JP2002502005A - 水力タービン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、円筒ケーシング（７）内に内包された発電機（２）と発電機のシャフト（５）に直接配置されたケーシング（７）の外側のタービン（１）とを備える水力タービン装置に関し、ケーシング（７）は、流路内で円筒ケーシング（７）を装架するように配置された管状支持シャフト（８）を備える支持構造体により流路に配置される。本発明によれば、発電機（２）を内包する円筒ケーシング（７）と管状支持シャフト（８）とタービン（１）は、設置孔（９）を介して単体として流路から取外されるように配置される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は、円筒ケーシング内に内包された発電機と発電機のシャフトに直接配
置されたケーシング外側のタービンとを備える水力タービン装置に関し、ケーシ
ングは、流路内で円筒ケーシングを装荷するように配置された管状支持シャフト
を備える支持構造体により流路に配置される。

【０００２】 水力タービンは、一般的に、必要な水頭あるいは流量を得ることができる河床
あるいはその他の場所に一般的に配置される発電所で電気エネルギを生成するた
めに使用されている。水力発電所において、水力タービンで回転する発電機は、
水の運動学的あるいは潜在的エネルギを電気に変換する。水流は、タービンブレ
ードに作用して、タービンとタービンに連結された発電機とに回転動を生じる。

【０００３】

【従来の技術】

従来技術は、異なるサイズの流量および水頭に適した種々の異なる型式の水力
タービンを含んでいる。タービンは、たとえば、タービンブレードおよびその調
整可能性ならびに発電機の位置およびその設置場所の形態において互いに相違す
る。最も一般的に使用される発電機は、エネルギが供給されるネットワークに直
接接続された同期機である。発電機は、したがって、ネットワークの周波数およ
び発電機のポールペアの数により定められる同期速度に対応する所定の速度で回
転するようにされなければならない。正確な回転速度は、タービンと発電機との
間に配置され、一般的に、発電機の回転速度を増すために使用される歯車装置に
より得られることが非常に多い。回転速度の増大により、ポールペアの数を、同
時に、同期機の径を減少させることが可能である。しかし、回転速度を変えるた
めに必要とされる歯車装置は、発電所のロスの大きな部分を生じる。さらに、発
電機と歯車装置は、歯車装置内で発生する熱を移すための冷却装置を必要とする
。実際上の理由から、歯車装置は、発電機とタービンとを連結するシャフト上に
配置されなければならず、したがって、大きなプラント施設が必要とされる。さ
らに、発電機あるいは歯車装置を保守するために、保守用通路のための領域が、
発電所で確保されなければならない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】

現在の装置の場合、ダムに水力発電所を建設するコストは、かなり大きい。ま
た、たとえば、水力タービンと歯車装置および発電機のような関連部材は、ダム
構造体に設置するのが困難である。幾つかの発電所では、歯車装置とネットワー
クに直接接続された発電機は、双方共、流路内に位置する同じ円筒ケーシング内
に配置される。この解決法の例が、バルブ発電機である。発電機と歯車装置を内
包するケーシングは、かなり大きく、これは、ケーシングを装架する支持構造体
も大きいことが必要であることを意味する。ケーシング内で保守作業を十分に実
施可能とするスペースもなければならない。

【０００５】 ある解決法においては、発電機と歯車装置は、流路の外側に配置され、したが
って、流路は、タービンとタービンを装架する支持構造体のみを組込んでいる。
タービンシャフトは、流路の壁を通して設けられ、その中でシールされなければ
ならず、したがって、歯車と発電機は、発電所の建物において、流路の近部に別
個の施設を必要とする。

【０００６】 タービンは、大きな注意を払って、流路内に設置されなければならず、流路に
正確に整合していなければならない。タービンが配置されるスペースは小さく、
設置される装置のサイズおよび重量が大きいために、設置は困難である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本発明の目的は、上述の欠点を防止し、水力発電所に関連する装置の構造を簡
略化して、発電所での設置作業を容易化する水力タービン装置を提供することで
ある。この目的は、発電機を備える円筒ケーシングと管状支持シャフトとタービ
ンが、設置孔を介して単体として流路から取外されるように配置されることを特
徴とする本発明の装置で達成される。

【０００８】 本発明は、支持シャフトにより装架され、かつ、シャフトにより発電機に連結
されたタービンが、流路内に正確に配置されるように流路内に設置されるケーシ
ング内に発電機が内包されるという思想に基づく。円筒ケーシングは、発電機と
これに直接関連する部材のみを備え、したがって、ケーシングの外径は、出来る
だけ小さく、設置は、出来るだけ簡単である。

