JP2002501172A - 植物内での成長およびストレスを検出すると共に紡織繊維の品質をモニタするための方法 - Google Patents

植物内での成長およびストレスを検出すると共に紡織繊維の品質をモニタするための方法

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Abstract

(57)【要約】 植物における環境ストレス、とりわけ、綿植物における水ストレスを検出するための方法は、綿繊維などの植物組織の熱希酸抽出を基本とする。抽出物は高pHアニオン交換クロマトグラフィーにより分析され、炭化水素が分離され、キャラクタリゼーションが実行される。この方法では、ガラクトース、マンノース及びグルコースを含む特有の一連の炭化水素多量体が抽出される。多量体のパターンは、植物組織形成中の成長ストレスの指標となる。さらに、同様の多量体を織物から抽出することができ、この多量体は織物の摩耗の指標となり、どの製造処理が織物の寿命を向上させるのかを決定するのに使用することができる。さらに、多量体は、蛋白質成分を含むことが示される。蛋白質成分を架橋させる化学試薬は多量体の抽出性を変化させる。このように、この型の架橋は、洗濯により誘起される摩耗に対する織物の耐性を好都合なように変化させるのに使用することができる。最後に、高純度セルロースを製造するための連続酵素抽出方法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の背景] 本願は、1995年8月18日に出願された出願番号第08/516,953
号であって、現在米国特許第5,710,047号として1998年1月20日
に発行されたものの一部継続出願である1998年1月7日に出願された出願番
号09/0003,679号、1998年8月11日に出願された米国暫定番号
第60/096,162号、及び1998年10月28日に出願された米国暫定
特許第60/106001号の一部継続出願である。これらはすべて、本願にお
いて引用され、参照される。
【0002】 [技術分野] この発明は、陸上緑色植物、とりわけ、農業作物中の環境ストレスを検出する
方法に関する。そのため、植物に対する永久的なダメージが起こる前にストレス
を緩和することにより生産量を最適化することができる。特に、本願は綿繊維の
品質を評価する生物化学的方法を説明するものである。
【0003】 [背景技術] 本願の親においては、この発明者は、簡単な冷水プロセスにより適当に調製さ
れた植物材料から炭水化物含有画分を抽出することができるという非常に驚くべ
き発見について説明している。本質的には、植物組織は急速冷凍により(好まし
くは、液体窒素あるいは固体二酸化炭素を使用することにより)調製され、その
後、凍結乾燥され、凝固温度よりも低い温度で保存される。上記引用親出願で開
示されているように、炭水化物含有細胞壁画分は、冷水溶液抽出により凍結乾燥
組織から簡単に抽出することができる。その後、高圧液体クロマトグラフィー(
HPLC)の大きく改善された技術により、水溶性抽出物を単糖類及び多糖類成
分に分割することができる。多糖類成分はさらに加水分解させ、単糖類成分を同
定することができる。
【0004】 高pHアニオン交換クロマトグラフィー(HPAEC)を使用すると、細胞壁
成分の明白な同定が可能となる。HPAECでは、塩勾配(例えば酢酸ナトリウ
ム勾配)が、高pHで保持される特別なイオン交換樹脂のカラムに適用され、逐
次、様々な単糖類および多糖類が溶出される。本質的には、糖類の水酸基が非常
に弱い酸として機能し、高pHで脱プロトン化され、イオン交換マトリックスに
結合し、勾配により溶出される。
【0005】 HPAEC材料の販売者は多くいるが、この発明では、カルフォルニア州、サ
ニーベール(Sunnyvale)のディオネックスコーポレーション(Dionex Corporat
ion)により製造されている製品及びシステムを採用している。これらの製品及 びシステムはディオネックステクニカルノート、とりわけテクニカルノート20
及び21において十分に説明されている。これらは、本願において引用されてい
る。植物細胞壁から単離された炭水化物画分は、Dionex CarboPa
c PA1及びPA−100カラムを用いて分析した。これらのカラムはどちら
も、第四級アミン官能基を有するポリスチレン/ジビニルベンゼン架橋ラテック
スマイクロビーズ(直径350nm)を含む。カラムは、酢酸ナトリウム溶出勾
配で溶出される水酸化ナトリウム中で、製造者が推奨する圧力条件(最大400
0psi)下で作動させた。必要があれば、アルキル第四アンモニウム官能基を
有するビニルベンゼンクロリド/ジビニルベンゼンの多孔質ビーズ(直径8.5
μm)を含むCarboPac MA1カラムを用いて糖アルコールを分析した
【0006】 この発明において分析される多糖類は、少なくとも1つの追加の単糖類、及び
必要に応じて蛋白質あるいは脂質に結合する(すなわち、オリゴ糖類あるいは多
糖類を形成する)単糖類を含むので、「グリコ複合体(グリココンジュゲート:g
lycoconjugate)」と適当に呼ばれる。以下に開示するように、グリコ複合体は蛋
白質部分に結合する多糖類を含む。グリコ複合体について手短に述べると、多糖
類、蛋白質部分を含む多糖類、脂質部分を含む多糖類、及び/またはこれらのい
ずれかの組み合わせとしてもよい。本出願では、多糖類及び蛋白質部分を含む多
糖類のみが明白に同定されている。どの場合でも、HPAECはグリコ複合体の
多糖類成分のキャラクタリゼーションを行う。
【0007】 本出願では、多糖類の2つのグルーピングについて特に指摘し、そのグルーピ
ングはHPAEC分離におけるそれらの位置により説明した。これらのグループ
はGC−1及びGC−2であると同定した。この中で、これらのグルーピングの
組成についてさらに評価し、他の重要な多糖類(グリコ複合体)について検討す
る。
【0008】 [発明の開示] この発明の目的及び特徴は、新規なものと考えられるが、添付の請求の範囲お
いにて特に述べられている。この発明は、その構成及び動作の様式の両方につい
て、更に別の目的と利点と共に、添付の図面と共になされた以下の説明により最
も良く理解されるであろう。
【0009】 [発明を実施するための最良の形態] 以下の説明は、当業者がこの発明を実行し、使用することができるように提供
されたものであり、この発明を実行する発明者により熟考された最良の形態につ
いて述べられている。しかしながら、この発明の一般原理は、特に、一定の多糖
類画分の分析により植物成長ストレスおよび植物材料、とりわけ、綿繊維の品質
を決定するための方法を提供するために、この中で規定されているので、様々な
変更は当業者にとっては明白であろう。
【0010】 すでに述べたように、グリコ複合体は他の炭水化物、蛋白質、脂質に共有結合
した炭水化物である。この研究においてモニタされるグリコ複合体は、細胞壁を
生産する生物合成プロセスにおける細胞壁前駆体または中間体として機能すると
思われる。綿繊維は、その主たる機能が細胞壁物質の合成であるので、植物細胞
として無比のものである。特定のグリコ複合体の出現及び消失の経過は、正常の
