JP2002501421A - 挿入可能な人工水晶体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 人工水晶体（１０）は引っ張り具（５０）を使って眼球の近縁切開で巧みに操作でき、視力を助ける部材を用いたものである。オプティカル（視力を助ける）な切片（１２）は屈伸自在な透明な物体（１２）からなる。本発明では水晶体（１０）を眼球内部に固定するために、固定手段（１６）が使用されている。少なくとも一つの付属体（アペンデージ）（１８、２０）からなる固定手段（１６）は、オプティカルな切片（１２）につながっている。さらに、オプティカルな切片（１２）には、引っ張り具（５０）からオプティカルな切片（１２）に伝わる力を連動させるかみあいゾーン（２２、２４）が備わっている。オプティカルな切片（１２）および／あるいは固定手段（１６）は、引っ張り具（５０）による力に対抗できるよう補強されており、その一体性が維持される。

Description

【発明の詳細な説明】 挿入可能な人工水晶体 本発明の背景 人工水晶体が白内障を矯正するために使用され初めてから既に何年にもなる。 生来の眼内レンズの一部を除去してから、後眼房に人工水晶体を挿入するのが好 ましいとされている。最近は、眼球への挿入に先立って折り畳んだり巻き込んだ りできる著しくフレキシブルな人工水晶体が開発されている。このような水晶体 はより小さい切開で使用できるが、折り畳みまたは巻き上げ器具のような特定の 挿入器具が必要となる。このように、人工水晶体それ自体は小さな切開でフィッ トできるが、眼球に水晶体を挿入するのに挿入器具を使用するため、より大きな 切開が必要となっている。 挿入ツール（工具）を使わずに小さな切開でフィットできる人工水晶体は、医 学分野における注目すべき前進となろう。発明の開示 本発明は、白内障の矯正に眼球を小さく切開するだけで挿入できる斬新で有用 な人工水晶体に関するものである。 本発明の人工水晶体は、眼球への極めて小さな切開部から引っ張り具で操作す ることが可能である。人工水晶体は柔軟性に富んだ透明でオプティカルな切片を 含んでおり、それにより患者の眼視を矯正することができる。オプティカルな切 片は、たとえばシリコンあるいはその他生物学的に適合する物質からできている 。 固定手段は人工水晶体を眼房の適当な位置に配置するのに用いられる。この固 定手段は開口または閉口のループ状になったプレート、 または付属体（アペンデージ）という形態を取る。この付属体（アペンデージ） には融通性、弾性があり、水晶体のオプティカルな切片を眼球の前眼房または後 眼房に設定するのに有効である。 また本発明の水晶体にはかみ合いゾーンが備わっており、それにより眼球への 挿入のため引っ張り具で引っ張られてもオプティカルな切片および／または固定 手段が耐えられるようになっている。引っ張り具はマイクロフックまたは同様の 器具の形態を取る。このかみ合いゾーンは、水晶体のオプティカルな切片の一部 またはオプティカルな切片に装着されている固定手段部分の間隙という形態を取 る。場合によっては、かみ合いゾーンは人工水晶体のこのような構成要素のいず れかと接続された補助的なアペンデージ上に形成された間隙となる。たとえば、 単数または複数のフランジが人工水晶体のオプティカルな切片に取り付けられて おり、各フランジは引っ張り具によるかみ合いを可能にする間隙を含んでいる。 さらにかみ合いゾーンは、通常は後眼房内の水晶体のオプティカルな切片を固定 するためのプレートまたは触角型の間に形成される間隙でもある。 本発明には水晶体のオプティカルな切片や固定手段の完全性を選択的に強化す る、すなわちテアリングを防止する補助手段も見られる。この補助手段は、オプ ティカルな切片に接続されている強化フランジや、材料の強化バンド、オプティ カルな手段または固定手段に水晶体に通常使用されるオプティカルな材質より厚 手の強い物質でできている。たとえば、全周締結や組込み要素が水晶体の補強に 使用されており、この構成要素が全レンズまたは適切な部分をとり囲んでいる。 このような場合、眼球への挿入の際に本発明の水晶体を２方向に引っ張ること が実際的である。この場合、水晶体は、それぞれがこのような引っ張りを可能に するかみあいゾーンと補強手段としての 間隙を持つ一対のフランジで構成される。