【０００９】 本発明の効果は、水力タービン装置の設置をかなり簡略化するということであ
る。設置は、タービンが発電機に既に連結された状態で、設置孔を通して行うこ
とができる。発電機を備える円筒ケーシングは、設置孔を通して、流れおよび流
路に正確な正しい位置で整合させることができる。さらに、流路内のケーシング
を装架する管状支持シャフトは、発電機のケーブルと発電機の冷却用空気ダクト
とを収容するのに特に適している。

【００１０】 好ましい実施形態と関連しておよび添付図面を参照して、本発明について、以
下でより詳細に説明する。

【００１１】

【発明の実施の形態】

図１に示したように、エネルギを生成するための発電機２は、円筒ケーシング
７内に配置され、発電機２のシャフト５に連結されたタービン１は、ケーシング
の外側にある。タービンと発電機との間のシャフトは、防水性の態様でケーシン
グを通して設けられ、流路内を流れる水がケーシング内に入るのを防止する。ケ
ーシングを流路内に設置する前に、発電機は、ケーシング内で支えられかつター
ビンに連結され、したがって、設置作業は、簡略化される。さらに、流路内でケ
ーシングを装架する管状支持シャフト８は、ケーシングに取付けられる。上述の
ケーシング７と発電機２とタービン１とタービンシャフト５と管状支持シャフト
８とを備える水力タービンユニットは、設置孔９を通して単体として流路内に設
置することができる。

【００１２】 図３に示した、ケーシング７内に内包された発電機は、交流電圧を生成し、そ
の周波数は、タービンの回転速度が変わるときに、変化する。この装置は、歯車
装置を備えていないために、タービンと発電機は、同一の速度で回転する。可変
周波数の交流電圧は、周波数変換器３内で所定周波数の交流電圧に変換され、こ
の周波数変換器３に、発電機が、図３に示したように、ケーブルで通信される。
周波数変換器は、サイクロコンバータ、電力インバータあるいはその他の好適な
装置とすることができる。周波数変換器により生成される電圧周波数は、電圧が
印加されるネットワーク４を支配する周波数に対応するようにすることができる
。電力インバータ後、電圧のレベルは、たとえば、好適なコンバータを使用する
ことにより、所望のレベルに変化する。水力タービンユニットの名目出力が高い
ときに、交流電圧を生成する発電機２は、構造上の理由から、一般的に同期機で
ある。小さな名目出力を有する水力タービンユニットにおいては、非同期機も、
発電機として使用することができる。

【００１３】 水力タービンユニットのタービンの型式は、流量および水頭を考慮して、関連
する適用例に応じて選択することができる。幾つかの型式のタービンは、タービ
ンブレードの角度を流れに対して調整して、生成されるパワーに作用するために
使用することができる調整装置を備えている。調整可能なタービンブレードを欠
くプロペラタービンは、本発明の装置に特に適している。発電機の回転速度は特
定の速度に同期する必要はないために、調整可能なタービン１のブレードは、非
常に僅かな利点を提供する。しかし、タービン１のブレードを調整する装置は、
不必要にスペースをとり、このために、発電機を内包するケーシングは、より大
きくすることが必要である。したがって、ブレード調整装置は、本発明の装置に
より提供される効果を減じる。

【００１４】 本発明の水力タービン装置は、図２に示したように、発電機を内包する円筒ケ
ーシングに取付けられた管状支持シャフト８を備え、この支持シャフトは、ケー
シング７を流路内に配置するために使用される。ケーシング７は、流路内で、支
持シャフト８のみにより装架される。管状支持シャフトは、支持シャフトを補強
する垂直支持構造体１０を備えている。さらに、支持シャフト内の支持構造体１
０は、実施形態で規定したように、冷却用空気をケーシング内に供給するために
使用されるダクトを提供する。別個のダクトが、空気流を発電機に配給し、発電
機から排出するために配置される。上述の冷却装置は、そのサイズのために、本
発明の効果を減ずる熱交換器あるいはケーシング内で必要とされる液体冷却を伴
うことなく、発電機を冷却可能とする。

【００１５】 １の実施形態によれば、管状支持シャフト８内の支持構造体は、発電機のステ
ータまで強固な態様で延びる。支持構造体は、円筒ケーシングに載置されるウエ
ブプレート１１により、発電機のステータに取付けられる。ウエブプレートは、
カラー状の態様で発電機を囲み、これにより、発電機のステータ構造体の一部を
形成する。したがって、ウエブプレート１１は、発電機２を信頼性のある態様で
ケーシング７に取付け、同時に、内側からケーシングを補強する。また、発電機
を囲むウエブプレートは、支持シャフト８の支持構造体１０および支持構造体に
より形成されるエアフローダクトの延長部を提供する。したがって、支持シャフ
トを介して供給される空気流は、ウエブプレートにより形成されるダクトを介し
て案内されて発電機を囲み、これにより、発電機から流れる空気内への熱の移動
をより効率的にすることができる。ウエブプレートは、空気流が発電機のロータ
とステータとの間のエアギャップにも入るのを可能とするように配置される。支
持シャフトは、冷却用空気の移動路を提供するだけでなく、発電機２と周波数変
換器３との間のケーブル通信のための通路も備える。