条件下での綿繊維の発育において観察されている。植物から得られる発育綿繊維
は様々な型のストレスを受け、そのストレスは繊維発育に負の影響を及ぼし、そ
のため、モニタしたグリコ複合体の出現及び消失の異常なあるいは変更されたパ
ターンは証拠となる。グリコ複合体分析は、細胞成長と直接関係する細胞壁合成
をモニタする敏感な方法である。この分析は根、茎、葉、果実に適用することが
できる。本件の場合、この分析は果実に適用した。これらのグリコ複合体の存在
は異なる植物の範囲において立証されており、グリコ複合体は実質的には全ての
植物細胞において見出されるであろうという結論が導かれている。繊維の成長及
び発育のモニタリングのほかに、グリコ複合体分析では、存在すれば、トレハル
ロースまたはメリジトースの存在(コナジラミ蜜中に存在するオリゴ糖類)が立
証される。このように、この方法は、害虫のモニタリングのためにも有効である
【0011】 スクロシルオリゴ糖類 (GC1 グリコ複合体): 本願で詳細に説明しているグリコ複合体のGC−1シリーズは、ここでは、ス
クロシルオリゴ糖類としても知られているオリゴ糖類のラフィノースシリーズに
おける分子からなるものとして示されている。ラフィノースは、D−ガラクトー
ス、D−グルコース及びD−フルクトースからなり、ガラクトースとグルコース
はα−1,6グリコシド結合により結合され、フルクトースはα,β−1,2−
グリコシド結合により結合されている、非還元三糖類である。すなわち、ラフィ
ノースはスクロース(グルコース+フルクトース)に結合したガラクトースユニ
ットを含む。ラフィノースは、ガラクチノール(ダルシトール)からスクロース
へガラクトースユニットを転移させることにより合成される。ガラクチノールは
、UDP−ガラクトースからミオ−イノシトールへガラクトースユニットを転移
させることにより生成される。ラフィノースシリーズの連続する構成員群(スタ
キオース、ベルバスコース、及びより高い同族体)は、ガラクトースユニットの
段階的付加により生成される。このように、スタキオースは、スクロースに添加
された2つのガラクトースユニット(ガラクトビオース)を有し、ベルバスコー
スは3つのガラクトースユニットを有する、などなど。各段階で、ガラクチノー
ル分子は、1つのガラクトースユニットと1つの遊離ミオイノシトール分子を与
える。関連糖類としては、メリビオース(ガラクトース+グルコース)及びマン
ニノトリオース(ガラクトース+ガラクトース+グルコース)が挙げられる。
【0012】 現在までのところ、スクロシルオリゴ糖類に関する研究の多くは、その合成及
び種子内での貯蔵生成物としての見かけ上の役割に焦点が合わされてきた。しか
しながら、これらのオリゴ糖類は、細胞壁内での多糖類合成(例えば、綿繊維)
のためのグリコシル供与体として機能すると考えられる。様々な植物における細
胞壁インベルターゼについて説明している多くの文献がある。しかしながら、細
胞壁インベルターゼに対する明らかな機能は、懸濁培養中の細胞に対するものを
除き提案されていない。綿繊維の発育の際のインベルターゼの1つの報告(ブカ
ラ(Bucala)、1987)では、スクロース、ラフィノース及びスタキオースに
関する細胞壁インベルターゼの活性が比較された。動力学的な考察から予測され
るように、活性は、分子量の増加に伴い減少した。細胞壁(不溶性)インベルタ
ーゼは、ラフィノースシリーズ化合物からフルクトースを切り取り、これらの糖
類を、複雑な細胞壁構造の一部を含む他の炭水化物に転移させると考えられる。
1つの実験では、不溶性インベルターゼはベルバスコース(ガラクトース、ガラ
クトース、ガラクトース、スクロース)をベルバスコテトロース(ガラクトース
、ガラクトース、ガラクトース、グルコース)に転化させることを証明すること
が可能であった。おそらく、切り取られたフルクトースは幾つかの他の炭水化物
に添加される。
【0013】 図2の初期GC−1化合物(14)は、親出願において開示されている標準分
離において説明されている標準分離において約15分で移動する炭水化物の1群
として規定された。図1は、様々な炭水化物ピークが、加水分解実験により、及
び移動する周知標準により、同定されていることを除き、図2のクロマトグラム
と同様のクロマトグラムの一部を示したものである。GC−1化合物は、ラフィ
ノース、スタキオース及びベルバスコースとして同定されていることが重要であ
る。予備的な結果から、追加のGC−1ピークを有するサンプル(例えば、図2
)はラフィノースシリーズの追加のより高い同族体を有することが示される。重
要な点は、「ラフィノースシリーズ炭水化物」は、親出願の方法におけるGC−1
炭水化物の代わりに代用することができるより正確な用語である。親出願におい
て示されている定量的な相互関係から、GC−1炭水化物はGC−2炭水化物へ
の前駆物質であると考えられる。しかしながら、ラフィノースシリーズ炭水化物
は非還元性であるのに対し、最新の実験では、GC−2炭水化物は還元性である
ことが示されている。このように、GC−1化合物はおそらく、直接GC−2化
合物に転化されない。むしろ、炭水化物が他の炭水化物分子に転移されて(おそ
らく、細胞壁インベルターゼの媒介により)、GC−2化合物が形成される。
【0014】 この研究の非常に刺激的、かつ予想外な発見は、GC−1からGC−2への相
互変換(及びおそらく細胞壁合成の他の工程)に必要な合成酵素は凍結乾燥によ
り保存されることである。冷水溶液抽出物が、繊維(不溶性酵素を含む)と反応
することができるようにされると、単純糖類が使い果たされ、より複雑な炭水化
物がその代わりに現れるので、抽出物の炭水化物プロファイルは時間と共に変化
する。図4は、普通に成長させた綿の冷水溶液抽出物を、抽出物が作製された繊
維と共にインキュベートした結果を示す。図4aは、対照標準(すなわち、水溶
液抽出物)を示し、一方、図4bは、水溶液抽出物を繊維に戻して添加し、1時
間37℃でインキュベートするインキュベーションの結果を示す。10分の点で
の炭水化物が消失し、幾つかの新規炭水化物が出現していることに注意されたい
。約15分の所にあるのは、GC−1化合物であり、約20分のところにあるの
はGC−2化合物である。水溶液抽出物を繊維に戻して添加する前に煮沸すると
、結果は変化しない。繊維をインキュベーション前に煮沸すると、インキュベー
ション中に炭水化物には何の変化もない。これから、明らかに、反応は繊維中の
不溶性酵素により進められることが示される。インキュベーション後に繊維を乾
燥させ、質量を測ると、質量の有意な増加が認められる。これから、不溶性炭水
化物が繊維(すなわち、細胞壁)に添加されること、可溶性炭水化物において認
められる変化は細胞壁添加に対し、おそらく単に、付随的なものであるというこ
とが示される。図5は、旱魃ストレスを受けた無潅水植物からの繊維を使用して
行った同様の実験を示すものである。親出願は、GC−1及びGC−2化合物は
ストレスの敏感な指標であることを証明している。ここでは、我々は、これらの
違いがin vitroインキュベーションによっても実証されることを確認す
る。
【0015】 旱魃ストレス差異は、不溶性酵素の変化によるものか、炭水化物前駆物質の有
