 前述したように、パンクチャー化によって実際に伝送されるコードビットの数
が低減されると共に、マザーコードの最初のk/nよりもコード化レートが高く
なる。パンクチャー化体系はn×m(mは周期として定義される)の寸法のうち
の0及び1のパンクチャー化テーブルTによって記述することができる。コード
化シーケンスy(D)はnmビットの連続的ブロックで処理される。ここでは0
から開始するとする。次いで、マザーコードのコード化ビットを次のように取る
【数10】 式中、yT 0はカラムに配置された最初のnビットから成る、等である。Tが1を
含む位置でy(D)のビットを維持し、残りのビットを除去、またはパンクチャ
ー化される。他のブロックは同一の方法でパンクチャー化される。qがTにおけ
る1の数を表わすのであれば、nmコード化ビット(km情報ビットに対応する
)のうちのqビットを維持し、この結果、レートkm/q>knで効果的に(q
,km)コードが得られる。
【0045】 簡単な例は前述したことを明らかにする一助となる。(3,1)のマザーコー
ド及び3×4、即ち周期m=4の寸法のパンクチャー化テーブルTを考える。こ
のテーブルはq=7個の1を有すると言える。パンクチャー化したコードは4/
7のレートを有する効果的に(7,4)コードである。
【0046】 より高いレートはまたより低いパフォーマンスを意味し、一般に期待される通
りである。パンクチャー化に起因する最大の利点はエンコード化及びデコード化
段階においてである。パンクチャー化したコードは実際、それ自身のエンコーダ
及びデコーダを使用してエンコード化及びデコード化することができる。しかし
ながら、元来のマザーコードのエンコーダ及びデコーダを使用すると共に、これ
らをパンクチャー化テーブルを用いて補うことは実施上の観点からより有益であ
る。
【0047】 従来のパンクチャー化における問題は、伝送された信号のビット誤り率(BE
R)が、同一のレートでのマザー畳込み符号レートに対するよりもパンクチャー
化した畳込み符号レートに対する方が高いということである。例えば、レート=
Aでの実効的パンクチャー化畳込み符号はそれ程良好ではない。即ち、同一レー
ト=Aでのマザー畳込み符号に比して高いBERを有する。
【0048】 ここで、図3を参照すると、本発明による誤り制御コード化システムが一般に
10″で示されており、この際、図1におけると同様の構成要素には同一の参照
番号が付され、かつ修正された構成要素にはダブルのプライム記号(″)が付さ
れている。基本的に、プリコーダ28は送信機12″に付加され、対応する逆プ
リコーダ30は受信機14″に付加されている。プリコーダ28をエンコーダ1
6によって適用されるマザー・コードレートに合わして、伝送される情報信号に
おけるBERを低減している。ここで、誤り制御システム10″の基本的動作を
説明することとする。
【0049】 情報シーケンスx′(D)はプリコーダ28に入力される。プリコーダ28は 後に説明するように情報シーケンスx′(D)をプリコードすると共に、プリコ ード化したシーケンスx(D)を出力する。プリコード化したシーケンスx(D
)はエンコーダ16によってエンコード化され、チャネル18を通して受信機1
4″のデコード化システム19に伝送される。トレリス・デコーダ20及びアン
コーダ22を含むデコード化システム19は、図1について前に説明したと同じ
方法で受信したシーケンスz(D)をデコード化しアンコード化すると共に、デ
コード化/アンコード化シーケンスx(D)を発生する。プリコーダ・インバー
ス30はアンコーダ22からデコード化/アンコード化シーケンス化
【外12】 を受信すると共に信号を効果的に未プリコード化(un−precode)して
、伝送される情報シーケンス/信号