【００１６】 保守あるいは修理作業で必要な場合、水力タービンユニットは、本発明で規定
されているように、設置孔９を介して流路から単体として取外すことができる。
したがって、設置孔９は、水力タービンユニット全体を１の同じ孔を介して十分
に装着し、取外すことを可能とするほど大きく形成される。設置孔には、管状支
持シャフト８の周りに配置された別の調整部材を設け、支持シャフトを支えかつ
設置孔と支持シャフトとの間の接合部を締めることができる。支持シャフトの端
部は、別の調整部材が支持シャフトと設置孔との間に必要とされないような形状
に形成することもできる。また、開いて、タービンユニットを、その後、自由に
装着し、あるいは、その場所から取外すことを可能とするハッチ状構造体を備え
る設置孔３を流路に設けることができる。

【００１７】 支持シャフト８の外面、とくに、流路内に位置する表面の一部に、タービンの
最大の使用を妨害する余分なふれまわりが、流路内の水流中に現われない点で支
持シャフトを流体力学的により有利にする成形部を取付けることができる。円筒
ケーシング７自体も、当然のこととして、出来るだけ流線形化される。

【００１８】 水流から全利益が得られることを可能とするために、タービンは、流路に正確
に整合されなければならない。構造体は軽量であるために、整合は、従来の水力
タービン解決法が使用される場合より簡単である。水力タービンは、一般的に、
垂直シャフトあるいは水平シャフトのいずれかを有するように設置される。しか
し、本発明のタービン装置は、垂直および水平位置だけでなく、全ての中間位置
を含む全ての考えられる位置に設置することができる。したがって、タービンユ
ニットは、流路が水平でないときも、流路の全個所で流路に整合させることがで
きる。

【００１９】 図１に示したように、１の実施形態は、円筒ケーシング７の外側と流路の壁と
の間に配置されたコントロールウイングを備え、このコントロールウイングは、
流路の水流が、流れから最大の利益を得るように好適に案内されるのを可能とす
る。懸案の実施形態において、水は、まずケーシング７に配置されたコントロー
ルウイングに、その後、タービン１に遭遇する方向に流れる。タービンは、流れ
の他の方向に流れる流れで作用するようにも設計することができ、この場合、タ
ービンは、ケーシング７の前に来る。水力タービン装置の中には、流れとタービ
ンへのそのパワーの衝撃とを調整可能とする調整可能なコントロールウイングを
備えるものがある。本発明の装置においては、発電機およびタービンの回転速度
は、発電機の負荷および流れに対応するように自動的に調整されるために、コン
トロールウイングの調整は、追加の利益を提供しない。コントロールウイングは
、水流にふれまわりを形成して、タービンにより生成されるトルクを増大するた
めのものである。

【００２０】 技術が進歩するにつれて、本発明の基本的思想は、種々の態様で実行可能であ
ることは当業者に明らかである。したがって、本発明およびその実施形態は、上
述の実施形態に制限されず、特許請求の範囲の範囲内で変更することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 流路内に設置された本発明の水力タービン装置を示す図。

【図２】 本発明の水力タービン装置を示す図。

【図３】 水力タービン装置とこれに関連する部材を示すブロックダイアグラム。

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Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 流路内で円筒ケーシング（７）を装架するように配置された
   管状支持シャフト（８）を備える支持構造体により流路に配置される円筒ケーシ
   ング（７）内に内包された発電機（２）と発電機のシャフト（５）に直接配置さ
   れたケーシング（７）外側のタービン（１）とを備える水力タービン装置であっ
   て、発電機（２）を備える円筒ケーシング（７）と管状支持シャフト（８）とタ
   ービン（１）は、設置孔（９）を介して単体として流路から取外されるように配
   置されることを特徴とする水力タービン装置。
2. 【請求項２】 管状支持シャフト（８）は、発電機（２）を内包するケーシ
   ング（７）内に冷却用空気を配給し、排出するように配置されたエアフローダク
   トを形成する垂直支持構造体を備えることを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 管状支持シャフト（８）の垂直支持構造体（１０）は、発電
   機（２）のステータに強固に取付けられたウエブプレート（１１）に結合するよ
   うに配置されることを特徴とする請求項２に記載の装置。
4. 【請求項４】 円筒ケーシング（７）と流路の壁との間に、水流を案内する
   コントロールウイング（６）が配置されることを特徴とする請求項１から３のい
   ずれか１項に記載の装置。