用性の変化によるものか、あるいはその両方によるものか、について問いかけた
としよう。ストレスを受けた植物の旱魃応答において、炭水化物が関係すること
は周知である。例えば、旱魃に応答してグリセロールまたはトレハロースが蓄積
し、細胞及び膜の完全性を維持するための保護剤として作用する。明らかに、炭
水化物が流用されて保護物質が生成されると、細胞壁合成のために使用可能な炭
水化物プールが変化するかもしれない。この研究ではまた、炭水化物パターンは
、光合成速度が増加し(早朝から真昼まで)、その後減少する(真昼から夜更け
まで)につれ、1日の間で変動することが証明されている。これは図6で明らか
にされている。図6では、1日の3つの異なる時間(早朝、夜明けから1時間以
内;真昼、正午から1時間以内;夜更け、夕暮れから1時間以内)に収穫した繊
維から得られた水溶液抽出物が示されている。もちろん、様々な細胞壁酵素の活
性もまた、1日のうちで変化し、これにより、事態はより複雑になる。
【0016】 細胞壁炭水化物におけるストレス変化は、壁酵素の変化よりもむしろ炭水化物
プールシフトによるものであるという見込みもまた、正常繊維の水溶液抽出物を
旱魃ストレス植物からの繊維と共に結合させる、及びその逆により証明されてい
る。どちらの場合でも、得られたプロファイルは抽出物源により大きく左右され
る。すなわち、普通に成長させた繊維からの抽出物は、正常植物あるいはストレ
スをかけた植物のいずれかからの繊維と共にインキュベートしても本質的に正常
なプロファイルを示す。同様に、ストレスをかけた植物からの抽出物は、正常植
物あるいはストレスをかけた植物のいずれかからの繊維と共にインキュベートし
ても異常なプロファイルを示す。しかしながら、正常繊維あるいはストレスをか
けた繊維に周知の基質を添加すると、その繊維はまた、最終的な可溶性炭水化物
プロファイルを制御することが示されている。
【0017】 図7は潅水した植物からの繊維と共にインキュベートした一連の上清を示した
図である。これらの実験では、周知の濃度の基質(25mMのイノシトール、2
5mMのグリセロール、25mMのスクロース及び/または25mMのアラビノ
ース)を周知の質量の繊維と共にインキュベートした。対照標準は正常繊維抽出
物を含むが、酵素を不活性化させるために煮沸した。他の場合では、正常可溶性
炭水化物が指示された基質と共に添加された。異なる基質は異なるパターンを形
成する−プールサイズの変化は最終的な炭水化物パターンに大きく影響すること
が示されることに注意されたい。例えば、イノシトールを添加すると、スクロー
スの消費(対照標準における10分近くの大きなピーク)が大きく増大される。
グリセロール、イノシトール及びアラビノースをスクロースに添加すると、スク
ロースの消費が向上する。図8は、旱魃ストレス植物からの繊維を用いて実行し
た同じ実験を示す図である。図7と同様であるが、明らかな違いがある。可溶性
炭水化物の全体的なレベルは低いが、スクロースが明らかに消費されている。違
いの一部は、ストレスを受けた繊維は、正常繊維とは乾燥質量に対する酵素の割
合が異なっていることであり、これらの実験は添加した繊維の質量により標準化
した。どちらかといえば、旱魃ストレス繊維は添加した炭水化物のほとんど全て
を代謝して不溶性化合物とすると思われる。これは、異なる比率の様々な酵素が
存在することを排除するものではないが、ストレス物質中の活性酵素の存在を明
らかに示している。
【0018】 酸抽出可能な多量体: おそらく、この研究の最も刺激的で、予想外な発見は、水溶液抽出に次いで、
多量体画分を、希0.1MHCl中で30分煮沸することにより抽出することが
できることであった。図9は、開花後15日から39日までの綿ボールから抽出
したこの独特な多量体パターンを示したものである。より古いボールは全く同じ
多量体を有しているが、質量あたりの量が低くなっている。おそらく、これらの
多量体は、壁内のパラ結晶セルロースを結合させるいくつかの成分を表している
。GC−2化合物のように、多量体は、ポリマー内の非典型的なグリカン結合を
示す還元糖である(図3を参照のこと)。個々のピークの加水分解により、それ
らが、ガラクトース、グルコース及びマンノースを含むことが示されている。古
典的植物細胞壁研究では、時には、希鉱酸が使用されてペクチンまたは「ペクチ ン物質」が抽出されるが、ペクチン物質は、規定によれば、ガラクツロン酸残基 を含む。明らかに、多量体はペクチンでもペクチン物質でもない。さらに、GC
−1及びGC−2化合物により多量体が不明瞭にならないように、最初に、冷水
溶液抽出を実行する必要がある。図10は、旱魃ストレス植物に関し、繊維から
抽出されたHCl多量体を示した図である。明らかに、多量体パターンは、約1
5〜20分の保持時間で特に分裂する。多量体パターンの分裂はストレスの非常
に敏感な検出器となり、GC−1対GC−2を基本とするストレス検出にしばし
ば必要とされる定量的比較の必要性がなくなる。さらに、正常繊維の多量体分析
では、連続する多量体間の主な違いはグルコースユニットの追加にあることが明
らかにされた。すなわち、一連の連続多量体は、同等の量のガラクトースとマン
ノースとを有するが、グルコースの量が異なる。旱魃ストレス植物の異常な多量
体がこのパターンに従うかどうかについてはまだ知られていない。これらの同じ
多量体の多くは様々な細胞壁中で見出されることは確実であると思われる。図1
1は、テンサイの根組織のHCl抽出物が多量体シリーズを含むことを示す図で
ある。化合物のいくらかは綿多量体のいくつかとぴったり重なる。
【0019】 多量体抽出は、織物産業を悩ませる多くの欠点に対し、綿繊維サンプルを評価
するのに申し分なく適している。モート(mote)は、綿の品質を低くしている未
成熟な、短い繊維である。これらの存在は、繊維の顕微鏡観察により評価するこ
とができるが、この繊維はまた独特な炭水化物パターンを示し、これによりモー
トの混入を決定することができる。「ホワイトスペク」繊維の存在はより一層重要
である。この繊維は染料を普通に吸収しない異常な繊維である。この欠陥は繊維
を染めて観察することにより評価することができるが、HCl多量体の分析は、
ホワイトスペク繊維の存在を評価する容易な方法を提供する。図12及び図13
に示されるように、それぞれのホワイトスペク(w)HCl抽出物は、正常繊維
の抽出物(p)に比べ、アラビノース対グルコース比が比較的高い。
【0020】 興味深いことに、著しい旱魃ストレス植物からの繊維の水溶液抽出物はいくつ
かの多量体を示す。予備実験では、これらの多量体は、希HCl処理により放出
されるものと同一でないとしても、同様であることが示された。現実の質問は、
どうして、それらの多量体が単純な水溶液処理により放出されるのかということ
である。多量体はヘミセルロース「接着剤」の一部であり、その接着剤は細胞壁セ
ルロースミクロフィブリルを共に保持していると仮定することができる。旱魃ス
トレス条件下では、炭水化物の不足及び/または酵素欠陥は細胞壁成分の正確な
構築を阻害する。そのような場合、「接着剤」は適当にくっつかないので、非常に
簡単に壁から洗い落とされる。以下に説明するように、少なくともいくつかの多