【外13】 を発生する。プリコード化のために、伝送される情報シーケンス
【外14】 は伝送される情報シーケンス
【外15】 よりも低いBERを有することとなる。以下は図3に示すプリコーダ28及びプ
リコーダ・インバース30の更に詳細な説明である。
【0050】 プリコーダ28はk×kの可逆性マトリクスF(D)を含んでおり、その構成
要素はDにおける回転関数である。従って、マトリクスG′(D)=F(D)G (D)は同一コードに対して新しい生成マトリクスとして定義することができる
。マトリクスF(D)は本願ではプリコーダ・マトリクスと称する。
【0051】 一般に、G′(D)に対応するトレリスはG(D)に対するものよりもより多 くの状態を有することとなる。しかしながら、後者はデコード化に対して使用す
ることが好ましい。デコード化に対してG(D)を使用するために、G-1(D)
はG′(D)の逆マトリクスと等価であるF-1(D)、即ち、プリコーダ・マト リクスF(D)の逆マトリクスによって追従される必要がある。
【0052】 入力シーケンスの対応する各セットは次式によって定義される。
【数11】 l′から、セットの重みBl′及びビット誤り率Pb′は前に定義した通りであ る。プリコード化は一般に支配的な誤り事象の情報手段を低減しようとするのに
使用される。このことを行うのに、プリコーダは小さな重みj、例えばj=dfr ee 、及び二次的方策であるj=dfree+1に対するBl′を低減するのに選択さ れる。このことは順次ビット誤り率を低減する。
【0053】 適切なプリコーダを見い出すために、徹底的な調査に着手することができる。
この種の調査は並の寸法のプリコーダに対してさえも極めて複雑である。プリコ
ーダ・インヴァースF-1(D)を構成することによってこの問題に着手すること
が効果的に見い出された。詳述すると、F-1(D)が全ランクを有することを確
実にしながら、F-1(D)の列を1つずつ構成する。多くの場合、これは調査を 必要とするものではない。計算の利点の他に、これはより直接的な調査である。
何故ならば、これはXlの構成要素を直接取り扱うからである。一旦、適切なプ リコーダが設計されると、その動作の複雑性及びその対応する逆プリコーダの複
雑性は小さいことに留意するのは重要である。
【0054】 寸法kの列ベクトルu(D)において、u(D)の成分は有理数である。集合
lの構成要素をu(D)に投影して、次のスカラー量を得、
【数12】 βlはスカラー量の重みの和を示している。
【数13】 u(D)がプリコーダ・インヴァースF-1(D)のj番目の列であれば、βは集
合重みB′l (j)に一致する。こうして、解決の手掛かりは、小さな投影重み( projection weight)βlに帰着するこれらのベクトルu(D )を同定することである。
【0055】 成分が或るμに対して次数≦μの多項式である全てのベクトルu(D)に対す
る投影重みを計算するプログラムが利用される。全て零のベクトルを除いて、2 −1個のこの種のベクトルがある。プログラム入力は集合Xdfree及びXdfre e+1 、それにμから成る。プログラムは先ず各ベクトルを次のように順序付けし 直す。
【数14】 これらのベクトルは投影重みの小さい順にランク付けされている。
【数15】
【0056】 結合はXdfree+1の投影重みβi dfree+1を使用して破られる。 第2の段階は、対応するベクトルu(l) i(D)が独立すると共に、次式で表わ
され和が最小化されるようにk個のインデックスl1,...,lkを同定すること である。
【数16】 結合は次式で表わされる和を最小化することによって破られる。
【数17】
【0057】 一般に、独立した条件のために、システマテックな解法はなく、最良のl1,.