これらのフランジはレンズの強化用オ プティカルな切片プレートに取り付けられるか、または現行の触覚型間の間隙と いう形を取る。後者の場合、この間隙はプラッシュかその他同様の上述の構造に よって補強される。 以上、斬新かつ有用な人工水晶体が記述されたのは明らかであろう。 よって本発明は、白内障手術において引っ張り具を用いることにより眼球に小 さな切開を施すだけで処理することができる人工水晶体を提供することを一つの 目的とする。 本発明の別の目標は、眼球の切開部から引っ張り具を使って処理することがで き、引っ張り力がレンズに行使されても挿入中にレンズを損傷しないだけの耐用 性のある人工水晶体を提供することにある。 また本発明の他の目的は、眼球へ最小の切開を施すだけで引っ張り具を用いて 挿入または取り外しができる人工水晶体を提供することにある。 さらに本発明では、先行技術に見られるようなかさばった挿入ツールの必要が ない、眼球の切開部から引っ張り具を使って挿入する人工水晶体を提供すること も、目標のひとつである。 本発明の別の目標は、人工水晶体の挿入または除去の際に眼球へのトラウマ（ 障害）を減少させることである。 本発明は以下に記述されている明細事項が明らかにする特徴および要点など、 その他にも目標および利点を併せ持っている。図面の簡単な説明 図１は本発明の第１実施例の俯撒図である。 図２は図１の線２−２における断面図である。 図２Ａは図１の線２Ａ−２Ａにおける断面図である。 図３は本発明の別の実施例における俯瞰図である。 図４は図３で表示された実施例の側面図である。 図５は図３の水晶体の眼への挿入を表示する俯瞰図である。 図６は図４に表示の人工水晶体を処理するのに用いられるマイクロフック部分 の側面図である。 図７は図３におけるレンズの眼への挿入俯瞰図である。レンズが切開部の半分 まで挿入されているものと所定位置のものを示しており、後者が仮像として描か れている。 図８は本発明の別の実施例を示した俯瞰図である。 図９は図８の線９−９での断面図である。 図１０は図８の線１０−１０での断面図である。 本発明をよりよく理解するため、推奨する次の実施例の詳細説明には上図との 関連で理解されるべく参照が付けられている。好ましい実施例の詳細な説明 以下の詳細説明では、前述の図式との関連で把握されるべき、本発明の多様な 様相が展開される。 本発明の全体像は大文字を付した注記のある特定実施例として、参照記号１０ により図式で示されている。人工水晶体１０はその一つの成分としてシリコンの ようなフレキシブルで光学的材質からなるオプティカルな切片１２を含んでいる 。この点に関してはさらに、オプティカルな切片１２は折り畳め、また小さな形 状に巻き上げることができる。図１の実施例１０Ａは、オプティカルな切片１２ のシリコン材より強いナイロンのような物質１４の円状バンドで取り囲まれてい る様子を表示している。水晶体１０Ａは、弾力のある腕状のアーム１８および２ ０として示されている固定手段１６を含ん でいる。アーム１８と２０は、白内障手術で生来の水晶体の一部を除去した後、 水晶体１０Ａを後眼房の所定位置に固定する。 また、水晶体１０Ａにはフランジ２２と２４という形でかみ合いゾーンが設け られている。フランジ２２と２４はそれぞれ間隙２６および２８を含んでいる。 間隙２６と２８は水晶体１０Ａの眼内部への挿入に使用されるマイクロフックま たは他の引っ張りツールを連動させるための場所として機能するよう意図されて おり、以下でさらに詳述される。図１の本発明の水晶体１０Ａには、強化手段３ ０も設けられている。強化手段３０は、フランジ２２および２４につながったバ ンド１４か、またはオプティカルな切片１２を構成するために通常使用されるシ リコンより強固な材質からなるフランジ２２と２４を形成する。 図３および図４では、本発明の別の実施例１０Ｂが表示されている。水晶体１ ０Ｂは、バンド１４こそ欠如しているものの、図１に図示されたものと同様のオ プティカルな切片３２を有する。触覚型３４と３６は、図１の実施例１０Ａの弾 力性アーム１６に代わる固定手段１６として用いられている。かみ合いゾーン３ ８は触覚型３４と３６を貫通する間隙４０と４２となる。