量体と結合する蛋白質(特別なグリコ複合体を生成する)がある。これらの蛋白
質は、多量体を壁内に保持する幾つかの結合を生成する原因となりうる。確かに
、穏やかなHCl抽出は、部分的に蛋白質を変性させ、それらの意図的な結合を
打ち消すには十分である。図14は、表1に示した基質と共にインキュベートし
た繊維から抽出した多量体を示す図である。特別なトレースと関連する番号は添
加した基質と関係付けられる。重要な点は、所定の基質の組み合わせの添加(注
、例えば、トレース2と8)により、多量体の抽出が減少するように思われるこ
とである。対照標準(外因性基質の添加無し)は、多量体の正常な抽出性を示す
。おそらく、所定の基質の組み合わせにより、より堅い架橋生成物が生成し、そ
のため、容易に抽出できる多量体がほとんどない。
【0021】
【表1】 他の驚くべき発見は、多量体は、以上のように注意深く収穫した繊維からと同
様、加工綿繊維からも抽出することができるということである。図15は、染色
していない(オフホワイトまたはアイボリー色の)綿タオルから、及び染色した
綿タオル(緑色)から0.1M HCl中で30分間煮沸することにより抽出し
た多量体を示した図である。各場合において、上のトレースは新しいタオルの抽
出を表し、第2(下)のトレースは、一度洗濯したタオルの抽出を示す。抽出さ
れた織物の量を標準化する試みがなされた。抽出された多量体は特別に調製した
繊維から抽出された多量体と非常に類似していることに注意すること。この場合
、織物の処理により全てのGC−1及びGC−2化合物が除去され、そのため、
水溶性予備抽出は必要なくなる−GC化合物が多量体をわかりにくくする危険が
ない。抽出された多量体の質及び量の違いは、2つの異なる織物間における開始
綿または紡績処理の違いのいずれかによるものである。「パーマネントプレス」処
理された綿を用いた実験では、そのような処理が抽出される多量体の量及び品質
をかなり変化させることが示されている。他の重要な発見は、綿織物は長期の摩
耗及び洗濯後でさえも、多量体を与えることができるということである。図16
は、発明者の家庭における古いタオル及び古い枕カバーから抽出した多量体を示
す図である。これらの織物は何回も洗濯されているが、同様の多量体を与えた。
明らかに、多量体分析は、綿織物における摩耗−関連変化を測定するために、及
び様々な織物処理の織物の摩耗に関する長期にわたる影響に関しその織物処理を
分析するために使用することができる。多量体の放出を阻害する処理であればど
のような処理もおそらく、織物の寿命を延ばすであろう。希酸洗浄は、分析のた
めに多量体を抽出する好ましい方法であるが、高温での長期(数日)の水溶液抽
出はまた、多量体を放出することが発見されている。おそらく、熱水に長い間暴
露すると、徐々に細胞壁のパラ結晶部分が水和され、多量体が放出されることが
可能となる。これにより、これらの物質が洗濯中に徐々に放出されること、疑い
なく、これらの「接着剤」要素の損失により織物が弱くなることが強く示唆される
。従来、材料に伴う織物の弱まりは摩耗及び洗濯の物理的影響に過ぎないと考え
られていた。これらの発見により、実際は、洗濯により、綿から重要な結合成分
が除去されることが示唆される。この除去を遅くする処理により、綿織物の寿命
は延びるであろう。多量体抽出の他の実用的な用途は、所定の織物において使用
されている綿の型の決定である。様々な種類の範囲の綿の抽出では、種類の間で
再現可能な多量体の差異が観られる。特に、一定の高グレードの綿は、異なる綿
の種類から導かれる。より安い−「普通の」綿を含むこれらの高級綿の粗悪品を検
出する簡単な試験があることは非常に有益であろう。
【0022】 蛋白質接着剤と多量体: 図17は、あるとすれば、蛋白質が、上述した細胞壁の現象においてどの部分
の役割を果たすのかを決定するための実験の流れ図を示したものである。繊維は
水和させ、その後煮沸して酵素を変性させ、全ての微生物を殺した(さらに殺菌
を確実にするためにトルエンも添加した)。その後、繊維は37℃で72時間、
蛋白質分解酵素(プロナーゼ1mg/ml)と共に、あるいは蛋白質分解酵素無
しで、インキュベートした。この時間の終わりに、遠心分離により上清から繊維
を分離した。上清はその後、0.22μm孔フィルタを通過させ、粒状物質を除
去した(これはクロマトグラフカラムを保護するための標準手順である)。驚く
べきことに、プロナーゼで処理していない上清はフィルタに詰まり、フィルタ表
面上にねばねばした物質(保持物)として残った。この物質の量は、源の繊維が
単離された日の時間に強く依存した。早朝(午前7時)の繊維で、この物質が最
大量となった。正午の繊維からの物質は中間の量であった。一方、夜更け(午後
7時)の繊維からの物質は最少量であった。このねばねばした保持物はセルロー
スを細胞壁内で保持する「接着剤」を表すと考えられる。明らかに、細胞壁合成速
度は、1日の時間により変わり、合成速度は、接着剤物質の抽出性に影響するで
あろう。(主としてプロナーゼ処理サンプルからの)濾液は、HClで処理され
ると、典型的な多量体パターンが形成される。重要なことは、保持物がHClで
、あるいは蛋白質分解酵素で処理されると、多量体が生成されることである。こ
れにより、長期の水溶液抽出は、多量体を含む細胞壁成分を除去することが示さ
れる。この物質は巨大分子であり、ねばねばしたゲルを形成する。物質を蛋白質
分解酵素で処理すると、ゲルは破壊され、多量体は可溶性となる。このゲルは蛋
白質分解酵素に敏感な結合により保持されているという事実により、蛋白質は細
胞壁を共に接着させるのに重要であることが強く示唆される。
【0023】 図18は、早朝(上のグラフ)、真昼(中間のグラフ)及び夜更け(下のグラ
フ)の繊維のHCl−処理保持物から生成された多量体を示す図である。各グラ
フには、炭水化物と蛋白質(A280)が示されている。一定の多量体は明らか
に蛋白質と結合されていることに注意すること。さらに、蛋白質の正確な性質は
1日の時間に伴い変化する。早朝及び夜更けのグラフでは、20から25分の間
に蛋白質三重項ピークが見られるが、真昼のグラフでは、約35分に顕著な蛋白
質ピークが見られる。図19で示されるように、サンプルを高純度トリプシンま
たは高純度キモトリプシンのいずれかで処理すると、蛋白質成分が除去され、結
合蛋白質/炭水化物ピークは消失するかあるいはその形または位置が変化する。
【0024】 接着剤抽出前に綿繊維を煮沸すると、得られる多量体のパターンがかなり異な
った。朝(午前7時)に収集した繊維を用い、煮沸すると、図20に示されるよ
うに2または3のピークが無くなった。しかしながら、正午に収集したボールか
らの繊維を用いると、煮沸により、mg値あたりの繊維を基本にかなり豊富にあ
ったシリーズの第1の多量体を除き、ほとんど全ての多量体が削除された。これ
は図21に示されている。晩(午後7時)に収集された繊維は、幾分中間的であ
るが、真昼の繊維パターンにより似ている多量体パターンを形成した。これらの
結果は、細胞壁合成の大部分が夜に起こるという事実と一致する。朝の繊維は壁
合成からの残りの物質であり、真昼の繊維は壁合成のより低い点を表し、晩の繊