..,lPを決定するのに全調査を行うことが必要である。以下の調査はうまく見 い出された。最初のl1は1に等しく設定される。次いで、インデックス2から 開始して、順序付けしたリストが次にきて、u(l) 1(D)から独立した第1のベ
クトル、即ち、ベクトルu(i)(D)を見い出す。次にl2はiに設定される。次
いで、インデックスi+lから開始して、順序付けしたリストが次にきて、u(l ) 1 (D)及びu(l) 2(D)からは独立した第1のベクトル、即ち、ベクトルu(i ) (D)を見い出す。次いで、l3はi′に設定される、等である。このアプロー
チは最適の解法を生むと確信される。
【0058】 例として、リン(Lin)及びコステロ(Costello)による誤り制御
コード化;基礎及び応用(fundamentals and applica
tions)、プレンティス・ホール(Prentice Hall)、198
3年の文献でn=3,k=2として次式で実現される畳込み符号を考察する。
【数18】 このコードはdfree=3を有し、次式が成立し、
【数19】 かつ、次式が成立する。
【数20】 次いで、次式が成立し、
【数21】 かつ、次式が成立する。
【数22】
【0059】 x(1)(D)及びx(2)(D)は独立しているので、プリコード化マトリクスは
次式のように構成され、
【数23】 次式を得る。
【数24】 F(D)の逆マトリクスは次式によって与えられる。
【数25】 次式が得られることになる。
【数26】 引き続き次式が成立する。
【数27】 従って、次式が成立する。
【数28】 こうして、ほぼサブシーケンス0のBERは3のファクターだけ低減され、全B
ERは半分になる。
【0060】 μ=2に対して、分類されたベクトルui(D)及びそれらの投影は次式によ って与えられる。
【数29】 明らかにこの場合、l1=1及びl2=2であり、調査の必要はない。F-1(D)
はu(1)(D)を第1の列とし、u(2)(D)を第1の列として構成され、F-1
D)に関する前の選択と一致する。
【0061】 ここで図4及び図5を参照すると、誤り制御コード化システムが一般に10’
’’で図示されており、この際、図2におけると同様の構成要素には同一の参照
番号が付され、かつ修正された構成要素にはトリプルのプライム記号(’’’)
が付されている。基本的に、複数のプリコーダ1,2,...,Lから成るプリコ ーダ・ブロック32は送信機12’’’に付加され、一方、複数の逆プリコーダ
1,2,...,Lから成る対応する逆プリコーダ・ブロック34は受信機14’ ’’に付加されてきた。
【0062】 プリコーダ32のおのおのはパンクチャー化テーブル24のうちの1つに関連
する異なるパンクチャー化したコードに合わせている。パンクチャー化テーブル
24における異なるパンクチャー化したコードに合わせた異なるプリコーダ32
を使用することによって、パンクチャー化したコードのビット誤り率(BER)
は複雑性の増大において少ないコストで向上することができる。誤り制御コード
化システム10’’’は図2に関して前に説明したと同一の方法で動作するが、
図3に関して前に説明した通りのプリコード化ステップを含んでいる。従って、
詳細な説明は不要である。
【0063】 図4及び図5に示すように、L個の異なるパンクチャー化テーブル24(1個
はマザーコード自身を含むことができる)があれば、異なるプリコーダ32は関
連するパンクチャー化テーブル24によって定義されるパンクチャー化したコー
ドに対して特に選択される。例えば、プリコーダ1は、逆プリコーダ1と関連し
得る逆パンクチャー化テーブル1と関連し得るパンクチャー化デーブル1と関連
することができる。格別重要なことは、1個のデコーダ20だけが、即ち、マザ
ーコードのデコーダが図4及び図5に示すように必要とされる。
【0064】 こうして、図4及び図5に示したシステムを利用することによって、BERを
増大させる多くのビット誤りを誤り事象が引き起こす傾向にある、パンクチャー
化によって得られる各コードの各エンコーダと関連する欠点を除去しながら、パ
ンクチャー式コードシステムの利点が得られるようになる。本発明の各実施例は
以下の例において与えられる。
【0065】 4/5,2/3,4/7及び4/9のレートを有するパンクチャー化した各コ
ードを使用して、32の状態を有する(3,1)マザーコードを考察する。
【数30】 各プリコーダはパンクチャー化したコード毎に特別に設計されている。
【0066】レート4/5 レート4/5に対して、dfree=4、及び
【数31】 が従来式に決定される。 前述した原理に従うプリコーダ・マトリクスは次の関係を生み、
【数32】 BERを効果的に50%だけ低減する。 このことは次式によって与えられる。
【数33】 式中、
【数34】 である。
【0067】レート2/3 レート2/3に対して、dfree=6、及び
【数35】 が従来式に決定される。 前述した原理に従うプリコーダ・マトリクスは次の関係を生み、
【数36】 BERを効果的に27%だけ低減する。 このことは次式によって与えられる。
【数37】 式中、