図３については、ブッ シング４４と４６が間隙４０と４２をそれぞれさらに強化するため、および強化 手段３０として囲んでいるのが観察される。ブッシング４４と４６は図３では仮 像として描かれている。図４は触覚型３４と３６を厚くした強化手段を表示して いる。 図８はオプティカルな切片６４を使用した応用実施例１０Ｃを図示したもので ある。オプティカルな切片６４にはフィラメント、または通常オプティカル切片 ６４に使用される物質より強靱な物質からなるバンドが組み込まれている。たと えば、オプティカルな切片６４がシリコン・ラバーなら、バンド６６はナイロン 、ポリエステ ル、またはその他の物質からなる。バンド６４はオプティカルな切片６４を取り 囲み、また触覚型６８と７０を取り囲んでいるのも見られる。換言すれば、バン ドまたはフィラメント６６は前述のように強化手段３０として作動する。図８か ら図１０ではオプティカル切片が透明体だと仮定してバンド６６が描かれている ことに留意されたい。繰り返すと開口部７２および７４は、図６に見られるフッ ク５０を使ってユーザーがかみ合わせることができる。もちろんバンド６６はオ プティカル切片６４を取り巻くだけかもしれないし、触覚型６８と７０はオプテ ィカルな切片６４より厚くて強い材質で構成されるかもしれない。 操作としては、ユーザーは図５および図７の俯瞰図では水晶体１０Ｂで代表さ れている水晶体１０Ａ，１０Ｂ、または１０Ｃを眼４８に挿入する。図６に図示 された模式的なマイクロフック５０は水晶体１０Ａ、１０Ｂ、１０Ｃにかかる引 っ張り力を示している。図５および図７に仮像として示されている小さい切開５ ２（約３mm）は、そこから眼球４８の内部５４にフック５０の挿入を可能にして いる。白内障手術では瞳孔５６が通常通りに広がり、たとえば水晶体１０Ｂが使 用できる。切開５８が眼に施され、模範人工水晶体１０Ｂの通路となる。そして さらにフック５０が触覚型３６の間隙４２を通って施され、矢印６０に従って引 っ張られる。水晶体１０Ａ、１０Ｂ、１０Ｃは、通常２〜３ｍｍと著しく小さい 切開５８を通りやすいように、あらかじめ折り畳まれるか、または巻き込まれて いる。引っ張って一定角度水晶体１０Ｂを細くするためにもう一つのフック６２ が触覚型３４の間隙４０で使用される。図７は、折り畳まれたり巻き込まれた形 の水晶体１０Ｂが、切開５８から眼５４内部に通っていく様子を表示している。 図７の水晶体１０Ｂの仮像描写は、水晶体１０Ｂが眼４８の後眼房に固定された 状態を示してい る。水晶体１０Ｂが眼４８の中に引入された後、切開５２からフック５０が除去 される。 以上、発明の完全な全貌を明らかにするために本発明の実施例が詳細に渡って 説明されてきたが、本発明の主旨と原理からはずれることなく、詳細においては 無数の変更が可能であることは分野の技術に長けた専門家には明らかであろう。

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Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 眼の切開部から引っ張り具を使用して操作できる、以下のものから構成され る人工水晶体； ａ．柔軟性に富んだ透明な物体からなるオプティカルな切片、 ｂ．眼房の該水晶体を固定するための固定手段、該固定手段がオプティカル な切片に接続されている少なくとも１つのアペンデージから成り、 ｃ．オプティカルな切片への引っ張り具による力の行使を可能にするかみ合 いゾーン、 ｄ．該オプティカル切片と該固定手段の一体性を選択的に補強するための強 化手段。 2. 強化手段がオプティカルな切片に装着されたフランジからなる請求項１の水 晶体。 3. フランジがさらに、そのフランジの開口がつくるかみ合いゾーンを持つ請求 項２の水晶体。 4. 開口が少なくとも部分的に、オプティカルな切片より耐久性のある物質で囲 まれている請求項３の水晶体。 5. 強化手段が水晶体のオプティカルな切片周辺に沿って所定量の物質で形成さ れる請求項１の水晶体。 6. 強化手段がオプティカルな切片に繋がった１対のフランジからなる請求項１ の水晶体。 7. かみ合いゾーンが各フランジを介する開口よりなる請求項６の水晶体。 8. 当該強化手段がオプティカルな切片およびその切片に繋がる固定手段周辺に 沿って、所定量形成された請求項１の水晶体。