維は壁合成プロセスの開始を表す。
【0025】 多量体のクロマトグラムは初期溶離ピークのわずかに尾引き端を有するという
特徴を有する。これにより、不完全なピークの分割が示唆される。これについて
、図22に示されるように、接着剤の加水分解の時間経過により調べた。5分時
間点は、これらの最初のピークが2つの小ピークからなること、その後、加水分
解時間が長くなると、尾引き端を有する1つの大きなピークとなることが証明さ
れている。これにより、互いに近くで溶離する2つのピークが存在し、一方が他
方に比べずっと豊富であることが示される。この見かけ上不完全なピークの分割
は、また、30分加水分解物を分子量カットオフフィルタ(MWCO)で濾過さ
せることにより調査した。この結果を図23に示す。図23では、30,000
、10,000及び4,000MWのフィルタを使用した。多量体の大部分が1
0,000MW保持物、あるいは4,000MW濾液において得られた。
【0026】 綿繊維(25DPA)は、3つの温度、37℃、25℃及び4℃で、30日ま
での間、水を用いて抽出した。抽出管に15分間超音波処理を施し、濾液を毎日
除去し、遠心分離し、白色粒状ペレットを得た。抽出3日から9日の間で、4℃
で抽出された繊維は1つの明らかに異なる差異により特徴付けられることが観察
された。超音波処理前では、管は全て同様に見えたが、超音波処理後、4℃管は
濁り、非常に細かい粒子の懸濁が示された。しかしながら、遠心分離では、全て
の管から得られたペレットは沈殿の量及び得られた多量体のパターンについては
同様であった(図24)。この結果から、温度依存性が示され、及び、このよう
におそらく、より高い温度ではより大きな粒子を生成する酵素プロセスが示され
る。
【0027】 ホワイトフレーク: 綿繊維の発育中に、乾燥物質中でホワイトフレークとして現れる幾つかの構造
が存在する。この物質は、大部分、発育中の心皮内の液体の乾燥から生じるもの
であると推測される。しかしながら、フレークはまた、新しく開いたボール中で
も現れることがある。フレークは、多くの場合、少なくとも39DPAまで現れ
るが、発育の後の工程で消失し、成熟してボールが開く時までには無くなってし
まう。多くの研究者達が非公式にホワイトフレークについて言及しているが、文
献にはそれらの研究は無いように思われる。私は、繊維からのホワイトフレーク
について詳細に分析し、どちらも、可溶性オリゴ糖類に対し、独立して観察した
。私は希酸抽出を行い、多量体を得た。乾燥質量を基本にすると、ホワイトフレ
ークは、繊維が放出する多量体の量の少なくとも5から10倍の量を放出する。
これについては、図25に示す。これらのホワイトフレークは、結局繊維となる
多量体を含むので、明らかな結論はホワイトフレークは繊維壁に対する前駆物質
を含むということである。そのため、発育している繊維壁物質は全て、その特別
の繊維内で生ずるわけではない。この時点では、私は、ホワイトフレークが特別
な繊維群から生じるのか、発育中の種皮内の他の細胞から生じるのか、あるいは
内側の心皮壁からの他の組織から生じるのかについてはわからない。
【0028】 ツニカマイシン実験: 綿繊維から得られた多量体へのツニカマイシン効果を調べた。繊維を水と共に
2日間インキュベートし内性基質を涸渇させ、その後、24時間、ツニカマイシ
ン(10μg/ml)と共にあるいはツニカマイシン無しで、添加基質と共に及
び添加基質無しの両方で、インキュベートした。ツニカマイシンは特異的に、N
−結合糖蛋白質内のアスパラギンとN−アセチルグルコサミン間の結合を阻害す
る。基質が添加されないと、ツニカマイシンは認めることができるほどの効果を
有しないが、セロビオースやラフィノースなどの基質が添加されると、図26に
示されるように、ツニカマイシンが抽出された多量体の量及びパターンを阻害す
るので、効果は劇的であった。他の実験においては、ここでは示さないが、内性
基質がツニカマイシン添加前に涸渇されないと、ツニカミシン効果は変わりやす
かった。
【0029】 酵素処理: 抽出した多量体を、セルラーゼ(トリコデルマ リーセイ)またはβ−グルコ
シダーゼ(アーモンド エムルシン)と共にインキュベートした。β−グルコシ
ダーゼの効果は、多量体ピークの高さをかなり増加させ、20分よりもわずかに
大きな保持時間を有する1つの追加の小さなピークを発生させることであると考
えられる。おそらく、これは、末端グルコースユニットを除去した結果、検出応
答が増加した化合物となったためであろう。セルラーゼは異なる結果を与えた。
というのは、図27に示されるように、多くのピークはほとんど削除され、多く
のピークの高さは大きく減少し、一連の多量体の第1のピークのピーク高さが大
きく増加しているからである。セルラーゼの結果は、11分のピーク(セロビオ
ースに関係する)を除き、発育阻害された植物からの繊維のプロファイルと非常
に類似していた。
【0030】 単離した多量体の酵素処理の結果を基に、繊維に連続酵素処理を施すことによ
り多量体のin situ改良を行う試みを決定した。目的は、化学的に穏やか
で特異的な酵素手段により、特異的に多量体を除去することである。これを実行
することができれば、繊維細胞壁の特異的成分としての多量体に対する納得のい
く論証を行うことができるであろう。繊維(25DPA)は24時間、トリプシ
ン、キモトリプシン、プロテアーゼKまたはペプシンと共にインキュベートし、
続いて、37℃で、セルラーゼまたはβ−グルコシダーゼと共に第2の24時間
インキュベーションを行った。その代わりに、二倍の組のサンプルを同じ酵素に
、しかし反対の順に暴露させた。すなわち、最初にセルラーゼまたはβ−グルコ
シダーゼ、その後、次にプロテアーゼとした。最終的な繊維/残存物質には希酸
抽出を施し、HPAEC−PAD前に多量体を除去した。
【0031】 図28〜30に示されるように、物質は、プロテアーゼ及びセルラーゼまたは
β−グルコシダーゼの両方により放出された。最終放出物質から抽出された多量
体(図30)により、多量体は対照標準繊維、または最初にプロテアーゼその後
にセルラーゼに暴露された繊維から抽出することができるが、最初にセルラーゼ
その後にプロテアーゼに暴露された物質からは多量体は得られなかったことが示
される。その場合、キモトリプシンは最も効果的なプロテアーゼであった。とい
うのは、キモトリプシンはまさに、接着剤の分解のためのものであるからである
。しかしながら、最も顕著に観察されたことは、セルラーゼその後にプロテアー
ゼを用いて処理した繊維はその構造的な完全性を失い、全くばらばらになる、あ
るいは抽出物を除去する際にパスツールピペット内に吸い込まれた。
【0032】 開かれたボールからの成熟繊維に、同じ、セルラーゼその後にプロテアーゼと
いう手順を施すと、ほとんど何も起こらず、そのため、手順を2度繰り返した。
第2のサイクルの終わりに、繊維は完全にその構造的な完全性を失い、非常に小
さな粒子の沈殿のみが残った。これらの粒子を洗浄し、希HCl中、2Nトリフ
ルオロ酢酸中、あるいは6N HCl中のいずれかで消化させた。実際の消化は
6N HCl中でのみ起き、得られた単糖類は99%より多いグルコースである