【数38】 である。
【0068】レート4/7 レート4/7に対して、dfree=6、及び
【数39】 が従来式に決定される。 前述した原理に従うプリコーダ・マトリクスは次の関係を生み、
【数40】 BERを効果的に80%だけ低減する。 このことは次式によって与えられる。
【数41】
【0069】レート4/9 レート4/9に対して、dfree=8、及び
【数42】 が従来式に決定される。 前述した原理に従うプリコーダ・マトリクスは次の関係を生み、
【数43】 BERを効果的に50%だけ低減する。 このことは次式によって与えられる。
【数44】
【0070】 最初の2つのプリコーダはフィードバックを有していることに留意されたい。
それらの対応する逆プリコーダは可能でトリビアル(trivial)な遅延を
除いてフィードバックを有していない。逆プリコーダにおける非トリビアルなフ
ィードバックは誤りの伝播を引き起こす。何故ならば、逆プリコーダは受信機側
に位置しているからである。
【0071】不等誤り保護 j=0...k−1に対して、入力サブシーケンスを定義することは有益である 。
【数45】 これらのサブシーケンスは、共にコード化中の情報の異なるストリーム、または
整数の自然2進表現におけるような、異なる重要性を有する同一のソースからの
サブストリーム、或いは音声コーダの出力を表わすことができる。パンクチャー
化したコードの文脈において、プリコード化を使用することにより、個々のサブ
シーケンスのBERを修正することが可能であり、この結果、誤りに対して特に
敏感なこれらのサブシーケンスは一層保護され、不等誤り保護をもたらす。
【0072】 こうして、プリコード化を選択することにより、パンクチャー化に先立つ入力
シーケンスは、受信機端で受信される伝送信号のビット誤り率を効果的に低減す
る。プリコーダは伝送に先立って入力シーケンスをパンクチャー化するのにどの
パンクチャー化テーブルが利用されるかに応じて選択することができる。
【0073】 本発明を特に図面を参照して説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱する
こと無く種々の修正を行うことができることを了知すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術の誤り制御コードシステムのブロック図である。
【図2】 別の従来技術の誤り制御コードシステムのブロック図である。
【図3】 本発明の第1の実施例によるプリコード式誤り制御コードシステムのブロック
図である。
【図4】 本発明の第2の実施例による誤り制御コードシステムに含まれる送信機のブロ
ック図である。
【図5】 本発明の第2の実施例による誤り制御コードシステムに含まれる受信機のブロ
ック図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月20日(2000.1.20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,UZ,VN,YU,ZW 【要約の続き】 信号を発生するアンコーダと、前記選択プリコーダ・マ トリクスの逆マトリクスを前記未コード化の情報信号に 適用して、伝送される情報信号を発生する逆プリコーダ ・ブロックとを備えたことを特徴とする前記システム。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャネルを通して情報信号を送信/受信する誤り制御コード
    化システムにおいて 前記情報信号を受信すると共に、プリコード化した情報信号を発生するプリコ
    ーダ、及び 前記プリコード化した情報信号を受信すると共に、前記チャネルを通して伝送
    すべきコード化した情報信号を発生するエンコーダを備え、前記プリコーダが前
    記エンコーダに向けられてなる送信機と、 前記チャネルから前記コード化した情報信号を受信すると共に、未コード化の
    情報信号を発生させるデコード化システム、及び 前記未コード化の情報信号を逆プリコード化して、送信された情報信号を発生
    する逆プリコーダを備えた受信機と、を具備したことを特徴とする前記システム
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシステムにおいて、前記エンコーダが前記プ
    リコード化した情報信号に対して生成マトリクスによって規定した畳込み符号を
    適用して、前記コード化した情報信号を発生し、前記プリコーダが前記情報信号
    に対してプリコーダ・マトリクスを適用して、前記プリコード化した情報信号を
    発生し、かつ、前記チャネルを通して伝送した前記コード化情報信号のビット誤
    り率を低減するように、前記プリコーダ・マトリクスを前記生成マトリクスに合
    わせていることを特徴とする前記システム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のシステムにおいて、前記デコード化システム