と思われる。これから、セルラーゼその後にプロテアーゼという逐次処理は、非
常に純度の高いセルロースを生成するのに優れた方法であることが示される。
【0033】 この結果は顕著である。というのは、ボールの開き及び成熟と関連する繊維の
重大な改良に対する証拠が提供されるからである。これは、たとえセルロース繊
維壁が毎日の成長リングにおいて析出されるとしても、繊維壁特性を著しく変え
てしまう非常に重要な析出後改良プロセスが明らかに存在することを意味する。
【0034】 蛋白質接着剤及び架橋: 植物細胞壁のセルロースミクロフィブリルは、それらを共に接着させる1つの
マトリックス中に固定されているという可能性が、何年にもわたり、多くの研究
者により提案されてきた。そのような接着剤マトリックスの性質は考慮すべき議
論の主題となってきたが、そのようなマトリックス物質のキャラクタリゼーショ
ンはなかった。綿繊維において、細胞壁サブユニットの存在が、W.ローレンス
ボールス(Lawrence Balls)(ボール、W.ローレンス、1928、綿の品質
の研究、マクミラン社(Macmillan & Co.)、ロンドン)により提案された。細 胞壁「接着剤」マトリックスに関する現在の研究(以上を参照のこと)は、特に、
綿繊維の発育上の変化に関連すると考えられる可溶性オリゴ糖類及びスクロシル
オリゴ糖類のキャラクタリゼーションを行う私の研究室での仕事の延長である。
【0035】 開いたボールからの成熟繊維を冷水で抽出し、抽出物を除去した。緩衝剤で処
理していない水中で、水溶性カルボジイミドを用いて、架橋を行った。反応混合
物のpHを測定すると、5.0から5.2の間であることが決定された。2つの
濃度、125mMと250mMの水溶性カルボジイミドを使用した。架橋反応を
室温で2時間、その後4℃で一晩中実行した。反応混合物を繊維から洗い流し、
その後酵素消化を行った。繊維をセルラーゼ(T.リーセイ)(1mg/ml)
と共に24時間、その後キモトリプシン(CT)(1mg/ml)と共にインキ
ュベートした。その後、連続インキュベーションを繰り返した。結果を図31〜
34に示す。全ての場合において、サンプル番号1は対照標準であり、No.2
は125mMのカルボジイミド反応からの繊維であり、No.3は250mMの
カルボジイミド反応からの繊維である。反応条件下では、カルボジイミドはアミ
ノ酸間のアミド結合の形成を促進し、炭水化物間のエステル結合の形成にはほと
んど影響しないと予測される。
【0036】 私は、化学的方法及び酵素方法の両方により、発育綿繊維から一連のオリゴマ
ー(多量体)を抽出することができた。これらの多量体は、分析条件下で、14
分以上のPAD保持時間を有した。ピークの規則的な間隔は一連のオリゴ糖類の
サイズが単位モノマーにより変化することを示す。これらの多量体は、ペプチド
グリカンコア構造から延びる繰り返しグリカンユニットを有するヘテロポリマー
である。
【0037】 私の研究室における従来の研究において、25DPA綿繊維は、セルラーゼそ
の後にプロテアーゼを用いる連続酵素処理により分解することができるが、反対
の順では同じ結果を達成できないことが示されている。繊維は完全に構造の完全
性を失う。開いたボールからの繊維を同じ順で暴露すると、そのプロセスを2度
繰り返さないと繊維の完全性が失われない。第2のプロテアーゼ処理後、管の底
には白色粒状沈殿物が存在する。
【0038】 定量的には、酵素処理により放出される成分は主にグルコース(Glc)及び
セロビオース(CB)からなる。第1のセルラーゼ処理により放出される炭水化
物について図31に示す。この図では、どちらのカルボジイミド濃度も、セルラ
ーゼ処理により放出されたグルコースまたはセロビオースの量を減少させること
が示されている。3.5分保持時間のピークはアラビノースである。処理繊維か
らよりも対照標準繊維からの方が、セルラーゼにより放出される14〜20分の
範囲のピーク数が多い。対照標準繊維から放出された約14.5分の保持時間を
有する主ピークは、処理繊維から放出された約14.65分の主ピークよりも保
持時間が明らかに短いことに注目することは非常に重要である。これは重要な差
であり、第1のセルラーゼ抽出物においてのみ証明可能である。
【0039】 第1のキモトリプシン処理により放出される炭水化物を図32に示す。処理繊
維及び対照標準繊維の両方から大量のグルコース及びセロビオースが放出される
ことに加え、14〜20分の範囲においては、処理繊維よりも対照標準繊維から
より多くのピークが放出される。このパターンは第2のセルラーゼ処理(実際に
は、キモトリプシン処理後のセルラーゼ処理)(図33)及び第2のキモトリプ
シン処理(実際にはセルラーゼ処理後のキモトリプシン処理)(図34)により
放出された炭水化物に対するものと一致する。
【0040】 14〜20分の間の保持時間を有する放出炭水化物ピークはまた、図35に示
すように、280nmで吸収する成分を含む。280nmでの吸光度は、通常、
蛋白質中のフェノール性アミノ酸類、フェニルアラニン、チロシンによるもので
あるが、他の化合物もまた280nmで吸収することがある。プロテアーゼによ
り放出された物質に加えこの結果を基に、この14〜20分範囲の炭水化物ピー
クは糖蛋白質であると結論づけられる。カルボジイミドと結合すると、これらの
炭水化物はプロテアーゼ放出耐性がより高くなるという事実から、さらに、これ
らの炭水化物は実際にはグリコペプチドであるという結論が実証される。プロテ
アーゼ消化により、グルコース及びセロビオースの放出がかなり増加するという
事実から、壁のセルロース成分はプロテアーゼ感応成分(すなわち、蛋白質また
は糖蛋白質)により架橋されていることが確認される。
【0041】 繊維の酵素分解により放出される白色ロッド状粒子はさらに精製を受けた。こ
れらの粒子を沸騰水浴中、0.1N HClを用いて30分間処理したが、溶解
することはできなかった。残分はまた、2Nトリクロロ酢酸中、100℃で2時
間処理しても溶解しなかったが、100℃で2時間、6N HClを用いて処理
すると完全に溶解した。6N HCl加水分解物について、その後、15mM
NaOHの条件下で、単糖類を分離するクロマトグラフにかけた。結果を図36
に示す。この図には、グルコースの保持時間と同一の保持時間を有する単一のピ
ークが示されている。この時点では、グルコースピークの前後の不安定なベース
ラインが重要であるかどうかを決定することはできない。約15分における降下
は溶存酸素によるものであり周知の現象である。この問題についてはさらに調査
して、これらの不安定なベースラインの領域に重要性があるのか−例えば、更に
、少量の炭水化物成分が存在するのかどうかを決定しなければならない。この時
点では、白色粒子は本質的には純粋セルロースであり、6N HCl中での加水
分解でグルコースのみを与える。
【0042】 以上詳細に説明したように、私は、in vitroで、温度依存メカニズム
により、繊維により分泌される大分子錯体からオリゴマー(多量体)を得ること
ができた。多量体の相対分布は、繊維と共にインキュベートさせる外因性基質お
よびボールを収集する日の時間により変化する。最適条件下では、私は最初の可