    が、 前記チャネルから前記コード化した情報信号を受信すると共に、コード化した
    シーケンス推定値を発生するデコーダと、 前記コード化した情報信号を発生する際に前記コード化したシーケンス推定値
    を受信するアンコーダ(uncoder)と、を備えたことを特徴とする前記シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 請求項3のシステムにおいて、前記アンコーダは前記コード
    化したシーケンス推定値に対して前記生成マトリクスの逆マトリクスを適用して
    、前記未コード化の情報信号を発生させ、かつ 前記逆プリコーダは前記未コード化の情報信号に前記プリコーダ・マトリクス
    の逆マトリクスを適用して、送信した情報信号を発生することを特徴とする前記
    システム。
  5. 【請求項5】 チャネルを通して情報信号を送信/受信する誤り制御コード
    化システムにおいて、 プリコーダ・マトリクスを前記情報信号に適用すると共に、プリコード化した
    情報信号を発生するプリコーダと、 第1の畳込み符号レートを有する発生器マトリクスによって規定される畳込み
    符号を前記プリコードした情報信号に適用すると共に、前記第1の畳込み符号・
    レートでコード化した情報信号を発生するエンコーダと、 前記第1の畳込み符号・レートよりも高い有効な第2の畳込み符号・レートで
    、前記コード化した情報信号に対してパンクチャー化マトリクスを適用し、この
    際、前記パンクチャー化した情報信号が前記チャネル間で伝送されてなるパンク
    チャー化システムと、を具備し、 前記プリコーダ・マトリクスを前記パンクチャーマトリクスに合わせて、前記
    伝送したパンクチャー化した情報信号のビット誤り率を低減し、 前記送信したパンクチャー化した情報信号を受信すると共に、前記パンクチャ
    ー化マトリクスの逆マトリクスを適用して、未パンクチャー化の情報信号を発生
    する逆パンクチャーシステムと、 前記未パンクチャー化の情報信号を受信すると共に、未コード化の情報信号を
    発生するデコード化システムと、 前記未コード化情報信号に対して前記プリコーダ・マトリクスの逆マトリクス
    を適用すると共に、送信した情報信号を発生する逆プリコーダと、を更に具備し
    たことを特徴とする前記システム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のシステムにおいて、前記デコード化システム
    は、 前記未パンクチャーの情報信号を最大コード化シーケンス推定値にマッピング
    するデコーダと、 前記最大コード化シーケンス推定値に対して前記生成マトリクスの逆マトリク
    スを適用すると共に、前記未コード化情報信号を発生するアンコーダと、を備え
    たことを特徴とする前記システム。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のシステムにおいて、前記デコーダはビタビ(
    Viterbi)・デコーダであることを特徴とする前記システム。
  8. 【請求項8】 請求項5記載のシステムにおいて、各パンクチャー化マトリ
    クスが異なる畳込み符号・レートを有する状態で、おのおのが異なるパンクチャ
    ー化マトリクスを前記コード化した情報信号に適用する複数のパンクチャー化シ
    ステムと、 各プリコーダ・マトリクスを対応するパンクチャー化マトリクスに合わせて、
    対応する伝送したパンクチャー化した情報信号のビット誤り率を低減した状態で
    、おのおのが異なるプリコーダ・マトリクスを前記情報信号に適用する複数のプ
    リコーダと、 前記複数のパンクチャー化システムに対応する複数の逆パンクチャー化システ
    ムと、 前記複数のプリコーダに対応する複数の逆プリコーダと、を更に具備したこと
    を特徴とする前記システム。
  9. 【請求項9】 チャネルを通して情報信号を送信/受信する誤り制御コード
    化システムにおいて、 対応する複数のプリコーダ・マトリクスによって規定する複数のプリコーダを
    含むプリコーダ・ブロックであって、前記情報信号に対して選択プリコーダ・マ
    トリクスを適用すると共に、プリコード化した情報信号を発生する前記プリコー
    ダ・ブロックと、 第1の畳込み符号・レートを有する生成マトリクスによって規定する畳込み符
    号を前記プリコード化した情報信号に適用して、前記第1の畳込み符号・レート
    でコード化した情報信号を発生するエンコーダと、 対応する複数のパンクチャー化マトリクスによって規定した複数のパンクチャ
    ー化システムを含むパンクチャーブロックであって、前記コード化した情報信号
    に対して選択パンクチャー化マトリクスを適用して、前記第1の畳込み符号・レ
    ートよりも高い有効な第2の畳込み符号・レートでパンクチャー化した情報を発
    生し、この際、前記パンクチャー化情報信号は前記チャネル間で伝送され、前記
    選択プリコーダ・マトリクスを前記選択パンクチャー化マトリクスに合わせて、