溶性画分、0.2μmフィルタを通過しない分泌画分、水溶性抽出物の析出物、
繊維そのもの中の多量体の存在を実証することができた。多量体は綿繊維の完全
性において構造的な役割を果たすと考えられる。というのは、特異的な酵素を用
いて多量体を抽出する最近の実験では、綿繊維の物理的完全性が著しく損なわれ
たからである。
【0043】 説明したばかりの実験では、成熟綿繊維のセルラーゼ、キモトリプシン、セル
ラーゼ、そしてまた、キモトリプシンを用いた連続処理により放出される物質の
A280プロファイルが実証される。これらのプロファイルにより、多量体は蛋
白質に付着していることが示される。繊維を水溶性カルボジイミドで処理し、ア
ミノ酸成分のカルボキシル基とアミノ基との間でアミド結合を形成させると、繊
維は酵素分解に対しより高い耐性を有するようになる。この結果から、ニ官能性
試薬は織物に適用でき、綿織物の品質(例えば、耐久性)を改良する方法が得ら
れることが示される。以上、私は普通の綿織物が、織物の寿命にわたり、連続し
て水溶性多量体を与えることを示した。これにより、織物の摩耗は、少なくとも
一部は、洗濯中の可溶性物質の損失によるものである。化学的架橋はこの損失を
減少させる1つの方法であり、これにより、綿織物の寿命が長くなる。この試験
ではカルボジイミドを使用したが、アミノ基と反応することが知られている多く
のニ官能性試薬のうちいずれを使用することもできる。これらの試薬は蛋白質化
学の分野にいて通常の技術を有する者には周知である。重要な点は、私の実験が
、蛋白質架橋試薬が綿及び他の植物ベースの織物の特性を変えるのに有効である
ことを最初に実証したことである。
【0044】 繊維の酵素消化後に残っている白色粒状物質に関する加水分解実験は、これら
の粒子がおそらく高結晶セルロースであるということと一致する。この結果は、
繊維壁は小さなドミノ状あるいはレンガ状構造で構成され、それらの構造は共に
保持され、繊維が可撓性を有するようにしているというボール(1928)によ
る予測と一致する。おそらく、「レンガ」を共に保持している物質は、蛋白質の
骨組に付着された多量体と共にこの中で一部説明した「接着剤」マトリックスで
あろう。この結果は、植物栽培者は強度を含む異なる繊維特性を有する種類を直
接選択するという事実と一致する。マトリックス蛋白質は一次遺伝子生成物であ
るが、セルロースなどの多糖類は複数の遺伝子の生成物である。このように、遺
伝子工学による直接選択及び操作は、セルロースを合成するのに必要な酵素の複
合体に関する場合に比べ、マトリックス蛋白質に関しては成功率がより高いはず
である。
【0045】 特許請求の範囲に記載した要素と等価なものの他、当業者に周知の明らかな置
換は、規定された要素の範囲内にあると規定されるべきである。このように、特
許請求の範囲は以上で特別に説明したもの、概念的に等価なもの、明らかに置換
可能なもの、及び本来この発明の本質的な考えを組み入れているもの、を含むと
考えるべきである。当業者は、この発明の範囲及び精神に反することなく、説明
した好ましい実施の形態の様々な改良及び変更を行うことができることを認識す
るであろう。説明した実施の形態は、例示するために示したものにすぎず、発明
を限定しようとするものではない。そのため、添付の特許請求の範囲内であれば
、特にこの中で説明したものと異なるこの発明を実行しても良いと理解すべきで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多くの炭水化物の位置及び同一性を示す、本発明にかかる綿繊維
の冷水溶液抽出のHPAECを示した図である。
【図2】 GC−1及びGC−2炭水化物の位置を示す冷水溶液抽出の典型
的なHPAECを示した図である。
【図3】 本発明にかかる植物組織から抽出した多量体に関するアルカリ分
解実験を示した図である。
【図4】 不溶性酵素が炭水化物プロファイル(矢印)に変化を引き起こし
、対照標準では煮沸させ酵素を破壊した繊維を用いている、普通に成長させた繊
維を用いて冷水溶液抽出物をインキュベートした効果を示した図である。
【図5】 不溶性酵素が炭水化物プロファイル(矢印)に変化を引き起こし
、対照標準では煮沸させ酵素を破壊した繊維を用いている、渇水状態で成長させ
た(潅水無し)繊維を用いて冷水溶液抽出物をインキュベートした効果を示した
図である。
【図6】 炭水化物パターンが1日の時間に伴い予測可能なように変化する
ことを示した、1日の異なる時間(早朝(A)、真昼(B)、夜更け(C))に
とった繊維からの冷水溶液抽出物を示した図である。
【図7】 多くの異なる添加基質と共に、普通に成長させた綿繊維(本発明
の方法に従い採取)の炭水化物プロファイルに関する効果を示した図であり、A
)対照標準−煮沸して酵素を破壊、B)イノシトール添加、C)グリセロール添
加、D)スクロース添加、E)イノシトール、グリセロール、スクロース、アラ
ビノース添加のものを示す図である。
【図8】 多くの異なる添加基質と共に、渇水ストレスを与えた(潅水無し
)綿繊維(本発明の方法に従い採取)の炭水化物プロファイルに関する効果を示
した図であり、A)対照標準−煮沸して酵素を破壊、B)イノシトール添加、C
)グリセロール添加、D)スクロース添加、E)イノシトール、グリセロール、
スクロース、アラビノース添加のものを示す図である。
【図9】 開花後15から39日の間の綿繊維から、本発明に従い、HCl
により抽出した炭水化物多量体を示す図であり、これらの多量体は、普通に成長
させた植物の綿ボールからのものであり、著しく規則的な周期パターンを示すこ
とを表した図である。
【図10】 開花後12から36日の間の綿繊維から、本発明に従い、HC
lにより抽出した炭水化物多量体を示す図であり、これらの多量体は、最適以下
の潅水を受けている一部の畑で成長する発育阻害植物の綿ボールからのものであ
り、特に15から20分の保持の間で不規則なパターンを示していることを表し
た図である。
【図11】 正常綿繊維から抽出した多量体と、テンサイの根の部分から抽
出した多量体とを比較した図であり、これらの炭水化物のいくつらかは互いに大
きく異なる植物の細胞壁において見出されること、テンサイ組織は真菌(リゾシ
オニア)に感染しており、感染のストレスによりテンサイの多量体が変化するこ
とを示した図である。
【図12】 正常(p)の及び異常なホワイトスペク(w)繊維から抽出し
た多量体を示した図である。
【図13】 ホワイトスペク(w)繊維では正常(p)繊維よりもアラビノ
ース(ara)が増加していることを示す、図12からの多量体プロファイルの
拡大図である。
【図14】 多くの異なる基質の組み合わせ(表1に示す)と共にインキュ
ーベートした後の正常繊維から抽出した多量体を示した図である。
【図15】 染色していない(A)及び染色した(B)綿タオルから抽出し
た多量体を示した図であり、各場合において、上のトレースは新しいタオルの抽
出物であり、下のトレースは一度洗濯した後の抽出物である。
【図16】 古く、何度の洗濯した枕カバー(上)とタオル(下)から抽出
した多量体を示す図である。
【図17】 早朝、真昼、及び夜更けの綿繊維を用いた蛋白質分解酵素実験