    前記伝送したパンクチャー化した情報信号のビット誤り率を低減するようにして
    なる前記パンクチャー化ブロックと、 対応する複数の逆パンクチャー化マトリクスによって規定する複数の逆パンク
    チャー化システムを含む逆パンクチャー化ブロックであって、前記伝送したパン
    クチャー化した情報信号に対して前記選択パンクチャー化マトリクスの逆マトリ
    クスを適用して、未パンクチャー化の情報信号を発生する逆パンクチャー化ブロ
    ックと、 前記未パンクチャー化情報信号を受信すると共に、未コード化の情報信号を発
    生するデコード化システムと、 対応する複数の逆プリコーダ・マトリクスによって規定する複数の逆プリコー
    ダを含む逆プリコーダ・ブロックであって、前記未コード化の情報信号に対して
    前記選択プリコーダ・マトリクスの逆マトリクスを適用して、伝送した情報信号
    を発生する逆プリコーダ・ブロックと、を具備したことを特徴とする前記システ
    ム。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のシステムにおいて、前記デコード化システ
    ムは、 前記未パンクチャー化の情報信号を最大コード化シーケンス推定量にマッピン
    グするデコーダと、 前記最大コード化シーケンス推定量に対して前記生成マトリクスの逆マトリク
    スを適用して、前記未コード化の情報信号を発生するアンコーダと、を備えたこ
    とを特徴とする前記システム。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のシステムにおいて、前記デコーダはビタ
    ビ・デコーダを備えたことを特徴とする前記システム。
  12. 【請求項12】 請求項9記載のシステムにおいて、前記生成マトリクスの
    前記第1の畳込み符号・レートは、1/2及び1/3から成る群から選択される
    ことを特徴とする前記システム。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のシステムにおいて、前記選択プリコーダ
    ・マトリクスの前記第2の畳込み符号・レートは、5/6,4/5,3/4,2
    /3,4/7及び4/9から成る群から選択されることを特徴とする前記システ
    ム。
  14. 【請求項14】 パンクチャー化誤り制御コード・システムで伝送される情
    報信号をプリコード化する方法において、 プリコーダ・マトリクスを前記情報信号に適用して、プリコード化した情報信
    号を生成する段階と、 第1の畳込み符号・レートを前記プリコード化した情報信号に適用して、コー
    ド化した情報信号を生成する段階と、 前記第1の畳込み符号・レートよりも高い第2の畳込み符号・レートを有する
    パンクチャー化マトリクスを前記コード化した情報信号に適用して、パンクチャ
    ー化した情報信号を生成する段階と、 前記パンクチャー化した情報信号をチャネル間に渡って伝送する段階と、 前記伝送したパンクチャーした情報信号を受信する段階と、 前記パンクチャー化マトリクスの逆マトリクスを前記受信したパンクチャー化
    した情報信号に適用して、未パンクチャー化の情報信号を生成する段階と、 前記未パンクチャー化の情報信号をデコード化して、最大コード推定値シーケ
    ンスを生成する段階と、 前記生成マトリクスの逆マトリクスを前記最大コード推定値シーケンスに適用
    して、未コード化の情報信号を生成する段階と、 前記プリコーダ・マトリクスの逆マトリクスを前記未コード化の情報信号に適
    用して、伝送した情報信号を生成する段階と、を具備し、 前記伝送したパンクチャー化した情報信号のビット誤り率を低減するように、
    前記プリコーダ・マトリクスを前記パンクチャー化マトリクスに合わせているこ
    とを特徴とする前記方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の方法において、前記未パンクチャーの情
    報信号をデコード化する前記段階が、ビタビ・デコーダ・トレリス(Viter
    bi decoder trellis)を前記未パンクチャー化の情報信号に
    適用する段階を備えていることを特徴とする前記方法。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の方法において、前記第1の畳込み符号・
    レートはマザーコードを備えており、1/2及び1/3から成る群から選択され
    ることを特徴とする前記方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の方法において、前記第2の畳込み符号・
    レートは5/6,4/5,3/4,2/3,4/7及び4/9から成る群から選
    択されることを特徴とする前記方法。
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