に対する流れ図である。
【図18】 早朝(A)、真昼(B)、及び夜更け(C)の繊維に対し、図
17のスキームを用いて抽出した多量体を示した図であり、炭水化物多量体のほ
かに、蛋白質も示している(A280)図である。
【図19】 プロテアーゼ:トリプシン(T)、キモトリプシン(CT)あ
るいはプロテアーゼ無しの対照標準(C)で処理した図18の3つの多量体抽出
物を示した図である。
【図20】 接着剤マトリックスを抽出する前に綿繊維を煮沸する効果を示
した図である。
【図21a】 正午に収穫した繊維に関して実行した、図20に示したよう
な煮沸抽出物対無煮沸抽出物を示した図である。
【図21b】 午前中に収穫した繊維に関して実行した、図20に示したよ
うな煮沸抽出物対無煮沸抽出物を示した図である。
【図22】 図20における抽出された接着剤マトリックスの酸加水分解の
結果を示した図である。
【図23】 様々な分子量カットオフフィルタを通過した(濾液)あるいは
フィルタにより保持された(保持物:レテンテート(retentate))抽出接着剤 マトリックスの成分を示した図であり、上から下まで、30キロダルトンフィル
タ保持物、10キロダルトンフィルタ保持物、4キロダルトンフィルタ保持物、
及び4キロダルトンフィルタ濾液であることを示す図である。
【図24】 3つの時間(朝、昼、晩)に収集し、3つの温度、37℃、2
5℃、4℃の1つで抽出した8DPA繊維からの抽出物の組成を示した図である
【図25】 同じ繊維に関係する「ホワイトフレーク」を有する繊維の炭水化
物組成を比較した図である。
【図26】 抽出プロセス中に様々な基質(CB=セロビオース、raf=
ラフィノース)を繊維と共にインキュベートした効果及びプロセスに関する添加
ツニカミシン(T)の効果を示す図である。
【図27】 単離多量体に関するセルラーゼまたはβ−グルコシダーゼの効
果を示した図であり、対照標準は酵素処理がされていない単離多量体である。
【図28】 最初にプロテアーゼ(キモトリプシン)あるいは最初にセルラ
ーゼで処理した繊維の第1のインキュベーションから抽出した炭水化物を示す図
であり、PMSF=フェニルメチルスルホニルフルオリド、セリンプロテアーゼ
阻害剤である。
【図29】 繊維の第2のインキュベーションから放出される炭水化物を示
す図であり、セルラーゼ繊維はキモトリプシンを用いた第1のインキュベーショ
ンを有し、キモトリプシン繊維はセルラーゼを用いた第1のインキュベーション
を有した。
【図30】 図28と図29の2つの抽出後に繊維から抽出された多量体を
示す図であり、CT=キモトリプシン、PMSF=フェニルスルホニルフルオリ
ドである。
【図31】 セルラーゼのみ(1)により放出された炭水化物、あるいは1
25mM(2)または250mM(3)カルボジイミドと共に架橋した後に放出
された炭水化物を示す図である。
【図32】 キモトリプシンのみ(1)により放出された炭水化物、あるい
は125mM(2)または250mM(3)カルボジイミドと共に架橋した後に
放出された炭水化物を示す図である。
【図33】 (第1のキモトリプシン処理後)セルラーゼ処理のみ(1)に
より放出された炭水化物、あるいは125mM(2)または250mM(3)カ
ルボジイミドと共に架橋した後に放出された炭水化物を示す図である。
【図34】 (第1のセルラーゼ処理後)キモトリプシン処理のみ(1)に
より放出された炭水化物、あるいは125mM(2)または250mM(3)カ
ルボジイミドと共に架橋した後に放出された炭水化物を示す図である。
【図35】 キモトリプシンにより放出された炭水化物の280nmでの吸
光度を示すであり、蛋白質または糖蛋白質の存在が示されている。
【図36】 図31から図34の酵素消化後に残った白色粒子(おそらくセ
ルロース)の加水分解生成物を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/106,001 (32)優先日 平成10年10月28日(1998.10.28) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AU,JP,M X Fターム(参考) 2G045 AA31 BB46 BB48 BB60 CB20 DA30 DA31 DA80 FA27 FA29 FB01 FB06 GC10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物材料を凍結させ、凍結乾燥させる工程と、 植物材料の冷水溶液抽出物を作製する工程と、 予め抽出した植物材料について煮沸希塩酸を用いて再抽出する工程と、 塩酸抽出物を分析し、一連の炭化水素多量体を明らかにし、多量体のパターン
    から成長ストレスがあるか無いかを明らかにする工程と、 を含む植物材料中の成長ストレスをモニタするための方法。
  2. 【請求項2】 織物の品質に関する異なる製造工程の効果を予測するための
    織物分析方法であって、該方法は、 様々な織物サンプルについて熱希酸を用いて抽出する工程と、 抽出物を分析し、一連の炭化水素多量体を明らかにする工程と、 どの製造工程により抽出された多量体のパターンが変わるかを決定する工程と
    、 を含む方法。
  3. 【請求項3】 綿織物を分析し、異常な染色特性を有する異常な綿繊維の存
    在を予測する方法であって、該方法は、 綿織物サンプルについて熱希酸を用いて抽出する工程と、 抽出物を分析して、一連の炭化水素多量体を明らかにする工程と、 どの抽出物において、グルコースに対するアラビノースの比率が高いかを決定
    する工程であって、そのような高い比率は異常な染色特性を予言するものである
    、工程と、 を含む方法。
  4. 【請求項4】 綿繊維を化学試薬で処理し、繊維内の蛋白質上に存在するア
    ミノ基との共有結合を形成させる工程を含む炭化水素の抽出性を減少させるため
    に綿織物を変化させる方法。
  5. 【請求項5】 化学試薬はカルボジイミドである請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 化学試薬はアミド結合を形成する請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 繊維を最初にセルラーゼで処理し、その後プロテアーゼで処
    理する連続処理工程を含む、酵素により綿繊維を分解し、本質的に純粋なセルロ
    ースを得る方法。
JP2000527822A 1998-01-07 1999-01-07 植物内での成長およびストレスを検出すると共に紡織繊維の品質をモニタするための方法 Pending JP2002501172A (ja)

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US10600198P 1998-10-28 1998-10-28
US09/003,679 1998-10-28
US60/096,162 1998-10-28
US60/106,001 1998-10-28
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